最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(01/10, 2001)


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 01/10@◎もっとアフリカ訪問を=緒方氏が日本の政治家に注文(時事通信)
 01/10@狂牛病騒ぎ、劣化ウラン弾…独政権に批判高まる(読売新聞)
 01/10@<記者の目>ブッシュ外交の視点 中井 良則(北米総局)(毎日新聞)
 01/10@<劣化ウラン弾>理事会開くも加盟国内の懸念は消えず NA(毎日新聞)
 01/10@<中東和平>根本的な対立点が浮上 仲裁案めぐる争点をまと(毎日新聞)
 01/10@アチェのゲリラ武闘放棄 「暫定同意」と国防相(共同通信)
 01/10@◇ボスニア・セルビア人共和国の元大統領、ハーグ入り◇(朝日新聞)
 01/10@文明対話の背景に石油戦略 河野外相の湾岸外交演説(共同通信)
 01/10@◇NATO、劣化ウラン弾問題で政治委員会開き協議◇(朝日新聞)
 01/10@◇太っ腹ターナー氏、核削減NPOに2億5000万ドル◇(朝日新聞)
 01/10@◇ミャンマー軍事政権、スー・チーさんとの接触始める◇(朝日新聞)
 01/11@コソボの劣化ウラン問題、8地点で微量放射線(読売新聞)
 01/11@◎ユーゴからの帰還兵6人が入院=劣化ウラン弾問題−仏(時事通信)
 01/11@バルカン症候群、97年に英軍内部で危険指摘(読売新聞)
 01/11@◇ユーゴ大統領が連邦の権限を「最小限」とする枠組み案◇(朝日新聞)
 01/11@◇劣化ウラン弾、中国外交官にも「被害」か◇(朝日新聞)
 01/11@ボスニア戦犯が無罪を主張 他被告への影響が焦点(共同通信)
 01/11@<インドネシア>UNHCRの外国人職員殺害事件で初公判開(毎日新聞)
 01/11@<劣化ウラン弾>事態の発展を注視、と強い関心 中国外務省(毎日新聞)
 01/11@ボスニア戦犯の審理を開始 他被告にも影響か(共同通信)
 01/11@<劣化ウラン弾>ギリシャ兵65人がコソボ派遣を拒否=替(毎日新聞)
 01/11@<劣化ウラン弾>問題に関する専門委員会設置へ NATO=(毎日新聞)
 01/11@息子の結婚式でのビンラーデン氏の映像流れる(読売新聞)
 01/11@<劣化ウラン弾>英軍は以前から危険性を認識と報じる 報道(毎日新聞)
 01/11@◇北朝鮮と中国が最大の懸念 米国防総省の報告書が指摘◇(朝日新聞)
 01/11@ユネスコに小渕奨学金、国際的人材養成を支援(読売新聞)
 01/11@<米国防総省>世界の大量破壊兵器の脅威まとめた報告書=再(毎日新聞)
 01/11@<YOU館>イスラエル首相公選あと1カ月 しらける国民(毎日新聞)
 01/11@◎劣化ウラン弾使用中止に反対=仏国防相 (時事通信)
 01/11@◎清水、新コーチにブランコ氏=Jリーグ (時事通信)
 01/12@<ニュースの背景>劣化ウラン弾(毎日新聞)
 01/12@<劣化ウラン弾>コソボの投下地点に表示板を設置 国連(毎日新聞)
 01/12@<劣化ウラン弾>被弾地域の浄化など求める 国連環境計画(毎日新聞)
 01/12@<劣化ウラン弾>サラエボ近郊で放射線反応確認 平和安定化(毎日新聞)
 01/12@◇バルカンの劣化ウラン「詳細調査」を IAEA事務局長◇(朝日新聞)
 01/12@◎アルバニアとの国交回復を決定=ユーゴ (時事通信)
 01/12@劣化ウラン調査に全面協力 国際原子力機関事務局長(共同通信)
 01/12@ユーゴ大統領派が圧勝(共同通信)
 01/12@◎コソボ空爆後、がん患者急増=「劣化ウラン弾原因」と病院(時事通信)
 01/12@<ユーゴ戦犯法廷>ブラブビッチ氏の審理手続きを開始(毎日新聞)
 01/12@<スウェーデン>中立政策の見直しに動く (毎日新聞)
 01/12@<中東和平>クリントン大統領が次期政権先送りを明言(毎日新聞)
 01/12@<YOU館>74歳 カストロ節健在(毎日新聞)
 01/12@<劣化ウラン弾>1年前までの使用を認める イスラエル軍(毎日新聞)
 01/12@<米次期国防長官>ミサイル防衛全般を積極的に推進する方針(毎日新聞)
 01/13@◎ミロシェビッチ夫人、ロシアへ亡命か(時事通信)
 01/13@◎ギリシャ兵140人が帰国希望=コソボ (時事通信)
 01/13@コソボからの兵帰還を容認…ギリシャ国防相(読売新聞)
 01/13@ミロシェビッチ前ユーゴ大統領夫人、モスクワへ(読売新聞)
 01/13@<ユーゴ>ミロシェビッチ前大統領夫人がロシアに出国(毎日新聞)
 01/13@◇ミロシェビッチ夫人がモスクワへ 逃亡の見方も◇(朝日新聞)
 01/13@専門家の国際会議提唱 バルカン症候群でロシア(共同通信)
 01/13@<劣化ウラン弾>影響解明に国際会議開催を 露国防相が提言(毎日新聞)
 01/13@<劣化ウラン弾>兵士の本国帰還認める ギリシャ国防相(毎日新聞)
 01/13@国際法廷にミロシェビッチ前大統領ら引き渡しも ユーゴ法相(共同通信)
 01/13@ウラン弾で16日に初会合 NATO特別委(共同通信)
 01/13@最後の訴えは「殺すな」 コソボ国連代表がお別れ(共同通信)
 01/13@首相しのぐ知名度 「アフリカの母」緒方氏(共同通信)
 01/13@試される腰据えた支援 アフリカ歴訪終えた首相(共同通信)
 01/14@◇ユーゴの現、前大統領が会談 戦犯法廷問題で協議か◇(朝日新聞)
 01/14@<ユーゴ>前、現大統領が会談 国内訴追を確認か?(毎日新聞)
 01/14@◇原水協、米英などに劣化ウラン弾使用禁止を要求◇(朝日新聞)
 01/14@ユーゴ現、前大統領が会談 前大統領の安全も協議か(共同通信)
 01/14@◇劣化ウラン弾―こんな兵器はいらない◇ (朝日新聞)
 01/14@◎国連コソボ代表が交代=クシュネル氏は閣僚復帰へ(時事通信)
 01/14@ギリシャ、日本の安保理常任理事国入り支持を表明(読売新聞)
 01/14@対イスラム外交に手ごたえ 「河野流」きまじめ外交(共同通信)
 01/14@国連安保理の拡大で一致 ギリシャ首相が支持表明(共同通信)
 01/14@<クローズアップ>森首相アフリカ歴訪、「脱援助外交」の成(毎日新聞)
 01/14@選手登録をユーゴに 女子テニスのドキッチ(共同通信)
 01/15@コソボの国連代表に前デンマーク国防相が就任(読売新聞)
 01/15@<国連コソボ暫定統治機構>特別代表に前デンマーク国防相(毎日新聞)
 01/15@<バルカン症候群>劣化ウラン弾使用で戦犯法廷訴追も(毎日新聞)
 01/15@紛争予防などで協力確認 日・EU外相会談(共同通信)
 01/15@<劣化ウラン弾>世界保健機関がイラクに専門家派遣し調査へ(毎日新聞)
 01/15@惜しくもリベンジならず 健闘した17歳ドキッチ(共同通信)
 01/16@<負の明細書・国連の裏側>国際法廷でも不正続々(毎日新聞)
 01/16@劣化ウラン弾と白血病の関係薄い…仏国防省(読売新聞)
 01/16@<劣化ウラン弾>NATOが専門委員会で使用状況などを説明(毎日新聞)
 01/16@前大統領の扱いで分裂も ユーゴ政権(共同通信)
 01/16@◎引き渡し拒否の姿勢崩さず=ミロシェビッチ氏問題で波風も(時事通信)
 01/16@戦犯法廷検察官と会わず ユーゴ大統領(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 01/10@◎もっとアフリカ訪問を=緒方氏が日本の政治家に注文(時事通信)

 【ナイロビ10日時事】森喜朗首相のアフリカ外遊に同行している緒方貞子前国連難民高等弁務官は10日午後(日本時間同日夜)、ナイロビで記者会見し、首相の訪問について「紛争解決と開発援助を頭に描いての訪問は非常にいいことで期待している」と評価した。その一方で、「1回だけの訪問でなくもっと閣僚、政治家が来てほしい。『顔の見える援助』とはその現場に実際に人がいることだ」と述べ、今回の訪問がパフォーマンスに終わることがないよう注文を付けた。
 また、首相が提唱し、緒方氏が議長に内定している「人間の安全保障のための世界委員会」が近く発足することに関し、「議長になれば1、2年のうちに実効性がある提言を出したい」と抱負を語った。 [時事通信社][2001-01-10-23:27] 266
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 01/10@狂牛病騒ぎ、劣化ウラン弾…独政権に批判高まる(読売新聞)

 【ワルシャワ10日=三好範英】ドイツのシュレーダー政権が危機管理能力を問われている。フィッシャー保健相、フンケ農相の二閣僚が九日、狂牛病への対応が遅れた責任をとって辞任したが、劣化ウラン弾による「バルカン症候群」への対応や年金制度改革などでも、閣僚の怠慢や実務能力欠如が批判されているからだ。任期(四年)の折り返しを過ぎ、社民党のシュレーダー首相の政権運営に黄信号がともっている。
 欧州各国で問題になっている劣化ウラン弾のバルカン駐留兵への影響については、ドイツ国内でも早くから緑の党などが危険性を指摘していたが、シャーピング国防相は、同弾は「安全である」とし、バルカン半島に展開中の連邦軍兵士に対する健康対策などを怠った。イタリアなどで問題が重大視されるに至って、ようやく実態解明や同弾の使用禁止方針を打ち出し、対応の遅れを批判されている。
 昨年七月に大幅な所得、法人税減税を実現し、構造改革路線を軌道に乗せたシュレーダー政権だが、その後、改革のもう一つの柱である年金改革で、おひざ元の労組の反対にあい、いったん閣議決定した改革案を先月になり修正、迷走ぶりを見せている。改革路線の難航を示す「改革休止」というはやり言葉も生まれ、リースター労働相の実務能力に疑問符がついた。
 閣僚のスキャンダルも相次いでいる。緊縮財政の推進者であるアイヘル財務相は、公共放送の討論番組に出演するため、連邦軍の軍用機を使ってフランクフルトからベルリンへ何度も移動したことが明らかになった。またフィッシャー外相は、反体制活動家としての過去を問題視され、政権の足を引っ張る格好になっている。
 このため、首相は各閣僚に対する批判の“火消し”に追われる状態。「閣内の混乱を座視した首相の責任も重大」(マイヤー・キリスト教民主同盟=CDU=幹事長)などと、批判の矛先が自身にも及びつつある。[2001-01-10-23:15] 267
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 01/10@<記者の目>ブッシュ外交の視点 中井 良則(北米総局)(毎日新聞)

 20日に発足するブッシュ米政権は、世界をどういう視点で見るだろうか。この問いに答える手がかりは歴史にある。
 1962年10月、世界はキューバ・ミサイル危機で第三次世界大戦の瀬戸際にあった。ソ連がキューバに核ミサイルを配備し、米国は海上封鎖で対抗した。ホワイトハウスの会議記録「ケネディ・テープ」によると、政権幹部は「真珠湾」に何度も言及している。予告なしにミサイル基地を空爆すると、日本の真珠湾奇襲攻撃のように批判されるかもしれない、という議論が展開された。
 第二次大戦が終わってから17年。ケネディとその側近は自分たちが体験した大戦の歴史に照らし合わせながら、米ソ全面核戦争の危機に対処したのだった。
 「だれも自分の経験を超えた知識は持てない」(17世紀の英思想家ロック)とするならば、新政権を担う人々の体験が気になる。
 広く知られているように、ブッシュ氏の父の政権(89―93年)で要職を占めた人物が重要な役割を演じる。チェイニー副大統領(元国防長官)、パウエル国務長官(元統合参謀本部議長)、ライス国家安全保障補佐官(元国家安全保障会議ソ連担当)らだ。前のブッシュ政権は湾岸戦争と冷戦終結で歴史を画した。
 これらの人は、湾岸戦争と冷戦のふたつの大きな戦争に勝利した自信を忘れないだろう。世界を切り回すのは自分たちだという自負から「ソ連にはこう圧力をかけた」と、経験に照らして政策を決定するかもしれない。その根底にあるのは「敵を倒せ」だろう。米国流の資本主義と民主主義を世界に広める伝統的な使命感にも支えられる。
 ブッシュ氏本人は選挙運動中、「米国の指導原理は」と聞かれて「国益だ」と答えた。周囲が作った想定問答に沿っただけかもしれないが、冷戦を引きずる視点が気になる。
 こうなると「冷戦時代の世界観で、21世紀のグローバリズムに対応できるのか」とブッシュ・チームに聞きたくなる。8年ぶりに政権に復帰した彼らが戸惑うとすれば、世界が変わってしまったことだろう。インターネットは遠く離れた人々を直接、結び付ける。膨大なお金が瞬時に世界を飛びまわる。
 戦争さえも変わった。地域紛争が世界規模の米ソ対立の代理戦争となる時代は終わり、ナイ・ハーバード大教授によれば「冷戦終結は軍事面では非グローバル化を意味する」(フォーリン・ポリシー誌)。力で敵を倒すことを目標としてきた人が「敵」や「脅威」が見えない状況に気付いた時、どうするか。最も可能性があり、かつ最も危険な対応策は、脅威を作り出すことだ。
 こういう流れの中で、ブッシュ新政権のアジア・日本政策はどう変わるか。
 「新政権は日米関係をもっと重要視し、軍事同盟の強化を打ち出すだろう」(マイロン・ブリリアント米国商工会議所アジア部長)。「日本との同盟関係にもっと焦点をあて、注文も増えるかもしれない」(ウィリアム・ブリアー戦略国際問題研究所日本部長)。
 クリントン時代の中国重視に比べて、日本の位置が重要となり、かつ日米安全保障条約体制の比重が大きくなる。ワシントンの専門家の間ではこういう予測が広がっているようだ。
 経験論に立てば、ブッシュ前政権の最大の対日体験は湾岸戦争の貢献問題だろう。日本政府に多国籍軍支援を強く要請し、130億ドルを支出させた。この記憶から「日本の譲歩を引き出すには圧力をかければいい」と考えるかもしれない。
 著書「ザ・クラッシュ」(衝突)で日米外交関係史を論じたウォルター・ラフィーバー・コーネル大教授は「湾岸戦争後に日米同盟の再定義交渉があった。今後、中国をめぐって台湾で危機が起これば、日本は10年前と違って米国に十分に協力すると米国側は理解している。だが、こういう軍事協力の強化を中国がどう受け止めるかは複雑だ」と米中日の三角関係が緊張する可能性を指摘する。
 冷戦に代わった世界システムであるグローバリズムを、米国がこれまで礼賛してきたのは、米国が勝者だったからだ。欧州やアジアが回復し、米国の好景気が終わって「一人勝ち」でない状況になれば、やはり「脅威」を探そうとするかもしれない。米国にとって貿易赤字1位と2位の中国、日本がその時、矢面に立たされない保証はない。
 だが、グローバリズムに勝者がいるとすれば、特定の国家ではない。そもそも、旧来の国家だけがゲームのプレーヤーではない。多国籍企業、非政府組織(NGO)、そして何よりも個人が国境を越えて交信し、新たな価値を作り出す主人公のはずだ。「相互依存」は20世紀には理念だったが21世紀では現実となり、勝者となるだろう。
 無理に敵を探すのも、一国だけの国益の勝利を求めるのも前世紀の発想だ、と思う。ブッシュ新政権が経験にこだわって発想を転換できず、冷戦時代の力の政策に逆戻りというシナリオだけは歓迎できない。[2001-01-10-23:11] 275
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 01/10@<劣化ウラン弾>理事会開くも加盟国内の懸念は消えず NA(毎日新聞)

 【ブリュッセル10日森忠彦】バルカン半島の北大西洋条約機構(NATO)軍兵士の健康被害と劣化ウラン弾との因果関係が取りざたされている問題で、NATOは10日、前日の非公式会合に続いて大使級理事会を開いた。イタリアが要望した同弾の一時停止の提案には改めて米国や英国が反対。しかし、加盟国内の懸念は消えていない。
 NATO報道官は同日、改めて「劣化ウラン弾が人体に影響がないのははっきりしている」と述べた。同弾を使用した米国側も過去の国内調査を元に加盟国の多くで発生している兵士の白血病との因果関係を否定し、NATO内の不協和音の打ち消しに務めた。
 今回の騒動の発端となったイタリアでは白血病による死者が8人に及んでおり、NATOに対する不満が高まっている。イタリアは理事会でも徹底調査と情報開示、さらに安全性が確認されるまでの同弾の使用停止などを提案するが、使用停止については前日の会議に続いて米英の強い反対に遭うとみられる。[2001-01-10-21:26] 287
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 01/10@<中東和平>根本的な対立点が浮上 仲裁案めぐる争点をまと(毎日新聞)

 クリントン米大統領が今月20日に迫った任期切れを前に、「最後の賭け」としてイスラエルとパレスチナに示した和平仲裁案は結局、実を結ばず終わりそうな情勢だ。クリントン大統領は何らかの宣言か声明を発表し、ブッシュ次期政権に和平仲介努力を委ねるとみられる。イスラエル、パレスチナ双方が歩み寄れない最大の障害は、エルサレムの主権とパレスチナ難民の帰還権という2大難題だった。交渉で、問題の核心に近づけば近づくほど、根本的な対立点が浮かび上がった。仲裁案をめぐる争点をまとめた。【エルサレム・海保真人】
 ◆エルサレム
 クリントン大統領は仲裁案で「エルサレムをイスラエルとパレスチナ両国家の首都とし、アラブ地区はパレスチナ、ユダヤ地区はイスラエルで分け合うべき」と提唱した。西エルサレムをイスラエル、1967年の第3次中東戦争後、占領されてきた東エルサレムをパレスチナの首都にするとの「共同首都」構想だ。
 だが、東エルサレムでは占領後34年間でイスラエル側が多くのユダヤ人居住区を作り、手放す気がない。パレスチナが現状の区分に甘んじれば、飛び地だらけの首都となる。パレスチナ自治政府のラボ文化情報相は「仲裁案はイスラエル側の領土の連続性を保証しているだけだ」と疑問を投げかける。
 さらに、複雑なのはエルサレム旧市街にあるイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)」の扱いだ。仲裁案では、「岩のドーム」といわれるモスク(イスラム寺院)の建つ地表をパレスチナ側の主権に置く一方、ユダヤ神殿跡が眠るとされる地中のほか、隣接するユダヤ聖地「嘆きの壁」をイスラエル側の主権下とするとした。
 しかし、パレスチナ側は1996年、ネタニヤフ首相(当時)が岩のドームの直近を通る地下トンネルを開通させたのを発端に今回同様の衝突に発展したことやイスラエル側が遺跡調査の名目で地中を掘削してきたことを警戒、地中を含む完全な主権を主張している。イスラエル側は地上を含めた一角がユダヤ教徒にとって最も神聖な場所だと主張、地中の主権を譲ろうとしない。さらに嘆きの壁を含め、最大450メートルの長さがあるハラム・アッシャリーフ沿いの「西壁」全体の主権を求めている。双方の対立は宗教的なこだわりに根付くだけに、容易には解決しそうにない。
 ◆難民帰還権
 パレスチナ難民は現在、国連が認定しているだけで約370万にのぼる。大多数は1948年のイスラエル独立とそれに伴う第1次中東戦争でイスラエルから周辺アラブ諸国やパレスチナ側へ避難した第1世代(約80万人)とその子孫といわれる。半世紀を超えるイスラエル・パレスチナ紛争発生の根幹をなす問題だけに、難民帰還権獲得はパレスチナ側にとって重要課題の一つだ。
 米仲裁案は、パレスチナ国家への帰還や第3国への再定住、国際社会による補償の工面などを掲げつつ、イスラエルへの帰還はイスラエル側の裁量に委ねるとした。
 パレスチナ側は「難民はできるだけ早く帰還を許されるべきで、それを望まない場合は財産を補償される」とした48年の国連決議を盾に、帰還の選択は難民本人に任されるべきと主張。他国在住の難民に比べ、就職などでより多くの困難を抱えるレバノン在住の難民帰還を優先したいとしている。
 だが、総人口約600万人のうちユダヤ系約470万人、アラブ系約130万人を抱えるイスラエルにしてみれば、数百万人のパレスチナ難民が流入し、半世紀前の居住権などを主張すれば、混乱は必至だ。国内右派はもちろん、最も熱心な和平推進派とされる左派政党メレツのサリド党首でさえ「帰還権を認めることは、イスラエルにとって自殺行為だ」と抵抗している。
 ◆領土、治安
 仲裁案は領土問題で、イスラエルが67年に占領したヨルダン川西岸のうち約95%をパレスチナに返還し、残る約5%のユダヤ人入植地を併合、ガザ自治区の近郊を代替地として譲渡すると提唱した。しかし、パレスチナ側は「西岸に複数の大入植地が残ることで、領土の連続性が妨げられる」と反論している。
 さらに、仲裁案は治安問題では西岸、ガザからのイスラエル軍の撤退期間を原則的に3年とし、ヨルダン渓谷沿いに国際部隊を配備、将来、パレスチナ国家を「非武装国家」とすると提案した。パレスチナ側はイスラエル軍の撤退期間短縮を求めるなどイスラエルとの溝は埋まっていない。
【2000年】
 9月28日 イスラエル右派・リクードのシャロン党首がエルサレム旧市街のイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)」を訪問、パレスチナとイスラエルの衝突始まる。
 9月30日 ガザ地区で12歳のパレスチナ人少年が銃撃戦に巻き込まれ、イスラエル治安部隊に射殺される。生々しいテレビ映像が世界に衝撃を与える。
 10月12日 ヨルダン川西岸でイスラエル兵2人がパレスチナ群衆のリンチで殺害される。イスラエルがパレスチナ自治政府本部などを報復攻撃。
 10月17日 アラファト議長とバラク首相、クリントン大統領らが出席し、エジプトで開かれた緊急中東首脳会談で衝突停止へ合意
 10月22日 カイロで開催の緊急アラブ首脳会議が「衝突の原因はイスラエルにある」とイスラエルを非難、新たな外交関係凍結を採択
 11月29日 イスラエル国会が右派リクードなどが提出した国会解散と早期選挙を求める議案を可決。バラク首相は任期半ばでの首相公選実施を表明
 12月11日 バラク首相が辞表を提出、首相選前倒しに打って出る。その後、2001年2月6日の首相公選でバラク、シャロン両氏が一騎打ちとなることが確定
 【2001年】
 1月2日 バラク首相が米仲裁案原則受諾の姿勢を示す中、クリントン大統領と会談したアラファト議長が条件付きで仲裁案受け入れの意向を伝える。
 1月4日 アラブ連盟緊急外相級会合でパレスチナ難民の帰還権などを求める自治政府の方針を支持、事実上、米仲裁案に反対することで一致
 1月7日 クリントン大統領がエルサレムの共同首都構想などを含んだ仲裁案の内容を自ら公表。事実上、任期中の合意達成は困難と示唆。[2001-01-10-18:20] 295
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 01/10@アチェのゲリラ武闘放棄 「暫定同意」と国防相(共同通信)

 【ジャカルタ10日共同】インドネシア国営アンタラ通信がマフフド国防相の話として報じたところによると、同国アチェ特別州の独立派ゲリラ「自由アチェ運動」(GAM)は九日、ジュネーブ近郊でのインドネシア政府との協議で、これまでの武装闘争を放棄し、政治闘争に転換することで暫定同意した。
 正式合意に達すれば、五千人以上とされる犠牲者を出したアチェ紛争の転機となる。
 国防相の発言に、政府とGAMで構成する治安共同委員会のGAM側委員は共同通信に対し「政治、外交活動は独立への戦略である」と発言。無条件で武装闘争を放棄するのではなく、国軍のアチェからの撤退要求など政治闘争も続けていく考えを示唆した。
 国防相は「GAMが民主的政治過程の中で行動することで、双方が合意した」と述べ、アチェが統一国家インドネシアの一部にとどまることを意味すると指摘した。
 スマトラ島北西端のアチェはオランダの侵略に抗戦した歴史を誇り、第二次大戦後に成立したインドネシアの中央集権支配にも抵抗。GAMは一九七六年に独立を宣言したが、国軍・警察は掃討作戦を発動。昨年五月に停戦合意が成立した後も衝突が続いている。(了)[2001-01-10-17:21] 314
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 01/10@◇ボスニア・セルビア人共和国の元大統領、ハーグ入り◇(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナからの報道によると、同国を構成するセルビア人共和国のプラブシッチ元大統領は9日、国連旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷があるオランダのハーグに入った。ロイター通信は「戦犯法廷からの出頭要請に応じたもの」と伝えている。戦犯法廷は、ボスニア内戦にからむ戦争犯罪で同氏を起訴しているのかどうかコメントしていない。
 プラブシッチ氏はかつて、1995年に戦犯法廷に起訴されたカラジッチ・元セルビア人勢力指導者の側近だった。96年には同指導者の公職退陣を受けて、大統領に就任。しかしその後はたもとをわかち、欧米寄りに転じた。
 戦犯法廷はカラジッチ元指導者だけでなく、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領についてもボスニア内戦当時の犯罪に関する情報収集を続けている。プラブシッチ氏がハーグに出向いた詳しい背景は明らかでないが、「大物容疑者」についての情報提供で自らの逮捕を逃れようとしたか、仮に逮捕されても情状酌量を期待できると計算したのでは、との見方もある。[2001-01-10-12:11] 336
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 01/10@文明対話の背景に石油戦略 河野外相の湾岸外交演説(共同通信)

 【ドーハ9日共同】ペルシャ湾岸諸国を訪問中の河野洋平外相は九日夜(日本時間十日未明)のカタールでの政策演説で、湾岸諸国との関係強化に本格的に取り組む方針を表明した。
 外相は「十億人を超える信徒を有し、世界各地で伸長しつつあるイスラムについて理解を深めることが、日本外交を展開していく上で重要」と強調。自らの発案で外務省に「イスラム研究会」を発足させたことを紹介しながら、今後の湾岸外交の柱として「文明間の対話」による相互理解促進に力を入れる考えを打ち出した。
 これまでの日本のイスラム世界に対する理解が不十分だったとの反省を込めた新方針だが、背景には長期的な石油戦略があることは言うまでもない。
 外相がイスラム研究会の設置を指示したのは、アラビア石油の原油採掘権をめぐるサウジアラビア政府との交渉が決裂し、昨年二月に採掘権が失効した直後。従来の「油ごい外交」では湾岸諸国との安定的な関係、ひいては確実な原油供給は望めないとの判断からだった。
 二○○三年にはクウェート、一二年と一八年にはアラブ首長国連邦やカタールで、それぞれ日本企業の採掘権が期限切れを迎える。これらの日程の中で「河野イニシアチブ」は順次、成果を問われることになる。(了)[2001-01-10-08:45] 351
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 01/10@◇NATO、劣化ウラン弾問題で政治委員会開き協議◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)がバルカン半島で使用した劣化ウラン弾による健康への懸念が広がっている問題で、NATOは9日、政治委員会を開き協議した。10日には大使級理事会を開く。イタリアなど数カ国は劣化ウラン弾の使用中止を提案、白血病などとの因果関係を強く否定する米英との対立が厳しくなっている。
 マタレラ伊国防相は8日、「危険がないと証明されるまで、劣化ウラン弾の使用を避けるよう同盟国に求める」と話していた。
 劣化ウラン弾を使用していない欧州各国では連日、バルカン帰還兵の白血病死などが大きく報じられている。世論の高まりを背景に、独伊やポルトガルは使用場所などの情報提供と徹底調査を求めている。
 一方、欧州連合(EU)は9日、政治・安全保障委員会で意見を交換したほか、欧州委員会の環境や外交の関係者が集まり、劣化ウランの身体と環境への影響調査を専門家に依頼することを決めた。[2001-01-10-01:25] 352
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 01/10@◇太っ腹ターナー氏、核削減NPOに2億5000万ドル◇(朝日新聞)

 米CNNの創設者で、娯楽・メディア大手タイム・ワーナーの副会長テッド・ターナー氏は8日、民主党のナン元上院議員らと、核兵器の削減を目的とする非営利組織「核の脅威削減イニシアチブ」を発足させた。ターナー氏は、財政難の国連に3400万ドルを寄付して話題を呼んだばかりだが、今度は5年にわたり年額5000万ドル、計2億5000万ドルを核不拡散の分野に投じる。この日の会見で「新しい団体には、大量破壊兵器の脅威を減らす現実的で効果的な方法を探ってもらう」と語った。
 昨年5月にはプーチン・ロシア大統領と核軍縮について話し合ったターナー氏は、「米ロはもはや敵ではないのに、約3000発ずつの核ミサイルをいつでも発射できる高度の警戒態勢に置いている。だが人間の技術は完全ではない。核の偶発発射、核物質の流出など、核の脅威は冷戦時代よりもずっと危険で複雑になっている」と強調した。
 新しい団体は、兵器用プルトニウムや高濃縮ウランなどロシアの核物質の保護・管理プロジェクト、大量破壊兵器の開発に携わってきた旧ソ連の科学者を採用する企業、生物兵器のテロ対策に資金を拠出するとともに、核の偶発事故防止策などを探る。委員には、ナン氏とともに旧ソ連の核解体支援計画を主導してきたルーガー上院議員(共和党)、ペリー前国防長官、ハビガー前戦略軍司令官、ロシアのココシン元安全保障会議書記ら「核のプロ」が集められた。[2001-01-10-01:04] 357
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 01/10@◇ミャンマー軍事政権、スー・チーさんとの接触始める◇(朝日新聞)

 ミャンマー(ビルマ)軍事政権が、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんと、対話に向けて非公式に接触を始めていたことが9日、分かった。12月には2度にわたって、軍事政権の国家平和発展評議会(SPDC)第1書記キン・ニュン中将と会談したとの情報もある。
 接触はスー・チーさんが自宅軟禁状態に置かれた直後の10月ごろに始まった模様だ。キン・ニュン中将は、スー・チーさんが1989年に初めて軟禁された当初から、自宅を訪れて政権側の立場を説明するなど、最低限の対話のチャンネルを維持してきた。
 また、9日までミャンマーを訪れていた国連のラザリ特使は「事態はよい方向に進んでいる」と述べ、対話に向けての環境が整いつつあることを示唆した。直前には、マハティール・マレーシア首相がヤンゴンを訪れ軍事政権側と会談。マレーシア出身のラザリ氏の動きを支援し、現状打開に貢献したい考えもあったとみられる。[2001-01-10-00:31]
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 01/11@コソボの劣化ウラン問題、8地点で微量放射線(読売新聞)

 【ジュネーブ11日=大内佐紀】国連環境計画(UNEP)のクラウス・テプファー事務局長は十一日、ジュネーブで記者会見し、UNEPが昨年十一月にユーゴスラビア連邦コソボ自治州に派遣した劣化ウランに関する調査団が十一の調査地点のうち八地点で、自然環境よりやや高いレベルの放射線を検出したことを明らかにした。
 同調査団が現場から持ち帰った土壌や水は、世界六か国の研究所で分析中。同事務局長は「最終的な分析結果が出るまでは、劣化ウラン弾の人体への影響の有無については何とも言えない」としながらも、「念のため現場を立ち入り禁止にし、地元住民に劣化ウラン弾についての教育をする必要がある」と述べた。[2001-01-11-23:49] 15
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 01/11@◎ユーゴからの帰還兵6人が入院=劣化ウラン弾問題−仏(時事通信)

 【パリ11日AFP=時事】フランス国防省当局者は11日、劣化ウラン弾問題に関連し、旧ユーゴスラビア地域で平和維持活動に従事後、これまでに白血病などで入院した仏軍の帰還兵は6人であることを明らかにした。 [時事通信社][2001-01-11-23:38] 16 [このページの最初に戻る]


 01/11@バルカン症候群、97年に英軍内部で危険指摘(読売新聞)

 【ロンドン11日=渡辺覚】十一日付の英各紙は、一九九九年の対ユーゴスラビア空爆などで使用された劣化ウラン弾をめぐり、九七年の時点で、発がんなどの危険性を指摘した医学報告書が、英軍内部で作成されていたと報じた。劣化ウラン弾は、バルカン半島に派遣された兵士ががんなどを発病する「バルカン症候群」の原因との見方があり、波紋が広がりそうだ。
 報道によると、九七年三月にまとめられた同報告書は、劣化ウラン弾が破裂した際のチリを吸い込むと、将来的に肺がんやリンパがんを発病する危険性がある、などと指摘。放射線量は、安全基準の八倍に達すると分析し、兵士に防護服の着用などを進言している。
 この報道をめぐって英国防省は、「内部報告書とされる物は、訓練生が書いたもので科学データの誤認も多く、軍の公式な報告書ではない」との声明を発表。劣化ウラン弾とバルカン症候群との間には、因果関係は認められないとする従来の立場を強調している。[2001-01-11-22:43] 19
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 01/11@◇ユーゴ大統領が連邦の権限を「最小限」とする枠組み案◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのコシュトニツァ大統領は10日、セルビアとモンテネグロ両共和国で構成される連邦の枠組みをどう変更するかについての草案をまとめた。連邦の権限を「最小限」にとどめるとし、これまでの主張通りに連邦の存続を確認している。モンテネグロ政府は昨年12月、連邦の解体を前提に緩やかな「同盟」締結を目指すと決定。モンテネグロとの話し合いは近く始まる見通しだが、双方の溝は大きい。
 コシュトニツァ大統領の案は独立系BETA通信が伝えた。それによると連邦憲法を改正して、連邦政府の権限を外交や国防など「最小限」に縮小。現在は14ある省庁を5つに減らす、などとしている。
 しかし現実に機能しているのは連邦軍ぐらいで、モンテネグロはすでに独立状態に近い。大統領案が受け入れられる可能性は低いため、コシュトニツァ氏はモンテネグロとの正式な話し合いを始める前に支持母体「民主連合」のメンバーと意見を調整すると見られる。[2001-01-11-20:38] 20
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 01/11@◇劣化ウラン弾、中国外交官にも「被害」か◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)がバルカン半島で使用した劣化ウラン弾による健康被害が懸念されている問題で、中国紙、北京青年報は11日、中国の駐ユーゴスラビアの外交官ら数十人にも「被害」が出ている、と伝えた。中国外務省の朱邦造報道局長は11日の定例会見で、NATOのユーゴスラビア空爆を改めて強く非難し、健康問題について「事態の推移を注視している」と述べた。
 同紙は、1991年の湾岸戦争当時にクウェートに駐在していた外交官のインタビュー記事を掲載。米軍の使用した劣化ウラン弾によって健康障害が出たとの主張を紹介した。また、ベオグラードの中国大使館の話として、館員の「2、30人」が呼吸器系統や泌尿器官に問題が出ているとも伝えた。 [2001-01-11-20:20] 21
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 01/11@ボスニア戦犯が無罪を主張 他被告への影響が焦点(共同通信)

 【ブリュッセル11日共同】ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の際、イスラム教徒らの虐殺を指示したなどとして、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴され、十日に出頭したボスニアのプラブシッチ元セルビア人共和国大統領(70)の初公判が十一日開かれ、元大統領は起訴事実を否認した。
 元大統領は、戦犯法廷が起訴した被告のうち、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領や、ボスニア内戦中のセルビア人指導者カラジッチ氏らに次ぐ大物。今後の法廷証言などによっては、他の被告の処遇にも影響が出かねないため、審理の行方が注目される。
 昨年四月に秘密裏に起訴されていた元大統領が今になってボスニアから出頭した理由について、元大統領の代理人は十日の記者会見で、最近まで起訴されていたことを知らなかったからだと指摘。「元大統領は自らの潔白を証明する場が戦犯法廷しかないと悟った」と述べた。
 しかし、戦犯法廷のデルポンテ主任検察官が他の大物戦犯逮捕に執念を燃やしているため、元大統領との間で刑の減免などと引き換えに他被告に関する情報を提供する「司法取引」が行われたのではないかとの観測もくすぶっている。
 戦犯法廷報道官によると、元大統領はカラジッチ氏の元側近で、ボスニア内戦開始前後の一九九一―九二年に、虐殺指示など人道に反する罪を犯したとして起訴された。(了)[2001-01-11-20:17] 22
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 01/11@<インドネシア>UNHCRの外国人職員殺害事件で初公判開(毎日新聞)

 【ジャカルタ11日中坪央暁】インドネシアの西ティモール(東ヌサトゥンガラ州)で昨年9月、東ティモール独立に反対する併合維持派民兵らが国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の外国人職員3人を殺害した事件で、殺人罪などに問われた6人の被告に対する初公判が11日、北ジャカルタ地裁で開かれた。冒頭陳述で、検察は「被告らは意図的に3人を殺害した」と述べたが、弁護側は「殺害は計画的なものではなかった」と反論した。
 事件は9月6日、東ティモールとの境界の町アタンブアで、避難民キャンプの群集3000人が国連事務所を襲撃し、クロアチア人ら外国人職員3人を殺害した。同事件では、西ティモールの治安維持に責任を持つインドネシアに対し、国際的な非難が巻き起こり、インドネシア政府は襲撃の中心となったとみられる6人を逮捕するとともに、民兵の武装解除と組織解体を進めてきた。
 国連は事件後、治安の回復が不十分として、避難民への援助活動を停止したままになっている。[2001-01-11-19:26] 24
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 01/11@<劣化ウラン弾>事態の発展を注視、と強い関心 中国外務省(毎日新聞)

 【北京11日坂東賢治】中国外務省の朱邦造報道局長は11日の記者会見で、米軍がコソボ紛争などで大量の劣化ウラン弾を使用し、「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害との関連が指摘されていることについて「北大西洋条約機構(NATO)加盟国も調査を表明しており、事態の発展を注視している」と述べ、強い関心を示した。
 中国紙「北京青年報」は同日付で、湾岸戦争当時にクウェートに駐在していた中国の外交官や、コソボ紛争時にユーゴスラビアに駐在していた外交官らに「バルカン症候群」に似た健康被害が起きていると報じたが、朱局長は「現在のところ、状況を把握していない」と確認を避けた。[2001-01-11-18:21] 25
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 01/11@ボスニア戦犯の審理を開始 他被告にも影響か(共同通信)

 【ブリュッセル11日共同】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は十一日、戦犯として起訴され、十日に出頭したボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人共和国のプラブシッチ元大統領(70)に対する審理手続きを開始する。
 元大統領は、戦犯法廷が起訴した被告のうち、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領や、ボスニア内戦中のセルビア人指導者カラジッチ氏らに次ぐ大物。法廷側に協力すれば、他の被告の逮捕にもつながりかねないため、審理の行方が注目されている。
 昨年四月に秘密裏に起訴された元大統領がボスニアから出頭したことについて、元大統領の代理人は十日の記者会見で、最近まで起訴されていたことを知らなかったからだ、と述べた。
 しかし、戦犯法廷のデルポンテ主任検察官が他の大物戦犯逮捕に執念を燃やしているため、元大統領との間で自らの免責などと引き換えに他被告に関する情報を提供する「司法取引」が行われたのではないかとの観測もくすぶっている。
 戦犯法廷報道官によると、元大統領はカラジッチ氏の元側近で、ボスニア内戦開始前後の一九九一―九二年に、イスラム教徒虐殺を指示するなど人道に反する罪を犯したとして起訴された。(了)[2001-01-11-16:04] 26
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 01/11@<劣化ウラン弾>ギリシャ兵65人がコソボ派遣を拒否=替(毎日新聞)

 【ローマ10日井上卓弥】10日付のアテネの地元紙「アテネ・ニュース」によると、コソボ平和維持部隊(KFOR)参加兵の交代期(1月半ば)を控え、ギリシャ国防省が8日に実施した志願確認調査の結果、コソボ勤務を希望していたギリシャ人兵士340人のうち、65人が「バルカン症候群」への不安などを理由に志願を取り下げた。
 ギリシャは兵士約1400人をコソボに派遣しているが、軍人団体が9日、全員ををただちに帰還させるよう政府に要請するなど、バルカンに駐留した兵士が白血病やがんを発症する「バルカン症候群」への恐怖と、劣化ウラン情報を伏せてきた米英など北大西洋条約機構(NATO)中枢部に対する反発が高まっている。
 バルカン半島南端に位置するギリシャは、地理的な条件や同じ東方正教を信じるセルビア人への親近感から、NATOのユーゴスラビア空爆(1999年春)に最も強硬に反対した。現在も米英に対する反感は根強く、「バルカン症候群」問題を契機に、KFOR参加拒否を唱える左翼系団体の抗議行動も活発化している。
 ギリシャでは98年にボスニア平和安定化部隊(SFOR)に参加した兵士1人が白血病を発症したことがわかったばかりで、国防省が劣化ウランとの関係を調査している。[2001-01-11-12:45] 30
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 01/11@<劣化ウラン弾>問題に関する専門委員会設置へ NATO=(毎日新聞)

 【ブリュッセル10日森忠彦】バルカン地域に駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍兵士の健康被害と劣化ウラン弾との関係が取りざたされている問題で、NATOは10日、大使級理事会を開き、劣化ウラン弾問題に関する専門委員会を設置することを決めた。NATOは専門委と共にボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア・コソボ自治州に部隊を派遣している国や国連に情報開示と健康調査の協力を行っていく。
 理事会後、記者会見したロバートソン事務総長は「劣化ウラン弾が人体に重大な影響を与えるという証明はない」として、改めて同弾と健康被害との因果関係を否定。イタリアが求めた同弾の一時使用停止についても見送った。
 しかし、各国からの疑問が相次いでいるため、(1)国連や欧州連合(EU)などの調査に協力する(2)理事会としてもバルカン駐留部隊派遣国との協議を始める(3)NATOの医療委員会で健康障害を調査する(4)部隊派遣国と情報交換、協議する専門委員会を設置する――などの方針を決めた。
 今年に入ってイタリア、フランスなどのNATO加盟国で白血病やがんにかかったバルカン帰還兵士の報道が相次いだ。このため劣化ウラン弾の被弾地域などに関する情報を十分提供なかったNATO本部、ボスニアとコソボで劣化ウラン弾を集中使用した米軍に対する不満が高まっていた。NATO側は専門部会を設けることで、こうした批判を避ける方針だ。[2001-01-11-00:56] 174
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 01/11@息子の結婚式でのビンラーデン氏の映像流れる(読売新聞)

 【ニューデリー11日=佐藤浅伸】カタールの衛星テレビ局アル・ジャジーラは十日、国際テロの黒幕とされるイスラム原理主義者、オサマ・ビンラーデン氏が息子の結婚式に出席した際の映像を放映した。
 同テレビ局によると、式典は九日、潜伏先のアフガニスタン南部カンダハルで行われた。じゅうたんに腰を下ろしたビンラーデン氏が笑顔で人々を迎える様子が映し出されている。新婦は自身の側近の娘という。出席者の中にはエジプトのサダト大統領暗殺を実行した「ジハード団」の幹部で、ビンラーデン氏と行動を共にしているアイマン・ザワヒリ氏の姿もあった。
 ビンラーデン氏は一九九八年の米大使館連続爆破テロ、昨年十月の米駆逐艦爆破テロなどへの関与が疑われている。国連安保理は昨年十二月、アフガニスタンの支配勢力タリバンに対し、その身柄引き渡しを要求する決議を採択したが、タリバンは強く反発している。[2001-01-11-23:03] 176
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 01/11@<劣化ウラン弾>英軍は以前から危険性を認識と報じる 報道(毎日新聞)

【ロンドン11日岸本卓也】白血病など人体への悪影響が問題になっている劣化ウラン弾について、BBC放送など英報道各社は11日、4年前に英軍内部で作成された有害性を指摘する報告書を基に「国防省は以前から危険を認識していた」と報じた。発がん性などの症状との因果関係を否定する英国防省は「作成された書類は下士官の下書きであって幹部は採用していない」と弁解している。
 報告書は1997年3月4日付の軍人向けの「医学リポート」と記され、劣化ウラン弾が破裂した際の粉じんを吸いこむことにより「二酸化ウランの粒子が体内に蓄積する」と指摘。二酸化ウランの「毒性は低い」としながらも「放射能によって肺やリンパ節などのがんを誘発する恐れがある」と強調している。
 また、報告書は戦場でのウランの量は基準の8倍にもなるとして、防御用マスクなどの着用で粉じんの吸入を極力少なくするように警告している。一方、報告書とは別に、各報道機関は「ウラン粉じんが約50キロ四方にわたって浮遊し、地域住民の健康にも悪影響を与える」との専門家の話も紹介している。
 バルカン地域に派遣した自国兵士に白血病が多発したイタリアなどの欧州各国政府の懸念に対して英政府は米政府とともに劣化ウラン弾と健康被害の因果関係を否定し、「湾岸戦争の帰還兵にも異常はない」と主張している。しかし、湾岸戦争に派遣された元兵士の間でも白血病などの「湾岸戦争症候群」が問題化している。[2001-01-11-22:51] 199
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 01/11@◇北朝鮮と中国が最大の懸念 米国防総省の報告書が指摘◇(朝日新聞)

 米国防総省は10日、核、生物・化学兵器や弾道ミサイル開発の報告書を発表し、「北東アジアでは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中国が最大の懸念だ」と指摘した。コーエン長官は、報告書を引用しつつ、北朝鮮、イラン、イラクの「脅威」を強調し、米本土ミサイル防衛(NMD)の必要性を唱えた。NMD配備を掲げるブッシュ次期大統領は、政権発足を目前に、NMD開発の根拠を得た形だ。エネルギー省の諮問委員会も同日、「ロシアの核物質管理が新政権の最も緊急な課題となる」との報告書をまとめ、大幅な予算増を提言した。
 国防総省の報告書「拡散の脅威と対応」は、クリントン政権末期に和解ムードが高まった北朝鮮について、「南北朝鮮の首脳会談や米朝の高官会談にもかかわらず、強力な軍事力維持の方針を堅持しており、大量破壊兵器やミサイルの開発計画は安保戦略の核心であり続けるだろう」と述べ、「外貨の獲得手段として中東や南アジアにミサイル技術を輸出している主要国のひとつ」と強調した。
 中国については、100発以上の核弾頭を保有し、核ミサイル戦力の大型化、精度の向上を進めている▽2015年までに米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)を数十基に増やす▽NMDに対抗して核兵器の近代化を速める可能性が強い、と指摘した。
 また、国際テロの黒幕として、米国が行方を追うオサマ・ビン・ラディン氏のイスラム過激派組織が、大量破壊兵器の獲得に関心を示している、と述べ、「経済の衰退、犯罪組織の強大化、兵器の研究機関の警備のゆるみ、核物質の輸出管理の甘さ」などが顕著になっているロシアが最も狙われやすい、と警告した。
 4万発以上の核兵器、1000トン以上の高濃縮ウラン、150トン以上の兵器用プルトニウムがあるロシアについては、ベーカー元上院議員とカトラー元大統領顧問が共同議長を務めるエネルギー省の諮問委員会が、10日の報告書で、「核物質が盗まれ、テロリストや敵対国家の手に渡る危険が切迫している」と訴えた。委員会はブッシュ次期政権に対し、向こう8年から10年間で、核物質の管理強化予算として300億ドルを投じるべきだ、と提言した。[2001-01-11-17:58] 210
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 01/11@ユネスコに小渕奨学金、国際的人材養成を支援(読売新聞)

 【パリ10日=池村俊郎】ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)の松浦晃一郎事務局長は十日、ユネスコ主催の国際的な人材養成プログラムとして、日本外務省から約四十万ドル(約四千七百万円)の供与を得て、小渕前首相の名を冠した小渕恵三奨学プログラムを発足させることを明らかにした。
 対象は環境、異文化交流、情報通信技術、紛争解決の四部門で各国の博士課程レベルの研究者とし、今年から三年間、各年二十人を選抜し、希望する国での研究を支援する。各国最大二人の申請者を三月十五日まで受け付ける。[2001-01-11-13:31] 213
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 01/11@<米国防総省>世界の大量破壊兵器の脅威まとめた報告書=再(毎日新聞)

 【ワシントン10日布施広】米国防総省は10日、世界の大量破壊兵器の脅威をまとめた報告書を発表し、ミサイル関連技術などを拡散させている国として、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中国、ロシアを名指しで批判した。報告書は、昨年6月の南北首脳会談後も北朝鮮が大量破壊兵器の開発を重視する姿勢を変えていないと指摘、中国については、新型長距離ミサイルの発射実験を数年以内に行うだろうと予測している。クリントン大統領の訪朝断念に続いて、国防総省が北朝鮮の脅威を強調したことは、今後の米朝関係に微妙に影響しそうだ。
 北朝鮮について報告書は「1、2発の核爆弾」のほか、生物・化学兵器を保有している可能性があり、米国や日本、韓国の説得にもかかわらずミサイル開発を続けていると指摘した。具体例には言及していないものの、核開発凍結を約束した94年の米朝枠組み合意後にも、「核開発に使う技術取得を試みた証拠がある」と記している。
 クリントン大統領の訪朝を強く希望した国務省に対し、国防総省は慎重な態度を示し、大統領は昨年末、訪朝を断念した。報告書は、朝鮮半島の緊張緩和ムードとは裏腹に軍事状況は変わっていないとの認識に立ち、北朝鮮への警戒感を前面に打ち出している。
 また、中国は最近、射程約8000キロの長距離ミサイル「東風31」の発射実験に成功したが、報告書は中国が「さらに射程の長い可動式の大陸間弾道弾を開発しており、数年以内に発射実験を行うだろう」と述べ、米国が米本土ミサイル防衛(NMD)を導入した場合は、米国を標的としたミサイル開発を加速させる可能性があると指摘した。
 一方、報告書はイスラム原理主義の黒幕、ウサマ・ビン・ラディン氏の組織が、核・化学・生物兵器を入手する危険性にも言及、これは米国にとって「将来の脅威」であり、大量破壊兵器や原材料が流出したり、盗まれる可能性があるロシアの現状を懸念した。旧ソ連の核物質が流出した例として、報告書は1994年にチェコで2・7キロの高濃縮ウランが発見され、ドイツでは360グラムのプルトニウムが押収されたと指摘している。
 ウサマ氏については、イエメンで昨年10月起こった米駆逐艦コールの爆破テロ事件に関連し、コーエン国防長官が10日の講演会で、犯人を断定する決め手はないが、同氏の組織の関与を示す「状況証拠」収集に努めると述べ、98年夏、ケニア、タンザニアで起こった米大使館同時爆破テロ事件に続き、ウサマ氏の組織が米艦テロを敢行した可能性を示唆した。[2001-01-11-12:51] 216
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 01/11@<YOU館>イスラエル首相公選あと1カ月 しらける国民(毎日新聞)

 中東和平の解決は、パレスチナ住民とイスラエル治安部隊との衝突激化とともに、21世紀にずれ込んだ。2月6日に行われるイスラエル首相公選は、和平の新たなかじ取りを決める重要な選挙になる。衝突を収拾できないバラク首相(労働党党首)と、衝突のきっかけを作った右派野党リクードのシャロン党首の対決。八方ふさがりの状況は変わるだろうか。 【エルサレム・海保 真人】
■首相人気下落
 バラク首相の支持率は世論調査が行われるたびに減っている。イディオト・アハロノト紙によると、1カ月前はバラク首相40%に対しシャロン党首は42%でほぼ互角だったが、先週は32%対50%に差が広がった。衝突問題で強硬鎮圧姿勢から和平路線に転じても打開ができず、内政で国会解散・総選挙実施方針から単独首相公選実施に切り替えるなど曲折するうえ、ワンマン的な態度が「不信」の主因となっている。かつての後見人、ワイツマン前大統領も3日の国営テレビで「首相のヒューズは飛んだ」と語り、シャロン党首への支持を表明した。
 これに対し、シャロン陣営は「おとなしくして、バラク首相のミスを待つ」と党首のメディア出演を極力避け、詳細な公約・綱領すら発表せず、“黙り込み戦術”で首相の人気下落に付け入ろうとしている。
■2人に大差なし
 シャロン党首は悪役イメージがつきまとう人物だ。1982年、イスラエルがレバノンを侵攻した時の国防相として知られ、以後18年間続いた泥沼の国境紛争は国民に嫌悪された。昨年9月28日、エルサレム旧市街のイスラム聖地を強行訪問し、これがパレスチナとの衝突につながったことで国際社会に非難された。
 バラク陣営はレバノン侵攻時のパレスチナ難民虐殺事件などを有権者に喚起し、「シャロン首相になれば中東に戦争が起きる」と国民の不安をあおろうとしている。しかし武力鎮圧で既に300人以上が殺され、バラク首相に見切りをつけた感のあるパレスチナ側は「バラク自身が戦争の準備をしているのでは」(アスフール自治政府非政府組織相)といぶかっている。
■さらなる混迷も
 バラク首相は「パレスチナとの和平合意を達成し、国民の信を仰ぐ」と宣言したが、早期の合意は絶望的だ。一方、シャロン党首は譲歩的な合意が達成されても「尊重する必要はない」と明言しつつも、和平を意識して「和平をもたらすことができるのはシャロンだけ」とのスローガンを掲げ始めている。
 ハーレツ紙のアキバ・エルダー論説委員は「国民はシャロン党首が本気で和平を求めているとは信じていないし、バラク首相が実体のある和平を実現できるかどうかにも懐疑的だ。多くは和平にしらけ、選挙をやる前から落胆している」と分析、投票率の低下を予測している。
 現在優位のシャロン党首が勝てば、バラク政権が受け入れを表明した米の和平仲裁案を拒絶し、パレスチナとの衝突がさらに激化する恐れもある。バラク首相が勝って合意を実現できても、劣勢の国会勢力で過半数の承認を得るのは困難だ。新世紀を飾る首相公選は、新たな混迷の入り口になる可能性もある。[2001-01-11-12:36] 248
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 01/11@◎劣化ウラン弾使用中止に反対=仏国防相(時事通信)

 【パリ10日時事】フランスのリシャール国防相は10日、国民議会(下院)で、劣化ウラン弾問題について、フランスは同弾を使用しないとしながらも、北大西洋条約機構(NATO)での使用中止を求める立場にはくみしないと表明した。
 同相は「科学的に(危険性が)証明された場合、こうした兵器の使用制限をNATOの総意で実施すべきである」と語り、現段階では、イタリアなど一部の国が求めている同弾の使用制限を支持しない考えを示した。
 同相によれば、過去数年にわたりフランス軍内部で白血病にかかった兵士の状況調査を行った結果、軍内での発生率は一定であり、一般成人の発生率と大きな違いはなかったという。 [時事通信社][2001-01-11-06:38] 23
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 01/11@◎清水、新コーチにブランコ氏=Jリーグ(時事通信)

 清水は11日、前水戸監督のバビチ・ブランコ氏(50)=ユーゴスラビア=とコーチ契約したことを発表した。清水ユースのGK鶴田達也(静岡学園高)が、統一契約を締結せず社員選手としてプレーすることも決まった。 (了)[時事通信社][2001-01-11-18:40] [このページの最初に戻る]


 01/12@<ニュースの背景>劣化ウラン弾(毎日新聞)

  Q バルカン半島に駐留する兵士に健康被害が相次ぎ、主に米軍がボスニア、コソボ紛争で使用した劣化ウラン弾との因果関係が焦点になっている。劣化ウラン弾とは何で、何が問題点なのか?
 A 劣化ウランは天然ウランから核燃料や核兵器の原料となる濃縮ウランを取り出した際に出る濃度の薄いウラン。
 これを弾頭に付けた劣化ウラン弾が本格的に大量に使われたのは1991年の湾岸戦争。米軍は約300トンを使用したとされる。その後、従事した米英兵が健康障害を訴え、「湾岸戦争症候群」と呼ばれた。また住民にもがんの発生率が高くなるなどの報告が続いた。米国はその後、独自の調査を行い、「症候群と劣化ウラン弾との因果関係は立証できない」との報告書をまとめた。
 その一方で、米軍は劣化ウラン弾取り扱い時のマニュアルなども作成している。99年3月〜6月のユーゴスラビア空爆の際にコソボ自治州で使用した後も、被弾地で調査する際は防護服や防毒マスクなどの使用を部隊内で義務づけた。
 今回、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康障害が続いたことで、安全性が確立されていない兵器が米軍によって再び使われたことが問題となっている。
 民間組織・劣化ウラン反対キャンペーン(本部・英国)によると、米国などから輸出された劣化ウラン弾を通常装備するのは約20カ国・地域になるという。日本でも95―96年に沖縄・鳥島での米軍による劣化ウラン弾誤射事件が発覚した。米領プエルトルコの海軍基地やA10攻撃機が訓練するアリゾナ州などでも同様の汚染が指摘されている。 【ブリュッセル・森忠彦】[2001-01-12-23:55] 3
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 01/12@<劣化ウラン弾>コソボの投下地点に表示板を設置 国連(毎日新聞)

 【ウィーン12日福井聡】北大西洋条約機構(NATO)がコソボ紛争の際に使用された劣化ウラン弾が白血病などの健康被害を引き起こしているとの疑いが指摘されている問題で、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は11日、同弾が多数投下されたユーゴスラビア連邦コソボ自治州内で、投下地点に表示板を設置すると共に、住民に健康検査を提供することを発表した。
 発表によると、国連コソボ暫定統治機構は一般住民を保護するため、コソボ内に展開中の国連平和維持部隊(KFOR)と協力し投下地点の特定を急ぎ、「危険。この地域は重金属残余毒物を含んでいる可能性あり。立入り禁止」とする看板を掲示するとしている。だが、KFOR側は「全投下地点を特定するのは至難の技」としている。
 国連はまた、州都プリシュティナの病院に被害者への実態調査を実施する部署を設置、世界保健機関(WHO)から派遣される専門医3人と共に検診などを実施するとしている。[2001-01-12-22:45] 6
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 01/12@<劣化ウラン弾>被弾地域の浄化など求める 国連環境計画(毎日新聞)

 【ブリュッセル11日森忠彦】バルカン半島で北大西洋条約機構(NATO)が使用した劣化ウラン弾問題で、国連環境計画(UNEP)のテプファー事務局長は11日、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州で放置状態にある被弾地域の徹底調査と隔離、浄化を求めた。NATOは10日、国連への協力方針を示したものの、浄化作業は不要としていた。国連側はNATOの姿勢を不十分として新たな要求を投げかけた形で、3月に示す報告書でもこの点を強く指摘する方針だ。
 事務局長はジュネーブでの記者会見で「コソボのすべての使用地点で浄化作業が終わるまで住民が近づけないよう立ち入り禁止すべきだ。住民への教育も必要だ」と語った。UNEPは昨年11月に米軍が攻撃した112地点のうちの11地点で現地調査し、うち8地点から高い放射線反応を確認した。ハービスト調査団長も「住民の安全のためには告知、浄化作業は不可欠。(NATO主導の)治安維持部隊(KFOR)に要請したい」と語っており、最終報告書にはこの点も盛りこむという。[2001-01-12-10:40] 7
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 01/12@<劣化ウラン弾>サラエボ近郊で放射線反応確認 平和安定化(毎日新聞)

 【ブリュッセル11日森忠彦】バルカン半島での劣化ウラン弾問題に関連して、ボスニア・ヘルツェゴビナに駐留する平和安定化部隊(SFOR)のドイツ部隊は11日までに、サラエボ近郊で微量の放射線反応を確認したと明らかにした。今回の騒動を受けて、ボスニアで同弾の痕跡とみられる放射線反応が確認されたのは初めて。
 サラエボからの報道によると、ドイツ部隊は1994年から95年に米軍が同弾を集中使用したとされるサラエボ西部20キロのハジッチ村で現地調査を実施。セルビア人勢力の兵器工場跡で放射線反応を確認した。ドイツ部隊は「(放射線の量は)危険なほどではなく、一帯は閉鎖されている」と語ったが、さらに詳しい調査を行うため本国から専門機器を取り寄せるという。[2001-01-12-10:40] 8
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 01/12@◇バルカンの劣化ウラン「詳細調査」を IAEA事務局長◇(朝日新聞)

 旧ユーゴスラビアで使われた劣化ウラン弾による健康被害への懸念が、バルカン地域に平和維持部隊を出す欧州各国から相次いで表明されている問題に関して、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)のエルバラダイ事務局長は12日、「劣化ウラン弾が使われた地域と、接触した人々についての詳細な調査が必要だ」と声明を出した 同事務局長は声明で「予防措置を講じることは賢明だ」と述べ、被弾地域に一般市民が立ち入ることのないよう封鎖するなどの対策を勧めた。[2001-01-12-10:14] 9 [このページの最初に戻る]


 01/12@◎アルバニアとの国交回復を決定=ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン12日時事】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、ユーゴ政府は11日、断交していた隣国アルバニアとの国交再開を決定した。アルバニアの了承を待って、両国は正式に国交を回復する。
 昨年10月初めのミロシェビッチ政権崩壊に伴って発足したコシュトニツァ・ユーゴ政権は、国際協調と善隣外交を進めている。アルバニアとの国交を回復すれば、国境を接するすべての国との外交関係が再開されることになる。 [時事通信社][2001-01-12-10:10] 10
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 01/12@劣化ウラン調査に全面協力 国際原子力機関事務局長(共同通信)

 【ウィーン11日共同】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は十一日、北大西洋条約機構(NATO)軍がユーゴスラビア・コソボ自治州などで使用した劣化ウラン弾が健康被害をもたらしているとの疑いが出ている問題で、IAEAが他の国際機関の調査に全面的に協力するとの声明を発表した。
 事務局長は「劣化ウランは天然ウランの約四○%の放射能しか放出しない。人体への影響を評価するためには、どのような状況で吸引したり接触したりしたかなどの詳しい状況を解明する必要がある」と述べた。
 IAEAは昨年十一月に国連環境計画(UNEP)がコソボ自治州で実施した現地調査に参加している。(了)[2001-01-12-08:30] 11
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 01/12@ユーゴ大統領派が圧勝(共同通信)

 【ウィーン11日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、十日に投票のやり直しが一部で行われたユーゴ連邦セルビア共和国議会選挙で共和国選管は十一日、コシュトニツァ連邦大統領のセルビア民主野党連合(DOS)が六六・八四%を獲得して圧勝したとの開票結果を公表した。
 これにより民主連合のジンジッチ氏を首相とするセルビア政府が一月中にも発足する見通しとなった。
 やり直しは十九の投票所で違反などの異議申し立てを受けて実施されたが、先月二十三日の投票結果に基づく議席配分には影響はなかった。
 共和国議会(定数二百五十議席)の議席は民主野党連合が百七十六、セルビア社会党が三十七、セルビア急進党が二十三、セルビア統一党が十四で確定した。(了)[2001-01-12-08:29] 12
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 01/12@◎コソボ空爆後、がん患者急増=「劣化ウラン弾原因」と病院(時事通信)

 【コソブスカミトロビツァ(ユーゴスラビア・コソボ自治州)11日AFP=時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州北部コソブスカミトロビツァの病院関係者は11日、劣化ウラン弾問題に関連し、1999年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるコソボ空爆後、同病院に入院するがん患者数が200%増加し、昨年は160人に達したと指摘した。
 同関係者はAFP通信に対し、「患者の4割は劣化ウラン弾による空爆を受けた地域の出身者だ」とした上で、「がん患者がこれほど増加した原因は、劣化ウラン弾以外に考えられない」と非難した。 [時事通信社][2001-01-12-07:22] 13
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 01/12@<ユーゴ戦犯法廷>ブラブビッチ氏の審理手続きを開始(毎日新聞)

 【ブリュッセル11日森忠彦】旧ユーゴスラビア連邦国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は11日、戦犯容疑で起訴していたボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人共和国のブラブビッチ元大統領(70)に対する審理手続きを開始した。出廷した同氏は無罪を主張した。審理を通してセルビア人指導者、カラジッチ氏の逮捕やミロシェビッチ・ユーゴ前大統領の追加起訴へと進展するかどうかが注目される。
 起訴状によると、ブラブビッチ元大統領は1991年から92年にかけカラジッチ氏の側近として、イスラム教徒への大量虐殺や人道に反する罪などに加わった。同法廷は昨年春、非公開で元大統領を起訴、最近になって本人に伝えたという。
 内戦が終結した後はカラジッチ氏から離れ、和平後の1996年から2年間は新生セルビア人共和国の大統領を務めた。その後もオルブライト米国務長官と会談するなど、親欧米路線を取っているため、今回の審理もカラジッチ、ミロシェビッチ両氏を法廷に追い込みたいデルポンテ法廷主任検察官との間での裏交渉がうわさされている。[2001-01-12-00:06] 3
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 01/12@<スウェーデン>中立政策の見直しに動く(毎日新聞)

 緊急対応部隊への兵力提供など欧州連合(EU)への関与を強めるスウェーデンが、伝統の「中立」政策の見直しに向け動き始めた。ペーション首相の与党・社会民主党はこのほど党の政策案で「中立」という表現を省くことを提案した。一方で、EUが目指す共通外交政策との一体化は、中立国として国際紛争の調停や平和運動に貢献してきた同国の外交基盤を弱めるとの懸念も根強く、論議を呼びそうだ。【ストックホルム・笠原敏彦】
 スウェーデンは「平時の非同盟、戦時の中立」を掲げ、冷戦時代は北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構の間で非同盟中立を貫いた。中立維持のため、強力な軍事力を整備してきたが、政府は昨年3月、大幅な軍削減計画を発表し、陸軍13旅団を6旅団まで減らし、うち4旅団を欧州緊急対応部隊に充てる方針を示した。
 社民党は昨秋、「非同盟」の立場は堅持しながらも、「中立」という言葉を安全保障の定義から外す政策案を示し、今年秋から党内で本格論議する方針だ。ペーション首相は「冷戦が終わって中立という概念はもはや適切でなくなった」と理由を語っている。
 背景には、同国が95年に加盟したEUが共通外交政策を模索し、NATOが東欧諸国への拡大を進めるという欧州の劇的な安全保障環境の変化がある。防衛政策を巡っては軍からも変化に即した再定義を求める声が強い。軍本部のペーション報道担当官は「軍の士気を維持するには、安全保障政策で今後の道筋を明確にする新ドクトリンが必要だ」と語る。
 一方、ある外務省高官は「EUが共通外交政策を強化すれば、小国の立場を重視し国連中心主義で進めてきた我々の独自外交の余地が狭まる」と危惧する。また、議会第3党の左翼党は「緊急対応部隊への参加は非同盟国としての立場を弱める」と懸念を示す。これに対し、ダニエルソン国務相は「軍隊の派遣は国連やNATOへの協力で既に実施しており、非同盟という立場に変化はない」と説明している。
 2003年に創設される緊急対応部隊に集団自衛的な役割はなく、平和維持活動などの危機管理が中心になる。スウェーデンは同部隊に兵力1500人などを提供する方針を表明。今月からはEU議長国となり、同部隊の細部を詰める役割も担うことになった。[2001-01-12-23:55] 116
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 01/12@<中東和平>クリントン大統領が次期政権先送りを明言(毎日新聞)

 【ワシントン12日布施広】クリントン米大統領は12日、パレスチナ和平達成の見通しに言及、「パレスチナで何が起きるかは(ブッシュ)次期政権とイスラエル首相公選の勝者の責任になるだろう」と次期政権に先送りされる可能性について初めて明言し、20日の退任前の合意を事実上あきらめていることを明確にした。一時予定されていたロス特使の中東訪問は無期限延期されたたままで、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問を断念し、パレスチナ和平達成を退任の花道に想定してきたクリントン政権は不本意な任期切れを迎えそうだ。
 ロイター通信によると、クリントン大統領は遊説先からワシントンに戻る専用機の中で、「今のイスラエル政権とパレスチナ自治政府は、少なくとも仲裁案を(原則的に)受諾した」と述べる一方で、任期中に和平合意を結ぶのは時間的に苦しいことをを明確に認めた。
 任期内合意が不可能なら、20日に発足するブッシュ政権と2月6日に行われる首相公選の当選者とで、新たに和平交渉を仕切り直すしかない。だが、イスラエル首相公選では、現職のバラク首相が右派リクードのシャロン党首に世論調査で水をあけられ、再選は困難視される状況。対パレスチナ強硬派のシャロン氏が当選すれば和平交渉の一層の停滞は必至で、米国のブッシュ次期大統領とパウエル次期国務長官がパレスチナ和平にどれだけ熱意を示すかも不透明だ。
 一方、週内とみられたロス特使の中東訪問について、パリ滞在中のオルブライト国務長官は、今のところ日程が立たないと述べ、自身の中東訪問の可能性も否定した。大統領と並ぶ主要な仲介役のオルブライト長官がパレスチナ和平に言及することも少なくなった。クリントン大統領は昨年末に懸案の訪朝を断念、パレスチナ和平の仲介に専念してきたが、残る任期は8日間となり、最終合意はおろか、和平に関する共同声明をまとめるのも難しいとの見方が大勢になっていた。今回のクリントン発言はこの現状を自ら認めたものといえる。[2001-01-12-19:20] 139
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 01/12@<YOU館>74歳 カストロ節健在(毎日新聞)

 社会主義国、キューバのフィデル・カストロ国家評議会議長(74)が元気だ。政府は今年を「新世紀における革命勝利年」と位置付け、議長も「世界でたった一国になっても社会主義を守る」と意気軒高だ。冷戦が終焉(しゅうえん)して11年。冷戦の象徴、キューバ危機を描いた映画「13デイズ」も話題になり、軍事的に脅威ではなくなったキューバに感情的なまでの敵対心を抱く米国との関係が、新世紀に入っても最大の注目点であることに変わりはない。 【メキシコ市・吉田 弘之】
■革命42周年
 カストロ議長は昨年9月の国連ミレニアムサミットでクリントン米大統領に歩み寄り、「歴史的な握手」をして話題を呼んだ。
 だが、ハバナで頻繁に開かれた反米集会では一転してデモ行進の先頭に立ち、長時間の演説をした。
 今月1日はキューバ革命の42周年記念日。夕方、映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」で一躍有名になったミュージシャン、コンパイ・セグンド氏らのコンサートなどがハバナを中心に繰り広げられ、カストロ・キューバ革命の新世紀入りを祝った。
 キューバ政府は「米国はわが国をヤンキー旗(星条旗)のもう一つの星(州)にしようとする不可能な試みを続けてきた」と非難し、国民に社会主義の堅持を訴えた。
■振り子
 キューバ経済は、旧ソ連崩壊を機に、一気に窮地に追い込まれた。このため、キューバ革命以来、約40年間続いている米国による経済制裁解除が、カストロ体制の将来を占う大きなカギとなっている。だが、米国は、亡命キューバ人社会の米議会に対する激しい反カストロ・ロビー活動で制裁を継続。今のところカストロ体制の終焉以外、制裁解除の選択肢を持たない。
 キューバに新たな市場を求める米国とキューバの関係は近年、振り子のように揺れ続けている。1999年11月、マイアミ沖で漂流していたところを助けられたキューバ人少年、エリアン・ゴンサレス君の身柄引き渡し問題を境に、両国関係は「雪解け」と「緊張」の間をさまよった。クリントン政権は亡命キューバ人社会の要求を退けてエリアン君の帰国を認め、両国の緊張緩和の兆しと受け止められた。
 だが昨年10月、米議会を通過した医薬品と農産物に限って輸出を解禁する対キューバへの経済制裁一部解除は、逆にカストロ議長を激怒させた。米国金融機関からの融資は認められず、米国からの観光旅行が基本的に禁止されるなど厳しい内容となったためだ。カストロ政権に厳しい共和党・ブッシュ政権が誕生したこともあり、関係は再び振り出しに戻りそうな気配だ。
■カストロ後
 61年1月3日に米国が対キューバ断交を発表して40周年を迎えた翌日の4日。カストロ議長の後継者で実弟のラウル・カストロ国家評議会第1副議長兼国防相(69)が国営テレビに出演。「米国はフィデルが生きているうちに(キューバとの)関係を改善すべきだろう。その後ではもっと難しくなる」と語った。キューバでは「禁句」のカストロ議長の死に触れた瞬間で、キューバ・ウオッチャーを驚かせた。
 ラウル副議長は対米関係についてカストロ議長より強硬派として知られ、自らが政権を握った時を想定した発言と取れる。「ポスト・カストロ議長」。新世紀を迎え改めて世界の注目が集まっている。[2001-01-12-12:41] 149
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 01/12@<劣化ウラン弾>1年前までの使用を認める イスラエル軍(毎日新聞)

 【エルサレム11日海保真人】イスラエル軍は11日、1年前まで劣化ウラン弾を使用していたことを初めて明らかにした。
 軍報道官によると、劣化ウラン弾は海軍が空と海上の標的のみを対象に用い、約1年前に使用をやめた。具体的な使用場所や中止の理由は明らかにしなかったが、レバノンとの国境紛争では使わなかったとしている。兵士の健康被害などは確認されていないという。
 イスラエル軍はこれまで劣化ウラン弾の使用を公式には認めていなかったが、欧州での問題化を機にイディオト・アハロノト紙が11日、過去の使用を報じた。同紙によれば、1985年に地中海でパレスチナ・ゲリラの船を撃沈したのが最初の使用だったという。[2001-01-12-10:41] 153
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 01/12@<米次期国防長官>ミサイル防衛全般を積極的に推進する方針(毎日新聞)

 【ワシントン11日清宮克良】ブッシュ次期米政権の国防長官に指名されたドナルド・ラムズフェルド氏(68)は11日、指名承認を審議する上院公聴会で、「米国のみならず海外の米軍、同盟国を防衛する効果的なミサイル防衛網を整備しなければならない」と述べ、米本土ミサイル防衛(NMD)だけでなく、日米が共同で技術開発を進める戦域ミサイル防衛(TMD)構想を含めミサイル防衛全般を積極的に推進する方針を表明した。
 次期国防長官が構想実現に意欲を示したことで、ブッシュ政権下ではTMD配備推進を求める対日要求が強まることが予想される。
 ラムズフェルド氏は「21世紀の脅威」として、ミサイル攻撃やサイバー(電脳)テロ、宇宙の軍事施設の破壊などを挙げ、情報・通信分野を中心とする米軍近代化の必要性を唱えた。今後も米国や同盟国に対する脅威が存在するとの見解を示し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)について「大量破壊兵器とミサイル関連技術を拡散させている」と指摘、ミサイル防衛網の整備は「抑止力を強化する」と強調した。
 TMDは相手国から発射された弾道ミサイルを衛星やレーダーでとらえ、海上・地上配備の迎撃ミサイルで撃ち落とすミサイル防衛システム。日米両国は北朝鮮や中国への対応を念頭に海上型の共同技術研究を進めることにしている。中国は台湾へのTMD配備を警戒している。
 ブッシュ次期政権の閣僚の承認は20日午後に上院本会議で行われ、ラムズフェルド氏の承認は確実視されている。同氏はフォード政権の1975年に国防長官に就き、2回目の就任となる。[2001-01-12-10:15]
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 01/13@◎ミロシェビッチ夫人、ロシアへ亡命か(時事通信)

 【ウィーン12日時事】ユーゴスラビアのBETA通信は12日、内務省筋の情報として、ミロシェビッチ前大統領のミリャナ・マルコビッチ夫人が同日、ロシア・アエロフロートの定期便に搭乗し、モスクワに向かったと報じた。昨年10月のミロシェビッチ政権崩壊後、同夫人が出国したのは初めてで、ロシアに亡命を求める可能性もある。[時事通信社][2001-01-13-00:36] 23 [このページの最初に戻る]


 01/13@◎ギリシャ兵140人が帰国希望=コソボ(時事通信)

 【アテネ13日AFP=時事】ギリシャ国防省スポークスマンは13日、劣化ウラン弾による健康被害を恐れ、ユーゴスラビア・コソボ自治州駐留平和履行部隊(KFOR)参加のギリシャ部隊1500人のうち約140人が帰国を求めていることを明らかにした。
 同スポークスマンによれば、ツォハツォプロス国防相が12日、コソボ自治州のウロシェバツ駐屯地を訪問した際に、駐留兵士から申し出があったという。同国防相は、帰国の要望は迅速に処理するとしている。 [時事通信社][2001-01-13-22:21] 25
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 01/13@コソボからの兵帰還を容認…ギリシャ国防相(読売新聞)

 【ウィーン13日=佐々木良寿】ユーゴスラビアからの報道によると、同国のコソボ自治州を訪れていたアポストロス・ツォハツォポロス・ギリシャ国防相は十二日、コソボ平和維持部隊(KFOR)に参加するギリシャ軍部隊に対して、劣化ウラン弾による健康被害に懸念を持つ兵士の帰国を認める意向を明らかにした。
 現在、同州に展開するKFORは約四万人。うち、ギリシャは、約千五百人を派遣している。[2001-01-13-22:16] 26
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 01/13@ミロシェビッチ前ユーゴ大統領夫人、モスクワへ(読売新聞)

 ミロシェビッチ前ユーゴ大統領のミリヤナ・マルコビッチ夫人がモスクワ入りしたことが13日までに明らかになった。夫人は、前政権の連立与党「ユーゴ左翼」党首。報道によると、夫人は往復航空券を有しているが、帰国便は未定という。10月の政権転覆直後に出国しモスクワに滞在中の息子一家の訪問と今後の対応協議が目的との見方が強い。(ウィーン支局)[2001-01-13-22:10] 27 [このページの最初に戻る]


 01/13@<ユーゴ>ミロシェビッチ前大統領夫人がロシアに出国(毎日新聞)

 【ウィーン13日福井聡】ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領のマルコビッチ夫人が12日、ロシアに出国したことが確認された。消息不明の息子一家に会いに行ったのか、あるいは亡命の準備に動いたのかと話題を呼んでいる。
 ベオグラード空港当局者らによると、マルコビッチ夫人は警備員2人に同伴され、同空港からアエロフロート定期便でモスクワに出国した。夫人の切符は往復だが帰国日をオープンにしていたという。
 夫人は前大統領が率いる社会党と連立関係にあった政党「ユーゴ左翼」の党首で、昨年9月の連邦議会選挙で当選。しかし同党は同12月のセルビア共和国議会選挙で当選ゼロという惨敗を喫した。
 夫妻の長男マルコ氏は昨年10月の政変直後、家族とともにモスクワに亡命したとされており、夫人は息子一家に会いに行ったとの観測がある一方、セルビア議会選で国内での政治基盤を失ったことから「亡命準備」の声も出ている。[2001-01-13-19:41] 29
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 01/13@◇ミロシェビッチ夫人がモスクワへ 逃亡の見方も◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアからの報道によると、ミロシェビッチ前大統領の妻マルコビッチさんが12日、ベオグラードからモスクワへ向かった。目的はわかっていない。
 ユーゴ国内では不正蓄財などで前大統領の訴追を求める声が高まっている。出国が事実とすれば、蓄財に関与した疑いを持たれるマルコビッチさんが逃亡したのではないかと疑う見方もある。
 独立系のBETA通信は警察筋の情報として、マルコビッチさんはロシアのアエロフロート航空の定期便に搭乗したと伝えた。セルビア国営テレビは空港関係者の話をもとに、チケットには帰国便の指定が記されていなかったと報じた。[2001-01-13-11:54] 30
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 01/13@専門家の国際会議提唱 バルカン症候群でロシア(共同通信)

 【モスクワ12日共同】インタファクス通信によると、ロシアのセルゲーエフ国防相は十二日、ユーゴスラビア・コソボ自治州などからの帰還兵にがんが多発、北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」問題で、専門家による国際会議の開催を提唱する考えを示した。
 会議は劣化ウラン弾による健康被害の影響などについて客観的に調査するのが目的。国連や欧州安保協力機構(OSCE)などの枠組みでの開催を想定しており、国防相はこの開催案をプーチン大統領に提案する予定という。
 ロシアは先にイワノフ外相が国際調査の必要性に言及。劣化ウラン弾問題をNATO批判の格好の材料として発言を強めている。(了)[2001-01-13-10:22] 31
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 01/13@<劣化ウラン弾>影響解明に国際会議開催を 露国防相が提言(毎日新聞)

 【モスクワ12日田中洋之】ロシアのセルゲーエフ国防相は12日、ユーゴスラビア紛争で米軍が使用した劣化ウラン弾の人体への影響を解明するための国際会議の開催を求めた。国防相によると、会議では全欧安保協力機構(OSCE)か国連の枠内で、専門家が劣化ウラン弾の危険度を検討する。近くプーチン大統領に提案するという。
 国防相はまた、バルカンでの平和維持活動に従事したロシア兵に今のところ白血病は確認されていないが、今後帰還兵を含めた全員の検査を実施する方針を明らかにした。
 セルゲーエフ国防相は「ロシアは北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆が地域の環境に重大な結果をもたらすと当初から指摘していた。劣化ウラン弾使用に対する我々の懸念が明確になった」とNATOを厳しく非難した。[2001-01-13-10:06] 32
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 01/13@<劣化ウラン弾>兵士の本国帰還認める ギリシャ国防相(毎日新聞)

 【ローマ12日井上卓弥】ユーゴスラビア・コソボ自治州を訪問中のギリシャのツォハツォプロス国防相は12日、コソボ平和維持部隊(KFOR)に参加しているギリシャ人志願兵に対し、「劣化ウラン弾の健康への影響に不安を感じる者には帰国を認める」と述べた。バルカン地域駐留兵士の健康被害「バルカン症候群」が問題化して以来、KFORに参加する北大西洋条約機構(NATO)加盟国のうち、兵士の本国帰還を認めたのは初めて。
 ギリシャは志願兵約1400人をKFORに派遣しているが、今月半ばに予定される兵員交代期を前に、コソボ派遣が決まっていた志願兵約330人のうち、12日までに100人近くが希望撤回の意思表示をするなど、「バルカン症候群」への不安が高まっている。同国防相は記者団に対し、「劣化ウラン弾による健康被害の可能性が存在する限り、たとえ1人の兵士であっても、本人の意思に反してコソボに駐留させることは好ましくない」と述べた。
 NATO加盟国の中で米英は劣化ウラン弾と「バルカン症候群」の関係を否定しているが、因果関係を追及するギリシャや独伊との溝がさらに深まりそうだ。[2001-01-13-10:06] 33
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 01/13@国際法廷にミロシェビッチ前大統領ら引き渡しも ユーゴ法相(共同通信)

 【ウィーン12日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信が十二日、報じたところによると、ユーゴ連邦のグルバチュ法相は旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されたミロシェビッチ前大統領ら戦犯の身柄引き渡しは可能との見解を表明した。十一日夜、北部ノビサドでの会議で述べた。
 コシュトニツァ大統領は憲法規定を理由に、コソボ紛争に絡んで戦犯として起訴された前大統領らの引き渡しを事実上、拒否していた。憲法はユーゴ国民を外国や外国法廷に引き渡すことを禁じているが、法相は「ハーグの法廷は国連機関であり憲法の禁止規定は適用されない」と言明した。
 同法廷のデルポンテ主任検察官が近くユーゴを訪れ戦犯引き渡しを要求するとみられ、この問題で何らかの進展も予想される。(了)[2001-01-13-08:52] 34
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 01/13@ウラン弾で16日に初会合 NATO特別委(共同通信)

 【ブリュッセル12日共同】北大西洋条約機構(NATO)は十二日、劣化ウラン弾に関する特別会合を開き、十日の大使級理事会で設置を決めた同弾に関する特別委員会の初会合を十六日に開催することを決めた。
 特別会合では、今後の特別委の在り方などを協議。ユーゴスラビア・コソボ自治州で独自の放射線測定などを実施しているポルトガルは、調査結果を特別委に報告する意向を表明したが、これまでのところは高レベルの放射線は測定されていないという。
 特別委にはNATO加盟国だけでなく、ボスニアに展開する平和安定化部隊(SFOR)や、ユーゴスラビアの国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)などに参加している非加盟国も加わり、同弾に関する情報交換や調整を行う。(了)[2001-01-13-08:51] 35
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 01/13@最後の訴えは「殺すな」 コソボ国連代表がお別れ(共同通信)

 【ウィーン12日共同】「最後のメッセージは単純だ。殺人はやめてくれ」。約一年半の任期を終えた国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル特別代表は十二日、最後の演説で切実な願いを訴えた。
 同代表は、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆終了後の一九九九年六月に就任。プリシュティナからの報道によると、同代表は、少数派セルビア人が多数派のアルバニア系住民に報復されるのを防ぐという目的が「残念ながら完全には達成できなかった」と認めた。
 市内のスポーツセンターで行われた式典には数百人が集まり同代表との別れを惜しんだが、セルビア人住民の姿はほとんどなかった。
 後任代表のヘカロップ元デンマーク国防相は十五日に着任する。(了)[2001-01-13-08:47] 52
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 01/13@首相しのぐ知名度 「アフリカの母」緒方氏(共同通信)

 【アブジャ13日共同】十三日に終了した森喜朗首相のアフリカ歴訪に同行した緒方貞子前国連難民高等弁務官は、アフリカを三十一回も訪問し、ほとんどの国の首脳と面識がある「アフリカの母」(森首相)。行く先々で大歓迎を受け、時には首相をしのぐ人気と知名度をみせつけた。
 最初の訪問地南アフリカでは在留邦人が主催する歓迎パーティーに出席、参加者に取り囲まれ、記念撮影に引っ張りだこに。十一日にはケニアの難民キャンプを訪れ、古巣の国連難民高等弁務官事務所に立ち寄ると職員らに囲まれ、熱烈な歓迎を受けた。懐かしさからか、気丈な緒方氏にしては珍しく涙を見せ、取り囲んだ職員らも次々ともらい泣きする場面も。
 昨年末に退任したばかりの国連難民高等弁務官在任中は「ミッション続きでくたびれて、四、五カ月は旅行したくなかった」のが本音だが、過密日程にも疲れた様子を見せぬスーパーウーマンぶりを発揮。今月末に正式発表される「人間の安全保障のための国際委員会」では共同議長の大役を引き受ける。
 退任後は「仕事仕事で迷惑を掛け通しだった夫と過ごしたい」と話していた緒方氏だが、ゆっくり休めるのはしばらく先になりそうだ。(了)[2001-01-13-17:09] 58
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 01/13@試される腰据えた支援 アフリカ歴訪終えた首相(共同通信)

 【アブジャ13日共同】森喜朗首相は十三日、南アフリカ、ケニア、ナイジェリアのアフリカ三カ国訪問を終えた。これまで訪れたことのない「地理的にも遠く、心理的にははるか遠い国」(森首相)を回る「フロンティア外交」でアフリカ重視の姿勢をアピールした首相だが、今後は支援策などの実践が問われる。
 首相は南アでの政策スピーチで、アフリカへの協力を「日本外交のかなえ(の軽重)が問われる」と訴え、開発支援と紛争予防・難民支援を両輪に、アフリカ重視を鮮明にした。先進国首脳では極めて異例の難民キャンプも視察、「現場」を踏むことで日本の姿勢を印象づけた。
 しかし同行した緒方貞子前国連難民高等弁務官が「視察を通じて必要と感じた援助が帰国後になされる形になればいい」と述べたように、成果が試されるのはこれから。一回の訪問で終わるのではなく、腰の据えた支援が求められている。
 日本はアフリカにとって五指に入る援助国であるにもかかわらず、「国際会議で少し顔を出すだけの国という印象しかない」(首相周辺)と存在感の薄さが悩みだったことから、今回の訪問は「日本株」売り込みには絶好の機会。悲願の国連安全保障理事会常任理事国入りに向け「大票田」のアフリカの支持を取り付けることも狙った。各国首脳から首相訪問の意義を強調する声が相次ぎ、一定の目的は達したといえる。
 また、日本国内での政府開発援助(ODA)をめぐる論議を意識したためか、恒例の大規模経済協力プロジェクトなどの「お土産」を用意しない新機軸の訪問でもあった。
 一方、国内で支持率低迷にあえぐ首相にすれば、アフリカ各国での大歓迎ぶりが報じられることで、「外交得点」を稼ぎ政権浮揚につなげたいとの思惑があったのも間違いない。ただ、在留日本人との会合で「支那事変」「いつクビになるか分からない」などと脱線発言し、逆に不安定さを浮き彫りにしてしまう危うさもあった。(了)[2001-01-13-15:55]
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 01/14@◇ユーゴの現、前大統領が会談 戦犯法廷問題で協議か◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのコシュトニツァ大統領が13日、ミロシェビッチ前大統領と昨年10月の政権交代劇以来初めて会談した。大統領府は「内政問題、コソボ問題や将来の連邦のあり方を話し合った」とする短い声明を出したが、実際は、国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷に起訴されている前大統領の処遇を協議した可能性が高い。
 戦犯法廷の主任検事が近くベオグラード訪問を計画する中、妻のミラ・マルコビッチさんがモスクワに出国するなど、前大統領の周辺は慌ただしさを増している。コシュトニツァ大統領は「憲法上、ユーゴ国民の国外引き渡しは禁じられている」とする立場で、会談でもそのことが確認されたとみられる。
 だが、与党「民主連合」のジンジッチ・次期セルビア首相は同日、両者の会談を「ラジオで知った」と不快感を示した。[2001-01-14-21:23] 15
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 01/14@<ユーゴ>前、現大統領が会談 国内訴追を確認か?(毎日新聞)

 【ウィーン14日福井聡】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ大統領は13日、ベオグラード市内でミロシェビッチ前大統領と会談した。2人の会談は昨年10月6日、前大統領が大統領選敗北を認めた会談以来初めて。大統領府は会談後、「ユーゴ全体やユーゴ連邦コソボ自治州の一般情勢を討議した」と発表したが、国連旧ユーゴ戦犯法廷のデルポンテ首席検事が今月下旬にベオグラードを訪問する予定で、コシュトゥニツァ大統領は同法廷への前大統領の身柄引渡しを行わない方針を直接伝えたとみられる。
 大統領は同日、「ユーゴ憲法はユーゴ市民の国外法廷への送還を認めていない。国連法廷に協力はするが、(ユーゴに)事務所を開設することは必ずしも送還要求受諾につながらない」と発言。同法廷が北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆を不問とし、ユーゴ側の罪のみを訴追する姿勢に対し、改めて批判を繰り返した。
 前大統領訴追を求める声は昨年9月の連邦議会選直後から上がっていたが、前大統領が党首を務める社会党が議会で多数派を占め、司法を握っていたため、難しかった。
 また、コシュトゥニツァ大統領はジンジッチ民主党党首との与党内での対立から、前大統領直属の部下の解任を拒み、訴追についても「最優先課題ではない」と繰り返し発言している。これに対し、欧米高官の「前大統領送還がなければ、対ユーゴ援助凍結もある」と圧力を強めている。[2001-01-14-18:56] 18
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 01/14@◇原水協、米英などに劣化ウラン弾使用禁止を要求◇(朝日新聞)

 原水爆禁止日本協議会(原水協、共産党系)は13日、北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴスラビア空爆で使用された劣化ウラン弾でコソボ自治州などで白血病が多発するなどの影響が出ているとされる問題で、劣化ウラン弾の使用禁止を求める文書を米国、英国、NATO本部、国連事務総長あてに送付した。日本政府には、在日米軍の劣化ウラン弾配備や演習での使用の実態の調査、公表などを求めた。[2001-01-14-10:15] 19 [このページの最初に戻る]


 01/14@ユーゴ現、前大統領が会談 前大統領の安全も協議か(共同通信)

 【ウィーン14日共同】ユーゴスラビア連邦大統領府は十三日、コシュトニツァ大統領が同日、ミロシェビッチ前大統領と大統領府で会談し、内政問題などを協議したとの声明を発表した。
 二人が会談するのはミロシェビッチ氏が政権の座を追われた昨年十月以来。国営タンユグ通信が伝えた短い声明は、二人がコソボやモンテネグロ問題などを話したとしているが、ベオグラードの消息筋は、前大統領が自らの身辺の安全を保証するよう求めた可能性があるとしている。
 前大統領を戦犯として起訴した旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)のデルポンテ主任検察官が近くユーゴを訪問し、前大統領の身柄引き渡しを求めるとの見方が出ている。しかし、コシュトニツァ大統領は十三日付のグラスヤブノスチ紙に対し、前大統領ら戦犯を外国の法廷に引き渡すことは憲法が禁止していると述べた。(了)[2001-01-14-09:03] 20
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 01/14@◇劣化ウラン弾―こんな兵器はいらない◇(朝日新聞)

 劣化ウランという物質は、少量でもずしりと重い。砲弾のしんに使えば、戦車の甲板でも突き抜ける。それに着目して製造されたのが、劣化ウラン弾である。
 ところが、劣化ウラン弾には重大な欠陥がある。微量だが放射線を出すのだ。重金属なので毒性も懸念される。
 そんな機関砲弾を米軍は、北大西洋条約機構(NATO)が旧ユーゴスラビアの紛争に軍事介入した際、大量に使った。コソボでは三万発も撃ったという。
 最近になって、白血病やがんを発病した欧州の帰還兵らが、劣化ウラン弾が原因ではないかと疑念を表明し、イタリア政府などはNATOに使用凍結を求めた。
 これを受けてNATO大使級理事会は、国連に劣化ウラン弾の使用状況の情報を提供することを決めた。だが、使用凍結については米英などの反対で見送った。
 圧倒的な軍事力を持つ米国が、帰還兵に後遺症の不安を与え、放射能を環境に残すような兵器に頼る必要があるのか。
 湾岸戦争の帰還米兵の間でも、「湾岸戦争症候群」と呼ばれる不調の訴えが相次いだ。化学兵器や劣化ウラン弾の影響が疑われたが、米国防総省は「いずれも直接の関係は認められない」と強調してきた。
 世界保健機関(WHO)の専門家は今回、白血病との関連を否定したものの、理論的には、劣化ウランの微粒子を長時間吸引すると肺がんの発生率が高くなる可能性があるとの見方を示している。
 劣化ウランでなくても、対戦車弾はつくれる。この際、NATOは劣化ウラン弾の使用を全面的に禁止する道を選んではどうか。
 軍事介入で劣化ウラン弾が着弾した地域の汚染状況を調べることも急務だ。コソボでは自然状態より高い放射能が検出された土地がある。ウランの微粉が残っているなら、汚染土壌の除去が必要である。
 国連機関などと協力して、劣化ウランと発病との関連を医学的に究明することも重要だ。因果関係の解明は、帰還兵への補償問題を検討する上でも欠かせない。
 劣化ウランによる被ばくは、低線量の被ばくと考えられる。核爆発時の強烈な放射線と違って、低線量被ばくについては分かっていないことが多い。後遺症との関連を解明するのは容易ではない。米国や英国が関連性を否定するのにも、そうした背景がある。
 因果関係が明確になれば、製造や貯蔵も含めて劣化ウラン弾を禁止すべきであることは言うまでもない。
 また、調査の結果、仮に因果関係が明確にならなくても、はっきりとした安全宣言が出せないのであれば、劣化ウラン弾を容認することは、賢明とはいえまい。
 日本にとってもひとごとではない。在日米軍は劣化ウラン弾を沖縄・鳥島の射撃場で誤射したことがある。嘉手納基地には今も貯蔵されている模様だ。
 日本政府は早急に、米側に対して劣化ウラン弾の貯蔵状況などの情報開示を強く求めていくべきである。[2001-01-14-00:51] 21
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 01/14@◎国連コソボ代表が交代=クシュネル氏は閣僚復帰へ(時事通信)

 【プリシュティナ(ユーゴスラビア)13日AFP=時事】当地の国連報道担当官がAFP通信に語ったところによると、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル特別代表は13日、任期を終え、フランス政府機でユーゴスラビア・コソボ自治州から帰任の途に就いた。その直後、後任のヘカロップ新代表(前デンマーク国防相)がスコピエから当地入りした。 [時事通信社][2001-01-14-00:41] 2 [このページの最初に戻る]


 01/14@ギリシャ、日本の安保理常任理事国入り支持を表明(読売新聞)

 【アテネ13日=津田歩】森首相は十三日夜(日本時間十四日未明)、ギリシャ首相官邸でシミティス首相と会談した。森首相は国連改革について「平和と安全の責任を担う安全保障理事会の強化は不可欠だ。常任・非常任理事国拡大の実現に努力したい」と述べ、協力を要請。シミティス首相は「日本が常任理事国となることには正当な理由がある」と述べ、日本の常任理事国入りに支持を表明した。
 森首相は、昨年十一月にギリシャ南部で起きた日本人観光客の乗ったバスジャック事件の解決で、ギリシャ政府の迅速な対応に謝意を示した。そのうえで、日・ギリシャ間の観光交流促進に向け、日本から官民合同の調査団を早期に派遣する考えを伝えた。両首脳は、九四年十一月以来途絶えている両国間の航空直行便再開を検討することで一致した。[2001-01-14-19:23] 7
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 01/14@対イスラム外交に手ごたえ 「河野流」きまじめ外交(共同通信)

 【リヤド14日共同】河野洋平外相は十四日、サウジアラビアなどペルシャ湾岸四カ国歴訪を終えた。最初の訪問国カタールでの政策演説で「湾岸諸国との重層的な関係に向けた新構想」(河野イニシアチブ)を発表、各国要人との会談でも、文化交流や政策対話など「経済分野以外の関係強化」に真剣に取り組む姿勢をアピールした。
 「各国とも驚くほど真剣に受け止めてくれた」と、外相は対イスラム外交の手ごたえをつかんだ様子で、今後は国連安全保障理事会の常任理事国入りもにらみ、ほかのイスラム諸国との関係強化にも乗り出す構えだ。
 外相が一連の会談で特に力点を置いたのは「イスラム世界との文明対話」。外務省内に「イスラム研究会」を発足させ、昨年三月から勉強を積んできた末の目玉だったが「雲をつかむような話で、相手もぴんとこないのでは」(外務省幹部)との心配があったのも事実だ。
 しかし「真の友人になるには、相手をよく知る必要がある」との河野氏らしいきまじめな発想から、会談でも常に真っ先に取り上げた。
 湾岸各国からは「イスラムは世界の大きな流れであり、日本が知ってくれることは大切だ」(アブドラ・サウジ皇太子)と評価され、知識人の対話ネットワークづくりや大学、青年交流などで合意。水資源開発や公害対策への協力と並ぶ今回訪問の成果となった。
 ただ、一般的には隔靴掻痒(そうよう)の感が強かったのか、クウェートでは現地記者団から「具体的なビジネスの話はないのか」と質問が飛び、外相が「ビジネスの話をしに来たのではない」といら立つ場面もあった。(了)[2001-01-14-14:55] 17
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 01/14@国連安保理の拡大で一致 ギリシャ首相が支持表明(共同通信)

 【アテネ13日共同】森喜朗首相は十三日夜(日本時間十四日未明)、ギリシャ首相官邸でシミティス首相と会談し、国連の強化のために安全保障理事会の拡大が必要との認識で一致した。シミティス首相は「日本が常任理事国になることには正当な理由がある」と日本の常任理事国入りを支持した。ギリシャ首脳レベルの支持表明は初めて。
 森首相は「安保理強化は不可欠で、日本は改革実現のため一層努力を行う考えで、協力を得たい」と要請、シミティス首相も「国際社会の現実を踏まえ、安保理は拡大すべきだ。バルカン地域の問題解決のためにも強化された安保理が必要だ」と同調した。
 また、シミティス首相は、バルカン帰還兵の健康被害の原因とされる劣化ウラン弾問題について「兵士や地域住民、環境への影響が大きく、国連の枠組みで禁止すべきだ」と主張。森首相も国際社会と連携して取り組む考えを示した。
 両首相は一九九九年に修好百周年を迎えた両国の政治、経済、文化面での交流を促進することで一致、森首相は観光交流促進ミッションを派遣する方針を伝えた。シミティス首相が来年にも訪日することになった。(了)[2001-01-14-11:23] 28
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 01/14@<クローズアップ>森首相アフリカ歴訪、「脱援助外交」の成(毎日新聞)

 【アブジャ(ナイジェリア)13日堀山明子】新世紀の幕開けに歴代首相として初となるサハラ以南のアフリカ歴訪を選んだ森喜朗首相は13日、南アフリカ、ケニア、ナイジェリア3カ国訪問を終え、ギリシャのアテネに向かった。途上国への首相訪問といえば、日本が「経済支援」を約束し、相手国が「日本の国連安保理常任理事国入り支持」を表明する――というのが、これまでのパターン。ところが今回、首相はこれといった「お土産=経済支援」も用意せず、1週間のアフリカ滞在で「理念と政策」を訴え続けた。外務省が狙った「脱援助外交」。成果はどうだったか。
 ◆おみやげなし
 「ケニアは日本の援助を有効に使っている。少なくとも現状を維持してもらいたい」。10日の首脳会談でケニアのモイ大統領は冒頭から経済援助の話を始め、水力発電、鉄道、通信などインフラ整備の要望10項目を一気に挙げた。
 「詳細は青木(盛久)大使を通じて検討したい」。首相はこう応じて2国間援助の話題には踏み込まず、もっぱらアフリカ政策スピーチの内容や、2年後に想定されるアフリカ開発会議(TICAD)の第3回会合で感染症対策を重点にしたい考えなどを明らかにした。経済援助とグローバルな政策課題――。双方の思惑に微妙なズレを感じ取ったモイ大統領は、周囲に小声で相談した後、「安保理改革の日本の立場を支持する」と発言した。
 アフリカには53もの国があり、常任理事国入りに向けた安保理改革だけではなく、非常任理事国選挙でも日本にとっては頼みの綱の「大票田」だ。東部アフリカの中心国・ケニアが、安保理改革でこうした考えを表明したのは初。従来なら日本側には「大歓迎」となる発言だった。
 しかし、同行した外務省の幹部は「想定したことでも、日本が求めたことでもない」と強調する。12日に会った西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のコナレ議長(マリ大統領)も日本支持を表明したが、これも「向こうから言い出した」と淡々。票欲しさに経済援助をばらまいているという日本のイメージから抜け出すのが今回の目的、というのだ。
 訪れた3カ国は選び抜いたもの。南部アフリカのリーダー(南アフリカ)、東部の中心国(ケニア)、西部の大国(ナイジェリア)と、いずれもアフリカを主導する立場の国だ。援助だけでなく政策や理念も重視する日本外交を印象づけるのに効果的との判断が働いたようだ。
 ◆外交の空白地
 今回の訪問は、自民党の鈴木宗男総務局長が水面下で働きかけた。
 ナイジェリアやケニア、ルワンダなどアフリカ16カ国もの議員連盟会長を務める鈴木氏は、小渕内閣の官房副長官時代から小渕恵三前首相にアフリカ訪問を進言。昨年5月の連休中に実現する方向となっていた。比較的リスクの少ない「初物外交」に飛びついた森首相と、「新路線」をアピールしたい外務省の思惑がうまく一致した形だ。
 同省によれば、1998年の第2回TICADで、開発援助に対する自助努力の原則やアジアの経験を生かす「南南協力」などを日本が提言して以来、アフリカ大陸の旧宗主国の一つであるフランスの態度が「ガラリと変わって、日本との対話に熱心になった」という。国連では今、論議されるテーマの7割以上が地域紛争、感染症、重債務問題などアフリカ関連。「アフリカを語れずに安保理改革を唱えても、ヨーロッパに信用されない」(外務省幹部)現実がある。
 ただし、森首相が力を入れたアフリカ政策スピーチも、翌日の南ア各紙は内容こそ伝えたものの、見出しはすべて「首脳会談で日本がムベキ大統領の再生計画支持」。地元紙「プレトリア」紙の記者は「南アの関心は投資などの経済分野。日本がアフリカを重視するのはよくわかるが、スピーチが具体性を帯びるかどうかは今後を見ないとわからない」と話した。
 ◆緒方さん効果
 地元のマスコミ取材が最も殺到したのは、政策スピーチでも、日本が援助している研究所の視察などでもなく、ケニアのカクマ難民キャンプ視察だった。
 小型機で2時間近くかかるにもかかわらず、米国のCNNや地元メディアのカメラが押し合って混乱し、森首相が「カメラを追い出せ」と激怒したほど。「ようこそ緒方さん」と書いた横断幕もあって、マスコミの目が集まったのは、緒方貞子・前国連難民高等弁務官が同行した効果が大きかったとみられる。
 緒方さんは「顔の見える援助とは援助の現場に人がいること」「トップが動けば啓蒙(けいもう)的な意味もある。日本はもっと政治的プレゼンスを示すべきだ」と話し、首相や閣僚、政治家が訪問しなければ政策も伝わらないと強調した。
 米仏英中の首脳は、ここ1、2年、立て続けにアフリカを訪問している。「なぜ訪問まで時間がかかったのか」とCNNにマイクを向けられた森首相は「遠かったから。でもどの国よりもアフリカを支援してきました」と答えた。
 遅ればせながらも、首相がやっと、初めて足を踏み入れた日本。今回の歴訪がアフリカとの新たな信頼関係を築く第一歩となるかどうかは、今後の日本側の行動にかかっている。[2001-01-14-01:51] 17
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 01/14@選手登録をユーゴに 女子テニスのドキッチ(共同通信)

 【シドニー14日共同】オーストラリアの人気女子テニス選手、エレナ・ドキッチ(17)が選手登録をユーゴスラビアに変えることを求めていた件で、全豪オープン(15日開幕)の主催者は十四日、女子テニス協会(WTA)からの申し入れを認め、登録変更を受け入れると発表した。
 ドキッチはユーゴスラビア生まれで、一九九四年にオーストラリアに移住した。全豪オープンの1回戦では昨年優勝のリンゼイ・ダベンポート(米国)と対戦する。(了)[2001-01-14-11:21]
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 01/15@コソボの国連代表に前デンマーク国防相が就任(読売新聞)

 【ウィーン15日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・コソボ自治州を管理する国連暫定統治機構(UNMIK)の二代目の特別代表に十五日、ハンス・ヘカロップ前デンマーク国防相が就任した。国際社会の管理下に入って一年半が過ぎながらも、民族憎悪と暴力を克服できないなど山積する同自治州の課題に取り組む。
 ヘカロップ特別代表は、一九九三年から国防相を務め、この間、デンマーク軍の国際平和維持活動参加を積極的に推進。北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防相として最も有能な一人とされてきた。
 今回の人事は、NATOによる対ユーゴ空爆後の九九年六月のUNMIK発足以来、特別代表を務めてきたクシュネル氏が昨年十月の同州地方選の実施を区切りにアナン国連事務総長に辞意を伝え受理されたことを受けたもの。これまでの平和維持活動への実績などからヘカロップ氏に白羽の矢が立った。
 コソボの国際管理を定めた国連決議一二四四号は、同州の民主化を推進し高度な自治の実現を図るとする一方で、ユーゴの一部で同国の主権を尊重すると規定するなど同州の将来像はあいまいなまま。
 空爆後、アルバニア系住民による報復を恐れ、十五万人前後のセルビア人らが避難民として州外へ流出。残った数万人のセルビア人らも、コソボ平和維持部隊(KFOR)に守られながら点在する居住区内で息苦しい生活を強いられる状態が続いている。
 ヘカロップ特別代表は、最大の課題として自治の推進を掲げており、昨年十月の地方選に続いて、州議会選挙を年内にも実施するかどうかの決断を迫られることになる。選挙実施は独立に向けてアルバニア系住民を一段と勢いづかせることになるが、コシュトゥニツァ政権の誕生で民主化が進み、国際社会に復帰したユーゴはセルビア人避難民の帰還・安全確保などを求めている。
 クシュネル氏は「アルバニア系住民寄りだった」(コシュトゥニツァ大統領)などと批判されたが、独立を急ぐアルバニア系と独立に反対するユーゴや欧州などとの間に立つヘカロップ特別代表は「指針なき統治」をどう舵(かじ)取りしていくのか。任務は困難に満ちている。[2001-01-15-23:05] 6
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 01/15@<国連コソボ暫定統治機構>特別代表に前デンマーク国防相(毎日新聞)

 【ウィーン15日福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州を統治する国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の特別代表に15日、ハエカラップ前デンマーク国防相(55)が就任した。クシュネル前特別代表(61)の1年半の任期満了に伴う異動で、前代表が「今春にも実施」とした自治政府樹立選挙について、新代表は「新政府の権限を明確にすべき」と「選挙実施は時期尚早」との見解を示唆。ユーゴ、セルビアの政権交代の影響もあり、国連による「コソボ運営」は新代表就任で変化が予想される。
 ハエカラップ新代表は13日にヘリコプターで州都プリシュティナに入り、「犯罪者を訴追し、治安を再確立することが最優先課題だ」と抱負を述べた。
 新代表の最大の課題はコソボの将来像の定義だ。国連は昨年10月、地方選挙を実施。人口の9割以上を占めるアルバニア系住民が「選挙は将来の独立への第1歩」と位置づけているのに対し、反発したセルビア人住民は投票を拒否している。国際社会はコソボ独立が近隣のマケドニアやモンテネグロの民族紛争に火をつけるのを懸念し、対応をあいまいにしてきたが、クシュネル前代表は「今春、中央の自治政府を樹立する選挙を実施する」とアルバニア住民主体の自治政府の早期樹立に前向きの態度を示していた。
 しかし、ユーゴ連邦のミロシェビッチ政権が、昨年打倒され、ユーゴ連邦がコソボ自治州の選挙実施母体である全欧安保協力機構(OSCE)に再加盟したことで、ユーゴ連邦は選挙実施に発言権を確保した。ユーゴ連邦のコシュトゥニツァ新大統領は、コソボ独立には断固反対を表明しており、選挙の早期実施は難しいのが実状だ。ハエカラップ新代表は容易に選挙実施に踏み切れず、選挙を熱望するアルバニア系住民との調整をどうつけるかが焦点となる。[2001-01-15-20:31] 8
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 01/15@<バルカン症候群>劣化ウラン弾使用で戦犯法廷訴追も(毎日新聞)

 【ローマ15日井上卓弥】「バルカン症候群」問題で、旧ユーゴスラビア連邦国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)のデルポンテ主任検察官は、14日付伊紙「レプブリカ」のインタビューに答え、北大西洋条約機構(NATO)軍によるボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア空爆での劣化ウラン弾使用について「調査開始に値する新たな事実が出ている」と述べた。
 検察官はインタビューの中で、欧州連合(EU)やNATO加盟国の科学者らが進めている調査の結論を受け、「バルカン症候群と劣化ウラン弾使用との直接的な因果関係が確認されれば、戦犯法廷への訴追準備に入る」と明言。人体への危険性が明らかになれば、法廷として同弾を使用した米国やNATOの起訴もありうることを示唆した。[2001-01-15-19:31] 10
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 01/15@紛争予防などで協力確認 日・EU外相会談(共同通信)

 【ストックホルム15日共同】河野洋平外相は十五日午前(日本時間同日夕)、ストックホルム市内の首相官邸でリンド・スウェーデン外相ら欧州連合(EU)代表と二回目の会談を行った。
 今後の日本とEUの協力の柱として@紛争予防A国連改革B軍備管理・軍縮、核不拡散―の三分野を重視していくことで一致。河野外相はユーゴスラビアに対する支援を継続する方針を表明し、近くユーゴのスビラノビッチ外相を日本に招いて支援の在り方について要望を聞く考えを明らかにする。
 河野外相は中東和平交渉について、日本、EUが一致して交渉継続を求める強いメッセージをイスラエル、パレスチナ自治政府双方に伝えるべきだとの考えを強調。日ロ平和条約締結交渉の現状についても説明する考えだ。(了)[2001-01-15-17:57] 11
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 01/15@<劣化ウラン弾>世界保健機関がイラクに専門家派遣し調査へ(毎日新聞)

 【ブリュッセル15日森忠彦】米軍がバルカン半島で使用した劣化ウラン弾で白血病などの健康被害の懸念が欧州に広がっている中、湾岸戦争(1991年)当時、米軍が同弾を大量使用したイラクでの調査のため、世界保健機関(WHO)が今週、専門家を現地へ派遣する。湾岸戦争ぼっ発から17日で満10年にあたるが、米国のブッシュ次期大統領は同戦争当時の米大統領の息子という因縁で、8年ぶりの共和党政権にとって頭の痛い問題になりそうだ。
 湾岸戦争では多国籍軍の中心となった米軍がイラクの戦車部隊などに対して95万発、300トンの劣化ウラン弾を使用したとされる。その後、米英の帰還兵の多くに白血病などの健康障害が多発し、「湾岸戦争症候群」と呼ばれた。イラク南部を中心に一般住民にも白血病やがん、先天性奇形児などが多発している。米軍はその後、現地調査を行い、同弾の取り扱いに関するマニュアルまで作成したが、健康被害との因果関係は否定している。
 だが、その後、ボスニア・ヘルツェゴビナ(94ー95年)、コソボ(99年)の両紛争でも米軍などが計4万発以上を使用したことが、現地の駐留兵に多発している白血病などの「バルカン症候群」の原因として浮上。欧州では今年に入って同弾の安全性を巡る大論議が巻き起こっている。
 このため、因果関係を解く材料として改めて湾岸戦争後の被害調査が注目されてきた。専門家によると同弾が持つ微量の放射線や毒素被害が人体に及ぼす影響が顕著になるには最低2、3年かかるという。投下後2年に満たないコソボの調査で結論を出すのは不可能なため、WHOは16日から、多数の住民被害が報告されているイラクに専門家を派遣し、バルカン症候群の判断材料にする意向だ。
 バルカン半島での健康被害はない、としていたカナダで湾岸従軍兵の被害が50例あったことや、英国海軍も湾岸戦争後に同弾配備を取りやめた事実などが次々と明るみになり、NATOが先週説明した「劣化ウラン弾が人体に影響はない」との説明に対する疑問はますます増幅。NATOは16日に新設した専門委員会の初会合を開く。[2001-01-15-11:15] 5
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 01/15@惜しくもリベンジならず 健闘した17歳ドキッチ(共同通信)

 【メルボルン15日共同】「オーストラリアに裏切られた」―。1回戦の対戦相手が、今大会第2シードのダベンポートと知り、ドキッチは怒りを爆発させた。
 その結果が登録国を急きょ、オーストラリアから出身国のユーゴスラビアに変えての出場となった。
 強敵ダベンポートを何としても倒すことが、オーストラリアを見返す「リベンジ」になるはずだった。
 だが、最終セットにまでもつれ込み、1時間半以上に及んだ熱戦も、最後は昨年の覇者ダベンポートの強打に軍配が上がり、リベンジは不発に終わった。
 それにしても、十七歳の少女のどこから、あれだけの気迫が出てくるのだろうか。コート上に立つドキッチからは勝利への気迫と執念が漂った。
 「ヒュッ」「ヒュッ」の声とともに、リベンジ心がこもった球が相手コートに打ち込まれ、ダベンポートを左右に翻弄(ほんろう)。この日の気迫あふれるプレーは、ダベンポートに「まだ十七歳。二年後にはすごい選手になっているだろう」と言わしめるほど、見事だった。
 試合後、満員の観衆から熱戦をたたえる大きな拍手が送られた。だが、ドキッチはこれに何の反応も見せぬままコートを去った。
 その瞬間、拍手は大きなブーイングに変わった。「オーストラリアのドキッチ」が確実に過去形となった。(了)[2001-01-15-20:49]
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 01/16@<負の明細書・国連の裏側>国際法廷でも不正続々(毎日新聞)

 タンザニア北部。アフリカ最高峰キリマンジャロの山すその小さな町、アルーシャ。緑にあふれる街道を行くと、国立会議場が見える。その中に、国連の「ルワンダ国際犯罪特別法廷」がある。
 1994年4〜7月の3カ月間で、推定80万人が犠牲となったルワンダ大虐殺。その責任者を処罰するため、同年、国連決議で設置が決まり、95年末、発足した。
 その法廷を、国連の内部査察室(OIOS)が集中的に査察したのは96〜97年にかけてのことだ。「組織管理がずさんだ」という国連加盟国からの情報があり、国連総会が査察を要請した。
 査察室の幹部が当時を振り返った。「法廷では不祥事は少ない。最初はそう考えていたが、見事に裏切られた」
 毎日新聞が入手した97、98年の報告書が残る。
 まず、査察官らは財務簿を調べようとしたが、多くの記録が欠け、信用できるものではなかった。金庫の中身を調べると、国連規定で決められた手持ち現金の限度額1000万円分をはるかに超える6000万円分があった。支出の際の手続きも不要で、出納記録もなかった。「横領や盗難の温床になる」と査察官は報告している。
 職員のモラルも問題になった。 ある経理担当職員は、95年10月以来、ニューヨークの本部から給与を得ながら、同額の給与を法廷の予算からも引き出していた。この「二重給与」で、職員は6カ月間、350万円分余計に現金を手にした。その後、問題が発覚し、職員は辞めている。
 「汚職が進行している」
 97年、査察室にこんな内部情報が入った。同年末、犯罪担当部門の査察官が調べた際、ビル管理部門の職員2人が業者に金品を要求していたことを確認した。査察室は同年12月に切れる予定の職員2人の契約を延長しないよう勧告。だが、2人が職場を去ったのは翌年の5月だった。
 「職員との対話」、「会議」。97年、過去の弁護士への支払いを調べた時は、こんな不明朗な名目で、次々と報酬を払っていたこともわかった。進行中の裁判とは全く無関係な法律書を読むだけで報酬を得た弁護士も多かったという。同年1〜9月の間、弁護士への支払いが、1億円に達していることも記録で判明している。
 96年11月の調査によると、出勤簿もなく、勤務時間が記録されていなかった。97年8月時点で、1400万円相当の私用電話、ファクス代が未回収だと判明した。職員は公用車を私用に使い、週末の観光などで乗り回していた。
 「すべての分野で重大な管理ミスがある」。報告書は、そう警告していた。
   ◇     ◇
 オランダ、ハーグ。旧ユーゴスラビア紛争の戦犯を裁く「旧ユーゴ国際戦犯法廷」(93年設置)も95〜98年にかけて、査察室が調査した。そしてここでもさまざまな問題を発見した。
 旅費や電話代、通訳代などの出納記録がずさんで、96年、1億円以上の金が何の目的で使われたか分からなかった。また、各国の拠出金の受け付け記録もあいまいで、オランダが申し出た2億円分が記入されていなかった。
 一方、無用な職員ポストの増設などで、97年には6億円の予算が余分に請求されていたほか、民族浄化が問題になったボスニア・ヘルツェゴビナなどの調査資料も一時整理されず、起訴の障害になる可能性もあったという。
    ◇     ◇
 アルーシャで、ルワンダ法廷のモガル広報官(37)が話した。
 「法廷設立の失敗だけで、アフリカはダメといったイメージを当てはめないでほしい。あの報告書以降、人員も管理体制も規律もすべてが変わった」
 事実、査察室はその後、ルワンダ、旧ユーゴの両法廷が勧告に従い多くの改善を行ったことを認めている。ルワンダでは査察室の報告を契機に、ほぼスタッフ全員が入れ替わってもいる。
 だが、なぜこのようなずさんな運営が行われたのか。
 報告書は、人材不足▽国連本部による各法廷の運営ガイドラインの欠如▽先に活動を開始した旧ユーゴ法廷がルワンダを援助しなかったこと――などを要因に挙げる。さらに、ルワンダ法廷のケネディ担当長(48)は現地の実情についてこう語る。
 「アフリカで施設を設立することは難しい。96年当時、アルーシャにはドル小切手をすぐに決済する銀行がなかった。領収書も書いたことのない業者を相手にすれば、帳簿がずさんになるのもやむを得ない」
   ◇  ◇
 国際法廷は、第二次大戦後のニュルンベルク・極東裁判以来初めて「人道に対する罪」を問う旧ユーゴ戦犯法廷が国連決議で設立され、ルワンダが続いた。しかし、現実には裁く側に資質に欠ける事例もあることは無視できない。
 問題の根は、深い。【藤原章生、福原直樹】[2001-01-16-23:21] 39
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 01/16@劣化ウラン弾と白血病の関係薄い…仏国防省(読売新聞)

 【パリ16日=池村俊郎】仏国防省医療チームは十五日、ユーゴスラビア紛争で使用された劣化ウラン弾と派遣兵士の白血病発症の因果関係について、検査結果を基に「現時点では否定的な結論に傾いている」と発表した。この問題では仏専門家からは「多くの兵器に使用されているベンゼンなど他の化学物質との因果関係を調査する必要がある」との見方が出ている。
 北大西洋条約機構(NATO)加盟国内で、セルビア軍戦車に対し使用した米軍の劣化ウラン弾と、兵士の疾病の因果関係について真相究明が要請されている中、仏軍でも派遣兵士のうち六人が白血病を発症。同医療チームは兵士の精密検査を実施していた。
 仏軍の検査主任医師は「“被ばく”が事実ならば、放射性物質の前に腎臓(じんぞう)に重金属障害が発見されなければならないが、結果は否定的だった」と述べた。これを受け、仏放射能安全研のパトリック・グルムロン専門官は「劣化ウラン弾と白血病発症の因果関係は薄いと言わざるを得ない」と述べた。
 ベルギーの派遣兵士三千人の検査結果によると、劣化ウラン弾使用地域に展開していた場合、アメリシウムなどの放射性物質が検出されているものの、そうした兵士から白血病は発症していないという。[2001-01-16-22:13] 40
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 01/16@<劣化ウラン弾>NATOが専門委員会で使用状況などを説明(毎日新聞)

 【ブリュッセル16日森忠彦】バルカン半島に駐留していた兵士の健康被害と劣化ウラン弾の関係が取りざたされている問題で、北大西洋条約機構(NATO)は16日、初の専門委員会を開き、関係国に使用状況などを説明する。
 専門委員会は欧州各国兵の間に頻発している白血病などとの因果関係を調べるため、NATOが先週、新設を決めたもので、加盟国のほか、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボの治安維持部隊に参加している国や国際機関、非政府組織(NGO)などの代表も参加する。
 NATO側はこれまで同弾については「人体に及ぼす影響は立証されていない」(ロバートソン事務総長)としており、15日に開いた加盟国の軍医による会合でも兵士の健康被害と同弾との因果関係はないとの見解を示した。
 だが、NATO側がこれまで劣化ウラン弾の情報について加盟国内でも一部にしか伝えていなかったことが明らかとなり、同弾の科学的な安全性とともに、組織の信頼性を問われる事態となっている。また、現在、現地調査を進めている国連環境計画(UNEP)や世界保健機関(WHO)は住民対策として被弾地周辺の浄化を呼びかけており、兵士の健康問題とは別に現地での危険回避作業も急がれている。今回の専門家委員会開催はこのような情勢を受けたものといえる。[2001-01-16-20:51] 41
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 01/16@前大統領の扱いで分裂も ユーゴ政権(共同通信)

 【ウィーン16日共同】コシュトニツァ・ユーゴスラビア連邦大統領が十三日、旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に戦犯として起訴されたミロシェビッチ前大統領と予告なく会談したことに対し、大統領陣営内部から批判が噴出している。
 前大統領の外国への身柄引き渡しを「憲法違反」として拒否している大統領に身内から異説も出始めた。戦犯の扱いという「民主化における最初の大問題」(コラチ次期セルビア共和国副首相候補)の対応次第では、大統領のセルビア民主野党連合(DOS)は分裂しかねない情勢だ。
 大統領の会談を知ったコラチ氏は十四日、「前大統領は刑務所にいるべきだ」と批判。大統領府は内政問題を協議したと発表したが、独立系ニュースレター「VIP」のグルバチッチ編集長は「ハーグに引き渡さないとの保証を前大統領が要求した」との見方だ。
 グルバチュ連邦法相は「同法廷はユーゴも加盟する国連が設置しており、戦犯引き渡しは可能」と大統領と正反対の見解を示した。
 これに対し大統領は地元紙で再び憲法違反説を展開した上で「最大野党党首と話すのも大統領の任務」と会談も正当化した。
 戦犯論争再燃の背景には、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦で戦犯として秘密起訴されたプラブシッチ・セルビア人共和国元大統領の九日の「自首」もある。同法廷は他の戦犯がこれに続くよう呼びかけているからだ。
 こうした動きに振り回される形で、今月上旬に予定されたセルビア共和国議会の招集はずれ込み、セルビア政府の組閣も遅れるなどの余波が広がっている。(了)[2001-01-16-16:17] 42
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 01/16@◎引き渡し拒否の姿勢崩さず=ミロシェビッチ氏問題で波風も(時事通信)

 【ウィーン16日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争中の人道犯罪を問われ、戦犯として起訴されているミロシェビッチ前大統領の国際戦犯法廷(ハーグ)への引き渡しについて、コシュトニツァ大統領が拒否の姿勢を続けている。昨年10月の就任後、欧米協調路線を推進してきた同大統領だが、前大統領の身柄引き渡し問題を引き金に、雪解けを迎えている欧米とユーゴの間で再び波風が立ちかねない雰囲気になってきた。 [時事通信社][2001-01-16-14:28] 43 [このページの最初に戻る]


 01/16@戦犯法廷検察官と会わず ユーゴ大統領(共同通信)

 【ウィーン15日共同】ユーゴスラビアの独立系ラジオ「B92」によると、コシュトニツァ大統領が党首を務めるセルビア民主党のポポビッチ副党首は十五日、大統領が今月二十三日にユーゴ訪問を予定している旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)のデルポンテ主任検察官と会談しないと語った。
 検察官は、同法廷が戦犯として起訴したミロシェビッチ前大統領の身柄引き渡しを求める見通しだが、コシュトニツァ大統領はこれまで「憲法違反」を理由に拒否しており、同問題の協議を避ける考えのようだ。
 副党首は「主任検察官は大統領が会うにはランクが低い」と述べた。(了)[2001-01-16-08:19] 45


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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