王様、乞食へと転落
さあ、ほっこりジュンジュヌを出て次に向かうはガンジス河上流の町・ハリドワール。まずは夜行でデリーへと舞い戻らねば。
プラットフォームで列車を待つ人々の塊が、あちこちに影となって浮かび上がる、夜中のジュンジュヌ駅。冬を抜けきらない3月はじめ、さすがに吹きさらしの中で待つのはツライ。あったかいチャイでもあればどんなにか助かるだろうに、こんな田舎の駅ではそれもままならぬ。他の人の真似をして、ショールや布を頭からかぶり、隅っこに小さくなる。
ふと横を見ると数人の警官が、一人の男を囲んで立っている。男の手には手錠。こ、これはどう見ても罪人の護送・・・?いやーん、列車、一緒なのー!?闇に光る警官の拳銃が不気味さをかきたてる。ちょっと、そこの警官たち、犯人交えて談笑なんてしてないで、ちゃんと警備してよ!頼むよ!
つい2日前まで王様だったはずなのに、今じゃ夜中のプラットフォームで寒さに震え、罪人におびえつつ、インド人と一緒に丸まってるえび夫妻。一挙、乞食転落だ。まー、何とダイナミクスレンジの広い事。さすがはインドね。ぐっすん。 |

◆夜更けのジュンジュヌ駅。寂しい・・・。でもこういう時が一番「旅してる!」って雰囲気がするのよね。
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