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まづ一夜参る。菊の濃く薄き八つばかりに、濃き掻練を上に着たり。さこそ物語にのみ心を入れて、それを見るよりほかに、行き通ふ類親族などだにことになく、古代の親どものかげばかりにて、月をも花をも見るよりほかのことはなきならひに、立ち出づるほどのここち、あれかにもあらず、うつつともおぼえで、暁にはまかでぬ。
里びたるここちには、なかなか、定まりたらむ里住みよりはをかしきことをも見聞きて心もなぐさみやせむ、と思ふをりをりありしを、いとはしたなく、悲しかるべきことにこそあべかめれ、と思へど、いかがせむ。
出仕先は、祐子内親王(後朱雀帝皇女、母嫄子は頼通の養女)
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