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Tomisawa Dental Clinic in Chofu -shi Tokyo

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セファロ分析

頭部X線写真をトレースして計測点と計測平面を設定していきます。そしてこれらの設定した各平面や軸が基準平面となす角を計測し、平均値と比較することにより分析を行っていきます。基準平面のとり方や計測項目により幾つかの分析方法があります。現在次の様な分析方法が一般的に用いられています。

分析方法 特徴
Downs法 基準平面をFH平面におき、各平面や軸の角度を計測する方法
Northwestan法 基準平面をS-Nにおく方法、SN平面が7歳以降で成長変化が少なく安定しているとの研究結果に基づいている。
Ricketts分析法 Ba-N平面を基準とする方法で、頭蓋低の前方部だけではなく、後方部の特徴や成長変化の影響も情報として捉えることができるといわれている。
組み合わせ法 上記の方法で各々の骨格的歯列的特長により、比較的安定した計測項目を比較する方法
重ね合わせ法 各ポイントを結ぶ多角形(プロフィログラム)を描き、成長段階別の基準値プロフィログラムに重ねあわせて、その図形を視覚的に比較する方法。
計測角

骨格型と咬合型それぞれについて計測項目が下記の様に定められてれています。計測角のうち臨床で比較的利用価値の高いものを骨格型と咬合型に分けて抜粋しました。

セファロ分析
骨格型
計測角 定義 臨床的意義
顔面角 顔面平面(N-Pog)とFH平面のなす角度 オトガイ部の前後的位置関係を判断する
Y軸角 Y軸1(s-Gn)とFH平面ののなす角度 下顎の前方および下方への発育の度合いをあらわす。一般に下顎前突で小さくなる。
SNA角 SN平面とNとAを結んだ直線のなす角度 脳頭蓋低に対する上顎歯槽基底部の前後的位置関係をあらわす。上顎前突傾向で大きくなる
SNB角 SN平面とNとBを結んだ直線のなす角度 脳頭蓋低に対する下顎歯槽基底部の前後的位置関係をあらわす。下顎前突傾向で大きくなる
ANB角 NとA、NとBを結んだ直線のなす角度 上下顎の相対的な前後的位置関係を評価する。上顎前突傾向で大きくなる。反対咬合ではマイナスの場合もある
MP to FH (FMA) 下顎下縁平面とFH平面とのなす角度 下顎下縁の傾斜度を判定する
Gonial angle ramus planeとmandibular planeのなす角度 下顎角の大きさを判定する。
咬合型
計測角 定義 臨床的意義
interincisal angle 上下中切歯の歯軸がお互いに交わる角度 上下顎が前突傾向にあると小さくなる
U1to FH FH平面に対する上顎前歯の歯軸傾斜角 前歯が前方に傾斜して前突傾向になると大きくなる
U1 to SN SN平面に対する上顎前歯の歯軸傾斜角 同上
L1 to Mandibular plane 下顎下縁平面と下顎中切歯長軸のなす角の余角 下顎前歯が前方に傾斜すると大きくなってくる
L1 to FH (FMIA) 下顎中切歯歯軸とFH平面とのなす角 下顎前歯が前方に傾斜すると小さくなってくる
分析方法

上記の計測項目について、日本人男女別に各発育段階ごとの平均値と標準偏差が求めれています。実際の臨床における診断ではその数値の比較から各症例の形態学的特長をとらえていきます。

東北大学歯学部においてはセファロ計測値のデータベースをネット上で公開しています。利用は登録が必要です

分析例
骨格系 平均値18才女 標準偏差 計測値 偏差値
Facial A.
84.6
3.92
86.81
55.6
Y axis
65
3.36
61.12
38.5
SNA
80.7
3.36
78.97
44.9
SNB
77.6
4.21
75.79
45.7
ANB
3
2.19
3.18
50.8
FMA(MP to FH)
29.6
3.43
20.57
23.7
Gonial A.
122.9
4.42
117.06
36.8
Occ.pl to SN
17.6
4.21
16.43
47.2
歯列
Interincisal A.
125.4
10.08
122.09
46.7
U1 to SN
105.2
8.8
103.92
48.5
U1 to FH
112.2
7.99
113.92
52.2
L1 to Mand.pl.
92.5
5.36
103.43
70.4
FMIA(L1 toFH)
57.8
7.03
56
47.4

右の表は18才女性患者の実際の計測例です。

これらの数値から骨格型と咬合型を観察します。

具体的解釈については治療例のページで述べていきます。