生鮮品知識メモ

 

 このサイトでは、卸売市場政策研究所代表である細川が、卸売市場の担当者にできるだけ商品知識をみにつけることによって、販促につながり、ひいては卸売市場の活性化につながるとの思いから、私が得た情報をアップしたものです。なにかの参考になれば幸いです。

○レンコンパウダーの威力

 ネバネバ食品が体によいとはよく言われるが、ではどのようによいかという知識はお持ちだろうか。ネバネバの成分はムチンという糖タンパク質によるもので、山芋、納豆、あしたば、ナメコ、レンコンなどに多く含まれている。ムチンは、口から入ると、食道、胃、腸と通過する粘膜にネバネバ成分を付着させ、それが皮膚の表面にバリアを張って、ウイルスなどが上皮に侵入するのを防ぐ効果がある。ガンなどは、ムチンが少なくて上皮に侵入されることが大きなきっかけになっているという。従って、ムチンをたくさん含む食品をとるのは、病気予防に非常に重要なことであるが、上記の食品を心して食べるとなると面倒である。そこで、レンコンパウダーの登場である。レンコンパウダーを食卓に常備しておき、味噌汁でもなんでも、食事時にスプーンでちょっと振りかけるだけでムチンが摂取できる。筆者は平成27年8月17日のテレビ東京番組「主治医見つかる診療所-最新!免疫力アップ、”粘膜バリア”強化でガン&悪い細菌を防御」」でこれを知り、さっそく夏レンコンを卸売市場(築地市場)で仕入れてきて、薄く輪切りにし天日乾燥させてフードプロセッサーで粉末にしてちょっちょっとかけている。ガン予防に効果があると信じて。卸売市場で仲卸さんが小売屋さんにこの知識を伝え、小売屋さんがお客さんに話せば、レンコンの売れ行きはそうとう伸びると思うがどうだろうか。        レンコンパウダーについては、細川がレンコンを入手し、実際に作ってみたので紹介します。レンコンの皮が茶色っぽいのでタワシで水をつけながらこすると白っぽくなる。パウダーの色に影響する。天日干しは快晴の日に1日やったが少しまだ水分が残っているようだったので、翌日にドライヤーを当てると堅めになった。それをフードプロセッサーである程度の時間、様子を見ながら回していくと、ほぼ粉になった。これを手頃な瓶に入れ、味噌汁などにちょっと落として利用した。その意味では家庭でもできることはわかったが、問題はコストであろう。約1kgの生レンコンを使ってパウダーが120gとかなりの量がとれた。市場で1kg1300円ほどなので、材料を買ってきて家庭で作ればそれほどでないが、工場で製品とすると相当高額商品になる可能性があるのがちょっと心配である。ただ、食卓において簡単に利用できて、ムチンが摂れてガンなどの予防に役立つ(だろう)-ただしこれを商業的に公言すると薬事法との関係を心配しなければならないが-ということでは一考の価値があるのではないだろうか。



〇魚をおいしく食べる方法①-なめろう→もともとは銚子の漁師料理

 何かの機会になめろうという料理を知った。調べたら、「なめろう」とはあまりにおいしくて、お皿も舐めるほどだというのが語源とか。私が試したのは、アジのなめろう。これは実にうまい。ご飯が進む。作り方は簡単。ネギ、ショウガ、ニンニク、梅干しなどを細かく刻んで、味噌を日本酒で溶いたものとタタキにした魚をすべて容器に入れ、かき混ぜればできあがりである。鯖でも鰹でもできる。魚の反則にお役に立てば。ついでにいうと、なめろうに必要な香辛料系の野菜、ネギ、ショウガ、ニンニク、青じそ、梅干し、味噌、日本酒などは、魚屋さんでなめろうセットと称して置くようにすれば、青果市場もうるおって一石二鳥。ちなみに、私が魚屋さんでアジを買うときに、なめろうにするから、タタキに切ってほしいというと、サービスになめろうのスープのパックをサービスにくれた。最近、鮮魚の売れ行きがよいという。夏で暑さのせいもあるだろうが刺身だけでなく、なめろうもお試しください。



○果物の効用

 2015.9.5づけ朝日新聞土曜版から-「果物を毎日食べますか?」との調査で、はいが60%と意外に多かった。そのうち、朝食に食べるのが66%。「朝食べると金(一番よいという意味)」の諺は生きていた。食べないという人の意見で、「旬の果物を思う存分食べられる経済的ゆとりがない」というのがあった。果物は嗜好品と考えると後回しになるが、健康によいとなると、他を節約しても食べ物を大事にする意識の醸成をどうするか、が課題。厚生労働省の基準では、1日の果物摂取目標量は200gのところ、現実は半分の100gで、世界的にも少ない。★いつか新聞に載っていましたが、100歳を超えて現役医師の聖路加病院の日野原院長の朝食は、オレンジジュース1杯だそうです。                                           

 

 〇「がん社会を診る魚を食べてリスク軽減」-東京大学病院准教授・中川恵一氏、日本経済新聞   2014年7月13日付連載記事の抜粋-中川先生は、おだやかな語り口で高度な話をされる放射   線専門医です

・サバやイワシなどの青魚、マグロやサケにはエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸( DHA)といったオメガ3不飽和脂肪酸がたくさん含まれている。これらの脂肪酸は血液をさらさらに する効果があり、日本人に心筋梗塞が少ない理由の一つといわれている。

・これらの魚をよく食べる人は、ほとんど食べない人に比べて肝臓がんの発症リスクが4割下がる。 

・糖尿病になるとガンが増えるがEPAやDHAは血糖値を下げるので糖尿病予防がかん予防につながる。

・乳がんリスクは14%低下。子宮頸がんリスクも下がる。                    

・しかし日本人の魚介類の摂取量は減り続け、2006年に肉類摂取に逆転された。和食文化を守り、  日本人の健康長寿のためにも、もっと魚を食べましょう。

→細川コメント:長寿とともに、ガンの罹患が増えます。80歳以上の男性はほとんどが前立腺ガンにか かっているそうです。ただし進行が遅いのでそれによる死亡率は低いそうです。水産関係者の皆さん、消費者が手軽に魚を食べられるような工夫、提案を考えましょう。

 

〇「食べ物は味方 元気な体の博物誌」(東京大学名誉教授/理学博士 竹内 均編・同文書院発行)の 箇条書き的抜粋                                      

・長生きしたければ魚を食べなさい-血小板の凝集を押さえるので心臓病になりにくく、脳卒中も少な い。ただし白身魚には少ない。また油を使って炒めればオメガ6系統の脂肪酸が増えて効果なし。 

・カボチャ、にんじん、サツマイモでがんを予防できる-これは、緑黄色野菜に含まれるカロチノイド 色素が活性酸素を無害なものに変えるから.1日にどれかを1カップ食べればOK。        

・シイタケ、シメジ、エノキダケ健康法は確かに効く-シイタケに含まれるレンシナンという物質は、 強力な抗ウイルス薬よりもインフルエンザウイルスに対して殺傷力がある。また抗がん作用がある。 シメジ、エノキダケにも抗がん効果があり、ハツカネズミの実験では40~50%抑えた。     

・マツタケには他のキノコにない強力かつ正常細胞をまったく攻撃しないすごい物質があることがわか った。とくにウイルス性ガンには大きな威力がある。ただし、その物質を取り出さないとダメで、マ ツタケを食べただけでは効果なし。今後の研究に期待。                    

・魚介類を塩水で洗ってはだめ-アニサキスは塩水が大好きで、逆効果。真水で死にます。     

・乗り物酔いにショウガが効果ある-吐き気を止める効果があるので乗り物酔いに効く。実験では酔い 止め薬よりも効果が高いとか。青果店のみなさん、大いに宣伝した下さい。ショウガの粉をそのまま 飲むと食道がやられる。紅ショウガかショウガの酢漬けなどを一かけ出かける前に食べるのが良い。

・タマネギを食べると血液サラサラは本当-実験では週に60g食べた人が一番効果があったとのことで それほど負担になりません。1日に反個食べれば心臓病予防になります。            

・「貝のカキはコレステロールが多い」は真っ赤なウソ 

 

               (以下準備中)

 

〇くだものの薬としての効用                                 ・赤坂山王クリニック院長の梅田悦生医学博士がお書きになった、「果物はすべてクスリ」(同文書  院)という本があります。共著者は千疋屋総本店取締役の大島美果子さんです。主な果物のクスリ  として の効能を、アメリカ生まれの世界最大級の健康食品データベースであるナチュラルメディ  シン・デー タベースに準拠していますので、科学的にも信頼できると思います。膨大な内容なの  で、具体的には 同書をお求め頂いて、ご覧ください。



○医師が書いている生鮮品と健康維持に関する記述(長寿の食事・短命の食事」日本健康教育振興協会 三笠書房・知的生き方文庫より)
・代表的な短命食は、焼き肉、ステーキ、ファーストフード、甘いもの・・


○減塩-醤油の代わりにだしを使おう→鰹節も売れる                           青森県は平均寿命が日本一の短命県で、県庁はその汚名を返上しようと、味付けに醤油の代わりにだしを使おうという運動を進めている。それは大変結構なことであるが、単にだしを使おうと言っても、だしをどうやって活用するか、で戸惑っている人もいるのではないか。研究所では、水産市場の活性化の一助と言うことも含めて、鰹節を自宅で削って粉状にしたものを、野菜のおひたしやサラダなどにかけることを勧めている。そうすると、醤油がなくてもおいしく食べられる。ぜひ水産市場で取り組んでみてください。

 →情報提供をお待ちしております