最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(10/01, 2001)


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◆ 09/27@米国防副長官、NATO加盟国に共同行動を要請せず(朝日新聞)
◆ 09/27@「駐留は屈辱」との声も 作戦終了日のマケドニア(共同通信)
◆ 09/27@◎マケドニアに新部隊派遣へ=NATO (時事通信)
◆ 09/27@<マケドニア>NATO主導の国際治安維持部隊を新発足へ(毎日新聞)
◆ 09/27@<NATO>非公式国防相理事会を開催 集団的自衛権発動で(毎日新聞)
◆ 09/27@<米軍事行動>欲しい大義名分 米国務長官が国連決議要請を(毎日新聞)
◆ 09/27@米、チェチェン武装勢力にロシアとの交渉促す(読売新聞)
◆ 09/27@<米同時テロ>報復の前に「物的証拠示せ」 スーダン駐日大(毎日新聞)
◆ 09/27@難民対策で追加拠出へ アフガン支援グループ(共同通信)
◆ 09/27@欧米の金融機関が関与か ビンラディン氏資金の流れ(共同通信)
◆ 09/27@「窓」―オベイドさん(朝日新聞)
◆ 09/27@10年で貧困層が1000万人増 90年代の中南米(共同通信)
◆ 09/27@<資金洗浄>ビンラディン氏、巧妙な手口で 米上院の公聴会(毎日新聞)
◆ 09/27@原理主義組織の口座凍結指示 パキスタン中央銀行(朝日新聞)
◆ 09/27@<米国務長官>国連安保理への武力行使容認新決議、大統領判(毎日新聞)
◆ 09/27@旧共産は過半数に達せず ポーランド総選挙開票終了(共同通信)
◆ 09/27@2億5000万ドル必要 アフガン救援でUNHCR(共同通信)
◆ 09/27@1万5000人以上がテロ訓練 アフガン国内、ロシア報告(共同通信)
◆ 09/27@アフガニスタン情勢緊迫、首都から市民脱出(読売新聞)
◆ 09/27@<余録>アフガニスタンの冬(毎日新聞)
◆ 09/28@<前ユーゴ大統領>近く起訴へ 蘭の旧ユーゴ国際戦犯法廷(毎日新聞)
◆ 09/28@ジャクソン師のアフガン訪問…米政府がけん制(読売新聞)
◆ 09/28@接近戦…成否のカギは「特殊部隊」など3本柱(読売新聞)
◆ 09/28@◎クロアチア紛争で前ユーゴ大統領を追起訴(時事通信)
◆ 09/28@<マケドニア>民族解放軍、解散を正式宣言(毎日新聞)
◆ 09/28@<米同時テロ>ジャクソン師にタリバンから招待状 和平代表(毎日新聞)
◆ 09/28@NATO部隊が撤収開始 マケドニア和平で(共同通信)
◆ 09/28@民族解放軍が解散発表 マケドニア(共同通信)
◆ 09/28@◎旧ユーゴ駐留の米英軍、削減へ=テロ受けた軍事作戦の影響(時事通信)
◆ 09/28@米国防副長官、NATO加盟国に共同行動を要請せず(朝日新聞)
◆ 09/28@ならず者国家も米国に協力…テロ余波 (読売新聞)
◆ 09/28@<中東情勢>衝突からまる1年 停戦合意結ぶも、不透明な情(毎日新聞)
◆ 09/28@NGO、パキスタンに難民キャンプ建設 政府が費用負担(朝日新聞)
◆ 09/28@人道援助ネットがアフガン難民支援へ (読売新聞)
◆ 09/28@<アフガン>避難民キャンプ 約8千人、行き場のない生活に(毎日新聞)
◆ 09/28@<空自>C130輸送機派遣は早くても10月中旬か 航空幕(毎日新聞)
◆ 09/28@難民支援機がパキスタン中西部のクエッタへ(共同通信)
◆ 09/28@GIAが過激派の受け皿 欧州の「寛容さ」裏目に(共同通信)
◆ 09/28@仏は武力行使に条件 駐日フランス大使が会見(共同通信)
◆ 09/28@ベトナム少数民族14人に実刑 「独立企て反乱指導」(共同通信)
◆ 09/28@<伊首相失言>イスラム諸国、EUなど反発 集中砲火に(毎日新聞)
◆ 09/28@作戦開始に3つの壁 「軍事」への偏りを修正(共同通信)
◆ 09/28@<特集ワイド>あふれる難民 アフガン・パキスタン辺境=1(毎日新聞)
◆ 09/28@<特集ワイド>あふれる難民 アフガン・パキスタン辺境=2(毎日新聞)
◆ 09/28@テロとの戦い、欧州が米に積極協力へ (読売新聞)
◆ 09/28@国連事務総長、アフガン難民で5億ドル拠出要請(読売新聞)
◆ 09/28@北朝鮮軍が軍事境界線越え 韓国軍が警告射撃(共同通信)
◆ 09/28@難民救済に700億円 国連事務総長が拠出要請(共同通信)
◆ 09/28@◎チェチェン武装勢力と対話の動き=ロシア(時事通信)
◆ 09/28@タリバーン後の政権枠組みを協議 米・独・伊・イラン(朝日新聞)
◆ 09/28@<記者の目>タリバンは悪か? 春日孝之・イスラマバード支(毎日新聞)
◆ 09/28@グルビッチ獲得へ バレーVリーグ男子の堺(共同通信)
◆ 09/28@欧州最優秀選手のグルビッチを獲得 Vリーグの堺(朝日新聞)
◆ 09/28@<W杯>定住外国人ボランティア発足 参加者を募っている(毎日新聞)
◆ 09/29@国連にテロ裁く法廷を 報復でなく国際法で 今後のモデルに(共同通信)
◆ 09/29@アフガンに1千万個の地雷 特殊部隊作戦の障害に(共同通信)
◆ 09/29@◎アルカイダの70人、ボスニア潜入図る(時事通信)
◆ 09/29@<余録>毎日国際交流賞(毎日新聞)
◆ 09/29@国連、1日から5日間反テロ策協議(朝日新聞)
◆ 09/29@<米同時テロ>欧州で容疑者検挙相次ぐ イスラム教徒への差(毎日新聞)
◆ 09/29@<米国防政策>4年ごとの見直し作業を終了 テロへの備え重(毎日新聞)
◆ 09/29@アフガン難民へ救援物資第1陣(読売新聞)
◆ 09/29@「望むのは食べ物と平和だけ」アフガン避難民疲れ果て(朝日新聞)
◆ 09/29@<米同時テロ>資金源封じ込め国連決議でようやく国際協調体(毎日新聞)
◆ 09/29@<テロ条約>テロ関連2条約早期批准に向け国内調整へ 政府(毎日新聞)
◆ 09/29@反タリバン連合、元国王の下に評議会創設へ(読売新聞)
◆ 09/29@<米特殊部隊>アフガンで拘束と報道 タリバンも米も否定(毎日新聞)
◆ 09/29@<アフガニスタン>反タリバン勢力が新連合結成 ドスタム将(毎日新聞)
◆ 09/29@ユニセフの支援物資、アフガンに向け出発 ロバも活躍(朝日新聞)
◆ 09/29@<米同時テロ>中東諸国と米国との関係が激変 各国の思惑(毎日新聞)
◆ 09/29@<米同時テロ>「テロ支援国」と米国が関係改善(毎日新聞)
◆ 09/29@リベリアが国境閉鎖解除 ギニア、シエラレオネ両国(共同通信)
◆ 09/29@国内でも元国王復帰に関心 米の思惑に警戒感も(共同通信)
◆ 09/29@国土防衛を最重要視 同時テロで軌道修正 米戦略見直し概要(共同通信)
◆ 09/29@国連安保理、スーダン制裁の解除を決議 (読売新聞)
◆ 09/29@<国連安保理>テロリスト資金源封じ込めの決議、全会一致で(毎日新聞)
◆ 09/29@<難民支援>航自輸送機派遣へ現地調査団が出発(毎日新聞)
◆ 09/29@包括的なテロ対策決議案、安保理が全会一致で採択(読売新聞)
◆ 09/29@「急きょ準備」と調査団 成田から慌ただしく出発(共同通信)
◆ 09/29@国連安保理がテロ包囲網決議 資産凍結などを各国に強制(朝日新聞)
◆ 09/29@国際協調に踏み出した米国 反テロで一方的外交に限界(共同通信)
◆ 09/29@「西欧文明はイスラムに勝る」伊首相発言に関係国猛反発(朝日新聞)
◆ 09/29@<伊首相>イスラムべっ視の失言 EUなども反発 議会で陳(毎日新聞)
◆ 09/29@米がスーダンの対応評価 テロ支援国は解除せず(共同通信)
◆ 09/29@アフガン難民に百万ドル寄付 女優のジョリーさん(共同通信)
◆ 09/29@テロ容疑者らNY近郊パターソンに潜伏 多民族都市が隠れ場(共同通信)
◆ 09/29@スーダン制裁を解除 国連安保理、米は棄権(共同通信)
◆ 09/29@ビンラディン氏の軍事組織網、アフガン内に55拠点(朝日新聞)
◆ 09/29@反タリバン、アフガン元国王の下に最高評議会創設へ(読売新聞)
◆ 09/29@<男子バレーボール>ワールドリーグ予選 日本はユーゴと同(毎日新聞)
◆ 09/29@中国初のW杯ほぼ確実 敵地でUAEも撃破(共同通信)
◆ 09/30@北アイルランド紛争で記者が初の犠牲に (読売新聞)
◆ 09/30@◎大島国連次長がパキスタン入り(時事通信)
◆ 09/30@<パキスタン>難民問題でも岐路に 軍事報復への協力表明に(毎日新聞)
◆ 09/30@<アフガン元国王>部族代表、軍司令官らと会談 ローマで(毎日新聞)
◆ 09/30@難民支援の調査団が到着 自衛隊機派遣で治安確認(共同通信)
◆ 09/30@大島室長がパキスタン入り 国連、難民問題など協議(共同通信)
◆ 09/30@タリバン打倒は不可欠 元国王が暫定政権提唱(共同通信)
◆ 09/30@アフガン長老らと会談 亡命中の元国王 (共同通信)
◆ 09/30@10月1日付・編集手帳(読売新聞)
◆ 09/30@“蒼き狼”チンギス・ハーンの幕舎跡発見(読売新聞)
◆ 10/01@<クローズアップ>「核心部」捜査は難航 確証いまだ出せず(毎日新聞)
◆ 10/01@<ソ連崩壊10年>特別講演会 評価めぐり議論白熱(毎日新聞)
◆ 10/01@<ソ連崩壊10年>特別講演会開催 元大統領補佐官ら招き(毎日新聞)
◆ 10/01@<アフガン>北部同盟と元国王が国家統一の評議会設置で合意(毎日新聞)
◆ 10/01@<テロ証拠>ビンラディン氏関連口座から乗っ取り犯に送金(毎日新聞)
◆ 10/01@◎スイス航空、経営行き詰まる=同時テロ追い打ち、政府と緊(時事通信)
◆ 10/01@パキスタン残留邦人は361人、アフガンは5人 外務省(朝日新聞)
◆ 10/01@国民大会議の早期開催を 元国王派が連帯集会(共同通信)
◆ 10/01@総選挙の開票始まる 厳戒のバングラデシュ(共同通信)
◆ 10/01@ごう音の中、少年兵の姿 アフガン北部同盟の最前線(朝日新聞)
◆ 10/01@<アフガン>タリバン崩壊後を討議? 北部同盟外相と国連特(毎日新聞)
◆ 10/01@テロの衝撃、子どもたちが絵で表現(朝日新聞)
◆ 10/01@ブッシュ大統領が謝意表明 アフガン元国王の親書に(共同通信)
◆ 10/01@<パキスタン援助>中国が1億5千万円 電話首脳会談で江主(毎日新聞)
◆ 10/01@<アフガン>反タリバン連合外相と国連特使が会談(毎日新聞)
◆ 10/01@◎ストイコビッチ、ユーゴ連盟会長に=サッカー(時事通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]



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 09/27@米国防副長官、NATO加盟国に共同行動を要請せず(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)のブリュッセル本部で26日開かれた非公式国防相会議で、ウォルフォビッツ米国防副長官はNATO条約第5条の集団的自衛権に基づく共同行動を要請せず、予想されるアフガニスタンへの軍事行動にすべての同盟国を巻き込むことに消極的な姿勢をみせた。NATOが今後、5条を発動したとしても道義的支持の意味合いが強くなるとの見方が広がっている。
 ウォルフォビッツ副長官は会議後の記者会見で、「集団防衛が必要な場合は、いずれ申し入れる。だが、今のところは考えていない」と述べた。さらに、「(早期の)軍事行動を期待している人は、考え直す必要がある」とも語り、軍事報復にはまだ時間がかかるとの見解を示した。
 ロバートソン事務総長は記者会見で、「米国の要請があれば、近い将来、第5条を発動するだろう。(米国はオサマ・ビンラディン氏関与の新しい証拠を)必ずしも提示する必要はない」と述べ、5条発動の条件はほぼ満たされているとの認識を示した。
 だが、米国は今回、99年にユーゴスラビアを空爆した時のような攻撃を想定していない。特殊部隊などを使った継続的で目には見えにくい作戦を展開していく構えだ。
 こうした作戦を遂行できる能力がある国は限られている。そのうえ、敵に作戦を知られないよう、厳しく情報を管理する必要がある。全19カ国の同意を前提とするNATOの指揮命令系統を使った作戦にはなじまないとみられる。
 むしろ、米国が同盟国に求めているのはアフガン情勢やオサマ・ビンラディン氏の捕そくにつながる情報の提供だ。ウォルフォビッツ副長官も記者会見の場で、「最も重要なのは情報だ」と念を押している。
 欧州諸国からは兵力や基地提供の表明が相次いでいるものの、実際の軍事行動にかかわるのは、英国の特殊部隊やトルコの基地使用など一部の国に限られるとの見方が強まっている。[2001-09-27-23:45] 23


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 09/27@「駐留は屈辱」との声も 作戦終了日のマケドニア(共同通信)

 マケドニア和平は北大西洋条約機構(NATO)の二十六日の武器回収作戦完了で一つの節目を迎えた。一カ月にわたった作戦は本当に和平プロセスを進展させ、民族紛争を沈静化させたのか。作戦終了日の二十六日、首都スコピエとNATO部隊の武器集積場で、市民と兵士にそれぞれ尋ねた。
 「散歩中にNATOの兵士に出くわしたら、七歳の娘が聞くんだ。私たちの国は彼らに占領されたのかって。情けなくなったよ」。マケドニア人技師のミルコさん(43)はそう言うと肩をすくめた。マケドニア人にはNATO駐留を内心では屈辱的と感じている声が多い。ある青年は「外国軍はもういやだ。マケドニア軍だけでアルバニアゲリラと戦う」と声を強めた。
 これとは対照的に、少数派アルバニア系住民には駐留を望む意見が圧倒的に多い。市内最大のショッピングセンターで菓子店を営むイズシットさん(36)の店は先週の夜中、ガラスをすべて割られた。今月に入り、アルバニア系商店や事務所の爆破事件が続発。「NATOがいなくなると何をされるか。紛争前はマケドニア人のお客も多かったが最近はほとんどいなくなった」。
 一方、スコピエから南東約八十キロのクリボラクにある武器最終集積場では、ちょうどアルバニア系武装組織「民族解放軍」から回収した装甲車をショベルカーで解体する作業が行われていた。
 応対に出たフランス部隊将校は「対戦車砲など重火器も多数回収できたし作戦は成功だと思う」。ただ作戦開始以来、マケドニア国会から視察に来たのはアルバニア系政党の議員だけだと指摘した。
 現場の兵士たちの間には炎天下の作戦がようやく終わった安ど感が漂っていた。二十歳代のギリシャ兵は「つらい任務だった。来月五日にようやく帰れる。個人的には民族解放軍はまだ武器を隠していると思う」と声を潜めた。(スコピエ共同=小林義久)(了)[2001-09-27-15:43] 24


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 09/27@◎マケドニアに新部隊派遣へ=NATO(時事通信)

 【ブリュッセル26日時事】北大西洋条約機構(NATO)は26日、ブリュッセルでの非公式国防相会議で、マケドニア情勢の安定維持を図るため、ドイツ軍を中心とする小規模部隊の派遣で合意した。
 NATOは8月26日から30日間の限定措置として、英軍を中心とする約4500人の部隊をマケドニアに派遣、アルバニア系武装組織が自主的に放棄した武器の回収任務に当たっていた。
 しかし、同部隊の駐留期限が26日に切れることから、マケドニア政府はNATOに対し、全欧安保協力機構(OSCE)など国際機関から派遣されている和平監視員の警護のため、新たに小規模部隊を派遣するよう要請していた。 [時事通信社][2001-09-27-10:20] 25


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 09/27@<マケドニア>NATO主導の国際治安維持部隊を新発足へ(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)は26日に開いた非公式国防相理事会で、同日で活動を終了したマケドニアでの武器回収の監視部隊に代わり、NATO主導の国際治安維持部隊を新たに発足させることを承認した。
 ニューヨークの国連安保理も同日、この部隊設立の決議を全会一致で採択した。
 NATOが主導する国際部隊の派遣はボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州に次いで3例目。
 ロバートソンNATO事務総長によると、新部隊は現在の英国に代わってドイツが主導となり、フランス、イタリアなどが参加する。規模は約1000人程度で、半年以上の活動を予定している。 [2001-09-27-10:05] 26


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 09/27@<NATO>非公式国防相理事会を開催 集団的自衛権発動で(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)の非公式国防相理事会が26日、ブリュッセルの本部で行われた。会議後、ロバートソンNATO事務総長は記者会見で、米国の同時多発テロについて「外国からの指揮で行われたことは明らか」と語り、今後、米国からの要請を受ければ集団的自衛権を発動することに合意したと明らかにした。
 NATOは12日、憲章第5条の「集団的自衛権」について、「攻撃が外国からの指揮によることが明確となり」「米国の要請があれば」の2条件を満たせば発動することを決めた。米国代表として出席したウォルフォウィッツ国防副長官は会議でテロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏やテロ組織「アルカイダ」などに関する調査状況を説明。11日の事件に直結する明確な証拠の提示まではしなかった模様だが、事務総長は「これ以上、証明する必要がないほど明らかな方向が出ている」と結論づけた。
 NATOとして今回のテロが「ビンラディン氏やアルカイダによるもの」との認識で一致したことを打ち出したことで、自衛権の発動に向けた最終的な態勢が整ったことになる。
 しかし、欧州の中で攻撃参加を正式表明しているのは英国だけで、他の加盟国は後方支援が中心になるとみられる。
 また、マケドニアで1カ月間にわたってアルバニア系ゲリラの武装解除を監視してきた部隊の活動が終了したことを承認。引き続き、警戒要員として約1000人規模の新部隊を残留させることで合意した。 [2001-09-27-01:05] 239


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 09/27@<米軍事行動>欲しい大義名分 米国務長官が国連決議要請を(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】同時多発テロへの軍事報復には国連の武力行使容認決議など必要ないと主張してきた米政府が微妙に態度を変えた。パウエル国務長官は26日、同決議を求めるかどうかの判断を「今後、ブッシュ大統領が下す」と述べた。どこかの時点で軍事行動に対し国連の承認を求める可能性を示唆した軌道修正発言だ。後方支援活動のための新法制定を急ぐ日本にとっても、重要な意味を持つ動きと言える。
 国連安保理は同時テロ翌日の12日、テロ非難決議を採択した。決議には「国連憲章にのっとり、個別的または集団的自衛権を認める」「(安保理は)テロと戦うために必要なあらゆる措置をとる用意がある」との言及が含まれている。
 米政府は、この決議だけで軍事報復は可能だと主張してきた。国連憲章第7章51条は、加盟国が武力攻撃を受けた場合、憲章は個別的・集団的自衛権を「害するものではない」と説明している。今回は米国自身が武力攻撃ともとれるテロの直接被害を受けた。
 エール大学のジェームズ・サタリン特別研究員は「決議は51条の自衛権を認め、テロを『国際的な平和と安全への脅威』とみなした。米国と他国が軍事力を含む措置をとることを認めたものと解釈できる」と語る。
 しかし一方、前国連事務総長補佐のジョン・ラギー・ハーバード大教授は「12日の決議はなんら新しい原則を明示せず、国連憲章の条項を言い直しただけだ。安保理は確かな証拠を受け取り、それを踏まえて判断すべきだ」と主張する。日本の国際法学者にも、こうした「異論」派が多い。
 湾岸戦争前の安保理による武力行使容認決議は加盟国に「必要なあらゆる措置をとる権限」を与えた。その時でさえ、こんな決議が許されるのかという議論が起きた。今回の米政府の姿勢に疑問が出るのは無理もない。
 米国は、安保理の武力行使容認決議には根回しの時間がかかり、作戦が制約を受ける可能性もあると恐れている。パウエル長官は26日の発言で、現時点では新決議なしで軍事行動が可能だとの立場を確認した。ウサマ・ビンラディン氏が潜むアフガニスタンへの軍事行動が早期に始まる場合、新決議は間に合わない。
 しかし軍事作戦が長期化、大規模化したり、他のテロ支援国にまで拡大する場合、国際的な支持を得るためには強力な大義名分が必要になる。パウエル発言による軌道修正の裏には、こうした思惑があるとみられる。 [2001-09-27-23:45] 246


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 09/27@米、チェチェン武装勢力にロシアとの交渉促す(読売新聞)

 【ワシントン26日=永田和男】フライシャー米大統領報道官は26日の記者会見で、ロシア南部チェチェン共和国の武装勢力に対して、ウサマ・ビンラーディン率いるテロ組織「アル・カーイダ」と断絶し、露政府との交渉を通じた紛争解決を探るよう強く促した。
 会見でフライシャー報道官は、プーチン露大統領が24日、チェチェン武装勢力に対して72時間の期限内に和平交渉の席に着くよう求める声明を発表したことを「重要な提案」として支持する考えを示した。
 米政府はこれまで、ロシア軍によるチェチェン鎮圧作戦を「人権侵害」として批判していたが、今回初めてロシア政府の主張に一定の理解を示したことで、ロシア政府がアフガニスタンに対する米軍の軍事行動に全面協力する姿勢を表明したことへの見返りとの見方が生まれている。
 フライシャー報道官は、「米国はずっと、チェチェン紛争解決には政治的手段しかないと言ってきた。米国の外交は人権尊重や国際協調の原則に沿って、何が米国にとって正しいか、が基準である」と述べて、「見返り」説に反論した。 [2001-09-27-22:44] 252


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 09/27@<米同時テロ>報復の前に「物的証拠示せ」 スーダン駐日大(毎日新聞)

 スーダンのアワッド・タハ駐日大使(50)は27日、東京都内で毎日新聞と会見し、米国のアフガニスタンへの軍事報復について「ウサマ・ビンラディン氏が事件に関わった明確な物的証拠を国連などに提示すべきだ。さもなければイスラム諸国の反発は必至だろう」との見方を示した。
 大使は、クリントン政権が93年にスーダンを「テロ支援国家」に指定したのも米当局の誤認が原因だと主張。世界貿易センタービルで同年に起きた爆弾テロの容疑者を「スーダン人」と誤認し、同国を敵視したためだと指摘した。
 98年にケニア、タンザニアの米大使館で起きた爆弾テロ事件でも、米国がスーダンの製薬工場をミサイル攻撃したが、その後、攻撃対象となった工場で化学兵器を製造されていたとの主張の根拠が薄かったことが判明した。これに関連し、大使は「米国はビンラディン氏が以前、スーダンにいたというだけで、無関係の工場を攻撃した。米国は拙速、過ちを繰り返してはならない」と訴えた。
 スーダンには98年、国連調査団が訪れ、疑惑のビンラディン氏の工場は見つからなかった。【藤原章生】 [2001-09-27-21:15] 257


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 09/27@難民対策で追加拠出へ アフガン支援グループ(共同通信)

 【ベルリン27日共同】日米ロなど主要十五カ国と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などで構成する「アフガニスタン支援グループ」は二十七日、ベルリンで特別会合を開き、米国の報復攻撃で難民の大量発生が予想されるとして、人道支援強化に向けた追加資金拠出を行う方針を確認した。
 会合では、攻撃が切迫している現状を踏まえ、大島賢三・国連緊急援助調整官室長(事務次長)が各国に緊急資金援助を要請。具体的な拠出額は、各国が持ち帰って検討することになった。
 同グループは一九九七年に発足。対アフガン支援について主要国が協議する場になっている。日本からは相星孝一・外務省難民支援室長らが出席した。(了)[2001-09-27-20:44] 265


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 09/27@欧米の金融機関が関与か ビンラディン氏資金の流れ(共同通信)

 【ワシントン27日共同】レビン米上院議員(民主)は二十六日の上院銀行委員会のマネーロンダリング(資金洗浄)に関する公聴会で、米政府が米中枢同時テロの「最重要容疑者」とするウサマ・ビンラディン氏とテロ組織アルカイダの工作資金の流れに、欧米を中心とする数十の国際的金融機関が関与した可能性があると指摘、米シティバンクなど六銀行を名指しした。
 ビンラディン氏の資金に関連して、欧米金融機関の具体名が挙げられたのは同時テロ発生後初めて。
 ブッシュ米大統領はテロ組織の資金源を断ち切ることを「対テロ戦争」の柱の一つに据えており、米議会もマネーロンダリング防止のため規制強化に動きだすことになりそうだ。
 同委員会のマネーロンダリング小委員長を務めるレビン議員は、一九九一年以来ビンラディン氏の支配下にあったとされるスーダンのアルシャマル・イスラミック銀行が世界各地の数十の金融機関に代理口座(コレスポンデント・アカウント)を所有していたと指摘。米国のシティバンク、アメリカン・エキスプレス・バンク、ドイツのコメルツ銀行、フランスのクレディ・リヨネ、オランダのINGバンク、南アフリカ共和国のスタンダード銀行の名を挙げた。
 アルカイダのテロ工作員は米国を含む世界各地で送金や現金の引き出しを行うことが可能で、米国がスーダンをテロ支援国家に指定した九七年以降も、いくつかの金融機関で取引可能な状態だったという。
 レビン氏は「このような状態を放置することはできない」と述べ、規制強化の必要を強く主張した。(了)[2001-09-27-18:03] 283


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 09/27@「窓」―オベイドさん(朝日新聞)

 毎年、発表される「世界人口白書」を携えて、国連人口基金事務局長、トラヤ・オベイドさんがやってきた。日本の途上国援助(ODA)削減の方針に危機感を募らせた異例の来日である。
 今回のテロの容疑者とされるオサマ・ビンラディン氏と同じサウジアラビア出身だ。伝統的なイスラム社会に育ち、米国の大学を出た。
 イスラムは保守的と見られがちだが、ほとんどの国は家族計画に積極的に取り組んでいる。なかでも成功をおさめているのがエジプトやイラン、マレーシアだ。
 97年にはアフガニスタンを訪れて、タリバーン政権の要人らと女性の状況をめぐって話し合った。
 アフガンの女性は教育を受けられず、家の外での仕事に就くことも許されていない。長引く戦乱で夫を失った女性の多くは、ものごいや売春でやっと生き延びている。
 コーランは、よき信者であるためによく読むようにと説いている。オベイドさんの父親は、その教えを守って娘の大学進学を応援した。
 自身の体験を話して、少女の教育の大切さを訴えた。だが、ムスリム同士を隔てた垣根は超えられなかった。
 多くの場合、テロの背景には絶望的な貧困がある。そして、貧困と人口の増加は密接に結びついている。
 「軍事にお金を出すだけでなく教育や医療・保健へも」 オベイドさんは精力的に国会議員らに会った。日本は人口基金への最大の拠出国。これは誇りに思いたい。〈紀〉[2001-09-27-14:21] 300


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 09/27@10年で貧困層が1000万人増 90年代の中南米(共同通信)

 【リオデジャネイロ26日共同】国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(本部サンティアゴ)が二十五日発表した年次報告によると、中南米の貧困層は一九九九年時点で二億一千百万人(総人口の43・8%)に達した。このうち極貧層は八千九百万人に上る。
 同報告は、九○―九九年に、ブラジル、チリ、パナマなどでは貧困層が減少したが、ベネズエラ、エクアドル、コロンビア、パラグアイでは改善がみられず、中南米全体では人口増もあり十年間で貧困層が約一千万人増えたとしている。
 また世界で最悪とされる貧富の差も相変わらず大きく、国民の三分の二から四分の三は平均所得以下で、全体のわずか10%の富裕層が総所得の30%以上を手にしているという。(了)[2001-09-27-11:07] 304


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 09/27@<資金洗浄>ビンラディン氏、巧妙な手口で 米上院の公聴会(毎日新聞)

 【ワシントン吉田弘之】同時多発テロ事件の重要容疑者、ウマサ・ビンラディン氏がスーダンから欧州などの金融機関を通して資金を米国内の活動家に送るなど、巧妙な手口で資金洗浄(マネーロンダリング)を繰り返していた実態が26日、米上院の銀行住宅都市委員会公聴会で明らかになった。
 公聴会で証言したカール・レビン上院議員(民主党)によると、ビンラディン氏は90年代初め、自分が大株主となっているスーダンのアルシャマル銀行から米テキサスの銀行に25万ドルを送金、米国内にいた部下がこの金で軽飛行機を購入した。この部下はビンラディン氏の元に行き、その飛行機のキーを直接手渡したという。
 この事実は、98年8月に発生した在ケニア、タンザニア米大使館爆破事件で起訴された被告が証言。その後、スーダンの金融機関は米国銀行との取引を禁止された。
 しかし、実際には現在もアルシャマル銀行が欧州や東南アジアなどの銀行を通じて、米国内の銀行に資金を電信で送金している実態が浮上した。
 レビン議員が示したリストによると、アルシャマル銀行が米国に資金を送るために経由していたのはフランス、ドイツ、オランダ、南アフリカの銀行などだったことが明らかになった。
 米捜査当局などによると、ビンラディン氏の総資産は3億ドル(約340億円)以上と言われ、欧州などの株式市場で資金運用している疑いが出ている。
 ブッシュ米大統領は24日、同氏や海外テロ組織の米国内資産の凍結を発表。テロ組織と取引したり調査協力を拒否した在米の海外銀行に対しても、在米資産を凍結する懲罰を科すなど厳しい内容となっている。 [2001-09-27-10:30] 308


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 09/27@原理主義組織の口座凍結指示 パキスタン中央銀行(朝日新聞)

 パキスタン国立中央銀行は26日、米国務省が国際テロ組織と認定したパキスタンのイスラム原理主義組織「ハラカト・ムジャヒディン」と、オサマ・ビンラディン氏との密接な関係が指摘される民間基金「アルラシード・トラスト」(本部・カラチ)のすべての銀行口座を凍結するよう指示した。
 パキスタンの内務省筋によれば、ハラカト・ムジャヒディンはインドと係争中のカシミールの武装過激組織で、その分派のハラカト・アンサルは数年前にインドの支配するカシミールの保養地から欧米人らを誘拐、殺害した疑いがもたれている。この事件の後、パキスタン政府が活動を禁じたため、同派はアフガニスタン国境地帯に拠点を移し、若いアフガン人にテロ訓練などをしていた。
 「アルラシード・トラスト」は、カシミールやアフガンの貧しい人々に社会福祉や戦闘負傷者らのリハビリ施設を設けるなどの活動をしてきた。カブールでも世界食糧計画(WFP)とタリバーンが女性の就労をめぐって対立している時、国連機関に代わって貧しい市民に食糧を無料支給するなどしていた。
 その一方、タリバーンの最高指導者オマール師が学んだカラチの宗教学校、ビヌー・モスクに対しても多大な資金を出していた。[2001-09-27-10:05] 310


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 09/27@<米国務長官>国連安保理への武力行使容認新決議、大統領判(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】パウエル米国務長官は26日、米国が国連安全保障理事会に同時多発テロに対する武力行使容認の新決議を求めるかどうかは、ブッシュ大統領が今後決定すると述べ、将来の追加決議の必要性について米政府が考慮する可能性を明らかにした。
 長官は「大統領は自衛のためにあらゆる行動を取る権限がある」と述べ、現時点では新決議がなくても自衛権だけで米国は軍事行動が可能との立場を確認した。その上で「大統領は今後、自衛権だけで行動するか、国連の承認を必要とするかの判断を下す」と述べ、新決議を安保理に要請する場合があり得ることを指摘した。
 フライシャー大統領報道官も同日、「国連に追加要請をするかは現時点では決まっていない」と述べ、今後の動きに含みを残した。
 またバウチャー国務省報道官は同日、安保理でテロ組織への資金を遮断する決議について協議が進んでいることを明らかにした。同報道官は「テロとの戦いで、資金面について加盟国に協力を義務づける決議だ」と説明した。 [2001-09-27-10:05] 313


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 09/27@旧共産は過半数に達せず ポーランド総選挙開票終了(共同通信)

 【ワルシャワ26日共同】ポーランド選挙管理委員会は二十六日、二十三日投票が行われた上下両院議員選挙の最終開票結果を発表した。
 下院第一党となった旧共産党系の民主左翼連合(SLD)は過半数に達せず、同党は来月後半の新議会招集までに、連立か少数単独政権かの難しい判断を迫られることになった。各党の獲得議席数は次の通り。
 ▽下院(定数四六○) SLD二一六、市民フォーラム六五、自衛五三、法と正義四四、ポーランド農民党(PSL)四二、ポーランド家族連盟(LPR)三八、ドイツ系少数民族枠二。
 ▽上院(定数一○○) SLD七五、「ブロック二○○一」一五、PSL四、LPR二、自衛二、無所属二。(了)[2001-09-27-09:04] 314


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 09/27@2億5000万ドル必要 アフガン救援でUNHCR(共同通信)

 【ニューヨーク26日共同】国連本部報道官は二十六日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がアフガニスタン内外での緊急人道援助のために必要な費用を二億五千二百万ドル(約二百九十五億円)と算定した、と発表した。
 二十七日にベルリンで開催されるアフガン支援国会議に大島賢三・国連緊急援助調整官室長(事務次長)が出席して、各国に緊急資金援助を要請する。
 また米中枢同時テロに対する軍事報復が予想される中、国連人道問題調整事務所は二十六日、アフガン国内で故郷を追われる避難民の数が現在の百十万人から二百二十万人に増加するとの予測を発表した。(了)[2001-09-27-09:01] 319


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 09/27@1万5000人以上がテロ訓練 アフガン国内、ロシア報告(共同通信)

 【ニューヨーク26日共同】タリバン政権が支配するアフガニスタン領内には国際テロ組織などの訓練拠点が計五十カ所以上あることがロシアが国連に提出した文書で二十六日、分かった。訓練には十六を超える広範な国・地域から一万五千人以上が参加していると分析しており、国際テロリストの養成、出撃基地としてアフガニスタンが予想以上に大きな役割を果たしていることを示している。
 文書によると、米中枢同時テロを実行したとされる「ウサマ・ビンラディン氏のテロ組織」は首都カブール市内のレストラン「バゲ・バラ」に百五十人規模の本部を、同市内の別のビルに三百人規模の施設を持つ。東部ジャララバードの本部は「スピンガー・ホテル」に設置されている。
 南部カンダハル空港近く、ジャララバード近郊数カ所などにはキャンプや基地がいくつもあり、カンダハル州のスピンブルダクでは五百人以上が地下拠点の建設に従事していた。
 また、ビンラディン氏側近が指揮する「パキスタン連隊」というグループがあり、パキスタン正規軍の士官のもとで七千人規模の「戦士」が訓練を受けていた。
 ビンラディン氏系の司令部や拠点、キャンプの総数は三十八カ所で、テロ訓練への参加人物の出身地はパキスタンやタジキスタン、ウズベキスタン、バングラデシュなど隣接諸国のほか、フィリピンやロシア南部チェチェン共和国など。中国のウイグル人も四十人が訓練を受けていたという。
 文書は、一九九九年十月に国連安全保障理事会が国際テロ組織の拠点や訓練施設を閉鎖するようタリバンに求めた制裁決議に基づいて設置されたアフガン制裁委員会に対し、ロシアが今年三月に提出した。
 文書はまた、パキスタンがアフガン国内に軍部隊を駐留させ、タリバン政権に約三十人のアドバイザーを派遣していると報告。タリバンの最高指導者オマル師ら政権幹部が直接、麻薬密売に関与しているとも指摘している。(了)[2001-09-27-08:24] 328


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 09/27@アフガニスタン情勢緊迫、首都から市民脱出(読売新聞)

 米英の特殊部隊が、イスラム原理主義勢力タリバンと敵対する北部同盟に接触を始めたとの情報が流れるなど、アフガニスタン情勢は緊迫している。首都カブールや主要都市では、物資が底を尽きかけ、多くの市民が脱出した。武装したタリバン兵士は、街の中で銃の試射などを繰り返しており、緊張度は高まる一方だ。(パキスタン北西部のペシャワルで、長谷川聖治、鈴木敦秋) アフガン国内に残っている住民、国連機関や援助活動を続けるNGO(非政府組織)の現地スタッフらの話を総合すると、人口100万人以上のカブールでは25日までに、市民が次々と脱出を始めた。
 大半が、近郊の街を目指しており、タリバンも制止はしていない。市内では「南部のカンダハル付近からならパキスタンへ出国できる」と情報も流れ、200キロ以上南の国境地帯へ向け、長い旅を始めた人々もいる。1人当たり300ルピー(600円)で不法出国を請け負うブローカーまで登場した。
 国連機関では、カブールと周辺に住む約30万人を対象に食糧配給を続けている。しかし、国連関係者は「備蓄は2、3週間が限度。車がチャーターできず、国内での物資の運搬さえ困難な状態だ」と話した。
 バザールでは、大半の店が閉まり、小麦の値段はこの2日間で35%上昇、ガソリンは2倍、タクシー代は5倍に跳ね上がった。近郊では、空爆に備えて防空ごう掘りが続いている。
 25日にペシャワルに脱出してきたモハマド・シャフィさんは、「戦車や対空機関砲などで武装したタリバン兵士を街の至る所で目撃した」と話す。「『タリバン政権が倒れ、亡命中のザヒル・シャー元国王が戻る』とのうわさが、人々を精神的に支えている」との声も。
 パキスタンとの国境に近いジャララバードでも、約3万人の人口の大半が郊外の農村へ逃れたというが、一帯は3年連続の干ばつで深刻な飢饉(ききん)に陥っている。NGOの現地スタッフは「かつて家族4人で1日12枚食べていたパンが、今はたった1枚だ」と伝えてきた。
 ガソリンは1リットル12ルピーから18ルピーに、小麦の値も2割上がった。タリバンは、市民から接収したコンクリート造りの家屋で連日、作戦会議を開いていたが、ここ数日は姿を消し、時々、銃を試射する音が遠くから聞こえているという。
 ウサマ・ビンラーディン一派の本拠地とされるカンダハルでは、商人ら比較的裕福な人たちもパキスタンへ向けて脱出を始めた。 [2001-09-27-01:58] 335


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 09/27@<余録>アフガニスタンの冬(毎日新聞)

 カブールの日本語学校で先生が「秋は〇〇〇です」と黒板に書いて、生徒たちに答えさせた。生徒のひとりが言った。「秋は冬の使者です」▲いろんな答えが出たが、アフガニスタンの秋を表現するのに、これ以上のものはないと感心した。――これは佐々木徹さんの中公新書「アフガンの四季」(81年刊)で読んだエピソードである。その後、内戦の泥沼化、タリバンの権力掌握と、アフガニスタン情勢はどんどん険悪になった▲いまはもう日本語学校どころではない。しかし、政治状況がどう変化しようと、アフガニスタンの秋は冬の使者であることだけは変わりはない。秋は秋分からはじまる。気温は目に見えて下がりだし、やがて雪が降りはじめ、見渡す限り白一色▲道路は閉鎖され、凄絶な冬がはじまると佐々木さんが書いている。ただでさえも荒涼としているのに、ことしは輪をかけて厳しい。ブッシュ米大統領はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機会に10月15日ごろから約10日間、日本、韓国、中国を歴訪する予定だったが、キャンセルした▲ブッシュ大統領はAPECだけ出席して、どこにも立ち寄らずに、ワシントンに取って返す。この突然の日程変更から、10月初旬に、アフガニスタンに対する米国の軍事行動が開始されるのではないかという推測がにわかに現実味を帯びてきた。凄絶な冬の伝令である▲アフガニスタンはことし、30年ぶりの大干ばつに見舞われた。テロ事件の後、国連機関の支援が止まり、国内の食糧は2〜3週間で底をつくという。国外に脱出できる人はいいが、取り残された子どもや女性、病人が気の毒だ。過酷な冬が早く立ち去り、春のくることを祈ろう。冬は春の使者でもあるのだから。 [2001-09-27-00:50]
9


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 09/28@<前ユーゴ大統領>近く起訴へ 蘭の旧ユーゴ国際戦犯法廷(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷は28日、ユーゴ・コソボ自治州紛争での人道に対する罪で起訴されているミロシェビッチ前ユーゴ大統領を、91〜95年のクロアチア内戦における犯罪行為の罪で近く起訴する見通しを明らかにした。同法廷のデルポンテ主任検察官はすでに起訴状に署名しており、裁判長が認めれば初の追起訴となる。
 クロアチア内戦当時、前大統領はセルビア共和国大統領としてセルビア人勢力を支援し、クロアチア人に対する殺りく行為を指示したとされる。 [2001-09-28-23:05] 10


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 09/28@ジャクソン師のアフガン訪問…米政府がけん制(読売新聞)

 【ワシントン28日=永田和男】1990年の湾岸危機や99年のユーゴ空爆の際、現地入りして人質を解放した実績を持つ米国の黒人指導者ジェシー・ジャクソン師が、アフガニスタンのタリバン勢力からの「招待」問題で揺れている。
 米政府は27日、「行っても何か出来ることがあるとは思えない」(パウエル国務長官)など一斉にジャクソン師訪問をけん制。ジャクソン師も同日、「私自身、成果を挙げられるかはわからない」と認めつつ、8月からタリバンに拘束されている米国人民間活動団体(NGO)メンバーの家族から、解放を働きかけるよう要請があったことを挙げ、「人道的見地から行かなければならないかもしれない」と含みを残している。
 一方、「招待」がタリバンの自発的なものだったかには疑問も残る。ジャクソン師は26日、「きょうパキスタンのタリバン代表部から電話で招待を受け、驚いてパウエル長官らに相談した」と語ったが、アフガン・イスラム通信によれば、「米国とタリバンの仲介を申し出たのはジャクソン師の方」。
 ジャクソン師は27日になって、「どちらが言い出したかは重要でない」と言葉を濁し、自らタリバン側に訪問を打診していた可能性を示唆している。
 ジャクソン師はクリントン前大統領とは親しく、前政権が難色を示したコソボ行きも結局目をつぶらせた形だったが、ブッシュ政権は、「タリバンと交渉の余地はいっさいない」(パウエル長官)と訪問を厳しくけん制している。 [2001-09-28-22:44] 11


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 09/28@接近戦…成否のカギは「特殊部隊」など3本柱(読売新聞)

 【ワシントン28日=林路郎】ウサマ・ビンラーディン一派掃討とアフガン支配勢力タリバン弱体化を狙う米軍の「不屈の自由作戦」。ラムズフェルド国防長官は「流血を伴う」と覚悟を示し、チェイニー副大統領は「危険で汚いビジネス」とも評した。作戦は、米軍がベトナム戦争以来避けてきた地上での接近戦だ。その成否のカギは「対人諜報(ちょうほう)」「特殊部隊」「航空支援」の3本柱。敵の徹底調査と周到な準備を要する作戦となる。
 ◆対人諜報
 米軍筋によると、米軍諜報部隊や情報機関員などビンラーディンの居場所や立ち回り先を徹底的に調べあげる隠密の先遣隊がすでにアフガニスタンに潜入、情報戦は始まっている。
 ビンラーディン暗殺も辞さない同作戦の基本となるのは、ビンラーディン本人や護衛、一派の幹部の動静に関する情報を、敵の周辺に近い人間から直接収集する「対人諜報」だ。
 やみに紛れて各地を転々とするビンラーディンの潜伏地域をおおよそ特定するだけでは十分ではない。
 潜伏先となりそうな建物や洞穴の様子、周辺の地形や逃走ルート、地雷原の有無などの確認が欠かせない。潜伏先の建物のどの部屋に、いつごろ、どれほどの頻度で立ち寄るか、どこで食事、睡眠をとるかなども調べ上げる。米軍特殊部隊が最も攻撃を仕掛けやすい瞬間を見極めるためだ。
 ビンラーディンもこうした米側の動きに応じて防衛手段を講じるのは確実で、徹底した動静調査に数か月を要するというのが多くの専門家の見方だ。
 これには反タリバン勢力「北部同盟」のメンバーらアフガン人を敵陣営にスパイとして送り込み、秘密裏に米国側に情報を送らせる「人脈作り」が必要となる。
 ◆特殊部隊
 インド軍筋によると、アフガン北方の隣国ウズベキスタンにはすでに、米陸軍「デルタフォース」、海軍特殊部隊(SEAL)と見られる反テロ特殊作戦部隊要員約1500人が上陸。アフガン国境を越えて潜入を始めた。ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、第82空てい師団、第101空襲師団も、すでにアフガン国境に近いパキスタンのクエッタとペシャワルの基地に到着したという。また、英特殊空てい部隊(SAS)も作戦に参加する見通しだ。
 ウォルフォウィッツ国防副長官は、特殊部隊が持つ威圧感について「テロリストらが夜も眠れぬ状態に陥るだろう」と予告する。
 さまざまな地形、予期せぬ事態の展開を乗り越え、テロリストらを直接狙い、ナイフや銃を使った文字通りの“接近戦”で相手を捕獲または殺害する。当然、特殊工作員が敵の攻撃を受けたり捕獲される危険もある。
 ボスニアやユーゴスラビア連邦コソボ自治州で米軍が行った精密誘導弾を使った空爆などの軍事介入とは比較にならない。米国首脳が「作戦は犠牲を伴う」と繰り返しているのは、特殊作戦は常に米兵に犠牲者を出してきたからだ。
 ◆航空支援
 接近戦を強いられるのは、特殊部隊を支援する航空戦力も同様だ。総延長2万キロ近くの道路網は大半が未舗装。砲弾による損傷がひどく、周辺に地雷原が散在する。捕獲・暗殺部隊はパラシュート、ヘリを多用。生身の人間を相手にした航空支援の主役は、高度200メートルほどで対地攻撃を実施する陸軍ヘリ「アパッチ」やA10攻撃機、低空を飛行する輸送機などだ。タリバンが「70基程度保持している」とされる米国製の携帯型地対空ミサイル「スティンガー」の標的としてもヘリや低速機はぜい弱だ。
 こうした事情から、軍事専門家の多くが「一歩誤れば相手との交戦から規模が一気に拡大する危険がある」(ブルッキングス研究所の軍事アナリスト、マイク・オハンロン上級研究員)と警告する。米国首脳が「戦いは数年を要する」(ブッシュ大統領)、「テロ対策は軍事行動が中心なのではない」(ウォルフォウィッツ国防副長官)、と繰り返す理由もここにある。 [2001-09-28-22:00] 12


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 09/28@◎クロアチア紛争で前ユーゴ大統領を追起訴(時事通信)

 【ウィーン28日時事】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)のデルポンテ首席検事は28日までに、ユーゴ・コソボ自治州紛争における人道に対する罪で起訴されているミロシェビッチ前ユーゴ大統領を、1991−95年のクロアチア紛争に際しての犯罪行為の罪に問う追起訴状に署名した。
 数日以内に戦犯法廷判事の確認を経て、前大統領は正式に追起訴される手続きになっている。 [時事通信社][2001-09-28-20:21] 13


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 09/28@<マケドニア>民族解放軍、解散を正式宣言(毎日新聞)

 【クラクフ福井聡】マケドニアのアルバニア系ゲリラ・民族解放軍は27日、正式に解散を宣言した。これに伴いマケドニア警察部隊は今後、民族解放軍が支配していた地域に展開することになる。また、ゲリラの武器回収作戦を終えた北大西洋条約機構(NATO)は、さらに3カ月間、1000人の部隊を展開させることを決定した。
 民族解放軍のアハメティ指導者は「27日午前0時に民族解放軍は解散した。元兵士全員に解散指令が伝達され、元兵士は今後マケドニアの一般市民となる。私はもはや元指導者だ」と表明した。 [2001-09-28-12:55] 15


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 09/28@<米同時テロ>ジャクソン師にタリバンから招待状 和平代表(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】米国の黒人運動指導者、ジェシー・ジャクソン師は27日、アフガニスタン・タリバン政権から同師を和平代表として招待する手紙が届き、アフガンに行くかどうかを検討していることを明らかにした。パウエル国務長官は同日「米国はタリバンと交渉しない」と述べ、ジャクソン師の訪問は問題の解決につながらず、支持しない立場を示した。
 ジャクソン師によると26日にタリバンから「軍事攻撃によるアフガン国民の破局を避け、事態を解決するための代表団を歓迎する」と招待状が届いたという。また、タリバンに拘束されている米国人援助団体メンバー2人の家族が解放交渉を助けてほしいと同師に要請した。
 同師は27日「戦争を選ぶより、援助関係者を解放し、テロ容疑者を引き渡すようタリバンに呼びかけたい」と述べ、戦争回避のため、アフガン訪問の可能性を探っていることを明らかにした。
 同師は、99年のユーゴスラビア空爆で捕虜になった米兵3人の釈放交渉のためユーゴに入り、釈放を実現したことがある。 [2001-09-28-10:40] 16


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 09/28@NATO部隊が撤収開始 マケドニア和平で(共同通信)

 【スコピエ28日共同】マケドニア和平で、アルバニア系武装組織からの武器回収作戦を終了した北大西洋条約機構(NATO)部隊が二十七日、撤収を開始した。
 第一陣は英国隊の約三十人で、スコピエ空港から母国に向かった。今後、作戦に従事した十五カ国約四千七百人の部隊が順次撤収する予定。(了)[2001-09-28-10:19] 17


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 09/28@民族解放軍が解散発表 マケドニア(共同通信)

 【スコピエ27日共同】マケドニアのラジオ放送などによると、同国の民族紛争で一方の当事者であるアルバニア系武装組織「民族解放軍」のアリ・アハメティ政治代表は二十七日、組織の解散を正式に発表した。
 北大西洋条約機構(NATO)が二十六日に解放軍からの火器回収作戦の終了を宣言したことを受け、二十七日午前零時を期して解散したという。
 代表は、解放軍メンバーに市民生活に戻るよう呼び掛け、了承されたと述べた。解放軍メンバーの一部で政党を設立する計画も進行中という。
 解放軍はアルバニア系住民が不利益を受けているとして、今年二月ごろから武力闘争を開始、民族紛争に発展していた。
 火器回収作戦は、八月のマケドニア人側とアルバニア系住民代表による停戦合意に基づくものだが、アルバニア系住民の権利を拡大する憲法改正作業は、一部マケドニア人側政党の抵抗で遅れている。(了)[2001-09-28-07:38] 19


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 09/28@◎旧ユーゴ駐留の米英軍、削減へ=テロ受けた軍事作戦の影響(時事通信)

 【ロンドン27日時事】27日付の英紙タイムズは、米同時テロを受けた軍事作戦の影響で、平和維持のため旧ユーゴスラビア各地に展開する米英軍が大幅に削減される見通しだと報じた。マケドニアに派遣されていた英軍の一部は27日に帰国しており、数日中にさらに約2000人が帰還する。 [時事通信社][2001-09-28-07:07] 20


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 09/28@米国防副長官、NATO加盟国に共同行動を要請せず(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)の非公式国防相会議で26日、ウォルフォビッツ米国防副長官がNATO条約第5条の集団的自衛権の発動を要請しなかったことで、予想されるアフガニスタンへの軍事行動で米国はすべての同盟国を巻き込むことに消極的との見方が広がっている。NATOが今後、5条を発動したとしても道義的支持の意味合いが強くなりそうだ。
 ウォルフォビッツ副長官は会議後の記者会見で、「集団防衛が必要な場合は、いずれ申し入れる。だが、今のところは考えていない」と述べた。さらに、「(早期の)軍事行動を期待している人は、考え直す必要がある」とも語り、軍事報復にはまだ時間がかかるとの見解を示した。
 一方、ロバートソン事務総長は、5条発動に積極的な姿勢をみせた。
 米国は今回、99年にユーゴスラビアを空爆した時のような攻撃を想定していない。特殊部隊などを使った継続的で目には見えにくい作戦を展開していく構えだ。
 こうした作戦を遂行できる能力がある国は限られている。そのうえ、敵に作戦を知られないよう、厳しく情報を管理する必要がある。全19カ国の同意を前提とするNATOの指揮命令系統を使った作戦にはなじまないとみられる。
 むしろ、米国が同盟国に求めているのはアフガン情勢やオサマ・ビンラディン氏の捕そくにつながる情報の提供だ。ウォルフォビッツ副長官も記者会見の場で、「最も重要なのは情報だ」と念を押している。
 欧州諸国からは兵力や基地提供の表明が相次いでいるものの、実際の軍事行動にかかわるのは、英国の特殊部隊やトルコの基地使用など一部の国に限られるとの見方が強まっている。[2001-09-28-01:05] 141


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 09/28@ならず者国家も米国に協力…テロ余波(読売新聞)

 【ワシントン支局28日】米国から、テロを支援する「ならず者国家」と名指しされて来たリビア、シリア、スーダンの3か国が、米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディンの組織「アル・カーイダ(基地の意)」に関する情報を米政府に提供していることがわかった。27日付の米ボストン・グローブ紙が伝えた。情報の具体的な中身は明らかにされていないが、国際テロ包囲網の構築に伴う国際秩序の“激変”を象徴する動きだ。
 米政府高官が同紙に語ったところによると、米側は、リビアなど3か国以外からも様々な情報提供を見込んでおり、イランからは、ビンラーディン勢力の資金源の1つとみられるアフガニスタン内の麻薬組織の情報がもたらされるものと期待。また、北朝鮮にも近く「アル・カーイダ」に関する情報提供を求める見通しという。
 一方、キューバのカストロ政権も対米協力を表明したが、米政府は国内の反カストロ系キューバ移民に配慮して、情報提供などの協力要請はしない方針という。ただイラクだけは、依然、米国の「潜在的な攻撃対象」との位置付けのままになっている。 [2001-09-28-22:47] 145


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 09/28@<中東情勢>衝突からまる1年 停戦合意結ぶも、不透明な情(毎日新聞)

 【エルサレム海保真人】米国での同時多発テロ事件を誘発したとも指摘されるイスラエルとパレスチナとの衝突が28日、発生からまる1年となった。これを前に、イスラエル、パレスチナ双方は新たな停戦合意を結んだ。これは国際的な反テロ機運がもたらした成果ともいえるが、一部地域では依然、衝突が続いており、今後、衝突の完全収拾と和平交渉再開につながるかどうかは不透明な情勢だ。
 パレスチナ自治政府とイスラエルは28日、停戦合意履行の第一弾として米中央情報局(CIA)の仲介で治安協議を開催予定だ。だが、27日にはパレスチナ自治区ガザ南部で衝突が発生、パレスチナ人5人が死亡、「停戦」は早くも揺らいでいる。
 双方が新たな停戦に合意した背景には、反テロの国際的連携を確立したい米国、欧州、国連からの強い圧力があった。ブッシュ政権発足後、衝突収拾に向け、仲介の労を取ろうとしなかった米国が一転、態度を変えた背景には、アフガニスタンのタリバン政権に対する軍事報復を行うにあたり、パレスチナ情勢が不安定な限り、軍事協力やテロ・グループの情報収集などでアラブ・イスラム諸国を味方に取り込むことは困難との思惑があったとみられる。
 一方、今回のテロ事件がパレスチナ人の対イスラエル闘争に冷や水を浴びせたのは確かで、アラファト議長は暴力抑制にやっきとなった。イスラム原理主義組織「ハマス」でさえも「米テロ犯と混同されたくない」との思いから、イスラエル領内での自爆テロを控え、衝突とテロ件数は同時テロ事件後のこの2週間で急減した。
 アラファト議長は、和平交渉に戻りたいながらも過激派を抑制できずにいただけに、今回の停戦の機会が「渡りに船だった」との見方もある。エジプトのムバラク大統領も25日、助け舟を出すように「米欧の協力によるパレスチナ問題の解決なしに、テロの根を断つことはできない」と発言、米国に積極仲介を促していた。
 ただ、新たな停戦合意は、今年5、6月時点で双方がいったん受諾した国際調査委報告書の勧告とテネット米中央情報局(CIA)長官の停戦実行案を履行することに過ぎず、問題の「振り出し」に戻っただけだ。パレスチナ側は一刻も早い自治区直近からのイスラエル軍の撤退と封鎖解除を求めるが、その完全な履行には約10週間が予想される。いずれ同時テロのほとぼりが冷めれば、衝突が再燃するとの懸念は消えない。 [2001-09-28-22:05] 151


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 09/28@NGO、パキスタンに難民キャンプ建設 政府が費用負担(朝日新聞)

 米軍によるテロ報復攻撃でアフガニスタンからパキスタンに多くの難民が避難することを想定して、非政府組織(NGO)の「ジャパン・プラットフォーム」(大西健丞代表)は28日、現地で4、5万人が暮らせる難民キャンプをつくると発表した。5億円を超える費用は政府拠出の基金で賄う。外務省もパキスタン政府との折衝などを担当する職員を派遣し、NGOを支援する。
 国連難民高等弁務官日本・韓国地域事務所によると、パキスタンで生活する難民は現在約200万人。米の攻撃が始まれば、さらに約100万人の難民が流入する可能性があるとしている。
 このため、ジャパン・プラットフォームはテントや簡易水道設備、食糧配給用の車両などを購入して、難民キャンプを建設する。既に一部の職員はパキスタン入りしており、候補地の選定に当たっている。現地職員を雇用して、総勢約400人で運営する方針。
 同組織は国内NGO17団体の集まりで、昨年8月、外務省と経済団体連合会(経団連)の協力を得て結成された。
 日本のNGOが紛争や地震などの緊急援助で海外に出向く場合、欧米のNGOに立ち遅れることが多かった。このため、初動資金を政府が援助することにした。原資は途上国援助(ODA)資金で、今年度初めて5億8000万円が予算化された。[2001-09-28-20:49] 153


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 09/28@人道援助ネットがアフガン難民支援へ(読売新聞)

 官民一体の緊急人道援助活動ネットワーク「ジャパン・プラットフォーム」は28日、アフガニスタンからパキスタンなどに流出している難民の支援事業を実施することを決めた。
 政府がネットワークに拠出している基金(5億8000万円)の利用を認めたことを受けたもので、当面、パキスタンで毛布などの物資調達、食糧提供などを計画している。週明けにも約20人の先発隊がパキスタンに入り、運搬車両の確保や情報収集など準備を行う。
 ジャパン・プラットフォームは、国際紛争や大規模災害の際、政府と経済界、非政府組織(NGO)が共同で緊急援助を行うネットワークで、昨年8月発足した。 [2001-09-28-20:34] 156


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 09/28@<アフガン>避難民キャンプ 約8千人、行き場のない生活に(毎日新聞)

 【ホジャパファウディン(アフガニスタン北東部)田中洋之】アフガニスタンとタジキスタン国境付近にあるホジャパファウディン。記者は28日、大量の避難民が流れ込むキャンプに入った。夜半の気温は0度近く、支援も途切れて久しい。国境地帯にはタリバンの訓練キャンプがあるとされ、米軍の報復攻撃の対象となる可能性も高い。約8000人は行き場のない生活を強いられていた。
 「20日ほど前、タリバンが村を襲い、弟と親類の2人が殺された。何も持たず逃げるのが精いっぱいだった」。ムラドさん(65)はアフガン北東部のオージャル近くの出身。イスラム原理主義勢力タリバンが侵攻したため、20人の家族と3昼夜かけて逃げてきた。
 1カ月前に別の村からキャンプにたどりついたアゼズさん(55)は「ここは北部同盟(反タリバン連合)が守っているので安全だと聞いてきた。でも、食べるものがないんだ」と話した。
 キャンプに来る避難民は米軍の報復攻撃の可能性が濃厚になってから、1日約60人のペースで増え続けている。6カ月前に1家族あたり小麦75キロ、バター2袋が配給されただけ。その後は何の配給もなく、野草のスープで飢えをしのいでいるという。
 テントがあればいいほうで、棒に布切れの屋根で雨風をしのぐ人々が大半だ。多くの子供が風邪をひいているが、薬はない。国際団体の支援もここには届かない。
 約1年間暮らしているラシードさん(48)は「米国はテロリスト集団のタリバンとオサマ・ビンラディンをせん滅すべきだ」と報復攻撃を支持する。場合によってはタリバンの反撃が予想されるが、「祖国を離れてタジキスタンに逃れるつもりはない。故郷に戻る日を願っている」と話した。
 国連関係者によると、アフガン北東部とタジクの国境付近には約10万人近くの避難民が集まっている。対アフガン攻撃が始まると、大量の難民がタジク方面へ流出する懸念が出ている。 [2001-09-28-20:20] 166


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 09/28@<空自>C130輸送機派遣は早くても10月中旬か 航空幕(毎日新聞)

 遠竹郁夫・航空幕僚長は28日の定例会見で、航空自衛隊輸送機C130のパキスタン派遣の準備について「(事前調査団の)調査期間は1〜2週間かかるのではないか」と述べ、派遣は早くても10月中旬となる可能性を示唆した。
 難民支援のためのC130派遣は、政府が近く事前調査団をパキスタンに送って具体的な計画を決める。遠竹空幕長は過去に国連平和維持活動(PKO)でC130が派遣されたケースを参考に、今回の調査期間を1〜2週間、メンバーに占める空自隊員を7人前後と推計した。現地の給油、駐機場、管制機関などの状況を調べるという。
 政府などによると、派遣されるC130は小牧基地所属の4〜5機と見込まれる。PKO協力法に基づきテントや毛布などを輸送する予定で、那覇基地(沖縄県)―フィリピン―タイ―インドが中継地となる可能性が高く、パキスタン到着まで3日程度かかる見通し。 [2001-09-28-19:30] 177


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 09/28@難民支援機がパキスタン中西部のクエッタへ(共同通信)

 【イスラマバード28日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は二十八日、米国の報復攻撃を恐れてパキスタンに流入しているアフガニスタン難民への支援物資を積んだ国連輸送機が二十九日、パキスタン中西部のクエッタに到着すると発表した。
 さらに後続の輸送機が週明けにかけて到着する予定で、支援物資は計数万人分。
 一方、UNHCRはクエッタ近郊にある難民キャンプ三カ所に計一万人分を収容するスペースを確保した。
 パキスタン政府は現在、アフガニスタン人に対し国境を事実上閉鎖しているが、女性や子供、老人だけの入国を許可。同政府は難民が殺到するなど人道的な緊急措置が必要な場合は国境を開けることを検討する方針だ。(了)[2001-09-28-18:19] 179


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 09/28@GIAが過激派の受け皿 欧州の「寛容さ」裏目に(共同通信)

 米中枢同時テロに関連した欧州各国の捜査で、アルジェリアを追われ欧州に逃げたイスラム原理主義過激派「武装イスラム集団(GIA)」がエジプト、チュニジア、レバノン、パレスチナなど中東のイスラム過激派の「受け皿」になっていることが確認された。欧州が中東や北アフリカのテロリストの「政治亡命」を事実上認めてきた寛容さが裏目に出ている。
 スペイン内務省は二十六日、重要容疑者のウサマ・ビンラディン氏の組織「アルカイダ」のスペインの地下組織の一部を摘発したが、逮捕された六人は全員GIAの関係者だった。
 欧州のGIAメンバーは三百人以上と伝えられる。その多くが、表向きイスラム難民の救済組織「ジャザラ」などの看板を掲げ、表ではイスラム教の布教、裏では身分証明書の偽造や過激派への隠れ家提供、テロ活動の支援などをしているという。
 西側情報機関の報告書によると、イタリアとフランスの国境近くにビンラディン氏の拠点があり、ミラノ検事局が今年四月「布教と戦闘のためのサルフィ集団」(GSPC)というGIAの分派の五人を逮捕、ローマの米大使館爆破計画を未然に防止した。
 フランス筋の情報では、GSPCはビンラディン氏のアフガニスタンの訓練キャンプに参加、「スリーパー」と呼ばれる潜伏工作員として欧州で暗躍している。
 GIAはロンドンに司令部を置き、フランスやイタリア、スイスなどにネットワークを広げている。アルジェリアの元国防相は英国にGIAの摘発を二度要請したが、無視されたと述べ、「欧米は、十年にわたるアルジェリアのテロとの戦いを無視し続け、今泣きを見ている」と指摘した。(ローマ、パリ共同)(了)[2001-09-28-18:01] 181


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 09/28@仏は武力行使に条件 駐日フランス大使が会見(共同通信)

 フランスのモリス・グルドーモンターニュ駐日大使は二十八日、大使公邸で記者会見し、米中枢同時テロに対する報復の武力行使について「フランスが武力行使に加わるには条件がある。目的と手段が明確で納得できる場合だけだ」と述べた。
 大使はまた「現時点で米国から軍事協力への要請はなく、フランス軍は報復攻撃の配備にはついていない」と中東周辺地域での軍備増強を進める米、英両国との立場の違いを鮮明にした。
 フランスは現在、国連安全保障理事会の議長国だが、大使は「(テロ翌日に採択された)安保理決議で個別、集団的自衛権の行使は認められており、新たな決議がなくても米軍の武力行使は可能」との考えを示した。
 日本の自衛隊派遣については論評を控えたが、「(テロの背景にある)中東和平問題で日本の果たし得る役割は大きい」と期待感を表明した。(共同)(了)[2001-09-28-17:34] 182


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 09/28@ベトナム少数民族14人に実刑 「独立企て反乱指導」(共同通信)

 【ハノイ28日共同】ベトナム中部高原のドクラク、ザーライ両省の人民裁判所は二十八日までに、今年二月に同高原で起きた少数民族の反乱を指導し、独立国家樹立を企てたとして計十四被告に懲役十二―六年の判決を言い渡した。
 二十七、二十八日付の英字紙ベトナム・ニューズによると、ボメ被告(45)らは二月二日、数千人の少数民族を集めて決起。独立国家「デガ」樹立のスローガンを叫んで、役所などを襲撃、数日間にわたり行政機能をまひさせたとして起訴された。ボメ被告は懲役十二年を宣告された。
 判決は、解散したとされる在米反ベトナム政府組織「抑圧少数民族解放統一戦線」(FULRO)の残党が反乱を起こしたと断定した。
 反乱後、百人規模の少数民族が中部高原から隣国のカンボジアに逃げ込み、一部を米国が亡命者として受け入れる騒ぎが起きた。
 ベトナム中部高原には、チャム系など複数の少数民族が住んでおり、多数民族キンのコーヒー栽培などによる入植に不満を募らせているという。(了)[2001-09-28-17:31] 183


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 09/28@<伊首相失言>イスラム諸国、EUなど反発 集中砲火に(毎日新聞)

 【ローマ井上卓弥】イタリアのベルルスコーニ首相が26日、訪問先のベルリンで「西欧文明はイスラム文明に勝る」などと発言。同時多発テロへの報復をめぐり、イスラム世界と米欧の対立回避への努力が続けられる中、ブッシュ米大統領の「十字軍」発言に続く欧州首脳の「失言」に世界中から集中砲火が浴びせられている。
 首相は米欧の結束したテロへの対応を説き、「(西欧は)広範な繁栄をもたらした価値体系を持つ自らの文明の優越性を意識すべきだ。(西欧文明の持つ)人権と宗教の自由への考慮はイスラム諸国には存在しない」と述べた。
 これに対し、アラブ連盟(本部カイロ)のムーサ事務局長は27日、「イスラム諸国民10数億人への謝罪を求める。発言は差別的で理性と品位の範囲を逸脱している」と激しく非難。また、イランのハタミ大統領も「世界の潮流を認めない勢力が微妙な国際政治状況を利用しようとしている」とと批判した。
 一方、欧州連合(EU)のプロディ委員長も「信じ難い発言で、国際テロへの世界的な連携を困難にする」と強い懸念を示した。ベルルスコーニ首相は前回政権(94年)でも失言が一因で、総辞職している。 [2001-09-28-17:30] 184


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 09/28@作戦開始に3つの壁 「軍事」への偏りを修正(共同通信)

 同時テロに対する米軍の報復攻撃の開始時期をめぐり不透明感が漂い始めた。「軍事攻撃は対テロ戦争の主要な作戦ではない」(国防総省高官)「軍事だけでなく多面的な戦いとなる」(シェルトン統合参謀本部議長)。軍事力に偏った姿勢を弱める発言が出始めており、作戦立案の難航ぶりもうかがえる。
 米軍の前には@最大の標的ビンラディン氏の潜伏先が明確につかめていないA攻撃で生まれる大量の難民への対策ができていないB予想されるタリバン政権崩壊で南アジア情勢が一挙に緊迫する可能性がある―という三つの「壁」が立ちはだかっている。
 ▽スパイがいない
 米政府筋は「ビンラディン氏の居場所が分かれば、今日でも攻撃できる」と言う。だが「アフガニスタンにいると確信している」(ラムズフェルド国防長官)とされる同氏の潜伏先は依然判明していないというのが一般的見方だ。
 中央情報局(CIA)の元中東担当員のルーエル・ゲリクト氏は米誌で「CIAは、アフガニスタンの原理主義組織に入り込んで情報が取れるスパイを一人も持っていない」「(反タリバンの)北部同盟との関係も一九九九年以来切れている」と米国の情報収集能力の低さを暴いた。
 米軍は旧ソ連支配下のアフガニスタン情報機関を引き継いだ北部同盟に再び接近。ロシアなどの情報にも頼ろうとしている。だが、特に期待するパキスタンの三軍統合情報部(ISI)の協力の度合いがはっきりしない。ISIはタリバン政権の「生みの親」とも言え、同政権の崩壊だけは避けたい意向とされるからだ。
 ▽3週間の期限
 米共和党軍事筋は「アフガニスタンに雪が降り始める十月中旬になると攻撃はやりにくい。三週間しか残されていない」と言う。特殊部隊や空爆の作戦環境が悪化するのに加え、大量の難民が凍死する事態も考えられる。
 現在アフガニスタンの難民、国内避難民は、計四百八十万人とされるが、国連の推計では米軍の攻撃で二百六十万人が新たに加わる可能性がある。一九九九年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるコソボ空爆は七十万人の難民を生み、難民支援が追いつかず米国は非難の矢面に立った。
 今回も米軍の初期攻撃計画に難民大流出のシナリオはなかった。だがパキスタンやイラン国境に攻撃を恐れて難民が既に集まっている。米軍は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携した食料輸送など「人道支援作戦」の立案も余儀なくされた。
 ▽恐怖のシナリオ
 ブッシュ大統領はテロと戦う重要性を説く一方で「地域の安定」も口にし始めた。攻撃を機にした内戦でアフガニスタンが一層混乱すれば、核保有国パキスタンも揺さぶられる。「パキスタンに原理主義政権が誕生したら、核を持ったタリバンになる」(リーブン・カーネギー財団研究員)との恐怖のシナリオも聞かれる。
 アーミテージ国務副長官は二十七日「タリバンの連中は指導部をかえたがっている」とタリバン政権の分断を狙う発言をした。最高指導者オマル師ら強硬派からの穏健派の分裂を促し、攻撃でタリバン政権が崩壊した場合は、ポスト・タリバン体制の一翼を担わせ、アフガニスタンの安定を確保しようとの思惑だ。
 ブッシュ大統領は「アフガニスタンの新政権づくりには手を付けない」と強調している。だが「攻撃だけして手を引けると思うのはナイーブ」(国連当局者)だろう。軍事攻撃がもたらすアフガニスタンの混乱にどう対処するか―。明確に方針が定まっていない危うさが伝わってくる。(ワシントン共同=杉田弘毅)(了)[2001-09-28-17:22] 192


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 09/28@<特集ワイド>あふれる難民 アフガン・パキスタン辺境=1(毎日新聞)

 米国による軍事的報復が確実となりつつある中、アフガニスタンでは新たな難民の発生も心配されている。パキスタン・アフガニスタン両国の辺境地を中心に長年無償の医療活動を続け、17日に帰国したNGO(非政府組織)「ペシャワール会」(事務局・福岡市)の現地代表である中村哲医師(55)と、ユニセフ親善大使として7月にアフガニスタンを訪れた黒柳徹子さん(67)に、現地の状況を聞いた。
 ◇天災に人災、逃げ場なし
 「ペシャワール会」中村哲医師
 ――テロを知ったのは。
 カブールの診療所を増やすための打ち合わせを終えてパキスタンのペシャワルに戻ってからです。当初からイスラム原理主義者の関与が取りざたされていましたから、帰国予定を延ばして13日にアフガンに戻り、事務所を臨時に移転させたり、井戸を掘る機械や医療用の薬品を分散配置しました。戦乱の後にも、現地活動が継続できるようにしたいと思ったからです。
 ――情勢はさらに緊迫しています。
 パキスタン・アフガンの国境は、欧米系の外国人と比べて日本人はスムーズに通れました。私たちの会の活動を知ってくれているからということもないわけではないでしょうが、元々アフガン人は非常に親日的です。今回の事態で取材を受けて、アフガンの現実が日本ではほとんど知られていないことに驚きました。アフガンの人々が今置かれている状況についてきちんと伝えなければならないと痛感しました。
 ――例えば。
 私たちは医療活動とともに、昨年から「水源確保事業」をアフガン国内で行っています。農耕や飲料用の井戸を各地に掘り、干ばつ被害から住民を救うためです。アフガンは今、大干ばつに襲われています。かつて作られた水路も長い戦争で荒れ果て、水など流れていません。干からびた大地ばかりが広がっています。当然、食料も不十分です。正確な数字は分かりませんが、この1年間で100万人近くの人が干ばつの影響で死んでいるのではないかと思います。現地の農民の中には農地を捨ててカブールなどの都市部に行くか、国を出るかして、難民化する人も数多くいます。いわば干ばつ難民です。
 私が今回、アフガンを離れる前もひどい状況でした。井戸の水位が1週間で1メートル以上も下がってしまう。掘り下げて水を確保してもすぐにまた水位が下がるという状態です。医療活動はもちろんですが、水源確保プロジェクトも拡大しなければ住民の命は救えません。だから、当初の水源数の目標だった600カ所を1000カ所に増やし、診療所も新たに5カ所を増設する予定でした。達成できる見通しは立っていたのですが……。
 ――テロに対するアフガン国民の反応は。
 私が接したアフガン人は「亡くなった人がかわいそうだ」と話していましたし、テロに対する嫌悪感も強い。旧ソ連軍の侵攻(79年)以来、20年以上も内戦が続いている国です。住民は常に戦争の中にいて、親族に犠牲者がいない住民はいないといっていい。だから「流血はもうたくさんだ」という気持ちが人々の心に染み込んでいます。
 しかし、パキスタンも国境を閉鎖しましたから、逃げ遅れた難民たちは国内にとどまらざるを得ません。報復攻撃では都市部を先に狙うでしょうから、都市に流れ込んでいる「難民」が犠牲になることは明らかです。かといって、難民たちが都市部以外に逃げようとしても、干ばつで水も食料もない大地があるだけです。彼らは現状のままでも死んでしまうほど弱っている。それに武力攻撃を加えるということは、アフガンの人々にしてみれば、天災に人災が加わるということです。報復は、歴史に汚点を残す空前のホロコーストになる恐れがあります。
 ――会の活動にも影響があるのでは。
 報復があれば当然、ペシャワール会の現地活動にもかなりの支障が出ます。それだけでなく、会そのものにとっても、かなり厳しい状況になる。会は現地での活動を軸に回ってきたわけですから、現地プロジェクトができなくなるということは、会の活動を失うということです。現地の情報や動静を見ながら判断しますが、スタッフの一部は大事をとって自国に帰さざるを得ないでしょう。
 でもアフガン人スタッフは逃げられませんから、最悪の場合、会が現地に持っている財産を処分して彼らの退職金にあてて、会も解散しなければならなくなる。家族をペシャワルに残しているアフガン人医師には「家族がいるペシャワールに帰っていいよ」と診療所を離れるかどうか聞きましたが、誰一人、離れると言いませんでした。今も診療は続いています。混乱が長期になると、薬の備蓄が底をつきます。その点も非常に心配しています。
 ――小泉首相は、米軍への協力を表明しました。
 私たちは「反戦団体」ではありませんが、戦争への協力の表明など論外です。平和を守るのは日本の掟(おきて)ではないでしょうか。私は10年ほど前、山岳民族のゲリラとともに診療所開設のため、現地調査に出かけました。そこでゲリラ側に投降しても恭順の意思を示さなかった政府軍の兵士が、ゲリラに恭順の意思を示して投降した政府軍兵士に処刑される場面を見てしまった。殺し殺され、やがて敵も味方もなくなるという狂気に支配される人間の姿でした。報復は憎悪を高めるばかりで、報復は報復しか生まないことを改めて知りました。
 日本がしなければならないのは、難民を作り出す戦争への加担ではなく、新たな難民を作り出さないための努力なんです。日本が大きな曲がり角にいるからこそ、国民の生命を守るという見地から、あらゆる殺りく行為への協力に反対を訴えます。 【安達一成】
 なかむら・てつ 1946年福岡市生まれ。九州大医学部卒。84年5月、パキスタン北西辺境州の州都・ペシャワルに赴任。ハンセン病治療を中心に貧民層の診療を続ける。現在アフガン国内で8診療所、パキスタンでも1病院2診療所を運営している。外務大臣賞(88年)、毎日国際交流賞(92年)などを受賞。著書に「医は国境を越えて」(石風社)など。
 ペシャワール会は83年10月、中村医師の支援のために発足。看護婦や井戸掘削技術者らを現地に派遣している。会員は全国に約4000人。年間運営費1億円の約8割が会員の募金による。外務大臣賞(92年)、福岡県文化賞(94年)を受賞。 [2001-09-28-15:30] 191


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 09/28@<特集ワイド>あふれる難民 アフガン・パキスタン辺境=2(毎日新聞)

 ◇支援停止、死を待つだけか
 ユニセフ親善大使・黒柳徹子さん
 国内避難民のキャンプ3カ所に行きました。西部のヘラート、北部のファイザバード、パキスタン国境のペシャワル。アフガニスタンは3年も干ばつが続き、想像以上にひどい状態でした。アジアの国でこんなに恐ろしいことが起こっているのに、私たちが無関心でいたことをごめんなさいと言うしかなかった。これまでもスーダン、ルワンダなど内戦や民族同士の争いでたくさん人が死んだ所に行きましたが、これが終わればなんとかなるというものがあったのに、アフガニスタンはどこを見ても、何が終わればどうなるということが見えないのです。
 キャンプに若い男はいません。お父さんが戦死し、お母さんも亡くなってしまった子供たちや、夫が死んで自分の村で食べていくことができなくなった女の人たちが、このままでは飢え死にするしかないと、遠くからキャンプに集まって来るのです。気温が45度もありました。ヘラートは特に干ばつがひどく、大きいキャンプには約13万5000人もいました。土や泥、ぼろきれのようなもので家を造って住んでいます。そうした家が5キロも連なっていました。
 私が行った時、子供を連れた一団がちょうどキャンプに着きました。私の洋服を引っ張り、「私たちはどうしたらいいんですか。ここに来ても水はない、食べ物はない、テントはない」と言う。中の1人は「うちの子は土を食べているんです」と言いました。歩き疲れて、ホコリまみれで、顔が真っ黒で、本当に気の毒でした。キャンプでは1日30〜40人が死んでいるそうです。飢餓に直面し、すぐにも支援がなくては生きていけない人たちは600万人近くいるという状態でした。毎日100万ドルの支援が必要ですが、同時多発テロ事件が起こり、これ以上は食糧を入れられません。ユニセフのスタッフも国外退去を余儀なくされました。米国の報復が始まる前に、一体どれぐらいの人が亡くなるのだろうという状況です。
 タリバン政権では女の子は勉強できませんが、ユニセフがヘラートの難民キャンプで読み書きの勉強をさせていました。平和になったら、国の礎になってほしいという考えからです。女の子たちに「大きくなったら何になりたい?」と聞いたら、みんな「先生になりたい」と言っていました。そういう希望を持っている子供たちがこの先どうなるんでしょうか。子供たちはなぜキャンプに連れてこられたかも分からないでいます。
 米国でも親や家族を亡くした子供たちがたくさん泣いていると思います。この怒りをどこに持っていったらという気持ちも分かります。しかし戦争は残酷です。第二次世界大戦でも日本で一般の人がたくさん死にました。報復の下に多くの人たちがいることを分かってほしいのです。 【五十嵐英美】 [2001-09-28-15:30] 200


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 09/28@テロとの戦い、欧州が米に積極協力へ(読売新聞)

 【ワシントン27日=永田和男】ブッシュ米大統領は27日、ホワイトハウスで欧州連合(EU)議長国ベルギーのフェルホフスタット首相、プローディ欧州委員会委員長と緊急の米EU首脳会議を行い、米同時テロを巡る対応策を協議した。EU側は米国の軍事行動を「国連安保理決議に基づき正当」と認めた21日のEU首脳会議の結果を説明した上で、「米国の(対テロ)行動に参加したい」(フェルホフスタット首相)として積極的な協力を行う意向を伝えた。
 同首相によるとEU側は、ミシェル・ベルギー外相らの代表団を26日からパキスタン、サウジアラビア、エジプトなどに派遣してテロと戦う国際的協調に加わるよう説得していることを説明。ブッシュ大統領もEUのこうした外交努力に期待を表明した。
 このほかEU側は、米側と来週中にも司法、財務相レベルの緊急会合を開いてテロ組織網の追及や資金凍結などで対策を協議することを提案した。
 EU側は、21日の首脳会議決定がEU15か国だけでなく加盟申請中の国も含めた28か国の総意であると強調。中・東欧まで含めた全欧州で米国を支持する姿勢を示した。 [2001-09-28-12:39] 201


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 09/28@国連事務総長、アフガン難民で5億ドル拠出要請(読売新聞)

 【ニューヨーク27日=勝田誠】国連のアナン事務総長は27日、米同時テロで緊迫するアフガニスタン情勢を受けて、同国と周辺国での難民や国内避難民の救援など人道支援活動の強化のために、国連諸機関が「今後半年間に計5億8400万ドル(約690億円)を必要とする」との緊急アピールを発表、加盟各国に資金の拠出を求めた。
 アナン事務総長が示した金額は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界食糧計画(WFP)など国連の10機関と民間活動団体(NGO)が緊急に必要とする金額の総計で、UNHCRが26日に公表した必要額約2億5000万ドルを大幅に上回った。
 また、事務総長は「援助に依存して生存する人々は現在の約500万人から(米軍事行動が始まれば)約750万人に増える」との見通しを示し、国連の大島賢三・人道問題担当事務次長兼緊急支援調整官をパキスタンとイランに急派し、国連諸機関の難民受け入れを見直すよう現地政府に求める考えも明らかにした。 [2001-09-28-12:37] 203


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 09/28@北朝鮮軍が軍事境界線越え 韓国軍が警告射撃(共同通信)

 【ソウル28日共同】韓国国防省は二十八日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)軍の兵士が十九、二十の両日、非武装地帯の軍事境界線を二回にわたり越え、韓国軍側が警告射撃をして追い返したと発表した。軍事境界線を越えた北朝鮮軍兵士に警告射撃したのは昨年六月の南北首脳会談以降、初めてという。
 国防省によると、韓国の江原道鉄原付近で十九日、北朝鮮軍兵士約二十人が軍事境界線を越えているのを韓国軍側が発見。警告放送と九発の警告射撃を行い、北朝鮮軍側は約二十五分後に引き返した。二十日には、同道高城郡付近で兵士十二人が軍事境界線を越えたため、警告放送と五発の警告射撃をしたという。
 在韓国連軍は、軍事休戦委員会の秘書長会議を申し入れたが、北朝鮮側は拒否したという。
 韓国軍筋は「警告射撃ですぐに退却したのをみると、軍事境界線を越えたのは偶発的な出来事とみられる」と述べた。(了)[2001-09-28-12:13] 220


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 09/28@難民救済に700億円 国連事務総長が拠出要請(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】米中枢同時テロに伴うアフガニスタン情勢の緊迫化を受け、アナン国連事務総長は二十七日、同国周辺での難民救援など人道支援のため「国連諸機関は今後六カ月間に計五億八千四百万ドル(約七百億円)を必要としている」との緊急アピールを発表、各国に資金拠出を求めた。
 予想される米国の報復攻撃を避け、パキスタンなど周辺国へのアフガン難民の流出が既に始まっており、国際社会にとって大きな負担を強いられることになりそうだ。
 事務総長は「外国からの援助に依存する人々は現在の約五百万人から約七百五十万人に増加するとみられる」と指摘。大島賢三・国連緊急援助調整官室長(事務次長)をパキスタン、イランに派遣し、国連諸機関の難民受け入れ活動について現地政府と協議させる方針を示した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は前日、同事務所が必要とする資金は二億五千二百万ドルと発表したが、事務総長は「ほかに食糧援助一億八千八百万ドル、宿泊施設などの非食糧援助三千七百万ドルなどが必要」と述べ、難民救済に関連する費用の総額を示した。
 現在、アフガニスタン国外で生活するアフガン難民は約三百七十万人、国内で暮らす避難民は約百十万人。国連によると、今後難民が百五十万人、国内避難民が百十万人増加する見通し。
 ロシア国境警備隊によると、アフガニスタン北部の中央アジア諸国との国境地帯に避難民約十二万人が押し寄せており、経済的に不安定なこれらの国々にとって大きな懸念材料になっている。(了)[2001-09-28-08:56] 225


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 09/28@◎チェチェン武装勢力と対話の動き=ロシア(時事通信)

 【モスクワ27日時事】ロシアのチェチェン共和国を管轄する南連邦管区のカザンツェフ大統領全権代表は27日、チェチェンの独立派指導者マスハドフ前大統領の代理人と連邦政府側が接触し、紛争解決に向けた対話の動きが具体化しつつあることを明らかにした。ロシア国営テレビなどに対して語った。
 プーチン大統領は24日、チェチェンのイスラム武装勢力に72時間以内に投降するよう呼び掛けた。その期限が27日で切れたが、カザンツェフ代表は「大統領は最後通告を出したのではない」と指摘、今後も対話を続ける姿勢を強調した。 [時事通信社][2001-09-28-07:04] 226


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 09/28@タリバーン後の政権枠組みを協議 米・独・伊・イラン(朝日新聞)

 米、ドイツ、イタリア、イランの次官補級が先週ジュネーブに集まり、アフガニスタンを実効支配するタリバーン政権崩壊を想定したアフガン新政権の枠組みについて協議していたことがわかった。関係者によると、73年に国外へ亡命したザヒル・シャー元国王の復帰の可能性なども話し合われたという。
 亡命アフガン人が多い独とイラン、元国王が滞在する伊に、米を加えた4カ国は、アフガン問題に関する次官補級協議を非定期的に開いている。今回は、同時多発テロを受けて急きょ開かれた。
 協議では、タリバーン政権が崩壊した場合、混乱を抑えるため、早急に新政権を樹立することが必要だとの認識で一致したという。[2001-09-28-06:05] 230


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 09/28@<記者の目>タリバンは悪か? 春日孝之・イスラマバード支(毎日新聞)

 「タリバンは悪か?」――過去3年間のアフガニスタン取材で、私が持ち続けてきた命題だ。米同時多発テロを機に、タリバン政権は「絶対悪」とも言えるらく印を押された。米国がテロ首謀者とみなすウサマ・ビンラディン氏を保護し、身柄引き渡しを断固として拒否しているからだ。事実上の「テロ支援勢力」という汚名を着せられ、米国の軍事報復にさらされようとしている。「タリバンは戦乱の世に咲いたアダ花に終わる」。昨年、アフガンを一緒に訪れた友人のパキスタン人記者は、タリバンの行く末をそう予測した。
 「タリバンの石頭には自分たちの主義、主張しか存在しない。彼らのイスラム原理主義は、原点に帰るという意味での本来の原理主義とは似て非なるものだ。極端主義はいずれ滅びる」
 そう解説した友人は、アフガン訪問を機にタリバン支持から反タリバンに立場を変えた。
 アフガン和平工作を進めてきた国連スタッフは、政権崩壊の危機に直面しても国際社会から同情の声さえ出てこない状況を前に「自業自得だ」と言い捨てた。
 私もタリバンの行状を肯定するつもりはないが、タリバン悪玉論、正確には、タリバンはそもそも悪だとの原罪論には異論がある。
 今年3月、私はバーミヤンの大石仏破壊の取材に際し、スパイ容疑でタリバンに拘束され、危うく銃殺されかかった。そんな体験を経ても、一方的なタリバン批判にはくみしたくない。
 大石仏破壊は、昨年12月の国連制裁強化が大きな契機になったであろうことは想像に難くない。制裁は、ビンラディン氏の身柄引き渡しを拒否し続けたことに対するもので、武器禁輸やタリバン幹部の海外渡航禁止など、国連を主導する米国が進めてきたタリバン封じ込め(孤立化)の総仕上げの感さえあった。
 当時、タリバン政権内には、米国と妥協して同氏を追放すべきだと主張する穏健派も一定の勢力を保っていた。しかし、制裁強化を引きがねに、対外強硬論を唱える強硬派とビンラディン氏配下のアラブ人グループが、穏健派を追い落とす形で強固な支配権を確立したとみられている。
 タリバンは、国際社会から完全に見限られたことを認識し、米国がテロリストとみなすグループへの依存をいっそう強め、もはや同氏を制御できなくなったようだ。大石仏破壊はそうした延長線上で起きた。
 「お前は悪だ」と決めつけられ、追いつめられ、行き場を失った末に「窮鼠ネコをかむ」状況に至ったのではないか。孤立化政策が何をもたらすのか、歴史が多くの教訓を残している。
 タリバンが結成されたのは94年夏。当時、アフガン戦争(79―89年)でソ連軍に抗戦した旧ゲリラ勢力同士が内戦を続け、無政府状態に陥っていた。殺人、レイプ、強盗、汚職ががまん延した。「イスラム神学生」を意味するタリバンは、そうした惨状の下で「世直し運動」から出発した。
 96年に首都カブールを制圧し、98年には全土の9割を支配する。しかし、公開処刑や女性・民族差別などで、国際社会から「人権侵害」と非難を浴び、政権承認のチャンスを逸した。
 98年当時のアフガン取材で、あるタリバン幹部はこう語った。「罪なき人々が殺りくされる乱世こそが、最大の人権侵害ではないのか」。治安維持のためには厳格な統治システムの導入も、やむを得ないという主張だった。
 この時の一連の取材を基に「タリバンは悪か?」と題する連載記事を書いた。すでに「タリバン・イコール悪」のイメージが定着しつつあったことへのアンチテーゼのつもりだった。
 今、この命題は、アフガン攻撃を前にして「米国は善か?」という問いかけにつながると思う。
 今回のテロ事件後、ブッシュ米大統領は演説で、テロとの戦いを「善対悪の歴史に残る戦い」と語った。大統領の言葉を借りるまでもなく、米国は自らの世界にこそ「善」があると信じて疑わないようにみえる。
 国連難民高等弁務官事務所カブール事務所の山本芳幸所長は「外部との融和の道を閉ざしているという意味で、米国とタリバンの根は同じだ」と指摘した。
 自らに真理があると信じ込んでいるのは、むろんタリバンとて同じである。タリバン原理主義対アメリカ原理主義。「非妥協」を貫く両者の姿勢を見ると、善悪二元論に潜む危うさを、つい考えずにはられない。 [2001-09-28-03:10] 14


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 09/28@グルビッチ獲得へ バレーVリーグ男子の堺(共同通信)

 バレーボール、Vリーグ男子の堺がユーゴスラビア代表のウラジーミル・グルビッチの獲得に乗り出していることが28日分かった。
 グルビッチはシドニー五輪で金メダルを獲得したユーゴスラビアの中心選手。堺によると、10月中にも正式契約を結ぶ見込み。(了)[2001-09-28-11:08] 18


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 09/28@欧州最優秀選手のグルビッチを獲得 Vリーグの堺(朝日新聞)

 バレーボールVリーグ男子の堺ブレイザーズが、欧州最優秀選手の経歴を持つユーゴスラビア代表のウラジーミル・グルビッチ(30)を獲得することがわかった。1年契約で内定しており、近く来日する。
 グルビッチは身長193センチのアタッカーで、昨季はイタリア・プロ1部リーグ(セリエA)のローマ・バレーに所属。法人化した総合スポーツクラブとして2季目を迎える堺は、96、97年の連覇以来、3季ぶりのVリーグ優勝を目指している。[2001-09-28-07:35] 140


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 09/28@<W杯>定住外国人ボランティア発足 参加者を募っている(毎日新聞)

 日本に住むさまざまな国籍の人々が28日、2002年サッカーワールドカップ(W杯)を支えようと「定住外国人ボランティア」を発足させた。在日外国人の国籍を超えた活動は初めてという。呼びかけ人は「サッカーを通じて過去の歴史や差別を乗り越え、日本を共生社会にしよう」と、参加者を募っている。
 会は、開催自治体とJAWOC(W杯日本組織委員会)のボランティアの受け皿となる組織で、自治体などの求めに応じて海外からの観客の誘導や情報提供などを支援する。NPO法人格の取得を申請中で、既に韓国、中国、アルゼンチン、スペインなど16カ国の国籍の約150人が賛同している。開催10都市で延べ1000人を目標に掲げ、活動費の寄付も募っている。
 記者会見で、呼びかけ人のサッカー解説者、セルジオ越後さんは「W杯を通じて日本人と在住外国人が出会うことで、何年か後の日本がもっといい国になるといい」。東京韓国商工会議所副会長の金淳次さんは「少子高齢化が進み、日本はもっと外国人の労働力に頼らざるを得なくなる。在日韓国・朝鮮人が日韓W杯共催の架け橋になり、日本の国際化に貢献したい」と語った。
 ボランティアの募集はホームページhttp://www.football.gr.jpで。寄付の申し込みは実行委員会ファクス(03・5728・3279)へ。 【磯崎由美】 [2001-09-28-22:50]
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 09/29@国連にテロ裁く法廷を 報復でなく国際法で 今後のモデルに(共同通信)

 米中枢同時テロで米国の報復準備が進む中、「報復の連鎖につながる武力行使ではなく、首謀者らを裁くための法廷を国連に設置すべきだ」との声が出ている。卑劣なテロに国際社会はどう対処すればいいのか。識者らは「今後も起こるとみられる国際的な紛争やテロを中立的な場で裁くモデルケースに」と訴える。
 「テロ犯罪を裁く国際法廷をつくるべきだ」。元国連主任広報官の吉田康彦・大阪経済法科大教授が提唱する手続きはこうだ。
 まず容疑者を特定する証拠を米国が国連安全保障理事会に提出。安保理で身柄拘束の決議をし、多くの非戦闘員を巻き添えにした「人道に対する罪」を犯したとして国際法廷を設置、国際法に照らして裁く。
 国連は九○年代、旧ユーゴスラビアとルワンダの虐殺などの加害者を裁く二つの特別法廷を設けた実績がある。オランダ・ハーグにあり、二審制で終身刑が最高だ。
 「この枠組みをそのまま使えばいい」と吉田教授。「テロ非難で安保理の足並みはそろっており、その裁量で設置できる。これは国際平和を破壊した犯罪。必要なのは報復ではなく国際社会による制裁だ」 既存の国際司法裁判所(ハーグ)への提訴を促す声もあるが、吉田教授は「国際司法裁判所は国家間の紛争などが対象で、テロ組織が当事者の今回はなじまない」と主張する。
 米国が容疑者を国内の裁判所に起訴することについても、日弁連国際人権問題委員会事務局長の東沢靖弁護士は「可能だが、公正で世界を納得させる裁判ができるかどうか疑問。犯罪に利害のない国際機関の方がイスラム諸国の支持も得やすい」という。
 国際社会が戦犯を裁いたのは、第二次大戦後のニュルンベルク裁判と東京裁判で、ドイツと日本の戦争指導者を対象にしたのが初。
 世界各地で紛争が多発した九○年代に旧ユーゴとルワンダの特別法廷が設置され、国家主権の枠を超えて個人を処罰する取り組みと評価された。一方で東ティモールの虐殺などに対しては設置されていない。
 九八年に、安保理理事国の思惑で左右されないよう「国際刑事裁判所」の設置を決めたが、六十カ国の条約批准が必要で、発足には二、三年かかるとされる。
 東沢弁護士は「国際的な中立機関が処罰する流れができてきた矢先に武力で報復することになれば、これまでの努力が無駄になってしまう」と懸念する。
 このほか、市民団体でも「戦争と女性への暴力」日本ネットワークなどが法廷設置を求めるアピールを出している。
 吉田教授は「小泉首相は訪米で容疑者特定の証拠を尋ね、国連で裁いたらどうかと進言すべきだった」と不満だ。「ただ追随するのではなく米国の熱を冷ます努力をすべきだ」(了)[2001-09-29-17:06] 7


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 09/29@アフガンに1千万個の地雷 特殊部隊作戦の障害に(共同通信)

 国連の調査によると、アフガニスタンには、一九七九―八九年の旧ソ連軍侵攻やそれに続く内戦を通じ、最大で一千万個の地雷があるとみられている。
 米国は中枢同時テロの最重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏の身柄拘束に向けた特殊部隊の作戦行動を開始したと報じられているが、アフガニスタンのほぼ全土に埋設された地雷は作戦遂行の障害となりそうだ。
 国連によると、首都があるカブール州やタリバン政権の本拠地カンダハル州、西部ヘラート州などには一平方キロメートル当たり五十個以上の地雷が埋設されていると推定されている。これまでに撤去した地雷はわずか約二十万個にすぎない。
 国連広報センター(東京)は「アフガンには探知機にかからないプラスチック製の地雷が多く、撤去がはかどっていない」と説明。地雷に触れ死亡、または負傷した人は計約二万人に上るとされ、今でも毎月三百人以上の被害者が出ているという。
 ユーゴスラビアのコソボ自治州で昨年、地雷撤去に携わった民間非営利団体(NPO)メンバーは「国際法上は地雷の埋設地点を示す地図を作らなければならない。アフガンのような紛争地域だと記録を残していない可能性が強く、地雷を避けるのは難しいのではないか」と指摘する。
 九九年三月には対人地雷の廃絶を目指す対人地雷全面禁止条約が発効したが、タリバン政権と反タリバン勢力の「北部同盟」は現在も対人地雷の使用を続けているという。(共同)(了)[2001-09-29-09:01] 8


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 09/29@◎アルカイダの70人、ボスニア潜入図る(時事通信)

 【ウィーン28日時事】サラエボからの報道によると、ボスニア・ヘルツェゴビナのベシッチ内相は28日、米同時テロ事件の首謀者ウサマ・ビンラディン氏率いる過激組織アルカイダに属する約70人がボスニア潜入を図っている確かな情報を入手したと発表した。 [時事通信社][2001-09-29-00:58] 65


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 09/29@<余録>毎日国際交流賞(毎日新聞)

 「母親の抱擁は息子のゆりかごである」というアフガニスタンの言葉がある。子供は母親の腕の中が一番安らぐのは世界共通だろう。だが、現地は飢餓の恐怖と軍事報復の足音が高まり、そんな光景は伝わってこない▲首都カブールの病院のベッドに横たわる栄養失調の子の顔はうつろで痛々しい。国境封鎖で難民の子らの顔も暗い。子供には過酷な現実である。アジア・アフリカで貧困という逆境にある子供を支援する「エスナック教育里親グループ」代表理事の藤田文子さん(65)が草の根活動を顕彰する今年度の毎日国際交流賞を受けた▲藤田さんは、1人1カ月2500円を出してもらい、インド、バングラデシュ、エチオピアの貧しい子供を支援する「教育里親」を国内で募ってきた。約20年間に約3000人の子供が学校に通うことができた。薬が買えないため障害のある子や、路傍に捨てられていた子も多い▲授賞式で、藤田さんは世界で1日約4万人が飢餓で死に、その8割が子供というNGO(非政府組織)の試算を紹介。「米国のテロから17日が過ぎたが、この間に60万人近い子供が飢餓によって死んでいるという現実にも目を向けてほしい」と訴えた▲藤田さんは里親を連れて現地を何度も訪れる。ODA(政府開発援助)のような中身が見えにくい援助ではなく、その顔が見える。里子の子供らは小さなことにも感謝の気持ちを素直に表す。日々を懸命に生きる子供の輝く瞳に教えられることも多い▲アナン国連事務総長はさらに150万人にのぼるアフガニスタン難民がパキスタンなどに流入すると予想し、国際社会の支援を求めている。国境封鎖はまた新たな憎しみを生みかねない。難民の子らは「世界の抱擁」を待っている。 [2001-09-29-23:50] 70


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 09/29@国連、1日から5日間反テロ策協議(朝日新聞)

 ニューヨークで開催中の国連総会は、10月1日から5日間、各国大使がテロ撲滅に向けた方策を討議することになった。当初1日だけの予定だったが、討議参加国が140カ国を超えたため期間を延ばした。
 一番に演壇に立つのはジュリアーニ・ニューヨーク市長。国連総会の場でニューヨーク市長が演説するのは49年ぶりだ。15日からは総会に付属するテロ対策作業部会が防止条約作りに入る。審議の焦点は、インドが3年前に提案した「包括的テロ防止条約」案。97年にエジプト・ルクソールで起きた観光客襲撃をきっかけに出された案だ。
 ところが同時テロが起きて、審議促進の機運がにわかに高まった。米国は、今回のテロの黒幕とにらんだオサマ・ビンラディン氏のようなタイプのテロリストの包囲に役立つと見て、この条約案に着目。テロ実行犯や共謀者はもちろん、武装集団を長年かけて組織した人物や、テロリストから相談を受けた精神的支柱のような人物までも処罰できる網羅的な内容にしたい考えを示している。
 これにシリアやレバノンなどアラブ諸国が反発するのは必至。イスラエルに対するパレスチナ側の応戦までもテロ行為とされるのは受け入れられないからだ。[2001-09-29-22:11] 71


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 09/29@<米同時テロ>欧州で容疑者検挙相次ぐ イスラム教徒への差(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】米国で発生した同時多発テロ事件にからみ、欧州でイスラム教テロ集団とみられる容疑者の検挙が相次いでいる。一方で事件を機会にイスラム教徒への差別が目立ち始めた。テロ事件は膨大なイスラム系移民を抱える欧州社会にも影響を与えている。
 スペインで26日、米国が公表した「テロ組織」のアルジェリア人6人が逮捕された。これまでにオランダ4人、英国3人、ベルギー2人など欧州で20人以上の容疑者が拘束された。
 欧州は地理的にも中東諸国と近いことからイスラム教やアラブ系の移民や流入者が多い。不法滞在者まで含めると推計で総人口の約8%に当たる約3000万人と言われる。特にテロ事件の実行犯が一時滞在したドイツは歴史的に域外移民を受け入れてきた経緯もあり、テロ組織にとっても欧州での拠点とされている。
 欧州連合(EU)は事件後、司法相や首脳級の緊急会議を相次いで開催。広域テロ組織に関する警察情報の共有を始めた。10月早々には各国の情報機関が初めて共通会合を持つ予定だ。
 その一方で、各地でイスラム系への差別行動も広がっている。プロディ欧州委員長は「我々はイスラム社会に敵対しているのではない」として27日、ブリュッセルのモスクを訪問した。週末はイタリアやギリシャなどでイスラム教徒などによるデモ行動が行われるなど、住民間の対立は民族・文化問題へと広がりつつある。
 EUは「多文化社会」を原則として東方拡大政策を進めているだけに、テロ事件を契機に沸き起こった古くて新たな「民族対立」の影響は、根深いものになりそうだ。 [2001-09-29-22:10] 72


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 09/29@<米国防政策>4年ごとの見直し作業を終了 テロへの備え重(毎日新聞)

 【ワシントン清宮克良】ラムズフェルド米国防長官は4年ごとに行う国防政策見直し(QDR)作業を終了、10月1日にも議会に報告する。同時多発テロを受けて案を修正し、わずかな武器や兵力でも対抗してくる敵を想定した「非対称な戦い」への備えを重視。米本土防衛に最重点を置く内容となる見通しだ。
 「非対称な戦い」とは敵がゲリラ戦やテロ攻撃を仕掛けてくるケースを指す。その場合、米軍が有する世界最大の軍事力は抑止的な効果が発揮できない。また、QDRでは敵の核兵器やミサイルを含む大量破壊兵器への対処能力を高めることも重点項目になりそうだ。
 また、QDRは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの脅威に対処するため「アジア重視」の姿勢をいっそう強めるとみられる。同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の活動拠点であるアフガニスタンを攻撃する可能性が高いことから、当初伝えられた欧州から米軍を一部撤退させる案は見送られる方向だ。
 一方、中東地域と朝鮮半島で同時に起きる大規模な紛争に対応する「2正面作戦」は放棄される模様だ。 [2001-09-29-21:50] 73


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 09/29@アフガン難民へ救援物資第1陣(読売新聞)

 【ペシャワル(パキスタン北西部)29日=長谷川聖治】米軍のアフガニスタン軍事作戦を恐れ、避難したアフガン国民を救済するため、国連児童基金(ユニセフ)の救援物資輸送部隊の1陣が29日、パキスタンのペシャワルを出発した。トラック20台に積まれた毛布、食糧、医薬品約200トン、児童約7万人分に相当する物資は、陸路でアフガニスタン北部のバクダシャン州に運び込まれる。同州は、アフガンを実行支配するタリバンと対立する北部同盟の支配地域で、既に降雪が始まるなど冬が間近に迫っているため第一陣の輸送先に選ばれた。
 陸路での輸送は、標高3000メートルのシャサリン峠を越えなくてはならず、さらにその後は、500人のポーターと4000頭のロバが険しい山道を荷物をかついで運搬する厳しいものとなる。
 ユニセフによると、アフガン全体で750万人が救援物資を必要とし、そのうち3分の2が女性と子供としている。 [2001-09-29-21:49] 74


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 09/29@「望むのは食べ物と平和だけ」アフガン避難民疲れ果て(朝日新聞)

 閉ざされたはずの国境から、米国の軍事行動を恐れたアフガニスタン避難民がパキスタンに流れ込んでいる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はアフガンから周辺諸国に最高約150万人の難民流出を想定して緊急支援を呼びかけている。避難民たちは疲れ果て、たどり着いた町の片隅で息を潜めていた。
 「望むのは食べ物と平和だけ。タリバーンも米国も関係ない」。8日前に逃げてきたビビ・モマリさん(30)は、クエッタ郊外の同じ村出身者の家の庭にはったテントで暮らす。乳飲み子ら5人の子どもを連れ、持ってきたのはトランク一つだ。
 19日に反タリバーンの「北部同盟」支配下の村を出た。ロバ車やバスを乗り継ぎ、一昼夜歩き通した。1人1000ルピー(約2000円)を払ってガイドを雇い、検問を避けて国境を越えた。
 すでに200万人のアフガン難民を抱えるパキスタン政府は新たな難民受け入れを認めていない。だが、国境は約2400キロ。警備の目を盗んで入国するすべはいくらでもある。こうした避難民には援助の手は届かず、親せきなどの家に身を寄せたり、安ホテルに転がり込んだりしている。
 バス停そばの休憩所で出会った元公務員タフィーク・ファイズさん(32)は22日にペシャワルに入った。タリバーン政権下では決まった仕事もなく日々の糧にも事欠く生活だったが、「いつか平和になる」と信じていた。だが、ラジオで米国の軍事行動の可能性を知り、希望を失った。
 国境に向かったトラックには5家族、約25人が同乗していた。近所に住む人たちの半分以上が家を捨てて、パキスタンやイラン、アフガン北部を目指したという。
 北部バグランの村から来たシェド・オマールさん(22)は農家だが、この4年は厳しい干ばつで収穫がほとんどなかった。土地や家畜など財産すべてを売り払って、密入国ブローカーに話をつけ、パキスタンに入れた。アフガン側の国境の町では約1万人の避難民が立ち往生していたという。
 町の日雇い労働市場で仕事を探したが、声はかからなかった。将来像は描けない。「米国が正しいのかどうか分からないが、我々は十分苦しんできた。戦争には疲れ果てたよ」[2001-09-29-21:39] 75


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 09/29@<米同時テロ>資金源封じ込め国連決議でようやく国際協調体(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連安全保障理事会が28日、テロ資金源封じ込めを図る決議を採択したことで、同時多発テロへの対応には、米国による軍事報復とは別に国連主体の新たな柱ができることになった。テロ対策に向けた国際協調の枠組みがようやく構築されたとも言える。もっとも、決議が効果を上げられるかどうかは関係国の意思にかかっており、手放しの評価はできない。
 決議は当初、フランスやロシアが発案し、関係国に打診していた。しかし、米国が「被害者である我々が決議案をまとめるべきだ」と説明し、正式に提案した。
 当面の軍事行動はともかく、中長期的な対応を考えた場合、国際社会の協力が不可欠と判断した模様だ。国連が進める今後の対策において、主導権を確保したいという狙いもあっただろう。
 決議のポイントは、テロ行為のための資金作りを阻止し、テロ活動を行ったり企図する者の資金・財産を凍結し、犯罪として摘発するよう求めた点にある。
 ただ、同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏や、同氏が率いるテロ組織「アルカイダ」は、極めて巧妙に資金を動かしていると言われる。カムフラージュのため慈善団体などを経由して資金を動かし、有力者やその親族がからんでいるという指摘もある。一部の国については本気で対応するのかという懸念がどうしても残る。
 このため決議は安保理に監視委員会を作り履行状況をチェックすることを盛り込んだ。また、決議は国連憲章第7章(強制措置)に基づくものだと明記し、各国に内容の実行を義務付けた。
 憲章第7章は、安保理がとれる軍事、非軍事の強制措置を定めている。今回の決議は、この中の兵力を伴わない非軍事的強制措置と位置付けられたことになる。
 拒否する国への罰則は定めていないが、決議実行のため「あらゆる必要な措置をとる」とも説明している。制裁の可能性をほのめかす表現だ。見方を変えれば、これくらい厳しくしなければテロ組織の資金源は絶てないとも言える。 [2001-09-29-20:35] 77


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 09/29@<テロ条約>テロ関連2条約早期批准に向け国内調整へ 政府(毎日新聞)

 政府は29日、米同時多発テロに対する国際協調の一環として、テロ資金提供の規制強化など日本が批准していない二つの国連テロ対策関連条約の早期批准に向け、国内法整備の調整に入った。主要8カ国(G8)の首脳声明で、「可及的速やかな批准に向けた措置」をとる方針を打ち出し、国連安保理がテロ資金根絶決議を28日に採択したことを受けたもの。次期通常国会での関連法改正や条約の承認を目指す。
 国連のテロ対策関連条約は12あり、日本は99年12月採択の「テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約」、97年12月採択の「テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約」を批准していない。
 日本が未署名の「資金供与防止条約」は、テロ目的の資金集めや、それと知りつつ団体や個人に資金提供した者を罰することを求めている。犯罪で得られた資金については組織犯罪防止法で金融機関に当局への通報義務を課しているが、テロの共犯者でない場合、合法的に得た資金をテロ目的に提供することを取り締まる法律はない。政府は年内署名に向け、金融庁、財務省を中心に協議に乗り出す。国内法整備では組織犯罪防止法の改正が軸だが、「テロ目的」の範囲をどう認定するかなどの課題があり、新法で対処すべきだとの意見もある。
 また、日本が署名済みの「爆弾防止条約」は、爆弾や化学兵器、生物兵器などの「致死装置」を公共の場所に置いたり使う行為を幅広く処罰、国外犯の外国人容疑者も逮捕するよう求めている。批准には幅広い「致死装置」に処罰の網をかぶせ、爆発物取締罰則など関連法に国外犯の裁判管轄権を設定するよう、改正する必要がある。外務、法務、警察、経済産業など関係省庁で協議する。 [2001-09-29-20:30] 78


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 09/29@反タリバン連合、元国王の下に評議会創設へ(読売新聞)

 【ローマ支局29日】イタリアに亡命中のザヒル・シャー元アフガニスタン国王の報道官は28日、仏AFP通信に対し、同国の実効支配勢力タリバンと戦闘中の「北部同盟」が、元国王の下に、最高評議会と軍事評議会を創設することで合意したことを明らかにした。タリバン政権後をにらみ、元国王のもとでの新体制作りに向けた具体的な動きとして注目される。
 北部同盟が同日ローマで開いた会合で決定した。また、この決定を受け、北部同盟側と元国王の会談が30日か10月1日に行われる予定となった。 [2001-09-29-20:15] 79


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 09/29@<米特殊部隊>アフガンで拘束と報道 タリバンも米も否定(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】カタールのアラビア語衛星テレビ「アルジャジーラ」は29日、アフガニスタン・タリバン政権の治安部隊がイランとの国境付近のハララマンドで、米国の特殊部隊員ら5人を拘束したと報じた。タリバン側は、この報道を否定。米CNNテレビも国防総省当局者が「全く事実でない」と否定していると伝えた。 
 アルジャジーラの報道によると、情報源は対米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏が率いるイスラム過激派組織「アルカイダ」の軍事部門筋。パキスタン・ペシャワルの同テレビ特派員に電話で伝えたという。
 同筋は「拘束されたのは米特殊部隊員3人と、特殊部隊で訓練を受けた米国籍を持つアフガン人2人。特殊部隊員は最新兵器とアルカイダの軍事拠点の地図を持ち、偵察活動中だった」と話したという。また同筋は、タリバン政権が5人の顔写真を近く公開するはずだと述べたという。
 しかし、タリバン政権のアコンド国防相はロイター通信などに対し「この情報は間違いだ。外国の特殊部隊員が我が領土に入ったという情報はない」と否定した。
 アルジャジーラ側は毎日新聞の電話取材に「ペシャワルにいる特派員はタリバンの信頼できる高官から電話を受けた」と語ったが、同テレビはその後の放送で「タリバン外務省も否定するなど情報は混乱している」と伝えている。 [2001-09-29-20:15] 80


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 09/29@<アフガニスタン>反タリバン勢力が新連合結成 ドスタム将(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】アフガニスタンの反タリバン連合(北部同盟)に参加するウズベク系のドスタム将軍は29日、反タリバン勢力を中心とする「アフガニスタン・イスラム民族評議会」と称する新たな連合組織が結成され、ローマ在住のザヒル・シャー元国王との会談や米政府代表と話し合いを行うと発言した。
 ドスタム将軍はアフガニスタン北部からウズベキスタン在住のインタファクス通信に衛星電話のインタビューに答えて明らかにした。新連合組織はタリバン政権打倒後の受け皿を目指していると見られる。だが、いつ、どこで結成され、メンバー構成がどうなっているかは明らかでない。
 北部同盟の関係者は、マスード総司令官の葬儀のため、今月中旬、パンジシール渓谷に集合し、対策会議を開催したと伝えられており、この際に新組織が結成されたのではないかと推測されている。
 ラバニ政権のアブドロ外相は、北部同盟関係者などの代表団がシャー元国王と会談すると発表しており、新組織を中心とした前国王擁立の新政権工作が始まったとみられている。 [2001-09-29-19:50] 82


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 09/29@ユニセフの支援物資、アフガンに向け出発 ロバも活躍(朝日新聞)

 国連児童基金(ユニセフ)の支援物資を積んだトラック19台が29日、パキスタン・ペシャワルから、アフガニスタン北部のファイザバードに向け出発した。到着は5日後。国境の険しい山道では、4000頭のロバも活躍する。
 同時多発テロが起きてから、大規模な支援物資がアフガン国内に搬入されるのは初めて。10トントラックには、約100トンの子供服や靴、6トンの食糧、7万人の子供たちに渡す本や文具などが積み込まれた。
 ファイザバードは、反タリバーン勢力の北部同盟の支配地域。物資は、ここから北部の各地へ配送される。ユニセフは過去3年間、同じルートで物資輸送をしており「安全は確保できる」という。
 世界食糧計画も同日、中断していたアフガン国内への食糧輸送を再開した。ペシャワルからカブールやヘラートへ400トンが運ばれる。[2001-09-29-19:49] 84


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 09/29@<米同時テロ>中東諸国と米国との関係が激変 各国の思惑(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】今回のテロを機に、中東諸国と米国との関係が激変しつつある。中でも関係改善が急速に進むスーダンやリビアには、石油や天然ガス開発への外資を呼び込み、国連や米国の制裁で疲弊した経済を活性化させたいとの思惑がある。
 リビアのカダフィ大佐は事件直後、「こうした恐ろしい行為を前にした時、同情するのは人間としての義務だ」と従来の姿勢からは異例ともいえる気遣いを見せた。
 98年、東アフリカで起こった米大使館同時爆破テロで、米軍の報復攻撃を受けたスーダンは、同時テロ後、イスラム原理主義者の入国規制を強化、米国の捜査官を受け入れる配慮をみせた。
 一方、イランやシリアは、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」やパレスチナ組織による対イスラエル闘争をテロとみなすことに強い抵抗を示す。イランでは同時テロ後、保守派宗教指導者などが米国非難を控えていたが、米国の意向を受けた英外相がイラン訪問で、ヒズボラに関する情報提供を求めたため、「自国の利益だけを考える米国の態度は変わっていない」と反発している。 [2001-09-29-19:25] 85


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 09/29@<米同時テロ>「テロ支援国」と米国が関係改善(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】同時多発テロを契機に、米国が「テロ支援国」と名指ししてきた国々との関係改善の動きが目立ってきた。28日に国連制裁解除が決まったスーダンをはじめ、リビア、シリアは、ウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」の情報を米国に提供したとされる。また、米政府はイランや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)にも協力を求める見通しだ。一方で、イラクとキューバの孤立化が際立っている。
 27日付の米ボストン・グローブ紙によると、ビンラディン氏が一時、潜伏していたスーダンは、既に米国にアルカイダの情報を提供した。国務省のバウチャー報道官は「事件発生後、スーダンとテロ対策のための真剣な協議を重ねた」と語った。96年以来続いてきたスーダンに対する国連制裁解除にあたり、米国が事実上黙認した背景には、ビンラディン氏追跡に同国の協力が不可欠との判断もあったようだ。
 また、かつてその強硬姿勢から「中東の狂犬」と呼ばれたリビアの最高指導者カダフィ大佐も米国への情報収集に協力、国民に犠牲者のための献血さえ呼びかける優等生ぶりだ。米政府が24日発表した資産凍結対象リストには、「反カダフィ」を唱える「リビア・イスラム闘争グループ」も含まれており、米国は大佐に「報償」を与えたともいえる。
 今回のテロを非難したシリアも既に米国に情報を提供したと伝えられる。また、80年以来断交が続くイランに対し、米国はビンラディン氏の主要資金源の1つとみられるアフガニスタンの麻薬ネットワーク情報を期待、水面下で接触を図っており、対米関係改善の兆しがみえる。北朝鮮がテロ組織関連の情報提供に応じれば、米朝協議再開に弾みが着くことも予想される。
 米国が指定する7カ国の「テロ支援国」のうち、イラクは大量破壊兵器開発疑惑が消えず、軍事報復の対象となる可能性さえある。キューバについては、「カストロ(国家評議会議長)が政権の座にある限り、わが国が科した制裁解除はあり得ない」(チェイニー副大統領)との立場だ。 [2001-09-29-19:25] 87


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 09/29@リベリアが国境閉鎖解除 ギニア、シエラレオネ両国(共同通信)

 【ナイロビ29共同】リベリアからの報道によると、同国のテーラー大統領は二十九日までに、ギニア、シエラレオネ両国との国境閉鎖の解除を命じた。
 三国は、リベリアとシエラレオネの反政府勢力の間のダイヤモンドと武器の取引や、国境付近での紛争をめぐり関係が悪化、今年三月に国境が閉鎖された。(了)[2001-09-29-18:27] 91


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 09/29@国内でも元国王復帰に関心 米の思惑に警戒感も(共同通信)

 【ジャボルサラジ(アフガニスタン北部)29日共同】米中枢同時テロに対するアフガニスタン・タリバン政権へのブッシュ政権の報復軍事作戦の準備が進行する中、帰国の希望を表明しているザヒル・シャー元国王への関心がアフガン国内でも高まり始めた。
 一九七三年の無血クーデターで元国王が追放されて以来、その後も指導者殺害や旧ソ連の軍事介入、内戦の混乱に悩まされてきたアフガニスタン。元国王は「内戦以前の平穏な時代」に対する郷愁の象徴として、国民の間で一定の人気を得ており、“和平の象徴”として元国王の祖国復帰への期待は高い。
 反タリバン勢力「北部同盟」側も昨年十一月、ラバニ大統領、ヘクマティアル元首相、先に暗殺されたマスード元国防相らがローマ滞在の元国王と会見するなど、「反タリバン」で結束した寄り合い所帯をまとめる存在として一定の関心を示してきた。
 北部同盟のアブドラ外相も二十六日、「今後のアフガンでの国連の役割強化」を表明するなど、先に元国王がブッシュ米大統領に送った親書支持を示唆する発言をした。
 その一方で、同盟の支配地域でも、「国王の復位は今後アフガンに影響力を確保しようとする米国が描いたシナリオ」という警戒感が出ている。
 拠点である北部ジャボルサラジの同盟関係者は「われわれが望んでいるのは米国でもロシアでもなく、単なる平和」と指摘。米国の介入強化の動きに複雑な思いをのぞかせた。(了)[2001-09-29-16:59] 98


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 09/29@国土防衛を最重要視 同時テロで軌道修正 米戦略見直し概要(共同通信)

 【ワシントン28日共同=久江雅彦】ブッシュ米政権が策定作業を進めてきた四年ごとの国防戦略見直し(QDR)の概要が二十八日、判明した。今月十一日に起きた米中枢同時テロを踏まえて原案を修正、米本土防衛の強化を前面に打ち出しているのが特徴。米国防総省は十月一日に議会へ正式報告する見通しだ。
 米軍事筋などが明らかにしたところによると、国防総省は今月十四日、同時テロを受け「米国土を外敵の攻撃から守ることが米軍の最も重要な責任だ。主要な任務として国土防衛を再建する」と原案を修正した。具体的には、世界一の軍事力を持つ米国がテロ攻撃や「ならず者国家」による大量破壊兵器の攻撃を受ける「非対称な戦い」への備えを重視。テロ攻撃のほか、大量破壊兵器を搭載した弾道ミサイルからの国土防衛の強化を盛り込む。
 アジア重視の方針は原案を踏襲。特に朝鮮半島や台湾海峡を想定し「東アジアの沿岸部」の紛争を警戒した国防戦略を強化する。沖縄米軍基地の整理・縮小には逆行する流れだ。
 一九九○年代の国防の基本であり、中東と朝鮮半島で同時に発生する大規模紛争での勝利を想定した「二正面作戦」は兵力の実態にそぐわないとして名称を削除。兵力構成の見直しや装備の近代化を前提として、@重要地域で敵の侵攻や威圧を抑止A同時に起きる複数の大規模紛争で勝利、優勢確保B限定的な不測の小規模事態に対処―を国防の基本方針に掲げる。
 同時テロの発生を踏まえ、当初検討されていた欧州駐留米兵の一万五千人撤退や海軍一個空母機動部隊の削減など兵力構成の縮小は当面見送り、あらためて検討する見通しだ。(了)[2001-09-29-14:06] 99


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 09/29@国連安保理、スーダン制裁の解除を決議(読売新聞)

 【ニューヨーク28日=勝田誠】国連安全保障理事会は28日、外交関係や民間航空路線の制限などを課してきた対スーダン制裁措置の解除を決議した。安保理メンバー14か国が賛成、これまで強硬派だった米国が棄権したことで、決議は採択された。スーダンのエルファティ・エルワ国連代表は同日、「制裁解除は、わが国のテロ撲滅への協力に大きな力を与える」との声明を発表した。
 米政府は、米同時テロ事件後、スーダン政府が水面下で外国人過激派と見られる約30人を逮捕するなど、反テロで米国に協力的だった点を評価。テロを支援する「ならず者国家」に指定してきたスーダンを、反テロ包囲網に参加させようと、拒否権を行使しないことを決めていた。 [2001-09-29-13:23] 100


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 09/29@<国連安保理>テロリスト資金源封じ込めの決議、全会一致で(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連安全保障理事会は28日、米同時多発テロを受けて、テロリストの資金源の封じ込めを図る決議を全会一致で採択した。決議案は米国が提出し、若干の修正を加えた。決議は国連憲章の第7章(強制措置)を適用、各国に決議順守を義務付けている。決議実行にあたって、武力行使に近い警察力の行使など強制的措置を認めたともいえる。
 決議は「テロを実施、計画する人物の資金または金融資産を速やかに凍結する」として、テロ行為のために使われる資金の摘発を求めている。
 また、摘発を進めるため、テロリストに関する情報を各国が共有することも促している。さらに、テロに関与した人間の移動や国境の通過も阻止するよう求めた。明文化されていないが、この措置の実施のためには、各国が臨検などの強制措置をとることも促したといえる。
 ブッシュ大統領はすでに、テロに関係する個人・団体の資産凍結を発表している。今回の決議採択により、国際社会の協力を得てより広い範囲でテロリストの資金の流れを止めようと図った形だ。
 テロ資金問題では、国連でテロ資金供与防止条約が99年採択された。条約発効には22カ国の批准が必要だが、4、5カ国しか批准しておらず、発効していない。今回の安保理決議は同条約とほぼ同じ内容で、憲章第7章に基づく方法で加盟国に強制力を持つようにしている。 [2001-09-29-13:20] 101


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 09/29@<難民支援>航自輸送機派遣へ現地調査団が出発(毎日新聞)

 国連平和維持活動(PKO)協力法に基づく難民支援で航空自衛隊輸送機C130をパキスタンに派遣するため、防衛庁などの現地調査団が29日、パキスタンに向けて成田空港を出発した。
 調査団は空自隊員7人と防衛庁、内閣府の職員各1人ずつの計9人。日本時間の30日昼ごろにイスラマバードに到着する予定。7〜10日間かけて同地とカラチの空港で給油、駐機場、管制などといったC130の受け入れ状況を調べる。
 調査結果を受け、政府は具体的な派遣計画を決める。派遣されるC130は小牧基地に所属する4〜5機と見込まれており、早ければ10月初旬にも人道支援でテントや毛布などを輸送する予定。 【宮下正己】 [2001-09-29-13:10] 103


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 09/29@包括的なテロ対策決議案、安保理が全会一致で採択(読売新聞)

 【ニューヨーク28日=勝田誠】国連安全保障理事会は28日夜(日本時間29日午前)、テロ組織への資金の流れを断つことなどを加盟国に義務付けるテロ撲滅に向けた包括的な決議案を全会一致で採択した。決議案は米政府が27日に提出したばかりだったが、安保理15か国の総意で、前例のないスピード採択となった。安保理決議は即時発効する。
 決議は、<1>テロ集団の資金・資産の即時凍結<2>テロ集団への資金受け渡しの禁止<3>テロ集団関係者の移動や国境通過の禁止――などを義務づけ、さらに、テロ防止関連の国際条約への早期加盟を各国に求めている。
 米政府は24日、今回の同時多発テロの首謀者と見られるウサマ・ビンラーディンをはじめ、テロリストとの関与が疑われる個人・組織の在米資産の凍結措置を発表。しかし、ビンラーディンにつながる在米資産は少ないと見られることから、米政府は、資金面での包囲網を国際的に強化し、特に、欧州、アジアなど他地域に拡げる目的で、同決議案を提出していた。
 安保理メンバー筋によると、討議では、一部の国が、テロ犯罪の実行犯や資金提供者、計画者、支援者を「裁く」という表現について、「米軍・捜査当局が第三国に介入できるかのように受け取れる」として異論がでた。結局、米国が譲歩し、この部分を「法の下に処罰する」と変え、各国の捜査当局の判断に委ねる表現に落ち着いたことで、全会一致の採択となった。中国、ロシアなど他の安保理常任理事国は終始、米国に極めて協力的だった模様だ。
 米政府のジョン・ネグロポンテ国連代表部大使は採択後、「安保理の強力な支持と、迅速かつ全会一致での行動に、米国は勇気づけられた」と述べた。 [2001-09-29-12:33] 104


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 09/29@「急きょ準備」と調査団 成田から慌ただしく出発(共同通信)

 「出発を指示されたのは前日の午後。急きょ予防接種を受けたり準備が大変だった」。国連平和維持活動(PKO)協力法に基づく航空自衛隊輸送機のパキスタン派遣に向け、政府の事前調査団が二十九日午前、慌ただしく成田空港から出発した。
 午前八時すぎ、空港に姿を見せた青い制服姿の空自隊員らは淡々とした表情で搭乗手続きを済ませ、出発ゲートへ。調査期間は一週間から十日程度とみられるが、隊員の一人は「帰国の予定は全く分からない」と話し、旅客機に乗り込んだ。
 懸念される現地の治安状況について、調査団の道鎮雄二防衛庁国際協力室長は「空港施設の調査が中心なので、心配はしていない。派遣を前提にしっかり調査したい」と語った。(了)[2001-09-29-12:01] 106


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 09/29@国連安保理がテロ包囲網決議 資産凍結などを各国に強制(朝日新聞)

 国連安保理は28日、テロ組織の資産凍結や情報交換などを盛り込んだ「テロ包囲網強化」決議を採択した。同時多発テロを受けて米国が提案していたもので、加盟各国に即時実施を強制するきわめて強い内容となっている。
 決議案の討議では「テロの犯人やその支持者をかくまうことを禁じる」項目で一部に反対の声が上がっていたが、最終的にこの項目を含め全会一致の採択となった。
 決議はこのほか、テロ組織への(1)資金提供の道を閉ざす(2)いかなる便宜を提供することも禁じる−−などを規定。加盟各国に幅広い協力を求めている。
 また、テロ組織と国際的な犯罪組織の結びつきに注意を払うよう求めた。
 米国のネグロポンテ大使は採択後、「国連として前例のない強力な対テロ決議」と評価した。[2001-09-29-11:57] 109


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 09/29@国際協調に踏み出した米国 反テロで一方的外交に限界(共同通信)

 【ニューヨーク28日共同=矢高則夫】国連安全保障理事会が米国の提案からわずか五日目でテロ資金根絶決議を採択した背景には、米ブッシュ政権が「一方的外交だけではテロ撲滅はできない」(国連外交筋)との認識から国際協調に踏み出したことがある。
 米国は今回の米中枢同時テロへの軍事報復については、「独力でもやる」(同)との意向。しかし、テロ組織の資金源を断つための世界的なネットワーク構築など中長期的な課題では、「国連中心のテロ対策」に軸足を移し始めたといえる。
 米国は決議草案を練り上げる段階で、同じく常任理事国ロシアが以前から主張してきたテロ対策を大幅に取り入れた。
 また、二十八日には中東、アフリカ諸国の主張を入れる形で、一九九六年に決議されたスーダンに対するテロ制裁の解除に応じるなど、安保理が結束しやすい雰囲気づくりに力を尽くした。
 米国が柔軟に出たことが奏功、決議には国連憲章第七章(強制措置)が盛り込まれ、条項に従わない国への経済制裁などへの道を開く強硬な内容となった。(了)[2001-09-29-11:47] 111


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 09/29@「西欧文明はイスラムに勝る」伊首相発言に関係国猛反発(朝日新聞)

 西欧文明はイスラムに勝る−−イタリアのベルルスコーニ首相がこう発言し、イスラム諸国が猛反発している。首相は28日、「文脈をそれて一部の言葉が曲解された」と苦しい釈明をしたが、米国でのテロ事件後、イスラムへの偏見が広がることに神経をとがらせる関係国の怒りはまだ収まりそうにない。
 首相はドイツ訪問中の26日、「私たちの文明は繁栄をもたらし、人権尊重も保証している。優越性を意識しなければならない」と語った。「こうした価値はイスラム諸国にはない」「(イスラム諸国は)1400年前の段階にとどまっている」とも続けた。
 これに対し、アラブ連盟のムーサ事務局長は「人種差別的な発言だ。10億人のイスラム教徒に謝るべきだ」と抗議。イランやエジプト、レバノンなどの各政府が相次いで説明を求めた。
 欧州連合(EU)のプロディ欧州委員長は「我々はみな平等だ」と火消しに回った。ベルルスコーニ首相はイスラム諸国の大使と近く会談し、「真意」を説明するという。[2001-09-29-11:23] 112


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 09/29@<伊首相>イスラムべっ視の失言 EUなども反発 議会で陳(毎日新聞)

 【ローマ井上卓弥】イタリアのベルルスコーニ首相が26日、訪問先のベルリンで「西欧文明はイスラム文明に勝る」などと発言。世界中から批判を受け、首相は28日、伊上院で陳謝した。
 首相は米欧の結束したテロへの対応を説き、「(西欧は)広範な繁栄をもたらした価値体系を持つ自らの文明の優越性を意識すべきだ。(西欧文明の持つ)人権と宗教の自由への考慮はイスラム諸国には存在しない」と述べた。
 これに対し、アラブ連盟(本部カイロ)のムーサ事務局長は27日、「イスラム諸国民10数億人への謝罪を求める。発言は差別的で理性と品位の範囲を逸脱している」と激しく非難。また、イランのハタミ大統領も「世界の潮流を認めない勢力が微妙な国際政治状況を利用しようとしている」とと批判した。
 同時多発テロへの報復をめぐり、イスラム世界と米欧の対立回避への努力が続けられる中、ブッシュ米大統領の「十字軍」発言に続く欧州首脳の「失言」。欧州連合(EU)のプロディ委員長(イタリア)も「信じ難い発言で、国際テロへの世界的な連携を困難にする」と強い懸念を示した。
 イタリア国内でも、野党が失言を批判、首相は結局、「イスラム教徒の感情を害するつもりではなかった。誤解を招き遺憾」と陳謝した。
 ベルルスコーニ首相は前回政権(94年)でも失言が一因で、総辞職している。 [2001-09-29-10:40] 116


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 09/29@米がスーダンの対応評価 テロ支援国は解除せず(共同通信)

 【ワシントン28日共同】パウエル米国務長官は二十八日、米国が「テロ支援国家」に指定するスーダンが、最近テロ対策で米国に協力的な姿勢を示し「態度が前向きに変わった」として評価する考えを示した。
 これに関連してバウチャー国務省報道官は同日、スーダンが最近、国際テロの容疑者らの身柄を同国内で拘束したことを確認した。米国は二十七日、国連安全保障理事会の対スーダン制裁解除に反対しなかったが、こうしたスーダン側の姿勢に対応したとみられる。
 報道官はただ、スーダンをテロ支援国家から外すかどうかについては、同国がテロへの対応をさらに強化する必要があるとして時期尚早との考えを示した。
 スーダンは一九九一年から九六年までウサマ・ビンラディン氏を自国に居住させていた。米国は九八年、米大使館同時爆破事件の報復として首都ハルツーム郊外の薬品工場を巡航ミサイルで攻撃した。(了)[2001-09-29-08:40] 121


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 09/29@アフガン難民に百万ドル寄付 女優のジョリーさん(共同通信)

 【ニューヨーク28日共同】米国の俳優や歌手が中枢同時テロの犠牲者のために続々と献金する中、アカデミー賞女優のアンジェリーナ・ジョリーさんはアフガニスタン難民のために百万ドル(約一億千九百万円)を寄付した。二十八日付のデーリーニューズ紙などが報じた。
 ジョリーさんは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使。パキスタンなどへ脱出するアフガン難民の急増で、UNHCRが緊急支援を求めたのにこたえた。
 ジョリーさんは俳優ジョン・ボイトさんの娘。映画「17歳のカルテ」で昨年のアカデミー助演女優賞を受賞。日本では主演の新作「トゥームレイダー」が十月に公開される。(了)[2001-09-29-08:23] 122


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 09/29@テロ容疑者らNY近郊パターソンに潜伏 多民族都市が隠れ場(共同通信)

 【ニューヨーク28日共同】米中枢同時テロで、破壊されたニューヨークの世界貿易センターから約三十キロのニュージャージー州パターソン市に捜査員の注目が集まっている。FBIが実行犯と断定した十九人のうち、リーダー格とみられる容疑者らが潜伏していたからだ。七十カ国以上からの移民がひしめく多民族都市は、アラブ系テロリストの絶好の隠れ場所だった。
 「二人のアラブ系男性がここに住んでいた。物静かで普通の人たちだったけど、夜になると、多くの仲間を連れ込むこともあった」。ヒスパニック系のジェイミー・ディアズさん(20)が口を開いた。
 ディアズさんは約三年前から、同市のれんが造りのアパートの二階に暮らしている。男たちは五月ごろに三階の一室に入居し、事件前まで住んでいた。
 実行犯の顔写真が掲載された新聞を見せると、世界貿易センタービル北棟に突っ込んだ航空機を乗っ取ったリーダー格とみられるモハメド・アッタ容疑者(33)ら二人を指さし「よく覚えている」と語った。
 家主のジム・ヌーリ氏によると、借り主は国防総省に突入した航空機を操縦したとみられるハニ・ハンジュール容疑者(29)。家賃は月六百五十ドル(約七万七千円)で、アッタ容疑者らと同じく変わった様子はなかったという。
 ハンジュール容疑者らは今年夏に数回、同市近郊のウエィンでレンタカーを利用。別の容疑者が事件直前、近くのスーパーで買い物をしたことも確認され、容疑者数人がテロ現場からあまり離れていない地域を「出撃拠点」にしていたことが浮かび上がってきた。
 ディアズさんによると、男たちの一人はまったく英語をしゃべれなかった。しかし、多くの移民が出入りする人口約十七万人のパターソンでは、彼らは「普通の人々」にすぎなかった。(了)[2001-09-29-08:17] 123


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 09/29@スーダン制裁を解除 国連安保理、米は棄権(共同通信)

 【ニューヨーク28日共同】国連安全保障理事会は二十八日午前(日本時間二十九日未明)、外交関係の制限などスーダンに対する制裁措置を解除することを決議した。安保理メンバー十四カ国が賛成、反対ゼロ、拒否権を持つ米国だけが棄権した。
 決議採択後、スーダンの国連代表は「制裁解除はテロ撲滅への戦いに大きな力を与える」との声明を発表。米中枢同時テロで高まった国際的な反テロ包囲網に加わる意思を示した。
 安保理はムバラク・エジプト大統領暗殺未遂事件への関与を理由に一九九六年にスーダン制裁決議を採択した。
 米国は今月初め「スーダンは制裁決議の内容を順守するようになった」との認識を表明。今週半ばになって「スーダンを反テロ包囲網に参加させるため」(国連外交筋)、棄権により採択を妨げないことを最終決定した。
 十月一日からは国連反テロ総会が開かれるため、米国には「反テロ活動に協力する国の制裁解除には応ずる」との姿勢を広く示す狙いもあった。
 米国は決議に賛成しなかった理由として「ムバラク大統領暗殺未遂事件の容疑者の身柄がスーダンの司法当局の手に渡っていない」ことを挙げた。(了)[2001-09-29-08:16] 126


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 09/29@ビンラディン氏の軍事組織網、アフガン内に55拠点(朝日新聞)

 同時多発テロ事件の主要な容疑者とされるオサマ・ビンラディン氏がアフガニスタン国内に持つ軍事ネットワークについて、ロシア政府が国連安保理に提出した秘密報告書が明らかになった。朝日新聞社が入手した同報告書によると、少なくとも55カ所の軍事拠点にパキスタン人を中心にアラブ系、中央アジア系、チェチェン人など1万5000人以上の要員が展開。本部や訓練基地の位置、幹部の居住先などがリストアップされている。
 報告書は今年3月、安保理のアフガン制裁委員会に提出された。
 訓練基地はカブール、南部カンダハル、東部ジャララバード、北部マザリシャリフなどに設けられ、旧アフガン政府軍の兵舎や農園、洞穴などを活用し、地下弾薬庫も建設された。スーダン人が司令官を務める部隊には、タジキスタンやウズベキスタンなど周辺国のほか、中国の新疆ウイグル自治区、エジプト、イエメン、フィリピンなど合計16カ国から戦士が参加。教官にはリビア人、エジプト人らも加わっているという。
 ビンラディン氏の主力基地は、首都カブール郊外リシュホール地区の旧軍兵舎にあった。アラブ系を中心に7000人が、パキスタン軍部隊とともに駐屯。ビンラディン氏の側近、カリ・サイフラ・アフタル氏が司令官を務めていた。カブールの丘陵にある元レストランが本部に使われたという。
 また報告書は、パキスタン正規軍部隊が駐屯する位置を列挙。主に情報機関から派遣された軍事顧問31人のリストも含まれている。
 外務省に近い筋は、この報告書について、6カ月前のデータであり、部隊配置などは変化しているとする一方で、最新の情報がロシア諜報(ちょうほう)機関を通じて米国に提供されているはずだと語った。[2001-09-29-06:23] 127


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 09/29@反タリバン、アフガン元国王の下に最高評議会創設へ(読売新聞)

 【ローマ支局28日】AFP通信によると、アフガニスタンの反タリバン各派は28日、ローマで会合を開き、イタリアで亡命生活を送るアフガンのザビル・シャー元国王の下に最高評議会と軍事評議会を創設することで合意した。シャー元国王の報道官がAFP通信に語ったもので、反タリバン軍事勢力「北部同盟」のメンバーが、早ければ30日にシャー元国王と会談して、合意内容に関する協議を行うという。シャー元国王は、ブッシュ米大統領に親書を送り、反タリバン勢力を結集して暫定政権を樹立する意思を伝え、米国の支援を求めていた。 [2001-09-29-06:18] 5


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 09/29@<男子バレーボール>ワールドリーグ予選 日本はユーゴと同(毎日新聞)

 国際バレーボール連盟(FIVB)は28日、02年の男子ワールドリーグ予選リーグ(6月28日開幕)の組み合わせを発表、日本はシドニー五輪金メダルのユーゴスラビア、フランス、ギリシャとともにD組に入った。
 8月の決勝ラウンドを地元で開催する今年の王者ブラジルは、アルゼンチンなどとA組に入った。 (共同) [2001-09-29-23:30] 97


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 09/29@中国初のW杯ほぼ確実 敵地でUAEも撃破(共同通信)

 中国が来年、初めてサッカーのワールドカップ(W杯)に出場するのは、ほぼ間違いない情勢になった。
 W杯アジア最終予選B組トップの中国は27日、敵地でアラブ首長国連邦(UAE)を1―0で破り、4勝1分けで勝ち点13とした。2位カタールは勝ち点9。異なる4カ国でW杯を戦った名将ミルチノビッチ監督率いる「眠れる獅子(しし)」はホームの瀋陽で10月前半に連戦を控えており、圧倒的優位に立った。
 このUAE戦前は「まだ半分が終わったばかり。安心なんてとんでもない」と話していた同監督だが、試合後ロイター電によると「W杯出場のチャンスが非常に大きくなった」と言い切った。
 自慢の防御がこの日もよく機能。正GKをけがで欠き、控えのGKが出場したが、前半42分に祁宏がヘッドで挙げた得点を守り抜いた。
 アウエー戦での引き分け狙いの憶測を吹き飛ばし、指揮官は「われわれはどの試合も勝ちたい。それが予選を通じた全員のスタンスだ」と誇らしげに胸を張った。(共同)(了)[2001-09-29-14:33]
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 09/30@北アイルランド紛争で記者が初の犠牲に(読売新聞)

 英国・北アイルランドのベルファスト近郊で28日夜、アイルランド紙「サンデー・ワールド」記者、マーティン・オヘーガンさん(51)が妻と徒歩で帰宅する途中、走行中の車から銃撃を受け死亡した。約30年間にわたる北アイルランド紛争で記者が犠牲になるのは初めて。(ロンドン支局) [2001-09-30-23:18] 18


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 09/30@◎大島国連次長がパキスタン入り(時事通信)

 【イスラマバード30日時事】国連の大島賢三事務次長(緊急援助調整官)が30日、パキスタンの首都イスラマバードに到着した。
 大島次長はこの日、急増するアフガニスタン難民への支援策などについてイスラマバードの国連関係者らと協議した。国連によると、10月1日にパキスタンのムシャラフ大統領ら政府首脳と会談、2日にはアフガンに近いパキスタン西部の都市クエッタを現地視察し、その後、イランを訪れる。 [時事通信社][2001-09-30-21:23] 32


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 09/30@<パキスタン>難民問題でも岐路に 軍事報復への協力表明に(毎日新聞)

 【イスラマバード小松健一】同時多発テロに対する米国の軍事報復に協力を表明したパキスタン政府は、難民問題でも岐路に立たされている。250万人のアフガニスタン難民を抱えるパキスタンは、難民と共にタリバンのイスラム過激思想の流入を警戒し、国境閉鎖を続けている。しかし、国際社会の「テロとの戦い」のほこ先が、インドとのカシミール紛争でパキスタンに協力するイスラム原理主義勢力に向けられるのを避けるため、パキスタンは「人道支援国家」のイメージ作りに迫られている。
 9月11日の多発テロ発生直後、パキスタン側には約12万人の難民が流入。その後、パキスタン政府は国境を閉鎖し、国連の国境開放要請を拒否している。だが政府当局者は今後、約150万人の難民受け入れを想定し、国境周辺に100前後の難民キャンプを建設する計画で、国連や各国大使館に財政援助を打診した。
 「難民問題には、カシミール紛争での国連や国際社会の支持取り付けの思惑も絡んでいる」。パキスタン軍情報機関筋は、難民支援に傾いた政府の方針が、カシミールの領有を巡るインドとの紛争が関係していることを示唆する。
 インドとの戦闘には、イスラム原理主義勢力も加わり、一部にはアフガン領内で訓練を受けたゲリラ兵もいる。「タリバン攻撃後にインドがパキスタンをテロ支援国だと非難キャンペーンするのは明らか」(パキスタン軍筋)。その先手を打って、政府は難民支援で国連との協力を打ち出すタイミングを見計らっているという。
 だが、既にアフガン難民の居住区の中には、イスラム原理主義のタリバン思想に染まっているところもあり、米国の報復攻撃が始まると社会混乱を招く要因となる。攻撃後に流入する難民の中にはタリバン兵も紛れる恐れがある。情報機関筋は「難民の増加はパキスタン社会を分断しかねず、受け入れは両刃の剣だ」と警戒している。 [2001-09-30-19:25] 33


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 09/30@<アフガン元国王>部族代表、軍司令官らと会談 ローマで(毎日新聞)

 【ローマ井上卓弥】ANSA通信によると、アフガニスタンのザヒル・シャー元国王は29日、亡命先のローマでタリバン政権と距離を置く部族代表、軍司令官ら十数人と会談した。多数派パシュトゥン人の部族に加え、反タリバン連合「北部同盟」を構成する部族の代表も含まれていた模様だ。
 会談後、グループの代表者は「欧米に政治的支援や物資援助を期待するが、アフガンへの兵力派遣は望んでいないことを元国王に伝えた」と述べた。これに対し、元国王は「アフガンの安定回復と政権選択の機会を国民に与えることだけを望んでいる」と語ったという。
 一方、元国王は同日、インターネット上で公開された米誌ニューズウィークとの会見記事で、国内の全民族参加による緊急暫定政権の樹立を主張。「パキスタン人やアラブ人が影響力を持つタリバン政権の存在が和平の障害となっている」と述べ、タリバン打倒の必要性を強調した。 [2001-09-30-19:25] 40


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 09/30@難民支援の調査団が到着 自衛隊機派遣で治安確認(共同通信)

 【イスラマバード30日共同】米中枢同時テロへの報復攻撃で急増が予想されるアフガニスタン難民支援のため、自衛隊機をパキスタンに派遣することを決めた日本政府の調査団が九月三十日、イスラマバードに到着した。
 調査団は防衛庁運用課の道鎮雄二・国際協力室長を団長とし、航空自衛隊員や外務省、内閣府国際平和協力本部事務局の職員約十人で構成。空港で待ち構えた報道陣の質問には一言も答えず、イスラマバードの日本大使館に向かった。
 調査団は一週間から十日程度の日程で、空港施設などを調べ、治安状況などを確認。帰国後、具体的な支援の実施計画を策定する。閣議決定、国会への報告を経て、早ければ十月上旬にも、今回のテロ事件に関連する初の自衛隊海外派遣となる空自の輸送部隊がパキスタンに展開する。
 部隊は愛知県・小牧基地所属のC130輸送機四―五機で編成。沖縄、フィリピン、タイ、インドを経由してパキスタンにテントや毛布などの救援物資を空輸する予定で、活動期間は一週間程度の見通し。
 アフガニスタンとパキスタンの国境には現在、数万人のアフガン難民が押し寄せているとみられ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は情勢が悪化した場合、最大百五十万人の難民が流出するとみて日本に支援を要請していた。(了)[2001-09-30-16:24] 47


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 09/30@大島室長がパキスタン入り 国連、難民問題など協議(共同通信)

 【イスラマバード30日共同】国連の大島賢三緊急援助調整官室長(事務次長)が九月三十日、アフガニスタン難民の問題や緊急人道支援策をパキスタン政府、国連の現地スタッフらと協議するため、イスラマバードに到着した。
 三十日はイスラマバード駐在の国連関係者と協議、十月一日にムシャラフ大統領らパキスタン政府首脳と会談する予定。二日にアフガニスタンとの国境に近いクエッタを視察、その後イランに向かう。
 アフガニスタンでは、ウサマ・ビンラディン氏を保護するタリバン政権への米国の報復攻撃が予想されるため、パキスタンなど隣接国に大量に難民が流出するとみられ、国連は最悪で百五十万人の新たな難民が発生するとみている。
 深刻な干ばつで食糧状況も悪化しており、世界食糧計画(WFP)など国連機関による食糧支援が緊急課題となっている。(了)[2001-09-30-15:31] 50


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 09/30@タリバン打倒は不可欠 元国王が暫定政権提唱(共同通信)

 【ワシントン30日共同】米誌ニューズウィーク(電子版)は九月二十九日、アフガニスタンのザヒル・シャー元国王の会見記事を掲載、この中で元国王はアフガニスタン和平のためにタリバン政権の打倒が不可欠であると述べ、アフガニスタン各派による暫定政権を緊急に樹立する構想を強調した。
 元国王はタリバン政権が崩壊した場合の、新政権担い手の候補と目されているが、米有力メディアと会見したのは初めて。
 元国王は会見で「小さい同盟で勝利を収めるのは困難。強力な運動を起こすにはすべての組織を取り込んだ広い同盟を作らなければならない」と述べ、分裂を繰り返したパシュトゥン、タジク、ウズベクの各民族を結集した連合体を提唱した。
 さらに暫定政権樹立後、二年後には正式の政権を作る計画を示し、「アフガニスタン国民は元首を選出すべきだ」と民主選挙の必要性を強調した。
 タリバン政権について「パキスタン人、アラブ人など外国勢力がタリバンに含まれており厄災だ」と述べた。
 元国王は同月十八日付の親書をブッシュ米大統領に送り、暫定政権構想を伝えている。(了)[2001-09-30-15:07] 59


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 09/30@アフガン長老らと会談 亡命中の元国王(共同通信)

 【ローマ29日ロイター=共同】アフガニスタンのザヒル・シャー元国王(86)は二十九日、亡命先のローマで、アフガニスタンの長老、軍司令官ら十六人のグループと会談した。
 会談相手の多くはアフガンの多数派住民パシュトゥン人とみられる。引き続き元国王の側近らが、反タリバン勢力の「北部同盟」代表団とも会談する予定。
 元国王はアフガンの統一に向け、各民族を結集して伝統的意思決定機関、国民大会議(ロヤ・ジルガ)を開催することを望んでいる。
 元国王は一九七三年のクーデターで失脚し、以来イタリアに亡命していた。(了)[2001-09-30-07:57] 16


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 09/30@10月1日付・編集手帳(読売新聞)

 九月二日のこと。アフガニスタン北東部の山道で、国連機関の車三台が武装集団に襲われた。カラシニコフ銃を構える六人組は、車の通信機器を外すように命じ、それらを持ち去った◆国連の車に同乗していた「難民を助ける会」スタッフ菊池康子さんに、その恐怖の体験を聞いた。紛争の地で貴重な通信機器は高額で取引される。タリバンとの関連は不明だが、それが狙いの強盗だったらしい◆今夏、日本の有力NGOなどで作る国際支援組織「ジャパン・プラットフォーム」がアフガン難民・避難民調査に乗り出し、菊池さんもその道中にあった。治安悪化の中、調査は悲惨な実態を明らかにした◆内紛と干ばつによる各地の避難民キャンプでは、木の棒に布切れを垂らして、それがテントだ。食糧は乏しい。井戸もない。濁った水たまりだけが頼りだった◆日本政府も協力、本格的支援に踏み出そうとした矢先、非道なテロは起きた。難民・避難民は今や五百五十万人に及ぶという。パキスタンに流出した難民を対象に、支援計画は練り直された◆アフガニスタンにとどまっている人々はどうか。真夏は酷暑の地もやがて雪が舞い、真冬は氷点下十数度にもなる。冬用テントや子ども用衣料支給などの支援計画をテロ勢力はとん挫させて、人々はどんな冬を迎えることになるのか。 [2001-09-30-23:02] 61


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 09/30@“蒼き狼”チンギス・ハーンの幕舎跡発見(読売新聞)

 チンギス・ハーンの宮殿跡と見られているモンゴル東部のアウラガ遺跡を調査している日本モンゴル合同調査隊(総隊長・加藤晋平国学院大教授)は、モンゴル帝国(1206―1368)初代皇帝チンギス・ハーンの幕舎跡と見られる遺構を発見した。上層には第2代皇帝オゴデイ・ハーンの幕舎跡も確認され、モンゴル帝国初期の支配体制を探る上で貴重な成果として注目される。
 ◆チンギス・ハーン幕舎跡、直径約20メートル大天幕か◆
 チンギス・ハーンとオゴデイ・ハーンの幕舎跡が確認されたモンゴル・アウラガ遺跡の発見は、読売新聞社がチンギスの陵墓を探索するため1990―93年に実施したゴルバン・ゴル計画の最大の成果だった。
 オゴデイの幕舎跡は、同遺跡中央北寄りにある約30メートル4方の基壇跡で発掘された。平らな石を最高で6段、約30センチの高さに積み上げた幅79センチの壁の下部が、コの字を北と東西に組み合わせた形で出土した。石積みは南北約8・3メートル、東西約10・8メートル。石積みの上には日干しレンガの壁が築かれていたと見られる。
 壁のない南側中央の両端には、直径約80センチの柱の礎石が2基あった。この構造はモンゴルの伝統的な移動式住居ゲル(天幕)と酷似していることなどから、調査隊はこの壁を覆う直径20メートル近い大天幕があったと推定している。北側の壁の内側が、皇帝の玉座だった可能性もあるという。
 また、この遺構の約30センチ下層から、別の大型の切り石が出土。この石が唐尺の単位で加工されているのに対し、上部の遺構は宋尺が用いられていた。モンゴルで宋尺が使用されるようになるのは、オゴデイの代からで、中国の正史「元史」に、オゴデイが1229年にチンギスの宮殿を改築したとの記述があることなどから、調査隊は下層の遺構がチンギスの、上層の遺構がオゴデイのそれぞれ幕舎跡であると判断した。
 調査隊の推定通り直径が20メートル近くあったとすれば、面積にして普通の遊牧民の住居の10倍以上に相当する大天幕だったことになる。それにしても、世界帝国に君臨する権力者の宮殿にしては、あまりに小さい。しかし、日本側隊長の白石典之・新潟大助教授は「この小ささこそが、モンゴル帝国の実像を解明する大きなカギとなる」と強調する。
 オゴデイは1235年、西に約600キロ離れたカラコルムに都を移し、巨大な都市を建設する。以後、この地は祭祀(さいし)などが行われる聖地として、14世紀後半の元の滅亡のころまで存続したと伝えられる。
 「遊牧民族の諸侯の1人であるカンを名乗っていたチンギスを神格化することによって、自らが唯一の権力者、皇帝たるカアン(ハーン)としての地位を確立しようとしたオゴデイの意図がよくくみ取れる遺跡です。チンギスの墓も意外に小さかったのかもしれません」と、白石助教授は今回の成果について興奮気味に話している。 [2001-09-30-03:01]
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 10/01@<クローズアップ>「核心部」捜査は難航 確証いまだ出せず(毎日新聞)

 米国の同時多発テロ事件で、アフガニスタンへの報復攻撃の準備が着々と進んでいる。だが、報復の根拠となるべき「テロ首謀者」ウサマ・ビンラディン氏の事件への関与など核心部分の捜査は難航している。パウエル米国務長官は23日、「(ビンラディン氏の)事件関与の具体的証拠を提出する用意がある」と言い切った。だが、その証拠はまだ明らかになっていない。捜査網は国際的規模に拡大しているものの、米国内ではアラブ系住民を標的にした捜査手法に批判の声も出ている。米国の威信をかけたテロ捜査の現状を追った。 【ニューヨーク上村幸治、ワシントン斗ケ沢秀俊、外信部・竹之内満、和田浩明】
 ■首謀者
 現段階で、ビンラディン氏関与をうかがわせる最も有力な捜査情報は、ドイツ情報当局が事件直後、傍受したと言われる電話の通話内容だ。29日付の米紙ニューヨーク・タイムズが、米独両当局の話として伝えた。
 会話はビンラディン氏の信奉者の間で交わされたものだ。「作戦に向け、旅立っている30人」などの内容だったという。米連邦捜査局(FBI)は同時多発テロの乗っ取り容疑者19人全員の氏名と顔写真を公開したが、この会話の情報を受けたFBIは、残る11人は計画を断念するなど逃走したと見て、行方を追っている。その内の1人として、英国ですでに逮捕されている、アルジェリア人パイロット、ロトフィ・ライシ容疑者(27)が浮上。乗っ取り犯のうち4人に航空機の操縦を教えていた疑いがあるとみている。同容疑者は弁護士を立て容疑を否認しているが、米国は身柄引き渡しを求めているという。
 ニューヨーク・タイムズは米当局高官の話として、ドイツでの傍受記録が謀議内容を解明する重要なカギになる、との見方を紹介している。
 また、ワシントン・ポスト紙も29日、米当局者の話として、19人のうち少なくとも4人が、ビンラディン氏運営のアフガン内キャンプで操縦訓練を受けるなど、数年前からテロは組織的に計画されていた、と報じた。また、世界貿易センタービルに突っ込んだアメリカン航空11便を操縦していたとみられるモハメド・アタ容疑者(33)らには事件前、総額50万ドル(約6000万円)が米国内の銀行口座に振り込まれ、レンタカー代や宿泊費に使用したとみられている。
 ■FBI
 FBIは19日夜、シカゴ近郊でナビル・アルマラブ容疑者(34)を逮捕した。地元紙などによると、拳銃で武装した捜査官が容疑者の勤務するコンビニエンスストアを急襲、捜査官は心配顔の店長に「彼は、あなたが知りたくもないような事件に関与している」と打ち明けたという。
 逮捕容疑はボストンで起こした別の傷害事件だが、同容疑者がビンラディン氏のグループと金銭のやりとりがあったと見て追及している。実は、一連の捜査でFBIが逮捕者の氏名を発表したのは、同容疑者が初めてだった。
 FBIや移民帰化局がこれまでに身柄を拘束したのは、約480人に達している。だが、ほとんどが移民法違反容疑などで、人権団体などからは「アラブ系住民を手当たり次第に捕まえている」との批判が出ている。
 報復攻撃の準備に歩調を合わせるようにFBIはみぞうの7000人態勢で不審者の交信記録を調べるなど地道な捜査を続けている。だが、「実行犯」として発表した人物が、人違いだったことが判明するなど勇み足も指摘されている。
 例えば、アメリカン航空11便をハイジャックしたとされた容疑者と同姓同名の人物が、汎(はん)アラブ紙「アッシャルク・アルアウサト」に名乗り出た。この人物は同紙のインタビューに「米国が発表した人物は私と生年月日も一緒なので、6年前に盗まれた私のパスポートを使われたのだと思う」と語った。
 また、米フロリダ州の航空学校広報官は、容疑者の1人と同姓だったサウジアラビア航空のパイロット、アブドラ・アロマリ氏ら、捜査対象となった計3人が、事件と無関係だと証言した。
 ■包囲網
 捜査網は欧州、中東、アジアに広がっている。
 アタ容疑者ら3人がハンブルクの大学で学ぶなど、実行犯の足取りが最初に判明したドイツでは21日までに、実行犯をほう助した容疑でイエメン人ら2人を国際指名手配した。
 欧州連合(EU)内では、テロ組織に関する情報交換が始まっており、スペインでビンラディン氏が資金提供していたグループのメンバー6人が逮捕されるなど、30日までに計20人以上が身柄拘束された。
 マカオでは16日、5人が逮捕された。全員がパキスタン国籍で、米国がアフガンに軍事行動を取った際、香港とマカオで米国に攻撃を仕掛けるよう指示を受けていた、という。
 ■刑事訴追へ 大陪審招集
 ニューヨークでは、ビンラディン氏を起訴するため大陪審が招集され、刑事訴追に向けて証拠調べが始まっている。だが、ビンラディン氏は93年以降、今回のテロ事件まで、少なくとも12件の事件への関与が指摘されているが、3件で起訴されているだけだ。
 米検察当局とFBIは96年、ビンラディン氏が90年代初頭からの一連の対米テロ事件に関与していた疑いがあるとみて大陪審を極秘裏に設置し、捜査を続けた。
 大陪審は98年6月、同氏が(1)ソマリア駐在国連部隊攻撃(93年)(2)サウジアラビア米軍施設爆破(96年)――に関与していたことを突き止め、身柄不拘束のまま起訴している。
 同年11月には、アフリカでの米大使館同時爆破テロの首謀者として再び起訴した。ビンラディン氏が率いるイスラム過激派組織「アルカイダ」のメンバーを情報源にすることに成功し、ビンラディン氏がアルカイダを指揮し、メンバーに与える「ファトワ」(宗教布告)の中で米国の施設などの攻撃を指示したことを証明したのだった。
 だが、その後、アルカイダは下部の組織に計画立案・実行の権限を大きく委譲したと言われており、資金ルートも複雑化している。同時多発テロ事件での起訴は、これまでで最も厳しいものになりそうだ。
 ■ビンラディン氏の関与が指摘されるテロ事件■
93年
 2月  ニューヨーク世界貿易センター爆弾テロ6人殺害
 10月 ソマリア駐在国連部隊攻撃、18人殺害(98年6月起訴)
94年  フィリピンでのローマ法王暗殺計画
     太平洋上での米旅客機爆破計画
95年  エジプト大統領殺害を計画したグループへの支援
 11月 在パキスタン・エジプト大使館爆破、15人殺害
 〃   サウジアラビアの米軍・サウジ合同訓練施設爆破
96年
 6月  サウジアラビア米軍施設爆破、19人殺害(98年6月起訴)
98年
 6月  ケニア、タンザニアの米大使館爆破約、300人殺害
(98年11月起訴)
00年
 10月 イエメンで米駆逐艦コール爆破、17人殺害
01年
 9月  反タリバン連合・マスード将軍暗殺
 〃   ハイジャック機による米同時多発テロ
 (米国務省発表などによる)
■同時多発テロに関連して逮捕、手配された主な容疑者■ 
(欧米メディアなどによる)
(1)氏名(氏名不明の場合は人数のみ表記)(2)国籍(3)逮捕日など(4)事件との関与
◆米国
 (1)ナビル・アルマラブ(2)不明(3)9月19日(4)テロ実行犯と資金的つながり
 (1)モハメド・アブディ(2)ソマリアから米に帰化(3)9月26日起訴(4)テロ実行犯の車中で発見された地図に名前と電話番号が書き込まれていた
 (1)モハメド・ジャウィード・アズマス(2)不明(3)9月12日(4)テキサス行きの列車で5000ドルとカッター所持
 (1)アユブ・アリ・カーン(2)同上(3)同上(4)同上
◆英国
 (1)ロトフィ・ライシ(2)アルジェリア(3)9月21日(4)テロ実行犯の4人に操縦を教えた
◆ドイツ
 (1)ラムジ・モハメド・アブダラ・ビンアルシブ(2)イエメン(3)国際手配中(4)テロ実行犯ほう助。アタ容疑者とハンブルクで同居
 (1)サイード・バハジ(2)モロッコ系ドイツ人(3)同上(4)同上
◆スペイン
 (1)6人(2)アルジェリア(3)9月25、26日(4)ビンラディン氏から資金を受けた
◆フランス
 (1)7人(2)不明(3)9月21日(4)欧州の米関連施設襲撃を計画
◆ベルギー
 (1)ニザル・トラベルシ(2)チュニジア(3)9月13日(4)欧州の米大使館襲撃を計画
◆マカオ
 (1)5人(2)パキスタン(3)9月16日(4)「米国のアフガン攻撃時に香港、マカオの米施設を攻撃せよ」との指示書を所持 [2001-10-01-00:25] 11
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 10/01@<ソ連崩壊10年>特別講演会 評価めぐり議論白熱(毎日新聞)

 ■討論・質疑応答
 −−サタロフ氏はソ連崩壊の理由の一つに政治的エリートの堕落をあげたが、もう少し説明を。
 サタロフ氏 革命を起こしたエリートは教養もあり、精力的で決断力のある人々だった。しかしその後に現れたのは教養のない、汚職にまみれた人々だった。
 つまり、ソ連社会は近代化を求めていたが、エリートはそれに応えることができなかったのだ。
 マルコフ氏 とくにエリートはモラルの問題を解決できなかった。個人的蓄財が彼らにとり重要な問題になってしまった。そしてエリートの危機は社会の道徳的危機と結びついていた。
 −−ソ連崩壊に一番責任があるのは当時のゴルバチョフ大統領ではないのですか。
 サタロフ氏 個人的な責任追及はしたくない。当時の指導者に責任を押し付けることはできない。ゴルバチョフ氏にしろエリツィン氏にしろ、運がなかったともいえる。彼らが権力の頂点にいたときに、ソ連崩壊が起こるべくして起きたのだ。
 マルコフ氏 同意できない。崩壊は前から決まっていたのではない。バルト3国とグルジアの離脱は前から決まっていたかもしれない。しかし、ウクライナなどの離脱は決まっていなかった。これらの国は新たなかたちで軍事的経済的空間に留まることができたと思う。だから崩壊を許したゴルバチョフ、エリツィン両氏には責任がある。
 ゴルバチョフ氏の罪は、まず明確な計画なしに簡単に改革ができると考えていた。第二に大国の舵を自分の手で握るのだという意志が不足していた。彼は大統領だったときは責任を回避したと思う。ビリニュス(リトアニア)、トビリシ(グルジア)での独立運動弾圧の責任を彼は逃がれた。指導者たるものは責任を免れない。
 サタロフ氏 ゴルバチョフ氏に明確な改革計画がなかったというが、大統領が計画をつくるわけではない。たった2人の人間が、大帝国ソ連を崩壊させたとは考えられない。弱い人間が強大な国家を崩壊させることができるだろうか。
 ――エリツィン氏の責任はどうですか。
 マルコフ氏 エリツィン氏の罪は、祖国愛より権力愛の方が強かった点にある。クレムリンのゴルバチョフ氏の椅子に座りたかったのだ。
 エリツィン氏はかつて地方指導者に「主権がほしいなら好きなだけとりたまえ」と言ったことがある。日本の首相が県知事にそんなことをいえるだろうか。チェチェンでは「欲しいだけの主権」をとったためにこのような紛争になった。これこそ問うべき責任だ。
 サタロフ氏 エリツィン氏の権力愛が祖国愛よりも強いというのは現実に合致しない。彼の価値観では権力は二義的なものだった。ソ連時代、共産党政治局員候補だった彼は、ポストを失うのを覚悟でゴルバチョフ氏と対決した。ゴルバチョフ氏は「二度と政界に戻れないようにしてやる」と言った。
 「主権をとりたいだけとれ」というエリツィン氏の言葉の意図は別にあった。タタルスタン共和国で過激な分離主義勢力が活動していた。彼らは権力を握る恐れもあった。そうなったらタタルスタンがどうなっていたかわからない。
 ――サタロフ氏はプ―チン大統領をどう評価しますか。
 サタロフ氏 多くの点でマルコフ氏に賛成だ。革命後は国家の強化を目指すべきで、プ―チン氏のスタイルはこの時代の典型だ。プーチン氏は非常に注意深い。世論を重視し、小さな政策を積み重ねるというやり方を続けている。
 ――大統領は対日関係をどう考えていますか。
 マルコフ氏 大統領は慎重だというサタロフ氏の指摘は正しい。国民の大多数の支持が得られない問題についてはとくに慎重だ。日露関係では、当面大きな変化の可能性はないとロシアの政治家はみている。
 大統領は日本の国際的役割をよく理解している。だからこそ慎重になる。彼は交渉プロセスを促すだろうが、急激な動きはしないだろう。領土問題は大問題だ。北方四島のうち、2島について解決の示唆をしたが日本の支持がなく、ロシアは一歩後退した。
 (会場から)日本人にとり北方領土が返らない限り、ソ連は終わらない。
 サタロフ氏 正しい指摘だ。しかし叫び合うだけでは問題は解決しない。相互理解を深めてこそ解決に近づく。日本は高い技術力をもつが、ロシアは技術を支える基礎研究の水準が高い。お互いが補完しあうことができれば、よいパートナーシップを築ける。
 領土問題の即時解決はない。プロセスを踏んだ段階的解決しかない。しかしより重大なことは、戦略的パートナーシップを結ぶことだ。
 (会場から)ロシアはアフガンの北部同盟に、どの程度関与するつもりなのですか。
 マルコフ氏 北部同盟はアフガンの政府をつくれない。彼らの基盤はウズベク人、タジク人、シーア派など少数派だからだ。しかしできることはある。
 第一に内戦の規模を小さくすること。山岳地帯だけで戦闘を続け、都市部で経済活動を開始させることはできる。第二にタリバン政権の排除。彼らは公然と中央アジア地域への進出の意図を示している。こうした問題の解決にはロシアが関与しなければならない。
 (会場から)中国の今後をどう考えますか。
 サタロフ氏 同時多発テロでわかったのは米国だけで問題を解決できないことだ。米中露ばかりでなく、ほかの国々も多極的世界の安全保障の責任を持つ仕組みをつくることが重要だ。
 マルコフ氏 中国は今後10年間、国内問題の解決に取り組むだろう。しかし10年後、別の役割を果たすかもしれない。
 ーーロシア人はソ連崩壊をどう見ていますか。
 マルコフ氏 世論調査によると、(64―82年の)ブレジネフ書記長時代が最も暮らしやすかったと答えている。しかし不公正もあったと考え、過去に戻ることはできないと答えている。 [2001-10-01-00:00] 12
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 10/01@<ソ連崩壊10年>特別講演会開催 元大統領補佐官ら招き(毎日新聞)

 ソ連崩壊から満10年を迎えるのを機に、毎日新聞社と日本対外文化協会は9月27日、東京都千代田区内幸町の日本プレスセンタ―ホ―ルで「ソ連崩壊10年・特別講演会」を開いた。ロシアから招いたゲオルギ―・サタロフ元大統領補佐官とセルゲイ・マルコフ・インタ―ネット通信編集長がソ連崩壊の意義、米同時多発テロ発生後の世界情勢などについて講演した。その後、飯島一孝・毎日新聞編集委員の司会で討論・質疑が行われた。会場では約200人が傍聴した。(後援・外務省、駐日ロシア大使館、協賛・ナカヨ通信機、望星薬局)
 ■必然だった連邦弱体化 ゲオルギ―・サタロフ元大統領補佐官
 大規模なソ連の崩壊には複雑で多岐にわたる理由がある。60年代初め、膨大な消費とばく大な石油と天然ガスの採掘が世界的に行われ、ソ連経済は弱体化した。ソ連経済は脱工業化社会の挑戦に応えられなかった。
 ソ連崩壊の理由を政治的システムにもみることができる。数十年にわたる停滞社会が政治エリートを堕落させた。ここでは政治的理由に絞って考えてみたい。
 ソ連時代の約70年間、行政的実験が次々と行われ、独裁的、共産主義的イデオロギーの影響は少なくなっていった。これに代わって政治エリートの協定が前面に出てきた。地方がモスクワの支配を邪魔しない代わりに、モスクワも地方の支配の邪魔をしないように、というのが協定の本質だった。ソ連は崩壊する運命にあった。
 連邦を別の形で再構築しようという動きが出てきた。連邦中央の権限を削減したり、単一国家を再構築しようという動きだった。こうした動きが遅々として進まないうちに、ロシア共和国の中で分離主義的な発想が出てきた。
 90年6月、ロシア共和国の人民代議員大会で国家主権宣言が採択され、それを出発点としてエリートたちは連邦権力に攻勢をかけた。ロシアの自治共和国も主権を主張しはじめた。一部の自治共和国は共和国の地位を手にする力をもった。こうした中でチェチェン問題が起こり始めた。また、力で連邦を維持しようとする動きがバルトで始まったが失敗に終わった。
 ソ連の危機は80年代初めには顕在化し、政治エリートたちは脱工業化社会からの挑戦に勝つための方策を模索していた。その結果、体制の抜本的変革以外にはないということになり、エリート協定は崩壊した。それとともに権力の仕切り直しが行われ、連邦体制の見直しにつながっていった。
 共和国の政治エリートは独立宣言を武器として、連邦法より共和国法に優先を与えた。連邦権力の弱体化と先行きの不透明さ、そしてロシアの経済改革から、自分たちの身を守るためだった。
 ソ連の崩壊は世界的な変動ともいうべき事件だった。このような歴史の教訓として、よいこととか、悪いことなどと評価できない。なぜならよいことも悪いことも、すべてが混在しているからだ。しかし、これからの政治家はより深く歴史を見極め、よいものをより多くし、悪いものは最小限にしていく努力が必要だ。
 世界は二極化構造に終わりを告げた。二つの核超大国の対立は終わった。しかし現代文明の病である民族・宗教戦争、テロの問題は深刻化している。世界は二極化から一極化になり、第三国の貧困、人権侵害、出口のなさの不満は、唯一の超大国に向けられていく。この超大国は、すべての責任を受け入れなければならないと、覚悟しなければならない。
 このような状況から脱出するには、多極化構造の世界秩序をつくり、そのなかで責任を分担するしかない。私たちは希望をもって21世紀を迎えたが、その初めに起こったことは悲劇だった。私たちすべてが大きな責任を持っている。でも、そのことがまだあまり意識されていない。この小さな地球で共存していく政策ができていないのだ。
 ◇略歴 モスクワ教育大教員を経て94年2月、エリツィン大統領の内政担当補佐官に任命される。約3年半後、政治研究センター「インデム」所長に就任。改革派の政治評論家として新聞、テレビなどで活躍している。54歳。
 ■セルゲイ・マルコフ・インタ―ネット通信編集長
 米同時多発テロとソ連崩壊は結びついている。実は事件はもっと前に起こってもおかしくなかった。ソ連崩壊で新しい世界システムは作られ始めたが、10年間では完成しなかった。事件は、新しいシステムを改めて考えるインパクトになった。
 プーチン大統領は反テロ同盟に基づいて集団的安全保障条約を結び、新しい国際機関を作ることを提案した。提案を実現するため、アフガニスタンの「反タリバン連合」(北部同盟)に武器を供与するなど、米国への協力を表明した。
 しかし、ロシア人は、アフガンを攻撃し、ウサマ・ビンラディン氏を拘束しても、テロとの戦いは終わらないと考えている。もっと大きなテロをもたらすかもしれないと、米軍の動きを非常に悲観的に見ている。求めらているのは軍事作戦でなく政治的な戦略だ。
 今、大きな挑戦が米国につきつけられている。米国のリーダーは、自分たちが世界の警察官の役割を果たすことが課題だと考えているようだが、正しくない。米国は新しい世界制度を構築しなければいけないが、彼らはそれをやっていない。
 ソ連崩壊で、米国が一極支配を行なう一方で、カオス(混とん)が訪れた。カオスは民族紛争を生み出している。一極支配に対抗する多極支配は具体性がない。
 共産主義か民主主義かというイデオロギー対立が消滅した代わりに、文明の衝突とイスラム急進主義の台頭が現れた。以前、共産主義が果たした役割をイスラム急進主義が担っている。昔は貧しい国は、共産主義の軍事的圧力で、社会民主主義政策をとり、医療や教育などが維持された。今日のイスラム急進主義は、豊かな者が貧しい者にもっと富を渡すべきだと訴えている。
 そこで、世界的な社会民主主義政策が必要になる。イスラム過激派を増長させないため、貧しい国へ援助する必要が出ている。また98年のアジア金融危機を契機に、グローバルな動きを制御できる統合システム作りが課題になった。一種の世界政府が求められている。 現在の危機は主権国家の危機でもある。主権国家は国際社会の主体だったが、重大な変化が起きた。国家ではなく、社会や地域が大きな力を持ち始めた。
 ソ連崩壊後のロシアの10年を「崩壊と失敗の時代」とする見方があるが「内なる大きな仕事が行なわれた10年」とも言える。統合が成し遂げられ、経済成長が始まった。所有が分割され、新しいエリート層も現れ、競争社会の基礎が作られた。当初は旧ユーゴのように民族紛争が起こるといわれたが、そうならなかった。大きな成果だ。
 これまでのプーチン大統領の政策は3段階に分けられる。就任当初、国家体制の復興を掲げ、国民に支持された。寡占をなくし、地域ボスの力を制限し、連邦としてまとまりが出てきた。第二段階としてIMF(国際通貨基金)のプログラムを実施、税制を改革した。また年金を改正し司法と行政を分離した。軍をよりコンパクトにするなど大規模な改革を行なった。
 第三段階は、独占的企業の改革▽汚職にまみれた内務省の改革▽金融政策の改善▽政党再編―などで、今期中に実施される予定だ。これは国の機能を正常に戻し、脱工業化社会へ発展する改革だ。
 ◇セルゲイ・マルコフ氏 モスクワ大卒。カ―ネギ―財団モスクワセンタ―研究員を経て、昨年からインタ―ネット通信「ストラナ―・ル―」の編集長をしている。プ―チン大統領に近い政治評論家として知られている。43歳。 [2001-10-01-00:00] 358
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 10/01@<アフガン>北部同盟と元国王が国家統一の評議会設置で合意(毎日新聞)

 【ローマ井上卓弥】アフガニスタンの反タリバン連合「北部同盟」代表団と亡命中のザヒル・シャー元国王は1日、ローマで声明を発表し、タリバン政権崩壊後の国家統一を想定した「最高評議会」を設置することで合意した。米国はタリバン政権が実効支配するアフガン領内への軍事報復作戦を準備しており、反タリバン勢力を支援する動きも浮上している。
 声明によると、反タリバン連合が中心となって最高評議会を設置。その後、アフガン国内の全民族・部族代表で構成される伝統的決定機関の国民大会議(ロヤジルガ)を招集し、国家元首の選出と暫定政府樹立を目指す。具体的な国民大会議開催の日時や場所については明らかにされていない。
 北部同盟と元国王側近は、先週末からローマで断続的に会合を開き、最高評議会と各勢力の軍司令官による軍事評議会を設置することで大筋合意。30日には米議員団も会合に加わり、反タリバン勢力の結集を支援する意思を明らかにしていた。
 だが、タリバン政権の中心となる多数派パシュトゥン人との連携の可能性も模索しているとされる元国王に対し、アフガン国内の北部同盟指導者が懸念を抱いているとの情報もあり、合意の実効性は依然不透明な情勢だ。
 現在、北部同盟はアフガン全土の約10%を支配し、タリバン政権との戦線を拡大している。 [2001-10-01-23:25] 359
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 10/01@<テロ証拠>ビンラディン氏関連口座から乗っ取り犯に送金(毎日新聞)

 イタリア国営RAIテレビは1日、米情報筋の話として、ドバイにあるウサマ・ビンラディン氏と関係のある銀行口座から、乗っ取り犯のモハメド・アタ容疑者(33)の口座に9月8日か9日に送金があったと伝えた。これが、ビンラディン氏が米同時多発テロに関与していると米国がみている「直接の証拠」だという。
 アタ容疑者は今回のテロの実行犯19人のうちの主犯格とみられていた。(ローマ共同) [2001-10-01-23:15] 367
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 10/01@◎スイス航空、経営行き詰まる=同時テロ追い打ち、政府と緊(時事通信)

 【ジュネーブ1日時事】拡大路線の失敗に加え、米同時テロ事件の影響を受けて経営が急速に悪化しているスイスの最大手航空会社、スイス航空を傘下に置くスイスエア・グループと、同国連邦政府は1日までに、同グループへの緊急支援策について交渉を開始した。
 同グループをめぐっては、9月30日夜にスイス2大銀行のUBSとクレディ・スイスが計約10億スイスフラン(約740億円)の緊急融資で合意。しかし当面の資金繰りとしては、不十分とみられる。
 スイス政府が支援策を決定すれば、同グループは当面の経営危機を乗り切る可能性もある。しかし、世界的な航空旅客の急減で、子会社の整理や人員削減のほか、70%強の株式を保有する短距離便専門の子会社クロスエアへの経営統合を柱とする再建計画の早急な実施が必要とみられる。 [時事通信社][2001-10-01-21:49] 373
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 10/01@パキスタン残留邦人は361人、アフガンは5人 外務省(朝日新聞)

 外務省は1日、米国の軍事行動が予想されるアフガニスタンやパキスタンの周辺各国にいる日本人の滞在状況を発表した。
 それによると、同日現在、アフガニスタン5人、パキスタン361人、イラク6人、トルクメニスタン18人などとなっている。
 アフガニスタンの内訳はジャーナリスト4人と宗教関係者1人。パキスタンは、大使館員や国連職員、非政府組織(NGO)などの関係者60人のほか、現地の人と結婚して住んでいる女性を中心に301人がいる。このほか、同国内には短期旅行者が56人、報道関係者119人が滞在しているという。[2001-10-01-21:19] 400
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 10/01@国民大会議の早期開催を 元国王派が連帯集会(共同通信)

 【ペシャワル1日共同】パキスタン北西部のペシャワルで一日、アフガニスタンのザヒル・シャー元国王派の有力指導者イスハク・ギラニ氏らが「連帯集会」を開き、元国王による伝統的意思決定機関、国民大会議(ロヤ・ジルガ)の開催と、各民族が結集した新政府の樹立を呼び掛けた。
 ギラニ氏は約千人が駆けつけた集会の冒頭演説で、米中枢同時テロを強く非難し、タリバン勢力の排除に向けた動きを「全面的に支持する」と強調。「元国王だけが民族和解を実現できる」と述べ、北部同盟などとも協力して、ロヤ・ジルガ早期開催への環境づくりを急ぐ考えを示した。
 新政府について、ギラニ氏は「国連やイスラム諸国会議機構(OIC)の承認を得るものでなければならない」とし、国際社会の支援を要請した。
 ギラニ氏はザヒル・シャー政権時代に閣僚経験があり、約百五十万人と推定されるペシャワル在住アフガン人の有力指導者の一人。ローマで亡命生活を送る元国王と近く会談するという。(了)[2001-10-01-16:52] 401
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 10/01@総選挙の開票始まる 厳戒のバングラデシュ(共同通信)

 【バンコク1日共同】厳戒態勢の中で実施されたバングラデシュ議会(一院制、定数三三○)選挙の投票が一日夕締め切られ、即日開票に入った。
 一九九六年の前回総選挙で第一党となったアワミ連盟が政権を維持できるかどうかが焦点だが、同連盟を率いるハシナ前首相に対して、野党バングラデシュ民族主義党党首であるジア元首相の返り咲きをかけた女性指導者同士の戦いともいえ、大接戦が予想される。大勢の判明は二日にずれ込む可能性もある。
 今年七月、ハシナ前首相は史上初めて五年の任期を全うして退陣、総選挙準備のため暫定政府が発足した。その後の選挙戦では、各党活動家の衝突やイスラム原理主義勢力の犯行とみられる爆弾テロ事件などで百三十人以上が死亡、約四千人がけがをした。
 緊張が高まる中、全土に警察や軍部隊が出動して警戒。テロ防止などのため投票開始二時間前に携帯電話が通話不可能となり、首都ダッカではほとんどの商店が閉められた。
 国連は選挙監視団約三百人を派遣した。(了)[2001-10-01-16:35] 408
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 10/01@ごう音の中、少年兵の姿 アフガン北部同盟の最前線(朝日新聞)

 アフガニスタンの北部同盟軍は朝日新聞とスペイン、イタリアのメディア3社にファイザバードの西約100キロのカラフガンの前線取材を許可した。前線基地からさらに16キロ。軍の四輪駆動車で岩山の間を上り詰める。高度千数百メートルのタロカン山脈の尾根の最前線にたどり着くと、火を噴く戦車のごう音の中に身をおく少年兵の姿があった。
 タリバーン軍は昨年、北部同盟が統治していたタロカンを陥落させると、さらに北部同盟の拠点ファイザバードをめざして東進した。が、このタロカン山脈が自然の要さいとして立ちはだかった。
 取材したのは9月29日。前線基地司令官のピル・モハマド将軍(50)から「ここ数日は平穏だ」と聞いていた。それだけに突然の攻撃には戸惑った。
 ざんごうに埋められるように隠されていた戦車が急に移動すると、タリバーン側に向けて砲撃したのだ。ゴーンという音とともに戦車の巨体が揺れ、砂じんで何も見えない。視界が戻ると、向こうの山に白い煙が上がっていた。
 戦車の横で旧式のソ連製カラシニコフ銃を構えていたのは、まだあどけなさの残る18歳のアブドル・バシール君だった。
 4年前、タロカン近郊の生まれ故郷にタリバーン軍がやってきて、市場で店を開いていた父と兄2人を殺した。復しゅうを誓い、14歳で志願兵となり、この最前線に配置されたという。
 故郷には母と4人の妹がいるが、事件以来一度も会っていない。米軍のタリバーン攻撃を期待するが、都市を空爆する可能性を指摘すると、急に暗い顔になって「心配だ」とつぶやいた。
 「14歳から毎日のようにこうして戦っていると、自分の将来に希望が持てなくなる。(小麦や米で支給される)軍の給料では家族を養えない。死んでしまいたいとよく思う。もし平和でチャンスがあれば、学校に行ってみたかった」[2001-10-01-15:01] 421
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 10/01@<アフガン>タリバン崩壊後を討議? 北部同盟外相と国連特(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】アフガニスタンの反タリバン連合(北部同盟)のアブドル外相は30日、タジキスタンの首都ドゥシャンベでベンドレル国連アフガン問題担当特使と会談した。北部同盟幹部が国連と協議するのは、マスード最高司令官が9月に暗殺されてから初めて。アフガンの軍事・政治情勢について意見交換し、タリバン政権が崩壊した場合の暫定政権樹立の動きについても話し合ったとみられる。
 また、ベンドレル特使はローマで9月23日に行ったザヒル・シャー元国王との会談内容を説明したとされる。元国王はアフガニスタンの再建のために帰国の用意があるとの立場を表明している。
 会談後、会見したアブドロ外相は外国からの支援があってもなくても、タリバンに対する戦闘を継続する意向を表明。タリバン勢力を追放した後、「アフガン国内で、すべての民族、すべての社会組織を代表する連合政権が樹立されるべきだ」と語った。
 さらに「米国、ロシア、中央アジア諸国と毎日のように連絡し合っている」と述べ、タリバン政権が打倒されたあとのアフガン問題について、すでに各国と協議していることを強く示唆した。
 一方、米国が探しているウサマ・ビンラディン氏の居場所については、現在もアフガン国内にいると明言した。また「(タリバンの最高指導者である)オマル師もビンラディン氏と一緒に行動している」と説明した。 [2001-10-01-13:00] 430
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 10/01@テロの衝撃、子どもたちが絵で表現(朝日新聞)

 9月11日に同時多発テロが発生してから、米国の子どもたちはクレヨンやペンを片手に、アメリカ人として事件をどう思うかを描いてきた。多くの子どもが事件から受けた衝撃や恐怖、悲しみを表現したほか、子ども同士が話し合い、事件そのものよりも国を思う気持ちを描いた小学校もある。
 一方、民族紛争の続くユーゴスラビアのコソボ自治州からも作品が届き始めている。コソボで子どもたちの心のケア活動をする米国のキリスト教系慈善団体が世界中の子どもたちに呼びかけたもので、全米各都市での展示を計画しているという。[2001-10-01-10:51] 431
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 10/01@ブッシュ大統領が謝意表明 アフガン元国王の親書に(共同通信)

 【ワシントン30日共同】アフガニスタンのザヒル・シャー元国王の孫、モスタファ・シャー氏は三十日、米ABCテレビのインタビューで、元国王がブッシュ米大統領に送った暫定政権樹立計画に関する親書について「大統領は特使を元国王の元に派遣し、親書に謝意を表した」と語った。
 モスタファ氏はローマ滞在中の元国王側近で、「米国とはさらに連絡を取り合うことになる」と語り、タリバン政権の退陣を明確に要求し「タリバン後」のアフガニスタン像の模索を始めた米政府と密接に連携する考えを明らかにした。
 元国王は九月十八日付の親書で、タリバン政権に代わってアフガニスタン各派が参加する民主的な暫定政権と軍事機構をつくる計画をブッシュ大統領に伝え、特使を派遣してほしいと提案していた。
 モスタファ氏は「元国王は君主としてアフガニスタンに戻る気持ちはない。元国王の役割は国民に決定してもらう」と語り、元首を選ぶ選挙の実施を考えていることも強調した。
 大統領の特使がだれかははっきりしていないが、駐イタリア米公使が二十五日、元国王と会談している。(了)[2001-10-01-10:40] 434
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 10/01@<パキスタン援助>中国が1億5千万円 電話首脳会談で江主(毎日新聞)

 【北京・坂東賢治】1日未明の新華社電によると、中国の江沢民国家主席は30日夜、パキスタンのムシャラフ大統領と電話協議し、同時多発テロに対するパキスタンの姿勢を評価すると共に1000万元(約1億5000万円)の緊急援助を約束した。
 ムシャラフ大統領は反テロでの米国への協力について「政府の決定を大多数の国民が支持している」との認識を強調。一方で「現在の情勢はパキスタンの経済発展に困難をもたらしている」と苦境を訴え、国際社会の協力を求めた。
 また、江主席は報復攻撃には明確な証拠と目標が必要であり、国連憲章や国際法に合致することが不可欠だとの認識を改めて表明。大統領もこれに賛意を示した。 [2001-10-01-10:00] 435
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 10/01@<アフガン>反タリバン連合外相と国連特使が会談(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】アフガニスタンの反タリバン連合(北部同盟)のアブドラ外相は30日、タジキスタンの首都ドゥシャンベでベンドレル国連アフガン問題担当特使と会談し、アフガンの軍事・政治情勢について意見交換した。
 ベンドレル特使はローマでこのほど会談したザヒル・シャー元国王との協議内容を説明したとされる。
 会談を終えた外相はタリバン政権打倒後、「アフガン国内に、すべての民族、すべての社会組織を代表する連合政権が樹立されるべきだ」と語った。さらに「米国、ロシア、中央アジア諸国と毎日のように連絡しあっている」と述べ、アフガン問題について各国と協議していることを強く示唆した。
 一方、ウサマ・ビンラディン氏の居場所については現在もアフガン国内にいると明言し、「(タリバン勢力指導者の)オマル師もビンラディン氏と一緒に行動している」と説明した。 [2001-10-01-10:00] 35
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 10/01@◎ストイコビッチ、ユーゴ連盟会長に=サッカー(時事通信)

 【ベオグラード30日AFP=時事】サッカーの元ユーゴスラビア代表で、Jリーグの名古屋グランパスなどで活躍したドラガン・ストイコビッチ氏(36)が30日、ユーゴスラビア・サッカー連盟の新会長に選出された。国営タンユグ通信が同日伝えた。
 ストイコビッチ氏はユーゴスラビア代表として1990年、98年と2度ワールドカップ(W杯)に出場。華麗なプレーぶりから「ピクシー(妖精=ようせい)」の愛称で親しまれた。Jリーグ名古屋には94年に入団し、今年前期で引退するまで通算184試合に出場、57得点した。(この項時事)[時事通信社][2001-10-01-10:41]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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