最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(01/21, 2001)


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 01/16@<国連改革>国連平和維持活動の機能強化に着手(毎日新聞)
 01/16@<特報・PKO>総額100億円相当の「浪費」内部調査で判(毎日新聞)
 01/16@<生き延びたフセイン政権>石油利権巡り各国の企業が攻勢(毎日新聞)
 01/16@<負の明細書・国連の裏側>国際法廷でも不正続々(毎日新聞)
 01/16@劣化ウラン弾と白血病の関係薄い…仏国防省(読売新聞)
 01/16@<劣化ウラン弾>NATOが専門委員会で使用状況などを説明(毎日新聞)
 01/16@クリントン政権の轍踏むな イラン外相が注文(共同通信)
 01/16@<ミャンマー>軍事政権がアウンサンスーチーさんに柔軟路線(毎日新聞)
 01/16@<NATO>事務総長がアルメニア入り ロシアとの綱引き始(毎日新聞)
 01/16@<負の明細書>国連の裏側 PK0基地に眠る資材(毎日新聞)
 01/16@スペインが欧州1位 欧州サッカー連盟(共同通信)
 01/17@<国連>欧州本部、10年間横領気づかず 予算と監査、一幹(毎日新聞)
 01/17@<湾岸戦争10年>「一国」から「多国籍」 米新政権揺れる(毎日新聞)
 01/17@<社説>湾岸戦争10年 世界は教訓を生かしたか(毎日新聞)
 01/17@誘拐恐れ、護衛を要請 ユーゴのミロシェビッチ前大統領(共同通信)
 01/17@「バルカン症候群」NATOがウラン弾説否定(読売新聞)
 01/17@<湾岸戦争10年>イラク 物ごい増え、人材流出 長引く制(毎日新聞)
 01/17@◇震災のさなか内戦の和平調印から10年 エルサルバドル◇(朝日新聞)
 01/17@湾岸戦争10年、イラク大統領が「米と対決」強調(読売新聞)
 01/17@<湾岸戦争10年>各国の外交戦略の変遷と今後=上(毎日新聞)
 01/17@<湾岸戦争10年>各国の外交戦略の変遷と今後=下(毎日新聞)
 01/17@<国連>UNDPの元管理職が横領 10年間で2億円以上(毎日新聞)
 01/17@国民は消耗、国際的批判も コンゴのカビラ大統領(共同通信)
 01/17@東アジアの米軍兵力の見直し示唆…国防報告(読売新聞)
 01/17@米軍は東アジアの安定装置 10万人体制に触れず 米国防報(共同通信)
 01/17@<エルサルバドル震災>救援が続々と集まる 日本の医療チー(毎日新聞)
 01/17@◎奴隷貿易問題でアフリカと欧米が対立=国連人権世界会議が(時事通信)
 01/17@サッカーの代表新監督、ラジオDJにだまされる(読売新聞)
 01/18@<劣化ウラン弾>イラクに再び国際的関心 湾岸戦争での被弾(毎日新聞)
 01/18@◇ミロシェビッチ前大統領夫人がモスクワから帰国へ◇(朝日新聞)
 01/18@ユーゴ連邦の将来像、三者協議は不調(読売新聞)
 01/18@北朝鮮との関係は再点検 パウエル氏、対日重視強調 次期政(共同通信)
 01/18@オランダ人狙撃兵が投降 アルバニア系組織に参加か(共同通信)
 01/18@◎ミリノビッチを獲得=Jリーグ・市原(時事通信)
 01/18@祖国ユーゴから出場のドキッチ、悩みは父親問題(読売新聞)
 01/18@在日に門戸開放を決定 日本サッカー協会理事会(共同通信)
 01/18@<サッカー協会>準加盟チームにJFLや社会人リーグを解放(毎日新聞)
 01/19@<米大統領>テレビで「お別れ演説」 空前の好景気達成を強(毎日新聞)
 01/19@新政権の大型減税に反対 米大統領がさよなら演説(共同通信)
 01/19@<バルカン症候群>NATOが否定もパニックが拡大 イタリ(毎日新聞)
 01/19@<緒方貞子氏>日本の社会全体は内向化している、と懸念を表(毎日新聞)
 01/19@安保政策への警戒深める 米新政権発足で欧州(共同通信)
 01/19@<米大統領>テレビで「お別れ演説」 空前の好景気達成を強(毎日新聞)
 01/20@◇大使館誤爆事件で中国に米から賠償金2800万ドル◇(朝日新聞)
 01/20@<国交回復>ユーゴとアルバニアが約2年ぶりに(毎日新聞)
 01/20@対ユーゴ制裁を全面解除 クリントン米大統領(共同通信)
 01/20@<クリントン米大統領>リック・ロックウェル氏に聞く(毎日新聞)
 01/20@<クリントン米大統領>評価分裂 経済繁栄とモラルは低下(毎日新聞)
 01/20@ソマリアでも使用か 米軍の劣化ウラン弾 (共同通信)
 01/20@◎ODA削減論22%、過去最高に=外交世論調査(時事通信)
 01/20@北朝鮮への関心度63% 韓国に親しみは過半数 外交世論調(共同通信)
 01/20@途上国への経済協力、削減・廃止意見が27%(読売新聞)
 01/20@「変革と繁栄」誓う ブッシュ米大統領が就任 8年ぶりに政(共同通信)
 01/20@国連が世界地方自治憲章 居住問題解決は分権で(共同通信)
 01/20@世界自治憲章のポイント(共同通信)
 01/20@◇中東和平交渉「クリントン後」に照準◇ (朝日新聞)
 01/20@PKO要員のエイズ予防を 国連が対策を本格化(共同通信)
 01/20@<ニュース展望>イスラエル首相公選 シャロン氏なら和平暗(毎日新聞)
 01/21@<米大統領>ブッシュ新政権の課題=外交 (毎日新聞)
 01/21@<米大統領>ブッシュ就任演説 国民の結束を呼びかけ(毎日新聞)
 01/21@期待と不安の世界各国 米新政権の動き注視(共同通信)
 01/21@コステリッツが回転女王 W杯アルペンスキー(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 01/16@<国連改革>国連平和維持活動の機能強化に着手(毎日新聞)

 国連は今年、国連平和維持活動(PKO)の機能強化に着手すると共に、紛争と飢饉、貧困、病気のまん延に苦しむアフリカの救済に力を注ぐ。いずれも費用のかかる作業が集中するため、国際社会の理解、支持を得られるかどうかが大きなポイントになりそうだ。【ニューヨーク・上村幸治】
 「国連の2001年の最大の課題は、国連平和維持活動(PKO)の機能強化だ」――国連のアナン事務総長は昨年末、アフリカでPKOの活動が困難に直面していることを認め、機能強化の重要性を改めて強調した。
 コンゴ民主共和国(旧ザイール)やアンゴラでは、いまだに泥沼の紛争が続いている。シエラレオネでは昨年、500人もの国連要員が拘束される事件が起きた。いつ、虐殺などが起きても不思議でない。
 PKO強化案が浮上したのは、1994年のルワンダ大虐殺に対する反省がきっかけだった。この時、国連はPKO要員を現地に派遣しながら、虐殺を阻止できず、約80万人が犠牲になった。このため、PKOの緊急展開部隊の創設や事務総長の権限拡大といった方向で、議論が続いている。
 アナン事務総長は同時に「人道的介入」(人道問題を理由に他の国に軍事介入などを行うこと)についても、議論を促している。すでにこの問題を審議する「介入と国家主権に関する国際委員会」が活動を始めており、今年秋までに介入を認める場合の基準をまとめ、国連に報告する。
 人道的介入がクローズアップされたのは、ユーゴスラビア・コソボ紛争だった。99年3月、北大西洋条約機構(NATO)は、現地で民族浄化が起きていると指摘、「人道被害の防止」を理由に、安保理決議なしで空爆に踏みきった。
 その後、国連などで「それでは、より深刻なアフリカの国々に対し、人道介入する必要はないのか」という声が出るようになった。
 つまり、PKOも人道的介入も、アフリカの現状を念頭において議論されている。それだけ、アフリカの問題が深刻だと言える。
 しかも、アフリカには貧困と飢饉、伝染病・疾病対策といった課題も横たわっている。世界食糧計画(WFP)のキャサリン・バーティーニ事務局長は「残念だが、アフリカでは2001年も飢餓が続き、さらに悪化する懸念がある」と話している。
 冷戦が終わってから、国連はほぼ10年間、多発する地域紛争への対応に振り回されてきた。その一方で、加盟国の国連に対する要求も、どんどん幅広くなっている。平和と安全の維持だけでなく、開発支援、貧困、女性、子ども、高齢者、人権、グローバリズム対策などあらゆる問題が持ち込まれるようになった。
 国連としては、アフリカを突破口に「頼りになる国連」というイメージを作り上げ、市民生活に降りかかる身近な問題にも目配りしていくことになる。
 ただし、PKOの機能強化や人道介入容認の動きが進むと、将来PKO予算が急増する事態が考えられる。その一方で、米国など先進国を中心に、治安の悪い地域へのPKO要員派遣をしぶる動きも出ている。国連の課題が増えすぎて、すべて未消化のまま宙に浮いてしまうのでは、と懸念する声もある。
 昨年暮れの国連予算をめぐる審議では、EU(欧州連合)が予算分担率の増加に激しく抵抗した。他の国が「EUには拒否権のある安保理常任理事国が2つ(英仏)ある。日本は拒否権を持たないのに、予算の20%も負担している」と抗議する一幕があった。
 「拒否権を持っている国は、もっとお金を出すべきだ。それが嫌なら国連改革、安保理改革に応じるべきだ」という発想だ。つまり予算審議は、国連のあり方、国連改革そのものと連動していた。
 国連予算は、事務局の職員の人件費など組織運営に使う通常予算と、平和維持活動(PKO)予算などに分かれている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)といった機関の予算は、各国からの任意拠出金や募金でまかなう。
 国連は昨年暮れ、通常予算の各国分担率を改定し、PKOの予算分担率についても算出基準を見直した。その結果、米国の通常予算分担率が25%から22%に、日本の分担率が20・573%から19・629%に引き下げられた。
 もっとも、ここ数年、米国などの要請で、通常予算の規模は抑えられ、職員の数も削減されている。職員の給与水準も抑えられており、先進国から国連に就職した場合、収入が減ることがある。一方、発展途上国からの人間は、国内水準よりかなり高い給与を得る。そういうことから、「特権階級意識を持ってしまう人がいる」との指摘もある。
 国連平和維持活動(PKO)
 武力紛争地域の停戦監視をはじめ、選挙管理、人道的救援、国内秩序安定などを目的に、軍事監視団や平和維持軍(PKF)を派遣する国連の活動。加盟国の軍事関係者のほか、国連職員、ボランティアが協力する。1988年、ノーベル平和賞を受賞した。
 48年、アラブ・イスラエル紛争解決のため、国連停戦監視機構(UNTSO)をエルサレムに派遣したのが、最初のPKOとなった。56年には、スエズ紛争終結を受けて、初のPKFとなる国連緊急軍がシナイ半島に展開した。最近では、ユーゴスラビア・コソボ自治州の暫定統治や、東ティモールの独立に向けた暫定行政機構の設置などの活動が行われている。
 日本は文民要員の派遣をしていたが、92年6月に国際平和協力法を成立させ、自衛隊のPKOへの本格的参加が可能になった。紛争当事者間の停戦合意の存在、受け入れ国の同意、中立性の維持などを参加条件としている。同年、カンボジアに自衛隊員が派遣された。【野村 隆宏】[2001-01-16-03:06] 46
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 01/16@<特報・PKO>総額100億円相当の「浪費」内部調査で判(毎日新聞)

 【ジュネーブ15日福原直樹】国連の平和維持活動(PKO)について、1995年以降だけで総額100億円相当の「浪費」が内部査察で指摘されていたことが15日、毎日新聞の調べで分かった。査察では、物資購入に絡む不必要な出費、出張費の水増し、不要なポスト増設などのずさんな管理が浮き彫りになり、PKO担当部局に改善を勧告した。日本は国連PKO経費の約2割、約190億円の分担金(99年)を負担しており、多額の使途が内部査察で問題視されたことで、国連内部の管理のあり方が問われそうだ。
 国連の内部査察室(OIOS)の報告書(95〜2000年)によると、ハイチ(93年〜)の国連PKOでは予定していた納入業者との契約が遅れ、この間、別の業者から不必要に高額な物資を購入、約8億円を無駄に費やした。
 さらに、アンゴラ(95年〜)では、運送業者が払うべき経費7000万円を支払ったり、国連本部と現地事務所が同じ物資に保険を二重にかけるなど、30億円相当の不必要な支出や発注が見つかった。使わない発電機を7億円購入した例(96年クロアチア)なども指摘されている。
 一方、ソマリア(92〜95年)など5部隊では、業者と物資の支払金額を巡って対立。業者側は国連仲裁裁判所に提訴し、30億円の支払い命令に加え、銀行利子支払いなどで7億円以上を失っている。
 さらにイラク・クウェート(91年〜)では96年までに、総額6億円以上の水増しした出張費が払われ、国連行政裁判所の返還請求訴訟に発展した。同様の水増し請求はタジキスタン(94年〜)でも約3000万円分が判明している。
 キプロス(64年〜)やインド・パキスタン(49年〜)では、約100ポストが不必要と指摘され、年間約2億円以上の人件費を長年、浪費していた。
 過去5年間で内部査察室に問題を指摘されたケースは20部隊以上に上り、国連PKO全体の大半を占めた。査察後、PKO側は総額100億円の一部を回収したり、支出を停止している。国連PKO局のウィムハースト広報官は「勧告に従い、改善の努力をしている」と話しているが、報告書は「引き続き優先して査察対象にするべき分野」とPKO活動への厳しい姿勢を強調している。
 内部査察室は、初の独立した国連事務総長直属の監査組織として94年に発足した。毎日新聞が入手した約600ページに上る報告書は、ずさんな組織管理がPKOだけでなく、ニューヨーク本部を含む多数の国連組織にもあることを指摘した。
 【ジュネーブ15日福原直樹】国連平和維持活動(PKO)のずさんな組織管理などで浮かんだ問題の背景には、各国の税金による拠出金で予算がまかなわれることの「重み」を理解しようとしない国連の体質がある。過去5年間の国連内部査察室(OIOS)の監査報告をみると、PKOと同様の問題点は国連全体に及ぶことが分かる。国連のアナン事務総長は大規模な国連改革を進めているが、その成否はカネの使途に無頓着な無責任体質をどう脱却するかにかかっている。
 ニューヨークの国連本部前の高層ビルには一部の国連機関が入居しているが、国連が過去15年間、家賃計7億円を払いすぎたことが分かったのは98年のOIOSの調査だった。ビルには国連と共に高級ホテルが入居、維持費を分担する契約だったが、国連が不動産会社側の請求を精査しなかったために、ホテルが支払うべき金額を長年、払い続けていた、という。
 OIOS報告から浮かび上がるのは、常に予算の詳細を精査し、使途不明金が出れば大きな批判を受ける先進国と違い、国連が予算の使い方に注意を払っていなかった事実だ。加盟国の拠出金に依拠しているため、国連本体はカネの出入りに緊張感を持たずに済む矛盾がある。
 国連は以前から内部監査を行ってはいたが、「監査結果は担当部局に報告するだけで、あとは非公開だった」(OIOS・ディオソ副局長)という。
 こうしたなれ合いやずさん管理がさらに職員の無責任体質と非効率性を助長する悪循環を招いていた。特に国連PKOの「浪費」が目立つ背景には、冷戦終結後に地域紛争が相次いだ90年代、脚光を浴びたPKOの組織肥大化がある。多国籍部隊PKOは各国が集まった国連組織を凝縮した問題を示している。
 OIOSは94年の発足以来、監査結果をアナン国連事務総長に直接、報告する形式を取り、一部の査察結果は公開するようになった。ガラス張りの運営を目指す意味でも、国連は、単なる部署の統廃合だけではなく、古い体質からの脱皮、職員の意識変革を求められている。[2001-01-16-03:06] 340
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 01/16@<生き延びたフセイン政権>石油利権巡り各国の企業が攻勢(毎日新聞)

 バグダッド随一の高級ホテル「アルラシッド」。最近は外国人ビジネスマンの宿泊客がめっきり増えた。対イラク国連経済制裁で乳幼児死亡率が高まったなどの批判を受け、1996年12月、制裁が部分解除され、国連監視の下で石油が輸出できるようになったのがきっかけだ。「以前から多いフランス、ロシアのビジネスマンに加え、日本や米国からの方も目立つようになりました」とフロント係の男性が明かした。
 ホテルで会った中国人ビジネスマンから商談の内実を耳にした。「今、イラクを訪れるビジネスマンはみな、必死にラマダンもうでをするんです」
 ラマダン副大統領を中心とした「ラマダン委員会」という名の組織が設置され、外国企業との取り引きを取り仕切っているのだ。外国人ビジネスマンは石油開発や販売などをめぐり、石油省や貿易省などと下交渉を重ねた末、ラマダン副大統領と面談、委員会の了承を願い出るという。
 委員会に認められた企業のビジネス案件だけがフセイン大統領に届くしくみと言われ、商談成立までには半年から3年はかかるとされる。だが、委員会構成メンバーなど詳細はベールに包まれたままだ。
 世界全体の11%、1120億バレル。イラクはサウジアラビアに次ぐ世界第2の原油確認埋蔵量を誇る。制裁後、10年を経て、世界各国はすでに制裁全面解除後をにらんだ石油利権獲得に奔走している。
 湾岸戦争当時、対イラク空爆容認で足並みをそろえた米、英、仏、露、中の国連安保理常任理事国はその後、強硬派の米英と、制裁の早期解除を求める他の3カ国に分裂。安保理が武器査察のため創設した「国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)」の委員長人事をめぐっても、決着までに「反イラク的でない委員長を」と主張する仏露中と米英が対立する一幕があった。
 露、仏、中の各国はそれぞれイラクに160億ドル、100億ドル、50億ドルの債権を持つ。3国が制裁解除に前向きな背景には債権早期回収の思惑もある。
 11月、バグダッド入りしたエジプト紙「エル・オスボア」のムスタファ・バクリ編集局長との会見で、ラマダン副大統領は「各国はイラクが豊富な石油資源を抱える重要な国だと改めて気付きつつある。イラクとの関係改善を志向する国を結集すれば、反米英社会を築ける」と自信を示したという。
 バグダッドではここ数年、高級レストランが増え続けている。あるレストラン店員は「最近は週末になると、外国人ビジネスマンばかりでなく、イラク人の家族連れがひっきりなしにやって来る」と話す。
 大半の国民が依然、貧困にあえぐ中、「ラマダン委員会」は、外国企業とのビジネスでもうけた”新興成金”を生むほど、制裁解除に向けた実を上げている。【バグダッド・小倉孝保】[2001-01-16-23:31] 342
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 01/16@<負の明細書・国連の裏側>国際法廷でも不正続々(毎日新聞)

 タンザニア北部。アフリカ最高峰キリマンジャロの山すその小さな町、アルーシャ。緑にあふれる街道を行くと、国立会議場が見える。その中に、国連の「ルワンダ国際犯罪特別法廷」がある。
 1994年4〜7月の3カ月間で、推定80万人が犠牲となったルワンダ大虐殺。その責任者を処罰するため、同年、国連決議で設置が決まり、95年末、発足した。
 その法廷を、国連の内部査察室(OIOS)が集中的に査察したのは96〜97年にかけてのことだ。「組織管理がずさんだ」という国連加盟国からの情報があり、国連総会が査察を要請した。
 査察室の幹部が当時を振り返った。「法廷では不祥事は少ない。最初はそう考えていたが、見事に裏切られた」
 毎日新聞が入手した97、98年の報告書が残る。
 まず、査察官らは財務簿を調べようとしたが、多くの記録が欠け、信用できるものではなかった。金庫の中身を調べると、国連規定で決められた手持ち現金の限度額1000万円分をはるかに超える6000万円分があった。支出の際の手続きも不要で、出納記録もなかった。「横領や盗難の温床になる」と査察官は報告している。
 職員のモラルも問題になった。 ある経理担当職員は、95年10月以来、ニューヨークの本部から給与を得ながら、同額の給与を法廷の予算からも引き出していた。この「二重給与」で、職員は6カ月間、350万円分余計に現金を手にした。その後、問題が発覚し、職員は辞めている。
 「汚職が進行している」
 97年、査察室にこんな内部情報が入った。同年末、犯罪担当部門の査察官が調べた際、ビル管理部門の職員2人が業者に金品を要求していたことを確認した。査察室は同年12月に切れる予定の職員2人の契約を延長しないよう勧告。だが、2人が職場を去ったのは翌年の5月だった。
 「職員との対話」、「会議」。97年、過去の弁護士への支払いを調べた時は、こんな不明朗な名目で、次々と報酬を払っていたこともわかった。進行中の裁判とは全く無関係な法律書を読むだけで報酬を得た弁護士も多かったという。同年1〜9月の間、弁護士への支払いが、1億円に達していることも記録で判明している。
 96年11月の調査によると、出勤簿もなく、勤務時間が記録されていなかった。97年8月時点で、1400万円相当の私用電話、ファクス代が未回収だと判明した。職員は公用車を私用に使い、週末の観光などで乗り回していた。
 「すべての分野で重大な管理ミスがある」。報告書は、そう警告していた。
   ◇     ◇
 オランダ、ハーグ。旧ユーゴスラビア紛争の戦犯を裁く「旧ユーゴ国際戦犯法廷」(93年設置)も95〜98年にかけて、査察室が調査した。そしてここでもさまざまな問題を発見した。
 旅費や電話代、通訳代などの出納記録がずさんで、96年、1億円以上の金が何の目的で使われたか分からなかった。また、各国の拠出金の受け付け記録もあいまいで、オランダが申し出た2億円分が記入されていなかった。
 一方、無用な職員ポストの増設などで、97年には6億円の予算が余分に請求されていたほか、民族浄化が問題になったボスニア・ヘルツェゴビナなどの調査資料も一時整理されず、起訴の障害になる可能性もあったという。
    ◇     ◇
 アルーシャで、ルワンダ法廷のモガル広報官(37)が話した。
 「法廷設立の失敗だけで、アフリカはダメといったイメージを当てはめないでほしい。あの報告書以降、人員も管理体制も規律もすべてが変わった」
 事実、査察室はその後、ルワンダ、旧ユーゴの両法廷が勧告に従い多くの改善を行ったことを認めている。ルワンダでは査察室の報告を契機に、ほぼスタッフ全員が入れ替わってもいる。
 だが、なぜこのようなずさんな運営が行われたのか。
 報告書は、人材不足▽国連本部による各法廷の運営ガイドラインの欠如▽先に活動を開始した旧ユーゴ法廷がルワンダを援助しなかったこと――などを要因に挙げる。さらに、ルワンダ法廷のケネディ担当長(48)は現地の実情についてこう語る。
 「アフリカで施設を設立することは難しい。96年当時、アルーシャにはドル小切手をすぐに決済する銀行がなかった。領収書も書いたことのない業者を相手にすれば、帳簿がずさんになるのもやむを得ない」
   ◇  ◇
 国際法廷は、第二次大戦後のニュルンベルク・極東裁判以来初めて「人道に対する罪」を問う旧ユーゴ戦犯法廷が国連決議で設立され、ルワンダが続いた。しかし、現実には裁く側に資質に欠ける事例もあることは無視できない。
 問題の根は、深い。【藤原章生、福原直樹】[2001-01-16-23:21] 350
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 01/16@劣化ウラン弾と白血病の関係薄い…仏国防省(読売新聞)

 【パリ16日=池村俊郎】仏国防省医療チームは十五日、ユーゴスラビア紛争で使用された劣化ウラン弾と派遣兵士の白血病発症の因果関係について、検査結果を基に「現時点では否定的な結論に傾いている」と発表した。この問題では仏専門家からは「多くの兵器に使用されているベンゼンなど他の化学物質との因果関係を調査する必要がある」との見方が出ている。
 北大西洋条約機構(NATO)加盟国内で、セルビア軍戦車に対し使用した米軍の劣化ウラン弾と、兵士の疾病の因果関係について真相究明が要請されている中、仏軍でも派遣兵士のうち六人が白血病を発症。同医療チームは兵士の精密検査を実施していた。
 仏軍の検査主任医師は「“被ばく”が事実ならば、放射性物質の前に腎臓(じんぞう)に重金属障害が発見されなければならないが、結果は否定的だった」と述べた。これを受け、仏放射能安全研のパトリック・グルムロン専門官は「劣化ウラン弾と白血病発症の因果関係は薄いと言わざるを得ない」と述べた。
 ベルギーの派遣兵士三千人の検査結果によると、劣化ウラン弾使用地域に展開していた場合、アメリシウムなどの放射性物質が検出されているものの、そうした兵士から白血病は発症していないという。[2001-01-16-22:13] 357
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 01/16@<劣化ウラン弾>NATOが専門委員会で使用状況などを説明(毎日新聞)

 【ブリュッセル16日森忠彦】バルカン半島に駐留していた兵士の健康被害と劣化ウラン弾の関係が取りざたされている問題で、北大西洋条約機構(NATO)は16日、初の専門委員会を開き、関係国に使用状況などを説明する。
 専門委員会は欧州各国兵の間に頻発している白血病などとの因果関係を調べるため、NATOが先週、新設を決めたもので、加盟国のほか、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボの治安維持部隊に参加している国や国際機関、非政府組織(NGO)などの代表も参加する。
 NATO側はこれまで同弾については「人体に及ぼす影響は立証されていない」(ロバートソン事務総長)としており、15日に開いた加盟国の軍医による会合でも兵士の健康被害と同弾との因果関係はないとの見解を示した。
 だが、NATO側がこれまで劣化ウラン弾の情報について加盟国内でも一部にしか伝えていなかったことが明らかとなり、同弾の科学的な安全性とともに、組織の信頼性を問われる事態となっている。また、現在、現地調査を進めている国連環境計画(UNEP)や世界保健機関(WHO)は住民対策として被弾地周辺の浄化を呼びかけており、兵士の健康問題とは別に現地での危険回避作業も急がれている。今回の専門家委員会開催はこのような情勢を受けたものといえる。[2001-01-16-20:51] 374
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 01/16@クリントン政権の轍踏むな イラン外相が注文(共同通信)

 【テヘラン16日共同】国営イラン通信が十六日伝えたところによると、ニューヨークの国連本部を訪問中のハラジ・イラン外相は同通信に対し、クリントン米政権が取り続けてきた経済制裁やイラン・イラク二重封じ込めなどの「誤った対イラン政策」をブッシュ新政権が繰り返さないよう強く求めた。
 イランはテヘランでの米大使館人質事件を機に一九八○年以降米国と断交状態にある。外相発言は米新政権に関係改善への歩み寄りを期待するシグナルといえる。
 ハラジ外相は、米政府のイラン敵視策が失敗し終わりに近づいているとの認識を示した上で「新政権の当局者はイラン・米両国の関係改善に向けた障害を克服し、新たな関係構築のための重大な決定を迫られている」と強調した。(了)[2001-01-16-19:09] 378
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 01/16@<ミャンマー>軍事政権がアウンサンスーチーさんに柔軟路線(毎日新聞)

 【バンコク16日小松健一】ミャンマー軍事政権が民主化運動指導者、アウンサンスーチーさんに対し、柔軟路線を取り始めた。軍政の要望を受け、国営新聞がスーチーさんを批判する記事の掲載を控えているほか、軍政は身柄を拘束されているスーチーさんの支持者らの待遇改善に乗り出した。国連のラザリ事務総長特使による和解仲介交渉を機に、軍政とスーチーさんとの政治対話実現への国際社会の期待感が高まっており、軍政は国際社会の関心を引き出しながら、スーチーさんに軍政との対決姿勢を撤回するよう圧力をかける狙いがあるとみられる。
 国営新聞はこれまで度々スーチーさん率いる野党・国民民主連盟(NLD)を「国家の破壊集団」と訴え、NLDの解党とスーチーさんの国外退去を求めてきた。だが、ラザリ特使のヤンゴン訪問(今月5〜9日)の前後から批判記事は掲載されなくなった。
 軍政はまた、15日、昨年9月に拘束したスーチーさんの支持者86人に対し食料や手紙の差し入れを認めた。ヤンゴン地裁も同日、スーチーさんの自宅の所有権を求めてスーチーさんの兄が起こした訴訟の審理の延期を決め、軍政は和解のムードを作り出そうとしている。
 軍政と国営新聞は過去にも節目をとらえて、スーチーさんの批判をやめ軍政との協力を呼びかけた。しかし、スーチーさんが軍政批判を繰り返すと国営新聞は強硬な論調に戻り、軍政の民主化運動締め付けが強化されるというパターンが続いてきた。
 消息筋によると、軍政のキンニュン第1書記はスーチーさんが要求している「国民民主連盟が圧勝した1990年総選挙の尊重」を拒否する姿勢を崩していない。だが、軍政関係者は「スーチーさんは、もはや恐れる存在ではない」とスーチーさんとの対話にあたり、譲歩の意向がないことを示唆した。
 過去の一時的な軍政の軟化姿勢を冷ややかに見ていたスーチーさん支持の学生グループ「全ビルマ学生民主戦線」(ABSDF)も初めて、最近の軍政の姿勢に歓迎の声明を出すなど、民主化勢力の間で軍政との対決を望まない声が出たことも軍政が自信を強める要因となっている。
 ミャンマー情勢に詳しいチュラロンコン大学のチャイヤチョ助教授は「軍政の路線を支持する国際的環境が整えば、スーチーさんが90年総選挙に基づく民政移管の主張を貫くのは難しくなる」と話している。[2001-01-16-18:51] 426
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 01/16@<NATO>事務総長がアルメニア入り ロシアとの綱引き始(毎日新聞)

 【モスクワ15日石郷岡建】北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は15日、アルメニアの首都エレバン入りし、ナゴルノカラバフ紛争をめぐり対立するアルメニア、アゼルバイジャン両国への訪問を開始した。NATO事務総長が両国を訪問するのは初めてで、カフカス地域をめぐるNATOとロシアの綱引きが始まったと観測されている。
 エレバン入りしたロバートソン事務総長はオスカニャン外相と会談したほか、16日にはコチャリャン大統領、サルキシャン国防相らと会談する。
 16日夕、アゼルバイジャンの首都バクーに飛び、17日までアリエフ大統領らアゼルバイジャン指導部と会談する予定。
 ロバートソン事務総長は「平和のためのパートナーシップ」協定に基づくNATOと両国の関係強化を話し合うのが今回の訪問の目的と説明し、「カフカス諸国からのNATO加盟の希望はない」と付け加えた。
 しかし、ロシア離れを強める旧ソ連・カフカス3国(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)との連携を強め、カフカス地域へのロシア進出を阻むためのくさびを打ち込む長期戦略を展開するのが狙いではないかとみられている。
 ナゴルノカラバフは、アルメニア人が多数を占めるアゼルバイジャン領内の自治州。旧ソ連時代の88年、アルメニア人住民は同州のアルメニアへの編入を求め、91年に「ナゴルノカラバフ共和国」の樹立を宣言。92年にはアルメニアが同州の軍事拠点を制圧した。アゼルバイジャンは94年、拠点を奪回。同年、ロシアの調停で両国は停戦に合意した。[2001-01-16-09:56] 438
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 01/16@<負の明細書>国連の裏側 PK0基地に眠る資材(毎日新聞)

 「赴任した時、あまりのずさんさにショックを受けた」
 南イタリア・ブリンディジ。アドリア海沿いの広大な滑走路、その脇に並ぶ新型車両。100にも及ぶ倉庫。世界各地の平和維持活動(PKO)に必要な資材の管理・修繕、現場への発送などを行う、国連初のPKO基地である。
 その一角で、資材管理責任者のバックリー次席(38)が語り始めた。レバノンなど世界のPKOで15年勤務したベテラン。が、彼が1997年、この基地に着任したのには特別な理由があった。同年以降の国連の内部査察室(OIOS)の監査で、基地のずさんな管理が次々と発覚し始めたのだ。
 「当時、多くの職員は何をするでもなく、ぶらぶらしていた。信じられなかった。例えば、現場の担当者たちは、飛行機への荷の積み方も知らなかった。このため、私が一から教えた。最初の仕事はごみと化した大量の不要物資の廃棄だった」
 基地を歩いてみた。滑走路脇の倉庫をのぞくと、未使用の戦車エンジンや、ヘリなどの部品が積まれていた。一部はさび付いている。ソマリアPKO(92〜95年)で使い残された備品だった。全部で9億円相当になるという。だが、次席が赴任した時、ほとんどが野ざらし状態だった。水漏れのため腐食した部分もあり、使い物にならなくなっていた。
 それだけではない。管理目録がなく、どこにどんな資材があるのかも分からなかった。1億5000万円相当の新品のキッチンユニットが4年も放置され、腐食の寸前だった。これらを含め、売却できる22億円相当の備品も放置され、新品の電子機器も劣悪な条件で保管されていた。
 壮大な無駄遣い。使える備品を、次のPKO部隊に回したり、不要品を売却するなどして、効率的なPKO運営を行う。その基地の役割が全く機能していなかったのだ。バックリー次席の赴任した97年までに、基地は約20億円の費用を費やしてもいた。
 赴任後、彼はさまざまな改善を行った。現場の技能訓練や備蓄資材の目録整備などを進め、「3年かけてやっと基地の機能を立て直した」。次席は語る。「長期計画に基づく予算、人材、設備の不足が、問題の最大の原因だった」
   ◇      ◇
 アフリカ南西部アンゴラ。和平合意支援のため、同国で展開していたPKO「第3次アンゴラ検証団」(95年発足)に対し、内部査察室は96〜97年、集中監査を行った。備品を購入する際、内規に違反している疑いが出たからだ。懸念は的中した。
 監査によると、現地で展開を始めた部隊が、住居用のテントや特殊車両などを買った際、業者選定や交渉がいいかげんで、規格外のものが次々と納入された。このため、更に1億2000万円の代替物資が必要になった。
 また、すでに発注済みの物資を調べたところ、3分の2が不必要なものと判明、総額15億円の物資購入をあわてて中止した。担当官が納入業者と癒着、上司の許可なしに、業者の言い値で高価な物資を買い入れてもいた。
 この状況は、検証団を引き継いだPKO「国連アンゴラ監視団」(97年発足)でも続いた。
 監視団は車両の塗装代として国連本部に2億6000万円を請求していたが、調査で半額以下であることが判明した。本部が、再交渉させた結果、代金は半額以下の1億円になった。払う必要のない土地代を13億円も出していたことも明らかになった。
 内部査察室の報告書を見ると、同様の問題は国連PKO全般に及んでいることが分かる。悪質なケースに対して、報告書は「職員の懲罰」すら求めている。
   ◇      ◇
 ニューヨーク国連本部。国連PKO局のウィムハースト広報官(カナダ)が話す。
 「内部査察室に指摘された点は、改善努力をしている。PKOは、準戦時下で国連組織の外部から人員を集めるため、ミスも出る」。そう弁明する一方、広報官は強調する。
 「最大の問題は、現場に部隊管理の経験を積んだ人材が少なく、現場を監督する国連本部の要員も限られていることだ。要員増加のため、予算を増やしてほしい」。それは、ブリンディジ基地次席の現場の声と一致していた。
 効率的な組織運営のために、PKO予算の増大を求める国連。だが、多くの国は予算拠出に消極的だ。そして、そのはざまで指摘され続ける失態……。日本はPKO予算の約2割を拠出しており、「一部の不正よりも組織の非効率性による無駄が多い」(外務省国連行政課)という現状に無関心ではいられない。
   ◇      ◇
 米国に次ぎ、日本が第2の通常予算分担国である国連。PKOなどの活動の舞台裏では、経費乱用、ずさんな管理、国連にあるまじき不祥事――と数多くの「負の明細書」が残る。監査報告書と関係者への取材から、実態を検証する。 【福原 直樹】[2001-01-16-03:06] 424
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 01/16@スペインが欧州1位 欧州サッカー連盟(共同通信)

 【ニヨン(スイス)15日ロイター=共同】欧州サッカー連盟(UEFA)は十五日、来季の欧州チャンピオンズリーグとUEFAカップへの出場枠を決めるUEFAランクを発表、スペインが、イタリアを抜いて1位となった。
 同ランクは各国クラブチームの両カップ戦での成績に基づいて決められ、スペインは昨季、チャンピオンズリーグでレアル・マドリードが優勝、バレンシアが準優勝するなど活躍した。
 2位はイタリア、3位はドイツ。3位までは、各国の上位4チームがチャンピオンズリーグへの出場権を獲得する。そのうち上位2チームは予選免除で本戦へ、3、4位チームは最終予選への出場権を保証される。4位フランス、5位イングランド、6位オランダの順となった。(了)[2001-01-16-10:09]
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 01/17@<国連>欧州本部、10年間横領気づかず 予算と監査、一幹(毎日新聞)

 「また、あの男だ」
 午前11時前、ジュネーブの国連欧州本部。この時間になると現れる国連職員の姿を見て、経理部の職員たちはうんざりした顔をした。男性が言う。
 「国際会議に出席した専門家の日当を払うため、緊急に小切手が欲しい。彼は午後の飛行機で、ジュネーブをたってしまう」
 「専門家の出席を裏付ける書類は? 航空券やホテルの領収書はないのか」。当初は規定に従い、そう聞いた経理部職員も「急いでいる。あとで必ず提出する」と、いつものように繰り返す男性の言葉に、次第に何もたださなくなっていった。
 小切手を受け取ると、男性は、国連内の銀行に直行。顔なじみの女性行員は、何も聞かずに100万円相当の小切手を現金化する。彼は、現金を封筒にしまうと、彼女の前で「専門家」の名前を表に書いた。その行為はあたかも彼がすぐ、「専門家」に「日当」を払うかのように見えた。
 同じことは59回、続いた。男性は、国連貿易開発会議(UNCTAD)幹部=当時。米国籍で、経理担当だった。無論、「専門家」も、「国際会議」も存在しない。総額約6000万円の横領。だが、問題は別のところにあった。犯行が続いた1987年から10年の間、誰もそれに気付かなかったのだ。
    ◇    ◇ 
 「上司の責任感のなさ。ずさんな組織。それが犯罪を招いた」。ニューヨーク国連本部。内部査察室(OIOS)の幹部が調査書を手に、そう話した。
 調べによると、UNCTADでは当時、国際会議が終了し、予算が残るとすべてを同じ基金にプール。少したつとどれだけの金額がどの会議で残った分なのか、分からなくなっていた。元幹部はこのずさんさを悪用した。基金の一部を流用し、横領の穴埋めもしていた。
 また元幹部には、予算作成、経理や監査など四つの「常軌を逸する強大な権限」(調査書)が与えられていた。それが、彼の犯罪放置を許すことにもなった。
 「アルコール中毒」を自称した元幹部は自らのつらい境遇をでっち上げ、周囲の同情を引く傾向があった。「娘が麻薬中毒だ」。そう直属の上司にうそをつき、それを信じた上司がもらい泣きしたこともあった。
 「最後にうそがばれて、上司も彼を信じなくなった。アル中ということで、上司は、はれ物に触るように彼を扱った。このため彼の仕事をチェックしようとしなかった」。査察官が、そう話す。
 スイス当局の逮捕は96年半ば。元幹部の病欠中に会計簿を見た部下が、改ざんを見つけた。
 「内部のコントロールが全くなかった。だから金を取れた」
 ブランドものの仕立服、ゴルフ場会員権、不動産……。派手な生活で知られた元幹部は、逮捕後の裁判でそう述べていた。
    ◇     ◇
 「金持ちになれるぞ」
 UNCTADの横領事件が発覚した同じ年。クロアチアの首都ザグレブにある旅行会社の幹部はそうささやかれた。相手は、平和維持部隊の国連ボスニア・ヘルツェゴビナ派遣団の旅行業務部長(米国籍)。前年赴任したばかりの部長の提案は、単純だった。「請求書を偽造しろ」。会社社長は「そんなことをすれば、夜、眠れなくなる」と言って、断った。
 だが部長は、新たに巻き込んだ別の旅行会社社長ら2人と共謀。当時、部隊の隊員が飛行機に乗る場合は、航空会社との協定で、個人の荷物は1人100キロまで無料だった。そこで隊員が旅行する際、航空会社が一般旅客と同じ基準で高い積み荷料金を要求したように請求書を偽造し、その支払いを決済していた。
 96年7月から98年9月までの横領総額は1億円近く。内部からの情報で98年末に査察室が調べると、膨大な金額の疑惑が浮上した。航空会社の請求額より、400万円も高く決済した例もあった。
 「出費に関する、部隊の管理体制が全くでたらめだった」
 部長が米国で逮捕された1年後の99年12月、査察室が出した報告書は、こう結んでいる。 
    ◇    ◇
 「国連の内部犯罪の発生率は、一般の大企業とほぼ同じだ」。内部査察室の幹部は言う。「だが問題は、それを調査する人間が少ないことだ」
 94年に発足した内部査察室は、国連史上、初めて検事や警察出身者を入れ、犯罪専門の調査班をつくった。過去、経理担当の監察官が行っていた内部犯罪の調査を本格的に行えるようになり、昨年の不祥事の受理件数は、発足当時の4倍、287件に増えた。95年以来摘発した横領など内部犯罪に関係する金額は5億円以上だ。幹部の望みには切実な響きがこもる。
 「現在、調査官は15人だけ。人数を増やしたい。そうしないと、国連が内部犯罪で被る損害額もどんどん増えていく」【福原 直樹】[2001-01-17-23:46] 33
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 01/17@<湾岸戦争10年>「一国」から「多国籍」 米新政権揺れる(毎日新聞)

 多国籍軍によるイラク空爆で勃発(ぼっぱつ)した湾岸戦争から17日で10年。指揮官的役割を果たした米国と一貫して受け身だった日本の安保体制、感覚がどう変わったのか。新しい軍事戦略を掲げたブッシュ新政権の誕生を前に日米両国のこの10年間を総括、今後を展望した。
 「湾岸」は脇役だったはずの日本を大きく変えた。130億ドルもの資金協力をしながら「汗をかかなかった」として感謝されなかった屈辱がマンパワーによる「国際貢献」世論を盛り上げ、1992年6月には国連平和維持活動(PKO)協力法が成立した。これに基づき自衛隊は、国連カンボジア暫定統治機構への施設部隊投入という形で戦後初めて海外派遣され、その後4地域でも実績を積んだ。
 戦後政治の枠組みを突き崩すきっかけにもなった。湾岸ショックが小沢一郎氏の「普通の国家」論を生み、自民党分裂、自民単独政権崩壊を経て、社会党(現社民党)の政権入り、自社連立政権の誕生となり、日米安保・自衛隊をめぐる55年体制最大の対立軸を消し去った。99年には、新たな日米防衛指針(ガイドライン)に基づく関連法も成立、憲法改正論議も国会に正式な議論の場が作られ、戦後タブー視してきた集団的自衛権も、野党・民主党から認めるべきだ、との議論が出るご時世となった。
 しかし、このPKO参加を柱とする日本の国際貢献論は、あくまで国連というお墨付きがあっての対応。99年3月、安保理の明確な承認のないまま、北大西洋条約機構(NATO)を率いたユーゴスラビア空爆にはついていけず、当時の高村正彦外相の談話は「人道上の惨劇を防止するため、やむを得ず取られた措置と理解している」と歯切れ悪かった。
 問題は、湾岸後なし崩し的に進む「軍事」の膨張をどう整理し、戦略的対応に結びつけるか、にある。外交・安保スタッフに知日派を配しているブッシュ新政権の動向も見極めなければならない。森本敏・拓殖大学教授は、2001年米国防報告から東アジア・太平洋地域の兵力水準を示す数字が削除されたことに触れ、「新政権は日本との同盟強化を求めてくる可能性があり、対米依存による安全保障の時代は終わりつつある。知日派イコール親日派ではなく、米の期待値が高い分、新政権への対応は厳しい」と話す。
 森喜朗首相は今月のアフリカ歴訪で、国連安保理構成国の拡大を訴えた。しかし、国連の枠を離れた紛争処理に戦略をシフトさせつつある米国が日本に補完的な役割を求めてきた場合、どう対応するのか。明確な答えは見えない。 【政治部・中村篤志、ワシントン・清宮克良】
 1991年の湾岸戦争は米国の世界秩序維持のスタイルを大きく変えた紛争だった。一国で「世界の警察官」役を果たしていた米国が、湾岸戦争では多国籍軍を組織し、日本などから資金を調達、国連決議を積み重ねてイラク攻撃に踏み切った。過去10年、この方式が地域紛争処理のモデルとなってきたが、「国益」優先のブッシュ次期大統領が紛争介入に慎重姿勢を示す中、父親(ブッシュ前大統領)の確立した紛争処理メカニズムが今後も機能し続けるかどうかは流動的だ。
 次期政権の国務長官、パウエル元統合参謀本部議長は、8年前のクリントン大統領の就任直後、民族紛争が続くボスニアへの軍事介入をめぐりオルブライト国務長官(当時国連大使)と論争している。「素晴らしい軍備も、使えなければ意味がない」と介入に積極的な長官に、パウエル氏は「心拍数がはね上がる思いだった。米兵は、世界というチェス盤の上を動くおもちゃの兵隊ではない」と反発を感じたという。(自伝『マイ・アメリカン・ジャーニー』)
 2人の見解の相違は、そのまま現政権と次期政権の姿勢の違いでもある。米軍の充実をうたうブッシュ氏は、地域紛争への米軍投入に慎重だ。湾岸戦争を指揮したシュワルツコフ元中東軍司令官は、昨年8月の共和党大会で「(クリントン政権下で)海軍戦力は3分の1が、空軍力は40%が減らされたのに、作戦行動は4倍に増えた」と米軍の過重負担を訴えている。
 「人道」を米軍介入の基礎に据えたクリントン政権に対し、「明確な国益」と「勝利への確信」を介入の前提とするブッシュ次期政権は、ボスニアやコソボの平和維持活動に懐疑的だ。
 だが、地域紛争から距離を置く一方、ミサイル防衛導入などで「強い米国」を実現するのがブッシュ氏の真意なら、米国が孤立主義の色彩を帯びるのは避けられない。アメリカン大のフィリップ・ブレナー教授は「米国の指導者には(国際秩序維持の)見通しが必要なのに、彼は世界情勢にうとい。米国の強さをどう位置付け、なぜ必要か、理解していない。今後4年間、世界は不安定になる」と批判する。
 米政権は湾岸戦争型の紛争処理を、ソマリア、ハイチ、ユーゴスラビアなどで適用してきた。米単独の軍事行動は、台湾海峡危機での空母派遣や、米大使館爆破の報復としてのスーダン、アフガニスタン攻撃などを数える程度だ。
 しかし、湾岸戦争型の紛争処理システムが機能しなくなっている地域もある。ほかならぬ中東だ。米議会調査局のケネス・カッツマン分析官は「湾岸戦争を戦ったチェイニー次期副大統領(当時国防長官)らは、イラクへの武力行使も辞さないだろうが、アラブ諸国は協力しないだろう。10年前とは空気が変わり、多国籍軍の組織自体難しくなった」と指摘する。
 唯一の超大国たる米国は「さらに強い米国」に生まれ変わろうとしている。最強の軍事力をどう使うか。ブッシュ氏は答えを模索することになるだろう。 【ワシントン・布施 広】
 《湾岸戦争以降の米国の主な軍事行動》
1991・1 湾岸戦争
 92・12〜94・3 ソマリア内戦で、国連ソマリア活動(UNOSOM)として駐留
 94・8 人道支援でルワンダに駐留
    9 民政復帰支援でハイチに進駐
    11 NATO軍がクロアチア、ボスニア領内のセルビア人勢力拠点を大規模爆撃
 96・3 台湾海峡の緊張で、米空母機動部隊を派遣
 98・8 米大使館爆弾テロの報復としてアフガニスタンとスーダンをミサイル攻撃
    12 イラクの国連査察拒否で、米英が「砂漠のキツネ作戦」展開
 99・3 コソボ紛争で、米主体のNATO軍がユーゴスラビア空爆[2001-01-17-23:31] 34
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 01/17@<社説>湾岸戦争10年 世界は教訓を生かしたか(毎日新聞)

 冷戦終結直後の世界に衝撃を与えた湾岸戦争の開戦から10年たった。21世紀に入った今ふり返って、世界と日本はその教訓と課題をどう生かしてきたのか。
 湾岸戦争は、東西対立がようやく終わった安心感にひたるつかの間に起きた。それだけに、世界に冷水を浴びせた。当時のブッシュ米政権は世界経済の生命線である湾岸石油地帯の安全を重視しただけではない。「武力による国家主権侵害の放置は国際新秩序に有害な先例となる」と西欧、ロシア、アラブ・湾岸諸国、日本などに周到な根回し外交を展開して、国連安保理決議のお墨付きを得た上で多国籍軍を結集した。
 国連決議と多国籍軍の組み合わせによって地域紛争に立ち向かう新機軸は、国際社会が冷戦後の新秩序を模索していた中で、国連の意義と役割に大きな期待を持たせる試みと評価されてよいはずだった。
 にもかかわらず、その後の展開は一貫性を欠き、国際社会が求めたような結果には至っていない。
 第一に、イラクの大量破壊兵器の完全廃棄をめざす特別査察は、国連の意思を一本化できぬままに強行された米英合同爆撃(1998年末)以来途絶えてしまった。制裁の今後を決める安保理は、解除に前向きなロシア、仏、中国と米英の対立で明確な指導力を欠き、フセイン政権の威勢復活に手をこまねいている。
 第二に、新秩序の重要な一端を担うかに見えた国連自身の平和維持活動はソマリア(93年)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(92〜95年)の失敗で深い挫折を味わった。これを補完する役割が期待された多国籍軍や北大西洋条約機構(NATO)軍の活動も、ボスニア、コソボでは国連の方針としばしば矛盾と対立を露呈したし、アフリカの紛争は見向きもされない例が多いのが現状だ。
 すべてを米国の指導力の不手際となじるのは公正を欠くだろう。それでも、湾岸戦争を支持したアラブ穏健派諸国の間でさえ、最近は中東和平工作の「イスラエル傾斜」を批判する反米感情が目立つ。「米1極支配」や強引な「独断主義」に対する不平は中露から欧州にも広がり、国連の権威と指導力の低下が嘆かれているのはなぜなのか。
 湾岸戦争10年の節目に前大統領の子息が米新大統領となるのは偶然とはいえ、歴史のめぐり合わせだ。20日就任宣誓をするブッシュ氏は、世界的視野に立って、こうした点にも熟慮をめぐらせてほしい。
 日本にとっても、この10年は「湾岸戦争ショック」とも言うべき衝撃を受け、いまだに方向感覚を確立できない状態にあるといえないか。
 冷戦体制下で極東周辺しか視野になかった日本の政治と安全保障論議は根底から揺さぶられ、多国籍軍に対する130億ドルもの支援は期待された評価を得られなかった。「一国平和・繁栄主義」にひたっていた政府・国民が「安全と世界の評価はカネでは買えない」という厳しい現実に目を開かされたのは、重要な教訓となった。
 時代と国際環境が変化している。日米安保共同宣言(96年)、日米防衛指針(ガイドライン)整備の一方で、平和憲法のあり方をあらためて考える憲法論議も昨年から国会で始まった。教訓と課題を生かす努力を怠ってはいけない。[2001-01-17-23:01] 36
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 01/17@誘拐恐れ、護衛を要請 ユーゴのミロシェビッチ前大統領(共同通信)

 【ウィーン16日共同】十六日付のユーゴスラビア有力紙グラスヤブノスチによると、ユーゴのミロシェビッチ前大統領はコシュトニツァ大統領と十三日に会談した際、誘拐され国外追放されることを恐れて警護の警察官を引き続き自宅に配備するよう要請した。
 米政府は旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されたミロシェビッチ氏ら前ユーゴ政府高官らの身柄拘束などに最高五百万ドルの賞金を約束している。
 ユーゴ内外に「賞金稼ぎ」が暗躍しているとの情報が絶えず、前政権はミロシェビッチ氏誘拐を狙った「外国スパイ」を逮捕したこともある。(了)[2001-01-17-08:37] 37
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 01/17@「バルカン症候群」NATOがウラン弾説否定(読売新聞)

 【ブリュッセル16日=三井美奈】北大西洋条約機構(NATO)の医療関係者による専門家委員会は十六日、バルカン半島で平和維持活動に参加した兵士が白血病やがんを発病する「バルカン症候群」と、劣化ウラン弾との因果関係を否定する調査報告を発表した。
 NATO欧州側では、バルカン症候群は、一昨年のNATOの対ユーゴスラビア空爆などの際に、米軍が使用した劣化ウラン弾に起因するとの懸念が高まっている。
 このため、同委員会は十五日の特別会合で、NATO加盟国から提供されたデータや調査を基に分析。「バルカン半島派遣兵の発病率や死亡率が、派遣されていない兵士より高いとは認められない」との結果を得た。報告は、NATOが設置した特別調査委員会に提出される。[2001-01-17-02:10] 222
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 01/17@<湾岸戦争10年>イラク 物ごい増え、人材流出 長引く制(毎日新聞)

 バグダッド中心街の駄菓子屋で働くアルデル・ジェイシムさん(52)が客の求めに応じ、たばこを1本手渡した。イラクでは湾岸戦争後、たばこのばら売りが目立つようになった。10年以上続く国連経済制裁の影響で、箱ごと買える市民が少なくなったためだ。
 ジェイシムさんはバグダッド大学政治学部を卒業後、イラク商業省に入った官僚だった。だが、制裁で経済がひっ迫、イラク通貨の価値は急落し、ジェイシムさんの給与は戦前の約750ドルから約5ドルになった。妻(35)と母(72)、2人の子供を養うことができなくなったジェイシムさんは1992年、同省を退職、大学教授の兄(53)とともに駄菓子屋を始めた。それでも月収は約25ドルだ。
 「戦争で、私の人生は全く変わってしまった。今は食べるためだけに生きている」。ジェイシムさんはため息をついた。
 外国人相手の商売に携わる金持ちのイラク人男性が声を潜めて打ち明けた。「最近、売春が増えている」。この男性は知り合いから、「60ドル出せば・・」と誘われ、バグダッド市内の目立たぬ民家に連れて行かれた。イラク人やヨルダン人をはじめ、欧州人ら6人が女性を待っていた。酒や料理が運ばれ、しばらくすると男性客と同数の女性が現れたという。イラク人口の約97%を占めるイスラム教徒の世界で売春は厳しく禁じられている。それでも、生活のため、やむなく身を売る女性まで出始めているようだ。
 中東有数の教育国として知られたイラク。授業料の安さもあり、バグダッドの大学には今も、隣国ヨルダンから留学生が絶えないほどだ。だが、最近は優秀な人材の国外流出が止まらない。地元ジャーナリストは「3年ほど前からコンピューター技術者や医療関係者などを中心に母国に見切りを付ける人が増え始めた」と明かす。明確な統計はないが、消息筋は「頭脳流出」総数はすでに数千人から1万人に達すると推測する。先のジャーナリストは「国造りにボディー・ブローのように効いている」と指摘する。
 街には子供の物ごいが増え、高級ホテルでもスタッフは外国人客に露骨にチップを要求する。「多数のイラク人は戦後、収入を失い、続いて家財道具などの物を売り払った。そして、今、人間の尊厳を失いつつある」。別のイラク人ジャーナリストが嘆いた。
 国連査察拒否を掲げ、世界秩序を翻弄してきたフセイン大統領。だが、政権基盤は依然盤石だが、制裁全面解除の見通しは立たず、その言動は一時のように反響を呼ばなくなった。
 「偉大なるイラク国民よ。我々は古くから勇敢に戦い続けてきた」。今月6日、国軍創設80年を記念し、国営テレビで演説したフセイン大統領は、国民の誇りをかきたてる言葉を繰り返した。その姿は、長引く制裁でほころびが見え始めたイラク社会にまん延するけん怠感を払しょくしようとしているようにも見えた。【バグダッド・小倉孝保】[2001-01-17-23:46] 229
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 01/17@◇震災のさなか内戦の和平調印から10年 エルサルバドル◇(朝日新聞)

 地震で大きな被害を受けたエルサルバドルは17日、政府軍と左翼ゲリラのファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)との10年以上に及ぶ内戦に終止符を打った1992年の和平合意調印から9年が過ぎた。震災現場では、和平合意のシンボルである文民警察官の活躍が目立ち、和平の足取りの確かさを見せる一方、政府批判の声もあがっている。
 最大の惨事となった首都サンサルバドル郊外のラスコリナス地区の地滑り現場では、紺色の制服の文民警察官と迷彩服の国軍兵士が分担し合って救援・復旧作業に取り組んでいる。
 内戦当時、警察組織も軍部の指揮の下にあり、軍部の人権侵害に加担したとされる。国連の仲介による和平合意では、警察組織を軍部から切り離して、人権擁護教育を行い、新発足させた。社会復帰する左翼ゲリラの受け皿となる就職口を作る意味もあった。現在の文民警察官は約1万6000人。国軍兵士、ゲリラ双方の出身者が混在している。
 ラスコリナス地区で文民警察官小隊を率いるミゲル・パラシオス隊長(30)は、「(兵士出身もゲリラ出身も)どちらも仲良く働いている。新時代を切り開くという気概を失いたくない」と話した。
 文民警察を管轄するベルトランド公安法務相は16日、視察先で朝日新聞の取材に対し、「震災は悲劇だが、国の和平を担う新しい姿が危機の場合も力を発揮した」としつつ、「若い警官の職業意識と訓練度をさらに高めたい」と語った。
 右派・民族主義共和同盟(ARENA)のフロレス大統領(41)は、地震発生直後に外国に援助を要請。国民には新たな団結を呼びかけた。
 しかし、合法的な有力政党になったFMLNのシスネロス国会議員(41)は、「地震国として政府独自の機敏な救援・復旧ができなかった。大規模な地滑りが発生したのも、首都郊外の宅地開発に伴う緑化保存策の軽視が一因だ」と、国政での対決姿勢を強める方針だ。[2001-01-17-23:00] 236
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 01/17@湾岸戦争10年、イラク大統領が「米と対決」強調(読売新聞)

 【バグダッド17日=久保健一】湾岸戦争開戦十周年の十七日、イラクのフセイン大統領はテレビ演説を行い、「イラクの国民と軍は(湾岸戦争を)生きのびた。我々は神の導きで、今後の戦いでも勝利してゆく」などと述べ、湾岸戦争後も対イラク制裁の先頭に立つ米英両国に対する対決姿勢を強調した。一方、戦争時、米軍主導の多国籍軍側についたアラブ諸国については、「名指しをして、傷口を広げるようなことはできない」と述べた。
 一方、大統領演説に先立ち、バグダッドでは、十年前の多国籍軍によるバグダッド空爆開始時刻にほぼあたる同日午前二時、中心部のアブ・ナワス通りの国連開発計画(UNDP)事務所前で、イラク各地から集まった約五千人が、制裁解除を求める横断幕を掲げ、米国の国旗を燃やし反米スローガンを叫ぶなどして気勢をあげた。[2001-01-17-21:37] 246
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 01/17@<湾岸戦争10年>各国の外交戦略の変遷と今後=上(毎日新聞)

 クウェートに侵攻したイラク軍に対し、米軍を主体とする多国籍軍が対峙した湾岸戦争の開戦から、17日で10年。この戦争を機に、イラクをめぐる情勢は様変わりし、中東地域の政治地図も塗り替わった。イラクを敵視し続ける米国、接近を図るロシア、フランス、それに戦争の舞台となったイラクなどの外交戦略の変遷と今後の行方を探った。
▽米国
 大量破壊兵器廃棄をめぐる国連査察拒否を発端に、米国は同盟国・英国とともに1998年12月、イラクに対する大規模空爆を行った。だが、それは結果的に逆効果となり、国連査察チームはイラクに足を踏み入れられない状況が続いている。イラクを封じ込めてはいても、「密室状態」の中で何をしているのか見えにくい、というジレンマに陥っている。湾岸戦争当時の国防幹部を政権内部に擁するブッシュ次期政権は査察受け入れをイラクに強く求める方針だ。
 米政府にとって「フセイン政権打倒」は、見果てぬ夢と言えるもので、この10年、「打倒」への構想が浮かんでは消えた。国務省は否定したが、99年1月、米国が「イラク解放軍」の創設を目指し、兵士1万人の訓練を計画している、とクウェート紙が報じた。当時、共和党関係者は「対戦車砲、小火器などを反体制派に供与すべきだ。イラク北部を反体制勢力の一大拠点としたい」と国務省に迫っていた。
 だが、議会に比べると、クリントン大統領は「フセイン打倒」には消極的だった。98年秋に発効した「イラク解放法」は、反体制7組織に対する資金援助を定めたが、これは議会の要請で大統領が渋々署名したものだ。国防総省は99年秋、反体制派メンバー数人に軍事訓練の参加を許したが、主に行政や後方支援の訓練に過ぎなかった。バグダッドへの米軍派遣は論外であり、反体制派の政権奪取の見通しも立たない。
 将来、仮にフセイン政権が崩壊した場合、イラクは返って混乱するとの指摘もあり、ブッシュ次期政権は当面、「封じ込め」政策を堅持する意外に選択肢はないようだ。だが、イラクが国連査察がとん挫している中、核兵器などを開発していないという保証はない。
 米国防総省高官は、軍事衛星などを駆使すれば、米単独でも監視は可能としているが、国連査察の再開が望ましいのは言うまでもない。湾岸戦争時、それぞれ国防長官、統合参謀本部議長だったチェイニー次期副大統領、パウエル次期国務長官を擁する次期政権は、イラクに国連査察再開を求めて行くとみられるが、むやみな強硬策に出れば、再び、危機が到来しかねない。【ワシントン・布施 広】
▽ロシア
 「イラク領内で続く非合法の爆撃は、一般市民の犠牲者を出すばかりでなく、イラク問題の解決の妨げとなっている」―ロシアのイワノフ外相は10日、イラク北部と南部に設置した「飛行禁止区域」で米英両軍が98年12月以降、断続的に続けている対イラク空爆停止を求める声明を発表した。
 湾岸戦争当時、ゴルバチョフ政権は、米軍主体とする多国籍軍のイラク攻撃を事実上、黙認した。旧ソ連崩壊という大きな危機に際し、ゴルバチョフ政権は米政権と協力関係を結ばざるを得ず、対イラク関係でも共通の理解があった。
 だが、その後、コソボ空爆に代表される米国の「世界の警察官」的な行動に、ロシアは不信感を持ち、対米戦略を密かに見直した。
これに連動し、対イラク政策も確実に変化してきている。プーチン大統領は、昨年秋以降、対イラク関係の改善を命令、9月にアエロフロート便を再開させ、11月にはイラクのアジズ副首相の訪露を受け入れた。
 その背景には、巨額の債権を早期に回収したいとの思惑に加え、伝統的に近いイラクとの関係を再構築し、アラブ世界でのロシアの覇権を確保したいとの長期的戦略が働いている。
 ロシアはフセイン政権に好感を抱いている訳ではない。だが、「好き嫌いで外交を展開してはならない」という現実主義的な外交を前面に押し出しつつあるのだ。【モスクワ・石郷岡建】
▽フランス
 フランスのシラク大統領は4日、エリゼ宮で行われた外交団に対する新年のあいさつで、対イラク制裁について「10年余にわたって罪のない人々を苦しめる制裁は、道義上だけでなく、政治的(解決が必要な)問題となっている」と、制裁解除の手続きを加速させるよう求めた。米英はイラク空爆を今も続けているが、対イラク強硬姿勢から距離を取った仏の外交姿勢は次第に強まりつつある。
 1998年2月、大量破壊兵器査察問題に端を発するイラク情勢の緊迫化で、フランスはアナン国連事務総長を大統領専用機でバグダッドに送り込み、土壇場での交渉解決を導いた。
 昨年9月には、露アエロフロート航空による定期便再開計画と連動させるように、仏人権団体のチャーター機が仏民間機として湾岸危機以来初めてバグダッドに飛んだ。関係冷却化が続いていた仏露両国は協調してイラク問題で米国に揺さぶりをかけ、仏露の雪融けのきっかけにもなった。
 対中東外交は、フランスが米国をにらんで独自外交を展開する分野の一つ。石油利権も絡むだけに、仏は米英との対立も辞さずイラクとの関係強化を進めている。 【パリ・橋本 晃】[2001-01-17-20:01] 245
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 01/17@<湾岸戦争10年>各国の外交戦略の変遷と今後=下(毎日新聞)

▽イラク
 【バグダッド17日小倉孝保】フセイン・イラク大統領は湾岸戦争開戦10周年の17日、国営テレビで演説し、「湾岸戦争は悪魔(米国)と、悪魔を守る連合に対する正義の戦いだった」と振り返った。その上で、「戦争にもかかわらず、我々国民は生き残り、イラク軍も生き残った。今後の戦いで我々は勝利を得るだろう」と米国への対決姿勢を改めて鮮明にした。また、多国籍軍に加わったアラブ諸国については「我々はアラブ人だ。その名を挙げ、傷を開くことがどうしてできようか」と名指しを避けながらも、一時、関係が悪化したエジプト、シリアなどとの融和を進める姿勢を強調した。
 フセイン大統領の演説は、フランス、ロシア、中国の国連安保理常任理事国の3カ国との関係改善に成功するなど、着々と国際社会復帰への布石を打ち、「政治環境はこの10年間で最高の状況」(西側外交筋)と言われるほどの”追い風”を反映したものだ。
 アジズ副首相も16日、「10年前は世界の大半の国が我々と敵対していた。だが、今、世界の人々は我々のことを理解している。イラクは孤立はしていない。私は我が国の将来を楽観している」と語り、国際的孤立からの脱却に自信を示した。
 アラブ諸国はイラク国民が長引く制裁下、困窮を深める現状に「同胞」として同情心を募らせている。大統領は昨年来続くイスラエルとの衝突で負傷したパレスチナ人をバグダッドの病院に運ぶなど、そんな「アラブ人の心」をくすぐる作戦に出ており、イラクへの親近感は確実に強まっている。アラブ連盟のアブドル・メギド事務局長は「次期首脳会議で、対イラク制裁の対処方法を課題とする」と述べており、アラブ世界へのイラク本格復帰は大きな流れとなってきた。
 国連経済制裁の全面解除を目指すアジズ副首相は16日、大量破壊兵器廃棄をめぐる査察について、「受け入れる考えはない」と拒否方針を繰り返した。だが、西側外交筋は「国連が決議したことを、実行しないのでは、権威失墜につながる。このまま矛を収めるとは考えられない」との見解で一致している。米次期政権が本格始動する今年半ば以降、イラク問題が改めて国際社会の緊張要因となるとの観測も出ている。
▽中東
 湾岸戦争後、アラブ・イスラエル紛争の解決を目指す新たな枠組み「パレスチナ和平プロセス」が始動、地域勢力図が一変した。しかし、最大の懸案であるイスラエル・パレスチナ和平はいまだ解決に至らず、最近はアラブ諸国がイラク政権と関係修復に動くなど、微妙な変化が生じている。
 湾岸戦争後、米主導で開かれた中東和平国際会議(91年10月)は、パレスチナ暫定自治を決めるオスロ合意(93年)へつながった。イスラエルは、ヨルダンとの平和条約調印(94年)をはじめアラブ諸国との交流が増え、アラブの脅威は相対的に減少した。またトルコと、米国を含めた軍事協力関係を構築し、トルコ自体の影響力も高まった。しかし一方で、イスラエルに敵対するイスラム原理主義運動に影響力を持つイランの脅威が強まってきた。
 昨年9月以来続くパレスチナ住民とイスラエル治安部隊の衝突は、この流れに微妙な影を落としている。昨年10月の緊急アラブ首脳会議には、イラク代表が湾岸戦争後初めて招かれ、アラブ陣営に新たな結束模索の姿勢が見られた。
 時期を同じくして、エジプト、モロッコなどはイラクに医薬品など人道支援のチャーター機を送り、ヨルダンのラゲブ首相はアラブの首脳レベルとして湾岸戦争後初めてイラクを訪問、イラクの孤立脱却を印象づけた。シリア、トルコはイラクと大使級関係を回復、ペルシャ湾岸アラブ諸国はイラクの制裁解除に前向きな姿勢を示しつつある。
 背景には制裁解除後をにらんだ石油輸入など経済関係への期待に加え、反米・反イスラエル感情の高まりがある。特に和平交渉を推進できず、イラク制裁に固執する米政権に対する不信は根強い。パレスチナ・イスラエル衝突の行方いかんでは勢力図が塗り変わる可能性を秘めている。 【エルサレム・海保真人】[2001-01-17-20:01] 248
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 01/17@<国連>UNDPの元管理職が横領 10年間で2億円以上(毎日新聞)

 【ジュネーブ17日福原直樹】アフリカ各地で国連ビルなどの建設を担当していた国連開発計画(UNDP)の元管理職(トリニダードトバゴ国籍)が建設業者と結託し、10年間で2億円以上を横領していたことが、国連の内部査察室(OIOS)の調査で分かった。この元職員は米国で裁判中だが、国連は不正情報を得ながら6年以上も放置していた。国連では過去5年間に、内部犯罪で5億円以上の損害が出たことも判明。その後も告発件数が増えていることから、被害額は増えそうだ。
 査察室の調べによると、UNDPは1980年代後半からシエラレオネなどアフリカ各国で国連施設ビルなどの建設に着手していたが、元職員は建設計画の中核を担った建築家(国籍ウガンダ国籍)と共謀。87年から10年間、台所や電気設備の建設費に絡み、2億円以上の水増し請求をさせ、見返りとして5000万円以上をチャンネル諸島(北大西洋)の銀行口座に送金させていた。
 UNDPは監査でこの情報を90年初頭につかんだが、対策を講じなかった。97年に査察室が調査してから、事件の全容が判明した。
 調査後、国連は元職員を免職にし、米司法当局が逮捕した。現在、元職員は健康上の理由から保釈されている。一方、1億5000万円以上を横領したとされる建築家は米で起訴されたが、ウガンダと米との間で身柄引渡し条約がないため、いまだに同国にいる。
 査察室によると、国連では他に、パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)で架空難民をつくり上げ、その保険代計約4000万円を横領▽子弟の教育補助費を水増し要求し2000万円以上を横領(平和維持部隊)▽領収書偽造で約1億円横領(同)――などの例が確認されている。[2001-01-17-19:41] 275
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 01/17@国民は消耗、国際的批判も コンゴのカビラ大統領(共同通信)

 【ヨハネスブルク17日共同】内戦の続くコンゴで死亡が伝えられたカビラ大統領は、旧ザイールのモブツ政権を打倒した際には熱狂的な歓声を浴びたが、いま国民は終わりの見えない紛争に消耗しきっている。国際的にも大統領はしばしば批判を受けている。
 旧ザイールのモブツ大統領(当時)は国を徹底的に私物化し三十二年間君臨。その独裁者を一九九七年に倒したカビラ氏は国民にとって救世主に映った。
 しかし、カビラ氏は政権を掌握するとすぐに政党を禁止(九九年に解除)。政府批判者を投獄するなど民主化弾圧に向かい、国際社会から孤立した。カビラ大統領のツチ人軽視に伴い、モブツ打倒を後押ししたルワンダ、ウガンダとも仲たがいし、コンゴは内戦に陥った。
 九九年の停戦協定調印後は、コンゴ国内での国連平和維持活動(PKO)要員の自由な移動を認めなかった。将来の政治機構の枠組みづくりに向けて交渉の調停役を務めるマシーレ前ボツワナ大統領を「中立でない」と批判して、すげ替えを求めるなど和平を足踏みさせてきた。
 政府軍の士気は落ちており、最近ではコンゴ南東部での反政府勢力との戦闘で劣勢の政府軍約三千人が隣国ザンビアに敗走した。(了)[2001-01-17-16:18] 290
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 01/17@東アジアの米軍兵力の見直し示唆…国防報告(読売新聞)

 【ワシントン16日=林路郎】コーエン米国防長官は十六日、二〇〇一年版の米国防報告をクリントン大統領と連邦議会に提出した。報告は、東アジア地域における米軍兵力について、「十万人の現有勢力を維持する」との従来の記述を削除、「高度な能力を持つかなりの軍事力を維持する」とし、情勢の変化や軍事技術の進展に応じて将来の兵力構成を見直す可能性を示唆した。朝鮮半島情勢については南北対話などを歓迎しつつも、北朝鮮を「依然として重大な軍事的脅威」と位置づけた。
 同報告は、二十一世紀世界の安全保障環境について、「前向きな材料が数多くある」「米国の真のライバルは世界になく、近い将来も出現しそうにない」とし、全体として楽観的な見方を示した。ただし、朝鮮半島と中東を念頭に、同時に二か所で発生した地域戦争に対応する「二正面同時対応戦略」については、引き続き維持するという。
 極東情勢については、「南北首脳会談(昨年六月)など事態の進展を歓迎する」と評価した。しかし、北朝鮮が南北の軍事境界線沿いに大規模な通常兵力を展開している事実や、「テポドン2号などの大陸間弾道弾(ICBM)はいつでも発射可能」との情報機関の分析を根拠に、「引き続き軍事的脅威となる」との見方を示した。
 日本との関係では、日米同盟を「米国のアジア政策のかなめ」と位置づけ、米軍と自衛隊における指揮・通信系統、即応態勢が改善されたことを評価した。ただ、「日米同盟は多くの米国の地球規模の目標達成のカギとなる」との昨年までの記述は削除された。[2001-01-17-12:32] 298
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 01/17@米軍は東アジアの安定装置 10万人体制に触れず 米国防報(共同通信)

 【ワシントン16日共同】コーエン米国防長官は十六日、二○○一年国防報告を米議会に提出した。東アジア・太平洋地域での米軍の前方展開について「地域の安定装置であり、同盟国の平和と安全を保障している」と指摘、同地域での駐留の重要性を強調した。
 同時に、米軍兵力に関し、これまで明記していた「十万人体制」に触れず、米軍による抑止機能の維持を前提に、兵力見直しに柔軟姿勢をにじませた。
 同報告はクリントン政権下で作成されたが、ブッシュ次期大統領の安保チームには、沖縄米軍基地の兵員数見直しに前向きな意見が多く、十万人体制が見直される可能性も出てきた。
 国防報告は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の動向について「南北首脳会談の実現など朝鮮半島情勢に進展は見られるが、北朝鮮の重大な軍事的な脅威は継続している」と指摘。特に、米本土を射程に収める長距離ミサイル「テポドン2号」について、米情報機関の分析を基に「いつでも発射できる態勢にある」と警告、米本土ミサイル防衛(NMD)の必要性に言及した。
 中国についても軍備増強に懸念を示すとともに「ロシアと並び米国の競争相手になる潜在的な可能性がある」と指摘。「地域の安定と経済繁栄のため、米国は中国に関与していく」と述べた。
 国防報告は「日米同盟」に触れ「米国のアジア戦略のかなめだ」とあらためて強調。日米防衛協力新指針(ガイドライン)関連法の成立に伴う米軍と自衛隊の連携強化を歓迎した上で、日本はじめ韓国やオーストラリア、タイなどと米軍の共同演習を積極的に推進していく方針を示した。(了)[2001-01-17-11:45] 301
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 01/17@<エルサルバドル震災>救援が続々と集まる 日本の医療チー(毎日新聞)

 【サンサルバドル16日吉田弘之】エルサルバドル国内外から首都サンサルバドルに震災への救援が続々と集まっている。地震のため一時閉鎖していたサンサルバドル国際空港が再開し、海外からの援助物資が次々に到着。日本の緊急医療チームも16日、同国東部の山間部に到着し活動を始めた。
 一方で、交通網のない山間部でも大きな地すべりなどが発生し多くの死者が出ているが、救出はおろか正確な被害状況の把握も出来ない状態が続いている。
 サンサルバドル西部の国際見本市センターには国内の市民から寄せられた古着や靴などが山積みされ、被災者に配布されている。一方、一部再開された国際空港には米国、メキシコ、スペインから医薬品や医療チームが到着。このほか米国から災害救助用ヘリコプター、カナダから災害救助犬などが到着し作業を開始。フランスは約150人の医療・救助チームを送り込むという。
 空港で援助受け入れ作業を行っているエルサルバドル空軍のボリス・マチャド大佐によると、15日にはベネズエラ、カナダなどから食料や医薬品が届き、国際援助の輪は確実に広がっているという。
 国際社会からの義援金も集まり始め、英国から約88万ドル、イタリアから360万ドルなど多額の寄付金が寄せられる見通しだ。
 国連食糧計画サンサルバドル事務所のギ・ゴブロ代表は「震災前に日本から6000トンに上る米の支援があり助かっている」と語った。[2001-01-17-11:21] 324
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 01/17@◎奴隷貿易問題でアフリカと欧米が対立=国連人権世界会議が(時事通信)

 【ジュネーブ16日時事】今年8月31日−9月7日の日程で南アフリカのダーバンで開かれる国連人権世界会議の非公式準備会合が15、16日の両日、ジュネーブで行われた。会合では、奴隷貿易問題をめぐりアフリカ諸国と欧米が激しく対立した。
 世界的な規模の人権会議としては1995年9月の北京女性会議以来6年ぶり。今回の会議では、人種差別の形態や原因究明、救済措置など5項目を議論する。これまでに、会議の成果をアピールする宣言と将来の行動計画を採択することがほぼ固まった。しかし、17世紀から18世紀にかけての欧米諸国による奴隷貿易とその犠牲者に対する補償問題を救済措置の中で取り上げるかどうかで、提案していたアフリカと欧米の間で意見が対立、結論は持ち越された。 [時事通信社][2001-01-17-07:20] 251
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 01/17@サッカーの代表新監督、ラジオDJにだまされる(読売新聞)

 【ロンドン17日=川島健司】サッカー・イングランド代表の次の主将もベッカムで決まり? イングランド初の外国人監督に就任したばかりのスベン・ゴラン・エリクソン氏が、前代表監督のケビン・キーガン氏と偽って電話をかけてきたラジオ局のDJに引っかけられて、こんな発言をする一幕が16日あった。
 かついだのは、マンチェスターのラジオ局でDJをしている物まねタレントで、これまでも元代表主将のアラン・シアラーらをだましたことのある人物。イタリアの自宅に戻っていたエリクソン監督にキーガン前監督そっくりの声色で突然に電話し、激励をした。
 すっかり本物のキーガン氏と思い込み、紳士的に応じていたエリクソン監督は、昨年11月の親善試合で初めて代表主将を務めた人気選手デイビッド・ベッカム(マンチェスター・ユナイテッド)が引き続き主将をするべきか、というDJ氏の質問に、「そう思う」と答えてしまった。
 「近いうちに昼食でも」とまで誘われたDJ氏は、「エリクソン氏は非常に知的な人物。彼がマンチェスター周辺に来た時は、こちらがごちそうしたい」といたずら成功に大満足。初の外国人指揮官ということで一挙手一投足が注目を集めるエリクソン監督が、過激さで知られる英マスコミの洗礼に早くもあった形だ。[2001-01-17-19:29]
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 01/18@<劣化ウラン弾>イラクに再び国際的関心 湾岸戦争での被弾(毎日新聞)

 【バグダッド18日小倉孝保】バルカン半島での劣化ウラン弾問題が急浮上する中、湾岸戦争で劣化ウラン弾の攻撃を受けたイラクが再び注目され始めた。19日に現地入りする世界保健機関(WHO)調査団や現在派遣中のチェコ調査団に国際的関心が集まっている。
 WHOイラク事務所によると、アルワン博士を団長とする専門家5人が19日から約1週間、イラクに滞在し、現地のがん患者のデータ分析などについてイラク政府と協議する。
 劣化ウラン弾と健康被害の因果関係の究明には長期間のデータ追跡が必要で、そうした資料を持っているのはイラクだけという。WHOはイラクでの調査結果を欧州の被害者の調査にも役立てたい意向だ。
 一方、チェコ調査団長のパロー元軍司令官は15日、イラク保健省で記者会見し「部下が死んだ真の理由を知るためにイラクに来た」と語った。チェコ軍はボスニア・ヘルツェゴビナ平和安定化部隊(SFOR)に参加し、従軍した兵士1人が帰還後に死亡した。
 イラク保健省がWHOに報告した統計によると、南部バスラ州では、がん患者の数が湾岸戦争前の1990年から99年までの10年間で2・4倍に急増。イラク側は「増加分が劣化ウラン弾の被害と考えられる」と指摘する。WHOイラク事務所のポパル所長も「大げさな数字ではないと思う」との見解を示している。
 17日の湾岸戦争開戦10年でバグダッド入りしたジャーナリストは欧米を中心に約100人。イラク情報省によると、ほとんどが劣化ウラン弾の被害状況の取材を申請しているという。[2001-01-18-21:46] 26
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 01/18@◇ミロシェビッチ前大統領夫人がモスクワから帰国へ◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領の妻マルコビッチさんが12日にモスクワへ向けて出国した問題で、ジブコビッチ内相は17日、「彼女は(同日)午前10時に帰国した」と述べた。ロイター通信が伝えた。このところ前大統領の処遇をめぐる論議が盛んになっていることから、「国外逃亡」の可能性を疑う見方も出ていた。[2001-01-18-17:50] 28 [このページの最初に戻る]


 01/18@ユーゴ連邦の将来像、三者協議は不調(読売新聞)

 【ウィーン18日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)のあり方に関する初の連邦、両共和国の三者協議が十七日、ベオグラードで行われた。
 協議にはコシュトゥニツァ大統領と近く発足する見通しのセルビア共和国新政府で首相となるジンジッチ民主党党首、モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領の三人が出席。しかし、連邦制を維持したいコシュトゥニツァ連邦政権やセルビアと、独立を急ぐモンテネグロとの隔たりは大きく、協議は不調に終わった。セルビア新政府発足後に改めて継続協議する。
 この日の協議では、ジュカノビッチ大統領が「(セルビアとモンテネグロの)両共和国が独立した後に緩やかな国家連合の道を探る」と提案。これに対し、コシュトゥニツァ大統領とジンジッチ氏が外交、防衛、経済システム、運輸、通信などを共通政策分野としながらも、閣僚数を削減するなど連邦の権限を大幅に縮小する連邦再編案を示した。協議終了後、ジンジッチ氏は「我々は妥協の段階に至らなかった」と述べた。[2001-01-18-12:57] 30
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 01/18@北朝鮮との関係は再点検 パウエル氏、対日重視強調 次期政(共同通信)

 【ワシントン17日共同】黒人として初めて米国務長官に指名されたパウエル元統合参謀本部議長は十七日、指名承認のための上院公聴会で証言し、ブッシュ次期政権で対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策の包括的な再点検を実施する考えを示唆した。
 また「アジア太平洋諸国との関係の基盤は同盟諸国、特に日本との強固な関係にある」と、日本など同盟国との関係重視の姿勢を強調。中国は「戦略的なパートナーではなく、競争相手で潜在的な地域的ライバル」と述べた。
 米本土ミサイル防衛(NMD)では積極推進の考えをあらためて示した。また、ロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約は「米国の新たな戦略的枠組みの下では適切でない」と述べ修正に意欲を見せた。
 元議長は北朝鮮に関し「安全保障面で(米側の)懸念する問題に取り組む限り関与を続ける」と述べる一方、「独裁者」が膨大な兵力を配備し続ける限り「警戒の必要がある」と指摘。クリントン政権の米朝対話の結果を踏まえ、対北朝鮮政策の策定を急ぐ姿勢を明らかにした。
 対中関係では「一つの中国」政策を堅持するが、台湾への武力行使は認めないと言明した。
 外交政策全般としては孤立主義に陥らず「国益を判断した上で関与する」と強調。一方、包括的核実験禁止条約(CTBT)批准では慎重に対応、議会の次の会期で批准を求めないと述べた。
 中東については対イラク制裁を強化する方針を明言。旧ユーゴスラビア地域に展開する兵力は削減方向で見直す考えも明らかにした。
 元議長は特に問題なく国務長官として承認される見通しだ。(了)[2001-01-18-11:30] 31
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 01/18@オランダ人狙撃兵が投降 アルバニア系組織に参加か(共同通信)

 【ウィーン17日共同】プリシュティナからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する国際治安部隊の報道官は十七日、アルバニア系住民の武装組織に狙撃兵として参加していたとするオランダ人の男が同部隊に投降したことを明らかにした。
 アルバニア系組織に外国人兵士がいるとのうわさはあったが、実際に名乗り出たのは初めて。
 報道官によると、男は十四日、セルビア共和国南部でテロ活動を展開する武装組織のメンバーだと名乗り、コソボ南部グニラネの米軍基地に投降した。調査した上でオランダに送還するかどうか決めるという。(了)[2001-01-18-10:00] 25
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 01/18@◎ミリノビッチを獲得=Jリーグ・市原(時事通信)

 J1の市原は18日、DFゼリコ・ミリノビッチ(スロベニア)と契約したと発表した。同選手はオーストリア、スロベニアなど各国の1部リーグで活躍。スロベニア代表としても、昨年の欧州選手権など23試合に出場している。 (了)[時事通信社][2001-01-18-19:26] 27 [このページの最初に戻る]


 01/18@祖国ユーゴから出場のドキッチ、悩みは父親問題(読売新聞)

 今年の全豪は「ドキッチ問題」で幕を開けた。大会初日に登場したエレナ・ドキッチの紹介アナウンスの国名は、豪州ではなくユーゴスラビア。観客からブーイングがわいた。
 まだ17歳。大会出場数の制限を受けながら世界ランク25位に位置し、シドニー五輪には豪州から出場したドキッチ。父のダミールさんは、初戦で前回覇者のダベンポート(米)と当たるドローを、「不正に操作されている。豪州は人種差別の国だ」と批判して、娘が代表する国の変更と、勝っても負けても1回戦で全豪を去ることを明言していた。
 セルビア生まれのドキッチは昨年、再びユーゴ国籍を取得、7年前に移住した豪州と二つの国籍を持つ。今後は米国とベオグラードに拠点を置くという。
 ドキッチは、1回戦に敗れた後、「父はメディアに、不当に報道されている。豪州は好きだけど、早くこうしたことを終わらせたい」と伏し目がちに語った。
 ただ、どこに移っても、大会のたびに問題を起こす父の存在は、不要な精神的圧力を与え続けそうだ。試合に勝ったダベンポートが心配げに付け加えた。「彼女には素晴らしい才能がある。でも、困難も抱えている。幸運を祈りたい」(結城和香子)[2001-01-18-15:21] 153
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 01/18@在日に門戸開放を決定 日本サッカー協会理事会(共同通信)

 日本サッカー協会は十八日の理事会で、外国籍選手を六人以上登録している準加盟チームに対し、全国社会人や全日本少年などの全国大会への参加を四月から認めると決めた。日韓共催の二○○二年ワールドカップ(W杯)を控え、在日朝鮮・韓国人などの外国籍チームに全国大会への門戸を開いた。
 これまで準加盟チームには都道府県レベルの大会までしか参加を認めていなかったが、全日本ユースのU―18(十八歳以下)U―15(十五歳以下)両選手権への参加のほか、日本フットボールリーグ(JFL)昇格の道も開いた。
 ただ国体や天皇杯全日本選手権、全日本大学連盟主催大会への参加容認は見送った。
 準加盟チームは現在99チームで、うち94が在日朝鮮・韓国人のチーム。日本協会の森健児専務理事は「W杯に向け日韓協力してやっていこうという機運がサッカー界のみならず周囲でも進んでいる」と説明した。(了)[2001-01-18-20:34] 155
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 01/18@<サッカー協会>準加盟チームにJFLや社会人リーグを解放(毎日新聞)

 日本サッカー協会は18日、東京都内のホテルで理事会を開き、在日朝鮮蹴球団など準加盟扱いのチーム(外国籍選手6人以上)に対し、日本フットボールリーグ(JFL)や全国社会人大会への参加を認めることを決めた。事実上、在日朝鮮・韓国系チームへの門戸開放措置となる。しかし、天皇杯全日本選手権、全日本大学選手権は「時期尚早」として見送られた。
 参加が認められたのは年代別に、1種(社会人・大学)JFL、全国社会人大会▽2種(高校生) U18全日本ユース大会▽3種(中学生) U15全日本ユース▽4種(小学生) 全日本少年――の計5大会。都道府県単位の予選などを勝ち抜けば、それぞれの大会への出場の道が開ける。
 準加盟チームは全国に99チームあり、94チームが在日朝鮮・韓国系のチーム。このうち、東京都社会人リーグ1部に所属する在日朝鮮蹴球団はかつてリーグ優勝を果たすなど強豪として知られたものの、準加盟規定が壁となり、関東社会人リーグへの入れ替え戦に進めなかった。[2001-01-18-20:01]
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 01/19@<米大統領>テレビで「お別れ演説」 空前の好景気達成を強(毎日新聞)

 【ワシントン18日布施広】20日に退任するクリントン米大統領は18日夜(日本時間19日朝)、テレビを通じて、短い「お別れ演説」を行い、「米国経済は記録を破り続けている」と空前の好景気を達成したことを強調、今後の課題として、米国が孤立主義に陥らず、国際社会で主導的役割を果たすことなど3項目を挙げた。 
 大統領は失業率が過去30年間で最低になり、持ち家比率が過去最高となったことなどを挙げ、財政規律を維持し金利を低く抑える必要性を強調、ブッシュ次期大統領が目指す大型減税に反対する姿勢を示した。
 また、「世界中の人々が、米国を自由と繁栄に導く力と見ている」と述べ、今後とも同盟国との強い関係や経済力を生かして、米国が世界で指導力を発揮することを期待。さらに「我々はすべての人を公正に扱わねばならない」と述べ、人種や性別などに由来する差別解消を求めた。
 大統領はボスニア、コソボ紛争への米軍投入は「自由と平和の部隊を率いることによって、われわれの価値観を守り、目的を達成すること」だったと述べ、バルカン半島からの米軍撤収を検討するブッシュ次期政権の姿勢に懸念を示した。
 大統領は演説で、任期内合意を目指しながら合意に至らなかったパレスチナ和平や、元ホワイトハウス実習生との不倫疑惑など一連のスキャンダルには言及しなかった。[2001-01-19-13:41] 22
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 01/19@新政権の大型減税に反対 米大統領がさよなら演説(共同通信)

 【ワシントン18日共同】二十日に退任するクリントン米大統領は十八日夜(日本時間十九日午前)、ホワイトハウスの執務室からテレビを通じ、国民向けの「さよなら演説」を行い、財政規律の維持や、孤立主義に陥らずに国際社会での指導的役割を継続することの必要性を訴えた。
 大統領はまず、米史上最長の景気拡大を達成、失業率を低下させたことなど、国内経済の好調を維持したことを二期八年間の最大の業績として強調。その上で「財政規律を維持して金利を低くしておくことが米国を繁栄に導く」と、ブッシュ次期大統領が目指す大型減税にあらためて反対した。
 また「コソボやボスニアは自由と平和を守るために戦うことの重要性を教えてくれた」と述べ、ブッシュ氏がユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する国際部隊への米軍派遣に消極的姿勢を示すなど、他国への介入を嫌う共和党の伝統を踏襲していることに懸念を示した。
 大統領選でフロリダ州の黒人団体が投票時に差別されたと訴えるなど、人種間の対立が深刻化したことについては「多彩な色で布を織ることができなければ世界で指導的役割を果たすことはできない」などと、和解を求めた。
 一方で元ホワイトハウス実習生との不倫疑惑をはじめ、任期中に後を絶たなかったスキャンダルについては一言も触れなかった。(了)[2001-01-19-11:35] 23
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 01/19@<バルカン症候群>NATOが否定もパニックが拡大 イタリ(毎日新聞)

 【ローマ18日井上卓弥】バルカン半島に駐留した兵士の健康被害「バルカン症候群」と劣化ウラン弾の関係を究明する欧州各国の動きの先駆けとなったイタリアでは、北大西洋条約機構(NATO)が両者の関係を繰り返し否定しているにもかかわらず、パニックが拡大している。
 イタリアの「メッサジェーロ」紙は17日、昨年11月にがんで死亡した落下傘兵(44)について「バルカン症候群」によると指摘、同国9人目の犠牲者として報道された。また、伊国防省はこれまでにボスニア・ヘルツェゴビナやコソボの紛争で平和維持活動に参加した兵士少なくとも20人が健康被害を受けていることを確認した。
 バルカン半島への空爆作戦中、演習のため米軍やNATO軍が劣化ウラン弾を使用した伊軍基地周辺でも、劣化ウランへの恐怖が連鎖反応を引き起こしている。
 ローマ近郊のラツィオ州議会は16日、ローマ南郊のネットゥーノ基地周辺住民の白血病やがんの発生率が異常に高いことを指摘、演習での劣化ウラン弾使用の有無を調査するよう政府に要請した。17日には上院議員団が、99年春のコソボ空爆時に戦略物資輸送の拠点となった同国プーリア州の基地周辺の放射能汚染状況を調査するよう求めるなど、全国に散らばる基地に疑惑の矛先が向けられている。[2001-01-19-11:21] 78
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 01/19@<緒方貞子氏>日本の社会全体は内向化している、と懸念を表(毎日新聞)

 昨年末に国連難民高等弁務官を退任した緒方貞子氏が19日、日本記者クラブで退任後初の記者会見を行い、10年間の高等弁務官生活について「成功も失敗もある。緊急時には国際的支援が集まるが、安定化すると支援が減る。しかし紛争直後の開発援助が、紛争予防のためには非常に重要だと感じた」と語った。
 また「日本を人道大国にしたい」という思いで就任したものの、「日本の社会全体は内向化している」と懸念を表明。「経済、政治とも混とんとしているが、せめて人道面で突破口を開きたい」と語った。[2001-01-19-19:46] 87
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 01/19@安保政策への警戒深める 米新政権発足で欧州(共同通信)

 【ブリュッセル19日共同】二十日のブッシュ次期米大統領の就任を控え、米本土ミサイル防衛(NMD)構想で米国と立場を異にしている欧州諸国は、最近になって急浮上した劣化ウラン弾問題も絡み、新政権の安全保障政策への警戒感を深めている。
 欧州では年明けから、米軍が使用した劣化ウラン弾により白血病を発症したなどとするバルカン帰還兵の訴えが相次ぎ、イタリアが同弾の使用凍結を米国に要求するなど同盟関係にきしみが生じている。
 こうした時期に発足するブッシュ新政権が公約通りNMD推進に積極的に取り組めば、米国とロシアの新たな軍拡競争を招きかねないとして計画に消極的な欧州諸国が、態度をさらに硬化させるのは必至だ。
 欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は十八日「NMDをめぐる米欧間の見解の隔たりについては、同盟国が一体となって埋めるよう努めたい」と述べ、対立が深まる事態を回避することの重要性を強調した。
 しかし、米国が欧州側の懸念を真剣に受け止めなければ、NMDを批判するロシアが米欧間にくさびを打ち込むための積極的な対欧州外交を展開し、同盟の足並みの乱れにつながる恐れも指摘されている。(了)[2001-01-19-16:54] 95
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 01/19@<米大統領>テレビで「お別れ演説」 空前の好景気達成を強(毎日新聞)

 【ワシントン18日布施広】20日に退任するクリントン米大統領は18日夜(日本時間19日朝)、テレビを通じて、短い「お別れ演説」を行い、「米国経済は記録を破り続けている」と空前の好景気を達成したことを強調、今後の課題として、米国が孤立主義に陥らず、国際社会で主導的役割を果たすことなど3項目を挙げた。 
 大統領は失業率が過去30年間で最低になり、持ち家比率が過去最高となったことなどを挙げ、財政規律を維持し金利を低く抑える必要性を強調、ブッシュ次期大統領が目指す大型減税に反対する姿勢を示した。
 また、「世界中の人々が、米国を自由と繁栄に導く力と見ている」と述べ、今後とも同盟国との強い関係や経済力を生かして、米国が世界で指導力を発揮することを期待。さらに「我々はすべての人を公正に扱わねばならない」と述べ、人種や性別などに由来する差別解消を求めた。
 大統領はボスニア、コソボ紛争への米軍投入は「自由と平和の部隊を率いることによって、われわれの価値観を守り、目的を達成すること」だったと述べ、バルカン半島からの米軍撤収を検討するブッシュ次期政権の姿勢に懸念を示した。
 大統領は演説で、任期内合意を目指しながら合意に至らなかったパレスチナ和平や、元ホワイトハウス実習生との不倫疑惑など一連のスキャンダルには言及しなかった。[2001-01-19-13:41]
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 01/20@◇大使館誤爆事件で中国に米から賠償金2800万ドル◇(朝日新聞)

 新華社電によると、中国外務省の朱邦造報道局長は20日、1999年5月の北大西洋条約機構(NATO)による在ユーゴスラビア中国大使館爆撃事件に関して、米国政府からの損害賠償金2800万ドル(約33億6000万円)を、19日に中国政府が受け取ったことを明らかにした。中国側の死傷者の家族に対する賠償金450万ドル(約5億4000万円)はすでに支払いが終わっており、米中関係を急激に悪化させた同事件は、ブッシュ新政権の発足を前に一応の区切りを迎えたことになる。
 一方で、朱局長は、賠償は米政府が負担すべき責任だ、と強調。「米政府は事件の全面的で徹底的な調査と関係者の処罰を行い、速やかに中国政府と人民を満足させるべきだ」と求めた。[2001-01-20-23:06] 16
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 01/20@<国交回復>ユーゴとアルバニアが約2年ぶりに(毎日新聞)

 【ローマ20日井上卓弥】ユーゴスラビア・コソボ紛争に伴う北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆開始(1999年3月)後、断交していたユーゴとアルバニアが17日、約2年ぶりに国交を回復した。
 昨年秋に就任したユーゴ連邦のコシュトゥニツァ大統領は、ミロシェビッチ前大統領時代に悪化した周辺諸国との関係改善を進めており、アルバニアとの国交回復もその一環とみられる。
 ユーゴ連邦セルビア共和国南部のコソボ自治州紛争では、住民の9割を占めるアルバニア系住民に対するミロシェビッチ・ユーゴ政権の組織的弾圧政策が引き金となり、NATOがアルバニア系住民側に立って軍事介入に踏み切った。
 アルバニアは、ユーゴからの独立を望むコソボのアルバニア系住民や武装組織「コソボ解放軍」(KLA)を支持し、空爆介入したNATOに全土の基地を提供するなど全面的に協力。最盛期にはコソボ難民50万人以上を受け入れた。[2001-01-20-09:51] 17
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 01/20@対ユーゴ制裁を全面解除 クリントン米大統領(共同通信)

 【ワシントン19日共同】クリントン米大統領は十九日、ユーゴスラビアの民主化が進んでいるとして同国への貿易、金融面での経済制裁を解除する大統領令を出したと発表した。
 同国への石油禁輸、航空機乗り入れ禁止などの制裁は昨年十月に解除されており、コソボ紛争以来の経済制裁はこれでほぼ全面的に解かれた。
 ただ、ミロシェビッチ前大統領ら同国の前指導部関係者ら八十一人については、米国への入国拒否や米国の銀行との取引禁止などの制裁を続ける。(了)[2001-01-20-09:49] 18
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 01/20@<クリントン米大統領>リック・ロックウェル氏に聞く(毎日新聞)

 ――クリントン政権の特徴は。
 ◆大統領選の混乱に象徴されるように、「対立」が特徴だった。クリントン氏自身には中道で穏健な観点を保つ能力があったが、民主、共和両党の不和が続いた。ブッシュ新政権は、その解消が課題になる。
 ――米国はどう変わりましたか。
 ◆空前の経済繁栄を享受し、生活水準も全体に向上した。経済が上向きの時期にたまたま大統領になったという見方もあるが、前政権が始めた北米自由貿易協定(NAFTA)を後押しするなど、経済繁栄に一定の貢献を果たしたと思う。
 一方で、私は政治や社会の品位が低下していると危ぐしている。大統領の性的スキャンダルがこれを助長したことは間違いない。
 ――外交の評価は。
 ◆過去100年以上、米国には常に敵対関係にある国があり、それが経済や外交を活性化させてきた。冷戦終了後にはそれがなくなった。今の米国は、唯一の超大国としての力をどう使えばよいのかわからない「戸惑っている警察官」だ。クリントン政権は人権を掲げてボスニア、コソボ紛争に介入したが、積極的にというより、仕方なく介入したという印象だ。「状況を見守り、対処する」タイプの外交だった。新政権もこれを踏襲するだろう。
 ――100点満点で採点すると?
 ◆65点かな。及第点だとは思う。しかし、最初に掲げた中間所得層の減税、清潔で倫理的な政権の実現という公約を果たすことはできなかった。
 ――クリントン人気は健在のように見えますが。
 ◆非常に人気があることは確かだ。昨年の大統領選が2期目だとしたら、再選されただろう。大統領の座を降りた後も、強力な発言者として存在すると思う。大統領任期中よりも退職後に人権問題や外交で活躍しているカーター元大統領のようになるかもしれない。 【ワシントン・斗ケ沢秀俊】[2001-01-20-00:31] 19
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 01/20@<クリントン米大統領>評価分裂 経済繁栄とモラルは低下(毎日新聞)

 8年間、2922日務めた超大国指導者の職務を20日、完了するビル・クリントン米大統領(54)は、歴代大統領の中でも評価の難しい政治家だ。この8年間で米国人の生活は向上したが、人々が「大統領のおかげ」と手放しで称賛しているわけではない。公職と私生活の落差が大きく「イエス・バット」(その通り。でもねえ)とためらう雰囲気がある。「カムバック・キッド」の異名通り、数々の危機を乗り越えるのに巧みだったベビー・ブーマー(米国版団塊の世代)最初の大統領。大統領職のイメージと米政治の見取り図を変えたのは確かだ。 【ワシントン中井良則】
 8年間は4期に分けることができる。
 世論調査の支持率58%で始まった最初の2年間は不調だった。ヒラリー夫人をまとめ役に据えた医療保険改革に失敗。94年夏の支持率は39%に激減し、同年11月の中間選挙で民主党が大敗した。第二期は共和党議会と予算をめぐって対立し、勢いを盛り返す「カムバック」期。96年11月、再選され好景気を支えに強力政権への途上にあった。
 つまずいたのは98年1月、親子ほども年の違う実習生との不倫が発覚し、関係を否定した不倫もみ消し事件だ。上院の弾劾裁判で無罪評決が出るまで1年間、全米が振りまわされた。この渦中で支持率は70%と最高に達した。
 仕上げに残された最後の2年間。ユーゴスラビア空爆や未完に終わった中東和平など外交に意欲を見せた。だが、ブッシュ氏当選で、クリントン政治の継承はならなかった。最後の支持率65%はこの50年間に退任した大統領で最高だ。
 擁護派は、経済の繁栄など実績を強調する。批判派は、不倫事件など人格の問題点を指摘し、大統領職を汚したと攻撃する。世論も分裂した。「平均以上の仕事をした」と47%が合格点をつけるが、68%は「業績ではなくスキャンダルで記憶される」と冷たい。「イエス・バット」なのだ。
 米政治史に残る遺産を探すなら、リベラル派の概念を変えたことだろう。ラニー・デイビス元大統領特別顧問は「リベラルの根幹と思われていた3つの分野に挑戦した。第一に、政府予算による経済刺激より、財政赤字減らしを優先した。第二に福祉改革。第三に労組の反対を押し切って自由貿易を進めた。新しい民主党ができた」という。
 68年から92年までカーター政権の4年を除いて政権を取れなかった民主党の再生策が中道路線だった。同時に共和党との垣根が低くなり、政策の違いが薄れた。今回の大統領選が接戦になった理由の一つだ。
 クリントン大統領自身、11日、こう述べた。「米国民は8年前、活力のある中道を選択した。それがいまや新しいコンセンサスになった。基本的な風景になったからこそ、選挙があれほど接近したのだ」
 みずからが成功したと信じる政策ゆえに、選挙に勝てない矛盾。表舞台を去るカムバック・キッドの心残りかもしれない。[2001-01-20-00:31] 2
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 01/20@ソマリアでも使用か 米軍の劣化ウラン弾(共同通信)

 【ベルリン20日共同】二十二日発売予定のドイツ週刊誌シュピーゲルは、米軍がアフリカ東部のソマリアでも、がんとの因果関係が疑われている劣化ウラン弾を使用していたと報じた。
 同誌が入手した米軍の内部文書によると、一九九三年に国連平和維持活動(PKO)でソマリアに展開した米軍当局は「被ばくで多数の被害者が出ている」として、衛生兵に安全管理の徹底を指示していた。
 同誌によると、米軍は劣化ウラン弾の危険性について、国連や他のPKO参加国、地元住民らに知らせていなかったという。(了)[2001-01-20-20:01] 18
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 01/20@◎ODA削減論22%、過去最高に=外交世論調査(時事通信)

 内閣府は20日、「外交に関する世論調査」結果を発表した。それによると、政府開発援助(ODA)などの対外経済協力について、「なるべく少なくすべきだ」と考える人が前回調査に比べ3.0ポイント増の22.3%と、1977年の調査開始以来最高を記録した。ODAの意義や効果に対する国民の疑問が高まっていることを裏付けた格好だ。一方、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に「関心がある」と答えた人は62.9%だった。 [時事通信社][2001-01-20-17:20] 19 [このページの最初に戻る]


 01/20@北朝鮮への関心度63% 韓国に親しみは過半数 外交世論調(共同通信)

 内閣府が二十日付で発表した「外交に関する世論調査」によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に関心があると答えた人は六二・九%に達した。関心事項(複数回答)については日本人拉致(らち)問題(六八・六%)、ミサイル問題(五二・一%)が上位を占め、日朝国交正常化交渉で日本が解決を求めている懸案に注目していることも浮き彫りになった。
 また、韓国に親しみを感じる人が初めて過半数を記録、日韓で共催する二○○二年のサッカーワールドカップを控え、両国関係が着実に進んでいる姿を裏付けた。一方、経済協力の削減論が過去最高となり、危機的な財政事情や長引く不況を反映した。
 調査は一九七七年から毎年行っており、今回初めて北朝鮮に関する設問を盛り込んだ。北朝鮮に「非常に関心がある」は一六・六%、「ある程度関心がある」が四六・四%で、「あまり関心がない」(二四・八%)「まったく関心がない」(一○・三%)を上回った。関心があると答えた人に個別の事項を聞いたところ、日本人拉致問題、ミサイル問題、食料支援問題(五○・五%)、南北問題(四七・九%)の順となった。
 韓国に対する親近感では、「親しみを感じる」が前回より三・一ポイント増え五一・四%、「感じない」は二・九ポイント減の四四%と差が開いた。
 日本の経済協力の在り方について「現在程度」の四一・四%(前回比一ポイント減)がトップだが、「なるべく少なくすべきだ」が前回比三ポイント増の二二・三%、「やめるべきだ」は倍増の四・八%で、ともに過去最高となった。「積極的に進めるべきだ」は二三%と前回より六・二ポイントもダウンした。
 削減、廃止論の人は理由(複数回答)として「国内の経済状態がよくない」(七三・六%)「国の財政状況がよくない」(四○・六%)「どのような協力が行われているか不透明」(二八・八%)を挙げた。
 調査は昨年十月に全国の成人男女三千人を対象に実施し、回収率は七○・二%。(了)[2001-01-20-17:09] 20
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 01/20@途上国への経済協力、削減・廃止意見が27%(読売新聞)

 内閣府が二十日発表した二〇〇〇年の外交に関する世論調査結果によると、途上国への経済協力について、「積極的に進めるべきだ」と考える人は23・0%にとどまり、前年(29・2%)より減少し過去最低を記録した。また、「なるべく少なくすべきだ」が22・3%(前年19・3%)で、九六年以降五年連続で過去最高を更新。「やめるべきだ」を合わせると削減、廃止論は計27・1%に達した。
 経済協力に消極的な理由を複数回答で聞いたところ、「日本国内の経済状態がよくないから」が73・6%で最も多く、「財政状況がよくないから」が40・6%だった。また、「具体的にどのような経済協力が行われているか不透明」が28・8%、「必ずしも十分な成果をあげていないところが多いから」が28・7%となっており、経済協力の在り方を疑問視する意見も強かった。
 調査は昨年十月、全国の成人男女三千人を対象に実施、二千百七人から回答を得た(有効回答率70・2%)。
 今回の調査では初めて北朝鮮への関心度を尋ねた。「関心がある」は62・9%だった。具体的な関心事項(複数回答)としては、「日本人拉致問題」が68・6%で、「ミサイル問題」52・1%、「食糧支援問題」50・5%、「南北問題」47・9%、「核開発問題」39・3%が続いた。
 主な国・地域への親近感を各国別に聞いたところ、「親しみを感じる」は米国の73・8%がトップだった。シドニー五輪が開催されたオーストラリアを含む大洋州諸国は58・8%で、前年から9ポイントの増加。二〇〇二年にサッカーワールドカップを共催する韓国は51・4%で過去最高となった。[2001-01-20-17:06] 23
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 01/20@「変革と繁栄」誓う ブッシュ米大統領が就任 8年ぶりに政(共同通信)

 【ワシントン20日共同=杉田弘毅】「変革」と「国民すべての繁栄」を掲げ、史上まれに見る激戦となった大統領選を制した共和党のジョージ・ブッシュ氏(54)が二十日午前十一時半(日本時間二十一日午前一時半)から首都ワシントンで就任式に臨み、同日正午(同午前二時)、四十三代米大統領に就任。地球規模での変化が加速する二十一世紀の超大国と世界を率いる重大な使命を担う。
 ブッシュ新大統領は就任演説で「分断から結集へ」「米国精神の復活」を唱え、小さな政府と強い米国の建設を誓う。元大統領を父に持つ、米国史上二組目の親子の大統領。副大統領には元国防長官のディック・チェイニー氏(59)が就任し、八年ぶりの共和党政権がスタートする。
 新政権最大の課題は、減速傾向を強める米経済のかじ取り。国際的な注目が集まる中、選挙公約の一兆三千億ドルに上る大型減税の行方が当面の焦点となる。
 また、ブッシュ氏は日米同盟の強化を外交の柱として打ち出し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策の再構築や中国を「戦略的な競争相手」と位置付ける方針を表明しており、対アジア外交で微妙な変化も予想される。
 ブッシュ氏とローラ夫人は就任式に先立ち午前九時半からセントジョンズ教会の礼拝に出席。午後は連邦議会からホワイトハウスまでペンシルベニア通りの約三キロをパレードし、沿道を埋める約七十五万人の歓呼にこたえる。
 ブッシュ氏は百十二年ぶりに大統領選の一般得票数で敗北、大統領選挙人の獲得数もわずか四人差の薄氷の勝利だった。フロリダ州の開票をめぐる対立の傷跡はいえておらず、議会では共和、民主両党が拮抗(きっこう)する緊張した政治環境下の船出。黒人組織などはブッシュ氏の大統領就任に抗議しており「思いやりのある保守主義」を唱えてきたブッシュ氏の和解に向けた動きが注目される。(了)[2001-01-20-16:30] 30
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 01/20@国連が世界地方自治憲章 居住問題解決は分権で(共同通信)

 地方自治制度を世界的に整備するため、国連が採択に向け作業を進めている「世界地方自治憲章」の草案が各国に提示され、日本政府は二十日までに、草案の検討を始めた。
 自治憲章の作成は、過密、過疎など人間の居住にかかわる問題を解決するため、地方自治体の能力を強化するのが目的。草案には「地方自治体の業務に対応した財源の保障」など、昨年四月に施行された地方分権整備法で積み残された課題も盛り込まれている。
 日本政府は憲章の制定に賛成の方向だが、中国、米国などが消極的で、今年六月に予定される国連特別総会で採択までこぎ着けられるか、微妙な状況だ。
 国連人間居住センター(ハビタット、本部ケニア・ナイロビ)を中心に作成作業が進められ、現在、各国に意見を求めている。
 草案によると、自由や人間の尊厳、持続可能な発展といった目標を実現するため地方自治体を強化する必要性を強調。その上で「公的な職務、責務は市民に一番近い行政によって行使されるべきだ」と、権限を地方自治体に優先配分するよう要請している。
 自治体の財源をめぐっては「業務と責務に対応したもの」とし、仕事量に見合った財源保障を明記。具体的には、提供するサービスの費用を賄うことを原則に、自ら率を決定する権限を有する地方税、手数料、負担金を挙げて地方税財源の充実の方向を打ち出している。
 全国知事会など地方六団体は「われわれが目指す地方分権の推進、地方自治の確立と軌を一にする」と評価。総務省も草案の修正など意見集約を進めている。
 だが中国は、地方政府が強い権限を持つ憲章制定には反対している。国として統一した法律を制定することにつながりかねないことから米国も難色。二月下旬にナイロビで予定される国連総会の準備会合のテーマとして議論されるかどうかも未定という。(了)[2001-01-20-15:18] 29
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 01/20@世界自治憲章のポイント(共同通信)

 世界地方自治憲章のポイントは次の通り。
 一、地方自治の原則は、国・州の法律により認知され、憲法で保障される。
 一、行政の責務は市民に一番近い行政主体によって行われるべきだ。責務を中央政府などに移転する場合は、効率性と市民の利益の観点から正当でなければならない。
 一、自治体の財源は業務と責務に対応し、財政の持続性と信頼を保障する。国による業務、責務の移転は、対応する財源を伴わなければならない。
 一、自治体の財源のかなりの割合は、提供するサービスの費用を賄うため自ら率を決定する権限を持つ地方税、手数料または負担金でなければならない。
 一、(財政の)脆弱(ぜいじゃく)な自治体は財政調整制度で保護。自治体は同制度のルールを決める過程に参加し、(国などからの)財源配分は、自治体の優先事項を尊重する。
 一、憲章の規定は当事国の領域内に存在するすべての自治体に適用される。除外する場合は、その理由を国連事務総長に示さなければならない。(了)[2001-01-20-15:45] 37
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 01/20@◇中東和平交渉「クリントン後」に照準◇(朝日新聞)

 20日にクリントン米大統領の任期が切れるが、イスラエル、パレスチナ自治政府双方は「クリントン後」も交渉を続ける構えだ。しかし、来月6日投票のイスラエル首相公選で、クリントン大統領の調停による最終合意により紛争の終結をアピールしようというバラク首相の再選戦略は成功しなかった。同首相は20日にも、パレスチナ側が提案した約10日間の集中協議に応じるかどうかを決める。自治政府筋は、同協議は21日にも、エジプトの保養地タバで始まると述べた。
 集中協議は、パレスチナ自治政府のアラファト議長が17日、カイロでベンアミ・イスラエル外相と会談した際に提案したもの。エルサレムの聖地の主権、パレスチナ難民の帰還権などで双方とも譲らず、妥協は非常に難しい。バラク首相は18日、投票までに何らかの合意に達する可能性はほぼないとみていることを改めて表明した。
 しかしベンアミ外相や、18日にイスラエル側と集中協議について話し合った自治政府のクレイ評議会議長は、相違点を狭める可能性を、双方が真剣に探ろうとしていると述べた。
 これに対し、首相選の対立候補である野党リクードのシャロン党首は、西岸では40%余りに過ぎない現在の自治区以上の領土は与えず、ユダヤ人入植地は一切撤去しないし、東エルサレムも含めエルサレムはあくまでも不可分のイスラエルの首都として保つ、などを計画していることが明らかになった。イスラエル紙が18日に報じ、シャロン氏も大筋で認めた。
 首相は、パレスチナ側がとうてい受け入れないシャロン案を「暴力と状況の悪化を招くだけ」と批判し、和平交渉の継続を強調した。しかし、シャロン氏は世論調査の支持率で、バラク首相に約20ポイントの差を付けている。首相には、苦境をはね返す手だては今のところない。[2001-01-20-12:20] 47
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 01/20@PKO要員のエイズ予防を 国連が対策を本格化(共同通信)

 【ニューヨーク19日共同】国連平和維持活動(PKO)局と、国連エイズ合同計画(UNAIDS)は十九日、世界各地に展開するPKO要員のエイズウイルス感染防止などを目的にした包括協定を締結した。
 今年六月に初の「国連エイズ特別総会」が開催されるのを前に、国連事務局がエイズ予防や感染者へのケアで豊富な経験を持つ世界保健機関(WHO)や国連児童基金(ユニセフ)などUNAIDSに参画している各機関と提携。PKO要員の感染と、要員から展開先の住民への感染を食い止めるのが狙い。
 派遣要員に対して、エイズ教育と行動要領を徹底させ、ウイルス感染検査なども行って、要員が派遣先でのエイズ防止面でも主導的な役割を果たすことを目指している。
 ゲノPKO局長(事務次長)は「PKOは感染者が比較的多い地域に展開している」と指摘、要員を出している各国政府に検査などでの協力を呼び掛けた。(了)[2001-01-20-08:41] 50
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 01/20@<ニュース展望>イスラエル首相公選 シャロン氏なら和平暗(毎日新聞)

 中東和平の行方を左右するイスラエル首相公選が2月6日に迫っている。任期を繰り上げて再選を目指すバラク首相(労働党党首)に最大野党・右派リクードのシャロン党首が挑むが、世論調査では、保守化の風潮に乗ってシャロン党首が大幅なリードを保っている。シャロン右派政権が誕生すれば、懸案のパレスチナ和平交渉は宙に浮き、パレスチナとの衝突はさらに激化するとの見方が強い。
 今回の首相選はパレスチナとの和平交渉の曲折と衝突の泥沼化に起因している。バラク首相は昨年来の和平交渉で最終合意を急ぐあまり、領土返還問題などで従来にない譲歩姿勢を示し、右派から総スカンを食った。折悪く9月末から衝突が始まり、それを収拾できない責任をも問われて選挙に打って出た。その衝突の引き金が、シャロン党首によるエルサレム旧市街のイスラム聖地への強行訪問だったのは皮肉である。
 対決は一見、和平推進派対慎重派の簡単な構図のように見えるが、複雑な側面もある。バラク首相はパレスチナに対する強硬な武力鎮圧を続けたために、和平支持層やイスラエル系アラブ人からの評価をかなり落とした。再び和平完遂を掲げているものの、不信感はぬぐえていない。一方、シャロン党首は国防相時代の1982年のレバノン侵攻で知られるタカ派だが、ここへ来て「和平を実現する」と宣言、ソフトなイメージを売り出そうとしている。
 それでも2人の唱える「和平」には大きな違いがある。イスラエルの治安と安全保障の確保を優先しているのは共通だが、パレスチナ交渉に関し、バラク首相は短期的かつ包括的な最終合意を目指しているのに対し、シャロン党首は長期的かつ段階的な部分合意を主張している。また、クリントン米大統領の仲裁案を例に取れば、バラク首相はエルサレムの主権分割譲渡をやむなしとし、占領地であるヨルダン川西岸の95%近い返還に同意しているが、シャロン党首はエルサレムを譲らず、西岸の大幅返還にも否定的で、ユダヤ人入植地を極力廃止しない方針だ。
 イスラエル紙の世論調査によれば、シャロン党首の支持率は2週連続で50%と、32%のバラク首相を引き離している。独断的なバラク首相の人気低下もさることながら、長期化する衝突が国民の保守化傾向を招き、エルサレムの主権分割や大幅な領土返還に過半数が「ノー」を示したとの分析もある。バラク陣営は「シャロン氏はずっと和平に反し、戦争を支持してきた。彼が変わるわけがない」と声を上げ始めたが、有権者の半数近くはレバノン侵攻などシャロン党首の過去を知らず、効果は計算できない。識者の多くが「バラク首相の勝ち目はゼロに近い」と言っている。
 シャロン党首が勝てば、公約の挙国一致内閣を作ったとしても和平交渉方針の全面的な見直しを行うだろう。選挙までに米仲裁案の継承を確約する何らかの合意ができたとしても、白紙撤回する可能性が強い。同仲裁案に対してさえ条件をつけているパレスチナ側は、もっと受け入れ難い新たな条件を突き付けられることになる。シャロン党首は「暴力が止まないうちは交渉しない」と宣告しているが、逆に反イスラエル抵抗闘争が激化、拡大することも考えられる。
 アラファト・パレスチナ自治政府議長は、パレスチナ解放機構(PLO)の掃討を目的とした82年のレバノン侵攻でチュニスに追放された、シャロン党首とは因縁の仲だ。シャロン党首が外相時代の98年のイスラエル軍追加撤退合意では、互いに握手もしなかったとされる。
 仲裁案が白紙となれば、発足したばかりの米ブッシュ政権としても仲介に手がつけにくくなる。イスラエル政権の右傾化、パレスチナ民衆の過激化、米政権の刷新と、新たな混迷局面に突入する条件はそろう。[2001-01-20-01:25]
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 01/21@<米大統領>ブッシュ新政権の課題=外交(毎日新聞)

 【ワシントン21日布施広】ブッシュ新政権の当面の課題は、クリントン政権下で合意が成立しなかったパレスチナ和平への取り組みだろう。前政権からの「宿題」と言うより、中東和平の機運は、新大統領の父親(ブッシュ元大統領)の代に芽生えたもので、新政権が和平仲介に消極的になるとは思えない。和平達成への第一関門として、ブッシュ政権はイスラエル、パレスチナとの信頼醸成に努めることになりそうだ。
 1991年の湾岸戦争でクウェートを解放したブッシュ元大統領は、10月にマドリードで歴史的な中東和平国際会議を開催、アラブ・イスラエルの和解の機運を作り出した。イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の秘密交渉が、暫定自治宣言(93年9月)として結実したのはクリントン政権下だが、種をまいたのは元大統領と言える。
 だが、息子の新大統領は外交問題が苦手とされるだけに、パレスチナ和平の有能な仲介者になれるか疑問視する見方も強い。加えてイスラエルでは、2月の首相公選で、対パレスチナ強硬派のシャロン・リクード党首が当選する可能性が強く、米・イスラエル両国の体制が整うまで交渉進展は望めない情勢だ。
 一方、クリントン前大統領は昨年末、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問を断念し、米朝交渉は宙に浮いた形となった。パウエル国務長官は対北朝鮮政策を再検討すると明言しており、米朝交渉の早期再開は難しいとの見方が強い。
 このほかボスニア、コソボに駐留する米軍削減問題、イラクの大量破壊兵器の国連査察再開など課題は多いが、新政権はロシア、中国との関係も含めて米外交を包括的に見直す構えで、ブッシュ外交の方向性を明確に打ち出すには時間が必要とみられている。[2001-01-21-21:16] 3
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 01/21@<米大統領>ブッシュ就任演説 国民の結束を呼びかけ(毎日新聞)

 【ワシントン21日布施広】「米国は血統や生まれではなく、理想の下に結束した国家だ」。ブッシュ新大統領は20日の就任演説で、過去より未来を見据えた国民の結束を呼び掛けた。「思いやり」の政治を強調しつつ、「同盟国の利益を守る」と「強さ」を打ち出すことも忘れなかった。だが、約15分にわたる演説は、大統領選後の亀裂修復を意識するあまり新味に欠け、新大統領の指導力と政権基盤の安定に不安を残した。唯一の超大国は結束へ向かうのか、政治的混迷はむしろ深まるのか。雨に煙るワシントンの景色のように、世界の先行きも不透明だ。
 「皆さんのすることは、政府が行うことと同様に大切」というブッシュ大統領の言葉は、ケネディ元大統領の有名な就任演説を連想させる。激戦の末にニクソン副大統領(当時)を破ったケネディ氏は、1961年の就任演説で「国家があなた方に何ができるかではなく、あなた方が国家に何ができるかを問え」と訴え、国民統合への一歩を踏み出した。
 後段でブッシュ氏が高く評価した第3代ジェファーソン大統領も、議会での決選投票の末に大統領になった人だ。全米の総得票数ではゴア前副大統領の後塵を拝し、法廷闘争によって大統領の座を得た印象が強いブッシュ氏は、2人の高名な大統領を前例として、自分の「正統性」と「大きな可能性」を暗に強調したのだろう。
 民主党との協調が必要なブッシュ氏は、クリントン前政権への直接的な批判を極力抑え、目立たない形で演説にちりばめる方針を採った。例えば「(米国は)世界の問題に関与し続ける」との言葉は、前政権同様に、孤立主義批判の立場をとっているように見えるが、演説は、その後「(米国の)ごう慢さを感じさせずに目的を提示する」と続く。ハイチやボスニア、コソボなどへの介入を続け、一部の国から「ごう慢さ」を批判されたクリントン前大統領を意識した発言と見て間違いない。
 だが、「人道」を軍事介入の基礎とするクリントン・ドクトリンに代えて、ブッシュ氏が提示できる介入原則はあるのか。紛争介入を控えるなら、米国は世界の安定にどう関与するのか。演説から答えを推し量ることは不可能だ。また演説では詳しく言及しなかったとはいえ、ブッシュ氏が「強い米国」づくりや同盟国防衛の一環として公約したミサイル防衛網の構築は、技術的に可能なのか。さらに、大型減税の可能性や経済効果といった問題を含め、ブッシュ路線には曖昧な部分も少なくない。
 就任演説について、民主党内には「彼(ブッシュ氏)は正しいトーンを打ち出した」(ダシュル上院院内総務)など前向きに評価する声が強いが、ブッシュ氏は手放しでは喜べない。民主党との超党派路線をめざせば、クリントン政治との違いは打ち出しにくく、独自性にこだわれば、党派対立がぶり返しかねないジレンマがあるからだ。ブッシュ氏は「協調しつつ独自性を模索する」綱渡りの政治を余儀なくされそうだ。[2001-01-21-20:16] 4
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 01/21@期待と不安の世界各国 米新政権の動き注視(共同通信)

 世界で唯一の超大国、米国のブッシュ新政権は外交方針として「同盟強化」と「国益重視」を掲げた。安全保障、経済などさまざまな分野で大きな影響を受ける各国は、新政権が世界とどうかかわっていくのか、期待と不安で見詰めている。地域ごとに課題を追った。(ワシントン、北京、台北、ソウル、カイロ、エルサレム、ブリュッセル、ロンドン、モスクワ) ▽中国 ブッシュ大統領はクリントン前政権の対中政策を「経済偏重で人権問題などを軽視した」と厳しく批判。中国を「潜在的な地域的ライバル」と位置付け、「戦略的パートナー」とした前政権との違いが目立つ。ただ「一つの中国」など具体的政策に変更の兆しはない。
 米中関係では「台湾問題が最大の火種」(中国の国際問題研究家)であり、この点で米国の対中政策が極端に硬化しない限り、両国は協調と対立の微妙なバランスを維持しそうだ。
 中国の江沢民国家主席は一月上旬、「中米関係を楽観視している。戦略的には発展すると思う」と語り、従来通り関係維持・強化を目指す考えを示している。
 ▽朝鮮半島 パウエル国務長官は対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策の再点検を表明し「独裁者」と北朝鮮指導部を厳しく批判。一方で「現在の米朝枠組み合意以外に有効な枠組みはない」(国務省高官)との見方も強い。
 韓国は、朝鮮半島に対する米国の関与政策の「基本的な枠組みは変わらない」(韓国政府当局者)と見ている。しかし、中国を競争相手とする新政権の姿勢が、ミサイル問題などをめぐって米中、米朝のあつれきを激化させ、朝鮮半島の平和共存への流れに微妙な影響を与える可能性があると警戒している。
 北朝鮮は直接的な対米批判は控え、新政権の政策が具体化するまでは注視する姿勢とみられる。
 ▽ロシア ブッシュ大統領は、米本土ミサイル防衛(NMD)推進論者のラムズフェルド氏を国防長官に据え、NMD実現の前提となるロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正交渉決着にも強い意欲を見せている。
 ロシアとのABM制限条約修正問題を話し合いで解決しようとした米前政権とは異なり、ブッシュ政権はNMD配備を前提に廃棄も含め強硬姿勢で臨む可能性がある。
 米前政権の対ロ政策の根幹であった経済支援の見直し論も浮上するなどブッシュ政権が対ロ懐柔路線を軌道修正する可能性が高く、ロシアのプーチン政権は不安げな視線で見守っている。
 ▽中東 クリントン前政権が手掛けたイスラエルとパレスチナ自治政府の和平交渉の遺産をどう引き継ぐかが課題。
 イスラエルとパレスチナ自治政府は、米新政権が前政権と同様、パレスチナ和平交渉の仲介に積極的な役割を果たすことを期待している。だが、ブッシュ政権は米国の国益を守るため湾岸諸国や対イラク政策に重点を置き、パレスチナ和平への関与は薄れるとの懸念も強く、双方は不安も抱いている。
 ▽欧州 米新政権は米軍が世界各地で平和維持活動を展開することには消極的で、ユーゴスラビア・コソボ自治州などに駐留する米軍を欧州諸国と協議の上、縮小する方針。
 欧州はコソボなどでの米国の駐留政策見直しの動きに懸念を示す一方、ドイツやフランスはNMD構想に批判的だ。欧州連合(EU)が北大西洋条約機構(NATO)とは別に独自に進める緊急対応部隊問題では双方の主張の隔たりが大きい。(了)[2001-01-21-18:24] 6
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 01/21@コステリッツが回転女王 W杯アルペンスキー(共同通信)

 【コルティナダンペッツォ(イタリア)20日AP=共同】アルペンスキーのワールドカップ(W杯)女子回転で、今季6戦全勝のヤニツァ・コステリッツ(クロアチア)の種目別優勝が二十日決まった。
 国際スキー連盟(FIS)がこの日、今月七日にマリボール(スロベニア)で中止になった女子回転を代替開催しないと決定したため、コステリッツのクロアチア勢初のW杯タイトルが決まった。しかし、クロアチアのコーチは、回転のキャンセルはW杯総合2位につけているコステリッツの総合優勝を妨げるとして、FISに抗議している。(了)[2001-01-21-14:08]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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