最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(11/08, 2001)


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◆ 11/01@<アフガン攻撃>相次ぐ誤爆の背景(毎日新聞)
◆ 11/01@国会で改憲審議を開始 マケドニア(共同通信)
◆ 11/01@東ティモール来年5月独立の国連総長案、安保理が承認(読売新聞)
◆ 11/01@パキスタンで「反テロ」行動、女性がデモ行進(読売新聞)
◆ 11/01@<日米協議>米軍支援 自衛隊活動内容のポイント(毎日新聞)
◆ 11/01@<東ティモール>来年5月20日に正式独立(毎日新聞)
◆ 11/01@イラン、アフガンに人道支援 食糧100トン送る(朝日新聞)
◆ 11/01@没収の通信機器を返却 援助目的にタリバン軟化(共同通信)
◆ 11/01@断食月には攻撃停止を インドネシア大統領(共同通信)
◆ 11/01@アフガン元国王に暗殺計画 伊が「最高度の警戒」(共同通信)
◆ 11/01@国連、地球サミットに本腰 来年9月実施へ準備加速(共同通信)
◆ 11/01@イランも国境開放を拒否 国連弁務官との会談で(共同通信)
◆ 11/01@クラスター爆弾使用中止を 国際人権団体が要求(共同通信)
◆ 11/01@国連特別代表、タリバーンと極秘に会談 (朝日新聞)
◆ 11/01@<クローズアップ>米「繁栄の10年」に幕 世界同時不況も(毎日新聞)
◆ 11/02@米軍、投下食糧パックの色を「青」に変更 爆弾混同問題(朝日新聞)
◆ 11/02@<コソボ>選挙監視要員の派遣計画決める 政府(毎日新聞)
◆ 11/02@ユーゴスラビア・コソボへの選挙監視団派遣を閣議決定(朝日新聞)
◆ 11/02@コソボ選挙監視に11人派遣 実施計画を閣議決定(共同通信)
◆ 11/02@米軍がアフガン攻撃拡大 北部同盟を全面支援(朝日新聞)
◆ 11/02@◎ビンラディン氏、ダイヤ取引で資金=シエラレオネ反政府勢(時事通信)
◆ 11/02@西サハラで紛争再燃も モロッコ国王が初訪問(共同通信)
◆ 11/02@食料尽き破滅的状況の恐れ アフガン北部、数週間で(共同通信)
◆ 11/02@アフガンに潜入した元国王派指導者をタリバーン追撃(朝日新聞)
◆ 11/02@アフガン難民に在留許可 大阪入国管理局(共同通信)
◆ 11/02@生物兵器の規制強化要請 米政権が姿勢一変(共同通信)
◆ 11/02@炭疽菌非難の決議見送り 国連安保理 (共同通信)
◆ 11/02@<生物兵器条約>米大統領、条約強化向け加盟国と協議開始を(毎日新聞)
◆ 11/02@生物兵器禁止条約強化へ7項目提案 米大統領(朝日新聞)
◆ 11/02@民族にこだわらず授業 「北部同盟」支配地の神学校(共同通信)
◆ 11/02@早ければ3日後に本格攻勢 北部同盟外相が示唆(共同通信)
◆ 11/02@ミサイル防衛で進展か 米ロ外相会談 (共同通信)
◆ 11/02@東ティモールPKOに陸自、過去最大の700人派遣(読売新聞)
◆ 11/02@アフガン、90万人餓死の可能性 ブラヒミ特別代表訴え(朝日新聞)
◆ 11/03@<コソボ>議会選挙へのセルビア人参加決定 ユーゴ連邦大統(毎日新聞)
◆ 11/03@セルビア人の参加認める コソボ自治州議会選(共同通信)
◆ 11/03@「国連は犯罪のための道具」ビンラディン氏がビデオ声明(朝日新聞)
◆ 11/03@<コソボ>議会選挙へのセルビア人参加決定 ユーゴ連邦大統(毎日新聞)
◆ 11/03@反テロ連合は大いなる幻想 ブレジンスキー元補佐官(共同通信)
◆ 11/03@米ロなど8カ国外相会談へ 安保理は新決議を準備(共同通信)
◆ 11/03@自衛隊の支援計画を米に提示、活動域はペルシャ湾まで(読売新聞)
◆ 11/03@プーチン外交―テロ後の変身を見極める (朝日新聞)
◆ 11/03@アフガン元国王、タリバンを完全排除の姿勢(読売新聞)
◆ 11/04@<東京国際映画祭>アルバニア「スローガン」に最高賞贈り閉(毎日新聞)
◆ 11/04@東京国際映画祭グランプリに「スローガン」(読売新聞)
◆ 11/04@米の攻撃は「十字軍戦争」 ビンラディン氏が声明(共同通信)
◆ 11/04@米に50億円、アフガンには数億円 被災者義援金に格差(朝日新聞)
◆ 11/04@世界貿易センタービルにCIAの「隠れオフィス」(朝日新聞)
◆ 11/04@ラマダン前に攻勢開始 「北部同盟」のラバニ大統領が単独会(共同通信)
◆ 11/04@<米同時テロ>CIAの秘密事務所も崩壊、活動に影響 米紙(毎日新聞)
◆ 11/04@赤十字のカレンダー今年も 収益はアフガン難民などに(共同通信)
◆ 11/04@「東アジア共同体」創設を ASEAN部会が報告書(共同通信)
◆ 11/04@CIAの秘密事務所も崩壊 米紙報道、活動に影響も(共同通信)
◆ 11/04@<北部同盟>「タリバン後のPKO展開不要」 国連大使(毎日新聞)
◆ 11/04@いきなり失点も手ごたえ デビュー戦白星の川口(共同通信)
◆ 11/05@ASEAN10カ国でエイズ孤児14万人(朝日新聞)
◆ 11/05@<難民支援>キャンプ以外では救援物資届かず(毎日新聞)
◆ 11/05@対米協力の拡充で決断へ パキスタン大統領 急進派の動き懸(共同通信)
◆ 11/05@マザリシャリフ戦線へ配置 パキスタン義勇兵2000人(共同通信)
◆ 11/05@「カーキ色」の豪総選挙 テロがタカ派首相に追い風(共同通信)
◆ 11/05@断食月中の空爆に反対表明 マレーシアとインドネシア(朝日新聞)
◆ 11/05@米が天然痘テロ対策に着手、イラクなど保持の恐れ(読売新聞)
◆ 11/05@<アフガン難民>「冬は首都だけで10万人が餓死」 社民視(毎日新聞)
◆ 11/05@<7カ国首脳>ロンドンで中東和平交渉立て直しを協議(毎日新聞)
◆ 11/05@<タリバン>攻撃が成果 「政権機能していない」 米国防長(毎日新聞)
◆ 11/05@ビンラディン氏を批判 アラブ連盟事務局長(共同通信)
◆ 11/05@日本人専門家を補佐官に 外務省、国連と最終調整(共同通信)
◆ 11/05@<パキスタン>政権揺さぶる原理主義 内戦懸念の声も(毎日新聞)
◆ 11/05@<アフガン難民>反米・反日感情を募らせる人々も 社民党調(毎日新聞)
◆ 11/05@「ジハード、むやみに殺すことではない」嘆く長老(読売新聞)
◆ 11/06@独は3900人派遣へ アフガン攻撃支援、首相が表明(朝日新聞)
◆ 11/06@上位に社会派作品、コンペは低調 東京国際映画祭(朝日新聞)
◆ 11/06@コソボで地雷爆発4人死傷(共同通信)
◆ 11/07@日本人の赤ちゃん誕生 東ティモール (共同通信)
◆ 11/07@<アフガン難民>3人が大阪入管に認定申請 (毎日新聞)
◆ 11/07@ビンラディン氏の影も 政情不安のアフリカ(共同通信)
◆ 11/07@アフガン人3人が難民申請(共同通信)
◆ 11/07@<アフガン>タリバン崩壊後にらみ国連特別代表が周辺国訪問(毎日新聞)
◆ 11/07@テロで一変した米政治 大統領への懐疑消え求心力(共同通信)
◆ 11/07@仏、すでに2000人を投入 アフガン攻撃(朝日新聞)
◆ 11/07@イスラエル、自治区ラマラを撤退 数日中に残る2地区も(朝日新聞)
◆ 11/07@<同時テロ>大量破壊兵器阻止へ軍事圧力かけ続ける 米大統(毎日新聞)
◆ 11/07@<国連白書>世界人口61億人 2050年には93億人予測(毎日新聞)
◆ 11/07@対イラク攻撃を否定 米長官、戦闘長期化を示唆(共同通信)
◆ 11/07@先進国の環境への負担増加 世界人口白書が指摘(共同通信)
◆ 11/08@アフガン復興、世銀が国際社会の支援力説(読売新聞)
◆ 11/08@独首相、世論抑えアフガン派兵を決断 (読売新聞)
◆ 11/08@アフガン難民キャンプでポリオ予防接種 (読売新聞)
◆ 11/08@<国連ヘリ墜落>3人死亡、4人不明 西アフリカ・シエラレ(毎日新聞)
◆ 11/08@<パキスタン大統領>テヘラン訪問、イラン第1副大統領と会(毎日新聞)
◆ 11/08@政府、自衛艦のインド洋派遣を正式決定 9日朝出港へ(朝日新聞)
◆ 11/08@<アフガン難民>収容の4人が仮放免を再申請 東京入国管理(毎日新聞)
◆ 11/08@衝突回避し共存の道探る 文明間対話会議が開幕(共同通信)
◆ 11/08@アゼルバイジャンとも交渉 米、対アフガン基地利用で(共同通信)
◆ 11/08@<アルカイダ>米財務省 支援組織・個人の資金網を一斉摘発(毎日新聞)
◆ 11/08@40カ国に支店持つ独自組織 書面不要で世界に浸透(共同通信)
◆ 11/08@<アルカイダ>米財務省が資金網の詳細を発表 各国にダミー(毎日新聞)
◆ 11/08@アフガン復興、世銀が国際社会の支援力説(読売新聞)
◆ 11/08@<タジキスタン>アフガン空爆へ米国に出撃基地の提供を表明(毎日新聞)
◆ 11/08@世襲貴族議員を全廃へ 英上院が7世紀ぶり改革(共同通信)
◆ 11/08@タリバン排除で一致 トルコ、タジク両大統領(共同通信)
◆ 11/08@「作戦計画参加」条件に派兵表明、ジレンマ抱える仏(読売新聞)
◆ 11/08@<余録>人口急増(毎日新聞)
◆ 11/08@<アフガン>世界銀行、タリバン政権後の復興基本方針まとめ(毎日新聞)
◆ 11/08@天声人語(朝日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]



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 11/01@<アフガン攻撃>相次ぐ誤爆の背景(毎日新聞)

 米軍のアフガニスタン空爆で民家などを直撃する誤爆が相次ぎ、米国内外で批判が高まっている。大量の精密誘導型爆弾を投入している米軍は、湾岸戦争(91年)、北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴスラビア空爆(99年)に続き、なぜ誤爆を繰り返すのか。正確さが身上のはずの「ピンポイント攻撃」の内実を探った。 【ワシントン吉田弘之】
 米戦略予算評価センター(CSBA)のロバート・マーティネージ上級分析官によると、精密誘導型弾は、テレビ(TV)誘導型▽レーザー誘導型▽全地球測位システム(GPS)誘導型――の三つに大別される。
 TV誘導型は弾先端にテレビカメラがあり、戦闘機のコックピットから標的設定を操作できる。レーザー誘導型は、航空機などから標的をレーザー照射し、その反射を感知して標的に向けて飛ぶ。GPS誘導型は、GPSシステムに入力した爆撃地点の位置情報によって標的を定める。
 米国防総省はアフガン攻撃で「あらゆる兵器を駆使する」と明らかにしており、空爆にも各種の誘導型弾を導入しているとみられる。
 誤爆の原因は「誘導装置の命中精度の欠陥と誤作動」「人為ミス」「目標選定の誤り」などに分類できる。
 メーカーなどが公表している命中精度は、TV誘導型が半径約3メートル、レーザー誘導型約8メートル、GPS誘導型約3〜13メートル。ただ、これは「半数命中半径」という方法の測定値で、50%がこの範囲を外れる可能性がある。システムの誤作動はさらに大きなミスとなる。
 ラムズフェルド米国防長官は28日、米CNNテレビとの会見で、空爆の命中確率を「良くて85〜90%」と述べた。
 爆撃機の元パイロットはこう語る。「10%以上の確率で標的を外すことの意味は大きい。1日に200〜300発を発射すれば、20〜30発は標的を外す。メカニズムの誤作動で標的を外すと数キロも離れた予想外の場所に飛ぶことがある」
 天候の影響もある。レーザー誘導型爆弾の場合、湿度や粉じん、風が微妙に影響するほか、曇り空では上空からの標的設定が困難になる。
 人為ミスも大きな要因だ。ホイト・ジョージタウン大教授(安全保障論)は言う。「平時に100%の精度でも、戦時は違う。感情などさまざまな状況に左右される。極度の疲労と緊張で操縦士のミスがあっても不思議はない」
 米軍がアフガン空爆で誤爆を公式に認めたのは計4回。米軍は詳細を明らかにしておらず、原因を特定できていない。
 カブールで25〜26日に起きた国際赤十字倉庫と住宅街への誤爆は、赤十字にGPS誘導型、住宅街にレーザー誘導型爆弾が着弾した。国防総省によると、赤十字誤爆は「爆撃地選定の人為ミス」、住宅街誤爆は「誘導システムの誤作動」によるものだった。
 赤十字側は「屋根の赤十字のマークは上空からも識別できたはずだ」と主張している。
 タリバン軍は空爆から逃れるため、住宅街などに避難している。ラムズフェルド国防長官は「限定的なタイプの爆弾しか使えなくなる」と語り、空爆が難しい局面にある点も認めている。 [2001-11-01-20:15] 35


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 11/01@国会で改憲審議を開始 マケドニア(共同通信)

 【ベオグラード31日共同】マケドニアの独立系マクファクス通信によると、同国国会(一二○議席)は十月三十一日夕、少数派アルバニア系住民の大幅な権利拡大を目指した憲法改正案の審議を開始した。
 審議は十一月上旬には終了予定で、その後の採決で定数の三分の二以上の賛成が得られれば改憲が実現、八月の主要四党の和平合意がほぼ完全に履行されることになる。
 和平合意では、改憲作業はアルバニア系武装組織の武装解除と同時並行的に進められることになっていたが、九月末の武装組織の自主解散表明後も、スラブ系政党の反発で改憲審議に至っていなかった。
 しかし、十月二十六日に欧州連合(EU)のソラナ共通外交安保上級代表の仲介で主要四党が基本的な改正点で合意、国会が審議入りの準備をしていた。
 改正案は十五項目からなり、アルバニア語の準公用語化や、警察官や公務員のアルバニア系住民の採用拡大などを盛り込んでいる。(了)[2001-11-01-08:24] 310


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 11/01@東ティモール来年5月独立の国連総長案、安保理が承認(読売新聞)

 【ニューヨーク1日=勝田誠】国連安全保障理事会は31日、2002年5月20日に東ティモールを独立させ、それ以降も国連が国家建設を手助けすべきとするアナン国連事務総長の提案を承認した。
 東ティモールは1999年以来、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)が統治してきたが、今年8月の選挙で発足した制憲議会が10月中旬、「来年5月20日に立法、行政、司法の三権をUNTAETから東ティモールに移すべきだ」との勧告を採択した。
 安保理はこの勧告を認めた上で、国連が2年間にわたって平和維持活動(PKO)などを継続することに同意したが、独立後に残すPKO部隊の規模には触れなかった。 [2001-11-01-23:30] 314


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 11/01@パキスタンで「反テロ」行動、女性がデモ行進(読売新聞)

 【ペシャワル(パキスタン北西部)1日=鈴木敦秋】米英軍のアフガニスタン攻撃が続く中、200万人のアフガン難民を抱えるパキスタンでは、女性たちが「反テロ」と「平和」を掲げて大規模なデモ行進を行ったり、各宗教の指導者たちが「反テロ」で団結する異例の会合が開かれたりしている。イスラム社会で沈黙を守ってきた女性たちは、「過激な人々が、この国のすべてではない」「イスラム教徒が戦闘集団のように語られることは耐えられない」と訴えている。
 南部の大都市カラチで先月28日、大規模な「平和行進」が初めて行われた。イスラム原理主義勢力の反米デモと異なり、参加者は大都市のインテリ層で、女性が半数を占める。
 建国の父、ジンナー総督の霊廟(れいびょう)前に集まった約400人は、市民団体「パキスタン人権委員会」のメンバーらで、原理主義勢力などから襲われないよう、警官200人が周囲を固めた。
 先頭に立った公務員のマリカ・ハンさん(35)は「過激な人々が、この国のすべてではない」と話す。戦争反対を訴えているが、単純に米国を敵視してはいない。プラカードには「本当に戦うべき相手は、パキスタンやアフガン国内の偏狭さや貧困だ」とあった。
 軍事政権下のパキスタンでは、下院や州議会は解散され、政党のデモは禁じられている。市民が警察からデモの許可を得るのは難しいうえ、イスラム社会では女性のデモ参加に抵抗も強い。今回の「平和行進」はこうした障害を乗り越えて実現したもので、同様の活動は、首都イスラマバードなどでも計画中という。
 支援者の1人でカラチ在住の人気女性作家、ファティマ・スラヤ・バジアさん(72)は自宅で「イスラムは平和的な宗教で、他の宗教や価値観を受け入れます。タリバンや急進派が力を持ち、イスラム教徒が戦闘集団のように語られることを、国民が憂えるのは当然」と話した。
 ◆やまぬ脅迫電話、教会で追悼◆ ペシャワルのセント・ジョーンズ教会の学校では1日朝、子どもたちが、東部の町バハワルプルの教会で礼拝中に襲われたキリスト教徒18人に追悼の祈りをささげた。
 シセル・ウイリアム司教(55)は「この教会にも、事件の数日前から毎日10件の脅迫電話があった。近く何かが起きるかもしれないと恐れていた」と言う。中部の都市ラワルピンディのキリスト教学校では、アフガン空爆後に女性教師2人が行方不明になった。現在、各地の教会は警察当局の警備下にあり、他宗教の信者たちもテロにおびえている。
 パキスタンでは、難民を含め人口の97%がイスラム教徒だが、シセル司教は「宗教的立場の違いが国際的にも国内的にも政治と直結し、テロや紛争の原因になっている」という。
 同教会では先月末、イスラム教(シーア派)も含めた6つの宗教の指導者約80人が「反テロ」で団結する異例の会合が開かれ、少数派宗教を管轄するカリ・ル・ウラ大臣らが呼びかけた。
 会合では、「テロリストは宗教とは遠い存在」「この国やアフガンの一般市民を混乱に陥れようとしている」とのテロに対する非難が相次いだ。 [2001-11-01-22:55] 319


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 11/01@<日米協議>米軍支援 自衛隊活動内容のポイント(毎日新聞)

 「日米安全保障高級事務レベル協議」の審議官級協議を受け、米軍のアフガニスタンへの軍事行動に対する自衛隊支援の具体化に向けた日米政府間の協議が2日行われる。テロ対策支援法に基づいて実施する対米支援活動をめぐり、突っ込んだ調整が行われる予定だ。政府が提示するとみられる活動内容のポイントをまとめた。
 ■海域調査
 政府が対米支援の中心に位置付けているのが海上自衛隊艦艇による燃料や物資の補給・輸送。事前の海域調査のため護衛艦と補給艦計2隻程度を派遣する方針だ。日本側は2日、国産の三次元レーダーを装備するヘリコプター搭載護衛艦の派遣を念頭に、今月上旬にもインド洋に向けて出発し、マラッカ海峡、ディエゴガルシア島周辺海域などの安全確認と情報収集を行う計画を説明する予定だ。
 ■補給・輸送
 基本計画策定後の今月下旬にも補給艦や護衛艦計4隻程度を派遣し、米艦艇への洋上補給や物資輸送など本格的な対米支援を開始する。米側は最新鋭の情報収集能力と防空能力を持つイージス艦派遣への期待感を非公式に示しており、日本側も積極的に対応する意向で、焦点の一つとなる。
 このほか国内で、横田と三沢、岩国などの在日米軍基地間での物資輸送を航空自衛隊C130輸送機で行うことも検討。
 ■捜索救助活動
 補給・輸送のため派遣する海上自衛隊部隊の活動地域に合わせる形で盛り込み、遭難した米兵の捜索・救助、また、救助した米兵の輸送を行う。捜索救助だけを任務とする専門の部隊は派遣しない方針だ。
 ■在日米軍の警備
 改正自衛隊法により自衛隊による在日米軍基地の警備が可能となった。米側は1日の審議官級協議で「大変ありがたいこと」と歓迎した。日本側で警備対象として浮上しているのは神奈川県のキャンプ座間や相模補給廠(しょう)など。防衛庁は意欲的だが、在日米軍は自衛隊による施設内警備には慎重といわれ、警備計画の立案など「準備には最低でも1カ月以上かかる」(同)という。
 ■被災民救援活動
 被災民救援活動では、パキスタンへの生活関連物資の輸送が基本計画に盛り込まれる。ただ、パキスタンの難民キャンプでの医療などは国連との調整に時間がかかるため見送る方針だ。
 物資輸送は▽空自輸送機による空輸▽海自輸送艦での輸送▽民間機・船での輸送が考えられるが、政府は「海上輸送の場合は大量輸送が可能」と海上案も検討。ただパキスタンまでは10日以上かかるため、輸送手段は国連との調整次第だ。 [2001-11-01-22:15] 320


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 11/01@<東ティモール>来年5月20日に正式独立(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連安全保障理事会は10月31日、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の持つ権限(立法、司法、行政権)を、来年5月20日に「選挙で選ばれたティモール人による統治機構に引き渡す」ことを承認した。これで東ティモールは5月20日に正式独立を果たす。
 東ティモールの憲法制定議会が、5月20日に主権を東ティモール人の暫定内閣に移すべきだという決議を採択し、国連に申し入れていた。
 安保理はもともとUNTAETの活動期限を来年1月31日としていたが、東ティモール側の態勢づくりが遅れていた。 [2001-11-01-22:00] 322


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 11/01@イラン、アフガンに人道支援 食糧100トン送る(朝日新聞)

 イラン政府はアフガニスタンに対し、食糧などの物資約100トンを送る人道支援に踏み切った。反タリバーン勢力の北部同盟を軍事支援してきたイランによる、間接的なアフガンへの2国間支援の形となる。
 ロイター通信が1日、タリバーン情報省幹部の話として伝えた。イランの赤新月社(イスラム教国の赤十字)が小麦や食用油、毛布、薬品などをアフガン北西部の拠点都市ヘラートに輸送したという。イスラマバードのイラン大使館関係者も朝日新聞記者に支援を確認した。こうした支援がさらに増えるのか、北西部だけでなくカブールにも届くのかは不透明だ。
 タリバーンの主流派であるパシュトゥン民族がイスラム教のスンニ派であるため、シーア派のイランとタリバーンは対立関係を続けてきた。だが、ヘラートなどアフガン北西部は歴史的にイランとの国境貿易が盛んだ。タリバーン穏健派で知られるハイルワ・ヘラート州知事は対イラン関係改善に独自の努力を続けていた。このため、「今回の支援は必ずしもタリバーン中枢部への積極支援ではない」との見方があるが、イランには、アフガン難民が250万人もいる。これ以上の流入を防ぐため、援助に踏み切ったとの観測もある。[2001-11-01-21:37] 344


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 11/01@没収の通信機器を返却 援助目的にタリバン軟化(共同通信)

 【イスラマバード1日共同】アフガニスタン・タリバン政権が、国連機関から没収した通信機器などの返却を始めている。本格的な冬の到来を目前に食料・医薬品不足が深刻化し、国連への協力姿勢に転じた格好だ。
 国連関係者によると、タリバンは空爆開始後の十月中旬ごろ、首都カブールなど各地の国連事務所から衛星電話や無線機など通信機器を没収した。国内情報が敵国に漏れ軍事目的に利用されるのを警戒したためとみられた。
 このため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など人道援助目的の機関は、パキスタンなど周辺国との連絡が困難となり、援助物資の搬入や配布の実施に大きな影響が出ていた。
 しかし、タリバンは最近、政策を変え、アフガン各地の事務所に通信機器を返却した。別の国連関係者によると、物資不足による国民の不満を警戒したタリバン最高指導者オマル師が、返却を命じる布告を出したもようだ。
 タリバンのザイーフ駐パキスタン大使は「冬季を前に援助物資の緊急輸送が必要」と訴えており、援助活動に従事する国連職員らも軍事より援助を優先したタリバンの態度軟化を歓迎している。(了)[2001-11-01-17:00] 345


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 11/01@断食月には攻撃停止を インドネシア大統領(共同通信)

 【ジャカルタ1日共同】インドネシアのメガワティ大統領は一日開会した国民協議会(国権の最高機関)で施政報告演説を行い、米国のアフガニスタン攻撃について「無実の市民が死亡している」と批判、少なくとも今月中旬からのイスラム教のラマダン(断食月)と十二月のクリスマスの期間中は攻撃を停止すべきだと訴えた。
 大統領は「長引く攻撃は非生産的で、反テロの世界的協力態勢をむしろ弱める」として外交手段による解決を探るため戦闘の「人道的停止」を提案。また「国連が役割を果たすよう働き掛けていく」と述べた。
 メガワティ大統領は九月に訪米で、テロ撲滅に協力姿勢を示し、アフガニスタン攻撃も当初は容認の方針だったが、攻撃開始の一週間後に世界最大のイスラム教徒人口を抱える同国の国内世論に配慮して「攻撃反対」に転じた。(了)[2001-11-01-16:39] 348


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 11/01@アフガン元国王に暗殺計画 伊が「最高度の警戒」(共同通信)

 【ワシントン1日共同=杉田弘毅】アフガニスタンの新政権づくりに関与している外交筋が明らかにしたところによると、タリバン後のアフガン政権の「象徴」になるとみられているザヒル・シャー元国王(87)=ローマに亡命中=に対する暗殺計画の未確認情報が複数寄せられ、イタリア政府は三十一日までに元国王の身辺警護を強化した。
 イタリア政府当局者も同日、暗殺計画には言及しなかったが、身辺に危険が及ぶ可能性があるとして、元国王の警護を「最高レベル」に強化し警戒していることを確認した。
 外交筋は九月九日の北部同盟のマスード元国防相の暗殺、十月二十六日のハク元司令官のタリバンによる処刑ら反タリバン勢力の有力者の殺害に続いて、元国王が暗殺されれば「新政権の核となる人物はいなくなる」と述べ、新政権樹立の動きはとん挫するとの強い懸念を示した。
 同筋によると、タリバン政権やウサマ・ビンラディン氏のテロ組織アルカイダの標的リストの筆頭に元国王が載っているとの情報が九月下旬から十月初旬に寄せられ、イタリア政府が身辺警護の強化を決めた。暗殺計画の情報がどこまで具体的なのかは不明だ。
 元国王は米中枢同時テロの直後にイタリア紙などのインタビューを受けたが、その後はメディアに会っておらず、反タリバン勢力が集まる会議も欠席。暗殺計画を恐れたのが理由の一つという。
 米政府は、タリバン後の新政権での元国王は「非常に重要な役割を果たす」としている。しかし、外交筋によると、暗殺の懸念があるため、元国王をいつどんな経路で帰還させるかは決まっていない。
 元国王は一九九○年代初頭にもインタビュー中、ナイフで殺されそうになったことがある。(了)[2001-11-01-16:00] 351


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 11/01@国連、地球サミットに本腰 来年9月実施へ準備加速(共同通信)

 【ワシントン1日共同】地球環境の保全と発展途上国の開発とを両立させる道を探ろうと来年九月にヨハネスブルクで開かれる「地球サミット(世界持続可能開発サミット)」に向け、国連は一日までに、会議の準備作業を加速させることを決めた。
 会議は来年九月二日から十一日までの予定。一九九二年、リオデジャネイロで開かれた地球サミットから十年になるのを記念して開く。
 しかし、「環境と開発の統合のためのこれまでで最も重要な会議」(国連当局者)であるにもかかわらず、米中枢同時テロやアフガニスタン空爆などの影響もあって国連は「各国での準備作業が思うように進んでいない」(同)と判断した。
 国連は、アナン事務総長の下に専門家の諮問委員会を組織するなどして、サミットに関する議論を盛り上げ、各国に準備作業のスピードアップを働き掛ける。
 国連当局者によると、諮問委員会は、チンパンジーの研究で知られるジェーン・グドール博士、ドイツ・北ライン科学センターのワイツゼッカー博士ら十二カ国十二人の専門家で構成。環境を破壊しない持続可能な開発についての議論の在り方について、事務総長に助言をする。日本からは、日本国際問題研究所の小和田恒理事長が選ばれた。
 また、アナン事務総長は、気候変動枠組み条約の第六回締約国会議(COP6)の議長を務めたオランダのプロンク環境相を、サミットの総長特使に指名。プロンク特使は、議長時代の人脈を生かし、各国の閣僚にサミットに積極的な貢献をするよう働き掛ける。(了)[2001-11-01-15:08] 370


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 11/01@イランも国境開放を拒否 国連弁務官との会談で(共同通信)

 【テヘラン1日共同】イランを訪問中のルベルス国連難民高等弁務官は三十一日、ハタミ大統領との会談後記者会見し、アフガニスタン難民に対して国境を開放するようイラン側に要請したが同意を取り付けられなかったことを明らかにした。
 ルベルス弁務官は「パキスタン、イラン両国とも国境の開放に合意しなかったが、難民たちは厳しい状況下にあり入国を許可されねばならない」と強調。「一国だけに負担をかけないようイランに対し国際的な資金援助や支援を行うことを約束する」と述べ、国境開放をあらためて要請した。
 イランには、ソ連軍のアフガニスタン侵攻などを通じて既に約二百五十万人以上のアフガン難民が流入しており「これ以上の難民の受け入れは不可能」(イラン外務省)との理由から国境を閉鎖。しかし、国境地帯での難民キャンプの設営など国連の人道援助に対する協力は続けている。(了)[2001-11-01-09:05] 371


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 11/01@クラスター爆弾使用中止を 国際人権団体が要求(共同通信)

 【ニューヨーク31日共同】国際的な人権監視団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(本部ニューヨーク)は三十一日、声明を発表し、米政府に対しアフガニスタン空爆で「クラスター(集束)爆弾」の使用を直ちに中止するよう求めた。
 声明は、空中で分解して広範囲に小爆弾をまき散らすクラスター爆弾は、正確な爆撃が困難なため一般市民に大きな被害をもたらすと批判。また、不発弾が多く攻撃終了後も「対人地雷」となって被害を出し続けると指摘している。
 ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、米空軍は攻撃開始後の最初の一週間で五十発のCBU87クラスター爆弾を投下。その後も使用を継続している。
 CBU87は内部に対戦車、対人両用の小爆弾を二百二発内包しており、投下後に空中で分解。約五千平方メートルの範囲に小爆弾をまき散らす。湾岸戦争やコソボ紛争でも使われた。(了)[2001-11-01-08:33] 379


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 11/01@国連特別代表、タリバーンと極秘に会談(朝日新聞)

 イスラマバードのアフガニスタン関係筋によると、パキスタンを訪問中のブラヒミ国連事務総長特別代表は30日夜、アフガニスタン・タリバーン政権のザイーフ駐パキスタン大使と、極秘にイスラマバードで会談した。ブラヒミ氏は、タリバーン最高指導者のオマール師にあてたアナン国連事務総長の親書を手渡した模様だ。
 しかし、両者は会談の事実を公式には否定している。会談の内容は明らかでないが、ブラヒミ氏は、国連がアフガン国内の人道支援を重視しており、米国の軍事行動の早期終結を望んでいることを訴え、タリバーン側に理解と対話による打開を求めたものとみられる。
 会談について、ザイーフ大使は31日、「国連から打診があったが、オマール師の指示で断った」と述べた。国連関係者も「タリバーンから会談の要請があったが、日程調整がつかなかった」としている。国連に対して強硬姿勢をとっているタリバーンの立場から、会談は極秘の扱いにしている模様だ。[2001-11-01-03:04] 380


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 11/01@<クローズアップ>米「繁栄の10年」に幕 世界同時不況も(毎日新聞)

 米国経済が01年第3四半期(7〜9月)から景気後退に入ったことが、31日確定する見通しとなり、冷戦終結後の「繁栄の10年」は終わりを告げた。テロと炭疽(たんそ)菌事件は景気悪化を加速させており、景気が上向く時期を見通しにくくしている。世界経済のメーンエンジンの失速によって「戦後初の世界同時デフレ不況」(野村総研アメリカのエコノミスト、木内登英氏)の懸念が高まりつつある。 【ワシントン逸見義行】
◆絶頂期終わる
 「米経済の絶頂期は終わったね」。ニューヨーク・マンハッタンのタクシー運転手(45)は、肩をすくめながらつぶやいた。テロ後3週間は観光客減少で売り上げが7割も減り、現在も3割減という。「11月も変わりそうない。パソコンも携帯電話もこれだけ普及した以上、来年も急速な回復は期待できないよ」
 国際労働機関(ILO)は、ホテル、旅行会社、タクシーなどの観光部門はテロの影響で米国だけで110万〜380万人の雇用が失われると推計する。失業率は「現在の4・9%から来年半ばに6%に跳ね上がる」との見方が強く、米経済の推進役だった個人消費は急速に冷え込みそうだ。
◆狂ったシナリオ
 米政府は、情報技術(IT)バブルの崩壊を受け、景気後退を防ぐための対応を矢継ぎ早に展開した。今年に入っての利下げは10月2日までに9回に及び、幅は計4%。7月から段階的に額を積み増した大型所得税減税は、10年間で1兆3500億ドル(約165兆円)にのぼっている。
 米財務省は「第3四半期がマイナスでも第4四半期は政策効果が出てプラス成長を実現できる」と、景気後退入り(2四半期連続のマイナス成長)は回避可能とのシナリオを描いていた。しかし、30日発表の消費者態度指数が94年2月以来の水準に落ち込むなど、テロは政策効果を吹き飛ばし、米経済は長いトンネルに入る恐れがある。
◆あてはずれの日本
 米経済頼みの景気回復戦略を描いてきた日本経済も、あてがはずれる。日本の電機メーカーの業績が軒並み悪化し、大幅な人員削減に追い込まれているのは、米国の半導体、パソコン、通信機器などの需要減退をもたらしたIT不況の反映であり、まだ影響が出尽くしたわけではない。
 米経済の景気後退が長期化すれば、日本の成長率が、来年も2年連続でマイナスになる可能性が一層濃厚だ。米国が「最優先課題」と言い続ける不良債権処理が進まないと、小泉政権への海外からの期待は大きな失望に変わりそうだ。
◆変わる枠組み
 テロは成長の枠組みにも影響を与える。ニューアメリカ財団のクレモンズ副理事長は「これまでの経済活動の大前提だった『移動の自由』『食物の安全』『郵便による意思伝達』などが阻害され、安全維持のためのコストが増大する。景気が回復しても、今後5年程度は低成長を覚悟すべきだ」と語る。冷戦終結がもたらした経済活動の自由度拡大と、さまざまな面のコスト低下という好循環は、逆回転を始める。米国、そして世界が10年にわたって受け取ってきた「平和の配当」を今後も期待するのは難しい。
 ◇モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、スティーブン・ローチ氏
 米経済はテロがなくても景気後退に落ち込んでいた。テロでマイナスの幅が拡大し、期間が長期化した。今年第4四半期(10〜12月)はマイナス3%の予測で、来年第1四半期(1〜3月)はマイナス1〜2%に落ち込む可能性がある。来春から回復を始めるが、多くのエコノミストが予想する「V字型回復」は無理だ。巨額の経常赤字、過大な家計の負債、過剰設備という構造的問題に加え、世界経済のエンジン役が見当たらないためだ。
 テロで安全保障や安全対策に対する支出が増大するが、建設的な支出とは言えず、潜在成長率低下につながる。製品、サービス、資本の移動に制限が加わり、グローバリズム進展の足かせになる。ただ、米国に代わる世界経済のエンジン役も、米国の政治的指導力に挑戦する国も見当たらない。米国が世界の超大国の地位を当分維持するだろう。
  ◆戦後米国の主な景気拡大期◆
49・11〜53・7(45カ月) 朝鮮戦争
54・6〜57・8(39カ月) 日・欧州の復興
61・3〜69・12(106カ月) ベトナム戦争
75・4〜80・1(58カ月) 第1次石油危機後の回復
82・12〜90・7(92カ月) レーガノミクスの時代
91・4〜01・6(123カ月) 冷戦の終結 [2001-11-01-02:35] 26


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 11/02@米軍、投下食糧パックの色を「青」に変更 爆弾混同問題(朝日新聞)

 米軍のアフガニスタン空爆で使われている「集束爆弾」の不発弾と、空中投下される食糧パックが同じ黄色に塗られている問題で、マイヤーズ統合参謀本部議長は1日、食糧パックの色を今後、青に変えると明らかにした。
 国防総省での記者会見で明らかにした。同議長によると、デザインも変更する。すでに発送してしまった食糧も多いため、実際にいつから青色に変更できるのかは不明だという。
 ただし、集束爆弾自体が、地雷禁止運動団体などから「大量の不発弾が戦後も残り、地雷と同じような問題を残す非人道的な兵器だ」と使用停止を求められている問題については、「使う時は慎重に検討している」(マイヤーズ議長)として、考慮しない方針を示した。
 集束爆弾は1発の大きな爆弾の中に、数百個の小弾頭が含まれている。敵の野戦部隊を殺傷するのが目的だが、小弾頭の数が多く、大量の不発弾が残る。99年のユーゴスラビア空爆では、缶状の小弾頭を拾おうとした子供らが死亡した。[2001-11-02-19:11] 27


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 11/02@<コソボ>選挙監視要員の派遣計画決める 政府(毎日新聞)

 政府は2日の閣議で、ユーゴスラビア・コソボ自治州で17日に実施されるコソボ議会選挙の監視活動のため、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づく選挙監視要員を派遣する実施計画を決めた。民間人4人を含む計6人。11日日本を出発し、21日に帰国する。内閣府や外務省の職員5人も連絡調整要員として派遣する。 [2001-11-02-10:30] 29


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 11/02@ユーゴスラビア・コソボへの選挙監視団派遣を閣議決定(朝日新聞)

 政府は2日午前の閣議で、今月17日にユーゴスラビア・コソボ自治州で予定されているコソボ議会議員選挙に、選挙監視団を派遣することを決めた。国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、国会に報告する。今年9月に欧州評議会から要請があった。民間人4人を含む選挙監視要員6人で構成し、11日に出発、21日に帰国する予定。[2001-11-02-10:04] 30


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 11/02@コソボ選挙監視に11人派遣 実施計画を閣議決定(共同通信)

 政府は二日午前の閣議で、今月十七日に行われるユーゴスラビア・コソボ自治州のコソボ議会議員選挙に、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、選挙監視要員など計十一人を派遣するための実施計画を決定した。
 派遣されるのは、選挙監視要員として大学教授や非政府組織(NGO)職員ら計六人、国際機関との連絡調整要員として内閣府、外務省職員計五人。このうち選挙監視要員は今月十一日に出発、二十一日に帰国する予定。
 政府は同選挙を監視する欧州会議(CE)の要請に基づき、派遣を決めた。(了)[2001-11-02-09:28] 251


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 11/02@米軍がアフガン攻撃拡大 北部同盟を全面支援(朝日新聞)

 米英軍は対アフガニスタン攻撃を拡大し、反タリバーン勢力の北部同盟による主要拠点の制圧に向けて全面的な支援に乗り出した。アフガン次期政権づくりを待つことなく、軍事行動を加速させる姿勢を鮮明にした。タリバーン政権の予想以上の抵抗と米国内からの批判を受け、米政府は国際支持が揺らぐことを懸念するよりも、「戦果」を急ぐ方針に傾いたようだ。
 米軍は北部同盟とタリバーン軍が戦う首都カブールやマザリシャリフなど主要都市近郊の前線に今週からB52爆撃機を投入し、一度に爆弾40〜50発を使う攻撃を始めた。当初はタリバーンの防空・司令網などが中心だった空爆が、今は80%が前線に集中。広範囲で敵の動きをつかむJSTARS偵察機の導入も決め、北部同盟の進撃を明確に助ける態勢に入った。
 ラムズフェルド国防長官は1日、「作戦と外交を連関させてはいない」と言明。政権づくりは国連や各国の作業で「米国が決めることではない」と突き放し、「我々はテロ組織の壊滅へ全力で進むのみだ」と述べた。ライス大統領補佐官も、イスラム諸国が訴えるラマダン(断食月)中の停戦について「その余裕はない」と表明した。
 米政府が軍事優先の決意を強調し始めたのは、米メディアなどで「外交に片手を縛られて戦争はできない」(ワシントン・ポスト紙のコラム)との批判が広まってきたからだ。空爆をすればタリバーン内の分裂や寝返りが進み、反タリバーン勢力が容易に拠点を制圧できる、との当初の見通しは「誤算」だった形だ。
 国防総省は前線の爆撃が拡大したのは、北部同盟などに同行する米軍の地上部隊が増え、標的に精密に誘導できるようになったためと説明する。現在数十人規模と見られる地上部隊を3〜4倍に増やす方針で、それだけ前線への支援爆撃も強めるとみられる。
 北部同盟がマザリシャリフを制圧した場合、ロシアは武器供与を本格化させ、参戦を表明しているトルコ軍部隊も入りやすくなる。米英軍がそこを足場に数百人規模の特殊部隊の地上拠点を築くことも可能で、米国は厳冬期の前に制圧を目指す模様だ。
 米国はこれまで、北部同盟の勢力拡大を嫌うパキスタンに配慮。アフガンの次期政権づくりと歩調を合わせるため、作戦のペースを抑制しているとみられていた。[2001-11-02-20:21] 258


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 11/02@◎ビンラディン氏、ダイヤ取引で資金=シエラレオネ反政府勢(時事通信)

 【ワシントン2日時事】2日付の米紙ワシントン・ポストは、同時テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏率いる武装組織アルカイダが、アフリカのシエラレオネで、反政府勢力・革命統一戦線(RUF)の協力を得たダイヤモンド取引で、過去3年間に数百万ドルの資金を得ていたと報じた。 [時事通信社][2001-11-02-18:21] 263


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 11/02@西サハラで紛争再燃も モロッコ国王が初訪問(共同通信)

 【カイロ2日共同】モロッコのモハメド国王は一日、領有権争いが続いている旧スペイン領西サハラをモロッコ国王として初めて訪問、南部の港湾都市ダフラでモロッコ系住民の熱狂的な歓迎を受けた。
 西サハラ独立を求めモロッコと軍事衝突を繰り返してきたポリサリオ戦線は直ちに、国王の西サハラ訪問を「重大な挑発だ」と非難する声明を発表、紛争が再燃する可能性も出てきた。
 先代のハッサン国王時代の一九七五年には、西サハラの領有権を訴えるためにモロッコ国民約三十五万人が西サハラに向けて砂漠を行進する「緑の行進」が行われた。
 モロッコで歴史的偉業とされる緑の行進は今月六日で二十六周年を迎える。一昨年に即位したモハメド国王としては、自らが西サハラを初訪問し、周辺国に領有権をアピールする狙いがあるとみられる。
 七五年までスペイン領だった西サハラをめぐっては、モロッコとモーリタニアが領有権を主張。その後モーリタニアは領有権を放棄したが、これに先立ち結成されたポリサリオ戦線とモロッコとの武力紛争が九一年まで続いた。
 この間、国連の仲介で、独立かモロッコ帰属かを決める住民投票実施に双方が合意、九七年には投票規則でも合意したが、投票資格問題をめぐる意見の相違で、実施に至っていない。
 先月末には、スペインの非政府組織(NGO)が西サハラでの住民投票実施を呼び掛けたことなどにモロッコ政府が反発、駐マドリード大使を召還し、来月に予定されていた両国の首脳会談も延期した。(了)[2001-11-02-16:42] 271


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 11/02@食料尽き破滅的状況の恐れ アフガン北部、数週間で(共同通信)

 【ニューヨーク1日共同】大島賢三・国連緊急援助調整官室長(事務次長)は一日、国連本部で記者会見してアフガニスタン北部のマザリシャリフ周辺で国連からの支援食料が既に底をつき、数週間以内に破滅的状況が起きる可能性があると訴えた。
 またタリバン政権の拠点カンダハルでは、米軍の空爆で法秩序が崩壊したため、支援物資の配給ができない状態だ、と述べた。
 アフガンの避難民は同国北部と西部を中心に、米中枢同時テロ発生前に既に百万人に上っていた。大島氏は「住居と食料の不足で避難民が冬の数カ月間を生き延びられるか懸念している」と述べた。
 大島氏はウズベキスタンなどアフガンに隣接する中央アジア三国を歴訪しニューヨークに戻ったばかり。
 周辺国は国連の説得に応じ、人道支援のために港湾施設や空港の使用を認めたものの、難民の入国は許さず国境を閉鎖している。
 大島氏によると、国連は現在アフガンに食料を一日当たり千五百四十トンを運び込んでいるが、治安悪化や空爆などのため、配給できるのは必要な人々の三分の一程度となっている。(了)[2001-11-02-12:39] 273


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 11/02@アフガンに潜入した元国王派指導者をタリバーン追撃(朝日新聞)

 アフガン・イスラム通信(AIP)の報道によると、反タリバーン勢力のアフガニスタン人指導者が工作のため、アフガン国内に潜入し、タリバーン軍の追撃を受けている。米軍がヘリコプターで救出を試みているが、成功していないようだ。
 潜入したのは、ハミド・カルザイ氏。ザヒル・シャー元国王の復帰を支持するパシュトゥン民族の指導者の一人だ。
 反タリバーン工作のため、10月上旬に部隊を連れて、パキスタンからアフガン内に潜入したが、南東部のウルズガン州デラワド地区に潜んでいるのをタリバーン軍に見つかり、攻撃を受けたらしい。激しい銃撃戦となり、カルザイ氏側の4人が死亡した模様だ。
 米軍のヘリコプター4機が救援に出動。カルザイ氏は銃撃をかいくぐって脱出を試みているようだが、タリバーンに阻まれ、ヘリもカルザイ氏に近づけない状態になっているという。
 反タリバーン勢力の動きでは、10月下旬に元司令官のアブドゥル・ハク氏がアフガン国内でつかまり、タリバーンに処刑された。[2001-11-02-12:15] 274


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 11/02@アフガン難民に在留許可 大阪入国管理局(共同通信)

 難民不認定となり異議を申し立てていたアフガニスタンの少数民族ハザラ人の男性ユノス・タヒリさん(29)=大阪市生野区在住=に対し、大阪入国管理局は二日、在留特別許可(期間一年)が認められたと通知をした。
 ユノスさんは、イスラム運動「ハラカテ・イスラミ」のメンバーで、一九九六年にアフガニスタンの首都カブールでタリバン兵士に逮捕され、四カ月監禁された。その後、国外へ脱出、九九年にイラン、韓国を経て来日し、同四月に難民認定を申請した。しかし、五カ月後に不認定となったため、法相に異議を申し立てていた。(了)[2001-11-02-12:14] 277


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 11/02@生物兵器の規制強化要請 米政権が姿勢一変(共同通信)

 【ワシントン1日共同】ブッシュ米大統領は一日、一九七二年に調印された生物兵器禁止条約の締約各国に対し、生物兵器テロに関与した国民を厳格に裁く国内刑事法を制定するよう求める声明を発表した。
 米国は八月、生物兵器技術の拡散防止を目指した同条約の検証議定書をめぐる専門家会合で議定書案を拒否したが、十月に自国で炭疽(たんそ)菌事件が起きたことを受け、姿勢を一変させた。
 ブッシュ大統領は声明で「生物兵器の脅威は拡大する一方だ」として、全締約国に@生物兵器開発を規制する国内法の強化A生物兵器の使用が疑われる事例の国連による調査の枠組みづくりB科学者の倫理規定制定―などを提唱している。
 ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「従来の議定書論議は問題の本質に向かっていなかった。今こそ、米側から交渉の材料を提示することが重要と考える」と述べた。(了)[2001-11-02-11:41] 279


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 11/02@炭疽菌非難の決議見送り 国連安保理(共同通信)

 【ニューヨーク1日共同】米社会に恐怖を与えている炭疽(たんそ)菌攻撃を非難する決議案を国連安全保障理事会で採択するようフランスが打診したが、米国の反対で見送られたことが一日明らかになった。
 フランスは炭疽菌攻撃が生物兵器禁止条約(一九七二年調印)に違反し「国際の平和と安全」への脅威だと主張した。しかし、米国務省は「米国内の過激派の仕業である可能性があり、国連が取り上げるべきではない」と返答した。
 一日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、フランスが用意した決議案文は@炭疽菌など生物兵器の使用は国際条約に違反するA米国は国連憲章に基づき生物兵器攻撃に対し反撃する自衛権を持つ―と確認する内容だった。(了)[2001-11-02-11:06] 280


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 11/02@<生物兵器条約>米大統領、条約強化向け加盟国と協議開始を(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】ブッシュ米大統領は1日、生物兵器禁止条約の違反を調査する枠組み確立や各国の取締り推進など「条約強化策」として7項目の提案を加盟国に示し、協議を始める方針を発表した。米国は7月、同条約の違反行為を加盟国が調査するための検証議定書草案を拒否し、議定書が宙に浮いたばかり。炭疽(たんそ)菌事件で米国が生物兵器テロ攻撃の対象となる恐れが高まったため、検証議定書に代わる枠組み作りへの姿勢を示す狙いとみられるが、加盟国の同調を得られるかどうかは明らかでない。
 大統領は声明で「9月11日以後、生物兵器の脅威は現実となった。ならずもの国家やテロリストがこうした兵器を持ち、使おうとしている」と述べ、危機感を示した。
 提案の骨子は(1)各国が生物兵器禁止の刑事取締り立法強化(2)生物兵器使用や疑惑を国連が調査する手続き(3)条約違反への対応ーーなどで、詳細は何も明らかにされていない。議定書草案では新設の国際機関が生物兵器の製造、所有、使用の疑惑がある国を査察・監視する内容だったが、今回明らかになった米政府案は個人の生物兵器売買、製造を犯罪として取り締まるよう各国に求める内容とが盛り込まれるとみられる。
 72年調印の同条約には違反の有無を調べたり監視する検証規定がなく、6年間の交渉で検証議定書草案が作られ、今年末の最終合意を目指していた。だが、ブッシュ政権は、査察によって米国企業の医薬品やバイオ技術が盗まれる恐れがあるなどの理由で、拒否を決めていた。このため、議定書交渉は失敗し、米国の自国中心主義外交(ユニラテラリズム)の表れとして関係国に批判されていた。
 今回の提案には企業情報や軍事機密の保護を優先する姿勢を修正する表現はない。 [2001-11-02-10:55] 283


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 11/02@生物兵器禁止条約強化へ7項目提案 米大統領(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領は1日、生物兵器禁止条約の強化に関する声明を発表し、生物兵器を使った疑いがある場合に調査する枠組みを、国連を中心に確立することなど、7項目を提案した。同条約をめぐっては、7月にブッシュ政権が検証規定を盛り込んだ議定書草案に反対を表明、国際交渉が暗礁に乗り上げていた。同時多発テロや炭疽(たんそ)菌事件で、生物兵器禁止策の強化が急務と判断した。
 そのほかの提案は、(1)生物兵器に関連する活動を取り締まる刑法の強化(2)条約順守を担保する枠組みの確立(3)専門家派遣体制の整備など国際的な感染症対策の改善(4)病原体の保管と遺伝子操作に関する国内監視体制の確立(5)生物科学者が守るべき厳格な倫理基準づくり(6)病原体の研究・使用・改変・移転に関する責任ある管理の促進、の6項目。
 大統領は声明で「脅威は高まっている。ならず者国家やテロリストはこうした兵器を保有し、使いたがっている」と述べ、同時多発テロ以来、米国や他国が生物兵器で攻撃される危険が高まっているとした。
 国務省のバウチャー報道官は「(テロリストなど)国家以外の行為もカバーできるように条約を強化することが、提案の眼目」と述べるとともに、すでに同盟国との協議を始めていることを明らかにした。19日からジュネーブで開かれる条約の第5回再検討会議で、詳細な提案をするという。
 生物兵器保有の全面禁止を決めた同条約は72年に調印、75年に発効し、米国や日本を含む144カ国が批准済みだが、検証制度が欠けており、違反を防ぐ手立てがない。このため、今年11月の再検討会議での採択を目標に、95年1月から検証規定を含む議定書づくりが進められてきたが、ブッシュ政権は「抜け穴が多い」などとして議定書草案を一方的に拒否。代替案を出すとしていた。[2001-11-02-10:13] 291


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 11/02@民族にこだわらず授業 「北部同盟」支配地の神学校(共同通信)

 アフガニスタン北部、反タリバン勢力「北部同盟」支配地ホジャバハウディンのマドラサ(神学校)。イスラム聖職者を目指す十四歳から二十三歳の男子学生約二百人が勉強に励む。生徒の半数以上がタジク人とウズベク人だが残りはタリバンの多数派パシュトゥン人ら。民族にこだわらず生徒を受け入れる。
 校長のアブドルカジルさんは「民族差別は一切ない。生徒の民族別内訳数すら数えたこともない」と断言。イスラム教のほか、数学や地理、歴史、英語、アラビア語なども教える。
 初等クラスでは生徒十六人が教師の教えに熱心に耳を傾ける。うち八人がパシュトゥン人。教師のランジュルさんは「イスラムの教えはいかなる民族差別も許していない」ときっぱり。
 生徒の一人のルフロ君(14)は「(タジク人らを弾圧する)タリバンは許せない」と言いながら「将来の民族和合を信じている」。若い理想が大人になっても続くことを信じたい。(アフガニスタン北部ホジャバハウディン共同=太田清)(了)[2001-11-02-09:14] 292


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 11/02@早ければ3日後に本格攻勢 北部同盟外相が示唆(共同通信)

 【ジャボルサラジ(アフガニスタン北部)1日共同】アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」のアブドラ外相は一日、共同通信など一部メディアとのインタビューで「米軍の集中空爆があと二日間効果的に続けば局面突破があり得る」と述べ、早ければ三日後にもタリバン軍に本格攻勢を仕掛ける可能性を示唆した。
 どの前線で攻撃を行うかなど詳しい作戦内容については言及を避けたが、北部の要衝マザリシャリフ陥落作戦やカブール包囲作戦などの開始を指すとみられる。
 外相はまた、タリバン後の新政権について、ザヒル・シャー元国王派と設立で合意した「最高評議会」が最終的に選挙によって国家元首を選出することが望ましいと語った。
 さらに、国連も新政権の枠組みづくりに積極的に関与すべきだと述べ、国連のカブール暫定統治を認める考えを示した。
 外相はインタビューに先立つ記者会見でも、北部同盟軍が数日中に「最高度の戦闘準備態勢」をとると述べており、北部同盟は空爆の効果が失われないうちにタリバンとの戦闘に踏み切る方針を固めたとみられる。(了)[2001-11-02-09:04] 293


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 11/02@ミサイル防衛で進展か 米ロ外相会談(共同通信)

 【ワシントン1日共同】パウエル米国務長官は一日、ワシントンの国務省でイワノフ・ロシア外相と会談し、米国のミサイル防衛構想やタリバン崩壊後のアフガニスタンの新政権づくりなどについて協議した。
 会談後に記者会見したイワノフ外相は「実質的で建設的な協議ができた」と言明。これとは別に会見したライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はミサイル防衛構想や戦略核削減問題について「交渉は進んでいる」と指摘、外相会談で進展があったことを示唆した。
 両外相は、パウエル長官が十二月にモスクワを訪問することで合意した。
 今回の会談は十三日から行われる米ロ首脳会談の準備が主要目的。AP通信とワシントン・ポスト紙は一日、首脳会談で米国とロシアが保有する戦略核をそれぞれ千七百五十―二千二百五十個まで段階的に削減していくことで合意する可能性があると報じた。
 米専門家の間では、ロシアが戦略核の削減と引き換えに、米国がミサイル防衛を推進する上で必要な弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正を認めるとの観測も出ている。
 イワノフ外相は「首脳会談までに主要問題について書類を完成させることを望んでいる」と述べた。
 バウチャー報道官によると、両外相はこのほか、中東問題、イラクへの国連制裁問題などを協議した。(了)[2001-11-02-09:01] 301


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 11/02@東ティモールPKOに陸自、過去最大の700人派遣(読売新聞)

 東ティモールの独立に合わせ、日本政府が検討していた国連平和維持活動(PKO)派遣計画の全容が1日、明らかになった。東ティモールで道路や橋の補修などの業務を行うため、陸上自衛隊の施設部隊約700人を2002年3月上旬から順次派遣するもので、過去最大の規模となる。
 派遣対象として検討されているのは、陸自第三施設団(北海道)の部隊。部隊の輸送には、航空自衛隊の輸送機や、海上自衛隊の最新鋭輸送艦「おおすみ」(基準排水量8900トン)を用いる。具体的には、3月上旬にまず先遣隊約40人を航空自衛隊のC130輸送機6機でディリに輸送。ほぼ同時期に海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が車両や必要資材を運び、3月下旬までに現地に陸揚げする。
 第1陣の施設部隊約300人は同月中旬に民間機で東ティモール入りする。さらに、4月上旬に民間船舶で車両や大型ブルドーザーなどの機材を輸送し、同月中旬に残りの施設部隊約400人が民間機でディリに入る予定だ。
 政府・与党は当初、今国会で、国連平和維持隊(PKF)本体業務への参加凍結を解除するPKO協力法の改正を行う方針だったが、日程的に難しくなったことから、今国会での同法改正は見送る方向となっている。このため、東ティモールではPKF本体業務には参加せず、現行法の枠内での輸送や道路、橋の補修などの後方支援に絞ることになった。 [2001-11-02-03:05] 308


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 11/02@アフガン、90万人餓死の可能性 ブラヒミ特別代表訴え(朝日新聞)

 国連でアフガニスタン問題を担当するブラヒミ事務総長特別代表は1日、訪問先のパキスタンで記者会見し、アフガンへの緊急援助が再開されなければこの冬で90万人の餓死者が出る可能性があると強調し、米国に空爆の即時停止を訴えた。
 国連が主導しようとしているアフガン問題の解決策についてブラヒミ氏は「アフガンは他者を傷つけ脅迫するのに使われている」「国連がタリバーンと敵対することはない」と述べ、オサマ・ビンラディン氏の引き渡しを前提に、協議にタリバーンを加える可能性に初めて言及した。
 また「今ある政府がそのまま(和平後の)暫定政府になることはないだろう」と述べ、多数派のパシュトゥン人を排除した「北部同盟政権」について否定的な見方を示した。
 ブラヒミ氏は国際社会がアフガニスタンの問題にこれまで無関心だったことを強く批判。食糧や越冬用品を配布する緊急支援や、インフラ整備などの復興支援に「すべての国が本気で取り組んでもらいたい」と述べた。[2001-11-02-00:39] 24


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 11/03@<コソボ>議会選挙へのセルビア人参加決定 ユーゴ連邦大統(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ大統領は2日、17日に投票される同連邦コソボ自治州の初の自治政府議会選挙へのセルビア人の投票参加を正式に決定した。セルビア人は選挙登録を済ませているが、「治安改善が不十分」などとして参加を留保していた。
 大統領は「すべての困難を考慮して、参加した方が良いと判断した。国連からの治安改善の保証は十分なものではないが、第一歩といえる」と発表した。国連のアナン事務総長やブッシュ米大統領は、セルビア人参加を強く要請していた。
 国連によると、99年に起きた脱出でセルビア人約18万人がコソボから逃れ、現在州内の人口は総人口200万人の内、約10万人。登録した有権者数120万人のうち9割以上はアルバニア系住民。アルバニア系は「コソボ独立」を悲願としており、少数派セルビア人は「選挙は将来の独立につながるもの」と強く反対して来たが、国連は「新自治政府は独立を宣言する権限を持たない」との考えだ。 [2001-11-03-19:25] 25


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 11/03@セルビア人の参加認める コソボ自治州議会選(共同通信)

 【ウィーン3日共同】ベオグラードからの報道によると、ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領は三日未明、テレビ演説し、十七日のユーゴ・コソボ自治州議会選挙への少数派セルビア人の参加を認めると表明した。
 これで一九九九年のコソボ空爆以後、初めて完全な形での選挙が実現、民族紛争が続いたコソボで全住民が参加する自治政府の樹立に向けて一歩前進したことになる。
 セルビア人側は国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の管理下で行われた昨年十月の地方選挙をボイコット、今回も当初は「セルビア人の安全が保障されていない」として拒否する姿勢だったが、米国や欧州連合(EU)などが参加を再三要求していた。
 コシュトニツァ大統領は二日に暫定統治機構のヘカロップ代表と会談後、セルビア政府と対応を協議していた。大統領は「困難はあるが、参加した方が良いとの結論に達した」と述べ、同夜に国連のアナン事務総長とも電話で話し合ったことを明らかにした。
 今選挙にはコソボのセルビア人政党が既に連合で参加を表明、セルビア共和国などに難民として逃れている住民も含め約十七万人のセルビア人が有権者登録をしている。選挙では多数派アルバニア人政党の勝利が確実視されている。(了)[2001-11-03-16:12] 172


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 11/03@「国連は犯罪のための道具」ビンラディン氏がビデオ声明(朝日新聞)

 カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは3日、オサマ・ビンラディン氏が声明を発表する様子を収めた映像を放映した。ビンラディン氏は国連を「イスラム教徒に対する犯罪行為を支えるための道具と化している」と激しく非難した。
 同氏は米英軍がアフガン攻撃を正当化するための証拠は何もない、としたうえで、国連の対応を批判。パレスチナやカシミール帰属問題なども上げ、「国連は傍観しているだけ」とし、イスラム教徒の抱える問題を国連の場で解決しようというのは「偽善だ」と批判した。さらに「国連に手を貸すアラブ諸国のリーダーたちは、不信心者に成り下がっている」とも述べた。
 声明はアフガン国内で収録されたとみられるが、撮影日時、場所については明らかになっていない。[2001-11-03-23:44] 190


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 11/03@<コソボ>議会選挙へのセルビア人参加決定 ユーゴ連邦大統(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ大統領は2日、17日に投票される同連邦コソボ自治州の初の自治政府議会選挙へのセルビア人の投票参加を正式に決定した。セルビア人は選挙登録を済ませているが、「治安改善が不十分」などとして参加を留保していた。
 大統領は「すべての困難を考慮して、参加した方が良いと判断した。国連からの治安改善の保証は十分なものではないが、第一歩といえる」と発表した。国連のアナン事務総長やブッシュ米大統領は、セルビア人参加を強く要請していた。
 国連によると、99年に起きた脱出でセルビア人約18万人がコソボから逃れ、現在州内の人口は総人口200万人の内、約10万人。登録した有権者数120万人のうち9割以上はアルバニア系住民。アルバニア系は「コソボ独立」を悲願としており、少数派セルビア人は「選挙は将来の独立につながるもの」と強く反対して来たが、国連は「新自治政府は独立を宣言する権限を持たない」との考えだ。 [2001-11-03-19:25] 201


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 11/03@反テロ連合は大いなる幻想 ブレジンスキー元補佐官(共同通信)

 【ワシントン2日共同】世界貿易センターの廃虚から、世界が反テロで結束する「新しい時代」が生まれたと考えるのは「大いなる幻想」―。カーター米政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めた地政学の論客、ズビグニュー・ブレジンスキー氏が二日付の米紙ワシントン・ポストにこんな論文を寄せた。
 同氏によると、第一の幻想は、広範な反テロ連合の出現で米国の圧倒的優位性から真に協調的な相互依存関係へと世界の潮流が変わったという見方。第二の幻想は、米中枢同時テロ以来、ロシアが歴史的な選択を行い、米国主導の西側の一部、またその同盟国になったという見方だ。
 ブレジンスキー氏は、世界各国の「団結」は実際の行動よりも言葉の上のものであり、世界を動かす力の現実は変わっていないと分析。中東からの支持は、湾岸戦争時の反イラク連合とはほど遠く、ロシアは米国の窮状を利用してミサイル防衛やチェチェン紛争などで米国の譲歩を狙っているふしがあると述べた。
 極めて協力的な欧州諸国も、米軍によるアフガニスタン空爆が激しくなるにつれ懸念を口にするのは時間の問題だと予想した。
 同氏は、こうした反テロ連合を米国は当てにすることはできず、テロへの挑戦は自力で行わなければならないと強調。政治、軍事的キャンペーンを遂行する戦略的意志を持つ米国だけが勝利し得るもので、現在の世界的な無秩序に代わるものは米国の圧倒的な優位性だけだと結論付けた。(了)[2001-11-03-16:59] 202


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 11/03@米ロなど8カ国外相会談へ 安保理は新決議を準備(共同通信)

 【ニューヨーク3日共同】国連外交筋は二日、アフガニスタン周辺六カ国と米国、ロシアの計八カ国の外相が今月十二日にニューヨークで約一年ぶりに会談することを明らかにした。十日からの国連総会一般演説に合わせ、アフガンでの軍事作戦や人道支援に加え、タリバン政権後の政治枠組みや平和維持について協議するとみられる。
 また同筋は「安全保障理事会が同時期にブラヒミ・アフガン担当事務総長特別代表の努力を強く支持する決議案を採択する」との見通しを示した。
 国連一般演説には、ブッシュ米大統領や、パキスタン、イランの大統領の出席が決まっており、「関係国が反タリバン連合をどう維持するか」が最大の焦点。
 ブラヒミ代表は現在、パキスタン、イラン訪問中で、十日にニューヨークに戻る。外相らはブラヒミ氏の報告を聞き、今後のアフガン情勢対処について共同声明を発表するとみられる。
 ブラヒミ氏支持の安保理決議について、外交筋は「ブラヒミ氏の権威を高め、現地の国連アフガニスタン特別ミッションの拡充、強化につながり、調停がやりやすくなる」と指摘した。
 決議は国連の関与強化を期待する米国の発案。国連平和維持活動(PKO)や多国籍部隊派遣のめどが立たない中で関係国の結束を固める狙いがある。安保理がアフガン問題に直接触れる決議を採択するのは米中枢同時テロ以降初めて。
 イラン、パキスタン、中国など周辺六カ国と米ロは一九九八年以来「6プラス2」として国連の枠内で協議を続けてきた。(了)[2001-11-03-16:27] 226


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 11/03@自衛隊の支援計画を米に提示、活動域はペルシャ湾まで(読売新聞)

 政府は2日、テロ対策特別措置法に基づき、米英軍の軍事行動への自衛隊の支援策を定める基本計画の骨格を固め、米国側に提示した。活動内容は、燃料の輸送・補給などの「協力支援」、遭難した要員の「捜索救助」、アフガニスタン難民への物資輸送などの「被災民救援」を網羅し、活動範囲も「太平洋からペルシャ湾方面」と広範に設定している。政府は米側と調整したうえで、13日か16日に基本計画を閣議決定する考えだ。
 日米両政府は2日、外務省内で、外務、防衛当局の局長級による「調整委員会」の初会合を開催し、外務省の藤崎一郎北米局長、防衛庁の首藤新悟防衛局長らが、米国のラフルアー国務次官補代理らに基本計画の骨格を説明した。
 協力支援については、輸送、補給、修理・整備などを行う。具体的には、〈1〉補給艦2隻、護衛艦4隻程度の艦隊を編成し、インド洋上の軍事拠点ディエゴガルシア島方面に食糧、燃料などを輸送・補給する〈2〉艦船や輸送機でデ島からパキスタンのカラチなどに物資輸送をする〈3〉在日米軍基地間、日本からハワイ、グアムの米軍基地への物資輸送を支援する〈4〉国内で米艦船などの修理・整備を行う――などを盛り込む方針だ。
 ただ、カラチへの輸送に関しては、戦闘状況を見極め、実施するかどうか慎重に判断する考えだ。
 捜索救助については、戦闘行為で米兵らが遭難した場合、ヘリコプター搭載の護衛艦などで救出・輸送することを想定している。
 被災民救援では、パキスタンがアフガン難民を一定規模受け入れる方針を打ち出したことを踏まえ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請があれば、C130輸送機で食糧などを輸送する考えだ。
 活動地域については、太平洋、インド洋、ペルシャ湾方面の公海とその上空のほか、ハワイなどの米国、英領デ島、パキスタンなどの外国領を明記している。派遣期間は財政措置との関係から未定で、2―3か月の間で調整している。
 ◆艦隊4隻、10日にも出港◆ 政府は9日に安全保障会議を開いて自衛隊艦隊4隻をインド洋に派遣することを決定、10日にも出港させる方針を固めた。防衛庁設置法による「調査・研究」を目的とした派遣で、米同時テロに対する米軍などの軍事行動への支援策として基本計画に盛り込まれる自衛隊による米軍などへの補給・輸送の事前調査を行う。
 艦隊の編成はいずれも海上自衛隊佐世保基地(長崎)を母港とする第2護衛隊群所属の護衛艦3隻と、補給艦「はまな」(8100トン)の4隻とする予定。艦隊の旗艦には、ヘリコプター搭載大型護衛艦「くらま」(5200トン)が想定されている。 [2001-11-03-03:05] 231


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 11/03@プーチン外交―テロ後の変身を見極める(朝日新聞)

 ロシアが同時多発テロをきっかけに米国や北大西洋条約機構(NATO)との関係を再構築する動きを強めている。
 プーチン大統領は米英によるアフガニスタン攻撃を「慎重で適切な作戦だ」と評価し、人道援助物資の空輸のためとして米軍機の領空通過を認めた。自国の勢力圏とみなして米国の進出を警戒してきた中央アジアの旧ソ連構成国にも、その軍事基地を米軍に使わせることを容認した。
 NATOや欧州連合(EU)とは、テロ対策を含めて安全保障体制のあるべき姿を緊密に協議していくことを決めた。バルト3国のNATO加盟問題についても、厳しい条件付きながら、初めて容認する可能性を示した。
 プーチン氏の外交戦略は、キューバや朝鮮民主主義人民共和国など旧ソ連時代の友好国とよりを戻すことで、存在感を示そうとする色合いが強かった。米国と対立するわけではないが一定の距離をおき、中国と一緒に米国の一極支配を批判してきた。
 それだけに今回の方向転換は際だっている。プーチン氏は「国際テロに対抗できる新しい関係が世界に必要だ」と強調しているが、その真意は明らかでない。
 反テロ協力を通じて欧米から実利を引き出す思惑もうかがえる。
 チェチェンに対する武力行使で、ロシアは非人道的だと批判されていた。ところが今度のテロ後、欧米は「チェチェン紛争は国際テロとの戦いだ」というロシアの主張に理解を示し始めた。世界貿易機関(WTO)への加盟問題でも、ロシアは改めて後押しを受けることになった。
 とはいえ、ロシアにはアフガン戦争の後遺症が色濃く残る。世論調査でも米国によるタリバーン攻撃への支持は20%ほどに過ぎない。軍部や共産党などの保守派には対米協力への反発が根強い。今後、中央アジアに混乱が広がるようなら、プーチン氏は大きな政治的打撃をこうむりかねない。
 情報交換程度の協力にとどめる手もあったのに、あえて反テロ協力を通じて米国やNATOとの関係を根本から変える方向に踏み出した。そこには目先の実利だけでなく、国際社会の安定のためには米欧との本格的な協調が必要だ、との考えがあるとみることができるかもしれない。
 そうだとすれば、米欧もプーチン氏の新思考に積極的に対応すべきだろう。
 まず、天然資源などの権益をめぐって米ロが勢力争いを続けてきたカスピ海周辺から中央アジアにかけての地域の安定化を探ることだ。ロシアと協力して地域経済の発展と貧困の解消をめざしたらよい。
 ロシアでは、NATOに改組を求めてロシアを本格的に組み込んだ欧州安保の枠組みにする構想も浮上している。プーチン氏もNATO加盟をしばしば口にする。NATOのあり方について、米欧も大胆な論議を始めるべきではないだろうか。[2001-11-03-00:29] 232


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 11/03@アフガン元国王、タリバンを完全排除の姿勢(読売新聞)

 【ローマ2日=秦野るり子】アフガニスタン再建のかぎを握る人物として注目されるザヒル・シャー元国王は2日、亡命先のローマで、読売新聞のインタビューに電子メールを通じて応じた。元国王は、同国の実効支配勢力タリバンを新政権から排除する姿勢を明確にするとともに、国連の平和維持軍が国家再建には欠かせないとの考えを示した。また、「私はどのような役割も果たす用意がある」と語り、暫定政権の元首に就任する意欲を表明した。9月11日の米同時テロ発生以来、元国王が日本のメディアのインタビューに応じるのは初めて。
 元国王はインタビューの中で、新政権には、幅広い勢力から参加を促す必要性を示す一方、「国家と国民を裏切り、外国テロリストをかくまい、支援してきた者は新政府には加わらない」と言明、穏健派を含めたタリバンの完全排除の姿勢を明確に示した。
 元国王はまた、アフガニスタン再建にあたって「外部の介入」を排し、「アフガニスタン国民の自由意思」を尊重することの重要性を繰り返し強調した。
 その一方で、「国連は平和維持に中心的な役割を果たすべきだ」と語り、平和維持軍の派遣をちゅうちょする国連と国際社会に積極的な関与を求めた。
 元国王は日本の役割にも言及。「地政学的な利権」に絡まず、内戦に関与することのなかった日本は「インフラの再建を助ける力と誠実さを備えている」と述べ、強い期待を表明した。[2001-11-03-00:28] 15


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 11/04@<東京国際映画祭>アルバニア「スローガン」に最高賞贈り閉(毎日新聞)

 東京・渋谷で開かれていた「第14回東京国際映画祭」は4日、最高賞にあたる「東京グランプリ」に、アルバニアのジェルジ・ジュバニ監督の「スローガン」を選んで閉幕した。「スローガン」は、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞も受賞した。
 「スローガン」は実話をもとにし、1970年代共産主義政権下のアルバニアの小学校教師の体験を通して、全体主義の不条理を風刺した。審査員長のノーマン・ジュイソン監督は「事実に基づく力強いメッセージがある」と評した。
 授賞式では、プレゼンターとしてマリナーズの佐々木主浩投手が登壇。映画祭に参加できなかったジュバニ監督に代わり、主演のアルトゥル・ゴリシュティさんが、賞金500万円とトロフィーを受け取った。ゴリシュティさんは「この賞をアルバニアの人々にささげたい」と語った。
 受賞者は次の通り。
 審査員特別賞(賞金200万円)「月の光の下に」▽最優秀監督 レザ・ミル=キャリミ(「月の光の下に」)、ジェルジ・ジュバニ(「スローガン」)▽最優秀脚本賞 横田与志(「化粧師―KEWAISHI」)▽最優秀主演女優賞 ルイザ・ジュバニ(「スローガン」)▽最優秀主演男優賞 アンドリュー・ハワード(「殺し屋の掟」)▽最優秀芸術貢献賞 「春の日は過ぎゆく」(ホ・ジノ監督) [2001-11-04-20:30] 16


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 11/04@東京国際映画祭グランプリに「スローガン」(読売新聞)

 第14回東京国際映画祭で4日、最高賞の東京グランプリ(賞金500万円)にアルバニアのジェルジ・ジュバニ監督の「スローガン」が選ばれた。同作品は監督賞と主演女優賞(ルイザ・ジュバニさん)も獲得した。
 日本の作品では、脚本賞に「化粧師―KEWAISHI」の横田与志氏、芸術貢献賞に、日本、韓国、香港合作の「春の日は過ぎゆく」が選ばれた。
 そのほか、審査員特別賞(賞金200万円)と監督賞にイランのレザ・ミル=キャリミ監督の「月の光の下に」、主演男優賞に「殺し屋の掟」のアンドリュー・ハワード氏が決まった。
 トリプル受賞となった「スローガン」は、70年代、独裁政権下にあったアルバニアの山村の不条理な実情を皮肉を込めて描き、「人間の本質を描いた真の物語」と評価された。 [2001-11-04-20:26] 17


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 11/04@米の攻撃は「十字軍戦争」 ビンラディン氏が声明(共同通信)

 【カイロ4日共同】米国が中枢同時テロの重要容疑者と見なしているウサマ・ビンラディン氏は三日夜、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラを通じてビデオ声明を発表。米国のアフガニスタン攻撃はキリスト教国によるイスラム教に対する「十字軍戦争だ」との見解を示し、世界のイスラム教徒に信仰の「防衛」を呼び掛けた。
 放映されたビデオの撮影、入手時期などは不明だが、ビンラディン氏自身が登場する映像が放映されたのは米軍のアフガニスタン空爆が始まった十月七日以来。同氏自ら健在ぶりを誇示する狙いがあるとみられる。
 ビンラディン氏は、アフガン攻撃が「国際テロに対する戦い」であるとするブッシュ米大統領らの主張を真っ向から批判し「預言者ムハンマドの時代以降、イスラムに対する最も苛烈(かれつ)な十字軍戦争であり、ブッシュ自身が十字架の旗を高く掲げている」と指摘。米国を支持するイスラム教国は「イスラムへの大きな罪を犯している」と述べ、アラブ親米諸国などを非難した。
 また、中東のイスラム諸国の苦難の歴史を第一次世界大戦の終結時点から説き起こし、特にパレスチナ住民については「英国に支配されていた時代からあらゆる苦難をなめた」と指摘。さらにボスニア・ヘルツェゴビナでは「米国も国連も承知の大量殺りくが行われた」と断定し、米国だけでなく国連に対する深い不信感も示した。
 迷彩色の軍服姿の同氏は、茶色の壁を前に声明を読み上げた。同氏の左側には軍用銃AK47が壁に立てかけられていた。光線の具合などから撮影されたのは室内とみられる。
 アルジャジーラは三日夕にビデオ声明の一部を放映。同日夜、詳報を伝えた。(了)[2001-11-04-20:14] 22


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 11/04@米に50億円、アフガンには数億円 被災者義援金に格差(朝日新聞)

 米国同時多発テロ発生から50日余り。その間、世界中から被災者への義援金が寄せられている。だが、日本で集められている募金はほとんどが米国被災者向けだ。アフガニスタン難民や飢餓が心配される国内被災民を救援する国連機関や非政府組織(NGO)には、必要な資金の半分も集まっていない。
 米国被災者向けの日本からの義援金は、50億円以上にのぼりそうだ。
 中心となったのは経済界。経済広報センターの調べで、米国赤十字社や日本赤十字社などに義援金を贈った企業は約200社、42億2000万円に達した。電機、商社、自動車など日本を代表する大企業が、軒並み100万ドル以上を拠出している。社員に募金を呼びかけ、会社側が社員分と同額を上積みして寄付する「マッチング制度」を実施した会社も多い。
 このほか経済4団体はニューヨークの消防士・警察官遺児の育英基金を設立する予定で、620社から4億2000万円を集めた。
 日赤からの18億5000万円を含め、米国赤十字社には全世界から5億ドル以上が集まった。犠牲者家族への財政支援などにあてられているが、寄付は当初見積もられた所要経費3億1000万ドルを、大きく上回っている。
 一方、アフガン難民・被災民支援のために日本で集まった額は、数億円にとどまるとみられる。
 日本ユニセフ協会に1日までに寄せられたのは、1億6000万円。国連難民高等弁務官(UNHCR)の資金集めを担う日本国連HCR協会には、まだ数千万円だ。米国には多額の支援をする企業も「難民援助は企業レベルより、国連などの大きな枠組みですべきだ」(大手商社)とためらう企業が多い。
 UNHCRは今後のアフガン難民・被災民支援に2億6800万ドルが必要だとしているが、現在までに確保できたのは、各国政府の拠出を中心に5200万ドル(約62億4000万円相当)。圧倒的な資金不足を国際社会に訴えている。
 現地での支援活動のため独自に資金を集めるNGOも、苦戦中だ。「難民を助ける会」の柳瀬房子理事長は「旧ユーゴの時に比べ、募金の問い合わせが少ない。アフガンで苦しむ普通の人々の顔が伝わっていない」。
 こうした「落差」がある中で、「どちらの被害者も助けたい」と考える人たちもいる。
 富士ゼロックスの「端数クラブ」は、月給額の100円未満の端数を出し合って社会貢献に使う社員有志の集まりだ。ここでも当初、米国向けの募金だけを呼びかけたが、社員の中から「難民も助けたい」とメールが寄せられた。議論の末、会社側のマッチングを合わせ200万円ずつを、日赤と難民支援NGOに贈ることにした。
 先月東京で開かれたイベントで、米国とアフガン支援のための募金箱が置かれた。別々の箱にする予定だったが「米国とアフガンの被災者を平等に扱いたい」との意見が出て、箱は一つ、募金は等分に分けられることになったという。
 女優の吉永小百合さんも、米国被災者とアフガン難民向けに、同額の1万ドルずつを寄付した。「つらい悲しい思いをしているのは、どちらも同じはず。戦争ではない解決法を、との願いも込めました」と吉永さんは話している。[2001-11-04-08:49] 127


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 11/04@世界貿易センタービルにCIAの「隠れオフィス」(朝日新聞)

 同時多発テロで崩壊した世界貿易センターのビルの一つに、米中央情報局(CIA)の「隠れオフィス」があったらしい。4日付ニューヨーク・タイムズが報じた。このオフィスはもっぱら国連本部の各国外交官を対象に、情報収集や協力者の獲得工作を行っていた。いまは米国連代表部など、ほかの米政府のビルに「間借り中」という。
 同紙によると、この「隠れオフィス」はテロの2日後に崩壊した47階建てビルに入っていた。正式なCIAニューヨーク支局は米政府のビルに入っているが、このオフィスは別の政府機関の看板を掲げていたという。崩壊後は書類やコンピューターの回収に追われたらしい。
 ニューヨークのCIAはワシントンの本部以外では最大規模とされる。要員は外交官やビジネスマンなどの肩書で活動し、各国の国連代表部の外交官を対象にした工作のほか、米国企業の幹部や諸外国から帰ったビジネスマンなどから情報を集めていたという。[2001-11-04-19:24] 130


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 11/04@ラマダン前に攻勢開始 「北部同盟」のラバニ大統領が単独会(共同通信)

 【ダランサング(アフガニスタン北部)4日共同=有田司】アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」のラバニ大統領は四日、共同通信の単独会見に応じ、タリバン軍に対する本格的地上戦について「好機が到来した」と述べ、今月半ばのラマダン(断食月)入り前に攻勢を始めると明言した。
 またタリバン政権崩壊後の新政権へのタリバン穏健派の参加問題について、「タリバン自身が穏健派の存在を否定している」と指摘し、タリバン勢力の参加を一切受け入れない姿勢を強調した。
 大統領の発言は、激化している米軍の空爆を受け、北部同盟軍が本格攻勢に入ったことを示している。同盟軍は既に北部の要衝マザリシャリフの攻略作戦を開始しており、カブール北方の前線など他の戦線でも近く攻勢を仕掛ける公算が大きい。
 大統領は、タリバン政権崩壊後に国民大会議(ロヤ・ジルガ)を招集すると言明。その後二年間で新憲法制定や国軍の創設、荒廃した国土の復興プラン策定などを行った上で、新政府を樹立する計画を明らかにした。
 一方、新政権でのザヒル・シャー元国王の役割については「年齢的に大役を果たす能力がない」と述べ、元国王に新政権の中心的役割を担わせる米国の構想に否定的な見方を示した。
 また首都カブールの統治に国連派遣部隊は必要ないと強調、国際社会の政治的支持を得ることができれば、北部同盟が単独で治安維持にあたると語った。
 ラマダン入りが迫っていることについては、「タリバンはこれまでラマダンを尊重してこなかった」と指摘、ラマダン期間中も軍事作戦を継続する考えを強調した。(了)[2001-11-04-19:02] 131


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 11/04@<米同時テロ>CIAの秘密事務所も崩壊、活動に影響 米紙(毎日新聞)

 9月の米同時多発テロで2機の航空機が激突した2棟の世界貿易センタービルに隣接し、同様に崩壊したビル内に中央情報局(CIA)の秘密のニューヨーク事務所が入居していたことが分かった。4日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたもので、事務所の崩壊で情報収集活動などに深刻な影響が出ているという。
 報道によると、CIAのニューヨーク事務所は、別の連邦機関の名前で入居。テロ発生直後に職員は避難して全員無事だったという。
 崩壊直後、CIAはがれきの中から同事務所で保管していた秘密文書などを探す特別チームを現地に派遣したが、同紙は回収できたかどうかは分からないと報じている。CIAの広報担当者はノーコメントと回答している。
 ニューヨーク事務所は、他国から来ている国連の外交官や海外出張した米企業の役員らからの情報収集を行っているという。(ニューヨーク共同) [2001-11-04-18:35] 137


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 11/04@赤十字のカレンダー今年も 収益はアフガン難民などに(共同通信)

 紛争や災害で苦しむ世界の子供を救おうと「赤十字のための世界の子供カレンダー製作実行事務局」が今年もカレンダーの販売を始めた。
 今年で四年目の企画。イラストを担当するのは、漫画家の横山隆一さん(92)。「フクちゃん」の作者で、初回からこのカレンダーに情熱を注いでいる。
 代表の五十嵐千春さんは「子供たちにもカレンダーを通じて赤十字に親しんでもらいたい」と期待する。注文した人からは「孫が毎年楽しみに待っている」「かわいい絵なので子供が喜んでいる」などの声が寄せられている。
 収益はすべて日本赤十字社に寄贈される。同社を通して、米国などの軍事行動が続くアフガニスタンの難民救済などに使われる。
 カレンダーは壁掛けと卓上の二種類で、いずれも一部千二百円。問い合わせは同事務局、電話03(3405)1769。(了)[2001-11-04-15:55] 141


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 11/04@「東アジア共同体」創設を ASEAN部会が報告書(共同通信)

 【バンダルスリブガワン4日共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国のASEANプラス3首脳会議の将来像を検討する研究部会の最終報告書が四日、明らかになった。各国の緊密な協力の基に共存共栄を図る「東アジア共同体」創設に向け、「東アジア自由貿易地域」創設や、事実上の「東アジア通貨基金」の設立、各国の内政問題解決への政治的協力の拡大など、経済統合にとどまらず、政治、社会分野まで踏み込む内容で、五日の同首脳会議に提出される。
 ASEAN内には将来、論議が政治分野に及ぶことに警戒感を示す国もあり、今後の討議の行方は不透明だが、韓国の金大中大統領は首脳会議で、重点議題として同報告書に基づく協力強化の検討を各国に働きかけていく方針だ。
 研究部会は一九九八年に金大統領の提案で設置。研究者らで構成されているが、報告書は、ASEANプラス3を「東アジア首脳会議」へと発展させる問題などに関する作業部会の検討作業にも反映される。
 報告書は「東アジアは諸国家が集まった一地域から、平和と進歩のために共に努力する地域共同体へと向かっている」と指摘。@金融安定と経済発展のためより良い為替レート調整メカニズムづくりA地域の脅威に対処するための仕組みの強化B健康、教育の改善など人的資源づくりC漁業管理や海洋汚染などの環境対策Dエネルギーの供給・開発での協力―など幅広く盛り込まれている。(了)[2001-11-04-15:38] 142


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 11/04@CIAの秘密事務所も崩壊 米紙報道、活動に影響も(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】九月の米中枢同時テロで二機の航空機が激突した二棟の世界貿易センタービルに隣接し、同様に崩壊したビル内に中央情報局(CIA)の秘密のニューヨーク事務所が入居していたことが分かった。四日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたもので、事務所の崩壊で情報収集活動などに深刻な影響が出ているという。
 報道によると、CIAのニューヨーク事務所は、別の連邦機関の名前で入居。テロ発生直後に職員は避難して全員無事だったという。
 崩壊直後、CIAはがれきの中から同事務所で保管していた秘密文書などを探す特別チームを現地に派遣したが、同紙は回収できたかどうかは分からないと報じている。CIAの広報担当者はノーコメントと回答している。
 ニューヨーク事務所は、他国から来ている国連の外交官や海外出張した米企業の役員らからの情報収集を行っているという。(了)[2001-11-04-15:25] 163


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 11/04@<北部同盟>「タリバン後のPKO展開不要」 国連大使(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】アフガニスタンの反タリバン連合(北部同盟)のラバン・ファハディ国連大使は2日、毎日新聞と会見し、タリバン政権崩壊後のアフガンに国連平和維持活動(PKO)を展開する計画が中断していることを明らかにした。大使はまた、タリバン崩壊後、首都カブールを「非武装地帯」とし、警察部隊が治安維持を担う案に、米国をはじめ反タリバン連合、ザヒル・シャー元国王ら関係当事者が同意したと述べた。
 大使は国連の協力を求めながら、「あくまでアフガン人の国内民族による政権作りを目指す」と述べ、それが軌道に乗れば「PKOは必要ない」との立場を強調した。
 大使はまた、新政権へのタリバン穏健派取り込みを主張していたパキスタンが最近になって取り込みを断念、タリバン完全排除の方向で動き始めたと説明した。紛争当事者間の停戦合意が前提とされるPKO案は「実施困難」との見通しを示した。これはタリバン崩壊後も戦闘が続く恐れがあることを踏まえたものだ。
 さらに、大使は戦後のカブールの治安維持について、軽武装の警官約3000人程度で可能と述べ、警官の訓練開始に向けた作業に既に着手していると明らかにした。
 同時に大使は、タリバン内で多数派を構成するパシュトゥン人については「新政権参加を歓迎する」とも述べ、パシュトゥン人有力指導者のリストを作成済みと語った。
 タリバン政権崩壊後のアフガン全土の治安維持や新政権創設に対する国連協力について、大使は「戦況などを見ながら話し合う」と述べ、今後も関係当事者間の協議が必要との認識を示した。 [2001-11-04-03:05] 154


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 11/04@いきなり失点も手ごたえ デビュー戦白星の川口(共同通信)

 あこがれのイングランドでのデビューは、突然やってきた。試合当日の昼食前に、リックス監督から言い渡された先発出場。川口は「正直言って先発はないと思っていた」そうで、前夜までは7日のイタリア代表との親善試合のことばかり考えていたという。
 試合開始早々に手荒い洗礼を受けた。開始から30秒もたっておらず、川口が「チームも、自分も集中力を欠いていたかもしれない」という時間帯。右サイドを走り込む相手FWのパスが通り、初失点を許した。それでも、故障から復帰したFWクローチが前半に2得点して新守護神をもり立て、後半14分には追加点。この後PKで1点を失ったが、前に出てピンチを断つ得意のスタイルも披露し、90分間ゴールを守った。
 初失点を「恐らく今までで最も早いだろう」と振り返ったが「その後、崩れなかったのがよかった。後半、攻め立てられる場面もあったけど、思ったようにできた気がする」と手ごたえを口にした。
 「プレミアを目指すチームだから、勝ったことが一番よかった」。試合後にアウエーのスタンドに陣取ったポーツマスのサポーターの前まで行って声援にこたえた川口。リックス監督は「ヨシ(川口)はこのクラブを担う存在。勇敢だったし、いいプレーをした」と評価した。(シェフィールド共同)(了)[2001-11-04-08:30] 15


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 11/05@ASEAN10カ国でエイズ孤児14万人(朝日新聞)

 東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の10カ国で、エイズにより親を失った子どもが約14万人にのぼることがわかった。14歳以下のウイルス感染者も4万4千人以上で、エイズが子どもにもたらす影響の深刻さが浮き彫りになった。
 5日のASEAN首脳会議に提出された「エイズ行動計画」で明らかになった。加盟10カ国のうち、15歳から49歳の感染率が最も高いのはカンボジアで2.8%。ミャンマー(ビルマ)とタイは1.9%台。逆に、インドネシアやフィリピンは0.1%未満にとどまっている。
 親をエイズで失った孤児の数も、成人の感染状況を反映している。84年にASEANで最初の感染が報告されたタイの孤児は7万5千人、ミャンマーで4万3千人、カンボジアは1万3千人で、ほかの7カ国に比べ突出して多い。感染者は麻薬など違法薬物使用者に多く、外国人の往来がある国境地帯で目立つ。このため行動計画は、多国間の取り組みが不可欠と指摘する。
 首脳会議では、エイズ問題に地域として取り組む姿勢を示した宣言を採択。安価で入手しやすい医薬品の確保などで各国が協力しあう必要を訴えた。また、感染者や患者の治療や支援に、非政府組織や宗教指導者の協力を呼びかけている。[2001-11-05-19:58] 17


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 11/05@<難民支援>キャンプ以外では救援物資届かず(毎日新聞)

 【クエッタ(パキスタン南西部)亀井和真】アフガニスタンからの難民が逃れてくるクエッタで、難民キャンプ以外の住宅地などに入った難民に食料や衣料品などの救援物資が行き渡らない問題が浮上している。各国から寄せられる国連機関宛ての物資がキャンプに直接届けられる一方で、自力でパキスタンに入った難民を支援するNGO(非政府組織)には物資が回ってこないためだ。
 クエッタ北西部にアフガン南部のカンダハルから退避した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の臨時施設がある。連日のように、アフガン難民が食料を求めて座り込んでいる。「ここに来れば何か支給される」と期待をかけるが、各キャンプ地への配給のための事務作業が行われているだけだ。難民の家族は、肩を落として引き上げていく。
 「食料、医薬品、シェルター(テント)のすべてが不足している」。先月10日に発足したばかりのNGO「パキスタン国際人権協会」のグラム・ラスール・ラヒミ事務局長はため息をつく。
 クエッタには米英軍のアフガン攻撃以前に流入したアフガン難民も住んでおり、新たな難民の一部は身寄りや知り合いを頼るなどして街に入る。ラヒミさんの協会はこうした難民約3000人に住居を紹介するなど支援してきたが、緊急に必要とする食料がない。
 難民の女性や子供にじゅうたん製作などを手伝ってもらい、食料の購入費用をやりくりしようとしているが、とても追いつかない。ラヒミさんは「小さな組織には救援物資が回って来ない。私たちの支援もいつ途絶えるか分からない」と不透明な前途を嘆く。
 難民の治療を続けているクエッタ南部の病院では医薬品がほとんど底をついた。国際支援の医薬品は、こうした病院には届かない。医師の一人は「生死をさまよう子供もいる。メドが立たなければ病院閉鎖もあり得る」と頭を抱え、「日本に直接訴えられないものか」と記者に詰め寄った。
 民間NGOの支援者の一人は「国連から補助金は出るが、少額すぎて、とうてい足りない。きちんとした支援態勢が世界に求められている」と語気を強めた。 [2001-11-05-19:35] 35


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 11/05@対米協力の拡充で決断へ パキスタン大統領 急進派の動き懸(共同通信)

 【イスラマバード5日共同】四日のラムズフェルド米国防長官との会談で、タリバン後のアフガニスタン新政権にタリバン穏健派を参加させることへの支持を取り付けたムシャラフ・パキスタン大統領は、米側から見返りに米軍への協力拡充を求められたとみられる。
 国連総会出席のため今週訪米する大統領は、十日にブッシュ米大統領と会談する予定。大統領はイスラム急進派など国内反対勢力の動きをにらみながら、厳しい決断を迫られる。
 パキスタン政府筋などによると、ラムズフェルド長官は大統領とパキスタン軍首脳を交えた会談で、本格的な地上軍投入も視野に、アフガン国境に近接した基地提供などを要求した可能性が高い。
 五日付ワシントン・ポスト紙は、パキスタン側が米の要請にこたえ、新たに西部の三基地を米軍の作戦支援に提供する用意を表明したと報道した。
 だが、こうした協力に対し親タリバンのイスラム急進派の反発は強く、十月二十三日には既に米軍の使用を認めたジャコババード空港近くで、空港使用に反対するグループと警官隊が衝突、多数が負傷する事件も起きた。
 このため、米軍の協力拡充で、急進派勢力がムシャラフ政権打倒に向けて動き出す恐れがあり、大統領としては慎重にならざるを得ない。
 治安当局は、同国最大のイスラム急進派政党イスラム協会のアフマド・カジ党首を三日、自宅軟禁にするなど予防措置を講じているが、同党首は抗議行動の強化を表明。政府は大統領が外遊する七日から十二日まで、全土で厳しい警戒態勢を敷くよう治安当局に指示した。(了)[2001-11-05-17:08] 40


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 11/05@マザリシャリフ戦線へ配置 パキスタン義勇兵2000人(共同通信)

 【ペシャワル(パキスタン北部)5日共同】アフガニスタンのタリバン政権当局者は五日、北部同盟軍の攻撃が激化している北部の要衝マザリシャリフ防衛のため、パキスタン人イスラム急進派義勇兵二千人を配置した、と語った。
 今月初め以降、パキスタン北西辺境州からアフガン入りした義勇兵は五千人。残りの三千人はアフガニスタン東部コナル州で待機中という。
 これとは別にパキスタン最大のイスラム急進派政党、イスラム協会は同日までに、北西辺境州で義勇兵募集を開始、アフガンでソ連軍と戦った元ゲリラら三百人が志願したことを明らかにした。
 アフガンの多数派民族と同じパシュトゥン人が暮らす北西辺境州の国境地域は、事実上タリバン軍の補給基地となっている。
 米国がパキスタン政府に対し、義勇兵の越境阻止を要求したと報じられているが、同国軍と警察は越境を黙認している。(了)[2001-11-05-16:35] 42


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 11/05@「カーキ色」の豪総選挙 テロがタカ派首相に追い風(共同通信)

 十日投票のオーストラリア総選挙は、ハワード政権の三期連続の勝利が視野に入ってきた。米中枢同時テロと、それに続く米英軍のアフガニスタン軍事作戦という「非常事態」が、タカ派イメージの強いハワード首相に思わぬ追い風となっている。
 首相は、特殊部隊など約千五百人の派兵を決め「タフな指導者像」を効果的に演出し、安全保障問題を選挙の焦点にすえることに成功。最新の世論調査で自由党と国民党の与党保守連合は支持率54%を得て、野党労働党(ビーズリー党首)を8ポイントリードしている。
 軍服の色をもじって「カーキ選挙」と同国メディアが名付けた状況に、雇用や教育など得意の内政問題を前面に出したい労働党は苦戦を強いられている。
 ハワード政権は、昨年導入した10%の物品サービス税(GST)が年金生活者や中小商工業者に不評を買い、支持率が低迷。ことし二―三月には41%前後と労働党に15ポイント以上のリードを許し、二つの州議会選挙で惨敗するなど政権維持に「黄信号」がともっていた。
 この状況が劇的に変化したのは八月のノルウェー貨物船「タンパ号」事件。インドネシアから漁船でオーストラリアに不法入国を図る移民に手を焼いていた政府は、アフガニスタン人のボートピープル四百人以上を洋上で救助したタンパ号に対し「入港拒否」を貫いた。この移民締め出しの強硬手段は国連や欧州各国から批判を浴びたが、国内でのハワード首相の人気は急上昇した。
 同時テロはその後間もなく、首相がワシントン滞在中に発生した。帰国後に矢継ぎ早に繰り出す反テロ支援策には労働党も反論の余地がなく、政局は明らかに与党の保守連合ペースに。平時なら政権を揺るがす大問題になりそうなアンセット航空の経営破たん問題も、連日大々的に報じられるテロ関連ニュースの陰に隠れたままだ。
 オーストラリア国立大のイアン・マカリスター教授は「経済問題が主要争点とならない総選挙は、ベトナム戦争以来三十年ぶり」と今回の特殊性を強調。「有権者は変化を望まず、より保守的になる状況だ」と指摘する。
 下院解散の前日にハワード首相が出動準備を命じた軍部隊は、投票日の直前の絶妙のタイミングでアフガニスタン作戦に出発する予定だ。(シドニー共同=石井雅仁)(了)[2001-11-05-16:29] 45


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 11/05@断食月中の空爆に反対表明 マレーシアとインドネシア(朝日新聞)

 4日(日本時間同)に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の夕食会で、一部の加盟国首脳から米軍などによるアフガニスタン攻撃に反対する意見が出たことがわかった。5日午後のASEANプラス3(日本、中国、韓国)の話し合いでは、小泉純一郎首相が支援のために自衛隊を海外派遣する方針を説明する意向だが、イスラム教徒が多い一部のASEAN加盟国からの理解が得られるかどうかが注目される。
 参加したASEAN関係者によると、夕食会のなかで発言を求めたマレーシアのマハティール首相が、「人道的な意思表示として、(今月中旬に始まる)断食月中のアフガニスタン空爆は行うべきではない。大切なのは、テロ行為の根本原因への対応ではないか」などと他の首脳らに語りかけた。インドネシアのメガワティ大統領も夕食会の冒頭で、断食月中の空爆に反対する意見を述べたという。
 ASEAN事務局筋によると、マレーシアからは4日、域内のテロ撲滅を盛り込んで首脳夕食会で採択された「2001・ASEAN反テロ共同行動宣言」の中に、米軍などによる攻撃を疑問視する文言を追加してはどうかという提案があった。しかし、連続テロ事件直後に全面的な支持を表明したフィリピンから「反テロ宣言が採択されない恐れがある」という意見が出るなどして、見送られたという。
 参加者によると、首脳夕食会の話題は、米国の連続テロ事件やASEAN地域のテロ対策に集中。ASEAN加盟10カ国のなかには、アフガン攻撃をめぐり「温度差」が目立っている。[2001-11-05-15:58] 53


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 11/05@米が天然痘テロ対策に着手、イラクなど保持の恐れ(読売新聞)

 【ニューヨーク4日=河野博子】4日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、米政府が天然痘ウイルスを用いたテロ攻撃に備え、具体的な対応を取り始めた、と報じた。
 同紙によると、米疾病対策センター(CDC)は、天然痘が発生した場合に緊急出動することになっている計140人のチームの全員に予防接種を行った。また今週から、同センター職員や各州の衛生・健康当局職員を対象に、天然痘発生に対応するための特別訓練を開始するという。
 天然痘は1980年に世界保健機関(WHO)が根絶宣言を行ったが、ウイルスは米国とロシアの研究所が保管している。細菌テロに詳しい専門家は、北朝鮮やイラクなどがひそかに保持している可能性を指摘している。
 天然痘は、発症すると、高熱と発疹(はっしん)が出る。人から人に空気感染し、死亡率は30%と高い。
 米国では72年に予防接種をやめ、日本も77年に中止している。予防接種を受けていない人の場合、免疫がないために感染しやすい。かつて接種を受けた人も、すでにその効力は薄れているという。 [2001-11-05-14:02] 55


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 11/05@<アフガン難民>「冬は首都だけで10万人が餓死」 社民視(毎日新聞)

 アフガニスタン難民視察のためパキスタンを訪れていた社民党調査団(団長・辻元清美政審会長、3人)がこのほど帰国、現地の様子を毎日新聞に明らかにした。NGOスタッフが命がけで食糧輸送に取り組む姿がある一方で、米国の空爆で傷ついたり、反米・反日感情を募らせる人々もおり、複雑な現地情勢が浮かぶ。
 調査団は10月21日から3日間、パキスタンで視察。首都イスラマバードでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地事務所で「昨年来の干ばつと、今回の戦争による食糧難がひどく、このままではアフガンで約10万人が冬に餓死する」と説明を受けた。
 アフガンとの国境近くのペシャワルでは、日本の医療NGO「ペシャワール会」のメンバーと合流。同会は3日間で約200トンの小麦をアフガンに送る作業中で、アフガン難民としてやってきて住みついた人たちがトラックに積み込んだ。この食糧で10人が3カ月生きられる。「首都カブールに命がけで小麦を配りに行く。これが自分たちの聖戦だ」。アフガン側で小麦を受け取ったアフガン人のNGOスタッフは電話で同会現地事務所に決意を伝えてきた。
 ペシャワル州立病院は難民であふれ、空爆で重傷を負った母親やコンクリートの床にぼろ布に包まれた赤ちゃんの姿があったという。
 郊外の難民キャンプでは、テロ首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏のポスターの前で、タリバン軍兵士を募る集会もみられ、「ヒロシマ・ナガサキの苦しみを知る日本がなぜ米軍を支援するのか」と詰め寄る男性もあったという。辻元衆院議員は「ペシャワール会でさえ、トラックの『JAPAN』の文字を消したほど、反日感情は想像以上。日本は軍事面でなく、人道援助に徹するべきだと思う」と感想を語った。 【村瀬達男】 [2001-11-05-13:20] 66


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 11/05@<7カ国首脳>ロンドンで中東和平交渉立て直しを協議(毎日新聞)

【ロンドン岸本卓也】ブレア英首相は4日、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダの欧州首脳をロンドンに招いて会談した。7カ国首脳はイスラム過激派テロを抑えるために急務となった中東和平交渉の立て直しなどを協議した。各首脳は国際的な対テロ包囲網づくりが正念場を迎えていることを確認し、中東、南西アジア諸国を説得する外交努力を申し合せた。
 ブレア英首相は欧州各国に米英のアフガニスタン攻撃に理解を求めている。当初は英仏独の首脳会談を予定したが、イタリアなどから強い不満が出た。このため、イタリア、スペインなどの首脳も招いた。
 英政府筋によると、ブレア首相は夕食をともにしながら意見を交し、最近の中東訪問の結果を各国首脳に報告した。この中東訪問で首相は、アサド・シリア大統領から米英のアフガニスタン攻撃を非難された。サウジアラビア首脳も米英の攻撃を支持せず、イスラム諸国説得の難しさを印象づけた。
 このため、ブレア首相はイスラム過激派のテロを抑えるために中東和平交渉の再開に向けた協力を各国首脳に促したとみられる。首相は6日に訪英するヨルダンのアブドラ国王と会い、翌7日に訪米してブッシュ大統領と協議する。
 一方、シラク仏大統領は来週にも訪米してブッシュ大統領と会談し、ムシャラフ・パキスタン大統領とも会談する。シュレーダー独首相は近く、ブッシュ大統領と会談する。スペインのアスナール首相はパレスチナとイスラエルとの仲介に乗り出している。 [2001-11-05-11:35] 71


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 11/05@<タリバン>攻撃が成果 「政権機能していない」 米国防長(毎日新聞)

 【イスラマバード福原直樹】米のラムズフェルド国防長官は4日、イスラマバードを訪問し、パキスタンのムシャラフ大統領らと会談した。長官は会談後の会見で「タリバンはすでに政権として機能していない」と述べ、米国の攻撃が成果を挙げていることを強調、今月中旬からのラマダン(断食月)期間中の空爆について「攻撃は継続しなければならない」と発言し、期間中は空爆停止を求める大統領に米国の戦略への理解を求めた。
 大統領は会談で「ラマダンまでに、空爆目的を達成し、聖なる月(ラマダン)を静かに過ごしたい」という国民の意向を伝えたとされるが、長官の説明に一定の理解を示した模様だ。
 長官は「まだテロの脅威が現実として残っており、数千人が犠牲になる可能性がある」と発言した。また「タリバンは軍隊としてはまだ求心力を持ち、軍事組織として存続している」と述べた。会談では「タリバン後」についても協議、あらゆる民族が参加する新政権樹立の必要性で双方が一致した。
 長官は4日夜、アフガン周辺国歴訪で最後の訪問国、インドの首都ニューデリーに到着した。 [2001-11-05-10:50] 81


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 11/05@ビンラディン氏を批判 アラブ連盟事務局長(共同通信)

 【ダマスカス4日AP=共同】アラブ連盟外相会議が四日までの二日間、ダマスカスで開かれ、「国連に協力するアラブ指導者は異教徒だ」とのウサマ・ビンラディン氏の先の声明について、出席した外相らは反発の姿勢を示した。
 同連盟のムーサ事務局長は、ビンラディン氏が「アラブやイスラム教徒の代弁をしているわけではない」と批判。エジプトのマーヘル外相も記者団に対し「彼(ビンラディン氏)と世界の間で戦争が行われている」と指摘した。
 ビンラディン氏は三日、カタールの衛星テレビを通じ、国連やアラブの指導者を批判する発言をしていた。
 一方でムーサ事務局長は「アラブ諸国への攻撃は、対テロ国際包囲網が崩れることを意味する」と述べ、米軍の攻撃の対象がアフガニスタンからアラブ諸国に拡大することに反対する考えをあらためて示した。(了)[2001-11-05-07:57] 83


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 11/05@日本人専門家を補佐官に 外務省、国連と最終調整(共同通信)

 政府は四日までに、タジキスタン駐在の日本人外交官で国連上級政務官の高橋博史氏を、国連のブラヒミ事務総長特別代表(アフガニスタン担当)の補佐官として国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)へ派遣する方針を固め、国連と最終調整に入った。
 高橋氏は、かつてアフガン和平プロセスを担当したブラヒミ氏を支えた屈指のアフガン専門家。ブラヒミ氏の信任は厚く、タリバン政権とも独自のパイプを持っている。政府はタリバン政権後のアフガン復興に積極的に関与していく考えで、高橋氏の起用はその一環。ブラヒミ氏の補佐役としての手腕に期待している。
 元アルジェリア外相のブラヒミ氏は一九九○年代後半にアフガン和平プロセスを進める事務総長特別代表に就任。紛争当事者の思惑が複雑に絡み合い調停が難航したため、九九年十月にいったん辞任したが、米中枢同時テロを受け、アナン国連事務総長の要請で、再登板した。
 高橋氏は外務省中近東二課(当時)課長補佐を経て九六―九八年、国連上級政務官としてイスラマバードのUNSMAに勤務し、ブラヒミ氏を支え、今回も同氏から強い就任要請があったという。
 UNSMAは、カブールやタリバンの拠点があるカンダハルにも事務所を置いたが、同時テロ発生後、アフガンから撤退している。(了)[2001-11-05-07:46] 86


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 11/05@<パキスタン>政権揺さぶる原理主義 内戦懸念の声も(毎日新聞)

 【イスラマバード澤田克己】パキスタン最大のイスラム原理主義勢力「イスラム協会」のハサン事務局長がクーデター容認ともとれる発言を行った一方で、同協会のカジ総裁が自宅軟禁下に置かれたことで、反政府的な動きを強める原理主義勢力とパキスタン当局の対立が激化する様相を見せ始めた。イスラム協会はカジ総裁軟禁に抗議するデモを全国で繰り広げると表明、米軍のアフガニスタン攻撃への反発から始まったパキスタン情勢の混迷は急速に深まっている。
 イスラム協会は99年、インドと領有を争っているカシミール問題で米国の圧力に屈したとして、当時のシャリフ首相に退陣を要求。ムシャラフ陸軍参謀長(現大統領)のクーデターを支持した。米国追従への嫌悪感は一貫したものだ。タリバンと「反米連合」結成で基本合意したヘクマティアル・アフガン元首相とは80年代から共闘関係にあり、タリバンと決別した現政権に対するクーデター容認は、同派の動きと連動している可能性が高い。
 ムシャラフ大統領は7日、シラク仏大統領と会談するため渡仏。その後、国連総会出席とブッシュ米大統領との会談のため米国まで足を伸ばす。大統領は外遊中に不測の事態が起こることを警戒し、先月末に治安関係閣僚や各州知事を集めた協議では「政府の権威を壊そうとする者は許さない」という強い姿勢を表明していた。
 一方、原理主義勢力は、政府の警告を無視して9日に全国規模の反政府デモを計画、政府との対決姿勢を強めている。
 パキスタン軍情報機関(ISI)筋は「下級士官や兵士には政府への不満が強いが、軍上層部までは広がっていない」と述べ、クーデターが実際に起きる可能性は高くないとの見方を示した。だが、サウジアラビアの王室メンバーが米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に「我々はパキスタンで内戦が起きることを心配している」と語るなど、パキスタンの政情不安を懸念する声は周辺諸国にも広がっている。 [2001-11-05-03:05] 88


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 11/05@<アフガン難民>反米・反日感情を募らせる人々も 社民党調(毎日新聞)

 アフガニスタン難民視察のためパキスタンを訪れていた社民党調査団(団長・辻元清美政審会長、3人)がこのほど帰国、現地の様子を毎日新聞に明らかにした。NGOスタッフが命がけで食糧輸送に取り組む姿がある一方で、米国の空爆で傷ついたり、反米・反日感情を募らせる人々もおり、複雑な現地情勢が浮かぶ。
 調査団は10月21日から3日間、パキスタンで視察。首都イスラマバードでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地事務所で「昨年来の干ばつと、今回の戦争による食糧難がひどく、このままではアフガンの首都カブールだけで約10万人が冬に餓死する」と説明を受けた。
 アフガンとの国境近くのペシャワルでは、日本の医療NGO「ペシャワール会」のメンバーと合流。同会は3日間で約200トンの小麦をアフガンに送る作業中で、アフガン難民としてやってきて住みついた人たちがトラックに積み込んだ。この食糧で1万人が3カ月生きられる。「首都カブールに命がけで小麦を配りに行く。これが自分たちの聖戦だ」。アフガン側で小麦を受け取ったアフガン人のNGOスタッフは電話で同会現地事務所に決意を伝えてきた。
 ペシャワル州立病院は難民であふれ、空爆で重傷を負った母親やコンクリートの床にぼろ布に包まれた赤ちゃんの姿があったという。
 郊外の難民キャンプでは、テロ首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏のポスターの前で、タリバン軍兵士を募る集会もみられ、「ヒロシマ・ナガサキの苦しみを知る日本がなぜ米軍を支援するのか」と詰め寄る男性もあったという。辻元衆院議員は「ペシャワール会でさえ、トラックの『JAPAN』の文字を消したほど、反日感情は想像以上。日本は軍事面でなく、人道援助に徹するべきだと思う」と感想を語った。 【村瀬達男】 [2001-11-05-03:05] 98


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 11/05@「ジハード、むやみに殺すことではない」嘆く長老(読売新聞)

 【ペシャワル(パキスタン北西部)4日=鈴木敦秋】2万人が暮らす市内最大のカチャガリ難民キャンプ。ここの長老(ハン)の1人、ハジ・サナ・グルさん(60)のもとを、青年たちが訪ねてくる。タリバンの「ジハード(聖戦)」に自分も参加したい、と相談される。長老は「むやみに人を殺すことがジハードではない。イスラムの教えに反したタリバンを認めない」と説得を続けている。
 ハジさんは、大半のタリバン兵士と同じ多数部族のパシュトゥン人で、同じ部族の難民約4000人の上に立つ人物だ。アフガン東部の村に生まれ、父は一帯の長だった。当時の村には、長老の指示を厳守し、家族と平和を愛し、武勇を尊ぶ「パシュトゥン・ワーリ」と呼ばれる部族の掟(おきて)が生きていた。
 1979年冬、平和な村にソ連軍が侵攻して来た。ハジさんはジハードに加わり部隊を率いるようになった。父は戦死した。
 難民キャンプに移ったのはソ連軍撤退後の90年。部族間の内戦が始まり、「国民同士で血は流せない」と思ったからだ。国連機関の支給する食料で数万人が食いつなぐ苦しい生活が続いた。
 キャンプで生まれた第2世代の学校は、原理主義に傾き、北部同盟や米国へのジハードを説くところが多くなった。94年にこうした神学生がタリバン政権を作ると、青年たちは色めき立った。キャンプは、タリバンの“発祥の地”とも言える。
 これまでも、「タリバンに加わる」という青年には「彼らの言うジハードは間違っている」と説いてきた。だが、むだだった。今回の米テロ事件後も数十人が訪れている。その度に同じ説得をしている。
 ハジさんには、他者の考えや文化を否定し、狂信的にテロを容認する姿が、かつての共産主義政権と重なって見える。「タリバンはビンラーディンと関係を持って、狂ってしまった」 [2001-11-05-01:04] 3


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 11/06@独は3900人派遣へ アフガン攻撃支援、首相が表明(朝日新聞)

 ドイツのシュレーダー首相は6日記者会見し、米英軍によるアフガニスタン空爆を支援するため、独連邦軍兵士を最大で3900人派遣する方針を明らかにした。米国からの要請に基づくもので、空爆や地上攻撃への直接参加ではなく、輸送や救護が中心の後方支援となる。北大西洋条約機構(NATO)域外への派兵となるため、独連邦議会の承認を得て最終決定する。
 首相によると、米国からの要請は(1)港湾や航路の安全確保のための海軍1800人(2)生物化学兵器が使われたかどうか探査できる特殊装甲車部隊800人(3)航空輸送部隊500人(4)衛生・救護部隊250人など。要請の合計が3900人となる。具体的な派遣時期や地域は明らかにしなかった。
 ドイツは、99年のユーゴスラビア空爆など、NATO域外の軍事行動にも参加してきた。欧州外への本格的武装部隊の派遣は今回が初めて。首相はドイツが安全保障面でも国際社会に貢献する方針を先月打ち出しており、この日もNATOの連帯と、国際社会への責任を強調した。
 7日に派遣を閣議決定し、週内に開く連邦議会にはかる。
 ドイツでは空爆の長期化に伴い難民への人道支援のために空爆の停止を求める世論が広がっている。アフガン地域への連邦軍派遣には連立与党にも慎重論があり、連邦議会での派遣承認には曲折も予想される。[2001-11-06-22:38] 7


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 11/06@上位に社会派作品、コンペは低調 東京国際映画祭(朝日新聞)

 4日まで開かれていた第14回東京国際映画祭は、コンペティション部門で「東京グランプリ」にアルバニア映画「スローガン」、審査員特別賞にイラン映画「月の光の下に」を選び、ともに体制批判を込めた社会派作品が上位を占めた。観客数は約10万と、昨年より約2万5000の減。コンペ作品は全体に低調で、ハリウッドスターの来日中止もあり、やや盛り上がりに欠けた映画祭となった。(小原 篤) 今回14本が競ったコンペ部門は、昨年から、長編映画3本以内の新進監督の作品に限定している。国際審査委員長の映画監督ノーマン・ジュイソンは「世界中の若い作家を勇気づけるものだ」とたたえた。
 63年生まれのジェルジ・ジュバニ監督による「スローガン」は、共産主義体制下の70年代後半の山村が舞台。権威を振りかざす小学校長や党の地方幹部に対し、赴任したばかりの若い教師が反抗するが、苦い挫折を味わう。子供たちが丘の斜面に石を並べて政治スローガンを書かされる描写が、イデオロギーの空虚さを象徴している。
 ジュイソン審査委員長は「力強いメッセージを持ち、人間の本質を温かい目でとらえている」と評価した。
 監督賞も得たジュバニ監督に代わりトロフィーを受け取った主演のアルトゥル・ゴリシュティは、「これは、あの時代の不条理や苦しみをいろいろ思い出させる映画なのです」と受賞会見で語った。
 66年生まれのレザ・ミルキャリミ監督が撮った「月の光の下に」は、現代のテヘランが舞台。神学生の青年がホームレスの過酷な暮らしを知り、社会の現実に目を向けぬ聖職者のあり方に疑問を抱く。イスラム教国では大胆な、社会批判を随所に含む物語だ。現在イランで公開中で、多くの観客を集めているという。
 ミルキャリミ監督は「イスラムは友好と平和の宗教だということを知ってほしい」と授賞式で語った。
 入場者数減は、昨年の「香港映画祭」のようなヒット企画がなかったことが要因。来日ゲストも、開幕がアーノルド・シュワルツェネッガー、閉幕がドリュー・バリモアだった昨年に比べ、今年は国内スター頼り。国際映画祭ならではのありがたみに乏しかった。[2001-11-06-15:28] 9


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 11/06@コソボで地雷爆発4人死傷(共同通信)

 【プリシュティナ(コソボ自治州)5日共同】国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州南部の村で五日、一九九八―九九年のコソボ紛争時のものとみられる地雷が爆発、十歳の男児を含む家族三人が死亡、一人がけがをした。
 同自治州内には紛争時の地雷が多数残っており、UNMIKが除去作業にあたっているが、これまでに爆発で八十人以上が死亡している。(了)[2001-11-06-08:44]


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 11/07@日本人の赤ちゃん誕生 東ティモール(共同通信)

 【ジャカルタ7日共同】来年の独立を目指す東ティモールで六日夜、日本人国連スタッフに男の子が生まれ、近年の東ティモールでは初の日本人の出産として、約五十人いる在留邦人の間で話題になっている。
 カンボジアや旧ユーゴスラビアなどの紛争地で活動してきた選挙専門家の黒田一敬さん(41)と栄さん(34)の夫妻。民兵が破壊した傷跡が残る中心都市ディリで初の出産を経験した栄さんは「病院に先進国のような設備はないが、住めば都。難しくはないと実感した」と話した。
 一敬さんは独立が決まった一九九九年の住民投票で民兵に襲われて負傷したが、国連の仕事を続け、昨年結婚した。(了)[2001-11-07-18:12] 346


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 11/07@<アフガン難民>3人が大阪入管に認定申請 (毎日新聞)

 アフガニスタン人のアブドゥル・アジズさん(29)ら同国の少数民族、ハザラ人3人が7日、大阪入国管理局で難民認定申請した。韓国を経由した船での不法入国で、パスポートも持っていないが、強制収容されず、申請は受理された。
 3人はいずれもタリバンにより迫害を受ける恐れがあると訴えている。アジズさんは「日本は平和を愛する国だと思って、日本で難民の申請をした」と話した。 [2001-11-07-20:30] 360


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 11/07@ビンラディン氏の影も 政情不安のアフリカ(共同通信)

 【ナイロビ7日共同】米中枢同時テロの最重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏やその組織アルカイダなどの影がアフリカ諸国でも見え隠れしている。「拠点移動」から「ダイヤモンド取引」まで“疑惑”は絶えないが、背景にはアフリカ諸国の政情不安や治安の悪化も指摘されている。
 米ワシントン・ポスト紙は先月初め、米情報当局の分析として、ビンラディン氏のグループが拠点をアフガニスタンからソマリアに移しつつあり、アフガンからとみられる携帯型地対空ミサイルなどの兵器がソマリアの港に着いたことを確認したと伝えた。
 エチオピアの報道によると、同国の国連大使はアルカイダと関係のある組織がソマリアで活動していると指摘。ソマリア暫定政府の内部にも関係者がいる可能性を示唆した。
 ケニアのモイ大統領も今月初め、ナイロビで暫定政府のハッサン大統領と会談した後、記者会見で「ソマリア国内は犯罪者集団やテロリストの天国になる可能性がある」との警戒感を表明した。
 暫定政府はこれらの疑惑を強く否定しているが、同政府の支配地域は限られており、政府の目の届かない地域にテロ組織が入り込んでいる可能性は否定できない。
 一方、ワシントン・ポスト紙は今月二日、欧米情報当局の話として、アルカイダが西アフリカのシエラレオネで採掘されたダイヤモンドの不正取引を通じ資金を調達。過去三年間に何百万ドルもの利益を得ていたと報じた。
 一九九八年にケニアとタンザニアで起きた米大使館同時爆破事件では既にビンラディン氏や腹心が米国で起訴されているが、米連邦捜査局(FBI)は先月、ビンラディン氏を含む十三人を同爆破事件の重要容疑者として顔写真付きで手配した。
 ケニアの西側外交筋は「(米軍のアフガン攻撃に対する)報復テロや容疑者の潜伏など、アフリカでは何があってもおかしくない」と指摘している。(了)[2001-11-07-19:40] 370


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 11/07@アフガン人3人が難民申請(共同通信)

 アフガニスタンからタリバンの迫害を逃れ来日した少数民族ハザラ人の男性三人が七日、大阪入国管理局に難民認定の申請をした。
 申請したのは大阪府在住のムハマド・アレフさん(28)、ムハマド・バキルさん(27)、アブドル・アジズさん(29)。
 アジズさんはタリバンに対抗するイスラム統一党のメンバーで、父親がタリバンに逮捕されるなど迫害の危険にさらされたため、八月に韓国を経由し船で入国。他の二人は、滞在していたパキスタンが強制送還政策を取ったため十月、同じく韓国経由で入国した。
 アジズさんは「私たちはアフガニスタンでは生きる権利が与えられていない。日本は平和を愛する国で、難民を受け入れてくれると信じている」と話した。(了)[2001-11-07-19:11] 376


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 11/07@<アフガン>タリバン崩壊後にらみ国連特別代表が周辺国訪問(毎日新聞)

 アフガニスタン・タリバン政権の崩壊をにらんで国連が考える新たな政治的枠組みの青写真が、ようやく見えてきた。ブラヒミ国連事務総長特別代表(アフガニスタン問題担当)がアフガン周辺国を訪問して新政権の「基本概念」を提示しており、10日からの国連総会に集まる各国首脳や安保理から合意を取り付け、安保理決議という形で承認を得る運びとなった。もっとも、新政権の具体的な中身についてはまだ議論が続いており、米英軍の攻撃終了後の治安維持の方法も確定していない。【ニューヨーク上村幸治】
 ブラヒミ氏は先月28日以来、パキスタンとイランを訪問し、両国首脳だけでなく反タリバン連合(北部同盟)の各勢力とも会談を重ねた。6日には「国連は既にアフガン再建計画のための基盤作りに着手した」と述べ、新政権作りのための文書を起草中であることも明らかにした。
 ブラヒミ氏が関係国や北部同盟各勢力との間で合意した新政権の基本的な姿は、(1)アフガン人の手による(2)各勢力・民族の意思を反映し、基盤が広い(3)周辺国からも受け入れられる――というもの。「テロリストをかくまわない」「国際的に認められた人権や女性の権利などを認める」という条件もついている。
 ただし、新政権の具体的な構造は固まっていない。ブラヒミ氏はタリバン関係者と公式には会談していないが、タリバン勢力の完全排除も明言していない。
 ザヒル・シャー元国王を呼び戻してアフガン国民統合の象徴とし、北部同盟各勢力に加えてタリバン支配地域に多く住むパシュトゥン人の勢力を組み込んだ政権を作る構想があるが、北部同盟の内部調整も終わっていない。なによりも、米英軍の軍事行動がどう展開するのか、タリバン政権が実際に崩壊するのかどうかが不透明だ。
 一時は、暫定政権ができるのを待ってからカブールを陥落させ、暫定政権が治安部隊を派遣するという案も浮上した。
 しかし米国は、政治合意を待ちながら攻撃を調整することなどできないと拒否した。暫定政権誕生までの治安を担う組織についても、アフガン国軍再編案やイスラム諸国の兵士による多国籍軍編成案などが浮上したが、結論は出ていない。
 仮に国軍を再編成しても、現時点では指揮権や任務を決められる主体がない。多国籍軍の場合、国連安保理の決議が必要かどうかという議論も予想される。 [2001-11-07-18:25] 384


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 11/07@テロで一変した米政治 大統領への懐疑消え求心力(共同通信)

 史上空前の大接戦にもつれこんだ二○○○年米大統領選の投票日(十一月七日)から一年。ゴアか、ブッシュか―。決戦場のフロリダ州で三十六日間にわたって繰り広げられた「えくぼ票」探しと法廷闘争は世界を騒がせたが、わずか一年で米市民の記憶から消えかかっている。
 九月十一日の米中枢同時テロの衝撃があまりにも強烈で、大統領選は「歴史の脚注」(USAトゥデー紙)ほどになってしまった。
 「9・11」はマンハッタンの景観だけでなく、米国の政治の景観も変えた。
 「9・11」前、ブッシュ大統領の支持率は50%強。「9・11」の後、すべての世論調査で90%近い高率に跳ね上がった。戦時、しかもテロとの戦いというみぞうの難局で、大統領は失いかけた求心力を取り戻した。
 「あいまいな選挙で生まれた、あいまいな大統領」と、ブッシュ氏の正統性を問う懐疑論は一切消えた。メディアも「9・11でブッシュ大統領はひと回りも、二回りも大きくなった」などと応援する。
 昨年の大統領選に関するギャラップ社の世論調査が興味深い。どちらに投票したのか分からない、パンチ穴の痕跡だけの「えくぼ票」を生んだ投票制度は当時、さんざんたたかれた。昨年十二月には67%が「制度の全面的、ないし大きな改革」を求めたが、今回調査では43%に減った。
 二○○○年大統領選を「米憲政上の危機」と考える人は17%から7%へと、また「大問題」と考える人は46%から35%へと、それぞれ減った。逆に、「たいした問題ではない」とみる人は25%から42%へと増加した。
 「9・11」はブッシュ大統領にとって政治力を強める思わぬ追い風となった。外交面では、ミサイル防衛や京都議定書、朝鮮半島から包括的核実験禁止条約(CTBT)まで国益一本やりのユニラテラリズム(一方的外交)で国際社会で孤立気味だった米国が、必要に迫られた「修正」とはいえ、協調外交に回帰した。
 ロシアはミサイル防衛で妥協の構えを示し、インド、パキスタンを引きつけ、イラン、シリアなど、かつての「ならず者国家」さえ、反テロの戦線に加わろうとしている。
 その一方で、五日付のニューヨーク・タイムズ社説はブッシュ大統領を「半分だけの最高司令官だ」と評した。外交では米国民は大統領の指導力を信頼するが、内政では共和党右派の影響から逃れられないという苦言だ。
 金持ちと企業が恩恵を受ける経済刺激策、反連邦という共和党右派のイデオロギーから連邦政府職員による空港警備に反対する姿勢などを社説は挙げている。
 戦時の「インフレ支持率」(USAトゥデー紙)も永遠には続かない。父のブッシュ元大統領は一九九一年三月の湾岸戦争の勝利で89%の支持率を記録したが、一年四カ月後には29%にまで急落、結局再選にも失敗した。身をもってこれを知るブッシュ氏にとって「つまずきの石」は怖い。(ワシントン共同=大島寛)(了)[2001-11-07-16:44] 402


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 11/07@仏、すでに2000人を投入 アフガン攻撃(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領は6日、訪米したシラク仏大統領と会談した。会談後、ブッシュ氏は「(反テロで)結束する国は行動を見せねばならない」と述べ、より強い反テロ行動を国際社会に求める方針を示した。シラク氏は、米国の対テロ戦への全面支援を表明したうえで、対アフガニスタン攻撃について2000人規模の仏部隊が「すでに作戦に加わった」と明らかにした。
 両大統領はホワイトハウスで記者団に語った。ブッシュ氏は、オサマ・ビンラディン氏の組織が核兵器など大量破壊兵器を入手しようとしていると指摘。それが国際結束を必要とする理由だと強調し、「結束国は(米国に)同情を見せるだけでなく、行動せねばならない」と述べた。
 仏部隊の派遣についてシラク氏は陸海空全軍から投入したと語ったが、展開はアフガン国内か、同国周辺かなど作戦内容には触れなかった。同氏は同時多発テロの直後に国連が採択した反テロ決議を指摘し、軍事作戦を含む米国の行動は「正当だ」と支持した。
 ビンラディン氏のテロ組織が大量破壊兵器を持つ懸念に関連してブッシュ氏は、運搬手段となるミサイルなどの入手の可能性についても追及する考えを示した。ブッシュ氏は「悪人に凶悪な兵器を獲得させないために容赦ない圧力」をかけるためにもアフガン攻撃の継続が必要だと訴えた。[2001-11-07-11:44] 403


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 11/07@イスラエル、自治区ラマラを撤退 数日中に残る2地区も(朝日新聞)

 イスラエル軍は7日午前2時(日本時間同日午前9時)ごろ、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラからの撤退を開始した。同日未明、完了した。ベンエリエゼル国防相が6日夕、シャロン首相の承諾を得て指令した。一方、ジェニン自治区では6日夕、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの武装部門の幹部2人が乗った車が爆発し、2人は死亡。自治政府は「イスラエルの暗殺作戦」と非難している。
 6日はヘブロン近くでの銃撃戦でパレスチナ人3人が死亡、負傷したイスラエル兵も死亡したため、死者はわずか1日で6人となった。ラマラからの撤退にあたり、イスラエル軍は「テロを止めるために今後も自由に行動し、必要な作戦を実施する」との声明を出した。
 シャロン政権は治安が回復された自治区から撤退するという方針を出しているが、残るトルカレム、ジェニン自治区からも数日中に撤退するという。欧米がパレスチナ紛争解決の道を探る外交を活発化させていることから、外交的孤立を避けるため撤退を急いでいる。[2001-11-07-11:28] 411


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 11/07@<同時テロ>大量破壊兵器阻止へ軍事圧力かけ続ける 米大統(毎日新聞)

 【ワシントン吉田弘之】ブッシュ米大統領は6日、訪米中のシラク仏大統領との首脳会談後の記者会見で、同時多発テロ事件の主謀者とされるウサマ・ビンラディン氏とその支援組織「アルカイダ」に核・生物化学兵器を保有、使用させないために「容赦ない軍事圧力をかけ続ける」と語った。
 大統領は同日朝、中東欧17カ国首脳がワルシャワで開いた反テロ会議に衛星テレビを通じて演説した際、ビンラディン氏が核・生物化学兵器を入手しようとしているとの情報を明らかにした。会見ではこれを受け「大量破壊兵器の配備を阻止するため、できる限りのことをする」と述べた。
 大統領はビンラディン氏がすでに大量破壊兵器を保有しているかどうかは不明としているが、米政府高官によると原材料そのものを使用する生物化学兵器を入手する能力はあるとみられる。
 この他、大統領は10日に行う国連総会での演説に触れ「(テロ事件に)同情を寄せるだけでなく、行動しなければならない。軍の派遣を望まない国もあることは理解している。しかし情報面では協力できる」と述べ、テロと闘う意志を持つすべての国に何らかの行動を促す内容が含まれることを明らかにした。 [2001-11-07-10:05] 412


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 11/07@<国連白書>世界人口61億人 2050年には93億人予測(毎日新聞)

 国連人口基金は6日、01年世界人口白書を発表した。世界人口は今年8月現在で61億3000万人(昨年は7月現在で60億6000万人)。開発途上国を中心に毎年7000万人以上増え、2050年には最も可能性が高いとされる中位推計で93億人になる見通しという。
 白書は「人口と環境の変化」と題され、人口と消費の増大が地球環境に大規模な変化をもたらすと警告している。環境に対する負荷を軽減するには、男女の地位の平等や、女性が子供の数や出産間隔を自分で決める権利(リプロダクティブ・ライツ)の保障が前提条件になると訴えている。
 白書によると、人口増加に伴い、世界の総消費支出額は70年の10・2兆ドルから95年の21・7兆ドルへと倍増した。このため、水不足や水質汚染、土壌劣化、食糧不足、大気汚染、地球温暖化など環境悪化が進んでいる。水の使用量は過去70年間に6倍に増加し、水問題に悩む国は00年に31カ国5億800万人。25年には48カ国30億人に増えると予測されている。
 土壌劣化と急速な人口増加で食糧生産能力が低下しており、食糧生産が人口増加に追いつかない途上国は64カ国に上り、約8億人が慢性的な栄養不良状態にある。また、環境破壊がもたらす自然災害の激化によって、2500万人の環境難民が発生している。 【生長恵理】 [2001-11-07-09:10] 418


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 11/07@対イラク攻撃を否定 米長官、戦闘長期化を示唆(共同通信)

 【ワシントン6日共同】パウエル米国務長官は六日、反テロの攻撃対象がイラクなどへ拡大するとの見方について「第一段階はアフガニスタンであり、現時点で別に軍事行動を起こす計画はない」と明確に否定した。同日放映されたエジプトのテレビ局とのインタビューで答えた。
 長官は、現段階で「そうした見方について深刻に懸念すべきでない」と述べた。アラブ諸国やロシアからは、米国が攻撃対象を広げるのではないかとする憂慮の声が出ていた。
 対アフガン攻撃について「戦闘はまだ初期段階であり、こうした複雑な紛争は数週間で勝てるものではない」と述べ長期化の可能性を示唆した。
 長官は、冬に入ると攻撃がしにくくなるため、若干の調整は必要だとしながらも「冬季に入ったからといって活動をやめることはない」と強調した。
 また、米中枢同時テロや炭疽(たんそ)菌事件とイラクとの関係について「現時点で直接の関連はない」と述べた。(了)[2001-11-07-07:49] 420


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 11/07@先進国の環境への負担増加 世界人口白書が指摘(共同通信)

 先進国に生まれる人一人が生涯を通じて生み出す消費と環境汚染は、発展途上国の三十―五十人分に上るなどと指摘し、先進国を中心に環境への負担が増していることを強調した二○○一年版世界人口白書を、国連人口基金(本部ニューヨーク)が七日、発表した。
 今年の白書は人口増加と環境との関連を多角的に解説したのが特徴。
 白書によると、世界人口は六十一億人に達したが、その半分は一日二ドル(約二百四十円)以下で生活するなど、先進国と途上国の間に大きな生活水準の格差がある。
 また、清潔な水を利用できない人口が約十一億人、慢性的な栄養不良状態にある人が約八億人もいる。
 不潔な水と劣悪な衛生状況のために毎年千二百万人以上が死亡、大気汚染によりさらに三百万人近くが死亡している。こうした人々の大部分が途上国に住んでいる。
 また森林破壊などで自然災害も激化する傾向にあり、環境難民と呼ばれる環境悪化による人口移動は一九九八年には二千五百万人に上った。
 地球温暖化の関連では九五年時点で、世界人口の約20%に当たる、石油など化石燃料使用量の多い国々に住む人々が世界全体の二酸化炭素の63%を排出していた。
 これに対し、やはり世界人口の約20%を占める、使用量の少ない国に住む人々の二酸化炭素排出量は世界全体のわずか2%だった。(了)[2001-11-07-07:27]


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 11/08@アフガン復興、世銀が国際社会の支援力説(読売新聞)

 【ワシントン7日=坂元隆】世界銀行は7日、タリバン政権に対する戦争が終了した後のアフガニスタン復興に関する基本方針を発表した。この中で、世銀は、アフガニスタンの中央銀行や財政当局、司法当局など経済運営に欠かせない国家機関が長年の内戦で「極端に弱体化しているか単に消失」してしまっていることや、道路や橋、通信機関などの基本的な社会基盤が機能していないことなどを指摘し、国際社会による復興支援の必要性を強調した。
 その上で、復興のための重点支援項目としては、短期的には、農業復興、帰還する難民や避難民のための生活復興、道路網の再整備、地雷除去活動の拡大などを挙げている。また、長期的には、経済官庁や中央銀行の整備、教育・厚生システムの整備、エネルギー開発及び管理の実施などを指摘した。
 復興にかかる資金総額については明らかにしていないが、全国的な地雷除去作業だけでも約5億ドルはかかると推計している。世銀によると、紛争後の地域復興に要した金額は、ボスニア・ヘルツェゴビナで54億ドル、アフガニスタンよりはるかに人口の少ない東ティモールでも、これまでに3億5000万ドルにのぼっている。 [2001-11-08-10:42] 25


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 11/08@独首相、世論抑えアフガン派兵を決断(読売新聞)

 【ベルリン7日=宮明敬】ドイツのシュレーダー中道左派政権は、米英軍による対アフガニスタン空爆開始から1か月を経た7日、軍事作戦への参加に向け、今後1年間にわたり、連邦軍将兵計3900人の動員態勢を保持することを閣議決定した。事実上の派兵決定で、戦後半世紀間、北大西洋条約機構(NATO)域外での軍事行動参加を自重してきたドイツが、2年前のユーゴ空爆参加に続く、本格的な域外派兵に踏み出す。だが、作戦が長引くにつれて、独国内世論は「空爆中止要求」「派兵反対」に傾いており、シュレーダー首相は、支持基盤の動揺を覚悟の上で、「米国との限りない連帯」(同首相)へ重大な一歩を踏み出すことになった。
 派兵決定は、米政府の要請を受けたもので、「派兵には連邦議会の事前承認が必要」との憲法裁の判断に基づき、決定内容は8日に連邦議会に提案される。15日にも承認される見通しだ。
 3900人の内訳は、放射能や化学・生物兵器を探知する特殊車両「フックス」を擁する部隊800人、人質解放など特殊任務を遂行する急襲部隊100人、傷病兵を救出・搬送する衛生兵250人。このほか、物資・部隊空輸に携わる要員として500人、艦船護衛などに最大1800人が動員される。
 シュレーダー首相は、今回の派兵決定をドイツが“普通の国”に一段と近づく「歴史的な決定」と自賛する一方、「米国からは一般的な地上戦や空爆への参加は求められていない」と、戦闘への直接参加ではない点を強調した。
 しかし、敵地での友軍将兵救援などにあたる急襲部隊が戦闘に巻き込まれる可能性は高い。民間調査機関が、首相の派兵意向表明(6日)の当日に実施した世論調査では、衛生兵の派遣には89%が賛成したが、急襲部隊の派遣には67%が反対した。民間テレビの電話調査では、派兵全体に74%が反対している。
 派兵反対の声は、旧東独共産党系の左派野党の民主社会党(PDS)だけでなく、左派の連立与党・緑の党、さらには首相率いる社会民主党(SPD)からも上がっている。
 SPDのラフォンテーヌ前党首は「アフガニスタンでドイツ兵が戦わずに済むという考えは誤りだ。軍事貢献という大言壮語はやめて、緑の党もSPDも本来の和平路線に戻るべきだ」と訴えた。また、「目に見える成果を提示できず、犠牲者を出し続けている」などと、米軍の作戦に不信を表明する声も政界内外で高まっている。ヘルマン・ハーゲナ連邦軍退役准将は「ブッシュが命令して、我々はただ従う――そんなことでいいわけがない」と一部軍人の心情を代弁した。
 首相の「歴史的決定」は、世論の離反、与党の亀裂という逆風の中で下された。 [2001-11-08-02:10] 192


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 11/08@アフガン難民キャンプでポリオ予防接種(読売新聞)

 【イスラマバード8日=森太】イスラマバード郊外のアフガニスタン難民キャンプで8日、ポリオの予防接種が行われた。世界保健機関(WHO)がパキスタン国内の0―5歳児約3000万人を対象に行っているもので、新たに難民が流入しているこのキャンプでは約1万5000人がポリオワクチンの経口接種を受けた。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が7日発表した推計によると、米同時テロ以降、パキスタンに流入したアフガン難民は13万5000人を超えた。 [2001-11-08-22:49] 205


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 11/08@<国連ヘリ墜落>3人死亡、4人不明 西アフリカ・シエラレ(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク城島徹】西アフリカのシエラレオネからの報道によると、首都フリータウンで7日夜、国連のヘリコプター1機が墜落した。搭乗していた国連要員7人のうち3人の遺体が収容され、残る4人の安否は確認されていない。
 墜落原因は不明。フリータウンの国連司令部を離陸直後、爆発音とともに近くの海上に墜落したという。
 同国では、昨年の停戦合意を受けて国連平和維持活動(PKO)が展開中で、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)が停戦監視や武装解除に当たっている。 [2001-11-08-21:30] 206


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 11/08@<パキスタン大統領>テヘラン訪問、イラン第1副大統領と会(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】パキスタンのムシャラフ大統領は7日、米国に向かう途中、テヘランに立ち寄りアレフ・イラン第1副大統領と会談した。テヘラン訪問は突然の決定で、大統領はパキスタンが米軍のアフガン攻撃を支援していることに理解を求めたとみられる。
 会談で、大統領はイラン側とアフガニスタン情勢やタリバン政権後の政権構想について意見交換した模様だ。パキスタンはタリバン政権創設に深く関わった。イランは反タリバン連合を支援してきたものの、米軍のアフガン攻撃を厳しく批判してきた。
 一方、ムシャラフ大統領はその後、パリに飛び、シラク・フランス大統領と会談、国連によるアフガニスタン問題解決に向けた努力を支持することで一致した。
 ムシャラフ大統領は会談後、「熟慮の末に(反テロ)連合参加を決めた」と強調するとともに、軍事作戦の早期収拾を改めて訴えた。これに対し、シラク大統領は「連帯は一方的なものであってはならない」と述べ、パキスタン支援の姿勢を示した。 [2001-11-08-21:20] 208


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 11/08@政府、自衛艦のインド洋派遣を正式決定 9日朝出港へ(朝日新聞)

 政府は8日夕、安全保障会議を開き、防衛庁設置法5条の「調査・研究」に基づく情報収集の目的で、自衛隊艦隊をインド洋に派遣することを決めた。9日午前7時ごろ、ヘリコプター搭載護衛艦「くらま」を含む計3隻が佐世保基地(長崎県)を出港する。テロ対策特別措置法による基本計画で自衛隊の活動内容を定めた後、派遣目的に米軍支援が加わることになっており、自衛隊が初めて軍事行動支援のために海外派遣される。
 政府の発表によると、「テロ対策特別措置法に基づく対応措置の円滑な実施などに資する観点から、情報収集を行わせる」とされている。福田官房長官は記者会見で「いろいろな情報を収集し、基本計画の参考にはするが、基本計画そのものはこれに拘束されることはない。今回の情報収集の結果がないと基本計画をつくれない、というものではない」と語った。
 艦隊は海上自衛隊第2護衛隊群に所属する護衛艦2隻、補給艦1隻で構成され、搭載ヘリは4機で人員は700人。シンガポール、ムンバイ(インド)、カラチ(パキスタン)に寄港し、米軍基地のあるインド洋・英領ディエゴガルシア島の付近に2週間以上かけて到達する。その間、海域の安全や後続艦隊の寄港が見込まれる港湾の状況や航空機、船舶の運航状況を、護衛艦搭載のレーダーなどで調べる。補給艦は護衛艦に燃料などを補給する。派遣期間は約2カ月。
 政府は、16日に予定される基本計画の閣議決定を受け、11月中に、護衛艦と補給艦計3隻を新たに派遣する。政府は、ここに最新鋭のイージス艦「こんごう」を含めることを検討している。9日に出発する第1陣の艦隊は、基本計画策定後のいずれかの時点で、派遣目的が変更され、第2陣に合流して米軍に対する燃料などの補給・輸送の任務も加わる予定だ。第2陣以降は、難民の救援物資をカラチに輸送することも検討している。
 政府はまた、アフガニスタン難民支援のための調査団を9日にパキスタンへ派遣する。イスラマバードとカラチで同国政府や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などから情勢を聞く。そのうえで米軍支援と人道支援を盛り込んだ基本計画を閣議決定し、直ちに実施要領をまとめる運びだ。
 政府は、9月にまとめた対テロ措置に「情報収集のための自衛隊艦艇の派遣」を盛り込み、イージス艦の早期派遣をめざした。だが、目的や法的根拠があいまいだとして、与党からも反対が出た。テロ対策特措法が成立して「基本計画の策定・実施のための調査」という名目ができたとして、防衛庁設置法に基づく先行派遣に踏み切った。[2001-11-08-20:50] 209


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 11/08@<アフガン難民>収容の4人が仮放免を再申請 東京入国管理(毎日新聞)

 難民申請中のアフガニスタン人9人が出入国管理法違反の疑いで東京入国管理局に収容されている問題で、東京地裁(市村陽典裁判長)に収容の執行停止を却下された4人が8日、同入管に2度目の仮放免を申請した。入管は同地裁(藤山雅行裁判長)が執行停止を認めた他の5人については、決定に従い9日朝に身柄を解放する。
 また、同時多発テロ以後、羽田空港で同容疑で逮捕され、不起訴処分となった後、同入管に収容中の別のアフガン人男性1人もこの日、仮放免を申請した。代理人の弁護士によると、男性はタリバンの迫害を受けている少数民族のハザラ人で、タリバンに拘束されたことがあるという。 [2001-11-08-20:30] 234


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 11/08@衝突回避し共存の道探る 文明間対話会議が開幕(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】キリスト、イスラム教など異なる文明間の衝突を回避し、共存と協調の道を探る国連「文明間の対話」会議が八日午前(日本時間九日未明)、国連本部で始まる。
 会議には文明間対話の提唱者であるイランのハタミ大統領ら約五十カ国の代表が参加。二日間の日程で、国連憲章の精神に基づき、経済や社会、文化面からテロや宗教紛争などの国際問題を幅広く論議する。
 米中枢同時テロでイスラム教と西欧文明の衝突とみる動きが出る中、国連当局は「イスラム世界とテロを明確に区別し、対話することで文明の多様性への国際理解を深める貴重な機会だ」と重視している。
 佐藤行雄国連大使が日本政府を代表して、八日昼に登壇。アナン事務総長、ハタミ大統領は九日に演説する。
 文明間対話は一九九八年の国連総会一般演説でハタミ大統領が提唱。同総会は二○○一年を「文明間対話の年」と指定する決議を全会一致で採択した。(了)[2001-11-08-16:07] 241


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 11/08@アゼルバイジャンとも交渉 米、対アフガン基地利用で(共同通信)

 【ワシントン8日共同=杉田弘毅】アゼルバイジャン政府当局者は七日、対アフガニスタン攻撃を支援するため、米軍が同国の空軍基地を攻撃拠点として使用することを認める交渉を米国と開始したことを明らかにした。交渉でアゼルバイジャン政府はカスピ海油田開発の障害となっている制裁解除を求め、米国は一年間の制裁停止などの見返り措置をとる見通しだ。
 米国は対アフガン攻撃でパキスタン、ウズベキスタン、タジキスタンの空軍基地使用を確保しており、アゼルバイジャンの基地使用が実現すれば、空爆能力がさらに増強されることになる。
 アゼルバイジャン政府当局者によると、アリエフ同国大統領は米中枢同時テロの発生直後に米国の軍事攻撃への協力を表明し、米軍機の領空通過を認めた。
 現在協議が進んでいるのは、空軍基地一カ所を対アフガン攻撃機の給油、通過拠点として使用し、出撃基地の可能性を検討するというもの。またイスラム国である同国政府がイスラム原理主義テロ組織の情報を米国に提供することも含まれている。
 ブッシュ大統領は十月三十日にアリエフ大統領との電話会談で制裁解除に賛意を示し、パウエル国務長官が解除権限を持つ米議会に書簡で「制裁は米国のカスピ海諸国との関係を妨害し、対テロ戦の制約となっている」と解除を要請した。
 経済支援禁止を柱とする制裁は同国とアルメニアのナゴルノカラバフ紛争が激化した一九九二年に発効。第二のペルシャ湾といわれるカスピ海油田開発を促進する立場から米石油業界が解除を働きかけてきたが、アルメニア政府の圧力で実現しなかった。
 米上院は対テロ戦でアゼルバイジャンの協力は必要として制裁を二○○二年末まで停止することで合意、下院も年末までに同趣旨の法案を可決する見通しという。アゼルバイジャン政府当局者は「全面解除の道は開けた」と述べている。
 米政府はアゼルバイジャンに拠点を設けることで、同油田をにらんだ軍事プレゼンスを確保する狙いもある。(了)[2001-11-08-15:20] 264


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 11/08@<アルカイダ>米財務省 支援組織・個人の資金網を一斉摘発(毎日新聞)

 【ワシントン吉田弘之】ブッシュ米大統領は7日、同時多発テロ事件の重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏とその支援組織「アルカイダ」の資金ネットワークを一斉に摘発、計62の組織・個人の資産を凍結したことを明らかにした。摘発には海外の捜査・金融当局も協力し数カ国が強制捜査に踏み切った模様だ。同時テロ発生後、金融面での「テロ組織」との闘いで初の具体的成果と言える。
 財務省によると、米国内で摘発したのはマサチューセッツ、オハイオ、ワシントン、ミネソタ州内の4市、9カ所の電信送金会社や両替会社など。摘発は9月23日にブッシュ大統領が行ったテロ組織に対する資産凍結命令に基づき行われ、税関、移民当局などが一斉に強制捜査に入り資産を凍結する一方、証拠保全措置を取った。
 海外では米側の要請に応じ、スイスやイタリアなどでも摘発が行われたという。
 大統領は7日の演説で「これらのネットワークを遮断することにより、殺人のネットワークも粉砕した」と成果を強調した。
 同省によると、ビンラディン氏の資金面での支援組織は資金運用を担当する「アルタクア」と活動資金の送金や武器調達を担当する「アルバラカート」の二つのネットワークがある。世界42カ国に会社や出先機関を持ちアルカイダメンバーの活動を支援していたとみられる。 [2001-11-08-11:45] 266


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 11/08@40カ国に支店持つ独自組織 書面不要で世界に浸透(共同通信)

 【ワシントン7日共同】「殺し屋たちの資金源を締め上げる」と、七日の演説でブッシュ大統領が摘発の意義を強調した外国為替銀行「アルタクア」(バハマ)と、国際送金網「アルバラカート」(アラブ首長国連邦)は米国を含む四十カ国以上に支店を持つイスラム系金融組織だ。
 互いの信用を最優先し書面手続きがほとんど不要なこれらの組織は「ハワラ」と総称され、小額でも取引可能で手数料は割安。出稼ぎ先から家族への送金などに利用するアラブ出身者は多い。不公正取引にはイスラム法に基づく厳罰が科されるという。
 記録を残さず世界各地に資金移動ができ、戦地での現金受け取りにも便利なことから、捜査側にはやっかいな存在。米連邦捜査局(FBI)の関係筋は「アルバラカートの年間取引額は数千万ドル(数十億円)」と推定する。
 米財務省が「テロ組織アルカイダの金融指南役」と指摘するアルタクアは、租税回避地(タックスヘイブン)として知られるバハマや、金融機関に高度の守秘義務を認めるスイス、リヒテンシュタインなどを主な営業地としている。両組織とも米国など先進国で金融業の政府許可は持たず、事業や顧客の実態はほとんど知られていなかった。(了)[2001-11-08-11:22] 268


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 11/08@<アルカイダ>米財務省が資金網の詳細を発表 各国にダミー(毎日新聞)

 【ワシントン吉田弘之】米同時多発テロ事件の重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏とその組織「アルカイダ」が世界に張りめぐらせていた資金網が7日、明らかになった。各国にダミー会社を作り、巨額のビンラディン氏の資金を巧妙に運用、世界中に散らばるアルカイダのメンバーに供給していたとみられる。
 米財務省の発表によると、資金ネットワークはスイスに本拠地を置く「アルタクア」とアラブ首長国連邦のドバイに本拠地を置く「アルバラカート」の二つに分かれる。
 アルタクアはスイスのほか、リヒテンシュタイン、オーストリアなどを中心に資金運用を行っていた。中心人物の2人は同日、スイス司法当局から身柄拘束され、約6時間の事情聴取を受けた。
 2人はイスラム教原理主義者で、アルカイダと深いつながりがあるとみられている。
 一方、アルバラカートは世界約40カ国に関連会社を持ち、アルカイダの細胞組織に資金を送っていたほか、武器調達も行っていた疑いが持たれている。米国内では両替や資金の電信サービスを隠れミノにしており、同日、家宅捜索されるまで営業していたという。
 財務省によると、アルバラカートが設立されたのは89年。創業者はビンラディン氏と親しい人物という。徐々に世界中に組織を広げ、電話・電信業務、資金の電信サービス、インターネットサービス、両替などを扱う会社を次々と設立した。
 同ネットワークの会社・組織は米国のほか、欧州のスウェーデンやオランダ、イタリア、中東のアラブ首長国連邦、アフリカのソマリアなどに集中している。特にアルカイダのメンバーが数多く潜伏している可能性が強いとされるソマリアには約60の出先事務所があるという。
 同省は今後もビンラディン氏の資金ネットワークを遮断するため各国に情報提供、資金凍結措置を要請していく構えだ。 [2001-11-08-11:05] 272


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 11/08@アフガン復興、世銀が国際社会の支援力説(読売新聞)

 【ワシントン7日=坂元隆】世界銀行は7日、タリバン政権に対する戦争が終了した後のアフガニスタン復興に関する基本方針を発表した。この中で、世銀は、アフガニスタンの中央銀行や財政当局、司法当局など経済運営に欠かせない国家機関が長年の内戦で「極端に弱体化しているか単に消失」してしまっていることや、道路や橋、通信機関などの基本的な社会基盤が機能していないことなどを指摘し、国際社会による復興支援の必要性を強調した。
 その上で、復興のための重点支援項目としては、短期的には、農業復興、帰還する難民や避難民のための生活復興、道路網の再整備、地雷除去活動の拡大などを挙げている。また、長期的には、経済官庁や中央銀行の整備、教育・厚生システムの整備、エネルギー開発及び管理の実施などを指摘した。
 復興にかかる資金総額については明らかにしていないが、全国的な地雷除去作業だけでも約5億ドルはかかると推計している。世銀によると、紛争後の地域復興に要した金額は、ボスニア・ヘルツェゴビナで54億ドル、アフガニスタンよりはるかに人口の少ない東ティモールでも、これまでに3億5000万ドルにのぼっている。 [2001-11-08-10:42] 280


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 11/08@<タジキスタン>アフガン空爆へ米国に出撃基地の提供を表明(毎日新聞)

 【ドゥシャンベ福島良典】タジキスタンのラフモノフ大統領は7日、ドゥシャンベで記者会見し、米国の要請に基づき国内の空軍基地を米軍の対アフガニスタンの出撃基地として提供する用意があると正式に表明した。タジクが基地提供を決めたことで米軍のアフガン空爆の態勢はさらに強化されそうだ。
 大統領はホジャンド、クルガンチュベ、クリャブの三つの基地が候補に上がっており、うち1カ所か2カ所提供すると説明した。また負傷した米軍兵士らを治療のため国内病院に受け入れる用意があると表明した。
 米政府は対アフガン軍事作戦の開始当初から、第10山岳師団をウズベキスタンに派遣し、中央アジアでは同国を後方支援の重点地域としてきた。しかし、同政府は人道支援の作戦のみを許可し、同国領土からの軍事作戦の出撃は認めない方針を堅持したといわれる。
 このため、米政府はウズベクの隣国で、ロシアの影響力の強いタジキスタンを出撃基地とする方針に傾斜した。
 ラムズフェルド米国防長官も今月初め、ロシア、ウズベク、タジクの3カ国を訪問、米軍の出撃基地の設置の可能性を打診したといわれている。
 米軍はタジクの空港を出撃基地として利用すると、アフガン北部への攻撃は容易になり、アフガン北部に展開する反タリバン連合(北部同盟)と連携し、軍事行動も密接になるとみられる。 [2001-11-08-10:15] 284


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 11/08@世襲貴族議員を全廃へ 英上院が7世紀ぶり改革(共同通信)

 【ロンドン7日共同】英国のブレア政権は七日、貴族院(上院)に一部残っている「世襲貴族」を議員にする制度を全面的に廃止するとともに、上院議員の一部(議席の20%)を国民の普通選挙で選出する制度を初めて導入する上院改革案を発表した。
 完全選挙制でないため「まだ民主的でない」との反論が早くも上がっているが、出自だけで議員となる世襲貴族議員制の廃止への反論はほとんどない。
 正式法案にして下院に提出するのは来年二月以降になるが、実現すれば十四世紀に英国で二院制が始まって以来、七世紀ぶりの大改革となる。
 改革案は上院の定数を六百人とし、20%を直接選挙で選出、60%は各政党が下院の勢力比に沿って任命し、20%を超党派の委員会が任命するとの構想。
 従来の「終身貴族」(一代限りで世襲できない)の議員は五―十五年の期限付きに変え、三割以上を地域、民族などを代表する男女にするなどとした。これにより女性議員が急増する見通しだ。
 ただ、下院の優位は変えず、下院を通過した法案を改廃する権限などは与えられない。ブレア首相は同日の国会質疑で全議席を選挙制にすべきだという反論に「下院の複製になっては意味がない」と答弁した。(了)[2001-11-08-08:43] 290


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 11/08@タリバン排除で一致 トルコ、タジク両大統領(共同通信)

 【ドゥシャンベ8日共同】トルコのセゼル大統領は七日、ドゥシャンベでタジキスタンのラフモノフ大統領と会談、アフガニスタンのタリバン政権崩壊後の新政権からタリバン勢力を排除すべきとの認識で一致した。
 会談後の記者会見でセゼル大統領はタリバンについて「民族ではなく、政治グループだ」と指摘、各民族の代表で構成する新政権への「タリバン代表」の参加を容認すべきでないとの見解を示した。
 ラフモノフ大統領はアフガニスタンでの戦後処理をめぐり、中央アジアの意見を尊重するよう主張した。(了)[2001-11-08-08:33] 302


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 11/08@「作戦計画参加」条件に派兵表明、ジレンマ抱える仏(読売新聞)

 【パリ7日=池村俊郎】シラク仏大統領は6日のワシントンでのブッシュ米大統領との会談で、アフガニスタンへの軍事行動に関連し、仏特殊部隊派遣を「作戦計画への仏軍の参加」という条件付きで表明した。対米関係で独自性を維持しつつ、発言力低下をどう防ぐか、フランスは深いジレンマを抱えている。
 これまで仏政府は米側に「全面的連帯」を表明する一方で、対アフガン軍事作戦には情報部員の現地配置と、艦船2隻を派遣した後、最近、偵察機、掃海艇の増派を決めたばかりで、英国と並ぶ欧州の軍事大国の影は薄かった。
 しかし、ドイツ政府が6日、独連邦軍3900人の派兵を表明すると、シラク大統領は、訪米を機に、特殊部隊派遣の用意を明らかにした上、「フランスはすでに2000人を派遣している」と実績を強調、「影が薄い」という批判に反論した。仏軍2000人とはすでに派遣ずみの艦船乗員や、アフガン上空偵察作戦の参加兵力を指すとみられ、明らかにドイツの動きを意識した発言だ。
 実は、こうした一連の流れには、今のフランスを取り巻く内外の情勢がにじみ出ている。
 国内的には、来春の大統領選と総選挙の同時選挙を控える上、大統領が保守、内閣が左翼連合というコアビタシオン(保革共存)状態で、外交・軍事上のイニシアチブを発揮しにくい政治状況にある。
 また、ベドリヌ外相が米軍の単独作戦に近い現在の空爆を、「新たな米国の一国主義の表れ」と評したように、軍事作戦に向けた連合国の枠組み作りをめぐる米外交の調整不足に、仏側が不満を抱き、伝統的な「反米感情」がくすぶる気配もあった。特殊部隊派遣にあたり、「作戦計画参加」との条件をあえて付けた事情もここにある。
 さらに、フランスは、包括的な対テロ作戦で米側と政策優先順位が微妙に食い違う。シラク大統領がブッシュ大統領との会談で、国連主体のアフガン政治解決と難民支援の重要性を表明したように、仏側は〈1〉軍事作戦と同時に、国連主体でポスト・タリバンのアフガン政治体制作り〈2〉難民支援の国際会議開催〈3〉イスラエル―パレスチナ中東和平の再構築――を急務と強調し、米側に包括的な政治・外交努力を要請している。
 米爆撃作戦の誤爆などで一般住民に被害が出ている報道を受け、仏国内世論では「米軍空爆の成果に疑問」という意見が47%に上っているという状況もある。
 仏首脳は自国の発言力維持を図る一方、選挙を控えて国内多数派の支持を得る難問にも直面している。 [2001-11-08-02:10] 306


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 11/08@<余録>人口急増(毎日新聞)

 国連人口基金が発表した「01年世界人口白書」によると、世界の人口は今年8月現在で61億3000万人に達したという▲昨年7月現在では60億6000万人だったから、1年と1カ月で7000万人増加したわけだ。このまま進めば、開発途上国を中心に毎年7000万人以上増え続け、2050年には93億人になると推定されている。トルコの人口が6439万人だから、1年に一つずつトルコ級の国が誕生することになる▲かつて「人の生命は地球より重い」といった日本の首相がいた。断るまでもなく、人間の生命の尊さを強調したたとえ話だが、しかし、このまま人口が増加し続けると、いまに地球よりも人間の体重のほうが本当に重くなるのじゃないかと気になる▲心配なのは体重だけではない。世界の貧しい人々の大半は、人口の急増と貧困で事態が悪化した国々で暮らしている。パキスタンの人口はこの半世紀で3倍に、次の半世紀でさらに2倍以上に増え、現在の1億3450万人が2050年には3億4500万人になると予測されている▲人口の急増に伴い、土地の細分化が進み、パキスタンでは国民1人当たりの畑の面積が0・08ヘクタールから0・03ヘクタールに狭まるという。辛うじてテニスコートほどの広さ。農地はそこで暮らす人々を支えていけないところまで縮小しつつあると「地球白書2001〜02」(家の光協会)にある▲水不足も深刻だ。「水不足に直面する国にとって、人口が急増しているときに飢餓の根絶に努めることは、下りのエスカレーターを上ろうとするものである」(同書)。人口急増と貧困と水不足に米軍のアフガニスタン空爆と難民が加わった。もう上りも下りもない。エスカレーターは故障して壊れたままだ。 [2001-11-08-00:50] 308


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 11/08@<アフガン>世界銀行、タリバン政権後の復興基本方針まとめ(毎日新聞)

 【ワシントン逸見義行】世界銀行は7日、アフガニスタンのタリバン政権崩壊後をにらんで、アフガニスタン復興の基本方針をまとめた。27日から3日間、イスラマバードで、国連開発計画(UNDP)、アジア開発銀行と共催する「アフガニスタン復興準備会議」を前に、議論のたたき台を示したもの。
 基本方針によると、世界各国から復興支援のための資金を集めてプールする基金を設立し、アフガニスタン内に復興庁を設立し、復興計画の策定と実施を一元的に管理する。復興資金は、アフガニスタン全土に敷設された地雷を除去するだけで5億ドル(約600億円)かかるなど、「巨額に上るのは確実だが、現状では算定不能」という。
 短期的に必要となる復興事業としては、(1)農業の回復と食糧の確保(2)主要道路ネットワークの早期回復(3)地雷除去の促進(4)公共事業による失業対策(5)女性に重点を置いた教育や保健の活動再開――など八つの重点分野を挙げた。機能不全に陥っている政府の立て直し策としては、(1)中央銀行、財務省のような経済組織の創設(2)全国民をカバーする教育、保健システム開発(3)都市の復興開発(4)森林開発――など8項目を緊急課題とした。
 アフガニスタンは、米軍が攻撃を開始する前の時点で、1000人の子供のうち5歳未満で257人が死亡、出産時に死亡する女性が10万人のうち1700人にも達している。また、地雷や他の兵器の犠牲になる人が毎月500人に上る。米軍の攻撃で環境は一層悪化しているとみられ、世銀は「戦争終了後にできるだけ早く復興支援に乗り出すため、準備を整える必要がある」と訴えている。 [2001-11-08-00:20] 309


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 11/08@天声人語(朝日新聞)

 その悲劇を、画家パブロ・ピカソはパリの行きつけのカフェで知った、といわれる。スペイン内戦さなかの1937年4月、スペイン北部の町ゲルニカは、ナチスドイツとイタリアの空軍機による爆撃で壊滅する。大作「ゲルニカ」は、非道に対するピカソの怒りをぶつけたものだ▼敵の軍事拠点や兵士ばかりか、後方の生産施設や市民の生活基盤もたたく。戦略爆撃と呼ばれる戦法は、第二次大戦中に確立された。前線も銃後もない。容赦なく市民の頭上に爆弾の雨を降らせる無差別爆撃の先駆けが、ゲルニカだった▼米ジョンソン政権が65年2月から始めた北ベトナム爆撃(北爆)を思い起こす。「限定的」から「継続的」「全面」へと空爆はエスカレートした。投下された爆弾の量は、第二次大戦で約610万トン、朝鮮戦争では約311万トン。それが65〜73年に限っても、インドシナ半島には1400万トンを超す爆弾が降り注いだ(松岡完『ベトナム戦争』)というから、べらぼうだ▼「密林が生い茂るベトナムでは、じゅうたん爆撃の軍事的効果は乏しかった」。米戦略爆撃機B52の元搭乗員の話を聞いたことがある。アフガニスタンに密林はない。岩山と乾いた大地の国である。ベトナムとは違う、のかどうか▼「古来、イスラム教徒はラマダン(断食月)の間も戦い続けた」。米政府系の海外向け放送VOAは、アラブの歴史にふれながら空爆続行への理解を世界に訴えた▼空爆開始から1カ月。大地を揺らして今日も爆弾がさく裂する。過度の空爆信仰はないか。そこが気になる。[2001-11-08-00:14]


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