夜の記憶 Aug. 1999

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ゲストブック

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99/08/01 (Sun.)−東京のいちばん暑い日

 東京は毎日晴れて暑い。毎日毎日毎日毎日毎日毎日晴れて暑い(←ここはぜひ音読してください)。7月23日(金)に梅雨明けして以来、ただひたすらに毎日暑い。梅雨明け十日という言葉があって、梅雨が明けたら十日間は晴れが続くものだということらしいが、今日で晴れは十日目だ。明日はどうだ。天気予報を見てみると、明日も晴れて暑いようだ。おまけに週間予報が東京:晴れ晴れ晴れ晴れ晴れ晴れ晴れ晴れなんてなっているのを見つけてげんなり。一体いつまで晴れて暑いのか。ああ、暑い。
 友人2人とファミレスに行った。それぞれ食事を注文し、順次できた料理が運ばれてくるわけだが、自分のぶんだけなかなか来ない。そのうち店員が寄ってきて「お客様のご注文、遅れまして大変申し訳ありません。あと5分ほどかかりますがよろしいでしょうか」ときたもんだ。別のメニューを注文したところで5分で来るとは思えないし、「ならもう頼まん!」なんつって席を立つのは一度やってみたいが、すでに料理を食べている友人をしり目に一人だけガツンとやるのもアホらしい。店員の「よろしいでしょうか」は「もうちょっと待ってネ」と同義なのだった。そこへ、「コーヒーください」とNさん。「はい、ただいま」の店員。気まずく硬直していた空気がほぐれた。コーヒーポットを持ってきてコーヒーを注ぎ、去りぎわの店員の一言が「ごゆっくりどうぞ」ときたもんだ。「料理が来ないんだからゆっくりするしかないじゃん」と、空気がヘナヘナにほぐれたのだった。


99/08/02 (Mon.)−まんぷくギャラリー(2)鏡の中の緑

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99/08/03 (Tue.)−サマージャンボ宝くじの憂鬱

 「売り上げ目標は3億円だ!」
 「1億売ってもまだ2億」


99/08/04 (Wed.)−夕立と置き傘

 東京は、夜になってからまさかのにわか雨。しかし運良く置き傘を使うことができた。
 情報誌「ぴあ」のページ欄外のひとネタコーナー「はみだしYOUとPIA」に、「雨の日に置き傘を使うのはもったいないという人がいるけど、雨の日に使わなかったら意味がないじゃん」という内容のネタがあったことを思い出した。確かに雨の日に使ってこその置き傘だけど、せっかくの置き傘を使いたくないという気持ちも、それはそれでまあわかる。


99/08/05 (Thu.)−留守電応答メッセージの謎

 仕事で出張に出ることが多い友人にある日電話をしたところ、案の定留守電が出た。
 「はい、×です。お電話ありがとうございます。×月の×日から×日まで」
 と、ここまで聞いたところでツルリと受話器を落としてしまった。あわてて拾って続きを聞くと
 「…に行っています。ご用の方は発信音のあとにお名前とご用件をお話しください」
 一体どこに行っているのかわからずじまい。もう一度電話して応答メッセージを聞き直せばいいのだが、さすがにそこまでするのもナニだと思い、幸い戻ってくる日はわかったのでまあよしということにした。
 後日その友人に会い、応答メッセージの話をしたところ
 「ああ、あれは『出張に行っています』って吹き込んであったんだよ」
 つまり、最初から行き先は吹き込まれていなかった。受話器を落とさなかったとしても、友人がどこに行っているのかはわからずじまいになる運命だったのだ。うっかり受話器を落としたおかげで、思わぬ葛藤とドラマを生んでしまったのだった。


99/08/06 (Fri.)−ことえり誤変換の宴

 最近のかな漢字変換プログラムはだいぶ頭がよくなっており、変に変換されて思わず笑ってしまう、という経験は最近なかったのだが。MacOSに標準添付されているIM(Input Method。MacOSではかな漢字変換プログラムのことをこう呼ぶ)であるところの「ことえり」に、久しぶりに楽しませてもらった。「付加機能」を出そうとしたら「深き脳」。なんだか含蓄に富むというか、妙な響きの言葉だ。頭がいいと言われるATOKで「ふかきのう」を変換したら「付加機能」と即出たため、じゃあ「ふかき」と「のう」で別々に変換すれば「深き脳」になるかなとまず「ふかき」を変換したら「孵化器」。もう一度変換キーを押せば「深き」にはなるが、最初の候補に「深き」を出す方法はないだろうか。「ふかきのう」をいったん変換して「付加機能」が出たところで変換を確定せず、文節を「ふかき」と「のう」に切り直せばいいのかなと思ったら、出てきた結果が「孵化器脳」。なんとなく、水槽の中で脳がごぼごぼいっている姿を想像してしまった。


99/08/07 (Sat.)−レジびとの思考過程

 「お買上げ525円になります。はい、1050円からお預かりしまして、まず1000円から500円を引いて500円のお返し、それから50円から25円を引きまして25円のお返しです、ありがとうございましたー」
 手もとにはちゃんと、525円の商品に対して1050円を支払ったお釣りであるところの525円がにぎられている。しかし、なんだか通常とは違う買い方をしたような気がして少し考え込んでしまった。


99/08/09 (Mon.)−Linuxふたたびあらわる

 まるで大どろぼうホッツェンプロッツのようだが、そうなのだ。先日Kさん宅で使わなくなったPCをいただいたので、それにPlamo Linux 1.4.4をインストールしてみたのだ。なんだ、またコンピュータのそういう難しい話か。そうです。そういう話です。この文章はのちのち見返して参考にするためのメモも兼ねているので、しばしおつきあいください。
 このPCは日立のPentium 75MHz、メモリは24MBにHDDはIDEで1GB、ビデオチップはオンボードでCirrus Logicの5434PCI(2MB)。サウンドカード(SoundBlaster16 AWE-32)にネットワークカード(チップはNational SemiconductorのAT/LANTIC 83905AVQB)までついている。サウンドはとりあえず必要を感じないので設定せず、ネットワークカードは83905チップ用の設定プログラムをhttp://www.kingston.com/download/etherx/kne2000/infoset.exeからダウンロード、IRQ=9、I/Oポートアドレス=0x300〜0x31Fに設定した。ここまでは、一度Windows 98をインストールして調べたり設定したりしている。Linuxを入れる前にいったんWindowsを入れ、デバイスマネージャ(「マイ コンピュータ」を右クリック→[プロパティ]→[デバイス マネージャ]タブ)を見るなどしてマシンの素性や各種の設定をメモしておくのは有効な方法だ。
 Linuxのインストールに必要な情報(つながっているハードディスクはIDEかSCSIか、またその容量は、CD-ROMはATAPIかSCSIか、ネットワークカードのIRQとI/Oポートアドレスは、など)が集まったら、ブートディスクを作る。これで準備完了だ。
 実際のインストール方法はディストリビューション(RedHat LinuxTurboLinuxVine LinuxPlamo Linux…)によって違うし、長くなるばかりで書いている本人以外にはつまらない。第一、ほかの資料がたくさんあるのでばっさり割愛。Plamo Linuxをbootdsk ether=9,0x300,eth0でブートし、1GBのHDDを約590MB(/)、約390MB(/home)、約48MB(swap)のパーティションに切ってインストールしましたとだけ書いておこう。あ、LILOを「簡易インストール」だったかでインストールしたのは失敗でした。マシンを起動して「boot:」が出るたびに[Enter]を押さねばならずやや面倒。Windowsのような自動起動にすることもできるはずなので、いつの日かLILOを再設定すること。
 そんなこんなで無事インストールできました。HDDはIDE、CD-ROMはATAPIと、まあ「よくある」マシンだったのも幸いして、面倒な部分は皆無といってよかった。さてここからどうするかだが、家のメインマシンはMacintoshなので、Macintosh←→Linux間でファイルのやりとりができるならいい感じである。それにはLinuxに「netatalk」なるものをインストールする。Plamo LinuxのCD-ROMについていたnetatalkは「netatalk-1.4b2+asun2.1.1」で、実はCD-ROMがついていた「Software Design」99年7月号にはインストール方法も載っていたのだが、それに気づかずWebをうろうろしてThe netatalkというページを見つけ、それを参考にしてみた…のだがうまくいかない。すでに見つけてあったLinux JFにある「Linux Netatalk-HOWTO」はバージョンの古いnetatalkをもとに書かれており、ここに書いてある設定とごっちゃにしてしまったのがいかんかってん。と、そろそろ読者の我慢も限界であろうところで力つき、難しい話はまた今度とあいなったのであります。てけれんてんてん。


99/08/10 (Tue.)−日食はめぐる

 この11日、ヨーロッパからインドにかけての広い範囲で皆既日食が見られるという。WWWにも「LIVE! ECLIPSE」というサイトがあって、皆既日食を生中継しようと待ちかまえている。
 ところで今回の日食、皆既日食になる範囲もあれば部分日食になる範囲もあるのだが、新聞紙上やWeb上の記事をいくつか読んでみたものの、「日本では日食にはならない」とはっきり書かれた記事にはとうとう出会わなかった。読者の立場に立ってみれば、「うちでは欠けるの?欠けないの?」という疑問は必ず出てくるはずであろうのに、そこに触れる記事が見つからなかったのはちょっと意外。
 東京では、2035年に皆既日食が見られるという。2035年!自分の年齢に36を足してみて、あまりの現実感のなさに途方にくれてしまった。1963年に1999年へ思いをはせるようなもので、当時の人にはまさか今の日本がこんな状況になっているとは想像もつくまい。東京の皆既日食、その日の東京はどんな光を反射していることだろう。
 おまけ:日食といえば日本食堂なのだが、Yahoo! JAPANで検索した「http://www.nippon-shokudo.co.jp/」は「ドメイン名が見つかりません」。さらに調べると麦蕎乃驛…いやいや「驛乃蕎麦」なるサイト(ここ、徹底した旧かな遣いの風味が味わい深い)の「広域驛蕎麦業者」のページに「日食は98年に『日本レストランエンタプライズ』に社名変更した」という意の記述を見つけた。流転する日食である。


99/08/11 (Wed.)−フォトレタッチじゃない劇場(1)〜堂々としたバクイ

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99/08/12 (Thu.)−笑う映画/笑わない映画『オフィス・キラー』

 突然思い立って、恵比寿ガーデンシネマのレイトショー『オフィス・キラー』観る。
 話は、あか抜けない会社員の女性がだんだん連続殺人犯になっていく、というもの。ややぐちゃぐちゃした感じのホラーなのだが奇妙なおかしさもある、という前情報を得た上で劇場の扉をくぐったのだが。果たして?
 さて観終わりました。これはどうも、どうでしょうか。ホラー風味は予想より少なく、かといって笑い風味ももうひとつ突き抜けない風味だったんであった。オープニングの撮影はすごく凝っていて、『デリカテッセン』のよう。ここはよかった。んであるが。どうも笑い風味を目指して作っているようなんであるが、ここは笑うところだよ〜という最後のひと押しが足りず、おかしいことはおかしいんだけれどここで笑っていいものか、という具合がどうも歯がゆくもあったんであったんであったんであった。


99/08/15 (Sun.)−映画『π』

 突如映画ばかり観ている。『π』は数の魔力にとらえられた男の話。デビッド・リンチ(『イレイザーヘッドeraserhead』)やデビッド・クローネンバーグ(『ビデオドロームvideodrome』)、塚本晋也(『東京フィスト』/『鉄男TETSUO』は未見)にどこか近いものがある。黄金比やフィボナッチ数列に関する不思議な一致や、ヘブライ語を数字に置き換えて得られる奇妙な暗合など、「数字のふしぎ」みたいな本によく出ていそうなネタが、物語の神秘的な面を受け持っている。そして、πはそういった「数字のあやかし」方面の象徴として扱われているのだった。だから、πの話だと思って観に行くと、πの扱いの意外な小ささに失望してしまうかもしれない。いずれにしても、こういう数学小話は大好きなのでとても楽しめたし、自然科学が苦手な向きにも「そういう不思議な話がある」という了解ごととして捉えてしまえば十分に物語を楽しめると思う。
 そして、『π』のもう1つの魅力はその映像だ。モノクロの映像は強烈なコントラストで、見ていて気持ちがいい。自分で撮った写真をいくつか『π』風のコントラストにしてみたので、これは明日以降に紹介しよう。
 『π』は渋谷のシネマライズで観た。レイトショー公開のため1日1回しか上映されないこともあってか、立ち見も出る盛況だった。意外なのはパンフレットが作られていなかったこと。しかし配給元のアップリンクに『π』というサイトがあり、そのまま印刷すればパンフになるくらいの大量の情報が公開されている。これほどの量の情報をWWWに載せてしまうとは気前がよい。でもできれば、パンフも作ってもらいたいけれど。


99/08/16 (Mon.)−まんぷくギャラリー(3)〜ハイコントラスト・イミジス(1)

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99/08/17 (Tue.)−まんぷくギャラリー(4)〜ハイコントラスト・イミジス(2)

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 映画『π』の映像に惹かれて、2日間いろいろやってみた。撮ったときは大したことがなかった画像が、ハイコントラストにしてみると面白く変化したりして面白い。もうしばらく訓練すれば、「ハイコントラストにしたらいい感じになる風景」を見分けられるようになりそうだ。また気が向いたらいろいろやってみようと思う。


99/08/18 (Wed.)−思い出の量

 コンピュータにはメモリが乗っている。そして「memory」は「思い出」のことだ。ってーことは、「メモリ容量64MB」とはこれすなわち「思い出容量64MB」。大容量メモリは大容量思い出。あの思い出もこの思い出も、思い出がたくさん入ります。
 フラッシュメモリは「閃光の思い出」。メモリアドレスは「思い出番地」。
 ところで中国語ってこの手の直訳に満ちていて、コンピュータは「電脳」だしCPUは「處理器」、ソフトウェアは「軟體」でハードウェアは「硬體」。でも「メモリ」は単に「記憶體」でちょっと残念。中国語のサイトを見る方法については、「中国語のYahoo!をご覧になるために」に詳しく載っている。TAIWAN IBM Corporationなんかがいい味である。
 中国語で「思い出」はなんと言うのだろう。
 関連URL:コミュニケーション拡張装置としての機械翻訳


99/08/19 (Thu.)−なんにでも「i」がついてます

iGeek(「Geek(ギーク)」は「マニア/オタク」のような意)


99/08/21 (Sat.)−チェコアニメ映画祭'99(1/3)

 中野武蔵野ホールで開催中の、『チェコアニメ映画祭'99』観に行く。AプログラムからCプログラムまでが2週間ごとに上映されるうちの、今回はAプログラムである。Aプログラムで上映されたのは以下の作品。

  1. 『文明からのレポート』ヴラディミール・イラーネク(1981)
  2. 『Pat&Mat』
  3. 『草原の唄』イジー・トルンカ(1949)
  4. 『手』イジー・トルンカ(1965)

 と詳しく書くのは、上映には日本語がまったく使われず、上映中はそれぞれの作品のタイトルなどの情報がまったく得られないため。1本ごとに日本語のタイトルを数秒入れるだけでもコストがかかるのだろうが、窓口でもらえるチラシなどをあらかじめよく見ておかないと、次にどんな作品が出てくるのかわからなくなってしまう。
 と上映方法には疑問もあったが、作品そのものはどれも面白く楽しめた。
 上映作品の詳細については、いま本屋に並んでいる『夜想35−チェコの魔術的芸術』(ペヨトル工房)に詳しいので、ここでは割愛。お約束のドタバタをテンポよく見せてくれる「パットとマット」のシリーズは、キャラクターグッズが出たらよく売れそう。巨大な「手」の強要を拒み、植木鉢を作り続ける人形の姿を描く『手』は、特に印象的だった。
 28日からのBプログラムでは、ヤン・シュワンクマイエルの『対話の可能性』などが、続くCプログラムではイジー・バルタの『ゴーレム・パイロット版』『手袋の失われた世界』などが上映される。どれも話には聞いているが未見で、楽しみな作品ばかりだ。
 ところで、土曜日夕方の中野武蔵野ホールは行列ができるほどの盛況だった。この映画館には何度も足を運んでいるが、失礼ながら行列ができているのを見たのは初めてである。「ウォレスとグルミット」でもないのに、海外アニメの特集上映がこれほどの混み具合というのは意外だ。先週の土曜が嵐だったぶん、お客さんが今週末に集中しているのだろうか?実は自分も先週観に行こうと思いつつ、嵐で延期したクチである。Bプログラムの混み具合がどんなものになるのか楽しみだ。


99/08/23 (Mon.)−安い烏龍茶をあなどるなかれ

 明け方、突然目が覚めた。時計を見れば午前5時。ゆうべは早く寝たわけでもないのに、こんな時間に目が覚めるなんて珍しい。寝返りを打ち、一週間の始まりを少しでも遅らせようと再び眠りについた…つもりだったが眠れない。暑さのせいかとも思ったが、ここ数日に比べて特別暑いという気もしない。今日はいつもより30分ほど早く起きる用事があったとはいえ、気になってこんな時間に目が覚めるほどのものでもない。
 もう一度寝返りを打ち、枕に頭を沈めた…が眠れない。少しは時間がたったかと、時計を見ればまだ5時10分。一体どうなってるんだ。やっぱり暑いからかと、やむなく朝からエアコンをかける。が眠れない。時計を見ればまだ5時25分。このまま起きる時間まで眠れぬ頭を抱え、ゴロゴロと寝返りを打って過ごすなんてことは考えたくない。今日は月曜日だ。週のはじまりの日だ。ぴあの発売日だ。それはともかく、週のアタマからこんな調子では、今週もまた寝不足でふらふらになってしまうではないか。寝よう。
 ………。
 ……。
 …。
 時計を見れば5時55分。少しは時間がたったか。でも全然寝ていない。ような気がする。頭の血管が拡張しているような感覚。徹夜した翌日によくある状態だ。体は疲れ切っているのに、脳だけがやけに興奮しているあの感覚。しかし今日は徹夜をしたわけでもないのにこの症状。なぜだ。時計を見れば6時25分。全然寝ていない。
 もしかしたら、原因はゆうべ寝る前に飲んだ、烏龍茶の500mlペットボトルだろうか。烏龍茶は紅茶や緑茶と同様、お茶の葉から作られる。当然カフェインも入っているのだが、飲んだ烏龍茶はスーパーで売っているPB(private brand)の安い安いボトルだ。午後の紅茶を飲み過ぎて眠れない、なんて話を聞いたことがないように、それほど気合いを入れて作られているとは思えないこの手の製品に、ここまでカフェインが入っているものだろうか。お茶を飲む習慣を持たないせいでカフェインへの耐性がないとはいえ、あんな烏龍茶に。時計を見れば6時半。もちろん寝ていない。もうすぐ起きる時間だ。一週間の始まりだよ〜。


99/08/24 (Tue.)−トンボの電車

 地下鉄に乗ったら車内をトンボが飛んでいた。だいぶ疲れているらしく、手すりや吊り広告などに止まろうとしてはうまくつかまれず、ついついと飛び回っている。と、若いにーちゃんが背中に回した肩かけの鞄にとっついた。止まったらもう微動だにしない。そうこうするうち、地下鉄は地上に出て終点に着いた。自分の鞄にトンボが止まっていることに気づかないにーちゃんが電車を降りようとする後ろにつけ、ちょいと羽をつまんだ。トンボはよほど疲れていたのか、急に近づいてきた指に対してなにもせず、おとなしくつままれている。電車を降り、空に向けてトンボを放った。トンボはあっという間に上昇し、つついと視界から消え去っていった。


99/08/30 (Mon.)−スクリーンセーバー「太陽がいっぱい」

 会社なんかでは、一応スクリーンセーバーにパスワードを仕掛けておくことが多い。自分の場合、スクリーンセーバーは当然SETI@homeなのだが、席についていてもコンピュータを使わないまま設定した時間が過ぎると、スクリーンセーバーが起動してしまう。あっと気づいてマウスをちょっと動かすと「スクリーンセーバーのパスワード:」のダイアログボックスが表示され、パスワードを入力しなければならなくなる。これが少しうっとおしい。
 そこで考えた。スクリーンセーバーから復帰する際、マウスをちょろっと動かす人のために、そのマウスの動きがパスワードになるようなスクリーンセーバーがあったら面白いのではないか。マウスを動かす角度や速度は、人によって筆跡のように違うはず。あらかじめ特定の動きを登録しておいて、本人のマウス操作でなければスクリーンセーバーから復帰できないようになればよい。ちょうど、クレジットカードのサインを照合するようなものだ。とここで思いついた。ソフトの名前は「太陽がいっぱい」だ。
 「太陽がいっぱい」(1960)は、アラン・ドロン扮する貧乏な若者が、放蕩な金持ちの友人を憎み、殺して彼になりすますというサスペンス。なりすまし作戦の中に、殺した友人のサインをスライドで壁に映して模写の練習をするシーンがあるのだった。何度も何度も、慣れない他人のサインをなぞるさまが、鮮烈に印象に残っている。サインをちゃんとなぞれなければスクリーンセーバーから復帰できないというところがソフト名としてぴったりだと思うのだがどうだろう。といっても自分にはスクリーンセーバーを作る開発力はないので、ぜひどなたか作ってみてください。


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