最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(07/07, 2001)


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◆ 07/01@シラク仏大統領、ロシア訪問 ミサイル防衛を協議(朝日新聞)
◆ 07/01@英紙「前ユーゴ大統領が英首相の暗殺を計画」(読売新聞)
◆ 07/01@<ユーゴ>セルビア首相「連邦は存続の危機」と、大統領揺さ(毎日新聞)
◆ 07/01@セルビア首相が改憲提唱 政局乗り切りで主導権(共同通信)
◆ 07/01@<ユーゴ前大統領>カネ、服、本を要求 「政治的」と法廷批(毎日新聞)
◆ 07/01@ユーゴ、選挙回避の妥協案が浮上 人民党閣外協力も(共同通信)
◆ 07/01@◎ブレア首相暗殺を計画?=ユーゴ前大統領−英日曜紙(時事通信)
◆ 07/01@コソボで解放軍90人拘束 国際治安部隊(共同通信)
◆ 07/01@21年間逃走の末、御用 伊テロリスト (共同通信)
◆ 07/01@<日米首脳会談>外交対話、世界視野に 議定書問題、結論先(毎日新聞)
◆ 07/01@ユーゴ与党中核の亀裂深刻、大統領派は孤立(読売新聞)
◆ 07/01@ハーグ国際法廷―歓呼と熱狂の果てに (朝日新聞)
◆ 07/01@英・北アイルランド自治政府のトリンブル首相が辞任(朝日新聞)
◆ 07/01@拷問死後に溶解と新証言 モロッコ闘士失そう事件(共同通信)
◆ 07/01@コンゴ代表機関が家賃滞納 鈴木宗男議員秘書が代表(共同通信)
◆ 07/01@<日米首脳会談>日米共同声明の要旨 (毎日新聞)
◆ 07/02@ユーゴ前大統領の国際法廷、3日に初公判(読売新聞)
◆ 07/02@仏ロ首脳、戦略問題で共同声明を発表 米をけん制(朝日新聞)
◆ 07/02@対米での連携を誇示 仏ロ首脳が共同声明(共同通信)
◆ 07/02@<前ユーゴ大統領>顧問弁護士と面会、初公判での対応を協議(毎日新聞)
◆ 07/02@安保分野での協調誇示へ 米政権警戒の仏ロ首脳(共同通信)
◆ 07/02@本も着替えも 獄中のミロシェビッチ前大統領(朝日新聞)
◆ 07/02@<仏露首脳会談>両大統領が個人的関係深める(毎日新聞)
◆ 07/02@鈴木宗男代議士「アイヌ民族はまったく同化」と発言(朝日新聞)
◆ 07/02@<カンボジア>ポル・ポト派の虐殺裁く国際法廷で政府が国連(毎日新聞)
◆ 07/02@日本企業の積極的な進出を カダフィ大佐子息が東京講演(共同通信)
◆ 07/02@<京都議定書>小泉首相発言を評価 米エネルギー長官(毎日新聞)
◆ 07/03@ミロシェビッチ氏、初公判で罪状認否を拒否(読売新聞)
◆ 07/03@<田中外相>サミット会議前に東欧2国も訪問へ(毎日新聞)
◆ 07/03@「まやかしの裁判だ」 冷静さ失わず対決姿勢 前ユーゴ大統(共同通信)
◆ 07/03@戦犯法廷否定し全面対決か ユーゴ前大統領の初公判(共同通信)
◆ 07/03@ミロシェビッチ前大統領、初公判での弁護拒否(読売新聞)
◆ 07/03@<モンテネグロ>少数派内閣が樹立 国民投票を8カ月以内に(毎日新聞)
◆ 07/03@<戦犯法廷>前ユーゴ大統領が弁護士なしで、初公判に出廷へ(毎日新聞)
◆ 07/03@ミロシェビッチ前大統領、戦犯法廷自体を否定(朝日新聞)
◆ 07/03@ユーゴ前大統領単独出廷へ 戦犯法廷と全面対決(共同通信)
◆ 07/03@米大統領の支持率下降 政策が市民感情と遊離(共同通信)
◆ 07/03@首都で大規模行動予告 アルジェ、大規模な反政府行動に発展(共同通信)
◆ 07/03@05年までにCO2削減20億トンも可能 NPOが試算(朝日新聞)
◆ 07/03@国連安保理、イラク制裁緩和の決議表決を見送り(読売新聞)
◆ 07/03@<対イラク制裁>見直し案を先送り 国連安保理(毎日新聞)
◆ 07/03@日本は単一民族と経産相 ウタリ協会が問題視(共同通信)
◆ 07/03@イラク制裁緩和は先送り ロシアの反対で安保理(共同通信)
◆ 07/03@<ペルー>フジモリ前大統領の身柄引き渡し問題に焦点が移行(毎日新聞)
◆ 07/03@<東ティモール>8月の制憲議会選に向け、15日から選挙運(毎日新聞)
◆ 07/03@<記者の目>カネが終始議論の主役に 国連エイズ特別総会(毎日新聞)
◆ 07/03@<ユーゴ前大統領>起訴状の要旨(毎日新聞)
◆ 07/03@<ユーゴ前大統領>裁判の展開は各地の民族紛争などにも影響(毎日新聞)
◆ 07/03@<ユーゴ前大統領>旧ユーゴ戦犯法廷での裁判長とのやりとり(毎日新聞)
◆ 07/03@<ユーゴ前大統領>静かに見守るユーゴ国民(毎日新聞)
◆ 07/03@<ユーゴ前大統領>初公判で法廷の合法性を否定(毎日新聞)
◆ 07/03@全国初のタクシー定額料金 キリン・カップ大分会場で(共同通信)
◆ 07/03@<サッカー>キリンカップ ユーゴのストイコビッチが会見(毎日新聞)
◆ 07/04@<余録>ミロシェビッチ裁判(毎日新聞)
◆ 07/04@◎前大統領を武器不正輸出で起訴=有罪なら禁固5〜10年−(時事通信)
◆ 07/04@ユーゴ新内閣の樹立で合意 モンテネグロから首相(共同通信)
◆ 07/04@初出廷のユーゴ前大統領、罪状認否を拒否(朝日新聞)
◆ 07/05@<ボスニア>カラジッチ氏らの逮捕で国際戦犯法廷と協議へ (毎日新聞)
◆ 07/05@<マケドニア>政府軍とアルバニア系ゲリラが停戦合意文書に(毎日新聞)
◆ 07/05@NATO仲介でマケドニア政府、武力勢力が停戦で合意(朝日新聞)
◆ 07/05@マケドニア紛争で停戦合意 解放軍武装解除、和平前進(共同通信)
◆ 07/05@戦犯国際法廷にカラジッチ氏らを「引き渡す用意」(読売新聞)
◆ 07/05@アルゼンチン前大統領を起訴 武器不正輸出事件(朝日新聞)
◆ 07/05@<アルゼンチン>前大統領を武器不正輸出罪などで起訴 司法(毎日新聞)
◆ 07/05@<ドイツ>バルカン各国から執筆者招き、歴史教科書のあり方(毎日新聞)
◆ 07/05@大物戦犯の逮捕に意欲 ボスニアの共和国首相(共同通信)
◆ 07/05@<コンゴ>「魔女狩り」で約400人が殺害される ロイター(毎日新聞)
◆ 07/05@G大阪の稲本、イングランド・アーセナル移籍(読売新聞)
◆ 07/05@<サッカー>ガ大阪の稲本、アーセナル移籍が確定的に(毎日新聞)
◆ 07/05@◎聖地で復活したサウスポー、イワニセビッチ=ウィンブルド(時事通信)
◆ 07/05@強サーブ復活、初優勝狙う 29歳のイワニセビッチ テニス(共同通信)
◆ 07/06@◎元秘密警察長官に禁固1年=ユーゴ (時事通信)
◆ 07/06@◎マケドニアの停戦を歓迎=田中外相 (時事通信)
◆ 07/06@<旧ユーゴ戦犯法廷>主任検察官がクロアチア入り、首相と協(毎日新聞)
◆ 07/06@戦犯の強制移送を指示 セルビア人共和国首相(朝日新聞)
◆ 07/06@2週間で武装解除可能 ドイツ国防相 (共同通信)
◆ 07/06@マケドニア紛争で停戦発効(共同通信)
◆ 07/06@<社説>国連小型武器会議 ありふれた現実を断ち切れ(毎日新聞)
◆ 07/06@“無風選挙”で続投決めた国連・アナン事務総長(読売新聞)
◆ 07/06@米ミサイル防衛、常任理事国の枠内で協議を 露大統領(朝日新聞)
◆ 07/06@5カ国の核弾頭4000発に ロシア、新提案を正式表明(共同通信)
◆ 07/06@小型武器規制へ初の国際会議 9日から国連本部で(朝日新聞)
◆ 07/06@小銃密輸禁じる国連会議に米銃マニアが「勘違い抗議」(読売新聞)
◆ 07/06@<防衛白書>2001年版「日本の防衛」(防衛白書)の要旨(毎日新聞)
◆ 07/06@中国の軍備増強に強い警戒 防衛白書 (朝日新聞)
◆ 07/06@中台軍事情勢を重視 米と中ロの二極対立予測も 防衛白書(共同通信)
◆ 07/06@これがイエスの顔? トリノの聖骸布分析し立体画像(共同通信)
◆ 07/06@<サッカー>中田がパルマ入団で記者会見 背番号は「10」(毎日新聞)
◆ 07/06@アピールになった活躍 一流の扱い受けた中田 パルマ入り(共同通信)
◆ 07/07@<ユーゴ>社会人民党が連立復帰 連邦崩壊の危機は当面回避(毎日新聞)
◆ 07/07@<小型武器>回収国にODA供与 国連会議で、日本が提案へ(毎日新聞)
◆ 07/07@モンテネグロ社会人民党、連邦政府復帰へ(読売新聞)
◆ 07/07@前ユーゴ大統領夫人がビザ申請(共同通信)
◆ 07/07@国連小型武器会議が9日開幕、刻印徹底宣言を採択へ(読売新聞)
◆ 07/07@<国連小型武器会議>副議長務める堂之脇氏 インタビュー(毎日新聞)
◆ 07/07@<国連小型武器会議>9日から初会議 国際規模で武器対策(毎日新聞)
◆ 07/07@調停工作に全力を傾注 軍縮外交問われる日本 小型武器会議(共同通信)
◆ 07/07@初の小型武器国際会議 紛争地域に広く浸透 世界的規制目指(共同通信)
◆ 07/07@日本の対応に世界の目 16日から温暖化防止会合(共同通信)
◆ 07/07@アチェで住民33人の遺体 なぞの武装集団の虐殺急増(共同通信)
◆ 07/07@ジェノバで10万人が抗議へ 反グローバルのNGO活動(共同通信)
◆ 07/07@◎「満州語」話者数十人、消滅の危機=世界の言語、20分の(時事通信)
◆ 07/07@<OAU>9日からルサカで首脳会議 「強い一体性」へ衣替(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 07/01@シラク仏大統領、ロシア訪問 ミサイル防衛を協議(朝日新聞)

 フランスのシラク大統領が1日、ロシア訪問のためサンクトペテルブルクに到着した。プーチン大統領との会談では、米国のミサイル防衛構想への対応や欧州の戦略的安定について協議する。シラク大統領はロシアの経済改革への支援を表明しつつ「人権や報道の自由を確立してこそ国家も効率的に機能する」と、民主主義定着の重要性も指摘する。
 仏ロ関係は一時、チェチェン紛争をめぐってロシアの武力行使をフランスが批判したことから冷え込んだが、昨秋のプーチン大統領訪仏を機に改善。北大西洋条約機構(NATO)の拡大には警戒しながらも欧州連合(EU)との関係強化をねらうロシアと、米国と距離を置くフランスとの利害が一致し、外交で協調の度合いを強めてきた。
 ブッシュ政権が推進するミサイル防衛を、シラク大統領は「軍拡につながる」と公然と批判。フランスを味方に付けて米国を揺さぶりたいロシアとの間で、外交戦略上の新たな合意を模索する。
 また、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領の国際法廷引き渡しも新たに議題として浮上。国際法廷への不信感が強いロシアに対し、戦争犯罪の追及を求めるフランスが説得に回ると見られる。[2001-07-01-23:04] 41
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 07/01@英紙「前ユーゴ大統領が英首相の暗殺を計画」(読売新聞)

 1日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領が、ブレア英首相やヒラリー前米大統領夫人を暗殺する計画を立てていたと報じた。同紙は、ユーゴ連邦軍のパブコビッチ参謀長が近く出版する予定の回顧録の速記録をもとに伝えた。(ロンドン支局)[2001-07-01-22:35] 42 [このページの最初に戻る]


 07/01@<ユーゴ>セルビア首相「連邦は存続の危機」と、大統領揺さ(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロの両共和国で構成)のジンジッチ・セルビア首相は先月30日、「連邦は存続の危機に直面している」と述べた。連邦解消を狙う首相は、ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷引き渡しを強行した勢いに乗り、「連邦存続」を提唱するコシュトゥニツァ大統領を揺さぶり始めた。
 首相は「連邦内での両共和国関係の再構築案をモンテネグロに示し、受け入れられなければ連邦解消が決まる。連邦国家の基盤が不安定な状態は不適切で、今年末までに道筋を決めたい」と述べた。
 現実的で行動の早い首相は、同じ民主野党連合内でありながら原則に忠実な憲法学者の大統領と、事あるごとに対立してきた。大統領は先月30日、前大統領の引き渡しに関連し、「ジンジッチ首相は私が引き渡しに同意したと言ったが、民主野党連合に『引き渡し支持』などと言った覚えはない」と反目を示した。
 大統領は先に辞任したジジッチ連邦首相の後任指名を長引かせ、その間に「連邦崩壊」の懸念を霧消させる意向だとの観測も広がっている。 [2001-07-01-20:55] 43
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 07/01@セルビア首相が改憲提唱 政局乗り切りで主導権(共同通信)

 【ベルリン1日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のジンジッチ首相は六月三十日、ドイツのARDテレビの番組でユーゴ連邦の政局について、選挙よりも連邦憲法の改正で当面の危機を乗り切るべきだとの考えを示した。
 ミロシェビッチ前連邦大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷への引き渡しで政局が混乱していることについて、セルビア共和国の主導で収拾を図る決意を示したとみられる。
 ジンジッチ首相は、セルビア共和国とともにユーゴ連邦を構成するモンテネグロ共和国との間で、まず「連邦の改革に向けた憲法改正」について協議する必要があると強調した。
 首相はまた、改憲協議が不調に終わった場合は、選挙よりも両共和国の「平和的な分離」について検討する必要が生じるかもしれないと指摘。これらの問題は「年末までにはっきりさせることができればよい」と述べた。(了)[2001-07-01-20:22] 45
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 07/01@<ユーゴ前大統領>カネ、服、本を要求 「政治的」と法廷批(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡されたミロシェビッチ前大統領は先月30日、ベオグラードの弁護士に対し「カネ、服、本を持って来て欲しい」と電話で伝えてきた。また、関係者によると、前大統領は「戦犯法廷の起訴事実である人道犯罪はすべて政治的なもので、罪の意識は何もない」と主張しているという。
 地元週刊テレグラフ紙は30日付けで、前大統領が警察のヘリコプターに乗り込む瞬間を捕らえた写真を「セルビア人同胞よ、最期だ」と題して1面全面を使って掲載。前大統領が、起訴状を読み上げた国際戦犯法廷の担当官に「あなたは人違いをしている。戦犯法廷は裁判所ではなく、セルビアを破壊するために作られた政治的見世物だ」などと語ったと報じた。 [2001-07-01-20:10] 53
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 07/01@ユーゴ、選挙回避の妥協案が浮上 人民党閣外協力も(共同通信)

 【ベオグラード1日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)への引き渡しに反発したジジッチ連邦首相の辞任で不安定化するユーゴ連邦政府の政局をめぐり、内閣改造で議会の前倒し選挙を回避する妥協案が浮上してきた。
 ジジッチ氏が副党首を務めるモンテネグロ社会人民党は、コシュトニツァ連邦大統領のセルビア民主野党連合(DOS)との連立解消を宣言したが、同党幹部らが六月三十日、民主連合を閣外協力する可能性を示唆したためだ。
 三党連立政権を構成してきた両党とセルビア人国民党による安定多数を維持する狙いとみられる。大統領は二日に着手する予定の組閣交渉で、セルビア人国民党から次期首相を指名する可能性もある。
 地元報道によると、ジジッチ氏は六月三十日、前倒し選挙よりも内閣改造を支持する考えを表明。同党のブラトビッチ党首も同様の見解を示した。
 一方、前大統領移送に反対したコシュトニツァ大統領は同日、移送を強行したセルビア共和国のジンジッチ首相ら指導部をあらためて批判。大統領が党首を務めるセルビア民主党は、同共和国首相が主導権を握った民主連合から距離を置く構えも示している。
 昨年十月の政権獲得後、セルビア民主党の支持率が急上昇しており、前倒し選挙があっても民主連合から離れて勝利できると踏んでいるもようだ。(了)[2001-07-01-15:44] 55
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 07/01@◎ブレア首相暗殺を計画?=ユーゴ前大統領−英日曜紙(時事通信)

 【ロンドン1日時事】1日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、1999年のコソボ紛争の際、マケドニアの難民キャンプを訪れたブレア英首相を暗殺する企てが、ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領によって練られていたと報じた。
 同紙によると、ユーゴ陸軍のパブコビッチ参謀長は、99年5月3日にマケドニアの首都スコピエにある空港で、ブレア首相が乗ったヘリコプターを爆破するよう命令を受けた。
 同参謀長は、この命令が「最高首脳」からのものだったと述べ、ミロシェビッチ前大統領からの指示だったことを示唆した。参謀長は結局、民間人に被害が出る恐れがあることなどを理由に、暗殺命令を実行しなかったという。 [時事通信社][2001-07-01-12:45] 56
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 07/01@コソボで解放軍90人拘束 国際治安部隊(共同通信)

 【ベオグラード1日共同】スコピエからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)軍主体の国際治安部隊は六月三十日、マケドニアからコソボに移動したとみられるアルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」のメンバー約九十人を拘束したことを明らかにした。
 いずれもマケドニアに隣接するコソボ南東部の米軍管轄区域で同月二十九―三十日にかけて拘束された。解放軍はコソボを後方拠点にしてマケドニアに侵攻しているとみられている。(了)[2001-07-01-08:22] 57
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 07/01@21年間逃走の末、御用 伊テロリスト(共同通信)

 【パリ1日共同】スペインからの報道によると、同国警察はマドリードで六月三十日、殺人容疑などで国際指名手配され、二十一年間逃走を続けていたイタリアの極右テロリスト、パスクアレ・ベルシト容疑者(39)を逮捕した。
 同容疑者は極右組織「革命的武装中核」のメンバーで、イタリアの検事、警察官、治安部隊員の計三人を殺害したとして一九八○年に指名手配、フランス捜査当局も殺人未遂容疑で指名手配していた。
 「プリムラ・ネロ(黒い花)」の異名をとり、英国、旧ユーゴスラビア、レバノンなどを転々としながら、テロ活動を続けていたとされる。(了)[2001-07-01-08:21] 60
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 07/01@<日米首脳会談>外交対話、世界視野に 議定書問題、結論先(毎日新聞)

 30日の日米首脳会談は「外交・安全保障」「京都議定書問題」「日米経済協議」の3点が大きなテーマになる。米国の景気失速に伴って日本の不良債権問題が前面に出てきた3月の日米首脳会談とは異なり、ブッシュ政権側は今回の会談を日米同盟強化の基礎作りにしようと意気込んだ。3テーマはそれぞれ共同声明の柱となり、小泉政権・ブッシュ政権下の日米関係のあり方を方向づけることになる見通しだ。
     ◇
 日米首脳会談の共同声明で確認される外交戦略対話の強化は、外務省と米国務省の次官級協議を念頭に置く。中国、朝鮮半島情勢などアジア・太平洋地域だけでなく、中東、ユーゴ情勢なども協議の対象だ。安全保障だけにとらわれず、幅広く外交戦略を練っていくための外務省の主導権確保という狙いもある。
 日米間の安全保障協議では「2+2(ツープラスツー)」と呼ばれる防衛首脳協議や、局長級の安全保障事務レベル協議(SSC)などが既存の協議枠組みとしてある。いずれも外務省、防衛庁が参加しているが、安全保障の実務にかかわる内容が多いことから、このところ防衛庁の発言力が向上していた。戦略対話について外務省幹部は「安全保障が中心だが、それに限定せず幅広く対話を進める」と語る。
 一方、共同声明は日米防衛指針(ガイドライン)の完全実施を前提に、安全保障面の協力を「次の段階」に進める協議強化をうたう。日本としては、法制化の検討段階にある有事対応や国連平和維持活動(PKO)に伴う日本の参加5原則などが議論の中心となるとみられる。集団的自衛権の行使や、有事法制への布石との見方も出そうだ。 【人羅格】
 地球温暖化防止を定めた京都議定書の不支持を米国が表明して以来、日本は一貫して米国の復帰を働き掛けてきた。米国の不参加は温暖化防止の実効面でマイナスというだけでなく、日米重視の外交政策にも大きな影響を及ぼすためだ。
 米国は世界の二酸化炭素(CO2)の4分の1を出す最大の排出国。議定書は先進国が削減に取り組んだ後、途上国の削減義務を決めることになっている。米国が参加しなければ、途上国も削減に取り組まず、議定書は地球温暖化防止に大きな効果を上げられない。
 これに対して欧州連合(EU)は、米国抜きでも発効を目指す姿勢だ。議定書はEU、ロシア、日本が批准すれば発効する。日本だけが米国抜きの批准に消極的なため、EU側は日本に譲歩した議定書のルール案を示し、日本は米欧対立の板ばさみになっている。
 国内でも、野党は米国が説得に応じない場合は批准を急ぐよう求めている。「京都という日本の名前が冠された国際協定を見殺しにはできない」(自民党関係者)という意見も根強く、両首脳は今回の会談で妥協を探り合う展開になった。
 この結果、新設される見通しになったのが「気候変動問題に関するハイレベル政府間協議」だ。日米の考えが平行線であることには変わりなく、結論を先送りする形になった。 【吉川学】
 小泉純一郎首相は30日の日米首脳会談で、構造改革に向けた経済財政諮問会議の基本方針を説明。これに対し、不良債権処理の一点に関心を集中させる米政権は、基本方針が整理回収機構の活用も含めた不良債権処理のパッケージを打ち出したことを評価し、ブッシュ大統領も支持を表明する。しかし、最終処理が滞れば米側の対日批判が一気に強まる可能性もあり、今後の実行力が問われることになる。
 米政府は日本の財務省幹部らに「不良債権問題はどうなっているのか」と詰め寄るなど、いら立ちを募らせていた。日本の不良債権処理が進まないと、景気回復が遅れる米経済にとって一段の足かせになりかねないためだ。しかし、6月21日に決まった基本方針が、新たな不良債権処理策を急きょ柱に据えたことで、厳しい空気は和らいだ。
 処理策には、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長が勧めていた整理回収機構の活用を盛り込んだほか、「問題先送り」と批判されていた債権放棄についても一定のルールを設けることに成功した。
 ただ、効果は未知数だ。特に整理回収機構は今後、銀行でも手に負えない不振企業向け債権を引き受けたうえ再建の役割も担うが、「再建ノーハウに乏しい回収機構が企業を再生できるのか」との疑問がつきまとう。今回の首脳会談で不良債権最終処理は「対外公約」になったが、一段の追加策を迫られる可能性もある。 【木村旬】 [2001-07-01-01:30] 61
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 07/01@ユーゴ与党中核の亀裂深刻、大統領派は孤立(読売新聞)

 【ベオグラード30日=佐々木良寿】連邦首相の辞任で混迷するユーゴスラビア(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のコシュトゥニツァ大統領は週明けにも新首相任命に向けた政治協議に乗り出す。ただ、今回のミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ戦犯国際法廷への引き渡しでは、民族主義派の大統領と欧米協調派のジンジッチ・セルビア首相の確執の深さも浮き彫りになった。連邦制の行方も含めて重大な局面を迎えた中、ユーゴ情勢は両氏の動きを軸に展開することになる。
 「この決定は、単に前大統領の非合法的な引き渡しだけでなく、基本的な憲法秩序などを無視したこれまでの数多くの動きを勘案した結果だ」。コシュトゥニツァ大統領の政治母体「セルビア民主党」は、「民主連合」議員団からの脱退を告げた29日の声明で、「民主連合」のあり方を痛烈に批判した。
 声明の矛先は、「民主連合」を牛耳るジンジッチ首相に向いている。両氏の確執は90年代初め、「民主党」党首の座を争った時にさかのぼるが、表面化したのは昨年10月の民衆革命による前体制打倒後で、最大の対立点が前大統領の処遇問題だった。
 両氏の間には、革命の引き金になった同年9月の連邦選にあたって、18野党を糾合した旧「民主野党連合」(現「民主連合」)の中核として、ジンジッチ氏が、穏健民族主義者で清廉な政治家として知られたコシュトゥニツァ氏を大統領候補に擁立する作戦の指揮を執った経緯がある。
 現憲法下では、政治の実権を持つのは連邦を実質的に担うセルビアの首相で、野心家とされるジンジッチ氏の念願のポストだった。前体制一掃による国家再建を至上命題とするジンジッチ氏らには前大統領のじゅ縛を解くことが急務だったが、大統領は前大統領の処遇問題には消極的だった。ジンジッチ氏らにとっては、前大統領逮捕、引き渡しを経済支援の条件とする米欧の外圧は局面打開の絶好のテコだった。
 大統領側は4月の逮捕時も、身柄引き渡し時も「事前の報告はなかった」と不満をあらわにしたが、対ユーゴ国際支援国会議で期待通りの成果を上げた今、軍配はジンジッチ首相らに上がったとも言える。
 国民から信頼を受けながらも「民主連合」内で孤立する大統領と、ユーゴ空爆中にモンテネグロに逃げたことが響いて不人気ながらも、政治工作にたけたジンジッチ首相。両氏の不信は修復困難との見方が強く、「背後には、次期選挙を視野に入れた争いも見える」(「民主連合」筋)と、確執は権力闘争に転化したとの指摘も出ている。 [2001-07-01-00:53] 62
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 07/01@ハーグ国際法廷―歓呼と熱狂の果てに(朝日新聞)

 群衆の歓呼で権力を握った人物が、一転して国際法廷の被告席につく。
 ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ前大統領が、オランダのハーグに置かれる旧ユーゴ戦犯法廷に身柄を引き渡された。
 物語は80年代後半にさかのぼる。
 独自の社会主義体制をとっていた旧ユーゴ連邦で、売り物の自主管理経済が行き詰まっていた。インフレと失業で国民の不満は高まり、社会に閉塞(へいそく)感が広がる。
 そこに登場したのがミロシェビッチ氏だった。母体であるセルビア共和国の各地でその民族感情を刺激する集会を開く。熱狂した群衆が「スロボ、スロボ」と彼の名前を略した愛称を連呼する。
 こうした大衆的な人気を利用し、共産党内で引き立ててくれた先輩を押しのけて、セルビア共和国の実権を握る。
 ユーゴはもともと多くの民族による寄り合い所帯だった。セルビア民族主義の台頭が他の民族に警戒心を起こさせる。
 一方で、クロアチアなど他の共和国にもかねてミロシェビッチ氏と似たような民族主義者たちがいた。彼らも負けじとばかり、それぞれの熱狂に走る。
 旧連邦はあえなく解体した。隣国ボスニア・ヘルツェゴビナでは20万ともいわれる人々が殺され、数十万の難民が国の内外をさまよった。社会主義国の中では豊かとうらやましがられた時期もあったのに、悲惨な民族紛争の引き金を引いたセルビアは、今では欧州の最貧国とまでいわれる。
 あの歓呼と熱狂は何だったのか。大きな犠牲をもたらした悲劇から、どんな教訓を取り出すのか。やっと「主犯」の身柄を得たハーグの法廷の使命は大きい。
 ミロシェビッチ支持者からは、政府は金で彼の身柄を引き渡したとの非難の声があがっている。確かにそういう面がある。
 ユーゴ再建を支援するための国際会議が迫っていた。国際社会に経済援助の用意はあるが、それにはミロシェビッチ氏の身柄引き渡しが、いわば条件だった。
 援助の資金は支援国の税金から出る。国際社会に、価値観を共有する国として復帰してほしいと思うから、各国がそれぞれに負担する。その前提として、ユーゴに過去の清算を求めるのは当然であろう。
 セルビア人ばかりが悪者にされるという不満の声も常にあがってきた。しかし、特定の民族を指弾するために国際法廷が設けられているのではない。
 わが民族ばかりが尊いと思い込むことによる悲劇は、大半の民族が歴史のなかで繰り返してきた。問題の根本は、人間が共通にもつ愚かさに由来する。
 偏狭な民族主義という病にかかったセルビア人が、他人の目を通じて自らを省みる。一方で、隣人や私たちもまた、それぞれに持つ弱さを自覚する。
 そういう場になってほしい。まだなじみの薄い国際法廷に期待したい。[2001-07-01-00:26] 123
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 07/01@英・北アイルランド自治政府のトリンブル首相が辞任(朝日新聞)

 英国・北アイルランド自治政府のデービッド・トリンブル首相(プロテスタント)が1日、辞任した。カトリック系過激派アイルランド共和軍(IRA)が期限の6月30日までに武装解除しなかったことに抗議した。
 プロテスタント最大政党アルスター統一党(UUP)の党首を務めるトリンブル氏は、北アイルランド紛争終結を目指した98年の和平合意の立役者としてノーベル平和賞を受賞。その後も党内の和平反対派を説得しながら和平プロセスを主導してきただけに、和平がとん挫する懸念が強まっている。
 英国とアイルランドの両政府は昨年5月、今年6月末を武装解除の履行期限に設定。トリンブル氏は履行が実行されなければ辞任することを宣言して、IRAに政治圧力をかけていた。辞任に先だってトリンブル氏はUUPのエムピー産業相を首相代行に指名。自治議会は6週間以内に改めて首相を選出するか、解散して議会選挙を実施しなければならない。
 IRAは昨年6月、国際検証団による保有武器の査察を初めて認めたが、プロテスタント勢力の間には査察では不十分との声が強い。一方、IRAは武器の廃棄や引き渡しはプロテスタントへの降伏を意味するとして拒絶してきた。
 だが、IRAも和平停滞は望んでいない。武装解除という切り札を保ち続けることで、プロテスタントが9割を占める警察組織の改革や北アイルランドからの英軍撤退などで好条件を引き出すのがねらいとみられる。
 英国、アイルランドの両政府も今後6週間の仲介交渉で事態打開とトリンブル氏の首相復帰を目指す構え。だが、北アイルランドでは和平停滞ムードが影響して、プロテスタントとカトリックの住民同士の衝突が増えている。首相辞任という政治的空白をついてテロが再発する可能性も指摘され、和平の行方は予断を許さない。[2001-07-01-19:00] 146
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 07/01@拷問死後に溶解と新証言 モロッコ闘士失そう事件(共同通信)

 【パリ1日共同】「北アフリカのゲバラ」との異名で世界に知られたモロッコ独立運動の闘士で反体制政治家、メヘジ・ベンバルカ氏=当時(45)=が一九六五年にパリで誘拐され失そうした事件で、モロッコ内務省が拷問死させ、強酸の入った水槽で遺体を溶解した、との新証言が浮上した。
 フランス紙ルモンドが六月三十日、七月一日付の紙面で掲載、当時のドゴール・フランス政権が真相を黙殺した「両国共謀の国家犯罪」だと指摘している。
 五六年のモロッコ独立後の六一年以来王位にあり、左派を弾圧したハッサン二世が九九年に死去。子息のモハメド六世がベンバルカ氏の家族に約四十年ぶりの帰国を認め、昨年フランスの予審判事が捜査共助をモロッコ政府に要請するなど、歴史の暗部究明に期待が高まっている。
 証言したのはモロッコ内務省の元電話技師アフメド・ブークハリ氏。両国の関与者の実名などを詳細に記した証言録をフランスの予審判事にも提出した。
 証言によると、モロッコ内務省はベンバルカ氏を強制帰国させるため特務機関を設立。フランス人警官らを買収し誘拐に協力させ、パリ郊外の家で拷問中、自白剤の大量投与などで死亡させた。遺体はモロッコの首都ラバトに空輸し、強酸に浸し溶かした。
 ハッサン二世は遺体が溶解する過程の写真を受け取るなど、内務省から詳細な報告を受けたという。(了)[2001-07-01-08:20] 148
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 07/01@コンゴ代表機関が家賃滞納 鈴木宗男議員秘書が代表(共同通信)

 中央アフリカのコンゴ(旧ザイール)大使館の通商代表機関事務所(東京都新宿区)が、東京都内の不動産会社と賃貸契約を結んでから現在まで、約五年間の賃料計約九百万円を滞納していることが三十日、関係者の話で分かった。
 事務所の賃貸契約の際、通商代表機関代表として鈴木宗男衆院議員(自民)の私設秘書でコンゴ人男性のジョン・ムウェテ・ムルアカ氏が署名、現在も代表を務めている。ムルアカ氏は「トラブルはない。第三者に話すことではない」としている。
 コンゴ大使館側は「通商代表機関は前の臨時代理大使が勝手にやったことで、現政府は認めていない」と説明。今の臨時代理大使就任後、通商代表機関代表となっているムルアカ氏が大使館を訪問したことはないとしている。
 関係者によると、通商代表機関は前任の同国臨時代理大使が設置を認め、一九九六年八月、貸し手の不動産会社社長の知人男性が連帯保証人となり、月十五万円の賃料を二年後に不動産会社側に一括して支払う契約で合意し入居した。
 しかし実際は二年を過ぎても賃料が支払われることはなく、その後も何ら不動産会社側に説明はないままだという。
 不動産会社側は「社長の知人が間に入っているということでこうした契約になったが、今は不法占拠みたいなもので、何かきっかけがあれば立ち退いてもらおうと思っている」と話している。
 鈴木宗男衆院議員事務所は「そんなことをしているとは知らなかった」と説明している。(了)[2001-07-01-07:52] 156
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 07/01@<日米首脳会談>日米共同声明の要旨(毎日新聞)

 【キャンプデービッド平田崇浩】日米共同声明「安全と繁栄のためのパートナーシップ」の要旨は次の通り。
<平和と安定のための協力>
 両首脳は、戦略対話強化の重要性について意見の一致をみ、アジア・太平洋地域やその他の地域における協議を強化することを決定した。
 両首脳は、国際社会における中国の建設的役割及び世界貿易機関(WTO)への早期加盟を促進し、朝鮮半島和平達成のため韓国と協力する。国連安保理改革を推進し、日本が常任議席を得ることの重要性を強調した。
 両首脳は、日米防衛協力指針(ガイドライン)の継続的な実施を基礎に、安保面での協力における今後の方途につき、さまざまなレベルで安保協議を強化。これらの協議が地域の安保環境の評価並びに兵力構成、兵力態勢、安保戦略、緊急事態における両国の役割及び任務並びに平和維持に関する協力などの分野に焦点をあてることを確認した。
 両首脳は、米国の前方展開が地域安定に不可欠と再確認。日米特別行動委員会(SACO)プロセスの着実実施による沖縄県民の負担軽減に取り組み、日米同盟強化が重要と一致。
 両首脳は、大量破壊兵器及び弾道ミサイルが拡散する脅威に対抗するため、種々の防衛システム及び軍備削減などの外交的イニシアチブを含む包括的戦略の必要性を強調。ミサイル防衛の緊密協議を継続すべきと意見一致。首相は、抑止を変化させる新たなアプローチを探求するとの大統領の呼びかけへの理解を表明、両首脳は弾道ミサイル防衛技術に関する共同研究の重要性を改めて表明した。
<経済成長のためのパートナーシップ>
 首相は、企業債務及び不良債権に効果的に対処することを含め構造改革や規制改革を精力的かつ包括的に実施する決意を表明。大統領は、首相の経済構造改革の方針の計画を評価した。
 両首脳は、規制緩和及び競争政策に関する第4回共同現状報告の完成を満足をもって留意し、直接投資環境を改善するための共同努力を求めた。
 両首脳は「成長のための日米経済パートナーシップ」と名付けた新たな経済イニシアチブを発表。このイニシアチブは2国間およびグローバルな経済・貿易問題に関する協力の構造枠組みを確立する。
<地球的規模の課題における協力>
 両首脳は、気候変動がもたらす問題の深刻さに共通の理解を表明。首相はこの観点から京都議定書の重要性を指摘。両首脳は気候変動が地球的規模のアプローチを必要とする緊急の問題であることを認識した。
 大統領は京都で日本のリーダーシップを念頭に、共通の基盤及び共通の行動をとるための分野を探求するため、日米政府間でハイレベル協議を早急に開始する首相提案を歓迎する。
<揺るぎない同盟におけるパートナー>
 キャンプデービッドでの会談は、首相と大統領が揺るぎない同盟の指導者として、親しい友人として協力する機会を提供した。両首脳は秋の東京での会談で戦略対話と成長のためのパートナーシップの進展をレビューすることを決定した。 [2001-07-01-01:10]
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 07/02@ユーゴ前大統領の国際法廷、3日に初公判(読売新聞)

 【ハーグ2日=三井美奈】「人道に対する罪」に問われたユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ前大統領(59)に対する初公判が3日午前10時(日本時間同日午後5時)から、旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)で開かれる。
 前大統領の弁護団は2日、ユーゴからハーグ入りし、前大統領と面談、家族に託された書籍や衣服を差し入れた模様だ。前大統領は初公判の罪状認否で「無罪」を主張し、検察側と全面対決の姿勢を示すものと見られる。
 同法廷から3キロ西方にあるスヘベニンゲン拘置所では、セルビア人被告が個室で首つり自殺したり、心臓発作で突然死した前例があるため前大統領の管理に細心の注意を払っている。拘置所では精神科医と医師が24時間体制で待機している。
 同法廷によると、前大統領は他の被告38人と同様に、ベッドや簡単な台所付きの約15平方メートルの個室に収容されている。
 茶菓子の購入などのための1日5ギルダー(約250円)と、1か月当たり75ギルダー(約4000円)の電話カードが支給されている。傍聴付きだが家族との国際電話が可能という。 [2001-07-02-23:20] 30
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 07/02@仏ロ首脳、戦略問題で共同声明を発表 米をけん制(朝日新聞)

 ロシアを訪問しているフランスのシラク大統領は2日、クレムリンでプーチン大統領との公式会談に臨み、世界の多極化と戦略的安定をめざす共同声明を発表した。「宇宙の軍事化を防ぐ努力が重要だ」と強調し、間接的ながら米国のブッシュ政権が進めるミサイル防衛を批判。「軍拡競争を招きかねない制度の改変が起きないようにすべきだ」とも述べ、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約堅持の立場を打ち出した。
 両大統領とも、米国との協力を重視しつつも、米国の一極支配は避けたい意識が強い。共同声明では「冷戦後も新たな形の戦略的均衡が必要だ」と述べ、唯一の超大国として振る舞おうとする米国をけん制した。かねて「ミサイル防衛は大量破壊兵器やミサイルの拡散奨励につながる」と批判しているシラク大統領は、共同声明に「両国はミサイル拡散を防ぐ努力を断固続ける」との表現を盛り込み、米ミサイル防衛の阻止をめざすロシアを支えた。
 また、「核抑止力は必要」との条件付きながら核軍縮や不拡散体制強化の必要性を強調。包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を訴えた。
 今回の訪ロの主目的の一つは経済関係強化だ。プーチン大統領は「大西洋からウラル山脈までを含む欧州の共通経済空間を創設しよう」と述べており、今回はロシアの航空会社アエロフロートとエールフランスの提携強化でも合意。乗務員らのビザ発給の簡素化などに取り組むことになった。[2001-07-02-21:20] 31
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 07/02@対米での連携を誇示 仏ロ首脳が共同声明(共同通信)

 【モスクワ2日共同】プーチン・ロシア大統領は二日、クレムリンで訪ロ中のシラク・フランス大統領と会談、核軍縮などに関するこれまでの条約維持の重要性をうたった共同声明に署名、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を破棄しミサイル防衛導入を目指す米国に対抗する仏ロの連携を誇示した。
 共同声明は「多極化世界形成の代わりに、新たな軍拡競争に道を開くようなシステムは目指すべきではない」と強調するなど、ブッシュ米政権による「一極支配」体制に対する強い警戒感を表明、「多極化世界」追求で一致する両国の協調をあらためて確認した。
 共同記者会見したシラク大統領は、「(軍縮に向けた)拘束力のない体制にするシステムは好ましくない」と述べ、ABM制限条約破棄の姿勢を見せる米政権をけん制。プーチン大統領も、「人類の安全保障にかかわる問題」と述べ、同条約体制維持について、両国の立場が一致していることを強調した。
 両首脳はこのほか、アルバニア系武装組織の攻撃で緊張が続くマケドニア問題や、ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷への移送で政局が急速に流動化しているユーゴ情勢などについても意見を交換。ロシアの巨額の対外債務問題を含む二国間の経済協力についても協議した。(了)[2001-07-02-21:06] 32
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 07/02@<前ユーゴ大統領>顧問弁護士と面会、初公判での対応を協議(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に拘束中のミロシェビッチ・ユーゴ前大統領は2日、顧問弁護士と面会し、3日の初公判での対応を協議した。
 ベオグラードからの報道によると、弁護団は国内法での起訴にあたってきた8人。前大統領が差し入れを希望した現金、衣服、本も渡した模様だ。
 同法廷は前大統領がハーグ入りした29日に従来の起訴の対象を拡大したことを発表。新たな起訴状によると、セルビア側最高指導者としてコソボ自治州のアルバニア系住民に対する人道違反として(1)強制追放(2)殺人(人道に反する罪)(3)殺人(戦争法などの違反)(4)政治、民族、宗教による迫害――を犯したとしている。強制追放は74万人以上、殺人は340人が確認されたとしている。
 前大統領は初公判を前に家族とも今後の対応を協議するが、同法廷の起訴事実には不満が強く、弁護団は罪状認否で無罪を主張するとみられている。 [2001-07-02-20:50] 35
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 07/02@安保分野での協調誇示へ 米政権警戒の仏ロ首脳(共同通信)

 【モスクワ2日共同】プーチン・ロシア大統領はクレムリンで二日、ロシアを公式訪問中のシラク・フランス大統領と首脳会談を行う。ブッシュ米政権のミサイル防衛構想に警戒感を表明している両首脳は、ミサイル防衛を含む国際的な安全保障問題を協議、戦略分野での仏ロ協調を誇示する。
 米構想の対案として欧州戦域ミサイル防衛を提唱するプーチン政権と、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)の枠組み拡大による独自の欧州防衛構想を示すシラク政権は、安保分野での一致点が多い。首脳会談は米国の「一極支配」に対抗、「多極化世界」を目指すロシアと欧州の連携を確認する場となりそうだ。
 ロシアは両国首脳による戦略的安定問題に関する共同宣言の作成・署名を提案したとされるが、シラク大統領は訪ロ前のタス通信などとのインタビューで、首脳会談での合意を「どのような形式で発表するかを話すのは時期尚早」と指摘。細部で双方の立場の微妙な食い違いが残っているもようだ。
 両首脳はこのほか、アルバニア系武装組織の攻撃で緊張が続くマケドニアや、ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ハーグ)への移送で政局が急速に流動化しているユーゴ情勢などについても意見を交換。ロシアの巨額の対外債務問題を含む、二国間の経済協力についても協議する。(了)[2001-07-02-15:20] 37
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 07/02@本も着替えも 獄中のミロシェビッチ前大統領(朝日新聞)

 オランダ・ハーグにある旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷の拘置所に拘束されているミロシェビッチ前大統領は2日、ユーゴ国内の裁判で弁護団を務める弁護士らと面会する。
 弁護士たちがロイター通信に語ったところによると、前大統領はお金と着替え、本の差し入れを頼んだ。前大統領と弁護団との面会は、セルビア政府から法廷側に6月28日、引き渡されて以来初めて。他の38人の被告とは隔離されて拘置されているものの、妻や家族に電話することは認められているという。
 前大統領は、戦犯法廷が人道に対する罪で起訴したことについて、「セルビア人の利益を守るための行動で、無罪だ」と語り、法廷で徹底的に争う姿勢を明確にした。
 国家元首だった人物が国際戦犯法廷で裁かれるのは初めてとあって、3日の初出廷に向けて周囲の警戒態勢も厳しさを増している。戦犯法廷は前大統領の自殺や体調の悪化を防ぐため、厳重な監視態勢を敷き、3日に初出廷する前大統領の法廷までの約3キロの経路についても公表されていない。[2001-07-02-10:52] 38
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 07/02@<仏露首脳会談>両大統領が個人的関係深める(毎日新聞)

 【モスクワ田中洋之】フランスのシラク大統領は1日、ロシア公式訪問のためサンクトペテルブルク入りし、プーチン大統領と会談した。両大統領は2日にモスクワで引き続き首脳会談を行う。仏露関係はロシア軍のチェチェン攻撃をめぐり一時悪化していたが、プーチン大統領が昨年10月にパリを訪問して修復された。両国は米国の進めるミサイル防衛構想への懸念を共有しており、20日からのジェノバ・サミット(主要国首脳会議)を前に国際安保分野での協調路線をアピールする狙いがある。
 プーチン大統領の故郷であるサンクトペテルブルクで、両大統領は夫人同伴で音楽鑑賞を楽しんだり、夕食に調理する魚を自分たちで捕獲するなどして個人的関係を深めた。両大統領は1日夜、ロシア大統領専用機でモスクワに移動した。
 ロシア外交筋によると2日の首脳会談では国際安全保障問題はじめ、マケドニアや中東情勢、ロシアから欧州へのパイプライン建設や航空・宇宙分野での2国間協力について話し合われる見通しだ。
 サンクトペテルブルクはこれまでプーチン大統領がブレア英首相やシュレーダー独首相、森喜朗前首相らを招いて首脳会談を行っており、モスクワに次ぐ外交舞台となっている。 [2001-07-02-10:45] 44
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 07/02@鈴木宗男代議士「アイヌ民族はまったく同化」と発言(朝日新聞)

 北海道選出の鈴木宗男自民党代議士が2日、東京・有楽町の日本外国特派員協会での講演で、「(日本は)一国家、一言語、一民族。アイヌ民族は今はまったく同化された」などと発言した。アイヌ民族関係者は「民族を侮辱する同化政策完了宣言に聞こえる」と反発している。
 この発言は、小泉政権についての報道をとりあげて「マスコミは小泉(純一郎)首相を改革派、反対勢力を守旧派と白黒に分けたがる」と語ったあとに飛び出した。「(日本は)一国家、一言語、一民族と言っていい。北海道にはアイヌ民族がおりますが、今はまったく同化されておりますから」と続けた。
 北海道ウタリ協会の吉田昇理事(54)は「情けない。アイヌを一番知るはずの地元の鈴木代議士が正気で発言したとは思えない。中曽根康弘首相の単一民族発言から15年たつのに、相変わらずの認識だ」と話した。
 86年、当時の中曽根首相が「日本は単一民族」と発言し、アイヌ民族らから猛反発を受けた。[2001-07-02-21:30] 55
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 07/02@<カンボジア>ポル・ポト派の虐殺裁く国際法廷で政府が国連(毎日新聞)

 【バンコク小松健一】カンボジアのポル・ポト政権時代の国民虐殺罪を裁く特別法廷の設置を巡って、カンボジア政府が国連への対決姿勢を強めている。特別法廷設置のための法案成立後の協議を求める国連に対して、フン・セン首相は「我々は外国人の言う通りにはならない」と国連批判を展開している。2日に開会した国会では、法案の審議日程を設定しなかった。今後、国連側の出方をうかがいながら審議引き延ばしを図る可能性がある。
 国連とカンボジアの対立は、6月下旬にカンボジアを訪問したロイプレヒト国連事務総長代表(カンボジア人権問題担当)が、法案作成と審議過程が不透明だと批判して顕在化した。
 法案は今年1月に国会で可決したが、その後、最高刑が死刑と規定されていることに憲法評議会が違憲と判断した。死刑を終身刑と改めるだけの修正法案作成に4カ月以上かかり、国会審議も8月以降にずれ込む公算が大きい。また昨年7月の国連との合意項目のうち、政府に投降し、恩赦を受けたイエン・サリ元副首相ら旧ポル・ポト派最高幹部の訴追など「10数項目が法案から抜け落ちた」(国連関係者)という。
 プノンペンの国連関係者によると、先月29日にカンボジアの反政府グループに対する判決公判がプノンペンであったが、「裁判手続きが公正でなく、特別法廷に対する国連の不信感を増した」という。国連は法廷設置法案が可決されても改めてカンボジア側と協議し、昨年の合意順守を迫る意向だ。
 これに対してフン・セン首相は最近の閣議で「カンボジア人は何をしてもだめだと言うのなら、国連は法廷に参加すべきでない」と強硬な発言をした。
 元ポル・ポト派幹部は「首相はイエン・サリ元副首相を裁くことに否定的で、国連の影響力を最小限に抑えたい。ラナリット議長も来年の地方選挙を控えて、首相に協力する姿勢を示し始めた」と指摘している。 [2001-07-02-19:15] 66
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 07/02@日本企業の積極的な進出を カダフィ大佐子息が東京講演(共同通信)

 リビアの最高指導者カダフィ大佐の子息で、同国サッカー協会会長のサーディ・カダフィ氏(28)が二日、東京都内で講演し「日本の企業に積極的に進出してもらいたい」と述べ、パンナム機爆破事件をめぐる国連制裁が凍結され、産業基盤の整備を急ぐリビアへの日本の協力を呼び掛けた。
 日本サッカー協会の招きで来日した。政府の公式な肩書はないが、カダフィ大佐から日本の政財界関係者と会い、企業誘致を進めるよう命じられたという。
 同氏は日本の先進技術を高く評価し「石油や鉄鋼関係などに重点を置き、日本企業と開発を推進していきたい」と話した。
 また、カダフィ大佐の後継候補の一人と言われていることについて「父から特命を受けることはあるが、後継問題について語るのはまだ早い」と明言を避けた。兄のセイフ・アル・イスラム氏は昨年、フィリピンのイスラム過激派と人質の解放交渉を仲介し注目を浴びた。外交筋によると、兄弟とも国民の人気は高い。
 リビアは一九八八年に英スコットランド上空で起きたパンナム機爆破事件のリビア人容疑者の引き渡しを拒み、九二年から国際航空路線の乗り入れ禁止など国連制裁下にあったが、九九年に制裁は凍結された。
 サーディ氏は六月二十八日に来日し、東京や札幌でサッカーの国際大会キリン・カップを観戦、四日に離日の予定。(共同)(了)[2001-07-02-16:46] 74
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 07/02@<京都議定書>小泉首相発言を評価 米エネルギー長官(毎日新聞)

 【ワシントン清宮克良】米国のエーブラハム・エネルギー長官は1日、フォックス・テレビのインタビュー番組で、小泉純一郎首相が日米首脳会談で地球温暖化問題での日米協調重視を表明したことについて「日本の立場は我々にとって喜ばしい」「(温暖化防止のための)京都議定書は国際社会で認められないだろう」と述べ、議定書は死文化したとの認識を示した。
 1日付のワシントン・ポスト紙も、小泉首相が京都議定書の死文化を明確にする役割を果たし、今月下旬にイタリアで開く主要国首脳会議(サミット)で、首相はブッシュ大統領の援軍になるとの識者の分析を紹介した。
 首相が1日から訪問する欧州では京都議定書をめぐる米国の対応への反発が強い。地球温暖化問題で日本は米国と欧州のどちらの立場を尊重するのか、首相の真意が問われる可能性もある。 [2001-07-02-11:30]
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 07/03@ミロシェビッチ氏、初公判で罪状認否を拒否(読売新聞)

 【ハーグ3日=三井美奈】ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争で、アルバニア系住民に対する殺害などで「人道に対する罪」などに問われたミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領(59)の初公判が3日、旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)で開かれた。前大統領は、「同法廷は国連総会の決議で設立されておらず、存在自体が違法」と述べ、罪状認否を拒否した。リチャード・メイ判事はこれを受け、来月下旬までに裁判を再開すると宣言した。
 同法廷は二審制で、上訴が可能だが、この日、前大統領が検察側と全面対決の姿勢を示したことで、一審だけで1年以上かかる見込み。旧ユーゴ法廷は昨年、「人道に対する罪」で起訴されたクロアチア軍幹部に禁固45年の判決を下しており、前大統領の有罪が確定すれば、それ以上の判決が出る可能性が強い。
 前大統領は、北大西洋条約機構(NATO)の対ユーゴスラビア空爆中の99年5月、大統領在任中に起訴された。空爆直前の99年1月以降、コソボ自治州でアルバニア系住民に対する組織的殺人、追放を行うことを決定、命令したとして「人道に対する罪」(殺人、追放など)と戦争法規慣習違反に問われた。
 第二次大戦後、国際法廷が元国家元首を裁くのは初めて。[2001-07-03-19:01] 8
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 07/03@<田中外相>サミット会議前に東欧2国も訪問へ(毎日新聞)

 田中真紀子外相は3日、イタリア・ローマで18日から開かれる主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)外相会議を前に、東欧のチェコと、ユーゴスラビアも訪問することを決めた。サミット後もベトナム・ハノイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大外相会議などに出席予定で、参院選(12日公示、29日投票)期間の多くは外交日程で埋まることになる。
 田中外相は14日に出発し、まずチェコを訪問。さらにミロシェビッチ前大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷に移送され、連邦首相が辞任するなど動揺が続くユーゴスラビア入りする。同国についてはサミット外相会合で支援問題が中心議題になるとみられている。18、19日はローマでサミット外相会議に出席する。
 外務省幹部によるとロシアやカナダ訪問も検討されたが、日程調整などの事情で東欧訪問に落ち着いた。24日から27日まではハノイ入り、その前後も外国訪問の日程が入る可能性がある。人気者の外相には選挙応援を求める声は強いが、東京都議選応援では「衆院は小選挙区だけにすべき」と発言して物議をかもし、参院選応援を懸念する声も政府・与党に出ていた。 [2001-07-03-18:55] 9
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 07/03@「まやかしの裁判だ」 冷静さ失わず対決姿勢 前ユーゴ大統(共同通信)

 【ハーグ3日共同】「これはまやかしの裁判だ」。三日、国際戦犯法廷に立ったミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領は、初公判の間、終始冷静さを失うことなく、法廷への対決姿勢を鮮明にした。
 前大統領は紺の背広に、ユーゴ国旗と同じ赤、白、青のストライプのネクタイ姿。リチャード・メイ裁判長が冒頭で「本当に弁護士を付ける考えはないのか。もう一度考え直すチャンスがある」と前大統領に促すと、前大統領は英語で「この裁判は不法だ。弁護士を任命する必要はない」と厳しい表情ではねつけた。
 この後、起訴状の朗読の必要性について問われると、「それはあなたの問題だ」。
 焦点の罪状認否では、真っすぐ裁判長の方を見ながら「この裁判は北大西洋条約機構(NATO)の犯罪を正当化するためのものだ。まやかしだ」と自説を繰り返す。裁判長が「ミロシェビッチさん、これは演説のための時間ではない」と重ねて罪状認否を求めたが「もう返事はした」と、挑発的な言葉で言い返した。
 約十分後、裁判長が閉廷を宣言。前大統領は被告席で起立したが、表情を変えることなく、真っすぐ裁判長席を見据えていた。(了)[2001-07-03-18:26] 11
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 07/03@戦犯法廷否定し全面対決か ユーゴ前大統領の初公判(共同通信)

 【ハーグ(オランダ)3日共同=川北省吾】一九九九年のユーゴスラビア・コソボ自治州紛争の際、アルバニア系住民殺害を指示したとして「人道に対する罪」など四つの罪状に問われたユーゴのミロシェビッチ前大統領(59)の初公判が三日、オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷(リチャード・メイ裁判長)で開かれる。
 人定質問の後、起訴状が朗読され、前大統領が応じれば、罪状認否に入る。しかし、前大統領は二日に接見したユーゴの弁護士に対し、戦犯法廷の法的正当性を否定、弁護士なしで単独出廷する意向を示しており、認否を含め裁判手続きを拒否し、全面対決に乗り出す構えだ。
 国家元首だった人物が人道に対する罪により、国際法廷で裁かれるのは初めてで、国際人道法の歴史に残る裁判となる。判決は将来の創設が見込まれる国際刑事裁判所でも判例として生かされそうだ。
 前大統領やミルティノビッチ・セルビア大統領ら五人は@ユーゴ軍やセルビア治安部隊によるコソボのアルバニア系住民に対するテロを命令A約七百人以上の同住民らの殺害を指示B約七十四万人の同住民を強制追放―などとして九九年五月に起訴された。
 すべて有罪と判断された場合、最高刑の終身刑が言い渡される可能性がある。ただ、前大統領は他の戦犯被告の大半と異なり、実行行為者ではないため、その指揮・命令行為と実際の犯罪行為の関連をどう立証するかが焦点となりそうだ。
 前大統領は三十日間、罪状認否を留保することが可能。これ以降、認否に応じない場合は無罪を主張したとみなされる。本格審理は数カ月以上先になる見通し。通常、次回の審理から二百三十九日以内に公判が終了する。
 前大統領は今年四月に権力乱用などの国内法違反容疑でユーゴで逮捕され、六月二十八日にセルビア共和国政府から法廷側に引き渡された。(了)[2001-07-03-16:22] 13
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 07/03@ミロシェビッチ前大統領、初公判での弁護拒否(読売新聞)

 【ハーグ2日=三井美奈】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ前大統領は3日の旧ユーゴ戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)での初公判を前に2日、ユーゴからハーグ入りした弁護士らの弁護を拒否する意向を示した。
 前大統領と同日、拘置所で面会したユーゴの弁護団が記者会見で明らかにした。前大統領は3日、弁護人を付けずに罪状認否を行う。
 同弁護団は、前大統領が4月に国内法廷で汚職の罪で起訴された際に弁護を担当した。ユーゴの弁護士の1人は記者会見で、前大統領が弁護を拒否した理由について、「前大統領が旧ユーゴ戦犯法廷自体を認めていないため」と述べた。前大統領は面会中、「法廷は、セルビア人を虐殺するからくりの一部だ」と主張したという。
 同弁護士は「明日、前大統領は自分の口で説明するだろう」と述べ、前大統領が罪状認否に応じず、法廷批判を展開する可能性を示した。今後、別の弁護人を指名するか、弁護人不在のまま裁判を続けるかについては法廷判事が判断することになる。[2001-07-03-15:12] 14
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 07/03@<モンテネグロ>少数派内閣が樹立 国民投票を8カ月以内に(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国の国会は2日、ブヤノビッチ首相を首班とする新内閣を承認した。4月に行われた選挙でジュカノビッチ大統領率いる民主社会党と社会民主党の連立与党は過半数に達せず、組閣が遅れ、独立急進派・自由同盟と1年間限定の協力協定に調印した。協定は8カ月以内に、独立の是非を問う国民投票を実施するとしている。
 協定によると、国民投票実施のための特別法を60日以内で成立させ、今後8カ月以内の実施を規定している。連立与党は自由同盟の議席を加えると過半数を超えたが、自由同盟は野党にとどまり入閣せず、少数派内閣になる。
 首相は就任演説で「国民すべての利益を図る内閣を目指す」と述べたが、国民投票の実施に言及しなかった。自由同盟からは早くも投票実施を疑う声が上がっている。
 ジュカノビッチ大統領は4月の選挙で「独立」を掲げたが、選挙結果が辛勝だったことから、直ちに国民投票を実施しにくい状況となっている。また、ユーゴ連邦政府でミロシェビッチ前大統領が退陣し、民主政権が樹立されたことで独立の必要性が低くなっているのも事実だ。
 自由同盟のビチコビッチ党首は毎日新聞に「国民投票が規定通り実施されなければ少数内閣支援を撤回する」と述べた。 [2001-07-03-13:05] 17
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 07/03@<戦犯法廷>前ユーゴ大統領が弁護士なしで、初公判に出廷へ(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア戦犯法廷で3日に初公判が開かれるミロシェビッチ・前ユーゴ大統領の弁護団は2日、記者会見し、初公判について「(前大統領)本人が直接、考えを主張する。本人は法廷そのものへの異議を唱えるだろう」と語った。弁護団によると、前大統領は法廷で弁護士を付けない意向だという。弁護士なしの形で被告が法廷の存在に異議を唱える異例の裁判となりそうだ。
 弁護団は2日、ハーグ入りした。空港で書類が入ったスーツケースが紛失するなどのトラブルがあったため、前大統領との接見は3時間に限られた。トマノビッチ弁護士によると、「ミロシェビッチ氏はこの戦犯法廷そのものの存在意義を認めていない。だから弁護士も付けない意向だと語った。自ら口頭で主張する」という。
 前大統領は99年に起訴されたときから「米欧主導で進められている戦犯法廷の非中立性」を指摘し、「政治法廷」と主張しきた。初公判でも同様の主旨を主張するとみられる。
 3日午前10時(日本時間午後5時)から開かれる初公判では、検察側が起訴状を読み上げ、罪状認否が行われる予定だが、前大統領は起訴事実ではなく、法廷そのものに対し反論し、罪状認否には応じないことになりそうだ。被告には有罪を受け入れるか無罪を主張するかの判断が託され、30日間の返答猶予が与えられるが、前大統領が起訴事実以外の点で主張を続けたとしても、同法廷は事実上の「無罪主張」とみなし、30日後に通常の裁判日程に移る。
 起訴状によると、前大統領はコソボ紛争の際、コソボ自治州のアルバニア系住民に対して、(1)強制追放(2)殺人(人道に対する罪)(3)殺人(戦争法などの違反)(4)政治、民族、宗教による迫害――などの非人道的な戦争犯罪を行ったとされる。 [2001-07-03-10:40] 18
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 07/03@ミロシェビッチ前大統領、戦犯法廷自体を否定(朝日新聞)

 国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷に移送されたユーゴ連邦のミロシェビッチ前大統領の初出廷を前に2日夕、同氏の国内裁判の弁護を務めていたトマノビッチ弁護士とクリゴビッチ弁護士はハーグ郊外にある拘置所内で前大統領と初めて面会した。その際、前大統領は、「戦犯法廷そのものの存在意義を認められない」として、3日の初出廷には弁護士を付けず、本人1人で臨む方針を明らかにした。
 約3時間にわたる前大統領との面会後に記者会見した弁護士らは、前大統領は「ハーグの戦犯法廷はまやかしであり、北大西洋条約機構(NATO)のセルビア人に対する暴力の一環だ」と主張したという。さらに、自身の移送についても「ユーゴ憲法を無視しており違法だ」と述べたという。
 3日の初出廷で罪を認めるかどうかの点については、明らかにしなかったが、前大統領は罪状の認否をせず、法廷の違法性について述べる可能性も出てきた。
 また弁護士らによると、前大統領は、白いシャツにグレーのズボンというきちんとした身なりで、「威厳をもって見えた」と語った。[2001-07-03-10:08] 21
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 07/03@ユーゴ前大統領単独出廷へ 戦犯法廷と全面対決(共同通信)

 【ハーグ3日共同】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)を訪れたユーゴのトマノビッチ弁護士らは二日、人道に対する罪で起訴され、拘置中のミロシェビッチ前ユーゴ大統領と接見後に記者会見し、前大統領が三日の初公判に、弁護人を伴わずに単独出廷する意向であることを明らかにした。
 同弁護士によると、前大統領は戦犯法廷の法的正当性を否定しており、弁護人を選任しないことにより、自らへの裁判手続きを拒否する意思を示すという。
 初公判で見込まれる罪状認否にも応じない可能性が出てきた。欧米主導の色彩の濃い戦犯法廷との全面対決の構えといえる。
 弁護士によると、前大統領は接見で、自らのハーグ移送が不当で、国民を外国に引き渡すことを禁じたユーゴの国内法にも違反すると強調した。
 一九九九年のユーゴ・コソボ紛争でコソボのアルバニア系住民を虐殺したとされる起訴事実については「いんちきだ」と反論した。前大統領は心身ともに健康な様子だったという。
 トマノビッチ弁護士らは、前大統領が四月に権力乱用などの容疑でユーゴ国内で逮捕された後、弁護活動に当たってきた。(了)[2001-07-03-08:27] 1
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 07/03@米大統領の支持率下降 政策が市民感情と遊離(共同通信)

 【ワシントン3日共同】ブッシュ米大統領の支持率が下降線をたどっている。ブッシュ氏の指導力に疑問符が付くほか、京都議定書からの離脱など環境やエネルギー問題、減税などでその政策が「市民の感情と遊離している」(ニューヨーク・タイムズ紙)ことが原因。大統領就任から半年弱にして、ブッシュ政権は早くも来年秋の中間選挙をにらんで体制立て直しを迫られそうだ。
 六月中旬以来発表された各世論調査結果によると、大統領の仕事に対する支持率は、53%(タイムズ紙)、52%(CNN)、51%(ロイター通信)と軒並み50%ちょっと。先週、ウォールストリート・ジャーナル紙は自社調査による50%の数字を「大統領支持率としては過去五年間で最低」と報じた。
 就任以来数カ月の60%台から比べると急降下だ。しかも、一兆三千億ドル以上の大型減税や教育改革など、選挙公約を着々と実行、米ロ首脳会談も一応成功させた大統領にとっては意外な展開と言える。
 タイムズ紙の調査では、国際的な紛争処理能力や環境保護政策、エネルギー政策などでいずれも不支持が上回った。また「減税よりも社会保障の充実を」と考える人は64%に上り、57%が「ブッシュ政権は金持ち寄りだ」と回答。エネルギー開発最優先の政策や、医療訴訟の権利を保護する「患者の権利」法案に対する拒否権行使の脅しなどは「大企業の利益を代弁する政権」というイメージを拡大させている。
 政治コラムニストのボブ・ハーバート氏は、ブッシュ氏が日々の問題に無関心で、チェイニー副大統領らに任せているのが支持率低下の最大の原因と指摘。一連の低調な数字にブッシュ氏は「大した話ではないと肩をすくめているだけ」(フライシャー報道官)という。(了)[2001-07-03-16:09] 2
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 07/03@首都で大規模行動予告 アルジェ、大規模な反政府行動に発展(共同通信)

 【カイロ3日共同】今年四月にアルジェリアの少数民族ベルベル人が処遇改善を求めて始めたデモが、一般民衆も巻き込んだ大規模な反政府行動に発展、発足から二年余りのブーテフリカ文民政権を揺さぶっている。
 ベルベル人の代表や支持者は国の独立記念日である五日、首都アルジェでの大規模なデモを予告し、大統領に直接、十五項目の請願を手渡すと宣言。政府は、首都での街頭行動は一切禁止するとの強硬方針を崩しておらず、予定通りデモが行われれば大規模な衝突に発展しかねない。
 ベルベル人側は四日と五日に首都などでのゼネストを呼び掛けている。ベルベル人の多い北東部のカビリエなどからは、デモ参加者が続々と首都へ向け移動しているという。
 同国では四月十八日、カビリエの警察署で十八歳のベルベル人少年が拷問で死亡したとされ、これに抗議するベルベル人らのデモが連日のように続いていた。
 人口の約二割を占めるベルベル人は、アラブ人中心の中央政府にベルベル語の公用語化や抑圧的な処遇の改善などを求めていたが、少年の拷問死をきっかけに長年のうっ積した不満を一挙に爆発させた。
 さらに、経済不振による高失業率などに不満を抱く若者ら一般国民がこの動きに同調。野党勢力も政府への「民主化要求行動」と位置づけ、六月十四日には首都だけで十数万人が参加する大規模デモが行われ、ブーテフリカ大統領は一時、政権を投げ出す意向を漏らしたとも伝えられている。(了)[2001-07-03-16:01] 4
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 07/03@05年までにCO2削減20億トンも可能 NPOが試算(朝日新聞)

 地球温暖化をもたらす温室効果ガスについて、国際的なNPO(非営利組織)の世界エネルギー会議(WEC、本部ロンドン)は、産業界や各国政府のクリーンエネルギー事業への取り組みにより、05年には昨年比で二酸化炭素(CO2)20億トン分の排出削減が可能になるとの調査結果を明らかにした。国連環境計画(UNEP)は、温暖化への悲観論が広まるなか、一筋の明かりを見いだせる調査結果だとしている。
 調査は、91カ国で進めている風力発電、波動発電など600以上の事業展開の影響をWECがはじきだした。20億トンは00年の排出量の約6%にあたる。
 UNEPのテプファー事務局長は「政治交渉の行き詰まりによる(温室効果ガス排出削減への)悲観論が、現実に起きている前進を覆い隠している。さらに努力が必要だが、政府間の議論に決着がつこうがつくまいが、汚染の少ない世界に向けて前進しなくてはならない」とした。
 UNEPは、中国が96、97年に比べ排出量の大幅削減に成功したとして注目している。背景には、古く、効率の悪い発電所が新しい発電所に移行する時期にあることなどが挙げられる。[2001-07-03-15:35] 5
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 07/03@国連安保理、イラク制裁緩和の決議表決を見送り(読売新聞)

 【ニューヨーク2日=松浦一樹】国連安全保障理事会は2日、米英両国が提案した対イラク制裁緩和決議の表決をいったん見送り、現行の人道支援目的の禁輸解除措置をさらに5か月間延長することで合意した。3日に正式決定する。
 米英は5月、軍事転用が可能な品目を除く民生品の禁輸を解除し、シリア、ヨルダンなど周辺国への原油輸出を認め、その収益を国連拠出金などに充てるとする制裁緩和措置を提案した。しかし、ロシアは、米英案が制裁の完全解除に直結しないことなどを理由に反対。安保理は現行措置が期限切れを迎えた6月初め、同措置を1か月間延長し、米英案に関する協議を続けていた。[2001-07-03-15:20] 12
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 07/03@<対イラク制裁>見直し案を先送り 国連安保理(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連安保理に対イラク新制裁案を提示していた英国は2日、同案を当分棚上げにすると表明した。イラク寄りのロシアが拒否権を行使する可能性があるためで、米英が今春から模索してきた対イラク制裁見直し案はとん挫した形になった。英国は代案として、現行の国連対イラク人道援助計画を5ヵ月延長するよう求める決議案を各国に提示、援助計画が期限切れになる3日に安保理で採択するよう求めている。
 英国案を支持してきた米国を含め、安保理各国は2日、新制裁案棚上げ・援助計画延長に同意した。米英両国は同時に、今後もロシアに対し、新制裁案受け入れを求めていくと表明した。
 英国は今年5月、対イラク制裁の対象から民生品をはずし、武器関連物資に絞り込む新制裁(スマート制裁)案を提示した。しかし、ロシアが実質的な制裁強化になると反発したため、6月にこれを1ヵ月先送りにすると表明していた。今回の同案棚上げで、2度目の譲歩を強いられた形になった。
 国連は90年、イラクのクウェート侵攻を受け、イラクに対する制裁を始めたが、イラク指導者でなく子どもや女性への被害が大きいため、96年から人道援助計画を始めた。同計画により、イラクは国連管理下で原油を輸出し、食糧や医薬品を購入することを認められている。しかし、実際にはイラクが密輸を行っていて効果がなく、米英が制裁見直しを訴えていた。 [2001-07-03-12:00] 13
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 07/03@日本は単一民族と経産相 ウタリ協会が問題視(共同通信)

 平沼赳夫経済産業相が二日に札幌市内で行った講演で、「日本はレベルの高い単一民族できちっと詰まっている国」と述べていたことが三日、分かった。アイヌ民族でつくる北海道ウタリ協会は「単一民族との発言は問題」として発言内容の確認をしている。
 平沼経産相は二日午後、札幌市内のホテルで開かれた自民党の中川義雄参院議員の政経セミナーに講師として出席。経済政策などに触れ「日本は天然資源は乏しいが、人的資源は恵まれている」などと述べた後に問題の発言をし、日本の高い産業技術を生かすべきだと主張していた。
 江戸市郎・道ウタリ協会事務局長は「アイヌ民族は日本の先住民族である。同相の発言の真意をただしたい」と話している。(了)[2001-07-03-11:56] 23
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 07/03@イラク制裁緩和は先送り ロシアの反対で安保理(共同通信)

 【ニューヨーク2日共同】国連安全保障理事会は二日の非公式協議で、英国が提案していた対イラク制裁見直し決議案の採択を先延ばしし、人道物資購入に限ってイラク原油の輸出を認める「石油輸出プログラム」を当面延長することで合意した。
 延長決議は同プログラムが期限切れとなる三日に採択される見通し。延長期間は三―六カ月とみられる。
 英国案は、制裁を緩和して民生品の禁輸措置を解除する一方で、軍事転用可能な物資の規制を強化する内容。ロシアが強硬に反対、拒否権行使の可能性を示唆したため、採択の見通しが立っていなかった。
 英国は「(英国案は)イラクの民生向上と大量破壊兵器開発阻止を両立させるため不可欠」と主張したが、ロシアは「イラク経済を破壊し、国民生活を悪化させるだけ」と批判した。
 安保理は六月初めに石油輸出プログラムを暫定的に一カ月延長すると決議。イラクは英国案に反発して、延長決議直後から原油輸出を停止している。(了)[2001-07-03-08:12] 34
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 07/03@<ペルー>フジモリ前大統領の身柄引き渡し問題に焦点が移行(毎日新聞)

 ペルーのモンテシノス前国家情報局顧問(56)が6月23日に逮捕され、同国内ではフジモリ前大統領の身柄引き渡し問題に焦点が移っている。司法当局が前顧問の取り調べを通じ、前大統領の犯罪関与の立証を狙っているのが明らかなためで、捜査の進展とともに日本政府に対する送還要求が高まる可能性がある。 【メキシコ市・吉田弘之】
 前顧問の犯罪捜査はペルー史上、最大規模と言われる。捜査対象容疑は武器密輸や資金洗浄、人権侵害事件など計52件に上る。その中で司法当局は同28日、フジモリ前大統領が関与したとされる左翼テロ取り締まりの際の人権侵害事件の捜査を最優先する方針を発表した。
 一方、デクエヤル首相は前顧問の逮捕後、「日本と犯罪人引き渡し条約がない以上、別のメカニズムを探さなければならない」と発言した。国連の「拷問禁止条約」(84年採択)を活用して日本での前大統領の捜査や身柄引き渡しを実現しようという構えであるのは明らかだ。司法、行政当局が、モンテシノス前顧問の逮捕を契機に前大統領の引き渡しを要求する戦略の一本化を図ったとみることが出来る。
 元外交官で弁護士のフアン・ガルランド氏は「前顧問の捜査を通じてフジモリ氏の人権侵害事件への関与が立証されれば、日本は独自の捜査とフジモリ氏の身柄送還を要求する国際世論の強い圧力を受ける」と話す。
 問題は、モンテシノス前顧問が真相を供述するかどうか。刑法を専門とするバイエリエストラ弁護士によると、「誠実な供述」がなされ、それが捜査当局の調べで事実と判明した場合、刑事訴訟法の規定により判事の判断で刑期を短縮できる司法取引の可能性が出てくる。「モンテシノスはあらゆる手段で減刑を狙うはず。当局が望んでいる前大統領に関する情報を提供すれば、終身刑を免れる可能性もある」と話す。
 一方、ガルランド氏はペルー政府が同26日、情勢分析のためマキャベロ駐日大使をリマに呼び戻したことについて「ペルーが日本に対し前大統領の引き渡し問題で『不快感を持っている』というメッセージだと解釈できる」としたうえで「この問題では日本、ペルーともに長年の友好関係を壊さぬよう慎重に対応すべきだ」と警告している。 [2001-07-03-01:15] 35
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 07/03@<東ティモール>8月の制憲議会選に向け、15日から選挙運(毎日新聞)

 来年の独立を目指す東ティモールで、8月30日の制憲議会選挙に向けて15日から選挙キャンペーンが始まる。制憲議会は後に国会に移行するため、住民が初めて自らの代表を選ぶ事実上の総選挙と位置付けられている。選挙運動開始で、東ティモールの新国家建設は新たな段階に入る。【ジャカルタ中坪央暁】
 新憲法の制定を審議する制憲議会は、(1)比例代表制による全国区選出75人(2)各県1議席ずつの小選挙区選出13人――計88人で構成する。国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の2日の発表では、先月末までの登録作業で、73万7811人が住民登録した。このうち出生地などの条件を満たした17歳以上の約37万人が有権者になる。
 選挙には16政党▽候補者1171人(全国区1030人、地方区141人)が参加を申請した。
 選挙結果は9月10日までに発表され、15日に初議会が招集される。3カ月の審議を経て、12月15日に憲法を制定、公布する。その後の制憲議会の国会移行、初代大統領選出を経て、02年の早い時期に正式独立する見通しだ。
 多党乱立の中で、政治連合組織「東ティモール民族抵抗評議会」(CNRT=先月9日解散)の中核を担ってきたフレテリン(東ティモール独立革命戦線)が、広範な支持を集めて優位に立っている。ティモール民主同盟、社会民主党などは、党勢拡大を狙っている。現地の国連関係者は「政党間の小競り合い程度はあるだろうが、各勢力とも選挙を成功させることで合意しており、大きな混乱は起きないのではないか」とみている。
 一方で、98年8月の住民投票後の騒乱でインドネシア領・西ティモールに流出した避難民の帰属選択も先月終了した。インドネシア当局が国連側に伝えた集計では、登録者の98%に当たる11万人余りがインドネシア残留を選択、東ティモール帰還希望は約1200人にとどまった。
 しかし、登録しなかった避難民も相当数おり、独立指導部のラモス・ホルタ氏は「避難民は『帰還すれば報復される』との間違った情報を与えられ、登録作業は不正だった」と不満を表明した。シャナナ・グスマン氏は「東ティモール人として残念だが、結果は受け入れる。残留を決めた人々もいつか東ティモールに戻れるよう配慮したい」と話している。 [2001-07-03-01:15] 37
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 07/03@<記者の目>カネが終始議論の主役に 国連エイズ特別総会(毎日新聞)

 すこし言い方が露骨に過ぎるかもしれないけれど、6月27日(日本時間28日)に閉幕した国連エイズ特別総会の焦点は、最初から最後までカネの問題だった。これからしばらく、同じ状況が続く可能性すらある。
 人道問題としてエイズ対策を考えるのは当然だし、それが前提であることに変わりはない。しかし、事態があまりに切迫しているため、総会では抽象的な理想論より、カネの問題が主役として舞台正面に立ち続けたのである。
 すでに感染者3600万人、死者2200万人という、気の遠くなるような数字がはじき出されている。アナン事務総長が、この危機と闘うためのカネを、援助金ではなく「軍資金」と呼ぶほど深刻である。
 こんなことを書くと「カネの話だけでなく、責任者の問題を追及しろ」という声が出るかもしれない。エイズがまん延するのを放置した南部アフリカの指導者、行政当局者、知識人、村の有力者、ひいては大人全体に責任はないのかと言われるかもしれない。
 実際、「エイズがウイルスで広がるのかどうか疑わしい」と開き直り、何の手も打たなかったアフリカの指導者もいる。
 ボツワナでは成人の3人に1人、スワジランドとジンバブエでは4人に1人、レソト、ザンビア、南アフリカ、ナミビアではざっと5人に1人がエイズ感染者であり、この7カ国が突出して多い。
 貧困が原因だといっても、ウガンダなどのように抑止に成功している国もあるのだから、貧しさだけに責任を負わせてよいはずはない。
 しかし、国連エイズ特別総会は、そうした事情を承知しながら、あえて「資金の拠出」の重要性を高らかにうたいあげた。
 大人にどれほどの責任があろうと、母子感染によってエイズにかかった乳幼児には何の罪もない。そうした子どもたちの悲劇を防ぐためにも、カネはどうしても必要なのである。
 アフリカの人たち自身が、自分たちもカネを出すと約束したという事実もある。4月のアフリカ統一機構エイズサミットで、各国代表は国家予算の15%をエイズ対策にあてると発表したのだ。
 とはいうものの、資金の額は中途半端ではない。総会は、エイズを予防し、感染者に薬を送り、ケアまで進めるなら「年間70億ドルから100億ドルが必要だ」と認めた。現時点で、途上国が拠出しているのは、総額10億ドル程度でしかないのに…。
 そこで、資金集めのための「世界エイズ・保健基金」の話が重要になってくる。基金を考え出したアナン事務総長は各国政府、民間企業・組織に拠出を呼びかけ、すでにいくつかの企業も寄付を申し出ている。
 しかし、実際には、各国政府の拠出が中心になるだろう。そしてそのカネは、私たち国民の税金ということになる。
 アフリカにはこれまで、相当額の援助資金が流れ込んでいるのに、どこに使われたのか、はっきりしないことがあった。指導者の腹にごちそうとしておさまったり、その親族にばらまかれたという指摘もある。
 出す以上は、予防や感染者対策に使われるかどうか、きちんとチェックできるようにしたい。カネを出す側の先進国は、そうした思惑を背景に、基金の性格を考え始めた。
 たとえば、国連に運営をまかせたら、カネを出さずに使い道に口を出したがる国が動いて、話が進まなくなる可能性がある。そこで、国連以外の機関で資金を管理・運営することになった。
 すると米国が世界銀行に運営させろと言い出した。自分たちの影響力のある機関にまかせろというわけである。次に英国が乗り出してきて「いや世界保健機構(WHO)に担当させるべきだ」と張り合った。
 カネの手当てがろくにつかない段階で、早くも主導権争いを始めてしまうのだから、人間の性(さが)というのはつくづく恐ろしい。しかし、嘆いてみても、エイズの生み出す悲劇を減らすことはできない。
 総会を受け、7月のジェノバサミットで基金のあり方が本格的に議論される。いわずもがなかもしれないが、先進国の指導者は、表をとりつくろうようなきれいごとの話はやめて、カネの問題を徹底的に議論してもらいたい。その上で、早急に手だてを講じていただきたい。 [2001-07-03-01:05] 144
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 07/03@<ユーゴ前大統領>起訴状の要旨(毎日新聞)

 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の起訴状の要旨は次の通り。(起訴は99年5月。同年6月に訴因変更)
 <罪名>
 人道に対する罪(コソボのアルバニア系住民の(1)追放(2)殺害(3)政治・人種・宗教を理由にした迫害)。戦争に関する法・慣習違反(殺害)
 <被告人>(肩書は原則として当時)
 ミロシェビッチ・ユーゴ連邦大統領▽ミルティノビッチ・セルビア共和国大統領(現職)▽サイノビッチ・ユーゴ連邦副首相▽オイダニッチ・ユーゴ軍参謀長▽ストイリコビッチ・セルビア共和国内相――の5人
 <犯罪事実>
 99年1月1日から同年6月20日の間、被告人らはコソボ在住のアルバニア系市民に対するテロ・暴力の軍事行動を計画、扇動、命令した。
 ユーゴ連邦とセルビアの軍隊は、武力により組織的かつ強制的に約74万人のアルバニア系市民をコソボから追放。財産を略奪した。
 また、数百人のアルバニア系市民を殺害した。大量殺害の例は、同年5月27日ごろ、イズビチャ村で住民130人が銃殺された事件やラチャック村の虐殺など計12件。 [2001-07-03-21:05] 145
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 07/03@<ユーゴ前大統領>裁判の展開は各地の民族紛争などにも影響(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】3日に開かれた旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷の初公判で、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領は法廷そのものを違法と主張し、長い審理に突入した。戦勝者が敗戦者を裁く法廷は第二次大戦後の東京、ニュルンベルク裁判以来。新たな枠組みで「人道違反」を裁くとする今回裁判の展開は、今後、各地の民族紛争などにも大きな影響を与えそうだ。
 同法廷は旧ユーゴ圏での民族紛争が激化したのを受けて93年、米英などの主張により国連安保理決議で発足した。これまで主に92〜95年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時の戦犯容疑者を対象に捜査と裁判を続けてきたが、99年のコソボ紛争については初めての審理となった。
 同法廷初の元国家元首の登場によって、戦犯容疑が兵士の直接事犯を問うものから、国家指導者の戦争責任を問う内容に広がった。これに加え、今回裁判が99年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆の戦勝者が敗戦者を裁く形で進んでいるという点での意味も大きい。
 NATOや近く独自部隊を発足させる欧州連合(EU)は将来の活動の場として「民族紛争などの危機」を掲げている。こうした部隊が主権国家の紛争に介入した場合、戦勝国の主導で法廷が開設され、敗戦国への裁判が進む可能性がある。
 世界各地での民族紛争や戦争犯罪を裁くために3年前に設立が決まった国連の国際刑事裁判所は批准国が少なく、発足のめどが立っていない。
 初公判でミロシェビッチ前大統領はメイ裁判長(英国)に「この法廷は違法だ。NATOの犯罪を正当化するためのものだ」と語り、法廷そのものの合法性を否定した。世界中が「公正」と認める司法機関がないまま、各地で絶えない民族紛争で、軍事力による勝者が敗者を裁くという事態が恒常化しかねない。
 「どうしてユーゴだけが裁かれ、国連決議もなしに空爆したNATOは裁かれないのか」
 常々、こう語ってきた前大統領の事実状の「無罪」主張によって、裁判は長い過程に入った。前大統領の訴えに、法廷や欧米社会はどう答えてゆくのか。裁かれているのは被告だけではない。 [2001-07-03-20:55] 146
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 07/03@<ユーゴ前大統領>旧ユーゴ戦犯法廷での裁判長とのやりとり(毎日新聞)

 3日の旧ユーゴ戦犯法廷でのメイ裁判長とミロシェビッチ前大統領のやりとりは以下の通り。
 ◆開廷(午前10時)
 裁判長 弁護人の選任を再考しないか。
 前大統領 (英語で)この法廷は国連総会の委任がなく違法だ。弁護団を任命する必要はない。
 裁判長 (罪状認否の)申し立ての前に、起訴状朗読を望むか。
 前大統領 あなたの(考えるべき)問題だ。
 裁判長 あなたは国際法に基づき被告人としてのあらゆる権利がある。
 前大統領 裁判長…。 裁判長 起訴状朗読の権利を放棄したと見なす。無罪申し立てを今したいか後日にしたいか。
 前大統領 (セルビア語で)この裁判はNATOがユーゴで犯した犯罪について誤った正当化を行うためのものだ。
 裁判長 質問に答えなさい。申し立てをするのか、後日検討するか。
 前大統領 答えた。さらにこの法廷は……。
 裁判長 被告人が「無罪にしてほしい」との申し立てをしたと見なす。
 前大統領 この法廷は犯罪の正当化のためで違法だ。
 裁判長 今は演説の時間ではない。次回公判は8月最後の週とする。(10時13分閉廷) [2001-07-03-20:55] 147
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 07/03@<ユーゴ前大統領>静かに見守るユーゴ国民(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ミロシェビッチ前大統領が初公判に臨んだハーグの戦犯法廷を、ユーゴ国民は静かに見守っている。多くの人は国内での裁判を望んでいたが、前大統領が既に引き渡された現実を受け入れているようだ。
 ベオグラード社会科学研究所のバシェビッチ研究委員は「国民の多数は前大統領がどこであれ、公正に裁かれるべきだと考えている」と語った。
 前大統領は4月の逮捕時点で政治的影響力を失っていたが、引き渡しにより連立政権のセルビア民主野党連合とモンテネグロ社会人民党の亀裂が表面化した。また、民主野党連合の中でも国内での裁判を強く望んだコシュトゥニツァ連邦大統領と引渡しを決断したジンジッチ・セルビア首相の対立が改めて浮き彫りにされた。
 いったん連立離脱を表明した社会人民党は、連邦崩壊につながりかねないとの懸念から、引き渡し問題を棚上げして新しい連立政権に参加する動きを見せている。この点からも、前大統領公判につとめて触れない姿勢が際立っている。 [2001-07-03-20:55] 149
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 07/03@<ユーゴ前大統領>初公判で法廷の合法性を否定(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】99年のユーゴスラビア連邦コソボ自治州紛争で起きたアルバニア系住民弾圧で「人道に対する罪」などに問われたミロシェビッチ前ユーゴ大統領(59)の初公判が3日、オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷で開かれた。前大統領は同法廷の合法性を否定。検察側の起訴内容については答えず、事実上「無実」を主張した形になった。 
 戦勝者が敗戦者を裁く法廷は、第二次世界大戦の「戦犯」を断罪した東京、ニュルンベルク裁判以来のもの。国家元首だった人物が「人道犯罪」で戦犯容疑者として裁かれるのは初めてだ。
 起訴状によると、前大統領らユーゴ幹部5人はコソボ紛争の際、セルビア軍に指示して、アルバニア系住民に対し(1)強制追放(2)殺人(人道違反)(3)殺人(戦争法違反)(4)政治、民族、宗教による迫害――を行った。いずれも戦争犯罪に当たるとしている。強制追放は74万人以上とし、殺人被害者570人以上の名簿を公表した。
 午前10時に始まった初公判に前大統領は濃紺のスーツ姿で出廷。弁護士は本人の意向で付けず、異例の直接陳述となった。前大統領は検察側の起訴状朗読を拒否。「この法廷は違法だ。国連総会の委任を経ていない」とし、同法廷の法的地位に異議を唱えた。戦勝者が敗戦者を裁く法廷に、根本的な異論を投げかけた形だ。初公判は10分余りで終わった。
 メイ裁判長は前大統領が事実上「無罪」を主張したと解釈。8月末に次回公判が開かれるが、法廷報道官によると準備交渉に1年ほどかかり、本格的な審理に入るのは来年後半になるという。
 <藤田久一・関西大学教授(国際法)の話> 元国家元首の戦争責任を問う史上初の裁判で、今後の国際刑事裁判のあり方に大きな影響を与えることになると思う。
 ミロシェビッチ氏は、旧ユーゴ戦犯法廷には自分を裁く権利がないと争っているようだ。だが国連安保理は、同法廷を国連憲章に基づいて世界の安全を維持する非軍事的手法の一つと位置づけ、正当性の議論は一応決着している。ただし純粋な司法機関か、安保理の政治的意向が入った補助機関かの見方は分かれる。
 NATOのユーゴ空爆については多くの国際法学者が人道的干渉の枠を越えた違法な行為と見ている。だが同法廷は「不起訴」の結論を出しており、裁く場はない。
 こうした混乱を避けるために15カ国の安保理による法廷ではなく、より普遍的な国際刑事裁判所(ICC)の設置が望ましいと思う。ICC設置条約(98年採択)は現在批准24カ国で、日本、米国、中国などが批准しておらず、発効に必要な60カ国にはほど遠い。今回の法廷が国際刑事裁判に関心が集まるきっかけになればと期待する。
 ■ことば「旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷」
 旧ユーゴ紛争で虐殺や人道に反する罪などを犯した人物を裁く法廷。第2次大戦の国際軍事裁判が戦勝国による設置だったのに対し、93年の国連安全保障理事会決議に基づき設けられた。所在地はオランダ・ハーグ。常任判事14人と2検察官を置き終身刑が最高刑。これまでに4人の有罪(禁固5〜20年)と2人の無罪が確定。ミロシェビッチ前大統領を含め開廷や判決待ちの39人が拘置中だが、25人が未拘束。 [2001-07-03-20:50] 22
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 07/03@全国初のタクシー定額料金 キリン・カップ大分会場で(共同通信)

 大分県タクシー協会(漢二美会長)は二日、サッカーのキリン・カップ「日本代表対ユーゴスラビア代表」が開かれる四日午後に限り、JR大分駅など五つの駅と大分総合競技場を結ぶタクシー運賃を定額にする、と発表した。国土交通省大分陸運支局が同日までに認可した。
 同支局によると、観光地の周遊以外でタクシー料金を定額にするのは全国で初めてという。
 対象となるのは、同協会加盟の小型車計約一千七百台。すべて前払い制で、JR大分駅からは片道二千六百円、別府駅は五千二百円など、通常より8%ほど安く設定されている。混雑時の料金と比べると、数十%安くなるという。
 漢会長は「最初から値段が分かっていれば安心だと思う。混雑していてもお客さまが気兼ねなくう回路を選択できるなどメリットは大きい。来年のワールドカップでも実施したい」と話す。
 問い合わせは同県タクシー協会、電話097(558)5759。(了)[2001-07-03-07:37] 142
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 07/03@<サッカー>キリンカップ ユーゴのストイコビッチが会見(毎日新聞)

 サッカー・キリンカップは最終日の4日、大分スタジアムで日本・ユーゴスラビア戦が行われる。この試合限りで代表引退を決めているユーゴのストイコビッチ(名古屋)が3日、スタジアム内で会見し、「7年間、日本でプレーしてきて、日本のサポーターとは特別な関係がある。感謝の気持ちを伝えるためにも、魅力あるプレーを見せたい」と話した。
 6月28日の対パラグアイ戦(東京・国立)では、ひざに違和感を感じて前半28分に自ら途中交代を申し出た。ストイコビッチは「短い時間で交代したが、これは日本戦でいいプレーを見せたかったから。私は精神的にリアリストだが、寂しさを感じないで試合に集中したい。代表で最後というだけでなく、日本でする試合だから意味が深い」と話した。
 今大会のユーゴはミロシェビッチ(パルマ)、スタンコビッチ(ラツィオ)など主力を欠き、国内リーグの若手中心のチーム。ストイコビッチは「私がアドバイスしなくても日本がパラグアイと戦った試合を見れば、(日本のプレーの)特徴は分かったはず」と話し、後輩の代表選手たちのプレーにも期待を示した。【北村弘一】 [2001-07-03-21:05]
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 07/04@<余録>ミロシェビッチ裁判(毎日新聞)

 特異日というものがある。偶然とは思われないほど同じ現象が起きる日。日本の11月3日がそれだ。移動性高気圧に覆われて晴れる日が多い▲ユーゴスラビア連邦にとって、特異日は6月28日ではないだろうか。1914年6月28日、サラエボでセルビアの青年がオーストリア皇太子夫妻を暗殺、これがきっかけで第一次大戦がはじまった。1389年6月28日にはセルビアがオスマントルコ軍に大敗した。コソボの戦いである▲1989年6月28日、ミロシェビッチ大統領はコソボの戦い600周年集会で群集を前にセルビア民族主義を高らかにうたいあげた。そして2001年6月28日、大統領を追われたミロシェビッチ氏はベオグラード中央刑務所で起訴状を読み上げられた▲異常気象があるのだから異常事態の特異日があってもおかしくない。それにしてもセルビアの6月28日は歴史的に見ても特別な日がずらりと並んでいて壮観だ。今年の6月28日のあと、オランダ・ハーグの拘置所に移送されたミロシェビッチ氏は3日、ユーゴ国際戦犯法廷に出廷した▲ミロシェビッチ氏は黒っぽい背広に青、白、赤のしま模様のネクタイ。この3色を横に並べて3色旗にしたのがユーゴ国旗である。1878年、トルコから独立を勝ちとったセルビアが考案した図柄というが、ネクタイに国旗を持ってきたところ、セルビア民族主義者らしい▲弁護人なしで公判に臨んだことを聞かれて、「弁護人の必要はない。これは国連総会の決議を経ていないのだから違法な裁判だ」と吐き捨てるように答えた。戦勝者が敗戦者を裁く法廷は東京、ニュルンベルク以来で、国家元首経験者が裁かれるのはこれがはじめてだ。東京裁判を経験した日本も心が重い。 [2001-07-04-23:10] 119 [このページの最初に戻る]


 07/04@◎前大統領を武器不正輸出で起訴=有罪なら禁固5〜10年−(時事通信)

 【サンパウロ4日時事】ブエノスアイレスからの報道によると、在職中に武器の不正輸出に関与したとして外出禁止命令が出されていたメネム前アルゼンチン大統領が、4日までに同国連邦裁判所に起訴された。メネム政権時のゴンサレス元国防相、バルサ元陸軍司令官の2人も起訴されたという。
 メネム前大統領らは、在職中の1991年と93年に民族紛争中だったクロアチアへ、95年にはペルーとの国境紛争を抱えていたエクアドルへ、それぞれ国連の武器禁輸措置に違反して武器や弾薬を輸出した疑いが持たれている。連邦裁は6月7日、前大統領に事実上の拘禁措置となる外出禁止命令を出していた。
 前大統領らはこれまで、不正輸出には関与していないと主張。しかし、裁判で有罪が確定した場合、前大統領は5年から10年の禁固刑が科される可能性があるという。 [時事通信社][2001-07-04-22:45] 133
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 07/04@ユーゴ新内閣の樹立で合意 モンテネグロから首相(共同通信)

 【ベオグラード3日共同】ユーゴスラビア連邦大統領府は三日、コシュトニツァ大統領が同連邦モンテネグロ共和国の各政党と同日協議を行い、モンテネグロから次期連邦首相を選び新内閣を発足させることで合意したとの声明を発表した。
 声明は、ユーゴ連邦の再編に関する政策を固めることが新政権の最重要課題だと述べ、連邦を構成するセルビアとモンテネグロの両共和国の関係を本格的に見直す意向を表明した。
 連邦議会は四日、ジジッチ連邦首相の辞任を承認する予定。大統領は来週初めにも次期首相候補を指名する考えで、前倒しの選挙とユーゴ連邦の崩壊を回避したい意向だ。
 三日の協議に参加したのはモンテネグロの国民党、セルビア人国民党、ジジッチ首相の社会人民党で、大統領のセルビア民主野党連合(DOS)との連立を目指すことになる。民主連合は四日に幹部会を開いて対応を検討する。
 国民党のショチ党首は協議後、社会人民党から次期首相候補が選ばれるとの見通しを示した。(了)[2001-07-04-09:25] 138
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 07/04@初出廷のユーゴ前大統領、罪状認否を拒否(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州のアルバニア系住民殺害を指示したなどとして「人道に対する罪」など4件の罪状で起訴されたミロシェビッチ前大統領(59)が3日、オランダ・ハーグの国連旧ユーゴ戦犯法廷に初めて出廷した。国家元首を務めた人物が人道に対する罪で国際戦犯法廷に裁かれるのは初めて。同前大統領は罪状認否を拒否。戦犯法廷の存在そのものを「違法だ」と否定し、対決姿勢を明確にした。
 前大統領は1人で法廷に臨んだ。公の場に姿を見せるのは4月にユーゴ警察に職権乱用容疑などで逮捕されて以来。紺の背広姿でいすに深く腰掛け、厳しい目付きで検察官や傍聴席を見つめた。
 同法廷は二審制で最高刑は終身刑。メイ裁判長が弁護士を選任する権利を告げると、前大統領は「法廷は国連総会で決めたものでなく違法。弁護士を付ける必要はない」と選任を拒否した。
 裁判長が罪状認否を求めた際には、セルビア語で「北大西洋条約機構(NATO)の戦争犯罪を正当化する違法な裁判だ」と法廷批判を繰り返し、認否を拒んだ。
 裁判長は、罪状認否の拒否を「無罪の主張」と見なし、公判手続き開始を宣言した。次回の出廷は8月後半の予定。
 起訴状では、前大統領は99年1月から6月にかけ、ユーゴ治安部隊などに命じてコソボ自治州のアルバニア系住民74万人を迫害、570人以上を殺害したなどとされた。
 今後は、公判の日程協議に数カ月かかるとみられ、公判が本格化するのは来年になる見通しだ。
 同法廷は、旧ユーゴ内戦下の虐殺や迫害などを裁くため国連安保理決議にもとづき93年5月に設立された。[2001-07-04-00:51]
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 07/05@<ボスニア>カラジッチ氏らの逮捕で国際戦犯法廷と協議へ (毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】オランダ訪問中のボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人共和国のイバニッチ首相は5日、同国内に潜伏している元セルビア人勢力指導者のカラジッチ氏らの逮捕についてハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷と協議する。ミロシェビッチ・前ユーゴ大統領の公判が始まったことで、同法廷は前大統領に続く「大物」であるカラジッチ氏らの逮捕に向けた捜査を本格化させる方針だ。
 オランダからの報道によると、イバニッチ首相は4日、92〜95年のボスニア紛争でイスラム系住民に対する戦犯行為を指示したとして同法廷から起訴されているカラジッチ元同共和国大統領やムラジッチ元軍司令官を同法廷に引き渡す用意が整ったと明らかにした。同国では3日に同法廷に協力する法案を承認。3週間以内に国会で可決する見通しだという。
 これまで国内世論の反発で同氏ら逮捕や同法廷との協力に慎重だった同国政府だが、前大統領の逮捕・身柄引き渡しが実現したことを受け、方針を転換したとみられる。
 同首相によると、ボスニア国内に潜伏しているとみられるカラジッチ氏は武装した私兵集団によってかくまわれているとされる。共和国治安当局だけで拘束するのは難しく、これまでボスニア紛争の戦犯容疑者の逮捕に当たってきた現地駐留の平和安定化部隊(SFOR)に対して協力を要請することになる見通しだ。 [2001-07-05-23:00] 85
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 07/05@<マケドニア>政府軍とアルバニア系ゲリラが停戦合意文書に(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】マケドニア政府は5日、今年2月から戦闘状態が続いていた政府軍とアルバニア系ゲリラ「民族解放軍」が停戦合意文書に署名したと発表した。これを受け、北大西洋条約機構(NATO)は今月中旬にも約3000人の部隊を現地に派遣し、1カ月をめどに民族解放軍の武装解除にあたる。4カ月以上にわたった内戦状態は和平に向け動き出した。
 政府発表によると、停戦は6日午前0時1分(日本時間同7時1分)に発効し、期限は付けていない。アルバニア系住民の権利向上を盛り込んだ憲法改正に向け、双方の意見が一致した模様だ。
 NATOによると、武装解除はロバートソンNATO事務総長とソラナEU共通外交・安全保障上級代表は連名で「政治的解決によって同国への支援の道が開けるだろう」との声明を発表した。 [2001-07-05-23:00] 87
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 07/05@NATO仲介でマケドニア政府、武力勢力が停戦で合意(朝日新聞)

 マケドニア政府とアルバニア系武装勢力は5日までに、NATO(北大西洋条約機構)仲介の停戦合意文書にそれぞれ署名した。停戦は5日夜から発効する。
 NATOは、投降したアルバニア系武装勢力の武器回収・管理のため、約3000人の兵力を派遣する計画を決めている。その前提だった停戦の成立で、近く派兵が実行される見通しが強くなった。
 派兵の条件は、マケドニアの主要政党間で民族融和に向けた新政策がまとまったうえで、武装勢力との間で完全な停戦が成立することだ。ただ「挙国一致内閣」に加わるアルバニア系の2政党はまず、スラブ系のマケドニア人と他の民族の地位格差をなくすための憲法改正を求めているが、政党間交渉は難航している。
 一方、NATOやEUの和平路線に理解を示すトライコフスキ大統領に対して、ゲオルギエフスキ首相や軍・警察幹部ら「ゲリラの徹底掃討」を主張する強硬派は不満を募らせ、政権内の亀裂が広がっている模様だ。
 先月25日には政府の「弱腰」に不満を持つ市民数千人が大統領の退陣を叫ぶなど政情は一段と不安定になっており、今回の合意が完全停戦につながるかどうかは微妙だ。[2001-07-05-21:02] 88
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 07/05@マケドニア紛争で停戦合意 解放軍武装解除、和平前進(共同通信)

 【ウィーン5日共同】マケドニアのブチュコフスキ国防相は五日、同国政府とアルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」が、北大西洋条約機構(NATO)の仲介により、同国での民族紛争の停戦合意文書に署名したと発表した。
 停戦は六日午前零時一分(日本時間同七時一分)に発効し、無期限。これにより、解放軍の武装解除のため約三千人のNATO軍部隊が今月中旬にマケドニアに配備される見通しで、三十―四十五日間で武装解除が実現できるとしている。
 今回の合意を受け、民族問題解決のための憲法改正など主要政党間の和平協議に弾みがつくのは確実で、四カ月以上にわたるマケドニア紛争は包括和平に向け大きく前進した。
 記者会見した国防相によると、NATOのフェース特使がユーゴスラビア・コソボ自治州で解放軍のアハメティ政治代表と停戦合意文書に署名。五日朝、マケドニア政府軍の参謀総長がスコピエでこの文書に署名した。
 マケドニア大統領と主要政党は三日から和平協議を再開、米国と欧州連合(EU)の特使も介入を強めていた。和平協議ではアルバニア系住民の権利を保障するとの表現を憲法に盛り込む可能性を探っている。(了)[2001-07-05-20:52] 95
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 07/05@戦犯国際法廷にカラジッチ氏らを「引き渡す用意」(読売新聞)

 【ブリュッセル支局4日】ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国セルビア人共和国のイバニッチ首相は4日、訪問先のアムステルダムで、旧ユーゴ戦犯国際法廷に起訴されているボスニア内戦時のセルビア人勢力指導者だったカラジッチ氏と軍司令官のムラジッチ氏らについて、潜伏先とされるセルビア人共和国から同法廷へ「身柄引き渡しの用意がある」と言明した。
 同共和国政府は3日、同法廷に協力するための法案を承認。イバニッチ首相は法案が3週間以内に議会で可決される見通しを示した上で、カラジッチ氏らの逮捕にも積極的に取り組む意向を示した。ただし、両氏らの所在は不明で、接触もないと強調した。
 イバニッチ首相は5日、オランダ・ハーグの同法廷検察官らと会談する予定。 [2001-07-05-14:03] 97
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 07/05@アルゼンチン前大統領を起訴 武器不正輸出事件(朝日新聞)

 アルゼンチンの司法当局は4日、メネム前大統領を、90年代の大統領在任中に同国からクロアチアとエクアドルへの武器密輸にかかわったとして起訴した。前大統領は無罪を主張している。
 同国からの報道によると、クロアチアへは旧ユーゴスラビア内戦中の91年、エクアドルへはペルーと交戦していた95年、前大統領はそれぞれ武器取引組織で主導的な役割を果たし、総量約6500トンの武器の密輸にかかわったとされる。
 当時の国防相と軍統合参謀本部議長も同じ罪で起訴された。前大統領は03年の大統領選に立候補する意向だけに、裁判の行方は政界の勢力関係にも影響する見通しだ。[2001-07-05-10:45] 98
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 07/05@<アルゼンチン>前大統領を武器不正輸出罪などで起訴 司法(毎日新聞)

 【メキシコ市・吉田弘之】アルゼンチンの司法当局は4日、カルロス・メネム前大統領(71)を武器不正輸出などの罪で起訴、前大統領の約300万ドルの資産凍結を命令した。
 前大統領は91年と93年、民族紛争のため国連が軍事物資の禁輸措置を取っていたクロアチアへ、95年にはペルーと国境紛争を繰り広げていたエクアドルへの武器・弾薬の不正輸出を指示し、利益を上げていた。起訴状は、前大統領や政府幹部の命令で不正輸出された武器の総量は6500トンに上ると指摘した。
 また司法当局は同日、メネム前大統領とともに事件に関与していた元国防相や軍幹部ら3人も起訴した。前大統領は有罪が確定すれば、5〜10年の禁固刑となる。
 前大統領は、武器不正輸出容疑で6月7日から自宅軟禁下に置かれているが、一貫して無実を主張している。 [2001-07-05-10:20] 99
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 07/05@<ドイツ>バルカン各国から執筆者招き、歴史教科書のあり方(毎日新聞)

 【ベルリン斎藤義彦】第二次大戦後、旧西ドイツ・ポーランド間の和解のため、両国の歴史教科書の相互修正に取り組んできたドイツの研究所が、その経験をバルカン半島での和解達成に生かすため今年9月、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州などの歴史教科書執筆者をドイツに招き、教科書のあり方を検討するサマースクールを開催する。自己中心的な記述や、他国を中傷する描写の見直しを目指す。
 サマースクールを開くのはドイツ北部・ニーダーザクセン州立のゲオルク・エッカート国際教科書研究所(ウォルフガング・ヘープケン所長)。ボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のほか、ルーマニアなど計8カ国・地域から50〜20人の教科書執筆者を招待する。
 まず、第一次世界大戦など半島とヨーロッパ間の関係を扱う記述を検討。さらに、ワーキンググループを作り、自国の歴史を過度に美化したり、他国を敵視するような記述などを取り上げ、今も残る民族、国家間の紛争や確執をどう記述するかの提案を行なう。
 こうした成果を生かすため、今後、ユーゴ連邦などの教科書執筆者に奨学金を出して同研究所に招き、これまでの教科書相互修正の取り組みや、世界の教科書の状況を数カ月かけて研究するプログラムも計画している。
 ドイツ・ポーランド間の教科書見直しは、同研究所が主導し、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が設置した共同教科書委員会が72年から継続している。教科書の記述修正の勧告は、現場の教育に生かされており、現在、両国の相互理解を深めるための教師用ハンドブックを出版している。
 この計画は、日本と中国、朝鮮半島間の教科書問題解決のモデルになる取り組みとして注目されている。ヘープケン所長は「バルカン周辺諸国の歴史教科書の執筆者が一度に会し、討議するだけでも、十分に和解へのきっかけになる」と話している。 [2001-07-05-10:15] 103
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 07/05@大物戦犯の逮捕に意欲 ボスニアの共和国首相(共同通信)

 【ブリュッセル4日共同】オランダを訪れているボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人共和国のイバニッチ首相は四日、共和国政府が旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ハーグ)に協力する法案を三日に承認したことで、戦犯法廷に既に起訴されたボスニア内戦当時のセルビア人勢力指導者カラジッチ氏らの逮捕が可能になるとの見解を示した。
 アムステルダムからの報道によると、首相は、法案が三週間以内に議会で可決されるとの見通しを明らかにした。
 戦犯法廷のデルポンテ主任検察官は、カラジッチ氏らの身柄確保に全力を挙げる方針。
 しかし、武装した支持者に守られているとされる同氏や、セルビア人勢力の軍トップだったムラディッチ氏らを共和国自力で逮捕するのは難しい。首相は記者団に対し、ボスニアに展開する北大西洋条約機構(NATO)主体の平和安定化部隊に支援を求める考えを明らかにした。(了)[2001-07-05-08:29] 346
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 07/05@<コンゴ>「魔女狩り」で約400人が殺害される ロイター(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク支局】アフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)北東部で6月以降、「魔女狩り」により約400人が殺されたと4日、ロイター通信が伝えた。
 同地を支配する隣国ウガンダ軍の複数の当局者の話として伝えたもので、アルフレド・オピオ大尉は「先月に394人が殺され、283人が家を追われた」と証言した。
 一方、ウガンダの国営紙ニュー・ビジョンも先週、先月中旬に244人が殺され、「魔女狩り」に関与した89人がウガンダ軍に逮捕され、生存者140人が保護されたと報じた。オピオ大尉は「事態は沈静化している」と話している。
 殺害の詳細は不明だが、魔術を操ったと疑われた住民が「悪魔払い」を呼びかける群集のリンチに遭い、こん棒などで次々と殺されたという。
 コンゴではキリスト教の布教が進む一方、霊媒師が「霊魂」を操る儀式が残るなど、魔術や呪術への信仰が今も根強い。 [2001-07-05-22:00] 83
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 07/05@G大阪の稲本、イングランド・アーセナル移籍(読売新聞)

 サッカー日本代表MFで、J1リーグG大阪の稲本潤一(21)が、イングランド・プレミアリーグのアーセナルに移籍することが5日、確実になった。条件面での問題がほとんどないことから、近く正式決定となる。日本人選手が同リーグに移籍するのは初めて。
 かねてから海外でのプレーを希望していた稲本に対しては、代理人を通じアーセナルやスペイン2部リーグのアトレチコ・マドリード、イタリア・セリエAのクラブなどが接触。当初「常時出場可能なチーム」という本人の意向から、A・マドリードが有力視された。しかし、条件面や日本のサッカー事情に詳しいベンゲル監督(元名古屋監督)の誘いもあって、アーセナルに絞ったとみられる。
 J1リーグ前期が終わる7月21日以降に渡英、メディカルチェックを受けて正式契約。1年間の期限付きで移籍したあと、契約延長で完全移籍を目指すことになる。山本浩靖・G大阪強化部長は「(移籍が)決まれば、全国のサッカーをやっている子供たちにとっても素晴らしいこと」と話している。
 キリンカップのユーゴスラビア戦(4日・大分)で決勝ゴールを決めた稲本は、この日午前10時から、大阪府吹田市のG大阪グラウンドで行われた練習に参加。約1時間のランニングを行った。
 アーセナルは1886年に創設され、国内リーグ11度、同カップ7度、欧州カップ・ウィナーズ・カップ、欧州連盟カップ各1度優勝の名門。ベンゲル監督が1996年から指揮を執っている。
 稲本「大きなクラブなので非常に光栄です。内容に関しては代理人から聞かせてもらいます」 [2001-07-05-23:46] 89
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 07/05@<サッカー>ガ大阪の稲本、アーセナル移籍が確定的に(毎日新聞)

 サッカーの日本代表MFで、ガ大阪の稲本潤一(21)の英国プレミアリーグの強豪・アーセナルに移籍することが5日、確定的になった。ガ大阪がこの日、アーセナルと移籍交渉を行うことで同意した、と発表した。交渉がまとまればプレミアリーグでプレーする初の日本人選手となる。
 ガ大阪によると、稲本自身がアーセナル入りを強く希望。アーセナル側から4日夜に、代理人を通して正式な申し出があったという。
 プロサッカー選手が英国で労働許可を得るためには、過去2年間に国際Aマッチで75%以上に出場する必要がある。稲本は4日のキリンカップ出場などでこれをクリア。残された条件のメディカルチェックも仮契約後に予定されている。
 アーセナルは1886年創設の名門でロンドン北部に本拠地を置く。リーグで11回の優勝、イングランド協会杯7度の優勝があり、現在はJ1の名古屋で指揮を執っていたアーセン・ベンゲル監督が率いている。
 稲本は大阪府出身。ガ大阪ジュニアユースを経て、17歳6カ月でJリーグにデビュー。守備的MFとして活躍し、準優勝したコンフェデレーションカップなど国際Aマッチ通算22試合に出場。4日のキリンカップ・ユーゴスラビア戦で代表初ゴールを決めた。Jリーグ通算115試合に出場し、14得点。
 ガ大阪・稲本潤一 大きなクラブなので非常に光栄です。内容に関しては代理人に聞かせていただきます。
 ガ大阪・山本浩靖強化部長 これから正式な交渉がスタートする。細かいところはこれからだが、条件がかけ離れていることはない。 [2001-07-05-20:50] 92
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 07/05@◎聖地で復活したサウスポー、イワニセビッチ=ウィンブルド(時事通信)

 【ウィンブルドン(英国)4日時事】当地で行われているテニスのウィンブルドン選手権は4日、男子シングルスの4強が出そろったが、主催者推薦で出場したゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)がその一角を占めた。
 過去3度の準優勝を誇るとはいえ、この2年間の実績からは考えられない復活ぶりだ。左肩の故障に苦しみ、世界ランキングは急降下。今年初めの全豪では予選1回戦で敗れ、全仏の予選は出場を見送った。ウィンブルドンには推薦を要請、出場のチャンスを得た。結果が出なければ引退する覚悟で臨んだ29歳は必死だった。
 だが、14度目の聖地に登場したサウスポーは主催者の予想を上回る快進撃を見せた。5試合で150本のサービスエースを決め、推薦選手として史上初の4強進出。「こんな幸せなことはない。試合中も常に冷静だし、セットを失っても慌てることない」。どん底からはい上がった男には、精神的な強さが備わっている。
 「かつてはがんを患った妹の治療費を稼ぐためとか、(独立間もない)国のために闘ったが、いまは自分のために闘っている」。準決勝の相手は英国のティム・ヘンマン。皮肉なことに主催者の思惑に反して、65年ぶりとなる悲願の地元英国選手の優勝に、イワニセビッチが立ちはだかる。(了)[時事通信社][2001-07-05-16:40] 93
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 07/05@強サーブ復活、初優勝狙う 29歳のイワニセビッチ テニス(共同通信)

 テニスのウィンブルドン選手権の男子シングルスで、左肩のけがから復活した29歳のゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)が、強サーブを武器に、ベスト4入りした。ウィンブルドンでは、過去3度決勝へ進みながら、いずれも敗れた。「ことしこそ優勝を」と闘志をみせている。
 4日の準々決勝。第4シードのマラト・サフィン(ロシア)との対決は、素手で殴り合うようだった。
 ともに193センチの長身。パワフルなサーブのサフィンに対し、イワニセビッチは左腕からのしなやかなフォームで、角度のあるサーブを決めた。エースはサフィンの14本に対し、30本。「今までで最高のテニスをしている。サーブもラリーも、信じられないほどいい」と胸を張った。
 昨年から故障続きで、一時は世界ランキングも129位まで落ちた。ことしの四大大会は、全豪オープンが予選で1回戦負けし、全仏オープンは不出場。ウィンブルドンは主催者推薦で出場にこぎつけた。
 勝利を決めると上半身裸になり、ウエアを客席に投げ込むパフォーマンスが注目の的に。準決勝の相手は、地元期待のティム・ヘンマン(英国)。対戦成績は4戦全敗だが、「今のプレーを続ければ、どんな相手も、僕を倒すのは難しいだろう」と、自信をみなぎらせている。(共同=正田裕生)(了)[2001-07-05-15:25]
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 07/06@◎元秘密警察長官に禁固1年=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード6日AFP=時事】ユーゴスラビア・ベオグラードの裁判所は6日、ミロシェビッチ前大統領の元側近で、国家機密漏えい罪に問われたマルコビッチ元セルビア共和国国家保安局(秘密警察)長官に禁固1年の判決を言い渡した。前大統領の側近が有罪判決を受けたのは、昨年10月の政権交代以来初めて。 [時事通信社][2001-07-06-23:54] 73 [このページの最初に戻る]


 07/06@◎マケドニアの停戦を歓迎=田中外相(時事通信)

 田中真紀子外相は6日、マケドニアで同国政府とアルバニア系武装勢力の停戦が成立したことについて、同国のミトレバ外相に対し、同国政府への支持を表明するとともに、停戦を歓迎する内容のメッセージを伝達した。 [時事通信社][2001-07-06-21:55] 75 [このページの最初に戻る]


 07/06@<旧ユーゴ戦犯法廷>主任検察官がクロアチア入り、首相と協(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷のデルポンテ主任検察官は6日、クロアチア入りし、ラチャン首相らとボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関わる戦犯容疑者の逮捕などについて協議する。ミロシェビッチ・前ユーゴ大統領の追起訴に向けた準備も進める見通しだ。
 同法廷には5日、ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人共和国のイバニッチ首相が訪れ、同国内に潜伏しているとみられる元セルビア人勢力指導者のカラジッチ氏らの逮捕について協議した。前大統領の公判が始まったことで同法廷に対するバルカン諸国の協力体制が加速しており、今回もセルビア人勢力地域で95年、戦犯行為を繰り返したクロアチアの元軍幹部の逮捕、引き渡しを迫るものとみられる。
 一方、同法廷はボスニア紛争の際にセルビア勢力の支援者として虐殺などに関わったとして、前大統領の追起訴の準備を進めている。ピツラ・クロアチア外相は「すでに必要な書類は法廷に送り済み」と語り、準備が最終段階に入っていることを指摘している。 [2001-07-06-21:00] 78
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 07/06@戦犯の強制移送を指示 セルビア人共和国首相(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナを構成するセルビア人共和国のイバニッチ首相は5日、国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)を訪れ、デルポンテ主任検察官と会談した。記者会見した首相は、同国国会が戦犯法廷に協力するための法案に反対した場合は、戦犯移送のため、ユーゴスラビアがミロシェビッチ前大統領の移送時にとったような強行策をとる可能性を示した。
 ミロシェビッチ前大統領のハーグ移送後、旧ユーゴ法廷は、前大統領に次ぐ重要戦犯とされるボスニア紛争時のセルビア人指導者カラジッチ被告やムラジッチ被告の逮捕に全力をあげている。両被告はセルビア人共和国内にいるとされることから、イバニッチ首相が法廷を訪れ、今後の協力について協議した。[2001-07-06-14:04] 79
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 07/06@2週間で武装解除可能 ドイツ国防相(共同通信)

 【ベルリン6日共同】ドイツのシャーピング国防相は五日、ロイター通信に対し、北大西洋条約機構(NATO)が計画しているマケドニアのアルバニア系住民武装組織の武装解除について、停戦が厳格に守られれば、NATO軍の展開後二週間で完了できるとの見解を示した。
 国防相は「こうした期待が正しいかどうか見極めるには今後数日間の状況を見守る必要がある」と述べた。(了)[2001-07-06-10:21] 80
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 07/06@マケドニア紛争で停戦発効(共同通信)

 【ウィーン6日共同】マケドニア紛争をめぐる政府軍とアルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」の停戦合意が六日発効した。停戦はおおむね順守されているもようだ。
 マケドニアの民間テレビ「A1」によると、同国北西部テトボ周辺では五日夜、同解放軍が政府軍と治安警察への攻撃を激化させ、住民や警察官ら十三人が負傷した。停戦発効後は攻撃は停止しているという。
 ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、テトボ付近での激しい砲撃の後、解放軍の一部がテトボの北側地区に進出した。停戦発効前に占拠区域を拡大し、今後の和平協議で優位に立つ狙いがあるとみられる。
 人口約十万人のテトボは住民の九割がアルバニア系とされ、アルバニア系住民にとって事実上の「首都」の役割を果たしている。(了)[2001-07-06-09:45] 82
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 07/06@<社説>国連小型武器会議 ありふれた現実を断ち切れ(毎日新聞)

 冷戦終結後に起きた世界の地域紛争の死者は400万人にのぼる。その9割はピストル、小銃、ライフルなどの小型武器で尊い命を奪われた。9割は一般市民。8割は女性と子供だ。アフリカ、東ティモール、旧ユーゴスラビア−−。どこでも犠牲者の構図は驚くほど似ている。
 このような現実を打破するために「世界の知恵を出し合おう」と9日から20日まで、ニューヨークの国連本部で「小型武器の非合法取引に関する国連会議」が開かれる。国連として初めて閣僚級会合で問題に取り組む。
 核・ミサイル軍縮交渉や京都議定書のような派手さはないものの、「地球村」の人権や生命の尊厳を守る上で、最も基本的な闘いの一つだ。そう位置づけたい。
 小型武器問題の発端は95年1月、ブトロス・ガリ国連事務総長が「平和への課題・追補」で国際社会の協調を訴えたことだ。小型武器の範囲はピストルや小銃から携帯型ミサイル、100ミリ以下の迫撃砲まで幅広いが、冷戦を経て世界に広まった点で共通の暗い業(ごう)を背負っている。
 東西両陣営で7000万丁の襲撃銃(カラシニコフ銃だけで2000万丁)が作られ、代理戦争を通じて途上国などに大量投入された。冷戦後も、先進地域で不要になった武器が密売人らの手で「これでもか、これでもか」とバナナのようにたたき売りされた。アフリカなどではニワトリ1羽、トウモロコシ1袋の値段で銃が売り買いされているのが現実だ。
 その総数は5億丁(世界人口の12人に1丁の計算)といい、世界中にまん延させた責任は途上国よりも先進国の方がはるかに重い。昨年の国連ミレニアム宣言が「早急な国際社会の協調行動」を呼びかけたのもそのためだ。
 会議の目標は(1)小型武器の生産・移転の透明化(2)生産・販売者まで追跡する登録制度導入−−などの多国間協議をめざす行動計画の策定にある。非合法取引を根絶する「マーキング」(生産者刻印)の義務化や国際標準化が必要だし、紛争地域の武器回収と廃棄の工夫も急がれる。
 小型武器は地域の未来をになうべき若者や子供たちを残酷な少年兵士と化し、殺りくの低年齢化に拍車をかけている。平和と安全だけでなく、人権、貧困、開発のあらゆる分野にかかわる問題だ。
 「人間の安全保障」や武器輸出3原則を掲げる日本は、この問題で政府専門家会議を主催するなど世界に率先してきた。通常兵器移転国連登録制度(92年)を主導した実績もある。今回も大いに発言し、指導力を発揮してほしい。
 核でもミサイルでもない。地球で最もありふれた武器が、最も多くの命を奪い、血を流し続けている。「ありふれた現実」という日常的感覚に陥ることが一番恐ろしい。密輸武器は日本にも流れてくる。無関心と無行動の連鎖をどこかで断ち切らなければ、地球社会の未来は暗い。小さな成果一つでも確実に数十人、数百人の命を救う。それを忘れてはならない。 [2001-07-06-00:10] 242
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 07/06@“無風選挙”で続投決めた国連・アナン事務総長(読売新聞)

 【ニューヨーク6日=河野博子】世界的なエイズ禍や対イラク制裁緩和などの問題を巡って加盟国の利害対立が先鋭化する国連で、コフィ・アナン事務総長(63)が、2006年末までの2期目続投を決めた。国連総会が6月29日、年末に任期切れとなる同氏に対する安全保障理事会の再選勧告決議案を、全会一致で早々に採択したもので、対立候補が存在しない“無風選挙”だった。ブトロス・ガリ前事務総長とは対照的な調整型リーダーで、その手腕が注目を集めている。
 国連本部で開かれたエイズ特別総会の最終日の27日、記者会見したアナン事務総長は、「宣言は美辞麗句だけではないか」との質問に対して、「国連の様々な特別総会は、各国政府やビジネス界に理解と行動を促してきた」と、懇々と諭すように対応した。
 アナン事務総長の強みの一つに「誠実な説明努力」を挙げる人は少なくない。事務総長特別顧問だったジョン・ロギー現ハーバード大教授は、1997年末、当時のジェシー・ヘルムズ米上院外交委員長を、ともに訪ねた時のことが忘れられない。同氏は国連分担金支払い予算を“凍結”していた米共和党の「反国連」論者の急先ぽうだったが、国連批判を展開しつつも、アナン氏の誠実で冷静な姿勢に、「誤解のないよう言っておくが、あなたは気に入った」と漏らしたという。
 98年2月、イラクが国連の査察を拒否、米英軍が攻撃準備に入るなど緊張が高まった時も、アナン氏はバグダッドに乗り込み、フセイン大統領と会談した。
 会談を終えたアナン氏は「一緒に葉巻を2本吸ったよ」と側近にぼそっとつぶやき、前向きな感触を得たことを伝えた。調停工作は成功し、不可避と見られたイラク空爆はぎりぎりの場面で回避された。
 西アフリカ、ガーナの豊かな部族の長を務める一族の出身で、米国とスイスで教育を受け、国連入りしたエリート。就任当初は、発展途上国の間で「欧米の意のままに動くのでは」と心配する向きもあったが、現在は「(途上国のために)可能な限りの仕事をしている」(エイズ特別総会ナイジェリア代表団メンバー)などの見方が圧倒的だ。
 その一方、「2期目こそ実質的な成果をあげてほしい」(ロシア、中国の両国連大使)とアナン氏に注文をつける声もないわけではない。「アナン調停」でフセイン大統領が合意した査察受け入れが宙に浮いたままということもあり、「格別な実績をあげてはいない」(欧州外交筋)との冷めた評価も聞かれる。
 だが、前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんは「経済界や民間団体に働きかけ、(脱国家という)世の動きを先取りし、国連の役割に広がりを持たせた」と1期目の仕事ぶりを評価し、2期目にも期待を寄せる。
 国連の独自性にこだわり、米国と対立して拒否権にあい、再選を阻まれたガリ前事務総長とは逆に、アナン氏は米国の後押しで事務総長になった。米国が唯一の超大国として君臨する冷戦後の世界で、反米に傾きがちな発展途上国が大半を占める国連を束ねるには、同氏の「どの陣営からも嫌われない天分」(欧州外交筋)こそが求められるのかもしれない。 [2001-07-06-23:55] 270
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 07/06@米ミサイル防衛、常任理事国の枠内で協議を 露大統領(朝日新聞)

 ロシアが明らかにした核保有5カ国による戦略核軍縮の提案は、これまで主に米ソ(ロ)両国に限定して行われてきた核軍縮・軍備管理交渉の枠組みを拡大するという点で、ざん新といえる。しかし、実現性には疑問点も多い。戦略核削減へのロシアの積極姿勢を強く印象づける一方で、米国のミサイル防衛構想をけん制することに目的があるようだ。
 冷戦時代、大陸間弾道ミサイルなどの戦略核兵器については、他に抜きんでて圧倒的な弾頭数を保有する米ソ両超大国が交渉し、安定性を確保してきた。英国、フランス、中国の核戦力は、実質的には交渉のらち外にあった。
 5カ国の枠組みで弾頭数などを制限する構想に対しては、米国などの圧倒的な核優位を固定化することにもなるだけに、後発の中国の反発は避けられそうにない。また、ロシア外務省スポークスマンは、戦略兵器削減条約(START)で規定された厳密な検証措置を伴うとも明言しているが、中国はこれまで他国の軍事査察を受け入れたことはない。
 英国、フランスにしても、北大西洋条約機構(NATO)や、欧州安保の文脈での自国核の位置づけを模索している最中。中国やロシアを交えての「交渉」になじむものか、議論はほとんど行われていない。
 むしろロシアの力点は、従来の核秩序をベースに、より安全な世界の実現を目指すという、現状維持的なアプローチを示すことにありそうだ。米国のミサイル防衛構想は、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約をはじめ、冷戦時代の東西対立を前提にした条約的枠組みの清算を念頭に置いていると見られている。この「清算」路線が、独仏など欧州の同盟国を不安にさせていることに着目したものだろう。
 財政的に現在の核ミサイル数を維持することが難しいロシアにとっては、米国を戦略核大幅削減の土俵に乗せることが最優先課題だ。今回の提案は、そのための国際世論の喚起が第一の狙いであり、ミサイル防衛論議をめぐる焦点をずらそうとの思惑も込められていると見られる。[2001-07-06-19:14] 278
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 07/06@5カ国の核弾頭4000発に ロシア、新提案を正式表明(共同通信)

 【モスクワ6日共同】ロシア外務省のヤコベンコ情報局長は六日、国連安全保障理事会の常任理事国五カ国が戦略的安定をめぐる問題について恒常的に協議することや、現在約一万四千発ある五カ国の保有核弾頭の総数を二○○九年までに四千発に削減することを提案すると正式に表明した。
 提案はロシア外交筋が五日、インタファクス通信に明らかにしていたが、同局長はこれを確認した。
 今月半ばの中ロ首脳会談や二十日からの主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)でプーチン大統領が各首脳に説明するとみられる。
 弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約体制の維持を求める国が多い五カ国の枠内での協議により、プーチン政権は米国に対しミサイル防衛構想の断念と、核弾頭の大幅削減を迫る「包囲網」を築く狙いだ。
 核弾頭の削減は、第二次戦略兵器削減条約(START2)の米国の完全批准に加え、米ロの保有核弾頭上限を○八年までにそれぞれ千五百個まで削減するとのロシアの提案実現が前提となる。
 外交筋によると、フランスのシラク大統領は今月初めの訪ロの際、新提案を検討すると答えたという。(了)[2001-07-06-18:48] 279
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 07/06@小型武器規制へ初の国際会議 9日から国連本部で(朝日新聞)

 紛争地の少年兵からテロ、麻薬組織まで無規制に使われている小型武器の不法取引に関する初の国連会議が、9日からニューヨークの国連本部で開幕する。自動小銃などは世界中に出回っていて、冷戦終結後も400万人以上の犠牲者を出している。こうした武器の国際的な規制にどこまで迫れるか。会議は2週間の討議を経て行動計画と政治宣言を採択する予定だ。
 アナン国連事務総長は会議について「小型武器はその犠牲者の数からして大量破壊兵器だ。にもかかわらず拡散を食い止める国際的な体制がない。会議は重要なカギとなる」と意義を強調する。
 開催にこぎ着けた背景には、日本の努力があった。95年、ガリ国連事務総長(当時)が報告書「平和の課題・追補」で深刻な現状を指摘したのを受けて、長崎の国連軍縮会議で日本が専門家パネルの設置を提案。堂之脇光朗・外務省参与を議長とする政府専門家グループが2度にわたって報告書を作成し、国連会議を提唱した。
 準備委員会による「行動計画案」は(1)各国政府はあらゆる不法取引を阻止するため、研究・監視機関を設置する(2)政府は、製造者に対し製造元が分かるようなマークをつけさせ、記録の長期保管を徹底する(3)武器ブローカーを規制するシステムを開発する(4)無制限の輸出や個人所有に対する規制を検討する(5)国際刑事警察機構など国際機関と国家の連携の強化などを求めている。
 世界に出回っている小型武器は推定約5億丁。このうち40〜50%が不法取引によるとみられる。しかし、核兵器や化学兵器と違って、合法的な小型武器は「自衛の手段」として認められているため、製造や輸出の禁止はできない。こうした現状のなかで、どこまで規制に合意できるかが会議の焦点になる。[2001-07-06-18:48] 296
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 07/06@小銃密輸禁じる国連会議に米銃マニアが「勘違い抗議」(読売新聞)

 【ニューヨーク5日=松浦一樹】小銃の密輸などを禁じる決議案の採択を目指す国連小型武器会議(9日―20日)の開幕を前に、「銃を所持する権利」の擁護を訴える米国の個人や団体から、国連本部あてに、抗議の書簡や電子メールが相次いで送られていることが5日、明らかになった。
 同日、事実を公表したジャヤンタ・ダナパラ国連事務次長(軍備管理・軍縮担当)によると、抗議文などは約100通に達しており、いずれも、「国連が銃の所有を規制しようとしていると勘違いしたもの」という。予想しなかった反応に、国連当局も困惑気味だ。
 このため、国連は同日、「会議の焦点はあくまで、小型武器の違法取引についての規制」などと会議の趣旨を説明する声明を発表。しかし、中には、国連のロゴを実弾で打ち抜いて送り付けてくるなど悪質なケースもあり、国連は会議参加者に危険がないかどうか、分析を急いでいるという。
 米国では「武器を所持する権利」が憲法上、認められており、銃規制には、全米ライフル協会(NRA)などが声高に異論を唱えている。 [2001-07-06-11:59] 302
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 07/06@<防衛白書>2001年版「日本の防衛」(防衛白書)の要旨(毎日新聞)

 2001年版「日本の防衛」(防衛白書)の要旨は次の通り。
第1章 国際軍事情勢
◆第1節 国際軍事情勢概観=冷戦終結後、世界的規模の武力紛争が生起する可能性は遠のいているが、複雑で多様な地域紛争が発生し、大量破壊兵器やミサイル拡散などの危険が増大。依然として不透明・不確実な要素をはらんでいる。
◆第2節 主要国の国防政策と国際社会の安定化への対応=略
◆第3節 アジア太平洋地域の軍事情勢
 留意すべき近年の動きは中露間を中心とした「戦略的パートナーシップ」だが、これらの国家と、米国を中心とするグループが、二つの陣営に分かれて軍事的に対峙する可能性は極めて低い。米国との2国間同盟が有する地域の安定化機能を有効に機能させ、米国を中心とするグループとこれらの国家との関係をより安定的、協調的なものにできるか否かが、今後大きな影響を与える。
 中国の軍事力は、弾道ミサイルについては、日本を含むアジア地域を射程に収める中距離弾道ミサイルを約100基保有し、新型への転換が進みつつある。短距離弾道ミサイルも保有し、台湾対岸での配備数の増加も伝えられる。中国海軍艦艇の日本近海での活動が活発化しており、今後とも注目する必要がある。
 中国・台湾の軍事力の特徴は(1)陸軍力は、中国が圧倒的な兵力を有しているが、台湾本島への着上陸侵攻能力は限定的(2)海・空軍力は中国が量的には圧倒しているが、質では台湾が優位(3)ミサイル攻撃力は、中国は台湾を射程に収める短距離弾道ミサイルを保有。今後の中台の軍事力の近代化や米国による台湾への武器売却などの動向に注目する必要がある。
第2章 わが国の防衛政策
◆第1節 防衛の基本的考え方
 現在、衆参の憲法調査会で、防衛庁・自衛隊の位置付けなどの基本にかかわる議論も行われている。例えば、軍隊・自衛隊の保持、個別的自衛権の保持・行使、集団的自衛権の保持・行使を憲法に明記することの是非、国際平和協力への積極的な参画を明記する必要性など。
 (巻末資料)政府は従来から、国際法上集団的自衛権を有しているが、憲法9条が許容する必要最小限度を超えるから、行使は許されないと考えてきている。憲法はわが国の法秩序の根幹であり、特に第9条については過去50年余にわたる国会での議論の積み重ねがあるので、解釈の変更には十分に慎重でなければならない。他方、憲法に関する問題について、世の中の変化も踏まえつつ、幅広い議論が行われることは重要であり、集団的自衛権の問題について、様々な角度から研究してもいいのではないか。
◆第2節 日米安全保障体制=略
◆第3節 防衛計画の大綱=略
第3章 これからの防衛力整備▽第4章 わが国の防衛と日米安全保障体制に関連する諸施策▽第5章 多様化する自衛隊の役割と対応▽第6章 国民と自衛隊及び諸問題への取り組み=略 [2001-07-06-11:05] 304
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 07/06@中国の軍備増強に強い警戒 防衛白書(朝日新聞)

 中谷元・防衛庁長官は6日午前の閣議で、2001年版の防衛白書を報告し、了承された。中国の国防費が高い伸び率を続けていることを挙げ、同国の戦力近代化が「防衛に必要な範囲」を超える懸念を初めて書き込むなど強い警戒感を示した。有事法制や集団的自衛権の問題について小泉純一郎首相が前向きに取り組む姿勢を示していることを背景に、従来の政府の公式見解だけでなく、議論の現状や今後の方向性に触れるなど踏み込んだ記述が目立つ。
   ◇   ◇
 「アジア太平洋地域の軍事情勢」のうち、中国(台湾を除く)の記述は昨年版より3ページ増えて12ページ。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の10ページと並ぶ重視ぶりだ。かつて最も多かった極東ロシアは5ページにとどまった。
 中国の国防費は13年連続で10%以上伸び、今年度はここ6年で最高の17%増。白書は中国側が「将兵の給与引き上げ」との従来の説明に加え、「ハイテク化への対応」を初めて公式に認めたことに注目。人民解放軍が重視する「ハイテク局地戦」について詳述した。
 中国の戦力近代化については、装備の保有状況を明らかにしないなど「問題がある」と指摘。「近代化の目標が、中国の防衛に必要な範囲を超えるものではないのか慎重に判断されるべきだ」と強い懸念を示した。
 一方、朝鮮半島情勢では、昨年の南北首脳会談後、北朝鮮が緊張緩和に努力する一方で、戦力の維持強化もしていると言及。日本全域がほぼ射程に入る弾道ミサイル・ノドンについて「配備を行っていると考えられる」と断定調に書き、「(配備した)可能性が高い」とした昨年よりも踏み込んだ。
 日本が武力攻撃を受けた際に必要とされる有事法制では、自衛隊による道路補修や指揮所建設など具体例を挙げて、法整備が必要だと指摘。内閣官房を中心に各省庁が「基本的考え方」を検討中で、防衛庁も事務態勢を強化したと紹介した。
 政府はこれまで「法制化を前提としない研究」にとどめてきたが、小泉首相は「検討を進める」と明言。これを反映し、これまでの研究の経過説明が中心だった従来の記述から踏み出した。
 不審船や武装工作員侵入への対処の面でも、「部隊行動基準」や、武器使用緩和を伴う法改正に詳しく触れた。
 また、首相が「研究の余地がある」と述べた集団的自衛権では、その行使を禁じた政府の憲法解釈を例年通り掲載する一方で、行使の是非をめぐる議論が行われていることを初めて紹介した。
 日米安保では、新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づく協力の説明が中心。ブッシュ政権の新たなミサイル防衛計画や、その検討を「理解する」とした日本の立場を、コラムを設けて詳しく紹介した。[2001-07-06-10:56] 306
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 07/06@中台軍事情勢を重視 米と中ロの二極対立予測も 防衛白書(共同通信)

 中谷元・防衛庁長官は六日の閣議で、二○○一年版防衛白書を報告、了承された。白書は、中国への記述を大幅に増やし軍事力強化への警戒感を示したほか、初めて中国と台湾の軍事力を比較、分析し、この地域を重視していることを明確にした。
 新たにアジア太平洋地域の長期的な軍事情勢も取り上げ、米国と中国・ロシアの両極間で対立する可能性を指摘した。
 自衛隊に関する憲法解釈では、従来の記述を維持しながらも、「軍隊保持」「集団的自衛権行使」明記の是非などが国会で議論されていることをコラムの形で初めて紹介、論議の深化に期待感をにじませた。
 有事法制については、政府の検討作業が「憲法の枠内で行われることは当然」などと説明。一方で、作業の遅れている米軍に関連する法制なども「今後検討していくことが必要」とした。
 中国軍の分析では、国防費の高い伸び率が続いていることなどを指摘した上で、中国と台湾の軍事力に関して@中国の台湾本島への着上陸侵攻能力は限定的A海・空軍力は、中国が量的に圧倒しているが、質では台湾が優位―などとし、今後の軍事力近代化などを注視していく必要があると強調している。
 またアジア太平洋地域では、「直ちに二つの陣営に分かれ軍事的に対峙(たいじ)する可能性は極めて低い」とする一方で、米国中心のグループと多極化した世界を目指す中国、ロシアなどのグループとが対立する可能性を将来は「否定できない」との展望を盛り込んだ。
 極東ロシアの軍事態勢は縮小傾向を強めているとの見方を示し、朝鮮半島情勢については軍事的対峙の状況が「基本的には変化していない」と分析。米国のミサイル防衛構想に関しては、経緯や米国の姿勢、日本政府の立場の説明にとどまった。(了)[2001-07-06-10:48] 322
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 07/06@これがイエスの顔? トリノの聖骸布分析し立体画像(共同通信)

 約二千年前に処刑されたイエス・キリストの遺体を包んだと言い伝えられる「トリノの聖骸布(せいがいふ)」に写った男性の顔が、六日までに立体画像化された。北海道大元教授の竹村伸一博士(81)が、コンピューターグラフィックス(CG)で作成。鼻が高く、彫りの深い男性の顔がくっきりと浮かび上がった。
 博士は成果を近く、イタリアにある国際聖骸布研究センターに報告する方針。聖骸布の顔をレリーフにしたCGはこれまでも作られているが、横顔まで分かるほど立体化された画像は初めてという。
 聖骸布は長さ四・四メートル、幅一・二メートルの黄ばんだ亜麻布。男性の全身像が写っており、竹村博士は、聖骸布の正面像の濃淡を分析して、仮の奥行きデータを作成。さらに当時のギリシャ人彫刻から得られたデータなどで補って、奥行きデータを完成させ、三次元の立体像を作った。
 竹村博士は「人間の顔は正面図にほとんどのデータが詰まっているので、斜め六○度までの角度なら実物を見たときと印象は変わらないはず」と話している。
 聖骸布は一九八八年、欧米の科学者らは、放射性炭素測定法で十三世紀から十四世紀の布との結果を出したが、微生物による汚染で年代に大きな狂いがある可能性も指摘され、キリストが包まれたかどうかの結論は出ていない。(了)[2001-07-06-08:35] 252
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 07/06@<サッカー>中田がパルマ入団で記者会見 背番号は「10」(毎日新聞)

 サッカー日本代表のMF中田英寿(24)はイタリア1部リーグ(セリエA)のローマからパルマへ移籍することが6日、正式に発表された。
 パルマで入団発表の記者会見に出席した中田は「必ずレギュラーだとは言えないが、頑張ればチャンスをくれるチームだったので合意した」と、移籍を決意した理由を述べた。
 移籍金は推定580億リラ(約32億円)。背番号は自身「初めて」という10番で、文字通りパルマの司令塔として新シーズンに臨むことになった。パルマは来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権も獲得しており、中田はこの欧州最高峰の舞台にも初挑戦する。
 パルマは1990年代から急速に力をつけ、過去10シーズン連続で欧州カップ戦に出場したセリエA唯一のチーム。これまでに欧州サッカー連盟(UEFA)カップに2度、欧州カップウイナーズ・カップも1度優勝。イタリア・カップも2度制している。
 夏休み中だった中田は、急きょ移籍交渉がまとまったため休暇を切り上げ、9日からチームの合宿に合流する。
 米ロサンゼルスで夏休み中だったという中田は、人目を避けるために短く刈り込んだ頭髪を金色に染めた姿で記者会見に臨んだ。
―なぜパルマ移籍に合意したのか。
 「前のシーズン、ローマではプレーするチャンスが少なかった。もっとサッカーをやりたい。パルマでも必ずレギュラー、とは言えないが、頑張ればチャンスをくれるチームだったのでサインした。パルマにもリーグ優勝の可能性はあるし、欧州チャンピオンズリーグも僕にとって初の経験で、刺激になる」
 ―パルマとローマの違いは。
 「街自体の大きさや人は違うだろうが、サッカーのレベルは同じだ」
 ―背番号10をもらった気持ちは。
 「(これまでと同じ)7番になると思っていた。背番号10はもっと責任を持たなければならない番号なので頑張りたい。初めての10番というのも、自分にとってのチャレンジになる」
 ―2002年ワールドカップ(W杯)について。
 「W杯はまだ先。まずはパルマで頑張りたい。もっと近づいたら考える」
 ―(移籍契約と9日からの合宿で)夏休みがつぶれてしまったが。
 「いいコンディションをつくるためには、休みはつぶれてもいい。ロスにいたけれど、電話をもらったのですぐに戻ってきた」 (ローマ共同) [2001-07-06-22:10] 300
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 07/06@アピールになった活躍 一流の扱い受けた中田 パルマ入り(共同通信)

 中田の移籍はやや曲折があった末、結局、最有力候補だったパルマに決まった。
 パルマは当初、ウリビエリ監督が「補強の最優先項目」として中田を熱望。「常時先発で出場」が最大の条件だった中田サイドとしても望むところで、リーグ戦終了から両チーム間で金銭交渉の詰めが始まった。
 しかし、ローマ側はパルマの出した移籍金額に不満を示し交渉が難航。その間に、フィオレンティナの破産申請により同チームのポルトガル代表ルイコスタが移籍市場に乗ると、パルマは中田より同選手獲得を優先。結局、パルマはACミランとのルイコスタ獲得競争に敗れ、中田に落ち着いた。
 次善の策という形ではあるが、移籍金額は580億リラ(約32億円)。中田がペルージャからローマに移った際の500億リラ(約28億円)を上回った。ローマではイタリア代表のトッティの控えで出番に恵まれず一時は「市場価値は200億―300億リラ」とも言われたが、セリエAで国籍制限枠が撤廃されてから見せた活躍が強烈にアピールした格好だ。
 パルマが終始、中田獲得に積極的だったのは、タンツィ会長が日本進出を狙う乳製品メーカーのオーナーという要素もある。それでも、イングランドのアーセナルなどほかに興味を示したクラブ名や移籍金額を見ると、中田がイタリアでも「超」はつかないまでも「一流」扱いを受けていることが分かる。
 新天地でプレーする来季は、リーグ戦、チャンピオンズリーグ、そしてワールドカップ(W杯)で中田自身がそれにふさわしい活躍をすることが期待される。(共同)(了)[2001-07-06-11:11]
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 07/07@<ユーゴ>社会人民党が連立復帰 連邦崩壊の危機は当面回避(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロの両共和国で構成)の連立与党・モンテネグロの社会人民党は6日、新たに樹立される連邦政府に参加することを正式に発表した。これによりユーゴ連邦崩壊の危機は当面回避されたが、同党は連立の条件としてセルビア側与党と対等な関係を求めており、両共和国の対立の芽は消えていない。
 社会人民党はミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷引き渡しに反発し、コシュトゥニツァ大統領率いるセルビア与党、民主野党連合と連立解消を模索していた。
 しかし、同党は、連立各党の地位は対等▽前大統領を一方的に引き渡したような手法は2度と取らない――との条件を挙げ、連立参加を決めた。同党は離脱によって連邦制度自体が崩壊の危機に直面することを恐れて連立復帰に傾いたようだ。 [2001-07-07-21:00] 54
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 07/07@<小型武器>回収国にODA供与 国連会議で、日本が提案へ(毎日新聞)

 世界各地で多発している地域紛争で一般市民を含む膨大な死傷者を出しているのは自動小銃など「小型武器」だが、日本政府は、こうした武器の回収を積極的に進める諸国に政府開発援助(ODA)を行うという新しい支援策を打ち出した。9日、ニューヨークで開幕する初めての国連小型武器会議で提案する。小型武器の拡散防止が日本主導の形で展開し、かつての対人地雷対策のような国際合意に結びつくことが期待される。
 小型武器による死者は年平均50万人にも上り、うち8割が女性や子供。国際的な規制は事実上存在せず野放し状態になっている。特に、冷戦後に多発している地域紛争での死傷者は、いわゆる大量破壊兵器ではなく、小型武器によって発生している。日本政府の提案はこうした紛争被害が激しい国や地域での武器回収を目指すものだ。
 具体的には、国連での会議後、手始めに警察官の訓練や日本の交番システムの導入などを支援。武器回収に積極的に取り組み一定の成果を上げた諸国・地域に対しては、学校や道路などの建設を支援することも視野に入れている。国際的な小型武器の管理や輸出規制の体制作りにも協力し、単に「武器を金で買う」のではなく、包括的な取り組みで削減を目指す。
 対象地域としては、まずカンボジアで、欧州連合(EU)と協力し武器回収促進のための治安向上支援策を本格化する。このほか、ソロモンなど南太平洋諸国や東ティモール、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州、アフリカのニジェールなどを想定している。
 今回の国連会議は閣僚級会合で、日本からは杉浦正健副外相が出席し、取り組みを説明する。また元軍縮大使の堂之脇光朗外務省参与が副議長を務める。日本は従来の専門家レベルの協議で議長役を果たし、今回の会議開催も積極的に呼びかけてきた。 【和田浩明】
 <小型武器>拳銃や自動小銃、機関銃、携帯ミサイルなど1人または数人で携帯・運搬し使用できる武器を指す。全世界に少なくとも5億個以上あり、うち約100万個がゲリラ組織などの手にあると推計されている。主要生産国は米国、ロシア、中国など。取引額は世界の年間武器貿易額の約5%にあたる40億〜60億ドル(約5000億〜7500億円)に上る。 [2001-07-07-15:10] 57
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 07/07@モンテネグロ社会人民党、連邦政府復帰へ(読売新聞)

 【ウィーン6日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国からの報道によると、ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)への身柄引き渡しに抗議して連邦政府を離脱した旧ミロシェビッチ派の社会人民党は6日、党執行部会で連邦政府へ復帰する方針を決定した。これで、前大統領引き渡しに端を発した政治危機は当面、回避される見通しが出てきた。
 同党は声明で、「コシュトゥニツァ連邦大統領と、モンテネグロで政党連合を組む(人民党など)連邦維持派の強い要請を考慮した」とした上で、セルビアの「民主連合」と改めて連立を組む用意を表明した。一方で、「新たな連立合意は連邦、両共和国政府の3者による完全対等な関係に立脚すべきだ」とし、今後の連立協議では「民主連合」の独走への歯止めをかけていく姿勢を示した。
 前大統領引き渡しに強硬に反対してきた社会人民党は、前大統領が国際法廷に移送された直後の先月29日に同党のゾラン・ジジッチ連邦首相が辞任したが、コシュトゥニツァ大統領は連邦存続に向けて同党や人民党などと協議、復帰を促してきた。社会人民党側には、連邦政府をいったん離脱したことで、支持者の理解が得られるとの判断があったと見られる。 [2001-07-07-11:06] 62
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 07/07@前ユーゴ大統領夫人がビザ申請(共同通信)

 【ブリュッセル7日共同】アムステルダムからの報道によると、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に拘置中のミロシェビッチ前ユーゴ大統領のミリャナ・マルコビッチ夫人が六日、ベオグラードで、オランダ入国査証(ビザ)を申請した。
 欧州連合(EU)はミロシェビッチ氏の家族らユーゴ前政権要人に対するビザ発給を禁じているが、対象者が戦犯として起訴された場合の家族の処遇に関する例外規定があることなどから、オランダ政府は来週にも短期滞在ビザを発給する見通し。
 ミロシェビッチ夫妻は電話で連絡を取り合っているが、夫人は面会を希望した。(了)[2001-07-07-08:39] 165
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 07/07@国連小型武器会議が9日開幕、刻印徹底宣言を採択へ(読売新聞)

 【ニューヨーク7日=松浦一樹】短銃や機関銃など小火器・軽兵器類の非合法取引の阻止を目指す「国連小型武器会議」が9日から20日まで、ニューヨークの国連本部で開かれる。日本が提唱し、98年末に開催が決まった会議で、約140か国の政府代表や民間活動団体(NGO)が参加。最終日には、小型武器の輸出規制強化や、銃器の製造国や製造業者名を識別するためのマーキング(刻印)の徹底をうたう宣言を採択する予定だ。
 宣言案を作成するため、昨年2月から断続的に行われてきた準備委員会では、「武器を所持する権利」を憲法上保障している米国が、「軍用小型武器の民間所有の禁止を検討する」との条項に反対。中国やロシアも内政干渉になるとの理由で輸出規制を強化する国内法の整備を求める項目に消極姿勢を見せており、輸出大国が、規制強化を求める欧州、アフリカ諸国と対立する構図が表面化している。
 外交筋によると、会議直前になっても対立は解消されておらず、宣言の採択に向けて、最終日までに合意が成立するかどうかは、予断を許さない状況という。 [2001-07-07-23:12] 179
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 07/07@<国連小型武器会議>副議長務める堂之脇氏 インタビュー(毎日新聞)

 小型武器問題に長年取り組み、今回の国連会議で副議長を務める元軍縮大使の堂之脇光朗外務省参与に会議の意義や展望を聞いた。【和田浩明】
 ――会議で採択を目指す行動計画の内容は。
 ◆準備会合での議長案には、小型武器の取引を規制するための行動指針として、関連法規の整備▽武器への生産国名などの刻印▽記録の保存▽各国の税関や警察、国境警備部門の協力強化などが含まれる。紛争終結地域での武器の回収、破壊のための国際協力もある。
 ――議長案には修正要求も多いですね。
 ◆標識を武器に刻印する問題では、欧州はより細かい情報を盛り込むべきだとしているが、最小限だけでいいという国もある。規制範囲については、米国は非合法取引に限定し一般市民による所持にまで踏み込むことに反対している。
 また武器の売却相手の問題では、欧州や、カシミール問題を抱えるインド、チベット問題を抱える中国などは政府に限るべきだと主張している。しかし米国は、正当な権利のために闘っているゲリラ勢力を支援するのが伝統的な立場なので、政府以外に対する武器売却禁止には反対だ。
 ――どのような援助が必要なのでしょうか。
 ◆武器をカネで買い集めるのが一番まずい方法だ。壊れた武器を持ってきたり、そこに武器が流れ込んで密輸が増える。支援を開発に結びつける必要がある。
 また、武器に関する法律や制度が不備なところがある。回収した武器を保管するノウハウが不足している場合もある。そういう地域を対象に援助していくことも必要だ。 [2001-07-07-19:20] 181
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 07/07@<国連小型武器会議>9日から初会議 国際規模で武器対策(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】世界中に出回るけん銃や自動小銃を管理・削減するための初の国連小型武器会議が9日、ニューヨークの国連本部で開幕する。最終日の20日に不法取り引きの規制などを求める政治宣言(行動計画)を採択し、国際的規模で武器対策に踏み出す予定だ。
 会議の主な焦点は、世界中に拡散している小型武器の「削減、回収、破壊」「不法取り引きの防止」の2点。会議準備委員会がまとめた政治宣言原案は、各国に余剰武器を破壊するよう促し、武器に製造国名を刻印することを義務づけ、輸出規制を求めている。
 ただ、米国が「市民の武器所有の権利」を強調したり、インドネシアが銃の輸出規制は「内政干渉にあたる」と主張している。宣言案の中の10数カ所について意見が対立しており、宣言採択に向けて激しい議論が繰り広げられそうだ。
 日本は95年6月に、小型武器対策で国連専門家パネルを設置するよう提案。堂之脇光朗・外務省参与が議長となって専門家レベルの会合を2度行い、国際会議の開催を訴え続けてきた。南米コロンビアと英国も積極的に支持し、今回の会議開催にこぎつけた。 [2001-07-07-18:05] 187
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 07/07@調停工作に全力を傾注 軍縮外交問われる日本 小型武器会議(共同通信)

 自動小銃などの取引規制の強化を目指す国連小型武器会議では、会議開催に主導的役割を果たした日本が各国の利害をどう調整し、会議の成功に向けていかに調停活動を展開するかが見どころとなる。
 小型武器の取引規制分野で日本は一九九五年以降、さまざまな決議案を国連総会に提出。昨年提出した決議が採択され今回の会議開催が決まった。
 国連の日本外交筋は「日本の軍縮外交が問われる場となる」と指摘、昨年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に続き、日本のプレゼンスをアピールする場となることを強調した。
 世界各国から大きな注目を浴びる核拡散防止分野などと異なり、小型武器の拡散をどう防止するかといった問題は「本格的な議論が始まったばかりで、条約締結などの最終目標は今後の課題」(国連外交筋)というのが大方の見方だ。
 銃の個人所有をめぐってその権利が確立されている米国、さらに人権抑圧国に対して輸出規制を厳格化したい欧州連合(EU)とそれに抵抗する発展途上国との「激突」は避けられない見通しで、最終日に予定される政治文書の採択も「予断を許さない」(同筋)情勢だ。
 当初、全体会議の議長ポストを狙ったものの各国の支持を得られず副議長ポストにとどまった日本。しかし各国閣僚らの演説が終わる第一週以降、米国や途上国などから、日本に対し本格的な調停活動を求める声が出てくることは必至の情勢だ。
 日本は各国の主張を調整し政治文書にまとめ上げるための調停活動を水面下で始めており、これがどれだけ実を結ぶかが会議の成否を決すると言える。(ニューヨーク共同=伊藤英一)(了)[2001-07-07-17:13] 188
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 07/07@初の小型武器国際会議 紛争地域に広く浸透 世界的規制目指(共同通信)

 自動小銃など小型武器の不法取引を世界レベルで規制することを目指した初の国際会議「国連小型武器会議」が、九日から二週間の日程でニューヨークの国連本部で開催される。
 小型武器は紛争地域の子供兵から麻薬・テロ組織に至るまで広く浸透、冷戦終結後の犠牲者は五百万人に上り、その八割が女性と子供。こうした「事実上の大量破壊兵器」(アナン国連事務総長)の拡散を食い止めるため、国際社会が一致して規制強化に取り組むことができるかどうかが焦点となる。
 国連推計によると、世界では現在、約五億の小型武器が流通・蓄積し、このうち40―60%が不法取引とみられている。アジアやアフリカでは主に、ダイヤモンドや麻薬などの密輸で得た利益が反政府勢力の武器購入資金に充てられているのが実態だ。
 核兵器などの大量破壊兵器が核拡散防止条約(NPT)などで厳格な国際的規制を受けるのに対して、小型武器は野放し状態。会議では、当面の目標を定めた政治文書を採択する予定で、非政府組織(NGO)関係者は、より拘束力のある条約策定に向けた第一歩となることを期待している。
 政治文書案は、小型武器の拡散で年間約五十万人が死亡していることに重大な懸念を表明。その上で各国政府に対し@不法取引を阻止するため研究・監視機関を設置するA製造者に製造元が特定できるようマーク(刻印)を付けさせるB武器ブローカーの活動を規制する体制をつくるC無制限の輸出や個人所有の禁止を検討する―などを要請している。
 この文書案に対し、銃の個人所有が認められている米国は「米国市民の権利が侵害される恐れがある」と強硬に削除あるいは修正を要求。また小型武器の輸出基準を厳格に定めたい欧州連合(EU)に対して「自衛の権利が脅かされる」として難色を示すインドネシア、中国、ロシアが対立している。一部交渉筋の間では、文書の採択は困難で議長声明の発表にとどまるといった懸念も出ている。
 国連総会に決議案を提出するなど会議開催を主導した日本は、不法取引規制の基準や具体的な小型武器回収プロジェクトなどの分野でイニシアチブを発揮したい考え。対立激化で政治文書が採択されない事態を回避するため、積極的な調停に乗り出す構えだ。
 会議には約百四十カ国、約百八十のNGOが参加、出席者は千人を上回る見通し。日本からは杉浦正健・外務副大臣が初日に演説するほか、堂之脇光朗・外務省参与が副議長を務める。(ニューヨーク共同=伊藤英一)(了)[2001-07-07-16:53] 189
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 07/07@日本の対応に世界の目 16日から温暖化防止会合(共同通信)

 地球温暖化防止のため、先進国に二酸化炭素(C☆)など温室効果ガスの排出削減を義務付け「歴史的」と評価された京都議定書の行方を決める、気候変動枠組み条約第六回締約国会議(COP6)再開会合が十六日からドイツ・ボンで開かれる。米国の離脱表明で、危機的状況に陥った議定書の発効に向けて、道筋を残すことができるか。二○○二年発効のぎりぎりの期限となる十月末のCOP7への先送り論が出る中で、日本の対応に世界の目が注がれている。
 京都議定書をめぐる交渉はこの一年近くの間、大きく揺れ続けた。各国の批准の前提となる運用ルール作りを目指し、昨年十一月にオランダ・ハーグで開かれたCOP6は、日米などとEUが鋭く対立して決裂。さらに発足したばかりの米ブッシュ政権がこの三月に離脱を表明、これに対し欧州連合(EU)側は「米国抜きの発効を目指す」と反発、一段と危機的に追い込まれた。
 対立の芽はEU8%、米国7%、日本6%などの削減義務を定めた京都議定書を採択した一九九七年第三回締約国会議(COP3)当時からあった。日米を中心に「旧東欧諸国を抱え、削減対策が比較的容易なEUと立場が異なる」などの声が根強く、産業界の利害を代表するブッシュ政権の誕生で、これらの声が一気に噴き出した。
 そこで日本が、議定書発効のカギを握る立場として浮上してきた。議定書の発効には、五十五カ国以上の批准と、批准した先進国のC☆排出量が先進国の九○年の総排出量の55%以上を占めることが必要。
 米国など議定書に反対するグループと、EUなど議定書発効を目指すグループの合計排出量はいずれも55%に届かない。このため、「二○○二年の発効を目指す」とする一方で「米国抜きの発効では排出削減効果が薄れ、将来の米国参加も期待できない」と、批准に向けた態度を明らかにしていない日本の決断に議定書の将来がゆだねられた格好だ。
 ボンでは、十六日に開幕後、事務レベル協議を経て、十九日から二十二日までの閣僚会合で、判断が下される。二十日からはイタリアのジェノバで主要国首脳会議(サミット)が開幕、各国が携帯電話で連絡を取りながら協議を進める局面もありそうだ。
 既にCOP6のプロンク議長(オランダ環境相)はボンでの「完全合意は無理」との意向を表明。米欧間の橋渡し役とならざるを得なくなった日本政府も議定書の一部修正を検討し始めた。COP7をにらんで、厳しい交渉が続くことになるが、流れを決めるのは日本の決断一つだと言える。
 九日にはEU代表団や米国の担当者が相次いで来日、日本を舞台に事前協議が本格化する。十三日には川口順子環境相が渡米して日米ハイレベル協議が行われ、COP6開幕ぎりぎりまで、交渉打開への模索が続くことになる。(了)☆Oの横に小文字の2☆Oの横に小文字の2 [2001-07-07-16:44] 192
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 07/07@アチェで住民33人の遺体 なぞの武装集団の虐殺急増(共同通信)

 【ジャカルタ7日共同】インドネシア・アチェ特別州北アチェ県の赤十字支部は七日、同県山岳地域で住民とみられる三十三人の遺体が六日に発見されたとの情報を得たことを明らかにした。
 独立紛争の激化している同州では中アチェ県と北アチェ県の山岳地域で正体不明の武装集団による住民虐殺事件が急増しており、赤十字支部によると、先月二十九日以降だけで計百二十七人の遺体が見つかった。
 独立派ゲリラ「自由アチェ運動」(GAM)と国軍は、それぞれ相手側による虐殺だと非難している。
 赤十字支部によると、遺体は北アチェ県ニサム郡の渓谷に放置され、腐敗していた。
 山岳地域では村落への放火も頻発、住民数千人が森などに避難している。避難民によると、今回見つかった犠牲者は、親政府派民兵と国軍がGAM掃討作戦を実施した後、行方不明になっていたという。
 同州は人口の約八割をアチェ人が占めるが、山岳地域は少数民族のガヨ人や、コーヒー農民として入植したジャワ人も多く、民族構成が複雑。アチェ人主体のGAMに対抗するため、ジャワ人が親政府派民兵を組織したとの情報もある。(了)[2001-07-07-16:15] 193
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 07/07@ジェノバで10万人が抗議へ 反グローバルのNGO活動(共同通信)

 先進国主導の国際会議に対し「グローバル化反対」を叫ぶ非政府組織(NGO)の活動が激しさを増している。最貧国の債務帳消しを訴えてきた日本のNGO「途上国の債務と貧困ネットワーク」の北沢洋子共同代表は、二十日からの主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)でも激しい抗議行動が展開されると予測する。(共同=引地達也) ―なぜサミットに反対するのか。
 「先進国主導による経済のグローバル化は、発展途上国を中心に環境破壊や貧困の増加を招いている。サミットは先進国がグローバル化を推進するための会議だ」 ―ジェノバではどんな抗議行動が行われるのか。
 「イタリアには『ヤバスタ』というグローバル化反対に熱心な組織があり、サミット開催の阻止行動の中心となる。ギリシャやフランス、スペイン、ポルトガルからも労働組合やNGOなどが参集し、十万人規模の抗議が行われるだろう。治安当局が『死体収容袋』を用意しているとの話も出ており、激しい衝突が起きる可能性もある」 ―抗議デモの暴徒化が批判されているが。
 「過激な一部の人々がこれまでの活動で、グローバル化の象徴とみなす米国の大手ハンバーガー・チェーンの店や宝石店を襲ったのは行き過ぎだった。昨年九月のプラハでの国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会の際には、平和的なデモの後に、知らない所でゲリラ的なデモが行われた。NGOも対話重視派と実力行使派があり統制が取れないのが現状だ」 ―反グローバル化運動が目指す理想は。
 「二つの流れがある。一つは規制緩和や民営化に賛成しつつ、グローバル化の犠牲となる弱者を救済するための社会制度の確立を目指す立場。もう一つは市場経済主義に対抗し、協同組合による社会運営をモデルとしている。今年一月、『世界経済フォーラム』に対抗して複数のNGOがブラジルで『世界社会フォーラム』を開き、約一万二千人が反グローバル化の将来を話し合った。同フォーラムは今回のサミット前にジェノバでも開く」 北沢 洋子氏(きたざわ・ようこ)1933年1月東京都生まれ。横浜国立大卒。90年アジア支援のNGO「草の根援助運動」創設。98年「途上国の債務と貧困ネットワーク」(旧ジュビリー2000ジャパン)共同代表。今年11月に日本平和学会会長に就任予定。(共同)(了)[2001-07-07-16:13] 230
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 07/07@◎「満州語」話者数十人、消滅の危機=世界の言語、20分の(時事通信)

 清朝を支配した「満州族」の言語である満州語を使える同族の話し手が数十人まで激減し、言語消滅の危機にひんしていることが7日までに分かった。中国社会科学院民族研究所や黒竜江省満語研究所の研究者らによって確認された。言語学界では中国に限らず、世界中で現在使われている6000言語が最悪の場合、100年後には300言語にまで減少するとの学説もあり、少数民族言語の継承が大きな問題となってきた。 [時事通信社][2001-07-07-07:18] 240 [このページの最初に戻る]


 07/07@<OAU>9日からルサカで首脳会議 「強い一体性」へ衣替(毎日新聞)

 【ルサカ城島徹】アフリカ諸国の横断組織として知られるアフリカ統一機構(OAU)に代わるアフリカ連合(AU)への移行手続きを主な議題に、第37回アフリカ統一機構首脳会議が9日からザンビアの首都ルサカで開かれる。緩やかな結束から、より一体性の強い組織への衣替えが狙いだが、アフリカ連合の中身が不透明なだけに、依然、冷めた見方が根強いのが実態だ。
 今回の首脳会議では、欧州連合(EU)をモデルに、各国の一層の結束を図るため、アフリカ全体の議会、裁判所、中央銀行などの創設を掲げ、将来的には欧州並みに通貨統合をも目指している。加盟国で発生した虐殺や戦争犯罪に介入する権利も規定し、「1年後をめどに完全移行したい」(サリム事務局長)としている。
 だが、域内ではコンゴ民主共和国(旧ザイール)やアンゴラなど紛争が絶えず、1人当たりのGNP(国民総生産)が3000ドル以上の南アフリカと100ドル台の国が並存する経済格差、改善の見通しがない貧困など、統合への障害は山積みだ。加盟国の間には「理想ばかり先行し、絵に描いたモチになりかねない」との意見が多い。自国の課題解決が先決というのが現状のようだ。
 こうした中、今月下旬の主要国(G8)首脳会議(ジェノバ・サミット)での提起に向け、「ミレニアム・アフリカ再生計画(MAP)」を承認し、アフリカの結束をアピールしようという、より現実的な構想が進んでいる。
 MAPは「アフリカが主体的に作った初めての包括的開発計画」(南アの外交筋)とも言えるもので、南アフリカ、ナイジェリア、アルジェリアを中心に策定を急いでおり、(1)経済統合に向けた大市場創設(2)情報技術(IT)を含むインフラ整備(3)エイズを含む感染症対策(4)教育と人材育成――などを骨格に、民主化、健全な統治、人権遵守などあえて厳しい条件を付け、アフリカが自ら襟をただす姿勢を示し、先進国から経済再建の支援を求める狙いがある。
 ジェノバ・サミットの初回会合に招待された南アのムベキ大バ統領とナイジェリアのオバサンジョ大統領は、MAP提起に意欲を見せており、直前に開催される今回のアフリカ統一機構首脳会議で加盟国の幅広い賛意を得たい意向だ。 [2001-07-07-00:15]


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