この旅の写真はココ(03/2月〜3月)

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ハヌマン・ジー


困惑の町 マンダワ

実はマンダワでは、人との距離感にけっこう戸惑っていた。小さな小さなこの田舎町、まだ観光客はそんなに多くなく、どこに行っても人の視線が突き刺さる。まあそれはインドではよくある事として、普通はこの後こっちからたどたどしいヒンディ語で話しかけて行けば、一気に場が和んで・・・と進むはずなのだが、この町では笑顔が空しく空振りするってのがよくあった。えっとお、ちょっと中国風味てカンジ?

たまににっこり返してくれて話をした後、写真を撮らせてもらったりしても「お金」。こういう時他の町では、
「アレアレ、パーガル ホ ガヤー(あれえ、おかしくなっちゃったよ!)
と冗談にし、周りの人を巻き込んで皆で笑ってごまかす技ができたんだけど、ここでは話が違う。周囲にいる人皆がよってたかって
「この人にお金を払え」と詰め寄ってくる。

子供達も外国人と見ると取り囲み、あの手この手でなんとかお金を出させようと必死。都会や有名観光地でやられても何とも思わないが、こんな田舎でやられるとちょっと切ないよなあ・・・。

たぶん、時期が悪かったんだと思う。小さな田舎町に宮殿ホテル目当てのツアーがやって来始め、外国人はしつこく迫れば金をくれるという事がわかってきた頃。でも閉鎖的なムラ社会。よそ者はよそ者。日本の田舎だってきっとこういう対応をすると思う。それがわかってて居心地が悪いのは、今まさに自分がこの町を変えようとしている張本人なんだって自覚しちゃってるから、だろうなあ。

というわけで、ちょっと凹んだマンダワだったのだ。いや、もちろん親切な人もたくさんいたのよ。


◆なんだかんだ言いながら、人の写真たくさん撮らせていただいてるんですけどね。


◆マンダワには野良孔雀がいっぱい。朝から泣き声がけっこううるさい。

豪華ホテルを後にして、マンダワで泊まったゲストハウスの壁画。宮殿ホテルではさんざん感心した細密画だが、やはり素人が手を出すととんでもない事になってしまっている。もうデッサンとかそういう問題じゃないし。

ていうか、お嬢さん乳はみだしてますよ?この宿の壁画はもれなくハミ乳だったので、きっとオーナーの趣味でしょう。




ジュンジュヌで またヤル気充填

そんなわけで、マンダワを後にバスで小一時間、ジュンジュヌに来た時は、パアッと気分が明るくなった。うわあ。大きな町だ。(後から考えるとぜんぜん大きくないけど)品物も豊富だし、人も笑顔だし、適度な都会ってなんて心地よいのでしょう。そして気の持ちようが変われば人の対応も変わるのか。ジュンジュヌではすごい密度で親切(おせっかい?)に出会う。

立派なヒゲをたくわえたターバンのおじいちゃん。えび夫妻を見つけるなり、突如握手にやってきて、自分の孫を見てくれと。

それからしばらく進むと、今度はビジネスマン風のおじちゃんがまたイキナリ握手。それを見たのぼせもんの若者も真似してわさわさ握手にやって来る(←これには握手ではなくインド式ナマステで返す。単に女の手が触りたいっぽい・・・)。
インドったら。ウフ。

デリー行きの切符を確保しようと駅に向かう。ここがまた、のんびりした駅で。切符売り場には客はたったの2人。静かな構内を行き交うのはヤギばかり。えびインド史上最強に切符の買いやすい駅だというのにその上、知らないおっちゃんが予約シートを書き込むペンを貸してくれ、書き終わったのをチェックまでしてくれて、買えたのを確認した上で笑顔で去っていく。
インド、やるわね。

お次は郵便局。ここは駅と違ってすんごい混雑。しかもエアメールの窓口が誰に聞いてもよくわからず、並んでは次の窓口にたらいまわし。と、ここで一人のお兄ちゃんがえびのハガキを持ち、果敢にあちこちの列にアタックし(まあ平たく言えば横入り)、切手を貼る糊までゲットしてきて、ポストに誘導してくれる。

インドってば、ステキかも・・・。

この町のオート(リキシャ)は、前後に席がある乗り合いだった。そこで乗り合わせたおじいちゃん。一生懸命話しかけてきて、えびの頭をなぜたり、顔を手でつついたり(でもおじいちゃん、手めちゃめちゃ汚いし)。 娘にそっくりだと言ってるようだ。あげくに後ろに乗っている孫(?)のカバンの中をゴソゴソ探り、えびの手にきゅうりを握らせてくれ、食べろと勧める(いやだから、おじいちゃんの手もそのカバンもめちゃめちゃ汚いし)。

ああ。インドってやっぱり、いいなあ。

わが身の単純さを再確認したジュンジュヌの町なのであった。まあ、旅なんてこんなもんさ。


◆シェカワティ地方は家々に残る壁画が見所、らしい。確かにたくさんあったな。


◆軒先で銀製品を作っていたおにいちゃん。この人からナインストーンの指輪を買った。

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