この旅の写真はココ(03/2月〜3月)

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ハヌマン・ジー


インド列車内の風景

オールドデリー駅は夜にもかかわらず、たくさんの人がうごめいている。えび夫婦もホームでチャイを飲みながら列車を待つ。まだ夜は寒いこの時期、あったかいチャイが本当にありがたい。列車旅に備えてビスケットとバナナ、水の必須3点セットも購入済み。これからラジャスタンのジョードプルに向けて夜行の旅だ。

時間通りやってきた列車(ま、始発駅だし)に乗り込み、荷物に鍵をかける。車内禁煙のため、夫は発車時間までホームでタバコの吸いだめ。本当はホームも禁煙らしいのだが、まわりのインド人もそんなことかまっちゃいない。

同席の乗客たちも身の回りを整えてする事がなくなると、車内の異邦人である私らに興味が集中する。えびは基本的に(若い男やオヤジのぞく)じーっとこちらを興味深げに眺める目と出あったら、すかさず「わたくし、貴方様に敵意などございません」と笑顔で先制攻撃をする事にしている。すると大体のインド人は、やったとばかりに話しかけてくるのである。

てなわけでちょっとどんな会話なのかサンプルとして載せてみよう。インド人と会話する時はいつも似たり寄ったりこんな感じ。ちなみに去年旅したケララに比べて英語の通用度はかーなーりー低い。いつも何人かのインド人の中に一人くらいちょびっと英語を話せる人がいて、ヒンディ語混じりで会話が成立する、って感じだった。

 


グジャラーティ夫婦 この会話の主なしゃべり手は、ジャイナ教の寺参りの為に旅行しているというボンベイの夫婦。元々はグジャラート州の人たちらしい。
肩掛けが前の方にたれているママのサリーの着方(普通は後ろにたらす)は、グジャラーティースタイル。

インド人にならって私も聞いてみました。ママの金の腕輪、一本1万ルピー前後。金はどこの国に行ってもお金に換えられるからね、との事。サリーは300ルピー。インドの中流家庭ってとこでしょうか。



やはりまず、どこの国から来たのかという質問が一番に来る。
「ネパリ?」
*一般インド人にはネパール人と思われること多し。しかし今回、観光地では「コリア?」と聞かれることもすごく多かった。韓国人旅行者のインドでの台頭振りをまざまざと感じる。
「ジー ナヒン(NO) ジャパニ」
「ジャパニ!へー、ヒンディ語知ってるの?」
「ちょっとだけ話せます。ヒンディ映画で勉強しました
(←映画好きな一般インド人用のつかみ いや別につかむ必要もないのだが・・・)
「ヒンディ映画は日本でも見られるのかい!?どんな映画を見たんだい?」
*・・・ここでひとしきり映画の話・・・

「彼は私の夫です」
*インド人には「夫婦」である事を強調した方がウケがいいので、いつも先にこれを言っておく。
「それは素晴らしい。良いことだ。結婚して何年?」
「5年です」
「子供はいないのか?」
「まだです」
「そうか、大丈夫きっともうすぐだよ。ウチは男の子2人に女の子2人・・・」
*インド人には子供なしって事はどうも考えられないらしく、よく慰められる・・・・。ここで延々とそれぞれの子供は何をしていてどこに住んでいて、という話題・・・

「日本では何の仕事をしているの?」
「夫はエンジニア、私は写真屋で働いています」
「ほうほう、エンジニア。どこの会社?(写真屋はたいてい無視される)」
「●●●」
「うん、良い会社だ。日本ではホテルや食べ物の物価は高いけど、テレビや時計は安いんだろう?」
「そうですね、でも食べ物はホントすごく高いです。このミネラルウォーター(1リットル)だったら100ルピーくらいします」
「インドじゃたったの10ルピーだよ そのカメラはいくら?」
*いつも一番困る質問。ついついかなり安めに答えてしまう。またここで何がいくらって話延々。家の間取り図まで書かされ家賃を聞かれる。この夫婦のボンベイの自宅はでっかいホール、ベッドルーム、キッチン、バストイレしめて515フィート(と言われてもよくわからん)で13万ルピーだったそうだ。日本円にして30万ちょいで家が建ってしまうのね・・・。

「ところでグジャラーティー(グジャラート州の人)のご飯を食べてみたくないかい?」
「えっと、でももう夜遅いし・・。ご迷惑じゃ・・・」
すでにこの時点で夜11時過ぎ。もちろんお腹は空いてない。
「ノープロブレム。グジャラーティの伝統的な朝食なんだよ。ちょっと待って」
かばんの奥底からアルミのお皿が登場し、そこにスナックのようなものが盛られる。
「これはチウラーとダールームという食べ物で、毎朝これをチャイと一緒に食べるんだよ」

「何でできてるんですか?」
「米の粉だね。美味しいから食べてごらん」
「あっ、ホント美味しい」
(これは本当に美味しかった。よかった)
「だろう?ほらもっと食べて食べて」

*喜ぶおじちゃん。皿はたちまち容赦なく山盛りに・・・
「あああっ、いや、ホラ、貴方たちが食べるのがなくなっちゃうし」
「大丈夫大丈夫、私たちはいつもこれ食べてるんだから一日くらいいいんだよ。そうだ、ここに残りがあるからこれは旅の途中に食べるように持って行きなさい。ホラ、包んであげて。さあさあ、遠慮しなくていいから」

ニコニコニコニコ。・・・・・

この辺で、夫と日本語の会話がコソコソ交わされる事になる。
「どうすんだよコレ、こんなに。お前ももっと食ってくれよー」
「がんばってるよぅ。これやっぱ残すわけにはいかんよね・・?」
「オレにはできん。ホラ、早く全部食って皿返さないと寝られんぞ」
「うー、眠いんだけどなあ・・・」

「ところで君達はボンベイには来ないのかい?」
「えーと、今回はちょっと行けないみたいなんですが・・・」
「ええっ、ボンベイはすごいよ。ぜひ我が家に泊まりにおいでよ」
・・・・こんな調子で会話は長々と続き、旅に疲れた日本人夫婦をなかなか寝させてくれないのだった。インドの夜は長い。そして今度こそ、長い移動の時まわりの乗客に話すきっかけを与えるのはやめようと決心するえびであった。

*ちなみに夫はだいたい「疲れる」「めんどくさい」という理由から会話にはあまり参加せず横でニコニコしているだけ。いいなあ楽で。あ、いやいや、ワタシが連れ回してるんですがね。外渉担当はすっかりえびになっているので、あるホテルでは「この人のガイドかと思った」と言われてしまった(泣)。

デリーはとバスツアー

◆夫婦がデリー版”はとバスツアー”でめぐった場所14箇所。わざわざノートに列挙してくれたのだった。
「これだけ半日でまわって1人100ルピーだよ。安いだろう?あなた達もデリーに戻ったらこのツアーに参加すればいい」
安いけど、キツそうです。

寡黙なインド人

◆同席していた寡黙なおっちゃんは軍人さん。黙ってるのでおしゃべりキライなのかなーと思ったら、時々ぼそっと参加してきた。シャイで寡黙なインド人ってちゃんと存在するんだー。

 

チウラーとダールーム

◆夫婦がオミヤゲに持たせてくれたダールームとチウラー。

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