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我が家のカブトムシの越冬

 1999年12月15日

 「来たる冬に向けて」の続きの話になります。12月に入ってから外の気温もどんどん下がって真冬日(最高気温が氷点下である日)となる日も増えてきました。カブトムシの飼育ケースを置いている場所の温度も最低で11℃、最高で15℃くらいの日が続いています。しかし、こうなってくると人間のほうが参ってきました。この部屋は私の仕事部屋で、昼間は何時間も中にいなくてはならないのです。肩は凝るしトイレは近くなるし・・・。

 クワガタについて書いているWebサイトをあちこち見ているうちに、簡易温室というものを自作すればよいというのをいくつかみつけました。それらを参考にしてカブトムシ越冬用の保温箱を作れば、凍結させることなくガレージに置くことができる・・・と考えてさっそくやってみました。

 この図は保温箱の構造の概略を表しています。発泡スチロールの板を組み合わせて作った箱の中に水を入れた衣装ケースを置き、衣装ケースの中には熱帯魚用のヒーターを入れます。その上に飼育ケースを並べるわけですが、保温箱の中の温度をサーモスタットで制御します。

 設定温度は6℃〜12℃くらいの範囲がいいのではないかと思うのですが、よくわかりません。「カブトムシ かいかたそだてかた」(岩崎書店、文/三枝博幸、絵/たかはしきよし)には、多摩動物公園で8℃にしていると書いてありました。


 写真はガレージに置いた保温箱です。すでに飼育ケースが中に入っている状態の写真です。撮影のためにふたを開けたままにしていますが、あまり長い時間開けていると冷えてしまうのでふたを開けるのは最小限にするように心がけます。


 このサーモスタットは園芸の温室用のもので、今回の保温箱にかかった金額の半分以上を占めています。熱帯魚用のサーモスタットのほうが値段が安かったのですが、設定できる温度範囲が15℃〜30℃と狭いものしか店頭になかったのでやめました。

 サーモスタットも箱の中に置いていますが、これは動作保証温度が-10〜50℃だからです。屋外の気温が-10℃より低くなることもありうるのでちょっと不安になって中に置くことにしました。しかし中に置く場合、水が直接かからないのように注意しなくてはなりません。


 サーモスタットの温度センサは箱の内側にガムテープで固定しています。

 衣装ケースは高さ24cmの浅いものを使っています。中に入れた水はおよそ50リットル。ヒーターは150Wのものを使いました。


(12月21日加筆)
 温度センサは壁に接しているのはよくないようです。いくら発泡スチロールといっても外気に冷やされているわけなので、内部の空気よりやや温度が低くなるようです。これは外気温度が低いほど顕著になるみたいです。今は壁から数センチ離れるようにしました。
 また、センサは衣装ケースの水の中に入れるべきではないかと考える人もいるようですが、使用しているセンサの防水がどの程度なのかわからないので空気の温度を測るようにしています。さらに詳しいことはこちらへ

 この保温箱を組み立てたのは12月12日、ガレージ内にセッティングしたのは13日です。飼育ケースを入れる前に保温箱内部の温度が思っていたように制御されるかどうか調べました。(温度の記録方法に付いては後述。)

 セッティングしたときのガレージ内の温度は-3℃くらいでした。使用した温度計は0℃〜100℃の範囲しか測定できないので、グラフの最初の部分は値が0℃になっています。水の温度も2〜3℃くらいだろうと思います。サーモスタットの目盛りは5℃きざみなのですが、ダイヤルを5℃と10℃のちょうどまん中くらいにあわせてみました。およそ6時間後には温度が8℃に達し、サーモスタットによってヒーターのスイッチがOFFになったようです。


 今回温度記録に使った装置を紹介します。

 LM35DZという温度センサICの出力をA/Dコンバータ内蔵のマイコンでEEPROMに記録する装置です。(有)秋月電子通商という会社で売っている組み立てキット(「PIC計測アダプター&データーロガー」¥3,200)にACアダプタや電源スイッチを追加したものです。センサは別のものも使えますが、キットに動作試験用として付属してきたLM35DZをそのまま使っています。


 中はこんなふうになっています。部品点数は少ないのですが、小さいケースにむりやり詰め込むため、ある程度電子工作の経験がある人でないと組み立てはむずかしいかもしれません。

 PCのシリアルポートに接続してEEPROMに記録したデータを読み取ることができます。


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