この旅の写真はココ(03/2月〜3月)

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ハヌマン・ジー


豪華バスでハリドワール行き

デリーからハリドワールへはバスで5時間ほどらしい。しかしプシュカルからマンダワへの怒涛の移動を経験したえび夫婦はちょっと違う。狭い座席、しょちゅう停まるバス停などを避けるべく、公営バスではなく私営の豪華(客引き曰く)
ベリーファスト・ラグジュアリーバスを選択した。さあ、そのファストでラグジュアリーな道中の様子を夫に語っていただきましょう。

ガタガタ ガタガタ・・・・ ぜんぜん、揺れまくるんですけど・・・・
ガタガタ いやその道、狭すぎて入れんやろうって。ホラ、言わんこっちゃ無い、後戻りやん。
ガタガタガタガタ  あっ、危ない、路肩に落ちるって!落ちる!!ていうかもう落ちてるバスいるし。
ガタガタガタガタ まだー?しりが痛いーーーー ハラ減ったよう。
ガタガタ あっ、明かり!あそこ!着いたっちゃない?! ・・・・あ、まだですか・・・。

以上。

ラグジュアリーベリーファストなんです。そのはずなんです。でも幹線が通行止めになっていたようで、どのバスも連なって干された牛糞の続くあぜ道を何時間も進んだのです。
5時間で着くはずだったのが10時間もかかったのは、別にインドの魔法でも何でもないのです。ええそう、私達夫婦の運が悪かっただけです・・・・。

しかしこのバスにはもっと運が悪い西洋人が2人ほど乗り合わせていた。彼らはハリドワールの先の町、リシュケシュまでの切符を買ったのだ。しかしハリドワール到着があまりに遅くなった為、このバスはリシュケシュまでは行かないらしい。他のインドジン乗客とえび夫婦がハリドワールの町に消えていく中、彼らはいつまでもバスの車掌に講義し続けていた。がんばれー。いやー、人間、自分より運が悪い人を見るとなんだか元気がでるもんだなあ(←鬼)。


◆こんな道を延々とバスでやってまいりました。


ハリドワール良いとこ一度はおいで

ハリドワールはガンジスの上流にあたるヒンドゥ教の聖地。同じ聖地でもプシュカルと違って外国人観光客は少なく、「村から親戚一同でがんばってやってきました!」て感じの巡礼インド人にあふれている。

ガンジス河に巡礼とくると、「生と死!」とか「人生!」とか「オーラ!」とか「サイババ!!」(←?)とか、その手の言葉にうっかり巻かれてしまいそうな気もするが、ここはガート沿いも綺麗に整備されていて、轟々と音を立てて流れるガンガーも上流に近いせいかにごりも無く見た目OK。真剣に祈るインド人の横で水をかけあってはしゃぐ親子がいたりして、なんだかみんな楽しんじゃってるのだ。巡礼半分、ピクニック気分半分。昔の日本人のお伊勢参りってこんな感じだったのかもなあ。

それでもやっぱり聖地は聖地。祈ってる人はさぞ感無量でかつ真剣なのだろう。そう思うと、どうしてこの方々にカメラなんぞむけられましょうか。ええ、私はそんな傍若無人な侵入者にはなるまい。そりゃ、撮りたいのは撮りたいさ。撮りたいとも。でも、人間としてそれは間違っている!

そう固く決心したえびの周りを数人のインド人青年が取り囲む。みんな手に手にカメラを持っている。あれ・・・?キミ達、何者?え、あなた達、カメラマンなの?はあ、巡礼者の礼拝の様子を撮ってあげている、と。ん?これ、そうそうNIKONのカメラ。うん、まあ、日本製だけど。え?そんないいカメラ持ってるのに何で撮らないのかって?ええと。あ、あのまん前で沐浴してるばあちゃんを撮れ?だ、大丈夫なの!?大丈夫?じゃ、ちょっとだけ・・・。何、次は横で髪をそってるおじちゃんを撮ってやれって!?ぎゃっ、その人死者を弔ってるんじゃないの!?・・・え、せっかくなんだから撮ってあげろって!?だ、だってだって・・・・ 


◆ハリドワールカメラマン部隊。

この調子でインド人カメラマン集団からどんどん指導が入り、思いっきり写真を取り捲ったえびであった。人間〜なんてララ〜ラ〜ラララ ラ〜ラ〜。


◆ガンガーでシャンプー。


◆みんなに一緒に写真を・・・と言われ、ちょっとアイドル気分。実はNIKONが人気だっただけ?


ハリドワール名物 夕べのプジャ

ハリドワールのメインガート、ハリ・キ・パイリーでは、夕方になるとプジャ(礼拝)が行われる。これが良いよ!と友人どもから聞いていたので楽しみにしていた。

夕方の5時半ごろ、ゆっくりと暮れ行く空の下、ガート沿いにぽつぽつと人が集まり始める。えび夫妻もガンジスに流すフラワーボート(葉っぱのかごの中に花を散らした灯篭)を買い込んでガート沿いに座り、インド人に混じってプジャの時刻を待つ。やがて川沿いがぎっちりと人で埋まった頃、向こう岸で大きなたいまつが燈され、プジャの始まりだ。流れてくる音楽はヒンドゥ教の定番ソング、OM JAI JAGDISH HARE。この歌はよーくインド映画に出てくるので、ヒンディ映画ファンえびはソラで歌えちゃったりするのだ。ガンガーのほとりでインド人に混じってOM JAI JAGDISH HAREを歌う。うっとり(?)・・・。

と、せっかくうっとり気持ちよく歌っていたら、目の前をどんぶらこどんぶらことフラワーボートが流れていく。えっ。もう流すの?あわててえびも流そうとすると、周りのインド人達がみんなで止める。え?まだ?じゃ、もうちょっと歌って・・・あ、また流れてきた。ほら、流れてきてるよ!・・・ええ、まだなの?じゃ、あれはフライングのフラワーボートですか!?一体いつ流すの?まだ?まだ?


◆みんなでプジャを待つ。


◆直径約30センチのフラワーボートで20ルピーくらいだったかな?


こんな感じでアタフタしているうちに歌は終わり、寺院の鐘がいっせいに響き渡ると、周囲がホラ!今、今!とえびに向かって騒ぎ立てる。他のインド人を真似して火をつけたフラワーボートを顔の前で何回かまわし(これがおかしかったらしく、インド人バカうけ)、ガンガーに流す。はあはあ。ま、間に合った?

しかし、インド人ったら。歌が終わるやいなや、クモの子を散らすようにあっという間に撤収〜!その早いこと早いこと。今の今まであんなに真剣に祈っていたかに見えたのに。あなた達、ちょっとは感慨に浸るとかさ。余韻とかさ。そういう、こう、情緒的なものって、無いのかなあ!?

そしてえびの流したフラワーボートは無残にも河の流れに呑まれ、もくずとなって消えていったのであった。うーん。



さ・・・っさと解散、インド人。

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