夕食は中庭のこぢんまりしたレストランで。スイートの鍵についた鈴をこれ見よがしにぢりんぢりん鳴らしながら歩くと、何も言わないうちから
「スイートのお客様でございますね。お席はこちらにご用意しております」
と給仕が寄ってくる。くうっ!気持ちいい〜っ!!(その後談話室にいる時にも、「あなたがたがスイートのお客様ですね」とオーナーが挨拶にやってきたりしたのだった。スイートの威力ってすごい)
中庭には泊り客全員集合でツアーの西洋人がウロウロしているのだが、しょせんキミ達スタンダードでしょ。庶民でしょ。この人たちの中で、えび夫妻が一番お高い部屋にお泊りよ。何と言っても1室しかないスイートの客だからね。ほほほ。ほれほれ、レストランの座席も一団高いところになっておる。予が王じゃ。
さすがは宮殿レストランの500ルピーもするディナーだけあってダンスショーなぞあったりするのだが、これが爆笑。出し物はファイヤーダンス。と言っても別に芸があるわけでも何でもなく、後ろに楽隊を引き連れ、手に火のついた棒を持ったジイサン=チャームポイントはツルツルピカピカのほっぺと笑顔 が、ヨロヨロしながらへっぴり腰を微妙に振って歩くだけ。うーん、あの微妙なヨロヨロ具合が実は名人芸だったりするのだろうか。
そして各テーブルの間を練り歩くのだが、ここでもスイートは別格。テーブルのすぐ前のポイントにとどまって存分に腰を振り、こっちの爆笑を誘う。ほとんど無芸に近い芸なのに、こんなに笑わせてくれるジイサンなんてなかなかおらん。いや彼的には別に笑いを取ろうと思っているわけではなかろうが。レストランを出る時はちゃっかり入り口に控えてチップを待ってるし。もちろん、王たるものチップのひとつも与えずして何としよう。堂々と10ルピー(←弱気・・・)を渡し、ジイサン歩きで腰を振り振り王の部屋へと帰るのであった。
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一瞬、まるでかっこいいかのような
ジイサンですが、その実態は↓
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