最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(09/11, 2001)


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◆ 09/04@<マケドニア>NATO軍の駐留延長を示唆 バルカン担当米(毎日新聞)
◆ 09/04@やっぱり公私混同? 独国防相、空軍機で婚約者を訪問(朝日新聞)
◆ 09/04@マケドニア国会、和平案巡る討議を再開 (読売新聞)
◆ 09/04@◎ポーランド、脱共産化の優等生=米団体調査(時事通信)
◆ 09/04@<人種差別撤廃会議>米とイスラエル退席 シオニズム非難に(毎日新聞)
◆ 09/04@米とイスラエル、人種差別反対会議を離脱(読売新聞)
◆ 09/04@反差別会議から米とイスラエルが引き揚げ(朝日新聞)
◆ 09/04@<人種差別撤廃会議>米国とイスラエルが代表団を引き揚げ(毎日新聞)
◆ 09/04@パレスチナが強硬姿勢 仲介工作実らず 世界人種差別撤廃会(共同通信)
◆ 09/04@米などが差別撤廃会議撤退 反イスラエル文言に反発(共同通信)
◆ 09/04@<余録>排外主義の精神(毎日新聞)
◆ 09/05@村民の無差別殺害を告発 マケドニアで人権団体(共同通信)
◆ 09/05@◎アルバニア系村民を無差別殺害=マケドニア当局に調査要求(時事通信)
◆ 09/05@空軍機で婚約者の元へ 独国防相に公私混同批判(共同通信)
◆ 09/05@<マケドニア>NATOの針路なき派兵 アルバニア系の不安(毎日新聞)
◆ 09/05@米批判で再選へ怪気炎 ベラルーシ大統領(共同通信)
◆ 09/05@◎アルバニア応援団わずか40人=亡命心配でビザ発給されず(時事通信)
◆ 09/06@◎和平案を大枠で承認=改憲の実質審議開始へ−マケドニア国(時事通信)
◆ 09/06@<独仏首脳会談>マケドニアや中東情勢で意見交換 ベルリン(毎日新聞)
◆ 09/06@<歴史教科書問題>韓国がユネスコに仲介要請(毎日新聞)
◆ 09/06@韓国がユネスコに仲介要請 「つくる会」の教科書問題(共同通信)
◆ 09/06@フランス、月内にスーダン制裁解除へ (共同通信)
◆ 09/06@反人種主義会議「過去の清算」ぎりぎり調整(読売新聞)
◆ 09/06@最大政党のフレティリンが第1党 東ティモール(朝日新聞)
◆ 09/06@<東ティモール>フレテリン55議席 連立の可能性が高まる(毎日新聞)
◆ 09/06@フレティリンが55議席 憲法単独承認に届かず 東ティモー(共同通信)
◆ 09/06@東ティモール選挙、独立革命戦線が第1党に(読売新聞)
◆ 09/06@<ペルー>フジモリ元大統領を殺人罪などで最高裁に訴追(毎日新聞)
◆ 09/06@東ティモールへ 陸自施設隊の派遣検討 (朝日新聞)
◆ 09/07@<旧ユーゴ法廷>カラジッチ、ムラディッチ両氏 年内確保目(毎日新聞)
◆ 09/07@「作戦後の戦略」を検討 マケドニアでNATO(共同通信)
◆ 09/07@◎特別補佐人を任命=ユーゴ前大統領裁判の公正期す−国際戦(時事通信)
◆ 09/07@憲法改正案の策定に着手へ マケドニア国会が可決(共同通信)
◆ 09/07@<針路なき派兵>強まる「長期駐留」 撤退後の「青写真」な(毎日新聞)
◆ 09/07@強権大統領の再選確実か ベラルーシで9日投票(共同通信)
◆ 09/07@黒人による白人農場占拠、ジンバブエが停止表明(読売新聞)
◆ 09/07@<人種差別撤廃会議>最終宣言と行動計画の採択が危ぶまれる(毎日新聞)
◆ 09/07@<ジンバブエ>政府、黒人の白人経営農場の占拠停止に同意(毎日新聞)
◆ 09/07@黒人の白人農場占拠終息を約束 ジンバブエ政府(朝日新聞)
◆ 09/07@<中東情勢>イスラエルのペレス外相とアラファト議長が会談(毎日新聞)
◆ 09/07@「歴史の慣性」から脱却を 平和条約調印から50年(共同通信)
◆ 09/07@<大地下壕>本土決戦に備え韓国・済州島に 太平洋戦争末期(毎日新聞)
◆ 09/07@宮沢元首相、集団的自衛権の一部行使を提唱(読売新聞)
◆ 09/07@衝突激化でパレスチナ自治区の失業率27%(共同通信)
◆ 09/07@関係国の対立、なお深刻 世界人種差別撤廃会議(共同通信)
◆ 09/07@集団的自衛権の行使を提唱 宮沢元首相が演説(共同通信)
◆ 09/07@「テポドン」、北朝鮮は「白頭山1号」と命名(朝日新聞)
◆ 09/08@<EU>非公式外相理事会が開幕 マケドニア情勢、主議題に(毎日新聞)
◆ 09/08@マケドニア安定策を協議 EUが非公式外相会議(共同通信)
◆ 09/08@<ベラルーシ>大統領選投票 ルカシェンコ大統領が優勢(毎日新聞)
◆ 09/08@<人種差別撤廃会議>閉幕 最終宣言で奴隷貿易に深い遺憾の(毎日新聞)
◆ 09/08@東アジア共通の歴史教材を作製 ピースボートが帰港(朝日新聞)
◆ 09/08@奴隷貿易は人道への罪 差別撤廃会議が閉幕へ(共同通信)
◆ 09/08@奴隷制は「人道への罪」 反差別会議が閉会へ(朝日新聞)
◆ 09/08@「心から謝罪」 メガワティ大統領がアチェ訪問(朝日新聞)
◆ 09/08@<人種差別撤廃会議>閉幕 最終宣言で奴隷貿易に深い遺憾の(毎日新聞)
◆ 09/08@住民に謝罪、政府一体強調 メガワティ氏がアチェ訪問(共同通信)
◆ 09/08@将来の駐留兵削減を示唆 兵器性能重視で米軍改革 国防副長(共同通信)
◆ 09/08@<チェチェン>下院副議長の和平交渉提言に反発 プーチン大(毎日新聞)
◆ 09/08@<大量破壊兵器>イランに露、中国などが技術供与 CIA報(毎日新聞)
◆ 09/08@「止まるな」と韓国警備船 黄海の軍事境界線越えた(共同通信)
◆ 09/08@EUが対イラン関係強化へ 米しり目に独自外交(共同通信)
◆ 09/08@<人種差別撤廃会議>奴隷制度と植民地主義の扱いで折衝続く(毎日新聞)
◆ 09/08@EU、奴隷制度などへの謝罪表現を検討 (読売新聞)
◆ 09/08@ミサイル技術を調達、輸出 北朝鮮がとCIA報告書(共同通信)
◆ 09/08@通常戦力の削減を要求 北朝鮮に米国防次官補(共同通信)
◆ 09/08@<ロシア>チェチェン紛争解決を巡り下院副議長と衝突 大統(毎日新聞)
◆ 09/08@親族が島の東西に生き別れ 東ティモール独立で“壁”(共同通信)
◆ 09/08@領土返還要求は「非合法」 タスが論評記事 北方領土問題で(共同通信)
◆ 09/08@<ミャンマー>少数民族との停戦交渉 タイ国軍の仲介受け入(毎日新聞)
◆ 09/08@<パキスタン>不法武器取り締まりQ&A(毎日新聞)
◆ 09/08@<パキスタン>氾濫する小型武器 銃器密造の町ルポ (毎日新聞)
◆ 09/08@<HIV>中国で感染急増 今年上半期新規感染者67・4%(毎日新聞)
◆ 09/08@サンフランシスコ講和50年―新しい設計図を描こう(朝日新聞)
◆ 09/08@<人種差別撤廃会議>欧州元凶説で民衆説得図るアフリカ指導(毎日新聞)
◆ 09/09@10年間の武器輸出9億ドル 北朝鮮、ミサイル部品など(共同通信)
◆ 09/09@中国の対パキスタンミサイル支援を確認 CIA報告書(朝日新聞)
◆ 09/09@リトアニア首相、NATO加盟に意欲 (朝日新聞)
◆ 09/09@同盟強化の必要性強調 米国務長官、日米安保50周年記念式(共同通信)
◆ 09/09@アラファト議長と初会談か 米大統領が月末に(共同通信)
◆ 09/09@イスラエルが歓迎声明 世界人種差別撤廃会議に(共同通信)
◆ 09/09@EUが3回の会談を提案 ペレス・アラファト会談(共同通信)
◆ 09/09@奴隷制は「人道の罪」…反人種主義世界会議が宣言(読売新聞)
◆ 09/09@奴隷制は「人道への罪」 人種差別反対世界会議が閉会(朝日新聞)
◆ 09/10@セルビアで26人の虐殺遺体を発見(読売新聞)
◆ 09/10@国際部隊派遣で大筋合意 EU非公式外相会議(朝日新聞)
◆ 09/10@<EU外相理>NATO部隊残留で合意 ゲリラの武器回収後(毎日新聞)
◆ 09/10@国際部隊の継続駐留が必要 マケドニアでEUが一致(共同通信)
◆ 09/10@<ベラルーシ>国際的孤立がさらに ロシアへ接近か(毎日新聞)
◆ 09/10@内外から不正工作の指摘 ベラルーシ大統領選(共同通信)
◆ 09/10@ルカシェンコ氏が再選 ベラルーシで大統領選(共同通信)
◆ 09/10@<人種差別撤廃会議>欧州・アフリカ双方に重い課題(毎日新聞)
◆ 09/10@東ティモール暫定行政機構代表、自衛隊の早期派遣を要請(朝日新聞)
◆ 09/10@<東ティモール>制憲議会15日開会 各勢力が主導権争い(毎日新聞)
◆ 09/10@<人種差別撤廃会議>一定の意味持った「過去の清算」(毎日新聞)
◆ 09/10@米が10倍の軍事援助申し出 フィリピン国防相(共同通信)
◆ 09/10@<アフガニスタン>反タリバン連合司令官のマスード将軍暗殺(毎日新聞)
◆ 09/10@豪軍艦のボートピープル、ナウルが追加受け入れ(朝日新聞)
◆ 09/10@<人種差別撤廃会議>「差別終了への一歩」 国連弁務官が総(毎日新聞)
◆ 09/10@選挙終了、暫定内閣任命へ 東ティモール(共同通信)
◆ 09/10@アチェ人権改善に圧力要請 小泉首相に獄中指導者が(共同通信)
◆ 09/10@<人種差別撤廃会議>宣言作りに「時間を浪費」 米大統領補(毎日新聞)
◆ 09/10@◎カタール代表監督が辞任=サッカー (時事通信)
◆ 09/10@ユーゴ8度目の優勝 男子バスケットボールの欧州選手権(共同通信)
◆ 09/10@北京ユニバ覆った反日感情 ブーイング連発に思い複雑(共同通信)
◆ 09/11@<ユーゴ制裁>武器禁輸措置を解除する決議採択 国連安保理(毎日新聞)
◆ 09/11@◎対ユーゴ武器禁輸を解除=国連安保理が決議採択(時事通信)
◆ 09/11@マケドニアのNATO部隊、武装解除後も駐留…EU(読売新聞)
◆ 09/11@マケドニアのNATO部隊、武装解除後も駐留…EU(読売新聞)
◆ 09/11@インドネシアとの防衛協力に合意 防衛庁長官(朝日新聞)
◆ 09/11@5原則枠内で派遣可能 東ティモールでの国連平和維持活動(共同通信)
◆ 09/11@自衛隊「生き残り」模索 防衛計画の大綱検討会議設置(共同通信)
◆ 09/11@混乱恐れNATO会議の開催地変更へ (朝日新聞)
◆ 09/11@東ティモール避難民の帰還が再開へ 国連と民兵側が合意(共同通信)
◆ 09/11@ABMで局面打開目指す 米ロ国防次官級協議(共同通信)
◆ 09/11@<サウジアラビア>米国との軍事協議を拒否 英のアラビア語(毎日新聞)
◆ 09/11@新生児死亡は年間400万人 米民間団体調査(共同通信)
◆ 09/11@天声人語(朝日新聞)
◆ 09/11@25年で5500選手を輸出 サッカー大国アルゼンチン(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 09/04@<マケドニア>NATO軍の駐留延長を示唆 バルカン担当米(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】米国のパーデュー特使(バルカン担当)は3日、「マケドニアで武器回収に当たっている北大西洋条約機構(NATO)軍の『作戦終了後の治安確保』は大きな焦点となる」と述べ、NATO軍の駐留延期の可能性を示唆した。特使は、ウィーンで開かれた全欧安保協力機構(OSCE)理事会でこの見解を述べた。また、NATO報道官も先週、マケドニアの治安確保を最優先する方針を明らかにし、多国籍部隊の駐留延長に含みをもたせている。
 パーデュー特使は理事会で「この場でNATOの任務拡大や延期を提案する意図はないが、武器回収後の治安確保は検討されるべきだ」とした。直接、駐留延期には触れなかったが、強く示唆する内容として注目されている。
 ブリュッセルからの報道によると、NATOのブロデュール報道官は30日、「理事会はより長期の安定化を探る必要性で基本合意した。30日間の駐留期限後、治安の空洞化が予想され、何らかの方策が必要となる」と説明した。ただし、「期限後の任務を担う国について語るには早すぎる」と語った。 [2001-09-04-19:45] 9
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 09/04@やっぱり公私混同? 独国防相、空軍機で婚約者を訪問(朝日新聞)

 ドイツのシャーピング国防相(53)が、マケドニアへの独連邦軍の派遣を決めた翌日、現地視察に直接行かず、空軍機を利用して婚約者が待つ地中海の保養地を経由して向かったため、公私混同ではないかと与野党から非難の集中砲火を浴びている。
 報道によると、シャーピング国防相は派兵を承認した先月29日の連邦議会に出席するため、静養先のマヨルカ島からベルリンに戻った。翌日、連邦軍幹部は直接マケドニア視察に向かおうとしたが、国防相は29日夜に空軍機でいったんマヨルカ島に戻り、8時間を婚約者と過ごした後、翌朝ベルリンから来た空軍機でマケドニアに向かった。
 しかし、空軍機にかかったばく大な費用が指摘され、公私混同ではないかとの声も強い。
 シャーピング国防相は8月中旬、マヨルカ島で婚約者と水泳などをして過ごす姿が週刊誌に9ページにわたって写真入りで紹介され、「戦闘が続くマケドニアに連邦軍が派遣準備を進めているときに不謹慎」と批判された。
 同防相は「公務で休暇がたびたび中断された。公務のための空軍機利用」と主張している。シュレーダー首相は、国防相は休暇を中断して公務に戻ったと擁護している。[2001-09-04-15:43] 12
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 09/04@マケドニア国会、和平案巡る討議を再開(読売新聞)

 【ウィーン3日=佐々木良寿】マケドニア国会は3日、紛争解決に向けた包括的和平案を巡る討議を再開した。討議は先月31日に開始されたものの、1日にマケドニア人強硬派とされるストヤン・アンドフ国会議長が、アルバニア系武装勢力「民族解放軍(NLA)」や支持者らによってマケドニア人避難民の帰還が阻害されている、として中断していた。 [2001-09-04-00:06] 11 [このページの最初に戻る]


 09/04@◎ポーランド、脱共産化の優等生=米団体調査(時事通信)

 【ワルシャワ3日DPA=時事】共産主義体制からの移行で最も成功している国はポーランド−。米国の民間団体「フリーダムハウス」が、共産主義体制を取っていたロシアなど27カ国を対象に行った脱共産化の進展状況に関する調査で、このような結果が出た。
 国営ポーランド通信(PAP)によると、調査は、民主化、法の支配、経済の自由化のそれぞれの進ちょく状況という3つの指標を基に各国を採点。その結果、ポーランドは、民主的メカニズムを保障する政治・法制度改革の分野で最高点を上げ、チェコ、スロベニアなどとともに「成熟した民主主義国家」とのお墨付きを得た。ただ、汚職が多いため、法の支配の指標では同じ欧州連合(EU)加盟候補のスロベニアに及ばなかった。 [時事通信社][2001-09-04-07:05] 5
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 09/04@<人種差別撤廃会議>米とイスラエル退席 シオニズム非難に(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】ダーバンで開催中の世界人種差別撤廃会議(国連主催)に参加している米国とイスラエルの両国政府は3日、派遣していた代表団の引き揚げを発表した。米政府はシオニズム(ユダヤ民族主義)を人種主義とみなす非難文言を、会議で採択予定の政治宣言と行動計画から外させるのが困難と判断、7日までの会期を4日残しての退席を決めた。
 旧弊から脱却せずユダヤ人擁護に終始する「強国」の論理、それに根差したブッシュ米政権の姿勢に、批判が高まりそうだ。
 パウエル米国務長官は「人種差別との闘いと会議での貢献の重要性を考えれば遺憾だが、政府代表団に帰国を命じた」との声明を発表した。
 一方、イスラエルのペレス外相も「ダーバンでの奇怪なショーを極めて遺憾に思う。人権を擁護するはずの重要な会議が憎悪の源となってしまった」と述べた。
 同会議は準備会合の段階で、イスラエル建国の原動力となったシオニズムをレイシズム(人種主義)と規定する文言が提案されたため、米政府は国務長官の出席を取りやめていた。
 国連主催の世界人種差別撤廃会議は今回が3回目。米とイスラエルは78年の第1回、83年の第2回会議でも、やはりシオニズムの定義をめぐり反発し、会議を欠席している。
 国連ではこれに先立つ75年の総会で「シオニズムは人種主義で人種差別の一形態」とみなす決議が採択されたが、その後の時代の変化から91年の総会で、破棄されていた。イスラエルには、シオニズムの受け止め方が時代状況で変化する国連の姿勢への疑念も強い。
 今会議ではパレスチナ自治政府のアラファト議長がイスラエルを「人種差別主義国家だ」と非難したほか、政治宣言などの詰めの作業段階でもイスラエルを非難する文言が多数残っている。
 会議は約150カ国の政府、非政府組織(NGO)関係者ら約6000人が参加して先月31日に開幕した。 [2001-09-04-14:40] 20
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 09/04@米とイスラエル、人種差別反対会議を離脱(読売新聞)

 【ダーバン(南アフリカ)3日=森太】南アフリカで開催中の国連の「人種主義に反対する国際会議」に参加していた米国とイスラエル両国の代表団は3日、アラブ諸国の求めるイスラエルに対する非難を最終宣言文から削除することが絶望的になったとして、会議からの引き揚げを決めた。今後、両国に追随して撤退する国が出る可能性もあり、過去の奴隷制や植民地支配について、初めて議論する場だった同会議の意義は中東問題が障害となり、大きく損なわれることになった。
 米代表団は同日、「シオニズム(ユダヤ人のパレスチナ回帰運動)を人種差別とみなす表現やイスラエルがホロコースト(ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺)と同じ行為を行っているという考えを含んだ宣言を採択するような会議では人種差別と戦えない」とするパウエル国務長官の声明を発表。また、イスラエル代表団のアラン・ベーカー外務省法律顧問も、「この会議は(アラブ諸国に)ハイジャックされている」と述べた。アラブ諸国はイスラエルを「中東のアパルトヘイト(人種隔離政策)国家」として、イスラエルを名指しで非難する表現を最終宣言文に盛りこむよう求めていた。
 南ア政府は同日、「米国の引き揚げは残念であり、必要もない」と批判。ルワンダを訪問中のアナン国連事務総長も同日、「非常に残念だ。すべての社会が内包する人種差別や外国人嫌いという問題と戦うことだ」と語った。 [2001-09-04-12:26] 31
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 09/04@反差別会議から米とイスラエルが引き揚げ(朝日新聞)

 南アフリカのダーバンで開かれている国連主催の「人種差別反対世界会議」で米国、イスラエル両代表団は3日、反イスラエルの文言が採択文書から削除される見通しにないなどとして、同会議から引き揚げると発表した。追随する国が出る可能性もある。人類が引きずってきた差別との決別という崇高な理念を掲げた会議は、中東紛争の現実にほんろうされた形となった。
 パウエル米国務長官は、「憎しみの言葉が含まれた宣言を生みだし、イスラエルだけを名指し批判、侮辱するような会議を通じて、人種主義と闘うことはできない」との声明を発表し、引き揚げの理由にふれた。イスラエル代表団も、「ここにいても何の意味もないとの結論に達した」として撤退した。
 イスラエル建国につながった「シオニズム」を「人種主義」と直接結びつける言葉は、会議で採択予定の政治宣言、行動計画の文案から準備段階で除かれた。しかし、イスラエル側の指摘によると、「パレスチナにおけるアラブ人に対するホロコースト、民族浄化」「シオニズムの名における人種主義者の行い」など、イスラエルの「人種主義」を非難する間接的な表現は、30カ所以上残っていた。
 米国は会議直前、イスラエル非難の傾向が強いことに不快感を表明し、パウエル長官の派遣を見送っていた。
 米代表団のラントス下院議員によると、ノルウェーの仲介でイスラエル、パレスチナ双方の歩み寄りを目指す合意案が模索された。米国は同案を受け入れる用意があったが、パレスチナ側は納得しなかったという。
 会議の事務局長、ロビンソン国連人権高等弁務官は「米国の撤退を、心から遺憾に思う。しかし、我々は努力し続けなくてはならない。人種主義、人種差別、外国人排斥の被害者たちが、それを求めている」という談話を発表した。
 同会議は約150カ国が参加し、31日から7日まで開かれている。中東紛争、過去の奴隷制の扱いなどをめぐり、会議の行方が危ぶまれていた。[2001-09-04-10:22] 33
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 09/04@<人種差別撤廃会議>米国とイスラエルが代表団を引き揚げ(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】ダーバンで開催中の世界人種差別撤廃会議(国連主催)に参加している米国とイスラエルの両国政府は3日、派遣していた代表団を引き揚げると発表した。米政府は会議で採択予定の政治宣言と行動計画に、アラブ・イスラム諸国がシオニズム(ユダヤ民族主義)を人種差別として固執する非難文言の撤回が困難と判断し、7日までの会期を4日残しての離脱を決定した。
 激化するパレスチナ情勢のあおりを受けた米国の離脱決定だが、「強国」の論理に根差したブッシュ米政権の姿勢に、批判が高まりそうだ。
 パウエル米国務長官は「人種差別との闘いと会議での貢献の重要性を考えれば遺憾だが、政府代表団に帰国を命じた」との声明を発表した。
 一方、イスラエルのペレス外相も「ダーバンでの奇怪なショーを極めて遺憾に思う。人権を擁護するはずの重要な会議が嫌悪の源泉となった」と述べるとともに、パレスチナ住民側の人種差別主義だとする主張を批判した。
 同会議は準備会合の段階で、イスラエル建国の原動力となったシオニズムと人種差別を同一視する文言が提案されたため、イスラエルに同調する立場の米政府は国務長官の出席を取りやめ、イスラエル非難の文言削除を主目的とする実務担当者を代表団として派遣していた。
 しかし、パレスチナ自治政府のアラファト議長がイスラエルを「人種差別主義国家だ」と非難したほか、政治宣言などの詰めの作業段階でもイスラエルを非難する文言が多数残っているため、イスラエル代表団は2日、「会議は(パレスチナ側に)ハイジャックされている」「イスラエル攻撃の部分が削除されなければ、引き上げを検討する」とけん制していた。
 会議は約150カ国の政府、非政府組織(NGO)関係者ら約6000人が参加して先月31日に開幕した。 [2001-09-04-10:15] 40
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 09/04@パレスチナが強硬姿勢 仲介工作実らず 世界人種差別撤廃会(共同通信)

 【ダーバン3日共同】南アフリカの世界人種差別撤廃会議はパレスチナ問題の扱いについて小委員会を設置、ノルウェーが仲介役となって妥協の道を探っていた。しかし、パレスチナやアラブ諸国側が強硬にこれを拒んだため、米国などの引き揚げにつながった。
 ノルウェーが用意した妥協案の内容は不明だが、米代表団によると、米国、イスラエル両国にとって受け入れ可能なものだったという。
 シオニズムを人種差別と同一視する表現は採択文書案から削除されたものの、パレスチナ側はイスラエルの行為を名指しで非難するよう要求し続けた。イスラエル代表団は「『人種差別を実践している』という表現があれば同じことだ」と反発していた。
 会議にはこれ以外にも、植民地支配や奴隷貿易の清算など難題が山積。仮にこれらの問題で合意が達成できたとしても、米国などが離脱した会議の採択文書がどれだけの重みを持つか疑問だ。(了)[2001-09-04-08:51] 41
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 09/04@米などが差別撤廃会議撤退 反イスラエル文言に反発(共同通信)

 【ダーバン3日共同】南アフリカで開催中の世界人種差別撤廃会議に参加していた米国とイスラエルの両代表団は三日、イスラエル・パレスチナ紛争をめぐる反イスラエルの文言を採択文書から削除できない見通しであることを理由に、会議から引き揚げることを決めた。
 会議は、過去の奴隷貿易や植民地支配の清算について初めて世界が本格議論する場だったが、パレスチナ問題が障害となり、その意義は損なわれることになった。米政府の決定に対し、一方的外交の新たな例として批判を招きそうだ。
 米国のパウエル国務長官は「憎しみの言葉を盛り込んだ宣言を採択するような会議によって、人種差別と闘うことはできない」との声明を発表。米国代表団は「妥協に向けたあらゆる試みが失敗した」と決定の正当性を強調した。米国は会議直前に国務長官の参加を取りやめ、実務レベルの代表団を送っていた。
 南アフリカのパハド大統領府相は「代表団引き揚げは不幸だし、不必要だ」と批判。ロビンソン国連人権高等弁務官は「米政府の決定は残念だが、成果を得るため会議を続行しなくてはならない」と述べた。(了)[2001-09-04-08:50] 59
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 09/04@<余録>排外主義の精神(毎日新聞)

 「われわれ日本人には、非常に古くから、排外主義の精神があったのではないか」。1日に亡くなった社会思想研究家、石堂清倫さんが「20世紀の意味」(平凡社)の中でドキッとすることを書いている▲石堂さんは1904年、石川県の生まれ。その97歳の生涯は、ほとんどそのまま20世紀と重なる。7月に刊行されたばかりの「20世紀の意味」は、20世紀に生きた石堂さんの書き残した、いわば遺言といってもいいだろう▲日本人の排外主義は中世からあったに違いないと石堂さんは言う。日本は古代から中世にかけて中国の大陸文化と出合った。「日本は圧倒されたと思うのです」。しかし、文化の質の高さでは及ばないが、日本には大陸に欠けている特質があると思い慰めた▲中国には王朝の断絶があるが、日本にはない。これが日本の特質だ。こうして徳川時代の鎖国政策のもとで、和魂漢才の思想は民族優越性の信念になった。幕末にペリーがやってきたときにも、相手を人間以下の禽獣(きんじゅう)として卑しめることによってしか自立性を主張できなかった▲幕府の勝海舟は開明派だったが、明治維新で権力を握ったのは攘夷派だった。明治維新は確かに変革ではあるが、それは革命であると同時に復古だった、と石堂さんは述べている。和魂漢才にかわる和魂洋才による変革。いまの日本にも攘夷派のDNAが残っているのかもしれない▲外務省にもDNAが検出されている。日本外交がとかく内向きになり、内弁慶に陥るのは、中世以来の伝統的な優越性と、その裏腹の排外主義がひそんでいるからかもしれない。中国の江沢民国家主席の訪朝がはじまった。東アジアはさかんに動いている。日本は大したことはないさとたかをくくっている。 [2001-09-04-00:55]
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 09/05@村民の無差別殺害を告発 マケドニアで人権団体(共同通信)

 【ウィーン5日共同】国際的な人権監視団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部ニューヨーク)は五日、民族紛争の続いていたマケドニアで八月、同国政府軍がアルバニア系住民の村落を襲撃、村民ら十人を無差別に殺害したとの報告書を発表、同国政府に調査を要求した。
 報告書によると、政府軍は八月十二日、スコピエ近郊のリュボテン村を襲撃、村民六人を射殺、二十二棟の住居などを焼いた。同団体はほかに拷問などによる四人の殺害を確認したとしている。
 この襲撃に関しては、マケドニア政府のボスコフスキ内相が同月十四日に、村に潜伏していたアルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」のゲリラに対する反撃だと発表していた。
 しかし、ヒューマン・ライツ・ウオッチは現地で犠牲者の家族などから聞き取り調査を行った結果、村にゲリラはおらず、軍は避難しようとする村民を無差別に殺害したとしている。また同内相が襲撃当日、村にいたと指摘した。(了)[2001-09-05-20:04] 2
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 09/05@◎アルバニア系村民を無差別殺害=マケドニア当局に調査要求(時事通信)

 【ニューヨーク5日時事】ニューヨークに本部を置く国際人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(HRW)は5日、マケドニア警察部隊が8月に同国内のアルバニア系住民の村に無差別攻撃を加え、民間人9人を殺害したとの報告書を公表した。
 当時、村にはボスコフスキ内相もいたとされ、HRWはマケドニア当局に対し、この攻撃で同氏が果たした役割も含め、直ちに調査を行うよう要求している。 [時事通信社][2001-09-05-14:40] 5
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 09/05@空軍機で婚約者の元へ 独国防相に公私混同批判(共同通信)

 【フランクフルト5日共同】ドイツのシャーピング国防相(53)が、空軍機で婚約者の待つ地中海の保養地を経由してマケドニア視察に向かっていたことが分かり、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)など野党は「明らかな私的利用で、巨額の税金浪費」と、シュレーダー首相に国防相解任を強く求めている。
 野党は国防委員会での同相の釈明や、連邦会計検査院の調査も要求。来年秋の総選挙を意識して与野党の攻防が熱を帯びてきた。
 国防相は八月二十九日、マケドニア派兵を承認した連邦議会(下院)に出席。その直前に休暇を中断し、婚約者と滞在していたスペインのマヨルカ島からベルリンへ飛んだ。採決後の同日深夜、空軍機で島に戻り、翌朝、ベルリンから来た軍幹部とともに同機でマケドニアを訪問した。
 野党によると、空軍機使用の費用は約四十万マルク(約二千二百万円)。国防相には@ベルリンから直接、マケドニアに向かうA民間機で島に戻る―などの選択肢もあったと追及、CDU幹部は「数時間の休暇地滞在のための空軍機利用は公私混同」と批判した。
 シュレーダー首相は、休暇を中断した事情から「(島への空軍機利用は)正当な行為」と擁護するが、与党内からも「選挙前に最大のイメージ低下」との声も出ている。(了)[2001-09-05-08:20] 6
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 09/05@<マケドニア>NATOの針路なき派兵 アルバニア系の不安(毎日新聞)

 マケドニアに展開する北大西洋条約機構(NATO)軍の多国籍部隊4500人がアルバニア系ゲリラ・民族解放軍の武器回収作戦を始めた。アルバニア系住民の地位向上を目指す憲法改正審議と並行して進めるが、回収後の青写真のない綱渡りの活動だ。バルカンの紛争続発を防ぐ努力が続く現場を追った。【アルチノボで福井聡】
 「なぜ、政府軍が国民の家を砲撃せねばならないのか。民族解放軍は我々を政府軍から守り、アルバニア系住民の権利拡大のため闘って来た。武装解除し、NATOが撤退すれば、その後どうなるのだろう」。激戦地の1つだった北部アラチノボ村のアルバニア系住民、建築業、ジェティさん(34)は不安を隠さない。自宅の壁は弾痕が蜂の巣のように広がっており、屋根は落ちガラスはすべて割れている。
 ジェティさんは一族35人を連れて6月初旬、北隣のユーゴ連邦コソボ自治州のビティヤに避難した。2年前のコソボ危機の際にはビティヤのアルバニア系住民がジェティさん宅に2カ月避難し、今度はジェティさんらが2カ月世話になった。
 戻ってくると自宅は破壊され、建築の仕事は何もなく、村の入り口4カ所には政府軍兵士が検問所を築き、自由な出入りができなくなっている。和平協定の行方を見ながら自宅の修理を進める日々が続く。
 ジェティさんの兄弟6人のうち3人は5月、民族解放軍に入った。「彼らは電話で『国会で兵士の免責法案が可決されるまで戻らない』と伝えてきた。マケドニア人強硬派はNATO軍撤退後、独自の武器回収を実施するとしいる。免責確立は除隊の前提だ」という。
 近くに住むアバズィさん(44)も砲撃を受けた屋根を修理していた。アバズィさんは以前、穏健派アルバニア民主党の支持者だった。今は「マケドニア人との同等権利獲得」を掲げる民族解放軍支持に変わったという。
 隣家はマケドニア人(村の人口の5%弱)で、最近、自宅の様子を見に来た。「やはり『当分帰還は無理だ』と言っていた。マケドニア人との共存は受け入れるが、砲撃した政府軍がここに入ってくるのは許さない」とアバズィさんは声を荒げた。
 今月下旬のNATO軍撤退後、全欧安保協力機構(OSCE)が監視員約200人を常駐させ、新規採用の警察官と人権専門家を訓練する案はある。だが、具体策は示されていない。NATO軍のラング現地司令官は、「武器回収ができなければ、戦闘が広がる道しか残されていない」と派兵の意義を強調する。
 戦闘回避の模索の中で、武器回収後のシナリオのない作戦がゲリラ戦と政治交渉の合い間を走り出した。 [2001-09-05-00:50] 4
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 09/05@米批判で再選へ怪気炎 ベラルーシ大統領(共同通信)

 【モスクワ4日共同】インタファクス通信などによると、九日投票の大統領選で再選を狙うベラルーシのルカシェンコ大統領は四日、政権を非民主的と非難する米国や欧州安保協力機構(OSCE)を徹底的に批判、「ここではだれもユーゴスラビアのシナリオを実現できない」と怪気炎を上げた。
 大統領の発言は、先月二十八日にパウエル米国務長官がベラルーシ国内の人権問題などを指摘し、「民主化が事実上ストップしている」などと“酷評”したことに対抗したもの。
 大統領は、国務長官の声明はスパイが事前入手し、発表の十日前から知っていたと暴露。さらに「湾岸戦争の時に銃を持ち、軍服を着ていた彼を覚えているか。外交官となっても、彼は手にしたボールペンを銃だと思っている」とパウエル国務長官をこき下ろした。
 また選挙のさまざまな問題点を指摘しているOSCEの選挙監視団については、選挙直後に国外退去させると語った。(了)[2001-09-05-08:39] 3
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 09/05@◎アルバニア応援団わずか40人=亡命心配でビザ発給されず(時事通信)

 【ロンドン5日時事】5日付の英紙タイムズは、英国で同日に行われるサッカー2002年ワールドカップ(W杯)欧州予選のイングランド−アルバニア戦で、欧州最貧国アルバニアからのサポーターが40人しか観戦できないと報じた。試合が行われるスタジアムには5万人が入場できる。
 同紙によると、在ティラナ英大使館は、大半のアルバニア人サポーターについて、試合後に亡命申請する恐れがあるとしてビザを発給しなかった。ビザを得た40人は、外国での試合観戦後にアルバニアへ帰国した経験があると証明された者のみという。
 アルバニア・サッカー協会も「たくさんの応援団は連れて行かない。彼らが帰国しないことは分かっているから」と納得ずく。アルバニア代表のデモリラ監督も「こういう状況には慣れている」と語ったという。 (了)[時事通信社][2001-09-05-09:09]
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 09/06@◎和平案を大枠で承認=改憲の実質審議開始へ−マケドニア国(時事通信)

 【ウィーン6日時事】マケドニア国会は6日、半年間にわたる民族紛争収拾に向けて主要政党が調印した和平案の履行をめぐって採決を行い、3分の2以上の賛成多数で和平案を土台とする憲法改正作業の開始を決定した。和平案は大枠で承認されたことになり、今後はその具体的な履行プロセスに焦点が移る。
 アルバニア系武装組織・民族解放軍の武装解除に向け、マケドニアに展開している約4500人の北大西洋条約機構(NATO)部隊は、国会審議の行方を見守る形で休止していた武器回収作業を再開し、今月末の駐留期限までの解放軍の武装解除に全力を挙げる段取りになっており、マケドニア和平プロセスは、当面のハードルを乗り越えた。
 [時事通信社][2001-09-06-23:25] 39
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 09/06@<独仏首脳会談>マケドニアや中東情勢で意見交換 ベルリン(毎日新聞)

 【ベルリン藤生竹志】ドイツとフランスの定期首脳会談が5日、ベルリンで行われた。シュレーダー独首相、シラク仏大統領、ジョスパン仏首相らがマケドニアや中東情勢などについて意見交換した。
 シュレーダー首相によると、両国は北大西洋条約機構(NATO)軍がアルバニア系ゲリラの武装解除にあたっていることについて、武器回収作戦が成功しているとの認識で一致した。 [2001-09-06-18:36] 43
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 09/06@<歴史教科書問題>韓国がユネスコに仲介要請(毎日新聞)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長はジュネーブで5日、共同通信とのインタビューに応じ、韓国が「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書問題の解決に向けた仲介をユネスコに求めてきたことを明らかにした。
 しかし日本はこの問題について日韓2国間での解決を主張しており、ユネスコが仲介作業を開始するには至っていないという。
 「つくる会」の歴史教科書問題では、韓国に加えて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中国も日本政府の対応を非難した。事務局長によると、中国も北朝鮮もユネスコに仲介は要請していないが、中国は韓国の方針を支持する姿勢を見せている。
 ユネスコは「すべての当事国」(事務局長)の同意を得て、第二次大戦終結後に西ドイツとポーランドの間で起こった歴史教科書をめぐる論争を仲介した実績がある。現在はイスラエルとパレスチナ、民族紛争が相次いで発生した旧ユーゴスラビアの歴史教科書問題に取り組んでいる。(ジュネーブ共同) [2001-09-06-11:45] 52
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 09/06@韓国がユネスコに仲介要請 「つくる会」の教科書問題(共同通信)

 【ジュネーブ5日共同】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長はジュネーブで五日、共同通信とのインタビューに応じ、韓国が「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書問題の解決に向けた仲介をユネスコに求めてきたことを明らかにした。
 しかし日本はこの問題について日韓二国間での解決を主張しており、ユネスコが仲介作業を開始するには至っていないという。
 「つくる会」の歴史教科書問題では、韓国に加えて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中国も日本政府の対応を非難した。事務局長によると、中国も北朝鮮もユネスコに仲介は要請していないが、中国は韓国の方針を支持する姿勢を見せている。
 ユネスコは「すべての当事国」(事務局長)の同意を得て、第二次大戦終結後に西ドイツとポーランドの間で起こった歴史教科書をめぐる論争を仲介した実績がある。現在はイスラエルとパレスチナ、民族紛争が相次いで発生した旧ユーゴスラビアの歴史教科書問題に取り組んでいる。(了)[2001-09-06-08:21] 53
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 09/06@フランス、月内にスーダン制裁解除へ(共同通信)

 【ニューヨーク5日共同】フランスのルベット国連大使は五日、安全保障理事会が今月十七日にスーダン制裁を解除する決議を採択するとの見通しを明らかにした。フランスは今月の安保理議長国。
 ルベット大使は記者会見で「米、スーダン両国の国連大使が五日、制裁解除の条件が整ったとの認識を表明した」と述べた。
 安保理は一九九六年にテロ支援を理由にスーダンとの外交関係を大幅に制限することなどを加盟国に求める決議を採択した。アフリカ諸国を中心に解除を求める声が高まっているが、米国の反対で解除決議採決が延期されていた。
 また同大使はユーゴスラビアに対する武器禁輸措置も九月中に解除されるとの見通しを示した。(了)[2001-09-06-08:18] 353
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 09/06@反人種主義会議「過去の清算」ぎりぎり調整(読売新聞)

 【ダーバン(南アフリカ)6日=森太】当地で開催中の国連の「人種主義に反対する世界会議」は6日、最終日の7日に採択予定の最終宣言と行動計画で、アフリカ諸国などが求める奴隷制度と植民地時代に対する謝罪と賠償という「過去の清算」をどう取り扱うかをめぐり、大詰めの折衝に入った。米国とイスラエルの会議離脱でシオニズム(ユダヤ人のパレスチナ回帰運動)の位置付けをめぐる論争が仕切り直される中で、ようやく本来の議題が白熱化した形だが、欧州とアフリカ諸国の対立の溝は深く、会議は成否をかけた重大な瀬戸際を迎えている。
 「過去の清算」については、議長を務めるズマ南アフリカ外相の命を受けたケニアとブラジルの代表が水面下で、欧州連合(EU)とアフリカ諸国の間でぎりぎりの調整を続けている。
 5日夜、会見した両代表は「謝罪の表現だけでも正式な謝罪、深い自責、遺憾など、見解はばらばらで、どのような形でまとまるのか見通しは立っていない」と話し、現段階でも具体的文言の詰めまでに至っていないことを認めた。また、会議の報道官は6日午後、会議が8日までもつれ込む可能性も示唆するなど、関係者の間では最終宣言採択自体を危ぶむ声さえ出ている。
 アフリカ諸国側は、〈1〉関係各国が正式に謝罪する〈2〉欧米諸国は経済支援や債務帳消しという形で賠償金を支払う〈3〉奴隷制度を「人道に対する罪」として認める――などを求めている。
 15世紀から19世紀までの約400年間、西アフリカを中心に1500万人から3000万人といわれるアフリカ人が奴隷として南北アメリカ大陸やカリブ海諸島に運ばれた。アフリカ諸国側には「欧米諸国の発展に寄与したのは我々の祖先」との思いがある。
 これに対して、欧米側には「祖先の行った不当な行為をいったいどこまでさかのぼって償わなければならないのか」との反発が根強い。欧州15か国のうち奴隷貿易や植民地政策に深くかかわった英国、オランダ、スペイン、ポルトガルの4か国は、膨大な賠償金訴訟を呼び起こしかねない「謝罪」には慎重な姿勢で、「遺憾の意」にとどめたい考え。
 また、ドイツなど残る11か国は当初、謝罪に応じる姿勢を示したが、会議関係筋によると、「即時かつ無条件の債務帳消し」などエスカレートするアフリカ側の要求に拒絶反応を示し、水面下の交渉ではEU全体として「謝罪」に応じない方向で結束するようになり、対立は先鋭化するばかり。
 一方、米国とイスラエルの会議離脱を招いたシオニズムを巡る宣言案の表記は、南アが欧州諸国とアラブ諸国の間でなお調整中。しかし、フランスが5日、アラブ側がイスラエルと人種差別を結びつける表現に固執するなら「EUも会議を離脱する」と警告するなど対立はその後も尾を引いている。EU離脱という事態になれば会議は完全に崩壊。奴隷制と植民地問題に取り組んだ初の国際的試みとして注目された同会議が、限られた時間のなかでどう軟着陸を図るか、目が離せない状況となってきた。 [2001-09-06-21:40] 354
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 09/06@最大政党のフレティリンが第1党 東ティモール(朝日新聞)

 東ティモール独立選挙委員会は6日、先月30日に投票が行われた制憲議会選挙(定数88)の結果を発表した。最大政党フレティリン(東ティモール独立革命戦線)が半数を大きく上回る55議席を獲得し、第1党となった。初議会は15日に招集され、憲法制定や大統領の位置づけなど、来年4月の独立に向けて国づくりの中枢を担う。
 フレティリンはインドネシアからの独立運動を展開した組織が母体。県単位の13小選挙区のうち12カ所で勝利したほか、比例区では57.37%の得票率を得て43議席を獲得した。ただ、単独の憲法制定が可能になる60議席の目標ラインには届かなかった。
 学生運動指導者が選挙前に結成した民主党が7議席を獲得して第2党になった。前知事が党首で知識層に支持が厚い社会民主党と、フレティリンから離党した幹部が率いるティモール社会民主協会が各6議席で続いた。16政党のうち、12党が議席を得た。大勝したフレティリンは、議会運営を単独で行う考えを表明している。
 今回の選挙は、98年の住民投票後の騒乱による焼け跡が各所に残るなか、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の主導で行われた。混乱はなく、選挙委は「平和な選挙の実現は歴史的な足跡」と評価している。投票率は91.3%に達し、独立国家への住民の期待の高さが表れた。[2001-09-06-21:08] 414
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 09/06@<東ティモール>フレテリン55議席 連立の可能性が高まる(毎日新聞)

 【ディリ堀内宏明】来春に独立する東ティモールの制憲議会選挙の開票作業に当たっていた国連独立選挙委員会は6日、選挙結果を発表した。定数88議席のうち、最大勢力のフレテリン(東ティモール独立革命戦線)は過半数を超える55議席を獲得したが、憲法を単独で採択できると規定された60議席には届かなかった。フレテリンは四半世紀に渡り独立運動の中核を担ってきたが、60議席に届かない場合は独立指導者シャナナ・グスマン氏が先に提言していた通り、他党との連立の可能性が高まっている。
 国連独立選挙管理委員会の集計によると、フレテリンは地方区13議席のうち12議席で当選したが、比例区での得票率が伸びなかった。フレテリンに次いで、若い世代を中心に6月に結成された民主党が7議席、中道路線を掲げる社会民主党とフレテリンから分派したASDTがそれぞれ6議席ずつ獲得した。
 今回の選挙には地方区と比例区をあわせて16政党が候補者を立てた。フレテリンは東ティモール全域に支持基盤を持ち、選挙前は「70議席を取る」と公言していた。だが、左派色が強いと言われるフレテリンの「ひとり勝ち」を警戒する層の票が中道勢力に流れたとみられる。
 憲法をつくるための制憲議会は独立後は国会に移行するため、住民にとっては初の総選挙となった。議会は15日に招集され、12月中旬までに国家の形態を決めた憲法を採択し、来年3月の大統領選を経て、4月の正式独立を目指す。 [2001-09-06-12:40] 415
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 09/06@フレティリンが55議席 憲法単独承認に届かず 東ティモー(共同通信)

 【ディリ6日共同=上村淳】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の独立選挙委員会は六日、東ティモールの来年の独立へ向けて八月三十日に行われた憲法制定議会(定数八八)選挙の開票作業を終え、全議席が事実上確定した。独立抵抗運動の中核組織だった東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が五十五議席を得て大勝した。
 しかし、憲法案の承認に必要な六十議席には単独では届かず、主要政党間で意見調整が円滑に進むかどうかが、十五日に招集される同議会の焦点となる。
 ほかの政党は、新しい世代による国家建設を訴える民主党が七議席、インドネシア統治時代に住民重視の姿勢で信望を得たマリオ・カラスカラオ元州知事が率いる社会民主党が六議席、一九七五年に樹立を宣言した「東ティモール民主共和国」再興を掲げるティモール社会民主連合(ASDT)が六議席―などとなった。
 フレティリンは、全域で圧倒的な強さを見せ、県単位の十三小選挙区のうち十二議席を押さえ、比例代表の全国区でも過半数を制した。小選挙区で当選したただ一人の無所属議員も、関係者によると、追加公認の形でフレティリン会派入りを求めているという。
 各政党に見解表明の機会を与えた上で十日に議席を正式確定するが、異議申し立ての動きは出ていない。憲法を制定して独立を達成した後、制憲議会は国会に移行する予定。(了)[2001-09-06-12:28] 416
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 09/06@東ティモール選挙、独立革命戦線が第1党に(読売新聞)

 【ディリ(東ティモール)6日=平井道子】独立に向けた準備を進める東ティモールの制憲議会(88議席)選挙は、6日午前中に全選挙区の開票結果が出そろい、各党の議席配分が決まった。インドネシアからの独立運動の中心的な存在だった「東ティモール独立革命戦線(フレティリン)」は、小選挙区(13議席)で12議席、比例区(75議席)で43議席の計55議席を獲得、第1党となったが、憲法承認に必要な60議席を単独で確保することはできなかった。中道の民主党(PD)が7議席で2位、社会民主党(PSD)と、フレティリンから今年4月に離脱したティモール社会民主協会(ASDT)が各6議席を獲得し、12政党の所属議員と1人の無所属議員とが制憲議会に参加することになった。
 第1党になるフレティリンはすでにASDTとの連立政権とする方針を固めており、組閣に向けた調整に入った。
 選挙を実施している国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の独立選挙委員会(IEC)は、開票結果に基づく議席配分をもとに各党の比例区候補者名簿に従って比例区の当選者の確定作業を行い、最終的に10日に88人の制憲議会議員が決定、15日に初議会を召集する。
 幅広い支持層を持ち、選挙戦序盤で圧勝と見られていたフレティリンが予想を下回る議席になったのは、比例区で43議席しかとれなかったことが要因だ。最も得票率の高いバウカウ選挙区で81・98%を獲得したものの、得票率が20―30%台の選挙区が4選挙区あり、全国集計では57・4%だった。
 フレティリンに有利な小選挙区(13議席)が全体の15%と少なかったことに加え、比例選は16政党と無所属候補5人が立候補する小党乱立状態になり、票が分散してフレティリンが苦戦した。また、選挙終盤にはフレティリン一党支配に対する不安から、票の流出が加速した。
 閣僚の任命権はセルジオ・デメロUNTAET代表にあるが、フレティリンではASDTのほか、他党の党首クラスへも個人の資格での入閣を要請することを検討している。議員以外にも、ノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ氏を外相に当てるなど幅広い人材を登用し、安定した政権運営をはかりたい考えだ。[2001-09-06-12:26] 436
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 09/06@<ペルー>フジモリ元大統領を殺人罪などで最高裁に訴追(毎日新聞)

 【メキシコ市・吉田弘之】ペルーの検察当局は5日、90年代に左翼ゲリラ取り締まりの際に発生した市民虐殺事件で、日本に滞在中のフジモリ元大統領を殺人罪などで最高裁に訴追した。最高裁は15日以内に訴追を受理するかどうか判断。受理すれば、正式起訴となり、司法手続きが開始される。
 検察当局が発表した起訴事実は▽91年11月、軍特殊部隊が8歳の子供を含む15人の市民を左翼ゲリラと間違え射殺▽92年7月、同部隊が左翼ゲリラ・シンパとみられる大学生9人と教授1人を誘拐し殺害▽97年3月、元情報局員が首と手足を切断された遺体で発見された殺人事件ーの3件。
 ペルー国会は先月27日、市民虐殺事件などについてフジモリ元大統領の元大統領としての免責特権をはく奪し、起訴を承認していた。
 ロベルト・ダニノ首相は「日本は一連の国際条約に署名している」と語り、国連の「拷問禁止条約」(84年採択)などを根拠に日本に送還要求する考えを示唆している。だが、日本側は一貫して送還要求を拒否している。このため、トレド政権は今後、最高裁の動向をにらみながら日本に対し正式に元大統領の送還要求を行うことになる。 [2001-09-06-11:00] 444
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 09/06@東ティモールへ 陸自施設隊の派遣検討(朝日新聞)

 政府は5日、独立後の東ティモールで平和維持活動(PKO)に当たるため、現行のPKO協力法の枠内で300〜400人規模の陸上自衛隊の施設大隊を、来春をめどに派遣する方向で検討を始めた。実現すれば、92年のカンボジアPKOに次ぐ大規模な派遣になりそうだ。杉浦正健外務副大臣に続き、中谷元・防衛庁長官が来週に東ティモールを訪れ、任務の内容を詰める。治安情勢が落ち着きつつあるとの判断などから、凍結中の国連平和維持軍(PKF)本体業務への参加は、今のところ想定していない。
 中谷長官は7日からの訪米を経て、10日にインドネシアのジャカルタを訪れ、メガワティ大統領らと会談する。12〜14日に東ティモールに入り、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表らと会談。西部地区も視察する。
 東ティモールは道路事情が悪く、車両の通行に支障が出ることがあるため、日本の技術力や装備力を生かすPKOの参加形態として、施設大隊の派遣が浮上した。
 現地には、すでにバングラデシュとパキスタンの施設部隊計約千人が駐留し、おもに道路や橋を整備している。UNTAETは来春に見込まれる東ティモールの正式独立に合わせ、組織の再編成を検討しており、防衛庁は西部地区を中心に域内の交通網整備にあたる任務を想定している。
 陸上自衛隊の施設大隊は92年9月から93年9月まで、カンボジアに600人、延べ1200人が派遣された。今回も最終的には同規模になるとの見方もある。駐留が長期化する場合、隊員を半年間で交代させることも視野に入れているという。
 与党3党は、東ティモールPKOへの参加をてこに、秋の臨時国会で、武装解除の履行の監視などのPKF本体業務に参加できるようなPKO協力法の改正に乗り出す構えを見せている。しかし、武器使用条件の拡大などをめぐる自民党と公明党の溝は埋まっていないうえ、政府内には「現行法の枠内で自衛隊を派遣することが可能なら、今回のPKOと、協力法改正問題とは切り離して考えざるを得ない」との見方が出ている。
 ただ、東ティモールの場合は紛争当事者が明確でなくなっており、参加5原則の「停戦合意の存在」が満たされない、という問題がある。
 それに加え、PKFの凍結状態や、武器使用は「自己または他の隊員の生命・身体の防護」に限るとする今の条件が続く限り、東ティモールでもいずれ任務遂行に問題が起きる恐れがあるとして、与党内には早期の法改正を求める声も根強い。「東ティモールPKO」と「法改正」をめぐる議論は、まだ政府内で整理されていない。[2001-09-06-06:46]
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 09/07@<旧ユーゴ法廷>カラジッチ、ムラディッチ両氏 年内確保目(毎日新聞)

 スウェーデンからの報道によると、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ハーグ)のデルポンテ主任検察官は6日、訪問先のスウェーデン南部カールスタードで記者会見し、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争当時のセルビア人勢力指導者カラジッチ氏と軍司令官ムラディッチ氏の2戦犯の身柄を年内に確保したいと述べた。
 主任検察官は「年内に(逮捕が)実現すると期待している」と述べた。同検察官は両氏らの逮捕、引き渡しなどへの協力を取り付けるため今週、ベオグラードを訪れ、セルビア当局者と協議していた。 (ブリュッセル共同) [2001-09-07-19:10] 32
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 09/07@「作戦後の戦略」を検討 マケドニアでNATO(共同通信)

 【ブリュッセル7日共同】マケドニア国会が六日、アルバニア系住民の権利拡大を目指した憲法改正案の策定を支持する決定を下したことで、北大西洋条約機構(NATO)は今後、アルバニア系武装組織「民族解放軍」の武器回収作戦終了後をにらんだ治安戦略の検討を本格化させる。
 八月二十七日に武器回収に着手したNATO部隊は、九月二十六日に作戦を終える方針。その後、国会が改憲案を承認すれば、解放軍の武装解除とアルバニア系住民の地位向上がほぼ同時に実現し、和平への基盤が整うことになる。
 しかし、マケドニアでは四千五百人規模のNATO部隊の存在で辛うじて停戦が保たれている状況。部隊が撤収すれば「力の真空」が生じ、民族衝突が再燃する恐れもあり、部隊の駐留を求める声が強まるのは必至だ。
 NATO当局者は「作戦期間の延長は現時点では検討していない」と強調する一方、「マケドニア政府から求められれば、地域安定に貢献する用意はある」とも述べ、加盟国の一部による駐留継続などの可能性に含みを持たせた。
 ただ、スラブ系のマケドニア人の多くが、NATOはアルバニア系寄りだとして反感を抱いているため、パーデュー米特使らは六日にロシアを訪れ、イワノフ外相らに協力を要請した。
 NATO側は同じスラブ系のロシアの部隊参加も視野に外交工作を進めているとみられ、ロシアの出方が一つのカギとなりそうだ。(了)[2001-09-07-16:17] 34
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 09/07@◎特別補佐人を任命=ユーゴ前大統領裁判の公正期す−国際戦(時事通信)

 【ブリュッセル6日時事】国連旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は6日、コソボ自治州紛争の際のアルバニア系住民集団殺害など人道に対する罪で起訴、拘置中のミロシェビッチ前ユーゴ大統領に対する裁判の公正化と円滑な進行のため、証拠調べなどを行う特別補佐人3人を任命したと発表した。
 任命されたのはセルビア弁護士協会のブラニスラフ・タプスコビッチ氏ら。ミロシェビッチ前大統領はこれまで2回の公判で、「戦犯法廷は違法である」と主張、弁護人の選定を拒否し、同法廷での本格的な審議入りに抵抗している。
 戦犯法廷の規定では、弁護人なしでも裁判を進めることは可能。ただ将来、「前大統領に不利な条件で裁判が行われた」との批判が出るのを避けるため、戦犯法廷は8月末の前回公判の際、特別補佐人を任命する方針を示していた。 [時事通信社][2001-09-07-08:34] 35
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 09/07@憲法改正案の策定に着手へ マケドニア国会が可決(共同通信)

 【ブリュッセル6日共同】スコピエからの報道によると、マケドニア国会(定数一二○)は六日、国内人口の約四分の一を占めるアルバニア系住民の権利拡大に向け、憲法改正案の策定に入るかどうかを問う表決を行い、賛成九一、反対一九で可決した。
 これにより、アルバニア系武装組織「民族解放軍」の計約三千三百の保有火器のうち、北大西洋条約機構(NATO)部隊が三分の二を回収し終えた時点で、新設される改憲特別委員会が起案作業に着手する見通しとなった。NATOは現在、約三分の一の火器を回収済み。
 八月三十一日から始まった改憲審議では、強硬派のゲオルギエフスキ首相率いる最大政党の国家統一民主党が実質審議入りに難色を示した。しかし、改憲に失敗すれば和平プロセスがとん挫し、紛争が再燃しかねないため、欧米諸国の説得を受け改憲案策定に同意した。
 マケドニアの主要四政党は八月十三日、アルバニア語の準公用語化などを盛り込んだ和平協定に調印しており、特別委はこれに沿った案文づくりを進める。解放軍の武器回収と武装解除が完了した三日後に本会議が招集される予定で、改憲案は定数の三分の二の賛成で承認される。
 解放軍は「改憲が認められなければ再武装する」と警告。トライコフスキ大統領も国会で「(失敗すれば)戦争の道しか残されていない」と改憲に支持を訴えていた。(了)[2001-09-07-07:38] 36
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 09/07@<針路なき派兵>強まる「長期駐留」 撤退後の「青写真」な(毎日新聞)

 マケドニアでアルバニア系ゲリラ・民族解放軍の武装解除の行方はどうなるのか。北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のラルストン最高司令官(米国)は、5日付の独ウェルト紙に率直に語った。
 「民族解放軍がすべての武器を供出すると思っているか?答えはノーだ。情勢が悪化して停戦が崩れた場合、ゲリラは再武装するか?彼らは内戦を始めるか?答えはイエスだ」
 ただ、最高司令官は「停戦は完全に確立されてはいないが、少なくともこの2週間は守られている」と述べ、武器回収作戦が事態鎮静に貢献している点を強調した。
 マケドニア人が多数を占める国会は5日、アルバニア系住民の地位向上に絡む憲法改正の審議開始を決定した。今後は改憲案を審議し、武器回収完了などを確認した3日後に改正案を採決する。マケドニア人側には「ゲリラ側が仕掛けた戦闘がきっかけで、アルバニア系住民の地位向上を法制化することになる」という不満がある。
 一方、解放軍のカラヤ司令官は「武器はすべて供出する。しかし、国会審議が進まなければ、いつでも再購入できる」とけん制する。政府側は回収する武器が少なすぎる点を問題にするが、真の問題は解放軍側に武器調達ルートがあることだ。その自信が武器供出に素直に応じさせている。
 大統領政治顧問のフラチコフスキ・スコピエ大教授(憲法)は断言する。「焦点はNATO撤退後、解放軍占領地域をどうするかだ。同地域内に住むマケドニア人に移動の自由を保障するため、政府軍が展開せねばならない」。もちろんアルバニア系住民の猛反発が予想される。政府軍がいつ、どう動くかは不明だ。
 マケドニア情勢が不透明な中で、NATOの存在感が際立ち始めた。
 NATO大使級理事会は5日、武器回収作戦が「順調に進んでいる」と評価。「予定通り、作戦は30日間で終了する。それ以上の延長は具体的な議論になっていない」(NATO報道官)。
 NATOは先月27日からの作戦開始以来、これまでに約1200の武器を回収した。国会審議終了を受けて回収活動を再開させ、26日の最終日までに予定の約3300の武器回収を終える。
 しかし、NATO軍の駐留継続を望む声も高まってきた。現地で調停に当たる米特使も先週、駐留長期化の可能性に言及した。NATO高官によると「NATOはマケドニアで引き続き国際的な活動に貢献することになる」という。
 欧州各国の間には、政府軍の力では解放軍を抑えこめないとの認識が広がっている。NATO軍撤収によって紛争が再発すれば、今回の派兵の意義が逆に問われかねない。厳しい選択が迫りつつある。【スコピエ福井聡、ブリュッセル森忠彦】 [2001-09-07-00:05] 33
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 09/07@強権大統領の再選確実か ベラルーシで9日投票(共同通信)

 【ミンスク7日共同】ベラルーシで九日、ルカシェンコ大統領の任期満了に伴う大統領選挙が行われる。同大統領のほか、野党陣営の統一候補ゴンチャリク・ベラルーシ労組連合委員長ら計三人が立候補しているが、治安機関、主要メディアを統制下に置く大統領が第一回投票で当選を決めるのは確実な情勢。
 欧州最後の強権体制ともいえるルカシェンコ政権の打倒を掲げる野党陣営は、投票終了後、首都ミンスクでの大規模集会を市民に呼び掛けている。しかし、大統領選後の民衆ほう起によるユーゴ政変時のような盛り上がりは市民に見られず、大きな混乱はなさそうだ。
 一方、選挙を監視する欧州安保協力機構(OSCE)は、国営テレビなどマスコミが露骨な大統領寄りの報道をしているとして、民主的な選挙履行に強い懸念を表明している。
 実利外交を掲げるロシアのプーチン政権は発足以来、連邦国家を構成するベラルーシへの石油輸出優遇措置を見直すなど、両国関係は必ずしも順調に拡大していない。北大西洋条約機構(NATO)の第二次東方拡大をにらみ、二期目のルカシェンコ政権とロシアの駆け引きが今後活発化するのは必至だ。
 ベラルーシはこれまでの国際社会からの孤立で外国投資が停滞、民営化も低調で、依然として社会主義的な統制経済体制にあり「旧ソ連に残った最後のソビエト国家」とも論評されている。二期目の大統領は、国際社会との関係改善による外国からの投資拡大、経済の改革が最大の課題となる。(了)[2001-09-07-16:14] 292
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 09/07@黒人による白人農場占拠、ジンバブエが停止表明(読売新聞)

 【ダーバン(南アフリカ)7日=森太】ナイジェリアからの報道によると、同国の首都アブジャで6日開かれた英連邦閣僚会議で、ジンバブエ政府は昨年2月以来続いている同国での黒人による白人農場占拠を停止し、合法的に土地改革を進めることを表明した。これを受け、旧宗主国の英国も、国連開発計画(UNDP)が管轄する「土地改革基金」を通じ、ジンバブエの土地再分配に伴う白人農場主への補償金を拠出することに合意した。
 ジンバブエ政府が公式に白人農場占拠停止を確約したのは初めて。同国では、問題長期化に伴う国際的批判の高まりで、外国投資が急減するなど経済不振が深刻化、このため、政府として、事態収拾を図る方針を国際社会に示したものと見られる。しかし、実際に白人農場を不法占拠している黒人たちが立ち去るかどうかは不明で、問題解決の成否はムガベ政権の今後の取り組みにかかっている。[2001-09-07-22:11] 295
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 09/07@<人種差別撤廃会議>最終宣言と行動計画の採択が危ぶまれる(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】ダーバンで開催中の「人種差別撤廃会議」は最終日の7日、アフリカ諸国などが求める奴隷制度と植民地主義への謝罪と賠償の取り扱いをめぐり、旧宗主国である欧州側と対立し、最終宣言と行動計画の採択が危ぶまれる異常事態となっている。一方、米国とイスラエルの退席の原因となったシオニズム(イスラエル建国への原動力となったユダヤ民族主義)非難の問題で、フランスなど欧州連合(EU)諸国も追随する恐れも出ており、会議は危機に直面している。
 奴隷制度などの「過去の清算」の問題をめぐっては、会議議長のズマ南アフリカ外相の委任でケニア、ブラジルの両国代表が仲介役として舞台裏での調整を図っているが、暗礁に乗り上げたままだ。
 「謝罪」や「遺憾」などの表現について、経済のグローバル化の下、深刻な貧困にあえぐアフリカ側、金銭的負担を警戒する欧州側に議論のスタート時から距離が大きく、ようやく6日から具体的文言の検討に入った。
 アフリカ諸国側には「祖先が被った奴隷貿易や植民地政策の結果、欧州の発展の踏み台にさせられた」との被害意識が根強い。それだけに、正式な謝罪を受けた上で欧米諸国の経済開発支援、債務帳消しなどの形で賠償を要求。「会議前の準備段階に比べ、元首自らが出席した国々などで要求がさらにエスカレートしている」(西側外交筋)という。
 これに対し、欧州諸国は「(奴隷制度が行われれた)過去の世代の行いをどの範囲まで償うのか不透明」と受け止めており、対アフリカ不信が高まっている。
 また、シオニズムに関する宣言案の文言について、フランスのジョスパン首相が5日、「(アラブ・イスラム諸国が)イスラエルを人種差別国家として非難する表現にこだわるなら、離脱を考える」と警告した。南アが欧州諸国とアラブ諸国の間でイスラエルの名指し非難を削除した文案を提示して妥協点を探っているが、逆にアラブ側の抵抗を招いている状況だ。 [2001-09-07-21:00] 296
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 09/07@<ジンバブエ>政府、黒人の白人経営農場の占拠停止に同意(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】ナイジェリアからの報道によると、同国の首都アブジャで開かれていた英連邦閣僚会議でジンバブエ政府は6日、「元解放闘士」を名乗る黒人が白人経営農場の占拠を停止することに同意した。国際的な非難を浴びていた深刻な人種対立が事態収拾に向かって動き出した。
 関係者によると、仲介役のナイジェリアのオバサンジョ大統領が7日にも発表する予定の共同宣言は(1)農場接収の停止(2)土地改革に法の秩序を回復(3)憲法が保障する言論の自由の確保と暴力への断固たる措置――を確約しているという。
 ジンバブエでは昨年2月以降、黒人が白人経営の農場約1000カ所を占拠し、農場主ら数百人が襲われて9人が死亡している。だが、80年の独立当時から政権を握るムガベ大統領は暴力をあおる反白人発言を繰り返し、野党や報道機関も弾圧してきた。このため、ムガベ大統領は国際社会から主な援助を停止されていた。
 同国政府は、補償金を支払わずに白人農園の強制収用を進めている。国内の農地の半分を所有する約4000人の白人農場主は黒人貧農への土地分与に同意しているが、土地代は旧宗主国の英国が支払うべきだと主張するムガベ大統領と、暴力停止が先だとする英国との間で協議は停滞していた。
 ジンバブエ政府は合意事項について、国連開発計画(UNEP)と協議し、英連邦の閣僚級委員会の訪問を受け入れる意向だ。
 この問題で、オバサンジョ大統領は今年6月に訪日した際、「間もなく英米、EUの資金協力で解決する」と予測しており、ナイジェリアの仲介が効を奏した形だ。しかし、西側諸国にはムガベ大統領が今回の合意事項を順守することを疑問視する声もあり、問題解決に向け、紆余曲折も予想される。 [2001-09-07-21:00] 297
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 09/07@黒人の白人農場占拠終息を約束 ジンバブエ政府(朝日新聞)

 ナイジェリアからの報道によると、ジンバブエ政府は6日、昨年2月以降続く黒人による白人農場の不法占拠を終わらせることを約束した。英連邦各国の外相らが集まり、南部アフリカ一帯の不安定要因となっているジンバブエの混乱収拾について話し合っていた。
 ジンバブエ政府は、土地再配分計画を法に基づいて進めることや、表現、報道の自由の尊重、来年前半に予定されている大統領選への選挙監視団の受け入れなどに合意した。旧宗主国の英国などが、農地再配分を経済的に支援する。
 ジンバブエでは、少数の白人が肥よくな農地の大半を所有する状態が続いている。ムガベ大統領は、白人農家への補償なしに、農地を接収し、土地のない黒人に再配分する計画を進めていた。昨年2月に始まった「独立戦争の旧軍人」を名乗る黒人による農場不法占拠も黙認し続けていた。[2001-09-07-20:38] 300
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 09/07@<中東情勢>イスラエルのペレス外相とアラファト議長が会談(毎日新聞)

 【エルサレム海保真人】イスラエルのペレス外相は6日、訪問先のイタリアで、パレスチナ自治政府のアラファト議長と来週にも会談すると明言した。実体を伴う停戦合意にこぎつけ、「国際調査委員会」の勧告履行に踏み出すのが目的で、開催場所は双方の境界にあるエレズ検問所など中東地域が見込まれるという。
 パレスチナ自治政府筋も7日、今後、両者の間で3回の会談開催予定があることを認めた。だが、自治政府のルデイネ議長顧問は「重要なのは、会談で合意が達成された場合、シャロン(イスラエル首相)がそれを承認することだ」とシャロン首相に対する不信感を示した。シャロン首相は会談開催を承認しつつ、6日に「アラファト(議長)は和平の障害物」などと語ったと伝えられている。
 アラファト・ペレス会談は8月下旬にいったん予定されたが、その後、衝突をめぐる状況が悪化、延期されたままになっている。
 一方、ヨルダン川西岸トゥルカルム近くのイスラエル側道路で6日、車を運転中のイスラエル兵男女が撃たれ、男性1人が死亡した。パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの関連組織が、同日に活動家2人が暗殺されたことへの報復だとする犯行声明を出した。 [2001-09-07-20:00] 310
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 09/07@「歴史の慣性」から脱却を 平和条約調印から50年(共同通信)

 ちょうど五十年前の一九五一年九月八日。連合国側の四十八カ国と敗戦国の日本がサンフランシスコ平和条約に調印、戦争状態が終結し、日本は主権と独立を回復した。
 「世界各国から千人以上の記者団が集まり、お祭り騒ぎでした」―。現地邦字紙記者として当時取材に当たり、今はサンフランシスコ湾を望むエルセリートに住む日系二世のシロー・ウエノさん(84)は語る。
 オペラハウスで調印を終えると直ちに吉田茂首相(首席全権)は、ほど近いプレシディオ(米第六軍司令部)に急ぎ、日米安全保障条約にも調印した。「記者団は調印場所を直前まで知らされなかった。日本と米国だけの地味な式典だった。安保条約の意味も正直、よく分かりませんでした」とウエノさん。
 一方は世界の注視の下で、他方は議論を尽くさないままひっそりと調印されたこの二つの条約がまさにワンセットとなり、西側陣営、経済立国、米国の軍事的保護という日本の戦後の方向と国としての在り方を決定付けた。そして冷戦が終わり、国際環境が激変した五十年後の今も、サンフランシスコの「遺産」は日本と米国、世界の関係に影響を及ぼし続けている。
 両条約の中心的な「設計者」はダレス米国務省顧問(後の国務長官)だったと言われる。「彼が当時は決して語らなかったことは(サンフランシスコ体制が)反共の同盟であり、日本を西側陣営にとどめるために米国は平和条約を必要としたということだ」と米政府高官は指摘する。両条約は朝鮮戦争が突発、米国内では反共産主義のマッカーシズムが吹き荒れ、冷戦が始まったばかりの時代の産物だった。
 「米国は日本を必要とし、日本はそれ以上に米国を必要とした」(同高官)。独立と基地の「取引」の下、日本は復興を成し遂げ、世界第二位の経済大国になった。これが「激烈な戦争を戦った両国が、史上例を見ない緊密な協力関係を作り上げた」(同)として、しばしば語られる日米同盟の「サクセスストーリー」だ。
 しかし、繁栄の陰で日本が失ったものがある。自立的な外交である。対日占領政策を分析した著作「敗北を抱きしめて」で昨年ピュリツァー賞を受けたマサチューセッツ工科大のジョン・ダワー教授は、サンフランシスコ体制で日本は「米国頼りの独立」を強いられたと語る。
 冷戦、ベトナム戦争、中国封じ込め、と日本はすべて米国を支持した。「日本は米国に批判的な政策を明確に示すことができない。これは健全な関係とは言えない」とダワー教授。
 五十年後の現在のブッシュ政権は「日本重視」とされる。ワシントンのシンクタンク「ニューアメリカ財団」のクレモンス副所長は、日本が米国にモノを言うチャンスが到来したのに「沖縄問題などでなぜ黙っているのか。それは歴史の慣性のためだ」と指摘する。日本国民の心理の中に「アメリカ」があまりに強く組み込まれてしまったがゆえの「慣れ」だ。
 ミサイルなど防衛問題、中国との付き合い方、地球環境と、日本が自主的な決断を迫られる問題は多い。条約調印五十年の節目に、対米依存という「歴史の慣性」からの脱却を考えることこそが、次の半世紀に向けた日米関係の真の深化につながるのではないか。(サンフランシスコ共同=大島寛)(了)[2001-09-07-16:19] 315
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 09/07@<大地下壕>本土決戦に備え韓国・済州島に 太平洋戦争末期(毎日新聞)

 太平洋戦争末期、韓国・済州島に本土決戦に備えて大地下壕が建設されていたことが、高校教諭で関西大大学院生の塚崎昌之さん(45)=大阪府吹田市=の6日までの調査で分かった。長野市の松代大本営(総延長約10キロ、約4万平方メートル)を上回るといい、戦時中の地下壕では最大規模になる。塚崎さんは8日に大阪府茨木市で開かれる「強制連行調査ネットワークの集い2001」で調査結果を発表、日韓合同の調査団結成を呼びかける。
 防衛庁の防衛研究所図書館で、旧日本海軍が1945年5月作成した「済州島航空基地位置図」などの図面を、塚崎さんが見つけたのがきっかけ。航空基地の北側に網の目状に延びる地下壕が記されており「魚雷庫」「燃料」「高角砲指揮所」などの位置も示されていた。「隊道5万7400平方メートル」との記述があり、全長は約10キロ以上の可能性が高い。
 今年4月、旧海軍の航空基地があった済州島南西部の●(「暮」の下の「日」の代わりに「手」が入る)瑟浦(モスルポ)を訪れて現地調査。地下壕の入り口を発見し、幅約5メートル、高さ約4メートルの素掘りのトンネルが網の目状に延びているのを確認した。
 塚崎さんは「米軍の九州南部への上陸に備えた特攻基地で、対馬海峡への侵入阻止のために建設されたのでは。朝鮮半島から連行された人たちが働かされた可能性もある」と指摘。「日韓共同の調査で歴史観を近づけることができる」と話している。
 集いは、大阪府茨木市駅前4、茨木市市民総合センターで8、9日に開かれる。参加費2000円。 【大森顕浩】
松代大本営
 太平洋戦争末期、本土決戦に備えて天皇・皇后の住居や政府機関、大本営などを移転させる目的で建設された地下壕。岩盤が硬く空襲に耐えられるなどの理由で長野盆地が選ばれた。1944年11月から終戦まで工事が続いた。 [2001-09-07-15:05] 326
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 09/07@宮沢元首相、集団的自衛権の一部行使を提唱(読売新聞)

 【サンフランシスコ6日=永田和男】サンフランシスコ講和条約調印50周年を記念する「日米21世紀プロジェクト」(北カリフォルニア・ジャパンソサエティと読売新聞社など主催)の幕開けを飾るシンポジウム「日本とアメリカ〜激動する世界における恒久的パートナーシップ」が6日、サンフランシスコ市内のパレスホテルで始まった。
 基調講演に登壇した宮沢喜一・元首相は、吉田茂首相率いる全権団に随行して講和条約の調印式典に参加した思い出に触れながら、「サンフランシスコ講和条約体制は、その後50年間有効に機能しており、日本における米国の軍事力のプレゼンスに裏打ちされた日米同盟関係を築いた」と過去半世紀を総括。そのうえで同盟をより効果的なものにするため、「米軍が日本の安全保障に明確、直接にかかわる活動をする際に自衛隊が援助を行えるよう」との限定付きで、日本政府が自衛権の延長としての集団的自衛権の一部行使を認めることを提案した。ただ、憲法9条の改正は必要なく、政府による憲法解釈で行えるとの見解を示した。
 また宮沢氏は、「中国が軍事大国となる可能性に懸念を持たざるを得ない」と述べ、北東アジアの新たな安全保障体制構築を提唱した。
 続いて行われた全体会議では、ブッシュ米政権のいわゆる一国主義的な外交姿勢を巡り議論が白熱。宮沢氏が、「ミサイル防衛のような発想の転換を迫る構想に同盟国の理解を求めるには、もっと時間をかけた説得が必要だ」と指摘したのに対し、ジョージ・シュルツ元国務長官が「日本には、北朝鮮のミサイルという切迫した脅威がある。それに備えるミサイル防衛の意義がなぜ理解できないか」と反論する一幕もあった。
 シンポジウムは日米両国の有識者が参加し、7日まで行われる。8日には田中外相やパウエル国務長官も出席し、講和条約調印50周年の記念式典が、条約の調印された戦争記念オペラハウスで行われる。
          ◇ シンポジウムの議論の詳報は、13、14日付本紙朝刊で掲載します。 [2001-09-07-11:06] 332
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 09/07@衝突激化でパレスチナ自治区の失業率27%(共同通信)

 【ニューヨーク6日共同】イスラエルとパレスチナの衝突激化で今年六月末現在のパレスチナ自治区の失業率が26・9%(前年同期10・0%)に増加し、自治政府の財政赤字も三億七千百万ドル(約四百四十九億円)と一年前の約三・七倍に拡大したことが、六日公表の国連報告書で明らかになった。
 またエルサレム発のAP通信によると、報告書を作成したラーセン国連中東和平特別調整官は、パレスチナ側が被った経済的損失は十八億―二十五億ドル(約二千百八十億―三千億円)に上る、と述べた。
 イスラエルは自治区を経済封鎖した上、同国が徴収を代行する関税などのパレスチナ送金を停止しており、報告書は「昨年秋以来の武力衝突のため、四年間の経済成長の成果が完全に相殺された」と指摘した。(了)[2001-09-07-09:00] 336
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 09/07@関係国の対立、なお深刻 世界人種差別撤廃会議(共同通信)

 【ダーバン6日共同】南アフリカで開催中の世界人種差別撤廃会議は六日、パレスチナ問題の位置付けと、奴隷貿易や植民地支配の清算問題の二つをめぐり、関係国の協議が深夜まで続いた。七日の閉幕を前に、意見の隔たりはいまだに大きく、宣言と行動計画の二つの文書の採択が危ぶまれている。
 パレスチナ問題をめぐっては、南アが六日に新たな文案を関係国に提示。パレスチナの窮状には言及しているものの、イスラエルを直接名指しして非難する表現は取り除いた。
 採択文書の中で特定の国を批判することに難色を示していた欧州連合(EU)などが受け入れ可能な内容となったが、アラブ諸国は拒絶している。
 過去の清算問題では、アフリカ側が依然として明確な謝罪と補償を要求しているのに対し、先進国側が反対する状態が続いている。
 会議閉幕は七日夕(日本時間八日未明)の予定だが、大幅にずれ込む可能性がある。(了)[2001-09-07-08:18] 337
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 09/07@集団的自衛権の行使を提唱 宮沢元首相が演説(共同通信)

 【サンフランシスコ6日共同】宮沢喜一元首相は六日、米サンフランシスコのホテルで開幕したサンフランシスコ平和条約署名五十周年記念行事で演説し「米軍の活動が日本の安全保障上のリスクに明確かつ直接にかかわる活動である限り、米軍を援助し守るために自衛隊を運用するべきだ」と述べ、集団的自衛権の限定的な行使を提唱した。
 宮沢氏は「日本が自衛権の論理的延長として集団的自衛権を位置付けることを提案する」と表明。同時に「憲法九条をどう解釈するか明確にすべきだ」と述べ、憲法改正ではなく、集団的自衛権の行使は禁じられているとする憲法解釈の変更による行使を求めた。
 その上で、集団的自衛権の行使に踏み切る場合には@戦闘目的で自衛隊を運用しないA決して核武装しない―との方針を再確認することが必要と指摘した。
 さらに「中国が広域的な攻撃能力を備えた軍事大国となる可能性を懸念せざるを得ない。日米同盟の将来にとって中国が極めて重要な問題になる」と軍備増強への警戒感を強調。北東アジアの平和に向け、日本、米国、中国、ロシア、韓国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)をメンバーとする対話の枠組みを構築するよう提案した。
 宮沢氏は一九五一年のサンフランシスコ講和会議に池田勇人蔵相(後に首相)秘書官として出席した。
 記念行事は日米交流の民間団体「日本協会」などが主催。八日には日米安保条約とサンフランシスコ平和条約の署名五十周年記念式典が開かれる。(了)[2001-09-07-08:13] 341
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 09/07@「テポドン」、北朝鮮は「白頭山1号」と命名(朝日新聞)

 98年8月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が発射し、日本列島を飛び越えて衝撃を広げた「テポドン」を、北朝鮮側は人工衛星運搬ロケット「白頭山(ペクトゥサン)1号」と命名していることがわかった。平壌で発行された最新版の百科事典に掲載していた。
 「白頭山1号」としているのは「朝鮮大百科事典」。95年から全30巻の予定で刊行が始まり、これまでに23巻を発行。その第12巻で特別に「白頭山1号」の項目を設け、カラーの図入りで解説している。
 それによると、「わが国初の人工衛星『光明星1号』を発射し、軌道に進入させた運搬ロケット」と説明。「98年8月31日12時07分、咸鏡北道花台郡舞水端里の発射場から86度方向に発射(中略)、人工衛星を軌道に進入させることに成功」「運搬ロケットは3段式で、1、2段目は液体、3段目は球形の固体ロケットエンジンを使った」などと記述している。
 「テポドン」については、米国と韓国は「人工衛星打ち上げの失敗」、日本は「弾道ミサイルの発射だった可能性が高い」と見ている。
 北朝鮮のミサイルはこれまで、米国の偵察衛星が最初に撮影した場所の地名で呼ばれ、「ノドン」は咸鏡北道・芦洞、「テポドン」は同・大浦洞からとったとされる。今回のように、北朝鮮側の呼称がわかったのは初めて。北朝鮮のラジオ放送などをモニターしている東京のラヂオプレス(RP)も「初めて聞く呼称だ。平壌のメディアも使っていないようだ」と言っている。
 「白頭山1号」は、中国との国境に位置し、「朝鮮民族の聖地」「金正日総書記の出生の地」とされる白頭山(標高2744メートル)にちなんだ命名とみられる。[2001-09-07-03:12]
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 09/08@<EU>非公式外相理事会が開幕 マケドニア情勢、主議題に(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】欧州連合(EU)の非公式外相理事会が8日、ブリュッセル郊外の古城で始まった。会議は2日間。中心議題となるマケドニア情勢では、現在、現地でアルバニア系ゲリラの武器回収に当たっている北大西洋条約機構(NATO)部隊の作戦終了後の監視体制が焦点となる。
 30日間の武器回収作戦の期限は今月26日で「延長はしない」(ロバートソンNATO事務総長)方針だ。終了後は全欧安保協力機構(OSCE)やEUを中心とした非武装の停戦監視団が入る予定。しかし回収できるのはゲリラが保有する武器の一部に過ぎず、NATO撤退後の紛争再燃が懸念されている。
 このため監視団とは別に、欧州を中心にした部隊を駐留させる方向で検討が始まった。現地で調停活動に当たるレオタールEU特使は「EU主導の1500人規模の部隊残留」を提案している。 [2001-09-08-19:20] 29
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 09/08@マケドニア安定策を協議 EUが非公式外相会議(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】欧州連合(EU)は八日、ブリュッセル近郊で非公式外相会議を開き、北大西洋条約機構(NATO)によるアルバニア系武装組織「民族解放軍」の武器回収作戦後のマケドニア安定化策や中東和平問題の協議を開始する。二日間の予定。
 武器回収が今後も順調に進めば、NATOは九月二十六日に作戦を終える方針。しかし、政府側と解放軍の双方ににらみを利かせているNATO部隊が撤退すれば、民族間の衝突が再燃しかねないとの懸念が強まっている。
 このため、EUのレオタール・マケドニア和平特使は、マケドニア政府の要請があれば、NATOとは別に千五百人規模のEU安定化部隊を派遣する構想を表明している。
 中東問題では、ペレス・イスラエル外相とアラファト・パレスチナ自治政府議長の直接会談の見通しなどについて、中東を最近訪れたソラナEU共通外交・安全保障上級代表が報告、停戦に向けたEUの調停努力継続を確認する。(了)[2001-09-08-15:55] 26
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 09/08@<ベラルーシ>大統領選投票 ルカシェンコ大統領が優勢(毎日新聞)

 【モスクワ田中洋之】ベラルーシで9日、大統領選挙が行われる。再選をめざす現職のルカシェンコ大統領は、西側諸国から「欧州最後の強権主義者」と批判を浴び、最近では政敵暗殺疑惑も浮上しているが、強固な権力基盤を武器に優勢が伝えられている。
 ルカシェンコ氏は94年に初代大統領就任後、権限強化を進め、96年には国民投票による憲法改正で任期を当初の99年までから01年に延長した。統制型経済を維持し、外交面ではロシアとの統合を推進。旧ソ連時代を懐かしむ農村部を中心に根強い人気を誇り、自ら「90%の得票率で勝利する」と予言している。
 一方、野党統一候補のゴンチャリク氏は、国内民主勢力を結集し、ミロシェビッチ政権崩壊につながった昨年のユーゴ大統領選の再現を目指す。しかし知名度不足で、国民への浸透はいま一つといわれる。
 ベラルーシでは先月、治安機関メンバーを名乗る人物が「ベラルーシKGBの特殊部隊が野党指導者ら2人を誘拐し殺害した」と暴露するビデオテープが表面化し、大きな騒ぎに発展した。大統領は「選挙を前にした西側の挑発行為だ」と疑惑を否定している。
 選挙戦では主要メディアをおさえるルカシェンコ陣営が有利な戦いを展開。一方、野党陣営は
「権力側が投票結果の操作など不正選挙に出る可能性もある」と警鐘を鳴らしている。 [2001-09-08-21:15] 27
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 09/08@<人種差別撤廃会議>閉幕 最終宣言で奴隷貿易に深い遺憾の(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】南アフリカのダーバンで先月31日から開かれていた世界人種差別撤廃会議(国連主催)は8日、アフリカ諸国の要求を受け、過去の奴隷貿易や植民地支配について深い遺憾の意を表明し、中でも奴隷貿易については「人道に対する罪」と認める最終宣言と行動計画を採択して閉幕した。この認識に立ち、先進国などがアフリカへの経済支援策を講じることも盛り込まれた。
 アフリカ諸国が求めていた金銭的な補償にまでは踏み込まなかったものの、欧州諸国が自らの「過去の汚点」と初めて向き合い、その清算に乗り出した歴史的意味は大きい。
 一方、イスラエルを名指しはしなかったものの、最終宣言には衝突激化に伴うパレスチナ人の窮状を訴える文言も盛り込まれた。
 最終宣言は(1)悲劇を生んだ奴隷貿易や奴隷制度は「人道に対する罪」だ(2)アフリカやアジアの人々やその子孫が犠牲となった植民地主義は非難されるべきだ(3)債務救済、貧困撲滅、投資促進、エイズやマラリアなどの撲滅、子どもと女性の人身売買根絶などに向け、先進国や国連が支援する――などをうたった。
 宣言は従来、奴隷貿易を行った責任を回避し続けてきた欧州諸国が、15世紀から19世紀に侵した「汚点」を認め、虐げられた奴隷やその子孫の「尊厳」回復に向け、一歩を歩み出した点で画期的といえる。「人道に対する罪」の概念は、第2次世界大戦後のニュルンベルク裁判でナチスのユダヤ人虐殺などを裁いた際や、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州の紛争で起きたアルバニア系住民の集団虐殺などでミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷から起訴された際にも提起された。
 会議は、冒頭からアラブ諸国がイスラエルを人種差別国家と非難する文言を要求、米国とイスラエルの代表団が引き揚げるなど紛糾した。反イスラエル感情の高まりを受け、アラブ諸国は南アフリカが示した妥協案にも激しく反発、一時は決裂の危機に直面した。世界中のあらゆる差別撤廃を掲げ、日本を含む150カ国からの約6000人が、会期を1日延長して9日間にわたり議論を重ねた会議は、終始、国際政治の荒波に揺さぶられた。 [2001-09-08-20:15] 223
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 09/08@東アジア共通の歴史教材を作製 ピースボートが帰港(朝日新聞)

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と韓国を初めて同時訪問した市民団体ピースボートの約500人を乗せたチャーター船は8日夕、東京港に帰港した。南北両側から軍事境界線を訪れ、南北双方で日本軍慰安婦ら戦争被害者の証言などを聞いた吉岡達也・共同代表らは記者会見し、これらの体験をもとに日朝韓と中国の専門家や若者らで「東アジア共通の歴史教材」を1年以内につくるための作業部会を発足させたことを明らかにした。
 専門家として作業部会に加わった高橋哲哉・東大助教授は「国内では北朝鮮に敵対的なキャンペーンが張られているが、対立する国同士の国境両側で同じ人間が対話を願っていること、市民レベルの交流が可能なことを実感した」とし、「日本政府の速やかな態度の変更」を求めた。作業部会のリーダー、松本真弥さん(21)=東京国際大3年=は「侵略や植民地支配を正当化する動きがある中で、戦争や性暴力のない未来をつくっていくためには被害者の声に耳を傾ける必要がある」と話した。[2001-09-08-21:12] 224
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 09/08@奴隷貿易は人道への罪 差別撤廃会議が閉幕へ(共同通信)

 【ダーバン8日共同】南アフリカのダーバンで開かれていた国連主催の世界人種差別撤廃会議は八日、過去の奴隷制と奴隷貿易を「人道に対する罪」と認め、会議全体がこれに「深い遺憾の意」を表明する文書を盛り込んだ宣言案と行動計画案をまとめた。本会議で文書を正式採択して閉幕する予定。
 本会議前の委員会では、アラブ諸国がパレスチナ問題の位置付けをめぐりなお修正を求めたが、欧州連合(EU)などが反対。本会議で文書がすんなり採択されるかは微妙な情勢だ。
 会議は、初めて世界が奴隷貿易などの過去と向き合う場となった。ただ米国とイスラエルが会期中に代表団を引き揚げ、その意義が損なわれたほか、採択予定文書のうち議論を尽くせず積み残されたものもあった。
 両文案は、奴隷貿易などでアフリカ諸国が受けた被害について「歴史的な不正義が貧困や開発の遅れを招いた」とした上で、債務救済などの支援策が必要だと指摘。アフリカ側が求めた補償は盛り込まれなかった。
 過去の清算と並ぶ対立点だったパレスチナ問題の位置付けでは、パレスチナの置かれた窮状には言及したものの、イスラエルを名指しで非難する表現は削除された。
 八月三十一日に始まった会議には日本を含む百七十カ国が代表団を派遣。非政府組織(NGO)の参加数も約九百五十団体に上り、出席者数は約六千人に達した。(了)[2001-09-08-21:04] 226
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 09/08@奴隷制は「人道への罪」 反差別会議が閉会へ(朝日新聞)

 ダーバンで開かれた「人種差別反対世界会議」(国連主催)は8日、各国の利害対立から7日までの会期内に採択できなかった「政治宣言」と「行動計画」の最終文案をまとめた。この中で奴隷貿易・奴隷制を「人道に対する罪」と確認した。奴隷制や植民地支配の被害側にいる国が求めた明確な「謝罪」については、名誉回復策を関係国に求めながら、「会議全体が心より遺憾の意を表明する」とするにとどまった。8日中の閉幕を目指している。
 合意文案は、アフリカ諸国などが求めていた「補償」にも触れなかった。過去の不正が、いまの貧困につながったことは認め、先進国による債務の軽減や、貧困打開策への新たな資金協力が必要だと指摘した。
 米国などの撤退につながった中東紛争をめぐる記述では、イスラエルへの名指しの非難を避け、占領下のパレスチナ人の抑圧や苦しみ、自決権の必要性に焦点を当てた。
 過去の不正の被害側とアラブ諸国が欧州連合(EU)に譲歩を迫る項目が目立ち、項目によっては合意文案への不満が解消されなかった。差別からの決別を人類に呼びかける会議の趣旨から、会期を超えてまでも各国の合意を目指しただけに、準備段階からかかわる西側外交官は「失敗だ」と語った。
 会議は、先住民族、外国人労働者、職業や門地による差別、障害者、エイズなど、多様な差別とその被害者に焦点を当てる初めての試みだった。170カ国とパレスチナ、約950の非政府組織(NGO)が参加した。[2001-09-08-20:40] 228
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 09/08@「心から謝罪」 メガワティ大統領がアチェ訪問(朝日新聞)

 インドネシアのメガワティ大統領は8日、独立運動に揺れるスマトラ島のアチェ特別州を訪問、紛争への政府の対応に誤りがあったことを住民に直接謝罪した。独立派ゲリラとの対話はしなかった。アチェでは今年だけで、民間人を中心に1千数百人が犠牲になっている。メガワティ氏のアチェ訪問は大統領就任以来初めて。
 メガワティ氏は州都バンダアチェのモスク(イスラム礼拝所)で、集まった住民約1000人に「アチェの人々に心から謝罪したい。平和的な手段でしか問題は解決できない。平和になれば地域を発展させることができる」と呼びかけた。
 これに先立って非公開で行われた地元代表との話し合いでは、地元側から、4月以来続いている独立派ゲリラ掃討作戦の中止や、夫を亡くした婦人への対策などの要望が出た。だがメガワティ氏はとくに約束はしなかったという。
 メガワティ氏は、自治拡大による分離・独立問題の解決を目指しており、先月、天然ガス収入を大幅に地元に還元することなどを含むアチェ特別自治法に署名した。しかし具体策はまだ打ち出しておらず、今回の訪問は、米国、日本などへの外遊を前に問題解決の姿勢を示す意味合いも強そうだ。[2001-09-08-20:20] 230
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 09/08@<人種差別撤廃会議>閉幕 最終宣言で奴隷貿易に深い遺憾の(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】南アフリカのダーバンで先月31日から開かれていた世界人種差別撤廃会議(国連主催)は8日、アフリカ諸国の要求を受け、過去の奴隷貿易や植民地支配について深い遺憾の意を表明し、中でも奴隷貿易については「人道に対する罪」と認める最終宣言と行動計画を採択して閉幕した。この認識に立ち、先進国などがアフリカへの経済支援策を講じることも盛り込まれた。
 アフリカ諸国が求めていた金銭的な補償にまでは踏み込まなかったものの、欧州諸国が自らの「過去の汚点」と初めて向き合い、その清算に乗り出した歴史的意味は大きい。
 一方、イスラエルを名指しはしなかったものの、最終宣言には衝突激化に伴うパレスチナ人の窮状を訴える文言も盛り込まれた。
 最終宣言は(1)悲劇を生んだ奴隷貿易や奴隷制度は「人道に対する罪」だ(2)アフリカやアジアの人々やその子孫が犠牲となった植民地主義は非難されるべきだ(3)債務救済、貧困撲滅、投資促進、エイズやマラリアなどの撲滅、子どもと女性の人身売買根絶などに向け、先進国や国連が支援する――などをうたった。
 宣言は従来、奴隷貿易を行った責任を回避し続けてきた欧州諸国が、15世紀から19世紀に侵した「汚点」を認め、虐げられた奴隷やその子孫の「尊厳」回復に向け、一歩を歩み出した点で画期的といえる。「人道に対する罪」の概念は、第2次世界大戦後のニュルンベルク裁判でナチスのユダヤ人虐殺などを裁いた際や、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州の紛争で起きたアルバニア系住民の集団虐殺などでミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷から起訴された際にも提起された。
 会議は、冒頭からアラブ諸国がイスラエルを人種差別国家と非難する文言を要求、米国とイスラエルの代表団が引き揚げるなど紛糾した。反イスラエル感情の高まりを受け、アラブ諸国は南アフリカが示した妥協案にも激しく反発、一時は決裂の危機に直面した。世界中のあらゆる差別撤廃を掲げ、日本を含む150カ国からの約6000人が、会期を1日延長して9日間にわたり議論を重ねた会議は、終始、国際政治の荒波に揺さぶられた。 [2001-09-08-20:15] 237
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 09/08@住民に謝罪、政府一体強調 メガワティ氏がアチェ訪問(共同通信)

 【バンダアチェ(インドネシア)8日共同】インドネシアのメガワティ大統領は八日、独立紛争の続くアチェ特別州(スマトラ島北部)を就任以来初めて訪問、州都バンダアチェの大モスクで住民約二千人を前に演説し「政府の過去の過ち」を謝罪、同州の自治拡大法施行の意義を強調し、政府と共に地域開発に取り組むよう呼び掛けた。
 しかし、メガワティ政権は独立派ゲリラ「自由アチェ運動」(GAM)制圧作戦を続けており、開発の前提となる和平は存在していないのが実態だ。
 今回の訪問には、今月下旬に予定される大統領の米国、日本などへの歴訪に備え、政権の和平姿勢を国際的にアピールする狙いがうかがえるが、和平につながる成果はなかった。
 演説中、独立の是非を問う住民投票を求める学生が立ち上がり「話をしたい」と求めたが、大統領は「客を敬うべきだ」と語気を強め、対話を拒否した。
 大統領は州知事公邸での地元有力者との会合にも出席したが、会合にGAM関係者は招かれなかった。国軍・警察は一万五千人を展開し警備に当たった。
 ワヒド前政権は昨年五月にGAMとの停戦に合意したが、今年三月にGAM制圧作戦実施を決定。七月に就任したメガワティ大統領は「領土の一体性」に対する日本などの支持を背景に制圧作戦を続行、犠牲者は今年だけで住民を中心に千数百人に上るとされる。(了)[2001-09-08-19:10] 238
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 09/08@将来の駐留兵削減を示唆 兵器性能重視で米軍改革 国防副長(共同通信)

 【サンフランシスコ8日共同】ウルフォウィッツ米国防副長官は七日、中谷元・防衛庁長官と米サンフランシスコで会談し、今月末に策定する四年ごとの国防戦略見直し(QDR)に関し、十五年後を想定したアジア太平洋地域の米軍駐留について「兵員数ではなく、前方展開能力を維持しながら軍を改革する。兵員を削減することもあり得る」と言明した。
 長距離爆撃機の増強や輸送力アップなど兵器性能を向上させることで、駐留米兵数を削減する可能性があることを明らかにした発言だ。
 副長官はまた、朝鮮半島と中東地域でほぼ同時に大規模紛争が起きた場合を想定した「二正面作戦」を引き合いに、従来の軍事戦略は現在の状況と予見できる将来への対応に終始してきたと指摘した。
 その上で、QDRではこうした戦略を全面的に見直し「個々の脅威ではなく、十五年後の時点で世界がどうなっているかを考え、あらゆる事態に対応できる軍に改革する」と述べた。
 これに関連し、中谷長官と副長官は国防、防衛当局の審議官級に制服組を加えた戦略対話を十月初旬にワシントンで開く方針をあらためて確認。「米軍の兵力構成を含む軍事態勢について緊密に協議していく」ことで一致した。
 副長官は会談で、米ミサイル防衛構想に触れ、相手のミサイルを発射直後に海上や空中から迎撃するなど「あらゆる案を試す」と説明し「日本とも緊密に協議していきたい」と述べた。
 中谷長官は、国連平和維持活動(PKO)など戦争以外の作戦行動を想定した多国間訓練に積極的に参加していく考えを重ねて示した。(了)[2001-09-08-19:00] 240
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 09/08@<チェチェン>下院副議長の和平交渉提言に反発 プーチン大(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】ロシア南部チェチェン紛争の現地を視察中のプーチン大統領は7日、紛争解決を求めて同じく現地入りしている改革派のネムツォフ下院副議長の和平交渉提言に激しく反発し、副議長の辞任を求める騒ぎになった。
 口火を切ったのは副議長で、チェチェン指導部と速やかに協議を開始すべきだと提言し、紛争解決には話し合いしかないと訴えた。
 これに対しプーチン大統領は「武力行動より話し合いの方がいいに決まっている。われわれは誰とでも会う用意がある」と表明する一方、(1)ロシア憲法の順守(2)武装勢力の無条件での即時武装解除(3)武装勢力内部の犯罪者の身柄引き渡し――の三つを絶対必要条件だと主張した。
 さらに「ネムツォフ氏が近い将来にこれを実現できるなら話は別だが、できないようなら議員資格を返上せよ」と感情的ともいえる強い反発を示した。 [2001-09-08-18:25] 241
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 09/08@<大量破壊兵器>イランに露、中国などが技術供与 CIA報(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】米中央情報局(CIA)は7日、昨年後半の世界の大量破壊兵器拡散状況をまとめた報告を議会に提出し、イランが化学、生物、核兵器やミサイルなど運搬手段の開発に外国の技術提供を求めていると警告した。報告によると、ロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中国がミサイル技術をイランに提供し続け、ロシアは原子力発電所建設に協力している。
 報告はまた、北朝鮮、イラン、イラクが15年以内に大陸間弾道ミサイルを所有する可能性があると指摘した。北朝鮮については、中国にある北朝鮮企業などを通してミサイルの部品や材料を入手し続ける一方、生物・化学兵器の製造能力を持つとみなしている。
 CIAは法律で半年ごとに大量破壊兵器拡散の状況を報告し、一部が公開される。 [2001-09-08-18:20] 246
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 09/08@「止まるな」と韓国警備船 黄海の軍事境界線越えた(共同通信)

 海上の軍事境界線で停船すると、韓国の警備船がすぐさま「止まるな」と警告してきた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から韓国への初の直行を認められた、東京の市民団体「ピースボート」がチャーターした客船に同乗。三日に黄海の「北方限界線」と呼ばれる見えない境界を越えたが、朝鮮半島の緊張を実感する航海だった。
 五百三十人の乗客を乗せ神戸を出港したウクライナ船籍の「オリビア」(約一六、○○○トン)が北朝鮮の南浦港に入ったのは八月三十日朝。港の沖約二十キロで兵士ら数十人が乗り込むと「陸の撮影は禁止」と船内放送が入った。
 南浦は平壌の南西約五十キロ、大同江の河口にある北朝鮮の海の玄関だ。岸壁に中国のコンテナが並ぶが、港湾設備は老朽化が目立つ。客船乗組員によると、荷役用の可動クレーンが動かず、逆に客船を約十メートル動かした。「こんなことは珍しい」と乗組員。
 百人以上いる船員の上陸は認めず、船は客が戻るまで四日間、港外で停泊、船員から不満が漏れた。ワレリー・エフレモフ船長は「援助物資も運んできたのに、北朝鮮の係官は長々と船の書類を調べるなど不愉快なことが多かった。客室に入ってお客さんの荷物まで調べようとしたが、やめさせた」と明かした。
 船は九月二日午後、南浦から韓国・仁川に向け出港。間もなく、大同江と黄海を仕切り川の水位を調整して大型船の航行を可能にする「西海閘門(こうもん)」に到着。ゲートが開いて船は黄海へ。
 三日午前十一時すぎ、南北の境界線に達すると、船はイベントを行うため停船した。甲板では乗客が朝鮮民謡「アリラン」を歌い、お祝いムード。吉岡達也ピースボート代表は「この海を平和の海に」と訴えた。
 初秋の陽光の中、韓国の警備船など数隻の船影が浮かぶ。岸は見えない。一見穏やかな風景だが、一九九九年六月に南北艦艇が銃撃戦をした現場だ。吉岡代表は「ここを通れたのは、昨年の南北首脳会談を受けた緊張緩和の余韻が残っているからだろう」と話した。
 船長によると、イベントが行われていたころ、韓国の警備船から無線で警告が入っていた。停船を南北の当局に知らせていなかったため「挙動不審」とみられたらしい。「なぜ船を止めた」「どういう種類の船なのだ」「止まるな。早く移動せよ」。船側は「イベントのため停船」などと説明に追われた。北朝鮮側からの警告はなかったという。
 十五分後、船は汽笛を鳴らして韓国側へ。翌四日朝、外国の大型船でにぎわう仁川港にすべり込んだ。(共同=小熊宏尚)(了)[2001-09-08-16:13] 250
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 09/08@EUが対イラン関係強化へ 米しり目に独自外交(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と外交関係を樹立し、中東和平で新たな役割を模索するなど独自外交を進める欧州連合(EU)がイランとの関係強化に乗り出した。十日にハラジ・イラン外相をEU本部に招き、包括的な協力協定調印に向けた協議を開始する。
 イラン・イラク封じ込め一本やりの米国に対し、EUは双方の経済的利益をてこにイランの改革を迫る「積極関与」路線。動きの取れぬ米国をしり目にEUが独自外交を強化することで、米欧の対中東政策の差異が一層際立ちそうだ。
 EU議長国ベルギーの外務省スポークスマンによると、イラン国内の人権擁護や中東和平への前向き姿勢、核開発の放棄を協定調印の条件とし、経済協力と引き換えにイランの穏健化を実現させる狙いだ。
 来年後半の調印を見込むが当面、関税や投資保護など個別分野での合意を優先する。
 米国はイランを「テロ支援国家」と決め付け、八月にブッシュ大統領がイランの石油部門に投資した外国企業への制裁を五年間延長したばかりで、関係正常化のめどは立っていない。
 EUの独自外交に米政府がいら立つことも予想されるが、米経済界には、EU諸国や日本の対イラン経済進出で米国の利益が損なわれているとして、関与政策への切り替えを求める声も出ている。(了)[2001-09-08-15:50] 256
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 09/08@<人種差別撤廃会議>奴隷制度と植民地主義の扱いで折衝続く(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】ダーバンで開かれている世界人種差別撤廃会議は閉幕予定の7日も奴隷制度と植民地主義の取り扱いで終日折衝が続き、決着は8日にもつれ込んだ。シオニズム(ユダヤ民族主義)に絡む中東問題の扱いでアラブ・イスラム諸国と欧州側の対立が続いている。
 関係者によると、宣言と行動計画を最終的に採択する全体会議は8日午後1時(日本時間同8時)までが時間的なリミットで、それまでに「過去の清算」と中東問題で合意しなければ投票による採択や決裂の可能性もある。
 欧州連合(EU)側は奴隷貿易の問題でアフリカ諸国の求める「謝罪」に応じる方針を固めているが、これは法的責任を伴わない「道義的観点」からの謝罪とみられる。
 一方、アラブ・イスラム諸国は中東問題の位置付けについて南アフリカが提示している妥協案に理解を示した模様だ。 [2001-09-08-14:00] 259
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 09/08@EU、奴隷制度などへの謝罪表現を検討(読売新聞)

 【ダーバン(南アフリカ)8日=森太】当地で開催中の国連の「人種主義に反対する世界会議」に参加している欧州連合(EU)の議長国ベルギーのミシェル外相は7日夜、記者会見し、アフリカ諸国が求めている奴隷制度と植民地時代の謝罪について「謝罪、自責、遺憾など言葉は重要ではない。大切なのは過去の不正を認識することだ。だれが見ても納得できる内容になる」と述べ、採択予定の宣言と行動計画の中に、EUとして、謝罪表現を盛り込むことも含めて検討していることを明らかにした。 [2001-09-08-13:07] 264 [このページの最初に戻る]


 09/08@ミサイル技術を調達、輸出 北朝鮮がとCIA報告書(共同通信)

 【ワシントン7日共同】米中央情報局(CIA)は七日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が二○○○年に中東、南アジア、北アフリカの各国にミサイル関連部品と技術の輸出を続けたとする報告書を公表した。
 「大量破壊兵器関連技術の獲得に関する報告書」によると、北朝鮮は中国にある北朝鮮企業など外国からのルートを通じてミサイル製造に必要な原材料や部品を調達しており、また生物・化学兵器に転用可能な多くの種類の物質を生産する能力を保有している。
 報告書は北朝鮮のほか、中国、ロシアを大量破壊兵器やミサイル関連技術をイランに輸出、拡散させている国家と批判している。
 米政府はこれまでに、北朝鮮のミサイル関連技術の輸出先としてエジプト、イラン、パキスタン、シリアなどを挙げている。
 中国についてCIA報告書は、米国との協議で何度もミサイル技術輸出の停止を表明したにもかかわらず、二○○○年下半期にパキスタンにミサイル技術を輸出したと指摘。またイランが核兵器、生物・化学兵器獲得に向け依然、積極的な活動を続けていると警告している。(了)[2001-09-08-10:40] 265
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 09/08@通常戦力の削減を要求 北朝鮮に米国防次官補(共同通信)

 【ワシントン7日共同】米国防総省のブルックス副次官補(東アジア・太平洋地域担当)は七日、記者会見し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との協議再開に関連して、北朝鮮に対し通常戦力の削減を求める方針を強調した。
 副次官補は「ボールは北朝鮮側にある。通常戦力の脅威が重要と考える」と述べ、北朝鮮が南北軍事境界線付近に展開する戦力の削減を議題として受け入れなければ、協議再開は不可能との立場を表明した。
 また、台湾への武器売却については「他の国々と同様に扱う」と述べ、中国の反対にもかかわらず売却する方針を明らかにした。
 副次官補はミサイル防衛構想をめぐる日米協力について「日本政府による追加的な貢献は歓迎する」と述べ、日本の一層の協力に期待を示した。
 副次官補は来週訪日して十七日に増田好平防衛審議官と会談、二十三日にワシントンで開催する方向で調整中の日米安全保障協議委員会(2プラス2)に向け協議を行う。(了)[2001-09-08-10:18] 266
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 09/08@<ロシア>チェチェン紛争解決を巡り下院副議長と衝突 大統(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】ロシア南部チェチェン紛争をめぐり、現地視察中のプーチン大統領は7日、紛争解決を求めて同じく現地入りしている改革派のネムツォフ下院副議長の和平交渉提言に激しく反発、副議長の辞任を求める騒ぎになった。
 口火を切ったのは副議長で、マスハードフ共和国大統領を含むチェチェン指導部と速やかに話し合いを開始すべきだと提言し、紛争解決は話し合いしかないと訴えた。
 これに対し、プーチン大統領は「武力行動より話し合いの方がいいに決まっている。われわれは誰とでも会う用意がある」と表明する一方、(1)ロシア憲法の順守(2)武装勢力の無条件での即時武装解除(3)武装勢力内部の犯罪者の身柄引き渡し――の三つを絶対必要条件だと主張した。
 さらに、「ネムツォフ氏が近い将来にこれを実現できるなら話は別だが、できないようなら議員資格を返上せよ」と感情的ともいえる強い反発を示した。
 双方とも話し合い解決の必要性は認めているが、大統領側はマスハードフ大統領らが武装解除しない限り、武装勢力を撲滅するとの強硬姿勢を続けている。副議長は大統領からの辞任要求について「私は大統領の部下ではなく、大統領に選ばれた訳でもない。解任する権限はない」と反論したという。 [2001-09-08-10:05] 268
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 09/08@親族が島の東西に生き別れ 東ティモール独立で“壁”(共同通信)

 東ティモールで憲法制定議会(制憲議会)の選挙が完了し、独立が間近に迫ってきた。隣接するインドネシア西ティモールとの境界線は既に事実上の国境となり、ティモール島の東西にまたがって暮らしてきた住民にとっては、親族らを分断する“壁”を意味する。独立祝賀のムードの陰で、生き別れを強いられた人々のうめき声を聞いた。
 「境界線を渡ることが罪になるとは知らなかった」。西ティモールの境界線近くにあるベル県警察本部の取調室で、テトゥン民族の農民マニク・マウさん(20)と妹のマグダレナさん(18)がうなだれていた。
 テトゥン民族は東ティモールで最大の民族。西ティモール側の境界線近くにも多くが暮らす。
 マニクさんらは、以前は自分たちの住む西側から東側に自由に出掛けていた。しかし、一九九九年九月に東ティモールで住民投票の結果をめぐって騒乱が起き、多国籍軍が展開してから、境界線の出入りを制限されるようになっていた。
 マニクさんと妹は昨年十二月、騒乱を逃れて西側に避難していた人々の帰還に紛れて東側に入り、祖母の家に身を寄せた。「ドルが稼げるという話に引かれた」と言うが、そんな仕事はなかった。祖母と折り合いが悪くなり、制憲議会選挙の八月三十日に家出。境界線の川を越え、西側の故郷に戻ったところを不法入国の疑いで逮捕された。
 同警察本部のラル・ヒジュラド公安部長(46)は「二人は西ティモールの出身だが、制憲議会選挙で住民登録し、今は東ティモール市民。東ティモールの旅券を取得すれば、境界線の検問所を通れるが、旅券取得代金の三十五ドルを農民が払うのは難しい」と頻発する不法入国に頭を抱える。
 現在、合法的に越境できる検問所は境界線の北端と南端の二カ所だけだ。
 北端のモタアイン検問所の西側に住む地方公務員ベルナルド・ペレーラさん(51)は東ティモールの出身。騒乱で西側に避難し、そのまま居残った。旅券のないペレーラさんは「最近、東に住む弟がマラリアで死んだが、葬儀に行けなかった」と目に涙を浮かべた。
 妻のペトロネラさん(45)は西ティモールの出身。東ティモールがポルトガルの植民地だった七四年に妻の村の祭りで知り合った。「それ以前から、よく東西を行き来したものだ」とペレーラさんは懐かしむ。
 インドネシア国軍によると、同検問所を通るのは一日五十―百人程度。記者が出国手続きをし、東側に入ると、国連平和維持軍のオーストラリア兵が現れ「写真を撮るな。インタビューをするな」と矢継ぎ早に指示し、“国境”の緊張感を漂わせていた。(モタアイン共同=米元文秋)(了)[2001-09-08-08:18] 272
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 09/08@領土返還要求は「非合法」 タスが論評記事 北方領土問題で(共同通信)

 【モスクワ7日共同】東京発のロシア国営タス通信は七日、サンフランシスコ平和条約の「普遍性」を認めたロシア外務省の四日付の声明に関する論評記事を配信し、日本が千島列島を放棄した同条約は領土交渉の「出発点」の一つであり、千島列島に関するいかなる要求も「非合法的」とみなすことが可能だと指摘した。
 今後の領土交渉を有利に運ぶため、同条約を“活用”しようというロシア側の意図がより明確になった。北方領土問題で四島一括の主権確認を掲げ、強硬姿勢をとる小泉政権への揺さぶりといえる。
 記事では、旧ソ連が同条約に署名しなかった事実を、日本側は好んで引用してきたと指摘。さらに「千島列島」に北方四島が含まれないとする日本側の主張は「国際法上、そのような理解はない」としている。
 四日付の声明でロシア外務省は、旧ソ連の継承国として初めて条約を公式評価し、条約の義務と普遍性は「調印しなかった国があるからといって揺るがない」と強調した。(了)[2001-09-08-07:36] 275
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 09/08@<ミャンマー>少数民族との停戦交渉 タイ国軍の仲介受け入(毎日新聞)

 【バンコク小松健一】ミャンマー軍事政権が国境地帯で対立する反政府少数民族武装組織との停戦交渉にあたり、タイ国軍の仲介を受け入れる用意を示したことが7日、明らかになった。中国がミャンマーに対し過度に影響力を浸透させていることへの警戒感が背景にあるとみられる。
 タイ軍はこれまで、武装組織支配地をミャンマーとの緩衝地帯とする政策を採っていた。とりわけ、ミャンマー軍と戦闘状態にあるシャン州軍(兵力約5000人)、カレン民族解放軍(同)と関係が深い。一方、中国の麻薬対策強化を受け、ミャンマー最大の麻薬生産集団である「ワ州連合軍」は一部が麻薬生産から離脱、中国に接近し、農業・経済開発を計画。国際社会の批判をかわす狙いで軍政がこの離脱グループに広い土地を提供するため、タイ国境沿いに南下移住させたことが、シャン州軍など他の武装組織との戦闘激化につながっている側面もある。
 この離脱グループは昨年、2回にわたり、ミャンマー軍と合同軍事演習を行い、「中国の技術者が立ち会って中国製のロケット弾の発射訓練を行った」(タイ国軍情報筋)ほど国境地帯での中国の影響力が増しているという。
 少数民族問題を内政問題として、国際機関などの仲介を拒否していたミャンマー軍政が従来の姿勢を転換し、タイ国軍の仲介に同意した背景には、昨年後半から中国が軍事、経済両面であまりにミャンマーへの影響力を強めている実態がある。
 軍政は国境を接する中国、インド、タイとの政治バランスを保ちながら協力関係を築き、欧米諸国の経済制裁の無力化を図りたい意向とみられる。 [2001-09-08-03:05] 284
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 09/08@<パキスタン>不法武器取り締まりQ&A(毎日新聞)

 Q パキスタン政府が実施している不法武器取り締まりの実態と背景は。
 A 6月当初の赦免期間中、所持者から拳銃や小銃、ミサイル、大砲、手りゅう弾、地雷など8万7000点が自発的に差し出された。政府はその後の強制捜査で2万4000点を押収、約1万人を逮捕したという。
 だが、これは「氷山の一角」。徹底すれば、インドと領有を争うカシミールで対インド闘争を続けるイスラム武装勢力をも標的にせざるを得ない。実際、パンジャブ州のサフダル知事(退役中将)ら各方面から猛烈な反発が起きている。
 取り締まりの背景には、パキスタンやアフガニスタンを「国際テロ」の温床とみなし、効果的な対策を求める米国の圧力があった。パキスタンにとっても、7月にニューヨークで開催された国連小型武器会議や、インドとの和平交渉に向けてアピールする狙いがあった。
 ハイダー内相は「不法武器を根絶するまで続ける」と宣言しているが、国内でその実効性を信じる者は皆無に等しい。
 有力紙ジャングの記者は「本気で取り締まれば、暗殺、暴動……と、何が起きるか分からない。軍部と聖戦グループ(イスラム武装勢力)は裏でつながっている。政府が取り締まりの難しさ示すために激しい抵抗を演出させ、体裁を取り繕っているのだ」と指摘する。【春日孝之】 [2001-09-08-00:20] 285
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 09/08@<パキスタン>氾濫する小型武器 銃器密造の町ルポ (毎日新聞)

 パキスタンには非合法の小型武器が氾濫している。その最大の供給源が、同国北部にある銃器密造の町、ダラ・アダムヘル(通称ダラ)だ。内戦下のアフガニスタンやカシミール紛争の前線にも流れている。政府による全国不法銃器取り締まりキャンペーン中の先月下旬、政府の許可を得て「非合法武器の町」に、入った。【ダラ・アダムヘルで春日孝之】
 アフガン国境に近いペシャワルからインダス・ハイウエーを車で30分。ダラに到着すると、沿道に小さな銃器店が延々と続く。通りからのぞく小銃やライフル、拳銃。ボールペン型やステッキ型の変造銃もある。案内役の地元記者、ゴハール・アリさんは「すべて模造品。本物が一丁あれぱ、そっくりに作り上げる技術がある。手に入らない銃器はない」と自慢げた。
 だが、政府が6月に開始した取り締まりの影響で、2500の銃器店はその半数が閉店した。
 路地に入る。6畳一間ほどの小工場が長屋のように連なっている。工作機械を置く工場もあるが、大ていは万力や、ヤスリなど簡単な工具類があるだけだ。各工場は弾倉、銃身、引き金……と、それぞれの工程を受け持ち、分業体制が確立されている。1000ある工場のうち、今は8割が閉鎖し、数万人が失職状態だという。
 「バン、バン、バン」。目の前で、ナイク・アマルさん(35)が仕上げたばかりの自動小銃、グリーンコフを試し撃ちしてくれた。旧ソ連製カラシニコフを進化させた最新モデルだ。本物は1200ドル(約15万円)だが、ここでの売り値は50ドル。それでも8割の儲けだという。町の方々から、ひっきりなしに発射音がとどろく。
 だが、取り締まりの最中に、どうして公然と密造を続けていられるのか――。
 人口9万。外国人訪問が禁止されているダラは世界最大の部族社会を形成するパシュトゥン人の「部族地域」にある。「ハイウエーから一歩中に入ると、殺人事件が起きても政府の権限は一切及ばない」(アリさん)。政府は、部族の掟がすべてに優先するこの地域に、簡単に手出しできないのだ。
 ダラの゛不況゛は取り締まりによる「買い控え」が原因だった。
 ダラの銃器製造は100年の歴史を持つ。部族抗争に加え、英国やソ連の侵略を受けて、自己防衛のための銃は「文化の一部」となった。対ソ連のアフガン戦争(79―89年)では、米国が80年代後半に軍事支援を始めるまで、アフガン・ゲリラに武器と弾薬を供給し続けた。古式銃の銃身にヤスリをかけていたガファールさん(68)は「売り値は3倍以上に跳ね上がった」と振り返る。
 しかし、パキスタンには戦後、そうした銃器が拡散し、「カラシニコフ文化」と呼ばれる負の遺産を残す。「私たちがテロや犯罪の片棒を? それは濡れ衣だ。銃は使い手と目的次第だよ」。ガファールさんはそう言いながら、黙々と作業を続けた。 [2001-09-08-00:20] 286
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 09/08@<HIV>中国で感染急増 今年上半期新規感染者67・4%(毎日新聞)

 【北京・浦松丈二】中国でエイズウィルス(HIV)感染が急激に広がっている。今年上半期の新規感染者数は前年同期比67・4%増(3541人)と世界で最も高い水準を記録。売血が横行した河南省上蔡県文楼村では全村民の2割の感染も報告された。ボランティアや民間団体の独自調査も難しく、国際協力や援助受け入れに影響を与えそうだ。
 今年5月、河南省鄭州市の元産婦人科医、高耀●=女へんに捷のつくり=さん(74)がエイズ対策に貢献した個人・団体に贈られる米非営利団体(NPO)のジョナサン・マン賞に輝いた。
 受賞理由は「河南省のエイズ問題への献身的な取り組み」。彼女は高齢ながら、2年前から薬や食糧を持ち約150キロ離れた文楼村などに入り、エイズ治療を続けた。ワシントンで5月末に予定されていた授賞式にはアナン国連事務総長も出席するはずだった。
 だが、米ワシントンポストによると、中国当局は高さんが「外国の反中勢力」にかかわったとの理由でパスポート発給を拒否、高さんは渡米できなくなったという。外国人記者の取材に「当局の対応が遅い」などと指摘し、海外から支援申し出を受けていたことが問題になったらしい。
 同じころ、文楼村の感染者や親を亡くした子供を含む7人が北京で当局の目を盗んで一部の外国記者向けに会見を断行した。同村とその周辺では、売血の報酬は200ミリリットルで約40元(約560円)。貧しい患者や孤児の「悲痛な表情」が世界に向けて報道され、高さんの渡米や中国の人権問題などを関係付けた論調も目立った。
 中国政府は「報道は事実無根で無責任」といったんは否定したが、8月8日付の共産党機関紙・人民日報が「中央エイズ対策委員会が文楼村を慰問した」と一転してHIV禍を認めている。
 同紙は「90年代初めに『血頭』といわれる血液売買ブローカーが横行。ある地方では採血で感染が広がった」と報じた。
 中国衛生省は8月下旬、文楼村での調査結果を公表。昨年4月に村民のほぼ半数にあたる1645人を対象にHIV抗体を検査したところ318人(19%)が陽性反応、売血経験者568人のうち、半数近い244人(42・9%)が感染者だった。
 政府は5月に「エイズ防止行動計画(01〜05年)」をまとめた。HIV感染者の増加率を年率10%以内に抑えることを目標に、医療現場から社会教育まで幅広い対策を打ち出している。しかし、今年上半期の新規感染者数が7割近くを記録したことに、当局は衝撃を受けている模様だ。
 「中国は人口13億の発展途上国であり、保健教育を普及するのは極めて難しい」(殷大奎(いんだいけい)次官)と当局が認める通り、官主導の上からの啓もう活動には限界がある。
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は「有効な対策を講じなければ中国のHIV感染者は2010年に1000万人に達する恐れがある」と警鐘を鳴らしている。
 ■中国のエイズ禍の現況■
【感染者数(累計)】
推定感染者       60万人以上
当局が確認した感染者 26,085人
(うち発病者)     1,111人
(うち死亡者)       584人
【感染理由】
麻薬注射回し打ち     69.8%
性接触           6.9%
売血            6.0%
(00年末現在、中国衛生省発表による) [2001-09-08-00:20] 287
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 09/08@サンフランシスコ講和50年―新しい設計図を描こう(朝日新聞)

 重かった気持ちがほぐれたのだろう。
 サンフランシスコでの講和条約と日米安全保障条約の調印を終え、羽田空港に降り立った吉田茂首相は、思いもよらなかった歓迎の人波を眺めて、ぽつりと言った。
 「すまないなあ」 吉田首相に同行した三女の麻生和子さんの回想である(『父吉田茂』)。
 51年9月8日、日本が二つの条約調印によって国際社会に復帰した日から50年がたった。両条約の発効は52年4月だった。
 米国との協調を軸とする戦後日本の外交と安全保障の原形は、半世紀前の、この講和前後の時期に定まったのである。
  ●湾岸戦争で問われた戦後
 外敵による侵略など安全保障面への対処は安保条約に従って日本に駐留する米軍にまかせ、日本はひたすら経済復興に励む。「吉田路線」と呼ばれる経済優先主義について吉田氏は後年こう語っている。
 「困難な時期に軍備という非生産的なものに巨額の金を使うことは日本経済の復興をきわめて遅らせたであろう。やせ馬に重い荷物を負わせるようなものであったに違いない」(『日本を決定した百年』) 講和交渉が本格化した時期、朝鮮半島では米国を中心とする国連軍が、中国人民義勇軍との戦闘で苦戦していた。米トルーマン政権は「自由主義社会の盾」として、日本に再軍備を迫った。
 吉田首相は要求を拒むが、米国は圧力を強める。警察予備隊、保安隊を経て、陸海空の3自衛隊が誕生したのは、冷戦真っただ中の54年7月のことだった。
 講和独立から半世紀にわたる日本の軌跡を振り返るとき、改めて、かくも遠くまできたものか、という思いに駆られる。
 「戦後」の日本は、アジアと中東で三つの戦争とかかわった。
 50年代の朝鮮戦争は対日講和への動きを加速させるとともに、米軍のばく大な需要が日本経済復興の起爆剤となった。
 60年代から70年代にかけてのベトナム戦争で、日本は米原潜や空母の補給・修理などの後方支援を担い、沖縄や横田、岩国の基地からは米軍がベトナムに出撃した。ベトナム特需は高度成長を助けた。
 しかし、90年代初頭の湾岸戦争は様相が異なった。押しも押されもしない経済大国となった日本が、国際社会の安全を脅かす危機に際してどのような協力ができるのか。平和と繁栄を享受してきた戦後日本に重い問いが突きつけられた。
 湾岸戦争をきっかけに、自衛隊の役割と守備範囲は格段に広がり、いまや「周辺事態」のもとでの米軍の戦闘行動を自衛隊が支援する態勢も整えられつつある。ひと昔前には想像もつかなかったことだ。
 大戦の幕引きの場であったサンフランシスコ講和会議は、新たな力の角逐と陣営対立の影にくまどられた場でもあった。
 冷戦終結は世界の権力構図を一変させたが、それで米国の一極支配が強まったわけでもない。軍事的覇権が必ずしも国家としての優位に結びつかず、国境を超えた金融や情報がものをいう「3次元のチェスゲーム」(ジョゼフ・ナイ米ハーバード大ケネディ行政大学院長)の中に世界はある。
 「サンフランシスコ体制」の光と影を虚心に見つめ、新しい戦略と発想に立った外交と安全保障の設計図を描く。日本が鍛えるべきは、その構想力ではないか。
  ●国連PKOに積極対応を
 日本の国連加盟の翌年、57年に出された最初の『外交青書』は、「国連中心」「自由主義諸国との協調」「アジアの一員としての立場の堅持」を戦後外交の三つの柱に掲げた。今でもうなずける原則だ。
 何よりも、国連の権威と力を再生するための努力を惜しんではなるまい。米ブッシュ政権の身勝手な単独行動志向に国際社会はまゆをひそめている。米国の国連離れに拍車がかかるようでは、国連は絶望的な機能不全に陥ることだろう。
 米国とたもとを分かって日本の未来はない。自立した戦略思考は必要だが、日本の軍事的な「独り歩き」は日本への警戒感を呼び覚ますだけだ。アジア・太平洋地域への米国の関与を継続させる一方で、日米同盟一本やりの、過度の依存から抜け出す道を模索しなければなるまい。
 米国の主眼は、日本の集団的自衛権行使を軸にした、「有事」の緊密な共同行動にある。それは米国とともに戦う日本にすることにほかならない。そういう方向での同盟強化の文脈ではなく、国際社会の一員としての自覚に基づいて、日本は自ら必要と考える役割を担うべきだろう。
 東ティモールでは、来年の独立後に新たな国連平和維持活動(PKO)が展開される見通しだ。参加条件や現地情勢をつぶさに検討した上で、要員派遣の要請には可能な限り積極的に応じることを考えたい。それは憲法の理念に沿う道でもあろう。
  ●アジアとの歴史和解を探る
 サンフランシスコ講和会議には、日本の侵略を受けた中国や、植民地支配の辛酸をなめた韓国は招請されなかった。
 日本を自由主義陣営につなぎ留める米国の思惑が強く働いた「寛容な対日講和」は関係国の不信を生み、韓国などとの請求権交渉を長引かせた。アジアとの和解を果たすという点で、講和条約は不十分な結果しかもたらさなかった、と言うほかない。
 冷戦のくびきから解き放たれ、アジアや欧米で戦後補償を求める声が噴き出している。「講和条約で決着済み」という紋切り型の対応にとどまるのではなく、人権意識のグローバル化という新たな流れに即して「歴史の克服」の問題をとらえ直す。そうした視点が、今こそ求められている。[2001-09-08-00:20] 290
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 09/08@<人種差別撤廃会議>欧州元凶説で民衆説得図るアフリカ指導(毎日新聞)

 アフリカ指導者たちが奴隷貿易、植民地支配というテーマに焦点を当てたのは、被害者・アフリカの心理的な解放ばかりではない。貧困や内戦を自らの手で解決できない袋小路に追い込まれ、旧来の「欧州元凶説」以外に民衆を納得させられるカードを持ち合わせていないためだ。
 信頼の高い集計によると、15世紀から19世紀にかけアフリカ大陸から米大陸などに渡った奴隷は1200万人。白人を最優等人種に据え、黒人を「勤勉性のない未開野蛮人」と見る思想が、史上最大の民族の離散をもたらした。
 ナイジェリア国際問題研のアキトミワ博士は「欧州の勃興に奴隷、植民地からの搾取は不可欠だった。今も続く経済格差の根はそこにある」と指摘する。
 奴隷貿易による精神的な痛手も大きい。アフリカ人は劣等意識を植え付けられ、19世紀後半の欧州列強によるアフリカ争奪戦でもあっさりと植民地化を許してしまった。また、アンゴラ内戦の根には奴隷貿易に加担した側と奪われた側の対立があり、数世紀前からの後遺症は今も残る。
 だが、「裏切られたアフリカ」の著者アイティ氏は「アフリカの落ち込みは奴隷貿易より独立後の悪政が大きい。欧州よりひどい搾取がアフリカの指導者らの手でなされた」と説く。「かつての欧州人の方が民衆の生活向上について考えていた」(ザンビア北部の有力族長ヌクラ氏)のように、60年代に独立して以降のアフリカ人自らの責任を問う声も強い。
 「アフリカ復興まで援助を続けるのが欧米の義務」とアデボラ・ラゴス州立大教授は語る。そうと主張しなければ、世界から無視し続けされるだけだという危機感がアフリカにはある。 【藤原章生】 [2001-09-08-00:00] 193
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 09/09@10年間の武器輸出9億ドル 北朝鮮、ミサイル部品など(共同通信)

 【ソウル9日共同】韓国の国防省は九日、国会へ提出した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の武器輸出入関連資料で、北朝鮮が一九九一年から昨年までの十年間に、ミサイル部品や機関砲、野砲、弾薬など総額九億千四百万ドル相当の武器を中東、アフリカ、東南アジア諸国に輸出したと報告した。韓国の通信社、聯合ニュースが伝えた。
 輸入はミグ21戦闘機などの航空機や電子部品、航法装置などで、十年間で計三億四千三百三十万ドル。中国やロシアのほか日本からの輸入もあるという。
 武器輸出額は九○年代半ばには年間五千万ドル前後だったが、九七年は六千万ドル、九九年は六千三百万ドル、二○○○年は六千万ドルとここ数年は六千万ドル台に増加。輸出先にはイラン、イラク、エジプト、エチオピア、ベトナム、タイなどが挙がっている。(了)[2001-09-09-19:42] 196
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 09/09@中国の対パキスタンミサイル支援を確認 CIA報告書(朝日新聞)

 米中央情報局(CIA)は7日、大量破壊兵器技術の拡散について、昨年7〜12月分の報告書の一部を公表した。中国について報告書は、パキスタンへのミサイル開発支援が続いていると確認したほか、イランへの新たな核支援も行った疑いがあると指摘。不拡散を約束した米中間の合意が順守されていないと批判している。
 米政府は今月1日、中国からパキスタンへのミサイル部品・技術の輸出を理由に、両国の企業に制裁を科すと発表した。CIAの報告はその根拠となっている。報告書はミサイル分野について、中国企業がパキスタンの短・中距離ミサイルの開発のほか、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、イラン、リビアなどにも支援したとしている。
 核分野では、中国はイランの特定の民生用核施設以外に支援はしないことを97年に米国と約束した。しかし報告書は「両国の企業同士が接触しており、合意違反の疑いがある」とした。また、パキスタンへの核開発支援の可能性も「否定できない」としている。
 北朝鮮によるミサイル開発・輸出について報告書は、中国国内の北朝鮮企業など様々な国外ルートを通じて物資を調達していると指摘。外貨稼ぎのために「中東、南アジア、北アフリカへ弾道ミサイル関連設備、部品、技術を大量に輸出している」という。
 このほか、ロシアについては、国営の防衛企業がイラン、インド、中国へのミサイル技術の供与を継続。とくにイランでは核技術の主要な供給元となっているため、ロシアの監視は非常に重要だとしている。[2001-09-09-13:44] 202
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 09/09@リトアニア首相、NATO加盟に意欲(朝日新聞)

 旧ソ連からの独立10年を迎えたバルト3国のひとつリトアニアで、93年から98年まで大統領をつとめたブラザウスカス首相が7日、朝日新聞記者の単独会見に応じた。首相は「われわれは国際社会に加わる歴史的な段階にいる」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けての意欲を強調した。
 首相は、ロシアが強く反対するNATO加盟について、「今何らかの脅威に直面しているわけではないが、小国が長期の安全保障を確保するために必要な手段だ」と説明。「どの国にも自らの安全保障の手段を自立的に選ぶ権利がある」とロシアの反対に左右されない考えを明らかにした。
 バルト3国は91年9月6日のソ連による承認で独立を回復。首相はドイツの占領や帝政ロシアの支配下に入った過去にも触れ、「われわれは民族、文化を守り、今は他の国々、特に北欧やポーランドといった近隣国と同じ欧州という列の中にある」と話し、欧州との一体性を強調。「独立後の市場改革に困難はあるが、法制度は基準に適応した」とEU(欧州連合)入りにも自信をみせた。
 リトアニアでは独立後政局が安定せず、現在の内閣は90年の独立宣言以来12代目。ブラザウスカス首相は旧ソ連最後のリトアニア共産党第一書記。独立後初の大統領を務め引退後も人気は高く、今年7月アダムクス現大統領のもとで首相に就任した。
 首相は90年代で最も困難だった時期を90年独立宣言後のソ連による経済封鎖とし、「隣国との関係の大切さを学んだ」と語った。同首相はNATO加盟をめざす一方で、ロシアとの関係維持にも配慮する姿勢も示した。[2001-09-09-11:28] 204
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 09/09@同盟強化の必要性強調 米国務長官、日米安保50周年記念式(共同通信)

 【サンフランシスコ8日共同】パウエル米国務長官は八日(日本時間九日)、サンフランシスコのプレシディオ(旧米第六軍司令部)で開かれた日米安保条約署名五十周年記念式典で演説し「中国を国際社会に関与させていくことが最大の課題だ」と述べ、そのためには「日米の強固な同盟関係が不可欠だ」と強調した。
 また、長官は「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の大量破壊兵器やミサイル問題に対処する方法を模索しなければならない」とし、日米と韓国の連携が重要との認識を示した。
 長官は「日米同盟はアジア太平洋地域のかなめ石であり、安保条約の締結が地域の繁栄の第一歩になった」と指摘。条約は「今後五十年間も平和と安定のために極めて重要であり続ける」と述べた。
 また、「われわれは良き隣人として歓迎されるゲストとなりたい。県民の負担を軽減できるよう努力している」と沖縄の米軍基地問題に言及、「県民の生活をできるだけ妨げないよう常に最大限留意しなければならない」と述べた。
 この式典の後、パウエル長官と田中真紀子外相は市内のオペラハウスで開かれたサンフランシスコ平和条約署名五十周年記念式典にも出席、日米両国が地球規模の課題に連携して取り組むことなどをうたった共同声明に署名した。
 田中外相は両式典での演説で、第二次大戦中に日本軍の捕虜となった元米兵らに謝罪の意を表明、日米安保体制の強化などに決意を表明した。(了)[2001-09-09-10:27] 207
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 09/09@アラファト議長と初会談か 米大統領が月末に(共同通信)

 【エルサレム9日共同】イスラエル紙ハーレツ(インターネット版)は八日、ブッシュ米大統領が今月末、ニューヨークでの国連総会に合わせて、パレスチナ自治政府のアラファト議長と会談することを決めたと報じた。
 実現すれば、議長とブッシュ大統領の会談は初めて。ホワイトハウスが八日、中東情勢全般を協議した中で決定した。
 だが、会談の前提条件として、議長に停戦合意履行に十分な措置をとっている証拠などを求める方針とされ、会談が実現するかどうか依然流動的だ。
 大統領はこれまで、アラファト議長が過激派のテロ抑止に十分な対応をしていないと批判。就任後、イスラエルのシャロン首相とは二度会談したものの、議長とは一度も会談しておらず、会談実現を材料に議長に停戦履行を強く迫ることが狙いとみられる。
 一方、パレスチナ解放機構(PLO)の在米当局者も、会談実現に向け調整が進んでいることを認めた。(了)[2001-09-09-08:19] 208
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 09/09@イスラエルが歓迎声明 世界人種差別撤廃会議に(共同通信)

 【エルサレム8日共同】イスラエル外務省は八日夜、南アフリカ・ダーバンでの世界人種差別撤廃会議で、イスラエルを名指しで批判する文言が採択文書から削除されたことを歓迎する声明を発表した。
 声明は「イスラエルへの憎悪と扇動に満ちた表現が削除され満足している」と述べている。
 イスラエルと米国は、反イスラエルの表現を文書に盛り込む動きに反発して代表団を引き揚げていた。(了)[2001-09-09-08:16] 209
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 09/09@EUが3回の会談を提案 ペレス・アラファト会談(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】欧州連合(EU)議長国ベルギーのネイツ国務相は八日、EU非公式外相会議が開かれているブリュッセル近郊ジェンバルで記者会見し、ペレス・イスラエル外相とアラファト・パレスチナ自治政府議長の会談について、今後数週間に計三回行うよう働き掛けている、と述べた。
 三回目は、来週から始まる国連総会の期間中に、ニューヨークで設定するよう求めている。国務相は「会談はきっと実現するはずだ」と語った。
 非公式外相会議では、中東を最近訪れたソラナEU共通外交・安全保障上級代表が情勢を報告し、停戦に向けたEUの調停継続を確認した。(了)[2001-09-09-08:15] 212
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 09/09@奴隷制は「人道の罪」…反人種主義世界会議が宣言(読売新聞)

 【ダーバン(南アフリカ)8日=森太】当地で開かれていた国連の「人種主義に反対する世界会議」は8日、奴隷制と奴隷貿易を「人道に対する罪」とするとともに、「深い遺憾の意」を表明する宣言案を採択して閉幕した。国連の会議が15―19世紀にかけて行われた西欧諸国の奴隷貿易を、「人道に対する罪」として位置づけたのは初めて。
 また宣言は、奴隷貿易や植民地支配を行った加害国(欧州諸国)が被害国(アフリカ諸国など)に対して経済支援を行うよう求めたが、アフリカ諸国が要求していた欧州側の明確な謝罪や賠償責任には言及しなかった。
 一方、米国とイスラエルの会議離脱を招いた中東問題では、「外部勢力の占領下にあるパレスチナの人々の苦難」に懸念を表明するにとどまり、アラブ諸国が強く求めていた、イスラエルへの名指しの非難は避けた。
 約170か国の政府や民間活動団体(NGO)から約1万6000人が参加して開かれた今回の会議は、人種差別問題を、数百年前にまでさかのぼり、幅広く討議した初の国際会議。 [2001-09-09-01:44] 214
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 09/09@奴隷制は「人道への罪」 人種差別反対世界会議が閉会(朝日新聞)

ダーバンで開かれた「人種差別反対世界会議」(国連主催)は8日、各国の利害対立から7日までの会期内に採択できなかった「政治宣言」と「行動計画」を採択して閉幕した。この中で、奴隷貿易・奴隷制を「人道に対する罪」と確認した。奴隷制や植民地支配の被害側にいる国が求めた明確な「謝罪」については、名誉回復策を関係国に求めながら、「会議全体が心より遺憾の意を表明する」とするにとどまった。
 採択文書は、アフリカ諸国などが求めていた「補償」にも触れなかった。過去の不正が、いまの貧困につながったことは認め、先進国による債務の軽減や、貧困打開策への新たな資金協力が必要だと指摘した。
 米国などの撤退につながった中東紛争をめぐる項目では、イスラエルへの名指しの非難を避け、占領下のパレスチナ人の抑圧や苦しみ、自決権に焦点を当てた。
 8日の最後の全体会議では、採択文に含まれる中東紛争関連の項目などについて、留保の表明が相次いだ。差別からの決別を全人類に呼びかける会議の趣旨から、会期を超えて各国の合意を目指したが、溝は完全には埋まらなかった。準備段階からかかわる西側外交官は「(会議は)失敗だ」と語った。
 会議は、先住民族、外国人労働者や、出自などによる差別、障害者、エイズなど、多様な差別とその被害者に焦点を当てようとする初めての試みだった。170カ国とパレスチナ、約950の非政府組織(NGO)が参加した。[2001-09-09-01:22]
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 09/10@セルビアで26人の虐殺遺体を発見(読売新聞)

 ユーゴスラビアからの報道によると、セルビア警察当局は9日、ベオグラード南西約200キロのペルーチャツ湖付近で26人の遺体を発見した、と発表した。1999年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆時にセルビア当局が虐殺したアルバニア系住民とみられている。(ウィーン支局) [2001-09-10-23:52] 10 [このページの最初に戻る]


 09/10@国際部隊派遣で大筋合意 EU非公式外相会議(朝日新聞)

 欧州連合(EU)非公式外相会議は9日、マケドニアへの和平支援策について、北大西洋条約機構(NATO)部隊の撤退後も、NATO主体の国際部隊を派遣する方向で大筋合意し、閉幕した。
 NATO部隊がアルバニア勢力の武器回収に当たっているマケドニアでは、26日に部隊が任務を終える。会議では、NATO撤退後の「空白」は避けるべきだとの意見で一致した。
 議長国ベルギーのミシェル外相は「NATO以外の国を加えた部隊の派遣が論議された。必要ならば国連の決議を受けた形になる」と、記者会見で話した。ソラナ共通外交・安全保障上級代表は、「ロシアやウクライナの部隊の追加を考えている」と述べた。[2001-09-10-17:28] 11
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 09/10@<EU外相理>NATO部隊残留で合意 ゲリラの武器回収後(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】ブリュッセル郊外で開かれていた欧州連合(EU)の非公式外相理事会は9日、マケドニアのアルバニア系ゲリラの武器回収に当たっている北大西洋条約機構(NATO)部隊の作戦終了後も、NATO主導部隊の残留を求める方針で合意した。国連安保理の決議を経た国際治安部隊とする方向で協議が進められることになりそうだ。
 NATOは現在の回収作戦を今月26日で終結する方針だが、その後、非武装で監視活動に当たる全欧安保協力機構(OSCE)やEUの警備のためにも、EUとしてNATOに残留を求めることで一致した。
 EU加盟国のうち11カ国はNATOにも加盟しており、後方支援に回っている米国の強い反対もないことから、現在駐留している約4500人の欧州兵の一部が別の任務に変わる形で残留が図られるとみられる。EU議長国・ベルギーのミッシェル外相は「NATO撤収後に治安の真空地帯を作るわけにはいかない」と語った。
 会議協議中には、EU単独の部隊駐留案も一部にあったが、EUが03年までに発足される方針を示している「緊急展開部隊」はまだ指揮系統が定まっていないことから、「時期尚早」との意見が大勢を占めた。
 スラブ系のマケドニア人にはNATO主導への反発があり、今後の焦点はマケドニア政府がNATO部隊残留方針をどう受け止めるかだといえる。 [2001-09-10-16:30] 17
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 09/10@国際部隊の継続駐留が必要 マケドニアでEUが一致(共同通信)

 【ジェンバル(ベルギー)9日共同】欧州連合(EU)非公式外相会議は九日、北大西洋条約機構(NATO)がアルバニア系武装組織「民族解放軍」からの武器回収作戦を終えた後も、マケドニアの安定を維持するため、NATO主体の国際治安部隊を駐留させることが必要との立場で基本合意した。
 EU当局者によると、新部隊はロシアなどNATO以外の国の参加を視野に入れる一方、指揮権はNATOが握り、国連安全保障理事会の承認を目指す。停戦監視などに当たる文民の保護を任務とし、数カ月間の駐留を想定している。
 EU諸国が継続駐留への支持を明確に打ち出したことにより、マケドニア政府が二十六日に予定されるNATOの作戦終了をにらみ、外国部隊の駐留にどのような対応を取るのかが今後の焦点となる。
 パッテン欧州委員(対外関係担当)は記者会見で、マケドニア国会が進めているアルバニア系住民の権利拡大のための憲法改正が実現した場合、十月十五日にマケドニア支援国会合を開催し、復興支援を募る方針を表明した。(了)[2001-09-10-08:27] 8
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 09/10@<ベラルーシ>国際的孤立がさらに ロシアへ接近か(毎日新聞)

 【モスクワ田中洋之】再選されたベラルーシのルカシェンコ大統領は10日、選挙結果について「ベラルーシ国民は外部からの圧力に屈しなかった」と今後の政権維持に強い自信を示した。欧米諸国から民主化や人権問題で強い批判を浴びる大統領が続投することで、ベラルーシの国際的孤立がさらに深まることは避けられず、ロシアへの接近を強めるとみられる。
 大統領は94年の就任後、反対派デモの抑圧やマスコミ統制など強権支配を続けてきた。98年にはミンスク駐在の各国大使公邸を強制退去させるなど「トラブルメーカー」としても知られる。
 今回の選挙でも支配化に置くメディアを駆使して有利な戦いを進めた。野党陣営は「国家の監視下で行われ、不公正」と反発を強めている。
 また、全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団も10日、ミンスクで「選挙は非民主的」と指摘し、公正さに疑問を投げ掛けた。
 ソ連崩壊から10年がたち、ロシアなどで政治や経済面で一定の民主化がみられるなか、ベラルーシは「旧ソ連諸国で最もソ連的な性格を残す国家」(西側外交筋)といわれる。ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権崩壊後は「欧州に残る最後の独裁体制」と欧米諸国の批判を集めてきた。
 これに対し、大統領は「西側はベラルーシの国家転覆を画策している」と国民にアピールし、逆に国内の体制固めに利用していた。
 国際社会から孤立するなか、ベラルーシはロシアとの統合に活路を見いだそうとしている。両国は99年に連合国家創設条約に調印した。05年からは共通通貨としてロシア・ルーブルが導入される。一方、ロシア側にもベラルーシとの国家統合について「経済再建の足かせとなる」と消極的な意見がある。
 国内の支持をつなぎとめている大統領だが、経済は破たん状態といわれる。強権体制や孤立政策を維持できるかどうかは不透明といえる。 [2001-09-10-21:55] 12
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 09/10@内外から不正工作の指摘 ベラルーシ大統領選(共同通信)

 【ミンスク10日共同】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア政権崩壊後、欧州最後の強権指導者とされるルカシェンコ・ベラルーシ大統領が九日の選挙で再選を決めた。しかし、野党や国際監視団関係者が不在者投票の時点から政権側の不正工作があった疑いを指摘するなど、選挙の正当性に大きな疑問符がついている。
 野党統一候補ゴンチャリク労組連合委員長陣営の選対幹部ドブロボリスキー氏は「中央選管は不在者投票の開票結果を、選挙当日の開票結果と別に発表するのをあれこれ理由を付けて拒んだ。不正工作があったため、それぞれの開票結果で、各候補の得票率に不自然な差が露呈するのを恐れためだ」と指摘した。
 ベラルーシ社会経済政治研究所の専門家ドロホフ氏も「不在者投票が政権側の最大の不正操作装置」と強い疑惑の目を向ける。
 このほかにも政権側は、選挙違反の疑いでゴンチャリク氏の選挙ポスターを印刷工場で一時差し押さえるなど、野党陣営を妨害。ベラルーシの選挙事情に詳しいユーゴ筋は「マスコミでの野党側の政策発表の機会を巧妙に制限するなど、ルカシェンコ政権の手法はミロシェビッチの手法にそっくり」と話す。
 選挙当日も、市民らによる独立系監視グループ事務所が停電したり、電話が使用不能になるなど不可解な事件が相次いだ。
 大統領は本来一九九九年だった任期満了を九六年の国民投票で二○○一年まで延長したが、欧州安保協力機構(OSCE)や欧米諸国はこの投票結果自体認めておらず、ルカシェンコ政権と欧米諸国との関係改善は当分見込めそうにない。(了)[2001-09-10-15:10] 14
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 09/10@ルカシェンコ氏が再選 ベラルーシで大統領選(共同通信)

 【ミンスク10日共同】ベラルーシ大統領選が九日実施され、中央選挙管理委員会は十日未明(日本時間同日午前)開票を終了、ルカシェンコ大統領(47)の得票率が約76%だったと発表した。大統領は九日深夜に会見し「優雅な勝利を収めた」と勝利宣言した。
 選挙には計三人が出馬し、中央選管は野党統一候補ゴンチャリク労組連合委員長(61)が同15%だったと発表。しかし野党側は独自集計の結果、大統領が約46%、委員長が40%でともに当選規定に必要な過半数に及ばなかった、として決選投票を要求した。
 不在者投票の時点から政権側の数々の不正工作の疑いが指摘され、欧州安保協力機構(OSCE)などが結果を承認するかどうかは流動的。大統領はしかし、国際社会の評価は無視する姿勢を示した。
 大統領の任期は五年で、ミロシェビッチ・ユーゴスラビア政権崩壊後「欧州最後の強権指導者」とされるルカシェンコ体制は通算十二年間続くことになる。
 野党側は政権側の不正工作を主張、雨の中、九日夜から首都ミンスクで約三千人を集め抗議集会を開き、十日午前の再集会を市民に呼び掛けた。
 同委員長は選挙直前「ユーゴ政変の再現はあり得ない」と述べ、大規模な民衆ほう起の可能性は否定しているが、選挙結果をめぐり政権と野党の緊張が続くのは間違いない。(了)[2001-09-10-12:31] 118
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 09/10@<人種差別撤廃会議>欧州・アフリカ双方に重い課題(毎日新聞)

 8日閉幕した世界人種差別撤廃会議(国連主催)は、当初、アフリカ諸国が要求した「謝罪」の文言を最終宣言と行動計画で認めなかったものの、アフリカ再生に向けた支援項目を提起した。それは財政支援を迫られる欧州諸国には将来、重い課題となる可能性がある一方で、被害国側のアフリカ諸国に支援の前提となる民主化や紛争解決などの課題を突き付けたともいえる。
 サハラ以南のアフリカの1人当たり平均GNP(国民総生産)は約510ドルと日本の60分の1以下だ。経済成長率は98年以降、おおむね低下、外国からの投資も激減。その上、世界全体の3分の2に当たる2500万人ものエイズ感染者を抱えている。
 こうした現状を受け、奴隷貿易や植民地支配を踏まえ「(外国に対する)債務の即時帳消し」(赤道ギニア)などを求める強硬な国もあった。欧州側は「謝罪」を受け入れれば、過去の汚点に対する損害賠償請求訴訟が提起されると強く懸念。双方の間で補償を絡めない妥協案が模索された。
 その土台となったのが、7月のアフリカ統一機構(OAU)首脳会議で承認され、主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)でも提示されたアフリカ再生計画「新イニシアティブ」だ。アフリカが初めて主体的に作った包括的開発計画で、今回の行動計画に列挙された支援項目にも(1)情報技術(IT)を含むインフラ整備(2)エイズなどの感染症対策(3)教育と人材育成(4)農業の活性化――などの柱が反映されている。
 奴隷貿易の「過去」にに対する補償問題は実際上、どこまでさかのぼるのかなど決着困難な問題だ。「新イニシアティブ」計画策定の中心となったオバサンジョ・ナイジェリア大統領らが「賠償要求は現実的ではない」などと主張したのは妥当な対応だった。
 アフリカ諸国が初めて一体となって国際社会に提起した「過去の清算」問題は今後、欧米諸国の政治課題として一定の比重を占めるはずだ。また、戦時中、日本企業に強制労働させられた元米兵捕虜による賠償請求の機運が米国内で高まる中、奴隷貿易をめぐる議論の行方はアジアにおける戦争責任追及の動きにも波及しかねない広がりを持つ。【ダーバン(南アフリカ)城島徹】 [2001-09-10-23:00] 120
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 09/10@東ティモール暫定行政機構代表、自衛隊の早期派遣を要請(朝日新聞)

 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表は10日、朝日新聞などとの会見で、当地での国連平和維持活動(PKO)に自衛隊の派遣を要請していることを明らかにした。道路や橋の補修にあたる陸上自衛隊の施設大隊を打診している。派遣の時期については「雨期に入る11月までに来てもらわないと困る」と述べ、来年4月の独立後の派遣を目指している日本政府に、再考を求めていく考えを示した。
 自衛隊が初めて派遣されたカンボジアPKOにも携わったデメロ代表は「日本のPKO問題はよく理解している。施設部隊は戦闘員ではなく、復興を助けるためのものだ。現行法の枠内で可能なはずだ」と、期待を表明した。
 東ティモールでは治安状況が好転したことから、国連はインドネシア領西ティモールとの国境地帯を抱える西部地域と中心地ディリのある中部地域にPKFを集中させる縮小・再編計画に着手しており、10月に正式決定する。デメロ代表は「日本には再編計画での施設大隊の参加を頼みたい」と述べた。[2001-09-10-22:32] 129
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 09/10@<東ティモール>制憲議会15日開会 各勢力が主導権争い(毎日新聞)

 来春独立する東ティモールで、国家の骨格作りを話し合う制憲議会(定数88)が15日から始まる。新国家は大統領制になりそうだが、大統領にどこまで権限を持たせるかが、大きな焦点になっている。選挙に勝って単独政権を目指すフレテリンと、挙国一致の連立体制を望むグスマン大統領候補を支持する勢力の綱引きは、しばらく続きそうだ。【ディリ堀内宏明】
 大統領の権限を巡っては、選挙で当選者を出した12党で、2つの考え方に分かれている。首相を置いて大統領との両輪で国政を運営する「フランス型」と、大統領に強大な権限を与える「米国型」だ。
 フレテリン(55議席)は「大統領は安全保障面に集中し、日常の国家運営は首相に任せるべきだ」とフランス型を支持。しかし、第2党の民主党(7議席)などは「国を一党支配したいフレテリンは、大統領を象徴的な存在にしようとしている」と非難する。
 新国家として、国旗と独立記念日をどうするかについても、2案に分かれている。フレテリンは旧宗主国のポルトガルが去って、自分たちが75年に独立宣言した11月28日を独立記念日とし、国旗もその時に掲げられたフレテリン旗(赤、黄、黒の地に白星)を提案した。インドネシアとの長い独立闘争を経験した社会民主連盟(6議席)などは、この案を支持している。
 しかし、ポルトガルやインドネシアとの融和を図りたい民主連合(2議席)などは、2年前に住民投票が行われた8月30日を独立記念日とし、国旗には各党の政治連合体「民族抵抗評議会」の旗(青、白、緑、黒の地に赤い紋章)を用いたい意向だ。社会民主党(6議席)などの中道勢力はまだ態度を明らかにしていないが、「新デザインの国旗をつくろう」という意見は、少数にとどまっている。
 一方、制憲議会による憲法草案作りは、予断を許さない状況だ。選挙でフレテリンが過半数を取ったものの、憲法を単独採択できる60議席には届かなかったためだ。選挙前、グスマン氏が大統領候補になることを受け入れたのも、民主党などの新党が結成されたのも、フレテリンの独走を警戒する動きだった。
 今後、フレテリンが単独政権を樹立しても、憲法採択の際には、他党と提携を迫られる。現地の国連関係者らは「憲法制定の論議が、各党の主導権争いの場になってきた」と懸念している。 [2001-09-10-20:35] 130
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 09/10@<人種差別撤廃会議>一定の意味持った「過去の清算」(毎日新聞)

 【ダーバン城島徹】世界人種差別撤廃会議(国連主催)では、アフリカ諸国が当初要求した金銭的補償につながる「謝罪」の文言は最終宣言と行動計画に盛り込まれなかったものの、アフリカ再生に向けた支援項目を提起した意味は小さくない。同時に支援の前提となる民主化や紛争解決などの課題をアフリカ自身に突き付けたともいえる。
 サハラ以南のアフリカの1人当たりのGNP(国民総生産)は約510ドルと、日本の60分の1以下だ。経済成長率は98年以降おおむね低下し、外国からの投資も激減。その上、世界全体の3分の2に当たる2500万人ものエイズ感染者を抱えている。
 こうしたアフリカ諸国には奴隷貿易や植民地支配への過去を踏まえ「(外国に対する)債務の即時帳消し」(赤道ギニア)などと強硬姿勢を示す国もあった。一方、欧州側は明確な「謝罪」を受け入れれば、過去の汚点に対する損害賠償請求訴訟が提起されると強く懸念。双方の意向を踏まえ、補償を絡めない妥協案が模索された。
 その土台となったのが、7月のアフリカ統一機構(OAU)首脳会議で承認され、主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)でも紹介されたアフリカ再生計画「新イニシアティブ」だ。
 アフリカが初めて主体的に作った包括的開発計画で、今回、採択された行動計画に列挙された19項目の支援項目にも(1)情報技術(IT)を含むインフラ整備(2)エイズをはじめとする感染症対策(3)教育と人材育成(4)農業の活性化――などの柱が反映されている。
 奴隷貿易の「過去」にさかのぼり、補償を要求すること自体、実際上は困難な問題だ。その意味で、「新イニシアティブ」策定の中心メンバーだったオバサンジョ・ナイジェリア大統領やワディ・セネガル大統領らが「賠償要求は現実的ではない」などと主張したのは理性的な対応だった。
 アフリカ諸国が初めて一体となって国際社会に提起した「過去の清算」問題は今後、欧米諸国の政治課題として一定の比重を占めるのは間違いない。 [2001-09-10-20:35] 140
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 09/10@米が10倍の軍事援助申し出 フィリピン国防相(共同通信)

 【マニラ10日共同】フィリピンのレイエス国防相は十日、外国特派員協会との会見で、米国がフィリピンに対し来年度の軍事援助として今年の十倍に当たる千九百万ドル(約二十二億八千万円)を申し出ていることを明らかにした。
 中国や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事動向などを理由にアジア重視を鮮明にしているブッシュ政権の戦略の一環とみられる。
 同国防相によると、フィリピンは一九九二年に米軍基地が撤去されるまでは、米国から毎年二億ドルの軍事援助を受けていた。撤去後は一時ゼロになり、本年度は百九十万ドル。
 両国間の軍事関係は米軍撤退後、冷却状態が続いたが、九九年五月にフィリピンが「訪問米軍の地位に関する協定」を批准、昨年から合同軍事演習が再開された。(了)[2001-09-10-19:56] 145
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 09/10@<アフガニスタン>反タリバン連合司令官のマスード将軍暗殺(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバンと内戦を続ける「反タリバン連合」は9日、最高司令官のマスード将軍(49)が同日、同国北部ホジャバハウディンで、爆弾テロにより負傷したことを明らかにした。だが、ロシアのタス通信は10日、「将軍は搬送中に死亡した」と報じた。死亡説が事実なら、反タリバン連合の致命的な打撃となり、全土の9割を支配するタリバンが一気に大攻勢をかける可能性がある。タリバンの勢力拡大を懸念する周辺各国にも影響が広がるのは間違いない。
 反タリバン連合によると、マスード将軍はジャーナリストを名乗る2人組のアラブ人と会見中に爆発物により負傷した。ビデオカメラに仕掛けられた爆弾が爆発したとみられ、将軍の側近1人が死亡した。2人は直ちに射殺された。2人の国籍など詳細は不明だが、アルジェリアから来たとの情報もある。
 同連合によると、将軍は、隣国タジキスタンの首都ドゥシャンベに搬送された。現在、治療中で命に別条はないとしている。同連合の駐タジク臨時大使は「けがは軽傷で、意識があり、部隊の司令官らに命令を与えている」と語った。
 しかし、タス通信はドゥシャンベの情報筋の話として「(マスード将軍が)搬送中に死亡したことを確認した」と報じた。また、AP通信などは将軍の親族の話として、将軍が爆発で頭部や手足などを負傷し、意識不明の重体で緊急手術を受けたと伝えた。
 反タリバン連合は、たとえ死亡していたとしても、志気低下を招くような「死亡発表」は控えるとみられる。
 一方、同連合の報道官は10日、事件にタリバンと、その保護下のイスラム原理主義過激派の黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏が関与していると非難した。ウサマ氏はアラブ・イスラム世界の過激派勢力とネットワークを築いていると指摘され、アルジェリアの組織との関係も深い。
 ドゥシャンベの国連関係者は10日、毎日新聞に対し「私がタリバン指導者なら、マスード暗殺と反タリバンの後方支援基地であるタジクの騒乱を画策するだろう」と語った。
 ◆マスード将軍
 アフガタン少数派のタジク人。80年代に駐留していたソ連軍にゲリラ闘争を展開したことで知られ、ラバニ政権では国防相を務めた。劣勢の反タリバン連合のカリスマ指導者で、反タリバン闘争の中心的役割を果たしている。 [2001-09-10-19:05] 154
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 09/10@豪軍艦のボートピープル、ナウルが追加受け入れ(朝日新聞)

 豪州公共放送(ABC)などによると、ナウル政府は10日、豪海軍が8日新たに収容した237人のボートピープルを難民審査のため受け入れることに同意した。すでに受け入れを決めていた約280人への追加となる。豪州は代償として、ナウルへのディーゼル燃料供給の保証、ナウル国民が豪州の医療機関に負っている債務の免除など2千万豪ドル(約12億5000万円)相当の支援を行う。
 豪海軍は7日から8日にかけて、ティモール海で警告を無視して豪州領アシュモア礁に向かおうとしたインドネシア船を阻止。乗っていたボートピープルを、兵員輸送船に収容した。この兵員輸送船は3日、クリスマス島沖でノルウェー貨物船から約430人を収容し、パプアニューギニアに向かっていた。
 このうち150人をニュウジーランドに、残りをナウルに移送することになっていたが、新たに収容者が出たため、豪州はリース国防相をナウルに派遣し、追加受け入れを交渉していた。
 ハワード首相は8日、インドネシア経由のボートピープルの目的地となっているクリスマス島とアシュモア礁について、難民申請ができない地域とする法改正案を議会に提出する方針を表明した。現行法では、豪州領土に上陸した人は、難民申請を行うことが出来、いったん申請が却下されても異議申し立てや訴訟など様々な道筋が保証されている。[2001-09-10-17:26] 165
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 09/10@<人種差別撤廃会議>「差別終了への一歩」 国連弁務官が総(毎日新聞)

 【ダーバン(南アフリカ東部)城島徹】ダーバンで開かれていた世界人種差別撤廃会議(国連主催)は8日、奴隷貿易について「人道に対する罪」と認めるなどの最終宣言と行動計画を採択し、閉幕した。記者会見したロビンソン国連人権高等弁務官は「この会議は差別を終わらせる長い道のりの一歩になるはずだ」と総括した。
 最終宣言は(1)アフリカやアジアの人々や子孫が奴隷貿易や植民地支配で被った多大な苦しみと悲劇を認め、深い遺憾の意を示す(2)債務救済、貧困撲滅などで先進国や国連が支援する――などとうたった。
 アフリカ諸国が求めた奴隷貿易などへの明確な謝罪や金銭的補償にまでは踏み込まなかったが、会議の議長を務めた南アフリカのズマ外相は「最も大切なのはお金ではなく、人間としての尊厳だ」と述べ、歴史的意義を強調した。
 会議は、冒頭からアラブ諸国がイスラエルを人種差別国家と非難する文言を要求、米国とイスラエルの代表団が引き揚げるなど紛糾した。イスラエルを直接非難する文言が削除され「外国の支配下にあるパレスチナ人の窮状」を訴える妥協案を示し、最終的にアラブ側が応じた。
 あらゆる差別撤廃を掲げ、日本を含む150カ国からの約6000人が、会期を1日延長し9日間に渡り議論を重ねた会議は終始、国際政治の荒波に揺さぶられた。 [2001-09-10-15:40] 166
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 09/10@選挙終了、暫定内閣任命へ 東ティモール(共同通信)

 【ディリ10日共同】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の独立選挙委員会は十日、来年の独立に向けて八月三十日に行われた憲法制定議会(定数八八)選挙の結果を正式に確定し、デメロ事務総長特別代表に提出した。これで選挙作業はすべて終了、デメロ代表は選挙結果を反映した第二次暫定内閣任命のため各党との協議を始めた。
 選挙では独立抵抗運動を支えた東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が五十五議席と大勝しており、新暫定内閣の要職をフレティリンが占める見通し。また初めて暫定首相のポストが設けられ、フレティリンの実力者マリ・アルカティリ書記長が就任するとの見方が強い。
 暫定内閣は今週中に任命され、独立後の「予行演習」の段階に入る。制憲議会は十五日に招集される予定。(了)[2001-09-10-15:36] 169
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 09/10@アチェ人権改善に圧力要請 小泉首相に獄中指導者が(共同通信)

 【バンダアチェ(インドネシア)10日共同】インドネシア・アチェ特別州の独立の是非を問う住民投票運動の指導者、ムハンマド・ナザル氏(28)=扇動罪の裁判で上告中=が十日までに拘置先の州都バンダアチェの刑務所で共同通信と会見し、近く同国を訪問する小泉純一郎首相に対し、アチェでの人権侵害を中止させるため同国へ圧力をかけるよう期待すると語った。
 アチェでは、国軍・警察が独立派ゲリラ制圧作戦を強化、今年だけで千数百人が死亡。住民投票を通じた紛争の平和解決を訴えたナザル氏が昨年十一月に逮捕されるなど、人権状況は悪化している。しかし、最大の援助国日本などは「インドネシアの領土の一体性」支持を表明、インドネシア政府の強硬策の背景となっている。
 ナザル氏は、日本などが一体性を支持しているのは「インドネシアに最大級の経済利権を有している」ためと指摘。「一体性(維持のための軍事作戦)が常に虐殺を引き起こしていることを国際社会は分かってほしい」と訴えた。
 小泉首相に対しては「アチェ人の人道的、民主的権利への支持」を要請。日米両国が「経済、政治、軍事面での支援停止」によって、インドネシア政府に圧力を加えるべきだと述べた。
 政府が施行した自治拡大法については「不完全」と批判。八日にアチェを訪れたメガワティ大統領に関して「(対話を求めた)学生に怒り、演説を中断した。(紛争解決への)構想を持っていない人」と評した。(了)[2001-09-10-15:22] 181
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 09/10@<人種差別撤廃会議>宣言作りに「時間を浪費」 米大統領補(毎日新聞)

 【ワシントン中井良則】ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は9日、米テレビ番組で南アフリカで開催されていた「世界人種差別撤廃会議」閉幕を受け、「過去をいかに認識するかという本質的ではない問題に多くの時間を浪費し、将来に向かってどう行動するかは取り上げなかった」と述べ、シオニズム(イスラエル建国の原動力となったユダヤ民族主義)などをめぐる最終宣言作りに長時間を要したことを批判した。
 米国は途中から会議をボイコットしたが、同補佐官は「会議はイスラエルだけを特定して非難するために時間を費やした。米国が退席したのは正しい決定だった」と述べた。さらに「この会議は(イスラエル非難派に)乗っ取られ、扱うべき問題を取り上げなかった」とアラブ諸国の強硬な反イスラエルの動きを批判した。
 さらに、米国内で、黒人奴隷制に対する補償を求める運動が黒人に広がっていることについて「現在の問題にどう対応すべきかを考えるべきだ。特に貧しい黒人の子供の教育を考えるべきだ」と述べ、補償には同調しない立場を示した。 [2001-09-10-09:55] 13
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 09/10@◎カタール代表監督が辞任=サッカー(時事通信)

 【ドーハ9日AFP=時事】サッカー、カタール代表のハジアブディッチ監督が9日、辞任した。カタールは現在行われているワールドカップ(W杯)アジア最終予選B組で1勝1敗2分けの勝ち点5で5チーム中3位。ボスニア出身の同監督は先月26日、ウズベキスタンに1−2で敗れた後に辞意を表明。今月7日の中国戦で1−1の引き分けに終わり、辞任が認められた。
 同予選中に辞任または解任となった監督はサウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)に続き4人目。 (了)[時事通信社][2001-09-10-14:47] 16
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 09/10@ユーゴ8度目の優勝 男子バスケットボールの欧州選手権(共同通信)

 男子バスケットボールの欧州選手権決勝が9日、イスタンブールで行われ、ユーゴスラビアがトルコを78―69で下し8度目の優勝を果たした。
 ユーゴスラビアは米プロバスケットボールのNBAキングズ所属のストヤコビッチを軸にした攻守で、初めて決勝に進んだトルコを退けた。3位決定戦はスペインが99―90でドイツに勝った。(AP=共同)(了)[2001-09-10-10:06] 167
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 09/10@北京ユニバ覆った反日感情 ブーイング連発に思い複雑(共同通信)

 八月下旬から九月初めまで開かれたユニバーシアード北京大会で、中国人観客から日本人選手に容赦ないブーイングが浴びせられた。小泉純一郎首相の靖国神社参拝や歴史教科書問題で強まった「日本への敵対心」(北京の女子大生)によるものだ。両国間の政治的あつれきが、政治とは無縁の学生スポーツの祭典にまで影を落とし、関係者の胸に複雑な思いを残した。
 八月三十一日に行われた男子サッカー決勝の日本―ウクライナ戦。中国人観客は、日本チームのチャンスになると決まって激しいブーイングを発した。体操やバレーボールなどでも、日本人選手がブーイングを浴びる場面が多かった。
 「小泉(首相)の行為は(戦争被害者の)中国人の感情を無視するもので、受け入れられない。日本は武士道の国なのに、歴史を正視する勇気はないのか」。ある大学生(21)はこうまくし立て、ブーイングは「自然な行為」と言った。
 閉会日の九月一日、日本選手団の松永怜一団長は「反日感情が強まり『すべて敵』という厳しい環境」と振り返った。男子サッカーの滝井敏郎監督は「(反日感情が)根の深いものでなければいいが」と今後を懸念する。
 河北大学日本研究所の裴桂芬副所長は、一月に大雪で関西国際空港に緊急着陸した日本航空機の中国人乗客約九十人がホテルの客室を提供されなかったため「民族差別を受けた」と抗議した事件を例に挙げ、「中国の庶民の間には日本に今も『差別されている』との意識が強くある」と指摘。今回の大会では、群集心理も手伝って日本人選手が「対日不満のはけ口にされた」と分析した。
 二○○八年夏季五輪の北京開催が七月に決定した後、中国で最初の世界的競技大会となったユニバーシアード北京大会は、中国政府が期待した国威発揚の効果を発揮した一方で、「極端な民族主義」の高まりが日本関係者らに不安を抱かせる結果となった。
 ぎくしゃくする両国の政治的関係とは対照的に「中国で日本のテレビドラマや漫画の人気は高い」(女子大生)のも事実。今回の大会のボランティアの中にも日本の文化や経済を学ぶ大学生が多数おり、日本語通訳として活躍した。
 裴副所長は「日本への偏見をなくすため、中国メディアは日本の中国への政府開発援助(ODA)などについてもっと紹介し『公正な対日観』の構築に力を入れるべきだ」と訴えた。(北京、共同=渡辺和昭)(了)[2001-09-10-15:33]
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 09/11@<ユーゴ制裁>武器禁輸措置を解除する決議採択 国連安保理(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連安全保障理事会は10日、ユーゴスラビアに対する武器禁輸措置を解除する決議を全会一致で採択した。欧州諸国や米国は、昨年10月にユーゴのミロシェビッチ政権が倒れて以来、対ユーゴ経済制裁を解除していた。今回の決議採択もこの流れを受けたもの。これで、ユーゴに対する一連の制裁はすべて解除されることになった。 [2001-09-11-09:45] 5 [このページの最初に戻る]


 09/11@◎対ユーゴ武器禁輸を解除=国連安保理が決議採択(時事通信)

 【ニューヨーク10日時事】国連安保理は10日、ユーゴスラビア情勢で公式協議を行い、同国に対する武器禁輸措置を解除する決議を全会一致で採択した。これにより、国連の対ユーゴ制裁はすべて解除されたことになる。
 安保理は1998年3月、ユーゴ・コソボ自治州紛争に絡んで、ユーゴに対して武器禁輸措置を科していたが、ユーゴの民主化やミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷への引き渡しなどを受けて制裁解除の環境が整った。
 ただ、決議は、コソボに展開する北大西洋条約機構(NATO)主導の平和履行部隊(KFOR)が引き続き、コソボ内およびコソボからの武器の流れを厳しく規制すると強調している。 [時事通信社][2001-09-11-01:05] 6
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 09/11@マケドニアのNATO部隊、武装解除後も駐留…EU(読売新聞)

 【ブリュッセル10日=鶴原徹也】欧州連合(EU)は8、9両日、ブリュッセル近郊のジャンバルで非公式外相会議を開き、マケドニア情勢などを協議した。同国では北大西洋条約機構(NATO)部隊が、武装勢力の武装解除にあたっているが、任務の終了する今月26日以降の治安は保障されていない。非公式外相会議は、この「治安の空白」で情勢が再び悪化する恐れがあるため、武装解除終了後もNATO主導の多国籍部隊が駐留すべきだ、との認識で一致した。
 ただ、NATO主導部隊派遣について、独仏両国は国連安保理の承認が必要と主張したのに対し、英国は不必要と主張し、意見はまとまらなかった。NATO内では、米国も安保理承認は不必要との立場だ。 [2001-09-11-00:38] 109
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 09/11@マケドニアのNATO部隊、武装解除後も駐留…EU(読売新聞)

 【ブリュッセル10日=鶴原徹也】欧州連合(EU)は8、9両日、ブリュッセル近郊のジャンバルで非公式外相会議を開き、マケドニア情勢などを協議した。同国では北大西洋条約機構(NATO)部隊が、武装勢力の武装解除にあたっているが、任務の終了する今月26日以降の治安は保障されていない。非公式外相会議は、この「治安の空白」で情勢が再び悪化する恐れがあるため、武装解除終了後もNATO主導の多国籍部隊が駐留すべきだ、との認識で一致した。
 ただ、NATO主導部隊派遣について、独仏両国は国連安保理の承認が必要と主張したのに対し、英国は不必要と主張し、意見はまとまらなかった。NATO内では、米国も安保理承認は不必要との立場だ。 [2001-09-11-00:38] 62
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 09/11@インドネシアとの防衛協力に合意 防衛庁長官(朝日新聞)

 インドネシアを訪問中の中谷元・防衛庁長官は11日、メガワティ大統領と大統領府で会談し、日本とインドネシアが防衛協力を進めることで合意した。長官が、東ティモールの国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣を検討していると説明したのに対し、大統領は「国連の一員として問題の解決に当たることを期待する」と述べ、理解を示した。
 メガワティ氏が大統領就任後、日本の閣僚と会談するのは初めて。双方は、テロや密輸、麻薬などの問題をめぐり、緊密に連絡を取りながら対応することでも一致した。
 東ティモールの混乱の影響で西ティモールに約10万人の避難民が滞在していることに関連し、大統領は「帰還した際の安全策を講じるよう新しく誕生する政権と対話していきたい。東ティモールでは、日本に、インドネシアと現地政府との橋渡し役を務めて欲しい」と語った。
 スマトラ島北部のアチェ特別州などで分離独立運動が続いている問題では、中谷長官は「インドネシアの領土の一体性を支持しており、平和的な解決を期待する」と述べた。[2001-09-11-20:54] 64
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 09/11@5原則枠内で派遣可能 東ティモールでの国連平和維持活動(共同通信)

 外務省幹部は十一日、東ティモールでの国連平和維持活動(PKO)について「(紛争当事者の)停戦合意があるとみなすことができる」と述べ、現行法の枠内での派遣が可能との見解を明らかにした。
 一方、国連平和維持軍(PKF)本体業務への参加凍結解除の法改正については「もともと参院で政党間の合意で凍結が決まった。議員立法でやってほしい。外務省は旗振り役になるつもりはない」と述べ、議員立法による法改正が望ましいとの認識を示した。(了)[2001-09-11-20:28] 65
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 09/11@自衛隊「生き残り」模索 防衛計画の大綱検討会議設置(共同通信)

 【ジャカルタ11日共同】中谷元・防衛庁長官が、防衛計画大綱改定に向け、防衛力の在り方を抜本的に見直す検討会議の設置を表明した背景には、冷戦終結後、激変する安保環境に早急に対応しなければ、自衛隊の存在意義が薄れていくとの切迫感がある。
 冷戦期に想定されたような世界的規模の武力紛争が遠のく中、米国をはじめ、多くの国がテロ事案などへの対応を、防衛の役割に加えるようになった。こうした潮流に沿い「生き残りの道」を模索しようとの意欲がうかがえる。
 長官は自衛官出身だけに、防衛力整備の指針となる大綱の改定作業に着手することで、自衛隊の役割の広がりを再認識させる議論を盛り上げたいとの狙いがあるようだ。
 実際、今回のインドネシア訪問で長官は、メガワティ大統領ら要人と会談するたびに、マラッカ海峡で続発する海賊事件対策を話題にし、自衛隊の共同訓練参加も含め積極的に対応する姿勢を印象づけた。
 ただ、現大綱でも自衛隊の役割として「国の防衛」のほか、「大規模災害などへの対応」や「国際平和協力業務への貢献」を掲げているにもかかわらず、自衛隊や国防関係者には「国の防衛こそが主任務」という意識が依然根強い。自衛隊の活動の場を広げようとすれば、国内外からの反発や米国からの注文も予想される。長官の手腕が問われる。(了)[2001-09-11-20:03] 66
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 09/11@混乱恐れNATO会議の開催地変更へ(朝日新聞)

 イタリアの観光地ナポリで、26、27の両日開かれる予定だったNATO(北大西洋条約機構)国防相会議の会場が近くの町に変更される見通しとなった。7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)のような混乱を恐れたためだ。マルティノ国防相が10日、明らかにした。
 地元メディアによると変更先はナポリの西にあるポツォリの空軍学校。一部の反グローバル派グループは、議題の一つとされる米国のミサイル防衛計画について「軍事産業の振興策だ」と反発し、数万人規模のデモを呼びかけている。[2001-09-11-19:34] 77
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 09/11@東ティモール避難民の帰還が再開へ 国連と民兵側が合意(共同通信)

 【ディリ11日共同】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)は十一日、昨年九月に併合派民兵が起こした国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員殺害事件以降ほぼ途絶えていたインドネシア領西ティモールからの東ティモール避難民の帰還が約一年ぶりに再開すると発表した。
 東ティモール中部アイナロを拠点としていた元民兵組織「マヒディ」の指導者が国連側との話し合いで支配下の避難民の帰還に同意、第一弾として十四日に二千人前後の避難民が帰還する見通しとなった。
 昨年九月に民兵が西ティモールでUNHCRの三人の外国人職員を殺害した事件後、大規模な帰還は初めて。独立運動の最高指導者グスマン氏が東西の境界近くで出迎える予定。
 西ティモールでは併合派を中心に東ティモール人約十万人が避難民として暮らしており、東ティモールの来年の独立へ向け帰還促進が大きな課題となっている。国連当局者は「今回の帰還で連鎖反応が起き、帰還が進むと期待している」と述べた。(了)[2001-09-11-16:48] 83
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 09/11@ABMで局面打開目指す 米ロ国防次官級協議(共同通信)

 【モスクワ11日共同】ミサイル防衛と戦略核削減を包括的に話し合う米国とロシアの国防次官級協議が十一日、モスクワで行われた。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改廃問題での局面打開が目的だが、米側はミサイル防衛構想などの詳細を固めきっていないとみられており、大きな進展は望み薄だ。
 協議にはファイス米国防次官(政策担当)とバルエフスキー第一参謀次長が出席。国防次官級としては八月のワシントン以来二度目で、今月下旬にイタリア・ナポリで行われる国防相会談の準備協議となる。
 ブッシュ米政権はアラスカ州で予定されるミサイル迎撃実験基地の来春着工をにらみ、十一月の米ロ首脳会談をめどに、ロシアから何らかの形でABM制限条約改廃への同意を取り付けたい考えだ。
 しかし条約維持を建前に掲げるプーチン政権は、米側がミサイル防衛構想の詳細と戦略核削減の具体的目標を明示していないことから「十一月までの合意は不可能」(チェルノフ安全保障会議副書記)としており、協議を急ぐ米国と、構想先送りを狙うロシアという構図が鮮明になっている。
 協議は十二日にも行われる可能性がある。十三日にはロンドンで外務次官級協議が行われる予定。(了)[2001-09-11-15:08] 95
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 09/11@<サウジアラビア>米国との軍事協議を拒否 英のアラビア語(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】ロンドン発行のアラビア語有力紙「アッシャルク・アルアウサト」は10日、サウジアラビアが駐留米軍に関し毎年、米政府と行っている軍事協議を、今年は拒否していると伝えた。イスラエル・パレスチナ紛争での米国のイスラエル寄りの姿勢に抗議するためとみられる。
 協議は湾岸戦争(91年)後、両国が毎年8月末に開いているもので、今年は8月29、30日の2日間予定されていた。しかし、サウジが米国に延期を通告。米国は期日の設定を求めているが、同紙によると、サウジ国防省はこれまでのところ、再設定も拒否しているという。
 サウジのファイサル外相は先週、訪問先のアンマンで「米国の対応にアラブ諸国はがまんの限度にきている。イスラエルの攻撃を止めさせるため、米国は責任を果たすべきだ」と米国の姿勢を強く批判しており、軍事協議の拒否も抗議の姿勢を示すものと考えられている。
 イラクがクウェートに侵攻した90年、サウジは米軍主体の多国籍軍の駐留を容認。現在でも、対イラク戦略の一環として米軍部隊約6000人が駐留し、ペルシャ湾岸防衛の米軍の重要拠点になっている。
 サウジでは健康状態の優れない親米派ファハド国王に代わり、アブドラ皇太子が実権を握っているが、アブドラ皇太子は同国王に比べアラブ寄りといわれる。また、サウジ国内ではイスラエル・パレスチナ紛争の激化で国民の反米感情が高まり、政府も米国追従一辺倒の政策を取れなくなっている。 [2001-09-11-10:10] 99
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 09/11@新生児死亡は年間400万人 米民間団体調査(共同通信)

 【ワシントン10日共同】世界中で少なくとも毎年四百万人の子供が生まれてから一カ月以内に死んでおり、その98%が発展途上国の子供だとの調査報告書を、米国の民間団体「セイブ・ザ・チルドレン」が十日、発表した。
 同団体は「過去十年間で五歳以下の子供の死亡率は低くなったが、新生児の死亡率はほとんど変わっていない」と指摘。十九日からの国連子供総会を前に、新生児を救うための積極的な取り組みを各国政府に呼び掛けた。
 セイブ・ザ・チルドレンによると、世界百六十三カ国の最新のデータなどから、少なく見積もっても、生後一カ月以内に年間四百万人の子供が死亡していることが判明。死産の数もほぼ同数と推定された。
 千人当たりの新生児の死亡率は日本などの先進国が二―四人程度なのに対し、サハラ砂漠以南のアフリカでは多くの国で四十人を超え、リベリアでは六十八人に達するなど南北格差が目立った。途上国では専門知識を持つ人が出産に立ち会うケースがほとんどなく、肺炎や破傷風などの感染症が死亡の最大の原因。
 報告書をまとめたアンソニー・コステロ医師は「一分間に八人近くの子供が死んでいる計算だ。簡単な衛生器具や母乳保育の充実など、わずかなコストで多くの新生児の命を救うことができる」と述べた。(了)[2001-09-11-09:39] 110
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 09/11@天声人語(朝日新聞)

 壮大な失敗だったか、ささやかながらも一歩を踏み出したのか。この国際会議についての評価は分かれる。何しろテーマが大きかった。たとえば「奴隷貿易や植民地支配について欧米は謝罪すべきかどうか」が議論になった▼国連が主催した「人種差別反対世界会議」である。南アフリカで開催された。「謝罪」という言葉を宣言に盛り込むかどうかをめぐって紛糾した。かつての奴隷貿易・奴隷制について、欧米に「謝罪」を要求するアフリカ諸国にたいし、当初西欧側は足並みがそろわなかった▼英紙によると、ポルトガル、スペイン、オランダの支持を得た英国が「謝罪」に反対した。なるほど、かつて順番に「世界支配」をした「帝国」連合である。ベルギーを中心にした11カ国は「謝罪やむなし」の方向だった。ところが途中アフリカ側が要求をエスカレートさせたため、反発を強めて英国案に傾いた▼米国は、といえば「途中退場」だ。イスラエル非難の動きに反発したといわれるが「奴隷問題」への思惑もあったようだ。この退場がアフリカ側を刺激して、要求強化につながったともいわれる▼コンゴから来たピグミーの女性は「私たちは人前で裸にされ踊りをさせられた」といまも続く差別を訴えた。そうした様々な訴えがあった。しかしそれらは大テーマの前にかき消されていく▼「謝罪」の件は、結局「遺憾」という妥協の表現に終わった。いろいろあいまいさを残したが、奴隷貿易など人類史の「汚点」を国際会議で論議するところまで来たのかという感慨も深い。[2001-09-11-00:28] 80 [このページの最初に戻る]


 09/11@25年で5500選手を輸出 サッカー大国アルゼンチン(共同通信)

 アルゼンチンの有力紙クラリンによると、同国から欧州など国外に移籍したサッカー選手は、1976年からの四半世紀で計5482人に上り、アルゼンチンはサッカー選手の「輸出大国」となっている。
 国外への移籍は、昨年は過去最高の445人。今年も既に345人に達している。総数はパラグアイへの699人を筆頭に、チリ、スペイン、メキシコ、コロンビアの順。国内勢で代表に選ばれているのはリバープレートに復帰したオルテガ1人という状況だ。
 移籍金の総額は8億ドル(約960億円、米国の物価上昇率を基にした時価換算)に達する。移籍した選手も、ケンペス、マラドーナ、バティストゥータら世界的なスターが名を連ね、最近では若手の星サビオラが同国最高の2200万ドル(約26億4000万円)でバルセロナに移っている。
 国別の移籍金総額では、スペインの2億7000万ドル(約324億円)を最高に、イタリア、フランス、英国、メキシコの順で、欧州が主力市場だ。
 しかし、高額の移籍金を手にしたはずの国内クラブは、軒並み赤字にあえぎ、選手や監督の給与の遅配が相次いでいる。1部リーグの20クラブの負債総額は3億6500万ドル(約438億円)に達するという。
 同紙は「クラブは非営利法人なのに、球技場の改善などファンサービスへの投資はわずか。巨額の移籍金収入はどこにいったのか」と問いかけ、クラブ経営の不透明さを指摘している。(ブエノスアイレス共同)(了)[2001-09-11-15:56]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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