60年をふりかえって(記念集会に於けるスピーチ・テキスト)

               副会長 齋藤正明

鵬翔山岳会60年史の年表作成を担当していますが、昨年亡くなられた森田達雄氏が整理半ばで残された資料や、関清薫氏、犬塚寿子氏、高橋義治氏、元会員の伊東正治氏からお預かりした会報により、創立当初から今日までの活動をほゞアウトラインすることができました。

まだ不明の年代があり、完全な年表には仕上がっていませんが、現時点の資料を基に、時間の制約もありますので、詳しくは今年中に纏める予定の「60年史」の記述に譲ることにしまして、創立から昭和44年ごろまでの前半の30年に特に重点を置き、60年をレビューしてみたいと思います。

 なお、今日は多数の先輩方がご出席ですので、お気付きの点がありましたら、ぜひご教示をお願いするとともに、誤認や独断的な部分などについては、資料が完全に揃わず、まだ総括の過程にあるということで、今回は何とぞご容赦いただきたいと思います。

さて、この60年を私なりに、創立直後のハイキングクラブから尖鋭的な山岳会へ転換していった戦前期、戦後の再発足から、いわば「鵬翔」というブランドを確立する昭和20年代の成長期、国内外の登山を活発に行い最も輝いた昭和30年代、40年代の隆盛期、果敢な活動と遭難の多発という光と影が交錯し沈滞へ向かった昭和50年代の交錯期、そして沈滞期を脱し再び活発な活動を展開している復活期、という五つの時代に区分してみました。

 時代区分、呼称に異論があるかもしれませんが、一応、この時代区分により話を進めていきますので、あらかじめご了承下さい。

 時代区分表(クリックすると、その時代区分に直接アクセスします。)

T.戦前期 ハイキングクラブから尖鋭的山岳会へ転換していった時代 昭和14年から20年まで(1939−45)
U.成長期 戦後の再発足から、「鵬翔」を確立するまでの時代 昭和21年から30年まで(1946−55)
V.隆盛期 国内外の登山を活発果敢に行った、最も輝いた時代 昭和31年から44年まで(1956−69)
W.交錯期 果敢な活動と遭難の多発という光と影が交錯し時代 昭和45年から60年まで(1970−85)
X.復活期 沈滞期を脱し再び活発な活動を展開している時代 昭和61年以降(1986−  )

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