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'03/12-'04/1の旅

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2004年初日の出作戦



 

めをとでGO!

2004年初日の出作戦


日本にいる時は完全夜型ダメ人間の代表のようなえびも、なぜか海外に出ると早寝早起きさんになる。これって時差のせいでちょうどよくなっているだけなのだろうか。

さて2004年の元旦の朝もまだ暗いうちに目が覚めてしまったえび。ダンナを起こしにかかってみるがやはりムダであった。この人がたかが太陽が昇るごとき毎日の出来事(でも初日の出は一年に一度なのに・・・)で起きるはずがないのだ。一人寂しく初日の出を拝もうと海岸へ出ていく。

朝の海岸にはだーれもいなくて、遠くにお椀の舟がプカプカと見えるだけ。コテージの方からトコトコと歩いてきたのはこの宿に飼われているビビリ犬。ビビリ犬と一緒にぼーっとしていると、いつの間にか空が白んできた。元旦はあけぼの。やうやう白くなりゆく海ぎわ、少し明りて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる・・・。犬ころの面に薄く光が差すのもまた、いとをかし。

宿のビビリ犬は毎朝砂浜の偵察を日課にしていた。私の横についていたのは要偵察と思ったからに違いない。

ん!?人気のない静かな海岸に、朝・・・。これは、えびの密かな野望を実施する時では!?いつもインド舞踊の準備体操にやっているスールヤ・ナマスカール(太陽礼拝)というヨガを広々とした屋外で、しかも一人きりでやる。それに最適のシチュエーションではないか!幸い周囲には誰もいないので、こんな怪しい行為(いや別にヨガだから怪しくないんだけど)をしてもイカレタ外人と思われる事もない。一年の始まりの日の一日のはじまりに、朝日を浴びながら、広々と続く海岸で、犬と一緒に、太陽礼拝のヨガ。なりきり度満点、気分は最高。フフフフ。

こうしてベトナムのムイネーにて、秘密裏にえびの初日の出ヨガプロジェクトが実行された。あー、気持ちよかった!これは癖になりそう。・・・もしも優しいあなたが、どこかの国の海岸で朝っぱらからなりきってヨガってるえびを発見しても、見なかったことにしてほうっておいてくれますよね。よね(泣)。

えび倒れる


さて順調なベトナム旅でも小さなハプニングはやっぱりあった。今回は珍しく夫ではなく、えびに起こった。ムイネーでの事だ。 どうも具合が悪く、胃の辺りがムカムカする。お腹がすいているのかなあ。ご飯を食べたら治るに違いない。まずはご飯、ご飯よ。そう思い、とある食堂にご飯を食べに入ったえび。しかし、運ばれてきた麺を食べているうちにどんどん具合が悪くなり、とうとうその場で倒れてしまった。

あわてふためく夫に対し、食堂のおばちゃんは母の貫禄、余裕たっぷりに介抱してくれる。そしてこの時、食堂の中学生くらいの子供が「大丈夫、まかせときな」とばかりにしたり顔で頷き、自信たっぷりに持ってきたもの、それはヤオであった。おお!前回の旅で気に入って購入したヤオ、また貴方に会おうとは。具合が悪いながらもちょっと感動。おばちゃんはヤオを手に取り、えびの顔の周囲に、そしてきちゃない足の裏にまで、それを優しく擦りこんでくれた。うわーん、おばちゃん汚いもん触らせてごめんなさーい。大いなる母の愛よ。でもお願いだから、食堂に戻る前にちゃんと手を洗ってください・・・。
これがヤオ。タイガーバームのような万能薬としてベトナム人の間で昔から使われているらしい。中国でもよく使うと言う事で、元は中国製品のよう。


話の筋には全く無関係だが、ムイネーにはこんな立派な砂丘もあった!夕暮れ時、砂の波紋が大変美しうございました。プラスチックの板を持った子供が分担して担当につき、砂すべりを勧めてくる。


そのまましばらく家の玄関先の長いすで休ませてもらったのであるが、ここでもベトナム人のお茶目さを垣間見る。人が具合悪くて寝てるというに、見学のベトナム人がやってきては笑顔で顔を覗き込んでいってくれる。一応元気付けてくれているのだろうか。弱々しく笑顔を返しながら(ああ日本人)、ちょっと放っておいてほしかったえびであった。

こうしてベトナム人の皆様方に迷惑をかけたわけであったが、しばらくすると何とか動けるようになり、バイクにまたがって宿に帰った。まあ、この後宿で何度も吐く事になるのだが、翌朝にはもうスッキリ爽快。旅先では一度病気すると長引く夫と違ってこの回復力はなんであろうか。やはり好きで来てるのとそうでないのの違いか・・・?

結局この時の原因はよくわからなかった。昼間に食べたチェーが怪しいと言えば怪しいかなあ?食堂のおばちゃんは「この暑いのに帽子をかぶってないからよ」という感じのジェスチャーをしていたなあ。

その後、ホーチミンへ向かい日本帰国となったのだが、具合が悪くなる事もなかったのだった。ま、旅先の軽いハプニングっちゅうことで。いやーしかし、
人に倒れられるのに比べれば自分が倒れるのってラクだなー(笑)。夫もかなり肝を冷やしていたし、インドでのお返しだい。

ホーチミンの路上で椰子の葉っぱとナイフ一本で次々に虫やエビを作り出すお兄ちゃんがいた。それがまたよく出来ていて素晴らしい職人芸!夫、バッタを購入。飛行機でもつぶれないよう手に持って大事に大事に持って帰る宝物っぷり。

出来たては青々してかなりリアルだったバッタも、日がたつにつれ黄色く枯れて行き、今や「黄なったちゃん」と呼ばれ、我が家に鎮座している。



というわけで、平和に(?)ベトナム旅行は終了いたしました・・・・と言いたいところだが、この話にはでっかい後日談がついたのだ。帰国後しばらくして発覚したのだが、何とこの時えびは・・・えー、コホン。妊娠しておりました。と言ってもこの時は超初期だったので、これがつわりだったのかどうかはわかんないけど。夫は「ちゃんとハラの中にいるんだから気づけよ!あんまり無理すんなよ!」という自己アピールだったに違いないと言う。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。あとでベトナム通の友人に聞いたのだが、ベトナム人はつわりの時にもよくヤオを使うらしい。あのおばちゃん、やるじゃん。

しかし、期せずしてこのベトナムが夫婦2人での最後の旅行となった模様。次の旅行は、これを書いている時点でもう5ヶ月に入ろうとしているハラの中の赤子とともにという事になるだろう。今までのようなゴリ押し旅はしばらくできないかと思うと気が遠くなるほど切ないが、変わりにどんな世界が見えてくるのか楽しみでもある。今までの夫婦2人の旅は本当に、めちゃくちゃ楽しかった。今度は親子3人、またどうしようもないほど楽しいに違いない。

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