最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(10/14, 2000)


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 10/10@ユーゴ暫定内閣組閣へ、学者・専門家らで (読売新聞)
 10/10@<NATO>非公式国防相理事会がユーゴスラビア情勢を協議(毎日新聞)
 10/10@<ユーゴ>前政権が過去10年間、為替操作で得た利益を海外(毎日新聞)
 10/10@○米朝が歴史的な首脳級会談=関係改善の可能性探る(時事通信)
 10/10@<中東情勢>アナン国連事務総長の調停工作活発化(毎日新聞)
 10/11@連邦軍幹部と初会合 参謀総長の去就注目 (共同通信)
 10/11@旧政権派の抵抗強まる 「ユーゴ革命」1週間(共同通信)
 10/11@<コソボ自治州>民族紛争 ユーゴ新政権でも状況好転せず(毎日新聞)
 10/11@セルビアの組閣協議から前大統領派が撤退 (読売新聞)
 10/11@◎中国指導部、「ユーゴの二の舞い」警戒=香港紙(時事通信)
 10/11@米がユーゴに大統領特別顧問を派遣(読売新聞)
 10/11@EU首脳会議に出席へ ユーゴ大統領が初外遊(共同通信)
 10/11@暫定内閣組閣交渉が中断 セルビア共和国 (共同通信)
 10/11@伊首相がユーゴ訪問へ(共同通信)
 10/11@スイスも対ユーゴ制裁解除(共同通信)
 10/11@◎セルビア共和国の組閣協議難航=社会・急進両党が離脱を表(時事通信)
 10/11@◇EU、対ユーゴ援助を大幅増へ バルカン「欧州化」狙い◇(朝日新聞)
 10/11@◎ユーゴとの外交再開の意向を表明=仏外相、新大統領と会談(時事通信)
 10/11@<ユーゴ>仏外相がユーゴ新大統領に対ユーゴ制裁解除を伝え(毎日新聞)
 10/11@◇コソボ部隊、現状維持で合意 NATO国防相会議◇(朝日新聞)
 10/11@◇中国、アフリカ諸国への債権12億ドルを放棄◇(朝日新聞)
 10/11@国連総長がレバノン訪問 イスラエル兵解放を協議(共同通信)
 10/11@民兵指導者の身柄を要求 東ティモールで訴追へ(共同通信)
 10/11@報復恐れる南レバノン住民 一触即発のイスラエル国境(共同通信)
 10/11@首相、議長と急きょ再会談 アナン総長、妥協模索か(共同通信)
 10/11@東ティモール民兵指導者引き渡しは可能 インドネシア国家警(共同通信)
 10/11@パレスチナ調停、バラク首相が譲歩姿勢 (読売新聞)
 10/11@◇シンガポールなどを選出 国連安保理新メンバー◇(朝日新聞)
 10/11@バラク首相、「最後通告」の期限を数日延長(読売新聞)
 10/11@地雷犠牲者センター視察 スロベニアで紀宮さま(共同通信)
 10/12@<米大統領>対ユーゴ 石油禁輸と経済制裁解除を決定 (毎日新聞)
 10/12@ユーゴ、権力の「二重構造」顕著に(読売新聞)
 10/12@◎14日のEU首脳会議に出席=ユーゴ新大統領(時事通信)
 10/12@<ユーゴ>民衆革命から1週間の動き 新政権の前途は多難(毎日新聞)
 10/12@連邦再編へ新憲法制定 政権運営に強い自信 ユーゴ新大統領(共同通信)
 10/12@◎ユーゴ支援、機構改革など協議=13日からEU非公式首脳(時事通信)
 10/12@<米大統領選>ゴア、ブッシュテレビ討論 外交・国防政策で(毎日新聞)
 10/12@ゴア氏、海外派兵でブッシュ氏より積極姿勢(読売新聞)
 10/12@前大統領の党首辞任を要求 セルビア社会党(共同通信)
 10/12@治安機関に取り締まり要求 ユーゴ前大統領派が圧力(共同通信)
 10/12@<ユーゴ>社会党の組閣討議拒否に野党連合側が「再デモも」(毎日新聞)
 10/12@ユーゴ社会党「新大統領の決定はすべて無視」(読売新聞)
 10/12@ユーゴ新大統領、連邦軍参謀総長に留任伝える(読売新聞)
 10/12@早急な対ユーゴ支援実施へ(共同通信)
 10/12@セルビア内閣総辞職を拒否 前大統領派が抵抗(共同通信)
 10/12@独がユーゴに緊急援助(共同通信)
 10/12@◎セルビア政府、「違法行為」弾圧と警告=新政権側はデモを(時事通信)
 10/12@<ユーゴ>旧王国皇太子、帰国へ 背景に根強い君主制支持(毎日新聞)
 10/12@<ユーゴ>「完全対等に」 モンテネグロ外相と会見(毎日新聞)
 10/12@<北京観察>歴史問題で柔軟姿勢演出(毎日新聞)
 10/12@<中東情勢>イスラエル兵2人殺害 調停努力も再び険悪化(毎日新聞)
 10/12@10月13日付・読売社説 [国際協力賞] ◆感銘与えた中田さんの生き方◆(読売新聞)
 10/12@<米大統領選>テレビ討論会 外交問題の主な発言内容(毎日新聞)
 10/12@治安協議の開催は微妙 イスラエルが否定 (共同通信)
 10/12@将来像の論議が活発化 13日からEU特別首脳会議(共同通信)
 10/12@◇パレスチナ衝突、3者治安責任者の協議に合意◇(朝日新聞)
 10/12@「合意近い」とイスラエル元首相、ペレス氏(共同通信)
 10/12@◇アラファト議長が衝突停止を指令◇(朝日新聞)
 10/12@◇「集団的自衛権」政策転換求める 米のアジア専門家ら◇(朝日新聞)
 10/12@羊の毛刈りなどを見学 紀宮さまアイルランド訪問(共同通信)
 10/12@元金メダリスト射殺される クロアチアの元カヌー選手(共同通信)
 10/13@◎新連邦内閣を来週発足=社会党、11月党大会で体制再編へ(時事通信)
 10/13@◎対米関係正常化の意向表明=ユーゴ新大統領(時事通信)
 10/13@◇米が対ユーゴ制裁を解除◇(朝日新聞)
 10/13@イスラエル兵殺害で、中東情勢一気に流動化(読売新聞)
 10/13@◇イスラエル軍がミサイル攻撃 リンチ殺人の報復◇(朝日新聞)
 10/13@「日朝」置き去りを懸念、外務省は国内の焦り警戒(読売新聞)
 10/13@◇米朝、敵対関係終結を宣言 共同コミュニケを発表◇(朝日新聞)
 10/13@国連事務総長の特使、スー・チーさんと会談(読売新聞)
 10/13@イスラエル軍が自治政府施設に大規模攻撃 (読売新聞)
 10/13@<EU>特別首脳会議 中東問題で首脳会議開催を呼びかけ(毎日新聞)
 10/13@◎ユーゴ向けに2億ドルの緊急援助で合意へ=EU首脳会議(時事通信)
 10/13@◎セルビア共和国議会選、12月24日実施=ミロシェビッチ(時事通信)
 10/13@年末めどの機構改革で論議 EU特別首脳会議が開幕(共同通信)
 10/13@新政府発足へ本格着手 ユーゴ首相人事など協議(共同通信)
 10/13@ユーゴ政変波及が焦点 ベラルーシで15日議会選(共同通信)
 10/13@政府、対ユーゴ制裁を今月中にも解除(読売新聞)
 10/13@◇ユーゴ制裁は解除へ 河野外相が意向示す◇(朝日新聞)
 10/13@EU早期加盟の意向表明 ユーゴの新大統領(共同通信)
 10/13@<クリントン米大統領>ユーゴへの経済制裁解除を実施(毎日新聞)
 10/13@◎対ユーゴ、経済制裁解除へ=外相、「民主化の動き評価」−(時事通信)
 10/13@ユーゴ組閣で「連合」と前大統領派との対立激化(読売新聞)
 10/13@<金大統領>不屈の人、執念の政治家の歩み(毎日新聞)
 10/13@◎アフリカ7カ国の米大使館を一時閉鎖=米(時事通信)
 10/13@◇国境なき医師団、昨年の平和賞賞金の使途を報告◇(朝日新聞)
 10/13@◇米軍、イージス艦爆破をテロと断定 全世界で警戒態勢◇(朝日新聞)
 10/13@<アラブ諸国>パレスチナ攻撃受け、対イスラエル強行措置決(毎日新聞)
 10/13@超大国米に募る憎しみ 攻撃と報復の悪循環(共同通信)
 10/13@イスラエル軍が本格攻撃 自治政府は非常事態宣言 (共同通信)
 10/13@アキレスけん狙われる 米国に深刻な衝撃 駆逐艦爆発(共同通信)
 10/13@2兵士死亡で大規模報復 パレスチナ自治区非常事態(共同通信)
 10/14@<EU>特別首脳会議にユーゴ新大統領が参加 国際社会へ復(毎日新聞)
 10/14@EU首脳会議、ユーゴ支援を表明(読売新聞)
 10/14@◎セルビア共和国首相の更迭で合意=ユーゴ新旧与党、政治協(時事通信)
 10/14@独裁政権の民主化求めデモ 選挙前にベラルーシ野党(共同通信)
 10/14@ユーゴ新大統領激励し閉幕 EU特別首脳会議(共同通信)
 10/14@秘密脱出路が博物館に サラエボのトンネル再現へ(共同通信)
 10/14@ユーゴ連邦首相、社会人民党からの起用で合意(読売新聞)
 10/14@<ユーゴ情勢>民衆革命 関係者が明かす連邦議会突入の真相(毎日新聞)
 10/14@<ユーゴ問題>欧州連合特別首脳会議、緊急援助で合意(毎日新聞)
 10/14@<ユーゴ情勢>前大統領はベオグラードにと、前連邦副首相(毎日新聞)
 10/14@セルビア共和国選挙、12月24日実施で一致(読売新聞)
 10/14@連邦制維持に支持表明 米がユーゴ問題で (共同通信)
 10/14@◎ユーゴ、通貨ディナールを事実上切り下げ=やみ市場の駆逐(時事通信)
 10/14@◇EUがユーゴ緊急支援 欧州委は200億円規模を提案へ◇(朝日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 10/10@ユーゴ暫定内閣組閣へ、学者・専門家らで(読売新聞)

 【ベオグラード10日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)のコシュトゥニツァ新大統領と「民主野党連合」は十日、連邦、セルビア共和国の両レベルで、学者や専門家らによる実務派暫定内閣の結成に向けて動きを加速、ミロシェビッチ体制の残滓(ざんし)一掃に全力を挙げている。しかし、旧政権与党の社会党などが抵抗を示しており、政局は依然、混迷を続けている。
 実務派内閣は、「連合」とコシュトゥニツァ新大統領が、政権移行期の「権力の空白」が長期化するのを避けるために構想してきたもので、旧政権与党の社会党による抵抗を封じ込め、行政機関の活性化により国家再建の環境を整備するのが狙い。
 連邦では九日、モンテネグロの社会人民党選出のミロシェビッチ派のモミル・ブラトビッチ連邦首相の辞任で内閣が崩壊。共和国でも、各党代表者が議会選の十二月実施と超党派の暫定内閣組閣に関して原則合意し、新体制の基盤作りへの第一歩が開けた。しかし、連邦レベルでは、憲法の規定から連邦首相を出すことになっている社会人民党が抵抗。共和国レベルでは、警察を管轄する内相ポストを巡って、「連合」と社会党、極右民族主義政党・急進党が対立している。[2000-10-10-23:20] 55
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 10/10@<NATO>非公式国防相理事会がユーゴスラビア情勢を協議(毎日新聞)

 【ロンドン10日松木健】北大西洋条約機構(NATO)の非公式国防相理事会が10日、英バーミンガムで開かれ、ミロシェビッチ政権崩壊後のユーゴスラビア情勢について協議した。
 この中で、ロバートソン事務総長は「コソボに駐留しているNATO主導の部隊は任務を続ける」と述べ、早期撤退する考えはないことを明らかにした。コソボには現在、NATO中心の3万6000人が駐留している。[2000-10-10-22:45] 57
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 10/10@<ユーゴ>前政権が過去10年間、為替操作で得た利益を海外(毎日新聞)

 【ベオグラード10日福原直樹】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ前政権が過去10年間、中央銀行などによる為替操作で得た巨額の利益を海外送金していたことが10日、コシュトゥニツァ新政権のブレーンとして活動する非政府機関「G17プラス」の調査で分かった。
 「G17プラス」の事務局長補佐、ミルコ・スティマッツ氏(ベオグラード証券取引所理事長)が、前政権崩壊後に、中央銀行幹部らの聞き取り調査などを行った結果として述べた。
 それによると、中央銀行は前大統領側の指示で、ユーゴ通貨ディナールの紙幣を意図的に増刷、ヤミ市場で大量にドイツマルクに交換した。ディナールの流通が増加するためマルクの価値が上がったところで、中央銀行側は手持ちのマルクを再度、ディナールに交換。こうして得た差益分を裏資金として、スイスなど欧州の銀行の裏口座に送金した、という。
 前政権の為替操作は、政権崩壊直前に最も頻繁に行われた。このため昨年末に実勢価格が1マルク=20ディナールだったのが、「民衆革命」が起きた5日までに1マルク=40ディナールに急落した(公定レートは1マルク=6ディナール)。実勢レートは6日、1マルク=20ディナールに戻った。
 スティマッツ氏によると、ミロシェビッチ政権は5日をはさんだ数日間、これらの裏資金や金塊を大量に海外に送ろうとした、という。だが、野党連合は政権掌握後、銀行送金を止め、数十億マルクの送金がストップした、という。同氏は「裏金作りには中央銀行のほか、大手銀行も加担した。今後、帳簿などを調べ全体像を明らかにする」と話している。[2000-10-10-22:16] 252
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 10/10@○米朝が歴史的な首脳級会談=関係改善の可能性探る(時事通信)

 【ワシントン10日時事】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日労働党総書記の特使として訪米した同国国防委員会の趙明禄第1副委員長は10日、クリントン大統領とホワイトハウスで約1時間会談した。趙副委員長は北朝鮮指導部内で事実上のナンバー2とされ、クリントン大統領との首脳級会談は両国関係史上最高レベルの歴史的な会談となった。
 趙副委員長はクリントン大統領との会談に先立ち、国務省でオルブライト国務長官と会談した。大統領は先週、趙副委員長との会談について「(関係改善へ)どのような可能性があるか、彼ら(北朝鮮側)がどういう行動を起こそうとしているのか、われわれが何をすべきなのかを探る」と方針を説明した。 [時事通信社][2000-10-10-23:50] 263
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 10/10@<中東情勢>アナン国連事務総長の調停工作活発化(毎日新聞)

 【エルサレム10日海保真人】パレスチナ・イスラエル衝突の収拾のため中東入りしているアナン国連事務総長は10日、パレスチナ自治区ガザでアラファト・パレスチナ自治政府議長と会談した。同日中にバラク・イスラエル首相とも会談するほか、レバノンを訪問する予定で、調停工作を活発化させている。
 アナン事務総長はアラファト議長との会談で、国連の調停案を示したとの情報もある。この調停案は、アラファト議長が求める衝突の真相究明のための国際調査委員会の構成国に関する提案とみられ、アナン事務総長がこの提案をイスラエル側にも示す予定という。
 アナン事務総長は会談後、記者団に「希望はある。我々はこの状況を抑制できると思う」と語った。
 アナン事務総長はレバノンを訪れ、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラが拘束したイスラエル兵士3人の善後策についても協議する予定だ。中東にはイワノフ・ロシア外相も訪れ、国際的な仲介工作は活発化している。
 一方、バラク首相はイスラエル放送などで「騒動終結期限」の延期幅を「3、4日間」と明言した。[2000-10-10-21:45]
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 10/11@連邦軍幹部と初会合 参謀総長の去就注目(共同通信)

 【ベオグラード11日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、コシュトニツァ・ユーゴ連邦新大統領は十一日、連邦軍参謀本部の幹部と就任後初の会合を開き、軍幹部人事や機構再編問題を協議する。
 コシュトニツァ新政権が連邦の権力基盤である軍を完全掌握するための本格的な動き。幹部人事では、ミロシェビッチ前大統領の「腹心」とされたパブコビッチ参謀総長の去就が注目されている。
 連邦軍当局者によると、当初は軍の最高意思決定機関である「最高防衛評議会」が開かれる予定だったが、メンバーである同連邦モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領が交通事故で負傷したため参加できず、延期となった。
 参謀総長は先月の大統領選前に野党集会への武力介入を示唆したものの、最後まで軍を出動させなかったことでコシュトニツァ陣営から一定の評価を得た。しかし、野党陣営内には解任を求める声も根強い。(了)[2000-10-11-19:52] 37
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 10/11@旧政権派の抵抗強まる 「ユーゴ革命」1週間(共同通信)

 【ベオグラード11日共同】ミロシェビッチ政権を倒した「ユーゴスラビア革命」から十二日でほぼ一週間。コシュトニツァ新大統領は政権基盤固めを急いでいるが、前大統領派の抵抗に遭い実権掌握にてこずっている。同派が水面下で妨害工作を執拗(しつよう)に展開しているとみられ、ユーゴ情勢は依然として不安定な状態が続いている。
 十日の独立系ベタ通信が野党連合幹部の話として伝えたところによると、前大統領はこの数日、政局の背後で活発に活動、自らが党首を務めるセルビア社会党の幹部らとの会合で、連邦新内閣とセルビア共和国暫定内閣の発足を阻止することで合意したという。
 ユーゴ連邦の中核で、社会党などが多数を占めるセルビア共和国の内閣について、野党連合や社会党は「解散および十二月の繰り上げ選挙」でいったんは基本合意した。
 しかしミロシェビッチ派の国営企業などのトップが強引に解任されていることに反発した社会党や民族主義右派の急進党が十日、暫定内閣発足のための交渉を中断してしまった。
 連邦政府については、ミロシェビッチ派のブラトビッチ内閣が九日総辞職した後、野党連合による組閣工作が進められているが、野党連合と社会党が互いに同連邦モンテネグロ共和国の社会人民党議員の取り込み工作を続けており、組閣は難航している。(了)[2000-10-11-19:07] 38
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 10/11@<コソボ自治州>民族紛争 ユーゴ新政権でも状況好転せず(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦でミロシェビッチ政権時代に民族紛争が荒れ狂ったコソボ自治州。ここでは今もなお、アルバニア系住民とセルビア人の対立が続いている。新政権になっても、緊迫した状況は好転していない。【プリシュティナで森忠彦】
 州都プリシュティナの郊外、グラチャニツァは、人口8000人のセルビア人集落だ。同地区のヤニッチ司教によると、有権者の9割強がミロシェビッチ前大統領に投票したが、「今では多くが新大統領の支持者になった」という。
 また州北部ミトロビツァでも、北側のセルビア人居住区で新大統領の支持者が増えている。町最大の産業であるトレプチャ鉱山は今年2月、国連コソボ暫定統治機構の命令で閉鎖された。1万人を越す失業者が出たが、今週にも操業を再開する。
 セルビア系国民議会地区議長のイバノビッチ氏(47)は、「鉱山が閉鎖されたのは幹部がミロシェビッチ派だったから。操業再開は新時代の表れ。新大統領ならアルバニア系側と話し合い、共存を図れるだろう」と期待している。
 コシュトゥニツァ新大統領はコソボついて、「自治は認めても、独立は認めない」が持論だ。それが州人口200万人の5%になったセルビア人たちの共感を集めている。
 一方、今回の大統領選をボイコットしたアルバニア系住民は「コシュトゥニツァもミロシェビッチもセルビア民族主義者。何も変わらない」と強調する。プリシュティナ大学の学生、ミッシーニさん(19)は「攻撃的なミロシェビッチ時代の方が国外の同情を得やすかった。コシュトゥニツァが話し合いを進めたら、独立はますます遠のく」と警戒している。
 住民の関心は今、今月28日にコソボで行われる地方選挙にある。彼らにとってはセルビア側の干渉なしに行う「初の自由選挙」になる。ルゴバ氏が率いるコソボ民主連盟や、旧コソボ解放軍(KLA)を中心としたコソボ民主党などの政党ポスターが町中にあふれている。
 民主連盟のベリシャ副議長は「コソボをセルビアから守る闘いだ。将来の独立に向け、世界から認められる自治体をつくる」と述べ、地方選挙を独立に向けたテコにする狙いを強調した。コソボ問題は新政権にとっても連邦維持を揺るがす懸念材料であることに変わりはない。[2000-10-11-18:39] 39
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 10/11@セルビアの組閣協議から前大統領派が撤退(読売新聞)

 【ベオグラード11日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロの両共和国で構成)のセルビア共和国政府与党である社会党と極右民族主義政党・急進党は十日、「民主野党連合」が進めていた共和国暫定内閣組閣協議からの撤退を表明した。社会党はミロシェビッチ前連邦大統領が率いる政党。撤退は、ミロシェビッチ派一掃の動きが全国的な広がりを見せていることに抗議したもの。暫定内閣組閣協議は、共和国議会に議席を持たない「連合」が議会を構成する社会党、急進党、セルビア再生運動の三党に強い働きかけをすることで、基本合意にこぎ着け、最終的な詰めの段階に入っていた。
 暫定内閣組閣が実現しない限り、新体制の基礎が固まらないだけに、「連合」側は対応に苦慮している。[2000-10-11-16:28] 40
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 10/11@◎中国指導部、「ユーゴの二の舞い」警戒=香港紙(時事通信)

 【香港11日時事】11日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは北京の消息筋の話として、中国共産党指導部がユーゴスラビア政変に衝撃を受け、ユーゴの二の舞いにならないよう最大限警戒することで一致したと報じた。
 同紙によると、江沢民国家主席は先週開かれた党政治局常務委員会の会合の席上、「予期しない出来事や衝撃に対する警戒を強めなければならない。何よりも安定を保つことが必要だ。一つの火花が平原を燃え上がらせる恐れもある」と述べ、ユーゴ情勢から教訓を学ぶよう訴えたという。 [時事通信社][2000-10-11-11:19] 41
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 10/11@米がユーゴに大統領特別顧問を派遣(読売新聞)

 【ワシントン10日=林路郎】米政府は十日、クリントン政権の対バルカン半島政策最高責任者、ジェームズ・オブライエン大統領特別顧問をユーゴスラビア連邦へ派遣した。コシュトゥニツァ大統領と会談し、新政権発足に伴う経済制裁の解除、ミロシェビッチ前大統領の処遇、ユーゴ経済の再建見通しなどについて話し合う。米国務省のバウチャー報道官は同日、対ユーゴ制裁が早ければ週内にも解除されるとの見通しを明らかにした。[2000-10-11-10:38] 43 [このページの最初に戻る]


 10/11@EU首脳会議に出席へ ユーゴ大統領が初外遊(共同通信)

 【ベオグラード10日共同】ユーゴスラビアのコシュトニツァ大統領側近は十日、同大統領が今月十三―十四日にフランス南西部ビアリッツで開かれる欧州連合(EU)特別首脳会議に出席することを明らかにした。
 同国を訪問したEU議長国フランスのベドリヌ外相の招待を受けたもので、七日の大統領就任以来、初の外遊となる。
 大統領は十日、ベドリヌ外相と会談後、記者会見し「いつかは完全なメンバーとしてEUに加盟したい」と述べ、ユーゴの孤立脱却だけでなく欧州への完全復帰への意欲を表明した。
 これに対しベドリヌ外相は、コソボ自治州の将来などユーゴ国内には解決すべき問題が多数あることを指摘した。(了)[2000-10-11-08:21] 44
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 10/11@暫定内閣組閣交渉が中断 セルビア共和国(共同通信)

 【ベオグラード10日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の暫定内閣組閣交渉は十日、国営企業でミロシェビッチ前大統領派の経営陣が相次いで追放されていることに前大統領派のセルビア社会党などが反発して中断、再開のめどが立っていない。
 セルビア民主野党連合はコシュトニツァ新連邦大統領誕生を受け、ミロシェビッチ派が多数を占めているセルビア共和国でも早急に実権を握りたい意向だが、ミロシェビッチ派の社会党などが最後の権力基盤である共和国への影響力を死守しようと抵抗し、綱引きが始まったと言える。
 野党連合側は「社会党などは無政府状態をつくろうとしている」と批判した。
 国営タンユグ通信によると、共和国与党の社会党は同日夜の声明で「暴力が続く限り交渉はしない」と述べ、ミロシェビッチ派の社会党幹部らが市民から暴行を受けていることに不満を表明。
 独立系ベタ通信によると、共和国で社会党と連立を組んでいる極右政党、急進党も声明で「違法な権力奪取がなくなるまで交渉には参加しない」と述べ、組閣交渉の無期限中断の方針を表明した。
 野党連合幹部のジンジッチ民主党党首は十日に暫定内閣を発足させ、十二月に繰り上げ選挙を実施する方針を示していたが、交渉は難航している。(了)[2000-10-11-08:21] 46
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 10/11@伊首相がユーゴ訪問へ(共同通信)

 【リュブリャナ10日共同】イタリア政府は十日、アマート首相がユーゴスラビアのコシュトニツァ新大統領と会談するため十二日にベオグラードを訪問すると発表した。
 外国政府首班のユーゴ訪問は先の大統領選挙以来初めて。首相にはディーニ外相とビスコ国庫・予算企画相も同行する公算が大きいとみられている。(了)[2000-10-11-08:17] 47
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 10/11@スイスも対ユーゴ制裁解除(共同通信)

 【ジュネーブ10日共同】ベルンからの報道によると、スイス政府は十日、ユーゴスラビアに科していた経済制裁を解除することを決めた。
 対ユーゴ連邦セルビア共和国への投資禁止や、禁輸措置などが解除の対象。スイスは欧州連合(EU)に同調して制裁を発動していたが、EUが制裁解除に動いたことを受け、歩調を合わせることにした。(了)[2000-10-11-08:16] 49
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 10/11@◎セルビア共和国の組閣協議難航=社会・急進両党が離脱を表(時事通信)

 【ベオグラード10日時事】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会選挙の12月実施に向けた選挙管理内閣樹立をめぐる協議は10日、過激民族主義のセルビア急進党に続き、ミロシェビッチ前大統領の社会党が離脱を表明、一転して暗礁に乗り上げた。11日以降も協議が再開されるかどうかは不透明で、セルビア総選挙をめぐる与野党の対立が先鋭化する恐れも出てきた。 [時事通信社][2000-10-11-06:11] 50 [このページの最初に戻る]


 10/11@◇EU、対ユーゴ援助を大幅増へ バルカン「欧州化」狙い◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアへの制裁解除と経済支援を決めた欧州連合(EU)は、統合の流れから外れていたバルカン半島の「欧州化」に乗り出す。「民主化ジグソーパズルの最後の一片」(元欧州委員)が埋まり、価値と利害を共有する大欧州が見えてきた。経済支援で国民生活を支え、欧州化の恩恵を1日でも早く浸透させる戦略だ。
 EUは9日の外相理事会で、「ユーゴ国民は民主主義と欧州(への復帰)を選んだ。制裁解除と支援を直ちに実行し、政治、経済、社会の大改革を支える」との声明を出した。
 欧州委員会は2000―2006年の対外援助計画を見直し、バルカン半島への支援を18億ユーロから3倍の55億ユーロ(約5200億円)に増やすことを提案した。増額したバルカン支援の4割強、23億ユーロが、コソボ自治州を除くセルビア共和国向けで、援助外交の主役に躍り出る。
 これまでもユーゴ支援の実績はあるが、対象は戦火に見舞われたコソボと、独立志向の強いモンテネグロ共和国に限られていた。昨年から反体制派を支える「民主化エネルギー」戦略を始めたが、セルビア本国への支援はミロシェビッチ体制の崩壊が前提だった。
 EUは中東欧への拡大、ロシアとの関係強化とともに、バルカン半島の安定化を冷戦後の地域戦略の柱としている。13日からの首脳会議(仏ビアリッツ)にはコシュトニツァ新大統領を招き、「セルビアの欧州入り」を内外に示す考えだ。[2000-10-11-00:54] 51
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 10/11@◎ユーゴとの外交再開の意向を表明=仏外相、新大統領と会談(時事通信)

 【ベオグラード10日時事】フランスのベドリヌ外相は10日、ユーゴスラビアの首都ベオグラードを訪れ、コシュトニツァ新大統領と会談した。同外相は会談後の記者会見で、ユーゴとの外交関係を早期に再開したいとの意向を表明した。ミロシェビッチ前政権が外交を断絶した欧米諸国の中で、再開の意向を示したのはフランスが初めて。 [時事通信社][2000-10-11-00:26] 52 [このページの最初に戻る]


 10/11@<ユーゴ>仏外相がユーゴ新大統領に対ユーゴ制裁解除を伝え(毎日新聞)

 【ベオグラード10日福原直樹】欧州連合(EU)議長国フランスのベドリヌ外相は10日、ユーゴスラビアのコシュトゥニツァ新大統領と会談し、対ユーゴ制裁解除などを伝達した。会談終了後、外相は「フランスはユーゴとの外交関係を可及的速やかに確立する」と語った。外相は北大西洋条約機構(NATO)加盟国閣僚としてミロシェビッチ前政権崩壊後に初めてユーゴ入りした。[2000-10-11-00:26] 53 [このページの最初に戻る]


 10/11@◇コソボ部隊、現状維持で合意 NATO国防相会議◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)は10日、英国バーミンガムで非公式国防相会議を開き、ユーゴスラビアのコソボ自治州とボスニア・ヘルツェゴビナに展開する平和維持部隊の規模を現状のまま維持することで合意した。
 また、ロバートソン事務総長は同日、「ユーゴ新政権が戦犯問題を含め、国際社会との協力関係を築くことを期待する」との声明を発表、旧ユーゴ戦犯法廷から起訴されているミロシェビッチ前大統領らの逮捕への協力を呼びかけた。
 欧州の安全保障にとって最大の懸念材料だったミロシェビッチ政権が崩壊したことで、平和維持部隊の見直しが課題として急浮上した。だが、同事務総長は「目の前の危険に相応する兵力規模を維持する」と語り、ユーゴ新政権の政策を見きわめるまで、警戒態勢を緩めない姿勢を示した。[2000-10-11-00:17] 167
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 10/11@◇中国、アフリカ諸国への債権12億ドルを放棄◇(朝日新聞)

 中国の石広生・対外貿易経済協力相は11日、今後2年間で同国がアフリカ諸国に対する計12億ドル分の債権を放棄することを明らかにした。北京で開催中の「中国アフリカ協力フォーラム閣僚会議」で述べたもので、アフリカ諸国への影響力強化の狙いとともに、途上国の重債務問題で結束した態度が示せない先進国側をけん制したものだ。
 石協力相は同会議に参加した45カ国の代表に経済協力や支援の拡大を表明、アフリカ諸国向けの開発基金を創設するとした。中国は途上国の重債務問題において、今年7月の九州・沖縄サミットでの先進国の対応を強く批判しており、江沢民国家主席は同会議の開会式で「先進国は途上国の債務の減少に切実に取り組むべきだ」と訴えていた。
 一方、中国外務省の朱邦造報道局長は「(債務免除は)中国と国交のない国は対象とならない」と述べ、台湾と外交関係を持つアフリカの8カ国に対して圧力をかける姿勢も示した。[2000-10-11-20:37] 172
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 10/11@国連総長がレバノン訪問 イスラエル兵解放を協議(共同通信)

 【ベイルート11日共同】中東和平の崩壊を食い止めるため調停活動を続けているアナン国連事務総長は十一日、ベイルートを訪問し、ラフード・レバノン大統領と会談する。
 シリアが強い影響力を持つレバノンのイスラム民兵組織ヒズボラに誘拐されたイスラエル兵士三人の解放に道筋をつけ、両国に対するイスラエルの軍事行動を抑制するのが訪問の目的。
 アナン総長の特使は今月九日、ヒズボラの指導者ナスララ党首と会談、兵士解放の条件などを協議した。今回の訪問で総長自らがナスララ党首と会談するかどうかは明らかでない。
 ヒズボラは、執拗(しつよう)なゲリラ攻撃により今年五月にイスラエル軍のレバノン南部撤退を実現したことで勢力を強めている。ナスララ党首は人質にとった兵士との交換で、イスラエルで長年拘束されているレバノン人政治犯十九人らの釈放をイスラエルに強いる方針だ。
 バラク・イスラエル首相も政治交渉による解放実現を求めているが、「兵士の安全な帰還はシリア、レバノン両政府の責任」と述べ、ヒズボラなどに対する軍事行動の可能性を排除していない。(了)[2000-10-11-19:54] 173
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 10/11@民兵指導者の身柄を要求 東ティモールで訴追へ(共同通信)

 【ディリ11日共同】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の報道官は十一日、デメロ事務総長特別代表が十日、インドネシア併合派民兵組織の指導者エリコ・グテレス容疑者(26)の逮捕状をインドネシア最高検察庁に送り、身柄の移送を求めるとともに、裁判を東ティモールで行う意向を通告した、と明らかにした。
 インドネシア警察は、西ティモールで起きた民兵組織の武装解除をめぐる公務執行妨害事件で、今月四日にグテレス容疑者を逮捕、現在身柄を拘束している。
 逮捕状によると、グテレス容疑者はディリを拠点とした民兵組織アイタラクの指導者で、民兵軍事部門のナンバー2。同容疑者は昨年四月、西部リキサの教会とディリ市内の独立派指導者邸で起きた虐殺事件で民兵らを扇動するなど関与したとしている。
 逮捕状送付は暫定統治機構とインドネシア政府との司法共助取り決めに基づいており、同政府の今後の対応が注目される。
 教会事件では住民ら約百五十人が、またディリ事件では十二人が犠牲になったという。(了)[2000-10-11-19:53] 174
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 10/11@報復恐れる南レバノン住民 一触即発のイスラエル国境(共同通信)

 【シェバ(レバノン南部)11日共同=船津靖】「バン、バン」という鋭い衝撃波に全員が身を伏せる。恐る恐る顔を上げると、二機のイスラエル軍機がレバノンの住民たちを威圧しながら真っ青な空を急上昇して行く―。
 今月七日、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラがイスラエル軍陣地を奇襲、兵士三人を誘拐した国境地帯は、いつ大規模衝突が起きても不思議はない不気味な緊張に包まれていた。
 レバノン南部マルジャユーンを通過すると、政府軍兵士の姿はない。今年五月の撤退までイスラエル軍が二十年近くも支配したこの地域は、黒いあごひげをはやしたヒズボラ民兵たちの天下だ。
 イスラエル兵が誘拐されたシェバ農場に最も近いレバノン側の村シェバに続く一本道を進むと、「こっちは危ない。一家で避難するところだよ」と、前から来た車の婦人が叫んだ。イスラエルの報復を恐れているのだ。
 山道をさらに行くと、大破し、焼け焦げた日本製ワゴン車の残がいがあった。誘拐作戦の直後に武装ヘリに破壊されたという。
 シェバ村で、一歳の息子と危うく難を逃れたリマ・ダヒルさん(27)に会った。「国連施設に逃げ込もうとした私たちを追いかけて攻撃してきた」。幸い死者はなかったが、姉妹を含む七人が負傷した。ダヒルさん一家は、山頂に立つイスラエル軍の監視塔から常に見下ろされている。しかし「私は避難しない」と気丈だ。
 「誘拐の時はシェバ村からロケット弾をイスラエル側に撃ち込んだ」と、ヒズボラの案内役ハッサン・シュワイブ氏が胸を張る。
 シェバ農場を遠望できる西方の丘の上に立った。西側はイスラエル領だ。上空を国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のヘリが旋回している。
 百メートルほど先の鉄条網の向こうからイスラエル軍の歩哨二人がこちらの動きを監視している。「背後にはあの十倍の狙撃兵がいる」と腕に銃弾のあとが残るシュワイブ氏。レバノン側の山も姿は見えないが実は「ヒズボラだらけだ」と言う。
 人の気配はほとんどしない。静かだが、どちらかが挑発行動に出たら、たちまち銃弾が飛び交う一触即発のぴりぴりした雰囲気がみなぎっている。「死ぬのは怖くない」というシュワイブ氏を残し、国境地帯を離れた。(了)[2000-10-11-19:51] 177
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 10/11@首相、議長と急きょ再会談 アナン総長、妥協模索か(共同通信)

 【エルサレム11日共同】イスラエルを訪問中のアナン国連事務総長は十一日、バラク・イスラエル首相と急きょ再会談し、その後、アラファト・パレスチナ自治政府議長とも再会談するため自治区ガザへ向かった。
 会談の詳細は不明だが、各地の衝突事件が十日から沈静化の兆しを見せていることを事務総長が双方の歩み寄りの好機ととらえ、再会談を設定したとみられる。
 イスラエル首相府などによると、アナン事務総長はバラク首相と約一時間半にわたり会談した後、ガザへ向かった。両首脳との会談は当初の予定では十日だけだったため、事務総長が十一日のレバノン訪問を遅らせる可能性も出てきた。
 ロイター通信によると、事務総長は、停戦をめぐり焦点となっている衝突事件の真相究明のための「国際調査委員会」設置問題で妥協点を探っているもようで、「調査委問題で双方の立場はさほど離れていない」(外交筋)という。
 国際調査委は、アラファト議長が四日のパリ会談で国連主導の設置を要求。バラク首相が拒否し、会談失敗の原因となった。
 バラク首相は米国の主導でイスラエルとパレスチナによる調査委を設置するとの代案を示していたが、十日の事務総長との会談後、ノルウェーなど第三国の調査委参加を受け入れる意向を示し歩み寄りを見せた。(了)[2000-10-11-19:40] 180
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 10/11@東ティモール民兵指導者引き渡しは可能 インドネシア国家警(共同通信)

 【ジャカルタ11日共同】インドネシア国家警察当局者は十一日、国連が東ティモール併合派民兵の指導者エリコ・グテレス容疑者の身柄の移送を求めていることについて「国連とは東ティモールで起きた犯罪について所定の手続きを踏めば犯罪者を引き渡すことで合意している」と引き渡しは基本的に可能との見方を示した。しかし「同容疑者は国家警察が拘束中で(現段階で引き渡せるか)疑問もある」とも述べた。
 引き渡しの是非や時期は、九月に起きた民兵による国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)襲撃事件で国際社会の批判を浴びたワヒド大統領が、国際世論の動向などをにらみながら最終決定するとみられる。(了)[2000-10-11-19:22] 194
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 10/11@パレスチナ調停、バラク首相が譲歩姿勢(読売新聞)

 【エルサレム11日=当間敏雄】イスラエルを訪問中のアナン国連事務総長は十一日、同国のバラク首相、パレスチナ自治政府のアラファト議長と前日に続いて会談した。しかし、一連の騒乱の原因究明のための「国際調査委員会」の設置問題で双方の対立が続いており、調停は難航している。
 アナン事務総長がレバノン行きの予定を一日延ばし、両首脳と再び会談したのは、バラク首相が国際調査委問題で軟化する姿勢を見せたため。同首相は十日、「米国主導によるイスラエルとパレスチナの調査委に国連、欧州連合(EU)が推薦した専門家を加え、ノルウェーなど第三国の参加も受け入れる」との案を示した。
 しかし、アラファト議長は、イスラエル寄りと見られる米国主導の国際調査委案に納得しなかったため、「(アナン総長の)調停努力は失敗した」(パレスチナ交渉筋)という。
 一方、一時的に沈静化していた騒乱はガザや西岸の自治都市ナブルス、ラマッラなどで十一日午後から再燃、パレスチナ側の発砲に対し、イスラエル軍は武装ヘリや戦車などを再び投入して鎮圧に乗り出している。[2000-10-11-14:18] 208
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 10/11@◇シンガポールなどを選出 国連安保理新メンバー◇(朝日新聞)

 国連総会は10日、安全保障理事会非常任理事国10カ国のうち年内で任期切れとなる5カ国を改選した。その結果、シンガポール(アジア)、コロンビア(ラテン・アメリカ)、アイルランド(西欧その他)、ノルウェー(同)、モーリシャス(アフリカ)が新理事国の座を得た。
 任期切れとなるのはマレーシア、アルゼンチン、カナダ、オランダ、ナミビア。西欧その他地域代表はアイルランド、ノルウェーのほかイタリアが立候補。過去2度しか安保理入りしていないアイルランドは最初の投票で出席国の3分の2を獲得して決めたが、ノルウェーとイタリアは4回目の投票でノルウェーが3分の2の得票となった。
 アフリカ代表をめぐってはアフリカ統一機構(OAU)の推薦を受けたスーダンに対し、米国が「テロに関与している」として猛反対。モーリシャスとの一騎打ちとなり、第4回投票でモーリシャスが議席を獲得した。[2000-10-11-11:41] 248
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 10/11@バラク首相、「最後通告」の期限を数日延長(読売新聞)

 【エルサレム10日=当間敏雄】イスラエルのバラク首相は十日未明の緊急閣議で、アラファト・パレスチナ自治政府議長に「戦闘停止」を求めた最後通告の期限を「数日間」延長し、一九九三年九月に本格的に始まった中東和平プロセスは崩壊の一歩手前で辛うじて生き延びた。延期の背景には、強硬措置をとれば国際的孤立を一層深めるだけだとの判断があるが、パレスチナ側の強硬姿勢の前に、「振り上げたこぶし」(最後通告)の落としどころは見えていない。左派・労働党のバラク首相は、政権崩壊の危機も同時に抱えており、窮地に追い込まれた。
 バラク首相は、特殊部隊の司令官として数々の修羅場を踏み、参謀総長まで上り詰めた生粋の軍人。だが、騒乱を力で封じ込めるため、武装ヘリや戦車、小型誘導ミサイルまで投入した鎮圧作戦は、パレスチナ民衆の怒りを増幅させ、国際社会の同情をパレスチナ側へと追いやってしまった。
 十二歳のパレスチナ人少年が射殺される瞬間の映像に衝撃を受けた国際社会の声を代弁するように、国連安保理は七日、異例のイスラエル非難決議を採択した。
 このような状況で、イスラエルが「最後通告」を発動し、騒乱を軍事力でねじ伏せれば、九一年の中東和平マドリード会議以来続けられてきた和平努力が水泡に帰するだけでなく、イスラエルの国際的孤立は決定的になる。
 だが、延期された数日間で、事態が好転する保証はない。パレスチナ人による騒乱は、イスラエルに対する怒りの増幅で沈静化の兆しが見えないばかりか、アラファト議長も「最後通告」でさらに態度を硬化させ、「民衆の怒り」にあえて歯止めをかける様子はない。
 バラク首相は、内政面でも苦しい立場に追い込まれている。対パレスチナ和平政策をめぐって少数与党に転落した政権は、定数一二〇のイスラエル国会で三十議席を占めるのみ。このままでは今月末に再開される国会で、不信任案などにより政権は崩壊し、バラク首相の政治生命も絶たれる。首相が当初抱いていた、パレスチナ側との和平合意で内政危機を乗り切るとの“瀬戸際戦術”も、騒乱の発生でついえてしまった。
 与党内で、危機乗り切り策として急浮上しているのが、最大野党の右派リクードとの挙国一致内閣の形成という選択肢だ。未明に及んだ緊急閣議でも、閣僚の大半がリクードなどとの大連立の必要性を訴えた。だが、リクードのシャロン党首は、パレスチナ側の反対を押し切って、エルサレム旧市街の「神殿の丘」(イスラム呼称=ハラム・アッシャリフ)に足を踏み入れ、騒乱を引き起こしたとも言える人物。シャロン党首を入閣させれば、パレスチナ側との和平プロセスに“死刑”を宣告するに等しい。[2000-10-11-00:34] 48
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 10/11@地雷犠牲者センター視察 スロベニアで紀宮さま(共同通信)

 【リュブリャナ10日共同】スロベニアを訪問中の紀宮さまは十日、首都リュブリャナにある地雷犠牲者リハビリテーション・センターを視察された。
 同センターでは現在、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナで地雷に触れて足を失うなどの重傷を負った犠牲者約二十人が治療とリハビリに励んでいる。
 紀宮さまは治療室やリハビリ室を視察した後、地雷犠牲者らと懇談、一人ひとりに熱心に質問、被害に遭った際の模様や治療の経過などを聞いた。
 紀宮さまが地雷犠牲者の問題に関心が深いことや、日本政府が開設に際して百万ドルを拠出するなど同センターにかかわっていることから、日程に加わった。
 同センターは一九九八年、スロベニア国立総合リハビリセンター内に開設された。ボスニアの地雷犠牲者を中心にこれまで三百人以上が入所、この四月にはユーゴスラビア・コソボ自治州の子供十二人もしばらく治療を受けた。
 八日にリュブリャナ入りした紀宮さまは九日にクーチャン大統領主催の歓迎晩さん会に出席。十一日午後、次の訪問国アイルランドに向かう。(了)[2000-10-11-08:14]
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 10/12@<米大統領>対ユーゴ 石油禁輸と経済制裁解除を決定 (毎日新聞)

 【ワシントン12日布施広】クリントン米大統領は12日、ユーゴスラビアに対する石油禁輸と航空機乗り入れ禁止の経済制裁解除を決定、直ちに実施した。大統領は声明の中で「これらの制裁解除は(ユーゴ連邦の主体である)セルビアの孤立が終わる第一歩となる」と語った。
 欧州連合(EU)は既に対ユーゴ制裁の解除を発表したが、ミロシェビッチ前大統領と側近に対する在外資産の凍結やEU加盟15カ国への旅行禁止措置は維持している。クリントン大統領も、ユーゴ前政権の有力者を対象とした米国の制裁条項は存続すると語った。
 また、クリントン大統領は「新たに選ばれたユーゴの指導者たちが、真に民主的な社会を作るために働くことを支持するのは、米国の利益にかなう」と語り、ユーゴ新政権に対する米国の支持を改めて表明した。[2000-10-12-23:56] 5
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 10/12@ユーゴ、権力の「二重構造」顕著に(読売新聞)

 【ベオグラード12日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロの両共和国で構成)で民衆ほう起によりミロシェビッチ体制が崩壊して一週間が過ぎたが、「連邦」はコシュトゥニツァ新大統領派、セルビア共和国はミロシェビッチ派が権力を掌握する「権力の二重構造」が顕著となりつつあり、民主化の行方が懸念されている。
 新大統領らの民主野党連合は、「革命」後、連邦軍・警察、マスコミ、司法機関などを次々と支配下に収めるとともに、銀行、鉱山、石油精製などの国営企業や大学などで、前大統領時代、特権階級にあった幹部を相次いで解任し、旧体制派の一掃を図ってきた。
 外交面では、欧州連合(EU)などから、民主化、経済再建への支援を取り付け、「欧州回帰」への道筋を歩み始めた。
 だがセルビア共和国では、与党であるミロシェビッチ派の社会党が、連邦新政権によるセルビア共和国議会の解散、繰り上げ選挙の方針を拒否している。「連合」が同共和国議会に議席を有していない“弱点”を突いたもので、ミロシェビッチ派による同共和国での体制維持を強調している。同共和国は、ユーゴ連邦の主柱で政治的影響力が強い。このままでは連邦レベルで決定した諸政策を共和国レベルに浸透させることができない。コシュトゥニツァ新連邦大統領は十二日、「民主化への移行は進んでいるが、その地下には(不安定要因となる)火山が横たわっている」と、現状に危機感を表明した。
 「連合」幹部のジンジッチ氏は、ミロシェビッチ派に抗議するため数日以内に街頭でのデモを行う方針を示唆、ユーゴ情勢は再び、混迷に陥る可能性も出ている。[2000-10-12-23:31] 7
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 10/12@◎14日のEU首脳会議に出席=ユーゴ新大統領(時事通信)

 【ベオグラード12日時事】ユーゴスラビア大統領府は12日、フランスのビアリッツで開催される欧州連合(EU)非公式首脳会議2日目の14日にコシュトニツァ新大統領が出席すると発表した。
 同大統領は先にベオグラードを訪問したベドリヌ仏外相から首脳会議出席を正式に招待されている。同大統領は首脳会議に出席した後、14日中にベオグラードに戻る予定。 [時事通信社][2000-10-12-20:06] 8
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 10/12@<ユーゴ>民衆革命から1週間の動き 新政権の前途は多難(毎日新聞)

 【ベオグラード12日福原直樹】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)でセルビア民主野党連合の「民衆革命」が起きてから12日で1週間。ミロシェビッチ前大統領から政権を奪った民衆蜂起だったが、その後、前大統領派の社会党が巻き返しを図るなど、新政権の前途は多難だ。この1週間の動きをまとめた。
 ●民衆革命
「革命は、慎重に計画された」。セルビア共和国中部のチャチャク市で革命に参加した地元警官が語った。イリッチ市長は前大統領反対派の急先鋒で、5日を目標に市民を組織、計画を練った。「参加すれば生還できない」。警官は市長側近にそうも言われたという。
 5日早朝、市長は2万人以上の市民とともに、180キロ離れた首都に向けバスや車で出発した。正午に連邦議会前に到着、市長を地元警察官らの屈強な男が護衛、回りを市民が囲んだ。
 市長らは3通り以上の行動計画を作成、議会警備隊を試す意味で午後早く、議会突入のまねをした。これに催涙ガスで応戦した警備隊の布陣を確認後、午後3時すぎ議会に突入した。議会正面ビルでの野党連合幹部の演説開始が突入の合図だった。議会警備隊の一部も市長側につき、無線で市長に情報を提供した。「全ては野党連合と連携した組織的行動だった」という。
 ●軍と前大統領
 軍の特殊戦車部隊幹部によると、5日午後6時半、部隊に、首都近郊のアバラ山にある武器庫に行き、弾薬を詰めるよう緊急命令が出た。軍は革命鎮圧を準備したが数時間後、部隊に動きを停止するよう命じた。軍は方針を転換し翌日、新体制支持を表明した。
 AP通信によると、前大統領は最近まで大統領官邸に、妻で左派政治家のマルコビッチ氏や娘と閉じこもっていた。前大統領はやつれた様子だが、マルコビッチ氏は軍の「裏切り」に激怒。セルビア共和国の秘密警察を使い、政権返り咲きを狙っているという。
 ●懸念
 前大統領率いる社会党は、セルビア共和国議会の過半数を占める。野党連合の要求を受け入れ、議会解散に同意したが、暫定内閣組閣の討議を10日から拒否している。野党連合では、「前大統領側の巻き返し」との懸念が出ている。野党連合側は10日、「秘密警察の盗聴が再開された」と警告したものの、秘密警察長官は沈黙を続けている。[2000-10-12-19:00] 9
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 10/12@連邦再編へ新憲法制定 政権運営に強い自信 ユーゴ新大統領(共同通信)

 【ベオグラード12日共同=永田正敏】ユーゴスラビア連邦のコシュトニツァ新大統領は十一日、ベオグラードの大統領執務室で共同通信と会見、連邦を構成するセルビアとモンテネグロの両共和国に対等な権限を与える新憲法を制定し、連邦制再編に乗り出す方針を明らかにした。また、ミロシェビッチ前大統領派の巻き返し阻止と今後の政権運営に強い自信を示した。
 七日の就任以来、大統領が日本の報道機関と会見したのは初めて。
 大統領は「モンテネグロ共和国をまず連邦政府に参加させることが急務だ」と述べ、来週中の連邦内閣発足を目指すと言明。その後、「連邦と共和国の権限分割を規定し直した新たなユーゴ連邦憲法を探りたい」と述べた。ただ、既に独自の「外相」を置いているモンテネグロとの間で、従来は連邦の所管だった外交と国防の権限をどう調整するかについては「じっくり話し合う必要がある」と述べるにとどまった。
 モンテネグロ政府はミロシェビッチ政権時代のセルビア共和国による連邦支配に反発、独立の是非を問う国民投票を実施すると警告し、一時は紛争の懸念もあった。大統領発言は、連邦制度の見直しにより摩擦の拡大を回避するとともに、緩やかな連邦は維持したいとの考えを示したものだ。
 大統領はまた、軍・警察は完全に掌握したと言明。ミロシェビッチ派がセルビア内閣の総辞職に抵抗するなど、混迷する政局についても「(ミロシェビッチ派の)社会党内部でもコシュトニツァ陣営の勝利を認めるべきだとの声が広がっている」と指摘。ミロシェビッチ政権の退陣後、国際社会の制裁解除や外交接触が相次いでいることも挙げながら、「これ以上の深刻な危機を招くことはない」との自信を示した。(了)[2000-10-12-16:58] 11
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 10/12@◎ユーゴ支援、機構改革など協議=13日からEU非公式首脳(時事通信)

 【ビアリッツ(仏)12日時事】欧州連合(EU)は13日から仏南西部の保養地ビアリッツで2日間にわたり非公式首脳会議を開く。ミロシェビッチ大統領退陣後のユーゴスラビアの国際社会への本格的復帰に向けた政治・経済面での支援措置や、2003年以降をめどに検討しているEU東方拡大の前提条件となるEUの機構改革などについて協議する。
 EUは、ユーゴで野党連合の擁立したコシュトニツァ氏が7日、新大統領に就任したのに伴い、先の外相理事会で石油製品輸出の再開など部分制裁解除に踏み切った。また議長国フランスのベドリヌ外相がベオグラードを訪問するなど、積極的にユーゴとの関係修復に努めている。会議2日目の14日にはコシュトニツァ大統領を招待しており、首脳レベルで協力方針を確認する。 [時事通信社][2000-10-12-15:12] 13
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 10/12@<米大統領選>ゴア、ブッシュテレビ討論 外交・国防政策で(毎日新聞)

 【ワシントン11日清宮克良】11月7日の米大統領選に向け、民主党のゴア副大統領(52)と共和党のブッシュ・テキサス州知事(54)の第2回テレビ討論会が11日午後9時(日本時間12日午前10時)から約1時間半にわたってノースカロライナ州ウィンストンセーラムのウェークフォーレスト大学で行われ、中東情勢やユーゴスラビア問題などの外交・国防政策で舌戦を展開した。
 中東情勢についてゴア氏は「衝突を終わらせることが第1の優先事項である」とイスラエルとパレスチナとの和平が揺らいでいる点に懸念を表明。副大統領として「アラファト・パレスチナ自治政府議長に騒乱を止めさせるように要請する」と米国の仲介で事態を終結させる決意を示した。
 ブッシュ氏は「米国の重要な国益は中東地域の和平と、欧州との緊密な関係である」と外交の基本的な考えを明らかにした。中東情勢については「信頼醸成が問題解決につながる」と苦手とされる外交政策でも積極的に意見を述べた。さらにイラクのフセイン大統領への制裁措置を強調するなど軍事面では強硬姿勢で臨む方針を示した。
 ユーゴのミロシェビッチ前大統領退陣に関しては、双方とも米国の指導的な役割を評価した。ブッシュ氏はユーゴ空爆を断行したクリントン政権の決定を支持した。
 両候補が立ったままで主張をぶつけ合った前回と趣きを変え、着席してのトークショー形式で行われた。3日の第1回討論会はゴア氏が主導権を握った形だが、誇張気味のゴア氏のパフォーマンスに批判が起こり、現在の両候補の支持率は互角の状態だ。
 今回はゴア氏が8年間の行政実績から外交でも自信に満ちた答弁をした。「外交音痴」とレッテルを貼られたブッシュ氏だったが、大きな失点なく何とか乗り切り、有権者の判定が注目される。次回は17日にミズーリ州セントルイスで最後の討論会が行われる。[2000-10-12-12:36] 14
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 10/12@ゴア氏、海外派兵でブッシュ氏より積極姿勢(読売新聞)

 【ウィンストンセーラム(米ノースカロライナ州)11日=林路郎】米大統領選挙は十一日午後九時(日本時間十二日午前十時)から、ノースカロライナ州ウィンストンセーラムで、民主党のアル・ゴア候補と共和党のジョージ・ブッシュ候補による二度目のテレビ討論会が行われた。投票(十一月七日)まであと二十七日という大詰めの舞台で、両氏は米国の世界での役割、対外政策、中東・ユーゴスラビア情勢など、広範な外交課題をめぐり議論を展開した。
 討論会は、直前の各メディアの世論調査でブッシュ氏がわずかにリードする中で前回(三日)同様、公共テレビのニュースキャスター、ジム・レーラー氏が司会役を務め、両候補がテーブルに着席してのトークショー形式で行われた。
 ブッシュ氏は、二十一世紀の世界での米国の役割について、「世界の民主化、自由化に努力するが、尊大な振る舞いはせず、米軍の海外派遣も野放図にはやらない」と語った。
 これに対しゴア氏は、「米国には、価値観に基づく使命がある。平和維持活動と米国の景気を維持することがそれだ」とし、人道問題のからむ国際紛争への米軍の関与についてブッシュ氏よりも積極的な姿勢を明確にした。[2000-10-12-11:26] 17
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 10/12@前大統領の党首辞任を要求 セルビア社会党(共同通信)

 【ベオグラード12日共同】十二日付ユーゴスラビア紙ポリティカによると、ユーゴ連邦セルビア共和国西部の都市シャバツのセルビア社会党支部が六日、ミロシェビッチ前大統領の党首辞任を要求する決定を下した。前大統領与党内でミロシェビッチ降ろしの具体的な動きが報じられたのは初めて。
 支部決定は、前大統領に代わり、ミルティノビッチ共和国大統領が党首に就任すべきだとしている。
 ポリティカはミロシェビッチ政権の事実上の機関紙とされてきたが、前大統領を退陣に追い込んだ五日の政変以降、「客観的な報道」を掲げる民主派の新聞への転換を標ぼうしている。(了)[2000-10-12-10:52] 18
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 10/12@治安機関に取り締まり要求 ユーゴ前大統領派が圧力(共同通信)

 【ベオグラード12日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領の権力基盤だった同連邦セルビア共和国政府は十一日、前大統領派の国営企業経営陣が相次いで追放されていることに対し、法に基づき厳しく取り締まるよう警察や検察に求めた。国営タンユグ通信が伝えた。
 前大統領与党のセルビア社会党などは、共和国暫定内閣組閣に向けた交渉を拒否、コシュトニツァ新連邦大統領陣営への抵抗を続けており、同内閣の早期組閣は不透明な情勢になってきた。
 しかし、十二日付ユーゴ紙ポリティカによると、セルビア西部の都市シャバツの社会党支部が前大統領の党首辞任を要求する決定を下すなど、前大統領派の亀裂が広がる動きも出始めている。
 セルビアの主要政党は、来年秋に任期満了の共和国内閣を総辞職させ、暫定内閣を組閣、さらに繰り上げ議会選の実施などで基本合意。しかし、社会党の反発などで組閣に向けた交渉は十日から中断している。
 社会党幹部のイブコビッチ氏は十一日、内閣総辞職と繰り上げ議会選挙実施を拒否する意向を独立系ラジオ「B92」に表明。新大統領派幹部のジンジッチ氏はこれを受け、議会選実施の合意が守られなければ再び大規模な街頭抗議行動に入るよう市民に呼び掛けるとの声明を発表した。(了)[2000-10-12-10:51] 19
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 10/12@<ユーゴ>社会党の組閣討議拒否に野党連合側が「再デモも」(毎日新聞)

 【ベオグラード12日福原直樹】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の議会解散を巡る混乱は12日に入っても続き、ミロシェビッチ前大統領の社会党が、暫定内閣の組閣討議を拒否し続ける一方、コシュトニツァ新大統領を擁する野党連合側は「この状況が続くならば再度のデモも辞さない」と態度を硬化させた。
 社会党側は同日、討議再開を求める野党連合側に対し、一部国営企業のトップを野党連合側の人間にすげ替えたことを批判、社会党側に引き渡すよう求めた。これに対し野党連合側は「社会党の動きの背景に前大統領がいるのは明らか」と糾弾した。
 セルビア共和国議会は社会党が多数派を占めていたが、新大統領の当選後、野党連合が「議会の構成は民意に沿わない」と解散を要求。解散と12月の総選挙実施が事実上決まったが、選挙までの暫定内閣をめぐって社会党が討議をボイコットしている。[2000-10-12-10:35] 20
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 10/12@ユーゴ社会党「新大統領の決定はすべて無視」(読売新聞)

 【ベオグラード12日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ前大統領派の社会党は十一日、「コシュトゥニツァ新大統領が下す決定はすべて無視する」として、セルビア共和国の主要政党が先に決定していた内閣総辞職と議会選挙早期実施を拒否する方針を表明した。
 社会党が発表した声明によると、同党は、共和国内閣の四年間の任期が二〇〇一年九月まで残っていることを挙げ、同党を含む主要政党が九日に合意していた<1>マリャノビッチ首相率いる三党連立内閣の総辞職<2>十二月十七日の議会選挙実施<3>選挙までの暫定内閣の樹立――の方針を拒否することを表明した。
 九日の合意は、コシュトゥニツァ新大統領らの民主野党連合が主導して成立していたもので、社会党の今回の方針は、同大統領に真っ向から対立するものだ。[2000-10-12-10:33] 21
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 10/12@ユーゴ新大統領、連邦軍参謀総長に留任伝える(読売新聞)

 【ベオグラード12日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ新大統領は十一日、連邦軍のパブコビッチ参謀総長ら軍幹部と会談し、同参謀総長を留任させる方針を伝えた。
 連邦軍はミロシェビッチ前大統領の強力な支持基盤で、参謀総長の去就が注目されていたが、連邦軍が前大統領の退陣を促し、ユーゴ国民による抗議デモの中でも「中立」を保った点を評価した。また、新大統領と同参謀総長は、現在のユーゴ情勢が「極めて不安定である」として、国民の安全、国家、私有財産を守るため、治安強化の必要があるとの認識で一致した。[2000-10-12-10:29] 23
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 10/12@早急な対ユーゴ支援実施へ(共同通信)

 【ベオグラード11日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信などによると、ベオグラード入りした「南東欧州安定化協定」の実施責任者であるホンバッハ特別調整官は十一日、欧州連合(EU)がコシュトニツァ新連邦政権が発足したユーゴの民主化支援を早急に開始する意向を表明した。
 特別調整官は、ユーゴ政変を受け「世界はユーゴの民主的変化を歓迎、このプロセスが加速されることを期待している」と表明。数週間以内に「約四十の大企業代表とともにベオグラードを再び訪問する」と述べ、制裁解除後の投資再開に向けた支援に着手する意向を示した。
 同協定は欧米や日本などが関与して、コソボ紛争後のバルカン地域の復興を目的として発足したが、ミロシェビッチ政権下のユーゴ連邦セルビア共和国は対象から外されていた。(了)[2000-10-12-08:24] 26
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 10/12@セルビア内閣総辞職を拒否 前大統領派が抵抗(共同通信)

 【ベオグラード11日共同】ミロシェビッチ前ユーゴスラビア連邦大統領の与党だったセルビア社会党幹部のイブコビッチ氏は十一日、コシュトニツァ新大統領が下す「すべての決定を無視する」と述べ、セルビア共和国内閣の総辞職と繰り上げ議会選挙の実施を拒否する考えを明らかにした。独立系ラジオ「B92」に語った。
 「ユーゴ革命」からほぼ一週間、政権基盤固めを急ぐ新大統領は前大統領派からの厳しい抵抗に直面、実権掌握へ向けた多難な状況が浮き彫りになった。
 ユーゴ連邦セルビア共和国の主要政党は九日、来年秋に任期満了の共和国議会の繰り上げ選挙を十二月十七日に実施、共和国内閣を総辞職させ議会選までは暫定内閣を組閣することで基本合意していた。
 しかし、国営企業で前大統領派の経営陣が相次いで追放されていることなどにセルビア社会党などが反発し、暫定内閣組閣へ向けた交渉は中断、再開のめどが立っていない。
 こうした動きに対し、新大統領派幹部のジンジッチ氏は共和国政府に対し、共和国議会選をこれまでの決定通り行うよう要請、二、三日中に回答が得られなければ再び大規模な街頭抗議行動に入るよう市民に呼び掛けるとの声明を発表した。(了)[2000-10-12-07:55] 27
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 10/12@独がユーゴに緊急援助(共同通信)

 【ベルリン11日共同】ドイツ政府は十一日の閣議で、ユーゴスラビアに計三千万マルク(約十五億円)の緊急人道援助を実施することを決めた。
 政府報道官によると、冬を前に、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆で破壊された暖房関連施設の補修などに充てられる予定。(了)[2000-10-12-07:46] 29
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 10/12@◎セルビア政府、「違法行為」弾圧と警告=新政権側はデモを(時事通信)

 【ベオグラード11日時事】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の国営タンユグ通信によると、失脚したミロシェビッチ前ユーゴ大統領の社会党が支配するセルビア共和国政府は11日、声明を発表し、ユーゴ新政権の民主野党連合による「暴力や違法行為」に対しては強硬措置で対抗すると厳しく警告した。民主野党連合側は、社会党が選挙管理内閣の樹立に応じなければ、再び大規模な街頭デモに訴えるとしており、ユーゴ情勢は再び混迷の度を深めている。 [時事通信社][2000-10-12-07:05] 30 [このページの最初に戻る]


 10/12@<ユーゴ>旧王国皇太子、帰国へ 背景に根強い君主制支持(毎日新聞)

 【ベオグラード11日福原直樹】1945年に崩壊した旧ユーゴスラビア王国の皇太子、アレクサンドル2世が近く同国を訪問し、コシュトニッツァ新大統領と会談する予定であることが11日、わかった。ユーゴでは旧国王への根強い支持があり、皇太子側も立憲君主制の確立に向け運動を続ける方針という。
 王室復興を求める同国の有識者で構成する「王室評議会」のメンバー、カブラン国連欧州平和復興センター教授(元国連事務総長補佐官)が明らかにした。
 同教授によると、皇太子夫妻は15日にもユーゴを訪問、新大統領と会談するほか、王室の墓があるセルビア共和国中部を訪れる意向という。皇太子はミロシェビッチ前大統領を批判、ここ数年は野党指導者を集めアテネなどで会合を主催し、ユーゴ民主化について話し合ってきた。新大統領も会談には積極的という。
 皇太子の父・ペータル2世は41年、ヒトラーの同国占領によりロンドンに亡命。45年の連邦人民共和国成立で王室は廃止され、財産も没収された。同教授によると、皇太子は長男のペータル3世を国王にした立憲君主制の成立を目指している。[2000-10-12-03:06] 32
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 10/12@<ユーゴ>「完全対等に」 モンテネグロ外相と会見(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国)9日笠原敏彦】ユーゴスラビア連邦からの分離独立問題がくすぶるモンテネグロ共和国のブランコ・ルコバツ外相は9日、毎日新聞と会見した。外相は会見の中で、将来の連邦制のあり方について「セルビア共和国と完全に対等な関係以外、受け入れられない」との立場を強調した。また、ミロシェビッチ前大統領の処遇に関しては「セルビア国内で裁く方が好ましい」との見解を示した。
 一問一答は次ぎの通り。
 ――モンテネグロ政権は選挙をボイコットしましたが、コシュトニツァ新政権をどう評価しますか。
 ◆今回の選挙はモンテネグロを属国化した違法な改憲によって行われたので、新政権もモンテネグロにとっては違憲である。結果的に、選挙結果は両共和国の対話と協調に道を開きつつある。我々はセルビアの民主化を求める人々を支持しており、新政権にはセルビアの代表として対応する。
 ――将来のセルビアとの関係はどうなりますか。
 ◆完全な平等に基づく新たな国家間協力の枠組みが必要だ。セルビアが平等を受け入れないなら、独立しか道はない。ただ、独立の場合でも、協力の枠組みを作り、その傘下に2つの共和国が入ることは可能である。なぜなら、我々はお互いを必要とし、共通の政治機構から恩恵を得ることができるからだ。
 ――話し合いの日程は。
 ◆コシュトニツァ氏が率いるセルビア民主野党連合とは選挙前から交渉を続けている。しかし、我々が正式な交渉を行うのはセルビア議会の承認を受けた政府で、12月のセルビア議会選挙の結果を待つべきだ。
 ――ミロシェビッチ前大統領への処遇は。
 ◆セルビアが決めることであり、我々は干渉しない。しかし、旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)より、セルビアで自ら裁く方が望ましい。セルビアの人々が、バルカン地域に多くの悲劇をもたらした歴史を自省し、過去と決別する機会になるからだ。また、戦犯法廷への引き渡しはセルビア民族主義者に新たな煽動の種を与える恐れもある。[2000-10-12-00:06] 33
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 10/12@<北京観察>歴史問題で柔軟姿勢演出(毎日新聞)

 「テーブルに着いた正式の会食としてはギネスブックものの参加者ですよ」。中国外務省の日本担当者が上機嫌で話していた。今年5月に訪中した約5000人の文化観光交流使節団のことだ。北京の人民大会堂の巨大なホールにずらりと円卓が並び、食事をとりながらの交流式典が開かれた。
 運輸省と観光業界が音頭を取り、ミレニアムを記念して2000人の参加者の予定していたが、倍以上にふくれ上がった。式典冒頭に江沢民国家主席と胡錦涛国家副主席がそろって顔を見せるなど中国側は異例の歓迎ぶりで迎えた。
 江主席は当日、急きょ、出席を決めたとされているが、疑問も残る。翌日の中国主要紙が使節団代表との会見での江主席の発言を「中日関係の重要講話」として報じたからだ。
 「両国関係には不幸な時期もあったが、人民の間では善隣友好が主流だった」。「友好関係の不断の発展は両国人民の子々孫々にわたる根本的な利益に合致する」。
 江主席は歴史問題への言及が目立った98年11月の訪日時に比べ、ソフトなトーンで対日関係重視の姿勢を打ち出した。こうした重要講話は事前に準備されているはずだ。もともと発表のタイミングを図っていたのではないかと思える。
 「中日関係は大国関係の中でやや弱い環(わ)だ。米国の覇権主義が台頭する傾向が強まっている情況下では、対日外交を強化して、わが国を取り巻く大国との関係のバランスを取る必要がある」。江主席の重要講話の意義を解説する日本研究者の論文の一節だ。
 昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆などで、中国は「米国の一極支配と多極化の争いが日増しに強まっている」(外務省)と総括し、外交政策を調整し始めている。その一環として対日関係強化が必要という見解である。
 朱鎔基首相は訪日を前にした日本人記者団との会見で「中国は歴史で日本を刺激すべきでない」と述べるなど日本世論に配慮する姿勢を示した。朱首相の発言は個人的見解ではありえない。江主席の「重要講話」に示される指導部の対日方針を反映したものだろう。
 朱首相は「私は他人にも自分にも厳しい」と語ったことがあるが、今回はソフトムードを演出する可能性が高い。笑顔の下に日米分断の狙いを見るか、日中関係強化の機会ととらえるかは日本自身の問題である。 【中国総局・坂東賢治】[2000-10-12-00:05] 28
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 10/12@<中東情勢>イスラエル兵2人殺害 調停努力も再び険悪化(毎日新聞)

 【エルサレム12日海保真人】国際社会の調停努力にも関わらず、パレスチナ・イスラエル情勢は再び険悪化しだした。12日、イスラエル軍兵士2人がパレスチナ住民に殺害されたことで、再び緊張が走り、政治レベルの外交努力が水泡に帰す危険性が漂っている。
 アナン国連事務総長は9日に現地入りして以来、積極的にバラク・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長との個別会談を重ね、12日未明、米国を含む治安当局者の3者協議開催の合意にこぎつけていた。
 アナン事務総長の努力にはクリントン米大統領もワシントンから支援を表明。イワノフ・ロシア外相、ソラナ欧州連合(EU)共通外交・安全保障上級代表、クック英外相も側面支援する形で次々と現地入りし、バラク首相、アラファト議長との関係修復を取り持とうとしていた。
 こうした外交努力はいずれも「和平プロセスを崩壊させてはならない」との思いから行われている。1991年の中東和平マドリード会議から始まった同プロセスは、パレスチナ問題を軸に紛争終結と中東情勢全般の安定化を目指し、仲介主導役の米だけでなく、多国間協議に露、欧州、カナダ、日本など大勢の国々が参加した。衝突を発端とした今回の危機と調停工作は、和平プロセスが当事者間だけの問題でないことを改めて印象づけている
 しかし、12日のリンチ殺人事件は、一部のパレスチナ住民の突出した行動を、アラファト議長がもはや制止できないことを示している。パレスチナ自治政府は声明で「遺憾」を表明。バラク首相は「きわめて深刻な問題だ」と述べ、対応策の検討に入った。せっかくの外交努力は、和平の崩壊か維持かというぎりぎりの局面まで来ている。[2000-10-12-22:55] 34
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 10/12@10月13日付・読売社説 [国際協力賞] ◆感銘与えた中田さんの生き方◆(読売新聞)

 今年の読売国際協力賞は、「国連ボランティア名誉大使」の中田武仁さんに決まった。心から祝福したい。
 この賞は、読売新聞が国際協力活動に優れた業績をあげた個人や団体を顕彰するために設けたもので、今年で七回を数える。過去に、国連難民高等弁務官の緒方貞子さんや国連事務次長だった明石康さんらが受賞しており、昨年は非政府組織(NGO)の「難民を助ける会」に授与された。
 中田さんの長男、厚仁さんは一九九三年カンボジアで国連ボランティアとして活動中、殺害された。二十五歳だった。
 愛息の非業の死が中田さんの人生を変えた。「厚仁がやろうとしていたことを生きてみたい」と、ただちに会社勤めをやめ、「中田厚仁記念・国連ボランティア活動支援事務所」を開設し、国際的平和活動に従事するボランティアへの支援を始めた。
 息子を失った深い悲しみへのその気丈な身の処し方は、人々に強い感銘を与え、ボランティアとその家族の大きな心の支えともなった。
 世界で初めて、ただ一人の国連ボランティア名誉大使にも任命され、ケニア、レバノン、カンボジアなど世界各地を訪れて、その地で苦闘するボランティアを激励、彼らの意見や体験を国連に伝える役目も果たしている。
 中田さんのこの七年余りの活動は、まさに受賞にふさわしいものと言えよう。
 わが国では九五年の阪神大震災がボランティア活動の高まりをもたらし、非営利組織(NPO)に対する認識を広めた。先の鳥取県西部地震では、神戸のボランティアグループらが救援活動に奮闘した。
 また日本のNGOは、大量の難民が生まれたコソボや大地震のあった台湾などで活動し、「顔の見える援助」に努めている。
 ボランティア活動や国際貢献をめぐる国民の意識は変わりつつある。NPO・NGOブームといわれる昨今でもある。
 中田さんは三十二年続けた商社マン生活からの転身だったが、商社OBのためのNPO作りといった動きさえ見られる。この春に設立され、六十歳前後の元商社マン約八百人がすでに人材登録している「国際社会貢献センター」で、彼らの海外経験や語学力を再活用する狙いだ。
 ただ日本のNGOは総じて財政基盤が弱く、組織力、行動力に欠けるという。NGOに対する社会的支援や社会的評価がなお十分ではないということでもあろう。
 二〇〇一年は、国連の提唱による「ボランティア国際年」だ。これも中田さんが真っ先に提案したもので、記念活動を通じてボランティアに対する認識と理解を深め、より多くの人がその活動に参加できる環境を整備することが期待されている。
 中田さんは、国際年をきっかけに日本人が「世界市民」となるよう訴えている。
 中田さんの受賞が、国際協力活動に関する国民の理解と関心の向上につながるならば、きわめて喜ばしいことだ。[2000-10-12-22:00] 63
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 10/12@<米大統領選>テレビ討論会 外交問題の主な発言内容(毎日新聞)

 【ワシントン12日中井良則】ゴア副大統領とブッシュ知事のテレビ討論会で、外交問題の主な発言は次の通り。
 【超大国の指導原理】
 ブッシュ氏 外交で私の道案内となるのは、米国にとって最善の利益は何か、ということだ。中東の平和は米国の国益であり、自由貿易と平和な南北米、欧州との強い関係も国益だ。
 ゴア氏 あらゆる人々から、将来のモデルと米国はみなされている。米国のように自由市場、政治的自由を発展させたいのだ。米国の真の力はこの価値に由来する。
 【中東紛争】
 ゴア氏 (イスラム原理主義勢力が拘束中の)イスラエル兵釈放をシリアに求め、アラファト(パレスチナ自治政府)議長には暴力をやめさせるよう求める。現在の状況を利用しているフセイン・イラク大統領も警戒しなければならない。イスラエルと米国のつながりは強力だ。
 ブッシュ氏 イスラエルを支持する。第二にヨルダン、エジプト、サウジアラビア、クウェートなど穏健なアラブ国家に手を伸ばすことも重要だ。
 【軍事介入の基準】
 ゴア氏 軍事力の関与に関する私の判断基準は、米国の国益があるか、軍事力で違いを作り出せるか、他の手段をすべて探ったか、同盟国があるかだ。同盟国がなく、軍事力で目的を達成できるか不明確なら、跳びこむべきではない。
 ブッシュ氏 優先される4地域は中東、欧州、極東、南北米だ。米国は世界のあらゆる人々のためになんでもするわけではない。それがゴア氏と違う点だ。[2000-10-12-19:10] 64
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 10/12@治安協議の開催は微妙 イスラエルが否定(共同通信)

 【エルサレム12日共同】イスラエル外務省スポークスマンは十二日、国連のアナン事務総長が同日発表したイスラエル、パレスチナ自治政府、米国による治安責任者協議開催の合意について「そのような合意はない」と語った。米国側は開催準備を進めているが、イスラエル、パレスチナ双方のメディアも合意発表を無視しており、衝突事件沈静化へ向けた協議の近日開催は微妙な情勢だ。
 イスラエル政府筋などによると、協議の議長を務める予定のテネット米中央情報局(CIA)長官は十二日朝までにイスラエル入りしたが、具体的スケジュールは発表されていない。
 アナン事務総長は十二日レバノンを訪問、その後イスラエルに戻り、調停を再開する意向。
 アナン事務総長は、パレスチナとイスラエル双方が治安責任者協議を同日にも開くことで合意したと発表していた。
 十二日朝もヨルダン川西岸ラマラ、ナブルスなどで衝突が発生。自治政府の医療関係者によると、ラマラでパレスチナ人男性(26)が死亡、十一日朝からの各地の死者数は六人に上った。(了)[2000-10-12-19:09] 79
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 10/12@将来像の論議が活発化 13日からEU特別首脳会議(共同通信)

 【ブリュッセル12日共同】欧州連合(EU)は十三、十四日にフランス南西部のビアリッツで特別首脳会議を開き、東欧諸国の加盟による拡大に備えた機構改革を論議するが、予定されている改革だけでは不十分との認識から、EUの将来像の論議に多くの時間が割かれる見通しだ。
 今春、フィッシャー・ドイツ外相が「連邦制」を打ち出して口火を切り、シラク・フランス大統領も「EU憲法構想」を提唱するなどして将来像論議に幅が広がった。今月初めにはEUの制度問題にあまりかかわってこなかったブレア英首相も、各国議会から選出される上院を設置してはとの「二院制」を提案、論議に加わった。
 しかし、これらの論議は加盟国を代表する閣僚会議や議会の権限を強化する方向で、欧州委員会の権限が弱まるのは確実。シラク提案は現在は決定に参画している委員会を閣僚会議の決定を実行するだけの「事務局」にする内容だ。
 危機感を抱いたプローディ委員長は、十四カ国が政府間協力の形で実施した対オーストリア制裁が失敗したことを指摘。閣僚会議、議会、委員会の共同決定がEU運営のかなめだと強調した。
 オランダ、ベルギーなど小国も、ドイツ、フランス、英国など大国主導の動きを警戒しており、将来像の論議では大国と委員会・小国連合の対立の構図が続きそうだ。(了)[2000-10-12-16:04] 105
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 10/12@◇パレスチナ衝突、3者治安責任者の協議に合意◇(朝日新聞)

 中東歴訪中のアナン国連事務総長は11日、イスラエルとパレスチナ自治政府、米国の治安責任者による協議を12日にも開くことで合意を得たとの声明を発表した。「暴力の終結に向けた重要な一歩になる。和平交渉の再開につながることに期待する」としている。現地では同日も衝突が続いており、事態が収束に向かうかはなお微妙だ。
 同協議は1998年、治安担当者間の信頼醸成を目的に設置され、テロ防止などに一定の成果をあげてきた。ただ、今回の衝突では、イスラエル側の武力行使に対して、住民の投石だけでなく、パレスチナ警察も応戦しており、「信頼関係は大きく崩れている」(イスラエル情報筋)。ヨルダン川西岸、ガザのパレスチナ自治区では、アラファト・パレスチナ自治政府議長が11日、パレスチナ解放機構(PLO)活動家らに「衝突回避」指令を出した後もイスラエル治安部隊との衝突が一部で続き、同日中にパレスチナ人少年ら計3人がイスラエル側に撃たれて死亡した。
 ガザのユダヤ人入植地付近では11日夕、イスラエル軍車両を狙った爆弾事件が発生、兵士2人が負傷した。イスラエル側はロケット砲などで応戦、戦車を出動させた。現場付近では同日、少年1人が死亡しており、PLO軍事組織による報復攻撃とみられる。「議長の指令とは別に、軍事組織の活動が先鋭化している可能性」(同筋)も指摘されており、治安責任者による協議が事態の沈静化につながる保証はない状態だ。[2000-10-12-11:55] 125
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 10/12@「合意近い」とイスラエル元首相、ペレス氏(共同通信)

 【パリ11日共同】中東和平交渉の危機を打開するため、バラク・イスラエル首相の特使として欧州歴訪中のペレス元首相は十一日、パリでフランスのシラク大統領、ジョスパン首相と相次いで会談した。
 元首相は会談後、記者団に「イスラエルはパレスチナ側が求める(衝突原因究明の)国際調査委員会を受け入れる用意があり、合意は極めて近い」と述べた。
 一方で「調査委は国連の指揮下に置かれるべきで、委員構成に検討の余地がある」と表明。イスラエルがアナン国連事務総長の調停に基づき、パレスチナ側の主張とは異なる人員構成とすることを条件に国際調査を受け入れる方針を示唆した。
 元首相はイタリアに続いてフランスを訪問し、十二日はドイツに向かう予定。(了)[2000-10-12-08:25] 140
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 10/12@◇アラファト議長が衝突停止を指令◇(朝日新聞)

 パレスチナ自治政府のアラファト議長は11日未明、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの活動家メンバーらに対し、イスラエル軍との衝突回避の指令を出した。パレスチナ自治政府筋が11日、確認した。一方、アナン国連事務総長は同日午後、ガザでアラファト議長と3度目の個別会談に入った。会談には電話でクリントン米大統領も加わり、調停に向けて大詰めを迎えているとの見通しが出ている。
 同筋によると、アラファト議長からの指令はPLO内部の命令系統で未明に出され、早朝の段階で実施された。指令について、パレスチナ系メディアは伝えておらず、この日も一般民衆レベルでの抗議行動は一部で続き、西岸、ガザ地区で夕方までにパレスチナ人2人が死亡したが、事態は沈静化しつつある。
 西岸地区のファタハ責任者で、イスラエル側が秘密軍事組織の指導者と名指ししているマルワン・バルグーティ氏は11日、フランス通信に対し、「イスラエル軍との衝突を避け、民衆の生命を守るよう議長から指示を受けた」と指令を認めたが、「インティファーダ(民衆ほう起)を止めろとはいわれておらず、平和的な行動は続く」と述べた。[2000-10-12-02:58] 144
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 10/12@◇「集団的自衛権」政策転換求める 米のアジア専門家ら◇(朝日新聞)

 米国のアーミテージ元国防次官補ら超党派のアジア専門家のグループが11日、来年の新政権発足に向け対日政策の指針となる報告書を発表した。日本重視の姿勢を明確に打ち出す一方、日本政府が集団的自衛権の行使は現行憲法下では許されないとの立場を取っていることは「同盟協力の制約になっている」と指摘、政策転換を求めている。沖縄に駐留する海兵隊の訓練をアジア太平洋全域に分散することで、地元の負担をさらに軽減する考えも示している。
 このグループにはアーミテージ氏やウォルフォビッツ元国務次官補ら共和党系の元政府高官に加え、クリントン政権で日米安保「再定義」を手がけたナイ元国防次官補、キャンベル同代理ら民主党系の専門家も参加している。提言は大統領選の結果にかかわらず、次期政権の政策に大きな影響を与えると見られている。
 報告書はまず朝鮮半島や台湾海峡の情勢が不安定であることを指摘し、日米安保関係は「これまで以上に重要性を増している」とし、強化の必要性を強調した。
 両国の同盟関係は単に「負担の分かち合い」にとどまらず「力を共有する時が来た」とし、集団的自衛権の行使のほか、有事法制の制定、国連平和維持軍(PKF)本隊業務への参加凍結の解除、情報面での協力の強化などを提唱している。
 沖縄については、日米特別行動委員会(SACO)合意が目指す基地の「再編」「統合」「削減」に加え、海兵隊の施設や訓練を「アジア太平洋地域に分散する」という新たな目標も模索すべきだとの考えを打ち出している。この日、会見したアーミテージ氏は、最終的には駐留軍の規模削減につながると見ていることも明らかにした。
 経済面では構造改革に向けた一層の努力を求めているほか、短期的には財政・金融面での景気刺激策が必要だとしている。[2000-10-12-01:19] 10
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 10/12@羊の毛刈りなどを見学 紀宮さまアイルランド訪問(共同通信)

 【キルドーキー(アイルランド東部)12日共同】アイルランドを訪問中の紀宮さまは十二日午前(日本時間同日午後)、同国東部のニューグレンジ古墳と、キルドーキー村の農家などを訪問される。
 ダブリンの北約五十キロにあるニューグレンジ古墳では、五千年以上も前に築かれたとされる由来などについて説明を受けた後、内部を視察。この後、同国東部のキルドーキー村に移動。乳牛などを飼う牧畜農家を訪問し、羊の毛刈りの様子を見学。
 アイルランドには一九八五年、現在の天皇、皇后両陛下が公式訪問している。
 四日にスロバキア入りし、スロベニアを経て十一日にアイルランド入りした紀宮さまは、十五日まで滞在してマカリース大統領らを表敬訪問する。十六日午後に成田に帰国の予定。(了)[2000-10-12-16:17] 12
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 10/12@元金メダリスト射殺される クロアチアの元カヌー選手(共同通信)

 クロアチアの元カヌー選手で、一九七六年モントリオール、八四年ロサンゼルス両五輪で金メダルを獲得したマティヤ・リュベク氏が十一日、同国のベリスチェで義理の兄弟に射殺された。国営通信のHINAが伝えた。
 同氏はクロアチア・オリンピック委員会の委員で、シドニー五輪から帰国したばかりだった。(ザグレブ、ロイター=共同)(了)[2000-10-12-14:46]
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 10/13@◎新連邦内閣を来週発足=社会党、11月党大会で体制再編へ(時事通信)

 【ベオグラード12日時事】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、コシュトニツァ新大統領の民主野党連合幹部は12日、セルビア共和国暫定内閣組閣をめぐるミロシェビッチ前大統領の社会党との対立にもかかわらず、来週にはユーゴ連邦の新内閣を組閣する方針を明らかにした。
 独立系BETA通信によれば、コシュトニツァ大統領は13日にユーゴ連邦を構成するモンテネグロ共和国を訪れ、両共和国による連邦制の在り方について協議するほか、連邦政府の新内閣組閣に協力を求めるとみられる。 [時事通信社][2000-10-13-00:48] 2
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 10/13@◎対米関係正常化の意向表明=ユーゴ新大統領(時事通信)

 【ベオグラード12日時事】ユーゴスラビアのコシュトニツァ新大統領は12日、ベオグラードを訪れたオブライエン米大統領特別顧問(ユーゴ政策担当)と会談、2国間関係やユーゴ国内情勢について協議した。昨年春の北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆に伴い、ユーゴが欧米諸国との外交関係を絶って以来、米高官との会談は初めて。 [時事通信社][2000-10-13-00:47] 3 [このページの最初に戻る]


 10/13@◇米が対ユーゴ制裁を解除◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は12日、ユーゴスラビアに対する経済制裁を解除した。石油の禁輸を即時解除するとともに、米国とユーゴスラビアを結ぶ空路の再開も決めた。いずれも1998年にミロシェビッチ前政権に対する制裁として科されていた。大統領は「米国はユーゴの新政権を支持する。これはユーゴの国際的な孤立に終止符を打つ第一歩だ」と語った。[2000-10-13-00:34] 3 [このページの最初に戻る]


 10/13@イスラエル兵殺害で、中東情勢一気に流動化(読売新聞)

 【エルサレム12日=当間敏雄】ヨルダン川西岸のパレスチナ自治都市ラマッラで十二日、イスラエル兵二人がパレスチナ人群衆にリンチを受けて殺害される事件が発生、イスラエル軍がパレスチナ自治政府施設や警察本部などに報復攻撃を加えたことで、二週間以上に及んだパレスチナ騒乱は危機的事態に発展した。アラブ諸国で反イスラエル感情・反米感情が高まる中、イエメンでも同日、米駆逐艦に対する「自爆テロ」(米国防総省)が発生、米兵四人が死亡するなど中東情勢は一気に流動化してきた。
 イスラエルのバラク首相は「(パレスチナ人によるイスラエル兵殺害)事件は極めて深刻だ。我々は対応の仕方を知っている」との声明を発表。その直後、イスラエル軍の武装ヘリが事件のあったラマッラの警察施設や放送施設を小型誘導ミサイルで攻撃。さらにガザの自治政府施設にも同様の攻撃を加えた。
 バラク首相は今月七日、アラファト・パレスチナ自治政府議長に「戦闘行為を停止しなければ、あらゆる措置をとる」との最後通告を突き付け、沈静化を待ったが、議長側が「脅しだ」として反発。期限となった九日、アナン事務総長が急きょイスラエル入りしてバラク首相、アラファト議長との調停工作を開始したため、イスラエル側は最後通告の「数日間延期」を決めていた。
 しかし、西岸やガザでは十一日夜から十二日未明にかけ、イスラエル治安部隊とパレスチナ人の衝突が相次いで発生してパレスチナ人六人が新たに死亡するなど一時沈静化していた騒乱が再燃。パレスチナ側が新たに発足させた民兵組織がユダヤ人入植者に発砲するなど、ゲリラ戦の様相となり、イスラエル側は「和平のパートナーはいない。和平プロセスは死んだ」と危機感を強めていた。
 イスラエル側の発表では今回の攻撃は「兵士殺害に対する限定的な報復攻撃」としているが、パレスチナ自治区でイスラエル兵士二人がリンチを受けた上、殺害された事件を「深刻」と受け止めたバラク首相が「最後通告の履行」を決意した可能性もあり、一九九一年の中東和平マドリード国際会議以来積み重ねられてきた和平プロセスは全面崩壊に突き進んでいる。
 パレスチナ治安当局は、イスラエル軍のさらなる報復攻撃を警戒して、非常事態宣言を発令、厳戒態勢に入った。
 ラマッラでのイスラエル兵士殺害事件は、アナン国連事務総長がイスラエル、パレスチナ自治政府、米国の治安責任者による「最高レベル」の三者協議を同日中にも開くことでイスラエル、パレスチナ双方と合意したとする声明を十二日に発表したばかりの惨劇。[2000-10-13-01:19] 4
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 10/13@◇イスラエル軍がミサイル攻撃 リンチ殺人の報復◇(朝日新聞)

 12日午前、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラでイスラエル兵2人がパレスチナ群衆の暴行を受け死亡した。これに反発するイスラエル軍は同日午後、武装ヘリコプターで西岸のパレスチナ警察本部、アラファト自治政府議長事務所、放送局、ガザのパレスチナ海上治安部隊ビルなどへの激しいミサイル攻撃を始め、夕方までに4波に及んだ。20人近い負傷者が出ている模様だ。パレスチナ当局は両自治区に「非常事態」を宣言、イスラエル軍がパレスチナ自治区の全都市を完全封鎖した。約100人の死者を出したエルサレムを巡るイスラエル治安部隊とパレスチナ人の衝突を抑えるためのアナン国連事務総長らによる国際的な調停は絶望的となり、1993年9月に合意されたパレスチナ和平プロセスも重大な危機に直面している。アラファト議長は無事だった模様だ。
 イスラエル側の発表によると、殺された2人は予備役兵で、エルサレム方面から基地へ向かう途中で自治区に迷い込み、パレスチナ警察に拘束された。パレスチナ治安当局筋は、2人を特殊部隊と見ており、拘束の知らせでパレスチナ人の若者数百人が警察署内に乱入して2人を広場に連れ出し、集団リンチで殺したとされる。
 イスラエルのミサイル攻撃はまずラマラから始まり、ガザでは12日午後3時40分ごろ始まった。ミサイル攻撃が2発続き、自治政府の建物が破壊された模様だ。自治政府のスポークスマンは、「今回の行為は、パレスチナ人民に対する宣戦布告だ」と発表した。
 現場となった海上治安部隊ビル周辺では、けが人を搬送しようとするパレスチナ自治政府の車両や救急車がひっきりなしに走り回っている。その間もミサイル攻撃は続いており、周辺は騒然としている。
 空爆開始当時、アラファト議長は同ビルからさらに約500メートル離れた「大統領府」(議長公邸)にいた模様。直前まで米中央情報局(CIA)のテネット長官と、イスラエルとパレスチナ双方の治安責任者間の協議再開をめざし、事前の打ち合わせをしていた。
 イスラエル軍は、イスラエル兵士へのリンチ殺人が受容の限度を超えているとの警告の意味で、ラマラの警察署とみられる建物を爆撃した、と発表した。バラク首相は、ただちに「重大な事態だ」との声明を出すとともに、緊急閣議を招集した。最大野党リクードのシャロン党首との緊急会談も行った。[2000-10-13-01:11] 5
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 10/13@「日朝」置き去りを懸念、外務省は国内の焦り警戒(読売新聞)

 米朝の関係正常化に向け米大統領の訪朝準備などを盛り込んだ共同コミュニケが発表されたことについて、日本政府は「米朝関係の急速な進展ぶりを示すもので、日朝関係にとってもプラスの動きだ」(外務省幹部)として、今月三十日からの日朝国交正常化交渉を後押しするものと基本的には歓迎している。ただ、日本人拉致(らち)問題やよど号ハイジャック犯送還問題など、日本が抱える懸案について解決の道筋が見えないまま、米朝関係や南北関係だけが突出して進むことには警戒感も出ている。
 外務省幹部は十二日夜、北朝鮮の朝鮮中央放送などが十二日午後五時から共同コミュニケの全文を配信したことを記者団から伝えられ、「え、発表したの。だってアメリカはまだ未明でしょ。北朝鮮はもうとにかく前向きに突き進んでいるよ」と驚きを隠さなかった。日本政府は、今回の趙明禄・国防委員会第一副委員長のアメリカでの一連の動きを注視し、米側に間断ない情報提供を求めていた。
 米側からの日本政府への事前の連絡では、共同コミュニケについて、現地時間の十一日夜(日本時間十二日午前)の段階で大筋の内容を事前に知らされていたが、コミュニケの発表は日本時間の十二日午後十時半と伝えられていたという。
 政府首脳は十二日夜、オルブライト国務長官が十一日夜(現地時間)の晩さん会後に、自らの訪朝の意思を明らかにしたことに関連し、「もっと踏み込んだ話が出るのではないかと見ていた」と述べ、米大統領の訪朝準備について事前に連絡があったことを示唆した。ただ、外務省幹部は「ただちに米大統領が訪朝するということとは受け止めていない」と述べた。
 一方、自民党では、野中幹事長が十二日夜、都内で記者団に対し、「米朝協議で、大統領の訪朝を含めたスケジュールが入ったのは想像を超えたことだ。日朝間の問題も、米朝間の進展を見ながら進めていかないといけない」と語った。また塩崎恭久・同党外交部会長は同日夜、「米朝関係と日朝関係は歴史的に異なる。日朝独自の長い歴史を踏まえ、冷静に議論していくべきだ」と指摘した。
 また中川官房長官は同日夜、記者団に対し、共同コミュニケについて「朝鮮半島の緊張緩和に大きく役立つものとして、日本政府としては歓迎したい」と述べた。
 日本政府は米朝関係進展の過程で、北朝鮮の「核」「ミサイル」「テロ」などについても協議されると見ており、「それぞれの問題について日朝間でも一致点を見出すためのハードルが低くなる」(外務省幹部)と期待している。また、北朝鮮との対話ムードが国際的に高まることで、「北朝鮮に対する日本国内の世論の反発も緩和され、国交正常化交渉がやりやすくなる」(同)との判断もある。
 ただ、一方で「拉致やよど号犯問題について米韓が『最後まで譲れない一線』と主張してくれるかどうかは疑問だ」(自民党関係者)との不安もある。
 また、日朝交渉に携わる外務省関係者は十二日夜、「『米大統領の訪朝』と聞いて焦る人が出てこなければいいが」と困惑の表情を浮かべた。森首相が金総書記への親書を外務省を経由しないで第三者に託すなどしていることを念頭に置いたものだ。外務省では「南北関係に続き米朝関係も激しく前進したことで、国内に『バスに乗り遅れるな』的な議論が出てくるかもしれないが、焦れば拉致問題などの解決は遠のく」(幹部)と警戒している。
 政府は、日本には経済面での大規模な協力を求めると役割分担していると見ており、今月三十日からの日朝国交正常化交渉について、「関係改善をより望んでいるのは北朝鮮であり、交渉には焦らず、粛々と臨む」(外務省アジア局幹部)と強調している。[2000-10-13-01:07] 9
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 10/13@◇米朝、敵対関係終結を宣言 共同コミュニケを発表◇(朝日新聞)

 米国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は12日、朝鮮戦争以来続いた敵対関係を終わらせる共同コミュニケを発表した。「双方が敵対的な意思を持たない」ことを宣言。さらに双方の自主権の尊重と内政不干渉をうたい、「今後の新たな関係樹立へ全力を尽くす」ことを確認した。「米大統領の訪朝準備のため」、オルブライト国務長官が訪朝することも盛り込まれ、両国は今後クリントン大統領訪朝に向けた協議を進める。米朝は今後このコミュニケを指針に、国交正常化を視野に入れた協議を進め、朝鮮半島に世界で唯一残る冷戦構造の解消を図る。南北朝鮮対話に続く形で米朝関係が大きく動き出した。
 共同コミュニケは、金正日総書記の特使として訪米した趙明録・国防委員会第1副委員長とオルブライト国務長官ら米国首脳との会談の成果として発表された。
 法的には交戦状態だった米朝両国は、コミュニケで「過去の敵対感から脱する」と宣言した。国家存立のために軍事力増強を最優先してきた北朝鮮にとって、経済再建に政策の重心を移すことが可能になる。
 朝鮮戦争の正式な終結に向けては「休戦協定を強固な平和保障体系に変える」ために、韓国、中国を交えた4者会談などの方策がある、との見解で一致した。
 両国は、6月の南北首脳会談で朝鮮半島の環境が変化したとの見方で一致。アジア太平洋地域の平和のために両国関係の根本的な改善は有益、とした。米大統領の訪朝が実現すれば、米朝関係はさらに具体的に進展する。オルブライト国務長官は12日の会見で、今月末までに北朝鮮を訪問することを明らかにした。また、来年1月で任期切れとなるクリントン大統領の訪朝について日程は未定ながら、「可能性がある」とした。
 だが「双務的な外交接触を正常に維持する」としているものの、課題になっている両首都の連絡事務所開設は言及されなかった。
 米側は北朝鮮に、核・ミサイル開発の凍結を一貫して求めている。これに一部応じる形で北朝鮮はコミュニケで、昨秋以来、暫定的に続けているミサイル実験の凍結について「ミサイル協議が続く間はすべての長距離ミサイルを発射しない」と約束した。
 94年の北朝鮮の核開発疑惑をめぐる「米朝枠組み合意」については、「完全に履行するための努力を倍加する」とし、それが「朝鮮半島の非核化に重要」と位置づけた。北朝鮮は、大幅に遅れている軽水炉建設の促進を、米側は北朝鮮の核開発の凍結保証を、それぞれ念頭に置いたものだ。
 米国が北朝鮮を「テロ支援国家リスト」から外す方針は盛り込まれなかった。米国は日航機「よど号」乗っ取り容疑者の国外退去を依然、このリストから外す条件に掲げている。
     ◇
 米朝共同コミュニケの骨子は次の通り。
 ●休戦協定を強固な平和保障体系に変え、朝鮮戦争を公式に終結させる上で4者会談などの様々な方途があることで見解が一致
 ●米朝両政府は、双方が敵対的な意思を持たないことを宣言し、新たな関係樹立に全力を尽くす
 ●ミサイル問題の解決が米朝関係の根本的な改善とアジア太平洋地域の平和、安全に寄与するとの見解で一致
 ●北朝鮮は、ミサイル問題に関する協議が継続している間はすべての長距離ミサイルを発射しないことを米国に通報
 ●米大統領の訪朝を準備するため、オルブライト国務長官が近く訪朝することで合意[2000-10-13-00:53] 19
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 10/13@国連事務総長の特使、スー・チーさんと会談(読売新聞)

 【バンコク12日=奥村健一】在ミャンマー日本大使館などによると、アナン国連事務総長の特使として同国を訪問中のラザリ・イスマイル前マレーシア国連大使は十二日、前日に続きヤンゴン市内のアウン・サン・スー・チーさんの自宅を訪れ、スー・チーさんと二時間以上にわたって会談した。ラザリ特使は昼過ぎの飛行機でシンガポールに向かった。軍政側は特使の訪問について、これまでのところまったく触れていない。
 今回の成果について、外交筋は「スー・チーさんとの二度の会談の間に軍政側との接触はなく、両者の橋渡し役は果たし切れていない」として、袋小路に陥っているミャンマー情勢打開につながる要素は少ないとみる。
 軍政と、スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)との仲介役として四月に就任したラザリ特使は、九日からの二度目のミャンマー入りで、タン・シュエ議長やキン・ニュン第一書記ら軍政側と、NLDの双方の幹部と面会を重ねた。[2000-10-13-00:21] 21
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 10/13@イスラエル軍が自治政府施設に大規模攻撃(読売新聞)

 【ラマッラ(ヨルダン川西岸)12日=久保健一】イスラエル軍は十二日午後(日本時間同日深夜)、陸海空三軍の兵力を動員して、パレスチナ自治政府施設への大規模な攻撃を開始した。同日、ヨルダン川西岸ラマッラで起きたパレスチナ人住民によるイスラエル兵リンチ殺害への報復で、アラファト自治政府議長の事務所にも攻撃を加えている。二週間に及ぶイスラエル・パレスチナ衝突の早期終結を目指し、アナン国連事務総長らが必死の調停工作を続けていたが、イスラエル軍が本格的な攻撃に踏み切ったことで、事態は全面対決の様相を強めている。
 情報を総合すると、ガザ地区でイスラエル軍側は、武装ヘリから議長事務所に小型ミサイルを発射。また、沖合の海軍がパレスチナ海岸警備部隊の港湾施設を攻撃した。
 一方、ヨルダン川西岸の自治区ラマッラでは、武装ヘリがパレスチナ警察署やパレスチナ放送など自治政府施設数か所にミサイル数発を発射したほか、戦車で攻撃を加えた。
 攻撃を受けた施設からは黒煙が上がり、パレスチナ側の救急車が負傷者の救出に走り回っている。医療関係者によると、パレスチナ人は少なくとも十七人が負傷した。
 イスラエル政府は自治区の全都市を封鎖し、ヘブロンやナブルスなど西岸自治区内の主要都市にも戦車を集結させているという。
 ラマッラでは同日朝、イスラエル軍兵士四人を拘束していた自治警察署をパレスチナ人群衆が襲撃、うち二人にリンチを加え殺害し、一人に重傷を負わせた。住民はうち一人の遺体を担いで市内を引き回した後、イスラエル側に引き渡した。これに対し、イスラエルのバラク首相は「事態は深刻だ。対応を間もなく示す」と述べ、報復攻撃を示唆していた。[2000-10-13-00:03] 52
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 10/13@<EU>特別首脳会議 中東問題で首脳会議開催を呼びかけ(毎日新聞)

 【ビアリッツ(フランス南西部)13日森忠彦、橋本晃】欧州連合(EU)特別首脳会議が13日、フランス南西部ビアリッツで2日間の予定で開幕、パレスチナ情勢を緊急討議し、イスラエル、パレスチナ双方の首脳を含めた緊急首脳会議開催を呼びかける共同声明を採択した。
 声明は、相互の憎しみが後戻りできない段階になる前に交渉を再開するように要請した。
 EU特別首脳会議を訪れたペレス元イスラエル首相は同日、米CNN放送に対し、イスラエル、パレスチナのほか、米国、エジプト、ヨルダンが参加した首脳会議が、「14日にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開かれる可能性がある」と語った。
 民主化に向け第一歩を踏み出したユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ新大統領が14日の昼食会に出席、外交デビューを果たす。EU首脳らはこの機会をとらえ、ミロシェビッチ後のユーゴ連邦に対する経済支援を協議する。
 機構改革問題は、EUが中東欧に拡大した場合に、意思決定方式をどう改変するかなどを調整するものだが、利害が複雑に絡み合う問題だけに「合意へのメドが立っているものはない」(モスコビシ仏欧州問題相)状態だ。
 12月7、8両日、南仏ニースで開かれるEU首脳会議での最終合意に向け、今回の特別首脳会議は正念場となる。[2000-10-13-23:41] 53
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 10/13@◎ユーゴ向けに2億ドルの緊急援助で合意へ=EU首脳会議(時事通信)

 【ビアリッツ(仏)13日時事】欧州連合(EU)は13日、仏南西部の保養地ビアリッツで非公式首脳会議を開き、ユーゴスラビア向けとして2億ドルの緊急援助供与で合意する。コシュトニツァ大統領が取り組む国内問題の解消に協力するのが狙いで、支援内容は医療品、食料、暖房用油が中心となる。
 会議筋によれば、首脳会議では、EUの執行機関である欧州委員会が作成した支援策に基づいて協議を行い、早期支援の必要で一致する。旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は、戦犯として起訴したミロシェビッチ前大統領の引き渡しを要求しているが、EUは「緊急を要する人道的な援助である」(同筋)とし、今回の援助の前提条件とはしない方針だ。 [時事通信社][2000-10-13-23:34] 55
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 10/13@◎セルビア共和国議会選、12月24日実施=ミロシェビッチ(時事通信)

 【ベオグラード13日時事】ユーゴスラビアのコシュトニツァ新大統領のセルビア民主野党連合とミロシェビッチ前大統領の社会党は13日、来年秋に予定されていたセルビア共和国議会選挙を12月24日に実施することで合意した。双方は選挙実施に向けた暫定内閣の組閣についてもさらに協議を続ける。これによりユーゴ連邦に続き、セルビア共和国でも社会党政権が崩壊する見通しとなった。 [時事通信社][2000-10-13-22:09] 58 [このページの最初に戻る]


 10/13@年末めどの機構改革で論議 EU特別首脳会議が開幕(共同通信)

 【ビアリッツ(フランス南西部)13日共同】欧州連合(EU)は十三、十四日にビアリッツで特別首脳会議を開き、年末をめどに進めている機構改革作業や深刻化する中東問題を中心に協議した。
 十四日の昼食会にはコシュトニツァ新ユーゴスラビア大統領を招待しており、大統領にとっては初の国際舞台への登場となる。
 機構改革はEUが二十七カ国程度に拡大した場合、決定過程がまひするのを回避するのが目的で、政府間会議(IGC)で各国の主張を調整中。十二月の首脳会議で決定し、基本条約を改正する運びだが、大国と小国の対立が深刻化し、年内に合意できるか懸念されている。
 改革点は@欧州委員の数A欧州議会の定数B特定多数決の適用範囲C各国の投票数の再配分D一部の国だけで統合を進める「先行統合」―。委員数では「上限二十人」でまとまりつつあるが、小国には、委員を出せなくなるのを懸念して「各国一人」の主張が強い。大国は「各国一人なら、大国の投票数を現在より増やすべきだ」と要求している。
 特定多数決の適用分野では税制、社会保障など五分野で暗礁に乗り上げたまま。先行統合も英国やデンマークが実施に厳しい条件を付ける考えを譲っていないため、今回の首脳レベルで意見を調整し、年末合意への勢いをつけられるかどうかが課題だ。
 十四日にはEU市民に保証される権利を網羅した「欧州市民権憲章」を承認するが、「政治宣言」にとどめるか法的拘束力を持たせるかは十二月の首脳会議で決められる。(了)[2000-10-13-19:06] 60
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 10/13@新政府発足へ本格着手 ユーゴ首相人事など協議(共同通信)

 【ベオグラード13日共同】ユーゴスラビアのコシュトニツァ新大統領は十三日、ユーゴ連邦モンテネグロ共和国の野党、社会人民党の幹部と会談、新連邦政府発足に向けた作業に本格着手する。
 ユーゴの独立系ベタ通信によると、社会人民党のブラトビッチ副党首らがベオグラードを訪問し、同党が強く求めている連邦首相ポストなどについて協議。
 コシュトニツァ新大統領は同党幹部との話し合いを踏まえ、モンテネグロを来週訪れる予定。ジュカノビッチ共和国大統領らと会談し、連邦内閣組閣や連邦制再編のための新憲法制定などを協議する見通しだ。
 モンテネグロ政府与党が選挙への参加を拒否したため、社会人民党は大統領選と同時に実施された連邦議会(定数計一七八)選挙で、モンテネグロに割り当てられた計五十の上下院議席中、四十七議席を獲得した。
 憲法規定ではセルビアとモンテネグロが連邦大統領と首相を分け合うことになっている。共和国第一党となった社会人民党は首相を出せる立場にあるが、ジュカノビッチ氏率いる共和国政府与党が反発しており、同ポストの獲得が微妙になっている。(了)[2000-10-13-17:09] 62
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 10/13@ユーゴ政変波及が焦点 ベラルーシで15日議会選(共同通信)

 【モスクワ13日共同】欧米各国が「欧州最後の強権政権」と批判するベラルーシで十五日、下院選挙が行われる。ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権崩壊で勢いづく野党に対し、ユーゴの二の舞いにはならぬとルカシェンコ大統領は自信満々で、ユーゴ政変がどのような影響をもたらすかが焦点だ。
 野党は選挙ボイコットを表明、投票前日には首都ミンスクで集会を計画しており、混乱も予想される。
 「きょうのミロシェビッチはあすのルカシェンコ」。ユーゴ政変の興奮がさめやらぬ今月八日、ベラルーシ南部で、野党人民戦線のデモ隊が気勢を上げた。
 約六百人の候補が百十議席を争う選挙は、国民が直接議員を選ぶ初の選挙。しかし人民戦線など複数の野党は、今の議会自体が非合法的に創設されたと批判、選挙も非民主的だと主張し有権者に棄権を呼び掛けている。
 野党の社会民主同盟を率いるシュシケビッチ元最高会議議長は「人権侵害はユーゴよりもひどい。社会の緊張は高まっている」と主張。一方の大統領は「ユーゴのようなシナリオにはならない」と政権基盤の安定性を強調している。
 大統領は一九九六年の憲法修正国民投票で、大統領任期の延長と二院制の新議会創設に成功、独裁体制を固めた。米国はこの投票を大統領が強行したとして認めていない。
 今回の選挙も米国に加え「欧州各国も懐疑的にみている」(西側外交筋)。しかしベラルーシと新連邦国家創設条約に調印したロシアは、内政干渉として逆に欧米を批判している。(了)[2000-10-13-15:29] 64
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 10/13@政府、対ユーゴ制裁を今月中にも解除(読売新聞)

 河野外相は十三日午前の閣議後の記者会見で、ユーゴスラビア連邦でのコシュトゥニツア新政権発足に関連し、「一つの体制が出来つつあるから、日本としてもこれまでユーゴに科していた制裁を解除したい」と述べ、ユーゴへの制裁を解除する方針を明らかにした。今月中にも解除の閣議決定を行う見通しだ。[2000-10-13-12:40] 65 [このページの最初に戻る]


 10/13@◇ユーゴ制裁は解除へ 河野外相が意向示す◇(朝日新聞)

 河野洋平外相は13日午前、イスラエルとパレスチナの間の緊張が高まっていることについて、「すでに調停の動きがいろいろ出ている。日本として何ができるか、考えていきたい」と述べ、事態の沈静化に向け、支援策を検討する考えを示した。また、民主化へ動き出したユーゴスラビアへの制裁措置を解除する意向も明らかにした。閣議後、記者団に語った。[2000-10-13-12:38] 66 [このページの最初に戻る]


 10/13@EU早期加盟の意向表明 ユーゴの新大統領(共同通信)

 【ベオグラード13日共同】ユーゴスラビアのコシュトニツァ新大統領は十二日、イタリアのアマート首相と会談し、近い将来に欧州連合(EU)に加盟したいとの意向を伝えた。
 アマート首相は会談後の記者会見で「ユーゴを民主的国際社会から引き離していたものは完全に消滅した」と述べ、経済再建を短・長期的に支援すると約束、国際社会復帰に協力する意向を表明したが、EU加盟については「長い道のりだ」と指摘、早期加盟には懐疑的な見解を示した。
 アマート首相は、コシュトニツァ氏の大統領就任後、外国の政府首脳として初めてユーゴを訪問した。(了)[2000-10-13-11:49] 67
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 10/13@<クリントン米大統領>ユーゴへの経済制裁解除を実施(毎日新聞)

 【ワシントン12日布施広】クリントン米大統領は12日、ユーゴスラビアに対する石油禁輸と航空機乗り入れ禁止の経済制裁解除を決定、直ちに実施した。大統領は声明の中で「これらの制裁解除は(ユーゴ連邦の主体である)セルビアの孤立が終わる第一歩となる」と語った。
 欧州連合(EU)は既に対ユーゴ制裁の解除を発表したが、ミロシェビッチ前大統領と側近に対する在外資産の凍結やEU加盟15カ国への旅行禁止措置などは維持している。クリントン大統領も、ユーゴ前政権の有力者を対象とした米国の制裁条項は存続すると語った。
 また、クリントン大統領は「新たに選ばれたユーゴの指導者たちが、真に民主的な社会を作るために働くことを支持するのは、米国の利益にかなう」と語り、ユーゴ新政権に対する米国の支持を改めて表明した。[2000-10-13-10:35] 68
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 10/13@◎対ユーゴ、経済制裁解除へ=外相、「民主化の動き評価」−(時事通信)

 政府は13日、ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)に対して1998年6月以降実施してきた経済制裁について、同国内の民主化の動きを踏まえ、近く制裁解除に踏み切る方針を固めた。対ユーゴ制裁に関連して、河野洋平外相は同日午前、閣議後の記者会見で、「ユーゴはコシュトニツァ新大統領によって一つの体制ができつつあるから、日本としてもこれまで科してきた制裁の解除を検討したい」と強調した。
 欧米や日本は、コソボをめぐるミロシェビッチ前政権の政策を批判して制裁を実施。日本政府は、この間、(1)セルビア共和国への民間投資の停止(2)ユーゴスラビア連邦、セルビア共和国両政府の日本にある資金凍結(3)ユーゴスラビア人へのビザ(査証)発給制限−を柱とする制裁を行っていた。 [時事通信社][2000-10-13-10:30] 71
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 10/13@ユーゴ組閣で「連合」と前大統領派との対立激化(読売新聞)

 【ベオグラード12日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の暫定内閣組閣交渉で、コシュトゥニツァ大統領を支持する「民主野党連合」は十二日、ミロシェビッチ前大統領派の社会党が十三日までに組閣協議に応じなければ、再び大規模な街頭デモを行うと警告した。
 組閣交渉をめぐっては、「連合」側が十二日、閣僚ポストを連合、社会党、急進党の三党で分け合う妥協案を示したが、社会党側は暫定内閣組閣を拒否する方針を依然崩していない。
 社会党は、権限を掌握するセルビア共和国警察を動員して、「連合」側が続ける旧体制派一掃の動きを封じ込める方針も示唆しており、「連合」と社会党支持勢力がデモなどで対立する事態も懸念され始めた。[2000-10-13-10:09] 196
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 10/13@<金大統領>不屈の人、執念の政治家の歩み(毎日新聞)

 拉致(らち)され、投獄され、死刑判決を受けても、なお立ち上がった。大統領になっても、南北の対話・統一という最大の難題に立ち向かい、道を開いた。不屈の人、執念の政治家。強じんな精神にさまざまな形容詞がつけられてきた韓国の金大中大統領(74)に13日、ノーベル平和賞が贈られることが決まった。そのニュースはまたたくまに世界に広がり、74年にわたる金大中氏の人生を支え、応援してきた人たちからは拍手と歓声が沸き起こった。
 「もし私が闘う途中で倒れても、第2、第3の金大中が出てきて、この闘いを国民とともにし、勝利を獲得する」(1973年2月の自民党アジア・アフリカ問題研究会で)
 金氏は韓国南部・全羅南道に生まれた。20代だった1954年、青年実業家から政治家を目指して国会議員に挑戦し、3回連続落選の後、61年の選挙で当選した。不屈の歴史はここに始まる。しかし、当選2日後に朴正煕(パクチョンヒ)少将(当時)の軍事クーデターが起き、国会は解散された。
 「民主化の闘士」として活躍し、71年の大統領選挙では、有効投票の約46%を獲得して朴大統領を95万票差に追い込む。しかし、弾圧を受け、72年からは海外亡命生活に入り、日本と米国で抵抗運動を展開した。
 日本占領下の高校時代の恩師、椋本(むくもと)伊三郎さん(83)=横浜市青葉区=は、「これ以上はない最高の喜び。飛行機で飛んで行ってお祝いを申し上げたい気持ちでいっぱいだ」と教え子の快挙をたたえた。
 椋本さんは39年春から41年秋まで、韓国の木浦(モッポ)商業学校の教壇に立った。担任を務めたクラスの級長が金氏だった。椋本さんに演説のうまさを褒められたことから、政治を志すようになったといわれる。
 73年8月8日の昼下がり。当時、野党指導者で来日中の金氏は、東京・九段のホテルから突然拉致され、5日後の13日夜、傷だらけの姿でソウル市内の自宅に戻った。金氏は「九死に一生を得て帰ってこられたのは、日本と世界の多くの人のバックアップのおかげ」と感謝し、拉致犯人を問われて「そんなの聞く必要ないじゃないか」と語った。後に、韓国中央情報部(KCIA)の関与が明らかになったナゾの誘拐劇は「金大中事件」として、日韓両国内外で衝撃を与えた。受難の始まりだった。
 田中角栄首相(当時)の長女、真紀子衆院議員は今年、ある秘話を明らかにした。騒動の最中で私邸に駐日韓国大使から1本の電話が入った。真紀子議員が角栄氏に取り次いで間もなく、大声が上がった。
 「殺すなよっ! 爆撃するぞ」
 79年、朴大統領の暗殺事件、粛軍クーデターを経て、金氏は激化する韓国政局の混乱の渦にのみ込まれていった。80年5月、戒厳当局の金氏逮捕などを機に軍と市民が衝突、約200人の犠牲者を出した「光州事件」が発生した。
 「私が求めたのは民主主義だ」。同年9月13日、ソウル市の陸軍本部大法廷で、金氏は「国家転覆を図った首謀者」との容疑を全面的に否認し、「私が死んでも政治報復が再びないことを遺言として残したい」と結んだ。4日後、軍法会議は死刑判決を下した。
 「繰り返し危機的な状況に陥り、死刑判決まで受けながら、その度によみがえり民主化運動の現場に戻ってきた。彼には人間の努力とか能力を超えた『強運』としか言いようのないものがついているようだ」。金氏が73年に拉致、投獄された直後から救援運動に取り組んだ和田春樹・元東大社会科学研究所長(62)は金氏の歩みを振り返る。
 拉致事件から9年、82年12月に金氏はようやく「拘束の身」から解き放たれた。病気などを理由に、事実上の追放措置として米国行きが認められた。あわただしく出国した時、支持者たちの手に残されたクリスマスカードには変わらぬ信条が記されていた。「民主主義だけが自由への道です」
 米国生活中に時代は動いた。東西冷戦の緩和、88年ソウル五輪を前にした祖国の民主化。85年2月、「再逮捕も覚悟のうえ」との強い意志に、当時の韓国政府が折れて帰国が実現し、途中、拉致事件以来となる日本に立ち寄った。成田空港で日本語を交えて印象を語った。「10年たてば山河も変わる。生きて再び来られたことは感慨にたえない。支持してくれた日本の方々に会えてうれしい」。
 約7000人の警察官が空港を取り巻く中での帰国。2年後の87年7月に公民権を取り戻した後は再び、大統領への道を突き進んだ。2度の落選、政界引退宣言。「不死身の政治家」「大統領病患者」。さまざまな評価に包まれながら語った。「私に対する評価は歴史に任せる」
 だが、和田さんは言う。「民主主義とは命懸けで闘い取るものだ、ということを、われわれは彼に学んだ」
 「初めて民主的政権交代が実現された歴史的な日だ。国民の力で達成された真の『国民の政府』だ」。97年12月、金氏は4度目の挑戦で第15代大統領に当選。翌98年2月の就任演説で、こう強調した。南北間の和解と協力を可能な分野から積極的に推進するなどの3原則を表明。以後、北朝鮮潜水艇の領海侵入などがありながらも「太陽政策」を一貫して推し進めていく。
 日本との関係では、従軍慰安婦問題について就任翌日、日韓議員連盟との会談で言及。「私の拉致事件が日韓両国ののどに刺さったとげなら、従軍慰安婦問題は精神的なとげ」と述べ、過去の清算を求める姿勢を崩していない。
 一方、2度の亡命生活を支えた米国への思いはひとしお。同年6月の米議会演説では「この席で演説する栄誉を得た世界の指導者のうちで米国により2回も死の危機から救われた経験があるのは私だけだろう」。
 そして、今年6月の南北首脳会談。金氏は到着声明で「生涯に北の地を踏むことはできないと悲観する気持ちになったことが1度や2度ではありませんでした。半世紀の間積もった恨(ハン)を一度に解くことはできないでしょう。しかし、始まりさえすれば半分終わったようなものです。私たちは一つの民族です。運命共同体です。しっかりと手をつなぎましょう」とあいさつ。平壌でともした平和への明かりは、南北離散家族の相互訪問、シドニー五輪での南北同時入場行進へとつながった。[2000-10-13-22:25] 206
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 10/13@◎アフリカ7カ国の米大使館を一時閉鎖=米(時事通信)

 【ナイロビ13日AFP=時事】米当局者によると、米国務省は13日、パレスチナ騒乱で中東情勢が悪化していることを受け、南アフリカやケニア、タンザニアなどアフリカ7カ国の在外公館を一時的に閉鎖するよう命じた。各地の大使館や領事館に本省から電報で通知があったという。
 1998年8月に爆弾テロの標的になったナイロビの米大使館スポークスマンは、「全員帰宅するよう言われた」と述べ、同日朝から閉鎖することを明らかにした。 [時事通信社][2000-10-13-20:43] 216
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 10/13@◇国境なき医師団、昨年の平和賞賞金の使途を報告◇(朝日新聞)

 1999年のノーベル平和賞を受賞した国際緊急援助団体「国境なき医師団」(MSF)は13日までに、賞金94万ユーロ(約8700万円)の使途を公表した。
 ブリュッセルにある「MSFインターナショナル」によると、MSFは賞金で基金を創設し、貧しい国の人々も公平に医薬品やワクチンを利用できるよう展開している「必須医薬品キャンペーン」に充てた。
 使途の内訳は、マラリアなどの治療法開発に22万5000ユーロ(約2100万円)▽アフリカを中心に発生する眠り病患者への医薬品に16万ユーロ(約1500万円)▽発展途上国のエイズウィルス(HIV)感染者・エイズ患者への治療事業に22万5000ユーロ(約2100万円)など。
 オービンスキー会長は「この基金は、忘れられている患者の現状を世に知らせ、世論を喚起する小さな一歩だ」と話している。[2000-10-13-19:38] 262
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 10/13@◇米軍、イージス艦爆破をテロと断定 全世界で警戒態勢◇(朝日新聞)

 イエメンのアデン港で12日に起きた米イージス艦コールの爆破事件について、クラーク米海軍作戦部長は、「テロ攻撃以外に考えられない」と述べ、米軍を狙ったテロと断定した。犯行声明は出ていないが、ウォーナー米上院軍事委員長(共和党)は、サウジアラビア出身のイスラム過激派指導者オサマ・ビン・ラディン氏と関係があると思われるイエメンのテロ組織が犯行にかかわっている可能性がある、と述べた。中東を含む世界各地の米軍は「高度の警戒態勢」に入った。
 国防総省当局者によると、コールに突っ込んだ小型ボートは、その停泊支援船を装っていた。船上では、2人の男性が爆発直前まで直立不動で立っていた、といい、自爆テロの疑いが強い。
 国防総省の説明を受けたウォーナー委員長は、米軍当局がイエメンのテロ組織について調べている、と語った。ビン・ラディン氏は、1998年に起きたケニア、タンザニアの米大使館連続爆破事件の黒幕として、米国の捜査機関が行方を追っている。その組織「アルカイダ」は、アフガニスタンを拠点に、中東、アフリカ、南アジア、中央アジアなどに広がる組織網を持っている。
 アラブ諸国では、イスラエルとパレスチナの戦闘激化に伴い、中東和平交渉の仲介役の米国がパレスチナ批判を強めていることに反発する空気が広がっている。イエメンは、もともと反米機運が強く、国務省によると、中東のいくつかのテロ組織がイエメンに拠点を持っている。
 クリントン大統領は「テロ行為と思われる。公式にテロと判明すれば、卑劣な行為として、犯人に責任をとらせる」と述べるとともに、「犯人の狙いが、中東の平和と安定を促進しようという米国の任務を妨げようとするものなら、必ず失敗する」と強調した。さらに、連邦捜査局(FBI)、国防総省、国務省の担当官をイエメンに派遣したことを明らかにした。
 イエメンのサレハ大統領は米CNNテレビに「イエメンはテロリストをかくまっていない。テロ攻撃とは思っていない」と語った。
 爆発での死亡者は6人、11人が行方不明。35人が負傷した。
 国防総省によると、コールの船体には縦約6メートル、横約12メートルの大きな穴があいており、当局者は「小型ボートに高性能爆弾が積まれていた可能性がある」と指摘した。コールは同時に多数のミサイルを別々の目標に誘導できる最新鋭のイージス戦闘システムを搭載し、国連の対イラク禁輸破りを監視するため、ペルシャ湾に向かう途中だった。アデン港での燃料給油は当初から予定されていた。[2000-10-13-11:41] 270
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 10/13@<アラブ諸国>パレスチナ攻撃受け、対イスラエル強行措置決(毎日新聞)

 【カイロ13日高橋弘司】イスラエルがパレスチナ本格攻撃を開始するなど事態緊迫化を受け、アラブ各国で反イスラエル感情が噴出、イエメンではイスラエルの友好国・米国駆逐艦への爆弾テロと見られる事件まで発生した。21、22日に予定されるアラブ連盟首脳会議ではアラブ諸国が久々に一致団結し、対イスラエル強硬措置が決議される可能性が濃厚で、パレスチナ・イスラエル紛争はアラブ全域を巻き込み、一触即発の様相を呈してきた。
 「領土と権利を取り戻すためのパレスチナ人の合法的闘争を強く支持する。イスラエルは敗者となる」。シリアのアサド大統領は12日、首都ダマスカス入りしたクック英外相、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表と相次ぎ会談し、こう強調した。
 これに先立ち、クリントン米大統領がパレスチナ自治政府のアラファト議長、バラク・イスラエル首相にムバラク・エジプト大統領を加えた緊急4首脳会談を提案したが、ムバラク大統領は「パレスチナ領土からのイスラエル軍撤退を通じ、適切な空気が醸成されるのが先決」と親米国家として異例の拒否を表明した。
 アラブ指導者の強硬姿勢の背景には、衝突を機にアラブ各国で激しい抗議デモが連日のように繰り広げられるなど民衆レベルの反イスラエル感情の高揚がある。衝突の発端がイスラム教聖地・エルサレムをめぐる問題だけに、民衆の怒りを無視すれば自らの政権基盤が揺るがせられかねないのだ。
 イラク軍侵攻(1990年8月)の悪夢から覚めないクウェートはフセイン・イラク大統領との同席を嫌い、アラブ首脳会議開催に難色を示していたが、フセイン大統領が代理出席となることを見越して一転、出席を表明。アラファト議長も10日、93年のパレスチナ暫定自治合意以来、関係が悪化していたシリアのアサド大統領と電話協議した。オマーンはイスラエルと相互設置した通商代表事務所の一方的閉鎖を決めており、アラブ首脳会議では久しぶりに「アラブの結束」がうたわれ、イスラエルに対するアラブ・ボイコットなど強硬な対抗策が協議される可能性が強まっている。[2000-10-13-10:20] 276
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 10/13@超大国米に募る憎しみ 攻撃と報復の悪循環(共同通信)

 【ワシントン12日共同】「米国が今直面している脅威はこういうものだ」。コーエン米国防長官は十二日、イエメンで起きた米駆逐艦へのテロ攻撃を、米国の最大の脅威の一つととらえ、「仮想敵国」に戦争で勝つことを最優先課題にしたこれまでの安保戦略では、対策が難しいことを認めた。
 対米テロは中東を中心に一、二年に一回の割合で発生。一九九八年にはアフリカの米大使館同時爆破テロの報復として米国がアフガニスタンなどのテロ関連施設を空爆した。
 だがイスラム過激派が抱く米国の中東政策への反発は消えず、今回報復に踏み切っても「攻撃と報復の悪循環」は容易に解消しない。
 コーエン国防長官は「米国は地球規模の大国で、世界の安定を維持する任務を持ち、それだけ危険も多い」と、米国の宿命を指摘した。冷戦後の米国一人勝ちの構図が強調され、米国への敵意、反感は根強い。
 米国は昨年からイエメンでの給油寄港を始めた。クラーク海軍作戦部長は「イエメンが米国との関係強化を望んだ」と説明しているが、イスラム過激組織が「米国がペルシャ湾に続いて軍事プレゼンスを拡大した」と危機感を抱いたのは間違いない。(了)[2000-10-13-09:28] 283
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 10/13@イスラエル軍が本格攻撃 自治政府は非常事態宣言 (共同通信)

 【エルサレム12日共同】イスラエル軍は十二日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸ラマラとガザにある自治政府施設や警察本部などを武装ヘリコプターのミサイルなどで本格的に攻撃した。さらにイスラエルは同日、ガザを全面封鎖、西岸各都市を戦車で包囲した。自治政府は対抗措置としてヨルダン川西岸とガザに非常事態宣言を出した。
 九月二十八日以来のイスラエル治安当局とパレスチナ人との戦闘は、ついにイスラエル側の全面的な軍事行動に発展。アナン国連事務総長をはじめとする国際的な調停活動は失敗の様相が色濃く、パレスチナ和平は崩壊寸前となった。
 本格攻撃は十二日、ラマラでイスラエル軍の予備役兵士がパレスチナ人らに暴行を受け、二人が死亡したことへの報復。軍は「イスラエルは黙っていないというパレスチナ側へのシグナルだ」との声明を発表した。
 イスラエルのバラク首相は同日午後五時(日本時間十三日午前零時)、緊急閣議を招集する。
 パレスチナ放送によると、ガザではパレスチナ警察官を含む十六人が負傷、西岸でも十二人が負傷した。自治政府のシャース国際協力相は国連安全保障理事会の緊急開催を要求した。
 イスラエル軍はアラファト議長の執務室があるラマラの自治政府庁舎などを武装ヘリで攻撃したほか、海軍艦艇もガザのパレスチナ海岸警備部隊の港湾施設へ砲撃を加えた。
 イスラエル放送によると、ラマラで予備役兵士が殺されたのは、道を間違えて検問所でパレスチナ警察に拘束された後、警察署に乱入したパレスチナ人らの暴行を受けたのが原因。(了)[2000-10-13-08:31] 284
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 10/13@アキレスけん狙われる 米国に深刻な衝撃 駆逐艦爆発(共同通信)

 【ワシントン12日共同】米国の「国益」を象徴する海軍艦船が中東でテロの脅威にさらされた。イエメンのアデン港で十二日、停泊中の駆逐艦コールが爆発した事件は、国際テロの可能性が極めて高く、米政府に深刻な衝撃を与えた。
 テロは大量破壊兵器の拡散、地域紛争と並び、冷戦後の米国の最大の安全保障上の課題だ。中でも一九九八年のケニア、タンザニアの米大使館同時爆破テロに代表される、在外公館など米国の「海外権益」への攻撃は、米国内でいくらテロ対策をとっても防ぎきれるものではなく、米国のいわば「アキレスけん」だった。米艦船は平時のテロにあまりにも弱かった。
 米国では敵ミサイルから国土を守る本土ミサイル防衛(NMD)計画が進行している。しかし、NMDでさえも、米沿海の小型ボートから発射される小型ミサイルや、国内に持ち込まれた武器によるテロを防ぐことはできないという指摘は、常にあった。アデン事件で、この懸念が現実的なものとなった。
 クリントン大統領は十二日早朝、ニューヨーク州の自宅で事件の一報を受けた。バーガー補佐官(国家安全保障問題担当)、コーエン国防長官らと頻繁に連絡を取り、緊急対応で最大限の努力をするよう指示した。
 米国のメディアではイエメンの事件と、同じ日にパレスチナで起きたイスラエル兵殺害事件を関連付ける見方さえ流れ始めた。米社会の心理状態があらためて「テロの恐怖」に支配されようとしている。(了)[2000-10-13-08:30] 285
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 10/13@2兵士死亡で大規模報復 パレスチナ自治区非常事態(共同通信)

 【エルサレム12日共同】イスラエル放送によると、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラで十二日、パレスチナ警察に拘束されたイスラエル軍の予備役兵士数人が、警察署に乱入したパレスチナ人らの暴行を受け、二人が死亡した。死者は三人との情報もある。
 イスラエル軍は同日午後、武装ヘリコプターでガザやラマラをミサイル攻撃、自治政府のアラファト議長執務室も攻撃を受けた。
 議長は無事だったが「イスラエルによる事実上の宣戦布告」と強く反発。パレスチナ和平は一気に崩壊の瀬戸際に追い込まれ、重大局面を迎えた。
 自治政府は同日、ガザと西岸に非常事態を宣言。イスラエルは自治区を封鎖した。イスラエル・テレビは、多数の戦車などがラマラや西岸ヘブロン、ナブルスに向け集結を始めていると報じた。
 イスラエルのバラク首相は「非常に深刻な事態だ」と発言、スネ国防次官も「断じて許せない犯罪行為だ」と激怒。緊急閣議を招集し対応を検討、予断の許さない事態になっている。
 アナン国連事務総長が発表した米国を含めた三者治安責任者協議の開催は極めて困難な情勢。事務総長はベイルートで「われわれが解決しようとしている問題を複雑にする」と懸念を示した。
 イスラエルのシャイ特別報道官は記者会見で「さらにイスラエル兵二人がパレスチナ側に拘束されている可能性がある」と述べた。
 イスラエル兵死亡事件の詳細は不明だが、兵士らは私服で民間車に乗り部隊に向かう途中、道を間違えて検問所でパレスチナ警察に拘束された。ロイター通信などによると、兵士らが情報収集活動をしていたらしい。パレスチナ人らは兵士らを刺し、遺体を警察署の窓から投げ捨てたという。(了)[2000-10-13-08:29]
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 10/14@<EU>特別首脳会議にユーゴ新大統領が参加 国際社会へ復(毎日新聞)

 【ビアリッツ(フランス南西部)14日橋本晃、森忠彦】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ新大統領は14日、当地で開かれた欧州連合(EU)特別首脳会議の昼食会に参加した。EU側はユーゴへの復興支援を表明。昨年の北大西洋条約機構(NATO)の空爆以来、孤立状態にあったユーゴは、本格的な国際社会への復帰を果たした。
 EU議長国フランスの招待の形で訪れたコシュトゥニツァ大統領にとって、この昼食会は事実上の「外交デビュー」の場となった。大統領は各首脳に対し、民主化改革に全力で取り組む決意を表明。シラク仏大統領は「ユーゴは今、欧州の家に帰る途中にある。EUは全面的にその努力を支援する。ユーゴの民主化がバルカン半島の安定に果たす役割は大きい」と期待を語った。
 EUは13日、今冬向けに医療品や食料、住宅、暖房用燃料など2億ユーロ(約190億円)の緊急支援を決めており、来週にも実施に移る方針だ。
 EUはユーゴのミロシェビッチ前政権が崩壊し新政権が発足したのを受けて、石油禁輸、民間機の乗り入れ制限などの対ユーゴ経済制裁を一部解除。凍結してきた23億ユーロ(約2140億円)の長期支援計画も始める予定だ。欧米を中心に募った南東欧州安定化基金(約30億ドル)の支援も始まる。1992年以来、停止されてきた国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際金融機関の援助も再開される方向だ。
 13年にわたるミロシェビッチ前大統領の独裁で国際的に孤立してきたユーゴは、もともと関係が深いEU諸国の歓迎を受けたことで、国際社会への”外交ビザ”を手にした。[2000-10-14-21:35] 31
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 10/14@EU首脳会議、ユーゴ支援を表明(読売新聞)

 【ビアリッツ(仏南西部)14日=三井美奈】当地で開かれた欧州連合(EU)非公式首脳会議は十四日、二日間の日程を終え閉幕した。続いて行われたユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ新大統領との昼食会で、EU側は年内に、医薬品や冬場の暖房用燃料確保のため、二億ユーロ(約百九十億円)の対ユーゴ援助を行うことを表明した。一方、コシュトゥニツァ大統領は、十一月末にザグレブで開かれるEUとバルカン諸国の首脳会議に出席する意向を示した。
 EU議長国フランスのシラク大統領は昼食会後のコシュトゥニツァ大統領との共同記者会見で、「ユーゴの欧州回帰の瞬間だ」と述べ、ミロシェビッチ体制に代わる新政権の登場を歓迎。コシュトゥニツァ氏は「ユーゴ国民は長年の制裁の後遺症で苦しんでいる」とユーゴへの援助を求めた。
 二日間の首脳会議の眼目は、合意期限が十二月に迫ったEUの新条約(改定アムステルダム条約)についての意見調整。参加の用意が整った国だけでEUの共通政策を推進する「先行統合」で原則合意したが、欧州委員会(現定数二十)の構成問題については議論が難航した。現在は各加盟国から最低一人の委員を出すことができるが、独仏など大国は、加盟国増大を念頭に定数の上限設置を提唱、これに対し、ベネルクス三国など小国が「一国一人」枠の維持を主張して譲らず、結論は十二月の次回首脳会議に先送りとなった。
 一方、オーストリアの極右参加政権発足時の混乱を踏まえ、「民主主義に反する政策」をとる加盟国に対してEUが監視を行える権限を新条約で規定することでも合意した。
 このほか首脳会議では、EU市民の基本的権利を明記する「欧州基本権憲章」を、十二月首脳会議で採択することで合意した。[2000-10-14-20:49] 33
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 10/14@◎セルビア共和国首相の更迭で合意=ユーゴ新旧与党、政治協(時事通信)

 【ベオグラード14日時事】コシュトニツァ・ユーゴスラビア新大統領の民主野党連合とミロシェビッチ前大統領派の社会党は14日、セルビア共和国の総選挙実施までの暫定内閣組閣に関する協議で、社会党のマリヤノビッチ首相の更迭など新内閣の骨格で合意した。最終的に合意が固まれば、同日中にも「政治協定」に調印する見込み。 [時事通信社][2000-10-14-18:52] 34 [このページの最初に戻る]


 10/14@独裁政権の民主化求めデモ 選挙前にベラルーシ野党(共同通信)

 【ミンスク14日共同】下院選の投票を十五日に控えたベラルーシの首都ミンスクで十四日、「欧州最後の独裁政権」と欧米の批判を浴びるルカシェンコ大統領に反発する主要野党が投票ボイコットを呼び掛ける大規模なデモを行う。
 野党はデモを「合法的に行う」と表明しているものの、支持者はミロシェビッチ政権の退陣を促したユーゴスラビアの市民ほう起に意を強くしており、当局は暴徒化を警戒。野党は参加者が一万人を超えるとしている。
 デモ隊は「まやかしの選挙に反対」とのスローガンを掲げ、市内約三キロを行進。当初は行政庁舎が並ぶ市内中心部を練り歩く計画だったが、当局の許可が下りなかったという。
 デモを組織した有力野党、人民戦線のシフチク副議長は「ベラルーシもユーゴの図式に近づいている」と語り、ルカシェンコ政権の崩壊も遠くないと強調した。
 主要野党は、二院制の議会が大統領の強引な憲法修正によって創設されたことや、政権のメディア独占などを批判し、今回の選挙に候補者を出していない。(了)[2000-10-14-16:12] 36
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 10/14@ユーゴ新大統領激励し閉幕 EU特別首脳会議(共同通信)

 【ビアリッツ(フランス南西部)14日共同】フランス南西部ビアリッツで開かれていた欧州連合(EU)特別首脳会議は十四日、欧州市民の権利を網羅した「欧州基本権憲章」を承認して閉幕、各国首脳はコシュトニツァ新ユーゴスラビア大統領と昼食をともにし、民主化と経済再建への努力を激励する。
 首脳会議はコシュトニツァ大統領にとって国際舞台への初登場。EU議長国フランスのシラク大統領とともに記者会見する。
 会議ではEU拡大の前提条件となる機構改革を首脳レベルで論議。大国と小国の利害の違いなどは埋まらなかったが、EU当局者は「期限である十二月合意に向けて弾みがついた」と評価している。
 基本権憲章はEU初の「権利章典」。EU市民が享受する幅広い権利が明文化されたが、法的拘束力を持たせるかどうかの決定は十二月のEU首脳会議に持ち越された。(了)[2000-10-14-15:13] 37
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 10/14@秘密脱出路が博物館に サラエボのトンネル再現へ(共同通信)

 五年前に終結したボスニア・ヘルツェゴビナの内戦のさなか、セルビア人勢力に包囲され補給路を断たれた首都サラエボで、イスラム教徒勢力がひそかに利用していた「首都脱出トンネル」が近く再現され、博物館になることが決まり、市は観光の目玉として売り込む計画だ。
 再現されるのは、郊外のアパート群の近くの入り口から空港の真下を通って「自由世界」と呼ばれた南部地域に達する約八百メートルの狭い地下道。戦争の傷跡は苦難を思い起こさせるとの反対論を押し切って、年内には完成の見通しという。
 「内証で行き来したイゼトベゴビッチ幹部会議長のトロッコを私が何度か押したのですよ」。再建後に「トンネル博物館長」に就任するエディス・コラルさんは感慨深げな様子。
 コラルさんの家は、たまたまイスラム教徒勢力の部隊が掘り進めたトンネルの出口にあった。軍の命令には逆らえず、また、一家も「民族のために戦う」決意を抱いていたため工事に協力、トンネルは四カ月で完成した。一部は埋められたが大半は当時のままの姿を残している。
 内戦終結後、トンネルを利用した人の写真や軍服、運び込まれた小麦や銃器などを、砲撃でずたずたになった自宅の二部屋に展示してきた。議長が乗ったトロッコもこの“私製博物館”に保管している。
 これまではチップだけで“開館”してきたが、父ラモさんは「引っ越し先もあっせんしてもらい、息子は正式な館長という定職を得る。歴史を守り家族も守れた」と笑顔を見せた。(サラエボ共同=永田正敏)(了)[2000-10-14-15:06] 39
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 10/14@ユーゴ連邦首相、社会人民党からの起用で合意(読売新聞)

 【ベオグラード14日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のコシュトゥニツァ大統領は十三日、連邦暫定内閣の組閣について、九月の総選挙でモンテネグロ共和国で第一党となった社会人民党のブラトビッチ副党首と協議し、同党から連邦首相を起用することで合意した。同大統領は来週中に首相候補を指名、二週間程度で内閣組閣を完了させるとしている。[2000-10-14-11:52] 40 [このページの最初に戻る]


 10/14@<ユーゴ情勢>民衆革命 関係者が明かす連邦議会突入の真相(毎日新聞)

 【チャチャク13日福原直樹】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のチャチャク市(セルビア中部)のベリミール・イリッチ市長(49)は13日、同市庁舎で毎日新聞と会見し、ミロシェビッチ政権打倒の引き金になった5日の連邦議会突入の真相を明らかにした。イリッチ市長は、事前に秘密警察や軍特殊部隊と緊密な連絡をとり、“民衆革命″が綿密な計画によって行われたと認めた。また、情報漏れを怖れ、コシュトゥニツァ新大統領を擁するセルビア民主野党連合に知らせず、有名サッカーチームのファンクラブを動員するなど、民衆主導でほう起を導いた経緯を証言した。
 イリッチ市長によると、一部の側近と計画を練ったのは、8月ごろから。ミロシェビッチ前大統領派が支配する連邦議会、国営放送の襲撃に的を絞り、反テロ対策の中核だった首都警察の特殊組織、首都に展開する第63空てい部隊の特殊部隊、さらに一部の秘密警察の現場幹部に極秘に接触した。現場幹部らは、上司の命令に従うふりをしながら、各種の情報提供に加え、万が一の際は市長派に付いて戦うことを約束した。
 その一方で、市長らは組織的な応援で知られるサッカーチーム「ベオグラード・レッドスター」のファンクラブとも交渉。“決起日″の動員を確約させた。地元の空手家やキックボクサー、ボディービルダーなど屈強な男たちや、非番の軍兵士、警察官も集め、具体的な行動計画を指示し、「死ぬかもしれない」と念を押した上で参加を確認した。
 9月24日の大統領選挙の投票後、前大統領派が「再選挙」を主張。一方で、新大統領が勝利宣言をする中、「機が熟した」とみた市長は、5日午前7時、投石用の石を積んだ230台の大型トラック230台、バス50台、街宣車、対戦車用の大型ブルドーザーを出動させ、チャチャク市を後にした。ハンマーや金属棒を持った市民も自家用車で続き、沿道の住民も列に加わった。このとき車列は20キロ以上、参加者は20万人を超えたという。
 同11時、首都・ベオグラードに到着。街宣車で首都市民に参加を呼びかけ、連邦議会前に陣取った。呼びかけで首都の市民もその周りを取り囲んだ。さらに軍や警察の幹部からは、携帯電話などで部隊の布陣などの綿密な情報が逐一入った。現場の警察幹部から「午後3時半に、そちら側の味方につく。手薄になるから突っ込め」と連絡され、連邦議会突入に成功した。
 イリッチ市長は96年の当選以来、反ミロシェビッチ前大統領派の急先ぽうとして知られている。北大西洋条約機構の空爆でも、市長は和平を主張、その後何者かが自宅を銃撃している。同市長は「死を覚悟したが、我々の動きをきっかけに首都の市民も呼応した。成功して良かった」と話している。
 ユーゴスラビア連邦の「民衆革命」でのイリッチ・チャチャク市市長や、同市市民の行動は次の通り。
 10月5日午前7時ごろ イリッチ市長らチャチャク市出発。作戦通り、50台のバス(2500人)、230台の大型トラック(投石用の石掲載)、ブルドーザーなどに分乗。途中、トラックなどを道に置いた警察側のバリケード6カ所を粉砕。警察側は威嚇発砲。この間、沿道の市民がデモに参加。
 午前10時過ぎ 首都・ベオグラード周辺で、首都市民がデモ隊に食料、ビールなどを供給し、歓待。沿道の市民が続き、デモ隊は20万人以上に。首都を包囲するような形で、デモ隊は、首都を目指した。
 午前11時 ベオグラード中心部(チャチャク市から約130キロ北)に到着。市長の呼びかけで首都市民もデモに参加、「推計で100万人が通りを埋めた」(市長)。市長は軍・警察の協力者と、頻繁に携帯電話や無線で極秘裏に交信。
 午後11時半 1回目の議会突入。正面玄関まで達するが、警備隊の催涙ガスで退却。その後「午後3時半にそちら側に加担するから、その時突入しろ」と、警察側の協力者が無線連絡。
 午後3時半 議場突入。火の手が上がる。国営テレビ局にも突入。首都市民らが自発的に政府側の別な放送局や、警察などにも突入。首都は混乱状況に。
 同日夜 政府側の反撃を恐れ、市長らは議会前などで徹夜。首都市民に「自宅に帰るな」と説得。
 6日午前7時半 政府側の反撃がないことを確認、首都の市民が起き出すのを待って、故郷・チャチャク市へ。途中、沿道の市民は仕事を休み歓迎。20キロの車列が続き、チャチャク市では5万人が市の中心部で市長を迎えた。[2000-10-14-11:36] 42
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 10/14@<ユーゴ問題>欧州連合特別首脳会議、緊急援助で合意(毎日新聞)

 【ビアリッツ(フランス南西部)13日森忠彦】フランス・ビアリッツで開かれている欧州連合(EU)特別首脳会議は13日、ユーゴスラビア連邦に対して医療や食料、燃料などの緊急援助を行うことで合意した。欧州委員会報道官によると、援助額は約2億ユーロ(約190億円)に上る見通しだ。最終日の14日、首脳会議にユーゴ連邦のコシュトゥニツァ新大統領を招き、本格的な関係改善を内外に示すことになる。
 EUは既に石油禁輸、民間航空機の乗り入れ禁止などの対ユーゴ経済制裁措置の一部を解除している。これまで凍結してきた23億ユーロ(約2140億円)の復興支援計画(2006年まで)も開始する方針だが、今回の緊急支援は冬を前に医療や食料、燃料などの生活物資を中心とした人道支援を目的としている。さらに昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆で破壊したドナウ川の架橋再建にも取りかかる。[2000-10-14-10:56] 43
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 10/14@<ユーゴ情勢>前大統領はベオグラードにと、前連邦副首相(毎日新聞)

 【ウィーン14日福井聡】ユーゴスラビア連邦の旧政権与党・社会党のシャイノビッチ前連邦副首相は13日、記者会見し、「前大統領はベオグラードにいて、我々は毎日会っている。前大統領は少なくとも11月25日に開く次期党大会まで党首であり続ける」と述べた。ミロシェビッチ氏は6日、テレビ演説で大統領退陣を表明して以来、所在不明だった。
 コシュトゥニツァ新大統領の支持母体・セルビア民主野党連合は同日、社会党との間で12月24日にセルビア共和国議会選挙を実施することで合意したが、社会党などの抵抗に遭い、連邦政府組閣の目途が立っていない。野党連合は「旧与党の抵抗を背後で操っているのはミロシェビッチ前大統領だ」と非難している。[2000-10-14-10:55] 44
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 10/14@セルビア共和国選挙、12月24日実施で一致(読売新聞)

 【ベオグラード14日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦のコシュトゥニツァ大統領を支持する「民主野党連合」とミロシェビッチ前大統領派の社会党は十三日、来年九月に任期満了となるセルビア共和国議会の選挙を繰り上げ、十二月二十四日に実施することで合意した。これに伴い議会実施までの内政を担う暫定内閣の組閣交渉も再開させる。
 同共和国議会では社会党、急進党などが大半の議席を独占、「連合」は議席を有していないが、選挙が実施されれば「連合」が勝利するのは確実。ユーゴ連邦に続いてセルビア共和国でも社会党主導政権が崩壊する見通しとなった。
 暫定内閣は、学者や専門家らで構成される実務型とすることが固まっているが、閣僚人事を「連合」、社会党、急進党の三党で分け合うとの「連合」提案を軸に各党間の調整を進める。
 同共和国議会選挙を巡っては「連合」や社会党などが、十二月十七日に実施し、暫定内閣を組閣することで合意していたが、社会党がその後、ミロシェビッチ旧体制派一掃の動きが強まったのに反発、この政治日程を拒否していた。[2000-10-14-10:16] 45
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 10/14@連邦制維持に支持表明 米がユーゴ問題で(共同通信)

 【ベオグラード14日共同】オブライエン米大統領特別顧問は十三日、ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のポドゴリツァを訪れ、ジュカノビッチ共和国大統領と会談し、同共和国の独立に反対する意向を伝えた。
 コシュトニツァ新連邦大統領は、連邦を構成するセルビアとモンテネグロの両共和国に対等な権限を与える新憲法を制定、連邦制維持に努める方針で、米国がこれに「お墨付き」を与えたことになる。
 これまでジュカノビッチ大統領は「対等の権限」が与えられなければ、独立を問う国民投票実施も辞さない意向を表明。バルカン地域の不安定化を恐れる欧米諸国は懸念を示していた。
 特別顧問は記者会見で「米国はモンテネグロの独立を支持しない」と明言。連邦離脱を志向する発言を繰り返しているジュカノビッチ大統領ら共和国政府与党をけん制した。
 ジュカノビッチ氏はこれに対し、コシュトニツァ政権に協力するとの声明を発表。国民投票実施を当面棚上げし、連邦制再編を模索する意向を示した。(了)[2000-10-14-10:01] 46
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 10/14@◎ユーゴ、通貨ディナールを事実上切り下げ=やみ市場の駆逐(時事通信)

 【ベオグラード13日時事】コシュトニツァ民主化政権の掌握下にあるユーゴスラビア連邦国立銀行(中央銀行)は13日、同国通貨ディナールの準公定交換レートを1ドイツ・マルク=20ディナールから同30ディナールに修正し、ディナールを事実上切り下げたと発表した。1マルク=30ディナールは、やみ市場の交換レートとほぼ同水準。中銀は実勢に近い交換レートを導入することでやみ市場を駆逐し、市中銀行と企業間取引を活性化する狙いがある。 [時事通信社][2000-10-14-07:16] 50 [このページの最初に戻る]


 10/14@◇EUがユーゴ緊急支援 欧州委は200億円規模を提案へ◇(朝日新聞)

 欧州委員会は13日、新体制が発足したユーゴスラビアに対し、2億ユーロ(約190億円)規模の緊急支援をするよう欧州連合(EU)首脳会議に提案した。厳しい冬を越すための暖房油や食糧、医薬品などを送るためで、各国と欧州議会の承認を得て早急に実施する。
 ユーゴへの緊急支援は大半がセルビア向けで、すぐに使えるEUの緊急援助予算、2億ユーロ強の大半をつぎ込む。欧州委のプロディ委員長は「支援に条件はつけない。バルカン半島復興の一環と位置づけている」と話している。
 ミロシェビッチ前大統領の体制が続いたセルビアは、EUのバルカン支援の枠組みから外されていた。欧州委は「民主化」を前提に、緊急支援とは別に7年間で計23億ユーロ(約2200億円)の復興援助を計画している。特に、北大西洋条約機構(NATO)の空爆で多くの橋が落ちたドナウ川の復旧を急ぐ。[2000-10-14-00:33] 51


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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