最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(12/31, 2000)


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 12/22@セルビア議会選は「野党連合」圧勝の見通し(読売新聞)
 12/22@◇セルビア総選挙、23日に投票◇(朝日新聞)
 12/22@コシュトニツァ陣営圧勝へ 23日セルビア議会選(共同通信)
 12/22@対ユーゴ制裁を解除 イラクへの渡航制限も緩和(共同通信)
 12/22@南ア方式に関心 仏ユーゴ首脳会談(共同通信)
 12/22@◎元独裁者の長男に召集令状送付へ=ユーゴ軍、兵役逃れを許(時事通信)
 12/22@独立めざす東ティモールで左右両派の対立激化(読売新聞)
 12/22@◇バラク氏、シャロン氏の一騎打ち イスラエル首相公選◇(朝日新聞)
 12/22@前仏大統領の長男を逮捕 武器密輸絡み収賄(共同通信)
 12/22@回転の女王に一直線 4戦4勝のコステリッツ(共同通信)
 12/23@<セルビア議会選>投票行われる 野党連合圧勝の見通し=替(毎日新聞)
 12/23@セルビア共和国議会選の投票始まる(読売新聞)
 12/23@<セルビア議会選>コソボでも投票 一部で混乱、大勢に影響(毎日新聞)
 12/23@◎前大統領夫妻にも不正防止スプレー=ユーゴスラビア・セル(時事通信)
 12/23@ミロシェビッチ派を一掃へ セルビアで議会選(共同通信)
 12/23@米大統領選が内外で1位 AP通信の10大ニュース(共同通信)
 12/23@◇地雷除去のハイテク開発支援に5億円◇ (朝日新聞)
 12/23@<唄の話>旧ソ連国歌に郷愁感じる露国民 (毎日新聞)
 12/23@◇中国、民族の集結力強化狙い国防教育法案提出◇(朝日新聞)
 12/23@国連分担金、日米引き下げへ(読売新聞)
 12/23@<国連予算>1、2位の米、日の負担ようやく軽減 不均衡是(毎日新聞)
 12/23@<国連予算>日本の分担率、引き下げ基本合意 78年以来初(毎日新聞)
 12/23@国連の独立性に難題も 拠出額は大国並み 米タイム副会長(共同通信)
 12/23@米国務長官がダンス披露 国連難民高等弁務官事務所のCM出(共同通信)
 12/24@<サラエボ>内戦終結から5年 静かなクリスマス・イブ(毎日新聞)
 12/24@<セルビア議会選挙>新体制の前に難問山積(毎日新聞)
 12/24@<セルビア議会選挙>野党連合が勝利 新生ユーゴの原動力に(毎日新聞)
 12/24@ジンジッチ氏が台頭へ 連邦大統領に脅威か(共同通信)
 12/24@極右政党も議席獲得へ セルビア共和国議会選(共同通信)
 12/24@ユーゴ外相初訪米へ(共同通信)
 12/24@<セルビア議会選>即日開票で野党連合側が勝利宣言(毎日新聞)
 12/24@「不正なし」へと様変わり 対照的な新旧大統領 セルビア(共同通信)
 12/24@大統領派が圧勝を宣言 セルビア共和国議会選(共同通信)
 12/24@12月25日付・読売社説(2)(読売新聞)
 12/24@前大統領長男逮捕で仏・アフリカの“黒い関係”浮上(読売新聞)
 12/24@<中東交渉>クリントン大統領が「最終提案」(毎日新聞)
 12/24@新国連分担比率を正式決定 ミレニアム総会で採択(共同通信)
 12/25@ユーゴ・セルビア議会選、民主野党連合が圧勝(読売新聞)
 12/25@◇民主連合が圧勝宣言 セルビア共和国議会選挙◇(朝日新聞)
 12/25@中東和平交渉の米仲介案、イスラエル紙が報道(読売新聞)
 12/25@<移民>安価な労働力の流入におびえる西欧諸国 各国の事情(毎日新聞)
 12/25@<Jリーグ>三浦知良の神戸への移籍が決定(毎日新聞)
 12/26@<ユーゴスラビア>ミロシェビッチ前大統領の訴追は1〜2月(毎日新聞)
 12/26@<ユーゴ>コシュトゥニツァ大統領が最高防衛評議会を開催=(毎日新聞)
 12/26@前大統領の刑事責任追及へ セルビア民主野党連合(共同通信)
 12/26@NATOとの合意変更要求 コソボ問題でユーゴ政府(共同通信)
 12/26@◇緒方国連難民高等弁務官、森首相のアフリカ訪問に同行◇(朝日新聞)
 12/26@緊急時の即応支援を 緒方氏が退任のあいさつ(共同通信)
 12/26@<ウクライナ>大統領弾劾騒ぎ クチマ氏窮地(毎日新聞)
 12/27@<ロシア>国防相がイランを公式訪問 武器再輸出を協議=替(毎日新聞)
 12/27@12月28日付・編集手帳(読売新聞)
 12/27@<ブッシュ新政権>閣僚紹介 ライス次期安保担当補佐官(毎日新聞)
 12/28@民主野党連合176議席が確定…セルビア議会選(読売新聞)
 12/28@◇セルビア議会選挙の結果確定◇(朝日新聞)
 12/28@全議席の3分の2以上獲得 セルビア議会で民主連合(共同通信)
 12/28@<中東和平>アラファト、ムバラク両首脳が仲裁案を協議(毎日新聞)
 12/28@西部大開発の具体策発表 中国、21世紀へ戦略目標(共同通信)
 12/28@中東和平首脳会談が中止に(読売新聞)
 12/29@<余録>30日 20世紀(毎日新聞)
 12/29@<劣化ウラン弾>情報知らされない コソボの現状(毎日新聞)
 12/29@独立目指す政策綱領承認(共同通信)
 12/29@<キーパーソン>国防長官に指名されたラムズフェルド氏(毎日新聞)
 12/29@◇国防長官にラムズフェルド氏 ブッシュ次期大統領が発表◇(朝日新聞)
 12/29@<ブータン>ブータン、ネパール両政府が難民帰還で基本合意(毎日新聞)
 12/29@外交問題はぐらかす ブッシュ次期米大統領(共同通信)
 12/30@モンテネグロの連邦見直し案で対立さらに深まる(読売新聞)
 12/30@中国・江沢民総書記、政権維持に強い危機感(読売新聞)
 12/30@<ユーゴ>今後の課題 モンテネグロとの交渉が焦点 内部対(毎日新聞)
 12/30@国際刑事裁の署名で苦慮 決断迫られる米大統領(共同通信)
 12/30@◎「バルカン症候群」への対応策協議を=ベルギー国防相、E(時事通信)
 12/30@◇ユーゴ解体目指す政策綱領を正式決定 モンテネグロ政権◇(朝日新聞)
 12/30@女性の地位向上の波広がる 中東イスラム諸国で(共同通信)
 12/30@次はミシシッピで世界記録 川での遠泳世界記録男(共同通信)
 12/31@初のユーゴ軍兵士の負傷者 セルビア南部で銃撃(共同通信)
 12/31@前大統領派幹部ら追放 ユーゴ政権、軍を掌握(共同通信)
 12/31@◇ガーナ大統領にクフォー氏、平和裏に政権譲渡◇(朝日新聞)
 12/31@民族衝突で中国県幹部解任 新華社が事件を初報道(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 12/22@セルビア議会選は「野党連合」圧勝の見通し(読売新聞)

 【ベオグラード22日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国議会選(定数二百五十、比例代表制)の投票が二十三日、実施される。十月五日の民衆蜂起(ほうき)の引き金となった九月二十四日の連邦大統領選から三か月。民主化の総仕上げとなるもので、コシュトゥニツァ連邦政権の母体「民主野党連合」が圧勝する見通し。これにより体制転換後の移行期に終止符が打たれるが、難題は山積しており、民主勢力は政治運営能力の真価が問われる。
 最新調査によると、支持率は、十八政党から成る「連合」が71%。復権を狙う前大統領を党首に再選した社会党は13%と後退。極右民族主義政党の急進党7%、最大野党だった再生運動5%となっている。現有議席は、社会党と前大統領夫人のマルコビッチ氏が党首のユーゴ左翼の連合が百十、急進党八十三、再生運動四十五など。「民主野党連合」は、前回九七年九月の選挙をボイコットし議席を持っていなかったが、次期議会では憲法改正に必要な三分の二を制する勢いだ。
 この間、「連合」、社会党、再生運動の三勢力が暫定政府を組み、社会党の首相の下、内務、大蔵、情報、司法の四省を三勢力の合議制とするなど、変則的な政治運営が続いてきたが、今選挙により解消され、連邦に続いて共和国でも戦後初の非共産系政府が誕生する運び。すでに「連合」側は、九月の連邦選挙で中心的役割を担ったゾラン・ジンジッチ民主党党首を首相とすることで合意、事実上の組閣を進めている。
 今選挙では、政府がOSCEの選挙監視団を受け入れるほか、透明の投票箱を導入。さらに、多重投票防止のために指先に吹き付けるスプレーを使用するなど、公正選挙実施をアピールしている。投票開始は午前七時。午後八時に締め切られ、即日開票される。[2000-12-22-21:43] 13
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 12/22@◇セルビア総選挙、23日に投票◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会選挙(250議席)が23日、行われる。世論調査によると、前政権を倒した旧野党連合が圧勝の勢いで、ミロシェビッチ派は激減する見通しだ。
 議会選は来年秋に予定されていたが、政変後に繰り上げ実施が決まった。比例代表制で、有権者は約650万人。即日開票され、大勢は早ければ24日にも判明の見込み。
 各種世論調査によると、先の大統領選でコシュトニツァ大統領を擁立した旧野党連合の支持率は60%を越す。一方、ミロシェビッチ前大統領が党首にとどまる社会党の支持は10%前後に落ち込んでいる。
 旧野党連合の間ではすでに民主党のジンジッチ党首(48)の首相就任で合意。閣僚の顔ぶれもほぼ内定している模様で、遅くとも来月半ばまでには共和国政府を始動させる方針だ。
 現地からの報道によるとジンジッチ氏は20日夜の記者会見で「最優先課題は金銭腐敗のない、信頼される政府づくりだ」と語った。
 ミロシェビッチ前大統領については、戦争犯罪よりもまず不正蓄財の罪で国内で裁かれるべきとの立場。ロイター通信に対し「裁判所が役割を果たすよう促したい。ミロシェビッチ(前大統領)が裁判を逃れるとは想像できない」と述べている。[2000-12-22-21:09] 14
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 12/22@コシュトニツァ陣営圧勝へ 23日セルビア議会選(共同通信)

 【ベオグラード22日共同】ミロシェビッチ前大統領のセルビア社会党が最後まで影響力を残してきたユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会選が二十三日、行われる。十月の政変で前大統領を追い落としたコシュトニツァ連邦大統領のセルビア民主野党連合が六○―八○%の支持を得て圧勝する見通しで、定数二百五十議席の三分の二を占める勢いだ。
 前大統領の社会党は支持率一○%前後と低迷。九月の連邦大統領・議会選に続き民主野党連合が勝利を収めれば、民族紛争が続いたミロシェビッチ時代が終わることになる。
 民主野党連合は十一月、セルビアとともに連邦を構成するモンテネグロ共和国の社会人民党などと連立で連邦政府を発足。民主改革を継続するため、連邦の中核であるセルビアの議会選に勝利し権力基盤を確立したい意向だ。
 セルビア共和国議会は十月の政変後に解散。選挙までの期限付きで民主野党連合や社会党などで構成する暫定内閣が発足した。
 十八政党などで構成する民主野党連合は民主党のジンジッチ党首を首相とする組閣案をほぼ固めており、同党首は二十一日、来年一月中旬にはセルビア新政府を発足させるとの意向を表明した。
 議会選では民主野党連合と社会党だけが得票率五%のラインを超えて議席を得る見通し。(了)[2000-12-22-16:12] 15
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 12/22@対ユーゴ制裁を解除 イラクへの渡航制限も緩和(共同通信)

 政府は二十二日の閣議で、ユーゴスラビア連邦に対し一九九八年から続けてきた新規投資の停止などの経済制裁を解除することを決めた。十月に発足したコシュトニツァ新政権が国際社会への復帰を進めていることを評価し、欧米各国と足並みをそろえた。
 またイラクに対し九○年から続けている経済制裁について、国連がイラク政府に食糧、医療品など人道物資購入のための経済活動を段階的に許可していることを考慮。これに関連する日本人ビジネスマンの渡航にかかわる許可制を廃止し、自由に渡航できるよう制限を緩めることを決めた。(了)[2000-12-22-12:18] 18
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 12/22@南ア方式に関心 仏ユーゴ首脳会談(共同通信)

 【パリ21日共同】ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領は二十一日、フランスを公式訪問しシラク大統領と会談した。フランス大統領府報道官によると、コシュトニツァ大統領は「(白人政権下の政治・人権犯罪を追及している)南アフリカの真実委員会の手法に関心を持っている」と述べ、同様の連邦内機構の設置を検討していることを示唆した。
 南アフリカの真実委は、人権侵害などの事実を自ら正確に明らかにした者に免責特権を与えるなど独特の方法で国民和解を図っている。国際戦犯法廷が訴追したミロシェビッチ前大統領の身柄引き渡しについてコシュトニツァ大統領は否定的な見解を示しており、南アフリカ方式による解決を念頭に置いた発言とみられる。
 同報道官によると、「戦犯法廷への協力は国際社会に対する責務だ」とのシラク大統領の指摘に対して、コシュトニツァ大統領は「責任は自覚している」と答えたという。(了)[2000-12-22-08:30] 19
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 12/22@◎元独裁者の長男に召集令状送付へ=ユーゴ軍、兵役逃れを許(時事通信)

 【ウィーン21日時事】ユーゴスラビアの独立系ラジオ放送B92によると、ユーゴ軍は21日、ミロシェビッチ前大統領の長男、マルコ氏(26)が兵役を逃れていたと暴露し、同氏に召集令状を送付すると発表した。青年実業家としてディスコなどを経営し、父親の威光をバックに幅を利かせていた元独裁者の御曹司は、一兵卒として召集されるという。
 ミロシェビッチ氏は先ごろ、「北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆中、せがれは軍に志願した」と力説し、悪評ふんぷんのマルコ氏をかばった。しかし、ユーゴ軍声明は「その事実はない」と一しゅうし、兵役逃れを許さない厳しい態度を示した。 [時事通信社][2000-12-22-07:04] 67
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 12/22@独立めざす東ティモールで左右両派の対立激化(読売新聞)

 【ディリ22日=本田路晴】二〇〇一年中の独立達成をめざす東ティモールで、国づくりの主体となるはずの独立派組織連合体「東ティモール民族抵抗評議会(CNRT)」が、内部対立から事実上の機能停止に陥っている。さらに、東ティモール指導者の一部には、独立の手助けをしている国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)に対する不信感さえ芽生えている。
 国家像を決めるために今年八月開かれたCNRT全国代表者会議では、大統領の任期を四年とし三選を禁止することが決まったが、憲法草案づくりや制憲議会選挙の進め方など、重要課題は先送りされた。
 この会議でCNRTの最高意思決定機関として「常任評議会」を設置することが決まったが、二大勢力である左派の東ティモール独立革命戦線(フレティリン)と右派のティモール民主同盟(UDT)は、いずれもボイコットしている。インドネシア国軍の弾圧を耐え、庶民の支持を受けるフレティリンと、新国家建設に向けて海外から戻ってきた裕福な層が中核となる民主同盟の主導権争いは、代表者会議後、ますます激しくなっている。あるCNRT幹部は「CNRTは黄身も白身もない卵」と嘆く。
 二大勢力の和解は、国づくりに不可欠だ。対立解消のかぎを握るのは、フレティリン指導者だったシャナナ・グスマンCNRT議長だが、フレティリン側は議長がかつて脱退したことを「裏切り」として根に持ち、再三の対話要請を退けた。対話に応じるようになったのは十一月に入ってからだ。議長は「立場や考えの違いを寛容の精神で受け入れ国家建設に向けて手を携えよう」と訴えているが、共産主義思想を捨てていないフレティリンと、資本主義に立つ民主同盟のイデオロギー上の溝は極めて深い。
 UNTAETは来年一月十二日までに制憲選挙の方法を決めたいとしているが、選挙の前段となる政党規制法づくりも進まない。「フレティリンが最低党員数、資金などで高いハードルを設け、少数政党の参加を阻もうとしている」(UNTAET政務担当官)のが、原因の一つだ。
 UNTAETのセルジオ・デメロ国連事務総長特別代表は十月、制憲議会選挙までの暫定的な議会として「国民評議会」を設立し、三十六人の議員を指名した。このうちフレティリンで指名されたのは一人だったため、フレティリン側は「国連が独立のプロセスからフレティリンを排除しようとしている」と反発した。
 UNTAETは来年六月に制憲議会選挙を行い、七月にも憲法を公布する日程を立てているが、内紛が続く事態を受けて、グスマン氏も含め、だれ一人として、独立が来年中に達成できるとは考えていない。
 UNTAETの高橋昭副代表は「国づくりの道のりは、いばらの道だ」と認めつつも、「(インドネシア併合下の)四半世紀を戦い抜いた忍耐力で頑張れば、困難は乗り越えられる」との期待を表明している。[2000-12-22-21:51] 70
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 12/22@◇バラク氏、シャロン氏の一騎打ち イスラエル首相公選◇(朝日新聞)

 イスラエルの首相公選は、現職のバラク氏が21日、身内の労働党から立候補を狙ったペレス元首相の封じ込めに成功し、右派リクードのシャロン党首との一騎打ちとなった。バラク首相は、「和平推進に対する国民の信を改めて問う」と、選挙の意味を強調した。勝利へのバネにしようと、投票前にパレスチナ側と和平合意を結ぶ可能性もある。だが、バラク氏の訴えには和平推進派からも冷めた目が向けられており、和平路線が個人の不人気と共に沈む危険もある。
 バラク首相は国会解散、総選挙の可能性が強まると、強敵のネタニヤフ前首相の立候補阻止を狙い、辞任を表明して首相のみの特別選挙に持ち込んだ。左派を分裂させるペレス元首相の出馬も、21日の立候補受け付け締め切り間際で食い止めた。首相にとっては一応、思い通りの選挙戦に落ち着いたといえる。
 しかし、22日のイスラエル紙による世論調査での支持率は、シャロン氏46%対バラク氏28%、または49%対38%と水をあけられている。ペレス氏だったら、いずれもシャロン氏を上回ると出た。
 バラク氏が勝つには、和平合意を結び、紛争の終結をアピールする以外にない。領土と平和を交換する和平に反対するリクードは、力でパレスチナ人の不満を封じ込める以外の答えは示していない。
 ところが、有権者の多くは、バラク氏が和平合意を目指すのは再選狙いのためと、冷めた目で見ている。マーリブ紙の調査によると、合意は「自分のため」とみる人が49%で、「国益のため」の34%を上回った。
 ペレス氏擁立の試みは、足元の労働党内の、首相の独断専行に対する不信の反映だった。それが不発に終わったことで、和平推進派が、バラク氏のための選挙戦を熱心に支えるかの不安が残る。また、和平推進派を支持してきたアラブ系イスラエル人も、今回はバラク氏に投票するか疑問だ。パレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突の影響でアラブ系の暴動が起きた際、激しい鎮圧で死者が出たことへの恨みが、バラク氏に向いた。
 一方で、自治区などでの衝突は続いており、21日夜も、エルサレム近郊の主要道路でイスラエル人が車に銃撃を受けて死亡した。対パレスチナ強硬ムードが強まるほど、思い切った譲歩による交渉妥結を難しくする。選挙と交渉の行方が、互いに影響し合いそうな状況だ。[2000-12-22-21:12] 111
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 12/22@前仏大統領の長男を逮捕 武器密輸絡み収賄(共同通信)

 【パリ21日共同】フランス公共ラジオによると、内戦下のアンゴラへの武器密輸事件を捜査しているパリの予審判事は二十一日夜、武器密輸に絡み不明朗な資金を受け取ったとして、収賄などの容疑で、ミッテラン前フランス大統領の長男で実業家のジャンクリストフ・ミッテラン容疑者(54)を逮捕した。
 同容疑者は今月一日、自宅の家宅捜索を受け、二十一日朝から捜査当局の取り調べを受けていた。
 報道によると、武器密輸や詐欺などの容疑で逮捕された貿易商から押収したフロッピーディスクを分析した結果、ジャンクリストフ容疑者に数十万フラン(一フランは約十六円)が渡されていたことが分かった。
 ジャンクリストフ容疑者は父が大統領だった時代の一九八六年から六年間、大統領顧問としてアフリカ問題などを担当。その後は旧国営石油会社エルフの役員などを務めた。武器密輸は一九九三年から九四年にかけて行われたとの疑いが出ている。
 予審判事は容疑内容の詳細や、収賄に関連する職務権限などについて公表していない。(了)[2000-12-22-09:17] 17
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 12/22@回転の女王に一直線 4戦4勝のコステリッツ(共同通信)

 アルペンスキー女子のワールドカップ(W杯)回転で、十八歳のヤニツァ・コステリッツ(クロアチア)が開幕から4連勝、「回転の女王」に向け一直線に突き進んでいる。
 女子回転のシーズン連勝記録はフレニ・シュナイダー(スイス)の持つ7連勝。AP通信によると、コステリッツは「記録のことは考えない。無敵だなんて思わないし、まだ回転のタイトルだって、多くの選手にチャンスがある」と自然体だ。
 W杯総合得点は現在、519点。首位マルチナ・エルトル(ドイツ)には、1試合の優勝分(100点)より少ない91点差につけている。一年前のひざの大けがで、今季は滑降への出場を断念。スーパー大回転もほとんど出ず、回転と大回転だけでW杯ポイントを稼いでいく計画という。
 4種目すべてで得点を挙げるエルトルを上回るのは並大抵ではないが、一九九五年には回転と大回転のスペシャリストだったアルベルト・トンバ(イタリア)がオールラウンド選手のマルク・ジラルデリ(ルクセンブルク)を打ち負かした例がある。
 「いまは先のことは考えず、リラックスしてスキーを楽しむことだけを心掛ける。そうすれば、いい結果がついてくるでしょう」と新鋭はほほ笑む。(共同)(了)[2000-12-22-08:39]
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 12/23@<セルビア議会選>投票行われる 野党連合圧勝の見通し=替(毎日新聞)

 【ベオグラード23日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会(定数250、比例代表制)選挙の投票が23日、行われた。コシュトゥニツァ連邦大統領の支持母体・セルビア民主野党連合(18政党で構成)に対する有権者の支持は根強く、圧勝が見込まれている。過去10年余りに渡り強権支配を敷いてきたミロシェビッチ前大統領率いるセルビア社会党は政権党の座から名実ともに消え、10月の民衆ほう起に始まったユーゴの民主化が完了する。選挙結果の大勢は24日未明(日本時間同日朝)に判明する見通しだ。
 ミロシェビッチ政権下では、野党側選挙運動への弾圧や選挙監視への規制が続いたが、今回は初の自由選挙となり、国内の独立機関や全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団が展開したほか、前政権下で同一人物が何度も投票する不正が相次いだため、有権者の指にスプレーを吹き付け不正を防止する新装置が導入された。
 投票は国内8700カ所の投票所で一斉に始まり、コシュトゥニツァ連邦大統領やミロシェビッチ前大統領がベオグラード市内の投票所に姿をみせた。9月の連邦大統領選挙で政権居座りをもくろんだ前大統領も不正防止用のスプレーを指にかけられた。野党連合内で新政権首相に内定しているジンジッチ民主党党首は「前大統領は選挙後、過去の不正蓄財など経済犯罪で(国内で)訴追されるだろう」と述べている。
 最新の世論調査によると、政党別支持率は▽民主連合65%前後▽セルビア社会党12%前後▽極右・セルビア急進党6%前後▽セルビア再生運動3%前後ーーの順で、野党連合は圧勝の勢い。3年前の前回選挙での得票率は社会党34%▽急進党28%▽再生運動19%など(野党連合傘下の多くはボイコット)だっただけに、セルビア政界は様変わりする。[2000-12-23-23:50] 3
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 12/23@セルビア共和国議会選の投票始まる(読売新聞)

 【ベオグラード23日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国議会選(定数二百五十、比例代表制)の投票が二十三日午前七時(日本時間同日午後三時)から始まった。同日午後八時に締め切られ、即日開票に入る。
 投票を終えたコシュトゥニツァ大統領は「この選挙によって国家再建に向けた体制が整う」と報道陣に語った。一方、ミロシェビッチ前大統領は「良い新年を」とだけ述べ、投票所を去った。
 ユーゴ体制転換の総仕上げとなる今選挙では、コシュトゥニツァ連邦政権の母体「民主野党連合」が圧勝する見通しだが、同共和国を構成するコソボ自治州では、アルバニア系政党の一部が今選挙を「セルビアによる挑発だ」として、州都プリシュティナで抗議集会を予定しており、緊張も予想される。
 国連暫定統治機構(UNMIK)の管理下にあるコソボでは、セルビア人居住区となっている十六市町村のうち十二市町村で投票が行われる予定で、治安問題などから投票の対象外となった地区の住民からは「われわれを見捨てるのか」といった不満も出ているという。[2000-12-23-23:18] 4
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 12/23@<セルビア議会選>コソボでも投票 一部で混乱、大勢に影響(毎日新聞)

 【ベオグラード23日福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州でも23日、セルビア議会選の投票が行われた。だが、セルビア人の居住地域が点在している上、コソボを暫定統治する国連の積極支援が得られず、一部で投票用紙が届かないなど混乱した。
 自治州では、住民の95%を占め、「コソボ独立」を目指すアルバニア系住民が「セルビアの選挙」に強く反発していることなどから、国連は「妨害はしないが協力もしない」立場を取った。このため、数千人が点在して暮らす東部ジラネ周辺などで投票用紙が届かなかった。コソボ在住のセルビア人は約10万人で、選挙の大勢に影響はない。[2000-12-23-22:05] 5
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 12/23@◎前大統領夫妻にも不正防止スプレー=ユーゴスラビア・セル(時事通信)

 【ベオグラード23日時事】23日に行われたユーゴスラビア・セルビア共和国議会選では、不正な投票を防止するため、有権者の指にスプレーを吹き付ける新たな措置が導入された。9月の連邦大統領選で不正による政権居座りを画策したミロシェビッチ前大統領もこの日午前、マルコビッチ夫人とともに投票したが、しっかりとスプレーをかけられた。
 スプレーは無着色で、投票前に各有権者の指に吹きかけられる。機械を通して、既に付着されているかどうかをチェックし、2度投票しようとしてもすぐに発覚する手はずになっている。
 ミロシェビッチ前政権下の選挙では、政権側の意を受けた同一人物が何度も投票する不正が横行していた。 [時事通信社][2000-12-23-21:50] 8
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 12/23@ミロシェビッチ派を一掃へ セルビアで議会選(共同通信)

 【ベオグラード23日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会選の投票が二十三日、始まった。同日午後八時(日本時間二十四日午前四時)の投票終了後に即日開票され、二十四日には大勢が判明する見通し。
 民主改革の波に乗るコシュトニツァ連邦大統領のセルビア民主野党連合が圧勝する勢いで、十月の政変で失脚したミロシェビッチ前大統領派は権力の座から一掃されるのは確実。
 セルビア中央選挙管理委員会のジュミッチ報道部長は二十二日の会見で、アルバニア系住民が大多数を占める同共和国コソボ自治州でも二百七十カ所の投票所を設置して選挙を実施すると述べた。
 しかし、コソボに残る約十万人のセルビア人住民が投票する際、どのように安全を確保するかについては明らかにしなかった。コソボに駐留する国際治安部隊は投票活動に関与しない方針を表明しており、投票が順調に行われるかどうかは不明。
 有権者は約六百五十万人。前大統領のセルビア社会党は最大野党として生き残る見込みだが、影響力が大きく低下するのは避けられない。しばらくは、寄り合い所帯の民主野党連合が新政権獲得後に分裂することを期待しながら政局を見守る方針だ。(了)[2000-12-23-16:48] 10
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 12/23@米大統領選が内外で1位 AP通信の10大ニュース(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】AP通信は二十二日、二○○○年の世界の十大ニュースを発表、トップには米国内、国外の加盟報道機関ともにジョージ・ブッシュ氏が当選した米大統領選挙を選んだ。
 AP通信は加盟社の投票を国内、国外別に集計。国内各社の投票では、二位はキューバ人少年エリアン・ゴンサレス君をめぐる騒動、三位はイエメンでの米駆逐艦に対する爆破テロ。国外の報道機関は二位にユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領退陣、三位に中東和平危機を選んだ。
 国外の加盟社が選んだ四位以下は次の通り。
 Cロシア原潜クルスク沈没D南北朝鮮の首脳会議E人間の全遺伝情報解読Fプーチン・ロシア大統領当選Gコンコルド墜落事故H原油価格高騰Iシドニー夏季五輪開催(了)[2000-12-23-09:24] 11
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 12/23@◇地雷除去のハイテク開発支援に5億円◇(朝日新聞)

 対人地雷への取り組みを検討してきた外務、文部、通産、防衛、科学技術の各省庁連絡会議は22日までに、日本のハイテクを利用した地雷除去技術の開発を積極的に支援していくことを掲げた報告書をまとめた。これをうけて、外務省は新年度に5億円を研究支援に投入する。
 世界各地に埋められた地雷の除去に決定的な方策は見つかっておらず、日本の開発が実れば、この分野に新たな刺激を与えそうだ。しかし、民間で地雷に取り組んできた人たちからは「除去技術は軍事大国などが競って開発中だ。日本は犠牲者の支援などに徹するべきではないか」という声もあがっている。
 地雷問題に熱心だった故小渕恵三首相(当時外相)の主導で、日本は1997年の対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)に署名した際、5年間に100億円を地雷除去と犠牲者支援にあてることを約束した。これまでに、その3分の1をボスニアやカンボジアの除去活動や病院施設などに提供してきた。
 これを日本のハイテク利用に拡大することは、小渕時代からの構想だった。連絡会議の報告書は(1)企業、非政府組織(NGO)、研究機関の研究を支援(2)自衛隊の演習場を提供するなどで実験も支援する(3)こうした高価な機材を世界の現場に普及させるため、地雷除去に取り組むNGOへの「草の根無償援助」の枠を1億円まで拡大する――などをうたった。
 日本では数年前からベンチャー企業、重機メーカーなどが除去技術開発を続けてきており、外務省では「これら志ある人たちを支援するシステムが必要だ。どの研究を対象にするかは、第三者的な審査会のようなものをつくって決めていきたい」と話している。
 だが、地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)代表の北川泰弘さんは「日本の支援はあまりにも除去中心で、犠牲者への支援は援助額の2―3割どまり。地雷に力を注ぐこと自体は評価したいが、犠牲者とか、地雷を除去している人々とか、もっと現地の人たちに直接届く支援に資金を使うべきだと思う」と指摘している。
 まもなく発効から丸2年をむかえるオタワ条約では、地雷廃絶をめざして生産、移転、貯蔵、使用などを禁じるとともに、全世界に埋まっている地雷の除去と犠牲者の支援などを主な柱に掲げている。今秋の条約参加国の会議で、日本はニカラグアとともに来秋までの1年間「犠牲者支援委員会」の共同委員長に決まっている。[2000-12-23-05:46] 3
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 12/23@<唄の話>旧ソ連国歌に郷愁感じる露国民(毎日新聞)

 ロシア議会が旧ソ連国歌の復活を決めた。プーチン大統領が提案したもので、共産党など保守左派勢力や中道勢力が賛成に回り、下院投票の結果は賛成381、反対51。地方勢力で構成する上院では、賛成144、反対1で、ほぼ全会一致の決定だった。
 旧ソ連国歌は、対独戦争中の1943年に制定された。映画監督ミハイルコフ氏の父親、S・ミハイルコフ氏が作詞、アレクサンドロフ氏が作曲した。旧ソ連の団結と共産主義勝利を歌った内容だった。「自由な共和国の揺るぎなき連邦。大いなるルーシ(ロシアの古代名称)の永遠の団結。諸民族の意志によって打ちたてられた統一した強大なソ連邦万歳!」
 復活する国歌では、歌詞は新しく作り変えられることになっており、旧ソ連賛美の内容は消えるはずだ。
 それにしても、ソ連邦が無残に崩壊した今、なぜ旧ソ連国歌の復活が必要なのか。スターリン時代の抑圧政治を批判するリベラル知識人層らは「暗黒のソ連政治を思い起こす」と反対した。
 にもかかわらず、大多数の国民は賛成し、その結果が議会の評決に現われた。プーチン大統領は「ソ連時代のすべてが悪かったわけではない」と説明した。そして、国家喪失のアイデンティティー危機を味わった国民の大半が大統領の呼びかけに応じた。旧ソ連国歌に郷愁の思いを寄せたのだ。
 「別にソ連時代の復活を求めてはいない。あのソ連国歌の下で勝利したサッカーやアイスホッケーなどの試合が忘れられないんだ」という声もある。
 ソ連崩壊後、旧ソ連国歌を廃止し、グリンカ作曲の愛国歌を国歌に制定したエリツィン前大統領は、新国歌に歌詞をつけるのを忘れた。このため、国民が歌い慣れる時間がなかったとの説明もある。それにしても、旧ソ連時代を完全否定的に解釈する国際世論と郷愁を感ずるロシア国民と。その溝は想像以上に大きい。(石郷岡建)[2000-12-23-23:40] 9
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 12/23@◇中国、民族の集結力強化狙い国防教育法案提出◇(朝日新聞)

 新華社電によると、中国政府と中央軍事委員会は23日までに全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会に国防教育法案を提出した。学生の軍事訓練や、国防大学での地方幹部研修といった活動を具体的に規定し、国防教育を強化するものだという。中国が1901年に義和団事件の講和条約に調印した9月7日を「全国民国防教育日」とするとしている。
 中国が推し進めている愛国教育強化の一環と見られ、遅浩田国防相は法案説明の中で「国防教育は民族の集結力を強化し、全国民のレベルをあげる重要な過程だ」と訴えた。[2000-12-23-22:18] 13
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 12/23@国連分担金、日米引き下げへ(読売新聞)

 【ニューヨーク23日=松浦一樹】国連総会は、三年に一度の国連分担金見直し交渉で、米国と日本の分担率をそれぞれ引き下げることで大筋合意、二十三日にも、合意事項を盛った決議を採択する見通しとなった。
 交渉が行われている国連第五委員会(行政・予算)では、国連通常予算で米国の分担率を現行の25%から22%に、別建ての国連平和維持活動(PKO)予算については、現行の30%から26―27%にまで引き下げることで合意。また、日本については、通常予算の分担率を現行の20・573%から20%弱に引き下げることが決まった。
 交渉は、米国の分担率の引き下げをめぐり紛糾。国連の肥大化を嫌う米連邦議会からの圧力を背景に引き下げを強く迫る米政府に対し、米国の引き下げを認めれば自国負担が増大する韓国、シンガポール、アルゼンチンなどが反発した。
 しかし、交渉期限ぎりぎりの二十二日になって、米CNNテレビの創業者で、億万長者のテッド・ターナー氏が、米国の分担率を引き下げた場合に他の国々が引き受けることになる負担増にほぼ見合う約三千四百万ドル(約三十八億円)を一人で肩代わりすると申し出たことから、交渉は一気に妥結へと向かった。第五委では二十三日未明も、詰めの折衝が続けられているが、民間の篤志家一人の“英断”で、困難な国際交渉がまとまる異例の事態になりそうだ。
 ターナー氏は大の「国連シンパ」として知られ、三年前には、米国の分担金滞納額の一部、十億ドルを一人で支払うと申し出た。その際は、国連に受け入れられず、国連事業に充てるための基金を設立した。
 国連は、個人献金を受け付けておらず、今回も、ターナー氏が負担する額は米国務省が国連に支払う形をとるという。[2000-12-23-21:43] 18
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 12/23@<国連予算>1、2位の米、日の負担ようやく軽減 不均衡是(毎日新聞)

 【ニューヨーク23日上村幸治】国連が通常予算の分担率改定で基本合意に達したことで、分担率1位の米国と2位日本の負担は向こう3年間でようやく軽減される。特定の国に分担率が集中するアンバランスな状態が、わずかながらだが、ようやく是正されることになる。
 合意案に記載された米国の分担率22%と日本の19・628%を足すと約42%で、2000年の約46%から減少することなる。だが、両国の分担率が突出していることに変わりはない。
 日本は国内財政事情の悪化もあり、分担率の見直しを模索してきた。一方の米国は景気好調ながら、国連の非効率さなどに不満を示し、分担率の上限を下げるよう求めていた。
 日米両国の負担が軽減された分、韓国やブラジル、タイといった中堅の国の分担率が大きく増えることになる。
 また、安全保障理事会の常任理事国でみると、2000年の分担率が0・995%だった中国が、0・5ポイントほど増えることになる。中国の場合、1人当たりの国民総生産(GNP)が低いことも加味され、これまでは分担率が極端に低かった。だが、拒否権という絶対的な権限を持つため、相応の負担をすべきだという声が出ていた。
 今回はまた、民間人のテッド・ターナー氏が国連に巨額の寄付をすることになった。通常予算の3%にあたる金額で、ロシアや中国といった大国の拠出額の倍以上の金額に相当する。ターナー氏は米政府を通じ拠出するとしており、国連側も「ターナー氏がこれを契機に国連の事務に介入にすることはない」と話している。
 予算不足に悩む国連自身、むしろ民間経済界の資金に期待を寄せているというのが実態で、ビジネス界はここ数年、財団設立などで国連との結び付きを強めている。今回ターナー氏の拠出を認めたことで、「特定の個人や企業が国連に影響力を持つ」ことへの懸念が広がっており、民間資金の活用方法が改めて議論されることになるだろう。[2000-12-23-21:05] 19
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 12/23@<国連予算>日本の分担率、引き下げ基本合意 78年以来初(毎日新聞)

 【ニューヨーク23日上村幸治】国連の来年から3年間(2001〜03年)の通常予算の各国分担率を決める交渉は22日(日本時間23日)、日本の分担率を引き下げることで基本合意に達した。23日にも国連第5委員会(行政・予算)と総会で承認される見通しだ。日本の分担率は2000年が20・573%だったが、2001年は19・628%になる予定で、約1ポイント下がり、約1000万ドル負担が減ることになる。日本の分担率は90年代に入り、急上昇してきたが、近年の景気悪化を反映し、今回、78年以来初めて減少が認められた。
 国連は通常予算(人件費など組織運営にかかる経費)の各国分担率を3年ごとに改定している。日本や米国が、各国の過去6年間の国民総生産(GNP)の平均値を基礎に分担率を算出した前回(97年)の方式を過去3年間に変更するよう求めていた。これに発展途上国側が反発、結局4・5年間の平均を基礎とすることで合意した。
 これを受け、日本はここ数年の景気の悪化を算定基準に反映させることができるようになり、分担率も自動的に下がることになった。
 また、従来から分担額が一番多い米国は、分担率の上限を25%から22%に引き下げるよう求め、基本的に各国の同意を得た。米CNNテレビの創業者、テッド・ターナー・タイムワーナー社副会長が、国連通常予算の3%に当たる3400万ドル(約38億3800万円)を、米政府を通じて拠出する異例の措置が認められ、国連の独立性に問題を投げかけそうだ。[2000-12-23-20:30] 45
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 12/23@国連の独立性に難題も 拠出額は大国並み 米タイム副会長(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】国連通常予算の一部を米タイム・ワーナーのターナー副会長が拠出することは、国連の独立性にとって多くの問題を投げ掛けそうだ。
 今回は米政府を経由した間接的な資金提供とはいえ、ここ数年、財団設立などで国連との結び付きを強めてきたビジネス界が、国連職員の人件費という「本丸」にまで乗り込んできたことを意味する。
 ターナー氏が来年分として拠出するのは年間通常予算の約三%に相当する三千四百万ドルで、国連にとって「大国並み」の額。
 今年の分担率で三%を上回っているのは国連加盟百八十九カ国のうち米国(二五%)、日本(二○・五七三%)、ドイツ、フランス、イタリア、英国の五カ国だけだ。
 安全保障理事会の常任理事国であるロシア(一・○七七%)、中国(○・九九五%)の低率と比較しても三%の大きさは明らかで、国連外交筋は「ターナー氏は常任理事国に日本、ドイツ、イタリアを加えた八カ国に迫る影響力を持つことになる」と指摘した。
 どの国際機関でも、予算での貢献は活動への介入を招くのが通例。米国人の国連職員は「米国自身が払うべきものを裕福な個人に肩代わりさせてしまった付けは将来高くつくはずだ」と嘆いている。(了)[2000-12-23-10:13] 48
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 12/23@米国務長官がダンス披露 国連難民高等弁務官事務所のCM出(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がこのほど発足五十周年を記念して、内戦や政治的理由で母国脱出を強いられ、現在各方面で活躍する人々が登場するテレビコマーシャル(CM)を制作した。
 六十秒間のCMのハイライトは、オルブライト米国務長官がソウル歌手アレサ・フランクリンの歌に合わせて、ダンスを披露する場面。チリのアジェンデ元大統領のめいで作家のイザベル・アジェンデさんやグアテマラ出身のノーベル平和賞受賞者リゴベルタ・メンチュさんらも登場する。
 旧チェコスロバキア生まれのオルブライト長官は第二次大戦後に樹立した共産党政権に追われ、大学教授の父親とともに一九四八年に米国に脱出した。(了)[2000-12-23-09:43]
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 12/24@<サラエボ>内戦終結から5年 静かなクリスマス・イブ(毎日新聞)

 【サラエボ24日村田隆和】20万人以上の死者と200万人の難民を出したボスニア・ヘルツェゴビナ内戦終結から丸5年。首都サラエボは24日、静かなクリスマス・イブを迎えた。夕刻には、新世紀を祝うイルミネーションが市内の目抜き通りを彩る。
 平和な日々が戻ってはいるが、難民の帰還問題をめぐり民族間の衝突はおさまっていない。北大西洋条約機構(NATO)の平和安定化部隊は現在も駐留する。
 サラエボのいとこに会うためにユーゴスラビア・ボイボディナ自治州からやって来たヤドランカ・ニコリッチさん(37)が言った。「他民族の住む地域に行きにくいのは確か。でも、ユーゴもボスニアもクロアチアも、すべての民族の子供たちがお互いを愛せるような時代が来ますように」。両親がモンテネグロ人で、セルビア正教徒の彼女はそう話すと、娘のミリヤナちゃん(8)らとともに、目抜き通りのカトリック聖堂を背景に記念写真におさまった。[2000-12-24-19:40] 14
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 12/24@<セルビア議会選挙>新体制の前に難問山積(毎日新聞)

 セルビア共和国議会選で野党連合が圧勝し、脱ミロシェビッチ体制への国民の期待が高まっているが、難問も山積している。
 ジンジッチ民主党党首は「旧政権時代にまん延した汚職体質を排し、法秩序を確立する」と述べているが、共産主義時代から引き継がれた社会体質を改善するのは容易ではない。生活レベルの向上が達成されなければ、国民の批判は野党連合に向かうことが予想される。野党連合にとっては、18党の意思統一が最大の課題になる。
 ユーゴ連邦はセルビア(人口約1000万人)とモンテネグロ(同65万人)の2共和国で構成されており、モンテネグロの現政権が独立を主張していることから、セルビア新政権発足後、両国間で本格交渉が始まる。ジンジッチ党首はこれまでの交渉で「両国の自治権をより強化し、連邦の権限を弱めた上で、連邦制を維持できる」と語っている。
 中道左派の実務家であるジンジッチ党首と、穏健派愛国主義者のコシュトゥニツァ大統領の路線対立は鮮明だ。ジンジッチ党首は「連邦大統領は両国から交代で選出してもよい」とも発言し、モンテネグロと連携した上での連邦大統領権限の棚上げを模索している。これに対し、コシュトゥニツァ大統領は、連邦制崩壊がコソボ自治州の喪失にもつながることから、連邦大統領にとどまって影響力を維持する構えで、両者の勢力争いの激化が懸念されている。【ベオグラード・福井 聡】[2000-12-24-19:10] 15
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 12/24@<セルビア議会選挙>野党連合が勝利 新生ユーゴの原動力に(毎日新聞)

 【ベオグラード24日福井聡】23日投票のユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会(定数250)選挙は開票の結果、10月に就任したコシュトゥニツァ連邦大統領の支持母体・セルビア民主野党連合(18政党で構成)が、全議席の3分の2を占める地滑り的勝利を収めた。ミロシェビッチ前大統領率いるセルビア社会党の得票率は13%にとどまり、13年間に及んだ政権党の座から転落した。この結果、民衆ほう起によって始まった民主化運動が結実し、野党連合は名実ともに「新生ユーゴ」の原動力になった。
 ベオグラードの独立監視機関・自由選挙と民主化センターの集計によると、政党別得票率は▽野党連合67・24%▽社会党13・3%▽極右・セルビア急進党8・03%▽セルビア統一党5・27%の順だった。
 得票率5%以下の政党は議席を持てないという規定があるため、この得票率を議席数に配分すると▽野党連合177▽社会党35▽急進党23▽統一党15となり、野党連合の議席比率は7割を超える。
 公式最終結果は27日までに発表され、それを受けて初議会を招集し、新政府が樹立される。野党連合は首相にジンジッチ民主党党首を指名することで合意しており、同党首は24日「新政府は政権の利権のためでなく、国民の利益のために働く最初の政府となる」と決意をのべた。
 ユーゴでは40年間の共産党支配の後、ミロシェビッチ前大統領がセルビアとユーゴに計13年間君臨した。社会党は今後も議会内での活動を続けるが、改選前に左派連合として190議席以上を占めていた地位は完全に変わった。ジンジッチ党首は「前大統領は選挙後、セルビア国内で過去の不正蓄財など経済犯罪で訴追されるだろうう」と述べており、さらに厳しい立場に追い込まれそうだ。[2000-12-24-18:35] 16
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 12/24@ジンジッチ氏が台頭へ 連邦大統領に脅威か(共同通信)

 【ベオグラード24日共同=永田正敏】二十三日のユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会選で勝利宣言したセルビア民主野党連合(DOS)は、来年一月にもジンジッチ民主党党首を首相とするセルビア政府を発足させる方針だ。
 連邦の中核であるセルビアの実権を握るジンジッチ氏が強力な指導者として台頭するのは確実で、ミロシェビッチ政権を倒した立役者として国民の圧倒的支持を得ているコシュトニツァ連邦大統領が、改革を実現しながらも失脚したゴルバチョフ元ソ連大統領と同様、ジンジッチ氏に“追放”されるとの見方さえ浮上している。
 ジンジッチ氏は同連合による勝利宣言後の二十四日未明、同連合の議席が三分の二を上回るため「憲法改正が可能」との見通しを示した。
 ミロシェビッチ氏がセルビア大統領に当選する直前の一九九○年九月、議会決定への拒否権行使を可能にするなど大統領権限を強化した憲法を制定したことを念頭に、権限縮小に取り組む考えを示したものだ。
 連邦を構成するモンテネグロ共和国が来春にも独立の是非を問う国民投票を実施する計画で、独立が実現すれば連邦は消滅し、コシュトニツァ氏の連邦大統領職は自動的に失われる。
 このためコシュトニツァ氏がセルビア大統領の座を狙っているとの憶測が流れており、ジンジッチ氏がセルビア大統領を「格下げ」しようとする動きとみられている。
 オルリッチ連邦情報庁長官は二十四日、セルビア大統領選の前倒し実施を要求。「コシュトニツァ対ジンジッチ」の本格対決が日程に上ってきた。(了)[2000-12-24-15:14] 17
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 12/24@極右政党も議席獲得へ セルビア共和国議会選(共同通信)

 【ベオグラード24日共同】二十三日のユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会選で、極右民族主義政党のセルビア統一党が初めて議席を獲得する見通しとなった。
 統一党は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で私兵を率いて有名になり今年一月に暗殺されたラズニャトビッチ氏(通称アルカン)が設立した。
 出口調査によると、五%の議席獲得ラインをぎりぎりで超え、十五議席前後になる見込み。(了)[2000-12-24-13:04] 19
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 12/24@ユーゴ外相初訪米へ(共同通信)

 【ベオグラード24日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦のスビラノビッチ外相は二十四日、同通信に対し、来年一月にワシントン、ブリュッセル、モスクワを訪問する予定だと語った。
 コシュトニツァ政権が誕生してからユーゴ高官が米国を訪問するのは初めて。また、訪問先の「ブリュッセル」は北大西洋条約機構(NATO)本部を指すとみられ、昨年のNATO軍によるユーゴ空爆で関係が断絶した米国やNATOとの関係改善にユーゴが本格的に乗り出したことを示している。(了)[2000-12-24-12:30] 20
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 12/24@<セルビア議会選>即日開票で野党連合側が勝利宣言(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦のセルビア共和国議会選挙が23日投票され、即日開票された。現地からの報道によると、反ミロシェビッチ前大統領の立場をとる、セルビア民主野党連合の独自集計では、開票率60%の段階で民主野党連合が得票率65%を獲得、勝利がほぼ確実になった。
 これを受けて首相候補のジンジッチ民主党党首は事実上の勝利宣言を行った。[2000-12-24-11:25] 21
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 12/24@「不正なし」へと様変わり 対照的な新旧大統領 セルビア(共同通信)

 【ベオグラード23日共同】二十三日に投票が行われたユーゴ連邦セルビア共和国議会選。十月の政変で政権を獲得したコシュトニツァ連邦大統領率いるセルビア民主野党連合は、同日午後の会見で「不正は報告されていない」と発表。不正が当然だったこれまでの選挙から大きく様変わりを見せた。
 ミロシェビッチ前連邦大統領はベオグラードの私邸近くの投票所で、一般市民と同様に、二度投票するなどの不正を防止するための液体を指に塗られた後、新たに採用された透明な投票箱に投票。待ち構えたカメラマンにポーズを取ることもなく不機嫌そうな表情でそそくさと退場した。
 コシュトニツァ連邦大統領もベオグラードの自宅近くの投票所で投票。民主野党連合の圧勝が確実なためか、記者団の問いにも「国家再建の活動を続けていくだけだ」と余裕の表情。
 投票した公務員のドラゴスラバさん(51)は「私自身の生活はあまり変わっていないが大統領の改革に期待できる」と述べた。(了)[2000-12-24-10:01] 24
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 12/24@大統領派が圧勝を宣言 セルビア共和国議会選(共同通信)

 【ベオグラード24日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会選挙(二百五十議席)の投票が二十三日夜(日本時間二十四日未明)締め切られ、開票が始まった。独立系調査機関、自由選挙民主主義センターの出口調査に基づく推計によると、コシュトニツァ連邦大統領のセルビア民主野党連合(DOS)が六四・七%を得票し、圧勝する見通しとなった。
 前与党であるミロシェビッチ前大統領のセルビア社会党は一三・二%と低落。同連合のヨバノビッチ報道官は「圧倒的な勝利を収めた」と勝利宣言した。
 九月の連邦大統領・議会選に勝利し十月の政変で前大統領を退任に追い込んだコシュトニツァ派は、連邦の中核であるセルビア共和国の権力も奪取することで「民主革命」を完成させることになる。
 これを受け、ジンジッチ民主党党首を首相とする同連合単独の共和国政府が来年一月に発足する見込み。
 選管の最初の暫定開票結果は二十四日正午(同午後八時)ごろ発表の見通し。他にセルビア急進党とセルビア統一党が議席を得そうだ。
 投票所では国内外の非政府組織(NGO)などが監視団を派遣。大きな不正の報告もなく、これまでのユーゴでの選挙とは様変わりの公正な選挙となった。
 一方、独立系ベタ通信によると、国連が管理するコソボ自治州や、アルバニア系住民の多いセルビア南部では、アルバニア系住民が投票をボイコット。コソボでは「コソボはセルビアではない」と叫ぶアルバニア系住民がデモを行った。(了)[2000-12-24-09:29] 313
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 12/24@12月25日付・読売社説(2)(読売新聞)

 ◆[緒方さん退任] 難民問題解決の道は依然遠い◆
 国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが年内いっぱいで退任する。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップとして十年間、世界の難民支援活動を陣頭指揮してきた。
 ご苦労さま、とまず言いたい。
 国際関係が専門の上智大学教授から国際機関の長に転身したのが九一年一月。長い米国留学や国連代表部公使といった外交官経験もある国際派の緒方さんにとってはふさわしい活動の場だった。
 冷戦後のこの十年余、平和な時代の到来という当初の期待に反して、民族や宗教などに起因する対立、紛争が世界各地で多発し、旧ソ連や旧ユーゴスラビアの解体もあって、難民が急増した。
 国境を越えるまでにはいたらない国内避難民も放置しておくわけにはいかず、UNHCRが救援対象とする難民・避難民は、ピーク時の九〇年代なかばには二千七百万人を超えて、九〇年代はじめに比べ倍増した。
 緒方さんのもとでUNHCRの職員数は倍増され、五千人を超えた。予算も倍増した。
 緊急事態への対応体制も新たに確立された。これは緒方さんの就任直後に起きた、イラクからのクルド難民大量流出に対して、十分な対応ができなかったことへの反省に基づいている。
 旧ユーゴでもアフリカでも、難民のあるところ、緒方さんの姿を目にすることができた。行動的で現場感覚にあふれた緒方さんは、指導力、管理能力も高く評価された。その活躍で、読売新聞社の国際協力賞も受けた。
 「顔」が見えないと批判されてきた日本の国際協力だが、緒方さんの国際公務員としての活躍は、日本の国際貢献に関するイメージを向上させ、日本人の能力への信頼を強めた。第二、第三の緒方さんがぜひ登場してほしいものだ。
 日本政府のUNHCRへの拠出金は、緒方時代に倍増され、一億ドルを超えている。米国政府に次ぐ額だ。民間からの寄付も他国にはひけをとっていない。
 緒方さんが退任した途端、日本で難民支援の熱意の冷めてしまうことがあってはならないだろう。
 UNHCRの支援対象の難民・避難民はなお二千二百万人もいる。難民問題の解決には程遠い現実だ。
 難民問題は単に人道的な救済問題ではなく、地域の安全保障問題ともかかわっている。新たな難民を出さないための外交的努力も求められている。
 七十三歳になった緒方さんは退任後、自伝にとりかかるという。その完成も楽しみだ。[2000-12-24-21:34] 322
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 12/24@前大統領長男逮捕で仏・アフリカの“黒い関係”浮上(読売新聞)

 【パリ24日=池村俊郎】ミッテラン前仏大統領の長男が逮捕され、武器輸出大国のフランスと、アフリカ諸国の“黒い関係”が改めてクローズアップされている。
 仏捜査当局はさる二十一日にジャンクリストフ・ミッテラン元大統領顧問(54)を逮捕した後、スイスの銀行にある同容疑者の口座に武器輸出商社から送金された百八十万ドル(約二億円)の解明を急いでいる。当局は、父ミッテラン大統領時代の一九八六〜九二年、アフリカ担当顧問だった同容疑者が対アンゴラ武器違法輸出に関連し、影響力を行使した見返りに受け取ったワイロとの疑いを強めている。
 歴代の仏政権は旧仏植民地のアフリカ諸国を国益の重点地域としてきた。東西冷戦時代には、旧ソ連の進出阻止を名目に武器市場として重視する一方、石油資源の確保のために国策企業が進出。ミッテラン政権でも長男を担当に据えて大統領直属案件としていた。
 今回の事件では、贈賄容疑の武器輸出業者ら五人が身柄拘束されており、旧ソ連製武器の対アンゴラ輸出の仲介といった国際事件もからんで、八〇〜九〇年代にアフリカを舞台に仏政権中枢と武器商人との黒い関係を明らかにする絶好の機会と見られる。
 フランスの武器輸出は仏政府監視委員会の認可を得た分だけで、年間三百七十億フラン(約五千五百億円)に上るが、仲介業者が国外に拠点を置くと迂回輸出が可能で、下院調査報告でも「国の監視強化が急務」と指摘されたばかり。[2000-12-24-19:40] 326
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 12/24@<中東交渉>クリントン大統領が「最終提案」(毎日新聞)

 【ワシントン23日布施広】クリントン米大統領は23日、イスラエルのベンアミ外相、パレスチナ自治政府のエラカト地方行政相との会談で、交渉進展のための仲裁案を提示し、27日までに回答するよう求めた。双方が仲裁案を受け入れ可能と判断した場合は、バラク・イスラエル首相とアラファト自治政府議長が訪米し、クリントン大統領と個別協議を行う見通しだが、これが双方の首脳会談や3首脳会談へと進展するかどうか、米政府は「現時点では判断できない」としている。
 ホワイトハウスのクローリー報道官は、クリントン大統領が提示したのは「双方の意見を聞いたうえでの提案」であり、「米国案」ではないと強調した。しかし、仲裁案には東エルサレムの帰属問題やパレスチナ難民帰還に関する見解が含まれている模様で、事実上、1月20日に退任するクリントン大統領の「最終提案」と言えるものだ。
 5日間の協議を終えた両代表団は、仲裁案を持ち帰って今後の対応を協議するが、イスラエル側はバラク首相の訪米に前向きな姿勢を示しており、アラファト議長の出方が焦点になっている。エラカト氏は記者団に対し「難民帰還問題などで大きなギャップが残っている」と語った。
 双方が仲裁案受け入れを拒否すれば、クリントン政権の8年近い和平仲介は事実上終わり、大統領は退任の花道として、年明けの朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問に傾くことになるだろう。しかし、米国内では「中東和平を投げ出しての北朝鮮訪問は容認できない」といったマスコミ論調が目立ち、大統領が和平仲介をあきらめて訪朝に踏み切る場合は、苦しい立場に立たされそうだ。[2000-12-24-19:15] 343
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 12/24@新国連分担比率を正式決定 ミレニアム総会で採択(共同通信)

 【ニューヨーク23日共同】国連ミレニアム総会は二十三日、加盟国が負担する来年から三年間の国連分担金の比率改定に関する決議案を全会一致で採択、通常予算で米国の分担率の上限を二五%から二二%に引き下げることが正式に決まった。日本も現行二○・五七三%から約一ポイント下げ、二○○一年には一九・六二九%と二○%を切る水準となった。
 上限の引き下げと分担率算定方式の改定で、主要国では人口規模が大きく、これまで低所得国割引を受けていた中国が○・九九五%(二○○○年)から一・五四一%(二○○一年)と大幅に比率を上げたほか、ロシアや韓国、ブラジルなどの分担率が上昇した。
 佐藤行雄国連大使は会見で「一九七九年以降、伸び続けてきた日本の比率が下がった意義は大きく、二○%を下回ったのが象徴的だ」と強調した。
 また、国連平和維持活動(PKO)予算の分担率も確定し、米国は現行の約三○%から約二六%に下げた。日本は先進国グループとして通常予算の分担率と同じ数値となった。(了)[2000-12-24-09:36]
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 12/25@ユーゴ・セルビア議会選、民主野党連合が圧勝(読売新聞)

 【ベオグラード24日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国で二十三日に投票された議会選(定数二百五十、比例代表制)は二十四日までの開票で、十月五日の民衆蜂起(ほうき)でミロシェビッチ独裁体制を打倒した「民主野党連合」(十八政党で構成)が圧勝した。これによりコシュトゥニツァ連邦政権の誕生に続いて、共和国レベルでも民主改革派が権力を全面的に掌握、民主化推進に向けた体制が整った。新政府は経済再建など難題を抱えているが、旧体制の残した弊害の一掃を急ぐ構えで、ミロシェビッチ前大統領訴追の動きが加速しよう。
 共和国選管の中間集計(開票率47・71%)によれば、「連合」の得票率は64・51%。獲得議席数は定数の三分の二以上の百七十六前後の見込みで、憲法改正など改革に必要な法整備も容易になる。これに対してミロシェビッチ氏が党首で、ユーゴ左翼と連合して百十議席を擁した社会党は13・63%で、三十七議席前後に大きく後退する見通し。
 このほか、現八十三議席で第二党だった極右民族主義派の急進党は8・58%と二十三議席に減る模様。今年初めに暗殺されたジェリコ・ラジュナトビッチ(通称アルカン)旧ユーゴ戦犯国際法廷被告が創設したセルビア統一党は5・68%で、十五議席を獲得して議会進出を果たす公算。
 一方、現四十五議席で旧体制下では最大野党だった再生運動は、議席を獲得できなかった。
 セルビア共和国はモンテネグロ共和国と共に連邦を構成しているが、人口九百七十万で連邦の九割以上を占めており、事実上の実権を握っている。
 「連合」は九月二十四日に投票された連邦大統領・議会選で中心的役割を担ったゾラン・ジンジッチ民主党党首を首相とすることで合意しており、戦後初の非共産系政府が誕生する運びだ。しかし、前途には旧体制下で疲弊しきった国内経済、セルビア共和国を構成するコソボ自治州問題、共和国南部で続くアルバニア系武装組織の越境攻撃、独立への動きを速めるモンテネグロとの関係見直しなど難題が山積している。
 中でも欧州最貧レベルに落ち込んだ経済では、コシュトゥニツァ政権誕生後の価格自由化などでインフレが高進、国民の生活苦に一段と打撃を与えており、新政府は発足早々から政治運営能力を問われる。
 「連合」側は政治、経済改革推進に向けて、旧体制下の腐敗糾明などが不可欠としており、ミロシェビッチ前大統領ら旧政権指導部の訴追に全力を挙げる考えを示している。前大統領の処遇を巡っては、欧米諸国から旧ユーゴ戦犯国際法廷への前大統領の身柄引き渡し圧力が強まるものと見られるが、「連合」幹部は二十三日夜、「旧体制の残した重荷を新年に持ち越さない」と述べ、国内訴追を進める考えを改めて明らかにした。[2000-12-25-01:34] 11
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 12/25@◇民主連合が圧勝宣言 セルビア共和国議会選挙◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会選挙(250議席)の投開票が23日実施され、9月の連邦大統領選でコシュトニツァ・現連邦大統領への政権交代を実現させたセルビア民主野党連合(旧野党連合)が議席の3分の2以上を獲得した。同連合は24日、「圧勝」を宣言。一方、ミロシェビッチ前大統領が党首にとどまる社会党は大敗した。ユーゴ連邦の人口の9割を占めるセルビアでの民主派政権発足で、ユーゴは「ミロシェビッチ時代」の清算を本格化させる。
 選挙管理委員会の中間発表によると24日午後4時(日本時間25日午前零時)現在の得票率見通しは民主連合が約65%、前大統領が党首を務める社会党が約13%。250議席のうち民主連合が単独で178議席前後を獲得する見通しだ。社会党は36議席前後と、今までの半分以下に減る。「ミロシェビッチ時代との決別」を求める有権者の意思が改めて浮かび上がった形だ。
 新政権は1月発足の予定。連邦大統領選で野党18党をまとめた実力者で親欧米派のジンジッチ・民主党党首が次期首相に内定している。
 ユーゴは、連邦と共和国にそれぞれ大統領と首相がいる。内政の主要な権限は連邦よりも共和国に集中するため、民主連合にとって今回の勝利は政権安定に欠かせなかった。以前は反政府運動弾圧の中心となった警察(内務省所属)も正式に掌握することになり、有権者の求める民主化を一層進める。
 新政権の一方の緊急課題はミロシェビッチ時代に無策に終始した経済再建だ。昨年の1人当たりの国内総生産(GDP)は約1700ドル。10年前より半減した。
 国立銀行のディンキッチ総裁は23日、朝日新聞記者に「外国の銀行には1月か2月にも最初の支店開設許可を出す」と述べた。海外資本導入など、様々な新施策が検討されている模様だ。
 しかし一方で、民主連合は国営企業の民営化について、「2002年から2003年に行うのが現実的」と、選挙戦で掲げてきた。国営企業の急速なリストラは、深刻化している失業率をさらに上昇させかねないため「ショック療法」は避ける考えだ。経済構造の改革と社会の安定とのバランスを保つのは容易ではない。
 寄り合い所帯の民主連合内の権力闘争も激しくなりそうだ。コシュトニツァ連邦大統領とジンジッチ・セルビア次期首相はライバル関係。次第に激化してきた両派の派閥争いは、ジンジッチ氏の表舞台への登場で一層表面化するとの見通しもある。[2000-12-25-01:18] 297
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 12/25@中東和平交渉の米仲介案、イスラエル紙が報道(読売新聞)

 【エルサレム24日=当間敏雄】ワシントンで行われていた中東和平交渉は具体的な成果をあげられず二十三日に終了したが、イスラエル紙ハアレツは二十四日、今回の交渉でクリントン米大統領が提示した仲介案の内容を報じた。同紙によると、イスラエルがエルサレムのイスラム聖地をパレスチナ側に引き渡すかわりに、大多数のパレスチナ難民の帰還を認めない――などが主な内容で、イスラエル、パレスチナの両代表は二十七日までに、この仲介案を受け入れるかどうか、回答することになっている。
 米案の骨子は次の通り。
 ▽エルサレム
 アラブ人地区をパレスチナ自治政府、ユダヤ人地区をイスラエルの管轄化とする原則に従って都市を分割、旧市街のイスラム聖地はパレスチナ側に引き渡す。
 ▽難民
 帰還対象者の基準や補償などに関する特別機関を設置。一部の難民のパレスチナ帰還は認めるものの、大部分は現住地である周辺アラブ諸国にとどまる。
 ▽パレスチナ領域、ユダヤ人入植地
 イスラエルはヨルダン川西岸95%から撤退、同地域とガザ全域を領土に、パレスチナ国家が樹立される。残る5%地域にあるユダヤ人入植地はイスラエルに併合、他の入植地は解体する。[2000-12-25-10:40] 298
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 12/25@<移民>安価な労働力の流入におびえる西欧諸国 各国の事情(毎日新聞)

【ロンドン22日岸本卓也】好景気の続く西欧諸国に仕事を求める不法入国者が押し寄せ、各国政府が国境警備の強化に躍起になっている。欧州連合(EU)は3年後から東欧諸国の加盟を見込んでいるが、現加盟国は新加盟国からの安価な労働力の流入におびえている。しかし、西欧に忍び寄る高齢化社会の到来に備えた移民の受け入れも考慮しなければならず、EUは来年から移民対策の本格的な検討を開始する方針だ。移民問題に苦しむ各国の事情をまとめた。
 ●命がけの密航
 スペイン南部の沖で14日未明、ボートが転覆し、乗っていた27人のモロッコ人が救助された。沿岸警備隊の調べにモロッコ人たちは「スペインで職を見つけたかった」と供述した。今年に入って北アフリカからスペインに密入国を企てて検挙された者は1万5000人に上る。ジブラルタル海峡沿岸には密航船の転覆による水死者の遺体が連日のように漂着している。
 17日にはスペインの主要都市で政府が進める外国人の入国規制強化策に反対するデモが行われた。参加者は「外国人の人権を守れ」と訴えた。野党の社会労働党、市民団体などがデモを支援したが、アスナール首相は「スペインを不法入国者の天国にしたくない」と突っぱねている。
 ●密航者探知機
 英仏海峡(ドーバー海峡)を運航する英国のフェリー会社「P&Oステナ・ライン」は6日、会社が雇った警備員を使ってフランスの港を出発するフェリーの密航者捜索を行った。会社が独自で実施した初めての捜索だ。捜索には密航者の吐く息の二酸化炭素に反応する探知機が威力を発揮。トラックの荷台に隠れていたイラク人など22人を発見した。
 海峡を渡る不法入国者の増加に手を焼いた英政府は今年4月から密航者1人につき運輸業者に2000ポンド(現行レートで約34万円)の罰金を科した。すでに同社は10万ポンド(約1700万円)の罰金を払っている。捜索費用は年間50万ポンド(約8500万円)かかるが、同社は「罰金を考えれば安いものだ」とあきらめている。
 ●7年間は流入阻止
 ドイツのシュレーダー首相は17日、チェコ国境に近いバイデンの町で演説し、近い将来にEUに加盟する東欧諸国からの労働者のドイツへの流入に深い懸念を示した。ポーランドなどの賃金水準はドイツの10分の1。首相はEUに対して「東欧諸国が加盟しても7年間は現加盟国への労働者の移動を禁止するべきだ」と求めた。
 しかし、EU統合の特色は資本や労働の国境を越えた移動の自由にある。シュレーダー首相の発言にポーランドのブゼック首相は「EUに加盟した瞬間からポーランドの労働者はドイツで働けるはずだ」と反発した。ドイツ政府は東欧諸国のEU加盟に賛成するが、「労働者の輸出だけはお断り」に東欧諸国の不満が高まりそうだ。[2000-12-25-09:55] 9
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 12/25@<Jリーグ>三浦知良の神戸への移籍が決定(毎日新聞)

 Jリーグ2部(J2)への降格が決まっている京都から戦力外通告を受けた日本代表のFW三浦知良(33)が神戸へ移籍することが決まった。神戸が25日、発表した。27日に正式契約し、神戸市内のホテルで入団会見を開く予定。
 今年6月にも移籍を申し入れていた福岡、古巣のヴ川崎も三浦と入団を交渉していたが、25日午後に三浦から「神戸でやります」と、神戸の西真田光司チーム統括部長に電話連絡があったという。
 三浦の戦力外通告後、最も早くから獲得に乗り出した神戸は、今月18日に中野晴雄社長自らが、三浦の保有権を持つ父親との交渉に静岡市内へ出向く熱意を見せていた。2年契約で年俸6000万円とされる条件も、他チームを上回っていたとみられる。神戸側は、来秋にも新本拠地「神戸ウイングスタジアム」が完成することから、三浦の集客能力にも期待している。
 三浦は1993年のJリーグ発足当初からヴ川崎で活躍した。94年7月から95年6月は日本人として初めてイタリア・セリエAのジェノアでプレー。クロアチア・ザグレブを経て昨年8月、京都に入団した。今年5月には史上初のJリーグ通算100ゴールを達成。今月20日の韓国との親善試合で半年ぶりに日本代表に復帰した。[2000-12-25-18:40]
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 12/26@<ユーゴスラビア>ミロシェビッチ前大統領の訴追は1〜2月(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の首相に内定したジンジッチ民主党党首は25日、ミロシェビッチ前大統領に対する汚職などの容疑の訴追は「来年1月から2月にかけて行われるだろう」と述べた。セルビア議会選で前大統領が党首を務める社会党が惨敗し、ジンジッチ党首らのセルビア民主野党連合が議席の7割を占めたことで、来年1月半ばに発足予定のジンジッチ政権は判事の総入れ替えを実施、そのうえで前大統領の本格訴追に踏みきる。
 ジンジッチ党首は「前大統領は13年間の在任中に行った汚職、選挙違反、暗殺指令などの罪悪について国民に答えねばならない。容疑が明白となれば逮捕されよう」と発言。前大統領を起訴している国連旧ユーゴ戦犯法廷への身柄送還よりも、国内法廷での訴追優先を示唆した。
 前大統領訴追の声は9月の連邦議会選直後から上がっていた。コシュトゥニツァ連邦大統領はジンジンッチ党首との内部対立から、前大統領訴追も「最優先課題ではない」と繰り返してきたが、ジンジッチ首相就任後は急進展が予想される。[2000-12-26-18:46] 3
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 12/26@<ユーゴ>コシュトゥニツァ大統領が最高防衛評議会を開催=(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のコシュトゥニツァ大統領は25日、ベオグラードで連邦軍の最高意思決定機関である最高防衛評議会を開催した。大統領は、同連邦コソボ自治州とセルビアの境界で活動しているアルバニア系武装勢力の撤退期限を設定するよう国連安全保障理事会に要求した。
 コシュトゥニツァ大統領は最高防衛評議会で「安保理が期限を設定してゲリラに撤退を命じなければ、ユーゴ側は独自に、国際的に許される範囲内で闘う」と強硬方針をとる可能性も示した。アルバニア系武装勢力は、国連安保理が昨年の北大西洋条約機構(NATO)空爆後に設定した幅5キロの緩衝地帯で武力活動を続けている。国連安保理は今月19日、アルバニア系ゲリラの行為を非難する決議を採択したが、武力衝突は収まっていない。
 今回の会議はセルビア議会選挙の大勢が判明した翌日に開催され、セルビア共和国首相に内定したジンジッチ民主党党首への示威の意味が強いとみられる。コシュトゥニツァ大統領とジンジッチ党首は民主野党連合に属するが、最近、それぞれ影響力拡大をめぐる駆け引きが目立つようになっている。
 またコシュトゥニツァ大統領は会議後、懸案のモンテネグロ共和国の地位に関して、「両共和国の2つの主権国家による国家連合構想はあり得ない」とジュカノビッチ・モンテネグロ大統領の提案を明確に否定した。ジンジッチ党首はジュカノビッチ大統領と共に両共和国の国家連合構想を進め、連邦大統領の地位棚上げを模索しており、コシュトゥニツァ大統領はこれにクギを刺した形となった。[2000-12-26-12:05] 5
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 12/26@前大統領の刑事責任追及へ セルビア民主野党連合(共同通信)

 【ベオグラード25日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会選で圧勝したセルビア民主野党連合(DOS)の幹部らは二十五日、ミロシェビッチ前大統領や側近らの過去の犯罪捜査に近く本格的に着手、刑事責任を追及する意向を表明した。
 前大統領一家や取り巻きの国営企業幹部は、不正蓄財や海外への秘密資金送金などの疑いを持たれている。
 コシュトニツァ連邦大統領らは、ミロシェビッチ前大統領を国内で裁判にかける意向を示しており、コソボ紛争で前大統領を戦犯として起訴した旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に身柄を送るよう求める欧米諸国などと摩擦が広がる可能性もある。
 独立系ラジオ「B92」によると、同連合幹部のジンジッチ民主党党首は二十五日、捜査当局が「数週間以内」に汚職などの容疑で前連邦大統領に対する捜査を始めるとの見方を示し「長年にわたる汚職や犯罪、選挙の不正操作、殺人命令などについて答える義務がある」と主張した。
 ジンジッチ氏はまた、同連合単独のセルビア共和国政府を来年一月十五日までに発足させる方針を表明した。(了)[2000-12-26-08:53] 6
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 12/26@NATOとの合意変更要求 コソボ問題でユーゴ政府(共同通信)

 【ベオグラード25日共同】ユーゴスラビアのベタ通信によると、ユーゴ連邦政府は二十五日、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆終了につながった昨年のNATOとユーゴ軍の合意内容の変更を協議するよう国連安全保障理事会に求める声明を発表した。
 合意の変更要求については、ベオグラードで同日行われた最高防衛評議会で決まった。声明は具体的な変更内容には触れていない。
 ユーゴ連邦セルビア共和国南部ではコソボ自治州のアルバニア系住民の武装組織がセルビア警察を襲撃する事件が相次いでおり、コシュトニツァ連邦大統領は先に、コソボとセルビア本国の境界に設けられている幅五キロの非武装地帯を一―二キロに狭め、同地帯での武装組織の集結を阻止するよう求めていた。(了)[2000-12-26-07:46] 10
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 12/26@◇緒方国連難民高等弁務官、森首相のアフリカ訪問に同行◇(朝日新聞)

 森喜朗首相は26日、首相官邸で緒方貞子国連難民高等弁務官と会い、1月に予定するアフリカ訪問に同行を求めた。緒方氏は快諾し、ケニアでは森首相と一緒に難民キャンプを視察することになった。
 首相は1月7日から15日まで、南ア、ケニア、ナイジェリアのアフリカ3カ国とギリシャを訪問する。今回の訪問は、首相が9月にニューヨークで国連ミレニアム・サミットが開かれた際、首相と一緒に夕食をとった緒方氏が、アフリカの重要性を説いたことがきっかけという。緒方氏は「こんなに早く(アフリカ訪問が)実現して、うれしく、また驚いている」と述べた。緒方氏は森首相の出国から帰国まで同行する。[2000-12-26-23:33] 21
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 12/26@緊急時の即応支援を 緒方氏が退任のあいさつ(共同通信)

 今年末で退任する緒方貞子国連難民高等弁務官は二十六日午後、首相官邸、外務省で森喜朗首相、河野洋平外相とそれぞれ会い、退任のあいさつをした。
 首相は「大変お疲れさまでした」と慰労。緒方氏も「支援をありがとうございました」と謝意を表明した。緒方氏は日本の「顔の見える」対外支援には、緊急事態時に外相や日本の非政府組織(NGO)がいち早く現地に入ることが大切として、政府の即応体制の重要性を強調した。
 また、緒方氏が難民の中等教育支援のため今月十四日に設立された難民教育基金に、日本の支援を要請。首相は「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)議員連盟を設立し、最初の活動として基金への募金を検討している」と述べるにとどまった。
 河野外相は緒方氏に対し「難民支援は国際貢献の重要な柱の一つ。今後とも支援をしていきたい」と引き続き支援することを約束した。(了)[2000-12-26-18:50] 256
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 12/26@<ウクライナ>大統領弾劾騒ぎ クチマ氏窮地(毎日新聞)

 【モスクワ25日石郷岡建】ソ連崩壊後の旧社会主義国では、権力闘争に絡むスキャンダルや大統領の弾劾騒ぎが絶えない。ロシアに次ぐ大国・ウクライナでも、ジャーナリストの失踪事件から謎のテープや元秘密警察係官の”告白”が飛びだし、クチマ大統領の弾劾騒ぎへと発展している。
 事件は9月16日、反大統領系インターネット・ニュースレター「ウクライナ・プラウダ」を発行していたゴンガッゼ記者(31)が突然姿を消したことから始まった。
 11月28日、ウクライナ社会党のモロス議長は「ゴンガッゼ記者の失踪事件はクチマ大統領の仕業である」と爆弾発言、その証拠として、大統領がリトビン大統領府長官とクラフチェンコ内相に対し、同記者の“始末”を命じた盗聴テープを持っていると発表した。
 クチマ大統領は、モロス議長の爆弾発言を全面否定し、さらにテープは偽物であると断言した。
 これに対し、モロス議長は盗聴テープを仕掛けたのはウクライナ保安局の係官で、現在は英国在住のメリニチェンコ元少佐と指摘、同少佐とインタビューした際のビデオを議会で公表した。
 ビデオの中で、同少佐は「偶然、大統領の命令で記者が誘拐されたことを知った」と証言し、さらに「大統領選挙でも不正工作が行われた」と暴露した。さらに、テープレコーダーは大統領執務室のソファの中に隠してあったと語った。
 反大統領系議員らは、大統領選挙中、起きた野党候補への爆弾事件や、民族主義政党「ルフ」指導者・チョノビル氏の交通事故死も秘密警察の仕業だと糾弾し、クラフチェンコ内相ら治安閣僚の辞任を要求。共産党、社会党の左派勢力から民族主義勢力、極右組織まで左右両勢力が一致団結し、大統領の弾劾手続き開始を呼びかける事態となった。
 これに対し、クチマ大統領は憲法に従って、ユシェンコ首相が治安閣僚の解任を正式に要請するなら、これに応じるとの譲歩の姿勢を見せ、さらに、テープなどの調査も承諾した。
 ウクライナ検察庁は、大統領の発言を受けて、(1)ゴンガッゼ記者の行方不明(2)11月初め、首都キエフ郊外の森で発見された謎の遺体(3)大統領への名誉毀損・中傷ーーの三つの事件について捜査を開始すると発表した。
 しかし、反政府系組織は、これらの捜査終了を待たずに、首都中心部の独立広場で、クチマ大統領退陣を求める座り込みを始めた。ウクライナの独立につながった1990年の座り込み以来、約10年ぶりの大規模な抗議行動。これに対し、大統領支持派は「挑発者モロス糾弾」「憲法擁護」などをスローガンに対抗の座り込みを展開し、両者はにらみ合いを続けている。
 テープを暴露したメリニチェンコ元少佐は、クチマ大統領警護の職務の前に、モロス議長の警護の仕事をしていたといわれ、大佐の告発にはかなりきな臭い雰囲気がある。
 また、事件の背景には、クチマ大統領と親西欧改革派のユシェンコ首相との対立がある。首相の片腕となっている謎の美人閣僚ティモシェンコ副首相(資金洗浄容疑で米国で逮捕されたラザレンコ元首相の元片腕)の暗躍説もささやかれている。
 事件は、上層部の利害が複雑に入り組んだ腐敗がらみの可能性が強く、ニクソン元米大統領が盗聴テ―プから退陣に追い込まれたウォ―タ―ゲ―ト事件になぞらえ、「クチマゲ―ト事件」とも呼ばれている。[2000-12-26-00:30]
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 12/27@<ロシア>国防相がイランを公式訪問 武器再輸出を協議=替(毎日新聞)

 【モスクワ26日石郷岡建】ロシアのセルゲーエフ国防相は26日、イラン革命(1979年)以来、ロシア(旧ソ連)国防相として初めてイランの首都テヘラン入りし、3日間にわたる公式訪問を開始する。国防相はハタミ大統領らと会談、イランへの武器輸出再開問題やアフガン問題を協議する予定だ。ロシアのプーチン政権は、米政府が「テロ支援国」に指定するイラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、キューバなどとの関係強化を進めており、イランとの武器輸出を通じた関係緊密化は、米露関係にも新たな波紋を広げそうだ。
 国防相に同行のイワショフ国際軍事協力局長は「軍事協力再開は第3国に対するものではなく、地域安定の保証になる」と説明し、「ロシアは大量破壊兵器やミサイル技術の不拡散の義務を順守、その範囲内で行動する」と述べ、米国からの批判に反論している。
 米国政府はロシアと1994年に、イランへの武器輸出の新規契約を行わないことで合意、輸出再開の場合、経済制裁発動も辞さないとの警告を発していた。
 ロシア側はイランの政治情勢が変化し、輸出再開が地域安定に脅威を与えないことと、対米合意は年末で期限切れとなるとの主張を展開している。
 ロシア側は軍用ヘリやスホイ戦闘機、対空ミサイル・システムなど20億ドル相当の商談を期待していると伝えられている。
 ロシアは、プーチン政権誕生後、積極的な武器輸出政策を展開、中国、インドなどにスホイ戦闘機の売り込みを行った。またソ連崩壊後、武器輸出を取り止めていた「旧同盟国」など武器市場の回復にも力を入れ、プーチン大統領が7月に北朝鮮を訪問。来春には金正日(キムジョンイル)総書記のロシア訪問も予定されるなど関係強化を進めているほか、今月13日からはロシア大統領としてキューバを初訪問している。[2000-12-27-02:10] 24
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 12/27@12月28日付・編集手帳(読売新聞)

 旧ユーゴやカンボジア、アフリカや中東各地へ。まさに東奔西走して、この十年間、世界で最も多忙な人物の一人だっただろう。国連難民高等弁務官(UNHCR)の緒方貞子さんが年末で退任する◆世界中の難民・避難民は二千二百万人に及ぶ。退任を前に、「国際社会は依然、紛争の要因を克服できないが、絶望はしない」と語った七十三歳の緒方さんは、日本の国際貢献の在り方にも厳しかった◆「顔が見えるだけでは足りない。時々顔を見せてもだめ。常に日本がそこにいるという存在感が必要だ」と。外から、あるいは紛争の渦中から、日本を見ていて、それが率直な印象だろう◆それでも、しかし、「緒方効果」は大きかったのではないか。緒方さんの活躍に引っ張られるように、この十年、民間のNGOを軸にボランティア活動は確かな足取りを刻んだ◆小欄で何度か紹介した団体だけでも、難民を助ける会(東京)、アジア医師連絡協議会(岡山)、ペシャワール会(福岡)など、世界各地で草の根の活動は広がった。青年海外協力隊から今二千六百人の若い隊員たちも派遣されている◆厳しい制約の中、細々とはいえ、自衛隊の国際貢献活動も忘れてはなるまい。中東和平の要衝、ゴラン高原兵力引き離し監視の派遣も五年目、第十次隊四十五人が宿営地で年を越す。[2000-12-27-21:39] 202 [このページの最初に戻る]


 12/27@<ブッシュ新政権>閣僚紹介 ライス次期安保担当補佐官(毎日新聞)

 10歳の時、ホワイトハウスを見て「私もいつか、あの中に入る」と言ったそうだ。アラバマ州の黒人家庭に生まれ、飛び級を重ねて15歳でデンバー大に入学、19歳で卒業した俊才。専攻した国際政治学の指導教授は、オルブライト国務長官の父親、ジョセフ・コーベル氏だった。ブッシュ前政権下の89年、国家安全保障会議のソ連・東欧上級部長としてホワイトハウスに入り、冷戦終結時の米外交の裏方を務めた。
 経済支援を通じて民主化を促すクリントン政権の対ロシア政策を「ロマンチックな対露観」とやゆし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対しては「断固たる態度を取るべきだ」と発言、北朝鮮・労働新聞から「好戦勢力」と批判された。オルブライト長官とは共通点が多いが、対外政策はずっと辛口。同じスタンフォード大教授のペリー前国防長官が策定した対北朝鮮政策(ペリー・プロセス)を受け継ぐか疑問だ。
 ピアノの名手。名前のコンドリーザは、「甘く奏でる」というイタリア語からとったそうだ。愛称はコンディ。野球の大ファンでもあり、95年に「テキサス・レンジャーズ」の共同オーナーだったブッシュ知事と知り合い、意気投合したという。
 安全保障担当の大統領補佐官は、外交・国防政策のかなめ。「聡明だが、押しつけがましくない。非常によい人柄」(シュルツ元国務長官)と声価の高い女性教授の正念場だ。 【ワシントン・布施 広】[2000-12-27-23:20]
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 12/28@民主野党連合176議席が確定…セルビア議会選(読売新聞)

 【ウィーン28日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国の中央選管は二十七日、先に行われた共和国議会選(定数二百五十、比例代表制)の確定結果を発表した。
 それによると、民主派十八政党から成る「民主野党連合」が得票率64・08%で百七十六議席を獲得。ミロシェビッチ前政権与党の社会党は13・76%で三十七議席、極右民族主義派の急進党が8・5%で二十三議席、今年初めに暗殺されたジェリコ・ラジュナトビッチ旧ユーゴ戦犯国際法廷被告が創設したセルビア統一党が5・33%で十四議席をそれぞれ獲得した。投票率は57・72%だった。[2000-12-28-12:38] 20
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 12/28@◇セルビア議会選挙の結果確定◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会選挙で、選挙管理委員会は27日、最終的な開票結果を発表した。それによると、ミロシェビッチ政権を倒した民主連合の得票率は64.08%で、全250議席の3分の2を超す176議席を獲得した。
 ミロシェビッチ前大統領が党首にとどまる社会党は13.76%で、37議席にとどまった。このほか前政権時代に社会党と連立を組んでいた急進党が8.5%で23議席。民族主義色の濃いセルビア統一党が5.33%で14議席を得た。[2000-12-28-10:20] 21
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 12/28@全議席の3分の2以上獲得 セルビア議会で民主連合(共同通信)

 【ウィーン27日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦セルビア共和国の選挙管理委員会は二十七日、共和国議会選(定数二百五十議席、比例代表制)でコシュトニツァ連邦大統領のセルビア民主野党連合(DOS)が得票率六四・○八%で百七十六議席を獲得したとの最終開票結果を発表した。
 民主野党連合は三分の二以上の議席を獲得し、憲法改正も可能な安定与党を形成することになった。
 ミロシェビッチ前連邦大統領のセルビア社会党は得票率一三・七六%で三十七議席。極右民族主義政党のセルビア急進党は八・五九%で二十三議席、セルビア統一党は五・三三%で十四議席となった。
 投票率は五七・七二%だった。(了)[2000-12-28-08:40] 155
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 12/28@<中東和平>アラファト、ムバラク両首脳が仲裁案を協議(毎日新聞)

 【カイロ28日小倉孝保】クリントン大統領の和平仲裁案を協議するアラファト・パレスチナ自治政府議長とムバラク・エジプト大統領の首脳会談が28日、カイロで行われた。仲裁案について同自治政府は「妥協し難い問題を含んでいる」としているが、承諾を拒否すればこれまで積み上げてきた和平交渉が崩壊の危機に直面するだけに、妥協点を探るぎりぎりの話し合いが行われるとみられる。
 当初、バラク・イスラエル首相も交え3者で首脳会談が行われる予定だったが、パレスチナ側に仲裁案を受け入れる姿勢がみられなかったため、バラク首相がエジプト訪問を取りやめた。
 イスラエルの地元報道が伝える仲裁案は、(1)旧市街を含むエルサレムの主権をユダヤ人、パレスチナ人地区で分割する(2)イスラエルはイスラム教聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)の主権をパレスチナに実質譲渡する(3)イスラエルはヨルダン川西岸の占領地の95%を返還し、一部の大きなユダヤ人入植地を併合する(4)パレスチナ難民のイスラエル側への帰還は人道的な例以外は認めず、パレスチナ新国家への帰還のみ認める――などが骨子となっている。
 この案はパレスチナ側とすれば、エルサレムの主権についてイスラエルの譲歩を引き出し、東エルサレムを首都とする国家独立に大きく近づくことになる。一方、パレスチナ難民に関し国連決議で認められた帰還権を事実上断念しなければならない。
 パレスチナ難民はレバノン、ヨルダン、シリアなどに約370万人いるため、この問題についてパレスチナ自治政府だけの判断で回答することは難しく、周辺国や国際社会の理解が不可欠だ。そのため、アラファト議長はムバラク大統領との会談でこの問題への対応の道筋を探るとみられる。
 イスラエル側は仲裁案を条件付きで受け入れると表明しているため、合意の成否はパレスチナ側にかかっている。1993年にオスロ合意(パレスチナ暫定自治合意)締結後、交渉を積み上げてきたクリントン米政権は1月20日の任期末まで残りわずかとなり、今回の機会を逃せばこれ以上の譲歩を引き出すことは困難との見方がパレスチナ側にもある。アラファト議長はクリントン、バラク両政権時代に、国家独立承認のめどをつけたいとの思いが強い。
 ここにきてパレスチナ側が完全な受け入れを回答するのは困難と判断したエジプト外交筋からは、「和平交渉再開の枠組みで合意するなど何らかの妥協点を出したい」とする意見も出ている。ムバラク大統領は、仲裁案受け入れに至らない場合でも決定的決裂にならないよう限定的な合意を模索するとみられる。[2000-12-28-21:06] 164
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 12/28@西部大開発の具体策発表 中国、21世紀へ戦略目標(共同通信)

 【北京28日共同】二十八日付の中国紙、人民日報によると、中国政府はこのほど、経済的に立ち遅れた内陸部の発展戦略「西部大開発」について、内外の誘致企業への優遇措置を盛り込んだ政策を発表した。
 今年三月の全国人民代表大会(全人代=国会)で「西部大開発」を大々的に打ち出して以来、中国政府が具体的な政策措置を公表したのは初めて。
 政策は冒頭で「苦難に満ちた歴史的任務」と長期にわたる計画の難しさを認めつつ、二十一世紀半ばまでに「経済が繁栄し、社会が進歩、生活が安定し、民族が団結した自然の美しい新西部をつくる」との戦略目標を掲げた。
 政策の実施期間は二○○一年から十年間。対象地域は重慶市のほか、四川、雲南、チベット、新疆ウイグルなど十一省・自治区。
 政策は内外企業を西部へ呼び込むため@奨励業種や少数民族地域への投資企業に対する税の減免A先進的な生産設備の輸入関税免除B環境保護事業への土地の無償供与C金融や小売り、貿易への外資参入制限の緩和―などを盛り込んだ。
 また、開発に不可欠な水利、交通、エネルギーなどインフラ建設促進のため、政府予算や内外の銀行融資、外国からの低利借款をできる限り多く西部地区へ配分する方針も明記した。(了)[2000-12-28-18:37] 171
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 12/28@中東和平首脳会談が中止に(読売新聞)

 【エルサレム28日=当間敏雄】イスラエル政府は二十八日未明(日本時間同日午前)、クリントン米大統領が示したパレスチナ和平仲介案を条件付きながら受け入れることを決定した。一方、パレスチナ自治政府のアラファト議長は二十七日夜、このままでは米仲介案を受諾できないと難色を示し、留保と説明を求める書簡を米側に送付した。
 イスラエルのバラク首相はこれを不満として二十八日に予定されていたエジプトでのアラファト議長らとの三首脳会談をボイコットすることを示唆、エジプト大統領府は同会談の中止を確認した。米提案を巡る双方の激しい駆け引きが続いている。
 イスラエルの閣議決定は、困難な妥協を迫る米仲介案の受け入れを表明して国際的立場を強化すると共に、同案受諾を渋るアラファト議長への圧力を狙ったものと見られる。三首脳会談のキャンセルで来年一月二十日までのクリントン大統領任期中の和平達成が厳しさを増す中、米側のパレスチナ側への説得工作の成否に焦点が移ってきた。
 米国の仲介案は、イスラム教聖地を含めた東エルサレムでのパレスチナ主権を認め、ヨルダン川西岸の95%をパレスチナ側に引き渡すと同時に、パレスチナ難民のイスラエル国内への帰還は原則として認めないというもの。パレスチナ側は帰還権での大幅譲歩に強い拒否反応を見せている。
 米国務省はパレスチナ側から書簡が届いたことを確認、「内容は検討中」として最終回答ではないとの立場を取っている。しかし、自治政府筋は「(書簡では)米案の諾否について直接触れていないが、このままでの受諾は困難との意思表示だ」としている。自治政府交渉代表のラボ情報文化相は二十七日、「パレスチナ民族の運命を危険にさらすことになり、(このままでは米提案を)受け入れることはできない」と言明した。
 バラク首相は二十七日深夜から、治安担当閣僚会議を続開して対応を協議、二十八日未明、米仲介案を今後の交渉の前提とし、「パレスチナ側が無修正で受け入れることを条件」に受諾することを正式決定した。閣僚十人が賛成し、二人が反対、二人が棄権した。ただし、「わが国の国益にとって死活的な諸問題に関しさらに米国に説明を求める」(首相府筋)とした。[2000-12-28-17:19]
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 12/29@<余録>30日 20世紀(毎日新聞)

 フランスの作家アンドレ・マルローは1901年、20世紀とともに生まれた。晩年、しみじみ語った。「私の人生のどの部分をとっても、必ず浮かぶイメージがある。銃を満載したトラックだ」と▲戦争、内戦、局地紛争。マルローにとって20世紀は銃だらけの戦争の世紀だった。彼より16歳年下の歴史家E・ホブズボームは「20世紀は1914年の第一次大戦とともにはじまり、1991年に終わった」と言っている。91年はソ連が崩壊し、ユーゴ内戦がはじまった年だ▲第一次大戦もサラエボの銃声から起こった。ホブズボームに従うなら、20世紀という「短い世紀」はバルカンにはじまり、バルカンで終わった。作家・古井由吉さんも「(第一次)大戦を20世紀のはじまりととりたい」と述べている。第一次大戦勃発(ぼっぱつ)から第二次大戦の終わりまでを古井さんは「世界31年戦争」と名づけている▲その31年戦争の末期に遭遇した子どもの一人として、空全体が真っ赤に燃え上がり、燃えつきてしまうような東京大空襲のイメージがどうしても頭から離れない。この大空襲の記憶と、テレビで見た中東やバルカンでの多国籍軍機のピンポイント爆撃の映像が重なる▲以前にも書いたことがあるが、人間の愚行をいやというほど味わったマルローの言葉を、世紀の変わり目に改めてご紹介したい。それは「この世の中を理性的に解釈することは、果たして理性的であろうか」という自問。マルローは答えを言わないまま他界した▲20世紀とは何だったろうか。めいめいが考えるほかはない。作家、瀬戸内寂聴さんは書いている。「天災、戦災、人災とあらゆる災害が目白押しにならんだ20世紀だったのに、別れる今となれば、何やらなつかしい思い出もあふれてくるのはどういうわけだろうか」(「寂庵だより」12月号)[2000-12-29-23:40] 12 [このページの最初に戻る]


 12/29@<劣化ウラン弾>情報知らされない コソボの現状(毎日新聞)

 国連環境計画(UNEP)の劣化ウラン弾調査団は先月、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州で2週間にわたる現地調査を実施した。昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ空爆で使用された劣化ウラン弾の影響被害については、まだ実態が分かっていない。現地調査を指揮したペッカ・ハービスト団長(前フィンランド環境相)にコソボでの劣化ウラン弾汚染の現状と今後の課題を聞いた。【ヘルシンキで森忠彦】
 ――ユーゴ空爆が終了してから1年半後の調査になりましたが。
 ◆UNEPは昨年夏、劣化ウラン弾の専門家による調査団を設立したが、肝心の攻撃地点に関する情報がNATO側から提供されなかった。アナン国連事務総長が2度の手紙を書き、今年夏ようやくNATOのロバートソン事務総長から内容のある返事が来た。軍事機密ということで、あらゆる情報が隠されたまま時間がたってしまった。
 ――コソボの状況は。
 ◆地中ばかりでなく地表からも未燃焼の劣化ウラン弾が回収された。コソボ南部プリズレンの南西約10キロのセジャ地区(山間部)からは2個の不発弾と4個の弾片を発見。計15個の劣化ウラン弾が収集された。不発弾や弾が接触したブロック片の放射線を測定したところ、ベータ線とガンマ線が自然界の量の100倍から200倍近い数値が出た。これは予測の範囲だったが、問題は住民に認識が全くないことだ。
 現場付近では子供が遊び、住民が破壊されたブロック片を集めて家の再建に利用していた。回収作業も進んでいない。中には農地、水源地もあり、住民が農作業を行っている。大気中の汚染は時間がたちすぎて観測できなかったが、こうした状態が放置されていいはずはない。
 ――情報が全く伝えられていないわけですか。
 ◆住民ばかりではない。我々が今年夏NATOから得た112カ所の攻撃地点の情報(地図)は11月時点でなお、コソボで知らされていなかった。国連コソボ暫定統治機構(UNMIC)も、コソボ国際治安部隊(KFOR)に所属するイタリア、ドイツ部隊も詳細を知らなかった。各部隊を派遣したNATO内部で情報が共有されていないことには驚く。
 ――報告書はどのような内容になりますか。
 ◆各調査地でのデータを公開した上で、劣化ウラン弾の汚染がコソボとセルビア共和国南部の広範囲に及んでいることを指摘する。それらが野放しの状態にあることに対して警告する。危険地帯の告知、速やかな浄化作業と被害防止に取り組むべきだ。
【コソボの劣化ウラン弾問題】
 昨年3―6月のNATO空爆で、米軍のA10攻撃機がユーゴ軍の戦車や装甲車部隊爆撃に劣化ウラン弾を使った。NATOによると、コソボ南西部を中心に112地点で計3万1000発を発射した。州内では住民やKFOR兵士の中に疲労感や頭痛などの慢性疾患を訴える症例が目立ち、「コソボ症候群」と呼ばれている。劣化ウラン弾の影響を指摘する専門家もいる。[2000-12-29-22:10] 15
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 12/29@独立目指す政策綱領承認(共同通信)

 【ウィーン29日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦モンテネグロ共和国政府は二十八日夜、同共和国が独立した上で、セルビア共和国と緩やかな連合を形成する可能性をうたった政策綱領を承認した。
 綱領の承認後、三党で構成する与党連合の一つ、国民党は連合から脱退すると表明した。国民党は連邦を維持したままモンテネグロの地位を向上させる路線をとっていた。
 綱領の承認は、今月二十三日のセルビア議会選でコシュトニツァ連邦大統領派が勝利したのを機に、連邦の形態をめぐるセルビアとの交渉に真剣に臨む姿勢を強調する狙いがあるとみられる。(了)[2000-12-29-09:59] 71
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 12/29@<キーパーソン>国防長官に指名されたラムズフェルド氏(毎日新聞)

 「米国は新しい脅威に対処する準備をしなければならない」。国防長官に指名された記者会見で強調した。「新たな脅威」としてコンピューター、偵察衛星などを駆使した情報戦争や大量破壊兵器の拡散などを上げながら、21世紀も「強い米国」を維持する決意を柔和な表情ににじませた。
 弾道ミサイル脅威評価委員会の委員長だった1998年7月、「米国への弾道ミサイルの脅威を過小評価し過ぎだ」と指摘する報告書をまとめた。北朝鮮、イラク、イランの脅威に警鐘を鳴らし、米本土ミサイル防衛(NMD)推進に道筋をつけたことがブッシュ次期大統領の目にとまった。
 シカゴ生まれ。プリンストン大を卒業後、海軍飛行士となり、海軍のレスリング大会で優勝した経歴も持つ。30歳でイリノイ州から下院議員に当選し、政治の道に進んだ。
 ニクソン政権の運営に加わるため、69年に議員を辞職。73年には北大西洋条約機構(NATO)大使に任命された。続くフォード政権でも首席大統領補佐官、ベトナム戦争から米国が撤退した75年に史上最も若い43歳の国防長官に就任、話題になった。
 共和党政権で日の当たるポストを歩み、四半世紀ぶりに再登場して21世紀の国防を担う。過去のキャリアがどう生かされるか。その言動に注目が集まる。【ワシントン・清宮克良】[2000-12-29-21:00] 72
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 12/29@◇国防長官にラムズフェルド氏 ブッシュ次期大統領が発表◇(朝日新聞)

 米国のブッシュ次期大統領は28日、新政権の国防長官にドナルド・ラムズフェルド氏(68)を指名した。同氏は、共和党のフォード政権で国防長官を務めており、四半世紀ぶり2度目の長官就任。2年前にミサイル脅威の報告書をまとめたことで知られ、米本土ミサイル防衛(NMD)の主唱者でもある。副大統領のチェイニー元国防長官、国務長官のパウエル元統合参謀本部議長に続くベテランの起用によって、新政権の国防・外交政策の布陣が決まるとともに、NMD重視の姿勢が明確になった。
 ブッシュ氏は、国防長官人事を発表した記者会見で新政権の国防政策の目標として、(1)軍の士気立て直しを通じて大統領と軍との信頼関係を強化する(2)米軍や同盟国をミサイル攻撃から守るためにミサイル防衛システムを開発する(3)軍の機動性を高め、サイバー(電脳)攻撃などの21世紀の脅威にも対応できる新戦略をつくる――の3点を挙げた。
 ラムズフェルド氏は、米本土に対するミサイル攻撃の脅威を調べるために議会が設けた「弾道ミサイル脅威評価委員会」の委員長を務めた。1998年7月には、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイラン、イラクによる長距離弾道ミサイル開発は、中央情報局(CIA)の見通しよりもはるかに切迫している、との報告書をまとめた。直後にイランの中距離ミサイルや北朝鮮の「テポドン」の発射があったため、報告書はクリントン政権のNMD政策に大きな影響を与えた。
 ブッシュ氏は会見で、「ラムズフェルド氏の報告書は、ミサイル防衛の必要性について説得力のある議論を展開した」と評価するとともに、「国防予算のうち、ミサイル防衛の開発費には高い優先順位が与えられる」と述べた。
     ◇ ドナルド・ラムズフェルド氏 1932年7月、イリノイ州シカゴ生まれ。プリンストン大卒。海軍を経て、30歳で共和党下院議員。ニクソン政権の大統領補佐官、北大西洋条約機構(NATO)大使、フォード政権の大統領首席補佐官の後、75―77年に史上最年少の国防長官、レーガン政権の中東特使。医薬品メーカーのG・D・サール社長など民間企業の経営歴も豊富。日米諮問委員会のメンバーも務めた。[2000-12-29-20:45] 88
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 12/29@<ブータン>ブータン、ネパール両政府が難民帰還で基本合意(毎日新聞)

 【イスラマバード29日春日孝之】ブータン政府が進める少数派民族に対する排斥政策により、大量のネパール系住民がブータンを追われ難民化した問題で、ブータン、ネパール両政府は28日、ネパール国内の難民キャンプで暮らす約10万人の難民の帰還について基本合意に達した。
 難民問題はブータン政府が1989年、同政策を強化したことから始まった。当初、ネパール系にも市民権を与え、共存政策を採用していたが、ネパール系の勢力が増大する中、ネパール語教育の禁止、民族衣装の義務化などを強化した。ブータン南部にはもともと、ブータン政府が労働力不足を補うために迎え入れた多くのネパール系住民が住んでいた。
 両国は9回も協議してきたが、「難民を帰還させよ」と主張するネパールに対し、ブータンは「ネパール系の多くは不法入国者で、ブータン国籍を持たない」と対立。しかし、ブータン政府は、難民がブータンに帰国できる権利を持つか否かの国籍認定の方法をめぐり、大幅に譲歩。1週間以内に合同検証チームを発足させ、認定作業を開始することで合意した。[2000-12-29-18:35] 116
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 12/29@外交問題はぐらかす ブッシュ次期米大統領(共同通信)

 【ワシントン28日共同】「就任宣誓の後にしてくれないか」。ブッシュ次期米大統領は二十八日の記者会見で、対日政策など具体的な国際情勢についての質問をはぐらかし、国際政治面での“準備不足”を印象づけた。
 質問は「対日、対中、対朝鮮半島政策で、次期政権と現政権の最大の相違点はどこか」という内容。ブッシュ氏は「違いがあるとすれば、われわれの今後の行動の結果によって明らかになる」と述べ、具体的な答えを避けようとする姿勢がありあり。
 国際情勢については、現政権から既に詳細なブリーフィングを受けている同氏だが、記者団の一人は「まだよく分かっていないようだ」。ブッシュ氏は、予備選中に外国元首の名前を聞かれて答えられず、メディアに批判されたこともり、外交問題は「苦手」とみられている。(了)[2000-12-29-11:06]
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 12/30@モンテネグロの連邦見直し案で対立さらに深まる(読売新聞)

 【ウィーン30日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の今後のあり方を巡って両共和国間の溝が深まっている。モンテネグロのジュカノビッチ政権が三十日までに、ユーゴを独立国家の緩やかな連合体とする新たな連邦見直し案を正式に策定したためだ。セルビア側はあくまで連邦国家を維持したい意向でジュカノビッチ政権説得に全力を挙げる構えだが、ユーゴ消滅の可能性も現実味を帯びてきた。
 見直し案によれば、新たな連合体は、単一通貨を有する単一市場とし、軍は単一ながら、各共和国が自国領土の指揮権を持ち、各共和国は国連にそれぞれ議席を持つべきだとしている。その上で、連邦を解消し、両共和国が独立国家となったうえで、緩やかな連合体を形成することを求めている。
 ジュカノビッチ政権は、ミロシェビッチ前政権下で連邦に反旗を翻し、北大西洋条約機構(NATO)による対ユーゴ空爆終了後から連邦制見直しをセルビアに求める一方で、独自の通貨政策を導入するなど、独立への傾斜を強めてきた。だが、これまでの見直し案は完全対等な立場での連邦制を求めており、「独立」を明確には打ち出していなかった。[2000-12-30-22:13] 3
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 12/30@中国・江沢民総書記、政権維持に強い危機感(読売新聞)

 【北京30日=藤野彰】中国共産党の江沢民総書記が今年十月に開催された党第十五期中央委員会第五回総会(五中総会)で、「党は広範な大衆の支持を獲得できなければ、必然的に崩壊する」と演説、政権維持に強い危機感を表明していたことが三十日付中国各紙の報道でわかった。党幹部の腐敗や官僚主義に対する国民の厳しい批判を踏まえた発言で、来年、創立八十周年を迎える中国共産党の生き残りを巡り、指導部が憂慮の念を深めていることを示している。
 この演説は「党の作風(仕事のやり方)改善について」と題して十月十一日に行われ、中国主要各紙が三十日付一面トップで一斉に公表した。
 江総書記は党内の腐敗問題などを引き合いに出しながら、「九〇年代以降、(世界で)数十年間にわたって政権を握ってきた政党が相次いで退陣し、ある党はすでに消滅した。その根本原因は党の内部から問題が発生した点にある。これらの政党の興隆と衰退を真剣に分析し、参考にすることは、我々が党の建設を強化する面において非常に意義がある」と強調した。
 その上で「歴史と現実がはっきり示すところによれば、一つの政権であれ、一つの政党であれ、その前途と運命は最終的に人心によって決まる。最も広範な大衆の支持を獲得できなければ、必然的に崩壊する」と述べ、言外に中国共産党もその例外ではあり得ないことを訴えた。
 さらに、党内に根強く存在する官僚主義について「一部の幹部は少しも気を使わなかったり、いばりちらして大衆を圧迫したりして、幹部・大衆の激しい不満を買っている」と怒りをぶちまけ、「官本位」意識の打破を呼びかけた。
 江総書記の危機感表明が、今世紀末に起きたソ連・東欧社会主義の一連の崩壊を念頭に置いたものであることは明らかだ。加えて、五中総会の直前、中国が支援してきたユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ独裁政権が、民衆ほう起によって崩壊したことも、大きな衝撃として影を落としているものと見られる。江沢民政権は現在、共産党が〈1〉先進的生産力の発展要求〈2〉先進的文化の進路〈3〉広範な人民の根本利益――を代表するとの「三つの代表」キャンペーンを全国的に展開中で、これをてこに党員の質向上、党の威信回復を図ろうとしている。
 党にとっては、執権党としていかに生き永らえるかが二十一世紀の差し迫った課題となっており、来年は世界貿易機関(WTO)加盟実現、党創立八十周年(七月)などの重要イベントを機に政権の指導力や功績を盛大にアピールしたい考えだ。しかし、「六千三百万の党員を抱える大部隊の管理は容易でない」(江総書記)のが実情で、肥大化した党の組織管理能力そのものが問われている。[2000-12-30-22:07] 4
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 12/30@<ユーゴ>今後の課題 モンテネグロとの交渉が焦点 内部対(毎日新聞)

 【ウィーン30日福井聡】ユーゴスラビア連邦のセルビア共和国議会選挙(23日)で、コシュトゥニツァ連邦大統領の支持母体・セルビア民主野党連合が全議席の7割強を占めた。セルビア共和国新政府の首相には野党連合幹部のジンジッチ民主党党首が内定しているが、コシュトゥニツァ大統領との反目が目立つ。2人の対立は、独立の動きが強まっているモンテネグロ共和国の扱いなどでさらに表面化しつつある。
■モンテネグロ問題■
 ユーゴ連邦はセルビア(人口約1000万人)とモンテネグロ(同65万人)の両共和国で構成。モンテネグロのジュカノビッチ大統領は連邦からの独立を主張。セルビア新政権の発足後、両共和間で連邦のあり方をめぐる本格交渉が始まる。
 ベオグラードからの報道によると、モンテネグロ共和国政府は28日夜、同共和国が独立したうえで、セルビア共和国との緩やかな国家連合形成を目指した政策綱領を承認した。この後、連邦維持派の国民党は連立与党からの離脱を表明した。
 9月の連邦大統領選後、コシュトゥニツァ大統領はモンテネグロの野党と連邦政府を組み、ジュカノビッチ大統領の存在が薄くなった。このため、ジュカノビッチ大統領は独立を一層強く主張することで自らの基盤強化を図っているとみられる。
 モンテネグロ側はこれまで「2共和国がそれぞれ主権を持った上で『国家連合』の形を取る」ことを提案。これに向けて来年6月に国民投票を実施するとしている。これに対し、コシュトゥニツァ大統領は、「連邦制解消には憲法上両共和国国民の3分の2以上の賛成が必要」として、連邦制を堅持する構えだ。
■内部対立が影■
 事態を一層複雑にしているのは、コシュトゥニツァ、ジンジッチ両氏の対立だ。ジンジッチ党首はモンテネグロ側との非公式折衝の結果、「両国の自治権をより強化させ連邦の権限を弱めた上で、連邦制を維持できる」として、「国家連合」案に理解を示している。さらに「連邦大統領は両国から交代で選出しても良い」とも発言しており、モンテネグロ側と連携した上で、連邦大統領の権限低下を考えているとみられる。
 一方、コシュトゥニツァ大統領はセルビア議会選直後、最高国防評議会開催を名目にジュカノビッチ大統領を呼び、連邦制存続を改めて通告した。来年の国民投票実施を巡って、双方の駆け引きは激化しそうだ。[2000-12-30-21:10] 5
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 12/30@国際刑事裁の署名で苦慮 決断迫られる米大統領(共同通信)

 【ワシントン30日共同】クリントン米大統領は三十一日に期限が迫る国際刑事裁判所(ICC)設立条約の署名でぎりぎりの決断を迫られている。米国の加盟なしではICCの成否が危ぶまれる半面、世界に展開する米軍の兵士が一方的に起訴されるとの懸念も深いためだ。
 国連報道官室によると、期限切れを前に駆け込み署名が相次ぎ、三十一日には百三十八カ国が署名国となりそうだ。米国内の署名賛成派は「署名しなければ、大統領は国際社会で屈辱的な非難を浴びるだろう」と訴え、大統領を揺さぶっている。
 米国は第二次世界大戦中のユダヤ人虐殺の教訓からICC設立を戦争直後に提唱。一九九○年代に続発した旧ユーゴスラビアなどでの人権侵害で設立機運が高まり九八年の国際会議で設立条約が採択された。
 だが「世界でもっとも展開しているのは米軍。敵対勢力が“米国憎し”で不当に起訴する恐れがある」(コーエン国防長官)と今年春から反対姿勢を鮮明に。共和党は国連、ICCへの米政府の協力凍結を呼び掛けるなどさらに強硬だ。
 ICCは米国が加盟してもしなくても、米軍兵士に対する裁判権を持つ。このため米政府内では「署名するだけで批准は当面見送る。同時に米兵除外規定の実現を各国に働きかける」との妥協案も出ているという。(了)[2000-12-30-16:43] 8
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 12/30@◎「バルカン症候群」への対応策協議を=ベルギー国防相、E(時事通信)

 【ブリュッセル29日時事】ベルギーのフラオー国防相は29日、来年前半の欧州連合(EU)議長国スウェーデンのシドー国防相に書簡を送り、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビアのコソボ自治州など、旧ユーゴ地域に平和維持部隊要員として派遣された欧州出身の兵士が慢性的な頭痛や不眠症を訴えているほか、がんで死亡した例もあるとして、国防相レベルの会議で対応策を協議するよう要請した。
 こうした症状は「バルカン症候群」と呼ばれ、ベルギーのほか、英国、オランダ、イタリアなどでも早期の対応を求める声が強まっている。原因は不明だが、1999年春の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆の際、米軍が使用した劣化ウラン弾が何らかの影響を及ぼしているとの見方も出ている。 [時事通信社][2000-12-30-08:51] 9
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 12/30@◇ユーゴ解体目指す政策綱領を正式決定 モンテネグロ政権◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のジュカノビッチ政権は二十八日夜、現ユーゴ連邦を解体、モンテネグロが主権国家として独立することを前提条件とした上で、「同盟」締結によって欧州連合(EU)のような関係をセルビア共和国との間でめざす政策綱領を正式決定した。これに反対した連立与党の人民党が同夜、政権離脱したが、ジュカノビッチ大統領は独立路線支持の野党、自由党の閣外協力を取り付けて少数与党で政権を維持。あくまで二〇〇一年前半に独立を問う国民投票を実施する方針だ。
 政策綱領は、「同盟」締結によりモンテネグロとセルビアは共同の軍を持つと規定する。しかし、両国はそれぞれ領土内で指揮権を別々に持つとし、実際には独立国家同士の集団安全保障を想定している。外交政策でも利害が一致すれば共同歩調をとるが、これも、EU各国の共通外交安保政策のイメージに近い。
 モンテネグロはジュカノビッチ政権誕生以来三年余りでドイツマルクを公式通貨とするなど、ミロシェビッチ政権下のセルビア離れ政策を進めてきた。セルビアとモンテネグロの両共和国でなお機能している連邦機構は事実上、軍だけという状態だ。[2000-12-30-03:02] 36
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 12/30@女性の地位向上の波広がる 中東イスラム諸国で(共同通信)

 黒いスカーフで顔を隠すなど女性に社会的制約が多いというイメージがある中東イスラム諸国で、女性の地位が向上しつつある。国によって差はあるが、新世紀を前に女性の権利拡大の世界的な波がじわじわ届き始めたようだ。
 大学生の数では既に女性が男性を上回るなど、イスラム諸国の中では“女権先進国”と言えるイラン。同国教育省は二○○○年七月、首都テヘランの女子小学生に対し、従来の黒っぽい色だけでなく、ピンクやライトブルーなどカラフルなコートの着用も認めた。
 イラン国会は九月、禁止されていた未婚女性の海外留学を認める法案を一三七対七四で可決した。
 法案はイスラム教義との整合性を審議する護憲評議会が国会に差し戻したため、審議はラマダン(断食月)明けの二○○○年末以降、継続されることになったが、女性議員は「イスラムは未婚女性の留学を禁じていない」と訴え、「女性の堕落」を恐れる保守派と激論を戦わせた。
 イラン国会は五月、妻の側からの離婚を容易にする法律も可決。これにより夫が@半年以上妻を放っておいたA性的能力がないB麻薬常習―などの場合、妻が一方的に離婚を申し立てられるようになった。
 妻側からの「三くだり半」問題はエジプト議会も審議。欧米との接触が多く、女性の医師や弁護士、閣僚が珍しくない同国でも「女性解放は伝統社会を壊す」とする保守派の抵抗は根強く、賛否は世論を二分した。
 結局、新郎が贈った結婚持参金を返還する条件で、離婚申し立て権が認められることになり、新法が発効した三月一日にはさっそく、女性二十人が裁判所に離婚を申し立てた。
 イスラム教の戒律が厳しいペルシャ湾岸諸国にも変化の芽がうかがえる。
 アラブ首長国連邦のドバイでは六月、国営運送会社に同国初の女性タクシー運転手が誕生。「女性若干名募集」に五十人の希望者が集まり、試験にパスした七人が晴れて「先駆者」になった。
 男性からは「女の運転なんて」と否定的な意見が目立つが、合格した女性運転手(25)は「私は十代のころから運転が大好きだった」と屈託がない。
 しかし、権利拡大の道はまだまだ険しい。選挙一つとっても、湾岸六カ国中、女性が投票に参加した歴史があるのはカタール、オマーンの二国だけ。クウェートでは女性の参政権論議がわき上がり、国民議会で参政権擁護のリベラル派が躍進したものの、結局保守派の巻き返しで白紙に戻っている。(テヘラン、カイロ共同)(了)[2000-12-30-15:27] 7
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 12/30@次はミシシッピで世界記録 川での遠泳世界記録男(共同通信)

 【ウィーン29日共同】ことし夏に欧州最長のドナウ川をドイツの源流からルーマニアの黒海まで泳ぎ、川での遠泳世界記録をつくったスロベニアのギタリスト、マーティン・シュトレル氏(46)は二十九日、今度は米ミシシッピ川で遠泳記録の更新に挑戦する意向を明らかにした。
 リュブリャナからのロイター電によると、ドナウ川で三千四キロの記録を達成したシュトレル氏は来年七月に米ミネソタ州北部の源流からメキシコ湾まで、七十日かけて三千七百七十九キロを泳ぎ、自らの記録を更新する意気込みだ。
 ワニや蛇からどう逃げ切るかが課題だと言うシュトレル氏は、遠泳の秘けつとして「一日一リットルの赤ワインを飲むこと」と語った。(了)[2000-12-30-09:34]
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 12/31@初のユーゴ軍兵士の負傷者 セルビア南部で銃撃(共同通信)

 【ウィーン31日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦セルビア共和国南部ブヤノバツの連邦軍広報部は三十日、同共和国コソボ自治州に近いブヤノバツ郊外で二十九日夜、警備中のユーゴ連邦軍兵士が銃撃され負傷したと発表した。
 セルビア南部では十一月ごろからアルバニア系住民の武装組織がコソボとセルビア本国を隔てる非武装地帯からセルビア警察を襲撃する事件が急増しているが、ユーゴ軍兵士が狙われて負傷したのは初めて。
 ユーゴ政府とアルバニア系武装組織は、双方が行っていた道路封鎖措置を解除し、コソボとセルビアの通行再開で合意したばかりだが、狙撃事件は非武装地帯の緊張が依然として続いていることを示している。(了)[2000-12-31-09:50] 12
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 12/31@前大統領派幹部ら追放 ユーゴ政権、軍を掌握(共同通信)

 【ウィーン30日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、コシュトニツァ・ユーゴ連邦大統領は三十日、ミロシェビッチ前大統領の側近だったオイダニッチ前国防相ら連邦軍幹部十四人を「退役」させたと発表した。事実上の解任とみられる。
 十月の政変で政権の座に就いたコシュトニツァ大統領は、ミロシェビッチ体制の支柱だった軍部の動揺を恐れて人事刷新を慎重に検討していたが、今回の幹部追放で大統領が軍を完全に掌握したと言える。
 しかし、去就が注目されたパブコビッチ参謀総長は退役リストになく残留が決まったもようで、参謀総長の解任を要求していたジンジッチ次期セルビア首相候補と大統領の摩擦も予想される。
 参謀総長は前大統領派としてコソボ紛争でも部隊指揮に当たったが、前大統領によるデモ隊への軍出動命令を拒否したとされる。
 政府声明によると、コソボ紛争でアルバニア系住民への攻撃を指示し、旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)から前大統領らとともに戦犯として起訴されたオイダニッチ氏のほか、軍情報機関幹部らも退役となった。(了)[2000-12-31-09:42] 90
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 12/31@◇ガーナ大統領にクフォー氏、平和裏に政権譲渡◇(朝日新聞)

 西アフリカ・ガーナからの報道によると、同国大統領選は決選投票の結果、新愛国党(NPP)のジョン・クフォー党首(62)が、国民民主会議(NDC)のジョン・ミルズ副大統領(56)を破って当選を決めた。19年に及び統治したジェリー・ローリングス大統領(53)が憲法の規定に従って出馬せず、クーデターで権力を握った大統領が平和裏に政権を譲り渡すという、アフリカでは珍しい例となった。
 ガーナ出身のアナン国連事務総長は「アフリカに民主主義が根付いていることを示した。秩序をもって民主的に政権が移行したことを、国際社会は歓迎する」などと述べた。
 経済が停滞する中で、国民は長期政権への愛着より、変化を望んだ。おおむね平静に推移したとされる第1回投票では過半数に達する候補がいなかった。現地からの報道によると、上位2候補による決選投票では、激しい選挙戦の中で暴力、脅迫が散見された。[2000-12-31-15:34] 96
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 12/31@民族衝突で中国県幹部解任 新華社が事件を初報道(共同通信)

 【北京30日共同】三十日の新華社電によると、山東省陽信県で十二日にイスラム教徒の回民族と警官隊が衝突し、回民族六人が死亡、双方の三十二人が負傷した。同県の共産党委員会書記、県長、公安局長の三幹部が事件の責任を問われ解任された。
 同電は「民族政策に反し、回民族の感情を傷つけた」と当局側の責任を指摘した。香港の人権団体は地元の漢民族と回民族の感情対立から衝突が起きたと発表していたが、中国メディアの報道は初めて。
 新華社電は、事件後に党中央と政府が事態の収拾と真相の究明を指示し、回民族の習慣に沿って死者を手厚く弔うなどして混乱は収まったと伝えた。(了)[2000-12-31-09:40]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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