この旅の写真はココ(03/2月〜3月のたび)

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ハヌマン・ジー


はじめての、インドでおつかい

さて。デリーに着いたのである。インドの首都なのである。

今回、デリーではひとつ用事があった。実はえびってば、インドの伝統舞踊・オディッシーを習っていたりするのだが、その先生からのおつかいを頼まれていたのだ。
先生のダンス仲間、インド人オディッシーダンサーのサミールという人に会って「インドから衣装を送ってもらった分の代金」と「先生からのプレゼント」を渡すこと。そして時間があれば踊りの稽古をつけてもらいなさい、と。
本場インド人ダンサーに稽古をつけていただくなど、とビビるえびに先生は


「大丈夫、サミールは志村けんにそっくりだから」

とにっこり笑って送り出してくださった。何が大丈夫なのかはよくわからないが、なんとなく安心する一言ではある。

デリー到着の日のゲストハウスはあらかじめネットで予約しておいたので、連絡先も先生を通じてメールしてもらっていた。なにせ、その日の夜には夜行でラジャスタンに出発してしまう。できれば今日会って、おつかいをすませたい。
しかしそこはインド人。やはりホテルに連絡は来ていなかった。だから今日の夜発つと言うとろうに。ううむ仕方ない。できれば避けたかったが電話するしかないであろう。ああ英語で電話ってキンチョーするのよねえ。しかもインド人英語、電話で聞き取れるだろうか。ドキドキ。

ゲストハウスのレセプションで電話を借り(意外とこれが市内電話タダだった)、まるで愛想のないカウンターのオヤジと向き合いながら、緊張の面持ちで電話をかける。
ジーッ・・・・・ガチャッ   わ、出た!
しかし、受話器から聞こえてきた第一声は

「はーろーう?」

・・・・子供である。しかも幼児である。一瞬の間。

「え、えーと、サミールいるかな?(英語)」
「???」
「サミールと話したいんだけど。(英語)」
「???????」


うーん、やはり幼児に英語は無理か。えーい、ままよ!こうなりゃ半年前からちょこちょこ勉強中のカタコトヒンディの活躍の時だ!

「貴方様の家の中にサミール殿はいらっしゃいますか?私は日本人です」
(ヒンディ語超初心者の為砕けた物言いができず、幼児相手に超丁寧語)

「サミール?ホニャララホニャララ」

ガタッ。受話器を置く音と誰かを呼びながら駆け出す幼児A(仮名)。おっ、こいつ理解したか!?サミールを呼んでくるのか?受話器の向こうから サーミール なんとかかんとか と叫んでる声が聞こえる。んっ、誰か来たみたいだぞっ。

「はろーう・・・・」

がくっ。今度は
幼児Bである。この家には幼児しかおらんのかっ!!
そしてなぜか機関銃のようにしゃべりだす両幼児。

幼児 B「ホニャララ〜ホニャララ サミール ナヒン ホニャララ〜」
幼児A「キャー フニャフニャ ホニャホニャ ヘ」
幼児B「ホニャラララ〜」


・・・・・突然のヒンディ語にアタマはまっしろ。しかも何かだんだんたんなる幼児のおしゃべりモードに突入してしまっている様子。思わず、
「間違いました!!!」
と電話を切ってしまった。はあはあ。
はじめてのインドのおつかい、あえなく撃沈だ。日本人でも電話での幼児はなかなか難儀だというに、それがインド人ともなるとあまりにも大きな試練だった。

そして後からよく考えたら「間違いました」と言ったつもりだったヒンディ語、
「私は間違いと申すものです」 と言ってしまっていた・・・。(機内食を頼むときI'm chickenって間違っちゃうアレね)どうりでカウンターのオヤジが新聞の陰で冷笑を浮かべていたわけだ。

突然電話をかけてきた日本人の「間違いさん」はインド人幼児A・Bの心に深く記憶されることであろう。彼らにとってはかなり面白いイベントであったには違いない。先生すいません。インドの幼児に負けました。インドでのおつかいを果たすにはまだまだ修行が足りないようです。

◆安食堂で食べたカレーは見事にまずかった・・・。南インドでは一度もまずい食事にあたった事がなかったのを思うと、南インド食の偉大さがよーくわかる。


◆毒々しい色のブルーペプシ。味は普通。







◆デリーでもらった洋服屋の広告チラシに載っていた最新流行(?)パンジャビ。うーん洋服みたい。さすがはデリー。


というわけで任務のなくなったえびは南デリーの買い物どころディッリー・ハットに出かけた。バス停で人に聞きつつ乗り換えつつ行ってみたわけだが、悪評高いデリーだってもちろん一般人は親切だ。バスで隣に座っていたお兄ちゃんが生まれたばかりの子犬を膝にのせていて、そのせいで満員バスもなごみムード。
いや、オートリキシャの運転手だってパハルガンジ(安宿街)の客引きだって、別にぜんぜんOKな感じ。どうしていつも旅人の評判は悪い方に話が大きくなってしまうんだろう。

ディッリー・ハットは入場料を取るだけあって、さすがはお金持ちっぽいインド人にあふれ、お洋服を着たインド人親子が優雅に買い物を楽しんでいらっしゃった。そうか、映画で見るようなインド人ってこんな所に存在していたのね。そしてそういうカッコのインド人集団には、デリーを出たこの後の旅では一度もお目にかかる事はなかったのである。うーん、さすがはデリー、インドの大都会。


◆インド婦女子の群がるアクセサリー店で母のオミヤゲに買ったガラスのネックレス。けっこうちゃんとした作りで豪華なのに70ルピー(約180円)。ディッリー・ハットは物もいいし、定価販売で安いのです。

ディッリー・ハートで購入したパンジャビ(えび)とクルタ(夫)。

夫はこれをパジャマ代わりに買ったのだが、意外と気持ちよかった(夫が服を選ぶ最重要ファクター)らしく、しかも出たハラが目立たないのが良いと、その後の旅行中愛用していた。しかし、これを着てる時日本人に会うのはちと恥ずかしい。

えびのパンジャビは一面にビーズが刺繍してあって見た目はかわいいのだが、裏を見ると糸の渡し方がめちゃくちゃでビーズが取れる取れる。こんな事ならいっそ始めからいらん刺繍しなきゃいいのに・・・(←インドでよくある感想)。

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