最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(03/09, 2001)


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◆ 03/01@<ユーゴ>英国に亡命中の王族の市民権復活(毎日新聞)
◆ 03/01@ミロシェビッチ前大統領、10日までに逮捕か(読売新聞)
◆ 03/01@<ボスニア>民族同盟側がクロアチア人の連邦離脱を一方的に(毎日新聞)
◆ 03/01@<ユーゴ>金塊売却疑惑で前大統領捜査へ 訴追初の法的動き(毎日新聞)
◆ 03/01@ユーゴ前大統領の捜査命令 金売却疑惑で検察当局(共同通信)
◆ 03/01@ロシアが対韓債務の一部を戦車などで現物弁済(読売新聞)
◆ 03/01@<アフガニスタン>仏教遺跡バーミヤンなどを破壊 タリバン(毎日新聞)
◆ 03/01@ファシスト呼ばわりで論争 ベルギー外相とイタリア(共同通信)
◆ 03/01@彫像の破壊開始と言明 タリバン情報文化相(共同通信)
◆ 03/01@NMDは中国の核軍拡加速 防衛研究所が戦略概観(共同通信)
◆ 03/01@イラク制裁を軍事に限定 米、民生除外の緩和方針(共同通信)
◆ 03/01@日本は正しい歴史認識を 独立運動記念日で金大統領(共同通信)
◆ 03/01@◎世界人口、2050年に93億人に=日本は約1780万人(時事通信)
◆ 03/01@<北京観察>盾と矛 「慎重に」米に対抗 (毎日新聞)
◆ 03/02@<コソボ>アルバニア系住民指導者が緩衝地帯の面積削減に反(毎日新聞)
◆ 03/02@<ユーゴ>ミロシェビッチ前大統領の支持者が24時間警護(毎日新聞)
◆ 03/02@◇スイス、4日にEU加盟交渉の国民投票 政府は反対◇(朝日新聞)
◆ 03/02@<タリバン>石仏破壊は国際社会への「報復」 自ら「絶縁状(毎日新聞)
◆ 03/02@台湾当局、漫画家の小林よしのり氏を入境禁止に(読売新聞)
◆ 03/02@<台湾>小林よしのり氏の入境禁止 「歴史事実をわい曲」と(毎日新聞)
◆ 03/02@アチェで市街戦、3人死亡(共同通信)
◆ 03/02@アフリカ連合発足を宣言 OAU特別首脳会議が開幕(共同通信)
◆ 03/02@<記者の目>湾岸戦争終結から10年 布施広(北米総局)(毎日新聞)
◆ 03/03@<ユーゴ連邦>前大統領の逮捕が秒読みに 自殺の憶測も(毎日新聞)
◆ 03/03@<コソボ>総選挙「今年10月には」 全欧安保協力機構代表(毎日新聞)
◆ 03/03@<イタリア>EU内で極右政党を含む連立政権誕生を警戒する(毎日新聞)
◆ 03/03@タリバンの孤立が引き金に 危機の世界的文化遺産(共同通信)
◆ 03/03@<狂牛病>独の処分牛肉を北朝鮮へ 北朝鮮側が条件受け入れ(毎日新聞)
◆ 03/03@アフリカ連合創設を決議 OAU特別首脳会議閉幕(共同通信)
◆ 03/03@日常生活での差別認める 日本が差別撤廃委に報告(共同通信)
◆ 03/03@京都議定書問題など協議 G8環境相会議が開幕(共同通信)
◆ 03/03@<韓露首脳会談>ロシアから韓国へ武器供与合意の背景は?(毎日新聞)
◆ 03/03@<eye>伊サッカー 熱狂的サポーター「ウルトラ」(毎日新聞)
◆ 03/04@<ボス二ア>クロアチア人強硬派の連邦離脱を公式宣言 情勢(毎日新聞)
◆ 03/04@<学校と私>国際問題評論家 北沢洋子さん(毎日新聞)
◆ 03/04@<英国>BBC前でタクシー爆発 北アイルランド・テロか(毎日新聞)
◆ 03/04@<特報・差別雇用>まるで奴隷 2年半休日なし 被害者が訴(毎日新聞)
◆ 03/04@<特報・差別雇用>訴訟担当のガルベド弁護士に問題の背景を(毎日新聞)
◆ 03/04@<特報・差別雇用>ジュネーブ在勤国連職員が 使用人に性暴(毎日新聞)
◆ 03/04@モロ解放戦線指導者「住民投票実現なら闘争放棄も」(読売新聞)
◆ 03/05@<マケドニア>コソボ自治州との全国境を封鎖(毎日新聞)
◆ 03/05@<バーミヤン遺跡>タリバンからの買い取りも考慮 ギリシャ(毎日新聞)
◆ 03/05@◎マケドニア、対コソボ国境を封鎖=緩衝地帯設置を国連に要(時事通信)
◆ 03/05@◇タリバーン、国連特使の仏像保護要請を拒否◇(朝日新聞)
◆ 03/05@3月6日付・編集手帳(読売新聞)
◆ 03/05@今後も積極的に難民支援 首相が国連高等弁務官に(共同通信)
◆ 03/05@<アフガン>タリバン最高指導者、仏像破壊継続を鮮明に(毎日新聞)
◆ 03/05@土井氏、非核地帯化を提唱 社会主義インター始まる(共同通信)
◆ 03/05@◇「つくる会」歴史教科書、137カ所の修正受け入れ◇(朝日新聞)
◆ 03/06@<開かれた新聞>苦情と委員の意見 「アジア系外国人」の表(毎日新聞)
◆ 03/06@◎人体への影響に否定的見解=劣化ウラン弾問題でEU専門家(時事通信)
◆ 03/06@◎3日連続で戦闘発生=マケドニア・コソボ国境地帯(時事通信)
◆ 03/06@<コソボ>アルバニア系ゲリラがマケドニアから撤退開始 (毎日新聞)
◆ 03/06@<劣化ウラン弾>バルカン半島駐留兵士の健康に影響なし 欧(毎日新聞)
◆ 03/06@<韓国慶尚北道>島根県知事の竹島発言に反発、交流中止=替(毎日新聞)
◆ 03/06@中国、イラク防空網の建設関与を否定(読売新聞)
◆ 03/06@◇口蹄疫、欧州のイスラム社会直撃 祭りに欠かせぬ羊高騰◇(朝日新聞)
◆ 03/06@歴史教科書不合格を要求 外交問題に発展も 中国外相記者会(共同通信)
◆ 03/06@◇バーミヤン大仏の4分の1を爆破 タリバーン大使◇(朝日新聞)
◆ 03/06@公民も大幅修正、合格へ 「つくる会」教科書(共同通信)
◆ 03/06@◇タリバーンと反対勢力招き和平呼びかけへ 外務省◇(朝日新聞)
◆ 03/06@<特報・教科書>韓国併合「植民地」盛る つくる会が2次修(毎日新聞)
◆ 03/07@マケドニアに紛争波及 コソボ州境、軍事行動も(共同通信)
◆ 03/07@◎米大統領、6月に欧州初訪問=スウェーデンでEUと首脳会(時事通信)
◆ 03/07@ユーゴ軍の国境展開を検討 NATO事務総長(共同通信)
◆ 03/07@テロリスト掃討と宣言 マケドニア、軍事作戦も(共同通信)
◆ 03/07@10日に停戦合意に署名 セルビア南部の衝突(共同通信)
◆ 03/07@米次期国連大使にネグロポンテ氏、大統領が指名(読売新聞)
◆ 03/07@中露、友好条約を締結へ(読売新聞)
◆ 03/08@◎非武装地帯にユーゴ軍展開へ=NATOが初の承認(時事通信)
◆ 03/08@◎コソボ駐留米軍がマケドニアへ進駐=初の域外行動、村を解(時事通信)
◆ 03/08@<ボスニア>民族強硬派の幹部を更迭 強硬派が反発か(毎日新聞)
◆ 03/08@北朝鮮政府代表団が訪ロへ(共同通信)
◆ 03/08@<コソボ情勢>ユーゴ軍兵士3人が地雷で死亡(毎日新聞)
◆ 03/08@KFORがアルバニア系武装組織と交戦(読売新聞)
◆ 03/08@クロアチア人代表を解任 ボスニア幹部会 (共同通信)
◆ 03/08@マケドニア支持で一致 仏ロ首脳が電話会談(共同通信)
◆ 03/08@予算不足で装備に支障(共同通信)
◆ 03/08@セルビアでの裁判容認 ユーゴ前大統領の戦犯法廷(共同通信)
◆ 03/08@◇コソボ・マケドニア国境付近で国際部隊と武装勢力が交戦◇(朝日新聞)
◆ 03/08@◎金塊720キロを違法売却=前大統領側近が関与か−ユーゴ(時事通信)
◆ 03/08@大仏破壊作業を再開へ タリバン外相が言明(共同通信)
◆ 03/08@不毛の紛争、避難民残す エリトリア国境の町(共同通信)
◆ 03/08@米大統領、金総書記への不信明言(読売新聞)
◆ 03/08@中南米系が黒人とほぼ同数(共同通信)
◆ 03/08@マチュピチュ壊滅の危機 佐々教授が地滑り危険予測(共同通信)
◆ 03/08@◇目前だった米朝ミサイル凍結合意 破格の条件もうたかた◇(朝日新聞)
◆ 03/08@◇アフガン・イスラム勢力の仏像破壊を非難 国連安保理◇(朝日新聞)
◆ 03/08@◇ローマが「天才児」獲得、中田のライバルに セリエA◇(朝日新聞)
◆ 03/09@◇マケドニア・コソボ国境で戦闘、紛争拡大の懸念強まる◇(朝日新聞)
◆ 03/09@<マケドニア>コソボとの国境地帯で新たに銃撃戦 警官1人(毎日新聞)
◆ 03/09@<ロシア>イワノフ外相が今月後半にバルカン諸国訪問(毎日新聞)
◆ 03/09@◇セルビア「安全地帯」へのユーゴ軍展開を許可 NATO◇(朝日新聞)
◆ 03/09@◎マケドニア警察車列を攻撃=アルバニア系武装集団のテロ拡(時事通信)
◆ 03/09@<NATO>コソボ緩衝地帯でのユーゴ軍の監視活動認める(毎日新聞)
◆ 03/09@慰安婦制度を国連で告発 女性国際戦犯法廷(共同通信)
◆ 03/09@武装組織を村から追放 マケドニア北部(共同通信)
◆ 03/09@NATO部隊を批判 ユーゴ大統領(共同通信)
◆ 03/09@◎武装集団襲撃で警官2人死傷=マケドニア(時事通信)
◆ 03/09@週末にもユーゴ軍再展開へ 停戦合意受け非武装地帯に(共同通信)
◆ 03/09@マケドニア側非軍事地帯にユーゴ軍展開認める(読売新聞)
◆ 03/09@◎米軍がアルバニア系武装集団拠点制圧=マケドニアには越境(時事通信)
◆ 03/09@◇マケドニア・コソボ国境で戦闘、紛争拡大の懸念強まる◇(朝日新聞)
◆ 03/09@イタリア総選挙、与野党伯仲で予断許さず (読売新聞)
◆ 03/09@◎アフガン難民に7億円援助=国連通じ緊急支援−政府(時事通信)
◆ 03/09@<中国>イラク軍への中国人協力で、中国系企業に作業停止命(毎日新聞)
◆ 03/09@◇石原都知事の「差別発言」に批判 国連委◇(朝日新聞)
◆ 03/09@科目名は「韓国語」に決定 来年のセンター試験導入(共同通信)
◆ 03/09@石原東京都知事の「三国人」発言に懸念 差別撤廃委の対日審(共同通信)
◆ 03/09@中国がイラク支援中止 光ファイバー問題で(共同通信)
◆ 03/09@<イタリア>上下両院解散、5年ぶりの総選挙へ 財政再建焦(毎日新聞)
◆ 03/09@10日以内にロがEUに提案 カリーニングラード州問題(共同通信)
◆ 03/09@<クローズアップ>検定教科書 「中韓」部分を大幅修正(毎日新聞)
◆ 03/09@◇民族抗争でカリマンタンから5万人脱出 インドネシア◇(朝日新聞)
◆ 03/09@<記者の目>グローバル化の中の移民 笠原敏彦(ロンドン支(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 03/01@<ユーゴ>英国に亡命中の王族の市民権復活(毎日新聞)

 【ウィーン28日福井聡】ユーゴスラビア連邦議会は27日、社会主義政権時代に制定された、カラジョージッチ王家の市民権を剥奪した法律を圧倒多数の賛成で廃止した。王家の子孫は現在、英ロンドンで亡命生活を続けており、今後は自由に帰国できる。また、亡命以前の資産を王家に返還する法案も近く上程される。
 ベオグラードからの報道によると、王族の市民権剥奪法は1947年、社会主義政権下で制定され、昨秋樹立されたユーゴ新政権はこの日の廃止決定で共産主義の過去を断ち切ったとしている。
 カラジョージッチ王家のペーター2世と一族9人はナチス侵攻に先だつ41年、ロンドンに亡命、第二次大戦後の共産政権樹立で帰国を禁じられ、亡命生活を続けた。同2世は亡くなったが、45年にロンドンのホテルで生まれたアレクサンダー王子は健在で、ユーゴへの帰還永住を計画している。
 ミロシェビッチ前大統領は、王家の資産だったホワイト・パレスを公邸に使っていたが、国内に点在する王家の資産は近く上程される法案成立後に返還される。
 ユーゴ国内に王政復古の具体的な運動はないが、この問題を国民投票に問うべきとする声はある。ただし、同王子は「優先課題はミロシェビッチ政権下で困窮した国民の生活支援で、王政復古ではない」と述べている。[2001-03-01-22:20]
 (正確には「カラジョルジェビッチ」王家−−千田)12
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 03/01@ミロシェビッチ前大統領、10日までに逮捕か(読売新聞)

 【ベオグラード1日=佐々木良寿】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信は二月二十八日、与党「民主野党連合」幹部の話として、ミロシェビッチ前大統領が三月十日までに逮捕される、と伝えた。
 前大統領の捜査を巡っては、ベオグラード市内の高級住宅街デディニェ地区の私邸不正購入疑惑に関する証拠収集が進んでいるというが、同幹部は、「前大統領には、不正蓄財のほか、要人暗殺事件への関与など重大容疑がある」とし、「司法当局は具体的物証のほか、前体制中枢の人物の証言もある」としている。
 一方、セルビア検察当局は二月二十八日、前大統領が国家保有の金を国外で売りさばき、外国の企業名義の口座に振り込んでいた疑いがある、とする一部報道に関して、警察に詳細を調査するよう指令を出したことを明らかにした。
 前大統領による金売却疑惑は、地元紙などがスイス誌の報道を引用して伝えたもので、前大統領が民衆蜂起で権力の座を追われるきっかけとなった連邦大統領選挙直前の昨年九月二十一日から同十一月はじめにかけて、ベオグラードからスイスに数回にわたって総重量百七十三キロの金が移送され、売却後の百八万ドル(約一億二千万円)がギリシアとキプロスの企業の口座に振り込まれ、スイス税関当局が前大統領一族が関係しているとの見方を強めている、としている。
 同疑惑の調査指令は、前大統領の国内訴追に向けた公式捜査開始の前段となるもので、検察当局が具体的な指令内容を公表したのは初めて。[2001-03-01-21:07] 14
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 03/01@<ボスニア>民族同盟側がクロアチア人の連邦離脱を一方的に(毎日新聞)

 【ウィーン1日福井聡】ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国(イスラム教徒とクロアチア人によるボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア人共和国で構成)のクロアチア民族同盟指導者ジェラビッチ氏は28日、クロアチア人の同連邦からの離脱を一方的に宣言した。同連邦では、昨年11月の総選挙から3カ月ぶりに先月末、強硬派を排除する形で政権が樹立されたばかり。クロアチア人強硬派はこれに反発する形で独自政府樹立を模索している。
 ボスニア中部ボソバッチャからの報道によると、ジェラビッチ氏は国連旧ユーゴ戦犯法廷がクロアチア人2人に有罪判決を下したことへの抗議集会で「本日からボスニア連邦はイスラム教徒だけのもので、われわれは参加しない。(3民族共存を目指した)デイトン和平合意は無効で、新政権は違法だ」と主張した。
 民族同盟は昨年、「クロアチア国民会議」を設立し、3日にモスタルで開く集会で改めて今後の方針を公表するとしている。
 ボスニア和平を監視・統括するぺトリッシュ和平履行会議上級代表はデイトン合意に反する政治指導者の活動を禁じることができ、民族同盟が独自政府樹立に動けば強行措置の実施が予想される。[2001-03-01-11:05] 15
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 03/01@<ユーゴ>金塊売却疑惑で前大統領捜査へ 訴追初の法的動き(毎日新聞)

 【ウィーン1日福井聡】ユーゴスラビアのベオグラード地検は28日、ミロシェビッチ前大統領が昨秋、金塊173キロをスイスで売却したとの疑惑について、警察に捜査するよう命じた。前大統領の訴追に関して具体的に法的措置が取られるのはこれが初めて。前大統領の側近だった秘密警察の前長官が先週、野党党首の暗殺を指示した疑いで逮捕され、捜査の行方が注目されているが、検察は前大統領本人については当面、不正蓄財がらみの経済犯罪で訴追する方針とみられる。
 スイスの「ファクツ(事実)」誌は先月、ミロシェビッチ前大統領の疑惑について「昨年9月21日から11月2日の間にキプロスとギリシャの会社名でベオグラードからスイスに金173キログラムが送られて売却され、両社の口座に送金された」と報じた。
 独立系ベタ通信などによると、ベオグラード地検は警察に「金売却についてより多くの情報を収集し、報道の中身を確認するよう」命じた。前大統領の関与が立証されれば身柄を拘束して取り調べる。
 国連旧ユーゴ戦犯法廷は同連邦コソボ自治州などでの残虐行為について前大統領を起訴し、ユーゴ政府に強制送還を要求。同政府は国内での訴追が優先されるべきとの立場から送還要求に応じていない。
 国内訴追の容疑としては不正蓄財のほか、ベオグラード市内の高級住宅を不当に低い価格で購入した疑惑も浮かんでいる。検察の捜査はこうした経済犯罪から刑事犯罪、戦犯犯罪に向かうとみられている。[2001-03-01-09:55] 16
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 03/01@ユーゴ前大統領の捜査命令 金売却疑惑で検察当局(共同通信)

 【ウィーン28日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ベオグラード検察当局は二十八日、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領が国家保有の大量の金をスイスで売却したとの疑惑について、正式捜査を開始するよう地元警察に命令したと発表した。
 前大統領の不正蓄財などで当局が公式に捜査着手を認めるのは初めて。
 ユーゴやスイスのメディアは、前大統領が国の金約百七十三キロをスイスで売却して得た資金をギリシャとキプロスの企業に送金していたと報じていた。売却と送金は前大統領が失脚した昨年十月前後に行われたという。
 前大統領はスイス、ギリシャ、キプロスに隠し口座や架空の企業を持っていると言われている。
 また、コシュトニツァ・ユーゴ連邦大統領のセルビア民主野党連合(DOS)筋は二十八日、ミロシェビッチ前大統領の逮捕期限が三月十日だと述べた。(了)[2001-03-01-07:59] 279
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 03/01@ロシアが対韓債務の一部を戦車などで現物弁済(読売新聞)

 【モスクワ1日=花田吉雄】タス通信は二月二十八日、ロシアのプーチン大統領の韓国訪問の際の韓国側との交渉で、総額七億ドル(約八百十九億円)相当のロシア製戦車(T90)と攻撃ヘリコプター(Ka52K)を売却する方向で合意したと伝えた。売却額の半額は十八億ドルにのぼる旧ソ連時代の対韓債務返済に充てられる可能性があるという。
 韓国側の代表団が今春、モスクワを訪問して詰めの交渉を行う。ロシアは韓国に対し、兵器売却や、旧ソ連の技術で建設された北朝鮮の火力発電所の修理を肩代わりし、対韓債務返済の一部に回すことを韓国政府に提案している。[2001-03-01-23:09] 283
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 03/01@<アフガニスタン>仏教遺跡バーミヤンなどを破壊 タリバン(毎日新聞)

 【イスラマバード支局1日】アフガニスタンの国土の9割を支配するイスラム原理主義勢力タリバンのジャマル情報相は1日、同国中部の仏教遺跡バーミヤンの石窟(せっくつ)群を含む、国内のすべての彫像の破壊に着手したと語った。国連のアナン事務総長が同国の仏教遺跡を「人類共通の文化遺産」として保護を求める声明を発表したばかりで、世界的な反発を招くのは必至とみられる。
 AP通信などによると、同相は「国内のすべての彫像が、あらゆる手段で破壊される」と述べ、首都カブールをはじめバーミヤン、ヘラートなど国内各地で一斉に破壊作業に着手したことを明らかにした。カブールの博物館にある古い彫像なども破壊対象という。
 タリバン最高指導者のオマル師は2月26日、仏像などの偶像崇拝はアラーを唯一の神として崇拝するイスラム教の教えに反するとして、すべての彫像の破壊を命じた。
 バーミヤンには6世紀から9世紀にかけ建立され、世界最大といわれる石仏(高さ55メートル)を含む2体の巨大石仏など、世界的に貴重な仏教遺跡群が残っている。この巨大石仏もタリバンの破壊対象になっているため、アナン国連事務総長のほか、タイなどアジアの仏教国も、タリバンに対し自制を求めていた。
 戦略上の要衝でもあるバーミヤンを巡っては、タリバンと反タリバン連合が激しい争奪戦を繰り返してきた。反タリバン側は2月14日、バーミヤン奪還を発表。これに対し17日には再びタリバン側が奪い返したとされる。
 タリバンは1997年にも巨大石仏の爆破を宣言。98年には戦闘で小さい方の巨大石仏が被弾し、一部が破損したと伝えられた。
 パキスタン外務省は1日、在日大使館を通してアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンがすべての彫像の破壊を決定したことについて「世界的な文化遺産の一部である彫像や遺跡を全面的に保護するよう、同国政府に訴える」との声明を発表した。
 パキスタンはアラブ首長国連邦、サウジアラビアとともに、タリバンをアフガンの正式な政権として承認している。[2001-03-01-22:20] 290
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 03/01@ファシスト呼ばわりで論争 ベルギー外相とイタリア(共同通信)

 【ブリュッセル1日共同】四月下旬から五月半ばに実施予定のイタリア総選挙を前に、ベルルスコーニ元首相率いる右派連合をベルギーのミシェル外相がファシスト呼ばわりし、イタリア側の猛反発を招いている。
 右派野党連合の「自由の家」にはベルルスコーニ氏のフォルツァ・イタリア、北部各州の自治拡大を目指す北部同盟などが参加、選挙勝利が有力視されている。
 ミシェル外相はボッシ北部同盟党首をファシストと決めつけ、ベルルスコーニ内閣が成立すれば「オーストリアに対するのと同じ措置をとることになろう」と警告した。
 欧州連合(EU)加盟十五カ国のうち十四カ国は昨年、オーストリアでハイダー氏が率いる極右政党、自由党が参加する連立政権の成立を受け、外交関係制限などの制裁を実施、EU内部関係が緊張した。
 ミシェル外相に対し、ベルルスコーニ氏は「あからさまな内政干渉」と反発。中立系のコリエレ・デラ・セラ紙も「欧州にとっては(北部同盟を含む政権よりも)他国に対する干渉の方が大きな脅威」と論評するなど、論争はEUと加盟各国の関係のあり方を問うものに発展しそうだ。(了)[2001-03-01-20:46] 299
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 03/01@彫像の破壊開始と言明 タリバン情報文化相(共同通信)

 【ニューデリー1日共同】アフガニスタンからの報道によると、同国の国土の大半を支配するイスラム原理主義勢力、タリバン政権のジャマル情報文化相は一日、同国中部バーミヤン仏教遺跡の石窟(せっくつ)群など、同政権が国内に存在するすべての彫像の破壊を開始したと語った。
 タリバンの最高指導者ムハマド・オマル師が偶像崇拝を認めないイスラム教の教えに反するとして、仏像などの破壊を命じる布告を二月二十六日出したことに伴う措置。
 同相は「破壊作業は始まった。あらゆる手だてを使い、すべてを破壊する」と述べた。作業には宗教上の取り締まりをする警察のほか、タリバン兵士も従事しているという。
 今回の破壊命令については、六世紀から九世紀にかけ建立されたとされ、世界的に知られるバーミヤン石窟群の大仏立像も対象となっているため、国連のアナン事務総長や国連教育科学文化機関(ユネスコ)が懸念を表明、アジア各国も仏教国を中心に、タリバン政権に対し自制を訴えていた。
 バーミヤンの石窟群だけでなく、カブールの博物館に保管されている古い彫像なども、破壊の対象にされているという。(了)[2001-03-01-18:59] 305
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 03/01@NMDは中国の核軍拡加速 防衛研究所が戦略概観(共同通信)

 防衛庁防衛研究所は一日、朝鮮半島など日本周辺の軍事情勢を分析した年次報告書「東アジア戦略概観2001」を公表した。
 米国が推進する米本土ミサイル防衛(NMD)については「中国は今後も大陸間弾道ミサイル(ICBM)戦力を増強していくとみることができるが、NMD配備はそのテンポを速める危険性をはらんでいる」と指摘。NMDに関する米中間の戦略協議の必要性を強調している。
 朝鮮半島情勢については、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が「開放に伴う国内の変化と支配体制の維持とのバランスをとる難しいかじ取りを迫られている」とした上で、大規模な軍事演習実施と併せて総合的に判断すれば「短期間に平和と安定の構造へと転換するという期待を抱くことはできず、先行きは不透明だ」と指摘した。
 また情報技術(IT)の発展に伴う「軍事技術革命(RMA)」が起こりつつあり、米国だけでなく中国、ロシアも対応を模索しているとした。ただ一部にRMAが進展した場合、米軍の東アジアでの兵力が削減されるとの見方があることについては「米軍の戦力が政治的な意味をもっていることなどを考慮すると、大幅に縮小されることはない」との見通しを示した。
 今回から独立の章とした「日本の防衛政策」では、空中給油機導入に関連し「日本の戦闘機の対地攻撃能力は限定的であり(導入で)行動半径が広がったとしても周辺諸国に攻撃的脅威を与えるものではない」と強調している。(了)[2001-03-01-17:01] 306
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 03/01@イラク制裁を軍事に限定 米、民生除外の緩和方針(共同通信)

 【ワシントン1日共同】ブッシュ米政権は二月二十六日の湾岸戦争終結十周年を機に、従来の包括的な経済制裁がフセイン・イラク大統領の封じ込めに効果を上げていないと判断、今後は大量破壊兵器の開発阻止に限定した軍事制裁に転換する新方針を決めた。米側は「政策の転換」(バウチャー国務省報道官)としている。
 これまでのイラク戦略の行き詰まりを認める新方針は、パウエル国務長官が先月末の中東・欧州歴訪で、各国首脳らに明らかにした。核、化学、生物兵器やミサイル開発など大量破壊兵器に必要な軍需物資、軍民両用物資を厳しい制裁対象とし一般市民用の民生物資を制裁外とする中身だ。
 十年を超す包括的な制裁に国際社会の支持が消えたことと、制裁の犠牲になっているイラク市民の救済が理由。こうした状況を踏まえてフセイン体制の封じ込めを貫くには、今回の新方針以外に道はない、とバウチャー国務省報道官は説明している。
 だが、軍民両用物資の中で大量破壊兵器に必要な物資の特定は難しい。例えば、高性能コンピューターは軍事転用可能だが、具体的な禁制リストはまだできておらず、軍用に使われていないことを保証する厳しい現地査察をイラクが受け入れるかどうかも不明だ。
 米国は新たな制裁体制を決める国連安保理決議を春までに採択したい方針で、焦点は迅速な制裁解除を求めるロシアやフランス、中国の動向。大量破壊兵器の開発阻止では一致しているが、軍民両用物資をどこまで禁制とするか、査察の度合いなどで米国の意向と隔たりが予想される。
 一方でイラクが最近シリア経由で日量最大二十万バレルの原油を密輸出していることも判明、制裁体制はますます崩れている。一般用民生物資の制裁解除が実現した場合、フセイン大統領が軍の再建を進め支持基盤を強めることも予想される。(了)[2001-03-01-16:21] 316
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 03/01@日本は正しい歴史認識を 独立運動記念日で金大統領(共同通信)

 【ソウル1日共同】韓国の金大中大統領は一日、一九一九年に日本の植民地支配に抵抗して起きた「三・一独立運動」の記念式の演説で「日本が正しい歴史認識を持ち、近隣諸国と未来志向的な友好関係をより発展させるための努力を傾けるよう期待する」と述べた。
 金大統領の発言は、検定中の中学歴史教科書の一部が、植民地支配を正当化する内容となっているとされる問題で、日本政府の誠意ある対応を求めたとみられる。金大統領にとって「三・一独立運動」の記念演説は就任以来四回目だが、日本との歴史問題に踏み込んで言及したのは初めて。
 今回の教科書問題について韓国政府は二月二十八日、李廷彬・外交通商相が寺田輝介・駐韓日本大使に遺憾の意を伝えており、金大統領の今回の演説と合わせ、日本政府は厳しい対応を迫られることになった。
 一方、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係について金大統領は「改革・開放へ向かう(北朝鮮の)努力を積極的に支援しなくてはならない」と指摘、「金正日総書記の訪韓や(工事中の)京義線の復元が実現すれば、南北関係は大きく進展しよう」と期待感を表明した。(了)[2001-03-01-11:24] 333
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 03/01@◎世界人口、2050年に93億人に=日本は約1780万人(時事通信)

 【ニューヨーク28日時事】国連経済社会局人口部は28日、世界人口が2000年央の61億人から、2050年には93億人に達するとの予測を発表した。
 同部の予測によると、開発途上諸国の人口が着実に増加し、2000年の49億人から2050年に82億人に増加。出生率の低下と平均寿命の上昇で世界的に高齢化がさらに進み、60歳以上人口が2000年の6億600万人から2050年には20億人近くに急増するとされる。
 一方、2000年に約1億2700万人だった日本の人口は50年後には約1780万人減(約14%減)の約1億920万人と見込まれており、減少数としてはロシア(約4120万人減)、ウクライナ(約1960万人減)に次いで3番目に高い数字。また、2045〜50年の平均寿命予測で日本は88.0歳でトップとなっている。 [時事通信社][2001-03-01-06:45] 335
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 03/01@<北京観察>盾と矛 「慎重に」米に対抗(毎日新聞)

 米国のブッシュ新政権と中国とのさやあてが始まった。米政府が2月26日に中国の人権状況を非難する報告書を発表、来月開かれる国連人権委員会への中国非難決議の提出を決めると、中国政府は翌27日に「2000年米国の人権記録」を公表して「米の民主主義は神話」などと皮肉った。
 米英両軍によるイラク空爆に絡み、中国がイラクの防空設備改善に協力していたとの疑惑が米側から持ち出され、中国は「空爆への国際的批判から目をそらさせようとするもの」と反発する。ブッシュ政権が米本土ミサイル防衛(NMD)推進を強く打ち出していることへの警戒感も根強い。
 しかし、中国の対応はこれまでのところ、極めて慎重だ。イラクへの協力疑惑にも「調査はしてもいい」(中国外務省)と米側の要求に応じる構えを見せる。
 NMDについては2月20日の記者会見で外務省スポークスマンが「米国を含むあらゆる国家と討論したい」と米国との協議を望むような見解を示した。真意は不透明だが、「絶対反対」というこれまでの姿勢から考えれば、大きな方針転換のようにも映る。人権問題でも米国の非難に反発する一方で、国際人権A規約を批准した。
 「中国の視点をもっと世界に向けて発信せよ」。北京のマスコミ関係者によると、江沢民国家主席の口ぐせの一つだそうだ。確かに以前に比べると、政府機関が開く記者会見や、公表する白書は大幅に増えた。
 米国流の価値観押し付けに対するアンチテーゼの色彩が強い。同27日には国務院に新設された「邪教(カルト)問題防止・処理弁公室」が内外記者会見を開き、気功集団「法輪功」への弾圧批判に反論した。
 海南島(省)のリゾート地、博鰲(はくごう)で同日、「博鰲アジア・フォーラム」の設立大会が開かれた。「アジア版ダボス会議」を目指す会議も米国主導のグローバル化への対抗軸形成の狙いがうかがえる。
 表舞台の発言だけを聞いていると、「米国に挑戦する中国」という構図にも見える。しかし、「唯一の超大国である米国とは対抗しない」(外務省高官)という中国の本音は変わらない。実力ではまだまだ及ばないという認識もある。
 そこで現実の外交では、状況に応じた妥協、譲歩を重ねる。今年は悲願である2008年の夏季五輪招致問題を抱える。中国を競争相手と見るブッシュ政権の登場で米中関係の悪化を予測する声もあるが、序盤戦では緊張回避を優先する中国の姿勢が目立つ。 【中国総局・坂東 賢治】[2001-03-01-03:05]
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 03/02@<コソボ>アルバニア系住民指導者が緩衝地帯の面積削減に反(毎日新聞)

 【ウィーン2日福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州のアルバニア系住民の指導者は2日までに、北大西洋条約機構(NATO)が同連邦セルビア共和国との州境に設定された緩衝地帯(長さ400キロ、幅5キロ)の面積を減らす決定を下したことに反発、「治安悪化につながる」と逆に拡大を要求した。3日からアルバニア系住民、セルビア人代表の直接和平交渉が始まるが、双方の主張は食い違ったままだ。
 コソボからの報道によると、穏健派「コソボ民主同盟」のルゴバ議長と、急進派「コソボ民主党(旧コソボ解放軍)」のタチ議長は「緩衝地帯が狭くなれば、セルビア軍がより迫ってくることになり、コソボ住民にとってもNATO兵士にとっても危険が増す。拡大すべきだ」と主張し、NATO提案に反対する宣言文に調印した。両派が政策で一致するのは異例。
 緩衝地帯の面積削減に対するアルバニア系側の反発が激しいため、NATOは削減実施には踏み切っていない。
 一方、コソボ南側のマケドニアとの国境地域でも、「コソボ国民軍」と名乗るゲリラ部隊の対マケドニア攻撃が活発化しており、人口210万人の3分の1に上るアルバニア系住民を抱えるマケドニア政府は対応に苦慮している。
 緩衝地帯は1999年6月、NATO空爆終了直後に国連安保理が州境地帯に設定し、セルビア軍の入域を禁じたが、セルビアに樹立された民主政権は「緩衝地帯をアルバニア系ゲリラが占拠し、そこを拠点にセルビア側に攻撃を仕掛けている」と主張し、NATOに廃止を要請してきた。[2001-03-02-20:30] 10
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 03/02@<ユーゴ>ミロシェビッチ前大統領の支持者が24時間警護(毎日新聞)

 【ウィーン2日福井聡】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ前大統領の支持者は1日、ベオグラード市内の前大統領邸前で、前大統領の警護を24時間態勢で開始した。ベオグラード地検が前日、前大統領の不正蓄財に関する捜査を警察に指示するなど前大統領逮捕への動きが進んでいることに対する措置といえる。
 前大統領が党首を務める社会党や、マルコビッチ夫人が党首を務めるユーゴ左派の支持者ら約50人で、「(前大統領への)嫌疑が晴れるまで続ける。もし逮捕されれば、少なくとも6万人が駆け付け、ユーゴで内戦が勃発する」と述べ、前大統領の身柄引き渡しに反対している。[2001-03-02-20:05] 222
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 03/02@◇スイス、4日にEU加盟交渉の国民投票 政府は反対◇(朝日新聞)

 スイスで欧州連合(EU)加盟について、EUとただちに交渉を開始することの是非を問う国民投票が4日に行われる。EU志向の強い市民団体が交渉開始を求めた10万6000人の署名を提出したのを受けたものだ。主要4政党の賛否は分かれているが、政府は時期尚早として反対の立場だ。否決の可能性が高く、問題は票数。賛成票が4割にも達しない場合、スイスのEU加盟への道は大幅に遠のきそうだ。
 スイスは昨年5月、EUとの一括通商協定を国民投票にかけ約3分の2の圧倒的な賛成で承認された。この結果、人の往来の自由化などにより双方の経済、社会的な結びつきがより深まることになった。スイス国民の間では、当面は通商協定の実施状況をみて、将来の加盟の是非を考えようという空気が強い。このため政府は基本的にはEU加盟の方針を維持しつつ、まず国連加盟を果たし、その次のステップとしてEU加盟を提起する段取りだ。
 連立与党を組む主要4政党のうち、社会民主党とキリスト教民主党は賛成の方針。ただキリスト教民主党の場合、地方支部の過半は反対に回る。逆に急進民主党は中央では反対だが、一部支部は賛成に回り、ねじれ現象が起きている。反EUの国民党は反対キャンペーンを繰り広げ、この機にEU加盟の動きに打撃を与えようという作戦。賛成票があまりにも少なかった場合、「2010年以前の加盟は無理になる」との見方も出ている。[2001-03-02-22:06] 224
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 03/02@<タリバン>石仏破壊は国際社会への「報復」 自ら「絶縁状(毎日新聞)

 タリバンが2日、世界的な仏教遺産であるバーミヤンの石仏の破壊に乗り出したのは、国際社会への「報復」を意味する。国連は、アフガニスタン全土の9割を支配するタリバンを政権として承認しようとせず、今年1月には制裁を強化した。仏像破壊は、追いつめられたタリバンが国際社会に対して自ら突き付けた「絶縁状」ともみられる。
 タリバン政権中枢に太いパイプを持つパキスタンの英字紙「ニューズ」のラヒムラ・ユスフザイ記者は「本気で破壊し尽くすだろう」と予測する。
 タリバンは1998年9月、反タリバン連合の弾薬庫に使われていたバーミヤンの石仏に砲撃を加え、頭部など一部を壊したが、国際的な非難を受けて、中止した経過がある。カブール国立博物館の仏像は多くが内戦で破壊されたが、国際社会の要請に応え、カブール制圧後に展示室を施錠し、保護してきた。
 だが、同記者は、米国が「国際テロの黒幕」とみなし身柄の引き渡しを求めるサウジアラビア人、ウサマ・ビン・ラディン氏をタリバンが保護していることから、国際社会の包囲網がさらに強まり、タリバンは国連の政権承認も、制裁解除も断念したようだと指摘する。
 同記者が「アフガンには失うものは何もない」と指摘するように、79年のソ連侵攻以来、アフガンでは戦火が絶えず、産業と言えば、荒れた土地でも可能なケシ栽培ぐらいで、国連制裁下、市場に流通しているモノは密輸品ばかりだ。
 また、昨年来の大干ばつで、大量の難民が発生している。今回の仏像破壊令による国際的な非難を前に、ザイーフ駐パキスタン大使が「国連は飢えで死にそうなアフガニスタン人より彫像に興味がある」と冷笑したように、もはやタリバンは「我が道を行く」と腹を決めた可能性もある。
 一方、国連は今年1月の制裁強化で武器禁輸を発動。パキスタンによるタリバン支援の封鎖を目指しているが、ロシアやイランによる反タリバン連合への支援は野放しにしたままだ。先月、反タリバン連合の攻勢でタリバンが一時、要衝バーミヤンを奪還されたのも、タリバンの「国連憎し」の感情をかき立てたのかも知れない。
【イスラマバード・春日孝之】[2001-03-02-21:15] 230
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 03/02@台湾当局、漫画家の小林よしのり氏を入境禁止に(読売新聞)

 【台北2日=河田卓司】台湾当局は二日、日本の漫画家、小林よしのり氏について出入境・移民法に基づき、台湾への入境を禁止することを決めた。小林氏の漫画「台湾論」が戦時中の慰安婦問題について「強制がなかった」と主張しているなどとして、野党やマスコミが大騒ぎしているのを受けた措置だが、民主化した台湾で海外の作家に対し、作品内容を理由に入境禁止とするのは異例。日台間で論議を呼びそうだ。
 台湾の出入境・移民法は「国家利益、公共安全、公共秩序、善良な風俗を害する者」の入境を制限できるとしている。内政部(内政省)の出入境審査委員会が二日、「台湾論は民族の尊厳を傷つけ、台湾の利益と善良な風俗を害した」として適用を決めた。期限は改めて決めるという。
 「台湾論」は李登輝前総統、陳水扁総統や、日本の植民地時代に生まれた台湾人らとの対話を軸に台湾を紹介したもので、台湾では中国語版が先月初め出版された。この中で、総統府顧問の実業家、許文竜氏が「慰安婦は強制されたものではなかった」と発言したとして、一部野党が、国会で取り上げ、騒ぎが始まった。
 台湾の総統府も一日、「慰安婦の存在は歴史の悲劇だ」と表明したほか、中国政府まで「(台湾論は)日本軍国主義の侵略の歴史を美化するものだ」と批判を開始し、政治色の強い騒ぎとなっている。[2001-03-02-20:26] 239
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 03/02@<台湾>小林よしのり氏の入境禁止 「歴史事実をわい曲」と(毎日新聞)

 【台北2日近藤伸二】台湾の内政部(内務省)は2日、「出入国及び移民法」に基づき、日本の漫画家、小林よしのり氏の入境を禁止する措置を取った。小林氏の著書「台湾論」の中には、台湾の財界人の発言を引用して、従軍慰安婦が「強制ではなかった」とする記述があり、張俊雄・行政院長(首相)が「歴史的事実のわい曲」と述べるなど、批判が高まっていた。
 内政部は同日、審査委員会を開き、小林氏は同法で規定する「国の利益、公共の安全、公共の秩序や善良な風俗に危害を及ぼす恐れのある者」に当たると判断した。
 簡太郎・内政部次長(次官)は「『台湾論』の主張や観点は慰安婦への人道的配慮に反し、国家民族の尊厳を傷つけた」と決定の理由を説明し、禁止期間については「小林氏の反応や表現を見て、改めて検討する」と述べた。小林氏は当初、「台湾論」の中国語版を出版した出版社の招きで、今月8日から台湾を訪問する予定だった。[2001-03-02-19:35] 256
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 03/02@アチェで市街戦、3人死亡(共同通信)

 【ジャカルタ2日共同】独立紛争の続くインドネシア・アチェ特別州の病院関係者によると、同州東アチェ県イディで一日から二日にかけて市街戦があり、治安部隊に射殺された住民三人の遺体が病院に収容された。市街には治安部隊数百人と装甲車が展開、発砲が続いている。
 警察当局者によると、独立派ゲリラ「自由アチェ運動」(GAM)が市街を占拠しようとして治安部隊と衝突した。
 政府とGAMは先月十六日に停戦を延長する共同声明を発表したばかりだが、アチェでは武力衝突や暗殺が続いている。(了)[2001-03-02-15:19] 267
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 03/02@アフリカ連合発足を宣言 OAU特別首脳会議が開幕(共同通信)

 【カイロ1日共同】リビアからの報道によると、アフリカ統一機構(OAU)の特別首脳会議が一日、リビア北部のシルトで開幕した。日程は二日間で、アフリカ各国を統合した「アフリカ連合」の創設問題を中心に協議する。
 議長国トーゴのエヤデマ大統領は開会演説で、OAU加盟の五十三カ国のうちこれまでに四十六カ国が同連合の創設条約に調印したことを明らかにし、同連合の「発足」を宣言した。
 アフリカ連合は欧州連合(EU)をモデルにアフリカ議会、アフリカ中央銀行、アフリカ裁判所などをつくりアフリカ各国を統合することを目指している。
 リビアの最高指導者カダフィ大佐が一九九九年九月のOAU特別首脳会議で提唱。昨年七月にロメで開かれた第三十六回OAU首脳会議でアフリカ連合創設などを盛り込んだ声明が採択された。しかし、連合の中身については各国の意見の隔たりが大きく、実際に動き出すまでには多くの曲折がありそうだ。(了)[2001-03-02-08:49] 274
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 03/02@<記者の目>湾岸戦争終結から10年 布施広(北米総局)(毎日新聞)

 湾岸戦争の終結10周年に合わせて中東を歴訪したパウエル米国務長官は、アラブ世界の反米感情の高まりを肌で感じただろう。ブッシュ大統領の父親、ブッシュ元大統領は10年前、米国がアラブ・イスラエル紛争の「公正な仲介者」になると宣言したが、クリントン政権が引き継いだ和平仲介はとん挫し、ブッシュ現政権は仲介再開に慎重だ。だが、事実上「仲介者不在」の状況は、パレスチナ情勢の悪化につながり、イラク同情論を加速させることにもなる。湾岸戦争の「輝かしい勝利」の意義を保つためにも、ブッシュ政権はパレスチナ和平の仲介に力を入れる必要があると思う。
 新政権発足後、ワシントンには「ブッシュもうで」をする外国の首脳・高官が引きも切らない。会談の都度、議題になるのが、米国に飛来する「ならず者国家」のミサイルをことごとく撃ち落とそうという米本土ミサイル防衛(NMD)構想だ。しかし、技術的完成は難しく、マサチューセッツ工科大(MIT)のポストル教授は「可能性はほぼゼロ」と断言している。なのに、外国要人らが「憂慮」や「理解」を真剣に表明する姿を見ると、ブッシュ政権の外交術もなかなかだな、と思えてくるのだ。
 「エイズ特効薬を作る」と宣言した会社の株は上がるだろうが、新薬が完成するとは限らない。賢明なことに、ブッシュ大統領はNMDの完成目標時期には言及せず、開発の意欲のみを表明して、米国の「株」を上げている。だが、失敗が2回続いたNMD迎撃実験がまた失敗した時、「強い米国」への前途がにわかに陰ることも計算に入れるべきだろう。
 NMDの話をしたのは、10年前の湾岸戦争で圧倒的な力を誇示した米国が、クリントン政権8年の「経済重視」の時代を経て、今また、新たな強さを求める時代に入ったからだ。ソ連崩壊で唯一の超大国になった米国は、この10年間、国際社会への影響力を確実に増大し、超・超大国への道を歩んでいる。
 米国にとってNMD構想は、有り余る力を何に使うか、という真剣な模索の産物ではあるだろう。ただ、現段階では構想の域を出ないのだから、明日にでもNMDが完成するような、米国内や国際社会の議論を聞くと「他の重要問題はないのか」と言いたくもなる。国家の「強さ」とは、軍事的な仕掛けだけでなく、外交能力も含まれるはずだ。
 その意味では、前政権が達成できなかったパレスチナ和平も重要課題の一つだ。ブッシュ政権は「当事者間の交渉を尊重する」立場だが、仲介を留保すれば、和平への過程を定めた1993年の暫定自治共同宣言が空文化する恐れがある。湾岸戦争時に中東特派員だった私には、戦争の貫徹とパレスチナ問題の解決は、米国にとってひと続きの課題ではないかと思えるのだ。
 10年前に戻ってみる。イラクは2月末にクウェートから撤退。ブッシュ元大統領はアラブ世界からの「イラクは武力で追い出し、イスラエルの占領は黙認するのか」という不満に直面していた。侵略による占領と数次の中東戦争に伴う占領の違いは指摘できても、イスラエルの長年の占領を正当化するのは難しい。苦慮したブッシュ元大統領は、紛争当事者が一堂に会する中東和平会議をマドリードで開催し、戦争から平和へのシナリオを描いたのだ。
 レーガン政権までの「イスラエル偏愛」を批判していたアラブ世界は、米国がアラブにも温かい目を向けると信じた。米・イスラエルの強い同盟関係を思えば、はかない期待なのだが、中東和平会議で「公平な仲介者」たることを宣言した米国にも「過剰な期待」を抱かせた責任はある。
 パウエル長官に随行してカイロを再訪した私は、米国とイスラエルの旗を燃やすパレスチナ人たちをテレビで見て、暗い気分になった。98年12月、クリントン前大統領がパレスチナを訪問した時、人々が星条旗を振って迎えたのを私は鮮明に覚えている。その直後、クリントン政権がイラク大規模空爆に踏み切ってもパレスチナで反米行動が盛り上がらなかったのは、一方で前大統領が和平仲介に軸足を置いていたからだ。
 今は違う。米英軍のイラク空爆(2月16日)がアラブ各地で反米行動を誘発したのは、ブッシュ政権の中東和平関与が希薄であることと無縁ではない。10年前、一部のアラブ国家は、米国の強い要請で合同軍を組織し、対イラク戦の先陣を切った。イスラムの宗教的反発をかわすために、アラブ諸国の参戦が必要だったのは、当時の統合参謀本部議長であるパウエル長官や、国防長官だったチェイニー副大統領が誰よりも良く知っているはずだ。
 「米国にだまされた」という認識がアラブに定着すれば、米国の中東政策は立ち行かない。中東での「占領問題」の解決は、米国の信義が問われる問題と言うべきだろう。ブッシュ政権がめざす「強い米国」のイメージは、父親の大統領が指揮した湾岸戦争を一つの背景としているが、戦争の「勝利」の意義は、中東和平への努力なしには保たれない。中東の厳しい状況を打開する外交も「強い国家」には必要な条件と思う。[2001-03-02-00:40]
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 03/03@<ユーゴ連邦>前大統領の逮捕が秒読みに 自殺の憶測も(毎日新聞)

 【ウィーン3日福井聡】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ前大統領の逮捕が秒読みを迎えている。検察側は既に、前大統領が不当な低価格で住宅を購入した証拠をつかんでいるが、「強制捜査に踏み切るには弱すぎる」として、より大きな犯罪の捜査に全力を挙げている。前大統領は「旧ユーゴ戦犯法廷送りにはならない」と不気味な言葉を漏らしており、検察が決定的証拠をつかんだ時点で自殺を図るのではないかとの憶測さえ流れている。
 ベオグラードからの報道によると、前大統領は1999年、同市内の高級住宅地にある旧中国大使公邸を購入した際、わずか1万独マルク(約55万円)で購入した疑いがある。証拠文書もあるが、これだけでの長期拘束は難しい見通しだ。
 これまでのところ最も深刻な犯罪容疑は、同年、野党党首の車がトラックに追突され、4人が死亡した事件。トラック運転手と追突を指示した警察官が逮捕され、2人の供述から前大統領の側近中の側近、マルコビッチ前秘密警察長官も逮捕された。前長官が前大統領の関与を自供すれば事態は大きく進むが、黙秘を続けている。
 セルビア政府は確たる証拠がない限り前大統領逮捕に踏み切らない方針を示しており、慎重な姿勢を崩していない。
 一方、前大統領は最近、周辺に「私はハーグの国際法廷に送られるようなことにはならない」と漏らし、初めて短銃を持つようになったと報じられている。前大統領は両親と叔父がいずれも自殺を遂げた家系に生まれており、この言葉の意味は「ハーグに行くくらいなら死を選ぶ」と受け取られている。拳銃所持は、最後まで抵抗し、決定的な証拠を突き付けられたら自決する覚悟の現れとみられている。[2001-03-03-20:00] 7
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 03/03@<コソボ>総選挙「今年10月には」 全欧安保協力機構代表(毎日新聞)

 【ウィーン3日福井聡】国際社会とセルビア人側の反対で実施が延期状態になっているユーゴスラビア連邦コソボ自治州の自治機構を樹立する総選挙について、全欧安保協力機構(OSCE)のエバーツ・コソボ代表は2日、「今年10月には選挙ができるだろう」と述べた。国連コソボ暫定統治機構のクシュネル前特別代表は「今春実施」を約束していたが、先月就任したヘカップ特別代表(デンマーク)は慎重な発言を繰り返していた。
 コソボからの報道によると、エバーツ代表は「正確な選挙期日は、少数派セルビア人が選挙の事前登録にどれくらいの日数を要するかということと、選挙の方法による」と述べた。さらに「セルビア新政権はコソボのセルビア人に登録するよう呼びかけ始めている」として選挙実施に自信を見せた。
 ただし、「総選挙で樹立される自治政府にはコソボの(独立問題を含む)将来像の決定権はない」としている。
 コソボは現在、9割以上がアルバニア系住民で占められ、住民は独立を望んでいる。昨秋、セルビア人はボイコットしたものの、初の地方選挙が実施され、クシュネル前特別代表は今春の総選挙実施を約束していた。しかし、欧米諸国はアルバニア系住民が総選挙実施を「独立への大きな前進」と受け取ることへの懸念を示し、セルビア人側も「少数派セルビア人が攻撃を受けている現状で選挙実施の条件は整っていない」と主張してきた。
 ヘカップ特別代表は「総選挙は今年中に実施したいが、その前に法的制度を確立しなければならない」としてきた。「法的制度」には同選挙で樹立される自治政府の定義やセルビア人の役割も含まれる。[2001-03-03-10:25] 156
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 03/03@<イタリア>EU内で極右政党を含む連立政権誕生を警戒する(毎日新聞)

 【ローマ27日井上卓弥】4月にも行われるイタリア総選挙では野党・中道右派連合による7年ぶりの政権奪還が有力視されるが、極右・人種差別的政党を含む連立政権の誕生を警戒する声が欧州連合(EU)内部で強まっている。ベルギー外相がEUによる制裁の可能性に言及するなど、昨年のオーストリア制裁に次ぐ外交問題にも発展しそうな情勢だ。
 ベルルスコーニ元首相(フォルツァ・イタリア党首)が率いる中道右派連合は与党・中道左派連合に対し、各種世論調査で5〜10%のリードを保っている。同元首相は穏健右派の立場だが、旧ファシスト党の流れをくむ国民同盟(フィーニ議長)、隣接するオーストリアのハイダー前自由党党首の移民排斥論に同調する北部同盟(ボッシ書記長)の連立2党に対する懸念が強い。
 ベルギー連立政権のミシェル外相は先週、同国の日刊紙に対し「イタリアに極右・人種差別的連立政権が成立すれば、私はオーストリアの場合と同じ対応をとるだろう。EUはこの種の民主主義への脅威に対し、制裁という手段を学んできた」と明言した。これに対してベルルスコーニ元首相は「民主主義国に対する無礼な内政干渉だ」として、政府に抗議の意思を表明するよう要請。イタリアだけでなくベルギーやスペインの極右政党も一斉に反発姿勢を示している。
 一方、英国のフィナンシャル・タイムズは、イタリア中道右派連合とオーストリア連立政権の右翼政党の類似点を強調し、伊中道右派政権の誕生が「EU内の制裁に(大国と小国の違いによる)二重基準が存在するかどうかの試金石となる」と論評した。
 EUは昨年、ハイダー前党首の率いる極右・自由党と社会民主党によるオーストリア連立政権に対し、外交関係凍結などの警告的制裁措置を7カ月にわたって実施した。その間、ハイダー氏は党首を辞任したが、連立政権は制裁後も存続している。[2001-03-03-19:45] 169
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 03/03@タリバンの孤立が引き金に 危機の世界的文化遺産(共同通信)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバン政権が世界的に有名なバーミヤンの石窟(せっくつ)寺院群などの仏像、彫像の破壊政策を打ち出し、国連や仏教界、考古学界などに衝撃を与えている。貴重な文化遺産が失われてしまうのか。不明な点は多いが、孤立感を深める同政権のいら立ちが背景にあるのは確かなようだ。
 タリバン自身の唯一の説明は、偶像崇拝を禁じるイスラムの教えを挙げた最高指導者オマル師の二月二十六日の布告だ。だが「なぜ今」という大きな疑問が残る。
 タリバンと恒常的に接触してきたイスラマバードの国連筋は「国土の大半を実効支配しているのに各国が承認に冷淡なことが、彼らには理解できないようだ」と分析する。タリバンは国土の約九○%を支配しているが、国際テロリストとされるサウジアラビア出身のウサマ・ビン・ラディン氏を保護するなどし「テロ輸出国」として、国際社会の批判を浴びている。
 政権を承認しているのはパキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアのわずか三カ国だけ。そのサウジとの関係さえ、ラディン氏の扱いをめぐり現在は悪化している。
 国連安全保障理事会は一月、タリバンがラディン氏の身柄引き渡しなどに応じないことを理由に、武器禁輸やタリバンの在外公館の閉鎖・人員削減、タリバン政権高官の渡航制限などを柱とする制裁強化決議を発効させ、圧力を強化した。
 今回、「彫像破壊」の布告が飛び出した背景には、こうした国際圧力に加え、中部の要衝バーミヤンをめぐる二月の政治危機があるようだ。バーミヤンは一時、反タリバン勢力「北部同盟」が制圧。タリバンがこれを奪回すると、現地住民のハザラ人を虐殺したとして、人権団体や国際社会から非難の逆襲を受けた。タリバン側のいら立ちは十分想像できる。
 タリバン政権のジャマル情報文化相は一日、首都カブールなど四都市の博物館に所蔵していた仏像などの彫像を手始めに破壊したと言明。三日には、既にバーミヤンの仏像も頭部と脚部を破壊したとAP通信に述べた。ただ、実際にどの程度が破壊されたのかは、タリバンが現在のところ写真や映像で「破壊作業」を公開していない以上、判断が難しい。
 古くから東西の文化が融合してきたアフガニスタンの地で起きた世界的文化遺産の危機は、救いようのない同国の現状を映し出している。(イスラマバード共同=福冨正秀)(了)[2001-03-03-16:54] 194
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 03/03@<狂牛病>独の処分牛肉を北朝鮮へ 北朝鮮側が条件受け入れ(毎日新聞)

 【ベルリン2日藤生竹志】狂牛病騒ぎの影響で処分されるドイツ産牛肉の供与を朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が求めている問題で、独消費者保護・食糧・農業省の報道官は2日、北朝鮮が、独側の条件を受け入れる方針を伝えてきたことを明らかにした。
 両国は先月20日、北朝鮮が求めている20万頭分の牛肉の供与についてベルリンで事務レベル協議を行った。その際、独側は、牛肉が食糧不足に悩む北朝鮮の市民にきちんと行き渡るようにするため(1)供与は独立した国際援助機関の監視下で行い、機関職員の自由な活動を認める(2)保冷施設を整備し、専門家が査察を行う――などを条件として提示、これらが満たされなければ供与はできないという方針を伝えていた。
 同報道官によると今後、専門家が北朝鮮を訪問し、保冷施設などの査察を行うという。報道官は「はっきりさせなければならない課題はまだ残されている」と述べ、供与決定には慎重な見方を示したが、北朝鮮が基本的に受諾を表明したことで、実現に一歩近づいたことになる。
 独政府は牛肉価格を下支えするため、感染の有無に関わらず売れ残りの牛40万頭の処分を決定。ほとんどは感染していない牛だが、供与する場合、感染牛が紛れ込まないとも限らないほか、牛肉は北朝鮮の基礎食糧ではないことから、韓国などは「非道徳的だ」として反対している。
 北朝鮮はドイツのほかオーストリアにも牛肉の供与を求めている。[2001-03-03-10:10] 196
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 03/03@アフリカ連合創設を決議 OAU特別首脳会議閉幕(共同通信)

 【カイロ3日共同】リビアからの報道によると、リビア北部のシルトで一日から開かれていたアフリカ統一機構(OAU)特別首脳会議は二日、アフリカ各国の政治・経済統合を目指す「アフリカ連合」の創設を宣言する決議を採択して閉幕した。
 決議によると、OAU加盟五十三カ国のうち、これまでに五十二カ国が同連合創設の規約に調印している。同規約の発効には、加盟国の三分の二(三十六カ国)以上の批准が必要で、これまでに約三十カ国が批准した。
 規約は七月にザンビアの首都ルサカで開かれる第三十七回OAU首脳会議までには発効する見通し。ルサカでの首脳会議では、OAUをアフリカ連合に移行させるための措置などについて協議する。
 アフリカ連合の構想を提唱したリビアの最高指導者カダフィ大佐は二日の演説で「アフリカは世界地図の上で最大の勢力となっている。欧州の植民地主義の時代が終わり、今やアフリカの時代だ」と語った。(了)[2001-03-03-08:57] 197
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 03/03@日常生活での差別認める 日本が差別撤廃委に報告(共同通信)

 【ジュネーブ3日共同】日本政府は三日までに、国連人種差別撤廃条約に基づく初の報告書を人種差別撤廃委員会に提出、在日外国人らの地位向上に向け法整備に取り組む姿勢を強調する一方、雇用など「日常生活」のレベルでなお差別が存在することを認めた。
 人種差別撤廃委員会は今月八―九の両日、日本政府の担当者を招いてジュネーブで対日審査を開催。今回の報告と専門家による調査結果を踏まえ、必要に応じて改善勧告が出される。
 報告書は在日朝鮮・韓国人、その他の国籍の在日外国人、さらにアイヌ民族についての現状と関連法の改善状況を詳述。一九九五年十二月に人種差別撤廃条約の加盟国となって以来、人種に根ざした差別の根絶に努力してきた政府の動きを列挙した。
 一方で、在日朝鮮人に対しては「雇用や住居の賃貸、さらに差別的な発言や落書きなど、個人に対する日常生活での差別はなお残っている」と指摘。在日外国人全般についても「生活習慣の違いなどにより、地域社会から孤立しやすい状況にある」と述べた。
 報告書はまた、ドイツのネオナチのような特定の組織による人種差別的な主張の展開を禁じる法律は日本には存在しないとしながらも、暴力や破壊行為に及んだ場合は法律に基づき規制できるとした。(了)[2001-03-03-08:57] 198
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 03/03@京都議定書問題など協議 G8環境相会議が開幕(共同通信)

 【トリエステ(イタリア)2日共同】七月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)に向けた主要八カ国(G8)と欧州連合(EU)の環境相会議が二日夜(日本時間三日未明)、イタリア北東部のトリエステで四日までの予定で始まった。
 二酸化炭素など地球温暖化ガスの排出量削減を決めた京都議定書の実施をめぐる気候変動枠組み条約第六回締約国会議の再開会議に向けて、G8としての方向性が打ち出せるかどうかが焦点となる。
 昨年十一月にハーグで開かれた締約国会議は、各国間の排出量取引や森林による二酸化炭素吸収量の削減値への算入方法などをめぐって欧州と米国、日本が対立したまま中断、ことし七月にボンで再開会議が予定されている。
 この問題では米国のブッシュ政権はクリントン前政権より消極的ともみられており、米国がどのような姿勢を打ち出すかに関心が集まっている。
 ヨハネスブルクで来年開催される「持続可能な開発のための世界サミット」に向けた先進国側の取り組み、環境汚染にかかわる健康対策も主要議題。
 日本からは沓掛哲男環境副大臣が出席している。(了)[2001-03-03-08:44] 214
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 03/03@<韓露首脳会談>ロシアから韓国へ武器供与合意の背景は?(毎日新聞)

 プーチン・ロシア大統領が韓国訪問中の先月27日、ロシアが韓国に対し武器を債務の一部として提供することで双方が合意した。米国の同盟国である韓国が、ロシアから大規模な武器供与を受けるのは初めて。今回の武器供与合意には、双方にどのような思惑があったのかを探った。
 ◇ロシア側◇ ソウル発のタス通信はプーチン大統領訪韓の最終日の28日、消息筋の話として、ロシアが総額7億ドル(約820億円)にのぼる「さまざまな軍事技術」を韓国に供与する覚書に両国政府が署名したと報じた。「軍事技術」にはT90型戦車とKa52K型ヘリコプターなどが含まれるという。
 ただし、韓国が代償として現金で支払うのは半分だけ。残りはロシアが韓国に対し負っている総額約18億ドルの債務の一部と相殺する形で合意したという。
 両国が覚書に調印した27日、プーチン大統領と金大中大統領は首脳会談を行ったが、会談後の共同声明や記者会見では一切触れられなかった。
 経済立て直しの一環として外国への武器輸出に力を入れているロシアは最近、韓国への売り込みを積極的に進めてきた。韓国国防省は次世代戦闘機(40億ドル相当)と軍用ヘリコプター(18億ドル相当)の配備を計画している。ロシアはこの受注をめぐって米欧など西側と激しい競争を展開してきた。それだけに、今回の韓国への武器供与決定は、今後の兵器売り込みにプラスとなるのは間違いない。
 しかも、今回の武器供与は対韓国債務の一部と相殺される。先月初め、プーチン大統領のオーストリア訪問の際に、ロシア側はミグ29戦闘機売却を提案したが、オーストリアから拒否された経緯がある。経済再建の足かせとなっている対外債務を少しでも減らしたいロシアにとって、武器売却は、「一石二鳥」の解決策となる。
 ただし、韓国への武器供与が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とロシアの関係悪化につながることへの懸念もあり、合意の公表を避けたのでは、との見方も出ている。
 ◇韓国側◇ 7日に対北朝鮮政策をめぐる米国のブッシュ政権との初会談を控えた韓国政府にとって、今回の韓露首脳会談の最大の目標は「包容(太陽)政策」に対するロシアの支持再確認だった。そのためには多くの面でロシアに譲歩する決意だった。
 ロシアからの武器供与の要請は、今回が初めてではない。99年の韓露国防相会談でロシア側は、ロシアの最新鋭型通常潜水艦、戦闘機の購入を韓国に要請した。
 当時は明らかにされなかったが、この要請に対し米国中心の武器体系を持つ韓国軍内部から「補給が困難」「訓練の習熟に時間がかかる」などと反対の声が強く出されたため武器購入は断念したと言われる。
 一方、今回の韓露首脳会談後に発表された共同声明では、ロシアの要求で盛り込まれた「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の重要性確認」の項目が最も注目を集めた。
 ABM制限条約を巡っては、米本土防衛システム(NMD)配備に絡み条約改定を要求する米国と、配備反対の立場から順守を主張するロシアが真っ向から対立している。韓国のマスコミによると、米国内では「ABM条約維持で、韓国はロシア側の立場に近づいた」との分析がなされ、米国内で韓国に対する非難の声が高まる危険性があるという。
 さらに、武器供与合意で韓国の武器体系の一部が米国からロシアに移りかねないため、米国内の軍需産業を刺激し、米韓の安全保障問題に発展する可能性も否定できない。
 武器供与をめぐる韓国側の「沈黙」は、国内では軍部、国外からは米国の厳しい視線を浴びている時、この問題に焦点が当たるのを避けようとした韓国政府の思惑の結果だといえよう。 【ソウルで大澤 文護、田中洋之】[2001-03-03-00:10] 184
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 03/03@<eye>伊サッカー 熱狂的サポーター「ウルトラ」(毎日新聞)

 サッカースタジアムのゴール裏席には、世界共通で最も熱く過激なファンが集まる。世界トップクラスのリーグ戦「セリエA」で知られるイタリアのサッカー場では、この場所を「クルヴァ」(英語で『カーブ』の意味)と呼び、試合中の熱狂的な応援スタイルや、政治的な主張も含め、若者のムーブメントを象徴する場所に位置づけられている。
 イタリア語では熱病チフス患者の意味の「ティフォージ」がサッカーファンを指すが、これは日本でいう「サポーター」程度のニュアンス。クルヴァにたむろする若者たちは「ウルトラ」と呼ばれ、「ティフォージ」とは区別されることが多い。
 クルヴァでは試合前の先発メンバー発表のアナウンスや自軍の得点シーンで一斉に発煙筒がたかれる。一方、相手の得点シーンではフラストレーションが爆発し、相手ファン席やピッチめがけて発煙筒や爆竹、コインやペットボトルが一斉に投げ込まれる。同じ街のチームが対戦する「ダービー」では、興奮が頂点に達する。
 暴力だけでない。クルヴァを支配し始めた人種差別的な思想やネオ・ナチの台頭は今季に入って加速している。このため、リーグもチームに対する罰金や、ホームゲームの没収など規制を強化し始めた。
 ウルトラ内部からも自省の動きが出ている。イタリア北部の複数のチームのウルトラが連帯し、この冬、北部を襲った豪雨の被災地への募金活動を始めた。メンバーの一人、マッシモ・フォルトゥーナさん(37)は「人間的なつながりが希薄になっている現代社会では、若者が連帯するウルトラの文化にも一定の意義があるはず。一部のならず者のために、文化そのものが批判の標的になっているのは残念だ」と嘆く。 文・北村 弘一
 ◇セリエA
 セリエC2(4部リーグ)まで含めて計128チームあるイタリアのプロチームの頂点に位置し、18チームで構成。優勝チームは翌シーズン、「スクデット」と呼ばれる盾をあしらったエンブレムを胸につけてプレーする。リーグ戦の成績により、例えばセリエAで15位以下のチームは自動的にB(2部リーグ)に降格し、Bの上位4チームと入れ替わる。
 ◇ダービー
 イングランド北中部の街ダービーで19世紀初め、二つの教会区の間で盛んに行われた乱暴な原始型フットボールにちなんだ言葉で、現在は同じ街同士のチームの対戦を表す。イタリアで有名なのはACミラン対インター・ミラノのミラノダービー、ローマ対ラツィオのローマダービー。ティフォージの熱狂はピークに達し、スタジアム内外で乱闘が起こるのも珍しくない。[2001-03-03-12:30]
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 03/04@<ボス二ア>クロアチア人強硬派の連邦離脱を公式宣言 情勢(毎日新聞)

 【ウィーン4日福井聡】ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国(ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア共和国で構成)のエラビッチ幹部会議長は3日、同連邦からのクロアチア人民族強硬派の離脱を公式に宣言した。ボスニア和平の民政部門を統括する国際機関・和平履行会議のぺトリッシュ上級代表は離脱に対し強硬措置で臨むことを示唆しており、緊迫している。
 南部モスタルからの報道によると、強硬派はこの日「クロアチア民族会議」を開催し、同連邦が2月末、強硬派を排除する形で民族協調派政府を発足させたことに強く反発。エラビッチ議長は「15日間の猶予の後、事態が変わらなければクロアチア暫定自治政府を発足させる」と宣言し、圧倒的支持を得た。
 ボスニアでは1995年、3民族共存を目指した「デイトン和平合意」が締結され、昨年11月投票の総選挙から3カ月ぶりに2月末、初めて民族協調派の新政府が樹立されたばかり。
 ぺトリシュ上級代表は「デイトン合意に反する行動を取る指導者には制裁を断行する」と予告している。上級代表が同議長を更迭した場合、クロアチア人強硬派の猛反発が予想され、波乱含みの情勢となってきた。[2001-03-04-19:50] 86
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 03/04@<学校と私>国際問題評論家 北沢洋子さん(毎日新聞)

 小学校に入る直前に父の仕事の関係で東京から中国の大連に引っ越し、そこの小学校に進みました。すでに日中戦争が始まり、学校教育も軍国主義の影響を色濃く受けていましたが、通った下藤小学校は、貿易港として栄えた大連の自由な雰囲気が残っている学校でした。
 1、2年生の担任の先生はクリスチャンで人望があり、母も誘われて日曜学校に行ったほどです。当時は病弱で、体育の時間は見学ばかり。それでもとがめられることもなかった。給食があってニンジンやひじきを食べさせられましたが、無理強いするわけではなく、おかげで偏食も解消されました。
 小学6年生の10月に同じ市内の静浦小学校に転校しました。そこはそれまでと一転した雰囲気で、児童は真冬でも講堂に正座させられ、歴代天皇の名前や教育勅語を言わされたりしました。体育も見学は許されず、女子でも騎馬戦など荒っぽいことをやらされました。
 1945年4月に神明女学校に入学しましたが、学校では手りゅう弾を投げる練習とか軍服のボタン付けばかりで満足に勉強できませんでした。やがて終戦を迎え、3年生の4月に日本に帰国し、父の実家のある佐賀県の佐賀高等女学校に入学しました。ですから、今でいう中学1、2年の時はほとんど勉強ができませんでした。この頭の柔軟な時期に学問の基本的なことを身につけられなかったことで随分と損をしたと思います。
 すぐに女学校が共学になりましたが、男子には抵抗があったらしく、学校の入口に男子がピケを張って女子が入れないようにしたこともありました。先生たちは軍国主義の教育でなく、民主的な教育に取り組もうと熱が入っていました。憲法を踏まえて人の持つ権利や義務について先生が折に触れて教えてくれました。今の学生は自分の権利や義務についてあまり知らないのではないでしょうか。
 恩師では、神奈川県横須賀市の県立横須賀大津高校の校長先生が印象に残っています。全校生徒の顔と名前を覚えていて、卒業生も卒業アルバムを見たりして顔と名前を忘れないようにしているというすごい人でした。教師の人柄は何より重要なことだと思います。
 ▽1933年東京都生まれ。横浜国立大学経済学部卒。アジア・アフリカ連帯委員会事務局勤務などを経て、NGO「途上国の債務と貧困ネットワーク」共同代表。著書に「私の中のアフリカ」など。[2001-03-04-23:41] 108
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 03/04@<英国>BBC前でタクシー爆発 北アイルランド・テロか(毎日新聞)

 【ロンドン4日岸本卓也】4日、ロンドン警視庁のテロ対策班がロンドン市内の英国放送協会(BBC)テレビジョンセンター前に駐車していた無人のタクシーを調べていたところ、車内に仕掛けられた爆弾が爆発した。タクシーは大破し、BBCの建物の窓ガラスなどが壊れ、近くの地下鉄駅の駅員1人が飛んで来たガラス片で顔を負傷した。同警視庁は北アイルランド紛争のカトリック系過激派の犯行とみて捜査している。
 同警視庁によると、3日深夜にBBCに対する爆破予告があった。爆発は4日午前零時半(日本時間同9時半)ごろ。爆発物処理用の機械がタクシーから離れた直後に、大音響とともにタクシーが吹っ飛び、近くの数台の車も壊れた。職員は警察からの連絡を受け、建物内の安全な場所に避難していて無事だった。BBC側は「非常事態に備えた態勢で放送は続行できた」という。
 同警視庁は爆破予告の内容から、北アイルランド紛争でのカトリック系過激派のアイルランド共和軍(IRA)から分離した「真のIRA」と名乗るグループの犯行とみている。IRA主流派は和平の推移に配慮して停戦中だが、「真のIRA」は和平路線に反発し、爆弾を使ったテロ活動を続けている。
 ロンドンでは昨年9月に政府情報機関「MI6」の本部建物にロケット弾が打ち込まれ、建物の壁が損傷した。先月には、BBCのテレビジョンセンターに近い英軍兵舎に届けられた携帯用電灯が爆発して14歳の少年が失明する事件があった。これらの事件も「真のIRA」との関連が指摘されている。[2001-03-04-19:35] 139
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 03/04@<特報・差別雇用>まるで奴隷 2年半休日なし 被害者が訴(毎日新聞)

 【ジュネーブ3日福原直樹】「病気でも休めず医者にも行かせてもらえなかった」「外出を禁じられ、まるで奴隷だった」――ジュネーブの国連職員や外交官らが発展途上国の人々を劣悪な条件で雇用していた問題で、被害者らは口々に悲惨な状況を訴えた。女性の1人は「国際都市のジュネーブで、こんなひどい目にあうなんて」と、予想もしなかった悲運を嘆いた。
 ジュネーブの民間援助団体の事務所で、損害賠償請求訴訟を起こした被害者らに会った。
 ガーナ出身の女性マベル・ニニエさん(25)がジュネーブに来たのは1997年5月。国連で働くガーナ出身の法律家が、つてを頼って「家事を手伝って欲しい」と求めたからだった。
 故郷で洋裁をしていた彼女にとって初の外国生活。しかし期待は裏切られた。月給約2万円での家事労働は休日なしで朝7時から夜9時。3度の食事の準備に掃除、洗濯、そして2歳と1歳の子供の世話も、すべて命じられた。
 旅券は取り上げられ、故郷の家族との電話も禁じられた。手紙も開封された。外出は週一回、子供を連れて近所に買い物に行く時だけ。「2年半の間、一度も休みがなかった。町も満足に見ていない」という。
 見かねたアパートの隣人の助けで民間の救護団体に駆け込んだ。労働裁判所は昨年7月、スイスで決められた最低賃金との差額分など、約300万円の支払いを命じた。だが訴訟後、雇い主はロンドンに移り「支払いは毎月3万円強にして欲しい」と要求してきた。
 同席したコロンビア出身の女性(35)の場合、1年間、月給3〜4万円で1日14時間働かされていた。また、セネガル出身の女性(34)も深夜まで働かされ、病気でも休めず、「社会保険がない」ことを理由に医者にも行かせてもらえなかった、と話した。
 担当のガルベド弁護士は「彼女らの例はまだましな方だ」と話す。同弁護士によると、これまで起こした訴訟のうち暴力がらみは日常茶飯事で、アフリカ出身の外交官から何度も性的暴行を受けたが、恐怖から逃げられず、民間援助団体に救出された例もあった。[2001-03-04-03:05] 140
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 03/04@<特報・差別雇用>訴訟担当のガルベド弁護士に問題の背景を(毎日新聞)

 ジュネーブの国連職員や外交官から過酷な条件で働かされた使用人たちのため訴訟を中心になって担当してきたガルベド弁護士に、問題の背景などについて聞いた。 【福原 直樹】
 ――なぜ、このような問題が起きるのですか。
 ◆途上国の状況を先進国が利用する世界の現状が背景にある。途上国出身の国連職員らも(先進国の物価が違うことを知っていながら)、家事労働者を出身国の賃金水準で使おうとする。月給3万円でも、途上国では常識的な額だ。これを国連職員や外交官が利用する。
 スイスでは被害者らの状況は「奴隷」的な存在だが、彼らの国では違うかもしれない。事実、雇用者が使用人を「私の持ち物」と主張したケースもあった。
 ――問題はジュネーブだけではないのでは。
 ◆ワシントンやパリなどでも同様の問題が起きている。だが、これらの都市に比べ、スイスには外国人を差別しない、より厳格な最低賃金法があり、使用人らは法的に守られている。
 ――問題発覚の端緒は
 ◆スイスでは家内労働者の最低賃金や雇用条件、社会福祉の内容を明確に定めており、これは外国人にも平等に適用される。これを元に労働裁判所などに提訴すれば低賃金などの場合に勝訴できることが分かり、民間援助団体などの助けで91年から訴訟を始めた。
 ――勝訴しても相手が外交特権をタテに、支払いに応じないのでは
 ◆外交官の場合は国を去った時点で銀行資産などを凍結する手段をとる。また国連の高官も外交特権があるが、国連は協力的で、問題がある場合は特権を停止してもらえる場合が多い。[2001-03-04-03:05] 141
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 03/04@<特報・差別雇用>ジュネーブ在勤国連職員が 使用人に性暴(毎日新聞)

 【ジュネーブ3日福原直樹】ジュネーブ在勤の国連職員や外交官らが発展途上国出身者を極端な低賃金など劣悪な条件で使用人として雇ったため、過去10年間で500件近い損害賠償請求訴訟が起きていたことが3日、分かった。ほとんど使用人側が勝訴している。雇い主の多くは使用人の旅券を取り上げ、行動を制限していたほか、性的暴行や軟禁同然の扱いもあった。訴訟を担当してきた弁護士は、同様の問題が他の先進諸国でも増えていると指摘し、「現代の奴隷制だ」と批判している。 
 ジュネーブのガルベド弁護士(52)らによると、訴訟になったのは先進国出身の国連職員が途上国出身者を雇ったり、途上国の外交官らが自国から人を呼ぶケースが大部分。提訴したうち家事労働従事者が3分の2、残りが各国代表部付きの使用人などという。
 家事労働では雇い主は国連職員と外交官のケースが半々。使用人は住み込みで月給は3000〜3万円程度など非常に低い例が多く、1日20時間働かされるなど条件は劣悪そのもの。被害者の国籍は中南米、アジア、アフリカなど数十カ国におよび、大部分は旅券や労働許可証を取り上げられていた。
 また、殴打などのほか、16歳の女性への性的暴行や種々の性的嫌がらせもあった。外出を禁じられ、2年半にわたって雇い主の家からほとんど出られなかった女性もいた。
 ジュネーブでは最低賃金を月額約15万〜17万円、最長労働時間を週48時間などと厳しく規定しており、訴訟になったケースはすべて違法。また外国人が人を雇う際には雇用契約書を政府に提出する義務があるが、雇い主の大部分が契約に違反したり、契約そのものを行っていなかった。
 このため民間団体の支援を受けて使用人が雇い主を労働裁判所などに訴える例が過去10年間で急増。ほとんどの場合、裁判所は最低賃金との格差分の支払い(通常数百万円)を命ずるなど、被害者の訴えを認めている。しかし問題発覚後に外交特権を利用して帰国、賠償を拒否する外交官も多いという。
 ガルベド弁護士は「同様の問題は、ウィーンなど、国際機関が多い他の都市でも起きている。スイスでは厳格な雇用法があり、訴訟になれば勝訴できるが、見逃されるケースも多い。外交特権を利用して支払いを拒否する場合は刑事訴訟も辞さない」と話している。[2001-03-04-03:05] 144
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 03/04@モロ解放戦線指導者「住民投票実現なら闘争放棄も」(読売新聞)

 【コタバト(フィリピン南部マギンダナオ州)3日=源一秀】ミンダナオ島を中心に活動するフィリピン最大のイスラム武装組織「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)の指導者、ガザリ・ジャアファー氏(52)は二日、当地で読売新聞と会見し、ミンダナオ地域の統治に関し、「イスラム教徒を対象にした住民投票の実施をアロヨ新政権に提案する」と語り、住民投票が実現すれば、反政府武装闘争を放棄する可能性を示唆した。MILFはこれまでイスラム国家の分離・独立を目標に掲げてきたが、ジャアファー氏は住民投票の選択肢として、〈1〉自治区にする〈2〉独立する〈3〉(中央政府との)連邦制――の三つを挙げており、柔軟路線への転換を模索する動きとして注目される。
 MILFは昨年七月、コタバト郊外の最大拠点アブバカール基地が国軍の攻撃で陥落して以来、約一万五千人いたとされるゲリラ兵士が島内各地に離散、爆弾テロなどを散発的に繰り返している。これに対し、アロヨ政権は、一方的停戦を宣言、MILFとの対話姿勢を明確にした。しかし、停戦宣言後も、マギンダナオ州ダトゥピアン地区で、国軍とMILFが交戦、MILF側に三人の死者が出て、MILFは「言行の一致しない政府は信用できない」と非難していた。
 ジャアファー氏は今後の政府との和平交渉の可能性について、「政府が一方的に和平姿勢をとっても意味はない。まず、双方で対話再開の確認をし、その後に、第三者の仲介のもとで対話を進めることが必要だ」と語った。また、仲介を希望する機関や国としては、国連やイスラム諸国会議機構(OIC)加盟国であるマレーシア、インドネシア、リビアを挙げ、「第三国での交渉を希望する」とした。[2001-03-04-00:39]
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 03/05@<マケドニア>コソボ自治州との全国境を封鎖(毎日新聞)

 【ウィーン5日福井聡】マケドニア政府は4日午後(日本時間同日深夜)、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州との全国境を封鎖した。コソボ側のアルバニア系ゲリラによる攻撃で同日、マケドニアの国境警備兵3人が殺害されたことに対応する緊急措置。トライコフスキ大統領は事態を重くみて、コソボ駐留の平和維持部隊(KFOR)のカビギオズ最高司令官らと緊急協議に入った。
 戦闘は長時間続き、国境警備中だったマケドニア兵2人が地雷により死亡、さらにもう1人が狙撃されて死亡した。国境地域では「国家解放軍」と名乗るコソボのアルバニア系ゲリラが先月末から越境攻撃を続け、マケドニア側にあるタヌシェビチ村を占拠している。
 国境封鎖を受けて、全欧安保協力機構(OSCE)は同日、「マケドニア国内に展開するアルバニア系兵士への武装攻撃を理解する」との声明を出した。KFORはこれまで、治安の悪化を懸念し、武装集団に反撃しないように要請していた。
 セルビア南部からマケドニア北部につながる一帯はプレシェボ渓谷と呼ばれ、住民の多くはアルバニア系。コソボのアルバニア系ゲリラは住民保護を理由に領土拡大を狙っており、マケドニアは紛争の波及を強く懸念している。[2001-03-05-10:05] 2
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 03/05@<バーミヤン遺跡>タリバンからの買い取りも考慮 ギリシャ(毎日新聞)

 【ローマ5日井上卓弥】アテネからの報道によると、ギリシャ外務省スポークスマンは4日、アフガニスタンの勢力タリバンがバーミヤン石窟(せっくつ)群の大仏立像など仏教遺産の破壊に着手したことに対し、「(同国の遺跡に残る)仏像群の一部は古代ギリシャ・ヘレニズム文化の特徴を持ち、破壊を防ぐために(タリバンからの)買い取りも考慮する」との声明を発表した。
 アフガニスタンなど中央アジア南部は、古代マケドニア(ギリシャ)のアレキサンダー大王が東方遠征(紀元前3世紀)で一時征服した領域にあたる。[2001-03-05-10:05] 3
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 03/05@◎マケドニア、対コソボ国境を封鎖=緩衝地帯設置を国連に要(時事通信)

 【ウィーン4日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州とマケドニアの国境地帯で4日、同国軍部隊とアルバニア系武装集団の間で新たな武力衝突が発生したことを受け、マケドニア政府は同日夕、対コソボ国境を全面封鎖した。また、武装集団のコソボからの侵入を食い止めるため、コソボ側国境地帯に緩衝地帯を設けるよう国連安保理に要請した。
 スコピエからの報道によると、この日の戦闘は重火器も使用されるなど過去最大規模となった。戦闘は長時間続き、負傷者を搬送する軍用ヘリが武装集団の激しい銃撃を浴びる局面もあった。国防省によれば、マケドニア軍は国境地帯に続々と支援部隊を派遣、兵力を増強している。 [時事通信社][2001-03-05-06:55] 5
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 03/05@◇タリバーン、国連特使の仏像保護要請を拒否◇(朝日新聞)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバーンの本拠地カンダハルを訪ねていた国連教育科学文化機関(ユネスコ)のラフランス特使は5日、パキスタンのイスラマバードに戻った。特使は、仏像の破壊をやめるようにとの要請にタリバーン側が応じなかったと地元記者に説明した。
 イスラマバードからの報道によると、特使は、同勢力のムタワキル外相と長時間会談した。中部のバーミヤンにある2体の大仏などの歴史的な意義を強調し、保護を求めたが、タリバーン側は同意しなかった模様だ。特使は、アフガニスタン以外のイスラム法学者にも相談するよう求めた。破壊指令を出した最高指導者のモハマド・オマール師に直接申し入れるため、再度アフガニスタン入りするという。
 ムタワキル外相は会談後、「指導部に要請を伝えるが、偶像破壊の決定が変更される兆しはないと特使に伝えた」と話した。
 また、沼田貞昭・駐パキスタン大使は5日、タリバーンのザイーフ大使にイスラマバードで会見。大仏がすでに破壊されたなら、国外に運び、日本の資金で修復したいと申し入れた。
 カブールからの報道によると、オマール師は5日、「バーミヤンの大仏をふくむ国内の彫像は、アフガニスタンの歴史遺産のうち1%にすぎぬ。我々は偽りの偶像を破壊しているのだ」と同派のラジオを通じて声明を発表した。また、「異教徒の合唱に加わらないように、世界のイスラム教徒に求める」と、仏像保護を求める各国の声を無視する態度をとった。[2001-03-05-23:02] 6
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 03/05@3月6日付・編集手帳(読売新聞)

 奈良・薬師寺の玄奘(げんじょう)三蔵院で、今年の元日「大唐西域壁画」の入魂の法要が営まれた。仏典を求めた唐の僧・玄奘の苦難の旅路を日本画家平山郁夫さんが描いた◆雪を冠したヒマラヤの山々を中央に七つの場面に分かれていて、その一つが「バーミアン石窟(せつくつ)」だ。赤茶けた岩肌に大小の石窟が連なり、二体の大石仏も立っている◆七世紀、玄奘が訪れたころ、大仏は金色に輝き、幾多の堂宇に数千の僧がいたという。東西文明の接点となったこの地は、しかし、民族や宗教の対立の地ともなった。長く荒廃の時代が続いて、すでに大仏の顔面は削り取られている◆「バーミアン石窟」の壁画は、荒涼たる岩山の手前にオアシスの森が描かれていて、ほっとした気分にさせてくれる。「オアシスの緑は平和への祈りです」と、平山さんは近著「薬師寺への道」(集英社)に記した◆その祈りは通じないものか。戦場で敵味方なく助けるような「文化財赤十字」を、というのが持論でもある。イスラム原理主義勢力タリバンによる破壊の即時停止を求める署名運動と遺跡保護の募金活動が始まった◆一九七一年、皇太子時代の天皇陛下とともにアフガニスタンを訪れた美智子さまの歌がある。「バーミアンの月ほのあかく石仏は御貌削(みかほそ)がれて立ち給ひけり」。今、石仏はどんなお姿だろうか。[2001-03-05-22:57] 16 [このページの最初に戻る]


 03/05@今後も積極的に難民支援 首相が国連高等弁務官に(共同通信)

 森喜朗首相は五日午後、首相官邸でルベルス国連難民高等弁務官と会談し「日本は『人間の安全保障』という観点から難民支援を国際貢献の重要な柱の一つと位置付けており、これからも国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に支援をしていきたい」と強調した。
 ルベルス氏は「多くの国で難民が犯罪と結びつけられているのは問題であり、危険だ」と指摘。七月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)に報告書を提出する考えを表明。首相もサミットで議論すべきテーマだとの認識を示した。
 ルベルス氏は今年一月に緒方貞子氏の後任で高等弁務官に就任した。(了)[2001-03-05-20:16] 33
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 03/05@<アフガン>タリバン最高指導者、仏像破壊継続を鮮明に(毎日新聞)

 【イスラマバード支局5日】アフガニスタンを支配するイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者、モハマド・オマル師は5日、イスラム世界に対して仏像の破壊に対して支援を求めるメッセージを出した。その中で、オマル師は仏像破壊継続の意思を鮮明にし、非イスラム諸国と敵対する立場を表明した。
 AFP通信などによると、オマル師はイスラムの犠牲祭の始まりとなる同日、タリバン系ラジオ局を通じて、バーミヤンの巨大石仏を含む仏像は「アフガニスタンの歴史遺産のわずか1%だ」と述べ、その文化的価値を軽視する見解を示した。さらに「今、われわれは誤った偶像を破壊している。世界のイスラム、特にアフガニスタンのイスラム教徒は自分たちの常識に従って行動すべきだ」などと、信者たちの信仰心をかき立てるメッセージを伝えた。
 オマル師が出した彫像破壊令によってタリバンが着手した仏像破壊に対しては、文化的遺産の保護を求める国際社会から強い非難の声が上がっている。4日には、ユネスコ(国連教育科学文化機関)から派遣されたラフランス特使が、タリバンのムタワキル外相と会談したが、話し合いは決裂した。5日のオマル師の強いメッセージは、タリバンの姿勢をより鮮明にするものとなった。
 タリバンのジャマル情報文化相はAP通信などの取材に、バーミヤンの巨大石仏像などの破壊を今月2日から開始したことを認めており、破壊が今後、激化することが懸念されている。[2001-03-05-19:00] 57
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 03/05@土井氏、非核地帯化を提唱 社会主義インター始まる(共同通信)

 社会民主主義政党の国際組織「社会主義インターナショナル」のアジア太平洋委員会が五日午前、東京都内のホテルで始まった。朝鮮半島の緊張緩和を反映、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮労働党関係者がオブザーバーとして初参加し、韓国の新千年民主党メンバーと席を並べた。
 同インターの副議長を務める社民党の土井たか子党首はあいさつで、昨年の南北首脳会談を「世界の平和と安定に大きく貢献する」と高く評価した上で、日本と朝鮮半島、モンゴルなどによる「非核地帯化構想」を提唱。さらに米国、中国、ロシアなどを加えた「北東アジア総合安全保障機構」の創設を提案した。
 土井氏は国内情勢に関して「最近、政権を持つ政党を中心に、平和憲法を改悪しようとする動きが強まっており、平和憲法を守る闘いの最中にある」と述べ、自民党などによる憲法改正の動きを強く批判した。(了)[2001-03-05-12:08] 83
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 03/05@◇「つくる会」歴史教科書、137カ所の修正受け入れ◇(朝日新聞)

 「新しい歴史教科書をつくる会」(会長・西尾幹二電気通信大教授)の主導で編集され、現在検定中の中学歴史教科書について、文部科学省側が137カ所に上る検定意見をつけ、筆者側はすべての部分で修正に応じたことが4日、わかった。検定意見の大半は中国や韓国が懸念を表明している近現代史に集中、韓国併合については「合法的に行われた」としていた記述が削られるなど、内容が大きく変わった。今月中にも同省の教科用図書検定調査審議会で修正内容が審査され、文部科学相が合否を決定するが、筆者側が検定意見をすべて受け入れたことで合格の可能性が高まっている。
 この教科書は西尾会長ら「つくる会」の役員らが著者になり、出版社「扶桑社」が昨年4月、文部科学省に検定申請した。検定審議会は昨年12月、全体で137カ所の検定意見を同社に示し、修正を求めており、これに基づいて同社側が同省に修正内容を提出した。その後、同省は再度、近隣諸国で問題となっている部分を中心に再修正を求め、同社は2月、それに応じた。
 関係者らによると、137カ所の検定意見のうち100カ所程度は近現代史につけられた。申請段階では、韓国併合は「国際関係の原則にのっとり、合法的に行われた」などと記述されていたが、「合法的」という表現がなくなった。さらに「日本は韓国内の反対を武力で押し切って、併合を断行した」という趣旨の記述が加わった。また、朝鮮半島の地理について「日本に絶えず突きつけられている凶器となりかねない位置関係にあった」という表現もなくなったという。
 日中戦争の「南京事件」に関しては「戦争中だから、何がしかの殺害があったとしても、ホロコーストのような種類のものではない」と記述した部分が削除されたという。
 また、神風特攻隊を「日本のために犠牲になることをあえていとわなかった」と説明した部分もなくなったという。
 文部科学省は、「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮」(近隣諸国条項)などを含む検定基準に従って、教科書の内容がバランスのとれたものになるよう検定意見をつけた、としている。今月中に予定される検定審議会に今回の修正内容が諮られ、さらに修正が加えられる可能性もある。
 <西尾幹二会長の話> 生徒の年齢や発達段階に合わない、細部に入りすぎなどの点で文部科学省から厳しく意見が付けられた。個別部分は屈辱的ともいえる修正も受け入れた。ただ、マルクス主義史観とは違う我々の考え方そのものは残っている。
   ◇
 歴史教科書の修正について扶桑社は「現在検定中であり、詳細なコメントはできない。文部科学省の検定意見に基づき、指摘のあった全個所に修正をほどこした。新学習指導要領にものっとり、近隣諸国条項にも十分配慮した記述にしている。そのため一部に報道されているような当初申請した内容のものとは、異なる記述となっている。検定の結果を静かに待ちたい」としている。[2001-03-05-00:23]
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 03/06@<開かれた新聞>苦情と委員の意見 「アジア系外国人」の表(毎日新聞)

 毎日新聞に2月度(1月中旬から2月中旬)に読者から寄せられた本紙記事に関する苦情と本社の対応について、「『開かれた新聞』委員会」の意見を報告します。今回は取り上げたのは、人権と報道のあり方を考える上で問題提起となる事例2件と見出しなど編集上の問題に関する事例1件です。また、これまでの委員会の取り組みについて、苦情を訴えた当事者から「感謝する」との声が2件寄せられましたので、本人のご了解を得て公開します。 【「開かれた新聞」委員会事務局】
 <ケース1> 東京都内の住宅で昨年暮れ、散弾銃などが奪われた事件に関する続報(12月16日朝刊社会面)で「押し入ったのは、アジア系外国人とみられる5〜6人」と報じた表現について、「横浜教区滞日外国人と連帯する会」から1月下旬、「アジア系外国人との表現は差別につながるので、避けるべきだ」との指摘が東京社会部にあった。社会部は「事件報道に必要な要件であり、外国人一般への差別につながるとは考えない」と回答した。
 玉木明委員(フリージャーナリスト)は「『アジア系外国人』は、犯人がどのような人相、風体をしているかという事実を伝えるための重要なファクター」と認めた上で「問題は、そうした表現を受けとめる<われわれ(日本人)>の意識、心情の方だ」として次のように指摘する。
 「差別とは、<われわれ>と<われわれ>に属さないいかれら>を峻別し、排除しようという社会的欲求から生み出される。その欲求は日本人である<われわれ>意識・心情が強調されればされるほど強まるといえる。日本の社会にもその<われわれ>意識を強調する勢力が一部にあるのは事実だが、そのような考え方が一般市民に広く浸透してきているとは思えない。いまのところ『アジア系外国人』という表現が、差別の意味合いをおびているわけではないが、いつそれが差別に転化するか分からないということは、つねに考えておくべきだろう。新聞が厳に警戒しなければならないのは、必要以上に<われわれ>意識が強調される社会風潮に自ら手を貸さないことだ」。
 同じ表現がこの日の朝刊の他の2件の事件記事でも使われていることに注目した委員もいた。
 柳田邦男委員(作家)は「それ自体が差別を助長する表現だとは思わないが、3つの事件で同じ表現が使われているのをみると安易に使い過ぎているのではないか。何をもって『アジア系外国人』と判断するのか、記事からは全くイメージできない。お決まりの表現で済ますことなく、犯人像をもっと具体的に書くよう努力すべきだ。そうすれば、アジア人差別という受け取り方もされないはずだ」。
 中坊公平委員(元日弁連会長)も、アジア系外国人とみられる判断材料が書かれていないことを指摘し「3つの事件の関連性を調べて書いてほしかった」。
 吉永春子委員(テレビプロデューサー)は「この言葉は犯罪報道でしばしば使われ、『中南米系外国人』も時たま使うが『欧米外国人』『アフリカ系外国人』とは言わない。そう考えると引っかかる人もいるのではない。犯罪の初動捜査時に『○○国の人』と特定の国名を上げることはなかなかできない。記者はやむを得ず使っているのだろうが、もっと適当な言葉がないだろうか」。
 田島泰彦委員(上智大教授)は(1)不当な差別禁止の観点から、偏見や差別を助長するような形で人種や外国籍などの事実に言及することは避けるべきで、詳細の公表は原則として記事のテーマに関連がある場合に限るべきだ(2)目撃情報に基づいて記事を書く際は、目撃情報の危うさを認識し、予断を退け多角的な取材と抑制的な表現が求められる――と留意点を挙げ、「『アジア系外国人』という表現はやや分かりにくいが、今回は、差別や偏見をことさらに助長する表現でもなく、犯罪の事実を示す上での必要性も認められる」と判断した。
 ◇ ◇ ◇
 清水光雄・社会部長の話 事件報道にあたっては、事実にどこまでもこだわる姿勢でのぞんでいます。被害者や目撃者の証言を報じる際も、事件当時の状況や混乱の度合いなどをよく見極めたうえで、犯人像に予断を抱かせることのないよう慎重に判断して記事にしていきたいと思います。[2001-03-06-00:25] 37
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 03/06@◎人体への影響に否定的見解=劣化ウラン弾問題でEU専門家(時事通信)

 【ブリュッセル6日時事】欧州連合(EU)の独立専門家委員会は6日、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア・コソボ自治州で北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾の人体への影響に関する報告書を発表、劣化ウラン弾とがんや白血病との間に因果関係があるとの見方に否定的な見解を示した。
 同委員会は「現時点で入手可能な情報に基づき調査した結果、劣化ウラン弾からの放射線が(がんなどの形で)健康に明らかな影響を及ぼすことはなかったとの結論に達した」とした。さらに白血病に関して「ウランが骨髄などの組織に蓄積されることはほとんどない」と指摘、「白血病にかかる危険性は極めて小さい」との結論を示した。 [時事通信社][2001-03-06-22:08] 38
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 03/06@◎3日連続で戦闘発生=マケドニア・コソボ国境地帯(時事通信)

 【ウィーン6日時事】スコピエからの報道によると、緊張が高まっているユーゴスラビア・コソボ自治州とマケドニアの国境地帯で6日、マケドニア軍部隊とアルバニア系武装集団の新たな戦闘が発生した。双方の衝突は同軍兵士3人が死亡した4日の戦闘以来、3日連続。
 マケドニア国防省当局者によれば、同国北部のタヌセフチ村を占拠しているアルバニア系武装集団の「挑発行動」が続いており、軍部隊はこれに応戦している。マケドニア軍は5日も武装集団と激しい戦闘を交え、同集団の機関銃座などの陣地10カ所を粉砕したという。同軍は5日から予備役の動員を開始するなど、武装集団の一掃へ断固とした態度を見せている。 [時事通信社][2001-03-06-21:34] 39
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 03/06@<コソボ>アルバニア系ゲリラがマケドニアから撤退開始 (毎日新聞)

 【ウィーン6日福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州から国境を越えてマケドニア側に進攻していたアルバニア系ゲリラが5日、撤退を開始した。マケドニア政府軍と同日、激しい銃撃戦を展開した後の撤退で、コソボの平和維持部隊(KFOR)が確認した。マケドニア国内とコソボのアルバニア系指導者がゲリラの行動を批判し、それに呼応した動きともみられるが、「一時的な撤退に過ぎない」との見方も強い。
 マケドニア国境地帯からの報道によると、国境のマケドニア側にあるタヌシェビチ村で激しい銃撃戦が発生し、5日午後、数十人の黒い軍服を着たゲリラ兵が国境を越えてコソボ側に戻った。KFORによると、ゲリラ兵の何人かは軍服を脱ぎ捨てて武器も放棄していったという。アルバニア系ゲリラは2月中旬から約200人が攻撃を展開し、同村を占拠していた。
 4日に国境警備中だったマケドニア兵3人が殺害された事件後、マケドニア国内のアルバニア民主党は「紛争を挑発する行為は長期的にアルバニア系住民の利益を大きく損なう」との声明を発表。コソボのアルバニア系強硬派・コソボ民主党(旧ゲリラ組織)のタチ議長も「政治的努力が暴力行為に取って代わられることは受け入れられない」と非難していた。[2001-03-06-19:15] 258
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 03/06@<劣化ウラン弾>バルカン半島駐留兵士の健康に影響なし 欧(毎日新聞)

 【ブリュッセル6日森忠彦】バルカン半島に駐留する兵士の健康被害と米軍が使用した劣化ウラン弾との関係について調査していた欧州委員会の専門家チームは6日、同弾に含まれる放射能が「人体に及ぼす影響はない」とする意見書をまとめた。しかし、同弾が持つ有毒素や発ガン性物質などとの因果関係については明確な結論を出しておらず、「今後も全体的な環境汚染への監視は必要」と警告した。
 同チームは1月末に発足。現地調査を伴わない科学的な分析の結果として、(1)放射能はごく微量で人体への影響はない(2)兵士の白血病との因果関係は極めて薄い(3)植物や水、土壌への放射能汚染も極めて低いとみられる――との見解を示した。
 昨秋、現地調査を行った国連環境計画(UNEP)も今月中に最終報告書を発表する予定。欧州委側は多角的な分析や結論は、UNEPや世界保健機関(WHO)の健康調査にゆだねる方針を示している。[2001-03-06-23:15] 260
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 03/06@<韓国慶尚北道>島根県知事の竹島発言に反発、交流中止=替(毎日新聞)

 【ソウル6日澤田克己】島根県と姉妹縁組をしている韓国の慶尚北道は6日、日韓両国が領有権を主張している竹島(韓国名・独島)について、澄田信義・島根県知事が「韓国が不法占拠している」と県議会で発言したことに反発し、同県との交流事業を当分の間、中断すると発表した。
 議会同士の親善訪問や自治体職員の相互派遣、職員サークル同士の交流などが中断の対象となる。道庁関係者によると、技術研修生の派遣や学校間交流など民間レベルの交流は、従来通り続けていくという。
 慶尚北道はさらに、島根県に国際交流員として派遣している道庁職員1人を帰国させ、事実関係についての報告を受ける。
 澄田知事は2月末、県議会での答弁で竹島の領有権問題について発言。同県は今月2日、慶尚北道に対して知事の遺憾の意を伝え、これに対して同道は、再発防止を求める抗議文を送っていた。
 韓国の聯合ニュースによると、慶尚北道は当初、澄田知事の発言に遺憾の意を表明する程度の対応をしていたが、市民団体などから「姉妹縁組を破棄すべきだ」と突き上げを受けたため、交流中断に踏み切ったとみられる。道議会も道庁側に強い対応を求めているという。
 慶尚北道によると、島根県とは1989年に姉妹縁組を結び、これまで職員交流や技術研修生派遣、高校生スポーツ交流など活発な交流を続けてきた。韓国の行政区分では、竹島は慶尚北道鬱陵郡に属するとされている。
 ==◇==
 これに対して、急きょ会見した澄田知事は「政府見解に沿って過去にも同じ答弁をしており、なぜ今回だけ問題になるのか分からない」と首をかしげた。県国際課は2日、韓国側に電子メールで「従来の日本側見解で、教科書検定問題などの背景として疑問を持たれたのは残念」と伝えたという。
 澄田知事は2月27日の県議会で、竹島について「島根県五箇村に所属する我が国の領土であり、韓国による不法占拠は誠に遺憾」と発言。これについては「今の(日本)国の考えだ」とし、撤回しない意向を示した。 【野村 和史】[2001-03-06-21:40] 261
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 03/06@中国、イラク防空網の建設関与を否定(読売新聞)

 【北京6日=石井利尚】中国の唐家セン外相は六日の記者会見で、イラク軍の防空網建設に中国人が関与しているとされる問題について、「厳正な調査の結果、中国企業と個人は関与していない。米国がこの問題を突然持ち出したのは、米英のイラク空爆への国際社会の目をそらす意図があったのではないか」と批判した。
 また、「米国が台湾に先進兵器を売却すれば、少数の台湾独立勢力の分裂活動を助長し、中米関係を脅かし、台湾地域の緊張を高める。米国にとっても良いことはない」と述べ、イージス艦などの売却に強く反対した。さらに、唐外相は、「台湾(統一)問題が解決しないのは、陳水扁(台湾総統)が『一つの中国』の原則を認めていないことと、米国など外部の要因が関係している。米国は、中国が進める(台湾)平和統一の障害になっている」とけん制した。
 また唐外相は、北朝鮮の金正日総書記の韓国訪問について、「金大中(韓国)大統領が平壌を訪問し、盛大な歓迎を受けた以上、金正日総書記は今年、ソウルを答礼訪問するだろう。時期の問題だ」との見通しを述べた。 【センは「王へん」に「旋」】[2001-03-06-21:36] 262
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 03/06@◇口蹄疫、欧州のイスラム社会直撃 祭りに欠かせぬ羊高騰◇(朝日新聞)

 欧州で広がっている家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」が、年に1度の「犠牲祭」が5日始まったイスラム教徒の社会を悩ませている。祭りに欠かせない羊の肉の流通が止まり、値段が高騰。肉が手に入らない家庭での代用方法を宗教指導者が伝授する騒ぎにまでなっている。
 犠牲祭は、メッカ巡礼の最終日から4日間続く。イスラム圏からの貧しい移民家庭にとってこの日は、普段口にできない肉を腹いっぱい食べることができる機会となっている。
 ところが、英国で口蹄疫が全国的に流行し始め、感染を恐れたフランス政府は5日、2週間にわたって一部の家畜の輸出や国内移動を禁止する措置を取った。パリでは外国産の羊が乏しくなり、羊肉の値段が高めに。子羊に至っては普段の倍にまで上がったところもある。本来なら祭りで大にぎわいのはずのイスラム教徒向け肉屋でも客の姿がまばら。北アフリカからの移民が多いマルセイユでも羊肉は昨年に比べ3割ほど高く、祭りをやめる家庭もあるという。
 パリ・モスク(イスラム礼拝所)の指導者ダリル・ブバクール氏はこの日ラジオで「いつも通りに儀式を執行するのは難しくなった」と表明。「犠牲としてささげることができるのは羊かせいぜいヤギまでだが、代用策は可能だ。祭りを機会に慈善的な活動や恵まれない人への施しをし、連帯感を高める工夫をしたらどうか」と呼びかけた。[2001-03-06-21:17] 269
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 03/06@歴史教科書不合格を要求 外交問題に発展も 中国外相記者会(共同通信)

 【北京6日共同=森保裕】中国の唐家☆外相は六日、北京の人民大会堂で記者会見し、日本の「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学歴史教科書の検定問題について「日本政府が適切に処理してこそ、中日関係の政治的基礎が維持できる」と述べ、検定不合格を強く求めた。
 この問題で中国外相が検定阻止を求める発言をしたのは初めて。検定の行方次第では、日中間の深刻な外交問題に発展し、両国関係が急激に冷え込む可能性が強まった。
 唐外相は米国のブッシュ新政権との関係強化に意欲を示しながら、米国が検討している台湾へのイージス艦など先進武器輸出には強い反対を表明し、十八日から訪米する銭其☆副首相が米国に直接中止を申し入れることを示唆した。
 ロシアとの関係では、江沢民国家主席が七月に公式訪ロし、プーチン大統領との間で、一九八○年四月に失効した中ソ友好同盟相互援助条約に代わる新基本条約、中ロ善隣友好協力条約に調印する予定を明らかにした。地ならしのため唐外相が事前に訪ロする。
 唐外相は教科書問題について「日本が侵略の歴史を正しく認識、対応して、アジア周辺諸国の信頼を得て、平和と発展の道を引き続き歩むかどうかだ」と指摘し、「検定作業は複雑だが、最終的には日本政府が責任を負うべきだ」として日本政府の決断を迫った。
 米国の対台湾武器輸出について、唐外相は「台湾の独立派を鼓舞し、中米関係を危うくさせ、台湾海峡を緊張させる」とし、中台関係行き詰まりの二大要因として、台湾の陳水扁総統が「一つの中国」の原則を認めないことに加え「米国の妨害」を挙げた。
 米政府が近くジュネーブで始まる国連人権委員会に対中非難決議案を提出するなどの人権批判についても「人権を利用した内政干渉に断固反対する」と述べた。
 さらに、中国がイラク軍施設の建設を支援しているとの米政府の批判についても「中国は国連安全保障理事会のイラク関係決議を厳格に履行している」とし、イラクへの軍事協力をあらためて否定した。(了)☆王ヘンに旋☆王ヘンに深のツクリ[2001-03-06-19:36] 295
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 03/06@◇バーミヤン大仏の4分の1を爆破 タリバーン大使◇(朝日新聞)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバーンのザイーフ駐パキスタン大使は5日、アフガニスタン中部のバーミヤン大仏について「4日に2体の大仏の破壊が始まった。爆薬が使われ、両大仏の4分の1が吹き飛んだ」と話した。タリバーンに近いアフガン・イスラム通信が配信した。同大使はこれまで、両大仏の破壊はまだ始まっていないと言っていた。「頭と脚が破壊された」と述べた同勢力のジャマル情報・文化相に続く言及で、大仏が実際に破壊された恐れが大きくなった。
 バーミヤン大仏は、4、5世紀作の作とみられる高さ38メートルのものと、5、6世紀作とみられる55メートルのものがあるが、ザイーフ大使は、それぞれどのように被害を受けたかは明らかにしていない。
 パリで国連教育科学文化機関(ユネスコ)が5日発表した声明によると、破壊中止を求めてタリバーンの本拠カンダハルを訪ねた同機関のラフランス特使は、「タリバーンはヘラートの町などの博物館の小さな仏像を破壊しているが、すべてのドアが閉ざされたわけではない」と述べ、バーミヤン大仏についてはまだ希望があると示唆した直後だった。同特使は7日か8日に再び、アフガニスタン入りするという。[2001-03-06-12:37] 296
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 03/06@公民も大幅修正、合格へ 「つくる会」教科書(共同通信)

 「新しい歴史教科書をつくる会」(西尾幹二会長)のメンバーらが執筆した扶桑社(東京)の中学公民の教科書について、文部科学省が核廃絶や自衛隊などの記述に検定意見を付け、執筆者側が大幅に修正したことが六日、分かった。三月下旬の教科用図書検定調査審議会の部会を経て、歴史教科書と同様に合格する見通し。
 当初の申請本は、核兵器廃絶について「絶対の正義とするのは(中略)人間を性善なるものと安易にみなしている」としていたが、検定意見を受けて「唯一の被爆国である日本も(中略)核兵器廃絶を世界中に訴え続けている」と記述を追加した。
 関連して「わが国としても現実的な対応が求められている」とした個所には「核兵器を保有することが現実的対応であるかのように誤解を与える」との意見が付いて「各国の防衛のあり方が議論を呼んでいる」と改めた。
 自衛隊には「国連平和維持軍や多国籍軍自体への参加が諸外国から期待されているが、ここでも日本国憲法がその障害になっている」と現行憲法を否定的にとらえた記述も「参加を求める声もあるが、反対もある」とバランスを考慮した内容に修正された。(了)[2001-03-06-12:03] 313
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 03/06@◇タリバーンと反対勢力招き和平呼びかけへ 外務省◇(朝日新聞)

 外務省は5日、世界的な文化遺産である巨大石仏の破壊などで揺れるアフガニスタンの和平をめざし、同国の大部分を実効支配するイスラム原理主義勢力タリバーンと、反対勢力の北部同盟の幹部を4月中旬に東京に招き、「和平対話」を開く方針を決めた。タリバーンが進める仏像破壊に対し、国際的な懸念を伝える機会にもなると期待している。
 外務省は昨春、日本の中立的立場を生かし、タリバーンや北部同盟の関係者を日本に招き、和平を呼びかけた経緯がある。今回は、両者が直接、対話する場を設け双方の意思疎通を図ることで和平を促す狙いがある。近くタリバーンのムタワキル外相らに来日を呼びかける。
 アフガニスタンの内戦では、200万人ともいわれる難民がでて「100万人が飢餓のため死にひんしている」(大島賢三国連人道問題担当事務次長)状態。外務省は、タリバーンの孤立化を防ぐ受け皿づくりが必要と判断している。
 ただ「仏像破壊はアフガニスタン国内で行われているため、外国が介入するのは難しい」(外務省幹部)との見方もあり、日本がどこまで和平進展に貢献できるか、手探りの作業となる。[2001-03-06-08:09] 316
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 03/06@<特報・教科書>韓国併合「植民地」盛る つくる会が2次修(毎日新聞)

 「新しい歴史教科書をつくる会」(会長・西尾幹二電気通信大教授)が中心に執筆した2002年度版中学歴史教科書で、原本が韓国の強い批判を招いていた「韓国併合」の部分の2次修正(最終修正版)内容が5日、明らかになった。検定意見に沿って、(1)日本が朝鮮を植民地にした(2)日本同化政策を進めた――の2点を新たに盛り込んだのが大きな特徴だ。
 「韓国併合」項目の2次修正後の新たな内容は、「日本は植民地にした朝鮮で鉄道・潅漑(かんがい)の施設を整えるなどの開発を行い、土地調査を開始した」「日本語教育など同化政策が進められたので、朝鮮の人々は日本への反感を強めた」――など。1次修正文を大幅に書き換えており、文部科学省は既に執筆者らに「2次修正の内容で十分」と伝えている。
 出版元(扶桑社)が昨年4月、同省に検定申請した際の原本では、韓国併合について「国際関係の原則にのっとり、合法的に行われた」と記していたが、今年1月中旬に提出した1次修正では「合法的」との表記を全面削除していた。同省はしかし、「韓国の国内には、併合を受け入れる声もあった」などと記されていたことから、近隣アジア諸国との歴史に配慮することを定めた「近隣諸国条項」に沿った追加修正を求めていた。[2001-03-06-03:06]
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 03/07@マケドニアに紛争波及 コソボ州境、軍事行動も(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】アルバニア系武装組織のテロが活発化するユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部の民族紛争が、国境を越えてマケドニアに波及しつつある。
 マケドニアのトライコフスキ大統領は六日の議会演説で武力行使をちらつかせており、アルバニア系組織に対する軍事作戦が始まる可能性も浮上してきた。
 マケドニアやセルビア南部に隣接するコソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)軍主体の国際治安部隊はマケドニアへの戦火拡大を阻止するため、セルビア南部へのユーゴ軍再配備を認める案を検討するなど、アルバニア系組織との全面衝突も予想される事態となった。
 コソボとセルビア本国との州境では、二月からアルバニア系武装組織「プレシェボ・メドベジャ・ブヤノバツ解放軍」によるセルビア治安警察への砲撃や銃撃が激化。先週になってアルバニア系組織がマケドニア北部の村を占拠し、四日にはマケドニア兵士三人が死亡するなど紛争が広がりつつある。
 セルビアやマケドニアは、コソボ州境に設置された幅五キロの非武装地帯にゲリラが集結し武器を蓄積していると主張し国際治安部隊に国境管理の徹底を要求。これを受けて同部隊は六日、コソボ南部に戦車などを増やし、検問を強化した。
 非武装地帯はNATO軍のユーゴ空爆終了後、ユーゴ軍によるコソボ再攻撃を阻止するために設置された緩衝地帯。軽装備のセルビア警察だけがパトロールを許されている。
 一方、マケドニアに対してブルガリアが戦力提供を申し出たほかルーマニアも全面支持を表明。ギリシャのパパンドレウ外相も六日、スコピエを訪問するなど近隣諸国もバルカン紛争の再燃を強く警戒している。(了)[2001-03-07-17:17] 33
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 03/07@◎米大統領、6月に欧州初訪問=スウェーデンでEUと首脳会(時事通信)

 【ワシントン6日時事】米政府は6日、ブッシュ大統領が6月にスウェーデンのイエーテボリで開かれる米・欧州連合(EU)首脳会議に出席すると発表した。同大統領が1月20日の就任後、欧州を訪問するのは初めて。
 首脳会議では、ブッシュ大統領が推進する全米ミサイル防衛(NMD)計画や、ユーゴスラビアなどバルカン半島地域への米軍駐留問題などが協議される見込み。欧州諸国はNMDや、ブッシュ政権が検討しているバルカン駐留米軍の規模縮小に懸念を表明している。 [時事通信社][2001-03-07-09:53] 34
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 03/07@ユーゴ軍の国境展開を検討 NATO事務総長(共同通信)

 【ニューヨーク6日共同】北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は六日、国連本部で、マケドニア北部国境地帯で続くアルバニア系武装組織によるテロ防止のために、同国とユーゴスラビア連邦コソボ自治州の国境地域へのユーゴ軍展開を認めることを検討中だと語った。NATOは週内に結論を出す意向。
 事務総長は安全保障理事会でマケドニア情勢を報告。「(認められれば)ユーゴ軍はコソボ自治州内の国境地域にある非武装地帯に展開することになる」と語った。
 事務総長は同時に、NATO軍もアルバニア系住民が多数を占める同自治州がテロの支援基地とならないよう国境付近での兵力を増強していると述べた。(了)[2001-03-07-08:33] 35
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 03/07@テロリスト掃討と宣言 マケドニア、軍事作戦も(共同通信)

 【ベオグラード6日共同】マケドニアのトライコフスキ大統領は六日、アルバニア系武装組織によるテロが相次ぐ同国北部のコソボ自治州との州境情勢にからみ「テロリストを掃討する決意だ」と述べ、大規模な軍事作戦を展開する意向を表明した。
 スコピエからの報道によると、議会で演説した大統領は「一インチたりともマケドニア領土を過激派に渡すことはない。過激派に対処できるだけの軍事力を有している」と述べた。
 同国北部では先週以降、コソボから侵入したとみられるアルバニア系武装組織がマケドニア警察を襲撃する事件が急増。四日には同組織が敷設した地雷や銃撃で警察官三人が死亡、政府はコソボとの国境を全面封鎖し国連の緊急討議を要請するなど危機感を強めている。(了)[2001-03-07-08:24] 36
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 03/07@10日に停戦合意に署名 セルビア南部の衝突(共同通信)

 【ベオグラード6日共同】ユーゴスラビアの独立系ラジオ「B29」によると、ユーゴ連邦セルビア共和国南部の民族紛争で、チョビッチ・セルビア副首相は六日、アルバニア系武装組織と十日に停戦協定を結ぶと語った。
 これを受けて、十日から十二日の間に、コソボ州境にある非武装地帯の縮小が始まるとしている。
 セルビア南部では武装組織とセルビア治安警察との衝突が二月に入って激化。セルビア側はコソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)に対し、コソボとの州境にある幅五キロの非武装地帯が同組織の集結に利用されているとして、非武装地帯の縮小を要求していた。
 副首相は、縮小の完了後に「(ユーゴ連邦軍の)非常配備が不要になる」としており、非武装地帯近くに配備した軍を撤退させることを示唆した。(了)[2001-03-07-08:21] 235
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 03/07@米次期国連大使にネグロポンテ氏、大統領が指名(読売新聞)

 【ワシントン6日=林路郎】ブッシュ米大統領は六日、出版大手マグロウヒル社副社長のジョン・ネグロポンテ氏(60)を次期国連大使に指名すると発表した。上院での承認手続きを経て正式に決定される。[2001-03-07-12:18] 255 [このページの最初に戻る]


 03/07@中露、友好条約を締結へ(読売新聞)

 【北京6日=石井利尚】中国の唐家セン外相は六日、全国人民代表大会(全人代=国会)開催中の北京・人民大会堂で内外記者会見を行い、江沢民国家主席が今年七月にロシアを公式訪問し、中露善隣友好協力条約を締結するとの見通しを明らかにした。
 条約締結は、米国ブッシュ政権をにらみ、中露両国の協調関係を誇示する狙いがあるものと見られる。
 新条約の締結準備のため、唐外相は江主席の訪露前にロシアを訪れる。
 江主席の訪露は九八年十一月以来となる。唐外相は「中露は、経済・科学技術・軍事など幅広い分野で大変良好な協力関係にある。これは新しい形の関係であり、第三国に向けた(排他的な)同盟ではない」と説明した。
 唐外相は、五月の上海での中央アジア三か国、中露の五か国首脳会議と、十月の上海でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため、「プーチン露大統領が年内に二度訪中する」と述べた。
 中国は一九五〇年、旧ソ連と軍事同盟の性格が強い中ソ友好同盟相互援助条約を締結したが、スターリンの評価などをめぐる中ソ対立を経て同条約は八〇年に自動失効。それ以降、中露間には基本的な条約はなかった。
 (「セン」は「王」ヘンに「旋」)[2001-03-07-00:19]
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 03/08@◎非武装地帯にユーゴ軍展開へ=NATOが初の承認(時事通信)

 【ブリュッセル8日時事】北大西洋条約機構(NATO)は8日、ブリュッセルの本部で大使級理事会を開催し、ユーゴスラビア・セルビア共和国南部に設置されている幅5キロ、長さ約400キロの非武装地帯のうち、マケドニアと国境を接する一部の地域にユーゴ軍が展開することを承認した。アルバニア系武装集団が非武装地帯を利用し、マケドニアなどへの襲撃を続けていることに対処する措置。ユーゴ軍が同地帯に進駐するのは、NATO軍によるユーゴ空爆終結後の1999年6月に非武装地帯が設置されて以来初めて。 [時事通信社][2001-03-08-23:47] 18 [このページの最初に戻る]


 03/08@◎コソボ駐留米軍がマケドニアへ進駐=初の域外行動、村を解(時事通信)

 【タヌセフチ(マケドニア)8日AFP=時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留する平和履行部隊(KFOR)の米軍部隊約300人が8日、マケドニアに越境し、アルバニア系武装集団が1カ月にわたって支配していたマケドニア北部のタヌセフチ村を制圧した。KFORが国連統治地区外に進駐したのは初めて。 [時事通信社][2001-03-08-23:05] 19 [このページの最初に戻る]


 03/08@<ボスニア>民族強硬派の幹部を更迭 強硬派が反発か(毎日新聞)

 【ウィーン8日福井聡】ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国(イスラム教徒とクロアチア人によるボスニア・ヘルツェゴビナ連邦と、セルビア人共和国で構成)の民政部門を統括するペトリッチュ和平履行会議上級代表は7日、民族強硬派・クロアチア民主同盟(ボスニア)党首のエラビッチ幹部会議長を更迭した。同党首が3日、同連邦からの離脱を公式に宣言し、独自政府樹立を公言したのを受けた。更迭により、民族強硬派が強く反発することが懸念される。
 ペトリッチュ上級代表は更迭理由について「幹部会議長・同党党首としてボスニアの憲法を遵守する義務があるのに、離脱を公言し、(ボスニア紛争の民族対立を終結させた)デイトン和平合意に反した」とし、民主同盟の他の幹部3人も更迭した。この中にはルザンスキ同連邦元大統領も含まれている。同連邦への経済制裁などは実施されなかった。
 同党首は3日、「クロアチア民族会議」を開催し、同連邦が2月末、強硬派を排除する形で民族協調派政府を発足させたことを強く非難して連邦離脱を宣言。「15日間の猶予の後、事態が変わらなければクロアチア暫定自治政府を発足させる」としていた。
 ボスニアでは1995年、デイトン和平合意が締結され、昨年11月投票の総選挙から3カ月ぶりに2月末、初めて民族協調派の新政府が樹立されたばかり。
99年3月にも、ペトリッチュ上級代表の前任にあたるウェスティンドルプ前代表が平和履行を妨げたとして当時のポプラシェン・セルビア人共和国大統領を更迭している。[2001-03-08-21:20] 20
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 03/08@北朝鮮政府代表団が訪ロへ(共同通信)

 【北京8日共同】八日の朝鮮中央放送によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の洪仙玉・対外文化連絡委副委員長を団長とする政府文化代表団が、ロシアとユーゴスラビア訪問のために七日、列車で平壌を出発した。(了)[2001-03-08-12:24] 22 [このページの最初に戻る]


 03/08@<コソボ情勢>ユーゴ軍兵士3人が地雷で死亡(毎日新聞)

 【ウィーン8日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア政府軍と同連邦コソボ自治州のアルバニア系強硬派ゲリラの紛争が続く州境近くで7日午後、ユーゴ軍兵士3人が地雷で死亡した。また、その南西のコソボとマケドニア国境では同日朝、コソボに展開する国際治安維持部隊(KFOR)の米部隊が初めてゲリラ組織と銃撃戦を展開し、1人を逮捕した。北大西洋条約機構(NATO)は現在、セルビア・コソボの間に設置した緩衝地帯の廃止を検討中で、二つの事件は廃止実施に影響を与えるとみられる。
 セルビア政府によると、爆破現場は南部プレシェボ北2キロの地点で、コソボ州境線沿いの緩衝地帯の外側(セルビア側)だった。兵士らは周辺を車で巡視中、地雷に触れて爆破された。同境界線近くでは先月末、バスが地雷で爆破されセルビア人50人が死傷している。
 セルビア側は緩衝地帯がアルバニア系ゲリラの出撃地域になっているとして国連などに同地帯廃止を要請して来た。しかし、コソボのアルバニア系住民はこれに強く反対し、逆に拡大を要請している。
 ロバートソンNATO事務総長は7日、ニューヨークでアナン国連総長やパウエル米国務長官らと会談し、緩衝地帯廃止などを討議した。NATO加盟国の大半は廃止に合意しているが、米国は慎重な姿勢を示している。[2001-03-08-11:10] 23
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 03/08@KFORがアルバニア系武装組織と交戦(読売新聞)

 【ベオグラード7日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、同自治州南東部で七日、コソボ平和維持部隊(KFOR)とアルバニア系武装組織の間で銃撃戦が発生、同武装組織の二人が負傷した。KFORとアルバニア系組織との交戦は、一昨年六月のKFOR展開開始以来初めて。さらに、別の交戦で武装組織側の二人が死亡したとの情報もある。
 交戦があったのは、先月下旬からアルバニア系武装組織が支配地域としているマケドニア側の村タヌセフチに近い同自治州側の村ミヤク付近。同日早朝、国境警備に当たっていたKFOR部隊に対して、同武装組織戦闘員が発砲。KFOR側が応戦し、同武装組織側の二人が負傷した。一方、ユーゴの独立系ベタ通信などがユーゴ当局がKFOR関係者から得た情報として伝えたところでは、同日午後にも、同自治州の対セルビア南部州境近くでKFORと同武装組織の交戦があり、武装組織側の二人が死亡した。これまでのところ、KFOR側は確認していない。
 一帯は、同武装組織が支配地域とするユーゴ・セルビア南部の非軍事地帯にも接しており、マケドニア政府の要請でKFORが警備を強化、この日は、米軍部隊を中心とした約二百五十人が国境警備に当たっていた。一方、セルビア南部のプレシェボ近くでは同日、警戒中のユーゴ連邦軍兵士四人の乗った軍用車が対戦車地雷に触れ爆発、三人が死亡した。同地域では、先月下旬にも、連邦軍兵士三人が地雷に触れ死亡する事件が起きている。[2001-03-08-10:46] 24
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 03/08@クロアチア人代表を解任 ボスニア幹部会(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】ボスニア・ヘルツェゴビナのペトリッチュ和平履行会議上級代表は七日、同国幹部会でクロアチア人を代表するエラビッチ幹部会員を解任したと発表した。
 同幹部会員が党首を務める民族主義政党、クロアチア民主同盟は今月三日、イスラム教徒勢力と構成するボスニア連邦政府から離脱し、クロアチア人だけの自治体を設置すると宣言した。
 サラエボで記者会見した同代表は、こうした動きはボスニア和平を達成した「デートン合意に反する」と述べ、同幹部会員が今後、公的職務に就くことを禁止した。
 ボスニアでは、イスラム教徒、クロアチア人、セルビア人代表の三幹部会員が輪番で国家元首に相当する幹部会議長を務めている。(了)[2001-03-08-10:39] 25
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 03/08@マケドニア支持で一致 仏ロ首脳が電話会談(共同通信)

 【モスクワ8日共同】ロシアのプーチン大統領は七日、フランスのシラク大統領と電話会談し、アルバニア系武装組織のテロが活発化するマケドニア北部の情勢について、領土保全のため軍事行動も辞さないとするマケドニア政府を支持する立場で一致した。
 両首脳はまた、二十三日にストックホルムで行われる欧州連合(EU)首脳とプーチン大統領との会談のテーマについても協議。ポーランド、リトアニアの将来的なEU加盟でEUに囲まれることになるロシアの飛び地カリーニングラード州をめぐる問題などを話し合ったとみられる。(了)[2001-03-08-10:16] 26
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 03/08@予算不足で装備に支障(共同通信)

 【ベルリン8日共同】ドイツのシャーピング国防相は七日、訪米に先立ち議会で答弁し、国防予算が大幅に不足しており、戦闘機など正面装備の維持に支障が出ていると述べた。
 米国がドイツに北大西洋条約機構(NATO)への負担増額を求めていることに対するけん制との見方も出ている。
 国防相によると不足額は約三億七千八百万マルク(約二百十五億円)だが、旧ユーゴスラビアに展開するドイツ連邦軍への影響はないという。(了)[2001-03-08-09:09] 27
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 03/08@セルビアでの裁判容認 ユーゴ前大統領の戦犯法廷(共同通信)

 【ブリュッセル7日共同】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)のブルーイット次席検察官は七日のロンドンでの講演で、一九九九年五月に戦犯として起訴したミロシェビッチ前ユーゴ大統領の裁判の一部をセルビアで開くことを支持、即時移送を求める従来の方針を事実上、転換した。ロイター電などが伝えた。
 ユーゴ政府は、ミロシェビッチ氏を経済犯として国内で訴追する準備を進めている。しかし、同氏が国内で服役した場合は、ハーグへの移送が難しくなるとの見方もあるため、妥協に踏み切った形だ。
 ただ、ユーゴ側が国内裁判とは別に、前大統領を戦犯として裁く法廷の設置に同意するかなど不透明な点も残されている。
 次席検事はまた、前大統領の罪状について、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時に前大統領が関与したとされる国際人道法違反でも、近く追起訴する方針を明らかにした。(了)[2001-03-08-08:33] 29
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 03/08@◇コソボ・マケドニア国境付近で国際部隊と武装勢力が交戦◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州の南部で7日、治安維持のために現地に展開する国際部隊(KFOR)とアルバニア系武装勢力が一時、交戦した。国際部隊の報道官の発表によると武装勢力の2人が負傷、国際部隊は1人を拘束した。国際部隊がアルバニア系武装勢力と交戦したのは初めて。
 現場はマケドニアとの国境に近い村。武装した5人の男が国際部隊の兵士に向けて発砲したため、兵士が応戦した。
 ユーゴからの独立を主張する武装勢力は昨秋以来、コソボの外側に設けられた幅5キロの安全地帯を活動の拠点にしている。立ち入りが許されているのは軽武装のセルビア警察官だけで、ユーゴ軍は入れないのを利用した形だ。最近になって武装勢力はマケドニア側に越境し、マケドニア軍とも交戦している。
 国際部隊の主体となっている北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は6日、国連の安全保障理事会でマケドニア国境の情勢について「(武装勢力の活動を抑えるために)ユーゴ軍の安全地帯への展開を許すかどうかを検討中で、今週中にも結論を出したい」と述べた。[2001-03-08-01:24] 31
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 03/08@◎金塊720キロを違法売却=前大統領側近が関与か−ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン7日時事】ベオグラードからの報道によると、ユーゴスラビア連邦国立銀行(中央銀行)のディンキッチ総裁は7日、ユーゴ南部の金製錬会社から過去3年間で計727キロの金塊が不法に国外に持ち出され、売却されたと発表、ミロシェビッチ前大統領の側近がこれに関与していた疑いがあると指摘した。
 同総裁によると、国外に持ち出された金塊は1998年に552キロ、99年に62キロ、昨年には113キロに達し、スイスとキプロスの企業を通じて売却された。 [時事通信社][2001-03-08-00:11] 111
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 03/08@大仏破壊作業を再開へ タリバン外相が言明(共同通信)

 【ニューデリー8日共同】アフガニスタンからの報道によると、同国のイスラム原理主義政権タリバンのムタワキル外相は八日、バーミヤン石窟(せっくつ)群の二つの大仏立像などの破壊作業を「きょう(八日)から再開する」と語った。作業はイスラム教の祝日(犠牲祭)入りを理由に六日から中断していたが、犠牲祭はアフガニスタンでは八日で終了する。
 外相は、最高指導者ムハマド・オマル師が二月二十六日に出した彫像の破壊を命じる布告について「イスラム法に基づいており、イスラム教が伝わる前の彫像も容赦しない」と述べ、すべての彫像を破壊する方針をあらためて確認した。
 日本の与党議員団が説得のためアフガニスタン入りするが、外相は「この問題でだれとでも会う用意はあるが、彫像を廃絶するべきというのがわれわれの判断だ」と述べ、布告が覆される可能性がないことを示唆した。
 タリバン政権と恒常的に接触しているイスラマバードの国連筋は「タリバン政権幹部は狂信的なムードになっており、同政権に冷たい国際社会との取引をする気はなく、本気で彫像を破壊し尽くす方針のようだ」と語り、事態の推移を懸念している。(了)[2001-03-08-20:01] 122
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 03/08@不毛の紛争、避難民残す エリトリア国境の町(共同通信)

 エチオピアとエリトリアの国境紛争が終結し、国連の平和維持活動(PKO)の展開が始まった。国境地帯のエリトリア側では、二年に及ぶ不毛の紛争の果てに村々は放棄され、大量の地雷と、約六十五万人の避難民だけが残された。
 昨年六月調印された停戦協定の履行は順調だ。二月二十六日にはエチオピア軍がエリトリア領内からの撤退を完了。エリトリア軍も国境沿いの自国領側に設けられた幅二十五キロの緩衝地帯から近く完全に撤兵する。
 緩衝地帯に接するエリトリアの町サナフェ。町から南方の国境まで茫漠(ぼうばく)とした大地が続く。昨年五月のエチオピア軍の進攻で、十数万人の住民の大半が町を離れた。
 町の北端、首都アスマラからサナフェに入る幹線道路には、国連の検問所が設置されている。サナフェに残り戦火の恐怖に耐えていた住民は、エチオピア軍撤退翌日の二月二十七日から、ようやく外出できるようになった。疎開先からも住民がポツポツ戻り始めた。
 サリナ・モハメドさん(26)は、エチオピア軍が進攻した時、出産間近だった。祖母と二人で家に残った。「怖くて家から一歩も出なかった。蓄えていた穀類を少しずつ食べながらしのいだ」と言う。
 避難した夫や母親らが二十八日に戻った。生後八カ月になる女児を見せることができた。「うれしくて、いつまでも涙が止まらなかった」 町は小麦や野菜の栽培が主産業だが、エチオピア軍が畑に埋めた大量の地雷が生活再建を阻む。日々の糧を失い、疎開を続ける住民が多い。町の警察や行政機能も止まったままだ。
 首都の東約三十キロにあるハレナ・キャンプでは、サナフェの住民約二万六千人が避難生活を続ける。
 「テント暮らしは不自由。早く帰りたい。でも、子供が小さく遊び盛りなので地雷が怖くて。安全宣言が出るまでここにいるしかない」。メヘレ・アブラハムさん(24)はこうつぶやいた。徴兵された夫は消息を絶ったままだ。(アスマラ共同=大野圭一郎)(了)[2001-03-08-15:56] 134
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 03/08@米大統領、金総書記への不信明言(読売新聞)

 【ワシントン7日=森千春】ブッシュ米大統領は七日午前(日本時間八日未明)、訪米中の金大中大統領と、米新政権発足後、初の米韓首脳会談を行い、金大統領が進めてきた北朝鮮に対する包容(太陽)政策への支持を表明し、南北間の交流・協力の拡大を通じて朝鮮半島安定化をはかることに原則賛成する立場を示した。
 一方で、ブッシュ大統領は、会談後の共同記者会見で「北朝鮮指導者への懐疑」との表現で金正日総書記への不信をあらわにし、北朝鮮との関係改善には、同国が約束を守ることの検証が不可欠だとの考えを強調した。
 ブッシュ大統領は記者会見で、「金大統領が、北朝鮮への歩み寄りで発揮した指導力を評価する」と強調。金大統領も、「北朝鮮に関してはもちろん、まだ多くの問題が残されてはいるが、ブッシュ大統領は北朝鮮との対話を一層促進することへの強力支援を明言してくれた」と述べた。
 一方で、ブッシュ大統領は、会談で自身が表明した対北朝鮮政策の基本姿勢として、〈1〉朝鮮半島平和のための協力〈2〉米韓の密接な協議――などを挙げたものの、「自分は北朝鮮の指導者を懐疑的に見ている」とも語った。
 ブッシュ大統領は記者会見で、北朝鮮がミサイルなど武器輸出を続けていることに懸念を表明。また、首脳会談では、金大統領に「いずれ北朝鮮と対話を行う」と述べたものの、「いかなる交渉もその後の合意を完全に検証できることが求められる」として、必ずしも米朝交渉を急がない考えを示した。
 米韓両国は、対北朝鮮政策の大枠では一致している。だが、韓国が金正日総書記のソウル訪問の早期実現を目指しているのに対して、米国は対北朝鮮交渉に慎重に臨む姿勢で、今回の米韓会談はこの差異を浮き彫りにした。
 両首脳は、合意事項として発表した共同声明で、今年前半にも予想される金正日総書記の訪韓による第二回南北首脳会談に関し、「南北関係改善と北東アジアの安全保障に寄与することを期待する」とし、両国が金総書記の訪韓実現を前提に内容に関する議論に入ったことを裏付けた。
 全米ミサイル防衛(NMD)網構想に関連して、金大統領は会談で、ブッシュ政権の取り組みに一定の理解を示した。
 ◆米韓共同声明の骨子◆
 【ワシントン7日=林路郎】七日発表された米韓共同声明の骨子は次の通り。
 一、両首脳は、南北朝鮮の和解と協力が朝鮮半島の平和と北東アジアの永続的な安定に寄与するとの認識で一致
 一、ブッシュ大統領は、韓国の対北朝鮮包容政策と金大統領の指導的役割を支持。両首脳は、次回の南北首脳会談が南北関係改善と北東アジアの安全保障に寄与するよう期待
 一、両首脳は、米朝核枠組み合意(一九九四年)を再確認。米韓は北朝鮮に対し、国際社会の懸念に配慮した行動をとるよう促す
 一、日米韓の緊密な協議と政策協調の重要性で一致
 一、大量破壊兵器やミサイルなどに対処するため、不拡散外交、ミサイル防衛を含む新たなアプローチが必要との認識で一致
 ◆対北不信、背景に軍備増強◆
 【ワシントン7日=林路郎】ワシントンでの米韓首脳会談で、ブッシュ米大統領が金大中・韓国大統領に北朝鮮の金正日体制への不信感を明確に伝えたことで、五月にも予定される新たな南北首脳会談前に対北外交で米国の全面的後押しを得ようとした韓国側の思惑は外れた。米国の強硬姿勢の背景には、北朝鮮が軍事脅威削減に応じない現状への強い不信感がある。
 「米韓の間に対北政策の相違はない」「大統領が北朝鮮に対する不信を表明したからと言って、韓国の政策を支持しないことにはならない」――。ホワイトハウス高官は七日、ブッシュ大統領の「不信」発言の火消しに追われた。
 だが、北朝鮮への不信感は、米政権のアジア政策担当者の共通認識として定着しつつある。
 情報機関などが、〈1〉北朝鮮は軍事境界線上の野砲を過去二年で10%増強するなど軍備増強を続け、昨年六月の南北首脳会談後も継続中〈2〉日本が懸念する弾道ミサイル「ノドン」の配備数は八十―百基に達した〈3〉ロシアにミグ29戦闘機売却を強く働きかけている――など脅威低減に逆行する北朝鮮の動きについて警告。
 大統領も、「北朝鮮との合意はいかなるものであっても検証手段を確保しなければならない」とし、実質的な軍事的脅威の低減につながる合意を目指していく姿勢を明確にした。
 ブッシュ発言は、金総書記訪韓など南北首脳対話の場で和平機運をさらに高めたい韓国側の思惑に冷や水を浴びせた形だ。[2001-03-08-13:36] 149
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 03/08@中南米系が黒人とほぼ同数(共同通信)

 【ワシントン7日共同】米国でスペイン語を話すヒスパニック(中南米系)市民が急増し、黒人(アフリカ系)の人口とほぼ同数に達したことが七日、二○○○年国勢調査の結果で分かった。
 それによると、ヒスパニックは過去十年間で六○%増の三千五百三十万人に達し、黒人の三千六百四十万人と肩を並べた。メキシコなど中南米諸国からの移民が最大の要因。黒人は十年間で一六%増にとどまった。総人口は十年間で一三%増え、約二億八千百万人となった。
 米国は十年ごとに国勢調査を実施している。(了)[2001-03-08-10:59] 167
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 03/08@マチュピチュ壊滅の危機 佐々教授が地滑り危険予測(共同通信)

 【ロンドン8日共同】英科学週刊誌ニューサイエンティスト最新号によると、ペルー南部のアンデス山地にあるインカ帝国時代の都市遺跡マチュピチュが、大規模な地滑りで壊滅する危険に直面している。遺跡の地盤を調査した京大防災研究所の佐々恭二教授が明らかにした。
 遺跡は標高約二千五百メートルにあり、北、東、西は急ながけとなっている。佐々教授によると、このうち西側の斜面の一部が一カ月に一センチずつの速さで滑り落ちていた。教授は「非常にはやい速度であり、落盤、落石の前兆」と指摘、遺跡を全壊させるのに十分な地滑りが起こる可能性がある、と推測している。
 佐々教授は「いつ地滑りが起きるかを調べるのが次の課題」と述べるとともに、地滑りを防止し、遺跡を保存する方法についても調査するとしている。
 マチュピチュ遺跡は一九一一年、米国人の考古学者ビンガム氏が見つけ、世界に紹介。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定され、世界的な観光地となっている。(了)[2001-03-08-08:46] 181
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 03/08@◇目前だった米朝ミサイル凍結合意 破格の条件もうたかた◇(朝日新聞)

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記が、米国のクリントン前政権とのミサイル交渉で、日本を射程に含むノドン・ミサイルも含めて、開発、実験、配備、輸出をすべて凍結する提案をしていたことが分かった。元米高官らが語ったほか、6日付ニューヨーク・タイムズ紙も報じた。北朝鮮側はこれまで、輸出停止の見返りには現金補償が必要だとしていたが、その要求も取り下げたという。しかし、その「破格の好条件」(米高官)も、大統領選挙の混乱で時間切れに終わった。
 元高官らの話や同紙の報道によると、金総書記が非公式に伝えた提案は、射程約500キロ以上のミサイル開発・輸出の停止だった。長距離ミサイル・テポドンだけでなく、射程1300キロといわれるノドン・ミサイルも含むことになる。輸出停止の見返りは、金銭補償の代わりに、食糧など人道支援の大幅上積みでもよいと表明し、米側は「予想を超える前進」と受け止めたという。
 こうした交渉はオルブライト前国務長官が10月に訪朝を終えた際には固まっていた。しかし、米側はさらに、射程約300キロ以上のミサイル放棄、検証手段の確立、すでに配備済みのノドン・ミサイルの廃棄なども求めて、そうした内容を明記した合意文書草案を北朝鮮側に送付。クリントン前大統領の訪朝時に署名することを提案した。
 北朝鮮がそれをのむかどうかを見極めるために、米政府内はシャーマン前政策調整官の訪朝による詰めが必要だとの判断に傾いた。だが、11月の大統領選は異例の長期戦になり、バーガー前大統領補佐官は「国家が憲法の危機にある時に、大統領が国を空けるのは賢明でない」と進言。選挙が決着した12月、パウエル国務長官ら新政権幹部は、クリントン氏の訪朝に賛成しなかったという。
 オルブライト前長官は同紙に対し、「世界の中で力関係を変えるチャンスがあったとすれば、今回がそれだった。もっと早く進めていたらと、個人的には後悔している」と語った。当時のホワイトハウスで北朝鮮問題にたずさわった元高官は「北朝鮮の提案は、にわかに信じられないほどの好条件。それで余計に警戒心が募り、慎重になった面もある」と話した。[2001-03-08-03:13] 188
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 03/08@◇アフガン・イスラム勢力の仏像破壊を非難 国連安保理◇(朝日新聞)

 国連安全保障理事会は6日、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンが続けている仏像や彫像の破壊について、「文化遺産への理不尽な暴力である」と非難する議長声明をニューヨークで発表した。
 議長によると、バーミヤンの大仏をふくむアフガニスタンの仏像や彫像破壊の報告を受け、安保理は破壊を命じたタリバーンの布告を非難し、直ちに中止するように求めた。
 また、タリバーンが同国中部で1月、ハザラ族住民100人以上を虐殺したとの疑惑について、国連人権高等弁務官が求める早期の調査を支持した。[2001-03-08-00:18] 190
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 03/08@◇ローマが「天才児」獲得、中田のライバルに セリエA◇(朝日新聞)

 サッカーのイタリア1部リーグ・ローマのMF中田英寿に来季から新たなライバルが出現する。5日、ローマがバリのFWアントニオ・カッサーノ(18)の獲得を発表した。
 複数のビッグクラブが食指を伸ばした「天才児」にローマが支払った補償金は10代の選手では破格の600億リラ(約34億円)、5年契約の総年俸は360億リラ(約20億円)に上る。175センチ、73キロと大柄ではないが、FW、トップ下をこなし、テクニックと奔放さをあわせ持つ。大黒柱トッティの陰で出番に恵まれない中田にとって、さらに厳しい環境になりそうだ。
 ローマのセンシ会長は守備力強化のために、パルマのGKブフォン、DFテュラムら大物の獲得を熱望していると言われ、現地紙では交換要員として中田の名前も浮上している。[2001-03-08-00:10]
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 03/09@◇マケドニア・コソボ国境で戦闘、紛争拡大の懸念強まる◇(朝日新聞)

 アルバニア系ゲリラによる挑発行動が続くユーゴスラビア・コソボ自治州とマケドニアの国境地帯で8日夜から9日にかけ、ゲリラとマケドニア治安部隊が激しく戦闘、マケドニア警察官1人が死亡した。一方、コソボの東側に隣接するセルビア共和国ルチャネでは9日、ゲリラの迫撃砲攻撃にあったセルビア人警察官1人が死亡した。[2001-03-09-23:34] 4 [このページの最初に戻る]


 03/09@<マケドニア>コソボとの国境地帯で新たに銃撃戦 警官1人(毎日新聞)

 【ウィーン9日福井聡】アルバニア系ゲリラによる越境攻撃が続くマケドニアとユーゴスラビア連邦コソボ自治州の国境地帯で8日夜から9日にかけて、新たに銃撃戦が起き、マケドニアの警官1人が殺害された。事件は8日に北大西洋条約機構(NATO)が国境沿いの緩衝地帯でのユーゴ軍の活動を認めた直後に発生した。
 マケドニアからの報道によると、同夜、国境地帯を車で巡回していたマケドニア警察にアルバニア系ゲリラとみられる武装集団が発砲し、手投げ弾で警察の車が爆破された。マケドニア警官の死者は4人目。[2001-03-09-21:10] 5
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 03/09@<ロシア>イワノフ外相が今月後半にバルカン諸国訪問(毎日新聞)

 【モスクワ9日田中洋之】インタファクス通信によると、ロシア外交筋は9日、イワノフ外相が今月後半にバルカン諸国を訪問することを明らかにした。ユーゴスラビア連邦コソボ自治州とマケドニア国境での紛争拡大を受けたもので、同筋は「バルカン情勢の正常化を模索するのが目的」と語った。[2001-03-09-21:10] 6 [このページの最初に戻る]


 03/09@◇セルビア「安全地帯」へのユーゴ軍展開を許可 NATO◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)の大使級理事会は8日、ユーゴスラビア・コソボ自治州と接するセルビア共和国の「安全地帯」へのユーゴ軍の展開を許可することを決めた。コソボのアルバニア人武装組織のテロ活動を抑止する目的だが、軍と過激派の武力衝突に発展しかねず、コソボ周辺の情勢はより不安定になってきた。
 安全地帯は、コソボに進駐するNATO主体の国際部隊とユーゴ軍を引き離す目的で、コソボとの境界線からセルビア側に5キロの幅で設けられた。ユーゴ軍と治安部隊の展開が禁じられたため、過激派が入り込んで地雷を埋めたり、隣国マケドニアへ越境攻撃を行う拠点にしたりしている。
 NATO高官によると、展開の対象地域は、マケドニア国境沿いの安全地帯の一部で、早ければ今週末にもユーゴ国境警備兵とセルビア治安部隊が進駐する。装甲車などの重装備は許されず、迫撃砲や機関銃などを携行して、武器の密輸などの監視にあたる。面積や部隊の規模などは現在、交渉中だ。
 国際部隊と武装組織の衝突を懸念するNATOがユーゴ軍を「盾」にする形だが、軍と過激派が衝突し、犠牲者が増えれば、コソボの反発は必至で、マケドニアも含めた地域情勢は一気に緊迫することになる。[2001-03-09-17:31] 7
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 03/09@◎マケドニア警察車列を攻撃=アルバニア系武装集団のテロ拡(時事通信)

 【ウィーン9日時事】スコピエからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州と接するマケドニア北部国境地帯のブレスト村近郊で8日夜、内務省高官らが乗っていた警察車両15台の車列がアルバニア系武装集団から銃砲火を浴び、少なくとも警官1人が死亡した。この後、マケドニア軍が救援に駆け付け、武装集団と約3時間にわたって激しい戦闘を繰り広げた。
 武装集団は対戦車砲を撃ち込み、警察車両1台が吹き飛ばされた。車列は北部国境地帯から首都スコピエに向かう途中、襲撃に遭遇したもので、ボスコフスキ内務次官の乗った車も含まれていたという。 [時事通信社][2001-03-09-11:12] 8
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 03/09@<NATO>コソボ緩衝地帯でのユーゴ軍の監視活動認める(毎日新聞)

 【ブリュッセル8日森忠彦】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州周辺でアルバニア系強硬派がゲリラ活動を続けている問題で、北大西洋条約機構(NATO)は8日、大使級理事会を開き、コソボ自治州とマケドニア国境周辺にある緩衝地帯でユーゴ軍が監視活動を始めることを承認した。今週末にも開始する見通し。緩衝地帯にユーゴ軍が入るのは1999年6月のNATO空爆停止後、初めてで、NATOの方針転換といえる。
 NATOとユーゴ軍は空爆後に結んだ停戦協定で、ユーゴ軍のコソボからの撤退や国際平和維持部隊(KFOR)の進駐などとともに、コソボのセルビア共和国側に長さ約400キロ、幅5キロにわたる緩衝地帯を設けることを決めた。
 緩衝地帯設置はユーゴ軍がコソボへ越境することを防ぐのが目的だったが、昨年秋からアルバニア系強硬派が同地帯を拠点にセルビア人集落を攻撃するなどのテロ活動を開始。最近は南部のマケドニア国境にも飛び火し、7日はKFORとの間で初めて銃撃戦に発展した。
 NATOは先週の外相理事会で緩衝地帯を段階的に狭くし、監視を強化する方針を決定。NATO筋によると、狭くする緩衝地帯はテロ行為が活発なマケドニア、コソボ、セルビア共和国の境界線一帯を手始めに着手する。ユーゴやマケドニアとの交渉がまとまれば、早ければ今週末にもユーゴ兵が監視を始める。
 兵士は軽装備で、KFORとの協議の上でゲリラ活動を監視するとともに、武器密輸や密入国者の取締りなどにも当たる。[2001-03-09-09:55] 10
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 03/09@慰安婦制度を国連で告発 女性国際戦犯法廷(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】昨年十二月に東京で開かれ、慰安婦制度など旧日本軍による性暴力を裁いた「女性国際戦犯法廷」の関係者や韓国人元慰安婦が八日、国連本部で記者会見し、日本政府の公式謝罪と国会の議決に基づく補償を求めた。
 戦犯法廷の裁判官役で、日本政府に「有罪判決」を下したガブリエル・マクドナルド国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷前所長は「旧ユーゴの戦争で性暴力が多発したのは、太平洋戦争の戦後処理で従軍慰安婦問題を無視したことが原因」と指摘。「過去の犯罪を自覚し、責任を追及することは正義を実現する上で不可欠」と強調した。
 五年間慰安婦としての生活を強いられた黄錦周さん(81)は「私の家族は日本人から食料の配給をやめると脅されて私を差し出した。自分の意思で慰安婦になった、と言う人がいるが大きな間違い」と訴えた。
 女性国際戦犯法廷は非政府組織「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(松井やより代表)が主催。戦時下での性暴力を、当時の国際法で裁く試みとして注目された。(了)[2001-03-09-09:22] 11
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 03/09@武装組織を村から追放 マケドニア北部(共同通信)

 【ベオグラード8日共同】スコピエからの報道によると、マケドニア国防省スポークスマンは八日、ユーゴスラビア・コソボ自治州に隣接するマケドニア北部のタヌシェブチ村からアルバニア系住民の武装組織を追放したと発表した。
 コソボに展開する国際治安部隊の米軍スポークスマンも同日、同村に近いコソボ側のミヤク村で、武装組織が拠点にしていた学校を発見したと述べ、武装グループが拠点から撤退したとの見方を示した。
 この際、国境付近に展開した米軍部隊を目撃した村民が、同部隊がマケドニア側に越境したと証言したが、米軍スポークスマンは「どこが国境線かは明確に分かっている」と否定した。(了)[2001-03-09-08:39] 12
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 03/09@NATO部隊を批判 ユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード8日共同】コシュトニツァ・ユーゴスラビア連邦大統領は八日の記者会見で、コソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)軍主体の国際治安部隊を「勇気がない」などと批判した。
 NATOがこの日、セルビア南部のコソボ州境にある非武装地帯へのユーゴ軍再配備を認める決定を出したことについて大統領は、今月末までに再配備を実施するとしながらも、「他人の失敗を埋め合わせるのが目的」と説明した。
 大統領はセルビア南部やマケドニア北部でアルバニア系住民の武装組織によるテロが急増していることについて、国際部隊は「(テロを)阻止するのではなく、むしろそそのかして大アルバニア主義実現を手助けしている」と批判。「NATOは地元の住民ではなく、身内の兵士を守るのに懸命だ」と皮肉った。(了)[2001-03-09-08:38] 13
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 03/09@◎武装集団襲撃で警官2人死傷=マケドニア(時事通信)

 【ウィーン8日時事】スコピエからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州と接するマケドニア北部国境地帯のゴシンチ村近郊で8日、警察の車列が激しい銃砲火を浴び、警官1人が死亡、1人が負傷した。
 襲撃には迫撃砲も使用され、車両1台が吹き飛んだという。アルバニア系武装集団の攻撃とみられる。この後、マケドニア政府軍が救援に駆け付け、武装集団と戦闘を繰り広げた。
 これに先立ち、マケドニア軍はアルバニア系武装集団の拠点である北部タヌシェブチ村を激しい戦闘の末、制圧し、武装集団を駆逐したばかりだった。 [時事通信社][2001-03-09-08:22] 14
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 03/09@週末にもユーゴ軍再展開へ 停戦合意受け非武装地帯に(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】北大西洋条約機構(NATO)は八日、ユーゴスラビア・セルビア共和国南部の民族紛争がマケドニアに波及するのを食い止めるため、ユーゴ・コソボ自治州とセルビア本国との州境に設けられた幅五キロの非武装地帯の一部に、今週末にもユーゴ軍を再展開させることに合意した。
 NATO当局者によると、セルビアと武装組織の代表は今週末にもセルビア南部での停戦に合意する見通し。合意書を交わした後、ユーゴ軍は国際治安部隊の監視の下で、マケドニア国境に近いプレシェボ渓谷付近へ展開、治安状況の警備に当たる。
 非武装地帯は、NATOによるユーゴ空爆作戦が終了した一九九九年六月に設けられた。コソボに展開するNATO主体の国際治安部隊が管轄しており、ユーゴ軍が再展開を認められるのは初めて。
 NATOは今後、残りの非武装地帯にも段階的にユーゴ軍を戻し、同地帯を拠点にマケドニアやセルビアへの越境攻撃を繰り返しているアルバニア系武装組織の活動封じ込めを図る。
 しかし、武装組織との全面衝突など不測の事態を避けるため、重装備での展開は認められていない。
 非武装地帯では現在、軽装備のセルビア警察だけが警備している。
 一方、マケドニアのケリム外相は七日、同国北部とコソボの境界に新たな非武装地帯を設置するよう提案、九日にブリュッセルを訪れるため、NATOは軍事部門にこの提案についての検討を指示した。(了)[2001-03-09-07:56] 15
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 03/09@マケドニア側非軍事地帯にユーゴ軍展開認める(読売新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州を拠点にアルバニア系武装組織が活動を拡大している問題で、北大西洋条約機構(NATO)は八日、コソボの州境に設置した非軍事地帯にユーゴ連邦軍とセルビア治安部隊の展開を認めることを決めた。最終的には非軍事地帯を解除する方針で、NATOのコソボ戦略は大きく転換した。一方、武装組織はマケドニアにも拠点を広げている模様で、状況は緊迫している。
          ◇
 【ブリュッセル8日=三井美奈】NATOは八日、ブリュッセルの本部で開いた大使級理事会で、コソボ州境の非軍事地帯の一部でのユーゴ連邦軍展開を認めることを決めた。NATO高官によると、ユーゴ連邦軍は今月中旬にも、非軍事地帯のうち、マケドニア国境沿いの地域に展開する。ユーゴ軍の展開規模などは、コソボ平和維持部隊(KFOR)司令官が決めるほか、コソボ州境二十五キロの安全空域も当面、維持される。
 非軍事地帯を拠点とするアルバニア系武装組織の活動でユーゴ南部の治安が悪化しているための措置だが、一九九九年のNATO空爆後、非軍事地帯を設けて、ユーゴ側兵力の越境を禁じてきた方針を転換するものだ。
 NATO大使級理事会声明は、今回の措置を「非軍事地帯の全面解除に向けた第一歩」と位置づけたうえで、残る約三百キロの非軍事地帯を四分割して、段階的にユーゴ連邦軍駐留を認めていくことを確認した。
 また、アルバニア系武装勢力は、非軍事地帯を拠点にマケドニア国境地帯にも勢力を広げているため、同理事会は九日にマケドニアのケリム外相を招いて対応を協議する。
 ◆ユーゴ軍とアルバニア系、武力衝突の恐れも◆
 【ベオグラード8日=佐々木良寿】コシュトゥニツァ・ユーゴ大統領は八日、ベオグラードで記者会見し、非軍事地帯への連邦軍の展開について、「大変な危険を伴うものだが、我々には他に選択肢はない」として、NATOの決定を受け入れる意向を示した。だが、こうした事態に至った点について、「NATOとKFORの無力ぶりを示したものだ」と強く批判した。
 緊張が高まっているのは、コソボ自治州と、セルビア南部の対コソボ州境沿いに延びる非軍事地帯からマケドニアにまたがる三角地帯。非軍事地帯には、ユーゴ連邦軍とセルビア治安部隊の立ち入りが禁止されていたことから、セルビア南部の「プレシェボ渓谷」一帯にアルバニア系武装組織がコソボ側から越境。支配地域として、セルビア警察への攻撃を続けてきた。武装組織は先月下旬には、隣接するマケドニア領内にも侵入。今月七日にはコソボ側でKFORとの交戦が初めて起きた。
 非軍事地帯の段階的縮小については、コソボの全アルバニア系政党が先月末、「ユーゴ軍がコソボに接近することは、コソボ内の緊張を高める」として反対し、非軍事地帯の拡張を求める宣言に署名した。今回のNATO決定を受けて、ユーゴ連邦軍が非軍事地帯に展開すれば、同地帯内での武装組織との交戦の可能性に加え、コソボ内で武装組織によるセルビア人住民を狙ったテロが激化する懸念も出ている。
 三角地帯は、ギリシャからハンガリーに抜ける通商の要衝。アルバニア系が総人口の三分の一以上を占めるマケドニアでは、武装組織が活動領域を三角地帯からさらにマケドニア内部に拡大している模様だ。
 一方、マケドニアからの報道では、米軍を中心とするKFOR部隊約三百人が八日、マケドニア側の武装組織の拠点タヌセフチ村に越境し、武器捜索などの作戦を展開した。[2001-03-09-02:08] 16
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 03/09@◎米軍がアルバニア系武装集団拠点制圧=マケドニアには越境(時事通信)

 【ウィーン8日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留している平和履行部隊(KFOR)スポークスマンは8日、マケドニア北部国境地帯で武力挑発を続けているアルバニア系武装集団を封じ込めるため、同集団の後方拠点とみられているコソボ自治州内の国境地帯の村ミヤクを制圧したと発表した。制圧に際しては戦闘など大きな混乱はなかった。
 一部報道では、米軍部隊が国境を越えてマケドニア領内に進駐し、武装集団の拠点のあるタヌシェフチ村に入ったと伝えられたが、KFORスポークスマンは「一兵もマケドニア領内には入っていない」と報道を全面否定した。 [時事通信社][2001-03-09-01:34] 12
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 03/09@◇マケドニア・コソボ国境で戦闘、紛争拡大の懸念強まる◇(朝日新聞)

 アルバニア系ゲリラによる挑発行動が続くユーゴスラビア・コソボ自治州とマケドニアの国境地帯で8日夜から9日にかけ、ゲリラとマケドニア治安部隊が激しく戦闘、マケドニア警察官1人が死亡した。一方、コソボの東側に隣接するセルビア共和国ルチャネでは9日、ゲリラの迫撃砲攻撃にあったセルビア人警察官1人が死亡した。[2001-03-09-23:34] 19 [このページの最初に戻る]


 03/09@イタリア総選挙、与野党伯仲で予断許さず(読売新聞)

 【ローマ9日=秦野るり子】イタリア議会が解散されたのを受け、アマート首相は九日午後にも臨時閣議を開き、五月と見られる総選挙の投票日を決める。現時点ではベルルスコーニ元首相が率いる野党・中道右派連合(自由の家)が、ルテッリ前ローマ市長を統一首相候補とする与党・中道左派連合(オリーブの木)を支持率でリードしている。しかし、両陣営の政策に大きな違いはなく、無党派層も30〜40%に上っており、ベルルスコーニ氏が首相に返り咲くかどうかは微妙な情勢だ。
 前回一九九六年の総選挙で勝利した中道左派連合が、プローディ内閣、ダレーマ内閣、アマート内閣の下で欧州共通通貨ユーロ参加を成し遂げ、経済成長率が年間3%に迫るなど経済は改善された。しかし、こうした実績にもかかわらず、中道左派連合は度重なる内紛などが嫌われ、九九年の欧州議会選、昨年の統一地方選で敗北が続いている。これに対し、不法移民問題や犯罪対策など国民が関心を寄せる問題で厳しい対応を叫ぶ野党・中道右派連合が支持を得ている。
 しかし、中道右派連合には旧ファシスト党の流れをくむ国民同盟(フィーニ議長)や移民排除を訴える北部同盟(ボッシ書記長)が加わっていることに対して国外から批判も起きている。
 ベルギーのミシェル外相は昨年、オーストリアで極右のハイダー・ケルンテン州知事が率いた自由党の政権入りが欧州連合(EU)による制裁につながったことを指摘し、イタリアに国民同盟、北部同盟が参加した政権が発足した場合、制裁を呼びかける考えを明らかにしている。[2001-03-09-22:48] 23
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 03/09@◎アフガン難民に7億円援助=国連通じ緊急支援−政府(時事通信)

 政府は9日、アフガニスタンの難民・避難民に対する緊急支援として、国連機関に約7億円を拠出する方針を固めた。長期にわたる内戦や干ばつ、今冬の厳しい寒波などで、生活環境が極度に悪化していることを踏まえた。月内をめどに正式決定する。 [時事通信社][2001-03-09-21:17] 33 [このページの最初に戻る]


 03/09@<中国>イラク軍への中国人協力で、中国系企業に作業停止命(毎日新聞)

 【ワシントン8日布施広】パウエル米国務長官は8日、中国人専門家がイラク軍の光ファイバー網建設に協力しているとされる問題で、中国政府がこのほど、建設に関与していた複数の中国系企業に作業の停止を命じたと米政府に伝えてきたことを明らかにした。長官は、中国の技術協力が対イラク国連制裁の違反に当たると判断した場合は、国連制裁委員会に訴えることになると語った。
 米上院外交委員会の公聴会で長官は、関与を否定し続けていた中国が「今は、複数の企業に対して作業を停止するよう伝えた、と言っている」と述べ、中国が事実関係を認める態度に転じたことを明らかにした。
 国務省によると、中国政府高官が今月5日、プリアー駐中国大使に「国連決議を順守する」との意向を伝えた。米政府は2月16日のイラク空爆直後、イラクの対空防衛能力を向上させる光ファイバー網の建設に中国の専門家が関与していると指摘、中国政府の「詳しい説明」を求めていた。
 パウエル長官は、米国が問題にすれば、制裁委が中国に対して「しかるべき行動」を起こすことになると語った。来週訪米する銭其シン副首相がブッシュ大統領やパウエル長官との会談を予定していることから、米中間で外交決着が図られる可能性が強い。[2001-03-09-19:25] 49
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 03/09@◇石原都知事の「差別発言」に批判 国連委◇(朝日新聞)

 8日ジュネーブで始まった国連の人種差別撤廃委員会による初めての対日審査で、昨年4月の石原慎太郎東京都知事による「三国人」発言について「差別発言に日本政府がなんら対応しないのはおかしい」という批判が出た。また委員から在日外国人の人権や被差別部落の問題で注文が相次いだ。
 特別報告者のロドリゲス委員(エクアドル)がまず、人種差別思想を広めるような団体を取り締まる法整備の必要性を強調。日本が人種差別的宣伝、組織、活動の禁止を求めた国際人種差別撤廃条約第4条の履行を「留保している」とし、これについて考え直すよう求めた。石原発言については「差別発言を放置しているのは残念だ」と述べた。
 外務、法務など4省の日本側代表団が9日に委員からの質問に回答し、審査は終了する。これを踏まえ、今月中旬ごろ委員会は日本政府への勧告を含んだ最終見解を採択する。[2001-03-09-13:03] 56
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 03/09@科目名は「韓国語」に決定 来年のセンター試験導入(共同通信)

 町村信孝文部科学相は九日の閣議後の会見で、二○○二年一月の大学入試センター試験から外国語の試験に導入する韓国・朝鮮語について、科目名を「韓国語」とすると発表した。
 同省によると、全国の高校約百三十校で約四千人が韓国・朝鮮語を学んでいるが、大半の高校は韓国式の発音や表記に基づいて授業しているため「韓国語」に決めた。
 中国語を導入した際には準備に約五年かかったため、文部科学省は当初、早期実施に難色を示していたが、森喜朗首相の指示で作業を急ぎ、めどがついたとしている。
 町村文部科学相は「韓国語を学ぶ学生が増えている。○二年は(サッカーの)ワールドカップを記念して日韓国民交流年でもあり、(朝鮮・韓国語の導入は)大変意義がある」と述べた。
 ○二年からセンター試験に韓国・朝鮮語を導入する方針については、森首相が八日、金鍾泌・韓日議員連盟会長に伝えていた。(了)[2001-03-09-11:58] 64
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 03/09@石原東京都知事の「三国人」発言に懸念 差別撤廃委の対日審(共同通信)

 【ジュネーブ8日共同】国連人種差別撤廃条約に基づく人種差別撤廃委員会の対日審査会合が八日、ジュネーブで開かれ、対日審査報告を担当するロドリゲス委員(エクアドル)が石原慎太郎東京都知事の「三国人」発言に触れ、差別的な発言に対応策が取られていないとの懸念を示した。
 委員はまた、差別をあおるような発言や出版を禁じた同条約第四条の履行を日本が「留保している」と指摘し、条約の全面的履行を求めた。
 このほか@日本政府が提出した報告書に、被差別部落などの問題に関する記述がないA飲食店で外国人の入店を拒否する差別事例がある―などと指摘した。
 原口幸市・駐ジュネーブ日本大使ら日本政府代表団は、日本が「あらゆる差別の撤廃」に向けて法改正も含めた努力を継続していることを強調した。
 日本は一九九五年十二月、条約の加盟国となり、今回が初の対日審査。会合は九日に終了、今月下旬にも事実上の対日勧告に相当する「最終所見」が発表される予定だ。(了)[2001-03-09-10:41] 65
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 03/09@中国がイラク支援中止 光ファイバー問題で(共同通信)

 【ワシントン8日共同】中国人専門家がイラク国内の軍施設を結ぶ光ファイバー網建設を支援しているとされる問題について、パウエル米国務長官は八日の上院公聴会で、中国政府が現地の中国系企業に作業を中止するよう通告したと米政府に伝えてきたことを明らかにした。
 これまで中国側は、該当する中国企業はなかったと発表、一貫して疑惑を否定してきた。しかし米国務省当局者は八日、今月五日に中国政府高官が米国のプリアー駐中国大使に「国連の対イラク制裁決議を順守する」との立場を伝えていたと指摘、中国側が実質的に疑惑を認め、善処するとの方針を示していたことを強調した。
 光ファイバー問題についてはブッシュ大統領も先月二十二日、「イラク軍の増強にかかわっているのは問題」と懸念を表明していた。光ファイバー網はいったん建設されると盗聴や破壊が難しいとされている。(了)[2001-03-09-10:35] 69
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 03/09@<イタリア>上下両院解散、5年ぶりの総選挙へ 財政再建焦(毎日新聞)

 【ローマ8日井上卓弥】イタリアのチャンピ大統領は8日夜、上下両院の解散を命じた。これを受けてアマート首相は9日にも総選挙日程を閣議決定する。7月20日から同国北部ジェノバでの主要国首脳会議(サミット)開催を控えており、投票は5月6日か13日が有力とみられる。
 今回の総選挙は、中道左派連立政権が成立した1996年4月以来、5年ぶりで事実上の任期満了となる。財政再建と欧州単一通貨「ユーロ」参加を果たした与党・中道左派連合「オリーブの木」への評価が焦点となりそうだ。緊縮財政や雇用問題、社会制度改革の遅れに対する国民の不満から、各種世論調査では野党・中道右派連合が優位に立っており、左派系政権が主流となっている欧州連合(EU)の潮流を変えるかどうかも注目される。
 左翼民主党(旧共産党)を中心に約10の中小政党からなる中道左派連合は、プロディ(EU委員長)、ダレーマ(左翼民主党書記長)、アマート(現首相)の3人の首相を立てて連立を組み替えながら、政権を維持してきた。
 今回はプロディ元首相が創設した中道政党「民主主義者」のルテリ前ローマ市長(46)を首相候補に、失業対策強化や福祉の充実などを訴えて政権存続を図る。
 一方の中道右派連合は、首相候補のメディア王、ベルルスコーニ元首相(64)が率いる「フォルツァ・イタリア」を中心に、旧ファシスト党の流れをくむ国民同盟、移民排斥を唱える地域政党・北部同盟の両右翼政党などで形成。大規模減税による経済改革や連邦制度の導入・強化などを訴え、7年ぶりの政権奪還を目指す。
 イタリアの選挙制度は上下両院とも小選挙区75%、比例区25%の並立制。[2001-03-09-10:05] 80
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 03/09@10日以内にロがEUに提案 カリーニングラード州問題(共同通信)

 【モスクワ8日共同】インタファクス通信によると、バルト海に面したロシアの飛び地であるカリーニングラード州を八日訪問したイワノフ外相は、同州の将来の地位に関するロシア側の提案を今後十日以内に欧州連合(EU)側に提出することを明らかにした。
 二○○三年以降に見込まれるポーランドとリトアニアのEU加盟を念頭に置いたもので、外相は提案内容に言及しなかったが、同州とロシア本土との自由通行の確保や、州住民に対するEU入域の査証(ビザ)発給問題など四つの問題点について提案するという。
 プーチン大統領は二十三日にストックホルムで開催されるEU首脳会議に参加する予定で、この際に新提案についてEU側と協議するとみられる。
 同州はEU拡大後、ポーランドなどに囲まれたEU内での「離れ小島」になり、国境管理や安全保障面で紛争の火種になる恐れがあるため、ロシアとEU双方が将来の地位についての協議を迫られている。(了)[2001-03-09-07:55] 85
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 03/09@<クローズアップ>検定教科書 「中韓」部分を大幅修正(毎日新聞)

 「つくる会」の申請本を他の教科書と比較してみると、中韓両国が批判する項目でかなり修正が行われたことがわかる。
 全国でシェア4割以上という東京書籍の「新編新しい社会 歴史」(96年版)は、南京事件について「日本軍は…首都南京を占領した。その際、婦女子を含む約20万人ともいわれる中国人を殺害した(南京大虐殺)」と記載。これに対し「つくる会」の申請本では「東京裁判は日本軍が中国民衆20万人以上を殺害と認定したが、その時の南京の人口は20万人(で、数字が合わない)」「戦争中だから何がしかの殺害があったとしてもホロコーストのような種類のものではない」などと書かれていた。
 2月22日に出された最終修正版は、南京事件の項は「東京裁判は日本軍が多数の中国人民衆を殺害したと認定した。資料の上で疑問点も出され今日も論争が続く」と書き換えた。
 韓国併合についても、東京書籍は「1910(明治43)年、韓国は日本に併合され、朝鮮総督府によって武力を背景とした植民地支配がおし進められた。学校では朝鮮史を教えることが禁じられ、日本史や日本語を教えて、民族の誇りと自覚をうばい、日本人に同化させる教育が行われた……」などと記述。「つくる会」の申請本は「それ(韓国併合)が実行された当時としては、国際関係の原則にのっとり、合法的に行われた……」となっていたが、これも「合法的」という表現を削除して、「日本は韓国内の反対を武力を背景に押さえて併合を断行した」などと修正された。
 「つくる会」の教科書は果たして、どれだけの学校現場で使われる可能性があるのだろうか。
 教科書の採択は、市町村教育委員会の権限。教委の下に保護者らも交えた採択委員会が設けられ、その中に教科ごとの調査委員会が作られる。学校長や教頭、教員らで構成される調査委は各出版社の教科書を検討し、どれを使うかを決めてその結果を採択委に報告。さらに検討を重ね、教委が最終決定する。
 ある教科書出版社は「正確な中身は分からない」としながら「教科書としてはかなり詳しく、新しい事項も取り入れており、採択する地域も出てくるのではないか」と話している。
 大阪市で8日開かれた国際シンポジウム「朝鮮半島の統一と東アジアの安全保障」(毎日新聞など主催)の中で、韓国のペジョンホ・統一研究院統一学術情報センター所長が日本の歴史教科書検定問題にふれ、「韓国では、日本の知識人たちが『新しい歴史教科書をつくる会』を批判する動きも併せて報じられた。日本の良識を信じて任せるべきではないか」と発言した。
 ペジョンホ氏は、歴史教科書が再び問題化しているのを「残念だ」と前置きし、「先進国日本にとって、このような問題が国際社会でプラスになるかマイナスかを判断する重要な時期だ」と述べた。     【井上 朗】
 高森明勅・「つくる会」事務局長
 従来の歴史認識は韓国・中国の歴史観に迎合してきた。扶桑社が出版する教科書は自国(日本)の立場も表現していこうという視点だが、これが反発を招いたのだと思う。互いが本音の歴史認識を示すことで対話を深めていこうと考えた。共通の教科書や歴史認識を持つのは無理だが、本音を出し合うことで対話の糸口になるのではないか。
 韓国は国定教科書で「教科書は国定なのだ」とのイメージが強い。日本は国定ではなく、複数の教科書が存在していて検定制度があるのだと説明しても、なかなか感覚的に理解してもらえない。制度の違いが溝を作っていると思う。申請本がマスコミに断片的に取り上げられ、中国、韓国に刺激的な部分だけが紹介されている。検定段階で、流動的なのだということが理解されていない。我々は中国、韓国と安定した末永い友好関係を築きたいと思っている。日本の生徒に中国、韓国への悪感情を植え付ける意図はまったくない。[2001-03-09-01:00] 86
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 03/09@◇民族抗争でカリマンタンから5万人脱出 インドネシア◇(朝日新聞)

 インドネシア・東ジャワ州のスラバヤ港に8日、カリマンタン(ボルネオ島)南部の民族抗争から逃れてきたマドゥラ人を乗せた船が入港した。先住民のダヤック人の襲撃から移住者のマドゥラ人を救出する作業は、この船でほぼ終了する。
 島を脱出した人の数は、2週間で5万人を超す。スラバヤや沖合のマドゥラ島は避難民であふれかえっており、政府は225トンのコメ支援を発表した。ワヒド大統領も週末に避難民を視察する。[2001-03-09-00:57] 91
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 03/09@<記者の目>グローバル化の中の移民 笠原敏彦(ロンドン支(毎日新聞)

 豊かさを求める密航者がアフリカ、中東、アジアから欧州に押し寄せている。国際面に掲載した企画「ヨーロッパ奔流」(2月20日〜27日)の取材に参加し、混迷する状況の根底にグローバリズムの歪みが見えた。市場の論理がカネとモノの自由な国際移動を求める一方で、ヒトの移動は認めない構造的な歪みが、不法移民を噴出させているのではなかろうか。
 スペイン南部のジブラルタル海峡周辺を2月初旬に訪れ、現実のすさまじさに驚いた。わずか4日間で、サハラ砂漠以南のアフリカの若者らを乗せた密航船3隻(計111人)が検挙され、モロッコ人10人の遺体が海岸に打ち上げられた。国境警備隊が遺体を発見したのは午前3時。不法移民を阻む欧州側と抜け穴を探す密航者側のせめぎ合いの一端を垣間見た。
 「フォートレス・ヨーロッパ(要塞化された欧州)」という言葉がある。欧州連合(EU)が域内での人の移動を自由化する一方で、不法移民には厳しく対処する方針を指す。それを具体化した二重の鉄条網が昨年3月、アフリカ大陸にあるスペインの飛び地・セウタに完成した。
 モロッコとの国境8キロを覆う鉄条網は、先進国側の不法移民に対する心理的な壁に見えた。貧富を隔てる「南北の壁」ともいえる鉄条網。それは冷戦中、東西を隔てた「ベルリンの壁」にも匹敵するほどの重い意味を持つように感じた。
 欧州は潜在的な不法移民に対し、強い警告を発している。しかし、その一方で、現実の不法移民に対する寛容さは失ってはいない。密航者の多くは難民申請を却下されても国外退去命令を受けるだけで、不法滞在が大目に見られているのが現状である。
 セウタでは、鉄条網が不法移民をより危険な密航手段に追いやっている状況もあって、鉄条網への嫌悪感が広がっていた。行政府のモロ知事は「欧州はアフリカを植民地化し、その後、放置した。本当は我々はより寛大な措置を取らねばならない」と語り、苦悩の表情さえうかがえた。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、EU15カ国への難民申請は過去2年連続で約39万人に及んだ。不法滞在者の実態は闇の中だが、警察的な手段で流れを阻止するのは不可能という事態は明白になっている。
 21世紀の国際秩序を展望する際、貧富の格差の拡大に先進国が有効な対策を講じ得るのかという視点は欠かせない。これは国際問題ではなく、倫理問題であるとの指摘すらある。
 国連報告によると、99年の世界のリッチマン上位200人の資産は1兆ドル(約117兆円)に達した。半面、人口約6億人を抱える低開発国43カ国の総所得はその7分の1の1460億ドルに過ぎない。この数字を前に、世界の現状の歪みを感じ、是正を求めない人は少数派であろう。
 そして、貧富の格差縮小に移民が果たせる役割は小さくなく、欧州は間近で移民が母国の経済発展に及ぼす絶大な影響力を目撃している。かっての移民大国・アイルランドである。同国は19世紀中ごろの大ききん以降、600万人以上の移民を北米などに送り出してきた。同国南部の港町・コーブの移民記念館には「移民は貧困を繁栄に変える手段と見なされた」と記されていた。苦難の移民史を見て回ると、途上国の現状と重なる部分が実に多い。
 そのアイルランドが今、米国系企業の進出に支えられ、「ケルトのトラ」と呼ばれるほどの好景気に沸いている。同国外務省のオハラ報道官は「単純労働に始まったアイルランド系移民は世代を経て米国で主要なポストを占めるようになった。我々の発展には、米国との緊密な連携が生かされている」と話す。
 短期的に見ても、移民は富の移動に重要な役割を担う。難民問題を扱った「招かざる人々(The Uninvited)」(ジェレミー・ハーディング著)によると、89年に世界の移民が母国に送金した額は650億ドル(約7兆6000億円)で、これは先進国からの開発援助総額を200憶ドルも上回っている。
 欧州では少子高齢化が進み、現在の生活水準を守るには50年間で7500万人の移民受け入れが必要と指摘される。需要と供給が合致しているかに見える中で、明確な移民政策を打ち出せずに戸惑っているようだ。
 しかし、先進国の一層の多民族化はもはや避けて通れない。管理できない不法移民の増加を看過し続けるのか、合法移民として納税などの義務を果たしてもらうのか。さまざまな論議を呼びながらも、政治指導者からは「人種的なハイブリッド(混成)社会への準備が必要だ」「考え得ぬことを考えねばならない」という発言も出始めている。
 欧州は民族を基本にした国民国家を誕生させたが、今は逆に、その国境の壁をどんどん低くしている。この時期に不法移民が急増しているのは偶然かもしれないが、結果的に、欧州は国家統合の流れの中で真のグローバル化に向けた対応を迫られることになった。人権や民主主義などの理想を世界に示してきた欧州の英知に注目したい。[2001-03-09-00:05]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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