最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(02/10, 2001)


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [リンク]

◆ 02/01@◇コソボの騒乱続く 国際部隊も20人以上けが◇(朝日新聞)
◆ 02/01@<ユーゴ>コソボで国連部隊がアルバニア系住民と衝突、緊張(毎日新聞)
◆ 02/01@ミトロビツァで大規模衝突 仏軍兵士ら60人が負傷(共同通信)
◆ 02/01@◎平和維持部隊に手投げ弾、9人負傷=コソボ(時事通信)
◆ 02/01@◇コソボで衝突続発、国際部隊が夜間外出禁止令◇(朝日新聞)
◆ 02/01@露外相「START3交渉、開始の用意ある」(読売新聞)
◆ 02/01@<ロシア>米本土ミサイル防衛の代案提唱 外相が軍縮会議で(毎日新聞)
◆ 02/01@<ロシア>チェチェン武装勢力は約5千人 連邦保安局長官が(毎日新聞)
◆ 02/01@<国連>ルベルス難民高等弁務官初会見 日本などに資金援助(毎日新聞)
◆ 02/01@<米ジョージア州>州旗変更 南北戦争の軍旗縮小で黒人団体(毎日新聞)
◆ 02/01@米、国連制裁解除へ向けリビアと協議へ(読売新聞)
◆ 02/01@2正面戦略の転換を要請 政策グループが報告書(共同通信)
◆ 02/01@<米国防総省>21世紀安保報告 サイバーテロなどの脅威を(毎日新聞)
◆ 02/01@◇パンナム機爆破事件、リビア人被告に1人有罪判決◇(朝日新聞)
◆ 02/02@<米国務長官>バルカンの平和維持軍は直ちに撤収しないと表(毎日新聞)
◆ 02/02@コソボで3日連続の衝突 アルバニア系と国際治安部隊(共同通信)
◆ 02/02@セルビア当局、ミロシェビッチ氏を監視下に(読売新聞)
◆ 02/02@<ミロシェビッチ氏>警察が24時間監視に セルビア内相=(毎日新聞)
◆ 02/02@劣化ウランで200万ドル要請 WHO(共同通信)
◆ 02/02@米政権、イラク国内の反体制派活動の支援再開へ(読売新聞)
◆ 02/02@駐独日本大使館、56年ぶりに古巣へ(読売新聞)
◆ 02/02@<イタリア>総選挙に向け中道左派政権が苦戦 5年間の変化(毎日新聞)
◆ 02/02@英MI6の元スパイ「ロシアより暴露本」 (読売新聞)
◆ 02/02@次期法王は中南米から? 異例の枢機卿人事で憶測(共同通信)
◆ 02/03@ミロシェビッチ前大統領を国内で起訴へ(読売新聞)
◆ 02/03@◇ミロシェビッチ前大統領起訴へ準備 セルビア首相が明言◇(朝日新聞)
◆ 02/03@戦犯協力が援助の条件(共同通信)
◆ 02/03@ユーゴ前大統領を起訴へ セルビア首相(共同通信)
◆ 02/03@◇内戦で難民25万人、危険地域で物資届かず ギニア南部◇(朝日新聞)
◆ 02/03@◇コンゴのカビラ大統領 PKO展開を要請◇(朝日新聞)
◆ 02/03@コンゴPKOを大幅増強へ 和平機運で国連が方針(共同通信)
◆ 02/03@<コンゴの喧騒>カビラ暗殺事件 国民は窮乏生活(毎日新聞)
◆ 02/04@<酸いも辛いも>ダボスの怪獣は横暴 論説委員 玉置 和宏(毎日新聞)
◆ 02/04@<東論西談>ダボス会議 最高潮のサロンにも陰り(毎日新聞)
◆ 02/04@◇NMD推進を強調、欧州と溝 米新国防長官が独で講演◇(朝日新聞)
◆ 02/04@仏独政界の買収工作の主犯格、逮捕される (読売新聞)
◆ 02/04@<国防会議>NMD問題などめぐり米欧の認識の違い鮮明 (毎日新聞)
◆ 02/05@<ユーゴ>ロシア国防相が初の公式訪問へ 緊密な関係再構築(毎日新聞)
◆ 02/05@◇不法移民ストップを 英・伊首相が共同論文で訴え◇(朝日新聞)
◆ 02/05@<在イスラエル米大使館>早期移転は難しいと示唆 米国務長(毎日新聞)
◆ 02/05@米が3月までの協力要求 コソボ戦犯問題 (共同通信)
◆ 02/05@2月6日付・編集手帳(読売新聞)
◆ 02/05@<コロンビア>政府と左翼ゲリラの和平交渉が瀬戸際に(毎日新聞)
◆ 02/05@UNEPの会議始まる 加藤登紀子さんら出席へ(共同通信)
◆ 02/05@脅威論払しょくの狙いも 中国、信頼醸成に前向き(共同通信)
◆ 02/05@日韓の軍事的役割拡大を 米シンクタンクが提言(共同通信)
◆ 02/06@<ユーゴ連邦外相>EU加盟を最優先課題に(毎日新聞)
◆ 02/06@EUへの不法移民が過去最高、取り締まり強化へ(読売新聞)
◆ 02/06@新政権の改革支援を表明 日・ユーゴ外相が会談(共同通信)
◆ 02/06@近隣国加えて検討を コソボの地位でユーゴ外相(共同通信)
◆ 02/06@前NATO総長ユーゴ訪問(共同通信)
◆ 02/06@戦犯法廷が国内審理を検討 前大統領は「軟禁」 ユーゴ外相(共同通信)
◆ 02/06@「暗黙の順番」を踏襲 同盟重視の米新大統領(共同通信)
◆ 02/06@米大使館爆破事件の審理開始、NY連邦地裁(読売新聞)
◆ 02/06@中近東各国招きテロ対策 田中長官が緊密な協力を呼び掛け(共同通信)
◆ 02/06@補佐官はロシアのスパイ? 国連の麻薬取締機関(共同通信)
◆ 02/07@セルビア政府、ユーゴ南部衝突で和平案打ち出す(読売新聞)
◆ 02/07@◎前大統領側近の元内相が変死=ユーゴ(時事通信)
◆ 02/07@ユーゴ前内相が自殺か(共同通信)
◆ 02/07@セルビアで米視察団に銃撃(共同通信)
◆ 02/07@<イスラエル>シャロン首相当選 遠のく悲願のパレスチナ独(毎日新聞)
◆ 02/07@<イスラエル>振り子の和平 治安優先に「右」選ぶ(毎日新聞)
◆ 02/07@緒方貞子さんは日本人の誇り 首相主催の慰労会(共同通信)
◆ 02/07@<国会議員連盟>国連難民高等弁務官事務所支援の超党派が総(毎日新聞)
◆ 02/07@<キーパーソン>イスラエル次期首相に当選のシャロン党首(毎日新聞)
◆ 02/07@イスラエル新首相シャロン氏、現実主義者の側面も(読売新聞)
◆ 02/07@<イスラエル首相公選>新政権と協力し和平を推進 米国務長(毎日新聞)
◆ 02/07@◎NMD推進、日本の核武装化もたらす=米上院議員が警告(時事通信)
◆ 02/07@結果はバラク氏への不信任 予測不能な混迷の時代に(共同通信)
◆ 02/07@12日に緩衝地帯設置へ エチオピアとエリトリア(共同通信)
◆ 02/08@<不法移民>対応策協議のEU内相会議開幕 英は規制強化提(毎日新聞)
◆ 02/08@○EU上級代表がユーゴ訪問=空爆時のNATO総長(時事通信)
◆ 02/08@<EU>ソラナ氏ら代表団がユーゴスラビア連邦を訪問(毎日新聞)
◆ 02/08@伊王家子孫の入国禁止、元王妃の死で見直し論議(読売新聞)
◆ 02/08@◇「知りすぎた男」の帰国にフランス政官界が戦々恐々◇(朝日新聞)
◆ 02/08@◎緒方貞子氏、フォード財団客員研究員に (時事通信)
◆ 02/08@◇国際テロの黒幕、ウラン買い付け?ラディン氏元側近証言◇(朝日新聞)
◆ 02/08@ギニア難民との接触途絶 UNHCRが危機感(共同通信)
◆ 02/08@◇ハイチ大統領にアリスティド氏が返り咲き◇(朝日新聞)
◆ 02/08@コンゴ南東部から撤退へ ルワンダ大統領が表明(共同通信)
◆ 02/08@<CIA長官>ラディン氏組織が米安全保障に最も危険と証言(毎日新聞)
◆ 02/08@ラディン氏が最大の脅威 CIAが年次報告(共同通信)
◆ 02/09@<EU司法・内相会議>集団移民に絡む組織犯罪対策で合意=(毎日新聞)
◆ 02/09@<セルビア副首相>ミロシェビッチ前大統領は「国内訴追を優(毎日新聞)
◆ 02/09@◇NATO前事務総長がユーゴ訪問 空爆指揮に記者辛らつ◇(朝日新聞)
◆ 02/09@米、NMDで対ロシア先制 プーチン政権守勢に(共同通信)
◆ 02/09@◇ロシア大統領がオーストリアを訪問 中立の行方に波紋◇(朝日新聞)
◆ 02/09@◇ユーゴ前大統領を3カ月以内に起訴へ 公金流用など◇(朝日新聞)
◆ 02/09@◎ユーゴ加盟で作業部会設置=WTO(時事通信)
◆ 02/09@シャロン氏、アラファト氏と電話会談(読売新聞)
◆ 02/09@中国、チベット鉄道建設へ(読売新聞)
◆ 02/09@<元エルフ社幹部>エルフ・アキテーヌ社の素顔(毎日新聞)
◆ 02/09@<環境NGO>「市民フォーラム2001」が解散へ(毎日新聞)
◆ 02/09@<前ロシア大統領府局長>FBIの身柄拘束で国際事件に発展(毎日新聞)
◆ 02/09@ロシア債務問題がテーマに G7、期限内の返済を促す(共同通信)
◆ 02/09@◇戦場の「主役」ロボットに 英国防省30年後の戦争予測◇(朝日新聞)
◆ 02/09@◇ブッシュ大統領がアラファト議長に暴力回避の努力要請◇(朝日新聞)
◆ 02/09@2500言語が消滅の危機 保護必要と国連環境計画(共同通信)
◆ 02/09@◎アフガンに大島次長を派遣へ=人道状況悪化で支援訴え−国(時事通信)
◆ 02/09@<振り子の和平>イスラエル首相公選 硬軟両にらみのアラブ(毎日新聞)
◆ 02/09@<東ティモール>新国家の大統領になるつもりない グスマン(毎日新聞)
◆ 02/10@<マケドニア>国名論争でギリシャが新提案 日刊紙が伝える(毎日新聞)
◆ 02/09@◇セルビア共和国のジンジッチ首相がロシア訪問へ◇(朝日新聞)
◆ 02/10@<振り子の和平>イスラエル首相公選 ブッシュ路線不透明(毎日新聞)
◆ 02/10@自衛隊派遣は慎重に 地域紛争で野中氏(共同通信)
◆ 02/10@◇国連、寒波などに苦しむアフガンに大島事務次長を急派◇(朝日新聞)
◆ 02/10@◇コロンビア「停戦」交渉、14日開始で合意◇(朝日新聞)
◆ 02/10@国連部隊のコンゴ展開訴え ベルギー首相 (共同通信)
◆ 02/10@ギニア南部で戦闘再燃(共同通信)
◆ 02/10@NMD、最新兵器を優先 時代の要請に合わせ米軍改革(共同通信)
◆ 02/10@900人がケニアに避難 タンザニア(共同通信)
◆ 02/10@元テニス選手のアムリトラジさんを任命 国連平和大使(共同通信)
◆ 02/10@仏英大使館の統合を検討(共同通信)
◆ 02/02@◎偽旅券疑惑に揺れる仏サッカー(時事通信)
◆ 02/04@◎ユーゴ代表監督が辞任=サッカー(時事通信)
◆ 02/05@外国人サッカー選手、EU旅券の不正取得明るみに(読売新聞)
◆ 02/05@韓国での日本批判が拡大 W杯名称、新聞論調も硬化(共同通信)
◆ 02/06@◎ストイコビッチ引退に合わせキャンペーン=Jリーグ・名古(時事通信)
◆ 02/06@偽イタリア人が24人? 伊サッカー界大揺れ(共同通信)
◆ 02/09@◎サラエボが2010年冬季五輪立候補=2010年冬季五輪(時事通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


[このページの最初に戻る]

 02/01@◇コソボの騒乱続く 国際部隊も20人以上けが◇(朝日新聞)

 2つの民族間の衝突から夜間外出禁止令が出されたユーゴスラビア・コソボ自治州北部のコソブスカ・ミトロビツァで1月31と1日、再び投石などの騒乱が発生した。治安維持に当たる国際部隊(KFOR)によると、これまでに兵士1人が手りゅう弾で重傷を負い、22人が軽いけが。一般住民も数十人が負傷した模様だ。
 現地では対立するアルバニア系とセルビア系の住民が川をはさんで暮らす。セルビア系居住区のある北側へ向かおうとしたアルバニア系住民に対して、国際部隊は催涙弾を発射して群衆を散らそうとしている。[2001-02-01-23:04] 32
[このページの最初に戻る]

 02/01@<ユーゴ>コソボで国連部隊がアルバニア系住民と衝突、緊張(毎日新聞)

 【ウィーン1日福井聡】アルバニア系住民とセルビア人の対立が続くユーゴスラビア連邦コソボ自治州のミトロビツァで31日、警備に当たっていた国連治安維持部隊(KFOR)がアルバニア系住民の群衆と衝突し、同部隊のフランス軍兵士15人と住民約40人が負傷した。ここ数カ月で最悪の緊張状態に陥っている。
 現地からの報道によると衝突はアルバニア系住民とセルビア人の居住地域を分けるイバル川近くで発生。住民側は石や火炎瓶、さらに手投げ弾まで投げつけ、兵士らは催涙弾を発射するなどした。[2001-02-01-20:40] 34
[このページの最初に戻る]

 02/01@ミトロビツァで大規模衝突 仏軍兵士ら60人が負傷(共同通信)

 【ウィーン31日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴ・コソボ自治州北部のコソブスカ・ミトロビツァで三十一日、アルバニア系住民の群衆と国際治安部隊が衝突、同部隊のフランス軍兵士約二十人と住民約四十人が負傷した。
 同市北部で二十九日、アルバニア系少年がセルビア人に殺された事件が発端。抗議のため集まった数千人のアルバニア系住民が同市を分断するイバル川を越え、セルビア人住民が多数を占める同市北部に向かおうとしたが、同部隊が橋を封鎖して通過を阻止。住民の投石に部隊側は催涙弾で応戦した。
 橋の反対側にはセルビア人住民が集まり、にらみ合いが続いている。三十日にも同様の衝突で住民三十二人とフランス軍兵士十人が負傷した。(了)[2001-02-01-08:16] 35
[このページの最初に戻る]

 02/01@◎平和維持部隊に手投げ弾、9人負傷=コソボ(時事通信)

 【ウィーン31日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、同州北部の町コソブスカミトロビツァで31日、アルバニア系住民のデモ規制に当たっていたコソボ平和履行部隊(KFOR)の仏軍部隊に手投げ弾が投げ付けられ、兵士9人が負傷した。
 橋を挟んで北部のセルビア人と南部のアルバニア系住民がにらみ合っている同町では30日、手投げ弾でアルバニア系の少年が死亡した事件を引き金に大きな騒ぎが起き、KFORは夜間外出禁止令を発令、緊張が高まっている。 [時事通信社][2001-02-01-00:49] 36
[このページの最初に戻る]

 02/01@◇コソボで衝突続発、国際部隊が夜間外出禁止令◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州北部の都市でアルバニア系とセルビア系の住民が衝突して1人が死亡し、治安維持のために展開する国際部隊(KFOR)は1月30日、夜間外出禁止令を出した。アルバニア系武装組織の攻撃が続く東部の州境では連邦軍のセルビア兵が死亡。国連安全保障理事会は同日、この2件を非難する声明を出した。民族間の憎悪に加えてコソボ独立問題もからみ、国際社会が手を出しにくい問題となっている。
 住民同士が衝突したのは川を隔てて北側にセルビア系、南側にアルバニア系住民が集中するコソブスカ・ミトロビツァ。国際部隊が橋の往来を規制している。
 国際部隊などによると川の北側で29日、わずかに残るアルバニア系の家に手りゅう弾が投げ込まれたのを機に、手りゅう弾での応酬となり、翌日までにアルバニア系少年が死んだ。怒った南側のアルバニア系約1000人が橋を突破しようと投石を始めたため、国際部隊は催涙ガスを発射した。
 コソボでは今も民族間の根深い憎悪がある。国連によるとコソボ内で昨年1月から10月までに起きた殺人事件は211件、誘拐も150件に達した。
 一方、アルバニア系武装組織によるユーゴ・セルビア共和国への攻撃で、26日にはコソボ東側の州境で兵士が死亡した。武装勢力の活動は昨年11月から活発化。背景には、ユーゴ政変で同10月に民主的な政権が誕生したことがある。
 武装組織はミロシェビッチ前政権下でセルビア当局と対決したコソボ解放軍の元兵士たちが中心と見られる。「セルビアによる弾圧」という図式が崩れ、悲願であるユーゴからのコソボ独立について国際社会の関心は急速に薄れた。欧米諸国が後ろ盾のコシュトニツァ大統領は「コソボはセルビアの一部」との立場を譲らない。
 独立の道筋が見えないため、コソボ全体では圧倒的多数派のアルバニア系の不満と焦りは募っている。武装組織は挑発行為で国際社会の関心を引こうとしているようだ。銃も手りゅう弾も野放し状態だ。組織に加わる若者が増えているとの情報もあるが、国際部隊はこれもくい止めることができずにいる。
 セルビア政府は30日、交渉による紛争解決を基本としながらも「必要ならば対テロ作戦に踏み切る」とけん制した。国際社会の目があり、実際はセルビアも本格的な鎮圧には乗り出しにくい。武装組織はその足元を見ており、コソボとの間にある5キロ幅の非軍事地帯を拠点に利用している。国際社会の仲介が功を奏するかどうかが焦点だが、対話の糸口は見つかっていない。[2001-02-01-00:12] 114
[このページの最初に戻る]

 02/01@露外相「START3交渉、開始の用意ある」(読売新聞)

 【ジュネーブ1日=大内佐紀】ロシアのイワノフ外相は一日、ジュネーブ軍縮会議本会議で演説し、「米国と、第三次戦略兵器削減条約(START3)交渉を、即刻、開始する用意がある」と表明する一方、「今後の核軍縮進展は、(米露間の)弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を維持し、強化するとの前提条件がなければ達成されない」と述べ、米国の求める同条約改定交渉には応じない姿勢を改めて強調した。
 外相は、ブッシュ新政権が全米ミサイル防衛(NMD)網推進を掲げていることについて、「病気よりも、危険な薬がある」との格言を引用して反対を表明。その上で、〈1〉米露が共同運営するミサイル発射データ交換センターをモスクワに創設〈2〉ミサイルとミサイル関連技術の不拡散に関する国際システムの構築――などを、NMDの代替措置として提唱した。
 また、同じくNMD強硬反対派の中国が、ジュネーブ軍縮会議で、宇宙における軍拡防止に関する条約交渉の開始を求めていることに関連して、「宇宙軍拡防止は多くの諸国の懸案事項。今春、モスクワでこの問題を協議する国連主導の国際会議を開催すべきだ」と述べた。[2001-02-01-22:59] 116
[このページの最初に戻る]

 02/01@<ロシア>米本土ミサイル防衛の代案提唱 外相が軍縮会議で(毎日新聞)

 【ジュネーブ1日福原直樹】ロシアのイワノフ外相は1日、ジュネーブの軍縮会議で演説し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の維持・強化に向けて、米国のブッシュ新政権に対話を呼びかけた。また、同政権が積極姿勢を示している米本土ミサイル防衛(NMD)の代案を提唱した。発足から間もないブッシュ政権に、早くも交渉を迫ったものと言える。
 同外相が示したNMDの代案は、まず国際協力に基づく世界的なミサイル防衛網の構想。過去3年間の米露の合意をもとに戦域ミサイル防衛(TMD)分野での広範かつオープンな国際協力体制を提案した。
 また、米露が合意済みのミサイル打ち上げ情報センターの創設、ミサイルおよびミサイル技術の拡散防止のための地球規模の監視システムの展開などを提唱。米政府が懸念を表明している一部諸国のミサイル開発の「脅威」についても除去すべきだと述べた。
 一方、米露核軍縮については、核弾頭を1500個以下に削減する第3次戦略核兵器削減条約(START3)の交渉準備を呼びかけた。このほか世界各地での非核地帯の創設や、核兵器を他国領土に配備しない原則の確立、宇宙空間での軍拡防止なども提案した。[2001-02-01-22:45] 125
[このページの最初に戻る]

 02/01@<ロシア>チェチェン武装勢力は約5千人 連邦保安局長官が(毎日新聞)

 【モスクワ1日石郷岡建】ロシアのパトルシェフ連邦保安局長官は1日、ロシア南部のチェチェン紛争に関して「共和国内で活動を続けているチェチェン武装勢力は約5000人で、そのうち1500人が徹底抗戦の強硬派」との数字を発表した。
 ロシア政府当局はチェチェン紛争で武装勢力に多大な打撃を加えたと発表しているが、約1年前にゲリラ戦が始まった当時、約5000人とされた武装勢力の数は、ほとんど変わっていないことになる。[2001-02-01-20:40] 139
[このページの最初に戻る]

 02/01@<国連>ルベルス難民高等弁務官初会見 日本などに資金援助(毎日新聞)

 【ジュネーブ31日福原直樹】緒方貞子氏の後任として1月に就任したルベルス国連難民高等弁務官(61)は31日、国連欧州本部で初めて記者会見し、緒方氏の10年間の業績をたたえる一方、日本や米、欧州連合(EU)に対し、今後の難民救済活動への資金援助を求めた。
 ルベルス氏は緒方氏について「欠点を挙げることはできない。世界中で人間性を基本に行動し、数々の功績を上げた」と称賛した。さらに同弁務官事務所(UNHCR)への日本の貢献について、最近の森首相のアフリカ訪問などを挙げながら「拠出金増加に積極姿勢を見せている」と評価した。日本は昨年、UNHCRの全予算の14%を負担している。
 一方で、同氏はフランスを中心にしたEUからの予算拠出減少に懸念を表明。「EUの予算拠出は数年前の半分以下になった」と指摘した。またブッシュ米政権については「まだ会合を持っていないが、これまで米国は最大額の拠出を行っており、今後も理解を得られると思う」と話した。米国は昨年、UNHCRの予算の35%にあたる約10億ドルを拠出した。
 ルベルス氏は1994年までオランダ首相を務めた。[2001-02-01-18:50] 147
[このページの最初に戻る]

 02/01@<米ジョージア州>州旗変更 南北戦争の軍旗縮小で黒人団体(毎日新聞)

 【ワシントン31日中井良則】米ジョージア州で州旗が変更され、これまで大きく描かれていた南北戦争当時の南軍の軍旗を縮小してデザインした新しい州旗が31日、初めて州議会議事堂に掲げられた。南軍旗を奴隷制の象徴とみなす黒人団体が削除を要求したが、南軍兵士の子孫が反対し、人種差別をひきずる米国の実情を示す旗論争となっていた。
 小説「風とともに去りぬ」の舞台となったジョージア州は、1861年、奴隷制維持の南部連合に参加し、南北戦争では南軍側で戦って敗北した。1956年、人種差別反対の公民権運動に対抗するため、白人優位の議会が州旗に南軍旗を導入。赤地に青いX字型の線などが入った南軍旗が旗の3分の2を占めるデザインになった。
 黒人の公民権運動組織が南軍旗削除を求める一方、南軍兵の子孫の団体は「州旗は南軍のために戦死した人々を顕彰するものだ」と削除に反対してきた。
 バーンズ州知事(民主党)がデザイン変更法案を提案し、議会で「分裂と戦い、和解を求めることがわれわれの義務だ」と、人種間の和解を訴えた。「紛争が続くと大企業が進出しなくなる」と経済的な理由をあげて変更に賛成した議員もいた。30日までに州議会上下院が可決し、31日、知事が署名して成立した。
 新しい州旗は州章を大きく扱い、旧州旗をほかの古い州旗や米国旗とともに小さく下部に並べるデザインで黒人団体も了承した。
 隣のサウスカロライナ州では州議事堂屋上に掲揚されていた南軍旗に反対する黒人組織が旅行ボイコットや抗議デモを組織し、昨年、州は南軍旗の掲揚を打ちきった。[2001-02-01-18:15] 158
[このページの最初に戻る]

 02/01@米、国連制裁解除へ向けリビアと協議へ(読売新聞)

 【ワシントン31日=林路郎】米国務省のバウチャー報道官は三十一日、パンナム機爆破事件の裁判でリビア人被告に有罪判決が下されたことを受け、米・リビア両国が近く国連本部で、対リビア国連安保理制裁(二容疑者の身柄引き渡しにより現在凍結中)の正式解除に向けた協議に入ることを明らかにした。
 米国はリビア側に、同制裁決議に定められている〈1〉すべてのテロ支援活動の停止〈2〉事件に対するリビア政府の責任の認定〈3〉爆破事件の遺族への補償金支払い〈4〉事件の全容開示――を制裁解除条件として強く要求する構え。
 米国は、リビアの国際テロ支援を理由に、米国人の渡航制限など独自の制裁も発動している。
 同判決をきっかけに制裁解除・国際社会復帰を狙うリビア側の思惑をテコに、リビアから謝罪や補償、テロ支援停止などの確約を取り付けたい米国の思惑を示すものだ。
 これに関連し、パウエル国務長官は同日、クック英外相と電話会談し、対リビア制裁の扱いをめぐる今後の対応について協議した。同外相は二月五日から訪米予定で、リビア問題は米英外相会談の主要議題となるものとみられる。[2001-02-01-13:07] 160
[このページの最初に戻る]

 02/01@2正面戦略の転換を要請 政策グループが報告書(共同通信)

 【ワシントン31日共同】米議会の委託で発足した超党派政策提言グループ「二十一世紀の国家安全保障委員会」は三十一日、コンピューターを狙う「サイバーテロ」からの米本土の防衛能力を高める必要性を指摘、米軍が冷戦後維持してきた、二つの戦争に同時に勝利するとの「二正面戦略」の転換を求める報告書を発表した。
 委員会の共同委員長を務めるゲーリー・ハート元上院議員(民主党)は同日の記者会見で「政府は今すぐにでも行動を起こす必要がある」と強調。委員会によると、報告書はブッシュ大統領にも手渡された。ブッシュ政権も提言を前向きに検討する方針という。
 米本土への直接攻撃の脅威について報告書は、一九九一年までソ連の核ミサイルが最大の脅威だったが、冷戦の終結で脅威は低下したと分析。「米本土は生物兵器やサイバー兵器によるテロ攻撃に極めて弱い。スーツケースで核物質を持ち込むことも困難ではない」と、現在の米本土防衛上の最大の弱点を指摘した。
 本土防衛能力を高めるため、現在は別組織である連邦緊急事態管理局(FEMA)や税関、沿岸警備隊、国境警備隊を統合した独立機関「米本土安全保障庁」の設立を求めた。
 一九九三年にクリントン政権が打ち出した二正面戦略は、ペルシャ湾と朝鮮半島での戦争の同時発生を想定している。しかし報告書は「二つの勢力が同時に米国に武力で挑むという事態の発生は、現時点では想定が困難」とし、同戦略の転換を提言。国防総省に対し部隊の迅速な遠征能力を高めることを最優先課題とするよう求めた。
 アジアの世界に対する影響力が強まることに対応し、国務省にアジア地域を担当する次官ポストを創設することも提言した。(了)[2001-02-01-11:51] 161
[このページの最初に戻る]

 02/01@<米国防総省>21世紀安保報告 サイバーテロなどの脅威を(毎日新聞)

 【ワシントン31日清宮克良】米国の外交・軍事分野の長期戦略を検討してきた国防総省諮問機関「21世紀国家安全保障委員会」は31日、最終報告を発表した。2025年までに米本土に対するサイバー(電脳)テロなどの脅威が増大すると警告し、独立機関を設立して国土防衛を強化すべきであると提言。さらに米軍の世界戦略の基本となってきた「2正面作戦」を見直し、多様で複雑な事態に対応できる軍事態勢への転換を求めた。
 超党派の議員らで構成される同委員会は過去2回にわたって米国の軍事戦略を発表しているが、今回の最終報告はブッシュ大統領にも提出されており、ブッシュ政権は提言の具体化を前向きに検討するものとみられる。
 報告書は、21世紀の米本土に対する直接攻撃は核ミサイルばかりではなく、コンピューター攻撃や生物兵器を使ったテロ行為となるとの見通しを指摘、「25年以内に大惨事を招く攻撃を受ける可能性がある」と警鐘を鳴らしている。こうした新たな脅威に備え、米連邦緊急事態管理局(FEMA)、沿岸警備隊、国境警備隊などを統合した独立機関「米本土防衛庁」設立の必要性を唱えている。
 従来、米軍が想定してきた2つの大規模地域紛争が同時発生する事態は「ありそうもない」との認識に立ち、「2正面作戦」の転換を提言。これに関連し、国防総省の人員削減などを要請しており、今後、在外米軍をめぐる兵力構成見直しの必要性が高まることも予想される。
 また、報告書では国務省に対し地域別の対応を強化するような組織再編を促しているほか、IT(情報技術)時代に向け科学教育の充実が急務であると警告している。[2001-02-01-11:15] 175
[このページの最初に戻る]

 02/01@◇パンナム機爆破事件、リビア人被告に1人有罪判決◇(朝日新聞)

 1988年、270人が犠牲となったパンナム機爆破事件で殺人罪に問われたリビア人2被告に対する判決公判が31日、開かれた。アブデルバゼット・メグラヒ被告(48)には終身刑、アルアミン・フヒマ被告(44)には無罪が言い渡された。判決公判は、オランダ中部のゼイスト元米軍基地に設けられた英スコットランド法廷で開かれた。リビア指導部の関与など真相は完全には解明されていないが、司法判断に区切りがついたことで、国連の対リビア制裁の完全解除が大きく近づいた。
 メグラヒ被告の弁護団は控訴する構え。フヒマ被告は同日釈放される。
 起訴状によると、メグラヒ被告はリビアの情報部員だった88年12月、爆弾入りスーツケースをマルタ発ドイツ経由でパンナム機にのせ、ロンドンからニューヨークへ向かう途上、スコットランド上空で爆破させた。リビア航空職員だったフヒマ被告は手助けをしたとされる。
 乗員、乗客259人と地上の住民11人が死亡。兵庫県西宮市の銀行員、田中秀和さん(当時26)も犠牲となった。
 ブッシュ米大統領は31日、「リビアが責任をとり、遺族の補償に応じるよう、米国は圧力をかけ続ける」と述べた。これに先立ち発表された米政府声明は、制裁解除について「判決は解除をただちに意味するものではない」として、リビアのテロ組織の支援停止など課題が残されているとの見方を示した。
 事件後の早い段階から、英米はリビア人の犯行と断定、容疑者引き渡しを要求した。拒否したリビアに対し、国連安保理は92年、武器禁輸や在外資産凍結などの制裁を科し、リビアは国際社会で孤立した。
 だが、99年になって、アラブ諸国などの仲介を受け入れたリビアが容疑者の引き渡しに応じたため、制裁が凍結された。[2001-02-01-00:29]
[このページの最初に戻る]

 02/02@<米国務長官>バルカンの平和維持軍は直ちに撤収しないと表(毎日新聞)

 【ワシントン1日布施広】パウエル米国務長官は1日、訪米したトライコフスキ・マケドニア大統領、ジョアナ・ルーマニア外相と個別に会談し、バルカン地域で平和維持活動に当たる米軍を直ちに撤収させることは考えていないと表明した。また、「イラクは隣国を脅かしている」と記者団に語り、大量破壊兵器の開発を阻止するために、中断している国連査察の再開をめざす構えを見せた。
 バウチャー国務省報道官によると、パウエル長官は会談で、米国が平和維持の任務を放棄して撤収することはないと言明した。
 ブッシュ大統領は選挙戦の中で、バルカン平和維持における米軍の負担が大き過ぎると主張、大統領当選後は米軍撤退を検討すると言明していた。このため欧州諸国は米新政権の出方を注視していたが、米軍は当面、現在の規模で駐留を続けることが確定した。
 一連の会談に関連してバウチャー報道官は、コソボのアルバニア系住民に対し、平和維持活動への抗議行動を直ちに停止するよう呼びかけた。
 一方、パウエル長官は当面の課題として、イスラエル首相公選とイラク情勢に注目していると記者団に語り、特にイラクの大量破壊兵器査察が1998年から止まっているのは「軍備管理上の問題だ。彼ら(イラク)は大量破壊兵器で隣国を脅かしている」と強い調子で警告した。
 具体的対応には言及しなかったが、91年の湾岸戦争時、統合参謀本部議長だった長官は、停戦決議の忠実な履行をイラクに要求、国連査察の早期再開をめざすとみられている。[2001-02-02-11:20] 21
[このページの最初に戻る]

 02/02@コソボで3日連続の衝突 アルバニア系と国際治安部隊(共同通信)

 【ウィーン2日共同】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、コソボ北部コソブスカ・ミトロビツァで一日、アルバニア系住民と国際治安部隊が三日連続で衝突し、双方で二十人以上の負傷者が出た。
 国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のヘカロップ特別代表が平静を呼び掛けると同時に、国際部隊は英軍部隊を同市に応援派遣し、暴動の拡大阻止に全力を挙げている。
 この日は数百人のアルバニア系住民が市を分断するイバル川の橋近くに集まり、セルビア人住民が多数を占める市北部に向かおうとし、阻止しようとしたフランス軍兵士に投石した。騒ぎは同日夜には収まった。
 同市北部で一月二十九日、アルバニア系少年がセルビア人との衝突で死亡した事件が発端となった。(了)[2001-02-02-10:52] 23
[このページの最初に戻る]

 02/02@セルビア当局、ミロシェビッチ氏を監視下に(読売新聞)

 【ウィーン1日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビア共和国のミハイロビッチ内相は一日、旧ユーゴ戦犯国際法廷(在オランダ・ハーグ)に起訴されているミロシェビッチ前連邦大統領をセルビア警察当局の二十四時間監視体制下に置いたことを明らかにした。
 同内相はこの措置について、「前大統領に対する懸賞金目当ての追っ手から前大統領を保護するのが目的」と述べたが、前大統領の国際法廷への身柄引き渡しを求める国際社会に対して、あくまで国内で訴追する意思を改めて示すのが狙いと見られる。
 同内相によれば、前大統領は現在、ベオグラード市内デディニェ地区のユーゴ大統領公邸で暮らしているが、これは、公邸に移ることを拒否しているコシュトゥニツァ大統領との合意に基づくものだという。
 前大統領やボスニア・ヘルツェゴビナの大物セルビア人戦犯のカラジッチ容疑者、ムラジッチ容疑者に対しては、クリントン前米政権が、逮捕につながる情報提供などに対して五百万ドルの懸賞金を懸けている。[2001-02-02-10:21] 24
[このページの最初に戻る]

 02/02@<ミロシェビッチ氏>警察が24時間監視に セルビア内相=(毎日新聞)

 【ウィーン1日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のミハイロビッチ内相は1日、「ミロシェビッチ前大統領は警察の24時間監視体制下にある」と述べ、その理由を「前大統領は国連旧ユーゴ戦犯法廷により起訴されており、また国内の裁判所が調査中のため」と説明した。
 ベオグラードからの報道によると、同内相は「コシュトゥニツァ大統領は前大統領との協議で大統領公邸に入らず、前大統領がそのまま使えるようにした」とも語った。前大統領が暮らしているとみられる公邸の建物は連邦政府の所有物で連邦軍が警備に当たり、前大統領個人の警備は特別警察部隊が担当しているという。[2001-02-02-09:50] 26
[このページの最初に戻る]

 02/02@劣化ウランで200万ドル要請 WHO(共同通信)

 【ジュネーブ1日共同】世界保健機関(WHO)は一日、白血病などとの因果関係が疑われている劣化ウラン弾が人体に及ぼす影響について、旧ユーゴスラビアとイラクで調査を実施するため、各国政府に計約二百万ドルの資金提供を求めるアピールを発表した。
 WHOによると、調査は旧ユーゴとイラクの政府機関を支援する形でがんなどの発病率が通常とどれくらい異なるかなどを検証。場合によっては住民の健康診断もあり得るとしている。
 米軍は一九九一年の湾岸戦争の際、イラクで劣化ウラン弾を使用。旧ユーゴでは北大西洋条約機構(NATO)軍事作戦の一環として九九年、コソボ自治州に展開するユーゴ軍の戦闘車両を相手に使用するなどした。(了)[2001-02-02-07:57] 67
[このページの最初に戻る]

 02/02@米政権、イラク国内の反体制派活動の支援再開へ(読売新聞)

 【ワシントン2日=林路郎】二日付の米紙ワシントン・ポストは、ブッシュ政権が一日までに、イラク反体制派の横断組織「イラク国民会議」(INC)が米政府の資金援助によりイラク国内で活動を再開する計画を原則的に承認したと伝えた。
 事実とすれば、この承認は、九六年以降、反体制派の国内活動を支援しなかったクリントン前政権の対イラク政策を転換し、米国が再びフセイン体制崩しに積極介入することを意味する。
 同紙によると、ブッシュ政権が同意したのは、〈1〉イラクにおける国連制裁違反行為や軍による戦争犯罪の実態〈2〉軍部隊の作戦動向〈3〉その他の国内情勢――に関する情報収集。米議会がすでに歳出を承認した四百万ドルがこの活動にあてられ、早ければ二週間以内にも活動が本格化するという。
 INCのアフマド・チャラビ代表は、ブッシュ政権に対し、情報収集とは別に、総額二千五百万ドルに及ぶ活動資金援助を要請し、現在交渉中。米国による軍事援助にも期待を寄せている。
 米国は湾岸戦争後の九二年ごろ、当時のブッシュ政権が中央情報局(CIA)を使って反体制派をテコ入れしたが、九六年にイラク軍が大規模な反体制派掃討作戦を展開したため、国内活動への支援を停止した。
 反体制派の国内活動がフセイン政権を刺激し、イラク軍と反体制派との軍事衝突を招きかねないとの懸念も指摘されている。[2001-02-02-21:13] 73
[このページの最初に戻る]

 02/02@駐独日本大使館、56年ぶりに古巣へ(読売新聞)

 【ベルリン2日=三好範英】駐独日本大使館が、日独同盟時代に建てられたベルリンの中心部ティアガルテン区にある建物に三月五日、五十六年ぶりに復帰する。この建物は、ナチスが好んだ典型的な「第三帝国様式」であることから、話題を集めそうだ。
 ヒトラーは、ベルリンの都市改造を計画し、在外公館を同区に集めた。日本大使館は一九三八年から四二年にかけて建てられ、建築史の資料によると、同盟関係を反映して内装に贅(ぜい)を尽くしたという。石造りの重厚な建物で、いかめしさも漂う。隣では、イタリア大使館も復帰を目指して改築中だ。
 日本大使館は第二次大戦中、ベルリン空襲で大きな被害を受けたが、四五年五月の独敗戦の直後まで大使館として機能した。戦後は長く、被災したままの荒れ果てた姿だったが、改装工事を施し、八七年に日独交流の場である「ベルリン日独センター」としてオープン。ボンからベルリンへの首都機能移転に合わせ、大使館に復帰させることが決まる九八年三月まで、同センターとして使用された。その後、改装、増築工事が行われていた。
 ナチス政権(第三帝国)時代、大使公邸だった正面部分は、ほぼもとのまま改装し、やはり大使公邸として使用。それに付属する事務棟部分は大幅に増築し、大使館機能が移る。地上四階建てで、総工費約四十億円。
 ヒトラー自身が建築家を志した時期もあり、ナチス政権の建築への関心は高かった。ギリシャ、ローマをまねた新古典様式の石造りの巨大建築を特色とし、ベルリンには「オリンピックスタジアム」などが残っている。[2001-02-02-19:48] 79
[このページの最初に戻る]

 02/02@<イタリア>総選挙に向け中道左派政権が苦戦 5年間の変化(毎日新聞)

 4月末にも予定されるイタリア総選挙に向けて、ベルルスコーニ元首相(64)率いる野党・中道右派連合が優勢を保ち、1996年に旧共産党勢力を中心に「オリーブの木」として発足した中道左派政権が苦戦を強いられている。冷戦後の90年代半ばから西欧諸国で相次いだ中道左派政権の台頭を先導したイタリアで、何が起きているのか。この5年間の変化を追った。【ローマ・井上卓弥】
 ◆「ユーロ」優先策への反動――中道左派政権
 イタリアの中道左派政権は発足当時から社会民主主義を掲げる左翼民主党(旧共産党)が中核になっているが、国民生活に直結する得点を挙げられなかった。欧州連合(EU)の単一通貨ユーロへの第1陣参加を至上命題にしたプロディ元首相(現欧州委員会委員長)らによって、政策の「左派色」が薄められてきたからだ。
 欧州統合推進論が強いイタリアでは当初、「ユーロ参加への犠牲はやむなし」との国民の理解があった。中道左派政権は年金改革など福祉切り詰めの「反左翼的政策」によって財政再建を果たし、一時は絶望視されていたユーロ参加基準(毎年の財政赤字を名目国内総生産=GDP=の3%以内に抑える)をどうにか達成した。
 しかし、緊縮財政下で公共事業などの失業対策が軒並み後回しにされ、国民生活にしわ寄せが及んでいることが次第に明らかになった。現政権成立後に失業率はむしろ悪化し、97年には12%を超えた。実際の状況は統計以上に深刻だ。南部には失業者が30%に達する地域もあり、北部との経済格差は一層拡大している。
 国民の中には「左派政権なのに国民の負担ばかり増え、ユーロのために支払った貸しも返さない」との不満が高まってきた。左派で緊縮予算に反発したのは、閣外協力関係を解消して98年10月にプロディ氏を退陣させた旧共産党最左翼の共産党再建派だけだった。
 後継首相となった左翼民主党のダレーマ書記長は、99年1月のユーロ導入後も経済基準維持に縛られて積極財政に踏み切れず、人気回復の糸口を見つけられなかった。また、新内閣発足のたびにポスト争いをくり返す連立与党各党への「内部対立ばかりの中道左派には期待できない」との不信感が昨年4月の統一地方選敗北の一因となった。
 総選挙後の首相候補、ルテリ前ローマ市長(46)=左派政党「民主主義者」に所属=は遅まきながら「失業対策や福祉充実」を公約に掲げたが、現政権の経過を知る国民の反応はいま一つだ。
 ◆右傾化に欧州の反発も――中道右派連合
 こうした与党への不満をうまく取り込んでいるのが野党・中道右派連合だ。最新の世論調査では、与党を支持率で5〜6ポイント引き離している。テレビ局3社や新聞、出版社などの事実上所有するメディア王、ベルルスコーニ元首相は伊実業界を代表する大富豪で、94年3月の総選挙で新党「フォルツァ・イタリア」を結成して右派連合を組織し、勝利を収めた経緯がある。
 当時は地域政党「北部同盟」との関係がこじれ、わずか半年後に内閣総辞職を余儀なくされた。「短命政権でやり遂げられなかった改革を断行し、イタリアに再び活気を取り戻す」というのがベルルスコーニ氏の主張だ。政策的には「新自由主義と小さな政府が民間活力をもたらす」という80年代の「保守革命」を踏襲して目新しさはないが、「100の税目を8に」と大規模減税を訴え、中道左派政権に幻滅した層に浸透している。
 ただ、「ユーロの枠組みを守る必要から、財政赤字覚悟の思い切った減税は不可能」との見方もあり、実際の経済運営でどれだけの独自性を発揮できるのかは未知数だ。とくに、自らの事業の絡むメディア独占排除への対応は十分明らかにされていない。
 一方、ベルルスコーニ氏は「北部同盟」の主張する連邦制導入などの地方分権推進にも理解を示しており、勝利した昨春の統一地方選では再び選挙協力を実現した。しかし、移民排斥論でも知られる同党やネオ・ファシスト系の「国民同盟」などの連立相手が、英独仏など欧州連合(EU)主流を形成する左派政権との間に摩擦を引き起こす恐れも強い。既にドイツのシュレーダー首相は「伊中道右派の勝利は極右勢力の政権参加を意味する」と強い警戒感を表明している。[2001-02-02-18:39] 80
[このページの最初に戻る]

 02/02@英MI6の元スパイ「ロシアより暴露本」(読売新聞)

 【モスクワ2日=伊熊幹雄】英国の対外諜報機関MI6の元スパイ、リチャード・トムリンソン氏が、仮想敵国だったロシアで暴露本(英語)を出版し、英当局をいらだたせている。
 同氏は一九九一年から九五年までMI6に勤務し、ロシア情報などを担当。九五年に、MI6のスパイ名簿など、在職中に知った各種の機密をインターネット上で暴露し、一時は機密漏えい容疑で逮捕されたが、その後英国外に逃れた。
 「ビッグ・ブリーチ(巨大なおきて破り)」と題された同書には、MI6がロシアの協力者を釣り上げるため、架空の通信社を設立したが、結局成果がゼロだったことなど、英スパイ機関が資金と陣容を注ぎ、大げさな舞台を設定した割にさしたる成果を上げていない苦闘ぶりが描かれている。ロシア国内での英スパイ陣容も記されており、英政府にとっては、手の内を明かす屈辱的内容だ。
 ロシアでの出版は、英当局の出版差し止め請求を避けるためだが、先月末までに一千部が英国内に持ち込まれたという。
 当地でこのほど記者会見したトムリンソン氏の代理人は、「トムリンソン氏とは携帯電話で連絡をとっている」と述べ、同氏が逃亡・隠とん生活を送っているとした。トムリンソン氏自身は、各報道機関に「イタリア中部のリミニに住んでいるが、英当局の監視下にある」ことを明かしている。[2001-02-02-18:13] 84
[このページの最初に戻る]

 02/02@次期法王は中南米から? 異例の枢機卿人事で憶測(共同通信)

 ローマ法王ヨハネ・パウロ二世(80)が最近、四十二人の新枢機卿を指名、前例のない大幅人事をめぐり、次期法王の人選の行方がにわかに注目され始めた。史上初の中南米出身者の可能性が出てきたとの期待がある一方、現法王の側近のイタリア人が有利との見方もあり、メディアの観測もしきりだ。
 法王の最高顧問団、枢機卿会の最大の任務は法王が死去した際の後継選出。法王候補は「男子の全カトリック教徒」という建前だが、実際には八十歳未満の枢機卿で構成する法王選挙会(コンクラーベ)の互選が慣例だ。
 今回の指名で枢機卿会は計百八十五人となる。八十歳未満は百三十五人だが、うち五人は今年中に満八十歳となり、選挙権を失う。
 法王選挙人のうち、百二十五人は現法王自らが任命した。大半は教理面で保守的な法王の考えに沿った人々で、次期法王選出を左右するカギを握る。
 共産党独裁時代のポーランド出身である法王は、抑圧や貧困の問題に敏感で、旧ソ連・東欧の体制変革に大きな影響を及ぼしたほか「国家・地域間の貧富格差是正」を掲げて中南米諸国を精力的に歴訪。カトリック教会を西欧中心から発展途上国も重視する世界的・普遍的な教会へと変革することに力を入れた。
 独自色は枢機卿人事にも。八十歳未満の枢機卿だけみても、国別ではイタリアが二十四人と依然最多だが、二十世紀初めの六十人からは大きく減少。逆に、世界の信者約十億人の約半分を占める中南米は十一人増えて二十七人となる。アフリカとアジアは日本の一人を含め各十三人だ。
 そこで、ささやかれるのは欧州以外からの法王選出の可能性。その場合、最も順当なのは中南米とみられ、ブラジルのクラウジオ・ウメス、ホンジュラスのオスカル・マラディアガ両新枢機卿らの名が取りざたされている。
 七八年に就任した現法王は、イタリア以外からとしては四百五十五年ぶりの選出だった。法王選挙会の定員を百二十人とした前法王パウロ六世の定めを今回の大量指名で覆したように、現法王の下では慣例が通じなくなったため、法王庁官僚の間では「次はイタリア人」と、“巻き返し”の期待も大きいといわれる。その有力候補と目されるのは、現法王側近のジョバンニバティスタ・レ新枢機卿とジェノバ大司教のディオニジ・テタマンツィ枢機卿。
 法王選挙は結論以外すべて秘密が保たれ、何が起こるかわからないのもまた伝統だ。(ローマ共同=桜井三夫)(了)[2001-02-02-15:53]
[このページの最初に戻る]

 02/03@ミロシェビッチ前大統領を国内で起訴へ(読売新聞)

 【ワシントン2日=林路郎】ユーゴスラビア・セルビア共和国のジンジッチ首相は二日、訪問先の米ワシントンで、ミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領を近く国内の裁判所に起訴する見通しを明らかにした。同首相は「ミロシェビッチ前大統領が在職した十二年間には多くの犯罪行為があった。証拠集めも進んでいる」と述べたが、どの罪名で前大統領を訴追するかは明言しなかった。
 同首相は近く開会する同共和国議会で、検察官の任命や裁判所を決定する手続きが取られるとし、「その後十日間から二週間で何らかの結果が出るだろう」と語った。
 ジンジッチ首相はコシュトゥニツァ・ユーゴ連邦大統領と共に旧ユーゴ戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)に戦犯として起訴されているミロシェビッチ氏を移送することには反対の立場を取っている。
 この点について、ハーグへの移送を主張する米国のバウチャー国務省報道官は二日、「国内及びハーグでの訴追が両立しなければならない」と言明。ミロシェビッチ氏が国内で有罪判決を受けたとしても、国際法廷での裁判を求める米国の姿勢に変化がないことを強調した。[2001-02-03-11:08] 9
[このページの最初に戻る]

 02/03@◇ミロシェビッチ前大統領起訴へ準備 セルビア首相が明言◇(朝日新聞)

 訪米中のジンジッチ・ユーゴスラビア連邦セルビア共和国首相は2日、ワシントンで記者団の質問に答え、ミロシェビッチ前ユーゴ連邦大統領の起訴へ向けた国内手続きを進める方針を明言した。首相は前大統領の「多くの違法行為をめぐる膨大な証拠集め」を進めるとし、調査の結果は数週間以内に出ると表明。国内での訴追を経た数カ月後に、国連旧ユーゴ戦犯法廷(オランダ・ハーグ)との調整を図る見通しを示した。
 首相はこの日、パウエル米国務長官と前大統領の訴追問題を中心に会談した。その後の記者団の質問に対し首相は、数日中に開かれる連邦議会で検察官が指名され、「10日か2週間後に調査結果が出るだろう」と述べた。対象がコソボ紛争をめぐる戦争犯罪を含むかどうかは明言せず、「前大統領は12年の政権下で多くの犯罪を犯している」と語り、不正蓄財や不正選挙など広範な調査になることを明らかにした。
 前大統領を起訴している旧ユーゴ戦犯法廷は、ハーグに早く引き渡すよう求めているが、首相は国内での訴追を優先する考えを改めて表明した。米国務省のバウチャー報道官は「ユーゴ国内と戦犯法廷の手続きが互いに調整されるよう協議を進めねばならない」と表明、戦争犯罪の調査が後回しにされないようクギを刺した。
 パウエル長官は同日、訪米中の「コソボ民主連盟」のルゴバ党首とも会談。党首は記者団に「コソボ自治州の独立に長官は一般的な理解を示した」と述べたが、国務省は否定した。ユーゴ連邦からの独立の動きを見せているモンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領も訪米中だが、長官は「(独立をめぐる)ユーゴの民意に影響を与えたくない」として会談を避けた。[2001-02-03-10:01] 10
[このページの最初に戻る]

 02/03@戦犯協力が援助の条件(共同通信)

 【ウィーン2日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ユーゴを訪問した米民主党のリーバーマン上院議員はベオグラードで記者会見し、ユーゴ政府が戦犯訴追のため旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に協力することが米政府による経済援助実施の条件との考えを表明した。
 リーバーマン議員は、共和党のマケイン議員らとともにコシュトニツァ・ユーゴ連邦大統領と会談した後、「米政府が決めた一億ドルの経済援助実施は、ユーゴがハーグに協力するかどうかにかかっている」と述べ、ミロシェビッチ前大統領らの同法廷への引き渡しを要求した。(了)[2001-02-03-08:33] 11
[このページの最初に戻る]

 02/03@ユーゴ前大統領を起訴へ セルビア首相(共同通信)

 【ワシントン2日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のジンジッチ首相は二日、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)が引き渡しを求めているミロシェビッチ前ユーゴ大統領について、国内で起訴に向けた証拠集めを進めており、近く起訴されるとの見通しを示した。パウエル米国務長官との会談後、記者団の質問に答えた。
 同首相は「ミロシェビッチ氏は過去十二年間にさまざまな犯罪を犯した」と指摘、国内での起訴後、数カ月以内に国際戦犯法廷での審理に引き継ぐ考えを明らかにした。
 ユーゴでは前大統領の国際戦犯法廷への身柄引き渡しに積極的なジンジッチ首相と反対の立場を取るコシュトニツァ連邦大統領が対立。大統領は先月、ユーゴを訪れた国際戦犯法廷の主任検察官に前大統領らの身柄引き渡しを拒否した。(了)[2001-02-03-08:26] 10
[このページの最初に戻る]

 02/03@◇内戦で難民25万人、危険地域で物資届かず ギニア南部◇(朝日新聞)

 西アフリカ・ギニア南部で、隣国シエラレオネの内戦などを逃れた難民約25万人が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などが手を差し伸べられない危険な地域にとどまったまま、動けなくなっている。周囲では武装勢力とギニア政府軍の戦闘が激化し、UNHCRなどは難民の状況悪化に警鐘を鳴らしている。
 国連筋や現地からの報道によると、難民らが追い込まれた形になったのは、南部ギニアの町ゲケドゥの近く、「オウムのくちばし」と呼ばれる地域。シエラレオネに食い込む地形になっている。内戦を逃れて越境したシエラレオネ人約18万人と、繰り返される武装勢力の攻撃から逃れたギニアの国内避難民約7万人がとどまっているとされる。
 周辺一帯では昨年来、難民キャンプに対する武装勢力の攻撃が続いている。UNHCRの職員が殺害されたり、事務所が焼かれたり危険な状況が続き、国際機関や援助団体も「オウムのくちばし」地域にはたどり着けないという。
 ギニアの状態が悪いため、国際移住機関(IOM)とUNHCRは、逃れてきた難民をボートでギニアの首都コナクリからシエラレオネの首都フリータウンに移送している。身の危険を感じて故郷を脱出した難民を、状況のあまり改善していない故郷へ戻すという、異例の措置だ。
 国境地帯には、西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)の展開が決まっているが、今のところ約1700人の勢力にとどまる予定で、地域の戦闘を抑え込めるかは不明だ。加えて、ギニアでは昨年来、黄熱病がまん延し、難民の状況をさらに脅かしている。[2001-02-03-20:08] 12
[このページの最初に戻る]

 02/03@◇コンゴのカビラ大統領 PKO展開を要請◇(朝日新聞)

 周辺6カ国が介入した内戦にあえぐコンゴ(旧ザイール)のジョセフ・カビラ新大統領は2日、国連安全保障理事会に出席し、国連コンゴ派遣団(MONUC)の早期展開を呼びかけた。同大統領は、展開に先立って反政府勢力側を支援しているルワンダ、ウガンダ両国軍の撤退が必要だと強調した。「アフリカ大戦」と呼ばれるコンゴ内戦の解決に向け、アナン事務総長は新たな提案を安保理に提出する意向を示した。
 国連は1999年7月の停戦(ルサカ合意)を受けて、同年11月に5500人規模のMONUCを承認した。しかし、停戦合意はあっけなく破られ、派遣されているのは200人の監視員だけ。「現状では移動の自由も確保できず、現地での食料調達なども困難」(国連報道官)なうえ、欧米の関心も低い。MONUCの全面展開は相当難しいといわれる。
 カビラ新大統領は、この日の安保理で「コンゴ政府はMONUCに全面的に協力する」と約束し、反政府勢力との「無条件の政治対話を呼びかける」と表明した。
 大統領と個別に会談したアナン氏は「和平協定を履行する絶好の機会」として協力を約束した。安保理も「民主的な政治対話」を支持している。コンゴの豊富な地下資源の争奪戦の様相が濃い現状で、当面はカビラ新大統領がMONUC展開の前提条件として要求するルワンダ、ウガンダ両国軍の撤退と、ウガンダ、ルワンダ両国が要求する「コンゴ領からの(両国への)攻撃の中止」などをめぐって、どこまでルサカ合意に立ち戻れるかが焦点となる。[2001-02-03-19:42] 24
[このページの最初に戻る]

 02/03@コンゴPKOを大幅増強へ 和平機運で国連が方針(共同通信)

 【ニューヨーク3日共同】国連平和維持活動(PKO)局は三日までに、紛争終結の兆しが見えてきたアフリカのコンゴ(旧ザイール)に展開する国連コンゴ監視団(MONUC)の要員を三千人規模まで大幅に増強し、来月の派遣を目指す方針を固めた。
 周辺五カ国を巻き込んでアフリカの大戦とも呼ばれ、泥沼化したコンゴ紛争だが、ローレン・カビラ前大統領の死亡をきっかけに強まった和平実現の機運を受けたものだ。
 MONUCの定員は昨年二月の安全保障理事会で約五千五百人と定められたが、一九九九年の停戦協定調印後も紛争が続発、前大統領が本格展開に難色を示していたため現在、二百人規模にとどまっている。
 国連外交筋によると、二日の安保理でジョゼフ・カビラ新大統領が和平協定の順守と国内対話に積極的な姿勢を示したことなどから、PKO局は本格展開が可能になりつつあると判断。今後の状況を見極めながら@停戦実現A武装放棄など非軍事化B周辺国の軍隊撤退―の三段階でコンゴ和平を進め、非軍事化段階で本格展開を開始する。
 さらに、新大統領が和平実現後の大統領選実施に言及していることから、将来的には選挙監視を視野に入れたMONUCの構成の見直しにも着手する。
 アナン国連事務総長は同日の安保理で、ルワンダなどコンゴに派兵している外国軍の撤退プロセスにMONUCが協力する意向を表明していた。(了)[2001-02-03-16:09] 55
[このページの最初に戻る]

 02/03@<コンゴの喧騒>カビラ暗殺事件 国民は窮乏生活(毎日新聞)

 先月16日、カビラ前大統領が暗殺されたコンゴ民主共和国(旧ザイール)。夜間外出禁止令下が解かれた首都キンシャサには、ようやく普段の喧騒が戻った。だが、失政や内戦続きで、国民は史上最悪の生活を強いられている。アフリカはいつまで経っても浮かばれない。そんな「アフリカ悲観論」の源と言われる国に、夜明けは来るのか。【キンシャサで藤原章生、写真も】
 キンシャサ官庁街の中心に建つコンゴ中央銀行。マサング総裁(47)の執務室は、鉄製の3重扉の奥にあり、まるで金庫の中のようだった。
 会見中も総裁秘書が手にする2つの携帯電話と内線電話は鳴り続けた。相手は大統領補佐官や閣僚だ。「ホテル代?、そんな金はそっちで用意してくれ」「言っとくが、ここに金はないんだ」。総裁は、新大統領に就任したカビラ氏の長男、ジョゼフ・カビラ氏(29)の米国訪問の資金繰りに追われていた。米シティ・バンクの元キンシャサ支店長で「コンゴ最高のエコノミスト」と評される総裁は、あまりの多忙さに「ああ、何とかしてくれ」と叫び、体を震わせた。
 同行によると、モブツ元大統領時代(65―97年)末期の96年以降、99年にかけ、外貨を稼ぎ出すコバルト生産量は6割減り、銅は2割、ダイヤも1割減った。アフリカ最有力国・南アフリカに比べ、約20分の1に当たる60億ドル規模の国内総生産(GDP)も過去3年で1割減。1人当たりの国内総生産は10年前の半額の112ドルに落ち込み、失業率は60%を優に超える。
 総裁は「すべて内戦のせい」と言うが、もちろんそれだけではない。強い自国通貨を志向したカビラ政権は99年、銀行以外での外貨使用を禁じ、ダイヤ取引で自国通貨コンゴ・フランの使用を強制した。だが、ドル需要は減らず、ヤミドルが横行、その一方で、むやみに自国通貨を発行し続けたことから、狙いは裏目に出た。
 内戦直前の98年6月、1ドル当たり1・4コンゴ・フランだった現地通貨は現在150コンゴ・フランまで落ち、紙切れ同然になった。
 1997年、モブツ独裁政権を倒したカビラ前大統領は、国民の窮乏をよそにドルを求め続けた。元閣僚らによると、カビラ氏は99年初頭から、銅、コバルト鉱山の採掘権確保を条件に南アの大手鉱山会社に何度も現金を要求したという。カビラ氏の要請を受け、一時、国営鉱山会社のトップに就いたジンバブエのブローカーは、相手企業との契約維持を条件に、強引に手付金を要求したと打ち明けた。
 コバルト輸入に携わる日本人商社員は「社名に傷がつくのを恐れ、コンゴとの取引を中断した」と語る。昨年までカビラ政権を支えた元閣僚は「中央銀行から大統領公邸には毎月200万ドル相当のドルが運ばれていた」と明かした。
 24人の閣僚や軍幹部たちには、1人当たり、防弾ガラス入りの高級外車ベンツ2台が充てられた。これに新大統領を支える数10人のスタッフも加わった。「一時的に外貨が入っても彼らが奪い合い、すぐに消える」と国営鉱山会社幹部は語る。
 金融政策をめぐり、カビラ前大統領とに何度も対立したマサング総裁は2度、逮捕され、昨年末には暗殺されかかったという。詳細を尋ねると、総裁は「もう聞かないでほしい。過去よりも未来を考えましょう」と口をつむいだ。[2001-02-03-01:05]
[このページの最初に戻る]

 02/04@<酸いも辛いも>ダボスの怪獣は横暴 論説委員 玉置 和宏(毎日新聞)

 「グローバリゼーション」という怪獣が地球上をわがもの顔に徘徊している。生まれはスイスのダボスいう山中で、10年ほど前の寒い冬に産声をあげた。1989年東西冷戦の終えんで社会主義が事実上死滅した直後だった。わずか10年も経たないうちに急速に巨大化して、地球の南北を問わず壟断中である。
 この怪物の特徴は国や地域の壁などものともしない。それに目に留まらないくらいその移動は瞬時だ。そうして絶えず地球規模でものを考え行動する。その結果一つの考えがたちまち地球全体に波及するのだ。
 5年前に日本の通産省(当時)の審議会は怪物の行動原理をこう定義づけた。「政府、企業、家計など全ての経済主体がより効率的な行動をすること」
 国際社会で正式に認知されたのは、96年にフランスのリヨンで開かれた主要国首脳会議(サミット)だ。そのテーマとして「万人のためのグローバリゼーション」が選ばれたのである。当時の語感から言うと冷戦構造の後を継ぐ世界経済システムとしての期待感のほうが強かった。
 しかし、グローバリゼーションが新たな憎悪と攻撃の対象として人々の目に映るようになるまでにはそれほど時間はかからなかった。
 2年前のダボス会議(世界経済フォーラム)では「反グローバル化」を掲げてデモ隊が会場を封鎖した。 その年の11月にはシアトルで数千人のNGO(非政府組織)たちが世界貿易機関(WTO)総会を粉砕して世界に衝撃を与えたのである。群集たちがこの怪獣に立ち向かうキッカケになったのは、97年夏からのアジアに端を発する世界金融危機だった。その時グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はしみじみ語ったものだ。
 「この12カ月で学んだことはこれまでの20年間に学んだより大きい」
 昨年9月の国連ミレニアム総会では186カ国の加盟国の内、149カ国の大統領、首相が4日間にわたって演説した。カストロ首相は「グロバリゼーションで利益を得るのは3ダースの国だけだ」と批判した。怪獣は150の国の非難にさらされている。今年のダボスに31回の会合で初めての珍客が現れた。日本の森喜朗首相である。根拠を示さない「日本経済楽観論」を演説をしたら、議論の場を避けて居なくなった。
 米欧首脳が申し合わせたように不在だった中で、グローバリゼーションの恩恵を最大限享受しているG7(主要7カ国)唯一の出席者としては場違いで、存在感は希薄だった。
 ダボスの国際討論(ディベート)の舞台は、もはや自国経済の宣伝とビジネスを超えた存在となっている。今年のテーマ「格差への架け橋」には途上国首脳の出席が目立ったのも、こうした問題の深刻さが際立ち始めたからに相違ない。
 ダボス会議に対抗するように同じ時期ブラジルで反グローバル化を掲げたフォーラムがあり、テレビを通じてダボスと二元討論会が開かれた。今月にも中国などが海南島で東アジアという視点でグローバリゼーションを議題にした会議を設立hしようとしている。
 アナン国連事務総長はダボスで「全ての人のためのグローバル化を実現できなければ、結局何もしなかったことになる」と警告した。横暴な怪獣をいかに飼い慣らすか。「グローバリゼーションは終わりなき旅である」などと構えてはいられない。 [2001-02-04-00:20] 132
[このページの最初に戻る]

 02/04@<東論西談>ダボス会議 最高潮のサロンにも陰り(毎日新聞)

 ダボス。この雪山に囲まれたスイスの小さな町の名前が毎年1月下旬になると世界にとどろく。スキー場として知られる町に世界の政財界人が集合するのはなぜか。この問いの一つの答えは「クラウス・シュワブという人物がスキーを好むから」である。
 世界経済フォーラム(ダボス会議)というサロンは現理事長のシュワブ氏が1970年から自己の人脈を駆使して築いた。ドイツ出身で72歳。ドイツ人の父はスイス企業の重役で母親がスイス人。少年期に戦火を経験するが、中立国スイスが身を立てる環境を与えた。スイスの大学で経営学を学んだ後、米ハーバード大学に留学する。米国留学で得た友人が彼の財産だ。
 キッシンジャー(元国務長官)、故ライシャワー(元駐日大使)、ガルブレイス(経済学者)など米国を代表する有力者、知識人の知己を得ている。米国資本を中心とする市場の拡大に、欧州など各国経営者は米国の潮流を知る必要があった。シュワブ氏の米国人脈にひかれたのである。
 ついに昨年は米国からクリントン大統領がダボスに来た。中東、アフリカ、中南米、ロシア、アジアからも重量級の首脳が毎年のようにやってくる。シュワブ氏は経済のグローバル化の申し子だ。だが、最高潮のサロンにも憂鬱な陰りがある。
 内憂外患の内憂はシュワブ氏の後継問題だ。30年も理事長を務め、「ダボス会議はシュワブ会議」と呼ばれる。シュワブ氏も身を引くタイミングが難しい。しかも半永久的な権威は「うさんくささ」を持たれる。米ウォールストリート・ジェーナル紙がサロンの資金実態の追及を始めた。
 外患の一つ目はグローバル化がもたらす貧富の差や環境破壊に「ダボスのサロンも責任がある」という声だ。今年はブラジルやメキシコで「反ダボス集会」が開かれた。ダボスの会議場も鉄条網と警備兵で囲まれた。反グローバル化の勢力から「金持ちを守るダボスの要塞」と非難された。
 外患の二つ目はサロン業界の競争相手の登場だ。中国はダボスのサロンの10日ほど前にリゾート地の海南島でグローバリゼーション・フォーラムを開いた。中国はダボスのサロンを「欧米主導」と見て、西のダボスに対抗するサロンを育てるつもりだ。
 森喜朗首相ら日本の有力政治家は海南島ではなくダボスを訪れた。だが、石原慎太郎東京都知事は「この程度の会議ならば日本で開ける」と言い捨てた。反欧米的なナショナリズムを漂わす知事はダボスに負けないサロンを欧米抜きで開くつもりなのだろうか。
 ダボス発の外電が「日本経済は低迷続く」と一色の中で、「日本経済は立ち直る」という森首相の演説は迫力を欠いた。「グローバル化は人間の顔を持て」と貧富の差の解消を訴えたフォックス・メキシコ大統領の演説の方が注目を集めた。国際政治の潮流に乗り切れない日本の政治家の感覚もダボスの憂鬱の一つになった。【欧州総局・岸本卓也】[2001-02-04-23:10] 136
[このページの最初に戻る]

 02/04@◇NMD推進を強調、欧州と溝 米新国防長官が独で講演◇(朝日新聞)

 ラムズフェルド米国防長官は3日、ブッシュ政権発足後初めて欧州を訪問し、ドイツ南部のミュンヘンで開かれた安全保障に関する国際会議で講演した。米国のブッシュ政権が積極推進を表明した本土ミサイル防衛(NMD)に対し、欧州諸国が新たな軍拡競争を招きかねないと懸念する中、長官は「同盟国と距離をおく防衛政策には関心がない」としながらも、「この防衛システムはだれの脅威にもならない」とNMDを推進する姿勢を強調、米欧間の溝が改めて浮き彫りになった。
 民間団体が主催したこの会議には、英独仏伊各国の国防相やロシアのイワノフ安保会議書記らが出席。ラムズフェルド長官は、「同盟国と相談しながら進めることは明確にしておきたい」としながらも、NMDについては「米国が自国民を守るための計画で、自国の防衛は大統領の責任だ」と強調。「ミサイルの脅威にさらされている同盟国にも、同様の防衛システムの配備を準備するものだ」と述べた。
 これに対し、ロシアのイワノフ安保会議書記は、4日の講演で、NMDを「戦略的均衡を脅かし、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を無にする」と強く批判した。長官に先立って講演したシュレーダー独首相も、「ロシアや中国との関係を考慮しなければならない」とNMD推進に懸念を表明していた。
 また米国筋によると、シャーピング独国防相も長官と会談し、「北大西洋条約機構(NATO)同盟国と緊密に協議して欲しい」と米国が独走しないよう注文をつけた。
 欧州側のもう1つの関心であるバルカン地域の平和維持活動について長官は、現在駐留している約1万人の米軍を「突然に撤収する意図はない」としたが、「撤収の方法と時期について米欧が引き続き検討する必要がある」と述べ、段階的撤収を示唆した。
 一方、欧州連合(EU)がNATOとは別に、創設準備を進めているEU独自の緊急対応部隊について、ラムズフェルド長官は「NATOの力と立場を弱くしてはならない」と警告した。これに対しEUのソラナ共通外交・安全保障上級代表は、「EUの紛争即応力の強化は米国の利益にもなる」と反論。リシャール仏国防相も、緊急対応部隊は「NATOに代わるものではない」と理解を求めた。
 米国の新国防長官の欧州での初舞台だったが、NATOのロバートソン事務総長も「米欧間に大きくはないが、違いはある」と認めた。統合への動きを軍事面でも強め始めた欧州と、米国のブッシュ政権との間で今後、火花が散りそうだ。 [2001-02-04-22:29] 139
[このページの最初に戻る]

 02/04@仏独政界の買収工作の主犯格、逮捕される(読売新聞)

 【パリ4日=池村俊郎】フランスの旧国営石油企業の裏資金を通じた仏独政界に対する買収工作の主犯格と見られるアルフレッド・シルバン容疑者(73)が2日、フィリピンで逮捕された。仏人のシルバン容疑者は、コール独前首相の秘密政治資金疑惑やミッテラン仏元政権要人の腐敗を知るとされ、両国の政界疑獄事件に発展する可能性がある。
 シルバン容疑者はマニラからフランスへ移送途中に経由地のフランクフルトで独当局が身柄拘束し、四日現在、事情聴取中。独当局はコール前首相の秘密資金口座との関連などを追及している模様だ。
 同容疑者は石油企業エルフ元副社長格で、八九〜九三年にわたり裏資金三十億フラン(約四百八十億円)を扱い、仏独政界工作やアフリカの石油権益を巡って暗躍したとされる。とくに旧東独の石油精製工場買い上げに絡んで、便宜供与の見返りにコール氏のキリスト教民主同盟(CDU)に巨額のヤミ献金をした疑いが持たれている。
 また、ミッテラン元大統領の側近デュマ元外相の愛人を通じ、台湾への仏フリゲート艦売却のため、中国に配慮して反対した仏外務省に説得工作を行ったとされる。台湾では仏艦船輸入を巡って関係者の怪死事件も発生した。
 デュマ元外相は関連の公的資金使い込みで起訴されたが、シルバン容疑者逮捕で公判は中断され、早くも余波が発生した。仏政官界で、同容疑者の裏資金に群がったのは「社会党、保守を含め二百人は下らない」と言われ、仏メディアは「仏共和国を覆せる秘密を握った男」と評するほど。
 シルバン容疑者は九六年から逃亡を続けていたが、仏政府関係者が偽造旅券を用意した疑いが強く、疑惑の奥深さを物語っている。[2001-02-04-21:20] 144
[このページの最初に戻る]

 02/04@<国防会議>NMD問題などめぐり米欧の認識の違い鮮明 (毎日新聞)

 【ミュンヘン(ドイツ南部)4日藤生竹志】ラムズフェルド米国防長官のミュンヘン国防政策国際会議への参加はブッシュ米政権発足後初めての主要閣僚の外遊だったが、今回の会議では、NMD問題や欧州連合(EU)の緊急対応部隊の作戦立案権などをめぐって米欧の認識の違いが改めて浮き彫りになった。
 NMDに対してはロシアだけでなく欧州諸国も懸念を表明。シュレーダー独首相のほか、フィッシャー独外相も「新たな軍拡競争につながる」と述べて慎重姿勢を示した。
 EU緊急対応部隊についてはラムズフェルド長官が北大西洋条約機構(NATO)との連携の必要性を改めて訴えたのに対し、フランスのリシャール国防相は「緊急対応部隊はNATOに代わるものではないが、欧州独自の紛争対応能力を増すことも重要だ」と反論した。ただ、米欧の路線の違いについてロバートソンNATO事務総長(英国)は「米国の姿勢のためにNATOに亀裂が生じることはない」と述べ、加盟国間で対立が深まるとの懸念を否定した。
 今回の会議ではNMDなどへの欧州の理解を求めた米国の意図は達成されなかったものの、米欧双方とも戦略パートナーとして最重要であることを確認。シュレーダー独首相らがロシアを含めた話し合いを求めたのに対し、ラムズフェルド長官も対話を継続する姿勢を明確にした。[2001-02-04-19:40]
[このページの最初に戻る]

 02/05@<ユーゴ>ロシア国防相が初の公式訪問へ 緊密な関係再構築(毎日新聞)

 【ベオグラード5日福井聡】ロシアのセルゲイエフ国防相は6日から3日間の予定で初めてユーゴスラビアを公式訪問する。ユーゴは宗教(東方正教)や歴史的背景からロシアとのつながりが深いが、コシュトゥニツァ政権樹立以降、急速に西欧との関係を強めており、ロシアは国防相訪問で改めてユーゴとの緊密な関係を再構築したい構えだ。ユーゴは1998年以来、国連安保理による武器禁輸措置が続いており、ロシア側は「禁輸措置が解除され次第、ユーゴ軍に配備されたロシア製武器を刷新したい」としている。
 ロシア国防省スポークスマンは先月、「ロシアは武器禁輸措置の解除を支持する」と表明。ユーゴ軍はミロシェビッチ前政権下でロシア製武器の配備を進めたが、かなりの部分がすでに老朽化しており、ロシアは新規武器売却のチャンスと見ている。ロシアはミロシェビッチ時代に一貫してユーゴを支援、一昨年6月、北大西洋条約機構(NATO)による空爆終結直後にも、ユーゴ連邦コソボ自治州にロシア部隊を投入、セルビア人から喝采を浴びた。
 しかし、昨年10月の民主化以降、ユーゴは経済再建のため西側の投資を希望して急速に西欧との関係を強化、欧州連合(EU)加盟申請さえ示唆している。東欧諸国はEU加盟申請前にNATOに加盟するのが通例になっているだけに、ロシアはロシア製武器をテコにユーゴをロシア陣営にとどめたい意向だ。
 コシュトゥニツァ大統領は空爆への批判と民族主義的立場からNATOとは距離を置きたい意向で、ロシアともパイプを維持する方針。ユーゴを含むバルカン地域は永年、西欧とロシアの分水領となってきた経緯があり、双方の新たな綱引きが激化しそうだ。[2001-02-05-19:25] 11
[このページの最初に戻る]

 02/05@◇不法移民ストップを 英・伊首相が共同論文で訴え◇(朝日新聞)

 英国のブレア、イタリアのアマート両首相は4日付の英日曜紙オブザーバーに共同論文を発表し、急増するバルカン半島経由の不法移民に対処するため、密航あっせん組織に対する厳罰や自国の警察官のボスニア派遣などの緊急対応策を示した。昨年、英国に入国したトラックから中国人58人の窒息死体が見つかるなど、劣悪な条件下の密航が人道上放置できない状況になっていることと、不法移民対策への野党からの「弱腰」批判をかわすねらいがある。
 両首相は論文で、昨年1―10月に5万人が同半島経由で西ヨーロッパに不法に流れ込んだと指摘。本国への送還費用の分担やあっせん組織摘発のための各国警察の協力も提案し、他の欧州連合(EU)加盟国に共同歩調を呼びかけた。
 バルカン半島経由の不法移民は、ボスニア、コソボ両紛争の終息を受けて急増した。国連推計ではEU域内に入る不法移民の1割がボスニア経由といわれる。アフガニスタン人、アルバニア人、クルド人など紛争地出身者に加え、最近は中国人が増えている。
 EU内でもすでに移民・難民政策の話し合いが始まっている。だが、イタリアはアドリア海から流入する不法移民の「玄関」、英国は「最終目的地」として特に問題が深刻化しており、両国が率先して対策に着手することになった。
 だが、両国とも少子化や高齢化に対応するために移民の受け入れは不可欠との声も強く、論文は「経済、国家的な利益を考慮して、合法的な移住は支援していく」とうたっている。[2001-02-05-10:35] 12
[このページの最初に戻る]

 02/05@<在イスラエル米大使館>早期移転は難しいと示唆 米国務長(毎日新聞)

 【ワシントン4日布施広】パウエル米国務長官は4日、在イスラエル米大使館をテルアビブからエルサレムに移す問題について「検討はしているが今のところ動きはない」と述べ、ブッシュ大統領が公約した移転プロセスの早期開始は難しいことを示唆した。ミサイル防衛の配備には「日本や韓国、中国との十分な協議も必要だ」と、強引な決定はしないことを明確にし、バルカン平和維持活動に関しても数年間は米軍の撤収はないことをにおわせた。米外交の包括的見直しを掲げて発足したブッシュ政権は、次第に現実的な姿勢を強めつつある。
 米ABCテレビとの会見で語ったもので、パウエル長官は、在イスラエル米大使館移転を「目標」としながら、中東の緊張やイスラエル首相公選の行方を見定める必要があると強調。短期的には行動を起こせないとの態度を示した。
 ブッシュ大統領は昨年12月、「公約した以上、移転プロセスを開始する」と言明、フライシャー大統領報道官も1月22日の定例会見で「近く移転手続きを開始する」と語っていた。
 しかし、国際社会でエルサレムはイスラエルの首都と認定されておらず、移転手続きに着手すればアラブ側の猛反発は必至。中東和平の枠組みが崩れることもあり得ると見て、ブッシュ政権は移転に慎重な姿勢に転じたものとみられる。
 長官は米本土ミサイル防衛(NMD)配備問題についても、必要とあらばロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から脱退する可能性もあるとしながら、ミサイル防衛の配備には日本などとの協議が必要だと述べ、米国の利益のみに基づく配備決定はしない姿勢を明示した。
 また米政府は既に、コソボやボスニアからの米軍平和維持部隊の即時撤収はないと言明しているが、パウエル長官は「NATO(北大西洋条約機構)は数年間、(バルカンに)駐留するだろう。近い将来のNATO軍撤退は考えにくい」と述べ、米国を含むNATO全体の長期的関与の必要性を示唆した。
 長官はさらに、台湾へのイージス艦供与への態度を保留する一方、国連人権委員会における対中非難決議には慎重に対応する意向を示すなど、中国への配慮ものぞかせた。[2001-02-05-10:35] 14
[このページの最初に戻る]

 02/05@米が3月までの協力要求 コソボ戦犯問題(共同通信)

 【ウィーン4日共同】米国訪問から帰国したユーゴスラビア連邦セルビア共和国のジンジッチ首相は四日、ベオグラード空港で記者会見し、コソボ紛争などの戦犯問題でユーゴスラビアが三月末までに旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)と「十分な協力」をしなければ米国からの資金援助が得られなくなると述べた。
 首相は「米側の要求」だとしたが、十分な協力が何を意味するのか詳しくは明らかにしなかった。
 米政府は同法廷が起訴したミロシェビッチ前大統領らの法廷への引き渡しを要求しているが、ジンジッチ首相やコシュトニツァ・ユーゴ大統領は前大統領らを国内の裁判にかける意向を示している。(了)[2001-02-05-08:09] 73
[このページの最初に戻る]

 02/05@2月6日付・編集手帳(読売新聞)

 欧州共通通貨「ユーロ」が、来年一月から現実の貨幣として実社会にデビューする。フランス、ドイツなど「ユーロ」に参加した十二か国は、その後半年間で自国通貨を回収し、廃棄する計画だ◆昨年末、スペインのテレビが「ペセタ紙幣の最後の印刷が行われた」と感傷混じりに伝えていた。決まったこととはいえ、国の象徴でもある通貨がなくなるのだから、寂しさもひとしおだろう◆一千ペセタ紙幣には表にコルテス、裏にピサロと中南米にスペインの覇権を確立した冒険家の肖像が描かれている。功罪併せスペインの黄金時代を象徴する人物だ◆同じようにドイツの童話研究家グリム兄弟(一千マルク)、フランスの画家セザンヌ(百フラン)、物理学者キュリー夫妻(五百フラン)、イタリアの物理学者マルコーニ(二千リラ)、画家ラファエロ(五十万リラ)をあしらった紙幣も消える◆十一か月後に流通する「ユーロ」紙幣は、橋や門などをモチーフとし、人物は登場しない。フランスの英雄ナポレオンもイタリアにとっては侵略者だ。十二か国の国民が、そろって納得する人物を選び出せず、無難な建造物でお茶を濁したと言われる◆「ユーロ」によって、欧州はまた一歩、統合の階段を上がる。が、長い歴史がはぐくんだ国民感情は、簡単にはなくならない。その折り合いが大きな課題だ。[2001-02-05-21:50] 95
[このページの最初に戻る]

 02/05@<コロンビア>政府と左翼ゲリラの和平交渉が瀬戸際に(毎日新聞)

 コロンビア政府と左翼ゲリラ組織の2年越しの和平交渉が進展するかどうか、瀬戸際の駆け引きが続いている。双方は3日、対話再開に合意したが、麻薬問題が複雑に絡み、交渉の行方は不透明だ。米国で消費されるコカインの80%を精製するなど世界最大の麻薬大国とも言われるコロンビアには、日本を含めた先進諸国が巨額の対策資金を提供しており、各国とも交渉の行方を注視している。
【メキシコ市・吉田弘之】
 コロンビアにはコロンビア革命軍(FARC)と民族解放軍(ELN)の2大左翼ゲリラ組織があり、新たな段階を迎えているのはFARCとの和平交渉。FARCは旧ソ連の影響を受けて1964年に結成された最大のゲリラ組織で、約15000人のメンバーを抱える。政府は和平交渉開始のため98年11月、同組織が支配する南部5市から治安部隊を撤退させて「緊張緩和地帯」を設置、昨年12月6日を交渉期限とした。
 しかし11月14日、FARCが一方的に交渉を凍結したためパストラナ大統領は1月31日まで期限を延長。FARC側の対応の遅れもあって大統領は3日、さらに期限を切らずに延長し、FARCのマヌエル・マルランダ最高司令官は8日に大統領と会談することに合意した。交渉再開へ、わずかながら光がさしている。
 FARCが和平交渉を拒否してきた理由の一つは、コロンビア軍との結びつきが指摘されている右派民兵組織「コロンビア自警軍連合」(AUC)による人権侵害事件だ。AUCはゲリラばかりかシンパ層の農民なども標的として虐殺を繰り広げてきた。ゲリラ側もこれに対抗するように要人の誘拐、暗殺を繰り返し、事態は泥沼化している。
 問題をさらに複雑にしているのが麻薬問題だ。緊張緩和地帯はコカの栽培地域でもある。FARCはコカインなど麻薬を資金源としており、和平と麻薬問題は切っても切れない関係にある。このためパストラナ大統領は総額70億ドルに上る麻薬包括対策「プラン・コロンビア」を発表。米国が昨年8月、13億ドルの支援を開始したほか、日本やEU、カナダなどが約3億ドルの支援を表明している。
 和平交渉の議題は、FARCが取っている人質と政府側が逮捕・収監しているFARCメンバーの交換、AUCの取り締まりや米国の13億ドル支援が中心となるとみられる。米国の支援は麻薬製造地撲滅のための戦闘ヘリの供与、対策要員の訓練などが主体で、これを脅威とするFARCは猛反発。しかしこの問題についてパストラナ大統領は「妥協はあり得ない」と明言しており、交渉の大きな壁となりそうだ。
 政府もゲリラ側も交渉を通じてしか問題が解決しない現状を認識しているが、依然として両者の主張には隔たりがある。今回の和平交渉が決裂した場合、全面的な内戦に突入する恐れもあり、予断を許さない情勢が続いている。[2001-02-05-18:15] 97
[このページの最初に戻る]

 02/05@UNEPの会議始まる 加藤登紀子さんら出席へ(共同通信)

 【ナイロビ5日共同】国連環境計画(UNEP、本部ナイロビ)主催のグローバル閣僚級環境フォーラム(GMEF)開催に先立ち五日、UNEPの管理理事会が七日までの三日間の日程でナイロビで始まった。
 八、九の両日開かれるGMEFには、世界から約百人の環境関係閣僚が出席、日本からは環境省の太田義武事務次官やUNEP親善大使を務める歌手の加藤登紀子さんが出席する。
 GMEFは今回で二回目。昨年五月にスウェーデンのマルメで開かれた第一回会合では@二○一五年までに世界の貧困層を半減させるA自然災害などによる被害軽減のための早期警戒システムを確立する―などの「マルメ宣言」を採択した。
 今回は、同宣言の履行について話し合うほか、エネルギー問題、二○○二年に南アフリカで開催される「地球サミット」、規模や頻度を増している自然災害や人為災害対策などについて議論される。(了)[2001-02-05-17:17] 101
[このページの最初に戻る]

 02/05@脅威論払しょくの狙いも 中国、信頼醸成に前向き(共同通信)

 【北京5日共同】中国の人民解放軍が米タイ合同軍事演習にオブザーバー参加の意向を示したのは、中国にはアジア地域で急速に高まっている「中国脅威論」を払しょくしたいという思惑があるからだ。
 中国は、多国間の安全対話と協力の重要性が国際的に増しつつあるすう勢を踏まえ、地域の信頼醸成の活動参加に前向きになっている。
 中国が昨年十月に発表した国防白書では「多方式の地域安全対話と協力を支持し、地域の平和と安定を促進する」と明記。アジア太平洋地域の安全保障協議の場である東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の枠組みの中でこれまで海上捜索・救助、応急工事などに関する会議に参加したほか、北京で国防学校校長会議を開催するなどしている。
 コブラゴールドは、かつてのような反共色はなくなった上、今年からはアジア太平洋地域での平和維持活動や人道援助を中心とした多国籍演習となり、国連主導の平和維持機能を重視する中国にも受け入れやすい環境となった。(了)[2001-02-05-15:13] 103
[このページの最初に戻る]

 02/05@日韓の軍事的役割拡大を 米シンクタンクが提言(共同通信)

 【ワシントン5日共同】有力な米国防シンクタンクの戦略予算審査センターは五日までに、二十一世紀の米戦略を描いた報告書「長期平和戦略」を発表、「米国の安保政策の焦点は欧州からアジアに移る」と予言し、東アジアでは日本や韓国の軍事的な役割を増やす「頼れる同盟」づくりを提言した。
 同センターは国防総省に近い組織で、国防予算案の提案を主に行っている。長期平和戦略も米政府の安保政策に大枠で沿ったものとみられている。
 長期平和戦略でのアジア重視は、旧ソ連の崩壊に伴う欧州安定化に代わって「二十年後には中国、インド、日本が米に次ぐ三大経済圏となる」などを理由にしており、現在の米兵力構成の基盤である東西二つの地域紛争に同時に勝利する戦略の見直しを求めた。
 また朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威が地上戦から弾道ミサイルなど大量破壊兵器に移っていることを背景に、地上戦を想定した在韓米軍を削減し、韓国軍が肩代わりするよう促した。さらに地中海での西欧諸国海軍、東アジアでの日本の海上自衛隊、オーストラリア海軍の役割の強化などを提案した。
 一方、米本土ミサイル防衛(NMD)が各国の懸念や技術的な難問をもたらすことから、外国駐留米軍を守る戦域ミサイル防衛(TMD)を早期に配備し、NMDの本格配備に備えるよう提言。ミサイル防衛技術を日本など同盟国に提供し、同盟国による独自の防衛網構築も提案している。
 報告書は元国防長官顧問のクレピネビッチ同センター所長らがまとめた。(了)[2001-02-05-15:05]
[このページの最初に戻る]

 02/06@<ユーゴ連邦外相>EU加盟を最優先課題に(毎日新聞)

 訪日したユーゴスラビア連邦のスビラノビッチ外相は6日、東京都内で毎日新聞と会見し、ユーゴ新政権が外交の最優先課題として欧州連合(EU)加盟を目指すと明らかにした。同外相は、ミロシェビッチ前大統領時代の反米欧・親露姿勢を修正し、コシュトゥニツァ大統領率いる新生ユーゴが統合欧州の一員になる重要性を強調した。
 外相は、ユーゴ外交の優先順位を(1)対EU関係強化(2)バルカン近隣諸国との善隣(3)米国を含む主要8カ国(G8)との緊密な関係(4)アラブ、アフリカ、中南米諸国との友好関係の維持――と説明。歴史・宗教的に関係の深いロシアはユーゴで影響力温存を図りたい意向とされるが、外相は「数年あるいは数十年かかるかもしれないが、第1目標のEU加盟を達成したい」と述べた。
 ユーゴの現状について外相は「民衆革命」によるミロシェビッチ体制打倒(昨年10月)後の移行期にあるとの認識を示し、「経済の再建、法治の確立、組織犯罪対策が新政権の3本柱だ」と表明。「人権、経済、法治などの点でEU加盟という目標がユーゴの改革を促進する役割を果す」と述べ、EU志向が内政に及ぼす好影響を指摘した。
 国際社会が注視するコソボ自治州の将来やモンテネグロ共和国との関係で、外相は「地域安定の観点からユーゴ連邦に残るのが望ましい」と独立反対の姿勢を取りながらも、交渉と対話による解決が可能との楽観的見通しを示した。
 旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)がミロシェビッチ前大統領の身柄引き渡しを求めている問題では「戦争犯罪を二度と犯さない国民教育が大事だ」として、(1)真相解明を目指す「真実のための委員会」の設置(2)ユーゴ国内での前大統領の裁判――が必要との考えを明らかにした。 【福島 良典】[2001-02-06-22:05] 2
[このページの最初に戻る]

 02/06@EUへの不法移民が過去最高、取り締まり強化へ(読売新聞)

 【ブリュッセル6日=島崎雅夫】アフリカ、中東などから欧州連合(EU)諸国への不法移民が急増し、過去最高に達している。EU域内で国境の壁が低くなったのとEUの経済繁栄が求心力になっていることが背景にあり、一九九三年に比べ昨年は十二倍強の約五十万人を記録。不法移民は国際犯罪の温床ともなっており、EUは八、九日の司法・内務相会議で、防止策を本格的に討議する。
 EUの“首都”ブリュッセルのルイーズ通り。高級ブティックなどが並ぶ繁華街は昼間、多くの買い物客でにぎわうが、一年半前から夜間、街角に売春婦が目立つようになった。
 「私も、欧州市民の一員として生活したかった」。ユーゴ・コソボ自治州出身のアルバニア人女性であるルシア(20)さんは語る。
 コソボ紛争でセルビア人とアルバニア人の民族対立が高まった二年前、ルシアさんは、恋人からブリュッセル行きを誘われ、ボスニア経由で来た。貧困からの脱却が念願だった。
 だが、ブリュッセルに着くと、状況は一変。恋人から一回四千ベルギー・フラン(約一万円)で売春を命じられた。売り上げのうち、毎日二万四千ベルギー・フラン(約六万円)を上納するよう要求され、この額に満たないと、殴るけるの暴行を受けた。恋人が地下組織に属しているのを知ったのは後になってからだ。「一時は結婚も考えたけれど……」。ルシアさんの夢は破れ果てた。
 欧州委員会のビトリーノ委員(司法・内務担当)は、不法移民による人身売買を「現代社会の新しい奴隷制度」と形容し、売春、ポルノなどの強制労働だけで年間約四十万人の女性が苦しんでいると指摘する。
 欧州警察機構(ユーロポール、在ハーグ)によると、EU域内への不法移民は、八〇年代末の冷戦終結後から増え出し、ボスニア、コソボなどの民族紛争が拍車をかけた。EU十五か国のうち十三か国がシェンゲン協定で国境検査を廃止したことから、EU加盟国に一度入国すれば、域内の移動が容易になり、不法移民も九三年の約四万人を記録してから年を追って急増した。
 不法移民の流入は、ボスニア経由のルートが最近の主流だ。移民は南欧のトルコやイタリアなどに海から上陸、検問の緩いボスニアを通って陸路EU諸国に入る。トルコなどでは、EUの偽造パスポートが三百―五千ドル程度で飛ぶように売れ、“地下産業”として隆盛している。中・東欧諸国でも、不法移民を専門に手引きする国際組織が暗躍している。
 「麻薬に比べて、“不法移民産業”はリスクが少ない。年間七十億ユーロ(約七千七百億円)の市場に成長した」と、欧州警察機構のブラーツ不法移民担当部長。EU域内では強盗や窃盗、外国人襲撃なども頻発してきている。
 こうした事態に、EU諸国は、不法移民の流入防止に本腰を入れ始めた。英、伊両国は四日、ボスニアなどバルカン半島にEU共同捜査チームを派遣することなどを要求。EUはこれを受け、八日からの司法・内務相会議で、<1>国際犯罪網に関する情報の相互交換<2>捜査・逮捕協力<3>不法移民防止法制定――など不法移民対策の強化を検討する。
 EUは現在、犯罪防止のための司法統合を進めており、不法移民をどう取り締まるかは、その行方を占う最初の試金石となる。[2001-02-06-19:20] 4
[このページの最初に戻る]

 02/06@新政権の改革支援を表明 日・ユーゴ外相が会談(共同通信)

 河野洋平外相は六日夕、外務省飯倉公館でユーゴスラビア連邦のスビラノビッチ外相と会談し、二国間関係やバルカン半島情勢などを中心に協議した。
 ユーゴ外相の来日は、一九九一年に始まった旧ユーゴの崩壊以来初めて。昨年十月にコシュトニツァ政権が発足後初の両国ハイレベル協議となる。
 会談で河野外相は、ユーゴ政府が新大統領の下で進める民主化と国際社会への復帰に向けた改革努力を支持し、支援することを表明する。
 ユーゴでは昨年十月の大統領選挙後に市民がほう起し、十年間にわたり強権政治を続けたミロシェビッチ大統領が退陣に追い込まれ、コシュトニツァ大統領が就任した。これを受け、日本政府は昨年末、国連安全保障理事会の決議に基づく対ユーゴ経済制裁の原則解除に踏み切った。(了)[2001-02-06-19:07] 5
[このページの最初に戻る]

 02/06@近隣国加えて検討を コソボの地位でユーゴ外相(共同通信)

 来日中のスビラノビッチ・ユーゴスラビア連邦外相は六日、都内で記者会見し、多数派のアルバニア系住民が独立を求める同連邦コソボ自治州の最終的地位はセルビア、モンテネグロ両共和国にアルバニア、ギリシャ、ブルガリアなどの近隣諸国を加えた国際的な枠組みの中で検討すべきだとの考えを明らかにした。
 外相は、コソボの最終的地位に関する交渉には選挙で選ばれたコソボ住民の代表に加え、国際社会代表や近隣諸国も参加することが重要だと強調。交渉は「近いうちに始められると思う」としたが、具体的な時期は示さなかった。
 同時に「問題解決のためには国境を変えてはならない。重要なのはユーゴ連邦のさらなる解体を防ぐことだ。これはこの地域の平和と安定化にも寄与する」と述べ、コソボの独立にはあくまで反対する考えを示した。(共同)(了)[2001-02-06-18:09] 7
[このページの最初に戻る]

 02/06@前NATO総長ユーゴ訪問(共同通信)

 【ウィーン5日共同】欧州連合(EU)議長国スウェーデンの在ユーゴスラビア大使館は五日、一昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆を命令したソラナ前事務総長が八日にユーゴを訪問すると発表した。
 EUの共通外交・安全保障上級代表としての訪問だが、ミロシェビッチ前大統領のセルビア社会党は五日、前事務総長を「侵略を命じユーゴの一般市民を殺害した人物」として、訪問は許すことができないと反発する声明を出した。
 ソラナ氏は昨年八月、クリントン前米大統領らとともに「戦犯」としてユーゴで起訴されている。(了)[2001-02-06-08:25] 8
[このページの最初に戻る]

 02/06@戦犯法廷が国内審理を検討 前大統領は「軟禁」 ユーゴ外相(共同通信)

 外務省の招きで訪日したユーゴスラビア連邦のスビラノビッチ外相は五日、都内で共同通信と会見し、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から起訴されているミロシェビッチ前大統領の扱いについて、審理をハーグではなくユーゴ国内で行うべきだとした上で、同法廷も「ユーゴでの審理を真剣に検討している」と述べた。
 外相はまた、前大統領がベオグラードの自宅でユーゴ当局により軟禁状態にあることを確認した。
 ユーゴでの審理は、コソボ紛争をめぐり戦犯として起訴した前大統領の身柄引き渡しを要求する同法廷と、引き渡しを拒否するコシュトニツァ大統領との妥協策として浮上。外相の発言は、ユーゴでの審理に反対してきた同法廷の歩み寄りを示すものと言える。
 外相によると、米国もユーゴ国内での審理については完全には拒否していないという。
 外相は@戦犯法廷の事務所をユーゴに設置A同法廷への身柄引き渡しを禁じた国内法改正B国民の審理傍聴のため、国内での審理開始―の手続きを早急に実施すべきだとした。
 一方、連邦からの独立を問う国民投票実施の動きを見せるモンテネグロ共和国については「投票で独立の意思が示されれば認めるが、それには説得力のある過半数の賛成が必要」と述べ、有権者全体の少なくとも過半数の支持がない限り、独立を認めない考えを示唆した。(共同)(了)[2001-02-06-07:50] 31
[このページの最初に戻る]

 02/06@「暗黙の順番」を踏襲 同盟重視の米新大統領(共同通信)

 【ワシントン6日共同】米新政権発足の度に注目される各国首脳との会談の順番で、ブッシュ大統領は歴代政権が決めた「暗黙のルール」(新政権関係者)を踏襲。米ロ首脳会談は遅れる見通しとなり、看板の「同盟重視」をじわりとにじませている。
 ブッシュ氏の最初の首脳会談の相手は、五日のクレティエン・カナダ首相だった。首相は五日「長い国境を接する両国はいとこ同士」と記者団に述べ、“当然”と胸を張った。
 だがカナダのテレビ記者によると、ブッシュ氏が最初の外遊先にメキシコ(二月十六日)を選んだことに、カナダ政府内には不満が渦巻いている。「米大統領の初外遊先と言えば、最大の貿易相手国カナダと決まっていた」(同記者)が、今回はメキシコに先を越されたとの思いが募る。
 一方アジアでは「日本の首相と最初に会うのがルール」(同)。八年前クリントン氏が宮沢喜一首相と会ったのは四月十六日。森喜朗首相の訪米日程はまだ決まっておらず、アジア各国は「日米後の早期」の首脳会談を狙って神経質に見守っている。
 特に金大中・韓国大統領は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の外交攻勢が活発化する中でブッシュ氏と早急に政策調整をしたいところだが、日米の日程が未定で頭を痛めている。
 新政権の中国政策も焦点だが、銭其/シン/副首相の三月訪米の動きが表面化。大統領との会談はないとみられるが、中国の積極姿勢に関心が集まっている。
 一方、八年前は四月初旬に行われた米ロ首脳会談は、日程が定まらない。対ロ支援に厳しい新政権の性格をうかがわせている。
 米英関係は不動だ。クリントン氏が当時のメージャー首相と会談したのは二月二十四日。ブッシュ大統領はブレア首相と一日違いの二十三日に会談する。(了)★王ヘンに深のツクリ[2001-02-06-16:20] 48
[このページの最初に戻る]

 02/06@米大使館爆破事件の審理開始、NY連邦地裁(読売新聞)

 【ニューヨーク5日=河野博子】ケニアとタンザニアで九八年八月に発生した米大使館爆破事件の犯人グループのうち四人を被告とする裁判の審理が五日、ニューヨーク南部地区連邦地裁で始まった。連邦地検はこれまでに、計二十二人を共謀による殺人罪で起訴しており、このうち今回裁判にかかる四人を含む九人の身柄は米、英両国の司法当局によって拘束されているが、首謀者のオサマ・ビンラーデン氏ら十三人は、アフガニスタンなどに潜伏中とされる。
 四人の被告は、タンザニアの爆破事件に絡み、トラックで爆弾を運んだとされるタンザニア人、カルファン・カーミス・モハメッド被告(27)ら。この日、検察側は冒頭陳述で、「この爆破は計画の始まりでもなければ終わりでもない」と述べ、大使館爆破が、米国人をターゲットにし、現在進行形で続く壮大なテロ計画の一端であると述べた。
 アフリカの二か所で同時に発生した米大使館爆破では、二百二十四人が死亡、四千人以上が負傷した。[2001-02-06-11:09] 49
[このページの最初に戻る]

 02/06@中近東各国招きテロ対策 田中長官が緊密な協力を呼び掛け(共同通信)

 国際テロに関する情報収集やテロ発生時の国際協力を協議する「テロ対策協議」が六日、東京都内で開かれた。
 中近東地域の情勢が急激に変化していることからエジプト、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦の四カ国からテロ対策担当幹部らが招かれ、警察庁の田中節夫長官が「国際テロの脅威が世界各地に拡散する傾向にあり、各国のテロ対策部門による緊密な協力が不可欠」と述べた。
 森喜朗首相のメッセージの代読の後、望月義夫外務政務官と田中長官があいさつ。
 田中長官は「中近東地域を重要拠点としていた日本赤軍の重信房子容疑者を、各国の多大な協力で逮捕することができた。国際テロ対策は国際社会が直面する重要課題。効果的な対策を推進する上で、世界各国の連携が必要」と話した。
 テロ対策協議は日本が各国に呼び掛け一九九七年から毎年、地域を決めて開かれている。中近東地域は昨年に続き二回目だが、ヨルダン、アラブ首長国連邦の参加は初めて。(了)[2001-02-06-10:57] 56
[このページの最初に戻る]

 02/06@補佐官はロシアのスパイ? 国連の麻薬取締機関(共同通信)

 【ウィーン5日共同】五日発売のオーストリア週刊誌「フォーマット」は、国連麻薬統制犯罪防止局(UNDCCP)のアルラッキ局長のロシア人補佐官が長年、ロシア情報機関の工作員だったと報じた。
 米中央情報局(CIA)が昨年秋にオーストリア内務省から得た秘密報告の内容として報じたもので、補佐官は中央アジアと中欧の麻薬対策を担当するロシア人のウラジーミル・フェノペトフ氏(55)。
 CIAはその後の調査で、アルラッキ氏自身がロシア情報機関の「陰謀の犠牲者」だった疑いがあると判断したという。
 アルラッキ氏はイタリア上院議員出身で一九九七年に就任したが、資金運用の不透明さや身内の登用などで批判を受け昨年十二月から幹部らが相次いで辞任。五日からニューヨークの国連本部派遣の監察官の内部監査を受けている。
 同防止局は国連薬物統制計画(UNDCP)と国際犯罪防止センター(CICP)で構成。アルラッキ氏はウィーン国連オフィス事務局長も兼任している。(了)[2001-02-06-08:42]
[このページの最初に戻る]

 02/07@セルビア政府、ユーゴ南部衝突で和平案打ち出す(読売新聞)

 【ウィーン7日=佐々木良寿】アルバニア系武装組織の攻撃によりユーゴスラビア南部で緊張が続いている問題で、セルビア政府は七日までに和平案を策定、平和解決に向けた姿勢を打ち出した。緊張が続くのはコソボ自治州との州境地帯にあるプレシェボやブヤノバツ一帯で、アルバニア系住民が多数居住する。一昨年の北大西洋条約機構(NATO)空爆終了後に設置された幅五キロの非軍事地帯内に武装組織が入り込み、セルビア警官らに攻撃を繰り返している。[2001-02-07-22:34] 37
[このページの最初に戻る]

 02/07@◎前大統領側近の元内相が変死=ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン7日時事】ユーゴスラビアの独立系ラジオB92によると、ミロシェビッチ前大統領の側近だったゾラン・ソコロビッチ元内相が6日夜、首都ベオグラード南東約200キロの町クニャゼバツ近郊で、車の中で死亡しているのが見つかった。手に銃を握った状態で死亡していたとも伝えられ、自殺した可能性がある。 [時事通信社][2001-02-07-10:24] 38
[このページの最初に戻る]

 02/07@ユーゴ前内相が自殺か(共同通信)

 【ウィーン7日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領が最も信頼していたとされるソコロビッチ前ユーゴ内相が六日夜、同連邦セルビア共和国東部の出身地レペナで死亡しているのが見つかった。
 現地報道によると、前内相は乗用車の座席にもたれかかって死亡していた。遺体のわきに銃があり、頭部に弾痕があることから、ジブコビッチ内相は自殺の可能性を排除しないと述べた。
 前内相はミロシェビッチ氏がセルビア大統領だった一九九一年にセルビア内相に就任。以後、ミロシェビッチ氏の側近として警察権力を握り続けた。
 ユーゴでは昨年、国防相や国営航空社長ら政財界の有力者が相次いで暗殺された。事件は未解決で、コシュトニツァ政権は解明に全力を挙げると表明していたが、有力な証人を失ったことになる。(了)[2001-02-07-09:49] 39
[このページの最初に戻る]

 02/07@セルビアで米視察団に銃撃(共同通信)

 【ウィーン6日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部で六日、同地域を視察していたモンゴメリー駐ユーゴ米大使らの車列に、アルバニア系武装組織によるとみられる銃撃があった。弾丸は外れ負傷者などはなかった。
 独立系ベタ通信などによると、大使やパーデュー米バルカン担当特使らがセルビア南部ブヤノバツでセルビア政府やアルバニア系武装組織の代表と会談後、武装組織が支配する村に向かっていたところ二発の銃弾が車両近くに撃ち込まれた。一行は視察を中止してブヤノバツに戻った。
 同地域では過去二日間に武装組織による攻撃が激化し、カナダなどの外交団は視察を取りやめていた。(了)[2001-02-07-08:46] 229
[このページの最初に戻る]

 02/07@<イスラエル>シャロン首相当選 遠のく悲願のパレスチナ独(毎日新聞)

 イスラエルきってのタカ派、シャロン・リクード党首が次期首相に決まったことに、パレスチナ側の絶望感は深い。パレスチナ自治政府はシャロン氏の強硬姿勢を警戒しつつ、和平交渉を続行したい方針だが、すでに4カ月余り続く反イスラエル抵抗闘争(インティファーダ)を主導するパレスチナ解放勢力は「相手が強硬姿勢に出るほど、抵抗は激しくなる」と反発する。たびたび延期されてきたパレスチナ国家独立がさらに遠のくのは確実な情勢だ。【ガザ(パレスチナ自治区)で小倉孝保】
 「交渉するだけでも、我々自身が住民の批判の的となる。それほど彼への嫌悪感は強い」。パレスチナ交渉団の重鎮、モハメド・ダハラン・パレスチナ警察治安予防局長はシャロン氏をそう評した。
 昨年9月、ユダヤ教徒にとっての主権を示すため、エルサレム旧市街を故意に訪問したシャロン氏は、パレスチナ人にとっては、300人以上にのぼる同胞の犠牲を生んだ”張本人”とみられている。
 収まる気配のない反イスラエル抵抗闘争の主体となってきたパレスチナ解放機構(PLO)内最大組織ファタハのアハメド・ヒリス事務局長は「和平交渉が再開されたとしても、すぐ決裂しかねず、交渉の長期間停滞は免れない」と危機感を募らせる。
 パレスチナ住民の悲願とされる独立国家創設に向けた宣言は99年4月、昨年9月、同11月とこれまで3たび延期されてきた。一方的宣言はイスラエル側の反発を呼ぶとの配慮に加え、国際社会からの経済支援なしでは立ち行かないパレスチナ側の「お家事情」が背景にあった。シャロン氏の登場で、その閉そく感は一層、深まりそうだ。
 選挙前の世論調査ではガザ地区住民の約7割がアラブ・イスラエル紛争の平和的解決に「悲観的」と答えている。レストランを営むムイン・アブハシラさん(35)は「バラク政権が誕生した時は、パレスチナ独立国家への期待が膨らんだが、結局何にも変わらず、逆に多くの同胞が殺された。自治区の経済もガタガタだ。誰がイスラエルの首相になっても同じだ」と吐き捨てた。
 国境・領土、エルサレム帰属、難民帰還などを主議題とするパレスチナ最終地位交渉は先月27日、いったん休止し、バラク首相が再選されれば、再開される見通しだった。だが、バラク首相敗北で事態は新たな局面を迎えた。
 パレスチナ側は選挙前からシャロン氏の当選を想定し、先月25日、ウイーンでアラファト自治政府議長の経済顧問がシャロン氏の息子と接触するなどの動きを見せていた。ダハラン局長は「双方とも和平交渉以外に選択肢はなく、直ちに交渉を再開したい。国際社会の圧力を受け、シャロン氏が現実的な対応を取ることを期待している」と語る。だが、パレスチナ側が独立国家の首都と想定するエルサレム帰属案を盛り込んだクリントン前米大統領の仲裁案が白紙撤回されれば、国家の枠組み自体を改めて交渉し直す必要に迫られそうだ。
 【ニュースの背景】
 ■アラブ系イスラエル人
Q イスラエル首相公選ではバラク首相敗北の一因は、アラブ系イスラエル人が大量棄権に回ったためとされた。イスラエル社会での彼らの立場は。
A 1948年のイスラエル建国に伴う第1次中東戦争に伴い、近隣諸国に大量のパレスチナ難民が出たが、約15万6000人は生まれ故郷に残る道を選択した。イスラエル政府による国籍付与で彼らは「民族上はパレスチナ人、国籍上はイスラエル人」の存在となった。
 主にイスラエル北部に暮らし、現在、イスラエル人口(約630万人)の約18%を占める。彼らは、建国から1966年まで反抗を恐れる政府によって、政治運動や移動などに制限を科され、農地接収や差別に直面、「二級市民」の扱いを受けてきた。
 特に1987年からの「インティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)」では、イスラエル領内に住む彼らは危険分子として白眼視されることもあった。
 イスラエル国民としての平等実現を求める傍ら、1993年のパレスチナ暫定自治合意(オスロ合意)以降、彼らは占領地へのパレスチナ国家樹立につながる和平プロセスを原則として支持する立場を堅持、その多くが首相用公選で労働党党首に投票してきた。このため、一連の衝突でイスラエル治安部隊が同胞に銃を向け、多数の命を奪ったことに、アラブ系イスラエル人が反発、大量棄権につながった。【福島 良典】
 ◇最近の和平をめぐる動き
【1996年】
5月29日 イスラエル初の首相公選で、右派リクードのネタニヤフ党首がペレス首相を小差で敗る
【1999年】
5月17日 2度目の首相公選で労働党のバラク党首がネタニヤフ首相に大差で勝利
【2000年】
5月24日 バラク首相がレバノン南部からのイスラエル軍撤退を断行
7月25日 米キャンプデービッドで開かれたバラク首相、アラファト議長、クリントン大統領による中東和平3首脳会談決裂
9月28日 リクードのシャロン党首がエルサレム旧市街のイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ」(ユダヤ名・神殿の丘)を訪問、イスラエル治安部隊とパレスチナ住民との衝突発生
10月17日 アラファト・パレスチナ自治政府議長とバラク首相、クリントン大統領らが出席した緊急中東首脳会談で衝突停止へ、玉虫色の合意
10月22日 緊急アラブ首脳会議は「衝突の原因はイスラエルにある」とイスラエルを非難
12月11日 バラク首相が辞表を提出。その後、2月6日の単独首相公選実施とバラク、シャロン両氏の一騎打ちが確定
【2001年】
1月4日 アラブ連盟の緊急外相級会合で、パレスチナ難民の帰還権などを求める自治政府の方針支援を確認
1月12日 クリントン米大統領が「パレスチナで何が起きるかは、(米国の)次期政権とイスラエル首相公選の勝者の責任」と任期中の和平合意の断念を表明
1月20日 クリントン大統領退任、ブッシュ氏が新大統領に就任[2001-02-07-23:35] 230
[このページの最初に戻る]

 02/07@<イスラエル>振り子の和平 治安優先に「右」選ぶ(毎日新聞)

 イスラエル首相公選で、タカ派として知られる最大野党・リクードのシャロン党首が圧勝したことで、パレスチナとの衝突激化で暗雲がたれ込めていた中東和平は再び、長期停滞が必至の様相だ。イスラエルではこの5年間に3人の首相が交代、そのたびに和平の行方が振り子のように激しく左右することになった。シャロン氏はこの国をどこへ導こうとしているのか。イスラエル国民は今、なぜ右傾化し始めたのか。
 「強いイスラエルの復活だ!」、「バラク(首相)の弱虫よ、さようなら」。7日未明(日本時間同日朝)、テルアビブで開かれたシャロン氏の勝利集会。蒸し返るような熱気の中、支持者の若者たちは踊り、抱き合いながら絶叫した。
 集会場で選挙戦で使われたソフトな音調のイメージソングが流れた。「国家の統一と治安が欲しい。経験豊富なリーダーがほしい。シャロンだけが私たちを安全にする和平をもたらす。シャロンは和平のリーダーだ」
 選挙戦で、シャロン氏は強硬なイメージをできるだけ前面に出さず、バラク首相との公開討論にも応じず、正式な公約・政策すら発表しなかった。素顔を完全にのぞかせない”隠密作戦”だった。
 「オスロ合意(93年のパレスチナ暫定自治合意)はもはや存在しない」、「バラクのような弱腰や譲歩こそ、戦争をもたらす」。イスラエル紙に左派・労働党の和平推進派の気持ちを逆なでするような発言をしたこともあった。だが、有権者の支持に大きな変化はなく、最終的にバラク首相に25%の大差を付けた。
 イスラエルの世論は中間層を軸に、常に左右に揺れる。96年春、イスラム原理主義過激派によるバステロが続発、少なくとも64人の死者が出たことを受け、ノーベル平和賞受賞者のペレス元首相(労働党)は治安重視を求める世論に押され、ネタニヤフ前首相(リクード)に小差で敗れた。その後、和平交渉をことごとく凍結させ、アラブ・パレスチナ側を怒らせたネタニヤフ氏は99年5月、和平推進派の反発に遭い、バラク首相に得票率で12%の差を付けられ敗れた。そして今回は、一連の衝突で、パレスチナ不信が増幅する中、世論は再び、治安重視に揺り戻したのだ。
 前回選挙でのバラク首相支持から、今回、シャロン氏支持に転じた有権者に尋ねた。「バラクはエルサレムの主権をパレスチナに譲ろうとして公約を破った。譲歩し過ぎは、パレスチナをつけ上がらせるだけだ」(32歳の男性教員)。「パレスチナ人にこれ以上、ユダヤ人を殺されてたまるか。シャロンになればパレスチナは恐がり、大人しくなるさ」(48歳の男性商店主)。右派をはじめ、ユダヤ教正統派などの宗教勢力などを中心とするバラク首相批判票は、反イスラエル抵抗闘争を緩めないパレスチナへの反発の表れでもある。
 シャロン氏側近のリブナット議員は、テレビ・インタビューで「有権者は『違う形の和平が欲しい』と声を挙げた」と選挙結果を評価した。国民はバラク首相が掲げた和平方針の転換を迫り、「エルサレムを譲らず、ユダヤ入植地を廃止せず、領土はこれ以上譲らない」(シャロン氏)という妥協を許さない和平を選択したのだ。
 国内左派の間には「シャロンの首相就任は大災禍につながる」(サリド・メレツ党首)といった危ぐ感が強まっている。シャロン氏の踏み出す一歩を国際社会も、不安な思いで注視している。【エルサレム・海保真人、テルアビブ・小倉孝保】[2001-02-07-23:35] 243
[このページの最初に戻る]

 02/07@緒方貞子さんは日本人の誇り 首相主催の慰労会(共同通信)

 国連難民高等弁務官を昨年末に退任した緒方貞子氏の慰労会が七日夜、森喜朗首相主催で都内のホテルで開かれた。
 森首相は「緒方氏の下で、多くの難民の命が守られ、多くの子どもに明日への希望が与えられた。日本人すべての誇りだ」とあいさつ。首相のアフリカ訪問に同行した緒方氏のエピソードを紹介しながら「アフリカの母」と持ち上げ、「日本は人道大国を目指して一層の努力をすべきだ」と訴えた。
 緒方氏は「日本からの応援が、どれだけ私を支えてくれたか分からない。今後は(人道問題で)日本からお手伝いができればと思っている」と述べた。
 また七日、伊藤宗一郎前衆院議長を会長に超党派の「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)国会議員連盟」が発足。慰労会には同議連メンバーや非政府組織(NGO)の代表者ら約三百人が出席した。(了)[2001-02-07-20:29] 250
[このページの最初に戻る]

 02/07@<国会議員連盟>国連難民高等弁務官事務所支援の超党派が総(毎日新聞)

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を支援する超党派の国会議員連盟(会長・伊藤宗一郎前衆院議長)が7日、国会内で設立総会を開いた。森喜朗首相が昨年8月の緒方貞子前国連難民高等弁務官との会談を受けて発案。当面は、緒方さんが昨年12月に弁務官を辞任する際に設立した「難民教育基金」への寄付など資金援助を中心に活動する。国会での与野党対決ムードをよそに設立総会には、民主党の羽田孜特別代表、社民党の土井たか子党首ら各党首脳クラスを含む衆参の国会議員約50人が出席し、首相は「皆さんの真心を世界に広げてほしい」と訴えた。[2001-02-07-19:05] 259
[このページの最初に戻る]

 02/07@<キーパーソン>イスラエル次期首相に当選のシャロン党首(毎日新聞)

 「和平とは、ユダヤ国家に治安をもたらすものでなければならない」。軍人上がりのシャロン氏はかつて記者会見でそう語った。「戦士」の題名の自伝を持つ氏にとって、「和平」は、極めて愛国的な意味合いで、周辺アラブ諸国には強面に映る。
 農家の子として生まれ、幼いころから自分の土地・領土を守ることをたたき込まれた。第2次世界大戦中に、ユダヤ人社会最大の自衛組織「ハガナ」に加わり、アラブの反ユダヤ攻撃と戦った。1948年のイスラエル建国に伴う第1次中東戦争では、弱冠20歳で小隊長として参加した。
 それ以後も73年の第4次中東戦争まですべての戦闘を経験。参謀総長にまで上り詰めたバラク首相をして「イスラエル史上における最も偉大な野戦指揮官の1人」と言わしめた。
 74年に政界入りし、一時、故ラビン首相(労働党)の治安顧問を務めた。農相時代の77〜81年、第3次中東戦争(67年)で占領したヨルダン川西岸、ガザ、ゴラン高原でのユダヤ人入植地建設を進めた。また、国防相時代の82年、パレスチナ解放機構(PLO)掃討のためレバノン侵攻を指揮、その際に起こった親イスラエル民兵によるパレスチナ難民大虐殺の責任を問われた過去を持つ。それ以来、占領していたレバノン南部からの軍撤退を断行したバラク首相に代わり、新たな指導者として登場したのは不思議な縁だ。
 一方、エジプトとの単独平和条約に基づくシナイ半島返還(82年)を完了させた側面も持つ。「私は過去にエジプト、ヨルダン、パレスチナとの交渉に何度も臨んだ。ただ、できないこと、したくないことを約束したことがないだけだ」と和平交渉に決して後ろ向きでないことを強調する。
 ヘブライ大学卒。昨年3月、肺がんで亡くなった愛妻リリーさんとの間にできた2人の息子がいる。趣味はクラシック音楽の鑑賞。「和平方針を抜きにすれば、バラク首相よりユーモアがあり、気さく」(イスラエル紙記者)との評も。
【エルサレム・海保真人】[2001-02-07-14:45] 261
[このページの最初に戻る]

 02/07@イスラエル新首相シャロン氏、現実主義者の側面も(読売新聞)

 「だれよりも平和の重要性を理解している」。そう訴え続けて自らの好戦的イメージを中和し、念願の首相の座を手にした。昨年九月末、イスラム教徒が管理するエルサレム旧市街のユダヤ、イスラム両教の聖域「神殿の丘」(イスラム教徒側呼称「ハラム・アッシャリフ」)を訪問、パレスチナ騒乱を招いたが、この騒乱の長期化が、国民をバラク首相から離反させた。
 イスラエル建国前の一九四二年、イスラエル軍の前身のハガナに入隊、輝かしい軍歴を築き、七三年に政治家に転身した。八二年のレバノン侵攻を国防相として指揮、パレスチナ・ゲリラ掃討作戦を拡大してベイルートまで進攻し、アラファト議長率いるパレスチナ解放機構(PLO)をチュニスに放逐した。このとき友軍のキリスト教徒民兵がパレスチナ難民キャンプで行った虐殺を“黙認”したため、パレスチナ人からは今も「殺人者」と呼ばれる。
 また、占領地であるヨルダン川西岸へのユダヤ人入植地の建設を推進、パレスチナ側への領土的譲歩を拒否する立場を示してきた。
 「戦犯」としての過去とタカ派としての過激な言動で、イスラエルの「顔」にはなかなかなれなかったが、リクードのエース、ネタニヤフ前首相の政界引退、さらに、労働党のバラク首相の失策による世論の保守化で、ついに主役の座に就いた。
 これまで示してきた反アラブ姿勢に中東和平プロセスの停滞が懸念されているが、現実主義者としての側面もあり、パレスチナ側やアラブ世界にも「言ったことは実行する人物」と評価する声もある。果たして、自らが言う「何世代にも及ぶ和平」の端緒を築くことができるのか。
 昨年三月、長年連れ添ったリリー夫人と死別。息子二人がいる。(エルサレム 当間 敏雄)[2001-02-07-13:55] 267
[このページの最初に戻る]

 02/07@<イスラエル首相公選>新政権と協力し和平を推進 米国務長(毎日新聞)

 【ワシントン6日布施広】パウエル米国務長官は6日、米国は中東和平に関与し続けると述べ、イスラエルの新政権と協力して和平プロセスを推進する意向を表明した。訪米したクック英外相との共同会見で語った。長官は月内に中東、欧州を歴訪し、パレスチナ和平への本格的な取り組みを開始する方針で、近くシャロン次期首相との会談が実現する可能性もある。
 パウエル長官は、対パレスチナ強硬派とされるシャロン氏に対する論評を避け、「米国は和平の探求に関与する用意がある。イスラエルの民意を見定めたい」と語った。中東和平の仲介に関して「米国は疎遠にはならない」とも語ったが、和平の追及は「地域的な枠組み」に基づくべきだとして、米国が仲介に入るには交渉当事者の要請が必要との見解を示した。
 1月20日に退任したクリントン前大統領は、退任前のパレスチナ和平合意を目指し、共和党から「米国の都合で交渉を進めている」との批判を浴びた。パウエル長官の発言は、各地の紛争介入に慎重なブッシュ政権の基本政策に基づくものだが、同時に「彼ら(イスラエル)は和平を求めるべきだ」とも語り、パレスチナとの交渉再開は時間の問題との見方を示した。
 一方、長官は月内に湾岸地域を含む中東、欧州諸国歴訪を計画していることを明らかにした。統合参謀本部議長として1991年の湾岸戦争を指揮した長官は、今月26日にクウェートで行われる湾岸戦争終結10周年の記念式典に出席するとの見方が強い。[2001-02-07-12:00] 272
[このページの最初に戻る]

 02/07@◎NMD推進、日本の核武装化もたらす=米上院議員が警告(時事通信)

 【ワシントン6日時事】米上院外交委員会のバイデン議員(民主、デラウェア州)は6日、記者会見し、「ブッシュ政権が全米ミサイル防衛(NMD)構想を推進するなら、将来は日本の核武装につながる」と指摘。日本の核武装化の可能性にも言及して、同構想に強く反対する考えを示した。
 バイデン議員は「ブッシュ大統領が欧州諸国の反対を押し切ってNMD構想を進めることは可能だが、その代償は非常に大きい。特に中国が対抗して核兵器を増強することは間違いない」と語った。その上で、「こうした状況は日本や朝鮮半島の核武装を招くことになる」と述べ、NMD構想の推進は日本や朝鮮半島の核武装に発展すると警告した。 [時事通信社][2001-02-07-11:18] 280
[このページの最初に戻る]

 02/07@結果はバラク氏への不信任 予測不能な混迷の時代に(共同通信)

 【エルサレム7日共同】六日のイスラエル首相公選は、対パレスチナ強硬路線の野党リクードのシャロン党首が当選、中東和平は短期的には遠のくことが確実となった。パレスチナ人との衝突拡大の懸念もあり、中東情勢は予測不能な「混迷の時代」に突入した。
 選挙は国民にとって「どちらをより選びたくないか」という負の選択だった。シャロン氏の強硬路線への懸念より、バラク首相への不信感が強かったことがはっきりした。実はシャロン氏が勝ったのではなく、バラク首相が負けたのだ。
 五十年以上続くパレスチナ紛争の最終的な解決に期待をつないでいた昨年九月、シャロン氏が突然エルサレム旧市街の聖地「神殿の丘」を訪問したことでイスラエル治安部隊とパレスチナ人との衝突が発生。不信と憎悪は修復不能なまでに広がり、バラク首相は苦悩を深めた。
 国民の間には和平が遠のいたことへの失望感がまん延。首相は、衝突やテロが続く間も交渉を続けたことで「弱腰」との厳しい批判にさらされた。ユダヤ人の精神的支柱とされるエルサレムの帰属問題で譲歩姿勢をみせて完全に信頼を失い、左右両派からの批判で満身創痍(そうい)だった。
 イスラエルは過去五年間、リクードと労働党との間で猫の目のように政権交代を繰り返してきた。ネタニヤフ、バラク両氏という「強力なリーダーシップ」を期待された政治家が相次いで失脚。イスラエル世論の迷走は和平への道筋にも深刻な影響を与えている。
 シャロン氏が今後、強硬路線一辺倒を貫けばパレスチナ側の反発や国際的な孤立も招きかねない。左右両派が国会を二分する中、労働党との挙国一致内閣も実現できなければ政権安定はおぼつかない。
 バラク氏を悩ませたパレスチナ情勢と政局の混迷は、そのままシャロン氏の宿題として残された。(了)[2001-02-07-08:57] 282
[このページの最初に戻る]

 02/07@12日に緩衝地帯設置へ エチオピアとエリトリア(共同通信)

 【ナイロビ6日共同】国連エチオピア・エリトリア派遣団(UNMEE)は六日、エチオピアとエリトリアが同日のナイロビでの会合で、十二日に緩衝地帯である「臨時安全地帯」を設置することで合意したと発表した。
 両国は、緩衝地帯の境界と国境とは一致しないことを確認。今月末から来月初めにかけて同地帯から兵士が撤退、代わりに国連平和維持軍が配置され、エリトリアが行政機構を復活させる。
 両国は約二年に及んだ領土紛争を終結させた昨年六月の停戦協定で、国境沿いのエリトリア領側に幅二十五キロの緩衝地帯を設置することで合意したが、国境に争いがあるのに「国境沿いのエリトリア領側」とした規定に矛盾を抱えていた。(了)[2001-02-07-08:45]
[このページの最初に戻る]

 02/08@<不法移民>対応策協議のEU内相会議開幕 英は規制強化提(毎日新聞)

 【ストックホルム8日森忠彦】不法移民流入への対応策を協議する欧州連合(EU)の内相会議が8日、議長国スウェーデンのストックホルムで始まった。難民や不法入国者の急増に悩む英国のストロー内相は「東欧からの移民、亡命には寛容であるべきだが、不法移民をあっせんする組織の摘発では協調すべきだ」と規制強化を提案した。会議では長期的な難民政策についても話し合った。
 EU加盟国では昨年後半以降、バルカン諸国や同諸国経由で入ってくる中東、アジア系の集団移民が急増している。ほとんどは犯罪集団が介在し、半強制的、またはだまされて欧州を目指している。北アフリカからも地中海を渡ってスペインやイタリアなどに入り、難民認定を求めて教会に立てこもるなどの事件が頻発している。
 国連難民高等弁務官事務所の統計によると、昨年、EU15カ国での難民認定申請は約39万人で、前年より微増した。多くはユーゴスラビア連邦、イラク、アフガニスタンなどからの移民だが、申請先では英国がEU全体の22%を占めている。こうした事態を受けてブレア英首相らは先週、組織的な集団移民に対して厳罰を設ける対策を欧州諸国に呼びかけた。
 EUは一昨年秋の首脳会議で、各国でまちまちな移民、難民対策を協議した。今年末の首脳会議までにEU共通の対策をまとめる方針だ。今回の会議でも、売春婦や子供の人身売買などが絡んだ犯罪性の高い集団移民については厳しく取り締まるとともに、やむをえない事情で本国を出た難民については一定の受け入れ政策を設ける方向で協議する。[2001-02-08-23:00] 26
[このページの最初に戻る]

 02/08@○EU上級代表がユーゴ訪問=空爆時のNATO総長(時事通信)

 【ウィーン8日時事】1999年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆作戦時、NATO事務総長を務めていた欧州連合(EU)のソラナ共通外交安保上級代表が8日、ベオグラードを初訪問した。同代表は、コシュトニツァ・ユーゴ大統領やジンジッチ・セルビア共和国首相と会談、EUとユーゴの協力関係を討議する。
 ソラナ上級代表は空爆作戦の遂行を指導した1人であることから、ミロシェビッチ前大統領時代の昨年9月、クリントン前米大統領やオルブライト前国務長官、ブレア英首相ら欧米首脳13人とともに、ベオグラード地裁から戦犯として禁固20年の有罪判決を受けた。 [時事通信社][2001-02-08-20:57] 27
[このページの最初に戻る]

 02/08@<EU>ソラナ氏ら代表団がユーゴスラビア連邦を訪問(毎日新聞)

 【ベオグラード8日福井聡】欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表らEU代表団が8日、ユーゴスラビア連邦を訪問した。ソラナ氏は1999年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆当時、NATO事務総長だった、
 一行は、EU議長国スウェーデンのリンド外相やパッテン委員(対外関係担当)ら。コシュトゥニツァ連邦大統領やジンジッチ・セルビア共和国首相らと、EUとユーゴの協力関係や周辺地域の政治状況などを巡って会談する。
 ユーゴ国内には空爆以降、今も反NATOの空気が強く残り、ミロシェビッチ前大統領率いる社会党や極右・セルビア急進党は「ソラナ前NATO事務総長は空爆実施責任者として有罪。ユーゴ到着と同時に逮捕されるべきだ」としていた。[2001-02-08-18:50] 165
[このページの最初に戻る]

 02/08@伊王家子孫の入国禁止、元王妃の死で見直し論議(読売新聞)

 【ローマ8日=秦野るり子】イタリア最後の王妃マリアジョゼさんが先月末、死去したのを機に、サボイア王家の男性子孫のイタリア入国を禁じている現行憲法の見直し論議が、同国で再燃している。
 マリアジョゼさんは一月二十七日、ジュネーブで死去。九十四歳だった。
 マリアジョゼさんはベルギーからサボイア王家に嫁いだ。夫のウンベルト二世は一九四六年五月、即位したが、翌月の国民投票で王制廃止が決まった。王家はムソリーニの台頭とファシズム体制の構築を許したとして国外追放され、四八年に制定された現行憲法は付則で、ウンベルト二世と配偶者、男子の子孫のイタリア入国を禁止している。
 だが、マリアジョゼさんの死にあたり、イタリアの主要紙は大きな紙面を割き、マリアジョゼさんがナチス・ドイツと手を組むことに反対したエピソードを紹介するなど死を悼んだ。歴代国王が葬られているローマのパンテオンに故ウンベルト二世(八三年死去)の遺体と共に葬るべきだという声も一部に上がっている。
 このため、アマート首相は帰国問題を次期国会で討議する意向を表明した。
 また、ウンベルト二世とマリアジョゼさんの長男、ビットリオ・エマヌエーレ氏は、チャンピ大統領が示した弔意への返信で、チャンピ氏を「全イタリアの大統領」と初めて呼び、共和制を認める姿勢を示唆した。イタリア政府は帰国を認める前提条件に「共和制尊重を公言すること」を求めており、王家側の態度の軟化も禁止条項の見直しに現実味を与えている。[2001-02-08-22:41] 172
[このページの最初に戻る]

 02/08@◇「知りすぎた男」の帰国にフランス政官界が戦々恐々◇(朝日新聞)

 政権を20回、ひっくり返す秘密を持っている」――。フランス旧国営石油大手エルフ・アキテーヌ社による不正資金供与事件で逮捕された同社元幹部アルフレッド・シルバン容疑者(74)は約4年にわたる国外逃亡の前、周辺の人たちにこう語っていた。仏企業の総務担当者として数々の「汚れ仕事」を一手に引き受けてきた「知りすぎた男」はどこまで真相を語るのか。仏政官界の関係者はその言動を戦々恐々として見守っている。
 8日発売された日刊紙パリジャンと週刊誌パリマッチは、潜伏先のフィリピンの住居で押収されたシルバン容疑者の手帳を公開した。パスクワ元内相やミッテラン前大統領の長男、デュマ元外相の愛人ら、これまで同容疑者が関与したとされる疑惑で登場する名前が並ぶ。政治家のほか、政府高官や実業家ら約200人の電話番号が記されていた。
 仏政界では「決定的な証拠とはなり得ない」(オランド社会党第1書記)と冷静を装っているが、捜査の展開次第では左右両派とも大きな傷となりかねない。
 また、シルバン容疑者が不在のまま審議が進んでいたミッテラン前大統領側近のデュマ元外相の公判は司法当局の取り調べを待つため、1カ月延期されることになった。デュマ元外相の弁護士は「包み隠さず真相を明らかにしてほしい」と述べたが、今後、公判の流れが大きく変わるとみられている。
 仏政界を震え上がらせているシルバン容疑者とはどんな男なのか。
 仏メディアなどによると、シルバン容疑者は17歳で対ナチス抵抗運動に参加した後、国連軍の一員として朝鮮戦争に従軍した。戦闘で重傷を負い、治療のために日本に立ち寄ったが、滞在中の1952年2月に仲間と東京都内の銀行を襲い、現金約280万円を強奪する事件を起こした。
 約2週間後、米軍憲兵に逮捕され、当時仏領だったベトナム・サイゴンの仏軍極東司令部で軍事裁判を受け、2年間服役した。帰国後は法学を修め、大手企業に勤務。当時のエルフ社会長と親しくなり、89年に総務担当として同社に移った。
 政官界がエリート集団で支配されているフランスで、異色の経歴の同容疑者は政界への裏工作には打ってつけの人材。社同会長と2人3脚で政界工作を展開し、エルフ社のナンバー2格にのし上がったという。
 同容疑者が関与したとされる疑惑は各種ルートがあり、関係する政治家の数は多い。仏司法当局は89年から93年にかけて15億フラン(約250億円)が動いたとみているが、今のところ、シルバン容疑者は取り調べに対して、沈黙を守ったままだ。[2001-02-08-20:38] 180
[このページの最初に戻る]

 02/08@◎緒方貞子氏、フォード財団客員研究員に(時事通信)

 緒方貞子前国連難民高等弁務官は8日、時事通信の取材に対して、5月からニューヨークのフォード財団で客員研究員を務めることを明らかにした。
 緒方氏は国連難民高等弁務官の経験を基に、同財団で「冷戦崩壊による1990年代の国際政治構造の変化を通して、人道支援活動がどのように変化したかを実証的に検証した本の執筆に当たる」という。 [時事通信社][2001-02-08-19:12] 184
[このページの最初に戻る]

 02/08@◇国際テロの黒幕、ウラン買い付け?ラディン氏元側近証言◇(朝日新聞)

 国際テロの黒幕とされるオサマ・ビン・ラディン氏の元側近が7日、米大使館連続爆破事件の審理が行われているニューヨーク連邦地裁で証言し、1993年に同氏の組織の指示でウランを買い付けようとしていたことを明らかにした。証言によれば、ウランは南アフリカ産で、売り手はスーダンの元軍高官。元側近は途中で交渉から抜けたため、南アとスーダンを結ぶ核物質のやみ市場が存在したのか、取引がまとまったのかは明らかでないが、米司法当局は、ビン・ラディン氏が核兵器の材料取得に動いていたことを示す新証言として注目している。
 元側近は、96年までビン・ラディン氏のイスラム過激派組織「アルカイダ」のメンバーだったスーダン人で、アフガニスタンでの反ソ連ゲリラ出身。組織幹部の指示で、スーダンの元軍高官と接触し、ウラン入りという容器と、南ア産であることが書かれた文書を示され、150万ドルを要求されたという。取引をつないだところで組織から1万ドルの報賞を受け取ったが、その後の交渉には加わっていないという。
 この人物は、金銭をめぐるトラブルを機に「アルカイダ」から逃げ、96年、ある国の米大使館に保護を求めた。連邦捜査局(FBI)による聴取後、身元を隠したうえで米政府の証人となり、98年のケニア、タンザニアの米大使館連続爆破事件で起訴された4人の被告に対する審理に出廷した。アフガニスタンに潜伏中のビン・ラディン氏は事件の首謀者として起訴されている。
 核兵器の製造に必要なプルトニウム239やウラン235などの密輸や盗難は、これまで旧ソ連諸国で相次いでいるが、取引の実態は不明な点が多い。国際テロ組織が買い付けに動いていたことを具体的に物語る証言は初めて。[2001-02-08-18:30] 191
[このページの最初に戻る]

 02/08@ギニア難民との接触途絶 UNHCRが危機感(共同通信)

 【ヨハネスブルク8日共同】西アフリカのギニアで政府軍と反政府勢力の戦闘が激化し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は隣国からの難民や国内避難民約二十五万人との接触を絶たれ危機感を深めている。このため、緒方貞子氏の後任のルベルス高等弁務官は十日からギニア入りして現状を視察する。
 ギニアからの報道によると、シエラレオネ領に食い込んでいる同国南部の「パロッツビーク」(オウムのくちばし)と呼ばれる地域で、リベリアとシエラレオネからの難民十八万人と国内避難民七万人が援助機関の支援を受けられない状態が続いている。
 ギニア政府は六日、同地域に近いゲケドゥの反政府勢力を攻撃し、町を奪還したと発表。多数の死者が出たもようだ。
 UNHCRはゲケドゥ近くのキャンプから難民三万人を二百キロ北のファラナに移す作業に着手した。パロッツビークの二十五万人も移送したい考えだが、戦闘激化のため見通しは立っていない。
 ギニアとリベリアはそれぞれが反政府勢力を支援していると互いに非難、シエラレオネの反政府勢力も戦闘に加わるなど、一帯では泥沼の戦闘が続いている。(了)[2001-02-08-16:15] 192
[このページの最初に戻る]

 02/08@◇ハイチ大統領にアリスティド氏が返り咲き◇(朝日新聞)

 カリブ海の島国ハイチで7日、1996年まで大統領を務めたアリスティド氏(47)が、再び大統領に就任した。しかし、昨年11月の大統領選挙ではアリスティド氏側に有利な選挙不正があるという理由で主要野党がボイコットした経緯がある。米州で最悪の貧困国の民主化を担う2期目の手腕が問われている。
 アリスティド氏は7日、「私はすべてのハイチ人の大統領だ」と述べ、大統領就任の正統性を強調した。
 アリスティド氏与党ラバラス・ファミリー側と、野党連合は政治危機打開の協議を6日まで重ねたが決裂。野党側はグルーグ元法相(75)を「暫定大統領」に指名して代替政権の受け皿を作り、「アリスティド氏は独裁的だ」と批判を強めている。
 一方、警察機構の整備などを支援する国連派遣団は、米国が分担費を出し遅れたため、十分な働きが出来ないままに終わり、7日以降の後続派遣も打ち切られた。[2001-02-08-16:15] 193
[このページの最初に戻る]

 02/08@コンゴ南東部から撤退へ ルワンダ大統領が表明(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】ルワンダのカガメ大統領は八日までに、コンゴ(旧ザイール)南東部に駐留するルワンダ軍部隊を近く撤退させる意向を国連などに表明した。国連外交筋が明らかにした。
 アナン国連事務総長はこれを受け来週、国連コンゴ監視団(MONUC)要員の同地域への早期派遣を安全保障理事会に勧告する予定で、ルワンダを含む周辺五カ国が介入したコンゴ紛争は終結に向け大きく動き出すことになる。
 事務総長は七日の安保理で、ルワンダが反政府勢力を封じ込めるために展開したコンゴ南東部に「国連軍事監視要員を派遣する準備がある」と述べ、ルワンダ軍の撤退を要請した。
 これに対して安保理に出席したカガメ大統領は明確な回答を避けたが、既に国連と米国に撤退を表明しており、撤退後に派遣されるMONUC要員数で国連側と詰めの協議に入っている。
 MONUCの派遣要員は現在約二百人。これを近く八百人まで拡大させ南東部に投入し、さらに三千人規模まで大幅増強させる計画で「カビラ前大統領の死亡で芽生えた和平機運を一気に広げたい」(国連外交筋)としている。(了)[2001-02-08-16:06] 198
[このページの最初に戻る]

 02/08@<CIA長官>ラディン氏組織が米安全保障に最も危険と証言(毎日新聞)

 【ワシントン7日布施広】テネット米中央情報局(CIA)長官は7日、米上院情報特別委員会の公聴会で証言し、イスラム原理主義の黒幕、ウサマ・ビン・ラディン氏の組織が米国の安全保障にとって最も危険な存在と指摘、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の中・短距離ミサイル開発の脅威についても警告した。
 ウサマ氏は1998年の米大使館連続爆破に関与し、イエメン沖での米艦爆破にもかかわった疑いが持たれている。テネット長官はウサマ氏の組織の手口が極めて巧妙になり、米国にとって「最も深刻かつ緊急に対応すべき課題」になっていると指摘、米国の情報収集網の強化を求めた。長官は世界の脅威に関する年次報告書の提出に当たって証言した。
 北朝鮮については、経済危機に伴う、ここ10年間の軍事機能低下に歯止めがかかり、軍事力の安定が見られると指摘。北朝鮮は長距離ミサイル開発に加え中・短距離ミサイル開発を増強していると警告した。また、北朝鮮の最近の開放的な外交姿勢を「戦略の変化の反映」と位置付けたが、北朝鮮の軍事的脅威は低減していないと分析、北朝鮮は「弾道ミサイルや関連部品の輸出、専門家の派遣を続けてきた」と述べた。[2001-02-08-12:30] 208
[このページの最初に戻る]

 02/08@ラディン氏が最大の脅威 CIAが年次報告(共同通信)

 【ワシントン7日共同】米中央情報局(CIA)のテネット長官は七日、米議会に年次報告「世界の脅威二○○一年」を提出、反米テロの黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏を「米国にとって最も深刻で差し迫った脅威」と指摘、ブッシュ政権は同氏のテロに備える必要があると強調した。
 報告はラディン氏が一九九八年に「すべての米国民はテロの正当な標的だ」と宣言したことを明らかにし、中東、南アジア、東南アジアに張り巡らしたラディン氏の「地球規模のネットワーク」が無防備な米国施設にいつでも同時テロを遂行できると警告した。
 またラディン氏がインターネットを利用して「化学、生物、さらに核兵器を使った攻撃のための準備もしている」として、米情報機関はコンピューター時代に即した情報入手に努める必要があると述べた。
 一方、フセイン・イラク大統領が国連制裁への反対でアラブ世界の支持を取り付け、化学兵器など大量破壊兵器の製造に必要な施設の建設に成功しており、ブッシュ政権の脅威となるだろうと予測。フセイン大統領はシーア派など国内の不満分子弾圧にも成功し、国内基盤を一層強化したとの見方も示した。(了)[2001-02-08-09:51]
[このページの最初に戻る]

 02/09@<EU司法・内相会議>集団移民に絡む組織犯罪対策で合意=(毎日新聞)

 【ストックホルム9日森忠彦】欧州で難民や不法移民が急増している問題で、当地で開かれていた欧州連合(EU)の司法・内相会議は9日、集団移民に絡んだ組織犯罪に対する取り締まりを強化することなどで合意、閉会した。EUは2004年までに「共通難民・移民政策」を策定する予定だが、今回の施策はその第一歩となる。
 会議後、記者会見したビトリーノ欧州委員(司法担当)は「移民組織の犯罪には断固とした処置で対処することが必要だ」として、最低でも6〜10年以上の刑期を検討していることを明らかにした。欧州ではここ数年、売春や子供の人身売買に関連した不法移民の流入が相次いでいる。
 EUはアジアや中東系移民の窓口となっているバルカン地域からの流入を防ぐために来週と3月末、アルバニアとユーゴスラビア連邦、ボスニア・ヘルツェゴビナでEUと現地の閣僚級会合を開催する。また最近、欧州でも中国系の集団移民が増えてきていることから、5月に北京で開くEUと中国の外相会議でも協議する。[2001-02-09-23:55] 16
[このページの最初に戻る]

 02/09@<セルビア副首相>ミロシェビッチ前大統領は「国内訴追を優(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のコーラッチ副首相は7日、毎日新聞との会見に応じ、国連旧ユーゴ戦犯法廷(オランダ・ハーグ)が身柄送致を求めているミロシェビッチ前連邦大統領について、「まずユーゴ国民がどう判断するかが重要だ」と国内訴追優先の考えを示した。この問題で、コシュトゥニツァ連邦大統領は戦犯法廷送致に消極的な上、前大統領と2度会談しており、副首相は「大統領は社会安定に前大統領の存在が必要とみているようだが、私はそうは思わない」と批判した。【ベオグラードで福井聡】
 副首相は「前大統領は現在、ベオグラード市内で暮らし、時折メディアとの会見も行っており、この状態は受け入れられない」とし、国内法廷での訴追推進を提唱した。米国が前大統領の国際法廷への身柄送致を援助の条件とし、3月末までの期限を設定した点については「国内で逮捕・収監されれば国際的な受け止め方も変わってくるだろう」と述べた。
 コシュトゥニツァ大統領の前大統領への対応については「大統領は国民すべての層との対話が重要としているが、交渉相手とならない勢力もあることを明確にすべきだ。選挙で選ばれた政治家として政治判断を下すべきだ」と批判した。また、「大統領は『近代化を一気に促進すれば固有文化が損なわれる』と考えているようだが、近代化促進と固有文化の保持は矛盾しない」と、改革の進め方に関しても大統領を批判した。
 ユーゴ連邦では原則重視型のコシュトゥニツァ大統領と親欧米派のジンジッチ・セルビア首相の間で路線の違いが表面化している。コーラッチ副首相はジンジッチ派。ただ、副首相は「連合体の現政権には意見の違いは当然あるが、大統領と首相に根本的な対立はなく、協調していける」と語った。
 副首相は「ユーゴは欧州連合(EU)入りを目指すが、NATOと戦争をしたばかりで、そのためにNATOに加盟するとの合意はない」と述べ、ロシアとも協力関係を築く意向を示した。[2001-02-09-18:30] 17
[このページの最初に戻る]

 02/09@◇NATO前事務総長がユーゴ訪問 空爆指揮に記者辛らつ◇(朝日新聞)

 欧州連合(EU)のソラナ共通外交上級代表が8日、ユーゴスラビアの首都ベオグラードを訪れ、コシュトニツァ大統領と会談した。一昨年、北大西洋条約機構(NATO)の事務総長としてユーゴ空爆作戦を指揮した人物だけに、記者会見場では地元記者から「どんな心境だ」「NATOが与えた損害と同じ額の援助をするのか」といった皮肉交じりの質問も飛んだ。
 復興計画などについてコシュトニツァ大統領と話し合ったが、NATOの空爆では民間人にも犠牲者が出ており、国民の間には最高責任者だったソラナ氏に対する反感も残っている。
 会見で同氏は「ともかくユーゴは欧州という家族の一員になる機会を得た。私はこの国の将来のために全力を尽くす」などと答えた。[2001-02-09-17:21] 18
[このページの最初に戻る]

 02/09@米、NMDで対ロシア先制 プーチン政権守勢に(共同通信)

 ブッシュ米政権が、米本土ミサイル防衛(NMD)の推進など早くも対ロ攻勢をかけている。NMD問題の行方は、北大西洋条約機構(NATO)第二次拡大問題とともに米ロ関係の将来を占う試金石。NMD阻止の決め手を欠き守勢に立つロシアのプーチン政権は手腕と威信を試されている。
 「大国ロシア」の地位回復を掲げるプーチン大統領は米政権の交代を機に、エリツィン前政権時代にユーゴスラビア・コソボ紛争などで冷却化した対米関係の修復を図る意向だった。ボロジン前ロシア大統領府総務局長がニューヨークで逮捕された事件でも、対米批判を控えてきた。
 だが、ロシアの弱みに付け入るかのように、ブッシュ政権は強烈な「ジャブ」を繰り出し始めた。ブッシュ大統領は先月末、クリントン前政権が判断を先送りしたNMD計画を推進する方針を確認。ラムズフェルド国防長官は、ロシアがNMD配備反対のテコとするABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約について「ソ連時代の条約で、ソ連はもう存在しない」と述べ、ロシアを格下扱いするような姿勢を見せた。
 ロシアの泣きどころは、NMD阻止の駆け引き材料に乏しいことだ。
 セルゲーエフ国防相は五日、ロシアがNMD配備への対抗措置として第二次戦略兵器削減条約(START2)を破棄し、単弾頭の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を多弾頭化する可能性を示唆した。しかし軍拡競争が再来すれば、ロシアは経済改革予算を国防費に回さなければならず「最悪のシナリオ」(カーネギー・センターモスクワ支部長代行のトレニン氏)という指摘もある。
 NMD阻止に向けたロシアの最後の頼みの綱は、ドイツやフランスなど米国の欧州主要同盟国での根強い配備反対論しかないとの見方もある。
 最終的には、第三次戦略兵器削減条約(START3)の保有弾頭数を千五百個以下に削減することを条件に、ロシアはNMD配備を容認するとの観測がモスクワでは根強い。
 だが、ブッシュ大統領は米国が今後「独自に」核削減を進めるとも述べ、冷戦時代以来約四十年間続いてきた米ロ核軍縮交渉から一方的に離脱する意向を示唆。そうなると、プーチン政権にとってNMDと核大幅削減との取引という落としどころさえ不確かになる。(モスクワ共同=吉田成之)(了)[2001-02-09-17:17] 20
[このページの最初に戻る]

 02/09@◇ロシア大統領がオーストリアを訪問 中立の行方に波紋◇(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領が8日、3日間のオーストリア公式訪問を始めた。「経済協力の推進」を掲げた訪問だが、実際の焦点は安全保障。東西冷戦のはざまで中立政策をとってきたオーストリアは最近、北大西洋条約機構(NATO)加盟も視野に入れ、安保政策の見直しを始めた。その矢先だけに、オーストリアの中立放棄がNATOの再拡大に弾みをつけかねないと懸念を示すロシア大統領の訪問は、波紋を投げかけている。
 プーチン大統領はこの日クレスティル大統領と経済協力協定などに調印後、記者団に「冷戦下、オーストリアの中立は世界にとって価値があることが証明されたが、我々はいまも、高く評価すべき『功績』だと思っている」と述べ、中立放棄に反対するロシアの立場を示した。
 プーチン大統領は週末、チロルのスキーリゾートに滞在しながら、スロバキアやスロベニアの首脳とも会う予定だ。ロシア側からみると、オーストリアより問題なのが、すでにNATO加盟を希望しているバルトや旧東欧諸国への拡大で、この機会にスロバキア、スロベニア両国に対しても冷ややかな意見をぶつけるとみられる。
 大統領はまた、オーストリア軍新型戦闘機の機種選定入札に向け、ロシア製ミグ29を含めるように滞在中に働きかけ、約25億ドルにも上るとされる旧ソ連時代からの対オーストリア債務の一部帳消しを提案する。しかし、オーストリア側の反応はそっけなく、実現の見込みは薄い。
 旧ソ連は第2次大戦後、オーストリアに軍を駐留させていたが、1955年、同国と米英仏ソの連合国が結んだ「主権回復条約」を受けて撤退。オーストリアは同年、これと引き換えに中立を宣言した。
 オーストリアの連立政権は「中立は意味を失った」とNATO志向を明確にしているが、世論は現状維持が多数派で、具体化のめどは立っていない。[2001-02-09-11:29] 21
[このページの最初に戻る]

 02/09@◇ユーゴ前大統領を3カ月以内に起訴へ 公金流用など◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のコラチ副首相は7日、朝日新聞記者と会見し、「ミロシェビッチ前大統領は遅くとも3カ月以内に国内で起訴されるはずだ」との見通しを明らかにした。最初の起訴の対象は私的財産への公金流用など、裏付けが比較的容易と見られる内容に絞る方針。一部の容疑については証人も確保しているという。在宅起訴でなく、逮捕を前提に捜査していることも認めた。
 コラチ副首相は昨秋の政権交代を実現させた「民主連合」の中心人物の1人。「もし前大統領を起訴できなければ政権の信頼が損なわれる」と裁判に向けた徹底捜査の意思を確認した。
 「政治がらみの殺人や殺人未遂にかかわった疑いもあるが立証は簡単ではない」といい、別荘や不動産を不正に手に入れた容疑や脱税などの捜査を優先する考えを述べた。特に息子に渡ったと見られる公金に関しては「進んで証言してくれる者が複数いる」と明かし、起訴の突破口となる可能性を指摘した。
 セルビアでは起訴までに警察、捜査判事、検察官の順で証拠固めが行われる。これに要する期間について副首相は「早ければ1、2カ月。遅くても3カ月以内」と明言した。ジンジッチ首相は2日に、起訴に向けた予備的な調査報告を「10日か2週間後に」公表できると語っている。
 国連旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷はコソボ紛争にからんで前大統領を起訴し、身柄の引き渡しを要求中。だがコシュトニツァ大統領は強く拒み、欧米諸国との関係はぎくしゃくしている。ユーゴは国内での起訴がたとえ4月以降にずれ込んでも捜査の進展をアピールすることで、欧米の理解が得られる妥協点を探ろうとしているようだ。[2001-02-09-07:45] 22
[このページの最初に戻る]

 02/09@◎ユーゴ加盟で作業部会設置=WTO(時事通信)

 【ジュネーブ8日時事】世界貿易機関(WTO)は8日の一般理事会で、ユーゴスラビアの加盟を審査する作業部会の設置を決めた。ユーゴでは昨年10月にミロシェビッチ政権からコシュトニツァ大統領に代わり、民主化を実現。今年1月24日にWTO加盟を申請した。 [時事通信社][2001-02-09-06:55] 111
[このページの最初に戻る]

 02/09@シャロン氏、アラファト氏と電話会談(読売新聞)

 【エルサレム9日=平野真一】イスラエルのシャロン次期首相は九日、パレスチナ自治政府のアラファト議長と、先の首相公選後初めて電話会談し、パレスチナ側が対イスラエル武力行使を全面停止しない限り和平交渉は再開しない、との立場を改めて通告した。和平政策で対立してきたバラク首相も「シャロン氏は過去の対パレスチナ合意事項に縛られない」との立場を打ち出しており、パレスチナ側は住民抑止と交渉内容見直しという二重の要求を突きつけられている。
 電話会談は議長の希望で行われた。この中で議長が、一月に中断したパレスチナ最終地位交渉を早く再開したいと述べたのに対し、シャロン氏は「交渉は進めたいが、暴力の完全終結が条件」と突き放した。
 対パレスチナ政策についてシャロン氏は、九日付イディオト・アハロノト紙のインタビューで、「タイムテーブルを設けずに不戦協定を目指したい」と述べ、当面、領土問題を棚上げして暴力終結に焦点を当てる考えを示している。
 一方、バラク首相の声明は、八日夜、クリントン前米大統領とそろって発表したもので、「すべての点で合意するまで何も合意していないのと同じ」との共通認識を表明した。首相はこれまでエルサレムの主権一部分割などの譲歩案を提示したが、パレスチナ側は拒否している。このため、シャロン氏に交渉のフリーハンドを与えるとともに、騒乱を放置しながら都合のいい提案だけつまみ食いしようとする議長への“懲罰”の意味もありそうだ。
 一方、シャロン氏は九日、エルサレムで、バラク首相と会談し、バラク氏の国防相就任と労働党の連立参加を促した。[2001-02-09-23:52] 119
[このページの最初に戻る]

 02/09@中国、チベット鉄道建設へ(読売新聞)

 【北京9日=杉山祐之】九日付の中国各紙によると、中国政府はこのほど、青海省ゴルムドとチベット自治区ラサを結ぶ「青蔵鉄道」建設計画を承認、早期着工の方針を決めた。同自治区で初の鉄道建設であり、西部大開発、経済発展を通じてチベット地域の安定、民族団結を図る政府の基本路線に沿う大事業となる。
 チベット鉄道建設構想は一九五〇年代からあった。これまで四川省ルートなども検討されてきたが、地形、コスト面の有利さから青蔵ルートに決まった。
 それでも同鉄道の全長は千百十八キロに達し、うち九百六十キロ以上の区間が海抜四千メートル以上に位置する。「世界で海抜が最も高く、最長の高原鉄道」(「人民日報」紙)の建設は、難事業になることが予想される。
 同鉄道の早期着工を指示したのは、江沢民国家主席だ。江主席は昨年十一月、「青蔵鉄道建設の必要性は十分ある。交通、観光業の発展、チベット地区と内地との経済文化交流を促進する上で非常に有利だ。できるだけ早く着工するよう決意しなければならない」と述べた。[2001-02-09-21:36] 120
[このページの最初に戻る]

 02/09@<元エルフ社幹部>エルフ・アキテーヌ社の素顔(毎日新聞)

Q フランスの国営石油複合企業だった「エルフ・アキテーヌ」(現在は民営化・合併を経てトタルフィナ・エルフ)の元幹部、アルフレッド・シルバン容疑者(74)の逮捕・送還に仏独政界が揺れている。同社はどんな存在なのか。
A エルフ社には二つの顔がある。エネルギー開発を急ぐドゴール仏大統領の肝いりで1966年に設立された優良大手石油会社としての表の顔。そして、仏政府に代わって国内外で政界工作や兵器ビジネスに携わってきた「政府の隠密別働隊」としての裏の顔だ。
 初代社長が元諜報関係者だった沿革からうかがえるように、同社は本業の石油・天然ガス開発・生産だけでなく、旧植民地のアフリカ諸国政府などとの太いパイプを利用した裏工作で「活躍」したとされる。民族自決の流れの中で、植民地を手放さざるを得なかった仏政財界が同社を通じて権益温存を図った側面もある。
 現在、耳目を集めているエルフ社関連の疑獄は、(1)旧東独国営製油所「ロイナ」買収に絡み、ミッテラン前仏大統領の指示でコール前独首相に選挙資金が提供されたとされる疑惑(2)台湾へのフリゲート艦輸出をめぐり、愛人に資金をつぎ込んで消極的なデュマ元仏外相を懐柔した工作(3)仏大物政治家らへの資金提供疑惑――に大別される。
 シルバン容疑者が注目されるのは、1989〜93年までエルフ社のナンバー2を務め、疑惑の全容を知り尽くしているためだ。4年に及ぶ潜伏生活を送っていたフィリピンで今月2日に逮捕された際には、携帯電話の通話記録チップを飲み込んで証拠隠滅を図った。「フランスを20回燃え上がらせるだけの秘密を知っている」と自称する男が、来春に大統領選挙を控えた仏政局流動化のカギを握っている。【福島 良典】[2001-02-09-21:35] 127
[このページの最初に戻る]

 02/09@<環境NGO>「市民フォーラム2001」が解散へ(毎日新聞)

 1993年に設立され、地球温暖化や生物多様性保全などの環境問題で政策提言などを行ってきた国内の非政府組織(NGO)の連合体「市民フォーラム2001」(会員約500人)が3月4日の総会で解散することが9日分かった。同フォーラムは、人材育成、財政ともに困難になってきたことを解散理由にあげている。昨年12月には、アースデイ日本・東京連絡所が10年の活動期間を終え解散しており、環境問題に取り組んできたNGOの解散が続くことになる。
 同フォーラムは92年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)に参加した日本の環境NGOが中心となって結成された。同サミットで採択された気候変動枠組み条約や生物多様性条約などについて、その後の動きを検証する日本の窓口としての役割を担い、「環境と貿易」などテーマごとのセミナーやシンポジウムを主催してきた。
 しかし、地球温暖化問題など次世代の利益のために啓発や政策提言を行う活動が中心のため、資金面や人材面で苦労を余儀なくされてきた。世界の情報窓口という役割も、インターネットの普及で意味が薄れてきたという。
 同フォーラム運営委員会では「組織はなくなるが、参加したメンバーそれぞれが新たな形で今後も活動を続ける」とコメントしている。
 解散総会は3月4日午後5時から、東京都千代田区の中央大駿河台記念館670号室で開かれる。 【高野 聡】[2001-02-09-19:35] 130
[このページの最初に戻る]

 02/09@<前ロシア大統領府局長>FBIの身柄拘束で国際事件に発展(毎日新聞)

 エリツィン・ロシア前大統領の“金庫番”といわれたボロジン前大統領府総務局長(現ロシア・ベラルーシ連邦事務局長)が汚職事件にからんだマネーロンダリング(不正資金洗浄)容疑で米連邦捜査局(FBI)に身柄拘束された。スイス捜査当局が国際手配していたもので、ロシア、ベラルーシ、米国、スイスの4カ国にまたがる事件に発展、ロシア国内でも対応をめぐり不協和音が出ている。 【モスクワ・石郷岡 建】
 スイス検察庁の発表では、ボロジン前総務局長はスイスの建設会社「マベテックス」にクレムリン宮殿の改修工事を発注し、リベートとして2500万ドルをスイスの銀行口座を通じて受け取ったとされる。
 これに対し、ロシア検察庁などは疑惑を否定。特に検察庁はスイス捜査当局からの資料引き渡しが十分でないとして昨年12月に捜査を打ち切った経緯がある。
 ロシア外務省はボロジン前局長の身柄拘束後、直ちに釈放を要請した。しかし、米政府は「司法の独立の原則から介入できない」と表明、スイス検察庁はあくまでも前局長の引き渡しを求め、三すくみの状態にある。
 これに対し、ベラルーシのルカシェンコ大統領は「ロシア・ベラルーシ連邦へのいやがらせだ」と怒りを爆発させ、「米国のスパイを摘発し身柄交換すべきだ」と演説。ロシア議会の共産党や民族派も一斉反発する騒ぎになっている。
 この中で沈黙を守ったのが、プーチン・ロシア大統領。わずかにブッシュ米大統領との電話会談の中で、「人道的措置」を要請したが強い姿勢は見せなかった。
 ブッシュ新政権と対決・衝突すれば、始まったばかりの米露関係がつまずく。そして「汚職追及に甘い政権」と西側諸国からの批判を浴びかねない。その一方で、ボロジン前局長の支援に動かないと、保守・民族勢力から不満が噴き出る。結局、静観するしかないとの結論になったようだ。
 その背後では、大統領府内部の「旧エリツィン」派と「新プーチン」派(サンクトペテルブルク側近グループや旧KGB出身者)の間で、権力抗争が繰り広げられたともいわれる。
 もっとも、ボロジン前局長が、なぜ訪米したのか、謎も多く、実はロシア国内の陰謀だとの説もある。
 ボロジン前局長はエリツィン政権時代、数百億ドルの資金を動かし、96年の大統領選の金庫番を務めた。また、議会対策など裏の資金の流れも指示していた。
 ウスチノフ検事総長の住居払い下げやコルマゴロフ次長のモスクワへの人事異動にも力を貸したという。
 その一方で、モスクワの孤児院や小児病院を支援し、4人の子どもを引き取って育てるという「善意の人」で、ロシアの一部マスコミは米拘置所へ新聞を送る運動を始めたほどだ。
 ボロジン前局長は、新生ロシアの裏の世界に精通した人物で、上層部の誰もが無関係ではない。どう対応すべきか、ロシア全体が迷っているのが実情だ。[2001-02-09-19:10] 135
[このページの最初に戻る]

 02/09@ロシア債務問題がテーマに G7、期限内の返済を促す(共同通信)

 イタリアのパレルモで十七日に開催される先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ロシアの債務返済問題が主要テーマの一つになる可能性が強まってきたことが九日、分かった。
 ロシアはプーチン大統領が債務を支払う方針を打ち出しているが、今年一月期限分の一部の返済は滞っているのが実情だ。パリクラブ(主要債権国会議)各国には、ロシアが定められた支払い期限までに公的債務を返済するか不信感が根強い。
 産油国であるロシア経済は、原油高で改善したと各国は判断しており、安易な債務繰り延べには応じられない姿勢で、G7の場であらためて期限通りの返済を促す構えだ。
 ロシアはG7のメンバーではないが、ここ数年は部分的に蔵相が出席。各国は金融部門などの構造改革を求めてきた。国際金融筋によると、二○○一年に支払い期限を迎えるロシアの公的債務は五十九億ドルで、このうち旧ソ連時代からの債務は三十五億ドル。
 ロシアとパリクラブの間ではこれまで、旧ソ連時代からの債務をめぐり数回にわたって、返済の繰り延べを実施。二○○○年末までに期限を迎えた債務は繰り延べ合意をしているか、返済している。
 ロシア内には今年返済分の債務も先送りしたい意向もあるが、債権国は今年以降に期限が来る債務の繰り延べは、安易に受け入れられないとの認識が強い。早期に債務返済をめぐる新たな合意が実現するのは困難な情勢だ。(了)[2001-02-09-17:22] 138
[このページの最初に戻る]

 02/09@◇戦場の「主役」ロボットに 英国防省30年後の戦争予測◇(朝日新聞)

 人々は食糧や水を求めて殺し合う。英国など先進国では戦死者を出すことを世論が許さないため、かわりにロボットが前線に。そもそも高齢化で若い兵士が集まらない――英国防省が、こんな「30年後の戦争」を予測した報告書を公表した。
 報告書は、2025年に人類の3分の2が水不足に苦しむと予測。民族・宗教対立に加え、水や食糧をめぐる紛争が増え、遺伝子技術を利用して農作物を破壊する攻撃やテロの脅威も深刻化するとしている。
 特に先進国では国際法の進展とメディアの影響力の増大で、大勢の犠牲者を出したり、環境を破壊したりするような作戦はとりにくくなる。英国では高齢化で兵役に適した年齢層が急減。温暖化に伴う海水面の上昇で、軍用の港や空港は深刻な被害を受ける。
 このため実際の戦場では生身の人間のかわりに、人工知能を備えた兵器や小型の戦闘ロボットが主役になると報告書は予測する。
 30年後も米国が世界唯一の軍事超大国であることにはかわりはなく、ロシアや中国、イスラエルによる武器輸出の継続に懸念を示している。だが、米国が恐れるようなミサイル攻撃の脅威は、次第に解消されていくと楽観している。[2001-02-09-16:10] 141
[このページの最初に戻る]

 02/09@◇ブッシュ大統領がアラファト議長に暴力回避の努力要請◇(朝日新聞)

 ブッシュ米大統領は8日、アラファト・パレスチナ自治政府議長と約15分間、電話で協議し、暴力行為をやめさせ、事態の沈静化のためにあらゆる努力をするよう促した。さらに、イスラエルとパレスチナの間の「公正で永続する和平」を支持する考えを伝えた。
 ブッシュ氏がアラファト氏と話したのは大統領就任後初めて。ワシントンのパレスチナ解放機構(PLO)事務所によると、議長は大統領に、中東和平プロセスが崩壊しないよう最大限の努力を払ってほしい、と要請した。
 パウエル国務長官もこの後、アラファト氏に電話し、直前にエルサレム市内で起きた車の爆発事件にふれつつ、「テロ行為を抑えるための措置」をとるよう要請した。
 パレスチナ側によると、長官は月末に予定されている中東訪問の際に議長と会談する意向を伝えたというが、米側はまだ、訪問先を明らかにしていない。パウエル氏は、アナン国連事務総長、チュニジアのベンアリ大統領、ロシアのイワノフ外相とも相次いで電話で協議し、中東情勢を中心に話し合った。
 一方、国務省のバウチャー報道官はこの日、クリントン前大統領が任期切れ直前に示した和平の仲介案について、「前大統領の退任に伴い、米政府の提案ではなくなった」と述べ、イスラエルとパレスチナの双方が交渉の土台として受け入れない限りは白紙に戻すとの考えを示した。[2001-02-09-12:19] 148
[このページの最初に戻る]

 02/09@2500言語が消滅の危機 保護必要と国連環境計画(共同通信)

 【ナイロビ8日共同】グローバリゼーションの進展によって世界中で二百三十四の言葉が既に消え、さらに約二千五百の言語が消滅の危機に陥っているなど、各国固有の文化や伝統が急速に失われていることが八日、ナイロビでの国連環境計画(UNEP)の環境会議で報告された。
 UNEPによると、このままでは百年以内に九○%の言語が消滅か消滅寸前になるという。言語も、自然環境と同様に保護していく必要があると指摘した。
 報告によると、パプアニューギニアの約八百言語など現在、世界には五千―七千の言語がある。しかし、高齢者しか話さなくなったものが約千言語、使う人口が百人未満になってしまったものが五百五十三言語など、消滅の危機にある言葉は二千五百言語以上。
 環境破壊などによって、これらの言語と自然界とのつながりも失われつつあり、この傾向は強まっている。
 UNEPは「一九○三年には二百八十七あったニンジンを表す言葉が、今では二十一に減ってしまった」と、これらの言語や文化の保護の必要性を訴えている。(了)[2001-02-09-07:55] 150
[このページの最初に戻る]

 02/09@◎アフガンに大島次長を派遣へ=人道状況悪化で支援訴え−国(時事通信)

 【ニューヨーク8日時事】アナン国連事務総長は8日、声明を出し、アフガニスタンで人道状況が急速に悪化しているとして懸念を表明するとともに、現地の状況を調べることなどを目的に、大島賢三人道問題担当事務次長(緊急援助調整官)を来週、アフガンに派遣することを明らかにした。
 アフガンは干ばつや内戦による影響で深刻な食糧不足に見舞われている。国連は約2億2900万ドルの対アフガン支援を呼び掛けているが、これまでに各国から寄せられた支援金は1400万ドル足らずにとどまっている。このため、アナン事務総長は国際社会に対し、緊急支援の必要性を改めて訴えた。 [時事通信社][2001-02-09-07:08] 152
[このページの最初に戻る]

 02/09@<振り子の和平>イスラエル首相公選 硬軟両にらみのアラブ(毎日新聞)

 「私がシャロン氏と話し合わねばならないかって?。向こうからやって来るなら別だが、私の方からは何の用もないね」
 中東和平交渉で仲介役を務めるムバラク・エジプト大統領は先月末、イスラエル民放テレビに出演、異例ともいえる冷淡な態度を示した。イスラエル首相公選で右派リクードのシャロン党首が当選することはアラブ諸国には、投票前から折り込み済みだった。ムバラク大統領の発言には、タカ派路線を鮮明にしているシャロン氏へのけん制の意味があった。
 これに対し、シャロン氏は独週刊誌に「ヨルダン川東岸(ヨルダン領)は歴史的にはイスラエル領だった」と発言、エジプトと並ぶ数少ないアラブの平和条約締結国・ヨルダンをも刺激した。
 シャロン氏は4度に渡るアラブとイスラエルの中東戦争に野戦指揮官として参戦。国防相時代の1982年には、イスラエル軍のレバノン侵攻を指揮、ベイルートへまで踏み込み、市民を含め多数の死者を出した。シャロン氏は今回の当選後も、パレスチナ和平をめぐり「統一エルサレムの基盤を強化する」と一歩も譲らない方針を表明、第3次中東戦争(1967年)で占領したゴラン高原のユダヤ人入植地堅持にも熱心な姿勢を示している。
 シリア国営ラジオは「バラク氏は悪だが、シャロン氏は最悪だ」と評した。約37万人のパレスチナ難民を抱えるレバノン、ゴラン高原返還問題がこう着するシリアなどを中心にアラブ諸国には、「仇敵」登場との思いが強い。
 アラブ諸国は90〜91年のイラク軍によるクウェート侵攻と湾岸戦争をきっかけに分裂した。だが、10年を超える国連経済制裁下、イラク国民が依然、窮乏生活を強いられる現状に、昨年以降、関係修復の動きが活発化している。
 ムバラク大統領は先月下旬、サウジアラビアを訪問、イラク制裁解除の可能性を協議したとされる。シリアがイスラエル軍による攻撃に備え、イラクとの軍事関係を強化するとの情報もある。中東では「シャロン氏という共通の敵が現れたことで、アラブの結束が加速される」(西側外交筋)との見方が支配的だ。
 だが、イスラエルとの対決ムードが高まる中、和平前進への期待は少なからず残っている。シリアのアサド大統領はシャロン次期政権との和平交渉再開の用意を表明。政府系紙「ティシュリン」は7日、「戦争犯罪人だからと言って、絶望状態に陥ってはならない」と指摘、ゴラン高原全面返還に向け、「我々の案をまとめなければならない」との論評を掲げた。
 エジプトは国交樹立以来、20年余のイスラエルとの外交関係を通じ、シャロン氏とも水面下で一定のパイプを持つとされる。エジプト・アハラム政治戦略研究所のナビル・アブデル研究員は「アラブ諸国は地域戦争がもたらす経済的損失などマイナス面を知り尽くしている。時期をみてシャロン氏との接触や交渉仲介の動きが出始める」と予測する。
 アラブ諸国は当面、シャロン氏への圧力を強めつつ、和平を模索する「両面にらみ」の構えのようだ。【エルサレム・小倉孝保】[2001-02-09-02:45] 155
[このページの最初に戻る]

 02/09@<東ティモール>新国家の大統領になるつもりない グスマン(毎日新聞)

 「東ティモール民族抵抗評議会」のシャナナ・グスマン議長は8日、ディリでインドネシア人記者団と会見し、「新国家の大統領になるつもりはない。候補者に推されても断る」と述べた。グスマン氏は東ティモールの最高指導者だが、最近、汚職への関与がささやかれ、指導力低下が指摘されている。【ジャカルタ支局】[2001-02-09-00:00]
[このページの最初に戻る]

 02/10@<マケドニア>国名論争でギリシャが新提案 日刊紙が伝える(毎日新聞)

 【ローマ10日井上卓弥】古代ギリシャ時代の地名マケドニアをめぐり、これを国名としているマケドニアと、「本家はこちら」と主張して国名変更を求めるギリシャの間で続く論争で、ギリシャ側がマケドニア側に変更の妥協案を打診していたことが分かった。マケドニアの日刊紙が8日付の紙面で伝えた。
 報道によると、ギリシャ側の提案は「国名を北マケドニアに変えれば、経済援助やビザの廃止、さらに欧州連合(EU)加盟への支援を約束する」との内容。変更要求に応じれば、両国関係の完全正常化を認める立場だという。報道についてギリシャ政府は「合意に達したわけではない」とコメントを控えている。
 旧ユーゴ連邦南端の共和国だったマケドニアは1991年に独立し、共和国名をそのまま国名に冠した。しかし「マケドニア」は紀元前4世紀に活躍したギリシャ系のアレキサンダー大王ゆかりの地名で、ギリシャでは現在も北部の主要都市テサロニキ一帯をマケドニア州と呼ぶ。このためギリシャは「後の時代(6世紀)に入植した南スラブ系民族が国名に冠するのは不当。マケドニア州への領土的野心を示すものだ」と強く反発した。
 両国関係は、マケドニアがアレキサンダー大王時代の王国の紋章を国旗のデザインに使おうとしたことからさらに悪化。93年4月の国連加盟時には、暫定的に「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」の名称が用いられた。ギリシャは94年に対マケドニア経済封鎖を実施するなど強硬姿勢をとってきたが、95年9月の国連の仲介や99年のコソボ紛争後、バルカン地域での主導権確立を狙い外交方針を転換している。[2001-02-10-17:30] 10
[このページの最初に戻る]

 02/09@◇セルビア共和国のジンジッチ首相がロシア訪問へ◇(朝日新聞)

 イタル・タス通信によると、ロシア外交筋は9日、ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のジンジッチ首相が21日にロシアを訪問すると語った。カシヤノフ首相らと会談し、ロシアからユーゴへの天然ガス供給問題などについて協議する見通し。ジンジッチ氏は昨年10月のユーゴ政変を率いた野党勢力の有力者。ロシアには、西側へ接近するユーゴとの友好関係を維持しておく狙いがあると見られる。[2001-02-10-00:45] 11
[このページの最初に戻る]

 02/10@<振り子の和平>イスラエル首相公選 ブッシュ路線不透明(毎日新聞)

 米国務省のバウチャー報道官は8日の記者会見で淡々と語った。
 「クリントン前大統領の仲裁案は、彼が退任したからには、米国案でも大統領案でもない」
 ブッシュ政権でも引き続き報道官を務めるバウチャー氏は、クリントン前大統領が「いつの日か必ず、合意の基礎になる」と強調した仲裁案が権威を失ったことを公式に宣告したのだ。それはパレスチナ問題の解決を目指す米国の和平仲介が「白紙」に戻ったことを暗示するような発言だった。
 タカ派のシャロン・リクード党首当選を受け、在米アラブ系団体からは「シャロン氏がセルビア人なら、国際社会は戦犯法廷に突き出す準備をしただろうに」と、旧ユーゴ紛争当時に起こった大量虐殺への関与などを問われ、起訴されたミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領とシャロン氏を同一視する声が上がっている。イスラエル軍のレバノン侵攻に伴い発生した民兵組織によるパレスチナ難民大虐殺(1982年)で関接的責任を問われ、シャロン氏が国防相辞任に追い込まれた過去を踏まえたものだ。
 一方、有力ユダヤ系団体「米国ユダヤ人委員会」のバリー・ジェイコブス戦略研究部長は毎日新聞に「イスラエルの首相公選は、近隣アラブ諸国ではあり得ない民主的な選挙だった。シャロン氏を批判する前に、周辺国は同氏がどんな政策を提示するかを見極めるべきだ」と語った。
 だが、故ラビン・イスラエル首相の政治顧問だったヨラム・ペリ氏はワシントンでの講演で「首相公選で問われたのは和平のあり方ではなく、イスラエルの国民一人ひとりの身の安全だった」と述べ、イスラエルが内向きの姿勢に転じ、和平への展望を見失ったことを指摘する。
 姿勢の変化は米国にも指摘できる。パウエル国務長官は記者団に外交の優先事項を問われ、「(ペルシャ)湾岸情勢、特にイラクに注意しなければならない」と答えた。長官はパレスチナ和平への努力を約束したものの、湾岸戦争(1991年)時の国防幹部を政権中枢に据えるブッシュ政権が、対イラク政策に力点を移しても不思議ではない。
 得票数をめぐって裁判闘争を繰り広げた後味の悪い大統領選で誕生したブッシュ政権の目が、2002年の中間選挙、04年の次期大統領選に向けられるのは自然な成り行きだ。エジプトとイスラエルの和平に貢献したカーター、湾岸戦争後に歴史的な中東和平会議を開いたブッシュの両元大統領は、共に再選に失敗した。クリントン前大統領が中東和平の仲介に本腰を入れたのも、2期目になってからである。
 ユダヤ系団体が強い政治的影響力を持つ米国では、中東和平の仲介にはリスクが付きまとう。仮にブッシュ政権が和平仲介でユダヤ系団体の不興を買えば、中間選挙での共和党の退潮を招き、再選の見通しも暗くなる。早々と「火中のクリ」を拾うことはない、というのがブッシュ政権の本音だろう。
 良くも悪くも面倒見のいいクリントン前政権の和平仲介は、中東の紛争・対立を抑える一定の効果を持っていた。だが、前政権とは一線を画そうとするブッシュ政権の和平路線はまだ、不透明なままだ。【ワシントン・布施 広】[2001-02-10-00:45] 70
[このページの最初に戻る]

 02/10@自衛隊派遣は慎重に 地域紛争で野中氏(共同通信)

 自民党の野中広務行政改革推進本部長は十日午後、京都市で講演し「周辺事態で米国が他国の地域紛争に入ったからといって自衛隊を派遣することに手を貸してはならない」と強調した。
 米国のブッシュ政権が、日本側に軍事面の役割強化を求める動きを示していることから、自衛隊の運用には慎重に当たるべきだとの考えを示したとみられる。
 野中氏は、日米同盟関係の重要性を指摘したうえで、この考えを表明した。(了)[2001-02-10-17:21] 84
[このページの最初に戻る]

 02/10@◇国連、寒波などに苦しむアフガンに大島事務次長を急派◇(朝日新聞)

 内戦と干ばつに加え、大寒波で多くの避難民が苦しんでいるアフガニスタンへ、国連は大島賢三・人道問題担当事務次長を来週早々に派遣する。現地を見てきた国連人道調整官が7日、「きわめて深刻な状況にある」と警告したことを受け、アナン事務総長が決めた。
 大島氏はパキスタン・イスラマバード経由で13日にカブール入りし、15日に避難民がいるヘラートを訪問する。この間、カブールでタリバーン政権の幹部とも会談するとみられる。
 国連は2億2900万ドルの対アフガン人道支援を呼びかけているが、これまで寄せられたのは1400万ドル足らず。大島氏の報告をまって、あらためて各国に支援を呼びかける。[2001-02-10-13:25] 87
[このページの最初に戻る]

 02/10@◇コロンビア「停戦」交渉、14日開始で合意◇(朝日新聞)

 コロンビアのパストラーナ大統領は9日、ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)のマルランダ最高司令官とともに同国南部ロスポソスで記者会見し、政府軍とFARCの「停戦」をめざす和平交渉を14日に始めることと、交渉の中断を防ぐ監視委員会の設置などで合意したと表明した。交渉の頻度や参加者の枠を大幅に広げて、三十数年間にわたる内戦の沈静化を図る。ただし、いずれも軍事力の増強は続けており、交渉で具体的な成果が生まれるかどうかは予断を許さない。
 一昨年からの和平交渉が昨年11月に中断して緊張が高まったため、大統領と最高司令官は8、9両日、政府がFARCの支配を容認する緊張緩和地域で会談した。
 共同声明によると、和平交渉は過去の週1回程度から週3回ずつに増やし、並行してテーマ別の協議の場を新たに設けることで合意。交渉の中断を防ぐために殺傷事件などの原因を調査する監視委員会と、武力紛争を防ぐ有識者による委員会を近く設置する。
 今月末には国内の政財界や労組、教会関係者を招く和平討論会を開催。3月8日にはコロンビアの友好国や国際機関の代表を招き、交渉の報告会を開くことも決めた。
 内戦は政府軍、FARC、右派民兵組織の3つどもえで、過去10年間に民間人約3万5000人が殺された。共同声明では、民間人の殺害などで人権侵害を批判されている右派民兵組織の活動を抑えるために、政府、FARCが紛争防止委員会で協力することでも一致した。
 コロンビア政府は米国から軍事関連中心の援助13億ドルの受け入れを始めている。マルランダ最高司令官は「戦争に投資をするよりも、社会事業に投資をするべきだ」とけん制した。一方のFARCの兵力は1990年の約1万人から、現在は約1万7000人に増強されている。
 パストラーナ大統領は「成果を得るために交渉の場を拡大した。和平の過程が再び軌道に乗ることを信じている」と述べた。[2001-02-10-10:48] 89
[このページの最初に戻る]

 02/10@国連部隊のコンゴ展開訴え ベルギー首相(共同通信)

 【ブリュッセル9日共同】ベルギーのフェルホフスタット首相は九日、ルワンダのカガメ大統領との会談後に記者団に対し、コンゴ(旧ザイール)紛争終結に向け、国連部隊を早急にコンゴに展開させるよう訴えた。
 首相は今後数週間のうちに、和平に向けた「本物の進展」が期待できるとした上で「最低限の国連監視団や部隊」の展開が必要だと強調。コンゴの旧宗主国として、自らも和平実現に尽力する意向を示した。
 コンゴ紛争では、ルワンダがコンゴの反政府勢力を支援。暗殺されたローレン・カビラ前大統領は国連の本格展開に難色を示していたが、ジョゼフ・カビラ新大統領が停戦協定順守を確約、和平実現の機運が高まっている。(了)[2001-02-10-10:02] 91
[このページの最初に戻る]

 02/10@ギニア南部で戦闘再燃(共同通信)

 【アビジャン9日共同】ギニアで活動する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ギニア南部のゲケドゥで九日、ギニア政府軍と反政府勢力の戦闘が再燃し、約十五キロ北のニャエドゥにある難民キャンプから多数の難民が徒歩で避難し始めた。
 UNHCRは六日から、ニャエドゥに収容されているシエラレオネなどからの難民約三万四千人を約二百キロ北にあるファラナに移す作業に着手。八日は政府軍の道路封鎖で作業が中断されたが、九日にトラック十五台が再びキャンプに向かい約千人を乗せたところ、乗り切れなかった難民らが徒歩で避難を始めた。
 ルベルス高等弁務官は十日からギニア入りして現状を視察する。(了)[2001-02-10-09:53] 92
[このページの最初に戻る]

 02/10@NMD、最新兵器を優先 時代の要請に合わせ米軍改革(共同通信)

 【ワシントン9日共同=近沢守康】ブッシュ米大統領が政権発足早々、一方的な核削減の方針を打ち出した。これは世界最強の軍事力を持つ米国が、基本戦略の重点を冷戦時代の主役だった戦略核兵器から、時代の要請に合ったミサイル防衛システムや通常兵器の近代化に移したことを意味する。
 ある程度の戦略核兵器は維持しつつ、軍の組織を「上から下まですべてにわたって」(ブッシュ大統領)見直し、浮いた国防予算を米本土ミサイル防衛(NMD)システムの開発を含む兵器の近代化に振り向けるのが米政府の方針。NMDを本土防衛の柱とし、一方で通常兵器の近代化を加速させ、機動力の高い戦闘集団を編成するのが目的だ。人工衛星への攻撃に備えた宇宙防衛にも力を入れる。
 背景には、二十一世紀には湾岸戦争のように大規模な部隊が展開する戦争の可能性は低く、地域紛争での市街戦やテロリストの攻撃への対処を迫られる局面が増えるとの軍事専門家の一致した意見がある。
 ブルッキングズ研究所の軍事アナリスト、マイケル・オハンロン氏は「冷戦時代の遺物に縛られ、最新鋭兵器の開発を怠ることが最も危険だ」と指摘、NMDやF22戦闘機など、常に時代の要請に合致した世界最先端の兵器を自らの手で開発することが優位性を保つ秘けつと強調している。(了)[2001-02-10-09:37] 94
[このページの最初に戻る]

 02/10@900人がケニアに避難 タンザニア(共同通信)

 【ナイロビ9日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ナイロビ事務所は九日、タンザニアの島しょ部ザンジバルから同日までに八百九十人が難民としてケニアに避難してきたと発表した。流入は続いており、まもなく千人は超えると予測している。
 ザンジバルでは不正を理由に昨年十月の総選挙などのやり直しを求める野党、市民統一戦線支持者らと警察隊とが先月末から再三衝突、少なくとも三十数人が死亡している。(了)[2001-02-10-08:44] 95
[このページの最初に戻る]

 02/10@元テニス選手のアムリトラジさんを任命 国連平和大使(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】アナン国連事務総長は九日、国連平和大使にインドの元テニス選手でアナウンサーのビジャイ・アムリトラジさんを任命した。
 アムリトラジさんはウィンブルドン選手権やデビスカップなどで活躍、一九八九年から九四年まで男子テニスのプロ選手協会(ATP)の会長を務めた。最近はエイズの拡大防止のための慈善活動に力を入れている。
 国連平和大使は軍縮、人権などに関心が強い著名人を対象に、米俳優のマイケル・ダグラスさん、プロボクシングの元世界ヘビー級チャンピオンのムハマド・アリさんら七人が既に任命されている。(了)[2001-02-10-08:32] 97
[このページの最初に戻る]

 02/10@仏英大使館の統合を検討(共同通信)

 【パリ9日共同】フランス南部カオールで九日開いた仏英首脳会談を受けて、ベドリヌ・フランス外相とクック英外相は「在アフリカ諸国の両国大使館統合や、両外相が同行するアフリカ歴訪など、対アフリカ外交の協力を検討する」との共同声明を発表した。
 声明は「アフリカの多くの紛争を解決に導くため、フランスと英国が一体となって対処することが必要だ」と強調。詳細な時期などは明記していないが、年内に両外相が一緒に西アフリカを歴訪することを決め、大使館統合の可能性を検討するとしている。(了)[2001-02-10-08:28] 99
[このページの最初に戻る]

 02/02@◎偽旅券疑惑に揺れる仏サッカー(時事通信)

 【パリ1日時事】サッカーのフランスリーグが偽旅券疑惑に揺れている。1日にはサンテチエンヌのブラジル人ストライカーのアロージオがポルトガルの無効旅券を使用した容疑でリヨン警察の尋問を受けるなど、大きな問題に発展している。
 この問題は、サンテチエンヌが偽旅券を持った2選手を起用して、勝ち点7をはく奪されたのを手始めに、モナコの元チリ代表DFコントレラスがイタリアのパスポートを不正に使用したことが発覚。モナコは勝ち点2を抹消され、コントレラスは4カ月間の出場停止処分を受けた。メツのコロンビア人GKモンドラゴンにも偽造パスポートの疑いが掛かっている。
 フランスリーグでは、欧州連合(EU)外の外国人選手枠は3人に制限されているため、EU外の外国人選手はEU内の国籍を得ようとしており、同リーグでは今季、多くのクラブと選手に対する調査を行っている。(了)[時事通信社] [2001-02-02-09:53] 17
[このページの最初に戻る]

 02/04@◎ユーゴ代表監督が辞任=サッカー(時事通信)

 ユーゴスラビア・サッカー連盟が3日、同国代表のイリヤ・ペトコビッチ監督の辞任を了承した。ベオグラードのメディアが伝えた。ペトコビッチ監督は昨年7月に2年契約で就任したが、中国のクラブチームから監督就任要請を受け、契約解消を求めていた。後任には、同国代表チームの前主将を務めたJリーグ名古屋のドラガン・ストイコビッチ選手らの名前が挙がっている。 (DPA時事)[時事通信社] [2001-02-04-13:24] 71
[このページの最初に戻る]

 02/05@外国人サッカー選手、EU旅券の不正取得明るみに(読売新聞)

 【ロンドン5日=川島健司】欧州連合(EU)加盟国のサッカーリーグで、外国人選手をEU域外選手扱いされずにプレーさせようと、EU域内のパスポートを不正に取得したとおぼしき事例が相次いで明るみに出て、問題となっている。
 フランスでは、サンテティエンヌが、ポルトガルの偽造旅券を持ったブラジル人選手を起用したとして、勝ち点7をはく奪された。昨季王者のモナコでも、チリ選手がイタリアのパスポートを不正使用したとして、勝ち点2をはく奪されている。
 イタリアでは、ウディネーゼのブラジル人の2選手が、やはり不正パスポートで国際試合のためにポーランドへ入国しようとして空港で捕まったほか、先週にはインテル・ミラノのウルグアイ人ストライカー、レコバが検察当局の調べを受けた。レコバの場合は、典型的な南米出身選手の疑わしいケースだ。
 レコバは97年にインテルに入団したが、世界中から有名選手を集めたチーム内で外国人枠が障害となって出場機会に恵まれず、99年にはベネチアに一時、レンタル移籍。その間にレコバは、祖先にイタリア出身者がいるとして、イタリア国籍を取得。インテルに戻った現在は、EU内選手としてプレーしている。
 彼の場合、果たして本当にイタリア出身の祖先がいたかどうかが、調査の対象になっている。また、同様にイタリアのパスポートを取得したラツィオのアルゼンチン代表MFベロンについても、果たして本当にイタリア人の祖先がいたかどうか調査が行われている。
 このほか、イングランドでも、今季アーセナルに入団しようとしたブラジル五輪代表のエドゥが保持していたポルトガルのパスポートが偽造品だとして、いったんはヒースロー空港で入国を拒否され、先ごろ、EU外選手として改めて入団が認められた事例がある。
 こうした事態に、英国のホーイ・スポーツ担当閣外相は、現在のEU議長国スウェーデンに相談し、EU全体として対策を講じる必要があるとしている。
 一連の不正疑惑には、〈1〉各国リーグには、登録できるEU域外の選手は1チーム5人まで、出場できるのは3人までという規定があるが、EU域内のパスポートさえあれば、外国人枠扱いされない〈2〉EU域内のパスポートは祖先がEU域内出身者なら交付されており、元をたどれば大半が欧州出身の南米の選手が、その恩恵を受けやすい――といった背景がある。
 欧州では、こうした不正パスポートの取得に非合法組織が関与している疑いがあるとの報道もあり、今後、実態の調査が進むとさらに大きなスキャンダルになる可能性もある。 [2001-02-05-21:59] 84
[このページの最初に戻る]

 02/05@韓国での日本批判が拡大 W杯名称、新聞論調も硬化(共同通信)

 【ソウル5日共同】日韓共催のサッカー二○○二年ワールドカップ(W杯)の日本国内での大会名称が英文の公式表記とは逆に日本を韓国より先に表示される問題で、韓国内で日本側への批判が拡大している。
 日本組織委員会(JAWOC)が二日に、従来の主張通り「日本・韓国」の表記順序を確認したことをきっかけに、これまで冷静な対応をしていた韓国の新聞各紙もいっせいに日本批判のトーンを強めた。
 五日付の有力紙、朝鮮日報は「日本は国際サッカー連盟(FIFA)合意を守るべき」との署名入りのコラムを掲載。「日本側の最近の態度は共同開催のためのパートナーシップからは距離がはるかに遠い」と批判した。
 東亜日報、韓国日報は、韓国組織委員会(KOWOC)の広報担当者の「日本が名称変更の主張を続けるなら、決勝戦の日本開催合意の見直しも」との発言を基に「決勝会場も再度、論議」との刺激的な見出しを掲げた。一九九六年に、決勝会場は日本に譲る代わりに、公式名称は「韓国・日本」と韓国を先に表記することに決まった経緯を踏まえた論調だ。
 一般世論もこうした動きに反応し、これまでは一部インターネットサイト上にとどまっていた日本批判が街頭運動に発展。五日には市民グループがソウルの日本大使館が入居しているビル前で抗議集会を開いた。「約束を簡単に破ってしまう日本に怒り」などの声明が出た集会を、多くの韓国メディアが取材した。(了) [2001-02-05-19:35] 9
[このページの最初に戻る]

 02/06@◎ストイコビッチ引退に合わせキャンペーン=Jリーグ・名古(時事通信)

 今年7月に引退するドラガン・ストイコビッチの最後を飾ろうと、サッカーJリーグ1部(J1)の名古屋が大々的なキャンペーンを展開する。DVDや写真集などストイコビッチに関連する商品の販売のほか、引退試合の開催などを計画。有名選手の在籍中に集客力を取り戻そうとの狙いもあるようだ。
 昨年末にクラブの職員がユーゴスラビアを訪問し、ストイコビッチとキャンペーンについての打ち合わせを済ませた。
 DVDにはユーゴスラビア1部リーグ、レッドスター時代から、名古屋での活躍、最後の試合までを収める予定。チーム専属カメラマンが撮影した写真集とともに、引退後、書店などで販売する計画だ。
 開幕前に制作するJリーグPRポスターにもストイコビッチを起用する。Tシャツなども試合会場などで販売。また、日本での活躍を写した写真展を各地で行うことも検討している。
 名古屋の昨季の観客数は1試合平均1万4000人余りで、最多だった1994年に比べ8000人近く減った。人気があった望月、平野ら3選手の退団で、今季の観客動員は一層の苦戦が予想される。
 最後の最後まで“ピクシー人気”にあやかることになるが、クラブ側は「一番人気がある選手はやはりストイコビッチ。彼がプレーしている間に、少しでも競技場に足を運んでほしい」(事業部)と期待している。(了)[時事通信社] [2001-02-06-05:53] 35
[このページの最初に戻る]

 02/06@偽イタリア人が24人? 伊サッカー界大揺れ(共同通信)

 欧州のサッカーリーグでは今、欧州連合(EU)加盟国以外の外国人選手による旅券の不正入手疑惑が問題になっているが、イタリアでも一部リーグ(セリエA)の7チームに所属する少なくとも二十四選手が“偽イタリア人”の疑いで捜査対象となっていることが明らかになり、サッカー界は不正疑惑で大揺れだ。
 ANSA通信などによると、北東部ウディネの検察当局は、地元ウディネーゼのほかローマ、ACミラン、インテルミラノ、パルマ、バリ、ナポリの各チームに入団する際、イタリアの旅券を入手したEU加盟国以外の二十四選手を対象に、旅券取得に不正がなかったかどうかを調べている。ローマの捜査当局もこれ以外の選手らについて調査中という。
 セリエAの規則では、1チームに所属できるEU加盟国以外の外国人選手は五人以内で、試合の出場枠は三人以内となっている。父母や祖父母らがイタリア、スペインなどの出身の場合、本人も同じ国籍を認められ、旅券を入手すれば、外国人枠から外れる。
 ラツィオのベロン(アルゼンチン)は既に昨年十月、イタリア市民権取得のため出生証明書を偽造した疑いで起訴請求され、インテルミラノのレコバ(ウルグアイ)も不正にスペイン旅券を入手した疑いで捜査されている。(ローマ共同=桜井三夫)(了) [2001-02-06-16:03] 19
[このページの最初に戻る]

 02/09@◎サラエボが2010年冬季五輪立候補=2010年冬季五輪(時事通信)

 【サラエボ8日AFP=時事】ボスニア・ヘルツェゴビナの首都、サラエボが8日、2010年冬季五輪開催地への立候補を決めた。市議会で正式に決定し、同国の五輪委員会が明らかにした。サラエボは1984年冬季大会を開催している。  内戦の影響で政治、経済的な情勢が懸念されるが、同委員会は、五輪が経済復興を促進させ、民族間で分断された国を再びまとめる絶好の機会としている。84年大会の際に使用された施設のほとんどは内戦で破壊されている。(了)[時事通信社] [2001-02-09-12:47]

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [論文]   [リンク]