国際社会とユーゴ紛争(目次)
 うれしいお知らせです。最近までこのページで公開していた論文「国際社会とユーゴ紛争」(サントリー文化財団から研究費をいただいて、96年初めに書き上げたものです。現在は目次のみ)が、社会科学系の専門出版社・勁草書房(けいそうしょぼう)から出版されることになりました。4月末か5月初め頃に刊行の予定です。
 いまから振り返れば、扱っている資料や情勢も多少古く、論旨も多々乱れてはいましたが、日本ではあまり知られていない紛争激化への経過国際社会の責任などを苦労してまとめたものでした。このホームページでの公開が一般向けには初めてのものでしたが、新たな情勢に応じて「アップ・トゥ・デイト」しつつ、全面的に手を入れ、完成にこぎ着けました。現在ゲラ校正中です。乞うご期待!!

 (PR)20数万人の死者、300万人の難民・避難民を出したボスニア戦争など、91年から現在も続いている旧ユーゴスラビア紛争。まもなく21世紀を迎えるこの時代に、悲惨な戦争を防げなかったのはなぜか。紛争はどうして長期化しているのか。いくつもの民族が複雑にからみ合う歴史や政治・経済的要因に加え、そこには国連決議さえも平然と無視する大国の思惑が渦巻いていた。冷戦後の不透明な世界、続発する地域紛争など、混沌とした現実に明快なメスを入れ、国際社会の責任を問いかける。21世紀に同じ過ちを繰り返さないために、大国のかけひきを現在進行形で分析し、現代国際政治の力学を冷徹に解きあかす「活きた教科書」。
サントリー論文「国際社会とユーゴ紛争」(目次)

第1章 「冷戦後」の地域紛争としての旧ユーゴ地域の現段階
 [1]ユーゴ紛争の概要
 [2]冷戦構造の崩壊により解体した旧ユーゴ
 [3]経済危機から民族主義に流れ込んだ国民の不満

第2章 ユーゴ紛争にたいするヨーロッパの対応
 [1]CSCEの紛争防止メカニズム
 [2]ECの介入

第3章 ドイツ統一とEC(EU)のクロアチア承認
 [1]ドイツ統一と民族的ユーフォリア
 [2]ゲンシャー外相の個性とFDPの政策
 [3]カトリック教会と各国政府の立場
 [4]「ドイツ外交の勝利」への過程
 [5]ECのアプローチの問題点

第4章 アメリカの旧ユーゴ政策
 [1]ブッシュ政権
  (1)冷戦後のユーゴの位置付けの変化
  (2)「ユーゴ統一支持」約束したベーカー国務長官
  (3)「ユーゴはアメリカの国益と関係ない」
  (4)ブッシュ政権とミロシェビッチ
  (5)ECにボスニアを承認させたアメリカ
  (6)石油対策のボスニア支援
  (7)対セルビア圧力強化へ
  (8)不公平なセルビア制裁
  (9)武力行使とミッテランの冒険飛行
  (10)再びヨーロッパの主導権へ

 [2]クリントン政権
  (1)あやふやな始動
  (2)バンス・オーエン案つぶし
  (3)NATOの関与強化
  (4)空爆の威嚇とロシアの国益
  (5)クリントンの巻き返し
     (a) 反セルビア連合の形成
     (b) セルビア陣営の切り崩し
     (c) 反セルビア連合への軍事援助(顧問団の派遣)
     (d) 直接的武器援助
     (e) NATOの軍事力発動のための「明石はずし」
     (f) ロシアとの協調
  (6)強引な介入の背景
     (a) 大統領選挙再選戦略
     (b) NATOの存続

第5章 ユーゴ紛争と国連
 [1]初動で出遅れた国連
 [2]対セルビア制裁の問題点
 [3]国連保護軍の性格と機能
 [4]ソマリアでの「平和執行活動」の失敗
 [5]明石特別代表のハンディキャップ

第6章 ボスニアでのNATOの役割
 [1]国連か、多国籍軍か
 [2]ボスニアをめぐるNATO軍の活動
    (a)人道援助と制裁監視 (b)飛行禁止活動 (c)空爆の威嚇
    (d)安全地域 (e)サラエボ20キロ圏内の重火器撤去
    (f)ゴラジュデ空爆 (g)サラエボ空爆 (h)空爆目標の拡大
    (i)二重のカギ (j)ビハチ周辺の空爆
    (k)94年の第一次人質事件 (l)95年5月空爆と第二次人質事件
    (m)緊急対応部隊 (n)スレブレニツァ空爆 (o)明石はずし
    (p)秘密文書「内部覚書」 (q)NATO史上最大の空爆
    (r)セルビア不敗神話の崩壊 (s)平和実施軍

第7章 結論に代えて−−国際社会の課題

(参考文献)


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