東京都調布市 とみさわ歯科医院

審美歯科の基礎

審美歯科の臨床

審美歯科治療例

審美歯科の基礎

審美歯科の歴史

調布市で審美歯科の治療を行っている「とみさわ歯科医院」が審美歯科の基礎と臨床にについて説明します

古代の審美歯科

現代においては、「白い歯がきれいに並んでいること」が美しいとされていますが、これは古代においても同じであったと考えられます。

ローマ時代、医師ケルズ(BC30〜AD50)は、歯が黒くなった時の対処方法を紹介しています。黒くなった部分を磨き、乾燥したバラの葉の粉末に五倍子(タンニンを含んだ木の葉の虫食いの塊)そしてミルラ(乳香樹脂)を混和した粉でその部分を磨き、純ぶどう酒で繰り返し含嗽するとしてえいます(「歯科の歴史おもしろ読本」長谷川正康)

「明眸皓歯」という言葉がありますが、これは非業の死を遂げた楊貴妃をしのんで、唐の詩人・杜甫が作った詩から生まれた言葉です。これは美女の形容で、澄んだひとみと白い歯の意味します。こうした言葉からも白い歯が美貌の象徴であることがわかります。

歯をめぐる風習

マヤ人の前歯インレーマヤ人の前歯(西村書店) 

歯の美白に審美性を求めることは古今東西を問わないようですが、その一方で歯を加工したり装飾する習慣もみられます。現代においては審美的とはみなされないことでも、審美性は風俗や文化とも深いかかわりを持っており、それが審美的とみなされる時代や社会もありました。

歯飾

9世紀ごろ石器時代人であったマヤ人は前歯にヒスイやエメラルドのインレーをはめていました。これはかなり適合精度が高く、優れた歯牙加工技術を持っていたと考えられます。こういった装飾を施すことは、マヤ文明と深い関係があると言われています。

お歯黒
お歯黒歌川国貞/化粧三美人(医歯薬出版)

日本においては古い時代からお歯黒が行われていました。

「魏志倭人伝」や「後漢書東夷列傳」に黒歯国という表現がありわが国の女性がお歯黒をしていたことがうかがえます。

江戸時代においては既婚婦人のしるしとして行われていましたが、美しい女性の象徴としてあらゆる層の女性に愛好されていたそうです。しかし明治時代になるとお歯黒は行われなくなりました。

ちなみにお歯黒には虫歯予防効果があります。しかし歯周病は防ぐことはできず、歯が抜け落ちると黒い人工歯が付いた義歯を入れていました。

審美補綴の歴史

古代人の審美補綴フェニキアの歯科補綴(西村書店)

世界最古の入れ歯らしきものはエジプトのギザの墓場で発掘されたBC2500年ごろのもので、2本の大臼歯に金線を巻きつけたものです。

古代フェニキアにおいてはブリッジが作られていました。下顎前歯2本の欠損部を象牙を彫刻した2本の人工歯を金線で結びつけてブリッジとしていました(BC500年ごろ)こうしたブリッジは噛む目的よりは審美的要素が強かったと考えられて います。

ジョージワシントンの義歯

近代としてはアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが義歯を入れていた話が有名です。上顎は金を圧印したもの下顎は人工歯として河馬の牙を加工して釘で床に固定してありました。この義歯を見る限り噛む機能があったとは思えません。やはり審美的な要素が強かったのでしょうか。

「19世紀まで、欧米の歯のなくなった貴婦人は入れ歯を作ってはめていたが、パーティーに出かける時は、まず自室で入れ歯をはずして食事をとり、宴席では飲み物だけで、けっして食事に手をつけることはなかった」といわれています。(「歯の風俗誌」長谷川正康)

1778年パリの歯科医Chemantは「人工歯についての論文」という名で陶材から歯を作る技術を紹介しています。