卸売市場政策研究所ホームページへようこそ 《卸売市場政策研究所代表・細川允史(ほそかわ まさし)》

 我が国の卸売市場は、いま大変な過渡期にあります。1923(大正12)年に制定された中央卸売市場法に基づく、中央卸売市場を中心とした公設公営制はいまや一枚岩ではなく、いろいろな方向に分散しつつあります。いまの制度では今でも政策としては全く力点が置かれていない民設卸売市場の大手は平成3年以来の全体としての後退局面の中で取り扱い規模を維持し、存在感を大きく増大させつつあります。また、青果、水産、花き、食肉、それぞれで背景、事情が異なります。これらを個別に把握するとともに、ひとつの卸売市場制度のなかにどう包含していくか、という課題についても考察したいと思います。その手法としては、卸売市場関係者の皆様とご一緒に議論、討議をしながら作り上げていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 2016(平成28)年10月6日に内閣府規制改革推進会議提言が出されて、卸売市場の公的役割が否定されるような極論が提起されて以来、卸売市場を巡る改革論議は蜂の巣をつついたような騒ぎとなりました。2017(平成29)年12月8日に、政府は「農林水産業・地域の活力創出プラン」を決定し、そのなかで卸売市場改革のプランも公表しました。卸売市場政策研究所は、農業競争力強化プログラムや農業競争力強化支援法の策定過程から発言を続け、2017(平成29)年2月に、国のプランを受けて『激動に直面する卸売市場』(筑波書房刊)を緊急出版しました。6月には農林水産省の担当課長、室長とも面会し、国の卸売市場改革について意見開陳を行いました。その後も、国の準備の進展に伴い、意見を述べてきました.。同年末には卸売市場法一部改正案が提示され、これを基に、『新制度卸売市場のあり方と展望』(筑波書房刊)を編書として出版しました。卸売市場改革プランを見ると、卸売市場政策研究所の考えに近い部分が多く見られます。昨年10月6日の内閣府規制改革推進会議提言にある、卸売市場の公的役割はもう必要ないと取れる考え(合理的理由のない規制の廃止、ゼロベースの改革)は、12月8日の政府方針で大幅に変更となり、卸売市場の公的役割を守る制度に踏みとどまることが出来たように思います。背景としては、卸売市場の必要性に強い確信と熱意を持つ卸売市場関係者の働きがあったことは確かです。

 しかしながら、卸売市場の開設が認可制から認定制に変わったことに伴う卸売市場の性格変化など、これからの卸売市場をどうするか、は大きな課題です。卸売市場政策研究所としては、今回のプランの分析を進めるとともに、さらに卸売市場機能の向上のために、提言と新制度下での卸売市場に関わる皆様に支援を続けてまいります。

卸売市場政策研究所連絡方法 電子メール hosokawa-kotta-8751@pluto.dti.ne.jp               携帯電話 080-3262-1024

第8回卸売市場研究会のお知らせ                         予定開催日 2019(平成31)年2月15日(金)午後1時~4時         場所 東京都中央卸売市場豊洲市場ホールで検討中。まだ決定ではありませんが、こ    れまでは大田市場でしたのでご注意下さい。    

 

 

細川允史編『新制度卸売市場のあり方と展望』(筑波書房刊 定価750円+税)の構成はじめに
第Ⅰ章 新制度卸売市場のあり方と展望  細川允史・卸売市場政策研究所代表
第1部 新制度卸売市場の解説編
第2部 制度としてのあり方編
第3部 各卸売市場設定としてのあり方編
第4部 展望編

第Ⅱ章 卸売市場などからの発言
1 4つの流通で卸売市場流通の革新を
           (株)大田花き・磯村信夫代表取締役社長
2 横浜丸中グループのしくみと実践
           横浜丸中ホールディングス(株)・原田篤代表取締役社長
3 徳島県内産水産物の半分を地元集荷している努力
           徳島魚市場(株)・吉本隆一代表取締役社長
4 被災地の最前線で売り上げ拡大の民設民営卸売市場
           石巻青果(株)・近江恵一代表取締役社長 
5 市場経由率が少ない中での食肉卸売市場の役割
           東京食肉市場(株)・小川一夫代表取締役社長
6 認定制で第三セクター化が進む可能性も
           高崎総合卸売市場・米桝秀二事業部長
7 花きの販売促進活動費用の捻出を
           日本洋蘭生産協会・茂木敏彦会長
8 産直中心生産者でも卸売市場との連携は大切
         農事組合法人 船橋農産物供給センター・齊藤敏之元専務理事

第Ⅲ章 研究室からの発言
1 物流機能の一層の活用による、効率的かつ安定的な流通体制の構築
           小林茂典・農林水産省農林水産政策研究所上席主任研究官
2 卸売市場制度の「周辺的機能」に対する評価
   -卸売市場制度研究において残された論点について-
           杉村泰彦・琉球大学農学部准教授

 平成29年12月8日に政府決定として「農林水産業・地域の活力創造プラン」が発表された。その内容は、現行卸売市場を前提として、卸売市場の認可制を認定制として各卸売市場の自由度を上げるものとなっている。大正12年の中央卸売市場法体制以来、中央卸売市場の国による認可(許可)と強力な指導体制に慣れて来たわが国の卸売市場業界はとまどいを隠せない状態にある。そこで本書を緊急出版することとした。
本書は、細川の論文を第1章「新制度卸売市場のあり方と展望」と題し、新制度である認定制卸売市場について総括的に論じている。さらに第2章では「卸売市場などからの発言」と題し、特筆される特徴をもつ6つの卸売市場(大田花き、横浜丸中ホールディングス、徳島魚市場、石巻青果、東京食肉市場、高崎総合卸売市場)について卸売会社や開設者からの報告を掲載し、さらに2人の生産関係(日本洋蘭生産協会、船橋農産物供給センター)の方々にそれぞれの持論を報告していただいた。第3章では「研究室からの発言」と題し、親しくしている2人の研究者(農林水産政策研究所・小林上席主任研究官、琉球大学・杉村准教授)の論文を掲載した。それぞれ鋭い主張の展開で、卸売市場関係者にもお役に立つと考えている。
次に第1章の細川論文の内容について紹介する。まず第1部「新制度卸売市場の解説編」で、認定制卸売市場とはどういうイメージか、を解説している。認定制とはどういうものか、よく理解できないという卸売市場関係者が多いためである。
 では、認定制卸売市場となったらどのような影響が出るのか。また、詳細の設定はこれから1年をかけて決めていくという国の方針について、これから決めていくのであれば国にこうして欲しい、という意見を早めに表明して、卸売市場関係者にも世に問い、活発な議論をする素材の提供を第2部「制度としてのあり方編」と第3部「各卸売市場設定のあり方編」で論じている。国は、各卸売市場が取引ルールなどを設定するにあたって、現行制度のような準則(標準的な設定ルールのひな形)を示すことはしないと表明している。そのため、各卸売市場において混乱も予想されるので、その際の参考にという目的である。
 第4部「展望編」では、国はいまのところ、そこまでは考えていないと思われる卸売市場の将来像についての提起である。国の新制度「農林水産業・地域の活力創造プラン」では、卸売市場を開設したいものは、中央は国に、地方は都道府県に認定申請しなさい、というだけで、国が積極的に全国的な卸売市場の配置・連合・連携などに乗り出す意志は感じられない。それはまずいのではないかというのが細川の思いで、それに基づく理論展開をしている。国などの行政が乗り出さなくても、市場企業による積極的な取り組み、あるいは公設卸売市場の開設自治体も関与した公民連携・連合、さらには、より範囲を広げた企業による卸売市場を含めた総合的な流通システムの構築の展望、という視野での自主的積極的な取り組みのヒントになれば、との思いもある。
 筑波書房のブックレットという小冊子で、予価750円+税というお求めやすい価格であるので、ぜひご活用いただきたい。書店にない場合は、ご注文いただくか、筑波書房(電話番号03-3267-8599)にご連絡下さい。


 2017(平成29)年2月に発刊した細川允史著『激動に直面する卸売市場-農業競争力強化プログラムを受けて-』(筑波書房刊 2000円+消費税)は、現在の卸売市場の問題点とこれからの卸売市場のあり方を歴史的体系的に捉えて政策提起したものです。全体についてのご理解を得るためには本書をぜひご一読ください。


ご購入は、書店経由以外では、筑波書房にお問い合わせください。卸売市場政策研究所は関わりません。筑波書房電話番号03-3267-8599 

  お知らせ

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