最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(02/28, 2001)


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [リンク]

◆ 02/20@◎4月に繰り上げ総選挙=結果次第で独立の動き加速−モンテ(時事通信)
◆ 02/20@<イラク空爆>中国人が防空施設で工事 巻き添えに注意(毎日新聞)
◆ 02/20@◇NATO事務総長が訪ロ◇(朝日新聞)
◆ 02/20@◎中・東欧10カ国への投資、昨年200億ドルに=国際比較(時事通信)
◆ 02/20@<記者の目>米本土ミサイル防衛配備 藤生竹志(ベルリン支(毎日新聞)
◆ 02/20@◇ロシアがNMD代案を説明 NATO事務総長と会談◇(朝日新聞)
◆ 02/20@イラク空爆批判、仏露首脳が電話会談で一致(読売新聞)
◆ 02/20@労働力不足のEU、「優秀」な移民積極受け入れ(読売新聞)
◆ 02/20@◇日本の中学歴史教科書に憂慮や反発 韓国◇(朝日新聞)
◆ 02/20@<NATO事務総長>ロシア指導部と会談 関係修復(毎日新聞)
◆ 02/20@空爆批判で仏ロ首脳が一致(共同通信)
◆ 02/20@「不意打ち」の恐怖冷めず 不安募らすイラク市民(共同通信)
◆ 02/20@<欧州移民問題>東ロンドン大主任教官、マーフリート氏に聞(毎日新聞)
◆ 02/20@<欧州移民問題>難民急増 募る危機感(毎日新聞)
◆ 02/20@<ヨーロッパ奔流>密航「死ぬまで何度も」 自由の地阻む鉄(毎日新聞)
◆ 02/21@◇モスクワのNATO情報センター、活動を近く再開◇(朝日新聞)
◆ 02/21@前大統領引き渡しは先送り 旧ユーゴ法廷が移送方針(共同通信)
◆ 02/21@<モンテネグロ>総選挙を4月22日に繰り上げ実施へ(毎日新聞)
◆ 02/21@<米独外相会談>対イラク空爆の明確な支持表明避ける 独外(毎日新聞)
◆ 02/21@バラク抜きでタカ派色強まるイスラエル新政権(読売新聞)
◆ 02/21@「空爆イラク施設は中国が援助」米が抗議へ(読売新聞)
◆ 02/21@<ユニセフ>「子どもネット」発足 東京で子供たちが記者会(毎日新聞)
◆ 02/21@<ユニセフ>事務局長とアグネス・チャン親善大使が森首相を(毎日新聞)
◆ 02/21@◇イラク外相が「国連は英米の行動を非難すべき」と書簡◇(朝日新聞)
◆ 02/21@ルワンダが部隊撤収を通告(共同通信)
◆ 02/21@ターナー氏が百万株売却(共同通信)
◆ 02/21@米英のイラク攻撃に理解 独外相が国務長官と会談(共同通信)
◆ 02/21@北朝鮮側と初協議 牛肉供与問題で独政府 (共同通信)
◆ 02/21@国連職員を汚職で調査 難民からわいろ取り便宜(共同通信)
◆ 02/21@◎エチオピア軍が撤退開始=エリトリア(時事通信)
◆ 02/21@◇ベルギー―中規模国と協力しよう◇(朝日新聞)
◆ 02/21@露がミサイル防衛で西欧との共同開発案を提示(読売新聞)
◆ 02/22@◇スペイン・バスク、州議選5月に前倒し◇(朝日新聞)
◆ 02/22@◇歴史教科書―検定の行方を注視する◇(朝日新聞)
◆ 02/22@<ヨーロッパ奔流>移民監視強化を要請「東欧経由」警戒する(毎日新聞)
◆ 02/22@<コソボ>民族紛争が再び激化 アルバニア系独立強硬派が台(毎日新聞)
◆ 02/22@クロアチア戦犯が出頭 セルビア人虐殺を指示(共同通信)
◆ 02/22@<中国>対イラク協力に米が問題視 安保理決議厳守と反論=(毎日新聞)
◆ 02/22@<スーダン>イスラム社会の精神的指導者、トラビ元国会議長(毎日新聞)
◆ 02/22@◇コンゴの少年兵163人をウガンダに移送、政治教育施す◇(朝日新聞)
◆ 02/22@抗争激化で百人以上死亡か カリマンタン島の民族対立(共同通信)
◆ 02/22@◇イラクの防空施設建設に中国企業が関与? 米、懸念表明◇(朝日新聞)
◆ 02/22@◇中南米から法王も? 枢機卿の数でイタリア上回る◇(朝日新聞)
◆ 02/22@◇2002年地球サミットはヨハネスブルクで開催へ◇(朝日新聞)
◆ 02/22@米長官が中国に抗議 イラクの軍事施設支援で(共同通信)
◆ 02/23@ボスニア中央政府に初の改革派内閣が誕生 (読売新聞)
◆ 02/23@◇「戦時下の性暴力」に有罪判決 セルビア共和国軍3兵士◇(朝日新聞)
◆ 02/23@<バルカン・サミット>アルバニア系非難の宣言案で混乱か(毎日新聞)
◆ 02/23@命中率は4割以下 米英のイラク空爆は成功せず(共同通信)
◆ 02/23@<イラク空爆>ユーゴが防空施設情報を米英に提供 英紙報道(毎日新聞)
◆ 02/23@<旧ユーゴ国際戦犯法廷>ボスニア紛争で集団レイプに有罪判(毎日新聞)
◆ 02/23@集団レイプに有罪判決、ユーゴ戦争犯罪国際法廷(読売新聞)
◆ 02/23@日中関係再び冷え込む 教科書問題、野呂田発言で(共同通信)
◆ 02/23@侵略を正当化と非難 教科書問題で北朝鮮当局(共同通信)
◆ 02/23@伊首相候補らを審問? 法王庁の呼び込みに賛否(共同通信)
◆ 02/23@<特集ワイド>謎とロマンの楼蘭、冨谷至教授(1)(毎日新聞)
◆ 02/23@<特集ワイド>謎とロマンの楼蘭、冨谷至教授(2)(毎日新聞)
◆ 02/23@米大統領、中国のイラク防空網建設関与に懸念(読売新聞)
◆ 02/23@安保理、コンゴ内戦でPKO3千人展開を決議(読売新聞)
◆ 02/23@前大統領暗殺で和平機運 コンゴ紛争終結へ方向転換(共同通信)
◆ 02/23@コンゴPKO派遣を決議 国連安保理、3千人展開へ(共同通信)
◆ 02/24@◇バルカン諸国がユーゴでのテロ活動を非難◇(朝日新聞)
◆ 02/24@NMDで理解得たいと長官 カイロで米ロ外相会談(共同通信)
◆ 02/24@コソボ「暴力拡大を阻止」…バルカン首脳会議(読売新聞)
◆ 02/24@<バルカン・サミット>最終宣言採択し閉会 腐敗防止など課(毎日新聞)
◆ 02/24@加が対ユーゴ制裁解除(共同通信)
◆ 02/24@アルバニア系過激派を非難 南部情勢でバルカン首脳(共同通信)
◆ 02/24@◇東ティモール暫定行政機構代表が単独会見◇(朝日新聞)
◆ 02/24@◇EU緊急対応部隊を支持 ブッシュ政権が軟化◇(朝日新聞)
◆ 02/24@<マルク諸島>イスラム、キリスト両教徒の宗教抗争発生から(毎日新聞)
◆ 02/24@<YOU館>歴史教科書問題 見守る韓国「今度は日本が誠意(毎日新聞)
◆ 02/24@難民の移住認定でケニアの国連職員に収賄疑惑(読売新聞)
◆ 02/24@改善すると中国が米に回答 対イラク軍事協力問題で(共同通信)
◆ 02/24@<特報・北方領土>露大統領「占領間違い」発言 首相の勘違(毎日新聞)
◆ 02/24@インカ「空中都市」が崩壊危機(読売新聞)
◆ 02/24@ロシアが近隣国へ支配強化、武器は「エネルギー」(読売新聞)
◆ 02/24@<ニュースの背景>米本土ミサイル防衛構想 (毎日新聞)
◆ 02/25@ユーゴ、ミロシェビッチ前大統領の側近逮捕(読売新聞)
◆ 02/25@<セルビア>秘密警察の前長官ら逮捕 前大統領逮捕への1歩(毎日新聞)
◆ 02/25@◇ユーゴ秘密警察前トップ逮捕 野党党首暗殺計画に関与か◇(朝日新聞)
◆ 02/25@◎ミロシェビッチ氏、今週逮捕も=英テレビ局(時事通信)
◆ 02/25@前秘密警察トップを逮捕 セルビア、前大統領側近(共同通信)
◆ 02/25@党首選出、連邦維持を確認 モンテネグロ最大野党(共同通信)
◆ 02/25@<ヨーロッパ奔流>変容する国家 新たな「アイルランド移民(毎日新聞)
◆ 02/25@◇トルコ首相、内閣改造の見送りを表明◇ (朝日新聞)
◆ 02/25@企業寄付で貧困対策基金を 伊がサミットで提案へ(共同通信)
◆ 02/25@3年以内に核爆弾開発も 独機関がイラクで警告(共同通信)
◆ 02/26@<EU外相理事会>アルバニア系過激派の武力行使非難へ(毎日新聞)
◆ 02/26@秘密警察の15人を逮捕 前大統領の基盤崩しへ(共同通信)
◆ 02/26@◎エリトリアからの軍撤退完了=エチオピア(時事通信)
◆ 02/26@<ブルンジ>フツ族系反政府組織が軍施設や市街地を襲撃(毎日新聞)
◆ 02/26@<タイとミャンマー>軍事衝突から2週間 背景に麻薬問題(毎日新聞)
◆ 02/26@<パウエル国務長官>クウェート首脳とイラク制裁継続で一致(毎日新聞)
◆ 02/26@「米国の占領祝う」と非難(共同通信)
◆ 02/26@<モルドバ>共産党が第1党 親ロシアの政策展開へ(毎日新聞)
◆ 02/26@<クウェート>イラク占領解放10周年記念式典始まる=替(毎日新聞)
◆ 02/26@<ロシア軍>日本領空侵犯は核戦争を想定した軍事演習か(毎日新聞)
◆ 02/27@<NATO>アルバニア系武装組織の活動拠点を狭める=替(毎日新聞)
◆ 02/27@大阪市の入院先からユーゴ人逃亡 8カ月間絶食し治療中(共同通信)
◆ 02/27@<EU外相理事会>パレスチナ自治政府に6000万ユーロ拠(毎日新聞)
◆ 02/27@<コソボ紛争>マケドニア国境地域に拡大 (毎日新聞)
◆ 02/27@NMD計画への支持要請 米国務長官がNATOへ(共同通信)
◆ 02/27@◇クロアチア元副大統領に懲役25年 ユーゴ戦犯法廷◇(朝日新聞)
◆ 02/27@◎徴兵拒否者3万人に恩赦=アルバニア系服役囚も−ユーゴ(時事通信)
◆ 02/27@「格差」抱える日本に難題 財政に比べ劣る人材の貢献(共同通信)
◆ 02/27@<ヨーロッパ奔流>移民選別の流れ 「人間」の価値混乱(毎日新聞)
◆ 02/27@<記者の目>えひめ丸事故 米訴訟社会が壁?文化の違いで済(毎日新聞)
◆ 02/27@タリバンが彫像破壊令、バーミヤン石仏ピンチ(読売新聞)
◆ 02/27@中国、米の人権問題批判に強く反発(読売新聞)
◆ 02/27@トルコがクルド語の教育・放送を解禁(読売新聞)
◆ 02/27@スーダン反政府軍、少年兵2600人を解放(読売新聞)
◆ 02/27@<中東歴訪>パウエル米国務長官にイラク問題などの試練=替(毎日新聞)
◆ 02/27@◇米国の対中国人権非難決議案、国連人権委に提出へ◇(朝日新聞)
◆ 02/27@<中国>報告書で米国の人権状況を厳しく批判 (毎日新聞)
◆ 02/27@どうなるバーミヤンの大仏 国連は懸念、タリバン強気(共同通信)
◆ 02/27@<EU外相理事会>パレスチナ自治政府に6000万ユーロ拠(毎日新聞)
◆ 02/27@<イラク>外相らが国連を訪問、アナン事務総長らと協議開始(毎日新聞)
◆ 02/27@決議案採択阻止に全力 中国、内政干渉と反発(共同通信)
◆ 02/27@<イラク経済制裁>緩和する方針を明らかに 米政府当局者(毎日新聞)
◆ 02/27@◇米国務長官とシリア大統領会談 イラク問題などで隔たり◇(朝日新聞)
◆ 02/27@人材面での支援強化求める ルベルス高等弁務官が会見(共同通信)
◆ 02/27@対イラク制裁で意見対立 米長官、シリア説得に失敗(共同通信)
◆ 02/27@中国の人権状況さらに悪化 米が法輪功の対応など批判(共同通信)
◆ 02/28@◎ユーゴ前大統領、殺人罪で近く逮捕=英紙(時事通信)
◆ 02/28@<NATO>アルバニア系武装組織のテロ活動拠点狭める=再(毎日新聞)
◆ 02/28@慰安婦問題で意見交換へ 1日から、アジア女性基金(共同通信)
◆ 02/28@◇仏像破壊令は「国内問題」 タリバーン大使◇(朝日新聞)
◆ 02/28@<ブッシュ米大統領>議会演説 北朝鮮へ厳しい外交姿勢示す(毎日新聞)
◆ 02/28@「ならず者国家」を復活 米大統領、演説で(共同通信)
◆ 02/28@地球も「重い」、2050年には93億人に(読売新聞)
◆ 02/28@2050年には93億人 国連が世界人口予測(共同通信)
◆ 02/28@◇ロシア、債務の一部を武器で返却へ 韓国と協定を締結◇(朝日新聞)
◆ 02/28@<国連>イラクとの協議終了 対話継続確認 査察受け入れな(毎日新聞)
◆ 02/28@国連との協議継続で合意 制裁問題でイラク(共同通信)
◆ 02/28@タリバンに仏像の保護要求 国連事務総長が声明(共同通信)
◆ 02/28@少年兵2600人を空輸 ユニセフがスーダンで(共同通信)
◆ 02/28@徐文立氏の処遇で調査約束 中国外相、近く釈放説も(共同通信)
◆ 02/25@◎市原、頼みは崔竜洙の決定力=J1戦力分析(時事通信)
◆ 02/26@サッカーくじ3月3日発売開始、メダル増えるか(読売新聞)
◆ 02/27@◎ジョリッチ氏がユーゴ監督に=サッカー (時事通信)
◆ 02/28@<サッカーW杯>テレビ放映権をめぐる交渉が各国で難航(毎日新聞)
◆ 02/22@在日北朝鮮選手を獲得へ 韓国サッカーの蔚山現代(共同通信)
◆ 02/22@2002年W杯巡り、放送権持つ会社と英政府対立(読売新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


[このページの最初に戻る]

 02/20@◎4月に繰り上げ総選挙=結果次第で独立の動き加速−モンテ(時事通信)

 【ウィーン20日時事】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領は20日、共和国議会の繰り上げ選挙を4月22日に実施すると発表した。モンテネグロでは、ユーゴ連邦からの独立を目指すジュカノビッチ大統領派与党と連邦残留派の野党の対立が続いており、総選挙の結果は、独立に向けた動きを決定づけるものになる。 [時事通信社][2001-02-20-23:16] 7
[このページの最初に戻る]

 02/20@<イラク空爆>中国人が防空施設で工事 巻き添えに注意(毎日新聞)

 【ワシントン19日布施広】米国防総省当局者は19日、米英軍が16日に実施した対イラク空爆の攻撃対象となった防空施設で、中国人が施設の性能向上の工事に協力していたことを明らかにした。米英軍は1999年5月の北大西洋条約機構(NATO)軍による在ユーゴスラビア中国大使館誤爆事件を教訓に、中国人の巻き添えを避けるよう最大限注意したという。
 イラク側が防空施設で光ファイバー網設置などの工事を続けていたことは既に判明している。同当局者は「金曜日は施設周辺で働いているイラク人と中国人の数が最も少ない」と述べ、人的被害を抑えるため、イスラム教の休日(16日)に攻撃したことを明らかにした。
 中国大使館誤爆事件では、米中関係が極度に悪化し、クリントン前大統領は関係修復に苦しんだ経緯がある。ブッシュ政権はこれを教訓に、外国人を巻き込まないよう配慮した模様だが、一方で中国がイラクに防空関連の技術支援を行っていたのが事実なら、米中関係に影響するのは避けられない。
 防空施設で働いていた中国人の数や役割などは明らかでない。[2001-02-20-18:15] 8
[このページの最初に戻る]

 02/20@◇NATO事務総長が訪ロ◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長が19日にモスクワ入りし、20日朝からロシアのプーチン大統領をはじめセルゲーエフ国防相、イワノフ安保会議書記らと会談する。米国のブッシュ新政権が進める本土ミサイル防衛(NMD)構想や、NATOの東方拡大などの問題について意見を交わす見込みだ。
 事務総長の訪ロは昨年2月以来。当時は一昨年のNATOによるユーゴスラビア空爆で冷え込んだロシアとの関係を修復する狙いがあったが、今回は「NATO拡大がロシアの脅威とはならない」などと、共存に向けた説得を試みるとみられる。
 これに先立ち、セルゲーエフ国防相は19日、ノルウェー議会国防委員長との会談で「バルト3国がNATOに加盟すればロシアの安全保障に直接の脅威となる」と強調。リトアニアとポーランドに囲まれたロシアの飛び地カリーニングラード州がNATOに完全包囲されることになるなら、「特別な対抗措置をとる」と強い拒否反応を示した。
 米紙は同州に「ロシアが戦術核ミサイルを配備している」と報道したが、ロシア側は完全否定している。戦術核が配備されればドイツやポーランドが射程内に入ってロシアの有力な対抗手段となるため、国防相の発言はそうした可能性をにじませたものとみられる。[2001-02-20-11:02] 9
[このページの最初に戻る]

 02/20@◎中・東欧10カ国への投資、昨年200億ドルに=国際比較(時事通信)

 【ウィーン19日時事】中・東欧諸国の経済情勢に詳しいウィーン国際比較経済研究所が19日発表した「外国直接投資データベース」によると、欧州連合(EU)加盟を目指す中・東欧10カ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、ルーマニア、ブルガリア、バルト3国)に対し、昨年1年間で投下された外国からの直接投資は総額約200億ドルとなり、前年比で20億ドル増加した。EU拡大をにらみ、日米欧の企業が生産コストの安い中・東欧地域に進出している傾向を示すものだ。 [時事通信社][2001-02-20-07:44] 11
[このページの最初に戻る]

 02/20@<記者の目>米本土ミサイル防衛配備 藤生竹志(ベルリン支(毎日新聞)

 発足したばかりの米国・ブッシュ新政権は、米本土ミサイル防衛(NMD)配備を強硬に推し進めようとしている。ドイツ南部ミュンヘンで今月初めに開かれた「第37回安全保障政策に関する国際会議」(BMW社系の財団が主催)でも、米国の軍事的な身勝手さが目立った。米軍が英軍と一緒に行ったイラク空爆は、NMDに対する世界の批判から目をそらさせるための目くらましのようにも見えた。一方、この問題に関する欧州諸国の米国批判は弱腰すぎ、ロシア、中国を巻き込んだ軍拡競争が再燃する恐れもでている。
 19日から3日間の予定で訪米し、パウエル米国務長官らと会談するドイツのフィッシャー外相は、12日のモスクワでのイワノフ外相との会談後、「欧州諸国もNMD計画を受け入れざるを得ない」との見解を示し、配備に同意する意向を示唆した。外相はまた「NMDは米政権の決定であり、ドイツが口をはさむことは出来ない」と述べ、この問題で米国とロシアの仲介役を務める意思がないことも明らかにした。
 ドイツのシャーピング国防相も、17日からほぼ2週間の日程で中国とインドを訪問している。1月に訪露したばかりのシュレーダー首相は4月、ロシア・サンクトペテルブルクでプーチン大統領と再会談する。しかし、ドイツ主要閣僚の外遊が結果的にNMDに理解を求める旅になってしまうのならば、ドイツをはじめ欧州がなし崩し的にNMD配備を認めることになりはしないだろうか。
 ロシアはNMDに対して「米国と建設的な議論をする用意がある」と表明しているが、NMD配備を認めたわけではない。中国も懸念を表明している。両国と米国の軍拡競争が再燃する事態になれば、相対的に欧州の軍事的地位は低くなる。2003年をめどに独自の紛争対応能力を持った緊急対応部隊創設を目指す欧州連合(EU)にも、NMD配備容認は自分の首を締めることにつながる。
 米国が技術的に未熟で、カネがどれほどかかるかもわからないNMD配備を強行すれば、将来、ポーランドとリトアニアのEU加盟でEUに挟まれた「陸の孤島」になるロシアの飛び地カリーニングラードに、ロシアが戦術核を移動することも考えられる。ロシアは公式には否定してはいるが、米国との関係が悪化すればやりかねない。ドイツ領だったカリーニングラードに戦術核を配備すれば、ドイツも射程距離内となる。
 欧州、特にドイツにとって、冷戦時代に逆戻りすることは断じて避けなければならない。欧州は米国を怒らせてでも、NMD反対を貫くべきではないか。
 EU緊急対応部隊をめぐっては、ミュンヘン会議でも、紛争に対応する作戦決定権について、北大西洋条約機構(NATO)に一元化すべきだとする米国と、反対する欧州が対立した。
 ユーゴスラビア・コソボ紛争を見ても、米国の軍事力なしではユーゴの民族浄化をやめさせることは出来なかった。フィッシャー外相の発言は、米国頼みの弱気な欧州を象徴しているように聞こえる。今回のイラク空爆でも、NATO加盟の欧州諸国のうち、英国以外は事前に通告がなかったと怒っているが、米国に子供扱いされた感じだ。
 もう一つの欧州の懸念は、ブッシュ政権がNMDを強硬に推し進めようとする理由が今ひとつピンと来ないことだ。
 ミュンヘン会議でラムズフェルド米国防長官は「NMDはミサイル攻撃から国民と兵力を守るためだ」と演説した。「NMDは同盟国も守る」というのは建前で、うかがえるのは「自分のところだけ守ればいい」という米国の身勝手さだ。欧州の利益にならないNMDに「同盟国だから」という理由だけで強く反対できないのでは気が弱すぎる。
 米国防長官の諮問機関「21世紀国家安全保障委員会」は今月初め、サイバーテロの脅威などを警告し、本土防衛強化を提言した報告書を発表した。しかし、一体どこの国や地域が米国に攻撃を仕掛けてくることを想定しているのか不透明だ。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイラン、イラクといった米国が「ならず者」とみなす国家を想定しているのだろうが、すでに強大な軍事力を持つ米国本土に本気で攻撃を仕掛ける国があるとは思えない。
 米国のわがままで、軍事バランスが崩れ、世界が不安定になるようなことは絶対に避ける必要がある。米国は欧州の懸念に真剣に耳を傾けるべきだ。欧州が本気で軍事的に米露に追いつこうとするならば、もっと強く、継続してNMD反対を唱え続けるべきだ。
 南ドイツ新聞は「NMDへのロシアの理解が得られなければ予測困難な事態を招く恐れがある」と警告した。フィッシャー外相のような、拙速なNMDへの同意は米国を調子づかせる。
 独政府高官は「ドイツは米国の決定に対して影響力を持たない。双方と緊密に協議するしか方法がない」という。だが、それこそが重要だ。あくまでNMD反対を貫き、米国との対話を続けることが、一番、必要なことではないだろうか。[2001-02-20-00:25] 71
[このページの最初に戻る]

 02/20@◇ロシアがNMD代案を説明 NATO事務総長と会談◇(朝日新聞)

 ロシアを訪問した北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は20日、プーチン大統領やセルゲーエフ国防相らロシア指導部と相次いで会談した。イラク空爆を強行し、米本土ミサイル防衛(NMD)導入をめざす米国への批判を強めるロシア側は、NMDの代案とする欧州戦域ミサイル防衛の詳細を説明。米国の一国支配を嫌うNATO加盟国に共同歩調を呼びかけた。
 プーチン大統領は会談の中で、「ロシアは2つの問題を懸念している」と述べ、NMDとNATO東方拡大の問題を挙げた。さらに、欧州戦域ミサイル防衛について「NATOがこの提案を早急に検討することを期待する」と表明。詳細な説明のため専門家をNATO本部へ派遣する用意があることを伝えた。
 これに先立ち、セルゲーエフ国防相も事務総長に提案の詳細を説明。国防省高官によると、(1)専門家会議を開催し、欧州諸国への非戦略ミサイル攻撃の脅威があるかどうかを検討(2)脅威がある場合、脅威をなくすために政治的・平和的手段での解決モデルを作る(3)それでも解決できない場合、移動可能で局地的なミサイル防衛態勢を作る――との内容という。
 この防衛構想は昨年6月、プーチン大統領がイタリア訪問の際に初めて提唱したが、具体像が不明で、NATO側も説明を求めていた。今回、具体案を示したのは、NMDに慎重姿勢を見せる欧州と米国の分断を狙う思惑もあるとみられる。
 一方、事務総長はNATOとの関係強化に努めるプーチン大統領を評価し、「NATOの優先事項はあらゆる危機にも耐えうる関係を築くことだ」と述べた。[2001-02-20-21:59] 72
[このページの最初に戻る]

 02/20@イラク空爆批判、仏露首脳が電話会談で一致(読売新聞)

 【モスクワ20日=瀬口利一】露大統領府によると、プーチン大統領は十九日、フランスのシラク大統領と電話で会談し、先の米英両軍機によるイラクに対する空爆は、イラクの大量破壊兵器開発疑惑の政治的解決を妨げる「非生産的な行為」との認識で一致した。露仏両国は対イラク国連経済制裁の早期解除を支持する立場から、これまでも米英軍の対イラク軍事行動を批判してきた。[2001-02-20-21:51] 73
[このページの最初に戻る]

 02/20@労働力不足のEU、「優秀」な移民積極受け入れ(読売新聞)

 欧州連合(EU)の欧州委員会はこのほど、少子化に伴う労働力不足深刻化に対処するため、域外からの「優秀」な移民の積極受け入れを盛り込んだ経済改革案を発表した。移民の大量受け入れでIT(情報技術)革命に成功した米国がモデル。従来の政策を大きく転換させるもので、三月にスウェーデンで開かれるEU首脳会議の主要議題となる。しかし、EUが不法移民防止策強化へと動き、低賃金・単純労働への移民活用は回避したまま、技術、才能を持つ者だけ「選別吸収」しようとする政策に、問題点を指摘する声もある。(ブリュッセル 三井美奈) 経済改革案は、市場統合を実現したEUが二十一世紀、米国に対抗する経済圏となるための戦略だ。
 IT化に重点を置き、百七十万人と予想される労働者不足を、移民や高齢者の活用で補うよう求めた。欧州委のプローディ委員長は、「米国にならい、我々も才能ある移民を呼ぼう」と訴えた。
 EUが政策転換したのは、近年の経済成長で、産業界から移民導入要求が高まったため。昨年春の国連報告が「経済力維持のため、EUは移民受け入れを倍増させる必要がある」と警告したことも、政策見直しの契機となった。
 国際労働機関(ILO)の推計では、EUが一九九八年以降、IT分野の人材不足で被った損失は約一千億ドル(約十一兆五千億円)に上る。焦りを強める独、仏、オランダなどはすでに昨夏以降、インド人IT技術者の獲得競争を活発化させている。
 移民導入はIT分野だけではない。オランダや英国は、南アやフィリピンからの移民看護婦導入を本格化。教員不足が深刻な英国では、自治体が南アからの教員誘致に乗り出した。
 だが、各国の姿勢には、移民を国内経済の“傭兵(ようへい)”として扱うご都合主義が見え隠れする。
 シュレーダー独首相は、「大卒、年収十万マルク(約六百万円)以上」のIT移民受け入れ拡大を約束する一方、EU加盟を目指す中・東欧諸国には、大量移民流入への懸念から「EU加盟後も当面、人の移動自由化は凍結を」と注文をつけた。極右政党が政権参加するオーストリアも、「健康や語学力を考慮し、特定分野で期間を限定して移民を受け入れる」(シュトラッサー内相)方針を明らかにしている。
 欧州は戦後、トルコや南欧からの移民労働力をバネに経済再建を実現した。しかし、東西冷戦終結後は、東欧から再び大量の移民が流入し、EUは平均約10%の高失業率を抱え職を奪われると考えられたため、各国で国民の移民嫌いがまん延した。移民規制は強まり、九〇年以降の十年間で、EUの移民受け入れ数は半減。反移民感情を背景に極右政党が一部の国で伸長したこともあり、移民に関する大っぴらな論議は長くタブーだった。
 EU各国の移民支援団体で作る「反人種差別欧州ネットワーク」(本部ブリュッセル)のベラ・エヘンベルガー代表は、「人口減少を補うためEUの移民受け入れは避けられない。だが、現在の各国政府は移民を経済政策の道具としか見ていない。移民の社会参加を促す支援体制作りが先決だ」と話している。[2001-02-20-21:46] 75
[このページの最初に戻る]

 02/20@◇日本の中学歴史教科書に憂慮や反発 韓国◇(朝日新聞)

 韓国併合を正当化する内容などの記述があるとされる中学歴史教科書に、韓国で憂慮や反発が強まっている。野呂田芳成・衆院予算委員長の歴史認識をめぐる「大東亜戦争」発言も火に油を注いだ形で、有力紙、東亜日報は20日付1面に野呂田発言と合わせて「わい曲教科書採択確実」と報じた。このまま検定を通過すれば、反発が一層強まるのは必至だ。
 東亜日報は、野呂田氏の発言を「歴史わい曲教科書の採択が確実視されている中での、侵略戦争を正当化する妄言」と伝えた。朝鮮日報も20日付1面トップで、東京の外交筋らが「検定合格の可能性は90%以上」「不合格にする理由がない」と述べたと報道。17日の社説でも教科書問題を掲げ、「第2次世界大戦前の独善的な歴史教育への復活の道を遮り、日本が国際的に孤立しないことを望む」と訴えた。KBSなどテレビ局も20日朝からこの問題を大きく取り上げ始めている。
 韓国政府はこれまで日本への激しい抗議などはしておらず、李廷彬・外交通商相が今年に入って2回、河野洋平外相に電話で憂慮の念を伝えるにとどめている。しかし、歴史認識問題で明らかに逆行する動きとして韓国政府は不快感を募らせており、検定結果が出る前に日本側に明確に懸念を伝えたいとの思いが強い。政府当局者は18日、韓国メディアに対し「これまでは穏便な解決方法を模索してきたが、今後は積極的に問題を提起する」などと語るなど、方針変更の可能性を示唆した。[2001-02-20-20:33] 76
[このページの最初に戻る]

 02/20@<NATO事務総長>ロシア指導部と会談 関係修復(毎日新聞)

 【モスクワ20日石郷岡建】モスクワ訪問中の北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は20日、プーチン大統領らロシア指導部と個別に会談し、米国が進める米本土ミサイル防衛(NMD)構想やNATOの東方拡大問題について意見交換した。ロシア側は欧露ミサイル共同防衛構想の具体案を初めてNATO側に提示し、コソボ紛争以来ギクシャクとした両者の関係は完全修復された形となった。
 同事務総長と会談したプーチン大統領は「ロシアが懸念している問題はミサイル防衛案およびNATOの東方拡大の二つだ」とロシア側の立場を説明。これに先立ち、事務総長と会談したセルゲーエフ国防相が示した「欧州非戦略的ミサイル防衛システム」創設に関する提案について、「NATOの専門家が研究し、欧州世論にも説明することを望む」と述べ、ロシアの専門家を派遣する用意があることを明らかに示した。
 また、大統領は「ロシアを敵国とは見なさない」とした同事務総長の声明を歓迎すると述べ、ロシアとNATO間の信頼関係構築の必要性を訴えた。ロバートソン事務総長は「NATO・ロシア共同委員会の枠内で、この問題を話し合いする用意がある」と述べただけで、具体的な態度の表明は避けたとみられる。
 欧露ミサイル共同防衛に関するロシア側提案の詳しい内容は公表されていないが、イワショフ国際軍事協力局長によると、3段階で実施するとされ、最終的には防御のための移動式の戦域ミサイル防衛システムの配備を計画している。また、同局長は米国のNMD構想概念とは本質的に異なると強調した。[2001-02-20-20:20] 101
[このページの最初に戻る]

 02/20@空爆批判で仏ロ首脳が一致(共同通信)

 【モスクワ19日共同】ロシア大統領府の発表によると、プーチン大統領は十九日、シラク・フランス大統領と電話会談し、米英軍による十五日のイラク空爆について紛争の「政治的解決にとって逆効果」であるとの立場で一致した。
 プーチン大統領がブッシュ米政権発足後初の軍事行動であるイラク空爆で見解を表明したのは初めて。
 両首脳は、大量兵器査察問題をめぐるイラクと国連との対話再開に向け、協力することでも合意した。
 国連安全保障理事会の常任理事国で対イラク制裁解除派のロシアは同じ常任理事国のフランスとイラク問題で今後、共同歩調をとるとみられる。
 カイロで二十四日開催される米ロ外相会談でもイワノフ外相が空爆問題を取り上げ、米側を非難するのは確実だ。(了)[2001-02-20-08:27] 103
[このページの最初に戻る]

 02/20@「不意打ち」の恐怖冷めず 不安募らすイラク市民(共同通信)

 十六日に米英両国による約二年ぶりの空爆を受けたイラクの首都バグダッド。市民らは軍事施設だけでなく住宅地も「不意打ち」したミサイルの恐怖から冷めず、十年に及ぶ終わりなき戦争状態に不安を募らせていた。
 爆撃を受けた首都南郊のアーメル地区に住む機械工ハーメド・ダウッドさん(46)は十六日夜、自宅で米軍機の爆音を聞いた。イラク南部の飛行禁止空域での爆撃は日常化しているが、首都は安全との意識が市民には強い。
 「また監視飛行か」。そう思った時、家全体を揺るがす突然のごう音。部屋を飛び出すと長男のムンダル君(10)が全身をけいれんさせながら泣き叫んでいた。
 わが子を抱え上げると両手が血で滑った。傍らでは近所のフセイン・アリ君(13)が「パパ、ママ」と叫び、腹ばいで自宅へ逃げ込もうとしていた。
 ムンダル君は右半身や両足に約四十個の破片を浴びた。市中心部の病院で近く破片の摘出手術を受ける。痛みが治まらず、時々血に染まる包帯をさすりながらうめき声をあげる。
 ダウッドさんは「二年前の攻撃は、国連の兵器査察問題があってわれわれも『何か起きる』と感じていた」。しかし、今回はまったくの不意打ちと憤る。
 一九九○年のクウェート侵攻以来続く国連経済制裁などで、病院は医療品が不足気味。「手術が失敗したら。息子の将来はどうなるのか」とうつむいた。
 市中心部タハリール地区で機械修理業を営むアブダラさん(60)は「バグダッドを攻撃しても、アラブの大義を守るイラクの立場は変わらない。こんなことをして何になるのか」。
 家電販売業のジャスム・ムハンマドさん(30)は「制裁が徐々に緩和され生活も楽になってきたのに、これじゃ昔に逆戻りだ」と嘆く。「政治のことは分からないが、米国は制裁や空爆に苦しむ人々の姿を見るべきだ」と話した。(バグダッド共同=半沢隆実)(了)[2001-02-20-07:49] 106
[このページの最初に戻る]

 02/20@<欧州移民問題>東ロンドン大主任教官、マーフリート氏に聞(毎日新聞)

 難民や不法移民はなぜ、欧州に押し寄せるのか。英国・東ロンドン大学難民研究コースの主任教官、フィリップ・マーフリート氏に聞いた。【ロンドン・笠原敏彦、写真も】
 ――途上国から先進国への難民・不法移民の流れをどうみますか。
 ◆アフリカやアジア、中東などで、「サバイバル(生存)システム」が崩壊し、先例のないほどの人々が移動している。単に「経済難民」ととらえるのは誤りだ。主要な移動は政治・経済状態が危機的な国から起きている。
 ――原因は何ですか。
 ◆先進国がグローバリズムを唱え資本と物の自由な移動を求めていることが、途上国の社会構造を不安定にしている。例えば、アフリカで最も安定した国の一つだったジンバブエには1990年代、世界銀行や国際通貨基金(IMF)から民営化への強い圧力があった。その結果、経済構造がもろくなり、混乱に陥った側面もある。これらの国から多くの人が脱出するのは避けられない。
 ――欧州諸国の対応は?
 ◆興味深いのは、欧州の政治家の反応だ。不法移民を表現する言葉が敵対的で、1930〜40年代のファシズムのような雰囲気がある。例えば、フランスでは極右政党が台頭して人種差別路線を明確化するまで、難民流入は大きな問題にならなかった。だが、主流派の政治家も極右に人気を奪われるのを恐れ、敵対的な発言をしている。そして、市民の人種差別を誘発することになっている。
 ――「フォートレス・ヨーロッパ(要塞で守られた欧州)」という言葉をよく聞きます。
 ◆80年代中盤、経済的危機の中で生まれたものだ。欧州各国は欧州統合に賛同しながらも個別政策で利害が衝突し、数少ない協調できる分野が移民問題だった。警察的手法で「招かざる客」を排除する考えだが、いかなる排除手段も奏功しないだろう。
 ――欧州の対応に変化は見られますか。
 ◆人口の高齢化などから、経済と福祉を維持するため労働力としての移民の必要性が強調され始めている。しかし移民を「招かざる客」として扱う一方で、労働力としては必要とすることは両立しないだろう。
 ――衛星放送やインターネットなどの発展が人の流れを促進している、との指摘もあります。
 ◆メディアが伝える先進国の安全で繁栄する様子が、貧しい人々の心理に影響を与え、移民の流れを刺激していることは間違いない。また、20世紀に欧米が途上国に与えた大きな影響は、民主主義や人権という思想だった。人々は「自分にも権利がある」と欧州のドアをたたいているのだ。
 ――どのような対応が望ましいのでしょう。
 ◆「もし、あなたが資本の自由な移動を求めるなら、人の移動も認めなければならない」というのが私の回答だ。[2001-02-20-01:55] 107
[このページの最初に戻る]

 02/20@<欧州移民問題>難民急増 募る危機感(毎日新聞)

 欧州が新しい移民問題に揺れている。不法移民や経済難民の流入が急増、欧州入りを手引きする地下組織が暗躍して犯罪の温床になっているためだ。欧州連合(EU)は本格的な取り締まりを始める一方で、情報技術(IT)時代に対応するため、労働力不足を補う「技術移民」の誘致を始めた。移民と共存することで繁栄してきた欧州は21世紀の生き残り策を模索している。【ブリュッセル・森 忠彦】
●EUのいらだち
 「不法移民にかかわる犯罪組織は厳しく処罰する。それが最も効果的な対策だ」
 今月初めにスウェーデンで開かれたEU司法・内相会議で、ビトリーノ欧州委員(司法・内務担当)はそう断言した。集団不法移民を操る犯罪組織への「宣戦布告」だ。
 ここ数年、不法移民問題は欧州諸国政府にとって頭の痛い問題だ。中東やアジアから高賃金の働き口を求めて大量の労働者が舞い込み、昨年6月には英仏海峡を密航しようとした中国系移民58人が死体で見つかった。東欧やバルカン諸国から欧州入りした女性たちが売春を強要されるケースなども相次いでいる。
 就職斡旋を名目に高額の手数料を取り、不法移民らを手引きして欧州に運び入れ、だまして売春や麻薬販売などに利用している地下組織がある。「EUが拡大すればその分、不法入国の窓口も増える。その前に司法制度を整える必要がある」(ビトリーノ委員)。数年後の東方拡大を前に、EUは不法移民対策の取り組みを迫られている。
 ●止まらない流入
 域外から欧州を目指す人々は不法移民だけではない。圧政下から脱出した政治亡命者や反体制グループ、欧州諸国での居住・労働許可を得た合法的な移住者や移民から、コソボ紛争などの戦火や動乱を逃れた政治難民、富に誘われた経済難民まで多岐にわたる。だが、それぞれの境界線は必ずしも明確でない。
 西欧に向う難民数は増加の一途だ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年1年間にEU加盟15カ国に難民申請したのは39万人だった。ユーゴスラビアを筆頭にイラク、アフガニスタン、イラン、トルコ、ロシア、中国と続く。
 渡航ルートは三つに大別される。第1はバルト海沿岸からポーランドやチェコ経由でロシア系などが欧州に入る経路。第2はバルカン半島ルートで、バルカン諸国出身の難民だけでなく、ユーゴに住み着いた中国系なども加わる。最後は北アフリカから地中海を渡ってスペイン、イタリアなどに入るルートだ。EU域内に入れば、「シェンゲン協定」で人の移動の自由が保証されているため、国境検問におびえることもなく、希望の国にたどり着ける。
 しかし、実際にそこで「本物の難民」と認定され、居住許可が出るのは1割ほどで、経済難民は認定されにくい。未認定者は本国に強制送還されるか、そのまま不法滞在する。現在、EU内の不法滞在者は少なくとも1800万人以上だという。
 ●対策を本格化
 EUは押し寄せる不法移民や難民に対応するため、2004年までに「共通難民・移民政策」を策定する方針だ。今年末の首脳会議で骨格を承認する。
 今月の司法・内相会議では政策協調の加速で一致し、今年前半には「暫定共通政策」を導入する。EU議長国スウェーデンのクリングバル社会問題(難民・移民)担当相によると、その柱を「犯罪性の高い強制移民を取り締まる」とする。特に犯罪組織摘発のために警察間協力を推進し、国境検問を強化する。違反者には最低でも6年以上の刑期を設ける方針だ。
 同時に難民・移民の流入制御を狙った交渉も進める。ボスニア、コソボ両紛争で難民が大量発生したアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴと2〜3月に閣僚級会談を相次いで開き、住民登録制度の確立を支援し、管理強化を求める。中国系対策としては5月に北京で開くEU中国外相会談で討議する。
 ●労働力不足の解消
 不法移民規制を強める一方で、EUは優秀な技術を持った「技術移民」については積極的に受け入れる方向だ。高齢化と少子化が進む欧州が繁栄を維持するには移民の力を借りざるを得ない。「欧州が現在の生活水準を保つには今後50年間で7500万人の移民受け入れが必要となる」。国連は昨年、ショッキングな推測を発表した。
 プロディ欧州委員長は、「欧州が将来、多くの移民を受け入れなければ社会を維持できないのは確かだ。特に技術を持つ労働者はもっと広く受け入れていい」と語る。EUは3月下旬の首脳会議で、情報社会に対応した雇用戦略「Eヨーロッパ2002」として、情報技術者の人手不足を補うため一定の「技術移民」を招く路線方針を打ち出す。
 「国境なき欧州」を目指すEU諸国は、「役に立つ移民は受け入れるが、犯罪や治安悪化につながりかねない不法移民や経済難民には歯止めをかける」という道を歩み始めている。[2001-02-20-01:55] 108
[このページの最初に戻る]

 02/20@<ヨーロッパ奔流>密航「死ぬまで何度も」 自由の地阻む鉄(毎日新聞)

 ヨーロッパが国際的移住の波に揺さぶられている。難民や移民の流入、域内の人の流動化が絶え間なく続く。さらに情報網の別の空間も生まれている。1民族1言語による国民国家の統合を目指す欧州はどうなるのか。理念崩壊のジレンマをはらむ変動を追跡する。
 2月5日午前3時。スペイン南部タリファの北約10キロの大西洋岸に2隻のゴムボート(長さ約5メートル、約30人乗り)とモロッコ人10人の水死体が上がった。岩混じりの砂浜には、びしょ濡れの衣服やシューズが残されていた。密航した生存者が逃走前に着替え、証拠を消すため、ガソリンで燃やそうとした跡があった。
 沖合の地中海と大西洋がぶつかる海域は潮流が速く、年間5万隻の船が行き交う危険水域だ。近くの村の男性が「遭難者の遺体の中には14歳の少年もいた。彼らは何度でも死ぬまで繰り返すんだ」と涙ぐんだ。
 タリファ海上保安本部によると、ジブラルタル海峡周辺での密航船救助件数は98年まで年間10件前後だったが、99年32件(救助者数382人)、00年63件(同965人)と急増した。最近は携帯電話を持って救助連絡をする密航者もいる。
 変化が始まった99年、何があったのか。その答えの一つは、海峡の最短距離わずか13キロ先、対岸の北アフリカの小さな町にあった。
  ◆  ◆  ◆
 谷間を縫う二重の有刺鉄条網が鈍い光を放つ。北アフリカ・モロッコに隣接するセウタ。この地は「アフリカ大陸に残されたヨーロッパ」である。面積18平方キロのセウタは、欧州連合(EU)加盟国スペイン領の飛び地だ。99年、EU圏への入り口に押し寄せる越境者を阻止するため、要塞化が始まった。
 セウタとモロッコの国境8キロは高さ3・1メートルの鉄条網で完全に遮られ、27の監視塔と40台の赤外線カメラが設置されている。夜間に人が近づけば、体温を感知して周辺がライトアップされ、警報が鳴る徹底ぶりだ。総工費45億ペセタ(約30億円)の3分の1をEUが負担した。国境警備隊の幹部は言った。「毎夜20〜30人が挑戦するが、鉄条網を越えるのは不可能だ」。
 セウタ行政府によると、96年から99年まで不法入国者数は毎日800人に上った。国境審査のないシェンゲン協定に加盟するスペインに一度入国すれば、域内を自由に移動できる。密航者にとって「約束の土地」欧州への扉が一つ閉じられた。
 だが、移民流入の最前線・セウタ行政府のルイス・モロ知事は深い苦悩の表情を見せる。「EUは国境の厳しい管理を要求し、我々は義務を果たした。しかし、欧州を目指す人の流れを壁では決して止められない。彼らをより危険な手段に追いやるだけだ」。
  ◆   ◆  ◆
 セウタの難民一時収容センターでは現在、21カ国の360人が欧州での新たな生活に期待を膨らませている。合法滞在が約束された「勝者」たちである。
 ナイジェリア人女性のエスターさん(25)は施設内の病院で出産した。サハラ砂漠を2カ月かけ徒歩やトラックでスペインに着いたという。5人で出発し、1人が途中で死亡、2人は行方不明。「(母国では)仕事も食べ物もなかった。今は、幸せ」。彼女は生後16日の赤ちゃんを見つめた。
 「昨夏から、妊婦や子連れの女性が目立つてきた。移民が認められやすくなる情報が出回っているようだ」。難民支援組織「ウェルカム・アルへシラス」のマベル・カルロスさん(49)はそう推測する。
 移民絡みの情報はアフリカで意外に早く伝わる。ここ数年、口コミにインターネットも加えた方法が広がっている。典型的な例がアフリカ最多の移民を出しているナイジェリアだ。
 1980年代以降、推定500万人の移民を送り出した同国(人口約1億人)の中心都市ラゴスには、粗末なインターネット・カフェが約300軒も並ぶ。店内では欧米の親類や知人にEメールを出して、移民情報を集める人が多い。不慣れな人向けの代理業者もたむろしている。
 ナイジェリア通信のクベインジェ記者(42)は「欧州への移民はもうかる、とよく言われる。村の長老が『いい若者が何している。外国で稼いで来い』と諭すくらいだ」と話す。
  ◆   ◆  ◆
 欧州の「壁」の内側にもぐり込むため、危険を省りみない人々の群れ。欧州警察機構は今年夏から取り締まりを本格化させる。EUは2004年までに策定する「共通難民・移民政策」で域内の抜け道をなくす方針だが、国境を超える奔流を止められるだろうか。【欧州問題取材班】[2001-02-20-01:55]
[このページの最初に戻る]

 02/21@◇モスクワのNATO情報センター、活動を近く再開◇(朝日新聞)

 ロシアを訪問中の北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は20日、モスクワのNATO情報センターの再開を祝う式典に出席し、「NATOとロシアの関係が新たなスタートを迎える」と述べた。同センターは1999年のNATOによるユーゴスラビア空爆以来、ロシアとの関係冷却化で閉鎖されていたが、近く再開されることになった。
 センターは在モスクワのベルギー大使館に設けられる。事務総長は「冷戦時代から引きずるステレオタイプ的発想を払しょくするのがセンターの役目だ」と強調した。また、事務総長は同日、プーチン大統領に対し、ブリュッセルのNATO参謀本部への訪問を招待した。大統領府によると、今年10月に予定されるブリュッセル訪問の際に実現する可能性があるという。[2001-02-21-19:17] 2
[このページの最初に戻る]

 02/21@前大統領引き渡しは先送り 旧ユーゴ法廷が移送方針(共同通信)

 【ブリュッセル21日共同】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は、戦犯として起訴したミロシェビッチ前ユーゴ大統領の早期引き渡しがユーゴの国内事情から困難と判断、他の戦犯約十五人の移送を優先させる方向でユーゴ側と協議に入った。戦犯法廷当局者が二十一日、明らかにした。
 前大統領の引き渡し先送りの見返りに、他の大物戦犯の身柄を確保し、法廷へ協力を取り付けたいとの狙いがある。ユーゴ側が応じない場合は、戦犯法廷やこれを支持する欧米諸国とのあつれきが強まりそうだ。
 ユーゴの国内法は訴追のために国民を外国に引き渡すことを禁じており、グルバチュ法相は「(改正法起案には)数カ月かかる」と述べた。法廷当局者は「国内事情は理解できる」と明言、ボスニア内戦中にセルビア人勢力の軍司令官で、ユーゴの市民権を持たずセルビアで暮らしているとされるムラディッチ氏らの引き渡しを優先させる方針を示した。
 前大統領らの裁判をめぐり、セルビア共和国政府指導部は汚職や選挙不正などの罪で国内で裁判を行う準備を進めており、戦犯法廷側と対立している。(了)[2001-02-21-16:30] 4
[このページの最初に戻る]

 02/21@<モンテネグロ>総選挙を4月22日に繰り上げ実施へ(毎日新聞)

 【ウィーン20日福井聡】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領(与党・民主社会党党首)は20日、同共和国の総選挙を4月22日に繰り上げ実施することを正式に発表した。民主社会党が過半数を得た場合、同党は連邦からの独立に向けた国民投票実施を公約しており、総選挙は国民投票の前哨戦となる。
 ポドゴリツァからの報道によると、大統領は「総選挙はセルビアとモンテネグロの関係を規定する民主的な条件を作り出すだろう」と述べた。ユーゴ連邦はセルビア(人口約1000万人)とモンテネグロ(同65万人)の両共和国で構成されている。モンテネグロは独立を主張する同党と、連邦残留を訴える野党・社会人民党に割れており、総選挙でどちらが過半数を得るかが焦点となっている。
 ユーゴのミロシェビッチ前政権下でモンテネグロは独立を強く主張していた。ユーゴで昨秋、コシュトゥニツァ大統領率いる民主政権が発足して以降、独立要求は収まるかと思われたが、ジュカノビッチ大統領は要求を強め、世論調査でも独立支持派が反対派を上回っている。
 だが、国連や欧州連合(EU)は同国独立が周辺諸国の民族紛争に及ぼす影響を懸念し、独立回避を要請。大統領は国民投票実施を強行する方針だが、なお曲折も予想される。[2001-02-21-12:40] 5
[このページの最初に戻る]

 02/21@<米独外相会談>対イラク空爆の明確な支持表明避ける 独外(毎日新聞)

 【ワシントン20日布施広】パウエル米国務長官は20日、訪米したドイツのフィッシャー外相とワシントンで会談した。共同会見でフィッシャー外相は、米英軍の対イラク空爆(16日)への明確な支持表明を避け、「理解する」と述べるにとどまった。米独外相はイラクに対し、湾岸戦争の国連安保理停戦決議の完全履行を求めていくことで一致した。
 パウエル長官は、ここ10年の米政府によるイラク封じ込めは「成功した」と述べ、湾岸戦争前に比べてイラク軍が3分の1の規模になったことを明らかにした。長官は封じ込め政策の堅持を確認する一方、イラクに対して「あらゆる選択肢を検討している」と述べ、対イラク政策の見直しもあり得ることを示唆した。
 また、両外相はユーゴスラビアを始めとするバルカン情勢、米本土ミサイル防衛(NMD)構想などについても意見交換、パウエル長官はNMD構想で同盟国との協議を重視することを改めて表明した。[2001-02-21-10:30] 8
[このページの最初に戻る]

 02/21@バラク抜きでタカ派色強まるイスラエル新政権(読売新聞)

 【エルサレム21日=当間敏雄】イスラエルのバラク首相(労働党)が二十日、次期政権での国防相就任を断念して一時的にしろ政界を去る構えを示し、シャロン次期首相率いる右派リクードと、ペレス元首相を核とする労働党の挙国内閣が来週にも発足する見通しとなった。だが、タカ派のシャロン氏に対抗し得る強烈な個性を備えるバラク氏の撤退で、次期政権のタカ派色は一層強まり、同氏主導で進められてきたパレスチナ和平交渉も振り出しに戻ってしまう様相だ。
 和平交渉は、〈1〉ヨルダン川西岸95%やガザ全域からの撤退〈2〉ユダヤ人入植地の大幅解体〈3〉エルサレム主権の一部分割――など「過去の政権では考えられなかった譲歩案」が交渉テーブルにのり、最終合意目前まで来ていると見られていた。ここまでの経緯は交渉成果獲得に異常なまでの執念を燃やし、次々と大胆な方策を打ち出したバラク氏の強烈な個性抜きに語れない。
 パレスチナ側にはバラク氏が新政権内にとどまれば、交渉は「ゼロ地点に戻らずとも、交渉が停止した時点からの再開」も可能との読みがあった。
 昨年七月のキャンプデービッド中東三首脳会談の決裂後に「(これまで交渉妥結のために俎上(そじょう)に上った)アイデアはすべて無効」とけん制したバラク氏が、結局、会談成果を前提に交渉再開に応じた経緯があったからだ。ムバラク・エジプト大統領もイタリア紙との会見で「バラク(首相)とペレス(元首相)が加わり(挙国内閣ができれば)、彼らの経験により紛争解決も可能」とバラク氏残留に期待感を示していた。
 バラク氏の個人的イニシアチブと、クリントン前米大統領の仲介による「交渉成果」は両氏の退場で完全に白紙に戻った格好。新政権が労働党との大連立でスタートした場合、和平プロセスは外相としての入閣が取りざたされているノーベル平和賞受賞者の労働党重鎮、ペレス氏とシャロン新首相のせめぎあいの中で迷走を続けそうだ。
 労働党では次期党首の座をめぐる主導権争いが連立政権でのポスト争いと複雑に絡み合いながら活発化、「バラク降ろし」の先頭に立ったブルグ国会議長やラモン内相らニューリーダーらが台頭し、ペレス氏の影響力が著しく低下してきている。左派勢力は、ペレス氏の政権参加は、シャロン政権の本性をぼやかす小道具になりかねない、と懸念している。[2001-02-21-23:26] 9
[このページの最初に戻る]

 02/21@「空爆イラク施設は中国が援助」米が抗議へ(読売新聞)

 【ワシントン21日=林路郎】米国務省のバウチャー報道官は二十日の定例会見で、「イラクの防空網建設に対する中国の援助を懸念している」と明言した。十六日に米英軍が空爆したイラク防空施設の建設は、中国の支援下に進められていた、とする米政府の判断を初めて公式に表明したもの。米国は近く中国側に抗議する見通しだ。
 米英軍は同空爆作戦で、イラク軍の防空レーダーと防空システムの指揮・通信系統を地下埋設の光ファイバーケーブルに接続するための工事現場など、バグダッド近郊を含め二十か所以上の拠点を破壊。また、ワシントン・ポスト紙は十九日付で、「中国軍人の姿が現場で目撃された」と伝えていた。
 中国外務省の朱邦造報道局長は、「私はそうした援助の存在を知らない」と政府見解の表明を避けた。
 だが、ある政府高官によれば、米国はクリントン政権末期から中国側の動きを察知し非公式に中止を申し入れていたが、中国側が聞き入れないまま工事が完成間近に至ったため、爆撃に踏み切らざるを得なくなったという。
 国連安保理常任理事国である中国が、自ら制裁破りとなる対イラク直接軍事援助に携わっていた事実は、対イラク制裁の空洞化を象徴するものだ。一方、ワシントンのある共和党筋は、「米議会内の反中国の傾向が再び刺激される可能性があり、台湾に対する積極的な武器供与論が台頭しかねない」と語り、問題が米中関係の核心部分へ飛び火する事態も懸念している。[2001-02-21-23:07] 19
[このページの最初に戻る]

 02/21@<ユニセフ>「子どもネット」発足 東京で子供たちが記者会(毎日新聞)

 貧困や武力紛争など、地球上のさまざまな問題について「子どもたちの声を世界に発信しよう」と「ユニセフ子どもネット」の設立記者会見が21日、東京都千代田区内で行われた。子供自身が学び、考え、行動する自主的ネットワークを目指し、記者会見も受付から司会進行、発表、記録まで、子供たちが行った。
 ユニセフ(国連児童基金)では21世紀の今年から「グローバル ムーブメント フォア チルドレン(子どもたちのための世界的連帯)」を展開し、子供を脅かす問題について国連の場で訴える。子どもネットはそれに呼応した形で日本ユニセフ協会が発案し、昨年末から18歳未満を対象に参加を呼び掛け、これまでに約700人が「子どもネットワーカー」に応募している。具体的には今年12月、横浜で開かれる「子どもの商業的性的搾取」の世界会議に向けた学習や提言、海外視察などのアイデアが寄せられている。[2001-02-21-21:10] 24
[このページの最初に戻る]

 02/21@<ユニセフ>事務局長とアグネス・チャン親善大使が森首相を(毎日新聞)

 国連児童基金(ユニセフ)のキャロル・ベラミー事務局長と、日本ユニセフ協会のアグネス・チャン親善大使が21日、首相官邸に森喜朗首相を表敬訪問。首相は「紛争や災害で一番つらい思いをするのは女性と子ども。ユニセフに、資金協力だけでなく幅広い支援をしたい」と語った。首相はまた、今年9月にニューヨークで開かれる「子供のための国連特別総会」で、日本政府として児童保護、教育、感染症対策などの重要性を訴える考えを明らかにした。[2001-02-21-19:05] 34
[このページの最初に戻る]

 02/21@◇イラク外相が「国連は英米の行動を非難すべき」と書簡◇(朝日新聞)

 米、英軍のバグダッド近郊空爆で、イラクのサハフ外相は「米英の行動は国連および国際法を軽視するものであり、国連はこれを非難し、再発を防止すべきだ」との書簡をアナン国連事務総長に送り、国連側の対応を迫っている。20日の安全保障理事会で外相書簡が取り上げられ、非公式に討議されたが、「米英の空爆は安保理決議を満たすものではない」(ムスタファ安保理議長)など、英米への批判が相次いだ模様だ。
 サハフ外相は26日にアナン氏とイラク制裁に関する包括的討議をする予定。今回の空爆に関し、アナン氏は「事前に知らされていなかった」と述べるとともに「空爆後、米国側は、今回の空爆は通常行動の一環であり、1回だけの行動で連続して行われるものではない、と説明した」ことを明らかにした。
 サハフ外相の書簡は空爆の根拠がなく「独立国家に対する侵略行為だ」と改めて強調し、これまでの米英の空爆による「人的、物的被害に対する完全な補償を含む責任を米英は負うべきだ」としている。[2001-02-21-16:02] 43
[このページの最初に戻る]

 02/21@ルワンダが部隊撤収を通告(共同通信)

 【ニューヨーク20日共同】アナン国連事務総長は二十日、ルワンダのカガメ大統領が同日までにコンゴ(旧ザイール)南東部の要衝プウェトに駐留するルワンダ軍部隊を撤収すると通告してきたことを明らかにした。事務総長によると、部隊はルワンダ国境に向けて約二百キロ移動、国連の停戦監視部隊がプウェトに展開する。
 国連本部では二十一日からコンゴ、ルワンダ、ウガンダなどコンゴ紛争当事国と反政府武装組織の代表が停戦実施などについて協議する予定。プウェトは昨年十二月にルワンダ軍がコンゴ政府軍から奪取した。(了)[2001-02-21-10:53] 47
[このページの最初に戻る]

 02/21@ターナー氏が百万株売却(共同通信)

 【ニューヨーク20日共同】米メディア・娯楽大手AOLタイムワーナーのテッド・ターナー副会長が、保有する同社株のうち百万株、約五千万ドル(約五十八億円)分を売却したことが二十日、同氏が米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかになった。
 ロイター通信によると、同氏が既に表明している約十億ドルに上る国連への資金提供の財源に充てられるとみられる。(了)[2001-02-21-10:09] 49
[このページの最初に戻る]

 02/21@米英のイラク攻撃に理解 独外相が国務長官と会談(共同通信)

 【ワシントン20日共同】パウエル米国務長官は二十日、国務省でドイツのフィッシャー外相と会談、ドイツ側は英米軍によるイラク攻撃について「理解する」との立場を表明した。
 米側はイラク側の挑発に対し通常の対応をしたと説明し「イラク封じ込め政策はこれまで成功しており、今後も続ける」と表明。外相はこれに対し「イラクが国連決議を順守することが必要」と応じた。
 パウエル長官はまた、ドイツ側が新たな軍拡競争につながるとして懸念を示している米本土ミサイル防衛(NMD)構想について「同盟国をはじめロシア、中国とよく相談していく」と強調。外相は「北大西洋条約機構(NATO)の枠組みと二国間のレベルで緊密に協議していくことを期待する」と述べた。
 長官はバルカン問題について「今後も関与していく」と表明。また、NATOの下に欧州緊急展開軍を創設する構想について、米側はNATOの機能と重複しないことを条件に支持する考えを伝えた。(了)[2001-02-21-09:23] 53
[このページの最初に戻る]

 02/21@北朝鮮側と初協議 牛肉供与問題で独政府(共同通信)

 【ベルリン20日共同】ドイツ政府は二十日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が狂牛病対策で処分されるドイツ産牛肉の供与を求めている問題をめぐり、ベルリンで北朝鮮側と初の事務レベル協議を行った。
 ドイツ政府のハイエ報道官によると、ドイツ側は@国際援助機関が実施主体となるA牛肉は北朝鮮国民に渡るまで同機関が管理するB保冷施設など必要なインフラを確保し専門家が査察する―などの点が保証されなければ供与できないとの立場を伝達。北朝鮮側はドイツ政府の意向を本国に伝えると述べた。
 協議にはドイツ側から消費者保護・食糧・農業省、外務省、経済協力・開発省の各担当者、北朝鮮側からは在ベルリン利益代表部の担当者が出席した。
 ハイエ報道官は、ドイツ側が示した立場は北朝鮮に食糧支援を行う場合の「基本的な前提条件」と述べ、供与が実現するかどうかは北朝鮮側の出方次第との認識を示した。また、北朝鮮の要請に対しては他の欧州諸国とも協調して対応する考えを強調した。(了)[2001-02-21-08:42] 54
[このページの最初に戻る]

 02/21@国連職員を汚職で調査 難民からわいろ取り便宜(共同通信)

 【ナイロビ20日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のナイロビ事務所は二十日、同事務所職員が難民からわいろを受け取り、欧米やオーストラリアなどに移住できるよう便宜を図っていた疑いがあるとして一年以上も前から調査していたことを認めた。
 同事務所広報官によると、調査対象となっているのはイタリア人とケニア人三人の計四人だが、対象者は増える可能性もあるという。
 四人は国際的な犯罪組織と結託、難民から最高で五千ドル(約五十八万円)のわいろを受け取り、難民が希望する欧米などの国へ送り込んでいた疑いがもたれている。
 欧米諸国は毎年、一定数の難民を受け入れており、UNHCR職員には希望者を選ぶ権限がある。
 広報官は「調査は一九九九年十二月から開始し、あと数カ月はかかる見込み」と述べ、容疑が固まれば司法当局に引き渡し、訴追手続きをとることになると話している。(了)[2001-02-21-08:41] 61
[このページの最初に戻る]

 02/21@◎エチオピア軍が撤退開始=エリトリア(時事通信)

 【カイロ20日時事】エチオピア国防省は20日、エリトリアと国境紛争を展開していたエチオピア軍が占領地からの本格的撤退を開始したと発表した。
 現地からの情報によれば、この日、エリトリア中部の町セナフェから、エチオピア軍1000人以上が戦車、重火器を伴って引き揚げるのが確認された。
 26日までに全軍が国境の緩衝地帯の南側のエチオピア側へ撤退する予定。これに伴い、国連の停戦監視部隊が緩衝地帯に展開する。 [時事通信社][2001-02-21-06:58] 67
[このページの最初に戻る]

 02/21@◇ベルギー―中規模国と協力しよう◇(朝日新聞)

 近年、多国間条約締結などで、大きな人口や軍事力、経済力を持たない中規模国が重要な役割を果たしている。既得権の維持や新たな負担の回避に傾きがちな大国をよそにざん新なアイデアを出して、条約づくりなどに積極的に貢献している。
 典型例が一九九〇年代後半に相次いで誕生した対人地雷全面禁止条約や国際刑事裁判所(ICC)設置条約である。いずれの場合も中規模国が、非政府組織(NGO)と連携しながら国際世論を盛り上げ、条約交渉を結実させる立役者となった。
 欧州大陸の西端にあるベルギー(人口約千万)も、中規模国のひとつだ。国際交渉の政府代表団にNGOを加えて情報収集力を高め、発言力も強めてきた。
 ベルギーのフェルホフスタット首相が来日する。二十二日には森喜朗首相との首脳会談がある。これを機に同国と連携を深め、日本外交の幅を広げていきたい。
 目前の課題に、小銃、機関銃といった小型武器の非合法取引に関する国際的な規制がある。小型武器は紛争地域に大量に流入し、深刻な問題になっている。
 小型武器の拡散は、紛争関係者の人命を奪うばかりではない。武装勢力に残された小型武器は、停戦後に現地に入る国連平和維持活動(PKO)も脅かしている。
 今夏には、国際的規制をめぐる国連会議が開かれる。日本も、ベルギーもこの問題を重要な外交課題にしている。会議で国際的規制への道筋が描けるよう、情報交換や具体案作成などで協力を強めるべきである。
 アフリカにおける紛争を抑えるには、武装勢力の資金源であり、紛争の原因でもあるダイヤの不正取引規制も重要だ。ベルギーは世界屈指のダイヤ取引拠点である点を踏まえ、規制強化の必要性を強調している。
 国連総会は昨年、ダイヤ原石の産地認証制度などで不正取引防止をはかる決議を採択した。ダイヤの大輸入国である日本は、不正取引の実態把握や、規制策づくりなどでベルギーと共同作業ができるのではないか。
 アフリカでは、内乱状態が続くコンゴ民主共和国が大きな不安定要因だ。コンゴの旧宗主国はベルギーで、人脈は幅広い。
 コンゴでは九九年の停戦合意やPKO派遣計画が、すっかり空文化している。日本がアフリカに本格的に関与していくのなら、コンゴ問題についても、首脳会談でじっくりと意見を聞いてみる必要がある。
 ベルギーは今年後半の欧州連合(EU)議長国でもある。日本にとって大きな関心事は、EUと日米の意見対立で暗礁に乗り上げた地球温暖化防止のための京都議定書の細則づくりをどう進めるか、である。
 ブッシュ米政権は京都議定書の批准に消極的だ。日本とEUが主導して同議定書発効の道をさぐらないと、地球温暖化対策は二十一世紀初頭にしてとん挫しかねない。
 ベルギーの連立内閣は環境政党も参加しており、温暖化問題を重視している。首相来日を機に、早期発効を可能にする戦略づくりの知恵を出し合ってもらいたい。[2001-02-21-00:19] 68
[このページの最初に戻る]

 02/21@露がミサイル防衛で西欧との共同開発案を提示(読売新聞)

 【モスクワ20日=瀬口利一】モスクワを訪問中のジョージ・ロバートソン北大西洋条約機構(NATO)事務総長は二十日、プーチン大統領、セルゲーエフ国防相らロシア指導者と個別に会談した。この中でロシア側は欧州ミサイル防衛について、ロシアと西欧の共同開発の具体案を提示した。提案は戦域ミサイル防衛(TMD)の共同開発まで視野に入れるなど、ブッシュ米政権が前向きな全米ミサイル防衛(NMD)構想に対抗するもので、米国と西欧の分断を狙うロシアの戦略を強くにじませている。
 ロシア提案は、プーチン大統領が昨年六月、イタリア訪問時に提案した欧州との共同ミサイル防衛構想を具体化したもの。露国防省のレオニード・イワショフ国際軍事協力局長(大将)によると、構想は〈1〉欧州諸国が短・中距離ミサイル攻撃を受ける脅威が存在するかどうかを検討する専門家会議を設置する〈2〉脅威が実在すれば、まず政治的、平和的手段で脅威を取り除く〈3〉ミサイルの標的になりそうな重要施設を守るミサイル防衛網を構築する――の三段階に分かれている。
 ロシアは従来、「米国のNMDのようなシステムは開発しない」としてきたが、今回の提案は西欧諸国が資金提供すれば、ミサイル防衛技術開発は可能であると示唆した点で注目される。ロシアのウラジーミル・ベラウース軍事アカデミー教授(退役少将)は「移動式短・中距離地対空ミサイルS300など、ロシアはすでにTMDの技術力なら十分持っている」と指摘する。
 しかも、開発の前提として、「脅威の有無、さらに政治的解決」を挙げたのは、配備決定を急ぐ米国へのけん制であることは明らか。ロシア国防省は北朝鮮やイラクのミサイル脅威は「今後十―十五年間存在し得ない」と公言している。
 プーチン大統領はロバートソン事務総長との会談で、新提案の早急な検討を求めた上で、ブリュッセルのNATO本部に露側の専門家を派遣する用意があると伝えた。
 NATO加盟国(十九か国)内では、西欧やカナダにNMD反対または慎重論が根強く、英国人であるロバートソン事務総長に提案をぶつけたのもNATOの分断を狙うものと言える。
 一連の会談では、このほかNATO東方拡大やNATO情報センターのモスクワ事務所開設が話し合われた。このうち拡大問題では、ロシア側が東方拡大に改めて反対を表明、とくにロシア本土に近接するバルト三国の新規加盟に強い懸念を示した。[2001-02-21-00:14]
[このページの最初に戻る]

 02/22@◇スペイン・バスク、州議選5月に前倒し◇(朝日新聞)

 スペイン北部バスク自治州のイバレッチェ州首相は20日、2002年10月に改選予定の州議会(定数75)を解散し、今年5月13日に前倒し選挙を実施すると発表した。バスク地方の分離独立を目指す非合法組織「バスク祖国と自由(ETA)」のテロ激化で、深刻化していたバスク民族主義政党と中央の主力政党との対立を打開する狙いだ。
 選挙は今後のバスク独立運動の行方を占うものとなり、ETAの動向も大きな焦点となる。
 バスク自治州では1998年10月の前回選挙で、穏健派のバスク民族主義政党「バスク国民党(PNV)」を中核とする独立支持派の地方政党による連立政権が成立した。だが、PNVは第1党ながら21議席しかなく、ETAの政治部門と言われる急進派「バスク市民」(14議席)などの協力を求める形となった。
 ところが、ETAが昨年初めからテロを再開し、1年間で死者が24人も出たことなどから、PNVはテロ批判を強め、これに反発したバスク市民が連立から離脱した。このため政府与党で合わせて30の議席を持つ右派の国民党(PP)と左派の社会労働党が協調し、反独立支持派の姿勢を強めて早期解散を求めるなど、議会内の対立が深まっていた。
 PNVを母体とするイバレッチェ州首相は「選挙後、夏までにバスク政治の諸問題が解決できるだろう」と述べた。しかし、地方政治の行き詰まりを打開するために早期解散に追い込まれただけに、独立支持派にとっては不利な状況だ。
 最近の世論調査では、テロに強硬姿勢を取るアスナール首相率いるPPの支持率が上がっており、ETAの出方次第ではバスク地方の政治状況が変わる可能性もある。[2001-02-22-03:03] 4
[このページの最初に戻る]

 02/22@◇歴史教科書―検定の行方を注視する◇(朝日新聞)

 「新しい歴史教科書をつくる会」の主導でつくられた二〇〇二年度版の中学歴史教科書が、文部科学省の検定に合格する可能性が高まってきた。
 そのことを懸念するのは、中国や韓国から強い反発が出ているからではない。教科書づくりに中心的役割を果たしている「つくる会」のメンバーらのこれまでの主張が、あまりにバランスに欠けていると思うからだ。
 彼らはその著書などで、「戦後の歴史教育は、日本を否定的にとらえるマルクス主義史観と東京裁判史観に支配されてきた。その自虐史観を克服しなくてはならない」と主張してきた。
 一九一〇年の韓国併合は「当時としては、むしろそうならなかったら不思議といわれそうな、世界からは当然と見られた措置であったとさえいえる」と位置づける。
 太平洋戦争のことは大東亜戦争と呼び、「四百年間のアングロサクソンによる支配と束縛から東洋民族を解放するための『開戦』を待望する声は高まっていた」など独自の見解を展開している。
 文部科学省に提出され、検定を受けている教科書の内容は公表されていない。検定の過程では多くの修正を求める意見がつけられており、最終的にどういう表現で決着するかも明確ではない。
 だが同省は、どの教科書でも、歴史的な事実関係の誤りなどがない限り合格させる方針という。そうなれば、「つくる会」が主導した教科書には、中心メンバーのこれまでの主張が色濃く反映されるだろう。
 「自虐史観」などと攻撃し、過去の植民地支配や戦争を肯定的にとらえようとする。それは、当時の日本の国民の苦しみや、侵略を受けた人たちを無視した一方的な解釈である。こういう歴史観を教室で教えることが、次代を担う子どもたちのために本当によいことなのだろうか。疑問を禁じえない。
 政治が混迷し、経済も低迷している日本はいま一種の自信喪失状態、閉そく状況に陥っている。過去を美化する歴史観の誘惑にかられやすい空気があるともいえるだろう。
 だが苦しいときこそ、たどってきた道を虚心に振り返るべきだ。自己正当化の過ぎた歴史観は、国内的にも対外的にも無用のあつれきを生むだけだ。まして教育の場に混乱を持ち込んではならない。
 この教科書をめぐっては、学者グループが「神話を歴史的事実のように記述し、非科学的だ」などと批判したのに対し、「つくる会」理事は「試験中に他人の答案用紙をのぞき込むようなまねはやめるべきだ」と反論するなど、論議が起きている。
 こんなことになる要因の一つは、検定作業が密室で行われるためだ。
 教科書検定の意義を一概には否定しない。「教育内容の維持」や「教育の中立性の確保」は確かに必要なことであろう。
 しかし、検定制度やその運用については、まだまだ改善すべき点が多い。とりわけ検定の過程も含めた情報を、できるかぎり公開する努力が必要である。[2001-02-22-00:32] 52
[このページの最初に戻る]

 02/22@<ヨーロッパ奔流>移民監視強化を要請「東欧経由」警戒する(毎日新聞)

 駅前にたむろする「アリ」たち約150人が突然ざわめき、一斉に散った。パトカーの巡視だ。通り過ぎると、群集はすぐに戻り、商売を再開した。
 ポーランドの首都ワルシャワの200キロ東、国境の町テレスポールには連日、隣国ベラルーシから数百人が列車で通って来る。品々を隠し持ち、駅前と500メートル離れた市場で売る。列をなして集団で歩く彼らを地元の人々は「アリ」と呼ぶ。売れ筋は、ポーランドの市販品より3割安いたばこ、ほぼ半額の酒類だ。
 ベラルーシ側国境ブレスト在住の建築技師、ペトロチェックさん(43)は月収25ドル(約3000円)。週3日はテレスポールに来て酒やたばこを売り、1日約3ドルの貴重な副収入を得ている。「食料品を買って帰るので、この町を潤しているはず」と話す。
 ポーランド入国に際して、旧ソ連時代からウクライナ人はほぼ無条件で3カ月のビザを取得でき、ベラルーシとロシアからはビザに代わる旅行者用バウチャー(許可証)を簡単にもらえる。ウクライナ人は年間約20万人、ベラルーシ人は約10万人が入国しているとみられ、多くがやみ商売にかかわっている。
 しかし国境警備隊は入国規制を強化する方針を断言する。「ポーランドが目標の2003年1月に欧州連合(EU)に加盟すれば、東側国境での現在の自由な往来を廃止する」。ワルシャワ経済分析センターのジェンコフスキー教授は「当局の標的は麻薬や売春絡みの犯罪組織にあるが、『アリ』たちも自然消滅していく」と予測している。
  ◆  ◆  ◆
 EUは2月8、9日の司法・内相会議でポーランドなどのEU加盟候補国に対し、厳しい国境管理を確立するよう求めた。新規加盟国が移民流入の窓口になるのを恐れているからだ。
 司法・内相会議では、バルカン地域への中国人移民増大に関する懸念表明が相次いだ。最大の中継地は、ユーゴスラビア連邦。EUは3月下旬ベオグラードで移民問題担当相会議を開き、監視強化を要請する。
 ユーゴの中国人移民問題は、1990年代に強権政治を敷いたミロシェビッチ体制が残したものだ。昨年10月の「民衆革命」で旧政権を打倒したユーゴはEU接近の道を求め、その清算に迫られている。
  ◆  ◆  ◆
 「ベオグラードにチャイナ・タウンを作りたい」。
 95年、ユーゴ連邦のミロシェビッチ前大統領の妻として権勢を振るったマルコビッチ夫人は突然、宣言した。「共産主義者」の夫人は、中国に親近感を寄せていた。前大統領は97年訪中し、やがて首都近くで空家ばかりだった商業地に”中国人街”が誕生した。
 ベオグラード郊外にあるショッピングセンター「ブロック70」には約70軒の中国人の衣料、雑貨、食料品店がひしめき合う。安さ、豊富な種類、それに量の多さから人気を博してきた。
 中国南東部・★江省温州出身の張●さん(27)は4年前にユーゴに来て、ここで雑貨品店を開いた。妻と子供2人に加え、一族30人が合流した。「生活できれば、どこでもいい」と語り、定住するつもりだ。
 各種報道によると、過去4年間でユーゴに入った中国人は7万〜10万人とも言われる。ベオグラードには現在、推計約1万人の中国人が住む。昨年6月、トラックの荷台に潜み英仏海峡を渡ろうとして窒息死した中国人58人の旅券には「ユーゴ入国」の印があった。
 ベセリノフ現セルビア農相が証言する。
 「昨年7月、私は『政府は年間4万人の中国人に市民権、20万人に労働許可証を出す計画だ』との内務省情報を得て、再三批判した。中国から巨額の経済援助を受けた見返り措置だ」
 2月初め、ブロック70で警察による初の不法入国者一斉摘発が行われた。中国人を顧客に持つセルビア人弁護士は「規制は今後さらに厳しくなるだろう。政権交代で中国人への対応が変わった」という。
  ◆  ◆  ◆
 ポーランドの「アリの町」とユーゴの「チャイナ・タウン」。いずれも政治の力に翻弄されていく。EUを目指す東欧諸国は、国境の”壁”強化に動いている。【欧州問題取材班】[2001-02-22-23:30] 53
[このページの最初に戻る]

 02/22@<コソボ>民族紛争が再び激化 アルバニア系独立強硬派が台(毎日新聞)

 【ウィーン22日福井聡】ユーゴスラビア連邦のコソボ自治州で、民族紛争が再び激化している。1999年6月の北大西洋条約機構(NATO)による空爆終了直後から、独立を主張するアルバニア系住民と、迫害からの保護を訴えるセルビア人との対立が続いている。このところ紛争が激化しているのは、アルバニア系の独立強硬派が台頭しているためで、今春に予定されている選挙を実施するかどうかが焦点に浮上してきた。
 コソボ州東部の州境地域にあるプレシェボ峡谷では、ゲリラ戦が続き、今月16日のバス爆破でセルビア人50人が死傷、18日の警察車両爆破では3人が死亡した。その後も銃撃戦が連日展開されている。
 このためユーゴ政府はNATOに対し、「国連安保理が州境地域に設定した緩衝地帯(長さ200キロ、幅5キロ、ユーゴ軍は入域を禁じられている)からゲリラが出撃している」と指摘、同地帯の廃止などを提案した。ゲリラ側は「セルビア部隊は峡谷一帯でアルバニア系住民を弾圧しており、我々は住民抑圧に抗し闘っているのだ」と主張している。
 これに対し、ロバートソンNATO事務総長は、ユーゴ側提案を評価しながらも、今のところ応じていない。一方の提案を受け入れると、他方の反発を生むことを恐れているためだ。
 アルバニア系住民は「コソボ独立」では一致するが、交渉重視派と東部ゲリラに代表される強硬派に割れている。昨年10月に初の地方選挙が行われ、今春には独自の自治政府樹立のための選挙が実施される予定になっている。だが、国連などは「コソボ独立が周辺地域の民族対立を助長しかねない」として選挙を延期させる構えをだ。
 国際社会から独立支持を得られない情勢の中で強硬派が勢力を増しており、州境でのゲリラ活動の激化につながっている。昨秋ユーゴで起きた「民衆革命」で国際世論がユーゴ側に傾いたことも、強硬派のいら立ちを強めている。
 一方、隣のモンテネグロ共和国は、ユーゴのミロシェビッチ前政権当時から独立を主張。ジュカノビッチ大統領はユーゴ民主政権発足以降も独立要求を強めている。4月に行われる総選挙で与党が勝てば、独立に向けた国民投票実施を強行する方針を示している。こうした動きがコソボの強硬派にも刺激を与えていると観測されている。[2001-02-22-21:10] 54
[このページの最初に戻る]

 02/22@クロアチア戦犯が出頭 セルビア人虐殺を指示(共同通信)

 【ウィーン22日共同】ザグレブからの報道によると、旧ユーゴスラビアからの独立戦争の際にクロアチア内のセルビア人住民虐殺を指示したとして旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に戦犯として起訴されたクロアチア軍のミルコ・ノラチ元少将が二十一日、警察に出頭した。
 元少将は今月上旬、クロアチア捜査当局が捜査に着手したと発表した直後に行方をくらませていたが、二十一日にラチャン首相が国際法廷には引き渡さないとして、出頭を呼び掛けていた。
 逃走中に数万人の市民が元少将を「独立戦争の英雄」として戦犯法廷への引き渡し阻止を要求するデモを行っており、「英雄か戦犯か」の論争が続きそうだ。(了)[2001-02-22-10:29] 390
[このページの最初に戻る]

 02/22@<中国>対イラク協力に米が問題視 安保理決議厳守と反論=(毎日新聞)

 【北京22日坂東賢治】中国外務省の朱邦造報道局長は22日、米政府が中国人技術者のイラク対空防衛施設改良への協力を問題視していることについて「中国はイラク問題に関する国連安保理決議を厳格に順守している」と反論した。
 朱局長は米英両国のイラク空爆について「国連安保理をう回した軍事行動は国連憲章に反したもので国際社会の批判を受けている」と指摘。「米国は中国を非難することで世論を誘導し、(空爆への批判から)目をそらさせようとしている」と強調した。
 米国務省当局者は、中国人が対空防衛施設での光ファイバーケーブルの性能向上工事に協力していたと指摘しているが、中国の駐イラク大使館は「根拠のない話だ」と否定、「イラクとの間で通信設備に関する契約を結んだが、米英の反対で実行はしていない」と説明していた。[2001-02-22-22:10] 406
[このページの最初に戻る]

 02/22@<スーダン>イスラム社会の精神的指導者、トラビ元国会議長(毎日新聞)

 【カイロ22日小倉孝保】スーダン治安当局は21日、同国イスラム社会の精神的指導者でバシル大統領の最大のライバルだったハッサン・トラビ元国会議長を逮捕した。トラビ元議長と反政府ゲリラのスーダン人民解放軍(SPLA)が共闘、クーデターを起こすことをバシル大統領が警戒して先手を打ったとの見方もあり、内政が不安定となる可能性もある。
 文化・情報省やトラビ元議長側近によると、元議長は21日夜、首都ハルツームの自宅にいるところを、治安部隊に連行された。支持者など数人も同時に連行されたという。逮捕の詳しい容疑などは明らかにされていない。
 大統領と元議長は1989年6月、共闘して軍事クーデター起こし政権をとった。それ以後、二人は権力を分かち合ってきた。しかし、元議長の権力増大を恐れた大統領は99年12月、非常事態宣言を出して、国会を解散しトラビ氏を解任、二人の関係は決定的に悪化していた。
 元議長は20日、与党・国民会議(事務局長、トラビ元議長)とSPLAが18日に、ジュネーブで「内戦を終結させ、民主化を推進することで共闘する」とする合意文書に調印したことを明らかにしていた。
 スーダンはエジプトの南に位置し、アフリカで最大の面積を持つ国。北部イスラム勢力を中心とする軍と南部のキリスト教徒を中心としたSPLAが83年以来、内戦を続けている。[2001-02-22-19:40] 411
[このページの最初に戻る]

 02/22@◇コンゴの少年兵163人をウガンダに移送、政治教育施す◇(朝日新聞)

 内戦状態の続くコンゴ(旧ザイール)東部から昨年、隣国ウガンダ西部にあるキャンプに少年兵163人が移送され、政治教育を受けていたことが、ユニセフ(国連児童基金)などの現地調査でわかった。ウガンダ政府は、戦闘から保護したと主張していたが、22日にユニセフに引き渡すという。
 ユニセフによると、ウガンダ西部のキャンクアンジ・キャンプにいた163人は9歳から17歳で、政治教育を受けていた。3人は女子だった。昨年8月、戦闘が激化したコンゴ東部の町ブニアから他の戦闘要員とともに移送されてきた。少年たちは全員、暮らしていた場所に戻りたいと話しているという。ユニセフは、家族と合流する前に、戦闘に加わらないための心理的、社会的なケアが必要だとしている。
 ウガンダ政府はAFP通信に対し、少年兵を含む戦闘要員がコンゴの反政府武装勢力の要員だったことを認めた上で、武装勢力内で暴動を起こすように訓練されていたため、ウガンダ内に保護した、などとしていた。ウガンダはコンゴの反政府武装勢力を支援し、ブニア付近を実質的に支配している。
 コンゴ東部には約2万人の少年兵がいるとユニセフは推定している。今回の調査は、少年たちを戦場から取り戻す計画の一環として実施された。[2001-02-22-18:32] 419
[このページの最初に戻る]

 02/22@抗争激化で百人以上死亡か カリマンタン島の民族対立(共同通信)

 【ジャカルタ22日共同】インドネシア・カリマンタン(ボルネオ)島の中カリマンタン州サンピトで起きた先住民ダヤック人と東ジャワ州マドゥラ島からの移住民らとの民族抗争で、地元の病院幹部は二十二日、二十三人の遺体が収容され、十八日の抗争発生以来の犠牲者が少なくとも五十五人となったことを明らかにした。
 病院幹部は「収容遺体より多くの遺体が、焼かれた民家に放置されている」と話しており、犠牲者は百人以上とみられる。
 女性や子供を含む無差別殺害や放火の犠牲者の大半は移住民側という。
 警察は、住民双方の指導層に話し合いを呼び掛ける一方、民主化と地方自治拡大に伴う行政改革でポストを失った地元の官僚二人が一部住民を雇って民族対立に火を付けたとして、この二人の行方を追っている。
 国営アンタラ通信によると、先住民側とみられるグループが二十一日夜、犠牲者十人以上の首を掲げ行進するのが目撃された。数千人が州都パランカラヤなどに脱出、避難民となった。
 同島には人口過密なマドゥラ島やジャワ島からの移住者が多い。スハルト旧体制下で政策的な移民も進められた。民族間の対立から時折衝突が発生、一九九九年には西カリマンタン州で二百人以上が死亡する抗争があった。(了)[2001-02-22-17:17] 423
[このページの最初に戻る]

 02/22@◇イラクの防空施設建設に中国企業が関与? 米、懸念表明◇(朝日新聞)

 米国務省は21日、イラクのバグダッド郊外で米英軍が16日に空爆したレーダー施設の建設に、中国の国有企業が関与していることを示す情報があると発表した。パウエル国務長官は21日、着任あいさつに訪れた中国の楊潔チ・駐米大使と国務省で会談した際、イラクへの軍事協力は国連制裁に反するとして懸念を伝えた。ニューヨーク・タイムズ紙は、米英軍は、イラク国内で従事している中国人労働者の死傷者を避けるために、現地の休日に当たる金曜日に爆撃したと報じている。
 バウチャー国務省報道官は21日、「中国によるイラクでの光ファイバー網と長距離通信事業について中国側に懸念を表明した」と語った。イラクのレーダー網を含む防空施設同士を結ぶケーブル敷設を中国企業が手がけているとの情報は以前からあり、今年1月にウェルチ国務次官補(国際機関担当)が北京を訪れた際も、中国側に懸念を伝えていたという。
 1991年の湾岸戦争以来続くイラクへの国連制裁は現在、食糧などの人道物資以外の供給は認めていない。報道官は「制裁を維持し、フセイン大統領の脅威を抑えることは我々の死活的な利益だ」と述べ、間接的に、中国が国連制裁を順守するよう求めた。
 問題の中国企業は、イラクへの輸出業者の1つとして国連に登録されてはいるが、通信事業などの許可はないという。米情報当局者が同紙に語ったところによると、長距離通信網は、軍・民両用の利用が可能なため、イラクへの軍事協力と断定はできず、中国政府が知っているのかも不明。そのため米政府は当面、声高な非難は避けて、事実調査を求めている模様だ。
 空爆については、一昨年の在ベオグラード中国大使館爆撃事件を意識した国防総省が、中国人犠牲者を確実に避ける日程を選んだとの見方が出ているが、報道官は、現地に中国人がいたかは明らかにせず、「監視飛行にたびたび攻撃を仕掛けるイラク側の行動に応じて、防衛のために行ったものだ」と強調した。(「チ」は、「竹かんむり」に「厂」に「虎」)[2001-02-22-13:02] 427
[このページの最初に戻る]

 02/22@◇中南米から法王も? 枢機卿の数でイタリア上回る◇(朝日新聞)

 バチカンで21日、新たな枢機卿44人の登位式(認証式)が行われた。後継の法王を決める選挙で投票資格を持つ枢機卿の出身地をみると、中南米出身者がイタリア人を上回った。
 枢機卿は法王に次ぐ高位で、法王に直接任命され、補佐役を務める。今回で総数は184人となった。
 法王選挙(コンクラーベ)での投票権を持つのは80歳未満で、134人もいる。
 出身地面での注目は、イタリア人の24人に対し中南米が27人と上回ったこと。旧宗主国のスペイン、ポルトガルを加えた勢力は32人で投票者のほぼ4分の1を占める。出身地での多数派が選挙に影響を与えるかもしれず、「次のローマ法王は中南米出身?」とはやす報道も出始めた。
 中南米では8割以上がカトリック信者ともいわれるが、若者の教会離れが進む一方、プロテスタントや新興宗教も信者を増やしている。ヨハネ・パウロ2世(80)は中南米での「再布教」を呼びかけてきた。中南米出身の枢機卿を増やした背景には、現地の教会を引き締める戦略がある。
 現法王は枢機卿の出身地の多様化を進め、アフリカとアジアの投票資格者もそれぞれ13人ずつとなった。
 歴代法王は圧倒的にイタリア人が多い。現法王はポーランド人で、イタリア人でない法王の登場は455年ぶりだった。[2001-02-22-12:27] 434
[このページの最初に戻る]

 02/22@◇2002年地球サミットはヨハネスブルクで開催へ◇(朝日新聞)

 2002年夏に予定される国連の地球サミットは、南アフリカのヨハネスブルクで開かれることになり、日本は副議長国に内定した。各地に分散する環境保護関係の国際機関・条約事務局を統合した世界環境機関の設立などが議題として検討されている。4月の「国連持続可能な開発委員会」で正式に決まる。
 正式名称は「持続可能な開発のための世界サミット」。ブラジル・リオデジャネイロでの地球サミットから10年後に開かれるため、「リオプラス10」とも呼ばれる。各国の首脳級、非政府組織(NGO)など、会議全体では数万人規模になる見込みだ。
 前回の地球サミットで採択された地球環境保全の行動計画「アジェンダ21」の進み具合や、世界的な水・土地利用のあり方なども議論する。環境破壊と大量生産・大量消費・大量廃棄を軸にした20世紀型社会と決別し、循環型の「21世紀型の開発」をめざす指針をつくる。
 副議長国は世界の5地域から2カ国ずつ、計10カ国選ばれる。アジアでは日本とインドネシアが内定。来年5月、インドネシアで閣僚級の準備会合が予定されている。[2001-02-22-10:54] 443
[このページの最初に戻る]

 02/22@米長官が中国に抗議 イラクの軍事施設支援で(共同通信)

 【ワシントン21日共同】バウチャー米国務省報道官は二十一日、中国人専門家らがイラク軍施設を結ぶ光ファイバー網建設を支援しているとされる問題で、パウエル国務長官が、同日信任状を持って訪れた中国の楊潔☆・新駐米大使に「懸念を表明」し、抗議したことを明らかにした。
 中国政府は支援の事実を否定しているが、報道官は「真実と信じるに足る理由がなければ問題を提起しない」と述べ、中国側に「説明と回答」を求めていく考えを強調した。
 イラク制裁の再活性化を打ち出しているブッシュ政権は中国の対イラク支援を問題視し、光ファイバー問題は米中間の新たな外交問題として浮上した形だ。
 米メディアによると、米政府は中国人専門家や軍人がイラクの防空能力を大きく高めるレーダー施設や光ファイバー網の建設を支援していることを確認、先の対イラク攻撃はこれらの施設を狙って実施された。
 米側は、今年一月初めにウェルチ国務次官補が訪中した際に中国側にこの問題を提起し、二月中旬のパウエル長官と中国の国連大使の会談でも「国連制裁に違反している」と懸念を伝えた。しかし中国側から「詳しい回答はまだない」(同報道官)としている。(了)☆竹カンムリに褫のツクリ[2001-02-22-08:36]
[このページの最初に戻る]

 02/23@ボスニア中央政府に初の改革派内閣が誕生(読売新聞)

 【ウィーン23日=佐々木良寿】ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国下院(定数四十二議席)は二十二日、クロアチア人のボジダル・マティッチ氏を首相とする閣僚評議会(内閣に相当)を承認した。新評議会からは強硬派民族主義政党がすべて排除され、九五年の内戦終結後初めて改革派だけによる内閣が成立した。
 セルビア人、クロアチア人、イスラム教徒の三民族によって構成される閣僚評議会は、セルビア人共和国とボスニア連邦(クロアチア人とイスラム教徒で構成)に二分割されているボスニア・ヘルツェゴビナ共和国の中央政府に当たるもの。首相のほかに人権・難民相、対外通商・経済関係相など五閣僚がいる。[2001-02-23-23:26] 42
[このページの最初に戻る]

 02/23@◇「戦時下の性暴力」に有罪判決 セルビア共和国軍3兵士◇(朝日新聞)

 1992年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下で組織的に強姦(ごうかん)を行ったとして、人道に対する罪などに問われた3人のセルビア人兵士に対する有罪判決が22日、国連の旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)で言い渡された。国際法廷で「戦時下の性暴力」だけに問われた戦犯に、有罪判決が出されたのは初めて。戦争状態での強姦や性的奴隷化が、国際法上の戦争犯罪として明確に位置づけられた。
 判決を受けたのは、ドラゴリャブ・クナラッチ被告(40)=懲役28年=、ラドミール・コバッチ被告(39)=同20年=、ゾラン・ブコビッチ被告(39)=同12年=の3人。
 判決によると、3人はセルビア共和国軍の兵士だった92年夏、占領したボスニア南部の町フォチャで、12歳の少女を含めた多数のモスレム人女性を連日、複数の「強姦所」に連行し、繰り返し強姦した。
 ムンバ裁判長は「セルビア共和国軍は強姦を、モスレム人住民に恐怖をうえつけるための手段としていた」と判決理由を述べた。[2001-02-23-23:09] 44
[このページの最初に戻る]

 02/23@<バルカン・サミット>アルバニア系非難の宣言案で混乱か(毎日新聞)

 【ウィーン23日福井聡】バルカン諸国8カ国の首脳が地域の経済協力や安全保障について話し合うバルカン・サミットが23日、マケドニアの首都スコピエで始まった。会議ではコソボ紛争にからみ、最近、激化する「アルバニア系過激派」の動きを非難、和平交渉促進を訴える最終宣言案が討議される見通しだ。だが、会議に参加したアルバニアがコソボ自治州内のアルバニア系住民を支持する立場から反発するのは必至で、宣言採択には波乱が予想される。
 会議にはアルバニア、ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、ユーゴスラビア、ギリシャ、トルコ、ルーマニアの各国首脳が参加し、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表、パッテン委員(外交担当)らも出席する。
 前日に行われた経済協議では「将来のEU加盟に向けた域内での自由貿易圏創設」を最終目標に掲げたが、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州周辺の紛争と、同連邦モンテネグロ共和国の独立の動きが暗い影を落としている。
 最終宣言の草案は、コソボ情勢をめぐる民族紛争再燃に強い懸念を表明し、「セルビア南部でのアルバニア過激派による暴力と不法行為を強く否定する」としている。アルバニア系はセルビア側の抑圧に対する闘争を主張しているが、草案が「アルバニア過激派」を一方的に非難している点に会議全体のセルビア支持姿勢が表れている。この問題では昨秋行われたバルカン・サミットでもアルバニアが反発しており、宣言文表記はなお曲折が予想される。
 また、草案はユーゴを構成するセルビアとモンテネグロ両共和国に「交渉逸脱を避けるための解決策受け入れ」を強く求め、独立回避を警告している。モンテネグロは4月に総選挙実施を決め、与党はその後独立に向けた国民投票実施を主張している。
 22日行われた閣僚級の経済協議では自由貿易圏創設や電力や道路網など共通基盤整備で合意したが、それらには紛争や分離・独立の回避が前提となる。EUもコソボやモンテネグロの独立は周辺地域の民族抗争に火を付けるとして反対しているが、「欧州の火薬庫」と呼ばれる地域で、独立要求派の個別の動きは鎮まりそうにない。
 ギリシャのシミティス首相は「我々が求めるのは地域の平和と相互利益で、既存の国境を変えるような過激派に対しては断固として闘う」と述べている。[2001-02-23-20:15] 46
[このページの最初に戻る]

 02/23@命中率は4割以下 米英のイラク空爆は成功せず(共同通信)

 【ワシントン22日共同】米国防総省のキグリー副報道官は二十二日の定例会見で、米英軍による十六日の空爆で破壊したはずのイラク軍の二つのレーダー施設が完全に稼働していることを明らかにし、空爆の効果が予想外に上がらなかったことを認めた。
 AP通信によると、標的とした二十五のレーダー関連施設への命中率は三八―四○%で、外れた爆弾は標的から九十―百三十メートルずれて着弾。国防総省は空爆全体を「良くて中」とみているという。
 イラク軍は二十二日、北部の「飛行禁止空域」で監視飛行に当たる米軍機を攻撃、米軍機が反撃するなど緊張は終わっておらず、米軍による再空爆の可能性も強まっている。
 副報道官は「攻撃に使った爆弾は完全には効果を上げなかった」「高性能の爆弾を使った爆撃でも失敗することはある」などと説明した。
 二十二日付の米紙ワシントン・ポストによると、標的を外したのは米海軍のF18戦闘爆撃機が発射した精密誘導爆弾JSOW。標的の二十五施設のうち八施設の破壊しか確認できていない。
 JSOWは衛星利用測位システム(GPS)で標的を記憶する誘導爆弾で、一九九九年の対ユーゴスラビア空爆から使用を開始し「米軍が将来の戦闘で依存する爆弾」(同副報道官)とされる。(了)[2001-02-23-12:02] 47
[このページの最初に戻る]

 02/23@<イラク空爆>ユーゴが防空施設情報を米英に提供 英紙報道(毎日新聞)

【ロンドン22日岸本卓也】英国のインディペンデント紙は22日、米英がイラクの防空施設を空爆した背景に「ユーゴスラビア連邦のコシュトュニツァ政権がイラクの防空施設に関する情報を米英に提供していた」と報道した。ユーゴはミロシュビッチ前政権時代に反米英的立場で一致するイラクに光ファイバー技術を供与していたが、コシュトュニツァ政権は逆に米英にイラクに関する情報を提供し、見返りとしてコソボ自治州紛争での米英の支持を期待しているという。
 同紙によると、ミロシェビッチ前政権はイラクと軍事的な協力関係を築いていた。経済制裁に苦しむ両国は互いに必要な技術や物資を交換することで合意し、ユーゴからの光ファイバー技術の提供も協力の一環だった。昨秋に「民衆革命」でミロシェビッチ政権が倒れた後は、中国がイラクに協力していたという。
 コシュトュニツァ政権が米英に提供した情報は極めて重要で光ファイバー網の敷設工事の場所や規模が判明した。米英はコシュトュニツァ政権の情報提供に感謝し、対ユーゴ政策の見直しを検討しているという。米英への情報提供は「コシュトュニツァ大統領の軍部に対する指導力が証明された」と同紙は指摘した。
 コシュトュニツァ政権としては、アルバニア系強硬派による攻撃が激化しているコソボ自治州でセルビア系住民の安全確保に米英が協力してくれることを望んでいる。具体的には米英軍とユーゴ軍との共同パトロール作戦やセルビア共和国とコソボ自治州の境界に設定された緩衝地帯の撤廃などが考えられるという。[2001-02-23-11:05] 49
[このページの最初に戻る]

 02/23@<旧ユーゴ国際戦犯法廷>ボスニア紛争で集団レイプに有罪判(毎日新聞)

 【ブリュッセル22日森忠彦】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は22日、ボスニア紛争の際にイスラム教徒の女性を集団レイプした容疑で起訴されていたセルビア人元兵士3人に対して禁固28〜12年の有罪判決を言い渡した。同法廷が組織的な集団レイプを「人道に対する罪」との判断を下したのは初めて。
 判決によるとセルビア人特殊部隊の元司令官(40)らは紛争が始まって間もない92年夏、ボスニア南東部のフォチャの集落に住む若い女性を学校や民家に長期間にわたって監禁。兵士らが集団でレイプしたほか、性的な虐待を続けた。中には12歳の少女も含まれていたという。当時、セルビア人側は意図的にイスラム教徒の女性を犯し、子供を生ませることで民族拡大を図ったことが指摘されている。紛争中に被害にあった女性は2万人と言われる。
 判決ではこうした行為に対して「人間の尊厳を無視した行動」として、戦争犯罪と認定した。過去の戦犯法廷では、集団レイプや性的暴行の容疑だけで有罪判決が出たことはなかった。人権擁護団体のアムネスティ・インターナショナルは「女性の人権向上には大きなステップ。犯人は必ず罰されるべき」とコメントした。[2001-02-23-10:15] 51
[このページの最初に戻る]

 02/23@集団レイプに有罪判決、ユーゴ戦争犯罪国際法廷(読売新聞)

 【ブリュッセル22日=三井美奈】旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)は二十二日、ボスニア紛争中の九二年、イスラム教徒の女性に対する集団レイプを指揮、実行したドラゴリュブ・クナラッツ・セルビア特殊部隊元司令官(40)ら三被告に対し、「人道に対する罪」などで禁固二十八―十二年の有罪判決を言い渡した。
 同法廷が、集団レイプを「人道に対する罪」と認定したのは初めて。
 判決文によると、クナラッツ被告らは、同年七月、サラエボ南東フォチャの高校校舎やスポーツ・センターに、女性約七十人を監禁。セルビア部隊の兵士数人のグループを組織し、一か月間ほぼ毎夜、女性に性的暴行を加えた。被害者の中には、教室で暴行された十二歳の少女もいた。判決文を朗読した女性裁判官は、「道徳的に腐敗している」と被告を断罪した。
 同法廷は昨年、集団レイプなどを行ったセルビア人被告に対し、戦争慣習法違反で有罪判決を下した。今回は、集団レイプだけに焦点を当てた初の裁判として注目された。[2001-02-23-00:04] 334
[このページの最初に戻る]

 02/23@日中関係再び冷え込む 教科書問題、野呂田発言で(共同通信)

 【北京23日共同】中国政府が歴史教科書問題や野呂田芳成衆院予算委員長の「大東亜戦争でアジアの植民地はなくなった」との発言に対し日本の右傾化批判を強める一方、中国メディアは三菱自動車工業の欠陥車処理の非難キャンペーンを展開しており、昨年来、改善の流れにあった日中関係が再び冷え込み始めた。
 中国政府は「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書について、日本政府が検定不干渉の方針を固め、合格の可能性が高まったとの報道にも懸念を深めており、今後も合格阻止に向け対日批判を強化しそうだ。
 二十三日付の軍機関紙、解放軍報は論評記事で、教科書問題と野呂田発言を併せて批判し「日本は長年“政治大国化”を模索してきたが、歴史を正視する勇気のない国がどうして隣国の信任を得て、国際責任を負えるだろうか」とし、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りの不支持を暗に主張した。
 同紙は教科書問題について「歴史をわい曲し、侵略戦争を美化した教科書が堂々と学校に入れば、次世代を毒する」と日本政府に合格阻止を要求。戦争を正当化する発言をした野呂田委員長が解任を免れたことについては「日本政界の右傾化の程度を示した」と警戒感をあらわにした。
 また、同日付の人民日報海外版は、台湾で翻訳出版された漫画家、小林よしのり氏の著書「台湾論」について「日本の植民地統治を称賛し、台湾同胞の感情を侮辱した」と批判する署名論文を掲載し「日本の極右と台湾独立勢力の連携」に危機感を示した。
 三菱自動車工業の欠陥車問題は教科書問題や野呂田発言で火に油を注がれた形となり、同日付の中国各紙には「三菱側の誠意がみられない」「交換部品が足りない」など、根強い反日感情をうかがわせる手厳しい記事が多数掲載された。(了)[2001-02-23-18:42] 338
[このページの最初に戻る]

 02/23@侵略を正当化と非難 教科書問題で北朝鮮当局(共同通信)

 【北京23日共同】二十三日の朝鮮中央通信によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外務省スポークスマンは二十二日「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された中学用の歴史教科書問題に関連して談話を発表し「日本で最近、過去の侵略の歴史をわい曲し、正当化しようとする試みが出ている」と非難した。
 北朝鮮はこれまで労働党機関紙「労働新聞」などで教科書問題批判を行っているが、政府当局の非難談話を発表したのは、中国や韓国での批判の高まりに呼応した動きとみられる。
 談話は、文部科学省の検定に提出された教科書に一九一○年の「日韓併合」を正当化する内容が含まれていると指摘。「国際社会の正義と道徳に反する極めて卑劣な政治的なごまかし行為であるだけでなく、恥ずべき海外膨張を繰り返そうという軍国主義の野望を示すものにほかならない」と非難した。
 談話は「日本が過去の犯罪を誠実に反省せず、軍国主義復活へ向かうならば、朝鮮をはじめとするアジアの国々の人民たちの抵抗に遭い、恥ずかしい敗北となることを免れないだろう」と指摘した。(了)[2001-02-23-16:46] 340
[このページの最初に戻る]

 02/23@伊首相候補らを審問? 法王庁の呼び込みに賛否(共同通信)

 【ローマ22日共同】ローマ法王庁(バチカン)のソダーノ国務長官(首相に相当)が春のイタリア総選挙を前に与野党の首相候補らを次々に招き、政策を問いただしていることに賛否両論が出ている。
 領土内に独立国バチカンを抱えるイタリアでは憲法上、すべての宗教は平等だが、国民の九○%以上がカトリック教徒で、政治的・社会的に法王庁と特別な関係にある。だが選挙前に法王庁が各党指導者を呼び込むのは異例だ。
 ソダーノ長官は既に、与党中道左派連合のルテリ前ローマ市長、右派野党連合のベルルスコーニ元首相の両首相候補と会談した。長官は「教会が全政党の政策を知るのは当然だ」と述べ、ベルルスコーニ氏も「全く合法的」と擁護した。
 しかし与党連合に加わっている共産主義者党のディリベルト書記長は前例のない内政干渉と非難、緑の党もこれに同調している。
 左派系有力紙レプブリカも、外国政府にこんな権利はないとし、教会の支持獲得にきゅうきゅうとする政治家も批判した。
 キリスト教民主党が健在で、政権の中枢を担っていた一九九○年代前半までは、同党と法王庁の間には太いパイプがあり、呼び込みの必要もなかった。
 中立系のコリエレ・デラ・セラ紙は、政界疑惑で同党が与野党に分裂した今、法王庁の政治的最高責任者が公然と各党指導者と会うのは透明性という意味でかつてより健全ではないかと評価している。(了)[2001-02-23-16:32] 345
[このページの最初に戻る]

 02/23@<特集ワイド>謎とロマンの楼蘭、冨谷至教授(1)(毎日新聞)

 20世紀の初め、欧米の探検家らによって千数百年の眠りをさまされた中央アジアのオアシス都市国家、楼蘭。シルクロードの要衝として繁栄したが、いつしか姿を消したこの王国を求め、西域史の本格研究が始まって100年を迎える。これを記念して、世界の最高水準にある日本とスウェーデンなどの国際共同研究の成果をまとめた論文集「流沙出土の文字資料」が、3月初めに刊行される。編著者の冨谷至・京大人文研教授に、古代からのロマンに満ちた西域史研究の成果と展望を語ってもらった。 【浅野 謙介】
 ――西域史の研究にとって、今年はどんな節目なんですか。
 ▼スウェーデンの有名な探検家で地理学者のスウェン・ヘディンが、1901年3月8日に楼蘭遺跡出土の木簡を確認しています。同じ年の1月、敦煌の紹介でも名高い英国のオーレル・スタインが500点を超す3〜4世紀ごろのカロシュティー文書(主に木簡)を伴ったニヤ遺跡を発見、この二つが西域史研究の本格スタートを象徴するできごととなりました。
 極地を除き地理的な解明が地球上で最も遅れていた空白地帯が中央アジアで、二人のほかに独・露・仏など列強の探検隊が、19世紀後半から20世紀初頭にかけ西域に入りました。日本からのものでは大谷光瑞探検隊が名高いですね。
 当初は「宝探し的な遺物収集」と言われましたが、その後の研究は歴史、地理、言語学など各分野で着実に進歩しました。過去と未来を展望する時機にあたって、日本とスウェーデン、デンマークの研究者が共同して、最新の成果をまとめることになったのです。
 ――最新の成果とは、例えば。
 ▼歴史学的に興味深いのは、楼蘭遺跡の価値づけです。遺跡のある楼蘭(クロライナ)は、紀元前後の楼蘭王国の中心地であり、名称が変わった●=善に「おおざと」=善王国の首都でもあったというのが定説です。しかし、はたしてそうなのか。サンスクリットの専門家である研究グループの赤松明彦・九州大学教授が楼蘭、ニヤの両遺跡などから出土したインド系言語のカロシュティー文書を厳密に分析した結果からも、梅原郁・京大名誉教授とスタファン・ローゼン・ストックホルム大教授らの総括論文からも、従来の説は再検討を要するという結論になりました。
 楼蘭遺跡が3〜4世紀の西晋時代、西域長史府という中国側の軍事基地であったことは確かです。けれども、首都であったなら、当時使われていたカロシュティー文書が、もっとこの遺跡から出ていなければおかしい。数百キロ西にあるニヤの遺跡からは、ずっと多量の文書が出土している。日本の「邪馬台国論争」ではないけれど、よりニヤに近いところに楼蘭・●善両王国の中心地があった可能性が高いと、私は推測します。
 ――中国だけでなく、かなりインドの影響を受けている?
 ▼今回、主な研究対象とした西域南道は、シルクロードの中で、交易の道というより中印を結ぶ文化交流の道という性格が強かった。その意味で、インドとその言語の専門家の参加が不可欠でした。中国とインドを専攻する学者の、初めてといえる学際研究としても、成功を収めたと思います。
 ――学術書なのに、あえて偽文書の研究に1章をさきました。
 ▼イスラム・アクーンという有名な偽造者がいて、盛んに偽文書を作っては探検家や学者に売りつけた。ヘディンも大分つかまされました。ところがスタインがこの男を「怪しい」と見破って仮面を暴く。ことほどさように、文書の偽造は20世紀の中央アジア探検と遺物収集の生んだ鬼子といってよいのです。偽造文書の分類研究は、斬新な資料批判ともいえるでしょう。探検の裏面史を、この論文から読み取ることができます。
 恥ずかしいエピソードを紹介しますと、共同研究の始まった96年ごろ、スウェーデン国立民族学博物館に、ヘディンが保管していたとみられる5枚の未公開紙文書(漢文)が存在することを、主任研究員のホーカン・ヴォルキストさんから知らされたのです。あまりに完全に近い保存状態だったこともあり、私は後世の偽造文書だと思い込みました。
 しかし、その後の顕微鏡分析調査などから、限りなく本物に近い貴重な資料であることが判明し、楼蘭古紙の完全な寸法(縦32・5センチ、横23センチ)を復元できました。さらに、後の敦煌文書との違いの考証から、製紙技術の発展の研究につながると期待しています。歴史学、文献学の実証研究に自然科学的な分析が加わったことは、西域史研究にとって、今日の時代ならではの心強い力添えでしょう。
 ――ヘディンといえば、「さまよえる湖」が思い浮かびます。
 ▼ヘディンが楼蘭を発見したのは「さまよえる湖」と呼ばれたロプ・ノールを見つける探検の副産物で、二つはいわば表裏をなしています。湖の位置確定をはじめ、タクラマカン砂漠東部一帯の地図を描き出すことが19世紀後半、欧米の地理学界の大テーマとなっており、彼は1900年に乾いた湖床を発見しました。この時の探検で、忘れた道具を取りに戻った従者が偶然、楼蘭遺跡に遭遇し、翌年の確認につながるのです。
 ――中央アジアの探検、学術研究の特質は。
 ▼欧州列強の探検は政治・軍事的意図も背景に持ち、シルクロードはその交差点でした。探検家、考古学者らが入り交じって、世界で最も苛酷な流沙に挑みます。そして、第2次大戦前夜の30年代、中国とスウェーデンが合同で結成した、欧州の学術探検の最後を飾る西北科学考査団に結び付くのです。このあたりは、本書の第1部「探検史編」に紹介しました。
 ――現代はどうでしょう。
 ▼当時と意味合いは違いますが、今日でも微妙な政情を避けて通るわけにはいきません。ロプ・ノールには重要な軍事施設があり、中国側が立ち入りにナーバスになっていることは確かですし、その位置する新疆ウイグル自治区は、民族のるつぼとして複雑な問題を抱えています。2000年の昔と、状況はあまり変わらないと言えなくもありませんが。いずれにしろ、「歴史のロマン」の美しいイメージとかけ離れた、きな臭い側面があるのも事実です。
 ――現地に入っての調査研究は、できにくいのでしょうか。
 ▼そんなことはないと思います。最近の中国の経済・社会政策である「西部大開発」がどこまで進むのかという問題とも絡みますが、21世紀には発掘を含めた現地調査や研究が再び可能になると期待しています。そのときは、ニヤにより近い場所で、楼蘭・●善両王国の遺跡を発見したいですね。[2001-02-23-14:40] 344
[このページの最初に戻る]

 02/23@<特集ワイド>謎とロマンの楼蘭、冨谷至教授(2)(毎日新聞)

 中国と西洋、インドを結ぶ絹の道(シルクロード)は、タリム盆地(タクラマカン砂漠)の南北、天山山脈の下をはしる天山路と、崑崙山脈のふもとを東西に結ぶ西域南道に分かれる。西域南道の東の端、北緯40度・東経90度あたりに、ロプノールと呼ばれる琵琶湖の数倍の広さの湖があり、湖畔に人口1万5000人弱の小さな王国が存在していた。楼蘭というこのオアシス都市国家のがいつ起こり、どんな民族が居住していたのか、はっきりとは分からない。漢民族と異なるインド・アーリア系の民族だったと考えられている。
 中国側の史料に初めて楼蘭王国が誕生するのは、紀元前176年に北方移民族・匈奴の王が中国の皇帝に送った書簡に挙げられたのが最初だが、交通の要所に位置する楼蘭王国は、そこを支配下に置こうとする漢と匈奴のはざまでコウモリ的態度を取らざるを得なかった。前77年のこと、漢は傅介子という男を遣わし、楼蘭王の暗殺という強硬手段に打って出て、かいらい王国とした楼蘭の国名を●=善に「おおざと」=善と変更させる。この時、王国の首都が移されたとも言われるが、はっきりしない。そもそも、楼蘭が正確にどこにあったのかについてさえ、あいまいな点を残す。
 漢の後、三国・晋と時代が移り、●善国は中国の王朝の西域進出の政策に応じて関係をそれなりに保ち続けるが、やがて王国は歴史から姿を消し、流沙に埋もれてしまう。楼蘭・●善国だけでなく、西域南道のオアシス国家も同様である。その時期、原因は定かでない。少なくとも、唐王朝の7世紀半ば、この地を長安に向けて歩いた僧・玄◆=壮の下に「大」=の旅行記「大唐西域記」に残った風景は廃墟と化した楼蘭であり、ロプノールは忽然と姿を消していたのである。またわが井上靖の小説「楼蘭」は、この楼蘭・●善王国とロプノールを題材にしたものである。
とみや・いたる 1952年生まれ。京都大文学部東洋史学科卒。阪大講師、京大人文科学研究所助教授をへて2000年から教授。92年、英ケンブリッジ大客員研究員。専攻は中国古代中世史、特に法制史、木簡・竹簡学。著書に「古代中国の刑罰」(中公新書)▽「ゴビに生きた男たち」(白帝社)など。
 「流沙出土の文字資料」は菊倍判560ページ、別冊地図つき。日本学術振興会科研費補助金を受けた。「探検史」(論文1編)▽「資料」(論文5編)▽「研究」(同)――の3部構成で、内外の研究者7人が執筆。扱ったテーマは探検史、カロシュティー文書の和訳、「楼蘭王国論」の再検討、偽造文書の研究など広範囲にわたる。2万円(税別)。問い合わせは出版元の京大学術出版会(電話075・761・6182)。[2001-02-23-14:40] 347
[このページの最初に戻る]

 02/23@米大統領、中国のイラク防空網建設関与に懸念(読売新聞)

 【ワシントン22日=柴田岳】ブッシュ米大統領は二十二日、ホワイトハウスで就任後初めて記者会見し、イラク軍の防空網建設に中国人が関与しているとされる問題に強い懸念を表明、中国政府に抗議すると共に説明を求めたことを明らかにした。また、空洞化が指摘される国連の対イラク制裁体制を見直し、同盟国などの協力が得られる形で再構築していく方針を示した。
 大統領は記者会見で「イラクにおける中国人の存在を懸念している。(懸念は)ブッシュ政権として中国政府にメッセージを送るレベルにまで達している」と述べた。
 これに関連してコンドリーザ・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は二十二日、記者団に対し「米国はすでに証拠を集めている。中国は国連安保理常任理事国として対イラク制裁には特別の責任があり、強く懸念している」と語り、パウエル国務長官が二十一日に中国の楊・新駐米大使に抗議したことを明らかにした。
 また、ブッシュ大統領はロシアが全米ミサイル防衛(NMD)網構想に対抗して欧州ミサイル防衛構想を提唱していることについて、「ロシアが冷戦後の新たな脅威に対し、ミサイル防衛システムの必要性を認めたということだ。プーチン大統領に真意を聞いてみたい」と述べ、米露首脳会談の実現に意欲を示した。[2001-02-23-14:01] 350
[このページの最初に戻る]

 02/23@安保理、コンゴ内戦でPKO3千人展開を決議(読売新聞)

 【ニューヨーク22日=河野博子】国連安全保障理事会は二十二日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で続く内戦終結に向け、平和維持活動(PKO)要員三千人を五月に展開させることを柱とする決議を全会一致で採択した。
 安保理の呼びかけに応じて軍事介入中のアフリカ六か国の閣僚、反政府三勢力の代表、オブザーバー二か国の代表が参加して二十日から協議を実施、決議にこぎつけた。
 それによると、ウガンダ、ルワンダをはじめ各国の部隊が、三月十五日から二週間以内に前線から十五キロ地点まで撤退。続いて五月十五日までにコンゴ国内からの完全撤収について詳細な計画を作成する。国連は五月にも二千五百人の部隊に守られた五百人の軍事監視団を送り、一連の過程を検証、確認する。決議はこれを守らなかった国に対して経済制裁や武器禁輸などの措置を取る可能性についても言及した。
 周辺国を巻き込み、アフリカ最大の紛争となった同内戦は、ツチ族とフツ族の争いに端を発し、三十二年間続いたモブツ政権が崩壊、カビラ政権が成立した翌九八年に始まった。九九年七月には和平協定が結ばれたが、その後、空文化してこう着状態が続いていた。[2001-02-23-12:38] 372
[このページの最初に戻る]

 02/23@前大統領暗殺で和平機運 コンゴ紛争終結へ方向転換(共同通信)

 【ヨハネスブルク22日共同】コンゴ(旧ザイール)の紛争終結に向けた動きが加速した背景には、国連コンゴ監視団(MONUC)の活動を妨げるなど和平に後ろ向きだったカビラ前大統領が暗殺されたことに伴うコンゴ政府の方向転換がある。ジョゼフ・カビラ新大統領は一九九九年の和平協定の順守を誓い、MONUCの増援を要請、和平の機運が急速に高まった。
 前大統領は、将来の政治的枠組みづくりの調停役とされたマシーレ前ボツワナ大統領を「中立でない」として解任を要求していたが、新大統領は一転して承認した。
 前大統領の政権獲得を助けながら、その後反目したため、コンゴの反政府勢力を支援するルワンダとウガンダは、国際社会からの経済支援停止の圧力もあり、前大統領の死後、相次いで部隊撤退の方針を表明した。
 一方で、コンゴ領から外国軍が完全に引き揚げる期日は未定のまま。和平の足取りが確かなものなのか見極めがつくまでには、なお時間を要しそうだ。(了)[2001-02-23-08:54] 373
[このページの最初に戻る]

 02/23@コンゴPKO派遣を決議 国連安保理、3千人展開へ(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】国連安全保障理事会は二十二日、周辺国の介入で紛争が続くコンゴ(旧ザイール)に、平和維持活動(PKO)要員約三千人を五月中旬をめどに展開させることを柱とする決議を全会一致で採択した。第一陣は二月中に現地入りする見通し。
 一九九八年以降、周辺国を巻き込んだ戦闘が続き、一月のカビラ前大統領の暗殺など混乱状態にあったコンゴからの外国軍隊撤退と紛争終結に向けて大きな前進となる。
 決議はコンゴ、ルワンダ、アンゴラなど六カ国とコンゴの反政府組織三派に対し、三月十五日から二週間以内に前線から十五キロ地点まで部隊を撤収するよう求めており、PKO部隊の当面の任務はこの監視となる。外国政府には五月十五日までに部隊の国外撤退日程を明確にするよう求めた。
 紛争当事国は九九年七月に即時停戦などに調印したが、カビラ前大統領が国内の反政府勢力との対話を拒否していた。しかし、前大統領暗殺後に息子のジョゼフ・カビラ新大統領が就任し、和平機運が盛り上がった。
 今回のPKOは、要員不足のため現在機能していない国連コンゴ監視団(MONUC)=約二百人=を増強する。三千人の内訳は約五百人が停戦監視員、残りが警備の兵員で、モロッコ、チュニジア、南アフリカなどアフリカ諸国が中核となる。(了)[2001-02-23-08:39]
[このページの最初に戻る]

 02/24@◇バルカン諸国がユーゴでのテロ活動を非難◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアなどバルカン半島の8カ国首脳らと欧州連合(EU)代表が23日、マケドニアのスコピエで、ユーゴのコソボ自治州とその周辺で続く民族対立を協議し、「この地域を不安定にしかねない武装急進勢力によるテロ行為を強く非難する」という宣言を採択した。
 ユーゴ・セルビア共和国南部のコソボとの州境では昨秋以来、アルバニア系武装組織が連邦軍、セルビア警察を攻撃。コソボ内でもセルビア系住民のバスが爆破されている。今月中旬だけで計14人が死亡し、関係諸国は地域全体の不安定化を心配している。[2001-02-24-21:50] 33
[このページの最初に戻る]

 02/24@NMDで理解得たいと長官 カイロで米ロ外相会談(共同通信)

 【カイロ24日共同】パウエル米国務長官は二十四日、訪問先のカイロでロシアのイワノフ外相と会談する。ブッシュ政権とプーチン政権による初の本格的接触で、米本土ミサイル防衛(NMD)構想などをめぐってぎくしゃくする両国関係の今後を方向づける会談となりそうだ。
 パウエル長官は、カイロに向かう機中で同行記者団に対し「なぜ米国がNMDを進めるのかイワノフ外相に説明し理解を得たい」と強調。また、ロシアが打ち出した欧州戦域ミサイル防衛構想について、NMDの代案にはならないとの考えを示した。
 会談では、NMD導入に向けた弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正問題などが中心議題となる見通し。ロシアは最近、NMD問題で「米政府と直接対話を開始する用意がある」(イワノフ外相)と柔軟な姿勢を見せ始めており、「ロシアと十分協議していく」とするパウエル長官との間で妥協点をどう探るのかが注目される。
 また、ロシア側は、プーチン大統領とブッシュ大統領による米ロ首脳会談の日程も決めたいとしており、会談日程で合意できるかどうかも焦点。さらに、パレスチナ和平やイラク制裁などの中東問題、ユーゴスラビア情勢もテーマとなりそうだ。
 パウエル長官は、イワノフ外相との会談後、エジプトのムバラク大統領、ムーサ外相と会談する。(了)[2001-02-24-19:58] 35
[このページの最初に戻る]

 02/24@コソボ「暴力拡大を阻止」…バルカン首脳会議(読売新聞)

 【ローマ23日=秦野るり子】バルカン地域の安定などを目指しマケドニアのスコピエで開催されていた南東欧州協力会議(SEECP)首脳会議は二十三日夕、ユーゴスラビア・コソボ自治州とその周囲での「民族間の憎悪に起因した暴力行為が地域に拡大するのを防ぐための緊急措置」を強く求める共同宣言を採択して閉幕した。しかし、宣言は、措置の具体的内容に踏み込んでいない。また、地域に緊張をもたらしているアルバニア系武装組織の挑発行為に関しては、「アルバニア系」と名指しするのを避けている。
 首脳会議にはアルバニア、ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ギリシャ、ユーゴ、マケドニア、トルコ、ルーマニアの首脳と欧州連合(EU)の代表らが出席した。
 一方、ユーゴのコシュトゥニツァ大統領とマケドニアのトライコフスキ大統領は同日、国境画定協定に署名した。マケドニアは一九九一年に旧ユーゴからの独立を宣言、九六年から同協定締結に向け交渉を行っていた。[2001-02-24-11:39] 37
[このページの最初に戻る]

 02/24@<バルカン・サミット>最終宣言採択し閉会 腐敗防止など課(毎日新聞)

 【ウィーン24日福井聡】マケドニアの首都スコピエで開かれていたバルカン・サミットは23日夜(日本時間24日未明)、最終宣言を採択し、閉会した。宣言はユーゴスラビア連邦コソボ自治州周辺の紛争について、「民族主義過激武装勢力による違法な活動」を強く非難したが、アルバニアの反対で、草案にあった「アルバニア系過激派」を具体的に名指しする表現はなくなった。
 スコピエからの報道によると、最終宣言は「地域経済協力の促進こそが、南東欧州諸国の速やかな発展と将来の欧州連合(EU)加盟に貢献すると確信している」と提唱し、民間経済の発展、腐敗の防止と公正で適切な行政制度の整備を緊急課題に掲げた。
 コソボ情勢を巡っては、アルバニアのメタ首相が宣言草案にあった「アルバニア系過激派によるテロリズム」との表現に反発したため、具体的に原因や対策を挙げることなく、現状を非難するだけの宣言内容となった。
 これに対し、欧州委員会のパッテン委員(外交担当)は「セルビア南部でのアルバニア過激派による暴力とテロ行為を強く否定する」との声明を出し、「コソボ内のすべての指導者は今こそ、暴力を停止させなくてはならない。現状の境界線変更はあり得ず、セルビア側との和平交渉に入るべきだ」と訴えた。
 また、ユーゴスラビアのコシュトゥニツァ大統領は「国際社会は言葉だけでテロを非難したり、ユーゴの政治努力を支持するのでなく、南東欧州での新たな危機を回避するためにもっと具体的・行動的な手段を取るべきだ」と主張した。[2001-02-24-09:50] 38
[このページの最初に戻る]

 02/24@加が対ユーゴ制裁解除(共同通信)

 【ニューヨーク23日共同】カナダ外務省は二十三日、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国で民主化が進んだことを理由に、対ユーゴ貿易制裁を解除したと発表した。
 カナダはコソボ紛争中の一九九九年四月、ユーゴへの物資輸出を許可制にしたが、武器を除いて許可が不要となった。セルビアに対する投資制限も撤廃した。(了)[2001-02-24-09:17] 39
[このページの最初に戻る]

 02/24@アルバニア系過激派を非難 南部情勢でバルカン首脳(共同通信)

 【ブラニエ(ユーゴスラビア)23日共同】バルカン半島の八カ国は二十三日、マケドニアのスコピエで開いた首脳会議で、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部情勢について「アルバニア系過激派による違法な活動」を非難する声明を採択して閉幕した。
 激化しているアルバニア系武装組織とセルビア警察の衝突について、周辺諸国がアルバニア系住民側を主たる加害者と認定したことになり、ユーゴ政府が進める和平工作に弾みがつく可能性が出てきた。
 ベタ通信によると、声明はセルビア南部情勢が「バルカン地域全体を不安定にする恐れがある」として、テロの即時、完全中止を求めた。
 会議にはアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、ユーゴ、マケドニア、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャ、トルコの大統領らと、ソラナ外交安保上級代表ら欧州連合(EU)高官が参加した。(了)[2001-02-24-08:39] 249
[このページの最初に戻る]

 02/24@◇東ティモール暫定行政機構代表が単独会見◇(朝日新聞)

 東ティモールでの国造りを主導する国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のセルジオ・デメロ代表は24日、ジャカルタ市内で朝日新聞記者と会見し、選挙実施が遅れ、年内の独立を危ぶむ声が出ていることに対し「地元の人は独立までそう長くは待てない」と述べた。住民世論が促す形で今年中に独立が宣言される可能性を強調したもの。また難民の帰還問題も8月までに解決する方向でインドネシア政府と最終調整していることを明らかにした。
 デメロ代表は独立に向けた今後の日程として(1)3月12日から有権者登録をかねた住民登録を始める(2)8月30日に制憲議会選挙を実施(3)議会は9月15日から90日の会期で憲法採択や大統領選出の方法を決める、と説明。制憲議会が大統領を選出する形で「国家」の体裁が整えば年内の独立宣言が可能になると述べた。
 インドネシア側西ティモールに10万人近い難民が残されている問題については「選挙登録は東ティモールでしか認めない。登録をきっかけに一気に帰還を進める考えで、インドネシア政府からも同意を得ている」と述べた。
 難民帰還を進めるためには、国連職員が殺害された昨年9月から中断している国連の支援活動を再開する必要がある。代表は「再開のめどは立っていないが、48時間だけ現地に入る活動で対応する」としている。[2001-02-24-22:23] 252
[このページの最初に戻る]

 02/24@◇EU緊急対応部隊を支持 ブッシュ政権が軟化◇(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領は23日の記者会見で、欧州連合(EU)の緊急対応部隊について、北大西洋条約機構(NATO)の役割を損なわなければ支持してもよいとの考えを示した。米国が関与を望まない国際紛争に欧州独自の部隊を送る計画をめぐって、ブッシュ政権高官が「NATO離れ」の兆しと警戒していた。しかし大統領は、ブレア英首相がNATO重視を確約したことを理由に、部隊創設を初めて前向きに評価した。
 米英首脳会談後に会見したブッシュ大統領によると、ブレア首相は「欧州の平和維持に主要な役割を果たすのはあくまでNATOであり、我々はNATOの妨げとなる行動はとらない」と強調した。大統領も「米国は欧州の同盟諸国と、NATOと欧州への積極的な関与を続ける」と応じた。
 欧州の一部が反発している米本土ミサイル防衛(NMD)を進める際に、ブッシュ政権には、最も緊密な同盟国である英国の協力が欠かせない。ブレア政権が積極的にかかわってきた緊急対応部隊をめぐり、「欧州安保の中核はNATO」の原則を確認し合うことで、不協和音の表面化を封じた形だ。
 ただ、ブレア氏はこの日の記者会見でNMDに関し「大量破壊兵器の拡散に対する米国の懸念を理解し、共有する。同盟国とこの問題で協議する米政府の姿勢を歓迎する」と述べるにとどめ、踏み込んだ支持の表明は避けた。[2001-02-24-21:10] 259
[このページの最初に戻る]

 02/24@<マルク諸島>イスラム、キリスト両教徒の宗教抗争発生から(毎日新聞)

 【ジャカルタ24日中坪央暁】インドネシア東部・マルク諸島のイスラム、キリスト両教徒の宗教抗争は、発生から2年余りが過ぎた。全体的には沈静化に向かっているものの、一部では散発的な衝突が続いており、両教徒の和解と避難民帰還、地域復興という課題が突き付けられたままになっている。
 マルク州セラム島では21日、キリスト教徒の村が襲撃されて3人が死亡した。同島では両教徒の地区の通行が遮断され、山中に逃れたキリスト教徒の避難民が極度の食糧、医薬品不足に陥っているという。
 インドネシア政府は昨年来、両教徒の指導者に和解を働き掛けてきた。「住民の間では話し合いの機運が高まっている」(地元記者)ものの和解交渉には至っていない。治安当局者は「事態が収まりかけると、必ずどこかで新たな襲撃が起きる」と述べ、紛争解決を妨害する動きがあることを示唆する。
 全体で30数万人とみられる避難民の帰還も緊急課題だ。情勢が落ち着いた北マルク州では今月、虐殺が続いたハルマヘラ島への自主的な帰還が相次いでいる。州政府は仮設住宅を建設して、すでに3万人近くを帰還させており、当局者は「来月末までに希望者全員を帰還させたい」と説明する。しかし海を隔てた北スラウェシ州には、4万人の避難民が資金難などから帰還のめども立たず、残留したままだ。
 難民帰還と地域復興には国際援助が不可欠で、すでに非政府組織(NGO)が展開しているほか、外交団の視察も行われている。だが「治安回復が復興支援の前提条件」(国連開発計画関係者)で、地域再建が本格化するには、なお時間がかかりそうだ。
 宗教抗争は一昨年1月、マルク州都アンボンで起きた小競り合いをきっかけに、両教徒の大規模な衝突に発展。同年12月には北マルク州に飛び火し、犠牲者数は計5000〜6000人といわれる。[2001-02-24-18:25] 272
[このページの最初に戻る]

 02/24@<YOU館>歴史教科書問題 見守る韓国「今度は日本が誠意(毎日新聞)

 波紋が広がる「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学歴史教科書検定問題。中国政府が「侵略を美化する」として検定不合格を要求したのに対し、韓国の青瓦台(大統領官邸)は沈黙を保っている。1998年の訪日時に金大中(キムデジュン)大統領が「韓日の過去の問題は清算された」と発言し、その後も日本の大衆文化解禁など「対日柔軟政策」を貫いてきたからだ。しかし教科書が検定に合格すれば、韓国政府に対日政策転換を迫る圧力が国内で強まる可能性もある。 【ソウル・大澤 文護】
■報道は過熱
 韓国の有力紙、朝鮮日報は20日付1面トップで「日本の歴史わい曲教科書、来月採択確実」と報道。東京の消息筋の話を引用し、「問題の教科書が合格する可能性は90%以上」「修正指示に従っている以上、不合格にする名分がない」などと報じた。
 また、同日付の韓国紙、東亜日報は「歴史わい曲教科書の採択が確実視される中、自民党の野呂田芳成・衆院予算委員長が日本の侵略戦争を正当化する発言を行った」と報じた。
 21日の韓国紙、中央日報も、教科書問題と野呂田委員長の「大東亜戦争」発言を結び付け、「日本の右傾化どこまで」と、韓国内の憂慮を伝える解説記事を掲載した。
■憂慮する韓国政府
 韓国政府は主に外交当局を通じて、「つくる会」主導の教科書に対する憂慮を日本側に伝えてきた。
 昨年11月、東京での日韓外相会談で李廷彬(イジョンビン)外交通商相は「教科書には韓日関係の歴史の一部をわい曲した記述があると伝えられ、韓国内に懸念がある。両国関係に悪影響がないようにしてほしい」と指摘。河野洋平外相が「韓国政府の立場は承知した。文部科学省で検定基準に従って作業中だ」と答えた。
 韓国マスコミの「教科書問題」報道が拡大した21日には、李外交通商相はソウル市内での講演で「この問題が誤って処理される場合、韓日の友好関係に大きな損傷を与える憂慮があり、正しい歴史認識を基に必ず円満に解決されねばならない」と訴えた。
■日韓関係の行方
 国際的に政治問題化した82年の教科書問題は、旧文部省の検定によって高校社会科教科書の日本による戦争の記述が「侵略」から「進出」に書き換えさせられたことから始まった。中国、韓国の抗議に加え、日本国内の批判も高まった結果、非公開だった検定結果の一部公開や、検定の簡素化が実現した。
 今回の教科書問題が「歴史上最良」と言われる日韓関係にどのような影響を及ぼすか、検定結果が発表されていない現時点では未知数だ。しかし韓国のベテラン記者は、98年10月の金大統領の訪日時の「歴史清算」には、日本人には理解しにくい背景があったと解説する。「韓国政府は国内世論の反発を浴びる危険を冒して歴史清算や大衆文化解禁で日本に誠意を示した。今度は、日本が誠意を示すかどうかを見守る番だ」
 この問題で中国外務省報道官は22日、「侵略の歴史を美化する教科書の登場を阻止することを日本政府に要求する」と述べた。
 文部科学省に提出され、検定を受けている教科書の内容は公表されていない。検定問題の波紋が拡大し、日本政府が82年のような苦境に陥るかどうかは、同省の検定結果と、教科書が検定に合格した場合明らかになる内容にかかっている。
 新しい歴史教科書をつくる会 教科書から「従軍慰安婦」の記述削除を求め96年12月、西尾幹二・電気通信大教授や藤岡信勝・東京大教授らが呼びかけ人となって結成された。現行の教科書を「自虐史観」に基づくと批判。独自の教科書の普及を目指して編集した2002年度版の中学歴史教科書が現在、文部科学省の検定を受けている。[2001-02-24-12:45] 281
[このページの最初に戻る]

 02/24@難民の移住認定でケニアの国連職員に収賄疑惑(読売新聞)

 【ジュネーブ24日=大内佐紀】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員が、難民を第三国に再定住させるにあたり、わいろを受け取っていた疑惑が発覚、ルベルス高等弁務官は二十三日、疑惑を徹底解明し、再発防止に努めるとの声明を発表した。
 疑惑は、ケニア・ナイロビのUNHCR事務所の複数の職員が、どの難民を第三国に移民させるかを認定するにあたり、難民に金品の支払いを強要していたというもの。UNHCRによると、ケニアには現在、エチオピアやソマリアなどから逃れてきた難民約二十万人がおり、これまでに五万人が米国やカナダ、北欧諸国に移民した。UNHCRは難民の民族や出身地域などから、本国に戻ることが特に難しい人を選び、第三国への移民申請の書類手続きなどを手助けしている。
 三千五百ドルから五千ドルのわいろを一部の職員から要求されたとの難民からの苦情や内部告発を受け、UNHCRでは九九年末から調査を開始した。しかし、内部調査には限界があったことから、昨年十月には国連本部の内部査察室(OIOS)に介入を依頼、現在同室の調べが続いている。
 ルベルス氏は声明の中で、「疑惑が真実ならば、最も弱い立場にある人たちを支援するという我々の責務がまったく果たされていなかったことになる」と遺憾の意を表明。その上で、近日中にガーナ、タンザニアなど五か国の事務所に自前の調査団を派遣するなど、難民の再定住支援が透明性を持ち、かつ効果的に行われるよう善処する意向を強調した。ルベルス氏は今年一月、緒方貞子氏に代わり就任した。[2001-02-24-10:54] 283
[このページの最初に戻る]

 02/24@改善すると中国が米に回答 対イラク軍事協力問題で(共同通信)

 【ワシントン23日共同】ブッシュ米大統領は二十三日、大統領山荘キャンプデービッドで行ったブレア英首相との共同記者会見で、イラクのレーダー施設建設に中国人技術者が関与しているとの米政府の抗議に対し、中国政府側が同日「そういった事実があったとすれば改善する」と、軍事協力の存在を事実上認める回答をしてきたことを明らかにした。
 この問題について中国側はこれまで「中国は国連安全保障理事会の決定を厳格に履行している」(朱邦造・外務省報道局長)と、イラクへの軍事協力の事実を否定していた。
 これに対し米側はブッシュ大統領やパウエル国務長官が不快感を表明、中国側に「説明と回答」を求めていた。(了)[2001-02-24-10:04] 292
[このページの最初に戻る]

 02/24@<特報・北方領土>露大統領「占領間違い」発言 首相の勘違(毎日新聞)

 ロシアのプーチン大統領が、森喜朗首相に対し旧ソ連による北方領土占領を「間違いだった」と発言したとされる問題は、昨年9月の日露首脳会談で、プーチン大統領が「自分はスターリンのやったことすべてがいいことだとは思わない」と述べたのを、森首相周辺が領土問題にまで勝手に拡大解釈して起きた混乱だったことが23日、明らかになった。1カ月後のイルクーツク会談を政権存続の足がかりにつなげようという首相サイドの思惑が、ミスリードを生んだというのが真相とみられる。
 「間違い」発言は22日、政府関係者が明らかにした。これについて森首相は23日、記者団に「私はそんな話は聞いたことはない」と全面否定。福田康夫官房長官も記者会見で「そういう話し合いは行われていない。怪談ですな」と述べたが、首相が旧ソ連のスターリン首相に対するプーチン大統領の評価を聞いて、領土問題が前進するとの感触を得たのは事実のようだ。
 外交関係者によると、誤解のもとになった大統領発言が行われたのは、通訳だけを入れたサシの会談時。ただし、領土問題を話し合っている最中ではなく「冷戦後の日露関係を再構築したい」という脈絡での発言だったため、外務省は特に重視していなかったという。
 報道によって首相の「思い込み」が露見する形になったため、外務省は「首脳間交渉を前に、日本政府がロシア側に不利な情報を流したと受け取られるのは、悪意を持っていると誤解されかねない」(幹部)と判断。発言否定の根回しに追われた。[2001-02-24-03:10] 293
[このページの最初に戻る]

 02/24@インカ「空中都市」が崩壊危機(読売新聞)

 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定され、インカ文明の「空中都市」として名高い南米ペルーのマチュピチュ遺跡が、地滑りによる崩壊の危機にあることが、京都大防災研究所の佐々恭二教授たちの調査でわかった。同研究所の講演会で二十三日、報告した。
 全体が滑落する恐れもあり、同研究所は、ペルー文化庁やユネスコと共同でさらに調査、防止策の検討に乗り出す。
 昨年三月、遺跡の地形や建物などを地上と上空から調べた。その結果、山の尾根をはさむ遺跡の両側で小さな地滑り跡を数か所、中央部でも建物の変形や崩壊を無数に見つけた。十一月には、地面の伸縮計を十個設置、一か月間で地滑りの前兆とみられる約一センチの伸びを遺跡各所で観測した。同研究所などは、来月にも、「地滑り災害軽減のための国際連合」を設立する。
 マチュピチュ遺跡は、アンデス山脈の標高2、550メートルの断崖(だんがい)上にあるインカ文明の都市遺跡。十五〜十六世紀の建造とされ、広さは約三千三百ヘクタール。石組みの神殿や邸宅、広場などが広がる。一九一一年に見つかり、インカ帝国が巨万の富を隠した「空中都市」とも騒がれた。八三年、ユネスコが世界遺産に指定した。[2001-02-24-03:01] 301
[このページの最初に戻る]

 02/24@ロシアが近隣国へ支配強化、武器は「エネルギー」(読売新聞)

 【モスクワ23日=伊熊幹雄】ロシアのプーチン政権が、石油と天然ガスの供給をてこに、旧ソ連各国に対する支配を強化する「エネルギー外交」を展開している。ロシア側は「互恵を原則にした経済外交」としているが、経済改革や産業開発で後れをとり、ロシアに依存せざるを得ない周辺諸国はもとより、欧米諸国も警戒心を募らせている。
 プーチン大統領は、昨年五月の就任以来、親露色が強いカザフスタンなど中央アジア諸国やアゼルバイジャンを訪問、鉱物資源開発や石油、天然ガス供給に関する合意を次々とまとめた。その一方で、独立志向の強い国々には、エネルギー供給に対する支払いや対露累積債務の清算を厳しく迫ってきた。
 最も強烈な締め上げを受けたのはウクライナ。同国は一九九一年の独立以来、黒海艦隊帰属問題など、ロシアとの紛争が多かったが、プーチン政権は、ウクライナ経由のパイプラインから同国が組織的に天然ガスを盗んでいると追及、さらに十四億ドル以上とされる累積債務の返済も求めた。
 先月半ばには、天然ガス供給を一方的に停止したため、慌てたクチマ大統領は今月、従来の対欧米、対ロシア“二また外交”を転換し、安全保障面でもロシアと協力すると約束した。
 グルジアも先月、三日間にわたり天然ガス供給を止められ、シェワルナゼ大統領は、チェチェン紛争などカフカス地域の安全保障問題でロシアとの協力を余儀なくされている。
 アゼルバイジャンには先月、プーチン大統領自らが乗り込んで、カスピ海油田共同開発をまとめた。カスピ海油田のパイプラインは現在、ロシア領を通さず、グルジアからトルコに抜けるルートが有力だが、プーチン氏は、カスピ海油田開発がロシア抜きにならないよう、地域安全保障問題を絡ませてアゼルバイジャンに協力を迫っている。
 エネルギー外交は、中・東欧諸国にも及ぶ。ロシアとEUは昨年、新たなエネルギー供給で合意したが、ロシアと西欧を結ぶ天然ガスのパイプラインのルート選定は、ロシアの専権事項。ウクライナ、ベラルーシ、ポーランドなど通過候補国は、誘致に熱心だが、陸地を通さないバルト海ルートも浮上して、周辺国をやきもきさせている。
 これに対し、EUのクリス・パッテン欧州委員が「(脅迫の手法は)対西欧関係を損なう」と警告。欧米のマスコミや外交専門家の間では「どう喝外交の復活」といった懸念も出ている。[2001-02-24-00:53] 303
[このページの最初に戻る]

 02/24@<ニュースの背景>米本土ミサイル防衛構想 (毎日新聞)

 Q ブッシュ政権が推進を表明している米本土ミサイル防衛(NMD)構想とはどんなものか。また、諸外国の反応は。
 A NMDは米本土を攻撃する弾道ミサイルを迎撃ミサイルで撃ち落とすシステムで、1995年に開発計画が決まった。北朝鮮やイランなどの弾道ミサイル開発に対抗するとの名目で、2005年の配備を目指して開発が進められた。
 しかし、米国だけが弾道ミサイル攻撃を防ぐ能力を持てば、世界の軍事バランスが大きく崩れ、軍拡競争再燃の危険もある。ロシアや中国を中心に、強い反発が出た。こうした国際情勢に加え、昨年1月と7月に迎撃実験が失敗。クリントン大統領(当時)は同9月、配備するかどうかの決定を次期政権に委ねると発表した。
 今年1月に発足したブッシュ政権はNMD配備推進の方針を表明している。しかし、本格的なNMD構築のためには2カ所の迎撃基地が必要で、基地を1カ所に限定した米露間の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正が必要だ。
 ロシアはこの修正に応じない方針を明示する一方、軍拡競争を恐れるフランスやドイツとも協調してNMD計画を封じ込める外交戦略を展開している。プーチン大統領は今月20日、訪露した北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長に欧州・ロシア共同のミサイル防衛構想を提示し、NMDをけん制した。   【野村 隆宏】[2001-02-24-00:00]
[このページの最初に戻る]

 02/25@ユーゴ、ミロシェビッチ前大統領の側近逮捕(読売新聞)

 【ローマ25日=秦野るり子】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のバティッチ法相は二十四日、ミロシェビッチ前連邦大統領の側近中の側近で、同共和国の秘密警察を率いたマルコビッチ前国家保安局長官を、野党「セルビア再生運動」のドラシュコビッチ党首暗殺未遂事件に関与した疑いで逮捕したと発表した。
 今回の逮捕については、旧ユーゴ戦犯国際法廷から起訴されているミロシェビッチ前大統領の逮捕へ向けた動きとの見方が広まっている。また、マルコビッチ前長官が同前大統領の言動を詳細に知る立場にあったため、同法廷の報道官はロイター通信に対し「前局長と接触し証言を得る必要がある」と証拠固めへの協力を求める意向を示した。
 今回の逮捕の理由となった暗殺未遂事件は、一九九九年末、トラックがドラシュコビッチ党首の車列に突っ込み、同党首以外の四人が死亡したもの。[2001-02-25-20:14] 24
[このページの最初に戻る]

 02/25@<セルビア>秘密警察の前長官ら逮捕 前大統領逮捕への1歩(毎日新聞)

 【ウィーン25日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国政府は24日、秘密警察であるセルビア国家保安局のマルコビッチ前長官(54)ら4人を殺人容疑で逮捕したと発表した。前長官はミロシェビッチ前大統領の側近中の側近で、前大統領の逮捕に向けて大きく踏み込んだものと受け取られている。
 ベオグラードからの報道によると1999年10月、野党「セルビア再生運動」のドラシュコビッチ党首が乗った車にトラックが衝突し、党幹部ら4人が死亡、同党首は軽傷ですんだが、マルコビッチ前長官らはこの事故に関与した疑いで調べを受けている。
 関係者によると、トラックの運転手と、この運転手に事故を装った暗殺を命じた男が先週逮捕され、2人は「背後に前長官がいた」と供述したという。
 元長官逮捕について、バティッチ・セルビア司法相は「我々は犯罪に対する断固とした闘いに突入した」と表明。西側外交官は「前長官ほど前大統領の犯罪を具体的に立証できる人物はいない」と話した。
 マルコビッチ前長官は前大統領の息子の警備員を勤めたことから前大統領一家と親しくなり、92年に首都警察署長、97年にセルビア内相、98年には国家保安局長官に就任した。この間、前大統領周辺や反政府指導者らの謎の死が相次ぎ、前長官の関与がうわさされてきた。[2001-02-25-19:00] 25
[このページの最初に戻る]

 02/25@◇ユーゴ秘密警察前トップ逮捕 野党党首暗殺計画に関与か◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・セルビア共和国の司法当局は24日、ミロシェビッチ前政権を支えた秘密警察のトップ、マルコビッチ前国家保安局長を逮捕したと発表した。容疑は当時の野党党首の暗殺計画で、前政権の中枢人物としては最高位の逮捕者だ。司法当局はミロシェビッチ前大統領についても不正蓄財などの容疑で捜査しており、強制捜査も大詰めに近づいている。
 セルビアのバティッチ司法相は記者会見で逮捕容疑について、ベオグラード近郊で一昨年10月、当時の最大野党「セルビア再生運動」のドラシュコビッチ党首の乗った車にトラックを意図的に衝突させた疑いと説明した。この事故で側近ら4人が死亡、党首もけがをした。マルコビッチ容疑者のほか、内務省の職員2人も逮捕された。
 ドラシュコビッチ氏は当時、欧米諸国からミロシェビッチ前大統領に代わる有力な大統領候補と目されていた。同氏は昨年6月にもモンテネグロの別荘で狙撃され、頭などを負傷、「政権による犯罪」と主張していた。
 司法相は会見で、前大統領の指示の有無も捜査するのかについては明確な答えを避けた。
 セルビア内務省に属する秘密警察は「プロの殺人集団」と恐れられた特殊作戦部隊も擁する。ミロシェビッチ前大統領に忠誠を誓い、反体制的なジャーナリストや対立する政治家らの殺害にも深く関与したと見られている。
 マルコビッチ容疑者は、昨年10月に解任の情報が伝えられたが、その後もポストにとどまり、先月25日のセルビア新内閣発足と同時に、解任されていた。[2001-02-25-18:50] 27
[このページの最初に戻る]

 02/25@◎ミロシェビッチ氏、今週逮捕も=英テレビ局(時事通信)

 【ロンドン25日時事】英ニュース専門テレビ局スカイ・ニューズは25日、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が今週、権力乱用の容疑で逮捕される見通しになったと伝えた。既に同前大統領に近いセルビア秘密警察の前長官が逮捕されており、前大統領逮捕は時間の問題との見方が強まっている。 [時事通信社][2001-02-25-12:23] 30
[このページの最初に戻る]

 02/25@前秘密警察トップを逮捕 セルビア、前大統領側近(共同通信)

 【ウィーン24日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のバティッチ法相は二十四日、捜査当局がミロシェビッチ前ユーゴ大統領の側近中の側近だった同共和国のマルコビッチ前国家保安局(秘密警察)長官を、野党「セルビア再生運動」のドラシュコビッチ党首暗殺未遂事件に関与した疑いで逮捕したと発表した。
 ベオグラードでは前大統領が近く逮捕されるとのうわさが広がっている。法相は、今回の逮捕が前政権時代の他の高官逮捕の皮切りとなるのかどうかについてはコメントしなかったが、ミロシェビッチ時代の暗殺事件などの捜査が加速しそうだ。
 事件は一九九九年十月、ドラシュコビッチ党首を乗せた車がトラックに衝突され、党幹部ら四人が死亡した。ベオグラードで記者会見した同法相によると、事件に関与した別の下級警官二人も逮捕した。マルコビッチ長官はことし一月に辞任している。
 セルビア国営テレビによると、ベオグラード市警察のジュリッチ前長官も逮捕された。(了)[2001-02-25-10:33] 31
[このページの最初に戻る]

 02/25@党首選出、連邦維持を確認 モンテネグロ最大野党(共同通信)

 【ウィーン25日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦モンテネグロ共和国の最大野党、社会人民党は二十四日の党大会で、辞任したモミル・ブラトビッチ党首(前ユーゴ連邦首相)に代わってプレドラグ・ブラトビッチ副党首を党首に選出した。
 同党は連邦レベルではコシュトニツァ大統領のセルビア民主野党連合(DOS)と連立を組んでおり、この日の大会でも、セルビア共和国との連邦維持政策を確認した。
 モンテネグロではジュカノビッチ大統領の連立与党がユーゴ連邦からの独立志向を強めており、四月に行われる共和国議会選で独立の是非が問われる見通し。
 両ブラトビッチ氏に直接の血縁関係はない。(了)[2001-02-25-09:46] 216
[このページの最初に戻る]

 02/25@<ヨーロッパ奔流>変容する国家 新たな「アイルランド移民(毎日新聞)

 アイルランド人のダーモッド・オバーンさん(50)は世界を駆け巡っている。ダフリンの事務所を訪れると、4日間で1万人が参加したインド・ムンバイでの求人フェアから戻ったばかりだった。「これほど急速な変化は予想だにできなかった」という。政府系雇用対策機関「FAS」は昨年4月、国際求人キャンペーン「ジョブズ・アイルランド」を開始した。2005年までに外国からIT(情報技術)関連などの技術者約20万人を確保する計画だ。
 FAS調整官のオバーンさんは92年から5年間、ドイツ・フランクフルトに駐在した。アイルランドは当時、16%前後の高失業率に悩み、雇用先を建設現場などで探すのが任務だった。EU域内は市民が職を求めて自由に移動できる単一労働市場だ。オーバンさんは独政府の協力で約3000人の出稼ぎ先を見つけた。
 わずか数年の間に職務は180度転換。今年は北米や南アフリカなど約10カ国で求人フェアを開き、教育制度や税制などアイルランドでの生活関連情報を提供し、技術者を呼び込む。
 アイルランドは94年から平均8%近い経済成長率を維持し、98年のソフトウェア輸出額が米国を抜き世界一になった。マイクロソフトやIBMなど米国のIT関連企業がEU市場への戦略拠点として進出したことが躍進の大きな要因だ。同国は92〜99年80億ポンド(約1兆1000億円)のEU開発補助金を受け、人口比で最大の恩恵を享受してきた。「ケルトのトラ」への脱皮には、EUの傘が大きな役割を果たしてきた。
  ◆   ◆  ◆
 移民還流のうねりが起きるのをオバーンさんは期待している。「外国から迎える熟練労働力の半分は、アイルランド系で確保したい」と意気盛んだ。96年ごろから始まった外国からの労働者流入は昨年4万2000人に達した。約半分はアイルランドから外国に移住した帰国組である。
  ◆  ◆  ◆
 ダブリンで不動産会社に勤めるドナル・オレアリーさん(43)は99年7月、新聞に1行広告を出した。「帰国移民ネットワーク、連絡先××」。広告は新聞記者の目に止まり、大きく報道された。彼の電話には約1カ月間、連日20件の入会希望が続いた。
 「自分の体験から、帰国者の多くが疎外感を覚えていると思った。急速なアイルランド社会の変化、期待と現実のギャップなどに戸惑う人は多い」。米ボストンで13年間暮らし帰国したオレアリーさんは、親ぼく組織の発足を思い立った動機を語る。会には30〜50歳を中心に数百人が登録。2週間に1度、意見交換や食事会、ハイキングなどの催しを開いている。
 会員でロンドンとニューヨークの生活から12年ぶりに帰国定住したマルティナ・ブラディさん(34)は昨年、ヘッドハッテイング業を始めた。本国の人口380万人に対し、国外のアイルランド系住民は推定7000万人(米国で約4400万人)。ブラディさんは「嫌になれば明日にでも外国に移住するが、この国には機会がある。海外のアイルランド系市民を呼び戻したい」と抱負を語る。
 一方、同ネットワークだけでも、外国に再移住した会員が既に5〜6人いる。“しなやかな移民”たちが、アイルランド国境を気軽に行き来し始めている。
  ◆  ◆  ◆
 アイルランド移民を最も多く送り出した南部の港町コーブ。93年に開館した移民記念館を年間10万人が見学する。その多くは自らのルーツ探しに訪れるアイルランド系米国人たちだ。
 記念館の外には、1892年1月1日、ニューヨーク・エリス島での審査で移民第1号となった少女アニー・ムーアー(当時15歳)と2人の弟の銅像が「新天地」を指差す。デビー・ウォルシュ館長は言う。「人材流出の時代は終わった。若者は将来への自信を持ち、暗い移民の史実も直視できるようになった」
 1840年代の大ききん以降、600万人を超える住民が出国し、「機会なき国」「移民の民族」と呼ばれたアイルランド。初めて本格的な移民流入の国に転じたことで、社会変化の行方が注目されている。
【欧州問題取材班】[2001-02-25-22:45] 221
[このページの最初に戻る]

 02/25@◇トルコ首相、内閣改造の見送りを表明◇(朝日新聞)

 トルコの金融不安を招いたとして内閣改造の意向を示していたエジェビット首相は24日夜、連立与党の3党首会談の直後に声明を発表し、一転して閣僚更迭を見送ることで合意したことを明らかにした。これに先立って、エルチャル中央銀行総裁は首相に辞職願を提出し、受理された。
 同首相は声明で、「国政を安定させるために、連立与党は協力して新たな経済政策を実行しなければならない」と強調。3党は、新たに導入された変動相場制のもとで経済改革を断行することを確認した。
 現地紙によると、3党首会談では、祖国党のユルマズ党首と第二党の民族主義者行動党のバフチェリ党首が内閣改造を支持する構えをみせたが、第一党を率いるエジェビット首相の強い意向で見送りが決まったという。[2001-02-25-19:47] 238
[このページの最初に戻る]

 02/25@企業寄付で貧困対策基金を 伊がサミットで提案へ(共同通信)

 【ローマ25日共同】二十四日付の英経済紙フィナンシャル・タイムズによると、イタリアのビスコ国庫相は同紙に対し、世界の大企業一千社から五十万ドルずつ計五億ドルの寄付を集めるほか、同額を各国政府も分担して計十億ドルの貧困対策基金を設立するよう七月の主要国首脳会議(サミット)で先進七カ国(G7)に提案する方針を明らかにした。
 基金は発展途上国の医療改善に充て、世界銀行と世界保健機関(WHO)が共同で管理する。国庫相は二十六日にロンドンで開かれる会議で、この構想を説明する。
 国庫相は、先にイタリアのパレルモで開催された先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議でもこの案を非公式に提案「各国の前向きの反応を得た」と述べた。
 イタリアは今年のG7議長国で、七月二十―二十二日にジェノバでサミットを主催する。
 G7は既に最貧国に対する債務の軽減を約束しているが、国庫相は「債務は貧困の結果であり、貧困を減らさなければ、債務が帳消しされた国々も再び債務国になるだけだ」と述べた。(了)[2001-02-25-09:46] 239
[このページの最初に戻る]

 02/25@3年以内に核爆弾開発も 独機関がイラクで警告(共同通信)

 【ベルリン24日共同】二十四日付のドイツ紙ウェルトなどはドイツ政府の対外情報機関である連邦情報局(BND)の見方として、イラクが三年以内に核爆弾を開発し、二○○五年までに欧州に達する射程三千キロの中距離ミサイルの生産能力を持つ恐れがあり、生物・化学兵器の開発も再開したとみられると報じた。
 同紙によると、BNDはバグダッドの北西約三百キロのアルカイムにある核開発拠点とみられる施設の監視結果などから核開発が可能と分析。生物・化学兵器の生産拠点とみられる施設も稼働しているという。
 また、フランクフルター・アルゲマイネ紙によると、ミサイル開発についてはインド企業がアラブ首長国連邦やマレーシア経由で必要な設備を納入しているという。(了)[2001-02-25-08:14]
[このページの最初に戻る]

 02/26@<EU外相理事会>アルバニア系過激派の武力行使非難へ(毎日新聞)

 【ブリュッセル26日森忠彦】欧州連合(EU)の外相理事会が26日、ブリュッセルのEU本部で開幕した。バルカン半島や中東、コンゴ情勢などについて協議する。EUとしてセルビア共和国南部でのアルバニア系過激派による武力行使を非難し、平和解決を求める声明を採択する見通しだ。
 EU側は情勢次第では南東欧州安定化協定への支援見直しも辞さない方針で、北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア連邦空爆から2年近くになっても解決の目途がたたないコソボ紛争に対し、EU側の不満は高まりつつある。
 また、外相らは同日夕、フランス南部のニースへ移動。昨年12月に合意した「ニース条約」の調印に臨む。次期拡大を前にした新条約は、人口比による現加盟国の持ち票の再配分問題で難交渉に陥ったが、新加盟国への票配分が提示されるなど、2004年以降に実現する東方拡大に向けた窓を開いた。[2001-02-26-22:05] 19
[このページの最初に戻る]

 02/26@秘密警察の15人を逮捕 前大統領の基盤崩しへ(共同通信)

 【ウィーン26日共同】二十六日付のユーゴスラビア有力紙グラスヤブノスチは、ユーゴ連邦セルビア共和国捜査当局が国家保安局(秘密警察)の幹部ら十五人を逮捕したと報じた。
 セルビアのバティッチ法相は二十四日、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領の側近中の側近だった秘密警察のマルコビッチ前長官と二人の職員を逮捕したと発表しており、前大統領が権力保持のため利用していた秘密警察の基盤崩しを狙っているとみられる。
 同紙によると、コシュトニツァ大統領の与党セルビア民主野党連合(DOS)指導者の一人は、十五人がいずれもマルコビッチ前長官が最も信頼していた幹部らだとし、「今回の逮捕は前政権指導部や地下世界犯罪者に対する本格捜査の始まりだ」と言明した。(了)[2001-02-26-20:36] 149
[このページの最初に戻る]

 02/26@◎エリトリアからの軍撤退完了=エチオピア(時事通信)

 【カイロ26日時事】アディスアベバからの報道によると、エチオピア国防省は26日声明を出し、エリトリア領内の占領地からの軍撤退を完了させたと発表した。両国は1998年から国境紛争を続けたが、昨年6月停戦にこぎつけ、12月に恒久和平協定を結んだ。 [時事通信社][2001-02-26-23:12] 153
[このページの最初に戻る]

 02/26@<ブルンジ>フツ族系反政府組織が軍施設や市街地を襲撃(毎日新聞)

 ブルンジからの報道によると、同国の首都ブジュンブラで25日にかけ、フツ族系反政府組織「民族解放戦線」の武装集団が手りゅう弾やマシンガンで軍施設や市街地を襲撃し立ち去った。死傷者数は不明だが、住民数百人が首都から避難しているという。
 少数派の支配階級、ツチ族主体の軍・政府とフツ族勢力の間で93年に始まった内戦は、マンデラ南アフリカ前大統領の仲介で昨年8月、和平協定調印に持ち込まれた。だが、「民族解放戦線」らフツ族系2組織が調印を拒否し、停戦は実現していない。今回の襲撃は、マンデラ氏を囲み26日にタンザニアのアルーシャで開かれる和平会議への反発とみられる。 【ヨハネスブルク支局】[2001-02-26-22:41] 155
[このページの最初に戻る]

 02/26@<タイとミャンマー>軍事衝突から2週間 背景に麻薬問題(毎日新聞)

 タイ、ミャンマー両政府軍が国境で軍事衝突して2週間が過ぎた。現在も国境地帯は両軍がにらみ合い、緊張が続いている。発端は、ミャンマー軍と反政府少数民族組織「シャン州軍」との戦闘で、ミャンマー軍がタイ領に越境したことだったが、背景に麻薬問題が影を落としている。タイ、ミャンマー両軍の衝突の舞台裏を探った。【バンコク・小松 健一】
 「2月に国境地帯で大規模な戦闘が起きる。タイ軍も巻き込まれるだろう」。昨年暮れ、タイ北部の国境地帯で取材に応じたシャン州軍のヨード・スク司令官は、そう断言した。
 その1カ月前。ミャンマー軍と事実上の同盟関係にあり、麻薬利権を握っている少数民族組織「ワ州連合軍」(ワ軍)が、麻薬の生産拠点と運搬ルートの新規建設のため、シャン州軍の支配地に向け移動を進めていた。これに対してシャン州軍は、ワ軍の麻薬拠点を重点攻撃するゲリラ戦を展開していた。
 シャン州軍は兵力約5000人で、約2万5000人のワ軍に比べて劣勢だ。このため「麻薬撲滅」の名のもとでタイ側の支援を得る戦略を立てたのだった。
 タイの情報筋には「ワ軍が麻薬中継基地として整備中の村でミャンマー兵が警備している」など、ミャンマー軍がワ軍を保護していることをうかがわせる情報が数多く寄せられている。国境からの麻薬流入を警戒するタイ軍幹部は「麻薬拠点を攻撃するシャン州軍を心情的に支持する」と漏らしたほどだ。
 昨年11月26日、タイ・メサイ近郊の国境地帯でワ軍司令官の代理人とシャン州軍幹部が密会した。ワ軍の代理人は、シャン州軍に対して(1)麻薬拠点への攻撃中止(2)これまでに押収した麻薬、捕虜にした麻薬運搬人のワ軍への返還(3)タイ軍との協力関係断絶つ――ことを要求した。拒否した場合はミャンマー軍とともにシャン州軍を一斉攻撃すると通告。その期限が、ワ軍がヘロインの原料となるケシ畑の刈り入れを終える2月上旬だったのだ。
 ヨード・スク司令官、タイ軍ともに両者の軍事協力を否定するが、ミャンマー軍情報部が編集に関わっているとされる雑誌「ミャンマー・タイムズ」は、ミャンマー軍報道官の発言として「タイ軍はシャン州軍に武器供与、タイ領内での活動拠点の提供といった支援をしている」とタイ軍を非難した。
 ミャンマー軍はタイ軍を「反政府勢力の後ろ盾」との疑いを強め、一方でタイ軍はワ軍の麻薬利権拡大にミャンマー軍が手を貸しているとの情報にいらだっていた。国境での少数民族を巡る紛争が、タイ、ミャンマー両軍の衝突に発展する恐れは十分にあったといえる。[2001-02-26-22:20] 158
[このページの最初に戻る]

 02/26@<パウエル国務長官>クウェート首脳とイラク制裁継続で一致(毎日新聞)

 【カイロ26日小倉孝保】中東諸国歴訪中のパウエル米国務長官は26日、クウェート市でクウェートのジャビル首長ら同国首脳と会談し、国連の対イラク経済制裁継続の必要性で一致した模様だ。
 クウェート首脳との会談の詳細は明らかになっていないが、パウエル長官は在クウェート米大使館で「我々は気高い目的のために戦った。その目的は今も続いており、悪を繁栄させないという決意を新たにしてる」と述べた。一方、長官は「世界の人々には我々がイラク国民を敵にしているのではなく、イラクの体制と戦っていることをわかってほしい」と語り、今月16日(日本時間同17日)のイラク大規模空爆を機に、アラブ諸国に広まる反米感情に配慮した。
 パウエル長官は26日の解放記念式典に、当時のスコウクロフト米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やシュワルツコフ中東軍司令官など湾岸戦争で多国籍軍を勝利に導いた元同僚らとともに出席した。
 パウエル長官は引き続き、サウジアラビア、シリアを訪れ、両国の首脳と会談、歴訪を終える予定だ。
 一方、イラクのサイド副情報相は26日付け政府系紙で「クウェート政府は米国による占領を祝っているのだ。それはクウェートの損害を大きくするだけだ」と式典を非難した。[2001-02-26-22:00] 162
[このページの最初に戻る]

 02/26@「米国の占領祝う」と非難(共同通信)

 【バグダッド26日共同】二十六日付イラク軍機関紙アルカディシャは、湾岸戦争の終結十周年を記念してクウェートで開催された式典が「米国によるクウェート占領を祝うもの」だとする論説記事を掲載、米軍に基地を提供するクウェート王室の政策を主権放棄として批判した。
 一方、フセイン大統領の長男ウダイ氏が発行するバベル紙は、パウエル米国務長官の中東訪問について「イスラエルとの協力関係を強化し、パレスチナ民衆ほう起の抹殺を目的としている」と指摘した。
 昨年、国会議員に初当選したウダイ氏は最近「クウェートはイラクの不可分の領土」と主張し、イラクの地図にクウェートを掲載すべきだとの意見書を国会に提出した。(了)[2001-02-26-20:52] 163
[このページの最初に戻る]

 02/26@<モルドバ>共産党が第1党 親ロシアの政策展開へ(毎日新聞)

 【モスクワ26日石郷岡建】モルドバの中央選挙管理委員会は26日、議会選挙(比例代表制、101議席)の投票結果について、共産党が得票率50・2%を獲得し、第1党の座を占めたと正式発表した。共産党の獲得議席は議会の3分の2を超える見込みで、共産党絶対支配の政権が誕生する。ソ連崩壊後に独立した共和国で共産党が政権に復帰したのは初めて。モルドバの独立以来の反露・民族自主路線は完全否定され、親ロシアの政策展開は必至となった。
 中央選管の発表では、共産党に継ぎ、議席を獲得したのはルチンスキー現大統領支持の「ブラギシュ連合」(代表・ブラギシュ首相)13・45%とキリスト教民主人民党8・18%だけだった。スネグル元大統領率いる「再生と合意の党」やディヤコフ国会議長率いる民主党などの政党は軒並み、得票率6%に達せず、議席を失った。
 この結果、101議席の内訳は共産党70―71、ブラギシュ連合19―20、キリスト教民主人民党11議席になる見込みで、共産党は憲法改正、大統領選出を含めあらゆる法案を可決できる立場を獲得した。
 共産党は選挙中の公約として、ウォローニン委員長の大統領選出、ロシア語の公用語化、ロシア・ベラルーシ連合の加盟などを訴えており、ロシア傾斜の政策が拡大するのは確実と見られている。
 モルドバの人口構成はルーマニア系のモルドバ人65%、ロシア系(ウクライナを含む)35%。ソ連崩壊後はルーマニア系住民の民族主義の高まりから脱ロシア・親ルーマニアの独立路線が打ち出された。だが、ロシア系住民の多い地区が分離独立を宣言し、泥沼の軍事衝突に発展。また、市場経済導入に伴なう犯罪・腐敗の急増で、ルーマニア系住民でさえ、ロシアとの関係強化を叫ぶ共産党に投票する結果になった。[2001-02-26-20:50] 196
[このページの最初に戻る]

 02/26@<クウェート>イラク占領解放10周年記念式典始まる=替(毎日新聞)

 【カイロ26日小倉孝保】イラク占領からのクウェート解放10周年を祝う記念式典が25日、クウェート市で始まった。ブッシュ元米国大統領やサッチャー元英国首相ら湾岸戦争(1991年)当時、多国籍軍を率いた各国の指導者が招待され、改めて解放を祝った。当時、米国の統合参謀本部議長を務めた中東歴訪中のパウエル米国務長官も同日夜、クウェート入りした。
 クウェートは90年8月2日、イラクからの侵攻を受けた。サウジアラビア防衛とクウェート解放を目的にした米軍を中心とする多国籍軍との間で翌年1月、湾岸戦争がぼっ発。2月26日、クウェートが解放された。
 クウェート政府は今でも、605人のクウェート人がイラクの捕虜になったまま行方が分からないとして、イラクに釈放を要求。クウェートはこの問題が解決しないまま解放を祝うことはできないとの立場から、これまで祝賀式典を開いてこなかったが、10年の区切りに当たるため初めて式典を開いた。
 式典はサアド首相(皇太子)による国旗掲揚で始まった。勝利を祝う伝統舞踊などが繰り広げられ、招待されたブッシュ元大統領夫妻や英国のサッチャー、メージャー両首相経験者などがクウェートの解放を祝った。解放の日にあたる26日も引き続き、さまざまな祝賀式典が行われる。
 クウェート入りに先立ちパウエル長官はアンマンでアブドラ・ヨルダン国王と会談し、中東和平情勢やイラク問題について意見交換した。アンマンからの報道によると、国王は国連の対イラク制裁の解除とイラクの主権尊重を求めた。国務長官は中東和平実現に向けて米国が引き続き努力することを約束した。
 AFP通信によると、長官は到着後、地元テレビ局に対し「あの災いが繰り返されることはない。クウェートには友邦も同盟国もある。サダム(フセイン・イラク大統領)は大げさにしゃべっているだけ。クウェートは今後もずっと自由だ」と強調した。26日は解放式典に出席するほか、クウェート政府幹部とブッシュ新政権の対イラク政策などについて協議する。[2001-02-26-12:35] 200
[このページの最初に戻る]

 02/26@<ロシア軍>日本領空侵犯は核戦争を想定した軍事演習か(毎日新聞)

 【モスクワ26日石郷岡建】北海道・礼文島北の日本領海上空で今月14日、ロシア空軍機が領空を侵犯した事件は、ロシア軍が核戦争を想定して実施した大規模な軍事演習の一環だった可能性が強まった。ロシアの「独立新聞」が24日付で演習の詳細を暴露した。同紙は、米本土ミサイル防衛(NMD)構想を進める米政府に警告を発し、ロシア軍が核戦力で対抗できる能力を誇示する狙いがあったと論評している。
 報道によると、この演習はクワシニン参謀総長の指揮下、軍事紛争が戦略核ミサイルの応酬に発展したとのシナリオで、2月13日から16日まで行われた。
 極東地域では、スホイ27戦闘機に護衛されたツポレフ22爆撃機が宗谷海峡方向へ出動した。太平洋に展開する空母艦隊への打撃が目的とされ、日本領空侵犯はこの時点で起きたものとみられる。同時に西方では戦略爆撃機ツポレフ160が2機、ノルウェー沿岸から北海海域へと出動。ノルウェーと英国の戦闘機が緊急出動する騒ぎになった。
 戦闘が拡大し、核兵器の限定使用から大量使用へと移ったとの想定で、ミサイルによる報復攻撃の演習を引き続き実施。ロシア北部のプリセツク・ロケット基地から最新鋭の大陸間弾道ミサイル「トーポリ」が、バレンツ海に展開する潜水艦からも大陸間弾道ミサイル(名称不明)が発射された。いずれもカムチャッカ沖の海上に打ち込まれた。
 さらに最終段階として、給油機イリューシン78とともに巡航ミサイル配備の偵察機ツポレフ95が北極を越えてカナダ方向に飛ぶ演習を行い、同時に他の空軍機が一斉にミサイルを発射する訓練を行った。
 演習は「想定した敵軍対象をすべて破壊し、勝利した」と評価されたという。
 ロシア軍は、この演習を秘密にしているが、13日から16日にかけて世界各地でロシア空軍機の領空侵犯騒ぎが頻発したうえ各軍のミサイル実験が相次いだ事実があり、同紙の報道と符号する部分が多い。[2001-02-26-10:20]
[このページの最初に戻る]

 02/27@<NATO>アルバニア系武装組織の活動拠点を狭める=替(毎日新聞)

 【ブリュッセル27日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)の特別外相理事会が27日、ブリュッセルのNATO本部で開かれた。ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部でアルバニア系武装組織がテロ活動を行っている問題で、活動拠点である幅5キロの緩衝地帯を狭くすることで一致した。
 NATOとユーゴは、空爆が終了した一昨年6月に結んだ軍事協定の中で、ユーゴ部隊のコソボ自治州からの撤退と共に、同州境の北側5キロを緩衝地帯を設置。コソボに駐留する国際治安維持部隊(KFOR)は州内に活動を限られ、セルビア側も緩衝地帯には入れないため、周辺に住むセルビア人を狙ったテロ活動が昨年秋から頻発している。
 NATOとユーゴ側が合意すれば、KFOR主導にセルビア部隊が参加する新たな協力体制で緩衝地帯の管理に当たる見通しだ。
 また就任後、初めて理事会に出席したパウエル米国務長官は、米本土ミサイル防衛(NMD)構想への理解を改めて同盟国に求めた。欧州側は先週、ロシアから提案があった共同ミサイル防衛構想に対しても距離を置いており、米露のミサイル防衛競争に巻き込まれたくないのが本音だ。[2001-02-27-22:40] 6
[このページの最初に戻る]

 02/27@大阪市の入院先からユーゴ人逃亡 8カ月間絶食し治療中(共同通信)

 窃盗などの罪に問われたユーゴスラビア国籍のズタラブコ・ラドニッチ被告(37)が、約八カ月間絶食を続けた末、治療のため拘置を解かれたすきに、入院先の大阪市内の病院から逃亡していたことが二十七日までに分かった。大阪地検は妻らが手助けしたとみて行方を追っている。
 同地検などによると、ラドニッチ被告は、窃盗団の一人として昨年五月の逮捕以降、牛乳などの水分以外はほとんど口にせず、大阪拘置所がチューブで胃に食物を送り込む措置などを取ったが、チューブを引き抜いて抵抗した。
 医師の診断により同地検は今年一月、拘置停止を申し立て、大阪地裁が認めた。その後、拘置所近くの病院に入院したが、二月十二日に病院から姿を消したという。一人で歩く体力はなかったとみられ、入院先近くのホテルに宿泊していた妻らが逃亡を手助けしたらしい。
 絶食については「宗教上の理由」としていた。同地検幹部は「当初から逃亡が目的だったとしか考えられない。体力が落ちており逃げ出せるとは思っていなかった。しかし、命を落とす寸前までやるとは…」と話している。
 同被告は、大阪市などの宝石店からダイヤなど約四千五百万円相当を盗んだなどとして、四回にわたり起訴され、公判中だった。(了)[2001-02-27-20:38] 7
[このページの最初に戻る]

 02/27@<EU外相理事会>パレスチナ自治政府に6000万ユーロ拠(毎日新聞)

 【ブリュッセル27日森忠彦】欧州連合(EU)の外相理事会が26日開かれ、中東情勢やバルカン問題などを協議。中東に関して和平の早期実現を促すためのパレスチナ自治政府への短期支援策として6000万ユーロ(約64億円)を拠出することで合意した。
 またバルカン問題ではユーゴすらビア連邦セルビア共和国南部でのアルバニア系過激派による武力行使に対応するため、コソボに派遣しているEU紛争監視団を増員することを決めた。[2001-02-27-18:55] 8
[このページの最初に戻る]

 02/27@<コソボ紛争>マケドニア国境地域に拡大(毎日新聞)

 【ウィーン日27福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部と同共和国コソボ自治州東部の境界地域で続いている紛争が26日、コソボ南側のマケドニア国境地域に広がった。マケドニアは人口210万人のうち、3分の1以上がアルバニア系で、コソボ紛争の飛び火を恐れている。
 マケドニアからの報道によると、26日午後(日本時間27日未明)、北部国境地域のタヌシェビチ村で巡視していた軍と警察の合同部隊がコソボ側から突然砲撃を受けた。同部隊は反撃し、銃撃戦は2時間以上続き、同国境地域での初の本格的衝突となった。
 マケドニア内務省によると、同国境地域コソボ側では先週、昨年結成されたばかりの「国家解放軍」と呼ばれるゲリラ20〜30人の行軍が確認されており、コソボ内のアルバニア系ゲリラ組織がマケドニア側への攻勢をうかがっているとみられる。同地域の不安定化に伴って、アルバニア系住民約300人(マケドニア人)がコソボ側のデベルデ村に避難しているという。[2001-02-27-18:55] 10
[このページの最初に戻る]

 02/27@NMD計画への支持要請 米国務長官がNATOへ(共同通信)

 【ブリュッセル27日共同】北大西洋条約機構(NATO)特別外相理事会が二十七日、ブリュッセルで開かれ、初参加のパウエル米国務長官が米本土ミサイル防衛(NMD)計画などに関するブッシュ政権の取り組みを説明する。
 長官はイランや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの核・ミサイル開発による「脅威」を前提に計画の必要性を訴え、同盟国の支持を取り付けながら配備を進める方針をあらためて強調。ロシアは先週、NMDの対案となる欧州戦域ミサイル構想をロバートソンNATO事務総長に示しており、欧州を舞台にしたミサイル防衛論議がさらに活発になりそうだ。
 NATO加盟国高官によると、長官は「二十一世紀のNATO同盟に関する米国の考え」と「今後数年間でNATOに求められる取り組み」を示し「NATOが対欧州関係の基本的なきずな」であると力説。
 NMDのほか@ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部における民族衝突の収束策A欧州連合(EU)が二○○三年までの創設を目指している緊急対応部隊BNATOの第二次拡大―で米国の立場を表明。
 理事会と並行し、英国、フランスなどの外相とイラク空爆などで意見を交換し、その後、EUのプローディ欧州委員長らと中東情勢を話し合い、帰途に就く。(了)[2001-02-27-16:14] 12
[このページの最初に戻る]

 02/27@◇クロアチア元副大統領に懲役25年 ユーゴ戦犯法廷◇(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時の住民虐殺で、人道に対する罪などに問われたクロアチア人共和国のダリオ・コルジッチ元副大統領(40)に対し、旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は26日、懲役25年の判決を言い渡した。大物政治家に対する判決は同法廷で初めて。
 判決によると、コルジッチ被告は1993年、モスレム人住民100人以上が殺害され、家が焼かれたアーミッチ村虐殺を命令した。[2001-02-27-10:11] 13
[このページの最初に戻る]

 02/27@◎徴兵拒否者3万人に恩赦=アルバニア系服役囚も−ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン26日時事】ユーゴスラビア連邦上下両院は26日、北大西洋条約機構(NATO)軍による1999年の空爆中、徴兵を拒否して訴追された若者約3万人と、ミロシェビッチ前政権下で投獄されたコソボ自治州のアルバニア系住民約100人に恩赦を与える法案を賛成多数で可決した。 [時事通信社][2001-02-27-08:49] 15
[このページの最初に戻る]

 02/27@「格差」抱える日本に難題 財政に比べ劣る人材の貢献(共同通信)

 【ジュネーブ26日共同】国連の難民高等弁務官に就任したばかりのルベルス氏は二十六日、日本に対し人材拠出を中心とする支援強化を明確に打ち出した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への財政負担と人材面の貢献で「格差」がある日本にとっては難題といえる。
 UNHCRによると、日本は二○○○年を通じUNHCRの総予算約七億四百万ドル(約八百十七億円)の一四%強に当たる約一億ドルを負担した。これに対し、専門スタッフの数は計千二百七十二人のうち四%強の五十五人にすぎない。
 こうした違いが生じる背景には@日本国内に比べて給与面での利点がないA契約期間を終えて帰国しても以前の職場に戻れるとの保証がない―など、日本人が国連機関で働く際の共通の悩みがある。ルベルス氏が併せて積極参加を要請した非政府組織(NGO)でも、同様の問題を抱えている。
 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の際に防弾チョッキ姿でサラエボを視察し、強烈な印象を国際社会に与えた緒方貞子氏は去った。冷戦後に多発する地域紛争の「副産物」ともいえる難民問題に日本がどうかかわっていくかが問われている。(了)[2001-02-27-08:15] 17
[このページの最初に戻る]

 02/27@<ヨーロッパ奔流>移民選別の流れ 「人間」の価値混乱(毎日新聞)

 イタリア北東部の町リミニ。美しいアドリア海に面した町は10年ほど前から「街娼の町」という不名誉な呼び名に悩んでいる。対岸のアルバニアから渡ってきた女性たちが街路に20メートル間隔に立って客を呼びこむ。女性たちの背後にはマフィアがいる。
 地元のカトリック教会のオレステ・ベンツィ神父(75)が中心となって女性たちを救う運動を続けている。すでに300人近くの女性をマフィアの手から解放した。しかし、イタリアの長い海岸線には次々と密航船が到着して女性たちが流れ込んでくる。
 イタリア経済の2割の富を動かすマフィアにとって不法移民も大きな資金源となる。ベンツィ神父は「移民を非合法化しているからマフィアが暗躍して女性を犯罪に使う。看護婦などの不足している職業もあるのだから移民を合法化すべきだ」と言う。
 ◆  ◆  ◆
 西欧各国は石油危機の1970年ごろから労働力を補う合法移民をストップしている。しかし、昨年から風向きが変った。欧州連合(EU)のブリュッセル本部が「一定の移民は必要である」と加盟国政府に呼びかけている。背景には好調な欧州経済と高齢化による労働者不足がある。
 ただし、元イタリア首相のプロディ欧州委員長は「質の高い移民が必要だ。社会的に経済的に質の多会高い移民は問題を起こさない」と移民の選別を認める。財力や技術や知識を持つ者は歓迎するが、貧しく能力のない者は排除する。要塞化した欧州の門前で来訪者の「振るい落とし」を始めるつもりだ。
  ◆  ◆  ◆
 人道的に保護しなければならない難民も排除するのか。英国のストロー内相は「もはや難民も区別しなければならない。就労目当ての経済難民は入国を断わる」と主張する。1951年に国連が採択した「難民の地位に関する条約」を内相は「時代に合わない条約」と言い切る。
 「迫害を受けた外国人は保護しなければならない」という崇高なモラルを掲げた難民条約。人道主義や人権主義は欧州が誇りにしてきたはずだ。しかし、欧州各国政府は「難民を偽装する者に人道主義は適用しない」と難民として保護を求める外国人にも厳しい目を向け始めている。
 今月中旬にフランスの海岸に漂着した密航船には約900人ものイラク系クルド人が乗り込んでいた。仰天したのは仏政府だけではない。クルド人たちが「英国移住を希望している」と報道されると、あわてた英政府は仏政府に「英国に来させるな」と要求した。
  ◆  ◆  ◆
 移民や難民に対する欧州の混乱は統合に向かうはずの欧州の将来像の混乱が影響している。国家権限をなくして連邦を築くのか、それとも国家群の緩い連合体にとどめるのか。政治家たちは答えが出せないまま、マネー、モノ、人の自由な移動という経済界の要請だけが国境を越えていく。
 「高級な移民は受け入れる」という考えは人間を商品化して移動させる経済的要請だ。しかし、「難民を保護する」という考えは人間を商品ではなく「尊厳ある人間」として扱うことを意味する。将来の国家や国民の定義が定まらない欧州に「人間」に対する価値基準の混乱が生じている。
  ◆  ◆  ◆
 今年前半のEU議長国スウェーデンのクリングバル社会問題担当相は「移民問題を欧州各国で法律的に調整することも必要だが、外国人に対する各国国民の意識の差異をなくす必要がある」と指摘する。
 奔流のような経済のグローバル化が進み、移住社会が独自の展開を繰り広げる中で、欧州はどこに向かうのか。「欧州人とは何か」という疑問に答えられないまま外国人に向き合ういらだち。流されているのは移民や難民だけではない。欧州市民も行き場を求めて漂っている。[2001-02-27-00:15] 51
[このページの最初に戻る]

 02/27@<記者の目>えひめ丸事故 米訴訟社会が壁?文化の違いで済(毎日新聞)

 ハワイ・オアフ島沖で米国の攻撃型原潜「グリーンビル」が日本の実習船「えひめ丸」に衝突、沈没させた事故は、米国民をもあきれさせたばかりか、憤慨させた。とりわけ、民間人を体験ツアーとして原潜に搭乗させたことが、事故に影響を与えたと報じられてから米国民の海軍批判は高まりをみせた。冷戦終結で存在意義を問われる原潜による事故だけに、行方不明者の家族の心情を考えると余計にむごさを感じる。「海軍はなんという税金の無駄使いをしているのか」と憤る声さえ聞かれる。
 事故原因は、ずさんな指揮・操船という一語に尽きるが、背後では冷戦後に潜水艦部隊がたどった運命が密接に絡んでいるように思える。冷戦が崩壊し、旧来からの敵を失ったのに、何のために海洋戦略が必要なのかと問われ続けた末、必然的に起きた事故とも感じる。
 現在、トマホーク搭載の攻撃型原潜は「クリーンビル」などロサンゼルス級51隻、新型のシーウルフ級3隻が就航している。冷戦が終結した直後の1990年の93隻からみれば、減少しているが、76年に最初に就航したロサンゼルス級原潜の任務が、長距離ミサイルを搭載する旧ソ連などの戦略ミサイル原潜への攻撃だったのだから、冷戦崩壊で「お役ご免」になるのは自然の成り行きだった。
 ところが、海軍は92年秋に新戦略「海洋から」をまとめ、海上から地域紛争に関与することで存在基盤の確保を目指した。国防総省が97年に発表した4年後ごとの戦略見直し(QDR)では、朝鮮半島と中東でほぼ同時に起こる地域紛争に対処できる「2正面戦略」を堅持したが、攻撃型原潜の適正規模は50隻で十分、との報告が出され、議会やホワイトハウスから予算削減圧力も加わっていた。
 今回の事故で問題化した民間人の搭乗にしても、海軍が予算を確保するため、原潜の存在意義をPRしようと慣例化してきた体験ツアーが仇となったわけである。事故原因には軍の規律のゆるみや原潜内の指揮系統のゆがみなども指摘されているが、期待されない潜水艦部隊の組織内部に問題が生じるのも当然だったのかもしれない。
 ブッシュ大統領は米本土ミサイル防衛(NMD)構想などに重点を置く体制に切り替える方針をとっているため、ミサイル防衛構想に含まれない潜水艦部隊の存在意義の一層の低下は避けられないだろう。今年9月にもまとまる01年のQDR、夏前にラムズフェルド国防長官が発表予定の新戦略見直しでは「2正面戦略」にこだわらず、ミサイル防衛重視の姿勢が鮮明になると予想され、潜水艦部隊を含めた海軍は、組織の再編を迫られる可能性も出ている。
 こうした背景があるにせよ、米側は徹底した原因究明をしなければならないのは当たり前のことである。ただ、最近、ワシントン在住の海軍専門家から気になる話を聞いた。事故原因に関しては国防総省にさえ「原潜が100%悪い。責任は艦長にある」との認識があるにもかかわらず、今後、査問会議などの「法廷の場」で行方不明者の家族らの感情を逆なでする展開もあり得るとの懸念が出始めているというのだ。
 デュー・プロセス(正当な法手続き)を重視する米国社会を反映し、原潜のワドル前艦長は敏腕弁護士をつけて自らの人権を擁護するとみられているからだ。国防総省関係者は「(査問会議などでは)事故原因が個別手続きの細部に及ぶ余り、統括する立場の艦長の責任があいまいになる可能性もある」と指摘し、知日派の元国務省職員は「艦長の罪が明確にならない場合、日本側の対米感情は本当に悪化するだろう」と早くも心配している。
 裁判で決着した大統領選を持ち出すまでもなく、裁判でシロ・クロをつける米国社会をみると、いったん舞台が「法廷」に移れば、被告の立場の艦長は謝罪はしても原因や責任に関しては自己弁護してもおかしくない。訴訟万能社会の米国とはいえ、これほどのむごい事故が「日米間の文化の違い」という理由で、日本側からみて納得のいかない原因追求しかできないならば、あまりに不幸である。
 ブッシュ政権は国内の世論と日本に配慮を示し、民間人が艦船などの操縦に関与することを当面、禁ずる暫定措置を出した。ブッシュ大統領は政府特使としてファロン海軍作戦副部長を日本に派遣し、27日に森喜朗首相に、米側が完全な調査と船体引き揚げにあらゆる努力をすることを直接説明した。
 こうした米側の対応にもかかわらず、23日付のニューヨーク・タイムズ紙は東京発で「米国は重要な同盟国との状況を大きく変えてしまった」と指摘し、今後の日米同盟関係を不安視する見方を示した。発足して1カ月余のブッシュ政権が日本との本格的な政策協議を始める前に起きた「不幸な事故」(ブッシュ大統領)は、慎重に対応しなければ、国民レベルの「草の根同盟」を大きく揺るがすことになりかねない。【北米総局・清宮克良】[2001-02-27-23:55] 52
[このページの最初に戻る]

 02/27@タリバンが彫像破壊令、バーミヤン石仏ピンチ(読売新聞)

 【ニューデリー27日=佐藤浅伸】アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者ムハンマド・オマル師は二十六日、布告を出し、偶像崇拝を禁じるイスラム法(シャリーア)に反するとして、仏像など国内のすべての彫像を破壊するよう命じた。タリバンのラジオなどが伝えた。同国中部バーミヤンの二大石仏など貴重な文化遺産も破壊の対象になるとみられ、ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)は同日、タリバンに対し、文化遺産の保護を求める緊急声明を発表した。
 オマル師は布告で「(イスラム教で神を意味する)アラーだけが崇拝に値する」と述べた。また、二十七日には通信社を通じて発表した声明で「まず何よりイスラムの歴史に目を向けなければならない。破壊するのはただの石に過ぎない」と語り、イスラム教興隆以前の歴史は無価値だとの考えを示した。
 シルクロード交易上の重要な位置を占めてきたアフガニスタンでは、かつて仏教が栄え、バーミヤンには約千の仏教石窟(せっくつ)が残る。中でも四―六世紀に作られた高さ五十五メートルと三十八メートルの二つの大仏立像は世界的に有名。
 タリバンは一九九七年四月、このバーミヤンの大仏の爆破を予告、九八年九月には三十八メートルの大仏に砲弾を撃ち込み、頭部などを損傷させた経緯がある。タリバンは国際テロの内幕とされるオサマ・ビンラーデン氏の引き渡しに応じないため、国連制裁も強化されており、仏像の破壊まで実行すれば、国際的な非難にさらされるのは必至だ。[2001-02-27-23:43] 53
[このページの最初に戻る]

 02/27@中国、米の人権問題批判に強く反発(読売新聞)

 【北京27日=杉山祐之】ブッシュ米政権が二十六日、中国の人権状況悪化を指摘する報告書を公表、国連人権委員会に対中非難決議案を提出する方針を決めたことに対し、中国は二十七日、強い反発を示した。今年、北京五輪招致、上海でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の成功を重要目標とする中国にとり、決議案提出は重い打撃となる。米中関係は今後、波乱含みの展開になりそうだ。
 中国外務省報道官は二十七日の定例記者会見で、米側の報告書、決議案提出について、「人権問題を口実にした内政干渉であり、断固反対する。自国を棚に上げ、他国を非難するダブルスタンダードだ。内政干渉停止を求める」と述べた。
 国務院新聞弁公室は同日、米報告書の公表を受けて「二〇〇〇年米国の人権記録」と題する長文を発表、米国内での銃犯罪の横行、人種差別などを批判した。[2001-02-27-23:40] 55
[このページの最初に戻る]

 02/27@トルコがクルド語の教育・放送を解禁(読売新聞)

 【イスタンブール27日=桜井考二】二十七日付のトルコ各紙によると、同国の最高意思決定機関、国家安全保障会議は二十六日、トルコの欧州連合(EU)加盟への道筋を示した「国家計画」を承認した。同計画は「他の言語による放送や教育の実施にあたって、障害をすべて取り除く」との表現で、少数民族クルド人が使うクルド語の放送や教育を初めて認めた。
 トルコ(人口約六千五百万人)には、クルド人が一千万人から千五百万人住んでいると言われるが、トルコ政府はクルド人の存在をこれまで公式に認めていない。また、一九八〇年代後半から、クルド語の音楽テープや出版物が出回るようになったものの、クルド語による放送、教育は固く禁じられてきた。
 今回の解禁措置は、トルコがEU加盟候補国になり、国内諸制度をEUの基準に合わせる必要が生じたためとみられるが、計画には、クルド語放送の実施時期などは明示されておらず、EU向けのアピールに過ぎないとの見方もある。[2001-02-27-22:36] 57
[このページの最初に戻る]

 02/27@スーダン反政府軍、少年兵2600人を解放(読売新聞)

 【ジュネーブ27日=大内佐紀】国連児童基金(ユニセフ)のキャロル・ベラミー事務局長は二十七日、ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、スーダンの反政府軍が同日までに、二千六百人の少年兵をユニセフに引き渡したことを明らかにした。
 少年兵は八歳から十八歳で、いずれも反政府軍「スーダン人民解放軍」(SPLA)に所属し、実戦に参加していた。
 同事務局長は「なぜSPLAがこの時期に二千六百人を我々に委ねたのか、その真意はわからない」としながらも、「歓迎すべき一歩で、これにならう紛争当事者が続くことを期待する」と述べた。[2001-02-27-21:56] 58
[このページの最初に戻る]

 02/27@<中東歴訪>パウエル米国務長官にイラク問題などの試練=替(毎日新聞)

 【カイロ27日布施広】パウエル米国務長官は26日、シリア訪問を最後に中東歴訪を終えた。ブッシュ政権の新たな中東政策を模索する旅だったが、アラブ世界では窮乏するイラク国民への同情が目立ち、「イラク封じ込め」政策の維持が容易ではないことを浮き彫りにした。一方、パレスチナ和平は交渉再開への糸口さえ見出せず、中東での影響力を保ちたい米国は、対イラク政策と中東和平の両面で試練の時を迎えている。
 パウエル長官は歴訪の中で、フセイン・イラク大統領が「自分の誤りを悟るまで」封じ込め政策を続ける意向を表明したが、一方では国連の対イラク制裁体制の見直しに柔軟姿勢を見せた。イラクの大量破壊兵器開発の脅威を力説した長官に対し、米国の同盟国エジプトでさえ「(イラクの)脅威は感じない」(ムーサ外相)と明言している。10年前、統合参謀本部議長として湾岸戦争を戦った長官は、アラブの風向きの変化を痛感しただろう。
 このためブッシュ政権は、アラブ世界の離反を防ぐため、イラク国民より政権に打撃を与える制裁体制の考案を迫られている。しかし、独裁国家への制裁が、多かれ少なかれ庶民に犠牲を強いるのは自明で、「制裁の全面解除」を求めるイラクが、新たな形態の制裁発動を承知するかどうかという問題もある。
 一方、パウエル長官の歴訪は、パレスチナ自治区で激しい反米デモを引き起こし、パレスチナ和平の仲介者たる米国への不信と憎悪を浮き彫りにした。強硬派のシャロン次期イスラエル首相との会談で、長官が米・イスラエルの「岩のように固い団結」を確認したことへの反感も根強い。長官の訪問を境に、パレスチナの先行き不透明感はむしろ強まった印象もある。[2001-02-27-21:55] 63
[このページの最初に戻る]

 02/27@◇米国の対中国人権非難決議案、国連人権委に提出へ◇(朝日新聞)

 米国務省は26日、中国の人権状況を非難する決議案を、来月19日からジュネーブで始まる国連人権委員会に提出すると発表した。世界の昨年の人権状況をまとめた年次報告書も同日公表し、「中国の人権は一層、悪化している」と指摘。クリントン前政権がほぼ毎年出した決議案を、ブッシュ政権も引き継ぐ形で人権改善の圧力をかけることを決めた。米議会では、改善が見られない場合、2008年の北京五輪招致に反対する決議案を出す動きも出ており、今後も尾を引きそうだ。
 人権報告書は昨年の中国で「おびただしい件数の深刻な人権侵害が続いた」と指摘。とくに気功集団「法輪功」の取り締まりでは、「100人以上が拷問などで死亡、数千人が投獄されたまま」との情報を挙げ、「国際的な人権規約を広範に破っている」としている。
 米政府は1989年の天安門事件後、91年と98年をのぞいて毎年、決議案を出したが、採択されたことはない。パウエル国務長官は1月の就任のための議会証言で、決議案の判断は「現時点の最優先課題だ」と表明。効果が疑問視されている決議案を続けるか、新たな改善策を模索するか論議は続いたようだ。
 結局、提出を決めた最大の理由は、中国を「ライバル」と位置づけたブッシュ政権が、初っぱなから決議案を引っ込めては、「新政権は人権への関心は薄いという誤ったシグナルを対外的に送りかねない」(リバソール元国家安全保障会議アジア上級部長)からだとみられる。
 だが決議案が、強硬姿勢に走る布石かと言えば、必ずしもそうは見られていない。政権との協議に参加した人権団体幹部は「議会との取引の産物」とみる。
 下院外交委員会の民主党幹部が提案を準備している五輪招致反対決議案は、もし可決されれば、中国が激しく反発するのは必至。団体幹部は「それを避けるために、政府はガス抜きを狙って国連決議案を選んだのではないか」と話す。
 イラクへの中国の軍事協力疑惑もあって米中間にさざ波が立つ中、中国側は今月、朱啓禎、李道豫両元駐米大使らを相次いで米国に派遣した。3月下旬に予定される銭其シン副首相の訪米準備が目的とされるが、両氏らはワシントンの前にヒューストンを訪れ、中国となじみの深いブッシュ元大統領と面会した。
 現在訪米中なのは、周明偉・国務院台湾事務弁公室副主任で、今年の米国から台湾への武器売却リストをめぐる折衝を続ける方針。この日の人権決議案をめぐる決定は、新政権にとってはむしろ序盤戦で、当面の最大の試金石は4月の同リスト決定で、台湾のミサイル防衛網を拡充するイージス艦売却を決めるかどうかだと見られている。[2001-02-27-21:22] 67
[このページの最初に戻る]

 02/27@<中国>報告書で米国の人権状況を厳しく批判 (毎日新聞)

 【北京27日浦松丈二】中国政府は27日、「2000年米国の人権記録」と題した長文の報告書を発表し、米国の人権状況を厳しく批判した。米国務省が中国の人権状況の悪化を指摘した2000年版「人権報告」への反論として出されたもので、米国が気功集団「法輪功」への取り締まりなどで対中人権批判を強めていることに反発した。
 「米国の人権記録」は、米国の人権状況について(1)暴力事件の続発(2)不公正な法制度(3)貧富の格差(4)人種差別――などを列挙。さらに開票が混乱した昨年の米大統領選挙を挙げて「米国の民主主義は神話にすぎない」とこきおろした。
 また米国が国連人権委員会への対中非難決議案の提出を決めたことについて中国外務省の章啓月・報道局副局長は27日、「中国国民は人権問題に名を借りた内政干渉に強く反対する。米国は人権批判をやめて対話の場に戻ることを望む」と述べた。
 さらに中国政府の「邪教(カルト)問題弁公室」責任者は「法輪功によって死亡したメンバーはすでに1660人に達している」と発表した。法輪功の焼身自殺事件の背景を明らかにして「邪教の本質をすでに暴露している」と批判した。[2001-02-27-21:00] 75
[このページの最初に戻る]

 02/27@どうなるバーミヤンの大仏 国連は懸念、タリバン強気(共同通信)

 【ニューデリー27日共同】アフガニスタンの国土の大半を支配するイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者ムハマド・オマル師が、偶像崇拝を認めないイスラム教の教えに反するとして仏像などすべての彫像の破壊を命じる布告を二十六日に出し、同国の豊かな文化遺産の行方に国際的な懸念が広がっている。
 命令が実行されると、六世紀から九世紀にかけ建立されたとされ、世界的に知られる同国中部の仏教遺跡バーミヤンの石窟(せっくつ)群の大仏立像が破壊されかねないからだ。
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)はこのニュースが伝わると、即座に声明を発表。長い歴史を持つ貴重な文化遺産の破壊をやめるよう、タリバン政権やアフガニスタン国民に訴えた。
 仏教国のスリランカ政府も二十七日、「事実とすれば極めて深刻な問題で憂慮している」と強調。イスラマバードの日本大使館も、事実を確かめた上でタリバン政権の在イスラマバード大使館を通じて、破壊を思いとどまるよう働き掛ける方針だ。
 ただオマル師は二十七日も「イスラムの教義貫徹を最重視している。決定は聖職者と最高裁の要求に基づいて下した」とあらためて語るなど、強気の姿勢を崩していない。国連制裁の強化など、国際的孤立が進んでいることが、同政権を逆に極端な行動に追いやっている側面もありそうだ。
 仏教が世界各地に広がる「分岐点」だったバーミヤンの石窟群は、高さ約五十五メートルと約三十八メートルの二つの大仏立像で知られ、うち三十八メートルの立像は、タリバンの砲撃による頭の部分の破壊が、専門家らの調査で既に確認されている。(了)[2001-02-27-19:04] 76
[このページの最初に戻る]

 02/27@<EU外相理事会>パレスチナ自治政府に6000万ユーロ拠(毎日新聞)

 【ブリュッセル27日森忠彦】欧州連合(EU)の外相理事会が26日開かれ、中東情勢やバルカン問題などを協議。中東に関して和平の早期実現を促すためのパレスチナ自治政府への短期支援策として6000万ユーロ(約64億円)を拠出することで合意した。
 またバルカン問題ではユーゴすらビア連邦セルビア共和国南部でのアルバニア系過激派による武力行使に対応するため、コソボに派遣しているEU紛争監視団を増員することを決めた。[2001-02-27-18:55] 88
[このページの最初に戻る]

 02/27@<イラク>外相らが国連を訪問、アナン事務総長らと協議開始(毎日新聞)

 【ニューヨーク26日上村幸治】イラクのサハフ外相は26日、イラク政府代表団を率いて国連を訪問し、アナン事務総長らと2日間の予定で協議を始めた。この日の協議では、アナン事務総長が国連による大量破壊兵器の査察を受け入れるよう要請したのに対し、イラク側は拒否した。ただ、サハフ外相は記者団に「われわれは今回の協議後に、さらに何度も話し合いの場を持つことになるだろう」と述べ、今後も国連との話し合いに応じていく姿勢を初めて示した。
 サハフ外相はアナン事務総長と軍縮問題などを話し合った後、記者団に「国連に対し、大量破壊兵器を所有していないことを示す報告書を提出した」と説明、「わが国を査察するなら、大量破壊兵器を持つイスラエルを最初に査察せよ」と主張した。国連といつ新たな協議を行うのか、日程や場所については明らかにしなかった。
 アナン事務総長は、記者団に対し、イラク代表団が国連入りしたことを評価するとともに「協議の雰囲気は良かった。イラク側も、現在の袋小路から抜け出そうと望んでいる」と述べた。[2001-02-27-14:25] 103
[このページの最初に戻る]

 02/27@決議案採択阻止に全力 中国、内政干渉と反発(共同通信)

 【北京27日共同】米政府が国連人権委員会への対中非難決議案提出を決めたことについて、中国政府は「内政干渉」と反発を強め、決議案採択阻止に全力を挙げるとみられる。
 一九九○年以来、米国などが九回にわたって人権委に対中非難決議案を提出したが、いずれも発展途上国を味方に付けた中国の強い反対により、採択には至っていない。
 中国外務省の朱邦造報道局長は十五日の定例会見で「反中決議は人権委の雰囲気を毒し、会議の正常な活動を妨害する」「対抗すれば出口はない」と米国をけん制していた。
 人権問題で、中国は「全国民の発展権や生存権」を重視する独自の「社会主義民主」を主張し「西側民主」の導入は固く拒否。非合法化した気功集団、法輪功についても「邪教」と位置付け、組織撲滅に向けた厳しい取り締まりを続けている。
 一方、各国との対話や交流には前向きで、現在もロビンソン国連人権高等弁務官が中国を訪問中。国際人権A規約(経済的、社会的、文化的権利)については調印以来三年四カ月ぶりに近く批准する見通し。
 国際社会で対中人権批判の空気が強まれば、二○○八年北京五輪の招致に悪影響も与えかねない。この時期のA規約批准は人権委での対中批判をやわらげる狙いがあるともみられる。(了)[2001-02-27-12:04] 112
[このページの最初に戻る]

 02/27@<イラク経済制裁>緩和する方針を明らかに 米政府当局者(毎日新聞)

 【カイロ26日布施広】パウエル米国務長官の中東訪問に随行している米政府当局者は26日、イラクのクウェート侵攻(1990年8月)以来続いている対イラク国連経済制裁を緩和する方針を明らかにした。制裁を解除する品目は今後、米政府と国連が協議するほか、来月開かれるアラブ首脳会議でも話し合われる予定だが、民間需要品だけでなく、軍事用に転用可能な軍民両用物資も一部含まれる見通しだ。
 制裁緩和の方針は、パウエル長官が26日、サウジアラビアとシリアを訪問した際、米当局者が明らかにした。サウジ国営通信は「双方(米・サウジ)が制裁見直しの必要で一致した」と報じた。パウエル長官はアラブ歴訪を通じて、経済制裁の影響を直接受けているイラク国民への同情論が根強いことをあらためて認識し、制裁緩和に傾いたものとみられる。
 米当局者は制裁を緩和する品目について「多くの民間需要物資と一部の軍民両用物資」と述べ、保冷車や化学洗浄施設用器具などの輸出が解除される可能性を示唆した。3月下旬にアンマンで開かれるアラブ首脳会議でも制裁緩和の具体的なプランが協議されるとの見通しを示した。
 対イラク制裁については、多くのアラブ諸国のほかロシア、中国、フランスなどが緩和を求め、制裁堅持を主張する米英などは孤立を深めていた。16日の米英軍のイラク空爆がイラクへの同情論を加速させ、米政府も制裁緩和やむなしの方向に傾いたものとみられる。
 イラクの大量破壊兵器開発を警戒する米政府は、フセイン政権に対し湾岸戦争の国連停戦決議の完全履行を求める一方、庶民の負担をなるべく軽減した「賢い制裁」への移行を検討していた。しかし、イラクは「制裁の全面解除」を求めており、制裁緩和によって、国連の大量破壊兵器査察の再開を受け入れるかどうかは明らかでない。[2001-02-27-10:40] 117
[このページの最初に戻る]

 02/27@◇米国務長官とシリア大統領会談 イラク問題などで隔たり◇(朝日新聞)

 中東歴訪中のパウエル米国務長官は26日夜、中東最後の訪問国シリアを訪問し、アサド大統領と会談した。シリア側情報では、イラク問題のほか、中断したままになっているシリア・イスラエル間の和平交渉再開について意見交換したが、双方の隔たりが目立った。
 シリア筋によると、アサド大統領は約1時間の会談で、イラク問題について「10年にわたる制裁は解除されるべきだ。我が国は隣人との経済関係を強化したい」と述べ、イラク制裁強化を求める米国と真っ向から対立。シリア・イスラエル和平交渉については、「和平と土地の交換」原則や占領地の返還などを求める国連安全保障理事会決議に基づく必要性を強調、「再開に向けて米国が中立的な役割」を果たすよう求めた。
 パウエル長官はシリア滞在中、記者団との会見などには応じなかった。
 長官同行筋は同日、同行記者らに対し、「3月下旬に開かれるアラブ連盟首脳会議までにイラク制裁の修正問題でアラブ諸国から何らかの合意を取り付けたい」と述べた。米国は、なし崩し状態にある現在の制裁に代わって、フセイン政権に標的に絞った新たな制裁を検討しており、この点で、アラブ諸国から何らかの同意を取り付けたいとの考えを示したものだ。エジプト、シリア、ヨルダンなど主要国はフセイン政権との関係正常化や経済関係の強化に乗り出しており、現状では米国の意向とは大きな隔たりがある。[2001-02-27-10:25] 134
[このページの最初に戻る]

 02/27@人材面での支援強化求める ルベルス高等弁務官が会見(共同通信)

 【ジュネーブ26日共同=藤井靖】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のルベルス高等弁務官は二十六日、緒方貞子氏の後任として一月に就任後初の訪日を前に共同通信とのインタビューに応じ、日本に対し今後@財政負担A人材拠出B非政府組織(NGO)による協力―の三方面で支援を強化するよう求めた。
 また、UNHCRナイロビ事務所の職員が難民の移住で便宜を図る見返りとしてわいろを受け取っていたとされる疑惑について「ほか(の事務所)でも同様の懸念の兆候がある」と述べ、アジアを含む世界規模で包括的な調査に着手する方針を初めて明らかにした。
 ルベルス氏は三月四―七日の予定で訪日し、森喜朗首相らとの会談を通じ、難民支援事業への協力強化を求める方針だ。
 ルベルス氏は、日本が「UNHCRの『所有権』を拡大することを望んでいる」と指摘。緒方氏の在任中は日本の貢献が「目に見える形」で分かったが、これからは特にルベルス氏の下で働く日本人スタッフを増やすことで日本の国際社会に対する貢献度を高めてほしいと強調した。
 その上で、NGOの積極活用を推進するというルベルス氏の構想に沿い、日本がUNHCRの専門スタッフだけでなくNGOによる協力の面でも支援を強化するよう要請した。
 UNHCR運営の基本方針としては「単なる人道支援組織を超えた組織づくり」を目指すと表明。具体的には、各国政府の難民受け入れに対する取り組み強化を働きかける一方、予算制約の中で支援事業の重点化を目指すと語った。(了)[2001-02-27-08:17] 136
[このページの最初に戻る]

 02/27@対イラク制裁で意見対立 米長官、シリア説得に失敗(共同通信)

 【カイロ26日共同】米国のパウエル国務長官は二十六日夜、中東歴訪の最後の訪問地ダマスカスに到着、シリアのアサド大統領と会談した。会談では、国連の対イラク制裁をめぐって双方の意見が対立、長官は対イラク制裁継続の説得に失敗したもようだ。
 パウエル長官は今回の中東歴訪で、対イラク制裁を大量破壊兵器の開発阻止に絞った内容に緩和する考えを示してきたが、外交筋によると、シリア側は、対イラク制裁は解除されるべきだと主張したという。
 会談では、中断状態にある中東和平交渉についても協議。シリアの大統領スポークスマンによると、アサド大統領は和平交渉の仲介役としての米国に「効果的かつ中立的な役割」を求めるとともに、国連決議と「土地と和平の交換」原則に基づいて和平プロセスを進める決意を示した。
 米国側はまた、イラクがシリア経由のパイプラインで石油を密輸しているとの疑惑も取り上げたもようだ。
 長官はこれより先にサウジアラビアを訪問し、ファハド国王やサウド外相らと会談。国営サウジ通信によると、会談後、サウド外相は「イラクに国連決議を順守させる一方で、対イラク制裁を見直し、イラク国民の苦しみを終わらせるための方策を見つける必要性」で合意したことを明らかにした。(了)[2001-02-27-08:15] 138
[このページの最初に戻る]

 02/27@中国の人権状況さらに悪化 米が法輪功の対応など批判(共同通信)

 【ワシントン26日共同】米国務省は二十六日、世界各国の人権状況を分析した二○○○年版人権報告を発表し、気功集団、法輪功などに対する治安当局の取り締まりが続く中国について、人権状況が悪化したと批判した。
 パウエル国務長官はブッシュ大統領に対し、今年も国連人権委員会に対中人権非難決議を提出するよう勧告しており、人権報告を含め今後、中国が米政府の批判に強く反発するのは確実。中国の人権問題をめぐる米中間のやりとりが激化しそうだ。
 人権報告は「中国当局が法輪功メンバー、キリスト教徒、チベット仏教徒に対する激しい取り締まりを強化させるなど、中国の劣悪な人権状況は、今年(二○○○年)になってさらに悪化した」と指摘した。
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)については「宗教の自由が制限され、政治犯も強制労働キャンプに送られるなど、依然世界の中で最悪の部類に属する」と批判した。
 日本に対しては、女性や子供に対する家庭内暴力、アジア地域などから売春目的で女性が人身売買されている問題、さらに少女売春などが人権上の懸念と指摘。また警察官や刑務官が被疑者や受刑者を肉体的、精神的に虐待している例があると報告している。
 軍事政権と民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの直接対話が行われ、米国や欧州連合(EU)なども歓迎を表明したミャンマーについては、スー・チーさんの自宅軟禁や民主派弾圧が続いているとして軍事政権を非難した。(了)[2001-02-27-07:51]
[このページの最初に戻る]

 02/28@◎ユーゴ前大統領、殺人罪で近く逮捕=英紙(時事通信)

 【ロンドン28日時事】28日付の英紙デーリー・テレグラフは、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が殺人罪で近く逮捕される公算が大きいと報じた。
 ミロシェビッチ氏は汚職や権力乱用の罪にも問われるとみられるが、ユーゴ司法当局者は「反対派暗殺指示の事実を立証する方がはるかに容易だ」としているという。
 同氏は旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)で起訴されており、ユーゴ当局は身柄の引き渡しを求められている。 [時事通信社][2001-02-28-17:19] 2
[このページの最初に戻る]

 02/28@<NATO>アルバニア系武装組織のテロ活動拠点狭める=再(毎日新聞)

 【ブリュッセル27日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)の特別外相理事会が27日、ブリュッセルのNATO本部で開かれた。パウエル米国務長官が就任後初めて出席、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部でアルバニア系武装組織がテロ活動を続けている問題について、活動拠点である幅5キロの緩衝地帯を狭くすることで一致した。
 NATOとユーゴは、空爆が終了した一昨年6月に結んだ軍事協定の中で、ユーゴ部隊のコソボ自治州からの撤退と共に、同州境の北側に緩衝地帯を設置。コソボに駐留する国際治安維持部隊(KFOR)は州内に活動を限られ、セルビア側も緩衝地帯には入れないため、周辺に住むセルビア人を狙ったテロ活動が昨年秋から頻発している。
 NATOとユーゴ側が合意すれば、KFOR主導にセルビア部隊が参加する新たな協力体制で緩衝地帯の管理に当たる見通しだ。
 またパウエル長官は、米本土ミサイル防衛(NMD)構想への理解を改めて同盟国に求めた。欧州側は先週、ロシアから提案があった共同ミサイル防衛構想に対しても距離を置いており、米露のミサイル防衛競争に巻き込まれたくないのが本音だ。[2001-02-28-00:20] 6
[このページの最初に戻る]

 02/28@慰安婦問題で意見交換へ 1日から、アジア女性基金(共同通信)

 財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)は三月一、二日の両日「慰安婦問題についてのラウンド・テーブル」を東京都港区の国際文化会館で開く。
 従軍慰安婦に関する各国の研究者が意見を交換するのが目的で、昨年二月以来、二回目の開催。
 昨年十二月、日本とアジアの非政府組織(NGO)が東京都内で開いた「女性国際戦犯法廷」について、アジア女性基金理事の東大名誉教授、和田春樹氏が「女性法廷が明らかにしたもの」と題して講演する。
 女性法廷は「慰安婦制度は当時の国際法に違反する」として、日本政府に謝罪や損害賠償を求める勧告をした。
 今回の会合では、中国に連行された朝鮮人慰安婦についてサンフランシスコ州立大助教授が報告するほか、横浜市立大教授が「ドイツにおける戦時性暴力」とのテーマで日本との比較をする。(了)[2001-02-28-15:46] 13
[このページの最初に戻る]

 02/28@◇仏像破壊令は「国内問題」 タリバーン大使◇(朝日新聞)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバーンのザイーフ駐パキスタン大使は27日、世界的に知られる同国の彫像や仏像の破壊を命じた同勢力の布告について「我々の国内問題であり、だれも反対できない。布告は実行される」と述べた。イスラマバードで地元記者らに話した。
 同国の仏像については、国連などが「人類共通の文化遺産」として保護を求めている。しかし、同大使は、国連をはじめとする各国の非難に「われわれはイスラム教徒であり、彫像は必要ない。飢えに苦しむアフガニスタンの民に援助しない国連は、我々を批判できない」と反論した。
 タリバーンが国内の彫像の破壊を命じた布告は、中部バーミヤンの大仏など、古来の仏像も対象にしているとみられる。布告は「全能の神アッラーだけが崇拝の対象になる。これらの彫像は不信心者に偶像として扱われてきた」と述べているという。[2001-02-28-12:58] 14
[このページの最初に戻る]

 02/28@<ブッシュ米大統領>議会演説 北朝鮮へ厳しい外交姿勢示す(毎日新聞)

 【ワシントン27日布施広】ブッシュ米大統領は27日の議会演説で、「21世紀の脅威」に対抗する戦略が必要と力説、「効果的なミサイル防衛」の開発と配備に意欲を示す一方で、米国の核戦力を削減する方針を確認した。また演説では、クリントン政権が使用を控えた「ならず者国家」という呼称も復活し、ブッシュ政権が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などに厳しい姿勢を保っていることを浮き彫りにした。
 演説からうかがえるのはミサイルの脅威に対抗する米本土ミサイル防衛(NMD)の開発などを通じて米国の安全を高める一方、「強い米国」の影響力によって世界の安定と自由に寄与しよう、という戦略だ。「戦略が最初であり、次に予算が来る」という発言は、巨額の費用をいとわずにNMDを開発する意欲の表れとみられている。
 NMDは北朝鮮やイランなどのミサイルに対抗するもので、これらの国々は従来「ならず者国家」と呼ばれていたが、クリントン政権は米朝対話の進展などに配慮して「懸念すべき国」と改めた経緯がある。ブッシュ大統領は、演説の中で「大量破壊兵器開発をめざす複数のならず者国家」と語り、名指しは避けながらも、北朝鮮やイランへの警戒感をあらわにした。
 「21世紀の脅威」への対応を重視する大統領はロシアや中国との関係には言及しなかった。カイロで24日行われた米露外相会談は、ロシア側によると「建設的対話の継続」を約束したが、ブッシュ大統領とプーチン露大統領の首脳会談開催のめどは立たず、米露関係の将来はいまだ不透明だ。
 また中国については、中国人の専門家がイラクの対空防衛能力の向上に関与していた疑惑が浮上、米中関係悪化の恐れも強まっている。クリントン政権の「戦略的パートナー」だった中国は、ブッシュ政権の発足に伴い、「競争者」へといわば格下げされた。こうした米中の緊張状態が、東アジアの不安定感につながっていることは否めない。
 「脅威」への対処や国際的な危機管理には、ロシアや中国など大国との協調も必要だが、ブッシュ大統領は1月20日の就任演説でも詳細な外交方針は提示していない。国際情勢の先行きが不透明な中、「強い米国」へとひた走るブッシュ政権に対し、中国やロシアは間合いを計りかねているのが実情だろう。[2001-02-28-12:55] 16
[このページの最初に戻る]

 02/28@「ならず者国家」を復活 米大統領、演説で(共同通信)

 【ワシントン27日共同】ブッシュ米大統領は二十七日の議会演説で、クリントン前政権が使用を中止していた、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどを指す「ならず者国家」(ROGUE NATIONS)の表現を再び使い、これらの国に対し厳しい姿勢で臨むブッシュ政権の基本方針をあらためて打ち出した。
 大統領は演説で「テロリストや大量破壊兵器を開発しようとするならず者国家など、二十一世紀の脅威に立ち向かうための明確な戦略を立てる必要がある」と指摘した。
 外交政策の全面的な見直しを進めるブッシュ政権は、発足後間もなくイラク空爆を再開するなど、大量破壊兵器開発の疑いがある国家への強硬姿勢を示している。今後は、北朝鮮に対してどのような政策で臨むかが注目を集めそうだ。
 米政府は従来、北朝鮮、イラク、イランなどテロ支援国家に指定している七カ国を「ならず者国家」と呼んできたが、クリントン前政権は昨年「懸念のある国家」(STATES OF CONCERN)と、より柔らかな呼び方に変更していた。(了)[2001-02-28-12:40] 22
[このページの最初に戻る]

 02/28@地球も「重い」、2050年には93億人に(読売新聞)

 【ニューヨーク27日=松浦一樹】国連は二十七日、二年に一度の世界人口予測(二〇〇〇年版)を発表した。これによると、世界人口は昨年半ばに、約六十一億人に達しており、二〇五〇年には、約九十三億人に達する見通しという。
 国別に見ると、人口の伸び方は、インドが年21%増で突出し、五十年後には、世界の六人に一人がインド人になる計算。中国は年12%増でこれに続くという。
 また、世界の高齢者(六十歳以上)人口は急増を続け、約三倍の約二十億人に達する。特に欧州、日本、米国の先進国・地域で傾向が顕著という。
 一方、アフリカでは、エイズウイルス(HIV)、後天性免疫不全症候群(エイズ)の広がりによる深刻な影響で人口の伸びが抑制されるにもかかわらず、総人口は現在の約八億人から、約二十億人に拡大する勢い。エイズ問題がなければ、さらに三億人増えているという。
 予測をまとめた国連経済社会局のジョゼフ・チェイミー人口部長は「五十年後には、高齢化が一層進み、人口が肥大し、より貧しい世界になる」としている。[2001-02-28-11:44] 24
[このページの最初に戻る]

 02/28@2050年には93億人 国連が世界人口予測(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】国連人口局は二十八日付で「世界人口予測」を発表、現在約六十一億人の人口が今後アジア、アフリカを中心に増加し、二○五○年には約九十三億人になると予測した。
 それによると、同年の発展途上国の人口は八十二億人となり、世界人口のほぼ九割を占めることになる。インドは十五億七千万人となって中国の十四億六千万人を上回る。
 また先進国では出生率が低下し、日本の人口は現在の一億二千七百九万人から一億九百二十二万人に一四%減少、イタリア、ハンガリーはそれぞれ二五%、現在よりも人口が減少するとしている。
 年平均百万人の移民流入が見込まれる米国の人口は現在の二億八千三百万人から約四億人へと増加する見通し。
 アフリカでは今後エイズによる死者が増加するものの、人口は現在の八億人から二十億人に増加する。(了)[2001-02-28-11:18] 29
[このページの最初に戻る]

 02/28@◇ロシア、債務の一部を武器で返却へ 韓国と協定を締結◇(朝日新聞)

 ロシアが韓国に負う債務の一部を武器の供与で返済することを盛り込んだ協定を、韓ロ両政府が26日に締結したことが韓国外交消息筋の話で明らかになった。さらに残りの債務について韓国の金大中大統領は、27日、訪韓中のプーチン・ロシア大統領との会談で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)へのロシアによる電力支援で相殺することを提案したが、ロシア側は即答を避けた模様。韓国は直接の北朝鮮支援には世論の反発が強いため、北朝鮮への電力支援でロシアの協力を期待した判断とみられる。
 ロシアの大量の武器供与には米国の反発が予想される。債務問題は韓ロ首脳会談後に発表された韓ロ共同声明に盛り込まれず、韓国外交通商省も協定を締結した事実を否定している。
 外交消息筋によると、ロシアの韓国に対する債務は約17億ドル。韓ロは首脳会談前日の26日の高官会談で、ロシアが軍用機などの提供で約8億5000万ドル分を返済することで合意。また、残りのうち約6億5000万ドルに関して韓国側は電力支援での肩代わり案を提示した。ロシア側は「持ち帰って検討する」と答えるにとどまったという。
 ロシア政府はこれまでも大量の武器供与による返済を求めているが、1996年以降、韓国はロシア製戦車80台を輸入した程度にとどまっているとされる。[2001-02-28-10:11] 30
[このページの最初に戻る]

 02/28@<国連>イラクとの協議終了 対話継続確認 査察受け入れな(毎日新聞)

 【ニューヨーク27日上村幸治】国連本部で続けられていたイラク政府代表団と国連による協議は27日、双方が数週間以内に新たな協議を行うことで合意し、終了した。国連はイラクに対し大量破壊兵器の査察を受け入れさせることはできなかったが、対話の継続は確認でき、半歩前進したといえそうだ。
 協議終了後、イラク政府代表団長のサハフ外相は、次回協議が「ニューヨークで行われると思う」と述べたが、具体的な日時には言及しなかった。
 今回の協議については「実務的だった。イラクと国連安全保障理事会の間の微妙で複雑な問題について話し合った」とだけ述べた。
 国連とイラク政府は昨年11月、国連による対イラク経済制裁や大量破壊兵器の査察といった問題を話し合うことで合意した。
 合意後の今月16日、米英軍がイラクを空爆したが、イラクは政府代表団を予定通り国連に派遣、同26日からアナン事務総長ら国連事務局幹部と2日間の日程で協議を行っていた。
 国連は90年のイラクによるクウェート侵攻以来、イラクに対して制裁を続けており、イラクはここ数年、国連による大量破壊兵器の査察を拒んでいる。[2001-02-28-10:00] 33
[このページの最初に戻る]

 02/28@国連との協議継続で合意 制裁問題でイラク(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】イラクのサハフ外相は二十七日、国連本部でアナン事務総長との会談を終え、「協議は順調だった。数週間後にニューヨークで協議を再開することで合意した」と述べた。具体的な期日は明らかにしなかった。
 二日間の協議では対イラク経済制裁と大量破壊兵器の査察が主要議題だったが、外相は「新提案は議題にならなかった」と述べ、双方が従来の主張を繰り返したことを明らかにした。
 一方、外相は同日、中東歴訪を終えたパウエル米国務長官が対イラク経済制裁一部緩和の意向を表明したことについて「愚かな発言で、一国の外相のものとは思えないばかげたものだ」と強く非難した。
 イラク側は大量破壊兵器は既に廃棄したとの立場で、外相は二十六日、「制裁が解除されても国連による査察は受け入れない」と明言している。
 パウエル氏は同日、戦略物資の対イラク輸出規制を強める一方で、民生品の貿易規制を緩和することで、アラブ諸国の指導者と合意したと述べた。(了)[2001-02-28-09:21] 38
[このページの最初に戻る]

 02/28@タリバンに仏像の保護要求 国連事務総長が声明(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】アナン国連事務総長は二十七日、アフガニスタンの大半を実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンに対し、同国内にある仏像などの非イスラム教文化財を「人類共通の文化遺産」として保護するように求める声明を発表した。
 声明は破壊から守るべき文化財として、世界的に知られる同国中部の仏教遺跡バーミヤンの石窟(せっくつ)群の大仏立像二体を特に名指しした。
 アフガニスタンではタリバン最高指導者ムハマド・オマル師が偶像崇拝を認めないイスラム教の教えに反するとして二十六日、すべて彫像の破壊を命じる布告を出した。(了)[2001-02-28-08:29] 40
[このページの最初に戻る]

 02/28@少年兵2600人を空輸 ユニセフがスーダンで(共同通信)

 【ジュネーブ27日共同】国連児童基金(ユニセフ)のベラミー事務局長は二十七日、ジュネーブで記者会見し、スーダン南部に展開する反政府武装勢力スーダン人民解放軍(SPLA)の少年兵約二千六百人を戦闘地域から約三百キロ離れた安全な場所に空輸したと発表した。
 ユニセフは少年兵の武装解除問題に取り組んでいるが、二千六百人もの大量輸送は過去に例がないという。
 事務局長によると、少年兵の年齢は八歳から十八歳。今回の“空輸作戦”は同国政府とSPLA指導部の同意を得た上で、二十三日から二十七日にかけて実施された。
 少年らは簡単な健康診断や治療を受けた後、専門家による基礎教育や精神面でのカウンセリングなどを受け、社会復帰を目指す。ユニセフのスポークスマンによると、実際に家族と合流するかどうかは状況に応じて個別に判断する。
 ユニセフは政府とSPLAから空輸の合意を取り付けた後、関係者の安全を確保するとの配慮から空輸作戦の公表を控えてきた。(了)[2001-02-28-08:11] 41
[このページの最初に戻る]

 02/28@徐文立氏の処遇で調査約束 中国外相、近く釈放説も(共同通信)

 【北京27日共同】中国を訪問中のロビンソン国連人権高等弁務官は二十七日、唐家☆外相との会談で、獄中で肝炎を患っている民主活動家、徐文立氏(57)への人道的扱いを求め、唐外相は「調査」を約束した。会談後、記者会見した弁務官が明らかにした。
 香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターによると、中国は二○○八年夏季五輪の北京への招致に向け国際社会に譲歩姿勢を示すため、徐氏を釈放し米国などへ出国させる可能性があるという。
 徐氏は中国初の野党「民主党」の結成を目指し、一九九八年十二月に国家政権転覆罪で懲役十三年の判決を受けて服役中。
 唐外相はまた、二十八日に閉幕する全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会で、国連人権A規約(経済、社会、文化的権利)が批准されるとの見通しを示した。
 弁務官は張福森司法相との会談で、反体制派や気功集団、法輪功メンバーを収容している矯正労働収容所の廃止を求めたが、司法相は難色を示したという。(了)☆王ヘンに旋[2001-02-28-08:07] 26
[このページの最初に戻る]

 02/25@◎市原、頼みは崔竜洙の決定力=J1戦力分析(時事通信)

 【市原】過去3年連続で降格争いを演じた市原。今季は酒井、山口と生え抜きの若手を放出するなど大幅な入れ替えで、再出発を図る。昨季途中に就任したベルデニック監督は「魅力あるサッカーを展開して、いい結果に最短距離でたどり着けるようにしたい」と、下位脱出をもくろむ。
 チーム一の13得点をマークしたバロンが抜けた穴には韓国代表の崔竜洙を補強した。崔は1人だけでも得点を奪うことができる力強さが武器だが、2月上旬の負傷で出遅れる見込みとなるのは大きな誤算だ。
 スロベニア代表の長身選手ミリノビッチが加わった守備は計算できるだけに、問題は中盤の攻撃をどう形成していくかに掛かる。攻守のつなぎ役となる長谷部、中西らが自由に動き回れないようだと、頼みの崔の決定力も半減する。(了)[時事通信社] [2001-02-25-14:19] 211
[このページの最初に戻る]

 02/26@サッカーくじ3月3日発売開始、メダル増えるか(読売新聞)

 収益をスポーツの底上げに役立てる目的の「スポーツ振興くじ(サッカーくじ、愛称toto)」が、三月十日のJリーグ開幕に合わせて三月三日に発売開始となる。初年度の売り上げ予想八百億円のうち、来年度から始まるスポーツ団体、地方自治体への収益配分は約百十億円が見込まれている。具体的な配分方法は、これから一年かけて議論されるが、早くも、文部科学省と競技団体など配分をする側と受ける側の思惑の違いが浮上している。〈運動部 助川 武弘、松本 浩行〉 収益は、国庫納付、地方のスポーツ振興それに競技団体へ――と三等分される。本来、このくじが発想された発端は、一九八〇年代に入って、東京五輪で躍進した日本の競技力が衰退、国のスポーツ財源も先細り状態だったことから、競技力向上のための財源確保だった。この観点からすると、「くじの収益で、五輪や世界選手権のメダルが増える」ことが、くじ導入の効果として一番分かりやすいはずだ。
 日本のスポーツ団体を束ねる日本オリンピック委員会(JOC)が今年一月、加盟二十八団体に行ったヒアリングでも、海外遠征渡航費やトップ選手の強化合宿、外国人指導者の招へいなど、トップ選手の強化拡充に期待を寄せた。
 「一週間の遠征でも四、五百万円はかかる。できれば年間一千万円は要求したい」(日本アーチェリー協会)と言うように、厳しい経済情勢でスポンサーを当てに出来ない団体には新財源は限りなく魅力的だ。
 JOCも「国のスポーツ振興基本計画には早期のメダル獲得率倍増という目標がある。達成には、(JOCを窓口に)競争力の高い団体への傾斜配分が不可欠。均等割りという発想だと役割は果たし得ない」としている。
 しかし、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」で示されている使途は〈1〉競技場など拠点施設の整備〈2〉その施設で行われるスポーツ教室など〈3〉指導者の養成、調査研究〈4〉日本で行われる国際大会――などに限られる。これは、スポーツの基盤整備に力点を置いていることは明らかだ。
 “現場”の要望とかみ合わない理由は、五輪代表レベルの強化費などは、国の補助金やスポーツ振興基金が助成対象としているからだ。「一つの事業に二つの財源があるのはおかしい」(日本体育・学校健康センター・菅野映之主幹)という判断だ。
 くじの収益をトップ選手強化に充てるには、スポーツ振興基金に一度入れて配分する手があるが、低金利が続く中、大幅な助成額アップにつながるかは疑問だ。
 配分の基本方針を決める文部科学省のスポーツ・青少年分科会の討議は三月にも始まる。約五十五億円が見込まれる初年度のスポーツ団体への配分。さらに各都道府県レベルの団体やNPO(非営利組織)への五十五億円の行方もゆだねられる。
 くじの販売が順調なら将来的には、売り上げが二千二百億円との予測もある。スポーツ界にとっては願ってもない打ち出の小づちとなる。基盤整備と、スポーツのレベルを引き上げるトップ選手への配慮――そのさじ加減が、サッカーくじへの評価、成否のかぎとなることは間違いない。
 ◆低迷するJOCへの補助金◆
 「サッカーくじ」という新財源が生まれる一方で、日本のトップレベルの競技力を担うJOCに対する補助金は低迷傾向に入っている。
 国からの補助金は、長野五輪に向けた一九九七年度を除けば十五〜十七億円の間で推移している。スポーツ振興基金からの助成金も八億円台が続いているが、ピークの九一年度の約十五億円と比べると、低金利を反映しての長期低迷と見るべきだろう。
 深刻なのは、軒並み売り上げを落としている公営競技からの補助金だ。競艇の舟券売り上げの3・3%を公益団体支援に活用している日本財団は、九九年度からJOCの「主任コーチ強化事業」の助成金として交付してきた約一億円を打ち切った。
 中央競馬も同じだ。賞金の一部の拠出を受けて活用している日本馬主協会連合会は、毎年二億円前後をJOCに交付しているが、「サッカーくじの収益を見て、今後の寄付額を判断してゆくことはありうる」と話している。
 JOCもこうした流れには敏感で、「サッカーくじの配分が多くなると、他の補助金が減らされるというおそれはある。新財源を喜んでも、実際は今と変わらないということでは困る」と、新財源にも楽観視はしていない。
 ◆収益の使途◆
 売り上げの50%(初期投資のため当面は47%)が当せん払戻金になり、原則15%以下の必要経費(初期投資がある初年度は例外)を除いた残りが収益となる。これを三等分し、〈1〉教育・文化の振興、自然環境の保全などの経費としての国庫への納付〈2〉スポーツ振興事業としての地方公共団体などへ〈3〉各種スポーツ団体へ。目玉の〈2〉、〈3〉へ具体的にどのような団体、事業に対して交付を認めるかの基本方針は、文部科学省の諮問機関である中央教育審議会内のスポーツ・青少年分科会で来年度中に検討され、交付要綱に基づいて日本体育・学校健康センターが審査して二〇〇二年度から交付が始まる。
 ◆サッカーくじ◆
 サッカーの本場、欧州では、各国に長い歴史がある。イタリアの「トトカルチョ」は一九四六年にスタート。戦争で荒廃したスポーツ施設の復興を目的として創設された。六〇年のローマ五輪の施設、選手強化など成功に寄与した。三千億円前後の売り上げから払戻賞金、国への税金などを除いた25・2%が、同国五輪委員会を通じて競技団体、施設整備、ジュニア育成などに分配され、イタリアスポーツを支えている。 [2001-02-26-00:25] 11
[このページの最初に戻る]

 02/27@◎ジョリッチ氏がユーゴ監督に=サッカー(時事通信)

 【ベオグラード26日AFP=時事】国営タンユグ通信が26日伝えたところによると、サッカーのユーゴスラビア代表監督に、21歳以下代表のミロバン・ジョリッチ監督が昇格することになった。イリヤ・ペトコビッチ前監督は1月に辞任し、中国代表監督に就任している。 (了)[時事通信社] [2001-02-27-12:16] 1
[このページの最初に戻る]

 02/28@<サッカーW杯>テレビ放映権をめぐる交渉が各国で難航(毎日新聞)

 日本と韓国が共催する2002年のサッカーワールドカップ(W杯)まで1年半を切った中、テレビ放映権をめぐる交渉が難航している。英国、ドイツ、イタリアといった欧州のサッカー強国で交渉が行き詰まっている一方、韓国でも見通しが立たない状況だ。
 W杯放映権は1996年、スポリス社(スイス)とキルヒ・グループ(ドイツ)が共同で獲得した。02年大会と06年大会を約28億スイスフラン(約2300億円)で一括契約した。キルヒが欧州各国への販売を担当し、スポリス社が欧州以外の国を受け持つ仕組みだ。
 泥沼の様相を見せているのは英国だ。キルヒは英国向け放映権について、開幕戦や英国内のチームが出場する試合については地上波の無料放送局に、その他の試合は高額な放映権料を払える有料放送局に販売したい意向とされる。しかし、英国側はW杯本大会の全試合が放送法による無料放送の範ちゅうに入ると主張。キルヒが欧州裁判所に提訴する事態となった。
 キルヒのおひざ元、ドイツでも事態は深刻。ARD(ドイツ第1テレビ)など公共放送との交渉がこのほど決裂し、民放でしか視聴できない可能性が出ている。イタリアでも公共放送との交渉が決裂したほか、フランスでも交渉が全く進んでいない状況だ。
 一方、韓国でも交渉は進展していない。韓国ではKBS、MBC、SBSの3放送局が一括してスポリス社と交渉している。韓国における国際スポーツイベントの放映権料は、「日本の10分の1」が目安。その場合、日本のスカパーが契約した120億円とジャパンコンソーシアム(JC)の60億円のどちらを交渉の基本単位に置くかが問題になっているとみられる。
 日本組織委員会(JAWOC)関係者は今後の見通しについて、「日本と欧州では約8時間の時差があり、日本の夜の試合は欧州では昼の時間帯になり、テレビ局にとっては放送のメリットは大きくないと考えている。この時差の問題が今後の放映権交渉の大きな要素になりそうだ」と話している。 【2002年W杯取材班】
 日本国内のW杯放映権 02年W杯の日本国内における放映権は、CS(通信衛星)デジタル放送のスカイパーフェクTV!(スカパー=スカイパーフェクト・コミュニケーションズ)が全64試合分を約120億円(推定)で、日本が出場する予選リーグ3試合を含む40試合分については、NHKと民放でつくるジャパン・コンソーシアム(JC)が約60億円で獲得した。 [2001-02-28-18:25] 399
[このページの最初に戻る]

 02/22@在日北朝鮮選手を獲得へ 韓国サッカーの蔚山現代(共同通信)

 【ソウル22日共同】韓国サッカーのKリーグ、蔚山現代は二十二日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)籍の梁圭史(22)の獲得に乗り出していることを明らかにした。
 梁は岡山県倉敷市出身のFW。広島朝鮮高級学校、在日朝鮮蹴球(しゅうきゅう)団を経て、昨年からことし一月までJリーグのヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)に在籍。北朝鮮代表として国際試合にも出場していた。
 韓国でのプレーが認められれば、韓国のプロスポーツ界初の北朝鮮籍選手となる。
 韓国内の報道には、梁の入国手続きは最終段階に入ったとしているところもある。しかし蔚山現代の広報責任者は「入国するまで問題がたくさん残っている。現在、協議中としか言えない。申請すべき書類が多くあるし、三月初めの入国は難しい」と説明している。(了) [2001-02-22-20:25] 400
[このページの最初に戻る]

 02/22@2002年W杯巡り、放送権持つ会社と英政府対立(読売新聞)

 【ロンドン22日=川島健司】国民の関心の高いスポーツの試合は、無料でテレビ放映されなければならないという放送法がある英国で、まだ決着していないサッカーの2002年ワールドカップ(W杯)の放送権契約を巡り、放送権を持つ会社と、英政府および欧州連合(EU)の内閣にあたる欧州委員会の見解が対立、会社側が欧州裁判所に提訴する事態となっている。
 提訴したのは、ドイツのメディアグループで2002、2006年W杯の欧州向け放送権を持つキルヒ社。キルヒは2002年W杯本大会の英国向けの放送権について、開幕戦、準決勝と決勝、英国内のチームが出場する試合については地上波の無料放送局に、その他の試合については高額な放送権料を支払える有料放送局に別個に販売したい意向とされる。
 しかし、英政府は、W杯本大会の全試合が放送法による無料放送の範ちゅうだと主張。欧州委員会もこれを支持したため、キルヒは先週、ルクセンブルクの欧州裁判所へ提訴した。
 キルヒ側の主張は、<1>W杯大会の全試合が放送法の無料放送リストに入ったのは、キルヒがW杯放送権を獲得した96年9月より後のこと<2>英国の放送法は、他国に比べて、リストの範囲が広すぎる――というもの。確かにドイツの放送法で無料放送するよう指定されているW杯の試合は、開幕戦、準決勝、決勝と自国のチームの試合だけ。イタリアの場合、決勝と自国代表の試合のみとなっている。
 これに対し、英政府の文化・メディア・スポーツ省では、「W杯は85年からリストに載っており、変わっていない」とし、両者の言い分は対立している。
 英国内での報道によると、キルヒはW杯2大会(2002年と2006年)の欧州での放送権を購入、2002年大会の英国向けの放送権料を約306億円と見込んでおり、BBCと地上波民放局ITVが全64試合で約68億円としている額と大きな隔たりがあるという。
 今のところ、欧州裁判所がどういう対応を示すかは明らかになっていないが、その判断は、今後の放送権交渉の行方を大きく左右しそうだ。
          ◇
 日本では、2002年大会分について、昨年9月にCS(通信衛星)有料放送のスカイパーフェクTVが全64試合分の放送権を獲得したと発表(契約額は推定で120億円前後)。一方、NHKと民放各社の連合体は同11月に全64試合中、40試合分の地上波の放送権を獲得した(推定で64億円)。韓国での放送権交渉は決着していない。 [2001-02-22-20:16]

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [論文]   [リンク]