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カブトムシの越冬と蛹化時期の関係について

2000年10月15日

 1999年夏に我が家で生まれたカブトムシのうち最後の1頭(♀)が10月10日ごろ☆になりました。エサ皿の下にもぐっていて、エサが減っていないのでもしやと思ってエサ皿をめくってみたら・・・というわけです。

 さて、「ペットボトルで蛹が見える」に、我が家の13頭のうち6頭を1999年末から室内の加温飼育に切り替えたことを書きました。その6頭が蛹化、羽化した日もご報告したのですが、残り7頭については蛹になったことだけ書いてその後の経過については書いていませんでした。結果は以下の通りです。(Hは蛹が見えていた窓が小さくて、中がよく見えなかったので正確な羽化日がわかりませんでした。)

蛹化 羽化
5月20日
5月20日 6月7日
5月26日 6月11日
5月23日 6月9日
5月20日 6月6日
5月22日 6月8日

 先に羽化した6頭の蛹化は、最も早いのが2月29日で最も遅いのが3月19日と20日も開きがあったのに対して、5月20日から26日までと1週間以内に6頭が蛹化しているのがわかります。(「あれ?7頭じゃなかったっけ」と思った人もいるんじゃないでしょうか。“G”というラベルの幼虫もいたんですがペットボトルに入れなかったので蛹化した日、羽化した日がわかりませんでした。)

 最後に蛹化したKは、なかなか蛹室の場所が決まらずに何度もマットの上に出てきたりもぐったりを繰り返していましたので、それさえなければもっと早く蛹化したかもしれません。そう考えるとこの6頭の幼虫はほぼ一斉に蛹化したと言えると思います。3月に蛹化した幼虫達とこのように違いがあるのはどうしてなんでしょう。

 やはり違いといえば温度の低い期間の長さではないでしょうか。「我が家のカブトムシの越冬」で紹介した保温箱に幼虫の飼育ケースを入れたのは12月14日で、3月蛹化の6頭は2週間後には暖かい室内に戻していますが、5月蛹化の7頭を室内に戻したのは3月30日ですから3ヶ月半の間10℃以下の低温の環境にいたわけです。

 クワガタの飼育解説書などによく「積算温度」という言葉がでてきますが、カブトムシもおそらく同じように、どれくらいの温度でどれくらいの期間過ごせば蛹になるというのがほぼ決まっていると思います。孵化した時期がある程度ばらばらの幼虫達が同じ温度の環境で過ごせば当然積算温度が達成される時期がずれるわけで、蛹化の時期も(3月蛹化の個体のように)ばらばらになるのが当たり前と思うのですが、3ヶ月以上低温環境にいた幼虫達がほぼ同時期に蛹化したことは興味深いことではないでしょうか。

(注:「当サイトでの実験と結果について」をお読みください。)


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