最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(05/14, 2001)


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◆ 05/05@<マケドニア>政府軍攻撃に、ゲリラが女性や子供で「人間の(毎日新聞)
◆ 05/05@<社説>世界難民白書 何をすべきか考えよう(毎日新聞)
◆ 05/05@<米中関係>中国社会科学院アジア・太平洋研の張蘊嶺所長に(毎日新聞)
◆ 05/05@<ローマ法王>シリアに到着 初めてイスラム寺院を訪問へ(毎日新聞)
◆ 05/05@5月6日付・編集手帳(読売新聞)
◆ 05/05@モロ解放戦線が独立決議 フィリピン、和平交渉で分派けん制(共同通信)
◆ 05/05@<中国>米国の国連人権委落選に、皮肉たっぷりの論文 主要(毎日新聞)
◆ 05/05@日本は移民受け入れ国に CIAが報告書 (共同通信)
◆ 05/05@夫婦同姓、在日に戸惑い 国籍取得の法制化めぐり(共同通信)
◆ 05/05@◎日本では情報筒抜け=与野党訪米団に不満表明−米国家安全(時事通信)
◆ 05/05@<アフガニスタン>劣勢の中、士気高く 最前線ルポ(毎日新聞)
◆ 05/05@<マスード将軍>パキスタン動向カギ 米の関与も焦点 紛争(毎日新聞)
◆ 05/05@ダイヤ禁輸発動が確定 対リベリアで国連安保理(共同通信)
◆ 05/05@「金総書記、話し合える相手」ソラナEU上級代表(読売新聞)
◆ 05/05@アルジェで少数民族弾圧に抗議デモ(読売新聞)
◆ 05/05@◇セリエAがEU域外出場枠撤廃 中田ら67人に恩恵◇(朝日新聞)
◆ 05/06@シリア、法王訪問を最大限利用 イスラエル非難の場に(共同通信)
◆ 05/06@法王がダマスカス到着 イスラエルを暗に批判(共同通信)
◆ 05/06@◎米大統領、初のスペイン語演説=メキシコとの友好強調−ラ(時事通信)
◆ 05/07@<欧州社民党大会>ベルリンで開幕 独社民党が欧州連邦構想(毎日新聞)
◆ 05/07@マケドニアは「戦時体制宣言」回避を…EUなど(読売新聞)
◆ 05/07@◎アルバニア住民系の民主党、連立離脱を警告(時事通信)
◆ 05/07@<コソボ>総選挙延期公算大 法整備合意できず(毎日新聞)
◆ 05/07@◇マケドニアが「戦争状態」宣言を検討◇ (朝日新聞)
◆ 05/07@<マケドニア>アルバニア系ゲリラの一部が住民の脱出に金品(毎日新聞)
◆ 05/08@◎挙国一致内閣で合意=武装組織孤立化へ主要政党結集−マケ(時事通信)
◆ 05/08@<マケドニア>「挙国一致内閣」を樹立へ (毎日新聞)
◆ 05/08@◇独首相、統合強化を強調 欧州社民党大会開幕◇(朝日新聞)
◆ 05/08@◇戦争宣言見合わせ マケドニア政府◇(朝日新聞)
◆ 05/08@挙国一致内閣の結成示唆 マケドニア首相 (共同通信)
◆ 05/08@モスク着工式で30人負傷 セルビア人住民の暴動(共同通信)
◆ 05/08@ユーゴ大統領初の訪米 関係改善の一歩に (共同通信)
◆ 05/08@◎ユーゴ監督を解任=W杯予選不振で−W杯サッカー(時事通信)
◆ 05/09@<世界銀行>ユーゴの再加盟を認める 新政権の誕生を受けた(毎日新聞)
◆ 05/09@山国支える「たばこ密輸」 モンテネグロ共和国(共同通信)
◆ 05/09@<マケドニア>挙国一致内閣の発足遅れ 1党が態度保留(毎日新聞)
◆ 05/09@◎多数決原則は機能しない=コソボ議会めぐりユーゴ大統領(時事通信)
◆ 05/09@挙国一致内閣に合意できず アルバニア系野党が反発(共同通信)
◆ 05/09@多数決原則は適用できず コソボ議会でユーゴ大統領(共同通信)
◆ 05/09@法王歴訪、中東などで和解の訴え届かず(読売新聞)
◆ 05/09@<カストロ議長>イラン訪問、大統領と会談 対米政策意見交(毎日新聞)
◆ 05/09@前ロシア課長、前会計課長の異動を凍結 田中外相(朝日新聞)
◆ 05/09@「2島先行」は再検討 領土交渉はこう着か(共同通信)
◆ 05/09@「敗者は世界の人々」 国連機関委員落選で米政府が反論(朝日新聞)
◆ 05/09@子ども60人拉致か アンゴラで反政府武装勢力(朝日新聞)
◆ 05/09@新聞も欧州統合?4ヶ国の4紙が提携(読売新聞)
◆ 05/09@日本が米安保戦略の中心に 在日米軍司令官が言明(共同通信)
◆ 05/09@人権非難決議めぐり応酬 キューバと中南米諸国(共同通信)
◆ 05/09@国会でオーケストラ演奏を 実現すれば歴史上初めて(共同通信)
◆ 05/10@<マケドニア>挙国一致内閣不成立へ 亀裂表面化(毎日新聞)
◆ 05/10@ボスニアで民族対立再燃 寺院再建で宗教紛争の様相(共同通信)
◆ 05/10@米、ミロシェビッチの国際法廷移送を要望 (読売新聞)
◆ 05/10@コソボの住民投票は不可能 ヘカロップ国連特別代表(共同通信)
◆ 05/10@前大統領の戦犯法廷引き渡し要求 ユーゴ・米大統領会談(朝日新聞)
◆ 05/10@<米ユーゴ首脳会談>身柄引き渡しへ「具体的な措置」求める(毎日新聞)
◆ 05/10@<経済成長率>旧ソ連・東欧がそろって前年比プラスに (毎日新聞)
◆ 05/10@身柄移送の時期示さず 米政府にユーゴ大統領(共同通信)
◆ 05/10@女性の敵は女性? コソボ人身売買(朝日新聞)
◆ 05/10@<社説>ローマ法王 宗教は共存を認めあおう(毎日新聞)
◆ 05/10@<フィジー>背景に自国の価値観を崩されたフィジー系の強い(毎日新聞)
◆ 05/10@<フィジー>フィジー系優遇を表明 ガラセ首相が毎日新聞と(毎日新聞)
◆ 05/10@「教科書」歴史共同研究と分離…韓国外相と会見(読売新聞)
◆ 05/10@<国連人権委落選>「分担金支払い凍結は逆効果」 国連事務(毎日新聞)
◆ 05/10@伯仲のバスク自治州選挙 反テロか、地域主義か(共同通信)
◆ 05/10@独立勢力が武装解除に合意 ブーゲンビル島(共同通信)
◆ 05/10@国連分担金不払い法案 米、意趣返しの様相(朝日新聞)
◆ 05/10@母の暮らしにも南北格差 米市民団体調査 (共同通信)
◆ 05/10@憲法改正の必要性示唆 集団的自衛権で米副長官(共同通信)
◆ 05/10@環境NGO結成で準備会合 日中韓の議員ら(共同通信)
◆ 05/10@最貧国の温暖化被害を強調 国連が行動計画案(共同通信)
◆ 05/10@「拷問は私の任務だった」仏元将校証言が波紋(朝日新聞)
◆ 05/10@<記者の目>歴史教科書と日韓関係  澤田 克己(ソウル支(毎日新聞)
◆ 05/10@<ロシア再生の行方>現実路線の外交術 米中対立のはざまで(毎日新聞)
◆ 05/10@暴動で130人が負傷 クロアチアのサッカー試合(共同通信)
◆ 05/10@コンフェデ杯日本代表を発表(読売新聞)
◆ 05/11@マケドニア挙国一致内閣が発足へ(朝日新聞)
◆ 05/11@軍の拷問・処刑、「謝罪すべき」と仏世論 (読売新聞)
◆ 05/11@伊総選挙13日投票、上院で激しい競り合い(読売新聞)
◆ 05/11@タリバーン、国内の国連事務所閉鎖へ(朝日新聞)
◆ 05/11@<カルマパ17世>インドを拠点に宗教活動を本格始動へ(毎日新聞)
◆ 05/11@<外国人結婚式>伊ナポリの教会が締め出しを決定、波紋が広(毎日新聞)
◆ 05/11@「強制労働」の訴え絶えず ミャンマーの少数民族 ルポ(共同通信)
◆ 05/11@<国連分担金>未納300億円の拠出凍結を可決 米下院(毎日新聞)
◆ 05/11@国連委落選に「報復」、米下院が法案可決 (読売新聞)
◆ 05/11@米下院が国連滞納金不払いを可決(朝日新聞)
◆ 05/11@仏左派が記念行事 ミッテラン政権20周年(共同通信)
◆ 05/11@国連分担金支払いを凍結 米下院、人権委落選で報復(共同通信)
◆ 05/11@イスラエル、中東和平仲介案の修正要求(朝日新聞)
◆ 05/11@社説―政争の連鎖を断て(朝日新聞)
◆ 05/12@マケドニア挙国一致内閣で最終合意(読売新聞)
◆ 05/12@<マケドニア>挙国一致内閣樹立へ 民族対立回避を目指す(毎日新聞)
◆ 05/12@13日に挙国一致内閣発足へ アルバニア系野党が参加(共同通信)
◆ 05/12@マケドニアで「挙国一致内閣」が発足(朝日新聞)
◆ 05/12@国民の3人に1人が感染も エイズは「国家危機」 国連報告(共同通信)
◆ 05/12@若者の感染、25%削減へ WHOがエイズ戦略報告(共同通信)
◆ 05/12@<ブッシュ米大統領>国連人権委メンバー国落選に強い不満表(毎日新聞)
◆ 05/12@<スペイン>マドリード中心街で爆弾テロ 通行人ら13人負(毎日新聞)
◆ 05/12@<イラク>放射能爆弾製造計画を公式に認める 国連が書簡を(毎日新聞)
◆ 05/12@あやまるアメリカ 「ソーリー法」施行の州も(朝日新聞)
◆ 05/12@将校の給与大幅引き上げへ 軍再建に向けプーチン政権(共同通信)
◆ 05/12@<パプアニューギニア>BRAとBRFが武器放棄条約締結(毎日新聞)
◆ 05/12@NMDとTMD、ブッシュ政権が計画統合の動き(読売新聞)
◆ 05/12@日本男子バレー、ユーゴスラビアにストレート負け(読売新聞)
◆ 05/12@◎チャンピオンズリーグ、従来方式に=欧州サッカー連盟(時事通信)
◆ 05/13@アルバニア系武装兵力30人を砲撃 政府軍が攻撃再開(朝日新聞)
◆ 05/13@マケドニア大連立承認へ 情勢沈静化は不透明(共同通信)
◆ 05/14@マケドニア政府軍が掃討作戦、武装勢力30人死亡(読売新聞)
◆ 05/14@アルバニア系武装兵力30人を砲撃 政府軍が攻撃再開(朝日新聞)
◆ 05/14@マケドニア政府軍が掃討作戦、武装勢力30人死亡(読売新聞)
◆ 05/14@「挙国一致内閣」の発足を承認 マケドニア議会(朝日新聞)
◆ 05/14@マケドニア国会、挙国一致内閣を承認(読売新聞)
◆ 05/14@<マケドニア国会>挙国一致内閣を承認 首相は治安安定化が(毎日新聞)
◆ 05/14@挙国一致内閣が発足 マケドニア、テロと対決へ(共同通信)
◆ 05/14@<ひと>ハーバート・ビックスさん ピュリッツァー賞受賞(毎日新聞)
◆ 05/14@EUが北朝鮮との外交関係樹立を決定と発表(読売新聞)
◆ 05/14@「商才」と「黒い噂」と…ベルルスコーニ氏(読売新聞)
◆ 05/14@右派政権誕生へ、上院制す イタリア総選挙(朝日新聞)
◆ 05/14@5月15日付・編集手帳(読売新聞)
◆ 05/14@国連PKO局に自衛官派遣も 防衛庁が法改正検討(朝日新聞)
◆ 05/14@<国連後発発展途上国会議>10年間の行動計画作成へ(毎日新聞)
◆ 05/14@国連PKO局派遣に前向き 中谷元防衛庁長官(共同通信)
◆ 05/14@後発途上国支援で国連会議 10年間の行動計画作成へ(共同通信)
◆ 05/14@文科省、誤りあれば訂正も 中学歴史教科書問題で(共同通信)
◆ 05/14@イリアン独立派初公判開く 言論を断罪、民主化に逆風(共同通信)
◆ 05/14@アフリカの子供救え 名大、潰瘍治療に出発(共同通信)
◆ 05/14@「靖国参拝は首相として」予算委で小泉首相(読売新聞)
◆ 05/14@<YOU館>イラン、おしゃれ「革命」 ハタミ政権は寛大(毎日新聞)
◆ 05/14@<カットオフ条約>ジュネーブで専門家を招いて研究会 日本(毎日新聞)
◆ 05/14@バスク州議会選挙、穏健派勢力が勝利(読売新聞)
◆ 05/14@<スペイン>バスク自治州の州議選で、与党の穏健民族派が勝(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 05/05@<マケドニア>政府軍攻撃に、ゲリラが女性や子供で「人間の(毎日新聞)

 マケドニア政府軍は5日も、首都スコピエ北東35キロのクマノボ周辺で、アルバニア系ゲリラ・民族解放軍に対する大規模攻撃を実施した。政府側は「ゲリラは女性や子供ら3500人を『人間の楯』にしている」と非難している。報道によると、攻撃は周辺一帯住民に退去命令を出した上で、迫撃砲や攻撃用ヘリコプターを動員している。 【ウィーン支局】[2001-05-05-19:55] 26 [このページの最初に戻る]


 05/05@<社説>世界難民白書 何をすべきか考えよう(毎日新聞)

 「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀が過ぎ、冷戦体制も一昔前の遺物となった。21世紀を平和と繁栄の世紀に、との願いは、日本を含む国際社会の総意だ。
 にもかかわらず、今も世界各地で2600万人近い人々が家や土地を追われ、苦悩の生活を強いられているのはなぜなのか?
 その答えの多くが一冊の白書にまとめられ、どうすればよいかを私たちに強く問いかけている。
 世界の難民問題の恒久的解決をめざす国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が1月、発足50年を迎え、過去半世紀の難民問題の取り組みを総括した「世界難民白書2000」がそれだ。
 国際社会が難民問題に取り組んだきっかけは冷戦初期の東欧難民の保護だった。難民条約(1951年)、難民議定書(66年)をもとに難民の国際的保護、救済と恒久的解決をめざしてきた。
 だが、その後の展開は、理想と裏腹に揺れ動いてきた国際政治の軌跡をそのまま反映している。
 70年代のバングラデシュ難民は1000万人、インドシナ紛争のあおりを受けたボートピープルは300万人。80年代のアフガニスタン紛争による難民は600万人を数えた。
 冷戦後の90年代は、地域紛争の性格が一変し、難民問題の解決をいっそう複雑にしてしまった。
 湾岸戦争、旧ユーゴ、東ティモール紛争では、従来の「難民」の定義にあてはまらない「国内避難民」が増えた。困った人を助けるのは当然なのに、難民条約では国境を越えた人々しか救済対象にならない。国境の内側でさまよう人々は国家主権の壁に阻まれ、救済活動を著しく困難にしている。
 アフリカのルワンダ紛争では、武装した逃亡兵士が避難民にまぎれて難民キャンプを隠れアジトにしたり、旧ユーゴ紛争では避難民を救出・移住させることが「民族浄化作戦に加担する結果になる」という批判も起きた。
 こうした矛盾と悩みをどうすれば断ち切れるか。激動の90年代を通して昨年末まで10年間、日本人として初めて国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんは「広範な戦略的・政治的枠組みの一環として紛争の根本原因に立ち向かわねばならない」と指摘する。
 そのためには食料、医療などの緊急支援に加えて、民生・治安、経済再建、教育など中長期対策と紛争予防、平和維持活動、世銀、非政府組織(NGO)などの幅広い連携と協力が不可欠だ。
 UNHCRの年間予算は約10億ドルしかない。各国政府の人道援助支出も対国内総生産(GDP)比で「1000ドルあたり20セント」(0・02%)という。メディアや市民の関心が一過性に陥りやすい点にも努力と工夫が必要だ。
 日本政府は「人道大国」を掲げている。援助額は大きいが、ヒトと知恵をもっと繰り出したい。
 白書の1ページごとに、厳しい世界の現実と国際政治の矛盾が刻まれている。異郷の地で苦しむ人々の境遇に思いをはせて、家族で話し合いたいテーマの一つだ。[2001-05-05-23:10] 27
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 05/05@<米中関係>中国社会科学院アジア・太平洋研の張蘊嶺所長に(毎日新聞)

 南シナ海での軍用機接触事故やブッシュ政権の台湾への武器売却、ミサイル防衛促進論で米中摩擦が続く。中国は対米関係の行方をどう見ているのか。中国社会科学院アジア・太平洋研究所の張蘊嶺所長に聞いた。【北京・坂東 賢治】
 米中は国際秩序や地域の安全保障システム、中国自身の発展のあり方についての見解が異なっており、矛盾はなくならない。一方で共にアジア太平洋地域の安定維持を望んでおり、正面から対抗する事態は望んでいない。
 米中関係は矛盾の中で発展するしかない。もし、衝突するとすれば台湾問題だ。米国が台湾を防衛しようと考えても中国は決して譲歩しないからだ。これに比べれば朝鮮半島や南シナ海など他の地域問題で衝突する可能性は低い。
 ブッシュ政権は米国の戦略的利益や価値観を強調し、どのような対中姿勢をとるかが問題になっている。しかし、中国側は楽観的だ。誰が大統領になろうと、変化には限度があると思っている。
 中国はぼっ興する大国であり、米国も無視はできない。さらに米中が衝突すれば、東アジア地域の安定を妨げる。米国は対中政策を決める上で日本や韓国、東南アジアなどの利益も考慮せざるを得ない。私個人は米国が中国の封じ込めを狙っているとは思わない。それは極めて困難だからだ。
 軍用機接触事故の影響の多くは、ブッシュ政権が発足したばかりで対中政策が確定していないことに原因がある。中国指導者は疑いの目でブッシュ政権の対中政策の行方を見ている。あまり信用せず、実際の行動を見ようという姿勢だ。
 ブッシュ政権の高官の世界観に政策が確定しない一因がある。米国がいかなる国よりも優れ、強大な国家だと考え、絶対的な力で米国の利益を守ろうとしている。しかし、実際には米国は強大ではあるが、絶対的存在ではなく、全てを決めることはできない。他国との協力がなければ「孤独な超大国」になるだけだ。[2001-05-05-23:05] 28
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 05/05@<ローマ法王>シリアに到着 初めてイスラム寺院を訪問へ(毎日新聞)

 【カイロ5日小倉孝保】伝道者・聖パウロの足跡をたどる巡礼を続けるローマ法王ヨハネ・パウロ2世は5日、シリアのダマスカスに到着した。4日間の滞在中、世界最古のイスラム礼拝堂、ウマイヤド・モスクを訪れる。ローマ法王がイスラム寺院に入るのは初めて。
 法王は、到着直後の歓迎式典で「平和について考える時、いつも中東での緊張や紛争に心を痛めない訳にはいかない」とイスラエルとパレスチナの武力衝突に危惧を表明した。
 また「今こそ、武力で領土を奪うことを禁じ、国際的な原則に立ち戻らなくてはならない。私たちアブラハムの3宗教(ユダヤ、キリスト、イスラム各教)の信徒が相互に理解し、尊重し合わなければ真の平和は達成できない」と異教徒間の信頼構築の必要性を訴えた。法王はこのあと、アサド大統領と会談する。
 6日には6世紀にキリスト教会があった場所に建てられたウマイヤド・モスクに入り、モスクの一角にある洗礼者、聖ヨハネの墓を訪れる。
 法王は昨年2月にエジプトを訪問。同3月のエルサレム訪問でユダヤ教の聖地「嘆きの壁」を訪れるなど宗教間対話を進めている。
 シリアはイスラム教徒が大多数だが、キリスト教徒も13%いる。7世紀にイスラム勢力によって征服される以前は、キリスト教の拠点地域の一つだった。[2001-05-05-22:50] 35
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 05/05@5月6日付・編集手帳(読売新聞)

 赤十字の創設者アンリ・デュナンの誕生日にちなみ、八日は「世界赤十字デー」だ。戦地の傷病兵の救護活動を主目的に百三十余年、今なお世界各地の紛争激化で存在感を高めている◆赤十字の標章は、デュナンの祖国スイスに敬意を表し、その国旗の色を逆にして制定された。別に、多くのイスラム諸国が「赤新月」、赤い三日月の標章で、国際活動に加わっている◆その上で、半世紀に及ぶ難問がある。十字も新月も拒むイスラエルの扱いだ。国旗中央の星形の印を赤くした「ダビデの赤盾」を独自の標章としていて、オブザーバー資格しか認められていない◆実は、明治期に活動に参加した日本も当初「博愛社」の名で、日の丸の下に赤い横線入りの標章を使っていた。その経緯は吹浦忠正・埼玉県立大教授著「赤十字とアンリ・デュナン」(中公新書)などに詳しい◆宗教が絡むと、この種の活動もややこしくなる。「いざ戦場で救護といった場合に、標章がまちまちでは混乱するし、大変危険でもある」と、吹浦教授は言う◆そこで今、赤十字と赤新月に加える第三の標章として、「赤いダイヤ」が提案されているそうだ。ダイヤのひし形の中に十字、新月、盾を自由に描くアイデアだが、さて、どうなるか。標章のことより、まず宗教の対立、紛争の根絶を願いたいのだが…。[2001-05-05-21:51] 47 [このページの最初に戻る]


 05/05@モロ解放戦線が独立決議 フィリピン、和平交渉で分派けん制(共同通信)

 【マニラ5日共同】フィリピンのイスラム最大勢力、モロ民族解放戦線(MNLF)がこのほど「第四回イスラム人民国会」を開き、ミンダナオ島でのイスラム独立国家樹立を目指すことを決議したことが五日、明らかになった。
 初代大統領にミスアリMNLF議長を選出するとしているため、アロヨ大統領は同日、同議長に説明するよう要請した。
 アロヨ政権は現在、MNLFの分派で「独立」を主張して武装闘争を続けるモロ・イスラム解放戦線(MILF)と和平交渉を進めている。今回の動きは、政府とMILFの和平が合意した場合に既得権が脅かされることを懸念するMNLF側のけん制との見方が強い。
 MNLFはイスラム国家の設立を求めて内戦を繰り返してきたが、一九九六年に政府と和平合意し「イスラム教徒による自治」を選択。現在、四州で構成する「ミンダナオ・イスラム自治区」を結成しミスアリ議長が知事を務めている。(了)[2001-05-05-19:36] 56
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 05/05@<中国>米国の国連人権委落選に、皮肉たっぷりの論文 主要(毎日新聞)

 【北京5日坂東賢治】5日付の中国共産党機関紙「人民日報」など主要各紙は3日に行われた国連人権委員会の改選で米国が落選したことについて「人権ガードマンの苦境」と題した新華社の署名論文を掲載し、「自国と他国とにダブルスタンダードを用い、世界や他国の人権状況を評価する資格を失った」などと皮肉たっぷりに伝えた。
 同論文は米外交官が落選に「大変、意外だ」と述べたが、多くの国家代表は「大変、正常だ」と考えていると指摘した。反発を集めた理由として人権分野での価値観の押し付けや、国連軽視、京都議定書の不支持表明、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しの動きなどを挙げた。
 中国は米国による国連人権委への中国非難決議提出などに反発、米国との人権対話を拒否しているほか、米国の人権状況をまとめた「白書」を発表するなど米国流の「人権外交」に対抗してきた。米国の「落選」に意を強くしていると見られる。[2001-05-05-18:00] 59
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 05/05@日本は移民受け入れ国に CIAが報告書(共同通信)

 【ワシントン5日共同】労働力不足と高齢化社会に対応するため、二○一五年の日本は年間三百万人以上の移民を受け入れる「多民族社会」に変ぼうしている可能性が高いとする米中央情報局(CIA)の報告書が、五日までに明らかになった。
 報告書によると、先進国の中でも日本と欧州諸国は急速な高齢化と年金財政のひっ迫から、移民の大量受け入れを真剣に検討することを迫られる。
 日本では「文化的な伝統」から移民受け入れに強い抵抗があるが、「あまりにも深刻な労働力不足で『福祉削減』か『移民受け入れ』かの二者択一を迫られた結果、国を開放する政策を選択する可能性が高い」としている。
 報告書は、労働需要を満たすには年間六十万人、五人の労働者が一人の高齢者を支える年金財政の現状を維持するには年間約三百二十万人の移民労働者が必要と指摘。受け入れなければ、三人が一人を支える「高負担社会」となり、二○二○年には年金支出が一九九五年の二倍に達すると警告した。
 さらに「現在の制度では、移民を年金財政に組み込むことや、将来人員不足が見込まれる防衛の分野に投入することが不可能」として、市民権を与えない一時的な労働者の受け入れだけでは、問題は解決しないと指摘した。
 移民の供給源はアジア諸国で、特に中国とインドネシアから多数の移民が見込まれるとしている。(了)[2001-05-05-17:03] 64
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 05/05@夫婦同姓、在日に戸惑い 国籍取得の法制化めぐり(共同通信)

 与党国籍プロジェクトチームが先月、旧植民地出身者とその子孫である特別永住者に法相への届け出で日本国籍取得を可能とする要綱を取りまとめ、法制化に向けて動きだしたが、当事者の多くを占める在日韓国・朝鮮人の間に、夫婦の姓をめぐって戸惑いが広がり始めている。
 韓国や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では伝統的に夫婦別姓で、在日も同様だが、日本国籍を取った場合、日本の民法が適用され夫婦同姓になるためだ。
 与党は法案化を急ぎ、今月中にも国会に提出する構え。自民党幹部は「日本人になるのだから、日本の法律を守っていただくしかない」と話しているが、家族の在り方に関する民族の伝統の問題だけに、当事者との間でぎくしゃくする可能性も出てきた。
 韓国にも日本同様の戸籍制度があるが、正式の夫婦でも姓は別。例えば、金大中大統領の夫人は李姫鎬さんで、「金」姓ではなく「李」姓だ。
 この件は、与党内でも一時話題になったが「国籍の問題ではなく、民法の問題であり、ここで話すのは無理」(公明党中堅)として、別姓への配慮は不可能との結論となった。
 在日韓国・朝鮮人の人権問題に詳しい金敬得弁護士は、国籍取得法案について「地方選挙権付与の代わりならば論外」とくぎを刺した上で「在日の歴史的経緯を考慮して、届け出制にしたと聞いている。しかし、夫婦で取得の場合、姓を変えなければならないのは高いハードルだ」と話している。(了)[2001-05-05-15:48] 68
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 05/05@◎日本では情報筒抜け=与野党訪米団に不満表明−米国家安全(時事通信)

 【ワシントン5日時事】米国家安全保障会議(NSC)のパターソン・アジア担当上級部長が3日に与野党の訪米議員団と会った際、日米の戦略対話に関連して「日本側の機密保持の甘さ」に不満を示す場面があった。議員団の前原誠司衆院議員(民主党)が4日の記者会見で明らかにした。
 それによると、前原氏はパターソン氏との会談で、「米国には台湾防衛義務がある」とした先のブッシュ大統領の発言に中国が強く反発したことについて「米国が勝手に中国と厳しい関係になり、中台紛争が起きれば、日本が中国から攻撃される事態となる」と述べ、「日米間の十分な戦略対話が重要」と主張。
 これに対し、パターソン氏は「日米で戦略対話をしても、(現状では)その内容が日本側で筒抜けになってしまう。日本が機密保持をしっかりしてくれないと議論できない」と応じた。 [時事通信社][2001-05-05-14:55] 75
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 05/05@<アフガニスタン>劣勢の中、士気高く 最前線ルポ(毎日新聞)

 「タリバンの大規模攻撃は秒読み段階」との情報が広がる中、反タリバン連合が陣取るタジキスタン国境沿いの北部戦線に入った。アフガニスタン全土の制圧に向け、圧倒的兵力で攻勢を続けるタリバンに対し、反タリバン連合は防戦を強いられる。最前線の兵士たちの大義は「パキスタンから国を守ること」。劣勢にありながら、タリバンを支援するパキスタン憎しの感情が志気を保っているかにみえた。【ダシトカラ(アフガン北東部)で春日孝之】
 高台の陣地を歩く。その下をコクチャ川が流れる。その向こうの小高い山並みにタリバン部隊1万5000人が展開しているという。コクチャ川と枝分かれした右手の川はタジクとの国境線。タジク側では「タリバン進攻」に備えて、ロシア部隊が警戒を続けている。
 陣地は広大な台形状で、木々はない。相手の砲撃をかわす場所は崖っぷちに掘られた塹壕(ざんごう)だけだ。散発的に「ドーン」と鈍い音の砲撃音が轟くが、兵士たちは「本格的な戦闘はまだだ」と平気な顔をしている。
 数キロ先のタリバン陣地に砲身を向けて、T54戦車やBM12ロケット砲などの旧ソ連製兵器が配置されている。兵士は時おり、思いだしたように砲弾を装填(そうてん)し、発射する。激戦を前に、試し撃ちのような感覚だ。
 夕暮れ時。カラシニコフ小銃と無線を手にした戦車隊のサタルさん(30)は戦闘靴からサンダルに履き替えていた。「以前はソ連から国を守るために戦った。今の敵はパキスタンだ」と言った。無線にはタリバン陣営の交信が混じる。意味不明のウルドゥー語(パキスタンの公用語)も耳に飛び込んでくるという。
 日が暮れると、兵士たちは銃を置き、祈りを始めた。戦場に静かで穏やかな時間が流れる。かつてタリバン側の最前線で見たのと同じ光景だ。
 ダシトカラ地区の戦闘を指揮するハサン司令官(51)によると、自軍の兵力はタリバン側の3分の1しかない5000人。「何とか食い止めたい。死ぬことは覚悟できている」。司令官は穏やかな表情でそうつぶやいた。
 ■草で飢えしのぐ 難民キャンプ
 乾いた大地に粗末なテントが一面に並ぶ。ダシトカラの前線から東に約20キロ、ホジャバファウディンにある難民キャンプ。タリバンの進攻で避難民は増え続け、このキャンプに約6000人が暮らす。
 1人の女性が血相を変えて駆けて来た。「食糧を持って来たんじゃないの」と叫び出した。周囲が懸命になだめる。リーダー格のクラガさん(30)に「国連や民間団体の食糧支援はないのか」と聞くと、ここに来て2カ月、1度も食糧配給は受けていないという。
 取材の様子を見ていた人々が「草を食べている」と口々に言う。沸騰させた溜まり水で湯がいた雑草を
食べ、飢えをしのぐのだ。体力のある子供は町に物乞いに出る。だが、町自体、タリバンの道路封鎖で物資は底をつきかけている。
 キャンプにはアメーバ赤痢やマラリアもまん延し、前日には13歳の少女が餓死した。空腹と病気、絶望感。そしてテントにしのぶ猛毒のヘビに人々はおびえている。
 タリバンに再奪還されたタカール州の州都タロカン近くの村から逃れてきたロビャさん(40)は「昨年、タリバンが村に来た時、夫が銃殺された。今回はタリバンの姿を見て何も持たずに4人の子供を連れてび出した」と涙を浮かべた。
 同じテントのハリジャさん(60)は「パキスタン兵が来て、私の家を焼いた」と証言した。息子はタリバンに殺されたという。
 米国の民間援助団体スタッフによると、昨年来の戦闘でアフガン北東部の避難民は、登録者だけで24万人を越える。タジク国境に向けて逃げた人々は国境線の川の中州にキャンプを張っている。「タジク国境にはロシア部隊がいて、越境できない。背後のタリバンからは砲撃を受け、行きも戻りもできない。危険地帯だからだれも手を差し伸べられない」と首を振った。[2001-05-05-12:36] 76
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 05/05@<マスード将軍>パキスタン動向カギ 米の関与も焦点 紛争(毎日新聞)

 アフガニスタン内戦で反タリバン連合を率いるマスード将軍は毎日新聞との会見で、イスラム原理主義勢力タリバンを支援するパキスタンの動きが今後、アフガン情勢のカギを握ると強調した。パキスタンには米国が「国際テロの黒幕」とみなすウサマ・ビン・ラディン氏と緊密な関係にある勢力も存在する。国際社会はイスラム原理主義勢力が関係するテロへの対策を急いでいるが、米国を中心とする関係国がどのようにアフガンやパキスタンに関与していくかも焦点の一つになるとみられる。【ホスデ(アフガン北東部)で春日孝之】
 パキスタンの軍情報機関(ISI)とパキスタン国内のイスラム原理主義勢力によるタリバンへの支援は公然の秘密とされる。
 マスード将軍によると、タリバンの総兵力は現在、5〜6万と推定される。うちアフガン人は全体の6割程度。他の4割はパキスタン軍兵士、原理主義色が濃いパキスタンのイスラム宗教学校の学生らが各1割で、残る2割がウサマ氏配下のアラブ人兵士だという。
 これに対し、パキスタン政府は支援を一貫して否定しているが、昨年、反タリバン連合の本拠地パンジシール渓谷を取材したタジキスタン人の独立系ジャーナリストは、多数のパキスタン兵士とアラブ人捕虜を目撃した。パキスタンの支援を証明した形だ。
 マスード将軍は毎日新聞の取材と前後して、アフガン戦争(1979〜89年)当時、アフガンでの米国の対ソ連戦略を立案していた元米国防総省高官、クラコウィスキー氏とホスデで長時間会談した。
 タリバン支配地域も訪れた同氏は毎日新聞に対し、ブッシュ米政権のアフガン関与の必要性を力説。「タリバンと最も関係が深いパキスタンに対し、米国が硬軟を織り混ぜた説得と圧力を強めるのが紛争解決への最善の方法だ」と語る。
 アフガンは「国際テロの聖域」と呼ばれている。反タリバン連合も国際社会で「反テロ」の動きが広がっているのを好機ととらえ、米国などにアフガン問題への「積極関与」を求め、劣勢をばん回する戦略を進めるとみられる。
 ■マスード将軍 ソ連侵攻に伴うアフガン戦争で、パンジシール渓谷を拠点にソ連の大攻勢を幾度も退け、「パンジシールの獅子」と呼ばれた。国連代表権を持つラバニ政権の副大統領兼国防相だが、タリバンの首都カブール制圧で政権は有名無実化している。[2001-05-05-12:35] 91
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 05/05@ダイヤ禁輸発動が確定 対リベリアで国連安保理(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】国連安全保障理事会は四日、西アフリカのリベリアからのダイヤモンド輸入を七日から禁止するとの制裁措置発動を確認した。安保理は三月、リベリアがダイヤ取引を通じて隣国シエラレオネの紛争に介入しているとして禁輸決議を採択。同時に、二カ月間の猶予期間を設定していた。
 制裁措置にはこのほか、リベリア政府高官の渡航禁止も含まれており、いずれも期間は一年間。(了)[2001-05-05-08:22] 113
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 05/05@「金総書記、話し合える相手」ソラナEU上級代表(読売新聞)

 【ソウル4日=三井美奈】欧州連合(EU)訪朝団のハビエル・ソラナEU共通外交安全保障上級代表は四日、本紙などと会見し、平壌での金正日総書記との会談の内幕を語った。
 ソラナ氏によると、金総書記は当初、ミサイル発射実験自粛の意向を示しただけで、それ以上は踏み込まなかった。会談終了直前になってソラナ氏が「ミサイル実験停止は北朝鮮と米国との間の合意。北朝鮮の(米国との)対話の意思を示すものだ」と言及したところ、「二〇〇三年まで維持する」と明言したという。
 一方、米国の全米ミサイル防衛(NMD)網構想について金総書記は「冷戦時代のゲーム」と述べた。
 ソラナ氏は金総書記の印象について、「話し合える相手」と語った。
 会談では、日本人拉致(らち)問題には触れなかったという。
 ◆男女平等も話題に◆
 【ソウル4日=三井美奈】欧州連合(EU)代表団長として訪朝したペーション・スウェーデン首相は四日、ソウルのホテルで記者会見し、平壌での金正日総書記との会談で話題が男女平等社会のあり方にまで及んだことを明らかにした。
 男女平等先進国スウェーデンのペーション首相が人権問題の議論で男女平等の重要性を指摘すると、金総書記は「そんな話までしてくれて感謝する」と応じたという。ペーション首相は、金総書記について、「様々な問題に精通している」と評価した。[2001-05-05-00:34] 116
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 05/05@アルジェで少数民族弾圧に抗議デモ(読売新聞)

 【カイロ4日=平野真一】アルジェリアの少数民族ベルベル人約二万五千人が三日、同国の首都アルジェで大規模なデモを行い、治安部隊によるベルベル人住民弾圧に抗議した。ベルベル系政党「社会主義勢力戦線(FFS)」が主催したもので、首都での大規模抗議デモは四年ぶり。参加者は「政府は虐殺者だ」などと叫びながら市内を練り歩き、一部は首相府前で座り込みを行った。政府側は治安部隊数千人を動員して厳戒態勢を敷いた。衝突は起きなかった。
 同国北部ベルベル人居住地域では先月中旬以来、暴動が続き、治安部隊との衝突でこれまでに約八十人が死亡している。ブーテフリカ大統領は先月末、中立の調査委員会を設置して原因究明と再発防止に努める意向を表明したものの、ベルベル人側は「ポーズだけ」と反発している。[2001-05-05-00:00] 30
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 05/05@◇セリエAがEU域外出場枠撤廃 中田ら67人に恩恵◇(朝日新聞)

 イタリアサッカー連盟は4日、国内一部リーグ(セリエA)で、欧州連合(EU)域外の国籍を持つ選手の出場枠を撤廃すると発表した。6日から適用する。今季出番に恵まれない中田英寿(ローマ)ら現在67人いるEU外選手は、出場機会が広がりそうだ。
 これまで1チームに登録できるEU外選手は5人、ベンチ入りは3人に制限されていた。バティストゥータ(アルゼンチン)ら5人を抱えるローマで、中田はベンチ入りも難しい状況だった。
 南米出身選手の中には規制を逃れるため、祖先がEU圏出身であるとしてEUパスポートを取得する例が目立っていた。
 この特権は一方で不正の温床になり、ローマのカフー(ブラジル)をはじめ、有力クラブの主力級がEUの旅券を不正に取得した疑いが浮上するなど問題化。一部クラブと選手が、規制の撤廃を求めていた。
 地元メディアは「今回の決定で偽造旅券の疑惑がうやむやになりかねない」と指摘している。[2001-05-05-22:31]
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 05/06@シリア、法王訪問を最大限利用 イスラエル非難の場に(共同通信)

 【ダマスカス6日共同】ローマ法王の訪問を待ちかねたように、シリアのアサド大統領がイスラエル非難のトーンを強めている。歴史的な訪問取材のためダマスカスに集まった各国の報道陣は、ホスト役の大統領の発言を大きく報道、シリア側が法王訪問を政治的に最大限利用した格好だ。
 大統領は五日、空港での歓迎式典で、イスラエルは「イエス・キリストを裏切り、預言者ムハンマドをも殺害しようとしたのと同様に、あらゆる宗教の原則を圧殺しようとしている」と激しい言葉で批判。ユダヤ教徒による初期キリスト教徒への迫害を、パレスチナ人の受難に例え、法王に「虐げられた人々の側に立つよう」促した。
 これに対し法王は、紛争当事国の一層の和平努力を訴えながらも「力による領土獲得の禁止」「人民の自決の権利」を強調。名指しこそしなかったものの、イスラエルの「力の政策」を批判したと取れるスピーチを行った。
 法王は七日にゴラン高原のクネイトラを訪れ「平和の祈り」をささげる。クネイトラは一九六七年の中東戦争でイスラエルに占領され、七四年に返還された地。法王は占領中に破壊されたまま残るギリシャ正教会で祈りをささげる予定で、イスラエルへの暗黙の非難は明らかだ。
 シリア側も法王訪問のニュースを流し続ける国営テレビで同国が「キリスト教揺籃(ようらん)の地」であることを強調。イスラム教とキリスト教の対立の過去にはあえて触れず、宗教間の和解を呼び掛ける法王にこたえている。(了)[2001-05-06-08:28] 16
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 05/06@法王がダマスカス到着 イスラエルを暗に批判(共同通信)

 【ダマスカス5日共同】歴史的な聖地巡礼を続けているローマ法王ヨハネ・パウロ二世は五日午後(日本時間同日夜)、専用機でシリアの首都ダマスカスに到着、空港でアサド大統領の出迎えを受けた。
 空港での歓迎式典でアサド大統領は、暗礁に乗り上げているパレスチナ和平問題に触れ、イスラエルが包括的な解決を妨げていると強く非難した。
 これを受け法王は「国際法にのっとった原則に回帰すべき時が来た」と強調。「力による領土獲得禁止」「国連諸決議の尊重」を訴え、パレスチナ問題で強硬姿勢を示すイスラエルを暗に批判した。
 法王は同日夕、大統領官邸をあらためて表敬訪問。六日には現存する最古のイスラム寺院とされるダマスカス旧市街のウマイヤド・モスクを訪問、イスラム教の代表と会談する。
 ローマ法王のイスラム寺院訪問は今回が初めて。宗派間の和解を目指す今回の巡礼のハイライトとなる。
 同モスクの敷地はもともとローマ時代の神殿跡で、キリスト教徒にとっても洗礼者ヨハネ教会があった聖地となっている。
 シリア国内では今回の法王訪問はおおむね歓迎されているが、一部のイスラム教徒の間には「法王は十一世紀以降の十字軍がもたらした破壊と略奪に謝罪すべきだ」との意見もある。
 法王は七日、ゴラン高原のクネイトラを訪問、ギリシャ正教会跡地で「平和の祈り」をささげる予定だ。(了)[2001-05-06-08:14] 23
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 05/06@◎米大統領、初のスペイン語演説=メキシコとの友好強調−ラ(時事通信)

 【ワシントン5日時事】ブッシュ米大統領は5日、恒例のラジオ演説で、メキシコとの友好関係を強調。演説は英語とスペイン語の両方で録音され、ヒスパニック(中南米系)住民が聞くラジオ放送などではスペイン語版が使用された。
 米国の大統領がスペイン語で演説したのは初めて。黒人(アフリカ系)と肩を並べる最大規模のマイノリティー(少数派)に成長したヒスパニックを十分に意識したパフォーマンスとなった。 [時事通信社][2001-05-06-00:42]
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 05/07@<欧州社民党大会>ベルリンで開幕 独社民党が欧州連邦構想(毎日新聞)

 【ベルリン藤生竹志】欧州各国の社会民主主義政党幹部が集まる第5回欧州社民党大会が7日、2日間の日程でベルリンで開幕した。シュレーダー独首相、ジョスパン仏首相、アマート伊首相ら首脳と各党幹部らが参加したが、ブレア英首相は総選挙の日程が迫っているため出席しなかった。また、来賓としてユーゴスラビア・セルビア共和国のジンジッチ首相、イスラエルのペレス外相も参加した。
 大会では、独社民党がシュレーダー首相の欧州連邦構想を提案。同案は各州の権限が強いドイツ型連邦制を基盤にしている。骨子は、(1)欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会を事実上の「欧州政府」にする(2)加盟国閣僚でつくる上院と、直接選挙による欧州議会の2院制とする――など。同首相は演説で、「グローバル化の時代に、欧州の力をひとつにまとめることが重要だ」などと訴えた。
 シュレーダー案に対しては、欧州統合に距離を置く英国に加え、統合に積極的な仏などからも「細部にわたり将来像を決めるのは時期尚早」との意見が出ている。[2001-05-07-23:05] 13
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 05/07@マケドニアは「戦時体制宣言」回避を…EUなど(読売新聞)

 【ウィーン7日=佐々木良寿】欧州連合(EU)のハビエル・ソラナ共通外交安保上級代表、北大西洋条約機構(NATO)のジョージ・ロバートソン事務総長は七日、アルバニア系武装勢力の挑発で苦悩するマケドニア政府に、「戦時体制宣言」に踏み切らないよう求める説得工作を現地で行った。EU、NATOの「二重圧力」の背景には、内戦を意味する同宣言で民族抗争が一層先鋭化する懸念がある。だが、説得の間にも情勢はおのずと本格的内戦の色彩を強めている。
 今回の主戦場となっているのは、北東部の対ユーゴスラビア国境近くの村バクシンチェとスルプチャネ周辺で、ギリシャからハンガリーへ抜ける幹線道路に近い。赤十字国際委員会によれば、アルバニア系の村民ら数百人が政府軍と武装組織との戦闘で身動きが取れない状態に置かれている、という。
 政府側は、掃討作戦を開始する直前の三日から再三にわたって避難勧告を出しているが、武装組織により“人間の盾”に使われている可能性もある。
 今回の戦闘行動には、「民族解放軍(NLA)」のほか、ユーゴ・セルビア南部に拠点を置いていた武装組織の一部も加わっているとの見方もある。武装組織側は、三月の掃討作戦で敗走したが、改めて政府や、欧米に揺さぶりをかけ、「アルバニア系住民の権利拡大交渉」で主導権を握るのが狙いと見られる。
 マケドニアでは、先月二十八日に西部の都市テトボ近くで政府軍兵士ら八人が攻撃を受けて死亡してから情勢が急速に悪化。死亡兵士の出身地である南部の都市ビトラで、アルバニア系やイスラム教徒系の店舗が焼かれ、首都スコピエでもアルバニア系市民一人が殺されるなど、報復が相次ぎ、民族間の対立は深まる一方だ。
 こうした中で、マケドニア人主要政党は六日、大統領と軍、治安部隊に強大な権限を付与する戦時体制の導入に合意、早ければ八日にも国会で議決(定数の三分の二が必要)にかける意向だ。国内の主要都市では、マケドニア人が民兵組織を結成し始めたとの情報も流れている。
 政府は六日、一時中断したアルバニア系政党との権利問題に関する政治対話を再開したが、双方の主張の隔たりは大きい。ソラナ氏は六日、ロバートソン氏は七日に現地入りし、あくまで政治対話による解決の必要性を訴えたが、事態打開の有効策は見いだせていない。[2001-05-07-23:02] 14
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 05/07@◎アルバニア住民系の民主党、連立離脱を警告(時事通信)

 【ウィーン7日時事】マケドニアからの報道によると、同国連立与党の1つであるアルバニア系住民の政党、民主党のジャフェリ党首は7日、アルバニア系武装組織を壊滅に追い込むために政府が「戦争状態」を宣言すれば、連立から離脱すると警告した。 [時事通信社][2001-05-07-22:37] 16 [このページの最初に戻る]


 05/07@<コソボ>総選挙延期公算大 法整備合意できず(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州の議会選挙について、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は5日、「(選挙実施のための)交渉は合意できなかった」と発表した。国連は今年10月にも議会選挙実施の予定だったが、今後の交渉予定はなく、選挙延期を余儀なくされそうだ。
 選挙実施のための法律について、国連は「自治政府樹立のための法的枠組み」と規定したのに対し、アルバニア系住民代表は「独立に向けた『暫定憲法』で、将来の大統領選挙と、民族自決のための国民投票実施権を含む」と主張している。州内の少数派セルビア人はこれに強く反対している。
 コソボの人口約200万人の95%を占めるアルバニア系住民は、「コソボ独立」を求めている。一方、国連は「コソボが独立すれば周辺のモンテネグロやマケドニアなどの民族紛争に火を付けかねない」と反対している。欧米も「自治政府設置を支援するが、選挙は独立につながるものではない」としている。[2001-05-07-18:30] 18
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 05/07@◇マケドニアが「戦争状態」宣言を検討◇(朝日新聞)

 マケドニア北部の村でアルバニア系武装勢力の攻撃が激しくなっていることを受けて、同国政府は7日までに広範な活動を軍に認めるために「戦争状態」を宣言するかどうかの検討に入った。
 武装勢力「民族解放軍」(NLA)は3月下旬、軍・治安部隊の反撃によって一度は退却したかに見えた。しかし首都スコピエの北東約30キロのユーゴスラビア・コソボ自治州国境近くの複数の村に侵入して攻撃を加え、先月28日からこれまでにマケドニアの兵士10人が死亡した。
 ゲオルギエフスキ首相は5日、「戦争状態」宣言の可能性に触れた。宣言がなされると、政府は議会の承認を待たずに重要事項を実行に移すことができる。通常は国境沿いに限られる軍の活動範囲も制限がなくなり、武装勢力が拠点としている村での戦闘にも法的根拠が与えられる。宣言の承認には議会の3分の2以上の賛成が必要だ。[2001-05-07-11:59] 19
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 05/07@<マケドニア>アルバニア系ゲリラの一部が住民の脱出に金品(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】マケドニア北部クマノボ周辺で政府軍と対峙しているアルバニア系ゲリラ・民族解放軍の一部が、住民の脱出に際して金品を要求していることが6日、住民の証言で分かった。
 AFP通信によると、クマノボ周辺のロパテ村から脱出して来たアルバニア系住民のファトンさんは、「戦闘が始まってから3日間、家族と共に地下室に潜み、水だけでしのいだ。ゲリラに1万2000マルク(約66万円)を渡し、妻子と一緒に脱出できた」と証言した。
 また、オリザリ村から脱出したアルバニア系住民のぺトリットさんも「もし脱出したければ、ゲリラに多額の金か宝石を与えなければならない。それが唯一の手段だ」と話したという。
 人道支援のため現地に入った国際赤十字によると、クマノボ周辺の村では数百人の住民が地下室に身を寄せており、「疲れ切って、衛生状態も非常に劣悪だった」としている。[2001-05-07-11:15]
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 05/08@◎挙国一致内閣で合意=武装組織孤立化へ主要政党結集−マケ(時事通信)

 【ウィーン8日時事】スコピエからの報道によると、民族紛争の続くマケドニアの政府スポークスマンは8日、アルバニア系急進派野党も参画する挙国一致内閣の樹立で各党が合意したと発表した。アルバニア系住民側の意思を広範に政治に反映させ、北部でほう起したアルバニア系武装組織・民族解放軍を孤立に追い込むのが狙い。各党は欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安保上級代表を交え、7日から交渉を続けていた。 [時事通信社][2001-05-08-22:43] 2 [このページの最初に戻る]


 05/08@<マケドニア>「挙国一致内閣」を樹立へ(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】マケドニア政府は8日、スラブ系とアルバニア系の主要政党を含む「挙国一致内閣」を樹立する。7日にスコピエ入りしたソラナ欧州連合(EU)共通外交安保上級代表とロバートソン北大西洋条約機構(NATO)事務総長による「アルバニア系ゲリラ・民族解放軍の孤立化が最善だ」との強い要請を受け入れたもの。これにより、ゲリラに対する「戦争宣言」の採択方針は撤回した。
 スコピエからの報道によると、ゲオルギエフスキ首相は「従来の連立政府に、野党の社会民主同盟(スラブ系)と民主的繁栄のための党(アルバニア系)を加えた挙国一致内閣の発足で合意した」と発表した。国会で8日に採択予定だった戦争宣言については「ゲリラ側掃討に成功した」として撤回した。
 ゲリラ側は「連立政権樹立は無意味」と戦闘を継続している。政府軍は8日も北部クマノボ周辺で攻撃ヘリコプターや戦車を動員した大規模攻撃を展開した。
 ソラナ上級代表らは大統領と治安部隊に強力な権限を与える戦争宣言は「国内を一層分断させるだけで、議会内各党の一致団結が最善だ」とトライコフスキ大統領や同首相を説得した。連立与党の一角、アルバニア人民主党は「戦争宣言が採択されれば連立を離脱する」と戦争宣言に強く反発。民主的繁栄のための党は「政府はまず砲撃を停止すべき」と連立参加に消極的だった。[2001-05-08-19:15] 3
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 05/08@◇独首相、統合強化を強調 欧州社民党大会開幕◇(朝日新聞)

 社会民主主義を標ぼうする欧州の20政党が一堂に会する欧州社民党大会が7日、ベルリンで2日間の日程で開幕した。ドイツ社会民主党(SPD)党首のシュレーダー首相は演説で「欧州一体化に向けた明確な方向性が必要だ」と述べ、同党がまとめた欧州連邦構想を披露、統合強化に向けた協力を強調した。
 SPDの構想について、大会に出席したクック英外相は「すべて理解したわけでない」と慎重な態度を表明。ジョスパン仏首相も「議論は始まったばかり」と述べるにとどまった。
 SPDの欧州連邦構想は、EU(欧州連合)にドイツのような2院制議会を設ける一方、加盟各国と欧州中央政府の役割と権限の分担を明確にして統合強化を目指す内容だ。
 大会には、欧州の20の姉妹政党の代表約280人のほか関係者1500人が参加。ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のジンジッチ首相も来賓として招かれた。[2001-05-08-15:39] 5
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 05/08@◇戦争宣言見合わせ マケドニア政府◇(朝日新聞)

 マケドニアからの報道によると、マケドニア政府は7日、アルバニア系武装勢力の掃討作戦を強化するための「戦争宣言」の検討を当面の間、見合わせる方針を固めた。欧州連合(EU)のソラナ共通外交上級代表や北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長が相次いでスコピエ入りし、宣言に反対の意向を伝えたためとみられる。
 同政府は8日にも、宣言について議会に諮る予定だった。しかし、EUとNATOは、宣言によって武装勢力と政府軍の間の戦闘がさらに激化し、拡大する恐れがあるとの見方からこれに反対。トライコフスキ大統領や主な政党の指導者らを説得した。
 現地で記者会見したロバートソン氏は「武装勢力は住民を人間の盾にしている」と強く非難。マケドニア政府軍への軍事面での支援を約束した。
 同国北部では7日も、政府軍が攻撃ヘリなどを使って武装勢力への砲撃を続けている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、これまでに約3000人の住民が、国境を越えユーゴスラビア・コソボ自治州内に避難したという。[2001-05-08-10:58] 7
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 05/08@挙国一致内閣の結成示唆 マケドニア首相(共同通信)

 【スコピエ8日ロイター=共同】マケドニアのゲオルギエフスキ首相は八日、拡大するアルバニア系住民武装組織との紛争に対処するため、同国のすべての主要政党が参加する挙国一致内閣が「あすにも結成できると楽観している」と述べ、政党間の交渉が合意に達したことを示唆した。
 交渉にはマケドニアの主要政党代表のほか、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安保上級代表も参加。首相は「交渉は大部分が合意に達した」と述べた。
 現在、マケドニアの内閣はアルバニア系住民政党を含めた三与党で構成されているが、首相によると、新たにアルバニア系住民政党も含めた野党も加わる。
 首相はまた、同国に「戦争状態」を宣言し軍を総動員するとの自身の考えについて「治安部隊の掃討作戦が成功した」ことから撤回したことも明らかにした。(了)[2001-05-08-10:05] 8
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 05/08@モスク着工式で30人負傷 セルビア人住民の暴動(共同通信)

 【ウィーン7日共同】七日、ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人共和国・バニャルカのイスラム寺院(モスク)着工式典で起きたセルビア人住民の暴動で、イスラム教徒ら約三十人が負傷、ボスニアのラグムジヤ外相も石を投げ付けられて頭部にけがをした。
 ユーゴスラビアの独立系ラジオ「B92」によると、式典に反対するセルビア人勢力の投石などで会場のイスラム教施設に閉じ込められた約三百人の参加者は、共和国警察の出動で同日夜までに全員が脱出。国連のクライン特別代表や駐ボスニアの米国や英国の大使も一時、閉じ込められた。
 着工式典が行われたのは、八年前の同じ日にボスニア内戦でセルビア人勢力に破壊された寺院で、再建に反対するセルビア民族主義勢力の数千人が式典を妨害した。(了)[2001-05-08-08:49] 9
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 05/08@ユーゴ大統領初の訪米 関係改善の一歩に(共同通信)

 【ウィーン7日共同】ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領は七日、民間研究機関の招きを受け米国に向け出発した。反米で知られる同大統領の訪米は昨年十月の就任後、初めて。訪問は非公式だが、両国の関係改善の第一歩になりそうだ。
 ベオグラードからの報道によると、大統領は八日にワシントンでパウエル国務長官と会談する予定。ブッシュ大統領と会う可能性もあるという。
 コシュトニツァ大統領は地元ラジオとの会見で、訪米はユーゴの国際的地位を改善する機会になると述べた。世界銀行も訪問し、今月中にもユーゴ支援国会合をブリュッセルで開催できるよう要請するほか、九日にはコソボ問題を協議する国連会合に出席する。
 コシュトニツァ大統領はコソボ紛争でユーゴ空爆の中心的役割を担った米国を批判、米政府が要求するミロシェビッチ前大統領の国際戦犯法廷への移送を拒否している。(了)[2001-05-08-08:11] 4
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 05/08@◎ユーゴ監督を解任=W杯予選不振で−W杯サッカー(時事通信)

 【ベオグラード7日AFP=時事】7日のユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、同国サッカー連盟はミロバン・ジョリッチ代表監督を解任した。ユーゴは2002年ワールドカップ(W杯)の欧州予選1組で、4月末に行われたホームでのロシアに敗れ、1勝1敗2分けと不振が続いている。6月上旬に行われる同予選のロシアとフェロー諸島の2試合まで、暫定的にブヤディン・ボスコフ、イバン・クルコビッチ両コーチと現役選手のデヤン・サビチェビッチの3人がチームの指揮を執る。 (了)[時事通信社][2001-05-08-12:34] [このページの最初に戻る]


 05/09@<世界銀行>ユーゴの再加盟を認める 新政権の誕生を受けた(毎日新聞)

 【ワシントン逸見義行】世界銀行は8日、ユーゴスラビアの再加盟を認めたと発表した。新政権の誕生を受けた措置。国際通貨基金(IMF)はすでに昨年12月、復帰を認めている。
 ミロシェビッチ政権のボスニア・ヘルチェゴビナ紛争への対応について国際的な批判が強まり、92年にIMF、93年に世銀から追放されていた。世銀への再加盟により、ユーゴの国際社会への復帰は事実上完了し、今後は復興支援の具体化が焦点になる。[2001-05-09-17:30] 50
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 05/09@山国支える「たばこ密輸」 モンテネグロ共和国(共同通信)

 ユーゴスラビア連邦からの独立をめぐって揺れるモンテネグロ共和国。目立った産業のない小さな山国の経済を支えるものの一つに「たばこ密輸」があるとされ、ジュガノビッチ共和国大統領や警察などの政府機関の関与は「公然の秘密」とも言われる。同国のやみビジネスの影を追った。
 「公式には(密輸)していません」。アルバニアとの国境が走る同国南部のシュコダル湖の湖岸にあるポドフム村。国境地帯の警戒に当たる共和国警察官は「ここで警察がたばこの密輸をしているのでは」との質問を思わせぶりにかわし、苦笑いした。
 この警察官はユーゴスラビア連邦軍について「彼らは外国人の密輸に忙しい」と語り、軍は人、警察はたばこという密輸の分業をほのめかす。実際、同村近くで四月、ロシアの少女ら約二十人が密輸されたのを「担当外」の警察が発見、保護した。
 たばこ密輸の事情に詳しい首都ポドゴリツァのホテル経営者によると、主に米国ブランドの「商品」がギリシャとアルバニアから仕入れられ、ギリシャからの場合、共和国南西部のゼレニカ港に船で到着。すぐにイタリア・マフィアが送り込んだ小型高速艇が引き取る。
 高速艇は帰路用に燃料補給が必要だが、同港で燃料を独占販売しているのは同大統領の弟が経営する会社だ。
 たばこはイタリアのほか、毎週、五十台のトラックで首都にも運ばれる。一部はセルビアやボスニア・ヘルツェゴビナに再輸出され、トラックの列には警察車両が護衛するという。
 ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ政権独裁時代、欧米諸国はモンテネグロを「対ミロシェビッチのとりで」として支援、密輸疑惑に目をつぶってきた。だが、昨年の同政権崩壊で雰囲気は変わりつつある。
 イタリアのデルトゥルコ財務相は今年初め、ジュカノビッチ大統領を「密輸の親玉」と非難。イタリア側の密輸仕切り役とされ、一月にギリシャで逮捕されたマフィアのボスをモンテネグロ政府がかくまってきたと批判した。
 ブルザン共和国副首相は「イタリア警察には全面協力している」と述べたが、同時に「どんな国にも灰色の経済が存在する」と、開き直りととれる発言も。
 独立系調査機関、民主主義人権センターのダルマノビッチ所長は「密輸は国連などの対ユーゴ制裁時に急増した」と指摘。野党、社会人民党のブラトビッチ党首は、公称八千人の警察は実際は二万人に及び、大半が密輸に動員されていると主張し、密輸疑惑を追及する構えを見せている。(ポドフム共同=永田正敏)(了)[2001-05-09-16:32] 51
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 05/09@<マケドニア>挙国一致内閣の発足遅れ 1党が態度保留(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】マケドニア政府は8日、スラブ系とアルバニア系の主要政党を含む「挙国一致内閣」の樹立合意を発表したが、参加を表明していた1党が態度保留に転じ、発足は9日以降に持ち越された。
 マケドニアのゲオルギエフスキ首相は従来の3党連立内閣に社会民主同盟(スラブ系)と民主的繁栄のための党(アルバニア系)を加え、国会の120議席中96議席を占める挙国一致内閣の発足で合意したと8日に発表した。
 しかし、民主的繁栄のための党はその後、「わが党の最優先課題は戦闘の停止だ」と、連立参加条件に政府軍の一方的停戦を再び要求。しかし政府軍は8日も北部クマノボ周辺でゲリラへの砲撃を続行し、連立内閣発足はずれ込んだ。[2001-05-09-10:00] 52
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 05/09@◎多数決原則は機能しない=コソボ議会めぐりユーゴ大統領(時事通信)

 【ニューヨーク8日時事】ユーゴスラビアのコシュトニツァ大統領は8日、ユーゴ・セルビア共和国コソボ自治州の将来の議会について、多数決を原則とする議会制度は機能しないと述べ、多数決原則に代わる「合意に基づく民主主義モデル」が必要だとの認識を示した。ニューヨークの国連本部でアナン事務総長と会談した後、記者団に語った。
 同大統領はこの中で、コソボではアルバニア系住民が圧倒的多数を占めていることから、多数決原則の議会制度では、セルビア系住民など少数派住民の権利を守れないと説明した。コソボの暫定統治に当たっている国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は、コソボの自治確立に向け、年内に総選挙を実施する方向で準備を進めている。 [時事通信社][2001-05-09-08:21] 53
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 05/09@挙国一致内閣に合意できず アルバニア系野党が反発(共同通信)

 【ウィーン8日共同】民族紛争が再燃するマケドニアで八日、すべての主要政党が参加する挙国一致内閣の発足を目指した協議が行われたが、アルバニア系野党が政府軍によるアルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」への攻撃に反発し、同日中の合意はできなかった。
 スコピエからの報道によると、現与党連合はツルベンコフスキ前首相が所属する野党、社会民主同盟との連立参加に同意、いったんは挙国一致内閣の発足が決まった。しかし、アルバニア系野党、民主繁栄党のジャフェリ党首は協議終了後、「まだ党決定は出ていない。停戦が前提だ」と述べ、九日に党内協議を再開することを明らかにした。
 ゲオルギエフスキ首相は記者団に「問題の大半は解決した。詳細を煮詰めて、あす(九日)には新政府を発足させたい」と期待を表明した。
 マケドニア政府軍は八日夜も同国北西部のスルプチャネやバクシンツェなど解放軍の拠点への攻撃を継続、アルバニア系野党が求める停戦が実現するかどうかは不透明な情勢だ。(了)[2001-05-09-08:10] 54
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 05/09@多数決原則は適用できず コソボ議会でユーゴ大統領(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】初訪米中のユーゴスラビアのコシュトニツァ大統領は八日、ニューヨークの国連本部で、将来のコソボ自治州の州議会では少数派のセルビア系住民の権利が脅かされることを理由に多数決の原則は適用できないと言明した。アナン国連事務総長との会談後、記者団に述べた。
 大統領は、今年後半に予定される選挙で成立するコソボ州議会の意思決定方法について「アルバニア系住民が圧倒的多数を占めるコソボでは、多数決による議会システムは機能しない」と強調。セルビア系住民の権利を擁護する具体策は明らかにしなかったが「民主主義の原則に従った別の(意思決定)方法を提案する」と述べた。
 さらに、国連や米国などが求めているミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)への身柄引き渡しについては「国際的義務は理解しているが、協力するためには新たな法律の枠組みが必要だ」と述べ、こうした考えをアナン氏に伝えたという。(了)[2001-05-09-08:10] 204
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 05/09@法王歴訪、中東などで和解の訴え届かず(読売新聞)

 【ダマスカス9日=平野真一】ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は九日、六日間に及ぶギリシャ、シリア、マルタ三か国歴訪を終える。今回の歴訪では、約千年前に分裂した東方正教会との歴史的和解を図るとともに、近年、世界各地でキリスト教との対立が目立つイスラム教との対話を促進するのが大きな狙いだった。だが、中東情勢の深刻化を受けて、シリアからはイスラエル攻撃の声しか聞かれず、宗教間の相互尊重による世界平和実現という法王の呼びかけとは最後までかみ合わないままだった。
    ◇ 宗教的メッセージと政治宣伝のすれ違いは、五日に法王がシリアに到着した時点から明らかだった。
 法王は到着声明で「領土は力で奪ってはならない」と明言する一方、「真の平和はユダヤ、キリスト、イスラム教の間で理解と尊重がなければ達成できない」と訴えた。これに対して、アサド大統領は、「(イスラエルは)イエス・キリストを裏切り、預言者ムハンマドを殺そうとしたように、これらの宗教を抹殺しようとしている」と非難。「法王が不正に奪われたものを取り戻そうとする努力を支持してくれることを期待している」と述べた。
 法王が、六日訪れたウマイヤ・モスクでも、「この会合がカトリック教会とイスラム教の対話促進の決意を示すものとなることを望む」と述べたのに対し、シリア最高位イスラム法学者アハマド・キフタロ師は、「イスラム教徒は、カトリック教会と西欧各国政府がイスラエルによる侵略に立ち向かうことを望んでいる。それこそが、教会ができる最低限のことだ」と応じただけだった。
 アサド大統領発言に、イスラエルが「反ユダヤ主義」と反発したのは当然としても、欧米諸国までが、「法王の相互尊重呼びかけに反するもの」(仏外務省)、「宗教的憎悪をあおる」(米国務省)と批判。シリア外務省が八日、両国大使を呼び、「真意はイスラエルの非道ぶりを指摘することにあった」と“釈明”する事態になった。
 イスラエルが一九六七年にシリアから占領・併合したゴラン高原の返還をめぐる和平交渉は、昨年一月以来中断したままだ。さらに、パレスチナ騒乱の長期化により、アラブ世界では反イスラエル感情が極度に高まっている。
 アラブ側は、バチカンや欧米各国のキリスト教世界が、対話と自制を呼びかけるだけで、イスラエルの残虐行為阻止には有効な手を打とうとしないことに不信感を募らせており、それが法王の訴えとのすれ違いに終わった原因だと言える。[2001-05-09-22:44] 206
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 05/09@<カストロ議長>イラン訪問、大統領と会談 対米政策意見交(毎日新聞)

 【カイロ小倉孝保】カストロ・キューバ国家評議会議長は8日イラン入りし、2度に渡りハタミ大統領と会談した。両国はともに、米国から「テロ支援国」に指定され、経済制裁の対象国だ。会談の詳しい内容は明らかになっていないが、両首脳は対米政策について意見交換したとみられ、両国の接近に米国は神経をとがらせるものとみられる。
 会談後、ハタミ大統領とともに記者会見したカストロ議長は「革命前、イランは米国のために地域の警官の役割を果たしていた。だが、この22年間は帝国主義と戦う指導的役割を果たしている」と述べ、「今、こうしてイランの指導者の横にいることは私の喜びだ」と米国に敵対するイランの政策への支持を表明した。
 これに対し、ハタミ大統領は「我々は、正義と公平と人道主義を基本とした世界を選ぶ。(外国による)支配と膨張主義には反対する」と、超大国・米国を意識したとみられる発言を行った。
 ブッシュ米政権はキューバの政策を「人権抑圧」として、しばしば批判。カストロ議長は米国が経済力を背景に中南米へ影響力を強めていることに危機感を抱いている。
 一方のハタミ大統領は就任以来、欧州、アラブ諸国などとの関係を修復したが、イスラム革命直後の米大使館占拠事件で断絶した米国との関係修復は進んでいない。すでに昨年9月、キューバを訪問しているハタミ大統領はカストロ議長との共同歩調を印象付けることで、関係修復の障害となっている「イラン敵視政策」に修正を迫る狙いがあるとみられる。
 イランは現在、国連総会で発展途上国の意見調整をする77カ国グループ(G77)の中心国で、両者は同グループの役割についても話し合ったとされる。
 カストロ議長は7日、アルジェリアからイランに到着。治安を理由に詳しい日程は明らかになっていないが、議長は9日、イランを発ち、カタールに向かう予定。[2001-05-09-21:35] 215
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 05/09@前ロシア課長、前会計課長の異動を凍結 田中外相(朝日新聞)

 田中真紀子外相は9日、3月26日付で発令された小寺次郎・前ロシア課長を英国公使に転出させる人事を白紙に戻し、ロシア課長に復帰させることを正式に決めた。また機密費詐取事件発覚当時の会計課長で、体調を崩して官房付になっていた木寺昌人・前会計課長をフランス公使とする7日付の人事も凍結する。同日夕、外務省で記者団に明らかにした。
 外相は両氏以外の人事についても、他省庁との交流や在外公館への転出などを除き、すべて当分の間、凍結する、としている。
 外相は小寺氏復帰の理由について、小寺氏が北方領土交渉をめぐり、自民党橋本派幹部らが唱えた「二島先行返還論」に抵抗していたことが交代の背景にあったことなどを指摘した。小寺氏の後任としてロシア課長に就いた渡辺正人氏は前職の東欧課長に戻すなど、関連の人事をすべて発令当時に戻す考えだ。木寺氏は機密費事件の内部調査チームの中心人物だったことを重視した。
 外相は人事刷新の必要性を改めて強調。「これは第1段階。次は最小限スパッと切って終わりにしたい」と語った。外務省内では機密費事件やロシア課長人事をめぐる監督責任を問い、事務方トップの川島裕事務次官の早期交代を示唆したと受け止められている。[2001-05-09-20:08] 216
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 05/09@「2島先行」は再検討 領土交渉はこう着か(共同通信)

 田中真紀子外相が九日、北方領土問題で歯舞、色丹の「二島先行返還方式」を批判していた小寺次郎前ロシア課長の復帰を決めたことで、「二島先行」が再検討される可能性がでてきた。
 ロシアのプーチン大統領は七日の小泉純一郎首相との電話会談で、「二島先行」を基礎とした交渉を維持するよう求めており、日本政府が「二島先行」を放棄し、「四島決着」に再転換すれば、北方領土交渉は再びこう着状態に陥る恐れがある。
 北方領土問題で日ロ両政府は、一九九三年の東京宣言で四島の帰属問題を解決した上で、平和条約を締結することを確認。九八年の静岡県・川奈での日ロ首脳会談で、橋本龍太郎首相(当時)は四島の日本の主権さえ確認されれば、返還の時期や方法にはこだわらないとの「川奈提案」を行ったが、ロシア側の強い抵抗で交渉は暗礁に乗り上げていた。
 ところが昨年九月、プーチン大統領が歯舞、色丹両島の返還を明記した一九五六年の日ソ共同宣言の有効性を初めて認めて以後、日本政府は同宣言に基づく「二島先行返還方式」に転換。これに対しては外務省内からも「ロシアの術中にはまるだけ」(幹部)との批判が出ており、田中外相が再検討する必要があるとの考えをにじませていた。(了)[2001-05-09-19:57] 219
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 05/09@「敗者は世界の人々」 国連機関委員落選で米政府が反論(朝日新聞)

 米ホワイトハウスのフライシャー報道官は8日、米国が国連人権委員会などで相次いで落選したことについて、「真の敗者は、世界中で自由を求め戦っている人々、人権擁護の必要のある人々だ」と述べ、米国に投票しなかった国を批判した。
 また、米下院の民主、共和両党の一部議員は、米国が国連人権委員会に復帰できるまで、2億4400万ドルにのぼる国連分担金の滞納分を支払わないことを示唆している。同委員会メンバー国の次期改選は来年春に予定されている。
 フライシャー報道官は記者会見で「落選は米政府の失態か」と問われ、「世界中の人を苦しめるような事態を招いているのは別の国々であり、大統領は米国内の責任を追及するような対応は取らない」と述べた。
 今回の落選について、米国内の保守派からは「共産主義の中国とキューバが先導し、アフリカやアラブの独裁者にご機嫌を取るフランス外交官の共謀があった」「米国の代わりに国連人権委に入ったスーダンでは奴隷売買が行われている」(ニューヨーク・タイムズ紙コラムニストのウィリアム・サファイア氏)といった反発が出ている。[2001-05-09-19:28] 220
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 05/09@子ども60人拉致か アンゴラで反政府武装勢力(朝日新聞)

 アンゴラからの報道によると、首都ルアンダの北東近郊にあるカクシトの町に5日、反政府武装勢力「アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)」が攻撃を仕掛けた。戦闘で100人以上が死亡したほか、孤児院から10〜18歳の子ども計60人が拉致されたという。
 国連児童基金(ユニセフ)などは、重大な人権侵害だと批判している。これまでにも子どもたちの拉致事件が起きており、武装勢力が物資の運搬などに使っているのではないかといわれている。英BBC放送によれば、UNITA側は、子どもたちを同勢力の支配地域にいる親のもとに返すだけだと反論しているという。[2001-05-09-19:18] 223
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 05/09@新聞も欧州統合?4ヶ国の4紙が提携(読売新聞)

 【フランクフルト9日=貞広貴志】ドイツ全国紙ウェルト(九日付)は、仏フィガロ紙など欧州各国の三紙と業務提携で合意し、編集協力を目的に「欧州日刊紙連合」(EDA)を発足させたと発表した。連合に参加したのは、両紙に加え、英デイリー・テレグラフ紙、スペインのABCで、四紙を合わせた発行部数は約二百万部に上る。
 提携の内容としては、<1>情報や記事の相互提供による国際報道の拡充<2>オンライン・サービスでの協力<3>記事データベースの共有化――などを挙げている。
 ウェルト紙の発行元である独アクセル・シュプリンガー社によると、イタリア、ベルギーの新聞とも交渉が進んでおり、「将来は一国につき一紙を原則に、他の国にも提携を広げる計画」だという。
 単一通貨ユーロ導入などで統合を進める欧州だが、言語の違いもあって、新聞社の取材・販売活動はこれまで、ほとんど国境内にとどまっており、「国際化」が課題となっていた。[2001-05-09-19:09] 231
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 05/09@日本が米安保戦略の中心に 在日米軍司令官が言明(共同通信)

 【ワシントン9日共同】ヘスター在日米軍司令官は九日までにロイター通信と行ったインタビューで、米国が安全保障政策の重点を欧州からアジア・太平洋地域に移す結果、地理的に日本が米国の安保戦略の中心になるとの見解を表明した。
 この発言は日米同盟重視を公言しているブッシュ米政権の意向を反映したもので、安全保障の分野で米国が今後、日本に対し一層の責任分担を求めることは確実とみられる。
 司令官は、米安保戦略見直しの結果「日本がアジア・太平洋地域の安保機構の中心になる。日本は(アジア安保戦略上)地理的に理想的な位置にある」と述べた。
 ラムズフェルド米国防長官は、ペルシャ湾と朝鮮半島での二つの大規模紛争に同時対処する「二正面戦略」を事実上放棄、今後は中国の急速な軍事力の近代化をにらみ、安保政策の重点をアジア・太平洋地域に置くべきだとの報告を今週中にブッシュ大統領に進言する方針を決めている。フライシャー大統領報道官らによると、大統領はこの進言に沿ったかたちで米政府の新安保政策を近く正式表明する予定。
 ヘスター司令官はまた、米原潜と愛媛県の実習船の衝突事故で日本国民の反基地感情が高まったという事実は「確かにある」と指摘。さらに沖縄県などでの米軍基地撤退要求について「地域を代表する地元政治家がそう主張するのは当然だ」としながらも「(米軍駐留の是非は)日本政府と米国政府の間の問題だ。われわれは日本のよき隣人でありたい」と述べ、米軍駐留は必要と主張した。(了)[2001-05-09-16:33] 233
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 05/09@人権非難決議めぐり応酬 キューバと中南米諸国(共同通信)

 【メキシコ市9日共同】ジュネーブの国連人権委員会で四月、キューバの人権状況を非難する決議が採択されたことをめぐり、中南米諸国とキューバが激しい応酬を続けている。米国主導の下、小差での採択だっただけに、キューバは賛成した中南米四カ国を痛烈に批判、コスタリカとは断交する可能性も出ている。
 決議は賛成二二、反対二○、棄権一○で、三年連続で採択された。中南米からはアルゼンチン、コスタリカ、グアテマラ、ウルグアイが賛成票を投じた。
 カストロ・キューバ国家評議会議長は二月、「アルゼンチンは米国の靴をなめている」と非難。その直後にアルゼンチンは駐キューバ大使を召還し、今月四日には召還を無期限とすることを決めた。
 「米国の植民地」と指弾されたコスタリカも四月下旬、サンホセ駐キューバ領事の信任状を取り消し、同様の批判を受けたグアテマラも今月三日に「大統領への敬意を失し不愉快」との抗議文を送りつけた。
 ハバナの外交筋によると、経済制裁の継続を表明している米ブッシュ政権とキューバは国連人権委の場で初めて直接対決。同筋は「初戦敗退による怒りの矛先が賛成国に向かっている。しかし中南米諸国は世界の主流にならいキューバとの外交関係は維持し続けるだろうし、大きな外交問題には至らないのでは」とみている。(了)[2001-05-09-16:03] 234
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 05/09@国会でオーケストラ演奏を 実現すれば歴史上初めて(共同通信)

 国会議事堂に韓国の英雄が指揮するシンフォニーは響きわたるか―。国会でオーケストラの小演奏会を開催しようという話が持ち上がっている。クラシックファンの小泉純一郎氏も首相に就任し、推進議員は「立法府から文化立国のメッセージを発信したい」と大乗り気だが、「前例がない」などと慎重な会派も。協議は十日の参院議運委がヤマ場になりそうだが、実現は微妙な情勢だ。
 推進の中心は超党派でつくる音楽議員連盟。九十年の歴史を持つ東京フィルハーモニー交響楽団から「ボランティアで演奏してもいい」と内諾も得ている上、同楽団が特別芸術顧問に迎えた韓国の世界的指揮者チョン・ミョンフン氏も来日することから、とんとん拍子で話が進んだ。
 実現すれば一九三六年に国会議事堂が完成して以来、初めてとなるが、問題は日程と約七十人が演奏する会場。
 チョン氏のスケジュールが今月十六日しか空いておらず、八日の衆参議運委の理事懇談会で「十六日開催」が提案された。これに対し「急過ぎる。前例もなく、ルールを決めてからだ」と反対意見が出た。
 議連側は、中央塔真下で伊藤博文などの銅像が立っている中央広間での開催を希望、下見した東フィル関係者も「最高の舞台」と意欲を示したが、開会式に天皇が登院する場所だとの理由から広間を管轄する参院側には慎重論もある。
 代案として、衆院裏庭に昨年完成した参観者ホールが有力になっている。
 東フィルの石丸恭一楽団長は「欧米の議会や国連総会ではオーケストラが普通に演奏している。クラシックは文化のバロメーターでもあり、ぜひ開かれた国会として門戸を開放してほしい」と話している。(了)[2001-05-09-16:01]
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 05/10@<マケドニア>挙国一致内閣不成立へ 亀裂表面化(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】マケドニア政府がアルバニア系ゲリラ・民族解放軍に対抗するために目指した「挙国一致内閣」は9日、アルバニア系野党「民主的繁栄のための党」の反発で樹立の見通しが遠のいた。いったん合意を発表した後の不成立で、マケドニア人(南スラブ系)とアルバニア系住民との亀裂はさらに深まりそうだ。
 挙国一致内閣は8日、従来の3党からなる連立与党にマケドニア人強硬派「社会民主同盟」とアルバニア系強硬派「民主的繁栄のための党」が参加することで合意されたが、同党はその後、「政府軍による対ゲリラ攻撃の一方的停止」を参加条件に挙げた。
 政府は9日は攻撃を抑制したが、ゲリラ側は戦闘を続行。その後も「民主的繁栄のための党」は政府側と主張がかみ合わず、内閣参加は絶望的な情勢だ。[2001-05-10-19:55] 37
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 05/10@ボスニアで民族対立再燃 寺院再建で宗教紛争の様相(共同通信)

 【ウィーン10日共同】イスラム教徒、セルビア人、クロアチア人の主要三勢力で構成するボスニア・ヘルツェゴビナで最近、イスラム寺院(モスク)の着工式をきっかけにセルビア人とイスラム教徒の衝突が続いている。
 内戦終結から五年以上が経過。クロアチア人も民族共存に背を向け始めており、民族対立は、宗教紛争の様相を帯びて再燃の兆しを見せている。
 発端はセルビア人共和国のバニャルカで七日にあったモスク再建の起工式。内戦でセルビア人が破壊したモスクで、民族共存を象徴するはずだった。
 しかし、セルビア民族主義勢力の数千人が妨害、参加者に投石して約三十人が負傷。米英大使を含む約三百人が六時間も会場に閉じこめられた。
 五日にもボスニア南端のトレビニエでモスクの起工式が妨害された。反発したイスラム教徒は七日夜、バニャルカ近くのイスラム教徒の町、サンスキモストにあるセルビア正教会に手りゅう弾を投げ込んだ。
 クロアチア人の民族主義勢力も、イスラム教徒とつくるボスニア連邦からクロアチア人が離脱すると宣言。独自の軍や警察機構を構築するなど、三民族の共存態勢は崩れかけている。
 一九九二年にユーゴスラビア連邦から独立したボスニアは死者二十万人以上を出した内戦を経て、九五年に和平協定を締結。三民族代表による集団指導体制を維持してきた。(了)[2001-05-10-17:40] 40
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 05/10@米、ミロシェビッチの国際法廷移送を要望(読売新聞)

 【ワシントン9日=永田和男】ブッシュ米大統領は九日、ホワイトハウスでユーゴスラビアのコシュトゥニツァ大統領と会談し、同国で先月逮捕されたミロシェビッチ前大統領が、オランダ・ハーグの戦犯国際法廷で裁かれるよう、ユーゴ政府の善処を強く求めた。
 ホワイトハウス報道官によるとブッシュ大統領は、民主的に昨年選出されたコシュトゥニツァ大統領の訪問を歓迎し、「ユーゴスラビアの民主化と欧州への回帰を支援する用意がある」と語った。そのうえでブッシュ大統領は、ミロシェビッチ氏のハーグ法廷での裁判実現に向けた「確固とした進展」を見せるようコシュトゥニツァ大統領に要請。「米国がどれだけ支援できるかも、ユーゴ政府とハーグ法廷の関係進展にかかっている」と述べ、この問題の進展によっては、対ユーゴ経済支援を見直す考えを示唆した。
 コシュトゥニツァ大統領は同日ワシントン市内で行った講演で、「国際法廷との協力を定めた法案審議を急ぐ考えだが、ミロシェビッチ氏移送の具体的日程などは約束できない」と語るにとどまった。[2001-05-10-11:56] 41
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 05/10@コソボの住民投票は不可能 ヘカロップ国連特別代表(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のヘカロップ事務総長特別代表は九日、国連本部で会見し、ユーゴスラビア・コソボ自治州の独立をめぐる住民投票は実施できないとの見解を示した。
 UNMIKは現在、コソボの将来の枠組み作りのためアルバニア系住民とセルビア系住民らからの要望を取りまとめているが、ヘカロップ特別代表は、住民投票の実施で合意を得ることは困難であり「国際社会も住民投票を望んでいない」と述べた。(了)[2001-05-10-11:30] 42
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 05/10@前大統領の戦犯法廷引き渡し要求 ユーゴ・米大統領会談(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領は就任後初めて米国を訪れ、9日、ブッシュ大統領と会談した。ミロシェビッチ前政権時代に断交していた両国の首脳が会うのは、昨年11月の復交以来初めて。ユーゴ大統領は、両国の関係は「新鮮なスタートを切るべきだ」と記者団に語ったが、米側は今後のユーゴ復興支援の条件として、ミロシェビッチ前大統領の国際法廷への引き渡しを強く求めた。
 ユーゴ大統領は米民間団体の招きで非公式に訪米したもので、ホワイトハウスによると、両首脳は約10分間会談。ブッシュ氏は「両国関係の改善を歓迎し、ユーゴの復興と欧州への復帰を支援する用意がある」と表明。一方でオランダ・ハーグの国連旧ユーゴ戦犯法廷が起訴している前大統領の訴追へ向けて「具体的な行動」を求めた。
 ユーゴ当局は4月初めに職権乱用などの容疑で前大統領を逮捕したが、戦犯法廷に引き渡すかどうかは明確にしていない。ユーゴ議会は戦犯法廷に協力するために必要とされる法案を審議中で、コシュトニツァ氏は法案成立は「我々の国際的な義務だ」と記者団に表明。引き渡しの言及は避けながらも、国内訴追の後に、一定の協力をする姿勢を強調した。
 米政府は先月初め、前大統領の逮捕を評価し、総額1億ドルのユーゴ支援の継続を決めた。世界銀行も8日、ユーゴ連邦の再加盟を承認した。しかし、ユーゴ政府がさらに幅広い復興支援獲得のため期待している支援国会合の開催について、米国は態度を保留している。ホワイトハウス報道官は9日、「米国の支援は、ユーゴが戦犯法廷との関係をどう進めるかで決まる」と述べた。[2001-05-10-11:00] 43
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 05/10@<米ユーゴ首脳会談>身柄引き渡しへ「具体的な措置」求める(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】ブッシュ米大統領は9日、就任後初めて訪米したユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領とホワイトハウスで会談し、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)へのミロシェビッチ前大統領の身柄引き渡しに向け、ユーゴが「具体的な措置」を取るよう求めた。
 米当局者によると、ブッシュ大統領は会談で前大統領の「国際的犯罪」を裁くべきと主張、米国の対ユーゴ支援については、ユーゴと戦犯法廷の協力状況を見て決める意向を表明した。米国は前大統領の身柄引き渡し期日などの明示を求めているが、ユーゴ当局は慎重な姿勢を保っている。
 一方、ユーゴでは戦犯法廷との協力に関する法制定の動きも出ているが、コシュトニツァ大統領は記者団に対し「法的枠組みの中で、いかに(戦犯法廷との)協力を実現するか」を検討していると説明、「我々は自分たちの義務について論じている」と語った。
 同大統領は、対ユーゴ経済支援を討議する支援国会合が来月開かれることを意識し、引き渡し問題で柔軟姿勢を強調したとの見方が強い。米当局者は同大統領の発言を歓迎し「米国は、法案を速やかに議会に提出するようコシュトニツァ大統領に要請した」と語った。米政府は支援国会合に協力するかどうか、態度を明らかにしていない。
 会談は約10分と短かったが、バウチャー国務省報道官は「(米首脳と)民主的に選ばれたユーゴの指導者との初会談」と歴史的な意義を強調。コシュトニツァ大統領は両国関係が「新たなスタート」を切ったと語った。[2001-05-10-10:40] 44
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 05/10@<経済成長率>旧ソ連・東欧がそろって前年比プラスに (毎日新聞)

 【ジュネーブ大木俊治】旧ソ連・東欧の旧共産圏諸国の経済成長率が昨年、体制転換以来初めてそろって前年比プラスになったことが、10日発表された国連欧州経済委員会(ECE)の報告書でわかった。
 27カ国の国内総生産の平均成長率は約6%で、ロシアは過去30年で最高の7・7%。しかし、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、スロベニアの4カ国以外は依然、体制移行前の経済水準に回復していなかった。
 中でもユーゴスラビア、グルジア、モルドバ、タジキスタン、ウクライナは89年の国内総生産の半分以下にとどまっている。
 報告書は成長要因として、西欧諸国が旧共産圏諸国からの輸入を拡大したことや、石油・ガスなどの国際価格の上昇を挙げた。同時にこれらの国の経済は依然、ぜい弱で外的要因に大きく左右されると指摘した。
 今年は米国経済低迷の影響で西欧の成長率鈍化が予想され、また原油価格の下落などから、昨年のような経済成長は厳しいとの見方を示した。[2001-05-10-09:55] 45
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 05/10@身柄移送の時期示さず 米政府にユーゴ大統領(共同通信)

 【ワシントン9日共同】訪米中のコシュトニツァ・ユーゴスラビア大統領は九日、ブッシュ米大統領と会談、ミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への身柄引き渡しについて、国外に引き渡すことを可能にするための法改正を急ぐ方針を示した。
 ブッシュ大統領が前大統領の移送時期の明示を迫ったのに対し、コシュトニツァ大統領は、国内での裁判手続きを優先させると同時に、法改正を急ぐことを約束した。しかし、前大統領の身柄引き渡し時期の明示を含め、最終的に移送に応じるかどうかは回答を避けたもようだ。
 米国によるユーゴ空爆後、両国の大統領が会談するのは初めてで、米ユーゴ関係は改善に向け一歩を踏み出した。
 ホワイトハウスなどによると、会談でブッシュ大統領はユーゴの政権交代を歓迎、経済復興のための支援を実施する用意があると表明した。しかし「米国がどれだけの支援を与えられるかは、ユーゴ政府の国際戦犯法廷への協力の度合いにかかっている」と述べ、前大統領の身柄の移送時期を含む具体的筋道の明示を求めた。
 コシュトニツァ大統領は会談後、「法改正を急ぐことがわれわれの協力だ」と述べるにとどまった。(了)[2001-05-10-09:49] 47
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 05/10@女性の敵は女性? コソボ人身売買(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州に連れてこられ売春を強要された女性について、国際移住機関(IOM)が報告書をまとめた。女性を勧誘しているのは男性よりも女性の方が多く、知り合いを誘い込むケースも目立つ。
 IOMのプリシュティナ支部が今年2月までに保護された130人への聞き取りなどをまとめた。被害者の平均年齢は21歳で、14〜17歳も約8%いた。母親が44%で、出身地はモルドバが6割を占め、ルーマニア、ブルガリアと続く。
 85%は貧しさから、外国での仕事を求めて勧誘に乗った女性たち。3〜6回「転売」され、そのたびに価格が上がり、最終的には1人あたり1500ドイツマルク(約8万円)から5000マルク(28万円)だった。
 勧誘する側は48%が女性で、男性の42%を上回った。被害者と顔見知りが4割にのぼり、女性を安心させるために利用されているようだ。
 勧誘の手法は、にせの仕事でだますのが68%、誘拐のケースも1割あった。被害者の3分の2が勧誘後、「性的な虐待を受けた」と答えており、勧誘者は女性でも、背後に男性の影がちらつく。[2001-05-10-01:18] 48
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 05/10@<社説>ローマ法王 宗教は共存を認めあおう(毎日新聞)

 ローマ法王、ヨハネ・パウロ2世は9日、ギリシャ、シリア、マルタ3カ国の歴訪を終えた。初期キリスト教の基礎を築いた使徒パウロの歩いた道をたどるのが目的だが、巡礼という宗教儀式を超えて、「諸宗教の対話と和解」を通じ、新しい国際秩序作りに積極的にかかわろうとの法王の意図も見逃せないのである。
 法王就任(78年)以来、92回目となる今回の歴訪で、注目されたのはギリシャとシリアである。ギリシャは東方正教会の拠点の一つで、東西キリスト教会が1054年に分裂して以来、ローマ法王が訪れるのは初めて。
 ギリシャ正教会指導者のクリストードロス大主教との会談で、ヨハネ・パウロ2世は1024年に十字軍がコンスタンチノープル(現イスタンブール)で行った略奪などを謝罪し、和解を訴えた。
 カトリックと東方正教会は、最近もユーゴスラビア紛争でクロアチア(カトリック)とセルビア(東方正教会)に分かれて戦った。欧州統合の東方拡大も「東方正教会世界を侵食しようとするカトリックの動き」と、東方正教会側は懸念を隠さない。
 法王の謝罪と和解の呼びかけがギリシャ正教会の長年の不信を拭い去ったと考えるのは拙速だ。ただ真しな呼びかけを通じ、欧州統合によって生まれるのは、多様な文化と宗教が共存する地理空間であり、決してカトリックだけのものでないとのシグナルを送った。
 シリアのダマスカスでは、ヨハネ・パウロ2世は法王として初めてイスラム教寺院ウマイヤ・モスクに足を踏み入れた。法王は86年にはローマ市内にあるシナゴーグ(ユダヤ教寺院)を訪れており、3大啓示宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の和解を行動でもって示してきた。
 シリアのアサド大統領は法王の訪問を政治的に利用すべく、厳しいイスラエル非難を行った。しかし、全方位外交を旨とする法王は、「宗教の和解と対話」「宗教が説く寛容の精神の発揮」を強調することでは、イスラエル、アラブ、パレスチナいずれかの立場にくみするのは避け、相互譲歩による中東和平実現を巧みに訴えた。
 ヨハネ・パウロ2世という80歳の老人が、精力的に訴える諸宗教の和解と対話の試みは、さまざまなレベルで進行中だ。世界宗教者平和会議(WCRP)は、5年ごとに世界各国で大会を開き、昨年は創設30年周年大会を京都でもった。そのアジア機構であるアジア宗教者平和会議は99年、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を招いて日本、韓国、中国の宗教者会議を開催した。核実験を行ったインド、パキスタン両国の宗教者も98年、核廃絶問題で共同アピールを出した。
 こうした動きが早期に実を結ぶと楽観はできない。しかし宗教が互いの共存を認め、和解と対話へ努力することが出発点である。画一化を求めるのではなく多様性を認めること。排除ではなく共存。グローバリズム時代の文化のありようは、宗教にも当てはまる。[2001-05-10-01:15] 115
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 05/10@<フィジー>背景に自国の価値観を崩されたフィジー系の強い(毎日新聞)

 【スバ堀内宏明】民族対立の和解を掲げるフィジーのガラセ首相は10日、新政権の方向を「先住者の権利を優先する」とあえて明白にした。背景には旧宗主国の英国が入植させたインド系住民によって自国の価値観を崩されたフィジー系の強い不満がある。昨年、連鎖反応のように政変が起きた隣国ソロモン諸島にも同様の歴史がある。
 フィジーとソロモンの政変に共通するのは「土地問題」だ。南太平洋各国では土地はすべて村の所有で、売買は許されない。外部の者が使う場合は借地料を村人に払う。しかし、この伝統は植民地になって、借りる方に有利な形に変えられた。
 旧宗主国の英国は、フィジーにサトウキビ産業を興すためインド人を、ソロモンには農地が少ないガダルカナル島を開拓するため隣島のマライタ島人を入植させ、土地契約の原型を作った。
 ガラセ首相は会見の中で、「借地料の相場は、豪州では借地者の収入の10%、米国では15%、インド本国では50%なのに、フィジーでは2〜3%でしかない」と力説した。
 伝統的な暮らしに慣れた先住民に比べ、貧しい入植者は勤勉で商売の才能もある。宗主国は積極的に入植させ、先住民は経済的に圧迫される。旧憲法は、フィジー系に多くの議席を配分し、政治的な優位性が保たれていた。だが、人種平等を掲げた「97年憲法」は、この優位性を撤廃した。このため、99年の総選挙で初のインド系首相が誕生し、フィジー系の危機感が募ったのだった。
 8月の総選挙は、憲法上、インド系の人物が首相になっても問題はない。だが、現在の情勢では、フィジー系の首相が誕生する見通しだ。争点の土地法改正は先送りされたままで、このままでは和解の前途は厳しい情勢だ。[2001-05-10-21:30] 116
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 05/10@<フィジー>フィジー系優遇を表明 ガラセ首相が毎日新聞と(毎日新聞)

 【スバ堀内宏明】フィジー系とインド系住民の対立が続くフィジーのガラセ首相は10日、毎日新聞と会見した。8月の総選挙後の新政権について「フィジー系の権利拡大を図る連立政権になるだろう」と明言し、フィジー系を優遇する方針を示した。同国は1年前のクーデターでインド系の前首相が追放され、混乱が続いている。総選挙ではインド系政党が第1党になる可能性もあるが、フィジー系が連立して過半数を占めることが有力視されている。選挙後は両者による主導権争いが再び激化しそうだ。
 首相はフィジー系を優遇する理由について「フィジー系が土地所有権などをめぐり不当に差別されているからだ」と説明した。首相は9日に新党を旗揚げしたが、「私が目指すのは両民族の和解だ。だが実現には長い時間がかかる」「インド系指導者が容認されるにはあと20〜30年かかる」と国内事情を分析した。
 同国が人種差別政治に戻っているという欧米諸国の批判には「国には独自の伝統と文化がある。欧米の忠告は尊重するが、西洋の価値観をそのまま押し付けてうまくいくものではない」と反論した。
 3月に控訴審がガラセ暫定政権を違法と判断した際、首相を辞職した翌日に復帰した経緯は「辞めるつもりだったが、大統領に慰留された。判決に従い暫定首相は辞めたうえ、新政権誕生までの管理内閣の首相を務めようと決意した」と説明した。
 総選挙への取り組みについては「私も立候補するし、私の新党で過半数を目指す。多数の推薦さえあれば新政権の首相を務める準備もできている」と首相続投に強い意欲を示した。[2001-05-10-21:05] 122
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 05/10@「教科書」歴史共同研究と分離…韓国外相と会見(読売新聞)

 【ソウル10日=白川義和】韓国の韓昇洙・外交通商相は十日、読売新聞と会見し、韓国政府が先に日本の歴史教科書の再修正を求めた問題について、「田中外相が前向きに処理するよう努力している」と述べ、二十四日から北京で開かれるアジア欧州会議(ASEM)外相会議での日韓外相会談に期待を表明した。
 韓外相は「教科書問題が他の分野に影響を与えないよう日本政府が、適切かつ必要な措置を取ることが肝要だ」と強調。韓国国防省が海上自衛隊との共同訓練を延期したことについて、「(韓国)国民の支持がない状態で訓練するのは、韓日関係のためにも良くない」と釈明した。
 日本政府内には教科書問題の打開策として、日韓の歴史共同研究の推進案が浮上しているが、韓外相は「韓国も共同研究の実現を望んでいる」としつつ、「今必要なのは中長期的対策ではない」と述べ、歴史研究と教科書再修正問題の分離を強調した。
 一方、朝鮮半島情勢について韓外相は、米政府が対北朝鮮政策見直しを終えた直後に米朝対話が始まるとの見通しを表明した。米国の新たな政策は「金大統領の対北朝鮮包容政策が骨格になると考えている。米朝核合意も維持されると確信している」と語った。
 北朝鮮の金正日総書記の長男、金正男氏と見られる男性が日本に不法入国し、国外退去になった事件については「日本政府から具体的な確認を受けていない。我々としては関与することなく、知ることもできない」と語るにとどまった。
 金総書記の韓国訪問については、確実視しているとした上で、「いつ来るかは分からない。焦ることなく、きちんと準備している」とした。[2001-05-10-20:19] 128
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 05/10@<国連人権委落選>「分担金支払い凍結は逆効果」 国連事務(毎日新聞)

 【ニューヨーク・上村幸治】アナン国連事務総長は9日、米国が国連人権委員会の選挙で落選したのを受け、米議会の中で国連への分担金支払いを一部凍結しようという動きが出ている問題に触れ「逆効果になる」と述べ、自制を促した。
 米国のカニンガム国連代理大使は同日、「我々は最後まで当選を目指して努力した」と述べ、落選原因が選挙運動の不足でなく、反米感情によるものであることを事実上認めた。米国に対しては地球温暖化防止のための京都議定書への不支持表明といった強引な姿勢に各国から反発の声が出ていた。
 米国務省によると、米国は選挙直前に43カ国から書類での支持表明を取り付けた。しかし実際の選挙では29票しか獲得できなかった。
 国連では欧州諸国が集まり米国排除で動いたといううわさも広がっている。しかし、グリーンストック英国連大使は「まったくのでたらめだ。欧州諸国が集まって投票について話し合ったことはない」と述べた。[2001-05-10-19:30] 134
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 05/10@伯仲のバスク自治州選挙 反テロか、地域主義か(共同通信)

 【パリ10日共同】「テロ撲滅」か「民族の誇り」か―。十三日投開票のスペイン北部バスク自治州議会選挙は、非合法テロ組織「バスク祖国と自由」(ETA)の撲滅を目指すスペイン中央政党と地域主義維持を掲げる地方政党が予想を上回る接戦を展開している。
 焦点はフランコ総統の独裁が終結し自治州制に移行した一九八○年以降、与党の座にある穏健派地方政党「バスク国民党(PNV)」が州政権を維持できるかどうか。三十三年間に約八百人を死亡させたETAのテロが有権者にどう影響するかが注目されている。
 九八年の前回選挙でPNVは全七十五議席中二十一議席を獲得。十四議席を獲得したETA系の「バスク市民」(EH)などと連立政権を組んだ。
 ところが、選挙前に「一方的停戦」を宣言していたETAが九九年十二月にテロ再開を宣言。PNVはEHとの連立が組めなくなり、四年間の任期満了前に解散を強いられた。
 これに対し、中央二大政党の国民党(州議会十六議席)と社会労働党(十四議席)は昨年末、「反テロ協定」を結び、州政権奪取を目標に掲げた。
 特に昨年三月の総選挙で圧勝した右派アスナール首相の国民党はテロ対策の最高責任者マヨール・オレハ前内相を州首相候補とし、地方政党の追い落としに力を注いでいる。
 しかし、PNVの現職イバレッチェ州首相の「自治完遂」の旗印も共感を呼び、五月上旬に主要紙が発表した世論調査ではPNVなどの「地方連合」は合計議席を三十に増やす勢い。「中央連合」は計三十四―三十七議席で過半数(三十八議席)の獲得は微妙だ。(了)[2001-05-10-18:47] 138
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 05/10@独立勢力が武装解除に合意 ブーゲンビル島(共同通信)

 【シドニー10日共同】パプアニューギニア政府は十日、同国東部ブーゲンビル島の独立派勢力ブーゲンビル革命軍(BRA)が武装解除に同意し、国連関係者ら立ち会いのもとで武器撤収の合意文書に九日調印したと発表した。
 一九九八年の停戦協定調印以来の、和平に向けた大きな前進。紛争の完全解決のため政府、革命軍双方が話し合いを開始する条件が整った。
 政府側は、武器が撤収されれば同島に高度な自治権を認め、独立問題については十年から十五年後に島民が住民投票で決めるとの解決策を打ち出している。
 同島の独立を求める内戦は九○年に始まり、九八年の停戦まで約一万五千人の死者を出した。(了)[2001-05-10-17:48] 152
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 05/10@国連分担金不払い法案 米、意趣返しの様相(朝日新聞)

 国連機関のメンバー改選で米国が相次いで落選したことを受けて、米下院は10日の本会議で、国連分担金の滞納分を支払わないとする予算関連法案の修正案を投票にかける。米国が国連人権委員会に復帰するまで2億4400万ドルの滞納金を払わないというもの。落選問題は保守派を中心に米国内で大きな反発を呼んでおり、下院の投票は国連に対する意趣返しの様相が濃い。
 AP通信によると、共和党のハイド下院外交委員長と民主党のラントス下院議員が共同で修正案をつくった。ハイド委員長は、米国が国連人権委員会のメンバー国の座を失った直後、「人権委員会には最大の人権侵害国が含まれている」との声明を出した。共産主義の中国、キューバのほか、米国が「テロ支援国家」と認定するスーダンなどの国々を念頭に置いた非難と思われる。
 下院は保守的傾向を強めている共和党が多数を握っており、10日の投票結果によっては、米国と国連との関係が一層険悪化する可能性もある。[2001-05-10-13:24] 161
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 05/10@母の暮らしにも南北格差 米市民団体調査(共同通信)

 【ワシントン9日共同】「エチオピアでは千人の子供のうち百十八人が一歳になる前に死んでいるが、スウェーデンではわずか三人。先進国では当たり前の専門家が立ち会う出産が、ネパールでは十人に一人に満たない」―。十三日の母の日を前に、米国の市民団体「セイブ・ザ・チルドレン」の研究グループが、世界の母親と、間もなく母親になる少女の福祉や医療環境を数値化したランキングをまとめ、母親の暮らしの南北格差軽減を訴えた。
 母親や少女の暮らしが最も厳しいのはアフリカのニジェールとギニアビサウ、最も恵まれているのはスウェーデンだった。
 日本は、少女の生活環境では調査した百四十カ国中十四位で、先進国の中では真ん中より下。母親の環境についてはデータがそろわず、評価されなかった。
 母親、少女の環境とも、上位には北欧諸国が目立つ。逆に数値が最も低い十カ国のほとんどが、エチオピア、ギニアビサウ、マリなどのアフリカ諸国だった。
 グループは出産期の女性の死亡率や新生児の死亡率、最初の出産の年齢など二十二のデータを基に、母親をめぐる環境は九十四カ国、少女の生活環境では百四十カ国について評価した。(了)[2001-05-10-11:05] 178
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 05/10@憲法改正の必要性示唆 集団的自衛権で米副長官(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】九日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、今週訪日したアーミテージ米国務副長官が同紙とのインタビューで、日米関係を一層緊密化させる必要性を訴えるとともに「集団的自衛権についての(日本国内の)合意の欠如がその障害になっている」と述べ、憲法改正の必要性を強く示唆した。
 副長官は「日米関係を米英関係と同様に緊密化させたい」との期待を表明。「日本は安保条約の当事者でありながら、集団的自衛行動に参加する能力を欠いている」と指摘して日本側に防衛政策を見直すよう求めた。
 副長官はミサイル防衛政策説明のため東京を訪れ、八日同紙記者と会見した。
 アーミテージ氏は歴代共和党政権で対日安保政策を担当。同氏も参加して昨年秋まとめた日米安保の戦略的な強化のための提言の中では、日本側に憲法が定める集団的自衛権不行使の原則放棄や国連平和維持軍(PKF)への参加凍結の解除を求めた。(了)[2001-05-10-09:36] 181
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 05/10@環境NGO結成で準備会合 日中韓の議員ら(共同通信)

 【ソウル10日共同】韓国、日本、中国の国会議員などの有志が、北東アジア地域の環境問題に取り組むための非政府組織(NGO)を結成することを決め、姜雲太・元韓国内相や、日本側メンバーの馳浩、奥山茂彦両衆院議員(自民党)ら三カ国の代表が十日、ソウルで予備会合を開いた。
 七月ごろに正式発足する見通しだ。
 NGOは「東北アジア環境協力連合」(仮称)で、本部事務局はソウルに置き、当面は中国の黄砂や酸性雨問題に取り組む方針。中国を通じて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やモンゴルにも参加を求め、北朝鮮で洪水被害の拡大につながった一因とされる山林破壊対策として植林活動を行うことも検討している。
 関係者によると、メンバーは各国とも約三十人で、日本は与野党の若手議員のほか、自民党の野中広務元幹事長や民主党の羽田孜特別代表も加わる。
 国連や各国NGOとも連携し活動する予定で、姜元内相は「参加国の青少年を一カ所に集めた環境教育なども行い、国境を越えた若者の相互理解にも寄与したい」と抱負を語っている。(了)[2001-05-10-09:17] 184
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 05/10@最貧国の温暖化被害を強調 国連が行動計画案(共同通信)

 【ブリュッセル9日共同】ブリュッセルで十四日から始まる国連の第三回後発発展途上国(LDC=最貧国)会議で採択される行動計画案が九日、明らかになった。最貧国(四十九カ国)は、干ばつなど地球温暖化による被害を最も受けやすい上、これに対処する能力に欠けていると強調、先進国と協調した早急な取り組みの必要性を訴えている。
 しかし、先進国と最貧国は@最貧国産品の先進国市場への参入A最貧国の債務帳消しB最貧国における行政の在り方―などの諸問題で鋭く対立。これらの争点に関しては、同案は双方の主張を併記しており、決着は会議本番にゆだねられそうだ。
 行動計画案は六十九ページ。昨年のミレニアムサミットなど過去の国連会議の成果を踏まえ、最貧国対策に関する今後十年間(二○○一―二○一○年)の国際社会の取り組み目標を策定している。
 環境分野では、地球温暖化が「最貧国の開発の展望を妨げている」と指摘した。参加国は会議で、温暖化が最貧国に及ぼす悪影響を討議、七月の気候変動枠組み条約第六回締約国会議の再開会合に備える意向だ。
 また最貧諸国は、コメや繊維製品の国内保護を維持したい日本や米国などの先進国を念頭に「すべての産品の輸入関税や輸入枠を○三年に撤廃」するよう要求。二国間の公的債務帳消しなども求め、先進国側が反対している。(了)[2001-05-10-09:05] 192
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 05/10@「拷問は私の任務だった」仏元将校証言が波紋(朝日新聞)

 フランスからの独立戦争が続いていたアルジェリアで仏軍情報将校だった退役将軍が当時、拷問や裁判抜きの処刑をしていたことを認める証言を出版した。「それが私の任務だった。悔悟の念はない」と言い切る姿勢が反発を呼び、人権団体が司法の場に引き出そうとしている。しかし、政府は組織的だったとされる拷問の実態などについて自ら真相解明に乗り出すことには消極的だ。
 「特殊任務 アルジェリア1955―1957」という証言を著したのはポール・オサレス氏(83)。独立を求める民族解放戦線(FLN)の指導者で、自殺したとされていたベンムヒディ氏やブメンジェル氏を殺害したと認めたほか、「テロリストら」への仮借のない対応を淡々とつづっている。
 同氏は、独立派側の「爆弾テロから市民を守るため」の情報を拷問で得ることはよくあり、軍や政府も「奨励しないまでも認めていた」という。後の大統領であるミッテラン法相ら幹部にも逐一報告が届いており、やめさせたければできたはずだと指摘する。
 証言についてシラク大統領は「ぞっとする」と述べ、同氏に対するレジオン・ドヌール勲章の資格停止を指示、国防相に制裁を検討するように求めた。また、人権団体の国際人権連盟(本部・パリ)は7日、「人道に対する罪」で同氏を仏検察当局に告発した。
 しかし、緑の党や共産党をのぞく主要な政党の幹部らは、真相解明は重要と言いながら、歴史家の仕事だと逃げ腰。当時の軍や政府の関係者が多く生存しており、記憶はまだ生々しい。「独立戦争」だったことも99年にやっと公式に認めたくらいだ。多くの政治家は「数多くの将兵は勇気と名誉をもって戦った」と、同氏の証言内容を例外視しようとしている。
 同氏は第2次大戦中、敵中に潜入する勇敢なレジスタンス闘士だったという。インドシナでも降下部隊の指揮官として危険な任務に就いていた。「フランスのために」という思いが支えだったようだ。
 強烈な愛国心が生んだ「怪物」に、フランスはたじろいでいる。[2001-05-10-03:04] 196
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 05/10@<記者の目>歴史教科書と日韓関係  澤田 克己(ソウル支(毎日新聞)

 東京の同僚たちと日本の歴史教科書問題について話しながら違和感に悩み続けてきた。彼らは「韓国の人々は頭から湯気を出して怒っているに違いない」と「誤解」していたからだ。韓国の人たちは確かに怒ってはいるが、感情的になって過激な行動をしているのは一部だけだ。少なくとも、私にはそう感じられる。この「誤解」は、日本側に不要な反発を生みかねない危険なものだ。日本の人たちにはぜひ、「冷静な韓国」の実像を知ってほしい。
 日韓関係は最近「史上最良」といわれるようになったが、数年前までは「反日・嫌韓」という言葉が当然のように使われていた。韓国は、日本の政治家の失言が続くことなどで怒り、日本は、過去への謝罪に対する韓国側のたび重なる要求にうんざりしていたのだ。
 ところが、韓国の金大中大統領が98年秋に訪日し、当時の小渕恵三首相と「未来志向の日韓関係」をうたって以降、両国関係は急速に改善された。国民生活のレベルでもそれは感じられる。ソウルの映画館では日本映画に列ができ、日本では韓国映画が大ヒットした。韓国では、こそばゆいほどの「日本礼賛論」を聞かされて苦笑することが多くなっていた。
 そこへ出てきたのが、教科書問題だった。テレビには、日本の教科書が「歴史をわい曲した」と怒る人たち数十人が、歴史問題で失言した日本の閣僚に見立てたわら人形に火をつけ、日本への抗議を血判状でしたためる姿が大写しにされた。
 刺激的な光景だ。こんなものを見たら、問題となっている「新しい歴史教科書を作る会」主導の教科書にまゆをひそめる日本人の中にも、「またか」という感情が出てくるだろう。
 しかし、ソウルで取材活動をしていて、韓国社会の厳しい空気を感じることはほとんどない。こちらから言い出さない限り、教科書問題に触れようとしない人が多い。また、ソウルの日本大使館には毎日のように抗議電話がきているが、本数は1日2本程度だ。韓国では「市民団体が連携して日本製品不買運動を始めた」と報じられているが、参加団体の筆頭に挙げられているキリスト教系団体の幹部は私に「勝手に名前を使われた」と困惑した表情で話した。
 有力紙・朝鮮日報が4月に行った世論調査では、教科書問題について「両国関係が悪化してでも強硬対応」が53・1%、「関係が悪化しないよう柔軟対応」が44・1%だった。強硬論が多いように見えるが、韓国では「昔だったら100対0で強硬論だったはず。予想以上にクールだ」(韓国政府筋)という受け止め方が強い。しかも、20代は「柔軟対応」が56・3%と多数派を占めた。
 なぜ、韓国社会はこんなに冷静なのだろうか。82年に教科書問題が起きた時には、日本大使館前で抗議の焼身自殺を図ろうとした人までいたというのに。
 私の疑問に、若手与党議員の秘書が答えてくれた。学生だった80年代に民主化闘争の闘士だった彼は「韓国社会は成熟し、多様化した。一つのテーマで全国民が燃えるなんてことはなくなったんだよ」と話した。
 そうなのだろう。だが、私はあえてもう一つ付け加えたい。それは、この10数年間で飛躍的に増えた両国間の人的往来と、それに伴って積み重ねられた直接的な接触の重みである。20年前に年間50〜70万人だった両国間の人的往来は、いまや年間400万人だ。
 お互いの国や国民を直接知る人が増えたことが、相手を冷静に見つめる目を養った。このことが、歴史認識という一番難しい争点が問題になっているにもかかわらず、「反日・嫌韓」の再燃を防ぐ防波堤になっているのではないだろうか。
 この防波堤はまだ「鉄壁」とはいえないが、お互いの努力で少しずつ強くしていくことは出来るはずだ。日韓双方とも、お互いが多様な価値観の存在を認める民主主義社会であることを忘れてはならない。日本側には特に、韓国で過激な反応が出た背景に、もう一度思いを巡らせてほしい。過去への反省と近隣諸国との友好は、日本が国際社会で生きていくための基本であるはずだ。
 極端だから目立っているだけの強硬派は日韓双方とも社会の一部にすぎない、と私は信じている。そんな人たちに躍らされて、「反日」「嫌韓」と騒ぐことになってはいけない。もっと冷静になろう。[2001-05-10-01:15] 197
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 05/10@<ロシア再生の行方>現実路線の外交術 米中対立のはざまで(毎日新聞)

 ブッシュ米大統領は1日、米国の新国防戦略について演説、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しを訴えた。
 この演説に対し、中国は猛反発し、欧州は懸念を表明した。しかし、ロシアはひとり沈黙を守った。
 プーチン大統領は4日後、やっと口を開き、「世界は早いスピードで変っており、新しい脅威が現われたとの米国の考えを理解する」と述べた。
 実は、ブッシュ大統領は1日の演説の中で、「ロシアは敵国ではない」と、何度も呼びかけた。そして、中国についてはひとことも言及しなかった。暗に、今後の世界の不安定材料は、ロシアではなく、中国だと説明したかのようだった。
 この米国の立場に、プーチン大統領は聞く耳を見せたともいえる。
 旧ソ連時代から、外交の最優先国は米国である。米国と中国とを天秤にかければ、常に米国の方が重い。
 だから大統領の発言は当然ともいえた。しかし、大統領が本当に米国の立場に共感しているかというと疑問は多い。
 大統領は、この1年で24カ国を訪問した。記録的な外国訪問の数だが、その中には米国公式訪問は入っていない。
 大統領が当選後、最初に選んだ国は英国で、就任後初の西側訪問はイタリア、スペイン、ドイツの3国だった。
 次いで、プーチン大統領は中国とインドを訪問し、「戦略的パートナーシップ」を結んだ。
 つまり、ロシア外交の要は、英独露と中印露の二つの欧亜三角形だ。
 エリツィン前政権が米国との関係を最重視し、張り合ったのと比べると、プーチン政権は米国との関係に距離を保ち、クールに眺めている。
 ソ連崩壊後の経済瓦解で、ロシアはもはや大国ではない。「できないことはしない」というのが、プーチン流現実主義だ。
 その一方で、北朝鮮、イラン、イラクなど、米国から名指しされた「ならず者国家」やキューバ、シリアなど「反米国家」とも関係修復を急ピッチで進めている。「米国の指図は受けない」との強い自己主張が見え隠れする。
 米中対立のあおりを受けて、国際関係は微妙に揺れる。その米中対立の狭間で、ロシアはどの道を行くのか。来月中旬に予定される米露首脳会談で、何らかの回答が出るはずである。【モスクワ石郷岡建】[2001-05-10-01:15] 35
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 05/10@暴動で130人が負傷 クロアチアのサッカー試合(共同通信)

 クロアチア南部のスプリトで九日行われたサッカーの試合で暴動が発生し、サポーター百人と警官三十人が負傷した。
 首都ザグレブのディナモが2―0でリードしていた残り10分、地元のハジュクのサポーターがフェンスを乗り越え、ピッチに乱入。いったんは警官が競技場の外に追い出したものの、騒ぎは繁華街などに飛び火して、パトカー2台、テレビ中継車、商店街の窓ガラスなどが次々に壊された。
 警官隊が催涙ガスなどを使用して沈静化したが、この騒ぎで約九十人が逮捕された。(AP=共同)(了)[2001-05-10-20:52] 136
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 05/10@コンフェデ杯日本代表を発表(読売新聞)

 日本サッカー協会は10日、今月30日に開幕するコンフェデレーションズ杯に向けた日本代表1次登録選手35人を発表した。この中から最終登録メンバーの23人を絞り込んで今月16日に発表、同20日までに国際サッカー連盟(FIFA)に提出する。最終選考のための合宿は行わない。
 35人のうち28人は、昨年のアジア杯、今年に入ってからのフランス戦、スペイン戦のいずれかに召集された選手。アジア杯とフランス戦に選ばれたFW城(横浜M)は今回のコ杯の代表から漏れた。
 また、所属チームがイタリアのセリエAで現在首位を走り、リーグ戦が大詰めを迎えるMF中田英寿(ASローマ)の招集について日本協会は「この週末にも話し合うことになるが、あくまでもトルシエ監督しだい。コ杯期間中はセリエAの日程も空くが、監督は本人の意思を尊重すると話している」としている。セリエAは来月17日の34節で終了するが、今月27日に32節が、来月10日に33節が行われる。
          ◇
 日本代表1次登録選手は次の通り。▽GK 川口能活(横浜M)下田崇(広島)楢崎正剛(名古屋)都築竜太(G大阪)▽DF 大岩剛、服部年宏、田中誠(以上磐田)上村健一(広島)森岡隆三(清水)波戸康広、松田直樹(以上横浜M)宮本恒靖(G大阪)中沢佑二(東京V)中田浩二(鹿島)▽MF 藤田俊哉、名波浩、奧大介、福西崇史(以上磐田)森島寛晃(C大阪)三浦淳宏(東京V)伊東輝悦、戸田和幸、市川大祐(以上清水)中田英寿(ASローマ=イタリア)明神智和(柏)中村俊輔(横浜M)稲本潤一(G大阪)小野伸二(浦和)▽FW 中山雅史、高原直泰(以上磐田)鈴木隆行(鹿島)久保竜彦(広島)西沢明訓(エスパニョール=スペイン)柳沢敦(鹿島)山下芳輝(福岡)[2001-05-10-18:34]
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 05/11@マケドニア挙国一致内閣が発足へ(朝日新聞)

 アルバニア系武装勢力との戦闘に終止符を打つため、マケドニア政府が検討していた「挙国一致内閣」が、発足する見通しとなった。態度を留保していたアルバニア系野党「民主繁栄党」が11日、参加を決定したためだ。
 ゲオルギエフスキ首相は同日午後、主要政党党首と会談し、最終的な合意に達する見通し。早ければ12日の議会で承認され、正式に発足する。
 こうした動きに呼応して、政府軍は11日、日没までの一時的な攻撃停止を発表した。
 現政権は、マケドニア人政党を中心にアルバニア系の「アルバニア人民主党」を含む3党の連立だが、挙国一致内閣には「民主繁栄党」をはじめ主要政党のほとんどが加わる見通しだ。民族間の対話を促進すると同時に、武装勢力の孤立化を図る狙いがある。
 挙国一致内閣は欧州連合(EU)などの助言を受け、8日にも合意する予定だった。しかし、民主繁栄党が政府軍の攻撃停止を参加の条件にして態度を留保したため、先送りされていた。[2001-05-11-23:30] 39
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 05/11@軍の拷問・処刑、「謝罪すべき」と仏世論(読売新聞)

 【パリ11日=池村俊郎】アルジェリア独立戦争中、仏軍の拷問、処刑を明かした退役将校の告白本が出版され、フランスに“血塗られた過去”の直視を迫っているが、世論調査では大統領らに謝罪表明を求めるべきだとの主張が多数派となり、愛国心一点張りではない点で、仏国民の歴史観の変化をうかがわせている。
 「アルジェリア特別任務 一九五五〜五七年」と題した元軍情報将校オサレス将軍(82)の著書は、十一日までに、発売一週間余で四万部が売れ、仏国内で最大の話題本となった。
 アルジェリアでの拷問や処刑の事実はこれまでも知られており、昨年暮れから「ル・モンド」紙が当時の軍指揮官らの証言を掲載したことで、改めて関心が集まっていたものの、独立派を直接拷問し、ひそかに処刑していた元将軍の告白は衝撃を与えた。
 元将軍は著書で、中心都市アルジェの攻防の際、「毎夜、テロリスト容疑者十数人を逮捕し、拷問の末、朝までに次々と処刑していた」とし、殴打と電気ショック、水責めを拷問の手法としていたという。前大戦の対独抵抗組織レジスタンス時代から採った方法で、「一九五〇年代初め、仏領インドシナ独立戦争中にも使った」と告白する。
 フランスは前大戦中、ナチス・ドイツに占領され、独秘密警察ゲシュタポに受けた拷問、処刑の残忍さが広く文学や映画、歴史書で詳細に伝えられてきた。まさにゲシュタポと同じ拷問手法を仏軍情報将校らが取っていたことに、一般国民が衝撃を受けたと言える。
 調査機関BVAが約千人を対象に行った世論調査(六日)によると、仏軍が拷問を行っていたと確信する人が65%、大統領と首相にアルジェリア国民への謝罪を求める回答者が56%に上った。「祖国救済のため、拷問もやむを得なかった」と正当化する声は少数だ。
 これに対し、シラク大統領やジョスパン首相は「告白に衝撃を受けた」としつつも、将軍の司法上の追及や議会調査委員会設置には消極的で、これに保守派、社会党の政界主流も同調しており、国民の反応と微妙なズレを示している。
           ◇ 仏軍の拷問、違法処刑をアルジェリア独立戦争当時に告発した仏歴史家 私は二十年前、著書でオサレス将軍を「司令官ゼロ」と呼び、拷問、処刑の実行責任者と指摘していた。なぜ、今になって告白に踏み切ったのか不明だが、偏執狂的な人物だから歴史に名を残すつもりだったのかも知れない。本の内容としては、一九五五年当時、仏軍がアルジェリア民族解放戦線(FLN)を小組織と侮っていた点や、拷問の実態など興味深い点がある。ただし、当時の法相、ミッテラン元大統領が軍の拷問や処刑を知っていたとの主張には、検証の必要がある。もはや将軍を司法で追及する意味はない。その代わり、将軍やその他関係者のレジオン・ドヌール勲章はく奪を決定すべきだ。[2001-05-11-23:54] 40
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 05/11@伊総選挙13日投票、上院で激しい競り合い(読売新聞)

 【ローマ11日=秦野るり子】フランチェスコ・ルテッリ前ローマ市長(46)を首相候補に立てた与党・中道左派連合「オリーブの木」が政権を維持するのか、シルビオ・ベルルスコーニ元首相(64)率いる野党・中道右派連合「自由の家」が政権に返り咲くのかを問うイタリア総選挙は十三日、投票が行われる。中道右派連合が下院(定数六三〇)の過半数を押さえるのはほぼ確実と見られるが、上院(定数三一五。このほか終身議員が現在九議席)は、両陣営が激しく競り合っている。
 イタリアでは、大統領が首相を任命するが、新内閣は上下両院の信任を得なければならないため、両院ともに過半数を獲得した陣営の候補が首相に任命される。上院と下院の多数派が違う「ねじれ現象」になった場合は、相手陣営の切り崩しなどで過半数獲得を目指す。
 総選挙の結果、誕生する新首相は、七月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)の議長を務める。また、「オリーブの木」は、欧州の主要国に中道左派政権が相次いで誕生する先駆けとなっただけに、欧州の政治潮流を占うものとして注目される。
 ◆元首相の「資質」に批判集中◆
 総選挙が最終盤を迎えた八日、有力候補のベルルスコーニ元首相は、国営テレビの人気番組に出演し、“閣僚名簿”を発表してみせた。翌日の新聞はこの話題に紙面を割き、テレビのリポーターが大臣に“指名”された人々を追いかける騒ぎとなった。やはり、同日、テレビ出演し、ベルルスコーニ批判を繰り広げたルテッリ前市長のニュースは目立たない扱いだった。
 今回のイタリア総選挙は、派手な話題をさらうベルルスコーニ氏の資質こそが焦点となっている。係争中の贈賄疑惑、脱税疑惑、さらにはマフィアとの関係も疑われ、国内外から批判される同氏が、テレビネットワークなどを抱える企業グループ「フィニンベスト」を手放さずに首相となれば、公益と私利との衝突を生じるとも指摘される。
 英誌エコノミスト、仏紙ル・モンドをはじめとする欧州の有力紙誌は次々と、「民主主義国家の首相には適さない」と断じ、イタリア国内では、これに同調する意見と、「イタリアには独自の制度がある」(政治評論家セルジョ・ロマーノ氏)と、他国の“介入”に反発する向きとで激論となっている。
 中道左派連合は、こうした批判に乗じる形でベルルスコーニ攻撃を繰り広げ、中道右派連合を追い上げている。しかし、この手法では、自らの主張が浸透せず、かえってベルルスコーニ氏個人が一層注目される皮肉な結果ともなっている。
 対するルテッリ氏は、中央政界での経験は少ないが、そのルックスと新鮮さが買われて中道左派連合の首相候補に担ぎ出されたが、軽量級との印象をぬぐい去れないでいる。
 両陣営の政策に大きな差がないと指摘された総選挙だが、政策論争はそっちのけで、ベルルスコーニという強烈な個性を持つ人物が、首相の座に返り咲くのを認めるのか否かが問われる形となっている。(ローマ 秦野 るり子)[2001-05-11-23:52] 44
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 05/11@タリバーン、国内の国連事務所閉鎖へ(朝日新聞)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンのムタワキル外相は、国連に20日までに同国内にあるカブール以外の4つの地方事務所を閉鎖するよう通告した。同外相がカブールで10日に記者会見して明らかにした。国連による制裁で、タリバーンのニューヨーク事務所が閉鎖されるのに伴う報復措置。同勢力と国連の関係は一層悪化する。
 国連が情勢監視や人権抑圧の未然防止の拠点にしていたヘラート、カンダハルなどの4事務所が閉鎖される。難民対策は別に拠点があり、影響は少ないが、今後、国連の中心的な拠点であるカブール事務所を閉鎖する可能性もある。[2001-05-11-22:28] 66
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 05/11@<カルマパ17世>インドを拠点に宗教活動を本格始動へ(毎日新聞)

 【イスラマバード春日孝之】インド北部ダラムサラに滞在するチベット仏教カギュー派指導者、カルマパ17世(15)が、インドを拠点に宗教活動を本格始動することを明らかにした。「チベットの自治」を求める同仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(最大宗派ゲルク派)への協力姿勢を鮮明にしたことは、亡命政権の基盤強化につながるとみられる。
 カルマパは記者会見で、ダライ・ラマを「世界平和と人権問題の闘士」と称賛、「彼がチベットに戻らない限り、自分も戻らない」と述べ、ダライ・ラマを全面的に支援する意向を示した。
 これはチベット仏教(4宗派)の主要2派が亡命政権で結束したことを意味する。インド・ネール大学のチベット問題専門家、ダワ・ノルブ教授は「ダライ・ラマはチベット代表としての威信と地位をより強固にした」と指摘している。
 中国は昨年1月のカルマパの「亡命」について「ダライ・ラマが手引きした」との疑念を抱く。だが、カルマパは会見で「中国政府が私を利用してダライ・ラマの運動を分裂させようとしているのではと感じ始めたからだ」と説明し、ダライ・ラマとの一体感を強調した。
 一方でカルマパは「政治活動はしない」と明言し、中国に配慮を示した。中国も「第2のダライ・ラマにしたくない」との思惑から、これまでカルマパへの表立った批判は避け、将来の帰国に余地を残している。
 だが、インドでは中国の対チベット姿勢が変化しない限り「ダライ・ラマの後継として、政治運動にかかわだろう」との見方が強い。
 インドにとり、国際社会で絶大な発言力を持つチベット亡命指導者の存在意義は大きい。98年にインドが核実験を実施した際、ダライ・ラマは「対中脅威」の観点から、インドを擁護した。
 また、パキスタンと領有を争うカシミール紛争で、インド支配地域のイスラム教徒に対する「人権問題」をめぐり、パキスタンの友好国・中国の非難を封じ込むためにも、「チベットの人権問題」の象徴である亡命指導者は強力な対中カードとなる。
 ダライ・ラマに続く2枚目のカードを手にしたインド。カルマパへの難民認定を1年も引き伸ばし、「反中国的な活動は禁じる」と明言して、国交正常化に向け余計な摩擦を避けようと腐心もしている。だが、対中戦略の一環として、亡命政権安定化への関与も怠ることはないだろう。
 【ことば】カルマパ17世 チベット仏教の4大宗派の一つ、カギュ派の最高位の活仏(生き仏)。92年に活仏として見い出され、中国政府、ダライ・ラマ双方から承認された。昨年1月、中国当局に無断でチベットから出国し、ダラムサラに亡命政府を置くダライ・ラマもとに身を寄せた。「中国にはダライ・ラマが戻るまで戻らない」と述べ、事実上の亡命状態にある。[2001-05-11-17:35] 68
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 05/11@<外国人結婚式>伊ナポリの教会が締め出しを決定、波紋が広(毎日新聞)

 「ナポリを見てから死ね」とたたえられる風光明美なイタリア南部の港町ナポリ。その湾口に浮かぶカプリ島には、米国や日本など世界各地から一生の思い出にと結婚式を挙げる若いカップルが押し寄せる。ところが最近、式の舞台となるカトリック教会が外国人カップルの締め出しを決定、波紋が広がっている。【カプリ島(イタリア南部)で井上卓弥】
 一般的にカトリック教会での挙式には、男女どちらかが信者であることなど厳しい制限がある。日本人カップルの場合、日本の教会で証明書や書類をそろえる複雑な手続きが必要だ。このため、制約が少ないハワイやグアムのプロテスタント系教会での挙式が多かった。だが、ここ数年、カトリック教会をはじめ、欧州のキリスト教会で挙式を望むカップルが急増、カプリ島も例外ではなかった。
 だが、3月半ば、このうちカトリック教会を管轄する大司教が「厳格な宗教的価値を備えた本来の儀式を取り戻す」と外国人の結婚式禁止の声明文を出した。声明は「結婚は神聖な儀式であり、カトリック教義の完全なる受容が求められる」と指摘。その上で「結婚する男女には地域共同体参加のための誠実な宗教的公約が必要だが、外国人旅行者はこうした条件を満たせない」と締め出し理由を説明した。
 この決定を受け、島の観光産業に従事する多くの人々が「せっかく日本からのカップルが増えていたのに残念」と語る。3年前から日本人の結婚式をすでに計15件手がけた旅行会社経営のラファエレ・ダミアーノさん(31)は「レストランやホテルなど島の産業全体に影響する」と戸惑う。
 日本人の好む挙式は「夫婦2人きりか、親しい友人を加えた4〜5人で」というケースが多い。衣装や花束と音楽、宿泊・滞在費などを加えても2人で500万リラ(約30万円)ぐらいだ。だが、米国人の場合は列席者500人前後というケースも珍しくない。島内のタクシー約60台のうち、半数以上は挙式に臨む新郎新婦も使える広い後部座席を備えたリムジン型オープンカーだ。そんな1人、タクシー運転手のパスクワーレさん(50)は「派手にお金を使う米国人はいい稼ぎになるんだが……」と嘆く。
 一方で「結婚式は家族や住まいの近くで行うもの。このままだと島は、金持ち外国人ばかりが集う場所になってしまう」と禁止決定に賛成する声もある。高級ホテル「クビシサーナ」支配人のジュゼッペ・ロッシさんは「宗教上の決定には従うだけ。私たちはこの問題には中立の立場です」と言葉を選んだ。観光に依存しながらも、ローマ法王のおひざ元という土地柄に配慮せざるを得ない微妙な立場が垣間見えた。[2001-05-11-17:25] 70
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 05/11@「強制労働」の訴え絶えず ミャンマーの少数民族 ルポ(共同通信)

 ミャンマー軍事政権による「強制労働」をめぐり、国際労働機関(ILO)の制裁が続く中、タイ北西部のキャンプに逃れたミャンマーの少数民族から「(軍事政権によって)強制労働させられた」との訴えが後を絶たない。難民となった人々の証言で、軍事政権の辺境政策の一端が浮かんできた。
 「九日間、山あいの小川沿いを夢中で逃げた」。タイ北西部のメホンソンに近い第三難民キャンプで、ミャンマーの少数民族シャン人の男性四人が興奮気味に話した。同キャンプには、ミャンマーから逃れてきたカレニー人を中心に少数民族約四千人が暮らす。
 四人は四月十六日に同キャンプへたどり着いた。四人ともミャンマー北東部シャン州の同じ町出身。昨年十二月、自動小銃を持った兵士に拘束され、他の住民約七十人とともにトラックでタイとの国境にあるカヤ州に運ばれ、軍駐屯地などで米の運搬をさせられたという。
 そのうちの一人(42)は「数十キロの米を毎日担いだ。食事は一日二回、古くて臭い米と豆が少しだけ。体の弱かった友人は米を運べず、兵士にこん棒で殴られ五日後に死んだ」と語る。
 三月にキャンプにたどり着いたカレニー人のモー・ウー・メーさん(65)は五年前に夫を失った。その上、強制移住させられて家畜と田んぼも失い、掃除などで日銭を稼ぐ生活を余儀なくされていたという。
 「夫は軍から村長を通じて出頭を命じられ、それっきり。前線で軍の弾薬などを運んでいたらしい。生き残った村人から、夫は急な斜面を登る際、兵士にけり落とされたと聞いた」 モー・ウー・メーさんがかつて暮らしたカヤ州の村の近くには、日本政府が改修資金を援助する予定のバルーチャン発電所がある。発電所の周辺は、反政府武装組織、カレニー民族進歩党(KNPP)の活動地域。強制移住は住民とKNPPの分断を狙い、無人地帯をつくるため、との指摘もある。
 軍事政権は、強制労働の禁止措置を取っているとして、その存在を強く否定。軍政当局者は「ILO制裁などは非政府組織(NGO)の話をうのみにした一方的で、政治的意図に基づく決定だ」と主張する。
 一方、カヤ州に人を潜入させ、状況を調査したというカレニー人の人権団体は「昨年後半以来、書面での証拠が得にくくなったが、強制労働などの人権侵害は続いている」と話している。(メホンソン共同=田辺宏)(了)[2001-05-11-16:23] 81
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 05/11@<国連分担金>未納300億円の拠出凍結を可決 米下院(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】米下院本会議は10日、米国が国連人権委員会に復帰するまで、来年に支払い期限が来る国連未納分担金2億4400万ドル(約300億円)の拠出を凍結する予算修正条項を賛成252、反対165で可決した。米国が人権委のメンバー資格を失ったことへの「報復措置」であり、下院共和党はブッシュ政権の反対にもかかわらず表決に踏み切った。
 人権委のメンバー国改選は3日に行われ、国連経済社会理事会(54理事国)による投票で、米国は人権委創設以来初めて落選した。この投票経過について、ハスタート下院議長は「不公正がある」と述べ、ハイド外交委員長も「人権侵害を追及する米国を懲罰する意図的な企てだ」と強い不信感を表明した。
 しかし、下院は未納分担金のうち本年度分の5億8200万ドルの支払いは認めた。下院が拠出を凍結した2億4400万ドルの扱いについて、上院は最終的な態度を決めておらず、近く両院協議会を開いて議会の意向を調整する方針だ。
 修正条項は国務省の02〜03会計年度歳出法案に関するもので、パウエル国務長官は、拠出凍結について「正しい対応とは思えない」と強い懸念を表明した。下院の表決は、国連に対する米議会の強い不満を示すものだが、米政府との折衝を通じて議会側が軟化することも予想され、最終的には来年支払い分の分担金拠出も認められるとの見方が強い。[2001-05-11-12:00] 84
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 05/11@国連委落選に「報復」、米下院が法案可決(読売新聞)

 【ワシントン10日=永田和男】米国が国連人権委員会(ジュネーブ)など国連の二委員会の委員改選で相次ぎ落選したことへの反発から、米下院に提出されていた“報復法案”が十日、賛成二百五十二、反対百六十五の賛成多数で可決された。法案は、米国が滞納している今期の国連分担金五億八千二百万ドルは無条件で拠出するが、次期分の二億四千四百万ドルについては、人権委で米国の委員が再選されることを拠出の条件とし、その間、拠出を凍結する内容。上院外交委員会でも同様の法案提出準備が進んでいる。
 下院での法案可決後、米大統領府報道官は「政府は、あくまで分担金を支払うべき、という立場だ。そうでなければ、米国の国連での地位はさらに弱くなるし、米国への信頼性を損なうことになる」と述べ、ブッシュ政権として議会説得を続ける方針を説明した。[2001-05-11-11:31] 88
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 05/11@米下院が国連滞納金不払いを可決(朝日新聞)

 米下院は10日、米国の国連分担金の滞納分について、米国が国連人権委員会に議席を取り戻すまでの間、支払いを停止する予算関連法案修正案を賛成多数で可決した。米国が人権委など国連関連2機関のメンバー改選で落選したことへの対抗措置だ。上院も近くこの法案の審議に入る。米政府は、落選問題と国連分担金の支払いを関連づけることに反対しており、今後、上下両院と政府との間で妥協を探るとみられる。
 賛成252、反対165だった。支払い停止の対象は、米国の算定基準で認定している滞納分のうち02年に支払うはずだった2億4400万ドル。
 米政府は公式のコメントを出していないが、これまで下院の動きに「米外交に深刻な打撃を与える」(バウチャー国務省報道官)と警告、国務省を中心に議会に対して可決しないように働きかけていた。しかし、「なぜ共産主義の中国やキューバ、『テロ支援国家』のスーダンが国連人権委員会に入って、民主主義の米国が追放されるのだ」という議会内の不満を抑えることはできなかった。[2001-05-11-10:14] 95
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 05/11@仏左派が記念行事 ミッテラン政権20周年(共同通信)

 【パリ10日共同】フランスの第五共和制下で左派として初めて、ミッテラン前大統領(社会党、一九九六年に死去)が当選した大統領選挙から二十年目の十日、パリなどで記念行事が行われ、二期十四年間のミッテラン政権を含む左派の足跡にあらためて光が当てられた。
 一七八九年にフランス革命の発端となる監獄襲撃が起き、二十年前のこの日に徹夜の祝賀集会が開かれたパリ東部バスチーユ広場では十日夜、社会党などが無料音楽会と大道芸大会を開催。約一万五千人が特設スクリーンに映し出された前大統領の演説や当時の熱狂ぶりを回顧した。
 国民議会(下院)では同日、当時のスローガンにちなみ「政治はまだ、生活を変える力を持つか」と題した討論会が開かれ、歴代の左派閣僚らが参加。ジョスパン首相は「われわれは前大統領とともに、生活の重要な側面を変化させた」と締めくくった。
 近年、旧国営企業の背任事件や長男が逮捕されたアフリカへの武器密輸事件など前大統領に関連する不祥事が噴出しているが、欧州統合や死刑廃止などを成し遂げた「偉大な大統領」との評価は根強く、記念出版の伝記などがベストセラーとなっている。(了)[2001-05-11-08:16] 97
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 05/11@国連分担金支払いを凍結 米下院、人権委落選で報復(共同通信)

 【ワシントン10日共同】米下院本会議は十日、来年に支払期限が来る国連未納分担金二億四千四百万ドル(約三百億円)の支出を、国連人権委員会のメンバーとして復帰するまで凍結する予算修正条項を賛成二五二、反対一六五で可決した。
 米国は先週、国連経済社会理事会で行われた人権委メンバーの改選選挙で落選、「人権の旗手」としての面目を失ったことで、反国連の機運が生まれていた。この日の分担金支出への条件付けは、米国を落選させたことへの議会による“報復”措置と言える。
 ただ、未納金支払いに関する米国と国連の合意(一九九九年)そのものを覆すものではなく、議会の「怒り」を示す象徴的な意味合いが強い。本年度分の五億八千二百万ドルの支出には影響しない。
 修正条項を共同提案したラントス議員(民主党)は「国連の友人たちは、延滞金の支払いを得たいなら米国を人権委に戻さなければならない」と演説した。
 ブッシュ政権は来年のメンバー改選で返り咲きを果たすと約束、下院で提案された修正条項には反対していた。
 下院はまた、同じ国務省関連予算のうち、米国の国連教育科学文化機関(ユネスコ)復帰のための六千七百万ドルの支出権限に反対する修正条項を、賛成一九三、反対二二五で否決した。この結果、ユネスコ復帰のための予算上の準備はできたが、ブッシュ政権は復帰に反対しており、米国が近い将来に復帰する見通しはない。(了)[2001-05-11-07:57] 100
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 05/11@イスラエル、中東和平仲介案の修正要求(朝日新聞)

 イスラエル軍とパレスチナ人との衝突の収拾を図るエジプト・ヨルダン仲介案に対し、イスラエル側が入植地活動の凍結を求めた項目の削除などを求めていたことを10日パレスチナ自治政府筋が明らかにした。同自治政府の反発は強く、停戦の望みは遠のいている。
 仲介案は、双方が攻撃を停止し、イスラエル側が入植地建設の停止やパレスチナ自治区の封鎖解除などの信頼醸成措置をとりつつ、最終地位交渉の再開を求めている。双方の直接対話が途切れる中で、この仲介案は暴力停止を探る唯一の望みの綱となっている。
 イスラエルの変更要求は16項目にわたり、ヨルダン側から自治政府に伝えられた。
 要求はこのほかに、(1)事態収拾のための「政治治安委員会」の創設ではなく、政治抜きの「治安委員会」を要求(2)交渉再開後、バラク前政権からの交渉を引き継ぐのではなく、「ゼロから始める」に変更(3)最終地位交渉の目的を、占領地からの撤退など「国連安保理決議の実施」ではなく、「安保理決議をもとに合意を探る」と変更――などだ。
 ヨルダン川西岸やガザにある入植地に対するパレスチナ武装勢力による攻撃が強まっているが、変更要求では、入植地問題で一切妥協しないなど、シャロン首相の強硬姿勢が前面に出ている。
 パレスチナ自治区での騒乱は10日も続き、ガザ南部で早朝、イスラエル軍が戦車を突入させ、住民6人とイスラエル兵1人がけがをした。さらにイスラエル軍放送によると同日朝、ガザ自治区とイスラエルの境界で爆弾が爆発し、ルーマニア人労働者2人が死亡、ほかに1人がけがをしたという。[2001-05-11-03:04] 103
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 05/11@社説―政争の連鎖を断て(朝日新聞)

 旧ソ連第2の大国ウクライナで政治危機が深刻になっている。
 記者殺害に関与した疑いによるクチマ大統領への退陣要求が国を揺るがすなかで、国会が西側寄りの経済改革路線を進めてきたユシェンコ首相の内閣を不信任して退陣に追い込み、後継も決まらない状態だ。
 内閣の交代は91年末の独立以来、8度目だ。人口が5千万人を超える国の混迷には強い懸念を抱かざるをえない。
 クチマ大統領の疑惑は、政府批判を続けた記者の「抹殺」を内相らに指示したというものだ。この会話を録音したとされるテープが暴露され、昨年暮れに反対派から退陣要求が一気にわき上がった。
 大統領側はテープを偽物とし、反対派との対話にも応じない。その結果、クチマ政権下のメディア統制や人権状況の悪化を理由に、米国が制裁の可能性をにおわすなど、西側諸国との関係は悪化している。
 独立後、ウクライナは欧米の支援を得て市場経済と民主的な社会の建設をめざしてきた。しかし、重厚長大型の旧式産業が主流を占める経済の構造改革は進まず、ロシアから輸入する天然ガスの代金の支払いも滞っている。腐敗、汚職は深刻だ。
 ユシェンコ氏は、腐敗取り締まりや西側債務の整理、経済成長などで一定の成果をあげた。だが、改革が利権の喪失を招くことを大統領系の財閥勢力は警戒した。内閣の親西側路線を嫌う共産党も同調し、国会での不信任成立につながった。
 財閥の経済支配を非難する共産党は反大統領の立場でもある。国民の人気が高いユシェンコ氏も、反大統領の改革派や民族派の指導者として政治活動を続ける意向を表明した。政争はさらに激化する傾向にあり、何の改革も進まないままウクライナの漂流は果てしなく続きかねない。
 不毛な政争の連鎖を断ち切れないことで被害を受けるのは、平均月収が50〜60ドルという貧しさにある一般国民だ。
 クチマ大統領は本気で反対派との対話に乗り出す時ではないか。メディアへの統制も見直すべきだ。反対派も最後通告的な退陣要求だけでなく、大統領との建設的な対話に応じる度量を持つ必要がある。
 旧ソ連の欧州地域ではベラルーシがロシアと連邦をつくった。共産党が政権に復帰したモルドバでも、連邦参加をめざす動きがある。ウクライナの政変は、経済改革や民主化が行き詰まったこれらの旧ソ連諸国のロシア回帰と軌を一にしている。
 北大西洋条約機構(NATO)拡大などによる勢力圏の後退を不満とするロシアではこの動きを歓迎する向きも多い。だが、連邦を組んだベラルーシはロシアに天然ガスの代金の減免などを求めている。
 歴史的に関係が深い諸国が協力を復活することは自然だが、安易な統合や連邦化では窮状は脱せない。経済改革と民主化のほかに道がないことを肝に銘ずべきだ。[2001-05-11-00:34]
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 05/12@マケドニア挙国一致内閣で最終合意(読売新聞)

 【ウィーン11日=佐々木良寿】マケドニアのゲオルギエフスキ首相は十一日、声明を出し、挙国一致内閣樹立で最終合意が成立したことを明らかにした。声明には、マケドニア人主要政党二党、アルバニア系二党の指導者が署名しており、新内閣は十三日に予定される国会で承認を受け、発足する見通し。
 新内閣には、現連立与党三党に加え、最大野党の社会民主同盟(旧共産系)とアルバニア系急進派の民主繁栄党の二野党が参加、議会の三分の二以上を占めることになり、焦点のアルバニア系住民の権利向上問題などに絡む憲法改正や法整備に向けて態勢が整うことになる。
 マケドニア政府報道官は八日に合意を発表したものの、最終的な詰めの段階で、民主繁栄党が、アルバニア系武装勢力掃討作戦の停止などを求めて態度を硬化し、最終合意が遅れていた。
 声明によると、新内閣は重要政策として、<1>マケドニアの安全と安定<2>(民族間の対立解消に向けた)政治対話の推進<3>公正な総選挙の早期実施――の三点を掲げている。[2001-05-12-10:22] 22
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 05/12@<マケドニア>挙国一致内閣樹立へ 民族対立回避を目指す(毎日新聞)

 【ブラチスラバ福井聡】マケドニアの主要政党は11日、マケドニア人とアルバニア系住民の民族対立回避を目指す「挙国一致内閣」の樹立で改めて合意した。13日に新閣僚を任命し、正式発足する。新内閣樹立を全面支援した欧州連合(EU)のソラナ共通外交安保上級代表は「全政党がテロ行為による不安定化に立ち上がることになる」と期待している。
 スコピエからの報道によると、新内閣は従来の3党連立内閣にアルバニア系の民主繁栄党などを加え、国会の120議席中96議席を占め、憲法改正(3分の2で可決)なども可能となる。民主繁栄党は連立参加条件に政府軍の一方的停戦を主張していたが、EUの説得を受け入れ大連立参加に合意した。
 しかし、北部クマノボ周辺で戦闘を続けるアルバニア系武装勢力・民族解放軍は「連立内閣樹立などで事態は変わらない」と非難し、政府との直接交渉を求めている。[2001-05-12-10:20] 24
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 05/12@13日に挙国一致内閣発足へ アルバニア系野党が参加(共同通信)

 【ブラチスラバ12日共同】スコピエからの報道によると、マケドニアの主要政党は十一日、同国の民族対立解消を目的とした「挙国一致内閣」を発足させることで合意した。
 十三日の議会審議で新連立政権が承認されるとしており、アルバニア系住民の武装組織との衝突で多数の死傷者を出した同国情勢に転機をもたらしそうだ。
 政府軍と武装組織「民族解放軍」の恒久停戦を連立参加の条件に、態度を保留していたアルバニア系野党、民主繁栄党が条件を降ろして参加を決めた。スラブ系野党も含め、議会に議席を持つすべての政党が大連立を樹立することになる。
 政府軍は十一日夜まで、同国北部の住民避難のため攻撃を停止していたが、その後、解放軍の拠点への砲撃を再開しており、連立合意を受けた解放軍の出方が注目される。
 連立合意した主要政党は声明で「連立政権の主目的は国内の安定をもたらし、公正な議会選挙を実施することだ」と述べ、武力衝突が収まれば議会選を行う考えを表明した。(了)[2001-05-12-09:28] 28
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 05/12@マケドニアで「挙国一致内閣」が発足(朝日新聞)

 アルバニア系武装勢力との戦闘に終止符を打つため、マケドニア政府が検討していた「挙国一致内閣」が、発足した。態度を留保していたアルバニア系野党「民主繁栄党」が11日、参加を決定したためだ。
 ゲオルギエフスキ首相は同日午後、主要政党党首と会談し、最終的な合意に達した。早ければ13日の議会で承認され、正式に発足する。
 こうした動きに呼応して、政府軍は11日、日没までの一時的な攻撃停止を発表した。
 現政権は、マケドニア人政党を中心にアルバニア系の「アルバニア人民主党」を含む3党の連立だが、挙国一致内閣には「民主繁栄党」をはじめ主要政党のほとんどが加わる見通しだ。民族間の対話を促進すると同時に、武装勢力の孤立化を図る狙いがある。
 挙国一致内閣は欧州連合(EU)などの助言を受け、8日にも合意する予定だった。しかし、民主繁栄党が政府軍の攻撃停止を参加の条件にして態度を留保したため、先送りされていた。[2001-05-12-01:06] 1
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 05/12@国民の3人に1人が感染も エイズは「国家危機」 国連報告(共同通信)

 【ジュネーブ12日共同=藤井靖】国連エイズ合同計画(UNAIDS)の二○○○年報告によると、アフリカ南部ボツワナで成人のエイズウイルス(HIV)感染率は三五・八%。国民の三人に一人以上が感染している計算で「国家危機と呼ぶ以外にない」(UNAIDS高官)状況だ。
 地域社会に目を向けると、もっと深刻だ。高官によると、UNAIDSにはタンザニアの首都ダルエスサラームで高校生の感染率が六○%に上ったとの報告が最近届いた。放置すれば、特定の年代がほとんどエイズの犠牲となり、文字通り「失われた世代」が出現しかねない。
 アナン国連事務総長の肝いりで、国連機関が今年の最重点政策にエイズ対策を掲げたのは、こうした危機感を背景としている。HIV感染は、家計における医療費の増加だけでなく、地域社会にとっても労働力の減少をもたらす。国によっては国民総生産(GNP)が二%低下するとの推計もある。
 問題は、感染率が高い国の多くは一日当たりの収入が二ドル(約二百四十円)を切る最貧国だという点だ。年間一万五千ドルに達する治療薬を個人で購入することは到底無理で、先進国などの資金援助が必要となってくる。
 さらに、世界保健機関(WHO)が重点を置くコンドーム普及などの感染予防策や地域医療の充実も、一から基盤を整備しなければならない。
 貧困が感染率の増加を招き、新たな感染が貧困につながる―。国際社会はこうした悪循環を断ち切るための一歩を踏み出そうとしている。(了)[2001-05-12-14:16] 2
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 05/12@若者の感染、25%削減へ WHOがエイズ戦略報告(共同通信)

 【ジュネーブ12日共同=藤井靖】世界保健機関(WHO)は十二日までに、アフリカ諸国を中心に大きな打撃を与えているエイズを封じ込めるための戦略報告をまとめた。若者のエイズウイルス(HIV)感染を二五%減らすなど感染予防にはじまり、安価な治療薬の調達、さらにはワクチンの開発も盛り込み、エイズ対策の包括指針となる。
 十四日からジュネーブで始まるWHO総会で承認の予定。アナン国連事務総長は世界各国のエイズ対策費を年間で最大百億ドル(約一兆二千億円)まで引き上げるよう求めており、報告は六月の国連エイズ特別総会、七月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)を通じた世界規模のエイズ撲滅体制構築のたたき台となる。
 戦略報告は成人のHIV感染率が二○%を超えるアフリカを念頭に、エイズが地域や国家の「公衆衛生と社会開発に危機をもたらしている」と認定。コンドームや性教育の普及により、性行為を通じた感染削減を第一の柱に掲げた。
 とりわけ深刻化の一途をたどっている若者の感染者数を二○○五年までに二五%削減すると明記。国連機関のエイズ対策で主導的な役割を果たすWHOと国連エイズ合同計画(UNAIDS)が連携し、母子感染防止のためのプログラムを策定するとした。
 第二の柱である治療面では@安価なエイズ治療薬の調達と配給システムの確立Aエイズワクチンの開発BHIV感染により、経済的・社会的な苦境に置かれた住民のための心理カウンセリングの充実―などを列挙している。
 一九九七年に安価なコピー治療薬製造を認める法改正を行った南アフリカ政府の対応をめぐり、特許権の侵害とする先進国の製薬会社が訴訟に持ち込んだが、会社側は国際的な批判の高まりなどを考慮して譲歩、今年四月には訴えを取り下げた。
 さらに、グローバルな協力体制の実現に向け、政府や国際機関、民間団体による連携の必要性を強調。現在よりも細かくHIV感染の実態を把握・分析するため、より効率的な新しいエイズ監視システムを構築するとしている。(了)[2001-05-12-14:14] 8
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 05/12@<ブッシュ米大統領>国連人権委メンバー国落選に強い不満表(毎日新聞)

 【ワシントン布施広】ブッシュ米大統領は11日の記者会見で、米国が国連人権委員会のメンバー国改選で落選したことについて「とんでもない決定だ」と強い不満を表明した。一方、国連分担金については支払いを続ける意向を明確にした。
 大統領は会見に先立ってアナン国連事務総長と会談したが、「スーダンが入って米国が抜けた人権委など想像しにくい」と総長に語り、米国の落選によって、世界に「奇妙なシグナル」を送ることになりかねないと不快感を表明した。
 米国はスーダンを「テロ支援国」に指定している。会見で大統領は「米国を排除することは人権委の信頼性を損う」と選挙結果を批判したが、加盟国の間に広がるブッシュ政権への反感が、米国の落選をもたらしたとの見方もある。
 一方、大統領は「米国と国連の合意がある。米国は未納金を支払わねばならない」と述べた。米下院は10日、米国が人権委メンバー国に復帰するまで、国連分担金の支払いを一部凍結する予算修正条項を可決したが、米政府は支払いを続ける方針だ。[2001-05-12-11:40] 9
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 05/12@<スペイン>マドリード中心街で爆弾テロ 通行人ら13人負(毎日新聞)

 【パリ福島良典】スペインからの報道によると、11日深夜、マドリードの中心街で自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、通行人ら13人が負傷した。フランスとの国境地帯バスク地方の分離独立を求める武装組織「バスク祖国と自由」(ETA)を名乗る人物から直前に消防署に警告電話があったとされ、当局は13日投票のバスク自治州議会選挙を前に強行された爆弾テロとみて調べている。
 バスク自治州議会(75議席)は創設以来20年にわたり、穏健派民族政党「バスク民族主義党」が与党の座を占め、ETAの政治部門「我らバスク市民」の閣外協力を得て来た。だが、世論調査によると、今回の選挙では、民族主義党の不振と、スペイン中央政府与党の中道右派・国民党の善戦で与野党逆転の可能性が浮上している。
 民族主義党陣営は「国民党が選挙に勝てば、対話から排除されたETAが先鋭化してテロを激化させる」と治安悪化に警鐘を鳴らしている。
 ETAは、国民党のアスナール首相の強圧姿勢に反発し、1年2カ月間続いていた停戦を99年12月に破棄。今月6日には国民党幹部が射殺され、停戦破棄以来のテロ犠牲者は30人に達している。
 自治州議会の現有勢力は第1党の民族主義党が21議席、前回選挙(98年10月)で躍進した国民党が16議席で第2党。10日付スペイン紙の世論調査によると、国民党と共闘のバスク社会主義党の今回の獲得予想議席数は計36議席で、民族主義党と社民主義政党のバスク連帯党の計29議席を上回る見通しだ。
 国民党と社会主義党は獲得議席数が過半数に達しなくても、少数与党政権の樹立で事前合意している。だが、政局のカギを握るのは、8議席獲得が予想されている「我らバスク市民」で、バスク情勢の不安定化は避けられない見通しだ。
 民族主義党、バスク連帯党はETAのテロ再開を受けて、「我らバスク市民」から距離を置き、今回の選挙戦では政権参加はさせないと表明している。[2001-05-12-11:40] 14
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 05/12@<イラク>放射能爆弾製造計画を公式に認める 国連が書簡を(毎日新聞)

 【ニューヨーク上村幸治】国連は11日、イラクのアルドウリ国連大使がアナン事務総長に出した書簡(5日付)を公表した。書簡は「87年に放射能爆弾の製造を検討したが、効果的でないので断念した。爆弾は製造しなかったし、実験も行わなかった」と説明した。イラクが公式に放射能爆弾開発構想を認めたのは初めてとみられる。
 大使は、4月29日付の米紙ニューヨーク・タイムズが「イラクが87年に放射能爆弾を開発し、実験を3回行った」と報じたのに対し反論するため書簡を渡した。同紙は、米国の民間研究機関が得た「イラクが95年に国連に提出した機密文書」によって、詳細が明らかになったと伝えた。しかし大使の書簡はこれを「ねつ造だ」と批判した。
 放射能爆弾は、対象を破壊するのでなく、放射能をまき散らすことによって相手を病気にし、戦闘能力を削ぐ兵器。
 イラクはイランとの戦争で放射能爆弾を使う予定だった。しかし「効果的でないし、土壌を汚染する」(同大使)ため、計画を廃棄したという。[2001-05-12-10:35] 15
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 05/12@あやまるアメリカ 「ソーリー法」施行の州も(朝日新聞)

 最近、アメリカが謝罪を迫られる場面が多い。えひめ丸沈没事故に続き中国機との接触事故もあった。沖縄知事に対する中傷メールというのもあった。市民生活レベルでは、訴訟を警戒するあまり、不始末をしてもみだりに謝らないのが米国流。だが徐々に反省の機運も出ている。「もう少し素直に謝ろうよ」という空気である。
 カリフォルニア州では今年1月から、交通事故の現場で謝っても、その言葉を非を認めた証拠とはしないという新法が施行された。俗に「アイム・ソーリー法」と呼ばれる。
 事故を起こしたことを悔いて謝罪が口をついて出るのは、人間の自然な感情のはず。裁判で不利にならないよう双方が不機嫌な顔でにらみ合うのはどうにも窮屈で我慢しがたい、という立法趣旨だ。
 裁判で証拠にされないことになったのは「すみませんでした」「ごめんなさい」「申し訳ない」など、とっさの一言だけ。「すみません。私がわき見をしていたもので」とまで言ってしまうと、わき見部分は裁判で自分に不利な証拠とされうる。
 米国で最初にソーリー法を制定したのはマサチューセッツ州だ。きっかけは、74年に地元で起きた交通事故。自転車に乗った16歳の少女が、車にはねられて亡くなった。当時、州上院議員だった父親は、どんなに頼んでも事故の相手が謝罪してくれなかったことに憤慨し、「わびる言葉さえ封じられたのでは社会生活が立ち行かない」と、ソーリー法案を考え出した。86年に立法化された。
 一昨年、テキサス州でも制定されたほか、バーモント州では謝罪してもただちに法的責任を認めたとは解釈しないとする判例が確立した。
 「大恐慌のころまでは今ほど乱訴社会ではなく、人々も謝りやすかった」と話すのは、デビッド・リンク前ノートルダム大法学部長(64)。
 「法律は医療や宗教と並んで、人々をいやす3大発明の1つだった。ところが今の米国では法律は人々を争わせる道具に落ちぶれた。長らく紛争を丸く収める職業だった弁護士が、今では紛争をあおってばかりいる」 あるべき謝罪の仕方を研究してきたリンク氏からみると、えひめ丸でも中国軍機の事故でも「米政府の謝り方はいかにも遅すぎた」そうだ。
 最近、加害者にまず謝罪をさせようという動きが広がっている。被害者と対面し、加害者が自分の言葉で謝罪する。被害者が納得すると、心理学的なセラピーと似た効果が双方に表れるという説に基づく。「治療の司法」と呼ばれ、導入する自治体が増えている。
 「もし医師が誠実に謝罪してくれたら提訴はしなかった」。全米で医療過誤訴訟を起こした原告の3割が、フロリダ大学の調査にそう回答した。米医学誌メディカル・ニュースは昨夏、「誠意ある謝罪こそ訴訟を防ぐ近道」とする特集を組んだ。[2001-05-12-10:34] 26
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 05/12@将校の給与大幅引き上げへ 軍再建に向けプーチン政権(共同通信)

 【モスクワ12日共同】ロシアのプーチン大統領は十一日、クレムリンでロシアの最高政策立案機関である安全保障会議を招集、旧ソ連崩壊後弱体化が進むロシア軍立て直しに向け、将校らの給与大幅引き上げなど待遇改善による士気向上、精鋭化のための具体的検討に入った。
 セルゲイ・イワノフ国防相は特に条件の厳しい場所に駐留する若手将校やその家族に対する経済面での待遇改善の必要性に言及。昨年着手した兵員削減により確保した予算で、特に若手将校らの給与の「数倍の引き上げ」を検討していることを明らかにした。政府が今月末までに引き上げ幅を決めるという。
 「大国」復活を掲げる一方、チェチェン紛争などで露呈した軍の戦闘能力の低下を痛感しているプーチン政権は昨年十一月、国防省や内務省など国防・治安機関の計約三百万人中、二○○五年までに六十万人を削減する一方、兵器の近代化、兵員の待遇改善を図る方針を承認した。
 マトビエンコ副首相(社会保障担当)も「軍の戦闘能力は近代的兵器だけでなく、その兵器を持った人間の士気にかかっている」と指摘、金銭面での待遇改善が急務と強調した。(了)[2001-05-12-08:02] 34
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 05/12@<パプアニューギニア>BRAとBRFが武器放棄条約締結(毎日新聞)

 パプアニューギニア政府はこのほど、同国東部ブーゲンビル島の独立派勢力、ブーゲンビル革命軍(BRA)、ブーゲンビル抵抗部隊(BRF)の間で武器放棄条約を結んだ。90年以来続いていた紛争が終息に近づいた。政府はすでに武器が撤収されれば、同島に高度の自治権を認め、15年後に住民が独立問題を住民投票で決める方針を明らかにしている。【シドニー支局】[2001-05-12-01:15] 38 [このページの最初に戻る]


 05/12@NMDとTMD、ブッシュ政権が計画統合の動き(読売新聞)

 【ワシントン11日=永田和男】ブッシュ米政権内で、「ミサイル防衛計画」の「概念再構築が進行中」(防衛関係筋)だ。クリントン前政権が掲げた全米ミサイル防衛(NMD)、戦域ミサイル防衛(TMD)の両計画の統合の可能性が指摘されている。
 ミサイル防衛問題討議のため、十日に訪露したウォルフォウィッツ国防副長官は、「まったく新しい概念を説明しにやって来た」と、米側のアプローチが前政権時代から変化した点を強調。一日に国防大学でミサイル防衛に関する演説を行ったブッシュ大統領は、NMD、TMDという前政権の分類に全く言及せず注目された。また、敵ミサイルを発射直後に破壊する「上昇段階迎撃」なども重視する姿勢を示した。
 ブルッキングス研究所のジェームズ・リンゼー上級研究員は、NMDを前面に出さないミサイル防衛構想について〈1〉米国だけでなく、同盟国も守るシステムであることを強調したい〈2〉ミサイル防衛が対象とする「ならず者国家」はそれぞれ地理的な条件も異なり、TMD、NMDのどちらかだけではカバーしきれないため、両方を並行して推進するのが得策――と語る。
 リンゼー氏は、「たとえば、公海に挟まれた半島に位置する北朝鮮が対象なら、海洋発射の迎撃ミサイルも有効だが、イラクの内陸部から発射されるミサイルを撃墜するなら、トルコの基地に配備した地上発射ミサイルで迎撃するNMD方式のシステムが必要だ」と解説する。
 現大統領の父親のブッシュ元大統領は九一年、少数の核ミサイルから米本土や同盟国、在外米軍部隊を守る「限定的弾道ミサイル防御システム」(GPALS)計画を発表。さらにクリントン政権で、射程三千キロ以内の短・中距離ミサイルから同盟国、米軍部隊を守るTMDと、長距離ミサイルから米本土を守るNMDに分類された。NMDは、防衛網を厳しく規制する弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に抵触するため、米国はNMD網配備のため同条約の改定を強くロシア側に求めてきた。また、米露は九七年、同条約が許容するTMDの性能の範囲を定める合意に署名した。[2001-05-12-00:22] 15
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 05/12@日本男子バレー、ユーゴスラビアにストレート負け(読売新聞)

 バレーボール男子・ワールドリーグ インターコンチネンタルラウンド第1日(12日・松本市総合体育館)――シドニー五輪金メダルメンバーらで編成されたユーゴスラビアが、田中幹保新監督率いる新生日本に貫録勝ち。主砲・加藤陽一(東レ)を腰痛で欠く日本は、左腕エースとして期待される山本隆弘(松下電器)らの活躍で善戦したが、勝負所で力負けした。
 ◆潜在能力の高さ見せた新生日本チーム◆
 ユーゴスラビアにストレート負け。だが、第3セットにはジュースまで持ち込むなど、新生日本が潜在能力の高さをかいま見せた。
 ユーゴの売り物は、2メートルを超える長身のゲリッチ、ミリュコビッチら“壁”と呼ばれるブロック陣。日本は、攻めの多彩さでこれを突き破ろうとした。
 時間差や移動攻撃など、多くの攻め口を持つ細川を軸に、左右に朝日、左腕・山本らを配した。序盤は相手ブロックに捕まったが、中盤以降、セッター宇佐美の両サイドへの速い平行トスが冴え、相手守備陣をほんろう。第2、第3セットとも、あと一歩と迫った。
 田中新監督の戦術が、世界に通用することを示した一戦。だが、試合後の監督は不機嫌だった。「日本が悪すぎた。練習通りやれれば勝てた」。吐き捨てた言葉に、新生日本の目標の高さを感じた。(下山田郁夫)[2001-05-12-19:25] 12
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 05/12@◎チャンピオンズリーグ、従来方式に=欧州サッカー連盟(時事通信)

 【デュッセルドルフ(ドイツ)11日DPA=時事】欧州サッカー連盟(UEFA)のヨハンソン会長は11日、出場32チームと拡大したチャンピオンズリーグを従来の24チームに戻す意向を示した。
 チャンピオンズリーグは欧州各国のリーグ覇者の間で争われていたが、1999年からイタリア、スペインなど欧州内のランキング上位国は複数のチームが出場できるようになった。同会長は「大会を各国王者だけに戻すべきだ。従って参加チーム数は減ることになる」と話し、2003年から24チームで大会を実施するとしている。 (了)[時事通信社][2001-05-12-10:52]
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 05/13@アルバニア系武装兵力30人を砲撃 政府軍が攻撃再開(朝日新聞)

 マケドニア北部でアルバニア系武装勢力の掃討作戦を続けている政府軍は一時的な攻撃停止の後、12日に再び砲撃を始め、約30人のゲリラ小隊を壊滅させたと発表した。
 軍によると、北部の2つの村に、攻撃ヘリなどを使って「集中的な砲撃」を行ったという。同日夜も交戦があった模様だ。
 軍は11日、主要政党が「挙国一致内閣」づくりで合意したことをうけ、約13時間、攻撃を控えていた。
 13日夕には、新内閣の発足を承認する議会が開かれる予定だが、その直前の大規模攻撃で、新内閣に加わる予定のアルバニア系野党「民主繁栄党」が態度を硬化させる可能性もある。[2001-05-13-21:42] 10
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 05/13@マケドニア大連立承認へ 情勢沈静化は不透明(共同通信)

 【ウィーン13日共同】マケドニア国会は十三日、議席を持つすべての政党が参加する「挙国一致内閣」の発足を承認するための特別審議を行う。各党は十二日も、アルバニア系野党を含めた大連立発足に向け、閣僚人事などの最終調整を進めた。
 マケドニア政府が挙国一致内閣発足を目指すのは、政府軍や治安警察への攻撃を続けるアルバニア系住民武装組織「民族解放軍」を孤立させることが目的。
 政治的に追い詰められた解放軍側が直ちに攻撃を停止、マケドニア情勢が沈静化に向かうかどうかは不透明だ。
 政府軍は十二日、同国北部で解放軍への攻撃を強化、解放軍側にかなりの犠牲者が出たとみられる。
 挙国一致内閣発足については十一日、ゲオルギエフスキ首相率いるマケドニア国家統一民主党と、アルバニア人民主党の連立与党に加え、ツルベンコフスキ前首相の社会民主同盟、アルバニア系野党の民主繁栄党の四党が合意した。
 この連立に自由同盟と「民主的選択」の両党も加わる方針だ。(了)[2001-05-13-08:50] 1
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 05/14@マケドニア政府軍が掃討作戦、武装勢力30人死亡(読売新聞)

 【ウィーン13日=佐々木良寿】マケドニアからの報道によると、同国政府軍と治安部隊は十二日、北部の対ユーゴスラビア国境地帯でアルバニア系武装勢力に対する大規模な掃討作戦を展開、武装勢力側の約三十人が死亡した。マケドニア政府軍の報道官が記者会見で明らかにした。
 掃討作戦が展開されたのは、武装勢力が四月末から占拠を続けてきたスプチャネとバクシンチェの二村の周辺。政府軍は戦車や迫撃砲、戦闘ヘリなどを投入し、武装勢力の陣地への攻撃を繰り返した。
 これに対して武装勢力側は十三日、ロイター通信に、「われわれは、かすり傷一つ負ってはいない」と、死者数に関する政府発表を否定した。[2001-05-14-01:03]
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 05/14@アルバニア系武装兵力30人を砲撃 政府軍が攻撃再開(朝日新聞)

 マケドニア北部でアルバニア系武装勢力の掃討作戦を続けている政府軍は一時的な攻撃停止の後、12日に再び砲撃を始め、約30人のゲリラ小隊を壊滅させたと発表した。
 軍によると、北部の2つの村に、攻撃ヘリなどを使って「集中的な砲撃」を行ったという。同日夜も交戦があった模様だ。
 軍は11日、主要政党が「挙国一致内閣」づくりで合意したことをうけ、約13時間、攻撃を控えていた。
 13日午後には、新内閣の発足を承認する議会が開会したが、その直前の大規模攻撃で、新内閣に加わる予定のアルバニア系野党「民主繁栄党」が態度を硬化させる可能性もある。[2001-05-14-00:06] 1
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 05/14@マケドニア政府軍が掃討作戦、武装勢力30人死亡(読売新聞)

 【ウィーン13日=佐々木良寿】マケドニアからの報道によると、同国政府軍と治安部隊は十二日、北部の対ユーゴスラビア国境地帯でアルバニア系武装勢力に対する大規模な掃討作戦を展開、武装勢力側の約三十人が死亡した。マケドニア政府軍の報道官が記者会見で明らかにした。
 掃討作戦が展開されたのは、武装勢力が四月末から占拠を続けてきたスプチャネとバクシンチェの二村の周辺。政府軍は戦車や迫撃砲、戦闘ヘリなどを投入し、武装勢力の陣地への攻撃を繰り返した。
 これに対して武装勢力側は十三日、ロイター通信に、「われわれは、かすり傷一つ負ってはいない」と、死者数に関する政府発表を否定した。[2001-05-14-01:03] 40
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 05/14@「挙国一致内閣」の発足を承認 マケドニア議会(朝日新聞)

 マケドニアからの報道によると、同国議会は13日夜、アルバニア系武装勢力を鎮圧するための「挙国一致内閣」の発足を、102対1のほぼ全会一致で承認した。
 新内閣には、多数派マケドニア人と少数派アルバニア系双方の主要政党が参加。アルバニア系に対する教育や就職での差別をなくすための政策を進め、「差別解消」をゲリラ活動の大義名分にしている武装勢力の孤立化を図る。ゲオルギエフスキ首相は留任する。
 審議では、首相が「武装勢力の討伐が最優先だ」との強硬な発言をしたことに、アルバニア系野党「民主繁栄党」が反発、議事が一時中断する場面もあった。[2001-05-14-10:38] 41
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 05/14@マケドニア国会、挙国一致内閣を承認(読売新聞)

 【ウィーン14日=佐々木良寿】マケドニア国会(一院制、定数一二〇)は十三日、アルバニア系の二政党を含む主要四政党を中心とする事実上の挙国一致内閣を賛成百二、反対一で承認、新内閣を発足させた。新内閣には、国家統一民主党や社会民主同盟(旧共産党)などマケドニア人の主要政党とともに、アルバニア系急進派の民主繁栄党と小政党数党が参加している。
 挙国一致内閣は、北部の対ユーゴスラビア国境地帯の村を占拠して政府軍、治安部隊との交戦を続けるアルバニア系武装勢力の政治的孤立化を最大の狙いとして、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)が同国に提案、協議が続けられてきた。
 新内閣を巡るこの日の国会審議では、武装勢力の武力鎮圧を明言するゲオルギエフスキ首相の演説に民主繁栄党が反発、一時議場から退場する場面が見られるなど、前途多難の出発となった。[2001-05-14-10:24] 42
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 05/14@<マケドニア国会>挙国一致内閣を承認 首相は治安安定化が(毎日新聞)

 【ウィーン福井聡】マケドニア国会は13日夜、主要全政党による「挙国一致内閣」を102対1という圧倒的賛成多数で承認し、ゲオルギエフスキ首相を引き続き首班とする新内閣が発足した。アルバニア系ゲリラ・民族解放軍への対応が焦点となっている状況を受けて、首相は組閣にあたり「テロリスト排除以外に選択肢はない。新内閣の目標は治安の安定化、政治対話の促進と選挙の早期実施だ」と述べた。
 新内閣には、従来の連立3党にスラブ系の社会民主同盟やアルバニア系の「民主的繁栄のための党」などが加わった。アルバニア系の2党はそれぞれ、副首相と閣僚のポストを得た。
 新内閣樹立は7日に合意されたが、その後「民主的繁栄のための党」がアルバニア系ゲリラ組織・民族解放軍に対する攻撃の全面停止を条件に掲げるなどして難航。12日にも政府軍が民族解放軍に大規模攻撃をかけ、国会での承認が予定より大幅に遅れた。
 新内閣はマケドニア人強硬派からアルバニア系強硬派までを含む広範な連立で、ゲリラへの対応策は揺れ続けると見られる。ゲリラ側は政府との直接交渉を求めて戦闘を続行する構えで、「連立内閣樹立などで事態は変わらない」としている。[2001-05-14-10:05] 43
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 05/14@挙国一致内閣が発足 マケドニア、テロと対決へ(共同通信)

 【ウィーン13日共同】スコピエからの情報によると、マケドニア国会は十三日夜、アルバニア系野党を含む計七党が参加する「挙国一致内閣」を承認、ゲオルギエフスキ現首相を首班とする大連立政権が発足した。
 同首相は演説で「テロリスト勢力を無力化することが新政権の最大の課題だ」と述べ、大半の政党が内閣に参加することで同国北部で警察や軍への襲撃を繰り返すアルバニア系住民の武装組織「民族解放軍」を孤立に追い込む考えを表明した。
 しかし、少数派アルバニア系住民の権利向上を闘争目標に掲げる解放軍の出方は不明で、早期の紛争終結が実現するかどうかは予断を許さない情勢だ。
 また、欧州連合(EU)などの国際圧力を受けて大連立結成に踏み切った同首相は、民族間対話の加速を約束したが、アルバニア系住民の不満を吸収するための具体的政策をどこまで打ち出せるかが問われる。
 同首相は早期の前倒し選挙実施を公約している。
 主要四党が副首相を一人ずつ出した。国会は賛成百四、反対一の圧倒的多数で計十九人の閣僚名簿を承認した。
 演説で同首相が解放軍を徹底的に非難したことにアルバニア系野党が反発し、三時間にわたって審議が中断。新政権承認が危ぶまれる一幕があった。(了)[2001-05-14-07:56] 362
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 05/14@<ひと>ハーバート・ビックスさん ピュリッツァー賞受賞(毎日新聞)

 米ボストン郊外の自宅で、スープを作っていたら、受賞の報が届いた。
 昨年秋、米国で出版した評伝「昭和天皇と日本の近代国家の形成」。ノンフィクション書籍部門の受賞作にふさわしい重量級作品だ。
 「受賞は日本の近現代史の重要性が認識された証拠です。日米の相互関係が深まる21世紀を迎え、米国は日本をもっと知らなければいけない」
 昭和天皇は第二次世界大戦に積極的な役割を果たした――。日本人の“通念”に反する論述が、受賞を機に、アジア諸国にも波紋を広げる。
 「明治憲法では天皇は『元首』。昭和天皇は国策決定に関与しなければならないという帝王学を教え込まれていた」
 軍部に利用された天皇、という図式とは違う姿を浮かび上がらせた。「日本の原文資料にあたり(強い調子の)表現を抑え、客観性に努めました。『日本たたき』の本ではありません」
 60年代の前半、米第7艦隊に所属し、日本に勤務。外交官かジャーナリストを目指していたが、「ベトナム戦争で米国の侵略ぶりに疑問」を持ち、日本史研究に方向転換した。
 ボストンの自宅周辺にはイタリア系住民が多い。米国では珍しく屋外に洗濯物を乾かす風景が、日本を感じさせる。
 日本の歴史教科書が批判されています。
 「今春まで勤めていた一橋大では、教科書問題で韓国の大学と共同プロジェクトをすすめています。こういう努力も見逃してはいけないですね」
  文・清宮克良
 米ボストン出身。ハーバード大大学院で博士号取得。今春からニューヨーク州立大ビンハムトン校教授。62歳。[2001-05-14-23:55] 363
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 05/14@EUが北朝鮮との外交関係樹立を決定と発表(読売新聞)

 【ブリュッセル14日=三井美奈】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は十四日、EUが北朝鮮と公式に外交関係を樹立することを決めたと発表した。外交関係樹立で、北朝鮮は食糧援助や人道支援をめぐり、EUと直接交渉ができるようになる。
 欧州委報道官によると、パッテン欧州委員(対外関係担当)から白南淳・北朝鮮外相にあてたEU決定を伝える書簡が同日、北朝鮮側に届けられた。EUと北朝鮮は今後、外交関係樹立の具体的手続きについて詳細を詰める。同報道官は「双方の代表部交換は当面予定されていない」と述べた。
 北朝鮮の金正日総書記は、今月初旬に訪朝したEU代表団に、二〇〇三年までミサイル発射実験を凍結することを約束し、二度目の南北朝鮮首脳会談開催の意欲を表明した。外交関係樹立は、こうした金総書記の対話姿勢をEUが評価するとともに、金大中・韓国大統領の太陽政策支持の立場を鮮明にし、南北朝鮮の対話促進を側面支援する意思を示したものと言える。北朝鮮にとっては、欧州との良好な関係をアピールし、米国に揺さぶりをかける狙いもある。[2001-05-14-23:41] 366
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 05/14@「商才」と「黒い噂」と…ベルルスコーニ氏(読売新聞)

 ◆次期イタリア首相就任が濃厚になったシルビオ・ベルルスコーニ氏(64)◆
 イタリア国民はそのビジネスの才能に、自分たちの将来を託した。
 ミラノの銀行の窓口係の子として生まれ、子供のころから宿題請負業で小遣いを稼ぐなど商才を発揮。ミラノ大学時代はカンツォーネを歌ったり、掃除機のセールスで学費をまかなった。
 同大時代に、後に首相になったクラクシ氏(故人)に才能を見込まれたことが、一生を変えたと言われる。有力政治家の後ろ盾を得て二十代で作った建設会社は、ミラノ郊外の新興住宅地開発に成功。続いてテレビ局を買収し、推定資産百億ドルという「イタリア随一」の富を築いた。
 だが、建設会社設立時の資金源などに黒い噂(うわさ)があり、娘の名付け親にもなったクラクシ元首相は汚職で有罪となった。ベルルスコーニ氏自身も一九九四年、首相となったものの贈賄疑惑などで、わずか二百日余りで内閣総辞職に追い込まれた。今回の選挙でも、様々な疑惑に改めて焦点が当てられたが、有権者は“イタリアン・ドリーム”の体現者に夢を託した。
 妻は元女優のベロニカ・ラリオさん。子供は五人。(ローマ 秦野 るり子)[2001-05-14-23:40] 372
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 05/14@右派政権誕生へ、上院制す イタリア総選挙(朝日新聞)

 大富豪のベルルスコーニ元首相の返り咲きが注目されたイタリアの総選挙で、内務省は14日、同氏が率いる中道右派の野党連合「自由の家」が上院で過半数を制したと発表した。下院でも議席の75%を占める小選挙区で過半数に達した。ベルルスコーニ氏は現在の中道左派からの政権交代を確実にし、欧州連合(EU)諸国で多数派の中道左派勢力の一角を崩すことになった。
 ベルルスコーニ氏は同日夕、国営テレビを通じて勝利宣言する予定。
 内務省の中間発表によると、自由の家は上院(定数315)で163議席を獲得。中道左派の「オリーブの木」は109議席にとどまっている。
 下院(同630)のうち小選挙区分(475)でも257議席で、過半数を得ている。オリーブは166議席。下院全体でも過半数を制するのは間違いない。
 最終確定票で自由の家が下院でも過半数を制した場合には、30日に予定される国会招集後、チャンピ大統領がベルルスコーニ氏を首相に指名し、組閣を要請。新内閣は上下両院でそれぞれ過半数の信任を得て、本格始動する。
 90年代初め、大物政治家の汚職摘発に端を発した政界再編成を受けて、実業家のベルルスコーニ氏は94年春、新党「フォルツァ・イタリア」(がんばれイタリア)を結成して総選挙に臨み、勝利した。
 この時、連立政権に参加していた地域主義政党の新興右翼「北部同盟」は議会で過半数を握るためのキャスチングボートを握っていたが、途中で離脱。内閣は7カ月で総辞職に追い込まれた。今回も北部同盟が加わっているが、ボッシ書記長は「5年間、ベルルスコーニ氏を支える」と述べている。北部同盟をめぐっては同書記長の移民排斥発言が欧州連合(EU)諸国を中心に反発を招いた。
 中道左派政権はこの5年間で、ユーロ圏入りなど堅実な経済実績を上げたが、魅力ある政策を有権者に示すことができず、政権を明け渡すことになった。[2001-05-14-22:20] 377
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 05/14@5月15日付・編集手帳(読売新聞)

 きのうは小渕元首相の一周忌だった。志半ばで病に倒れて、業績の評価は定まらないが、対人地雷廃絶に示した決意とその成果は、だれしも認めるところだろう◆世界平和のために、国際的NGO(非政府組織)活動の重要性をいち早く認識した。「地雷ではなく花をください」と、地雷廃絶に取り組む「難民を助ける会」(東京)スタッフの意見によく耳を傾けた◆橋本内閣の外相として、対人地雷全面禁止条約に調印した。世界の対人地雷は推定一億一千万個。廃絶への道は依然険しいが、わが国は対人地雷破壊を進める一方、紛争地の地雷除去を積極的に支援している◆昨夜の一周忌法要で、「父が読めなかった手紙」と題した本(扶桑社)が配られた。闘病中、全国から届いた見舞いの手紙の数々を収めている。「がんばってください」「一日も早くお元気に」と、小中学生からの手紙も多い◆人との出会いを大切にし、行く先々で親しまれた人柄をしのぶ。その手紙を「父の耳元で毎日、声をあげて読みました。きっと届いていると信じながら」と編者の長女暁子さんが書いている◆カンボジアに難民を助ける会が運営する職業訓練センターがある。地雷の被害者ら年間約四十人が自立をめざしている。「父の遺志を継いで」(暁子さん)、本の印税はセンターに寄付される。[2001-05-14-21:57] 382 [このページの最初に戻る]


 05/14@国連PKO局に自衛官派遣も 防衛庁が法改正検討(朝日新聞)

 中谷元・防衛庁長官は14日の衆院予算委員会で、国連本部の平和維持活動(PKO)局の増員に伴い自衛官を派遣することについて「憲法の趣旨からも国際貢献すべきで、積極的に対応したい」と述べた。久間章生氏(自民)の質問に答えた。また同庁の佐藤謙事務次官は記者会見で、職員の派遣先機関にPKO局を加えるなど、法改正を検討する考えを示した。
 防衛庁によると、PKO局は機能強化のため来年夏ごろ約150人の増員を予定。昨年秋にも約90人の増員募集があったが、法律面の検討が必要と見送られた。同庁では「PKO局を派遣先機関に含める法解釈も不可能ではないが、重要な活動なので法律に明記した方がよい」と、早ければ今年秋の臨時国会にも改正法案を提出する構えだ。
 自衛官を含む防衛庁職員の国際機関派遣は「国際機関等に派遣される防衛庁職員の処遇等に関する法律」に基づいて行われる。目的として軍備管理、軍縮、人道活動への協力などが挙げられているが、平和維持活動を企画するPKO局自体は対象とされていない。
 同庁では現在、化学兵器禁止機関(OPCW)に陸将補を派遣するなどしている。[2001-05-14-21:14] 397
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 05/14@<国連後発発展途上国会議>10年間の行動計画作成へ(毎日新聞)

 世界で最も貧しい後発発展途上国(LDC)に対する国際社会支援の在り方を協議する第3回国連後発発展途上国会議が14日、ブリュッセルで始まった。最終日の20日、今後10年間の取り組みを示した「2000年代のLDCのための行動計画」を採択する。
 アナン国連事務総長は開会演説で「LDC諸国の日々の生活は飢えや紛争との闘いだ。人々は哀れみでなく、機会を与えられることを望んでいる」と会議の意義を強調した。
 行動計画案は(1)LDC諸国からの輸出品への市場開放(2)2国間の公的債務の帳消し(3)開発援助資金の増額や条件緩和――を最優先課題としているが、先進国側は「実現不可能な責務は負いたくない」としており、実務協議で計画の内容を詰める。
 また、エイズや結核対策、環境保護などを含めた「包括的な対策」(リクペロ国連貿易開発会議事務局長)を打ち出したい考えだ。
 会議には世界銀行のウォルフェンソン総裁や各国の元首、閣僚が参加、日本の植竹繁雄外務副大臣は15日、一般演説する。
 1人当たり国内総生産(GDP)が900ドル以下のLDC諸国はアフリカを中心に49カ国で、世界人口の10%以上を占める。(ブリュッセル共同)[2001-05-14-19:15] 403
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 05/14@国連PKO局派遣に前向き 中谷元防衛庁長官(共同通信)

 中谷元防衛庁長官は十四日の衆院予算委員会で、増員が計画されている国連の平和維持活動(PKO)局への自衛官派遣について「国際貢献をやっていくべきだし、尊敬される日本になるべきだ」と述べ、積極的に対応していく考えを示した。自民党の久間章生氏の質問に答えた。
 自衛官は「国際機関等に派遣される防衛庁職員処遇法」に基づき、一九九七年から国連の軍縮機関などに派遣されているが、PKO局については「戦闘行為を含む作戦もある」などとして、同法の派遣先に明記されていない。
 これに関し、同庁の佐藤謙事務次官も記者会見で「今後実現できるよう関係省庁と連絡を取り、前向きに検討していきたい」と述べ、現行法での派遣が可能かどうかなどを検討していく考えを示した。(了)[2001-05-14-18:35] 405
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 05/14@後発途上国支援で国連会議 10年間の行動計画作成へ(共同通信)

 【ブリュッセル14日共同】世界で最も貧しい後発発展途上国(LDC)に対する国際社会支援の在り方を協議する第三回国連後発発展途上国会議が十四日、ブリュッセルで始まった。最終日の二十日、今後十年間の取り組みを示した「二○○○年代のLDCのための行動計画」を採択する。
 アナン国連事務総長は開会演説で「LDC諸国の日々の生活は飢えや紛争との闘いだ。人々は哀れみでなく、機会を与えられることを望んでいる」と会議の意義を強調した。
 行動計画案は@LDC諸国からの輸出品への市場開放A二国間の公的債務の帳消しB開発援助資金の増額や条件緩和―を最優先課題としているが、先進国側は「実現不可能な責務は負いたくない」としており、実務協議で計画の内容を詰める。
 またエイズや結核対策、環境保護などを含めた「包括的な対策」(リクペロ国連貿易開発会議事務局長)を打ち出したい考えだ。
 会議には世界銀行のウォルフェンソン総裁や各国の元首、閣僚が参加、日本の植竹繁雄外務副大臣は十五日、一般演説する。
 一人当たり国内総生産(GDP)が九百ドル以下のLDC諸国はアフリカを中心に四十九カ国で、世界人口の一○%以上を占める。(了)[2001-05-14-18:06] 409
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 05/14@文科省、誤りあれば訂正も 中学歴史教科書問題で(共同通信)

 韓国政府が中学歴史教科書の再修正を求めている問題で、小野元之文部科学事務次官は十四日の定例会見で「教科用図書検定調査審議会の委員のほか、古代朝鮮に詳しい方々も入れて検討したい」とした上で「事実の誤りがあれば(教科書に)はね返りがあることもあり得る」と述べ、記述訂正の可能性を示唆した。
 文部科学省は「検定合格後の修正はできない」との立場を崩しておらず、明らかな誤りがあった場合、出版社による自主的な訂正となる見通し。
 会の発足時期については「できるだけ早く」と述べ、検討に要する時間は「韓国側は検定結果が出てから一カ月ちょっとで(要求を)出してきたので、それは目安になると思うが、まだ決めていない」と明示しなかった。
 同審議会の委員には古代朝鮮史の専門家がおらず「新しい歴史教科書をつくる会」が中心となってつくった扶桑社の教科書について、学者の間からは古代朝鮮に関して学説と異なる不適切な記述があるとの指摘も出ている。(了)[2001-05-14-16:56] 410
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 05/14@イリアン独立派初公判開く 言論を断罪、民主化に逆風(共同通信)

 【ジャヤプラ(インドネシア)14日共同】インドネシア・イリアンジャヤ州(ニューギニア島西部)のジャヤプラ地裁は十四日、政府転覆予備罪で起訴された同州独立派「パプア評議会」のテイス・エルアイ議長ら非暴力路線の独立運動指導者五人に対する初公判を開いた。
 検察側は冒頭陳述で、独立を唱える言論自体を断罪する旧スハルト独裁政権当時の治安当局と同様の考えを示し、民主化を唱えるワヒド大統領による、独立派との対話路線のとん挫が明白となった。
 検察側は、エルアイ議長らが一昨年以降、州内各地で「独立国家パプア」の旗の掲揚運動を組織、旧オランダ植民地の同州のインドネシア帰属を承認した国連決定を否定する主張を繰り返したと指摘した。
 人定質問で同議長は「国籍はパプア」と胸を張り、対決姿勢を示した。
 州都ジャヤプラ郊外の地裁の周辺は自動小銃を持った警官隊が警備。腰みのなどの伝統衣装を身に着けた住民や「パプア国旗」のTシャツを着た評議会自警団員ら約五百人が集まり、歌や踊りで議長らを激励した。
 同州は一九六○年代初めにインドネシアが武力併合し、国連が六九年に帰属を承認したが、先住民を中心とする独立運動が続いた。警察は、昨年十二月にパプア評議会が開いた「独立記念日」集会の直前にエルアイ議長らを一斉逮捕した。(了)[2001-05-14-16:54] 415
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 05/14@アフリカの子供救え 名大、潰瘍治療に出発(共同通信)

 感染すると皮膚に潰瘍(かいよう)ができ、アフリカで子供たちを中心に被害が急増している「ブルーリ潰瘍」というウイルス性感染症の治療のため、名古屋大医学部や愛知県の企業などでつくる医療チームが十九日、日本を出発、来月中旬までガーナで治療にあたる。
 医療チームは名大頭頚部(とうけいぶ)感覚器外科学講座の上田実教授らのほか、同県蒲郡市の培養皮膚のベンチャー企業ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J―TEC)の社員ら約二十人。
 世界保健機関(WHO)などの要請にこたえた。
 ブルーリ潰瘍は病原菌が体内に侵入して皮下組織が壊死(えし)し、潰瘍となる。感染経路などが解明されていないため、感染部位の切除が有効な治療で、切除後に皮膚移植が必要とされている。
 現地には皮膚培養の設備がなく、J―TECなどがはがき大の培養皮膚百枚を持ち込み、首都アクラで治療を行う。
 名大の医療チームは「今後、欧米からも培養皮膚の提供があれば、多くの子供たちを救うことができる」と話している。(了)[2001-05-14-15:50] 421
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 05/14@「靖国参拝は首相として」予算委で小泉首相(読売新聞)

 小泉首相は十四日の衆院予算委員会で「政治が一番、自らを助け、律する精神が足りず、借金を積み重ねてきた。財政規律を変えることが構造改革の主眼だ」と述べ、財政構造改革への強い意欲を示した。
 靖国神社参拝については「よそから批判されてなぜ中止するのか理解に苦しむ。首相として二度と戦争を起こさないという気持ちからも参拝をしたい」と述べ、改めて首相として参拝する考えを示した。
 中谷防衛長官は十四日午前の衆院予算委員会で、国連平和維持活動(PKO)への自衛官派遣について「国際社会で尊敬される日本になるべきだと考えている」と述べた。[2001-05-14-13:11] 425
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 05/14@<YOU館>イラン、おしゃれ「革命」 ハタミ政権は寛大(毎日新聞)

 イランで今、女性のファッションに静かな変革が起きている。イスラム革命(79年)後、ヘジャブ(頭にかぶるスカーフ)やチャドル(全身を覆うマント)で身を隠してきた女性たちが改革派ハタミ大統領の誕生(97年)以降、おしゃれの自由を取り戻しつつあるためだ。チャドルの下では、イラン女性の「改革」が確実に進んでいる。 【テヘランで小倉孝保】
 ■カラーグラスが流行
 最近、高校生や女子大生を中心に流行しているのがカラーグラスだ。テヘラン北部のショッピングセンターの眼鏡店では、高校生のサロメさん(16)とサハルナズさん(16)が次から次へと鏡をのぞき込み色鮮やかなサングラスを試していた。「青いのを一つ持っているが、ピンクのも欲しい」とサロメさん。今年の流行色はピンクと紫で、夏場を前に飛ぶように売れているという。
 イスラム革命以後、「男性の目をひくファッションは反イスラム的」とする風潮ができた。特に肌や頭髪は男性を惑わすと考えられ、外出時に一部でも頭髪が見えたら逮捕されるほどだった。97年の大統領選では「保守派が勝ったら化粧が禁止される」とのうわさも流れ、女性の多くがハタミ大統領に投票した。
 ハタミ政権の誕生で取り締まりは緩やかになった。スカーフとコート、チャドルで全身を覆ってはいるが、髪の半分以上が出ていたり、コートのそでを折り曲げて腕を出す女性も珍しくない。
 ■マネキンも復活
 テヘランで一番の高級ショッピングセンター「サファビー」のブティックはどこも女性でいっぱいだ。背中の大きく開いたドレスやカラフルなミニスカートも並ぶ。ブティック店長、ハディさん(34)は「革命後も結婚式などで、女性たちはこうした洋服を着ていた。今はちょっとしたホームパーティー用にも買っていく。チャドルの下で、女性たちは派手な洋服で着飾っている」と話す。
 ブティックでは、女性の体を想像させるとの理由で革命後に撤去されたマネキンも再登場した。マネキンの髪を露出するのにはまだ抵抗があるようで、頭部のないマネキンが主流だ。
 洋服をオーダーメードする女性も増えている。服飾デザイナー、タバナさん(42)の事務所には日に数人、若い女性が外国のファッション雑誌片手に「同じ服を」と注文に来る。人気はイタリア、フランスなど欧州と日本、レバノンなどの雑誌。外国雑誌は輸入規制が厳しく密輸品だ。タバナさんは「今年はロングスカートが流行。シャツはノースリーブに人気が集まっている」と話す。
 ■整形手術も盛んに
 髪型の流行も外国雑誌のモデルをまねたものが多いという。今年はショートカットがはやり。また、3年ほど前から顔を整形する女性が急増している。特に、鼻を細くする手術が人気で、価格は500万リアル(約7万5000円)〜1000万リアル。しわ取りや胸を豊かにする手術も盛んになってきた。
 取材に同行してくれた服飾会社の営業担当、ゴルガニさん(31)は「イランの女性は革命後、社会的に活躍する機会が減った。旅行にもあまり行けなくなった。だから、関心はおしゃれとおいしいものに集まった。ハタミ大統領の誕生でこの興味に火がついた」と説明した。[2001-05-14-12:10] 428
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 05/14@<カットオフ条約>ジュネーブで専門家を招いて研究会 日本(毎日新聞)

 【ジュネーブ大木俊治】兵器用核分裂性物質の生産を禁止する「カットオフ条約」の早期交渉開始を目指し、日本政府は14〜15日、ジュネーブで各国の専門家を招いて研究会を開く。条約交渉の舞台となる軍縮会議(ジュネーブ)が米国と中露の対立などで停滞しており、改めて各国の意識を喚起するのが狙い。しかし、中露は研究会への専門家の参加さえ辞退し、前途は依然として多難だ。
 研究会はオーストラリアとの共催。日米欧のほかインド、パキスタン、南アフリカなどの専門家を交え、核分裂性物質の定義や禁止対象、検証方法などを議論する。
 昨年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、軍縮会議で同条約の交渉を早急に開始することで合意した。しかし宇宙空間での軍備競争防止に関する条約交渉も同時に始めるべきだとする中露と、これに反対する米国との対立などで、軍縮会議は交渉開始の準備作業もできない状態。今回の研究会も、軍縮会議の枠外で行われる。
 カットオフ条約は、すでに調印された核実験全面禁止条約(未発効)と並んで核軍備競争停止の両輪と期待される。しかし対象となる物質の範囲や既に生産された貯蔵用物質も対象にするかなどで議論が分かれている。[2001-05-14-11:45] 434
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 05/14@バスク州議会選挙、穏健派勢力が勝利(読売新聞)

 【パリ14日=池村俊郎】独立運動が続くスペイン北部バスク自治州の州議会(定数七五)選挙の投開票が十三日行われ、過去二十一年にわたり州政府を担ったバスク国民党(PNV)を中心とする穏健派バスク民族主義勢力が三十三議席を獲得した。
 テロ組織「バスク祖国と自由」(ETA)に近い「我らバスク市民」(EH)は議席を半分の七へと減らした。投票率は78%を記録した。[2001-05-14-10:30] 437
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 05/14@<スペイン>バスク自治州の州議選で、与党の穏健民族派が勝(毎日新聞)

 【パリ福島良典】13日に投票されたスペイン北東部バスク自治州の州議会(75議席)選挙は即日開票の結果、79年末の自治開始以来一貫して州政府与党の穏健民族派・バスク民族主義党が事前予想を上回る支持で第1党の座を保ち、勝利した。独立を求めテロ活動を続ける武装組織の関連政党は議席が半減、反テロを掲げる中央政府与党の国民党も伸び悩んだ。
 開票率99・7%の選管発表によると、バスク民族主義党は分派のバスク連帯党と合わせて改選前勢力(27議席)に6議席上積み、33議席を獲得した。しかし過半数の38議席には届かず、他党との連立協議に入る。
 一方、武装独立組織「バスク祖国と自由」(ETA)に強圧策で臨むアスナール首相の国民党と、反バスク民族主義派のアラバ連合による統一名簿は、わずか1議席増の19議席で第2党。反テロで国民党と共闘するバスク社会主義党は改選前勢力(14議席)から1議席減らした。
 選挙戦終盤にはETAのテロが続発し、ETAの政治部門「我らバスク市民」は改選前の14議席から7議席へ勢力半減を強いられた。バスク住民はETAのテロにも、中央の自治州支配にもノーを突き付けた形だ。
 投票率は過去最高の78%だった。[2001-05-14-09:15]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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