(2005年 第1四半期)


テレビで、ズズメバチに立ち向かうニホンミツバチの感動的な姿が放送された。
ニホンミツバチは、侵入したズズメバチに集団で襲いかかり、蜂球をつくってスズメバチを封じ込めて熱殺してしまうのである。

この番組を見た与党幹部は、
「これは弱者も集団で力を合わせれば強者に勝てるという社会主義思想を賛美した番組だ。
労働組合や市民団体といった反体制運動を助長しようとする意図が明白だ。
このような思想的に偏向した番組を公共の電波で流すとは誠にけしからんことだ。
国民を代表して強く抗議する。」
と語ったという。

(2005.2.22)

ああ、なんということでしょう。
わたしは職場のホームページのリニューアルを命ぜられてしまったのです。
前の担当者が異動した後、更新する人がいなくなって、ほったらかしになっていたのです。
何とも情けない話です。これでは生き残りは困難でしょう。
しかし、他人が作ったホームページを手直しするのは気が進みません。
デザインが気に入りません。さりとてわたしにはデザインのセンスは全くありません。
とりあえず、トップページを手直ししたのですが、何かすごく地味になってしまいました。
やっぱり性格が出るんですね。
そうです。わたしはとても地味な性格なのです(笑)。

(2005.2.17)

近所のビルの屋上で、天体観測会が開かれた。
説明役の中学校の理科の先生が、オリオン座を指差して言った。

「あの赤い星はペテルギウスといって、太陽の1000倍も大きい星です。
年老いた星なので、大地は腐っています。
見渡す限り真っ赤な沼地で、あちこちからボコボコとガスが湧き出ています。
私は宇宙船の窓からこの光景を見て、とても人が住める環境ではないと思い、着陸をあきらめました。」

(2005.2.4)

【特集】バレンタインにはケツベンチョコを贈ろう

今グルメの間で、ケツベンチョコが密かなブームになっています。
ケツベンチョコというのは、血便が入ったチョコレートです。
田舎の小さなお菓子屋さんが細々と作っているので生産が追いつかず、注文してから1〜2週間は待たされます。
市販されているケツベンチョコは、実際には動物の血液を加熱・殺菌したものを使っているのですが、本物の人間の血便を使った非加熱のものは、味も香りも絶品だといわれています。
なので、贅沢をし尽くした富豪たちが、密かに本物を入手して食べているという噂があります。
本物の人間の血便が尋常な方法で入手できるわけがないので、裏で非人道的なことが行われているのではないかと疑っている人もいます。
(以下自主規制)

これに陰謀論が加わると、更にひどい話になります。
(以下自主規制)

(2005.2.2)

殺伐とした世相に心を痛めている殿下は、国民が和やかにコミュニケーションをはかることを願って、斬新な名前の呼び方を提案されました。
それは名前の前に、名前の第1音節を二つ付けて呼ぶという呼び方です。
たとえば、
さーさー佐藤さん
すーすー鈴木さん
たーたー田中さん
しーしー清水さん
という具合です。
国民がこのように呼び交わせば、和やかで優しい人間関係が作れるというのです。
これを聞いた総理大臣は
「こーこー小泉さんか。孝行者みたいでいいじゃないか。」
と賛同を表明しました。
東京都知事も、
「いーいー石原さんとは面白いじゃないか。実際俺はいい人だし。」
と嬉しそうに語っていました。
後藤田元副総理も、
「ごーごー後藤田さんとはカッコイイね。ゴーゴーゴメス警部よりずっといい。」
と喜んでいました。
しかし、森前首相は不満そうです。
もーもー森さんではあまりにもはまり過ぎですからね。

(2005.2.1)

あまりの巨大さに到底上演は不可能とされた「一万人の交響曲」がついに上演された。
国王の在位何年目かの記念イベントだそうだ。
会場はあきれるほど巨大なホールである。
ステージは航空母艦の甲板のように客席にせり出している。
演奏者はプロ・アマの混成で、小学生から老人までの様々な人々で構成されている。
上演時間8時間という大曲のため、演奏者は順次入れ替わっている。
楽屋からステージへ向かう通路は、演奏者がひしめきラッシュ時の駅のようだ。
ステージへ登る階段で、出番の終わった女子高生の一団とすれ違った。
D管トランペットを持った子が泣きじゃくっている。重大なミスをしたのだろう。
私は第9楽章の16番ホルンを担当することになっている。
合唱団の人混みをかきわけ、やっと定位置についた。
私のパートは、低いC音(F管で1、3バルブを押さえた最低音)を8拍延ばして、8拍休む。それだけをずっと繰り返すというきわめて単調なものだ。
それを30分も続けるのだからたまったものではない。
20分経過したところで、トリップ状態になってしまった。
後ろの奏者に頭を叩かれて正気に戻るまで、しばらくの間でたらめな演奏をしていたらしい。

私はでたらめな演奏をした罰として、終演後の客席の清掃を命ぜられた。
清掃要員には、階段ですれ違った女子高生もいた。
出演者の演奏は逐一チェックされ、ミスをした者はリストアップされて罰を与えられるようだ。
上演は休憩なしで8時間に及び、その間観客は出入りや移動が禁止されていたので、客席には大小便が散乱して目も当てられない状態になっている。
あまりのひどさに主催者は、次回の上演では天安門広場方式を採用すると言っている。
次回って・・・ またやるのか?

(2005.1.30)

さあ、待望の国際長小便選手権大会が開幕しました。
世界から集まった120人の選手の堂々の入場行進です。
選手たちは、小便を限界までためて、内股でしずしずと入場してまいります。
股間を手で押さえている選手もいます。

ここで競技のルールを説明しましょう。
選手は小便を細く、長く、途切れずに放出して、放出時間の長さを競います。 小便が途切れるとその時点で競技は終了となります。
審判員はストップウオッチで放出時間を測定するのですが、正確さを期するため陰部に顔を近づけるので、しずくが顔にかかることもあり、なかなか大変な仕事です。

この大会も、数えて18回目になりました。
かつては「労働効率を低下させる長小便を競うなど言語道断」などと経済界から不当な圧力がかかり、競技会場の確保や開催経費の捻出に苦しんだ時代もありましたが、今では多くの企業の協賛を得て、世界の60カ国が参加する大イベントに成長しました。

おっ、日本期待の高橋真介選手が入場してまいりました。
客席から割れんばかりの歓声があがります。
高橋選手は、前回の大会では調整に失敗して、競技開始前に漏らしてしまい、涙をのんだのですが、高地トレーニングや海外遠征を積み雪辱に燃えています。

優勝候補はなんといってもインドのマハーブラッダ選手です。
マハーブラッダ選手は巨大な膀胱を持ち、ヨガの秘法により尿道括約筋を極限まで鍛え上げ、19分32秒という前人未踏の世界記録を保持しています。

さて、この競技はいままでは男性だけで行なわれてきたのですが、フェミニズム団体の圧力もあり、次期大会から女性の参加が認められることになりました。実に楽しみです。
現在、女性の参加に向けてルールの検討が行われていますが、競技姿勢を立位にするか座位にするかで紛糾し、調整役の元世界チャンピオンの重嵐審判委員長は、気の毒にもノイローゼになって、首吊り自殺をしてしまいました。
重嵐審判委員長の遺体は、発見時には死後10分以上経過していたのですが、まだ小便をしたたらせており、さすがは元世界チャンピオンと関係者は驚嘆したと伝えられています。

(2005.1.28)

なんでも相談室 その2

「私の夫は一部上場企業の管理職です。海外勤務が長かったのですが、海外では広い屋敷と運転手付きの車を持ち、多数の使用人を使い、安楽な生活を送っていました。
夫が栄転して本社勤務になり、一家そろって帰国したのですが、社内の地位が上がり収入も増えたはずなのに、我が家の生活水準は大幅に下がってしまいました。狭いマンションに住み、使用人を雇うことなど到底考えられず、毎日家事や育児に追われる生活を送っています。大好きだった買い物も劇場通いもままならなくなりました。
我が家は、世間的には豊かな階層に属すると思うのですが、今の日本では豊かさが全く実感できません。これはいったいどういうことなのでしょうか。」

「お答えします。
日本で豊かさが実感できないのは、過去の誤った社会主義的な政策のため、貧富の差が少なく、激安な賃金で黙々と働く貧民階級が存在しないからです。
しかし、ご安心ください。我が国では構造改革の名のもとに貧民階級の創成と階級の固定化政策が進められています。新たに創成されつつある貧民階級は、貧しさを自己の責任であると率直に受け入れ、富裕階級に奉仕することを天命とわきまえた理想的な労働者階級です。彼らは勤勉ですが、上昇志向はなく、子弟の教育などに無駄な金を使うこともなく、低賃金でつつましく暮らします。
また、規制緩和の名のもとに「雇用の自由化」が進められています。労働基準法や最低賃金制度のような社会主義的制度を廃止して、自由に安心して安い賃金で人を雇える環境の整備が進められています。これにより、人件費は途上国並みに引き下げられ、国際競争力は高まり、産業の空洞化は解消され、日本経済は再び活気を取り戻すでしょう。
とはいえ、貧民階級の増大により、消費が冷え込んでしまったら大変です。そこで、富裕階級は、贅沢三昧な生活をして消費の拡大に貢献することが義務付けられます。ケチケチと金を貯め込む者は国賊と非難され、財産を没収されることになるでしょう。一定水準以上所得のある国民は、豪奢な邸宅に住み、高級車を乗り回し、美食に明け暮れ、多数の使用人を使い、家事や育児に煩わされることなく「今日は帝劇、明日は三越」の生活をおくることが責務となります。
こうして日本でも「国際水準の富裕階級の生活」ができる日がやってきます。
もうしばらくの辛抱です。」

(2005.1.27)

アーサー・ミッツ上院議員は、世界でいちばん息が臭い男といわれています。
ミッツ上院議員が発言すると、議場にひどい悪臭がたちこめて、とても審議どころではない状態になってしまいます。
たまりかねた議員たちは、ミッツ氏の解職決議案を提出し、圧倒的多数で可決しました。
こうしてミッツ氏は議員資格を剥奪されてしまったのでした。
ミッツ家は三代続いた政治家一族で、若くして世襲で議員になったアーサー・ミッツ氏は、政治家以外の生活のすべを知らず、たちまち路頭に迷ってしまいました。
しかし捨てる神あれば拾う神あり。ミッツ氏は某新興レストランチェーンに、営業妨害要員として雇われました。
ミッツ氏は、商売がたきの店に客として入り、深呼吸を数回。たちまち店内に悪臭がたちこめ、食事どころではなく、客はみんな逃げ出してしまいます。
これを何度か繰り返すことで「あの店は臭くてたまらん」と評判になり、営業が立ちゆかなくなってしまいます。
店内で深呼吸することには何の違法性もないので、商売がたきたちは泣き寝入りするしかありません。
自衛のため、店頭にミッツ氏の似顔絵を掲げて「この男の入店禁止」とする店もありましたが、ミッツ氏は変装の名人なので効果がありません。
こうして某レストランチェーンは、ライバルを蹴落として急成長し、ミッツ氏は謝礼として多額の選挙資金を得て、政界に復帰しました。
ミッツ氏の復帰に伴い、上院ではガスマスクの導入を検討しているそうです。

(2005.1.25)

なんでも相談室

「学校で『君が代』という歌を教わったのですが、歌詞の意味がわかりません。
先生に質問しても要領を得ません。教えてください。」

「お答えします。
最初の『きみ』ですが、これは人の名前です。
漢字で書くと『喜美』です。
喜美さんというのは、もとは新橋の芸者です。
某有名政治家の愛人だったのですが、今はレストランなどを経営する女性実業家となっています。
自衛隊と深い関係がある人で、牛のような目をしています。
学歴はないけれど、漢字をたくさん知っているのが自慢です。」

「くわしいんですね。」

「実は、ぼくは喜美さんが経営する会社で働いていたことがあるんです。
労働争議を起こしてクビになりましたが・・・
で、次の『がよ』ですが、これも人の名前です。
正しくは『がよう』なんですが、漢字で書くと『娥楊』で中国人の名前です。
喜美さんは実は中国人で、本名を娥楊というのだという噂があるんですね。
次の『ちよ』と『やちよ』はもちろん人の名前です。
千代というのは、今は女の名前とされていますが、昔は男の名前だったのです。
犬千代とか竹千代とかいうのはみんな男です。
内助の功で知られた戦国武将山内一豊の妻は、千代という名前なのですが、この人は女ではなくオカマだったと八切止夫という人が書いています。」

「へえ〜、じゃ八千代もオカマですか?」

「その可能性は十分にありますね。
つまり、『千代に八千代に』というのは、『オカマの容疑がある』という意味なんです。
ここまでをまとめると、『喜美さんは本名を娥楊という中国人のオカマであるらしい』という意味になります。」

「へえ〜、そういう意味だったのですか。」

「次の『さざれいし』ですが、これは力士の名前です。
江戸時代の人だそうです。
漢字で『佐々嶺石』と書いたそうです。」

「強かったのですか?」

「力はものすごく強かったのですが、技がなかったのであまり勝てなかったそうです。
雷電と闘って一度だけ勝ったことがあるという記録が残っています。
谷風には一度も勝てなかったそうです。」

「いわおとなりてはどういう意味ですか?」

「お相撲さんのトレーニングに『てっぽう』というのがあるでしょ。
てっぽうは柱を相手にやるのですが、佐々嶺石は力がありすぎて柱をこわしてしまうので、岩を相手にてっぽうをしていたんだそうです。
岩を相手にバシバシ稽古をしたので『岩音鳴りて』というわけです。」

「こけのむすまでとは?」

「佐々嶺石は風呂が嫌いな不潔な男で、体が汚れて苔が生えるまで、風呂に入らなかったという意味なんですね。」

「うわあ、きたない! 
対戦相手はたいへんだったでしょうね。」

「そうですね。苔が生えるくらいですからね。きたないし、臭いし。そうやって相手の戦意を喪失させて勝とうという作戦だったのでしょうね。
でも、そこまでやっても佐々嶺石は谷風には勝てなかったのです。
ということで、この歌はオカマの『喜美』さんは、『佐々嶺石』のように懸命に努力しても、卑劣な手段を使っても、結局は勝てないのだという意味なのです。
喜美さんの商売敵が、酔っぱらった時に作った歌だといわれていますね。」

「たいへんよくわかりました。ありがとうございました。」

「また何かわからないことがあったらいらっしゃい。」

(2005.1.23)


追記 同じようなことを書いているサイトを見つけました。こちらは落語の「ちはやふる」を下敷にしています。おもしろいです。


最近「金日成将軍の歌」という曲にハマっています。
(政治的にも思想的にも民族的にも無関係です。念のため。)
ジャケットが薄茶色に変色した古いアナログディスクです。
屈託のない、溌刺とした、健康な、病的なまでに健康な音楽です。
日頃、不健康な音楽を好んでいる私には、この健康さが不気味なほど新鮮に感じられます。
「君が代をもっと大きい声で歌え」などと言っている人に聴かせて、反応を見てみたいと思ったりします。
モノラル録音でfレンジが狭く、歪も目立つのですが、それがかえっていい味を出しています。
いにしえの巨匠の歴史的名演といった風情です。
後半の「アア クイルムド クリウン ウリエ チャングン」の部分など、デモーニッシュと言ってもいいほどの盛り上がりをみせます。
指揮はフルトヴェングラーかもしれません。
歌(混声合唱)もオーケストラも、ひたすら真剣でひたむきです。
といっても、かの国の軍事パレードやマスゲームから連想されるような、一糸乱れぬ機械のようなアンサンブルではありません。
感情の高揚がおさえきれず、暴走気味になって、アンサンブルは乱れます。
私はこのアンサンブルの乱れに感動したのでした。

(2005.1.21)

今日は突然甘いものが食べたくなって、仕事の帰りにスーパーでチョコレートを4箱買って帰りました。
私は肉体の要求には忠実に従います。
ベッドに横になって、昨日買った花輪和一の「刑務所の前 第2集」を読みながら、チョコレートを食べていました。
気がつくと、30分ほどの間に4箱全部食べてしまったのでした。
やがて、すっぱいものがこみあげてきました。
やはり、一度に4箱は食べ過ぎです。
あわてて、胃腸薬を探しました。
今、吐き気をこらえながら、この駄文を書いています。
過食なんて自分には無縁なことだと思っていました。
これが、精神の変調の前触れでないことを祈るばかりです。

(2005.1.19)

兵庫県警は、住所不定無職、阿戸留夫(55歳)を殺人と放火の容疑で逮捕した。
調べによると、阿戸容疑者は、神戸市内の居酒屋「居皆亭」に客を装って入店し、店主の由田弥仁さん(49歳)と従業員の降井明尊さん(35歳)を日本刀で殺害したうえ、店に放火したという。
阿戸容疑者は、政治結社大日本巴剣黒逸党の党首を自称しており、「阪神大震災は、闇の勢力が起こした人工地震であり、自分は10年がかりで真相を解明し、ついに首謀者をつきとめて復讐した。」と供述しているという。
警察は、新潟県中越地震やスマトラ島沖地震に関しても、同様な事件が起こる可能性があるとして、警戒を強めている。

(2005.1.18)

木刑事とは、木製の刑事です。
手は木でできています。
足も木でできています。
頭も胴体も木でできています。
木刑事は非常に優秀で、どんな難事件でもたやすく解決します。
富豪刑事など足元にも及びません。
わたくしは木刑事の存在を知ってからというもの、窓から恐ろしい顔をした木刑事が覗いているのではないかという想念にとりつかれ、恐怖で眠れなくなりました。

(2005.1.12)

某国は構造改革と称して熾烈な弱肉強食の競争原理を導入し、金銭万能社会を作り出したので、国民の道徳は退廃を極め、己の利益のためには手段を選ばぬようになり治安が極度に悪化したので、国民を相互監視させるため通報義務制度を設けたところ、競争相手を失墜させるために当局に虚偽の通報を行うことが日常的に行われるようになり、警察・司法が混乱し収拾がつかない状況になってしまったので、一般人の通報を禁じ、国家資格の「通報書士」を設けることにしたところ、通報書士は絶大な権力を持つようになり、たちまち腐敗堕落して金を積めば平気で虚偽の通報をするようになったので、人々は通報書士を恐れて貢ぎ物をして通報しないよう頼むことが当たり前のように行われるようになり、貢ぎ物を惜しんだ多くの無辜の市民が通報書士の虚偽の通報により逮捕されたが、当局はこれを捜査などせずに起訴してしまい、すべてが有罪となり幾多の善良な市民が獄につながれることになったが、これはいわば犯罪捜査・司法の民営化とも考えられ、多額の歳出が節減できるとして警察や検察の大幅な人員削減・組織縮小を断行し、浮いた費用を軍備拡張に充てようとしたところ、軍需産業から多額の賄賂が寄せられて政府としては一挙両得となったが、いかに多くの通報書士を抱えるかが企業の生き残り戦略となり、幾多の善良な企業が虚偽の通報のために廃業に追い込まれたことか。ああうそつきが栄える末法の世よ。

(2005.1.11)

某国は、急速な経済成長をとげたが、経済政策や税制が著しく不公平であったため、貧富の差が極端に広がり、人口の1%に過ぎない富裕層が、富の9割を保有するという不平等社会になってしまった。
幸いなことに、生活必需品の物価が安いため、庶民はなんとか衣食はまかなえたが、住宅事情は劣悪であった。
加えて農村の疲弊により、都市に急激に人口が集中したので、深刻な住宅難になってしまった。
庶民は足を伸ばして寝る余裕もないほどの狭い部屋で、息を殺して生活していた。
劣悪な居住環境が原因で、多くの不幸な事件が発生した。

こうした庶民の怨嗟の声に応えるかのように、金持ちの邸宅に放火する一団が発生した。
彼らは、厳重な警備をかいくぐり、金持ちの邸宅を放火して回った。
その手際は実にあざやかで、軍の特殊部隊も舌を巻くほどであった。

消防はもっぱら延焼を防ぐことに懸命で、邸宅の消火活動はしなかった。
消防士自身が、雨漏りのする4畳半一間に、乳飲み子を含む家族5人で暮らしているので、内心「いい気味だ」と思っていたからだ。
警察の捜査も遅々として進まなかった。
警察官自身が、すきま風が吹き込む6畳一間に、寝たきり老人を含む家族6人で暮らしているので、内心「ざまあみろ」と思っていたからだ。

地域住民は防犯に協力しなかった。
みんな住宅難にあえいでいるので、「天罰だ」と思っていたからだ。
それどころか、積極的に放火魔に協力する者も少なくなかった。

放火魔は文字通り燎原の火となって、連日連夜金持ちの邸宅を放火しまくった。
彼らは庶民の英雄となった。

金持ちは警備を厳重にしたが、警備員の士気は極めて低かった。
警備員自身が、空き地に所有者に無断で廃材で建てた掘っ建て小屋に住んでいるので、内心「放火魔がんばれ」と思っていたからだ。

こうして、わずか半年の間に、ほとんどの金持ちの邸宅が焼かれてしまった。
家を焼かれた金持の中には、前にも増して豪奢な邸宅を再建した者もいたが、完成するやいなや放火されてしまった。
保険会社は大赤字となり次々と倒産した。
生き残った保険会社も、高額な邸宅の火災保険は取り扱わないようになった。

金持ちはホテル暮らしを余儀なくされたが、今度は金持ちが投宿しているホテルが放火魔に狙われることとなった。
金持ちは火におびえ、発狂するものも続出した。

やむなく、金持ちは小さな粗末な家を建て、普段はそこで質素に暮らし、週末だけ 国外に建てた豪奢な別荘で金持ち気分を味わうこととした。

かくして某国は、家を見ただけでは貧富の差がわからないという、世にも不思議な国になった。

(2005.1.4)

わたくしは拉致された日本人であるとされ、日本へ帰れと命令されて、列車で平壌へ着きました。
平壌駅前は暗く、雪が積もっているのにかかわらず蒸し暑く、東南アジアの都市のようにも見えました。
そこでわたくしは、幼いときに生き別れになった姉二人に引き合わされたのですが、姉二人は20歳前後と若く、わたくしは自分はいったい何歳なのだろうかと考え込んでしまいました。
姉は胸に日本名の名札を着けているのですが、姓がわたくしと違うのも不思議です。
そのうち、駅前広場が騒がしくなったので、何事が起こったのかとそちらの方へ行ってみると、日本の某政党の幹事長が胸から下を土に埋められてもがいています。
「裏切者を処刑する」と軍人が叫んでいます。
やがて、大型トラックがやってきて、幹事長を轢き殺してしまいました。

以上が今年の初夢です。

(2005.1.2)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、自称オリジナル曲を作りはじめて10年になりました。
なんとも月日のたつのは早いものです。
世の中にはシーケンサーという便利なものがあると知って、 ヤマハのQY300というキーボード付き音源内蔵の機材を購入したのが1994年の12月29日でした。
その年の年末年始はマニュアル片手に自己流で打ち込み三昧。
「交通安全の歌」「ヴァイオリンのおけいこ」「亜細亜の夜明け」「乱暴者のヨシオちゃん」「国際貢献の歌」の5曲を数日で完成させました。
今はこんなエネルギーはなくなってしまいました。
これらの曲をあらためて聴くと、この10年間に得たものよりも、失ったものの方が多いと感じてしまいます。
なんだ、新年早々愚痴か?

(2005.1.1)

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