最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(06/20, 2001)


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◆ 06/12@米大統領が訪欧、ミサイルや温暖化で理解求める(読売新聞)
◆ 06/12@<PKO武器使用>「外国人守るため」でも違法ではない (毎日新聞)
◆ 06/12@大使に民間人登用を検討 日米外相会談で安保協議(共同通信)
◆ 06/12@14日「上海ファイブ」開幕 ウズベク加え常設組織に(共同通信)
◆ 06/12@<ここだけの話>「いつやめてもいい」のは(毎日新聞)
◆ 06/12@漏えい対策? 通訳は複数でと田中外相、日米外相会談(朝日新聞)
◆ 06/12@会談記録漏えいで責任追及 官僚のおごり、暴走と外相(共同通信)
◆ 06/12@人間中心の取り組み創造 緒方前高等弁務官(共同通信)
◆ 06/13@マケドニア、台湾と断交(読売新聞)
◆ 06/13@<NATO非公式首脳会議>米大統領が「新たな脅威」訴え(毎日新聞)
◆ 06/13@<旧ユーゴ国際戦犯法廷>「一生懸命やりたい」 多谷検事(毎日新聞)
◆ 06/13@公正な裁判を実行 多谷検事が記者会見 旧ユーゴ国際戦犯法(共同通信)
◆ 06/13@ミサイル防衛に理解求める NATO会議で米大統領(共同通信)
◆ 06/13@<クロアチア>民主同盟党首が会見 「連邦政府は無効」と言(毎日新聞)
◆ 06/13@多谷千香子検事が2位当選 日本初の女性国際裁判官 国連法(共同通信)
◆ 06/13@<旧ユーゴ国際戦犯法廷>日本の多谷・東京高検検事が2位で(毎日新聞)
◆ 06/13@<ブッシュ氏>NATO新規加盟問題で、間接的にロシアをけ(毎日新聞)
◆ 06/13@<マケドニア政府>中国との国交を復活 台湾との国交を断絶(毎日新聞)
◆ 06/13@日本人初の国際戦犯法廷判事が誕生(朝日新聞)
◆ 06/13@旧ユーゴ戦犯法廷の裁判官に東京高検の女性検事(読売新聞)
◆ 06/13@加速する旧ユーゴ法廷審理 多谷検事、ミロシェビッチ氏担当(共同通信)
◆ 06/13@米国防長官諮問委、長距離攻撃力の強化など提言(読売新聞)
◆ 06/13@遠方からの攻撃を重視 前方展開との整合性欠く(共同通信)
◆ 06/13@子供兵、世界に30万人 非政府組織(NGO)(共同通信)
◆ 06/13@<余録>ブッシュ大統領の京都議定書不支持表明(毎日新聞)
◆ 06/14@中国、マケドニアとの国交回復歓迎し国連協力再開へ(読売新聞)
◆ 06/14@米ミサイル防衛計画への反対で一致 中ロ首脳会談(朝日新聞)
◆ 06/14@中露首脳、米ミサイル防衛計画に原則反対を確認(読売新聞)
◆ 06/14@米中間で微妙な綱渡り ミサイル防衛でロシア(共同通信)
◆ 06/14@ABM条約改廃で難航必至 16日米ロ首脳が初会談(共同通信)
◆ 06/14@ロシア大統領がユーゴ初訪問へ バルカンで影響力回復狙う(共同通信)
◆ 06/14@<NATO非公式首脳会議>ブッシュ米大統領の演説要旨(毎日新聞)
◆ 06/14@<NATO非公式首脳会議>新安全保障構築の必要性 米大統(毎日新聞)
◆ 06/15@<米大統領>ポーランド大統領らと会談 米欧の未来像など演(毎日新聞)
◆ 06/15@<露大統領>米大統領と会談後、ユーゴ初訪問へ(毎日新聞)
◆ 06/15@<モンテネグロ>国民投票不実施なら大統領支持を撤回 自由(毎日新聞)
◆ 06/15@<マケドニア>アルバニア系ゲリラが一方的停戦を宣言(毎日新聞)
◆ 06/15@核安保対話で着地点探る 16日米ロ首脳会談(共同通信)
◆ 06/15@<ユーゴスラビア>戦犯法廷協力法案を閣議承認 連邦政府(毎日新聞)
◆ 06/15@NATO幹部らマケドニア大統領らと会談(読売新聞)
◆ 06/15@ユーゴ連邦政府、戦犯国際法廷への協力を承認(読売新聞)
◆ 06/16@米ロ首脳が会談、戦略対話継続で一致 (朝日新聞)
◆ 06/16@<米露首脳会談>ABM制限条約など議題に 核軍縮の可能性(毎日新聞)
◆ 06/16@<ブルガリア>17日に議会選挙 前国王の新政党が与党をリ(毎日新聞)
◆ 06/16@ミサイル防衛で本格対話 協議の枠組み模索 米ロ首脳が初会(共同通信)
◆ 06/16@<コソボ>「難民の逆流」始まる 1週間で2万人超(毎日新聞)
◆ 06/16@<米露首脳会談>安全保障問題が最大のテーマに(毎日新聞)
◆ 06/16@予防展開部隊の積極活用を 紛争予防で国連事務総長(共同通信)
◆ 06/16@<米大統領>米欧露の新協力関係構築呼びかけ ワルシャワで(毎日新聞)
◆ 06/16@<米大統領>米欧露の新関係呼びかけへ ワルシャワで演説方(毎日新聞)
◆ 06/17@<ユーゴ・露首脳会談>コソボ紛争「武装勢力に断固対応」で(毎日新聞)
◆ 06/17@今後の協議に道筋と評価 米ロ首脳会談でロシア国内(共同通信)
◆ 06/17@武装組織がバルカンの脅威 ロシア・ユーゴ首脳が一致(共同通信)
◆ 06/17@ロシアのプーチン大統領、ユーゴを初訪問(朝日新聞)
◆ 06/17@<米露首脳会談>ミサイル防衛、閣僚級で安保協議 初会談で(毎日新聞)
◆ 06/17@<露大統領>ユーゴ大統領と会談 バルカン安定への協力話し(毎日新聞)
◆ 06/17@マケドニア情勢など協議 ロシア・ユーゴ両首脳が会談(共同通信)
◆ 06/17@清潔な政治の実現が課題 メディア支配のイタリア新首相(共同通信)
◆ 06/17@「ミサイル防衛」協議を継続(読売新聞)
◆ 06/17@ロシアとユーゴが首脳会談(共同通信)
◆ 06/17@◎旧ソ連、NATO加盟の意思あった?=ロシア大統領が“秘(時事通信)
◆ 06/17@<米露首脳会談>ミサイル防衛で閣僚級協議 建設的な関係を(毎日新聞)
◆ 06/17@米ロ首脳が会談、戦略対話継続で一致 (朝日新聞)
◆ 06/17@女性雇用めぐり国連と合意 タリバンが食糧援助で(共同通信)
◆ 06/17@<米露首脳会談>会談後の共同記者会見=要旨(毎日新聞)
◆ 06/17@イスラエル首相、アナン事務総長の3者会談を拒否(朝日新聞)
◆ 06/17@<EU首脳会議>議長総括を採択して閉幕 東方拡大方針盛り(毎日新聞)
◆ 06/17@<米露首脳会談>共同記者会見要旨(毎日新聞)
◆ 06/18@中国とマケドニア、国交を正式に回復 (読売新聞)
◆ 06/18@<中国>マケドニアと国交正常化に関するコミュニケに調印(毎日新聞)
◆ 06/18@<台湾>マケドニアと国交断絶 外交関係を持つ国は28カ国(毎日新聞)
◆ 06/18@台湾がマケドニアとの断交を発表(読売新聞)
◆ 06/18@台湾がマケドニアと断交 大使館閉鎖し経済援助停止(共同通信)
◆ 06/18@<露プーチン氏>国連のコソボ選挙の枠組みについて批判(毎日新聞)
◆ 06/18@ロシアの言論統制に懸念表明 首脳会談で米大統領(共同通信)
◆ 06/18@たばこ密輸疑惑を議会調査 ユーゴ連邦モンテネグロ共和国政(共同通信)
◆ 06/18@ロシア大統領がコソボ訪問、和平協定調印を提案(朝日新聞)
◆ 06/18@<東論西談>ゆらぐ「核抑止論」(毎日新聞)
◆ 06/18@米ロ首脳会談―建設的な対話は歓迎だ (朝日新聞)
◆ 06/18@パレスチナ少年、ガザでデモ中に撃たれて死亡(読売新聞)
◆ 06/18@元国王の新党が勝利宣言 ブルガリア議会選(共同通信)
◆ 06/18@<社説>考えよう憲法 外国人の権利 一律の公平が通用する(毎日新聞)
◆ 06/18@レッドスター招き引退試合 10月実施、ストイコビッチ(共同通信)
◆ 06/18@<サッカー>伊・セリエA ローマが優勝 中田は途中出場(毎日新聞)
◆ 06/18@中田、ピッチで優勝迎える また高まった価値(共同通信)
◆ 06/18@百万人が市内に繰り出す ローマの優勝祝し(共同通信)
◆ 06/19@イタリアで移民労働力を3K職業に訓練計画(読売新聞)
◆ 06/19@<ユーゴスラビア>戦犯法廷協力法案に反対の決定 社会人民(毎日新聞)
◆ 06/20@ハンガリー、自国系住民に特権付与の法案可決(読売新聞)
◆ 06/20@軍輸送機もエアバス化 パリ航空ショーで8カ国合意(共同通信)
◆ 06/20@大ハンガリー復活と警戒も 母国で特別待遇の法案可決(共同通信)
◆ 06/20@米大統領がコソボ訪問へ 7月のジェノバ・サミット後(共同通信)
◆ 06/20@ユーゴ戦犯協力法撤回も(共同通信)
◆ 06/20@<NATO>マケドニアへの監視部隊派遣問題 本格的検討開(毎日新聞)
◆ 06/20@アチェで校長ら6人射殺 武装集団(共同通信)
◆ 06/20@PKF参加なら武器使用も緩和…自民方針(読売新聞)
◆ 06/20@武器使用も同時に見直し PKF参加で自民小委(共同通信)
◆ 06/20@<ハンガリー>民族地位法採択 周辺国の同胞に特典、周辺国(毎日新聞)
◆ 06/20@50万トンの有害農薬ごみ 日本の過剰援助にも批判(共同通信)
◆ 06/20@壊れた納屋にDDT 汚染深刻なエチオピア FAOの報告(共同通信)
◆ 06/20@PKOは他国に任せよ 米国防副長官 (共同通信)
◆ 06/20@<サッカー>FIFAが世界ランキング発表 日本は33位に(毎日新聞)
◆ 06/20@<特集ワイド>02年サッカーW杯 韓国の事情、日本と共通(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 06/12@米大統領が訪欧、ミサイルや温暖化で理解求める(読売新聞)

 【マドリード12日=永田和男】ブッシュ米大統領は12日、欧州歴訪の最初の訪問国スペインに到着、マドリード市近郊のサルスエラ宮殿にカルロス国王を表敬した後、同市郊外の保養地でアスナール首相と会談した。大統領は出発に先立つ欧州記者団との会見でミサイル防衛構想の意義を強調し、欧州各国とロシアの支持獲得への意欲を表明した。しかし、地球温暖化防止のための京都議定書からの離脱など米国の「国益優先外交」に対する欧州の懸念は高まっており、ブッシュ訪欧が期待通りの成果を上げられるかどうか予断を許さない。
 ブッシュ大統領とアスナール首相は会談終了後に共同声明を発表、「両国は新たな脅威が存在するとの認識で一致し、包括的な安全保障戦略の必要性で合意した」と述べ、ミサイル防衛網の開発推進で原則合意したことを明らかにした。アスナール首相は会見で、「新たな安全保障の枠組みに関するブッシュ大統領の提案に感謝する」と語った。
 ブッシュ大統領はこの後、ベルギーで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議、スウェーデンで米・欧州連合(EU)首脳会議に出席し、ポーランド訪問に続いて16日にはスロベニアでロシアのプーチン大統領と会談する。
 ミサイル防衛網について大統領は11日の欧州記者団との会見で「これが出来なければ、何者かがミサイルの照準を我々に合わせる危険を排除できない」と述べて「ならず者国家」の攻撃から米国と同盟国を守る意義を改めて強調。その上で、「最初の作業が友好国のロシアと欧州との協議であり、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約がミサイル防衛網開発の妨げになっていると説明することだ」と語り、欧州・ロシア首脳との会談でABM条約の破棄・見直しの必要性を訴える考えを示した。
 ミサイル防衛網については、英独両国に続いてシラク仏大統領も「条件付き支持」に転じ、ロシアも米国との共同開発案に関心を示すなど、かたくなに拒否する姿勢ではない。しかし、米国では上院で野党・民主党が主導権を握ったため、ミサイル防衛推進が承認されるかどうか不透明になった。欧州、ロシアもこうした米国の事情を見透かし、自国に有利な条件を求めてくるのは確実で、明白な支持が得られるかは微妙だ。
 京都議定書問題では、大統領は会見で「(温室効果ガス削減を)国連の枠組みの中で、友好国との協議を通じ進めていく」と語った。大統領が11日に発表した議定書への代替案は具体性に欠け、排出削減義務を盛った京都議定書順守で足並みをそろえるEUを説得するのは難しいと見られる。[2001-06-12-23:57] 188
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 06/12@<PKO武器使用>「外国人守るため」でも違法ではない (毎日新聞)

 外務省の谷内正太郎総合政策局長は12日の参院外交防衛委員会で、国連平和活動(PKO)に派遣する自衛隊員の武器使用について「外国人を含め、他人の生命などを守るための武器使用であっても、刑法の正当防衛・緊急避難に当たる場合には違法性が阻却される」と述べた。
 この答弁は、PKO派遣要員の他国要員を守るための武器使用が「PKO協力法に明記されておらず、集団的自衛権の行使に該当する」との指摘があるため、正当防衛などの場合は自衛権の行使ではなく、自己保存のための自然権的権利に当たるとの認識を示したものだ。 [2001-06-12-19:00] 189
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 06/12@大使に民間人登用を検討 日米外相会談で安保協議(共同通信)

 田中真紀子外相は十二日午後の参院外交防衛委員会で、大使ポストへの民間人登用について「人を得れば、それに越したことはないので、どうぞご推薦いただきたい」と述べ、積極的に起用を検討する考えを示した。
 十八日にワシントンで行う方向で調整中のパウエル米国務長官との会談については@北東アジア情勢A沖縄の在日米軍問題を含む安全保障問題B貿易・経済問題―などが議題になるとの見通しを表明。特に沖縄問題で「日米地位協定や日米特別行動委員会(SACO)最終報告、地元から兵力削減要求が出ている問題などで日本の声をトータルに伝え、米国の戦略、思いをフレッシュな感性でうかがいたい」と強調した。
 昨年十月から中断している朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉に関連し「(北朝鮮側の要求は)ちょっと度が過ぎている。謝罪や賠償、行方不明者の問題について日本政府としてストラテジー(戦略)をしっかりと持っていないとなかなか容易でない」と述べ、交渉再開は当面難しいとの認識を示した。
 公明党の益田洋介、社民党の田英夫両氏らへの答弁。(了)[2001-06-12-18:48] 193
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 06/12@14日「上海ファイブ」開幕 ウズベク加え常設組織に(共同通信)

 【上海12日共同】国境を接する中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの五カ国で構成する定期首脳会議「上海5(ファイブ)」が十四、十五の両日、中国の上海市で開かれる。
 一九九六年に上海で始まったことから名付けられ、各国持ち回りで毎年開かれてきた同会議は、二巡目を機に名称を「上海協力機構」(仮称)と変更する。また、ウズベキスタンを新たな加盟国に迎え、安全保障や治安、経済、文化など幅広い分野での協力を図る常設組織に格上げされる。
 会議では、米国のミサイル防衛計画についても意見が交換される予定で、中国とロシアを主軸にした各国の関係強化や拡大は米国を刺激しそうだ。
 中国外務省によると、会議には、新加盟するウズベクのカリモフ大統領も参加。中ロなど二国間首脳会談も行われる。
 中国筋によると、各国首脳は、分裂主義とテロリズム、原理主義に反対することなどを盛り込んだ「上海条約」に調印する予定。この条約は国連に登記され、成員以外の国が参加することを歓迎するという。
 また、加盟各国首相の会合が定期化される予定で、国境貿易やエネルギー開発、交通網整備の推進などについて協議する初会合が、今年九月にカザフの首都アスタナで開かれる。
 新組織の常設事務局は、上海に置かれることになる見込み。パキスタンやモンゴル、インドなども加盟を希望しているが、成員の拡大は徐々に行うべきとの意見が強いようだ。(了)[2001-06-12-16:24] 198
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 06/12@<ここだけの話>「いつやめてもいい」のは(毎日新聞)

 親しい外務官僚と意見が合わず閉口した。例の外交機密費である。
 「税金の使い道はすべて納税者に知らされる。外交に関する金も当然である。しかし、機密費の性格上、使った翌年に開示するわけにも行くまい。そこで20年とか30年とか、一定の時間を経って開示する。外交文書と同じ扱いをすればいい」というのが、僕の意見である。
 キャリア氏は「それは素人の考えだ」と言う。20年、30年たっても金銭授受が明らかになれば、、協力者の名誉を毀損(き・そん)する。この種の金が公開されると日本国に協力する人物はいなくなるゾ」
 多分、スパイに払う金のことをいうのだろう。彼は具体的に「人命に関わる国際事件を金で解決した事例」をあげ、秘匿の必要を強調した。
 某国の皇太子が赤坂でドンチャン騒ぎ。挙げ句の果てに、料金を踏み倒して帰国してしまった。帰国後「払え」「払わない」のトラブルになり、結局、外交機密費で片を付けた。「こんなことでも、20年後に公開されたら国際紛争の火種になる」と玄人は冗談めかして話した。
 本当だろうか。ここだけの話だが素人の僕には「こじつけ」としか思えなかった。
 時足らずして、彼の言い分は理論的に破綻した。真紀子VS外務官僚のバトルで頭脳明晰(めい・せき)な彼らのオツムが正常に働かなくなったのだろう。外務官僚が外相会談の中身を次々にリークした。
 「田中外相の非常識」をアピールするためだろう。新聞に「真紀子のドジ」が報じられると、外務官僚が「報道は事実。これ、この通り」と外相会談議事録を記者に提示する。
 会談の中身は高度の機密事項ではないのか。相手国に対する「機密保持」の約束など、微塵もない。
 「機密」を勝手に漏らして「やった、やった」とはしゃぐ外務官僚。彼らが守るという我が国に「機密費を使うほどの機密」なんて、実は存在しないのではないのか。
 喧嘩に素人(失礼?)な外務次官は「俺はいつ辞めても良い」と開き直っているようだが、彼が言うべきは「外交機密費なんて、いつ辞めてもいい」――ではないのかなぁ? 【編集委員】 [2001-06-12-13:55] 199
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 06/12@漏えい対策? 通訳は複数でと田中外相、日米外相会談(朝日新聞)

 田中真紀子外相は12日の参院外交防衛委員会で、18日に内定したパウエル米国務長官との会談の際、「複数の通訳とノートテーカー(記録担当者)を使うよう事務当局に指示した」と明らかにした。その理由について外相は、イタリアやドイツの外相らとの会談記録が「事実に反する形で外部に漏れた。通訳が間違ったか、書類を受けた局長が内容を変えたかだ」と指摘した。
 外相はまた「私が見ていない記録は絶対に外に出さない」とも述べ、今後、会談記録は自らが決裁し、外務省内や在外公館などに回覧するかどうかを判断する考えを示した。「私が了承していない記録を大臣の名前で世間に出したのは、官僚のおごりと暴走だ。だれかが責任をとらねばならない。漏らした官僚は名乗り出て、責任をとってほしい」とも語った。[2001-06-12-13:41] 201
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 06/12@会談記録漏えいで責任追及 官僚のおごり、暴走と外相(共同通信)

 田中真紀子外相は十二日午前の参院外交防衛委員会で、ドイツ、イタリアなどとの外相会談の記録が「漏えい」したことについて「官僚のおごり、暴走で外国、日本国民が振り回され、結果的に不利益を被った。だれかが責任を取らなければならない」と述べ、外務省幹部の責任をあくまで追及する考えを表明した。
 外相は漏えいした会談記録について「決裁していない」と指摘。飯村豊官房長は「お忙しい大臣の手を煩わせないため、従来から事務方に任せていただき、大臣決裁なく(関係者に)通知することになっている」と説明したが、外相は納得せず「そんな軽いことではない。責任を取っていただかなければならない」と、その場で叱責(しっせき)した。
 また会談記録について「間違って世の中に公表された」とし、十八日に予定される日米外相会談では複数の通訳、記録者を同席させることを明らかにした。
 外相は北方領土交渉について「領土問題は決してぶれてはいけない。四島の帰属の問題をはっきりさせてから平和条約締結に至るべきで、それを踏み外してはならない。日本の対ロ外交の基本だ」と述べ、歯舞、色丹の「二島先行返還方式」を否定し、四島の帰属を一括明確化させる方式で交渉に臨むべきだとの見解を示した。
 外務省改革では「生みの苦しみの一端を担っている。政治家として今つらくても、必ず勉強になると前向きにとらえようとしている」「私が負けなければ政治は動く」と改革断行の決意を強調した。
 自民党の森山裕、民主党の今井澄、社民党の田英夫各氏への答弁。(了)[2001-06-12-12:50] 222
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 06/12@人間中心の取り組み創造 緒方前高等弁務官(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】「人間の安全保障委員会」の初会合出席のため訪米中の緒方貞子前国連難民高等弁務官は十一日、国連本部で会見し、人間の尊厳と生存を脅かす問題に対処するため「新たな人間中心の取り組みを創造したい」と抱負を語った。
 緒方氏は「一部の人々、地域だけがグローバル化進行の恩恵を受けている」と述べ、均衡ある経済発展を達成する必要性を強調。紛争や貧困、感染症などに対処するため「二○○三年前半までに具体策を提案する」と述べた。
 同委員会は緒方氏とノーベル経済学賞受賞者のアマーティア・セン英ケンブリッジ大教授が共同議長となり、九日に初会合を開いた。(了)[2001-06-12-08:50]
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 06/13@マケドニア、台湾と断交(読売新聞)

 【ベオグラード13日=佐々木良寿】マケドニアからの報道によると、同国政府は12日、一昨年初めに外交関係を結んだばかりの台湾と断交し、中国との国交を回復することを決めた。マケドニア国内で深刻化するアルバニア系武装勢力との紛争を巡り、国連安保理常任理事国である中国を味方につけることで、武装勢力を国際的に孤立させることが狙いだ。
 一昨年、台湾と外交関係を樹立した時点では、マケドニア政府の最優先課題は経済再建だった。台湾側は3億ドルの資金援助と10億ドル規模の長期的な投資を提示したと伝えられた。
 ところが中国は、その報復として、マケドニアの対ユーゴスラビア国境地帯に展開していた国連予防展開軍の駐留延長について安保理で拒否権を行使。この結果、展開軍は撤退し、アルバニア系武装勢力がユーゴ・コソボ側から侵入する遠因となった。
 マケドニア政府の今回の動きを察知した台湾は先月末、田弘茂外交部長がスコピエを訪問し、ゲオルギエフスキ首相に翻意を促したが、「国内の反乱に対処するため、中国の支持が必要」と拒否されたという。
          ◇
 ◆台湾「織り込み済み」も外交上大きな痛手◆
 【台北13日=若山樹一郎】マケドニアが台湾と断交、中国との国交回復を決めたとの報道について、台湾外交部(外務省)の張小月報道官は13日、記者会見し、「断交した場合、民間窓口交流を含め、いかなる形の関係も維持しないし、既にマケドニアへの投資計画も凍結している」と述べ、断交は織り込み済みとの立場を示した。
 台湾は、今年4月の李登輝前総統の日本訪問に次ぎ、5月には陳総統が中南米歴訪の途上、米ニューヨークへの訪問を実現させるなど、「外交上の突破」が相次いだが、マケドニアとの断交は大きな痛手だ。
 マケドニアが正式に断交すれば、台湾が外交関係を持つ国は28か国となり、欧州ではバチカンだけになる。台湾が外交関係を持つアフリカ諸国8か国に対しても、中国が外交攻勢を強めており、台湾にとっては厳しい状況が続きそうだ。 [2001-06-13-22:12] 89
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 06/13@<NATO非公式首脳会議>米大統領が「新たな脅威」訴え(毎日新聞)

 【ブリュッセル布施広】欧州歴訪中のブッシュ米大統領は13日、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)非公式首脳会議で演説し、ミサイル拡散などの「新たな脅威」に対応する必要性を訴えた。非公開の討議で、大統領はミサイル防衛構想と核戦力削減を2本柱とする米国の新戦略を説明した模様だ。
 一方、シラク・フランス大統領は「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約は戦略的均衡の柱」と述べ、米国を間接的に批判した。欧州諸国はミサイル防衛の開発・配備を通じ、米国とロシア、中国との「新たな冷戦」や軍拡競争が始まることを懸念している。ブッシュ政権は21世紀の新戦略をめぐり、同盟国と歩み寄るか、孤立感を深めるかの分かれ道に直面している。
 冒頭に演説したブッシュ大統領は、今後すべきこととして、同盟の強化とNATO軍の近代化、ロシアやウクライナとの協力拡大、02年のNATO新規加盟国の承認を挙げたほか、「新たな脅威」に備えることを訴えた。
 「脅威」の実体には言及しなかったが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどの弾道ミサイル、生物・化学兵器などを念頭に置いた発言とみられる。
 ブッシュ大統領は12日、アスナール・スペイン首相との会談で、「攻撃と防御の両面を含む安全保障の新戦略」の必要性で一致した。「攻撃」面ではロシアとの戦略兵器削減条約(START)交渉の枠を超えて米国の核弾頭を大幅に削減。「防御」面では、ABM制限条約を修正または廃棄して、ミサイル防衛の配備に道を開く構想との見方が強い。 [2001-06-13-21:15] 92
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 06/13@<旧ユーゴ国際戦犯法廷>「一生懸命やりたい」 多谷検事(毎日新聞)

 旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)の訴訟判事に日本人女性として初めて選出された多谷千香子(たや・ちかこ)・東京高検検事(55)が13日、法務省で会見し「日本の国際貢献の一環として一生懸命やりたい」と、抱負を語った。
 同法廷は、旧ユーゴスラビアで起きた大量殺りくや、人道に対する罪の容疑者訴追を目的に、国連安保理決議によって93年にハーグに設置された。多谷さんは「民族紛争は、歴史的負の遺産。平和は与えられるものでなく、努力しないと勝ち取れない。公正な裁判をすることも、努力の一環だと思うので、誠実に裁判に取り組みたい」と述べた。
 多谷さんは、欧州安保協力機構(OSCE)の派遣団メンバーとしてマケドニアに滞在したこともあり、「国際社会の中で、冷戦後に生まれた民族紛争と新たな貧困を抑止する力になりたい」と語った。 【伊藤正志】 [2001-06-13-19:05] 93
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 06/13@公正な裁判を実行 多谷検事が記者会見 旧ユーゴ国際戦犯法(共同通信)

 旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷の訴訟判事に選出された多谷千香子東京高検検事は十三日午後、法務省内で記者会見し「ダブルスタンダードとの批判を招かないよう、公正な態度で裁判を着実に実行していきたい」と抱負を述べた。
 多谷氏は「旧ユーゴの民族紛争では、婦女暴行が『民族浄化』策として行われた。被害者の女性は同じ痛みを分かってもらえる人に聞いてもらいたいとの希望があると思う」と、女性が訴訟判事に選ばれた意義を強調。同時に「昔からの負の積み重ねが紛争の原因になっている。負の遺産に手を染めていない国の方が、公正だと思ってもらえるのでは」と、日本人が選ばれたメリットを指摘した。
 二年前の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆のような武力介入に関して「人道的介入というが、個人的には多大な疑問を持っている。力による介入によって民族紛争を防止するのではなく、将来的には正義に訴えて(紛争を抑止する)制度をつくるべきだ」との見解を示した。(了)[2001-06-13-18:51] 94
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 06/13@ミサイル防衛に理解求める NATO会議で米大統領(共同通信)

 【ブリュッセル13日共同】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が十三日、ブリュッセルのNATO本部で開かれ、ブッシュ米大統領がミサイル防衛計画を含む米政府の新たな防衛構想を説明、欧州諸国首脳に理解を求める。
 この首脳会議は一月に就任したブッシュ大統領にとって、二十一世紀の脅威に対応する新たな安全保障システム確立に向けた最大の外交舞台となるが、欧州諸国の間には、ブッシュ政権が安全保障、環境政策などで国際社会との対話を軽視するユニラテラリズム(一方的外交)に走っているとの批判が強まっており、ミサイル防衛計画や弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約修正問題をめぐる米・欧間の溝を完全に埋めるのは困難な状況だ。
 米政府高官によると、首脳会議でブッシュ大統領は、イラクなどの「ならず者国家」による生物・化学兵器などの脅威の存在を指摘、これに対抗するために、米国、欧州にミサイル防衛システムを配備する必要性を訴える。
 さらにNATO拡大問題に関して大統領は「いかなる国も排除されるべきでない」と述べており、首脳会議でも拡大方針への支持を表明する意向だ。
 バルカン半島に駐留する米軍部隊の撤退問題については、引き続き現地にとどまる方針を正式に表明。また首脳会議ではマケドニアを含むバルカン情勢に関する声明も発表される予定。
 ブリュッセルでブッシュ大統領はベルギー国王アルベール二世とも会談する。(了)[2001-06-13-15:10] 95
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 06/13@<クロアチア>民主同盟党首が会見 「連邦政府は無効」と言(毎日新聞)

 【モスタル(ボスニア南部)福井聡】ボスニア・ヘルツェゴビナ南部で「自治政府樹立」を宣言したクロアチア民主同盟のアンテ・エラビッチ党首は12日、当地で毎日新聞と会見した。ボスニアの2行政体の一つ、ボスニア連邦(イスラム教徒、クロアチア人が主体)に対し、エラビッチ党首は「連邦政府は無効」と言明。95年のデイトン和平合意の順守状況について「民族共存が守られていない」と非難した。
 会見で、エラビッチ党首は「我が党は選挙でクロアチア人の8割以上の支持を得た。多数派の5州を基盤に自治政府を運営する」と主張した。
 ボスニア連邦では2月末、クロアチア民主同盟など民族強硬派を除き、15党の連立政府を発足させた。一方、クロアチア民主同盟は3月に州レベルの自治政府樹立を宣言。これに対し、ボスニアの民政を統括するペトリッチ和平履行会議上級代表はボスニア全体の行政府・幹部会の議長だったエラビッチ党首を解任し、4月に民族同盟の資金源とされる銀行の強制管理に踏み切った。
 同党首は「ボスニア連邦で我々クロアチア人はイスラム教徒と対等の地位を得たいが、イスラム教徒は年々勢力を拡大し、デイトン合意は実践されていない」と自治政府設立の動機を語った。
 現在のボスニアは、ボスニア連邦とセルビア人共和国で構成。同党首は「我々の目的は3民族共存だが、95年のデイトン合意でセルビア人は単一民族の共和国を獲得し、今後決して手放さないだろう」と述べ、民族融和の難しさを強調した。
 ボスニア憲法は州政府樹立を認めているが、連邦政府権限への介入や干渉は禁止しており、同党首は「憲法の範囲内での抵抗」と力説した。だが、ボスニア連邦内のクロアチア人兵士8000人は3月以来、同党首の「勧告」で軍から離脱している。 [2001-06-13-15:05] 96
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 06/13@多谷千香子検事が2位当選 日本初の女性国際裁判官 国連法(共同通信)

 【ニューヨーク12日共同=伊藤英一】国連総会は十二日、ミロシェビッチ前大統領の身柄引き渡しが焦点になっている旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)の訴訟判事の選挙を実施、日本から唯一人立候補した東京高検の多谷千香子検事(55)が二位当選を果たした。
 国際司法裁判所やルワンダ国際犯罪法廷などを含め、国連が設置した国際法廷で日本人女性が判事に就任するのは初めて。アナン国連事務総長が近く正式に任命、十月にもハーグでの審理を担当することになる。任期は四年。
 選挙では、国連加盟百八十九カ国とオブザーバーのスイスなど計百九十一カ国に投票資格が与えられ、百七十四カ国が投票に参加。各国が候補者五十一人から二十七人を選ぶ仕組みで、多谷氏は棄権を含めた有効投票数百七十二票のうち百四十五票を獲得、得票数でシンガポールの憲法裁判所長官を務めた大物候補に続いた。
 旧ユーゴ法廷の訴訟判事は十四人の常駐判事とは別に、特定事案で常駐判事を補佐しながら審理を担当する。どの事案を審理するかは、今回の選挙での得票数や出身地域によって振り分けられる。
 ミロシェビッチ氏が大統領を退陣した昨年十月のユーゴ政変で旧ユーゴ戦犯法廷での審理増大が見込まれることから、迅速な審理を実現するため、同十一月の安全保障理事会で計二十七人の訴訟判事ポストを置くことが決まった。
 多谷氏は一九四六年四月滋賀県生まれ。東大教養学部を卒業後、大阪地検検事、東京地検検事などを経て、昨年から東京高検で外国人犯罪問題などを担当。九八年から国連の女性差別撤廃委員会の委員を務めるなど国連活動とかかわりが深く、神戸大大学院でも客員教授として講義を行っていた。(了)[2001-06-13-12:07] 97
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 06/13@<旧ユーゴ国際戦犯法廷>日本の多谷・東京高検検事が2位で(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】旧ユーゴ国際戦犯法廷の訴訟判事の選挙が12日に国連本部で行われ、日本の多谷千香子・東京高検検事(55)が2位の得票数で当選した。国連は旧ユーゴとルワンダに国際戦犯法廷を設けているが、日本人女性が裁判官になるのは初めて。
 選挙(定員27)には35カ国から51人が立候補した。多谷検事は、95年に旧ユーゴを訪問したり、国連女子差別撤廃委員として活躍してきたことが評価された。
 旧ユーゴ国際戦犯法廷は、旧ユーゴの領内で起きた大量殺人や人道に対する罪を犯した容疑者を訴追するため、国連決議に基づいて93年にハーグ(オランダ)に設けられた。
 訴訟判事は、訴訟案件ごとに国連事務総長から任命を受け、常任裁判官とともに第1審の審理に加わる。旧ユーゴ国際戦犯法廷は審理を迅速に行うため、昨年11月、国連安保理の決定に基づき、常任裁判官(14人)のほかに27人の訴訟裁判官を登録することを決めていた。
 多谷検事は、東京地検検事、外務省国連局、総務庁青少年対策本部参事官などを経て現職。 [2001-06-13-11:35] 98
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 06/13@<ブッシュ氏>NATO新規加盟問題で、間接的にロシアをけ(毎日新聞)

 【マドリード布施広】ブッシュ米大統領は12日、マドリードで記者会見し、北大西洋条約機構(NATO)の新規加盟問題について「NATOは拡大すべきだと固く信じる。どの国も拡大に拒否権は行使できない」と述べ、間接的にロシアを強くけん制した。また、13日のNATO首脳会議で演説する大統領は「演説は極めて重要なものになる」と予告、ミサイル防衛と核戦力削減を柱とした新戦略を打ち出すことを示唆した。
 NATOの新規加盟候補としては、16日にブッシュ大統領が訪問するスロベニアのほか、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国の名前も上がり、ロシアはバルト諸国の加盟に強く反対している。ブッシュ大統領は新規加盟国をめぐるロシアの介入にクギを刺した格好だ。
 ブッシュ大統領はまた、会見で、「新たな脅威」に備えるミサイル防衛の必要性を説いたほか、アスナール・スペイン首相と共同声明を発表し、攻撃と防御の両面を含めた「包括的な安全保障新戦略」を確立する方針を表明。スペインがミサイル防衛構想に理解を示したことを示唆した。
 一方、ブッシュ大統領は、地球温暖化のための京都議定書が、途上国に二酸化炭素削減の目標を課していないなどと批判、議定書は「非現実的だ」との見解を表明し、「不完全な協定だ」と結論付けた。 [2001-06-13-10:50] 99
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 06/13@<マケドニア政府>中国との国交を復活 台湾との国交を断絶(毎日新聞)

 【ドブロブニク(クロアチア南部)福井聡】マケドニア政府は12日、2年間に及ぶ台湾との国交を断絶し、中国との国交を復活させた。マケドニアはこれまで台湾が正式国交を結んでいる29カ国のうち、バチカンを除く欧州唯一の国だった。
 マケドニアは99年、台湾政府が3億ドル(約360億円)の直接援助と10億ドル(約1200億円)以上の長期投資を提示した後、台湾との国交樹立を発表し、中国と断交してきた。だが、その後、台湾からの直接投資は進まず、直接投資額は2000万ドル(約24億円)にとどまっている。
 中国は99年、国連安保理が国際平和部隊のマケドニア駐在を延期する決議の際、拒否権を行使するなどマケドニアの台湾との国交樹立への抗議を続け、アルバニア系ゲリラとの紛争を抱えて、国際社会全体からの支援を必要とするマケドニア政府は安保理常任理事国・中国との国交重視に傾いていた。 [2001-06-13-10:50] 101
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 06/13@日本人初の国際戦犯法廷判事が誕生(朝日新聞)

 国連の旧ユーゴスラビア戦犯法廷の判事に、多谷千香子・東京高検検事(55)が就任することが12日決まった。国連総会で投票があり、当選した。
 国際戦犯法廷で日本人が判事に就くのは初めて。戦犯法廷以外では、国際司法裁判所に小田滋氏、国際海洋法裁判所に山本草二氏がそれぞれ判事として就任している。
 多谷氏はアナン事務総長から8月に任命され、早ければ10月にはオランダ・ハーグに赴任する。任期は4年。
 旧ユーゴ法廷は93年に設置された。領内で起きた弾圧や殺害などを調べ、ミロシェビッチ氏やセルビア人勢力指導者カラジッチ氏らを起訴した。ミロシェビッチ前大統領はすでにユーゴ当局に逮捕されているが、ユーゴ当局は「国内裁判が優先する」として、国際法廷への身柄引き渡しには応じていない。
 多谷氏は滋賀県生まれ。東京、名古屋、浦和などの各地検を経て、東京高検検事。国連世界人権会議に日本代表顧問として参加した。[2001-06-13-10:30] 102
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 06/13@旧ユーゴ戦犯法廷の裁判官に東京高検の女性検事(読売新聞)

 【ニューヨーク12日=松浦一樹】国連総会は12日、旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)の新設ポスト「訴訟裁判官」27人の選挙を行い、東京高検の多谷千香子検事(55)が当選した。国際法廷で日本人女性の判事就任は初めて。
 訴訟裁判官は、国連安全保障理事会が昨年11月、旧ユーゴ国際法廷の審理を速めるため新設し、常任裁判官14人を補佐する。アナン国連事務総長が随時、担当案件を割り当てる。選挙には日本を含む35か国が計51人の候補を立て、多谷氏は1回目の投票で145票を獲得し、2位当選を決めた。
 多谷氏は東大卒。東京地検検事、大阪高検検事などを経て現職。93年にはウィーンで開かれた国連世界人権会議の日本政府代表顧問を務めた。 [2001-06-13-10:22] 104
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 06/13@加速する旧ユーゴ法廷審理 多谷検事、ミロシェビッチ氏担当(共同通信)

 【ニューヨーク12日共同】国連総会が十二日、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷の訴訟判事に多谷千香子検事(55)らを選出したことで、世界に悪名をとどろかせた旧ユーゴでの「人道に対する罪」の裁判は今後、急ピッチで進むことになる。
 多谷検事は@二位で当選A宗教上、中立な立場を維持しやすい日本出身B女性―であることなどから重要案件を任される可能性が強く、同筋は「ミロシェビッチ前ユーゴ大統領が法廷に引き渡されれば、その担当に抜てきされることもあり得る」と指摘した。
 国連資料によると、同法廷の被告として身柄拘束されているのは三十八人(四月十八日現在)。裁判は順次進行しているが、一審段階で裁判終了まで平均四カ月かかる上、このほかにもミロシェビッチ前大統領ら計十二人に国際逮捕状が出されており、ユーゴ当局の判断によっては相当数が同法廷被告席に座ることになる。
 国連はこのため「二○一八年までかかる訴訟を、○七年までに終了させる」(国連外交筋)ことを目指して訴訟判事制度を導入。各被告には判事一人、訴訟判事二人の計三人が担当し、訴訟の迅速化が図られる見通しだ。(了)[2001-06-13-08:27] 139
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 06/13@米国防長官諮問委、長距離攻撃力の強化など提言(読売新聞)

 【ワシントン12日=柴田岳】米軍の抜本的戦略見直しを進めているラムズフェルド国防長官の諮問委員会(委員長=ジェームズ・マッカーシー元空将)は12日、米本土からの長距離攻撃能力の向上や、陸海空各軍と海兵隊の統合運用の強化を柱とする提言を発表した。国防長官は、提言を今年9月にも発表する4年ごとの戦略見直し(QDR)に反映させる方針だ。
 米太平洋軍には長距離攻撃能力の向上が日本や韓国の駐留米軍の縮小につながりかねないとの警戒感が強まっているが、提言は米軍前方展開の強化も強調しており、軍の懸念に配慮した形になった。ただ、軍備調達計画の変更につながるため、今後、軍需産業や米議会の反発も予想される。
 提言は、冷戦後の世界で発生する多種多様な紛争に効果的に対処するには、統合された米軍部隊を即時に地球規模で派遣できる体制を整えるとともに、米本土などから目標を的確に攻撃する長距離兵器の開発を進めることが重要だと強調。その上で、〈1〉トライデント級潜水艦への巡航ミサイル配備〈2〉長距離爆撃機の輸送能力増強や小型爆弾の開発〈3〉長距離ステルス性巡航ミサイルや無人偵察機の開発・配備――などを求めている。さらに、統合軍の運用に不可欠な指揮・統制機能の確立や、ミサイル防衛構想の推進、宇宙防衛への取り組みの必要性なども指摘している。
 提言を出したのは、ラムズフェルド国防長官の複数ある諮問委員会の一つで、米軍の通常戦力の見直しの方向性を検討していた。 [2001-06-13-12:37] 157
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 06/13@遠方からの攻撃を重視 前方展開との整合性欠く(共同通信)

 【ワシントン12日共同】マッカーシー米元空将が十二日発表した提言は、敵国の遠方から精密な兵器を使い、米側の被害を防ぎながら攻撃する戦略の重要性を説いたことが最大のポイントだ。
 こうした考え方はブッシュ政権のミサイル防衛構想にも相通じている。
 米ソの核抑止による平和維持は終わり、冷戦終結の結果、核の傘にいた国々では宗教や民族対立に根ざす紛争が続発。軍事抑止が効かない国家が出てきた以上、大量破壊兵器やミサイルの脅威から自国を守る手段を強化しなければならない―。これが同政権の軍事戦略見直しの基本的な立場だ。
 今回の提言は長射程巡航ミサイルの開発などを求める一方、前方展開能力の強化も盛り込み、整合性に欠ける面は否定できない。
 ブッシュ政権の戦略見直しを進めるラムズフェルド国防長官が「長距離攻撃能力を向上させ、前方では同盟国の役割分担を求めていく」(米軍事筋)との見方がある一方、「前方展開に影響を及ぼす技術革新は数十年間あり得ない」(元国防総省高官)との懐疑論もあり、今回の提言が前方展開にどう影響するか不透明だ。(了)[2001-06-13-09:53] 168
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 06/13@子供兵、世界に30万人 非政府組織(NGO)(共同通信)

 【ヨハネスブルク12日共同】子供が強制的に兵役につかされたり、戦闘へ駆り出されたりするのを食い止めるためアムネスティ・インターナショナルなどの非政府組織(NGO)がつくった「子供兵士を禁止する連合体」は十二日、世界の四十一カ国で少なくとも三十万人以上の十八歳未満の少年少女が戦闘に参加しているとの報告書を発表した。
 それによると、サハラ以南のアフリカでは十二万人の子供兵が戦闘に参加。世界で子供兵が最も多い国の一つとしてアジアではミャンマーを挙げた。南米やバルカン半島、中東では改善に向かっていると評価した。子供兵の大半は十五―十八歳だが、七歳の兵士も確認された。子供たちは前線での戦闘や地雷の敷設や除去、スパイ活動などに従事しているという。
 報告書は、日本についても「自衛隊は少年らを訓練目的で受け入れている」と指摘した。(了)[2001-06-13-07:51] 171
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 06/13@<余録>ブッシュ大統領の京都議定書不支持表明(毎日新聞)

 6月5日は世界環境デーである。72年6月5日、ストックホルムで国連人間環境会議が開かれ、人間環境宣言が採択されたのを記念して設けられた▲日本では環境の日。その日をはさんで6月いっぱいを環境月間と名づけている。まさか環境月間に当てつけたわけでもないだろうが、ブッシュ米大統領は11日、地球温暖化防止のための京都議定書を「致命的な欠陥がある」と非難し、議定書に参加しないことを改めて強調した▲ブッシュ氏は大統領選挙戦中、二酸化炭素規制を公約、当選してからも温暖化問題に乗り気な姿勢を見せていた。3月になって二酸化炭素の規制はしないと言いだし、さらに一方的に京都議定書不支持を表明して、日本と欧州にショックを与えた▲「新大統領はワシントンの空気を変えると言って乗り込んで来たが、彼が変えたかったのは気候だった」と民主党のゲッパート下院院内総務が皮肉っている。突然の方向転換の裏には、ブッシュ大統領が昨年まで知事だったテキサス州をはじめとする石油、石炭業界の意向が働いたようだ▲京都議定書には、環境問題に熱心だった民主党の大統領候補、ゴア副大統領(当時)の思い入れが込められている。議定書に対するブッシュ大統領の非難は、ワシントンの敵を京都で討ったというところか。しかし、そうしている間にも地球温暖化は徐々に、だが確実に進行している▲車椅子の宇宙物理学者、ホーキング博士は「温暖化で気温は上昇し続け、地球は金星のようになり、人類は今後1000年以内に滅亡する恐れがある」と真顔で警告している。もうだれが勝ったとか負けたとか、のんびりしたことを言っている時代ではない。人間の環境を守るために、立ち上がらなければ。 [2001-06-13-00:20] [このページの最初に戻る]


 06/14@中国、マケドニアとの国交回復歓迎し国連協力再開へ(読売新聞)

 【北京14日=杉山祐之】中国外務省報道局の孫玉璽・副局長は14日の定例記者会見で、マケドニアが台湾との断交、中国との国交回復を決めたことに歓迎の意向を表明するとともに、両国関係正常化の後、マケドニアに対する国連協力を再開する考えを示した。
 マケドニアは1999年1月、台湾と外交関係を樹立。中国はこれに対し、マケドニアと断交し、同国での国連予防展開軍の駐留延長について安保理で拒否権を行使した。孫副局長は、国連軍のマケドニア再展開を支持するかとの質問に対し、「(断交以前に)両国は国際組織、国際的舞台で非常に良い協力をしていた。関係正常化は両国、両国人民の根本的利益に合致する。正常化以後は、過去にあった多くの協力を継続していく」と述べた。 [2001-06-14-22:38] 75
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 06/14@米ミサイル防衛計画への反対で一致 中ロ首脳会談(朝日新聞)

 中国の江沢民国家主席は14日、訪中したロシアのプーチン大統領と上海市内のホテルで会談した。ブッシュ米政権の発足以来、中ロの首脳会談は初めて。両首脳はスロベニアでの米ロ首脳会談(16日)を前に、米国のミサイル防衛に反対する立場で一致した。
 中国側の説明によると、プーチン大統領は弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の順守を訴える形で、米のミサイル防衛に反対する立場を改めて表明。江主席は「世界の戦略バランスの安定に向けたロシアの努力を支持する」とこたえた。今後もこの問題で密接な協議を続けることで一致した。
 一方、ロシアのイワノフ外相が会談後、記者団に明らかにしたところでは、江主席は対米関係の改善に対して前向きな姿勢も表明。中国側によると、両首脳は米政権との関係発展への努力を続けることを確認した。
 両首脳は7月に予定される江主席のロシア公式訪問の準備を精力的に進めることで一致した。80年に失効した中ソ友好同盟相互援助条約に代わる中ロ善隣友好協力条約の正式調印を目指すことを確認。江主席は「中ロ関係の発展は世界の多極化推進に重要な意義がある」と強調した。[2001-06-14-21:03] 76
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 06/14@中露首脳、米ミサイル防衛計画に原則反対を確認(読売新聞)

 【上海14日=江上志朗】中国の江沢民国家主席は14日、中国とロシア、中央アジア三か国首脳会談(上海5)出席のため、上海入りしたプーチン露大統領と会談し、米ブッシュ政権が推進を表明しているミサイル防衛計画に、原則的に反対する立場を確認した。
 新華社電によると、プーチン大統領は、ミサイル防衛に関し、(反対とする)ロシアの原則的立場を説明。江主席は、国際戦略バランスの維持に努めるロシアの努力を支持すると表明し、ミサイル防衛計画について密接な意見交換を継続することで一致した。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約維持の重要性で一致したものと見られる。
 会談後に記者会見した朱邦造報道局長によると、両首脳はABM条約について協議したことを認めた。
 ただ、明確にミサイル防衛計画に「反対」の立場を表明しなかったのはプーチン大統領が16日、スロベニアでブッシュ大統領との初の首脳会談を控えていることなどに配慮し、交渉の余地を残すため、強硬姿勢を避けたものと見られる。[2001-06-14-21:00] 77
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 06/14@米中間で微妙な綱渡り ミサイル防衛でロシア(共同通信)

 【モスクワ14日共同】ロシアのプーチン大統領は十四日の中国の江沢民国家主席との首脳会談で、十六日のスロベニア・リュブリャナでの米ロ首脳会談を前に、米国のミサイル防衛計画に反対する中ロの共同歩調を確認した。
 しかし水面下では、ロシア以上にミサイル防衛に強硬に反対する中国と、本音では何らかの妥協も排除しないロシアとの間で微妙な温度差が表れている。今後プーチン大統領は、中ロ共同戦線の維持とブッシュ米大統領との建設的な対話の枠組み構築、という二つの相反する課題実現で微妙な綱渡りを迫られそうだ。
 中国は、プーチン大統領がミサイル防衛の代替案として欧州戦域ミサイル防衛を欧米に提案したことに反発、ロシアが“抜け駆け”の形で米国と妥協することを警戒しているといわれる。
 ロシアが中国との共同戦線を貫徹してミサイル防衛に最後まで反対するのか、との質問に対して、クレムリン高官は十三日、米国との二国間協議で解決できることを望むと指摘。当面中国を米ロ交渉に参加させることに消極的な姿勢をにじませた。
 これは、中国を今後の米ロ対話に参加させた場合、米国との妥協模索で自国の手足を縛られる事態をロシアが嫌っているためとみられる。(了)[2001-06-14-20:36] 80
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 06/14@ABM条約改廃で難航必至 16日米ロ首脳が初会談(共同通信)

 【イエーテボリ(スウェーデン)14日共同】ブッシュ米大統領は十六日、プーチン・ロシア大統領とスロベニアのリュブリャナで初めて会談、次世代の安全保障の枠組みの中核として位置付けているミサイル防衛システム配備に不可欠な弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の廃棄もしくは修正実現を目指し、首脳レベルの交渉に入る。
 今回の会談では「顔合わせ程度で細部の議論は行われない」(ライス米大統領補佐官)見通しだが、両首脳は七月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)でも会談する。米政府はその後もロシア側との対話継続を望んでおり、これをきっかけに、第三次戦略兵器削減条約(START3)交渉の行方と絡む戦略核削減問題など安全保障に関する米ロ間の対話が本格化することになりそうだ。
 米政府高官などによると、リュブリャナ会談でブッシュ大統領はまず、米ソが厳しく対立した冷戦時代とは違い、米国はもはやロシアを敵とは見なしていないと表明。ミサイル防衛システムは大量破壊兵器の脅威を世界にまき散らす「ならず者国家」から米本土と同盟国を守ることが目的で、ロシアを標的にしていないとの米政府の立場を強調する。
 しかし十三日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議ではドイツ、フランスを中心とする欧州諸国からブッシュ大統領が提唱する新しい安全保障の枠組みに対する反対論が出ており、ロシア側がNATO加盟国の不一致のすきを突く形で、ABM制限条約の改廃に反対する可能性が大きい。(了)[2001-06-14-16:21] 83
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 06/14@ロシア大統領がユーゴ初訪問へ バルカンで影響力回復狙う(共同通信)

 【モスクワ13日共同】ベオグラードのロシア外交筋は十三日、共同通信の電話取材に対し、スロベニアでの米ロ首脳会談後の「プーチン大統領のユーゴ訪問の準備が進行中だ」と語り、大統領がユーゴを急きょ初訪問する予定であることを明らかにした。日程は「現在調整中」としている。
 アルバニア系武装組織の攻撃で緊迫するマケドニア情勢について、コシュトニツァ大統領らユーゴ指導部と協議する見込みで、ソ連崩壊後低下したバルカン地域でのロシアの影響力を回復する狙いがあるとみられる。
 ロシア大統領府高官も同日、米ロ首脳会談後に大統領がユーゴの首都ベオグラードを訪問するのかとの記者団の質問に対し「ノーコメント」と述べ、特に否定せず大統領のユーゴ訪問の可能性を示唆した。(了)[2001-06-14-07:38] 85
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 06/14@<NATO非公式首脳会議>ブッシュ米大統領の演説要旨(毎日新聞)

 ブッシュ米大統領が13日、NATO首脳会議で行った演説の要旨は次のとおり。
 我々の同盟が向かうべきビジョンを現実にするため、「五つの課題」について論じたい。
 世界は新たな脅威に直面している。核や生物・化学兵器を開発する国々が増え、それらの兵器を運搬する弾道ミサイル技術を保有している国々もある。ABM制限条約は、敵対する二つの超大国の核バランンスについてのものだ。ロシアのプーチン大統領が我々とともに新たな脅威と戦うように説得するのを手助けしてほしい。我々は、新しい安全保障の枠組みに円滑に移行できるよう共通の利害を有する。その一部がミサイル防衛だ。
 第2は、ロシアの未来は欧米とともにあるというメッセージを、ロシアの指導者と国民に送ることだ。第3は力の維持だ。米国は欧州の緊急対応部隊を歓迎する。
 第4に自由で平和な南東欧州を求める。マケドニア政府がゲリラに対抗できるよう、NATOは積極的な役割を果たす。5番目は加盟拡大だ。 【ブリュッセル支局】 [2001-06-14-01:30] 86
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 06/14@<NATO非公式首脳会議>新安全保障構築の必要性 米大統(毎日新聞)

 【ブリュッセル布施広】欧州歴訪中のブッシュ米大統領は13日、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)非公式首脳会議で演説し、ミサイル防衛の配備に向けて、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に代わる21世紀の「新たな安全保障の枠組み」を構築する必要性を訴えた。大統領は、NATOが直面する「五つの課題」として大量破壊兵器の拡散などを挙げ、ABM制限条約の修正・廃棄に向けて、ロシアのプーチン大統領を説得するよう同盟国に要請した。
 冒頭に演説した大統領は、旧ソ連の力を抑えて冷戦を無血裏に終わらせたNATOの歴史的役割を評価。さらに「自由の同盟(NATO)を中核とした自由で平和な欧州」を築く努力の一環として、ユーゴスラビア空爆によって民族浄化(異民族迫害)を食い止めたことなどを挙げた。
 その上で大統領は「まだすべきことがある」として、同盟の強化とNATO軍の近代化、ロシアやウクライナとの協力拡大、02年のNATO新規加盟国の承認を挙げたほか、「新たな脅威」に備えることを訴えた。「脅威」の実体には言及しなかったが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどの弾道ミサイル、生物・化学兵器などを念頭に置いた発言とみられる。
 さらに、非公開の協議の中で、大統領はミサイルの脅威に対処するミサイル防衛の構築に理解を示すよう要請、ABM制限条約の修正に反対するプーチン大統領が「別の考え方をするよう説得してほしい」と同盟国首脳に呼びかけた。協議後の記者会見で、大統領はABM制限条約は「冷戦時代の産物」であると述べ、廃棄への強い意欲を示唆した。
 これに対し欧州諸国は、ミサイル防衛の開発・配備を通じて、米国とロシア、中国との「新たな冷戦」や軍拡競争が始まることを懸念。シラク・フランス大統領は首脳会議で、「ABM制限条約は戦略的均衡の柱」と述べ、ブッシュ政権を間接的に批判した。 [2001-06-14-00:00]
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 06/15@<米大統領>ポーランド大統領らと会談 米欧の未来像など演(毎日新聞)

 【ワルシャワ布施広】ブッシュ米大統領は15日、ポーランドの首都ワルシャワを訪問し、クワシニエフスキ大統領らと会談した。この後、米国と欧州、ロシアの未来像に関して演説する。米高官によると、ブッシュ大統領は「共産主義は死んだ」と訴え、冷戦後の世界における米欧とロシアの新たな協力関係の構築を呼びかける。ブッシュ大統領は16日、欧州5カ国歴訪の締めくくりとしてスロベニアに入り、プーチン・ロシア大統領と初めて会談する。
 演説は15日夕(日本時間16日未明)、ワルシャワの大学で行われる。内容について高官は「共産主義が死んだことと、さほど偉大なイデオロギーではなかったことを訴える」と語った。演説は、冷戦終結から10年以上が過ぎた世界で、ロシアを含む新たな協力関係と安全保障体制を築く必要性を説くものになる。
 ブッシュ大統領は13日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、「ロシアは敵ではない」として「冷戦的発想からの脱却」を呼びかけ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどのミサイル開発を念頭に、米欧とロシアが「新たな脅威」に備えるよう訴えた。
 具体的には、ミサイル防衛導入への環境づくりであり、ブッシュ大統領が提言した「新たな安全保障の枠組み」は、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正・廃棄を前提とする。ワルシャワでの演説も、16日の米露首脳会談を意識したもので、ロシア側は「新たな協力関係」構想に、むしろ警戒感を強める可能性もある。
 「ベルリンの壁」の崩壊など冷戦終結の歴史的事件が起きたのは、ブッシュ大統領の父親が米大統領だった時。旧東側陣営のポーランドは今やNATO加盟国であり、13日のNATO首脳会議では米国のミサイル防衛構想に賛成したとされる。ブッシュ大統領はワルシャワでの演説で「時代の変化」を印象付け、冷戦後の世界における米国の新たな役割を打ち出す方針だ。 [2001-06-15-20:35] 61
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 06/15@<露大統領>米大統領と会談後、ユーゴ初訪問へ(毎日新聞)

 【モスクワ田中洋之】ロシア大統領府は15日、プーチン大統領が16日にスロベニアでブッシュ米大統領と会談後、ユーゴスラビアを初めて訪問しコシュトゥニツァ大統領と会談すると発表した。
 ロシアは経済復興支援やエネルギー供給などを通じて、同じスラブ国家であるユーゴをはじめバルカン半島での影響力拡大を狙っている。コシュトゥニツァ大統領は昨年10月の就任直後、モスクワでプーチン大統領と会談し、戦略的関係強化などで合意している。 [2001-06-15-19:00] 62
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 06/15@<モンテネグロ>国民投票不実施なら大統領支持を撤回 自由(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ福井聡】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国の独立急進派・自由同盟のビチコビッチ党首は13日、毎日新聞と会見し、「連邦からの独立を条件にジュカノビッチ(モンテネグロ共和国)大統領を支持した。8カ月以内に国民投票が行われなければ支持を撤回する」と述べた。
 同党首は「大統領は独立の是非について世論が割れている現状を好ましく思っており、国民投票実施への決意がみられない」と懐疑的な見方を示した。また「たとえ国民投票を実施しても、独立後にセルビアとの国家連合を作るのであれば自由同盟は参加しない」と断言した。
 4月に行われた同共和国議会選で、与党連合は定数77のうち36議席にとどまり、過半数に届かなかった。このため5月末に自由同盟(6議席)と1年間限りの協力協定に調印。自由同盟は与党連合を支持しているが、完全な独立推進を連携の条件にしており、新内閣発足後も波乱が予想されている。 [2001-06-15-18:37] 63
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 06/15@<マケドニア>アルバニア系ゲリラが一方的停戦を宣言(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】マケドニア北部クマノボ周辺で戦闘を続けるアルバニア系ゲリラ・民族解放軍は14日、「15日午前零時から27日まで」の一方的停戦を宣言した。
 解放軍は、欧州連合(EU)のソラナ共通外交安保担当上級代表と北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長のスコピエ入りに合わせて停戦を提示した。しかし、政府側は14日、NATOとEUに「ゲリラの武装解除支援」を正式に要請した。
 マケドニアのアルバニア系住民は、「自分たちの従属的地位を記載した」とする憲法前文の改正を要求しており、政府側も改訂に向けた姿勢を示し始めている。ただし、政府は「ゲリラの戦闘放棄」と条件にしており、「政府との対話が認められるまで戦闘を続ける」としていたゲリラ側との溝は埋まっていない。 [2001-06-15-18:37] 65
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 06/15@核安保対話で着地点探る 16日米ロ首脳会談(共同通信)

 【リュブリャナ15日共同】スロベニアのリュブリャナで十六日、ブッシュ米大統領と初の首脳会談に臨むロシアのプーチン大統領にとって、焦点のミサイル防衛計画をめぐる米ロ核安保協議の枠組み設置が会談での最大の眼目となる。対話を軌道に乗せて米国がミサイル防衛に一方的に着手するのを阻み、妥協への着地点を模索する構えだ。
 特に米政権がミサイル防衛に消極姿勢を示すフランス、ドイツなど欧州同盟国の説得に手間取っている情勢はロシアにとって格好の追い風。当面はミサイル防衛配備のため米国が求める弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約体制の破棄を拒否するなど強硬姿勢を維持する作戦だ。
 五月のワシントンでの米ロ外相会談の際にロシア側が提案した二つの作業グループ設置に米国側は最終的に同意しておらず、ロシア側は首脳会談での正式合意を期待している。
 ロシア政府当局者によると、両作業グループは@ABM制限条約改廃問題など戦略的安定性問題A米国がミサイル防衛の根拠とする「ならず者国家」によるミサイルの脅威の正当性―をそれぞれ話し合う。
 この中でロシア側は欧州戦域ミサイル防衛構想などの代替案を出して、米国のミサイル防衛計画を批判する構えだが、同計画推進でロシアに「拒否権」がないことは十分承知している。
 このため、現時点でミサイル防衛計画の具体的内容を策定できていない米政権の今後の出方次第で幾つかの妥協案を検討している。
 米国が核弾頭数を千五百個以下にする第三次戦略兵器削減条約(START3)を締結するとのロシア提案に同意することを条件に、ロシアがABM制限条約の修正に同意、限定的なミサイル防衛を許容する案などが練られている。
 しかし、米国はABM制限条約を「過去の遺物」と撤廃を主張しており、交渉は難航が必至だ。(了)[2001-06-15-16:38] 68
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 06/15@<ユーゴスラビア>戦犯法廷協力法案を閣議承認 連邦政府(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビア連邦政府は14日、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)協力法案を閣議で承認した。同法案が成立すれば、人道に反する罪で戦犯起訴されたミロシェビッチ前連邦大統領(不正蓄財容疑などで逮捕済み)の身柄引き渡しが可能になる。欧米諸国はユーゴ支援国会議を開く29日を戦犯法廷への協力表明の期限として迫っており、来週の連邦議会での法案採択がヤマ場となる。
 閣議の採択は賛成9、反対7で決まった。コシュトゥニツァ連邦大統領の率いる政権与党・民主野党連合は欧米の経済支援を得るために法案承認を支持。しかし、「戦犯法廷は(ユーゴ空爆を実施した)北大西洋条約機構(NATO)の罪を不問とし、セルビアの罪ばかり問う政治的なもの」と批判している。
 法案に反対していた旧ミロシェビッチ派連邦与党の社会人民党も、支持に回った。ラバス副首相ら3閣僚は、社会人民党を非難して辞表を提出した。 [2001-06-15-09:55] 69
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 06/15@NATO幹部らマケドニア大統領らと会談(読売新聞)

 【ベオグラード14日=佐々木良寿】アルバニア系武装勢力「民族解放軍(NLA)」との戦闘で混迷を続けるマケドニア情勢で、欧州連合(EU)のハビエル・ソラナ共通外交安全保障上級代表と北大西洋条約機構(NATO)のジョージ・ロバートソン事務総長は14日スコピエ入りし、トライコフスキ大統領ら政治指導者との会談に入った。 [2001-06-15-00:08] 70 [このページの最初に戻る]


 06/15@ユーゴ連邦政府、戦犯国際法廷への協力を承認(読売新聞)

 【ベオグラード14日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)政府は14日、旧ユーゴ戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)への協力をうたった同国際法廷協力法案を閣議での秘密投票で承認した。同法案は、コソボ紛争に絡んで同法廷から戦犯として起訴されているミロシェビッチ前大統領(公金流用容疑などで逮捕、拘置中)らの同法廷への身柄引き渡しを可能にするもので、今後、議会に上程される。
 協力法案は、同国際法廷への協力を、対ユーゴ経済支援の条件としてきた米欧の圧力を受けて、連邦政府が策定作業を進めてきたもの。今月29日に予定される対ユーゴ支援国会議に向けて、政府の協力姿勢を明確に示す狙いがある。
 ミロシェビッチ前大統領の引き渡しを巡っては、コシュトゥニツァ大統領は「戦犯容疑も含めて国内法廷で裁く」との姿勢を崩していないが、セルビア共和国内では引き渡し容認論も出ている。ただ、セルビアの「民主連合」は少数与党である上、連立与党の社会人民党(モンテネグロ)は法案に強硬に反対しており、法案が成立するかどうかは予断を許さない。 [2001-06-15-00:06]
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 06/16@米ロ首脳が会談、戦略対話継続で一致(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領は16日、スロベニアの首都リュブリャナで初めて会談した。ブッシュ氏はミサイル防衛を柱とする新たな安全保障の考え方を説明。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しに理解を求めた模様だ。条約の堅持を主張するプーチン氏との対立は解けなかったものの、両首脳は戦略的安定に向けた協議の継続では一致、ブッシュ政権発足後、空転していた米ロ関係は対話に向けて動き出した。
 プーチン大統領は会談前、ブッシュ大統領が前日のワルシャワ演説で「ロシアを敵視しない」と呼びかけたことについて、「我々の交渉のよい土台となる」と評価した。ブッシュ大統領も「会談を楽しみにしていた。多くの共通点を見いだせると思う」と述べた。
 米側は会談で、ミサイル防衛の推進と同時に、双方がそれぞれ7000発以上保有する戦略核弾頭を大幅削減する用意があることを示す。ロシア側も戦略核削減条約(START3)交渉の上限枠より少ない1500発程度まで応じる構えはある。
 ただ、ブッシュ大統領は、双方がそれぞれ独自に削減しあう考えを示しており、STARTという冷戦以来の軍縮条約の枠組みを維持するかは不透明だ。
 会談は2時間余りに及び、双方はバルカン半島、中東情勢や対ロ経済支援問題などでも意見交換。スパイ事件絡みの外交官の追放合戦などで冷えた関係を修復し、本格的な対話に向けて、まずは首脳同士の個人的関係の構築をめざした。[2001-06-16-22:03] 45
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 06/16@<米露首脳会談>ABM制限条約など議題に 核軍縮の可能性(毎日新聞)

 【リュブリャナ布施広】欧州歴訪中のブッシュ米大統領は16日、最後の訪問地スロベニアの首都リュブリャナで、プーチン・ロシア大統領と初めて会談する。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を「冷戦時代の遺物」とし、核戦力削減とミサイル防衛を「21世紀の安全保障の枠組み」に据える米国に対し、ロシアは同条約の修正・廃棄に反対、ミサイル防衛構想を阻止する構え。しかし、ロシアも核戦力削減を提案しており、米露の大幅な核軍縮の動きに弾みがつく可能性もある。
 首脳会談に先立ってブッシュ大統領は、13日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、ミサイル防衛構想など説明、同盟国の理解を求めた。米側の構想は、(1)ロシアとの第3次戦略兵器削減条約(START3)交渉の枠を越えて、戦略核弾頭を1500個程度に削減(2)朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランのミサイルなど「新たな脅威」に備えるミサイル防衛の配備――の2本柱になっている。
 またブッシュ大統領は15日、欧州の未来に関する演説を行い、米国と欧州、ロシアが「冷戦時代のドクトリン」を完全に捨てて、協力する必要性を説いた。大統領は米露首脳会談で「ロシアは米国の敵ではなく、欧州を恐れる必要もない」と強調し、安全保障問題でのロシアの連携を求める方針だ。
 タス通信によると、プーチン大統領は首脳会談で、米露が08年までに戦略核弾頭の保有上限を1500個まで削減することを提案する見通しだ。プリホチコ露大統領府副長官が15日、明らかにした。戦略核弾頭を削減する必要性は米露とも認めており、両首脳が構想具体化に向けた協議開始で一致するかが焦点だ。
 米露首脳は7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)でも会談する予定で、今回の会談では信頼醸成と対話の枠組みづくりも課題になる。5月の米露外相会談でロシア側は、「ABM制限条約をめぐる戦略的安定」と、米国が主張する「ミサイルの脅威の実体」を話し合う二つの作業部会の設置を提案、この案が首脳間の討議で一つのたたき台になりそうだ。
◇ミサイル防衛構想
 敵のミサイルをレーダーなどで探知し、迎撃ミサイルで撃ち落とす構想。米国は、海外に展開する米軍や同盟国を対象にした戦域ミサイル防衛(TMD)と、自国を守る本土ミサイル防衛(NMD)の開発計画を進めてきた。NMDが露・欧州の反発を招いたため、ブッシュ政権は二つの区別をやめた。米本土を守るためには迎撃基地の大規模配備が必要だが、米露の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に違反するため、ブッシュ政権は条約の見直しを求めている。
【米露の軍縮交渉の経緯】
1972年5月 米ソが第1次戦略兵器制限条約(SALT1)調印
      米ソが弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約調印
 79・6 第2次戦略兵器制限条約(SALT2)調印
 83・3 レーガン米大統領が戦略防衛構想(SDI)を発表
 87・12  中距離核戦力(INF)全廃条約調印
 91・7 第1次戦略兵器削減条約(START1)調印
   12 ソ連邦崩壊
 93・1 第2次戦略兵器削減条約(START2)調印
 96・1  米上院がSTART2を批准
 99・1 クリントン米政権が米本土ミサイル防衛(NMD)開発加速を発表 
2000・4  露下院がSRART2を批准
   6  クリントン米大統領とプーチン露大統領がモスクワで会談。ABM制限条約修正や第3次戦略兵器削減条約(START3)交渉開始問題は継続協議
 01・5 ブッシュ米大統領がミサイル防衛の早期配備を目指すと表明 [2001-06-16-21:10] 50
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 06/16@<ブルガリア>17日に議会選挙 前国王の新政党が与党をリ(毎日新聞)

 【ブコバル(クロアチア東部)福井聡】任期満了に伴うブルガリア議会(1院制、定数240)の選挙が17日、投票される。前国王シメオン2世(63)率いる新政党「シメオン2世国民運動」が与党・民主勢力同盟などを支持率で大きくリードしている。
 最新世論調査の支持率は、国民運動38%▽民主同盟17%▽野党第1党の社会党16%――の順。当初は民主同盟と社会党の接戦とみられたが、民主同盟による経済改革が難航し国民の既成政党への不信も高まり、前国王の新党が急速に支持を伸ばしている。
 前国王は「私は連立や合意という言葉を好む」と語り、選挙後に民主同盟などとの連立政権模索を示唆している。前国王自身は総選挙に立候補していない。新党が政権党になっても前国王が首相になる可能性は低い。
 前国王は王制が廃止された1946年、幼少の身でマドリードに亡命したが、6年前に初めて帰国。以後しばしば祖国を訪れ、今年4月に新党を結成した。 [2001-06-16-18:36] 51
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 06/16@ミサイル防衛で本格対話 協議の枠組み模索 米ロ首脳が初会(共同通信)

 【リュブリャナ16日共同=近沢守康】ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領が十六日、スロベニアのリュブリャナで初会談する。米国中心の国際安全保障体制の構築を目指すブッシュ大統領は、ミサイル防衛構想を次世代軍事戦略の中心に位置付けており、構想実現の大前提となる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改廃問題をめぐる米ロ対話が本格的に始動する。
 両国が合意に達すれば、冷戦時代から続く核抑止構造が大きく変容、両国の保有核弾頭数の大幅削減にもつながるだけに、対話の行方は二十一世紀の世界の安保体制に極めて大きな影響を与えることになる。
 今回の会談では、米国がミサイル防衛計画を進めることの是非などをめぐる両国の安保協議を継続的に実施するための枠組み設置で、両者が合意に達するかどうかが最大の焦点。
 米国が一方的にミサイル防衛を進めるのを阻止したいロシアは、対話を軌道に乗せ、妥協への着地点を探る構えだ。タス通信によると、プーチン大統領は米ミサイル防衛構想への対案として、二○○八年までに戦略核弾頭の保有上限を千五百個まで大幅削減することや、ABM制限条約の維持などを提案する見通し。
 一方、米側はミサイル防衛システムはあくまでもイラクなど「ならず者国家」の脅威への対応が目的だと説明。ロシア敵視政策を放棄し、経済支援の拡大などをちらつかせて軟化を図る戦略。さらにロシア製S300地対空ミサイルの購入やレーダーシステムの更新への資金支援など、軍事部門での支援も模索している。
 しかしブッシュ政権はロシア側があくまで歩み寄りを拒否し続けた場合、一方的に保有核弾頭を削減してABM制限条約を破棄、ミサイル防衛システムを配備するという強硬姿勢も見せており、ロシア側は苦しい選択を迫られそうだ。両大統領は七月にイタリアで開催される主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)を機に再び会談する予定。(了)[2001-06-16-16:09] 53
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 06/16@<コソボ>「難民の逆流」始まる 1週間で2万人超(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦コソボ自治州紛争の余波が広がるバルカン半島のマケドニアで、住民の約2割を占めるアルバニア系住民と7割を占めるマケドニア人との民族対立が激しさを増してきた。2年前、セルビアの弾圧政策で大量のアルバニア系難民が流出したコソボに向けて、マケドニア政府軍や警察の圧力を受けたアルバニア系住民が難民化し、「難民の逆流」が始まっている。【カチャニク(コソボ自治州南部)井上卓弥】
 「マケドニアから常に嫌がらせを受けてきた。29年前(旧ユーゴ連邦時代)から住んでいるのに、政府はいまだに市民権すら認めない」
 マケドニア国境の検問所から約10キロ。コソボ自治州の町カチャニクの国際赤十字事務所に難民申請に来たエミネ・ヌイシさん(47)はユーゴ連邦のパスポートを差し出した。マケドニア(旧ユーゴ連邦共和国)に住むアルバニア系の夫アブディさん(45)と結婚したコソボ(同セルビア共和国)出身のエミネさんは、今も3カ月ごとに滞在許可証の更新を強いられている。
 検問所を越え、14日には約1100人のアルバニア系難民がコソボに入った。国連難民高等弁務官事務所によると、越境する難民の数は6月に入って急増し、8日から1週間で2万人を超えたという。
 2年前のコソボ紛争で、セルビア治安部隊の弾圧を受けたカチャニクは、アルバニア系住民約4万人がマケドニアに難民として流入し、一時、無人地帯となった。破壊された町には現在、約6000人のマケドニア在住アルバニア系難民が流れ込み、貧しい民家に身を寄せている。
 ハイルシュ・レカさん(44)の家には、スコピエ近郊に住んでいた姉のクムリエ・イブラヒミさん(56)の家族や親類計27人が「客」として迎えられ、家族9人を加えた36人のアルバニア系住民であふれ返っていた。
 マケドニアの民族対立は今年2月、コソボから越境したとされるアルバニア系ゲリラ「民族解放軍」(NLA)とマケドニア政府軍の衝突によって顕在化した。だが、ゲリラと距離を置いてきたマケドニアのアルバニア系住民の中にも、「教育から就職の機会にいたるまですべての民族差別の解消」(NLA指導者・アハメティ氏)を訴えるゲリラへの支持の動きが広がっている。 [2001-06-16-12:50] 54
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 06/16@<米露首脳会談>安全保障問題が最大のテーマに(毎日新聞)

 【リュブリャナ石郷岡建】欧州歴訪中のブッシュ米大統領は16日、スロベニアの首都リュブリャナ入りし、プーチン・ロシア大統領と会談する。最大のテーマは、ミサイル防衛システムなどの安全保障問題だ。
 両大統領は同日昼過ぎ相次いでスロベニア入りし、首都リュブリャナから約20キロのクラン効外のブルド宮殿で約3時間、会談する。
 最大の問題は、ブッシュ政権が進めるミサイル防衛問題で、ブッシュ大統領は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正・廃棄を前提とした「新たな安全保障の枠組み」を提言している。
 ロシアは公式には、ABM制限条約に違反するミサイル防衛には一切反対の立場だが、その一方で、同条約に違反しない枠内での非戦略ミサイル集団防衛構想を打ち上げている。さらに、米露の共同専門家グループによるミサイル防衛協議機関の設置を提案するなど従来の強硬姿勢を少しづつ和らげている。
 これに対し、ブッシュ大統領はABM制限条約は過去の冷戦の遺物であり、ミサイル防衛システムの展開を含む新しい国際軍備管理が必要だと訴えると観測されている。 [2001-06-16-10:00] 55
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 06/16@予防展開部隊の積極活用を 紛争予防で国連事務総長(共同通信)

 【ニューヨーク15日共同】アナン国連事務総長は十五日、予防展開部隊の積極的活用などを柱にした紛争予防報告書を公表した。
 報告書は、昨年七月の安全保障理事会議長声明の要請に基づくもの。紛争発生前の国連平和維持活動(PKO)展開に力点が置かれており、今後、加盟国間で論議を呼びそうだ。
 報告書は、旧ユーゴスラビア紛争のマケドニアへの波及防止を目的にした国連予防展開軍(UNPREDEP)など、過去十年間で三つの予防展開部隊が成功したと指摘。
 その上で、国連PKO局の情報分析能力を高め、紛争発生が確実視される地域には「適切な方法で予防展開部隊を派遣できるよう加盟国と安保理に促す」と勧告した。
 また、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)などで活躍する治安回復・復興支援のための文民警察官や人権擁護、開発分野の担当官など平和構築要員派遣への支持を安保理に求めている。(了)[2001-06-16-09:01] 57
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 06/16@<米大統領>米欧露の新協力関係構築呼びかけ ワルシャワで(毎日新聞)

 【ワルシャワ布施広】ブッシュ米大統領は15日、ポーランドの首都ワルシャワを訪問、欧州の未来像に関して演説し、「ロシアに対して開かれた欧州」の建設を訴えた。演説は冷戦後の世界における米欧とロシアの新たな協力関係の構築を呼びかけ、共通の「新たな脅威」に備える必要性を説くことで、米国のミサイル防衛構想の意義を強調した。ブッシュ大統領は16日、欧州5カ国歴訪の締めくくりとしてスロベニアに入り、プーチン・ロシア大統領と初めて会談する。
 演説は、クワシニエフスキ大統領との会談後の15日夕(日本時間16日未明)、ワルシャワ大学で行われた。ブッシュ大統領は「我々はヒトラーもスターリンもいない開かれた欧州を建設できる」と述べ、「ブレジネフやホーネッカー、チャウシェスクも必要ない。無論、ミロシェビッチも」と歴代の共産主義者や独裁者の名を挙げて、共産主義と決別した新しい欧州の創造を呼びかけた。
 ブッシュ大統領は望ましい欧州の姿として「ウクライナを含み、ロシアに対して開かれている」ことを挙げ、16日の米露首脳会談ではプーチン大統領に対し「ロシアは欧州の一部」であり「米国はロシアの敵ではない」と語りかける方針を明らかにした。
 その上でブッシュ大統領は、冷戦時の発想から脱却して「拡散する大量破壊兵器とミサイルの脅威」に注目するよう訴え、「新たな抑止の概念」が必要だとして、ミサイル防衛を開発・配備する意欲を表明した。
 大統領は13日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正・廃棄を前提とした「新たな安全保障の枠組み」を提言している。ワルシャワでの演説も、16日の米露首脳会談を意識したもので、ロシア側は「新たな協力関係」構想に警戒感を強める可能性もある。
 「ベルリンの壁」の崩壊など冷戦終結の歴史的事件が起きたのはブッシュ大統領の父が大統領だった時。旧東側陣営のポーランドは今やNATO加盟国になっている。ブッシュ大統領はワルシャワでの演説で「時代の変化」を印象付け、冷戦後の世界における米国の新たな役割を強調した。 [2001-06-16-02:00] 59
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 06/16@<米大統領>米欧露の新関係呼びかけへ ワルシャワで演説方(毎日新聞)

 【ワルシャワ布施広】ブッシュ米大統領は15日、ポーランドの首都ワルシャワを訪問し、クワシニエフスキ大統領と会談した。この後、米国と欧州、ロシアの未来像に関して演説する。米高官によるとブッシュ大統領は「共産主義は死んだ」と訴え、冷戦後の世界における米欧とロシアの新たな協力関係の構築を呼びかける。ブッシュ大統領は16日、欧州5カ国歴訪の締めくくりとしてスロベニアに入り、プーチン・ロシア大統領と初めて会談する。
 ブッシュ米大統領はクワシニエフスキ大統領との会談後の共同会見で、ロシアからイランなどに核物質が流出しているとの米紙の報道に懸念を示し、米露首脳会談で取り上げると語った。
 クワシニエフスキ大統領は米ミサイル防衛について、包括的な安全保障戦略を研究するのは「適切なことだ」と、原則的な支持を表明した。旧東側陣営であるポーランドのこうした姿勢は「時代の変化」を印象付ける。
 さらに、冷戦後の世界における米国の新たな役割を打ち出すのが15日夕(日本時間16日未明)、ワルシャワ大学で行うブッシュ演説だ。内容について高官は「共産主義が死んだことと、さほど偉大なイデオロギーではなかったことを訴える」と語った。演説は、冷戦終結から10年以上が過ぎた世界で、ロシアを含む新たな協力関係と安全保障体制を築く必要性を説くものになる。
 ブッシュ大統領は13日のNATO首脳会議で、「ロシアは敵ではない」として「冷戦的発想からの脱却」を呼びかけ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどのミサイル開発を念頭に、米欧とロシアが「新たな脅威」に備えるよう訴えた。
 具体的にはミサイル防衛導入への環境作りであり、ブッシュ大統領が提言した「新たな安全保障の枠組み」は弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正・廃棄を前提とする。ワルシャワでの演説も16日の米露首脳会談を意識したもので、ロシア側は「新たな協力関係」構想に、警戒感を強める可能性もある。 [2001-06-16-00:00]
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 06/17@<ユーゴ・露首脳会談>コソボ紛争「武装勢力に断固対応」で(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ロシアのプーチン大統領は17日、ベオグラードでコシュトニツァ・ユーゴスラビア大統領と会談し、ユーゴ連邦コソボ自治州を拠点にマケドニアへ越境攻撃を続けるアルバニア系武装組織の活動が「バルカン最大の不安定要因」との認識で一致した。
 露大統領のユーゴ訪問は10年前の旧ユーゴ連邦崩壊後初めて。
 同大統領は首脳会談後の会見で「バルカン地域の安定は著しく脅かされており、主たる根源はコソボにある」と述べ、武装組織に対する国際社会の断固とした対応が必要との認識を示した。
 同大統領は会談後、急きょ同自治州のプリシュティナを訪問し、駐留する国際治安維持部隊(KFOR)のロシア軍部隊司令官らを激励した。
 ロシアとユーゴは同じスラブ民族と東方正教という背景から歴史的つながりが深く、ユーゴとの関係強化を通じバルカンでの影響力拡大を図っている。 [2001-06-17-21:40] 24
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 06/17@今後の協議に道筋と評価 米ロ首脳会談でロシア国内(共同通信)

 【モスクワ17日共同】十六日のスロベニアでの米ロ首脳会談で、プーチン大統領が新たな安全保障問題の枠組みに関する閣僚協議の開催などでブッシュ米大統領と合意したことについて、ロシア国内では、懸案の米ミサイル防衛構想などをめぐる協議への道筋を付けたとして一定の評価が上がっている。
 ストロエフ上院議長は十七日、タス通信に対し「新たな相互関係構築の礎石が置かれた。建設的な関係を築こうとする両大国の期待にこたえた会談だった」と高く評価。ロシアの各テレビも、欧米メディアが「新たな米ロ関係を開いた」と論評していると紹介、会談結果を好意的に伝えた。
 政治学者のニコノフ氏は、会談が打ち解けた雰囲気で行われたことが重要だと強調。これは大統領同士の相性に加え「欧州連合(EU)や中国、イスラム諸国との間の問題を考慮する際、ロシアが重要なパートナーになり得ることを米側が認識したため」と語った。(了)[2001-06-17-20:53] 25
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 06/17@武装組織がバルカンの脅威 ロシア・ユーゴ首脳が一致(共同通信)

 【モスクワ17日共同】プーチン・ロシア大統領は十七日、ベオグラードでユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領と会談、コソボ自治州などを拠点にマケドニアへの攻撃を続けているアルバニア系武装組織が、バルカンの安全保障に対する最大の脅威であるとの認識で一致した。
 米ロ首脳会談直後の時機を見計らってユーゴを訪問したプーチン大統領は、コシュトニツァ大統領との会談後、当初の予定を変更して急きょコソボ入り。ロシアが伝統的「影響圏」としながら、ソ連崩壊後、影響力が低下する一方だったバルカン地域での安保に対する関与強化を誇示した。
 プーチン大統領は、昨年十月のユーゴ政変後、ロシア最高首脳として十六日、初めてユーゴを訪問、コシュトニツァ大統領との一回目の首脳会談に臨んだ。
 プーチン大統領は、コシュトニツァ大統領との首脳会談後の共同記者会見で、アルバニア系武装組織を念頭に「民族主義、宗教的な過激主義がバルカンの安定を脅かしている」と強調、武装組織に対する国際社会の断固たる措置が必要との認識を示した。
 プーチン大統領はこのほかユーゴ・セルビア共和国のジンジッチ首相とも会談、一九九九年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆後の復興支援など、二国間関係についても協議した。(了)[2001-06-17-20:28] 26
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 06/17@ロシアのプーチン大統領、ユーゴを初訪問(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は16日、ユーゴスラビアのベオグラードを初訪問した。コシュトニツァ大統領との会談では、民族対立を背景にしたコソボ自治州や隣接する旧ユーゴ・マケドニアでの紛争について話し合った。17日にはコソボの州都プリシュティナも訪れた。
 プーチン大統領は会談後、「この地域の安定が脅かされているが、過激主義の根源はコソボにある。テロリストの武装解除に向けて、あらゆることを行わねばならない」と述べた。ロシアはコソボに展開中の国際部隊(KFOR)に約3000人の兵士を派遣している。
 ロシアとユーゴは正教国で歴史的な関係が深く、一昨年のコソボ紛争ではロシア政府は北大西洋条約機構(NATO)による空爆を非難した。[2001-06-17-19:19] 27
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 06/17@<米露首脳会談>ミサイル防衛、閣僚級で安保協議 初会談で(毎日新聞)

 【リュブリャナ布施広】ブッシュ米大統領は16日、スロベニアの首都リュブリャナ近郊で行ったプーチン・ロシア大統領との初会談で、米国が推進するミサイル防衛構想に関連して、米露間で閣僚級の安全保障協議の枠組みをつくることで合意した。また弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正問題を含めた「広範な課題」について首脳同士で討議を続けることでも合意し、両首脳が相互に相手国を訪問することが決まった。
 会談後、プーチン大統領と共同会見したブッシュ大統領は「今こそ冷戦期の猜疑(さいぎ)心を越えて前に進むべき時だ」と述べ、米露が「建設的な関係」を築く新たな時代が来たことを訴えた。
 また、ミサイル防衛構想に関して、ロシア側と協議するようパウエル国務長官とラムズフェルド国防長官に指示したと述べた。外相・国防相レベルの新たな枠組みで安保協議を行い、ミサイル防衛構想と関連するABM制限条約、米国が主張する「新たな脅威」についても意見交換を続けることになる。
 ABM制限条約を「冷戦期の遺物」とみなす米側に対し、プーチン大統領は同条約を「現代の世界の安全保障の要」だと述べ、修正や廃棄には応じない態度を崩さなかった。会談を通じても具体的な合意はなかった。
 両首脳はプーチン大統領が今秋、訪米することで合意。ブッシュ大統領のモスクワ訪問も合意したが、時期は明らかにされなかった。
 両首脳は7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)、10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)でも会談が予想され、今年いっぱい米露首脳の協議が続くことになる。 [2001-06-17-19:05] 28
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 06/17@<露大統領>ユーゴ大統領と会談 バルカン安定への協力話し(毎日新聞)

 【ベオグラード福井聡】ユーゴスラビアを訪問中のプーチン・ロシア大統領は17日、ベオグラードでコシュトニツァ・ユーゴ大統領と会談した。それぞれ分離・独立の動きを強めるユーゴ連邦のコソボ自治州、モンテネグロ共和国の連邦制維持と、南隣のマケドニアで続くアルバニア系ゲリラとの紛争の鎮静化などを協議。バルカン全域の安定を巡って2国間協力の在り方を模索した。
 露大統領のユーゴ訪問は10年前の旧ユーゴ連邦崩壊後、初めて。プーチン大統領はこの後、コソボ自治州のプリシュティナに向かい、駐留する国際治安維持部隊(KFOR)のロシア軍部隊の代表と会う。
 同大統領はマケドニア紛争でも軍備支援を含むゲリラ対策協力を表明しており、ユーゴとの関係を通じてバルカンでのロシアの影響力拡大を図っている。
 ロシアとユーゴは同じスラブ民族と東方正教という背景から歴史的つながりが深く、ミロシェビッチ前大統領はコソボ紛争解決にロシアの支援を要請。ロシアは99年、北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆を非難する一方、NATO軍のコソボ展開を巡ってはミロシェビッチ前大統領の説得役を務めた。 [2001-06-17-18:45] 30
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 06/17@マケドニア情勢など協議 ロシア・ユーゴ両首脳が会談(共同通信)

 【モスクワ17日共同】プーチン・ロシア大統領は十七日、ベオグラードでユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領と会談した。アルバニア系武装組織の攻撃で緊迫するマケドニアなど、バルカン地域の安全保障をめぐる両国の協力などが中心議題。
 プーチン大統領は十六日、昨年十月のユーゴ政変後初のユーゴ訪問としてベオグラード入りし、一回目の首脳会談に臨んだ。
 大統領が米ロ首脳会談直後の時機を見計らってユーゴ訪問を決断した背景には、欧州内での数少ない友好国ユーゴとの安保分野での協調を誇示、バルカン地域でのロシアの存在を誇示する狙いがある。
 プーチン大統領は十六日のブッシュ米大統領との共同記者会見で、アルバニア系武装組織の攻撃に対抗する「効果的な防御手段」の必要性を強調。ユーゴ側との会談で、何らかの具体案に言及する可能性もある。
 会談では、一九九九年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆後の復興支援など二国間関係についても協議。プーチン大統領に同行したイワノフ外相は十七日、ユーゴ南部のコソボ自治州も訪問する。(了)[2001-06-17-17:33] 31
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 06/17@清潔な政治の実現が課題 メディア支配のイタリア新首相(共同通信)

 「強い政権」の期待を担い、六月十一日に就任したイタリアのベルルスコーニ首相(64)が、私利私欲のない「清潔な政治」の実現という新たな課題を突き付けられている。
 ベルルスコーニ氏は一九九四年に新党「フォルツァ・イタリア」(がんばれイタリア)を結成して政界入りし、首相に就任したが、七カ月余りで辞任した。今年五月の総選挙では「私のお手本はナポレオンと東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌス一世」という強気の発言でアピール、変化を求める世相の流れにも乗り、フォルツァ・イタリアは30%以上の得票率を挙げた。
 だが、イタリア最大の富豪で、放送などのメディアも自分の企業グループに収めるという「もう一つの顔」が、首相としての適性に暗い影を落としている。
 ベルルスコーニ氏は保険、通信、出版、建設などの分野で幅広く事業を展開、一兆三千億円に上る資産を有し「世界の富豪」番付にも顔を出す。メディア分野では、三大民放ネットを支配する上、首相就任により、国営のイタリア放送協会(RAI)にも影響力を発揮できる立場になった。
 RAIは今回の総選挙でベルルスコーニ氏と首相の座を争ったルテリ前ローマ市長を支持したため、全役員が更迭されるのはほぼ間違いない。ベルルスコーニ政権の発足を前に、ルテリ氏は「RAI問題では、公正な人事の保証を望む」と表明、政権によるメディア支配に危機感を示した。
 これに対し、首相は「就任から百日でこの問題にけりをつける」と述べ、民放三局の親会社の経営を独立組織に白紙委任する案を明らかにした。しかし、ベルルスコーニ氏については「決して本音を言わない政治家」(消息筋)との見方もあり、実現するかどうかは不透明だ。
 首相が抱えるもう一つの“爆弾”は、制度改革相として入閣した「北部同盟」のボッシ書記長(60)。移民の受け入れに反対し、イタリア北東部のスロベニアとの国境に壁を築くように主張するなど、特異な個性の人物だ。
 首相は、北部同盟から同書記長のほか、三人を入閣させており「閣内に取り込むことで懐柔策に出た」(同筋)との見方が有力。北部同盟の連立離脱で内閣が崩壊した六年余り前の悪夢の再来を恐れ、まずは政争の種をつぶして長期政権を狙いに出たと言える。(ローマ共同=木原実郎)(了)[2001-06-17-15:29] 32
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 06/17@「ミサイル防衛」協議を継続(読売新聞)

 【リュブリャナ(スロベニア)16日=永田和男】ブッシュ米大統領は16日午後(日本時間同日夜)、スロベニアの首都リュブリャナ郊外の古城でロシアのプーチン大統領と初の米露首脳会談を行った。ブッシュ大統領は会談でミサイル防衛構想を説明、米露間の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しの必要性への理解を求めた。
 会談終了後の共同記者会見でブッシュ大統領は今後、外相・国防相レベルの協議グループを設置、ミサイル防衛問題を含む「冷戦後の新たな安全保障の枠組み」構築を継続協議して行くことで一致したことを明らかにした。またプーチン大統領が今秋、米国を訪問し、ブッシュ大統領もその後に訪露することで合意した。
 2時間に及んだ会談後の会見でプーチン大統領は、「米国とアプローチの対立があり、すぐに解決はできないが今後も建設的な対話を実施できる」と述べ、ミサイル防衛構想を巡る協議継続に積極的な姿勢を示した。同大統領は「ABM条約は戦略的安定のかなめだ」と述べ、見直しには簡単に応じない立場を強調したが、米国がミサイル防衛網開発と同時に提案した戦略核の削減には改めて強い関心を示し、双方の利益の一致点を探る協議を続ける意義を強調した。
 会談開始に先立ちブッシュ大統領は「話し合いを楽しみにしていた。我々は多くの共通点を見いだせると思う」と意欲を強調した。プーチン大統領もブッシュ大統領が15日にワルシャワで行った演説で建設的対露関係構築を目指す、と述べたことに対し、「これからの交渉の良い基礎になる」と述べ、初会談に期待を表明していた。
 米国のミサイル防衛構想は、北朝鮮やイラクなど「ならず者国家」の長距離ミサイルが新たな脅威に浮上したとの認識から、ミサイル発射を察知するレーダーと迎撃ミサイルを組み合わせた防御システムを開発するもの。防衛網の開発には迎撃ミサイル保有などを制限したABM制限条約(1972年調印)が障害になっており、条約当事国であるロシアの説得の行方は構想全体のカギを握り、最終的な支持を決めかねている欧州や日本の態度にも影響しよう。 [2001-06-17-12:11] 35
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 06/17@ロシアとユーゴが首脳会談(共同通信)

 【モスクワ17日共同】スロベニアでの米ロ首脳会談を終えたプーチン・ロシア大統領は十六日、ユーゴスラビアの首都ベオグラードに到着、コシュトニツァ・ユーゴスラビア連邦大統領と、アルバニア系武装組織の攻撃で緊張するマケドニアなどバルカン情勢について協議した。
 両首脳は、十七日朝も会談する。
 プーチン大統領は、このほかユーゴ連邦セルビア共和国のジンジッチ首相とも会談。十六日のブッシュ米大統領との会談でバルカン情勢に関して協議した内容をユーゴ指導部に伝えるとともに、地域安全保障分野での協調などについて意見を交換する。(了)[2001-06-17-08:10] 36
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 06/17@◎旧ソ連、NATO加盟の意思あった?=ロシア大統領が“秘(時事通信)

 【ブルド城(スロベニア)16日AFP=時事】ロシアのプーチン大統領は16日、当地で行われたブッシュ米大統領との首脳会談後の記者会見で、最近機密扱いを解かれた文書の内容として、旧ソ連は1954年から北大西洋条約機構(NATO)加盟を検討していたと述べた。 [時事通信社][2001-06-17-07:06] 38 [このページの最初に戻る]


 06/17@<米露首脳会談>ミサイル防衛で閣僚級協議 建設的な関係を(毎日新聞)

 【リュブリャナ布施広】欧州歴訪中のブッシュ米大統領は16日、スロベニアの首都リュブリャナ近郊で、プーチン・ロシア大統領と初めて会談し、米国が推進するミサイル防衛構想に関連して、閣僚級の安全保障協議の枠組みを造ることで合意した。また弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約修正問題を含めた「広範な課題」について、首脳同士で討議することでも合意、プーチン大統領の今秋の訪米とブッシュ大統領の訪露が決まった。ブッシュ大統領は共同会見で「今こそ冷戦期の猜疑心を越えて前に進むべき時だ」と述べ、米露が「建設的な関係」を築く新たな時代が来たことを訴えた。
 会談後、プーチン大統領と共同会見したブッシュ大統領は、ミサイル防衛構想に関して、ロシアと閣僚級の協議を続けるようパウエル国務長官とラムズフェルド国防長官に支持したと述べ、米国が主張する「新たな脅威」についてロシアと意見交換を続けることを明らかにした。
 またブッシュ大統領は、ロシアとの「建設的な対話」の必要性を強調、プーチン大統領が今秋の訪米を承諾し、自分もモスクワ訪問を承諾したと語った。自身の訪露の具体的時期は明らかにしなかった。両首脳は7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)、10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)でも会談が予想され、今年いっぱい米露首脳の協議が続くことになる。
 ブッシュ大統領は約2時間の会談を「非常によい話し合いだった」と総括し、ABM制限条約やミサイル防衛構想などの安全保障上の問題について「真剣な討議」を続けることで合意したと語った。同条約を「冷戦期の遺物」とみなす米側に対し、プーチン大統領は会見で「同条約は世界の安全の要(かなめ)だ」と述べ、修正・廃棄には応じない態度を崩さなかった。
 ブッシュ大統領は16日午後0時30分(日本時間同7時30分)ごろ、専用機でワルシャワからリュブリャナに到着、プーチン大統領と午後2時45分から同5時まで、15分の休憩をはさんで約2時間会談した。 [2001-06-17-01:50] 41
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 06/17@米ロ首脳が会談、戦略対話継続で一致(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領は16日、スロベニアの首都リュブリャナで初めて会談した。ブッシュ氏はミサイル防衛を柱とする新たな安全保障の考え方を説明。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しに理解を求めた。条約の堅持を主張するプーチン氏との対立は解けなかったものの、両首脳は戦略的安定に向けた協議の継続では一致、ブッシュ政権発足後、空転していた米ロ関係は対話に向けて動き出した。
 ブッシュ大統領は会談後の共同記者会見で、「冷戦時代の相互不信から相互に尊敬し合う時代になるべきだ」と述べ、核の恐怖の均衡による安定という考え方から脱すべきだとの考えを示した。また、パウエル国務長官とラムズフェルド国防長官にミサイル防衛を中心とする新たな戦略的枠組みをめぐってロシア側と対話するよう指示したとも述べた。
 今秋にプーチン氏の訪米を要請し、プーチン氏も受け入れたことを明らかにした。
 これに対し、プーチン大統領は「21世紀の安全保障の強化に両国が協力する。米ロ両国は新しい安全保障の枠組みを構築する責任を有している」と表明。しかし、「これまでのロシアの態度をここで改めて述べる必要もない」と、ABM制限条約の見直しについては「戦略的安定のかなめ」と強調、従来の立場を貫いたことを示唆した。
 また、「一方的な行動は事態を複雑にする」とも述べ、米国のミサイル防衛などをめぐる姿勢をけん制した。
 米側は会談の中で、ミサイル防衛の推進とともに、双方がそれぞれ7000発以上保有する戦略核弾頭を大幅削減する用意があると述べた模様。ロシア側は第3次戦略兵器削減条約(START3)交渉の上限枠より少ない1500発程度までに応じる構えはある。
 ただ、ブッシュ大統領は一方的な削減を双方が行う考えを示しており、STARTという軍縮条約の枠組みのなかでの削減なのかは不透明だ。
 会談は2時間45分に及んだ。双方は戦略問題のほか、バルカン半島、中東情勢や対ロ経済支援問題など幅広く意見交換。スパイ事件絡みの外交官の追放合戦などで冷えた関係を修復し、本格的な対話に向けて、まずは首脳同士の個人的関係の構築をめざすものとなった。[2001-06-17-00:01] 93
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 06/17@女性雇用めぐり国連と合意 タリバンが食糧援助で(共同通信)

 【カブール17日AP=共同】食糧事情が悪化するアフガニスタンのタリバン政権と国連は十七日、世界食糧計画(WFP)の食糧援助スタッフの採用問題をめぐり、政権の女性職員に限りWFPによる雇用を認めることで合意した。
 各家庭を訪問して援助対象者のリストを作る調査スタッフの採用に絡み、イスラム教を厳格に守る立場から女性の就職を禁じたタリバン政権とWFPが対立。十六日には五年ぶりにWFPが行う小麦の供給がストップし、百三十軒のパン屋が閉店、約二十八万二千人の貧困層に影響が出た。
 タリバン体制下では、男性が家族以外の女性と接触することが禁じられており、男性が調査スタッフとして各家庭を訪れることは不可能。WFPはリスト更新のため、女性の独自採用を認めるよう政権側に要請していたが、タリバン側が拒絶していた。(了)[2001-06-17-20:48] 95
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 06/17@<米露首脳会談>会談後の共同記者会見=要旨(毎日新聞)

 16日行われた米露首脳会談後の共同記者会見の要旨は次の通り。
 ブッシュ米大統領 世界の安全保障の新たな枠組みを話し合った。我々(米露)は冷戦時代とは違う考えを持つべきだという点で一致した。
 このため、パウエル国務長官とラムズフェルド国防長官にロシア側と協議するよう指示した。
 また、プーチン氏は秋の訪米を、私は早期の訪露を承諾した。
 2時間の会談は経済、地域紛争、安全保障などをテーマに実に建設的な内容だった。
 プーチン露大統領 オープンな対話ができ、期待以上だった。米露は敵でなく、核兵器や大量破壊兵器に関する安全保障の枠組みを共に築く責任があり、その良い基礎ができた。意見の違いはあるが、短い会談ですべては解決できない。今後は建設的な対話を国防相、外相間でも続けさせたい。
 しかし一方的な行動は問題をより複雑にする。私はブッシュ大統領の手法に懸念があり、自分の手法と違うと話した。
 米大統領 イラン問題の懸念を表明したら、プーチン大統領も理解を示した。NATOの(東方への)拡大は正しい動きと言える。
 露大統領 米大統領がロシアをパートナー、将来的には同盟国と考えている姿勢は重要だ。ロシアはNATOに協力しており、(拡大を)非難する必要はない。
 ABM制限条約は現代の世界の安全保障の要だ。そこにある要素が米国とロシアを結びつけている。「新たな脅威」に対し共通のアプローチが必要だが、脅威はどこから来るのか、脅威の定義を話し合う必要がある。
 米大統領 我々は今(冷戦時代とは違う)利害を共有している。この時期をとらえ世界を改めるべきだ。
 露大統領 米露が敵同士でないということは、相互理解が形成されつつあることだ。対話はここから始まる。両国は安全保障で共通の策を見いだせると思う。 [2001-06-17-20:20] 96
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 06/17@イスラエル首相、アナン事務総長の3者会談を拒否(朝日新聞)

 アナン国連事務総長は16日夜、エルサレムでイスラエルのシャロン首相と会談した。イスラエル放送によると、アナン氏は同日午後会談したパレスチナ自治政府のアラファト議長が、アナン氏とイスラエルのペレス外相との3者会談を提案したことを伝えたが、シャロン首相は「攻撃が続いている間は交渉しない方針は変わらない」として拒否した。
 同放送は、アラファト議長が率いるファタハの武装部門タンジームの指導者フセイン・シェイク氏が、15日夜のファタハ中央委員会の「武装闘争停止」声明を支持すると語ったとも報じた。タンジームは昨秋始まったインティファーダ(民衆ほう起)でイスラエル軍やユダヤ人入植者への攻撃を続け、13日の停戦発効後もイスラム過激派ハマスなどとともに「停戦拒否、インティファーダ継続」の共同声明を出していた。[2001-06-17-19:27] 126
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 06/17@<EU首脳会議>議長総括を採択して閉幕 東方拡大方針盛り(毎日新聞)

 【イエーテボリ(スウェーデン)森忠彦】当地で開かれていた欧州連合(EU)首脳会議は16日東方拡大や地球温暖化、「持続可能な発展」に向けた方針などを盛り込んだ議長総括を採択して閉幕した。首脳会議は地球温暖化防止のための京都議定書を02年までに批准する方針を再確認した。
 議長総括などによると、EUの執行機関・欧州委員会は今年末までにEU全体の京都議定書の批准に向けた具体的な手順を示す見通し。引き続き先進国全体の批准を求めた努力を続け、米国とは温暖化防止問題を話し合う高官協議を行っていく。
 東方拡大では、アイルランド国民投票のニース条約否決が悪影響を与えないことを強調した。02年末までに全加盟国が同条約を批准して拡大の受け入れ体制を整える一方、候補国との加盟交渉も終え、04年の欧州議会選挙には新たな加盟国が参加する方針を掲げた。議長国スウェーデンのペーション首相は「かなり明確な手順が示せたと思う。加盟交渉の進展を期待している」と語った。
 また、来年、南アフリカで開かれる国連地球環境サミットの10年後会議に向けた「持続可能な発展」では、環境や健康など幅広い戦略を行うことで一致。今年末の首脳会議で欧州委が具体案を作成する。
 米国との協議が続くミサイル防衛関連では、フランスの強い要請に基づいてEUとして弾道ミサイルや大量殺りく兵器の非拡散、輸出制限を強化する方針を盛り込んだ宣言を採択した。 [2001-06-17-03:10] 128
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 06/17@<米露首脳会談>共同記者会見要旨(毎日新聞)

 16日、リュブリャナで行われた米露首脳会談後の共同記者会見要旨は次の通り。
 ◇ブッシュ米大統領
 冷戦が終わり我々は両国のみならず、世界の安全保障のために新たな枠組みについて話し合った。我々は世界の安全保障のため冷戦時代とは違う考えを持たなければならないということで合意した。
 このため、パウエル国務長官とラムズフェルド国防長官にロシア側と協議するよう指示した。
 また、バルカン、ナゴルノカラバフ、アフガニスタンなどの地域紛争に関し、解決に向けた共通の考えを持つことで合意した。
 また、プーチン氏は早期の訪米を、私は早期の訪露をすることで互いに合意した。
 今回の2時間の会談では経済、地域紛争、安全保障の問題について話し合った。実に建設的な内容だった。
 米国はまたロシアの経済発展のため全面的に協力していく方針だ。
 ◇プーチン露大統領
 オープンな対話ができた。期待以上だった。米露は敵でなく、核兵器や大量破壊兵器に関する共同の安保構造構築に責任がある。一方的な動きは問題を複雑化させる。米大統領から直接意見が聞けたのはよかった。
 意見の違いはある。一度の短い会談ではすべては解決できない。今後は建設的な対話を国防相、外相間でも続けたい。
 困難な地域問題、アフガン、バルカン問題なども話し合いたい。こうした会談は我々を結びつける。両国の違いは根本的なものでない。解決できないものでもない。
 しかし議論を押し付け合うのは正しいことではない。両国の経済関係は潜在力に対応していないということで合意した。両国の実業界は経済関係の効率化でもっと協力できる。米からの代表団を受け入れる予定だ。
 我々は協力が必要で、いかなる一方主義の手法も、問題を複雑にするだけだ。
 私はブッシュ大統領の手法に対し、懸念があり、自分の手法と違うと申し上げた。だが、建設的な会議を続けることで合意した。
 ABM制限条約は現代の安全保障をめぐる世界の要となるものだ。これは約束されたものであり、そこにある要点こそが米国と我々(ロシア)を統一させるものだ。
 新たな脅威のために共通のアプローチを持つことが必要だが、脅威はどこから来るのか、まずそれを話し合う必要がある。その脅威の定義が大事だ。
 ◇     ◇
 米大統領 イラン問題の懸念を表明、プーチン大統領も合意した。
 NATO拡大は正しい。ポーランドでもこの姿勢を説明した。
 露大統領 米大統領がロシアをパートナー、将来的には同盟国と考えていくとの姿勢は重要だ。
 米大統領 我々は共通の利害を共有している。この瞬間をとらえ世界を変えるべきだ。これはバーゲニング(取引)以上に重要だ。
 露大統領 米露が敵同士でないことが重要だというのは、共通理解が形成されつつあるということだ。対話はここから始まる。非常に詳細な問題も話し合ったがここでは触れない。両国は安全保障に関し共通の対応を見いだせると思う。
 我々は原子力発電、核燃料および核エネルギー開発で米国に協力できる。宇宙開発、宇宙ステーションなどの開発でも、協力できる。 [2001-06-17-01:55]
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 06/18@中国とマケドニア、国交を正式に回復(読売新聞)

 【北京18日=石井利尚】新華社電によると、中国とマケドニアは18日、1999年2月以来断交していた国交関係を正式に回復した。唐家●・中国外相とミトレバ・マケドニア外相が同日、北京で調印したコミュニケは、マケドニアが「一つの中国」の原則を堅持し、台湾との公的往来をしないことを確約したことなどを盛り込んだ。マケドニアと台湾は18日に外交関係を断絶した。
 中国外務省報道官は同日、「両国の友好協力関係は速やかに全面的に回復し、国際面での協力が強化されよう」との談話を発表した。中国は、マケドニアとの国交断絶後、国連予防展開軍の駐留延長について安保理で拒否権を行使していたが、国交回復により国連協力を再開する見通し。
 中国にとって、欧州のマケドニアとの国交回復は、中南米、米国歴訪で外交攻勢をかける台湾の陳水扁政権への外交圧力になる。同省報道官は「(国交回復は)大多数の国と国際社会が『一つの中国』の原則について、中国政府の立場を支持し、理解していることを示している」と述べた。(●は、王へんに旋) [2001-06-18-20:37] 5
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 06/18@<中国>マケドニアと国交正常化に関するコミュニケに調印(毎日新聞)

 【北京・浦松丈二】新華社電によると、中国の唐家セン外相とマケドニアのミトレバ外相は18日、北京で両国の国交正常化に関するコミュニケに調印した。中国は国連安保理常任理事国としてマケドニアへの国際支援を支持することになる。
 コミュニケは(1)マケドニアは一つの中国の原則を承認(2)両国は国際機関での協力を強化(3)大使の相互交換――などを定めている。両国は1993年に外交関係を樹立したが、99年1月にマケドニアが台湾との外交関係を樹立したため同年2月、断交した。
 中国外務省の章啓月報道局副局長は「国交正常化は一つの中国の原則が、多くの国家と国際社会から支持されていることを示すものだ」とのコメントを発表した。 [2001-06-18-20:00] 7
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 06/18@<台湾>マケドニアと国交断絶 外交関係を持つ国は28カ国(毎日新聞)

 【台北・近藤伸二】台湾外交部(外務省)は18日、東欧のマケドニアとの外交関係を停止すると発表した。マケドニアが中国と国交を回復する方針を表明したことから、台湾側から断交を通告した。これで台湾が外交関係を持つ国は28カ国になった。
 マケドニアは99年1月、台湾と外交関係を樹立した。中国は断交し、マケドニアでの国連予防展開軍の駐留延長について、安保理常任理事国として拒否権を行使した。しかし、今春から、マケドニア政府とアルバニア系武装組織との戦闘が続き、同政府は中国との関係改善を模索していた。
 台湾外交部は18日発表した声明で「マケドニアが中共(中国)の威嚇や利益誘導に屈した」と遺憾の意を表明。大使館の閉鎖や、経済・技術援助の停止を通告した。
 これで台湾が外交関係を持つ国のうち、欧州の国家はバチカンだけとなった。中国は、台湾が外交関係を持つ他の国にも圧力を強めており、今後も激しい外交合戦が続きそうだ。 [2001-06-18-19:25] 8
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 06/18@台湾がマケドニアとの断交を発表(読売新聞)

 【台北18日=若山樹一郎】台湾外交部(外務省)の張小月報道官は18日午前、マケドニアが台湾と断交して中国と国交を回復することを決めたことに遺憾の意を表明、台湾もマケドニアと即日断交すると発表した。台湾と外交関係を持つ国はこれで28か国となった。 [2001-06-18-14:04] 9 [このページの最初に戻る]


 06/18@台湾がマケドニアと断交 大使館閉鎖し経済援助停止(共同通信)

 【台北18日共同】台湾外交部は十八日、緊急記者会見で、マケドニアとの外交関係を同日付で断絶し、スコピエの大使館を閉鎖、マケドニアへの計一億五千万ドル相当の経済援助をすべて停止すると発表した。これにより、台湾と外交関係を持つ国は二十八カ国となり、欧州ではバチカンだけとなった。
 マケドニア外相が現在、中国との国交回復のため北京を訪問中で、正式な国交回復の発表を前に断交に踏み切った。
 台湾は一九九九年一月にマケドニアと外交関係を結んだ。同国で成立した連合政権は、内戦終結のため国連安保理理事国の中国の協力が不可欠として中国との関係正常化を模索。台湾に対しては「経済代表処」を置き、経済協力を引き続き求めたが、台湾側は「尊厳を守る」としてマケドニア側の要請には応じなかった。(了)[2001-06-18-13:30] 12
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 06/18@<露プーチン氏>国連のコソボ選挙の枠組みについて批判(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州を訪れたロシアのプーチン大統領は17日、国連が今秋予定しているコソボ自治選挙の法的枠組みについて「強硬派に譲歩しすぎている」と厳しい口調で批判した。また、アルバニア系ゲリラが戦闘を続けるマケドニア情勢についても「現国境の変更はあり得ないと再確認すべきだ」と警告した。国境の変更を伴う独立を目指すアルバニア系住民の猛反発が予想される。
 プーチン大統領は「国境線の変更の論議は極めて危険で破壊的だ。それを止めねばバルカン地域の安定化完成など望めない」と断言し、コソボの独立やマケドニアのアルバニア系ゲリラへの譲歩を強く否定した。
 また、マケドニア情勢について「政府は(アルバニア系)過激派の要求を受け入れるよう圧力を受けている」と批判した。
 ヘカラップ国連コソボ暫定統治機構特別代表は「選挙は将来のコソボの地位を決めるものではない」と強調しているが、アルバニア系住民は「独立に向けた序章」と受け取っている。 [2001-06-18-11:15] 13
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 06/18@ロシアの言論統制に懸念表明 首脳会談で米大統領(共同通信)

 【ワシントン17日共同】ブッシュ米大統領の欧州歴訪に同行したパウエル国務長官は十七日、米ABCテレビとのインタビューで、ブッシュ大統領が十六日にスロベニアで行ったプーチン・ロシア大統領との首脳会談で、ロシアのマスコミ統制に関して懸念を表明し、言論の自由を保障するよう求めたことを明らかにした。
 国務長官は「信頼できる民主国家の仲間入りをするには、報道の自由や法の支配といった基準を満たさなければならない」と語った。
 またライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も十七日、NBCテレビのインタビューで「大統領は首脳会談で報道の自由の重要性に関する問題を取り上げた」と言明。ブッシュ大統領が、今年四月にプーチン政権が経営権を奪取した民間テレビNTVの問題など、ロシアのマスコミ統制に懸念を表明したことを明らかにした。
 補佐官は「民主主義と経済改革は並行して進行する」とも語り、米国が対ロ経済支援を進めるのに際し、言論の自由をめぐる今後のロシア政府の対応を注視していく考えを強調した。(了)[2001-06-18-08:13] 14
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 06/18@たばこ密輸疑惑を議会調査 ユーゴ連邦モンテネグロ共和国政(共同通信)

 【リュブリャナ17日共同】ポドゴリツァからの報道によると、ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国政府は十七日、ジュカノビッチ共和国大統領の関与がうわさされるたばこ密輸疑惑について共和国議会が十九日に特別調査委員会を設置して調査を開始することを明らかにした。
 ユーゴのマスコミはこれまで、偽造たばこがモンテネグロ経由でイタリアなどに大量に流出しており、大統領や家族がイタリアのマフィアとも協力して密輸に深くかかわっていると報じている。大統領は否定してきた。
 密輸には同連邦セルビア共和国のジンジッチ首相も関与しているとの報道もある。(了)[2001-06-18-08:11] 16
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 06/18@ロシア大統領がコソボ訪問、和平協定調印を提案(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は16日、ユーゴスラビアのベオグラードを初訪問し、コシュトニツァ大統領と会談した。17日にはコソボの州都プリシュティナも訪れ、ロシア主導でバルカン半島の国々の現在の国境を再確認する和平協定を結ぶよう提案。バルカン情勢にロシアが関与する姿勢を示した。
 プーチン大統領はコシュトニツァ大統領との会談後、「この地域の安定が脅かされているが、過激主義の根源はコソボにある。テロリストの武装解除に向けて、あらゆることを行わねばならない」と述べた。ロシアはコソボに展開中の国際部隊(KFOR)に約3000人の兵士を派遣している。
 ロシアとユーゴは正教国で歴史的な関係が深く、一昨年のコソボ紛争ではロシア政府は北大西洋条約機構(NATO)による空爆を非難した。[2001-06-18-01:17] 17
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 06/18@<東論西談>ゆらぐ「核抑止論」(毎日新聞)

 アドリア海に近い中欧の小国スロベニアで開かれた米露首脳初会談は成功裏に終わったようだ。
 ロシアのプーチン大統領はブッシュ米大統領の世界安定の説明に大きな印象を受けたと語った。
 ブッシュ大統領の説明とは、多分、米露の軍事戦略の基礎にある相互確証破壊理論が「もはや時代おくれになった」との主張だった可能性が強い。
 「相互確証破壊理論」とは、核攻撃を行なえば、必ず核兵器による大量の報復反撃を受け、破壊を受けるとの確証が存在すれば、核戦争の危険は抑さえられるとの理論だ。
 つまり、核兵器は大量に持った方がよく、その防御兵器は持たない方が核戦争の危険は少ないとの理論でもある。英語名の略からMAD(頭が狂った)理論とも呼ばれてきた。
 その昔、レーガン大統領は、この理論を役人から「米ソ核戦争を阻止するためには、双方とも核攻撃から無防備であるべきです」と説明され、ショックを受けたといわれる。
 その後「国民を核の攻撃にさらすのはおかしい」と主張し、のちにスター・ウォーズと呼ばれた「戦略防衛構想」を発表した。
 ブッシュ大統領が、今、進めている「ミサイル防衛構想」も同様な考えから出ている。
 「国民を核ミサイル攻撃から守るために、防衛手段を開発すべきだ」との主張で、相互確証破壊理論への疑問を提出した。
 これに対し、ロシアは「ミサイル防衛は展開しないということで米露の間に合意がある。これを破ると、同理論に依拠するすべての条約が崩れるからだ」と反論するが、分りにくい。なぜ防衛手段の開発がいけないのか。説得力のある回答はないのではないか。
 また、ブッシュ大統領は、真意はともかく、「冷戦は終わった。米露双方が大量の核を突き付ける状況はおかしい」と発言したが、こちらの方がよほど説得力があるように思える。
 その一方で、米国は世界には必ず、テロなどを仕掛ける「ならず者」がおり、その「ならず者」から身を守るためにも、核ミサイル防衛の開発が必要だと主張する。
 「ならず者」を抑える手段が、なぜミサイル防衛構想だけなのか? いまひとつ不明だが、それはさておき、このならず者理論を詰めて行くと、どんなに大量の核攻撃兵器があっても、所詮、ならず者の行動(核攻撃)を抑止することは不可能だとの解釈にもなる。
 そして、一発であろうと、核兵器が爆発すれば恐ろしい結果をもたらす。
 とすると、米露がこれまで主張してきた核抑止理論とは一体何だったのか?
 MAD理論が虚構ならば、「核兵器は戦争の抑止になる」との主張も虚構ではなかったのか。
 米露の専門家は複雑な軍事用語を駆使して、身勝手な軍事理論を展開する。
 しかし、核兵器を弁護する軍事理論は、所詮、うさんくささがつきまとうということかもしれない。 [2001-06-18-00:50] 19
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 06/18@米ロ首脳会談―建設的な対話は歓迎だ(朝日新聞)

 スロベニアで開かれたブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領による初の首脳会談は、冷戦後の世界の安定に向けて新たな安全保障の枠組みをつくるために緊密な協議を進めることなどで一致した。
 米側が新政権誕生後に対ロ政策の見直しに入ったこともあり、両国の指導者による本格的な会談は1年ぶりとなった。
 世界の第1と第2の軍事大国の関係は、冷戦後のいまも国際平和と安全に重大な影響を与える可能性がある。両国の建設的な対話の再開をまずは歓迎したい。
 懸案のミサイル防衛の問題では予想通り対立が持ち越された。いくらブッシュ氏が「ロシアはもはや敵ではない」と宣言しても、プーチン氏としてはおいそれとミサイル防衛を認めるわけにはいかない。
 プーチン氏にも、一部の不安定な国がミサイルや核兵器を持ちかねないという認識はある。だが、ミサイル防衛を許せば米国がますます一人勝ちになるからだ。
 とはいえ、ブッシュ氏が表明している大幅な核削減には関心がある。米国との関係悪化も望まない。そこで弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しや戦略核の削減について協議することにした。
 米ロ首脳はクリントン・エリツィン時代には19回もの会談を重ねて「戦略的パートナーシップ」をうたい上げた。だが、大規模な支援にもかかわらず、ロシアの改革は成果が思うようにあがらなかった。政治や経済の混乱も続き、エリツィン氏一辺倒のクリントン政権の対ロ政策に共和党から批判が強まって、関係は冷却化した。
 ブッシュ政権になっても、初めは突き放した姿勢が目立っていた。ブッシュ氏は、ミサイル防衛の配備には必ずしもロシアとの合意は必要でないと述べ、首脳会談にもなかなか応じようとしなかった。
 ここへきて態度を和らげたのは、欧州の同盟国がブッシュ政権の一国行動主義的な動きに反発を強めたことがある。中国とロシアの接近に対する警戒もあろう。米上院で大規模なミサイル防衛に慎重な民主党が主導権を握ったことも影響している。
 首脳会談では、これまで米ロの戦略的な利害が対立していたカスピ海地域での資源開発をめぐる協力の必要性が強調された。ロシア経済の相対的な安定を受け、ビジネス界の交流や投資の活性化という新しい対ロ支援の方向性も打ち出された。
 国益を重視するプーチン氏は、対米関係の改善に意欲的だ。会談では「我々の立場に本質的な違いはない」と言い切った。
 半面、朝鮮民主主義人民共和国やキューバなど、ソ連時代の同盟国ともよりを戻す全方位路線をとる。外交のカードを増やす実利的なやり方だが、そこには米国が危険視する国も含まれている。
 ならば、米ロ両国はそれらの国の危険性をどうしたら解消していけるか、の問題に協調して取り組んではどうか。[2001-06-18-00:17] 51
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 06/18@パレスチナ少年、ガザでデモ中に撃たれて死亡(読売新聞)

 【エルサレム18日=当間敏雄】パレスチナ自治区ガザからの情報によると、同地区南部のハンユニス難民キャンプで17日午後、近くのユダヤ人入植地に投石したパレスチナ人のデモ隊にイスラエル軍が発砲し、12歳の少年が死亡したほか、3人が負傷した。米国の仲介による「停戦」が13日に発効して以来、銃撃などによる死者はこれでパレスチナ人4人、イスラエル人1人の計5人となった。
 パレスチナ自治区周辺では17日、パレスチナ人が荷車に爆発物を積んでイスラエル軍陣地に突っ込もうとしたり、道路脇に仕掛けられた爆弾がイスラエル軍車両近くで爆発、兵士2人が負傷するなど、「停戦」後も不穏な情勢が続いている。
 一方、中東訪問中のアナン国連事務総長は同日、イスラエルのペレス外相と会談し、アラファト自治政府議長が事務総長、外相との3者会談を提案したことを伝えたが、外相は、シャロン首相との意思統一がまだだとして即答を避けた。 [2001-06-18-10:13] 54
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 06/18@元国王の新党が勝利宣言 ブルガリア議会選(共同通信)

 【リュブリャナ18日共同】十七日に実施されたブルガリアの議会選挙(一院制、定数二四○)で、四月に旧王家として東欧で初めて政界に本格進出した元国王シメオン二世(64)の新党「シメオン二世国民運動」の勝利が確実となり、元国王は同日夜、「困難はあるが経済改革を断行する」と述べ、事実上の勝利宣言をした。
 ソフィアからの報道によると、新党の幹部は現政権を担う民主勢力同盟(UDF)を含む他党と大連立を組む考えを表明した。UDFのコストフ首相は「大敗を喫した」と敗北宣言した。
 元国王は出馬していないが、連立交渉の過程で首相の座を狙うとの見方も出ている。
 地元機関の出口調査によると、「シメオン二世国民運動」は約42%の票を獲得した。UDFの得票率は約23%、社会党は約18%。少数民族のトルコ系政党も6・5%を獲得し4%の最低得票率を突破、議席を確保する見通し。最終開票結果は二十日に判明する見込み。
 元国王は八百日以内に市場経済を定着させ、欧州連合(EU)入りに道筋をつけると公約している。新党は現政権下での生活水準低迷を背景に国民の不満を吸収して躍進したが、どこまで支持率を維持できるか疑問視する見方もある。(了)[2001-06-18-09:35] 79
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 06/18@<社説>考えよう憲法 外国人の権利 一律の公平が通用する(毎日新聞)

 外国人の増加には、目を見張るものがある。昨年の来日外国人は500万人の大台を突破した。50年前は約1万8000人だったから、けた違いどころでない。約21万人の定住者を含めた外国人登録者も約168万人に達し、総人口の1・2%を占める。国際結婚や経済活動などで生活基盤を日本に置く外国人も増加の一途をたどる。
 ところが、外国人の処遇は、長期滞在者に指紋押なつを義務づけるなど治安面を重視した旧態依然のままだ。日本人と寸分たがわぬ生活をしていても活動目的を逸脱すると、退去強制処分の対象ともなる。
 法的扱いは昔のまま
 憲法は制定時、来日外国人がビジネス街にあふれ、日本人と一緒に仕事をする状況を想定していたとは考えにくい。外国人の権利に関する明文規定がないのもそのせいだろう。だが、世界人権宣言後の最高裁判例(1951年)は「いやしくも人たることにより当然享有する人権は不法入国者といえどもこれを有する」と述べた。以後、私的領域とされる基本的人権は国民も外国人も自然人として区別なく保障される、とするのが一般的な憲法解釈だ。
 これに対し、公的領域である国家の統治に参加する権利は外国人には認められない、とするのが通説だ。ただし、地方自治体レベルの政治参加については「憲法は禁止していない」とする最高裁判決(95年)が下されている。地方自治は住民によって営まれるのが前提なので、地域共同体の一員である外国人は排除すべきではない、とする考え方だ。
 ベトナム反戦運動に関係して在留期間の更新を拒否された米国人英語教師の訴えをめぐる最高裁判決(78年)にも通じる。「外国人には、わが国の政治的意思決定に影響を及ぼす活動など認められないものを除いて政治活動の自由の保障が及ぶ」。やはり地方政治への外国人の参加を憲法は拒んではいない、とする判断だ。
 もっとも外国人に地方参政権を認めると、ジレンマに突き当たる。地方政治には国政と切り離せない部分がある。それを認めれば、外国人の国政に関する活動を許さない原則に抵触しかねない。とすると、私的領域として保障すべき表現の自由はどうなるのか。
 外国人の権利をめぐっては、問い直すべきテーマが少なくない。日本で永住や長期滞在を希望する外国人が、日本国籍を取得するなら、国籍を同じくする者同士で国家を形成する、という従来の考え方も変更せずに済む。
 しかし、長年日本に住み、市民として生活していても、国籍を転じることなど念頭にない外国人が少なくない。むしろ遠い異国で、故国の国籍を一つのアイデンティティーとして大切に守り抜こうとしている。
 それでも、生活基盤を置く町で日本人と同様に住民の義務を果たし、地域の共同体に参加しようとするなら、住民としての権利は保障されて当然だろう。権利を制限された者同士が肩寄せ合い、特別なコロニーを作って暮らすより、地域に溶け込む方が双方にとって健康的だ。
 何よりも少なからぬ日本人が、日本国籍のまま世界各地で生活している。彼らに相応の権利が与えられることを望むのが人情なら、逆も考えねばならない。相互主義の観点からも、外国人の権利を重視するのは自然な発想だろう。
 従来、徴兵義務に象徴される国家への忠誠心を欠くことを理由に、外国人の権利は制約されて当然との考え方が支配的だった。だが、外国人が社会の構成員として相当部分を占めるようになれば、権利をどこまで制限するかより、どこまで与えるかという観点でとらえる必要もありそうだ。
 望まれる新しい公平観
 すると、「公平」とは何か、という問題も改めて検討しなければならないだろう。これまでは「平等分配」や「一律」を人々は目指してきたが、「応分の公平」といった発想で正義のあり方を見直さないと、割り切れなくなるかもしれない。社会への参画の度合い、果たすべき義務の程度に応じて保障される権利の範囲を加減することも求められていいだろう。
 外国人を新しい仲間として迎え入れるならば、永住権を持つ外国人の権利も見直さねばならない。終戦後、諸事情で残留した在日朝鮮・台湾人には日本国籍を一方的に取り上げられた経緯がある。旧西ドイツが第二次大戦中の在独オーストリア人に付与したような国籍選択権は与えられなかった。
 「特別永住者」としての権利は拡大されてはきたが、今も基本的人権である職業選択や教育の自由などが保障されているとは言いがたい。日本人とは他の外国人よりもずっと緊密な関係であることも考慮されてしかるべきだ。
 アイヌの人権問題も、問い直されねばならない。つい4年前まで「北海道旧土人保護法」を存続させ、民族の誇りを踏みにじってきた経緯は消し去りがたい。古くからの「同胞」との清算を抜きにして、新しい共同体を構築することは許されないだろう。
 さまざまな外国人を迎え入れると、自分や隣人のルーツについて、現在のように無頓着ではいられなくなるかもしれない。構成員同士がそれぞれの社会的資格や義務の程度を正しく理解しなければならないからだ。異文化を尊重することが不可欠であり、差別や偏見の一掃が大前提となる。
 結局、相互理解を深めることから、議論が始まるということだろうか。 [2001-06-18-00:05] 11
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 06/18@レッドスター招き引退試合 10月実施、ストイコビッチ(共同通信)

 Jリーグ1部(J1)の名古屋は、今季第1ステージ限りで引退する名古屋FWのストイコビッチの引退試合を、ユーゴスラビアの強豪クラブ、レッドスターを招いて10月6日に愛知県豊田市の豊田スタジアムで行う計画を進めていることを18日、明らかにした。Jリーグの承認などを受けた後、7月中旬にも詳細が発表される。
 ストイコビッチは、自らがかつて在籍したレッドスターを相手に、名古屋のユニホームを着る最後の機会となる。過去、名古屋でプレーした選手を呼ぶ案もあるという。(了)[2001-06-18-11:41] 46
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 06/18@<サッカー>伊・セリエA ローマが優勝 中田は途中出場(毎日新聞)

 【ローマ支局】サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)は17日、当地などで最終節が行われ、首位のローマが4位のパルマを3―1で降し、勝ち点75で18年ぶり3回目の優勝を果たした。中田英寿選手(24)は後半34分から途中出場し、日本人として初めて、世界最高峰のリーグを制したチームの一員となった。 
 ローマは前半、トッティ、モンテッラのゴールで2点をリード。後半もバティストゥータが左足で3点目を奪った。
 試合終了直前、興奮した数百人のサポーターがピッチに乱入。両チームの選手のユニホームがはぎ取られるなど、試合が約20分間にわたって中断する騒ぎがあった。試合終了後もファンがピッチになだれこみ、選手は一目算にローカールームへと走った。
 また、ローマ市内にも多くの市民が繰り出し、夜遅くまで優勝の喜びにわいた。 [2001-06-18-11:00] 55
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 06/18@中田、ピッチで優勝迎える また高まった価値(共同通信)

 「その瞬間」を中田はピッチ上で迎えた。18年ぶりのローマのセリエA優勝が決まったパルマ戦。サポーターの乱入による中断という騒動もあった。それでも、世界最高峰と言われるリーグで中田は優勝メンバーとなった。日本サッカーの歴史に残る快挙だ。
 コンフェデレーションズカップの準決勝後。中田は決勝に出場する誘惑にかられながら「日本サッカー界のためにも」とイタリアに戻ることを選んだ。
 チームが足踏みした10日のナポリ戦は出番がなかった。しかし、この日はカペロ監督は3―0と勝利がほぼ決まった後半34分にあえて中田を投入。スクデット(優勝盾)獲得の功労者に対する配慮であるかのようだった。
 「中田は常に勝利が求められるこのチームで成長した」と同監督。それはトルシエ日本代表監督が「試合に出てなくてもローマで練習しているだけで意味がある」と言うのと重なる。
 今季、中田は34試合中、先発出場したのは5試合で、得点は2にすぎない。しかし、5月のユベントス戦での1ゴール1アシストなど、その働きは数字以上のものがあった。
 スクデット獲得メンバーとなり、移籍市場での価値もまた上がった。新聞紙上などではパルマやイングランドのアーセナルが取りざたされている。より多くの出場機会を求める中田はローマを離れる可能性が高そうだ。ただ、ワールドカップ(W杯)シーズンとなる来季もチャレンジが続くことは変わらない。(ローマ共同=松村圭)(了)[2001-06-18-09:24] 62
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 06/18@百万人が市内に繰り出す ローマの優勝祝し(共同通信)

 【ローマ17日共同】サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)でローマが18年ぶり3度目の優勝を飾った17日、本拠地のローマ市内では、ベネチア広場やコロッセオの南にあるローマ時代の競技場跡の広場を赤と黄の旗を持った市民らが埋め尽くし、夜遅くまで興奮の渦に包まれた。
 国営RAIテレビによると、祝勝のために繰り出した市民は約100万人。赤と黄の横断幕で教会の白い壁が覆われるなど大騒ぎだった。
 目抜き通りのベネト通りでは、チームの旗を窓から出した車や、2人乗りのバイクがクラクションを鳴らしながら約400メートルの隊列で走り抜けた。
 市内のバスも夕方からストップ状態。地下鉄の階段では赤と黄のシャツ姿のファンが歌ったりしたため、警官が出動し、乗客の駅構内への立ち入りを一時禁止した。(了)[2001-06-18-08:22]
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 06/19@イタリアで移民労働力を3K職業に訓練計画(読売新聞)

 イタリアで、人材不足の老人介護などの分野に限り、チュニジア人移民にイタリア文化と言葉を教え、職業訓練をしたうえで社会に送り出す「チュニジア・プロジェクト」がこのほど始まった。移民問題に焦点があたる中、受け入れ社会との間に摩擦を起こさず労働力として“有効利用”する新たな試みとして注目され、プロジェクトが軌道に乗れば、対象国の拡大も検討されている。(ローマ 秦野るり子) 「そんなうまい話があるものかと疑った人が多くて競争率はそれほど高くはなかった。おかげで僕はあこがれのイタリアに来ることができた」。ローマ南部の社会教育・宿泊施設「ビルトゥス ポンテ マンモロ」の食堂で、マンスールさん(27)はうれしそうに語った。
 同プロジェクトはイタリアとチュニジア両国政府の協力のもと、首都ローマを抱えるラツィオ州などが資金を出して始まった。書類選考を経てチュニジアで6か月間、イタリア語や生活する上で守らねばならない法律などを教える。終了後の試験に合格した70人にビザを発給。マンスールさんら第1陣は先月末、ローマに到着した。
 プロジェクト参加者は、同施設で8か月間、イタリア語や文化といった社会に溶け込むのに必要な知識を学ぶ傍ら、ピザ職人、額縁制作、庭師など七つの職種から一つを選んで職業訓練を受ける。
 チュニジア南部で旅行ガイドをしていたマンスールさんは昨年秋にプロジェクトを知り応募した。「自己負担は約200ドルだけ。いまだに信じられない」と言う。だが、コース終了後、1年以内に就職先が見つからねば国に帰るという条件が付いている。
 同施設のエンリコ・サンキ代表は「訓練する職種を絞り込んだので参加者全員が職を探せると信じる」と自信を示す。
 イタリアは高い失業率(今年1月現在で9・9%)で知られながらも、熱い窯の前で働き続けなければならないピザ職人など、厳しい割に収入が限られる職は敬遠され、人手不足に陥っている。少子化にも悩まされ、老人介護のための労働力確保など将来にわたる課題もある。こうしたギャップを埋めると期待されるのが途上国からの移民労働力だ。
 政府は、2001年から3年間に非欧州連合(EU)国に対し8万3000人分の就労ビザ枠を設定している。だが、就労ビザ取得には、国際的企業に就職するための技術や高学歴を持つ人が中心となる。こうした偏りを少しでも解決しようというプロジェクトだ。
 「失業していても“3K”は嫌」という先進国の人々のわがままが生んだプロジェクトが、ほとんど技術を持たない人々の移民の夢をかなえるという皮肉。サンキ代表はプロジェクトの継続、拡大が不法移民を減らすことにもつながると期待している。 [2001-06-19-03:06] 121
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 06/19@<ユーゴスラビア>戦犯法廷協力法案に反対の決定 社会人民(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】不正蓄財などで逮捕・拘置中のミロシェビッチ前大統領の国連旧ユーゴ戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への引き渡しを可能にする戦犯法廷協力法案について、ユーゴスラビア連邦政権で連立与党の一角を占める社会人民党は18日、法案への反対方針を決めた。連邦議会で同法案が否決される可能性が濃厚となった。欧米諸国は29日のユーゴ支援会議までと期限を付け、「戦犯法廷への協力」をユーゴ支援の条件に挙げており、ユーゴ連邦解消の危機さえ浮上している。
 社会人民党は「戦犯法廷が北太平洋条約機構(NATO)の罪を不問とし、ユーゴ側の罪ばかり問う政治的偏向法廷だ」として反対を言明。同党はミロシェビッチ前政権時代も連立与党で、前大統領擁護と党内に引渡し対象者が出ることへの懸念も強いと指摘されている。
 コシュトゥニツァ大統領率いる政権与党・民主野党連合も戦犯法廷の立場を批判して来たが、一方で、対外債務130億ドルを抱え欧米の経済支援なしでは経済再建が立ち行かない現状から法案採択を支持。単独では過半数に達しないため、社会人民党の説得を続けてきた。
 説得過程で社会人民党を非難する民主野党連合のラバス副首相ら3閣僚が辞表を提出するなど、同法案採択は国論を2分する大論議に発展している。
 社会人民党はセルビアとモンテネグロで構成するユーゴ連邦維持の立場で民主野党連合と共闘してきたが、21日に否決された場合、政権内の亀裂は決定的となり、与党の連立解消の懸念が強まるものとみられる。
 同法案は14日、連邦政府内で閣議採択したが、その際も賛成9閣僚に対し、社会人民党の7閣僚全員が反対していた。 [2001-06-19-19:40]
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 06/20@ハンガリー、自国系住民に特権付与の法案可決(読売新聞)

 【ウィーン支局20日】ハンガリー国会は19日、周辺6か国に住むハンガリー系住民に、就労権などの特権を与える「地位法」案を圧倒的多数で可決した。早ければ2004年にも予想される欧州連合(EU)への加盟で、多数の経済移民が殺到する事態の緩和が目的だとしているが、ルーマニアなど周辺国は、「民族間の対立要因になりかねない」「大ハンガリー主義の復活」などとして、反発を強めている。
 同法案は、ルーマニア、ユーゴスラビア、スロバキア、ウクライナ、クロアチア、スロベニアに住む計約300万人のハンガリー系住民に対して、<1>1年あたり3か月間の就労権<2>健康保険適用など医療機関での優遇<3>大学教育の無料化――などの特権をハンガリーで与えるもので、国会で306対17の大差で可決された。2002年1月に施行される予定。
 ハンガリーは、1人当たりの国民総生産(GNP)が4510ドル(1998年)と、ルーマニアの約3倍、ウクライナの約6倍と旧東欧圏で高い経済水準を誇る。EUに加盟すれば、経済格差はさらに拡大し、周辺諸国から労働者が殺到することも予想される。
 このため、ハンガリー政府は、この事態を事前に緩和し、少子化に伴う労働力不足を補うことなどが、法案の狙いと説明してきた。
 しかし、ハンガリー系住民約150万人を抱えるルーマニアのナスターゼ首相は「同法案はルーマニアでは無効」と発言。与党、社会民主主義党も最近、「(第一次世界大戦後にハンガリーの領土分割を定めた)トリアノン条約の書き直しを図るものだ」との談話を発表し、中世の「大ハンガリー主義」復活だとして警戒感を示した。スロバキアも、「自国内に差別をもたらす」と、懸念を表明している。
 これに対し、ハンガリーのマルトニー外相は19日、「ハンガリー国内で権利を与えるだけで、治外法権ではない」と釈明、同法施行まで周辺諸国の説得に努める考えを強調した。 [2001-06-20-20:22] 114
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 06/20@軍輸送機もエアバス化 パリ航空ショーで8カ国合意(共同通信)

 【パリ20日共同】パリ郊外ルブルジェ空港で開催中のパリ航空ショーでフランス、ドイツなど欧州八カ国は十九日、欧州の航空機メーカー連合エアバス・インダストリー社が初の本格軍用輸送機として開発中のA400Mを計百九十六機発注することで基本合意を交わした。
 同機は米ロッキード・マーティン社製C130ハーキュリーズなどの後継機として、欧州緊急対応部隊向けに欧州諸国が共同開発。最大積載重量は装甲車や小型ヘリコプターの輸送も可能な三十七トン。無給油の航続距離は約五千五百キロで、最高時速は七百八十キロの四発プロペラ機だ。
 ドイツの七十三機、フランスの五十機を中心に英国、スペイン、ベルギー、トルコなどが合意書に調印、十六機を発注する予定のイタリアは政権交代があったため、調印を保留した。製品の引き渡しは二○○七年に始まる。
 旧ユーゴスラビア紛争などを通じ、兵力も軍備も「米国頼み」であることが露呈したことから、従来は民用機中心だったエアバス社は軍用機の開発を加速させた。フランスのリシャール国防相は記者会見で「欧州の軍備で不十分だった部分を補完することになる」と新型機に期待を寄せた。(了)[2001-06-20-20:22] 115
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 06/20@大ハンガリー復活と警戒も 母国で特別待遇の法案可決(共同通信)

 【ウィーン20日共同】近隣諸国に住む計約三百万人のハンガリー系住民だけを対象に、年に一定期間ハンガリーでの就労の権利を与えるなどの特別待遇法案が十九日、同国議会で可決された。これに対し、ルーマニアなどは自国のハンガリー系住民と他の民族との対立要因になりかねない「差別的な法律」と反発、地域的な緊張が広がりそうな情勢だ。
 同法はハンガリーが欧州連合(EU)に加盟した場合に、近隣諸国からハンガリー系移民が殺到するのを防ぐと同時に、少子化に伴う労働力不足の緩和を狙ったもの。
 第一次世界大戦でハンガリーが領土の三分の二を失い、多数のハンガリー人が母国を失って近隣諸国の「少数民族」になった歴史的経緯があるため、近隣からは「大ハンガリー」復活を目指した動きだと警戒する見方もある。
 同法は、隣接するルーマニア、スロバキア、ユーゴスラビア、ウクライナ、クロアチア、スロベニアの六カ国のハンガリー系住民が対象。
 各国のハンガリー系団体などでハンガリー人と証明されれば年に三カ月間、ハンガリー国内で就労する権利が与えられ、医療機関や大学などの利用などで優遇されることになる。同法は来年一月に発効の予定。
 ルーマニアのナスタセ首相は十九日、「この法律はわが国では無効だ」と反発。ルーマニアは少数民族の中で最も多いハンガリー系住民が民族意識に目覚め、権利向上などの動きを強めることを懸念しており、スロバキアなども同様に反発している。(了)[2001-06-20-15:10] 116
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 06/20@米大統領がコソボ訪問へ 7月のジェノバ・サミット後(共同通信)

 【ワシントン19日共同】米ホワイトハウスは十九日、ブッシュ大統領が七月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)出席後、ユーゴスラビア・コソボ自治州の駐留米軍基地を訪問、米軍兵士の激励を検討していることを明らかにした。近く正式発表される見通し。
 米軍は北大西洋条約機構(NATO)軍主体の国際部隊などの一員として、コソボ自治州に六千人、ボスニア・ヘルツェゴビナに四千人が駐留。大統領は昨年の選挙期間中、早期撤退すべきだとの見解を表明していたが、最近は欧州諸国の要請を受け入れ「(他国軍と)同時に引き揚げる」と方針転換した。(了)[2001-06-20-09:43] 118
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 06/20@ユーゴ戦犯協力法撤回も(共同通信)

 【ウィーン19日共同】ユーゴスラビアのラブス副首相は十九日、独立系ラジオ「B92」との会見で、ミロシェビッチ前大統領らを旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に引き渡すことを可能にする戦犯法廷協力法案を連邦議会に提出せず、「撤回することを検討している」と述べた。
 コシュトニツァ大統領のセルビア民主野党連合(DOS)と連立を組んでいる社会人民党が同法案に反対票を投じる姿勢を表明、連邦議会での承認が困難な情勢になったことを受けた発言。代わりにDOSが議会で単独過半数を占める同連邦セルビア共和国で法制化するよう求めた。
 今月二十九日にユーゴ支援国会議が開かれ、一部の支援国が戦犯法廷協力法の可決を支援条件にするとみられるため、ユーゴ側は同法の制定を急いできた。(了)[2001-06-20-08:48] 119
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 06/20@<NATO>マケドニアへの監視部隊派遣問題 本格的検討開(毎日新聞)

 【ブリュッセル森忠彦】マケドニアで政府軍とアルバニア系ゲリラとの紛争が続いている問題で、北大西洋条約機構(NATO)がゲリラの武装解除にあたる監視部隊を派遣する見通しが強まってきた。
 20日の大使級理事会で本格的な検討を始める。
 NATO筋によると、米国が慎重なため、英国やフランス、ドイツなどの欧州が中心となる予定だという。
 だが、あくまでも派遣は双方の停戦合意を受けてとなる見通しで、NATOの部隊派遣までにはまだ曲折がありそうだ。 [2001-06-20-00:00] 406
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 06/20@アチェで校長ら6人射殺 武装集団(共同通信)

 【ジャカルタ20日共同】独立紛争が続くインドネシア・アチェ特別州の消息筋によると、十九日、同州北アチェ県で武装集団がバスに乗っていた小学校長を射殺した。また治安部隊がピディ県で農民五人を射殺し、東アチェ県で住宅三十五戸に放火した。
 さらに国営アンタラ通信によると、州都バンダアチェ中心部の路上で同日、手りゅう弾が爆発、国軍兵士二人と住民三人が負傷した。
 アチェ紛争をめぐっては、近くジュネーブ郊外で政府と独立派ゲリラの和平協議が予定されているが、武力衝突は激化しており、人権団体によると、今年だけでも六百人以上が死亡した。(了)[2001-06-20-15:55] 421
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 06/20@PKF参加なら武器使用も緩和…自民方針(読売新聞)

 自民党国防部会の防衛政策検討小委員会(浜田靖一委員長)は20日午前、党本部で開いた会合で、国連平和維持隊(PKF)本体業務への参加凍結を解除する場合、国連平和維持活動(PKO)協力法に「警護任務」を加え、武器使用基準も緩和する方針で一致した。
 PKO協力法には警護任務の規定がないため、PKOの自衛隊部隊は日本の文民警察官などの警護を他国に頼っている。PKF凍結が解除されても、現行法は武器使用を「自己または自己とともに現場に所在する他の自衛隊員」を守ることに限定しているため、他国の部隊と行動することができない。
 このため、小委員会は具体的には〈1〉警護対象者や邦人保護のために武器を使用する〈2〉自衛隊法95条の「武器等防護のための武器使用」をPKOの任務に適用する――などを検討する考えだ。 [2001-06-20-12:03] 422
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 06/20@武器使用も同時に見直し PKF参加で自民小委(共同通信)

 自民党国防部会の防衛政策検討小委員会は二十日、党本部で開いた会合で国連平和維持活動(PKO)について協議し@国連平和維持軍(PKF)本体業務への参加凍結を解除する場合は武器使用基準なども同時に見直すAPKO協力法改正作業は議員立法で行う―ことで一致した。
 現在、武器使用は隊員の身体防護目的に限定されているが、防護対象を装備や他国の隊員などにまで広げた上で、新たに警護任務を加える方向で検討する。武器使用の拡大はPKO参加五原則の見直しにつながり、公明党が慎重な姿勢を崩していないため、与党間調整の難航が予想される。
 会合では「武器使用基準の見直しをせずにPKFに参加しても、意味のある活動はできない」「紛争が激化したら撤退する。使用基準を拡大しても、憲法の禁じた『海外での武力行使』には当たらない」などの意見が出された。(了)[2001-06-20-12:00] 426
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 06/20@<ハンガリー>民族地位法採択 周辺国の同胞に特典、周辺国(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ハンガリー国会は19日、周辺国に居住する300万人のハンガリー系住民への年間3カ月の労働ビザ供与などの特典を含む「民族地位法」を賛成306、反対17で可決した。ハンガリーは同法について、欧州連合(EU)加盟交渉に向け、「労働力不足解消と周辺国同胞のEU加盟前の大量流入防止が狙い」と説明している。だが、ルーマニアやスロバキアは「民族間の経済格差を助長する」「大ハンガリー主義の復活」と猛反発している。
 ハンガリーのマルトニー外相は法案可決後、「同法は地域の安定と協力関係を促進するもので、採択は歴史的な意味を持つ」と述べた。同法は周辺国のハンガリー系住民を対象に、3カ月の労働許可のほか交通費を支給し、ハンガリー国民と同じ程度の健康保険適用も認める。また学生には1年以内の就学許可を与える。
 最近の調査によると、国外のハンガリー系住民の25%がハンガリーのEU加盟前に同国への帰化を望んでいる。政府は「新法により、帰化希望者の数を半減できる。短期就労を合法化しなければ加盟前に大量移住する可能性がある」とみている。
 これに対し、170万人のハンガリー系住民が住むルーマニアのイリエスク大統領は、新法に対し「就労機会のないルーマニア国民にとって差別的意味を持ちかねない」と強く反発。またハンガリ系住民60万人を抱えるスロバキアでも「ハンガリー系住民ばかりが恩恵を受け、住民の間に民族による格差意識を植えつける。これは大ハンガリー主義の復活だ」と批判する声が上がっている。
 一方、ハンガリー政府は「同法案は政治的ではなく民族・文化的なもので、領土拡大の意図などない」と反論している。 [2001-06-20-11:30] 433
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 06/20@50万トンの有害農薬ごみ 日本の過剰援助にも批判(共同通信)

 【ワシントン19日共同】先進国からの国際援助によって発展途上国などに送られ、使われないまま放置されている農薬の量が少なくとも五十万トンに達することが、国連環境計画(UNEP)や国連食糧農業機関(FAO)などの調査で分かった。国連関係者が十九日、明らかにした。
 農薬の量はこれまでは約十万トン程度とされていたが、その後の調査で五倍以上になることが判明。多くの場合、保管状況がずさんで、深刻な環境汚染を招いている。
 日本の政府開発援助(ODA)の一つである食料増産援助で必要以上の農薬が送られたことも原因の一つとされており、今後、日本も対応を求められそうだ。
 FAOなどがまとめた報告書によると、過去三十年以上にわたり、主に国際援助で送られた大量の農薬が使われないまま放置され、中には先進国では既に使われなくなったDDTやクロルデンなど、極めて毒性が強い物も含まれる。
 必要以上の量の農薬が一カ所に送られるなど、援助国と被援助国間の連絡の悪さが大きな原因。FAOは「特に日本の食料増産援助では、過剰な量の農薬が援助され、使用期限が切れた物や期限切れ直前の物も多かったとして、厳しく批判されている」と日本のODAの問題点も指摘した。
 農薬の量はアジアに約二十万トン、アフリカ約十万トン、旧ソ連圏諸国に約二十万トンと推定された。毒性の強い農薬が住宅地や集落の中心部に保管され、土壌や水質汚染を招いているケースがアフリカ諸国などで確認され、関係者は早急な対策の必要性を強調している。(了)[2001-06-20-10:06] 434
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 06/20@壊れた納屋にDDT 汚染深刻なエチオピア FAOの報告(共同通信)

 「小さな農村の真ん中にある農薬のごみ捨て場から、いやなにおいが漂い、近くで子供が遊んでいる」―。発展途上国で深刻化する農薬ごみによる環境汚染について、国連食糧農業機関(FAO)の担当者はエチオピア西部のこんな状況を報告している。
 担当者は、壊れかけた納屋のような小屋の中に五・五トンの農薬が保管されているのを確認した。DDTなど毒性が強い農薬もあり、ドラム缶から漏れ出しているものもあったという。いずれも二十―三十年前に運ばれてきたが、使われないままごみになった。
 エチオピアは世界で廃農薬問題が最も深刻な国の一つ。国内千カ所以上の場所に、約三千トンの古くなった農薬が保管されている。
 FAOの報告書によると、日本の食料増産援助によって、エチオピアに大量の農薬が運ばれ、遠隔地の農村に届く前に有効期限が切れたケースも多かった。
 FAOの推計では、ボツワナ、マリ、タンザニア、モロッコなどに一万―三万トン以上の廃農薬が存在。中東でもイエメンに千八百トンが確認されている。(了)[2001-06-20-09:56] 435
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 06/20@PKOは他国に任せよ 米国防副長官(共同通信)

 【ワシントン19日共同】ウルフォウィッツ米国防副長官は十九日付の米紙USAトゥデーとのインタビューで、国連平和維持活動(PKO)をノルウェーやカナダなど「PKOの伝統がある国」に任せ、米軍はPKO業務から撤退すべきだとの考えを示した。
 副長官は、米軍は危機において「相当の軍事力を投入できる唯一の国」と指摘。「他国のできる(PKO)任務も引き受けるのは間違い」と述べ、米軍は純粋に軍事的な役割に専念すべきだと強調した。
 国防総省は四月、シナイ半島に展開する国連平和維持軍からの米軍の撤退を検討していることを明らかにした。ただ、ブッシュ大統領は最近の欧州歴訪で、バルカン地域に展開する米平和維持部隊の一方的撤退はしないと約束している。(了)[2001-06-20-09:41] 386
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 06/20@<サッカー>FIFAが世界ランキング発表 日本は33位に(毎日新聞)

 国際サッカー連盟(FIFA)は20日、最新の世界ランキングを発表した。コンフェデレーションズカップで準優勝した日本は5月の44位から33位にランクを上げた。
 コンフェデ杯を制したフランスは、5月にブラジルと入れ替わった1位の座を守り、2位ブラジル、3位アルゼンチン、4位イタリア、5位ポルトガルと上位に変動はなかった。
 コンフェデ杯でフランス、ブラジルを破って3位のオーストラリアが68位から50位に順位を上げた。韓国は37位だった。(パリ共同) [2001-06-20-19:55] 413
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 06/20@<特集ワイド>02年サッカーW杯 韓国の事情、日本と共通(毎日新聞)

 02年日韓共催サッカー・ワールドカップ(W杯)の開催まで1年を切った。プレ大会のコンフェデレーションズカップを終え、両国では本番に向けた準備が加速する。お隣の韓国では、宿泊先の準備や開催上の悩みなど、日本と共通する問題も数多い。韓国のW杯事情を紹介する。 【平井桂月、磯崎由美、仁瓶和弥】
 ■日韓どちらが順調?
 「W杯の成功には、国民すべての参加が不可欠だ」。コンフェデ杯開幕間近の5月28日、金大中大統領はソウルのW杯韓国組織委員会(KOWOC)を訪ねて強調した。韓国開発研究院は98年、開催の経済波及効果を約8兆ウォン(約8000億円)、24万5000人の雇用を創出すると試算し、政府は盛り上げに躍起だ。
 日韓共通課題の一つは宿泊先の確保だ。KOWOCは期間中に韓国を訪れる観客を47万人と想定。広報局の金振晧(キムジンホ)第2部長は「1日の宿泊需要は7〜10万室。現在7万室を確保し、テント村や研修所も活用する」と言う。
 巨額の競技場建設費による財政問題も深刻だ。韓国の10カ所はすべて新築。総事業費は2兆ウォン(約2000億円)で、一部は国の補助金だ。97年にIMF通貨危機が直撃し、国会でも一時「無駄遣いではないのか」という議論が出た。
 日本より順調なのは、ボランティア。KOWOCは4月から約1万6600人を募集、5月末には3万4000人が応募した。「英語が話せる」という条件に尻ごみして集りにくい日本と対照的だ。コンフェデ杯では「国の役に立ちたい」と、若者から高齢者までが奔走した。
 日本の準備状況を取材した朝鮮日報社会部のパクミンスン記者は「韓国にはタクシー会社が日本語や英語の分かる運転手を派遣するサービスがある。大阪では英語も通用せず、とても困った。日本は、施設や街は整備されているが、多くの外国人を受け入れられるのか疑問」と指摘する。
 ■ソウル 紆余曲折で建設遅れ
 開幕式が行われるソウルワールドカップ競技場は約6万4000席。ソウル中心地から車で約20分、仁川国際空港から高速バスで1時間以内、最終的には敷地内に地下鉄駅ができるというアクセスが自慢だ。頭痛のたねはソウル名物の渋滞。試合日にはマイカー通行量をナンバー別で規制する予定という。
 一時は財政危機のために「建設を中止し、現在ある競技場を増改築する」との案も浮上した。こうした議論で建設は大幅に遅れているが、ソウル市W杯推進団の權寧奎(クォンヨンギュ)団長は「ハードは86%できあがった。芝も準備できた」と強調する。
 周辺を歩くと、閑散とした商業地の一角に「国は栄光、貧しい庶民は一文なし」と書いた横断幕があった。ゲートに続く道路の幅員を拡張するため、沿道の約70店が立ち退きを求められて、反対していたのだ。
 客のいないカラオケボックスでは、経営者の金基洪(キムキホン)さん(60)が肩を落していた。「国は地権者に手厚いが、入居者への保障はほとんどなく、移転して店を借りる金がない。札束を敷き詰めたような競技場がうらめしい。サッカーは好きだが、無理をして建設しても、ゆくゆく政府の負担になるだけではないのか」。金さんは深いため息をついた。
 ■釜山(プサン) 「アジア大会」にかすむW杯
 韓国第2の都市、釜山では、W杯後の02年9月に第14回アジア大会が開催される。競技場名も釜山アジア大会メイン競技場。地元では3試合しかないW杯より関心が高い。
 市内のあちこちには「2002 PUSAN ASIAN GAMES」の看板はあるが、「W杯」の文字は見つからない。「W杯の看板やモニュメントがあるのは、空港かフェリーターミナルくらい」。観光案内所の女子職員は、さも当然といった顔つきだった。
 競技場は96年3月に着工。当初は全体をドームで覆う予定だった。建設費節減で、客席上にケーブルを二重に張り巡らし、幕を貼る構造に変更。アジア大会施設本部の金泰煥(キムテハン)さんは「400億ウォン(約40億円)を節約した」と説明する。
 5月末で工事進ちょく率は92%。「ケーブル構造の屋根としては世界最大規模。非常に難しい工事だが、7月末には完成の予定だ」。建設を請け負ったJVの一つ空間の現場副リーダー、尹泰亨(ユンテヒュン)さんは胸を張った。
 しかし、交通アクセスの話になると、尹さんの顔は曇った。「地下鉄の延伸工事をしているが、たぶんW杯までには完成は難しいだろう」。本番では競技場や周辺に3100台分の駐車場を確保する予定という。
 ■蔚山(ウルサン) 産業都市にうまれた本格派スタジアム
 蔚山は韓国屈指の財閥、現代グループの工場が立ち並ぶ企業城下町。工業化が始まる60年代以前は人口8万人程度の漁村に過ぎなかった。40年間で100万都市に成長。市民は「漢江の奇跡」と呼ばれる韓国の経済成長を支えたとの自負を抱く。
 コンフェデ杯の会場になった蔚山文殊競技場は、工業都市らしく機能性と伝統美を生かした設計で高い評価を受けた。スタンドの最前列からピッチまでの距離は11メートルで、観客席の最大傾斜が35度とサッカー観戦にはうってつけだ。競技場外側から64本のケーブルで屋根を支えスタンドの柱をなくしたため、どの場所からも死角なくピッチを見渡せた。
 ただ、一部で雨漏りがあったことが大会前に発覚。「手抜き工事」とマスコミのやり玉に上がった。しかし、蔚山市W杯企画課の金善照(キムソンジョ)課長は「完璧な準備をしたと思ってもミスはある。今回の経験をW杯本番に生かせればいい」と意に介さなかった。
 ■水原(スウォン) 人気チームの本拠地に「事件」の影
 コンフェデ杯で、水原W杯競技場(約4万3200人収容)のメキシコ・豪州戦は入場者約6200人。寂しいスタンドとなった。フランス・ブラジルの準決勝は約3万5000人。地元テレビ局は「このカードならたいていの国で満員になったはず」と指摘した。
 韓国代表の司令塔・高宗秀(コジュンス)らスター選手を擁し、人気・実力ともプロサッカー屈指の水原三星の本拠地。サッカー熱が高いはずだっただけに関係者はショックを隠せなかった。
 不振の一因になったといわれる事件があった。沈載徳(シンジェトク)市長が3月、建設業者から2億3000万ウォン(約2300万円)のワイロを受け取ったとして逮捕された。
 沈市長はW杯誘致で中心的な役割を果たした。経済危機の影響で財閥・三星グループが競技場建設への融資を凍結すると、市民から1人10万ウォン(約1万円)の寄付を募る代わりに、その人の名を座席に刻む「1人1座席」運動を展開した。
 「市長がいればスタジアムを満員にしたはずだ」と悔しがるのは同市文化観光課の李弼雄(イピルウン)国際担当。実行力に富む市長の不在が、W杯の準備を停滞させないか、危ぶむ声も出ている。
 ■大邱(テグ) 根付くかサッカー文化
 人口250万人の韓国第3の都市。03年のユニバーシアードも視野に入れた大邱総合競技場は、W杯開催会場では韓国最多の6万6000人を収容する。コンフェデ杯開幕試合では、シャトルバスが渋滞に巻き込まれ、飛行機の最終便の出発が遅れるというハプニングもあった。観客の主婦は「試合終了後、ボランティアもいなければ案内版もなく、バス乗り場まで迷ってしまった」と話した。
 大邱にはKリーグのチームがない。「サッカーより野球」の土地柄だ。地元には「これを機にプロチームの結成を」との声もある。コンフェデ杯直前、韓国代表サポーター「レッドデビル」は急きょ大邱に支部を結成。事務局は「1年後にはスタンドを赤いシャツで埋め尽くします」と鼻息が荒い。
 地域経済は低迷。タクシー運転手の男性は「建設業界などの倒産が相次いだ。W杯で少しは暮らしが良くなるのならいいが……」とW杯の経済効果には半信半疑だ。 [2001-06-20-14:15]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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