最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(09/26, 2001)


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◆ 09/22@<米同時テロ>米の攻撃遅れる? サウジが基地使用に難色(毎日新聞)
◆ 09/22@<マケドニア国会>憲法改正法案のうち3法案を初めて可決(毎日新聞)
◆ 09/22@<米空軍>ユーゴ空爆指揮した司令官がサウジ入り(毎日新聞)
◆ 09/22@◎米中外相会談、対テロ協力で一致=人権対話も来月再開(時事通信)
◆ 09/22@<資産凍結>ビンラディン氏などへの送金を禁止 日本政府(毎日新聞)
◆ 09/22@<ニュース展望>マケドニア紛争 多数派支配か少数派尊重か(毎日新聞)
◆ 09/22@<社説>テロ資金源 金脈つぶしに積極的協力を(毎日新聞)
◆ 09/22@アフガニスタンに飢餓のおそれ広がる 国内に難民多く(朝日新聞)
◆ 09/22@英警察、テロ協力者?4人を逮捕(読売新聞)
◆ 09/22@<アラブ首長国連邦>断交は、タリバンへの「拒否メッセージ(毎日新聞)
◆ 09/22@UAEがタリバンと断交 米特殊部隊が周辺国に展開(共同通信)
◆ 09/22@<タリバン政権>聖職者会合の勧告拒否で米を非難 オマル師(毎日新聞)
◆ 09/22@テロ資金の流れを追跡 FBIが重点捜査(共同通信)
◆ 09/22@<憲法問題>集団的自衛権行使に反対が66% 毎日新聞世論(毎日新聞)
◆ 09/22@国連に米への働き掛け要請 回避と準備の両面で動き タリバ(共同通信)
◆ 09/22@なぜドイツが拠点に? 経歴隠ぺいなどに最適か(共同通信)
◆ 09/22@武力報復一辺倒に懐疑論 フランス知識人ら慎重さ求める(共同通信)
◆ 09/22@米がイランに“急接近”、テロおくやみの返信送る(読売新聞)
◆ 09/22@EU採択文書の要旨(読売新聞)
◆ 09/22@EU、米の軍事行動を承認(読売新聞)
◆ 09/22@<ロシア>プーチン大統領 「米国と共同行動の用意」(毎日新聞)
◆ 09/22@9月22日付・よみうり寸評(読売新聞)
◆ 09/22@NYで反戦活動家ら300人が平和的解決訴えデモ(読売新聞)
◆ 09/22@<米同時テロ>米中外相がテロ対策で一致 (毎日新聞)
◆ 09/22@緊急EUサミット、米へ支持と連帯表明 (朝日新聞)
◆ 09/22@中国外相、対テロで米国に協力表明(朝日新聞)
◆ 09/22@周辺国は難民受け入れを アムネスティ (共同通信)
◆ 09/22@◎ビンラディン氏殺害でも解決にならず=ネットワークは残る(時事通信)
◆ 09/22@米から要請あれば検討 軍事支援でロシア大統領(共同通信)
◆ 09/22@報復行動に参加の用意 EU各国 緊急首脳会議が総括文書(共同通信)
◆ 09/22@イスラム過激派、日本入国は9国・地域の16人(読売新聞)
◆ 09/22@外務省、アフガン国境に退避勧告(読売新聞)
◆ 09/22@資金面でも「ビンラーディン包囲網」 (読売新聞)
◆ 09/22@アフガンは買いだめで食糧急騰、数百万人飢餓も(読売新聞)
◆ 09/22@サウジアラビア、中国も米国支持を表明 (読売新聞)
◆ 09/22@パキスタン全土で反米デモ 大統領を「裏切り者」と非難(朝日新聞)
◆ 09/22@<近聞遠見>「一人武者」と言われて 岩見隆夫(毎日新聞)
◆ 09/22@<防衛庁>米空母を海自艦艇が護衛 活動範囲が今後の論議に(毎日新聞)
◆ 09/22@ストイコビッチがユーゴのサッカー協会会長に(朝日新聞)
◆ 09/23@テロ訓練キャンプを放棄か(共同通信)
◆ 09/23@<教育の森>日韓「教科書紛争」 自国中心から脱却を(毎日新聞)
◆ 09/23@<クローズアップ>同時多発テロ 学者はこう見る(毎日新聞)
◆ 09/23@<クローズアップ>同時多発テロ 米「自衛の戦争」強調(毎日新聞)
◆ 09/23@北部同盟、米軍支援後ろ盾に「政権奪還」鮮明に(読売新聞)
◆ 09/23@<アフガン難民>「命からがら脱出」 タリバン兵に息子殺さ(毎日新聞)
◆ 09/23@9月24日付・編集手帳(読売新聞)
◆ 09/23@<米同時テロ>会見でムシャラフ大統領をけん制 元パISI(毎日新聞)
◆ 09/23@<反タリバン>代表者らが、伊亡命中の元国王とローマで会談(毎日新聞)
◆ 09/23@宗教による分断回避訴え 法王がカザフでミサ(共同通信)
◆ 09/23@国境に押し寄せる難民 医薬品や食糧の不足深刻(共同通信)
◆ 09/23@クリントン氏、ビンラディン氏殺害命令出すも失敗認める(朝日新聞)
◆ 09/23@タリバン攻撃は「援軍」 チェチェン抱えるロシア(共同通信)
◆ 09/23@テロ訓練キャンプを放棄か(共同通信)
◆ 09/23@3派連合で民主化期待 「タリバン後」描く米(共同通信)
◆ 09/23@タリバン弱体化を歓迎 親米政権は懸念、中国(共同通信)
◆ 09/23@<秘密作戦>ビンラディン氏の暗殺失敗を認める 前大統領(毎日新聞)
◆ 09/23@ビンラディン氏の暗殺失敗を認める クリントン前大統領(共同通信)
◆ 09/23@<アフガニスタン>底つく食糧、脱出もできず 残される“弱(毎日新聞)
◆ 09/24@<アフガン>米は「流血のゲーム始めるつもり」 オマル師が(毎日新聞)
◆ 09/24@アフガン元国王が「北部同盟」と会談へ (読売新聞)
◆ 09/24@<湾岸協力会議>報復攻撃への協力には触れず 外相会議声明(毎日新聞)
◆ 09/24@◎チェコ大統領、心臓の不調で緊急入院 (時事通信)
◆ 09/24@米、北部同盟を本格支援へ(読売新聞)
◆ 09/24@タリバーン、「聖戦」に30万人動員 全土に臨戦態勢(朝日新聞)
◆ 09/24@「連帯」系与党が歴史的敗北 ポーランド総選挙(朝日新聞)
◆ 09/24@<アフガン>国連特使が元国王と会談 国民統合の役割を期待(毎日新聞)
◆ 09/24@国連で調整をとイラン アラブ首脳と電話会談(共同通信)
◆ 09/24@民主的な暫定政府目指す 反タリバンの「北部同盟」 カゼミ(共同通信)
◆ 09/24@アフガン元国王へ接触相次ぐ 政権の今後にらみ各国(共同通信)
◆ 09/24@人体実験の277人判明 関東軍極秘文書を公開 中国公文書(共同通信)
◆ 09/24@国連スタッフの国際電話を禁止 タリバーン(朝日新聞)
◆ 09/24@ロシア国防相、基地使用などで電話協議 (共同通信)
◆ 09/24@国連特使が元国王と会談 アフガン和平で役割に期待(共同通信)
◆ 09/24@苦しんでパルマ初白星 「中田は成長」と監督(共同通信)
◆ 09/24@W杯でテロ対策強化を 韓国大統領(共同通信)
◆ 09/25@アフガンで最悪の難民危機、潜在的には550万人(読売新聞)
◆ 09/25@マケドニア国会、憲法改正案を大枠承認 (読売新聞)
◆ 09/25@米一極支配の強化を警戒 中央アジア権益維持を優先(共同通信)
◆ 09/25@◎マケドニア国会、改憲案を承認=和平プロセスは最終段階に(時事通信)
◆ 09/25@タリバン政権分裂目指す 断交進むと米長官示唆(共同通信)
◆ 09/25@米国の性急な武力行使に反対 イランとアラブ首脳が一致(朝日新聞)
◆ 09/25@<ロシア>米軍事報復作戦支援の方針を発表 プーチン大統領(毎日新聞)
◆ 09/25@タリバンがアフガン各地の国連施設を占拠(読売新聞)
◆ 09/25@ロシア大統領、米のアフガン軍事行動へ5項目の協力方針(朝日新聞)
◆ 09/25@<フランス>タリバン政権の資産をテロ発生前から凍結 仏当(毎日新聞)
◆ 09/25@国連事務総長、小泉首相にアフガン人道支援を要請(読売新聞)
◆ 09/25@◎アフガン住民保護で「あらゆる措置」を=国連諸機関が共同(時事通信)
◆ 09/25@領空通過は人道支援に限定 北部同盟には武器供与拡大 ロシ(共同通信)
◆ 09/25@国連中心に反テロ連合を アナン総長が演説(共同通信)
◆ 09/25@タリバンが難民支援要請(共同通信)
◆ 09/25@タリバンが国連事務所接収 通信機器など差し押さえ(共同通信)
◆ 09/25@チェチェン紛争で最後通告 ロ大統領がイスラム勢力に(共同通信)
◆ 09/25@報復やめ裁判で解決を 国際アムネスティ(共同通信)
◆ 09/25@<対米支援>パキスタンに医療部隊派遣 防衛庁検討(毎日新聞)
◆ 09/25@基地提供巡りパキスタンにジレンマ(読売新聞)
◆ 09/25@<クローズアップ>米英、隠密作戦すでに着手か 特殊部隊と(毎日新聞)
◆ 09/25@<テロ関連3法案>早期成立は波乱含み (毎日新聞)
◆ 09/25@パキスタン・ペシャワルにアフガンから新難民(読売新聞)
◆ 09/25@天声人語(朝日新聞)
◆ 09/25@<記者の目>同時多発テロと日本 小松浩(政治部)(毎日新聞)
◆ 09/25@<社説>イスラム世界 日本は欧米との橋渡しを(毎日新聞)
◆ 09/25@漂う難民、絶望の町 アフガンに接するパキスタンの町(朝日新聞)
◆ 09/25@次はイランと直接対決 アジアA組の首位サウジ(共同通信)
◆ 09/26@NATO部隊、アルバニア系武装勢力から武器回収完了(読売新聞)
◆ 09/26@<UNHCR>米が攻撃なら新たに150万人の避難民(毎日新聞)
◆ 09/26@<NATO>非公式国防相理事会始まる 米、テロ証拠開示か(毎日新聞)
◆ 09/26@民族衝突再燃の兆しも 首都で爆発事件続発 マケドニア(共同通信)
◆ 09/26@武装組織の火器回収終了 マケドニアでNATO(共同通信)
◆ 09/26@<マケドニア>民族解放軍の武器回収を完了 NATO(毎日新聞)
◆ 09/26@アラブ系学生の米国脱出相次ぐ(朝日新聞)
◆ 09/26@タリバン政権、国連現地職員に通信機材の使用を許可(読売新聞)
◆ 09/26@カブールで反米デモ、旧米大使館に放火 (朝日新聞)
◆ 09/26@ロシア批判撤回が参戦の条件(共同通信)
◆ 09/26@<UNHCR>米が攻撃なら新たに150万人の避難民(毎日新聞)
◆ 09/26@<アフガニスタン>北部同盟が攻勢 新たな火種にも(毎日新聞)
◆ 09/26@<アフガニスタン>旧米大使館群衆が放火 カブール(毎日新聞)
◆ 09/26@不穏分子の流入警戒 パキスタン州知事 (共同通信)
◆ 09/26@<アフガニスタン>元国王が米外交官と会談 (毎日新聞)
◆ 09/26@<NATO>非公式国防相理事会始まる 米、テロ証拠開示か(毎日新聞)
◆ 09/26@報復軍事行動への支援協議 NATO緊急国防相理事会(共同通信)
◆ 09/26@孤立の中、存亡の危機 首都制圧5周年のタリバン(共同通信)
◆ 09/26@報復軍事行動への支援協議 NATO緊急国防相理事会(共同通信)
◆ 09/26@<論外ですか?>”沈黙”が語る政治的意味は(毎日新聞)
◆ 09/26@国連総長がタリバンに警告(共同通信)
◆ 09/26@150万難民が流出と予想 UNHCR現地事務所(共同通信)
◆ 09/26@<国連事務総長>タリバンが人道支援の食糧奪ったと批判(毎日新聞)
◆ 09/26@実行犯11人は英に潜伏 1―6月に米国へ潜入(共同通信)
◆ 09/26@事件は抑圧への復しゅう タリバンの最高指導者(共同通信)
◆ 09/26@アフガン暫定政権を計画 元国王が米大統領に親書(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 09/22@<米同時テロ>米の攻撃遅れる? サウジが基地使用に難色(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】22日付の米紙ワシントン・ポストは、アフガニスタン攻撃で米軍が出撃拠点に想定するサウジアラビアが基地の管制センターをアフガン攻撃用に使うことに難色を示しているため、作戦開始が数週間遅れる可能性があると報じた。既に米軍の特殊部隊がアフガン周辺国に配置されたとの報道もあるが、強固な陸上拠点を作れずにいることや、アフガンの反タリバン連合(北部同盟)との連携の可能性も含めて、作戦立案にはなお時間がかかるとの見方が強い。
 ●外交日程
 米軍の攻撃開始時期については当初、「遅くとも9月中」との見方が強かった。ブッシュ大統領の20日の議会演説で、戦闘開始に向けた国内の環境作りは終わった。
 だが21日の米中外相会談で、25日から米中テロ対策専門家会合を開き、10月1日から3日間、米中人権対話を行うことが決まった。また大統領は同月15日ごろ、日本、韓国、中国訪問に出発。上海でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席し、中国公式訪問を経て同25日ごろ帰国することになっている。
 アジア歴訪の日程を変えないなら、なるべく早く攻撃を開始する必要がある。かといって中国との人権対話の直前または最中に攻撃を始めるかどうかは微妙で、「10月4日から数日内」が一つの候補になりそうだ。
 ●基地不安
 ポスト紙によると、米軍はサウジの首都リヤドから南東約110キロのプリンス・スルタン空軍基地を出撃拠点とする。しかし、サウジ側は6週間前に完成した合同管制センターの使用に難色を示し、米軍は他国の基地を使う選択肢も検討するなど、作戦計画見直しを迫られているという。
 サウジは湾岸戦争(91年)で米軍の一大拠点となったが、その後は米軍がイラク攻撃のために基地を使うことを渋り続けている。タリバン政権を承認しているだけに、米軍への協力は国内の政情不安につながると恐れているようだ。
 陸上基地がなくても巡航ミサイル攻撃や空爆は可能だが、特殊部隊による奇襲や地上作戦では、アフガン隣接国に拠点を設ける必要に迫られる。
 今のところ米軍の地上作戦用の基地貸与を公式に認めた国はない。米軍はまず空てい部隊でアフガン国内の空港を制圧し、兵員をピストン輸送するとの見方もあるが、もう少し時間をかけて周辺国を説得することも考えられる。
 ●容疑者はどこに
 米軍が作戦立案に慎重なのは、標的とするウサマ・ビンラディン氏の所在特定が難しく、同氏の組織「アルカイダ」とのゲリラ戦で、思わぬ苦戦を強いられる可能性もあるためだ。渓谷や岩山が多いアフガンで、1人の人間を捜し出すのは至難の業。武装組織の不意打ちにあう恐れもある。湾岸戦争の砂漠戦や、ユーゴスラビア空爆(99年)とは全く様相が違う戦闘になる。
 そこで浮上するのが、反タリバン連合との連携だ。ラムズフェルド国防長官は21日、地形に詳しく戦闘経験も豊富な勢力と連携するのは、米軍にとって有益との見方を示した。タリバン政権に対する一種の揺さぶりとはいえ、反タリバン連合を米軍の軍事作戦に組み込むことは十分あり得る。各国の後方支援態勢も固まったとは言えず、どの時点で攻撃を開始するか難しい判断になる。 [2001-09-22-20:30] 34
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 09/22@<マケドニア国会>憲法改正法案のうち3法案を初めて可決(毎日新聞)

 【ワルシャワ福井聡】マケドニア人紛争に関連し、マケドニア国会は21日、予定している15の憲法改正法案のうち3法案を初めて可決した。
 可決された法案は(1)「マケドニアはマケドニア人と他の少数派の国」と規定した憲法前文の削除(2)アルバニア語の議会での公用語化(3)アルバニア系住民多数派地域での人口比に見合った地方政府職員や警官への登用促進ーー。いずれも過半数を1票上回る小差で採択された。
 改憲審議は、個別の法案を審議・採択した後、最後に一括して再度投票し、3分の2の賛成で初めて改憲が正式成立することになっている。
 また、アルバニア系ゲリラ・民族解放軍の免責を認める法案については審議の議題にも上っておらず、調停に当たっている北大西洋条約機構(NATO)は懸念を強めている。 [2001-09-22-12:10] 35
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 09/22@<米空軍>ユーゴ空爆指揮した司令官がサウジ入り(毎日新聞)

 米紙ニューヨーク・タイムズは21日、99年のユーゴスラビア空爆を立案、成功させた米空軍第9空軍司令官のチャールズ・ワルド中将がアフガニスタン空爆を指揮するため、サウジアラビアの空軍基地に到着したと報じた。
 同司令官は米空軍の中東・南西アジア地域の作戦拠点となるサウジアラビアのスルタン王子空軍基地で指揮を執る。(ワシントン共同) [2001-09-22-10:05] 36
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 09/22@◎米中外相会談、対テロ協力で一致=人権対話も来月再開(時事通信)

 【ワシントン21日時事】パウエル米国務長官は21日、訪米した中国の唐外相と国務省で会談し、11日の同時テロに関する米中協力について話し合った。ワシントンで25日に両国のテロ対策専門家による協議を開き、「協力のあらゆる可能性を探る」ことで合意した。
 国務省当局者によれば、パウエル長官と唐外相はさらに、10月1−3日にワシントンで、両国間の人権対話を開催することでも一致した。人権対話は、1999年5月に米軍機が在ユーゴスラビア中国大使館を誤爆したため、同年1月を最後に中断。今年7月にパウエル長官が訪中した際、再開で合意していた。 [時事通信社][2001-09-22-09:47] 38
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 09/22@<資産凍結>ビンラディン氏などへの送金を禁止 日本政府(毎日新聞)

 政府は21日、タリバン政権関係者とウサマ・ビンラディン氏グループ計165人への国内からの送金を禁止するなど資産凍結措置を22日から講じることを決めた。政府が同様の措置を取るのは、今年2月にユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領関係者に発動して以来。タリバン政権関係者らに対しては、米英両国で既に資産凍結を実施している。「国内の金融機関にタリバン関係者の預金はほとんどない」(財務省)ため、日本の金融機関を通じたタリバン、ビンラディン氏グループへの資金援助を予防する意味合いが強い。
 資産凍結は、タリバン政権とビンラディン氏グループに対して措置を講じることを決めた国連安保理決議に基づき、財務、経済産業両省が22日に告示する。具体的には、アフガニスタン向けの送金全体を許可制とし、このうちタリバン、ビンラディン氏グループ向けを認めない。また、タリバン、ビンラディン氏グループとの預金、信託、貸し付けなどの契約を結ぶことを禁止する。 【岩崎誠】 [2001-09-22-01:35] 40
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 09/22@<ニュース展望>マケドニア紛争 多数派支配か少数派尊重か(毎日新聞)

 旧ユ―ゴのマケドニアで北大西洋条約機構(NATO)軍によるアルバニア系ゲリラ・民族解放軍の武器回収作戦が進んでいる。アルバニア系住民の地位向上を目指す憲法改正審議と並行して進められるが、国会の議席の過半数を占めるスラブ系議員強硬派による抵抗が続き、一進一退の綱渡り的展開が続く。背景には、過去半年のゲリラ紛争を経て決定的に対立してしまったスラブ系とアルバニア系住民の複雑な関係があり、「多数派支配貫徹か、少数派自治尊重か」が問われている。
 マケドニアの人口約220万人のうち、スラブ系住民が3分の2、アルバニア系が3分の1弱を占める。アルバニア系の出生率が高いため、将来の人口比接近が予想され、両民族による対立が水面下で続いてきた。
 アルバニア系住民は「スラブ系住民との間には経済格差があり、アルバニア語が公用語化されなければ国民意識が持てない」とし、スラブ系住民は「アルバニア系の主張を認めれば最終的には国家分裂に行き付く」「ゲリラ攻撃に譲歩した形の合意は認めない」と反発してきた。
 ゲリラは「アルバニア系住民の権利拡大」を掲げて武装蜂起、周辺地域への波及を恐れた欧州連合(EU)とNATOが説得を重ね、泥沼化寸前のところで8月13日、国会内の両民族政党による和平協定が調印された。協定は(1)アルバニア系住民が人口の20%を超える地域でアルバニア語を公用語とする(2)現在数%のアルバニア系警官数を23%に増加させる――などでゲリラの武装解除を進める一方、憲法を改正することになった。
 多民族国家をつくる過程で「主流派民族の言語に一本化するべきか、少数派民族の言語も尊重すべきか」は大きな分かれ道となる。言語と自治は密接に結びついており、ある少数民族の言語を公用語とすれば、その民族の自治権は格段に強まる。マケドニアの場合、従来主流派のマケドニア語(南スラブ語系)に一本化させようとしていたが、和平協定以降、「アルバニア系住民の多い地域では公用語として認める」と方針を転換したわけだ。
 これに、ロシアのプーチン大統領が、ロシア系住民の多いラトビアやエストニアでロシア語の公用語化が認められないことをあげ「少数派民族への対応で欧州全体として統一の基準を設定すべきだ」と異議を唱えた。
 少数白人支配の呪縛から解き放たれた歴史を持つ南アフリカでは、多数派黒人の少数部族に幅広い自治権を与える方向が大きな流れとなり、部族語を含め11の公用語が認められている。ソ連から独立したラトビアにとって、少数派とはいえかつての支配者の言語であるロシア語を公用語とするには抵抗がある。
 それぞれの国には個別の背景があるが、「国によってEUの対応が違う」とするプーチン大統領の主張にも納得できる面がある。公平と透明性は民主主義の大原則だからだ。
 マケドニアではアルバニア系の不利な現状は良く分かる。「分権の促進」が理想だが、両民族の対立の根深さと政府の財政基盤の脆弱さを見ると「分権すれば分裂に向かう」とするスラブ系の声も無視できない。
 94年の南ア全人種参加選挙後、多数派黒人(人口比約8割)の勝利によって少数派白人(同12%)が政治の表舞台から消えた。多数派支配は民主主義の原則だが、少数派尊重の視点が消えた点が気になる。
 今回マケドニアでは、少数派尊重が適用される一方、多数派支配の原則が揺らいでいる。両民族の比率が拮抗している場合、根本的な解決には時間がかかりそうだ。 [2001-09-22-00:25] 163
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 09/22@<社説>テロ資金源 金脈つぶしに積極的協力を(毎日新聞)

 国際テロ組織の資金源を断ち切るための国際協調体制が動き出した。日本政府が22日、同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏とその組織や、同氏をかくまうアフガニスタンのタリバン政権関係者を対象とする資産凍結措置を発動したのも、その一環だ。
 ビンラディン氏の資金ネットワークの詳細は明確ではない。サウジアラビア有数の建設事業で巨財を築いた父親が死去した際、13歳で8000万ドルの遺産を受け、その後にさまざまな投資で3億〜5億ドルに膨らませた。この個人資産をテロ組織の原資にしていると伝えられる。
 同氏が率いるテロ組織「アルカイダ」は、かつて拠点にしたスーダンに持ち株会社を保有し、傘下には銀行、輸出入商社、農産品企業、建設業など多様な企業がある(米議会調査局)。欧米や香港などの金融市場の銀行、証券界にも数多くの口座を持ち、麻薬や武器の密輸にも手を染めている疑いがある。今回も事件直前に株や為替の先物取引で巨額の利をあげた疑いが浮上している。
 同時テロは旅客機を武器に使うなど文明の利器を悪用したが、それだけではない。財政・金融の世界でも、市場原理を逆手にとってテロ活動の資金を肥やすという悪魔の手法がうかがわれる。
 こうした流れを断ち切ることは容易ではない。これまでに国連で12件のテロ対策諸条約が成立、主要国(G8)首脳会議、外相会議も、テロ資金封鎖を含む取り組みを繰り返し求めてきた。しかし、他の犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)と同様に、隠し口座の所有者、受益者の解明や、カネの出入りの特定には膨大な人手と時間がかかる。
 さらには、私たちの経済・社会を支えている私有財産権や市場原理、法治主義などの権利やルールにかかわる事態も起きかねない。テロ封じ込めという「戦い」の中で、正当な商活動、私権、自由がいわれなく侵害されることがあってはならないはずだ。
 だからといって、テロ資金源を断ち切る努力に及び腰でいることは許されない。米財務省は「テロ資金追跡センター」を設置し、警察・司法、各国当局との連携を強化した。顧客情報の守秘で知られるスイスでも、政府がビンラディン氏との関連が疑われる銀行口座の封鎖を発表、英国などでも同様の動きが続いている。
 軍事作戦面で日本政府ができる分野は限られているが、経済・金融分野ならば、日本は他の先進諸国と対等に力を発揮できる。各国当局との情報交換、欧米市場の日本の金融機関の出先や資本参加先の活動など、官民あげて協力できる道は少なくない。法に定められたルールに沿って、積極的に取り組んでほしい。
 現代のテロリストは、迷彩服に機関銃のイメージではとらえきれない。スマートなビジネスマンを装った敵の手で、私たちの経済活力が憎むべきテロの錬金術に悪用されている。 [2001-09-22-23:31] 165
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 09/22@アフガニスタンに飢餓のおそれ広がる 国内に難民多く(朝日新聞)

 同時多発テロに対する米国の軍事報復が予想され、緊張が高まるアフガニスタンで、飢餓のおそれが広がっている。国内で多くの難民が生まれたために通常の輸送手段が確保できず、支援物資が届かないからだ。支援に携わる国連や非政府組織(NGO)は「このような緊張状態が続けば、数百万人が影響を受ける」と指摘する。
 国連の世界食糧計画(WFP)によると、アフガンでは人口の約4分の1にあたる約550万人が、食糧など何らかの支援を受けており、WFPは約1カ月分にあたる1万5000トンの食糧を備蓄している。
 しかし、大量のアフガン人が国内外へ避難を始めたため、運転手やトラックなど国内の輸送手段が確保できず、備蓄食糧の配布や、新たな食糧搬入ができない状態にある。WFP報道官は「備蓄はあと数週間で尽き、約100万人が飢餓の危機に直面する」と予測している。
 国境封鎖により、商店に並ぶ食料品も不足。WFPに入った情報によると、北部の町マザリシャリフでは、小麦の値段が4割近く跳ね上がった。他の食料や生活用品も2割ほど値上がりした。
 国連などによると、アフガンでは内戦や干ばつにより、すでに90万人が国内で難民となっていたが、今回の事態でその数は110万人にふくれあがったという。
 東部の町ジャララバードでは「最初の攻撃の対象になる」とのうわさが広がり、人口の6割以上が町を離れたと伝えられている。商店は閉じ、無人の家屋が増え「町は死んだようだ」と言う。
 しかし、「お金も、行くあてもない極貧の人たちは、そこに残るしかない」(国連人道問題調整事務所のステファニー・バンカー報道担当)。
 一方、英国のNGOオックスファムは、アフガン人スタッフ170人から集めた情報として、東部のバダクシャン州や西部のヘラート州などで、食糧不足が最も深刻に心配される、とした。
 ジョン・フェアハースト・アフガニスタン事務所代表によると、国内は3年続きの干ばつに見舞われた。今年は特にひどい干ばつで、農作物の収穫量が平年の半分に落ち込んだ。食糧不足などから25%の子供が5歳未満で死亡する状態で、生活用水の不足や衛生状態の悪化も深刻という。
 同代表は「アフガンは今回の事件の前から、すでに危機的状況にあった。11月には厳しい冬がくる。それまでに十分な食糧や燃料を届けなければ大変なことになる」と訴える。[2001-09-22-23:07] 166
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 09/22@英警察、テロ協力者?4人を逮捕(読売新聞)

 【ロンドン22日=渡辺覚】ロンドン警視庁は21日、米同時多発テロ事件にからみ、ロンドンと中部バーミンガムで男性3人、女性1人の計4人を反テロリズム法違反容疑で逮捕したと発表した。
 4人の国籍や出身民族、詳しい容疑内容は明らかにされていない。ロンドン警視庁は、ハイジャック実行犯の一部が犯行前にロンドンに立ち寄ったとの疑いを強めており、4人はロンドン市内などで、実行犯の潜伏先を提供した疑いなどが持たれている。4容疑者のうち、ロンドン在住の2人は20歳代の夫婦で、犯行準備に主要な役割を果たしたと見られている。
 今回の捜査には、米連邦捜査局(FBI)が全面協力。特に夫婦の逮捕をめぐっては、FBIが氏名などを特定し、逮捕に結びついたという。[2001-09-22-22:53] 167
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 09/22@<アラブ首長国連邦>断交は、タリバンへの「拒否メッセージ(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】アラブ首長国連邦(UAE)のタリバン政権との断交は、タリバンがウサマ・ビンラディン氏を保護し続けることへのUAE、サウジアラビアからの「拒否メッセージ」でもある。もし、イスラムの盟主を自任するサウジまでがタリバンを捨てれば、イスラム社会の混乱は必至で、サウジはそうした事態に陥る前に、UAEの決定を通してタリバンに最後の圧力をかける狙いがある。
 UAEとサウジは97年初め、タリバン政権を承認。タリバンが両国と同じイスラム教スンニ派教徒の集団であり、イスラム教シーア派のイランが、反タリバン勢力(北部同盟)を支援していた事情が背景にあった。サウジは国内シーア派の反政府運動に苦しめられていたうえ、UAEはペルシャ湾のアブムサ島などの領有権をめぐりイランと対立。両国にとってイランは安全保障上の潜在的脅威になっていた。
 今回の同時テロでタリバンは21日、ビンラディン氏の身柄の米国への引渡しを拒否。サウジをはじめイスラム諸国には、ビンラディンの保護にこだわるあまり、テロを支援しているという国際社会の批判がタリバン政権や、タリバンと外交関係を持つUAEやサウジにも向くとの懸念があった。
 そうした事態回避のためにも、サウジやUAEはタリバンに対し、ビンラディン氏の身柄を引き渡すよう圧力をかけ、同時に西側諸国に対して、イスラム社会としてタリバンに圧力をかけ続けている姿勢を示す必要があった。今回のUAEの決定が、タリバンのビンラディン氏身柄引渡し拒否の決定直後に出てきたことでも、そうしたメッセージが含まれていることは明らかだ。
 今後、サウジ自身がタリバンに対してどう出るかが焦点になる。メッカ、メディナのイスラム2大聖地を抱えるサウジがタリバンと断交すれば、タリバン政権だけでなくアラブ諸国内のイスラム教徒は「アラブ諸国政府はイスラム教徒を裏切り、欧米社会にすり寄った」と反発する事態もありえる。
 その場合、対立の構図がテロ組織対国際社会からアラブ各国政府対イスラム教徒に変化してしまう危険がある。今回の断交は、そうしたアラブ・イスラム社会内の混乱を避けるためにサウジとUAEが先手を打ったものと考えられる。 [2001-09-22-21:45] 175
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 09/22@UAEがタリバンと断交 米特殊部隊が周辺国に展開(共同通信)

 【イスラマバード22日共同=福富正秀】アラブ首長国連邦(UAE)の国営首長国通信は二十二日、同国がアフガニスタンのタリバン政権との外交関係断絶を決めたと報じた。米中枢同時テロの最重要容疑者と米国が名指しするウサマ・ビンラディン氏の引き渡し説得工作が実らなかったためで、タリバン政権の承認国はサウジアラビアとパキスタンの二カ国だけとなった。UAEの決定について、タリバン側はコメントしていない。
 一方、二十二日付の米紙USAトゥデーは、米特殊部隊のアフガニスタン周辺国への配備が始まり、前線司令部が設置されたと報じた。UAEの断交でタリバンの孤立がさらに深まる中、報復攻撃をめぐる緊迫の度がさらに高まっている。
 首長国通信によると、UAE外務省当局者は「国際社会の明確な要求を拒絶する国との外交関係を維持することは困難になった。断交は本日をもって有効となる」と語った。
 UAEは国内にアフガニスタン系労働者が多い上、ペルシャ湾のアブムサ島領有権問題で対立するイランに外交圧力をかけるため、タリバンを正式承認してきた。UAEの断交は、米国のテロ撲滅キャンペーンに全面協力を表明しながらタリバン政権との外交関係を維持するサウジアラビアを微妙な立場に追い込みそうだ。
 二十二日付の米紙ワシントン・ポストは、サウジアラビアの米空軍管制施設を報復攻撃に使用することにサウジアラビアが難色を示しているため、米軍の作戦開始が数週間遅れることも懸念されると報じている。
 アフガニスタンでは、タリバン政権内の知識人団体「アフガニスタン科学アカデミー」などが窓口となり、国連のアナン事務総長に二十二日までにメッセージを送り、米国が軍事行動に踏み切らないよう働き掛けることを求めた。
 国営バフタル通信によると、メッセージでタリバンは「国際的テロに対する闘争に協力する」と約束。その一方で、今回のテロで米国は「証拠もなしに」ビンラディン氏に罪を着せていると非難した。
 アフガン・イスラム通信によると、二十一日にタリバン支配地域各地で行われたイスラム教の金曜礼拝では、聖職者が「米国が攻撃してくれば聖戦を」と住民に呼び掛け、抗戦の準備に取りかかるよう指示した。
 また、タリバン政権当局者は二十二日、同国北部で無人偵察機を撃墜したと発表した。(了)[2001-09-22-20:41] 176
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 09/22@<タリバン政権>聖職者会合の勧告拒否で米を非難 オマル師(毎日新聞)

 【イスラマバード小松健一】カブールからの報道によると、アフガニスタン・タリバン政権の最高指導者、オマル師のスポークスマンは22日、ウサマ・ビンラディン氏に自主的な国外退去を促すという聖職者会合の勧告を米国が拒否したことを強く非難した。そのうえで「米国が拒否姿勢を貫く以上、我々にはジハード(聖戦)しかない」と述べ、米国の報復攻撃に対しては徹底抗戦する姿勢を改めて強調した。
 一方で、アフガンの国営バフタル通信は、タリバン指導部が国連のアナン事務総長に対して「米国に攻撃回避を働きかけてほしい」と要請するメッセージを送ったと伝えた。メッセージはまた、ビンラディン氏のテロ関与の証拠を示さない米国を非難している。
 焦点のビンラディン氏の所在については依然不明だが、タリバン政権のムタワキル外相はAFP通信に「(同氏)がアフガンを去ったとの報告は受けていないが、どこにいるかは分からない」と語った。これに対して22日付のパキスタン紙「ドーン」は消息筋の話として、ビンラディン氏がタリバン本拠地のカンダハルから中部山岳地帯のウルズガン方面に移動した、と報じた。 [2001-09-22-20:35] 179
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 09/22@テロ資金の流れを追跡 FBIが重点捜査(共同通信)

 【ワシントン22日共同】米中枢同時テロ事件を捜査している米連邦捜査局(FBI)は、事件の重要容疑者ウサマ・ビンラディン氏とそのテロ組織アルカイダの実態と資金ルートの解明に全力を挙げている。
 組織の資金解明は、ブッシュ政権が宣言する「軍事、外交、情報、経済の各分野における対テロ総力戦」の勝利を左右する要素にもなりそうだ。
 米メディアによると、サウジアラビアの富豪の息子として巨額の相続を受けたビンラディン氏の個人資産総額は、数百万ドルとも三億ドル(約三百五十億円)ともいわれているが、正確な数字は不明。アルカイダの活動資金はビンラディン氏の資産のほか「黒い地下資金ネットワーク」を通じて調達しているとされる。
 十一日のテロ発生後、ビンラディン氏が大手保険会社の株を空売りするなどのインサイダー取引疑惑が浮上する一方、活動資金はテロリストがスーツケースに入れて現金で運ぶケースも多く、金の流れはベールに覆われている。
 アフガニスタンのタリバン政権を承認していたアラブ首長国連邦の銀行が、ビンラディン氏の資金運用の中心地とされる。
 二十四日発売のドイツ週刊誌シュピーゲルは、ビンラディン氏がルクセンブルクで資金洗浄(マネーロンダリング)を試みた疑いがあるとして同国当局が捜査していると報じた。
 今回のテロで民間旅客機を乗っ取った犯行グループは、フロリダ州にあるサントラスト銀行の九つの口座に合計数千ドルを預けていた事実が判明。犯行グループはアルカイダのテロ資金を使って飛行機の操縦訓練を受けていた疑いもある。
 司法省は米国の全金融機関に対しテロ関係者のすべての資金移動の記録提出を命令、同口座への送金元の解明を急いでいる。(了)[2001-09-22-20:08] 182
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 09/22@<憲法問題>集団的自衛権行使に反対が66% 毎日新聞世論(毎日新聞)

 「わが国は集団的自衛権を有しているが、憲法上の制約により行使できない」という政府の憲法解釈について、66%の人が「行使できないままにしておくべきだ」と考え、「行使できるよう変えるべきだ」の25%を大きく上回っていることが、毎日新聞が8月末から9月初めにかけて実施した憲法に関する世論調査(面接)で分かった。調査直後に発生した米国の同時多発テロでは、米軍の報復攻撃についてNATO(北大西洋条約機構)が集団的自衛権発動で合意。日本政府も協力要請を受けて後方支援を可能にする新法を作る方針だが、国民の多数が武力行使を伴う協力に否定的である現状で米軍にどこまで協力するのか、改めて議論を呼びそうだ。 
 自衛隊の海外派遣の是非を聞いたところ、「武力行使を伴わない国連平和維持活動(PKO)活動に限って認める」が43%で最も多く、「(PKOではなくても)補給や輸送など後方支援に限って集団的自衛権の行使を認める」は23%にとどまった。平和維持軍など「武力行使を伴うPKO活動も認める」は12%、武力行使を伴う集団的自衛権行使まで容認する人は4%で、双方を合わせた武力行使容認派は2割に満たなかった。「海外派遣は一切認めるべきでない」は1割だった。
 憲法を改正すべきかどうかと問うたところ、改憲派が43%で、護憲派の14%を大きく引き離した。ただし、「分からない」が40%にのぼった。改憲派と護憲派の比率は昨年の調査とほぼ同じ水準。改憲論点の多様化を反映したとみられる。
 改憲派に改正すべき点を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「首相公選制導入」で45%。「条文を分かりやすい日本語にする」「国民投票制導入」「国民の知る権利を明示する」なども上位入りし、改憲論議の重心が「9条・軍備」から「直接民主主義の拡大」に完全に移ったことを示している。 【高安厚至】
 集団的自衛権
 「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力で阻止する権利」と定義される。政府は「日本は国際法上、集団的自衛権を有するが、憲法9条が認める『必要最小限度』の範囲を超えるため、行使できない」(内閣法制局)という立場をとっている。 [2001-09-22-19:50] 192
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 09/22@国連に米への働き掛け要請 回避と準備の両面で動き タリバ(共同通信)

 【イスラマバード22日共同=福富正秀】米中枢同時テロをめぐる米国の報復攻撃の可能性が高まっているアフガニスタンでは、イスラム聖職者が米国に対する「聖戦(ジハード)」準備を各地で住民に訴えるなど報復を迎え撃つ対応が進む一方、攻撃回避に向け、タリバン政権の主要組織である知識人団体などを窓口に、国際社会へのぎりぎりの働き掛けも続けられた。
 ペルシャ湾岸のアラブ首長国連邦は二十二日、タリバン政権との外交関係断絶を発表。タリバンと外交関係を残す国はこれでパキスタンとサウジアラビアだけとなった。
 アフガニスタンの国営バフタル通信によると、タリバン指導層とアフガニスタン科学アカデミーは二十二日までに、国連のアナン事務総長にメッセージを送り、米国が軍事行動に踏み切らないよう働き掛けることを国連に求めた。
 メッセージは、あらゆるテロ行為を非難するとともに、タリバンは「国際的テロに対する闘争に協力する」と約束。その一方で、今回のテロで米国は「証拠もなしに」ウサマ・ビンラディン氏に罪を着せていると非難している。
 一方、アフガン・イスラム通信によると、二十一日にタリバン支配地域各地で行われたイスラム教の金曜礼拝では、聖職者が「米国が攻撃してくれば聖戦を」と住民に呼び掛け、米国に対する抗戦の準備に取りかかるよう訴えた。
 また、タリバン政権当局者は二十二日、同国北部で無人偵察機を撃墜したと発表した。
 米政府筋によると、タリバン政権の最高指導者ムハマド・オマル師が既に本拠地であるカンダハルを離れ、米国の自らに対する攻撃を避けるため身を隠しており、他のタリバン政権幹部も事態がさらに緊迫すれば同様の行動を取るとみられる。
 首都カブールからの報道によると、市民の多くが報復攻撃を予想して、家財道具をまとめて脱出する動きが続いている。
 タリバンは、パキスタンなど米国の攻撃に協力するイスラム教国への報復も示唆しているが、パキスタン国防省当局者は二十二日「(パキスタンとの国境地帯で)タリバン側に今のところ目立った地上部隊の動きはない」と指摘した。(了)[2001-09-22-16:43] 194
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 09/22@なぜドイツが拠点に? 経歴隠ぺいなどに最適か(共同通信)

 【ベルリン22日共同】米中枢同時テロの容疑者グループがドイツを拠点としていたのはなぜか―。ドイツ公安当局筋は、ドイツがテロリストの経歴を隠すのに最適な国だったためとみている。不正な資金を第三国経由で送金して出所を分からなくするマネーロンダリング(資金洗浄)と似た仕組みともいえる。
 その背景として同筋は、@中東との地理的な近さA約三百万人のイスラム教徒社会の存在B大多数の欧州諸国との間で出入国審査を免除しており一度入国すれば広範な移動の自由が得られるC比較的緩い警戒態勢―などを挙げた。
 同じ欧州諸国でも英国は厳しい出入国審査を行っており、北アフリカと直接海を隔てるフランス、イタリア、スペインなどは当局が中東系移民の流入に神経をとがらせ、テロリストの拠点には不向きだという。
 ドイツは語学や技術関係の高等教育も充実し、滞在中に市民権が得られれば米国などへの入国も容易だ。
 同時テロの航空機乗っ取り容疑者十九人のうち少なくとも三人はハンブルクの大学に在学歴があり、同市に住むモロッコ系ドイツ人の元学生が三人の生活の面倒を見ていたとみられ、いずれも長年ドイツに合法的に滞在、一市民として日常生活を送っていた。
 公安当局は、市民生活を送りながらテロ実行の機会を待つこうした活動家を「スリーパー」と呼んで警戒。同筋は、スリーパーの暗躍などを防ぐため国際的な捜査情報の交換が重要と指摘している。(了)[2001-09-22-16:09] 195
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 09/22@武力報復一辺倒に懐疑論 フランス知識人ら慎重さ求める(共同通信)

 【パリ22日共同】米中枢同時テロで、国際世論の大半が武力報復の容認に傾く中、フランスの知識人たちが相次ぎ懐疑論を表明している。西欧とイスラムの「文明間の衝突」という観点が前面に出過ぎて、対立と憎悪をあおる結果を招いており、慎重さを求める、というのが趣旨だ。
 フランスは政府高官の発言も、武力報復について「いくつかある対抗策の一つ」(リシャール国防相)と、反テロでは一致しながら、攻撃一辺倒の米国とは微妙な違いを見せている。
 フランス世論は、テロ発生直後は「新たな十字軍か」「世界がテロ根絶を願う」と武力報復を是認する論調が目立った。しかし十七日にブッシュ米大統領が「(最重要容疑者とされる)ウサマ・ビンラディン氏は生死にかかわらず逮捕する」と発言したころから、懐疑論が強まった。
 中でも、やり玉に挙がったのが、米ハーバード大のサミュエル・ハンチントン教授の著書「文明の衝突」に代表される西欧文明とイスラム世界の対決は必然であり、両者は理解し合えないという論調だ。
 雑誌「オリエント手帳」編集長のアントワーヌ・スフェイル氏は「『文明間の戦争』というプロパガンダは、一九八九年にビンラディン氏がアフガニスタンで対米闘争を呼び掛けた際に使った」として欧米諸国が同氏と同じ地平で発想することの危険性を指摘。
 アラブ世界への敵視は「共産主義に代わる仮想敵をつくらずにはいられない、米国が生んだ『漫画』だ」と切り捨てた。
 フランス国立行政学院のジェラール・シャリアン教授も、「文明の衝突」という観点は@一割の富裕層が所得の九割を握るアラブ世界の現実が生み出している内なる対立A西欧によるアジア、アフリカの植民地化など歴史的経緯Bエジプト、イランなどでの穏健派政権の成立―などを見過ごしており、イスラム世界や欧米との関係を説明するのに有効ではないと批判した。(了)[2001-09-22-16:08] 200
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 09/22@米がイランに“急接近”、テロおくやみの返信送る(読売新聞)

 【ワシントン21日=坂元隆】フライシャー米大統領報道官は21日の会見で、同時多発テロに関連して、米国がイランにメッセージを送ったことを明らかにした。米国はイランと断交状態にある上、イランをイラク、北朝鮮などと同様に「国際テロ支援国」に指定しており、メッセージの伝達は極めて異例。
 フライシャー報道官によると、メッセージはイラン政府が同時多発テロの犠牲者のおくやみのメッセージを米政府に寄せた返信だという。パウエル国務長官は「テロとの戦いに向けた協力のためならどのような機会でも探し求めたい」と述べ、アフガニスタンの隣国であるイランの重要性を強調した。
 メッセージの伝達経路は明らかでないが、イランで米国の利益を代表しているスイス政府を経由したとみられる。 [2001-09-22-14:24] 201
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 09/22@EU採択文書の要旨(読売新聞)

 欧州連合(EU)の緊急首脳会議が21日、採択した「EUの結論と行動計画」の要旨は次の通り。
 一、米国の同時多発テロの犯人を罰するため、EUは米国と密接に協力する
 一、米国の反撃は、国連安保理決議1368に基づき、正当である。EU加盟国は各国の手段に応じて、こうした行動を取る用意がある
 一、現在の逃亡犯引き渡し制度に代わる欧州共通の逮捕状導入やテロ定義の共通化で合意
 一、欧州内のテロリストや支援グループを特定し、EU共通のリストを作成する
 一、国連で包括的テロ防止条約を作成すべきだというインドの提案を支持する
 一、テロ組織の資金洗浄や資産凍結に関するEUの枠組みを数週間以内に策定する
 一、次回会議までに、航空機の操縦室への出入りを含め警備強化のために必要な方法を検討
 一、加盟国の外相は、対テロ闘争における関係国の対応を調整する
 一、今回のテロによる経済活動の鈍化が予想より大きいことが示された。加盟各国首脳は警戒を続けることで合意 [2001-09-22-14:06] 202
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 09/22@EU、米の軍事行動を承認(読売新聞)

 【ブリュッセル21日=鶴原徹也】欧州連合(EU)は21日夜、ブリュッセルで緊急首脳会議を開いて米同時多発テロへの対応を協議し、米軍事行動を承認する合意文書「EUの結論と行動計画」を発表した。
 EU内では、米軍事作戦をめぐり、英国が積極支援を表明し、フランスも同調する一方で、ドイツを中心に慎重論があったが、緊急首脳会議はEUとして一歩踏みだし、米軍事作戦への理解と支援を鮮明にしたと言える。
 会議は「EUの結論と行動計画」で「米国の反撃は、国連安保理決議1368に基づき、正当である」と表明、「EU加盟国は各国の手段に応じて、こうした行為(軍事的支援を含むテロ対策)を取る用意がある」とした。安保理決議1368は、テロの翌12日に採択されたもので、今回のテロを「国際社会の平和と安全に対する脅威」と非難した。一方、EU15か国のうち11か国が加盟する北大西洋条約機構(NATO)は同日、今回のテロが国外から指令されたことが確認され、米国から要請があれば、NATOは集団的自衛権を行使できるとの結論を下していた。
 EU首脳会議が「反撃は正当」と表現したのは、アフガニスタンに潜伏するとされるイスラム原理主義過激派指導者ウサマ・ビンラーディンが今テロの黒幕であるとの確信をEUが得たことを意味する。その上で、EUとして米国の対アフガン作戦に政治的な同意を与えたと言える。ブレア英首相は会議に先立ち、「我々はテロ行為に責任がある人々を知っているのに、何もしないのは、無責任だ」と語った。ただ、「結論と行動計画」には、EU諸国が軍事作戦に加わるかどうかは明記していない。 [2001-09-22-13:56] 203
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 09/22@<ロシア>プーチン大統領 「米国と共同行動の用意」(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】ロシアのプーチン大統領は21日、ドイツ公式訪問を前に独マスコミのインタビューに応じ、対米同時多発テロ事件に関して「ロシアは広い意味で、テロ対策で米国と共同行動をとる用意がある」と表明。「情報機関同士は既に協力し合っている」と述べた。
 米国の軍事作戦への参加については「いつ、どのような規模で行うのか具体的な提案を見てからにしたい」と、必ずしも完全拒否ではないとの立場を示したが、ロシア軍派遣には「連邦会議の承認が必要であり、第3国への派遣は国連安保理決議が必要だ」と語った。また、米国は作戦決定にあたりロシアやその他の先進国とも協議すべきだと注文をつけた。
 プーチン大統領はテロ事件後、米国民との連帯意思を表明したが、具体的な支援・共同行動については沈黙を守り、今回の発言が事実上、初めての立場説明となった。大統領の発言は慎重ながらも、軍事作戦を容認もしくは限定的参加の姿勢を示したものと言える。 [2001-09-22-13:35] 205
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 09/22@9月22日付・よみうり寸評(読売新聞)

 アフガニスタンの北部を「大月氏」と呼ばれる人々が占めていた時期がある。二千年以上前のことだ◆遊牧民族「匈奴」に中国西部の故地を追われ、この地に建国した。ある日、遠く三千キロも離れた中国、漢から使者がやってくる。漢も同じように匈奴の脅威にさらされていた。「匈奴にひどい目にあったそうだが、わが漢と組んで、挟み撃ちにしないか」◆この時期より少し前、中国の戦国時代に「遠交近攻」策という計略が唱えられたことがある。遠い国とよしみを通じ、近い国を攻める。この策の忠実な実践だったろう。つまり、敵の敵を味方に◆今、対米同時多発テロを巡って米国と対立を深めるアフガンの勢力も、かつて、その米国の支援を受けていたことがある。互いに旧ソ連という敵の敵だったからだ◆歴史の皮肉と言ってしまうのは簡単だが、いつの時代も変転きわまりないのが、厳しい国際政治の現実だと考えた方がいい。ただし、今度ばかりは違う◆テロリストのもとに「漢」がやってくる気配はない。敵の敵も、見渡す限りすべてが敵と言っていい。 [2001-09-22-12:28] 206 [このページの最初に戻る]


 09/22@NYで反戦活動家ら300人が平和的解決訴えデモ(読売新聞)

 【ニューヨーク21日=石井一夫】テロリストとの戦いに向け、米国社会が一丸となる中、21日夕(日本時間22日朝)、ニューヨークに反戦活動家ら約300人が集まり、「平和的解決」を訴えた。「民族主義的な戦争に抵抗しよう」「第3次世界大戦によって、我々は安全になるのか」などと記したプラカードを掲げ、ブロードウェー沿いにタイムズ・スクエアまでデモ行進した。 [2001-09-22-12:26] 209 [このページの最初に戻る]


 09/22@<米同時テロ>米中外相がテロ対策で一致 (毎日新聞)

 【ワシントン布施広】訪米した中国の唐家セン外相は21日、パウエル国務長官と会談し、「テロは両国共通の脅威」との認識で一致、テロ対策の米中専門家会合を25日にワシントンで開くことで合意した。同時多発テロ事件後、仏、露、英の首脳や外相が相次いで訪米し連携を表明しており、米国は報復攻撃に向けて、国連安保理常任理事国の間での当面の根回しを終えたことになる。 
 その他の主要国については、ブッシュ大統領は24日にカナダのクレティエン首相、25日には小泉純一郎首相と会談する。
 アフガニスタンに隣接する中国は、同時テロの容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏やタリバン政権に関する有力情報を持つものとみられる。情報提供は米側の軍事作戦立案に有益だが、唐外相は具体的な協力事項には触れず、特に軍事面での協力は話題に上らなかったという。
 パウエル長官と唐外相は、米軍機の在ベオグラード中国大使館誤爆事件(99年5月)を境に凍結された人権対話を、来月1〜3日にワシントンで再開することでも合意した。唐外相はブッシュ大統領とも会談した。
 ブッシュ大統領は来月上海で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を機に中国公式訪問を予定。唐外相は米中首脳会談の準備も兼ねて訪米した。共同会見で、唐外相は「中国はあらゆる形態のテロに強く反対する」と述べ、テロ問題に関して米国と緊密に協議する意向を示した。 [2001-09-22-11:50] 210
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 09/22@緊急EUサミット、米へ支持と連帯表明(朝日新聞)

 欧州連合(EU)加盟15カ国の緊急首脳会議が21日、ブリュッセルで開かれ、アフガニスタンなどを想定した軍事力行使の準備を進めている米ブッシュ政権への支持と連帯を表明するとともに、国際テロ組織を壊滅させるため、資金源の監視強化やテロ組織のリストアップなど米欧間の同盟協力を強化することで合意した。
 英仏、ドイツなどは、すでに北大西洋条約機構(NATO)を通じて、米国の軍事行動への支持を打ち出しているが、各国首脳は、国際テロ組織やそれを擁護する国に対抗する米国の行動は国連安保理決議1368に基づく正当なものだとの認識を一致して示した。ただ、声明は支援行動の中身には触れず、軍事行動を含め、どのような支援策を取るかは各国の判断にゆだねた。
 首脳はまた、狂信的なテロリストとアラブ世界全体とを同一視してはならないとし、ロシアやアラブ諸国に対しても反テロ陣営への参加を促すよう求めた。とりわけ米国がおざなりにしてきた中東和平の進展を促したほか、アフガニスタン難民への支援の必要性をうたった。
 テロ撲滅への具体策として、声明は、(1)欧州域内の共通逮捕状など、司法警察協力の強化(2)不正な金融取引や株のインサイダー取引の監視強化(3)疑わしい銀行口座など資産凍結措置の強化(4)各国当局間の情報交換−−などをあげた。軍事作戦の短期的な成果への関心が国際社会で強まる中で、あえて、中長期的なテロ対策の必要性を強調している。
 首脳会合と並行して、ベルギーのリエージュで開かれたEU財務相会合は、テロ事件によって、欧州経済への影響は避けられないが、欧州経済の基盤は強く、金融政策や減税によって、内需回復の条件は整っているとの見通しを示した。[2001-09-22-11:09] 211
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 09/22@中国外相、対テロで米国に協力表明(朝日新聞)

 訪米中の唐家セン・中国外相は21日、ブッシュ大統領、パウエル国務長官と個別に会談した。外相は長官との共同記者会見で、国際テロ対策について「協調行動を強化することで合意した」と述べ、米国への協力を表明した。両国は25日にテロ対策担当者同士の協議をワシントンで開くことで合意。米中双方を悩ますイスラム過激派組織に対して、情報交換などで共闘態勢を組むことになった。
 唐外相は会見で、「我々はいかなる形のテロも強く非難する」と強調、大統領との約20分間の会談でも「テロ組織と戦う決意を繰り返した」(ホワイトハウス報道官)という。米中テロ協議では組織の活動や資金の流れなどの情報を交換。長官は「あらゆる方策を検討する」と語った。
 中国の新疆ウイグル自治区では、イスラム系少数民族の分離・独立運動が活発化。近接するアフガニスタンのオサマ・ビンラディン氏の組織が支援しているといわれ、この地域の地理や組織に通じた中国当局の情報提供を米国は求めている。
 ただし中国は米国の武力行使は警戒している。この日の外相会談についてパウエル長官は「軍事面で外相に意見を求めなかったし、中国側も共同行動をとる意向は示さなかった」と表明。今後の軍事作戦では距離を保つことを示唆した。
 一方、両国は当面、ブッシュ大統領の10月の初訪中を予定通り行うことを確認した。外相は、米中首脳会談について「両国関係に重要で、長期的な影響を持つとの見方で一致した」と述べた。両国はこのほか、99年の在ベオグラード中国大使館爆撃事件以来中断している人権対話を10月1〜3日、ワシントンで開くことでも合意した。[2001-09-22-10:50] 219
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 09/22@周辺国は難民受け入れを アムネスティ(共同通信)

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(ロンドン)は二十一日、米中枢同時テロの報復を恐れた大量のアフガニスタン人が家を捨て国境へ向かっている問題で「(隣国の)パキスタン、イラン、タジキスタンは国境を開け、難民を受け入れなければならない」と訴えた。
 アムネスティはさらに「難民受け入れ費用については、国際社会が援助すべきだ」と主張している。
 既に数百万人の難民を抱えるパキスタンは十七日以降、国境を閉鎖したが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との交渉で、受け入れに渋々前向きな回答をした。
 ラフモノフ・タジク大統領は二十日「難民に紛れてテロリストが進入する可能性もある」と述べ、難民流入を阻止する考えを示した。イランも国境を閉鎖したとされている。(共同)(了)[2001-09-22-08:47] 221
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 09/22@◎ビンラディン氏殺害でも解決にならず=ネットワークは残る(時事通信)

 【サンパウロ21日時事】ホルブルック前米国連大使は21日、ブラジルのテレビとのインタビューで、米国で11日に起きた同時テロについて、首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏が米国に引き渡されたり殺害されたりしても、問題は解決されないとの厳しい見方を示した。
 今年1月に国連大使を退いたホルブルック氏は、「(米国の報復措置などで)ビンラディン氏が死亡したとしても、彼が作り上げたネットワークは生き残るだろう」と語った。 [時事通信社][2001-09-22-08:36] 222
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 09/22@米から要請あれば検討 軍事支援でロシア大統領(共同通信)

 【モスクワ21日共同】二十一日のインタファクス通信によると、ロシアのプーチン大統領はドイツ・マスコミとのインタビューで、米中枢同時テロに対する米国の報復攻撃へのロシアの軍事協力について、要請があれば「時期や規模など具体的な内容を検討する」と述べ、何らかの軍事支援の可能性に含みを残した。
 大統領はさらに第三国へのロシア軍派兵について「国連安全保障理事会の決定が不可欠」と指摘。今後、武力行使容認の安保理決議が出た場合、検討する可能性も示唆した。
 コテンコフ下院担当大統領全権代表は同日、ロシア軍が国外で戦闘作戦に参加することはないとしたが、軍事専門家による技術的支援を提供する可能性は排除しないと述べた。
 大統領は「現在の状況が大規模な戦争に発展することはない」と指摘。間接的に米国に、報復の枠を超えた大規模な軍事作戦を展開しないよう警告した。
 クワシニン・ロシア軍参謀総長は十九日、ロシア軍が米軍事作戦に加わる意思はないと言明していた。(了)[2001-09-22-08:30] 223
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 09/22@報復行動に参加の用意 EU各国 緊急首脳会議が総括文書(共同通信)

 【ブリュッセル21日共同=大西史郎】米中枢同時テロで、欧州連合(EU)は二十一日夕、ブリュッセルで緊急首脳会議を開き、米国の報復攻撃の正当性を認め、加盟各国がそれぞれの能力に応じて米国の行動に参加する用意があるとする総括文書を採択した。
 文書は一方で、報復攻撃について目標を正確に特定して実施すべきだとも指摘。国際テロと戦う幅広い連合には、ロシアやアラブ諸国の参加を得た上で国連が主導すべきだと強調するなど、米の「独走」の可能性に懸念も表明している。
 北大西洋条約機構(NATO)は、テロは集団的自衛権を定めたNATO設立条約第五条の適用範囲であるとして、米国の要請があれば、武力行使を含めて支援すると決定している。
 EU諸国の多くはNATOにも加盟しているが、今回の決定は「EUの一致した明確な対米支援」(議長国ベルギーのフェルホフスタット首相)への決意を表明するものとなった。
 報復の対象にはテロ集団を支援したりかくまったりする国も含めるとし、アフガニスタンなどが対象となることを示唆した。
 一方で、イスラム過激派のテロの原因である中東和平プロセスについて、EU独自の和平努力を開始する方針を明らかにし、テロ対策はテロが生まれやすい地域の国々との政治対話に支えられるべきだと強調するなど、政治的努力を重視するEUの姿勢を再確認した。
 EU域内のテロ対策として、テロリストに対するEU共通の逮捕状発行やテロ組織メンバーの共通リスト作成、テロ集団の資金断絶対策などの「行動計画」を採択した。(了)[2001-09-22-08:14] 225
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 09/22@イスラム過激派、日本入国は9国・地域の16人(読売新聞)

 米国の同時多発テロに関連して、米国情報機関から警察庁に寄せられたイスラム原理主義過激派の入国情報は、チュニジア人をリーダーに、イラク人、フィリピン人、スーダン人、パレスチナ人など9か国・地域の計16人にのぼっていたことがわかった。これらの名前での入国記録はなかったが、警察当局では、偽造パスポートなどで密入国した可能性もあるとして、全国の警察本部に徹底警戒を指示している。
 14日の通報は、チュニジア人のリーダーの名前を挙げ、「イスラム原理主義過激派の13人のグループがパキスタン経由で日本に入国したか、今後入国する可能性がある」という内容だった。17日には第2報があり、追加のメンバーを含め、リーダー以外の15人の名前と国籍などを示した情報が寄せられた。
 それによると、メンバーの国籍はサウジアラビア、アルジェリア、スーダン、フィリピン、イラク、パレスチナがそれぞれ2人。アフガニスタン、イエメンが1人ずつで、残り1人は国籍不明とされていた。イラクとイエメン国籍の2人は37歳と27歳で、生年月日と旅券番号も記されていた。
 これらの国にはイスラム原理主義過激派の組織があるといわれている。サウジアラビアでは、米軍施設を標的とする「湾岸のトラ」、スーダンでは5千から1万人の兵力を有する「民族イスラム戦線」、フィリピンでは「アブ・サヤフ」がそれぞれ爆弾テロなどを繰り返している。
 これらのテロ組織は国境を超え、世界的なネットワークを築き上げており、今回、日本に通報があったグループも複数の国のメンバーで編成されていた。警察当局では、これらのメンバーが国内の米軍施設を狙ったテロを仕掛ける可能性もあるとみて、入管当局とともに警戒を強めている。 [2001-09-22-03:04] 227
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 09/22@外務省、アフガン国境に退避勧告(読売新聞)

 外務省は21日、海外危険情報を出し、パキスタンのアフガニスタン国境から100キロの範囲に「退避勧告」を出したほか、新たに13か国を「注意喚起」地域として指定するなど、計20か所の危険度を引き上げた。危険度が引き上げられた地域は以下の通り。
 ▽「渡航延期勧告」 トルクメニスタンの一部
 ▽「注意喚起」 サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、ヨルダン、チュニジア、モロッコ、モーリタニア、ガーナ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、イランの一部、スーダンの一部、セネガルの一部、タンザニアの一部、南アフリカ共和国の一部 [2001-09-22-02:16] 228
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 09/22@資金面でも「ビンラーディン包囲網」(読売新聞)

 米国の同時多発テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビンラーディンを保護するタリバン政権の関係者に対し、日本政府が21日夜、明らかにした資産凍結措置。その対象には、ビンラーディン本人も含まれていた。サウジアラビアの富豪出身のビンラーディンは、ばく大な資金を世界各地の銀行口座に保有、イスラム過激派の黒幕的役割を果たしてきた。米国による軍事行動の準備が進み、緊迫の度を増す中で、資金面でもビンラーディンへの包囲網ができつつある。
 テロ組織の実態に詳しい大泉光一・日大大学院教授(危機管理論)によると、世界から孤立しているタリバン政権は、武器調達などの資金をビンラーディンに頼っているというのが、欧米の研究機関の一般的な見方だ。ビンラーディンは、非合法な取引をする企業を含めて世界各国で7、80社を経営し、欧米を中心に株式投資で相当な利ざやを稼いでいるという。金融専門家を置き、インターネットなどで指示を出していたとの情報もある。
 大泉教授は「日本でも何らかの投資をしていたことは十分考えられる。世界各国で資産を緊急に調べ上げて凍結しなければ、テロの連鎖は防げない」と指摘している。
 米紙の報道などによると、ビンラーディンの父親はイエメンからの移民で、サウジアラビア政府に食い込み、一代でサウジアラビア有数の企業グループを育て上げた。ビンラーディンは数千万ドルの遺産を受け継ぎ、それを3億ドル近くにまで増やしたと言われている。一方で、「それほど資産があるわけでなく、テロ実行犯らは切り詰めた生活を強いられていたのではないか」という指摘もあり、実態は不透明だ。
 ビンラーディンはテロ事件への関与を疑われてサウジ国籍をはく奪され、拠点を置いていたアフリカのスーダンで、農場経営や道路建設などの企業を展開。親族が経営するサウジアラビアの「ビンラーディン・グループ」は、ビンラーディン本人とは無関係としているが、「内部に協力者がいるのでは」との見方もあり、同社との取引を見直す米企業も出ている。
 ビンラーディンやその支持者はスーダンやロンドン、アラブ首長国連邦、ウィーン、香港などに銀行口座を持ち、中東特有の非公式の金融ネットワークも利用していたという。
 米財務当局ではテロ後、スイスの銀行などにビンラーディン関連の秘密口座がないかどうかの調査に乗り出した。米国内の銀行も、米連邦捜査局(FBI)が事件との関与を調べている人物の口座の存在などを調査中。英国の大手銀行はすでに、ビンラーディンにつながると見られるロンドンの休眠口座を凍結した。
 ◆大量空売り疑惑、国内でも本格調査◆
 証券取引等監視委員会は、米同時多発テロの発生前後に、ビンラーディンの関係者が株価急落を見込んだ証券取引を欧米市場で行い、巨額の利益を上げた疑惑について、日本国内でも不審な取引がなかったか調査に着手している。
 米捜査当局関係者によると、ビンラーディンらが、テロの数週間から数日前にかけ、テロの影響で株価が下がると予想される航空会社や保険会社などの株式を大量に空売りした疑いがあるという。空売りは証券会社などから借りた株を売り、値下がりした時に買い戻すことで差額を稼ぐ手法。
 東京株式市場でもテロ発生から一夜明けた12日、日経平均株価が17年ぶりに1万円の大台を割り込むなど大きく下落した。このため、監視委は「事前にテロの時期を知って売り注文を出していれば、日本の市場でも大きな利益を得ることができた」と判断。証券取引の審査部門を増員したほか、東京、大阪証券取引所にも協力を要請。国内の金融機関などを介して、不審な注文がなかったかどうか解明を急いでいる。
 ◆タリバン関係資産、日本では未確認◆
 財務省国際局の幹部は、「金融機関から非公式に得た情報では、タリバン政権関係者やビンラーディン一派の資産や送金は国内ではまだ確認されていない」と話した。送金などを許可制としたが、タリバン政権関係者らへの送金が届け出られた場合の対応について、「許可しない」と明言した。 [2001-09-22-02:16] 234
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 09/22@アフガンは買いだめで食糧急騰、数百万人飢餓も(読売新聞)

 【イスラマバード21日=大内佐紀】「米軍の攻撃に備えた買いだめで小麦の値が2日で3割も上がった」 「脱出しようとする人が、数少ないトラックやバスなどに殺到している」 米軍の攻撃の可能性が高まるアフガニスタンで、市民が逃げまどい、食糧事情が悪化していく状況が、同国に残った国連機関の現地スタッフから、イスラマバードの同僚に無線を通じて伝えられている。
 世界食糧計画(WFP)イスラマバード事務所のハレド・マンスール報道官によると、アフガン南部の町カンダハルの現地スタッフから、「一般市民の10人に3人は町を捨てた」との報告が入った。もともと数少ないトラックが人々の移動に使われ、食糧の輸送も難しくなっているという。
 首都カブールからは、タリバンが姿を消せば、「秩序が崩壊し、強盗や殺人が増えるかもしれない。シャッターを閉めた商店も増えている」と伝えられた。
 北部マザリシャリフでは、17日に1キロ当たり約3万アフガニだった小麦の値段が、19日には約4万6000アフガニに急騰した。「人々が乏しい蓄えを買いだめに使うからだ」という。
 WFPによると、アフガニスタン全人口の約4分の1にあたる推定550万人が食糧支援を必要としており、このうち約380万人を最初の支援対象にする方針だった。しかし、情勢が緊迫する中、国連は13日までに同国内で活動する外国人職員80人を全員パキスタンに避難させた。このため、人手やトラックが確保できなくなり、当面は支援対象を寡婦や子供など、最もぜい弱な約90万人にしぼらざるを得ないという。
 だが、WFPがアフガニスタン国内に貯蔵する小麦は約1万5000トンで、数週間しかもたない見通しだ。「在庫が底をつく前に、支援食糧を運びこむルートが確保されないと、同国は飢餓状態に陥ることになる」とWFPでは危機感を募らせる。同国では、ただでさえ、4年前から干ばつが続き、市民が草やイナゴを食べる姿が目撃されていた。
 国連食糧農業機関(FAO)も、軍事行動が始まれば、数百万人が飢餓に直面すると予測している。 [2001-09-22-00:56] 235
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 09/22@サウジアラビア、中国も米国支持を表明(読売新聞)

 【ワシントン21日=貞広貴志】ブッシュ米大統領は20日、サウジアラビアのサウド・アル・ファイサル外相と会談した。サウド外相は会談後、「能力の及ぶ限り、テロへの戦いで全面協力する」と語り、サウジ国内にある基地提供などで協力する意向を示した。さらに、サウジが外交関係を持つタリバン政権がテロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディンの身柄を引き渡す可能性について、「希望はある」と述べた。
 また、チェイニー副大統領と会談した中国の唐家セン外相は、記者団に対して、「中国は米国や国際社会と共にテロ撲滅への協力を強める用意がある。同時に国連安保理が本来の重要な役割を発揮するようにしなければならない」と語った。(「セン」は「王」ヘンに「旋」) パウエル国務長官と欧州連合(EU)議長国ベルギーのルイ・ミシェル外相も同日会談し、「米国とEUは今後何か月かにわたり広範に連帯し、テロの悪と戦う」とする共同声明を出した。 [2001-09-22-00:51] 240
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 09/22@パキスタン全土で反米デモ 大統領を「裏切り者」と非難(朝日新聞)

 米国での同時多発テロに対するアフガニスタンへの報復攻撃への動きをめぐって21日、パキスタン各地でイスラム原理主義の宗教団体や政党が主導する反米デモが行われた。デモ隊は、米ブッシュ政権に協力姿勢を示しているムシャラフ大統領に厳しい批判を浴びせた。カラチでは警官隊が発砲し、死傷者が出た。今後、米軍がパキスタン領から出撃するような場合、国内外の過激派によるテロや反政府暴動も懸念され、米軍の動静はムシャラフ政権の基盤を揺るがしかねない。
 人口1200万の南部の商都カラチでは、朝からタリバーンと同じ民族のパシュトゥン人を中心にした約3万人の反米・反政府デモがあった。
 暴徒化したデモ隊に対する警官隊の発砲などで、マドラッサ(宗教学校)の神学生ら4人が死亡、10人が負傷した。デモ隊は「ブッシュ米大統領のタリバーン敵視や攻撃は許せない」「オサマ・ビンラディン氏に勝利を」と叫び、ブッシュ大統領の人形や星条旗、タイヤなどを路上で燃やして気勢をあげた。
 アフガン国境、北西辺境州のペシャワルでは、約7000人がデモに参加。口々に「ジハード(聖戦)だ」と叫び、対米協力を表明したムシャラフ大統領にも「裏切り者」「米CIAの手先」などと容赦なく非難した。
 デモ主催者は商店に抗議ストライキを強要。営業中の店を見つけると、店の壁を棒でたたき、大声で怒鳴って、強引に店を閉めさせた。政党関係者以外の参加者も目立ち、教師のムハマド・カミルさん(46)は、「明確な証拠を示さずに犯人扱いして引き渡しを求める方が常識外れ。対米協力に応じる政府もどうかしているよ」と話した。
 やはりアフガン国境のクエッタでもパシュトゥン系民族がデモをした。 首都近郊ラワルピンディでは約2000人がデモをした。「アフガン問題が終わったら、パキスタンは米国に見向きもされなくなる」。イスラム協会の呼びかけで参加したデモ隊は「オサマは英雄。ユダヤ人は最悪のテロリストだ」などと、反米とビンラディン氏擁護のスローガンを叫び行進した。
 モスクのすぐ近くで宝くじ店を経営するマンスール・エハメットさん(32)は「イスラムは本来平和主義。私は扇動的なことは嫌い。店を閉めて、昼飯を食って帰るよ」とうんざり気味に話していた。[2001-09-22-00:31] 244
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 09/22@<近聞遠見>「一人武者」と言われて 岩見隆夫(毎日新聞)

 予期せぬ災難が降りかかると、政権は引き締まる。あるいは、はずみがつく、と言われてきた。そうならざるをえない、ということでもある。
 しかし、必ずしも当たっていない。6年前、阪神・淡路大震災とオウム真理教事件のダブルパンチを食った村山政権は、結束して立ち向かった。が、10年前の湾岸戦争では、海部政権があわてふためき、失速している。
 テロ・ショックの小泉政権はどうか。
 「もっと悪いことが起きたから、小泉さん元気じゃないか」
 と自民党の某長老は、いくらか皮肉も込めて言う。もっと悪い、というのは、失業、マイナス成長、株価急落、大型倒産と最悪状態に陥りかけていたところに、それを圧倒するような衝撃に見舞われたから、ということだ。
 日経平均株価の1万円割れも、あれもこれも、テロのせい、がまずあって、まぎらわしい。その分、小泉純一郎首相は救われている、と。下司(げす)の勘ぐり的筆法ではあるが。
 ところで、小泉は、米軍の報復攻撃を後方支援するため、
 「自衛隊を派遣する」
 と宣言して、歴史に名をとどめることになった。湾岸戦争では、海部俊樹首相が、
 <自衛隊を海外に送った最初の首相>
 と記憶されることに逡巡(しゅんじゅん)があり、自民党内も一様でなかった。派遣のための国連平和協力法案を審議する特別委の委員長には加藤紘一が就いたが、加藤も成立に熱心だったとは言えない。
 だが、今回、湾岸戦争をしのぐ超大型テロに日本の政界はたじろぎ、自衛隊派遣の慎重・消極論は口にしにくい空気になっている。首相OBの一人は、福田康夫官房長官に、
 「日本人も殺されたのだから、自衛隊が動くのは当たりまえだろう」
 とアドバイスしたという。一つの名分であり、そうなれば、米軍支援だけでなく、日本としての報復意図も加味されるわけだ。
 緊急事態におけるトップリーダーの決断は、いつも孤独で悩み深い。戦後もいくつかの場面があった。
 朝鮮戦争のぼっ発は1950年6月25日。たまたま対日講和条約の準備で来日していたダレス米国務省顧問は、日本の再軍備を執ように求めたが、吉田茂首相は、
 「いまの日本はヒョロヒョロのやせ馬だ。重荷を背負わせると、馬自体がまいってしまう」
 と受け入れを拒んだ。吉田側近はのちに、
 「あの方くらい米側から煙たがられた首相はいない」
 と振り返っている。
 また、キューバ危機がある。62年10月22日、米ソ核戦争か、と世界がおののいた。翌日、ライシャワー駐日米大使が池田勇人首相の私邸を訪ね、日本の全面支援を求めるケネディ大統領の親書を手渡す。池田は政府・外務省の首脳会議を招集する。
 「国際条約の慣例からいって、アメリカに制約されることはない。日本の自主性で行動すればよいのでは……」
 と慎重意見が出されたが、池田は一瞬、苦悶(くもん)の表情をしたあと、
 「国際条約も大切だが、いまはケネディの考え方を是認しなければなるまい」
 と指示すると、黙って部屋を出ていったという。
 87年のイラン・イラク戦争では米側の掃海艇派遣要請を、すったもんだのすえ断り、そして90年の湾岸。
 約半世紀、すべて米側の要請に日本がどう応えるか、の難儀な歴史だった。吉田の再軍備拒否から小泉の自衛隊派遣まで、その間、日本は少なくともヒョロヒョロではなくなった。だが、小泉を中心に政界、世論が固まっているとは言い難い。自民党首脳の一人は、
 「一人武者だなあ」
 とつぶやいたが、小泉の近況には確かにそんな印象が強く、不安でもある。 (敬称略) [2001-09-22-00:25] 247
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 09/22@<防衛庁>米空母を海自艦艇が護衛 活動範囲が今後の論議に(毎日新聞)

 同時多発テロへの報復攻撃にからみ21日に横須賀を出港した米空母「キティホーク」に海上自衛隊の護衛艦2隻や掃海艇が「護衛」にあたるなど、米軍の報復攻撃に先立ち、海自艦艇の動きが活発化している。防衛庁は今回の行動について同庁設置法上の「調査研究」の警戒・監視活動と説明しているが、やはり「調査研究」活動として情報収集のためインド洋への艦艇派遣も検討しており、活動範囲が今後論議を呼びそうだ。
 当初、護衛艦は空母とインド洋上まで同行し情報収集にあたることも検討されたが、結局この日は出港時だけの「護衛」となった。事実上の護衛を続ければ日米共同の軍事行動として憲法解釈上禁じられている集団的自衛権の行使にあたるとの批判を警戒したとみられる。
 中谷元防衛庁長官は21日の記者会見で、今回の「護衛」について「わが国の安全に影響を与える兆候を発見する見地から警戒・監視活動を行った」と強調した。小泉純一郎首相も同日夜、記者団に「米軍を護衛する意図は全くない。情報収集活動で領域内の範囲だ」と語った。
 今回の法的根拠は防衛庁設置法5条の「所掌事務の遂行に必要な調査研究」とされる。自衛隊は「調査研究」を根拠にこれまでもさまざまな活動をしてきた。99年3月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)工作船による領海侵犯事件では情報収集名目で護衛艦が出動した。
 防衛庁は情報収集の目的でインド洋へ近く艦艇を派遣する構えだが、米軍への情報提供が軍事作戦行動に直結すれば「武力行使との一体化」と見なされ、集団的自衛権との関係が問題になる。対米支援の新法が制定されていない現段階では「米軍への情報提供は遭難者発見など緊急の場合か天候状況など一般的なものに限られる」(防衛庁)とされており、こうした事情も今回の「護衛」を出港時限りとした背景にあるようだ。 [2001-09-22-00:10] 37
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 09/22@ストイコビッチがユーゴのサッカー協会会長に(朝日新聞)

 サッカーの元ユーゴスラビア代表で、Jリーグ名古屋で活躍したドラガン・ストイコビッチ(36)が、ユーゴスラビアサッカー協会の会長になることが21日、確実になった。ベオグラードで開かれた記者会見で明らかになり、ストイコビッチは「新しい力を集めてユーゴスラビアのサッカーを築きたい」と話した。
 ユーゴスラビアを構成するセルビア共和国とモンテネグロ共和国の両協会の間で候補者の一本化が進まなかったが、22日にセルビア側がストイコビッチを候補者として推薦し、モンテネグロ側も25日に同じ手続きをすることになった。正式決定は30日の予定。[2001-09-22-07:19]
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 09/23@テロ訓練キャンプを放棄か(共同通信)

 【イスラマバード23日共同】二十三日付パキスタン紙ドーンは、アフガニスタンの消息筋の話として、米中枢同時テロで米国の報復攻撃の対象で、アフガニスタン国内にあるウサマ・ビンラディン氏が率いるテロ組織「アルカイダ」の訓練キャンプが既に放棄された状態にあると報じた。
 訓練キャンプには、ビンラディン氏を支持するサウジアラビア人やエジプト人、スーダン人、中央アジア出身者のほか、中国の新疆ウイグル自治区、ボスニア、アルジェリア、チュニジア、モロッコなどの出身者の計数千人がいたが、すべて退去し、キャンプは「もぬけの殻」となっている。
 タリバンは昨年の国連安全保障理事会での制裁強化決定を受けて、ビンラディン氏に訓練キャンプの数を絞るよう要請。訓練参加者はマザリシャリフとクンドゥズに移動を求められていた。(了)[2001-09-23-16:11] 103
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 09/23@<教育の森>日韓「教科書紛争」 自国中心から脱却を(毎日新聞)

 「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した中学歴史教科書(扶桑社)は韓国、中国両政府からの「修正要求」を招き、歴史教育をめぐる新たな国際紛争の“火種”になった。このほど韓国で開かれた「日韓フォーラム」第9回会合でも「教科書紛争」は主要な議題だった。同フォーラムで報告したソウル市立大の鄭在貞(チョンジェジョン)教授(50)=国史学科=は、日韓双方が「自国中心史観」から抜け出す必要性を強調した。 【下川正晴、写真も】
 ――今回の「教科書紛争」は、日韓ともに反省すべき点があると思います。韓国外相はソウル駐在の日本大使を呼び出し、35項目の「修正要求」を付きつけた。高圧的な態度が目立ち、感心しませんでした。
 ◆韓国側にも慎重意見はあった。ところが結果的には、あんな具合にならざるをえなかった。「つくる会」の挑発に韓国が乗ってしまった感もあります。
 ――「挑発に乗った」とは?
 ◆文部科学省が「つくる会」の教科書を、検定で137項目にわたって修正させた。それをどう評価するか、韓国内部でもいろいろ意見があった。ところが、「つくる会」側が検定合格後、「半歩前進だ」とか「コンセプトは変わらない」と述べた。あれで慎重論は吹き飛んだ。
 ――それでも、35項目の修正要求は細かすぎたんじゃないですか。
 ◆韓国にもいろんな学者の様々な見解があります。それを政府が取りまとめると、ああなるということです。
 ――「つくる会」の教科書の最大の問題点は何ですか。
 ◆あの教科書は日本の文化と伝統を、さんざん美化しています。西洋へのコンプレックスも感じられるほどです。ところが、その比較対象として、韓国を歴史的にあしざまに書いている。中国の「属国」と表現し(注・後に自主修正)、韓国に対する悪意すら感じられる。
 ――「物語」としては面白いが、洗練されていない。「近代日本の成功は書くが、失敗の理由を書く筆は鈍っている」と、日韓フォーラムでも日本側参加者から批判が出た。
 ◆自分の国を美化するために、隣国の歴史をおとしめる。これは許せないことですよ。
韓国教科書も問題点が多い
 ――鄭さんは日韓フォーラムで、日本の教科書だけでなく、韓国の教科書も「自国中心主義」だと批判しました。あれほど率直な発言を、日韓間のディベートで聞いたのは初めてです。
 ◆僕は70年代の終わりから、植民地時代の朝鮮研究のため東京大学に留学しました。「どうして日本に行くのか」と同級生から詰問されたりした。やがて光州事件(80年5月)が起き、韓国の将来や韓日関係のことで思い悩むことも多かった。その後ソウル大で博士号を取り、本格的に歴史教育に取り組むことになりました。この体験を通じ、韓国と日本の「歴史教育の架け橋」になるのが僕の使命だと考えるようになり、日本の歴史研究者との交流を進めてきた。韓日間では最近、歴史認識の相互理解が少しずつ作られ始めていました。「つくる会」教科書の登場は、それを踏みにじるものです。
 ――日本の教科書の問題点は。
 ◆この20年間で韓国に関する記述はかなり改善されているが、記述量はきわめて疎略です。高校教科書の場合、韓国に直接関連する記述は2・8%に過ぎない。日本史で4・5%、世界史で1・3%です。また記述が改善されたとしても、日本の侵略と支配をはっきり表現したり、その主体が日本であると書いている教科書はごく少数です。
 ――韓国の教科書については。
 ◆日本の教科書を問題にするのは、他山の石として教訓を得たいからです。韓国人は韓日関係史をあまりに自国中心的な観点から見てきた。韓国の教科書には「日本帝国主義の過酷な弾圧に抵抗して……」といった感情的な記述が目立つ。これはよくない。曲折の多かった韓日関係史を理解するためには、自国史を絶対視するのではなく、多国間関係の中から振り返る必要があります。
 ――日本の一部から「韓国の教科書は民族主義史観じゃないか」という反論が出ています。
 ◆僕みたいな考えの学者が日韓フォーラムに出てきて、日本だけじゃなく韓国の教科書も批判する。かつては考えられなかったことでしょう? その変化の意味を日本側にはくみ取ってほしいですね。
W杯共催で相互認識に変化
 ――鄭さんらが進めている日韓の歴史シンポジウムは今夏で8回目。成果はどうですか。
 ◆ソウル市立大の「歴史教科書研究会」と、東京学芸大を中心とした「歴史教育研究会」の間で続けてきています。来夏をめどに「日韓歴史共通教材」の草案をまとめて出版する計画です。
 ――「日韓歴史共同研究」に日本では悲観的な意見が多い。
 ◆歴史認識に違いが出るのは当然です。「日韓歴史共通教材」では、認識が一致しない点はそれぞれの立場から記述するようにしたい。相互理解を深めるうえで意義があると思います。
 ――日韓の学生6102人を対象にした相互理解度の調査結果を92年に発表してますね。
 ◆教科書とマスコミ報道によって形成される相手国への認識、イメージがどんなものか調べました。「日本の正式国名(正解は日本国)は?」という質問に、韓国の中高生では「大日本帝国」と答えたのがトップでした。約4割から5割強いました。大学生でも12%。韓国の歴史教科書で現代日本を教えないばかりか、日本の政治家の「妄言」がマスコミを通じて伝えられ、過去と現在の日本を区別できなかったことが背景にあるのではないでしょうか。
 ――サッカーのワールドカップ(W杯)日韓共催や韓国の日本文化開放を通じて、こういった現象は改善されつつある。
 ◆歴史認識の前に事実認識が間違っているという問題は徐々に解消されつつある。僕はこの夏、W杯決勝戦が行われる横浜国際総合陸上競技場を学生たちと見学してきた。年間400万人近い国民が日韓間を往来している。W杯共催は相互理解を深める絶好のチャンスです。
 チョン・ジェジョン 1951年韓国忠清南道生まれ。ソウル大教育学部歴史教育学科を卒業後、東京大大学院に留学。ソウル大大学院国史学科博士課程修了。韓国放送通信大教授を経て、94年からソウル市立大国史学科教授。著書(日本語訳)に「韓国と日本―歴史教育の思想」(すずさわ書店)などがある。 [2001-09-23-23:45] 104
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 09/23@<クローズアップ>同時多発テロ 学者はこう見る(毎日新聞)

 大沼保昭・東京大教授(国際法) 国際法上武力行使は一般的に禁止され、国連憲章51条は武力攻撃が生じた場合、例外的に自衛権の行使を認めている。憲章は武力攻撃の主体にテロ集団を想定していないが、5000人以上を犠牲にする意図的な攻撃は武力攻撃にあたるだろう。ただ、テロ集団に隠れ家や軍事訓練基地を提供している国家をテロ集団と同一視して反撃することが許されるかは問題となる。
 本来、自衛権は集団安全保障の例外であり、武力行使は国連の安保理が主体となり、安保理の明示の許可を得て行われるのが望ましい。安保理のテロ非難決議はテロ集団をかくまう国への米国の武力反撃を認めたものとはいえず、米国は安保理に武力行使の明示の許可を求めるべきだろう。
 元国連主任広報官の吉田康彦・大阪経済法科大教授(国際協力論) 米国は国際法を無視し、政治判断と軍事行動を優先させている。個別的自衛権の行使を主張しているが、国連憲章51条は武力攻撃が発生した場合、国連安保理が必要な措置をとる間、緊急の場合として自衛権を認めているにすぎない。
 米国は今後▽ビンラディン氏が犯行の首謀者だと客観的に証明する▽安保理が身柄引き渡しの決議を採択して「テロ犯罪国際法廷」を設置し、「人道に対する罪」で裁く▽引き渡しに応じない場合、最後の手段として多国籍軍で武力行使――とすべきだ。こうした手続きを経なければ報復攻撃は侵略行為と同じだ。
 日本政府は感情的になっている米国の行動に追随してはいけない。安保理の決定に従うよう進言し、国際法に基づく行動をとらせるべきだ。 [2001-09-23-23:45] 105
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 09/23@<クローズアップ>同時多発テロ 米「自衛の戦争」強調(毎日新聞)

 同時多発テロで軍事報復の準備を進める米国は、国連に武力行使容認の新たな決議を求めない方針を固めている。米政府は、国連安全保障理事会がテロ翌日の12日に採択したテロ非難決議が自衛権発動による武力行使を実質的に認めていると解釈し、新決議は不要と判断。当面の対アフガニスタン攻撃は、米単独か一部の同盟国の参加を想定し、国連憲章が規定する個別的・集団的自衛権を適用すれば国際法上の問題はないとの立場だ。新決議の必要性をめぐる米国と国連、日本のスタンスを検証した。
 ブッシュ米大統領は20日の議会演説で「国連」という言葉を一度も使わなかった。91年の湾岸戦争では国連の武力行使容認決議を錦の御旗(みはた)に多国籍軍を編成、国連の権威を最大限利用したが、今回は米国が独自に各国の協力を取りつける方法を取っている。米本国が直接、攻撃の対象となったため自衛権を行使して反撃する、という論理だ。
 ライス大統領補佐官(安全保障担当)は19日、「軍事攻撃には国連決議が必要か」との質問に、「既に国連は米国支持を表明し、これから起こることも理解している」と述べ、新たな決議は不要との立場を表明している。補佐官は「米国には自衛権がある」とも強調した。ラムズフェルド国防長官も「自衛の戦争だ」と繰り返している。
 この背景には、時間がかかる国連の根回しを回避し、決議の枠組みに拘束されずに自由な軍事作戦を展開したいとの思惑もある。ブッシュ政権で顕著になった一方的外交(ユニラテラリズム)の反映とも言えそうだ。
 ただ、ライス補佐官は「今後の国連活動について何を要請するかは何とも言えない」とも述べ、事態が長期化した場合の国連の活用の仕方を詰め切れていない事情もあることをうかがわせた。 【ワシントン中井良則】
 国連安保理の決議が武力行使容認にまで発展するかどうかは、自衛隊の後方支援を可能にするために政府が進めている新法の理論構成上、重要なポイントだった。
 当事者の米国が国連の「お墨付き」を求めない限り、武力行使容認決議がまとまる可能性は乏しく、同決議を新法の発動要件に組み込んだ場合、新法を活用できなくなる可能性があった。
 このため政府は、安保理の「国際平和への脅威」という認定決議(12日)をよりどころに、日本が反テロ活動を支援できるという考え方を採用した。小泉純一郎首相は「国際社会で名誉ある地位を占める」という憲法前文を持ち出して支援の必要性を説明しており、新法の理論的根拠は脅威認定決議と憲法前文に求めることになりそうだ。
 一方、与党内では公明党が一時、国連の枠組み内の活動であることを強調するため、「もう一段の安保理決議が必要」との姿勢を見せていた。しかし、新法を作っても動かせない状況が想定され始めたため、神崎武法代表は21日、「(新法は既に出された)国連決議を根拠にするのもやむを得ない」と述べた。同日の同党拡大外交・安保部会では複数の議員から「国際テロ対策という点を明確にするためにも新たな決議を要件とすべきだ」との意見が出されたが、大筋では「やむを得ない」との空気に転じている。
 自民党の山崎拓幹事長は23日、「テロを根絶しようという国際的同意がある」と強調。同日の与党3幹事長会談でも新たな国連決議は必要ないとの認識を確認した。
 米国以外の安保理常任理事国(英、仏、中、露)は、米国が国連の武力行使容認決議なしに軍事行動に踏み切ることを阻止する姿勢までは見せていない。むしろ米国と正面からぶつからないよう、安保理の次の課題を一般的な意味での「テロ撲滅体制の強化」と位置付け、可能な範囲で対応していこうという構えだ。
 このため、安保理議長国のフランスは、武力行使容認決議とは別の、テロ組織の資金源根絶やテロに関する情報収集・交換などを促す決議案の作成を検討し、安保理各国に打診している。
 外交筋によると、ロシアや中国は、米国が多国籍軍を編成するなら、安保理で「武力行使容認決議」を議論し、国際社会全体の問題として扱うべきだという立場だ。しかし米国が自衛権を盾に単独または少数の同盟国との共同作戦で軍事報復する場合、新たな決議案を求めるのは不可能だと考えている。
 ただ、米国の具体的な作戦内容がまだ見えておらず、複雑かつ長期的な作戦になることが予想されるため、中露は今後も折にふれて国連との協調を訴え、米国をけん制していく構えだ。 【ニューヨーク上村幸治】
 国連安全保障理事会が12日、同時多発テロに関して採択した決議1368号の要旨は次の通り。
 安保理は、国連憲章の原則、目的を再確認し、テロリストの行為がもたらした国際平和・安全保障への脅威に対し断固として戦う決意である。憲章にのっとり個別または集団的自衛権を認める。
 テロ攻撃の犯人、組織者、支援者らを裁きの場に連行するようすべての国の緊急協力を求める。犯人、組織構成員、支援者らへの援助や隠匿については、その責任が問われることを強調する。
 国際社会にテロ行為の防止、取り締まりの努力強化を求める。その中には、関連する諸国際協定や安保理諸決議、特に99年10月19日の決議1269号(在アフリカ米大使館テロ事件に関してウサマ・ビンラディン氏の即時引き渡しを要求)の全面順守を含む。
 9月11日のテロ攻撃に対応し、すべての形態のテロと戦うため、必要な全手段をとる用意があることを表明する。 【ニューヨーク支局】 [2001-09-23-23:45] 106
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 09/23@北部同盟、米軍支援後ろ盾に「政権奪還」鮮明に(読売新聞)

 【イスラマバード23日=佐藤浅伸】アフガニスタンのタリバン体制と対立する武装勢力「北部同盟」が22日から23日にかけ、同国北部バルク州などでタリバン軍と激突、一部地域を制圧するなど相当規模の攻勢に出た。同時に、北部同盟の一部は「タリバン後」をにらむ新政権構想の一環として、イタリア亡命中のザヒル・シャー元国王と接触する構えだ。タリバン掃討へ踏み出す米軍を後ろ盾に、北部同盟は5年前に追われた政権を奪回する決意を鮮明にしている。
 アフガン・イスラム通信によると、北部同盟は23日までにバルク、タッカル、サマンガンの3州で、タリバンに波状攻撃を仕掛けた。特にバルク州では、タリバンの重要拠点の一つであるマザリシャリフの西方約100キロにまで進出。これに先立ち、北部同盟の報道官は22日、「過去3日間で前線を15キロ前進させた」と述べた。この際、タリバンに約50人の死者が出たほか、300人以上が北部同盟に寝返ったという。
 北部同盟は、タリバンに首都カブールを制圧された翌年の1997年、ラバニ元大統領と、今月暗殺されたマスード司令官のタジク人組織「イスラム協会」が、ドスタム将軍のウズベク人組織「アフガニスタン・イスラム運動」、ハザラ人主体の「イスラム統一党」両派と組み結成。現在はサヤフ党首のパシュトゥン人勢力「イスラム統一体」なども加わっている。
 パキスタン紙「ナワイワクト」(23日付)によると、北部同盟幹部は攻撃準備中の米軍との連絡を緊密化させていることを説明、「米軍の空爆とともに地上から攻める。カブールはすぐに陥落する」と自信を見せた。米軍は、苦手な山岳戦の先ぽうとして北部同盟兵力に期待している。
 タリバンの推定兵力5万―6万人に対し、北部同盟は約1万5000人。単独では劣勢だが、米軍の支援下ならば話は全く違う。現在の攻勢も、米軍との連携に基づいている可能性が高い。
 北部同盟内部には、パシュトゥン人主体のタリバンの台頭を許したのは、かつて人口の約4割を占めるパシュトゥン人を政権から締め出し、反発を招いたからだ、との反省がある。北部同盟は、カリスマ指導者マスード司令官の死で弱体化を指摘されながらも、ザヒル・シャー元国王を民族統合の象徴に据え、パシュトゥン人も参加する安定政権構築を目指している模様だ。イラン紙の報道によると、イスラム統一党の幹部は、近くアラブや欧米諸国の代表をローマに招きシャー元国王と安定政権樹立に向けた協議を開催するとの見通しを示した。[2001-09-23-23:34] 107
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 09/23@<アフガン難民>「命からがら脱出」 タリバン兵に息子殺さ(毎日新聞)

 【クエッタ(パキスタン中西部)中坪央暁】「タリバン兵士が村に来て、2人の息子の首をナイフでかき切って殺した。お前たちはアフガニスタンにいる必要がないと脅され、命からがら逃げてきたんだ」。アフガン国境のチャマン検問所に近いパキスタンのバルチスタン州都クエッタ。日ごとに現実味を増す米国の報復攻撃を逃れ、アフガンを脱出した難民は23日、口々にタリバン支配下の祖国の窮状を訴えた。砂ぼこりにまみれた顔は疲れ切っている。だが、誰もがこの先のあてなどない。
 ムハマッド・ナヒムさん(45)はタリバンが破壊した世界的仏教遺産、巨大石仏で知られるアフガン中部バーミヤンの農民。生き残った家族6人とともに20日にアフガンから越境したばかりで、クエッタ市街の屋根もない壊れたモスクに、他のアフガン難民と寝泊まりする。
 「バーミヤンからトラックで3日がかりでチャマンに来たが、途中でタリバン兵士にテントを焼かれ、何もかも失った」と証言する。旅券は持っていなかったが、検問所では「運良く誰にも止められず、パキスタン側に入ることができた」。
 タリバンはイスラム・スンニ派のパシュトゥン人が占める。これに対してナヒムさんたちはシーア派で少数民族のハザラ人だ。情勢が緊迫する中、タリバン兵士たちはナヒムさんたちを目の敵にし、「今すぐアフガンから出て行け」と迫ったという。
 検問所付近の国境は約2キロにわたって有刺鉄線が張られている。馬に乗ったパキスタンの兵士がパトロールし、こん棒などで難民を追い払っている。
 チャマンはタリバンの拠点、アフガン南部カンダハルとクエッタを結ぶ幹線上にあり、パキスタン北西部ペシャワルとともに「難民流入ルート」に位置する。両国の住民は自由に通行できたが、最近は国境が事実上封鎖され、正規の旅券・ビザのない難民は通過できなくなった。
 だが、ある難民男性は「パキスタン軍や警察にワイロを払えば越境できる。1人当たり5000パキスタン・ルピー(約1万円)が相場だ」と証言した。ナヒムさんも何らかの理由で国境を越えられたらしい。
 ナヒムさんと同じモスクに身を寄せる6人の子供を持つルザナさん(40)は「内戦の爆撃で男の子1人を失った。家も食料もなく、子供たちをどうやって食べさせればいいのか」。
 「カブールでは攻撃が明日にもあるといわれ、人々は絶望的になっている」。首都カブールからクエッタまで2日間かけ、妻と新生児を含めた子供8人を連れ逃げてきた男性(36)はこう証言する。カブール市内の食料が不足し始め、生活必需品は4〜5割値上がりしているが、市民は攻撃に備え、小麦粉や米を買いだめしているという。
 クエッタには国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の緊急援助物資がトラック輸送で届き始めた。だがUNHCR関係者は作業の手を止め、つぶやいた。「攻撃が始まれば、この周辺だけで50万人の難民が流入する。援助物資不足に陥るのは必至だ」 [2001-09-23-23:25] 109
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 09/23@9月24日付・編集手帳(読売新聞)

 民族、宗教間の紛争は世界各地で今も続いている。戦火で多くの子どもたちが犠牲になる。二十世紀最後の十年間、二百万人の子どもが殺され、六百万人が傷つき、千二百万人が家を失った◆ユニセフ(国連児童基金)が先に発表した今年の「世界子供白書」に、このむごい数字が並んでいた。不衛生な環境下、肺炎や下痢などの病気で、毎年、五歳未満の千百万人のいたいけな命も奪われていく◆世界中の子どもたちがより安全で、より健康になるように。一九九〇年九月、ニューヨークで開かれた「子どものための世界サミット」で、各国首脳は二〇〇〇年までの様々な達成目標を掲げた◆この十年、前進がなかった訳ではないが、残された課題はあまりにも重い。それを検証し、新たな十年の行動を誓う「国連子ども特別総会」が先週、ニューヨークで開かれるはずだった◆卑劣な同時テロはその日程もぶち壊した。ニューヨークのユニセフ本部は「子どもたちは私たちの未来である。世界中の子どもたちを支援する新たな決意を」と、悲痛な声明を出した◆長年の紛争で、アフガニスタンは世界でも最も悲惨な環境にある。世界子供白書の九九年統計によると、赤ちゃん千人のうち五歳未満の死亡二百五十七人―。同時テロは、この数字を減らす国際社会の努力をも途絶させた。 [2001-09-23-22:00] 111 [このページの最初に戻る]


 09/23@<米同時テロ>会見でムシャラフ大統領をけん制 元パISI(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】ハミド・グル元パキスタン軍情報機関(ISI)長官は22日の毎日新聞との会見で、パキスタン政府が表明している米国への「全面協力」について「国論を分断し、国家の自殺につながる」と述べ、ムシャラフ大統領を強くけん制した。国内のイスラム原理主義勢力の主張を代弁したものだが、今後の展開次第ではさらに苦しさを増す大統領の立場を予言したといえそうだ。
 ムシャラフ大統領は15日、米国に(1)(ウサマ・ビンラディン氏の身柄確保に向けた)情報提供(2)(米軍ミサイルや航空機の)領空通過(3)後方支援―を約束したが、具体的内容は今も交渉中とされ、明らかになっていない。
 パキスタン政府がインドとのカシミール紛争でイスラム武装勢力の闘争を支援してきただけに、米国への全面協力を通じてテロとの対決姿勢を鮮明にしたい考えだ。「テロ支援国」のイメージを払拭すると同時に、国際社会への完全復帰を果たす狙いがある。
 ムシャラフ政権の意図をくみ取るように、米政府は23日、パキスタンの「協力への見返り」として、制裁を一部解除すると発表した。経済苦境にあえぐパキスタンとしては、制裁の全面解除に加え、さらなる見返りとして予想される国際金融支援の強化は、国内情勢の安定化を目指す上でも必須と考えている。
 しかし、米国への全面協力には国内のイスラム原理主義勢力は強く反発、「反米」「反ムシャラフ政権」デモは日増しに規模を増す。最大の焦点である基地提供や空港使用は、米軍の恒常的な駐留につながるという懸念も強く、猛反発が予想される。
 パキスタン国防省筋は22日、後方支援の一環として、米国から空港使用の要請があった場合に備え、国内3空港を選定したと明らかしている。最終判断はムシャラフ大統領に委ねられているが、グル元長官は会見で「もし空港使用を認めれば、大統領は国家・国民と対決することになる。パキスタン世論はタリバンに同情的で、軍部も世論の方につくだろう」と警告した。
 大統領の最終決断はグル長官に代表される国内のイスラム原理主義勢力の動向もその判断要素になる可能性が高まっている。 [2001-09-23-21:40] 112
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 09/23@<反タリバン>代表者らが、伊亡命中の元国王とローマで会談(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】イランの中道系紙「エンテハーブ」は22日、アフガニスタン反タリバン勢力の代表者らが10日以内に、イタリア亡命中のザヒル・シャー元国王(86)とローマで会談すると報じた。元国王は73年のクーデターでアフガンを追放されたが、アフガン国民の中には今も信奉する人が多く、米国の軍事報復などを受け、タリバン政権が崩壊した場合、アフガンの将来を担う有力指導者の1人とされる。
 同紙によると、テヘランに拠点を置く「反タリバン連合」の一角、イスラム教シーア派組織「イスラム統一党」のメンバー、カゼミ氏は「アフガンの安定のために我々と元国王との会談を期待する声がある。平和を構築するために元国王と意見交換する」と述べ、会談にパキスタン、欧州、米国、アラブ諸国の代表者も出席する予定であることを明らかにした。また、同氏は「元国王には有用な役割がある」と元国王が帰国する可能性を指摘した。 [2001-09-23-21:40] 123
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 09/23@宗教による分断回避訴え 法王がカザフでミサ(共同通信)

 【モスクワ23日共同】インタファクス通信によると、中央アジアのカザフスタン訪問中のローマ法王ヨハネ・パウロ二世は二十三日、首都アスタナで野外ミサを行い、米中枢同時テロについて「民族・宗教による分断をもたらしてはならない」と警告、宗教の相違を越えた世界の団結を呼び掛けた。
 法王は、事件を契機にイスラム教徒への反発が世界的に強まっていることを念頭に「キリスト教やその他の宗教の信者に対し、ともに暴力のない世界を築くことを呼び掛ける」と訴えた。
 約三千五百人の参加者を前に法王は、カザフスタンではイスラム系のカザフ人のほか、ロシア人などさまざまな宗教の民族が調和して住んでいると評価した。
 法王は二十五日に次の訪問国であるアルメニアに向かう。(了)[2001-09-23-18:35] 125
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 09/23@国境に押し寄せる難民 医薬品や食糧の不足深刻(共同通信)

 米中枢同時テロに対する報復攻撃が迫り緊張が高まる中、アフガニスタンからの難民・避難民がパキスタンやイランなど周辺国との国境に押し寄せている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は周辺国に対し、難民に国境を開放するよう要請、テントなどの人道物資を現地へ送り対応を急いでいる。
 UNHCRの二十三日までのまとめでは、パキスタンのクエッタに近い国境付近に約一万五千人の避難民が相次いで到着した。だが、パキスタン側が入国を認めないため、現地に向けテント二千張、毛布六千枚などを積んだトラック二十五台による輸送隊を出発させる一方、パキスタン側に国境を開放するよう説得に当たっている。また、イラン国境には約千人が到着、国境越えを待っている状況だ。
 UNHCRによると、アフガニスタン国内には九月十日時点で九十五万六千人の避難民がいるが、米中枢同時テロ以降、支援活動に尽力してきた国際機関職員らが出国したため、食糧や医薬品の不足が懸念されている。
 一方、西部ヘラートなどの避難民キャンプで医療支援してきた非政府組織(NGO)の「メドゥサン・デュ・モンド」は、ヘラートのキャンプには既に約十五万人の避難民が殺到、劣悪な給水・衛生設備の中での生活を強いられており、今も一日当たり約二千人が到着している計算だと指摘。医薬品や食糧などを中心に国際社会の早急な対応が必要だと訴えている。(共同)(了)[2001-09-23-18:29] 126
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 09/23@クリントン氏、ビンラディン氏殺害命令出すも失敗認める(朝日新聞)

 クリントン前米大統領は22日、イスラム過激派指導者オサマ・ビンラディン氏を逮捕し殺害する大統領令を在任中に出していたことを明らかにした。ニューヨーク市内で自ら記者団に説明した。
 98年夏にアフリカの米大使館が同時爆破された直後、前大統領は中央情報局(CIA)に対し、爆破の首謀者と見たビンラディン氏を逮捕し、米国へ連行するよう命じた。大統領令はその後、「逮捕が無理な場合は殺害も認める」という内容に改められ、署名した。
 前大統領は「地上作戦に備え、米軍特殊部隊の訓練をした。アフガニスタン国内のある組織と連絡を取るところまでやった」と初めて明かした。「現地の情報が十分でなく、うまく行かなかった」と述べ、作戦が失敗に終わったことを認めた。
 米機関による国外での暗殺行為はフォード政権下で禁止されている。前大統領はNBCテレビに対し、「国家元首の暗殺は禁止されているが、テロリストの暗殺は認められると解釈した」と説明した。
 同時テロ事件以降、共和党有力者は「クリントン政権がテロ組織に弱腰だったのが遠因だ」と前大統領の姿勢を強く批判。逮捕暗殺計画を自ら明かしたのは、こうした非難をかわす狙いがあるとみられている。[2001-09-23-18:29] 130
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 09/23@タリバン攻撃は「援軍」 チェチェン抱えるロシア(共同通信)

 ロシアのプーチン政権にとって、チェチェン共和国のイスラム武装勢力を支援しているとされるウサマ・ビンラディン氏とアフガニスタン・タリバン政権に対する米国の軍事報復は、願ってもない「援軍」と言えよう。プーチン大統領は「悪は罰せられなければならない」と一応、報復を容認する立場だ。
 一方で、攻撃の足場として米軍が、ロシアの伝統的な権益圏である中央アジア諸国に展開することには強い警戒感がある。ロシアはタリバン政権の弱体化を望んでいるが、軍事行動には参加しない方針を示唆しており、米軍の中央アジア展開を阻止できない場合、「一時的」に認める代償として、米国とのミサイル防衛構想に関する協議や、チェチェン紛争に対する欧米諸国の対応などで最大限の利益を引き出す戦略に転じる可能性もある。
 ロシア政府は、一昨年夏の約三百人の犠牲を出したモスクワなどでの爆弾テロをチェチェン武装勢力の犯行と断定、チェチェンに進攻したものの、武装勢力の激しい抵抗を受け苦戦している。この抵抗を資金・軍事面で支えているのが、チェチェンの「国家主権」を世界で唯一認めているタリバン政権とウサマ・ビンラディン氏とみられる。
 イワノフ国防相によると、米中枢同時テロ後、チェチェン武装勢力は活動を活発化させており、ロシア政府はチェチェン情勢が米国でのテロと連動していると見て警戒感を強めている。(モスクワ共同=有田司)(了)[2001-09-23-17:11] 131
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 09/23@テロ訓練キャンプを放棄か(共同通信)

 【イスラマバード23日共同】二十三日付パキスタン紙ドーンは、アフガニスタンの消息筋の話として、米中枢同時テロで米国の報復攻撃の対象で、アフガニスタン国内にあるウサマ・ビンラディン氏が率いるテロ組織「アルカイダ」の訓練キャンプが既に放棄された状態にあると報じた。
 訓練キャンプには、ビンラディン氏を支持するサウジアラビア人やエジプト人、スーダン人、中央アジア出身者のほか、中国の新疆ウイグル自治区、ボスニア、アルジェリア、チュニジア、モロッコなどの出身者の計数千人がいたが、すべて退去し、キャンプは「もぬけの殻」となっている。
 タリバンは昨年の国連安全保障理事会での制裁強化決定を受けて、ビンラディン氏に訓練キャンプの数を絞るよう要請。訓練参加者はマザリシャリフとクンドゥズに移動を求められていた。(了)[2001-09-23-16:11] 136
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 09/23@3派連合で民主化期待 「タリバン後」描く米(共同通信)

 タリバン・アフガニスタン政権を「敵」と決めつけ、政権打倒も想定している米政府は「ポスト・タリバン」の青写真として@タリバンの穏健派勢力Aローマに亡命している元国王ザヒル・シャー一派B最強の反タリバン勢力である北部同盟―の「三派連合」による民主政権を描いている。
 米政府筋によると、タリバンのテロ支援に頭を痛めた米政府はクリントン政権時代の一九九九年十一月、ローマで開かれた反タリバン勢力の会議に代表を派遣。元国王が招集する国家意思決定機関、ロヤ・ジルガ(国民大会議)による新政権樹立のシナリオに強い関心を示した。
 この会議で採択した反タリバン声明の草案を作ったアフガン系米国人のザルメイ・カリルザド氏が現在、大統領特別補佐官(南西アジア担当)としてホワイトハウスでアフガニスタン政策を担う。このため「ロヤ・ジルガの権威を使った新政権のシナリオは有力」(同筋)だ。
 米政府は反タリバンの戦闘を続けてきた北部同盟の軍事力にも期待しているが、同同盟はアフガニスタンの少数派のタジク系が中心。多数派のパシュトゥン人は北部同盟主体の政権に不満を募らせるのは確実で、元国王一派を取り込むことが必要となる。
 また米政府は米軍の攻撃が始まれば、タリバンがオマル師を中心とする強硬派と穏健派に内部分裂するのは必至とみており、穏健派勢力が新政権に参加するとの思惑も抱いている。
 同筋によると、一般のアフガニスタン人はオマル師ら原理主義勢力に対して、ウサマ・ビンラディン氏との一体化や今年春のバーミヤン大仏の破壊などの過激な政策で離反しだしており、タリバン政権の基盤は弱いという。
 米政府当局者は「ポスト・タリバンの政権はアフガニスタン人に任せる」として、表向きは新政権づくりに関与すると表明していないが、国連を主体とした暫定管理案や先進国による大規模な復興支援も取りざたされている。
 一方、タリバン政権が倒れれば、アフガニスタンが再び部族間の不毛な闘争に逆戻りするとの公算も大きい。だが「世界のテロリストを訓練し保護するタリバン政権よりはましだ」(リーブン・カーネギー財団研究員)との見方が一般的だ。(ワシントン共同=杉田弘毅)(了)[2001-09-23-15:16] 138
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 09/23@タリバン弱体化を歓迎 親米政権は懸念、中国(共同通信)

 中国はアフガニスタンのタリバン政権が新疆ウイグル自治区などでの分離独立運動に影響を与えているとみており、米国の報復攻撃による同政権の弱体化を歓迎する立場だ。
 しかし、報復攻撃後、アフガニスタンに親米政権が誕生することには懸念を抱いており、大規模攻撃には慎重な姿勢を示している。
 新疆では爆発事件などが起きるたびに少数民族による独立運動との関連が取りざたされ、自治区幹部も昨年「ごく少数の分裂派が局地的に起こすテロや爆破、暴動が社会の安定に悪影響を与えている」と認めた。
 新疆のクチャ県では今年八月、独立派組織とみられるグループとの銃撃戦で公安局長が射殺される事件が起きている。
 中国外務省の朱邦造報道局長も十八日の会見で、タリバンと新疆の独立運動の関係を尋ねられ「いかなる外国勢力であろうと、中国の内政に干渉することに反対する」と強調した。
 一方で「最大の懸念は米国がタリバン政権を壊滅させ、アフガニスタンに親米政権が生まれることだ」(中国筋)との声もある。国境の西側で親米政権が誕生すれば、外交的に新たな緊張を強いられる恐れがあるからだ。
 中国が報復攻撃について「明確な目標が必要」(朱邦造局長)などと慎重姿勢を示しているのは、こうした微妙な立場が背景にあるためとみられる。(北京、共同=加藤靖志)(了)[2001-09-23-15:02] 144
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 09/23@<秘密作戦>ビンラディン氏の暗殺失敗を認める 前大統領(毎日新聞)

 クリントン前大統領は22日、ニューヨークで記者団に対し、前政権当時にウサマ・ビンラディン氏の逮捕・暗殺を容認したが、情報不足もあって失敗したと公式に認めた。
 米国は1998年のアフリカでの米大使館連続爆破事件後、一連の事件の背後にいるとみたビンラディン氏に対し、中央情報局(CIA)が逮捕・暗殺する秘密作戦を実行、失敗したとされている。
 前大統領は「当時、できる限りのことを行った。私は(ビンラディン氏)逮捕を命じ、必要があれば殺害することも認めた」と確認。「地上戦闘の可能性も考え、米軍特殊部隊の訓練も行ったが、実行に移すには(アフガニスタンの)情報が十分ではなかった」と、現地情報の決定的な不足を指摘した。
(ニューヨーク共同) [2001-09-23-11:00] 147
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 09/23@ビンラディン氏の暗殺失敗を認める クリントン前大統領(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】クリントン前大統領は二十二日、ニューヨークで記者団に対し、前政権当時にウサマ・ビンラディン氏の逮捕・暗殺を容認したが、情報不足もあって失敗したと公式に認めた。
 米国は一九九八年のアフリカでの米大使館連続爆破事件後、一連の事件の背後にいるとみたビンラディン氏に対し、中央情報局(CIA)が逮捕・暗殺する秘密作戦を実行、失敗したとされている。
 前大統領は「当時、できる限りのことを行った。私は(ビンラディン氏)逮捕を命じ、必要があれば殺害することも認めた」と確認。「地上戦闘の可能性も考え、米軍特殊部隊の訓練も行ったが、実行に移すには(アフガニスタンの)情報が十分ではなかった」と、現地情報の決定的な不足を指摘した。
 クリントン前大統領はまた、当時、作戦遂行のためにCIAがアフガニスタン内部のグループと接触したことを明らかにした。
 今回の軍事行動については「米国は、当時は得られなかった支持を獲得しており、多様な戦術選択が可能になった」と語り、パキスタンなどを含めた国際社会の米国支援で成功するとの見通しを示した。(了)[2001-09-23-10:29] 158
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 09/23@<アフガニスタン>底つく食糧、脱出もできず 残される“弱(毎日新聞)

 米同時多発テロの報復攻撃を恐れ、アフガニスタンの人々が国外に続々と脱出する一方で、国境までたどり着けずに農村へ逃げ込むしかない「国内避難民」が増えている。飢餓や病気で月に100人以上の子供が亡くなる避難民キャンプもあるが、テロ事件後に国連機関の支援が止まり、国内の食糧は2〜3週間で底をつくとみられる。「娘を売るしかない」「ここに未来はない」。現地の母親たちは、絶望のふちで助けを求めている。 【宍戸護、石原聖】
 国連難民高等弁務官事務所によると、隣国パキスタンのクエッタ周辺には、約1万5000人が避難している。彼らは「難民」としてテント、毛布、食糧などの支援を受ける。だが、車が借りられない貧しい人やお年寄り、病人は国境まで行けず、農村に逃げるしかない。同事務所は「結局、弱者がとり残される」という。
 アフガン国内には今年1月現在、95万6000人の「国内避難民」がいる。国連世界食糧計画(WFP)が食糧支援をしてきたが、配布を手伝っていたNGO(非政府組織)メンバーらがテロ事件後に国外へ退去したため、支援が止まった。同計画は「国内に残る食糧は2〜3週間でなくなる」と危機感を募らせる。
 国際医療援助をするNGO「メドゥサン・デュ・モンド」(本部・フランス)は、今月13日まで西部ヘラートの国内避難民キャンプで診察活動を続けていた。フランス人医師らによると、今年は30年ぶりの大干ばつに見舞われ、避難民は増える一方という。このキャンプも定員の3倍にあたる約15万人であふれ、約2000人が日ごとに加わっている。約5万5000人の子供たちには1日0・5リットルのおかゆが支給されることになっているが、現状は5人に1人しか行き渡らず、1カ月で100人以上の子供が栄養失調などで死亡しているという。
 22日にはアラブ首長国連邦がタリバン政権との断交を決めるなど「アフガン包囲網」が着々と築かれているが、一般国民を巻き込まない「報復」は可能なのか。同NGO日本支部の田口かずみさん(31)は「避難民の状態は悲惨で、米の攻撃を受ければひとたまりもない。戦争はなんとしても避けてほしい」と訴えている。
 NGO「メドゥサン・デュ・モンド」の医師らがフランスの本部に送った報告書には、アフガニスタンの難民キャンプに残る母親たちの悲痛な声が記されている。
 9人目の子を妊娠中の母(32) 食べものがなく、困り果ててキャンプに来た。仕事はない。繕いものをしようにも服はない。私たちには何もない。2組の家族から「息子のためにお嬢さんを売ってほしい」ともちかけられた。断ったが、もし食べるものが何もなくなったら、娘を売らざるを得ないかもしれない。そう思うと悲しくて……。
 3人の子の母(26) 1週間前に義兄の3歳と7歳の子供が赤痢で死んだ。テントは狭く、女や幼子ら17人が一つのテントで寝るが、大人の男は外で寝る。
 30歳前後の5児の母 食糧、水、洋服が欲しい。明日は生きているだろうかと考えながら毎日暮らしている。ここには未来はない。 [2001-09-23-00:31]
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 09/24@<アフガン>米は「流血のゲーム始めるつもり」 オマル師が(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】アフガニスタン・タリバン政権の最高指導者オマル師は24日、本拠地カンダハルで「米国は流血のゲームを始めるつもりだ」との声明を発表し、米国のアフガン軍事攻撃に向けた動きをけん制した。同国北部では反タリバン連合(北部同盟)が攻勢を強めており、パキスタン外務省は同日、アフガンの首都カブールにあるアフガン大使館から職員全員を帰国させることを発表した。
 また、同日カブールで会見したタリバンのアコンド国防相は、米国の侵攻に備えて30万人の兵力が戦闘態勢に入ったと語った。アフガン・イスラム通信が伝えたもので、国防相は「我々は戦争回避に向け最善を尽くすが、戦争が始まれば米国にとって最悪の事態を招く」と警告した。
 一方、イスラマバード駐在のバンカー国連報道官によると、アフガンのカンダハルにあるすべての国連事務所が24日までにタリバンに接収された。外国人スタッフは先週国外に退避し、現地スタッフだけが残っていた。 [2001-09-24-23:25] 48
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 09/24@アフガン元国王が「北部同盟」と会談へ(読売新聞)

 【ローマ24日=秦野るり子】ローマ亡命中のザヒル・シャー・アフガニスタン元国王の側近によると、タリバン政権と対立する北部同盟の幹部が24日中にもローマ入りし、同元国王と緊迫するアフガニスタン情勢について会談する。詳細は明らかにしなかったが、北部同盟のアブドラ外相らが含まれるものと見られる。
 また、同側近は、アフガニスタンの各民族の代表らも近く元国王を訪れる予定であることを明らかにした。元国王は23日夕にはアフガニスタン和平問題担当のベンドレル国連事務総長特使と会談しており、元国王が、反タリバン勢力の結束と「タリバン後」の新体制づくりのかなめとなりつつあることを明示している。
 ベンドレル特使は23日の会談後、「今後、数か月の間、元国王が非常に重要な役割を果たすと確信した」と記者団に語った。また、元国王は同日付のイタリア紙「レプブリカ」とのインタビューで、最近、欧米諸国と頻繁に接触していることを認めたうえで「国民を助けるため帰国する用意がある」と言明。暫定政権作りのための緊急会合の開催の重要性を訴えた。 [2001-09-24-22:24] 49
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 09/24@<湾岸協力会議>報復攻撃への協力には触れず 外相会議声明(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】米国の報復攻撃やテロ対策への協力態勢について協議する、湾岸協力会議(GCC)の外相会議が23日、サウジアラビア・ジッダで開かれた。声明で、同会議は「対テロの国際社会の努力に全面的に協力する」と約束したが、米国の報復攻撃への協力については触れず、軍事協力の難しさを示した。
 加盟国はサウジ、クウェート、カタール、バーレーン、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国。
 声明は「米国のテロを実行した犯人を特定し、法に従って犯人を処罰するための国際社会の努力に全面的に協力する」とした。また、「今回のテロをイスラムと関連付けるべきでない」と、イスラムの教えによるテロとする風潮を非難した。
 米国への協力について声明が触れなかったことについて、出席した代表団の1人はロイター通信に「米国がアフガニスタンのイスラム教徒を攻撃することは受け入れられない。そうなれば、米国によるテロだ」と述べた。 [2001-09-24-21:45] 53
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 09/24@◎チェコ大統領、心臓の不調で緊急入院(時事通信)

 【ウィーン24日時事】チェコ大統領府スポークスマンは24日、ハベル大統領(64)が心臓の不調により、病院に緊急搬送されたことを明らかにした。詳しい症状は不明だが、予定していたイタリア訪問は取りやめになった。
 1989年の民主化革命を指導したハベル大統領は、肺や気管支などに持病があり、96年に右肺の悪性腫瘍(しゅよう)の摘出手術を受けたほか、98年には腸の手術を受けた。大統領の健康状態は不安定で、入退院を繰り返しており、外交日程の取りやめが多い。 [時事通信社][2001-09-24-20:51] 58
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 09/24@米、北部同盟を本格支援へ(読売新聞)

 【ワシントン24日=永田和男】米ブッシュ政権は、アフガニスタン・タリバン体制と対立する武装勢力「北部同盟」を本格支援する方針を固めた。ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)、ラムズフェルド国防長官が23日のテレビ番組で語った。
 ライス補佐官は「タリバンとの戦いに加わりたい者は大勢いるはずだ。我々は(彼らと)協力できる、多くの選択肢を探っている」と指摘。長年のゲリラ戦を通じて国内の地形を熟知している北部同盟に対し、武器供与や資金援助を行う用意があることを示唆した。
 また、イタリアに亡命中のザヒル・シャー元国王についても、「反タリバン攻勢を考えている1人」として注目していることを明らかにした。
 一方、ラムズフェルド長官は「タリバンの中にも、もう指導部にはついていけない、という人が出てくるかもしれない」と述べるとともに、タリバン内部のこうした離反勢力を北部同盟とともに、ポスト・タリバン政権の一翼を担わせる構想があることを示唆した。 [2001-09-24-20:18] 62
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 09/24@タリバーン、「聖戦」に30万人動員 全土に臨戦態勢(朝日新聞)

 米軍によるアフガニスタン報復攻撃の準備が着々と進むなかで、アフガンの9割以上を支配するイスラム原理主義勢力のタリバーン政権は、全土で臨戦態勢を敷き、住民には銃を配布し、情報統制を強めて米軍を迎え撃つ構えを示している。
 アフガンからの情報を総合すると、現在、タリバーンが最も危機に直面しているのは北部の拠点都市マザリシャリフの攻防だ。20日すぎから反タリバーン勢力「北部同盟」やウズベク民族系・旧ドスタム派の軍がマザリシャリフ市の奪還を目指している。同市周辺を囲むサマンガン州、バルク州、タカール州で北部同盟が一斉攻勢に出て激戦が続く。北部同盟はパンジシール渓谷の入り口にあたる要衝ジャブルサラージからマザリシャリフへ通じるサラン峠まで占拠している。今後、北部同盟が首都への攻勢を始めれば、首都北方約60〜70キロ付近の前線が激戦地になるとみられる。
 北部同盟は今回の同時多発テロ事件の前から、タリバーンに大攻勢をかける計画を進めていた。タジキスタンやロシア、イランなどの支援国から大量の武器弾薬を入手済みで故マスード司令官の最終判断を待っていた。
 また、米軍の無人偵察機が、マザリシャリフに近いサマンガン州で墜落したことは、報復作戦突入を前に米軍自体がマザリシャリフの攻略作戦を念頭に置いて活発な偵察活動を始めていることをうかがわせる。
 タリバーンのムタワキル外相は24日、「墜落した米軍機はウズベキスタンから飛来した。同国はソ連のアフガン侵攻時の出撃基地だったが、今度は米国に基地を提供し、戦争に加担するのか」と非難した。
 マザリシャリフの主要住民はウズベク系なので、反タリバーン感情が強い。北部同盟を支援するタジキスタンやウズベキスタンも、タリバーンからのマザリシャリフ奪還を望んでいる。
 AFP通信は、カブールからの報道として、タリバーン政権のオバイドラ国防相が24日、「ジハード(聖戦)の経験がある30万人を首都カブールと国境地域、その他の重要地点に配備することを決めた」と声明を出したと伝えた。
 オサマ・ビンラディン氏の隠れ家があった東部の商業都市ジャララバードでは、タリバーンは、住民に銃を配布し、「ジハードに決起せよ」と命じた。
 アフガン国境のパキスタン側の町、クエッタやペシャワルなどでは、米軍に対する聖戦のためアフガンに向かうパシュトゥン族の義勇兵を募る動きが出ている。パキスタン治安当局は同国内にはソ連軍と戦った元ムジャヒディン(イスラム戦士)が数万人いることから、彼らが再びアフガン国内で米軍と戦う可能性も否定できず、国境の警備を厳重にしている。[2001-09-24-19:47] 63
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 09/24@「連帯」系与党が歴史的敗北 ポーランド総選挙(朝日新聞)

 ポーランド総選挙の投開票が23日行われた。出口調査によると、旧共産党系の野党民主左翼連合(SLD)が下院(定数460)の過半数に迫る票を獲得し、4年ぶりの政権奪回が確実の見通しとなった。共産政権打倒の原動力だった自主管理労組「連帯」系の与党、連帯選挙運動(AWS)は得票4%台で、下院議席をすべて失う歴史的敗北を喫した。
 現地からの報道によると、農村を基盤とする民族主義極右政党「自衛」が約50議席を得るなど、EU(欧州連合)加盟に批判的な政党が全体の約4分の1の議席を得る伸長ぶり。
 SLD出身のクワシニエフスキ大統領は、ミレル党首に組閣を命じる意向を示した。
 このほかの政党の獲得議席見込み数は、中道右派「市民プラットフォーム」(PO)約70、右派「法と正義」(PiS)約50、急激な構造改革に反対する農民党(PSL)約40、カトリック系民族右派約35など。正式結果確定は26日になる。
 AWS敗北の原因は、EU加盟に向けた改革の失敗と経済の停滞、さらに党内抗争と汚職体質だ。97年に始めた年金、医療保険、地方自治などの改革に予想以上のコストがかかって財政赤字が拡大。経済運営の失敗で経済成長は鈍化して、失業率は16%まで上昇した。
 新首相となるミレル氏は旧共産党の党官僚出身で55歳。民主化に向けた政府・連帯間の円卓会議で活躍し、クワシニエフスキ現大統領とともにSLDの結成に参加した。93年総選挙後のSLD・PSL政権で労相、内相を務めた。汚職に関係した党幹部を追放したやり手で、最近の国民の人気投票では上位にランクされている。[2001-09-24-19:41] 64
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 09/24@<アフガン>国連特使が元国王と会談 国民統合の役割を期待(毎日新聞)

 【ローマ井上卓弥】アフガニスタン和平問題を担当するベンドレル国連事務総長特使は23日夜、ローマ郊外で亡命生活を送るアフガニスタンのザヒル・シャー元国王と会談した。特使は会談後、元国王が「王位に返り咲くつもりはないが、アフガン国民の助けとなることを望む」と語ったことを明らかにした。
 特使はさらに、「長年の内戦による窮乏状態を経験した多くのアフガン国民は(73年のクーデター前の)元国王の時代に良い印象を抱いている」と述べ、「元国王は国民を統合する上で重要な役割を果たすだろう」と期待感を表明した。
 元国王は21日、アフガンの国家元首選出と暫定政権樹立のため、全政治勢力が参加した緊急会議の開催を呼びかける声明を発表。反タリバン連合(北部同盟)代表団は今週中にも元国王を訪問する予定だ。 [2001-09-24-19:15] 65
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 09/24@国連で調整をとイラン アラブ首脳と電話会談(共同通信)

 【テヘラン24日共同】イランのハタミ大統領は二十三日夜(日本時間二十四日未明)、ムバラク・エジプト大統領、アブドラ・サウジアラビア皇太子、アサド・シリア大統領らアラブ主要国の首脳と電話会談し、米中枢同時テロで迫りつつある米国の報復攻撃への対応を協議した。
 ハタミ大統領は会談で、今回のテロを非難する一方で「テロとの戦いは国連の支援の下で調整して行うべきだ」と主張し米国の攻撃をけん制。イスラム国家として共同歩調を取る必要性を訴え各国首脳も同意した。
 エジプト・イスラエル平和条約締結(一九七九年)以来、断交状態にあるイランとエジプト両首脳が接触したのは昨年六月の初の電話会談以来。ムバラク大統領は、イランとの協力関係強化を呼び掛けた上で、テロ撲滅に一致した姿勢を表明するため世界各国の代表が参加した国際会議の開催を訴えた。(了)[2001-09-24-18:46] 67
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 09/24@民主的な暫定政府目指す 反タリバンの「北部同盟」 カゼミ(共同通信)

 米中枢同時テロで、アフガニスタン・タリバン政権への米軍の報復攻撃が迫る中、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」などが新政権樹立に向けて動き始めた。北部同盟中央評議会メンバーで、イランに亡命中のムスタファ・カゼミ氏(41)に聞いた。(テヘラン共同=福田泰教) ―アフガニスタンのザヒル・シャー元国王の呼び掛けで、近くローマで反タリバン勢力の緊急議会が開かれるが。
 「新たな政治のメカニズムをつくるのが狙いだ。まず(反タリバンの)全勢力が参加した緊急国民大会議(ロヤ・ジルガ)を開く。次に民主的な暫定政府を設立、その下で自由選挙を行う。この三段階でアフガニスタン再建を計画している。これは、われわれが三年前から温めてきた構想だ。昨年、元国王との間で計画の実行に合意した」 ―会議にはどのような勢力が参加するのか。
 「北部同盟からは私を入れて五人が派遣される。少数民族代表なども含め、全部で約十グループ。タリバンの母体であるパシュトゥン人の穏健派も参加する。元国王が会議のカギを握る人物になるのは間違いないが、王政復古は考えていない。また、タリバンが攻撃で弱体化しても、北部同盟にアフガニスタン全土を統治できる能力もない」 ―ウサマ・ビンラディン氏を保護するタリバンについて。
 「タリバンは外国からテロリストを集めた張本人。イスラム国家を標ぼうしながら、同じイスラム教徒の国民を虐殺している。われわれハザラ人をイスラム教シーア派という理由だけで虐殺してきた。一年で約千人を殺された地区もある。アフガニスタン国民は報復攻撃を待ち望んでいる。バーミヤンの仏像破壊でも分かるように、彼らはアフガニスタンの文化や歴史、国民を人質にしている」 ―現在のアフガニスタン情勢はどうか。
 「タリバン指導者のオマル師は(本拠地の)カンダハル市内から出たが、まだカンダハル州内にとどまっている。ビンラディン氏もその近くにいるとの情報を得ている。パキスタンが国境を完全に封鎖できれば、タリバンは補給路を断たれ、敗北するだろう」 ムスタファ・カゼミ 1960年アフガニスタン生まれ。79年のソ連軍アフガニスタン侵攻に対し、イスラム戦士として戦闘に参加。96年タリバンの攻勢でカブールが陥落し、イランに亡命。北部同盟を構成する「イスラム統一党アクバリ派」の党首代理。(了)[2001-09-24-18:01] 70
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 09/24@アフガン元国王へ接触相次ぐ 政権の今後にらみ各国(共同通信)

 【ローマ24日共同】一九七三年に無血クーデターで追放され、現在はローマに住むアフガニスタンのザヒル・シャー元国王(86)。米中枢同時テロをきっかけに、アフガニスタン・タリバン政権の今後をにらんで各国当局者らが頻繁に接触、周辺がにわかに慌ただしくなってきた。
 二十三日にはアフガニスタン和平問題担当のベンドレル国連事務総長特使と会談。米国やイタリアなどの当局者も緊密に連絡を取っている。
 元国王はローマ市北部に豪邸を構え、自宅の電話番号は公表せず側近に囲まれてひっそりと暮らしていた。九九年六月にタリバンと北部同盟の双方に「長老会議」招集を呼び掛けたが、タリバンに拒否され、これまでは出番がなかった。
 しかし、米中枢同時テロで事態は一変。ベンドレル特使との会談で、元国王はアフガニスタンからテロ勢力を撃退し、和平復活に一役買いたいと表明したとされる。
 元国王は王位への「復権」の野心は打ち消しているが、同時テロ発生後は「アフガニスタンはわたしの祖国。政治勢力とは今も接触がある」と発言。ローマの消息筋は「リベラルだが復権には強い熱意を抱いている」と指摘する。
 米国のおぜん立てで、反タリバンの北部同盟関係者が近くローマを訪れて元国王と会談する見通し。男女同権を主張するなど米国にも好意的に迎えられそうな元国王の言動は、高齢にもかかわらず一気に政治色を帯びてきた。(了)[2001-09-24-17:14] 75
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 09/24@人体実験の277人判明 関東軍極秘文書を公開 中国公文書(共同通信)

 【長春(中国吉林省)24日共同】日中戦争当時、旧関東軍防疫給水部(七三一部隊)が中国や旧ソ連、朝鮮の捕虜計二百七十七人を、細菌兵器開発のため人体実験に利用したことを裏付ける関東軍憲兵隊の極秘文書の存在が、二十四日までに明らかになった。
 中国吉林省公文書館(長春市)が、九月十八日の満州事変七十周年に向けて今年一月から詳細な整理、研究を進め、九月から内外に初めて公開した。小泉純一郎首相の靖国神社参拝などの歴史問題で日中関係がぎくしゃくする中、日本に侵略の歴史をアピールする狙いもあるとみられる。
 憲兵隊は証拠隠滅のため大部分の文書を終戦時に焼却しており、約三千人と推定される人体実験の犠牲者の一割近い氏名が分かったのは初めて。犠牲者に旧ソ連や朝鮮の捕虜がいたことも日本側の文書では初めて確認され、人体実験の真相を解明する重要な手掛かりとなりそうだ。
 憲兵隊がスパイ容疑で拘束した捕虜のうち、三、四割を人体実験に使ったことも文書で分かった。
 文書は一九三九年五月から四五年五月の間、関東軍憲兵隊司令部や各地の分隊が作成した八十点、計約六百三十ページ。スパイとして拘束した捕虜を人体実験に利用するためハルビンの七三一部隊に「特別移送」した際の連絡文書や「捕虜処分一覧表」などで、捕虜の氏名のほか出身地や写真を添付した文書もある。
 これまで黒竜江省が九九年に公表した類似の憲兵隊文書で五十二人の氏名が判明していたが、このうち三十三人は今回の文書でも再確認された。
 公文書館によると、この文書は五五年、撫順戦犯管理所(遼寧省撫順市)に収容されていた日本人戦犯の供述に基づいて、長春市の関東軍憲兵隊司令部(現吉林省政府庁舎)の地下から三千六百点の文書の一部として発掘された。(了)[2001-09-24-15:53] 83
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 09/24@国連スタッフの国際電話を禁止 タリバーン(朝日新聞)

 国連児童基金(ユニセフ)に入った情報によると、アフガニスタンのタリバーン政権が、国連機関のアフガン人職員に対し電話やファクスによる国外への連絡を禁じていたことが分かった。
 ユニセフによると、タリバーン政権の指示は、カブールで開かれた聖職者会議で決まり、20日に通達された模様だ。「電話などの使用が見つかれば極刑もあり得る」とし、カブールやカンダハルでは実際に事務所内の電話など通信機器が封印されたという。
 これを受け、パキスタンの国連機関ではアフガンへの連絡を控え、国外に出た人から現地の情報を集めるなどの対応策をとっている。アフガン内の国連機関には、約700人のアフガン人職員がいる。[2001-09-24-08:49] 86
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 09/24@ロシア国防相、基地使用などで電話協議(共同通信)

 【モスクワ23日共同】タス通信によると、ロシアのイワノフ国防相は二十三日、ライス米大統領補佐官と電話会談し「中央アジア諸国の領土からの国際テロとの闘争」や、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」への「共同支援問題」を協議した。
 同時テロへの報復攻撃のため、ウズベキスタンやタジキスタンの空軍基地の使用を望んでいるとされる米国の要請を基に話し合ったとみられる。
 プーチン大統領は、ブッシュ米大統領と二十二日に電話会談。二十三日は中央アジア五カ国すべての首脳と電話会談した。(了)[2001-09-24-08:14] 88
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 09/24@国連特使が元国王と会談 アフガン和平で役割に期待(共同通信)

 【ローマ23日共同】アフガニスタン担当のベンドレル国連事務総長特別代表は二十三日夕、ローマを訪問し、一九七三年からイタリアに亡命中のアフガニスタンのザヒル・シャー元国王(86)と四十五分間にわたって会談した。
 特使は元国王宅での会談後に「今後の展開で元国王の果たす役割は大きい」と述べ、米中枢同時テロにより流動化しているアフガニスタンでの和平回復をめぐり元国王に期待を表明した。
 会談では、元国王が呼び掛けている元首選出のための緊急議会招集などが協議されたとみられる。特使によると、元国王は王位への復権よりも、アフガンの和平回復で役割を果たしたいと述べたという。
 元国王は二十三日のレプブリカ紙とのインタビューで「カブールに戻る準備はできている。しかし、米国はアフガニスタン人民を攻撃の巻き添えにしないように望む」と述べていた。(了)[2001-09-24-08:06] 73
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 09/24@苦しんでパルマ初白星 「中田は成長」と監督(共同通信)

 サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)のパルマは23日、地元でブレシャに1―0で勝ち、今季リーグ戦4試合目で初勝利を挙げた。中田英寿が後半42分に決勝点となる今季初得点。ウリビエリ監督は「今の難しい状況を打ち破る意味で重要な勝利だ」と笑みをこぼした。
 もがき苦しんだ末のゴールだった。パルマは自信のなさか、各選手ともボールを受けて一瞬、間が空いていた。中田もすぐにパスを出せずに、地元サポーターからも度々、不満を示す口笛が吹かれた。
 しかし、後半に入り徐々にボールの速度が増し、攻撃にリズムがでてきた。得点シーンは、ゴールエリア右で後方からのロングパスを受けたディバイオが中に走り込んでいた中田につないだ。見事なカウンターの流れだった。
 開幕からの思わぬ失速。批判はウリビエリ監督とともに高額移籍の中田にも集まっていた。しかし、同監督はこの日「中田は日曜日ごとに成長している。まるで機械のように正確」と言った。
 攻撃に関しては良くも悪くも中田次第という今季のパルマ。批判も集中しやすいが、よくなれば波及効果も大きい。これから、チーム全体も中田と歩調を合わせて上昇していくと期待したい。(パルマ共同=松村圭)(了)[2001-09-24-16:12] 82
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 09/24@W杯でテロ対策強化を 韓国大統領(共同通信)

 【ソウル24日共同】韓国の金大中大統領は二十四日、来年韓国で開かれる日韓共催の二○○二年ワールドカップ(W杯)サッカーと釜山アジア大会などでのテロに備え、徹底した警備対策をたてるよう関係閣僚に指示した。
 金大統領は、米中枢同時テロを契機に「国際紛争が長期化する場合、W杯サッカーがテロ集団の関心事となる可能性がある」と述べた。
 具体策としては日本、米国など関係国との緊密な協力を通じてテロに対する予防と対処能力を強化し、重要施設、危険物質などへの警戒と安全管理を強めることを挙げた。(了)[2001-09-24-11:29]
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 09/25@アフガンで最悪の難民危機、潜在的には550万人(読売新聞)

 【イスラマバード25日=大内佐紀】アフガニスタン情勢が緊迫する中、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)では、「旧ユーゴスラビア・コソボを超える、史上最悪の難民危機が発生する恐れがある」(レッドマン報道官)と危機感を募らせている。潜在的難民は550万人と言われ、既に数百万人のアフガン難民を受け入れている周辺国も新たな受け入れに難色を示しているからだ。
 在イスラマバードの同事務所では、少なくとも数百万人の難民がパキスタンに殺到することを想定、同国内に20か所ある難民キャンプの増営準備に入った。アフガンとの国境に近いペシャワルとクエッタには、25日までにテント1万2000張りや緊急食糧などが慌ただしく集積された。各国の救援物資も今週中に到着が始まる予定だ。
 UNHCRは90年代だけでも、イラクのクルド族、ルワンダ内戦、コソボなどで100万人規模の難民問題に対応した経験があるが、当地の幹部は、「今回は、過去に類を見ない対応が必要になるだろう」と予見、表情を曇らす。
 アフガンでは、今回の米テロ事件発生以前の段階で、長引く内戦や干ばつのため、国民の4人に1人にあたる550万人が外国からの援助に依存。「米国の軍事作戦が始まり、我々の援助が途絶えれば、これらの人々には、飢え死にするか、国境を目指すかの選択肢しかなくなる」(同幹部)からだ。
 その援助も風前のともしびだ。アフガンの実効支配勢力タリバンは、アフガン内の国連事務所を占拠し国際電話を没収。外国人職員が撤収した後、現地スタッフが細々と続けていた援助活動をも妨害する動きに出ている。
 周辺国の受け入れ状況も既に“飽和状態”に陥っている。アフガン難民は、テロ事件に先立つ今月10日時点で、パキスタンに200万人、イランに150万人など、計約370万人に達している。
 90年代半ばまでは、アフガン難民受け入れに寛容だったパキスタンも、問題が長期化する中で「パキスタンも貧しい国なのに、なぜ過分の負担を強いられるのか」と主張、受け入れに難色を示すようになった。UNHCR幹部は、「日米両国などの対パキスタン経済支援は、パキスタンの負担への配慮という観点からも貴重だ」と語る。
 UNHCRなど国際機関は25日夕、合同で数億ドル規模の緊急支援を各国にアピールする。 [2001-09-25-23:19] 2
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 09/25@マケドニア国会、憲法改正案を大枠承認(読売新聞)

 【ウィーン25日=佐々木良寿】マケドニア国会は24日、アルバニア語の公用語化などアルバニア系住民の権利向上を盛り込んだ15項目の憲法改正案を大枠で承認した。憲法改正を行うかどうかの最終的な審議は、26日が終了期限となっている北大西洋条約機構(NATO)部隊によるアルバニア系武装勢力「民族解放軍(NLA)」の武器回収作戦後に行われるが、定数の3分の2の賛成が必要で、マケドニア人強硬派の抵抗が依然予想されている。
 ジョージ・ロバートソンNATO事務総長は25日、マケドニアのスコピエ入りした。憲法改正を含む和平案の議会最終承認に向け、主要政治指導者に圧力をかけるのが狙い。 [2001-09-25-21:14] 6
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 09/25@米一極支配の強化を警戒 中央アジア権益維持を優先(共同通信)

 【モスクワ25日共同=吉田成之】米中枢同時テロをめぐる米国の報復攻撃に対し、ロシアが軍事作戦への不参加だけでなく、ロシア領空の軍事利用を認めないなど側面支援に限定する対応を打ち出した最大の要因は「一方的外交」を進める米ブッシュ政権への警戒感だ。
 プーチン政権としては事件に対する国際的同情の高まりから報復作戦自体に反対することはできない。しかし米国主導の軍事作戦にロシアが深く組み込まれれば、副産物として米国一極支配体制の強化を招くだけとの懸念がある。
 特にロシアが憂慮するのは自らの「裏庭」(ロシア下院幹部)である中央アジアへの米国の進出だ。
 二十四日のテレビ演説で中央アジア諸国に対し、米軍への空港提供を容認する立場を表明する一方で、暗にロシアへの同調を求めたプーチン大統領の発言は、権益維持に躍起となっているモスクワのいらだちものぞかせている。
 アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」への軍事支援拡大もロシアの影響力確保という文脈でみるべきだろう。
 また広範な国民統合を政治理念に掲げる大統領としては、ユーゴスラビア空爆以降、米国への反感が強い左派系世論や旧ソ連のアフガン進攻失敗によるアフガンアレルギーも考慮。国論分裂を回避するためにも踏み込んだ軍事協力はあり得ない選択肢だった。
 またチェチェンでの反テロ軍事作戦で欧米から「人権侵害」と非難されていたロシアとしては、米国がロシア批判を撤回しないうちは軍事報復に協力したくないとの意地もあったとみられる。
 一方で大統領は米ロ関係の改善次第では報復攻撃への協力拡大もあり得ることを示唆。ミサイル防衛問題などで米国が譲歩すれば、対米協力で取引する用意があるとの「プーチン流実利外交」ものぞかせた。(了)[2001-09-25-08:31] 8
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 09/25@◎マケドニア国会、改憲案を承認=和平プロセスは最終段階に(時事通信)

 【ウィーン24日時事】マケドニア国会(定数120議席)は24日、過去7カ月間に及ぶ民族紛争の収拾に向け、アルバニア系住民の権利向上を盛り込んだ憲法改正に関する計15の法案を賛成多数で承認した。改憲そのものは、今後改めて表決に付される手続きになっており、マケドニア和平プロセスは最終段階に入る。
 法案は、マケドニア人側とアルバニア系住民側の主要政党が調印した和平案を履行するため、策定された。
 承認された一連の法案の詳細は、今後10日以内に国民に示され、国会はその議論を踏まえて改憲の是非について表決を行う。改憲成立は議会3分の2以上の賛成が必要であり、法案が議会を通過したとはいえ、最終的に改憲が実現するかどうかは予断を許さない。 [時事通信社][2001-09-25-01:22] 1
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 09/25@タリバン政権分裂目指す 断交進むと米長官示唆(共同通信)

 【ワシントン24日共同】米中枢同時テロでパウエル米国務長官は二十四日、米国がアフガニスタン・タリバン政権の内部分裂工作に乗り出す方針を明らかにした。ロイター通信との会見で語った。
 長官は「タリバン内部の亀裂を見つけだし、ブッシュ大統領の呼び掛けに同調するよう説得していきたい」と述べ、米国が中枢テロの「最重要容疑者」ウサマ・ビンラディン氏を保護するタリバン政権を崩壊させる方針であることを認めた。
 長官はさらにテロ発生後のタリバン政権との断交の動きについて「残るは二カ国だけだ。ことによると(パキスタンとサウジアラビアも)脱落するかもしれない」と述べ、アラブ首長国連邦に続き、残る二カ国が近い時期にタリバン政権と断交するとの見通しを示した。
 プーチン・ロシア大統領が領空通過などの容認を表明したことについて長官は歓迎の意を示しながらも、その見返りとしてロシアによるチェチェン共和国でのイスラム独立勢力への武力弾圧を認めるようなことはないと断言した。(了)[2001-09-25-11:08] 2
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 09/25@米国の性急な武力行使に反対 イランとアラブ首脳が一致(朝日新聞)

 イランのハタミ大統領は24日までに、エジプトのムバラク大統領、シリアのアサド大統領、サウジアラビアのアブドラ皇太子と相次いで電話会談し、米国がアフガニスタンのタリバーンに対して性急な武力行使に踏み切ることに反対する考えで一致した。
 国営イラン通信やイラン各紙によると、ハタミ大統領は電話会談で、テロと戦うには国連が最もふさわしい機関であると強調し、性急で感情的な攻撃には反対するとの立場を伝えた。
 これに対し、ムバラク大統領はハタミ大統領の考えに賛成するとしたうえで、「大小を問わずすべての国が参加する反テロ国際会議を開くべきだ」と提案した。
 アサド大統領も「一般国民を犠牲にしたテロ対策は実りがない。国連の枠組みの中で行われるべきだ」と述べ、「アフガンを攻撃すれば危機は深まりテロが固定化される」として米国の報復攻撃をけん制した。[2001-09-25-11:05] 3
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 09/25@<ロシア>米軍事報復作戦支援の方針を発表 プーチン大統領(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】ロシアのプーチン大統領は24日、テレビ演説し、アフガニスタンの反タリバン連合(北部同盟)への軍事支援などを骨子とする米軍事報復作戦への対応を初めて明らかにした。支援策には軍部隊の派遣は含まれていないが、米軍事作戦への積極支援の意思を明確にしている。イワノフ露国防相によると、来週末には米国防省高官がモスクワ入りし、軍事作戦の協議を行うという。 
 大統領が発表した対米支援策の指針は、(1)情報機関の国際協力の活発化(2)反テロ作戦実施地域への人道物資空輸のためのロシア領空通過許可(3)領空通過や空港使用問題などで、中央アジア諸国との共同行動(4)必要な場合は、捜索・救出国際行動に参加(5)(北部同盟を構成する)ラバニ政権との協力と同政権の軍事組織への兵器・軍事技術援助――の5項目。
 さらに、大統領は軍事作戦参加国とのより深い協力行動もあり得ると説明し、イワノフ国防相を中心とする特別チームを編成し、状況分析や協力行動を協議すると述べた。
 また、大統領はロシア南部のチェチェン共和国問題も国際テロとの闘いの枠外に置くことは出来ないと述べ、武装勢力に対し、72時間以内の期限付きの武装解除を求めた。
 プーチン大統領は、声明の中で、テロに効果的に対抗できる国際法の改善を求め、国連および国連安保理の役割強化を訴えた。しかし、米軍事作戦の実施には国連決議の必要性を挙げておらず、米軍事報復作戦の積極支持を打ち出した形となっている。
 プーチン大統領は中央アジア諸国とも協議し、根回した形跡が濃厚で、中央アジアからアフガニスタンへの軍事作戦ルートを事実上、開けて見せたといえる。パキスタン国内はタリバン支持のイスラム原理主義勢力の動きが高まり、米軍事作戦の拠点になるかどうか微妙になっており、北部同盟支援の行方が注目されている。 [2001-09-25-11:05] 5
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 09/25@タリバンがアフガン各地の国連施設を占拠(読売新聞)

 【ニューヨーク24日=勝田誠】国連報道官は24日、首都カブールや南部カンダハルなどアフガニスタン各地にある国連機関の事務所や倉庫、施設が同日までにイスラム原理主義勢力タリバンに占拠されたことを明らかにした。
 占拠されたのは各都市の世界食糧計画(WFP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連開発計画、世界保健機関など9つの国連機関。外国人職員は大半が国外に脱出したが、まだ現地職員約700人が働いているという。タリバンの拠点カンダハルでは、WFPが管理する倉庫から援助用の食糧1400トンが奪われたほか、食糧を配給している民間援助団体も襲われた模様。 [2001-09-25-10:53] 7
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 09/25@ロシア大統領、米のアフガン軍事行動へ5項目の協力方針(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は24日夜、テレビ演説で、人道支援目的に限り、米国機などにロシア領空の飛行を認めることなど、アフガニスタンで予想される軍事行動に関する5項目の協力方針を発表した。アフガニスタンでタリバーンに対抗している北部同盟に対し、武器を供与することも盛り込まれている。米国の軍事行動に距離を置いてきた従来の姿勢を転換するもので、軍事面での対米協力に踏み込んだ形だ。
 ロシア領空の提供について、大統領は「アフガン国内の対テロ作戦地域への人道的救援物資の輸送」との条件をつけ、武器・弾薬の輸送など軍事行動と一体化した支援とは一線を画した。アフガニスタン北部と国境を接するタジキスタンなど旧ソ連の中央アジア諸国が飛行場提供を検討しているとも指摘し、ロシアに異存のないことを示した。
 国連の代表権を持つ北部同盟のラバニ政権を「国際的に承認された合法政権」と呼び、武器供与の形で支援を拡大することも表明した。[2001-09-25-10:47] 8
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 09/25@<フランス>タリバン政権の資産をテロ発生前から凍結 仏当(毎日新聞)

 【パリ福島良典】ファビウス仏財務相は23日、ウサマ・ビンラディン氏を庇護するアフガニスタン・タリバン政権の資産を仏当局が米同時多発テロの発生前に凍結していたことを明らかにした。
 財務相は23日夜の仏民放テレビで「フランスではアフガニスタン銀行にあるタリバン資金400万ドル以上をテロの少し前に凍結した。ビンラディンまたは彼の部下につながりうる資金は完全に凍結される」と述べた。
 凍結はタリバン政権への制裁強化を盛り込んだ昨年12月の国連安保理決議に基づく措置。同決議は国連加盟国に対し、ビンラディン氏自身と同氏が率いるイスラム原理主義過激派組織「アルカイダ」などの資産を速やかに凍結するよう「新たな措置」を求めている。 [2001-09-25-10:35] 9
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 09/25@国連事務総長、小泉首相にアフガン人道支援を要請(読売新聞)

 【ニューヨーク24日=遠藤弦】小泉首相は24日午後(日本時間25日早朝)、国連のアナン事務総長と国連本部で会談し、「テロ対策のためにあらゆる手段を講じるつもりだ」と述べ、テロ抑止に向けた国連活動を全面支援する考えを伝えた。
 アナン氏はアフガニスタンの国内情勢が悪化している状況に関し、「対アフガンの人道支援の強化が極めて重要だ。ぜひ日本からの協力を得たい」と要請した。これに対し、首相は「日本は武力行使に参加しないが、難民支援、医療協力、経済支援の分野で努力していきたい」と前向きに対応する意向を表明した。 [2001-09-25-10:34] 10
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 09/25@◎アフガン住民保護で「あらゆる措置」を=国連諸機関が共同(時事通信)

 【ニューヨーク24日時事】国連児童基金(ユニセフ)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など国連諸機関は24日、アフガニスタンで「驚くべき規模の人道上の危機が広がろうとしている」として、国際社会に対し、アフガン住民を保護するため、「あらゆる措置」を取るよう訴える共同声明を発表した。
 声明によると、アフガンでは、(1)500万人以上が生存のために人道支援が必要(2) 何万もの人々が安全と援助を求めて移動中(3)国連の食糧援助に頼っている人が既に3 W0万人に上るが、11月1日までに、その数は550万人に達する見込み(4)支援を必要とする人のうち、2割近くが5歳未満の子供−となっている。
 また、世界食糧計画(WFP)の見積もりでは、アフガンの食糧備蓄は2、3週間以内に底を突くという。 [時事通信社][2001-09-25-10:25] 12
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 09/25@領空通過は人道支援に限定 北部同盟には武器供与拡大 ロシ(共同通信)

 【モスクワ24日共同=有田司】ロシアのプーチン大統領は二十四日、テレビ演説し、人道支援目的に限った自国の領空通過の許可や、アフガニスタンの反タリバン勢力「北部同盟」を構成するラバニ政権への武器供与拡大など、米中枢同時テロをめぐる米国の軍事報復に対する五項目の対応策を発表した。
 これにより、ロシアは米国の軍事報復を容認する一方、直接の軍事行動には踏み切らない方針を初めて正式に表明し、対米支援を限定的なものにとどめる姿勢を明確にした。
 発表した項目はこのほか@中央アジア諸国の基地使用に反対しないA要請があった場合の捜索・救助活動への参加Bテロリストに関する情報機関の協力。
 ロシアは反タリバンで米国と利害が一致しているものの、自らの権益圏である中央アジアでの米国の影響力増大などを懸念、限定協力を決めたとみられる。
 ブッシュ米政権は軍事報復をめぐるロシアの同意をひとまず取り付けたことになるが、ロシア領空で作戦機の飛行ができないなどの制約を受けることで、作戦の立案にも影響を及ぼす可能性がある。
 しかしプーチン大統領は同時に、米ロ関係の進展によってはこれ以外の協力の可能性もあると述べ、今後の新たな支援にも含みを残した。
 また独立国家共同体(CIS)の中央アジア諸国に対しては「立場が一致」していると指摘。ロシア同様に人道目的の領空通過や空港使用にとどめるよう各国をけん制したとみられる発言もあった。
 またテロ対抗策には国際的な法的基盤が必要と指摘。国連や国連安保理の存在を強調し、何らかの決議が必要との認識を示唆した。
 イワノフ国防相も同日、ロシア軍の派兵はないと言明。北部同盟に武器供与を行っていたことを公にするとともに、今も支援要請を受けているとして、イランやインドとともに武器供与を続けると語った。
 国防相はまた、来週末に米国防総省代表団が軍事作戦の説明のためロシアを訪問することを明らかにした。
 プーチン大統領はテレビ演説に先立って同日、下院の各会派代表にもこれらの方針を説明、原則的支持を得た。(了)[2001-09-25-08:43] 13
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 09/25@国連中心に反テロ連合を アナン総長が演説(共同通信)

 【ニューヨーク24日共同】アナン国連事務総長は二十四日の国連総会で演説、「テロと対抗するための長期戦に正当性を与えられるのは国連だけだ」と述べ、国連を中心に反テロ連合を形成するよう訴えた。
 総長は米中枢同時テロについて、「一都市一国家だけを対象にしたものではなく、加盟国すべてに対するもの」と指摘した。アナン氏が総会の場で演説するのはテロ発生以来初めて。
 アナン氏は十二日に安全保障理事会が採択した「テロに対応するため、すべての必要な措置を取る用意がある」とのテロ非難決議を評価。しかし武力報復を実際に行うために新たな安保理決議が必要か否かには触れなかった。
 この日の国連総会ではロシアのイワノフ外相も演説。「国際平和と安全の維持のためには、国連の役割を強化することが必要だ」とアナン氏への支持を表明した。
 国連総会は来月一日から各国代表がテロ対策について集中討議する予定。事務総長はこの討議をきっかけに、各国がテロ防止につながる各種国際協定批准を進めるよう求めた。(了)[2001-09-25-08:35] 15
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 09/25@タリバンが難民支援要請(共同通信)

 【イスラマバード25日共同】アフガニスタンのタリバン政権は二十四日、米国の報復攻撃を恐れて同国とパキスタンなどの国境に難民が押し寄せていることを受け、国連や人道団体に対し、国境を開いて難民を受け入れるよう周辺諸国に圧力をかけることを求めた。タリバン系ラジオが報じた。
 同ラジオは、難民はパキスタンやイラン、タジキスタンへの入国を望んでいるが、これらの国々は受け入れを拒否していると指摘。タリバン政権の担当省が「人道的危機を避けるためにも、難民に対する態度を改めて、必要な支援を行うようこれらの国に働き掛けてほしい」と呼び掛けたと報じた。(了)[2001-09-25-08:22] 16
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 09/25@タリバンが国連事務所接収 通信機器など差し押さえ(共同通信)

 【イスラマバード24日AP=共同】イスラマバードの国連当局者は二十四日、アフガニスタンのタリバン政権の兵士が先週末にかけてカブールやカンダハルにある国連の事務所を接収し、職員の携帯電話、コンピューターなどの通信機器や車両などを差し押さえたことを明らかにした。
 またイスラマバードの国連児童基金(ユニセフ)のスポークスマンによると、タリバン側は地元スタッフらに対し、これらの機器を使用すれば処刑すると警告しているという。
 米中枢同時テロの後、アフガニスタン国内で活動していた国連の外国人スタッフは安全のため同国から出国したが、地元スタッフは人道援助などの継続のためとどまっている。
 同スポークスマンは「地元スタッフの安全と(展開中の)プログラムがどうなるかについて心配している」と話した。(了)[2001-09-25-08:21] 17
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 09/25@チェチェン紛争で最後通告 ロ大統領がイスラム勢力に(共同通信)

 【モスクワ24日共同】ロシアのプーチン大統領は二十四日のテレビ演説でチェチェン紛争にも言及、連邦軍と戦闘を続けるイスラム武装勢力に対し、七十二時間以内に武装解除と和平に関する交渉を連邦政府側と開始するよう最後通告を行った。
 大統領は武装勢力側が拒否した場合の対応については触れなかったが、武装勢力が大統領提案を受け入れる可能性は低く、連邦軍が大掛かりな攻勢に出る可能性も出てきた。
 大統領は米国など国際社会が国際テロ組織への断固たる対応を決めたのを受け、チェチェンの武装勢力に対しても「国際テロ組織との接触を打ち切る」よう呼び掛けた。
 これは米中枢同時テロの背後にいるとみられるウサマ・ビンラディン氏がチェチェンの武装勢力も支援していることを念頭に、ビンラディン氏との絶縁を求めたものだ。
 大統領は政府側の交渉代表にカザンツェフ大統領全権代表を任命した。連邦軍のチェチェンでの戦闘は九月末で三年目に突入する。(了)[2001-09-25-08:18] 18
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 09/25@報復やめ裁判で解決を 国際アムネスティ(共同通信)

 【ロンドン24日共同】国際的な人権擁護団体、国際アムネスティ(本部・ロンドン)は二十四日、ブッシュ米大統領と国連安全保障理事会に書簡を送り、米中枢同時テロに対しては「容疑者を公正な刑事裁判にかけることを目指すことに全力を挙げるべきだ」と述べ、軍事報復を回避するよう求めた。
 またアフガニスタンの人々が軍事攻撃を恐れて国外に逃れようとしていることに触れて、隣接するパキスタン、イラン、タジキスタンは国境を開いて彼らを受け入れてほしいと呼び掛けた。(了)[2001-09-25-08:15] 24
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 09/25@<対米支援>パキスタンに医療部隊派遣 防衛庁検討(毎日新聞)

 防衛庁は24日、米同時多発テロ事件の米軍による報復行動を想定して、パキスタンでの米軍支援計画の検討を本格化する。政府が国会に提出予定の新法では、相手国の同意を前提に他国の領土・領海にも自衛隊派遣が可能となることを踏まえたもので、医療部隊の派遣や、インド洋上の軍事拠点とパキスタン港湾間の物資や燃料の輸送、補給も選択肢と考えている。
 政府は今回、医療支援を対米協力の柱に据えている。このため、まずアフガニスタンで米軍事行動が起きた場合、後方支援拠点となるパキスタンに医官を派遣する。さらに、要請が大きくなった場合は医官に加え、陸上自衛隊を中心とする100人規模の医療部隊を編成、野戦病院などで負傷者を応急治療することも想定している。ただ、新法は「戦闘区域外」行動が前提となるため、危険と判断した場合は、99年のトルコ大地震の際に被災者に仮設住宅を輸送した海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」を病院船として派遣することも検討している。
 また、輸送・補給では日本からインド洋の英領ディエゴガルシア島への輸送支援を検討しているが、同島から米海軍の拠点となるパキスタンの港湾への輸送協力や、パキスタン港湾での補給協力も支援対象となる見通しだ。海上自衛隊の補給、輸送艦のほか、航空自衛隊のC130輸送機を水、油、医薬品などの物資輸送のため派遣を検討。米側の要請次第で、弾薬や燃料を輸送するため、陸上自衛隊の部隊のパキスタン派遣も検討の対象になっている。
 政府内にはパキスタンでの活動は戦闘行為に巻き込まれる可能性があるとの理由から、新法で現行の武器使用基準の緩和が必要との議論も出ている。しかし、そうなると「戦闘区域外」を派遣対象とする説明と矛盾しかねないため、今後の課題となりそうだ。 [2001-09-25-03:00] 25
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 09/25@基地提供巡りパキスタンにジレンマ(読売新聞)

 【イスラマバード24日=新居益】24日始まった米国防総省代表団と、パキスタン軍によるアフガニスタン空爆を巡る協議で、米国側はパキスタン国内2か所の空軍基地の使用を求めたが、国内の反米感情を刺激する事態をおそれるパキスタン側は、人目につかない奥地の軍事施設の提供を検討していた。米国側が軍事目的追求を第一に要請した2基地は、都市部に位置しており、イスラム原理主義団体によるテロ行為などの対象となる危険性も高い。パキスタン政府は国内事情と対米協力とのはざまで難しい交渉を迫られている。
 米軍の対アフガン軍事作戦では、イスラム原理主義勢力タリバンの拠点である南部カンダハルやカブールの政府関連施設、東部の要衝ジャララバードの空港などの戦略拠点がまず標的になると見られている。
 米軍は、アラビア海などに展開する米艦船から巡航ミサイルや爆撃機で攻撃を実施。その後、特殊部隊を展開させることが予想され、補給基地や緊急避難地として戦略的重要性を持つのが、とくにクエッタとペシャワルの空軍基地だ。
 しかし、パキスタン国内では、イスラム原理主義者ばかりか、一般国民の間でも反米感情が高まり、ムシャラフ政権は対米協力との板挟みのなかで難しい立場に立たされている。
 とくに、ペシャワルには、親タリバン感情が強いアフガン最大民族のパシュトゥン人が多く、「星条旗を付けた軍用機が駐機すれば、地元住民が基地を襲撃する事態も予想される」(クルシード・ザマン元国防次官)ほど懸念が強い。このため、パキスタン政府は、奥地の施設使用許可を検討していた。
 シャリフ前首相顧問だったフセイン・ハッカーニ氏も、「クエッタとペシャワルは民間飛行場もあり目立つ。使用許可を与えるのは困難だろう。人目につかない施設を提供することでお茶を濁したいというのが大統領の本音」と分析する。
 ムシャラフ大統領は既に米側の要請のうち、同時多発テロの首謀者と米国が断定しているウサマ・ビンラーディンに関する情報提供や米軍機のアフガン空爆の際の領空通過などでは協力を約束。しかし、基地提供などの結果、国内に米軍兵士が足を踏み入れることについては慎重な姿勢を崩していなかった。
 米CNNテレビが24日伝えたところによると、米国防総省代表団は近くクエッタとペシャワルを訪問する。米国務省代表団も、今週パキスタン入りする。
 しかし、米代表団が、パキスタンの国内事情よりも、軍事作戦の遂行を優先させる姿勢を示してきたことで、ムシャラフ政権は、米国との協調で得られるメリットと、国内の反米感情をはかりにかける難しい立場に立たされた。 [2001-09-25-02:01] 27
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 09/25@<クローズアップ>米英、隠密作戦すでに着手か 特殊部隊と(毎日新聞)

 同時多発テロを受けた米国の軍事報復のうち、ウサマ・ビンラディン氏の拘束か殺害を狙う隠密作戦は既に着手段階に入った可能性がある。一部の米メディアは米軍特殊部隊がアフガニスタン周辺諸国に派遣され始めたと報じ、英特殊部隊がアフガンの反タリバン連合(北部同盟)支配地域に入ったとの情報もある。特殊部隊とは何か、アフガンでどんな作戦を繰り広げるのか。【ワシントン吉田弘之】
 ブッシュ米大統領は20日の議会演説で、対テロ作戦について「テレビで見ることが出来るような劇的な攻撃や、成功したとしても秘密にされるような隠密作戦を含むかもしれない」と語った。
 「劇的な攻撃」としては、巡航ミサイル攻撃や空爆、最終的には地上戦も考えられる。「隠密作戦」の主役は特殊部隊になるだろう。「報復」と「テロ組織の根絶」という大義名分から、ビンラディン氏の拘束か殺害が最優先されるためだ。米軍は98年、アフガンのタリバン支配地域に80発の巡航ミサイルを撃ち込んだが効果はなかった。
 米軍には「デルタ・フォース」「シール」「レンジャー」「グリーンベレー」などの特殊部隊がある。隊員は全体で約1万3000人とされ、欧州や中東地域にも配備されている。武器の扱いはもちろん、エンジニアリング、医療、通信の訓練も受ける。消音装置付き軽機関銃やナイフ、プラスチック爆弾、暗視ゴーグルなどを装備。入念なシミュレーションを繰り返し、標的を急襲する。
 特殊部隊の活動内容はほとんど公表されない。だがベトナム戦争時の70年にグリーンベレーが北ベトナム(当時)の捕虜収容所から米兵を救出した例や、デルタ・フォースが79年の駐イラン米大使館占領事件で作戦に失敗した例などは有名だ。米軍による83年のグレナダ侵攻、89年のパナマ侵攻、91年の湾岸戦争でも裏舞台で活躍した。
 米政府は今回の軍事行動計画を一切公表していない。中東、南アジアの安全保障問題を研究する米国際戦略問題研究所のアンソニー・コルデスマン氏は「現在の軍の配備状況を見ると、あらゆる作戦が可能。ビンラディンの所在を特定することが大切で、特殊部隊の投入形態も作戦内容によって変わる」と語る。
 特殊部隊を投入しても問題は多い。アフガンは数千メートル級の山岳地帯が国を覆う。世界最大の「地雷埋設国」としても知られる。アフガン兵士はゲリラ戦の手だれだ。米軍事筋は「一歩間違えば、特殊部隊は片道切符になる」と言う。
 現時点では、近隣の基地からアフガン国内の目的地にヘリで輸送され、作戦を開始する公算が大きい。しかしビンラディン氏らは山の洞穴などに潜みながら居場所を頻繁に変えているとされ、スパイ衛星や偵察機での情報収集にも限界がある。このため中央情報局(CIA)工作員らが、アフガンやパキスタンで必死の情報活動を続けているという。
 タリバンは22日、アフガン北部で無人偵察機を撃墜したと発表。カメラなどを回収したという。ラムズフェルド米国防長官は23日、「撃墜されたと信じる理由はない」としながらも、米国の無人偵察機1機との連絡が途絶えたことを認めた。
 【ロンドン笠原敏彦】23日付の英サンデー・タイムズ紙などによると、英特殊部隊SAS(スペシャル・エア・サービス)が約1週間前、対外諜報(ちょうほう)機関MI6、米CIAのメンバーとともに反タリバン連合(北部同盟)が支配するアフガン北部に入った。ビンラディン氏の所在や想定される逃走ルート、地雷の埋設場所などの情報収集を急いでいるという。
 SASは戦時には敵前線の後方にパラシュートで侵入し、かく乱活動を行う。補給なしに数週間の作戦を継続できるサバイバル能力がある。
 82年のフォークランド紛争ではアルゼンチン側支配地域に侵入し、偵察や空軍機の破壊などで実績を上げた。91年の湾岸戦争ではイラク領内に奥深く潜入し、イスラエルなどへの脅威になっていたスカッド・ミサイルの所在を突き止め、空爆を要請したり自ら破壊することに成功している。
 第二次大戦中に創設されたコマンド部隊が前身。対テロ活動も主要な任務で、80年5月の英国のイラン大使館人質救出作戦で名を高めたほか、97年にはペルーの日本大使公邸人質事件でも作戦立案、訓練などに協力している。
 【モスクワ石郷岡建】タス通信は24日、米軍のC141輸送機がウズベキスタンの首都タシケント郊外の軍飛行場に到着し、これで米軍輸送機の到着は計3機、約200人の米軍関係者が同国入りしたと報じた。
 23日にはC130輸送機2機の到着が報じられている。ウズベク当局はいずれの報道も確認していないが、事実であれば米軍はウズベクを拠点に特殊部隊のアフガニスタン進攻を計画している可能性がある。
       ◇
▼デルタ・フォース
 77年、英国のSASを参考に創設され、世界最強の部隊と言われる。人質事件などに対応する対国際テロ特殊部隊として知られ、最新鋭武器を装備。米軍は存在さえ公式に認めていない。
▼シール
 海軍所属。43年創設の海軍施設破壊部隊(NCB)が前身で、現在はテロ事件にも対応。16人前後で行動し、陸海空にまたがる偵察、急襲破壊工作が主任務。計6チームあり、湾岸戦争では2チームが投入された。
▼レンジャー
 ベトナム戦争以降、主要な戦争や紛争の大半に参加しているとされる。奇襲や後方かく乱、夜間戦闘などを得意とし、陸海空からの配備が可能。心理作戦や対化学兵器調査グループもある。
▼グリーンベレー
 呼称は緑のベレー帽から取られた。主に他国でのゲリラ戦に参加。隊員は2カ国語以上を使いこなすことが条件。当初は偵察や後方かく乱を担当していたが、ベトナム戦争を機に対ゲリラ戦が主任務となった。 [2001-09-25-01:45] 28
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 09/25@<テロ関連3法案>早期成立は波乱含み (毎日新聞)

 米同時多発テロ事件を受け、政府・与党は25日から、(1)米軍などの報復攻撃に自衛隊の後方支援を可能にするための新法(2)避難民救援のための国連平和維持活動(PKO)協力法改正(3)国内警備強化の自衛隊法改正――のテロ対応3本柱について、大詰めの調整に入る。新法では、自衛隊派遣の「根拠」や米軍による武力行使との「一体化」をめぐる議論が民主党との調整のポイント。PKO協力法では武器の使用基準などが議論の焦点になる。一方で自衛隊法改正では警備対象拡大について自民党内で、なお混乱が見られる。【人羅格、及川正也、中村篤志】
 ■後方支援新法
 新法作りで、小泉首相は野党・民主党との合意に強い意欲を示している。調整のポイントになるのが、派遣の根拠だ。
 国際的な「お墨付き」として考えられるのは国連安保理による武力行使容認決議であり、国内的な担保となり得るのが国会による事前承認だ。しかし、新法は(1)武力行使容認決議までは要さず、9月12日のテロ非難決議で足りる(2)国会の事前承認は要さず、支援計画の事後報告でよい――との方針で法案をまとめる予定となっている。
 こうした点から、民主党からは「なし崩しの派遣となり、歯止めがなくなる」との声が出ており、同党の菅直人幹事長は「犯人を特定する新たな国連決議が必要だ」と指摘している。
 一方で、憲法解釈上認められない「武力行使との一体化」も、医療支援を中心にパキスタンでの陸上での米軍支援が予想される中では問題になる。政府は新法で「戦闘区域外」を何らかの形で表現して周辺事態法で言う「後方地域」にあてはめる形で、武力行使との一体化の回避を説明する方針だ。
 しかし「たとえ『後方地域』との表現を使っても、公海上を想定していた周辺事態法と、陸上も想定する新法とでは概念は異なる」と外務省幹部は指摘する。たとえば野戦病院ができ、医官や医療部隊を派遣した場合に「戦闘区域外」との説明で通せるのか、武器・弾薬の陸上輸送協力が仮に行われた場合、集団的自衛権の行使にあたらないのか、などが論点になる。PKО協力法と同様、武器使用基準の見直し論も浮上しそうだ。■PKO法改正
 避難民支援で政府はPKO法の「人道的国際救援活動」を適用、自衛隊を派遣する方針だが、焦点は武器使用問題だ。自民党は山崎拓幹事長らが中心になって武器使用基準の緩和に動いている。
 今回の難民支援では、パキスタン領域の難民キャンプや病院などで、衛生部隊を中心とする医療、防疫、給水活動などが想定されるが、この際、活動の警備や人員・物資輸送要員も必要となり、小銃などを携行した陸上自衛隊部隊が派遣される可能性が高い。
 しかし、94年にザイール(現コンゴ民主共和国)に派遣されたルワンダ難民支援では、活動地域で日本の非政府組織(NGO)がトラック略奪に遭い、小銃を携行した自衛隊員が輸送にあたったケースもあり、「今回も難民キャンプ周辺での治安悪化は予想される」(政府筋)という。
 ただ、PKO法の武器使用基準は「自己または共に所在する自衛隊員、もしくは隊員の生命、身体の防衛にやむを得ない場合」に限定されており、近隣にいる他国部隊や難民などが銃撃された場合、集団的自衛権や武力行使の観点から、応戦が可能かどうかは明確ではない。
 一方、PKO法では人道的国際救援活動の前提として「紛争当事者間の停戦合意」と「受け入れ国の同意」を定めており、PKO参加5原則にも同様の規定がある。今回、パキスタンが紛争に巻き込まれた場合、パキスタンが紛争当事国になるため、自衛隊を派遣できなくなる可能性がある。また、派遣後にこうした事態になれば、参加5原則にある「撤収」が適用され、「危ないから帰る」という日本の対応が他国からの批判を浴びることも予想される。
■自衛隊法改正
 在日米軍基地などの警備に自衛隊派遣を認める自衛隊法改正は、警備対象の範囲をめぐって迷走している。与党3党は18日、いったん自衛隊の警備活動の対象を首相官邸、国会など国内重要施設に拡大することで合意したが、「諸外国から来た人は戒厳令かと思う」(加藤紘一・自民党元幹事長)などの慎重意見におされ、対象を限定する修正を余儀なくされた。
 当初の与党案は自衛隊の警備対象として、(1)在日米軍基地など国の防衛のため重要な施設(2)首相官邸や国会、皇居など国政の中枢機能施設(3)原発など侵害された場合、著しく公共の安全を害する施設、の3分類を指定。自衛隊派遣には防衛庁長官と国家公安委員長の協議や首相の承認を要件とし、警備期間も事前に定めることにしていた。
 ところが、流れが変わったのは21日、自民党の総裁経験者と首相との会談。与党案は自衛隊の警備対象の範囲が明確になっておらず、中曽根康弘元首相が「警察との関係など、細心の注意を払う必要がある」と指摘したほか、橋本龍太郎元首相も反対意見を述べた。自衛隊法改正をめぐっては警察庁や同庁関係議員も反発した。
 これに対し、自民党国防部会には「一番重要な皇居や官邸を外したら意味がない」(幹部)と対象を限定することに強く反発する声がある。 [2001-09-25-01:45] 29
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 09/25@パキスタン・ペシャワルにアフガンから新難民(読売新聞)

 【ペシャワル(パキスタン北西部)24日=鈴木敦秋】米国の軍事行動が迫り、アフガニスタン国境に近い街・ペシャワルには、数十万人ともいわれるアフガン難民が流入している。市内20か所のキャンプに入れない難民も数万人以上いるという。激化する内戦で集落を追われ、「ジハード(聖戦)」への参加を迫るタリバンを振り切って国境を越えた一族は、必死の思いでペシャワルにたどり着いた。
 乾いた砂と岩の大地。赤茶けた急峻(きゅうしゅん)な山をロバや人がはうように登る。山頂のわずかな平地や山肌には、50近い灰色のテントがへばりつく。
 今月22日、ペシャワル郊外の荒れ地に25家族70人のアフガン難民が落ち着き先を見つけた。長老のアブドル・ムハマドさん(65)の決断で、アフガニスタンの首都カブールから北へ約30キロの人口5万人の街・カラバから逃れてきた一族だ。
 100頭のロバ、15頭のヤク、60羽のニワトリを連れ、300キロ以上を歩き通した。爆撃や強盗を避け、幅40センチの山道を越え、睡眠は深夜に約2時間だけ。首都カブール、東部のジャララバードでは、イスラム原理主義勢力タリバンと対立する武装勢力「北部同盟」の戦闘でビルや住居が破壊され、人の姿はなかった。
 10日以上歩いたころ、米国に近い北部同盟のマスード司令官が自爆テロに遭い、「米国が報復する」といううわさが流れた。さらに数日後、「米国でテロが起こった」と伝わると、道々は脱出するアフガン人であふれた。正規の国境は閉鎖され、北へ35キロの別のチェックポイントから国境越えを図った。
 チェックポイントには、500人近い難民が集まっていた。タリバンの警備兵は「戻って米国とのジハードに加われ」と迫る。しかし、アブドルさんの決意は揺るがなかった。
 深夜、警備兵の目を盗んで行動を開始。子どもや老人は大人たちがおぶったり、ロバに乗せたりした。「絶対に声を立てるな」。明かりをつけずに、山道を1列になって進み、パキスタン側への脱出に成功した。同じルートで国境を越えようとした100人の難民は行方がわからないままだ。
 ペシャワルに入り、3か所の難民キャンプを回ったが、すでに新しい難民があふれていた。国連の支援物資の奪い合いも起き、どこへも入れない。
 たどり着いた荒れ地で、川の泥水をくみ、低木の葉や殺した家畜を食べて生きる。2歳の子供や、病気の75歳の老人、戦闘に巻き込まれて片足を失った少女、目や指をなくした男たちもいる。
 それでも、アブドルさんの二男アミルさん(35)の結婚式に備え、12人の子供たちが太鼓のタンブルを打ち鳴らし、踊りの練習を続けていた。花嫁への贈り物は、新しい木綿の布一枚だという。
 「ソ連との戦争や内戦で破壊された祖国を、タリバンと米国がまた壊す。我々には、家も食べ物も国もない。だれも助けてくれない。戦争はもうたくさんだ」。アブドルさんは顔をしかめた。
 パキスタンにいるアフガン難民は現在、約200万人。その半数が、ペシャワルと周辺の105か所に住む。現地の国連関係者は「ペシャワルに流入した難民の規模は数十万人ともみられるが、正確には把握できない。冬になれば、カブールなど高地の最低気温はマイナス10度以下になり、さらに増えることも考えられる」と話している。 [2001-09-25-01:26] 33
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 09/25@天声人語(朝日新聞)

 バイオリンのアイザック・スターン氏がニューヨークで亡くなった。彼はこんどの同時多発テロを知っていたのだろうか。知っていたとしたら、どう思っただろうか▼湾岸戦争時の91年、彼はエルサレムで演奏会を開いた。会場に警報が鳴った。イラクのミサイル攻撃かもしれない。しかし彼は演奏をやめず、聴衆はガスマスクをして演奏会は続けられた。そんなことがあった▼20世紀を代表する巨匠のひとりだろう。それとともに、ユダヤ人であること、虐殺されたユダヤ民族の一員であることを生涯背負い続けた人だった。彼がドイツで演奏することは終生なかった。もちろんユダヤ人虐殺を引き起こした国だからだ▼「ナチ協力者」の疑いをかけられた指揮者フルトベングラーを、戦後いち早く擁護した故メニューイン氏とは、同じユダヤ人でもずいぶん違う。「許せないことがある」というのがスターン氏だった▼それにしてもバイオリンの巨匠といえば、ユダヤ系がどうしてこんなに多いのだろう。エルマン、クライスラー、ハイフェッツ、ミルスタイン、オイストラフ、シェリング……とても数え切れない。『二十世紀の名ヴァイオリニスト』(J・ハルトナック・白水社)によれば偶然ではない。詳述はできないが、才能あふれたユダヤの子どもが、逆境のなかでこの楽器に向かう歴史的背景があった。彼らが長じて後、教育に熱心な背景でもあろう▼スターン氏も、晩年少し節を曲げた。99年にドイツのケルンで9日間、若者の指導をした。ただし、自ら演奏はしなかった。[2001-09-25-00:49] 36 [このページの最初に戻る]


 09/25@<記者の目>同時多発テロと日本 小松浩(政治部)(毎日新聞)

 マンハッタンの摩天楼を地獄絵図に変えたテロから2週間がたつ。いつもなら悲惨な事件に胸ふさがれる思いがしても、記億は時間とともに薄れ、世界は前と変わらぬ表情を取り戻していく。だが、今回は違う。テロの衝撃は消えるどころか、むしろ、日々増していくような気さえする。映像のすさまじさや、犠牲者6000人以上という数のせいだけではない。テロリズムに対して、日本も「傍観者」ではいられないのだ、という実感の重さからだ。世界と日本を隔てていた被膜がはがれていく感覚、と言うのだろうか。
 中東で毎日のように繰り返されるテロ。遠い彼方の出来事と思っていた不条理が、こちら側の世界に飛び込んできたのである。豊かで安全と信じられていた先進国の中枢に。
 狙われたのはニューヨークであり、東京ではない。しかし、テロリストの操縦する旅客機がビルに激突した時、そこにいた多く人たちは、自分と同じように自由や民主主義の価値を信じ、映画も音楽もファッションも米国文化を愛し、受け入れていた人々だったろう。彼ら彼女らは、鏡に映った我々自身でもある。
 今回のテロではペンタゴン(米国防総省)も標的になった。同盟国の中で、日本ほど長い間にわたって米軍に広大な基地を提供している国はない。日本でいつテロがあってもおかしくはない、という恐怖には、今まで感じたことのないリアリティーが生じた。
 米国の経済力と軍事力の象徴だった、世界貿易センタービルとペンタゴン。テロ組織が憎悪の矛先を向けたのは、米国を頂点とする政治経済秩序そのものだった。その最大の受益者の一人は日本である。我々がテロにあう可能性は、絵空事ではないのだ。
 日本の対米支援の大義名分は、日米同盟ではない。「テロリズムとの戦いを我が国、自らの安全確保の問題と認識して主体的に取り組む」と、基本方針の冒頭に書いてある。問われているのは同盟国・米国への義務ではなく、国際社会の一員としてのモラルだ――という考え方は、コンセンサスになりつつある。
 ただ、その前に考えてみたい。これはあくまで「米国の戦争」だ、という他人事の意識が、我々の側にないだろうかと。
 かつて沖縄から爆撃機がベトナムに出撃し、湾岸戦争では、在日米軍の多数の戦闘機が作戦に参加した。今度もまた、横須賀や沖縄からアフガニスタン攻撃に向け、空母や巡洋艦が続々と出港している。在日米軍基地は、「米国の戦争」を遂行するのに欠かせない拠点なのである。
 在日米軍が動くということは、日本の領土から米軍が出撃するということだ。従って、攻撃を受けた相手が米軍基地に反撃を加えることもあるだろう。報復はテロの形をとるかもしれない。「日本は集団的自衛権は行使していない」と叫んでも、それはあくまで自らの国内ルールにすぎない。
 ブッシュ大統領がテロ組織との戦いを宣言した時点で、米軍に基地を提供している日本の後方支援は始まっている。新たな立法措置をどうするか我々が考えているうちに、日米安保体制の歯車はギシギシと音を立てて回り始めた。
 戦後の廃墟から世界第2の経済大国に上りつめた日本。それを支えたのは、半世紀前に結ばれたサンフランシスコ講和条約と日米安保条約だった。人種も歴史も文化も異なる国が半世紀も手を結んだ例は、かつてない。日米同盟が史上最も成功した2国間同盟と形容されるゆえんだ。
 しかし、日本は米国に安全保障をゆだね、外の世界の面倒なことは米軍が処理してくれればいい、と見て見ぬふりを決め込んだ。そうした一人よがりな国際情勢観から我々は抜け出せずにいる。好むと好まざるとにかかわらず、テロの脅威にも、武力を用いたテロとの戦いにも、日本は既に当事者なのだ。
 数年はかかると予想されるテロとの戦いは、テロを生み出す構造をなくすための国際的な連帯でなければならない。だが、それを支えている日米安保体制の現実から、我々は目をそむけるべきではない。
 日本は、米国と同盟することで安全と繁栄を手にした。その対価は、米国の軍事戦略のかなめ石となることだった。いびつな同盟ではあっても、そのいびつさを自覚することから始めない限り、自分たちの居場所は見えてこない。 [2001-09-25-00:35] 37
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 09/25@<社説>イスラム世界 日本は欧米との橋渡しを(毎日新聞)

 同時多発テロを契機に、イスラム世界は一見、相反する二つの顔を見せている。
 一つは、イスラム世界の多極化と分裂だ。反テロ包囲網への参加を表明したサウジアラビア、エジプトなどのアラブ穏健派から、アフガニスタンのタリバンなどの原理主義勢力まで、イスラム世界は深い亀裂を見せている。
 二つめは、イスラム教徒の連帯感だ。パキスタン各地では、米国に協力姿勢を示す政府に民衆の抗議行動が起きているが、「米国は反テロを口実にイスラム世界に介入するのではないか」との警戒感は、多かれ少なかれイスラム世界の人々に共有されている。
 この多極化と連帯感は、混迷するイスラム世界を象徴するが、ここには欧米諸国とイスラム世界の複雑な歴史的関係が深く影を落としている。
 中世には十字軍がアラブ世界を侵略し、近・現代においては欧米諸国がイスラム世界を植民地化した。またイスラム文明は近代欧米文明に大きな影響を与えながら、近代化で大きく後れをとったことへの屈折した心理もある。イスラム諸国自身、コーランをいかに現代に適用するか、伝統と近代化のはざまで苦闘してきた。
 こうした欧米先進国に対する不信が、一部の原理主義勢力の叫ぶ聖戦に、イスラム教徒が共感を覚える素地を与えている。
 思い出すのは湾岸戦争である。あのときもイラクのフセイン大統領は対イラク包囲網を破たんさせるため、欧米への聖戦を呼びかけ、イスラム世界対キリスト世界という図式に持ち込もうとした。しかし先進国とイスラム穏健派諸国は最後まで結束を維持した。
 反テロ包囲網も「文明の衝突」にしないよう細心の配慮が必要であることを重ねて強調したい。テロはイスラム社会も含めた文明への挑戦なのであって、これを「文明の衝突」と単純化することはコトの本質を見誤る。
 イスラム諸国も宗教的高揚感の暴走を防ぐため、率直に今回のテロが文明に反することだと自国民と世界のイスラム教徒に語ることが必要だ。これは決して文明間の価値をめぐる対立ではなく、多くの最高権威のイスラム法学者も指摘しているように、テロはイスラムの教えに反する行為なのである。こうしたテロを許すことは、イスラム社会を含めた文明の土台を掘り崩すことになる。
 日本は欧米とイスラム世界の橋渡し役になり得る。日本は先進国の中で歴史的にもイスラム世界と対立関係になかった数少ない国だ。欧米のように武器輸出で紛争をあおることもなかった。イスラム世界も日本の原爆体験に同情を寄せ、日本が戦争の惨禍を乗り越えて経済大国となったことに尊敬の念を抱いてきた。
 これは日本外交の財産である。日本はイスラム諸国に反テロの国際連帯に参加するよう説き、欧米諸国にはイスラムの尊厳に十分配慮するよう求めるべきだ。イスラム世界も日本の言葉には真剣に耳を傾けるだろう。 [2001-09-25-00:35] 39
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 09/25@漂う難民、絶望の町 アフガンに接するパキスタンの町(朝日新聞)

 アフガニスタンに接するパキスタンの町ペシャワルには、アフガンから避難してきた多くの人々が難民キャンプに身を寄せている。「いつ攻撃が始まるのか」。戦争の「足音」は、故郷への不安を募らせる難民たちにも迫る。
 アフガン国境から東約50キロの所に、ペシャワルはある。街の中心部から車で20分ほど走ると、カチガラ難民キャンプに着いた。約2キロ四方に数万人が住む。赤土の土塀住宅がひしめき、用水路にはごみが浮かぶ。
 キャンプの一角の喫茶店で皿洗いをしていたカリムさん(42)も、アフガンから逃げてきたという。国境から車で1時間のジャララバードに両親と兄弟を残してきたが、連絡の取れない状態が続いている。
 「アメリカは、こんな私たちをいじめて、どうするつもりなんだ」と言った。
 カリムさんによると、「農村部に行け」というタリバーンの指示でカブールは人が日に日に少なくなっているという。また幹線道路は、大きな荷物を積み込んだトラックがすし詰めの状態で次々と農村へ向かっているという。
 テロ事件で国境が封鎖されて以来、店には密入国者の姿が目立つ。
 「国境はいつ開くのか」「本当に戦争になるのか」。アフガン人の客たちが、お茶をすすりながら話していた。
   ◇
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)関係者によると、ペシャワルは、アフガン人の人口がパキスタン人を超えるほど、アフガン難民が集中している。
 ペシャワルのハヤタバード地区。カチガラの北にあるこの地区にも難民が増えている。アフガン都市部から逃げてきた人々が多く住む。
 カブール出身のアフガン人医師のハシュマット・ナジールさん(39)は、ここで診療所を開いている。約12畳の部屋に机が1つ、いすが2脚。カーテンに囲われた診療台が1つ。大理石の床に砂ぼこりがたまる。
 多い時に1日に20人近くの患者を診る。難民が増えるのと比例するかのように、マラリアや肝炎など感染性の病気が流行しているという。
 「こういう衛生状態では仕方がない。お金もないから、よっぽどのことがない限り、診察に来ない。手の施しようがないこともある」と嘆く。テロ事件以来、患者の表情も暗いという。
 ソ連軍の撤退後にラバニ政権が誕生した92年、無差別砲撃を受け、推定10万ドルの価値があった4つの家を失った。母、妻、それに2歳と4歳になる娘と逃げてきた。タリバーン政権が誕生した96年に、弟が殺された。
 「この20年間に約200万人のアフガン人が殺されている。テロ事件まで、世界は見向きもしなかったんですよ」と怒りを込めて言った。
   ◇
 難民らによると、アフガンでは経済制裁に加えここ数年の干ばつで、食糧事情の深刻さが増している。4人家族で1日に平均15枚食べていたパンが、今では5枚ほどしか手に入らないという情報もある。それも、いつ尽きるか分からない状態になっているという。
 ペシャワルの中心地で、NGO(非政府組織)が運営する病院に勤務しているアフガン人、アハマド・ファルシャドさん(27)は、1週間前、カブールにいる知り合いの31歳の女性が首つり自殺した、と聞いた。空腹と絶望を苦にしてのことで、11歳の娘を残していた。
 「こんな話は、1つや2つではない。でも国境を越えられないので、何もしてあげられない」と涙ぐんだ。
 いずれ故郷でアフガン人によるNGOの手で診療所を開設したいという希望を持つファルシャドさんは言った。
 「ソ連侵攻後に生まれた20歳以下の国民は、平和な時代そのものを知らない。戦争が当たり前という意識や文化を消すには、相当の時間がかかるでしょう」[2001-09-25-00:13] 4
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 09/25@次はイランと直接対決 アジアA組の首位サウジ(共同通信)

 アジア最終予選は、A組が予想通り激戦模様になってきた。イランがまず飛び出したが、3大会連続3度目の出場を狙うサウジアラビアがここにきて3連勝と巻き返してきた。
 サウジは出だしのつまずきで、8月27日にユーゴスラビア人のサントラッチ監督を解任。結果的にはこの荒療治が功を奏している。勝ち点10として、消化試合は1試合多いが、イランに勝ち点2の差をつけ首位に出た。9月28日に、そのイランを地元に迎える大一番が控える。
 バーレーンはこの2強に一歩遅れ、勝ち点6。A組を1位で突破する当初の目標を2位狙いに変更し、B組2位とのプレーオフを目指すという。
 B組では初出場を目指す「眠れる獅子(しし)」中国が首位に立っている。4試合を消化して勝ち点10。いずれも既に5試合を終えたカタールが同8、アラブ首長国連邦(UAE)が同7で続く。
 中国のミルチノビッチ監督は「まだ半分を消化したにすぎない。何が起こるか分からないし、安心なんてとんでもない」と気を引き締める。後半戦最初のアウエー試合、9月27日のUAE戦がひとつのヤマだ。
 南米予選では、低迷するブラジルに頼みのエースが復活。右ひざ靱帯(じんたい)断裂から復帰したロナウド(インテル・ミラノ)をチリ戦(10月7日)のメンバーに招集すると発表した。(了)[2001-09-25-17:14]
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 09/26@NATO部隊、アルバニア系武装勢力から武器回収完了(読売新聞)

 【ウィーン26日=佐々木良寿】マケドニアに展開している北大西洋条約機構(NATO)部隊は26日までに、アルバニア系武装勢力「民族解放軍(NLA)」からの武器回収作戦を完了した。これにより、今後の焦点は国会による和平案承認問題に移った。
 26日は武器回収作戦の終了期限だが、これに先立つ25日、スコピエ入りしたジョージ・ロバートソンNATO事務総長は記者会見で、目標数量の3300点を上回る3381点の武器を回収したことを明らかにした。 [2001-09-26-22:18] 28
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 09/26@<UNHCR>米が攻撃なら新たに150万人の避難民(毎日新聞)

 【ジュネーブ大木俊治】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、米国のアフガニスタンへの攻撃が開始された場合、新たに150万人の避難民が隣接諸国に流出する可能性があると明らかにした。このため、最も多くの避難民流入が予想されるパキスタン北西部などで新たな避難民キャンプの設置に向けた本格的調査を始めた。
 UNHCRのヤノフスキ報道官によると、国別に予測される避難民の人数は、パキスタンに100万人▽イランに40万人▽タジキスタンに5万人▽トルクメニスタンに5万人。さらに、アフガニスタン国内で都市部から村落部へ避難する国内避難民は50万人以上に上ると推測される。避難民の規模では99年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆時を上回り、91年の湾岸戦争に伴うイラク北部への難民流出に匹敵するという。
 しかし、すでにアフガン難民約200万人を抱えるパキスタン、約150万人を抱えるイランでは既存の難民キャンプは収容能力を超えており、新たなキャンプの設置が急務となっている。キャンプの新設など今後の避難民救援のため約2億5000万ドルが必要とみているが、現在の対策資金は680万ドルだけで、各国政府に緊急支援を呼びかける。 [2001-09-26-20:55] 29
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 09/26@<NATO>非公式国防相理事会始まる 米、テロ証拠開示か(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)の非公式国防相理事会が26日、ブリュッセルの本部で始まった。会議にはラムズフェルド米国防長官に代ってウォルフォウィッツ同副長官が出席し、米国の軍事報復への参加、支援を加盟国に要請する。同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」などの関与の証拠も説明する予定だ。
 NATOは12日、憲章第5条の「集団的自衛権」について、「攻撃が外国からの指揮によることが明確となり」「米国の要請があれば」の2条件を満たせば発動することを決めている。米国側はビンラディン氏の「テロ指揮」があった証拠を示すことで、集団的自衛権発動に向けた環境を整える。
 しかし、欧州の中で攻撃参加を正式表明しているのは英国だけで、他の加盟国は後方支援が中心になるとみられる。
 また、マケドニアで1カ月間にわたってアルバニア系ゲリラの武装解除を監視してきた部隊の活動が終了したことを確認する。引き続き、警戒要員として約1000人規模の新部隊を残留させることで合意する。新部隊は国連安保理の決議を伴う新たな国際治安維持部隊になる予定。 [2001-09-26-18:55] 30
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 09/26@民族衝突再燃の兆しも 首都で爆発事件続発 マケドニア(共同通信)

 【スコピエ26日共同】火器回収作戦を完了した北大西洋条約機構(NATO)部隊の撤退を前に、マケドニアでは首都スコピエで爆発事件が相次ぎ、アルバニア系青年が警官に射殺されるなど、民族衝突再燃の兆しが出ている。
 同市内では九月に入り、十三件の爆発事件が発生。ほとんどがアルバニア人居住区で起きた。マケドニア人商店のガラスが壊される事件も相次いでいる。いずれもけが人はないが、二十四日夜の警官発砲事件では一人が死亡、一人が重傷を負い、アルバニア系住民を憤激させている。
 背景には、対立するマケドニア人、アルバニア系住民双方の不満がある。アルバニア系住民の大幅な権利拡大を目指した憲法改正手続きはマケドニア人政党の反発で遅れ、アルバニア系側が反発。マケドニア人側は「NATOが回収した旧式武器と、改憲での大幅な譲歩では引き合わない」とみている。
 マケドニア政府高官は「改憲審議の行方次第では再度衝突が起きる可能性もある。NATO部隊の駐留継続は不可欠だ」と言う。(了)[2001-09-26-16:19] 31
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 09/26@武装組織の火器回収終了 マケドニアでNATO(共同通信)

 【スコピエ26日共同】北大西洋条約機構(NATO)は二十六日、民族紛争が続くマケドニアで一カ月にわたったアルバニア系武装組織「民族解放軍」の火器回収作戦を終了する。作戦はマケドニア主要四政党による八月の和平合意の一環で、恒久和平に向けた一つの区切りとなる。
 NATO部隊は二十五日の時点で、当初目標の三千三百点を上回る三千三百八十一点の火器を回収。最終的にはさらに増える見通し。英国など十三カ国、約四千七百人の部隊は今週末から順次、撤退する予定。
 しかし、和平合意に基づき、火器回収と並行して進められるはずだった少数派アルバニア系住民の権利拡大を目指した憲法改正手続きは、一部マケドニア人政党の反発などで遅れ、アルバニア系住民から不信の声が上がるなど、不穏な情勢が続いている。
 トライコフスキ・マケドニア大統領は今月十九日、作戦終了後も小規模部隊の駐留継続をNATOに要請。NATOも欧州連合(EU)などの監視団の安全確保のため、数百人規模の部隊を配備する計画だ。(了)[2001-09-26-15:10] 32
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 09/26@<マケドニア>民族解放軍の武器回収を完了 NATO(毎日新聞)

 【ワルシャワ福井聡】マケドニアのアルバニア系ゲリラ・民族解放軍の武器回収作戦を展開している北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は25日、スコピエ入りし、「作戦終了予定の26日を前に、回収予定の3300個を上回る武器の回収を完了した」と発表した。
 また、マケドニア国会は24日、予定していた15の憲法改正法案を過半数の賛成で暫定可決した。これまでに「マケドニアはマケドニア人と他の少数派の国」と規定した憲法前文が「マケドニアはマケドニア市民の国」へと修正する法案などが可決された。いずれも過半数ぎりぎりの可決で、正式採択にはさらに一括再審議し、3分の2の賛成が必要とされる。 [2001-09-26-11:00] 344
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 09/26@アラブ系学生の米国脱出相次ぐ(朝日新聞)

 米国で学ぶアラブ系学生の母国への帰還が相次いでいる。中東系の人々に対する暴力が続いているうえに、米軍によるアフガニスタン攻撃が長引いたさいの中東と米国との対立を懸念しているようだ。
 米ワシントン州の州立大学では、アラブ首長国連邦からの学生約50人がすでに帰国した。カリフォルニア州でも州立大ロングビーチ校の30人のアラブ系学生がそれぞれ帰国した。全米で約100人のアラブ系学生が帰国したと言われる。
 テロ事件発生以来、アラブ系の人々が殺害されたり、脅されたりする事件が続き、学生は動揺している。サウジアラビア政府は帰国を望む学生に航空券を無料で提供している。クウェート政府は学生に対して米国にとどまるよう説得しているという。[2001-09-26-23:07] 346
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 09/26@タリバン政権、国連現地職員に通信機材の使用を許可(読売新聞)

 【イスラマバード26日=佐藤浅伸】26日のアフガン・イスラム通信によると、アフガニスタンのタリバン政権は25日、同国西部の町ヘラートで援助活動を続ける国連の現地職員に通信機材の使用を許可した。アフガンに駐在する外国人職員は既に国外に退去したが、タリバンは24日までに国内すべての国連機関の事務所を占拠、21日から連絡が取れない状況が続いていた。 [2001-09-26-23:04] 356 [このページの最初に戻る]


 09/26@カブールで反米デモ、旧米大使館に放火(朝日新聞)

 アフガニスタンのカブールで26日、数千人から数万人が参加して、軍事行動に向けた米国の動きに抗議するデモが行われ、カブール空港に近い旧米国大使館が放火された。米同時多発テロ以降では最大規模の反米行動となった。
 デモには学生や政府職員らが参加。「米国に死を」「ブッシュ(大統領)に死を」「イスラム万歳」などと叫んで街頭を行進した。カブールの国連事務所にも投石があった。米大使館は内戦の間も被害を受けず、現地スタッフが管理していた。
 カブールでは政治活動が許されていないため、大規模な抗議デモはタリバーン政権の動員の結果とみられる。
 タリバーン政権はテロ発生後、カブールなどの国連事務所で通信設備を封印し、現地職員の国外の通信を禁じた。タリバーンの国際社会からの孤立が進むにつれ、国連も米国同様に激しい批判の対象となっている。[2001-09-26-21:05] 357
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 09/26@ロシア批判撤回が参戦の条件(共同通信)

 【モスクワ26日共同】インタファクス通信によると、ロシアのイワノフ国防相は二十六日、米中枢同時テロへの米国の報復攻撃でロシアが直接の軍事協力を行う前提条件として、米国がチェチェン紛争でのロシア批判をやめることが必要との立場を示唆した。
 ブリュッセル入りしている国防相は米国などとの間で新たな協力の「メカニズム」ができれば、ロシアが米国などとの合同軍事作戦に参加する可能性があることをあらためて確認した。
 米国はウサマ・ビンラディン氏らイスラム過激派組織への攻撃を準備する一方で、チェチェンでのロシアの軍事作戦を「人権侵害」と非難しており、国防相は、欧米が同時テロとチェチェン紛争に関するこうした「二重基準」を放棄することが必要と指摘した。(了)[2001-09-26-21:04] 359
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 09/26@<UNHCR>米が攻撃なら新たに150万人の避難民(毎日新聞)

 【ジュネーブ大木俊治】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、米国のアフガニスタンへの攻撃が開始された場合、新たに150万人の避難民が隣接諸国に流出する可能性があると明らかにした。このため、最も多くの避難民流入が予想されるパキスタン北西部などで新たな避難民キャンプの設置に向けた本格的調査を始めた。
 UNHCRのヤノフスキ報道官によると、国別に予測される避難民の人数は、パキスタンに100万人▽イランに40万人▽タジキスタンに5万人▽トルクメニスタンに5万人。さらに、アフガニスタン国内で都市部から村落部へ避難する国内避難民は50万人以上に上ると推測される。避難民の規模では99年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆時を上回り、91年の湾岸戦争に伴うイラク北部への難民流出に匹敵するという。
 しかし、すでにアフガン難民約200万人を抱えるパキスタン、約150万人を抱えるイランでは既存の難民キャンプは収容能力を超えており、新たなキャンプの設置が急務となっている。キャンプの新設など今後の避難民救援のため約2億5000万ドルが必要とみているが、現在の対策資金は680万ドルだけで、各国政府に緊急支援を呼びかける。 [2001-09-26-20:55] 361
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 09/26@<アフガニスタン>北部同盟が攻勢 新たな火種にも(毎日新聞)

 【イスラマバード小松健一】アフガニスタン・タリバン政権への攻撃に向け、米国、ロシアが連携を図る反タリバン連合(北部同盟)は連日、アフガン北部一帯で攻勢に出ている。「報復攻撃は事実上始まっている」(パキスタン軍関係者)との見方もあるが、北部同盟との共闘を目指す各国はポスト・タリバン構想をにらんで異なった思惑を秘める。北部同盟は今後そうした利害に左右され、新たな紛争の火種になりかねない危うさをはらんでいる。
 「一方の勢力に肩入れすると、アフガン国民は再び苦難を強いられる」。パキスタンのサッタル外相は25日の記者会見で、北部同盟を報復攻撃の陣営に取り込む動きを非難した。
 米同時多発テロが起きる前に、北部同盟を支援していたのはイラン、タジキスタン、ウズベキスタン、インドだった。
 イランの場合、北部同盟を構成するイスラム統一党が同じイスラム教シーア派だったという理由以外に、「アフガンを恒常的に不安定化させる狙いもあった」(外交筋)。中央アジアの石油、ガスのパイプライン敷設の権益をアフガンに奪われたくなかったためだ。
 一方、インドはパキスタンがタリバンを支援していることへの対抗上、北部同盟に肩入れしてきた。26日付パキスタン紙「ネーション」はインド軍がウズベキスタンに入り、作戦面での助言を行っている、と報じた。
 パキスタン軍情報機関筋は「北部同盟を取り込む報復攻撃は、イラン型の経済権益とインド型の安全保障の両問題を複雑にする」と分析する。同筋は、特にロシアとインドの動向に注目する。
 ロシアは中央アジアに広がるイスラム原理主義を食い止め、新体制のアフガンを巡って米国と資源権益で争うことを想定。米国が「ポスト・タリバン」の主導権を握らないよう、北部同盟に影響力を行使し、対テロの枠組みに限定して米軍に協力するとみられる。
 インドはアフガニスタンが親パキスタンにならないよう、アフガン国内の民族構成を配慮した民族連合政権を新たにつくるよう働きかける見通しだ。これに対し、パキスタンはタリバン穏健派への影響力を温存しようとする方針だ。
 北部同盟は求心力のあった最高司令官のマスード将軍を失い、結束力への懸念がある。最近の戦闘では、同盟の各司令官が戦果を競い合い、権力闘争の芽をはらんでいる。西側外交筋は「同盟の各派同士が再び内戦に向かう危険がある」と指摘している。 [2001-09-26-20:45] 364
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 09/26@<アフガニスタン>旧米大使館群衆が放火 カブール(毎日新聞)

 【イスラマバード小松健一】アフガン・イスラム通信によると、アフガニスタンの首都カブールで26日、数千人規模の反米デモが行われ、暴徒化した群衆が旧米大使館に放火。建物は黒煙を上げて炎上した。デモ隊は国連機関の事務所などにも投石を繰り返した。11日の米同時多発テロ以来、カブールでの大規模デモは初めて。 
 カブール駐在の米大使館職員は89年、旧ソ連軍がアフガンから撤退し内戦に入った際に出国した。26日、群衆が乱入する前に現地人スタッフも大使館を出ており、けが人はなかった模様だ。
 アフガン・タリバン政権の治安当局は大使館の周囲を監視し、デモ隊をむちで追い払ったが、人数が多過ぎて乱入を防げなかった。デモ隊はブッシュ米大統領の人形を焼き、「ブッシュに死を」「イスラムとウサマ(・ビンラディン氏)を守れ」と叫んだ。
 大使館炎上の映像を放送したカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」のカブール特派員は「米国だけでなくパキスタン、サウジアラビア政府に対してもアフガン市民の不満が高まっている」と伝えている。
 一方、アフガン南部のタリバンの本拠地カンダハルからの報道では、タリバンが国連難民高等弁務官(UNHCR)のカンダハル事務所を破壊、無線機を持ち出したという。 [2001-09-26-20:35] 369
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 09/26@不穏分子の流入警戒 パキスタン州知事(共同通信)

 【ペシャワル26日共同】パキスタン北西辺境州のサイド・フセインシャー知事は二十六日、州都ペシャワル市内で記者会見し、アフガニスタンからの「不穏分子の流入を警戒している」などと述べ、同国が二十二日以降、ほぼ完全にアフガンとの国境閉鎖に踏み切った背景を明らかにした。
 フセインシャー知事は「これ以上の難民を受け入れることは治安、財政上不可能」と言明。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)にも「新たな難民受け入れが必要ならアフガン国内にキャンプを作るべきだ」と伝えたことを明らかにした。ただ「検問所をう回して、山中を何時間も歩いて入国した難民まで追い返す考えはない」とした。
 また、タリバン政権が米国に攻撃された場合、ペシャワル市内外の二百万人を超えるアフガン難民がほう起する可能性については「パキスタンに世話になった難民の大半はそのような行動に出るとは思わない。しかし一部不穏な動きを示す者がいる」と答え「予防措置を取りつつある」と述べた。「予防措置」の詳細は明らかにしなかった。(了)[2001-09-26-19:40] 373
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 09/26@<アフガニスタン>元国王が米外交官と会談 (毎日新聞)

 【ワシントン布施広】米国務省のバウチャー報道官は25日、イタリアに亡命しているアフガニスタンのザヒル・シャー元国王(ローマ在住)と米国のポープ駐イタリア臨時代理大使がこのほど会談し、「アフガンの現状分析」を行ったことを明らかにした。元国王と米当局者の接触は9カ月ぶりで、米政府は反タリバン連合(北部同盟)との接触も続けている。しかしブッシュ政権内には、同連合などを支援してアフガンの政権を変えることへの慎重論も強く、軍事行動後のアフガンの青写真を描きかねているのが実情だ。
 元国王と米当局者の会談は昨年9月と12月にも行われた。国務省は「定期的な接触」としているが、今回の会談では米国の軍事行動でタリバン政権が崩壊した場合の対応などが話し合われた可能性が強い。
 73年のクーデターで追放された元国王は、同時多発テロ事件後、反タリバンの全勢力が最高意思決定機関(ロヤ・ジルガ)の会合を緊急に開いて暫定政権を樹立することを呼びかけ、必要であれば、アフガンに戻る用意を表明している。
 このため米国は反タリバン連合を支援してタリバン政権を倒し、元国王を中心とした政治体制をつくる選択肢もある。ロシアは既に同連合への武器供与拡大を打ち出しているだけに米露が協力すればアフガンの新たな政治体制樹立は十分可能だ。
 ただ、86歳の元国王が重要な政治的役割を果たせるか、多様な民族が存在するアフガンで、反タリバン連合主体の民族和解が可能かという問題があり、米政府は「タリバン打倒」を明確に打ち出せずにいる。直接的な軍事行動、または北部同盟への武器支援などでタリバン政権を倒しても、その後のアフガンが安定するとは限らないからだ。
 フライシャー大統領報道官は25日、「北部同盟であれ誰であれ、テロの支援者(タリバン)を倒そうとする者の努力を歓迎する」と述べた。ブッシュ大統領も「米国はアフガンの国づくりには関心がない」と国内情勢に距離を置いている。政権崩壊は歓迎するが、米国が仕掛けたとは思われたくない、という気持ちが透けて見える。
 米政府内には「タリバン撃つべし」の声も強いが、アーミテージ国務副長官は、軍事行動の際はビンラディン氏の組織を第1の標的とすべきだと語っている。タリバンを主要な攻撃対象とするか否かで、軍事作戦は大きく変わる。しかも「タリバン後」のアフガン情勢の責任を取りたくないという気持ちが、米国を慎重にさせている。 [2001-09-26-19:10] 377
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 09/26@<NATO>非公式国防相理事会始まる 米、テロ証拠開示か(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)の非公式国防相理事会が26日、ブリュッセルの本部で始まった。会議にはラムズフェルド米国防長官に代ってウォルフォウィッツ同副長官が出席し、米国の軍事報復への参加、支援を加盟国に要請する。同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏のテロ組織「アルカイダ」などの関与の証拠も説明する予定だ。
 NATOは12日、憲章第5条の「集団的自衛権」について、「攻撃が外国からの指揮によることが明確となり」「米国の要請があれば」の2条件を満たせば発動することを決めている。米国側はビンラディン氏の「テロ指揮」があった証拠を示すことで、集団的自衛権発動に向けた環境を整える。
 しかし、欧州の中で攻撃参加を正式表明しているのは英国だけで、他の加盟国は後方支援が中心になるとみられる。
 また、マケドニアで1カ月間にわたってアルバニア系ゲリラの武装解除を監視してきた部隊の活動が終了したことを確認する。引き続き、警戒要員として約1000人規模の新部隊を残留させることで合意する。新部隊は国連安保理の決議を伴う新たな国際治安維持部隊になる予定。 [2001-09-26-18:55] 380
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 09/26@報復軍事行動への支援協議 NATO緊急国防相理事会(共同通信)

 【ブリュッセル26日共同】北大西洋条約機構(NATO)は二十六日、ブリュッセルの本部で緊急国防相理事会を開き、米中枢同時テロに対する米国の報復軍事行動への支援について協議した。
 NATOは、対米テロは集団的自衛権を定めた設立条約第五条の適用範囲であると決めており、中枢同時テロが外部勢力の犯行であることを示す証拠が米国から提示されれば、設立以来五十二年ぶりに初の五条発動を決め、武力を含む支援を行う。
 米国からラムズフェルド国防長官の代理としてウルフォウィッツ国防副長官が出席した。理事会では、加盟各国が米支援のため具体的にどのような行動が取れるか意見交換する。米国が必要な支援内容を明らかにするかどうかは不明。
 NATOは二十六、二十七日にイタリアのナポリ郊外で非公式国防相理事会を開く予定だったが、五条発動の準備でロバートソン事務総長らが本部から離れられなくなったため、急きょ本部での緊急理事会開催に切り替えた。
 理事会終了後、イワノフ・ロシア国防相とも意見交換する。(了)[2001-09-26-18:30] 384
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 09/26@孤立の中、存亡の危機 首都制圧5周年のタリバン(共同通信)

 【ペシャワル26日共同】アフガニスタンの原理主義勢力タリバンが首都カブールを制圧して二十七日でまる五年。ナジブラ社会主義政権崩壊後のムジャヒディン各派の内戦に終止符を打ち、荒廃したアフガン国内の「世直し」を標ぼうしたタリバンだが、特異なイスラム法解釈に基づく政策は国際的な孤立を招き、米中枢同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の引き渡しを事実上、拒否したことで米国の怒りを買った。
 「国際テロ組織との戦争」を宣言した米国の攻撃が迫る中、タリバン政権への友好国からの支援は途絶え、イスラム原理主義により運営されてきた史上まれに見る国家は、ビンラディン氏と命運を共にしようとしている。
 カブール制圧直後にタリバン政権を承認した三カ国のうち、アラブ首長国連邦(UAE)は二十二日外交関係を断ち、サウジアラビアも二十四日同様の決断をした。最も関係が深いパキスタンも二十四日、カブール駐在外交官を退去させ、国際的孤立は極まった。
 アフガン国内から伝えられる情報では、タリバンの最高指導者オマル師は、攻撃が始まれば、対米「聖戦」を宣言し、徹底抗戦する構えだ。国土のほとんどが峻険(しゅんけん)な山岳地帯という地の利を生かしたゲリラ戦を挑む姿勢だが、かつて補給基地となったパキスタン、サウジアラビアの援助はもうない。
 ペシャワルの消息筋は「武器の備蓄は十分のようだが、長期戦になれば、食料が持つかどうか」と、タリバンの継戦能力に疑問を投げかける。
 現に、アフガン国境に近いペシャワルのハヤタバート市場では、ドバイ経由でアフガン国内を通過する物資の流入がUAEの断交以来、完全にストップ。大半がアフガン系の商店主の間で不安が広がっている。
 カブールからの報道でも、同市中心部にあるシャフダザ市場で二十三日、通貨アフガニの対ドル・レートが一ドル=七八五○○アフガニから同五五○○○アフガニに急騰、米中枢テロ以前の水準に戻った。
 一見不思議なこの現象は、タリバン政権に代わりザヒル・シャー元国王が復位するとの報道を歓迎した動きとされる。利にさといアフガン商人にもタリバンは既に見限られている。(了)[2001-09-26-17:00] 386
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 09/26@報復軍事行動への支援協議 NATO緊急国防相理事会(共同通信)

 【ブリュッセル26日共同】北大西洋条約機構(NATO)は二十六日、ブリュッセルの本部で緊急国防相理事会を開き、米中枢同時テロに対する米国の報復軍事行動への支援について協議する。
 NATOは、対米テロは集団的自衛権を定めた設立条約第五条の適用範囲であると決めており、中枢同時テロが外部勢力の犯行であることを示す証拠が米国から提示されれば、設立以来五十二年ぶりに初の五条発動を決め、武力を含む支援を行う。
 米国からラムズフェルド国防長官の代理としてウルフォウィッツ国防副長官が出席する予定。理事会では、加盟各国が米支援のため具体的にどのような行動が取れるか意見交換する。米国が必要な支援内容を明らかにするかどうかは不明。
 NATOは二十六、二十七日にイタリアのナポリ郊外で非公式国防相理事会を開く予定だったが、五条発動の準備でロバートソン事務総長らが本部から離れられなくなったため、急きょ本部での緊急理事会開催に切り替えた。(了)[2001-09-26-16:16] 393
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 09/26@<論外ですか?>”沈黙”が語る政治的意味は(毎日新聞)

 ソ連が崩壊したのは91年12月。同年8月の共産党保守派によるクーデター事件が直接のきっかけとなった。崩壊までの4カ月間には、各共和国が独立宣言するなど節目になる政治決定が行われた。
 というわけで、年末までにいろいろな出来事の10周年記念日が続く。その時、指導者がどういう言動を示すかはそれぞれの出来事の10年後の評価にもつながる。
 その意味でも、8月19〜21日のクーデター事件10周年でのプーチン・ロシア大統領の発言が注目された。しかし、結果は”完全沈黙”だった。これは何を物語るのか。
 クーデター事件への評価言及を避けたわけだが、うがってみれば、むしろクーデターの趣旨を基本的に是とみなしている姿勢を間接的に表明したのではないか。
 クーデターは各共和国の主権を前提に緩やかな連合体を作ろうとした連邦条約の調印日にぶつけて実行された。共産体制復活を強く否定するプーチン大統領も、首謀者たちが連邦の一体性を守ろうとした点には理解を示しているように思える。
 人脈の面でもクーデターで中心的役割を果たした当時のクリュチコフ国家保安委員会(KGB)議長と元KGBマンだったプーチン氏の関係は良好のようだ。当時のヤゾフ国防相は8月訪露した金正日・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)総書記の公式出迎えの一員として振る舞った。
 「強いロシア」を掲げて中央政府の強化に邁進するプーチン政権を10年前の首謀者たちの多くが支持しているのも興味深い。
 クーデター事件に沈黙した重要人物がもう一人いる。エリツィン前大統領だ。クーデター粉砕の英雄との自負心に燃えているはずのエリツィン氏の性格からして、10周年にあたり一言あっても不思議でなかった。発言できないほど健康状態が悪かったのか、事件の評価に慎重なプーチン大統領に遠慮したのか、あるいはプーチン氏に発言を止められたのか。
 次の大きな10周年記念日は、ソ連消滅となる独立国家共同体(CIS)が創設された12月にやってくる。そこでは二人の生の声をぜひ聞きたいものだ。 【三瓶良一】 [2001-09-26-13:45] 396
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 09/26@国連総長がタリバンに警告(共同通信)

 【ニューヨーク25日共同】アナン国連事務総長は二十五日、アフガニスタン国民に対する国連の救援活動を妨害したとしてタリバン政権を強く批判、「国際社会は(タリバンの)責任を問うことになる」と警告した。
 アフガンでは五百万人以上が国外からの食糧援助に頼っているが、アナン氏は「飢えた人々から食糧を奪い、人道援助要員を攻撃した」と非難した。
 タリバン政権はカンダハルにある国連の救援事務所を閉鎖し、援助食糧千四百トンを接収した。(了)[2001-09-26-12:33] 409
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 09/26@150万難民が流出と予想 UNHCR現地事務所(共同通信)

 【ニューヨーク25日共同】パキスタンのペシャワルに駐在する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)当局者は二十五日、米中枢同時テロに対する米軍の軍事報復が予想されるアフガニスタンから百五十万人以上の難民が近隣の国に流出するとみていることを明らかにした。ロイター通信が伝えた。
 同当局者によると、百万人弱がパキスタンに、五十万人弱がイランに脱出する見通し。このほか計約十五万人がタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン三国に逃れるものとみられている。長年の内戦のため、既にアフガン難民計三百七十万人が周辺国で生活している。
 また当局者はアフガン国民数万人が国内での避難を開始したことを明らかにした。
 国連の推定ではアフガンの総人口約二千六百万人のうち五百万人以上が国外からの食料、医療援助に依存しているが、今回の同時テロで国連による救援活動は事実上ストップした。(了)[2001-09-26-10:21] 410
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 09/26@<国連事務総長>タリバンが人道支援の食糧奪ったと批判(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】アナン国連事務総長は25日、アフガニスタンのタリバン政権が国連機関が保管していた人道支援のための食糧を奪ったことを批判、「国際社会全体でその責任を問うことになるだろう」と警告した。
 アナン氏は「飢えている人たちへの食糧を奪い、人道救援活動を行なう職員を攻撃、その任務を妨害した」と厳しく非難した。
 米国による軍事作戦が迫る中、タリバンの兵士はこれまでに、アフガンの首都カブールや南部カンダハルなどにある国連機関事務所や世界食糧計画(WFP)の倉庫を占拠し、約1400トンの食糧を奪った。現地スタッフの使う携帯電話などの通信機器や車両なども差し押さえているという。 [2001-09-26-10:20] 416
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 09/26@実行犯11人は英に潜伏 1―6月に米国へ潜入(共同通信)

 【ロンドン26日共同】二十六日付の英紙タイムズは、米中枢同時テロで旅客機の乗っ取り実行犯十九人のうち十一人が英国内に居住、テロ決行に合わせて今年一月から六月にかけて米国に潜入した、と報じた。
 十一人のうち五人は六月までロンドン市内に潜伏していたことが確認されており、米連邦捜査局(FBI)はロンドン警視庁に対し、潜伏先や協力者の割り出しを要請した。
 いつごろから英国内に居住していたかは明らかではないが、いずれも偽造旅券で入国した可能性が強いとみられている。また、少なくとも四人はロシアのチェチェン紛争で武装ゲリラとして闘った経験があるという。(了)[2001-09-26-08:44] 417
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 09/26@事件は抑圧への復しゅう タリバンの最高指導者(共同通信)

 【イスラマバード26日共同】アフガン・イスラム通信によると、アフガニスタン・タリバン政権の最高指導者ムハマド・オマル師は二十五日、米国民向けのメッセージを発表、米中枢同時テロは「米政府がイスラムの国々で行った抑圧への復しゅうだ」と主張した。
 オマル師は「事件はすべて米政府の誤った政策の結果だ」と指摘。米国がアフガニスタンへの攻撃を準備していることに関しては「アフガニスタンからも復しゅうを受けるだろう」と米国との対決姿勢をあらためて鮮明にした。
 アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアから断交されタリバンが孤立を深める中、イスラム世界からの支持取り付けを狙った発言とみられる。
 オマル師は「米国は植民地化という目的達成のためイスラム諸国を抑圧している」と非難。さらに「ウサマ・ビンラディン氏が米国であのようなことが実行できると思っているのか」と述べた。(了)[2001-09-26-08:29] 420
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 09/26@アフガン暫定政権を計画 元国王が米大統領に親書(共同通信)

 【ワシントン25日共同=杉田弘毅】米中枢同時テロで混迷するアフガニスタンのザヒル・シャー元国王(86)=亡命中=がブッシュ米大統領に親書を送り、反タリバン政権各派を結集した「最高評議会」と、各派軍部を統合した軍司令機構を設置するとの暫定民主政権樹立の計画を伝えていたことが、二十四日明らかになった。
 ポスト・タリバン政権の首班として最有力候補とされる元国王が、新政権づくりの具体的な内容を明らかにしたのは初めて。
 米政府は同時テロに対する報復の軍事作戦ではタリバン政権の崩壊も視野に入れており、元国王の計画はタリバン政権崩壊の場合の新政権案として、米国が承認する公算が大きい。
 共同通信が米政府筋から入手した元国王の親書は九月十八日付。暫定政権樹立の目標を「アフガニスタンを解放し、国際テロリストの害悪を取り除く」とテロの根絶を誓い、米国と国連に対して政権樹立への「政治的、実質的な支援」を要請。暫定政権樹立に向けた具体的協力について、必要であれば米政府に特使を派遣し協議したいと提案した。
 また@各民族を統合した広範囲な「最高評議会」を樹立しアフガニスタンの伝統的意思決定機関ロヤ・ジルガ(国民大会議)の緊急会合までの暫定政権とするA愛国勢力、司令官、将校を組み入れた司令機構を確立し必要な軍事作戦の態勢を整える―との計画を明らかにした。
 ロヤ・ジルガには「国連参加の可能性もある」として、カンボジア型の国連管理の政権も想定。「(平和を望む)アフガニスタン国民はこの決定をあらゆる手段で支持する」とした。
 さらに「アフガニスタンは軍事勢力、内外の狂信者に乗っ取られた」と述べ、同時テロがサウジアラビア出身のウサマ・ビンラディン氏ら非アフガニスタン勢力の犯行であると強調した。
 反タリバンの最大の軍事勢力「北部同盟」は元国王との接触を強化。ベンドレル国連アフガニスタン和平問題担当特使も元国王と二十三日にローマで会談し「元国王の果たす役割は大きい」と述べるなど、元国王への待望論は強まっている。(了)[2001-09-26-07:34]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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