最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(07/14, 2001)


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◆ 07/08@戦犯移送決定で政権危機 クロアチア4閣僚が辞意(共同通信)
◆ 07/08@クロアチアも戦犯移送へ 4閣僚が抗議辞任(共同通信)
◆ 07/08@判別困難な人工ダイヤ急増 技術向上で業界に危機感(共同通信)
◆ 07/08@アフリカからW杯持ち回り ブラッターFIFA会長(共同通信)
◆ 07/09@クロアチア、戦犯法廷移送決める 4閣僚が抗議辞任(朝日新聞)
◆ 07/09@<アルバニア>人民議会選決選投票 与党社会党は政権維持へ(毎日新聞)
◆ 07/09@<クロアチア>戦犯の引渡し巡り連立政府危機(毎日新聞)
◆ 07/09@<アルバニア>人民議会選決選投票も平穏に 与党有利変わら(毎日新聞)
◆ 07/09@ボスニアで200遺体発見 スレブレニツァの虐殺(共同通信)
◆ 07/09@戦犯移送決定で連立崩壊も クロアチア4閣僚が辞任(共同通信)
◆ 07/09@<邦人事故死>NGOメンバー男性 ケニアの難民キャンプ付(毎日新聞)
◆ 07/09@<国連小型武器会議>明石康氏が銃器廃棄式典に参加 カンボ(毎日新聞)
◆ 07/09@OAU最後の首脳会議が開幕(朝日新聞)
◆ 07/09@イラン新油田開発に米大手2社が参加検討(朝日新聞)
◆ 07/09@<国連小型武器会議>開幕 不法取引規制方法など討議(毎日新聞)
◆ 07/09@<OAU>ルサカで首脳会議開幕 アフリカ連合への移行が主(毎日新聞)
◆ 07/09@WTOの途上国対策に暗雲 サミットで具体案示せず(共同通信)
◆ 07/09@ユーロの次は「アフロ」か(共同通信)
◆ 07/09@○イワニセビッチの略歴=ウィンブルドンテニス(時事通信)
◆ 07/09@イワニセビッチが初優勝 ウィンブルドン(朝日新聞)
◆ 07/09@<テニス>ウィンブルドン男子S決勝 イワニセビッチが初優(毎日新聞)
◆ 07/10@ウィンブルドン男子単、イワニセビッチが初V(読売新聞)
◆ 07/10@<日英外相電話会談>バルカン情勢について協議(毎日新聞)
◆ 07/10@外相の外遊日程を了承(共同通信)
◆ 07/10@◎来年2月末に独立問う住民投票=モンテネグロ(時事通信)
◆ 07/10@<中東情報革命>「中東のCNN」 専制指導者ら無視できず(毎日新聞)
◆ 07/10@平和式典に国連事務次長(共同通信)
◆ 07/10@<アフリカ統一機構>アマラ・エシー氏を事務局長に選出(毎日新聞)
◆ 07/10@小型武器規制めぐりEUと米対立 国連 (朝日新聞)
◆ 07/10@国連小型武器会議、米の独自路線主張で波乱の開幕(読売新聞)
◆ 07/10@<国連小型武器会議>米代表が演説で宣言原案を批判 修正求(毎日新聞)
◆ 07/10@早くも文書骨抜きの恐れ 米の要求で小型武器規制(共同通信)
◆ 07/10@◎3年間、大統領職を均等分担=フツ人とツチ人和解へ進展−(時事通信)
◆ 07/10@国の戦争責任明記 広島の平和祈念館展示説明(朝日新聞)
◆ 07/10@<クローズアップ>歴史教科書修正問題 冷え込む隣国外交(毎日新聞)
◆ 07/10@<中東情報革命>ITの波、逆らえず 湾岸戦争報道が導火線(毎日新聞)
◆ 07/10@<中東情報革命>「中東のCNN」 専制指導者ら無視できず(毎日新聞)
◆ 07/10@<記者の目>新しい歴史教科書を読んで ソウル支局・澤田克(毎日新聞)
◆ 07/11@<記者の目>旧ユーゴ国際戦犯法廷 森忠彦(ブリュッセル支(毎日新聞)
◆ 07/11@<国連小型武器会議>規制反対の米が孤立 推進の欧州と対立(毎日新聞)
◆ 07/11@<京都議定書>「02年の発効目指す」 関係4省が会見(毎日新聞)
◆ 07/11@<全英テニス>優勝のクロアチア・イワニセビッチが凱旋(毎日新聞)
◆ 07/12@◎国外生活の皇太子に居宅を提供=王室取り巻く空気好転−ユ(時事通信)
◆ 07/12@◎米元司法長官、前ユーゴ大統領を支援 (時事通信)
◆ 07/12@<虐殺追悼式典>約5000人参加 ボスニア東部スレブレニ(毎日新聞)
◆ 07/12@解放軍が73の村を占拠 マケドニア (共同通信)
◆ 07/12@スレブレニツァで追悼式 ボスニア内戦の虐殺6周年(共同通信)
◆ 07/12@<社説>靖国神社 首相は参拝をやめるべきだ(毎日新聞)
◆ 07/12@<ミサイル防衛>ABM制限条約抵触の可能性 米国務省が覚(毎日新聞)
◆ 07/12@ブルガリアで元国王“返り咲き”首相就任へ(読売新聞)
◆ 07/12@チェチェンで露軍の残虐行為発覚、謝罪し捜査開始(読売新聞)
◆ 07/12@なぞの殺人集団が山里襲う アチェ、民族抗争誘発も(共同通信)
◆ 07/12@<国連小型武器会議>「子供が子供殺す」 ルワンダPKO元(毎日新聞)
◆ 07/12@<タリバン>アフガン実効支配政権の駐パキスタン大使と会見(毎日新聞)
◆ 07/12@<OAU>アフリカ連合(AU)への移行決め、首脳会議閉幕(毎日新聞)
◆ 07/12@銃規制NGOに脅迫メール 匿名報道要請の動き広がる(共同通信)
◆ 07/12@中国がロシア提案を支持(共同通信)
◆ 07/12@新組織の具体像は先送り 最後のOAU首脳会議閉幕(共同通信)
◆ 07/12@ブヨヤ氏が暫定大統領に ブルンジ(共同通信)
◆ 07/12@<小型武器>合法的な所有だけで5・5億丁 独立系調査機間(毎日新聞)
◆ 07/13@<ユーゴスラビア>英国亡命中の元皇太子に宮殿使用を承認 (毎日新聞)
◆ 07/13@<キッシンジャー氏>プーチン露大統領と会談 IOC総会で(毎日新聞)
◆ 07/13@◎田中外相のチェコ訪問に批判の声=14日から訪欧(時事通信)
◆ 07/13@イワニセビッチ選手らが戦犯引き渡しに抗議(読売新聞)
◆ 07/13@<旧ユーゴ戦犯法廷>カラジッチ氏逮捕命ずる 前ユーゴ大統(毎日新聞)
◆ 07/13@テニスのイワニセビッチが反対表明 クロアチアの戦犯移送(共同通信)
◆ 07/13@カラジッチ氏逮捕を命令 ミロシェビッチ前大統領(共同通信)
◆ 07/13@外相のチェコ訪問「公私混同では」と疑問視の声(読売新聞)
◆ 07/13@<東ティモール>「日本がPKF部隊派遣なら歓迎」 グスマ(毎日新聞)
◆ 07/13@紛争予防でG8文書採択へ 女性と企業の役割に焦点(共同通信)
◆ 07/13@「単一民族」発言にアイヌ民族有志が抗議集会(朝日新聞)
◆ 07/13@単一民族発言容認できない アイヌ有志が抗議集会(共同通信)
◆ 07/13@◎教科書問題、W杯に影響も=韓国組織委共同委員長が警告(時事通信)
◆ 07/13@ABM条約「露と協調、新たな枠組み」米補佐官(読売新聞)
◆ 07/13@<米ミサイル防衛>国防総省高官が新構想提示 議会証言で(毎日新聞)
◆ 07/13@<国連小型武器会議>英国が米国と全米ライフル協会を強く批(毎日新聞)
◆ 07/13@<ミサイル防衛>米国防副長官、迎撃技術開発「ABM抵触」(毎日新聞)
◆ 07/13@◎人道機関4トップが緊急援助要請=資金不足の深刻化裏付け(時事通信)
◆ 07/13@レッドスター招き10月実施 ストイコビッチ引退試合(共同通信)
◆ 07/14@<旧ユーゴ法廷>ミロシェビッチ夫人にビザ発給へ オランダ(毎日新聞)
◆ 07/14@旧ユーゴの戦犯被告1人、間もなく出頭か(朝日新聞)
◆ 07/14@前ユーゴ大統領夫人にオランダがビザ発給決定(読売新聞)
◆ 07/14@<クロアチア>戦犯被告1人は出頭を表明 1人は拒否(毎日新聞)
◆ 07/14@ボン合意不可能に COP6で米、議定書修正にも応じず(朝日新聞)
◆ 07/14@<サミット>反グローバリズムのNGOと伊政府が対立(毎日新聞)
◆ 07/14@<国連小型武器会議>「市民が銃を持つ権利」を主張する米が(毎日新聞)
◆ 07/14@東ティモールで15日、制憲議会選挙スタート(読売新聞)
◆ 07/14@<印パ会談>カシミール問題に悲観的 グジュラル印前首相(毎日新聞)
◆ 07/14@<東ティモール>暫定議会・国民評議会が解散(毎日新聞)
◆ 07/14@「同床異夢」の印パ首脳 訪問直前までジャブ応酬(共同通信)
◆ 07/14@主要争点で部分合意目指す 16日からボンで温暖化会議(共同通信)
◆ 07/14@米単独で核削減 米補佐官が方針示す (朝日新聞)
◆ 07/14@中ロの戦略関係より強固に 21年ぶり新友好条約調印へ(共同通信)
◆ 07/14@15日選挙運動開始 独立控えた東ティモール(共同通信)
◆ 07/14@米とEUの攻防白熱か 取引規制論議 国連小型武器会議(共同通信)
◆ 07/14@<米国防戦略>「2正面作戦」放棄 4本柱の戦略に転換 米(毎日新聞)
◆ 07/14@米、本土防衛を柱に新戦略(読売新聞)
◆ 07/14@◎奴隷4000人、金銭で解放=米の牧師らがスーダンで(時事通信)
◆ 07/14@国土防衛重視の米新戦略 大規模紛争は1カ所想定(共同通信)
◆ 07/14@<サミットインタビュー>クリス・パッテン 外交担当欧州委(毎日新聞)
◆ 07/14@<印パ首脳会談>「和平」アピール狙い カシミールなど進展(毎日新聞)
◆ 07/14@◎ホーム最終戦で涙のVゴール=ピクシー、最後まで妖精の動(時事通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 07/08@戦犯移送決定で政権危機 クロアチア4閣僚が辞意(共同通信)

 【ウィーン8日共同】クロアチア政府は七日夜、一九九○年代の独立紛争などに絡み、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されたクロアチア人戦犯の逮捕と戦犯法廷への移送を進めることを決めた。
 しかし、ラチャン首相(社会民主党)の連立政権を支えていた社会自由党のグラニッチ第一副首相ら四閣僚が決定に抗議し辞意を表明、政権は危機に陥った。
 首相は週明けにも議会(定数一五一)に政府の信任案を提出し、否決されれば辞任する意向を表明した。五党連立による現政権は、四十五議席を持つ社民党が主軸。主要な連立相手である社会自由党(二十三議席)のほか、野党クロアチア民主同盟(四十一議席)など右派が不信任に回れば、政権が崩壊する可能性もある。
 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領のハーグへの移送をてこに、戦犯法廷のデルポンテ主任検察官が、クロアチア軍人二人の引き渡しを強く求めていた。氏名は公表されていないが、一連の紛争でのセルビア人住民虐殺が捜査の対象になっていた。(了)[2001-07-08-15:36] 43
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 07/08@クロアチアも戦犯移送へ 4閣僚が抗議辞任(共同通信)

 【ウィーン8日共同】ザグレブからの情報によると、クロアチア政府は七日夜、一九九一年のクロアチア独立宣言に伴うユーゴスラビア連邦軍との内戦に絡み、旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されたクロアチア人戦犯を法廷側に引き渡すことを決めた。
 記者会見したラチャン首相(社会民主党)によると、約十時間に及ぶ閣議は、戦犯法廷に起訴された人物の逮捕と移送を進めることで合意。
 しかし、連立政権を支えていた社会自由党のグラニッチ第一副首相ら四閣僚が移送決定に抗議するため、辞任する考えを明らかにした。首相は来週、議会に政府の信任案を提出し、承認されなければ、辞任すると表明した。
 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の移送を受け、戦犯法廷のデルポンテ主任検察官が七日にクロアチアを訪問、軍人二人の引き渡しを求めていた。二人の名前は不明。(了)[2001-07-08-09:46] 150
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 07/08@判別困難な人工ダイヤ急増 技術向上で業界に危機感(共同通信)

 【ロンドン8日共同】八日付の英紙サンデー・タイムズは、ダイヤモンドの合成、加工技術の向上で、天然ダイヤとの判別が難しい人工ダイヤが急増し、世界の宝石市場を脅かしていると報じた。
 旧ソ連の崩壊で、ウクライナを中心とする工業用ダイヤ工場や研究所が生産設備を宝石用に改造。低品質の天然ダイヤにレーザー光で極小の穴を開け、中の不純物を酸で溶かしたり、強力な電子ビームを照射して高級ダイヤの特徴である青みを与える技術が開発されたことも理由だ。
 人工ダイヤの市場流入で、宝石業者さえも見分けられずにだまされて仕入れる事例が増加。一方、米フロリダ州の企業は「消費者は天然かどうかより見栄えを求めている」と、旧ソ連圏から機械を購入して自らダイヤ製造に乗り出し、既にテレビ通信販売を行っている。
 危機感を募らせるダイヤ世界最大手のデビアス(南アフリカ)は、天然物を判別する機械の開発に着手した。高価なダイヤには顕微鏡を使ってロゴを入れる計画だが、専門家からは「デビアスがやることは模造者もやる」と効果を疑問視する声も出ているという。(了)[2001-07-08-15:32] 152
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 07/08@アフリカからW杯持ち回り ブラッターFIFA会長(共同通信)

 【ブエノスアイレス7日共同】国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長は7日、当地で開かれた臨時総会で「ワールドカップ(W杯)の大陸持ち回り方式は、アフリカ大陸から始める」と明言した。開始年や順番などは、来年5月の総会(ソウル)までに詰めるとした。
 ISL倒産問題に関して、FIFAは会計監査の結果を公表するとした。世界的な日程統一について、各国リーグの試合は1月と7月を中心とした時期を除く、46日以内とする方式が来年から実施されると報告された。サッカーに関する争いを解決する第三者機関「国際サッカー仲裁裁判所」の設立も決めた。(了)[2001-07-08-09:13]
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 07/09@クロアチア、戦犯法廷移送決める 4閣僚が抗議辞任(朝日新聞)

 クロアチア政府は7日、国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴されている2人の被告を戦犯法廷に引き渡すことを閣議決定した。しかし連立内閣に加わる副首相ら4閣僚が抗議して辞任、総辞職に発展する恐れも出てきた。
 政府が逮捕と引き渡しを約束した2人は、戦犯法廷が逮捕を容易にするため「非公開起訴」されており、氏名は明らかにされていない。しかし現地からの報道によると、91年のクロアチアの独立宣言を機に始まった内戦でセルビア人弾圧にかかわった軍幹部と見られる。
 戦犯法廷のデルポンテ主任検察官は6日、首都ザグレブを訪れて引き渡しへの協力を政府に働きかけていた。これを受けて約10時間におよぶ緊急閣議が開かれた。
 ラチャン首相は、引き渡しを決めた閣議後の記者会見で「ほかに選択肢はない。協力しないことは世界での孤立を意味する」と語った。内戦後のクロアチアは欧米諸国との協調路線を重視しており、首相の発言は、ユーゴのミロシェビッチ前大統領が戦犯法廷に移送された現実を念頭に置いたものだ。
 今回の決定に抗議してグラニッチ副首相ら4閣僚が辞任したため、ラチャン首相は国会で信任投票を受ける方針を明らかにした。投票は今月中旬以降の見通し。副首相が所属する社会自由党などが不信任に回る場合は、内閣総辞職に追い込まれそうだ。[2001-07-09-19:08] 24
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 07/09@<アルバニア>人民議会選決選投票 与党社会党は政権維持へ(毎日新聞)

 アルバニアの人民議会(1院制国会、140議席)選挙は8日、100の小選挙区中、初回投票(6月24日)で過半数票獲得者のなかった44選挙区などで決選投票を行った。初回投票の際、33選挙区で勝利した与党・社会党のスポークスマンは「比例区(40議席割り当て)を含め85議席は獲得できる」と政権維持への自信を示した。中央選管の公式集計結果は11日に発表される。 【ローマ支局】 [2001-07-09-18:55] 25 [このページの最初に戻る]


 07/09@<クロアチア>戦犯の引渡し巡り連立政府危機(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】クロアチアの中道左派連立内閣は7日夜の緊急閣議で、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から起訴されているクロアチア人戦犯2人の逮捕と法廷側への身柄引き渡しを決めた。しかし、これを不服とした4閣僚が辞任、連立崩壊の危機が強まっている。ミロシェビッチ前大統領の引き渡し決定を巡って連立内閣が割れたユーゴ連邦政府と同じ図式となっている。
 ザグレブからの報道によると、ラチャン首相が「戦犯法廷への協力は欧州復帰に必要なステップだ。セルビアも前大統領引き渡しに応じている」と説明したのに対し、第2党の社会自由党のブディシャ党首は「起訴は大量虐殺や民族浄化など、受け入れられない内容を含んでいる」と反発している。
 ラチャン首相は内閣への信任投票実施を国会に要請するとしており、社会自由党が不信任票を投じれば、過半数を維持できない。ラチャン首相は少数派政権を維持するか、解散・選挙に踏み切るかの選択を迫られる。
 同戦犯法廷の起訴内容は公表されていないが、クロアチア軍が95年夏、セルビア人地域を奪回した「嵐作戦」で指揮を取った将軍2人とみられている。
 大半のクロアチアは同作戦を「セルビア人占領から祖国の大地を奪還した戦い」と受け取っており、2人の身柄引き渡しには国内世論の強い反発が予想される。
 クロアチアでは昨年1月の下院選挙で、野党の社会自由党と社会民主党を中心とする中道左派連合が勝利、4党連立のラチャン政権が誕生した。
 しかし、その後は経済改革が進まず、民族強硬派だった故ツジマン前大統領の設立したクロアチア民主同盟の支持が再び広がっている。今年2月に国内法廷が元将軍らを起訴した際には、10万人規模の反対デモが起きた。 [2001-07-09-10:40] 26
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 07/09@<アルバニア>人民議会選決選投票も平穏に 与党有利変わら(毎日新聞)

 【ローマ井上卓弥】アルバニアの人民議会(1院制国会、140議席)選挙は8日、100の小選挙区中、初回投票(6月24日)で過半数票獲得者のなかった44選挙区など約50カ所で決選投票を行った。
 全欧安保協力機構(OSCE)をはじめとする国際選挙監視団によると、暴力事件などの報告はなく、投票は平穏に終了した。中央選管の公式集計結果は11日に発表される。
 初回の投票では、欧米協調路線を進める与党・社会党が33選挙区、野党・民主党が17選挙区で勝利した。社会党のスポークスマンは「比例区(40議席を割り当て)を含めて85議席は獲得できる」と政権維持への自信を示した。 [2001-07-09-10:35] 27
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 07/09@ボスニアで200遺体発見 スレブレニツァの虐殺(共同通信)

 【ウィーン8日共同】サラエボからの報道によると、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時の行方不明者捜索委員会は八日、セルビア人勢力に虐殺され埋められたイスラム教徒二百以上の遺体が同国東部で見つかったことを明らかにした。
 国連の安全地域に指定されイスラム教徒が逃げ込んでいたスレブレニツァで、一九九五年七月に起きたセルビア人勢力によるイスラム教徒約八千人の大量虐殺事件の犠牲者とみられている。
 遺体はユーゴスラビアとの国境に近いリプリェで見つかったが、内戦終結をもたらした九五年十一月のデートン合意直後に、当初の埋葬場所からリプリェに埋め直されたとみられている。(了)[2001-07-09-10:05] 28
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 07/09@戦犯移送決定で連立崩壊も クロアチア4閣僚が辞任(共同通信)

 【ウィーン8日共同】クロアチア政府は七日夜の閣議で、一九九○年代の独立紛争などで旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴されたクロアチア人戦犯の逮捕と戦犯法廷への移送を進めることを決めた。
 決定に対し、ラチャン首相(社会民主党)の連立政権を支えていた社会自由党のグラニッチ第一副首相ら四閣僚が抗議して辞任。クロアチア民族主義者だったツジマン大統領の死去を受け、昨年一月に民主化を掲げて誕生した中道左派の連立政権は崩壊の危機に直面した。
 首相は、近く議会(定数一五一)に政府の信任案を提出し、否決されれば辞任すると表明。現政権は四十五議席を持つ社民党が主軸で、主要な連立相手である社会自由党(二十三議席)のほか、野党クロアチア民主同盟(四十一議席)など右派が不信任に回れば、前倒し選挙も予想される事態となった。
 メシッチ大統領は八日、国際的義務を果たすのは当然だとして国民の理解を求めた。しかし、戦犯とみられる人物を英雄視する国民も多く、政権が存続しても社会混乱につながる恐れがある。
 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領のハーグ移送をてこに、戦犯法廷のデルポンテ主任検察官がクロアチア軍人二人の引き渡しを強く求めていた。氏名は公表されていないが、一連の紛争でのセルビア人住民虐殺が捜査の対象になっている。(了)[2001-07-09-09:46] 69
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 07/09@<邦人事故死>NGOメンバー男性 ケニアの難民キャンプ付(毎日新聞)

 ケニアのカクマにある非政府組織(NGO)などに9日までに入った連絡によると、カクマの難民キャンプ付近で7日午前、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の下で活動していたNGOメンバーの高村憲明さん(25)=栃木県出身=の車が横転、高村さんが車外に投げ出され胸などを強く打ち死亡、子供を含む同乗の11人が重軽傷を負った。
 現地のNGOなどによると、難民キャンプから子供たちを乗せて地区の運動会の会場に向かう途中、道路の陥没を避けようとしてハンドル操作を誤り横転、車の下敷きになったらしい。
 高村さんは昨年、日本のNGO団体に派遣され、子供たちのスポーツ活動などを指導していた。カクマで活動する唯一の日本人だったという。(ナイロビ共同) [2001-07-09-23:50] 70
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 07/09@<国連小型武器会議>明石康氏が銃器廃棄式典に参加 カンボ(毎日新聞)

 92―93年にカンボジアで総選挙などを実施した国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石康・元代表が9日、同国コンポンチナンで行われた銃器の廃棄式典に日本の非政府組織(NGO)代表として参加、政府関係者や地元の人の歓迎を受けた。
 明石氏は「8年ぶりに帰ってくることができて、うれしく思う。今後もカンボジアの平和と民主主義の確立のためのお手伝いを続けたい」と述べ、ソク・アン首相府相らとともに7000丁近い銃器の山に火を付けた。
 式典後、明石氏は記者団に対し「人々の表情の明るさや街の発展の様子を見て、国連がやったことは良かったと思う」などとにこやかに語った。
 明石氏は8日夜にカンボジア入り。11日までの滞在中、シアヌーク国王やフン・セン首相とも会談する。
 カンボジアには長い内戦で世界中から銃器が流入。98年からこれまでに12万丁近くが集められ、外国のNGOなどの支援で半分近くが廃棄されている。(コンポンチナン・カンボジア共同) [2001-07-09-23:40] 77
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 07/09@OAU最後の首脳会議が開幕(朝日新聞)

 アフリカ統一機構(OAU)の首脳会議が9日、ザンビアの首都ルサカで始まった。OAUはこの会議で38年間の活動に幕を閉じ、大陸の統合を目指すアフリカ連合(AU)として新たに出発することになる。
 AUは元々、リビアのカダフィ大佐の唱えた「アフリカ合衆国」構想が下地になったが、より緩やかな欧州連合(EU)型の組織を目指す。来年には議会や裁判所の組織が整う見通し。本部はOAU同様、アディスアベバに置かれる。
 OAUは、エチオピア、エリトリア紛争を調停するなど最近はアフリカの紛争防止に重要な役割を果たした。しかし、独裁政権や貧困の排除のための策に乏しかったとも批判される。[2001-07-09-21:48] 79
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 07/09@イラン新油田開発に米大手2社が参加検討(朝日新聞)

 日本の石油大手が主導することが決まったイラン南西部のアザデガン油田の開発に、米国石油大手2社が参加を検討していることが9日明らかになった。イラン、日本の両国政府高官は米企業との協力を歓迎。ブッシュ政権が対イラン経済制裁の緩和を模索するなか、アザデガン油田の開発を通じ、長年敵対してきた米国とイランが再接近する可能性が浮上している。
 イラン石油省のカゼムプール・アルダビリ次官は9日、日本人記者団との会見でアザデガン油田開発計画について「(米国の石油大手の)コノコとエクソン・モービルが興味を示している」と語り、数年後に米企業が加わる可能性を指摘した。
 同次官は「米国企業と競合する欧州勢は、現在の独占的な地位を失いたくない。日本が主導する開発計画の方が、米国企業にとって参入しやすい」とも語り、日本に優先交渉権を与えた背景に、米企業への配慮があることを示唆した。
 日本側も米国企業の参加を示唆。8日にテヘランで油田開発に向けた共同声明に調印した平沼赳夫経済産業相は「日本、欧州、米国がしっかり協力することが基本だ」と語り、イランのザンガネ石油相も同意したことを明らかにした。
 日本側は、イランでの油田開発の経験が豊富な欧州の石油大手、ロイヤル・ダッチ・シェルと共同で投資する方針。イラン側は、本格操業まで14年かかるというこの巨大事業に米企業が加わることで、イランの石油開発の国際競争力を高めると同時に、米国との関係改善の動きを加速させたい考えだ。
 ハタミ政権が97年に誕生して以来、欧州の石油大手はイランの石油・ガス開発への大型投資を連発している。米国の経済措置に縛られて足踏みする米企業をしり目にイラン市場を独占。先月末には、イタリア政府系のENI(炭化水素公社)がイラン政府との間で南西部の別の油田の開発契約を結んだばかりだ。
 米下院外交委員会は先月、期限切れを8月に迎える対イラン・リビア制裁強化法(ILSA)を5年間延長する法案を可決。石油業界と関係が深いブッシュ政権だが、イランとの関係改善に踏み出せないでいる。
 ザンガネ石油相は8日の会見で「ILSAはイランに何の影響も与えない。米国企業に対して機能しているだけだ」と述べ、イランへの進出を阻むこの法律が形がい化していることを強調した。[2001-07-09-21:06] 85
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 07/09@<国連小型武器会議>開幕 不法取引規制方法など討議(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国際的な規模でけん銃や自動小銃の規制・削減を図る初の国連小型武器会議が9日、国連本部で開幕した。20日まで2週間にわたり不法取り引きの規制方法などについて話し合う。人類の武器との戦いの歴史に新たなページを刻むことになるが、利害の異なる大量輸出国などと非輸出国、被害国が激しく対立しており、意見調整できるかどうか予断を許さない。
 会議には日本の杉浦正健・副外相ら各国の副大統領、外相、閣僚級高官と国際機関代表が出席。約120人が演説するほか、非政府組織(NGO)代表も参加し、本会議で声明を発表する。議長はコロンビアのレイエス・ジュネー部常駐代表が、副議長は日本の元軍縮大使、堂之脇光朗・外務省参与が務める。
 準備委員会は既に(1)不法取り引き規制(2)輸出規制(3)武器ブローカーの活動規制(4)余剰武器の回収・破壊(5)軍用武器の個人所有禁止――を柱にした政治宣言(行動計画)の原案を作成しており、最終日の採択を目指す。
 しかし、主要国の意見対立は厳しい。欧州連合(EU)や日本、小型武器が拡散しているアフリカ諸国、ゲリラとの対決で武器対策を望む中南米諸国は、規制を積極的に支持している。一方、米国、ロシア、中国など武器輸出国や、国内の治安対策に比重を置くインドネシア、中東問題を抱えるアラブ諸国は、銃の規制が「国家の自衛権を脅かす」と反発し、消極的な姿勢だ。
 特に米国は、一部の州で市民が自衛のため軍用武器を持つことを認めていることもあり、政治宣言案の中の「軍用武器の個人所有禁止」を批判、削除を求めている。
 2週間に及ぶ会議は、対立軸をより鮮明にさせるだろう。論議の展開次第では政治宣言案の大幅修正を迫られたり、最悪の場合、宣言を採択できなくなる懸念もある。逆に調整に成功し、具体的な規制措置に乗り出すことができれば、拘束力の強い条約の策定を求める声も高まるだろう。 [2001-07-09-20:15] 94
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 07/09@<OAU>ルサカで首脳会議開幕 アフリカ連合への移行が主(毎日新聞)

 【ルサカ城島徹】アフリカ統一機構(OAU、53カ国加盟)の第37回首脳会議が9日、ザンビアの首都ルサカで開幕した。OAUに代わるアフリカ連合(AU)への移行が主要議題で、会議は3日間。
 AUは、欧州連合(EU)をモデルに政治、経済、社会の統合を図るためアフリカ全体の議会、裁判所、中央銀行などの創設を目指す。経済のグローバル化から取り残された危機感を背景に、今年5月までにOAU加盟国の3分の2を超える国が創設規約を批准している。
 しかしコンゴ民主共和国(旧ザイール)やアンゴラなどの紛争問題やエイズ対策などアフリカには課題が山積しており、構想と現実とのギャップも指摘されている。
 会議ではこのほか、OAU主要加盟国で策定中の「ミレニアム・アフリカ再生計画(MAP)」を承認しアフリカの結束をアピールする模様だ。MAPは(1)情報技術(IT)を含むインフラ整備(2)エイズを含む感染症対策(3)教育と人材育成――などが柱。今月20日から開催する主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)で提起し、先進国の支援を求める狙いがある。 [2001-07-09-19:05] 97
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 07/09@WTOの途上国対策に暗雲 サミットで具体案示せず(共同通信)

 今月下旬の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)で、主要議題となる世界貿易機関(WTO)の次期多角的貿易交渉(新ラウンド)について、日米欧の主要七カ国(G7)が、交渉の早期開始のカギを握る途上国対策の具体案を打ち出すのが困難な見通しになってきた。
 ブッシュ米政権の発足やイタリアの政権交代の影響で、具体案をめぐる調整が遅れているため。
 G7はサミット首脳声明で、新ラウンドを十一月のWTO閣僚会議で始める決意を表明する。これに合わせて、WTO加盟国の大半を占める途上国側が求めている輸出補助金の撤廃義務緩和など具体案のとりまとめも進めていた。
 新ラウンド開始に向けた途上国の要望は、補助金の撤廃義務緩和以外に、@途上国が得意とする繊維貿易の自由化前倒しA先進国側の輸入障壁になりかねない環境問題を交渉議題としない―などが柱だが、扱いをめぐりG7で意見が一致していない。
 九日までに固まった首脳声明の原案は「(輸出補助金や繊維貿易をめぐる現行WTO協定の実施の問題への)途上国の懸念を認識し、(その緩和策を)検討」などの表現で途上国への配慮を示したものの、具体策には踏み込めなかった。
 G7はサミット終了後から日米欧とカナダの四極を中心に途上国対策の取りまとめを進めるが、場合によっては十一月の閣僚会議直前までもつれ込みそうだ。(了)[2001-07-09-17:46] 138
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 07/09@ユーロの次は「アフロ」か(共同通信)

 【ルサカ8日共同】ザンビアのサンデー・タイムズ紙は八日、欧州単一通貨ユーロに続き、アフリカ版の単一通貨「アフロ」が導入される可能性があると報じた。
 アフリカ統一機構(OAU、五十三カ国)は政治と経済の統合に向け、アフリカ連合(AU)に生まれ変わる予定。同紙は「AUにはさまざまな可能性があり、単一通貨導入もその一つ。単一通貨は『アフロ』として知られることになるのではないか」と伝えた。
 しかし、多くの国が巨額債務に苦しみ、各国間の経済格差も大きい中で、経済統合を進めるのは極めて困難で、アフロ誕生は、相当先のことになりそうだ。(了)[2001-07-09-09:07] 17
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 07/09@○イワニセビッチの略歴=ウィンブルドンテニス(時事通信)

 ゴラン・イワニセビッチ(クロアチア) 強力なサーブを武器に92、94、98年のウィンブルドン選手権で準優勝。92年バルセロナ五輪ではクロアチアの旗手を務め、単複銅メダルを獲得した。過去5度、サービスエースの年間ツアー最多を記録。94年に世界ランク2位に上がったが、昨年は左肩痛の影響で129位まで落ちた。スプリト生まれの29歳。193センチ、81キロ。(時事)[時事通信社][2001-07-09-23:26] 20 [このページの最初に戻る]


 07/09@イワニセビッチが初優勝 ウィンブルドン(朝日新聞)

 テニスのウィンブルドン選手権最終日は9日、英・ウィンブルドンのオールイングランドクラブで行われ、男子シングルス決勝は昨年準優勝の第3シード、パトリック・ラフター(豪)と推薦出場の世界ランク125位、ゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)がともに初優勝をかけて対戦。6−3、3−6、6−3、2−6、9−7のフルセットで勝ち、初優勝した。優勝賞金は50万ポンド(約9000万円) 今大会は、雨の影響で昨年に続いて大会日程が1日延長され、男子シングルスと混合ダブルスなどが月曜開催となった。[2001-07-09-23:24] 80 [このページの最初に戻る]


 07/09@<テニス>ウィンブルドン男子S決勝 イワニセビッチが初優(毎日新聞)

 【ウィンブルドン(英国)笠原敏彦】テニスのウィンブルドン選手権は最終日の9日、オールイングランド・クラブで男子シングルス決勝を行い、主催者推薦でノーシードから勝ち上がったゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)が、第3シードのパトリック・ラフター(オーストラリア)を6―3、3―6、6―3、2―6、9―7でフルセットの末に破って初優勝を果たし、賞金50万ポンド(約9000万円)を獲得した。
 イワニセビッチはウィンブルドン4回目の決勝進出で、念願の4大大会初優勝。主催者推薦の選手が、4大大会の男子シングルスを制したのは史上初。クロアチアの選手としても初の4大大会制覇となった。
 ラフターは昨年に続いて準優勝に終わった。
 ウィンブルドン史上に刻まれる死闘だった。3時間近い戦いに幕が引かれた瞬間、イワニセビッチはコートに倒れ込んで喜びを表現した。
 今大会で決めたサービスエース213本は新記録。そのため「サーブの一発屋」(ジョン・マッケンロー)と批判されたが、決勝では別人のようにサーブアンドボレーやレシーブに鋭い切れを見せた。
 互いに譲らず、ファイナルセットも7―7で迎えた第15ゲームがポイントになった。ラフターのサーブに対し、イワニセビッチは2本連続でリターンエースを決め、このゲームをブレーク。勝利への階段を駆け上がって行った。
 低いトスでレフトハンドから繰り出すサーブは強烈なだけでなく、コースを予測しにくい。プレッシャーを受けたラフターはファーストサーブが思うように決まらず、競り勝てなかった。
 試合前、イワニセビッチは言っていた。「夢の中で天使から『ウィンブルドンで優勝させてあげるけど、二度とラケットを握ってはいけない』とささやかれても、優勝を選ぶ」
 今大会は左肩に爆弾を抱え、毎夜、痛み止めの錠剤を飲んでのタイトル挑戦だった。その気迫が、ラフターをしのいだのかもしれない。試合後、スタンドの家族のもとに駆け寄ったイワニセビッチの目には薄く涙がにじんでいた。
 イワニセビッチ (4度目の決勝で初優勝)夢が現実になった。人生で最高の日だ。2番目は尊敬されても、2番目でしかない。本当にこの優勝がほしかった。
 ラフター 試合に勝ち負けはつきもので、今日はゴランの方へ行った。彼は努力を重ね、素晴らしいプレーをした。彼は優勝に値する。 [2001-07-09-21:00] 13
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 07/10@ウィンブルドン男子単、イワニセビッチが初V(読売新聞)

 【ウィンブルドン(英)9日=助川武弘】テニスのウィンブルドン選手権最終日は9日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで男子シングルス決勝が行われ、推薦出場で4度目の決勝進出のゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)が、第3シードのパトリック・ラフター(豪)を6―3、3―6、6―3、2―6、9―7で破り初優勝、優勝賞金50万ポンド(約9000万円)を獲得した。推薦出場の選手の優勝は大会史上初めて。イワニセビッチは4大大会初制覇。
 ラフターは2年連続で準優勝に終わった。
 ◆見事な復活劇、男泣きして父親に抱きつく◆
 勝つたびにシャツを脱ぎ捨てる派手なパフォーマンスで観客をわかせてきたイワニセビッチだが、決勝ばかりは違った。優勝して男泣きで観客席に飛び込み、父親に抱きついた姿は、過去3回の決勝で味わった悔しさが、いかに大きかったかを物語っていた。
 1つのミスが大きく響くビッグサーバー同士の対戦で、緊張の糸が切れそうな瞬間は何度もあった。サーブが外れてブレークを許した第4セットでは、ラケットを振り捨てて怒りをあらわにした。
 それでも、痛みが消えない左腕が縮らなかったのは、「最後のチャンスかもしれない」という29歳の執念か。8―7とした最終セット、3本のサーブミスの後に2本連続でエースを決めてマッチポイント。2度のダブルフォルトをしながらも、強烈なサーブで4度目のマッチポイントをものにした。
 27本ものエース、16のダブルフォルトは、唯一かつ最大の武器である左肩に思いをこめ続けた結果だろう。「この先の人生で何が起ころうと、私はウィンブルドン王者だ。このまま永久にセンターコートにいたい」。最初の決勝から9年、故障でどん底に沈んだランク125位は、主催者推薦からの見事な復活劇を果たした。(助川 武弘)
 ◆イワニセビッチがサービスエースの記録更新
 決勝で27本のエースを記録して今大会通算数を213本とし、1992年に自身が成し遂げた206本の大会記録を大幅に更新した。[2001-07-10-00:29]
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 07/10@<日英外相電話会談>バルカン情勢について協議(毎日新聞)

 田中真紀子外相は10日、英国のストロー外相と、バルカン情勢を中心に電話で協議した。田中外相はローマで開かれる主要国首脳会議(サミット)外相会議前のユーゴスラビア訪問の意向を表明。ストロー外相は政府と武装組織の間で紛争が続いたマケドニア情勢について「EU(欧州連合)がマケドニアに圧力をかけ、危機が回避できた」などと説明した。田中外相は「ローマでは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、インドネシアについても意見交換をしたい」と述べた。 [2001-07-10-20:05] 3 [このページの最初に戻る]


 07/10@外相の外遊日程を了承(共同通信)

 田中真紀子外相は十日の閣議で、チェコ、ユーゴスラビア連邦両国訪問とローマでの主要国(G8)外相会合出席のため十四日から二十日まで外遊する日程を報告し、了承された。
 十四日に日本を出発し、チェコのプラハを訪問。十六日にユーゴスラビアのベオグラード入りし政府要人と会談する。十七日にはローマに移り、十八、十九日のG8外相会合に臨む。(了)[2001-07-10-10:36] 6
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 07/10@◎来年2月末に独立問う住民投票=モンテネグロ(時事通信)

 【ウィーン9日時事】ベオグラードの有力ラジオ局B92によると、ユーゴスラビア連邦を構成しているモンテネグロ共和国政府は9日、連邦からの独立を問う住民投票を来年2月末に実施することを決定した。政府は今後60日以内に、住民投票実施に向けた法案を整備することも決めた。 [時事通信社][2001-07-10-06:18] 9 [このページの最初に戻る]


 07/10@<中東情報革命>「中東のCNN」 専制指導者ら無視できず(毎日新聞)

 紛争や戦火が絶えない中東が、衛星放送やインターネットなどを主体とする情報技術(IT)革命の荒波に揺れている。西側文化の大量流入で変容を迫られるアラブ諸国やイラン、新たな対応を模索するイスラエルの現状を追った。
 「人権を尊重しなければこうなるという、アラブの指導者へのメッセージだ」(ジュネーブ在住のアルジェリア人政治学者)
 「西欧社会は人権を振りかざす新たな独裁主義に陥った」(パリ在住のモロッコ人政治学者)
 今月3日夜。中東全域をエリアとするアラビア語衛星放送、アルジャジーラ・テレビは、オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷でこの日、ミロシェビッチ前連邦大統領に対する初公判が開かれたのを受け、アラブ諸国の指導者が同法廷で裁かれる場合を想定した討論番組を生放送した。
 96年11月の放送開始以来、欧米並みに自由な論調の24時間ニュース・チャンネルを売り物に人気を博し、「中東のCNN」の異名を取る。
 番組では視聴者からのメールや電話も紹介された。
 「指導者非難には臆病な自分が恥ずかしい」
 「次の標的はイラクのフセイン大統領だろう。だが、(国連制裁解除に反対し、)イラクの子どもたちを皆殺しにしている米大統領は訴追されない」
 従来、政権批判は逮捕や弾圧の対象とされることが多かったアラブ諸国では異例の内容だ。
 民主化推進を掲げるペルシャ湾岸の小国・カタールの国家元首、ハマド首長が支援し、政府が設立資金を貸し付けた。英BBCのアラビア語放送の製作に関わってきたアラブ人らが製作の主体を担う。
  ◆  ◆  ◆
 反体制派を番組で生出演させることも多く、リビア、モロッコ、チュニジアは同局の姿勢を批判、自国の駐カタール大使を召還した。
 イスラエルとパレスチナの衝突が激しさを増した昨年10月には、イスラエルに厳しい姿勢を打ち出さないエジプト政府を批判。エジプト政府はカタール在住の同局アンカーマンへの”懲罰”の意味を込め、エジプト国内で活動する実弟の歌手を国外退去処分にした。
 カタール政府に寄せられたアラブ各国からの抗議は「放送開始以来、200件以上」(カタール外務省)といわれるが、局の幹部は「政府からの圧力は一切ない」と明かす。同局は小国・カタールが国際社会での地位を高めるための外交カードになりつつある。
  ◆  ◆  ◆
 99年12月21日深夜、カタールの首都ドーハのジャジーラ・テレビ本社。ムバラク・エジプト大統領が突然、姿を現した。
 局内を見学を終えた大統領は「このアラブの“お騒がせ者”は、こんなマッチ箱のような所から報道しているのか」と予想以上にこじんまりした建物の印象を語り、周囲を笑わせた。
 専制的なアラブの指導者がさえ、その影響力を無視できなくなっているのだ。同局の人気アンカーマン、アルカシム氏は「初めのころはあまり刺激的なことを話してはと内心ためらった。だが、最近は抗議も減り、遠慮く話せる雰囲気が出てきた」と振り返る。
  ◆  ◆  ◆
 アルジャジーラ・テレビの成功を機に、アラブ諸国では同様の衛星放送が増え始めた。
 これに対抗し、イスラエルは今年6月初め、外務省、イスラエル放送協会などが連携し、アラブ諸国向けにアラビア語による衛星放送開始を決定した。今秋をめどに、まずは1日6時間のニュース放送を開始する方針だ。
 かつて驚きを持って受け止められたアルジャジーラ・テレビの報道が、アラブ社会に許容された現状を見て取ったイスラエルは今、衛星放送を介した新たな情報戦を仕掛けようとしている。【中東問題取材班】 [2001-07-10-00:55] 3
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 07/10@平和式典に国連事務次長(共同通信)

 広島市は十日、来月六日の平和記念式典に大島賢三国連緊急援助調整官室長(事務次長)が参列すると発表した。
 同市は、二十一世紀最初の式典にアナン事務総長の参列を要請していたが、既に予定が入っていたため、大島氏が代理で参列、アナン氏のメッセージを代読する。
 同市によると、国連本部からの式典出席は一九九五年のリード事務総長特別代表以来。大島氏は広島市出身で、二歳の時に被爆したという。(了)[2001-07-10-20:43] 13
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 07/10@<アフリカ統一機構>アマラ・エシー氏を事務局長に選出(毎日新聞)

 【ルサカ城島徹】ザンビアの首都ルサカで開催中のアフリカ統一機構(OAU)首脳会議は9日深夜、サリム事務局長の後任に元コートジボワール外相のアマラ・エシー氏(57)を選出した。
 エシー氏は70年代から国連外交に携わり、94年、第49回国連総会議長に就任。96年の国連事務総長選ではアナン事務総長らとともに候補者となった。外相としてリベリアやアンゴラ内戦の和平交渉で調停役を務めた。
 エシー氏は「1年以内に新組織(アフリカ連合)の基礎作りをするよう全力を尽くしたい」と述べた。 [2001-07-10-18:55] 36
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 07/10@小型武器規制めぐりEUと米対立 国連(朝日新聞)

 ニューヨークの国連小型武器会議が9日開幕し、小型武器のはんらんに歯止めをかけようとする欧州連合(EU)に対し、米国が「個人の権利として憲法で確立されている民間人の武器所有を禁止するようなことには加われない」などと、自国の立場を強く主張して冒頭から対立した。
 全会一致で議長に選ばれたコロンビアのレイエス駐ジュネーブ代表部大使は「人々の将来の安全や生存がかかっている」と述べ、年間に50万人もの死者を出している深刻な現実を指摘して国際社会が一致して行動する必要を訴えた。
 これに続く各国演説で、欧州連合(EU)や東欧諸国などを代表してベルギーのミシェル副首相兼外相が「具体的な行動計画が必要である。輸出規制、武器へのマーキング(刻印)などの実施だ」と唱えた。
 さらに、オランダのファンアールツェン外相は「国家以外の組織や集団への武器供給禁止も必要だ」などと地球規模で輸出入規制を強めることを提唱した。
 これに対し、米国のボルトン国務次官(軍縮担当)が「世界各地の紛争地で暴力や犠牲を生んでいるのは軍用武器だ。この軍用武器と市民が所有、使用する狩猟用ライフルやピストルなどの火器を区別すべきだ」と小型武器をひとまとめに論じることを批判した。
 さらに、論議はあくまで不法取引に絞るべきだとして「(最終日の20日に採択するため、準備されている)行動計画案のいくつかは支持できない」と(1)合法的な武器取引や生産の規制(2)民間人の小型武器所有の禁止(3)武器取引を国家・政府のみに制限する−−などの案に反論した。
 日本の杉浦正健・外務副大臣は「小型武器は『人間の安全保障』を脅かしている」と指摘、コンセンサス(全会一致)による行動計画採択の重要性を力説した。[2001-07-10-11:12] 41
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 07/10@国連小型武器会議、米の独自路線主張で波乱の開幕(読売新聞)

 【ニューヨーク9日=松浦一樹】短銃や機関銃など小火器・軽兵器の非合法取引の阻止を目指す国連小型武器会議が9日、ニューヨークの国連本部で開幕した。初日は、24か国の代表演説が行われたが、米政府代表が、「『武器を所持する権利』を保障する米国憲法に反する宣言案は支持できない」と明言するなど早くも、独自路線を取る姿勢を示し、会議は波乱含みの幕開けとなった。
 会議には、約140か国の政府代表や民間活動団体(NGO)が参加。最終日の20日には、小型武器の輸出規制や、製造元を明らかにするマーキング(刻印)の徹底など、小型武器の非合法取引を防ぐための行動計画を盛り込んだ宣言を採択することにしている。
 この中で、ジョン・ボルトン米国務次官が問題視したのは、「市民による小型武器所有の禁止を検討する」との宣言案の1条項で、米国憲法を盾に、受け入れの拒否を表明した。また、小型武器の輸出相手を「政府や政府機関に限る」とする輸出規制策についても、「圧政下にある非国家グループへの支援を阻むことになる」として削除を要求し、規制強化を望む欧州やアフリカ諸国の反発を招いた。
 こうした事態を受け、会議の提唱国である日本の杉浦正健副外相は9日、ルイーズ・フレシェット国連副事務総長との会談で、「政治宣言がまとまらなければ、国際社会の信任を失う」として懸念を表明、国連事務局に宣言取りまとめのための協力を要請した。 [2001-07-10-10:31] 47
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 07/10@<国連小型武器会議>米代表が演説で宣言原案を批判 修正求(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】ニューヨークで開催中の国連小型武器会議の本会議で9日、米国代表のボルトン国務次官(軍備管理・安全保障担当)が「わが国の憲法は、市民が武器を所有する権利を保護している」と演説、小型武器の規制・削減を求める政治宣言(行動計画)原案を厳しく批判し、大幅修正を求めた。代表演説でいきなり修正を求めるのは異例で、米国が会議批判勢力の先頭に立つ形になった。
 ボルトン次官は「米国は狩猟と射撃競技を伝統文化として持つ国だ」と述べた上で、宣言原案の中の「市民の武器所有禁止」を求める段落を削除するよう求めた。
 さらに次官は「武器取引は政府間に限定する」という部分を批判。「大量虐殺を行うような政府に抑圧されている反政府組織に(武器を送るといった)支援ができなくなる」と指摘した。
 また、宣言原案が「06年までに、行動計画の実施状況を調べるための再検討会議を開く」と規定している部分も批判、再検討会議は定期化せず「必要に応じて加盟国が開催を決めれば良い」と主張した。
 これに対し日本の杉浦正健・副外相は、再検討会議を待たず、来年初頭に日本で専門家会議を開催したいと呼びかけた。演説後の記者会見で、杉浦副外相は「国連の活動は各国の憲法上の制約を尊重せざるを得ない」と語り、宣言案の修正もありうることを示唆した。
 一方、オランダのファンアールツェン外相は「再検討会議は06年まで待つべきでない。2年ごとに開催せよ」と訴え、米国と正面から対立する形になった。
 中国の王英凡国連大使も演説で「各国の主権尊重」を訴え、内政干渉につながる規制に反対する姿勢を示唆した。しかし、宣言批判には踏み込んでおらず、米国の強硬姿勢がより際立つ形になった。 [2001-07-10-10:05] 48
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 07/10@早くも文書骨抜きの恐れ 米の要求で小型武器規制(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】九日からニューヨークの国連本部で始まった国連小型武器会議で、米国が小型武器の取引規制の核心となる部分の削除、修正要求を突き付けたことから、最終日に採択される予定の政治文書が「骨抜き」となる懸念が早くも出てきた。
 今回の会議は、これまで野放しだった小型武器の取引を世界規模で強化するのが目的。このため政治文書案には@合法的製造と取引の促進A取引を政府間に限定B実施状況を見直す再検討会議の開催―などが盛り込まれている。
 これに対し、ボルトン米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)はことごとく削除または修正を要求。特に市民の武器所有の禁止問題では、米国憲法に抵触するとして「このままでは文書の採択には応じられない」と言明した。
 米側の強硬姿勢に対し、レイエス議長(コロンビア)は同日の会見で「さまざまな意見があるが、文書の採択に期待している」と述べたが、現実に採択するには米側の要求を受け入れざるを得ないのが現状。
 しかし、規制の重要部分を大幅緩和すれば「無意味な文書になる」(国連外交筋)のは確実で、非政府組織(NGO)からは「会議の行方は悲観的だ」との声が出始めている。(了)[2001-07-10-08:20] 56
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 07/10@◎3年間、大統領職を均等分担=フツ人とツチ人和解へ進展−(時事通信)

 【ルサカ(ザンビア)8日AFP=時事】内戦を続けていた中部アフリカ・ブルンジの多数派フツ人と少数派ツチ人の和解に向け、仲介役を務める南アフリカのマンデラ前大統領は8日、両勢力が3年間、暫定的に大統領職を分担することで合意したと語った。 [時事通信社][2001-07-10-03:37] 57 [このページの最初に戻る]


 07/10@国の戦争責任明記 広島の平和祈念館展示説明(朝日新聞)

 広島市中区に建設中の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の展示説明文の中に、国の戦争責任を明記する案を厚生労働省が広島市に伝えていたことがわかった。戦後50年の95年、当時の村山富市首相が発表した談話に基づき、太平洋戦争について「国策を誤り、戦争への道を歩んだ」などと記す考え。植民地支配の過去にも触れる見通しだ。
 同祈念館は、原爆死没者の追悼や平和祈念といった建設理念に基づき、太平洋戦争、原爆被害などの説明や被爆者の手記、遺影などを館内に展示する。
 厚生労働省は先月、広島の被爆者団体代表らに最初の文案を提示。被爆者側から「太平洋戦争の記述が不十分」「植民地支配についても書いてほしい」などの注文がつき、同省が修正案を検討していた。
 修正案では太平洋戦争について「日本は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩みました」との一文を冒頭に加えた。また、被爆者について「多数の朝鮮半島などの出身者も含まれ、その中には徴用された方々もいました」としていた部分を、「日本の植民地であった朝鮮半島」「半強制的に徴用」などと改めた。
 ある被爆者団体の幹部は「国立の施設に戦争責任を認める記述がなされれば意義深い」と評価している。
 国は約10年前から、国による原爆死没者の追悼を目的に、広島と長崎での祈念館の建設を検討してきた。広島では被爆体験の継承に力点を置いて02年度中の開館を、長崎では国際交流の機能を持たせて03年度中の開館を予定している。[2001-07-10-03:08] 59
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 07/10@<クローズアップ>歴史教科書修正問題 冷え込む隣国外交(毎日新聞)

 韓国と中国が日本の中学歴史教科書の修正を求めていた問題は、焦点の近現代史にかかわる部分が事実上の「ゼロ回答」だったことに両国が強く反発し、長期化する情勢となった。しかし、日本政府はこれ以上の修正は拒む姿勢を鮮明にしており、歴史認識をめぐる中国、韓国の要求に日本が譲歩する、という過去のパターンと今回は様相を異にしている。ただ、対中、対韓関係がしばらく冷え込むことは避けられない見通しだ。
◆韓国「欺まん行為」
 最近、厳しい与野党対立が続きマヒ状態だった韓国議会は、歴史教科書問題で「団結」。9日、与党・新千年民主党(民主党)は「再修正要求が貫徹されるまで可能なすべての手段を動員し、強力に対処する」ことを要求する決議を採択し、最大野党・ハンナラ党スポークスマンも「韓日関係の根幹をないがしろにする日本の欺まん的な行為に怒りをおぼえる」との談話を発表、政府に強力な対応を求めた。
 こうした追い風を受け韓国政府は同日、外交通商省スポークスマンが、日本の回答に失望と憂慮を表明。「わい曲、美化した歴史記述を容認する一方、95年の村山首相談話と98年の韓日共同宣言を公式見解とする2重姿勢は許されない」とする声明を発表した。
 韓国政府は日本語の歌謡曲CDやビデオ、家庭用ゲーム機などを含む日本の大衆文化解禁日程の見直し▽各種の日韓交流事業縮小▽日本の国連安保理常任理事国入り反対――などを検討中だ。政府当局者は「一度にすべてのカードを使うわけにはいかない。段階的に一つずつ強い対応を取っていく」と述べる。
 こうした中、韓国政府が今月下旬に予定される東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで日韓外相会談を拒否したり、この問題で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との協調対応などに踏み切れば、問題はさらに複雑になる。
 一方、最近の支持率低下や国内保守派との対立激化が伝えられる金大中(キムデジュン)大統領の側は「外交当局が適切に対応する問題」(青瓦台高官)と沈黙を守り、様子見の構え。大統領の指導力低下も解決の見通しを一層不透明なものにしている。 【ソウル大澤文護】
◆中国は「突出」避け様子見
 中国外務省と教育省は9日、日本政府の回答を「受け入れられない」とするスポークスマン談話を発表。教育省の談話は「歴史教科書は歴史の真相を反映すべきであり、そうしてこそ若い世代に正しい歴史観をもたせ、悲劇の再演を防止できる」と批判した。
 ただ、中国外務省は9日朝、北京の日本大使館に、中国の修正要求に対する日本側回答を受け取る担当者を、当初予定していた傅瑩アジア局長から孫国祥副局長に格下げすると申し入れた。
 5月16日に8項目の修正を申し入れたのも、別の副局長だった。外交通商相が自ら修正を要求して回答書を受け取った韓国と比べると、低いレベルでの対応だった。問題をことさら大きくしないように、との中国側の思惑がうかがえる。
 歴史教科書問題で中国は、韓国から一歩遅れて反応するという慎重な対応を取ってきた。修正を求めたのも、韓国の要求から8日後だった。日本を批判する際に、中国だけを主語にせずに「中国を含むアジア各国」とすることが増えた。
 背景には、歴史問題で中国が突出すれば日本側の反発を招き、日本の一部勢力に利用されかねない、との計算がある。孫副局長は日本政府の再考を求めたが、対抗措置には言及しなかった。中国はまず韓国の対応を見守ることになろう。
 中国の関心は、歴史教科書問題よりもむしろ、小泉純一郎首相の靖国神社参拝にある。教科書問題での日韓関係の推移を見ながら、靖国神社参拝反対で韓国と共闘することも考えられる。 【北京・坂東賢治】
◆「だれが説明しても同じ」特使派遣も消極的 政府・与党
 「この問題だけじゃないですから、両国の関係は」「ともかくトゲのある問題だけじゃなく、ほかに一緒にできる問題もあるんですから」
 9日、小泉純一郎首相は記者団に語り、静観する姿勢を示した。
 これ以上の修正はしないとの点では、政府対応は一致している。
 9日、外務省の川島裕事務次官は「今の制度内でもう一度というのは難しい」と明言。遠山敦子文部科学相も「検定制度の枠内でできる限りの対応をした。今後も理解を求めていきたい」と対応の限界を示した。両国への特使派遣構想についても、川島次官は「だれが説明しても同じではないか」と消極的だ。
 文科省は、検定審議会委員に朝鮮史・中国史の専門家を追加することなどで、理解を求めていくものと見られる。
 ただ、とりわけ韓国の強い反発で、対話のパイプが細くなるのを懸念する声も出ている。
 山崎拓自民党幹事長ら訪韓中の3与党幹事長は9日、韓昇洙外交通商相に(1)韓国教員を毎年500人ずつ日本招へい(2)歴史研究者の交流拡充などによる歴史研究促進、など5項目を提案したが、韓外交通商相は「歴史の共同研究は意味のあることだが、それは中長期的な問題」とあくまで教科書修正を求めた。
 出発前に「お互い東洋人なのだから誠意をもって話をすれば分かってくれる」と語った山崎氏だが、外交通商相との会談後は会見で「(反応は)予想を超えたもの」と言うしかなかった。
 政府は3与党幹事長訪韓を踏まえ、今月下旬のハノイでの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで日韓、日中外相会談を行い、対話を積み重ねる筋書きを練っていた。「懸案がある時だからこそ」(アジア局幹部)と、批判覚悟で教科書問題や首相の靖国参拝で日本の立場を説明する考えだった。
 それが、金大中大統領が3党幹事長との会談を拒否。ハノイでの日韓外相会談も韓国が拒否するとの情報が流れるなど、外務省は「対話が途絶えると状況はますます難しくなる」と語る。
 教科書検定制度の原則は曲げず、反発覚悟で理解を求める――。政府は今後もこの姿勢を一貫させる構えだが、説得の成算はなく、解決には時間がかかりそうだ。
◆「つくる会」教科書「歴史」は50万部に
 「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書(扶桑社刊)は、6月4日から「歴史」と「公民」の2種類が市販され、歴史は50万部のベストセラーになっている。歴史は当初30万部を発行し、その後20万部を追加印刷した。公民も当初の5万部に10万部を追加して15万部を発行している。
 扶桑社は「予想より多く売れている。『実際に自分の目で確かめてみよう』という読者が多くなったからでは」と分析する。読者層も中学生の子を持つ親から中高年の男性が多いという。
◆識者の反応
 秦郁彦・日本大教授(国際政治史)の話 事実上の「ゼロ」回答は、両国からの要求が政治的なものだったこともあり、当然の結果だ。教科書については、今後、相互不干渉の原則を確認する必要がある。ただし、政府主導でなく、民間の歴史家同士の議論や対話をフェアな形で進めるならば、悪いことではない。それでも意見が一致しないということもあり得るので、必ずしも良い結果がもたらされるものでもない。しかし、議論した結果を、教科書に反映させていくという息の長い対応を考えていくことも良いのではないか。
 榎原雅治・東京大史料編纂所教授(日本中世史)の話 訂正するのが2カ所だけということはないと思う。私が所属する歴史学研究会でも、扶桑社の教科書には56カ所の初歩的な誤りがあると指摘している。国内の歴史の部分でも問題は多い。同社は自主訂正を申請したが、中国、朝鮮に対する日本の優秀性を強調しようという教科書全体の執筆姿勢は何ら改善されていない。自主訂正は、採択されやすいようにするポーズではないか。
 田中俊明・滋賀県立大助教授(古代朝鮮史)の話 訂正不要とされた部分は明確な誤りと言い切れないが、扶桑社の教科書の記述は決して主流のものではない。一方、韓国の主張は、日韓の学界レベルでいえば、比較的主流の考え方だ。従来の検定では、学界の少数意見は修正を求められることもあった。今回、学界の一部にそうした意見があることを理由に記述を拒否できないというのはおかしい。韓国などは、そうした文科省の検定に対する態度を問題視しているのだと思う。
 山住正己・東京都立大名誉教授(教育学)の話 従軍慰安婦の記述がないとの指摘などにきちんと対応していないのは、韓国と中国に不誠実ではないか。教科書検定は廃止し、採択も各学校で自由にできるようにすべきだ。検定がなくなれば、海外からの要望に出版社と執筆者が回答することになる。採択に自由が生まれれば、教員が真剣に教科書を選ぶようになり、多様な教科書が生まれる土壌ができる。今回の件は、文科省には教科書制度を再検討するいい薬になっただろう。 [2001-07-10-02:55] 64
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 07/10@<中東情報革命>ITの波、逆らえず 湾岸戦争報道が導火線(毎日新聞)

 中東地域のIT(情報技術)革命に火を付けたのは、91年の湾岸戦争時の米CNN放送の開戦報道だった。イラクの首都バクダッドを多国籍軍が攻撃する生々しい映像を目の当たりにし、アラブ諸国の人々はこれまで自分たちが得ていた官製報道の貧弱さを改めて認識した。情報が命に直結するだけに、人々は衛星放送に飛び付いた。
 当初、西側文化の急激な流入に警戒感を抱いたアラブ諸国やイランはイスラム教の規律を盾に、禁止や規制を試みた。イランの保守派高位聖職者ジャンナティ師は当初、「インターネットは人々の道徳や思想を腐敗させる毒になる」と批判した。
 だが、衛星放送機器の流入は止めようがなく、99年、極めて限定的な許可制を導入したイラクを除き、中東全域で広く普及しているのが実態だ。イランとサウジでは公式には法律や勅令で視聴が禁止されたままで、イランでは最近まで保守派が実権を握る風紀警察の摘発が続いていたが、現在は両政府とも黙認状態だ。
 また、英語が幅をきかすインターネットの世界では、アラビア語が障害となったことに加え、戦争や国連などによる経済制裁などの影響もあり、欧米に比べ普及が遅れた。
 だが、ウィンドウズ95アラビア語版が発売され、聖地メッカ、メディナを抱え、「イスラムの守護者」を自認するサウジアラビアが98年、インターネット解禁に踏み切ったことで、大きな障害がなくなり、普及に弾みがついた。
 イランでは97年、開放政策を掲げるハタミ大統領が就任、民主化機運が盛り上がったことが大きい。シリアでも、昨年6月、アサド前大統領が死去、英国留学の経験を持つ息子のバッシャール氏が後継大統領に就任。バッシャール大統領は隣国・ヨルダンのアブドラ国王とは「メル友」の仲といい、IT導入に熱心だ。フセイン大統領の独裁体制下で、言論統制が厳しいイラクもこの流れに逆らうことはできず、昨年8月、国営インターネット・カフェに限定したインターネット解禁に踏み切った。
 中東のコンピューター関連調査会社によると、アラブ諸国のインターネット利用者は総計今年354万人と、昨年の倍以上に延びた。来年末までに1000〜1200万人になる見込みだ。
 小杉泰・京大教授(イスラム学)は「伝統的にアラブ諸国の指導者は、選挙などで圧倒的多数の支持を得ないと不安になる傾向がある。情報流入の波が乗り、国民の政治参加意識が高まり、指導者への批判勢力が伸張した場合、国家がどのような対応を示すのかがを見守る必要がある」と指摘する。【三角真理、竹之内満】
 ◇イスラエルと格差歴然 アラブ諸国
 アラブ各国は情報技術(IT)が21世紀前半の国際経済のすう勢を握るとの認識で、国家を挙げてIT導入を急ピッチで進めている。だが、対立するイスラエルとのIT格差は歴然としており、域内政治への影響が懸念されている。
 中東の情報発信拠点を目指すアラブ首長国連邦は今年、商業都市・ドバイにインターネット関連企業用とメディア関連企業用の専用ビルを相次ぎ、オープンさせた。法人税免除の特典が受け、インターネット・ビルにはすでに140社以上が入居。メディア・ビルでは国際通信社・ロイターが中東総局をはじめ50社以上が活動を開始している。
  また、ヨルダンのアブドラ国王は昨年、自らが主導し、「IT戦略のための国際会議」を開催、世界各国の企業に投資を呼びかけた。カタールやバーレーンでも、政府系の独占電話会社が低価格でのインターネット・サービスを開始、利用者が急増中だ。
 サウジアラビアやシリアなどを中心に、反体制派のイスラム原理主義グループなどが、主張喧伝のためITを利用することへの警戒感も根強いが、「この潮流に乗り遅れると大変なことになると感じ始めている」(西側外交筋)
 このため、エジプト、アルジェリアなどは他の発展途上国とともに、ITの発展に伴う経済格差の拡大防止を訴える意見を取りまとめ、昨年7月の沖縄サミットに合わせて、先進国に対応を求めた。技術開発力で劣り、外資導入の法的環境整備が遅れているアラブ諸国の危機感は強い。【カイロ小倉孝保】
 ◇先端の軍事技術を活用 イスラエル
 情報技術(IT)を主体とするイスラエルのハイテク産業は中東で群を抜き、今や世界の最高レベルに達している。紛争の渦中にある同国にとって、それは国際社会における地位向上にも寄与している。
 周囲をアラブ諸国に囲まれ、1948年の建国以来、4度に渡る中東戦争や湾岸戦争を経験したイスラエルにとって、他国の情報を早く正確に把握することは、国防の重要戦術となった。その先端軍事技術を民間部門に活かし、ITを発展させてきたといえる。
 イスラエル通産省は、90年以降のIT急成長の理由として、(1)旧ソ連崩壊に伴うユダヤ系科学者・技術者の移民増加(2)93年以降の中東和平交渉進展に伴う、国防組織から、民間企業への科学者・技術者の転出(3)高度な教育社会ーーをあげる。米国の積極投資も大きな役割を果たした。
 テルアビブ近郊にはベンチャー企業などが集中、「中東のシリコン・バレー」と呼ばれ、テレ・コミュニケーション、インターネット・ソフトウェアなどのハイテク商品が工業製品輸出の大半を占め、IT関連を主に約130社が米国のナスダックに上場。和平交渉がとん挫している現状では、近隣アラブ諸国は市場とはなりえず、輸出先は欧米諸国やアジア諸国が中心だ。
 イスラエルはこうした経済関係を踏まえ、貿易相手国に対し、パレスチナとの衝突問題や中東和平交渉で「アラブ寄りでない、バランスの取れた対応」(外交筋)を求めるなど、ハイテク先進国の利点を外交に積極活用している。【エルサレム海保真人】
 ◇西欧文化流入に対抗する狙いも 日本学術振興会カイロ研究連絡センター長・保坂修司氏
 ペルシャ湾岸諸国で近年、衛星放送やインターネットといった情報技術が進展する背景には、欧米文化への対抗策という側面がある。
 これら諸国の国民の多くが、すでに米CNNや英BBCをはじめ、規制をかいくぐりインターネット・サイトを見ているのが現状だ。放置しておけば、西欧文化や思想の影響を受けっ放しになる。それなら、自前の放送局を作り、こちらの番組を見てもらおうとできたのがカタールのアルジャジーラ・テレビだ。
 これまで、湾岸諸国はイスラエルに比べ、情報戦という側面で圧倒的に劣勢だった。だからこそ、西側の情報流入に厳しいシリアのような国でさえ、衛星放送局を持ち、自前の情報を発信するようになった。
 「(西側文化の流入に)何とか歯止めをかけなければ」という狙いだが、カタールなど一部の国を除き、決してうまく行っているとは言えない。国民が興味を抱き、面白いと思うような番組を作る人材や技術を元々、持っていないためだ。
 一方、湾岸諸国のほとんどは情報の検閲が大前提というお国柄で、衛星放送などの発達は痛しかゆしの面がある。
 たとえば、89年末に発生したクウェートの民主化運動の際、同国の放送局は全くその様子を放送しなかった。だが、一部の裕福な国民はCNNで事実を知ることができ、それが運動を盛り上げる一助となった。
 インターネットについては、情報統制が厳格なサウジアラビアでさえ、プロバイダーを国の管理に置き、解禁した。もはや全面禁止は不可能なだけに、イラク、シリア、イランなども同様のスマートな規制を行うものと思われる。
 ◇中東の衛星放送
 中東の衛星放送 NHK放送文化研究所編「データブック 世界の放送2001年版」などによると、衛星放送普及率はエジプトの61%(470万世帯)を筆頭に、サウジアラビア42%(189万世帯)▽アラブ首長国連邦36・3%(29万世帯)の3カ国は、日本(30・9%)を上回る。
 オマーン16・7%(20万世帯)▽クウェート16・3%(13万世帯)▽レバノン15%(16・万世帯)などと続いている。
 イスラエルでは、衛星放送の受信が可能な様式を含めたケーブルテレビの普及率は80%を超える。一方、公共放送「IBA」も自前の放送衛星を利用、国会中継を含む番組は中東、北アフリカ、ヨーロッパ南部でも受信可能だ。
 イランでは法律上、衛星放送受信は禁止だが、風紀警察の目を盗み、国内に80万台以上もの受信機が設置されているという。イラン国営放送も93年から、衛星放送で近隣諸国に番組を流している。
 イラクでは、湾岸戦争で放送設備が壊滅的な打撃を受けた上、10年を超える国連経済制裁の影響で、復旧が大幅に遅れている。 [2001-07-10-00:55] 65
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 07/10@<中東情報革命>「中東のCNN」 専制指導者ら無視できず(毎日新聞)

 紛争や戦火が絶えない中東が、衛星放送やインターネットなどを主体とする情報技術(IT)革命の荒波に揺れている。西側文化の大量流入で変容を迫られるアラブ諸国やイラン、新たな対応を模索するイスラエルの現状を追った。
 「人権を尊重しなければこうなるという、アラブの指導者へのメッセージだ」(ジュネーブ在住のアルジェリア人政治学者)
 「西欧社会は人権を振りかざす新たな独裁主義に陥った」(パリ在住のモロッコ人政治学者)
 今月3日夜。中東全域をエリアとするアラビア語衛星放送、アルジャジーラ・テレビは、オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷でこの日、ミロシェビッチ前連邦大統領に対する初公判が開かれたのを受け、アラブ諸国の指導者が同法廷で裁かれる場合を想定した討論番組を生放送した。
 96年11月の放送開始以来、欧米並みに自由な論調の24時間ニュース・チャンネルを売り物に人気を博し、「中東のCNN」の異名を取る。
 番組では視聴者からのメールや電話も紹介された。
 「指導者非難には臆病な自分が恥ずかしい」
 「次の標的はイラクのフセイン大統領だろう。だが、(国連制裁解除に反対し、)イラクの子どもたちを皆殺しにしている米大統領は訴追されない」
 従来、政権批判は逮捕や弾圧の対象とされることが多かったアラブ諸国では異例の内容だ。
 民主化推進を掲げるペルシャ湾岸の小国・カタールの国家元首、ハマド首長が支援し、政府が設立資金を貸し付けた。英BBCのアラビア語放送の製作に関わってきたアラブ人らが製作の主体を担う。
  ◆  ◆  ◆
 反体制派を番組で生出演させることも多く、リビア、モロッコ、チュニジアは同局の姿勢を批判、自国の駐カタール大使を召還した。
 イスラエルとパレスチナの衝突が激しさを増した昨年10月には、イスラエルに厳しい姿勢を打ち出さないエジプト政府を批判。エジプト政府はカタール在住の同局アンカーマンへの”懲罰”の意味を込め、エジプト国内で活動する実弟の歌手を国外退去処分にした。
 カタール政府に寄せられたアラブ各国からの抗議は「放送開始以来、200件以上」(カタール外務省)といわれるが、局の幹部は「政府からの圧力は一切ない」と明かす。同局は小国・カタールが国際社会での地位を高めるための外交カードになりつつある。
  ◆  ◆  ◆
 99年12月21日深夜、カタールの首都ドーハのジャジーラ・テレビ本社。ムバラク・エジプト大統領が突然、姿を現した。
 局内を見学を終えた大統領は「このアラブの“お騒がせ者”は、こんなマッチ箱のような所から報道しているのか」と予想以上にこじんまりした建物の印象を語り、周囲を笑わせた。
 専制的なアラブの指導者がさえ、その影響力を無視できなくなっているのだ。同局の人気アンカーマン、アルカシム氏は「初めのころはあまり刺激的なことを話してはと内心ためらった。だが、最近は抗議も減り、遠慮く話せる雰囲気が出てきた」と振り返る。
  ◆  ◆  ◆
 アルジャジーラ・テレビの成功を機に、アラブ諸国では同様の衛星放送が増え始めた。
 これに対抗し、イスラエルは今年6月初め、外務省、イスラエル放送協会などが連携し、アラブ諸国向けにアラビア語による衛星放送開始を決定した。今秋をめどに、まずは1日6時間のニュース放送を開始する方針だ。
 かつて驚きを持って受け止められたアルジャジーラ・テレビの報道が、アラブ社会に許容された現状を見て取ったイスラエルは今、衛星放送を介した新たな情報戦を仕掛けようとしている。【中東問題取材班】 [2001-07-10-00:55] 66
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 07/10@<記者の目>新しい歴史教科書を読んで ソウル支局・澤田克(毎日新聞)

 日本政府は9日、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学校歴史教科書などに対する再修正要求への回答を韓国に伝えた。しかし、韓国側は「不十分だ」と対抗措置を取る構えで、日韓間の緊張は高まりそうだ。一部私立中では「日本人としての誇りを持てる内容」として同会の教科書を採択する動きがあるという。どの教科書を使うかは自由だが、その評価には首をひねらざるを得ない。私には「西洋コンプレックス」ばかりが目に付くからだ。
 たとえば、日本の美術品を時代別に紹介した巻頭のカラーページ。「ギリシャの初期美術に相当するといってよい」「イタリアの大彫刻家ドナテルロやミケランジェロに匹敵するほど」「17世紀ヨーロッパのバロック美術にも匹敵する表現力」という説明が並ぶ。
 元禄期の学問の発達を説明する時も、わざわざ「日本の科学は西洋諸国にくらべても、当時すでに高い水準に達していた」となる。明治時代の義務教育制度は、日本が模範とした西洋諸国が「階級制度のなごりをとどめる小学校教育を行っていた」時期に成立したと注釈が付く。必要以上に西洋を引き合いに、日本の優秀性を立証しようとしているとしか感じられない。
 この教科書は、中国や韓国から「歴史のわい曲」と強い反発が出た。確かに、反発を呼んでもおかしくない記述が随所にある。しかし、執筆者は両国をおとしめようとしたわけではないだろう。「西洋に肩を並べようと力んだ結果、中韓を踏み台にしてしまった」というのが、実態に近いのではないだろうか。それが私の読後感である。
 こうしたコンプレックスが表面に出てきた背景には、バブル崩壊後の「失われた10年」で日本全体が自信を失ったことがあるのだろう。その根底には「経済をのぞけば日本なんて」という、いわれのない劣等感があるように思われる。
 しかし、ソウルから見る日本の姿はまったく違う。日本は、人口が韓国の3倍弱、面積も4倍弱、国内総生産では10倍以上の「大きな国」だ。経済運営や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策で、日本の動向は韓国に直接的な影響を及ぼす。韓国は、嫌でも日本を意識せざるをえない。
 世界を見ても、同じことだ。米国に次ぐ経済力の強さはもちろんだが、日本は人口でも国連加盟189カ国中9位、面積も60位だ。いかなる意味でも、小さなつまらない国ではない。
 それなのにである。こうした閉そく状況を打破しようとするはずの小泉内閣の現職閣僚までが、6月末の内閣メールマガジンに「アメリカの一地方であるカリフォルニア州よりも小さな国日本」と書く。世界には米国や中国のような大国ばかりあるのではない。視野を広げ、自国のポジションを見極める努力が必要だ。
 日本語を自由に話し、日本に多くの知人を持つ金雲龍(キムウンヨン)韓国オリンピック委員会委員長は6月初めにインタビューした際、「最近の日本人はびくびくしている。もっと自信を持って行動すべきだ」と語った。今年初めにソウル駐在の日本人記者と懇談した知日派の韓国首相経験者も「日本はもっと大胆になっていい。もっとしっかりしてほしい」と注文をつけた。日本のよき友人としての忠告は、とてもありがたいと思う。
 「自信を持て」というと、韓国などからの再修正要求をはねつけたり、相手からの反発を恐れずに「韓国の教科書の方がひどい」と批判しろということだ、と考える人がいるかもしれないが、それは少し違う。
 確かに、日本の法制度を無視するような要求を突き付け、「自分たちが満足できる回答以外は認めない」という韓国の態度には、問題が多い。これには「法的に無理なことは出来ない」と粘り強く説明するしかない。だが、日韓の教科書を比較して同列に論じることには無理がある。周辺国から何回も侵略を受けてきた韓国と「外国の軍隊に国土を荒らされたことがない」(新しい歴史教科書の記述)日本では、歴史的背景がまったく違うからだ。
 「自国の歴史に誇りを持とう」という考えは不思議ではないし、悪いものでもない。韓国でも、そうした考え自体を批判する声は聞かない。ただ、西洋コンプレックスの隠れみのとして愛国心を持ち出すのはいただけない。日本に、もっと自信を持ってもいいのではないだろうか。 [2001-07-10-00:30]
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 07/11@<記者の目>旧ユーゴ国際戦犯法廷 森忠彦(ブリュッセル支(毎日新聞)

 コソボ紛争で「人道に対する罪」に問われたミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦前大統領を裁く国際戦犯法廷が3日から始まった。戦勝者が敗戦者を裁く法廷は、第二次大戦後の東京、ニュルンベルク裁判以来。前大統領は法廷そのものを違法と主張し、全面的に争う意向を示した。だが、法廷側は前大統領の「演説」を阻止し、早めの決着を目指しているようにみえる。こういうやり方では一方的な「敗者への裁き」に終わり、公平な裁判が行われるかどうか疑問だ。
 オランダ・ハーグの戦犯法廷での初公判で、前大統領は弁護士を付けず、単身、法廷に乗り込んだ。濃紺のスーツにユーゴ国旗をもじった色のネクタイ。検察の起訴事実の朗読を拒否し、裁判長の罪状認否にも正面から答えなかった。
 「この法廷は偽りの法廷だ。北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ介入を正当化するためのものだ」
 言葉少なに語り、さらに何かを言おうとして、裁判長から「ここは演説の場ではない」と止められた。いかにも不満げだった。
 わずか13分で終わった初公判を傍聴して、コソボ紛争からNATO空爆へと発展した2年半前の出来事がよみがえった。
 紛争の責任の多くが前大統領にあったのは間違いない。彼は旧ユーゴ連邦の崩壊後、急進的なセルビア人優遇政策をとり、それがコソボ自治州でのアルバニア系住民への迫害につながった。いずれ、国際法の下で厳しく裁かれるべき人物ではあっただろう。ただ、それで「コソボの清算」が済むのかというと、そうは思わない。釈然としないものが残る。
 欧米諸国は3年前、歴史的に民族対立を繰り返してきたコソボの内政問題に注目し、「人道違反」を口実に本格的な政治介入を始めた。交渉が行き詰まると次ぎは経済制裁をちらつかせ、最後は国連安保理の決議を経ないまま、NATOの空爆という荒療治に踏み切った。目を付けた以上、途中で引くに引けないような焦りさえみられた。
 忘れもしない。99年3月24日の空爆開始の夜、ブリュッセルのNATO本部は興奮に包まれ、ソラナ事務総長(当時)が「先ほど、空爆を開始した」と宣言すると、詰めかけた欧米の記者から歓声が上がった。
 欧米人にとって「コソボ戦争」の基本構図が「正義は欧米、セルビアは悪」であることは今回、前大統領がユーゴへの経済支援会議の「人身御供」としてハーグに送られ、法廷に立たされたことを見ても、変わっていないように思う。
 私は、前大統領を弁護しようというつもりはない。ただ、彼が今回、法廷内で自ら主張しようとしてできなかった「無言の弁」にも若干、耳を傾けてあげたい気がしている。
 今回の起訴状では前大統領を含む5人のユーゴ軍幹部が指示したとする殺人(574人)や大量追放(74万人)の容疑を並べているが、大半はNATOの空爆開始後に起こった。これらの行為が、主権国家の内政に対して、空爆という手段で攻めた欧米諸国に対するユーゴ側の「抗議」であり、空爆がそれを煽った点も否めないはずだ。
 NATOが引き起こした誤爆は「不起訴」とし、ユーゴ側だけの罪を裁こうとする同法廷に対して、前大統領が「偽り」「違法」と指摘したのは、自分だけが被告席に立たされた不公平感があるからだろう。どうしてバルカンだけが欧米の裁断を受けるのか、という思いもあるに違いない。
 同法廷は常々「政治法廷」とやゆされてきた。それらの反省から国際社会は98年夏、人道違反などを扱う常設の国際刑事裁判所をハーグに設立することを決めた。だが、3年になろうとしているのに発効に必要な60国の半分強の39国しか批准していない。日本は署名さえしていない。
 公判は8月末に再開されるが、前大統領は今後も自らの弁で矛盾を訴え続ける意向のようだ。しかし、それでは「反論なし」との解釈で、一方的な裁定が進む可能性が強く、公平感のない法廷になってしまう。
 90年代のバルカン紛争に最も深く関わった人物がようやく法廷に立ったのだ。起訴容疑に留まらず、背後で動いた国際的な政治や社会事情にまで踏み込んでほしい。それでこそコソボ紛争の清算に耐えうる公平な法廷と呼べるだろう。法廷は前大統領の弁を封じるべきではない。欧米側も証人として、正面から答えるべきではないのか。 [2001-07-11-01:40] 435
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 07/11@<国連小型武器会議>規制反対の米が孤立 推進の欧州と対立(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国際的規模でけん銃や自動小銃の規制・削減策を目指す国連小型武器会議は10日から、政治宣言(行動計画)案に対する主要国の見解がほぼ出そろったのを受けて、宣言文の本格的な調整作業に入った。規制反対派の先頭に立つ米国と推進派の欧州の対立は激しくなっている。宣言が中東問題や台湾問題にまで波及しかねないこともあり、国際政治が絡む複雑な展開になりつつある。
 問題の一つは政治宣言案の中の「小型武器の取引を政府間に限定する」という部分だ。宣言案がこのまま採択されると、イラクの反フセイン勢力支援や国交のない台湾への武器供与など、米国の対外政策が制約を受ける。逆にイラク政府や中国にとっては有利な宣言になるため、両国も簡単に譲歩しそうにない。
 中東諸国からは「被占領地の住民の自衛権を認めるべきだ」(エジプト)という指摘があり、政治宣言の中にこれを盛り込むべきだという声も出ている。パレスチナを念頭においた発言で、イスラエル寄りの米国を刺激している。
 米国はブッシュ政権発足以来、京都議定書、ミサイル防衛構想、死刑問題などをめぐり欧州諸国と対立している。5月の国連人権委員会の改選でも、欧州諸国との調整に失敗し、初めて落選した。小型武器会議でも、市民の武器所有権を強く主張して欧州の批判をはねつけており、「米国の孤立」が際立っている。
 会議は本来、地域紛争が続くアフリカなどに拡散している小型武器の削減を最大の目標にしている。現地では特に、女性や子どもの被害が深刻化しており、早急な不法取引の規制と銃の回収が求められている。
 政治的思惑で駆け引きを続ける主要国を批判し「本来の趣旨に沿った会議に戻すべきだ」という声も出ている。 [2001-07-11-23:50] 438
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 07/11@<京都議定書>「02年の発効目指す」 関係4省が会見(毎日新聞)

 今月中旬からドイツ・ボンで再開される気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)を前に、環境、経済産業、外務、農水の関係4省が11日、合同会見した。川口順子環境相は「日本は(地球温暖化防止のための)京都議定書の02年発効を目指すとともに、米国の議定書復帰のための説得も最後まで続けていく」と述べ、従来の姿勢を繰り返した。
 川口環境相は「交渉をめぐる情勢は、昨年11月のハーグ会議より厳しくなっているが、日本は全面的な合意に向けて努力する。同じ時期にイタリア・ジェノバで開かれる主要国首脳会議では、再開COP6での合意が前進するような後押しを期待したい」と話した。
 また、13日にワシントンで開かれる「気候変動に関する日米政府間ハイレベル協議」について、「日本から(議定書の)修正などを提案することは考えていない。この協議が、(再開COP6での)各国間の合意を遅らせることはない」と明言した。
 川口環境相は12日に日本を出発して日米ハイレベル協議に出席。その後、ドイツ・ボンに向かい、16日から始まる事前の非公式閣僚会議に続き、19日からの再開COP6に出席する。 【吉川学】 [2001-07-11-21:25] 70
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 07/11@<全英テニス>優勝のクロアチア・イワニセビッチが凱旋(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】テニスのウィンブルドン大会男子シングルスで優勝したクロアチアのゴラン・イワニセビッチは10日、故郷の南部スプリットに帰国し、市民15万人の熱烈な歓迎を受けた。
 イワニセビッチは英国から私有機で戻り、スプリット市上空を旋回した後、ボートに乗ってアドリア海沿岸を海上パレード。港に設置されたステージに上り、「歓迎は予想していたが、これほどとは想像できなかった。スプリット市民は最高だ」と話した。
 市民らは「この町の誇りだ」「ゴランを大統領に」などと惜しみない拍手を送り、がい旋集会を超えた熱狂ぶりだった。 [2001-07-11-17:50]
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 07/12@◎国外生活の皇太子に居宅を提供=王室取り巻く空気好転−ユ(時事通信)

 【ウィーン12日時事】ユーゴスラビア連邦政府は12日、戦後、国外生活を余儀なくされてきたアレクサンダル・ユーゴ皇太子一家の祖国定住を認め、首都ベオグラードにある豪華な2つの城館を提供することを決定した。ユーゴ政府は今年初め、戦後はく奪されていた皇太子一家のユーゴ国籍の回復も認めており、ミロシェビッチ前政権崩壊後、王室を取り巻く空気が好転している。 [時事通信社][2001-07-12-23:16] 62 [このページの最初に戻る]


 07/12@◎米元司法長官、前ユーゴ大統領を支援(時事通信)

 【ウィーン12日時事】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)のスポークスマンは12日、拘置中のミロシェビッチ前ユーゴ大統領の国際支援グループにクラーク米元司法長官(73)が加わり、前大統領との接見を申請していることを明らかにした。
 クラーク氏は1960年代末に司法長官を務めた。国際戦犯法廷は違法であるとの立場から、前大統領の法廷闘争の指南役を買って出た。対イラク制裁など米国の世界戦略にも批判を繰り返しており、前大統領との呼吸はピタリと合っている。 [時事通信社][2001-07-12-20:13] 65
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 07/12@<虐殺追悼式典>約5000人参加 ボスニア東部スレブレニ(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ボスニア東部のスレブレニツァで、95年に起きたイスラム教徒虐殺事件から6周年の11日、大規模な追悼式典が行われた。約5000人が集まり、事件で子供を亡くした母親ら5人によって記念碑が除幕された。
 事件は国連安保理が安全地帯に指定していたスレブレニツァをセルビア軍が攻撃した際に発生。国際赤十字によると約7000人が行方不明になり、このうち約4000人の遺体が発見された。犠牲者の大半はイスラム教徒の男性だった。
 追悼式典には、事件後サラエボなどで難民生活を続けている遺族の女性らがバス150台に分乗して訪れた。 [2001-07-12-10:35] 66
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 07/12@解放軍が73の村を占拠 マケドニア(共同通信)

 【ウィーン11日共同】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、マケドニアのトラヤノフ元内相は十一日、スコピエで記者会見し、アルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」が同国北部や北西部の七十三の村を占拠したと述べた。
 元内相は、解放軍が政府軍との停戦に合意した今月五日以降に占拠した村もあると主張した。
 スコピエからの情報によると、政府軍が十一日、二十―三十両の装甲車を列車に積み込んでいるのが目撃されており、政府軍側も対抗して兵力を増強している可能性がある。
 マケドニアの主要政党は包括的な和平合意を目指し、九日から米国や欧州連合(EU)の特使を交えた協議を進めているが、アルバニア系住民の権利を保障するための具体的措置をめぐって対立は解けていない。(了)[2001-07-12-08:53] 67
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 07/12@スレブレニツァで追悼式 ボスニア内戦の虐殺6周年(共同通信)

 【ウィーン11日共同】ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時の一九九五年、八千人以上の死者を出し、第二次世界大戦後で欧州最悪の虐殺事件があった同国東部スレブレニツァで十一日、ちょうど六年前の惨劇を追悼する式典が行われた。
 事件は国連指定の安全地帯だったスレブレニツァをセルビア人勢力が陥落し、敵対していたイスラム教徒の男性住民を連行・殺害したもので、これまでに約四千五百人の遺体が見つかっている。
 現場からの報道によると、地元警察と北大西洋条約機構(NATO)主体の平和安定化部隊(SFOR)が厳重に警戒する中、事件の記念碑が公開され、犠牲者の遺族約三千人がめい福を祈った。
 ことし五月には、内戦で破壊されたイスラム寺院の再建式典が西部バニャルカで行われた際、再建に反対するセルビア人住民が暴動を起こしたが、この日の式典では混乱はなかった。
 一方、スレブレニツァのセルビア人住民は十二日、内戦中に殺害されたとする約千三百人のセルビア人住民の追悼式を行う。(了)[2001-07-12-08:33] 68
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 07/12@<社説>靖国神社 首相は参拝をやめるべきだ(毎日新聞)

 中国の江沢民国家主席が北京を訪問した自民、公明、保守3党の幹事長と会談し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反対した。
 日本では、首相の公式参拝は憲法の定める政教分離に反しているという批判がある。
 中国が問題にしているのは、日本の憲法に反しているかどうかではない。A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社へ首相がわざわざ参拝するのは、A級戦犯の名誉回復をしたいという日本の国家意思だ、と受け取っているのである。
 そう思うのは戦争で大きな被害を受けた中国だけだろうか。A級戦犯を裁いた旧連合国も中国の言い分を支持するだろう。
 戦争が終わると勝者は敗者を裁いて、正義は勝者の側にありと宣言する。戦争の幕引きに不可欠な手続きである。だからミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領はハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き出され、裁かれている。
 第二次世界大戦で、日本はポツダム宣言を受諾し、連合国に無条件降伏した。「無条件」である。東京裁判が一方的だろうが、誰をA級戦犯にしようが、日本は反対できなかった。連合国の戦後処理を受け入れた日本は、サンフランシスコ講和条約で国際社会に復帰することを許された。それ以来、人権と民主という西側世界の価値観を共有してきた。
 平和主義と民主主義を憲法の柱とし、前文で、再び戦争の惨禍を起こさないと誓ったのも、再出発する国家としてのけじめだった。半世紀前でも忘れるわけにはいかない。戦後、日本が国際的に孤立することなく繁栄を築いた出発点だからである。
 歴史家の世界では、東京裁判の「史観」が誤りだという意見もあるし、戦争責任は昭和天皇にあると論じる研究もある。歴史がA級戦犯にどういう評価を下すかは、自由であってしかるべきだ。
 だが、国はそうはいかない。東京裁判という政治的な手続きを、いまからひっくり返そうとするなら、相手方の同意がいる。
 小泉首相は、A級戦犯問題にどう答えているだろうか。11日の党首討論では靖国神社に「総理大臣として行く」と言明し、A級戦犯でも刑死した後は仏様になるのが国民感情だと発言した。日本にはもう戦争責任を負う者はいないということになる。それで国際社会の理解を得られるだろうか。
 日本では死んだ人間はみな仏様かもしれないが、中国には1000年も昔の売国奴、秦桧(しんかい)の像にいまだにツバをはきかけ、責任を問い続ける文化がある。
 A級戦犯を一般の戦没者と区別し、戦争責任の所在を内外に明らかにすることは、戦争に敗れた日本が負ったけじめである。もう、けじめはいらないと思うのは早計だ。「いさぎよく謝罪したドイツ、謝ろうとしない未練たらしい日本」と、孫の代まで国際社会から後ろ指をさされるのは願い下げにしてほしい。首相は公式参拝をやめたほうがいい。 [2001-07-12-00:05] 385
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 07/12@<ミサイル防衛>ABM制限条約抵触の可能性 米国務省が覚(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】14日行われるミサイル防衛の迎撃実験を前に、米国務省は各国の米大使館などに覚書を送り、米政府が多角的なミサイル迎撃技術の開発を行う方針を明示、「数カ月以内」にも、ロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に抵触する可能性が出てくると通知した。
 AP通信などが報じたもので、覚書は今月3日に送られた。「世界は根本的に変化し、もはや冷戦時代の論理は存在し得ない」として、冷戦下で結ばれた同条約が時代遅れになったことを間接的に指摘。「米国は同条約で禁じられた措置を含めて、あらゆる技術を検討する」としている。
 また、アラスカ州に建設するミサイル迎撃システムは04年までに完成する可能性があるとし、条約が認めていない海上発射型の迎撃装置や、航空機搭載のレーザー兵器などの開発により「ABM制限条約上の問題は、数年と言うより数カ月以内に生じるだろう」と明記している。
 覚書は同条約の修正、廃棄を前提に、多角的な技術開発と積極的な実験を行う方針を示したもので、既にロシアや同盟国にも米政府の意向は伝達されたという。同条約は米露が各1カ所のミサイル迎撃網を造ることを認めているが、複数の基地建設は禁じている。
 14日の実験は、米本土から発射する大陸間弾道弾を、太平洋上の島から迎撃を試みるもので、従来通り陸上発射型の迎撃実験。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイルを警戒する国防総省は、発射から短時間のうちにミサイルを迎撃する海上迎撃システムも検討しており、これに関連した実験が近く行われる可能性も出てきた。 [2001-07-12-23:50] 389
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 07/12@ブルガリアで元国王“返り咲き”首相就任へ(読売新聞)

 【ウィーン12日=佐々木良寿】ブルガリアからの報道によると、先の総選挙で旋風を巻き起こした元国王シメオン2世は12日、首相候補を受諾すると明らかにした。共産党政権下で廃位された元国王が政治の最高指導者として返り咲くのは、旧東欧圏で初めて。ストヤノフ大統領は15日、元国王に組閣を要請する。議会は24日に新内閣承認に関する議決を行うが、承認はほぼ確実だ。
 元国王は記者団に「重大な決意を持って決定を受ける」と首相候補受諾を表明した上で、「極めて困難で複雑な任務だが、私は国民の生活向上だけを考えている」と語った。元国王は1946年の王制廃止によってスペインへ亡命。今年4月、国民生活の劇的な改善と汚職撲滅を訴えて「シメオン2世国民運動」を旗揚げし、先月17日の議会(定数240、一院制)選挙で、120議席を獲得した。
 元国王本人は出馬しなかったが、議会の承認があれば、議員以外でも首相就任は可能で、元国王の出方が注目されていた。「国民運動」は、議会第4党で21議席を持つトルコ系少数民族政党「権利と自由のための運動」との間で連立に基本合意している。 [2001-07-12-22:50] 390
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 07/12@チェチェンで露軍の残虐行為発覚、謝罪し捜査開始(読売新聞)

 【モスクワ12日=伊熊幹雄】長期化するロシア・チェチェン紛争で、現地展開するロシア軍が今月初め、住民を拷問したり、病院を破壊するなど残虐行為に走っていたことがわかり、ロシア政府は12日までに、現地当局者に謝罪するとともに、刑事事件として捜査に乗り出した。
 現地報道によると、問題のロシア軍部隊は先週、チェチェン共和国西部の2つの村で「ゲリラ掃討作戦」の一環として村中の男性を未成年を含めて集め、暴行を加えたり、一部を拷問したほか、学校など公共施設荒らしや病院破壊などをした。2つの村には他地域の戦闘を逃れてきた難民がいたため、「ゲリラの温床」と疑われた模様で、事件で新たな難民が発生した。
 同共和国の自治政府は暴行が明らかになった後、ロシア軍、内務省に「過剰な行動」と抗議。11日には自治政府代表がモスクワでボリス・グルィズロフ内相と会談して対策を促した。プーチン大統領の特使であるビクトル・カザンツェフ氏はこれに先だつ10日、同共和国を訪れ、自治政府に謝罪している。
 ロシア軍のチェチェンでの人権侵害は、一昨年の掃討作戦開始以来指摘されてきたが、プーチン大統領は米欧首脳との良好な関係に乗って、国際舞台での批判を抑え込んできた。今回の軍の行動は紛争の実態をさらけ出した格好で、同大統領は来週のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)などで、新たな説明を求められそうだ。 [2001-07-12-22:47] 407
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 07/12@なぞの殺人集団が山里襲う アチェ、民族抗争誘発も(共同通信)

 インドネシア国軍による独立派ゲリラ「自由アチェ運動」(GAM)の掃討作戦が本格化するスマトラ島のアチェ特別州。その海抜千メートル級の高地にある中アチェ県一帯で、正体不明の武装集団による住民虐殺や放火事件が続発し、住民を恐怖に陥れている。
 GAMと国軍は互いに、一連の事件は相手側の仕業だと非難している。双方の対立はこの地域の先住少数民族ガヨ人と入植者のジャワ人との民族間抗争も誘発しかねず、アチェ独立紛争を泥沼化させる危険性をはらんでいる。
 「連中は四歳の女の子を逆さづりにし、首を切った。重傷を負って倒れていた母親の目の前でやった」。殺人集団を恐れ、森などに避難した住民の世話をしている中アチェ県議会のタゴレ・アブバカル副議長(46)が惨劇の様子を語る。
 「七月一日に、切り殺されて道端に放置された死体三十体を収容した。四月以降では計九十四体だ。収容できない死体も多く、実際の犠牲者はその二倍以上だろう」と同県の赤十字支部幹部も顔をしかめる。
 タゴレ副議長によると、武装集団は六月一日から七月二日の間に住宅七百三十六棟、学校二十五棟に放火、一万二千五百四十三人が避難民となった。
 父親を武装集団に殺され、県庁所在地タケゴンに避難したジャワ人農民(53)は「近くに拠点のあるGAMがやったに違いない」と言う。警察幹部(37)も「(海岸部の)北アチェ県などで劣勢に陥ったGAMが中アチェ県へ移動、弾薬を節約するため、住民を刀で殺害している」と分析する。
 一方、同県ポンドクバル村のモスク(イスラム教寺院)に避難しているガヨ人の農民(40)は「覆面姿の国軍兵士が発砲するのを目撃した人がいる」と語る。GAM幹部のアブドゥル・ワハブ氏も「国軍がジャワ人民兵を組織して共同作戦を展開し、先住民を殺している」と断言、反独立派の民兵組織が少なくとも二つ存在する、と指摘する。
 しかし、真相はなぞだ。住民を刃物で集団虐殺する手口は、アチェ紛争ではあまり例がなく、国軍やGAMとは別の特殊な訓練を受けた集団が関与している可能性もある。
 中アチェ県はこれまで紛争の影響が少なく、コーヒー栽培を生業とする諸民族が共存、民族間の結婚も少なくなかった。
 ある公務員は「民族抗争を扇動して利益を得る勢力がいるのでは。混乱に乗じた強盗事件の捜査もされず、法はもはや機能していない」と語り、静かな山里の変容ぶりを嘆いた。(タケゴン共同=米元文秋)(了)[2001-07-12-16:18] 419
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 07/12@<国連小型武器会議>「子供が子供殺す」 ルワンダPKO元(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】「子供が子供を殺している」――国連小型武器会議で11日、ルワンダの国連平和維持活動(PKO)を担当したダレイル元派遣団長(カナダ)が会見し、アフリカの子供が不法に出回る拳銃などで他の子どもを殺していると説明した。
 ダレイル氏は94年のルワンダ大虐殺を現場で目撃した。「80万人が虐殺された中で、30万人の子供が殺された」「ナイフやナタ、それに銃が多数使われた。子供の多くは大人というより他の子供に殺された」と言う。
 さらに「武器を与えられ、訓練を受けたら、子供は別の子供を殺すようになる。より若い世代にも殺すことを教え、いつまでも殺りくが続いていく」と話した。
 国連によると過去10年間に拳銃や自動小銃など小型武器で殺された子供は200万人。現在も18歳未満の少年兵士30万人が銃を手に戦っている。
 カナダ政府は11日、国連小型武器会議に対し、子供たちを小型武器から守るための手だても講じるよう求めた。 [2001-07-12-10:00] 420
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 07/12@<タリバン>アフガン実効支配政権の駐パキスタン大使と会見(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】アフガニスタンを実効支配するタリバン政権のアブドル・サラーム・ザイーフ駐パキスタン大使は毎日新聞とこのほど会見し、世界最大のアヘン供給源となったアフガンで、アヘンの原料となるケシの栽培の全面禁止を永続化させるという政権の方針を初めて明らかにした。
 タリバンの最高指導者オマル師は昨年7月、厳しい罰則を含むケシ栽培禁止を布告した。だが、国連麻薬統制計画(UNDCP)が米国や欧州の専門家を含む調査団を現地に派遣し、今年5月に「ケシ畑はほぼ完全に除去されている」と発表するまで、国際社会は強い疑念を抱いてきた。
 大使は「アフガンは干ばつと内戦、国連制裁の影響で数百万人が飢餓状態にある。ケシ栽培禁止は農民らの困窮に拍車をかけているが、政権は今後も、栽培を一切認めない」と明言。国際社会に「代替作物への転換支援や緊急食糧援助を強化してほしい」と求めた。
 また「イスラムの教えは、食を禁じている豚などについて、命の危機に直面した場合に限り摂取を許している」と説明。飢餓の深刻な地域で、豚などの摂取を認める布告を特例として出すこともあり得ると述べた。
 アフガンでケシ栽培が本格化したのはアフガン戦争(79〜89年)中だ。ソ連軍に抗戦するアフガンゲリラを支援する米国がゲリラの資金源として栽培を奨励した。96年に首都カブールを制圧したタリバンは麻薬禁止を打ち出したが、その後「困窮した農民のギリギリの選択まで奪えない」と公言して「麻薬容認」姿勢に転換。世界最大のアヘン生産国になった。
 この経過について大使は「当初、米国などが代替作物への転換支援を約束したが、果たされなかったからだ」と述べた。 [2001-07-12-09:50] 421
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 07/12@<OAU>アフリカ連合(AU)への移行決め、首脳会議閉幕(毎日新聞)

 【ルサカ城島徹】ザンビアの首都ルサカで開かれていたアフリカ統一機構(OAU)首脳会議は11日閉幕した。アフリカ連合(AU)への移行措置のほか、アフリカ再生に向けた開発計画「新イニシアチブ」の採用を決めた。
 同計画は南アフリカなどOAU主要加盟国グループとセネガルがそれぞれ別途に打ち出したアフリカ再生策を一本化したもの。アフリカが主体的に作った初めての包括的開発計画だ。
 計画の柱は(1)情報技術(IT)を含むインフラ整備(2)エイズなど感染症対策(3)教育と人材育成(4)農業の活性化――など。民主化と健全な統治などの条件を付け、先進国からの支援を求める。南アのムベキ大統領らがジェノバで開かれる主要国首脳会議(サミット)で紹介する方針だ。
 一方、新組織AUは来年7月に第1回首脳会議を南アで開く予定だが、AUへの完全移行期間について、OAU新事務局長のエシー氏は「1年か2年か分からない」と説明。加盟国代表や事務局で随時、連絡会議を開き調整するという。 [2001-07-12-09:45] 422
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 07/12@銃規制NGOに脅迫メール 匿名報道要請の動き広がる(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】国連本部で開催中の国連小型武器会議で、銃取引の規制強化を訴えた非政府組織(NGO)メンバーに米国などの規制反対派から脅迫まがいの電子メールが殺到、パソコンに障害が起きるなどの被害が出ていることが十一日、分かった。
 これを受け規制推進派NGOの間で、発言を引用する際には匿名での報道を要請する動きが広がっており、NGOの在り方にも影響を与えそうだ。
 被害を受けたのはワシントンに本部があるNGOの代表で、銃規制を推進するNGOの連合体「小型武器国際行動ネットワーク」の広報担当者。
 会議初日の九日、記者会見で米国代表による規制反対演説を批判したところ、翌十日朝から米国やオーストラリアからメールが殺到。「おまえこそ銃を買って身を守ったほうがいい」との文言もあり、「身の危険を感じるほどだった」(同広報担当者)という。
 このため、NGO関係者から報道機関に「絶対に名前を出さないでほしい」との要請が相次いでおり、主に実名で主張を公表することで影響力を強めてきたNGOに難問を突き付けた格好になっている。(了)[2001-07-12-09:00] 423
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 07/12@中国がロシア提案を支持(共同通信)

 【モスクワ11日共同】十一日のタス通信によると、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約など戦略的安定性をめぐる問題を国連安全保障理事会の常任理事国五カ国が協議する枠組みの設置を提唱したプーチン大統領の新提案について、中国政府は支持する意向をロシア側に伝えた。
 ロシアのロガチョフ駐中国大使が明らかにした。中ロ首脳会談のため十五日から訪ロする江沢民国家主席は大統領に正式に支持を表明するとみられる。
 ロシア提案は、核保有国でもある五カ国のうち、中ロとフランスが米国のミサイル防衛構想に反対しているのを背景に、この問題を安保理に持ち込むのが狙い。大統領は今月初めに訪ロしたシラク・フランス大統領にもこの提案を示した。(了)[2001-07-12-09:00] 425
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 07/12@新組織の具体像は先送り 最後のOAU首脳会議閉幕(共同通信)

 【ルサカ11日共同】ザンビアの首都ルサカで開かれていたアフリカ統一機構(OAU)首脳会議は十一日、新組織、アフリカ連合(AU)への移行措置について、さらに具体的に話し合う特別閣僚会議の開催や専門家による作業部会の設置などを決めて閉幕した。AUへの移行措置や新組織の具体像に関する議論は先送りされた形となった。
 OAUの首脳会議はこれが最後。AUの創設規約は新組織への移行期間を一年間と規定しており、来年七月に南アフリカで、初めてのAU首脳会議が開かれる予定。しかし、それまでにAUとしての機構整備がどこまで進むかは不透明だ。
 OAUの新事務局長に選出されたコートジボワールのエシー元外相は首脳会議後に記者会見し、移行期間について「一年になるか二年になるかは今後の作業次第だ」と述べた。
 欧州連合(EU)をモデルにアフリカの政治と経済を統合するという計画は進み始めたものの、実際にどんな組織になるのか、骨格が明らかになるまでにはなお相当な時間がかかりそうだ。(了)[2001-07-12-08:47] 428
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 07/12@ブヨヤ氏が暫定大統領に ブルンジ(共同通信)

 【ルサカ11日共同】ブルンジのブヨヤ大統領は十一日、ザンビアの首都ルサカで記者会見し、ツチ人とフツ人の民族対立から内戦が続くブルンジに和平をもたらす目的で新たに設立する暫定政府の大統領にブヨヤ氏が就任することで各当事者が合意したと述べた。暫定政府の発足時期は未定。
 暫定政府は三年間の期限付きで、前半の十八カ月はツチ人のブヨヤ氏が大統領に、フツ人が副大統領にそれぞれ就任。後半の十八カ月はフツ人が大統領に就任し、ツチ人が副大統領を務める見通し。調停役を務める南アフリカのマンデラ前大統領が十日、昨年の和平協定に調印した十九組織を南アに集めて合意した。
 ブヨヤ大統領はまた、南アフリカ、ナイジェリア、セネガル、ガーナの四カ国が、和平協定に参加していないフツ人反政府武装勢力との間で停戦合意が成立した場合、ブルンジに平和維持軍を派遣することに同意したことを明らかにした。(了)[2001-07-12-07:51] 431
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 07/12@<小型武器>合法的な所有だけで5・5億丁 独立系調査機間(毎日新聞)

 ジュネーブの独立系調査機間「スモール・アームズ・サーベイ(小型武器調査)」は10日、世界に拡散している小型武器の実態をまとめた報告書を発表した。国連は「世界の小型武器は約5億丁で、ほぼ半数が非合法取引によるもの」と推定しているが、この報告書は合法的に出回っているだけで5億5000万丁に上ると指摘した。
 報告書によると、その内訳は個人所有56%▽政府・軍隊41%▽警官3%――と、個人所有が極めて多い。反政府組織の所有は0・2%で、個人の不法所有の実態は不明。おそらく1000万〜1億丁に上るだろと推測している。
 小型武器の合法的な取引の金額は年間40億〜60億ドルで、非合法取引は10億ドルほどだという。
 また小型武器の生産能力を持つ国は95カ国で、主な生産国は米、中、露、仏、英、独など。昨年の小型武器の生産高は約14億ドル、弾薬は26億ドル。輸出国の半数以上が輸出額を公表しておらず、武器ブローカーの動きを調べている国も4分の1程度だという。【ニューヨーク上村幸治】 [2001-07-12-01:35]
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 07/13@<ユーゴスラビア>英国亡命中の元皇太子に宮殿使用を承認 (毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦政府は12日、旧ユーゴ王国の故ぺーター2世元国王の長男で英国亡命中のアレクサンダル・カラジョルジェビッチ元皇太子(55)に、ベオグラード市内の2つの宮殿の使用権を認める決定を下した。元皇太子は歓迎談話を発表し「家族と共に来週帰国する」としたが、ブルガリアのシメオン2世のような政界進出は否定した。
 使用権が認められたのはベオグラードの高級住宅地にある2宮殿で、ミロシェビッチ前大統領時代には外国公賓の接待に使用されていた。 [2001-07-13-21:35] 49
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 07/13@<キッシンジャー氏>プーチン露大統領と会談 IOC総会で(毎日新聞)

 【モスクワ石郷岡建】国際オリンピック委員会(IOC)総会出席のためロシアを訪問中のキッシンジャー元米国務長官は13日、プーチン大統領と1時間にわたり国際情勢などについて意見交換した。
 会談後、キッシンジャー氏は双方の主要な問題に対する考え方は一致したと説明。米露間のミサイル防衛問題をめぐる対立についても、両国が合意する可能性が高いとの楽観的見通しを述べた。
 キッシンジャー氏は、先月スロベニアで開催された米露首脳会談で、ブッシュ米大統領はプーチン大統領に非常に良い印象を抱き、プーチン大統領も同様だったと説明した。
 一方、プーチン大統領は国際安全保障問題の解決のためにはロシアを国際共同体の一員に入れることが重要だと力説し、キッシンジャー氏もこれに同意したという。 [2001-07-13-21:30] 55
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 07/13@◎田中外相のチェコ訪問に批判の声=14日から訪欧(時事通信)

 田中真紀子外相は14日からチェコ、ユーゴスラビア、イタリア3カ国を歴訪する。チェコ、ユーゴ両国訪問の目的は、東欧の市場経済化やバルカン情勢などについて両国外相らと意見交換し、ローマでのジェノバ・サミット(主要国首脳会議)外相会合に備えるためとされている。しかしチェコに関しては「親しい大使がいるということだけが理由。公私混同だ」(外務省幹部)と批判の声がくすぶっている。
 チェコ大使の石田寛人氏は、田中外相が科技庁長官時代の1995年に科学審議官から科技事務次官に抜てきした経緯があり、「科技庁時代から田中外相のお気に入り」(外務省筋)。99年に旧科技庁出身者として初めて大使に起用された。 [時事通信社][2001-07-13-16:23] 56
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 07/13@イワニセビッチ選手らが戦犯引き渡しに抗議(読売新聞)

 【ウィーン支局13日】テニスのウィンブルドン選手権で優勝したばかりのクロアチアのゴラン・イワニセビッチ選手ら同国の有名スポーツ選手らが12日、旧ユーゴ戦争犯罪国際法廷へのクロアチア人戦犯引き渡しを決めた政府に抗議する公開書簡を発表した。
 クロアチア政府は7日、95年まで4年にわたり続いたユーゴ紛争で、セルビア人住民虐殺などの罪で起訴されている現役将軍ら2被告を国際法廷に引き渡すことを決定した。
 書簡では、「クロアチアは(紛争の)犠牲者。わが国の将軍や兵士たちは英雄である」とし、引き渡しは、「歴史のわい曲につながる」と、強く反対している。書簡には、98年のワールドカップ3位のサッカー界の著名選手らも署名している。
 この問題は、第一副首相ら4閣僚が辞任するなど、政権を揺るがす問題となっている。今回の書簡がクロアチアの民族感情をいっそう刺激する可能性もある。 [2001-07-13-12:32] 57
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 07/13@<旧ユーゴ戦犯法廷>カラジッチ氏逮捕命ずる 前ユーゴ大統(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に起訴、拘束されているミロシェビッチ前ユーゴ大統領が、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の戦犯として起訴されたセルビア人勢力指導者カラジッチ氏の逮捕と同法廷への身柄引き渡しを当時の軍最高幹部に命じていたことが12日、分かった。ユーゴ連邦セルビア共和国のぺリシッチ副首相が同日、地元に証言した。
 副首相はこの中で、「96年、前大統領は欧米諸国を喜ばせるため、経済制裁解除の条件だったカラジッチ氏逮捕を命じたが、私は断った」と証言した。戦犯法廷は、ボスニアのセルビア人勢力のカラジッチ氏とムラジッチ将軍の2人を戦犯として起訴しており、前大統領引き渡し後の最大の標的として行方を追っている。
 副首相は前大統領の下で6年間軍最高司令官を務めた後、北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆への対応を巡って対立し、98年に解任。その後、民主セルビア運動の党首となり、昨年秋の新政権発足で副首相に就任している。 [2001-07-13-10:35] 58
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 07/13@テニスのイワニセビッチが反対表明 クロアチアの戦犯移送(共同通信)

 【ウィーン12日共同】テニスのウィンブルドン選手権で優勝したクロアチアのゴラン・イワニセビッチ選手は十二日、他の有名スポーツ選手とともに、クロアチア独立に伴うユーゴスラビア連邦軍との内戦に絡み、戦犯となったクロアチア人の旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への移送を決めた政府に抗議する公開書簡を発表した。
 国民的人気を誇る同選手が反対姿勢を鮮明にしたことで、戦犯移送問題が同国内の民族感情をいっそう刺激する恐れも出てきた。
 十二日付の各紙に掲載された書簡は「われわれは政治の素人だが歴史をゆがめることはできない。クロアチアは被害者で、軍人は英雄というのが唯一の真実だ」として、軍人二人の移送に反対している。
 同国政府は七日に戦犯移送を決定。これに反発した副首相らが辞任し、連立政権は崩壊の危機に直面している。また、戦犯を英雄視する一般市民も抗議集会を開くなどしている。(了)[2001-07-13-08:33] 59
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 07/13@カラジッチ氏逮捕を命令 ミロシェビッチ前大統領(共同通信)

 【ウィーン12日共同】「人道に対する罪」でオランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に起訴されているミロシェビッチ前ユーゴ大統領が一九九六年、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の戦犯だったセルビア人指導者カラジッチ氏を逮捕、同法廷に引き渡すよう命じていたことが十二日、明らかになった。
 ユーゴ連邦セルビア共和国のペリシッチ副首相が民間テレビBKの番組で「命令を受けたが断った」と語った。
 当時、ミロシェビッチ政権の連邦軍参謀総長だったペリシッチ氏は番組で、欧米諸国による経済制裁解除を期待した前大統領からカラジッチ氏の逮捕とハーグへの引き渡しを命じられたが「カラジッチ氏に限らず、だれも逮捕したくはなかった」と述べた。
 カラジッチ氏はボスニアのセルビア人共和国内に潜んでいるもようで、逮捕は時間の問題との見方が広がっている。前大統領の願いが五年ぶりにかなう可能性が出てきたと言えるが、自ら先にハーグに引き渡されたのは大きな誤算だった。(了)[2001-07-13-08:19] 60
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 07/13@外相のチェコ訪問「公私混同では」と疑問視の声(読売新聞)

 田中外相は14日からチェコとユーゴスラビア、イタリアを歴訪する。チェコなどの訪問は、東欧諸国の民主化、市場経済化を視察し、18日からローマで開かれるジェノバ・サミット(主要国首脳会議)外相会議での討議に生かすのが表向きの目的。しかし、石田寛人チェコ大使と親しい外相が強く希望したことから決まった外遊で、政府内には「公私混同ではないか」(政府筋)と疑問視する声もくすぶっている。
 石田氏は99年に旧科学技術庁出身者として初めて大使となった。外相が科技庁長官時代の95年6月、当時の科学審議官だった石田氏を異例の若返り人事で事務次官に登用した経緯があり、「官僚嫌いの外相にしては、珍しく相性が合う」(外務省筋)と見られている。
 外務省事務当局は小泉首相や外相が訪問したことがないロシアやドイツ訪問を進言したが、外相は「石田さんをよく知っているから、チェコに行き、3泊はしたい」と強く主張したという。結局2泊に落ち着いたが、チェコ到着翌日の15日は丸1日観光と静養にあてる予定で、「チェコは単なる漫遊旅行じゃないか」(外務省中堅幹部)との指摘も。
 外相は14日に日本を出発してチェコ、ユーゴスラビアを訪問。18日からサミット外相会議に出席し、20日に帰国する予定。 [2001-07-13-00:04] 320
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 07/13@<東ティモール>「日本がPKF部隊派遣なら歓迎」 グスマ(毎日新聞)

 【ディリ(東ティモール)中坪央暁】東ティモール独立の最高指導者、シャナナ・グスマン氏は13日、毎日新聞に対し、日本が国連平和維持軍(PKF)への自衛隊派遣を検討していることについて「日本がPKF部隊を派遣するなら歓迎する」と述べた。同氏は「現時点では何も聞いていない」と前置きしたうえで、「独立に反対する併合維持派民兵が(インドネシア側に)なお存在し、東ティモールの治安情勢は当分の間、PKFを必要としている。アジアなどの各国が平和維持活動に貢献しており、日本からの派遣を拒む理由はない」と述べた。 [2001-07-13-20:30] 323 [このページの最初に戻る]


 07/13@紛争予防でG8文書採択へ 女性と企業の役割に焦点(共同通信)

 十八日からローマで開かれる主要国(G8)外相会合で、紛争予防の効果的な推進に向け、女性の役割拡大と民間企業の協力の必要性を指摘した文書が採択されることが、十三日までに固まった。十九日の共同記者会見で、総括文書と同時に発表される。政府筋が明らかにした。
 紛争予防をめぐっては、昨年の沖縄サミット・宮崎外相会合で、紛争地域への小型武器の流入規制、ダイヤモンド取引規制など五分野に積極的に取り組むことを宣言した「宮崎イニシアチブ」(行動計画)が採択された。今回の文書はこれを補完するもので、沖縄サミット後も検討を続けてきた専門家グループが、ローマ外相会合に提出する報告書が土台となる。
 文書では、女性の役割について、紛争の中で女性や児童が犠牲になるケースが多いことを踏まえ、紛争の予防、解決、再発防止の各段階で「女性の知見」を尊重する必要があると指摘。紛争予防に取り組む国連の諸機関や各国政府、非政府組織(NGO)に対し、「意思決定に女性が参加する機会を拡大すべきだ」と訴える。
 民間企業の役割に関しては、企業に少数民族などへの人権尊重を求めた国連のアナン事務総長提唱による「国連と企業の協力(グローバルコンパクト)」や、経済協力開発機構(OECD)がまとめた「多国籍企業行動指針」をより多くの企業が守るよう呼び掛ける。(了)[2001-07-13-19:52] 327
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 07/13@「単一民族」発言にアイヌ民族有志が抗議集会(朝日新聞)

 鈴木宗男・自民党代議士の「アイヌ民族はまったく同化された」、平沼赳夫・経済産業相の「日本は単一民族」との発言に抗議し、アイヌ民族の有志が13日、北海道静内町で集会を開き、民族衣装の約170人が道内全域から集まった。
 会場は、1669(寛文9)年、松前藩の圧政に決起したアイヌ民族最大の武力抗争「シャクシャインの戦い」の記念公園。集会は「先住民族としての認知に努めるわれわれの取り組みを踏みにじる発言。容認できない」と決議した。
 アイヌ民族最大の団体・北海道ウタリ協会は、平沼氏に質問状を送ったが、鈴木氏に対しては、「差別する意図はなかった」との説明を受け入れて抗議しない方針を表明した。集会では本部の方針への不満も噴き出した。[2001-07-13-19:34] 337
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 07/13@単一民族発言容認できない アイヌ有志が抗議集会(共同通信)

 平沼赳夫経済産業相が札幌の講演で「日本はレベルの高い単一民族できちっと詰まっている国」、自民党の鈴木宗男衆院議員は「アイヌ民族は同化されている」などと発言した問題で、アイヌ民族の有志は十三日、「到底認められない」と反発して北海道静内町で抗議集会を開いた。
 集会には道内から約百五十人が民族衣装姿で参加。平沼、鈴木両氏の発言に対し「アイヌ民族は忘れ去られた」「抗議団を結成して上京すべき」などと、次々に怒りの声を上げた。
 集会後、記者会見した野村義一前北海道ウタリ協会理事長(87)は「二人を札幌に呼んで、直接釈明する機会を作りたい」と話している。
 また、同協会は問題発言後、平沼経産相に発言の意図を問う質問状を送付。鈴木議員には電話で説明を求めたが、参加者は「民族の大事な問題。納得いかない」と批判し、二人に対する対応策を協議する緊急理事会の開催を求めた。(了)[2001-07-13-17:22] 348
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 07/13@◎教科書問題、W杯に影響も=韓国組織委共同委員長が警告(時事通信)

 【ソウル13日時事】日韓共催で行われる2002年ワールドカップ(W杯)サッカーの鄭夢準・韓国組織委員会共同委員長は13日、韓国を訪れている日本人記者団と会見し、日本の歴史教科書問題について、「W杯に影響を与えざるを得ない」と警告した。
 具体的な対応措置には言及しなかったが、関連行事の縮小などが検討される可能性もあるとみられる。
 国際サッカー連盟(FIFA)副会長でもある鄭委員長はこの中で、「(教科書問題とW杯は)別々という考え自体は正しいが、われわれにはそういう余裕はない」と強調。「W杯で両国は『近くて遠い国』から『近くて近い国』になるよう期待されていたが、この問題でその機会を失いつつあるのではないか」と指摘した。
 W杯の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)での一部開催構想に関しては、「北朝鮮で2試合程度やりたいと考えていたが、簡単ではない」と述べ、実現は難しくなったとの認識を示した。(了)鄭夢準(チョン・モンジュン)[時事通信社][2001-07-13-15:17] 354
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 07/13@ABM条約「露と協調、新たな枠組み」米補佐官(読売新聞)

 【ワシントン12日=永田和男】ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日、ワシントン市内での講演で、ミサイル防衛(MD)網配備により改定が必要となる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に関し、「ロシアや関係国とABM条約を超えた、今の時代にふさわしい戦略的枠組みを協調してうち立てて行く」と述べ、ABM条約は破棄か修正の必要があることを強調するとともに、関係国を説得していく姿勢を示した。
 ロシアがABM条約見直しに反対していることについては、「条約が開発の様々な制約となっているとするわれわれの立場はすでにロシアにも伝えた。ブッシュ大統領とプーチン大統領が、ジェノバでさらに話を続けることになる」と語り、20日からイタリアで開かれる主要国首脳会議で予定されている米露首脳会談が、ロシアを説得するうえで重要な機会になるとの見方を示した。
 ライス補佐官は、ABM条約について、「ワルシャワ条約機構が存在し、ドイツが分割され、欧州に150万人のソ連軍がいた1972年に戦略的安定のかなめであった条約が、今もそうであるはずがない」と指摘し、同条約はもはや冷戦の遺物であるとするブッシュ政権の見解について改めて説明した。 [2001-07-13-12:35] 359
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 07/13@<米ミサイル防衛>国防総省高官が新構想提示 議会証言で(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】米国防総省高官は12日の議会証言で、ミサイル防衛の新たな構想を提示し、敵のミサイルの発射直後から弾頭切り離しに至る全行程で迎撃態勢を取る方針を明らかにした。弾頭破壊に焦点を絞る米本土ミサイル防衛(NMD)構想から大きく踏み出す構想であり、ブッシュ政権の防衛構想は、名実ともにクリントン前政権時のNMDとは異質なものになった。
 上院軍事委員会の公聴会で証言したケーディッシュ弾道ミサイル防衛局長は、陸海空と大気圏外から敵ミサイルを迎え撃つ「重層防衛」の概念を提示。切り離された弾頭を大気圏外で破壊する従来の構想に加えて、発射直後または飛行中のミサイルを、艦船や航空機搭載の攻撃兵器で破壊する方針を示した。
 米国は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル発射を警戒しており、ミサイル防衛の新構想は、日米が共同研究する戦域ミサイル防衛(TMD)と密接に関連するものとみられる。ブッシュ政権は、従来のNMDとTMDを分ける必要はないとして、ともにミサイル防衛と呼んでいる。
 また同局長は、今後の実験では敵の対抗措置を含めて「より現実的なシナリオ」を想定し、回数も増やしていく意向を明らかにした。ブッシュ政権は来年度予算で、ミサイル防衛関連の支出を約83億ドル増額し、多角的なミサイル防衛の開発・実験を積極的に推進する構えを見せている。
 一方では、ラムズフェルド国防長官が12日、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約脱退の可能性に言及するなど、ブッシュ政権は「ミサイル防衛の配備は自明」との姿勢を強めている。これに対してロシアや中国の反発は必至。欧州諸国も米国の「独走」批判を強める可能性があり、ミサイル防衛問題は新たな局面を迎えている。 [2001-07-13-11:05] 364
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 07/13@<国連小型武器会議>英国が米国と全米ライフル協会を強く批(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】世界の小型武器の規制・削減を目指す国連小型武器会議で12日、英国のブラッドショー外務次官が「我々は強力なロビー団体による見えない恐怖にはじき飛ばされてはならない」と演説し、名指しを避けながら銃規制に反対する米国と全米ライフル協会を強く批判した。
 次官は「会議は国家主権や銃の所有権に関する国内法を侵害しない」と強調した。政治宣言原案には「市民の武器所有を禁じる」という表現があるが、米政府は「米国民は憲法で銃の所有権を認められている」と主張、削除を求めている。
 会議には、ブッシュ米大統領の支持団体の全米ライフル協会(チャールトン・ヘストン会長、会員400万人)が非政府組織(NGO)として参加、政治宣言案を激しく批判してきた。名誉会員のボブ・バー米下院議員は会見で「国連の介入は認めない」と述べた。
 また、今回の会議では国連事務局や銃規制派のNGOに批判のメールが大量に送られており、一部に脅迫的な内容も含まれているという。
 協会関係者が関与しているかどうかは不明だが、英国次官はこうした状況を踏まえて「ロビー団体」を批判したようだ。 [2001-07-13-10:20] 380
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 07/13@<ミサイル防衛>米国防副長官、迎撃技術開発「ABM抵触」(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】ウルフォウィッツ米国防副長官は12日、米上院軍事委員会の公聴会で、ミサイル防衛の開発計画を説明、米国の開発行為は「数カ月以内」にも、ロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に抵触する可能性があると証言した。海上でのミサイル迎撃も含めて、防衛体制を多角的に研究する方針とみられる。
 また、国防総省のケーディッシュ弾道ミサイル防衛局長は同公聴会で、試験的な迎撃基地の建設をアラスカ州で02年度(01年10月から1年間)から始め、03年度内に完成させる意向を示した。同基地には当面、5基の迎撃ミサイル発射装置やセンサー類を設置する。
 AP通信などによると、国務省は3日、在外の米大使館などに覚書を送り、ミサイル防衛の積極的な開発により「ABM制限条約上の問題は、数年と言うより数カ月以内に生じるだろう」と通知した。こうした米政府の認識は、既にロシアや同盟国にも伝達されたという。
 同条約は米露のミサイル迎撃網の建設を各1カ所に限定し、迎撃方法にも規制を設けている。国防総省が14日に行う実験は、米本土から発射する大陸間弾道弾を、太平洋上の島から迎撃を試みるもので、従来通り陸上発射型の迎撃実験だ。
 しかし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイルを警戒する米国は、発射から短時間のうちにミサイルを迎撃する海上迎撃システムや、航空機搭載のレーザー兵器の導入も検討しており、これに関連した実験が近く行われる可能性も出てきた。 [2001-07-13-01:20] 382
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 07/13@◎人道機関4トップが緊急援助要請=資金不足の深刻化裏付け(時事通信)

 【ジュネーブ12日時事】大島賢三国連事務次長(人道問題担当)、ルベルス国連難民高等弁務官、ベラミー国連児童基金(ユニセフ)事務局長、バーティーニ世界食糧計画(WFP)事務局長の4人は12日、当地で記者会見し、干ばつ、洪水などの大災害や内戦で過酷な生活を強いられている世界中の貧しい人々に、さらに多くの支援をするよう国際社会に強く訴えた。
 人道支援活動を展開している主要な4つの国際機関のトップが集まって緊急にアピールするのは異例。国連は昨年、人道支援を目的に、総額27億4000万ドル(約3402億円)の資金提供を日米欧などの先進国に呼び掛けたが、これまでに集まったのは約35%に当たる9億7400万ドルにすぎないと指摘。同日の支援要請は、紛争や自然災害に苦しむアフリカ、アジアをはじめとする開発途上国への援助に必要な資金の不足が一段と深刻化していることを裏付けた。 [時事通信社][2001-07-13-00:19] 53
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 07/13@レッドスター招き10月実施 ストイコビッチ引退試合(共同通信)

 Jリーグ1部(J1)の名古屋は13日、第1ステージ限りで現役引退するストイコビッチの引退試合を10月6日に愛知県豊田市の豊田スタジアムでユーゴスラビアの強豪クラブ、レッドスターを迎えて行うと発表した。
 レッドスターは1986年から90年までストイコビッチが在籍したチーム。ストイコビッチは前半はレッドスター、後半は名古屋でプレーする案が有力。「思い出深いチームと引退試合ができ、幸せ」と話した。
 ストイコビッチは先のキリン・カップ開催中、ユーゴスラビア協会から代表としての引退試合をベオグラードで行うと伝えられたことも明かした。(了)[2001-07-13-17:02]
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 07/14@<旧ユーゴ法廷>ミロシェビッチ夫人にビザ発給へ オランダ(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】オランダ外務省は13日、ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に拘置中のミロシェビッチ・ユーゴ前大統領のミーラ・マルコビッチ夫人へのビザ(査証)発給を認めたことを明らかにした。ビザは前大統領との面会のためで、来週にも実現しそうだ。
 欧州連合(EU)は前大統領政権への制裁の一環として前政権幹部や家族に対してEU内へのビザの発禁措置を続けており、夫人もブラックリストに名前が載っている。3日の初公判の際も夫人はオランダへの入国を試みたが、ビザが発行されなかった。
 しかし、戦犯法廷は「人道的な」観点から被告の家族との面会は認めていることから、今回はEUやオランダ側もビザの発行に向けた調整を続けていた。
 夫人は長男夫人と一緒にハーグ入りするとみられている。ハーグではアパートを借りて住み、頻繁に面会したいとの希望のようだ。だが、オランダ外務省は「あくまでもビザは一時滞在用」との見解だ。 [2001-07-14-18:15] 39
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 07/14@旧ユーゴの戦犯被告1人、間もなく出頭か(朝日新聞)

 クロアチア政府は13日、国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から名を伏せて起訴されている2人の軍関係者のうち1人は将軍のラヒム・アデミ被告であると公表した。同被告は「10日以内」に出頭することで同意しているという。
 2被告は91年から95年にかけての内戦でセルビア人弾圧にかかわった疑い。ザグレブからの報道によると、もう1人は内戦で英雄視された軍の元幹部ではないかとみられているが、この人物は戦犯法廷の正当性を認めず、出頭を拒否しているという。[2001-07-14-17:04] 42
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 07/14@前ユーゴ大統領夫人にオランダがビザ発給決定(読売新聞)

 【ブリュッセル14日=鶴原徹也】オランダ政府は13日、旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷(ハーグ)の被告で、オランダで拘置中のミロシェビッチ前ユーゴ大統領のミリヤナ・マルコビッチ夫人にビザを発給することを決めた。オランダ外務省報道官が同日、発表した。
 夫人は、前大統領が先月28日にハーグに近いスヘベニンゲンの拘置所に収容された後、面会を目的としてオランダ政府にビザを申請していた。同報道官は、夫人の入国日やビザの有効期間、滞在条件など詳細を明らかにしていないが、オランダ入りは「早ければ週明け」と見られている。[2001-07-14-13:30] 44
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 07/14@<クロアチア>戦犯被告1人は出頭を表明 1人は拒否(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ザグレブからの報道によると、クロアチア政府は13日、旧ユーゴ国際戦犯法廷が起訴し身柄引き渡しを求めてきたクロアチア人被告2人のうち1人をラヒム・アデミ将軍と公表した。将軍は「10日以内に自ら進んで戦犯法廷に出頭する」と表明したという。
 もう1人の氏名は公表されていないが、地元マスコミは95年夏の戦功で有名なゴトビナ元将軍と報じている、元将軍は取材に対し「戦犯法廷は政治的道具であり認められない。出頭など論外だ」と話したという。 [2001-07-14-11:30] 222
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 07/14@ボン合意不可能に COP6で米、議定書修正にも応じず(朝日新聞)

 米政府は13日、ドイツ・ボンで16日から開かれる気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合で、京都議定書の修正協議をもちかけられても応じる用意はなく、代替案も示さない方針を明らかにした。日本政府は米国抜きでの合意はしない方針。このため、地球温暖化への処方せんを示した議定書の発効につながる完全合意が、ボンで実現する可能性はなくなった。
 ボン会合は京都議定書の枠組みを実行に移すため、具体的なルールを話し合う場で、条約に加わった186の国・地域のほとんどが参加する。
 議定書を「非現実的」などと強く批判するブッシュ政権の高官は、「議定書に対する我々の態度は、はっきりしており、周知のもの。我々は独自の決定をした。ほかの国は自ら態度を決めればいい」と語り、議定書の枠内での修正協議には加わらない方針を示した。
 さらに、議定書に代わる案についても「まだ政策を見直し中で、持ち合わせない」と述べた。
 一方、13日にワシントンで日米高官協議に加わった日本政府高官は「京都議定書の精神に基づいて、米国抜きではない一つのルールをつくりだしたい」などと述べ、現時点では、欧州から求められているような「米国抜きの批准」を選ぶつもりはないことを明らかにした。
 川口順子環境相は協議後の記者会見で、米国に対して議定書復帰の働きかけをいつまで続けるかと質問され、「とことん最後の最後まで続けるつもりであり、いつまでと期限を切る話ではない」と長期化を示唆した。
 議定書は、批准国の90年当時の二酸化炭素(CO2)排出量の合計が先進国全体の55%以上にならないと発効しない。
 米国の排出量は36.1%で最多。オーストラリア(2.1%)は米国抜きの批准には応じない方針。このため日本(8.5%)が批准しなければ、残りの国がすべて合意、批准しても53.3%にとどまる。議定書の命運は日本の手中にあるといえる。
 日本政府高官は、問題解決の目標時期について、10月にモロッコで開かれる第7回締約国会議(COP7)が目安の一つになると述べた。だが、欧州諸国や国際環境団体には「時間がたてばたつほど合意は困難になる」と危機感が強い。
 ボン会合は27日までの予定で、イタリア・ジェノバで20日から22日まで開かれる主要国首脳会議(サミット)と日程が一部並行する。議定書問題はサミットでも、米国と欧州との対立を軸に重要テーマになる見通しだ。[2001-07-14-22:06] 223
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 07/14@<サミット>反グローバリズムのNGOと伊政府が対立(毎日新聞)

 20日から3日間の日程で開催される主要国首脳会議(サミット)を控えるイタリア北部の港湾都市ジェノバが、反グローバリズムを掲げる非政府組織(NGO)と伊政府との対立で緊迫している。現場から報告する。【ジェノバで、井上卓弥】
 「戦争でも閉ざされなかったジェノバ港が(治安維持のために)閉鎖されるなんて……」
 サミットへの感想を問うと、ジェノバ市民は一様に言葉をにごした。当初は4000億リラ(約250億円)の対策費が地元を潤すとの歓迎ムードだったが、NGOと治安部隊との衝突の可能性が高まり、日常生活の混乱は避けられない状況になっている。
 地元紙「イル・セコロ・1900」のエリカ・デラカーザさん(47)は「抗議行動の権利は保障されるべきだが、国際会議は隔離された場所で開催する方がよい」という。伊政府がサミット会場周辺に設定した立ち入り禁止区域(レッドゾーン)内の住民10万人には介護の必要な独居老人も多い。また、爆弾テロへの懸念から会期中はごみ回収箱も撤去されるなど、生活環境の維持は困難な状態という。
 こうした中、800の市民団体で構成するNGO連絡組織「ジェノバ社会フォーラム」の代表メンバー、ビットリオ・アニョレットさん(43)は「平和的抗議行動」を原則に据えるが、レッドゾーン設定には「憲法上の権利の侵害」と強く反発する。同フォーラムは20日に10〜15万人規模の抗議デモを実施し、レッドゾーン内の行進も計画しており、一部過激派と治安部隊の衝突は必至の情勢だ。
 イタリア政府は「平和的抗議は認めるが、暴力を伴えば容赦なく取り締まる」(スカヨラ内相)との立場で、正規軍3000人に軍警察や自治体警察を動員し、立ち入り禁止の徹底を図る構えだ。 [2001-07-14-21:15] 231
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 07/14@<国連小型武器会議>「市民が銃を持つ権利」を主張する米が(毎日新聞)

 ニューヨークで開催中の国連小型武器会議が、「市民が銃を持つ権利」を主張する米国に振り回されている。世界各地の紛争を中心に、年間50万人もの死者を発生させている拳銃や小銃などの小火器。これを規制・削減しようという画期的な会議だが、米国は最終日の20日に採択を目指す政治宣言(行動計画)の原案のうち「市民の武器所有の禁止」の項目を削除せよと言い張り、突出姿勢ばかりが目立つ。 【ニューヨーク上村幸治】
◆強硬姿勢
 会議は9日に始まり、13日に参加各国代表の演説が終了した。週明けから、政治宣言に関する本格的交渉が始まる。
 米国代表のボルトン国務次官は初日の演説で、いきなり「わが国の憲法は市民が武器を所有する権利を保護している」とぶち上げた。その後も米国代表団は「軍用であろうと一般用であろうと、市民の武器所有を禁じることは絶対認めない」と繰り返している。原案の文言を調整して妥協しようという交渉を、全く受け付けない姿勢だ。
 しかも、会員400万人を誇る全米ライフル協会(NRA)まで非政府組織(NGO)として会議に乗り込み、政治宣言案を批判した。
◆銃大国
 実は「銃所有の権利」をめぐる米国世論は一枚岩ではない。
 米国は推定2億丁以上の銃が出回る銃大国で、銃による死者は年間約1万人にも上るとされる。服部剛丈君射殺事件は92年に起きた。最近は銃犯罪の低年齢化が深刻だ。99年、高校生2人が同級生ら13人を射殺したコロンバイン高校事件、昨年起きた6歳男児の同級生射殺事件など、枚挙にいとまがない。こうした事件のたびに各地で銃規制運動が起きた。
 ボルトン国務次官が挙げた「憲法」も論争の余地がある。「規律ある民兵は自由な国家にとって必要であるから、人民が武器を保有し携帯する権利は侵してはならない」(米憲法修正2条)。独立後間もなく成立したこの条文の「民兵」を現在の「州兵」とみて、一般市民の武装権を認めない解釈もあるのだ。
 しかし、「自分の安全は自分で守る」という考えは根強い。銃規制は昨年の大統領選でも争点の一つになったが、NRAの支持を受けたブッシュ候補が当選した。
◆各国の批判
 今回の会議では、国連事務局や銃規制を訴えるNGOに「米市民の銃を持つ権利を奪うな」などと書いた電子メールが大量に送られた。脅迫的なものもある。NRAやその関係者が関与しているかどうかは不明だが、英国のブラッドショー代表は「強力なロビー団体からの見えない恐怖にはじき飛ばされてはならない」と呼びかけた。
 また、フランスのシャルル・ジョスラン国際協力相ら参加者の多くが、「会議の目的はアフリカなどの紛争地域で拳銃や小銃の恐怖にさらされている子供や女性を救うことにある。米国内の銃問題を話すために会議を開いたのではない」と軌道修正を訴えている。
 政治宣言案は他にも、(1)不法取引の規制(2)輸出規制(3)余剰武器の回収、破棄――など重要項目が目白押し。もっと大事な論点があるのに、といういらだちの声が強い。
◆身勝手
 米国はブッシュ政権発足後、京都議定書からの離脱表明やロシアとの条約破棄も視野に入れたミサイル防衛構想の推進、核実験全面禁止条約(CTBT)を死文化させる姿勢など「身勝手」とも見える政策を、他国の反対や懸念をものともせずに選択してきた。
 今回の会議でも、「市民の武器所有の禁止」問題に関しては、これまでのところ表立って追随する国はない。それでも米国政府はあくまで同項目の削除を求めるといい、妥協の気配はない。
 米国のごり押しを認めて削除するのか、大幅修正でなだめるのか、宣言採択をあきらめるのか。日本や欧州連合(EU)など銃規制に積極的な国は、苦渋の選択を迫られることになりそうだ。 [2001-07-14-20:00] 235
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 07/14@東ティモールで15日、制憲議会選挙スタート(読売新聞)

 【ディリ(東ティモール)14日=新居益】インドネシアからの独立を選択した東ティモールで15日、8月30日投票の制憲議会選に向けた選挙運動が始まる。同議会は新憲法採択後、国会に移行するため、住民が自らの代表を初めて選ぶ事実上の総選挙で、独立国家に向けた具体的な動きが本格化する。
 選挙を管理する国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)によると、選挙には16政党が乱立するが、独立運動を主導してきた左派の東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が、圧倒的知名度を背景に過半数獲得は確実と見られている。
 制憲議会は比例代表75と小選挙区13の88議席で構成され、1000人以上が立候補している。有権者は約38万人。9月15日に召集され、90日以内に憲法を制定する予定だ。
 ただ、住民の間では、1999年8月のインドネシアからの独立を問う住民投票後の騒乱や、75年のインドネシアによる武力侵攻で多数の死傷者を出した傷跡が深く残り、政治に暴動を連想させる住民が多い。
 このため、登録16政党のうち14政党が9日、選挙戦での暴力排除協定に調印。また、UNTAETも同日、政情不安に対処するため、治安問題の専門家ら8人で構成する特別調査チームを発足させた。 [2001-07-14-19:30] 238
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 07/14@<印パ会談>カシミール問題に悲観的 グジュラル印前首相(毎日新聞)

 【ニューデリー春日孝之】バジパイ・インド首相の側近であるグジュラル前首相は13日夜、ニューデリーの自宅で毎日新聞と会見し、印パ会談の焦点であるカシミール領有問題で「進展は望めない」と悲観的な見通しを示した。だが、両国は今回、「和平推進」姿勢を国際社会に印象付けたいとの思惑があり、前首相は「合意の得られやすい核管理体制や(核発射の)警報システムの構築など核問題が主要議題になるだろう」と指摘した。
 印パ両国は、カシミール領有をめぐり、47年の分離独立以来、2回の戦争をした。前首相によると、バジパイ首相はカシミール問題をめぐる最近のムシャラフ大統領の発言に失望し、この問題では「何の成果も期待していない」と漏らしていることを明かした。
 最大の理由は、大統領がインド訪問に際し、カシミールの自治・独立要求グループと面会する意向を表明したことだ。バジパイ首相は「2国間会談の場で、カシミール人が果たす役割はない」と激しく反発しているという。
 カシミールは現在、実効支配線を挟み、印パ両支配地域に分断されている。帰属先について、パキスタンは「カシミール人の意思を尊重」し、48年の国連決議を履行して住民投票を行うべきだと主張する。インドは「カシミールは固有の領土であり、カシミール人の意思を問う必要はない」との立場だ。
 カシミール問題の恒久的な解決法として、印パは71年の第3次戦争後、「実効支配線の国境化」で秘密合意(後にパキスタンが破棄)した経過があり、インドはこれを「唯一可能な解決策」と認識し始めている。
 グジュラル前首相はカシミール問題について「半世紀以上も争っており、わずか1回の会談で解決できるほと単純ではない」と指摘。「今回は両首脳が再会を約束すれば、十分な成果だ」と強調した。 [2001-07-14-18:36] 240
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 07/14@<東ティモール>暫定議会・国民評議会が解散(毎日新聞)

 【ディリ(東ティモール)中坪央暁】来年独立する東ティモールの暫定議会・国民評議会(NC)が14日、制憲議会選挙キャンペーンが15日に始まるのを前に解散した。
 国民評議会は、国連東ティモール暫定統治機構の下で昨年10月発足し、予算、財政、司法などの法案審議を行ったが、シャナナ・グスマン議長が途中で辞任するなど路線対立も浮き彫りになった。
 国連のデメロ特別代表はあいさつで「NCを通じて東ティモールの様々な立場の意見が反映された」と総括した。 [2001-07-14-18:15] 244
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 07/14@「同床異夢」の印パ首脳 訪問直前までジャブ応酬(共同通信)

 【ニューデリー14日共同】約二年半ぶりとなったインド、パキスタン両国の首脳会談。互いに核保有を宣言し、カシミール地方の領有権をめぐって深刻な対立を抱える両国の緊張緩和の行方に各国が注目している。
 両国の主張は個別テーマでは歩み寄りが難しく、会談を機に対外イメージ改善を図るという共通目標に向け、どこまで和平基調を打ち出せるかが焦点だが、会談直前まで双方の「ジャブの応酬」が続いた。
 人口十億、躍進する情報産業など安定した経済成長を背景に南アジアの地域大国として国連安全保障理事会常任理事国入りを目指すインドと、軍事政権というマイナスイメージを抱え、経済危機で主要国や国際機関からの金融、経済支援が不可欠なパキスタン。ともに国際的な支持確保が重要なカギを握る状況にある。
 だがカシミール問題を中心に、歩み寄りが難しいテーマを抱え、首脳会談を利用して自国の立場をいかに外向けにアピールするかを競う様相を呈している。
 インド政府はムシャラフ・パキスタン大統領の訪問に先立ち@パキスタンの民間人服役囚全員の釈放Aパキスタン人を対象としたインド入国査証取得手続き緩和B核管理面の協力や軍事的緊張緩和のための陸軍作戦部長のパキスタン派遣―などの信頼醸成措置を次々と発表した。国際社会に対し、インドがパキスタンとの関係改善に本腰で取り組んでいることを印象づける狙いがあるのは明白だ。
 しかし、パキスタン側は「カシミール問題が前進しなければ信頼醸成の意味がない」(ムシャラフ大統領)とけん制するなど、首脳会談ではあくまでもカシミール問題にこだわる構えを示している。同問題のみを未解決の重要問題として国際社会にアピールすることこそが、パキスタンの最優先課題なのだ。
 一九九九年二月、バジパイ・インド首相が当時のシャリフ・パキスタン首相とパキスタン・ラホールで会談した際には、少なくとも両国関係を本気で改善しようとする双方の意思が感じられたが、今回は様子が違う。だが、鳴り物入りの首脳会談である以上「成功だったと強調できる双方にとっての成果は必要」(パキスタン政府当局者)だ。
 着地点は、カシミール問題などをめぐる両国の対話継続で、根本的な問題の解決はすべて先送りになりそうだ。それでも国際社会は、最悪の場合には核戦争すら起こしかねない両国が対話のテーブルに再び着くこと自体に着目、評価せざるを得ない。(了)[2001-07-14-17:32] 247
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 07/14@主要争点で部分合意目指す 16日からボンで温暖化会議(共同通信)

 【ブリュッセル14日共同】地球温暖化防止のため、一九九七年に採択された京都議定書の運用ルール策定を目指し、気候変動枠組み条約第六回締約国会議(COP6)再開会合が十六日、十二日間の日程でドイツのボンで開幕する。
 米国が三月に議定書離脱を表明、国連の目標である来年の発効が危ぶまれる中、交渉に包括合意し各国の批准を進めるのが目標。しかし、参加国間の隔たりは大きく、最終合意に至るのはほぼ不可能な状況だ。
 このため、途上国への資金援助など四つの争点でどこまで部分合意できるかが焦点。積み残した課題は十月のCOP7(モロッコ)以降に先送りされる見通しだが合意の保証はなく、議定書は依然、死文化の危機に直面している。
 議定書発効には、批准した先進国の二酸化炭素(CO2)排出量が先進国の一九九○年総排出量の55%を超えることが必要。最大の排出国である米国の穴を埋めるためには日本の批准が不可欠で、川口順子環境相ら日本代表団の交渉姿勢が注目されている。
 しかし、政府は産業競争力の低下を招くなどとして、米国抜きの議定書批准に消極的。小泉純一郎首相は「まだ時間はある」と方針決定を先送りする意向で、ボン会合が失敗した場合、日本の消極姿勢に批判が集まる恐れもある。
 プロンク議長(オランダ環境相)は@削減目標に対する森林のCO2吸収の扱いA海外からCO2の排出枠を購入する「排出量取引」などの国際制度B排出削減義務を果たせなかった場合の措置(順守制度)―などでの合意を目指す方針。
 十六―十九日の非公式高官協議の後、十九―二十二日は主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)と並行する形で閣僚交渉を行う。政治合意が得られれば、二十三日から採択文書の作成に入るが、COP7に向けた決意や手順を盛り込んだ文書を採択するだけに終わる可能性もある。(了)[2001-07-14-17:14] 256
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 07/14@米単独で核削減 米補佐官が方針示す(朝日新聞)

 米国のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日の記者会見で、ロシアが提案している国連常任理事国5カ国の枠内での核軍縮に否定的な考えを示した。「ブッシュ大統領は米国の安保に最低限必要な数にまで削減する検討をしている」と述べ、米単独で核削減を進める方針を示した。
 ブッシュ大統領はすでに現在7千発以上ある核弾頭を一方的に大幅削減する方針を表明し、ロシアとの戦略兵器削減条約(START)から距離を置く姿勢をとっている。これに対しロシアは今月、英仏、中国を加えた5カ国の総数で核削減をする新提案を明らかにした。
 しかしライス氏は、米ロが冷戦期の交渉で弾頭数を厳密に定めたのは「ゼロ・サム・ゲームの敵対関係にあったからだ」としたうえで、「現在は防衛面で透明性を確保できる正常な関係だ」と時代の変化を強調した。
 ライス氏は、米ロ関係は核を突きつけ合う「恐怖の均衡」の維持にそれほど注意を集中する必要はなくなったとも指摘。「もはや長い時間をかける軍備管理交渉に入る理由はない」「大統領は(弾頭をめぐる)ロシアとの数合わせ交渉には入る努力はしない」と語った。[2001-07-14-15:46] 258
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 07/14@中ロの戦略関係より強固に 21年ぶり新友好条約調印へ(共同通信)

 中国の江沢民国家主席が十五日からロシアを訪問し、プーチン大統領と会談、両首脳の間で「中ロ善隣友好協力条約」が調印される。双方の友好条約は、旧ソ連との「中ソ友好同盟相互援助条約」が中ソ対立で一九八○年に失効して以来、二十一年ぶり。
 東西冷戦の終結後、世界の一極支配を強める米国をけん制するため、中国、ロシアの協調の重要性が高まっているとの両首脳の認識が背景にあり、新条約で両国の「戦略的協調関係」はより強固なものとなる。
 新条約は「両国は幾世代にわたっても敵対しない」と誓い、政治、経済、科学技術、教育などの分野での協力を明記する。中国が友好条約を締結している国は日本、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などに限られており、同条約の調印は「中国の対ロシア関係重視の表れ」(中国筋)だ。
 中国は建国直後の五○年、初の対外条約として、ソ連との間で中ソ友好同盟相互援助条約を締結。東西冷戦の中で「条約は日本、米国に対抗する軍事同盟だった」(中国社会科学院東欧中央アジア研究所の鄭羽教授)。しかし、五○年代後半以降の両国の対立で八○年に条約は失効。八九年の和解実現後は、九一年のソ連解体を経ながらも、信頼醸成を進めてきた。
 中国にとって、ロシアは軍事、航空、原子力発電での技術協力、石油などのエネルギー確保のためにも重要な存在だ。鄭教授は「中国は経済建設のためにも、対ロシア関係の重要性を再認識した」と指摘する。ロシアも極東開発などで中国との協力を望んでいる。
 米国のブッシュ政権が台湾防衛を明言するなど、中国への強硬路線を強めたことも、中国とロシアの関係強化の必要性を高めた。
 中ロ首脳の会談は、米国のミサイル迎撃実験直後の十六日に予定されており、米国のミサイル防衛構想に関する協議を国連安全保障理事会の常任理事国五カ国で行うとのプーチン大統領の新提案を話し合う可能性もある。中国、ロシアと同様、米国の構想に反対するフランスを加え、ミサイル防衛をめぐる米国の独走を食い止める狙いがあるとみられている。
 中国、ロシアには、グローバル化の中では冷戦時代のような同盟関係はそぐわないという考え方も根強い。中国筋によると、中国の唐家〓外相は首脳会談の準備のため四月にロシアを訪問した際、戦略的協調関係について@単独または同盟して米国に対抗しないA多極化を推進する―などの四原則を強調している。(北京、共同=塩沢英一)(了)☆王ヘンに旋 [2001-07-14-15:26] 260
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 07/14@15日選挙運動開始 独立控えた東ティモール(共同通信)

 【ディリ14日共同】国連暫定統治下で独立への準備が進む東ティモールで、八月三十日投票の憲法制定議会(制憲議会)選挙に向けた選挙運動が十五日からスタートする。
 同議会は後には国会に移行するため、東ティモールにとって事実上初の総選挙実施となる。
 ポルトガル領、インドネシア併合という厳しい歴史を経て、住民が自らの国の代表を民主的に選ぶのは初めて。十六の政治勢力が新国家建設への参画を求め政党登録を済ませており、十七歳以上の有権者約三十八万人に支持を訴える。
 議会は比例代表制の全国区選出七十五議席、県単位の小選挙区選出十三議席の計八十八議席で構成。九月十日までに結果が発表され、十五日に招集。三カ月間の審議を経て憲法を制定し、年内にも公布の予定だ。
 住民の間では、これまで独立抵抗運動の中核を担ってきた東ティモール独立革命戦線(フレティリン)=ルオロ代表=が知名度、人気とも抜群で、第一党の座を確保しそうな勢い。
 「初代大統領」の呼び声の高いシャナナ・グスマン氏、ノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ氏の二人の独立派指導者は特定の党派に属さず、立候補していない。
 一九七五年のポルトガル撤退時における内戦、九九年の住民投票後の破壊と騒乱の経験から、住民らの中には「政治イコール暴力」と選挙実施を不安に思う人々も多い。
 このため各政党は、公正な選挙の実施と紛争回避を誓う「統一協定」に署名。国連も選挙に合わせ、各地で「政治教育セミナー」を続けている。(了)[2001-07-14-15:19] 261
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 07/14@米とEUの攻防白熱か 取引規制論議 国連小型武器会議(共同通信)

 【ニューヨーク14日共同】自動小銃など小型武器の取引規制を目指す国連小型武器会議は十三日、前半の討議が終了し、週明けから政治文書(行動計画)の採択に向けた本格交渉が始まる。厳格な規制を定めたい欧州連合(EU)とこれを阻止したい米国や中国などとの間で、政治文書をめぐる攻防が白熱しそうだ。
 これまでの討議で、レイエス議長(コロンビア)の文書案について各国が見解を表明した。最大の焦点は米国が猛反発した「小型武器の個人所有の禁止を検討」と「取引を政府間に限定する」の項目。前者は米憲法に抵触し、後者は例えばイラクの反フセイン勢力などへの武器供与が制限される可能性があるためだ。
 米国の強硬姿勢は、京都議定書からの離脱表明やミサイル防衛構想などに続くブッシュ政権の「ユニラテラリズム(一方的外交)」との批判を一斉に浴びたため、米側は「銃規制問題での対応はクリントン前政権と同じだ」(国務省当局者)と強調する一方、「交渉の余地はある」(同)とやや柔軟な姿勢に転じた。
 交渉筋によると、米は中国などが「自衛権を脅かされる」として反対している「厳格な輸出規制」の削除に協力して「米中連合」を結成。EUを追い込みながら「個人所有の禁止」の削除など自らの要求を勝ち取りたい作戦に出ている。
 レイエス議長は十六日に文書案の改訂版を公表するが、争点の項目は表現をあいまいに修正する見通し。
 一方で難しい選択を迫られるのがEU。規制厳格化を貫けば文書採択は不可能となり、「将来の条約締結に向けた第一歩」(国連外交筋)となる今回の会議は失敗に終わる。
 会議開催を主導した日本はこうした事態を「絶対に回避する」方針で、ぎりぎりの局面で「落としどころを提示する」(登誠一郎・日本政府代表)構えだ。(了)[2001-07-14-15:16] 278
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 07/14@<米国防戦略>「2正面作戦」放棄 4本柱の戦略に転換 米(毎日新聞)

 【ワシントン清宮克良】ラムズフェルド米国防長官が主導する国防戦略見直しについて13日付のニューヨーク・タイムズ紙など米メディアは、2カ所の大規模地域紛争に同時に対処する「2正面作戦」を放棄し、一つの大規模紛争での決定的勝利を重視するなど4本柱の戦略に転換するという内容の機密文書がまとまったと報じた。
 報道によると、機密文書は米軍に(1)米本土の防衛(2)最も重要な大規模紛争における完全な勝利(3)米軍が駐留するアジア、中東、欧州での侵略行為の抑止(4)その他の地域での偶発事態への対応――の四つの対処能力を求めている。米本土防衛が主要任務に含まれたことも新戦略の特徴の一つだ。
 国防総省は4年ごとの国防見直し(QDR)を通じて新戦略の指針を具体化する作業を進めている。新しい指針はQDRの概要として、早ければ7月下旬にも公表される見通しだ。 [2001-07-14-11:05] 281
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 07/14@米、本土防衛を柱に新戦略(読売新聞)

 【ワシントン13日=林路郎】13日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米国防総省が冷戦終結後維持してきた2正面作戦を放棄し、<1>米本土の防衛<2>海外1か所での大規模紛争で圧勝する能力の維持<3>東アジア、中東、欧州に駐留する米軍の存在による敵対行為の抑止<4>複数の小規模紛争に一定期間介入――を主任務とする新たな米軍の軍事戦略をまとめたと報じた。
 8月にも同省が米連邦議会に提出する4年ごとの戦略見直し(QDR)にどこまで反映されるかが注目される。
 29ページからなる機密扱い内部文書をもとに同紙が伝えた。二正面作戦は、朝鮮半島と中東で大規模紛争が同時に起きた場合を想定し、これに対処する能力の維持を定めた冷戦後の米軍の基本軍事戦略。ラムズフェルド国防長官はこれまで「二正面作戦は見直しているが最終決定は代案が決まってから」と表明していた。
 だが同紙によると、同長官と4軍のトップは約2週間前に新戦略を承認した。「代案」が確定したことを意味すると見られ、2正面作戦は最終的に放棄が確定する可能性が強まった。
 同紙によると、同文書は米本土に対する核、生物、化学兵器による攻撃やテロなど本土防衛を初めて軍事戦略に組み込んだ。ブッシュ政権が推進するミサイル防衛網配備や、対テロ防衛を基本戦略に据えた点で海外の紛争介入を優先していたこれまでの米軍戦略を根本的に覆すものだ。
 また、1か所での大規模紛争に備えた態勢への軍備再編により兵員を削減し、浮いた国防予算をミサイル防衛や近代兵器の開発・生産に振り分ける方針も盛り込まれた。
 2正面作戦に対しては、<1>2つの大規模紛争が同時発生する可能性が低い<2>予測不可能なシナリオに対応できない<3>米軍が実際に額面どおりの戦力を維持できない――などから、国防総省内部から「非現実的で硬直的」(97年戦略見直しの最高責任者だったフローノイ前国防次官補代理)と見直し論が高まっていた。[2001-07-14-10:24] 284
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 07/14@◎奴隷4000人、金銭で解放=米の牧師らがスーダンで(時事通信)

 【ニューヨーク13日時事】米ボストンの牧師らのグループがこのほど、アフリカのスーダンを訪れ、同国の内戦中に拉致(らち)され、奴隷となっていた約4千人を、金銭を支払って解放した。ボストン・グローブ紙が13日伝えた。
 このグループはスーダンの地元当局者や奴隷ブローカーを通じて解放交渉を行い、奴隷1人につき33ドル(約4000円)を支払った。解放された人々の大多数は女性と子供だったという。 [時事通信社][2001-07-14-09:56] 286
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 07/14@国土防衛重視の米新戦略 大規模紛争は1カ所想定(共同通信)

 【ワシントン13日共同】米国防総省は、米軍が世界の二カ所で同時に大規模紛争に対処する「二正面戦略」に代わり、国土防衛を重視するなど四本柱からなる新たな国防基本戦略をまとめた。十三日付の米紙ニューヨーク・タイムズが同省の機密文書を入手して報じた。
 国土防衛ではテロ対策に加え、特にミサイル防衛の重要性を指摘しており、安全保障面でもブッシュ政権の「国益優先」姿勢が鮮明になっている。
 新戦略では、一つの大規模紛争の決定的勝利を得ることも明記。このほか@欧州、中東、アジアに駐留する米軍の存在によって侵略者の敵対行為を抑止するAほかの地域での小規模紛争には限定された期間内で対処する―との方針を盛り込んでいる。九月に米議会に諮って決定する四年ごとの国防見直しで明示される見通しだ。
 同紙は二正面作戦の放棄に伴い、兵員削減による経費で「ミサイル防衛構想を推進し、兵器の近代化も図れる」との政府当局者の見方を紹介。一方で「地域紛争への対処が増え、むしろ兵員増が必要となる」との国防総省筋の見解にも触れており、新戦略が沖縄に駐留する米軍の兵力構成などにどのような影響を与えるか不透明だ。
 新戦略は国防長官が既に承認しており、来週から議会に説明されるという。(了)[2001-07-14-08:36] 301
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 07/14@<サミットインタビュー>クリス・パッテン 外交担当欧州委(毎日新聞)

 ――反グローバリズムの抗議活動が過激化する中でのサミットです。
 ◆6月の欧州連合(EU)首脳会議の混乱は、確かに衝撃を受けた。無政府主義者の暴力的なものと、平和裏にデモなど行うNGO(非政府組織)があり、区別して語らねばならない。過激派には、各国政府と警察当局が協力して厳しく取り締まる必要がある。
 ――非暴力のNGOは?
 ◆時に検討に値する主張もあるが、大半の意見は結果として「貧しい国をもっと貧しくし、世界をより不安定な状態に陥らせる」提案だ。彼らが英雄視する(仏農民活動家の)ボベ氏の訴えを実行すれば、貧しい国は先進国にモノを売ることすらできず、ずっと貧しいままで取り残される。
 まじめな問題提起には、まじめな対話が必要だが、その場合も対等な立場というわけにはいかない。サミットの首脳は、民主的に選ばれた代表で、そうでないNGOとは基本的に違うからだ。
 ――先進国のリーダーが、グローバルな課題に十分対応できていない面もあるのでは。
 ◆そうではない。反グローバリズムの活発化を助けているのは、皮肉にもグローバル化を促すIT(情報技術)だ。インターネットを通じて結束力を強めている。
 麻薬・武器の密輸や資金洗浄、途上国問題といった「グローバリズムの陰」に、協力して取り組むのがサミットだ。民主的に選ばれた政府を抜きに、どうやってグローバルな問題に対応できるのか。経済的、政治的影響力をもった国のリーダーが意見を交換することで、初めてグローバルな問題解決に政治的原動力を与えることができる。
 ――では、サミットの最も重要な課題は何でしょうか?
 ◆グローバル化がもたらした問題に対応する協調の枠組みを作ることだ。「世界保健・エイズ基金」はよい例の1つだ。エイズはアフリカ諸国の経済発展に欠かせない専門職の命も奪っている。短期間に平均寿命が20歳も縮んだ国さえある。予防を徹底させたり、治療薬を安く入手できる仕組みを作ることで、エイズへの対応は可能だ。
 ――米国をはじめ各国は「内向き」になり、京都議定書問題など対立も目立ってきています。
 ◆議定書の批准で一致していないのは残念だが、気候変動問題に取り組まねばならないという認識は一致している。先進国間に意見の違いがあるのは確かだが、それは目標達成のための手段をめぐる違いだ。
 ■略歴 79年英下院議員当選。教育・科学相、環境相、保守党幹事長などを経て、92〜97年最後の香港総督を務めた。99年からEU(欧州連合)・欧州委員会の外相に相当する対外関係担当欧州委員で、サミット外相会議のメンバーでもある。57歳。 [2001-07-14-01:15] 308
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 07/14@<印パ首脳会談>「和平」アピール狙い カシミールなど進展(毎日新聞)

 【ニューデリー春日孝之】パキスタンのムシャラフ大統領が14日、インドを訪問し、15、16の両日、バジパイ首相と会談する。印パ首脳会談は99年2月にパキスタンのラホールで行われて以来2年半ぶり。両国関係は同年5〜7月のカシミールでの大規模衝突(カルギル紛争)を機に極度に悪化した。今回は「対話の再開自体に意義がある」との見方が一般的だが、懸案の核管理問題やカシミール領有問題で進展があるか注目される。
 会談はバジパイ首相が5月、パキスタンに呼びかけて決まった。だが実際には、パキスタンの再三の対話要請にようやく応えた形だ。
 インドが対話を拒んできた最大の理由はカルギル紛争だった。パキスタンのイスラム武装勢力がインド支配地域カシミールに侵攻して始まり、第4次印パ戦争勃発の危機を招いた。軍事作戦を指揮したのが当時、陸軍参謀長だったムシャラフ大統領で、紛争3カ月後にはクーデターで軍事政権を樹立した。
 このためインドはパキスタンが武装勢力支援を中止するまで対話に応じないと主張。これに対しパキスタン軍の支援を受けた武装勢力はインド治安部隊への攻撃を激化させ、カシミール情勢は悪化の一途をたどった。
 こうした中でインドが譲歩した背景には、念願の国連安保理常任理事国入りを目指す上でカシミール紛争が大きな障害になってきたことがある。また「政治的な紛争解決の道しかない」との認識の広がりもあった。
 今回の会談は「『対話継続』が確認されれば一応の成果だ」(パキスタンのジャング紙記者)との見方が強い。両国にとって対立の核心であるカシミール問題での安易な妥協は、国内強硬派の反発と自治・分離要求運動の激化を招きかねない。
 だがムシャラフ大統領が今回、「問題解決に向けた現実的アプローチ」を提唱するなど、建前論に終始していたこれまでの首脳会談とは異なる兆しも出ている。
 経済再建と国際的孤立からの脱却を目指すパキスタン。地域大国の威信を示したいインド。両国とも「和平推進」のイメージを国際社会に印象づける好機だけに、会談で一定の成果を期待できるという声もある。 [2001-07-14-00:20] 36
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 07/14@◎ホーム最終戦で涙のVゴール=ピクシー、最後まで妖精の動(時事通信)

 ストイコビッチが劇的なVゴールを決めた。試合後、長男のマルコ君(7)とともにマイクの前に立ったストイコビッチは時折声を詰まらせ、目頭を押さえた。最後は日本語で「7年間ありがとう。サポーターのみなさん、さようなら。あなたたちのことは忘れません」と締めくくった。
 前日に「タフな試合になるだろうが、ネバーギブアップの精神で戦い、サポーターに勝利をプレゼントしたい」と話していた通り、90分で決着が付かずに延長へ。しかし、延長後半開始早々、広島ゴール前でウェズレイが倒され名古屋がPKを得た。キッカーは当然のようにストイコビッチ。落ち着いてゴール左隅に決めた。
 華麗な身のこなしで母国ユーゴスラビアでは妖精(ようせい)を意味するピクシーの名で愛され、日本でもその愛称で日本人選手以上に親しまれた。
 相手DFの予測の裏をかくヒールパスはこの試合でも何度となく決め、引退する36歳とは思えない運動量を見せた。リーグ戦通算183試合出場で57得点。Jリーグの歴史に残る選手の1人となるはずだ。(了)[時事通信社][2001-07-14-23:32]


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