最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(01/10, 2001)


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 01/01@米政府、国際刑事裁判所(ICC)設立条約に調印(読売新聞)
 01/01@◇セルビア次期首相、モンテネグロ独立に警告◇(朝日新聞)
 01/01@イスラエルなども署名 ICC設立条約(共同通信)
 01/01@米が国際刑事裁条約に署名 設立の動き活発化へ(共同通信)
 01/02@カンボジア下院がポト裁く特別法廷の設置案可決(読売新聞)
 01/02@ブッシュ政権は後ろ向き 難問残る国際刑事裁創設(共同通信)
 01/03@◎NATOに劣化ウラン弾の説明求める=伊首相(時事通信)
 01/03@バルカン帰還兵にがん多発 劣化ウラン弾が原因?(共同通信)
 01/03@国際刑事裁判所の設立条約に米が条件付き調印(読売新聞)
 01/03@バチカンが緒方貞子氏の業績たたえる(読売新聞)
 01/03@ユーロの流通開始、「知ってる」市民33%(読売新聞)
 01/03@<中東和平交渉>米の和平仲裁案へ要望文書 パレスチナ交渉(毎日新聞)
 01/03@<中東和平交渉>不満募らせるイスラエル首相(毎日新聞)
 01/04@<劣化ウラン弾>兵士のバルカン症候群との関連調査へ EU(毎日新聞)
 01/04@◇バルカン帰還の伊軍兵士に白血病死相次ぐ◇(朝日新聞)
 01/04@<劣化ウラン弾>ブッシュ新政権と欧州同盟国とのあつれき深(毎日新聞)
 01/04@<劣化ウラン弾>NATOが大使級理事会で影響を話し合う見(毎日新聞)
 01/04@<劣化ウラン弾>伊首相がNATOに対し健康調査を求める意(毎日新聞)
 01/04@◇バルカン帰還の伊軍兵士に白血病死相次ぐ◇(朝日新聞)
 01/04@◎ユーゴ外相が訪米、関係修復に本腰(時事通信)
 01/04@<アラファト議長>条件付きで仲裁案に前向きに対処と発表(毎日新聞)
 01/04@ローマ法王が緒方さんを称賛(共同通信)
 01/04@「バルカン症候群」討議へ 伊の要求受けNATO(共同通信)
 01/05@◎「バルカン症候群」でチェコ兵も死亡(時事通信)
 01/05@◎中国、ボスニアPKOに参加へ(時事通信)
 01/05@国内で訴追なら戦犯法廷に協力…ユーゴ外相(読売新聞)
 01/05@「バルカン症候群」が欧州各国で問題化(読売新聞)
 01/05@◎「バルカン症候群」の死者は8人=伊紙報道(時事通信)
 01/05@<バルカン症候群>NATO兵士に健康被害相次ぐ(毎日新聞)
 01/05@<米ユーゴ関係>米国務長官がユーゴ外相と会談(毎日新聞)
 01/05@◇劣化ウラン弾への懸念拡大 帰還兵の白血病で◇(朝日新聞)
 01/05@◇対米関係、新段階へ 訪米中のユーゴ外相が強調◇(朝日新聞)
 01/05@◇劣化ウラン弾と白血病の因果関係を否定 米国防総省◇(朝日新聞)
 01/05@<劣化ウラン弾>直接的な関連は見当たらずと否定 米国防総(毎日新聞)
 01/05@国内での戦犯法廷を示唆 米・ユーゴ外相会談(共同通信)
 01/05@◎バルカンでの軍事プレゼンス継続を=オルブライト長官が次(時事通信)
 01/05@<劣化ウラン弾>欧州各国で因果関係が取りざたされる報告相(毎日新聞)
 01/05@<劣化ウラン弾>兵士のバルカン症候群との関連調査へ EU(毎日新聞)
 01/05@外交問題評議会に転出 米国連大使(共同通信)
 01/05@ブルガリアが医師団を派遣(共同通信)
 01/05@ロシアが大々的に報道(共同通信)
 01/05@<米ユーゴ関係>米国務長官がユーゴ外相と会談(毎日新聞)
 01/05@NMDで早くも前哨戦 米新政権人事、ロシアが警戒(共同通信)
 01/05@核の脅威で包括協議を 次期米補佐官が対ロ新政策(共同通信)
 01/06@<NATO>劣化ウラン弾と兵士の健康障害との因果関係を否(毎日新聞)
 01/06@◎劣化ウラン弾でスペイン兵にも被害か(時事通信)
 01/06@<ユーゴ>劣化ウラン使用弾回収進まず UNEP調査団長が(毎日新聞)
 01/06@劣化ウラン弾で対応へ 週明けにNATO、EU(共同通信)
 01/06@<英国>強力な新型爆弾の開発に着手 人権団体は批判(毎日新聞)
 01/06@「心残りは北朝鮮」 退任を前にオルブライト長官(共同通信)
 01/06@米大統領が最後の閲兵(共同通信)
 01/06@<劣化ウラン弾>コソボ住民への健康調査の検討開始 UNM(毎日新聞)
 01/06@<劣化ウラン弾>100倍以上の放射線反応を確認 調査団長(毎日新聞)
 01/06@◎バルカン症候群で各国と協力=欧州委員長(時事通信)
 01/06@ロシアが国際的評価を要求 劣化ウラン弾との関連(共同通信)
 01/06@NATOが情報収集に着手 劣化ウラン弾との関連(共同通信)
 01/06@ユーゴでの戦犯裁判を批判(共同通信)
 01/06@ユーゴ軍に該当症例なし 劣化ウラン弾との関連(共同通信)
 01/06@通常より高い放射線検出 劣化ウラン弾でUNEP(共同通信)
 01/06@◎劣化ウラン弾使用地点の調査を指示=NATO事務総長、伊(時事通信)
 01/06@◇バルカン帰還兵、仏でも4人が白血病で入院中◇(朝日新聞)
 01/06@仏の武器密売問題、ミッテラン氏の拘束継続(読売新聞)
 01/06@独首相がモスクワ訪問、「友情」強化狙い (読売新聞)
 01/06@「核の脅威削減」CNNターナー氏が団体設立へ(読売新聞)
 01/06@<中東和平>合意あきらめ共同宣言で妥協も クリントン米大(毎日新聞)
 01/06@英国防省が危険認識か 劣化ウラン弾(共同通信)
 01/07@<クローズアップ>バルカン症候群 情報不足広がる懸念(毎日新聞)
 01/07@<バルカン症候群>白血病の元兵士の症例を再調査、ドイツ国(毎日新聞)
 01/07@ロシア軍兵士に放射能障害なし 劣化ウラン弾との関連(共同通信)
 01/08@◇NATO、劣化ウラン弾の危険性認識 内部文書で判明◇(朝日新聞)
 01/08@<劣化ウラン弾>コソボ派兵以前に危険性の警告受ける 独連(毎日新聞)
 01/08@<劣化ウラン弾>兵士の健康被害でポルトガルが独自の汚染調(毎日新聞)
 01/08@ユーゴ前大統領の逮捕も 国内での裁判にと、米誌(共同通信)
 01/08@さらなる交渉が必要と強調 旧ソ連債務でロ大統領(共同通信)
 01/09@◎ベルギー帰還兵、「バルカン症候群」で民事訴訟を検討(時事通信)
 01/08@◇NATO、劣化ウラン弾の危険性認識 内部文書で判明◇(朝日新聞)
 01/08@在伊米大使館が再開 閉鎖は電話がきっかけ(共同通信)
 01/08@緒方氏に写真をプレゼント 首相が気配り (共同通信)
 01/09@◎NATO、劣化ウラン弾問題を協議=加盟国、白血病との関(時事通信)
 01/09@◎駐留米軍が演習で劣化ウラン弾使用=80年代から独国内に(時事通信)
 01/09@ロシアもバルカン症候群問題で調査団派遣へ(共同通信)
 01/09@<劣化ウラン弾>NATOとEUがそれぞれ大使級会合を開催(毎日新聞)
 01/09@劣化ウラン弾で対応策協議 NATO、EU(共同通信)
 01/09@<劣化ウラン弾>露外相も国際機関の調査実施を呼びかけ(毎日新聞)
 01/09@<独バルカン症候群>連邦軍兵士の白血病全症例を再調査 国(毎日新聞)
 01/09@<劣化ウラン弾>WHOに専門調査団派遣を要請 UNMIK(毎日新聞)
 01/09@「因果関係は証拠ない」 劣化ウラン弾 米国務長官(共同通信)
 01/09@警察長官狙撃され死亡 モンテネグロ(共同通信)
 01/09@◎コソボの白血病患者、増加せず=WHO (時事通信)
 01/09@白血病と劣化ウラン弾の関連薄い…WHO見解(読売新聞)
 01/09@「黒幕」ビンラーデン氏がアフガン出国を検討か(読売新聞)
 01/09@<劣化ウラン弾>NATOとEUがそれぞれ大使級会合を開催(毎日新聞)
 01/09@緒方前国連弁務官が「人間の安保委」共同議長に(読売新聞)
 01/09@◇緒方氏ら軸に「人間の安全委」 森首相が設立構想◇(朝日新聞)
 01/09@<森首相>緒方さんを「人間の安全保障のための世界委」議長(毎日新聞)
 01/09@世界人口の14%が栄養不良 世界食糧計画が報告書(共同通信)
 01/09@◎イラン監督にブラジェビッチ氏就任へ=サッカー(時事通信)
 01/10@◎コソボ派遣の拒否者相次ぐ=ギリシャ(時事通信)
 01/10@<劣化ウラン弾>NATOの事務総長がユーゴ外相と会談(毎日新聞)
 01/10@「バルカン症候群」問題、米欧「安保摩擦」に発展も (共同通信)
 01/10@NATOが対応策を決定へ 劣化ウラン弾問題で(共同通信)
 01/10@劣化ウラン弾、コソボで影響調査始まる(読売新聞)
 01/10@◇ボスニア・セルビア人共和国の元大統領、ハーグ入り◇(朝日新聞)
 01/10@対バルカン政策の維持を オルブライト米国務長官(共同通信)
 01/10@<劣化ウラン弾>「バルカン症候群」問題でEUが調査団派遣(毎日新聞)
 01/10@<劣化ウラン弾>伊の使用停止要求をNATO政治委が却下(毎日新聞)
 01/10@<劣化ウラン弾>バルカン帰還兵からも被害調査 仏議会(毎日新聞)
 01/10@劣化ウラン弾多数死亡か ボスニア・ヘルツェゴビナのハジチ(共同通信)
 01/10@◎科学者らに劣化ウラン弾の調査要請=EU(時事通信)
 01/10@<劣化ウラン弾>NATOとEUがそれぞれ大使級会合を開催(毎日新聞)
 01/10@◇劣化ウラン弾の使用凍結は見送り NATO理事会◇(朝日新聞)
 01/10@中東和平交渉、「宣言」発表もパレスチナ側拒否(読売新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 01/01@米政府、国際刑事裁判所(ICC)設立条約に調印(読売新聞)

 【ワシントン31日=坂元隆】米政府は三十一日、集団虐殺や戦争犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC)設立条約に調印した。クリントン大統領はこれまで、海外に展開する米軍兵士らが訴追される可能性を懸念して調印に難色を示してきたが、調印締め切りが年内に迫っていたため、条件付きで調印に応じた。
 ICCは、ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺などの犯罪を裁いたニュルンベルク裁判にならって構想されたもので、旧ユーゴスラビアなどの戦争犯罪を裁くための臨時法廷はこれまでにもあるが、常設裁判所の設立は初めて。設立条約は六十か国が条約を批准した段階で発効するが、批准国はこれまで二十七か国にとどまっている。米国の調印により、ICC設立への機運が今後さらに高まることが予想される。
 クリントン大統領は声明で、条約が「全世界における著しい人権侵害を防ぐのに絶大な貢献をする」と評価する一方、条約が未批准国の国民まで訴追対象としており、米国が批准を済まさないうちに米軍兵士などが訴追される可能性があることを指摘し、懸念を表明した。
 その上で「懸念が解消されない限り次期大統領は上院に条約批准を求めるべきでない」として、米軍兵士の訴追を除外する規定が何らかの形で盛り込まれない限り、米国は条約を批准する意思のないことを明らかにした。
 米国内で、ICC設立条約は世論や人権団体の支持を集める一方、議会で多数を占める共和党の保守派からは強い反発を受けている。[2001-01-01-12:20] 10
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 01/01@◇セルビア次期首相、モンテネグロ独立に警告◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の民主化の立役者で、セルビア共和国の次期首相となるジンジッチ民主党党首は30日、朝日新聞と単独会見し、連邦からの分離独立の動きを強めるモンテネグロに対し、「モンテネグロ自体の内紛につながる危険性が極めて高い。連邦が解体すれば(現在は国際管理下にある)コソボ自治州の独立問題にも波及しかねない」と警告した。
 ジンジッチ次期首相は、それに代わる道として(1)連邦憲法の改正により各共和国の独自権限を強め、連邦政府の権限を縮小する(2)連邦国家の国名も「セルビア・モンテネグロ」などに変える――などの妥協策をモンテネグロ側に提示する方針を示した。
 妥協策が受け入れられなかった場合は、「憲法上、正当な手段を通じて表明されたモンテネグロの民意が独立を選ぶのなら、その結果は受け入れる。我々は介入策を持たない」として、連邦軍が独立阻止の武力行使に動くことは否定した。
 だが「欧州が統合に向かう中で、なぜセルビアとモンテネグロだけ分離しなければならないのか。いま必要なのは経済発展であり、『主権』『国家』といった問題で論争をしている余裕はない」と批判した。
 1999年のユーゴ空爆以降、国連と北大西洋条約機構(NATO)の管理下にあるコソボ自治州については「我々(セルビア)は政治的にコソボを失った」と、公式に認めた。しかし「経済面での接触を強め、欧州統合の流れの中にいれば、5年10年のうちに主権は意味をなさなくなるかもしれない」と述べ、独立問題を棚上げした上で、経済的な再統合をめざす意向を示した。
 国連の旧ユーゴ戦犯法廷に起訴されているミロシェビッチ前大統領については、「国外での裁判は、むしろ彼を英雄にまつりあげて逆効果となる。彼の個人的な経済活動を証明する方が容易だ」と述べ、国内で前大統領の不正蓄財などの追及を優先する立場を確認した。[2001-01-01-03:08] 47
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 01/01@イスラエルなども署名 ICC設立条約(共同通信)

 【ワシントン31日共同】イスラエル、イラン両国は三十一日、ニューヨークの国連本部で国際刑事裁判所(ICC)設立条約に署名した。国連によると、同日署名した米国と合わせ署名国は百三十九カ国となった。
 同条約は署名促進の狙いから十二月三十一日を署名期限としていた。
 イスラエルはパレスチナ人らによってイスラエル軍兵士がICCで訴追される懸念があるとして反対の意向を示してきたが、クリントン大統領が署名の方針を発表したことから転換したとみられる。
 ICC条約は六十カ国の批准で発効するが、批准国は三十カ国弱にとどまっている。(了)[2001-01-01-10:43] 48
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 01/01@米が国際刑事裁条約に署名 設立の動き活発化へ(共同通信)

 【ワシントン31日共同】米政府は三十一日、戦争犯罪などを裁く初の常設法廷である国際刑事裁判所(ICC)設立条約に署名した。人権保護の面から人類史の画期的な業績とされるICCは、米国の署名を受けて今後、設立の動きが活発化することになる。
 クリントン大統領は同日の声明で、第二次大戦直後にナチス・ドイツのニュルンベルク裁判を創設して以来の「米国の人道面でのリーダーシップを改めて確認する」と署名の意義を強調した。
 大統領は一方で、世界に展開する米軍兵士が「戦争犯罪」を理由に起訴される懸念から「現条約には重大な欠陥がある」とも指摘、ICC設立準備の過程で米軍の訴追除外などが保証されない限り、米議会に批准を要請しないと条件をつけた。
 米国防総省や共和党保守派はICCに反対する姿勢を鮮明にしており、一月二十日に就任するブッシュ新政権も米軍除外規定を強く求めるとみられる。
 署名は国連本部でシェファー戦争犯罪担当大使が行った。十二月三十一日が署名期限だった。
 一九九八年に採択されたICC設立条約は、集団殺害や戦争犯罪を行った個人を裁く目的だが、犯罪が行われた国が加盟国であれば裁判を開始することができる内容のため、米政府は敵対勢力による米兵起訴の可能性を理由に反対してきた。
 だが国際社会の大勢が署名する中、クリントン大統領は条約署名国による会議などで今後、ICCの起訴要件の変更を実現させる方針に転換した。(了)[2001-01-01-10:38]
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 01/02@カンボジア下院がポト裁く特別法廷の設置案可決(読売新聞)

 【プノンペン2日=本田路晴】カンボジア下院は二日、七〇年代後半に同国ポル・ポト政権下で起きた大量虐殺に関与した同派幹部を裁く特別法廷設置法案を満場一致で可決した。しかし、起訴対象者の範囲や裁判費用の負担問題などの課題も多く、裁判が実際に始まるまでには、まだ時間がかかりそうだ。
 十九章四十八項目からなる法案によると、裁判は三審制。ポト派政権が誕生した七五年四月から同政権が崩壊した七九年一月までに行われた人道に対する罪、集団殺害罪などが裁判の対象となる。
 裁判官は、カンボジア人と外国人が共同で担当する。カンボジア人と外国人との裁判官の構成は、一審がカンボジア人三人対外国人二人、二審が四人対三人、最終審が五人対四人となっている。また、判決の成立には少なくとも外国人裁判官一人の賛成が必要となる。
 ポト派裁判を巡っては、国連のアナン事務総長が九九年三月、国際法廷を設置するよう国連安全保障理事会と国連総会に勧告した。国連は、旧ユーゴやルワンダでの戦争犯罪や人権侵害を裁くために設置された国際法廷を想定していたが、フン・セン首相が「対応を誤れば、投降した同派兵士をパニックに陥れ、再び内戦を招く恐れがある」とアナン総長あてに書簡を送るなど、主権尊重を盾に強固に反対した。
 結局、双方の交渉の結果、カンボジア人と外国人判事がカンボジア国内で設置される特別法廷で同派幹部を裁くとの折衷案で落ち着いた経緯がある。
 可決された法案は上院、憲法評議会での審議を経た後、シアヌーク国王の署名によって発効する。それを受け、カンボジア政府と国連側が合意文書を交換し、法廷設置に向け本格的な準備に入る。
 しかし、課題も多い。
 まず起訴範囲をめぐる問題だ。特に、七九年のヘン・サムリン政権下の欠席裁判で大量虐殺罪などで死刑判決を受けながら、後に投降して恩赦を付与されたイエン・サリ元副首相を訴追するかどうかが、大きな課題となっている。
 ポト派を許すことで政府に帰順させ、国民和解を図ってきたフン・セン首相も、元副首相の処遇を巡っては発言が揺れている。
 また巨額の裁判費用をどう工面するかも未解決のままだ。起訴の対象をキュー・サムファン元幹部会議長やヌオン・チア元人民代表議会議長ら五、六人の同派最高幹部だけに絞っても、年間四千万ドルかかるとされている。[2001-01-02-21:46] 2
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 01/02@ブッシュ政権は後ろ向き 難問残る国際刑事裁創設(共同通信)

 【ワシントン2日共同】クリントン米大統領は任期切れを直前に控え、課題だった国際刑事裁判所(ICC)創設条約の署名に踏み切ったが、ブッシュ次期共和党政権が冷淡な姿勢を示していることから、ICC創設には依然いくつものハードルが残っている。
 米国は一九九九年のユーゴスラビア攻撃で一部の国際人権団体から「無差別空爆で戦争犯罪に当たる」と告発され、旧ユーゴスラビア戦犯法廷が調査に乗り出した。この苦い経験から「世界中の駐留米軍に不当な告発が起こる」と米国はICC創設に反対してきた。
 今回のクリントン大統領の署名決断を受けても、米軍はICCへの反対姿勢を変えておらず、共和党の一部にはICCだけでなく米国の国連平和維持活動(PKO)への協力を凍結しようとする法律の成立を目指す動きすらある。
 また、ブッシュ次期大統領は米軍の再建、米兵の待遇改善などを選挙公約に掲げてきた。対象となる犯罪のあいまいさや検察官の独走の懸念などいくつもの問題が指摘され「米兵を不当に起訴できる」(コーエン国防長官)国際法廷に、ブッシュ政権が反発を強めるのは必至だ。(了)[2001-01-02-15:16]
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 01/03@◎NATOに劣化ウラン弾の説明求める=伊首相(時事通信)

 【ローマ3日AFP=時事】イタリアのアマト首相は3日、ボスニア・ヘルツェゴビナとユーゴスラビア・コソボ自治州に派遣された同国出身兵士6人が白血病で死亡したとの報告を受けて、北大西洋条約機構(NATO)に対し、劣化ウラン弾の使用について説明を求めると語った。有力紙レプブリカが報じた。
 アマト首相は同紙に対し、「NATOには、劣化ウラン弾を使用した経緯とその特性をわれわれに理解させるため、あらゆる検査を実施する義務がある」と強調した。旧ユーゴ各地に駐留した兵士が健康を害する現象は、「バルカン症候群」と呼ばれている。 [時事通信社][2001-01-03-20:01] 20
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 01/03@バルカン帰還兵にがん多発 劣化ウラン弾が原因?(共同通信)

 【ローマ3日共同】平和維持活動でボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア・コソボ自治州に派遣されたイタリア軍人らの間で白血病などのがんが多発、北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾が原因ではないかとの疑いから、他の欧州各国にも騒ぎが広がっている。
 イタリアでは「バルカン症候群」とも呼ばれ、二日までにボスニアとコソボに派遣された軍人約六万人のうち六人が白血病で死亡したことが明らかになった。国会でも特別調査委員会設置の動きがあり、軍事検察官は、死亡者を含め全体で三十人前後を対象に調査している。
 NATOは昨年十二月に、一九九四、九五年にボスニアで一万八百発、九九年にコソボで三万千五百発の劣化ウラン弾を使用したことを認めた。
 イタリア国防省は「バルカン症候群」の原因を劣化ウラン弾に特定する根拠はまだないと慎重な構えだが、バルカン派遣部隊を撤退させるべきだとの要求も出始めた。
 ポルトガルでも、死亡した帰還兵の父親が死因の再調査を要求。これをきっかけにコソボ帰還兵約九百人の医学調査が命じられ、スペインもバルカン帰還兵約三万二千人の調査を決めた。ベルギーは欧州連合(EU)国防相会議での対応を求めている。
 劣化ウラン弾と因果関係があるとすれば、軍人に限らず、ボランティアを含む文民や関係地住民にも被害が出ている可能性がある。国連は既に現地調査を実施しているという。
 劣化ウラン弾は、戦車などの標的に対する破壊力を強めるため弾頭部に劣化ウランを利用したもの。九一年の湾岸戦争でも使用され、米英軍の帰還軍人に広がった「湾岸症候群」との因果関係が疑われたが、結論は出ていない。(了)[2001-01-03-14:54] 21
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 01/03@国際刑事裁判所の設立条約に米が条件付き調印(読売新聞)

 【ワシントン2日=坂元隆】米政府は三十一日、集団虐殺や戦争犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC)設立条約に調印した。クリントン大統領はこれまで海外に展開する米軍兵士らが訴追される可能性を懸念して調印に難色を示してきたが、調印締め切りが年内に迫っていたため、条件付きで調印に応じた。
 ICCはナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺などの犯罪を裁いたニュルンベルク裁判にならって構想されたもの。旧ユーゴスラビアなどの戦争犯罪を裁くための臨時法廷はこれまでにもあるが、刑事責任を問う常設の国際裁判所の設立は初めて。設立条約は六十か国が条約を批准した段階で発効するが、批准国はこれまで二十七か国にとどまっている。米国の調印により、ICC設立への機運が今後さらに高まることが予想される。
 ただクリントン大統領は、条約が未批准国の国民まで訴追対象としており米国が批准をすまさないうちに米軍兵士などが訴追される可能性があることに懸念を表明した。
 その上で「懸念が解消されない限り次期大統領は上院に条約批准承認を求めるべきでない」として、米軍兵士の訴追を除外する規定が盛り込まれない限り、米国は条約を批准する意思のないことを明らかにした。
 米国内で、ICC設立条約は世論や人権団体の支持を集める一方、議会で多数を占める共和党の保守派からは強い反発を受けている。[2001-01-03-00:40] 53
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 01/03@バチカンが緒方貞子氏の業績たたえる(読売新聞)

 【ローマ3日=秦野るり子】バチカン(ローマ法王庁)は三日、緒方貞子・前国連難民高等弁務官にあてたローマ法王ヨハネ・パウロ二世の書簡を公表した。書簡は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)設立五十周年を祝って、緒方氏が弁務官在任中の昨年十一月二十二日付で送られたもの。この中で法王は「あなたの存在と活動はUNHCRの歴史に決して消えない足跡を残した」と緒方氏の業績をたたえた。[2001-01-03-23:16] 54 [このページの最初に戻る]


 01/03@ユーロの流通開始、「知ってる」市民33%(読売新聞)

 【ブリュッセル3日=三井美奈】欧州単一通貨ユーロの紙幣・硬貨が二〇〇二年一月から市中に出回ることを知っているユーロ圏市民は全体の33%に過ぎないことが欧州連合(EU)の世論調査で分かった。このままでは一年後に混乱が生じかねず、危機感を強めたEUはユーロPR作戦を強化する構えだ。
 この調査は昨年夏、EU加盟十五か国で一斉に行われた。ユーロ圏十一か国で、紙幣・硬貨の流通開始日を正確に答えられた人が最も多かったのはルクセンブルク(54%)で、最低はイタリア(17%)だった。
 ユーロは一九九九年一月から銀行間取引や国際企業間決済などに限り使用されており、日常の買い物は現在も各国通貨が通用しているため一般市民の間でユーロの認知度は低い。EUの行政執行機関、欧州委員会は今後、テレビ広告や小冊子の配布などを通じて、ユーロ化への不安が根強い中小企業や年金生活者へのキャンペーンを集中的に行うことにしている。
 なお今月からギリシャがユーロ圏入りしてユーロ参加は十二か国となった。[2001-01-03-22:35] 58
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 01/03@<中東和平交渉>米の和平仲裁案へ要望文書 パレスチナ交渉(毎日新聞)

 【エルサレム3日海保真人】パレスチナ自治政府のラボ文化情報相ら交渉団は2日、米国の和平仲裁案に対する要望文書を発表した。仲裁案ではヨルダン川西岸とエルサレムで、パレスチナ領土の分断や飛び地状態が解消されないことを警戒、パレスチナ難民のイスラエルへの帰還権承認も強く求めている。
 文書によると、仲裁案の問題点は(1)西岸の領土が返還されても、4〜6%相当のユダヤ人入植地がパレスチナ領内に残り、領土の連続性が阻害される(2)東エルサレムをアラブ地区とユダヤ地区に分けても、パレスチナ側の領土は飛び地状態となる(3)難民の「パレスチナ国家」への帰還権を認めているものの、イスラエル領への帰還権が明記されていない――などだ。
 エルサレム旧市街のイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)」については、「仲裁案は(ユダヤ王国の神殿が埋まっている)ハラムの地中の主権をイスラエル側に認めているようだ」と反発。また難民帰還問題の解決策として仲裁案があげている「ホスト国(現住国)での社会復帰」「第3国への再定住」について、「当事国の政策に左右される」と懸念を表明している。[2001-01-03-20:25] 62
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 01/03@<中東和平交渉>不満募らせるイスラエル首相(毎日新聞)

 【エルサレム3日海保真人】アラファト・パレスチナ自治政府議長は2日、クリントン米大統領との会談で、米国の仲裁案の諾否を回答するには至らず、暴力停止の努力を約束するにとどまった。議長の「牛歩戦術」のような交渉スタイルに、2月6日に首相公選を控えたバラク・イスラエル首相は不満を募らせ、両者の不信は深まるばかりで、混迷状態は当分、打開できそうにない。
 緊急首脳会談で、仲裁案に関してどんな突っ込んだやり取りがあったかは明らかにされていないが、アラファト議長に同行したルデイネ顧問は、ロイター通信に「24時間以内の米国の努力を見守りたい」と語り、米政府の新たな対応に期待していることを示唆した。クリントン大統領は3日、バラク首相と電話協議すると伝えられている。
 アラファト議長が諾否の回答を渋る理由は、4日にアラブ各国外相との協議を控えていること以上に、領土返還、エルサレム帰属、パレスチナ難民帰還権などいずれの問題においても、仲裁案がパレスチナ人の総意を満足させるに至らないと判断しているからだ。特に難民の完全な帰還権を放棄すれば、反イスラエル抵抗闘争を続ける住民や議長の支持基盤ファタハからの不満が噴出、議長自身の政権維持にも影響が出る恐れがある。議長としては、よりよい条件を手に入れるために、クリントン大統領を相手にギリギリまで粘っている姿を、内外に印象づける必要があると判断したと見られる。
 これに対してバラク首相は連日、「アラファト議長はわざとぐずぐずし、貴重な時間をつぶしている」と公言、2日夜はテレビ放送で「これ以上、パレスチナ側とは接触も交渉も続けられない」と交渉決裂ともとれる表現までした。2月6日に首相公選で勝利するには、和平交渉の進展が不可欠なのにも関わらず、交渉が停滞しているばかりか、逆にイスラエル市民に対するテロが激化していることにいら立ちを募らせている。パレスチナ自治区に対する一方的な分離策も示唆しており、議長の対応次第では両者の関係がさらにこじれる可能性も出てきた。[2001-01-03-19:40]
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 01/04@<劣化ウラン弾>兵士のバルカン症候群との関連調査へ EU(毎日新聞)

 【ブリュッセル4日森忠彦】バルカン半島に駐在する北大西洋条約機構(NATO)兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害が相次ぎ、米軍が使用した劣化ウラン弾との関係が取りざたされている問題で、欧州連合(EU)のプロディ欧州委員長は4日、EUとして独自の調査を始める意向を示した。
 同委員長はイタリアのラジオに対して「欧州委としてボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア連邦とも連絡を取って調査を始めたい。劣化ウラン弾が少量とはいえ人体に影響を及ぼすのなら、こうした武器は廃絶されるべきだ。兵士だけでなく、住民の間での健康被害も確かめるべき」と語った。NATOと密接な関係を持つEU首脳が劣化ウラン弾の危険性を指摘し、廃絶に向けた運動も辞さない姿勢を示した点は注目に値する。委員会報道官によると、手始めとして「事実関係を調べるための非公式調査を行う。加盟国からも情報を収集したい」と述べた。
 EU15国のうち、NATO加盟国は11国だが、ボスニアやコソボに駐在する治安維持部隊にはNATO非加盟のフィンランドやスウェーデンなども参加しており、両国はコソボでは同弾が集中的に使用された中南部周辺で治安維持活動を行っている。特にフィンランドは昨年、EU環境相会議で劣化ウラン弾の廃絶を呼びかけた経緯もあり、今回も自国兵士に対して独自の健康調査を行っている。
 昨年11月にコソボの現地調査を行った国連環境計画(UNEP)によると、米軍の攻撃地点では未発見の劣化ウラン弾がそのまま、放置状態にあるという。
 また、双方に加盟するポルトガルとベルギーも、3日リスボンで開いた外相会談でこの問題を取り上げ、国内問題となっているイタリアに同調する形でNATO内での対応を図り、国際的な調査委員会の設立を求める方針を打ち出した。[2001-01-04-23:15] 4
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 01/04@◇バルカン帰還の伊軍兵士に白血病死相次ぐ◇(朝日新聞)

 バルカン半島の紛争に派遣されたイタリア軍兵士に白血病が相次ぎ、これまでに6人が死亡していることがわかり、問題となっている。イタリア各紙が4日までに伝えたもので、北大西洋条約機構(NATO)が使った劣化ウラン弾との因果関係が疑われている。国防省は死んだ6人について内部調査するための専門家による委員会を設置。野党は国会にも特別調査委員会の設置を求めている。アマート首相はNATOに公式な説明を求める方針だ。
 劣化ウラン弾は戦車攻撃などに用いられ、使用後の放射性物質による影響が心配されている。湾岸戦争でも問題となったが、人体への影響との因果関係はまだ解明されていない。NATOはボスニア・ヘルツェゴビナで1994―95年に約1万発、99年にはユーゴスラビア・コソボ自治州で3万発以上の劣化ウラン弾を使ったとされる。
 イタリア国防省のオスティリオ次官は、両紛争の前線で活動したすべての兵士の健康状態について保健省が把握しているかどうか確認を求めた。ボスニアに展開する和平安定化部隊からイタリア兵を撤退させるべきだ、との声も出ている。
 ポルトガルやベルギーなどからも調査を求める声が高まっている。NATOの報道担当者は「イタリアが求める情報を提供するため準備中」としており、来週の大使級理事会でこの問題が取り上げられる見通しだ。[2001-01-04-23:03] 7
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 01/04@<劣化ウラン弾>ブッシュ新政権と欧州同盟国とのあつれき深(毎日新聞)

 【ロンドン3日岸本卓也】北大西洋条約機構(NATO)に加盟するイタリアのアマート首相が劣化ウラン弾による健康被害に懸念を示し、NATOに本格的な調査を求めたことで、劣化ウラン弾使用を継けたい米国は苦しい立場に陥った。ブッシュ新政権はNATO加盟国の間で反対論が強い米本土ミサイル防衛構想(NMD)を進める方針だが、劣化ウラン弾の使用でも欧州の同盟国とのあつれきが深刻化しそうだ。
 劣化ウラン弾の健康被害については米軍の攻撃を受けたイラクやユーゴスラビアから非難の声が上がっていたが、米国の同盟国の首脳から不安の声が出た意味は大きい。イタリアだけでなくベルギー、スペイン、ポルトガルも調査に乗り出している。欧州の同盟国の間に広がった不安は米国への信頼を揺るがせ、NATOの結束にも影響する。
 貫通能力に優れた劣化ウランは弾頭に適した金属だが、安全性への疑問からドイツなど他の同盟国はタングステンに切り替えた。しかし、米国は劣化ウラン弾の廃棄を渋っている。天然ウランを濃縮する過程で生まれる劣化ウランは米国内で50万トンに達し、その使い道に困る。また、タングステンの主要生産国は中国。中国に武器の原料を依存することは戦略上好ましくない。
 米国にとって劣化ウラン弾の使用中止の決断は難しいが、同盟国の不安も無視できない。バルカン地域からの米軍撤退問題も同盟国に不信感を与えているだけに、ブッシュ新政権の重荷の一つになるかもしれない。[2001-01-04-10:15] 8
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 01/04@<劣化ウラン弾>NATOが大使級理事会で影響を話し合う見(毎日新聞)

 【ブリュッセル4日森忠彦】ロイター通信によると、北大西洋条約機構(NATO)軍が行ったボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア連邦での劣化ウラン弾使用問題で、NATO当局者は3日、来週の定例大使級理事会でこの問題が話し合われる見通しを語った。兵士への健康被害が問題になっているイタリアからはすでにNATO側に対して説明を求める要請が届いているという。
 NATOは昨年、国連環境計画(UNEP)からの再三の要請を受けてコソボ自治州を中心に米軍が使用した劣化ウラン弾の攻撃に関する情報を提供したが、個々の加盟国に対して具体的な情報を伝えていない。
 NATO本部は、イタリアやベルギーなど加盟国の兵士の間に「バルカン症候群」と呼ばれる原因不明の健康被害が多発していることを受けて、改めて劣化ウラン弾による攻撃内容や地点、人体への影響などを説明するものとみられる。[2001-01-04-10:10] 9
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 01/04@<劣化ウラン弾>伊首相がNATOに対し健康調査を求める意(毎日新聞)

 【ローマ4日井上卓弥】バルカン半島に駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害が相次ぎ、劣化ウラン弾との関係が疑われている問題で、イタリアのアマート首相はNATOに対して経緯の説明と健康調査を求める意向を示した。3日付伊レプブリカ紙が報じた。NATO加盟国首脳が劣化ウラン弾に関連した健康調査を求めたのは初めて。ベルギーやポルトガルでも実態調査を求める声が加盟国内で本格化している。
 イタリアではこの数年間にボスニア・ヘルツェゴビナ平和安定化部隊(SFOR)やコソボ平和維持部隊(KFOR)に参加した兵士などが白血病やがんで相次いで死亡。報道によると死者は計6人、免役障害などで治療を受けている兵士も12人に上り、軍関係者や家族の間で原因とみられる環境汚染、中でも劣化ウラン汚染による後遺症への恐怖感が高まっている。
 アマート首相は同紙のインタビューで「劣化ウラン弾がどう使われ、人体に対してどういう影響があるのかを知るための検査をNATOは行うべきだ。これまでの調査では不十分」と語った。
 NATOは99年のユーゴスラビア連邦空爆でコソボ南西部を中心に米軍が112地点で計3万1000発の劣化ウラン弾が使用したことを公式に認めているが、これまで同弾が人体に及ぼす影響はないとしており、加盟国側からこの公式見解に対して疑問がはさまれたことはなかった。
 さらにマタレラ・イタリア国防相が昨年末、NATOに問い合わせたところ、94年から95年にかけてのボスニア紛争でも米軍が計1万800発の劣化ウラン弾を使用したことが明らかになった。
 一方、ベルギーのフラオー国防相も先月末、今年前期の欧州連合(EU)議長国のスウェーデンに対してEU内で健康被害に対する討議を行うよう提案。EU内では昨年、フィンランドが同弾の使用禁止を環境相会議に提案しいる。
 現在、NATO加盟国を中心にボスニアには約2万3000人、コソボには約4万2000人の兵士が駐留している。コソボで劣化ウラン弾が集中使用された地区ではイタリアやポルトガル、スペイン、ドイツ軍兵士などが任務に就いているが、ボスニアでは使用された地域も不明なままだ。
◎メモ
 劣化ウラン弾
 核兵器の製造など、天然ウランの濃縮処理過程で派生する劣化ウランを弾頭に使用した砲弾。重金属のため貫通性に優れ、戦車攻撃などに使われる。湾岸戦争(1991年)では米軍がイラク軍に大量に使用。燃焼時に飛び散った微粒子が体に与える危険性を指摘する専門家も多く、米兵の一部に発生した「湾岸戦争症候群」や住民に多発している白血病、がんとの関係も取りざたされる。米英をはじめ、世界で約20国の軍隊が劣化ウラン弾を所有している。[2001-01-04-10:10] 7
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 01/04@◇バルカン帰還の伊軍兵士に白血病死相次ぐ◇(朝日新聞)

 バルカン半島の紛争に派遣されたイタリア軍兵士に白血病が相次ぎ、これまでに6人が死亡していることがわかり、問題となっている。イタリア各紙が4日までに伝えたもので、北大西洋条約機構(NATO)が使った劣化ウラン弾との因果関係が疑われている。国防省は死んだ6人について内部調査するための専門家による委員会を設置。野党は国会にも特別調査委員会の設置を求めている。アマート首相はNATOに公式な説明を求める方針だ。
 劣化ウラン弾は戦車攻撃などに用いられ、使用後の放射性物質による影響が心配されている。湾岸戦争でも問題となったが、人体への影響との因果関係はまだ解明されていない。NATOはボスニア・ヘルツェゴビナで1994―95年に約1万発、99年にはユーゴスラビア・コソボ自治州で3万発以上の劣化ウラン弾を使ったとされる。
 イタリア国防省のオスティリオ次官は、両紛争の前線で活動したすべての兵士の健康状態について保健省が把握しているかどうか確認を求めた。ボスニアに展開する和平安定化部隊からイタリア兵を撤退させるべきだ、との声も出ている。
 ポルトガルやベルギーなどからも調査を求める声が高まっている。NATOの報道担当者は「イタリアが求める情報を提供するため準備中」としており、来週の大使級理事会でこの問題が取り上げられる見通しだ。[2001-01-04-23:03] 29
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 01/04@◎ユーゴ外相が訪米、関係修復に本腰(時事通信)

 【ウィーン4日時事】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のスビラノビッチ外相が4、5の両日、米国を訪問、オルブライト国務長官らと会談する。昨年10月初めのコシュトニツァ政権誕生後、ユーゴ政府高官の訪米は初めて。ユーゴ側は、コソボ自治州紛争をめぐる1999年の北大西洋条約機構(NATO)による空爆後、緊張が続いていた両国関係の修復に本腰を入れる。 [時事通信社][2001-01-04-14:25] 30 [このページの最初に戻る]


 01/04@<アラファト議長>条件付きで仲裁案に前向きに対処と発表(毎日新聞)

 【エルサレム4日海保真人】パレスチナ自治政府は3日、アラファト議長が2日のクリントン米大統領との会談で、条件付きで仲裁案に前向きに対処する用意があると表明したことを発表した。一方、バラク・イスラエル首相は3日、クリントン大統領の電話による説得を受け、早急に特使をワシントンに派遣することで同意した。米を仲介役に再び交渉が再開される可能性も出てきているが、双方に歩み寄りがみられるかどうかは予断を許さない。
 自治政府当局によると、パレスチナ側は会談で幾つかの条件や意見を提示した。条件は、(1)エルサレム旧市街のイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)」での完全な主権獲得(2)1967年の占領地すべてを対象とした明確な領土返還交渉(3)(パレスチナ難民の帰還権を認めた)国連総会決議194に従った難民問題の解決(4)「パレスチナ国家」とヨルダン川流域からのイスラエル軍の排除――など。
 アラファト議長がこれまでの慎重な態度をやや軟化させたのは、米の意をくんだ欧州諸国や国際社会から「この機会を逃すな」と仲裁案受諾を促す圧力が強まったためといわれる。ソラナ欧州連合(EU)共通外交・安全保障上級代表も1日、議長と会い説得した。 一方、バラク首相はクリントン大統領からの1回目の電話でパレスチナ側のテロの激化を理由に特使派遣を拒絶したが、閣僚との協議後、2回目の電話で応じたとされる。ただ、イスラエル側は依然としてアラファト議長の態度に懐疑的で、特使は暴力の停止を主に協議する方針という。
 米の思惑通り交渉再開に進展することもあり得るが、イスラエル側もハラム・アッシャリーフの地中の主権獲得や難民のイスラエル領への帰還権拒否などの条件を用意しているとみられ、双方が真っ向から対立する事態も予想される。[2001-01-04-12:30] 41
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 01/04@ローマ法王が緒方さんを称賛(共同通信)

 【ローマ3日共同】ローマ法王庁は三日、法王ヨハネ・パウロ二世が昨年十二月十四日の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)創設五十周年にあたって緒方貞子高等弁務官(当時)にあてた祝賀メッセージを公表した。
 法王庁がかなり以前のメッセージを公表した理由は明らかではないが、法王はこの中で、緒方さんが退任することに触れ、UNHCRの最も困難な時期に当たって「あなたの存在と活動はUNHCRの歴史に不滅の足跡を残した」と高く評価している。
 緒方さんは十年の在任中、世界各地の紛争地を精力的に訪れて難民支援活動を陣頭指揮。法王はこうした姿勢に深い感謝を表明、今後もカトリック教会組織が難民支援と難民問題解決にUNHCRとの協力を惜しまないと強調している。(了)[2001-01-04-09:07] 43
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 01/04@「バルカン症候群」討議へ 伊の要求受けNATO(共同通信)

 【ブリュッセル4日共同】イタリアのバルカン帰還兵にがんが多発、北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている問題で、NATO当局者は三日、来週のNATO大使級理事会で「この問題が取り上げられるだろう」と語った。
 NATOが本格的な調査に乗り出すかどうかは不透明だが、イタリアで問題が表面化したことを受け、他のNATO加盟国にも同様の懸念が広がっており、さらに騒ぎが拡大する可能性が出てきた。
 当局者は、イタリアがNATOに、劣化ウラン弾使用に関する情報を提供するよう求めてきたことを確認。定例の意思決定機関である理事会で話し合われるとの見通しを述べた。
 各地からの報道によると、イタリアの要請に同調する形で、スペイン、ポルトガル、トルコ、フィンランドも帰還兵への調査に乗り出す意向を表明した。
 バルカンで使用された劣化ウラン弾については、国連環境計画(UNEP)も調査したが、NATO側から十分な情報が得られなかったとしている。(了)[2001-01-04-08:51]
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 01/05@◎「バルカン症候群」でチェコ兵も死亡(時事通信)

 【ウィーン4日時事】4日付のチェコ日刊紙ムラダ・フロンタ・ドネスによると、ボスニア・ヘルツェゴビナに駐留している北大西洋条約機構(NATO)主体の平和安定化部隊(SFOR)に属するチェコ兵が1年前に白血病で死亡していたことが分かり、チェコ軍当局は、劣化ウラン弾汚染による「バルカン症候群」の疑いがあると見て、専門家調査チームを設置した。 [時事通信社][2001-01-05-00:37] 2 [このページの最初に戻る]


 01/05@◎中国、ボスニアPKOに参加へ(時事通信)

 【北京4日時事】中国国営通信・新華社は4日、ボスニア・ヘルツェゴビナの国連平和維持活動(PKO)に参加するため、中国の文民警官5人が間もなく北京を出発すると報じた。中国は昨年、東ティモールに文民警官55人を送っているが、アジア以外のPKOに人員を派遣するのは初めて。 [時事通信社][2001-01-05-00:29] 25 [このページの最初に戻る]


 01/05@国内で訴追なら戦犯法廷に協力…ユーゴ外相(読売新聞)

 【ワシントン5日=坂元隆】ユーゴスラビアに昨秋誕生したコシュトゥニツァ政権の閣僚として初めて訪米したスフィラノビッチ外相は四日、オルブライト国務長官と会談した。外相は会談後の共同記者会見で、旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷(在ハーグ)に戦犯として起訴されたミロシェビッチ前大統領らの裁判をユーゴ国内で実施する可能性を初めて示唆した。また、同国際法廷がユーゴ国内に事務所を開設することを期待すると述べた。
 オルブライト長官が「国際社会に対する犯罪には国際法廷での裁判が必要だ」と、ミロシェビッチ前大統領らの逮捕とハーグへの移送を改めて強く求めたのに対し、スフィラノビッチ外相は「起訴された人々すべてがユーゴ領土内で訴追されるのなら、(戦犯国際)法廷に全面的に協力する可能性もある」と語った。
 外相はまた、今回の米国訪問が「(両国)関係の新たな段階が始まる機会となった」と語り、対米関係の完全修復を強調した。ユーゴ・コソボ自治州の紛争をめぐり、米軍を含む北大西洋条約機構(NATO)軍が一九九九年、ユーゴを七十八日間にわたって空爆して以来、米国とユーゴの関係は悪化していたが、強権的なミロシェビッチ前大統領に代わってコシュトゥニツァ大統領が選出されたことで、関係は大きく改善していた。[2001-01-05-22:37] 26
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 01/05@「バルカン症候群」が欧州各国で問題化(読売新聞)

 【ブリュッセル5日=三井美奈】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州やボスニア・ヘルツェゴビナの平和維持部隊に参加した兵士が白血病やがんを発症する「バルカン症候群」が、欧州各国で問題化している。北大西洋条約機構(NATO)の対ユーゴ空爆(一九九九年)、対ボスニア空爆(九四年)で米軍が使用した劣化ウラン弾の影響を指摘する声が強く、NATOは九日の大使級理事会でこの問題を討議することになった。欧州連合(EU)も同日、対応を協議する。
 バルカン症候群は、イタリア軍のバルカン帰還兵六人が白血病で死亡し、一気に懸念が広がった。ベルギー、ポルトガル、オランダでも死者が相次いでいる。
 米軍がバルカン半島で使用した劣化ウラン弾の環境汚染が、帰還兵の死因に関連があるとの見方が出ているが、米国防総省報道官は四日、これを否定。劣化ウラン弾使用については、当面、方針変更はないとの姿勢を強調した。
 だが、六人の死者を出したイタリア政府は、因果関係の調査をNATO加盟国に要請。EUのプローディ欧州委員長も四日、伊ラジオ局のインタビューで「健康被害との関連がはっきりすれば、劣化ウラン弾は廃棄されるべきだ」と語った。フランス国防省も、バルカン帰還兵四人の白血病発症を受け、同日、調査開始を発表しており、バルカン症候群によって、米国と欧州の「大西洋同盟」に亀裂が入る可能性も出てきている。
 NATOは昨年八月、国連環境計画(UNEP)の要請に応じて、九九年春の対ユーゴ空爆中、米軍機がユーゴ連邦軍戦車に対し、劣化ウラン弾を使用したことを明らかにしている。NATO側は、詳しい情報開示には応じていないが、使用量は三万一千発にのぼるとされる。また、ボスニア内戦中に行った空爆でも一万発の劣化ウラン弾が使用されたことが明らかになっている。
         ◇ 劣化ウラン弾=ウランの濃縮過程で生じる廃材である劣化ウランを弾芯(しん)に使った砲弾。比重が大きく、戦車などに対する貫通力に優れ、貫通の際、高熱を発する。一九九一年の湾岸戦争で米軍が実戦使用したが、参戦した兵士が健康異常を訴える「湾岸戦争症候群」が発生。退役兵組織は約四十万人の米兵が劣化ウラン弾で被ばくした可能性が強いと主張したが、米国防総省は九八年八月、これを否定する報告をまとめた。[2001-01-05-22:29] 27
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 01/05@◎「バルカン症候群」の死者は8人=伊紙報道(時事通信)

 【ローマ5日AFP=時事】5日付のイタリア紙レプブリカは、ボスニア・ヘルツェゴビナから帰還したイタリア兵2人ががんで死亡していたことが新たに分かり、「バルカン症候群」によるイタリア兵の死者は計8人になったと報じた。 [時事通信社][2001-01-05-22:14] 29 [このページの最初に戻る]


 01/05@<バルカン症候群>NATO兵士に健康被害相次ぐ(毎日新聞)

 【ロンドン5日岸本卓也】バルカン地域に派遣された北大西洋条約機構(NATO)の兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害が欧州各国で相次いでいる問題で英BBC放送は5日、ボスニア・ヘルツェゴビナで勤務した元英軍工兵も似たような症状に苦しんでいることを伝えた。
 英中部に住むケビン・ラドランドさん(41)は1995年12月から5カ月間にわたりボスニアに派遣されたが、帰国後に慢性疲労に陥り、頭髪が抜け落ちた。最近では内臓疾患にも苦しんでいる。しかし、英国防省は「劣化ウラン弾と病気の因果関係は認められない」として、バルカン地域に派遣された英軍兵士の健康調査も実施しない方針だ。[2001-01-05-21:26] 30
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 01/05@<米ユーゴ関係>米国務長官がユーゴ外相と会談(毎日新聞)

 【ワシントン4日布施広】オルブライト米国務長官は4日、訪米したユーゴスラビア連邦のスビラノビッチ外相と会談した。会談後に会見した外相は、コソボ紛争で戦犯として旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴されたミロシェビッチ前大統領らに関して、ユーゴ領内で裁判を行うなら全面的に協力する意向を示した。コシュトゥニツァ政権誕生後、ユーゴ閣僚の訪米は初めてで、両国の関係正常化を確認する会談となった。
 会見でスビラノビッチ外相は「起訴されたすべての人物の訴追に関して、国際法廷に全面的に協力する可能性がある」と述べる一方、「ユーゴ領内で」と条件を付け、ミロシェビッチ氏らの身柄引き渡しには応じないことを示唆した。外相は、同法廷がユーゴに事務所機能を持つことを希望するとも語り、現地での裁判なら支持する姿勢を示した。
 これに対しオルブライト長官は「国際的な犯罪は国際的な裁判を必要とする」と述べ、あくまでハーグでの裁判を求めた。外相発言については、ユーゴが戦犯訴追で柔軟姿勢に転じたとの見方もあるが、「現地裁判方式」はクリントン政権の任期切れを見越した「くせ球」の色彩が強く、米・ユーゴの戦犯問題の交渉が急進展する可能性はほとんどない。
 一方、二国間関係についてオルブライト長官は「つい半年前まで、こうした会合(外相会談)は考えられなかった」と述べ、「ユーゴが民主化の望ましい方向に向かっていることは疑いがない」と高く評価。スビラノビッチ外相も両国関係が「新たな局面」を迎えたことを歓迎した。米国はコシュトゥニツァ政権下の昨年11月、ユーゴとの国交を回復している。
 米国の政権交代期に訪米した外相は、次期国務長官に就任するパウエル元統合参謀本部議長との会談も求めたが、パウエル氏は就任前に外国要人と会うのは望ましくないとして、会談要請を断った。[2001-01-05-19:30] 32
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 01/05@◇劣化ウラン弾への懸念拡大 帰還兵の白血病で◇(朝日新聞)

 バルカン半島で北大西洋条約機構(NATO)軍が使った劣化ウラン弾による健康被害への懸念が、兵士6人が白血病で死亡したイタリアが専門家による調査委員会を設置したことなどをきっかけに、欧州同盟国に広がっている。因果関係を否定しているNATOも、この問題を来週にも討議し、対応を協議する方針だ。
 劣化ウラン弾の供給国である米国でも、湾岸戦争後に「湾岸戦争症候群」と呼ばれる症状が将兵に多発し、健康への影響が疑われている。沖縄でも米軍の実弾訓練に使われ続け強い批判を浴びた兵器をめぐる問題が、米欧同盟にとって、やっかいな問題に浮かび上がった。
 イタリア政府は、国内の報道をきっかけに、劣化ウラン弾の使用と兵士の病死との因果関係を調査するための専門家委員会の設置や、NATOへの調査要求を決めた。さらに、イタリアの元首相でもあるプロディ欧州委員長が、健康被害がはっきりすれば劣化ウラン弾は廃棄されるべきだと表明したことから、問題の深刻さを印象づけた。
 バルカン半島に展開した兵士4人が白血病と診断されたフランスをはじめ、ベルギー、ポルトガル政府もこの疑惑に対する調査を求めてきた。
 劣化ウラン弾はきわめて重く、鉄板を貫く能力に優れていることから、対戦車兵器として使われてきた。米政府とNATO事務局は一貫して、健康被害とのかかわりを立証できないとしてきた。しかし今後、NATOの欧州同盟国からは因果関係の徹底した解明や、旧ユーゴスラビアの市民への影響調査などを求める要求が一段と強まりそうだ。[2001-01-05-17:54] 34
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 01/05@◇対米関係、新段階へ 訪米中のユーゴ外相が強調◇(朝日新聞)

 訪米中のスビラノビッチ・ユーゴスラビア外相は4日、オルブライト国務長官と会談した。記者会見で外相は、ワシントンでの米国務長官とユーゴ外相の会談は、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦以降の過去8年間で初めてだと強調。「対米関係が新段階に入る機会を迎えた」と述べ、米ユーゴ関係が大きく改善したことを示した。オルブライト長官は「ユーゴは、欧州への復帰と民主主義に向かって前向きに進んでいる」と評価した。
 スビラノビッチ外相は、国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴されているミロシェビッチ前大統領について、地元ベオグラードで裁判を進める形を改めて提案。月内にベオグラード入りする同法廷のデルポンテ主任検察官と詳細を協議する意向を示した。[2001-01-05-12:51] 35
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 01/05@◇劣化ウラン弾と白血病の因果関係を否定 米国防総省◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)軍が劣化ウラン弾を使ったバルカン半島から帰還した欧州の兵士に白血病などが相次いでいる問題について、ベーコン米国防総省報道官は4日、「劣化ウラン弾と発病との因果関係は一切見つかっていない」と述べた。米国では、1991年の湾岸戦争時から劣化ウラン弾の後遺症の可能性が指摘されていたが、同省は一貫して因果関係を否定。イタリアなど欧州諸国で調査を求める声が上がり始めた今回の問題についても改めて否定した形だ。
 報道官は、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボ自治州で従軍した兵士の間に実際に白血病が異常に高い率で発生しているかどうかの調査は「欧州諸国か我々かが進めることになるだろうが、まだ実施されてはいない」と強調。「科学的な基礎調査もされていない段階から劣化ウラン弾と白血病の関係をうんぬんするのは早すぎる」とくぎを刺した。
 ただし報道官は、米軍チームはすでにコソボ自治州の土と水のサンプルを採取して5つの研究所で分析を進めていることを明らかにした。その結果は今春にも公表する。劣化ウラン弾による兵士への影響をめぐっては、国防総省が委託した独立機関ランド研究所が99年、体の不調との因果関係は認められないとの結論を出している。[2001-01-05-11:55] 36
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 01/05@<劣化ウラン弾>直接的な関連は見当たらずと否定 米国防総(毎日新聞)

 【ワシントン4日布施広】ベーコン米国防総省報道官は4日、NATO軍兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害が相次いでいる問題で、米軍が使用した劣化ウラン弾との直接的な関連は見当たらないとの見解を示した。またバルカン地域に駐留する米兵には、そうした健康被害は出ていないと述べ、同弾の使用停止を求めるイタリアなどの要請に対しても「検討する理由がない」と強い態度で退けた。
 米国では湾岸戦争(1991年)に参加した米兵の間で原因不明の病気が広がり、国防総省は特別チームを編成して原因究明に当たってきた。報道官は「我々は湾岸戦争症候群と劣化ウラン弾の因果関係を発見できなかった」と述べ、劣化ウランと「バルカン症候群」が無関係であることにも「経験に基づいて自信を持っている」と強調した。
 報道官は「欧州の懸念は承知している」と述べ、症候群の調査について欧州諸国と協力する方針を確認したが、「現段階で(劣化ウラン弾の)使用の一時停止を検討する理由はない」との見解を示した。報道官によると、コソボでの軍事作戦で、米軍は約3万1000発の劣化ウラン弾を使用、ボスニア紛争では約1万800発の同弾が使われた。
 さらに、報道官は「バルカン症候群」が欧州で問題化したことについて「サダム・フセイン(イラク大統領)とミロシェビッチ(前ユーゴスラビア連邦大統領)という米国の2人の敵が、協調して『反劣化ウラン』キャンペーンを展開してきた」と指摘。こうした「科学調査を反映しない情緒主義」が、他国にも影響を与えている可能性にも言及した。[2001-01-05-11:01] 37
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 01/05@国内での戦犯法廷を示唆 米・ユーゴ外相会談(共同通信)

 【ワシントン4日共同】オルブライト米国務長官は四日、コシュトニツァ政権誕生後、ユーゴスラビア連邦の閣僚として初めて訪米したスビラノビッチ外相と会談した。
 会談後の会見で外相は、コソボ紛争で戦犯として起訴されたミロシェビッチ前ユーゴ大統領らについて、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)をユーゴ国内で開き、裁判にかける可能性を初めて示唆。同戦犯法廷がベオグラードに事務所を開設することを希望すると述べた。
 外相の提案で、両国関係のとげとなっていた戦犯問題が進展する可能性も出てきた。
 会見で長官は「ユーゴスラビアが民主主義の方向にかじを切ったことは疑いない」と同国の民主化を称賛。外相も「(会談が)両国関係の新たなスタートになることを望む」と応じ、関係の完全修復を確認した。
 米国は昨年十一月、コシュトニツァ政権誕生でユーゴが「劇的に変わった」として国交を回復。しかしコシュトニツァ大統領は同月、欧州連合(EU)とバルカン諸国の首脳会議で、バルカン安定は「欧州が主体となって取り組むべきだ」と述べ、米のバルカン政策を暗に批判、食い違いが表面化していた。(了)[2001-01-05-10:28] 38
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 01/05@◎バルカンでの軍事プレゼンス継続を=オルブライト長官が次(時事通信)

 【ワシントン4日時事】オルブライト米国務長官は4日、スビラノビッチ・ユーゴスラビア外相との共同記者会見の中で、「(ユーゴのコソボ自治州を含む)バルカン地域への軍隊駐留は(民主化)支援の方策の1つである」と述べ、ブッシュ次期政権になっても一定期間、米軍がバルカン地域にとどまる必要性を強調した。
 その上で、「パウエル次期国務長官はこの問題の見直しを表明しているが、(米軍部隊駐留による)支援継続の重要性はパウエル氏にも既に説明した」と語った。 [時事通信社][2001-01-05-10:21] 39
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 01/05@<劣化ウラン弾>欧州各国で因果関係が取りざたされる報告相(毎日新聞)

 【ブリュッセル4日森忠彦】米軍が使用した劣化ウラン弾との因果関係が取りざたされる報告が欧州各国から相次いでいる。これまで報道されたイタリアなどに加えて4日にはフランスやオランダ、チェコなどでも関連があるとみられる健康被害が明らかになった。「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害を巡る懸念が欧州に広がっている。
 イタリアでボスニア・ヘルツェゴビナ平和安定化部隊(SFOR)やコソボ平和維持部隊(KFOR)に参加した6人の兵士が白血病で死亡したとの報道を受け、4日には新たに(1)フランスで4人が白血病で治療中(2)オランダでも2人が白血病で死亡(3)チェコで1人が白血病で死亡――などの事例が報道などで明らかになった。
 いずれもSFORか、KFORに加わった経験がある若い兵士で、原因不明の白血病やがんの多発と、放射線や有毒物の障害が指摘される劣化ウラン弾との因果関係に関心が集まっている。
 このほか、ギリシャは4日、健康調査や放射線測定などを行う専門家チームを急きょ、コソボ自治州の駐屯部隊に派遣。ハンガリー、ブルガリアなども相次いで自国兵士の健康被害の状況についての調査を始める方針を表明した。
 欧州でこれまでに劣化ウラン弾との関連が指摘される被害の報道があった国は4日までに6カ国。今回の事態を受けて実態調査を開始、または調査を決めた国も6カ国に上った。欧州のほとんどの国がボスニア・ヘルツェゴビナとコソボへ部隊を派遣しており、調査国はさらに増える見通しだ。[2001-01-05-10:05] 40
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 01/05@<劣化ウラン弾>兵士のバルカン症候群との関連調査へ EU(毎日新聞)

 【ブリュッセル4日森忠彦】欧州連合(EU)のプロディ欧州委員長は4日、バルカン半島に駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍兵士に、米軍が使用した劣化ウラン弾との関係が指摘される健康被害が相次いでいる問題について、「ボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア連邦とも連絡を取って調査を始めたい。劣化ウラン弾が少量とはいえ、人体に影響を及ぼすのなら、こうした武器は廃絶されるべきだ。兵士だけでなく、住民の健康被害も確かめるべき」と述べ、EU独自の調査を始める意向を示した。
 イタリアのラジオに対して明らかにした。
 昨年11月にコソボの現地調査を行った国連環境計画(UNEP)によると、米軍の攻撃地点では未発見の劣化ウラン弾がそのまま、放置状態にあるという。
 また、双方に加盟するポルトガルとベルギーも、3日リスボンで開いた外相会談でこの問題を取り上げ、イタリアに同調する形でNATO内での対応を図り、国際的な調査委員会の設立を求める方針を打ち出した。欧州連合(EU)議長国・スウェーデンのシドー国防相は4日、ベルギーの要請を受け、9日に開かれるEU政治安保委員会で、劣化ウラン弾との関連があるとみられる兵士の健康被害の問題を取り上げる意向を表明した。[2001-01-05-10:05] 42
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 01/05@外交問題評議会に転出 米国連大使(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】米外交問題評議会(ニューヨーク)は四日、ホルブルック米国連大使がクリントン政権退任後に同評議会顧問に就任する、と発表した。国連改革問題を中心にバルカン半島情勢、アフリカでのエイズ禍などについて執筆生活に入る。
 外交問題評議会は国際問題専門の有力民間シンクタンク。ホルブルック氏はボスニア・ヘルツェゴビナ和平問題の大統領特使などを経て、一九九八年に国連大使に指名された。(了)[2001-01-05-08:40] 43
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 01/05@ブルガリアが医師団を派遣(共同通信)

 【モスクワ4日共同】国営ロシア通信は四日、ブルガリア当局がユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する国際治安部隊(KFOR)に参加するブルガリア兵の健康調査などのために医師団、専門家らを派遣したと報じた。
 ブルガリアはKFORに軍人三十九人を派遣、技術建設分野で平和維持活動を行っており、これら部隊が駐留する一帯の環境調査も実施するという。(了)[2001-01-05-08:29] 44
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 01/05@ロシアが大々的に報道(共同通信)

 【モスクワ4日共同】ロシア国営メディアは四日、北大西洋条約機構(NATO)軍がバルカン地域で使用した劣化ウラン弾が原因でがんが多発しているのではないかとの疑惑について「バルカン・スキャンダル」として大々的に報道した。
 一方、米側はロシアが戦術核をバルト海沿岸に移動させたと主張しており、米次期政権発足を控え米ロの“神経戦”が活発化してきた。
 ロシア国営テレビはこの問題を、同日夜のニュース番組のトップで取り上げ、約十分間の時間を割く破格の扱いで伝えた。
 ロシア公共テレビも「平和維持軍参加の兵士らが深刻な健康の脅威に直面している」と論評。国営タス通信はユーゴ軍高官の発言として、二年前のユーゴ空爆で使用された劣化ウラン弾はNATOが主張する三万一千発よりはるかに多い約五万発だったと報じた。(了)[2001-01-05-08:28] 120
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 01/05@<米ユーゴ関係>米国務長官がユーゴ外相と会談(毎日新聞)

 【ワシントン4日布施広】オルブライト米国務長官は4日、訪米したユーゴスラビア連邦のスビラノビッチ外相と会談した。会談後に会見した外相は、コソボ紛争で戦犯として旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴されたミロシェビッチ前大統領らに関して、ユーゴ領内で裁判を行うなら全面的に協力する意向を示した。コシュトゥニツァ政権誕生後、ユーゴ閣僚の訪米は初めてで、両国の関係正常化を確認する会談となった。
 会見でスビラノビッチ外相は「起訴されたすべての人物の訴追に関して、国際法廷に全面的に協力する可能性がある」と述べる一方、「ユーゴ領内で」と条件を付け、ミロシェビッチ氏らの身柄引き渡しには応じないことを示唆した。外相は、同法廷がユーゴに事務所機能を持つことを希望するとも語り、現地での裁判なら支持する姿勢を示した。
 これに対しオルブライト長官は「国際的な犯罪は国際的な裁判を必要とする」と述べ、あくまでハーグでの裁判を求めた。外相発言については、ユーゴが戦犯訴追で柔軟姿勢に転じたとの見方もあるが、「現地裁判方式」はクリントン政権の任期切れを見越した「くせ球」の色彩が強く、米・ユーゴの戦犯問題の交渉が急進展する可能性はほとんどない。
 一方、二国間関係についてオルブライト長官は「つい半年前まで、こうした会合(外相会談)は考えられなかった」と述べ、「ユーゴが民主化の望ましい方向に向かっていることは疑いがない」と高く評価。スビラノビッチ外相も両国関係が「新たな局面」を迎えたことを歓迎した。米国はコシュトゥニツァ政権下の昨年11月、ユーゴとの国交を回復している。
 米国の政権交代期に訪米した外相は、次期国務長官に就任するパウエル元統合参謀本部議長との会談も求めたが、パウエル氏は就任前に外国要人と会うのは望ましくないとして、会談要請を断った。[2001-01-05-19:30] 131
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 01/05@NMDで早くも前哨戦 米新政権人事、ロシアが警戒(共同通信)

 【モスクワ5日共同】ブッシュ米政権の発足を二十日に控え、米本土ミサイル防衛(NMD)構想をめぐる米ロの前哨戦が早くも始まった。NMD実現に本腰を入れる構えの米次期政権に対し、ロシアは配備阻止に向けたけん制を強めており、クリントン・エリツィン時代の両国関係は仕切り直しを迫られそうだ。
 ロシアのプーチン政権が神経をとがらせているのは米次期政権の布陣。次期政権のライス国家安全保障問題担当補佐官、パウエル国務長官(元統合参謀本部議長)、ラムズフェルド国防長官ら外交、安保分野の顔ぶれをNMD配備への本格布陣と受け止めている。
 ロシア側のけん制が目立つようになったのは、ブッシュ氏の当選が確定して以降。特にNMDの強力な推進論者とされるラムズフェルド氏の起用は、ロシア側に「米国は本気だ」との印象を与えている。ライス氏も最近の米外交誌で、配備への意欲を見せている。
 「NMDを進めるなら、われわれも別のトーンで(米側と)対話することになろう」。ロシア戦略ミサイル軍のヤコブレフ総司令官は十二月末、先手を打って強く警告した。
 セルゲーエフ国防相も国防省機関紙「赤い星」で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイラクなどのミサイルの脅威は「現実的な問題ではない」と指摘。NMD配備は根拠を欠くとあらためて強調した。
 イワノフ外相は、二○○一年の外交の重要課題として「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の順守問題などをめぐる米新政権との対話」を掲げた。米ロ交渉の本格化を意識した「開戦宣言」でもあり、プーチン政権はこれまで構築を進めてきた中国やフランスなどとの“NMD包囲網”をバックに、配備阻止に向け圧力を強める構えだ。(了)[2001-01-05-16:31] 151
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 01/05@核の脅威で包括協議を 次期米補佐官が対ロ新政策(共同通信)

 【ワシントン4日共同】二十日に誕生するブッシュ米次期政権のライス国家安全保障問題担当補佐官がこのほど、米外交誌「フォーリン・アフェアーズ」などに寄稿し、新たな核兵器の脅威をめぐる米ロ包括協議の開始など、米国の対ロシア新政策を打ち出した。
 ブッシュ前政権で旧ソ連問題を担当したライス次期補佐官は、新政権でも対ロ外交の中心となることから、提案がそのまま米国の公式政策となる見通しが強い。
 寄稿の中でライス氏は、ロシアの改革の成否はロシア人が握っているとした上で、クリントン政権の過度な政治・経済改革支援を戒め、新政権の対ロ外交は安全保障問題に専念すべきだと訴えた。
 具体的には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による長距離ミサイル開発など、冷戦時代から変質した安保環境を挙げて、新たな核の脅威に対する米ロ包括協議の開始や、ロシアの核の安全保管計画への支援強化などを提唱した。
 特に、米本土ミサイル防衛(NMD)構想を妨げている米ロ間の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約が時代遅れであることを指摘し、NMD配備への意欲を表明。また軍事技術・情報のロシアへの提供に、より厳格な制限をつける点にも触れている。
 第三国の核ミサイルの脅威に関して、米ロ間の協議は定期的な場が設けられていない。(了)[2001-01-05-09:18]
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 01/06@<NATO>劣化ウラン弾と兵士の健康障害との因果関係を否(毎日新聞)

 【ブリュッセル6日森忠彦】バルカン半島に駐留する治安部隊兵士の健康障害と米軍が使用した劣化ウラン弾との関係が取りざたされている問題で、北大西洋条約機構(NATO)や加盟国当局は6日までに相次いで因果関係を否定し始めた。各国で白血病などの報道が続いているため、政府は国民や軍関係者の動揺を抑えようと努めている。
 同弾が集中使用されたユーゴスラビア・コソボ自治州南部に治安維持部隊を派遣しているドイツ国防省幹部は5日、「現段階ではコソボのドイツ兵の中に健康被害は確認されていない」と語った。
 米国が4日、従来の姿勢通りに劣化ウラン弾が及ぼす健康被害との因果関係を否定したのを受ける形で、自国兵に尿検査などを行ったトルコやカナダ、スイスなども否定。自国兵に白血病患者が出たフランスやスペイン、ハンガリーも「現状では白血病と劣化ウラン弾との関係は立証できない」(仏国防相)などと述べ、相次ぐ報道で劣化ウラン弾への疑惑が国内で膨らむのを打ち消している。
 NATOのロバートソン事務総長も5日までにイタリア側の疑問に答える形で、これまで明らかになっていないボスニアでの同弾の使用地点などを調査する意向を伝えた。同弾に関する詳細な情報は米軍だけが持っているため、NATOとしても米軍に対して情報公開を求め、来週予定されている大使級理事会で明らかにする見通しだ。
 一方、5日付のイタリア紙レプブリカは新たにボスニアからの帰還兵2人ががんで死亡していたことが判明、「バルカン症候群」による同国兵の死者は8人になったと報じた。またボスニアやコソボに派兵しているロシア軍は5日、自国兵に対する白血病などの健康検査を行う意向を示した。[2001-01-06-20:40] 8
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 01/06@◎劣化ウラン弾でスペイン兵にも被害か(時事通信)

 【マドリード6日AFP=時事】スペイン紙エルムンドは6日、ユーゴスラビア・コソボ自治州などに駐留したスペイン兵などの間で、ここ数カ月間に少なくとも8人のがん患者が報告され、うち1人が死亡していると伝えた。
 同紙によれば、死亡した兵士はマケドニア駐留の補給部隊に属し、米軍部隊が劣化ウラン弾を使ってから約1年後のコソボにたびたび出動していた。残りの7人は6人が兵士で、1人はボランティアの援助関係者という。 [時事通信社][2001-01-06-20:28] 9
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 01/06@<ユーゴ>劣化ウラン使用弾回収進まず UNEP調査団長が(毎日新聞)

 【ブリュッセル6日森忠彦】一昨年の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア連邦空爆で米軍が人体への影響が指摘される劣化ウラン弾を使用していた問題で、コソボ自治州での現地調査に当たっていた国連環境計画(UNEP)のペッカ・ハービスト劣化ウラン弾調査団長(前フィンランド環境相)は6日までに毎日新聞の会見に応じた。団長は、劣化ウラン弾が発射された地点の多くでは使用弾の回収が進んでおらず、野放し状態だと警告した。最終報告書は3月に発表する予定で、その中で現地で治安維持活動に当たっているコソボ国際平和維持部隊(KFOR)に回収作業を要請する方針だ。
 劣化ウラン弾は一昨年3―6月の空爆中、米軍がユーゴ軍の戦車や装甲車部隊に使用した。NATOによるとコソボ南西部を中心に112地点で計3万1000発を発射した。NATOが昨年夏に具体的な攻撃地点を報告したのを受け、UNEPの劣化ウラン弾調査団(ジュネーブ)は、昨年11月に2週間、11地点の現地調査に入り、畑や集落、山間部など条件が異なる地点で土や水、植物などを集め、化学物質や重金属汚染の分析を続けている。
 このうち8カ所から不発弾そのものや破片など計15個の劣化ウラン弾が収集された。コソボ南部の都市プリズレンの南西約10キロのセジャ地区(山間部)からは2個の不発弾と4個の弾片が見つかった。劣化ウラン弾が当たったブロック塀の放射線を測定したところ、52点から高い数値を観測した。ベータ線とガンマ線が通常、自然界に存在する量の100〜200倍の数値が出た所もあった。
 団長は「劣化ウラン弾の使用がかなりの広範囲で行われたことが確認された。問題はその情報が知らされず、回収作業も進んでいないことだ」などと語った。
 復興が進むコソボでは大気汚染や水質汚濁などの環境問題が深刻化している。[2001-01-06-20:16] 11
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 01/06@劣化ウラン弾で対応へ 週明けにNATO、EU(共同通信)

 【ブリュッセル6日共同】バルカン帰還兵にがんが多発し、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」の問題をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)は週明けから対応を本格化させる。
 劣化ウラン弾と発がんとの因果関係は証明されていないが、使用中止を求める世論が欧州で高まれば米国とのあつれきが予想されることから、ブッシュ米次期政権も慎重な対応を迫られそうだ。
 NATO外交筋によると、イタリアは九日の非公式大使級会合や十日の大使級理事会で、十分に公開されていないボスニアでの劣化ウラン弾の使用状況を開示するようNATOに要請。ボスニアに派兵した同盟国間で意見交換を進めるよう提案する。
 EU議長国スウェーデンの声明によると、EUも独自安保立案を担う政治安保委員会(大使級)で医療面の研究部会設置などを検討する。
 ただ、因果関係の立証は困難な上、米国の軍事力なくしてボスニア・ヘルツェゴビナなどでの軍事作戦を遂行できなかった経緯もあり、直ちに現状を変えるのは難しそうだ。
 「バルカン症候群」をめぐっては、イタリア、フランス、ベルギー、ポルトガル、オランダで白血病などによる帰還兵の死亡が確認されている。(了)[2001-01-06-15:39] 12
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 01/06@<英国>強力な新型爆弾の開発に着手 人権団体は批判(毎日新聞)

 【ロンドン5日岸本卓也】英国防省は4日、市街戦で一人の兵士が発射するだけで建物を破壊できる強力な新型爆弾の開発に着手したことを明らかにした。爆発による高熱と衝撃波の威力は従来の砲弾などをはるかにしのぐという。人権団体などは国際法で開発が規制されている非人道兵器の可能性を指摘しているが、軍事大国の間では実際に使えない核兵器や生物兵器の代替として殺傷能力の高い通常兵器の開発を目指す動きが強まっている。
 新型爆弾は歩兵が携行して肩掛け式で発射する。数百メートルの距離から敵の陣取る建物に爆弾を命中させ、3階建てまでの住宅ならば全壊できる。全壊しなくても、衝撃波と高熱が建物内部に広がって敵兵の生存する確率はほとんどないという。
 軍事専門家によると、この爆弾はロシア軍がチェチェン紛争で使った気化爆弾を参考にしているという。気化爆弾は揮発性の高い燃料の爆発で生じる熱波に威力がある。さらに爆発によって周辺の酸素を一挙に奪うため、建物などに隠れた敵兵を窒息死させる。英国が開発する新型爆弾は気化爆弾を改良して熱波と衝撃波を組み合わせたものという。
 ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボなどの地域紛争では、建物に隠れた兵士同士の激しい銃撃や砲撃が展開された。一般市民の居住する建物を避けて敵兵の隠れた建物だけを狙える効果的な兵器の開発が各国の軍事関係者の間で求められており、英国が開発を目指す新型爆弾も同じ発想に基づいている。
 しかし、赤十字国際委員会(ICRC)など人権団体は「過剰な危害を加える新兵器の開発を禁止するべきだ」と通常兵器の開発競争に反対している。英国の新型爆弾についても各人権団体から批判の声が上がっているが、英国防省は「兵器の規制を定めたジュネーブ条約などの国際協定に違反していない」と突っぱねている。[2001-01-06-13:00] 13
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 01/06@「心残りは北朝鮮」 退任を前にオルブライト長官(共同通信)

 【ワシントン5日共同】オルブライト米国務長官は五日、退任を前にしたロイター通信とのインタビューで「心残りは多いが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)問題はその一つだ」と述べ、北朝鮮とミサイル開発問題で合意できなかったことに無念さをにじませた。
 長官は昨年十月の訪朝について「冷戦の最後の痕跡を消すチャンスだったと思う」と指摘。金正日総書記は「人々が思ったような人物ではなく(北朝鮮の)システムがかつてのようには機能しない事実を認識していた」と述べる一方、韓国の金大中大統領を「現代の最も非凡な人物」と称賛した。
 一方、ユーゴスラビア外相が、コソボ紛争で戦犯として起訴されたミロシェビッチ前大統領らをユーゴ国内で裁く可能性を示したことについては、同国内での裁判に反対しない考えを明らかにした。(了)[2001-01-06-12:07] 14
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 01/06@米大統領が最後の閲兵(共同通信)

 【ワシントン5日共同】クリントン米大統領は五日、ワシントン郊外のバージニア州フォートマイヤーの米軍駐屯地で開かれた最後の閲兵式で訓示し、在韓米軍の存在が朝鮮半島の和解の動きに貢献したとの認識を示した。
 同時に、湾岸戦争やユーゴ紛争での米軍の活動を挙げ「われわれの軍隊の力こそが平和の源だ」と強調した。式典には陸軍を中心に八百五十人が参加。コーエン国防長官、シェルトン統合参謀本部議長ら米軍幹部も列席した。(了)[2001-01-06-11:56] 15
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 01/06@<劣化ウラン弾>コソボ住民への健康調査の検討開始 UNM(毎日新聞)

 【ブリュッセル5日森忠彦】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州からの報道によると、国連コソボ暫定統治機構(UNMIC)のクシュネル代表は5日、国連の世界保健機関(WHO)の幹部らと会談し、コソボ住民への健康調査の検討を始めた。
 同機構によると「コソボ紛争後、住民に白血病やがんが多発しているという証拠はない」(報道官)としているが、自治機能が確立していないコソボでこれまで住民の健康検査が行われたことはない。
 WHOは湾岸戦争後にもイラク住民への健康状況を調査した実績があり、国連環境計画(UNEP)の環境調査に続いて、コソボ住民を対象とした健康調査が始まる可能性が出てきた。[2001-01-06-11:56] 16
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 01/06@<劣化ウラン弾>100倍以上の放射線反応を確認 調査団長(毎日新聞)

 【ブリュッセル5日森忠彦】一昨年の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア連邦空爆で、米軍が人体への影響が指摘される劣化ウラン弾を使用した問題で、コソボ自治州で調査に当たっていた国連環境計画(UNEP)のペッカ・ハービスト劣化ウラン弾調査団長(前フィンランド環境相)は5日までに毎日新聞の会見に応じた。団長は、現地から多数のウラン弾を発見し測定したところ、自然値の100倍以上の放射線反応があったことを明らかにした。さらに、攻撃地点の多くで使用弾の回収が進まず、野放し状態だと指摘した。劣化ウラン弾問題で第三者機関が放射線反応を確認したのはこれが初めて。最終報告書は3月に発表する予定で、その中で現地で治安維持活動に当たっている国際治安維持部隊(KFOR)に回収作業を要請する方針だ。
 劣化ウラン弾は一昨年3〜6月の空爆中、米軍がユーゴ軍の戦車や装甲車部隊に使用した。NATOによるとコソボ南西部を中心に112地点で計3万1000発を発射した。NATOが昨年夏に具体的な攻撃地点を報告したのを受けて、UNEPの劣化ウラン弾調査団(ジュネーブ)は、昨年11月に2週間、11地点で現地調査した。
 調査にはスイスやスウェーデンなどの放射線専門家らが参加。畑や集落、山間部など条件が異なる地点で土や水、植物などを集め、化学物質や重金属汚染の分析を続けている。
 このうち8カ所から不発弾や破片など計15個のウラン弾が収集された。コソボ南部の都市プリズレンの南西約10キロのセジャ地区(山間部)からは2個の不発弾と4個の弾片が見つかった。劣化ウラン弾が当たったブロック塀の放射線を測定したところ、52点から高い数値を観測した。ベータ線とガンマ線が通常、自然界に存在する量の100〜200倍の数値が出た所もあった。
 団長は「劣化ウラン弾がかなりの広範囲で使われたことが確認された。問題はその情報が開示されず、回収作業も進んでいないことだ」などと語った。
 復興が進むコソボでは大気汚染や水質汚濁などの環境問題が深刻化している。住民やKFOR兵士の中には疲労感や頭痛などの慢性疾患を訴えるケースが目立ち始めており、「コソボ症候群」と呼ばれている。[2001-01-06-11:50] 17
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 01/06@◎バルカン症候群で各国と協力=欧州委員長(時事通信)

 【ブリュッセル5日時事】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のプロディ委員長は5日、ボスニア・ヘルツェゴビナおよびユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)主導の平和維持部隊に参加した帰還兵の間に原因不明の頭痛の症状や、白血病、がんなど「バルカン症候群」が広がっていることに関連して声明を発表、EUの各種援助計画を利用しながら医療・環境面で関係各国との協力を強化する方針を明らかにした。
 プロディ委員長はこの中で「欧州委はバルカン地域における紛争がもたらした(兵士、民間人の)健康や環境分野に及ぼした影響を懸念している」とし、各国関係当局、国際機関とともにバルカン地域での劣化ウラン弾使用状況、兵士などの発病例に関する情報収集、分析に努めると強調した。 [時事通信社][2001-01-06-09:04] 18
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 01/06@ロシアが国際的評価を要求 劣化ウラン弾との関連(共同通信)

 【モスクワ5日共同】インタファクス通信によると、ロシア外務省のヤコベンコ情報局長は五日、ユーゴスラビア・コソボ自治州などからの帰還兵の間でがんが多発し、北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている問題について、専門家による国際的評価が必要だと訴えた。
 局長は「ロシアはNATOのユーゴ空爆中から、この問題を繰り返し警告していた」と強調した。
 またロシア軍高官は同日、コソボに派遣したロシア兵の白血病検査を早急に実施し、十日までに結果をまとめたいと語った。(了)[2001-01-06-08:23] 19
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 01/06@NATOが情報収集に着手 劣化ウラン弾との関連(共同通信)

 【ブリュッセル6日共同】ローマからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州などからの帰還兵にがんが多発、北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」について、ロバートソンNATO事務総長は五日までに、NATOの軍事部門に対し、ボスニアでの劣化ウラン弾の使用状況など必要な情報を提供するよう指示した。
 六人の帰還兵が白血病で死亡したイタリアの国防省が同日の声明で明らかにした。それによると、事務総長は、NATOに情報開示を求めてきたマタレラ同国国防相に対し、来週のNATOの政治委員会でこの問題を取り上げることなどを伝えたという。(了)[2001-01-06-08:22] 20
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 01/06@ユーゴでの戦犯裁判を批判(共同通信)

 【ブリュッセル5日共同】オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷報道官は五日、コソボ紛争で戦犯として起訴されたミロシェビッチ前ユーゴ大統領の裁判について「ベオグラードではなく、ハーグで行うべきだ」とあらためて身柄引き渡しを求めた。
 ユーゴスラビアのスビラノビッチ外相は四日、ワシントンを訪れ、オルブライト米国務長官と会談した後、ミロシェビッチ氏を国内で裁く可能性を示唆していた。
 報道官はデルポンテ主任検察官の意向を代弁する形でこれに反対した。(了)[2001-01-06-08:18] 21
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 01/06@ユーゴ軍に該当症例なし 劣化ウラン弾との関連(共同通信)

 【ブリュッセル5日共同】ベオグラードからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ州などからの帰還兵にがんが多発し、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」について、ユーゴ連邦軍の担当者は五日、ロイター通信に対し、約千人の将兵を調べた結果、被ばく症例はなかったと述べた。
 担当者によると、千人は一九九九年の北大西洋条約機構(NATO)によるコソボ空爆の際、劣化ウラン弾が攻撃に使用された地域で任務に就いていた。「軍に被ばく者がいる可能性は否定できないが、今のところそうしたケースはない」としている。(了)[2001-01-06-08:17] 22
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 01/06@通常より高い放射線検出 劣化ウラン弾でUNEP(共同通信)

 【ジュネーブ5日共同】国連環境計画(UNEP)は五日、ユーゴスラビア・コソボ自治州で北大西洋条約機構(NATO)が劣化ウラン弾を使用した地点で「自然環境に比べてわずかに高いレベルの放射線」が確認されたと発表した。
 劣化ウラン弾をめぐっては、ボスニア・ヘルツェゴビナとコソボに派遣されたイタリア兵士に白血病が多発するなど「バルカン症候群」との因果関係が疑われている。UNEP報道官は劣化ウラン弾と健康被害の関係は現時点で不明だとしているが、予防措置として劣化ウラン弾に近づかないよう求めている。
 発表によると、UNEPの専門家チームは昨年十一月、NATOがコソボでの軍事作戦で劣化ウラン弾を使用した百十二地点のうち十一地点を調査。うち八地点で劣化ウラン弾が着弾した土中から自然環境よりやや高いレベルのベータ線が検出された。
 劣化ウラン弾が野ざらしのまま放置されている地点もあり、UNEPは地下水への影響についても調べている。UNEPは三月をめどに、NATOがボスニアとコソボでの軍事作戦で使用した劣化ウラン弾の健康への影響に関する最終報告書を発表する予定。
 劣化ウラン弾は主に米軍のA10対地攻撃機が戦車攻撃で使用した。米国防総省は健康被害の可能性を全面否定している。(了)[2001-01-06-08:15] 23
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 01/06@◎劣化ウラン弾使用地点の調査を指示=NATO事務総長、伊(時事通信)

 【ブリュッセル5日時事】欧州諸国で「バルカン症候群」への懸念が広がっている問題で、北大西洋条約機構(NATO)は5日、ロバートソン事務総長がボスニア・ヘルツェゴビナでNATO軍が行った劣化ウラン弾による攻撃地点を特定する調査を行うよう指示したことを明らかにした。同事務総長は4日付でNATO担当イタリア大使に書簡を送り、同調査について伝えたという。
 イタリア政府は、同症候群と劣化ウラン弾使用に因果関係がなかったかどうか確認する必要があるとし、NATOに対しボスニアにおける劣化ウラン弾が使用された地点の詳細な報告を求めていた。 [時事通信社][2001-01-06-00:34] 24
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 01/06@◇バルカン帰還兵、仏でも4人が白血病で入院中◇(朝日新聞)

 フランス国防省は4日、旧ユーゴスラビア紛争に従軍したフランス軍帰還兵4人が白血病で入院していることを明らかにした。4人は劣化ウラン弾を使って攻撃した戦車の近くにいたとみられている。
 リシャール国防相は5日、「現状では白血病と劣化ウラン弾との関連は薄いと見ているが、今後も調査を継続する」と述べ、北大西洋条約機構内での協議にも参加する意向を示した。[2001-01-06-00:28] 45
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 01/06@仏の武器密売問題、ミッテラン氏の拘束継続(読売新聞)

 【パリ6日=池村俊郎】アフリカへの武器違法売却に絡み逮捕された前仏大統領の長男ジャンクリストフ・ミッテラン氏(54)に対し、パリ控訴院予審部は保釈を認めたものの、保釈金五百万フラン(約七千五百万円)を用意できず、同氏は六日も拘束が続いた。
 ミッテラン政権時代、アフリカ担当大統領顧問を務めた同氏は、人脈を生かして対アンゴラ武器違法売却に関与し、一九九七〜九八年に約百八十万ドル(約二億万円)の報酬を受領した疑いがもたれる。
 しかし、同氏は調べに対し、スイスの銀行口座に武器取引企業から現金振り込みがあった事実を認めながらも、「アンゴラ石油開発に関係した報酬」だったとして、容疑を否認したという。
 国連は最近、こうしたアフリカへの違法武器売却を告発する調査報告書を公表した。それによると、タジキスタン出身のビクトル・バウトと呼ばれる男が、中東のアラブ首長国連邦(UAE)を拠点に貨物チャーター企業を経営し、旧ソ連軍の武器などをアフリカやアジア、南米へ搬出しているという。報告書は「特にアンゴラとシエラレオネの現状が問題」と指摘。ミッテラン氏のかかわった仏仲介企業も、旧ソ連製武器をアンゴラ政府に売却していたため、国連に指摘された事実が「ミッテラン汚職事件」にどうつながるかも、今後の注目点の一つだ。[2001-01-06-22:18] 46
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 01/06@独首相がモスクワ訪問、「友情」強化狙い(読売新聞)

 【モスクワ6日=伊熊幹雄】シュレーダー独首相夫妻は六日、二日間の日程でモスクワ訪問を開始した。
 今回の訪問では、独首相夫妻が、プーチン大統領夫妻とボリショイ・バレエ観劇やリュドミラ・プーチン大統領夫人の誕生日を祝うなど、日程は家族同士の交流が中心となっている。プーチン氏は、国家保安委員会(KGB)時代に旧東独にスパイとして滞在した経験からドイツ語が達者で、通訳なしで首相夫妻と歓談出来るのが強みだ。両首脳は昨年、相互に公式訪問を果たしている。
 同大統領はブレア英首相との「友情構築」にも熱心で、露英の首脳会談は昨年だけで五回。ブレア首相の訪露時には二人でモスクワのパブに繰り出した。
 ロシア政府が、若くて再選のチャンスの多い独英の中道左派首相を特別に大事にしていることは明白だが、この努力は、早くも結果を出している。ブレア首相は「ロシアの経済改革や国内運営は大変な課題であることを理解しなければならない」と公言、チェチェン紛争でもプーチン大統領弁護に回ることさえある。
 三首脳は、両国関係を超えた国際政治でも、西欧とロシアの利害調整を図る立場にある。独英が欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大でプーチン大統領の理解を求めれば、ロシア側は、米国の全米ミサイル防衛(NMD)網反対で、西欧の支援を要請する。経済面では、石油価格高騰に悩む西欧と、資源大国のロシアは補完関係にある。
 露独英の三首脳は、米国のブッシュ次期政権の船出をにらみながら、友情を基礎にした相互の利害調整を模索している。[2001-01-06-22:17] 47
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 01/06@「核の脅威削減」CNNターナー氏が団体設立へ(読売新聞)

 【ワシントン6日=坂元隆】米CNNテレビの創業者で大富豪のテッド・ターナー氏が、軍事問題に詳しいサム・ナン元米上院議員と、核兵器の脅威を減らすための民間活動団体を近く設立する。
 ターナー氏は慈善事業家としても知られる。先月、米国の国連分担金の一部の約三千四百万ドル(約三十九億四千万円)を寄付すると申し出て話題になったばかり。今回も団体設立にあたり、少なくとも年間五千万ドル(約五十八億一千万円)を五年間にわたって提供するという。
 ターナー氏の広報担当者によると、同氏は長年、核兵器や生物・化学兵器といった大量破壊兵器の拡散に対し、懸念を抱いてきたという。[2001-01-06-22:14] 51
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 01/06@<中東和平>合意あきらめ共同宣言で妥協も クリントン米大(毎日新聞)

 【ワシントン6日布施広】パレスチナ和平交渉が難航する中、20日で任期を終えるクリントン米大統領は最終合意をあきらめ、イスラエルとパレスチナの共同宣言の発表などで妥協する可能性も出てきた。訪米中のシェール・イスラエル首相府長官は5日、最終合意の難しさは認めつつ、クリントン大統領の意向に沿った何らかの成果は達成可能と述べ、合意文書調印に代わる次善の策も視野に入れていることを示唆した。
 大統領は、懸案だった朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問を年末に断念、パレスチナ和平の合意達成に全力を挙げてきた。イスラエルとパレスチナは共に米国の仲裁案受諾に前向きとはいえ、双方が「保留」とした条項の調整には時間がかかり、あと2週間ほどで全面合意に達するのは極めて困難とみられている。
 しかし、2月に首相公選を控えるバラク・イスラエル首相は、選挙対策のうえでも、クリントン大統領の退任前に何らかの成果を打ち出す必要がある。仮に公選でバラク氏が敗れ、対パレスチナ強硬派のシャロン・リクード党首が次期首相になれば、アラファト・パレスチナ自治政府議長が対イスラエル交渉に難渋するのは明らかだ。
 クリントン大統領も、手ぶらで時間切れを迎えるのは避けたいところで、「何らかの成果」がほしいのは3者とも同じだ。このため、最終合意が不可能なら、交渉の進展状況と目標を盛り込んだ共同宣言または枠組み合意を発表し、ブッシュ次期政権下での円滑な交渉と最終合意への布石を打つとの見方が強い。
 国家安全保障会議(NSC)のクローリー報道官は、大統領が7日か8日に今後の方針を明らかにすると語っており、大統領が7日夜、ニューヨークで行う中東関連の講演で、パレスチナ和平交渉の方向性が打ち出される可能性もある。[2001-01-06-20:40] 89
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 01/06@英国防省が危険認識か 劣化ウラン弾(共同通信)

 【ロンドン6日共同】六日付の英紙デーリー・テレグラフは、英国防省がコソボ紛争時に劣化ウラン弾の取り扱いに注意するよう兵士に指示するなど、当時から危険性を認識していたと報じた。
 国防省は「(劣化ウラン弾の)放射能は極めて低いため健康への危険はほとんどなく、指令は予防措置にすぎない」と説明している。
 同紙によると、ドイツ軍も劣化ウラン弾の着弾場所や施設への接近を禁じるなどの規則を定め、「劣化ウランにさらされると健康面での危険があり得る」と警告していたという。(了)[2001-01-06-11:33]
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 01/07@<クローズアップ>バルカン症候群 情報不足広がる懸念(毎日新聞)

 沖縄・鳥島の米軍誤射事件で日本国内からは撤去された劣化ウラン弾がいま、ヨーロッパで新たな疑惑の焦点になっている。ユーゴスラビア・コソボ自治州やボスニア・ヘルツェゴビナに駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍に参加したイタリア、フランス兵らの間で、がんや白血病を発症する「バルカン症候群」の事例が相次ぎ、米軍を中心に空爆で使用された劣化ウラン弾との因果関係が取りざたされている。米欧当局は関連を否定しているが、欧州を席巻した不安はぬぐい去れずにくすぶっている。
 ●悲しみの遺族
 「軍病院は最初、息子の病気の原因をストレスと決めつけ、入院さえさせてくれなかった」
 イタリア・サルデーニャ島カリアリ近郊の山村ヌクシス。1999年9月に白血病で死亡した兵士、サルバトーレ・バッカさん(当時23歳)の遺影の傍らで、黒衣の母親ペッピーナさん(55)が目頭を押さえた。
 婚約者との結婚資金をためようと入隊したサルバトーレさんは98年11月、ボスニア・ヘルツェゴビナ平和安定化部隊(SFOR)に参加し、サラエボ近郊のセルビア人居住地域に派遣された。入隊前の8月に受けた血液検査では何の異常も発見されなかった。
 99年4月、吐き気や下痢、原因不明の手足の出血のために休暇をとって帰国した。サッカーで鍛えた身長180センチのサルバトーレさんの体重は激減し、55キロになっていた。首のリンパ腺に腫瘍(しゅよう)ができ、7月にはじん臓障害や肺水腫を併発。8月に白血病と診断され、がん病棟に移されて3週間後、息を引き取った。
 この出来事を契機に、北大西洋条約機構(NATO)軍が劣化ウラン弾を大量使用したボスニア、コソボへの派遣兵士の間に広がる原因不明の疾患が相次いで報道された。欧州では「バルカン症候群」と呼ばれるようになった。しかし、伊国防省やNATOは「劣化ウラン弾を原因と考えるには発病までの期間が短すぎる」と冷淡だった。
 サルバトーレさんの死に続き、バルカン地域への従軍者など兵士6人の白血病死が明らかになる中で、マタレラ伊国防相はそれまで全面否定していたボスニアでのNATOによる劣化ウラン弾使用の事実を一転して認めた。
 初めて大量の劣化ウラン弾が実戦使用された湾岸戦争がぼっ発(91年1月)する直前、サルデーニャ南部のテウラーダ伊軍基地で米軍が参加して行われた対戦車砲撃演習に、同弾が使われていた可能性も浮上した。当時、兵役で基地におり、戦車や砲弾の破片を素手で回収した兵士が白血病になって94年5月に22歳で死亡していたからだ。
 北部に比べて貧しい南部の中でも、失業率が30%にも達するサルデーニャやシチリアでは、兵役を終えた若者がそのまま志願兵となってバルカンへ派遣されたケースが多く、被害者は両島出身者に目立つ。
 地元紙「ウニオネ・サルダ」の編集局長(32)は「志願兵は軍のかん口令で証言できないが、兵役の若者たちに不信感が広がっている。実態は明らかになってくるだろう」と言う。同紙記者(30)は「サルデーニャだけで、死者2人のほかに、バルカン地域に派遣された経験のある兵士少なくとも4人が白血病やがんの治療を続けている」と話している。【カリアリ(伊サルデーニャ)・井上卓弥】
 ●自国兵保護に使用
 なぜ、ボスニアやコソボで劣化ウラン弾が使われたのか。
 NATOは欧州17カ国と米国、カナダで構成する軍事同盟。冷戦が終結し、東西陣営の対立の構図が消えた1990年代、NATOは地域紛争対応型へと役割の重点を移し始めた。この紛争介入の舞台になったのが94年に初の空爆を行ったボスニア内戦で、99年のコソボ紛争がこれに続いた。
 NATOの盟主・米国は自国兵が犠牲になる危険のある地上戦には慎重で、空爆主体の軍事介入に傾く。高度の上空からA10対地攻撃機などで戦車部隊を攻撃するために破壊効果が大きい劣化ウラン弾を使用する選択は、米軍の論理からすれば自明の結論だった。
 同じように劣化ウラン弾が大量使用された湾岸戦争と異なるのは、空爆後に和平協定が結ばれ、NATO自体や欧州諸国の兵士が国際平和維持部隊として現地に長期滞在している点だ。しかし、米軍は劣化ウラン弾の正確な使用状況など詳細な情報について、平和維持活動に従事する他のNATO加盟国部隊に十分に伝えていなかった。「米軍が(劣化ウラン弾の)影響はないと説明する以上、問題ではない」と現地のフランス軍医は語るだけだ。
 さらに、劣化ウラン弾の被弾地域で暮らす住民たちへの影響も不明なままだ。人体被害や環境汚染が心配されながら、行政当局が実態究明に及び腰で、貧弱な医療施設では住民の健康調査も実施し切れない。
 NATOや欧州各国政府は「劣化ウラン弾が人体に及ぼす影響は立証できない」(米国防総省)という公式見解を踏襲している。しかし、米軍の情報公開が進まない中で、「バルカン症候群」への疑惑と懸念が膨らみ、欧州では劣化ウラン弾の使用中止を求める世論が高まりつつある。【ブリュッセル・森 忠彦】
 ●米国は因果関係否定
 米政府は「バルカン症候群」といわれる症例が実際に存在するかどうかを疑い、これと劣化ウランを結び付ける考え方に強く反発している。劣化ウラン弾は湾岸戦争で多用され、米国ではその後、白血病や貧血などを含む湾岸戦争症候群が問題化した。米国防総省は96年ごろから劣化ウランと同症候群の関連を調べ、直接的な因果関係には否定的な報告書をまとめている。
 こうした調査は欧州諸国も承知しており、国防総省高官は「貫通力の強い劣化ウラン弾は、コソボ紛争などでNATO軍兵士の安全に寄与した」と述べ、今さら問題にするのはおかしいと主張する。「バルカン症候群」が問題化した背景として、圧倒的な軍事力を誇る米国に対する欧州の反感を指摘する見方も強い。
 ただ、国防総省の調査で劣化ウランの「安全性」が完全に立証されたわけではない。官主導の調査がいま一つ透明性を欠くのも確かで、欧州などの中立機関による包括的な調査を期待する声もある。【ワシントン・布施 広】
 <ことば>劣化ウラン弾
 天然ウランの濃縮処理過程で派生する劣化ウランを弾頭に使用した砲弾で、貫通性に優れる。米軍が湾岸戦争(1991年)でイラク戦車部隊に大量使用。米英の従軍兵に発生した疾患「湾岸戦争症候群」との因果関係が問題となった。
 NATOはボスニア(94〜95年)で約1万発、コソボ(99年)で3万1000発を撃ち込んだと認めている。現地の国際部隊に「バルカン症候群」と呼ばれる同様の健康被害が現れ、原因究明を求める声が高まっている。
 日本では95〜96年、米海兵隊が鳥島爆撃場で1520発を誤射したことが発覚。在日米大使館は97年8月、在日米軍基地の劣化ウラン弾をすべて撤去したことを明らかにした。[2001-01-07-22:45] 3
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 01/07@<バルカン症候群>白血病の元兵士の症例を再調査、ドイツ国(毎日新聞)

 【ベルリン6日藤生竹志】ユーゴスラビア・コソボ自治州などバルカン地域に派遣された北大西洋条約機構(NATO)の兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害が相次ぎ、劣化ウラン弾との関連が疑われている問題で、ドイツ国防省報道官は6日、ボスニア・ヘルツェゴビナに派遣された後、白血病を発病した独連邦軍の元兵士の症例を再調査することを明らかにした。
 DPA通信などによると、この元兵士は北部ニーダーザクセン州出身の25歳で、1997年8月から11月まで工兵部隊の下士官としてボスニアのモスタルに駐留。翌98年初めに発病し、闘病生活を送った。現在、容体は安定しているという。
 国防省報道官は5日の記者会見で「現段階ではドイツ兵の中にバルカン症候群の症例は確認されていない」と発表したばかりだった。元兵士は大衆紙「ビルト」に対し、「軍は私のことを知っていたはずなのに、国防省が症例はないとしたのは悲しいことだ」と語った。[2001-01-07-21:55] 6
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 01/07@ロシア軍兵士に放射能障害なし 劣化ウラン弾との関連(共同通信)

 【モスクワ7日共同】タス通信によると、シュパク・ロシア空てい部隊司令官は六日、バルカン帰還兵にがんが多発し、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」問題について、ボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア・コソボ自治州に派遣されたロシア軍兵士に放射能障害の事例が起きていないと述べた。
 イタリア軍人らの間で白血病などのがんが多発、劣化ウラン弾が原因ではないかとの疑いから、他の欧州各国にも騒ぎが広がっている。(了)[2001-01-07-08:00]
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 01/08@◇NATO、劣化ウラン弾の危険性認識 内部文書で判明◇(朝日新聞)

 バルカン半島で北大西洋条約機構(NATO)軍が使った劣化ウラン弾について、NATOが1999年夏に、劣化ウラン弾による健康被害の可能性を指摘していたとするドイツ国防省の内部文書がある、と8日付の独紙ベルリナーモルゲンポストが報じた。
 同紙が伝えた99年7月16日付の文書によると、NATOは同月初め、バルカン半島の作戦で使われた劣化ウラン弾に毒性がある可能性を指摘した上で、予防手段をとるよう奨励してきた。文書は国防次官名で出され、NATO側には同弾の「毒性」による汚染を除去する計画はない、とも指摘した。
 劣化ウラン弾による健康被害への懸念は、バルカン半島に派遣されたイタリア軍兵士らが白血病で死亡したことなどから問題化した。ドイツではユーゴスラビア空爆に参加したり、その後ユーゴのコソボ自治州に派遣された約6万人の連邦軍兵士のうち、これまで約120人を抽出して健康診断した結果、国防省が劣化ウラン弾による健康被害はないとした。しかし、99年夏に危険性を認識していたことが明るみに出て、シャーピング独国防相は世論の批判を浴びている。[2001-01-08-23:02] 68
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 01/08@<劣化ウラン弾>コソボ派兵以前に危険性の警告受ける 独連(毎日新聞)

 【ベルリン8日藤生竹志】バルカン地域に派遣されたNATO軍兵士に「バルカン症候群」と呼ばれる健康被害が相次ぎ、劣化ウラン弾との関連が疑われている問題で、ドイツ国防省報道官は7日、独連邦軍が1999年7月のコソボ派兵以前にNATOから劣化ウラン弾の危険性について警告を受けていたことを認めた。報道官によると、軍は予防措置を取るよう指示されていたという。
 ドイツではこれまでのところ、97年8月から11月まで工兵部隊の下士官としてボスニアのモスタルに駐留し、98年初めに白血病を発病した元連邦軍兵士(25)の症例が見つかり、この元兵士のケースを再調査。しかし、シャーピング国防相は7日、「白血病発病はボスニア派遣が原因かどうか疑わしく、劣化ウラン弾が原因であるとは思えない」と、因果関係に否定的な見方を示した。[2001-01-08-18:15] 69
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 01/08@<劣化ウラン弾>兵士の健康被害でポルトガルが独自の汚染調(毎日新聞)

 【ブリュッセル8日森忠彦】バルカン半島駐留兵士の健康被害が相次ぎ、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が取り沙汰されている問題で、ポルトガルは7日、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州での独自の汚染調査を開始した。今回の騒動が始まって以来、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が現地での調査に踏み切ったのは初めて。
 コソボからの報道によると、ポルトガル軍の専門調査チームは7日、同国兵が国際治安維持部隊(KFOR)として活動している同州西部のクリナ周辺で放射線観測や土壌採取を開始した。付近は1999年のユーゴ空爆で米軍が劣化ウラン弾を使用した地域の一つであり、昨年11月に近く行われた国連環境計画(UNEP)の調査でも高い放射線反応が確認されている。
 同国での報道によると、これまでに4人が白血病にかかり、1人が死亡。NATOは9日の政治委員会などで一連の疑惑に対する説明を行う予定だが、94〜95年のボスニア・ヘルツェゴビナ空爆の際の劣化ウラン弾の使用実態がいまだに開示されず、米英は健康被害との関連を全面否定するだけで、自国兵の健康検査も行おうとしていない。
 しかし、これまで明らかになった白血病やがんの兵士は6カ国16人に上り、各国は不信感を高めている。グテレス・ポルトガル首相は8日、「もはやNATOの説明は十分な信頼がおけない」と独自調査に踏み切った理由を語った。
 イタリアやギリシャでは野党や兵士の家族から安全性が確認できない場合は現地から撤退すべきと声も強まっており、劣化ウラン弾問題はボスニアやコソボで行われている治安維持活動の存続にも影響を与えかねない状況になっている。[2001-01-08-18:15] 70
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 01/08@ユーゴ前大統領の逮捕も 国内での裁判にと、米誌(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】八日発売予定の米誌ニューズウィーク最新号は、コシュトニツァ・ユーゴスラビア連邦大統領派のセルビア民主野党連合の複数の幹部が、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されている同連邦のミロシェビッチ前大統領について国内での裁判実施を念頭に、今後二カ月以内に逮捕を命じる意向を明らかにしたと報じた。
 前大統領をめぐっては、欧米諸国が国際法廷への引き渡しを要求。コシュトニツァ政権は拒否する姿勢を示していた。
 同誌によると、この問題で同政権は大規模な支援を取り付けるため、各国と対決姿勢を取り続けることは得策ではないと判断、妥協案として国内での裁判が浮上したという。その場合、新たに任命された独立検察官が前大統領を起訴することになる。
 こうした妥協案については、先週、オルブライト米国務長官と会談したユーゴのスビラノビッチ外相も示唆していた。(了)[2001-01-08-11:15] 71
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 01/08@さらなる交渉が必要と強調 旧ソ連債務でロ大統領(共同通信)

 【モスクワ7日共同】ロシアのプーチン大統領は七日、パリクラブ(主要債権国会議)に対し「ロシアが抱えている旧ソ連債務支払いは行う」と述べる一方、専門家による協議が必要と言明、今後も債務返済の繰り延べを求めていく姿勢を示した。訪ロ日程を終えたシュレーダー・ドイツ首相との共同記者会見で述べた。
 膨大な旧ソ連債務を抱えるロシアは、今年の第一・四半期分の大半の支払い見送りの方針を表明。一方でプーチン大統領は、最大の債権国ドイツのシュレーダー首相と、東方正教クリスマスの七日未明、教会の儀式に夫人同伴でそろって参列するなど親密ぶりをアピール。硬軟取りまぜた、したたかな外交を展開した。
 大統領はまた、米軍が旧ユーゴスラビアで使用した劣化ウラン弾と、バルカン帰還兵のがんの多発との関連が疑われている問題にも言及。「欧州における武力の行使自体容認すべきではない」と指摘し、米国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)の軍事プレゼンス拡大を認めないとの立場を強調した。(了)[2001-01-08-08:16] 50
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 01/09@◎ベルギー帰還兵、「バルカン症候群」で民事訴訟を検討(時事通信)

 【ブリュッセル9日時事】9日付のベルギー紙リーブル・ベルジックは、ボスニア・ヘルツェゴビナなどからの帰還兵の間に白血病、がんなどの「バルカン症候群」と呼ばれる症状が相次いで報告されていることに関連し、帰還兵ら10人が民事訴訟を起こすことを検討していると伝えた。 [時事通信社][2001-01-09-22:23] 451 [このページの最初に戻る]


 01/08@◇NATO、劣化ウラン弾の危険性認識 内部文書で判明◇(朝日新聞)

 バルカン半島で北大西洋条約機構(NATO)軍が使った劣化ウラン弾について、NATOが1999年夏に、劣化ウラン弾による健康被害の可能性を指摘していたとするドイツ国防省の内部文書がある、と8日付の独紙ベルリナーモルゲンポストが報じた。
 同紙が伝えた99年7月16日付の文書によると、NATOは同月初め、バルカン半島の作戦で使われた劣化ウラン弾に毒性がある可能性を指摘した上で、予防手段をとるよう奨励してきた。文書は国防次官名で出され、NATO側には同弾の「毒性」による汚染を除去する計画はない、とも指摘した。
 劣化ウラン弾による健康被害への懸念は、バルカン半島に派遣されたイタリア軍兵士らが白血病で死亡したことなどから問題化した。ドイツではユーゴスラビア空爆に参加したり、その後ユーゴのコソボ自治州に派遣された約6万人の連邦軍兵士のうち、これまで約120人を抽出して健康診断した結果、国防省が劣化ウラン弾による健康被害はないとした。しかし、99年夏に危険性を認識していたことが明るみに出て、シャーピング独国防相は世論の批判を浴びている。[2001-01-08-23:02] 461
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 01/08@在伊米大使館が再開 閉鎖は電話がきっかけ(共同通信)

 【ローマ8日共同】ローマの在イタリア米国大使館は八日、警備上の問題を理由に五日から停止していた業務を再開した。
 大使館や米国務省は問題の具体的内容を明らかにしていなかったが、トマス・フォリェッタ大使は八日のレプブリカ紙に掲載されたインタビューで「四日にある電話を受け、イタリア当局とも協議の後、私が閉鎖を決めた。ウサマ・ビン・ラディン氏(の関与)を含め、あらゆる仮定について聞いたが、これ以上は言えない」と語った。
 大使館の閉鎖をきっかけに、イタリアでは先週末から各米国関係施設だけでなくローマ国際空港などでも警備が強化された。各報道機関は、大使館に対する爆弾テロ計画の情報があったとし、一九九八年のケニアとタンザニアの米大使館同時爆弾テロ事件の黒幕とされるラディン氏が関与しているもようと報じていた。(了)[2001-01-08-19:48] 480
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 01/08@緒方氏に写真をプレゼント 首相が気配り(共同通信)

 【ヨハネスブルク8日共同】森喜朗首相は七日夜(日本時間同)、政府専用機の給油に立ち寄った香港国際空港で、待ち時間を利用して、同行した緒方貞子前国連難民高等弁務官らと市内の中華料理店で会食した。その席で、首相から緒方氏に一枚の写真がプレゼントされた。
 写真は、緒方氏の父が広東総領事を務めた関係で、現地の小学校時代の緒方氏がクラスメートらと一緒に写った古い写真。首相秘書官の義母が偶然、緒方氏の同級生だったことから首相が入手、この日のプレゼントとなった。
 緒方氏は写真を見るなり、「自分はここに写っている」と指して見せ、「大事に持って帰ります」と首相からの思わぬプレゼントに感激した様子だったという。首相は政府専用機内では記者団に優しい言葉を掛け、緒方氏に懐かしい写真をプレゼントするなど、旅先ではすっかり気配りの人に変身。(了)[2001-01-08-15:56]
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 01/09@◎NATO、劣化ウラン弾問題を協議=加盟国、白血病との関(時事通信)

 【ブリュッセル9日時事】北大西洋条約機構(NATO)は9日、ブリュッセルの本部で実務レベルで構成する政治委員会を開き、NATO軍がボスニア・ヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア・コソボ自治州で使用した劣化ウラン弾と、欧州各国から派遣された兵士が白血病、がんで死亡する「バルカン症候群」との因果関係について意見交換した。 [時事通信社][2001-01-09-22:00] 52 [このページの最初に戻る]


 01/09@◎駐留米軍が演習で劣化ウラン弾使用=80年代から独国内に(時事通信)

 【ベルリン9日時事】9日付の独紙ウェルトは、在独駐留米軍が1980年代半ばから、「バルカン症候群」との因果関係が注目されている戦車用劣化ウラン弾を大量に独国内の武器庫に保管し、一部を演習で使用していたと報じた。独国防省はこれまで、駐留米軍の演習は安全が確保されており、劣化ウラン弾は使用されていないとの見解を示していた。
 同紙によれば、劣化ウラン弾の保管が始まったのは、北大西洋条約機構(NATO)に戦車部隊が導入されたころ。独連邦軍高官は同紙に対し、ユーゴ空爆などの際に、独南部の2カ所の演習場で「実際に使用された可能性を排除しない」と指摘した。 [時事通信社][2001-01-09-20:51] 53
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 01/09@ロシアもバルカン症候群問題で調査団派遣へ(共同通信)

 【モスクワ9日共同】タス通信によると、ロシア軍のアレクセーエフ環境安全局長は九日、バルカン帰還兵にがんが多発している「バルカン症候群」問題で、近くユーゴスラビア・コソボ自治州に国防省の専門調査団を派遣する考えを明らかにした。
 ロシア兵が展開している地域での幅広い環境影響調査などが目的。兵士の健康状態についても詳しい調査を続けているが、異常は見つかっていないという。
 イワノフ外相が先に国連を中心にした客観的調査を呼び掛けるなど、ロシアはこの問題を重大視する構えで、北大西洋条約機構(NATO)を強くけん制している。(了)[2001-01-09-20:45] 54
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 01/09@<劣化ウラン弾>NATOとEUがそれぞれ大使級会合を開催(毎日新聞)

 【ブリュッセル9日森忠彦】「バルカン症候群」と呼ばれるバルカン半島駐留軍兵士の健康被害と、米軍などが使用した劣化ウラン弾との関連について、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)は9日、ブリュッセルでそれぞれ大使級の会合を開催。劣化ウラン弾の使用状況や、バルカン症候群との因果関係の調査などの対応策の検討を開始した。両機関がこの問題を公式協議するのは初めてで、米軍の情報開示などが焦点になるとみられる。
 NATOによると、米軍はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1994―95年)で1万800発、コソボ紛争(99年)で3万1000発の劣化ウラン弾を使用した。兵士に白血病やがんの報告が続出していることから、最大の問題は「バルカン症候群」との因果関係。NATOの政治委員会では、米国は改めて因果関係を否定する見通しだ。一方、米国の情報開示の遅れが加盟国間の不信感を強めていることから、これまで不明だったボスニアでの使用状況などが説明される。
 また、すでに使用地点を公表しているユーゴスラビア・コソボ自治州でも、住民や兵士への危険告知がなされておらず、今後の危険回避措置も重要課題となる。
 調査に当たった国連環境計画(UNEP)は「同弾の回収作業は進んでいない。早急な危険告知と浄化作業がなされるべき」(ハービスト調査団長)と指摘し、国連としてNATO側に回収作業を求める意向を示している。
 一方、EU側でもイタリアなどから従軍兵士の健康調査と原因究明を求める声が相次いでいることから、政治安保委員会はベルギーとポルトガルなどが提案した独自の調査団について協議。現在進めているバルカン復興支援の一環として対処する方針を確認する。
 プロディ欧州委員長やシュレーダー独首相が同弾の使用に懐疑的な見方を示すなど、欧州内には安全確認が十分なされていない劣化ウラン弾の使用を控えるべきとの世論が高まりつつある。[2001-01-09-20:30] 56
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 01/09@劣化ウラン弾で対応策協議 NATO、EU(共同通信)

 【ブリュッセル9日共同】北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)は九日、ユーゴスラビア・コソボ自治州などからの帰還兵にがんが多発し、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」問題をそれぞれ討議、対応策の検討に乗り出した。
 NATO外交筋によると、バルカンから帰還した軍人六人が白血病で死亡し“震源地”となったイタリアはこの日の政治委員会で@劣化ウラン弾の使用状況に関する情報開示A健康被害での意見交換Bバルカンでの平和維持活動に参加した加盟国と非加盟国間の協議枠組み構築―を提案。
 劣化ウラン弾については、NATO事務局は一貫して「発がんとの因果関係は証明されていない」との立場で、米国や英国、ドイツも自軍兵士への調査は必要ないとしている。
 しかし、ポルトガルが独自にコソボでの放射線レベル測定調査に乗り出したり、域外国ロシアのイワノフ外相が国連などによる調査の必要性を強調するなど波紋が広がっている。
 一方、EUも同日、政治安保委員会を開き、ベルギーが提案している医療作業部会設置の検討などを行った。(了)[2001-01-09-19:40] 59
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 01/09@<劣化ウラン弾>露外相も国際機関の調査実施を呼びかけ(毎日新聞)

 【モスクワ8日田中洋之】ロシアのイワノフ外相は8日、ユーゴスラビアで北大西洋条約機構(NATO)軍が使用した劣化ウラン弾による被害の実態を把握するため国連や国際原子力機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)などによる調査実施を呼びかけた。イワノフ外相は「ロシアは劣化ウラン弾の使用は地域の環境に脅威を与えると警告したが、残念ながら、我々の警告は現実のものとなった」とNATOを強く非難した。
 外相はまた、ユーゴ・コソボ自治州に派遣されたロシアの平和維持部隊の間で劣化ウラン弾によるとみられる被害者は報告されていないが、「ロシア兵の健康が心配される」と述べ、対策に万全を尽くす考えを示した。[2001-01-09-09:56] 60
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 01/09@<独バルカン症候群>連邦軍兵士の白血病全症例を再調査 国(毎日新聞)

 【ベルリン8日藤生竹志】「バルカン症候群」問題でドイツ国防省報道官は8日、独連邦軍兵士が過去に発症した白血病のすべての症例を再調査することを明らかにした。ボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア・コソボ自治州などバルカン地域に派遣された連邦軍兵士は約6万人に上るが、健康診断を受けたのは118人に過ぎず、その結果から「(劣化ウラン弾との関連が予想される)ドイツ兵の健康被害はない」と表明した国防省や連邦軍に対して批判が出ていた。
 一方、シュレーダー独首相は8日、「劣化ウラン弾がどの地域で使われたのか具体的に知りたい。同弾と兵士の疾病に関連があるのかどうか、はっきりさせる必要がある」と語った。首相とシャーピング国防相はまた、「同弾は使われない方が望ましい」との考えを示した。
 ドイツではこれまで、1997年8月から11月までボスニア南部モスタルに駐留し翌98年初めに白血病にかかった元下士官(25)の症例が1例確認されたが、劣化ウラン弾との関連については証明されていない。
 連邦軍医療部によると、陸海空軍合わせて約34万人の兵士のうち年間約180人が白血病やがんを発症。報道官によると、この数字は「全国平均と同じで軍で発症率が特別高いわけではない」という。[2001-01-09-09:56] 61
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 01/09@<劣化ウラン弾>WHOに専門調査団派遣を要請 UNMIK(毎日新聞)

 【ブリュッセル8日森忠彦】米軍がボスニア、コソボ紛争で使用した劣化ウラン弾の危険性が問われている件で、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル代表は8日、国連の世界保健機関(WHO)に対して専門家による調査団を派遣するよう要請した。昨年11月の国連環境計画(UNEP)に続き、国連が本格的な現地調査に乗り出すことになりそうだ。
 ユーゴスラビア連邦コソボ自治州に駐留するWHO職員は先週、「現状ではコソボでの健康被害は見受けられない」との見解を示したが、州内で唯一白血病を扱うプリシュティナ大学病院の情報だけに基づいたもので、行政組織も確立していない州内での住民への健康調査はほとんど行われていないのが実状だ。
 同機構報道官によると、代表はWHO本部に対して専門家による調査団の派遣を依頼。WHOは湾岸戦争後にもイラク現地で健康調査を行った実績がある。同日、ジュネーブ本部で会見したWHO幹部は同弾と白血病との因果関係については否定的な見解を示したが、「呼吸器官への影響はありうる。さらに詳しい現地調査が必要だ」と語った。調査は同弾の影響に留まらず、他の環境汚染の影響も調べることになる。
 すでに環境調査を終えたUNEPによると、北大西洋条約機構(NATO)が1999年春の空爆で同弾を使用した被弾地の多くが野放し状態にある。
 一方、NATOは9日に開く政治委員会でこの問題を初めて協議し、健康被害との関連究明とともに現地での危険回避策や回収作業などについても話し合う。欧州連合(EU)も同日の政治安保委員会で取り上げ、独自の調査団設立やバルカン半島で実施している環境、復興支援の一環として取り組む方針を確認する。[2001-01-09-09:56] 62
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 01/09@「因果関係は証拠ない」 劣化ウラン弾 米国務長官(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】オルブライト米国務長官は八日、ユーゴスラビア・コソボ自治州などからの帰還兵が白血病となり、北大西洋条約機構(NATO)が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている問題で「(両者の)因果関係については証拠がない」と述べた。
 長官はまた、旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されているミロシェビッチ前ユーゴ大統領を裁く問題で「(裁判は)ハーグで行われるべきだ」と述べ、ユーゴのコシュトニツァ政権周辺から浮上しているユーゴ国内での裁判は認められないとの考えを示した。(了)[2001-01-09-08:32] 63
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 01/09@警察長官狙撃され死亡 モンテネグロ(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】ポドゴリツァからの報道によると、ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のダルコ・ラスポポビッチ警察長官が八日、同市内で狙撃されて死亡した。
 背後関係などは不明だが、モンテネグロが連邦からの独立を問う国民投票を今年春にも実施する予定であることから、地元警察は分離反対派によるテロの可能性について調べている。
 昨年五月には、ジュカノビッチ大統領のズギッチ治安顧問がポドゴリツァで射殺される事件があった。(了)[2001-01-09-08:31] 64
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 01/09@◎コソボの白血病患者、増加せず=WHO(時事通信)

 【ジュネーブ8日時事】米軍がユーゴスラビア・コソボ自治州などで使用した劣化ウラン弾が、駐留兵士らに白血病やがんを発症させているとの懸念が広がる中、世界保健機関(WHO)のコソボ駐在事務所は8日までに、劣化ウランにさらされたとみられる住民の健康状態に関する初の調査結果を発表した。
 同事務所によると、2000年に白血病と診断された15歳以上の患者数は33人で、北大西洋条約機構(NATO)軍によるコソボ空爆が行われた1999年の32人とほとんど変化しておらず、「(空爆を機に)白血病患者が増加したとは言えない」とされる。 [時事通信社][2001-01-09-06:10] 66
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 01/09@白血病と劣化ウラン弾の関連薄い…WHO見解(読売新聞)

 【ジュネーブ8日=大内佐紀】世界保健機関(WHO)の担当官は八日、ジュネーブで記者会見し、ユーゴスラビア・コソボなどで使われた劣化ウラン弾の人体影響について、同弾の粉末を大量に吸入した場合、肺がんにかかる可能性はあるものの、白血病を誘発する可能性は低いとの見方を示した。欧州各国では、コソボやボスニアでの戦闘に参加した兵士が白血病などを発症する「バルカン症候群」が問題となっている。[2001-01-09-00:22] 370 [このページの最初に戻る]


 01/09@「黒幕」ビンラーデン氏がアフガン出国を検討か(読売新聞)

 【ニューデリー9日=佐藤浅伸】パキスタンの有力英字紙「ニューズ」(九日付)は、国際テロの黒幕とされるオサマ・ビンラーデン氏が潜伏中のアフガニスタンからの出国を検討していると伝えた。
 同紙によると、ビンラーデン氏は数日前、アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者ムハマド・オマル師に、「出国し活動拠点を国外に移動したい」との意向を伝えた。オマル師は当初、慰留したが、その後、タリバン上層部と協議を始めたという。
 国連安全保障理事会が先月十九日、タリバンに対し一か月以内のビンラーデン氏の身柄引き渡しを要求、経済制裁を強化する決議を採択したばかり。同紙によると、ビンラーデン氏は、自身の潜伏が原因でアフガニスタンが一層の苦境に陥っていると認識しており、加えて、厳しい監視下で不自由を強いられているアフガニスタンを出国し、対イスラエル闘争に積極的に参画したいとの考えを抱いているという。
 出国した場合の新たな潜伏先については明らかではないが、同紙は、ビンラーデン氏が最近結婚した女性の母国で、同氏の親類が近くに島を所有するイエメンの可能性を挙げている。[2001-01-09-22:53] 387
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 01/09@<劣化ウラン弾>NATOとEUがそれぞれ大使級会合を開催(毎日新聞)

 【ブリュッセル9日森忠彦】「バルカン症候群」と呼ばれるバルカン半島駐留軍兵士の健康被害と、米軍などが使用した劣化ウラン弾との関連について、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)は9日、ブリュッセルでそれぞれ大使級の会合を開催。劣化ウラン弾の使用状況や、バルカン症候群との因果関係の調査などの対応策の検討を開始した。両機関がこの問題を公式協議するのは初めてで、米軍の情報開示などが焦点になるとみられる。
 NATOによると、米軍はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1994―95年)で1万800発、コソボ紛争(99年)で3万1000発の劣化ウラン弾を使用した。兵士に白血病やがんの報告が続出していることから、最大の問題は「バルカン症候群」との因果関係。NATOの政治委員会では、米国は改めて因果関係を否定する見通しだ。一方、米国の情報開示の遅れが加盟国間の不信感を強めていることから、これまで不明だったボスニアでの使用状況などが説明される。
 また、すでに使用地点を公表しているユーゴスラビア・コソボ自治州でも、住民や兵士への危険告知がなされておらず、今後の危険回避措置も重要課題となる。
 調査に当たった国連環境計画(UNEP)は「同弾の回収作業は進んでいない。早急な危険告知と浄化作業がなされるべき」(ハービスト調査団長)と指摘し、国連としてNATO側に回収作業を求める意向を示している。
 一方、EU側でもイタリアなどから従軍兵士の健康調査と原因究明を求める声が相次いでいることから、政治安保委員会はベルギーとポルトガルなどが提案した独自の調査団について協議。現在進めているバルカン復興支援の一環として対処する方針を確認する。
 プロディ欧州委員長やシュレーダー独首相が同弾の使用に懐疑的な見方を示すなど、欧州内には安全確認が十分なされていない劣化ウラン弾の使用を控えるべきとの世論が高まりつつある。[2001-01-09-20:30] 423
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 01/09@緒方前国連弁務官が「人間の安保委」共同議長に(読売新聞)

 【ヨハネスブルク8日=津田歩】世界の有識者を集める「人間の安全保障のための国際委員会」に、緒方貞子・前国連難民高等弁務官と、ノーベル経済学賞受賞者のアマーティア・セン氏が起用されることになった。南アフリカを訪問中の森首相が八日午後(日本時間同日夜)、ヨハネスブルク市内の難民を対象とした職業訓練施設を視察中に明らかにした。首相同行筋によると、緒方、セン両氏は同委員会の共同議長に就任する方向だ。[2001-01-09-12:38] 424 [このページの最初に戻る]


 01/09@◇緒方氏ら軸に「人間の安全委」 森首相が設立構想◇(朝日新聞)

 森喜朗首相は8日午後(日本時間同日夜)、アフリカ難民職業訓練プロジェクトの視察のあいさつで、発展途上国の開発支援や人道支援を話し合うため、各国の有識者を集めた「人間の安全保障のための世界委員会」を、緒方貞子・前国連難民高等弁務官らを中心に日本主導で設立する考えを明らかにした。首相は「人間の安全保障の世界委員会をつくる考えがあり、それをとりまとめる1人に緒方さんをお願いしたい」と述べた。
 首相は昨年9月にニューヨークで開かれた国連ミレニアム・サミットの演説で、日本政府の主導で国連に設立された「人間の安全保障基金」に、100億円程度の拠出金を追加する考えを表明するとともに、同委員会の設立構想を発表していた。[2001-01-09-12:36] 432
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 01/09@<森首相>緒方さんを「人間の安全保障のための世界委」議長(毎日新聞)

 【プレトリア9日堀山明子】「休みたいなら今に天国に行ってから。それまでは皆さんのために働いてほしい」。アフリカ歴訪の最初の訪問地、南アフリカを訪問中の森喜朗首相は8日、昨年12月末で国連難民高等弁務官を退任した緒方貞子さんの“積極活用法”について披露し、日本主導で世界の有識者を集めて近く設立する予定の「人間の安全保障のための世界委員会」の議長に緒方さんを登用する考えを明らかにした。視察先のヨハネスブルク市内の職業訓練所の難民100人を前に表明した。
 「人間の安全保障」は、貧困、感染症、紛争問題などを人類の脅威として国際社会が一体となって取り組む考え方。日本は1998年、国連に5億円を供出し「人間の安全保障基金」を設立、昨年9月の国連ミレニアムサミットで森首相が解決策を検討するための「世界委員会」の設立構想を表明した。委員は10人前後で、共同議長には、ノーベル経済学賞を受賞したインド人のアマーティア・セン氏も就任する予定。
 職業訓練所で森首相があいさつする予定はなかったが、裁縫を研修している難民の女性たちから手縫いの民族衣装をプレゼントされ、上機嫌で急きょ演説した。緒方さんと2人で衣装を着て並んでいるうちに、緒方さんの今後の活躍をアピールしたくなったようだ。[2001-01-09-10:20] 438
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 01/09@世界人口の14%が栄養不良 世界食糧計画が報告書(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】世界食糧計画(WFP)のバーティーニ事務局長は八日、アジアやアフリカを襲った昨年の干ばつなどのため、世界人口の約一四%に当たる八億三千万人が栄養不良状態にあるとの報告書を発表した。このうち七億九千百万人が途上国に居住し、自然災害だけでなく地域紛争などの「人災」が食料事情の悪化を増幅させたと指摘している。
 地域別では朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、モンゴル、カンボジアなどアジア太平洋地域が最多で五億二千五百万人。域内人口に占める割合ではコンゴ(旧ザイール)やシエラレオネなどの紛争地域を抱えるサハラ以南のアフリカ諸国が最も高く、約三分の一に上った。
 同事務局長は「今年もこの傾向が続くか、悪くなる可能性がある」と述べ、特に先進各国には一層の資金提供などを呼び掛けた。(了)[2001-01-09-09:28] 58
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 01/09@◎イラン監督にブラジェビッチ氏就任へ=サッカー(時事通信)

 【テヘラン8日AFP=時事】サッカーのイラン代表監督に、元クロアチア代表監督のミロスラブ・ブラジェビッチ氏が就任することが8日、確実となった。1998年のワールドカップ(W杯)フランス大会でクロアチアを3位に導いた同氏は今週中にもテヘラン入りし、正式契約を結ぶ見通し。イランは昨年10月のアジアカップ(レバノン)で準々決勝敗退に終わり、ジャラル・タレビ監督が辞任していた。 (了)[時事通信社][2001-01-09-10:23] [このページの最初に戻る]


 01/10@◎コソボ派遣の拒否者相次ぐ=ギリシャ(時事通信)

 【ウィーン10日時事】アテネからの報道によると、ギリシャ国防省は10日までに、ユーゴスラビア・コソボ自治州駐留平和履行部隊(KFOR)への参加を志願していたギリシャ兵のうち65人が、「バルカン症候群」への懸念から、コソボ派遣を拒否したことを明らかにした。
 KFOR傘下のギリシャ部隊は、間もなく兵員の交代を控えており、参謀本部は新たにコソボに派遣する予定だった340人の志願兵の意思確認を行った。その結果、志願を撤回する兵士が相次いだという。
 バルカン駐留兵士が白血病やガンを発症する「バルカン症候群」では、ギリシャでも兵士1人が白血病にかかっている。 [時事通信社][2001-01-10-23:29] 33
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 01/10@<劣化ウラン弾>NATOの事務総長がユーゴ外相と会談(毎日新聞)

 【ブリュッセル10日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は10日、ブリュッセルのNATO本部を訪問したユーゴスラビア連邦のスバラノビッチ外相と会談した。事務総長は劣化ウラン弾問題について「双方の情報交換を進めることで合意した。NATO側として隠すことはなにもない」と述べた。一方、外相も「もはやNATOは敵ではない」と語り、被弾現場で活動していたユーゴ軍兵士や集中被弾地であるセルビア共和国南部の住民などへの調査を行い、NATO側に資料提供する意向を示した。
 またミロシェビッチ前大統領の旧ユーゴ国際戦犯法廷への身柄引き渡し問題については、NATO側が改めて協力を要請。外相は前向きな姿勢を示したが、法廷の設置場所や手続きなど具体的な内容には言及しなかった。[2001-01-10-21:40] 35
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 01/10@「バルカン症候群」問題、米欧「安保摩擦」に発展も (共同通信)

 【ブリュッセル10日共同】米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われる「バルカン症候群」問題は十日までに、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国と米国の「安保摩擦」に発展しかねない気配になってきた。
 米国と欧州は通商分野で、成長ホルモンを使って肥育した米国産牛肉(ホルモン牛肉)や遺伝子組み換え食品の扱いをめぐる摩擦を抱えており、安全性に対する考え方の違いが軍事面にも波及した形だ。
 米国のオルブライト国務長官は九日、イタリアやドイツなど欧州同盟国の懸念に対し「これは感情論ではなく、科学に立脚して取り組む問題であり、ヒステリックになってはいけない」といら立ちを示した。
 しかし、狂牛病騒動などに見られるように、欧州市民は健康や環境にかかわる問題には極めて敏感。問題が科学的に証明されなくても「予防措置」を求めるケースが多く、こうした世論が政府を突き動かしている。
 各地からの報道によると、ノルウェーでは約四百人の平和維持活動要員がユーゴスラビアで軍務に就くことを拒否。ベルギーでも一部兵士が政府を提訴する構えを見せており、米欧対立に拍車を掛けそうだ。(了)[2001-01-10-18:19] 37
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 01/10@NATOが対応策を決定へ 劣化ウラン弾問題で(共同通信)

 【ブリュッセル10日共同】ユーゴスラビア・コソボ自治州などからの帰還兵にがんが多発し、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連が疑われている「バルカン症候群」問題で、北大西洋条約機構(NATO)は十日、大使級理事会を開く。
 バルカン帰還兵六人が白血病で死亡しているイタリアは九日の政治委員会と非公式大使級会合で、ボスニアにおける同弾の使用状況などを詳しく開示するよう提案しており、米国など他の同盟国もこれに同意するかどうかが焦点。
 NATO外交筋によると、劣化ウラン弾使用の一時凍結提案に対しては、ドイツが支持しているものの、米国や英国が政治委で「(同弾が危険だとする見解に)信頼性を与えかねない」として反対したため、理事会での検討対象から外された。
 NATO事務局は「劣化ウラン弾と発がんとの因果関係は証明されていない」との立場を崩していないが、米国に同調していた英国が九日、一転して自軍兵士に任意の健診を実施する方針を表明するなど欧州諸国の懸念が拡大、政治問題化しており、安全保障面における米欧同盟にきしみが生じている。(了)[2001-01-10-16:11] 39
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 01/10@劣化ウラン弾、コソボで影響調査始まる(読売新聞)

 【ウィーン支局10日】バルカン半島で平和維持活動に参加した兵士が、がんや白血病を発病している「バルカン症候群」問題で、ユーゴスラビア・コソボ自治州に展開するコソボ平和維持部隊(KFOR)は九日、北大西洋条約機構(NATO)軍が九九年の空爆に使用した劣化ウラン弾の影響を調べるための放射能測定を同自治州で開始した。
 バルカン症候群問題でNATOは九日、非公式大使級会合などを開いて協議。イタリアが当面の劣化ウラン弾使用中止を提案したが、米英両国が反対し、継続協議となった。オルブライト米国務長官は九日、ワシントンでの記者会見で劣化ウラン弾と健康被害の因果関係を改めて否定。また英国のスペラー軍担当閣外相は同日、バルカン帰還兵の健康診断を行うことを明らかにしたものの、「劣化ウラン弾使用は当面、続ける」と明言した。[2001-01-10-12:55] 40
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 01/10@◇ボスニア・セルビア人共和国の元大統領、ハーグ入り◇(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナからの報道によると、同国を構成するセルビア人共和国のプラブシッチ元大統領は9日、国連旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷があるオランダのハーグに入った。ロイター通信は「戦犯法廷からの出頭要請に応じたもの」と伝えている。戦犯法廷は、ボスニア内戦にからむ戦争犯罪で同氏を起訴しているのかどうかコメントしていない。
 プラブシッチ氏はかつて、1995年に戦犯法廷に起訴されたカラジッチ・元セルビア人勢力指導者の側近だった。96年には同指導者の公職退陣を受けて、大統領に就任。しかしその後はたもとをわかち、欧米寄りに転じた。
 戦犯法廷はカラジッチ元指導者だけでなく、ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領についてもボスニア内戦当時の犯罪に関する情報収集を続けている。プラブシッチ氏がハーグに出向いた詳しい背景は明らかでないが、「大物容疑者」についての情報提供で自らの逮捕を逃れようとしたか、仮に逮捕されても情状酌量を期待できると計算したのでは、との見方もある。[2001-01-10-12:11] 42
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 01/10@対バルカン政策の維持を オルブライト米国務長官(共同通信)

 【ワシントン9日共同】オルブライト米国務長官は九日の会見で「バルカン(紛争)の物語は終わっていない」と述べ、後任のパウエル元統合参謀本部議長に対し、旧ユーゴスラビア地域に対する米国の関与を維持するよう求めた。
 旧ユーゴにはコソボ自治州などに九千人規模の米軍が駐留しているが、パウエル氏は旧ユーゴでの米軍展開に消極的だったことで知られる。長官はこれに関連し「兵力の限定された運用はさまざまな地域で有効だ」と述べ「バルカンでのわれわれの存在は極めて重要」と強調した。
 長官はまた、対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外交についても、次期政権が現政権の政策を踏襲するよう促した。(了)[2001-01-10-11:01] 43
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 01/10@<劣化ウラン弾>「バルカン症候群」問題でEUが調査団派遣(毎日新聞)

 【ブリュッセル9日森忠彦】「バルカン症候群」と呼ばれるバルカン半島駐留兵士の健康被害と、米国がユーゴスラビア紛争で使用した劣化ウラン弾の関連について、欧州連合(EU)は9日、放射能汚染の専門家などによる独自の調査団を現地に派遣すると発表した。国連とともに複数の専門家チームが環境汚染と健康被害の調査を始めることになる。
 欧州委員会によると、調査団はEUの一機関である欧州原子力共同体の専門家や放射能障害などに詳しい医師らで構成。2月にボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア連邦コソボ自治州などに入って調査を行う。調査結果を受け、健康管理対策をバルカン復興事業の一環として取り入れる。9日に開かれたEU政治安保委員会でも了承された。
 また、同日開かれた北大西洋条約機構(NATO)の非公式大使会議も兵士の健康被害問題について話し合ったが、NATO側は健康被害と米軍が使用した劣化ウラン弾との因果関係を改めて否定した。
 レイティー報道官は「劣化ウラン弾の放射線は極めて微量で人体への影響はない。あるとすれば重金属としての影響だけ」と語った。イタリアなどで報告が相次いでいる白血病との関係について否定した。
 一方、不明だったボスニアでの使用状況について、現在、関係国に問い合わせている状態だが、サラエボ近郊20キロ範囲内のセルビア人勢力地域(1994年当時)で1万発以上を使用したことを明らかにした。NATOでは10日の大使級理事会でも協議する。[2001-01-10-10:05] 44
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 01/10@<劣化ウラン弾>伊の使用停止要求をNATO政治委が却下(毎日新聞)

 【ローマ9日井上卓弥】イタリア政府は9日、北大西洋条約機構(NATO)政治委員会で、バルカンの平和維持活動に従事した兵士の間で広がっている白血病と劣化ウラン弾との関係が正式な調査で否定されるまで、同弾の使用を停止することを求めた。ロイター通信などによると、政治委内部には米英などを中心に強硬な反対意見があり、イタリアの要求はその場で却下されたという。
 イタリアでは8日夜、ボスニアで従軍後、白血病で死亡したサルデーニャ島出身の兵士の遺族が国営放送RAIの人気政治討論番組に初めて出演。同席したマタレラ国防相は、(1)劣化ウラン弾の使用停止(2)これまでに行われた人体への影響調査の結果公表――などをNATOに求めることを約束した。
 劣化ウラン弾と健康被害の因果関係を指摘する報道が増えるのに伴い、伊国民の間にはNATOの情報隠ぺいに対する怒りが広がっている。使用停止要求の即時却下は、伊世論のNATO不信やNATO内部の意見対立を助長する結果になりそうだ。[2001-01-10-09:56] 45
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 01/10@<劣化ウラン弾>バルカン帰還兵からも被害調査 仏議会(毎日新聞)

 【パリ9日橋本晃】フランス国民議会(下院)の「湾岸戦争症候群調査団」は9日、劣化ウラン弾の人体・環境への被害調査を湾岸戦争だけでなく、ユーゴスラビア・コソボ自治州への空爆とボスニア・ヘルツェゴビナ内戦での可能性にも拡大することを決めた。調査団は湾岸戦争に従軍した仏兵士の中に体の不調を訴える者が続出していることから、昨年10月設立された。
 バルカンからの帰還兵では、フランスでは4人が劣化ウラン弾との因果関係が取りざたされる白血病を発症させている。[2001-01-10-09:56] 46
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 01/10@劣化ウラン弾多数死亡か ボスニア・ヘルツェゴビナのハジチ(共同通信)

 【ウィーン9日共同】一九九五年に北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆にさらされたボスニア・ヘルツェゴビナのハジチ村から脱出した村民約五千人のうち約四百人がこれまでに、主にがんで死亡していたことが九日、明らかになった。専門家は空爆で使われた劣化ウラン弾が関係しているとみている。
 ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、ボスニア東部ブラトナツのヨバノビッチ保健センター長は九日、首都サラエボ近郊のハジチからブラトナツに逃れた難民のがん死亡率が異常に高く、劣化ウラン弾による放射能被ばくが原因だった可能性があると述べた。
 大半がセルビア人住民だったハジチには旧ユーゴ軍の兵器工場があり、これを破壊するため劣化ウラン弾が大量に使用されたとみられる。(了)[2001-01-10-08:39] 47
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 01/10@◎科学者らに劣化ウラン弾の調査要請=EU(時事通信)

 【ブリュッセル9日時事】欧州連合(EU)は9日、ボスニア・ヘルツェゴビナなどからの帰還兵が白血病などにかかる「バルカン症候群」の問題に関連して、欧州委員会傘下の欧州原子力共同体(ユーラトム)で放射線防御問題を担当する医師、科学者に対し、劣化ウラン弾が人体に悪影響をもたらすかどうかを調査するよう要請した。 [時事通信社][2001-01-10-07:37] 49 [このページの最初に戻る]


 01/10@<劣化ウラン弾>NATOとEUがそれぞれ大使級会合を開催(毎日新聞)

 【ブリュッセル9日森忠彦】「バルカン症候群」と呼ばれるバルカン半島駐留軍兵士の健康被害と、米軍が使用した劣化ウラン弾との関連について、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)は9日、ブリュッセルでそれぞれ大使級の会合を開催。劣化ウラン弾の使用状況や、バルカン症候群との因果関係の調査などの対応策の検討を開始した。両機関がこの問題を公式協議するのは初めてで、米軍の情報開示などが焦点となった。
 NATOによると、米軍はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1994―95年)で1万800発、コソボ紛争(99年)で3万1000発の劣化ウラン弾を使用した。兵士に白血病やがんの報告が続出していることから、最大の問題は「バルカン症候群」との因果関係となった。NATOの政治委員会では、イタリアなどが(1)原因が判明するまでの同弾の使用凍結(2)同弾に関する情報の共有(3)NATOとしての健康被害の解明――などを提案、米国側からボスニアでの使用状況などが説明された。一方、健康被害との因果関係については米国は改めて否定した模様だ。
 また、すでに使用地点を公表しているユーゴスラビア・コソボ自治州でも、住民や兵士への危険告知がなされておらず、今後の危険回避措置も重要課題となる。調査に当たった国連環境計画(UNEP)は「同弾の回収作業は進んでいない。早急な危険告知と浄化作業がなされるべき」(ハービスト調査団長)と指摘し、国連としてNATO側に回収作業を求める意向を示している。
 一方、EUの政治安保委員会はベルギーとポルトガルなどが提案した独自の調査について協議した。現在進めているバルカン復興支援の一環として対処する方針を確認する。
 プロディ欧州委員長やシュレーダー独首相が同弾の使用に懐疑的な見方を示すなど、欧州内には安全確認が十分なされていない劣化ウラン弾の使用を控えるべきとの世論が高まりつつある。[2001-01-10-00:16] 260
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 01/10@◇劣化ウラン弾の使用凍結は見送り NATO理事会◇(朝日新聞)

 バルカン半島で使用した劣化ウラン弾による健康被害の懸念が広がっている問題で、北大西洋条約機構(NATO)は10日、大使級理事会で、国連の現地調査への協力などを確認した。イタリアなどが求めていた劣化ウラン弾の使用凍結は、米英などの反対で見送った。
 ロバートソン事務総長は理事会後の会見で、「危険が最小限であることには自信を持っているが、懸念を真剣に受け止め、情報を開示する」と語った。[2001-01-10-23:54] 263
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 01/10@中東和平交渉、「宣言」発表もパレスチナ側拒否(読売新聞)

 【エルサレム10日=当間敏雄】クリントン米大統領の任期切れが今月二十日に迫るなか、ロス米中東特使が十一日にも当地入りし、イスラエル、パレスチナ自治政府間の和平交渉の最後の仲介を行うが、自治政府のラボ文化情報相は九日、合意実現が不可能になった場合の次善の策とされる「宣言」の発表も拒否すると表明した。
 クリントン大統領は八年間の在任中に積み上げてきた和平努力が退任とともに白紙に戻り、先の見通しもないまま紛争状態が長期化することを懸念。仲介努力の成果をブッシュ次期政権につなげるため、これまでの交渉結果を整理し、今後の交渉の原則などを示す「宣言」を発表したい意向とされる。イスラエルのバラク首相も、「宣言」を自らの“成果”として、来月六日の首相公選に臨みたい考えだ。
 しかし、ラボ文化情報相は「和平は宣言されるものではなく達成されるものだ」とし、有効性に疑問を呈するとともに、「国際的に保証された完全な最終合意だけを求める」と強調した。
 パレスチナ側としても過去の交渉成果が水泡に帰す事態だけは避けたいとの思いは強いものの、イスラエルに占領地からの撤退を求め、パレスチナ難民の帰還権などを保証した国連決議に代わって、不完全な「宣言」が今後の交渉の基礎となることを懸念し、拒否を表明したと見られている。[2001-01-10-23:28]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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