FURBLEシリーズには基盤となる技術があった。それがこの作品「WIND」。単なる草原の中にたなびく風をイメージしていたものだ。毛質感の表現ではないが草一つ一つは毛のように節をもったジオメトリで生成されている。風のパラメータ(強さ、方向)時間軸に変化させるシミュレーターのようなツールを製作し、IRIS
GL(OpenGLの前身)でリアルタイム描画を行っている。この映像には更に制作するきっかけが存在する。先輩であった榊原幹典氏(キャサリンシリーズ、フラワーシリーズ、ファイナルファンタジー(映画)で有名)から、草原に立つキャサリンを作りたいとの要望があり、草原を作る開発を行ったことがある。結局、世に出ることはなかったが、数年後このWINDとして再開発を行った。
この作品を見てピンと来た方がいらっしゃったら幸いである。毎年行われていたNICOGRAPHフィルムショーに一度だけ出したことがあるからだ。ナムコデモリールのラストにこの映像を挿入してもらい上映を果たしている。まだFURBLEのことを考えてもいないころの作品。
大場 康雄
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