最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(02/19, 2001)


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◆ 02/11@東欧2カ国首脳とも会談 プーチン・ロシア大統領(共同通信)
◆ 02/11@米国務長官が対イラク査察再開要求、国連外交開始へ(読売新聞)
◆ 02/11@難民キャンプ、無人状態か 戦闘再燃受け自主避難 ギニア(共同通信)
◆ 02/12@<東論西談>安定に向かうロシア “脅威”失い揺らぐ世界(毎日新聞)
◆ 02/12@難民前に平和訴える 高等弁務官ギニア南部の難民キャンプ視(共同通信)
◆ 02/12@◇クチマ・ウクライナ大統領、窮地に 退陣要求が加熱◇(朝日新聞)
◆ 02/12@ギニアで内戦激化、30万難民に危機迫る (読売新聞)
◆ 02/12@<人と世界>ベネチア 地盤沈下に地球温暖化が追い打ち=解(毎日新聞)
◆ 02/12@<人と世界>水没の危機のベネチア 救済基金代表インタビュ(毎日新聞)
◆ 02/12@◇人間の安保―理念を深め広める時だ◇(朝日新聞)
◆ 02/13@<クロアチア>民族主義者の集会が反政府集会に拡大(毎日新聞)
◆ 02/13@<ひと>退避勧告のコンゴで暮らすシスター 中村寛子さん(毎日新聞)
◆ 02/13@<イスラエル>リクードと労働党が連立内閣で原則合意 現地(毎日新聞)
◆ 02/13@ミャンマー政府軍とタイ軍が衝突、死者25人(読売新聞)
◆ 02/13@クリックすれば無料で寄付 ネット募金、世界で利用(共同通信)
◆ 02/13@コンゴ紛争首脳会議が延期 調停役の指導力に陰り(共同通信)
◆ 02/13@<人模様>プロデューサーの吉田朝子さん (毎日新聞)
◆ 02/13@PKO、コンゴに部隊3000人展開へ(共同通信)
◆ 02/13@タリバン事務所の存続要請 国連代表が米に(共同通信)
◆ 02/14@ユーゴ空爆引き金の虐殺事件、真相は“やぶの中”(読売新聞)
◆ 02/14@◎ユーゴ大統領、今春訪日か=復興調査団派遣など要請へ(時事通信)
◆ 02/14@「過去の責任」が焦点に 先進国と途上国の対立深刻 人種会(共同通信)
◆ 02/14@◎中国、米の不発ミサイルを研究=ユーゴ・ラジオ(時事通信)
◆ 02/14@前ユーゴ大統領の側近拘束 国営放送の前社長(共同通信)
◆ 02/14@24日に米ロ外相会談 カイロでNMDなど協議(共同通信)
◆ 02/14@旧共産党機関紙が復刊へ イタリア選挙で左派を支援(共同通信)
◆ 02/14@PKO3千人の展開勧告 コンゴ紛争で安保理(共同通信)
◆ 02/14@難民は平和維持軍が護衛を シエラレオネのカバー大統領(共同通信)
◆ 02/14@紛争当事者の統合不可欠 国連大学、停戦後の永続平和で報告(共同通信)
◆ 02/14@幻のマンデラ演説、英国図書館が再生(読売新聞)
◆ 02/15@◎元将軍の戦犯訴追に抗議行動=クロアチア、「過去の清算」(時事通信)
◆ 02/15@米大統領PKOに消極姿勢(共同通信)
◆ 02/15@<ユーゴ>前政権下の判事、検事数十人を解任、休職に セル(毎日新聞)
◆ 02/15@大衆紙にぎわす女性兵士 当惑する英軍改革派(共同通信)
◆ 02/15@<ひと>政財界・NGOが連携する救援組織事務局長の井出勉(毎日新聞)
◆ 02/15@不法移民規制、スペインの国論揺るがす(読売新聞)
◆ 02/15@◇バーミヤン、反対派が確保か タリバーンは反撃を準備◇(朝日新聞)
◆ 02/15@ロとEUが「飛び地」協議 カリーニングラード州(共同通信)
◆ 02/15@影響力は大幅に限定 米の不参加で国際刑事裁(共同通信)
◆ 02/15@<アフガニスタン>タリバン政権と反タリバン連合の攻防戦が(毎日新聞)
◆ 02/15@<中東情勢>ブッシュ米大統領が暴力停止を初めて呼びかけ(毎日新聞)
◆ 02/15@反政府勢力支援国が欠席 コンゴ紛争首脳会議(共同通信)
◆ 02/15@アフリカへ初の共同訪問 IMF、世銀の両首脳(共同通信)
◆ 02/15@タリバンがNY事務所閉鎖(共同通信)
◆ 02/15@対中人権非難決議を要求 超党派議員が米政権に(共同通信)
◆ 02/15@米英軍機がイラク施設攻撃(共同通信)
◆ 02/15@国際刑事裁への不支持表明 パウエル国務長官が国連で(共同通信)
◆ 02/15@ビジネスマンOBがNPO設立、国際人育成へ(読売新聞)
◆ 02/15@◇CTBT―死文化させてはならぬ◇(朝日新聞)
◆ 02/15@<コンゴ民主共和国>新政権 「外資」で打開図るが(毎日新聞)
◆ 02/15@<記者の目>政変後のコンゴ 藤原章生・ヨハネスブルク支局(毎日新聞)
◆ 02/16@司法界でも前大統領派一掃 ユーゴ、訴追へ包囲網(共同通信)
◆ 02/16@ミロシェビッチ氏への捜査を数日中に着手…セルビア(読売新聞)
◆ 02/16@<ユーゴ>前大統領への捜査は「数日中に開始」 セルビア首(毎日新聞)
◆ 02/16@◎NATO、ユーゴ非武装地帯問題検討へ (時事通信)
◆ 02/16@狂牛病まん延、EU各国で農民デモなど政治問題化(読売新聞)
◆ 02/16@<アフガン情勢>反タリバン連合が大攻勢 情勢は流動化(毎日新聞)
◆ 02/16@◎「北朝鮮空爆、わたしが阻止」=金泳三前大統領が回顧録−(時事通信)
◆ 02/16@◇国連大使にネグロポンテ氏を起用 ブッシュ政権◇(朝日新聞)
◆ 02/16@コソボ北部でテロ、バスが爆発し7人死亡 (読売新聞)
◆ 02/16@<ユーゴ>定期バスが爆発 4人死亡、23人負傷(毎日新聞)
◆ 02/16@コソボ北部でテロ、バスが爆発し7人死亡 (読売新聞)
◆ 02/16@寒波や内戦で避難民あふれるアフガニスタン(読売新聞)
◆ 02/17@◎セルビア南部地域安定へ戦略支援=米、1500万ドル供与(時事通信)
◆ 02/17@及び腰の米イラク空爆 ハイテク依存の軍事ショー(共同通信)
◆ 02/17@◇コソボでバス爆発、セルビア系住民7人が死亡◇(朝日新聞)
◆ 02/17@ロシアはバグダッド空爆に重大な関心(共同通信)
◆ 02/17@<セルビア共和国内務相>乗った車が銃撃されるが無事(毎日新聞)
◆ 02/17@◇アラブ諸国、米の中東政策「二重基準」に警戒感◇(朝日新聞)
◆ 02/17@<イラク空爆>アラブ諸国が強い反発 中東和平交渉の停滞不(毎日新聞)
◆ 02/17@米英がバグダッド近郊空爆 ブッシュ政権初 イラクは対決姿(共同通信)
◆ 02/17@<イラク空爆>ロシアが警戒強める ブッシュ政権の軍事的攻(毎日新聞)
◆ 02/17@<イラク空爆>中国が声明で強く非難 軍事行動の停止を求め(毎日新聞)
◆ 02/17@中国が即時停止要求(共同通信)
◆ 02/17@◎米英両軍のイラク空爆を非難=共産党(時事通信)
◆ 02/17@会食、現金報酬などに使用 外交機密費残金少なく(共同通信)
◆ 02/17@米政権への対決姿勢強める イラク、国際世論味方に(共同通信)
◆ 02/17@温暖化、2025年に50億人が水不足状態(読売新聞)
◆ 02/17@◇イラク大統領が徹底抗戦表明 2人死亡の情報も◇(朝日新聞)
◆ 02/17@崩壊寸前のイラク制裁に米英の危機感(読売新聞)
◆ 02/17@<イラク空爆>国連にも大きな衝撃 大量破壊兵器の査察困難(毎日新聞)
◆ 02/17@<イラク空爆>米英軍機攻撃 背景は何か 識者3氏に聞く(毎日新聞)
◆ 02/17@<イラク空爆>ブッシュ米大統領、厳しい姿勢を明確に(毎日新聞)
◆ 02/17@<イラク空爆>米英軍の空爆受け、抗戦姿勢を鮮明に イラク(毎日新聞)
◆ 02/17@飛行禁止維持で精いっぱい 手詰まりの米イラク政策(共同通信)
◆ 02/17@事務所はハーレムに決定 クリントン前米大統領(共同通信)
◆ 02/17@◎パレスチナ自治政府崩壊の恐れ=財政危機で−国連特使が警(時事通信)
◆ 02/17@<ニュースの背景>救援活動とカースト制度(毎日新聞)
◆ 02/18@緊張高まるコソボ、州境地帯での爆発で警官3人死亡(読売新聞)
◆ 02/18@◇アルバニア系組織の地雷? セルビア警察の3人死亡◇(朝日新聞)
◆ 02/18@<コソボ>バス爆破事件の追悼集会と抗議行動開催 死者13(毎日新聞)
◆ 02/18@<EU難民>仏南部に900人以上のクルド人が押し寄せる(毎日新聞)
◆ 02/18@バス爆破でセルビア人数千人が抗議 コソボ(共同通信)
◆ 02/18@◇野呂田衆院予算委員長、講演で「大東亜戦争」と発言◇(朝日新聞)
◆ 02/18@米政権、イラク戦略で試練 軍再建阻止へ制裁転換も(共同通信)
◆ 02/18@ミサイル断念で基金設立も ロシアが提唱 (共同通信)
◆ 02/18@米が対中非難決議案提出へ パウエル長官が勧告(共同通信)
◆ 02/19@<ユーゴ>続発する爆破事件に、当面は軍事行動に走らない方(毎日新聞)
◆ 02/19@<ロシア>欧州ミサイル共同防衛構想の具体案NATOに提示(毎日新聞)
◆ 02/19@<英労働党>イラク空爆参加を承認 親米路線をアピール(毎日新聞)
◆ 02/19@セルビア南部で銃撃戦 ユーゴ政府が緊急会合(共同通信)
◆ 02/19@◎懸垂のギネス記録保持者が射殺される=ユーゴ(時事通信)
◆ 02/19@◎イスラム組織との和平交渉で柔軟姿勢=比(時事通信)
◆ 02/19@<ヘリ墜落>ミャンマー軍事政権のティンウ第2書記ら6人死(毎日新聞)
◆ 02/19@<イラク空爆>推移を見守る姿勢示す 福田官房長官=替(毎日新聞)
◆ 02/19@ダイヤめぐり諸勢力が触手 ギニア南部紛争(共同通信)
◆ 02/19@◇チベットなどで氷河後退顕著 世界各地で温暖化進む◇(朝日新聞)
◆ 02/19@アンデスの氷、15年で消滅 地球温暖化で急速に縮小(共同通信)
◆ 02/19@<英労働党>イラク空爆参加を承認 親米路線をアピール(毎日新聞)
◆ 02/19@<人と世界>ゴーバー氏の謝罪演説の要旨とインディアン局(毎日新聞)
◆ 02/19@<人と世界>ケビン・ゴーバー前米インディアン局長(毎日新聞)
◆ 02/10@◎ストイコビッチ、代表監督就任を否定=サッカー(時事通信)
◆ 02/12@◎イラク代表監督が交代=サッカー(時事通信)
◆ 02/17@ユーゴ代表復帰に意欲(共同通信)
◆ 02/17@水球ワールドリーグを創設 国際水連(共同通信)
◆ 02/19@引退後の生活に不安76% Jリーガー、初の意識調査(共同通信)
◆ 02/19@壁にぶつかった西沢と中田 レギュラーの道遠く サッカー(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 02/11@東欧2カ国首脳とも会談 プーチン・ロシア大統領(共同通信)

 【モスクワ10日共同】インタファクス通信によると、オーストリア訪問中のロシアのプーチン大統領は十日、同国西部サンクトクリストフでスロベニアのドルノウシェク首相、スロバキアのシュステル大統領と相次いで会談した。
 冷戦終結後に希薄化した両国との関係を再び強化する狙いがあるとみられる。
 プーチン大統領はドルノウシェク首相と、今後両国を相互訪問することで合意。またシュステル大統領とは、スロバキアを経由するロシア―欧州間の新ガスパイプラインの建設計画を進めることで一致した。(了)[2001-02-11-08:59] 34
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 02/11@米国務長官が対イラク査察再開要求、国連外交開始へ(読売新聞)

 【ワシントン10日=林路郎】パウエル米国務長官は今月下旬の中東歴訪に先立ち、十四日にニューヨークの国連本部を訪問、アナン事務総長と会談するほか、安保理常任理事国代表らとの初顔合わせを行う。一連の外交で同長官は、イラクに対する国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)による査察再開を訴える予定だ。
 「国連のイラクに対する査察は、周辺国に対するイラクの大量破壊兵器の脅威を減らす目的もある」。湾岸戦争を自ら指揮したパウエル長官は九日の記者会見で国連の役割の重要性をそう強調した。大量破壊兵器開発の疑いがある限り査察を求め、査察実現までは制裁を続行するとの米国の姿勢を改めて示したものだ。
 九八年十二月の砂漠のキツネ作戦前まで査察活動にあたった国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)のロッド・バートン元査察官は、九八年時点でイラクが兵器用細菌類や病原性物質を濃縮状態で約四万九千リットル保有し、このうち「二万千百六十リットルをUNSCOMに申告せず隠していた」と語っている。
 このため、ブッシュ米政権は、軍事力行使やイラク反体制派への直接軍事支援という選択肢を避け、当面は国連査察再開に全力を集中する構えだ。
 査察の実現には、国連安保理常任理事国で、イラクに影響力のあるロシア、フランス、中国の協力が不可欠で、国連の場での説得努力を避けて通れない。[2001-02-11-23:56] 47
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 02/11@難民キャンプ、無人状態か 戦闘再燃受け自主避難 ギニア(共同通信)

 【コナクリ11日共同】ギニアの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は十日、同国南部ゲケドゥで再燃した政府軍と反政府勢力の戦闘を受け、約十五キロ北のニャエドゥにある難民キャンプから難民が自発的に徒歩で避難し、キャンプが無人状態になったとみられることを明らかにした。
 ルベルス高等弁務官は同日、難民キャンプの現状を視察するため、ギニアの首都コナクリに到着した。
 ニャエドゥのキャンプには隣国シエラレオネなどからの難民約三万四千人が収容されていたが、戦闘激化を受けUNHCRは六日、難民を約二百キロ北の新キャンプに移す作業に着手。しかし九日までにトラックで移送できたのは二千人程度にとどまり、乗り切れなかった難民が徒歩で避難した。
 難民の多くは、ニャエドゥの約二十五キロ北にあり、昨年末の戦闘後に放棄された元の難民キャンプに移動したが、約五千人は依然として安全な場所を求め歩き続けているとみられる。
 難民らは武装勢力から戦闘への参加を強要されるなどの脅威にさらされ、UNHCRの移送ペースに不満を募らせていた。(了)[2001-02-11-15:03]
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 02/12@<東論西談>安定に向かうロシア “脅威”失い揺らぐ世界(毎日新聞)

 今年のロシアは寒い。シベリア各地では零下50度を記録し、数十年ぶりの寒波到来となった。ソ連崩壊以後続いていた暖かい気候が終わり、やっと平常のロシアが戻ったのかもしれない。
 ロシアでは暖かい気候が続くと動乱が起き、寒くなると、国家は安定するという説がある。
 最近、ソ連崩壊後の混乱時代を生き抜いてきた知人の一人と再会したが、「闘争の時代は終わった」と何となく元気がなかった。
 エリツィン前大統領の補佐官を務めたサターロフ氏は「フランス革命の混乱は約10年続き、ナポレオンの登場で幕を下ろした。ロシアも約10年で混乱が終わり、プーチン(大統領)が現われた」と笑ってみせた。
 確かに、ロシアは混乱から安定へと移りつつあるのかもしれない。そして、ロシアの安定は周辺諸国へ微妙な影響を与えつつある。
 2月初め、ドイツのミュヘンで、国際安全保障の国際会議が開かれた。ラムズフェルド米国防長官を筆頭に欧米の関係者が集まり、「軍事・政治問題のダボス会議」と呼ばれるほど活況だった。ロシアからはイワノフ安保会議事務局長らが乗り込み、プーチン政権の安保政策を説明した。
 もちろん討論の中心は米本土ミサイル防衛(NMD)構想の是非で、ロシアと欧州各国は米国批判で同調する結果になった。これまで築き上げた核軍備管理・軍縮体制が土台から崩れるとの対米批判だが、その底にあるのは「米国は自分さえ守れば、あとはどうでもよいと考えている。身勝手だ」という反発だ。
 ブッシュ共和党政権の誕生で、身勝手なミサイル防衛構想はさらに進むとの懸念も強い。
 しかし、実はミサイル防衛論議の裏には、もっと大きな問題が横たわっているように思う。
 ロシアはプーチン政権の誕生で、安定したように見える。少なくとも、エリツィン時代の混乱や揺れはない。そして、旧ソ連時代のような強大軍事国家への後戻りはまず考えられない。経済的にも軍備拡大の余裕はない。ひとこといえば、もはや、ロシアは脅威ではないのだ。
 東の大国・ロシアの脅威が薄らげば、欧州の軍備や安保構想は変わってくる。北大西洋条約機構(NATO)の存在理由さえ揺らいでくる。米国のNMD構想も、実をいえばロシアの脅威がなくなったことを見通し、代わりに、北朝鮮やイランを「ならず者国家」と持ち出したにすぎない。
 専制体制だったユーゴスラビアのミロシェビッチ政権が崩れ、西欧からロシアにいたる広大な地域が、同質の政治、経済的価値で結ばれた。最近の西欧諸国とロシアの各レベルにおける濃密な人的交流は、欧州とロシアの親近感を反映している。
 ロシアの大寒波に始まった21世紀は、表面上、20世紀が何事もなく続いているように見える。しかし、実際は、大きな変化が始まったかもしれないのだ。
 【モスクワ・石郷岡建】[2001-02-12-01:30] 14
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 02/12@難民前に平和訴える 高等弁務官ギニア南部の難民キャンプ視(共同通信)

 【カトカマ(ギニア)11日共同】ルベルス国連難民高等弁務官は十一日、ギニア南部の難民キャンプを視察し、シエラレオネなどからの難民を前に「ギニア、リベリア、シエラレオネ各国政府に平和を(確保するよう)訴える」と強調し、国際社会の支援を訴えた。
 この日ルベルス高等弁務官は、ギニア南部ゲケドゥで再燃した政府軍と反政府勢力の戦闘を逃れ難民が徒歩でたどり着いたカトカマを視察。さらに難民約三万人が暮らすマサクンドゥのキャンプを視察した。
 ルベルス高等弁務官はギニアの後、シエラレオネ、リベリアを訪問する予定。(了)[2001-02-12-11:15] 16
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 02/12@◇クチマ・ウクライナ大統領、窮地に 退陣要求が加熱◇(朝日新聞)

 ウクライナでクチマ大統領に対する退陣要求運動が強まっている。反体制派記者の暗殺疑惑が運動の発端だが、親西側改革路線で人気のユシェンコ首相との確執からロシアとの接近を図る大統領への反発も根底にある。11日夜にはロシアのプーチン大統領がウクライナに乗り込むが、クチマ大統領へのテコ入れになるかどうかは微妙だ。
 大統領のロシア接近を嫌う民族派と野党に転じた親西欧派が合流して9日に結成された「救国フォーラム」は、大統領弾劾をめざすと表明。政情不安で産業界には大統領への失望感が広がり、地方首長らも静観の構えだ。大統領包囲網は狭まっている。
 野党勢力の大統領追及は、政権批判を展開した記者が昨年9月に失そう後、大統領が内相らに記者を抹殺するよう指示したとされる会話のテープが11月に暴露されて本格化した。首相派のチモシェンコ副首相が国営エネルギー企業の改革を試みたが、大統領に近い新興財閥などが反発。最高検も副首相への捜査を始めて1月に辞任へ追い込んだため、大統領への反発がさらに強まった。
 プーチン大統領は昨年5月の就任以来、北大西洋条約機構(NATO)加盟に動くバルト三国をけん制する狙いもあってウクライナなど独立国家共同体(CIS)加盟国との関係強化を優先。昨年だけでクチマ大統領と5回も会談し、ウクライナへのガス安定供給などを約束した。今回の首脳会談では、宇宙分野やミサイル製造協力などで合意する見通しだ。しかし、反大統領派は11日に首都キエフで数万人規模のデモを実施し、退陣圧力を一気に高める構えだ。[2001-02-12-10:30] 19
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 02/12@ギニアで内戦激化、30万難民に危機迫る(読売新聞)

 【ヨハネスブルク11日=森太】西アフリカ・ギニア南部のシエラレオネ国境付近で政府軍と反政府勢力の戦闘が続き、付近にいる約30万人の難民が危険な状態に陥っている。
 ルベルス国連難民高等弁務官は11日、難民キャンプを視察し、難民を安全地帯に避難させることを表明。現地の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は6日から、戦闘地帯からキャンプへの避難作戦を開始しているが、戦闘激化のあおりで作業ははかどっておらず、道路は徒歩で安全な場所へ向かう難民の行列になっているという。
 難民の多くは隣国シエラレオネとリベリアの内戦を逃れてきた人々だが、ギニア国内の避難民もいる。[2001-02-12-09:10] 22
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 02/12@<人と世界>ベネチア 地盤沈下に地球温暖化が追い打ち=解(毎日新聞)

 5世紀以後、異民族の侵入から逃れた人々が砂州に囲まれたラグーン(潟)内の人工島の上に築いたベネチアは、176の運河と400の橋を持つ世界にも類を見ない水上都市だ。特異な風景とらん熟した文化は、プルーストやトーマス・マンなど20世紀の代表的作家にも影響を与えた。
 アドリア海に面するベネチアは、ドージェ(元首)による共和制を敷く海洋国家として発展。13世紀初頭には第4回十字軍を主導してビザンチン(東ローマ)帝国の首都コンスタンティノープルを一時占領するなど東地中海の支配権を確立し、東方貿易の富を独占して「アドリア海の女王」とたたえられた。
 泥に打ち込まれた木杭を土台にしたベネチアの海抜は1メートルにも満たず、たびたび冠水被害に見舞われたが、かつては百年に数回程度だった大規模な高潮被害が頻発し始めたのは、ここ数十年のことだ。当初の原因は、20世紀前半に本土側のメストレ、マルゲラ地区に急速に発展した臨海工業地帯の地下水くみ上げや天然ガス採掘だった。これによって旧市街の地盤は約70センチ沈下した。
 1966年11月4日、旧市街の建物の1階部分が完全に水没する194センチという空前の高潮が発生。大雨による河川流水量の増加に加え、アフリカから吹く強風「シロッコ」がアドリア海の北部に海水を押し込む相乗効果によるものだった。ベネチアの危機的状況が初めて明らかになった。
 丸屋根やモザイク画などビザンチン文化の影響を色濃く残すベネチアのシンボル、サンマルコ寺院(11世紀建造)をはじめ、多くの歴史的建造物が海水につかり、大理石の礎石の腐食が急速に進んだ。また、ティツィアーノ、ヴェロネーゼらベネチア画派によるフレスコ画や油彩などのルネサンス絵画の傑作も塩害や高湿度による痛みが目立つ。
 これに対し、イタリア政府の要請を受けた国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、加盟各国にベネチアの文化遺産救済のための援助を呼びかける緊急アピールを行い、英米独仏などで民間援助団体が創設された。各団体はベネチアのユネスコ事務所の仲介を通じ、伊文化省の策定する遺産保存・修復事業に年間約130万ドル(約1億5000万円)の寄付を続けている。ベネチア旧市街とラグーンは87年にユネスコの世界遺産リストに登録された。
 一方、高潮問題の抜本的な解決策を模索してきた伊政府は、73年に旧市街全体の保護対策に国家予算を重点配分する特別法を制定。80年代前半には政府委託事業体「ベネチア・ヌオヴァ」が結成され、アドリア海と潟内を隔てる砂州に開いた3カ所の小海峡に可動式水門を建設する事業計画が策定された。
 しかし、潟内の水質悪化など生態系に及ぼす悪影響を懸念する議論が相次いで着工は大幅に遅れ、計画見直しの声も出ている。近年の地球温暖化による海水面上昇で、総工費も約20億ドル(約2300億円)にふくれ上がっているという。
 地球温暖化の影響は集中豪雨の増加にもつながり、旧市街でもっとも低いサンマルコ広場が水に漬かる80センチ以上の高潮は98年に50回、99年に51回、昨年は144センチの高潮被害(11月6日)を含めて81回と、さらに増加する傾向にある。ベネチア市当局によると、今年もすでに21回の高潮が発生している。
 一方、高潮による商店被害や居住空間の減少によって住宅・生活費の高騰が著しく、50年代には20万人近かった人口は6万5000人まで減少。旧市街の過疎化克服はベネチアの最大の難題の一つだ。[2001-02-12-01:30] 23
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 02/12@<人と世界>水没の危機のベネチア 救済基金代表インタビュ(毎日新聞)

 ゴンドラが運河を行き交う「水の都」、イタリア北部の古都ベネチア。だが、カーニバルや映画祭の町として知られ、年間1200万人の観光客が訪れる華やかなイメージとは裏腹に、アドリア海のラグーン(潟)に浮かぶ旧市街は近年、深刻な高潮の被害に悩まされている。外交官の夫とともに、英国人女性のフランセス・クラークさん(70)は1960年代にベネチア救済の民間基金を設立し、貴重な芸術作品の保護の必要性を訴えてきた。水没の危機に直面する旧市街の現状について聞いた。【ベネチア・井上卓弥】
 ――救済運動を始めたきっかけは何ですか。
 ◆夫がイタリアに長く勤務し、ロンドンに帰ってから英伊友好団体の要職にあった。ベネチアの大規模な高潮被害(1966年)に「自分でも何かできるかも知れない」と考えたのが最初だった。夫は高潮の報道後すぐにベネチアを訪れ、「悲惨な状況に打ちのめされた」と話していた。すぐにロンドンのナショナル・ギャラリーの事務所内に基金を立ち上げた。ユネスコ(国連教育科学文化機関)のアピールを受け、イタリアの美術品やベネチアの事情にくわしいギャラリーの委員をつたって活動を開始した。
 69年に、それまでのボランティア的手法を一歩進め、効率的な救済運動を行うためにベネチアに移住した。当時、66歳だった夫は、ベネチア救済に余生を捧げる決意を固めていた。
 ――資金はどのようにして調達するのですか。
 ◆会費や会員の寄付金、英国内でベネチア芸術の展覧会を開催した収益金などを充ててきた。78年からは英国のチェーン店「ピッツァ・エクスプレス」が「ピザ・ベネチアーナ」という特別メニューを作り、売上げ1枚あたり5ペンス(約8・7円)ずつ寄付してくれている。昨年11月には寄付の合計が100万ポンド(約1億7000万円)に達した。
 安定収入はこれだけなので、事務所は常勤事務員2人以外はボランティアでやっている。幸運だったのは、当初から理解者や賛同者が少なくなかったことだ。
 ――代表的な修復事業を教えてください。
 ◆多くの教会の宗教画や彫像などを中心に修復を支援してきた。最初に手がけたのは、ベネチア画派の巨匠、ティントレットの壁画のある北部のマドンナ・デロルト教会だった。この教会は、夫がベネチアを愛するきっかけになったラスキン(英作家)の著書「ベニスの石」にも登場し、ピアノ演奏が得意な夫はパイプ・オルガンの修復にも情熱を傾けていた。夫が埋葬されたベネチア市民墓地、サンミケーレ島の教会の修復も進めている。
 ――ベネチアでのご主人との思い出は。
 ◆移住後、救済を訴える講演会でよくピアノ演奏を披露し、評判になったものだった。晩年は病気のために歩けなくなり、橋の多い市街を車イスを持ち上げながら歩くのにはずいぶん苦労した。高潮に閉じ込められて動けなくなったこともあったが、そういうときには街の人たちが手を差し伸べてくれた。90年代に入ると、夫は講演の役目を私に託すようになった。直接には何も言わなかったが、自分の余命を感じとり、私に救済運動を引き継ぐようさとしていたのだと思う。
 ――あなた自身のベネチアの印象は。
 ◆子どものころから英国の運河を描いた風景画に慣れ親しんできた。だから、ベネチアの風景はもともと身近なものだった。運河のある都市は少なくないが、ベネチアはとても小さく、その面影は中世をそのまま残している。車やバイクも1台もない。夫と移住してからは、寒くて厳しい冬の前の、まだ青空を残す晩秋の静かな風情が好きになった。
 ――ベネチアの環境保護のむずかしさは、どんな点にありますか。
 ◆中世以来変わらない貴重な景観を維持することを最優先に掲げながら、環境保護を達成しなくてはならない点だろう。地球温暖化による海水面上昇は世界的な問題だが、国家的事業として干拓を行ってきたオランダなどの対策とは、この点で大きくちがう。通常は海底に沈んでいて、高潮被害時にのみ水面に上昇する可動式水門は、景観維持と高潮対策を両立を考えた計画だが、潟内の水質汚染への懸念から反対論が根強い。
 運河のしゅんせつ作業が始まったのはわずか5年前で、行政が環境保護対策を怠ってきたことのツケも大きい。抜本的対策については、イタリアの非効率的な政府・官僚機構が問題を一層難しくしている。時間が経てば、さらに巨額の対策費が必要になることは明らかなのだが……。
 ――救済運動の最大の成果は。
 ◆ベネチアの問題を一般の人たちに十分に伝えることができ、未来に続く運動の基礎を築くことができた点だろう。75年からはユネスコと協力し、芸術作品や建築物の修復専門家を訓練・養成するコースの支援も行っている。ベネチアを守ると同時に、ベネチアを守ることのできる人材を守ろうと努めてきたが、若い人たちにも関心が広がり、建築物・文化財保護の学位を新設する大学も出てきたのはすばらしいことだ。
 ――将来のベネチアに何を期待しますか。
 ◆かつてアドリア海の商業や海運、造船基地として発展してきたように、ベネチアにも保護だけでなく、活力を生む新たな産業が望まれる。そういう意味で、救済運動の後継者育成も含め、マルゲラに移転してくる総合大学の役割に期待している。観光だけの「文化的ディズニーランド」になってしまうのは、ベネチアにとって好ましくない。
 ――観光客に望むことは何ですか。
 ◆ベネチアは狭く見所も集中しているので、わずか1、2日の滞在で表面的な美しさを見ただけで帰ってしまうケースが多い。町の歴史とともに、建築物や美術品を修復・保存する地道な運動が今も続けられていることをぜひ知ってほしい。こうした分野の専門的知識を持った質の高い旅行業者を育成する必要もあると考えている。
 フランセス・クラークさん(70)
 1930年、英国北部サウスポートに生まれ。62年、在ローマ大使などを歴任した英外交官、アシュレイ・クラーク卿と結婚。66年の歴史的な高潮被害を機に、夫と共にベネチア救済運動を始め、世界初の民間救済団体「ベニス・イン・ペリル基金」(71年に改称)をロンドンに創設。非政府組織(NGO)「ベネチア救済民間団体協会」の中心メンバーとして、芸術作品修復作業支援や各団体の活動調整を進める。94年1月、アシュレイ卿がパーキンソン病で死去後、同基金代表に就任。[2001-02-12-01:30] 30
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 02/12@◇人間の安保―理念を深め広める時だ◇(朝日新聞)

 「人間の安全保障委員会」が緒方貞子・前国連難民高等弁務官を中心に設立される。
 「人間の安全保障」の理念を深め、広めようという日本政府の肝いりである。一九九八年のノーベル経済学賞を受賞したアマーティア・セン氏ら世界を代表する約十人の有識者が加わり、二年後に最終報告をまとめる。
 戦争と難民の問題は、世紀を超えて人類を悩まし続けている。武器の拡散もなくならない。そうした難問に取り組む一つの方法として、委員会の創設は有意義だ。
 「人間の安全保障」という言葉は九〇年代、大量の難民を生み出す民族・宗教紛争やエイズ、失業、貧困などから途上国の人々を守るために使われ始めた。
 人間一人ひとりの生活や尊厳を脅かす脅威に共に立ち向かう。九四年に出版された国連開発計画(UNDP)の「人間開発報告」は「人間の安全保障」の理念をそう説明する。各国が軍事費を削り、教育や医療費に回すべきだとの主張はそこから出ている。
 この考え方は少しずつ、国際社会に定着しつつあると言っていいだろう。
 昨年秋に行われた国連ミレニアム総会への報告で、アナン事務総長は過去十年の各地の国内紛争で五百万人以上が犠牲になった現実を踏まえて、「かつて対外的攻撃から領土を守ることと同義語だった安全保障は、今では国内の暴力から共同体や個人を保護することを含むようになった」と指摘した。
 国境にとらわれず、国内の暴力や抑圧、搾取や貧困にも取り組まない限り、民族紛争を防止したり、地域の平和と安定を実現したりできないという認識がそこにある。
 新しい委員会の第一の課題は、これからの世界で人間の安全保障がもつ意義と有効性や、人道的介入や紛争予防のあり方などを明らかにしていくことだろう。
 この理念があてはまるのは、地震や洪水などの自然災害や難民といった人道危機だけではない。一国で起きた環境破壊、飢餓、貧困といった脅威は、いずれは周辺国に及んでいく。中国などアジア各国とも、そうした認識を共有することが必要ではないか。
 理念実現の方策について、日本は難民救援や経済開発を重視し、欧米諸国は紛争予防や人権、民主主義に関心がある。委員会で両者の溝を埋める努力が大切だ。現実の国際政治に生かすためには、この理念への支持を広げ、生命力を与えねばならない。
 新委員会の議論に合わせて、国内の改革にも取り組むべきだ。国際緊急援助隊の出動が自然災害に限られ、難民への医療支援ができない現状は見直す必要があろう。
 故小渕恵三前首相の提唱で九九年に「人間の安全保障基金」が国連事務局に設けられ、百億円弱の資金が拠出された。森喜朗首相はこれに百億円を積み増す意向だが、それに当たっては、基金の使い道についてきちんと情報公開することを求めたい。
 「人間の安全保障」を掲げる以上は、その理念に照らして途上国援助をはじめとする日本外交を見直していくことも必要である。[2001-02-12-00:38]
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 02/13@<クロアチア>民族主義者の集会が反政府集会に拡大(毎日新聞)

 【ウィーン13日福井聡】クロアチア中部のスプリトで11日、政府が進めている旧ユーゴ時代の戦犯法廷で被疑者となった元将軍を擁護する集会に10万人が集まり、反政府集会に発展した。クロアチアでは民族主義急進派のツジマン大統領の死後、欧州連合(EU)入りを目指す民主政権が国内で独自に戦犯法廷を開廷し、旧ユーゴ時代の残虐行為訴追を進めてきた。この日の集会は民族主義者らがこれに反発して、反政府集会に拡大し、発足後1年の民主政権を揺るがす事態となった。
 スプリトからの報道によると、集会には10万人の市民が集まり、故ツジマン大統領が創設した現野党・クロアチア民主同盟のサナデル党首が「政府の選択は退陣して総選挙を実施するか、我々に対する反野党デモを組織するか、二つに一つだ」と呼びかけた。
 集会は当初、1991年のセルビア人虐殺事件を指令した容疑で戦争犯罪に問われ、裁判所での尋問を拒否しているノラッチ元将軍(33)を擁護する名目で開かれた。しかし、民主同盟側は「現政権は国民の英雄を犯罪者に仕立て上げようとしている」とし、反政府集会に転換した。集会は、元将軍の訴追中止と選挙実施を要求する宣言を採択し、来週末は首都で集会を開くことにした。[2001-02-13-10:30] 189
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 02/13@<ひと>退避勧告のコンゴで暮らすシスター 中村寛子さん(毎日新聞)

 1月中旬、カビラ前大統領が暗殺されたアフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)に、1986年から暮らす。治安が悪化し、国外退避を勧められたが「私はもうコンゴの人間ですから」と断った。
 首都キンシャサに内乱が及んだ97、98年も同じだった。前任地の南部アフリカ・アンゴラでは4カ月間もゲリラに拉致され、熱い原野を行軍させられた。
 欧州出身のシスターは96年、長期独裁下のコンゴ人について「自分からは何もしない」と語った。「でも、嫌な相手には従わないという頑固さもある。そんな人々に初めて国民意識を芽生えさせたのが、(97年に独裁者を追放した)カビラさんだった」
 98年、隣国ルワンダとの戦争が始まった。「キンシャサ市民は街を守ろうとした。自立という意識が出てきた。もう91年暴動みたいな無茶はしないと思う」
 騒ぎがあるとまず狙われるのが、教会や外国人だ。「怖いと思うことはない。危い時ほど、20歳代の体験がよみがえり、守られている気持ちになる」
 結婚を控えたる日「突然、心に何かを感じた」。終戦後15年が過ぎていた。数カ月後「神に仕えよ」という意味だと覚ったという。「尼僧など一番人間らしくない生き方」と思っていたが、「大きな力に押されているように」シスターの道を選んだ。
 「悩むことも多い。時に惹かれる男性に出合えば、やはり苦しむ」。だが、そんな時には必ず、あの「何か」が寄り添ってくる。
 長く住むほど、自分を日本人だと思う。でも「大陸生まれのせいか、アフリカの方が自由な感じがする。苦もありますが、窮屈な感じがしないんです」
  文 藤原 章生
 中国山東省出身。マリアの宣教師フランシスコ修道会(本部・ローマ)キンシャサ管区会計係。63歳。[2001-02-13-23:35] 201
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 02/13@<イスラエル>リクードと労働党が連立内閣で原則合意 現地(毎日新聞)

 【エルサレム13日小倉孝保】13日のイスラエル各紙は、首相公選後の連立政権協議で右派リクード(党首、シャロン次期首相)と労働党(党首、バラク首相)が、連立内閣をつくる方向で原則合意したと伝えた。リクードと労働党の最大の対立点となっていたパレスチナ和平の路線をめぐり、最終合意ではなく、暫定合意を目指すことで合意したことを踏まえたもの。労働党内には連立参加に根強く反対する勢力があり、両党は最終合意にむけ13日も引き続き協議を続ける。
 大枠で合意したとされる内容は、(1)中東和平交渉の枠組みを定めた国連決議242と338を基に、シリア、レバノン、パレスチナとの恒久和平合意に向け努力する(2)パレスチナ自治政府との和平交渉では、暫定的な合意を目指す(3)交渉では、当事者双方が痛みを伴う譲歩を覚悟する(4)新たなユダヤ人入植地は建設しないが、人口の自然増加には現在の入植地を拡大することで対応する――など。
 ユダヤ教、イスラム教双方の聖地エルサレムの帰属やパレスチナ難民の帰還など、両党の意見が大きく異なる問題については、合意内容に盛り込まないことで両党が合意したとされる。
 リクード側は12日、連立に向けた政策協議について、「ほとんどの協議事項について、両者は合意に近づきつつある」と述べた。一方の労働党内には、「挙国一致の連立政権に加わるべきでない」(シュロモ・ベンアミ外相)など、リクードの和平政策に反対する勢力もあり、バラク首相側はリクードと原則合意に至ったことを依然、否定している。労働党が政権参加を決めた場合、党が分裂するとの見方も出ている。
 連立政権に関しては、シャロン次期首相は当選後すぐ、「危機に際し、挙国一致の大連立内閣が必要だ」と話した。当初、連立政権には加わらない意向を示していたバラク首相も8日、「国民が求めるなら、その意思に目をつぶるべきでない」と連立参加に前向きな発言をしている。
 イスラエル国会(クネセト)は定数120議席。労働党は23議席を持つ最大政党。リクードは19議席。シャロン次期連立政権にはすでに宗教政党や右派政党が参加する意向を示している。[2001-02-13-19:45] 209
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 02/13@ミャンマー政府軍とタイ軍が衝突、死者25人(読売新聞)

 【バンコク13日=奥村健一】タイ北部のミャンマー国境沿いのチェンライ県で十一日未明から、越境したミャンマー政府軍とタイ軍が激しく銃火を交え、同軍当局などによると、十三日までに、タイ側に少なくとも民間人二人と兵士九人の死者が出た。ミャンマー政府軍側でも兵士十四人が死亡した。戦闘は収まったが、情勢は依然緊迫しており、タクシン新首相は、国防相就任が確実視されるチャワリット新希望党党首とともに十四日、現地を視察する予定だ。
 両軍の衝突は、少数民族武装組織「シャン州軍」の拠点を攻撃していたミャンマー政府軍兵士約二百人が、タイ領へ越境したのを発端に始まった。地元住民は避難し、タイ側は国境警察約三百人を動員して警備を強化している。
 タクシン首相は、出来るだけ早期に、最初の外遊先としてミャンマーを訪れたい意向を表明したが、地元英字紙の社説は、今回の事件は政権交代期に攻撃を仕掛け、反応を窺うミャンマー側の常套(とう)手段であり、「訪問は当面見合わせるべき」と主張している。[2001-02-13-18:26] 213
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 02/13@クリックすれば無料で寄付 ネット募金、世界で利用(共同通信)

 インターネット上の広告をクリックするだけで、自分でお金を出さなくても、飢餓救済や自然保護活動に寄付できるサイトが米国で登場し、世界中で利用者が増えている。「クリック・ツー・ドネイト(クリック寄付)」と呼ばれ、ネットが寄付や募金を一段と身近にしている。
 「三・六秒ごとにだれかが餓死しています。その七五%は子供たちです」。The・Hunger・Siteのホームページ(HP)を開くと、真っ白い世界地図のアフリカやアジアで、黒く点滅する国がある。一回の点滅が一件の餓死を意味しており、飢餓の問題がいかに深刻かを訴えている。
 世界地図の下についた黄色い「ただで食物を寄付しよう」のボタンをクリックすると、次のページで企業のバナー広告が表示される。その中の一つをもう一度クリックして広告を見ると、広告を出した企業が、約一カップ分の食料を飢餓に苦しむ人たちに寄付する仕組みだ。
 運営する、ザ・グレーターグッド・ドット・コム(本社・米シアトル)のローラ・ビバレッジ営業部長は「寄付をするのにたった数秒しかかからない。昨年は、月に約三百三十万人がサイトを訪れ、年間三百万ドルを超える寄付をし、約九千五百トンの食料になった」と話す。寄付が多い国は米国、カナダ、英国の順で、日本は十九位だ。
 同社は、森林保護、地雷被爆者支援など同様に計六つのサイトを運営。クリック一つで移動できるため、毎日各サイトを回ってクリック寄付をする人もいるという。
 日本では、福祉や介護の情報を集めた「ふくしチャンネル」のHPにクリックをして企業広告を見ると、一回五円が「赤い羽根募金」などに寄付される広告がある。
 一方、日本で初めての募金専用サイトとして二月一日にスタートしたのが「ぼきんやドットコム」だ。世界自然保護基金(WWF)ジャパンなど十二の団体を一覧し、寄付したい団体への手続きがネットでできる。今春には、クレジットカードを利用し、自動振り込みも導入する計画だ。
 環境保護団体オイスカで、同サイト事務局代表を務める菅文彦さんは「寄付の気持ちはあるのに、団体を調べたり、振り込み用紙に書き込んだりが煩わしい。そんな気持ちと行動のギャップをネットで埋めたい」と話している。(了)[2001-02-13-17:34] 219
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 02/13@コンゴ紛争首脳会議が延期 調停役の指導力に陰り(共同通信)

 【ナイロビ13日共同】十三日に行われる予定だったコンゴ(旧ザイール)紛争当事者による首脳会議の開催が日程が定まらないまま延期され、調停役のザンビアのチルバ大統領の指導力に陰りが出ている。
 一九九九年夏のコンゴ紛争の停戦協定調印を実現させた立役者であるチルバ大統領は、暗殺されたカビラ前大統領の後任に長男のジョゼフ・カビラ氏が就任したのを受け、和平プロセスの行き詰まりを打開するため十三日の首脳会議開催を呼び掛けた。
 しかし、コンゴの反政府勢力を支援しているルワンダのカガメ大統領は十一日、チルバ大統領がコンゴ政府寄りと批判、不参加を表明した。
 コンゴ政府を支援しているアンゴラのドスサントス大統領も、チルバ大統領がアンゴラの反政府勢力を支援していると非難、九九年以来、ザンビアでの首脳会議に欠席している。チルバ大統領は今月初めにアンゴラを訪問、ドスサントス大統領に首脳会議への出席を要請したが、前向きな回答を得たかどうかは不明だ。
 さらに、コンゴ紛争調停の主導権をめぐり、南アフリカのムベキ大統領とも確執があり、南ア政府は十日、ムベキ大統領の都合で会議は十六日に延期されたと発表したが、ザンビア政府がそれを否定するなど不和が目立っている。(了)[2001-02-13-15:03] 220
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 02/13@<人模様>プロデューサーの吉田朝子さん(毎日新聞)

 心をいやすヒーリング系音楽レーベル「カノン」が、発表作品のベスト12曲を集めたCD「サロン・ド・カノン」を発売した。このうち1曲を、同レーベルが独自に制作した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)支援プロモーションビデオにも取り入れた。
 プロデューサーの吉田朝子さん(30)は「視聴者が、困難な状況を生きる難民の心の傷をいやし、希望を与えることが大切なんだと考えてくれればありがたい」と話す。「カノン」は吉田さんが幼い頃から親しんできたクラシック音楽を基調に、「愛」「懐かしさ」「想像」をキーワードとする楽曲を数多く提供してきた。「安らぎをもたらす音楽はどの国でも普遍的に受け入れられる」と考え、「さまざまな要素を融合し、広く支持される『ワールドミュージック』を目指します」。
 CDの収益の一部はUNHCRに寄付、難民支援活動に使われる。日本国連HCR協会の山本浩事務局長は「日本でも難民問題を知るきっかけの一つになってくれれば」と歓迎している。           【生長 恵理】[2001-02-13-15:00] 226
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 02/13@PKO、コンゴに部隊3000人展開へ(共同通信)

 【ニューヨーク12日共同】国連平和維持活動(PKO)局は十二日、紛争終結の見通しが出てきたアフリカのコンゴ(旧ザイール)に展開する国連コンゴ監視団(MONUC)の要員を三千人規模まで大幅増強させる計画を発表した。
 ジョゼフ・カビラ新大統領による和平協定の順守に向けた誓約とMONUC増強要請などに基づくもので、安全保障理事会は近くこれを承認、今月末にも展開が始まる見込み。本格展開が決まった昨年二月から約一年ぶりに実際の展開が実現することになる。
 記者会見したゲノPKO局長によると、増強部隊は五百人の軍事監視要員と二千五百人の平和維持軍兵士で構成。コンゴ紛争に介入しているルワンダなど外国軍の撤退を促す「非軍事化」のため、停戦から撤退までのプロセスを監視する。(了)[2001-02-13-11:31] 232
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 02/13@タリバン事務所の存続要請 国連代表が米に(共同通信)

 【ニューヨーク12日共同】アフガニスタン担当のベンドレル国連事務総長代表は十二日、アフガニスタンのタリバン政権と国連との交渉窓口になっているニューヨークのタリバン事務所を閉鎖しないよう米当局に働き掛ける意向を示した。
 国連安全保障理事会は昨年十二月、タリバンへの武器禁輸や各国のタリバン事務所を閉鎖する制裁強化決議を採択。今年一月に発効した。
 米政府はこれを受け、十二日までにタリバン事務所の閉鎖を通告。しかしベンドレル代表は「閉鎖しない可能性もあり得る」として、十三日の米国務省当局者との会談で事務所存続を要請すると述べた。
 タリバン側は、制裁が発動されれば、カブールなどにある国連アフガニスタン特別ミッションの事務所を報復閉鎖すると表明している。(了)[2001-02-13-09:30]
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 02/14@ユーゴ空爆引き金の虐殺事件、真相は“やぶの中”(読売新聞)

 【ウィーン14日=佐々木良寿】北大西洋条約機構(NATO)による一昨年の対ユーゴスラビア空爆の引き金の一つでありながら、真相が不明の一九九九年一月のコソボ・ラチャク村の「虐殺事件」について、当時、欧州連合(EU)の検視団に参加したフィンランドの法医学者三人が近く、学術論文の形で解剖報告を専門誌に発表する。公表された論文要約によると、事件についての全欧安保協力機構(OSCE)などの従来の主張に疑問を投げかけており、空爆の正当性を巡る議論に一石を投じることになりそうだ。
 フィンランド大法医学部のユハ・レニオ教授ら三人の共同論文は、「フォレンシック・サイエンス・インターナショナル」誌二月号に掲載される。
 事件は一昨年一月十六日に発覚。アルバニア系住民の案内でラチャク村を訪問したOSCEコソボ検証団と報道陣がアルバニア系住民の四十五遺体を発見。村一帯は当時、アルバニア系武装組織「コソボ解放軍(KLA)」の活動が盛んだった。訪問前日、セルビア治安部隊による掃討作戦が展開され、セルビア側はKLA戦闘員十五人が死亡した、と発表した。
 〈1〉死者はKLA戦闘員なのか、非戦闘員なのか〈2〉戦闘での死亡なのか、虐殺なのか――が焦点で、虐殺説とKLA演出説の二説があった。
 しかし、検証団のウィリアム・ウォーカー団長(当時)は記者会見で、「大半は年配者。至近距離からの銃撃が多い」とし、セルビア側による虐殺と断定。「住民が治安部隊に追い立てられ、背後から銃撃された」などの証言も報道され、国際世論は虐殺説に立ち、一気に対ユーゴ強硬論に傾いた。ミロシェビッチ・ユーゴ前大統領らを起訴した旧ユーゴ戦犯国際法廷は、起訴状で「四十五人の非武装の市民を殺害した」としている。
 これに対して、レニオ教授らの論文は、「当時、現場検証は不可能で、死亡時の状況は不明」としながらも、解剖結果として、「推定平均年齢四十三歳」「銃弾の貫通痕はほとんどが多方向を示している」「至近距離からと見られるものは一体」――などと指摘し、「至近距離からの虐殺」主張には医学的根拠が薄弱だとしている。
 その上で、「調査を受けて、ユーゴ当局はラチャク事件でセルビア警察を訴追する根拠はないと報道陣に語ったが、旧ユーゴ戦犯国際法廷はユーゴ高官五人を起訴し、訴因の第一にラチャク事件を挙げた」と言及。
 レニオ教授は本紙に、「解剖結果に基づく限り、いかなる政治的結論も導き出せないと思う」と述べた。一方、旧ユーゴ戦犯国際法廷のフローレンス・ハートマン報道官は、論文や要約公開に不快感を示し、「解剖結果だけが証拠ではない。前大統領らの起訴には何ら影響はない」と自信を示している。[2001-02-14-21:50] 15
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 02/14@◎ユーゴ大統領、今春訪日か=復興調査団派遣など要請へ(時事通信)

 ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ大統領が4月ないし5月に訪日する準備を進めていることが14日、明らかになった。在京の外交筋が語ったもので、ユーゴ復興に向けた日本の調査団派遣などをめぐり協議が行われる見通しとなった。 [時事通信社][2001-02-14-14:36] 16
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 02/14@「過去の責任」が焦点に 先進国と途上国の対立深刻 人種会(共同通信)

 【ジュネーブ13日共同】十三日明らかになった世界人種差別撤廃会議の「テヘラン宣言」案は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が日本による「過去の責任」を補償するよう明確に求め、これをアジアの途上国が後押しするという数の力学が働いた結果だ。
 同様に米国や欧州諸国の一部は、アフリカ諸国から奴隷制度に対する補償要求を突きつけられている。先進国側はこうした途上国の要求にまともに応じれば多大な金銭負担を強いられることになりかねず、八月のダーバン本会議まで激しい対立が続くことになる。
 世界会議は本来、ボスニア・ヘルツェゴビナの民族浄化やルワンダの虐殺など、人種差別に根差した現代の残虐行為などを抑止するための方策を探るのが目的だ。しかし、途上国は「先進国による過去の犯罪」を盾に金銭補償を受け取る機会ととらえた。
 先進国の大半は、歴史をたどれば「すねに傷を持つ身」。日米だけでなく、少数民族問題を抱えるオーストラリアやカナダなども対応に苦慮している。
 先進国側にすれば、補償要求に応じることは無理。残された選択肢は「過去の責任」に対して強硬に反対を続けるか、責任だけを認めて補償義務を回避するくらいしかないが、いずれも国際世論の反発を招きかねず、着地点を見いだすのは難しそうだ。(了)[2001-02-14-14:09] 17
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 02/14@◎中国、米の不発ミサイルを研究=ユーゴ・ラジオ(時事通信)

 【ウィーン14日時事】ユーゴスラビアの独立系ラジオB92は14日までに、北京発の情報として、1999年春の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆作戦で在ベオグラード中国大使館が米軍機によって誤爆された際、ミサイル1発が不発弾となり、中国は軍事技術向上のため、このミサイルの研究を進めていると報じた。 [時事通信社][2001-02-14-09:59] 18
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 02/14@前ユーゴ大統領の側近拘束 国営放送の前社長(共同通信)

 【ウィーン13日共同】一九九九年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆でセルビア国営放送職員が死亡した事件で、捜査当局は十三日、職員の保護義務を怠ったとして、同国営放送のドラゴリュブ・ミラノビッチ前社長の身柄を拘束した。ユーゴの独立系ベタ通信が伝えた。
 前社長はミロシェビッチ前ユーゴ大統領側近。NATOはコソボ紛争でセルビア民族主義のプロパガンダを展開したとしてベオグラードにある同放送ビルを標的にしたが、前社長はビルが標的になっていることを知りながら、職員の退出を拒否した疑いが持たれている。
 同放送ビルには九九年四月二十三日にミサイルが命中し、技術者ら十六人が死亡した。(了)[2001-02-14-08:37] 19
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 02/14@24日に米ロ外相会談 カイロでNMDなど協議(共同通信)

 【ワシントン13日共同】米国務省のバウチャー報道官は十三日、パウエル国務長官とロシアのイワノフ外相による米ロ外相会談を二十四日にカイロで行うと発表した。ブッシュ政権発足後、初の米ロ間の本格的な交渉となる。
 会談では、米新政権が推進する米本土ミサイル防衛(NMD)構想と、NMD導入に向けた弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正問題が主要議題となる。
 米側は、ブッシュ大統領が最近指示した戦略核兵器の一方的削減計画についてもロシア側に説明する。また、パレスチナ和平についても協議する見通し。
 米新政権は、NMD推進への固い決意を表明しており、会談ではNMDに関して柔軟な姿勢を示し始めたと伝えられるロシア側を説得する手掛かりを得たい考えだ。
 また、クリントン政権時代にユーゴスラビア情勢などをめぐってぎくしゃくした対ロ関係の再構築を目指し、会談を新たな米ロ関係のスタートと位置付けている。(了)[2001-02-14-08:28] 156
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 02/14@旧共産党機関紙が復刊へ イタリア選挙で左派を支援(共同通信)

 【ローマ日共同】共産主義の衰退とともに部数が激減し、巨額の負債を抱えて昨年七月に廃刊されたイタリアの旧共産党機関紙ウニタが、三月半ばにも新たな経営者によって復刊される見通しとなった。
 復刊に乗り出すのは、出版業のアレサンドロ・ダライ氏ら投資家が設立した新会社。左翼系とはいえ従来より多様で柔軟な紙面で幅広い読者の獲得を目指す。春の総選挙で劣勢が予想される与党の中道左派連合を後押しする方針も鮮明にしている。
 ウニタは旧共産党創設者の一人アントニオ・グラムシが一九二四年に創刊、イタリア左翼世論をリードしてきた。共産党が九一年に改組した左翼民主党は、ウニタの株式の七五%を売却。同紙は機関紙から一般紙に転換して経営の自立を目指した。
 だが、一時は平日三十万部あった発行部数が五万部まで急減、約八百億リラ(約四十六億円)の負債を抱えて廃刊した。
 ウニタの買収額は約三百億リラ。廃刊時に二百人近くいた従業員は半分足らずに削減し、当面は発行部数五万部の確保が目標という。(了)[2001-02-14-16:53] 180
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 02/14@PKO3千人の展開勧告 コンゴ紛争で安保理(共同通信)

 【ニューヨーク13日共同】アナン国連事務総長は十三日、アフリカ大戦と呼ばれるコンゴ(旧ザイール)紛争がカビラ前大統領の死去後「新たな段階に入った」として、国連平和維持活動(PKO)部隊約三千人の全面展開を勧告する報告書を安全保障理事会に提出した。
 報告書はPKO展開にとって障害とされた前大統領の死去とそれに伴うジョゼフ・カビラ新大統領の就任後、顕著な停戦協定違反はなく、新大統領とコンゴの反政府勢力を支援してきたカガメ・ルワンダ大統領が相次いで協定順守を誓約したことを評価。
 また紛争に介入しているアンゴラ、ジンバブエ、ナミビア、ルワンダ、ウガンダがコンゴ国内に駐留している正規軍に対して武装放棄などの非軍事化を命じるなど、和平機運が内外で芽生えつつあると指摘した。
 こうした情勢を受け報告書は、国連コンゴ監視団(MONUC)を現行の二百人規模から、非軍事化から撤退に至るプロセスを監視・検証する軍事監視要員五百五十人や平和維持軍の兵士二千三百人などの計約三千人に大幅増強させ、四カ所のMONUC地域本部の再構築などを勧告した。(了)[2001-02-14-08:34] 181
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 02/14@難民は平和維持軍が護衛を シエラレオネのカバー大統領(共同通信)

 【フリータウン13日共同】シエラレオネのカバー大統領は十三日、隣国ギニアでの政府軍と反政府勢力の戦闘でシエラレオネから流入した難民らが危険にさらされている問題をめぐり、同国を訪問したルベルス国連難民高等弁務官と会談。大統領は会談後の記者会見で「西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の平和維持軍が難民の帰国を護衛すればいい」と指摘した。
 ギニア南部では、難民キャンプが集中するシエラレオネ、リベリア両国との国境近くで戦闘が激化。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民をギニア中央部に移送しているが、作業ははかどっていない。このほか、毎日難民数百人がコナクリから船でシエラレオネに帰国している。
 カバー大統領は、ギニア南部の国境を越えて難民を帰国させる方法を提案。「シエラレオネの治安はわれわれが確保する」と述べたが、ルベルス高等弁務官は「平和を確信できる明確な兆し」が条件になると指摘した。(了)[2001-02-14-08:32] 182
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 02/14@紛争当事者の統合不可欠 国連大学、停戦後の永続平和で報告(共同通信)

 【ニューヨーク13日共同】国連大学は十三日、地域紛争の停戦協定の多くは数カ月で崩壊し、紛争終結後の永続的平和は兵士など紛争当事者の社会への統合にかかっているとする報告書を発表した。
 報告書は国連大学とアルスター大学(北アイルランド)が共同でまとめた。一九九○年代のイスラエルとパレスチナ、南アフリカ、スペイン・バスク地方、スリランカ、北アイルランドでの民族・宗教紛争や人種差別撤廃運動をケーススタディーとして考察した。
 報告書によると、紛争が一時的に終結した後、兵士や警護員らが大量に失職する事態が頻発。パレスチナやバスクの例を挙げて、こうした層はその後の和平プロセスに不安定要因となることが多く、雇用提供と職業訓練などによって市民社会に早急に復帰させることが不可欠と強調した。
 報告書はまた、南アフリカのマンデラ前大統領のように、永続的和平には九○年に釈放された強力な指導者の関与が必要条件で、九四年に制定された同国の新国旗のようなシンボルも「一体感の醸成」に有効だと指摘。さらに、北アイルランドの交渉当事者が南アフリカの助言を求めたように、別地域のプロセスを「借用」するケースが増えているとも指摘した。(了)[2001-02-14-08:01] 186
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 02/14@幻のマンデラ演説、英国図書館が再生(読売新聞)

 【ロンドン13日=原野喜一郎】南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離政策)指導者で、同国初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ氏(82)が三十七年前、白人政権から反逆罪で終身刑を言い渡される直前に法廷で三時間にわたって行ったアパルトヘイト非難の演説がよみがえった。二十世紀で最も重要な演説の一つとされながら、録音テープの再生手段がないと南アに放置されていたのを英国図書館が再生に成功したもので、世界に感動を与えた“幻の演説”が聞けるようになった。
 この演説は、マンデラ氏ら反アパルトヘイト闘争の中心だったアフリカ民族会議(ANC)幹部十六人に対する裁判で、最後の意見陳述の機会を与えられた同氏が一九六四年四月二十日に行ったもの。
 演説は少数白人支配の不当性、ANC活動の正当性などを主張した後、「私はすべての人がともに生き、平等の機会をもてる民主的で自由な社会を作る理想を抱いてきた。この理想を実現するため私は生きるし、必要ならば、この理想のためにいつでも死ぬ」と、抵抗を放棄しないことを宣言。
 マンデラ氏はこの後、終身刑を言い渡されたが、演説は世界を動かし、国連は判決を非難、マンデラ氏の釈放を要求した。
 演説は五〇年代から六〇年代にかけ口述の録音用に使われていた「ディクタベルト」に録音され、南ア放送協会に保管されたが、マンデラ氏の存在を無視しようとする白人政権の政策とともに忘れられた。マンデラ氏は九〇年二月十一日に釈放され、九四年に大統領に選出されたが、テープは再生機器がなく、そのままになっていた。
 しかし、南ア放送協会は昨年、英国図書館に相談。ここに再生機器が残っていることがわかり、昨年秋から再生作業が進められてきた。
 マンデラ演説は英国図書館で全部を聞けるほか、ホームページで一部が公開されている。[2001-02-14-00:53]
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 02/15@◎元将軍の戦犯訴追に抗議行動=クロアチア、「過去の清算」(時事通信)

 【ウィーン15日時事】旧ユーゴスラビア紛争(1991〜95年)を戦ったクロアチア軍の元将軍が、紛争中にセルビア人住民虐殺を指揮した戦争犯罪に問われ、逮捕状が出されたことから、民族主義勢力が猛反発。15日、首都ザグレブ中心部で1万人規模の民族派のデモが繰り広げられ、自国軍人を戦犯として訴追する方針を進める民主政権を非難した。
 発足から1年を迎えた中道左派の民主政権は、自らの手で戦犯を訴追し、欧米社会の信頼を勝ち取る狙いがあるが、隣国のユーゴ同様、戦犯問題という「過去の清算」の難しさに直面している。 [時事通信社][2001-02-15-23:51] 10
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 02/15@米大統領PKOに消極姿勢(共同通信)

 【ワシントン14日共同】ブッシュ米大統領は十四日、ウェストバージニア州チャールストンで開かれた州兵との集会で、国連平和維持活動(PKO)参加について消極的姿勢を明確にした。PKOへの積極的な参加を進めていたクリントン前政権とは一線を画したかたちだ。
 一方で、ボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア・コソボ自治州でのPKOについては、当面の間は米軍の参加を続ける方針を示した。
 大統領は「われわれの政権は、同盟国との協力は続ける。急な撤退はしない」とした上で「しかし今後は、部隊の(海外)展開は注意深く判断する」と述べた。(了)[2001-02-15-12:00] 11
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 02/15@<ユーゴ>前政権下の判事、検事数十人を解任、休職に セル(毎日新聞)

 【ウィーン15日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会は14日、ミロシェビッチ前政権下で任命された判事や検事数十人を解任、または休職させることを決めた。新しい判事・検事は15日に任命される。今回の司法人事の刷新で、国連旧ユーゴ戦犯法廷により起訴されているミロシェビッチ前大統領らを国内で訴追する体制が固まった。
 ベオグラードからの報道によると、セルビア議会はこのほか、前政権下の昨年7月、野党・民主勢力への支持を表明したとの理由で解任された判事16人の復職も決めた。
 ユーゴ国内ではコシュトゥニツァ新政権発足後も前政権が任命した判事・検事が在任したままで、前政権幹部の訴追は事実上、不可能だった。
 新司法体制での前大統領の訴追の具体的な容疑対象は、選挙違反や不正蓄財、さらに戦争犯罪などが上がっている。
 コシュトゥニツァ大統領はこれまで「『無差別空爆を実施した北大西洋条約機構(NATO)の罪を問わない』とする旧ユーゴ戦犯法廷の主張を全面的に受け入れるわけにはいかない。協力はするが、前大統領はまず国内法廷で訴追する」と再三表明している。[2001-02-15-10:30] 12
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 02/15@大衆紙にぎわす女性兵士 当惑する英軍改革派(共同通信)

 【ロンドン15日共同】上官と駆け落ちする女性がいるかと思えば、ヌードを披露する女性も―。女性の戦闘行動への参加が政治的論議になっている英国で、このところ女性兵士たちが相次いで大衆紙をにぎわし、軍隊への女性の平等参加を訴える改革派を困惑させている。
 チャールズ・ガスリー参謀長は十四日付の大衆紙ミラーに「女性の戦闘行動参加は作戦効率を悪くする」と言明、女性兵士への風当たりは強くなるばかりだ。
 大衆紙サンでヌードを披露したのはロバータ・ウインタートン一等兵(20)。補給部隊で訓練教官を務め、ボスニア・ヘルツェゴビナにも派遣された。モデル希望で「大問題になるのは分かっているけど、紙面に登場したかった」と動機を語った。
 既婚の軍曹と無許可離隊したのは砲兵隊の女性上等兵(24)。彼女は陸軍の女性兵士募集ポスターに登場、陸軍の「新しい顔」として一躍有名になったが、昨年七月に配属先のキプロスから二人で失そうした。
 ガスリー参謀長は「元気な人々を徴兵しており、(不倫騒ぎは)時として起きる」としているが、軍近代化へ向け女性の入隊を推進中の陸軍にとっても当惑する事態のようだ。(了)[2001-02-15-09:32] 70
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 02/15@<ひと>政財界・NGOが連携する救援組織事務局長の井出勉(毎日新聞)

 「ジャパン・プラットフォーム」という名の組織が発足した。海外の自然災害や紛争、難民流出などの緊急事態に、非政府組織(NGO)や政府、経済界が連携して対処しようという救援団体である。
 事務局長の公募を知り、新しもの好きの血が騒いで応募した。110人の中から選ばれ1月、就任。「チャレンジングな仕事。さまざまな人がかかわり、新しいものを生みだすのは魅力的です」。勤務先の日本航空は出向扱いになった。
 日航では商品開発部Eビジネス推進チーム課長として、インターネット上での航空券販売事業をスタートさせた。経団連が後押しする日本初の官民連携による救援活動。「私の参加が日航の社会貢献にもつながる」という自負もある。
 国際社会での欧米NGOの活躍ぶりは知っていた。劣勢にある日本のNGOに、財界は資金や物資を提供し、政府は資金・情報の提供、人材育成などで支援する。「組み合わせの妙で強みを出したい。日本はビジネスを立派にやってきた。救援活動も十分にできるはずです」
 連係プレー、うまく行きそうですか? 「なんとか。国民に分かりやすい援助を行う気持ちで一致しています」。同僚に「いい目標のために働けてうらやましい」と励まされたという。
 就任して間もなく、インドで大地震が起きた。NGO10団体が救援に動き、現地に連絡センターを設置。企業は「ジャパン・プラットフォーム向け」と銘打った募金に乗り出した。
 「NGOがつちかった経験を生かし、現地のニーズに応えたい。ご注目を」
     文・生長 恵理
 チェコ・プラハ生まれ。1980年日本航空に入社。パリ勤務などを経て、91年フランスで経営学修士号を取得。43歳。[2001-02-15-23:50] 72
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 02/15@不法移民規制、スペインの国論揺るがす(読売新聞)

 【マドリード15日=貞広貴志】北アフリカや中南米からの不法労働者が急増するスペインで、流入規制を目指して今年一月に施行された「改正外国人法」が波紋を広げている。約二十万人に上るといわれる不法移民は、都市部での治安の悪化を招く一方で、農場や建築現場などいわゆる3K職場を支える労働力として定着しているだけに、スペインの移民問題は、日本など人口の高齢化が進む他の成熟社会にも、海外からの労働力流入にいかに対処するかという課題を突きつけている。
 マドリード北部にあるグアダルーペ教会は、エクアドルから来た不法移民約五十人が寝袋や毛布を持ち込んで“占拠”し、新外国人法反対を唱える拠点となっていた。礼拝堂の白い壁には「移民にもスペイン人と同じ権利を」と訴える手書きのポスターがベタベタと張られている。だが、教会への出入りは自由で、地元住民を招いた話し合いや音楽会が頻繁に催される。
 「私たちの行動は『開かれた立てこもり』です」。新外国人法の施行で六年以上続けた家政婦の職を失ったナルシサ・ピハルさん(34)は趣旨をそう説明した。
 スペイン全土では目下、十五の教会がこうした抗議運動の舞台となっているが、カトリック教会側も運動に理解を示す。セビリアのカルロス・アミーゴ大司教は「移民たちの問題は本来、政党や労働組合が解決しなければならず、教会に駆け込まざるを得なかったのは民主主義の失敗だ」と公言し、政府を批判した。
 アスナール首相率いる国民党政権が導入した新外国人法は、〈1〉不法移民から集会や組合加入の権利をはく奪〈2〉不法滞在者の国外追放規定の強化――などを柱とする。表向きは、移民政策の共通化に踏み出しつつある欧州連合(EU)と歩調を合わせるのが目的だが、治安悪化やスペイン人の雇用が奪われることなどへの懸念が背景にある。
 特に問題になっているのが、不法移民を雇った雇用主への罰則を強化し、現在国内にいる不法滞在者はいったん強制送還する方針を打ち出した点だ。多くの人が職を失い、摘発をおそれて裏社会に流れ込む逆効果をもたらした。
 移民の保護活動を展開する民間活動団体「正義と平和」のミゲル・サンチェス事務局長は、「人類の歴史は移民の歴史。豊かさを求めてやって来る人を警察力で抑え込んではならない」と語り、スペイン自身が中南米や他の欧州諸国に大量の移民を送り出した経緯も踏まえて寛容な政策をとるよう呼びかけた。
 スペイン経済は過去四年続きで4%成長を遂げる好況に沸き、一獲千金を夢見て命懸けでジブラルタル海峡を渡るいかだは後を絶たない。移民と旧来のスペイン社会の摩擦は高まっており、当地の外交筋は「移民のデモに対する警察の過剰警備や外国人排斥を叫ぶ極右の挑発が、もっと深刻な社会問題を引き起こす恐れがある」と警告した。[2001-02-15-23:22] 77
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 02/15@◇バーミヤン、反対派が確保か タリバーンは反撃を準備◇(朝日新聞)

 アフガニスタン中部の要衝バーミヤンをめぐる攻防は、3日目の15日現在、北部同盟のイスラム統一党が町を確保している模様だ。統一党の幹部は「我々は市内に拠点を確保している」と、フランス通信の取材にこたえた。カブールからの報道では、同国の大部分を支配するイスラム原理主義勢力、タリバーンは反撃を準備している。同勢力は旧式のミグ戦闘機や戦車を持ち、国内ではなお優勢だが、先月からの新たな国連制裁で国際的な孤立を深めている。
 タリバーンは、1998年の米大使館同時爆破事件で黒幕とされるオサマ・ビン・ラディン氏をかくまっているため、99年から国連による経済制裁を受けていた。さらに、ロシア国内のイスラム過激派がアフガニスタンで訓練を受けているとして、ロシアもタリバーンを非難。米ロ両国の主導で国連安全保障理事会は昨年末、タリバーンへの武器禁輸や在外事務所閉鎖などの新たな制裁を決議し、1月から発効した。
 タリバーンは「我々への不当な制裁の一方で、敵はロシアから軍事支援を受けている。この支援が続けば、内戦が長引く」と同派のラジオで非難している。
 ムタワキル外相は今月、米国のブッシュ新政権に対し「ビン・ラディン氏問題で新たな解決法を考える」との書簡を、ニューヨーク事務所を通じて送った。だが、同事務所も安保理決議を根拠に米国の要求で14日、閉鎖された。同外相も対抗して、カブールの国連アフガニスタン特別ミッション事務所の閉鎖を命じた。
 同勢力を支援してきた隣国パキスタンも態度を変えた。ハイデル内相は今月、カブールを訪れ「タリバーン指導者に国際社会への関心にこたえるよう求めた」という。
 駐パキスタンのマイラム米国大使は「タリバーンの新しい提案を待つ」と話しつつ、同勢力が警戒する米軍による空襲について「我々は敵に対するあらゆる選択肢を否定しない」とけん制している。[2001-02-15-22:19] 90
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 02/15@ロとEUが「飛び地」協議 カリーニングラード州(共同通信)

 【モスクワ15日共同】欧州連合(EU)の議長国スウェーデンのリンド外相やソラナ共通外交・安全保障上級代表らは十五日、モスクワでイワノフ外相らと会談、EUとロシアの安全保障問題やポーランドとリトアニアに囲まれたロシアの飛び地、カリーニングラード州の将来像に関する協議を開始した。
 新規加盟国候補であるポーランドとリトアニアが二○○三年以降にEUに加盟した場合、同州がEU域内に取り残されたロシアの「離れ小島」となる。国境管理や安全保障などの面で紛争を招く恐れがあるため、同州の存在が新たな脚光を浴びている。
 アブデーエフ・ロシア第一外務次官は、カリーニングラード州住民が周辺国に出入りする場合のビザ問題や交通問題などを課題と指摘した。
 第二次大戦までドイツ領だった同州をめぐっては、ロシアの対ドイツ債務の一部免除と引き換えに、同州をドイツの経済圏に組み入れる秘密交渉が両国間で行われていると一部で報じられるなど、さまざまな観測が飛び交っている。
 ロシア軍が北大西洋条約機構(NATO)再拡大をにらみ、戦術核弾頭をカリーニングラード州に移したとの米紙報道もある。
 ロシアとEUは、EUが創設を決めた緊急展開部隊とロシアの協力問題も協議。EU代表団の一部は帰途、同州を訪れ、実情を視察する。(了)[2001-02-15-19:41] 104
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 02/15@影響力は大幅に限定 米の不参加で国際刑事裁(共同通信)

 【ニューヨーク15日共同】パウエル米国務長官が十四日、戦争犯罪などを裁く初の常設法廷である国際刑事裁判所(ICC)設立条約への不支持を明確にしたことで、数年後にICCが設置されても、その影響力は「極めて限定されたものになる」(国連外交筋)との見方が出始めている。
 国連創設以来の課題でもあるICCの設立条約は六十カ国の批准で発効する。一月三十一日現在の批准国は二十七カ国。米国とイスラエルが署名期限である昨年十二月三十一日に駆け込み署名に踏み切ったことから、国連や非政府組織(NGO)関係者には「順調に進めば、二年後ぐらいには発効するのでは」との期待感も出ていた。
 しかし、米国が強く求めてきた米軍除外規定が認められないことなどを理由にICCに参加しなければ、例えば、戦争犯罪の証拠収集能力などでICCの機能低下は避けられない。
 さらに「ICCが訴追、手配した人物が広大な米国に逃げ込み、米当局が身柄確保に協力しなければ、実効性まで失われてしまう」(外交筋)との懸念が現実味を帯びてくる。
 フランスやカナダなど積極推進派は「米の対応は織り込み済み」として、NGOなどと連携して米国に批准を強く働き掛ける意向で、ICCの実効性は米国の方針転換の可否にかかっていると言えそうだ。(了)[2001-02-15-16:00] 113
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 02/15@<アフガニスタン>タリバン政権と反タリバン連合の攻防戦が(毎日新聞)

 【イスラマバード15日春日孝之】アフガニスタンの全土の9割を支配するイスラム原理主義勢力、タリバン政権と北部の反タリバン連合による攻防戦が激化、昨年来の大干ばつの影響も加わり、食糧不足が深刻化している。大量の難民が発生する中、タリバンは14日、国連に対し、和平プロセス構築を目指してきた国連現地事務所の閉鎖を命令、アフガン情勢は混迷の度を深めている。
 アフガンからの報道によると、マスード将軍が事実上率いる反タリバン連合は14日、中部バーミヤン州の州都バーミヤンを奪還したと発表。タリバンも同日、バーミヤン陥落の事実を認めたうえで、「態勢を立て直し、反攻する」との意向を示した。巨大石仏で世界的に知られるバーミヤンは、反タリバン連合の一角、イスラム統一党の拠点で、戦略上の要衝でもあり、今後、戦闘の一層の激化が予想される。
 内戦は例年、冬場には積雪で中断されるが、今年は比較的天候が穏やかで、戦火が絶えない。しかも記録的な干ばつに見舞われ、国連によると、昨年9月以来、60万人以上の避難民が発生し、うち15万人は隣国パキスタンに難民として流れた。
 こうした中、国連は国際社会に対し、人道支援のため2億2900万ドルの支援を呼びかけたが、これまでに寄せられたのは、わずか約1400万ドルで、避難キャンプでは餓死寸前の避難民が増えており、深刻な状況にあるという。西部ヘラートでは最近、170人以上が凍死した。
 国連の大島賢三・緊急援助調整官室長(事務次長)は13日、アフガン入りし、記者団に「紛争の平和的解決がなければ、人道問題はいつまでも解決されないだろう」と語った。
 しかし、タリバンは14日、内戦終結に向け和平工作を行ってきた国連アフガン特別ミッション(UNSMA)のカブール事務所閉鎖を命令、和平への道のりはさらに遠のくことになりそうだ。
 国連は1月、米国が「国際テロの黒幕」とみなすサウジアラビア出身のウサマ・ビン・ラディン氏の身柄引き渡し要求に応じないことを理由に、タリバンへの経済制裁強化を発動、ニューヨークのタリバン事務所閉鎖を通告した。タリバンによる国連事務所閉鎖は、これに対抗した措置だ。[2001-02-15-10:40] 115
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 02/15@<中東情勢>ブッシュ米大統領が暴力停止を初めて呼びかけ(毎日新聞)

 【ワシントン14日中井良則】ブッシュ米大統領は14日、イスラエルでパレスチナ人が運転するバスがバス停に突っ込みイスラエル人が死傷した事件で「すべての当事者に対し、暴力の停止に全力をあげるよう求める」と強い調子で呼びかけた。中東紛争で大統領が直接、見解を示したのは就任後初めて。
 大統領は声明で「暴力を強く非難する」と述べ、バラク・イスラエル首相に電話したことを明らかにした。「イスラエルとパレスチナの間の暴力の悲劇的な連鎖を止めなければならない。米国はこの地域に平穏が戻るようすべての当事者と協力する」と語り、中東和平への関与を表明した。
 また国務省報道官は同日、パウエル国務長官がアラファト・パレスチナ自治政府議長と電話で会談し、暴力の停止を求めたことを明らかにした。[2001-02-15-10:25] 121
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 02/15@反政府勢力支援国が欠席 コンゴ紛争首脳会議(共同通信)

 【ナイロビ14日共同】ザンビアからの報道によると、コンゴ(旧ザイール)のカビラ前大統領が暗殺されてから初めてのコンゴ紛争当事者による首脳会議が十五日、ザンビアのルサカで開催される。
 しかし、反政府勢力を支援しているルワンダとウガンダの両国は、代表は派遣するものの大統領自身は欠席を表明しており、大きな成果は期待できない情勢だ。
 父親の後を継いだジョゼフ・カビラ大統領は出席を表明、コンゴ政府を支援しているジンバブエ、ナミビア、アンゴラも大統領が出席する予定だ。
 ザンビア外務省によると、反政府勢力の代表も既にルサカ入りしている。
 ルワンダのカガメ大統領は調停役のザンビアのチルバ大統領がコンゴ政府寄りだとして不参加を表明。ウガンダのムセベニ大統領は三月の大統領選の選挙運動で多忙なことを欠席の理由に挙げている。(了)[2001-02-15-09:49] 122
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 02/15@アフリカへ初の共同訪問 IMF、世銀の両首脳(共同通信)

 【ワシントン14日共同】国際通貨基金(IMF)と世界銀行は十四日、ケーラーIMF専務理事とウォルフェンソン世銀総裁が十八―二十五日にアフリカ諸国を初めて共同訪問すると発表した。
 IMFと世銀は最近、重債務貧困国の債務削減やエイズ対策を通じ、アフリカ支援を強化してきた。今回の訪問で両首脳はアフリカ側に、社会問題の解決と経済発展に向け自らも積極的に取り組むよう促す。
 両首脳はマリで西・中央アフリカ各国の首脳と意見交換、ナイジェリアでオバサンジョ大統領と会談後、タンザニアで南アフリカ各国首脳と会い、最後にケニアを訪問する予定。(了)[2001-02-15-09:48] 123
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 02/15@タリバンがNY事務所閉鎖(共同通信)

 【ニューヨーク14日共同】アフガニスタンのタリバン政権は十四日、国連との交渉窓口であるニューヨークの事務所を閉鎖した。
 国連制裁に基づいた米国からの通告に従ったものだが、事務所職員は当面ニューヨークに残って人道援助問題などで国連との交渉を続ける見込み。
 安全保障理事会は昨年十二月、国際テロの黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏の引き渡し拒否を理由に、タリバン政権への制裁強化を決め、今年一月に発効した。(了)[2001-02-15-09:47] 124
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 02/15@対中人権非難決議を要求 超党派議員が米政権に(共同通信)

 【ワシントン14日共同】米国のウェルストン民主、ハッチンソン共和両上院議員ら超党派の議員団は十四日、ブッシュ政権に対し三月中旬に始まるジュネーブの国連人権委員会で中国の人権政策を非難する決議案を提出するよう求める上院決議を提案した。
 国連人権委員会で米政府が対中人権非難決議案を提出するかどうかは、ここ数年、米国の対中政策のスタンスを図るバロメーターとなってきた。今年はブッシュ新政権の対中外交の試金石として注目を集めている。
 ウェルストン議員は記者会見で、気功集団「法輪功」の活動封じ込めや宗教家の迫害など「中国の人権状況は改善されていない」と述べ、ブッシュ大統領に「人権問題を無視するな」と呼び掛けた。
 パウエル米国務長官は人権非難決議提案について「提出するかどうか、文言をどうするか、まだ決めていない」と述べているが、米紙ニューヨーク・タイムズは「米政権は見送る方針を固めた」と報道し、米人権派が新政権に圧力をかけている。(了)[2001-02-15-09:06] 125
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 02/15@米英軍機がイラク施設攻撃(共同通信)

 【ワシントン14日共同】米国防総省当局者が十四日明らかにしたところによると、米英軍機が米東部時間十三日午後、イラク南部の地対空ミサイル施設を精密誘導兵器で攻撃した。
 米軍は「最近のイラクによる国連安保理決議の違反への対応」として実施したとしている。国営イラク通信(INA)も南部バスラで同日「民間施設への攻撃」があったことを認めた。負傷者はいないもよう。
 イラク南部では米東部時間十一日にもイラクの防空施設を米英軍機が攻撃、イラク側によると十六人が負傷している。(了)[2001-02-15-09:06] 126
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 02/15@国際刑事裁への不支持表明 パウエル国務長官が国連で(共同通信)

 【ニューヨーク14日共同】パウエル米国務長官は十四日、戦争犯罪などを裁く初の常設法廷である国際刑事裁判所(ICC)設立条約について「ブッシュ政権は支持していない」と言明した。ブッシュ政権が不支持を明確に表明したのは初めてで、今後、ICC創設に向けた国際社会の動きが減退することは必至だ。
 ニューヨークの国連本部でアナン国連事務総長との初会談後に語った。
 パウエル長官は「クリントン前大統領は(昨年十二月に)署名したが、ブッシュ政権は議会に批准を要請するつもりはない」と述べ、米国として国連が主導するICCには協力できないとの姿勢を強調した。
 一九九八年採択の同条約をめぐっては、クリントン前政権が世界に展開する米軍兵士が「戦争犯罪」で起訴される懸念から、米軍除外規定を強く求めていた。
 同条約は六十カ国の批准で発効するが、今年一月末現在の批准国は二十七にとどまっており、日本は署名、批准ともにしていない。(了)[2001-02-15-09:05] 133
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 02/15@ビジネスマンOBがNPO設立、国際人育成へ(読売新聞)

 三井物産や東芝などで海外駐在経験があるビジネスマンのOBが、自分の海外経験を役立てて、世界に目を向ける子供を増やそうと、小中学校に無償で講師を派遣する非営利組織(NPO)、「国際人をめざす会」を十五日に設立する。三か月以内に東京都からNPOの認可を得て、活動を本格化させる考えだ。
 国際人をめざす会は、もともとは九九年八月に任意団体として発足した。現在、約三百人の会員のうち六十人が講師として登録している。これまでに首都圏の約五十校に講師の派遣実績があり、大阪、名古屋での活動も計画している。
 講演のテーマは、教科書に載っていない外国の慣習や、日米間のマナーの違いなど。アラブ首長国連邦のアブダビ勤務経験があり、同会の事務局長に就任する三井物産OBの塚本昭久さんは、「自分の知らない世界があることを知り、生徒の何人かが国際人を目指してもらえれば」と話している。[2001-02-15-03:06] 135
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 02/15@◇CTBT―死文化させてはならぬ◇(朝日新聞)

 あらゆる核爆発を追放する包括的核実験禁止条約(CTBT)が採択されて四年余りがたつ。だが、いまだに発効のめどがたたず、条約は死文になりかねない。
 CTBTは、核保有五カ国と、原子炉をもち潜在的に核開発の可能性があるとみられる諸国の計四十四カ国による批准を発効条件にしている。この中には、インド、パキスタン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、イスラエルなどが含まれている。
 四十四カ国のうち日本など三十カ国が批准した。残り十四カ国の動向が焦点だ。米国のブッシュ新政権は批准に消極的で、中国も批准の見通しがなく、発効には程遠い。
 CTBTは、核保有国が核弾頭の開発競争に戻るのを防ぐ歯止めとなる。中国、インド、パキスタンが次々にミサイル搭載可能な新核弾頭を開発するのを防ぐ効果もある。
 核保有国やインド、パキスタンは核実験凍結を続けている。しかし、CTBTが宙に浮いたままだと、安全保障をめぐる国際情勢の変化を口実にして、凍結を解除し実験を再開する可能性もないわけではない。
 国際社会はいま一度、CTBTの重要性を見つめなおし、条約が死文化するのを避ける戦略を練らなければならない。
 何をおいても、米国の説得が緊要だ。米国が未批准だと、それを口実にして他国が批准しない恐れがある。逆に米国が批准すれば未批准国を説得する力になるだろう。
 米国上院は一九九九年にCTBT批准を拒否した。共和党中心の反対派は「検証が不十分で国益を損なう」と主張した。そこでクリントン政権はシャリカシュビリ前統合参謀本部議長に課題の洗い直しを依頼した。
 シャリカシュビリ氏は超党派の立場で分析し、今年初めに、CTBTは米国の核不拡散政策にとって重要であり、国家安全保障上の利益にもかなうとの結論を示した。
 ブッシュ政権はこの結論を尊重して、批准を急ぐべきだ。日本は欧州やカナダなどと協力して米国への働きかけを強めたい。
 今年秋にはCTBT発効の第二回促進会議が米国で開催される。米国の世論に働きかけ、ブッシュ政権を動かす狙いが込められている。日本は非政府組織(NGO)と協力し、米国の市民社会に直接、CTBTの意義を説く努力をしてはどうだろうか。
 インド、パキスタン、北朝鮮は調印さえしていない。すぐに批准まで進むのが無理なら、まず調印を急いでもらいたい。
 国際慣習法や条約法に関するウィーン条約では、条約の調印国は発効前でもその条約の目的を阻害しない義務を負う。印パ両国や北朝鮮は同ウィーン条約を批准していないが、CTBTに調印すれば、その批准前でも慣習法で拘束されるとの見方が有力である。
 この三カ国が調印すれば、四十四カ国がすべて調印国となる。そのうえで、国際慣習法や同ウィーン条約の尊重を確認すれば、CTBTが未発効の段階でも核実験に歯止めをかける有力な手段となるだろう。
 一歩ずつでも、CTBTの規範力を強めていく努力が不可欠である。[2001-02-15-00:19] 138
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 02/15@<コンゴ民主共和国>新政権 「外資」で打開図るが(毎日新聞)

 カビラ前大統領が先月16日、暗殺されたコンゴ民主共和国(旧ザイール)。コンゴ内戦に介入してきた周辺国は、その豊かな資源に強い関心を示す。アフリカの「資源大国」の現状と行方を追った。【キンシャサで、藤原章生】
 コンゴ産銅は世界最高の純度を誇り、その埋蔵量は世界の約5%にのぼるとされる。コバルトは世界の30%前後を占めるという。
 コンゴ中央銀行によると、99年の総輸出額7億ドル強のうち、ダイヤは5億ドル強、銅・コバルトは6000万ドル弱にのぼった。関係者は「フル稼働ならこの10倍になる」と言う。
 カビラ氏は1997年5月の政権奪取直前、米国のアメリカン・ミネラル・フィールズ(AMF)社と10億ドル規模の鉱山開発契約を交わした。だが、契約はその年末、破棄された。長年、同鉱山に照準を絞ってきたアングロ・アメリカン社が競争相手となったためだ。
 AMF社は98年、「カビラ氏を買収した」とアングロ社を相手に損害賠償を求める騒動に発展。その後、両社は共同事業に合意した。買収を否定した英・南ア籍の最大手、アングロ社だが、和解の背景には有望な鉱山を手放したくない事情がある。
 カビラ前大統領の鉱山政策は失敗続きだった。カビラ氏は昨年7月、米、イスラエル系企業にダイヤ輸出の独占権を与えた。だが、銀行以外での外貨取り引きを禁止したことで、地元業者による隣国・コンゴ共和国へのダイヤ持ち出しが横行、税収落ち込みにつながった。関係者によると、国営鉱山会社のトップに収まったジンバブエ人の企業家は、鉱山企業に異例の前金を要求し、不評を買った。
 内戦で現金が必要だったためか、カビラ前大統領周辺から鉱物資源が闇市場に流れることもしばしばだった。99年にはヨハネスブルクで捜査当局にコンゴ産コバルト地金800トン(約4000万ドル相当)が押収された。
 南アのコンサルタント会社社長、ベイリー氏は打ち明ける。「鉱石運搬の採算性調査に関する入札説明会議の席上、政府幹部が『落札額の半分は我々に』と平然と言った」。ベイリー氏は入札額100万ドルを提示したが、蓋を開けてみれば8倍をつけたカナダ企業に敗れた。
 ジョゼフ新大統領は就任直後、「ダイヤ取引を自由化し、外資を積極導入したい」と鉱山開発の基本方針を明らかにした。だが、モブツ元政権以来のずさんな体質に、貧しさとモラルの低さが追い打ちをかける。AMF社とアングロ社の鉱山開発も、まだ、本格始動に至っていない。[2001-02-15-00:15] 139
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 02/15@<記者の目>政変後のコンゴ 藤原章生・ヨハネスブルク支局(毎日新聞)

 コンゴ民主共和国(旧ザイール)のカビラ大統領暗殺の報を聞いた先月16日、最初に感じたのは「また、キンシャサに行ける」という思いだった。妻が「どうせ旅でしょ、旅」と反論した。そう、旅なのだ。サハラ砂漠より南の48カ国をカバーする「アフリカ特派員」の仕事は矛盾している。不法侵入者を防ぐ高い塀と電線、警備会社のパニックボタンで自衛したヨハネスブルクの自宅兼支局を基地にして、そうした国々を垣間見ているに過ぎない。
 国を知るには住まなければならない。旅人の目は無責任なものだ。「貧しい中に輝く目」「日本人が忘れてきた暮らし」――。旅人である限り、旅先での思い出はセンチメンタルに美化される。だが、家族を危険から守り、子どもの教育も考えなければならない、といった生活者の目を持てば、きれいごとは言えなくなる。
 それを知りながら、コンゴの旅になぜ、惹かれるのか。1994年のルワンダ大虐殺後、難民があふれるコンゴ東部にルワンダの内紛が飛び火した。独裁者モブツ元大統領の追放、カビラ政権誕生を経て、戦乱は今も続く。ニュースを追い6度ほど訪ねたコンゴへの思い入れは、戦争というよりも、ある日常の風景を見たせいだ。
 96年、モブツ独裁(65―97年)の末期。「お前、搾取に来たな」「外国人なんだから、金を出せ」。エボラ出血熱の取材で回った内陸の町、キクウィトや暴動の残がいが残る首都キンシャサで、ナイーブだった私は若者のののしりや軍人の嫌がらせに消耗していた。
 そんなころ、コンゴ川からの熱風が漂うキンシャサの通りを行く人々に目を奪われた。みな眉間にしわを寄せ、まぶしい物でも見るような表情をしている。
 「みんな、しわがあるけど、部族の特徴?」。間の抜けた質問をすると、通訳のトムは「違うよ。皆、絶望してんだよ」と同じ顔つきをして答えた。官僚だったトムは給与の遅配で収入がなく、会うなり煙草をせがみ、立て続けに2本チューチューと音をたてながら吸った。通りでは年輩の女性が市場で売るため道路の敷石を掘り返し、閉鎖された米自動車工場はH形鋼までむしり取られていた。
 貧困が人をあんな顔にする、と思い込んだ私はある一家の家計を聞き取り「アフリカン・サバイバル」という話を書いた。トマトピューレ缶をさじでバラ売りしたり、300キロも離れたダイヤ産地に20リットル入りウィスキーを徒歩で届け、バス代ほどの利を得る。
 先月末、5年ぶりに会った一家はさらに貧しくなっていた。「モブツ時代の方が食えた」とこぼす。ただ、不思議な事に一家の顔からしわが消えているような気がした。街にも絶望的な群衆はいない。それどころか、カビラ氏の国葬で若者たちは外国人を取り囲み「白人が殺した」と大騒ぎする。暴力には閉口したが、表情は生き生きしている。英ロイター通信の記者になっていたトムは「軍人のゆすりが減ったからじゃないか」と言う。栄養失調による肌荒れの消えたトムは、もう煙草をチューチュー言わせない。
 貧困が人を絶望させるのはではない。独裁者モブツ氏が死ぬまで続く「閉じられた未来」が人の表情を硬くさせた。実利的とは言えない「コンゴ人の誇り」「アフリカ民族主義」を口に、戦争を続けたカビラ氏だが、少なくとも人々の鬱(うつ)を取り払った。
 そんな仮説が浮かんだものの、落とし穴はある。観察者の私自身が、過去5年で変わったかも知れないからだ。いま初めてこの国を訪れていたら「貧困にあえぐ群衆」という旅の印象だけを抱いたかも知れないからだ。
 コンゴは19世紀後半までの奴隷貿易で内陸から働き手を奪われた。英国生まれの米国の新聞記者スタンレーが未知のコンゴ川を下った19世紀末「抵抗する原住民はほとんどいなかった」。スタンレーを抱き込んだベルギーのレオポルド二世は「慈善」を唱え、1885年から正式にベルギー領となる1908年まで、この地を私物化した。
 コンゴからはぞうげ、ゴム、銅、ラジウム、ウラニウム、ダイヤが持ち出され小国ベルギーに繁栄をもたらした。広島に落とされた原爆の材料もコンゴ産のベルギー製という。ホクスチャイルド著「レオポルド王の亡霊」によれば初期の野蛮な植民活動で推定1000万人が死んだという。60年のコンゴ独立後もベルギーは銅産地に傭兵を送り、左翼指導者ルムンバを暗殺し、独裁者モブツの陰で影響力を残した。
 そんな歴史が人々をあんな表情にしたのでは? そうぶつけると、高校教師のコロンゴさん(43)は「それはない」と言う。「我々は過去を余り考えない。すぐ忘れる。考えるのはその日のことだ」。
 耳からの知識をいくら増やしても、実際に目にした光景を説明するのは難しい。それにしてもなぜあの群衆に惹かれたのか。「そこに人間の生命力のようなものを感じ、その強さに目を奪われたから」。そんな風にも思う。別れ際、サバイバル一家の二男がこう言った。「あんた、また5年たって来たら、今度はみんな餓死してるよ」。いや、生きている、と思った。[2001-02-15-00:15]
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 02/16@司法界でも前大統領派一掃 ユーゴ、訴追へ包囲網(共同通信)

 【ウィーン16日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会は十五日、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領派が要職を独占していた同共和国の裁判所や検察庁の幹部を総入れ替えした。これにより、前大統領の司法界での権力基盤を崩し、前大統領や側近訴追のための包囲網をほぼ完成させた。
 昨年暮れの議会選での民主野党連合(DOS)の圧勝を受け、一月に発足したジンジッチ首相の共和国政府は既に、前大統領の右腕だったマルコビッチ国家保安局(秘密警察)長官を解任するなど警察機構でも「ミロシェビッチ色」を一掃している。
 同議会は、最高裁長官に共和国初の女性長官となるカラマルコビッチ元最高裁判事を任命。元判事は前大統領時代に解任された人物。十五日までにベオグラード地裁長官や判事四十九人、検事十七人が解任された。
 辞表を提出したクルスマノビッチ検事総長の辞任も十五日の議会で承認された。ただ、過去数年に相次いだ要人暗殺事件にマフィアが深く関与しているとみられることから、後任検事総長のなり手がいないのが現状。
 共和国政府指導部は汚職や選挙不正などの罪で前大統領を国内で裁判にかけたい意向だが、証拠類が既に焼却ないし国外移送された可能性もあることから、本格捜査、起訴を危ぶむ声も出ている。(了)[2001-02-16-16:35] 4
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 02/16@ミロシェビッチ氏への捜査を数日中に着手…セルビア(読売新聞)

 【ウィーン15日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国のゾラン・ジンジッチ首相は十五日の記者会見で、ミロシェビッチ前連邦大統領に対する捜査が数日中に開始される、との見通しを明らかにした。共和国議会は、同日までに、前大統領派とされてきた判事らを更迭するなど、前大統領訴追に向けた態勢を着々と整えてきた。
 首相はさらに、セルビア政府が同日の閣議で、国際刑事警察機構(ICPO)や旧ユーゴ戦犯国際法廷から逮捕令状が出されている非ユーゴ市民の身柄引き渡しなどを定める新法の制定に合意したことを明らかにした。セルビア内には、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争での残虐行為などで戦犯起訴されているボスニアのセルビア人勢力指導者ラドバン・カラジッチ被告らが潜んでいるものと見られているが、ユーゴ市民権は有しておらず、新法制定により、両大物戦犯の逮捕、引き渡しも可能となる。[2001-02-16-12:54] 5
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 02/16@<ユーゴ>前大統領への捜査は「数日中に開始」 セルビア首(毎日新聞)

 【ウィーン15日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のジンジッチ首相は15日、ミロシェビッチ前大統領への捜査は「数日中にも開始されるだろう」と述べた。セルビア議会は前日、前大統領時代に任命された判事・検事を解任し最高裁長官などを新たに任命したばかり。首相発言により前大統領の訴追が本格化すると見られる。前大統領は、不正蓄財、不正選挙や戦争犯罪などの容疑で捜査される見通し。
 ベオグラードからの報道によると、同首相は「前大統領への訴追捜査を開始する理由は十分にある。収監するか事情聴取だけかなどは、司法機関の手に委ねられる」と語った。[2001-02-16-10:25] 8
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 02/16@◎NATO、ユーゴ非武装地帯問題検討へ(時事通信)

 【ブリュッセル15日時事】北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は15日、ブリュッセルの本部でユーゴスラビア連邦セルビア共和国のチョビッチ副首相らと会談。同事務総長はその後、ユーゴ側が提案したコソボ自治州とセルビア共和国の間に設けられている非武装地帯の変更問題について、検討する用意のあることを明らかにした。 [時事通信社][2001-02-16-00:36] 10
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 02/16@狂牛病まん延、EU各国で農民デモなど政治問題化(読売新聞)

 【ブリュッセル16日=島崎雅夫】狂牛病が欧州全域に波及する中、欧州連合(EU)諸国で、牛肉消費の大幅下落に伴う補償要求の農民抗議デモが高まり、狂牛病騒動が欧州の政治問題に発展してきた。EU各国は農民の補償対策や消費者の不安払しょくに躍起となっているが、対応次第では今後の各選挙に影響を及ぼすのは必至だ。EUも限られた予算で補償要求にどう対処するのか、共通農業政策で一枚岩を保てるのか、正念場に立たされている。
 今回の狂牛病の震源地となったフランスでは、十二日から牛の畜産農家が全国各地で街頭に繰り出し、一週間の予定で、抗議デモを続けている。古タイヤを焼き、牛には「生活保証を」の垂れ幕を掛け、補償金要求を連日声高に叫んでいる。
 ベルギーの首都ブリュッセルでも十二日、約百人の農民がトラクターで欧州委員会ビル周辺の道路を封鎖。スペイン、イタリアでも農民が政府や議会ビル前などで抗議デモを行った。
 狂牛病騒動の影響で、EU域内の牛肉市場は、「危機的状況」(欧州委)にある。一九八〇年代末から狂牛病がまん延した英国で、九二年の約三万七千件をピークに感染数が年々減少(今年は現在ゼロ)しているのに対し、その他の国では逆に感染が急増しているためで、牛肉の消費量は昨年秋に比べ、独、ポルトガルで各五割、仏、伊、スペインで各四割落ち込んだ。余剰牛は今年七十八万五千頭に及ぶと見込まれ、牛肉の消費量低下とともに、農民の生活を圧迫する最大要因となっている。
 本格的な狂牛病対策を取らなかった各国政府への批判も、消費者の間から強まっている。独では先月、狂牛病拡大の責任を取って、農相と保健相が辞任。「検査すれば感染が見つかる」状況に、消費者の不安は増幅する一方だ。狂牛病の最初の感染地・英国でも政府が十四日、狂牛病との関連が疑われる致死性痴ほう症「クロイツフェルト・ヤコブ病」で死亡した患者の遺族らに患者一人当たり二万五千ポンド(約四百二十万円)の一時金を支払うと発表したが、対策の遅れを指摘する声は強い。
 「不満」の農民、消費者票が、来月の仏統一地方選をはじめとした今後の選挙で、各国の政治勢力地図を塗り替える可能性も出てきた。
 「刻々と時が進む時限爆弾のようだ」。フィシュラー欧州委員(農業担当)は危機感をこう語り、狂牛病対策の難しさを指摘する。グラバニ仏農相は十五日、余剰牛の貯蔵資金として特別補助金を自国に支払うよう欧州委に要求した。資金不足を理由に今後、EU各国が続々と「特例」を求めることも予想される。
 今年のEUの狂牛病対策費は、約二十億ユーロ(約二千二百億円)弱。なお二十億ユーロが必要とされるが、EU予算の約半分を占める農業予算(約四百四十億ユーロ)はすでに使途が定められており、転用が出来ない苦しさがある。
 EU各国が自国の事情を最優先させ、特例を求めれば、EUの共通農業政策が破たんする恐れもある。
 欧州委はこうした中、有機農業の重点活用、補助金制度の見直しなど共通農業政策の抜本改革に着手した。補助金農政の保護主義的なEUの共通農業政策が続くもとでは、なかなか大なたがふるえなかったが、狂牛病問題を契機に「最大の改革」が促されるとの皮肉な見方も出ている。[2001-02-16-20:25] 18
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 02/16@<アフガン情勢>反タリバン連合が大攻勢 情勢は流動化(毎日新聞)

 【イスラマバード16日春日孝之】アフガニスタン全土の9割を支配するイスラム原理主義勢力のタリバン政権に対し、北部の反タリバン連合が大攻勢を開始した。反タリバン連合は中部の拠点都市バーミヤンの奪還に続き、15日には北部の要衝タロカン制圧に乗り出した。国連の経済制裁強化に伴う武器禁輸措置で、タリバンへの兵器供給が停止したのを機に反タリバン連合が反攻に出たとみられ、情勢が一気に流動化する可能性が高まってきた。
 首都カブールからの報道によると、反タリバン連合は14日、連合を構成するイスラム統一党の拠点である中部バーミヤン州の州都バーミヤンを奪還、現在も激しい攻防戦が続いている模様だ。また、反タリバン連合は15日、北部タカル州の州都タロカンへの本格砲撃を開始した。
 反タリバン連合は、カブール北方のパンジシール渓谷(バルワン州)を根拠地に、マスード将軍部隊がロシアやイランの武器支援を受けて抗戦してきた。タロカンは、ロシアや中央アジア諸国からの武器や物資の主要な補給路となる戦略上の要衝であり、タロカンを奪還すれば、空路による補給拠点となるバーミヤン航路の再開と合わせ、形勢は一気に、反タリバン連合に有利に傾くことになる。
 反タリバン連合の大攻勢について、アフガン情勢に詳しいパキスタンの英字紙「ニューズ」のラヒムラ・ユスフザイ記者は「1月に発効した国連の経済制裁強化が決定的な影響を与えた」と分析する。
 国連は、米国が「国際テロの黒幕」とみなすサウジアラビア出身のウサマ・ビン・ラディン氏の身柄引き渡しを拒否したことを理由に、武器禁輸やタリバンの海外事務所閉鎖などを含む経済制裁を発動した。
 タリバンへの最大の支援国・パキスタンの武器支援が停止する一方、反タリバン連合へのテコ入れは続いており、反タリバン連合が制裁発動を好機と捉え、反攻に出た可能性が強い。
 また、タリバンは支配地域で厳格なイスラム法支配を行い、治安を回復させたが、制裁強化に加えて、昨年来の記録的な干ばつにより、すでに60万人以上の避難民が発生、国民の求心力を失いつつある。
 政権内部でも、最高指導者オマル師を中心とする強硬派と、ウサマ氏を引き渡して国際協調路線に転換すべきだと主張する穏健派の対立が鮮明になってきたとの情報があり、タリバン政権も盤石とは言えない状況になりつつある。[2001-02-16-18:40] 30
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 02/16@◎「北朝鮮空爆、わたしが阻止」=金泳三前大統領が回顧録−(時事通信)

 【ソウル16日時事】「戦争は絶対にだめだ。わたしはわが国の歴史と国民に対し罪を犯すことはできない」−。韓国の金泳三前大統領はこのほど出版された回顧録「民主主義のためのわたしの闘争」の中で、1994年6月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核疑惑をめぐり朝鮮半島の緊張が高まった際、当時のクリントン米大統領を説得、北朝鮮に対する空爆作戦を思いとどまらせたエピソードなどを紹介した。 [時事通信社][2001-02-16-15:49] 32
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 02/16@◇国連大使にネグロポンテ氏を起用 ブッシュ政権◇(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領は新しい国連大使に元駐メキシコ大使のジョン・ネグロポンテ氏(61)を起用する方針とみられる。国連外交筋によると、パウエル米国務長官が14日、アナン国連事務総長と歓談した際、この方針を伝えた。ホルブルック前国連大使のような「閣僚級」ではなく、手堅い外交官を起用したことで「国連軽視」ともみられるが、ニューヨークにあまり居なかった前任者と違って、国連内での米外交が活発化する、と歓迎する向きもある。
 ネグロポンテ氏はブッシュ大統領の父の政権時代にメキシコ大使をつとめ、その後、駐フィリピン大使などを歴任。現在は出版会社の役員をしている。
 ブッシュ大統領は来週早々にもネグロポンテ氏を指名。上院の承認を得て就任する見通し。[2001-02-16-14:45] 39
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 02/16@コソボ北部でテロ、バスが爆発し7人死亡(読売新聞)

 【ウィーン16日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、同自治州北部の町ポドゥエボ近くで十六日昼前、セルビア人住民を乗せたバスが爆発、同州に展開するコソボ平和維持部隊(KFOR)によれば、七人が死亡、三十五人が負傷した。遠隔操作の爆弾テロと見られる。国連暫定統治機構(UNMIK)によれば、爆弾テロ発生直後の同日正午には南部でもセルビア人のバスが襲撃を受け、四人が死亡した。いずれのバスもKFORが前後を護衛していた。[2001-02-16-23:56] 41
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 02/16@<ユーゴ>定期バスが爆発 4人死亡、23人負傷(毎日新聞)

 【ウィーン16日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国とコソボ自治州との境界地域で16日午前、安全のためコンボイ(車両の集団)を組んで走行していた車両の先頭の定期バスが爆発、セルビア乗客4人が死亡、23人が負傷した。死者は10人との報道もある。国際治安維持部隊(KFOR)によると、爆発物は道路に仕掛けられていたとみられる。
 現場は昨年来アルバニア系ゲリラとセルビア治安部隊との武力衝突が続いて来た。セルビア政府は15日、北大西洋条約機構(NATO)に「州境地域に国連安保理が設定した緩衝地帯(長さ200キロ、幅5キロ)からゲリラが出撃している」と緩衝地帯の廃止を求めたばかりだった。[2001-02-16-22:30] 56
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 02/16@コソボ北部でテロ、バスが爆発し7人死亡(読売新聞)

 【ウィーン16日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、同自治州北部の町ポドゥエボ近くで十六日昼前、セルビア人住民を乗せたバスが爆発、同州に展開するコソボ平和維持部隊(KFOR)によれば、七人が死亡、三十五人が負傷した。遠隔操作の爆弾テロと見られる。国連暫定統治機構(UNMIK)によれば、爆弾テロ発生直後の同日正午には南部でもセルビア人のバスが襲撃を受け、四人が死亡した。いずれのバスもKFORが前後を護衛していた。[2001-02-16-23:56] 58
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 02/16@寒波や内戦で避難民あふれるアフガニスタン(読売新聞)

 【ニューデリー16日=佐藤浅伸】アフガニスタン情勢が混迷を深めている。干ばつと寒波の影響で数十万人が避難民となり飢餓状態に直面しながら、国際社会の援助は集まらない。さらに、国連制裁の発動で孤立感をいっそう深めるイスラム原理主義勢力タリバンと、反タリバン北部同盟との戦闘が激化、新たな避難民発生の懸念が強まっている。
 アフガン西部ヘラートの避難民キャンプを視察した国連の大島賢三・緊急援助調整官(事務次長)は十六日、イスラマバードで会見し、「本当にひどい状況だ。真の悲劇が始まりつつある。(タリバンと北部同盟の)双方に、事態を緩和するには戦闘停止が必要だと伝えた」と語った。ヘラート一帯に押し寄せた避難民は計八万人。夜間は気温が氷点下20度にまで下がり、過去数週間で約百七十人が凍死した。その多くは子供だ。ほかの国内のキャンプの状況は伝えられていないが、ヘラートと似たような惨状にあると見られている。
 国連は、約二億三千万ドルの対アフガン人道援助を国際社会に呼びかけているが、これまでに寄せられた額はわずか千四百万ドルにしか達していない。
 住民の生活状況が悪化の一途をたどる中、タリバンとの内戦を続ける北部同盟が十四日、アフガン中部の要衝バーミヤンを約二年ぶりに奪還した。タリバン政権は周辺に兵力を増強しており、戦闘の激化は確実だ。例年、冬場は内戦が一時沈静化するが、今年は降雪が少なく、戦闘が続いていることも避難民発生に拍車をかけている。
 タリバンが国際テロの黒幕とされるオサマ・ビンラーデン氏の引き渡しに応じないことから、国連安全保障理事会が昨年十二月に採択したタリバンに対する制裁強化決議が、一月に発効した。決議に基づき、米国がタリバンのニューヨーク事務所の閉鎖を要求、反発したタリバン側が国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)のカブール事務所閉鎖を命じるなど、タリバン政権の国際的孤立は深まる一方だ。
 難民・避難民が大量に発生しながら、長引く内戦で国際社会の関心が薄れ、「忘れ去られた」とも形容されるアフガンの人道問題は、危機的状況を迎えている。
 ◆活動資金求めユニセフなど合同アピール◆
 【ジュネーブ16日=大内佐紀】国連児童基金(ユニセフ)、世界食糧計画(WFP)などの国連機関はこのほど、内戦や干ばつ、寒波襲来による犠牲者が急増しているアフガニスタンでの活動資金が不足しているとして、国際社会に拠出を求める合同アピールを出した。
 ユニセフなどによると、アフガニスタンは現在、猛烈な寒波に見舞われており、約二百六十万人の難民、約三十八万四千人の避難民のうち、医療機関の手当てを受けられる人はわずか35%。五歳以下の児童の死亡率は25%に上っている。
 ヘラートの避難民キャンプには昨年十二月中旬以来、一日平均三百〜五百人が新たに逃れて来ており、ただでさえ劣悪な環境が、いっそう悪化しているという。[2001-02-16-22:35]
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 02/17@◎セルビア南部地域安定へ戦略支援=米、1500万ドル供与(時事通信)

 【ウィーン17日時事】ウィーン駐在の米外交当局者は17日までに、アルバニア系武装集団のゲリラ活動が続くユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部地域の安定に向けた戦略支援として、1500万ドルをユーゴ政府に供与する計画であることを明らかにした。
 ユーゴ・コソボ自治州に隣接するセルビア南部プレシェボ渓谷地域では、地域一帯の分離独立を目指すアルバニア系武装組織の活動が活発化。事態の政治解決を目指すユーゴ政府はこのほど和平案を策定し、近く同渓谷地帯のアルバニア系住民代表らと和平協議を開始する方針を明らかにしている。こうした情勢の中、米政府はアルバニア系武装組織の勢力拡大を防ぐ狙いから、同地域住民の民生支援に向け資金供与を打ち出した。 [時事通信社][2001-02-17-21:43] 34
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 02/17@及び腰の米イラク空爆 ハイテク依存の軍事ショー(共同通信)

 【ワシントン17日共同】ブッシュ米新政権は十六日の対イラク空爆で「よりタフな姿勢でイラクに臨む」とのメッセージを伝えたと強調しているが、空爆で使われたミサイルは地上の対空ミサイルなどが届かない高高度の戦闘爆撃機から発射するハイテク兵器で、及び腰の対イラク空爆の印象はぬぐえない。
 精密兵器に頼る空爆では地上の敵部隊の主力の排除は困難。米国が「目的は達した」(ニューボールド統合参謀本部作戦部長)と言うほど、イラク軍が破壊されたのかどうかは不透明で、包括的なイラク政策ができていない中、今回の単発の空爆は新政権発足に伴う軍事ショーのイメージの方が強そうだ。
 米英軍機二十四機はすべて、イラク南部の「飛行禁止空域」のうち、イラク軍が地上に対空防衛施設を持っていない空域にとどまったまま精密誘導ミサイルの「AGM―130」「AGM―154」を発射、八十キロ離れたイラク軍のレーダー基地の破壊に成功した。
 しかも戦闘爆撃機は地上からはるかに遠い高高度を飛行中にミサイルを発射したとみられ、操縦士らに危険が及ぶ懸念はなかった。
 こうしたハイテク兵器は、米兵の犠牲によって世論が軍事介入に反発を強めたベトナム戦争の反省から開発が進められ、一九九一年の湾岸戦争で使用を開始。一昨年のユーゴスラビア空爆では「新時代の軍事作戦の主役」となった。
 しかし、マケイン共和党上院議員が「敵の弾が届かないところから一方的に攻撃するのは、戦争のモラルに反する」と批判しているほか、人権団体を中心に国際社会からは「目視での標的確認ができないことから、誤爆で民間人が犠牲になる例が多過ぎる」との指摘も根強い。(了)[2001-02-17-17:25] 35
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 02/17@◇コソボでバス爆発、セルビア系住民7人が死亡◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのコソボ自治州で16日、セルビア系住民の乗ったバスが爆発し、少なくとも7人が死亡、約40人が重軽傷を負った。死者数は増える恐れがある。対立するアルバニア系急進勢力の攻撃と見られている。
 襲われたセルビア系住民は一昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆後、ユーゴ軍の撤退を機にアルバニア系住民による報復を恐れてコソボを離れた人々。17日はセルビア正教の「死者の魂の日」で、先祖の墓参りのためセルビア南東部のニシュから州都プリシュティナ近くの村へ行く計画だった。[2001-02-17-17:08] 37
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 02/17@ロシアはバグダッド空爆に重大な関心(共同通信)

 【モスクワ17日共同】イラクの首都バグダッド空爆について、ロシアのグロモフ大統領報道官は十七日、シベリア歴訪のため列車で移動中のプーチン大統領も報告を受けており、ロシアは武力行使に出たブッシュ新政権の動向に重大な関心を持っていると強調した。
 またロシア外務省のヤコベンコ情報局長は「イラク問題については国連安全保障理事会決議を順守することが不可欠」と強調し、空爆に踏み切った米政権を批判。ロシア国防省のイワショフ国際軍事協力総局長も「国際社会に対する挑戦」と厳しく非難した。
 国営ロシア・テレビは十七日、臨時ニュースで空爆を速報。一九九九年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆時を思わせる報道ぶりで、対ロ強硬姿勢を示すブッシュ政権へのロシア側の強い警戒感を示している。(了)[2001-02-17-09:00] 38
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 02/17@<セルビア共和国内務相>乗った車が銃撃されるが無事(毎日新聞)

 16日午前0時45分ごろ、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のミハイロビッチ内務相を乗せた車が、首都ベオグラード中心街で銃撃を受けた。内務相は無事だった。ズィブコビッチ・ユーゴ連邦内務相は「犯罪行為により政治家と共に違法な利益を上げていた者にとり、法治国家の設立は脅威となる」と、前政権と結び付いた犯罪者集団による犯行を示唆した。 【ウィーン支局】[2001-02-17-01:55] 232
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 02/17@◇アラブ諸国、米の中東政策「二重基準」に警戒感◇(朝日新聞)

 米英軍による約2年ぶりのバグダッド近郊空爆から一夜明けた17日、アラブ世界は、ブッシュ米新政権が中東とのかかわりを軍事行動で始めたことに警戒を強めている。パレスチナ和平の動きが混とんとするなか、ともに国連安保理決議を履行しないイラクとイスラエルに対し、イラクだけに軍事的に「懲罰」しながら、イスラエルには軍事的政治的支援を惜しまない米中東政策の「二重基準」に対するアラブ民衆レベルの不満が高まることは間違いない。
 イラクと国境を接するヨルダンのアッドストール紙は17日付朝刊で、「卑劣な制裁が次第に無力化しつつあるなかで、対イラク攻撃をなおも継続しようとする米国の意思の表れ」と強く批判した。
 親米穏健路線をとりつつ、イラクと他のアラブ諸国との関係正常化を目指していたヨルダン政府にとって、今回の突然の軍事行動は、まさに冷や水をかけられた形だ。
 「今回の行動は、中東湾岸地域の支配権を米国が握っていることを宣言し、アラブ諸国に対し、米国の戦略的利害を無視した動きをとるなと警告したもの」とヨルダンのあるジャーナリストは指摘する。
 米国の戦略的利害とは、湾岸産油諸国への軍事プレゼンスを続けながらイラクを封じ込め、石油の安定供給を続けることだ。アラブ諸国は3月にアンマンで開かれる首脳会議を前に、対イラク正常化や定期航空便の再開、制裁解除の動きを模索していたが、2月下旬のパウエル国務長官の中東歴訪を前に、アラブ諸国が勝手な行動をとることは許さないという姿勢を米国が軍事力で示したとみる。
 ブッシュ新政権誕生直後、アラブ紙の論調は、大統領本人を含め石油業界に縁が深い同政権は、中東和平より石油戦略を重視するとの冷めた見方と、ユダヤ人ロビーの影響力が民主党より少ない共和党政権による「より公正な仲介」を期待する見方の両方があった。
 しかし、衝突が続くパレスチナ情勢を放置して、唐突とも思えるイラク空爆を行ったことは、アラブ世界からは、米政権が「和平よりエネルギーを重視する」姿勢をむき出しにしたと映る。米国の「力による政策の押しつけ」は、域内の反米世論につながりかねず、「米国への聖戦」を唱えるイスラム過激派の動きを刺激するおそれもある。
 「今回の事態をだれよりほくそ笑んでいるのは、(イスラム過激派)オサマ・ビン・ラディンだ」。パレスチナ自治区のアラブ紙アルクッズの記者は、米CNNにそう語った。[2001-02-17-22:11] 238
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 02/17@<イラク空爆>アラブ諸国が強い反発 中東和平交渉の停滞不(毎日新聞)

 【カイロ17日小倉孝保】イラク空爆を受けてパレスチナやアラブ諸国は米国への反発を強めており、中東和平交渉にブレーキがかかるのは不可避の情勢だ。アラブ諸国は来月、アンマンで首脳会議を開き、イラクへの国連の経済制裁の解除問題を討議する予定で、和平交渉とイラク問題は密接に連動しながら推移するものとみられる。
 パレスチナ自治区のヨルダン川西岸では、民衆が反米英デモをした。パレスチナ自治政府のラフマン官房長官は「アラブが結束して攻撃に立ち向かう必要がある」、アラブ連盟(本部・カイロ)のメギド事務局長は「空爆は国際法を犯す不正行為で、アラブ社会に怒りと恨みを残す」と、それぞれ空爆を強く非難した。
 怒りの背景には、空爆の根拠の希薄さがある。湾岸戦争時のように国連決議を踏まえたものでなく、イラクが査察を拒否し続けた1998年の空爆とも事情は大きく違う。「米軍機への挑発が目に余る」というだけの理由で同胞の血が流されたことに、アラブ民衆は神経を逆なでされた。
 アラブ諸国は近年、国連の経済制裁でイラク国民が苦しむ現状に同情を募らせてきた。イスラエルとの衝突で多数のパレスチナ住民が犠牲になったことで反イスラエル感情が強まり、親イラク感情の増幅につながった。こうした状況を背景に、バグダッド国際空港には昨年秋から、食料や医薬品などを積んだエジプト、ヨルダン、シリアなどのアラブ諸国の航空機が「飛行禁止区域」を半ば無視する形で相次いで到着した。
 かつてイラク軍に侵攻されたクウェートさえイラクとの関係改善を模索し始めている。今回の空爆は、和平仲介役としての米国に信頼を寄せてきたエジプト、サウジアラビアなど親米アラブ諸国をも敵に回しかねない危うさを秘めている。[2001-02-17-21:30] 240
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 02/17@米英がバグダッド近郊空爆 ブッシュ政権初 イラクは対決姿(共同通信)

 【ワシントン17日共同】米政府は十六日、米英両軍が同日午前(米東部時間)、戦闘爆撃機二十四機でイラクの首都バグダッド近郊の同国軍対空防衛司令部など五カ所を空爆したと発表した。
 首都空爆は一九九八年十二月以来。ブッシュ米大統領は就任後初めて命令した軍事行動で「イラク封じ込め」継続の決意を示した。
 これに対し、イラクのフセイン大統領は最高意思決定機関の革命指導評議会(RCC)を招集し、米、イスラエルに徹底抗戦するとの声明を発表、米政権への対決姿勢を強めた。空爆へのアラブ側の反発も予想され、イラク情勢は一気に緊張が高まっている。
 イラク保健省は空爆で市民二人が死亡、二十人以上が負傷したと発表。日本の外務省はイラク滞在中の邦人十三人の無事を確認した。
 国防総省によると、空爆に参加したのは、ペルシャ湾に展開する空母や湾岸の基地から出撃した米軍のF15、F16や英軍のトーネード戦闘爆撃機など。空爆はイラク時間十六日午後七時二十分から約二時間二十分に及び、精密誘導ミサイルなどで爆撃、全機が無事帰還した。
 同省高官は「目的は完遂した」と語り、当面再攻撃はないことを示唆した。
 米政府は爆撃した軍事施設がイラク南部の「飛行禁止空域」への監視飛行の脅威として「空爆は自衛措置」と説明した。
 イラクは米政権交代を挟む過去二カ月間、同空域に近いレーダー施設を拡充。監視飛行する米英軍機に対する地対空ミサイルを使った挑発を「より頻繁に、質も向上させて」(同高官)実施していたという。
 ブッシュ大統領は訪問先のメキシコで「米国はイラクの飛行禁止を徹底し、大量破壊兵器開発に目を光らせる」と警告。十六日の空爆を「日常任務」の一環と説明した。
 一方、もはやイラク包囲網が崩れ、米英の武力行使を支持する国は少ないと読むフセイン政権は、国連経済制裁に苦しむイラク国民への同情が強まる中、国際世論を味方にして対決姿勢を強めるとみられる。(了)[2001-02-17-20:47] 257
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 02/17@<イラク空爆>ロシアが警戒強める ブッシュ政権の軍事的攻(毎日新聞)

 【モスクワ17日田中洋之】発足から間もないブッシュ米政権がイラク空爆や米本土ミサイル防衛(NMD)構想の推進に積極姿勢を示すなど軍事的な攻勢に出ているのに対し、ロシアは警戒を強めている。
 ロシア軍は16日、陸、海、空でミサイル発射演習を行い、マニーロフ参謀本部第1次長は「ロシアの戦略軍事力がいかなるミサイル防衛も打ち破る能力があることを証明した」と自賛した。米国にロシア核戦力の威力を見せつけ、「米国の弾道弾迎撃ミサイル網を突破できる」とアピールするのが狙いだった。
 しかし、このミサイル演習の直後に米英軍がイラク空爆を実施。ロシアは国連の対イラク経済制裁の解除を支持するなどイラクとの関係強化を進めていただけに、今回の空爆を「世界の安全と国際社会に対する挑戦だ」(イワショフ国防省国際軍事協力局長)と強く非難した。
 ロシアは米国がNMD推進の根拠としているイラクなどのミサイル脅威は今後10年〜15年は出現しないと指摘し、「この間に政治や外交など非軍事的な手段でミサイルの脅威をなくすべきだ」(マニーロフ次長)と主張。NMD阻止に向けて欧州や中国などNMDに批判的な国々と「対米包囲網」を構築して対抗する方針だが、ブッシュ新政権の誕生で「NMD配備は避けられない」(外交筋)との見方も広がっており、あせりの色を強めている。[2001-02-17-19:20] 258
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 02/17@<イラク空爆>中国が声明で強く非難 軍事行動の停止を求め(毎日新聞)

 【北京17日坂東賢治】中国外務省の朱邦造報道局長は17日、米英軍のイラク空爆について声明を発表し、「市民が死傷したことは遺憾だ」と強く非難した。新華社通信を通じて公表された声明は「中国は一貫してイラクの主権、領土の擁護と独立の尊重を主張してきた。空爆は国際社会によるイラク問題解決の努力にも不利だ」と軍事行動の停止を求めた。[2001-02-17-19:20] 264
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 02/17@中国が即時停止要求(共同通信)

 【北京17日共同】中国外務省の朱邦造報道局長は十七日、米英両軍によるイラク空爆について共同通信の質問に答え、「イラクと国連の対話に向けた雰囲気づくりのため、軍事行動を直ちに停止すべきだ」と米英両国に要求した。
 朱局長は「われわれは米英両国の対イラク空爆行動を糾弾し、罪のない市民が死傷したことに深い遺憾の意を表する」とし、「国際社会によるイラク問題解決への努力に背く」と空爆を非難した。
 さらに朱局長は「中国は一貫してイラクの主権と領土保全、独立が尊重されるべきだと主張している」と述べた。(了)[2001-02-17-19:00] 2
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 02/17@◎米英両軍のイラク空爆を非難=共産党(時事通信)

 共産党は17日、米英両軍がイラクを空爆したことについて「国連安保理のいかなる決議によるものではなく、この乱暴な武力行使を厳しく糾弾する」との西口光国際局長談話を発表した。
 同談話で同党は「そもそも飛行禁止空域の強制そのものが、国連決議に基づかない一方的なもの」と、米英両軍の軍事行動を非難するとともに、「この日常化した武力攻撃にわが国の米軍基地から出動した艦船や航空機が加わってきたことも重大」としている。 [時事通信社][2001-02-17-18:06] 7
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 02/17@会食、現金報酬などに使用 外交機密費残金少なく(共同通信)

 外務省が情報収集活動などに使う外交機密費(外務省報償費)を局長ら幹部の会食費や、情報提供者らへの現金報酬、贈答品購入などに使っていた運用実態が十七日までに、外務省関係者らの話で明らかになった。
 本年度約五十五億七千万円の外交機密費は、当初予算ベースで一九九二年度以降変化しておらず、年度末になると余った機密費で、接待用の高級ワイン、ウイスキーなど酒類、贈答品などを購入し、毎年約五万円―約七十九万円が残金となっているだけで、ほぼ百パーセント消化されていた。
 幹部の会食費としては一回一人当たり、局長級の夕食で和食三万円、洋食二万円、中華料理一万五千円などと内規で決まっているが、「料理屋などを使えば超えることはざら」(外務省中堅幹部)で、基準はあってないようなもの。
 機密費のうち三十六億五千万円が在外公館分で、主として情報提供者に支払う「情報提供料」と、会食に使う「外交工作費」に分かれ、「情報提供料」はさらに報酬として現金を手渡す場合と、贈答品として物品購入の場合がある。それぞれ大使や総領事など上司の決裁を受けて支出され、「現金で手渡す以外はほとんど領収書がある」(外務省関係者)という。
 ただ、「内輪の食事に一度も使ったことがないかと言えばそうでもない」(ある在外公館勤務経験者)との証言もあり、管理のずさんさも明らかになった。
 このほか各種友好団体への資金提供もあり、「歴史的には中国、朝鮮半島関係で多く使われている」(外務省関係者)という。既に政府内部文書で明らかになった首相官邸への「上納金」もある。(了)[2001-02-17-16:43] 12
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 02/17@米政権への対決姿勢強める イラク、国際世論味方に(共同通信)

 【カイロ17日共同】米英両軍が十六日、バグダッド近郊のレーダー基地などを空爆したことに対し、イラクのフセイン政権は対米徹底抗戦の強硬姿勢を表明した。背景には「イラク包囲網」が崩れ、イラクの侵略を受けたクウェートは別にして、米英の武力行使を支持する国はほとんどないとの確信がある。
 一九九一年の湾岸戦争から十年。空爆直後に出されたイラクの声明は「彼らの侵略は失敗以外に何も達成しないだろう」と強い自信に満ちている。アラブ諸国では国連経済制裁に苦しみ続けるイラク国民に同情が強まっている。こうした状況下での空爆はイラクにとって、宿敵の米国が国際社会からの非難にさらされるという点から言えば、歓迎すべきことだ。
 イラクはこれまでもロシアや中国を味方に引き入れ国連安全保障理事会を分断、米国を孤立させるため挑発を繰り返してきた。今回の空爆も一見、発足したばかりのブッシュ米政権の先制攻撃のように見えるが、実際にはイラクは対空レーダーを強化し「飛行禁止空域」を監視飛行する米英両軍への対空砲火を急増させ、イラクが米国の攻撃を誘い出したことは明らかだ。
 イラクは九八年十二月の大規模空爆後、国連査察を拒否。クリントン前政権はイラクに国連決議を順守させるための有効な手段を打ち出せないまま終わった。
 イラクは今後、国際世論を味方にしながら対米対決姿勢を強め、米国を挑発し続けるとみられるが、ブッシュ政権が強硬姿勢で応じれば、フセイン大統領の「計算通り」になるだろう。(了)[2001-02-17-15:15] 16
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 02/17@温暖化、2025年に50億人が水不足状態(読売新聞)

 地球温暖化の影響を検討している「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第二作業部会は十七日、温暖化により世界各地で水不足に襲われる人が、現在の十七億人から、二〇二五年には約三倍の約五十億人に増加する――などとした報告書をまとめた。
 温暖化の被害は特に途上国で深刻で、最悪の場合、損失が国内総生産の半分に達する国もあると報告書では予測している。温暖化対策の国際ルール作りを目指し、六月以降に再開される気候変動枠組み条約第六回締約国会議(COP6)にも影響を与えそうだ。
 十三日から、スイス・ジュネーブで開かれていた第二作業部会は、温暖化に伴う環境・社会・経済影響を評価してきた。報告書では、特に中央アジアやアフリカ南部、地中海沿岸諸国で深刻な水不足が起きるとし、熱波が頻繁に発生する結果、高齢者や病人などの死亡率が上がると予測する。
 また海面上昇による洪水の増加やマングローブ林の減少、砂浜の浸食被害の拡大も指摘。こうした気象災害の増加で、保険会社が被害を補償できず、破産する可能性にも言及している。
 温帯から熱帯にかけてのアジアでは、海面上昇や台風の頻発で、低地に住む計数千万人が移住を迫られ、食糧生産も減るという。[2001-02-17-14:43] 21
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 02/17@◇イラク大統領が徹底抗戦表明 2人死亡の情報も◇(朝日新聞)

 バグダッドからの報道によると、イラクのフセイン大統領は16日夜、米英軍によるバグダッド近郊への空爆を受けて最高機関、革命指導評議会や与党バース党の幹部を招集した。招集後の声明で大統領は、「勝利するまで敵と戦い続ける」と徹底抗戦を表明。今回の攻撃を、「米国とシオニスト国家(イスラエル)の陰謀」と位置づけ、「パレスチナとアラブに対する大規模攻撃の序曲に過ぎない」と警告した。
 今回の軍事作戦にイスラエルは直接関与していないが、大統領の発言は、米英軍の対イラク攻撃とイスラエル軍によるパレスチナ民衆への武力行使をともに「アラブへの侵略」として結びつけ、アラブ諸国の反米世論を喚起する狙いがあるものとみられる。
 フセイン大統領の長男ウダイ氏が経営する「青年テレビ」が伝えた病院の映像によると、空爆で子ども3人を含む民間人9人が負傷した模様だ。2人が死亡したとの情報もある。
 米CNNによると、空爆開始の約10分前にバグダッド市内に空襲警報のサイレンが鳴った。その後、大規模な爆発音が市内中心部でも聞こえ、イラク軍が地上から発射する対空砲の激しい砲声が続いたという。
 イラク政府は、米英両国がイラク北部のクルド人、南部のシーア派住民らの保護を理由に設定した飛行禁止空域について、「国連決議に基づくものではなく無効」との立場をとっており、これまでも米英軍機に対空砲などで応戦してきた。外国からの飛行機の発着を禁止する国連制裁措置についてもアラブ諸国の支持などを背景に無視する姿勢をとり、今月12日から、バグダッドとシリアの首都ダマスカスの間で定期便を再開したばかりだった。[2001-02-17-12:32] 26
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 02/17@崩壊寸前のイラク制裁に米英の危機感(読売新聞)

 【カイロ17日=平野真一】国連の対イラク制裁体制は、大量破壊兵器査察が中断中で、石油禁輸も緩和され、崩壊寸前に陥っている。今回の空爆は、こうした現状に対する米英の危機感を反映したものとの見方が強い。
 九〇年八月のイラクによるクウェート侵攻を契機とする国連制裁は、大量破壊兵器査察と石油禁輸が柱。これに、米英仏が九一、九二年にそれぞれイラク北部と南部に設置した「飛行禁止区域」と合わせ、軍事、経済両面での制裁体制が形成された。
 ところが、九八年の「砂漠の狐(きつね)」作戦後、それまで査察を実施してきた「国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)」はイラクでの活動が不能となり、九九年十二月に代替組織として発足が決まった「国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)」も、いまだイラクの反対で査察を開始できないでいる。
 また、石油も九五年四月、食糧・医薬品など人道物資の購入目的に限って輸出が認められ、九六年十二月から輸出を再開。現在では輸出量の上限も撤廃され、ほぼ湾岸戦争前のレベルまで回復している。
 さらに飛行禁止区域についても、次第にイラク寄りの姿勢を取り始めたフランスが九六年に南部の、九八年に北部の監視飛行から撤退。安保理では、対イラク強硬派の米英が親イラクの仏露中三か国と対立する構図が続いている。
 湾岸危機以来、対イラク政策をめぐって分裂してきたアラブ諸国も昨年夏以来、相次いでバグダッドにチャーター便を運航するなど関係改善に動いており、制裁体制は「機能不全の状態」(米政府当局者)となっていた。[2001-02-17-12:15] 31
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 02/17@<イラク空爆>国連にも大きな衝撃 大量破壊兵器の査察困難(毎日新聞)

 【ニューヨーク16日上村幸治】16日の米英軍機のイラク空爆は、国連にも大きな衝撃を与えた。イラクが激しく反発することで、国連による大量破壊兵器(核、化学兵器など)の査察を受け入れる可能性が、さらに小さくなるからだ。14日に国連を訪れたパウエル米国務長官が、米国と国連との協調を確認した直後ということもあり、失望感は大きくなっている。
 国連は当初から、共和党のブッシュ政権が国連との間で距離をとるのではないかと懸念していた。今回、国連を通じた外交活動でイラクを懐柔するのでなく、いきなり軍事力を行使したことにより、懸念が的中したともいえそうだ。
 国連はイラクがクウェートに侵攻(1990年)して以来、同国に経済制裁を課している。ところが、その制裁は、フセイン政権より、同政権下の女性や子どもといった弱者に影響を及ぼしている。
 このため、イラクに対し、査察を受け入れるなら経済制裁を一時停止すると呼びかける決議案(対イラク包括決議案、99年12月)を採択。アナン事務総長自らがイラクに対する説得を続けていた矢先だった。ロシアや中国は早くも空爆非難の声を挙げており、国連安保理の分断はさらに進み、事態はより悪化する可能性が高い。[2001-02-17-11:15] 32
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 02/17@<イラク空爆>米英軍機攻撃 背景は何か 識者3氏に聞く(毎日新聞)

 発足後、間もない米国のブッシュ政権が日本時間の17日未明、イラク攻撃に踏み切った。なぜ今、イラク攻撃なのか。背景は何か。識者に聞いた。
 ▽軍事評論家の江畑謙介さん 1998年以降、イラクは2年以上も国連の査察チームを受け入れていないため、イラクの状況は米国の衛星や偵察機で外側から見るしかなく、監視する方法が手詰まりになっていた。パウエル国務長官ら米国の閣僚は「同盟国とともに制裁体制の再活性化を図る」と言い続けてきたこともあり、現状打開のためには郊外の施設ではなく首都攻撃をやってみせなければ政治的圧力にならないと判断したのだろう。米国も経済状況が厳しくなっているため、原油を抱える中東の情勢を安定させたいという意図もあるはずだ。
 ▽東北文化学園大教授(国際政治)の小山茂樹さん 父親のブッシュ政権時代、米国は国連決議を相次いで提案し、懲罰する姿勢を強めた。それから10年がたち、経済制裁の効果も事実上風化する中で、今回の攻撃は米国の威信を示し、フセイン政権への警告の意味合いが強い。ただ、イラクの周辺諸国にはイラクへの同情も広がり、「波風を立てないで」というのが本音。国際世論の高まりもない状況で、イラクが過剰反応し、石油輸出をやめるようなことになれば、減速している米国経済への影響も大きい。散発的な「警告」は今後もあるかもしれないが、湾岸戦争のようなことにはならないだろう。
 ▽東京大東洋文化研究所教授(国際関係論)の猪口孝さん 対イラク政策は、クリントン政権後期から空白期に入っていた面がある。例えば兵器を移動させているなど、大量破壊兵器廃棄に関する合意にイラクが違反している具体的な事例をいくつか得たうえで、空爆したと思われる。米国経済は下降気味だし、原潜の事故など軍に対する批判も高まり始めている。もともとブッシュ大統領は軍事力の誇示が好きなので、米国民の目をそらすのには、ちょうど良いタイミングと踏んだのだろう。[2001-02-17-11:10] 33
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 02/17@<イラク空爆>ブッシュ米大統領、厳しい姿勢を明確に(毎日新聞)

 【ワシントン16日布施広】ブッシュ米大統領は16日、1月20日の就任から1カ月足らずで対イラク攻撃に踏み切り、湾岸戦争(1991年)に勝利した父親(ブッシュ元大統領)に続いて、イラクに厳しい姿勢で臨むことを明確にした。しかし、ブッシュ政権が最も警戒するイラクの大量破壊兵器開発は、国連査察の中断に伴って、監視の具体的手段がない状態が続いている。今回の攻撃でイラクが態度を硬化させるのは確実で、査察再開の道筋を探る意味では、米英の攻撃は逆効果に終わる可能性もある。
 湾岸戦争当時、チェイニー副大統領は国防長官、パウエル国務長官は統合参謀本部議長であり、湾岸戦争の「英雄」を中枢に据えたブッシュ政権が、イラクに厳しい姿勢を打ち出すのは目に見えていた。パレスチナ和平が暗礁に乗り上げる中、ブッシュ政権は湾岸情勢に軸足を移しつつあるとの見方も強い。
 だが、湾岸戦争後の10年で国際情勢は大きく変わり、イラクは周辺アラブ諸国やイランとの関係を徐々に改善、ロシアやフランスも対イラク経済制裁の解除に前向きな姿勢を示している。米国が武力だけで「イラク封じ込め」を続けるのは限界があり、限定的な軍事行動を繰り返してもフセイン政権を屈服させられないのは明白だ。
 イラクの核・化学・生物兵器の開発を警戒するブッシュ政権は、イラクに対して国連査察の再開受け入れを強く求める構えだ。16日の攻撃も「イラクに甘い顔はしない」というブッシュ政権の意思表示と言えるだろう。しかし、国連査察は98年に中断し、クリントン政権は同年12月、査察体制の崩壊も覚悟で、英国と共にイラク大規模攻撃に踏み切った経緯がある。イラクが簡単に査察再開に応じる状況にはない。
 今回の攻撃の理由として米国防総省は、イラクが最近、南部飛行禁止空域の監視活動を頻繁に妨害したことを挙げている。しかし、イラクの妨害が米英軍にとって、どの程度の「脅威」なのか一般には分かりにくい。「自衛措置」とする米国の説明にも、素直にうなずけないのが実情だ。
 今月下旬、中東・欧州を歴訪するパウエル国務長官は、クウェートで行われる湾岸戦争終結10周年記念式典に出席するが、今回のイラク攻撃は「10周年」にタイミングを合わせた印象がある。もつれにもつれた大統領選によって誕生したブッシュ政権は、イラク攻撃で「力」を誇示し、政権の正統性を補強した、との見方もくすぶることになりそうだ。[2001-02-17-11:10] 37
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 02/17@<イラク空爆>米英軍の空爆受け、抗戦姿勢を鮮明に イラク(毎日新聞)

 【カイロ17日小倉孝保】米英軍の空爆を受け、イラク最高意思決定機関である革命指導評議会と政権政党バース党は16日夜、合同会議を開き、敵対する米国とイスラエルが空爆を計画したとの認識で一致、両国に対し、「陸、海、空で戦う」と抗戦姿勢を鮮明にした。
 イラク国営テレビなどによると、イラク政府は声明を発表、「攻撃によってアメリカとシオニスト国家(イスラエル)が悪魔のパートナーだということを証明した」とし、「いかなる侵略もイラクの決意を妨げることはできない」と強い反発を示した。
 イスラエルに右派政権誕生が決まりアラブ諸国に警戒感が広がっている時だけに、フセイン大統領は今回の攻撃を中東和平問題とリンクさせることで国際社会への復帰に結び付けたい考えだ。
 エジプトのアハラム政治戦略研究所研究員のアハメド・イブラヒム氏は「イラクは軍事力を背景に国際社会で影響力を維持してきたが、湾岸戦争後、軍事力が低下し国際社会復帰のために打つ手がなくなっていた」と分析。そこにフセイン大統領に追い風のように吹いたのがパレスチナ人によるインティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)だ。さらにイスラエルのシャロン次期政権、米国のブッシュ政権という二つの強硬政権の登場によって、追い風が加速される様相だ。
 今回の空爆は、フセイン大統領にとってマイナス材料は少ない。イラク国内的ではフセイン大統領を「米国、イスラエルと本気で戦える指導者」とたたえる国民が少なくないが、今回、大統領はさらに「米国が本気になるほどの指導者」として名声を獲得する可能性がある。長引く国連制裁で経済的に疲弊したイラクだが、「悪いのは米国」と国民の批判を外に向けることができ、政権基盤を強化することもできる。
 一方、国際的には、アラブ諸国に加え、比較的イラクと良好な関係にあるロシア、フランス、中国などからの同情も期待できる。米国の強硬策に対する国際社会の批判が高まり、親イラク陣営の結束は強まる。そんな情勢下の空爆だけに、フセイン大統領は、「米国はイスラエルに甘くアラブに厳しい」と訴えることで、イラクの国際社会復帰につなげる戦略に出る可能性が高い。[2001-02-17-10:50] 42
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 02/17@飛行禁止維持で精いっぱい 手詰まりの米イラク政策(共同通信)

 【ワシントン16日共同=杉田弘毅】ブッシュ新米政権の初の対イラク空爆は「イラク封じ込め」の決意をあらためて宣言した意味を持つが、一方で国際的なイラク包囲網が事実上崩れた今、米政権がこうした対症療法的な攻撃以外に、新たなイラク政策が構築できていない苦境をも浮き彫りにした。
 イラク軍は今年一月から同国南部の「飛行禁止空域」を“浸食”する形でレーダー施設を拡充。同空域を監視飛行する米英両軍機にとって大きな脅威となっていた。今回のイラク攻撃は「入念かつ十分に準備した」(キグリー国防総省副報道官)ものだ。
 だが、米統合参謀本部のニューボールド作戦部長は「目的は完遂された」と述べ、当面の脅威を除く以外に長期的な視野に立った作戦ではないことを認めている。
 長期独裁の座にあって制裁の「なし崩し」を図るフセイン・イラク大統領は、最近は英国までもが対イラク包囲網の維持に消極的になり、米国の孤立感が深まったことから、監視飛行する米英軍機を挑発、米国への揺さぶりを強めていた。
 八年前、ブッシュ元政権からクリントン前政権への交代の際も、フセイン大統領は「飛行禁止空域」を監視する米英軍機を挑発した。だが当時と大きく違うのは、一九九八年のイラク空爆の「砂漠のキツネ作戦」で国連による大量破壊兵器の査察体制が崩壊、フセイン大統領が優勢な立場にあることだ。
 ブッシュ政権にとって、制裁解除が米国のイラク政策の“敗北”を意味することから容易に踏み切れず、イラク反体制派を支援しフセイン政権の転覆を図ることも極めて困難だ。新政策を打ち出せない以上、イラクの挑発の度に今回のような単発攻撃を繰り返す以外に手だてはない。(了)[2001-02-17-08:38] 44
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 02/17@事務所はハーレムに決定 クリントン前米大統領(共同通信)

 【ニューヨーク16日共同】もめつづけていたクリントン前米大統領の事務所が、ニューヨークの中でもアフリカ系市民が多く住む街ハーレムに置かれることが十六日、ようやく正式決定した。ビジネスの中心を避けた異例の選択だ。
 退任間際の恩赦やプレゼント問題でなお集中砲火を浴びているクリントン氏だが、いまだに厚い地元の黒人支持者の温かい歓迎で気分を良くしそうだ。
 退任した米大統領の事務所賃貸料は連邦政府が持つのが恒例だが、クリントン氏の事務所をめぐっては、当初借りる予定だったマンハッタンの真ん中の高層オフィスビルの賃貸料が年間八十万ドル(約九千二百万円)を超えることから共和党が「高すぎる」と厳しく批判。
 新たに探した結果、有名なアポロ劇場にも近いハーレムの中心一二五丁目のオフィスビルで、最上階十四階の全フロアが年間約二十万ドルで借りられることになった。
 事務所はセントラルパークの北側で公園を一望できる。クリントン氏は「ここはパーフェクト。家に帰ったような気持ちだ。人種や背景の差を超えて人々の連帯に努めたい」とはしゃいでいる。(了)[2001-02-17-08:28] 46
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 02/17@◎パレスチナ自治政府崩壊の恐れ=財政危機で−国連特使が警(時事通信)

 【ニューヨーク16日時事】ラーセン国連事務総長特使(中東問題担当)は16日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、パレスチナ自治政府が財政危機で崩壊する恐れがあると警告した。
 ラーセン特使は会見で、パレスチナ自治政府の財源が急速になくなりつつあり、数週間以内に給与支払いができなくなると指摘。「混乱と無政府状態」に陥り、大規模な暴力行為に発展する可能性があると懸念を表明するとともに、国際的な緊急財政支援の必要を訴えた。 [時事通信社][2001-02-17-07:29] 54
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 02/17@<ニュースの背景>救援活動とカースト制度(毎日新聞)

 【Q】インド西部大地震で、ヒンズー教の身分制度であるカースト制度が、被災住民への救援活動の障壁になっているという。何がどう問題なのか。
 【A】「地震は多くの人命を奪い、あらゆる構造物を破壊した。だが、カーストの障壁を砕くことはできなかった」(インドの英字紙インディアン・エクスプレス)。こうした指摘は同紙に限らない。
 カーストにはバラモン(僧侶)、クシャトリヤ(武士)、バイシャ(庶民)、シュードラ(隷属民)の4階級と、カースト枠外の不可触民が存在する。上の3階級は上位カースト、シュードラと不可触民は下位カーストに位置づけられる。
 報道によると、救援物資はもっぱら上位カースト中心に配給され、また上位カーストが下位カースト向けの物資を略奪する騒ぎも起きている。このため、下位カーストやイスラム教徒が「物資の公平な分配」を求め、抗議行動を起こす事態にまで発展している。
 インド憲法は「カーストによる身分差別を禁止する」が、厳然と機能し続けてきた。近年は社会進出を目指す下位カーストと「既得権」を守ろうとする上位カーストの対立が尖鋭化、カースト問題は経済上の利害対立という側面も持つ。
 また、中央政府、グジャラート州政府ともカースト上位を主な支持基盤とするインド人民党が実権を握る。ヒンズー至上主義政党である。被災者への救援活動は当初から、主に同党の母体組織「民族義勇団」が担ってきたこともあり、差別的な支援につながった可能性が高い。復興に向け、カースト問題が大きな足かせになることは間違いない。 【イスラマバード・春日孝之】[2001-02-17-00:10]
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 02/18@緊張高まるコソボ、州境地帯での爆発で警官3人死亡(読売新聞)

 【ウィーン18日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア南部のコソボ自治州との州境で十八日午前、パトロール中のセルビア警官の車両が対戦車地雷に触れて爆発、警官三人が死亡した。現場は、非軍事地帯内で、治安の空白を突いてアルバニア系武装組織が支配地区としており、セルビア側は同組織の犯行として非難を強めている。自治州側では十六日、バス爆破テロでセルビア人約五十人が死傷したばかり。自治州の事実上の管理者である欧米の無力ぶりを露呈するもので、事態は一段と混迷を深めている。
 現地からの報道によれば、警官三人が死亡したのは、セルビア南部のブヤノバツ近くの村ルチャネ。同日午前九時半ごろ、セルビア警官の車両が道路わきに敷設されていた対戦車地雷に接触、爆発した。セルビア当局者は記者会見で、「アルバニア系テロリストによるもの」と語った。
 現場付近は、一昨年六月の北大西洋条約機構(NATO)による対ユーゴ空爆終了時のNATOとユーゴ連邦軍との取り決めで設置された幅五キロの非軍事地帯。取り決めでは、ユーゴ連邦軍もセルビア治安部隊も立ち入りを禁止され、短銃程度の軽武装の警官だけにパトロール活動を認めていた。しかし、この地帯の住民の多数がアルバニア系であることもあり、旧アルバニア系武装組織「コソボ解放軍(KLA)」の分派と見られる武装組織が昨年春ごろから、この地帯に越境して着々と支配地域を拡大、セルビア警官に対する攻撃を続けている。現在、非軍事地帯内で配置につく戦闘員は五百から八百人と見られている。
 同自治州ポドゥエボで起きた十六日のバス爆破テロに関しても、アルバニア系過激派による犯行との見方は強い。空爆終了後から同自治州に展開するNATO主導のコソボ平和維持部隊(KFOR)は、自治州の武装解除を進めてきたとしてきたが、一連のテロは、武装組織が兵力を増強してきた現実を浮き彫りにした。
 背景にあるのは、ユーゴ民主化後に対ユーゴ協調に転じた国際社会に対するアルバニア系過激派のいら立ちだ。コシュトゥニツァ・ユーゴ政権は民主化後から国際社会への復帰に全力を挙げ、ミロシェビッチ前政権の軍事路線を放棄して対話推進に方針転換している。テロの激化は、こうした情勢変化のなかで、「コソボ独立」が遠のくことに対する過激派勢力側の危機感の深さを示したものといえる。[2001-02-18-23:37] 20
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 02/18@◇アルバニア系組織の地雷? セルビア警察の3人死亡◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・セルビア共和国南東部で18日、セルビア警察の車両が対戦車地雷に触れ、警察官3人が死亡した。ミハイロビッチ内相によると現場はコソボ自治州との境にある幅5キロの非軍事地帯。連邦軍は立ち入ることができないが、軽装備の警察官のパトロールは認められている。
 非軍事地帯はセルビアと対立するアルバニア系武装組織が活動の拠点としており、地雷も同組織が埋設したと見られる。[2001-02-18-23:05] 23
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 02/18@<コソボ>バス爆破事件の追悼集会と抗議行動開催 死者13(毎日新聞)

 【ウィーン18日福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州と同連邦セルビア共和国の境界地域で起きたバス爆破事件の追悼集会や抗議行動が17日、コソボとセルビア全土であった。事件の死者数は13人に増え、遺体は確認できない惨状だが、「報復は何の利益にもならない」との自制から、今のところ武力衝突は起きていない。
 コシュトゥニツァ・ユーゴ連邦大統領は事件直後、「事件はアルバニア系過激派がいかに地域の安定を脅かしているかという証拠だ。国際社会はコソボとバルカンにおける平和の『敵』が誰かを理解したはずだ」と「アルバニア系過激派」を名指しして糾弾した。だが「彼らのワナに落ち、彼らの犯罪に巻き込まれるな」とも述べ、報復の自制を呼びかけた。
 犠牲者たちの地元、コソボ中部のグラチャニツァでは17日、セルビア人多数が追悼集会に参加、その後一部がアルバニア系住民の車を襲撃したが、大規模衝突には至らなかった。
 また、コソボ内のセルビア人とアルバニア系住民の間での対立が続くミトロビツァのセルビア人は同日、数千人規模の抗議デモを行い、「事件は国際平和維持部隊(KFOR)のセルビア人保護任務が不十分だったため起きた」としてカビギオス同部隊司令官の辞任を要求した。[2001-02-18-21:10] 24
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 02/18@<EU難民>仏南部に900人以上のクルド人が押し寄せる(毎日新聞)

 【ブリュッセル18日森忠彦】フランス南部のコートダジュール海岸で17日未明、900人以上のイラク国籍クルド人とみられる難民が乗った貨物船が座礁した。難民の一部は泳いで上陸した。仏当局は船内に残された子供や女性らを救出し、軍施設で保護している。欧州連合(EU)内では近年、中東や北アフリカからの経済難民や不法移民が急増しているが、これほど大量の難民が一度に押し寄せた例は初めて。
 現地からの報道によると、船はカンボジア籍の貨物船。全員がイラク北部に住むクルド人で、数日前にトルコ国内を出港したとみられ、地中海を航行してきたらしい。船内には子供約300人を含む900人以上がすし詰め状態で乗り、脱水症状や栄養失調になっている人もいた。
 また、乗船後に出産したとみられる赤ちゃんも3人含まれていた。難民の中には子供に合法的に新国籍を取らせる目的で妊娠中の女性が含まれることが珍しくない。難民らの話によると欧州への密航を斡旋する業者に対して大人4000ドル(約50万円)を払って本国を出発したという。
 シラク仏大統領は「人道的な問題が多い、こうした集団密航は許されるものではない」と非難し、難民流入に警戒を示した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、EU加盟15カ国への難民申請者数は昨年、計39万人に達した。出身国別ではユーゴスラビア連邦が最も多く、イラク、アフガニスタン、イランなど。イラクやトルコにまたがるクルド人はすでに欧州内に居住拠点があり、集団輸送には犯罪組織が介在しているケースが多いという。
 EUではこうした事態を受けて、2月上旬の司法、内相会議で、犯罪組織の摘発や不法滞在移民の取り締まり、国境検問を強めるなどの対策を春にも実施することで合意している。[2001-02-18-19:00] 29
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 02/18@バス爆破でセルビア人数千人が抗議 コソボ(共同通信)

 【ウィーン17日共同】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、ユーゴ連邦セルビア共和国コソボ自治州でセルビア人の死者七人、負傷者四十三人を出したバス爆破テロで、セルビア人住民数千人が十七日、犠牲者を追悼し、バスを護衛していた国際治安部隊に抗議する集会を事件現場に近いコソボ北部コソブスカ・ミトロビツァで開いた。大きな混乱はなかった。
 連邦政府は十八日を犠牲者追悼の日にすると発表。コシュトニツァ連邦大統領はテロを非難し、対立するアルバニア系住民への報復を自制するようセルビア人住民に呼びかけた。(了)[2001-02-18-08:29] 187
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 02/18@◇野呂田衆院予算委員長、講演で「大東亜戦争」と発言◇(朝日新聞)

 野呂田芳成衆院予算委員長(秋田2区)は18日、秋田県鷹巣町で開かれた県知事選立候補予定者を応援する時局講演で教育改革問題に触れ、「大東亜戦争で植民地主義が終わり、日本のおかげで独立できたという国の首脳もたくさんいる」との趣旨の発言をした。
 野呂田氏はまた、「それは別として戦(いくさ)で負けてしまったのは政策の誤りであって、日本の文化、歴史、伝統が悪いと反省してしまったのは本当に大きな誤りだった。それは連合国の政策、占領政策の一環で、今日の日本が混乱してしまった大きな原因だと思う」とも述べた。
 野呂田氏は発言の趣旨について、朝日新聞の取材に対し、「戦後、アジアの植民地のかなりは民族に目覚めて独立国になった。それについて外国には『太平洋戦争が契機になった』という人もおり、それを紹介した」などとしている。[2001-02-18-22:28] 201
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 02/18@米政権、イラク戦略で試練 軍再建阻止へ制裁転換も(共同通信)

 【ワシントン18日共同】ブッシュ米政権は発足後初の軍事行動であるイラク空爆で強い国際的批判に直面した。フセイン・イラク大統領が新たな挑発に出た場合、一層の批判を覚悟して再空爆に踏み切るかどうかの厳しい試練にさらされそうだ。
 また、ブッシュ政権内では対イラク制裁を現在の包括的な経済制裁から、武器禁輸などイラク軍再建阻止に絞った内容に転換させる案が有力となっているが、軍事行動に頼る米国への国際社会の不満は根強く、支持取り付けには難しいかじ取りを迫られることになる。
 ホワイトハウスによると、ブッシュ大統領は十七日出身地テキサス州の牧場で、ライス国家安全保障問題担当補佐官から各国の空爆への反応を聞いた。空爆は「イラク政策の活性化を歓迎する」(ワシントン・ポスト紙社説)などと国内では評価された。
 しかし、国連安全保障理事会のロシア、中国、フランスの三常任理事国、アラブ諸国、インドなどが空爆を批判。また北大西洋条約機構(NATO)内からは事前に通告がなかったことに不満の声も上がり、米国の孤立化は深まっている。
 ワシントン・ポスト紙によると、パウエル国務長官は二十三日からの中東歴訪で、イラクがシリア経由のパイプラインを使った石油の密輸出で一日当たり三百万ドル(約三億千五百万円)を得て、軍再建を進めていることを強調する。
 長官は「イラクに大量破壊兵器を手に入れさせない」ことに焦点を絞るべきだとし、制裁の狙いを軍再建阻止に変更するよう主張。ハミルトン元下院外交委員長ら政界有力者も「武器禁輸制裁」を促している。
 だが「大量破壊兵器を保有させない制裁」は包括的経済制裁よりはるかに複雑で抜け道も多い。一方で制裁変更の議論が始まれば、ロシア、中国など制裁即時解除派が米国を圧倒してしまう可能性もある。(了)[2001-02-18-15:39] 209
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 02/18@ミサイル断念で基金設立も ロシアが提唱(共同通信)

 【モスクワ17日共同】ロシア通信は十七日、消息筋の話として、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などミサイル開発を進める国に開発断念を促すための財政支援として、ロシアが国際的な特別基金の創設を提唱していると伝えた。
 基金の詳細については言及していないが、国際社会による衛星打ち上げ代行を条件にミサイル開発断念の用意を示唆している北朝鮮に対し、財政面での具体的な支援の枠組みを示したものとみられる。
 また同筋は、ミサイル開発を断念するかどうかは本来その国自身が決めることで、開発を禁止するいかなる国際法もないと指摘。基金設立の目的はその現状を「部分的に補う」ことだと語った。(了)[2001-02-18-08:24] 213
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 02/18@米が対中非難決議案提出へ パウエル長官が勧告(共同通信)

 【ワシントン17日共同】米政府当局者は十六日、パウエル米国務長官がブッシュ大統領に対し、三月中旬にジュネーブで始まる国連人権委員会で、中国の人権政策を非難する決議案を米政府が提出するよう勧告したことを明らかにした。
 同当局者は「最終決定ではない」と述べ、大統領の最終決断はまだとしながらも、米政府が人権決議を提出する方針を既に固めたことを示した。
 中国を「戦略的競争相手」と規定するブッシュ政権の対中姿勢を初めて具体化させた形で、中国の人権問題に毅然(きぜん)とした態度で取り組む意向を示した。
 対中人権非難決議案を提出するかどうかは、新政権の対中姿勢を占う試金石になるとみられてきた。
 米国は天安門事件翌年の一九九○年以降、九八年などを除いてほぼ毎年、対中非難決議案を提出してきたが、中国側は毎回激しい多数派工作を展開、無投票動議などで対抗し、決議案そのものが採択されたことはない。
 このため、ブッシュ政権内部では、中国側のメンツをつぶす決議案提出にこだわらず、個別の人権問題で中国側の譲歩を求めるべきだ、との声も出ていた。
 しかし、中国当局による気功集団「法輪功」の摘発強化に対し、米議会や人権団体から反発の声が強まっており、政権側は決議案提出を見送れば、中国側に誤ったメッセージを送りかねないと判断したもようだ。(了)[2001-02-18-07:50]
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 02/19@<ユーゴ>続発する爆破事件に、当面は軍事行動に走らない方(毎日新聞)

 【ウィーン19日福井聡】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ大統領は18日夜(日本時間19日未明)、同連邦セルビア共和国南部のコソボ自治州との境界地域で続発する爆破事件をめぐって緊急幹部会を開催し、「アルバニア系強硬派によるテロリスト行為だ」と断定しながらも、「交渉による平和的政策に努める」として当面は軍事行動に走らない方針を示した。だが、セルビア系住民にはアルバニア系強硬派への反発が強まっており、約1年続くセルビア南部での紛争は、泥沼化の様相を見せている。
 緊急幹部会は大統領のほか、パブコビッチ連邦軍最高司令官、ジジッチ連邦首相、ジンジッチ・セルビア共和国首相らが出席した。
 会議後、大統領は「一連の爆破事件はセルビア南部を不安定化させるためアルバニア系強硬派によって綿密に計画されたものだ」と述べた。だが、「ユーゴは事態解決を目指し、交渉による平和的政策、より一層の外交努力に努める」との方針を確認した。
 一方、ゲリラ側は「アルバニア系住民が多数派のセルビア南部のプレシェボ峡谷一帯では、セルビア政府が住民を弾圧している。我々はこれと闘っている」と主張。ゲリラ側は爆破事件との関係を否定し、平和的解決を模索する姿勢を示した。
 コソボでは1999年の北大西洋条約機構(NATO)による空爆終結直後から、アルバニア系住民強硬派とセルビア人との武力衝突が続き、東側州境地域では昨年からゲリラ戦が激化している。
 セルビア政府は15日、NATOに「州境地域に国連安保理が設定した緩衝地帯(長さ200キロ、幅5キロ)からゲリラが出撃している」として緩衝地帯の廃止などを求める提案を行ったばかりで、NATO中心の国際治安維持部隊(KFOR)によるゲリラ対策強化を要求している。
 セルビア南部では16日、バスが爆破され、13人が死亡。18日にはセルビア人警官が乗った警察車両が爆破され、3人が死亡した。[2001-02-19-21:40] 15
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 02/19@<ロシア>欧州ミサイル共同防衛構想の具体案NATOに提示(毎日新聞)

 【モスクワ19日田中洋之】ロシア政府は19日からモスクワを訪問する北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長に対し、ロシアが提唱している欧州ミサイル共同防衛構想の具体案を提示する。ロシア国防省のイワショフ国際軍事協力局長がこのほど明らかにした。
 同構想は米国が推進する米本土ミサイル防衛(NMD)に対抗し、昨年6月にプーチン大統領が訪問先のイタリアで初めて提案した。NMDに否定的な意見の強い欧州を巻き込むことで、米国をけん制する狙いがある。
 イワショフ局長は、ロシアと欧州が共同で移動可能な部隊を創設し、非戦略的な防衛システムによって他国からのミサイル攻撃の脅威に対処する考えを示した。
 また、同局長はNMDと同じシステムを欧州に広げるという米国の計画について、「米国は欧州を盾にして、ロシアの戦略ミサイルから自国を守ろうとしている」と強く批判した。
 ロバートソン事務総長の今回の訪露は、NATO軍のユーゴスラビア空爆をめぐって冷却化したロシアとNATOの関係改善を目指すものだ。セルゲエーフ露国防相と会談するほか、モスクワに完成したNATO情報事務所の開設式に出席する。[2001-02-19-10:10] 16
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 02/19@<英労働党>イラク空爆参加を承認 親米路線をアピール(毎日新聞)

 【グラスゴー(英国北部)18日岸本卓也】英労働党は18日、グラスゴーで開いた党大会で、ブレア首相(同党首)がブッシュ米政権と歩調を合わせ、イラクへの空爆に参加したことを承認した。英国では5月に総選挙が予想されている。イラクへの攻撃参加は、ブレア政権が進める欧州統合への積極外交を「従来の親米路線に背く」と反発する保守党の攻撃をかわす狙いがあるが、攻撃に反対する労働党員や平和団体の批判も強まっている。
 ブレア政権はクリントン前政権と良好な関係を維持した。ユーゴスラビアのコソボ紛争への北大西洋条約機構(NATO)の介入や、欧州連合(EU)の緊急対応部隊を2003年までに創設することでも意見が一致した。しかし、ブッシュ政権はバルカン地域への介入を好まず、同部隊にも懐疑的という懸念が出ている。
 ブレア政権は欧州問題に対するブッシュ政権の理解を引き出す条件として、対イラク政策で米英協調に変化がないことを示す必要があった。また、国内では野党・保守党が「米国を選ぶか、欧州を選ぶか」という二者択一を迫っている。イラク攻撃は国民に労働党の親米路線を保証し、総選挙で保守党の攻撃材料の一つを消す効果があるわけだ。
 しかし、イラク攻撃について、フランスなどの国外からの反発のほかに、国内では労働党左派や平和団体などの批判も強まっている。また、ブッシュ政権の米本土ミサイル防衛構想(NMD)については欧州各国が疑問視している。欧州各国と米国との調整役に回るブレア政権にとって難しい局面が続きそうだ。[2001-02-19-10:10] 17
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 02/19@セルビア南部で銃撃戦 ユーゴ政府が緊急会合(共同通信)

 【ウィーン18日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部ルチャネ付近でセルビア警察の車両が地雷で爆破され警察官三人が死亡した事件で、十八日夜に車両回収のため現場を訪れた警察関係者が付近から銃撃され、応戦する事件があった。独立系ベタ通信が伝えた。
 コシュトニツァ連邦大統領は同日深夜、ジジッチ連邦首相、ジンジッチ・セルビア首相らを集め、アルバニア系住民の武装組織によるテロが激化するセルビア南部情勢への対策を検討する緊急会合を開いた。
 大統領は会合後、平和的手段で解決を目指すことで一致したとの声明を発表した。
 銃撃戦は約二時間半続いた。セルビア南部とコソボ自治州の統合を求めて闘争を展開しているアルバニア系武装組織「プレシェボ・メドベジャ・ブヤノバツ解放軍」(UCPMB)のムスリウ政治局長は、銃撃戦で解放軍の司令官一人が死亡、兵士二人が負傷したと述べた。
 しかし同局長は、セルビア人十一人の死者を出した十六日のバス爆破事件は同組織の犯行ではないと主張した。(了)[2001-02-19-09:30] 18
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 02/19@◎懸垂のギネス記録保持者が射殺される=ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン18日時事】ユーゴスラビアのラジオ放送B92によると、鉄棒の懸垂の回数で世界記録を持つミオドラグ・ストヤノビッチ氏(51)が18日、ベオグラードの駐車場で何者かに射殺された。
 同氏は24時間以内に2万9449回の懸垂を成し遂げ、ギネスブックに記録保持者として掲載されている。1980年代には、米国の俳優アーノルド・シュワルツェネッガー氏らのスタントマンとして活躍した。 [時事通信社][2001-02-19-07:08] 117
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 02/19@◎イスラム組織との和平交渉で柔軟姿勢=比(時事通信)

 【マニラ19日時事】フィリピンのエルミタ国防相代理は19日、南部のミンダナオ島を拠点とする反政府イスラム武装組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」との和平交渉再開問題で、国外での交渉再開も拒否しないとの考えを明らかにした。アロヨ政権は同島の分離・独立を主張して武装闘争を続けるMILFに対し、対話路線を打ち出しているが、交渉の場について柔軟姿勢を示したのは初めて。
 MILFの武力鎮圧を目指したエストラダ前政権は、ミンダナオ紛争を国内問題として処理する方針を堅持、第3国での和平交渉を拒否し続けた。 [時事通信社][2001-02-19-22:51] 134
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 02/19@<ヘリ墜落>ミャンマー軍事政権のティンウ第2書記ら6人死(毎日新聞)

 【バンコク19日小松健一】ミャンマー軍事政権当局者によると、19日午前9時(日本時間同11時半)ごろ、首都ヤンゴンの南東約300キロのカレン州カンバウク付近で、軍事政権の意志決定機関・国家平和発展評議会(SPDC)のティンウ第2書記(中将)や軍政高官、閣僚の計7人が乗ったヘリコプターが墜落、ティンウ第2書記をはじめテインニュン辺境開発・民族相、ルンティ・エネルギー相ら6人が死亡した。
 墜落現場付近の当局者によると、エンジン故障が原因という。
 ティンウ第2書記は軍政ナンバー4の地位にあり、陸軍参謀総長を兼務していた。1997年4月には自宅に送られた小包が爆発、娘が死亡したが、本人は無事だった。[2001-02-19-19:40] 140
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 02/19@<イラク空爆>推移を見守る姿勢示す 福田官房長官=替(毎日新聞)

 福田康夫官房長官は19日午後の記者会見で、米英両国のイラク空爆を支持するかどうかについて「そういうことを大げさにいう段階ではない。できれば今後、そういうことがなければいい」と述べるにとどめた。また、川島裕外務事務次官も同日の記者会見で、「法的には米英が自衛のための行為と国連側に言っていると承知しており、日本が当事者でやっている行為ではないので、違法だ適法だと言う立場にはない」と妥当性の評価を避けた。[2001-02-19-18:50] 144
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 02/19@ダイヤめぐり諸勢力が触手 ギニア南部紛争(共同通信)

 国境を接するリベリア、シエラレオネ両国が一九九○年代に内戦を経験する中、なんとか安定を保ってきたギニアで昨年九月以降、反政府武装勢力の活動が活発化している。紛争の構図は不明な点が多いが、「比較的手付かずのまま残されている」(外交筋)とされるダイヤなど鉱物資源に、諸勢力が触手を伸ばしているようだ。シエラレオネなどの戦火を逃れ流入してきた四十万人以上の難民は、新たな苦難を味わっている。
 ギニア政府は、反政府武装勢力の中にシエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)のメンバーが含まれており、さらにRUFの背後にはリベリアのテーラー大統領がいると批判。逆にリベリア側は、同国の反政府勢力、リベリア民主統一解放戦線(ULIMO)をギニアが後押ししていると反論してきた。
 ただ、二月になってこの構図に変化が生じた。現地の報道などによると、ギニア政府軍と結びついているとされてきたULIMOが離反したという。ギニアによるULIMOへの資金提供が滞ったためといわれる。
 戦闘が激化しているギニア南部で活動する援助機関メンバーは「ULIMOの定義自体がはっきりしない」と指摘。「ギニア政府に不満を持つULIMOの一部が分派をつくった」との報道もある。
 ギニア南部の戦闘は、ダイヤの利権争いが根元にあるシエラレオネの内戦が国境を越えた形。組織の体裁を持たない諸勢力が利権を求めて入り乱れているのが実態で、「『敵の敵は味方』というような分析も成り立たない」(外交筋)という混乱ぶりだ。
 解決への道筋が見えないまま、シエラレオネ領に食い込むギニア南部の「パロッツビーク」(オウムのくちばし)と呼ばれる地域では二十五万人の難民、国内避難民が孤立状態にある。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員は「信頼できる情報が得られず、援助活動は極めて困難だ」と指摘する。
 このほど関係各国を訪問したルベルス国連難民高等弁務官は「難民と援助団体のための安全な回廊」を早急に築く必要を訴えた。各国大統領から協力の約束を取り付け、RUFからも前向きな感触を得たとしているが、実現の可能性は不透明だ。(コナクリ共同=金子大)(了)[2001-02-19-16:07] 155
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 02/19@◇チベットなどで氷河後退顕著 世界各地で温暖化進む◇(朝日新聞)

 チベットをはじめ世界各地で温暖化による氷河の後退が著しく、アフリカ最高峰のキリマンジャロからは15年後には雪がなくなる恐れが大きい――。こんな観測結果を、米オハイオ州立大グループが18日、サンフランシスコで開催中の全米科学振興協会総会で発表した。
 チベット高原では1955年から96年まで、年平均気温が10年で0.16度の割合で上昇した。とくに冬はこれが0.32度と大きくなり、標高が高いほど気温上昇が顕著だった。
 高原の南部と中央部の氷河をボーリング、温度変化を過去1000年以上にわたって分析した。最近50年の気温が最も高かった。実際にこれらの氷河は74年以来1、2キロも後退している。
 キリマンジャロは、昨年の航空写真と過去の地図で雪氷の面積を比較。89年より33%、12年に比べると82%も減っていた。このままだと2010年から2020年の間には赤道直下で万年雪に覆われた姿は見られなくなるという。
 ペルーのアンデス山脈の冠雪や氷河も急速にやせ細る。最大級の氷河の後退は1993―95年に年平均28.7メートルだったのに対し、98―2000年は155メートルと加速している。
 研究グループは「万年雪がなくなると、太陽光を吸収しやすくなるなど様々な変化が起こる。チベット高原の変化は、台風の発生の仕方を変えるなど東アジアに大きな影響を与えるだろう」と話している。[2001-02-19-13:08] 167
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 02/19@アンデスの氷、15年で消滅 地球温暖化で急速に縮小(共同通信)

 【サンフランシスコ18日共同】アフリカ・キリマンジャロの山頂付近を覆う雪氷や南米・アンデス山脈の氷河は地球温暖化の影響で急速に縮小しており、あと十五年で消滅するだろうとの予測を米オハイオ州立大のロニー・トムソン教授がまとめ十八日、サンフランシスコで開催中の米科学振興協会総会で発表した。
 同教授は「これら熱帯地域の氷は鉱山のカナリアのようなもの。温暖化に最も敏感に反応し、われわれに警告を送っている」と指摘した。
 同教授らが調査を続けているペルーのアンデス山脈の氷河は、一九六三年以来約二○%が消滅。一部地域では、昨年一年間だけで氷河の先端が百五十五メートル後退した。これは九五年の後退速度の三倍に達している、という。
 キリマンジャロでは一九一二年に、雪氷の地図が作られて以来、現在までに雪氷の五分の四がなくなった。熱帯ではないがチベット高原でも、氷の掘削調査で最近五十年間は特に気温が高くなっていることが確認されているという。(了)[2001-02-19-10:26] 170
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 02/19@<英労働党>イラク空爆参加を承認 親米路線をアピール(毎日新聞)

 【グラスゴー(英国北部)18日岸本卓也】英労働党は18日、グラスゴーで開いた党大会で、ブレア首相(同党首)がブッシュ米政権と歩調を合わせ、イラクへの空爆に参加したことを承認した。英国では5月に総選挙が予想されている。イラクへの攻撃参加は、ブレア政権が進める欧州統合への積極外交を「従来の親米路線に背く」と反発する保守党の攻撃をかわす狙いがあるが、攻撃に反対する労働党員や平和団体の批判も強まっている。
 ブレア政権はクリントン前政権と良好な関係を維持した。ユーゴスラビアのコソボ紛争への北大西洋条約機構(NATO)の介入や、欧州連合(EU)の緊急対応部隊を2003年までに創設することでも意見が一致した。しかし、ブッシュ政権はバルカン地域への介入を好まず、同部隊にも懐疑的という懸念が出ている。
 ブレア政権は欧州問題に対するブッシュ政権の理解を引き出す条件として、対イラク政策で米英協調に変化がないことを示す必要があった。また、国内では野党・保守党が「米国を選ぶか、欧州を選ぶか」という二者択一を迫っている。イラク攻撃は国民に労働党の親米路線を保証し、総選挙で保守党の攻撃材料の一つを消す効果があるわけだ。
 しかし、イラク攻撃について、フランスなどの国外からの反発のほかに、国内では労働党左派や平和団体などの批判も強まっている。また、ブッシュ政権の米本土ミサイル防衛構想(NMD)については欧州各国が疑問視している。欧州各国と米国との調整役に回るブレア政権にとって難しい局面が続きそうだ。[2001-02-19-10:10] 175
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 02/19@<人と世界>ゴーバー氏の謝罪演説の要旨とインディアン局(毎日新聞)

 【ゴーバー氏の謝罪演説の要旨】インディアン局創設125周年は祝賀の時ではなく、反省と悔恨の時だ。創設当初から、脅したりだましたりインディアンを西に強制移動させた。民族浄化に加担した。アルコールで心身を破壊し、女性や子供を卑劣に殺害した。
 局はインディアンの言葉と伝統的な宗教活動を禁止し、インディアンであることを恥と思わせようとした。最悪だったのは子供たちを寄宿学校に集め精神的に残忍な仕打ちをしたことだ。現在の貧困や無知、病気はこの局の誤りのせいだ。
 インディアン局の歴史的な行為について、私はインディアンに公式謝罪する。
 我々は二度とインディアンへの憎悪や暴力に沈黙しない。許しを求めることはできない。だが、共にいやしを始めることはできる。恥と恐れの時代は終わった。7世代にわたる涙をぬぐい、世界に立ち向かおう。
 インディアン局 米連邦政府でインディアン行政を担当する。1824年、当時の戦争省内に創設された。1960年代からの改革により、現在は職員1万人の9割と局長はインディアン。行政管轄の対象は政府認定の557部族とアラスカ先住民。保留地に住むインディアンは約120万人。[2001-02-19-01:00] 176
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 02/19@<人と世界>ケビン・ゴーバー前米インディアン局長(毎日新聞)

 昨年9月8日、米内務省インディアン局長(次官補)が、同局の歴史的な行為を先住アメリカ人に謝罪した。政府や国家そのものではないにしろ、インディアン行政責任者が謝ったのは史上初めてだ。「民族浄化に加担した。歴史を変えられたらと願う」と強い表現が並ぶ。謝罪演説のあと政権交代に伴い政府を去った前局長の弁護士ケビン・ゴーバーさん(45)に会った。長髪を後ろで束ねた先住アメリカ人だ。インディアンに謝罪したインディアン。白人の責任をなぜ引き受けたのだろうか。【ワシントン・中井 良則】
 ――なぜ謝罪の演説を?
 ◆インディアン局創立125周年の行事を開くにあたり「祝賀」とはとても呼べないと思った。局の歴史はインディアンの文化を破壊する歴史だったからだ。局が一度も謝罪していないことも分かった。それに、もう一つある。
 ――何ですか?
 ◆妻があるキリスト教の祈りの本を教えてくれた。その中に先住アメリカ人への謝罪が含まれていた。その祈りの言葉に私は、自分でも驚くほど激しく揺り動かされたのだ。その体験から、この演説は先住アメリカ人にとって重大な意味を持つと考えた。
 ――政府は何と?
 ◆演説の前日に、ホワイトハウスのインディアン調整官とバビット内務長官に提出した。調整官からは「すばらしい」と電話があった。長官からは何もいってこなかった。私は許可をもらったんだ(笑い)。ノーという機会をあげたのにノーと言わなかったからね。
 ――大統領も了解した? ◆大統領に事前に報告したとは思わないね。その後、大統領からは何もいってこなかった。でもそれはいい知らせだ、多分ね(笑い)。この国は歴史的な誤りを認めたがらない。
 ――何を伝えたかったのですか。
 ◆ことばのいやす力を私は深く信じている。先住アメリカ人の若者がこの200年間、自分たちに起こったことに責任はないと知るのはとても大事だ。アルコール中毒、麻薬中毒、家庭内暴力はみな、恥の感覚から引き起こされる。インディアンが殺される映画や大衆文化から「インディアンは恥ずかしい」と言われ続け、恥が強化される。演説の大きなメッセージは「もう恥ずかしがる必要はない」ということだ。
 ――インディアンがインディアンに謝罪するのは矛盾しませんか。白人の行為をなぜ謝るのですか。
 ◆政府で働くインディアンには内部で葛藤がある。過去に自分の民族にひどいことをした政府に忠誠を誓うわけだからね。このパラドックスを解決する唯一の方法は、私もそうしたのだが「起こってしまったことにわれわれは何もできない」と考えることなのだ。現在を担当するわれわれが、歴史の結果について責任を引き受ける。
 インディアンが米国、より正確にはインディアン局のために謝罪するのは、確かに皮肉ではある。だが、いまこの機関を担当しているのはわれわれインディアンであり、その機関がインディアンに謝罪したということなのだ。
 ――補償金については?
 ◆第二次大戦中、強制収容所に収容された日系人に補償金を政府が払ったように、インディアン個人に補償金を払えという意見を持つ人はいる。しかし私は支持しない。奨学金や持ち家の資金貸与など政府が援助するのは適切だろう。だが個人への支払いは、悲劇をわい小化するだけだ。彼らは「払ったよ。元通りだ」というだろう。だがそんなものではない。
 ――昨年9月、上院公聴会で証言した際「インディアン部族は米国の保護下にある国内の従属的な民族」と述べましたね。この定義が適切だと思いますか。
 ◆歴史に照らせば、それが正しい地位だ。米国から離脱する権利を主張するインディアンの民族もいる。だが、それは決して起こらない。不可能だ。米国が許さない。インディアンは住む土地に結びついているから、独立のために土地を出ていくことはしない。だから答えは、我々は米国から離脱せず、ほかの民族には付与されない特別な歴史的な関係を米国と持つ、ということだ。
 米国の憲法制度への政治的な同化は終わった。だが、文化的には同化していないし、その必要もない。自分たちの宗教、ことば、生き方を求め、違ったものでありたいと願っている。
 ――学校ではインディアンの歴史をどう教えていますか?
 ◆私が子供のころはジョン・ウェインの西部劇版の歴史を教えられた。勇ましい騎兵隊とカウボーイが悪いインディアンを懲らしめる。子供の私はとても混乱した。いまは、インディアンと米国との間で戦争があり、負けたのがインディアン、と習う。ましになった。
 ――白人に対してどういう感情を持ちますか。
 ◆若いころは恨みだらけだった。白人だけでなく世界に対しとても怒った時期があった。私の母は白人女性だ。つまり、私は自分の一部である白人にいかに憤慨するか、という問題と闘った。年を重ね、賢くなりそうした問題を乗り越えた。白人はほかの人々と同じだ。われわれはみな神の子だ。私は、自分の判断を他人に押し付けようとはしなくなった。
 ――アイデンティティ(帰属意識)は何ですか。
 ◆自分をインディアンだと思っている。混血ではなくね。私はインディアンだ。
 ――アメリカ人だと思いますか。 
 ◆イエス。
 ――どっちが優先します。
 ◆うむ。その両方であることに矛盾はない。どちらかを優先しなければならないことはなかった。私には承認できない多くのことをこの国はした。インディアンに対し、承認できない行為があった。だがインディアンだけでなく、あらゆる人々に対しても行った。インディアンとアメリカ人のどちらかを選ぶ必要はないい。同じことなんだ。もし君がインディアンなら、君はアメリカ人だ。それが答えだ。
 ゴーバーさんの謝罪はどんな波紋を広げたのだろう。「ブッシュ政権は謝罪について否認も支持もしないだろう」とゴーバーさんがいうように、政府の政策が変わったわけではない。
 都市に住むインディアン支援組織の代表、ローズマリー・リッチモンドさんは「謝罪が問題への回答ではない。政府や議会は何もいっていない。第一歩ではあるが、これでおしまい、となると間違いだ。米国の指導者層はインディアンについて何も知らない」と満足していない。
 だが「ごめんなさい」と滅多にいわない国で、先住民に初めて謝るのはたやすいわざではない。ゴーバーさんは既成事実を作ってしまった。直前まで秘密にするゲリラ作戦だったのがおもしろい。
 「インディアン」か「先住民」か、いつも私は迷う。メキシコに駐在した時、「インディオ」と書かずに「先住民」と書いた。インディオ、インディアンはコロンブスが新大陸をインドと誤解したからできたことばだ。支配者の白人からの蔑視も混ざる一種の差別用語ではないかと思った。
 だが、中南米で先住民から「私たちはインディオと自分たちを呼ぶ。差別の歴史から出発する。先住民と呼んでも何も解決しない」という考えを聞いて、固有の歴史も場所も含まない一般名詞の「先住民」は、使う側の「逃げ」ではないかと思うようになった。
 ゴーバーさんに「どう書きましょうか」と聞いた。
 「我々は自分をポーニーとかスー、ナバホ(各部族名)と考える。必ずしもインディアンとみなしているわけではない。もちろん米国ではアメリカン・インディアンとして知られている。でもインドからの移民が増えれば彼らはインディアン・アメリカンと呼ばれるだろう。そうなると混乱を避けるために、アメリカン・インディアンではなく、ネイティブ(生まれついての、先住の)アメリカンが一般的な呼び方になる気がする」
 でも、ネイティブだとアラスカとハワイが含まれる。
 「そうだね。米国生まれならみなネイティブともいえるしなあ。憲法や法律ではインディアン・トライブ(部族)となっていて、役所や民間団体もインディアンを名乗るね。まああまり違わないよ」
 結局どちらでもいい、という感じで日本の差別用語論争には乗ってこなかった。
 この記事では、ゴーバーさんがアメリカン・インディアンといったら「インディアン」、ネイティブ・アメリカンといったら「先住アメリカ人」と訳した。
 米オクラホマ州生まれ。父はポーニー・インディアン。奨学金で東部の進学高校を経てプリンストン大学に。同大卒業生5000人中インディアンは4、5人だった。ニューメキシコ大法律大学院で弁護士資格。クリントン政権で内務省インディアン局長。現在はワシントンで弁護士としてインディアンの土地や環境問題に取り組んでいる。[2001-02-19-01:00] 12
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 02/10@◎ストイコビッチ、代表監督就任を否定=サッカー(時事通信)

 【ベオグラード9日AFP=時事】ユーゴスラビアの「デーリー・グラス・ヤブノスティ」が9日報じたところによると、サッカーのユーゴスラビア代表で、Jリーグ名古屋に所属するドラガン・ストイコビッチ(35)が、見込まれている同国代表チーム監督就任の要請を受けない意向を示した。ストイコビッチは7月21日に名古屋との契約が切れた後は引退してパリに移るとしており、「家族のために過ごしたい。夏まではサッカー選手だが、その後は年金受給者になる。今はどんなオファーにも興味はない」などと述べた。
 中国のクラブチームから監督就任要請を受けた代表チームのイリヤ・ペトコビッチ監督の辞任に伴い、ストイコビッチの監督就任がうわさされていた。 (了)[時事通信社] [2001-02-10-00:23] 1
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 02/12@◎イラク代表監督が交代=サッカー(時事通信)

 イラクのサッカー代表監督でユーゴスラビア人のミラン・ジバディノビッチ氏が解任されたことが12日に明らかになった。後任は同国ユース監督のアダナン・ハマド氏。ジバディノビッチ氏は昨年10月のアジアカップでイラクをベスト8に導いたが、同国サッカー協会は実績を不服としてこのほど更迭を決めた。 (AFP時事)[時事通信社] [2001-02-12-19:21] 31
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 02/17@ユーゴ代表復帰に意欲(共同通信)

 サッカーJリーグ一部(J1)名古屋グランパスのFWドラガン・ストイコビッチに、昨年六月の欧州選手権後に引退を表明していたユーゴスラビア代表へ復帰する意思があることが十七日、明らかになった。
 ユーゴスラビア代表は二○○二年ワールドカップ(W杯)欧州予選で現在、1戦1勝。三月二十四日には2戦目のスイス戦が控える。三十五歳のストイコビッチは「来週中には代表の新監督が決まると思うが、その監督から要請があれば出場したい」と代表復帰への意欲を語った。
 同代表は六月にキリン・カップで来日する予定。「第1ステージで現役引退する気持ちは変わらないから、日本では代表として最後の姿になるし、復帰したい希望はある」と話した。(了) [2001-02-17-19:46] 36
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 02/17@水球ワールドリーグを創設 国際水連(共同通信)

 国際水連(FINA)は十六日、今年八月から九月にかけて、水球の第一回ワールドリーグを開催すると発表した。
 ブラジル、ギリシャ、イタリア、スペイン、クロアチア、ハンガリー、ロシア、米国の八カ国が参加し、A、Bの二組に分けてホームアンドアウエーの総当たり一次リーグを実施。各上位チームで決勝ラウンド(アテネ)を実施する。
 賞金総額は三十三万ドル(約三千八百万円)で、優勝賞金は十万ドル(約一千百万円)。(共同)(了) [2001-02-17-10:54] 138
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 02/19@引退後の生活に不安76% Jリーガー、初の意識調査(共同通信)

 サッカーのJリーグ選手協会は十九日、初めて実施したJリーグ選手の意識調査の結果を明らかにした。イタリア一部リーグ(セリエA)で活躍する中田英寿選手(ローマ)らに刺激されて七割を超える選手が海外移籍を夢見る一方で、四分の三の選手が現役引退後の生活に不安を持っていることが分かった。
 選手協会によると、調査は昨年九月からことし一月まで、Jリーグ一、二部の27チーム(昨年の登録数)の日本人プロ選手約七百四十人を対象に実施し、六百四選手から回答を得た。選手の待遇、環境改善を求める際の材料とする。
 プロ選手の宿命ともいえる移籍問題に選手の関心は高く、六八・四%が「Jリーグでもフリーエージェント制の導入を検討すべきだ」と要望。また七一%が「チャンスがあれば海外でプレーしたい」と答えた。若手ほどその意欲は強く、二十二歳未満では八四・八%が外国移籍を希望した。
 移籍や契約更改交渉で認められている代理人に関し「代理人またはマネジメント事務所と契約している」は、まだわずかに一三・四%。しかし「交渉は代理人に手伝ってほしい」との希望は九一・六%に達した。
 選手の不安は、現役引退後の生活設計に集中している。七六・二%が「不安がある」と答え、六四・六%が「引退後もサッカー関係の仕事に就きたい」としている一方で、八一・六%が「サッカー以外の技能や知識を身に付けたい」とも望んでいる。
 また、約七○%の選手が、サッカー選手年金や、リーグやクラブによる「引退後に向けた教育システム」の整備の必要性を訴えた。
 年俸調査への回答率は三六・六%と低かったが「三百万―五百万円」が三六・七%、「五百万―一千万円」が二二・二%で、回答選手の半数以上が一千万円以下。回答選手の平均は九百十六万円、一部の平均が千二百六万円、二部の平均が五百三万円。選手協会事務局では「回答率は低いが、全体の実情と大差はない」と説明している。(了) [2001-02-19-19:16] 145
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 02/19@壁にぶつかった西沢と中田 レギュラーの道遠く サッカー(共同通信)

 サッカーのスペイン一部リーグ、エスパニョールのFW西沢明訓と、イタリア一部リーグ三シーズン目のローマのMF中田英寿が「レギュラーの壁」にぶつかっている。
 西沢は十八日のレアル・ソシエダード戦も控えで出番はなかった。一月十四日にデビューしてから、ベンチ入りしたのは7試合(国王カップを含む)。このうち、ピッチに立ったのが4試合。先発出場して63分間プレーしたのが最高で、通算しても4試合で120分足らずだ。
 西沢にチャンスが巡ってこない一因に、外国人選手の枠(出場三人)がある。主力のMFガルカ(ルーマニア)、ライバルのFWポセ、DFロチェン(ともにアルゼンチン)が先発する限り、チャンスはない。
 厳しい状況が続くが、エミリオ・コーチは「すべてが経験だ。試合でも練習でも西沢がいかにアピールしていくか、気迫を見せてほしい」と期待をかける。
 中田も、十八日のレッチェ戦で、同じポジションのトッティが欠場したにもかかわらず、出番はなかった。カペロ監督は試合後の会見で、中田を起用しなかった理由を「戦術的なバランスを変える必要はなかった」と抽象的な言い回しで説明した。
 バランスとは、MFの攻撃と守備を指し、監督のイメージに近いのは中田ではなくアスンソンと判断したようだ。中田は控えどころか、戦力外のピンチさえ迎えようとしている。(共同)(了) [2001-02-19-15:49]

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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