最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(06/30, 2001)


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◆ 06/27@ユーゴで前大統領の身柄引き渡し反対1万人集会(読売新聞)
◆ 06/27@ミロシェビッチ前大統領の身柄移送反対で1万人行進(共同通信)
◆ 06/27@和平努力に結束呼び掛け マケドニア、対話で対立か(共同通信)
◆ 06/27@武装勢力と交戦のマケドニア政府軍が首都近郊の村砲撃(読売新聞)
◆ 06/27@◎前ユーゴ大統領、地裁の聴取を拒否=戦犯法廷送致の遅延狙(時事通信)
◆ 06/27@<ユーゴ連邦>前大統領支持者1万人がデモ 身柄引き渡しに(毎日新聞)
◆ 06/27@ユーゴ前大統領移送迫る 援助に絡み米が圧力(共同通信)
◆ 06/27@アナン事務総長続投へ 国連安保理が非公式会合(共同通信)
◆ 06/27@「窓」―子供の国(朝日新聞)
◆ 06/27@日本の対米協力を警戒 米との軍事交流で中国(共同通信)
◆ 06/28@米国務長官、7月末訪中 関係修復を確認へ(朝日新聞)
◆ 06/28@戦犯国際法廷移送で反対声明、露下院で採択(読売新聞)
◆ 06/28@<ユーゴ>ミロシェビッチ引き渡しの政府布告を一時停止 憲(毎日新聞)
◆ 06/28@ユーゴ憲法裁、戦犯移送の一時凍結を命令(朝日新聞)
◆ 06/28@ミロシェビッチ前大統領、強気発言繰り返す(朝日新聞)
◆ 06/28@<ユーゴ支援国会合>米政府が出席を表明(毎日新聞)
◆ 06/28@国際社会の介入深まる 展望見えないマケドニア(共同通信)
◆ 06/28@ユーゴ支援会議、米が代表派遣し経済支援へ(読売新聞)
◆ 06/28@◎ユーゴ憲法裁、戦犯移送めぐり判断へ=前大統領側が違憲の(時事通信)
◆ 06/28@ユーゴ支援国会議に米国が参加決定(朝日新聞)
◆ 06/28@<米国>ユーゴスラビア支援国会合に出席へ ユーゴ側の確約(毎日新聞)
◆ 06/28@◎セルビア議会が民営化法案可決=ユーゴ(時事通信)
◆ 06/28@米ミサイル防衛計画を批判 ロ大統領補佐官(共同通信)
◆ 06/28@派兵の用意と独首相 マケドニア(共同通信)
◆ 06/28@違憲判断で28日初審議 政令でユーゴ憲法裁長官(共同通信)
◆ 06/28@○マケドニア反政府勢力に制裁=送金、メンバーの入国禁止−(時事通信)
◆ 06/28@<アルバニア>安定化の兆し 総選挙、平穏に(毎日新聞)
◆ 06/28@ユーゴ前大統領の引き渡し、「時間の問題」とNATO(朝日新聞)
◆ 06/29@前大統領の引き渡し「安定につながらない」 ロシア外相(朝日新聞)
◆ 06/28@<記者の目>都議選に見る変化の予兆 社会部・高橋龍介(毎日新聞)
◆ 06/28@<北アイルランド>IRAの武装解除期限が30日に(毎日新聞)
◆ 06/28@ウクライナに分裂の胎動も 反ロシア根強い古都リビウ(共同通信)
◆ 06/28@「日本外交は腰抜け」中3試験に持論出題 教諭厳重注意(朝日新聞)
◆ 06/28@<国連エイズ総会>基金実現へ問題山積 先進国、足並みに乱(毎日新聞)
◆ 06/28@<死刑>米でのドイツ人被告の執行は人道違反 国際司法裁判(毎日新聞)
◆ 06/28@<国連エイズ総会>世界エイズ・保健基金の設立支持をうたい(毎日新聞)
◆ 06/28@世界エイズ保健基金創設など宣言採択…国連特別総会(読売新聞)
◆ 06/28@<環境会議>非公式閣僚会議が全体会議の討議に入る ハーグ(毎日新聞)
◆ 06/28@エイズ政治宣言を採択し閉幕 国連特別総会(朝日新聞)
◆ 06/28@10億ドル規模でスタートへ グローバル・エイズ基金(共同通信)
◆ 06/28@問われる処方せんの実行 重い先進国側の責任 国連エイズ総(共同通信)
◆ 06/28@エイズ、中東和平に意欲 2期目確定の国連事務総長(共同通信)
◆ 06/28@つくる会教科書著者を注意 「不適切なテスト」と東京都教委(共同通信)
◆ 06/28@「日韓歴史家会議」設置へ 11月にソウルで第1回会議(朝日新聞)
◆ 06/28@<国連>アナン事務総長の再選を全会一致で承認 安保理(毎日新聞)
◆ 06/28@<東ティモール>コーヒーが暴落 収入源失う住民(毎日新聞)
◆ 06/28@過去と対話する歴史を(朝日新聞)
◆ 06/28@<余録>エシュロン(毎日新聞)
◆ 06/28@<クローズアップ>南北格差浮き彫りに 国連エイズ特別総会(毎日新聞)
◆ 06/29@ユーゴ前大統領、足取り弱々しく独房へ (読売新聞)
◆ 06/29@ミロシェビッチ前大統領の初出廷、7月3日に(朝日新聞)
◆ 06/29@ユーゴ、国際支援12億ドルに期待(読売新聞)
◆ 06/29@6月30日付・読売社説(2)(読売新聞)
◆ 06/29@<旧ユーゴ戦犯法廷>セルビア大統領が前連邦大統領を告発の(毎日新聞)
◆ 06/29@ミロシェビッチ前大統領初公判、7月3日から(読売新聞)
◆ 06/29@田中外相、ユーゴ訪問へ サミットに備え7月中旬(共同通信)
◆ 06/29@<ユーゴ>支援国会合始まる(毎日新聞)
◆ 06/29@ユーゴの復興策話し合う支援会議開く 12億ドル調達へ(朝日新聞)
◆ 06/29@◎ユーゴ支援国会合開く=経済再建に13億ドル確保へ(時事通信)
◆ 06/29@ユーゴ支援国会合を開催 前大統領の移送受け(共同通信)
◆ 06/29@ユーゴ政権崩壊の危機 前大統領移送で早期選挙も(共同通信)
◆ 06/29@国際刑事裁設置に追い風 米国の消極姿勢が難関(共同通信)
◆ 06/29@因縁の日「6月28日」 ミロシェビッチ、英雄から戦犯へ(共同通信)
◆ 06/29@「ユーゴで裁判を」の声も 深夜にヘリで拘置所到着(共同通信)
◆ 06/29@ユーゴ、前大統領引き渡しで内政混乱は避けられず(読売新聞)
◆ 06/29@ミロシェビッチ前大統領の身柄、国際法廷に(読売新聞)
◆ 06/29@<前ユーゴ大統領>経済支援約束する意向を示唆 米大統領(毎日新聞)
◆ 06/29@<前ユーゴ大統領>拘置所前に500人以上の市民集結 ハー(毎日新聞)
◆ 06/29@<前ユーゴ大統領>身柄引き渡し実現 経済再建が真の理由(毎日新聞)
◆ 06/29@<前ユーゴ大統領>国際戦犯法廷に身柄引き渡し 人道に対す(毎日新聞)
◆ 06/29@ミロシェビッチ前大統領、国際戦犯法廷拘置所に到着(朝日新聞)
◆ 06/29@前ユーゴ大統領ハーグ移送 セルビア政府が電撃措置(共同通信)
◆ 06/29@テレビに電話、シャワーも ミロシェビッチ氏の独房(共同通信)
◆ 06/29@国連総長「過去と決別を」(共同通信)
◆ 06/29@経済最優先で超法規措置 連邦政府の弱体化鮮明に(共同通信)
◆ 06/29@交渉進展は当面期待できず ミサイル防衛でロシア高官(共同通信)
◆ 06/29@「悪夢から解放された」 歓喜と反発のユーゴ市民(共同通信)
◆ 06/29@国際正義実現の里程標 首席検察官(共同通信)
◆ 06/29@「移送を称賛」と米大統領(共同通信)
◆ 06/29@欧州各国首脳が歓迎(共同通信)
◆ 06/29@「私は刑務所を移らない」 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領(共同通信)
◆ 06/29@ユーゴ政令の執行一時停止 前大統領の移送で曲折(共同通信)
◆ 06/29@ミロシェビッチ前大統領、国際戦犯法廷拘置所に到着(朝日新聞)
◆ 06/29@マケドニア問題EU特使がスコピエ入り (読売新聞)
◆ 06/29@<チベット会議>中国共産党が7年ぶりに開催 開発加速を訴(毎日新聞)
◆ 06/29@「靖国神社に祭らないで」韓国人遺族ら国を提訴(読売新聞)
◆ 06/29@ジョイセフに国連人口賞 女性の健康向上で活動(共同通信)
◆ 06/29@東ティモールに緊急援助(共同通信)
◆ 06/29@「ポト派法廷」遅れに国連特別代表が不満を表明(読売新聞)
◆ 06/30@<ユーゴ前大統領>戦犯法廷の引き渡しは司法の国際化を象徴(毎日新聞)
◆ 06/30@<戦犯法廷>旧ユーゴ圏での戦争犯罪の捜査、起訴を拡大の方(毎日新聞)
◆ 06/30@<ユーゴ前大統領>拘置所で初公判待つ 「二つ星並みホテル(毎日新聞)
◆ 06/30@ポト派幹部は移送しない カンボジア下院議長(共同通信)
◆ 06/30@影響力低下を実感 ロシア・プーチン政権 ユーゴ前大統移送(共同通信)
◆ 06/30@「失われた10年」総括へ ユーゴ前大統領移送受け戦犯法廷(共同通信)
◆ 06/30@ユーゴ連邦首相が辞任 ミロシェビッチ氏移送に抗議(朝日新聞)
◆ 06/30@マケドニア紛争解決目指し、米が特使派遣(読売新聞)
◆ 06/30@<ユーゴ>前大統領の支持者約1万人が引き渡しへの抗議デモ(毎日新聞)
◆ 06/30@<ユーゴ>ジジッチ首相が辞任 政局の混迷深まる(毎日新聞)
◆ 06/30@来月2日に組閣交渉開始 連立解消でユーゴ大統領(共同通信)
◆ 06/30@首相辞任で連立崩壊へ、モンテネグロ独立再燃も(読売新聞)
◆ 06/30@<ニュースの背景>コソボ自治州 国策治安部隊が駐留(毎日新聞)
◆ 06/30@<コソボ>セルビア人が固執する理由示す2つの名所(毎日新聞)
◆ 06/30@<クローズアップ>ユーゴ連邦 空洞化危機(毎日新聞)
◆ 06/30@ユーゴ首相が辞任(読売新聞)
◆ 06/30@<ユーゴ>ジジッチ首相が辞任 前大統領引き渡しに抗議し(毎日新聞)
◆ 06/30@ユーゴの復興策話し合う支援会議開く 12億ドル調達へ(朝日新聞)
◆ 06/30@<社説>ユーゴ戦犯法廷 欧米も責任は免れない(毎日新聞)
◆ 06/30@<北アイルランド>IRAが武器放棄の動き見せず 首相辞任(毎日新聞)
◆ 06/30@<ナイジェリア>民族対立で、少なくても数十人が死亡(毎日新聞)
◆ 06/30@<キーパーソン>再任を決めたコフィ・アナン国連事務総長(毎日新聞)
◆ 06/30@ヒズボラが攻撃、兵士負傷(共同通信)
◆ 06/30@民族対立で数十人が死亡 ナイジェリア (共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 06/27@ユーゴで前大統領の身柄引き渡し反対1万人集会(読売新聞)

  【ウィーン26日=佐々木良寿】ユーゴスラビアの首都ベオグラードからの報道によると、同市で26日夕、ミロシェビッチ前大統領の支持者約1万人が、前大統領の旧ユーゴ戦犯国際法廷への身柄引き渡しに反対する抗議集会を開いた。
 主宰したのは前大統領が党首を務めるセルビア社会党で、中心部の共和国広場には5000人前後が参加。集会後、参加者は約1キロ離れた連邦政庁に向けてデモ行進を開始、最終的に約1万人に膨れ上がった。参加者は「スロボダン(前大統領の名前)、セルビアはあなたを見捨てはしない」と書かれた横断幕などを掲げ、支持者にとって祖国防衛の英雄である前大統領の身柄引き渡しを決めた連邦政府を「金と引き換えにセルビアを売るもの」と非難の声を上げた。
 行進途中にはコシュトゥニツァ政権の母体「民主連合」傘下の政党事務所への投石なども起きたが、大きな混乱はなかった。最新の世論調査によれば、前大統領の身柄引き渡しに賛成する国民は5割に達している。 [2001-06-27-11:10] 3
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 06/27@ミロシェビッチ前大統領の身柄移送反対で1万人行進(共同通信)

 【ベオグラード26日共同】ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)引き渡しに反対する前大統領の支持者ら約一万人が二十六日、ベオグラード中心部で集会を開き、ユーゴ連邦政府庁舎に向けて行進した。
 前大統領のセルビア社会党が主催した集会でイブコビッチ議員団長は「現政権はセルビアを守ろうとした人物をカネ(援助)のために売ろうとしている」と演説、コシュトニツァ政権を激しく批判した。
 行進に参加した年金生活者のケセリッチさん(62)は「戦犯法廷に引き渡すことはセルビア人全体がすべての戦争の責任者として認めることになる」と引き渡し反対の理由を語った。(了)[2001-06-27-10:32] 4
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 06/27@和平努力に結束呼び掛け マケドニア、対話で対立か(共同通信)

 【ベオグラード26日共同】マケドニアのトライコフスキ大統領は二十六日、国民向けにテレビ演説し、アルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」との部分停戦を受け、結束して政府の和平努力を支持するよう呼び掛けた。
 しかし大統領の演説後、ゲオルギエフスキ首相は国営テレビで「治安部隊にはテロリストを壊滅させる能力がある」と語り、あくまで武力による紛争解決の意向を表明。政権内部で強硬派と対話派が対立している可能性をうかがわせた。
 首都スコピエでは同日夜、懸念されたスラブ系マケドニア住民の反政府集会などは行われず、数千人が議会になだれ込んだ前夜とは違って平静を保っているが、大統領演説に呼応した動きかどうかは不明だ。
 大統領は首都近郊アラチノボで解放軍との停戦に入り北大西洋条約機構(NATO)軍が約三百人の解放軍兵士を移送したことについて、「正しい選択であり、犠牲者が出ないよう全閣僚が支持した政策だ」と理解を求めた。
 解放軍が撤退したアラチノボでは二十六日、警察部隊が警らを再開し、欧州安保協力機構(OSCE)の監視団が同行して状況を調査した。(了)[2001-06-27-10:20] 6
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 06/27@武装勢力と交戦のマケドニア政府軍が首都近郊の村砲撃(読売新聞)

 【ウィーン26日=佐々木良寿】マケドニアからの報道によると、アルバニア系武装勢力との交戦を続けてきた政府軍は26日午前、首都スコピエに近いニクシュタク村への砲撃を開始した。欧州連合(EU)は紛争の政治解決に向けて政府軍に自制を求めてきたが、それを無視した形だ。
 政府軍は24日、EUのハビエル・ソラナ共通外交安全保障上級代表の説得を受けてアラチノボ村への砲撃を停止、同村を中心に武装勢力の移送を認めていた。しかし、これに反発したマケドニア人予備役兵ら数千人が25日夜、スコピエの議会ビル前に集結、一部がビル内に乱入し、バルコニーから空に向けて発砲する騒ぎも起きた。
 このほか、25日には西部の中心都市テトボ近くの山間部で、武装勢力がマケドニア治安部隊を攻撃、警官1人が死亡した。ボスコフスキ内相ら強硬派は「テロリストを完全に掃討しないうちは、平和は回復できない」と反発を深めている。 [2001-06-27-02:31] 181
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 06/27@◎前ユーゴ大統領、地裁の聴取を拒否=戦犯法廷送致の遅延狙(時事通信)

 【ウィーン27日時事】ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領の弁護士によると、拘置所内の前大統領は27日、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への引き渡しに向けたベオグラード地裁予審判事の聴取を拒否した。
 同地裁は、引き渡しの是非を決定する立場にあり、前大統領は聴取を拒むことで、引き渡し手続きを遅らせる作戦とみられる。前大統領は、予審判事らの解任も申し立て、国際戦犯法廷が出した起訴状の受け取りも拒否した。 [時事通信社][2001-06-27-21:07] 185
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 06/27@<ユーゴ連邦>前大統領支持者1万人がデモ 身柄引き渡しに(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで26日、不正蓄財などで逮捕・拘置中のミロシェビッチ前大統領の支持者約1万人が、前大統領を旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に引き渡さないように求めるデモを繰り広げた。
 デモは中心部の広場から連邦政府庁舎に向けて行進し、当初の5000人規模から次第に膨れ上がった。参加者は「政府は愛国者を売り渡そうとしている」などと叫んで気勢をあげた。 [2001-06-27-19:15] 187
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 06/27@ユーゴ前大統領移送迫る 援助に絡み米が圧力(共同通信)

 【ベオグラード27日共同】ユーゴスラビア・コソボ紛争で人道に対する罪により旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されたミロシェビッチ・ユーゴ前大統領の同法廷引き渡しが秒読み段階に入ってきた。
 ユーゴ側が「十三億ドル以上」(ジンジッチ・セルビア共和国首相)の援助獲得を目指すユーゴ支援国会合が二十九日にブリュッセルで開催されるが、米国は同会合出席の条件として戦犯法廷との「明確な協力」を挙げ、ユーゴ側に圧力をかけていた。
 ユーゴ政府は二十三日、身柄引き渡しを可能にする政令を承認。二日後には国際戦犯法廷からの移送要請をベオグラード地裁に送付した。
 前大統領の弁護団は、司法当局が「通常の手続きを無視して移送を早めようとしている」と批判。政令が弁護側に認めている異議申し立ての道まで封じようとしていると危機感を強めている。
 事実、ジンジッチ首相は二十六日の記者会見で、手続きは最短で三日間で完了すると述べ、支援国会合が開かれる二十九日にも移送可能との見解を表明。
 さらに「憲法裁判所が政令を無効と判断しても、戦犯法廷とユーゴ司法当局の直接協力で移送は可能」と指摘した。ユーゴ連邦内務省筋は週明けの七月二日が「期限だと聞いている」と述べ、移送が間近との見方を示している。
 前大統領を引き渡さないと公約していたコシュトニツァ大統領は二十六日の記者会見で「米国の強い圧力」に不快感を表明した。
 前大統領は四月一日に逮捕されたが、米議会は三月三十一日までに「(逮捕に向けた)大きな進展」がなければ、クリントン前政権が約束した対ユーゴ援助を承認しないとして、事実上の逮捕期限を設定した経緯がある。(了)[2001-06-27-18:18] 458
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 06/27@アナン事務総長続投へ 国連安保理が非公式会合(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】国連安全保障理事会は二十七日、今年末で一期目(任期五年)の任期切れを迎えるコフィ・アナン国連事務総長(63)の二期目続投を承認するための非公式会合を開催する。
 国連憲章の規定では安保理が事務総長人事の決定権を握っており、承認とともにアナン氏が国際公務員トップとして来年からの五年間も引き続き国連組織を率いていくことが確定。二十九日の国連総会で正式決定する。
 任期を半年以上残した段階での異例とも言える続投承認は、アジア諸国が対抗馬を擁立できなかったことに加え、国連平和維持活動(PKO)強化など同氏の約四年半の業績に対して国連加盟国からほとんど不満が出ていないことを反映した結果だ。
 アナン氏は今年三月の会見で、国連を二十一世紀の平和、開発、人権分野などで効果的な組織にするため「力を尽くす用意がある」と続投の意思を正式に表明。その際、過去四年間でPKO強化に努めたと強調した上で、来年以降の優先課題としては@貧困との闘いA環境問題への対応B女性への教育促進―などを挙げた。
 西アフリカ・ガーナ出身のアナン氏は一九六二年に国連事務局入りし、PKO局長などを歴任。九七年一月、ガリ氏の後継として第七代事務総長に就任した。(了)[2001-06-27-16:17] 462
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 06/27@「窓」―子供の国(朝日新聞)

 統一前の西ドイツは、人口約30万の小さな街ボンを首都にしていた。お店も限られるから、著名人ともよく行き会うことになる。
 ブラント元首相とは、別に有名でもない中華料理店と南欧料理の店で一緒になったことがある。
 当時まだ野党の党首だったコール氏も2回見かけた。こちらは、それぞれによく知られたイタリアとフランスの料理店だった。
 居あわせたお客はみな気づいている。でも、そっちをまじまじと見たりはしない。そ知らぬ顔である。
 もちろんこれが大人の態度だ。でも、日本だったらこうはなりそうもない。そんなことを考えた記憶がある。
 政治家だからというわけではない。テレビの人気者が通るといって騒ぐのも、大人のすることではない。若い人を含めて、あの国ではあまりそんなことはしない。
 日本で珍しく人気の出た首相が街頭演説をする。そこに人が集まってくるのは当然のことだ。しかし、演説の中身はそっちのけで、ただ「実物」を見たといって喜ぶのではおかしい。
 彼とそのチームに野党が論戦を挑む。それをテレビで見て「いじめるな」と電話したり、メールを送りつけたりする人がいる。議会でのやり取りを「いじめ」としか取れないのも相当に子供っぽい。
 子供に「改革」が必要だとすれば、ちゃんとした大人になることだ。それには時間がかかるのも仕方がない。
 この国の改革には、かなりの時間を要しそうだ。  〈児〉[2001-06-27-14:05] 463
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 06/27@日本の対米協力を警戒 米との軍事交流で中国(共同通信)

 【ワシントン26日共同】ウルフォウィッツ米国防副長官が米上院軍事委員会のレバイン委員長へ提出した二○○○年の米中軍事交流に関する報告書で、中国側が日米の戦域ミサイル防衛(TMD)構想に強い懸念を示すとともに、自衛隊の対米協力の範囲などに強い関心を持ち、米側に問いただしていたことが二十六日、明らかになった。
 報告書によると、米中二国間の軍事交流は同年だけで約二十回に及んだ。この中で、中国はTMDと米本土ミサイル防衛(NMD)の両構想に「重大な懸念」を示し、配備する場合の意図について米側に説明を求めた。
 特に、日米両政府が共同技術研究をしているTMD構想に対し、配備された場合の範囲などにも関心を示し、台湾防衛への懸念を示した。
 中国側は朝鮮半島情勢に関連し日米同盟の性格や制約について米側に質問。また米側に対し「一つの中国」支持を念押しして、米国から台湾への武器売却に反対の意思を強調した。南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺での紛争防止なども協議の対象だった。(了)[2001-06-27-13:37] 346
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 06/28@米国務長官、7月末訪中 関係修復を確認へ(朝日新聞)

 新華社通信によると、中国の唐家セン外相が28日、パウエル米国務長官と電話会談し「(7月下旬の)東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム外相会議後の北京訪問を歓迎する」と述べた。
 新華社によると、電話会談は米側の要請によるもので、イラク問題についても意見を交わした。
 米中関係は4月の軍用機接触事故やブッシュ政権の台湾政策などをめぐって冷えていたが、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に関する米中政府間協議が合意に達するなど好転のきざしも見えてきた。北京の外相会談で関係修復を確認するとみられる。
 唐外相は「少し前までの困難を経験して関係改善と発展の勢いが出てきた。10月の上海での首脳会談とブッシュ大統領の北京訪問の準備をしたい」と述べ、両首脳が初めて顔を合わせる上海でのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)非公式首脳会合に向けて、さらに米国との関係を深めることに意欲を見せた。
 また、パウエル長官も「少し前の不愉快なことはすでに過去のものとなった」と応じた。[2001-06-28-23:29]
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 06/28@戦犯国際法廷移送で反対声明、露下院で採択(読売新聞)

 【モスクワ28日=瀬口利一】ロシア下院(国家会議)は28日、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領を旧ユーゴ戦犯国際法廷に引き渡さないよう求めるユーゴ政府あての声明を賛成272、反対77で採択した。 [2001-06-28-23:36] 151 [このページの最初に戻る]


 06/28@<ユーゴ>ミロシェビッチ引き渡しの政府布告を一時停止 憲(毎日新聞)

 【ウィーン福井】ユーゴスラビア憲法裁判所は28日、ミロシェビッチ前大統領らを旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡すことを可能にしたユーゴ政府の布告を一時差し止める決定を下した。判事の多くがミロシェビッチ政権下で任命されたためとみられる。憲法裁は布告を違憲とは断じておらず、与党・民主野党連合は27日の会議で「仮に違憲判決が出ても前大統領を引き渡す」と決定しているが、今後の展開は不透明だ。
 憲法裁決定は「最終判断(憲法判断)まで布告の実施を停止する」とした。シェルディッチ裁判長は開廷直前に辞表を提出した。
 ユーゴ憲法は国民の外国への引き渡しを禁じているが、政府の布告はこれを可能とした。ミロシェビッチ前大統領の弁護士はこれを違憲として憲法裁に提訴していた。
 18政党の連合体である与党・民主野党連合は、15党が出席した27日の会議で「憲法裁の判断にかかわらず『憲法が禁じる主権国家への移送ではなく国連機関への移送』と解釈して前大統領を引き渡す」との方針を決定したが、コシュトゥニッツァ大統領のセルビア民主党は欠席。大統領は憲法学者で、憲法裁の判断を無視することには反対している。
 ユーゴは巨額の対外債務を抱え、29日のユーゴ支援会議で欧米諸国からの援助が得られなければ国家破産の危機に直面する。欧米は「戦犯法廷への協力」を支援の条件とし、前大統領引き渡しを迫ってきた。最も強硬だった米国は27日、支援会議への出席とユーゴへの条件付き支援を決めたばかりだった。 [2001-06-28-22:15] 154
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 06/28@ユーゴ憲法裁、戦犯移送の一時凍結を命令(朝日新聞)

 ユーゴスラビアの憲法裁判所は28日、国連旧ユーゴ戦犯法廷への被告の引き渡し手続きを一時的に凍結する命令を出した。政府はミロシェビッチ前大統領を引き渡す姿勢を変えていないが、米国がブリュッセルで29日に開催される支援国会議への参加を表明したこともあり、前大統領の移送が同会議までに強行される可能性は低くなったと見られる。
 憲法裁の命令は前大統領の弁護団の申し立てを受け入れたもの。弁護団は、23日に閣議決定された「戦犯被告引き渡しに関する政令」を違憲とする異議申し立てと同時に、憲法裁が最終判断する前に移送が行われないよう求めていた。
 ユーゴ憲法は国民を外国に引き渡すことを禁じている。憲法裁による最終判断は来月12日以降の見込みで、それまでは前大統領らの移送はできないことになる。
 一方、与党・民主連合は27日の幹部会で、たとえ憲法裁が違憲判断を示しても「引き渡しは国連加盟国の義務」と確認した。[2001-06-28-21:54] 162
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 06/28@ミロシェビッチ前大統領、強気発言繰り返す(朝日新聞)

 「歴史は私が正しかったと評価するだろう」――国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷への引き渡しが近いと見られるユーゴのミロシェビッチ前大統領が、首都の拘置所で強気の発言を繰り返している。弁護士の一人が明らかにした。オランダ・ハーグの戦犯法廷に移送されても無罪の主張を押し通す構えだ。
 弁護士によると、戦犯被告の引き渡しを可能にする政令の決定を聞いた前大統領の第一声は「信じられない」。憲法は国民を外国に引き渡すことを禁じており、「国家的な裏切り行為だ」と激怒した。
 逮捕からの動きについて前大統領は、ユーゴを空爆したNATO(北大西洋条約機構)の策略と思っているという。「私はNATOの囚人だ」「歴史がいずれ判決を下す。最終的な判決は(ユーゴへの貢献を)正しく評価するだろう」とも語っている。
 同氏の弁護団は政令を「違憲」として憲法裁判所に異議を申し立てている。
 前大統領は4月、職権乱用などの容疑で国内で逮捕された。戦犯法廷からはコソボ自治州での虐殺などに関与した罪で起訴されている。ユーゴ政府が戦犯被告の引き渡しを可能にする政令を閣議決定したため、移送の時期が焦点となっている。[2001-06-28-20:02] 164
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 06/28@<ユーゴ支援国会合>米政府が出席を表明(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】米政府は27日、ブリュッセルで29日から開かれるユーゴスラビア支援国会合に出席することを明らかにした。米国はこれまで、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)が起訴したミロシェビッチ前ユーゴ大統領の身柄引き渡しを求め、支援国会合に出席するかどうか態度を保留していた。
 リーカー国務省副報道官によると、パウエル国務長官は26日、ジンジッチ・セルビア共和国首相と電話で会談し、ユーゴ側が「戦犯のハーグへの移送と国際的な法的義務の履行」に努めることを確約したため、支援国会合への出席を決めた。
 ユーゴ側は支援国会合で13億ドル以上の支援獲得をめざしており、米国の出席を強く望んでいた。リーカー副報道官は、ユーゴ側が前大統領の身柄引き渡しの約束を果たした時のみ支援を実行すると強調した。 [2001-06-28-18:40] 165
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 06/28@国際社会の介入深まる 展望見えないマケドニア(共同通信)

 【ベオグラード28日共同】アルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」との紛争終結に向けた和平交渉が行き詰まったマケドニアで、欧州連合(EU)がレオタール元フランス国防相を特別代表として派遣することを決めるなど国際社会が政治介入の度合いを強めている。
 背景には、少数派アルバニア系住民との対立だけでなく、多数派スラブ系マケドニア人からもトライコフスキ大統領退陣を求める暴動が起きるなど、マケドニア政府が当事者能力を失いつつあるとの懸念が深まっていることがある。
 今月二十四日の首都スコピエ近郊アラチノボ村の部分停戦で、解放軍兵士が北大西洋条約機構(NATO)軍の協力で武器を所持したまま撤退。二十五日夜に議会前で停戦に応じた政府の対応に抗議するために集まったマケドニア人市民の中に武装した軍や警察の予備役が多数含まれていたことから、政権の治安組織掌握能力への不安が広がった。
 情勢悪化を受けてEU議長国スウェーデンのリンド外相は二十七日「より大きな国際的役割の受け入れ」をマケドニア政府に促し、EU調停の強化を示唆。これまで静観していた米政府も解放軍の資金調達を阻止する意向を表明した。
 政権内は和平交渉を最優先する大統領らに対し「軍による自力解決は可能」(ゲオルギエフスキ首相)と武力制圧を主張する強硬派とに割れている。マケドニアの情報機関幹部は「大統領が解放軍の要求を受け入れればクーデターを起こそうとする勢力が軍の内部にある」と指摘した。(了)[2001-06-28-17:05] 168
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 06/28@ユーゴ支援会議、米が代表派遣し経済支援へ(読売新聞)

 【ワシントン27日=永田和男】米政府は27日、ブリュッセルで29日に行われるユーゴスラビア支援国会議に代表を派遣し、ユーゴスラビアに対して、新規の経済支援を行うと発表した。ユーゴスラビア政府が、ミロシェビッチ前大統領(今年4月逮捕)を旧ユーゴ戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)に移送するための政令を公布したことなどを評価したもの。[2001-06-28-15:00] 169 [このページの最初に戻る]


 06/28@◎ユーゴ憲法裁、戦犯移送めぐり判断へ=前大統領側が違憲の(時事通信)

 【ウィーン28日時事】ユーゴスラビア連邦憲法裁判所は28日、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に対する戦犯被告引き渡しの手続きを定めた連邦政府の政令が違憲であるとの訴えに関して、判断を示す。
 憲法裁が24日に発効した政令について、憲法判断にまで踏み込むかどうかは不透明だが、事実上、引き渡し手続きの続行を容認する可能性が強い。その場合、コソボ紛争中の人道に対する罪で起訴されたミロシェビッチ前ユーゴ大統領の戦犯法廷引き渡しは確定的となり、身柄の移送は日時だけの問題となる。前大統領のハーグ移送阻止を目指す弁護団は25日、ユーゴ連邦憲法は国民の外国法廷への引き渡しを禁じていると主張、違憲の訴えを起こした。弁護団は、違憲の判断を勝ち取るまでに至らなくとも、憲法裁に審理を開始させ、引き渡しの先延ばしを図る戦術とみられている。 [時事通信社][2001-06-28-14:20] 171
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 06/28@ユーゴ支援国会議に米国が参加決定(朝日新聞)

 米国務省は27日、ブリュッセルで29日に開かれるユーゴスラビア連邦の支援国会議に米政府が参加を決めたと発表した。ユーゴ政府が国連旧ユーゴ戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への戦犯引き渡しに道を開く政令を決めたことを評価した。
 ミロシェビッチ氏の戦犯法廷への引き渡しを迫っている米政府は、ユーゴ政府が行動をとらない場合、会議に参加しない構えを示唆していた。米国の参加が決まったことで、ユーゴ政府が待望している国際的な経済援助の拡大に弾みがつく。
 ただし、国務省のリーカー副報道官は、具体的な支援額は議会と折衝中として明らかにしなかった。会議の中で公表するが、その予算執行は「ユーゴが戦犯法廷に完全に協力するかどうか今後の行動で決まる」と述べ、ミロシェビッチ氏の引き渡し実現まで圧力を弱めない構えを示した。
 米国は、ミロシェビッチ氏の逮捕を評価して4月に対ユーゴ2国間支援の継続を決めた。今回はそれに続く国際枠組みによる支援の決定だが、米議会には4月以降、まだ法廷に戦犯が実際に引き渡された例はないことから、慎重な声も強い。[2001-06-28-12:34] 172
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 06/28@<米国>ユーゴスラビア支援国会合に出席へ ユーゴ側の確約(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】米政府は27日、ブリュッセルで開かれるユーゴスラビア支援国会合に出席することを明らかにした。米政府はこれまで、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)が起訴したミロシェビッチ前ユーゴ大統領の身柄引き渡しを求め、支援国会合に出席するかどうか態度を保留していた。
 リーカー国務省副報道官によると、パウエル国務長官は26日、ジンジッチ・セルビア共和国首相と電話で会談し、ユーゴ側が「戦犯のハーグへの移送と国際的な法的義務の履行」に努めることを確約したため、支援国会合への出席を決めた。
 ユーゴ側は29日から開かれる支援国会合で、13億ドル以上の支援獲得をめざしており、米国の出席を強く望んでいた。副報道官は米国として巨額の経済支援を行う用意を表明したものの、具体的な拠出額は明言せず、ユーゴ側が前大統領の身柄引き渡しの約束を果たしたのを見定め、支援を実行すると強調した。
 ジンジッチ首相はパウエル長官に引き渡しを確約した可能性が強く、前大統領の身柄移送は時間の問題となってきた。 [2001-06-28-10:40] 173
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 06/28@◎セルビア議会が民営化法案可決=ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン28日時事】ユーゴスラビア・セルビア共和国議会は27日、市場経済改革の第一弾である国営企業民営化法案を可決した。
 民営化法は、電力・エネルギー、鉄道など公共性の高い分野を除いた国営企業を向こう4年間で民営化するもので、国営企業の70%の資本を「戦略的投資家」に売却することを見込んでいる。 [時事通信社][2001-06-28-09:14] 174
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 06/28@米ミサイル防衛計画を批判 ロ大統領補佐官(共同通信)

 【パリ27日共同】ロイター通信によると、ロシアのヤストルジェムブスキー大統領補佐官はパリで二十七日、記者団に対して「米国のミサイル防衛計画は、経済上の利益に基づいている」と述べ、ブッシュ米政権を批判した。
 補佐官は「計画によって、米国は唯一の超大国の地位を維持することを狙っているだけであり(米国が『ならず者国家』と呼ぶ)朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やパキスタン、リビア、イランは何ら脅威となってはいない」と、米計画の「不純さ」を強調。
 スロベニアでの米ロ首脳会談でもロシア側は不信感を強めたとし、ロシアとフランス、ドイツは米政権が進める弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改廃が軍拡競争を招くとの懸念を共有していることをあらためて指摘した。
 補佐官は七月一日からのシラク・フランス大統領のロシア訪問準備のため、パリを訪れた。(了)[2001-06-28-08:52] 175
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 06/28@派兵の用意と独首相 マケドニア(共同通信)

 【ベルリン27日共同】ドイツのシュレーダー首相は二十八日付のフランクフルター・アルゲマイネ紙とのインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)が今月二十日に決定したマケドニアへの派兵について「傍観者でいるわけにはいかない」と述べ、ドイツ連邦軍を参加させる用意があることを表明した。
 首相はその一方で、マケドニア政府軍とアルバニア系武装組織の和平が達成できるかどうか「十分検討する必要がある」と強調した。
 NATOはアルバニア系武装組織の武装解除を進めるため、部隊を派遣することにしている。(了)[2001-06-28-08:38] 176
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 06/28@違憲判断で28日初審議 政令でユーゴ憲法裁長官(共同通信)

 【ベオグラード27日共同】ユーゴスラビア連邦憲法裁判所のミルティン・スルディッチ長官は二十七日、ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)移送を可能にするユーゴ政令が違憲かどうかの初の審議を二十八日に行うことを明らかにした。
 長官は共同通信の取材に対し、違憲かどうかの判断は計三回の会合で最終決定されると述べたが、時期についての見通しは言及を避けた。
 前大統領の弁護団は政令の「違憲判断」と「執行差し止め」を要求したが、二十八日の審議では差し止め要求だけを検討する予定で、長官は「この決定は三十分から四時間という短時間で出る」としている。
 判断を下すのは定数七人の判事団。昨年十月のユーゴ政変などの影響で現在は判事が五人しかいないが、通常どおり四人の賛成で差し止めが実現するという。
 その後、政令が違憲かどうかの審議を行い、最終会合の投票で判断を下す。
 長官によると、同弁護団のほか、前大統領のセルビア社会党やベオグラード大学法学部の五十一人の教授陣も、今回の政令が違憲だとして判断を求めている。(了)[2001-06-28-08:36] 177
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 06/28@○マケドニア反政府勢力に制裁=送金、メンバーの入国禁止−(時事通信)

 【ワシントン27日時事】米政府は27日、マケドニア政府軍と対立するアルバニア系武装組織・民族解放軍に対する送金禁止などの制裁実施を発表した。民族解放軍が平和と安定を損ねているとし、同軍を「孤立させるため、可能な手段は何でも使う」と強く警告した。
 ブッシュ大統領は、米政府が指定した民族解放軍メンバーやその支持者らに対し、米国人が送金や輸出などの取引をするのを同日付で禁止する命令を出した。さらに、「地域の平和と安定を損ねたり、1991年以降に戦時の虐殺に加担したりした人物」の入国も禁止した。 [時事通信社][2001-06-28-07:01] 179
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 06/28@<アルバニア>安定化の兆し 総選挙、平穏に(毎日新聞)

 90年の共産主義独裁政権崩壊後、政治混乱が続く欧州の最貧国アルバニアで4年ぶりに行われた人民議会(1院制国会)選挙は24日、大きな混乱もなく初回投票を終えた。選挙結果は与党・社会党の優勢が伝えられている。99年春、ユーゴスラビア・コソボ紛争での大量の難民受け入れをきっかけに、欧米との協調路線を定着させたアルバニアはようやく安定化に近づきつつある。【ティラナ井上卓弥】
 選挙戦最終日の22日夜、2大政党の社会党と野党第1党・民主党はティラナ中心部のわずか1キロほどの距離を置いた場所で、同時に決起集会を開催した。
 長男(8)といっしょに社会党陣営の集会に参加した小学校教師のロベルトさん(42)は「カラシニコフ(銃)も軍服もない。政治集会に子供連れで出かけられるなんて夢のようだ」と笑った。
 97年初め、国民のほとんどが関係した「ねずみ講式投資組織」が破たん。暴徒化した群集が軍倉庫から武器を奪ってほう起し、アルバニアは無政府状態に陥った。以来、アルバニアの政治には銃が付き物だった。
 プレチ前公共経済・民営化相(43)は「コソボ紛争への対応で疲弊した後、欧州からの活発な投資によって、ビルや道路の建設などが盛んになった。国民が変化を実感し、将来に希望を持てる状態が生まれた」と語る。
 一方、東隣のマケドニアで激しさを増すアルバニア系住民とマケドニア人との民族対立への対応は、総選挙の争点にならなかった。社会党を「汚職の温床」と非難するベリシャ前大統領も、この点ではメタ首相の「中立維持」策に同調した。欧米の警戒する「大アルバニア主義」につながる隣国への介入が、投資や援助に悪影響を与えることを恐れ、アルバニアはマケドニア情勢から距離を置く傾向にある。
 武器密輸などを取り締まる内務省のダミアン・ジウヌリ国際犯罪対策担当部長(29)も「武器・弾薬の密輸摘発はこのところ減少している。コソボに十分な武器が蓄積されているということだろう」と述べ、「マケドニアのアルバニア系ゲリラ『民族解放軍』支援主体はコソボのアルバニア系住民」とみる。
 また、コソボで高まる民族主義がマケドニアに波及した今回の紛争について、アルバニア人の一部には「コソボの連中は自分たちがアルバニア圏の中心だと思い上がっている」(地元紙記者)との反発もあるようだ。
☆地下経済の繁栄
 アルバニア経済はコソボ紛争終結(99年6月)以後、年間7%を超える国内総生産(GDP)の成長率を記録した。首都ティラナには周辺住民の流入が続き、大型ビルやマンション、住宅の新築、道路改修などがいたるところで行われている。
 だが、「建設ブーム」は欧州企業の投資だけでなく、武器や麻薬、不法移民取引の収益に支えられており、地下経済の力は根強い。
 米国人用特別住宅に隣接するティラナ南郊の高台には、ホテルのような大邸宅が次々に建設され、一大高級住宅地に変わった。所有者のほとんどはコソボに隣接する貧しい北部地域から移住し、土地を占拠して建設を始めた人々だ。
 この地域には、北部住が進出したとみられている。97年の暴動で流出したカラシニコフ銃や、海外移住者が調達する対戦車砲やマシンガンなどの米英製最新兵器を、コソボ紛争前後にコソボ解放軍(KLA)に流して利益を得たというのだ。
 94年にティラナに移住し、後に家を建てたフスニさん(52)は、武器集積地だった北部国境地帯の山村の出身だ。隣接する邸宅の建設資金については「ドイツやギリシャに住む家族の送金と聞いた」と話したが、自身の資金源は「貿易だ」とだけ答えた。
 政府や国民の慎重姿勢にもかかわらず、地下経済の利害によって、アルバニアがマケドニアの民族紛争に巻き込まれる可能性は消えていない。
☆盗難車天国に変化
 欧州からの盗難車で成り立つアルバニアの自動車市場にも変化が見え始めた。昨年の販売に占める盗難車の割合は4割弱だという。
 アドリア海の港湾都市ドゥラス近郊には、今も陸揚げされた盗難車の展示場があり、欧州のナンバープレートを付けたベンツやBMWが何十台も並ぶ。だが、政府や国際刑事警察機構(ICPO)が取り締まりを強化し、見張り役の男は「最近もICPOの摘発があった」と不安そうだった。
 盗難車では国外に出られないことや、摘発強化でヤミ価格が上昇基調にあることが一般の新車志向を高めている。99年10月にオープンしたフォルクスワーゲンのチェスコ店長(40)は「アルバニア人客も増え始め、昨年10月からすでに約60台が売れた」という。
 アルバニアを有望市場と見る同社のほか、オペル、フィアット、現代などもティラナに進出している。 [2001-06-28-00:20] 180
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 06/28@ユーゴ前大統領の引き渡し、「時間の問題」とNATO(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)は27日の大使級理事会で、ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領の国連戦争犯罪法廷(オランダ・ハーグ)への移送は「時間の問題」との見方で一致した。報道官は「もはや、前大統領引き渡しの可能性が現実にあるかないかという問題ではなく、それがいつ起きるかというのが理事会の受け止め方だった」と述べた。
 ユーゴでは24日、国連の戦犯法廷への協力を優先する政令が発効し、前大統領ら戦犯容疑者16人の引き渡しが焦点だ。[2001-06-28-00:13] 95
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 06/29@前大統領の引き渡し「安定につながらない」 ロシア外相(朝日新聞)

 ミロシェビッチ前大統領の引き渡しで、ロシアのイワノフ外相は29日、イタル・タス通信に対し、「(引き渡しは)安定につながらない」と強調。「ユーゴの国内問題であり、外部からの圧力なしに決めるべきだった」とも述べ、暗に西側の圧力があったと批判した。
 また、今回の事態は民主勢力の間で対立が広がっていることを意味すると指摘。「連邦離脱をめざすコソボやモンテネグロの分離主義者を利することになる」と述べた。
 ロシアは昨秋、コシュトニツァ政権を承認する際も、西側からの圧力に強い抵抗感を示した。国際法廷でNATO(北大西洋条約機構)のユーゴ空爆が結果的に正当化されるのをロシアは警戒している。[2001-06-29-23:41] 349
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 06/28@<記者の目>都議選に見る変化の予兆 社会部・高橋龍介(毎日新聞)

 東京都議選の当選者127人の顔ぶれが紙面に並んだ翌日の26日、ロシア国営タス通信東京支局長のワシーリー・ゴロブニンさんと話をした。「ロシアの選挙では街頭宣伝用の選挙カーは非常に少ない。『イワノフ、イワノフ! よろしくお願いします』と、大音量でがなりたてられては、むしろ、こいつだけには票を入れない、となる」。それを聞きながら「政策はきちんと訴えるが、土、日曜は街宣車には乗らない。通勤の経験があるから、朝の駅頭でもおとなしく頭を下げている」と話した練馬区の若い候補を思い出した――。都議選取材で東京の路地裏を歩き回り、考えたことをつづってみる。
 たいした組織票もなく、土、日曜には街宣車に乗らない練馬区の無所属新人候補は落選した。選挙戦術を熟知する「玄人」からみれば「甘ちゃんだから落ちたのだ」となるのだろう。しかしそういう「素人」が立候補し、金も組織もない中で、自分なりの選挙をする状況が、日本でも生まれたことに注目したい。
 朝の駅での通勤者心理を知る選挙の候補者は、以前もいただろう。しかし分かってはいても、政党丸抱えの伝統的選挙戦術に絡めとられ、結局「いってらっしゃいませ」などと拡声器でわめかざるを得なかったのが、ほとんどではなかっただろうか。
 明後日は投票日という22日、練馬区内のラーメン屋のご主人と選挙の話をした。「そりゃ、しっかり仕事をする人に(票を)入れたいと思うけど、大音量で名前を連呼するだけじゃ何も分からないんだよ」とうんざりした表情だった。
 これは騒音への抗議ではない。有権者の中に生まれ始めた政治への関心に応えられない候補者へのいらだちである。
 兆しに過ぎないのかもしれない。しかし今回の都議選で、候補者にも有権者にも変化が起きたのは否定できないと思う。
 なぜ変わったのか。「ここ(東京)は地元の問題よりも国政の問題で動く傾向がある」と話す、ある候補者の選対幹部がいた。「これまでの首相と違い、小泉さんの話は分かりやすい。だから国会中継も面白いし、政治への関心もわいた」という喫茶店の経営者もいた。
 満足できる数字ではないものの、今回の投票率50・08%は前回より上昇した。しかも、自民党が勝った。政治への関心を呼び起こしたのが小泉首相の「改革」の叫びと明りょうな言葉づかいであることは確かだろう。
 今回の都議選を観察したゴロブニンさんも、変化の原因は小泉首相人気だという。そして「改革」を唱える指導者の出現と候補者・有権者の変化を、共産党解体に向かって突き進んでいった90年ごろのソ連の政治状況とダブらせている。
 「無味乾燥の選挙公報が印刷され、何も考えずに投票していた旧時代の選挙のあり方が崩れ、だれもが政治について語り始めたあのころと似ている」とゴロブニンさんは話した。
 「このままではだめだ」という国民の危機感。「改革」を主張する指導者への、つまりは政治への関心の高まり。自分のやり方で自分の考えを述べる候補者の出現。これらは互いに関連している。
 「小泉首相はゴルバチョフ旧ソ連大統領に似ている。両氏とも最初に改革を宣言しながら、党という古い組織を引きずっているからだ」とゴロブニンさん。ゴルバチョフ氏率いるソ連共産党は消滅した。だから、小泉首相が好むと好まざるとに関わらず、やがて自民党も解体する可能性があるのではないか。ゴロブニンさんはそう考えている。
 ゴルバチョフ氏の君臨したソ連が消滅した後の95年10月から4年半、私はエリツィン前大統領の下のロシアで特派員として働いた。「改革」という指導者の言葉が新聞やテレビにあふれていた。だが国民の暮らし向きは好転せず、紛争は続き、汚職や犯罪がはびこり、政治への失望が充満した。
 しかしその一方で、指導者が将来の展望を示すことができ、断固として改革に向け前進するなら、国民にはその痛みに堪える力があることも実感した。約70%という現在のプーチン大統領への高い支持率はそれを物語るものだ。
 保守派の抵抗を受けて改革は骨抜きになるのか。それとも強い指導力を発揮して国民の支持を維持できるのか――。「小泉流改革」の行方が気になる。 [2001-06-28-23:25] 361
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 06/28@<北アイルランド>IRAの武装解除期限が30日に(毎日新聞)

 【ロンドン笠原敏彦】英国・北アイルランド紛争の和平プロセスで、カトリック系過激組織「アイルランド共和軍(IRA)」の武装解除期限が30日に迫った。自治政府のトリンブル首相は期限までに武装解除がなければ首相を辞任すると表明しており、和平は再び試練を迎えている。
 ブレア英首相とアハーン・アイルランド首相は28日、ベルファスト入りし、危機の回避に向けて関係政党との集中的な協議に入る。
 IRAが武器放棄の動きを見せなければ、英政府の対応が焦点になる。(1)7月1日付の辞表を提出しているトリンブル首相の地位を守るため、自治を凍結して突破口を模索(2)辞任を受け入れ、新首相選出期間に定められた6週間で危機打開を目指す――の二者択一とみられる。
 北アイルランドでは6月の総選挙で、プロテスタントとカトリックの両勢力とも強硬派の政党が議席を伸ばした。特にトリンブル首相が率いるアルスター統一党(UUP)の支持低下は著しく、首相が武装解除で一層の譲歩を示せば党首の座を維持するのが困難な状況になっている。
 和平推進派のトリンブル首相が辞任すれば、プロテスタント系強硬派が台頭し和平の枠組みそのものが危うくなる可能性がある。
 自治政府は和平合意に基づき99年12月に発足。英政府は昨年2月、武装解除問題をめぐって自治を凍結したが、同5月に新たな武装解除期限を今年6月末に設定し、自治を復活させた。
 IRAは昨年5月「武器を検証可能な方法で使用不能にする」との方針を示し、武器庫数カ所の査察に2度応じたが、プロテスタント側が求める武器の引き渡しや廃棄は拒否し続けている。 [2001-06-28-19:35] 362
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 06/28@ウクライナに分裂の胎動も 反ロシア根強い古都リビウ(共同通信)

 「帝国主義ロシアが、ウクライナを再び支配下に置こうとしている」―。ポーランドなどに近いウクライナ西部の中心都市リビウ。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世(81)の訪問にわく古都は、歴史的に反ロシア感情が強く、首都キエフとはたたずまいも異なる。ウクライナへの影響力回復を図るロシアのプーチン政権とは距離を置き、独自性を保とうとする姿勢が街角から垣間見られる。
 リビウ中心部の小さな路地。住所を示す街頭のプレートには「ジョハル・ドダエフ通り」。ロシアからの独立を主張、第一次チェチェン紛争で一九九六年に戦死したドダエフ・チェチェン大統領をたたえ市当局が翌年、改称した。
 ウクライナの民族主義政党ルフのリビウ州支部指導者アンドレイ・パルビー氏は「欧州の文化、民主主義の伝統を持つリビウ市民は、ロシアからの独立戦争を戦っているチェチェンに対し、強い親近感を抱いている。『敵の敵は友人』なのさ」と話す。
 伝統建築をそのまま残したリビウ市街は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定されており、狭い石畳の路地にたたずむと、中世の欧州の小都市に迷い込んだかのような錯覚を覚える。カトリック教会の尖塔(せんとう)が大空に向かって突き刺すように伸び、初夏の並木の緑が目にまぶしい。
 十四世紀にポーランドやリトアニア、十八世紀末にはハプスブルク帝国の支配を受けたリビウと、キエフ・ロシア国家発祥の地であるキエフなどロシア帝国の支配を受けた東部との違いは歴然だ。
 ロシアを除き欧州最大の面積を誇るウクライナのクチマ政権は、低迷する経済、政治危機の中、最近、親ロ路線に転換したが、これに対し米国もラムズフェルド国防長官を派遣するなど、ロシアの影響力の拡大阻止に懸命。ウクライナが新たな欧州安保の焦点となる可能性もある。
 「ようこそパパ(法王)」。リビウ郊外で開かれた二十七日のミサでは信者約五十万人が法王を熱狂的に迎えたが、正教信者が多いキエフでは、参加者も半数以下でやや冷めた雰囲気すら感じられた。二都の温度差は、将来の東西ウクライナ分裂の胎動を暗示しているようだ。(リビウ共同=及川仁)(了)[2001-06-28-19:30] 380
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 06/28@「日本外交は腰抜け」中3試験に持論出題 教諭厳重注意(朝日新聞)

 東京都江東区立深川第三中学校の男性教諭(46)が、中間テストの出題の中で日本政府の外交姿勢を「腰抜け外交」と批判し、江東区教育委員会から「公務員として信用失墜に当たりかねない」と厳重注意を受けたことがわかった。
 出題があったのは、3年生199人を対象に5月8日に実施した社会科の歴史的分野のテスト。
 第2次世界大戦後の日本について取り上げた問題の中で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の拉致疑惑や台湾の李登輝前総統へのビザ発給、歴代首相の靖国神社参拝問題について「どれをとっても腰抜け外交といわれている」と説明した。
 また、金正日総書記の長男とみられる男性が偽造パスポートで入国しようとした事件についても「政府は、逮捕もせず、帰国させた。拉致問題を解決する絶好のチャンスを逃したと先生は思う。政府は拉致問題を真剣に考えているのか疑問である」と持論を展開した。
 5月16日に保護者から区教委に手紙があり、区教委は「中立公正を守るべき公務員として信用失墜に当たりかねない」として校長と教頭を呼んで注意を促すとともに、教員の処分権をもつ都教委に報告。約1カ月間経過を観察したうえで、27日にこの教諭を口頭で厳重注意した。
 教諭は「配慮が足りず、申し訳なかった」と釈明したという。[2001-06-28-15:10] 391
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 06/28@<国連エイズ総会>基金実現へ問題山積 先進国、足並みに乱(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連エイズ特別総会は国連加盟国の総意として、「世界エイズ・保健基金」の設立支持をうたって閉幕した。だが、現実に資金を拠出する先進国の足並みはそろわず、途上国側の受け入れ準備も進んでおらず、将来に向け、課題が山積しているといえそうだ。
 基金は当初、エイズだけを対象とする予定だったが、各国が協議した結果、マラリアと結核対策も含むことになり、現在の名称になった。
 総会が採択した政治宣言は、各国の総意で基金の設立を「支持する」という表現にとどまっている。これは、現実に基金を作るのが資金提供者の先進国だからだ。
 先進国側は7月のジェノバ・サミットで、本格的な議論を行うが、基金の性格、運営方法などをめぐって、早くも議論が噴出している。国連は年内の成立を目指しているが、実際には相当の時間がかかりそうだ。
 基金の規模についても、国連は数十億ドル程度を見込んでいるが、米国や英国は2億ドル、日本はまだ「相当額を拠出する」としか説明していない。
 総会は、基金も含めてエイズ対策には70億から100億ドルが必要だと説明しており、総会の立てた戦略・目標が計画倒れになる危険もある。
 基金やエイズ対策資金の約半分は感染予防に、残り半分が治療などに回される。総額の半分以上は、サハラ以南のアフリカ諸国に送られる見通しだ。
 しかし、これらの国の中には、エイズのまん延や貧困などが原因で、行政機構がマヒしているところも多い。資金を効果的に使うために、途上国側の受け入れ体制の整備も必要になりそうだ。 [2001-06-28-12:45] 393
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 06/28@<死刑>米でのドイツ人被告の執行は人道違反 国際司法裁判(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)は27日、米・アリゾナ州で99年に執行されたドイツ人被告の死刑が人道違反を規定した「国際人権規約」に反するルールで行われたとして、ドイツが米国の不当性を訴えていた裁判で、ドイツの訴えを認めた。
 今回の判決は外国人が他国で犯罪を起して死刑が執行される際に、司法裁の仮保全命令があれば、執行が一時停止されるとの見解を示したことを意味する。国際法的にこれまで見解があいまいだった仮保全命令の法的拘束力を認めた点で画期的ともいえる。
 被告は82年のアリゾナ州で起こった銀行支店長の殺害に問われたドイツ国籍の兄弟2人。同州地裁は死刑を宣告し、99年2月末に1人が執行された。2人目の執行前日になって執行を知ったドイツは同規約に定めた地元領事への米国からの通告がなかったとして不当性を訴え、司法裁は執行の一時停止に向けた努力を求めた仮保全命令を出したが、執行された。
 死刑を「人道違反」ととらえる欧州などにとっては有利な解釈が出きる判決で、死刑制度がある米国や日本に対して緊急措置を求める行動や非難の声を後押しする形となりそうだ。
 欧州では、国連の国際人権B規約の第2選択議定書(死刑廃止条約)が発効した91年以降、欧州連合(EU)加盟国を中心に死刑廃止が進み、今後EUへの加盟を望む中東欧諸国も死刑を廃止している。先週は欧州会議(仏・ストラスブール)による死刑反対会議が開かれ、日米などの死刑の違法性を訴えた。
 ブッシュ米大統領が先の訪欧に先だってオクラホマ州の連邦ビル爆破犯を連邦政府レベルでは38年ぶりに死刑を執行したことで、一層、判決が注目される結果となった。 [2001-06-28-12:25] 396
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 06/28@<国連エイズ総会>世界エイズ・保健基金の設立支持をうたい(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】地球規模でエイズ対策を考える初の国連エイズ特別総会は27日、「世界エイズ・保健基金」の設立支持を盛り込んだ政治宣言を採択、エイズの感染予防・治療に向けた大きな枠組みを作って閉幕した。7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)で引き続き協議し、基金の年内設立を目指す。 
 各国は政治宣言の採択を受け、03年までにエイズと闘うための国家戦略・目標を策定することになった。エイズ対策に年間70億〜100億ドルが必要との認識で一致、今後も国連が中心になり、各国政府や民間企業に支援を要請していくことになった。
 政治宣言ではまた、「母子感染の防止」「エイズ感染者の人権保護」「エイズによって親を失った孤児の保護」「抗エイズ薬の価格引き下げ」などを進めることもうたわれ、包括的なエイズ対策を各国が連携して行うことになった。 [2001-06-28-11:35] 400
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 06/28@世界エイズ保健基金創設など宣言採択…国連特別総会(読売新聞)

 【ニューヨーク27日=松浦一樹】25日からニューヨークの国連本部で開かれていた国連エイズ特別総会は27日夜(日本時間28日朝)、「世界エイズ保健基金」(仮称)の設立などをうたった宣言(103項目)を全会一致で採択し、閉幕した。
 世界エイズ保健基金は、アナン国連事務総長が提唱したもので、日本をはじめ米、英、仏などが拠出の方針を表明している。今後、7月下旬、イタリア北部のジェノバで開催する主要国首脳会議(サミット)などで、基金の具体化などを討議することにしている。
 宣言は、「世界の危機に、世界規模の行動で対処する」と規定、深刻化するエイズ問題に緊急の取り組みが必要であるとの認識を強調した。「予防」「治療」「人権」「研究開発」「財源」などの分野別に、各国政府、または国際・地域機関が達成すべき目標を掲げており、エイズ対策への年間世界総支出については、「2005年までに、70億―100億ドル規模に達するようにする」としている。
 また、予防策としては、15―24歳の若年層に対するエイズ教育を行うことを重視。「2010年までに若年層の95%がエイズ教育を受けられるようにする」との目標を設定した。エイズで親を亡くした孤児たちの支援強化なども盛り込んだ。
 ◆宣言の要旨◆
 【ニューヨーク27日=松浦一樹】国連エイズ特別総会で27日採択された宣言の要旨は、以下の通り。
 政府の指導▽エイズ対策には政府の指導力が不可欠▽2003年までにエイズと闘うための国家戦略と財政を備え、実行する 予防▽15―24歳の男女の感染を25%減らす年限を同年までに定める▽2010年までに若年層の95%がエイズ教育を受けられるようにする▽同年までに母子感染を半減させる ケア・治療▽2003年までに保健制度を強化し、抗エイズ薬の支給や価格に配慮し、最高水準の治療を提供できるよう努力する 人権▽同年までに感染者・患者に対する差別撤廃、人権擁護のための法規制を強化する 孤児▽2005年までに感染孤児らを支援する政策を立案・実行する 研究開発▽エイズワクチン開発のための研究を促進し、投資を増やす▽関連技術移転のため、南北協力関係を強化する 財源▽2005年までに(世界的な)エイズ対策への年間支出を総額70億―100億ドルにする▽「世界エイズ保健基金」創設を支持。基金への資金拠出を各国、製薬会社を含む財界などに呼び掛ける [2001-06-28-10:51] 401
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 06/28@<環境会議>非公式閣僚会議が全体会議の討議に入る ハーグ(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】7月の気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合に向けて、オランダ・ハーグで開かれている非公式閣僚会議は27日、100カ国以上の締約国が参加して全体会議の討議に入った。地球温暖化対策の「京都議定書」をめぐる欧州連合(EU)や米国、日本、発展途上国の立場は従来通りで、今会議での実質的な意見の一致は難しい情勢になっている。
 全体会議ではCOP6のプロンク議長(オランダ環境相)が今月11日に示した新調停案をもとに意見交換。初日は、途上国参加のための先進国による資金援助や技術協力について集中討議した。
 先進国側が、議定書では二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減義務がない途上国に対する巨額の資金援助に慎重姿勢を示した。これに対し、途上国側は支援は不可欠とし、対立した。最終日の28日はCO2の森林吸収や削減実施の監視体制、COP6再開会合の運営方法などについて意見交換する。
 各国の一般演説の中で川口順子・環境相は「日本は02年までの京都議定書の発効を目指している。COP6再開会合(ボン)の成功に向けて全力を尽くすが、そのためには米国の参加が重要。建設的な参加ができるよう働きかけたい。成功には各国ともに柔軟に話し合う姿勢が必要だ」と語った。日本は27日の会議の合間を縫ってプロンク議長やイタリア、ドイツ、ロシアなどとも個別に会談した。
 プロンク議長は同日夕、記者団に対して「誰もがボンの再開会合で話し合いが決着することで一致している」と期待を述べた。 [2001-06-28-10:30] 402
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 06/28@エイズ政治宣言を採択し閉幕 国連特別総会(朝日新聞)

 エイズに関する初の国連特別総会は27日夜(日本時間28日午前)、いま3600万人以上の感染者がおり、なお広がっているエイズ禍に対し、地球規模で取り組むための具体的指針となる「エイズ政治宣言」を全会一致で採択して閉幕した。宣言は「グローバルな健康基金の設立を支持する」ことを確認。また、政府、NGO(非政府組織)、企業などが一体となって03年までにエイズ予防、治療などに関する国家予防戦略を打ち立てることを確認した。
 基金は7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)の主要議題として取り上げられる。国連の試算では、05年までに年間70億〜100億ドルの対策費が必要になる。現時点での途上国へのエイズ関連支援は2国間援助を中心に約20億ドル。4、5倍の費用をどう作り出すか。サミットでの対応が注目される。
 総会には189の国連加盟国代表を始め、NGO、エイズウイルス感染者など約3000人が参加した。アナン国連事務総長は同日の会見で「世界はエイズ禍の深刻さに目覚めた。基金はジェノバ・サミットでの大きな拠出を期待し、年内には発足させたい」と述べた。
 宣言は、エイズ禍への取り組みとしてまず、「国連、政府、市民社会、経済界、企業のリーダーシップと共同参加」の必要性を強調。(1)03年までに若者の感染率を25%減らすための国家目標をつくる。05年までにコンドームの普及など、だれもがエイズ予防計画に参加できるようにする(2)ケア、治療対策として、03年までに各国が戦略をつくり、感染者が治療薬を入手しやすくするよう製薬会社も対応する(3)ウイルス感染者あらゆる差別をなくすため、03年までに法整備などを強化する――などが盛り込まれた。[2001-06-28-10:24] 405
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 06/28@10億ドル規模でスタートへ グローバル・エイズ基金(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】国連エイズ特別総会で最大の関心を集めた「グローバル・エイズ基金」は各国から拠出の表明が相次ぎ、今年末には少なくとも十億ドル規模で発足、運営される見通しだ。
 これまでに米国や英国、フランス、ノルウェー、スウェーデンなどの先進各国が具体的な拠出額を表明。さらに、国際オリンピック委員会(IOC)やマイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が主宰する財団などのほか、ナイジェリアやケニア、ウガンダといったアフリカ諸国も拠出額を発表し、合計約八億ドルの拠出が固まった。
 日本やイタリアなど残る先進国は、来月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)で数億ドル規模の拠出を打ち出す見込み。
 国連エイズ合同計画(UNAIDS)が当初想定していた資金規模は二十億―三十億ドル。運営方式などの詳細は今後、先進七カ国が中心になって構成する作業部会などで詰めることになる。(了)[2001-06-28-09:25] 406
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 06/28@問われる処方せんの実行 重い先進国側の責任 国連エイズ総(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】国連エイズ特別総会の政治宣言は、エイズ撲滅に向けて国際社会が対応するべき項目を示した処方せんであり、今後は先進国側がどう実行していくかが問われることになる。
 総会の最大の成果は「グローバル・エイズ基金」の創設を支持、その基本的方向性を打ち出したことに加え、製薬会社を巻き込んでエイズ被害が最も深刻なサハラ砂漠以南のアフリカ諸国などにとっては高価すぎるエイズ治療薬の価格引き下げ努力に言及したことだ。
 その一方で、文化や宗教的な違いが合意文書の取りまとめを複雑化させ、紛糾するケースはこれからも多くの国連会議で予想されそうだ。
 政治宣言について、国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピオット事務局長は「期限付きの具体的目標が並んだ」と述べ、国連外交筋も「具体性があり、この種の宣言では画期的」と評価。その象徴がアナン国連事務総長が提唱したエイズ基金であり、各国やメディアの関心を高めるのに一役買ったのは間違いない。
 こうして盛り上がった国際世論を「持続的なエイズ対策」(同宣言)にどうつなげるか、特に日本をはじめ先進国の責任は重いはずだ。(了)[2001-06-28-09:18] 409
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 06/28@エイズ、中東和平に意欲 2期目確定の国連事務総長(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】国連安全保障理事会で二十七日に二期目続投が承認されたアナン国連事務総長は同日記者会見し「私に寄せられた信頼と支持に感謝している」と述べ、エイズ対策の強化や中東和平の促進などに努めると抱負を語った。
 アナン氏は、当面の目標として国連エイズ特別総会で幅広い支持を集めた「グローバル・エイズ基金設立のための活動を継続する」と述べた。
 中東和平については「地域指導者と毎日連絡を取っている」とし、イスラエルとパレスチナ自治政府の対立が続く「悲劇的な状況」を解決する決意を表明した。
 また二期目の「重要な活動目標」として昨年の国連ミレニアムサミットで採択され、国連平和維持活動(PKO)や安保理改革への努力強化などを柱とするミレニアム宣言を挙げた。
 アナン氏の来年から五年間の二期目続投は二十九日の国連総会で正式決定されるが、国連憲章では安保理が事務総長人事を握っており、アナン氏の再選は確定している。(了)[2001-06-28-08:39] 413
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 06/28@つくる会教科書著者を注意 「不適切なテスト」と東京都教委(共同通信)

 東京都江東区教育委員会は二十七日、テストの問題で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本人拉致(らち)疑惑について「政府は真剣に考えているか疑問だ」などと持論を展開した区立中学校の教員(46)に対し、「不適切なテストだ」として口頭で注意した。
 この教員は「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学公民教科書の執筆者の一人。
 区教委によると、テストは五月上旬に実施。社会科歴史分野で、第二次世界大戦後の日本について記述した文章を読んで設問に答える形になっている。
 文章で拉致問題や首相の靖国神社参拝などを取り上げ「(日本の外交は)腰抜け外交と呼ばれている。国益を考える考え方(ナショナリズム)を(中略)悪いことだと思う人たちがいるらしい」と記述。
 その上で、北朝鮮の金正日総書記の長男とみられる男が不正入国した事件を取り上げ「政府は逮捕もせず帰国させた。拉致問題を解決する絶好のチャンスを逃したと先生は思う。政府は拉致問題を真剣に考えているのか疑問だ」と主張している。
 五月中旬に区教委に疑問を投げかける手紙が届き、区教委が学校から事情を聴いていた。
 区教委は「見方がかたよりすぎており、テストとして不適切。校長にも指導させたが、念押しの意味で注意した」と説明している。
 この教員は区教委に対し「配慮が足りなかった」と話しているという。(了)[2001-06-28-08:10] 416
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 06/28@「日韓歴史家会議」設置へ 11月にソウルで第1回会議(朝日新聞)

 日韓の歴史学者たちが交流し、意見を交換する場として「日韓歴史家会議」が設けられることになった。両国外務省が支援し、今年11月、双方で50〜60人がソウルに集まって、第1回会議を開く。これだけの規模での研究交流は初めて。歴史認識の溝を埋めるため、長期的な視点で取り組むことになった。
 日本側の運営委員は木畑洋一・東大教授ら3人に委嘱され、韓国側は車河淳・西江大名誉教授が中心。韓国・朝鮮史、日本史研究者だけでなく、西洋史、中国史などからも参加し、広い枠組みの中で日韓史を位置づけようという試みだ。毎年日韓交互に開かれ、報告や討論内容は出版などの形で公表する。
 外務省は所管財団法人などを通じて予算を出すが、会議そのものは、世界的な学会組織である国際歴史学委員会の両国国内委員会による交流の形をとるという。
 日韓間では歴史認識問題が噴出するたび、歴史学者同士の交流や共同研究が必要だとうたわれてきた。去年5月には、両国学識者による委員会が日韓の歴史家による会議設置を両外務省に提言。教科書問題の再燃などを受けて、人選や内容の調整が進められてきた。
 運営委員の1人、宮嶋博史・東大教授は「すぐ教科書問題を取り上げるというのではなく、長期的な視点で相互の認識を理解することから始めたい」と話している。[2001-06-28-06:45] 425
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 06/28@<国連>アナン事務総長の再選を全会一致で承認 安保理(毎日新聞)

 【ニューヨーク野村隆宏】国連安全保障理事会は27日、アナン国連事務総長(63)の再選を全会一致で承認した。今週中に開かれる総会に、次期事務総長として推薦される。正式な決定は総会で行われるが、他に候補者はおらず、国連憲章では安保理に事務総長人事の決定権があるため、再選が確定した。任期は来年1月から5年間。アナン氏は、再選をめざす意思を表明していた。
 西アフリカ・ガーナ出身のアナン氏は、アフリカ諸国からの強い支持を基盤にしている。また、40年近い国連官僚としての経験があり、調整能力、実務能力への評価も高く、安保理常任理事国との関係も良好な状態だ。ガリ事務総長の時代に国連平和維持活動(PKO)担当事務次長を経験し、現在もPKOの強化を積極的に推進している。 [2001-06-28-00:20] 426
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 06/28@<東ティモール>コーヒーが暴落 収入源失う住民(毎日新聞)

 国家独立への準備が進む東ティモールで唯一の有望輸出品だったコーヒー豆が、国際市場の買い叩きに苦しんでいる。島内には無農薬で育った高級アラビカ種の木が何十万本も自生するが、世界的なコーヒーの価格競争で値が下がり続け、住民が出荷を拒否する事態にまで発展している。【エルメラ(東ティモール)で堀内宏明】
 中心都市ディリから山に向かって車で一時間も走ると、道の脇に真っ赤な実をつけたコーヒーの木が連なる。旧宗主国のポルトガルが20世紀初めに植えたものが、熱帯のジャングルで自然繁殖しているのだ。「100%有機森林栽培のティモール・コーヒー」には愛好家も多く、日本でも1キロ当たり2500円前後で販売されている。
 だが、住民の表情はさえない。小さな娘と一緒に裸足で実を摘むベラール・ソワレスさん(26)は「1キロ収穫して1000ルピア(約11円)。インドネシア統治時代と比べて3分の1まで下がった。山地の人々はコーヒーしか収入源がない。これ以上安くなれば、暮らせなくなる」と歎く。
 住民の怒りは集荷先の国家協同産業組合(NCBA)に向く。フランシス・ソワレスさん(29)は「私たちに職がないのをいいことに、集荷を独占するNCBAが買い値を下げている。住民はもう我慢できない。外国企業との直接取引も考えている」と憤慨する。5月には出荷を中止した約千人がディリの組合本部に押しかけ、暴動寸前の騒ぎも起きた。
 しかし、NCBAのレイス議長は真っ向から反論する。「価格の下落は、原油高騰による輸送コストの上昇と暫定政府の関税システムのせい。コーヒーの国際競争は厳しい。売れるものなら、いくらでも外国企業に売ればいい」と抗議に一歩も引かない構えだ。
 双方の激しい対立に、国連東ティモール暫定統治機構は救済措置を検討しているが、好転の見通しは立っていない。住民を支援する英国の非政府組織「オックスファム」は報告書の中で、「発展途上国のコーヒー農民が極貧生活にあえぐ中、国際コーヒー企業の利益は記録的に伸びている。不当な買い叩きが行われているのは明白だ」と指摘している。 [2001-06-28-00:20] 430
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 06/28@過去と対話する歴史を(朝日新聞)

 「新しい歴史教科書」が、書店に並んでいます。読んでみて、「そんなにひどくないじゃないか、と感じた」というあなたと、考えたいと思います。
 検定で多くの修正がなされた結果、そうした印象になったのかもしれません。それでも私たちは、この教科書は教室で使うには、ふさわしくないと考えます。
 教科書の前書きに、こうあります。「人によって、民族によって、時代によって、考え方や感じ方がそれぞれまったく異なっているので、これが事実だと簡単に一つの事実をくっきりえがき出すことは難しい」 無限にある事実の中で何を選ぶかで、さまざまな色の歴史を織り出せます。唯一絶対の歴史などありえないでしょう。
 ですが、一本いっぽんの糸が事実かどうかの吟味がなければ、歴史という織物は幻の物語になります。この教科書には、事実でない糸が混ざっています。例えば、昭和天皇は第124代、と記述されています。実在しない天皇も含めた数字です。
 「歴史を自由な、とらわれのない目で眺め、数多くの見方を重ねて、じっくり事実を確かめるようにしよう」ともあります。
 なるほど、従来の教科書が多様な見方を十分紹介したかを見直す必要はあります。
 教科書づくりの先頭に立った「新しい歴史教科書をつくる会」は、他社の教科書を一揆(いっき)など民衆の抵抗ばかり採り上げていると批判してきました。
 しかし、その結果できあがった教科書は「数多くの見方」どころか、終始、上から眺める視点で貫かれているのです。
 「歴史に善悪を当てはめ、現在の道徳で裁く裁判の場にすることもやめよう」と筆者は書きます。でも、それは過去を免責する言い訳でしかありません。
 昔の人の考え方を、価値判断抜きでただ伝えるのが歴史教育でしょうか。歴史に学ぶとは、過去の誤りを知り、その教訓を生かす力を養うことではないでしょうか。
 先行き不透明で自信を失いがちな今、「自国に誇りが持てる教科書を」という呼びかけにひかれる人は少なくないかもしれません。しかし、「日本人が日本の歴史をほめて何が悪い」と居直ってみたところで、不安がいやされはしないでしょう。
 あの戦争で、おびただしい数の国民が命を捨てさせられた。アジア諸国に攻め入り、大きな惨禍をまき散らした。それはなぜか。答えを探すことは、「日本人自身の自己回復」(つくる会の西尾幹二会長)にとっても、欠かせないと考えます。
 この地球では、どの国も一国だけでは生きていけません。未来を担う世代は、過去と、そしてほかの国々と対話を重ねることが大切ではないでしょうか。それを促すのが教科書であってほしい、と思うのです。
 そして、教科書を考えることを、次の世代に何を託したいのか語り合うきっかけにしたいものです。[2001-06-28-00:11] 434
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 06/28@<余録>エシュロン(毎日新聞)

 「賽(さい)は投げられた」と叫んで、兵を率いてイタリアとガリアの国境、ルビコン川を渡り、イタリアを制圧したカエサルは暗号が大好きだった▲スエトニウスの「ローマ皇帝伝」によると、カエサルは私信のなかで、他人にわからないように伝える必要のあるものは暗号で書いたという。アルファベットのaをDに、bをEにという具合に、3文字ずつずらして書いていく。他人が見れば意味のない、無秩序な文字の羅列にすぎない▲このずれをもとに戻すと、文章が現れる仕組み。カエサルは1行に平文のアルファベット、その下の1行に3字分ずらした暗号を書いて、対照したようだ。このカエサル式の暗号を2枚の円板の図案にしたのが米国家安全保障局(NSA)の証印だ▲NSAを軸に米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国が世界中の通信を傍受、分析するのが暗号名「エシュロン」である。つまり世界規模の盗聴組織。通信衛星を経由した日本大使館の情報はニュージーランドで傍受、エシュロン統括本部のあるNSAに送られる▲欧州議会のエシュロン調査委員会によると、NSAは対人地雷に反対していた英国のダイアナ元妃の資料を100ページ以上持っていたという。NSAは興信所みたいなこともしていたとみえる。地雷ばかりか核兵器、爆弾などの言葉があれば、エシュロンは聞き耳を立てて記録する▲米国の主婦が、電話のなかで子どもの騒ぐ様子を「爆発した」と形容したら、エシュロンは無造作に「テロリスト」と登録したという話がある。日本大使館が機密費を使って盛大に飲み食いしている様子も、外交情報としてNSAに記録、分析されているのかもしれない。カエサルの手前、恥ずかしい。 [2001-06-28-00:00] 435 [このページの最初に戻る]


 06/28@<クローズアップ>南北格差浮き彫りに 国連エイズ特別総会(毎日新聞)

 史上初めてエイズに議題を限定した国連エイズ特別総会は27日(日本時間28日未明)、世界が一つになって取り組む幅広い対策を盛り込んだ政治宣言を採択して閉幕する。毎年70億〜100億ドルを拠出する「世界エイズ・保健基金」の創設支持を打ち出したのが最大の成果であり、日本も「相当額を拠出する」と表明した。しかし、多くの先進国が具体的な拠出額を提示しなかった。大きな一歩を踏み出したが、エイズに苦しむ貧しい国と、資金援助を迫られる豊かな国の、立場や思惑の違いも浮かび上った。 【上村幸治(ニューヨーク)、松村由利子】
 ◇「援助を」大合唱
 政治宣言は、アナン国連事務総長が提唱したエイズ基金創設のほか、03年までにエイズと闘うための国家戦略、財政計画をつくることなどを目標に掲げた。対策の重点は、感染者の治療以上に「予防」に置かれている。次世代をエイズから守ろうという姿勢だ。
 この内容は事前の非公式協議でほぼ固まっていたもので、20カ国の大統領、首相を含む国連加盟189カ国代表(日本は森喜朗前首相)が集まった総会は事前の「期待」に応えたといえる。しかし会場での議論は、エイズに対する世界の姿勢が一枚岩ではないことも示した。
 昨年末のデータでは地球上に3600万人のエイズ感染者がいると推定される。この7割は、アフリカのサハラ砂漠以南に集中している。これらの諸国首脳は自国の惨状と資金援助を訴えた。
 ナイジェリアのオバサンジョ大統領は「(アフリカから)人間が消滅してしまうのではないか」と訴え、アフリカの抱える債務を帳消しにするよう求めた。
 南アフリカのチャバララムシマング厚生相は「(先進国から)小切手が郵送されれば満足できる」と発言し、アフリカ諸国代表から拍手を受けた。モザンビークのモクンビ首相は「適切な額の資金がずっと供給されないと、望んだ成果は得られないだろう」と語った。
 歯止めのない要求に、ポルトガルのサンパイオ大統領は「いくら資金をつぎ込んでも、政治家が指導力を発揮し社会が動かないと、エイズとの闘いには勝てない」と述べた。ノルウェーのシドネス国際開発相も「安い薬があっても現地の住民に届けないとだめだ。行政管理をきちんと行うべきだ」と、アフリカ諸国に国内政治・行政の立て直しを求めた。
 一方、米国のパウエル国務長官は「大きな国も小さな国も、豊かな国も貧しい国も、エイズに対してはみんな弱者だ。エイズによって分裂させられてはならない」と、両者の協調を呼びかけた。
 ◇女性の人権確保急務
 パウエル発言で埋め合わせをしなければならないような隔絶が実在するという現実。それは、HIV(エイズウイルス)治療薬の価格問題に象徴的に現れる。世界銀行は1人当たりの薬代について、3種の抗HIV剤を1年間服用した場合、英米で平均約2万3000ドル(約276万円)、途上国では1万ドル(約120万円)前後と試算する。日本の場合、血液製剤で感染した場合は無料、一般的な感染者でも自己負担はわずかだ。京都大の木原正博教授は「1日の生活費が1ドルを下回るような国では薬を買うのは困難だ」と指摘する。世界の現実は経済力が生死を分けている。
 エイズ総会には感染者代表や非政府組織(NGO)関係者も顔をそろえた。NGOからの参加者は約700人に上り、国連の内外で活発な提言をした。「エイズ対策には女性の人権確保が必要だ」「アフリカ諸国の債務を削減せよ」といった訴えも多かったが、最も目立ったのはエイズ治療薬の価格引き下げ問題での議論だった。しかし、意見は必ずしも集約されなかった。
 総会の宣言は、エイズ治療薬の価格引き下げが「重要」であり、エイズワクチン開発への投資と研究を「加速」すると表明した。「エイズ対策でこれほど大がかりに国際的な合意を得られたことはない。歴史的意義がある」(日本政府)というものの、宣言を具体的する取り組みはこれからだ。
 ◇生死握る「経済力」
 HIV感染の治療は、ウイルスの成熟を妨げる「たんぱく質分解酵素阻害剤」が米国で認可された95年以来、ウイルスの遺伝子の複製を阻止する従来の「逆転写酵素阻害剤」との併用療法が各国で普及し、治療効果は大幅に向上した。
 「カクテル療法」とも呼ばれる3〜4種類の薬剤の併用は、1種類だけの投与に比べてウイルスに耐性ができにくく、先進国では軒並み死亡者が激減した。東京大医科学研究所の岩本愛吉教授によると、日本でも現在ほとんどの感染者は通院治療で発症を抑えることができ、発症しても薬剤服用で免疫力を回復し、元気になる症例が多い。
 ただ、副作用による高脂血症などが問題になってきた。岩本教授は「米国では副作用による動脈硬化や心筋こうそくの心配も指摘されており、ワクチンなど代替治療の研究が必要だ」と話している。
 ◇政治宣言の要旨
 国連エイズ特別総会が採択する政治宣言の要旨は次の通り。
 一、製薬会社と協力しエイズ治療薬の価格を下げることが重要。
 一、03年までにエイズと闘うための国家戦略、財政計画を作る。
 一、15〜24歳の感染者をアフリカなどでは05年までに25%、国際規模で10年までに25%減らす。乳幼児の感染比率を05年までに20%、10年までに50%下げる。
 一、03年までに感染者の人権を保護するための法律を制定。女性を感染から守るための国家戦略を05年までに加速する。
 一、エイズ感染した孤児への支援環境を作る。
 一、エイズワクチン開発のための投資を増やし研究を加速する。
 一、05年までに70億〜100億ドルの資金を毎年拠出。世界エイズ・保健基金の設立を支持する。【上村幸治】 [2001-06-28-00:00]
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 06/29@ユーゴ前大統領、足取り弱々しく独房へ(読売新聞)

 【ハーグ(オランダ)29日=鶴原徹也】ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領は29日、オランダ・スヘベニンゲンの拘置所で一夜を過ごした。旧ユーゴ戦犯国際法廷のあるハーグから約2キロ。この拘置所の独房が、長期化の予想される審理期間中、元独裁者のすみかとなる。
 前大統領が移送されたのは同日午前1時過ぎ。各国の報道陣と周辺住民ら数百人が待ち構える中、無灯火のヘリコプターで拘置所内に降り立った。人道に対する罪に問われた元国家元首の身柄が、ついに同法廷に移されたのだ。「画期的瞬間だ」。住民の1人は感慨深げに感想を述べた。テレビカメラは、前大統領が2人の警護官に両わきを支えられ、施設内に入る姿をとらえた。その足取りは弱々しく見えた。
 ユーゴで今年4月、権力乱用容疑で捕らえられ、転落を味わった前大統領は、うつ状態で、血圧も高かったとされる。国際法廷はこのため、拘置所で健康状態を診断した。しかし、法廷報道官によると、前大統領には審理の障害となるような異常は心身ともに見られなかった。その後、起訴状の内容が前大統領に伝えられた。ユーゴ・コソボのアルバニア系住民の3分の1に当たる74万人の強制退去、婦女子を含む340人のコソボ住民の殺害など、1999年1月から5月にかけて、前大統領の命令によりユーゴ連邦軍とセルビア治安部隊が体系的に行った民族純化が犯罪か否か問われている。前大統領が出廷するのは7月3日の見通しだ。だが、法廷周辺は29日早朝から警備が強化された。警備陣を背に、各国のテレビ記者が入れ代わり立ち代わり、中継に立つ。
 前大統領は、その内容を独房内の衛星テレビで見ているかもしれない。独房には電話もファクスもあると伝えられる。人道に対する罪に問われた元独裁者への、人道上の配慮という。 [2001-06-29-22:48] 98
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 06/29@ミロシェビッチ前大統領の初出廷、7月3日に(朝日新聞)

 ハーグにある旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷は29日、ユーゴから移送されたミロシェビッチ前大統領が7月3日午前10時に初出廷すると発表した。
 この場で、コソボ自治州でのアルバニア系住民に対する殺人と迫害などの罪について、起訴状朗読と罪状認否が行われる。前大統領には30日間罪状認否の答えを留保する権利が認められている。
 前大統領が罪を認めれば、十分な証拠があることを条件に、ただちに判決などの日程が決められる。否認した場合は3人の裁判官のもとで審理が開始される。審理の期間は最高239日間と定められており、その後判決が言い渡される。有罪の場合、最高刑は終身刑だ。[2001-06-29-22:31] 99
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 06/29@ユーゴ、国際支援12億ドルに期待(読売新聞)

 【ベオグラード29日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国政府は、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の国際法廷引き渡しを強行したことで、29日の対ユーゴ支援国会議での総額12億5000万ドルの獲得に期待感を強めている。ただ、連邦の実質を担う共和国経済は疲弊しきったままで、支援獲得に成功したとしても、国民生活向上に直結する保証はない。旧ユーゴは解体開始前の80年代末、東欧の旧共産圏のなかでも、随一といわれる豊かさを誇った。だが、90年代に続いた民族紛争と、その報復措置としての国際経済制裁の影響で経済は悪化の一途をたどり、99年の北大西洋条約機構(NATO)による対ユーゴ空爆で最悪の状態に陥った。
 空爆直後の専門家の試算では、国際援助がない場合、楽観的に見ても、98年の工業生産レベルを回復するのに15年、89年のレベルに達するには45年が必要などとされた。
 ベオグラード市内には、空爆終了から2年を経てもまだ、破壊された国防省や内務省ビルが手つかずのまま、がれきの山となって残っている状態だ。
 さらに、国際支援とともに当局が重視するのは、対外債務だ。ユーゴの対外債務残高は推定122億ドルで、連邦中銀試算では、1998―2000年の平均年間輸出額の約4倍に相当するといい、支援獲得とともに、債務の繰り延べ交渉も急務となっている。 [2001-06-29-22:30] 100
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 06/29@6月30日付・読売社説(2)(読売新聞)

 [国際人道裁判]「歴史的決断の教訓生かしたい」 忌まわしい過去からきっぱり決別し、国際社会との協調で、疲弊した国家経済の再建を急ぎたいということだろう。
 それにしても、予想外の急展開であり、正面突破作戦ともいえるような勇断となった。
 ユーゴスラビア連邦・セルビア共和国政府が決断したミロシェビッチ前大統領の戦犯国際法廷への引き渡しは、超法規的決着を強く印象づけた。憲法裁判所が引き渡し政令の当否に最終判断する前に、その決断をしたためだ。
 背景にはユーゴの経済再建を本格的に進める支援国会議開催の条件として、欧米諸国が引き渡しを迫っていた事情がある。それにこたえる形で、このスピード解決となったといえるが、国民世論にも賛否があったことを考えれば、決して容易なものでもなかっただろう。
 ユーゴは昨年秋の民主化革命で、コシュトゥニツァ新体制で民主主義の新しい歩みを続けている。この決断のメッセージは、国際社会との協調路線で、さらに心機一転、国家の再出発を期そうという強い意志を示したものといえる。
 国際社会にとっても歓迎できる行動であり、その決意を支えるうえでも十分な対応が求められる。
 一方、この決断には、歴史的な重い意味があることも忘れてはならない。非道な独裁者の蛮行を国際法で裁こうという近年の国際社会の新政治潮流に呼応したものであるからだ。
 昨年秋まで十年以上にわたり独裁者として君臨してきたミロシェビッチ氏は、冷戦終結後、ユーゴで勃発(ぼっぱつ)した民族紛争の中で、過激なセルビア民族主義指導者として民族純化作戦を指揮してきた。その人道犯罪に対しては、国連が設置した旧ユーゴ戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)からすでに起訴されている。
 氏の犯罪については、これまで国内法で裁く方向で、検討されてきた。しかし、最終的にセルビア共和国のジンジッチ首相の主導で、国際法廷への引き渡しが断行された。憲法学者のコシュトゥニツァ連邦大統領は、国家主権に照らし、消極的だったとされている。
 その経緯も乗り越えたこの決着で元国家元首が史上初めて国際法廷に立つことになる。数年前、南米チリのピノチェト元大統領にも、同様な法的判断が英国で示された。が、ピノチェト氏は健康上の理由から国内裁判に移されている。
 そのため、ミロシェビッチ氏の国際裁判は国家最高指導者として第一号となる。ユーゴの国内情勢に影響は避けられないが、人道犯罪をめぐる国際社会の成果としてその教訓も生かしたい。 [2001-06-29-21:58] 101
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 06/29@<旧ユーゴ戦犯法廷>セルビア大統領が前連邦大統領を告発の(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ボスニア・ヘルツェゴビナ紙「ネザビスネ・ノビネ」は29日、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のミルティノビッチ大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷に「自ら出頭し、ミロシェビッチ前連邦大統領を告発する証言をすることで自分の罪軽減を交渉している」と報じた。ミルティノビッチ大統領はミロシェビッチ前大統領の側近で、前大統領と共に戦犯法廷に起訴されている。
 ロイター通信によるとミルティノビッチ氏の事務所は「大統領の02年までの任期遂行以外の話はない」とボスニア紙の報道を否定している。
 ミルティノビッチ大統領は昨秋の政権交代後、前大統領との距離を次第に置くようにして社会党副党首を辞任。コシュトゥニツァ連邦大統領の民主野党連合と協調し、現職にとどまってきた。 [2001-06-29-21:30] 102
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 06/29@ミロシェビッチ前大統領初公判、7月3日から(読売新聞)

 【ハーグ29日=鶴原徹也】旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷報道官は29日、読売新聞の取材に対し、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の初公判が来月3日午前10時(日本時間同日午後5時)から開かれることを明らかにした。
 同報道官によると、同日、法廷で起訴状が朗読され、ミロシェビッチ前大統領が罪状認否を行う予定。 [2001-06-29-21:28] 106
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 06/29@田中外相、ユーゴ訪問へ サミットに備え7月中旬(共同通信)

 田中真紀子外相は二十九日、ローマで七月十八日から開催される主要国(G8)外相会合出席に先立ち、ユーゴスラビアを訪問する意向を固め、日程調整を事務当局に指示した。
 バルカン半島情勢が外相会合の主要議題の一つになることを踏まえ、「事前に現地情勢を肌で知っておく必要がある」(外務省幹部)と判断した。
 十六日にもベオグラード入りし、コシュトニツァ大統領やスビラノビッチ外相ら政府要人と会談する方向で調整している。マケドニアで政府軍との衝突を繰り返すアルバニア系武装組織の拠点があるコソボ自治州にも足を伸ばし、国連代表者らから直接、現地情勢を聴くことも検討している。
 ローマでの外相会合ではバルカン半島情勢のほか、中東、朝鮮半島情勢も主要議題になる見通しのため、事務当局は外相の訪問先として中東も検討してきた。しかし、イスラエルとパレスチナ双方を訪問する必要があるため「出張期間が大幅に延び、参院選の応援日程に影響が出かねない」(幹部)として見送った。(了)[2001-06-29-20:15] 108
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 06/29@<ユーゴ>支援国会合始まる(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】経済苦境が続くユーゴスラビア連邦に対する支援国会合が29日、ブリュッセルで始まった。支援国はミロシェビッチ前ユーゴ大統領がハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷へ引き渡されたことを高く評価。今年度分として合計で約13億ドル(約163億円)が集まる見通しで、留保されてきたユーゴ支援が本格的に始まる。
 世界銀行と欧州連合(EU)共催の同会合には直前まで出席を留保していた最大の支援国・米国をはじめ、日本や欧州など約40カ国や国際機関が参加。ユーゴ連邦のラブス副首相は、前大統領の身柄を同法廷へ引き渡したと説明し、「われわれは過去と決別した。次はみなさんの番だ」と述べ、支援を呼びかけた。
 世銀は先月、前大統領の身柄引き渡しが実現すれば今後3、4年で40億ドルの支援が集まるとの見通しを示していた。集まった資金は政府の経常財政への支援、荒廃したインフラの整備などに充てられる。
 欧米は99年の北大西洋条約機構(NATO)による空爆終結後、旧ユーゴ各国のため、長期的な経済支援や復興開発などを行っている。だが、ミロシェビッチ政権が続いたユーゴだけは留保し、新政権に対して前大統領の戦犯法廷への引き渡しを条件に今会合開催を提示していた。
 ユーゴの対外債務は130億ドルに達する。欧州委員会報道官は「身柄引き渡しは大きなステップ。支援国も前向きに対応するだろう」と語った。 [2001-06-29-19:40] 110
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 06/29@ユーゴの復興策話し合う支援会議開く 12億ドル調達へ(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦の復興策を話し合う初の支援国会議が29日、ブリュッセルで開かれた。ミロシェビッチ前大統領引き渡しで本格支援の条件が整った。欧州連合(EU)や米国、日本など40カ国以上が支援額を表明し、年内に必要な12億5000万ドル(1550億円)はほぼ賄えそうだ。
 復興計画によると、道路、発電所、工場の再建、経済改革などに、今後3〜4年間で39億ドル(4850億円)が必要になる。
 01年の支援額を調整する今回の会議では、EUが援助予算などから計5億3000万ユーロ(約570億円)の支援を表明、大半が年内に支払われる見込みだ。ユーゴ政府によると、米国は1億8200万ドル(230億円)の支援を約束した。[2001-06-29-19:06] 111
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 06/29@◎ユーゴ支援国会合開く=経済再建に13億ドル確保へ(時事通信)

 【ブリュッセル29日時事】ユーゴスラビアへの支援策を話し合う国際会合が29日午前、ブリュッセルで始まった。参加するのは日本をはじめ米、欧州連合(EU)、ロシア、世界銀行などの国と機関。
 参加各国は米国が支援国会合出席の前提条件として要求していた旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)へのミロシェビッチ前大統領の移送・収監が実現したことを高く評価。このため、ユーゴは2001年分として約13億ドル(約1620億円)を確保する公算が大きい。 [時事通信社][2001-06-29-17:31] 113
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 06/29@ユーゴ支援国会合を開催 前大統領の移送受け(共同通信)

 【ブリュッセル29日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領の国際戦犯法廷への身柄引き渡しを受け、ユーゴへの国際的経済支援を約束する会合が二十九日、ブリュッセルで開かれ、参加国、国際金融機関がそれぞれの支援約束額を発表した。
 会合前に参加国の多くが、実際に資金を提供するには前大統領移送を条件とする方針を明らかにしていただけに、冬場を前に資金獲得が急務のユーゴ政府にとって大きな圧力となったことは間違いない。
 米国は当初、ユーゴ政府の移送に関する姿勢が十分でないとして参加に消極的だったが、二十六日に「支援実施はユーゴが戦犯法廷と協力することが条件」(国務省スポークスマン)として参加を決めた。
 欧州連合(EU)とともに会議を主催する世界銀行によると、二○○四年末までに経済復興と市場経済移行支援の必要金額は三十九億ドル(約四千八百億円)。世銀は、このうち今年中に必要な十二億五千万ドルの約束をこの日の会合で取り付けたい考えだ。
 多くは教師や医師への給与支払いなど政府の経常財政への支援、電力、温水暖房システムの復旧などに振り向けられる。(了)[2001-06-29-17:03] 114
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 06/29@ユーゴ政権崩壊の危機 前大統領移送で早期選挙も(共同通信)

 【ベオグラード29日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国指導部が二十八日、ミロシェビッチ前連邦大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)への引き渡しを強行したことに、コシュトニツァ連邦大統領や政権内の前大統領派が反発、連邦政府崩壊の事態も懸念されている。
 かつての親ミロシェビッチ派で、現在はコシュトニツァ大統領のセルビア民主野党連合(DOS)と連邦政府で連立を組む社会人民党(モンテネグロ共和国)は、前大統領移送に反発して連立離脱の意向を表明。連邦議会で、野党連合は単独では過半数を維持できないため、議会選挙の前倒しの可能性も高まっている。
 また、連邦政府が崩壊すれば、セルビア、モンテネグロの両共和国から成る連邦の枠組みにも影響を与えかねない。
 これに加え、昨年秋の大統領選で前大統領を破り、政権奪取に成功した野党連合内で、ジンジッチ・セルビア共和国首相とコシュトニツァ大統領との対立が激化している。
 戦犯法廷への協力姿勢を取り続けてきたジンジッチ首相は、前大統領引き渡しの決定について「連邦政府が機能していないための緊急措置」と主張。これに対し、前大統領を国内での裁判にかける意向を示していた民族派のコシュトニツァ大統領は「国家の法秩序を破壊する行為だ」と厳しく非難。
 共通の政敵だった前大統領が“国外追放”になったことで、皮肉にも寄り合い所帯の野党連合が解体しかねない情勢だ。(了)[2001-06-29-16:43] 115
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 06/29@国際刑事裁設置に追い風 米国の消極姿勢が難関(共同通信)

 【ハーグ29日共同】国際社会による戦犯の処罰は第二次大戦後の東京裁判、ニュルンベルク裁判の経験があり、現在も旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷、ルワンダ虐殺の特別法廷が開設されている。
 国家元首経験者が裁かれるのはミロシェビッチ前ユーゴ大統領が初めてで「結局は小者だけが裁かれる」というこの種の裁判への懐疑論を払しょく、常設的な国際刑事裁判所設置に向けて追い風となるだろう。
 戦犯裁判に対しては「戦争の勝者が敗者を裁くもの」との説得力を持つ批判がある。国際的な人権団体は「手をこまねいていれば戦争犯罪を追及できない」と反論するが、根本的な解決は戦争に勝った側がその都度、法廷を設置するのではなく、すべての国の同意であらかじめ国際刑事裁判所を設置しておくことだ。
 一九九八年にローマで設立条約が採択された国際刑事裁判所は戦犯法廷のあるハーグに設置の予定で、既にオランダ政府が用地選定作業を開始したものの、実際の設立のめどは立っていない。
 最大の障害は「ミロシェビッチを戦犯法廷に引き渡せ」と最も声高に主張した米国の消極姿勢だ。米国は平和維持活動などに参加した米軍兵士が他国から訴えられるのを懸念する。
 しかし「ミロシェビッチは裁くが、自国民が裁かれるのは拒否」では、手前勝手のそしりは免れない。訴追の条件を厳しくするなどして、米国を説得する努力が一層、求められる。
 今回、見逃せないのは、最終的に前大統領の身柄を法廷に引き渡し「国際的正義実現の里程標」(デルポンテ旧ユーゴ国際戦犯法廷主任検察官)を打ち立てたのは、民主的選挙で成立した「敗戦国」ユーゴの政府だったことだ。国際的正義のためには民主主義が欠かせないことが示された。(了)[2001-06-29-16:30] 116
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 06/29@因縁の日「6月28日」 ミロシェビッチ、英雄から戦犯へ(共同通信)

 【ベオグラード29日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領(59)が旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に引き渡された六月二十八日は、セルビア民族の祝祭日「聖ビトスの日」。同時に、前大統領にとっても因縁の日になった。
 一九八七年のこの日、セルビア共産主義者同盟党首として訪れたセルビア共和国コソボ自治州で、アルバニア系住民の急増に不安を強めていたセルビア人の群衆を前に「だれもあなたたちを殴るべきではない」と演説し、喝さいを浴びた。
 二年後のこの日は、オスマン・トルコに大敗した「コソボの戦い」(一三八九年)から六百年の記念日。今度はセルビア共和国大統領として再訪したコソボで、「セルビア人は勇敢で、戦いの方法を知っている」と熱弁をふるった。民族主義をあおるには最適の舞台設定だった。
 「六月二十八日」は第一次世界大戦の発火点でもある。セルビア人青年によるサラエボでのオーストリア皇太子暗殺事件(一九一四年)だ。
 そして二十一世紀最初のこの日。かつての独裁者を国際法廷の手にゆだねたジンジッチ・セルビア共和国首相も「聖ビトスの日」を意識していたに違いない。(了)[2001-06-29-16:29] 118
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 06/29@「ユーゴで裁判を」の声も 深夜にヘリで拘置所到着(共同通信)

 【ハーグ29日共同】「裁判はユーゴスラビアで行われるべきだ」―ミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領が移送されたオランダ・ハーグの拘置所前では二十九日未明、地元に暮らすセルビア人がユーゴ国旗を手に移送反対を訴えた。
 セルビア人マイケル・ジワノビッチさん(18)は「戦争は旧ユーゴで起きた。ハーグでミロシェビッチ氏を裁くのは正しくない」と、前大統領のハーグ移送に真っ向から異を唱えた。
 前大統領を乗せたヘリコプターが拘置所上空を旋回し始めたのは二十九日午前一時十五分ごろ。群青の夜空に黒く映った機体はごう音を響かせながら敷地内に着陸、一瞬のうちに移送を終えた。
 オランダ人には移送を歓迎する意見が多く、考古学者のルドラーク・デリゾニアスさん(58)は「正義はなされた」と喜んだ。しかし、マケドニア紛争にも触れ「ミロシェビッチの負の遺産はまだある」と声を落とした。(了)[2001-06-29-12:13] 119
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 06/29@ユーゴ、前大統領引き渡しで内政混乱は避けられず(読売新聞)

 【ベオグラード28日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国政府が28日、ミロシェビッチ前大統領を旧ユーゴ戦犯国際法廷に引き渡したことは国内に大きな衝撃となって伝わった。引き渡しは同政府が29日の対ユーゴ国際支援国会議を最優先して経済援助取り付けを狙ったものだが、連邦の安定を犠牲にしてまで、対ユーゴ空爆の中心だった米国の要求に従った形となっただけに、引き渡し反対派の反発は強く、内政混乱が続くのは確実な情勢だ。
 前大統領引き渡しを主導したのは、セルビア共和国のゾラン・ジンジッチ首相だった。民族主義穏健派のコシュトゥニツァ連邦大統領が憲法上、実質的な権限を持たず、民主ユーゴの精神的支柱となってきたのに対し、ジンジッチ首相は実際の政治・経済運営を握ってきた。
 民主ユーゴの緊急課題は経済再建にあるが、それに不可欠の経済支援は、すべてミロシェビッチ前大統領の処遇問題に条件づけられてきた。4月1日未明の前大統領逮捕も、米議会が援助継続の条件として3月31日を最終期限にしたことを受けて強行された。ジンジッチ首相らにとっては、前大統領のじゅ縛から一刻も早く解き放たれ、経済再建にまい進したいのが本音だった。 [2001-06-29-12:04] 120
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 06/29@ミロシェビッチ前大統領の身柄、国際法廷に(読売新聞)

 【ベオグラード29日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国政府は28日夕、コソボ紛争に絡むアルバニア系住民虐殺など「人道に対する罪」で旧ユーゴ戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)から起訴されていたスロボダン・ミロシェビッチ前連邦大統領(59)の身柄を同国際法廷へ引き渡した。前大統領は29日、ボスニア・ヘルツェゴビナのツズラ経由で北大西洋条約機構(NATO)軍機でハーグに到着し、戦犯国際法廷の拘置所に収監された。
 これにより、元国家元首が戦犯国際法廷によって人道に対する罪で史上初めて裁かれることになった。しかし、コシュトゥニツァ連邦大統領が引き渡しを非難したほか、引き渡しに反対してきた連邦政府連立与党のモンテネグロ共和国の社会人民党が連立離脱方針を固めるなど、ユーゴは連邦制を維持できるかどうかを含め、重大な局面を迎えた。 [2001-06-29-11:27] 121
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 06/29@<前ユーゴ大統領>経済支援約束する意向を示唆 米大統領(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】ブッシュ米大統領は28日、ミロシェビッチ・ユーゴ前大統領の国際戦犯法廷への移送について、「ユーゴを悲劇的な過去から明るい未来へ導こうとする新指導部の努力の表れ」と歓迎する声明を発表した。また「民主化と経済改革を続けるユーゴの人々を支援する用意がある」と述べ、ブリュッセルで29日から開かれるユーゴ支援国会合で経済支援を約束する意向を示唆した。米政府筋によると、1億ドル程度の支援を表明するという。
 ブッシュ大統領はさらに、ミロシェビッチ前大統領の身柄移送は「バルカンに悲劇と虐殺をもたらした者に、彼らは犯罪の責任を問われるというメッセージを送った」と述べ、前大統領と共に起訴された元ユーゴ要人を国際法廷で裁くことに意欲を示した。 [2001-06-29-11:25] 122
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 06/29@<前ユーゴ大統領>拘置所前に500人以上の市民集結 ハー(毎日新聞)

 【ハーグ森忠彦】ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の国際戦犯法廷移送には、同法廷の首席検察官や北大西洋条約機構(NATO)事務総長、仏大統領、英外相らが次々に歓迎声明を発表した。同法廷は来週にも前大統領の罪状認否など実質審理を始める予定だ。ユーゴ側の抵抗で阻まれてきた法廷での「コソボ紛争の精算」が、起訴から2年を経てようやく始まる。
 前大統領はボスニアの平和安定化部隊(SFOR)基地からNATOの軍用機でオランダのライデン郊外の基地に到着。ヘリコプターに乗り替え29日午前1時25分(日本時間同8時25分)、ハーグ郊外にある戦犯法廷の拘置所に入った。
 19世紀に作られた拘置所の前には500人以上の市民が集まり、前大統領の到着を待ち受けた。
 93年までボスニアにいた移民の少女アズラちゃん(10)は、紛争でおばや両親の友人などが殺されたという。ボスニアの国旗を振りながら「ミロシェビッチは許せない」と声を張り上げた。
 一方、ユーゴ移民の大学生(18)は友人らと一緒にユーゴ国旗を掲げ、「ミロシェビッチはユーゴで裁かれるべきだ。ここに運ばれるのはおかしい」と訴えた。オランダは多くの旧ユーゴ系移民を受け入れているが、前大統領の移送に対する反応は分かれた。 [2001-06-29-11:25] 123
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 06/29@<前ユーゴ大統領>身柄引き渡し実現 経済再建が真の理由(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ前連邦大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への移送は、欧米諸国がこれを事実上経済支援の条件としていた。最後はセルビア共和国のジンジッチ首相がすべてを振り切り、移送を実現させた。その背景には「外貨準備高3億8500万ドルに対し、対外債務130億ドル」という新生ユーゴの苦しい経済事情があった。
 ジンジッチ首相は、約13億ドルの経済援助を提示しているユーゴ支援国会合(29日)に合わせ、前大統領の移送を決断した。ユーゴ経済は10年に及ぶ紛争介入と国連制裁などの影響で、欧州最貧国のレベルに低下した。昨年10月にミロシェビッチ体制打倒を実現した新政権にとっては、米欧との協調路線を確立し、経済活性化に道を開くことが急務になっていた。
 一方、戦犯法廷は99年前大統領を同連邦コソボ自治州のアルバニア系住民弾圧の戦争犯罪で起訴した。しかし、コソボは「セルビア発祥の地」とみるセルビア人にとって「NATOは一方的にアルバニア系を支持した」と映る。99年にユーゴ軍が撤退したコソボではその後、逆にセルビア人への迫害が続き、NATOが行った「人道的介入」の土台が揺れている。その正当化のためにも「ミロシェビッチの罪の立証」が強く求められた。
 前大統領移送は経済支援を優先した見切り発車の形になったが、新政権内に大きなしこりを残す結果になった。今後、ユーゴの主権を重視するコシュトゥニツァ連邦大統領と米欧との一体化を目指すジンジッチ首相の間の溝は一層深刻になりそう。連邦政府の権限縮小につながる恐れもある。 [2001-06-29-11:25] 124
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 06/29@<前ユーゴ大統領>国際戦犯法廷に身柄引き渡し 人道に対す(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争で起きたアルバニア系住民への集団虐殺などで、オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷から「人道に対する罪」で起訴されていたミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領(59)の身柄が28日、セルビア共和国当局から同法廷当局に引き渡された。元国家元首として初めて国際戦犯法廷で人道に対する罪で裁かれる。同法廷の検察部門は有罪判決に向け、前大統領を厳しく追及する。
 不正蓄財などで逮捕され、ベオグラード中央刑務所に拘置中だった前大統領は北大西洋条約機構(NATO)軍機で空路移送され、29日未明、ハーグ郊外のスヘベニンゲン拘置所に収監された。
 ユーゴ連邦憲法裁判所は28日、戦犯法廷への引き渡しを可能にしたユーゴ政府の布告を一時差し止める決定を下したが、共和国政府はその直後に特別緊急閣議を開催。前大統領移送を決めた。
 セルビア共和国の決定は29日にブリュッセルで開かれるユーゴ支援国会合に向け、欧米諸国が要求していた身柄引き渡し要求に応じたといえる。
 ユーゴ憲法は国民の外国への引き渡しを禁じているが、ジンジッチ共和国首相は「主権国家への引き渡しではなく、国連機関への移送だ」との解釈を示した。
 また同首相は「国際社会からの新たな制裁に直面することを避けるには他に選択の余地はなかった」と述べ、支援国会合で経済再建に必要な金銭的支援を獲得するため、憲法裁の引き渡し停止命令を振り切っての決定である点を認めた。
 コシュトニツァ連邦大統領は移送を直接知らされておらず、「移送は違法だ」と不満を表明。セルビア政府と対立する形となっており、国内では政治的混乱も懸念される。 [2001-06-29-11:20] 125
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 06/29@ミロシェビッチ前大統領、国際戦犯法廷拘置所に到着(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦のセルビア共和国政府は28日、ミロシェビッチ前連邦大統領(59)を、国連の旧ユーゴ戦犯法廷に引き渡した。前大統領は29日午前1時20分(日本時間同8時20分)、同法廷があるオランダ・ハーグの拘置所に到着、直ちに収監された。国家元首だった人物が国際戦犯法廷で裁かれるのは初めて。セルビア側は援助を条件に引き渡しを迫る欧米に屈した形だが、ユーゴ国内では反発も出て、政局が不安定化している。
 前大統領は28日夕、ベオグラードの内務省施設で戦犯法廷の担当官に引き渡された後、ヘリコプターでボスニア・ヘルツェゴビナの米空軍基地へ向かった。その後、英軍機とヘリコプターでハーグの拘置所に到着した。
 同法廷のデルポンテ主任検察官は29日、「法廷にとっては重要な節目。だが、これは終わりではなく、正しい裁きのための長い道のりの始まり」とする声明を発表した。
 ユーゴの連邦憲法裁判所は28日に移送凍結命令を出したが、連邦を構成するセルビア共和国のジンジッチ首相はこれを無視する形で、23日に連邦政府が閣議決定した「引き渡し協力に関する政令」を根拠に移送を強行した。同首相は「戦犯法廷への協力をやめれば我が国の現在と未来に否定的な結果をもたらすことになる」と語った。
 これに対して、コシュトニツァ連邦大統領は「憲法にかなっていない」と反発。引き渡しに反対する数千人がベオグラード中心部で抗議集会を開いた。連邦政府の連立与党の一つ、モンテネグロ社会人民党は連立離脱を表明した。
 約13年間にわたって独裁を続け、相次ぐ紛争でユーゴ解体を進めた前大統領は昨年10月、独裁政治と経済苦境に不満を募らせた国民による「市民革命」で退陣。4月には職権乱用などの容疑で司法当局に逮捕された。
 欧米諸国は29日にブリュッセルで開かれる支援国会議を前に、10億ドル(約120億円)の経済援助にからめて前大統領の引き渡し圧力を強めていた。
 約10年にわたりユーゴ紛争の主役だった人物の引き渡しで、マケドニアやコソボなど火種を抱えるバルカン情勢は新たな段階に入った。[2001-06-29-11:03] 126
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 06/29@前ユーゴ大統領ハーグ移送 セルビア政府が電撃措置(共同通信)

 【ベオグラード29日共同=永田正敏】ユーゴスラビア・コソボ紛争で起きたアルバニア系住民の虐殺の首謀者として、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から「人道に対する罪」で起訴されていたミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領(59)の身柄が二十八日、セルビア共和国政府から国際法廷当局に引き渡された。
 前大統領は二十九日未明(日本時間同日朝)、ボスニア・ヘルツェゴビナ北部のツズラ経由で空路、ハーグに移送され、国際戦犯法廷用の拘置所に収監された。前大統領は元国家元首として初めて、国際戦犯法廷により人道に対する罪で裁かれる。
 セルビア共和国政府の措置は、二十九日にブリュッセルで開かれるユーゴ支援国会合に向け、欧米から出ていた身柄引き渡しの強い要求に応じたもの。しかし、コシュトニツァ連邦大統領は決定を知らされておらず、セルビア共和国政府の措置を「違憲だ」と非難。内政危機に発展する可能性もある。
 ユーゴ憲法裁判所は二十八日、前大統領の移送に先立ち、身柄引き渡しを可能にする連邦政府政令の一時凍結を決定。しかし、ジンジッチ・セルビア共和国首相は共和国政府の緊急閣議後、同政府が身柄引き渡しに関する管轄権を連邦政府から引き取ったと指摘した。
 前大統領は一九九九年五月、戦犯法廷からミルティノビッチ・セルビア共和国大統領らとともに起訴された。今年四月一日には権力乱用など国内法違反の容疑でセルビア警察当局に逮捕された。
 前大統領の初公判の日取りは未定。初公判までには、被告による弁護団の選任、起訴状のセルビア語への翻訳などの手続きが必要。(了)[2001-06-29-10:46] 127
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 06/29@テレビに電話、シャワーも ミロシェビッチ氏の独房(共同通信)

 【ロンドン29日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領が収監されたハーグの拘置所の独房は、テレビから電話、シャワーまで備わっている。
 二十九日付英タイムズ紙は、前大統領の独房は「ベオグラードの拘置所とは比べものにならないほど快適な環境だ」と伝えた。
 広さは十平方メートルだが、朝八時半から夜八時半までは房から出て台所、娯楽室、図書室、屋内・屋外運動施設を自由に利用できる。ユーゴの食品も買える売店まである。
 テレビは衛星放送でユーゴの番組から英BBC放送まで見られる。電話も二台あり、一つは弁護士との連絡用。もう一つは家族らとの通話用だが、こちらは当局にモニターされるうえ、四十ポンド(約七千円)相当のテレホンカードを月に一枚しかもらえない。
 もっとも、前大統領だけ特別扱いではなく、既に収監中の四十人近くの戦犯容疑者も同待遇だという。(了)[2001-06-29-10:42] 128
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 06/29@国連総長「過去と決別を」(共同通信)

 【ニューヨーク28日共同】ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に引き渡されたことについて、アナン国連事務総長は二十八日「罪を犯した人間が裁きを受けるよう国際社会が求めていることを示した」と述べ、移送決定を歓迎した。
 事務総長は「前大統領の引き渡しを機に、旧ユーゴ各民族が過去と決別し共存の道を歩むことを希望する」と述べた。(了)[2001-06-29-10:38] 129
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 06/29@経済最優先で超法規措置 連邦政府の弱体化鮮明に(共同通信)

 【ベオグラード29日共同=永田正敏】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国政府が二十八日、ミロシェビッチ前連邦大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)への引き渡しを強行したのは、翌日に迫ったユーゴ支援国会合を前に国際社会との協力姿勢を印象づけ、経済再建への援助を確保するのが狙いだ。
 最近、前大統領の起訴理由であるコソボ紛争での虐殺の証拠が相次いで明らかになり、引き渡しに賛成する国民が五割を超えたことで、経済復興を最優先にした「超法規的措置」への反発は押さえ込めるとの判断もあったとみられる。
 ユーゴ憲法裁判所が身柄引き渡しを可能にするユーゴ連邦政府の政令の執行の一時停止を決定した直後、セルビア共和国政府は独自に「戦犯法廷への協力」を決定。コシュトニツァ連邦大統領の事務所によると、大統領は移送実施を地元マスコミの報道で知った。
 前大統領を国内で裁判にかける意向を示していた大統領の孤立が鮮明になり、昨年秋の大統領選で団結してミロシェビッチ政権を崩壊に追い込んだセルビア民主野党連合(DOS)内の亀裂は決定的になった。
 さらに、連邦政府で民主野党連合と連立を組む社会人民党(モンテネグロ共和国)のブラトビッチ党首は、前大統領の移送を批判し、連立政権から離脱する意向を表明。連邦政府の弱体化は覆いがたく、政局の混乱は必至だ。(了)[2001-06-29-10:35] 131
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 06/29@交渉進展は当面期待できず ミサイル防衛でロシア高官(共同通信)

 【モスクワ28日共同】ロシア国防省高官は二十八日、米政権のミサイル防衛構想の詳細が未定であるため、イワノフ・ロシア国防相とラムズフェルド米国防長官との間の本格的な新安保協議が今年中に始まらないとの見通しを述べるとともに、ミサイル防衛をめぐる交渉の進展は当面期待できないとの見方を示した。記者団に語った。
 一方ロシア通信によると、セルゲーエフ大統領補佐官(前国防相)は、新安保協議の一環として両国国防省が今月末か七月初めに最初の会合を開催する見通しであることを明らかにした。実務協議になるもよう。開催場所は未定。
 ロシア国防省高官は今後の米ロ交渉について、本格交渉の前に米国がミサイル防衛構想の根拠とする「ならず者国家からのミサイルの脅威」をめぐる妥当性について話し合うのが先決と指摘した。
 ブッシュ米大統領とロシアのプーチン大統領は十六日、スロベニアの首都リュブリャナでの首脳会談で、ミサイル防衛問題や戦略核削減問題などについて話し合う新安保協議を国防相・外相レベルで開始することで合意していた。(了)[2001-06-29-09:51] 133
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 06/29@「悪夢から解放された」 歓喜と反発のユーゴ市民(共同通信)

 【ベオグラード28日共同】「ついに悪夢から解放された」―。ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に引き渡されたとのニュースが広がった二十八日夜、首都ベオグラードでは歓喜の一方で、「裏切り者」とセルビア共和国政府に反発する声が響いた。
 前大統領が四月の逮捕後に収監されていた拘置所を訪れた学生のニコラさん(23)は「この十年の出来事(内戦など)を早く忘れたい。ミロシェビッチを忘れたい」と安どの表情。経済学者のデヤンさん(39)も「裁判が始まれば内戦の真実が明らかになり、セルビア人は教訓を得ることになる」としみじみと語った。
 一方、前大統領支持者は拘置所前に約二百人、中心部の共和国広場には約三千人がそれぞれ集結。憲法裁判所の決定など法的手続きを無視して移送に踏み切ったユーゴ・セルビア政府は「裏切り者だ」などと叫び、抗議の声を上げた。
 一部の支持者は広場で撮影中のテレビ局の脚立を倒し、外国人記者らを殴るなど不満を爆発させた。(了)[2001-06-29-09:23] 134
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 06/29@国際正義実現の里程標 首席検察官(共同通信)

 【ハーグ28日共同】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷のデルポンテ首席検察官は二十八日、ミロシェビッチ前大統領の同法廷への移送について「国際正義の実現に向けた歴史的な里程標となった」とする声明を発表した。
 首席検察官はセルビア共和国政府の決定を称賛する一方で、移送は長い裁判過程の始まりにすぎないと指摘、関係各国のこれまでの協力に感謝した。(了)[2001-06-29-09:20] 135
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 06/29@「移送を称賛」と米大統領(共同通信)

 【ワシントン28日共同】ブッシュ米大統領は二十八日、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷へのミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領の身柄引き渡しが実現したことについて「ミロシェビッチのハーグ移送を称賛する。これは、バルカン半島に悲劇を生んだ人物は、その罪の責任を取らなければならないという明白なメッセージだ」と歓迎する声明を発表した。
 大統領はさらに「ベオグラードの指導者は、ユーゴを暗い過去から欧州の一員としての明るい将来に向かわせた」とし、「米国は民主化と経済改革を進めるユーゴの人々を支援する用意がある」と述べ、経済援助を実施する意向を表明した。(了)[2001-06-29-09:19] 136
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 06/29@欧州各国首脳が歓迎(共同通信)

 【ロンドン28日共同】欧州各国首脳は二十八日夜(日本時間二十九日未明)、ミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領の身柄移送について、ただちに歓迎の声明を発表した。
 ブレア英首相は訪問先の北アイルランドで「もし本当に彼が裁きの場に立つのなら大変な朗報だ」と言明。フランスのシラク大統領も「普遍的な良心の偉大な一歩であり、世界の法治と人権に対する多大な貢献だ」とする声明を発表した。
 シュレーダー・ドイツ首相は「ユーゴは戦犯法廷に対する困難な法的義務を果たした」と述べ、「国際社会は早急にユーゴの復興を支援すべきだ」と強調。欧州連合(EU)欧州委員会のブローディ委員長も「心から喜んでいる。最近の民主化の進展ぶりから、この日が来ることを信じていた」との声明を出した。(了)[2001-06-29-09:13] 139
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 06/29@「私は刑務所を移らない」 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード28日共同】「私は外国の利害のために刑務所を移ることはない」。旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)により身柄の引き渡しを求められているミロシェビッチ前ユーゴ大統領が、ベオグラードの中央拘置所で強気の構えを貫いていることが二十八日、分かった。
 拘置所を訪問したギリシャ共産党のストラティス・コラカス国会議員が明らかにした。
 記者会見した同議員によると、前大統領は「自分の業績を誇りに思っている。これからも理想のために闘う」と語り、「ユーゴの全国民が依然として北大西洋条約機構(NATO)の標的にされている」と訴えた。(了)[2001-06-29-08:10] 141
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 06/29@ユーゴ政令の執行一時停止 前大統領の移送で曲折(共同通信)

 【ベオグラード28日共同】ユーゴスラビア憲法裁判所は二十八日、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)にミロシェビッチ前大統領らを引き渡すことを可能にするユーゴ政府の政令について、違憲かどうかの判断を下すまでの間、執行を一時停止する決定を下した。
 憲法裁はまた、政府に対し、政令が合憲であることを証明する意見書を十五日以内に提出するよう求め、七月十二日に公開審理を行うと発表した。
 与党民主党は決定について、憲法裁判事が前大統領支持者ばかりだと指摘し、昨年九月の大統領選挙で前大統領の敗北を認めなかったのも同じ判事らだと批判する声明を発表した。
 ユーゴ・セルビア共和国のジンジッチ首相(同党)らは「戦犯法廷とユーゴ司法当局の直接協力」によって移送は可能との立場を表明しており、身柄移送をめぐる曲折が続きそうだ。
 一方、独立系ベタ通信によると、戦犯法廷からの移送要請書を受け取ったベオグラード地裁も同日、前大統領に関する法的手続きは「新たな司法判断が出るまで停止した」と確認した。
 同地裁は、前大統領の弁護団が要求していた移送を担当する司法関係者の忌避は却下。弁護団は同日、あらためて別の司法関係者の忌避を要求し時間稼ぎに出ている。(了)[2001-06-29-08:00] 145
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 06/29@ミロシェビッチ前大統領、国際戦犯法廷拘置所に到着(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国政府は28日午後(日本時間29日未明)、身柄の引き渡しを求められていたミロシェビッチ前大統領を、オランダ・ハーグにある国連旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡した。前大統領の身柄は29日午前1時20分、同法廷の拘置所に到着した。国家元首だった人物が戦犯法廷で裁かれるのは史上初めて。
 関係者によると、大統領はベオグラードの内務省施設で戦犯法廷の担当官に引き渡された後、飛行機でボスニア・ヘルツェゴビナの米空軍基地を経由してハーグに移送された。
 ブッシュ米大統領やシラク仏大統領、ブレア英首相などは相次いで歓迎の意を表明。一方、ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領は移送は憲法違反だと抗議した。[2001-06-29-03:05] 149
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 06/29@マケドニア問題EU特使がスコピエ入り(読売新聞)

 【ベオグラード28日=佐々木良寿】マケドニアからの報道によると、欧州連合(EU)のマケドニア問題担当の常駐特使に任命されたフランソワ・ロタール仏元国防相が28日、スコピエ入りし、任務を開始した。同特使は、主要政党による政治対話の促進を図る。 [2001-06-29-00:23] 250 [このページの最初に戻る]


 06/29@<チベット会議>中国共産党が7年ぶりに開催 開発加速を訴(毎日新聞)

 【北京・坂東賢治】29日の中国中央テレビによると、中国共産党は25日から27日まで北京で第4回チベット工作会議を開き、西部大開発の一環としてチベットの経済発展を急ぎ、チベット情勢の安定化を目指すことなどを確認した。同会議の開催は94年7月以来7年ぶり。中国が「チベット解放」と呼ぶ、人民解放軍のチベット進駐50周年を記念して開催された。
 会議には江沢民国家主席、李鵬全国人民代表大会常務委員長、朱鎔基首相ら政治局常務委員7人全員が出席。江主席は重要講話を行い、「チベットの盛衰は祖国と中華民族の命運と連結している」と強調、「チベットを現代化の先頭に進めさせるという偉大な目標を実現しなければならない」とチベット開発の加速を訴えた。 [2001-06-29-22:15] 252
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 06/29@「靖国神社に祭らないで」韓国人遺族ら国を提訴(読売新聞)

 第2次大戦中、旧日本軍に軍人や軍属として徴用された韓国人が、日本人の軍人らと一緒に靖国神社に祭られているのは人格権の侵害に当たるなどとして、韓国人の遺族ら計252人が国を相手取り、一緒に祭るのをやめるよう求める訴訟を29日、東京地裁に起こした。
 原告側代理人によると、一緒に祭るのをやめるよう求めた戦後補償訴訟は初めてという。
 訴えによると、原告側は「日本民族固有の神道を信仰していないのに、強制的に祭ったのは違憲」と主張。徴用中の未払い賃金など約24億6000万円の損害賠償とともに、死亡通知を受け取っていない遺族は、死亡した際の状況の調査や遺骨の返還なども求めた。
 記者会見した原告の李英燦さん(64)は「父を靖国神社に祭ることは、きっと父も望んでいない。裁判を通じて、日本人が自分たちの苦労をどれほどわかってくれるのかを知りたい」と語った。 [2001-06-29-22:04] 300
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 06/29@ジョイセフに国連人口賞 女性の健康向上で活動(共同通信)

 【ニューヨーク28日共同】国連人口賞授賞式が二十八日、国連本部で開かれ、日本の非政府組織(NGO)「家族計画国際協力財団」(ジョイセフ)が団体部門賞を受賞した。人口問題解決のための優れた貢献に与えられるもので、日本の個人、団体が受賞したのは四回目。
 個人賞はナフィス・サディク前国連人口基金(UNFPA)事務局長が受賞した。
 アナン事務総長は席上「世界二十六カ国で性と生殖に関する女性の健康向上のために活動、大きな成果を上げた」とジョイセフの貢献を高く評価した。
 ジョイセフの近泰男事務局長は「日本で推進した住民参加型の母子保健、家族計画のノウハウを開発途上国に移転する努力が理解された」と謝辞を述べた。
 ジョイセフは一九六八年に設立。途上国の人口問題やリプロダクティブ・ライツ(女性の性と生殖に関する健康と権利)の啓発活動などに取り組んできた。(了)[2001-06-29-12:44] 327
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 06/29@東ティモールに緊急援助(共同通信)

 政府は二十九日の閣議で、東ティモールで八月三十日に予定されている憲法制定議会選挙を支援するため、国連開発計画(UNDP)を通じ百十九万千ドルの緊急援助を決めた。
 援助金は各国から派遣される選挙監視要員の活動経費や、選挙管理員の訓練経費などに充てられる。
 政府は先に、同選挙のために八月下旬から九月上旬をめどに、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、選挙監視団を派遣する方針を決めている。(了)[2001-06-29-09:36] 343
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 06/29@「ポト派法廷」遅れに国連特別代表が不満を表明(読売新聞)

 【プノンペン28日=新居益】カンボジア訪問中のペーター・ロイプレヒト国連事務総長特別代表(人権問題担当、オーストリア出身)は27日、本紙と会見し、1970年代後半のポル・ポト政権下で起きた大量虐殺を裁く特別法廷設置法案の内容や審議の遅れについて不満を表明した。同法案はこのほど閣議決定され、近く下院での審議入りが見込まれるが、仮に成立してもカンボジア政府と国連の溝は依然として深く、法廷設置は難航が予想される。
 特別法廷設置法案は今年1月、上下両院でいったん可決されたが、その後、憲法評議会が、違憲とされる死刑が法案に含まれていると指摘、政府は死刑を除外するよう法案を一部修正して再提案した。
 ロイプレヒト氏は「修正作業に時間がかかり過ぎている。法廷の設置に消極的で、遅れが出ても気にしない人がいるからだ」と政権当局者を批判した。
 法廷設置の時期について、フン・セン首相は最近、「8月中に法案を成立させ、年末までに設置する」と述べているが、ロイプレヒト氏は「この国では予測するのは難しい」として、明確な見通しは示さなかった。
 旧ポト派ナンバー3で、恩赦を受けているイエン・サリ元副首相を訴追できるかどうか法案でははっきりしないが、同氏は「法案成立後にカンボジア政府と(元副首相訴追に関する)合意文書を交わす」と述べ、元副首相の問題が今後の最大の課題との認識を示した。
 同氏は、法案に基づき設置される法廷について、国連が大幅な譲歩を強いられた結果、「国際法廷」と「国内法廷」の要素が混合し、「個人的には不完全と思う」と指摘。さらに国連の譲歩の背景に安保理常任理事国・中国の反対があったとし、「中国はポト派を支えた過去が法廷で暴かれるのを恐れている」と述べた。
 一方、シアヌーク国王については「法廷設置の結果、旧ポト派が再び武器を取るのを恐れている」との見方を示した。ただ、国王は「法案への署名を約束し、法廷での証言も希望している」という。
 法案では、国連は外国人判事の候補者の指名など法廷運営への関与が定められており、ロイプレヒト氏がカンボジアを訪問するのは今回で3回目。 [2001-06-29-01:37]
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 06/30@<ユーゴ前大統領>戦犯法廷の引き渡しは司法の国際化を象徴(毎日新聞)

 【ロンドン岸本卓也】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡されたことは、大量虐殺などの非人道的犯罪を国際社会が処罰するという司法の国際化を象徴する画期的な出来事となった。一方で内政不干渉などの国家の盾が弱くなることは各国政府にとって深刻な事態とも言える。国民を外国法から保護する役割と国際法を遵守する義務との新たな調整が各国に求められている。
 同法廷のデルポンテ主任検察官は前大統領の引き渡しを受けて「この日(28日)は国際刑事裁判史上の重要な記念日となった」と述べた。戦勝国が敗戦国の指導者を裁く従来の戦争裁判ではなく、戦争犯罪者を中立的な国際法廷で裁く意義は大きいからだ。
 第二次大戦の日独戦争指導者を裁いたニュルンベルクと東京の国際軍事裁判は非人道的行為の処罰という普遍的な法的根拠を示したが、戦勝国による強制的な断罪という域から出ていなかった。 共産圏を「個人の自由がない」として敵視した旧西側各国が冷戦終結後に「個人の自由」から「人権の擁護」を旗印にして国際社会に脅威を与える国と対決し始めた。前大統領の犯罪を招いた旧ユーゴ・コソボ紛争に北大西洋条約機構(NATO)が介入した大義名分も人権を守る「人道的介入」だ。
 この人権主義による司法の国際化への道は98年に国連加盟国によって採択された国際刑事裁判所の設立につながる。しかし、この裁判所が管轄する犯罪の対象は明確ではなく、国際政治から独立して運営されるかどうかの保障も確立しているとはいえない。
 大規模な人権侵害を行ったピノチェト元チリ大統領がスペイン司法当局から国際手配され、97年に英国で拘束された。しかし、チリ政府は自国の裁判権を主張し、英国は病気を理由に元大統領の引き渡しを断念した。
 旧ユーゴ戦犯法廷は前大統領の引き渡しで実効性を得た。しかし、今回の前大統領の引き渡しでさえ、内外の政治情勢が反映している。国内法よりも国際法を尊重するかどうかが国際政治の情勢で決まるのであれば、司法の国際化は未完成と言える。 [2001-06-30-20:00] 66
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 06/30@<戦犯法廷>旧ユーゴ圏での戦争犯罪の捜査、起訴を拡大の方(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷は、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の身柄引き渡しを契機に、旧ユーゴ圏で発生した戦争犯罪の捜査、起訴を拡大、加速させる方針を打ち出した。前大統領の登場によって民族紛争に明け暮れたこの10年間のバルカン史の清算を図る。
 デルポンテ主任検察官は29日の記者会見で、7月3日から始まる前大統領の公判によって今後の同法廷の作業が「新たな段階に入る」と意義付けた。
 前大統領は、98年からのコソボ紛争でコソボ自治州のアルバニア系住民に対しての集団虐殺や75万人にも及ぶ強制追放などを行った容疑で起訴されている。検察官はさらにボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関わる容疑での追起訴を近く行う方針を明らかにした。
 前大統領は90年に旧ユーゴ連邦のセルビア共和国大統領に当選。その後に発生したクロアチアやボスニアでの民族紛争や内戦にもセルビア側の指導者として関与した。
 同法廷報道官は「前大統領の追起訴に関する証拠は十分集まっており、時間はかからない」との見方を示している。
 また前大統領の引き渡しで、今後の課題はユーゴ戦犯のもう一人「大物」ボスニア・セルビア人勢力指導者のカラジッチ氏の拘束に移ったが、主任検察官は「速やかに行われるべき」と語り、拘束が加速されることに期待を示した。 [2001-06-30-20:00] 67
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 06/30@<ユーゴ前大統領>拘置所で初公判待つ 「二つ星並みホテル(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に身柄を引き渡されたミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦前大統領は、同法廷専用の拘置所内で7月3日に予定される初公判を待つ。権力を欲しいままにした前大統領にとって祖国を離れ、屈辱の日々が始まったが、まずまずの設備が整っているようだ。
 ハーグ郊外の保養地、スヘベニンゲンにある拘置所に移送された前大統領は15平方メートルほどの個室が与えられた。ベッドのほかシャワー、トイレ、コーヒーメーカーなどが備えつけられ、衛星放送を受信できるテレビではユーゴのニュースも視聴できる。日本のビジネスホテル並みの施設とされる。
 拘置所には現在、開廷や判決待ちの被告38人が拘束されている。
 拘置所報道官は「二つ星並みホテルの居住環境だ。前大統領だからといって特別扱いはしないが、他の被告と快適に過ごせるだろう」と語る。
 有罪が確定すれば、前大統領はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、フランス、スペイン、イタリア、オーストリアのいずれかの国の刑務所に移り、服役することになりそうだ。 [2001-06-30-19:45] 68
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 06/30@ポト派幹部は移送しない カンボジア下院議長(共同通信)

 【プノンペン30日共同】カンボジアのラナリット下院議長は三十日、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)へ移送されたことについて「カンボジアはユーゴのように援助金を得るために自国民を外国に移すようなことはしない」と言明、元ポル・ポト派幹部を裁く特別法廷はあくまでも国内で開くことを強調した。
 カンボジア政府は二十五日、特別法廷設置法の修正案を下院に提出、約半年ぶりに法廷設置に向けた動きが再開した。しかし国連は、特別法廷が国際水準に達していないなどとして難色を示している。(了)[2001-06-30-16:14] 69
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 06/30@影響力低下を実感 ロシア・プーチン政権 ユーゴ前大統移送(共同通信)

 【モスクワ30日共同】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷への引き渡しに反対してきたロシアのプーチン政権は、欧米の圧力に屈する形での引き渡しに無力感を感じている。欧州の数少ない友好国であるユーゴへの影響力低下を思い知らされた格好だ。
 前大統領がハーグに移送された六月二十九日、ロシアでは「どんな結果をもたらすか想像できない」(イワノフ外相)など困惑の交じった批判がわき起こった。
 ロシアが衝撃を受けているのは、ロシアの反対を無視して強行された二年前の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆に続き、前大統領の引き渡しを欧米への“二度目の敗北”と受け止めているためだ。
 この問題で、ロシアはユーゴ国内の反NATO感情を念頭に、引き渡しを求める欧米諸国に真っ向から異議を唱え、存在感を高めることを狙っていた。
 ミロシェビッチ前政権と良好な関係を保っていたロシアは、昨秋のユーゴ政変で承認が遅れたコシュトニツァ政権との関係構築に腐心。プーチン大統領は先月十六日、急きょユーゴを訪問し両国の協調を確認したばかりだった。
 政府高官は戦犯法廷への移送が「空爆の正当化を狙う西側の圧力」によるものだと糾弾している。その裏には、ユーゴが確実に欧米の勢力圏に組み込まれつつあるという焦りが感じられる。(了)[2001-06-30-16:12] 70
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 06/30@「失われた10年」総括へ ユーゴ前大統領移送受け戦犯法廷(共同通信)

 【ハーグ30日共同】ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に引き渡されたことで、ボスニア内戦からコソボ紛争に至るバルカンの「失われた十年」が国際法の下で総括される可能性が出てきた。
 二十九日に記者会見した戦犯法廷のデルポンテ主任検察官は、コソボのアルバニア系住民虐殺に関与したとされる前大統領の訴追内容を拡大し、ボスニア内戦時のイスラム教徒虐殺などでも追及する方針を示しており“負の歴史”の全容が解明されそうだ。
 前大統領は冷戦終結に伴う民族主義の高まりを受け、一九九○年にユーゴ・セルビア共和国大統領に当選。スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの旧ユーゴ諸国が独立する度に内戦を引き起こし、推計二十三万人の死者や大量の難民を生み出してきた。
 コソボ紛争では、アルバニア系住民を迫害した結果、七十万人を超える住民が難民として自治州外に追いやられたほか、大量虐殺された犠牲者の埋葬地も見つかった。戦犯法廷の起訴事実はこの時の違法行為に基づいている。
 主任検察官は、ボスニア内戦中のセルビア人指導者カラジッチ氏らが戦犯として起訴されながら、依然逮捕されていないことを「恥ずべきことだ」と指摘。前大統領移送が「逃走中の戦犯被告を逮捕する任務に活力を与えるだろう」と自信を深めている。(了)[2001-06-30-16:09] 73
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 06/30@ユーゴ連邦首相が辞任 ミロシェビッチ氏移送に抗議(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのジジッチ連邦首相は29日、ミロシェビッチ前大統領の国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷への移送に抗議して辞任した。コシュトニツァ連邦大統領はこれを受け同日、「7月2日から後継首相の任命について本格的に検討する」と語った。
 憲法によると、首相が辞任した場合には内閣は総辞職することになる。ただし現閣僚は新内閣が組閣されるまでその職にとどまらなければならず、当面は「管理内閣」として職務を続けることになる。
 大統領はまず、連邦議会の全会派と協議を行うが、組閣が難航するのは避けられない。新首相は議会での信任を必要とするが、ジジッチ氏が所属する社会人民党が連立政権からの引き揚げを表明した今、議会で過半数を得ることができる会派の組み合わせは見当たらないからだ。
 大統領は議会の早期解散・総選挙には慎重で、時間をかけて後任首相の候補を探す方針だ。首相辞任から組閣までの期限についての規定は憲法にない。[2001-06-30-12:54] 74
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 06/30@マケドニア紛争解決目指し、米が特使派遣(読売新聞)

 【ワシントン29日=永田和男】米政府は29日、マケドニア問題担当特使にジェームズ・パルデュー国務省顧問を任命したと発表した。
 同特使は30日にもスコピエ入りし、欧州連合(EU)特使のレオタール元仏国防相と緊密に協議しながら、マケドニアの主要政党間の対話促進をはかり、紛争の政治的解決を目指す。
 リーカー国務省副報道官は29日の会見で、「マケドニア問題に軍事的解決はあり得ない」と述べ、軍事介入よりも政治的解決の追求に重点を置く米政府の方針を強調した。 [2001-06-30-12:02] 76
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 06/30@<ユーゴ>前大統領の支持者約1万人が引き渡しへの抗議デモ(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで29日、オランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡されたミロシェビッチ前大統領の支持者約1万人が、引き渡しへの抗議デモを繰り広げた。
 参加者は中心部の共和国広場から連邦国会に向けて行進し、引き渡しを決定したジンジッチ・セルビア首相に対し、「セルビア最大の反逆者だ!」「ジンジッチはセルビアの肉を最安値で売った」などと糾弾して気勢をあげた。
 参加者の数は前大統領が現職だったころの10分の1以下で、引き渡しに対する国民の反発が弱まっていることを示した。 [2001-06-30-10:25] 77
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 06/30@<ユーゴ>ジジッチ首相が辞任 政局の混迷深まる(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビア連邦のジジッチ首相は29日、辞任した。同連邦セルビア共和国政府がミロシェビッチ・ユーゴ前大統領を旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡したことに抗議したもの。連邦の連立内閣に参加し、コシュトゥニツァ大統領が率いるセルビア民主党も連立から距離を置く意向を示しており、ユーゴ政局の混迷は深まった。
 ジジッチ首相は身柄の引き渡しを「憲法で保障された法的権利を無視する行為」と批判、「連立が不安定化し辞任せざるを得なくなった」と述べた。
 首相が辞任した場合、憲法の規定に従って連立内閣は総辞職することになる。同首相は、コシュトゥニツァ大統領は新内閣の組閣作業を7月2日にも始めると語った。 [2001-06-30-10:25] 78
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 06/30@来月2日に組閣交渉開始 連立解消でユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード29日共同】ユーゴスラビア連邦のジジッチ首相は二十九日、辞任を発表した記者会見で、コシュトニツァ連邦大統領が七月二日に新内閣組閣のための協議に着手する意向を示したと述べた。
 ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)への引き渡し強行に反発して同首相が辞任したことに伴い、内閣は総辞職、コシュトニツァ大統領のセルビア民主野党連合(DOS)、ジジッチ首相の社会人民党、セルビア人国民党の三党による連立は解消されることになる。
 大統領は民主野党連合の少数内閣を目指すのか、別の党との連立を図るのかは明らかにしていないが、新内閣発足までの期間は現政権が暫定内閣として存続、不安定な政局運営を余儀なくされる。
 ジジッチ首相は、民主野党連合単独の少数内閣は支持しないと言明。しかし、社会人民党がミロシェビッチ前大統領のセルビア社会党などと組んで連立政権樹立を目指す考えがないことも明らかにした。
 その上で、大統領は議会の前倒し選挙に踏み切るよりも、次期首相を直ちに指名し、新内閣の早期発足を考えているとの見方を示した。
 ユーゴ憲法は、連邦大統領がセルビア出身の場合、連邦首相はモンテネグロから選ぶよう規定しており、モンテネグロの政党から首相を指名することになる。(了)[2001-06-30-08:30] 80
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 06/30@首相辞任で連立崩壊へ、モンテネグロ独立再燃も(読売新聞)

 【ベオグラード29日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦政府のゾラン・ジジッチ首相が29日、辞任したことで、連立政府の崩壊は決定的となった。コシュトゥニツァ連邦大統領が党首のセルビア民主党も同日、連邦、セルビア共和国両議会でこれまでの民主化の推進役となってきた「民主連合」(18政党から構成)議員団からの引き揚げを決定。ユーゴ政局は、ミロシェビッチ前大統領の引き渡しを引き金に混迷に突き進むことになった。
 ジジッチ首相は、モンテネグロ共和国の旧ミロシェビッチ派の社会人民党出身で、同党は引き渡しに強硬に反対、すでに同首相を含む閣僚7人の連立政府からの引き揚げ方針を示しており、同日、共和国首都のポドゴリツァで開いた党執行部会で、正式に決定した。
 現行の連邦憲法では、首相が辞任した場合は、自動的に内閣は総辞職となる。「民主連合」は単独内閣組閣に向かう以外に選択肢は残されていない。次期首相選出権限を持つ連邦上下両院は、ミロシェビッチ前体制下で行われた昨年9月の選挙で選ばれており、「民主連合」は最大勢力とはいえ、上院(定数40)で10議席、下院(同138)で過半数を大きく割る58議席しかなく、新内閣組閣の難航は避けられない情勢だ。
 引き渡し強行を「法を無視した愚行」と強い調子で非難したコシュトゥニツァ大統領のセルビア民主党も、議会内勢力としては「民主連合」から脱退、さらに、連邦、セルビア共和国両政府の改造を求めている。
 ジジッチ内閣は当面、次期内閣発足までの間は職務を続けるものと見られるが、政治運営が停滞することは間違いない。
 ジジッチ首相は、記者団に対して、「コシュトゥニツァ大統領には、連邦制解体につながるような事態だけは食い止めて欲しい、と伝えた」と語り、連邦は維持していく意向を示した。しかし、モンテネグロ独立派のジュカノビッチ共和国大統領の出方次第では、4月の共和国議会選で明らかになった共和国民世論の分裂を受けて、沈静化している独立への動きが再度強まる可能性もある。
 「民主連合」側には出直し選挙の選択肢もあるが、ジュカノビッチ派不参加の選挙は連邦選挙として意味を持たないとの見方もあり、ユーゴ政局は急速に不透明感を強めている。 [2001-06-30-01:55] 82
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 06/30@<ニュースの背景>コソボ自治州 国策治安部隊が駐留(毎日新聞)

 Q ユーゴスラビア連邦のコソボ自治州とは。
 A ユーゴスラビアのセルビア共和国南部に位置し、州都はプリシュティナ。人口約200万人のうちアルバニア系住民が約9割を占める。
 12世紀末、セルビア人がコソボの地を掌握し中世セルビア王国を築き、アルバニア人は離散した。セルビア王国は1389年、「コソボの戦い」でオスマン・トルコ軍に大敗する。
 1945年、ユーゴスラビア連邦が成立すると、コソボ・メトヒア自治区として一定の自治権を得る。63年の憲法改正で、コソボ社会主義自治州に改名した。74年憲法によって、独自の議会、政府、司法機関を選び、憲法も持てるようになる。アルバニア系住民は、共和国への格上げを要求するが、連邦政府は拒否した。80年代以降、セルビア民族主義の台頭で、アルバニア系住民との緊張が高まる。
 87年、ミロシェビッチ氏がセルビア共和国幹部会議長に就任し、89年に同氏は、共和国の権限を強化する。99年3月、ミロシェビッチ連邦大統領が、コソボのアルバニア系住民の分離・独立運動を弾圧したため、北大西洋条約機構(NATO)軍がユーゴ空爆を実施した。同6月から、国際治安部隊が駐留している。
 アルバニア系住民はコソボ独立を訴えているが、欧米諸国はコソボの連邦離脱に反対している。南隣マケドニアの紛争には、コソボ解放軍の関与が指摘されている。【三角真理】 [2001-06-30-01:45] 83
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 06/30@<コソボ>セルビア人が固執する理由示す2つの名所(毎日新聞)

 アルバニア系住民が支配権を握ったユーゴスラビア・コソボ自治州。州都プリシュティナ近郊には、セルビア人がコソボに固執する理由を示す二つの名所がある。コソボをめぐるセルビアとセルビア人の現在をたどった。【グラチャニツァ井上卓弥】
 「1389年の自由と独立の英雄たちへ――セルビア共和国(1953年成立)」
 プリシュティナの西に広がる「コソボ平原」の丘に花こう岩製の塔が立つ。高さ20メートル。アルバニア系住民が「ミロシェビッチ(前ユーゴ大統領)による歴史の悪用」と非難する「コソボの戦い」(1389年6月28日)600周年記念塔だ。
 セルビア史上最大の屈辱、オスマン・トルコへの敗戦を銘記した塔は、共産主義体制が揺らいだ89年、民族主義をあおり、権力を維持する手段として建立された。
 同年6月28日、50万人の大集会が開かれた丘は現在、鉄条網に囲まれ、コソボ平和維持部隊(KFOR)の兵士数人が監視所に常駐する。ノルウェー兵のソングネンさん(21)が「紛争後に2度、アルバニア系住民による爆破事件があり、入口の扉と階段の一部が破壊された」と話す。
 記念塔から州都をはさんで反対側には、セルビア人の町グラチャニツァがある。14世紀初頭、絶頂期にあったセルビア王国のミルティン王が建てたセルビア正教の聖堂と女子修道院が残る。五つのドームを持つ聖堂には、中世セルビアの高度な宗教芸術を伝える貴重なフレスコ画が保存されている。
 「KFOR進駐後、107カ所の教会、修道院がアルバニア人に破壊された」。南部の古都プリズレンのアルテミエ大主教の秘書、ゴラン・グレボビッチさん(33)が修道院の壁に張られた数十枚の写真を示した。
 紛争後、アルバニア系の攻撃が激化したプリズレンを避け、ゴランさんは大主教とグラチャニツァに移った。昨年末にはセルビア人向けのラジオ放送を開始。インターネットのホームページも開き、コソボのセルビア人の苦境を世界に訴えてきた。情報拠点となった修道院には毎日、各地の正教会や住民からさまざまな被害状況が集まる。
 コソボのセルビア人は紛争前の3分の1、10万人に減少した。「信者を失った教会はみな破壊される」と修道士のネクタリアさんが嘆く。18000人のセルビア人住民とKFOR部隊に守られた修道院にも何度か手りゅう弾が投げ込まれた。
 だが、ゴランさんたちにこの地を捨てるつもりはない。1300の教会が集中するコソボはセルビア人とセルビア正教の古里だからだ。「コソボの戦いの後、我々はセルビアの魂と伝統を守り、トルコは次第に衰えて去った。セルビア人はいつか必ずコソボに帰ってくる」。ゴランさんは聖堂を仰ぎ、そう語った。 [2001-06-30-01:45] 84
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 06/30@<クローズアップ>ユーゴ連邦 空洞化危機(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロの2共和国で構成)に13年間君臨したミロシェビッチ前連邦大統領(59)が、国連の旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に身柄を引き渡された。同法廷への身柄送致は、セルビア共和国政府が連邦政府の意向を無視して決定した。欧米の要求に従う決定だが、ユーゴ連邦が空洞化する危機もはらんでいる。 【福井聡、杉尾直哉】
 ◆因縁の日
 28日午後、ベオグラード中央刑務所にいたミロシェビッチ氏は、セルビア当局から起訴状を読み上げられた。約5分間、移送を拒否したが、やがて素直に従い、あきらめたようにたばこをふかしたという。
 6月28日は、セルビア人青年がサラエボでオーストリア大公を殺害し、第一次世界大戦のきっかけとなった日(1914年)でもある。ミロシェビッチ氏は12年前のこの日、オスマン・トルコに大敗した「コソボの戦い」(1389年)の600周年集会が開かれたコソボ自治州の平原で熱弁をふるい、セルビア人の民族意識に火を付けた。
 昨年10月の大統領選に敗北して退陣。今年4月初めにはユーゴ当局に逮捕され、刑務所暮らしが始まった。「すべてを国家と国民のために行った。歴史が最終判断を下すだろう」。旧ユーゴ紛争に介入した責任について、23日にそう語った前大統領は3日後の「因縁の日」に移送された。
 ◆連邦弱体化
 セルビア政府は前大統領の移送決定をコシュトゥニツァ連邦大統領に公式に伝えていなかった。大統領は28日、地元マスコミの報道でセルビア政府の決定を知り、深夜になって「移送は違法だ。国家の法秩序に深刻な混乱をもたらし、性急で非人道的な非民主的集団が息を吹き返した」と非難した。
 法学者の大統領は、「前大統領の身柄については憲法裁判所が最終決定する」として、法的手続き順守の立場を表明していた。これに対し、政権与党の民主野党連合(18政党の連合体)は18党中15党が出席した27日夜の会議で「憲法裁の判断にかかわらず前大統領を引き渡す」方針を決定。大統領率いるセルビア民主党はこの会議を欠席していた。
 一方、旧ミロシェビッチ派で、民主野党連合と連邦政府で連立を組む社会人民党のブラトビッチ党首は移送を強く非難し、「これで連立政権は終わりだ」と連立解消を宣言した。大統領は今秋にも連邦議会を解散し、選挙を実施する構えでいたが、28日の対立表面化で選挙が前倒しとなる可能性が高まった。
 ユーゴ国内での大統領の個人的人気はこれまで圧倒的だったが、ジンジッチ首相の移送強行の決断を評価する声も上がっている。ジンジッチ首相は連邦解消の機会をうかがっているともみられ、連邦崩壊への政治危機が懸念される。さらに、モンテネグロでは独立を問う国民投票の実施が検討されている。
 親セルビアのロシアのストロエフ上院議長は「ユーゴ国家弱体化の始まりだ。自国の指導者を売り渡す国は絶えず他国に従属することになる」と厳しく批判した。
 ◆苦しい財政事情
 欧米諸国はミロシェビッチ前大統領の移送を経済支援の事実上の条件にしていた。欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会と世界銀行は29日、ブリュッセルでユーゴ支援国会合をブリュッセルで開催した。世銀は今後5年間で206億ドル(約2兆5000億円)の支援が必要とみている。現ユーゴ連邦は、91年の旧連邦崩壊までの借金体質に加え、ミロシェビッチ政権下に受けた経済制裁で疲弊した。平均月収は1万円足らずだ。
 国民は現政権に「生活向上」の期待を膨らませている。こうした政治情勢を読んだジンジッチ・セルビア首相は前大統領移送で、欧米の支援を確保し、指導層の頂点に躍り出るかけに出たと言えよう。 [2001-06-30-01:45] 86
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 06/30@ユーゴ首相が辞任(読売新聞)

 【ベオグラード29日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦のゾラン・ジジッチ首相は29日、ミロシェビッチ前大統領が旧ユーゴ戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)に移送されたことに抗議して、辞任した。これに伴い、同内閣は総辞職する見通しとなった。
 コシュトゥニツァ連邦大統領は今後、議会各派と協議の上、後継首相候補を指名するが、議会が新内閣を承認するまで、現内閣は暫定的に職務を継続する。
 ジジッチ首相は閣議後の記者会見で、「ユーゴが戦犯国際法廷と協力したことで、連邦与党間の連立関係が損なわれた」と語り、前大統領の性急な移送に抗議しての辞任であることを強調した。 [2001-06-30-01:30] 91
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 06/30@<ユーゴ>ジジッチ首相が辞任 前大統領引き渡しに抗議し(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビア連邦のジジッチ首相は29日、辞任した。ジブコビッチ連邦内相が明らかにした。同連邦セルビア共和国政府がミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領を旧ユーゴ国際戦犯法廷に引き渡したことに連邦首相は抗議したとみられる。
 前大統領の身柄引き渡しには、連邦の連立政権に参加したモンテネグロ共和国の社会人民党も反発し、連立離脱を表明しており、政権維持を困難にしている。また、コシュトゥニツァ連邦大統領のセルビア民主党も新政権の中軸を担った民主野党連合から離れる意向を表明している。このため連邦議会選挙が前倒しになる可能性も出てきた。
 一方、セルビアのジンジッチ首相はこうした動きを受け、「戦犯法廷に協力しなければ、わが国は大きな危機に直面していただろう」と地元ラジオ局に語り、前大統領の身柄送致の正当性を強調した。 [2001-06-30-00:50] 92
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 06/30@ユーゴの復興策話し合う支援会議開く 12億ドル調達へ(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦の復興策を話し合う初の支援国会議が29日、ブリュッセルで開かれた。ミロシェビッチ前大統領引き渡しで本格支援の条件が整った。欧州連合(EU)や米国、日本など約40カ国が、年内に必要な額を上回る約12億8000万ドル(1600億円)の支援を表明した。
 復興計画によると、道路、発電所、工場の再建、経済改革などに、今後3、4年間で39億ドル(4850億円)が必要になる。
 01年の支援額を調整する今回の会議では、EUが援助予算などから計5億3000万ユーロ(約570億円)の支援を表明、大半が年内に支払われる見込みだ。ユーゴ政府によると、米国は1億8200万ドル(230億円)の支援を約束した。[2001-06-30-00:37] 94
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 06/30@<社説>ユーゴ戦犯法廷 欧米も責任は免れない(毎日新聞)

 オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷から「人道に対する罪」で起訴されていたユーゴ連邦のミロシェビッチ前大統領の身柄が、ハーグ郊外の拘置所に移送され、戦犯法廷に引き渡された。
 前大統領は99年のユーゴ連邦コソボ自治州紛争のさなか起きたアルバニア系住民に対する残虐行為を指揮したとして、政権の座にあった同年5月、戦犯法廷から起訴された。昨年10月、民主化を求める国民の抗議行動で辞任に追い込まれ、今年4月に職権乱用などの容疑で当局に逮捕された。
 欧米諸国はユーゴへの約13億ドルの経済支援の前提に、前大統領の身柄引き渡しを求めてきた。しかしユーゴ国内では反欧米感情から引き渡しに強い反対があり、ユーゴ連邦憲法裁判所も28日、戦犯法廷への身柄引き渡しを認めたユーゴ政府布告を一時差し止めた。
 その直後、連邦を構成するセルビア共和国のジンジッチ首相が、コシュトゥニツァ連邦大統領に諮らず、前首相の身柄の戦犯法廷への引き渡しを強行した。この背景には、29日にブリュッセルで開かれるユーゴ支援国会合前に身柄を引き渡し、経済支援を確実にしたいとの狙いがあった。国際社会と協調して国家再建を果たしたいジンジッチ首相と、セルビア民族感情を重視する連邦大統領の対立は、連邦制解体の危険性をはらんでいる。
 一連のユーゴ紛争ではセルビア悪玉論が広く流布した。その象徴でもあるミロシェビッチ前大統領の身柄が引き渡されたことで「正義」が通り、後は戦犯法廷で前大統領が指揮した残虐行為を裁くだけと考えるのは早計だ。
 コソボ紛争に先立つボスニア紛争(92〜95年)では、欧米諸国はミロシェビッチ前大統領(当時はセルビア共和国大統領)を「ボスニアのセルビア人勢力に対し影響力を行使できる指導者」と見て、対話相手として遇してきた。
 当時からセルビア人勢力のイスラム教徒などに対する民族浄化作戦では、同勢力の背後にいる前大統領の責任を追及する声があった。しかし欧米諸国は前大統領に圧力をかけることには慎重で、これが前大統領を“増長”させることになったとの声は少なくない。
 大きな論議を呼んだ99年の北大西洋条約機構(NATO)の空爆では、難民となったアルバニア系住民の帰還が実現した。しかし同時にアルバニア系住民を勢いづかせ、セルビア系住民への迫害を加速させ、20万人以上のセルビア系などの住民がコソボを追われた。マケドニアでもアルバニア系の武装闘争が激しくなっている。
 今後、戦犯法廷でミロシェビッチ前大統領は初の国家元首として裁かれるが、より均衡のとれた、広い脈絡で審理を見ていく必要があるだろう。前大統領を利用した欧米諸国。NATO空爆が結果的にもたらしたセルビア系住民への広範な人権侵害。前大統領に罪を押し付けるだけでは事は解決しないし、欧米諸国とて今日の状況の責任から無関係ではない。 [2001-06-30-00:00] 195
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 06/30@<北アイルランド>IRAが武器放棄の動き見せず 首相辞任(毎日新聞)

 【ロンドン笠原敏彦】英国・北アイルランド紛争のカトリック系過激組織、アイルランド共和軍(IRA)は、武装解除期限の30日を迎えても武器放棄の動きを見せていない。英政府は自治凍結の方針は示しておらず、期限までに武装解除がなければ、辞任すると表明していたトリンブル自治政府首相は1日付で辞任する可能性が濃厚になった。
 ベルファストで28日、ブレア英首相とアハーン・アイルランド首相を交えた関係政党の協議が開かれたが、武装解除をめぐる進展はなかった。ブレア首相の報道官は「自治凍結の議論はなかった」と語り、協議ではトリンブル首相の辞任は避けられないとの見通しに立ち、週明けからIRA側と新たな交渉を始める段取りを決めた。
 英政府は首相が辞任した場合、新首相選出期間に定められた6週間以内に、武装解除問題で新たな突破口を見い出したい考えだ。
 IRAの武装解除期限は、昨年5月から今年6月末に1度延長されている。プロテスタント側の強い反発を前に、トリンブル首相はさらなる譲歩ができない状況に追い込まれている。
 IRAは97年7月以来、停戦を守り、武器庫の査察には応じているが、具体的な武装解除には着手していない。 [2001-06-30-18:40] 196
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 06/30@<ナイジェリア>民族対立で、少なくても数十人が死亡(毎日新聞)

 ナイジェリアからの報道によると、同国中部のナサラワ州で今月12日以来、ハウサ語を話す複数の民族とチブ語を話すチブ人との間で紛争が起こり、少なくても数十人が死亡、4万5000人以上が隣のベヌエ州などへ避難した。死者は200人を超えるとの未確認情報もある。ハウサ語を話すアザラ人の首長らが殺害され、チブ人が犯人だと疑われたのが衝突のきっかけになった。チブ人はナサラワ州では少数派で、ハウサ語を話す諸民族からは好戦的な移民とみなされている。 (ヨハネスブルク共同) [2001-06-30-18:40] 214 [このページの最初に戻る]


 06/30@<キーパーソン>再任を決めたコフィ・アナン国連事務総長(毎日新聞)

 対抗馬が出ないまま、任期を半年も残した段階で、異例のスピード再任を決めた。幅広い支持を背景に、安定した任期2期目を迎える。
 1期目は、人権保護、南北格差是正、貧困との戦い、地域紛争対策を訴え続けた。本人が「個人的な優先事項」というエイズ問題で、初めての特別総会開催にこぎつけた。
 会議が成功したのは、各国との間で協力関係を構築した上で、民間企業の資金導入を実現させ、資金面の道筋をつけたことによる。2期目の最大の課題も、エイズ対策などのための資金をどれだけ上積みできるか、ということに変わりはない。
 もう一つの課題は、地域紛争の泥沼化を念頭に打ち出した虐殺阻止のための国連平和維持活動(PKO)の強化だ。すでに強化策がまとまりつつあり、2期目にいよいよ実行に移すことになる。
 62年に国連に入り、PKO担当事務次長などを務めた生え抜き。予算や人事に精通し、国連という組織の力、動かし方、限界を熟知している。前任のガリ事務総長は、国連の独立性にこだわり、米国の拒否権にあって、再任されなかった。
 調整型人間のアナン氏は、その米国との関係に神経を使いながら、同時に他の安保理各国の支持も取り付けてきた。2期目も、周囲に目配りしながら、手堅い国連運営を見せるものとみられる。
 西アフリカ・ガーナ出身で、夫人はスウェーデン人法律家。【ニューヨーク上村幸治】 [2001-06-30-13:00] 225
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 06/30@ヒズボラが攻撃、兵士負傷(共同通信)

 【エルサレム30日共同】イスラエル軍当局者によると、イスラエルとレバノンとの国境地帯にあるシェバ農場で二十九日、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが、レバノン領内からイスラエル軍陣地に対戦車ミサイル砲などで攻撃、イスラエル兵一人が負傷した。
 同軍は、報復として国境地帯のヒズボラ支配地域を空爆した。レバノン側の死傷者は伝えられていない。
 同軍は昨年五月、レバノン南部から撤退したが、レバノン側はシェバ農場は自国領だったとして撤退範囲に含めるよう主張。イスラエルはシリア領だったとして拒否し、国連もイスラエルを支持している。
 今年四月にヒズボラの攻撃でイスラエル兵が死亡、これに対する報復で同軍がベイルート郊外を空爆して以降、国境地帯は比較的平穏を保っていた。(了)[2001-06-30-09:45] 226
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 06/30@民族対立で数十人が死亡 ナイジェリア(共同通信)

 【ヨハネスブルク29日共同】ナイジェリアからの報道によると、同国中部のナサラワ州で今月十二日以来、ハウサ語を話す複数の民族とチブ語を話すチブ人との間で紛争が起こり、少なくても数十人が死亡、四万五千人以上が隣のベヌエ州などへ避難した。死者は二百人を超えるとの未確認情報もある。
 ハウサ語を話すアザラ人の首長らが殺害され、チブ人が犯人だと疑われたのが衝突のきっかけになった。チブ人はナサラワ州では少数派で、ハウサ語を話す諸民族からは好戦的な移民とみなされている。両者の間では以前から土地をめぐる争いが多かった。
 赤十字関係者によると、住民の避難先となっている場所は衛生環境が劣悪で、コレラなどが広がる懸念もあるという。(了)[2001-06-30-08:44]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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