最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(10/09, 2001)


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◆ 10/06@国連・初テロ集中討議、「入り口」で議論百出(読売新聞)
◆ 10/06@中国がウイグル族住民100人以上を逮捕(読売新聞)
◆ 10/06@難民支援で「人道連合」 日米欧ロと周辺国、国連で(朝日新聞)
◆ 10/06@<タリバン>NGOスタッフの釈放はまだ曲折か(毎日新聞)
◆ 10/06@<米同時テロ>米元国防次官補にインタビュー(毎日新聞)
◆ 10/06@<米国務副長官>パキスタンのタリバン政権承認は「有益」(毎日新聞)
◆ 10/06@中国、アフガンなど国境地域の外国人記者立ち入りを禁止(朝日新聞)
◆ 10/06@タリバン、NGO活動家の釈放示唆 英女性記者には釈放命令(共同通信)
◆ 10/06@「タリバン後」へ動き加速 北部同盟に内紛の危うさも(共同通信)
◆ 10/06@目的達成まで軍事行動継続 英、印首相が会談(共同通信)
◆ 10/06@「窓」―干ばつの国(朝日新聞)
◆ 10/06@米国務省が発表したテロ組織新リスト (朝日新聞)
◆ 10/06@ビンラディン氏と6組織が関係 テロ組織リスト公表(朝日新聞)
◆ 10/06@「日の丸」に送られ出発 子供を胸に涙ぐむ女性も(共同通信)
◆ 10/06@空自機が小牧基地出発、パキスタンへ難民支援物資(朝日新聞)
◆ 10/06@10月6日付・よみうり寸評(読売新聞)
◆ 10/06@アフガン人の3口座発見 タリバン関係者と同姓同名(共同通信)
◆ 10/06@グルジアが全面協力約束 軍事報復作戦で(共同通信)
◆ 10/06@米報復戦争で意見交換 キューバ訪問中の橋本元首相(共同通信)
◆ 10/06@なりふり構わず危険地域へ 航空自衛隊輸送機のパキスタン派(共同通信)
◆ 10/06@タリバン本拠地から特使がアフガン元国王を訪問へ(朝日新聞)
◆ 10/06@アフガン新政権樹立へ「協力」 英・パキスタンが合意(朝日新聞)
◆ 10/06@Jリーグ名古屋のストイコビッチの引退試合に4万2千人(朝日新聞)
◆ 10/06@<Jリーグ>ストイコビッチの引退記念試合が行われる(毎日新聞)
◆ 10/06@人生のすてきな1ページ ストイコビッチ引退試合(共同通信)
◆ 10/07@中国、W杯初出場決める(読売新聞)
◆ 10/07@米山岳師団がウズベク到着 旧ソ連圏に初の米軍配備(朝日新聞)
◆ 10/07@<パキスタン>原理主義勢力が脅威となる可能性も 党首自宅(毎日新聞)
◆ 10/07@<社説>テロと難民 人道支援で「旗」を立てよう(毎日新聞)
◆ 10/07@タリバーン後にらみムジャヒディンらが統一団体を結成(朝日新聞)
◆ 10/07@<ビンラディン氏>アフガン出国に向け秘密交渉か 98年当(毎日新聞)
◆ 10/07@<アフガン集会>一時帰国したUNHCRの千田さん、支援訴(毎日新聞)
◆ 10/07@首謀者はアテフ軍事担当副官 米英政府が特定と米紙(共同通信)
◆ 10/07@実行犯とビンラディン氏側の資金の流れ確認 米紙(共同通信)
◆ 10/07@ウズベク国境に兵力移動 タリバン、越境し報復も(共同通信)
◆ 10/07@ヨルダン国王へテロ未遂 イタリア紙 (共同通信)
◆ 10/07@◎英情報機関が大増員=少数民族出身者も要員に(時事通信)
◆ 10/07@<テロ対策支援法案>支援メニュー 米の要請想定し拡大(毎日新聞)
◆ 10/07@中国、W杯初出場決める(読売新聞)
◆ 10/07@イタリアなど欧州6か国がW杯予選突破 (読売新聞)
◆ 10/07@<サッカー>W杯アジア予選 中国が初出場決める(毎日新聞)
◆ 10/07@クロアチア、苦しみながらW杯切符 W杯予選(共同通信)
◆ 10/07@前回出場組に相次ぐ涙 W杯予選(共同通信)
◆ 10/07@◎ドイツはウクライナと=サッカーW杯予選プレーオフ(時事通信)
◆ 10/07@歴史的一戦無効に 初の仏・アルジェリア戦 青年ら17人逮(共同通信)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>各地で平和団体が米国に抗議行動(毎日新聞)
◆ 10/08@◎英が戦時内閣を設置(時事通信)
◆ 10/08@ゴールへの道筋描けず 米が抱える2つの難題(共同通信)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>「影の組織」相手 超大国に試練 戦果は不(毎日新聞)
◆ 10/08@パキスタン・クエッタで1万人デモ(読売新聞)
◆ 10/08@<パキスタン>タリバン後もアフガンでの影響力保持の意向(毎日新聞)
◆ 10/08@グルジア北部で国連軍事監視団ヘリ撃墜される(読売新聞)
◆ 10/08@◎中国、米軍事行動を事実上容認=一般市民の被害回避を−江(時事通信)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>短期間の限定的作戦と米が保証(毎日新聞)
◆ 10/08@<国連ヘリ>グルジア西部で墜落し乗員全員死亡 撃墜の可能(毎日新聞)
◆ 10/08@クエッタ空港周辺の難民約3万人を強制排除(読売新聞)
◆ 10/08@米国務長官、週内に印パへ 政権てこ入れ(朝日新聞)
◆ 10/08@国民守れとアフガニスタン元国王(共同通信)
◆ 10/08@国連ヘリを撃墜、監視員ら9人が死亡か アブハジア(朝日新聞)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>作戦は長期化の気配 冬を前にいったん撤退(毎日新聞)
◆ 10/08@外務省、アフガン国境周辺の邦人に退避勧告(朝日新聞)
◆ 10/08@銀行や映画館に放火、略奪 クエッタでデモが暴徒化(共同通信)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>難民救援金を緊急募集 毎日新聞社(毎日新聞)
◆ 10/08@作戦の早期終結を楽観 元国王主導で新政権 パキスタン大統(共同通信)
◆ 10/08@米、インド首相にもアフガン攻撃を事前通知(朝日新聞)
◆ 10/08@米がパキスタン肩入れ タリバン包囲網維持狙う(共同通信)
◆ 10/08@寝返り続出で政権崩壊か 難しい新政権と印パ(共同通信)
◆ 10/08@国際法に違反の疑い 専門家は正当性疑問視(共同通信)
◆ 10/08@決議軸に支援国に圧力 国連が反テロ闘争の前面に(共同通信)
◆ 10/08@○一般市民の被害回避を=アフガン攻撃、事実上容認−中国(時事通信)
◆ 10/08@市民が傷つかないように 中国は限定的攻撃要請(共同通信)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>ビンラディン氏、聖戦継続を宣言 TVで声(毎日新聞)
◆ 10/08@作戦の短期終了と復興期待 ムシャラフ政権が緊急会議(共同通信)
◆ 10/08@難民150万人流出か ルワンダの悲劇再来を懸念(共同通信)
◆ 10/08@ビンラーディン、ビデオで対米テロ続行宣言(読売新聞)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>米大統領演説の全文 (毎日新聞)
◆ 10/08@<米同時テロ>発生以来の経過(毎日新聞)
◆ 10/08@現地スタッフ安否は?NGOなど募る不安(読売新聞)
◆ 10/08@パキスタンは作戦長期化を懸念(読売新聞)
◆ 10/08@アラブ諸国、米攻撃の規模や期間を注視 (読売新聞)
◆ 10/08@<アフガン攻撃>出口なし 「第2のベトナム」か(毎日新聞)
◆ 10/08@在日アフガン人、思い複雑 攻撃開始に (朝日新聞)
◆ 10/08@中国でもボラ・マジック W杯請負監督また手腕(共同通信)
◆ 10/08@○サッカーW杯本大会出場決定国(時事通信)
◆ 10/08@「成果は判断できず」トルシエ監督が欧州遠征総括(朝日新聞)
◆ 10/08@貴重な体験、手ごたえも トルシエ監督は戸田を高く評価(共同通信)
◆ 10/08@1億人のファン熱狂 五輪より民族心高揚と期待(共同通信)
◆ 10/08@中国でもボラ・マジック W杯請負監督また手腕(共同通信)
◆ 10/09@「ビンラディン氏側近と電話」の男性逮捕 ボスニア(朝日新聞)
◆ 10/09@空自輸送機、アフガン難民支援物資を届けて帰還(読売新聞)
◆ 10/09@米軍によるカンダハル空爆、白昼も続く (朝日新聞)
◆ 10/09@緊急アラブ外相会議の非公式協議始まる (朝日新聞)
◆ 10/09@パキスタン流入難民、数百人規模 難民高等弁務官事務所(朝日新聞)
◆ 10/09@米空爆でアフガン人NGO職員4人が死亡(読売新聞)
◆ 10/09@空自機が支援物資引き渡し テロの国際貢献第1弾(共同通信)
◆ 10/09@<アフガン施設>ビンラディン氏関連は55カ所 空爆の対象(毎日新聞)
◆ 10/09@作戦の即時停止を要求 イラン大統領 (共同通信)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>地雷撤去NGOの4人死亡 民間人の犠牲増(毎日新聞)
◆ 10/09@<空自輸送機>イスラマバードに到着 救援物資、UNHCR(毎日新聞)
◆ 10/09@収容のアフガニスタン人9人は難民申請中 弁護士が仮放免請(共同通信)
◆ 10/09@<中国>新疆ウイグル自治区のアフガン国境を閉鎖 (毎日新聞)
◆ 10/09@空爆で国連関係NGOの職員4人死亡 カブール(朝日新聞)
◆ 10/09@国連関係NGO4人が死亡 カブールで爆撃の巻き添え(共同通信)
◆ 10/09@アフガン以外に武力行使も 米、国連安保理で説明(朝日新聞)
◆ 10/09@難民からの兵補充を強化 反タリバーン「北部同盟」(朝日新聞)
◆ 10/09@フロリダで新たな炭疽菌感染者、FBIも調査(読売新聞)
◆ 10/09@米政権、空爆は対テロ闘争の「小さな部分」(読売新聞)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>平山健太郎白鴎大教授に聞く(毎日新聞)
◆ 10/09@タリバンの攻撃ヘリ押収 パキスタン政府(共同通信)
◆ 10/09@アフガン以外の攻撃も 米英が安保理に報告(共同通信)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>空自機派遣、早期実現裏目 不安の防衛庁(毎日新聞)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>国連安保理で非公式協議 米英が攻撃経緯報(毎日新聞)
◆ 10/09@シリアが国連安保理の非常任理事国に (読売新聞)
◆ 10/09@<アフガン難民>援助対象は750万人に 内戦・干ばつ・空(毎日新聞)
◆ 10/09@<テロ対策>資産凍結該当3人 塩川財務相(毎日新聞)
◆ 10/09@アフガン国内避難民支援に重点 大島国連事務次長が強調(共同通信)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>国連事務総長が追認声明発表(毎日新聞)
◆ 10/09@「他国も攻撃対象の可能性」と米が安保理に通告(読売新聞)
◆ 10/09@<パキスタン>国連施設を破壊 イスラム原理主義のグループ(毎日新聞)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>他国への拡大を懸念 アラブ諸国(毎日新聞)
◆ 10/09@米武力行使「決議に沿ったもの」 国連事務総長が声明(朝日新聞)
◆ 10/09@<アフガン攻撃>他国には拡大せず 英外相(毎日新聞)
◆ 10/09@シリアが非常任理事国に 「テロ支援国」、米も黙認(共同通信)
◆ 10/09@◎米英両軍の軍事攻撃は「テロを助長」と非難=キューバ(時事通信)
◆ 10/09@EU、元国王の役割重視(共同通信)
◆ 10/09@暴動の街、漂う催涙ガス 貧困など社会問題も背景に クエッ(共同通信)
◆ 10/09@難民援助の計画練り直し 報復攻撃で人道支援機関(共同通信)
◆ 10/09@反米デモ激化、死者も クエッタで放火、略奪(共同通信)
◆ 10/09@攻撃は安保理決議の枠内 国連総長が声明(共同通信)
◆ 10/09@「天声人語」(朝日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 10/06@国連・初テロ集中討議、「入り口」で議論百出(読売新聞)

 テロ撲滅に向け、世界167か国の代表が自国の立場を表明する国連総会初のテロ集中討議が5日、全日程を終えた。集中討議に続き、「国際テロ包囲網の決め手」(国連外交筋)とされる包括テロ防止条約案に関する議論が、今月15日に始まる委員会で本格化する。しかし、複雑な国際政治が絡む問題だけに、「テロの定義」という入り口論で議論百出の状態にあり、前途は多難だ。(ニューヨーク 勝田 誠)
 ◆インド案脚光◆
 「無辜(むこ)の市民の命を奪うテロは人類全体への攻撃だ。理由のいかんを問わず、テロは受け入れられない」 米同時テロ発生によって総会に格上げされた集中討議の初日、コフィ・アナン国連事務総長が表明したテロ撲滅の決意に続き、イラクを除くすべての国が事件を非難。国際社会全体が協力して何らかの措置を取るべきだとの姿勢で一致した。
 5日までの討議で焦点に浮上してきたのが、「包括テロ防止条約」案だ。同条約案は、1997年にエジプト・ルクソールで起きた日本人観光客などへの襲撃事件を受け、翌年にインド政府が提出した。
 従来のテロ防止に関する国際条約・協定は、国連、国際民間航空機関(ICAO)、国際刑事警察機構(ICPO)など5つの国際機構が、緊密な連携を取らず、事後的に作成してきた。航空機(ハイジャック)など犯行の「場所」や、爆弾などの「使用武器」といった法的規定を、大事件のたびに決めてきたため、武装集団が小型火器を用いて観光客を襲ったルクソール事件は、「テロでなく単なる殺人事件」として処理された。
 インド案は、この種の事件をも「テロ」として認定するのが主眼。犯罪の場所・方法・手段などを問わず、「身体への危害や、(サイバーテロのように)経済的に重大な損害を及ぼすことを目的とした公共機関などの破壊行為」すべてをテロと見なす。実行犯だけでなく、教唆やほう助、組織者などを一網打尽にしようというものだ。今後のテロの犯罪形態の変化を見越して、強い抑止効果を狙っており、米同時テロ後改めて注目された。
 ◆テロとは何?◆
 しかし、このインドの包括テロ防止条約案は、核心となる「テロの定義」を巡り、法学上の見解の相違や国際政治が絡み、20数通りの草案に枝分かれし、提出国インドも再考を余儀なくされている。
 今年2月までの国連審議で、イスラム諸国は、パレスチナに対するイスラエルの軍事行動を「国家テロ」として認めるよう、そろって主張。パレスチナ代表は今回討議でも、「米同時テロは衝撃的だったが、国家テロや外国による占領など(を許している現実)と、何らかの相関関係がある」と訴えた。
 インド案は、正規軍による行為を例外とする「軍隊適用除外条項」があり、テロの主体は個人や組織であって国家ではないとの立場だが、イスラム諸国は「国家テロ」や「占領テロ」を盛り込もうとしており、中東情勢の緊迫化もあって譲歩する気配はない。
 ◆難題山積◆
 「民族自決権」や「侵略の罪」との兼ね合いも微妙だ。国際社会がテロ防止・抑止だけに重心を移すと、東ティモールなどの独立・解放闘争を、どう位置づけるのかという問題も生じる。表決で包括テロ防止条約を採択するだけでは「テロとの戦いで世界が一枚岩という強い意志を犯罪集団に示せない」(国連外交筋)との懸念は依然残る。
 さらに、同条約が今後、調印されたとしても、各国の司法・捜査当局は、自国の国内法に沿ってテロ犯罪に対処するため、国ごとに対応が異なる恐れも強い。日本の現行刑法も、一般の刑事事件とテロ事件を区別し、テロ事件により厳しく対応することは容易でなく、国内法との整合性を疑問視する意見は、西欧の一部からも出ている。
 今回の集中討議では、100か国近くが包括テロ防止条約に関する審議を加速すべきだとの立場を示した。世界的な「反テロ連合」の結成を呼び掛けるアナン事務総長も同条約の年内成立を目指している。
 しかし、現実の議論は、「国家テロを盛り込め」という主張から、「米同時テロは、大量虐殺(ジェノサイド)という人道に対する罪を適用できる」(国際法専門家)という主張まで幅広い。15日からの委員会審議で、各国が政治対立を乗り越える突破口を見いだすのか、限界が浮き彫りになるだけなのか、視界は不良だ。[2001-10-06-22:38] 360
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 10/06@中国がウイグル族住民100人以上を逮捕(読売新聞)

 中国のイスラム系少数民族、ウイグル族の独立派組織「東トルキスタン情報センター」(本部・ドイツ)は6日、中国当局が米同時テロ発生後、ウイグル族による分離・独立運動がくすぶる新疆ウイグル自治区西部で、ウイグル族住民100人以上を「違法宗教活動」「国家機密漏えい」などの罪で逮捕したと明らかにした。同センターは「中国が『反テロ』を口実に弾圧を強めており、日本など国際社会は中国を監視する責務がある」と訴えている。(香港支局)[2001-10-06-22:34] 362 [このページの最初に戻る]


 10/06@難民支援で「人道連合」 日米欧ロと周辺国、国連で(朝日新聞)

 難民危機が深刻化しているアフガニスタンへの支援策を話し合う国連主催の国際会議は6日、日米欧ロなどの支援国グループとパキスタンなどの周辺国、国連をはじめとする国際機関の3者が「人道連合」を作り協力して対処することで合意した。支援国グループは総額6億800万ドルの資金援助の用意があることを表明、このうち日本政府は1億2000万ドルまで負担する。
 共同議長をつとめた大島賢三国連事務次長(人道問題担当)とルベルス国連難民高等弁務官が記者会見し、大島氏は「もっとも立場の弱いアフガン国民への支援で共通の認識ができたことが大事だ」と会議の成果を強調。ルベルス氏は「いつまでもアフガン国境を閉鎖しておくわけにはいかない。難民の一時的受け入れについてはパキスタンから前向きの反応をえた」と語った。
 会議は5日から始まり、日米欧ロなど支援国グループとパキスタン、イラン、タジキスタン、中国など周辺国あわせて22カ国の代表に加え、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など18の国連・国際機関、三つの非政府組織(NGO)が参加した。[2001-10-06-22:13] 364
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 10/06@<タリバン>NGOスタッフの釈放はまだ曲折か(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】 タリバン政権に拘束されているドイツの民間援助団体「シェルター・ナウ・インターナショナル」の欧米人スタッフ8人の釈放問題は、拘束から約2カ月で新たな局面を迎えた。だが、釈放は「米国がタリバンへの威嚇をやめるなら」という条件を付けた政治的な駆け引きが絡んでいるため、実際に釈放されるまでには曲折がありそうだ。
 タリバンはキリスト教系のこの団体が布教活動をしているとして何度も警告していた。8月5日までにメンバーを逮捕し、聖書や布教に使ったとみられる証拠品を押収した。
 タリバンは今年1月、イスラム教から他宗教に改宗したアフガン人を死刑にするとの布告を出した。だが、この団体の布教活動を知る関係者は「被告らは当局の警告を何度も無視し、半ば公然と布教活動を続けていた」と証言した。このため、身柄拘束は「政治的な思惑とは関係がない」との見方が一般的だ。
 その一方で、タリバン政権は同時多発テロ直後、国連職員や援助関係者らの自主出国を認めた。その後、外国人全員に強制退去を命じている。このため、外国人を「人間の盾」にしようという発想はない、との見方が有力だ。
 事件ではアフガン人スタッフ16人も逮捕されており、有罪になれば死刑になる可能性が高い。
 【ベルリン藤生竹志】「シェルター・ナウ・インターナショナル」は約20年前に設立されたキリスト教系の非政府組織(NGO)で、本部はドイツ北部ブラウンシュバイクにある。
 本部によると、同組織は設立当初からアフガニスタンとパキスタンで難民支援や、井戸づくりによる飲料水確保などの活動を行ってきた。リーダーはドイツ人のゲオルク・タウプマンさん(45)。タウプマンさんは妻とともに83年にパキスタンのペシャワルに赴任。その後は妻と息子2人とカブールに住み、病院や学校建設を指揮してきた。
 メンバーの身柄拘束について本部は「メンバーが行ったのは人道支援であり、キリスト教の布教活動ではない」と強調。キリスト教を布教した容疑でタリバンがメンバーを拘束したのは不当だと訴えている。
 シェルター・ナウのウド・シュトルテ会長(48)は「マスコミを通じてメンバー8人とアフガニスタン人スタッフ16人が拘束されていることを繰り返し、強調してきた。ブッシュ大統領は米国人の救出だけでなく、すべての無実の人の救出を心がけて欲しい」と訴えた。会長によると、拘束されている8人の家族は、メンバーが「人間の盾」にされるかも知れないと心配し、神経が衰弱しているという。[2001-10-06-21:20] 365
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 10/06@<米同時テロ>米元国防次官補にインタビュー(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】同時多発テロ事件への対応について米国のアレン・ホームズ元国防次官補(68)は、第1段階はウサマ・ビンラディン氏と(イスラム原理主義過激派組織の)アルカイダに集中すべきだなどと毎日新聞に語った。ホームズ氏は国務次官補(軍備管理)を経て、クリントン政権で93〜99年に国防次官補(特殊作戦・低強度紛争担当)を務めた。現在、ジョージタウン大学助教授。
 ――今回のようなテロを予想していたか。
 ◆敵に損害を与えるという意味ですごい攻撃だった。国防総省でわれわれは、サイバー・テロや乗っ取りなどあらゆるテロを想定し、演習を行っていた。だが、テロリストがパイロットとなり、旅客機をビルに激突させる事態は、シナリオにはなかった。
 ――どう対応すべきか。
 ◆ブッシュ政権が取り組んでいるように第1段階は、ウサマ・ビンラディン氏とアルカイダに集中すべきだ。逮捕か殺害か、どちらを選ぶかが重要となる。ビンラディン氏を逮捕して、米国に連行し刑事裁判にかける場合、同時多発テロの状況証拠だけで、具体的な証拠がないと厄介になる。米国の弁護士の能力は高い。検察が犯罪事実を証明できず、有罪とならなければ破局だ。事態は最悪になる。
 ――殺害の場合は?
 ◆戦闘中に殺した場合、ビンラディン氏は殉教者になる。イスラム世界の大物となり、追随者を生み出すだろう。米国はイスラムから出て行け、という彼の主張に賛同する者が増える。逮捕か殺害か、どちらがより大きな損害をテロリストに与えるかを判断しなければならない。だれも完ぺきな答えは持てない。
 ――第2段階はイラク攻撃か。
 ◆アルカイダとフセイン・イラク大統領との関係を示す証拠がないまま、フセイン排除に進むのは誤りだ。攻撃で市民が死亡し、新たな対米憎悪を生む。テロへの完全な勝利は決してできない。テロを封じ込めたり減らしたりしかできない。
 ――解決策はないのか。
 ◆テロの原因は何か。貧しさと教育や医療の欠如が生む絶望感だ。テロの根を絶つためには、1日1ドル以下で暮らす人々に世界中の国々がもっと援助すべきだ。多くの米国人は、なぜこれほど憎まれるのかを理解しようとしない。金持ちへのねたみもあるだろう。だが、米国を高慢だとみる人々もいる。
 米国が強く、民主主義が優れているとわれわれは信じているが、その考え方やなんでも自由という米国の文化を嫌う人もいる。そこを考えるべきだ。[2001-10-06-21:05] 366
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 10/06@<米国務副長官>パキスタンのタリバン政権承認は「有益」(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】アーミテージ米国務副長官は5日の日本人記者団との会見で、パキスタンがアフガニスタンのタリバン政権を承認しているのは、アフガン国内に外国人の拘束者がいる現状では「極めて有益」と語った。パキスタンが米国とタリバン政権の連絡役として、あえて断交表明を控えていることを示唆したものだ。
 同時多発テロの前まで、タリバン政権は3カ国が承認していたが、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が断交し、パキスタンだけが外交関係を持っている。このため米側には、パキスタンに断交を迫り、タリバンをさらに孤立させようとする動きもある。
 しかし副長官は、米国人を含め計8人の非政府組織(NGO)メンバーらが拘束されていることを踏まえ、パキスタンは「極めて有益な役割を果たしている」と評価する一方、「その役割が果たせなくなれば、彼ら(パキスタン)が外交関係を絶つのは疑いがない」と語った。[2001-10-06-21:00] 369
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 10/06@中国、アフガンなど国境地域の外国人記者立ち入りを禁止(朝日新聞)

 中国外務省は5日、北京常駐の外国人記者に対して、アフガニスタン、パキスタンと国境を接する新疆ウイグル自治区タシュクルガン地区への「開放を暫時停止する」との通知を出した。記者の「身体の安全のため」としており、外国人記者に対する事実上の立ち入り禁止措置だ。
 同自治区はイスラム系少数民族の分離・独立問題があり、中国当局は米国の同時多発テロ後、イスラム過激派の国境を越えての流入や、同自治区内の独立派の動きに神経をとがらせている。
 北京の外交筋によると、当局はすでにパキスタンからの入国を制限し、国境付近の警備を強化。米国の報復攻撃の見通しが高まる中、同自治区南部のホータン周辺に人民解放軍の部隊が集まってきているとの情報もある。[2001-10-06-20:21] 370
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 10/06@タリバン、NGO活動家の釈放示唆 英女性記者には釈放命令(共同通信)

 【イスラマバード6日共同=福冨正秀】アフガニスタンのタリバン政権外務省は六日、声明を発表し、米国が軍事力行使などの威嚇をやめるなら、現在身柄拘束中の欧米非政府組織(NGO)活動家八人を釈放する措置を取ると表明した。アフガン・イスラム通信が伝えた。
 また、タリバン政権のザイーフ駐パキスタン大使は六日、不法入国したとして逮捕した英紙サンデー・エクスプレスの女性記者イボンヌ・リドリーさんの釈放を最高指導者のオマル師が命令したと語った。
 タリバンが報復攻撃回避の交渉材料にNGO活動家の釈放問題を使ったのは今回が初めて。今回の措置は、同政権が米国などからの攻撃に強い危機感を抱き、回避のため揺さぶりを掛けるのが狙いとみられる。
 外務省声明は「人道的な見地から外国人活動家の釈放が重要というならば、干ばつや国連制裁に苦しめられ、厳しい冬を迎えようとしているアフガニスタン国民も同じだ」と強調。「米国の(軍事的)脅威のため、子供や女性、老人が流浪を強いられている。彼らの命は重要ではないのか」と米国の強硬姿勢を批判した。
 タリバン政権は八月、違法なキリスト教布教活動を行ったとして、米国、ドイツ、オーストラリア人のNGOメンバー八人を逮捕した。首都カブールの最高裁で裁判が続いており、ブッシュ米大統領はこの八人の即時釈放を強く求めている。
 一方、リドリー記者の釈放について、ザイーフ大使は「英国政府の要請を受け入れた」と説明した。タリバン政権は四日、スパイ容疑などを念頭に同記者を裁判にかけると決めたばかり。
 今回の措置に対し、米英など関係国は公式な見解などを出していない。(了)[2001-10-06-20:20] 379
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 10/06@「タリバン後」へ動き加速 北部同盟に内紛の危うさも(共同通信)

 【ジャボルサラジ(アフガニスタン北部)6日共同】米軍事作戦が近づくアフガニスタンで五日、反タリバン勢力「北部同盟」のアブドラ外相が「(国家統一のための)最高評議会を十日以内に開催」と言明、「タリバン後」への動きが加速し始めた。しかし各軍閥の寄り合い所帯である同盟は、将来的に内紛の危うさも抱えている。
 九月上旬、ウサマ・ビンラディン氏が関与したとみられる暗殺で、カリスマ的指導者マスード元国防相を失った北部同盟。一時は分裂も指摘されたが、その後の米中枢同時テロで情勢は一変。国際的注目が急速に高まり、逆に首都カブール奪回作戦に向け、結束を強めている。
 しかし、タジク人主流でパンジシール渓谷一帯を拠点とするマスード派と、ウズベク人主流でウズベキスタン、タジキスタンと国境を接する北部を拠点するドスタム将軍派では、流通させている通貨が異なるなど、軍閥ごとに一定の自立傾向があるのは否めない。
 同盟関係筋は「各派ともかつての内紛がイスラム原理主義勢力タリバンの台頭を許したとの反省から、現時点で(軍閥間の)対立傾向が顕在化する可能性は低い」としながらも「タリバン後の新国家体制づくりの過程で、以前の内戦を戦ってきた軍閥が覇権争いを再開する可能性は否定できない」との懸念を示した。
 一九七三年に国を追われたザヒル・シャー元国王の担ぎ出し自体が、民族ごとの軍閥などで構成する同盟側の自信のなさを示しているとの指摘もある。
 ポスト・タリバンのアフガンの新たな国づくりは、同盟側が内部の民主的結束と国際社会の支持をどう維持していけるかにかかっている。(了)[2001-10-06-18:17] 380
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 10/06@目的達成まで軍事行動継続 英、印首相が会談(共同通信)

 【ニューデリー6日共同】インド訪問中のブレア英首相は六日、ニューデリーでバジパイ首相と会談し、米中枢同時テロに伴い予想されるアフガニスタンでの軍事報復行動などについて協議。会談後の会見でブレア首相は「われわれは目的を達成するまで(軍事)行動を続ける」と述べ、タリバン政権打倒を目指していることを明確に示した。
 バジパイ首相はタリバン打倒後のアフガニスタン新政権について「暴力や原理主義を他国に輸出しない、すべての民族を代表する幅広い政権が必要だ」と強調した。
 インドは既に、攻撃の際の米軍機の領空通過などを認める方針を打ち出しているが、ブレア首相は会談で米国や、英国などその同盟国のテロに立ち向かう方針を説明、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」と密接な関係を持つインドに、影響力行使など一層の協力を要請したとみられる。(了)[2001-10-06-18:02] 386
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 10/06@「窓」―干ばつの国(朝日新聞)

 アフガニスタンの人々を支援している非政府組織(NGO)のメンバーに会って、その国にいま必要なのは水と食べ物だと痛感する。
 「3年続きの干ばつで、子どもたちはカやハエが群れる水たまりに口をつけています。食器を洗う水もない。不衛生のために胃腸を患い、下痢する人が多い」 米国で起きたテロ事件後も4日間、北部の農村にとどまった「ペシャワール会」の目黒丞さん(28)は語る。
 別のNGO「風の学校」の石田恵慈さん(49)に技術協力を求め、会の仲間たちと600本以上の井戸掘りを進めてきた。しかし、事件で中断を余儀なくされた。
 「努力して掘った井戸も、管理を怠れば枯れてしまうかもしれない」と石田さんは心配する。
 水不足で小麦やトウモロコシは満足に育たず、ヒツジや牛のえさとなる草原も荒廃している。その草を食べて空腹をしのぐ人さえいる。
 「栄養失調が増え、ビタミン不足で視力が弱っている子どももいます」と、「国境なき医師団」の永井真理さん(33)は言う。イランで今年春まで、アフガニスタン難民を治療した。
 国連の援助機関、世界食糧計画(WFP)によると、アフガニスタンの今年の穀物生産量は200万トンと見込まれ、98年の半分だ。
 国内で380万人が飢えと渇きに直面し、その数はテロ事件後、激増しているという。この人々を救うことこそ国際社会の急務だ。  〈斉〉[2001-10-06-15:23] 388
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 10/06@米国務省が発表したテロ組織新リスト(朝日新聞)

●米国務省が発表したテロ組織新リスト(★はアルカイダと関係があるとみられる組織)(1)アブ・ニダル機構(ANO、中東・西欧など)
(2)★アブ・サヤフ(フィリピン)
(3)★武装イスラム集団(GIA、アルジェリア)
(4)オウム真理教(アレフに改称、日本)
(5)バスク祖国と自由(ETA、スペイン)
(6)★イスラム集団(エジプト)
(7)ハマス(イスラム抵抗運動、パレスチナ)
(8)★ハラカト・ムジャヒディン(HUM、パキスタン)
(9)ヒズボラ(神の党、レバノン)
(10)★イスラム運動ウズベキスタン(IMU、ウズベキスタン)
(11)★ジハード団(エジプト)
(12)カハネ・ハイ(Kach、イスラエルなど)
(13)クルド労働者党(PKK、トルコなど)
(14)タミル・イーラム解放のトラ(LTTE、スリランカ)
(15)ムジャヒディン・ハルク(MKO、イラン・イラク)
(16)民族解放軍(ELN、コロンビア)
(17)パレスチナ・イスラム聖戦(PIJ、パレスチナ)
(18)パレスチナ解放戦線(PLF、パレスチナ)
(19)パレスチナ解放人民戦線(PFLP、パレスチナ)
(20)パレスチナ解放人民戦線総司令部派(PFLPGC、パレスチナ)
(21)アルカイダ(中東、アジアなど)
(22)真のIRA(英国・北アイルランド)
(23)コロンビア革命軍(FARC、コロンビア)
(24)革命中軸(旧革命人民闘争、ギリシャ)
(25)11月17日革命機構(ギリシャ)
(26)革命的人民解放党・戦線(DHKP−C、トルコ)
(27)センデロ・ルミノソ(輝く道、ペルー)
(28)コロンビア自警軍連合(AUC、コロンビア)[2001-10-06-15:01] 392
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 10/06@ビンラディン氏と6組織が関係 テロ組織リスト公表(朝日新聞)

 米国務省は5日、2年ごとに見直している海外テロ指定組織の新リストを公表した。米国が同時多発テロの首謀者と断定したオサマ・ビンラディン氏が率いるテロ組織、アルカイダやオウム真理教(アレフに改称)など前回からの継続を含む28組織。このうち、アフガニスタンのタリバーン政権が支援しているといわれるイスラム運動ウズベキスタンなど6組織がアルカイダとかかわりがあると同省はみている。
 同省がアルカイダとつながりがあると見ているのは、同運動のほか、エジプトのジハード団やフィリピンのイスラム過激派アブ・サヤフなど6組織。バウチャー報道官は5日の会見で、いずれもビンラディン氏の「傘下にあり、資金援助を受けている」と述べた。
 今回、イスラム運動ウズベキスタンと極右のコロンビア自警軍連合(AUC)など3組織が新たにリストに加えられた。
 前回リストから消えたのは、日本赤軍とペルーの日本大使館公邸人質事件を起こしたトゥパク・アマル革命運動(MRTA)など2組織。同省は日本赤軍が指定から外れたが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は「テロ支援国家」のままだとしている。[2001-10-06-14:29] 395
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 10/06@「日の丸」に送られ出発 子供を胸に涙ぐむ女性も(共同通信)

 アフガニスタン難民向けの救援物資を積んだC130輸送機が爆音とともに滑走路を次々と飛び立った。子供を胸に抱き涙ぐむ女性の姿も。航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)では六日午後、「派遣は憲法違反」と抗議行動も繰り広げられる中、派遣隊員の家族や基地に残る隊員ら千人以上が輸送機に「日の丸」の小旗や制帽を振り、任務の成功と無事を祈った。
 国連平和維持活動(PKO)協力法などに基づく同基地からの海外派遣は十回目。「大切な物資輸送の任務は高い信頼と評価を得ている何よりの証左。任務を完遂できるよう精いっぱい努力する」。派遣隊長の山地英一・小牧基地司令(51)の談話にも意気込みがにじむ。
 正午から基地格納庫で行われた編成完結式で津曲義光・航空支援集団司令官(55)は派遣隊員約百四十人を前に「今回は従来と異なり、予断を許さないが、国家の要求、国民の期待に十分こたえるよう任務遂行に全力を傾注してもらいたい」と訓示。
 赤ちゃんを抱いた女性ら派遣隊員の家族も緊張した面持ちで式を見守り、この後、隊員らは「日の丸」の小旗が振られる中、次々と輸送機に乗り込んだ。
 午後一時の出発が近づくと、基地正面ゲートは鉄の扉が閉められ、宿舎入り口にも愛知県警の機動隊員が配置されるなど厳戒態勢に。ゲート前にはデモ隊約四十人が詰めかけ、ヘルメット姿の活動家らが「出撃を許さないぞ」とシュプレヒコールを繰り返した。
 派遣隊員は今回も従来通り、家族の了解がある隊員から選抜、編成されている。出発を前に、ある隊員の妻は「(夫は)家族に心配させないように派遣のことは何も話さないが、緊張感は伝わってくる。心配です」と話した。(了)[2001-10-06-13:41] 396
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 10/06@空自機が小牧基地出発、パキスタンへ難民支援物資(朝日新聞)

 パキスタンへ逃れたアフガニスタン難民支援のため、航空自衛隊のC130輸送機6機が6日午後、小牧基地(愛知県小牧市)からイスラマバードに向けて出発した。米国の同時多発テロ事件後の支援策で、自衛隊が海外派遣されるのは初めて。政府は「目に見える貢献」を目指すが、C130は中型機のため、運べるのはテント約300張りなどにとどまる。また、米軍の報復攻撃が迫るとされる中、現地での滞在時間を2時間に限るなど、駆け足の救援活動になりそうだ。
 C130は9日に到着し、テントや毛布などの支援物資を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に引き渡す。
 C130は航続距離が短く、給油のためフィリピン、タイなど5カ所に立ち寄り、イスラマバードまでは3日かかる。空港到着後、支援物資を下ろし、ただちに中継地のインド・ニューデリーへ向かう。「米軍のアフガニスタンへの空爆開始など情勢が急変することも考慮した」(防衛庁筋)という。帰国は12日の予定。
 支援は、UNHCRが先月、日本政府に打診。米軍の報復攻撃があれば、隣国パキスタンなどに最大150万人の難民が流入するとし、生活物資の空輸を求めた。自衛隊が運ぶのはテント315張り、毛布200枚、スリーピングマット20枚、給水容器400個、ビニールシート75枚の計約36トンにとどまった。小牧基地では5日、支援物資の積み込み作業を終えたが、テントなどがかさばり、6機ともほぼ満杯になった。
 自衛隊機の活用を念頭に置いた難民支援策は先月26日、小泉首相が検討を指示。国連平和維持活動(PKO)協力法に基づくC130の派遣が決まった。隊員は自分や他の隊員の防護のため、短銃40丁を携行している。[2001-10-06-13:39] 400
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 10/06@10月6日付・よみうり寸評(読売新聞)

 アフガニスタン女性のファタナ・ガイラニさんがアムネスティ・インターナショナル日本支部などの招きで来日した二年前は、タリバンの名を知る人は少なかった◆旧ソ連軍が侵攻した二十二年前にパキスタンに脱出、二人の子供を育てながら難民キャンプで女性と子供のための教育活動などに従事してきた◆全国で講演し、タリバン統治下の女性の過酷な現状を訴えた。就学も就職も禁止され、外出時にはブルカと呼ばれるベールで頭からつま先まで隠さなければならない◆「国連などは報告書は作成しても実際の援助は何もしてくれない」「アフガニスタンを平和にするため、みなさんに何ができるか、それをぜひ考えて下さい」とも語った◆一緒に来日した夫と東京の街を歩きながら、「二十年前には首都カブールにもこんな感じの喫茶店があったんだよ」と感慨深げに話していたという◆来月もタリバンによる人権侵害を訴えてパキスタンで活動中の別のアフガニスタン女性が来日、各地で講演する。「現地情勢によって実現しない場合も」とアムネスティの話だ。[2001-10-06-12:19] 401 [このページの最初に戻る]


 10/06@アフガン人の3口座発見 タリバン関係者と同姓同名(共同通信)

 米中枢同時テロへの対応策として日本政府が資産凍結を決めたアフガニスタンのタリバン政権関係者のうち三人と同姓同名の銀行口座が都市銀行一行に開設されていたことが六日、関係者の話で分かった。
 銀行側は財務省など関係当局に報告。財務省は口座の名義人がタリバン関係者かどうか外務省と協力しながら確認作業を進めているもようだ。確認できれば資産凍結の措置が取られる。
 関係者によると、見つかったのはアフガニスタン人三人の個人名義で計三口座。国連制裁委員会の指定に基づいて外務省が告示しているタリバン関係者百六十人と五企業のリスト中にある三人と同姓同名で、いずれも日本国内でつくられていた。
 三口座の残高はごく少額で、最近は預金の出し入れはなかったという。(了)[2001-10-06-12:06] 405
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 10/06@グルジアが全面協力約束 軍事報復作戦で(共同通信)

 【ワシントン5日共同】グルジアのシェワルナゼ大統領は五日、ブッシュ米大統領とウルフォウィッツ国防副長官と相次いで会談し、米国が進める軍事報復作戦について「最大限の協力と連帯」を約束。会談後、記者団に対し、グルジアが米軍の領空通過を認め、必要であれば空港施設を提供する考えを明らかにした。
 またシェワルナゼ大統領は「米軍が大規模な(報復)攻撃を実施するとは思わない」と述べ、テロ対策を議論するため国連安全保障理事会が首脳会議を招集するよう提唱した。(了)[2001-10-06-08:58] 406
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 10/06@米報復戦争で意見交換 キューバ訪問中の橋本元首相(共同通信)

 【メキシコ市5日共同】キューバ訪問中の橋本龍太郎元首相は五日、カルロス・ラヘ国家評議会副議長やペレス外相らと会談、米中枢同時テロを受けた米国の報復戦争に対する姿勢などについて意見を交わした。
 ラヘ副議長は「米国による戦争行為は事態解決につながらない。国連を通じた平和的解決が必要だ」と従来の立場を強調。橋本元首相は「キューバの姿勢に反対でも賛成もない」とした上で「今回のテロは日本人が巻き添えになっており、許しがたい」と述べた。
 一連の会談に先立ち、元首相は、キューバの医療設備拡充への援助などを含む三件の資金協力に調印した。(了)[2001-10-06-08:56] 409
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 10/06@なりふり構わず危険地域へ 航空自衛隊輸送機のパキスタン派(共同通信)

 航空自衛隊輸送機のパキスタン派遣は、米中枢テロ事件を受けた「目に見える貢献」の第一弾だ。安全確保を前提にしてきたこれまでの自衛隊の海外派遣とは大きく異なり、一気に「危険な地域」への派遣に踏み切った背景には「ショー・ザ・フラッグ」という米側の期待にこたえようと腐心する政府の思惑が如実に表れている。
 今回の派遣は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請に基づく国連平和維持活動(PKO)協力法の「人道的な国際救援活動」で法的な問題はない。
 だが「PKO参加五原則」は「停戦合意の成立」などを条件としており、米軍の報復攻撃で派遣先が紛争に巻き込まれれば、法的根拠は根底から覆される。
 「大量の救援物資を早く」という現地からの悲痛な声を考えると、民間機に比べ航続距離が短く、積載量も少ない自衛隊機をなぜ派遣するのかとの疑問はぬぐえない。
 今回輸送される救援物資のテントは、偶然とは言えパキスタン製で「現地の非政府組織(NGO)への財政支援で十分」との指摘も出ている。
 テロ対策特別措置法案が五日に国会に提出され、自衛隊による貢献策は議論が始まったばかり。その矢先の派遣は、国会審議や国民への説明を軽視していると言わざるを得ず、なりふり構わずに自衛隊を使おうとする政府の姿勢が問われそうだ。(了)[2001-10-06-08:39] 414
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 10/06@タリバン本拠地から特使がアフガン元国王を訪問へ(朝日新聞)

 パキスタン・イスラマバードの外交筋によれば、ブッシュ米大統領の特使リチャード・ハース氏が5日、ローマでザヒル・シャー元アフガン国王と助言者であるおいのアブドル・ワリ氏と会った際、ワリ氏は「近く、タリバーンの本拠地カンダハルから特使が来ることになっている」と明らかにした。イスラマバードの情報筋は、すでにローマ入りしたカンダハル出身のパシュトゥン民族で、元有力政治家アハマド・ハミッド・カルザイ氏としている。
 カンダハルは元国王の先祖の出身地。タリバーンの本拠地カンダハルでも元国王の復帰を支持する動きが起きていることを示唆している。
 一方、北部同盟に近い筋によれば、5日、北部同盟の特使2人がひそかにイスラマバードに入り、かつては「敵対関係」にあったパキスタン政府の高官と会談を始めたという。[2001-10-06-06:45] 416
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 10/06@アフガン新政権樹立へ「協力」 英・パキスタンが合意(朝日新聞)

 英国のブレア首相が5日、パキスタンで、ムシャラフ大統領と会談、アフガニスタンのタリバーン政権に代わる政権樹立に向け、全面的に協力することで合意した。また、両国は、米国が示した同時多発テロ事件の「証拠」について検討した結果、オサマ・ビンラディン氏が最重要容疑者であるとの見方でも一致した。
 パキスタンは従来支援してきたタリバーンに見切りをつけ、新政権樹立支持への方針転換を公式に表明したことになる。タリバーンの国際的孤立は一層深まり、ザヒル・シャー元国王を軸にした新政権樹立の動きに拍車がかかるのは間違いない。
 会談後、両首脳がおこなった記者会見によると、(1)パキスタンは幅広い多民族で構成するアフガニスタンの将来の政権作りに協力する(2)米国の提出した「証拠」からビンラディン氏の関与は明らか(3)パキスタンは米国の軍事行動に情報、後方支援、領空・空港利用の協力をする(4)英国はパキスタンに対し、計9000万ドルの難民支援、経済支援を供与する−−などが合意、確認された。
 アフガンの新政権について、ブレア首相は「(タリバーンの主力を占める)パシュトゥン民族も含まれる」と指摘し、タリバーンの穏健派なども加えたい考えを示した。
 また、ブレア首相は、今後の軍事行動の詳細について言及を避けたが、「テロを輸出したり、かくまったりする者は私たちの敵とみなす」と述べ、軍事拠点などをねらい打ちする考え方を示した。[2001-10-06-03:09] 43
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 10/06@Jリーグ名古屋のストイコビッチの引退試合に4万2千人(朝日新聞)

 Jリーグ名古屋の大黒柱として活躍したストイコビッチの引退試合が6日、愛知・豊田スタジアムで開かれ、ほぼ満員の約4万2200人が最後の華麗なプレーを楽しんだ。
 ストイコビッチは前半は母国ユーゴスラビアの出身チーム、レッドスター・ベオグラード側で出場。後半には7年間在籍した名古屋側へ移り、4点目をアシストした。
 試合後は「来日した7年前は引退試合ができるなんて、思ってもいなかった。今日の試合の最初から最後まで、一生忘れない」。試合後は目を潤ませていた。[2001-10-06-20:51] 44
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 10/06@<Jリーグ>ストイコビッチの引退記念試合が行われる(毎日新聞)

 Jリーグ名古屋に7年間在籍し、今年7月で引退したドラガン・ストイコビッチ(36)の引退記念試合が6日、愛知県豊田市の豊田スタジアムで行われた。後半3分、ウェズレイのゴールをアシストするなど、華麗なプレーで4万2000人のファンを魅了した。
 ストイコビッチが86年から4年間在籍した母国ユーゴスラビアのレッドスター・ベオグラード対名古屋の親善試合で、前半はユーゴ側、後半は名古屋のFWとして出場。試合は名古屋が6―0と大勝した。
 試合後、ストイコビッチ選手は目を真っ赤にして「名古屋で素晴らしい時を過ごせた。ありがとうございました」とあいさつ。妻スネジャナさん(35)と3人の子供から花束を贈られ、最後は家族とフィールドを1周してファンに別れを告げた。 【菊谷隆】[2001-10-06-20:20] 45
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 10/06@人生のすてきな1ページ ストイコビッチ引退試合(共同通信)

 サッカーJリーグ1部(J1)名古屋で約7年間プレーし、今季第1ステージで現役生活にピリオドを打ったドラガン・ストイコビッチの引退試合、名古屋―レッドスター・ベオグラード(ユーゴスラビア)が6日、豊田スタジアムで行われ、日本で最後の雄姿を披露した。試合は名古屋が6―0で圧勝した。
 4万2185人の大観衆の中、前半はかつて在籍した母国の強豪クラブの一員として登場。ボールに触る度に、数えきれないほどのカメラのフラッシュと大歓声に包まれた。
 後半は「最後はグランパスで終わりたい」という希望から、名古屋のメンバーとしてプレー。現役時代に劣らない華麗なテクニックに「7年間、みんなが見慣れた風景だったと思う」と誇らしげだった。
 試合後のセレモニーで家族からのメッセージが大型スクリーンに映し出されると、タオルで目頭を押さえるシーンも。「この試合は一生忘れない。人生の中ですてきな1ページ。いつでも開いてみたい」と感慨深そうだった。(了)[2001-10-06-19:28] 19
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 10/07@中国、W杯初出場決める(読売新聞)

 【瀋陽(中国)7日=河村真司】日韓大会のアジア最終予選は7日、瀋陽でB組の中国―オマーン戦が行われ、中国が1―0で勝ち、初のW杯出場を決めた。アジアからの出場権獲得は、開催国の日韓両国を除くと初めて。
 中国は最終予選で5勝1引き分けという快進撃を演じ、2試合を残しての悲願達成。人口が世界最多の12億6684万人で、サッカーファンも多い中国の初出場は、W杯への世界的関心をさらに高めると見られる。
 中国はこれまで6度予選に出場したが、いずれも敗退。昨年1月、98年フランス大会でのナイジェリアなど、4大会連続で異なるチームを本大会決勝トーナメントに導いた名将ボラ・ミルチノビッチ氏(ユーゴスラビア)を監督に招へいして強化を図り、7度目の挑戦で本大会出場を決めた。[2001-10-07-23:36]
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 10/07@米山岳師団がウズベク到着 旧ソ連圏に初の米軍配備(朝日新聞)

 米陸軍の第10山岳師団(兵員1000人)が6日、アフガニスタン国境に近い中央アジア・ウズベキスタンのテルメズ空港に到着した。軍事作戦に備えたもので、本格的な地上部隊がアフガン周辺に初めて配備される。また旧ソ連圏への米軍部隊配備は初めてだ。国営ロシア・テレビや米政府系海外ラジオ放送「アメリカの声(VOA)」が7日、相次いで報じた。米国防総省は確認を避けている。
 ウズベク政府筋によると、テルメズ空港に6日午後、少なくとも3機の米軍大型輸送機が着陸した。米軍山岳師団の第1陣を輸送してきた模様だ。米国のAP通信は、南部のハナバード空軍基地でも米軍用機数機が目撃されたと伝えた。
 第10山岳師団は険しい山岳地や極寒の気象条件でも活動できる米軍唯一の軽歩兵部隊。92年のソマリア紛争では、避難民へ救援物資を届けるための輸送路を確保する任務にあたった。ハイチに94年、多国籍軍が進駐した際は首都の空港を制圧。97年と98年にはウズベク山岳地でも訓練を実施している。同国の基地に配備予定の軍用機警護などに加え、アフガン国内に潜入するとみられる特殊部隊の救出にあたるとみられる。
 ウズベクのカリモフ大統領は5日のラムズフェルド米国防長官との会談で、タリバーンと直接対決する事態を警戒し、自国領からの地上作戦を認めなかった。ウズベク国営テレビは7日、米軍部隊の到着を報道したが、米部隊の任務を「人道物資の輸送や軍事空港の整備のため」と伝えるにとどめた。[2001-10-07-23:03] 304
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 10/07@<パキスタン>原理主義勢力が脅威となる可能性も 党首自宅(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】パキスタン政府が7日、最強硬派のイスラム原理主義指導者、ファズド・ラフマン党首を自宅軟禁にしたことで、政府にとって原理主義勢力は、これまでの゛持ちつ持たれつ゛の関係からムシャラフ政権そのものを揺るがしかねない゛脅威゛に変質する可能性が出てきた。
 同党首はアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバン創設に深く関与し、タリバン政権から「VIP(最重要人物)」扱いされてきた人物。今回、パキスタン政府が米国のアフガン攻撃に「全面協力」を表明したことで、全国で大規模な反米抗議行動を展開してきた。
 しかし、軍事筋によると、政府はラフマン党首に対し、パンジャブ州での運動を禁じただけで、最も肝心な北西辺境州やバルチスタン州での行動は規制しなかった。両州にはタリバン政権主体のパシュトゥン人と同じ民族が広く居住し、タリバン支持勢力が強い地域でもある。
 これは、政府が事実上、ラフマン党首の反米抗議行動を容認していた証拠でもある。米国がパキスタンをアフガン攻撃の前線基地にするのを阻止するため、原理主義勢力の゛脅威゛を示そうとしたものだった。
 しかし、政府は今回、同党首を軟禁。反政府運動への転換を思いとどまるよう説得を続けるとみられるが、政府の対応に反発する大規模な抗議行動も予想され、原理主義勢力の゛脅威゛がそのまま政府に跳ね返ってくる可能性が高まっている。[2001-10-07-22:40] 42
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 10/07@<社説>テロと難民 人道支援で「旗」を立てよう(毎日新聞)

 同時多発テロに対する米国の軍事作戦が間近に予想される中で、大量のアフガニスタン難民の問題が国際社会の頭上に重苦しくのしかかっている。
 先月末、アナン国連事務総長は「今後半年間で250万人の難民や国内避難民が出る恐れがあり、緊急支援に5億8400万ドル(約700億円)が必要だ」とアピールした。同国では20年越しの戦乱に最近の干ばつも加わって、すでに500万の難民がパキスタン、イランなどに流出し、悲惨な暮らしを強いられている。
 新たな流出となれば、難民は750万人にも達し、全人口約2500万人の3人に1人が難民化しかねない。これよりひどい事態は70年代のバングラデシュ難民(1000万人)しかなかった。
 ここまで事態を悪化させた原因の多くはソ連軍侵攻(79年)と、その後の国内抗争にある。だがより広い視野に立てば、国際社会がこの地域の問題から目をそらし、アフガニスタンを「見捨てられた国家」にしてしまっていた責任も強く問われなければならない。
 冷戦後、この地域に永続的和平と安定した復興をめざす努力は乏しかった。旧ユーゴ、東ティモール、アフリカなど各地で地域紛争が起きて世界の関心が拡散したのは事実だが、それ以外に米露両国などがアフガン紛争に抱く苦い記憶もあったはずだ。
 そうした国際社会の「触れたくない思い」が、結果的にウサマ・ビンラディン氏とその組織をタリバンがかくまう経過を許してしまったと言ってもいい。
 テロ組織と支援者を処罰するのは当然だ。それでも、その過程で罪のない市民や難民に危害が及ぶ事態は絶対に避けるべきだ。さらには同国民に安定した生活基盤をもたらす国際的努力こそ、テロの温床の根絶にもつながる。
 国連主導で難民支援を図る「アフガン支援国グループ」(日欧米露15カ国)は5日からジュネーブで支援会合を開いた。これまで別行動をとっていたイラン、パキスタンも初参加した。「軍事作戦以後」も視野に入れると、同グループはアフガン復興や民主的で安定した政権基盤づくりを話し合う重要な場となる可能性が高い。
 日本は難民・人道支援に1億2000万ドル(145億円)の拠出を決め、米国も3億2000万ドルの緊急援助を発表した。これを率直に評価したい。同時に、アフガン復興は軍事作戦よりも息の長い作業になる。単にカネをつぎ込むだけでなく、人道、救難、医療、経済・社会秩序の整備など多岐にわたるからだ。
 難民・人道支援は、武力行使をしない日本が積極果敢に取り組める分野だ。イランやパキスタンと対話外交を通じて米欧との意思疎通にも協力していきたい。国内ではムダが指摘される対外援助や政府開発援助(ODA)戦略の立て直しも必要になるだろう。
 テロと難民問題の解決には国際社会の多角的参加と地道な支援が必要だ。米軍後方支援だけが「日本の旗を立てる」道ではない。[2001-10-07-01:05] 311
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 10/07@タリバーン後にらみムジャヒディンらが統一団体を結成(朝日新聞)

 80年代に旧ソ連軍と戦い、今もアフガニスタン社会に強い影響力を持つ「ムジャヒディン(イスラム聖戦士)」の複数の亡命組織がペシャワルで7日、タリバーン後の新政権樹立に備える政治運動体「アフガニスタン和平国家統一連合」(APNUF)を発足させた。
 この日の会合には16団体が参加。有力ムジャヒディン組織「アフガニスタン・イスラム民族戦線」のゲラニ党首が議長に選ばれた。
 「統一連合」は、タリバーンと同様、パシュトゥン人中心で、ローマに亡命中のザヒル・シャー元国王を新政権の国家元首と位置づけた上で、多民族からなる連立政権をめざす。タジク人などが多い「北部同盟」と元国王が設置で合意した「最高評議会」の動きとも連携しつつ、全アフガン人勢力が参加する形の「国民大会議」開催にこぎつけたい考えだ。
 近くローマを訪れるゲラニ議長は会合後、「平和的な政権移行がベストだ。元国王と密接に連携しつつ、異なった勢力をまとめる枠組みを作りたい」と語った。[2001-10-07-20:31] 312
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 10/07@<ビンラディン氏>アフガン出国に向け秘密交渉か 98年当(毎日新聞)

 【イスラマバード小松健一】パキスタン政府が98年8月の東アフリカの米大使館同時爆破テロ直後、首謀者とされたウサマ・ビンラディン氏をアフガニスタンから出国させるため、秘密交渉をタリバン政権との間で行っていたことが分かった。7日付のパキスタン英字紙「ニューズ」が、当時外相だったアジズ氏の証言として報じた。
 報道によると、アジズ前外相は当時、パキスタンを訪問していたタリバン政権のハッサン外相に「国際社会がタリバン政権を認知するきっかけになる」と、ビンラディン氏に第三国への出国を説得する必要があると指摘。そのうえでアジズ前外相はパキスタン政府がビンラディン氏を乗せるチャーター機を用意し、「あらゆる支援」を約束した。
 アジズ前外相はその後、タリバン政権の最高指導者、オマル師とも数回電話で協議。オマル師はパキスタン側の提案を検討すると述べたが、最終的に断ったという。
 アジズ前外相の証言はパキスタン政府が98年当時から、タリバン政権とビンラディン氏の関係を断ち切ることを模索していたことを示す。前外相は取材に対し「当時、オマル師が(ビンラディン氏の国外退去を)決断していれば、今のアフガン危機は起きなかった」と話した。[2001-10-07-19:55] 314
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 10/07@<アフガン集会>一時帰国したUNHCRの千田さん、支援訴(毎日新聞)

 米国同時多発テロ事件直後までアフガニスタンで難民の支援にあたり、このほど一時帰国した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員の千田(ちだ)悦子さん(38)が7日夜、東京で開かれた市民グループの集会に出席。事件前後の現地の様子を交え「アフガンの人の大半は事件に関係のない貧しい人々。攻撃が始まれば、これまで以上に援助が必要になる」と日本からの支援を訴えた。
 千田さんは昨年3月から、タリバンの本拠地カンダハルで帰還民保護を担当。テロ事件の2日後の先月13日、報復攻撃を避けるためパキスタンのイスラマバードに避難。今月6日に帰国した。
 集会は「アジア女性資料センター」が主催し、約40人が参加。千田さんは「事件4日後には町を離れる人が増え、カンダハルの人口が半分になったと聞いた」と説明。「事件前までアフガンでは3〜5割の人が食糧援助に頼っていた。パキスタン側は国境を封鎖しており、このまま戦闘になれば新たに大量の国内避難民が生まれ、状況は悪化する」と訴えた。
 「カンダハルを離れる時、子どもたちから、『チダはいつ帰って来るの?』と聞かれた。(隣国から)帰還したばかりの、内戦で荒れた国土と難民キャンプしか知らない子どもたちだ」と話し「タリバンがアフガン人のすべてではないし、ビンラディン氏に直結しているわけでもない。報復攻撃の報道を聞き、現地の人たちは恐怖の中で暮らしている」と、現地の人々を思いやった。
 アフガンでは、79年のソ連軍(当時)侵攻とその後の内戦で、600万人が難民となり、パキスタンやイランに逃れた。深刻な干ばつによる食糧危機もあり、国際機関や非政府組織(NGO)が帰還民の保護、支援活動を続けていた。
 テロ事件後は、こうした機関の職員が国外に避難。大規模な軍事行動が始まれば、新たに大量の難民が発生する事態も予想され、緊迫した状況が続いている。 【香取泰行】[2001-10-07-19:40] 321
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 10/07@首謀者はアテフ軍事担当副官 米英政府が特定と米紙(共同通信)

 【ワシントン7日共同】七日付の米紙ワシントン・ポストは、米英の情報当局が米中枢同時テロの計画を策定した首謀者は、ウサマ・ビンラディン氏の軍事担当副官であるモハメド・アテフ氏と特定したと報じた。
 同紙はまた、一九九三年に起きた世界貿易センタービル爆破テロと今回のテロが動機面で深いつながりがあるとの見方を伝えた。
 同紙によると、複数の米情報筋は、ブレア英首相が四日に同時テロの首謀者を「ビンラディンに最も近い部下の一人」と表現したことについて、この人物はアテフ氏であることを確認した。
 アテフ氏はビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」で、アイマン・ザワヒリ氏と並ぶ、二人の副官の一人。アテフ副官は元エジプト警察官で、イスラム過激組織に参加。八○年代にアフガニスタンで対ソ連戦に加わった後、ビンラディン氏のアルカイダ創設を助けた。
 九六年に軍事作戦担当の副官に任命され、九八年にアフリカで起きた米大使館同時爆破事件で本人不在のまま、ニューヨーク連邦地裁大陪審により起訴されている。アテフ氏は化学兵器の専門家ともされ、娘はビンラディン氏の息子の一人と結婚している。
 一方、同紙によると、ビンラディン氏は、九三年の爆破テロで逮捕され、現在別件の終身刑で服役中のイスラム過激派の精神的指導者アブデルラーマン師を「米国の人質」と呼び、米国への報復を再三呼び掛けていた。
 同師をめぐるビンラディン氏の「米国への怒り」が、同じ貿易センタービルを標的とした今回の同時テロにつながったとの見方を同紙は伝えた。(了)[2001-10-07-16:55] 322
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 10/07@実行犯とビンラディン氏側の資金の流れ確認 米紙(共同通信)

 【ワシントン7日共同】七日付の米ワシントン・ポスト紙は、米政府高官の話として、中枢同時テロの実行犯グループと、ウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」との間に資金の流れがあったことが確認されたと伝えた。政府当局者は、ビンラディン氏の計画への関与を示す重要な証拠とみているという。
 ポスト紙によると、テロに関連した金の動きは昨年、アラブ首長国連邦などから米国に十万ドルが送金されたのが最初。送金者はビンラディン氏の側近の一人で財政担当のムスタファ・アーマド容疑者とみられる。その後も少額に分けて送金が続き、海外から実行犯の口座への送金総額は少なくとも五十万ドルに上った。
 また犯行の数日前には実行犯の一人モハメド・アッタ容疑者らから数千ドルがアーマド容疑者側に送金された。中には国際宅配便で現金がドバイに送られたケースもあり、連邦捜査局(FBI)は宅配便を取りに来た男を記録したビデオテープを入手しているという。(了)[2001-10-07-15:56] 327
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 10/07@ウズベク国境に兵力移動 タリバン、越境し報復も(共同通信)

 【イスラマバード7日共同】米CNNテレビは六日、タリバン政権当局者の話として、タリバンが兵力約一万人をウズベキスタンとの国境方面に移動させ始めたと報じた。
 タリバン政権のラジオも六日、軍司令官らがこの日開いた作戦会議で、「何者か」がウズベキスタンからアフガニスタンを攻撃した場合、ウズベキスタンに侵攻して報復攻撃を行うことや領土防衛のためにウズベキスタンとの国境に兵士一万人を配置することを決定したと報じていた。
 作戦会議は、ウズベキスタン国境に近いヘイラトンで開かれた。
 タリバン支配地域にいるCNNテレビの通信員は、兵力移動の目的について、米軍との戦闘よりも、ウズベク国境方面でタリバン軍の存在を示すのが狙いと分析している。(了)[2001-10-07-12:46] 335
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 10/07@ヨルダン国王へテロ未遂 イタリア紙(共同通信)

 【ローマ7日共同】六日付のイタリア紙コリエレ・デラ・セラによると、ヨルダンのアブドラ国王一家が昨年夏に地中海を大型ヨットで航海中に、一家を狙った爆弾テロの情報が発覚、航海を中断し、政府の特別機で急きょ帰国していたことがわかった。
 AP通信は、ヨルダン当局者の話として、テロ計画にはウサマ・ビンラディン氏の組織が関係していたと伝えている。
 アブドラ国王は当時妊娠中だったラニア王妃と二人の子供と一緒だった。テロは、爆弾を積んだモーターボートがヨットに体当たりする計画とされ、昨年十月にイエメンのアデン沖で起きた米駆逐艦爆破テロと同じ方法だった。(了)[2001-10-07-10:15] 337
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 10/07@◎英情報機関が大増員=少数民族出身者も要員に(時事通信)

 【ロンドン6日時事】7日付の英日曜紙オブザーバーが英情報筋の話として報じたところによると、対外情報部(MI6)は米同時テロ発生以来、情報要員の大拡充を図っており、特にイスラム教徒など少数民族出身者の新規採用を始めた。MI6が少数民族出身者を情報要員に雇用するのは初めてという。
 同紙によると、ブレア首相はMI6強化のため、新たに1500万ポンド(約27億3000万円)の追加予算を与え、テロの脅威に対抗する能力の向上を指示した。引退を迎える要員への雇用延長も提示しており、こうした大規模な増員は第2次世界大戦以来という。 [時事通信社][2001-10-07-09:41] 349
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 10/07@<テロ対策支援法案>支援メニュー 米の要請想定し拡大(毎日新聞)

 自衛隊の支援活動は、小泉純一郎首相が表明していた「輸送・補給、医療」から大幅に拡大した。「米国の要請に応えられるよう選択肢はできる限り多くした」(防衛庁)ためだ。日本周辺有事を想定した周辺事態法の活動内容をほぼ踏襲しただけでなく、「難民支援は現行の国連平和維持活動(PKO)協力法では不十分」との与党の意向を踏まえ、「被災民救援活動」を盛り込んだ。
 米軍などへの支援の中心となる「協力支援活動」は、水や油、燃料、食事などの「補給(提供)」と、米兵らや物資の「輸送」だ。ただし、「戦闘作戦行動のために発進準備中の戦闘機への給油・整備」は、戦闘行為に直接つながるとして除外された。武器・弾薬も、周辺事態法にならって、輸送は認め、補給はできないことになった。野党は「武器・弾薬は輸送も武力行使と一体だ」と反対し、公明党内にも慎重論があるが、政府は「輸送行為自体は武力行使に該当しない」(中谷元防衛庁長官)と主張している。
 このほか、(1)戦闘機や艦船の修理・整備(2)傷病兵治療(3)通信設備・機器の提供(4)米軍などが国内の空港や港を使う際の荷降ろし作業などへの支援業務(5)基地での廃棄物処理・電力供給――が盛り込まれた。想定される活動地域はパキスタンなどだが、軍事作戦の長期化に備え、国内の病院での傷病兵引き受けや、米軍による在日米軍基地以外の空港・港の使用を可能とする枠組みを整えた。
 さらに「捜索救助活動」として、遭難米兵らの捜索・救助、輸送を行う。周辺事態法で想定されていたのは艦船による公海上での活動だけだった。新法では他国の領土での捜索・救助も可能になるが、現実的にどこまで対応するのか、国会論戦の焦点の一つになる。「被災民救援活動」では、PKO協力法の国際平和協力業務のうち、「食糧・衣料・医薬品など生活関連物資の輸送」、「医療その他の人道的精神に基づく活動」を盛り込んだ。 【上野央絵】[2001-10-07-00:10] 19
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 10/07@中国、W杯初出場決める(読売新聞)

 【瀋陽(中国)7日=河村真司】日韓大会のアジア最終予選は7日、瀋陽でB組の中国―オマーン戦が行われ、中国が1―0で勝ち、初のW杯出場を決めた。アジアからの出場権獲得は、開催国の日韓両国を除くと初めて。
 中国は最終予選で5勝1引き分けという快進撃を演じ、2試合を残しての悲願達成。人口が世界最多の12億6684万人で、サッカーファンも多い中国の初出場は、W杯への世界的関心をさらに高めると見られる。
 中国はこれまで6度予選に出場したが、いずれも敗退。昨年1月、98年フランス大会でのナイジェリアなど、4大会連続で異なるチームを本大会決勝トーナメントに導いた名将ボラ・ミルチノビッチ氏(ユーゴスラビア)を監督に招へいして強化を図り、7度目の挑戦で本大会出場を決めた。[2001-10-07-23:36] 20
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 10/07@イタリアなど欧州6か国がW杯予選突破(読売新聞)

 【マンチェスター(英)6日=助川武弘】サッカーの2002年日韓ワールドカップ(W杯)の欧州予選グループリーグ最終節が6日、各地で行われ、出場権を獲得出来る各組1位にロシア、ポルトガル、デンマーク、クロアチア、イタリア、イングランドの6チームが決まった。スウェーデン、ポーランド、スペインは既に1位を決めており、1位突破9チームが出そろった。ドイツ、チェコなどは来月のプレーオフに回ることになり、前回大会出場のユーゴスラビア、スコットランド、ブルガリアは予選敗退が決まった。イングランドは、終了間際に主将のベッカムが鮮やかな同点FKを決め、ギリシャと2―2の引き分けで2大会連続11度目の出場権を勝ち取った。イタリアもデルピエロのFKによって1―0でハンガリーを下し、11大会連続15度目の本大会行きを決めた。
 ◆ベッカム、母国救った“黄金の右足”◆
 観客の声援が独特の反響をするオールド・トラッフォード競技場が、すさまじいうなりを上げた。このスタジアムを本拠地とするマンチェスター・ユナイテッドのスター、ベッカムの一撃は、6万人の落胆の沈黙を一瞬にして歓喜の爆発に変えた。
 同勝ち点のドイツが引き分けで前半を折り返したことは伝わっていた。1点を追うまま、後半ロスタイムも2分以上経過した絶望的な状況で得たFKは、ゴール正面ながら約25メートルの距離があった。
 右足から放たれたボールは、相手選手の壁を越えてカーブを描き、ゴール左上へ。最後のチャンスで、W杯への出場権をもぎ取った美しいシュートは、その技術の高さ以上に、主将としての責任感、精神的な強さ、そしてスーパースターとしての存在感を強烈に印象づけた。
 同じように長距離のFKを決めて世界に衝撃を与えた3年前のフランス大会は、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦で相手選手の挑発に乗って報復。この行為で退場処分を受け、精神的な弱さをさらけ出して大会から姿を消す苦い経験となっていた。
 26歳の今、その未熟さはもう見られない。後半、1位突破を目指し必死でピッチ全体を走り回った姿からは、20代前半の若いイレブンを引っ張る「サッカーの母国」の主将としての風格を感じさせた。ベッカムは「前回の借り」を返すべく、W杯の舞台に戻って来る。(助川 武弘)[2001-10-07-23:28] 21
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 10/07@<サッカー>W杯アジア予選 中国が初出場決める(毎日新聞)

 【瀋陽(中国)徳丸威一郎】アジア最終予選B組は7日、当地で中国とオマーンが対戦。中国が前半35分、左クロスから于根偉が挙げた1点を守り、1―0で勝ち、初出場を決めた。中国は5勝1分けで勝ち点を16に伸ばし、2試合を残してB組1位が確定した。7度目のW杯挑戦となる今回、中国は1次予選を6連勝で突破。最終予選も引き分けをはさんで無敗の5連勝をマークした。ユーゴスラビア人のミルチノビッチ監督はこれまで米国やコスタリカなど4カ国を率いてW杯に出場しており、今回で5カ国目。過去4回はいずれも本大会で決勝トーナメント進出を果たしている。アジアA組はサウジアラビアとイランが首位争いを演じている。
 粗削りで体力任せのサッカーからの脱皮。3人目の外国人監督、ユーゴスラビア出身のミルチノビッチ監督によって長年の弱点を補った中国が、初のW杯切符をつかんだ。「眠れる竜」が、夜明けを迎えた。
 謝暉、楊晨の2トップが90分間を通じて圧力をかけ続け、MF馬明宇がコントロールする中盤は巧みにパスコースを読んではカットする。不安のあった最終ラインも一戦ごとに安定感を増し、最終予選では過去4試合での失点が引き分けたカタール戦のみ。この日は謝暉が欠場したものの、前半からも積極的に攻め、前半35分に于根偉が決勝点となるゴールを決めた。
 前日の練習後、ミルチノビッチ監督はこう語っていた。「ホームだからアウエーよりは有利だ。しかし、必ず勝てるということはない。サッカーにはさまざまな要素がある」。雨で重くなったピッチ。5万人を超える熱狂的なサポーター。だが、目の前のボールに集中することで、モダンな4・4・2システムは健在だった。
 異なる4カ国を率いてW杯に4大会連続出場したミルチノビッチ監督が中国に招かれたのは昨年1月。豊富な実戦経験に裏打ちされた指導で戦術に磨きをかけ、2年足らずで質的転換を果たした。
 5大会連続出場を遂げた老練な指揮官が率いる新生中国。アジア王者・日本にとっても侮れない相手になった。 【徳丸威一郎】
 車の窓から上半身を乗り出して五星紅旗を降る市民。長い車列からクラクションとラッパの大合唱が鳴り響き、北京のメーンストリート長安街は無秩序状態に。中国がサッカー02年ワールドカップ(W杯)初出場を決めた7日、首都北京はお祭り騒ぎの夜になった。
 午後9時20分(日本時間同十時二十分)すぎ、北京駅前に設けられた特大スクリーンが勝利のホイッスルを伝えると、花火が打ち上げられ、集まった1万人が「中国万歳」の大合唱。級友と抱き合って涙する高校3年生の董偉さん(19)のほっぺたには赤く「中国」の文字。「言葉では言い表せない」
 国慶節休みが重なり約5万人でにぎわう天安門広場でも五星紅旗が振られ祝勝の人だかりが。「われわれは勝った」の叫び声が夜空にこだまし、全身で喜びを表す市民の姿が見えた。
 自宅でテレビ中継を見ていた市民も町中に繰り出し、長安街は五星紅旗を掲げる車の列。騒然とした光景を見ていた警察官も「今日は特別な日だから」と黙認。会社員の劉效祖さん(48)は「劣等感をついに打ち破った。中国人の不屈の精神を象徴する日だ」と力を込めて語った。(共同)
 中国・ミルチノビッチ監督 まず拍手をしよう。そのうちの何割かは自分にも拍手をしたい。02年の出場権を得られ、とてもうれしい。サポーターに感謝している。(中国は)とうとう世界のサッカーの舞台に上がれた。[2001-10-07-23:10] 28
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 10/07@クロアチア、苦しみながらW杯切符 W杯予選(共同通信)

…初出場の前回フランス大会3位のクロアチアが、苦しんだ末に2大会連続のW杯切符を手にした。
 この日を前に、首位ベルギーとの勝ち点差は2。直接対決に勝たなければ6組1位はなかった。後半31分のボクシッチの貴重なゴールでの辛勝に、ヨジッチ監督は「言葉にできないくらい幸せだ。最後の5分間は人生で経験したことがないくらい長かった」と話した。(ロイター=共同)(了)[2001-10-07-15:44] 29
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 10/07@前回出場組に相次ぐ涙 W杯予選(共同通信)

 3組のブルガリアはプレーオフ出場をかけたチェコとの直接対決に0―6で完敗し、3大会連続出場の望みが絶たれた。
 ムラデノフ監督は「(0―2の場面で)3人目のFWを投入したのが間違いだった。予選の中で最悪の試合だった」と、自身のさい配のまずさを悔やんだ。
 前回出場国では1組のユーゴスラビア、6組のスコットランドもプレーオフ進出の可能性を残していたが、ともに3位で姿を消した。(共同)(了)[2001-10-07-14:02] 38
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 10/07@◎ドイツはウクライナと=サッカーW杯予選プレーオフ(時事通信)

 【パリ6日時事】サッカーの2002年ワールドカップ欧州予選は6日、7組のプレーオフ進出国を除いて各組の1、2位がいずれも確定した。連続出場を狙ったノルウェーとスコットランド、ユーゴスラビアやブルガリアなどが敗退。本大会出場権を懸けて11月にホームアンドアウエー方式で行われるプレーオフの対戦カードは次の通りとなった。
 スロベニア(1組2位)−ルーマニア(8組2位)、チェコ(3組2位)−ベルギー(6組2位)、トルコ(4組2位)−オーストリアかイスラエル(7組2位)、ウクライナ(5組2位)−ドイツ(9組2位)、アイルランド(2組2位)−アジア3位。 (了)[時事通信社][2001-10-07-09:08] 329
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 10/07@歴史的一戦無効に 初の仏・アルジェリア戦 青年ら17人逮(共同通信)

 【パリ6日共同】アルジェリア独立戦争(1954年―62年)でアルジェリアがフランスから独立して以来、初の両国サッカー親善試合がパリ郊外で6日夜、行われた。しかし後半31分、アルジェリア国旗を持った青年数十人がグラウンドに乱入し、「歴史的な一戦」はフランスが4―1でリードしたまま、打ち切りとなった。警察は青年ら17人を逮捕した。
 アルジェリアでは99年に文民政権が成立。シラク大統領は先月、フランス元首として初めて、戦争末期に起きた虐殺の責任を認めるなど和解ムードが進展し、試合前には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長が選手に「スポーツによる平和貢献」の記念メダルを贈呈した。
 米中枢同時テロ後、イスラム原理主義組織のアルジェリア人活動家らが相次いでフランスで逮捕され、警官隊数千人が警備する物々しい雰囲気の中、体調不良で出場が危ぶまれたスター選手のアルジェリア系フランス人、ジダンが前半に出場し両国約8万人の観客を熱狂させていた。
 試合後、フランスのルメール監督は「両国の声援を受け、われわれは76分間、幸せだった。しかし国家の和解に魔法のつえは存在しなかった」と述べた。(了)[2001-10-07-11:53]
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 10/08@<アフガン攻撃>各地で平和団体が米国に抗議行動(毎日新聞)

 米英のアフガン攻撃をめぐり、国内の市民団体や平和団体が8日、抗議集会などを行った。音楽で平和を訴えるイベントや高校生による平和行進のほか、インターネットを通じて呼応する動きもあり、抗議行動は全国に広がった。
 緊急集会「平和のビートで世界を変えよう!緊急!ライブ&トーク」は、東京・上野公園で開かれた。歌手の喜納昌吉さんら約40組のアーティストらが約1000人を前に、ロックや舞踏、民謡などそれぞれのジャンルで約6時間にわたって平和を訴えた。
 喜納さんは「テロは絶対に許されない。報復の感情も分かるが、日本だからこそブレーキ役を果たさなければ」と語り、名曲「すべての人の心に花を」を歌い、「今こそ平和運動が試されている。立ち上がろう」と呼びかけた。ユウ・ヒョグ実行委代表は「戦争が始まって当たり前という状況にストップをかけなければ。世界を巻き込んだ大きなネットワークにしたい」と話していた。
 また、東京・渋谷では都内の高校に通う高校生らが平和行進をした。「テロは許せないが、武力報復は新たな犠牲と恨みを生む」と9月27日に有志が実行委員会を発足させた。この日は約150人が「武力攻撃反対」「日本の参戦反対」などとシュプレヒコールを繰り返し、若者の街・渋谷をデモ行進。通行する若者らに軍事行使の是非を問うアンケートを行い、日米トップにあてるメッセージも募集した。
 市民団体によるネットワーク「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」は8日未明、日本消費者連盟などインターネットのホームページ「反戦・平和アクション」を開設した。この日午前中だけで東京都田無市や静岡市、大阪府和泉市などの市民団体が賛同。それぞれの地域で平和行進や緊急アピールが行われた。
 神奈川県相模原市の在日米軍・相模原総合補給廠(しょう)では、周辺住民が「攻撃反対」を訴えた。
 原爆投下で多くの市民が犠牲になった広島では、平和団体でつくる「“報復”戦争と日本の参戦を許さない! 広島実行委員会」準備会メンバーら約15人が、広島市中区の原爆ドーム前で座り込みをし、「報復戦争は、国際法でも国連憲章でも認められていない」と米英を強く非難した。父親が広島で被爆したという被爆2世の県立高校教諭、岸本伸三さん(50)は「56年前と同じような新たな戦争被害者が生まれないよう、ヒロシマから訴え続けていく」と話した。
 松山市の松山市駅前では、市民団体「テロにNO!米国の報復戦争にNO!日本の戦争協力にNO!平和的解決を!」えひめのメンバー10人が、プラカードを掲げて座り込み。通行人に「報復は報復を呼ぶ」などと書かれたビラを配り、報復攻撃の即時中止を訴えた。
 富山市では、学生や元教員らでつくる市民団体「平和をつくる富山県連絡会」がJR富山駅前で、小泉純一郎首相に抗議する反戦署名活動をした。メンバー約20人が「膨大な死者を出す報復戦争は直ちに中止すべきだ」と訴えた。
 大阪では、市民団体「平和と生活をむすぶ会」が大阪市北区で、報復攻撃への抗議集会を開き、約120人が参加。「人道的戦争なんてありえない」「テロにも報復戦争にも反対する」などと書いたプラカードを掲げ、市内を行進した。参加した東大阪市の女性(53)は「罪のない人を犠牲にする行為を許してはいけない」と話した。
 大阪府和泉市でも、女性市議らの呼びかけで集まった市民約90人が市内をデモ行進。参加者は「テロも戦争もいや!」と書いた横断幕などを掲げて平和の大切さを訴えた。集会では「平和を願う世界の市民を巻き込んでほしくない」としたアピールを採択し、小泉純一郎首相やブッシュ米大統領あてに送ることを決めた。[2001-10-08-19:20] 10
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 10/08@◎英が戦時内閣を設置(時事通信)

 【ロンドン8日時事】英首相官邸スポークスマンは8日、ブレア首相が戦時内閣を設置、9日に初閣議を開くことを明らかにした。
 戦時内閣は、ブレア首相を中心にプレスコット副首相、ストロー外相、フーン国防相、ブラウン財務相、ブランケット内相、ショート国際開発相のほか、クック下院院内総務、ボイス統合参謀本部議長らで構成、定期的に閣議を開くという。1999年のユーゴスラビア空爆時にも、戦時内閣が設置された。 [時事通信社][2001-10-08-21:50] 12
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 10/08@ゴールへの道筋描けず 米が抱える2つの難題(共同通信)

 【ワシントン8日共同=杉田弘毅】アフガニスタンに対する報復軍事行動は、最近の米軍の常とう手段とも言える巡航ミサイルに頼る空爆で始まった。ブッシュ米大統領は、ウサマ・ビンラディン氏とそのテロ組織アルカイダの「せん滅」、タリバン政権に代わる安定政権樹立という二つの困難な課題に挑むことになるが、ゴールへの道筋は明確に描ききれていない。
 「テロを撲滅する特効薬なんかない」(ラムズフェルド国防長官)「これは戦闘行動の初期段階」(マイヤーズ統合参謀本部議長)。二人の米国防幹部は七日、今後の作戦の困難さ、長期化を強調。初期攻撃にはビンラディン氏は標的に含まれていないとも述べ、取りあえず比較的容易な軍事施設への空爆に踏み切った苦渋もにじませた。
 テロ発生以来、米政権の戦略は揺れた。ビンラディン氏とアルカイダのせん滅が第一目標であるものの、同氏の正確な居所を特定できない中、タリバン政権の弱体化という第二目標が加わった。攻撃で大量発生が予想される難民の支援という難題も抱えた。このため@同氏を標的にする特殊部隊の活動Aタリバンに対する空爆B難民支援の食料投下―の三正面作戦に落ち着いた。
 ブッシュ大統領は「空爆で同氏をいぶり出す」と説明したが、長期の空爆による民間人の犠牲者が増加すれば、イスラム諸国を含めこれまで大枠で維持されてきた対テロでの国際的な団結に亀裂が入ることも予想される。
 また、タリバン政権を打倒したとしても、安定した新政権の樹立には内戦を繰り広げてきた各派の和解が必要。だが、内向きの米政権が新政権にどこまでテコ入れするのか不透明だ。このため「タリバン後」も再び内戦に突入し、反米テロの温床となり続ける可能性がある。
 一方、米国民の期待に後押しされてブッシュ政権が踏み切った軍事行動だが、予想通りの巡航ミサイル攻撃であることや報復テロの不安からか、米国が沸いているとは言えない。
 湾岸戦争での「クウェート解放」、ユーゴスラビア空爆での「コソボ解放」といった明確なゴールのない今回の戦いでは、この日の空爆が「勝利」に向けた道の何合目にあるのかも不明だ。(了)[2001-10-08-15:33] 16
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 10/08@<アフガン攻撃>「影の組織」相手 超大国に試練 戦果は不(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】米軍が7日、アフガニスタンへの空爆に踏み切ったことで、同国を具体的標的としたブッシュ政権の「テロとの戦争」が、火ぶたを切った。近代的装備を誇る米軍とタリバン政権の力の差は歴然としている。だが、テロ組織という「影の中で動く連中」(ラムズフェルド米国防長官)を相手にした戦争に、超大国は果たして勝てるのか不透明だ。
 今回の戦争の相手は国家ではない。陸海空の戦闘で首都を占領した方が勝ち、という伝統的な戦争ではない。降伏文書の調印もない。本当の敵は、タリバン政権の陰にうごめく「テロ組織」だ。
 9月11日の同時多発テロで、米国は国際テロの黒幕とされるウサマ・ビンラディン氏を最重要容疑者と断定、タリバン政権に対し、ビンラディン氏と同氏の組織「アルカイダ」の主要メンバー引き渡しを求めた。国内の「テロ組織」の訓練施設を破壊し、それを米当局に確認させよ、という要求も突き付けた。
 ブッシュ大統領は「テロリストをかくまう者は同じ運命をたどる」というブッシュ・ドクトリンを発表、米側の要求をのまなかった点で、タリバン政権はビンラディン氏と「同罪」になった。アーミテージ米国務副長官は「ビンラディンはタリバンという海の中で泳ぐサメだ」と語っている。
 だが、副長官の言葉自体が示すように、大海の中で1匹のサメを探すのは容易ではない。ウォーカー前国務次官補は毎日新聞に対し「時間をかければ(同氏の)発見・拘束は可能だ」としながら「潜伏する特定個人を見つける難しさは、過去の歴史が証明している」とも語っている。
 アフガンでの空爆は湾岸戦争(91年)やユーゴスラビア空爆(99年)以上に難しいとみられ、米軍が誇る航空戦力がどこまで生かされるか、疑問視する見方もある。
 しかもアラブ・イスラム世界は、同時多発テロで多数の犠牲者を出した米国に同情しながら、軍事報復には批判的な見方が強い。アフガン軍事作戦は長期戦になることが予想され、米英がイスラム世界の反発を押して軍事作戦を遂行できるか不透明な情勢だ。
 かといって、ビンラディン氏とそのグループを拘束できないまま軍事作戦を終えれば、米国民が納得しない。国民に目に見える戦果を示す必要があるブッシュ政権は、極めて難しい対応を迫られそうだ。[2001-10-08-03:20] 205
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 10/08@パキスタン・クエッタで1万人デモ(読売新聞)

 【クエッタ(パキスタン西部)8日=新居益】パキスタン・バルチスタン州都クエッタでの8日の反米デモは終日続き、参加者は1万人以上に膨れ上がった。市内の銀行や酒類販売店、米国映画館、国連児童基金(ユニセフ)事務所など6か所が放火され、警察署が襲撃された。当初は催涙弾を使ってデモ隊を鎮圧していた警察部隊は実弾を使用、市内の病院によると1人が死亡、25人が負傷した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のオフィスは投石を受け、ユニセフとUNHCRの職員計10人は市内唯一の大型ホテルに避難した。140人余りの外国報道陣と国連職員が宿泊する同ホテルもデモ隊の標的になり、敷地内に石が投げ込まれ、数十人の警察部隊がホテル正門前で催涙ガスを発射して応戦した。
 警察当局は安全上の理由から外国人の外出を禁止した。市内各地で警察隊とデモ隊の衝突が続き、店はシャッターを閉め、都市機能はマヒ状態に陥っている。[2001-10-08-22:51] 208
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 10/08@<パキスタン>タリバン後もアフガンでの影響力保持の意向(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】パキスタンのムシャラフ大統領は、米英のアフガニスタン軍事行動を受けた8日の記者会見で、タリバン政権崩壊後をにらんだ「連合政権」構想について、「反タリバン連合(北部同盟)に優先権を与えるべきでない」と述べ、パキスタンがアフガンでの影響力を引き続き保持したいとの強い意思を表明した。
 大統領は、こうした立場について「ブッシュ米大統領やブレア英首相にも伝えてある」と述べ、軍事行動に協力する条件として、「新政権は北部同盟を主体にしない」との言質を取っていることをにじませた。
 北部同盟については、「アフガン戦争(79―89年)後、あらゆる種類の残虐行為を働き、互いに殺りくし合った犯罪者集団で、無政府状態をもたらした」と述べ、タリバンが全土の95%を制圧した背景になったと示唆。そのうえで「我々は無政府状態に戻ることを望まない」と強調した。
 米国など欧米諸国は、タリバン攻撃を前に北部同盟に接近する姿勢を見せていた。今回の発言は、こうした動きを改めてけん制する狙いもあるようだ。
 パキスタンは、南に敵国インドと接していることから、歴史的に、北隣のアフガンに親パキスタン政権を維持することを国防上の最優先課題のひとつとしてきた。
 このため、パキスタンは94年のタリバン創設に関与、支援を続けてきた。タリバンはアフガンの多数派民族パシュトゥン人(全人口の約55%)主体で、パキスタン側にも約1500万人のパシュトゥン人が居住し、一体感が強い。一方の北部同盟は小数派のタジク人、ウズベク人、ハザラ人の連合組織だ。
 大統領は会見で、新政権は「人口比に基づく民族構成にすべきだ」と主張。この場合、パシュトゥン人が自動的に主体となり、タリバン穏健派を念頭に置いているとみられる。
 大統領はタリバンとの外交関係について「維持する」と述べた。タリバン穏健派との交渉チャンネルを確保し、引き続きアフガンでの影響力を保持したいとの狙いは明白だ。[2001-10-08-21:10] 210
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 10/08@グルジア北部で国連軍事監視団ヘリ撃墜される(読売新聞)

 【モスクワ8日=瀬口利一】タス通信によると、グルジア北部のアブハジア自治共和国で8日午前、国連軍事監視団を乗せたヘリコプターMI8型機が撃墜され、監視団メンバー6人、乗員3人の全員が死亡した。同自治共和国はグルジアからの分離独立を主張しており、国連は、両者間の軍事的緊張を監視している。同機はチェチェン、グルジアのイスラム武装勢力の拠点上空を飛行中、ミサイルで打ち落とされたという。
 ロシア政府は、同共和国がチェチェン・テロリストの拠点になっているとして、グルジア政府にテロ対策や国境警備の強化を求めてきた。[2001-10-08-20:54] 211
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 10/08@◎中国、米軍事行動を事実上容認=一般市民の被害回避を−江(時事通信)

 【北京8日時事】中国の江沢民国家主席は8日午後、北京で行った小泉純一郎首相と会談で、この日始まった米英軍によるアフガニスタン攻撃に触れ、「軍事行動に当たっては明確な目標を把握し、無辜(むこ)の民の被害を避けるべきだと主張してきた」と指摘。その上で「ブッシュ米大統領の(同日未明の)演説にそれが含まれているのでうれしい」と述べ、報復攻撃を事実上容認する考えを示した。
 中国はかねて、テロ撲滅に向けて国際社会と協力する姿勢を強調する一方、武力行使には(1)はっきりした目標(2)一般市民への被害回避(3)国連安保理の役割発揮−が必要だと強調してきた。 [時事通信社][2001-10-08-20:46] 214
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 10/08@<アフガン攻撃>短期間の限定的作戦と米が保証(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】パキスタンのムシャラフ大統領は8日、記者会見し、米英軍のアフガニスタン軍事行動について「短期間で目標を限定した作戦であるとの保証」を米国から得ていると明らかにした。また「これはテロとの戦いである」と述べて、空爆への支持を表明した。しかし、タリバン政権崩壊後をにらんだ「連合政権」構想に対しては、「反タリバン連合(北部同盟)に優先権を与えるべきでない」と強調した。
 大統領は、こうした立場について「ブッシュ米大統領やブレア英首相にも伝えてある」と述べ、軍事行動に協力する条件として、「新政権は北部同盟を主体にしない」との言質を取っていることをにじませた。
 北部同盟については、「アフガン戦争(79―89年)後、あらゆる種類の残虐行為を働き、互いに殺りくし合った犯罪者集団で、無政府状態をもたらした」と述べ、タリバンが全土の95%を制圧した背景になったと示唆。そのうえで「我々は無政府状態に戻ることを望まない」と強調した。
 米国など欧米諸国は、タリバン攻撃を前に北部同盟に接近する姿勢を見せていた。今回の発言は、こうした動きを改めてけん制する狙いもあるようだ。
 パキスタンは、南に敵国インドと接していることから、歴史的に、北隣のアフガンに親パキスタン政権を維持することを国防上の最優先課題のひとつとしてきた。
 このため、パキスタンは94年のタリバン創設に関与、支援を続けてきた。タリバンはアフガンの多数派民族パシュトゥン人(全人口の約55%)主体で、パキスタン側にも約1500万人のパシュトゥン人が居住し、一体感が強い。一方の北部同盟は小数派のタジク人、ウズベク人、ハザラ人の連合組織だ。
 大統領は会見で、新政権は「人口比に基づく民族構成にすべきだ」と主張。この場合、パシュトゥン人が自動的に主体となり、タリバン穏健派を念頭に置いているとみられる。
 大統領はタリバンとの外交関係について「維持する」と述べた。タリバン穏健派との交渉チャンネルを確保し、引き続きアフガンでの影響力を保持したいとの狙いは明白だ。[2001-10-08-20:20] 217
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 10/08@<国連ヘリ>グルジア西部で墜落し乗員全員死亡 撃墜の可能(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】グルジア西部のアブハジア共和国のコドルスコエ渓谷で、国連の軍事監視員ら9人が乗ったヘリが8日朝、墜落し、全員が死亡した模様。同共和国は分離独立を主張するアブハジア政府とグルジア本国政府が対立する係争地域で、墜落現場のコドルスコエ渓谷ではアブハジア軍とグルジア、チェチェン武装部隊が衝突していたといわれる。ヘリは撃墜された可能性が高い。[2001-10-08-20:20] 218 [このページの最初に戻る]


 10/08@クエッタ空港周辺の難民約3万人を強制排除(読売新聞)

 【クエッタ(パキスタン西部)8日=新居益】パキスタン・バロチスタン州都クエッタの地元警察当局は8日までに、米軍がパキスタン政府に使用を申し入れたと見られるクエッタ空港周辺に住んでいた約3万人のアフガニスタン難民の強制排除を完了した。米軍機の使用に備えた動きとの見方が広がっている。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のクエッタ事務所によると、クエッタ近郊にあるアフガンとの国境チャマンには、新たに1000人以上のアフガン人がパキスタン入りを試みて押し寄せている。パキスタン政府は米同時テロ発生以後、難民の大量流入を恐れ、チャマン国境を閉鎖し続けている。[2001-10-08-20:19] 219
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 10/08@米国務長官、週内に印パへ 政権てこ入れ(朝日新聞)

 米国のパウエル国務長官は今週後半にインド、パキスタンを訪問する。米英軍のアフガニスタン空爆により、タリバーンと関係の深いパキスタン国内に動揺が生まれ、ムシャラフ政権が揺らぐことを強く懸念。米パ関係の緊密化を憂慮するインドとともに、長官が直接、てこ入れを探ることになった。
 空爆を受けてパキスタンではクエッタなどで反米デモが発生。攻撃を恐れるアフガン難民が一層パキスタンに流入する恐れも高まり、米政府当局者は7日、「この地域で緊張が生まれないよう長官は非常に注意を払っている」と語った。
 タリバーン政権に影響力を持つパキスタンに米国は情報提供や領空通過など様々な協力を求め、見返りに98年の核実験の制裁解除や大型経済支援などを打ち出した。同国の全面協力を確保した上で空爆に踏み切ったが、米国の強引ともいえる関係工作に伴って矛盾も浮き出ている。
 空爆は反タリバーン勢力の北部同盟を勢いづけているが、民族の違うパキスタンは北部同盟の勢力拡大を望まない。さらに、パキスタンをインド国内のテロの支援国と見るインドが、米パ急接近を複雑な視線で見つめている。
 パキスタンは核保有国でもあり、もしムシャラフ政権が倒れる事態になれば、今後のテロ対策だけでなく、米国の大量破壊兵器不拡散政策にとっても二重の打撃となる。米国はそうした不安定化を懸念して、パキスタン国内の基地使用も極力避ける方針だ。
 ムシャラフ大統領は8日の記者会見で、地域紛争の解決こそがテロ対策の根本と訴えた。タリバーンを見限ったことの代償として、カシミール紛争の仲介を米国に暗に求めたものとも見える。パウエル長官が急きょ印パ両国に飛ぶのは、空爆の足元を崩しかねない火ダネを消すためだ。[2001-10-08-20:15] 221
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 10/08@国民守れとアフガニスタン元国王(共同通信)

 【パリ8日共同】八日のフランス公共ラジオによると、ローマ在住のアフガニスタンのザヒル・シャー元国王は七日夜、米英軍のアフガン攻撃について「テロに対する当然の権利だ」とし「アフガニスタンの領土保全と無実の国民の安全が尊重されるよう求める」との声明を発表した。
 声明は「アフガニスタン国民は自由に政治的将来を選択する権利がある」と述べ、「国益を知らず、洞察力もないタリバンとその支援国が国民にまたしても苦難をもたらした」として間接的にパキスタンも非難した。(了)[2001-10-08-20:04] 223
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 10/08@国連ヘリを撃墜、監視員ら9人が死亡か アブハジア(朝日新聞)

 グルジアからの分離独立を求めているアブハジアで8日朝、国連グルジア監視団(UNOMIG)のヘリコプターが山岳部で撃墜された。アブハジアの在モスクワ代表部によると、乗っていた国連の停戦監視員と乗員ら9人全員が死亡した模様だという。
 同代表部によると、国連のミル8型輸送ヘリには、国連の監視員5人と操縦士、通訳ら4人が乗っていた。グルジア西部のコドリ山脈の渓谷で、グルジア民兵とチェチェン人ゲリラと見られる武装勢力が集結しているとの情報を確認するため、アブハジアの中心都市スフミを離陸。その約15分後、撃ち落とされたという。[2001-10-08-19:51] 225
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 10/08@<アフガン攻撃>作戦は長期化の気配 冬を前にいったん撤退(毎日新聞)

 【ワシントン吉田弘之】米国は7日、アフガニスタンを実効支配するタリバン政権の軍事施設を中心に巡航ミサイル攻撃と空爆を実施したが、同時多発テロの重要容疑者ウサマ・ビンラディン氏の居場所は依然として不明だ。同氏とその組織「アルカイダ」との闘いは早くも長期化しそうな気配だ。
 米軍は今回の攻撃でアフガン上空の制空権を掌握した上、事前に人工衛星で確認したキャンプ地は全て破壊したとみられ、最大の焦点は同氏らの身柄確保に移っている。マイヤーズ統合参謀本部議長は7日の会見で「今日の作戦は目に見えたが、今後は多くが目に見えにくいものになる」と述べ、数日間、空爆を続けた後、特殊部隊による作戦に本格移行することを示唆した。
 米メディアや軍事専門筋の情報を総合すると、特殊部隊は既に周辺国の基地からアフガンに潜入し激しい追跡作戦を繰り広げている。しかし極めて難航しているのが現状だという。
 同氏は自分の居場所を少数の側近にしか教えていないうえ、移動する際は複数のダミー車を走らせるなど用心を重ねているとされる。
 ラムズフェルド米国防長官は中東歴訪中、記者団に同氏の居所について「若干の手掛かりはある」と発言した。同長官の報告を受けた議会筋によると「大体の潜伏地域はつかんでいるが、正確な場所を把握できていない」という。だが、それだけでは頻繁に居場所を変える同氏を捕まえることは出来ない。まさに「リアルタイム」の情報が要求されている。
 そこで期待されているのが、人工衛星や戦略偵察機、無人偵察機などのハイテク装置だ。無人偵察機は、コソボ紛争で北大西洋条約機構(NATO)軍の情報収集に活躍した「RQ1・プレデター」が代表的で、高性能レーダー、カラー・ビデオなどを搭載している。
 米国際戦略研究所のジェームズ・ルイス上級研究員(衛星・通信技術)によると、機種によっては衛星を通じ地上に同時に情報を送ることができるる。特殊部隊は手元のコンピューターで偵察機からの情報を得てアジトに突入し身柄を確保するか、近くの前線基地から戦闘爆撃機を派遣しアジト自体を破壊する作戦を繰り広げるとみられる。
 しかし、どこまで特殊部隊が迫れるか、極めて不透明だ。米紙USAトゥデーによると、タリバン政権は最近、各所にチェックポイントを置き、女装した可能性がある特殊部隊員の発見に全力を挙げているという。
 このため米軍は一定期間、特殊部隊を投入した後、成果がなければ、冬を前にいったん撤退し、長期的に追跡することも視野に入れている模様だ。[2001-10-08-19:40] 226
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 10/08@外務省、アフガン国境周辺の邦人に退避勧告(朝日新聞)

 外務省は8日、アフガニスタン国境周辺に滞在中の邦人に退避勧告を出した。また、すべての在外公館に緊急時の邦人退避計画の再確認を求めた。
 退避勧告は、アフガニスタン国境から100キロの範囲内にあるパキスタンなどの周辺国6カ国と、イラクの国内全域が対象。この地域の邦人に対して、安全な場所に退避し、出国先を日本大使館に知らせるよう求めている。また、アラブ首長国連邦やイラン、オマーン、フィリピンなど20カ国については、観光旅行の延期を勧告した。
 外務省によると、アフガニスタンには6人、パキスタンには405人の邦人が滞在している。[2001-10-08-19:35] 227
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 10/08@銀行や映画館に放火、略奪 クエッタでデモが暴徒化(共同通信)

 【クエッタ(パキスタン西部)8日共同】米英両軍のアフガニスタン空爆を受け、パキスタン西部クエッタでは八日、イスラム原理主義グループら約七千人が空爆に対する抗議と聖戦を訴える街頭デモを繰り広げた。一部が暴徒化し、外国人報道陣が滞在するホテルに押し掛け投石、警官隊が催涙ガス弾を発射した。
 銀行や映画館、商店が放火され炎上、略奪も起きた。警官の威嚇発砲も行われ、デモ参加者や警官ら十数人が負傷した。市内の治安情勢は極めて不安定になっており、米英の攻撃が繰り返されることで、状況はさらに悪化するとみられる。
 地元記者や市民らによると、八日午前九時ごろからイスラム聖職者協会のメンバーが棒や鉄パイプなどを持ち、米英両国を非難するとともに「(タリバン最高指導者)オマル師よ前進せよ。われわれも付いていく」と叫び、興奮しながら「聖戦だ」と繰り返した。
 市内のホテルでは、警備当局が外国報道陣が滞在するホテルでの外国人記者の外出を禁止し取材を制限。市中心部に近いサリナ・ホテルでは八日午前十時すぎ、暴徒が投石を繰り返し、警官隊が記者らに「非常に危険な状態だ。早く部屋に戻れ」と大声で叫んだ。
 警察当局の責任者は「外国人は市内に一歩も出さない。安全を考慮した内務省の措置で、同省が安全と判断しない限り継続される」と語った。
 一方、首都イスラマバードでも、イスラム教大学の敷地内で学生ら千人以上が反米デモを展開、駆け付けた警官隊に解散させられた。市内では武装警官の数も増え、兵士が四輪駆動の小型トラックでパトロールするなど緊張感が漂っている。
 またアフガン・イスラム通信によると、北西辺境州のアフガニスタンとの国境に近いカイバル峠地区でも八日、少数民族の住民約五千人が反米、ビンラディン氏支持の抗議行動を行い、治安民兵に投石、民兵側も発砲し四人が負傷した。(了)[2001-10-08-19:31] 236
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 10/08@<アフガン攻撃>難民救援金を緊急募集 毎日新聞社(毎日新聞)

 アフガニスタン情勢の急変で、より多くの難民や避難民が生じています。
 毎日新聞社と毎日新聞社会事業団はユニセフや国連難民高等弁務官事務所などに協力して、従来続けております海外難民救援金の一環として「アフガン難民など海外難民救援金」を緊急に募集いたします。
 救援金は「海外難民救援金」と明記して左記へ郵便振替、現金書留で郵送してください。なお、物資はお受け出来ません。
 〒100―8051 東京都千代田区一ツ橋1の1の1、毎日新聞東京社会事業団「海外難民救援金」係(郵便振替00120・0・76498)
 〒530―8251
大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「海外難民救援金」係(郵便振替00970・9・12891)
 〒460―8651
名古屋市中村区名駅4の7の35、毎日新聞中部社会事業団「海外難民救援金」係(郵便振替00810・0・1100)
 〒802―8651
北九州市小倉北区紺屋町13の1、毎日新聞西部社会事業団「海外難民救援金」係(郵便振替01770・2・40213)[2001-10-08-18:35] 241
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 10/08@作戦の早期終結を楽観 元国王主導で新政権 パキスタン大統(共同通信)

 【イスラマバード8日共同】パキスタンのムシャラフ大統領は八日、米英軍によるアフガニスタンへの報復爆撃を受けて記者会見し、「タリバン政権の軍事施設など攻撃目標の設定が適切ならば、空爆は一日か二日で終了するはずだ。その後、政治的処理に移行するシナリオになっている」と述べ、軍事作戦の早期終結を楽観していることを明らかにした。
 また「この地域に他国(の軍が)がとどまることはないと確信している」とも語り、米英軍が地上部隊を投入した場合でも、短期間に撤収する合意が得られていることを示唆した。
 大統領は軍事作戦後の「政治的処理」について、「(新政権は)幅広い基盤を持ち、アフガンの民族構成に基づいたものでなければならない」と、多数派パシュトゥン人の利益を代表するタリバン穏健派を除外すべきでないと強調。
 ザヒル・シャー元国王に「果たすべき役割がある」と、元国王をトップとする暫定政権が望ましいとの見解を示したが、反タリバン勢力でインドの支援を受ける北部同盟に対しては「この機に乗じて利益を得るべきではない」と、同盟主導の新政権づくりを強くけん制した。
 一方、攻撃により最大百万人と見積もられるアフガン難民の流入に関しては「負傷者や女性、子供など最小限しか受け入れない」と表明。「難民キャンプは国境のアフガニスタン側に設けるべきで、国境の再開には応じられない」と断言し、これ以上難民を抱えることは国内事情からも不可能と述べた。
 タリバンを支持する国内のイスラム過激派の扇動については「国民の大多数は政府を支持しており、抑制可能だ」と語り、国内情勢の把握に自信を示した。(了)[2001-10-08-17:27] 242
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 10/08@米、インド首相にもアフガン攻撃を事前通知(朝日新聞)

 インドのバジパイ首相は7日午後5時半(日本時間午後9時)ごろ、ブッシュ米大統領と電話で会談、アフガニスタンへの攻撃計画を事前に伝えられた。これを受け、インド外務省は8日、米国を全面的に支持する声明を出した。
 当地の政府筋によると、電話会談は15分ほどで、ブッシュ大統領は、今月中旬までにパウエル国務長官をインドに派遣することも伝えた。米側が、戦略上重要な位置にあるインドに配慮を示したとみられる。
 インドでは、米国の掲げる「テロとの戦い」が、インド北部のカシミール紛争で頻発するテロ行為に注目しないことに不満が募っている。ブッシュ大統領は、バジパイ首相との電話会談でカシミールで活動するパキスタンのイスラム過激派を指定テロ組織に加える考えも示したという。[2001-10-08-17:19] 249
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 10/08@米がパキスタン肩入れ タリバン包囲網維持狙う(共同通信)

 【ワシントン8日共同】パウエル米国務長官は七日、中枢同時テロ発生後初の訪問先にインドとパキスタンを選んだ。アフガニスタンのタリバン政権に対する国際包囲網の「弱い輪」となっているパキスタンへの肩入れと、微妙なインド・パキスタン関係の安定が狙いだ。
 パキスタンのムシャラフ大統領は八日の記者会見で、軍事情報、米軍機の領空通過、後方支援―の対米協力を確認した。こうした政権の姿勢に対し、国内イスラム過激派の反米運動が激しくなっており「不安定化した核保有国」(アーミテージ国務副長官)への懸念が強まっている。米軍の攻撃が長期化すれば政治的緊張が一層高まるのは確実で、過激派も支持する強硬政権の誕生という「悪夢」も現実味を帯びてくる。
 パウエル長官はムシャラフ政権の安定を目指し、経済支援や核兵器の安全確保のための技術支援などを伝えるとみられる。
 米国は「タリバン後」に「全アフガニスタン人による政権」(同)を構想している。これに過激派部分を除去したタリバンの参加を認めることも検討しており、長官はタリバンに近いパキスタン政府の支持を取り付けたい考えだ。
 一方、パキスタンの「宿敵」であるインド訪問は、米国のパキスタン支援に理解を求めるのが狙い。インドはまた反タリバン勢力の「北部同盟」に影響力を持つため、タリバン攻撃で協力を求めるとみられる。
 米国はこうした見返りに、インドとパキスタンの紛争地であるカシミールで活動するイスラム過激派を「テロリスト」と公式に認定するなど、インドの立場に配慮を示す見通しだ。(了)[2001-10-08-16:24] 250
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 10/08@寝返り続出で政権崩壊か 難しい新政権と印パ(共同通信)

 米英両軍によるアフガニスタン報復攻撃が始まった。タリバン政権は「徹底抗戦」を表明、全面対決の構えを示した。軍事拠点などを空爆、反タリバン勢力「北部同盟」の攻勢に合わせ地上軍投入などの機をうかがう米英軍に対し、タリバン側は山岳地帯などでのゲリラ戦に持ち込み、米英軍や北部同盟を迎え撃つ構えだ。
 戦力面で劣勢が明白なタリバン側にとって、空爆によりミグ戦闘機や旧ソ連製戦車などが破壊され戦力が一段と低下すれば、野戦司令官や部隊が雪崩を打って北部同盟とザヒル・シャー元国王の陣営に寝返り、政権崩壊につながる可能性もある。また、穏健派による「新タリバン政権」発足もあり得る。
 米国はタリバン政権崩壊をにらみ、元国王を中心に、タリバンを支えるパシュトゥン人も含む全民族による新政権づくりを目指している。しかし「寄り合い所帯」の新政権がアフガン安定につながる保証はない。タリバンという重しがなくなることで各民族の対立が顕在化する恐れは大きい。
 アフガンは多数派のパシュトゥン人やタジク人、ウズベク人、ハザラ人など多様な民族を抱え、約二十年間にわたり内戦を続けてきた。タリバン打倒では共闘できても、その後の政権づくりで利害対立が顕在化する恐れがある。
 一方、アフガン国内の情勢は周辺国の動向を無視しては考えられない。周辺国の思惑がアフガン内戦を長引かせてきた歴史があるからだ。
 特に、国内に多数のパシュトゥン人を抱えるパキスタンは、中央アジア市場への進出やカスピ海沿岸の資源開発などに絡みパシュトゥン人主体のアフガン政府で影響力確保を狙ってきた。「対テロ戦争」で米軍に協力、国際的な同情を集めることに成功したが、タリバンを失う痛手は大きい。パシュトゥン人の元国王やタリバン支持勢力に近づき、宿敵インドの影響が強い北部同盟を遠ざける動きに出る可能性もある。
 またインドは、紛争地カシミールでイスラム過激派のテロ活動に悩まされ、パキスタンをテロ支援国家と非難してきただけに、米国などがパキスタン支援を強めることを懸念。同時に、イスラム原理主義勢力がパキスタン国内で勢いを強めることにも警戒せざるを得ず、微妙なかじ取りを迫られている。(共同)(了)[2001-10-08-16:19] 251
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 10/08@国際法に違反の疑い 専門家は正当性疑問視(共同通信)

 米、英がアフガニスタン攻撃に踏み切ったが、国際法の専門家からは「国際法に違反する疑いがある」と、法的な正当性を疑問視する指摘が出ている。
 関西大の藤田久一教授は「これまでの国連安全保障理事会の決議内容では、国連が武力行使を容認したとは言えない」という。「まず安保理の手続きを踏むのが筋。その努力を米国がしたと言えるのか」と疑問を投げ掛ける。
 国連憲章は武力行使を基本的に禁止し、報復攻撃を認めていない。個別国家に許されるのは、国連が措置を取るまでの自衛権行使などに限られる。
 国際法上、自衛権行使には「緊急性」が必要だが、「テロから約一カ月もたったこの段階で緊急性があるのか問題」と藤田教授。
 神奈川大の阿部浩己教授は「本当にやむを得ない場合にだけ許される自衛権の制約が、なし崩しになってしまう」と懸念を示す。
 阿部教授によると、二度の世界大戦を経験し「戦争の世紀」と言われた二十世紀に、国際法はどう平和を守るかを最大の使命として発展、冷戦終結までは武力抑制に貢献してきた。
 しかし地域紛争が多発した一九九○年代以降は、むしろ後退を強いられているとみる。
 阿部教授は「暴力や報復の連鎖を断ち切るためにこそ、きちんとした法の裁きが必要」と強調する。「刑事裁判をしてテロを支える土壌ときちんと向き合わないと。武力攻撃はテロ組織撲滅の効果もなく、何の意味も見いだせない」 藤田教授も「アフガン市民を巻き添えにすれば無差別殺人で国際法違反。結局、テロリストと同じ土俵に立つ」と指摘した。(了)[2001-10-08-16:05] 252
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 10/08@決議軸に支援国に圧力 国連が反テロ闘争の前面に(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】米中枢同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏をかくまうアフガニスタンへの米英軍の報復が始まり、国際社会にとって新たなテロ防止が大きな課題となってきた。
 国連安全保障理事会は九月二十八日に反テロ決議を採択し、全加盟国にテロ行為の防止、関与者の処罰、テロ関連資産の凍結を義務付けた。さらに強制措置を定めた国連憲章第七章を引用、国連の反テロの取り組みは格段に強化された。
 テロ支援国に対する制裁発動が急速に現実味を帯び始めたことになり、ビンラディン氏らによる新たなテロを防止しない加盟国は国際社会の強い圧力にさらされる。安保理も武力制裁の可能性をちらつかせ強硬に対処するだろう。
 同時に、報復テロ防止に向けて「一方的外交」を棚上げして国連との協力を強めようとする米国の姿勢にも注目が集まっている。
 半面、武力報復が始まったことで、これまで結束していた国際社会は具体的なテロ撲滅策をめぐり足並みの乱れが表面化しそうだ。
 特にテロの定義をめぐってはアラブ諸国が「パレスチナ住民の民族自決闘争はテロではない」と強く主張。十月一日から五日間開かれた国連総会反テロ集中討議では「包括的テロ防止条約」推進を盛り込んだ総会決議案が準備されたが、テロの定義をめぐる対立で採択に至らなかった。(了)[2001-10-08-15:53] 254
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 10/08@○一般市民の被害回避を=アフガン攻撃、事実上容認−中国(時事通信)

 【北京8日時事】中国外務省スポークスマンは8日、米英軍のアフガニスタン攻撃について「罪のない市民を傷つけるのを避けるため、特定の目標を対象とすべきだ」とする談話を、新華社を通じて発表した。
 スポークスマンは「中国政府はいかなる形のテロにも反対し、国連総会と安保理で採択された関連決議、およびテロとの闘争を支持する」とし、アフガンのタリバン政権攻撃を事実上容認した。その一方で、一般市民への被害回避の必要性を強調、「できるだけ早く平和が回復されることを希望する」と述べ、アフガン情勢の混迷を招かないよう軍事行動を短期かつ限定的なものとすることを求めた。 [時事通信社][2001-10-08-11:26] 258
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 10/08@市民が傷つかないように 中国は限定的攻撃要請(共同通信)

 【北京8日共同】新華社電によると、中国外務省スポークスマンは八日、米英のアフガニスタンでの軍事行動開始について「(攻撃に当たっては)具体的目標が必要であり、一般市民を傷つけてはならない」との談話を発表、限定的な攻撃にとどめるよう求めた。
 スポークスマンはまた「中国政府は一貫してあらゆる形式のテロ行為に反対し、国連の関連決議とテロ集団に対する攻撃を支持してきた」と述べ、米中枢同時テロの首謀者に対する軍事行動自体には反対しない姿勢を確認した。その上で「可能な限り平和が戻るよう希望する」と語った。
 新華社はブッシュ米大統領の発表直後から軍事行動開始に関する速報を続けて伝え、中国政府の関心の高さをうかがわせた。
 中国は、国内にもイスラム原理主義の新疆ウイグル自治区の独立派グループを抱えていることから、反テロでは国際社会と共同歩調をとる姿勢をこれまでも表明してきた。ただ、米国の攻撃が大規模な全面的攻撃になった場合は、国際社会の米国による一極支配に反対する立場から慎重姿勢に転じる可能性が高い。(了)[2001-10-08-11:03] 265
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 10/08@<アフガン攻撃>ビンラディン氏、聖戦継続を宣言 TVで声(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】米英軍によるアフガニスタン報復攻撃開始を受け、7日深夜(日本時間8日未明)、中東・カタールのアラビア語衛星テレビ「アルジャジーラ」は、同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の声明を録画映像で放送した。
 ビンラディン氏は「すべてのイスラム教徒はその教えを守るために立ち上がらなければならない。ムハンマド(イスラム教の預言者マホメット)の半島から悪を一掃するため、信仰の嵐が吹いている」とサウジアラビアはじめ中東地域からの駐留米軍撤退を目指す意向を鮮明にし、対米聖戦の継続を宣言した。
 同氏が同時テロに関し発言するのは初めて。ビンラディン氏はアフガン国内とみられる岩山の上に、頭に布を巻き軍服姿で座り、マイクを手にゆっくりとした口調で話した。同氏は「アメリカは今、どこもかしこも恐ろしい惨事に見舞われている。私はこれを神に感謝する」と述べた。
 また、同氏は「平和がパレスチナに訪れ、不信心者のすべての軍がムハンマドの土地を去るまで、米国は平和に暮らせないだろう」とパレスチナ紛争の解決を強く訴えた。
 さらに、同氏は「米国はヒロシマやナガサキ、パレスチナやイラクで無実の市民を殺害してきた。米国で起こったことは、こうした米国の政策への反応だ」と広島、長崎の原爆犠牲者や国連制裁下にあるイラク国民の窮状にも言及、米国の不当性を強調した。[2001-10-08-09:30] 270
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 10/08@作戦の短期終了と復興期待 ムシャラフ政権が緊急会議(共同通信)

 【イスラマバード8日共同】パキスタン外務省は七日深夜、米英のアフガニスタン攻撃を受けて声明を発表し「作戦が短期間で終了、アフガニスタン国民の和解を促し、経済復興の助けとなる措置を国際社会が団結して講じることを期待する」とした。
 声明は「パキスタンは事態の深刻さをタリバン政権に認識させ、アフガニスタン国民の利益になる正しい決定をさせるため、できるだけのことはした」と強調し、平和的解決に向けた外交努力が失敗したことに遺憾の意を表明。「攻撃が国連決議の趣旨に沿った、限定されたものになるよう望む」と指摘した。
 国内に親タリバン勢力を抱え、国民の一般感情も軍事報復には批判的だった国内事情を反映し、声明は今回の攻撃を全面支持する内容とはなっていない。
 ムシャラフ大統領は七日夜、軍幹部や政府閣僚らを招集し、緊急対策会議を開いた。今後の対応を協議しているとみられる。
 国防省は同日、大統領が軍内で実質的にナンバー2となる陸軍副参謀長に側近のムハマド・ユセフ大将を起用したと発表した。また、名目的な地位ながらこれまで大統領が兼務してきた軍総参謀長にラホール地区の司令官だったアジズ・カーン大将を任命した。
 側近をナンバー2とする一方、イスラム原理主義寄りとされるカーン大将を重用することで軍内部に存在するイスラム原理主義に近い勢力の反発を抑え込み、軍の掌握を図る狙いとみられる。(了)[2001-10-08-08:24] 275
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 10/08@難民150万人流出か ルワンダの悲劇再来を懸念(共同通信)

 【イスラマバード8日共同】米英軍が七日、アフガニスタンで米中枢同時テロへの報復攻撃を始めたことにより、アフガニスタンから大量の難民が周辺国に流出する恐れが強まった。
 パキスタンなど隣接国の難民受け入れ準備は整っておらず、感染症の流行などで多数の生命が失われた一九九四年のルワンダ難民の悲劇再来を心配する国連援助機関などは「人道危機への支援」を国際社会に必死に呼び掛けている。
 国連は報復攻撃でアフガニスタンから逃げ出す難民の数が最悪の場合、百五十万人に上ると推定している。大虐殺に伴う内戦の激化で二百万人が国外脱出したルワンダに匹敵する。
 百万人が流入するとみられるパキスタンには、二十年に及ぶアフガン内戦で既に二百万人のアフガン難民が暮らしている。
 国連はトルカムやチャマンなど国境の町に新たな難民キャンプを設営する作業を進めているが、大規模な流入が一気に始まった場合「とても対応できない」(イスラマバードの国連当局者)のが実情だ。
 さらにパキスタン政府にとって厄介なのは、難民に紛れて逃げ込んでくるタリバン政権の兵士だ。
 ルワンダでも敗走した旧政府軍兵士が武器を持った難民と化し、コンゴ(旧ザイール)東部ゴマの難民キャンプで半ば公然と軍事訓練を行っていた。
 国境地帯に多いタリバン支持のパキスタン国民が武装難民に呼応、米国への協力姿勢を示したムシャラフ政権打倒に動く事態をパキスタン政府は最も警戒している。(了)[2001-10-08-07:43] 277
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 10/08@ビンラーディン、ビデオで対米テロ続行宣言(読売新聞)

 【カイロ8日=平野真一】ウサマ・ビンラーディンは7日、録画ビデオによる声明を発表し、先の米同時テロを賞賛するとともに、パレスチナ和平とアラビア半島からの米軍撤退まで「米国に安全はない」と述べ、対米テロ続行を宣言した。ビンラーディンはこれまで、側近を通じてテロ賞賛の声明を発表しているが、自ら直接、テロを擁護したのは初めて。
 声明はカタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」が、米国の対アフガニスタン軍事行動開始約2時間後に放映した。同テレビのカブール特派員に同日朝、届けられたものというが、録画日時は不明。
 岩山を背に、白いターバンと迷彩服という出で立ちで地面に座り込んだビンラーディンはまず、「米国は巨大ビルを破壊され、津々浦々まで恐怖に満ちている。我々の味わってきたもの(苦痛)を米国も味わっていることを神に感謝する」と述べ、同時テロへの関与には触れなかったものの、これを賞賛。その上で、「イラクの子供達が(国連制裁で)罪もなく殺され、イスラエル軍の戦車がパレスチナに侵攻しても、世界は何の反応も示さなかった」のに、米国が攻撃を受けると「偽善者たちは不信心者の頭ブッシュ(米大統領)を支持している」と激しい反欧米思想を披瀝。さらに、「パレスチナに平和が訪れ、(イスラム教預言者)ムハンマドの半島から不信心者の軍隊が撤収するまで、米国は安全に暮らせないことを神に誓う」と強調した。
 一方、ビンラーディンの隣に座った、テロ組織「アル・カーイダ」のナンバー2、アイマン・ザワヒリは、「イスラム教徒は今試されようとしている」と述べ、イスラム教徒に対し米国との戦いに参加するよう呼びかけた。
 わきにライフル銃を置き、側近に囲まれたビンラーディンは、やや疲れた表情ながらくつろいだ様子で、声明収録後、お茶をすする場面も見られた。[2001-10-08-07:37] 280
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 10/08@<アフガン攻撃>米大統領演説の全文(毎日新聞)

 ブッシュ米大統領が7日、ホワイトハウスで行った国民向け演説の全文は以下の通り。
 私の命令により、米軍はアフガニスタンのアルカイダのテロリスト訓練キャンプ、タリバン政権の軍事施設に対する攻撃を開始した。
 標的が慎重に選定されたこれらの攻撃の目的は、テロリストがアフガニスタンを作戦基地として使用するのを防ぐことであり、タリバン政権の軍事能力をたたくことである。
 この作戦にはわれわれの固いきずなで結ばれた友人・英国も加わった。カナダ、オーストラリア、ドイツ、フランスなどそのほかの同盟国も、作戦の進展にしたがって軍を派遣すると約束している。
 中東、アフリカ、欧州、アジアの40以上の国が、国内の基地などへの米軍機の立ち寄り、着陸を認めた。情報面での協力を申し出ている国はさらに多い。われわれは世界中の集団意志の支持を受けているのだ。
 2週間以上前、私はタリバンの指導者らに明確かつ具体的な要求を行った。テロリスト訓練キャンプの閉鎖、アルカイダ・ネットワークの指導者らの引き渡し、不当にも身柄拘束されている米国人を含むすべての外国人の解放という要求だ。
 これらの要求のうち履行されたものは何一つとしてない。今、タリバンはその不履行のつけを支払う時がきたのだ。
 訓練キャンプを破壊し、通信を混乱させることで、テロ・ネットワークが新たなメンバーを訓練し、悪事をたくらむのが困難になるだろう。
 当初、テロリストたちは洞穴やざんごうを掘り巡らせた隠れ家の奥深く隠れようとするだろう。われわれの軍事行動はまた、かれらをそこから引きずり出し、裁きの場に連れ出すという、持続する、包括的な、容赦ない作戦行動に道を開くものでもある。
 同時に、アフガニスタンの抑圧された人々は、米国とその同盟諸国の寛容さを知ることになるだろう。軍事目標攻撃と同時に、われわれは食料、医薬品、生活用品をアフガニスタンの飢えた男女、子供たちに投下する。
 米国はアフガンの人々の友人であり、イスラムの教義を実践する世界中の約10億の人々の友人である。
 米国はテロリストを支援する者、偉大なる宗教の名のもとに殺人を犯し、それを汚す野蛮な犯罪者たちの敵である。
 この軍事行動はわれわれのテロリズムに対する一連の作戦の一部であり、外交、ちょう報、資産凍結、38カ国の警察当局によるテロリスト検挙ですでに行われている戦争のもう一つの前線である。
 われわれの敵の性格と広範な勢力を考えると、辛抱強く成功を重ね、一連の挑戦に決意と意志と目的をもって当たることで、この戦いに勝てるだろう。
 今、われわれの焦点はアフガニスタンに当てられている。しかし、戦いはより広範なものだ。すべての国が自らの立場を選ばねばならない。この戦いに中立の立場はない。もし無法者と罪なき人々の殺人者を後押しする政府があれば、その政府自身が無法者で殺人者となる。それら政府は破滅への孤独の道を歩んでいくだろう。
 私は今、ホワイトハウスの米国大統領が平和のために働いてきたトリーティールーム(条約室)から、あなたがたに語りかけている。
 われわれは平和的な国民である。にもかかわらず、突然のテロが襲いかかる世界に平和はありえないことを、あまりにも突然かつ悲劇的な形で学んだ。今日の新たな脅威に直面して、平和を追求する唯一の方法はそれを脅かす者たちを追跡することである。
 われわれはこの任務を求めなかったが、これからそれを遂行する。
 今回の軍事作戦の名前は「不屈の自由」である。われわれは自らの大切な自由を守るだけでなく、テロの恐怖に脅かされることなく生活し、子供を育てる地上のすべての人々の自由をも防衛するものである。
 多くの米国人が今、恐れを抱いていることを私は知っている。われわれの政府は強い警戒措置をとっている。すべての警察、情報機関が全米、世界中で24時間、精力的に活動している。
 私の要請で多くの州知事が空港警備のため州兵を動員してくれた。軍事能力を高め、祖国の防衛を強化するために予備役を召集した。
 これからの数カ月、忍耐、警備を強化して辛抱強く待つ忍耐、目的を達成するには時間がかかるという理解に基づく忍耐、発生するかもしれないすべての犠牲を耐え忍ぶ忍耐が、われわれの力のひとつとなる。
 今、これらの犠牲は、本国から遠く離れた異国の地でわれわれを守る軍のメンバーにより、彼らの誇りと心配におののく家族らにより担われている。
 軍総司令官が米国の息子、娘たちを外国の戦地に送るのは、最大限の配慮と多くの祈りをささげたのちのことだ。
 われわれは、われわれの軍服を着る者たちに多くを頼む。われわれは彼らに愛する者たちを残し、はるばる遠くに移動し、負傷の危険を冒し、生命という究極の犠牲にも準備をするよう要請する。
 彼らは献身的であり、名誉ある者たちである。彼らはわが国の最良の部分を代表し、われわれは彼らに謝意を表明するものである。
 われわれの軍のすべての男女、水兵、兵士、パイロット、国境警備隊員、海兵隊員に対して、私は次のことを言おう。あなたがたの任務は明確に定義され、その目的ははっきりとしており、到達地点も正当なものである。あなたがたは私から全幅の信頼を寄せられ、任務遂行のため必要なあらゆるものを与えられるだろう、と。
 私は最近、軍人の父を持つ4歳の少女から感動的な手紙を受け取った。この困難な時代の米国について多くを語る手紙である。
 「パパに戦争に行って欲しくないと思うのと同じ分だけ、パパをあなたにあげる」と、少女はその手紙で書いていた。
 これはとても貴重な贈り物だ。少女が与えうる最大のものだ。この年若い女の子は米国とは何かを知っているのだ。
 9月11日以来、米国のすべての若い世代は自由の価値、それを得るためのコスト、義務、犠牲について新たな理解を得た。
 戦いは今や、多くの前線で行われている。われわれは揺れず、疲れも知らず、ひるまず、負けることもない。平和と自由が勝るだろう。
 ありがとう。神のご加護がこれからも米国にありますよう。[2001-10-08-06:55] 281
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 10/08@<米同時テロ>発生以来の経過(毎日新聞)

 ■米中枢同時テロの発生以来の経過 (日付は現地時間)
 9月11日 ニューヨークの世界貿易センタービルとワシントンの米国防総省に、乗っ取られた旅客機3機が激突、4機目がピッツバーグ郊外で墜落
 9・12 ブッシュ米大統領がテロを「戦争行為」と断言
 同 国連安保理がテロ非難決議
 9・14 米上下両院が武力行使容認決議を採択
 同 大統領が国家非常事態を宣言、最大5万人の米軍予備役の招集決定
 9・15 パウエル米国務長官が「パキスタンは協力に同意」と言明
 同 ブッシュ大統領がウサマ・ビンラディン氏を「最重要容疑者」と言明
 9・16 同氏が事件への関与否定の声明
 9・20 タリバン政権の評議会が同氏の出国を勧告
 同 ブッシュ大統領が議会演説で同氏引き渡しなど6項目を要求
 9・21 タリバン側が引き渡しを拒否
 9・22 ブッシュ大統領がインドとパキスタンへの経済制裁解除を決定
 同 アラブ首長国連邦がタリバンと外交関係断絶
 9・24 米国がテロ組織の国内資産凍結を発表
 9・25 サウジアラビアがタリバンと外交関係断絶
 同 日米首脳会談で小泉純一郎首相が自衛隊派遣のための新規立法制定を公約
 9・27 杉浦正健副外相がパキスタンの債務繰り延べを表明
 同 邦人1人の死亡確認
 9・28 国連安保理がテロ資金根絶のための決議採択
 10・2 北大西洋条約機構(NATO)が集団的自衛権発動を決定
 10・6 邦人2人目の死亡確認
 10・7 米英がアフガニスタンに報復攻撃(共同)[2001-10-08-06:50] 288
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 10/08@現地スタッフ安否は?NGOなど募る不安(読売新聞)

 アフガニスタン国内で活動していた国際機関の職員らは、突然の軍事行動開始の報を聞いて、驚きとともに現地スタッフの安否を気遣っている。
 アフガニスタンとの国境に近いパキスタンのペシャワルで医療活動をしているNGOの邦人スタッフは、東京からの国際電話で攻撃開始の1報を聞き、「そうですか。弱ったな」と絶句。「カブールの診療所にアフガニスタン人スタッフが4、50人いる。彼らの安否が心配です」と声を震わせた。
 このスタッフによると、現地のパキスタン人は同時テロ事件の発生以来約1か月、「自分たちはどうなるのだろう」という不安を募らせており、最近では「心配疲れ」の雰囲気もあった。欧米などのメディアで攻撃開始の報が流れた現地時間の午後10時前、現地のテレビはドラマを流しつづけているという。
 国際赤十字・赤新月社連盟カブール事務所の医療事務の責任者で、米国の同時テロ事件後は日本に一時帰国している五島三保子さんは、カブールに残る現地スタッフと衛星電話で連絡をとりあっていた。「空爆開始」の一報が流れた8日未明、「事務所にはだれもいない時間なので連絡がつかない。電子メールにも何も入ってないし、心配だ。朝になったら連絡をとる。無事でいてくれるといいが」と話していた。
 昨年8月から、国連難民高等弁務官事務所の職員としてアフガニスタン・カンダハルなどで避難民の救助活動に携わり、日本に一時帰国している千田悦子さん(38)は、1報を聞いて「本当ですか。早速、現地と連絡を取って攻撃が始まったのかどうかを確認しなければ。そのうえで自分がどうするかを決めたい」と心配そうに話した。千田さんは今月6日に日本に帰国し、9日に再び現地に向かう予定だった。
 アフガニスタン出身で、日本に帰化、都内でじゅうたんなどの輸入商社を営む江藤セデカさん(43)は「テレビで知ったばかり。近く空爆が起きると聞いていたが、驚いている。ふつうの市民は、タリバンとは無関係な人が多い。一般の人に被害が及ばないでほしい」と心配そうに話していた。[2001-10-08-04:39] 289
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 10/08@パキスタンは作戦長期化を懸念(読売新聞)

 【イスラマバード7日=佐藤浅伸】アフガニスタンと隣接する最前線国家、パキスタンは厳戒態勢の下、7日ついに開始された米軍の対アフガン攻撃を息詰まる思いでみつめている。今後の軍事作戦の行方次第では、国家分裂の危機を招きかねないからだ。
 アフガンを実効支配し、今回米国の攻撃対象となっているタリバンは、イスラム国家パキスタンのマドラサ(神学校)で生まれ、パキスタンが育てたといっても過言ではない。1990年代初頭、アフガニスタンに侵攻したソ連軍と戦ったムジャヒディン(イスラム聖戦士)各派が内戦に突入、パキスタンは、インドとの対抗上からも、後背地にあたるアフガンに親パ安定政権を早急に構築する必要に迫られた。タリバンはアフガン最大民族パシュトゥン人が主体で、国境に沿ってパキスタン国内にも多くのパシュトゥン人が住むという民族的一体性もある。
 パキスタンで生まれ、アフガンで培養されたタリバンの過激な思想は今、ブーメランのように跳ね返り、パキスタンのイスラム原理主義勢力の力を増長し続けている。
 ムシャラフ大統領が「国を危機に陥れようとしている10―15%の人々の陰謀を未然に防がなくてはならない」と国民に訴えたのは、そうした原理主義勢力を念頭に置いたものだ。
 軍政は現在のところ、原理主義諸団体のコントロールに自信を持っている。しかし、恐ろしいのは、その過激な反応が、一般国民にまで広がり、統制不能な事態にまで発展することだ。
 その分水嶺(れい)は、米国の軍事行動の行方にある。攻撃がタリバン、ビンラーディン兵士以外の一般アフガン人を少なからず巻き添えにし、しかも長引くことになれば、パキスタン国内の反米感情が一気に燃え上がり、反政府暴動へとつながる可能性は捨てきれない。国内に居住する約300万人のアフガン難民も大きな不安定要因だ。
 それ以上にムシャラフ大統領が懸念しているのは、軍内部の亀裂だ。アフガン政策を直接担当してきたのは、軍情報機関であり、タリバンへの思い入れは強い。軍幹部の一部は、米国への全面協力を約束したムシャラフ大統領に強い不満を抱いており、大統領に対し、えん曲な言い回しで退陣を要求したとの情報もある。仮に軍部内強硬派が実権を握ることになれば、隣国インドとの一層の関係悪化は免れない。アフガン危機が、事実上の核保有国として対じする印パ関係に飛び火すれば、南アジア全体、ひいては国際社会の安全保障に深刻な影響を及ぼすことになろう。[2001-10-08-04:38] 290
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 10/08@アラブ諸国、米攻撃の規模や期間を注視(読売新聞)

 【カイロ7日=平野真一】米国による対アフガニスタン軍事行動開始について、アラブ諸国は7日夜現在、公式の論評を出していないものの、予想された事態として織り込みずみで、攻撃の規模・期間がどうなるかを注視していると見られる。攻撃が長引いたり、アフガン民間人の死傷者を大量にもたらしたりすれば、アラブ・イスラム大衆の間に根強い反米感情が噴き出し、その矛先が米国の攻撃を黙認した各国政権にも向かいかねないからだ。
 「攻撃開始近し」との観測は、6日からクウェート、カタールなどペルシャ湾岸諸国を歴訪中だったダグラス・フェイス米国防次官が7日突然、アラブ首長国連邦(UAE)訪問を取りやめ帰国の途についたことから急速に広がっていた。[2001-10-08-04:34] 291
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 10/08@<アフガン攻撃>出口なし 「第2のベトナム」か(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】国際テロ壊滅をめざす21世紀最初の戦争が7日、始まった。しかし、解決にてこずり泥沼化すれば、アフガニスタンは「第二のベトナム」となって米国の土台を揺るがしかねない。冷戦と湾岸戦争に勝ち、世界唯一の超大国の地位をつかんで10年後、威信をかけた戦争に踏み込んだが、出口は見えない。
 古くからさまざまな文明と勢力圏の交差点だったアフガンは大国の餌食になるたびに、はねつけた歴史を持つ。19世紀には大英帝国とロシアが競い合った。英国は2回の戦争で支配下に置いたが、20世紀になるとアフガンは独立した。冷戦時代の1979年、ソ連が占領したが、ゲリラ戦に勝てず89年に撤退した。
 日本の1・7倍の国土があり、そのほとんどが山岳地帯というアフガン。そこに散在して潜むテロリストを追い詰めるのは軍事大国・米国にとっても至難の業だ。
 「アフガニスタンは軍事的に勝利するのはとても難しい国だ。山また山の地理はゲリラ戦に適しているが、通常の戦争には向かない。そして、アフガン人が世界でも最も優秀なゲリラ戦士であることは、歴史が示している」とデービッド・ギブス・アリゾナ大助教授(43)はいう。
 ベトナム化の要素は地理と歴史だけではない。米軍が空爆に続いて、ウサマ・ビンラディン氏とアルカイダを地上で追いかける展開になれば、タリバンやアフガン人と戦うことになる。ゲリラ戦の経験豊富なアフガン人に対し、米国はベトナム戦争以来、本格的な対ゲリラ戦争を知らない。
 94年、米兵18人が死亡したソマリア介入の失敗以来、米軍が最優先してきた「戦死ゼロ戦略」が崩れる時がくる。いまはブッシュ大統領を支持する米世論が、若者の相次ぐ戦死を聞いても大統領を支持し続けるかは不透明だ。
 さらに、アルカイダは60カ国に組織を持つとされる多国籍団体であり、アフガン一国を制圧しても組織を壊滅させたことにはならない。ビンラディン氏を逮捕あるいは殺害しても、次の世代の反米意識が強化されるだけだろう。
 「ベトナムのような泥沼にはまり込む危険が高い。軍事面で決定的に勝利できるとは思えない。軍事力ではテロリズムを打ち負かせない」(ギブス助教授)
 ラムズフェルド国防長官は同時テロから2週間後、「この戦争の勝利とは何か」と問われ、「地球からテロリズムを一掃するのは難しすぎる。米国民が、行きたい所に行け、恐怖感なしで朝、家を出る。その自由を取り戻すことが勝利だ」と答えたことがある。
 領土や資源ではなく、自由という目に見えない理念を掲げる限り「これで勝った」と言い切れない。それでも軍事力に頼るしかない米国にとって、この戦争は大きな賭(か)けとなりそうだ。[2001-10-08-03:10] 292
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 10/08@在日アフガン人、思い複雑 攻撃開始に(朝日新聞)

 アフガニスタンから日本に移ってきた人たちの思いも複雑だ。タリバーン政権から逃れてきた人たちが「祖国が解放されるきっかけになれば」と米国を支持する一方で、「新たな対立を生み出すだけだ」「一般市民が戦火に巻き込まれる」と懸念する声もあがる。
 千葉県北西部の市で建築資材置き場の仮設住宅に住むM・ダウドさん(26)は「タリバーンやビンラディンの行動は非人間的だ。米国の行動がアフガン人を圧政から解放するきっかけになれば」と話した。期待で口調が早くなる。
 8月中旬に日本へ来た。アフガン中部に住んでいたハザラ人だという。「5カ月前、タリバーン兵に妹を殺された。父親も行方が分からない」。テレビやラジオで米国の動きを注視する日々が続く。
 タリバーンが首都カブールを制圧した96年、アフガニスタンから日本に逃れてきたウズベク人のグル・アハマッド・バハドルさん(53)は「タリバーンから逃れてきた人は、みな米国の行動を支持している。政権が倒れた後、すべての民族が平等になる社会を作りたい」と言った。
 一方、静岡県島田市の医師でパシュトゥン人のレシャード・カレッドさん(51)は、米国の攻撃にはあくまで反対だ。
 「結果としてテロ対策が終わっても、火種によって、この先100年の間、アフガニスタンは殺し合いの場と化してしまうだろう」 アフガニスタンからの難民がたえない背景には、パシュトゥン、ハザラ、ウズベク、タジク人といった民族が敵対してきたこの国の苦難の歴史がある。
 「米国は、かつての旧ソ連のように民族間や部族間の憎しみを再燃させようとしている」とカレッドさんは心配する。[2001-10-08-03:04] 14
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 10/08@中国でもボラ・マジック W杯請負監督また手腕(共同通信)

 「米盧神奇(ボラ・マジック)」に熱狂的な中国サポーターもひれ伏した。
 1986年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会以降、異なる4チームを率いて4大会連続して決勝トーナメントに進んだミルチノビッチ監督が、中国を悲願の本大会に導いた。中国は7度目の挑戦で、ユーゴスラビア人のW杯請負監督の手腕によって初めて予選突破を果たした。
 組み合わせに恵まれた感のある最終予選だったが、何度もあと一歩で涙をのんできたファンは半信半疑だった。最終予選直前の8月の招待試合(上海)で格下の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に敗戦。スタジアムは監督辞任を求める怒声に包まれ、チームが競技場内に閉じこめられる事態も発生。主力選手から戦術批判も飛び出した。
 同監督はそれでも自信満々で、予選突破に失敗すれば「万里の長城から飛び降りる」と公言。ホームでのアラブ首長国連邦(UAE)戦に3―0で快勝すると、悪条件の西アジアでのアウエーもしぶとくしのぎ、無敗で初出場を決めた。いま、サッカー専門誌の支持率調査は90%を超える。批判には結果でこたえた。
 「マジック」との評価とは裏腹に、同監督は安定感のあるオーソドックスなサッカーを志向。チームづくりも徹底して論理的だ。本大会を知り尽くした老練な監督のもと、中国が世界の舞台で「神奇(マジック)」を再現する可能性は十分にある。(瀋陽、共同=村山潤)(了)[2001-10-08-07:33] 15
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 10/08@○サッカーW杯本大会出場決定国(時事通信)

 ▽前回優勝 フランス
 ▽開催国 日本、韓国
 ▽欧州 ロシア、ポルトガル、デンマーク、スウェーデン、ポーランド、クロアチア、スペイン、イタリア、イングランド
 ▽南米 アルゼンチン
 ▽アフリカ 南アフリカ、カメルーン、セネガル、チュニジア、ナイジェリア
 ▽北中米カリブ海 コスタリカ、米国
 ▽アジア 中国(時事)[時事通信社][2001-10-08-06:34] 220
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 10/08@「成果は判断できず」トルシエ監督が欧州遠征総括(朝日新聞)

 トルシエ監督は「ミニラボ(小さな実験室)」と名付けた遠征で、新しい選手を加えたチームの反応や、海外移籍した選手の変化を観察した。
 ■右サイドの収穫
 広山(セロ・ポルテーニョ)に日本代表デビューのチャンスが与えられたのはセネガル戦。広山は「僕は短い時間でも力を出し切れる。逆襲の基点になれるし、ゴール前で得点にも絡める。僕のスピードが日本の武器になることを証明したい」と語っていたが、後半29分から右MFで出場し、プレーで実証した。
 ナイジェリア戦も後半から出場し、積極的な突破を右サイドで披露。右MFのレギュラー争いに加わりそうだ。
 昨年8月以来の出場となったDF宮本(ガ大阪)はナイジェリア戦でDFの中央に入ってフル出場。苦手とされる1対1や空中戦でも健闘した。
 キリンカップに続く出場の藤本(広島)、99年9月以来の復帰となった福西(磐田)は、強い印象は残せなかった。
 ■海外移籍の功罪
 今季から海外へ移籍した稲本(アーセナル)、小野(フェイエノールト)、高原(ボカ・ジュニアーズ)の3人の中で、稲本が唯一2試合に出た。持ち味の前へ出ていくプレーはいいが、ナイジェリア戦ではゴール前まで持ち込めるところをロングシュートしてしまう判断ミスがあった。セネガル戦では試合中に疲労で足がけいれんした。試合に出られないためのマイナスはある。
 けがが治ったばかりの小野はナイジェリア戦前半だけの出場だったが、成長の跡がはっきり見て取れた。守備のとき相手との間合いを詰めるスピードが上がり、攻撃では、激しい当たりを受けてもかまわず切り込んでいった。
 セネガル戦の前半だけ出場した高原はシュートを一本も打てなかった。ボカと日本代表のスタイルとの差に戸惑いがあった。もっともトルシエ監督は「修正する時間があれば問題はない」と心配はしていなかった。[2001-10-08-20:05] 244
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 10/08@貴重な体験、手ごたえも トルシエ監督は戸田を高く評価(共同通信)

 なかなか対戦しにくいアフリカ勢との2試合は、日本代表の各選手に貴重な経験をもたらしたはず。この遠征を「実験室」と強調してきたトルシエ監督は、いよいよ来年のワールドカップ(W杯)へ向けた選手の絞り込みに着手するようだ。
 セネガル戦の完敗を受けたナイジェリア戦は、素早いパス回しで対抗し、前線からのプレスも効いた。1、2点目と先手を取り、大黒柱の中田英や森島、名波を欠いても、一定レベルを保てることを証明した。
 試合後、トルシエ監督が絶賛したのは守備的MF戸田。同じポジションのスペインの名選手を引き合いに出し「今や日本のグアルディオラ」とまで言った。確かに、オコチャ、オリセーら名手に果敢に挑んで体を張り、風格も漂ってきた。
 攻撃陣では、柳沢と鈴木の鹿島コンビの2トップ。フィニッシュだけでなく、組み立てにも意欲的に絡んでリズムをつくった。
 守備陣は2失点だが「高い守備ラインを保つという戦術が(各国に)知られてきた中で、こういう試合ができたのは大きい」(松田)と自信を深めた様子だ。一方、松田は2失点目につながる軽率なミスも。このあたりが今後の課題だ。
 トルシエ監督はこの遠征をふまえて「これからチームの柱となる13、14人を選ぶ」と明言した。11月のイタリア戦(埼玉)を、今年の準備の総決算とするつもりだ。(共同=名取裕樹)(了)[2001-10-08-17:08] 278
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 10/08@1億人のファン熱狂 五輪より民族心高揚と期待(共同通信)

 【北京7日共同】中国が七日、建国以来念願のワールドカップ(W杯)出場切符を獲得し、1億人以上の熱狂的なサッカーファンを歓喜させた。価値観の多様化で権威が薄れがちな中国共産党にとっても、民族心の高揚によって党への結集力を取り戻す絶好の好機であり、その影響力は五輪以上との声も聞かれる。
 サッカーは中国で最も人気があるスポーツだ。革命英雄で建国直後に国家体育運動委員会主任を務めた故賀竜氏は一九五○年代に「サッカー、バスケット、バレーの3球技が世界レベルに達しなければ死んでも心残りだ」と語り、その言葉は今でも語り継がれている。故/トウ/小平氏が熱狂的な球迷(サッカーファン)だったのも有名だ。
 体を激しくぶつけ合いボールを追いかける球技に「国民は平和な時代の戦争を見る。愛国心が必然的に高まる」とサッカー専門紙「中国足球報」の楊迎明編集局長は解説する。
 「二○○八年の北京五輪開催は中国の国際的地位が高まる意義があるけれど、全国に広がるサッカーファンの熱狂ぶりを見れば、民族が一つにまとまるという点ではW杯の方が政治的効果は断然大きい」とも楊氏は言う。
 本格的な市場経済時代を迎えるとともに、幹部の腐敗や貧富の格差拡大で国民の共産党離れは加速している。民族心と愛国心をキーワードに来年、W杯の大舞台に臨む中国サッカーの動向は、政治的にも重要なイベントになりそうだ。(了)★登の右に郊のツクリ[2001-10-08-07:34] 279
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 10/08@中国でもボラ・マジック W杯請負監督また手腕(共同通信)

 「米盧神奇(ボラ・マジック)」に熱狂的な中国サポーターもひれ伏した。
 1986年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会以降、異なる4チームを率いて4大会連続して決勝トーナメントに進んだミルチノビッチ監督が、中国を悲願の本大会に導いた。中国は7度目の挑戦で、ユーゴスラビア人のW杯請負監督の手腕によって初めて予選突破を果たした。
 組み合わせに恵まれた感のある最終予選だったが、何度もあと一歩で涙をのんできたファンは半信半疑だった。最終予選直前の8月の招待試合(上海)で格下の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に敗戦。スタジアムは監督辞任を求める怒声に包まれ、チームが競技場内に閉じこめられる事態も発生。主力選手から戦術批判も飛び出した。
 同監督はそれでも自信満々で、予選突破に失敗すれば「万里の長城から飛び降りる」と公言。ホームでのアラブ首長国連邦(UAE)戦に3―0で快勝すると、悪条件の西アジアでのアウエーもしぶとくしのぎ、無敗で初出場を決めた。いま、サッカー専門誌の支持率調査は90%を超える。批判には結果でこたえた。
 「マジック」との評価とは裏腹に、同監督は安定感のあるオーソドックスなサッカーを志向。チームづくりも徹底して論理的だ。本大会を知り尽くした老練な監督のもと、中国が世界の舞台で「神奇(マジック)」を再現する可能性は十分にある。(瀋陽、共同=村山潤)(了)[2001-10-08-07:33]
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 10/09@「ビンラディン氏側近と電話」の男性逮捕 ボスニア(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナからの報道によると、同国を構成するボスニア連邦のベシッチ内相は8日、米国でのテロ事件の容疑者とされるオサマ・ビンラディン氏の側近の一人と電話連絡を取り合った疑いのある男性を逮捕した、と発表した。
 AP通信などによると、男性は複数の外国パスポートの入手方法などについて側近と電話で話し合ったという。男性はイエメンとアルジェリアなどの身分証明書を持っていた。[2001-10-09-18:23] 86
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 10/09@空自輸送機、アフガン難民支援物資を届けて帰還(読売新聞)

 【イスラマバード9日=佐藤浅伸】アフガニスタンからの難民に対する支援物資を輸送する航空自衛隊のC130輸送機6機が9日午前、イスラマバード近郊の空港に到着した。10人用テント315張り、毛布200枚、ビニールシート75枚、スリーピングマット20枚などで、6機は荷降ろしを終了して、同日午後4時10分(日本時間同8時10分)ごろ、帰国の途に就いた。一行はインド・デリーなどを経て、12日に帰国する予定。これらの輸送物資は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて難民に届けられる。[2001-10-09-22:56] 87 [このページの最初に戻る]


 10/09@米軍によるカンダハル空爆、白昼も続く(朝日新聞)

 米軍のアフガニスタン空爆が始まって3日目の9日、タリバーンの「本丸」カンダハルへの攻撃が日中も続いた。白昼の空爆は初めて。9日までの空爆で国連関係者4人の死亡が確認され、タリバーン側はほかに民間人20人が巻き添えになり死亡したとしている。
 タリバーン政権のザイーフ大使は9日、「オサマ・ビンラディン氏は引き渡さない」と記者団に語った。空爆開始前は第三国への引き渡しやイスラム法廷での裁判の可能性があるとしていたが、空爆が実際に始まったことで態度を硬化させた。
 タリバーンの「統治の象徴」と言えるカンダハルへの執ような攻撃や各地の通信施設の破壊は、政権内の動揺を誘い、命令系統を分断しようとの狙いをうかがわせる。タリバーン系のアフガン・イスラム通信(AIP)によるとカンダハルでは8日夜に2回、9日朝に3回の空爆があった。
 また同市から西へ約70キロのマイワンドにも日中、激しい空爆が加えられた。AIPは民間人の死者が出たと伝えた。
 タリバーン政権の最高指導者オマール師はカンダハルに常駐し、全土に指示を出していた。オマール師が米軍の標的となっている可能性もある。マイワンドにはビンラディン氏の訓練施設があるという情報のほか、オマール師が避難していたとの情報もある。
 AIPによると、タリバーンは住民に夜間にあかりをつけないように求め、暗やみの中で対空砲での応戦を続けている。だが、米軍に被害は出ていないもようで、圧倒的な軍事力の差を前に、空爆段階では同政権の抵抗の限界が浮き彫りにされつつある。[2001-10-09-22:27] 88
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 10/09@緊急アラブ外相会議の非公式協議始まる(朝日新聞)

 56カ国・機構で構成されるイスラム諸国会議機構(OIC)がドーハで10日に緊急外相会議を開くのに先駆け、9日、アラブ諸国の緊急外相会議の非公式協議がドーハ市内のホテルで始まった。同時多発テロと米英両国の対テロ軍事作戦に対する協力のあり方が主要議題とされており、米がテロ支援国家と呼んでいるイラクやシリアを含めた協議が紛糾するのは必至とみられる。
 一方、OIC筋は9日、緊急外相会議にアフガニスタンのタリバーン政権が出席する意向であることを明らかにした。同政権を承認していたサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)は先月末、断交を発表しており、タリバーンの扱いもアラブ外相会議の重要議題となりそうだ。会議は9日夜、共同声明を発表して閉幕する予定だ。
 エジプトやサウジなどアラブ穏健派諸国は、米の掲げるテロ壊滅作戦には協力する意向を示しているものの、アフガン空爆へのはっきりした態度は表明していない。また、8日にドーハ入りしたイラクのサブリ外相は、「米国はアフガンやイラク民衆に悲劇をもたらしている」と記者団に語り、米英の軍事作戦を非難した。さらに、「オサマ・ビンラディン氏とイラクは何の関係もない」とも述べ、イラクが今後の作戦で標的となれば、反撃する用意があることを強調した。[2001-10-09-22:19] 89
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 10/09@パキスタン流入難民、数百人規模 難民高等弁務官事務所(朝日新聞)

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のスポークスマンは9日、現時点でアフガニスタンからパキスタンへの難民流入は数百人程度にとどまっている、と語った。
 パキスタン国境は公式には閉鎖されており、難民は山岳地帯から国境を越えている。アフガニスタン側ではタリバーン兵士が難民の国境越えを妨げているという。一方でUNHCRは大量の一時的な難民の可能性があるとして、パキスタン側に国境を開くよう求めている。[2001-10-09-21:57] 91
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 10/09@米空爆でアフガン人NGO職員4人が死亡(読売新聞)

 【イスラマバード9日=大内佐紀】国連のバンカー報道官は9日、イスラマバード市内で記者会見し、米軍の対アフガニスタン空爆により、カブール郊外で、国連の地雷除去作業を請け負っていた民間活動団体(NGO)「アフガン・テクニカル・コンサルタンシー」のアフガン人職員4人が死亡、4人が負傷したと発表した。米英軍による、ウサマ・ビンラーディン一派とタリバンに対する攻撃で、国際機関によって死者が確認されたのは初めて。
 バンカー報道官によると、8日午後9時ごろ、アフガンの首都カブールから約3キロの郊外にあった同NGOの本部建物が、米軍の2日目の空爆により破壊され、中にいた4人が死亡、4人が負傷した。このNGOは1989年に設立され、国連から資金提供を受けて、長年に渡る内戦の間、アフガン全土に埋設された地雷の除去作業に従事していた。
 国連アフガン調整事務所のマイク・サケット所長は、「軍事行動から、民間人を保護するよう国際社会に訴える。戦闘要員と、武器を持たない民間人は、明確に区別されるべきだ」との声明を発表、米国に慎重な対応を求めた。米国は、対アフガン空爆では、タリバン政権やビンラーディンのテロ組織などの軍事拠点のみを標的としている点を強調している。これに対し、タリバン側は9日、2日間の空爆で数十人の民間人が死亡したとして、米国の「テロ行為」を非難した。
 [2001-10-09-21:39] 94
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 10/09@空自機が支援物資引き渡し テロの国際貢献第1弾(共同通信)

 【イスラマバード9日共同】米英軍のアフガニスタン報復爆撃により、急増が懸念される難民への支援物資を積んだ航空自衛隊のC130輸送機六機が九日、イスラマバード空港に到着し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への引き渡しを終え、同日夕(日本時間同日夜)、全機が帰路に就いた。六機の小牧基地(愛知県)への帰還は十二日の予定。
 米中枢同時テロに関連した自衛隊の海外派遣第一弾となった支援物資輸送は無事に終了。日本政府はさらなる「目に見える貢献」の具体化を急ぐ。
 一番機に乗り込んだ山地英一隊長は、やや緊張した面もちで空港に降り立ち、出迎えの沼田貞昭・駐パキスタン大使と握手。青いキャップをかぶり、迷彩服に身を包んだ隊員が黙々と、日章旗が縫いつけられた積み荷をトレーラーに移す作業を見守った。
 米英軍は七日に続き、八日もアフガン国内を空爆したが、隣国のパキスタンでは戦闘行為が行われていないため、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づきC130は予定通り派遣された。しかし、六機に分乗した計百六十人の自衛隊員らは、護身などのため短銃を携行、緊張感が漂った。
 UNHCRへ引き渡されたのは、十人用テント三百十五張り、毛布二百枚、給水器四百個など。物資の国内輸送はUNHCRが受け持ち、国境近くのペシャワル、クエッタにトラックで運ばれ、最悪の場合百万人の流入が予想されるアフガン難民の救済に充てられる。(了)[2001-10-09-20:52] 95
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 10/09@<アフガン施設>ビンラディン氏関連は55カ所 空爆の対象(毎日新聞)

 米国が開始した対アフガニスタン空爆には同時多発テロの首謀者とするウサマ・ビンラディン氏を潜伏先からあぶり出す目的がある。ロイター通信はロシア政府が3月、国連安保理に提出した同氏に関する調査文書の内容を報じ、関連施設は少なくとも55カ所に上ることを明らかにした。また、米国の危機管理研究機関も衛星写真を公開し、「ビンラディン氏の隠れ家の一つである可能性がある。米特殊部隊などの重要な標的だ」と分析している。【竹之内満】
 ロシアの報告書によると、ビンラディン氏が関連する事務所や施設は首都カブールや同氏の拠点とされるカンダハル、東部ジャララバード、反タリバン連合との激戦が続く北部マザリシャリフ周辺に集中する。いずれの都市も7、8日に実施した空爆の攻撃対象となった。
 カブールには地下本部、訓練キャンプ、兵士7000人が所属する巨大基地などが点在。カンダハルには訓練センターをはじめ、防空壕などジャララバードにはキャンプや本部などがある。
 報告書によると、兵士はアラブ諸国やパキスタンからも集められ、これら施設で訓練を受けた後、紛争の続くロシア・チェチェン共和国やフィリピンに送り込まれたという。ただし、同時テロ後もこれら施設が利用されているかは不明だ。
 一方、米国の軍事戦略研究で知られるシンクタンク「グローバル・セキュリティ」はホームページ上で、商用衛星「イコノス」が捕らえた訓練施設の画像を複数公開。ジャララバードから北西約13キロの山岳部デュランタにある司令部を含む施設群だと指摘、1500人以上の新兵が銃器や爆発物取り扱いの訓練を受けているという。
 丘陵斜面に開けられた14のトンネルが十数カ所に設けられた地下壕を結び、これらは80年代に旧ソ連軍侵攻の際に建設されたという。丘陵の頂上にはヘリポートや監視所がはっきりと見えるほか、斜面には銃座や地対空ミサイルの発射台があるという。
 同シンクタンクは「トンネルの入り口は、車両が通行可能なほど大きく、コンクリートで補強されたうえ、爆撃に耐えうる金属製の扉に守られている」と分析している。[2001-10-09-20:50] 96
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 10/09@作戦の即時停止を要求 イラン大統領(共同通信)

 【テヘラン9日共同】イランのハタミ大統領は九日、米英両軍によるアフガニスタン攻撃を「人類の破局」と非難し「作戦の即時停止を求める」と訴えた。高位聖職者の集会で語った。
 大統領は「テロとの戦いを、無防備な人々を攻撃し、抑圧する口実にしてはならない」と指摘。アフガニスタンの将来の統治体制について「国連とイスラム世界、そして世界各国が、選挙と国家再建に向けて協力して行かねばならない」と述べた。(了)[2001-10-09-20:26] 98
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 10/09@<アフガン攻撃>地雷撤去NGOの4人死亡 民間人の犠牲増(毎日新聞)

 【イスラマバード小松健一】アフガン・イスラム通信によると、米軍が8日夜に始めた2日目の空爆で、首都カブールにある地雷除去活動の非政府組織(NGO)事務所を巡航ミサイルが直撃し、アフガン人スタッフ4人が死亡した。同事務所は国連の援助を受けて地雷除去を行っている。アフガンからの報道を総合すると、空爆を重ねるたびに民間人の犠牲が増えている模様だ。
 爆撃された地雷除去センターは「アフガン・テクニカル・コンサルタンツ」(ATC)事務所。死亡した4人は、20〜30代の男性と伝えられ、同事務所関係者はロイター通信に「事務所で就寝中に爆撃された。明らかな誤爆だ」と訴えた。
 アフガン・イスラム通信などによると、米軍は9日朝、タリバン政権の本拠地カンダハルの西約70キロのマイワンド地区を爆撃し、市民1人が死亡した。同地区はウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」の軍事キャンプがあるといわれていた。
 さらにカンダハル空港周辺の爆撃で学生2人が犠牲になったとの情報もある。タリバン消息筋は「タリバン政権も対空砲での応戦に追われ、被害実態は分からない。さらに犠牲者は増えるだろう」と話している。[2001-10-09-20:25] 99
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 10/09@<空自輸送機>イスラマバードに到着 救援物資、UNHCR(毎日新聞)

 【イスラマバード井田純】難民救援物資を積んだ航空自衛隊のC130輸送機が9日、パキスタンの首都イスラマバードのチャクララ空軍基地に到着した。アフガニスタン・タリバン政権への報復攻撃が続き、隣国パキスタンの緊張も高まる中、救援物資は「日の丸」のついた機体から降ろされ、国連難民高等弁務官(UNHCR)パキスタン事務所に引き渡された。
 午前9時20分(日本時間同日午後1時20分)、空輸隊6機のうち、隊長の山地英一・基地司令が乗る最初の1機がごう音を響かせて着陸した。チャクララ基地では、UNHCRパキスタン事務所長、沼田貞昭大使とともに、パキスタンの難民担当省次官が出迎えた。直前の中継地デリー出発がやや遅れたにもかかわらず定刻通りの到着。7日に派遣された外務省国際平和協力室の町田信也課長補佐は「空輸隊の航路には(米英両国の)攻撃の影響がない」と、安全性を強調した。
 アフガンへの攻撃開始以来、「戦時下と同様」(大使館関係者)の警戒態勢に入っているパキスタン空軍。その関係者らが見守る中、引き渡しセレモニーが行われた。残る5機も順次到着し、同日夕には任務を終えた空輸隊がすべて帰途に就いた。
 UNHCRによると、この日提供されたテントや毛布などの救援物資は、「反米親タリバン」デモが連日のように続く北西部ペシャワルの難民キャンプに送られる。
 取材にあたった米国メディアの記者は「隣の国では戦争中というのに、よく管理された式典だった」と、皮肉な感想を漏らした。
 「6機とも任務を終えるまでは安心できない」。東京・市谷の航空自衛隊内では1番機が着いたとの連絡が入っても、緊張が続いた。米国の軍事報復が始まり、パキスタンでは反米デモが激化。空輸隊がテロに遭う危険もあった。
 内閣府国際平和協力本部事務局も、最悪の場合は空輸隊を引き返させることを検討していた。C130の各機がパキスタンから離れたとの連絡が入るたびに、事務局内はほっとしたムードが流れた。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請に基づき難民救済を実施したのは、「聞く限りでは日本がイギリスに次ぎ2番目」(外務省)。ある防衛庁幹部は「湾岸戦争以来、目に見える形での国際貢献が問われていたが、今回は国際的に評価されると思う」と満足そうだった。
 一方で、今回のC130派遣を巡っては、疑問点も残した。
 難民救済策は、国会審議中のテロ対策支援法案にも盛り込まれているが、今回の派遣はこれと切り離し、現行法の国連平和維持活動(PKO)協力法で実施された。政府内に「早く国際貢献を実現させたい」との意見があったためだった。
 しかし、PKOの適用には派遣先の「紛争当事者間の停戦合意」が必要条件。テロ組織を相手にこの問題をクリアできるかどうかの論議はなかった。また、片道3泊4日かかる輸送機より、その日のうちに到着可能な民間機をなぜ使わないのかとの疑問も残したままの自衛隊機派遣だった。
 自衛隊内には「付け焼き刃で行かされるのは困る」という不満が、今もくすぶっている。 【宮下正己】[2001-10-09-20:15] 100
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 10/09@収容のアフガニスタン人9人は難民申請中 弁護士が仮放免請(共同通信)

 偽造旅券で入国したなどとして三日、東京入国管理局に入管難民法違反の疑いで収容されたアフガニスタン人九人が、いずれもタリバン政権に迫害されている少数民族の出身で、法務省に難民認定を申請中だったことが九日、面会した弁護士らの調査で分かった。
 弁護士側は「難民申請者を拘束するのは異例で、難民条約に反する疑いが強い」として同日、全員の仮放免を請求。
 法務省側は「他人名義の旅券を使うなどし入国した悪質なケースは取り締まるのが当然」とした上で「一般論として、難民認定と入管難民法違反の捜査は並行して行われ、結論が出る前に強制送還することはない」と説明している。
 面会した大貫憲介弁護士らによると、九人は十―四十代の男性ばかりで、少数民族のハザラ人八人、タジク人が一人。内戦を逃れ、今年六月以降に船や飛行機で入国し東京や千葉、埼玉に住んでいたという。
 九人は、家族をタリバンに殺されたり、捕らえられたりしたとして、難民申請していた。
 大貫弁護士ら二十五人は十日、九人の難民認定を求める弁護団を結成する。大貫弁護士は「小泉首相はアフガン難民支援を表明しているのに、国内のアフガン人を迫害するのは矛盾している」と話している。(了)[2001-10-09-20:13] 108
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 10/09@<中国>新疆ウイグル自治区のアフガン国境を閉鎖 (毎日新聞)

 【北京・浦松丈二】中国外務省の孫玉璽・報道局副局長は9日の定例会見で、新疆ウイグル自治区タシュクルガン地区にあるアフガニスタン国境を、米英両国軍が対アフガン攻撃を開始した翌日の8日から閉鎖したことを明らかにした。また「安全上の理由」から外国人の同地区への立ち入りを禁止している。
 タシュクルガン地区は少数民族タジク族らの居住地域で、中心部からアフガン国境までは約100キロ。パキスタンやタジキスタンとも国境を接している。5日から外国人記者の立ち入りを制限していたが、今回は一般旅行者などすべての外国人を対象にしている。
 孫副局長はすでに同地区で警備態勢を強化していることも明らかにした。アフガンなどでの混乱が国内に及ばないようにするための措置とみられる。[2001-10-09-19:35] 113
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 10/09@空爆で国連関係NGOの職員4人死亡 カブール(朝日新聞)

 米軍の空爆が続くアフガニスタンの首都カブールで8日、国連の地雷撤去に携わる非政府組織(NGO)事務所が爆撃され、アフガン人職員4人が即死、4人がけがをした。イスラマバードの国連関係者が9日、会見で明らかにした。空爆によるNGO職員の被害は初めて。米軍は「テロ組織・軍事施設への限定攻撃」として国際社会に軍事行動への理解を求めていたが、NGO職員の巻き添えで米国への批判が強まりそうだ。
 このNGOはアフガン・テクニカル・コンサルタンシー(ATC)で、8日午後9時(日本時間9日午前1時半)ごろ爆撃を受けたという。事務所はカブール市中心部から約3キロ東にあり、爆撃で倒壊した。事務所にはトラック2台や発電機2機、通信機器などが置かれていた。カブール発のAP通信は近くにタリバーンのラジオ施設があったと伝えており、誤爆の可能性もある。
 アフガンにはソ連侵攻や内戦で地雷が仕掛けられ、95年時点で約1000万個が残されていた。今でも毎月150〜300人の市民がけがをするなど大きな被害が出ている。ATCは89年に設立された。アフガンで地雷除去作業をする最大級のNGOで、国連がアフガニスタン国内で行っている地雷除去プロジェクトの実施を請け負っている。日本の地雷除去関係企業などとの関係も深い。
 一方、タリバーンのザイーフ駐パキスタン大使は8日、「米軍の攻撃に市民と軍事目標の区別はない。犠牲者に子どもや女性、老人も含まれている」と米側を批判。少なくとも市民20人が死亡したと語っていた。[2001-10-09-19:11] 119
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 10/09@国連関係NGO4人が死亡 カブールで爆撃の巻き添え(共同通信)

 【イスラマバード9日共同=福富正秀】米軍が八日夜にアフガニスタンに対し行った攻撃で、首都カブールにある国連が資金を拠出している地雷除去活動の非政府組織(NGO)「アフガン・テクニカル・コンサルタンシー」の事務所が爆撃を受け、アフガニスタン人警備員ら四人が死亡、四人が負傷した。アフガン・イスラム通信が伝えた。
 事務所はタリバン政権のラジオ放送塔の近くにあった。今回の攻撃でNGO関係者に死者が出たのは初めて。
 米国は攻撃の対象を軍事目標に限定するとしているが、攻撃が続き民間人の巻き添えが増加すれば、米英の作戦の在り方に批判が強まる恐れがある。
 一方、タリバン政権報道官は、複数の米軍機が九日朝、政権の本拠地である南部カンダハルを三回にわたり爆撃したと発表した。米軍によるアフガニスタン攻撃が日中行われたのは初めてで、米国がタリバンの防空能力がこれまでの攻撃などで相当低下したと判断した上での行動とみられる。
 アフガン・イスラム通信によると、米軍は九日、カンダハルの西約七十キロのアミワンド村を攻撃。同村にはウサマ・ビンラディン氏のテロ組織アルカイダの基地があるといわれており、攻撃は断続的に続いているもようだ。
 また、タリバン報道官は、カンダハル空港周辺が爆撃を受け、二人が死亡、タリバンも対空砲撃で応戦したとしている。首都カブールでも九日早朝、米軍機数機が飛来し、同市北部の空港周辺を空爆した。この空爆による被害の程度などは判明していない。
 七日のアフガニスタンへの攻撃開始以来、タリバン政権側は女性や子供ら民間人二十人が死亡と発表。国営イラン通信は各地で計三十七人が死亡、八十一人が負傷したと報じている。(了)[2001-10-09-18:05] 126
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 10/09@アフガン以外に武力行使も 米、国連安保理で説明(朝日新聞)

 国連安全保障理事会は8日夕、米英の要請を受けて、アフガニスタンに対する武力攻撃をめぐる非公式協議を開いた。両国が軍事行動の正当性を説明、その中で米国は、アフガン以外の国に対しても武力行動が必要になる可能性があることを強調した。
 非公式協議で、米英はそろって「武力行使は国連憲章が認めた個別的、集団的自衛権の行使であり、その対象はテロリスト及びテロリストをかくまう者に限定されている」と訴えた。
 協議に先立ち、2国は安保理にそれぞれ書簡を送った。ネグロポンテ米国連大使はその中で、「テロの詳細については未解明の点がなお多い。調査はまだ始まったばかりだ」と指摘。「わが国を自衛するうえで、ほかの国々や組織に対しても新たな行動が必要になるかもしれない」と述べた。
 書簡は攻撃対象となる国や組織を特定しておらず、非公式協議でも米国は対象国を明らかにしなかった。
 ホワイトハウスのフライシャー報道官は同日、「必要があれば米国はどこであれ自衛権を行使しうるという意味だ」と説明。イラクやリビアなど特定の反米国家をけん制する目的ではなく、アフガニスタン以外の国々に対しても自衛のためならいつでも軍事行動をとるという権利を留保するのが狙いだと明かした。[2001-10-09-16:49] 128
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 10/09@難民からの兵補充を強化 反タリバーン「北部同盟」(朝日新聞)

 アフガニスタン・タリバーン政権への攻勢を強める反タリバーン「北部同盟」は、アフガンからパキスタンに逃れてきた難民から兵士を補充する動きを強め始めた。少数民族ハザラ族主体の「イスラム統一党」関係者が朝日新聞記者に明らかにした。
 アフガン内で地下工作に従事していた同党幹部が9月末にパキスタンのクエッタに入り、アフガンの地理や情勢を熟知し、内戦などでの戦闘経験のあるアフガン難民を集めている。すでに2000人を調達し、300人がアフガン北部への潜入をめざすという。米英軍の攻撃に呼応して北部の拠点からタリバーンを攻撃する先兵役になるとみられる。
 アフガン北中部に住むハザラ族は人口の約19%を占める。パシュトゥン族主体のタリバーン政権下では抑圧され、同政権への反発が強い。クエッタに約40万、北部のペシャワルに約20万人の同族難民がいるという。[2001-10-09-16:25] 131
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 10/09@フロリダで新たな炭疽菌感染者、FBIも調査(読売新聞)

 【ワシントン8日=長谷川由紀】今月5日に炭疽(たんそ)菌に感染した男性(63)が死亡した米フロリダ州で8日、男性の同僚からも炭疽菌が検出されたことが新たにわかった。死亡した男性のコンピューターのキーボードからも菌が検出された。炭疽菌は生物兵器にも使われるが、感染が相次いだのは異例。連邦捜査局(FBI)は感染経路などの調査に乗り出した。アシュクロフト司法長官は「犯罪捜査に発展する可能性があるが、テロと関係していることを示す情報は今のところない」と述べた。
 新たな菌が検出されたのは、死亡した男性の同僚で70代の男性。発症はしていないという。2人は同州ボカラトンの地元新聞社の事務所に勤務。新たな感染者は郵便物の集配を担当していた。地元テレビは不審な郵便物が感染源の可能性もあると報じている。
 炭疽菌は土壌中などにまれに存在するが、室内で見つかることはほとんどない。人から人に感染することはほとんどなく、何らかの理由で事務所に持ち込まれた可能性が高いという。
 炭疽菌は吸い込むと激しい風邪のような症状を引き起こし、8割以上が死亡するとされる。湾岸戦争後、イラクがこの菌を使った生物兵器の開発を試みていたことが分かっている。北朝鮮も炭疽菌を保有している可能性が高いとされる。
 米国では、同時テロ実行犯の所持品から農薬散布の資料が見つかり、生物・化学兵器テロへの懸念が広がった。実行犯の多くは事件前にフロリダ州に滞在、死亡した男性も主犯格とされるムハンマド・アター容疑者が小型機を借りた空港の近くに住んでいた。
          ◇
 【炭疽菌】土壌、水、空中などに分布する。野生動物や家畜の感染症である炭疽を引き起こす。感染動物や汚染された食肉、水などを通じて人にも感染する。家畜は突然発熱し、早ければ24時間以内に急死。人も菌が全身に広がると高熱と脱力で死亡する。[2001-10-09-14:00] 133
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 10/09@米政権、空爆は対テロ闘争の「小さな部分」(読売新聞)

 【ワシントン8日=坂元隆】米軍は8日、アフガニスタンに2日目の空爆を実施したが、ブッシュ政権は同日、空爆はテロに対する戦いの「小さな部分に過ぎない」(ラムズフェルド国防長官)と位置付け、さまざまな面での反テロ闘争を今後さらに拡大していく方針を強調した。
 フライシャー大統領報道官は8日の会見で、9月11日の同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディンが米国を非難しているビデオを見たブッシュ大統領が「これはビンラーディンだけを相手にした戦争ではない。テロリストたちを対象としたさまざまな前線での戦争だ」と感想をもらしたことを明らかにした。
 ブッシュ大統領は、ビンラーディンについて「生死を問わず指名手配中」と発言するなど、ビンラーディンの拘束または抹殺にこれまで強い意欲を示してきた。しかし、軍事行動が近づいた先月末から反テロ闘争が特定の個人のみを対象としたものでないと主張するようになり、ビンラーディンの名前すらまったく口にしなくなった。
 ブッシュ大統領の想定する反テロ闘争は、軍事行動だけにとどまらない。大統領は8日、テロ組織の資産凍結やテロ包囲網構築のための外交努力などを挙げ、「戦争は多くの前線で行われつつある」と述べた。国連に対して「アフガニスタン以外の国も攻撃対象とする可能性がある」と通告したのも、テロとの戦いの前には地理や国境の制約は意味がないとの考えからだ。
 しかし、軍事行動を実際にアフガン以外、たとえばイラクにも拡大するとなると、中東ばかりでなく、欧州諸国の一部の反対も予想され、実行は決して容易でない。また、米国内での報復テロの可能性も否定できず、「前線」は世界中いたるところに出現しうるとすらいえる。テロ撲滅を目標にした史上初の戦争に乗り出したブッシュ政権はどのような形で闘争を進めていくのか。いずれにせよ「戦争」ははじまったばかりだ。[2001-10-09-13:51] 136
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 10/09@<アフガン攻撃>平山健太郎白鴎大教授に聞く(毎日新聞)

 同時多発テロを受け、米国は日本時間8日未明、報復攻撃を始めた。しかし一方で、アフガニスタン周辺の諸国は報復による余波を懸念している。報復はテロ撲滅につながるのか?
 中東問題に詳しい白鴎大学教授(国際関係論)の平山健太郎氏に、周辺諸国の思惑とイスラム・テロ撲滅の糸口を聞いた。 【矢崎公二】
 ――米国の報復のカギを握るアフガニスタン周辺諸国の動きをどう見ていますか。
 もろ手を挙げて、米国軍に協力している周辺諸国はどこにもない。例えば西隣のイランで言えば、湾岸戦争(91年)でイラクのサダム・フセイン大統領が米国にたたかれたのは客観的には、イランに有利な面もあった。とはいっても、今回の米国の報復攻撃には、イランはいち早く非難している。地域戦略から見て、米国がタリバン政権をつぶし、北部同盟主体の民族和解プロセスが生まれれば、イランには有利だが、米国の覇権が拡大することへの警戒心もある。
 切実な問題としては、200万人ともいわれるアフガニスタン難民問題が横たわっていて、イラン政府の財政負担は相当なものになる。厳正中立の立場を保ちながら、結果を強い関心を持って見守るという姿勢を貫くだろう。
 ――一部パキスタン紙によると、パキスタンでは生物・化学兵器によるテロに備えてワクチンの準備が進められています。
 ウサマ・ビンラディン派が保持しているとうわさされている生物・化学兵器に対して、パキスタンでは危機感が広がっている。パキスタンの事情はとても複雑だ。米国に協力して軍事行動に参加したら、軍隊の一部が反乱を起こすかもしれないし、民衆蜂起などで政情が大混乱し、ムシャラフ政権崩壊につながりかねないという懸念もある。米軍がパキスタンの地上を経由して兵器のトラック輸送などをしたら、パキスタン内で反米テロが起こる可能性は極めて強い。
 ――反タリバンの北部同盟の動きが注目されています。
 米国と同様に、ビンラディン派を敵視するのは、北部同盟があるタジキスタンなどアフガニスタン北部の旧ソ連圏の国々とその背後にあるロシアだ。ロシアがチェチェン紛争でてこずったイスラム・ゲリラはビンラディン氏とも関連している。米国がどういう形の軍事行動をとるにせよ、パキスタン側よりも、かつてのソ連領内通過の方が政治的な摩擦が少なく、制御可能な動き方ができるルートに思える。
 ただ、ロシアはイスラム・テロを封じ込めたいという考えでは米国と一致してはいるものの、報復後に米軍が居座ることについては警戒している。ただでさえ、ソ連崩壊後、カスピ海周辺の地下資源の利権が西側諸国にどんどん買い取られ、とんびに油揚げという感じで、内心、快く思っていない。
 しかも、パキスタンには核兵器がある。米軍報復の余波で、パキスタンで政変が起きた場合、誰がその核を握るのか。米国特殊部隊がパキスタンの核を押さえなければならない事態もあり得るし、それにパキスタン側が反応して米国とぶつかり合いになる可能性だってある。米国はパキスタンに圧力をかけて、テロを非難させ、タリバンにビンラディン氏の身柄を引き渡させる特使を出させたりしたが、ムシャラフ大統領は、全面的に米国に協力することをためらい、揺れている。
 ――報復とテロの関係は。
 パレスチナ自治区で昨年9月28日から起こっている第2次インティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)を見ても分かるように、報復とテロの悪循環は断ち切られていない。仮に今回、米国がビンラディン氏を捕らえ、殺したところで、その恨みは残る。テロの根絶は非常に難しい。テロの背景をきちんと押さえる必要がある。今回の米国同時多発テロは、これまでのテロと根本を異にしている。
 ――違いは?
 そもそもイスラム原理主義という言葉は、79年のイラン革命の時に、米国のマスコミが、20世紀初頭に米国で起こったキリスト教の世直し運動、つまりキリスト教原理主義に似ているということで作った用語。その「原理主義」と結び付いた反米テロは80年代に激しく、イランやレバノンのイスラム・シーア派「原理主義」が震源地のような印象があった。皮肉なことに、当時ビンラディン氏は、米中央情報局(CIA)と協力しアフガニスタンでソ連軍と戦っていた。
 90年代に入ると、イランもしくはシーア派によるテロはぐっと少なくなり、ほとんど影を潜めた。今回の同時多発テロでは、イラン政府はいち早く哀悼の意を示し、テヘラン市長がニューヨーク市長にお悔やみの手紙を出した。そうしたイランの変化は、ハタミ政権の自由化路線とか、タリバンに反対する北部同盟にイランが支持しているシーア派がいるとかの地域戦略もあるのだが、大きな背景にはイラン・イラク戦争(80〜88年)が終わり、レバノンでも内戦が終わり、かつ、イスラエル軍が撤退し、政治的な動機は希薄になったということだ。
 ――ビンラディン派の反米感情のルーツは。
 89年にソ連軍をアフガニスタンから追い出した勝利の高揚感と翌年の湾岸危機で、米軍がサウジアラビアに入ってきたことから始まる。ビンラディン氏は当時、サウジアラビアの諜報(ちょうほう)機関の長官だった故ファイサル国王の息子トゥルキ王子と個人的に親交があり、彼を通じて、米軍の受け入れに反対した。ところが、サウジアラビア政府は現実的判断から米軍を受け入れた。ビンラディン派は、アラビア半島の聖地メッカ、メディナ、第3の聖地エルサレムが「キリスト教徒とユダヤ教徒の十字軍」によって冒涜(ぼうとく)されていると批判した。
 今回の米国の攻撃開始後に放映されたカタールのアルジャジーラ・テレビの録画インタビューでも、ビンラディン氏は「パレスチナでのイスラエルの侵略行動」に言及している。
 ――米国の中東政策が反米感情を高めることになった?
 クリントン前大統領は、聖地エルサレムのパレスチナ人への一部返還や聖地の共有、パレスチナ独立国を作らせる案など、かなりアラブ側の気持ちに理解を示しながら動いていた。昨年の12月23日、米国独自の和平提案を遅まきながら提示、今年1月に行われたタバ(エジプト)の交渉では、領土問題については、妥結近しというところまで行った。ところが、前イスラエル首相のバラク氏がタカ派のシャロン氏に選挙で負け、クリントン大統領の任期も切れた。
 ――ブッシュ大統領の中東放任主義には批判も強い。
 実は、アラブ諸国はブッシュ政権の誕生に期待していた。ブッシュ大統領の父、ブッシュ元大統領は、スペインのマドリードで91年10月に平和会議を招集して調停に本腰を入れ始めたいきさつがある。ところが、父親ブッシュ氏は、中東和平実現のためイスラエル政府(シャミル政権)に圧力をかけた結果、米国内のユダヤ人票を失い、クリントン氏に負けてしまった。父親と同じ轍(てつ)を踏みたくないブッシュ大統領は、中東和平に関してはひどく慎重になった。そのあたりの事情も、ビンラディン氏に対する包囲網を形成するに当たって、アラブ諸国が湾岸戦争時のように米国に協力的ではない壁のひとつになっている。
 ――パレスチナ問題に帰れということですね。
 米国が今後、アフガニスタンのタリバン政権をつぶして、北部同盟に政権を入れ替えたとしても、問題の本質は解決せず、報復の報復を招きかねない。ブッシュ大統領は10月2日「パレスチナ国家も視野に入れている」と発言しているが、単にアラブ諸国の協力を取り付けるためのリップサービスではなく、クリントン時代の線まで踏み込んでパレスチナ問題に取り組んでいけるか、そこが最も注視したい点だ。冷戦の時に共産主義に民心がひかれていかないためには、ゲリラ討伐ばかりでなく、国の民主化や民政安定を図らなければならないと盛んに言われたが、同じことが今回についても言える。米国が影響力を発揮しうる舞台は、中東和平である。
 ◆ひらやま・けんたろう 東京大法学部卒。NHK特派員として、レバノン内戦などを取材。湾岸危機では、イラクのサダム・フセイン大統領と単独会見。90年度の「ボーン上田賞」受賞。[2001-10-09-13:30] 139
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 10/09@タリバンの攻撃ヘリ押収 パキスタン政府(共同通信)

 【イスラマバード9日共同】九日付のパキスタン英字紙ニューズによると、パキスタン政府当局は八日、同国と国境を接するアフガニスタン東部のパクティア州からパキスタン側に飛来したタリバン政権の攻撃用ヘリコプター三機を差し押さえた。
 三機は、米英軍のアフガニスタン攻撃で破壊されるのを防ぐため、同じ少数民族が住むパキスタン北西辺境州のクラムに避難のため飛来したが、米国が情報網を通じてこの動きを察知、パキスタンに通報した。(了)[2001-10-09-13:01] 141
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 10/09@アフガン以外の攻撃も 米英が安保理に報告(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】国連安全保障理事会は八日午後(日本時間九日朝)、米、英両国の国連大使が米中枢同時テロへの対応としてアフガニスタン空爆に踏み切った理由などを報告、必要に応じてアフガン以外の国を攻撃する可能性があることを明確に示した。
 この中で米国のネグロポンテ国連大使は「固有の個別、集団的自衛権の行使」と空爆を正当化した上で、「(米中枢同時テロの)調査は初期段階にある。今後ほかの組織、国家に対してさらなる行動が必要になるかもしれない」と指摘した。
 アナン国連事務総長は安保理開催前に、空爆は自衛権発動と安保理決議の枠内の行為であるとの認識を示した。安保理のライアン議長(アイルランド大使)は「事務総長の発言を歓迎する」と述べることで、安保理理事国が空爆を支持していることを示した。
 国連では米国が指摘した「アフガン以外の国・組織」とはイラクを視野に入れた発言との見方が大勢を占めている。しかし、ネグロポンテ大使は記者団に「自衛のため必要なすべての措置をとる権利を留保する」とだけ説明、特定国を対象にした発言でないとの見解を示した。
 米英は七日夜に安保理議長に書簡を送って、今回の空爆について報告していた。ライアン議長は「書簡の内容に留意した」と述べて、アフガン以外を空爆する可能性を含め米英の意向に理解を示した。(了)[2001-10-09-12:51] 145
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 10/09@<アフガン攻撃>空自機派遣、早期実現裏目 不安の防衛庁(毎日新聞)

 アフガニスタン難民への救援物資を載せた航空自衛隊のC130輸送機が9日午後、パキスタンに到着する。同時多発テロを受け、日本が初めて行う「国際貢献」。国連平和維持活動(PKO)協力法を根拠にする派遣だけに、防衛庁には「軍事報復が始まる前に輸送を」との思惑もあった。ところが、日本を出発後に米英のアフガニスタン攻撃が始まり、現地は反米デモが燃えさかる展開に。日の丸を掲げた空自機は、不安を抱きつつ「戦闘地域」の隣国に舞い降りる。
 C130の空輸部隊が愛知県の小牧基地を出発したのは6日。航続距離の関係からいくつかの中継地を経ねばならず、イスラマバードまでは片道3泊4日の長旅だ。だが途中の宿泊地、タイに入った段階で米英のアフガン攻撃が始まってしまった。
 同庁は、当初からアフガン攻撃でパキスタンの治安が悪化することを予想していた。「軍事報復が始まればC130の派遣は難しくなる」(防衛庁幹部)という焦りから、早期実現にこぎつけた面もある。それだけに到着前の報復開始は一番恐れていたシナリオだった。
 9日午前、C130は最終中継地のインド・デリーを飛び立つ予定だが、防衛庁は直前までイスラマバードの治安状況の分析に追われた。中谷元・同庁長官は「今朝の段階で現地は平穏であることを確認した。あとは機長の判断にゆだねたい」と語り、ある自衛官は「最悪の場合、イスラマバードに着陸する寸前で引き返すこともありうる」と言いながら、事態が急変しないことを願っていた。
 既に現地入りしている先遣隊の空自隊員からは「今のところ異常はない」との報告が入っている。
 【イスラマバード井田純】空自機のパキスタン到着は、イスラム原理主義勢力による反米デモが燃えさかるタイミングと重なった。難民救援物資の輸送機とはいえ、「外国の軍隊」の派遣にパキスタン政府も神経をとがらせる。国内イスラム強硬派への対処に苦慮する首都イスラマバードは緊張に包まれている。
 空自機を迎えるイスラマバードのチャクララ空軍基地周辺では9日朝、着陸前から国軍兵士による厳重な警戒が続いた。前日には学生による米国への抗議集会が開かれたこともあり、比較的平静を保っていた首都にも、不穏な空気が漂う。
 これまで散発的に起きていた反米デモは、米英軍の攻撃開始後から各地で一気に激しさを増した。中西部の都市クエッタでは8日、タリバン政権とウサマ・ビンラディン氏への連帯を叫ぶデモ隊の一部が暴徒化し、治安部隊との衝突に発展、死者を出す事態となった。デモ隊の抗議の矛先は、外国人ジャーナリストが宿泊するホテルにまで向けられ、投石が繰り返された。パキスタンの著名コラムニスト、シド・モハマド・カシムさんは「米国メディアの記者の中に米国のスパイが紛れ込んでいる、といううわさも影響している」と話し、タリバンが描く「イスラム対非イスラム」の図式に陥る危険性を指摘する。
 こうした事態を受け、ムシャラフ大統領は同日の会見で「米軍機はパキスタン領空を通過はしたが、国内施設は使われていない」と強調、国内イスラム勢力への配慮をにじませている。
 パキスタンの世論には、米国の報復攻撃を支持する日本の姿勢に「第二次大戦で被害にあった日本がなぜ米国を助けるのか」という声も聞かれる。米国への後方支援とは切り離したPKO法に基づく派遣だが、カシムさんは「アフガニスタンへの攻撃開始直後だけに、軍用機の派遣が日本に対する反発につながる可能性も否定できない」と懸念している。[2001-10-09-12:30] 146
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 10/09@<アフガン攻撃>国連安保理で非公式協議 米英が攻撃経緯報(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連安全保障理事会は8日、アフガニスタンを攻撃している米英両国の要請に基づき、非公式協議を非公開で開いた。協議前に米国の国連大使が安保理に送った書簡も提示された。この書簡はアフガン以外にあるテロ組織や支援国家に対しても軍事行動が拡大する可能性を示唆したもの。これについての議論の内容は不明だ。
 ライアン安保理議長(アイルランド国連大使)によると、協議では米英両国が攻撃に至った経緯を報告し、今回の軍事行動は自衛権・集団的自衛権の行使だと説明。議長は「安保理各国はこれを理解した」と述べ、攻撃を基本的に支持したことを明らかにした。
 ただ、関係筋によると、中国は「市民に被害が及ばないよう注意して欲しい」と述べ、手放しで支持したわけではないという。
 安保理は9日朝(日本時間同日夜)に協議を再開し、アフガニスタンの避難民ら住民の現況についてさらに話し合う。[2001-10-09-12:20] 149
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 10/09@シリアが国連安保理の非常任理事国に(読売新聞)

 【ニューヨーク8日=勝田誠】国連総会は8日、安全保障理事会の非常任理事国を決める選挙を行い、第1回投票で、米政府が「テロ支援国家」と認定するシリアが当選を決めた。シリアについては、中東などアジア諸国が一致して支持を打ち出していた。非常任理事国の任期は2年間。米露英仏中5か国の常任理事国が持つ拒否権はないが、安保理の協議に加わる資格がある。
 米国内では、9月11日の米同時テロ以前から、下院やユダヤ系圧力団体による、シリア当選阻止の運動があったが、米政府は結局、事実上黙認した。米国は昨年選挙で、「テロ支援国家」としてきたスーダンを外し、代わりにモーリシャスを当選させたことがある。
 安保理15か国のうち10か国の非常任理事国が、地域ごとに毎年半数ずつ改選される。今回選ばれたのは、シリア、メキシコ、ギニア、カメルーン、ブルガリアの5か国で、今年末で任期が切れるのはバングラデシュ、ジャマイカ、マリ、チュニジア、ウクライナ。[2001-10-09-12:09] 150
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 10/09@<アフガン難民>援助対象は750万人に 内戦・干ばつ・空(毎日新聞)

 米国などによる報復攻撃が始まり、逃げ惑う避難民や隣国へ逃れるアフガン難民たちは窮地に立たされている。厳しい冬の訪れも近づく。
 アフガンでは、79年の旧ソ連軍侵攻とその後の内戦で、人口の3分の1が隣国のパキスタンやイランへ流出。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、同時多発テロ直前の9月10日現在、パキスタンに200万人、イランに150万人など計約370万人に上る世界最多の難民が発生している。
 アフガン国内では、戦火を恐れ100万人以上の避難民が農村部や国境付近へ逃れている。攻撃が始まったことで、新たに150万人の難民が隣国へ流出すると予測される。
 国連児童基金(ユニセフ)では、厳しい冬を越すのに必要な物資を届けるための輸送作戦を開始。先月末、緊急支援物資200トンを積んだ大型トラック25台がぺシャワルを出発。パキスタン北部のチトランでジープに積み替え、4000頭のロバの背にのせて標高4600メートルの国境を越え、アフガン北部の避難民に届ける。
 今後、冬にかけて国際的な支援を必要とする住民の数は750万人に上ると予測される。その3分の2が子どもと女性で、150万人が5歳未満の子どもだ。
 一方、国連世界食糧計画(WFP)は、ぺシャワルからカブールへ食糧計400トンを積んだトラック20台を送った。うち小麦粉240トンは今月2日にカブールに到着し、パンに加工され配給されたことが確認されている。
 WFPは攻撃開始後、食糧援助を中断しているが、「雪が降り始めれば、ほとんどの道路が通行不能になる。10万世帯が食糧配給を絶たれる」と、国際社会にさらなる支援を呼びかける。北部地域では避難民が飢えをしのぐため「イナゴや草を食べている」との報告も寄せられている。
 イスラマバードに事務所があるNPO「JEN」(東京都新宿区)のメンバー3人は7日昼、難民の生活状況を調査するため、ペシャワルに入った。しかし、その夜、米国などによる報復攻撃が始まり、8日早朝、イスラマバードに引き返した。JENはペシャワルかクエッタのいずれかで、今月中にも毛布や衣類などの緊急支援物資を配布し始める。【大槻英二】[2001-10-09-12:05] 152
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 10/09@<テロ対策>資産凍結該当3人 塩川財務相(毎日新聞)

 塩川正十郎財務相は9日午前の参院予算委員会で、政府が国連決議に基づいて資産凍結を決めたウサマ・ビンラディン氏グループ関係者ら165人について、320の国内金融機関の報告を受けた結果、3人の該当者が出ていることを明らかにした。塩川財務相は「本人の確認がまだ取れていない」として資産凍結の実施までは行っていないことも示した。
 政府は9月22日、国連安保理決議に基づき、国連制裁委員会が指定したタリバン関係者やビンラディン氏グループ関係者計165人について、国内金融機関に、関連口座などがあれば資産凍結をする措置を取った。これに基づき、財務省が調査を実施していた。 【岩崎誠】[2001-10-09-12:00] 155
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 10/09@アフガン国内避難民支援に重点 大島国連事務次長が強調(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】大島賢三・国連緊急援助調整官室長(事務次長)は八日、国連本部で会見して、アフガニスタン周辺での国連人道支援は当面「国内で故郷を追われた避難民の救援に努力を集中する」と述べた。
 大島事務次長は避難民の支援を円滑に実施するための条件として@アフガン国内にいる要員約七百人との連絡手段の確立A要員および物資の安全の保障B国連の救援用航空機の運航確保―を挙げた。
 事務次長によると、避難民の発生は首都カブール、ヘラート、マザリシャリフなど大都市周辺や、干ばつの被害が大きかった地域に集中している。(了)[2001-10-09-11:29] 157
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 10/09@<アフガン攻撃>国連事務総長が追認声明発表(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連のアナン事務総長は8日、米英軍によるアフガニスタン攻撃を受けて声明を発表した。事務総長は、両国は国連憲章が認める自衛権を確認した9月12日の安保理決議(テロ非難決議)を受けて軍事行動をとったとし、事態を追認した。
 米国の軍事行動への動きに対しては、安保理が湾岸戦争(91年)時のような武力行使容認決議を採択しておらず、中東諸国などから「自衛権の確認だけでは不十分ではないか」という疑問の声が出ていた。
 しかし、アナン事務総長はこれまでも「安保理はテロ行為という国際の平和と安全への脅威に対し、あらゆる手段で戦うことを決めた。同時に、加盟国が個別的・集団的自衛権を持つことを確認した」と繰り返し述べるだけで、自らの意見は示してこなかった。今回の声明もまったく同じ内容となっている。
 アナン事務総長は声明で、テロを打ち負かすには「世界中のすべての国がともに手をとり、政治や法律、外交、財政などを含むさまざまな手段で対応しなければならない」と述べた。
 また「アフガンの一般の人々は、タリバン政権がしてきたことで責任を問われるべきではない」と指摘、国連が彼らのために「一刻も早く支援活動を強化できる」よう希望すると述べた。
 同時に、紛争の続くアフガニスタンに同国を代表する政権ができるよう「国連が積極的に関与していく」と説明した。
 アナン事務総長はすでに、タリバン政権の崩壊に備えて事務総長特別代表を任命、新政権をスムーズに発足させるための支援態勢を固めている。[2001-10-09-11:05] 158
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 10/09@「他国も攻撃対象の可能性」と米が安保理に通告(読売新聞)

 【ニューヨーク8日=勝田誠】米政府は8日、国連安全保障理事会の理事国に対し、ウサマ・ビンラーディンとそのテロ組織アル・カーイダなどの追及のため、アフガニスタン以外の国にも軍事攻撃を加える可能性があると書簡で通告した。
 書簡は7日付で、差出人は米国のジョン・ネグロポンテ国連大使。「米政府は、アフガニスタンのタリバン政権に支援されたアル・カーイダが(米同時テロの)中心的役割を果たしたとする明白な情報を得たが、いまだ調査中の部分も多い。事件捜査は初期段階にある」とした上で、「自国防衛のためには、他の(テロ)組織や他国に対する行動を取る必要性に迫られよう」としている。
 また、米英政府の要請を受けて、国連安保理は8日午後5時半(日本時間9日午前6時半)から非公式協議を開いた。米英両国は、この協議で今回の軍事行動を安保理に初めて報告した。
 協議後の記者会見で、安保理の今月の議長国アイルランドの国連代表は、米英両国が個別的及び集団的自衛権を行使した今回の軍事行動に対して、全ての安保理理事国が支持を表明、両国がアフガニスタンの民間人の犠牲者を最小限にするよう試み、人道的支援を行う限り、今後も安保理が支持していく立場で一致したことを明らかにした。
 また、アフガニスタン以外の国を攻撃対象にする可能性を示した同米国連大使の書簡について、米国や他の理事国の関係者は記者団に対して、「必要があれば攻撃するという、手続きに過ぎない」と述べ、米国が具体的に次の攻撃対象を選んだとの見方を否定した。[2001-10-09-10:58] 160
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 10/09@<パキスタン>国連施設を破壊 イスラム原理主義のグループ(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連の大島賢三・緊急援助調整官室長(事務次長)は8日会見し、パキスタン中西部クエッタでイスラム原理主義のグループが米英軍事行動に抗議して国連施設を破壊したと説明、「きわめて不幸で困った事態だ」と述べた。大島次長によると、国連児童基金(ユニセフ)の事務所が放火・破壊されたほか、国連人権高等弁務官事務所(UNHCR)とアフガン特別派遣団の事務所が襲われた。職員は無事だった。[2001-10-09-10:35] 161 [このページの最初に戻る]


 10/09@<アフガン攻撃>他国への拡大を懸念 アラブ諸国(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】米国が8日、軍事行動をアフガニスタン以外の国にも行う可能性を国連安全保障理事会に通知した問題で、アラブ各国は懸念を強めている。戦線がアラブ地域に及んだ場合、各国政府は米国の攻撃を黙認できなくなる。
 米国が攻撃対象として示唆したのはイラクだ。イラク国会のナスル議員は8日、「米国は今後、アラブ諸国への攻撃に出ると思う。イラクはその対象だ。しかし、イラクは湾岸戦争(91年)当時より、軍事力が向上していることを米国は知るべきだ」と警告した。イラクのフセイン大統領は同日、「米国はその意思で、他国へ攻撃を拡大するだろう」との声明を発表した。
 アラブ諸国には、攻撃対象がアラブに拡大した場合、米国につくかどうかで二分されるとの危機感がある。湾岸戦争で親イラクと反イラクに分裂したアラブ諸国は今、ようやく再統一に向かいつつある。ここで、イラク攻撃があれば、米国に協力するのが確実なクウェートなどと、イラクに同情を強めるパレスチナ、ヨルダンなどに再分裂する可能性は高い。
 また、報復攻撃がアフガンに限定されている限り、「テロ組織壊滅」という理由付けが可能だが、アラブが攻撃された場合、「イスラムへの挑戦」と受け止めるイスラム教徒が多いのは確実だ。
 このため、アブドラ・ヨルダン国王などは米国にアラブ諸国を攻撃対象にしないよう水面下で要請している。また米国がイラクを攻撃対象に含める可能性を示唆する度に、ムーサ・アラブ連盟事務局長は「米政府はどういう根拠でアラブを攻撃しようとするのか」と非難してきた。[2001-10-09-10:25] 163
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 10/09@米武力行使「決議に沿ったもの」 国連事務総長が声明(朝日新聞)

 アナン国連事務総長は8日、声明を発表し、米英軍による武力行使を、テロに対し「あらゆる手段を講じる」とした9月12日に採択した安保理決議に沿ったものと評価。この行動が国連憲章が保障する各国の個別または集団的自衛権の行使であると再確認した。
 声明はまた、「アフガン国民はタリバーン政権に責任があるわけではない」として、国際社会に支援を求めた。[2001-10-09-10:17] 167
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 10/09@<アフガン攻撃>他国には拡大せず 英外相(毎日新聞)

 【ロンドン笠原敏彦】ストロー英外相は8日、米英軍が始めたアフガニスタン攻撃は同国に限定したもので他国には拡大しない、と言明した。米国が国連安保理に提出した書簡がアフガン以外の国も攻撃の対象となる可能性を示唆したことに対し見解を示した。外相は「攻撃はアフガンに限定されるというのが現在の(米英間の)合意だ」と述べた。[2001-10-09-10:00] 168 [このページの最初に戻る]


 10/09@シリアが非常任理事国に 「テロ支援国」、米も黙認(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】国連総会は八日、安全保障理事会の非常任理事国選挙を行い、米国から「テロ支援国家」に認定されているシリアが当選を決めた。
 シリアはアジア諸国の一致した支持を固め、第一回投票で有効投票百七十七票中百六十票を獲得した。米国もシリアの当選を阻止する動きを見せず、事実上黙認した。
 任期は二○○二年初めから二年間で、ほかにギニア、カメルーン、ブルガリア、メキシコが当選した。
 米中枢同時テロ後の九月二十八日、安保理はテロ防止決議を採択した。ほかの理事国とともにシリアは今後、加盟各国のテロ防止策履行状況を監視する立場に立つことになった。
 米国のネグロポンテ国連大使はシリアの安保理入りに賛成したかどうかを明らかにしなかった。
 昨年の非常任理事国改選で同じくテロ支援国家に認定しているスーダンが立候補した際、米国はモーリシャスを対抗馬に立て、スーダンの当選を阻んだ。
 安保理十五カ国のうち十カ国の非常任理事国は毎年半数ずつ改選される。今年末で任期が切れるのはバングラデシュ、ジャマイカ、マリ、チュニジア、ウクライナの五カ国。(了)[2001-10-09-09:01] 170
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 10/09@◎米英両軍の軍事攻撃は「テロを助長」と非難=キューバ(時事通信)

 【サンパウロ8日時事】キューバのカストロ政権は8日、米英両軍によるアフガニスタンへの軍事攻撃について、「テロを助長するもので、疫病よりたちが悪い」と厳しく非難する声明を出した。キューバは先月の米同時テロ事件を非難する一方、軍事報復には一貫して反対を表明している。
 声明は、米英の攻撃を「テロとの戦争などではない」とした上で、「もっと別の、真に効果的、迅速、強力な方策でテロを撲滅しなければならない」と強調。直ちに軍事作戦を終わらせ、国連を通じたテロ対策に着手すべきだと訴えた。 [時事通信社][2001-10-09-08:39] 172
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 10/09@EU、元国王の役割重視(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】ルクセンブルクで八日、欧州連合(EU)外相理事会が開かれ、ベドリヌ・フランス外相は、理事会がアフガニスタンのタリバン政権崩壊後にザヒル・シャー元国王が重要な役割を果たすべきだという点で一致した、と語った。
 元国王は一九七三年の王政廃止のクーデター後、ローマに滞在。既に米国や欧州諸国、国連などと連絡を取っている。
 この日の理事会は米英軍のアフガン空爆を支持する一方で、同国に国民を代表する政府が樹立されるべきだとする宣言を発表した。(了)[2001-10-09-08:16] 174
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 10/09@暴動の街、漂う催涙ガス 貧困など社会問題も背景に クエッ(共同通信)

 【クエッタ(パキスタン西部)9日共同=田辺宏】米、英両軍によるアフガニスタン空爆に抗議する群衆が八日、暴徒化し、放火や略奪が発生、約三十人が死傷したパキスタン西部クエッタ。貧困、失業、渇水、難民といった多くの社会問題を抱えており、空爆への怒りをきっかけに住民のうっぷんが一気に噴出した。暴動がいったん沈静化した市内を見て回った。
 道には石が転がり、タイヤを燃やした跡が黒く残る。暴徒は商店街の映画館や銀行、警察なども次々に破壊、放火を繰り返した。暴動が沈静化してから数時間後も催涙ガスが漂う。どの交差点も武装した警官が数十人ずつ配置され、厳戒態勢が取られている。
 「スクリーンも映写機もすべて失ってしまった。市内では一番の映画館だったのに」。イムダド通りにある映画館イムダド・シネマの経営者ハッサンさんは焼け跡の前でがっくり肩を落とした。
 暴徒は八日午前九時前に突然、襲ってきた。「なぜ米国の映画なんかを上映するんだ」。口々に叫び、館内に火を付け、屋根も落ちた。残ったのは石造りの外壁だけ。共同経営者も「もう何も考えられない」と放心状態でつぶやく。
 国連機関も標的となった。市内と空港を結ぶ幹線道路に近い国連児童基金(ユニセフ)事務所は、看板が破壊され、敷地内の乗用車五台が焼かれた。その火の勢いで事務所も延焼し、壁がすすけている。
 当時、治安上の理由で事務所に職員はいなかったが、警備員のアリさんは「群衆はザヒル・シャー(アフガニスタン元国王)と米国を非難するスローガンを叫び、塀を乗り越えた。次々に車に火を付けていたので、怖くなり、いったん屋根裏に隠れたが、火が近づいてきた。生きた心地がしなかった」と恐怖が消えない様子だ。
 カーン所長は「子供や女性を助けるユニセフがなぜ襲われるのか。群集心理は理解できない」と絶句する。だが、近くで焼け跡を眺めていた中年の男性は「どうだ美しいだろう」と不気味な笑みを浮かべた。(了)[2001-10-09-07:59] 179
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 10/09@難民援助の計画練り直し 報復攻撃で人道支援機関(共同通信)

 【イスラマバード8日共同】米中枢同時テロに対する米英両軍の報復攻撃で、アフガニスタン住民への人道支援を手掛ける国連・国際機関は八日、同国への援助物資の輸送中止を余儀なくされるなど、支援計画の練り直しを迫られている。
 人道支援機関の懸念は、単に近隣諸国に逃れる難民だけでなく、「難民にさえなることができず」(国連スポークスマン)アフガン国内で窮状に陥る国内避難民の対策。氷点下二五度まで下がる厳しい冬の到来が迫っているだけに、関係者はいらだちを募らせている。
 世界食糧計画(WFP)は一日平均約五百トンの食料をパキスタンやイラン、トルクメニスタンなど周辺国から陸路でアフガンへ送り込んでいたが、WFPイスラマバード事務所は八日、食料輸送を中断したと発表した。再開の見通しは立っていない。
 国連児童基金(ユニセフ)も八日以降、救援物資をアフガン南部カンダハルと西部ヘラートに運ぶ方針だったが、スポークスマンは「空爆後、予定通りトラックを出せるか流動的だ」としている。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、アフガンからパキスタンに脱出してくる可能性がある「第一波」の難民の数を当初の十万人から三十万人へと大幅修正。パキスタンのアフガン国境地帯を中心に、テントや飲料水など基礎物資の集積を急いでいる。
 国連・国際機関の本部職員はいずれもアフガン国内から既に引き揚げている。地元スタッフしか残っていない現地と本部の連絡が十分に取れず、情報が不足しているのが現状だ。(了)[2001-10-09-07:44] 180
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 10/09@反米デモ激化、死者も クエッタで放火、略奪(共同通信)

 【クエッタ(パキスタン西部)8日共同】米英軍のアフガニスタン空爆を受け、パキスタン西部クエッタでは八日、イスラム原理主義グループら約七千人が空爆への抗議と聖戦を訴える街頭デモを繰り広げ、一部は暴徒化、警官隊が威嚇発砲や催涙ガス弾などで応じ、一人が死亡、二十六人が負傷した。
 銀行や映画館、商店は放火で炎上し、略奪も発生。国連児童基金(ユニセフ)関係の車両も放火され、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの事務所が入った建物に延焼したが、職員にけがはなかった。
 外国人報道陣が滞在するホテルにも押し掛け投石するなど市内の治安は極めて不安定で、米英の攻撃が繰り返されれば状況はさらに悪化するとみられる。
 地元記者らによると、八日午前九時ごろからイスラム聖職者協会メンバーが棒や鉄パイプなどを手に米英を非難し「(タリバン最高指導者)オマル師よ前進せよ。われわれもついていく」と叫び、興奮しながら「聖戦だ」と繰り返した。
 警備当局は外国報道陣が滞在するホテルでの外国人記者の外出を禁止し取材制限。市中心部に近いサリナ・ホテルでは同日午前十時すぎ、暴徒が投石を繰り返し、警官隊が記者らに「非常に危険だ。早く部屋に戻れ」と叫んだ。警察当局の責任者は「外国人は市内に一歩も出さない。安全を考慮した内務省の措置で、同省が安全と判断しない限り継続される」と語った。
 首都イスラマバードでもイスラム教大学の敷地内で学生ら千人以上が反米デモを展開。市内は武装警官の数も増え、兵士が小型トラックでパトロールするなど緊張感が漂っている。
 北部ペシャワルでは軍と警察が武装した兵士を街頭に展開。アフガニスタン難民やイスラム急進派が二千人から数百人規模の集会やデモを繰り返し、警官隊が催涙ガスを発砲、日本人記者一人が軽傷を負った。
 アフガン・イスラム通信によると、北西辺境州のアフガニスタン国境に近いカイバル峠地区でも少数民族の住民約五千人が反米、ウサマ・ビンラディン氏支持の抗議行動を行い、民兵の発砲で四人が負傷した。(了)[2001-10-09-07:42] 181
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 10/09@攻撃は安保理決議の枠内 国連総長が声明(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】アナン国連事務総長は八日午前(日本時間九日未明)、米英によるアフガニスタン攻撃についての声明を発表、「国連安保理は米中枢同時テロの翌日に反テロの決議を採択している」と指摘して、米英の攻撃が同決議の枠内で行われたとの立場を示した。
 また総長は「アフガン国民は絶望的な状況にあり、支援を必要としている」と指摘、人道支援を一層強化する意向を示した。
 テロ翌日の九月十二日に安保理が採択した決議は「テロ攻撃に対応し、あらゆる形態のテロと戦うため、すべての必要な手段を取る用意を表明する」としている。(了)[2001-10-09-07:38] 201
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 10/09@「天声人語」(朝日新聞)

 爆弾とともに食糧を落とす。米英によるアフガン攻撃はそんなふうに始まった。ブッシュ米大統領は「アフガニスタンの抑圧された人々はアメリカとわが同盟国の寛大さを知るだろう」と食糧投下の意義を語った▼事態は必ずしもはっきりしない。それにしてもアフガンの人々は空から「寛大さ」が降ってくると感じただろうか。大いに疑問だ。このことについて、英ガーディアン紙が非政府組織(NGO)の声を集めている▼「食糧投下が軍事行動の一部と見られると、かえってまずい。むしろ今後の食糧支援を難しくする」「軍事行動と切り離された、公平な援助とみなされるために、そうした援助は国連に一元化した方がいい」など大方は懐疑的だ▼彼らの多くは、国境を封鎖しての軍事行動は事態を悪化させるばかりだ、一刻も早く国境の開放を、と語っていた。ペシャワルにいる日本のNGO「難民を助ける会」職員は現地のNGOとともに5千人分の食糧を確保、きょうにも数台のトラックを使ってアフガンからの難民に配るつもりだ▼ブッシュ大統領は「この戦いには、中立の立場というものはない」と言う。善と悪との戦いと見るからだ。テロの首謀者とされるビンラディン氏は、用意していたのであろうビデオで「世界は二つの陣営に割れた。信仰と不信仰との」と語る▼宗教戦争にしてはならない。しかし、両者の「聖戦」意識が気がかりだ。日本の役割のひとつは、反テロの立場に立ちながら、戦線の拡大を食い止めること、つまり宗教戦争化を防ぐことにあるだろう。[2001-10-09-00:11]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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