研究所の沿革


卸売市場政策研究所の沿革は以下のとおりです

 卸売市場政策研究所は細川允史(まさし)を代表として、細川が2011(平成23)年6月に設立されたもので、経営形態は個人事業主として税務署には開業届を出してあります。まず、代表である細川の経歴を紹介します。


  卸売市場政策研究所代表・細川允史の略歴
  1943年 東京生まれ
  1968年 東京大学農学部農業生物学科(園芸学第一教室)卒業
  1970年 東京都庁に入庁 以来、東京都中央卸売市場食肉市場業務課長、同大田市場業務課長、労働経済局農林水産部農芸緑生課長、中央卸売       市場監理課長、東京都農業試験場長などを歴任
  1993年 農学博士号取得(東京農工大学連合大学院) 翌1994年日本農業市場学会賞受賞
  1997年 酪農学園大学食品流通学科教授に就任
  2011年 酪農学園大学勤務終了 同年、卸売市場政策研究所を設立、代表に就任。現在に至る
   
 ○現在、東京都中央卸売市場業務運営協議会委員、東京都卸売市場審議会臨時委員、食品流通構造改善促進機構・評議員、室蘭市公設地方卸売市場  運営協議会委員、日本農業市場学会名誉会員、日本流通学会参与 

 略歴にあるように、代表・細川は大学で野菜・果物の農学的内容の専門教育を受け、東京都には、農業技術職として入庁しました(中央卸売市場最後の農業技術職)。入庁後、中央卸売市場に配属となり、その年がちょうど中央卸売市場法の廃止と卸売市場法の制定という卸売市場にとっての大きな法的転換の年に当たっていて、細川も大きな関心を持って勉強しました。大学では理科系でしたが、大学時代に農業経済学では高名な美土路達雄先生(東京帝国大学卒、当時、協同組合短期大学教授)と知り合い、先生に多くの薫陶を受けました。その後、宮村光重先生、宮崎宏先生など、食品流通の先達とも知り合い、都庁に勤めながら日本流通学会には設立以来の会員となり、農産物市場研究会(後の日本農業市場学会)にも加入して、学会でもかなりの回数の学会報告も行いました。いわば行政職と研究者の2足のわらじをはいていたわけですが、都庁では3回5年間は労働経済局(当時)農林水産部の係長、課長、そして農業試験場長としての勤務をしましたが、都庁のそれ以外の年月は中央卸売市場に勤務し、管理職としては、食肉供給公社企画課長、食肉市場業務課長、大田市場業務課長、中央卸売市場監理課長を歴任し、1996(平成8年)4月に東京都農業試験場長となりましたが、北海道の酪農学園大学から食品流通学科教授としての招聘があり、1997年4月に53歳で転身しました。この間、農芸緑生課長のときに青果物卸売市場論に関する論文を書き、東京農工大学(連合大学院)で農学博士号を取得しました。論文は、『変貌する青果物卸売市場(現代卸売市場体系論)』(1993年筑波書房刊)として出版され、翌年、日本農業市場学会賞を受賞しました。

 大学に行ってからは、専ら卸売市場論を中心として研究し、講演やコンサル的仕事を多くこなしました(事業実績のサイトで詳述)。2011年3月に67歳で大学勤務を終了し、東京の自宅に戻ってきてすぐに卸売市場政策研究所を立ち上げました。昭和45年に東京都に入都以来、農林水産部も含めると41年間、食糧問題に関わってきた蓄積を、卸売市場のさらなる発展と活性化という視点を中心として、余生でライフワークとして、我が国の卸売市場政策のあり方を追求したいと考えた次第です。卸売市場の研究者が非常に少ない現状から、幸い、細川はいまのところ、体は丈夫なので、元気な間は生涯現役というつもりで、今後も、卸売市場の応援団として、持続性ある卸売市場のあり方を追求してまいります。

 卸売市場政策研究所では、卸売市場政策のあり方などを広く経費をかけないで討議するための会員制度の設置、毎年年度末に研究所の取り組みの成果を卸売市場関係者や研究者に知ってもらう目的での卸売市場研究会の開催、大学修了後も依頼が来るコンサル的事業の引き受け、卸売市場研究を目指す若手研究者の育成、などを目的とし、できれば後継者に継承できればと考えております。

 会員制度、卸売市場研究会、コンサル事業などの実績、第10次方針についての国とのやりとりと意見書、改正卸売市場法の政策過程と新制度後の卸売市場変化等、具体的内容につきましては、それぞれのサイトをご覧ください。