最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(10/10, 2000)


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 10/07@ユーゴ民主政権発足、新大統領が就任へ(読売新聞)
 10/07@◇スパイ容疑の英国人ら3人釈放 ユーゴ当局◇(朝日新聞)
 10/07@<ユーゴ>連邦議会が選挙後初の会議開き、新大統領就任を承(毎日新聞)
 10/07@<ユーゴ>モンテネグロ大統領が新政権を強くけん制する(毎日新聞)
 10/07@◇中国、ミロシェビッチ氏敗北宣言で次期大統領に祝電◇(朝日新聞)
 10/07@<ユーゴ>ミロシェビッチ氏の長男、マルコ氏がモスクワへ(毎日新聞)
 10/07@首相、ユーゴ新大統領に民主化の推進期待 (読売新聞)
 10/07@◇森首相、ユーゴ新大統領に祝電 新政権を認知◇(朝日新聞)
 10/07@◇カナダ首相がユーゴ次期大統領に制裁解除の書簡◇(朝日新聞)
 10/07@ユーゴ大統領が敗北宣言 ミロシェビッチ時代に幕(共同通信)
 10/07@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏に当選祝う祝電 中国の江沢民(毎日新聞)
 10/07@ユーゴ連邦議会、初招集へ 新大統領が宣誓も(共同通信)
 10/07@ぬぐえぬ反撃への懸念 警戒呼び掛ける野党側(共同通信)
 10/07@ユーゴ大統領退陣、歓喜のベオグラード(読売新聞)
 10/07@EU首脳会議にユーゴ新大統領を招待(読売新聞)
 10/07@米大統領、ミロシェビッチ大統領「退陣」歓迎(読売新聞)
 10/07@◇憲法学者から大統領へ ボイスラフ・コシュトニッツァ氏◇(朝日新聞)
 10/07@◇ミロシェビッチ大統領、テレビ演説で敗北認める◇(朝日新聞)
 10/07@◇ミロシェビッチ氏の政治活動継続に米が警告◇(朝日新聞)
 10/07@◇ミロシェビッチ政権崩壊を歓迎 国連事務総長◇(朝日新聞)
 10/07@雄たけび上げる若者たち 喜びにわくユーゴ各地(共同通信)
 10/07@<近事片々>7日 ユーゴ 「わが家の敷居は一番高い山」(毎日新聞)
 10/07@<ユーゴ>大統領退陣で国際情勢は=植田隆子国際基督教大教(毎日新聞)
 10/07@<ユーゴ>退陣表明への市民の反応 政界残留には冷ややかな(毎日新聞)
 10/07@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏の課題 連立工作の行方がカギ(毎日新聞)
 10/07@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏、TVで国民と対話図る(毎日新聞)
 10/07@ミロシェビッチ大統領、辞任表明(読売新聞)
 10/07@<ユーゴ>ミロシェビッチ大統領退陣表明 7日に新大統領就(毎日新聞)
 10/07@◇ユーゴ次期大統領をEU首脳会議に招待 仏大統領明かす◇(朝日新聞)
 10/07@◎ユーゴのIMF・世銀再加盟を協議へ=米国(時事通信)
 10/07@<IMF・世銀>ユーゴの再加盟に前向き姿勢 米報道官(毎日新聞)
 10/07@コシュトゥニツァ氏、TVで国民との対話強調(読売新聞)
 10/07@ユーゴ、IMF、世銀に再加盟を ホワイトハウス報道官(共同通信)
 10/07@国際社会の勝利と米大統領 戦犯追及は継続の姿勢(共同通信)
 10/07@仏外相をユーゴに派遣へ 欧州連合(共同通信)
 10/07@ユーゴ大統領が敗北宣言 ミロシェビッチ時代に幕(共同通信)
 10/07@「今後は党で活動を」 退陣の言葉に謙虚さなし(共同通信)
 10/07@万策尽きたミロシェビッチ大統領 権力基盤失い孤立無援(共同通信)
 10/07@コシュトニツァ氏を認定 ユーゴ憲法裁が新大統領に(共同通信)
 10/07@ユーゴ暫定政権発足 軍新体制受け入れ ロ外相、大統領と会(共同通信)
 10/07@◇ユーゴ憲法裁、新大統領当選を認定◇(朝日新聞)
 10/07@ミロシェビッチ氏、ユーゴ大統領辞任を示唆(読売新聞)
 10/07@ユーゴ大統領選、民主野党連合候補が当選確定(読売新聞)
 10/07@中国外務省、「ユーゴ人民の選択を尊重」 (読売新聞)
 10/07@ユーゴ国際法廷検事、大統領身柄引き渡し要請(読売新聞)
 10/07@河野外相、「ユーゴ新政権樹立を歓迎」(読売新聞)
 10/07@<ニュースキー>ユーゴ新政権樹立へ 解放されたセルビア=(毎日新聞)
 10/07@◎ミロシェビッチ氏、ロシア外相と会談=ユーゴ国営テレビが(時事通信)
 10/07@<ユーゴ>ミロシェビッチ大統領は私邸に 露外相と会談(毎日新聞)
 10/07@◎「自由・民主の欧州統合が実現」=英首相(時事通信)
 10/07@◇ユーゴ情勢―市民が生んだ新政権◇(朝日新聞)
 10/07@<ロシア>プーチン大統領、ユーゴの新大統領を支持(毎日新聞)
 10/07@<ユーゴ>民主野党連合、新体制確立作業へ本格的に着手=替(毎日新聞)
 10/07@◇ロシア、ユーゴ新政権を支持◇(朝日新聞)
 10/07@<ジンバブエ>最大野党のツァンギライ党首が毎日新聞と会見(毎日新聞)
 10/08@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏は新大統領就任宣誓後、組閣へ(毎日新聞)
 10/08@コシュトゥニツァ氏が大統領就任宣誓へ(読売新聞)
 10/08@◎ギリシャ外相と会談=コシュトニツァ氏 (時事通信)
 10/08@<ユーゴ>新大統領就任について期待感を表明 露のプーチン(毎日新聞)
 10/08@ミロシェビッチ氏の長男一家、モスクワに到着か(読売新聞)
 10/08@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏に祝電を打つ 森首相=替(毎日新聞)
 10/08@◇戦犯問題より早期の政権移行優先 ユーゴ情勢で米高官◇(朝日新聞)
 10/08@◎コシュトニツァ氏勝利で首都の映画館が入場料を無料に=ユ(時事通信)
 10/08@◇天声人語◇(朝日新聞)
 10/08@パレスチナ騒乱、レバノン国境に拡大(読売新聞)
 10/08@<ユーゴ>「民衆革命」のドラマ 再生誓う御用メディア(毎日新聞)
 10/08@<ユーゴ>「民衆革命」のドラマ モンテネグロに安ど感(毎日新聞)
 10/08@<ユーゴ>「民衆革命」のドラマ 体張った“ヤマの男”たち(毎日新聞)
 10/08@ユーゴ連邦軍、銃口突きつけミロシェビッチ退陣迫る(読売新聞)
 10/08@◇騒乱の犠牲者悼み葬儀 ユーゴ首都◇(朝日新聞)
 10/08@◇ユーゴのコシュトニツァ大統領、国民和解を呼びかけ◇(朝日新聞)
 10/08@◎新大統領にご祝儀相場=ユーゴ通貨、やみ市場で急騰(時事通信)
 10/08@◎ユーゴの一体性が最優先課題=連邦軍は新政権への忠誠を表(時事通信)
 10/08@<ユーゴ>新政権、旧政権与党との駆け引き 組閣作業難航(毎日新聞)
 10/08@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏、連邦大統領に正式就任(毎日新聞)
 10/08@◎権力乱用でミロシェビッチ夫妻を告訴=ユーゴ(時事通信)
 10/08@◇コシュトニツァ氏、ユーゴ大統領に正式就任◇(朝日新聞)
 10/08@民主主義到来を力強く宣言 各国大使らの拍手やまず ユーゴ(共同通信)
 10/08@コシュトゥニツァ氏が大統領就任(読売新聞)
 10/08@ユーゴ新大統領が就任 コシュトニツァ政権発足(共同通信)
 10/08@<米国>「中東」と「北朝鮮」の2正面外交で苦慮 (毎日新聞)
 10/08@<中東情勢>イスラエルの「過剰な武力使用」を非難 安保理(毎日新聞)
 10/08@◇イスラエル首相が最後通告 48時間以内の鎮静化要求◇(朝日新聞)
 10/08@◎リトアニアで総選挙(時事通信)
 10/09@◎セルビアで12月19日に総選挙=ユーゴ新政権、権力構造(時事通信)
 10/09@○対ユーゴ制裁、一部解除へ=コシュトニツァ新政権を支援−(時事通信)
 10/09@ユーゴ制裁、一部解除へ EU外相理事会 (共同通信)
 10/09@ユーゴ大統領就任を報道 北朝鮮中央放送 (共同通信)
 10/09@米大統領が電話会談 コシュトニツァ大統領と(共同通信)
 10/09@経済再建で大規模援助要求 ユーゴ新政権幹部が会見(共同通信)
 10/09@◎15日以内に新内閣組閣=モンテネグロ社会人民党(時事通信)
 10/09@◇新生ユーゴ―ふつうの国への第一歩◇(朝日新聞)
 10/09@◎前大統領派が第1党に=リトアニア総選挙(時事通信)
 10/09@全面対決への重大局面 米、国連などの調停本格化(共同通信)
 10/09@◎紛争予防NGO、アジアで本格活動へ=理事長が来日、財政(時事通信)
 10/09@オランダ語系多数に逆転 言語紛争のフーロン ベルギー(共同通信)
 10/10@◎EU、ユーゴ制裁の部分解除を決定=コシュトニツァ政権を
 10/10@民族主義の傷跡むなしく 難民収容所に内戦の縮図 ユーゴ(共同通信)
 10/10@◎総選挙実施に向け組閣協議=現内閣は総辞職へ−セルビア(時事通信)
 10/10@セルビア暫定内閣発足へ 新政権が主導権獲得目指す(共同通信)
 10/10@◎ユーゴ前大統領の息子、中国に入国せず (時事通信)
 10/10@<EU>ユーゴへの制裁一部解除を決定 外相理事会(毎日新聞)
 10/10@ユーゴ連邦セルビア議会の主要政党が解散で合意(読売新聞)
 10/10@◇ユーゴ連邦首相が辞任 セルビアでは12月に議会選挙へ◇(朝日新聞)
 10/10@<ユーゴ>ミロシェビッチ前大統領がモスクワに滞在 ラジオ(毎日新聞)
 10/10@<ユーゴ>セルビア議会が近く解散、12月に総選挙で合意 (毎日新聞)
 10/10@◇EUがユーゴ制裁を部分解除 仏外相が10日に訪問◇(朝日新聞)
 10/10@EU外相理事会、対ユーゴ制裁解除を決定 (読売新聞)
 10/10@米もユーゴ制裁解除へ(共同通信)
 10/10@◎対ユーゴ経済制裁解除へ=カナダ(時事通信)
 10/10@ユーゴ連邦軍の扱い協議へ モンテネグロ共和国政府当局(共同通信)
 10/10@セルビア内閣が総辞職へ 議会選は12月17日に実施 (共同通信)
 10/10@北京からモスクワ逆戻り? ユーゴ前大統領子息(共同通信)
 10/10@国連事務総長がユーゴスラビア連邦大統領に祝意(共同通信)
 10/10@セルビア内閣が総辞職 旧政権、牙城で影響力喪失 (共同通信)
 10/10@◎ミロシェビッチ・ユーゴ前大統領、モスクワへ出国か(時事通信)
 10/10@◇国連事務総長「流血の停止」呼びかけ 国際委構成が焦点◇(朝日新聞)
 10/10@イスラエル、パレスチナへの最後通告期限延長(読売新聞)
 10/10@<レバノン>情勢緊迫化で軍が全面警戒態勢に(毎日新聞)
 10/10@<中東情勢>ヨルダン川西岸などで衝突がくすぶる(毎日新聞)
 10/10@エベレスト最高峰からの滑降に成功(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 10/07@ユーゴ民主政権発足、新大統領が就任へ(読売新聞)

 【ベオグラード7日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)大統領選での勝利が確定した民主野党連合のコシュトゥニツァ氏(56)は七日午後五時(日本時間八日午前零時)に連邦議会を招集し、新大統領に正式就任する。これにより、十三年間のミロシェビッチ強権体制は終えんし、民主化に向けた新体制が正式発足する。同氏は今後一年半をめどに大統領職を務め、「新ユーゴ」の基盤作りに取り組む意向だが、大統領を辞任したミロシェビッチ氏の処遇、連邦制のあり方や経済再建など問題は山積しており、前途は多難だ。
 先月二十四日に大統領選と同時実施された議会選結果を受け招集される連邦議会では、まず新議員が上下院議長を選出、その後、コシュトゥニツァ氏が宣誓し、新大統領に就任する。
 新政権が直面する課題は多い。
 まず、ミロシェビッチ氏の今後の処遇。コシュトゥニツァ氏は、旧ユーゴ戦犯国際法廷から起訴されているミロシェビッチ氏の身柄を引き渡さないとしており、引き渡しを求める北大西洋条約機構(NATO)諸国との交渉が、最初の外交課題となりそうだ。また、モンテネグロ共和国は、コシュトゥニツァ氏を新大統領として承認することに消極的であり、ユーゴ連邦からの離脱の動きを強めている。また、欧州連合(EU)などは、石油禁輸などの経済制裁を解除する方針だが、ユーゴは高インフレに悩まされており、経済再建は容易ではない。
 また連邦軍は七日、コシュトゥニツァ氏を支持していく方針を表明した。連邦軍はミロシェビッチ大統領の強力な支持母体で、その動向次第では混乱も懸念されていた。[2000-10-07-22:21] 20
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 10/07@◇スパイ容疑の英国人ら3人釈放 ユーゴ当局◇(朝日新聞)

 スパイ容疑をかけられて8月上旬からユーゴ当局に拘束されていた英国人ら3人が6日、ベオグラードで釈放された。3人は一両日中に帰国する。
 釈放されたのは欧州安保協力機構(OSCE)の派遣団員として、コソボ自治州内で警察官の養成を行っていた英国人の文民警官2人とカナダの民間人1人の計3人。
 3人の弁護士は「検察当局は起訴を取り下げた」と語った。まだ拘束が続いているもう1人のカナダ人も近いうちに釈放される見込みだという。
 4人は非番を利用してコソボ自治州からユーゴ連邦モンテネグロ共和国内に入っていたところを、スパイ容疑でユーゴ連邦軍に逮捕された。[2000-10-07-22:20] 22
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 10/07@<ユーゴ>連邦議会が選挙後初の会議開き、新大統領就任を承(毎日新聞)

 【ベオグラード7日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の連邦議会は7日午後5時(日本時間8日午前0時)、先月24日の大統領・議会選挙後初の会議を開き、大統領選で当選したセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ氏の新大統領就任を承認する。同氏は就任を宣誓した後、組閣に着手する。これにより、平和的な政権交代が実現、ユーゴ情勢は正常化への第一歩を踏み出す。 
 組閣にあたっては、コシュツゥニツァ氏の支持母体であるセルビア民主野党連合は議会内少数派であることから、ミロシェビッチ派に属したモンテネグロの社会人民党と連立を組み、同党のプレドラグ・ブラトビッチ副党首が連邦首相に就任する見通し。連邦議会は、ベオグラード中心部の同議会ビルが5日の騒乱で一部損壊したため、近くのベオグラード市議会ビルで行われる。
 新大統領に就任するコシュトゥニツァ氏は当面、13年間のミロシェビッチ政権が残した国際社会からの孤立、経済の低迷をいかに早期に克服するかが緊急課題となる。欧州連合(EU)は来週にも経済制裁を解除すると約束。コシュトゥニツァ氏は制裁解除による経済活性化をテコに国民が安心して暮らせる「欧州の普通の国」に戻したいとしている。
 社会党党首として政治活動を続けると表明しているミロシェビッチ氏の処遇問題や、議会運営、モンテネグロ、コソボ自治州の連邦離脱の動きなど、コシュトゥニツァ新大統領の前途には課題が山積している。社会党が多数派を占めるセルビア共和国の大統領・議会選挙は年内にも、ユーゴ連邦議会も新憲法制定のため来年に再選挙が予想されている。
 7日のモスクワ放送によると、イワノフ露外相は、コシュトゥニツァ新大統領が就任後初の外遊先としてロシアを訪問すると明らかにした。[2000-10-07-22:00] 23
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 10/07@<ユーゴ>モンテネグロ大統領が新政権を強くけん制する(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(ユーゴスラビア・モンテネグロ共和国)7日笠原敏彦】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のモンテネグロのジュカノビッチ大統領は6日、ユーゴ大統領・連邦議会選の結果に言及し、コシュトゥニツァ新政権の民主化政策を見守る方針を示しながらも、「今回の選挙は違法であり、それに基づく連邦政府も違法である」と述べ、新政権を強くけん制した。
 反ミロシェビッチ・連邦離脱派のジュカノビッチ政権の与党連合は、同共和国に不利な連邦憲法改正に反発し、9月24日投票の選挙をボイコットした。セルビア野党連合の選挙参加申し入れをモンテネグロ与党側が拒否したため、反ミロシェビッチの立場で一致している両者の関係にひびが入るようになった。
 選挙の結果、モンテネグロに割り当てられている50議席のうち、親ミロシェビッチ派の社会人民党(SNP)が大半を独占した。コシュトゥニツァ氏は新政権の連邦首相の座を同党に与えることを明言しているほか、連立政権を組む可能性すら指摘されている。また、同氏は、議会選挙の結果を受け入れた上で民主化を進め、近い将来、新憲法の制定と新たな選挙を行う段取りを示している。
 ジュカノビッチ大統領は完全に新政権から取り残された形になる。ユーゴ新政権が生む「ねじれ現象」に対し、モンテネグロの連立与党内からは反発や不満が出ている。[2000-10-07-21:35] 24
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 10/07@◇中国、ミロシェビッチ氏敗北宣言で次期大統領に祝電◇(朝日新聞)

 新華社電によると、中国の江沢民国家主席は7日、ユーゴスラビア次期大統領コシュトニツァ氏に祝電を打った。
 新華社はこのニュースに先立って、「ミロシェビッチ大統領が辞任を表明した」と報道、ミロシェビッチ氏の態度表明を待って、初めて新政権認知に動き始めた。ユーゴ空爆時の中国大使館爆撃事件などで、ミロシェビッチ政権と緊密な関係を維持してきた中国の複雑な立場が浮き彫りになった。
 中国外務省の孫玉璽副報道局長は同日、談話を発表。「ユーゴ指導者の交代は、ユーゴの内政だ」とした上で、「ユーゴ新政権が政治の安定を実現し、経済を回復させ、国際社会に復帰することを心から祈る」と述べた。
 中国当局は、ミロシェビッチ氏の態度が不明だった6日まで、「(ユーゴ情勢に)深い関心を持ち、安定の回復を求めている」などとする談話にとどめ、ミロシェビッチ氏に配慮していた。今年6月には李鵬・全国人民代表大会常務委員長がユーゴを訪問して、ミロシェビッチ大統領と会談、米国を念頭に置いた「覇権主義反対」で一致していたためだ。[2000-10-07-21:17] 26
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 10/07@<ユーゴ>ミロシェビッチ氏の長男、マルコ氏がモスクワへ(毎日新聞)

 【ベオグラード7日森忠彦】ユーゴラスラビアの独立系ベタ通信によると、連邦大統領退陣を表明したミロシェビッチ氏の長男、マルコ氏(26)が7日朝、妻子と共にベオグラードからモスクワ行きの航空機に搭乗した。空港関係者が明らかにした。マルコ氏はミロシェビッチ氏の出身地、セルビア中部ポジャレバツで実業家として暮らしていたが、利権乱用の批判も出ていた。[2000-10-07-20:55] 27 [このページの最初に戻る]


 10/07@首相、ユーゴ新大統領に民主化の推進期待(読売新聞)

 森首相は七日、首相官邸で記者団に対し、ユーゴスラビア連邦新大統領にコシュトゥニツァ氏が就任することについて、「ユーゴ国民の民主化を求める期待にこたえ、がんばって頂きたい。厳しい状況の中だが、新大統領の努力に期待する。政府としてもユーゴに対して全面的なバックアップをしていきたい」と述べた。[2000-10-07-20:39] 28 [このページの最初に戻る]


 10/07@◇森首相、ユーゴ新大統領に祝電 新政権を認知◇(朝日新聞)

 森喜朗首相は7日夜、ユーゴスラビアの新大統領になることが決まったコシュトニツァ氏を祝福し、日本政府として支持する電報を打つよう外務省に指示した。日本政府としても祝電を打つことで新政権を認知する姿勢を示した。
 首相は電報の内容について、記者団に「民主化を求める国民の期待にこたえてがんばっていただきたい。厳しい難しい状況の中で、新大統領の努力に期待したい。民主化を進め、国際社会の一員として1日も早く参加してもらいたい。政府としてユーゴに対して全面的にバックアップをしていきたい」という趣旨だと説明した。[2000-10-07-20:12] 30
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 10/07@◇カナダ首相がユーゴ次期大統領に制裁解除の書簡◇(朝日新聞)

 カナダからの報道によると、クレティエン首相は6日、ユーゴスラビアのコストニツァ次期大統領に書簡を出し、ユーゴへの経済制裁の解除を通告した。
 同首相は「ユーゴスラビアの新大統領、コストニツァ氏に祝辞を述べ、カナダがユーゴへの経済制裁を解除するだろう、と伝えた」と述べた。クレティエン首相は制裁解除の詳しい内容は明らかにしていない。[2000-10-07-18:49] 31
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 10/07@ユーゴ大統領が敗北宣言 ミロシェビッチ時代に幕(共同通信)

 【ベオグラード7日共同=永田正敏】市民のほう起で事実上の退陣に追い込まれたユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領は六日夜(日本時間七日朝)、ユーゴ国営テレビで「(セルビア民主野党連合の)コシュトニツァ氏の勝利を祝福する」と述べ、先月二十四日に行われた連邦大統領選での敗北を認めた。
 懸命の延命工作を続けた大統領が正式に敗北宣言したことで、十年に及んだ強権支配のミロシェビッチ時代は幕を閉じた。
 これを受け、大統領選と同時実施された議会選で選ばれた初の連邦議会が七日に招集される見通し。新議員の認証などの手続きが順調に進めば、コシュトニツァ氏の就任宣誓に進む可能性もあり、民族紛争に明け暮れたユーゴは民主化に大きく踏み出した。
 ミロシェビッチ大統領はテレビ演説で「次期政権でわが国が成功を収めることを願う」と述べる一方、自ら率いる社会党で政治活動を続ける意向を示唆した。大統領は昨年のコソボ紛争にからみ戦犯として旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されており、米国などが身柄の移送を要求している。
 コシュトニツァ氏は六日夜、ミロシェビッチ大統領やパブコビッチ連邦軍参謀総長と相次いで会談、議会庁舎などを占拠した市民や野党陣営に武力行使しないとの約束を得た。参謀総長は同日、コシュトニツァ氏を支持する軍の立場を表明した。
 ミロシェビッチ大統領の敗北宣言に先立ち、連邦憲法裁判所はコシュトニツァ氏が勝利したとの決定を発表した。
 ロシアのイワノフ外相も六日、コシュトニツァ氏と会談、プーチン大統領の親書を渡し、勝利を祝福した。外相はミロシェビッチ大統領とも会談しており、外相が引導を渡した可能性もある。(了)[2000-10-07-18:31] 34
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 10/07@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏に当選祝う祝電 中国の江沢民(毎日新聞)

 【北京7日坂東賢治】新華社電によると、中国の江沢民国家主席は7日、ユーゴスラビアの新大統領就任が確定したコシュトゥニツァ氏に当選を祝う祝電を送った。中国は「ユーゴ国民の選択を尊重する」と強調しており、ミロシェビッチ政権の崩壊が決まったことを受け、ユーゴ新政権支持を打ち出した。
 祝電はユーゴの安定と繁栄に期待を表明した上で中国とユーゴの間で伝統的な友好協力関係が続いてきたことを指摘。さらにコシュトゥニツァ氏に対して新政権との間で一層の関係発展を目指す考えを伝えた。[2000-10-07-17:55] 37
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 10/07@ユーゴ連邦議会、初招集へ 新大統領が宣誓も(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領の退陣を受けて、初の連邦議会が七日に招集される見通しとなった。新議員の認証などの手続きが順調に進めば、大統領選挙で勝利したセルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏の就任宣誓に進む可能性もある。
 独立系ベタ通信によると、野党連合に参加する「民主中道」のミツノビッチ党首は六日、新議会が七日午後に開かれる予定だと述べた。
 連邦上院は定数四○で、連邦を構成するセルビア、モンテネグロ両共和国の各二十人で構成される。
 連邦選挙管理委員会によると、大統領選と同時に実施された連邦議会選の結果、セルビアでは野党連合が優位に立った。しかし、連邦からの分離志向を強めるモンテネグロでは与党が選挙参加を拒否し社会党系だけが投票したため、モンテネグロの議席を合わせると上院全体ではミロシェビッチ派が二十七議席となり過半数を占めた。
 同様に下院(定数一三八)でも、社会党系はモンテネグロの議席を足すと過半数になる。このため、野党連合はモンテネグロの社会党系議員の取り込み工作を続けている。(了)[2000-10-07-16:56] 38
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 10/07@ぬぐえぬ反撃への懸念 警戒呼び掛ける野党側(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】旧ユーゴスラビア崩壊後、約十年近く強権体制を敷いてきたミロシェビッチ大統領は六日に敗北宣言したが、軍、警察などの治安機関を権力基盤としてきた同大統領側が反撃に出るのではないかとの懸念が、政変から二日たった七日もなお市民の間に根強い。
 「ミロシェビッチは騒乱や混乱を利用して強権体制を取り戻すための準備をしている」―。セルビア民主野党連合のジンジッチ選対本部長は六日、独裁的体制崩壊後の解放感に浸る民衆に警戒を呼び掛けた。
 一方、インタファクス通信によると、ロゴジン・ロシア下院外交委員長はユーゴ野党筋の話として、ミロシェビッチ大統領に忠実な軍や警察治安部隊の一部が首都ベオグラードに向かっているとの情報があると指摘した。
 これらの説の背景には、勝利感に酔う支持者を引き締める野党側の意図的な戦略もあるとみられる。
 しかし地元記者らも「ミロシェビッチは容易に退陣する男ではない。必ず、もうひと波乱たくらんでいる」とささやき合うなど、不安を容易にぬぐい去れないのも本音のようだ。(了)[2000-10-07-16:18] 39
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 10/07@ユーゴ大統領退陣、歓喜のベオグラード(読売新聞)

 【ベオグラード7日=大内佐紀】「まだ、信じられない。市民にこれだけの力があったとは」――。ミロシェビッチ大統領が先の大統領選挙での敗北を認めた六日夜から七日未明(日本時間同午前)まで、コシュトゥニツァ派の市民は、勝利の歓喜に酔いしれた。
 「先ほど、ミロシェビッチが敗北を認めました」。市民の抗議運動の舞台として定着した連邦議会ビル前広場。「民主野党連合」関係者が、深夜になっても広場から立ち去らない数千人に報告すると、どよめきが広がった。
 「ミロシェビッチが、何の騒ぎも起こさず、身を引くとは、正直、意外だ。まだ、軍や警察が怖いけど、不可能と思っていたことが実現したうれしさの方が強い」。大学生アナ・モラバツさん(21)は上気した顔で語った。
 政治評論家で早い段階からコシュトゥニツァ氏の勝利を予測していたセルボダン・ブランコビチ氏(45)も、「これほど早く政権交代が実現するとは思わなかった。とはいえ、これはミロシェビッチのスタイルではないから、百パーセントは安心できない」と喜びの中にも慎重さを崩さない。
 一方で、新大統領への期待は高い。造船所勤務のアレクサンダー・ヌイグンさん(27)は、「公約を守って、生活を良くしてほしい」と話していた。[2000-10-07-16:04] 40
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 10/07@EU首脳会議にユーゴ新大統領を招待(読売新聞)

 【パリ6日=池村俊郎】シラク仏大統領は六日、声明を発表し、十三日から仏南西部ビアリッツで開かれる欧州連合(EU)非公式首脳会議に、EU議長国としてユーゴスラビアの新大統領となるコシュトゥニツァ氏を招待したことを明らかにした。仏大統領は六日、同氏と電話会談を行い、口頭で非公式会議への招待を伝えていた。これに対し、同氏は「自国情勢の事情が許せば、参加したい」と回答したという。[2000-10-07-16:04] 41 [このページの最初に戻る]


 10/07@米大統領、ミロシェビッチ大統領「退陣」歓迎(読売新聞)

 【ワシントン6日=坂元隆】クリントン米大統領は六日会見し、ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領の退陣を、「勇気と正義、それに愛国主義で祖国を取り戻した人々のたぐいまれなる勝利」と歓迎した。また「今こそ民主主義を持続させるような市民制度を建設すべき時だ」と述べ、米国が今後もユーゴスラビアにかかわっていく姿勢を示した。
 すでに米国内では、対ユーゴ経済制裁を緩和すべきだという声があがっており、オルブライト国務長官は「制裁撤廃を考えている」と述べた。ただ、同長官は「ミロシェビッチ氏が(ユーゴ)新政権に関与するのならば、制裁撤廃を考え直す可能性もある」と警告した。
 一方ホワイトハウスのシーワート報道官は六日の記者会見で、米政府が欧州各国と、ユーゴの国際通貨基金(IMF)と世界銀行復帰を検討していく方針を明らかにした。ミロシェビッチ政権退陣を受けたもの。ユーゴは同政権下で融資資金の返済拒否やボスニア紛争を理由に両機関からそれぞれ九二、九三年に除名されていた。[2000-10-07-15:40] 48
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 10/07@◇憲法学者から大統領へ ボイスラフ・コシュトニッツァ氏◇(朝日新聞)

 「解放されたセルビアよ、この国に民主主義が実現する。きょう我々が行ったことは歴史であり、その歴史を作ったのは民衆だ」 ミロシェビッチ政権退陣を求めベオグラードに集まり、議会や、これまで体制側のメディアだった国営放送を占拠した数十万の市民を前に、民主主義の到来をうたい上げた。
 大統領選の投票結果をめぐり、政権側が設定した決選投票をボイコット、大衆行動に訴えた野党側の戦術には海外からは「ミロシェビッチの不戦勝を招く」と危ぶむ声もあった。だが民主野党連合のリーダーとしてゼネストを決行し、各地の集会で市民に直接訴えて、ミロシェビッチ体制に不満を持つ人々のエネルギーをまとめあげた。
 大統領選出馬までは無名の元憲法学者。長期政権の下、多くの政治家が政権との癒着や腐敗を問われていた。そんな中で、市内の中産層向けアパートに住み「サッカー好き」の庶民性や、清潔さ、発言の率直さが評価され、野党の大統領候補に担ぎ出された。
 穏健な民族主義者といわれる。ただ1974年に大学を追放されたのも、89年に設立した民主党を離れたのも、セルビア民族主義の立場をより鮮明にしたのが原因だった。西側風の民主活動家とは違う。
 国際社会に対しては、経済制裁解除を求め、ミロシェビッチ大統領とは違って西側との対話の姿勢を示す。その一方で北大西洋条約機構(NATO)によるコソボ空爆を批判、ミロシェビッチ氏を戦犯とした旧ユーゴ戦犯法廷を「極悪非道の機構」と呼び、国連への引き渡しを拒否する。
 新政権樹立後の課題は山積している。野党は寄り合い所帯。連邦議会は旧政権与党が多数を占める。独立への志向を強めているモンテネグロ、平和維持部隊(KFOR)が駐留するコソボの今後など、かじ取りの難しい問題が待ち受ける。
 ゾリツァ夫人と2人暮らし。56歳。[2000-10-07-13:50] 49
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 10/07@◇ミロシェビッチ大統領、テレビ演説で敗北認める◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領は6日夜(日本時間7日朝)、テレビで演説し「(民主野党連合の)コシュトニツァ氏の大統領選での勝利を祝福する。新大統領のもとでの、ユーゴスラビア国民の成功を祈りたい」と述べて、選挙の敗北を公式に認めた。大統領自らが退陣の意向を表明したことで、平和的な政権移行が始まり、ユーゴ国内の混乱は収拾に向かう見通しになった。民主野党連合は、7日中の連邦議会招集を働きかけ、コシュトニツァ氏の大統領就任式を急ぐ構えだ。13年にわたるミロシェビッチ体制に終止符が打たれ、東欧に残った最後の独裁政権が崩壊した。
 ミロシェビッチ大統領は同大統領派のテレビに出演し、「コシュトニツァ氏が当選したという公式情報を得たところだ」と述べ、手を前に組んだまま淡々と敗北を認めた。その一方で大統領は、自ら率いるセルビア社会党は「強力な野党でありつづける。次の選挙を勝ち抜くために勢力を拡大し、国の発展のために貢献していく」として、今後も国政にかかわっていく意向を示した。
 また「私に投票しなかった人にも感謝する。過去10年間背負ってきた負担から私を解放してくれた」「しばらく休みをとり、家族、特に孫のマルコと過ごす時間を作りたい」など、現在の心情も吐露した。
 この演説が放映された直後、ユーゴ連邦軍のパブコビッチ参謀総長も、コシュトニツァ氏の大統領選勝利を祝福する声明を発表した。
 ミロシェビッチ大統領はテレビ演説の放映前にコシュトニツァ氏と会談。お互いの握手で始まり、1時間に及んだ会談について、コシュトニツァ氏は「満足のいく会談だった」と述べ、両者の和解を演出してみせた。
 この日は、ベオグラードを訪問したロシアのイワノフ外相がまずコシュトニツァ氏と会談し、大統領選勝利を祝うプーチン大統領からのメッセージを伝達。さらに軍報道官が「民主的な手続きには介入しない」と表明し、憲法裁判所もコシュトニツァ氏勝利を認める決定を下すなど、ミロシェビッチ大統領退陣への流れが一気に固まった。
 民主野党連合の幹部は6日夜、セルビアとともに連邦を構成するモンテネグロ共和国選出の議員の到着を待ち、7日中にも連邦議会を開催して新大統領就任式を行いたい意向を示した。ベオグラード中心部では、大規模集会から丸1日たった6日夜も、大勢の市民が街頭に繰り出して独裁政権の崩壊を祝った。[2000-10-07-13:37] 50
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 10/07@◇ミロシェビッチ氏の政治活動継続に米が警告◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は6日、ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領が退陣後も政治活動を続けるのは「大きな間違いだ」と警告した。オルブライト国務長官も、「対ユーゴ制裁の解除にあたっては、ミロシェビッチ(大統領)の役割を完全に排除した政権かどうか、という点も考慮する」と語った。
 クリントン大統領は、新政権の樹立を宣言したコシュトニツァ氏を「ユーゴスラビアの新大統領と見なす」と確認したうえで、「新政権の誕生は、ユーゴスラビアの独裁政治の終えんだけではなく、ミロシェビッチ(大統領)が10年前に旧ユーゴで始めた内戦の時代が終わったことも意味している」と指摘した。さらに、「米国は、この展開に満足して、バルカン半島から身を引いてはならない。経済再建や民主化の促進のため、ユーゴ国民に対する支援に踏み切る時だ」と強調した。[2000-10-07-12:51] 51
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 10/07@◇ミロシェビッチ政権崩壊を歓迎 国連事務総長◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア情勢について、アナン国連事務総長は6日、声明を発表し「ミロシェビッチ政権の崩壊によって、ユーゴスラビアは新しい時代を迎えようとしている。国民にとっては将来に希望が持てるようになる」と変化への期待を表明した。
 ユーゴは1992年5月、ボスニア内戦への武力介入を理由に国連安全保障理事会の制裁決議を受けた。さらに同年9月の総会で、国連議席の旧ユーゴからの自動的継承を拒否され、現在は国連での活動が事実上止められている。
 アナン氏は、ユーゴ国民の総意としてコシュトニツァ氏が新大統領に承認されるよう述べるとともに、「国連はコシュトニツァ氏と協調してゆきたい」と述べ、同氏による新政権によって国連での活動再開を示唆した。[2000-10-07-12:49] 52
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 10/07@雄たけび上げる若者たち 喜びにわくユーゴ各地(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】乗用車の窓から上半身を乗り出し、雄たけびを上げる若者。ちぎれるように振られる野党の旗―。ミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦大統領が敗北宣言をした六日夜、首都ベオグラード市内は喜びにわく市民で夜通しわき返り、勝利を祝う歓声が翌七日未明まで続いた。
 七日未明の中心部テラジエ広場。「十年間待っていた日がついにやってきた」。ベオグラード大学工学部のウラディミルさん(21)はあふれんばかりの笑顔で喜びを隠しきれない様子。ニュースを聞いた後は、友人らと明け方まで“勝利の美酒”に酔った。
 一方で傍らの同大学法学部のニコラさん(21)は「ミロシェビッチはずるい男だ。退陣をちらつかせながら、何らかの形でまだ権力の座に居座ることをたくらんでいるはず」と警戒する。
 独立系ラジオによると、首都だけでなく、セルビア西部の都市シャバツでは二万人が集まり花火を打ち上げるなど、各地で“祝賀集会”が次々に開かれた。(了)[2000-10-07-12:27] 53
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 10/07@<近事片々>7日 ユーゴ 「わが家の敷居は一番高い山」(毎日新聞)

 ユーゴ新大統領になるコシュトゥニツァさんはセルビア民族主義者。民族主義者ミロシェビッチ大統領との大きな違いは全体主義者でないこと。セルビアの諺(ことわざ)に「わが家の敷居は一番高い山」とある。この敷居、「入る時」でなくて、「出る時」の思いを指す。
   ◇
 「専横と追随・黙従」13年間の民族の痛みを鎮めるには、ミロシェビッチ大統領への寛大な措置が必要なのだろう。「民主主義のあるところミロシェビッチの居場所はない」という当初の言い方は改められたようだ。
   ◇
 悪(あ)しき民族主義の敷居をまたいで民主主義の道へ、を期待する。先の諺の注解も「家を出る時だけはつらいが、いったん出てしまえば、どこへなりと行けるものだ」と。[2000-10-07-12:25] 56
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 10/07@<ユーゴ>大統領退陣で国際情勢は=植田隆子国際基督教大教(毎日新聞)

 退陣を表明したミロシェビッチ大統領は在任中、4回の戦争を引き起こし、多くの死者や難民、避難民を出したとして、欧米からバルカンの紛争や不安定化の主因とみなされてきた。
 全欧安保協力機構(OSCE)への参加資格は人権侵害によって1992年から停止され、欧州連合(EU)も制裁を課すなど欧州で完全に孤立していた。
 コシュトゥニツァ氏を新大統領に承認したプーチン・ロシア大統領は旧東ドイツの崩壊過程を熟知しているだけに、民衆に離反された体制は維持できないと判断したのだろう。
 バルカンの紛争は、EUや北大西洋条約機構(NATO)加盟国へ紛争が拡大する危険性を常にはらみ、紛争地域から出る難民、麻薬や武器の不法取引など、欧州全域に悪影響を与えてきた。欧州諸国は旧ユーゴ紛争による難民を引き受け、ボスニア、コソボで地域安定化のための軍隊を提供するなど重い負担を背負っている。
 欧米はバルカンの安定のために、ミロシェビッチ大統領の退陣とユーゴの民主化が不可欠と考えている。EUもOSCEも今回の民主的変革を歓迎しており、新政権による民主化を全力で支援するだろう。停滞していたバルカンの軍備管理交渉も軌道に乗るだろう。
 ユーゴを排除して欧州の安定化を図るのは困難で、「ミロシェビッチ政権を仲間に入れることはできない」という欧米のジレンマが解決されることになる。
 しかし、民主化の流れが短期間で軌道に乗り、ユーゴが安定に向かうかは明らかでない。さらに、コソボの将来をめぐっては、新大統領が民族主義者と伝えられるだけに今後も曲折が予想される。 【聞き手・井上 卓弥】[2000-10-07-11:55] 57
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 10/07@<ユーゴ>退陣表明への市民の反応 政界残留には冷ややかな(毎日新聞)

 【ベオグラード6日森忠彦】「民衆革命」から1日が過ぎた6日夜も、ベオグラードの中心部には新政権の誕生を喜ぶ市民が繰り出した。夕方のテレビでミロシェビッチ大統領が、大統領職からの退陣を表明したものの、野党リーダーとして政界に留まる意向を示したことに対し、市民の反応は冷ややかだ。大統領はもはや「過去の人」となりつつある。
 「民衆革命」の舞台となった連邦議会ビルの近くの集会に参加した専門学校生、ミラン・カティチさん(29)さんは「彼(ミロシェビッチ大統領)はそんなことを考えているのか。ここは民主主義の国になったのだから、何をやっても構わない。しかし、何らかの罰を受けないと、国民は納得しない」と意外な様子。
 新大統領に就任予定のコシュトゥニツァ氏が「勝利演説」をした市議会ビルをボランティアで警備している男子高校生(17)は「彼は外国に追放されるべきだ。(ルーマニアの)チャウシェスク元大統領のような処刑までは望まない。ここは平和な国なのだから。ただ、このまま政界に留まるのはおかしい」と語った。
 一方、連邦議会ビルの焼け跡をぼう然とながめていた英語教師(43)はミロシェビッチ大統領率いる社会党の支持者。「みんなが彼に反対したわけではない。身の引き時が少し遅くなったというだけだ」。勝利集会の大歓声が響く中、静かにそう言った。また年金生活をおくるミロスラン・ラシュビッチさん(74)は「テレビに映った姿は死人のように存在感がなかった。今さら何の罰が必要なのか」と首をかしげる。
 欧米諸国の経済制裁解除を市民も歓迎しているが、78日間にわたって北大西洋条約機構(NATO)の空爆を受けた傷は今なお根深い。欧米主導で運営される旧ユーゴ国際戦犯法廷にはコシュトゥニツァ氏も懐疑的で、大統領の身柄引き渡しを拒否している。そこには政治を超えたセルビア人としての「民族の意地」がうかがえた。[2000-10-07-11:30] 58
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 10/07@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏の課題 連立工作の行方がカギ(毎日新聞)

 【ベオグラード7日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ大統領による事実上の退陣表明を受け、“民衆革命”で新指導者となったコシュトゥニツァ氏は7日、新大統領に就任、空爆で疲弊した国家のかじ取りにあたる。しかし、大統領支持母体のセルビア民主野党連合は連邦議会で少数派だ。このため、野党連合は選挙前までミロシェビッチ連立与党だったモンテネグロの社会人民党との連立工作を進めており、その行方が新内閣発足の成否を左右する形となっている。
 野党連合は大統領選挙では過半数を得たものの、連邦議会選での新議席数は下院が138議席中55議席、上院が40議席中10議席で、依然ミロシェビッチ前大統領率いる社会党と、同前大統領のマルコビッチ夫人率いるユーゴ左翼の左派連合が多数派を占め、単独では主導権を握れない。野党連合はモンテネグロの社会人民党のプレドラグ・ブラトビッチ副党首を連邦首相に起用し、同党との連立で政権運営を図る意向だ。
 社会人民党は協力相手をミロシェビッチ党首の社会党とするのか野党連合とするかをめぐり紛糾。野党連合も組閣のめどが立たず、当初5日夜に予定された新議会招集、新政権発足はずれ込んだ。社会人民党は6日になってコシュトゥニツァ氏を新大統領として承認、ミロシェビッチ氏の社会党に対しても承認を呼びかけた。
 モンテネグロのジュカノビッチ大統領率いる民主社会党は一貫して反ミロシェビッチの立場を取っている。コシュトゥニツァ新政権では当然連立与党となるはずだったが、選挙中コシュトゥニツァ新大統領の再三の要請にもかかわらずジュカノビッチ大統領が投票ボイコットを断行したことで関係が悪化。コシュトゥニツァ新大統領は民主社会党ではなく、社会人民党との連立方針を決めている。[2000-10-07-11:30] 59
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 10/07@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏、TVで国民と対話図る(毎日新聞)

 【ベオグラード7日福井聡】ユーゴスラビアの新大統領に選出されたコシュトゥニツァ氏は6日夜、国営セルビア・テレビに2日連続で出演し、視聴者からの電話での質問に丁寧に答えた。ユーゴのミロシェビッチ前大統領はテレビを通じて国民に一方的に演説を繰り返したが、新大統領がテレビを通じて国民と対話を図ったことに国内では驚きと賞賛の声が上がっている。
 コシュトゥニツァ氏は同テレビで「5日夜から6日にかけて様々な事が起き、数日を過ごしたようだった」と語りかけ、司会者の質問に答えた後、視聴者からの電話での質問に答えた。質問は新政権の今後の方針や、教育、社会保障、コソボ自治州の問題など多岐におよび、軍の動向については「もう心配することはない。我々は軍と緊密な関係を築いた」と話した。
 質問の前に、新大統領は6日にロシアのイワノフ外相らと会談したことや、経済問題で日本とも協議したことも表明した。ミロシェビッチ前大統領と接触したことも触れたが、詳細の言及は避けた。[2000-10-07-11:30] 60
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 10/07@ミロシェビッチ大統領、辞任表明(読売新聞)

 【ベオグラード7日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ大統領(59)は六日夜(日本時間七日早朝)、連邦政府系テレビを通じて演説し、「(民主野党連合候補の)コシュトゥニツァ氏の選挙勝利を祝福し、新政権の下での我が国の成功を望む」と述べ、大統領選での敗北を初めて認め、辞任を表明した。
 コシュトゥニツァ氏(56)は、七日午後にも招集される新連邦議会で大統領就任を宣誓し、正式に就任する。
 これにより、先月二十四日の大統領選以来、混迷を続けてきたユーゴ情勢は正常化に向かい、同国は新体制で民主化の道を歩み出すことになる。
 ミロシェビッチ大統領の六日夜の演説は直前に録画されたもので、約二分間にわたった。この中で、大統領は「たった今、コシュトゥニツァ氏が当選したという公式連絡を受けた。私は十年間担ってきた重責から解放された」と敗北を確認した。
 大統領はその上で今後の身の処し方に触れ、「しばらく休み、家族、特に孫と過ごす時間を増やす」と述べ、当面は政治の表舞台から距離を置く意向を示したが、「その後は、我が党(社会党)再建に力を貸し、我が国の将来の繁栄に貢献したい」と強調し、政界から引退する考えのないことを明らかにした。「社会党は次期政権下で強力な野党としての役割を果たす」とも述べた。
 政権居座りを狙った大統領が、最終的に辞任の決意をしたのは、同日ベオグラード入りした「友邦国」ロシアのイワノフ外相との会談の結果と見られる。プーチン露政権は米欧に追随してコシュトゥニツァ氏勝利を認め、ミロシェビッチ氏に辞任を迫った形だ。
 大統領選の結果について連邦選管は「大統領選第一回投票で過半数得票者がなかった」として十月八日の決選投票実施を決定していた。だが、連邦憲法裁判所は六日のミロシェビッチ―イワノフ会談後、「コシュトゥニツァ氏当選を確認した」と発表した。
 一方、ミロシェビッチ大統領はテレビ演説に先だち、同日夕、ベオグラード市内の自宅で、コシュトゥニツァ氏と会談した。同氏によると、両者は政権交代について話し合ったという。
 民主野党連合は七日の連邦議会招集に向けて各党と接触を重ねており、ミロシェビッチ派の社会党と「ユーゴ左翼」、さらにモンテネグロの社会人民党も招集に応じることは確実だ。[2000-10-07-11:20] 61
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 10/07@<ユーゴ>ミロシェビッチ大統領退陣表明 7日に新大統領就(毎日新聞)

 【ベオグラード7日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ大統領は6日夜(日本時間7日未明)、5日の“民衆革命”以来初めて国民に向けてテレビ演説し、大統領選挙(9月24日)での敗北を認め、事実上の退陣を表明した。大統領はさらにセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ氏と初会談し、当選を祝福。これにより、13年間にわたりユーゴを強権支配してきたミロシェビッチ政権は正式に幕を閉じ、7日に新大統領に就任予定のコシュトゥニツァ氏のもとで新時代を迎える。
 ミロシェビッチ大統領はユーゴに唯一残る社会党系のユーインフォチャンネル・テレビで「コシュトゥニツァ氏の大統領選当選を祝福し、同氏の任期中の我が国の繁栄を希望する」と述べた。自らの去就については「少し休んだ後、我が党(社会党)の体制強化と、我が国の発展貢献にまい進したい。強力な野党の立場を取る」と語り、社会党党首として政治活動を続ける意向を表明した。
 コシュトゥニツァ氏は、旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)に起訴されたミロシェビッチ大統領の身柄を引き渡さないと言明しているが、ユーゴ国民には大統領追放を求める声が強く、ミロシェビッチ氏がどの程度、政治活動を行えるかは不明だ。
 独立系ベタ通信によると、コシュトゥニツァ氏は6日夕、ミロシェビッチ大統領の邸宅を訪問。両者は「こんばんは」とあいさつして握手を交わし、平和的な政権移行を印象付けた。約1時間の会談後、コシュトゥニツァ氏は「満足のいく話し合いをした」と述べた。
 9月24日の連邦議会選挙で選出された新議会は7日午後(日本時間同夜)、開会しコシュトゥニツァ氏の新大統領就任を承認する。コシュトゥニツァ新大統領はその後、首相を指名し、新内閣を発足させる。
 コシュトゥニツァ氏は6日、ミロシェビッチ大統領の腹心とされたパブコビッチ連邦軍参謀総長とも会談。ユーゴ国営タンユグ通信によると、同参謀総長は「連邦軍の名においてコシュトゥニツァ氏の勝利を祝福する」との声明を発表、新政権に対する軍の忠誠を表明した。[2000-10-07-11:15] 62
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 10/07@◇ユーゴ次期大統領をEU首脳会議に招待 仏大統領明かす◇(朝日新聞)

 欧州連合(EU)議長国フランスのシラク大統領は6日、ユーゴスラビアのコシュトニツァ次期大統領を10月13、14日にフランス南西部ビアリッツで開かれるEU首脳会議に招待したことを明らかにした。EUが新政権を支援することを示し、今後の具体的な援助などを協議することで、新体制を支える考えだ。
 また、ギリシャのパパンドレウ外相が7日にベオグラードを訪問し、新政権樹立後、西側高官として初めてコシュトニツァ氏と会談する。フランスのベドリヌ外相も週明けにもユーゴ入りする予定で、ユーゴへの制裁解除を決めたEU諸国は早くも新政権との直接対話に乗り出した。[2000-10-07-11:13] 63
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 10/07@◎ユーゴのIMF・世銀再加盟を協議へ=米国(時事通信)

 【ワシントン6日時事】シーワート米大統領報道官は6日の記者会見で、米政府としてユーゴスラビアの国際通貨基金(IMF)と世界銀行への再加盟問題を欧州など各国と協議する方針を明らかにした。セルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏が大統領に決まったことを受けたもので、同報道官は「(ユーゴを)国際機関に加盟させることは、国際社会への復帰に必要な措置の1つだ」と述べた。 [時事通信社][2000-10-07-11:08] 64 [このページの最初に戻る]


 10/07@<IMF・世銀>ユーゴの再加盟に前向き姿勢 米報道官(毎日新聞)

 【ワシントン6日逸見義行】米ホワイトハウスのシーワート報道官は6日の会見で、ユーゴスラビア連邦で野党勢力が新政権を樹立したことに関連して、国際通貨基金(IMF)と世界銀行への再加盟問題について、「再加盟はユーゴの国際社会復帰への必要な措置のうちの一つだ。欧州の同盟国と検討に入りたい」と述べ、再加盟の早期実現に極めて前向きの姿勢を示した。
 ユーゴは、ミロシェビッチ前政権によるコソボ問題への対応に世界的な批判が強まり、IMFを1992年に、世界銀行を93年に脱退させられた。[2000-10-07-10:46] 65
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 10/07@コシュトゥニツァ氏、TVで国民との対話強調(読売新聞)

 【ベオグラード7日=大内佐紀】大統領就任を宣言したユーゴスラビアのコシュトゥニツァ氏は六日夜(日本時間七日未明)、前夜に引き続きセルビア国営テレビに登場し、視聴者からの電話質問に回答するという米国の政治番組張りのパフォーマンスで、国民との対話を重視する姿勢をアピールした。
 約一時間にわたり受け付けた質問は、今後の政権運営からコソボ自治州の将来、教育問題など多岐にわたった。コシュトゥニツァ氏は、「今後、あらゆる政治勢力との対話が肝要だ。ミロシェビッチ氏の社会党とも話し合う用意がある」と強調。「すべての国民のための大統領になりたい」と国民融和を訴えた。
 また、「ユーゴの領土保全は私の優先課題の一つ」と国民感情に配慮。コソボ問題に関連しては、アルバニア系住民の迫害を恐れ、脱出した避難民の帰還を最重視するとした上で、「コソボの現状は、欧州の恥だ」と断じた。
 教育や医療などの改善を求める視聴者には、「全力を尽くす」と応じた。[2000-10-07-10:36] 66
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 10/07@ユーゴ、IMF、世銀に再加盟を ホワイトハウス報道官(共同通信)

 【ワシントン6日共同】ホワイトハウスのシーワート報道官は六日の記者会見で、ユーゴスラビアの新政権発足が確実になったのを受け、国際通貨基金(IMF)、世界銀行への同国の再加盟を認める方向で欧州連合(EU)などと調整していく方針を明らかにした。
 ユーゴはミロシェビッチ政権のコソボ問題への対応などで国際的な批判を受け、一九九二年にIMF、九三年に世銀から脱退させられていた。(了)[2000-10-07-10:05] 68
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 10/07@国際社会の勝利と米大統領 戦犯追及は継続の姿勢(共同通信)

 【ワシントン6日共同】クリントン米大統領は六日、ユーゴスラビアのセルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏が政権を掌握したことを「国際社会にとっても勝利」としてたたえ、「平和で分裂のない民主的な欧州が初めて実現した」と述べた。
 しかしシーワート米大統領報道官は同日、敗北を認めたミロシェビッチ大統領について「訴追されており、その罪に対する責任がある」と言明、同大統領を旧ユーゴ国際戦犯法廷で裁く方針を継続する姿勢を見せた。
 報道官はミロシェビッチ大統領の「ユーゴにおける(退陣後の)役割は認めない」と述べ、今後、野党党首として活動することなどは論外とした。
 ミロシェビッチ大統領の身柄拘束につながる情報提供者に米政府が支払うことを決めている最高五百万ドル(約五億五千万円)の懸賞金についても、米国務省のバウチャー報道官は六日、「変わりはない」と述べ、継続する方針を明らかにしている。(了)[2000-10-07-09:58] 71
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 10/07@仏外相をユーゴに派遣へ 欧州連合(共同通信)

 【パリ6日共同】欧州連合(EU)議長国フランスのジョスパン首相は六日、ベドリヌ外相をEU代表として十日にもベオグラードに派遣すると述べた。
 首相によると、九日のEU外相理事会で対ユーゴスラビア制裁が一部解除されることを受け、ユーゴのコシュトニツァ新政権にEUの支持を伝え、今後の協力関係について協議するのが目的。(了)[2000-10-07-09:52] 72
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 10/07@ユーゴ大統領が敗北宣言 ミロシェビッチ時代に幕(共同通信)

 【ベオグラード6日共同=永田正敏】市民のほう起で事実上の退陣に追い込まれたユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領は六日夜(日本時間七日朝)、ユーゴ国営テレビで「(セルビア民主野党連合の)コシュトニツァ氏の勝利を祝福する」と述べ、先月二十四日に行われた連邦大統領選での敗北を認めた。
 懸命の延命工作を続けた大統領が正式に敗北宣言したことで、十年に及んだ強権支配のミロシェビッチ時代は幕を閉じた。
 コシュトニツァ氏は七日午後にも新大統領就任を宣誓する予定で、民族紛争に明け暮れたユーゴは民主化に大きく踏み出した。
 ミロシェビッチ大統領はテレビ演説で「次期政権でわが国が成功を収めることを願う」と述べる一方、自ら率いる社会党で政治活動を続ける意向を示唆した。大統領は昨年のコソボ紛争にからみ戦犯として旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されており、米国などが身柄の移送を要求している。
 コシュトニツァ氏は六日夜、ミロシェビッチ大統領やパブコビッチ連邦軍参謀総長と相次いで会談、議会庁舎などを占拠した市民や野党陣営に武力行使しないとの約束を得た。参謀総長は同日、コシュトニツァ氏を支持する軍の立場を表明した。
 独立系ベタ通信によると、会談で、初対面のコシュトニツァ氏と大統領は「こんばんは」とあいさつし、握手した。暴力と恐怖に覆われた政権からの移行は静かに実現した。
 ミロシェビッチ大統領の敗北宣言に先立ち、連邦憲法裁判所はコシュトニツァ氏が勝利したとの決定を発表した。六日午後にミロシェビッチ大統領と会談したロシアのイワノフ外相が大統領に引導を渡した可能性もある。(了)[2000-10-07-09:50] 73
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 10/07@「今後は党で活動を」 退陣の言葉に謙虚さなし(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】「たった今、(セルビア民主野党連合の)コシュトニツァ氏が選挙で勝利したとの知らせを受け取った」―。旧ユーゴスラビア崩壊後の約十年間、バルカン半島に居座ってきた強権的指導者、ミロシェビッチ大統領が六日夜、ついに国営テレビで自らの退陣を表明した。
 常に見下ろすように相手を威圧し、反り返って演説してきたミロシェビッチ大統領。この日は両手を体の前で組み、神妙さを装う。
 だが「(与党の)セルビア社会党は非常に強力な野党となる」「しばしの休息の後、党内の強化の手助けをしたい」。口をつく言葉は、なお政治への意欲を示し、その姿勢に謙虚さはうかがえない。
 野党や大半の国民が抗議してきた大統領選の選挙結果のごまかしについては、謝罪はおろか何の言及もない。“民族浄化”によってバルカン半島に血塗られた歴史を記してきた男は、最後まで反省を示すことなく舞台を去った。(了)[2000-10-07-09:49] 74
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 10/07@万策尽きたミロシェビッチ大統領 権力基盤失い孤立無援(共同通信)

 【ベオグラード7日共同=及川仁】ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領が六日夜、敗北宣言に踏み切った背景には、旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されているため国外逃亡できずに万策尽き、仲介工作に乗り出していたプーチン・ロシア大統領が急派したイワノフ外相の何らかの“調停”にすがりついた側面がありそうだ。
 ミロシェビッチ大統領は、最大の権力基盤である軍、警察などの治安機関や国営報道機関が五日の時点で早々と不介入、もしくは野党側に同調の姿勢を示し始めたことから既に孤立無援の状態になった。
 野党支持者らによる連邦議会庁舎や国営放送の占拠後、国外逃亡説が飛び交っていた大統領が首都の公邸にひっそり身を潜めていたのも、国外では戦犯として逮捕される危険があり、ほかに道がなかったためだ。
 一方、ロシアは主要国の中でいち早く政変後のユーゴに外相を派遣、四面楚歌(そか)の大統領から「権力にしがみつくために武力を行使することはない」との言質を引き出し、日ごろ主張する「バルカン地域の安定」に大きく貢献。「ミロシェビッチ再選」を予想したプーチン政権は情勢の読み違いの失態を鮮やかに切り抜けた。
 ロシアとしては同大統領の穏便な退陣に道筋をつけ、コシュトニツァ次期政権に貸しをつくった格好となり、欧州での数少ない盟邦をつなぎとめることに成功した。(了)[2000-10-07-09:48] 75
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 10/07@コシュトニツァ氏を認定 ユーゴ憲法裁が新大統領に(共同通信)

 【ベオグラード6日共同=及川仁】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信は六日、同国の憲法裁判所がコシュトニツァ候補の大統領選挙での当選を認定したと伝えた。
 同通信によると、セルビア民主野党連合筋は六日、暫定政権である「ユーゴスラビア危機委員会」を設置したと語った。また、ユーゴ連邦軍参謀本部の報道官は「軍は選挙結果を尊重している」と言明、政変への不介入とともに新政権受け入れの方針を明らかにした。
 一方、ベオグラード入りしたイワノフ外相が六日、ミロシェビッチ大統領と会談。同外相は会談後、ミロシェビッチ大統領が今後はセルビア社会党を通じて政治活動を続けていく意向だと述べた。大統領の発言の真意は不明だが、大統領辞任を示唆した可能性もある。
 軍が先の大統領選でのコシュトニツァ氏の勝利を容認したことにより、平和裏に新政権が誕生する環境が整った。政変から一夜明け、新政権への移行の動きが本格化してきた。
 イワノフ外相によると、ミロシェビッチ大統領は武力を使わずに危機の解決を模索しているという。五日以降、同大統領の消息が確認されたのはこれが初めて。外相はこれより先、コシュトニツァ氏とも会談、プーチン大統領の親書を渡し、勝利を祝福した。
 動向が大きなカギを握る連邦軍に関して報道官は「軍は憲法に規定された任務を遂行するだけだ」と述べた。タンユグ通信によると、軍は参謀本部会議を六日未明に開催したが、声明は出されていない。
 コシュトニツァ氏が早期実現を目指す新連邦議会招集とともに、前政権下で連邦からの離反を公言していたモンテネグロ共和国指導部の政権参画などが今後の焦点。野党連合は「危機委員会」設置を同共和国指導部に伝え、同委員会への参加の意思について回答を待っているという。(了)[2000-10-07-09:21] 76
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 10/07@ユーゴ暫定政権発足 軍新体制受け入れ ロ外相、大統領と会(共同通信)

 【ベオグラード6日共同=及川仁】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信によると、セルビア民主野党連合筋は六日、暫定政権である「ユーゴスラビア危機委員会」を設置したと語った。また、ユーゴ連邦軍参謀本部の報道官は同日、「軍は選挙結果を尊重している」と言明、政変への不介入とともに新政権受け入れの方針を明らかにした。
 軍が先の大統領選でのコシュトニツァ氏の勝利を容認したことにより、平和裏に新政権が誕生する環境が整った。政変から一夜明け、新政権への移行の動きが本格化してきた。
 一方、セルビア国営テレビは、ベオグラード入りしたイワノフ外相が六日、ミロシェビッチ大統領と会談している模様を放映。外相は、ユーゴの騒乱が平和的に解決されることを望んでいると伝えたという。五日以降、同大統領の消息が確認されたのはこれが初めて。
 イワノフ外相はこれより先、コシュトニツァ氏とも会談、プーチン大統領の親書を渡し勝利を祝福した。
 動向が大きなカギを握る連邦軍に関して報道官は「軍は憲法に規定された任務を遂行するだけだ」と述べた。タンユグ通信によると、軍は参謀本部会議を六日未明に開催したが、声明は出されていない。
 コシュトニツァ氏が早期実現を目指す新連邦議会招集とともに、前政権下で連邦からの離反を公言していたモンテネグロ共和国指導部の政権参画などが今後の焦点。野党連合は「危機委員会」設置を同共和国指導部に伝え、同委員会への参加の意思について回答を待っているという。
 ユーゴの一部メディアは、コシュトニツァ氏の新大統領就任式が六日午後行われると伝えたが、野党当局者によると就任式の日程は決まっていないという。(了)[2000-10-07-09:19] 82
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 10/07@◇ユーゴ憲法裁、新大統領当選を認定◇(朝日新聞)

 ロシアのイワノフ外相は6日、ユーゴスラビアの新政権樹立を宣言したコシュトニツァ氏に対し、大統領選勝利を祝福するプーチン大統領のメッセージを伝えた。欧米諸国に続くロシアの認知で、新政権の正統性が国際的に確立した。一方、所在が不明だったミロシェビッチ大統領はこの日午後、ベオグラードでイワノフ外相と会談した。同外相によると、大統領は武力の不行使を言明したが、政治活動は続ける意向を示した。独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦憲法裁判所は同日、コシュトニツァ氏の大統領選での当選を認定した。
 イワノフ外相はこの日、コシュトニツァ氏と連邦政府ビルで会談。「大統領選の勝利を祝福する」とのプーチン大統領の親書を手渡し、新政権を承認する姿勢を示した。コシュトニツァ氏は会談後、記者団に対し「危険な状況は沈静化しつつある。ロシアには感謝するが、こうした助力を必要とするのはこれが最後としたい」と述べた。
 ベオグラードのミロシェビッチ派のテレビ局によると、イワノフ外相はこれに続き、同日午後に、首都南郊の高級住宅街にある大統領私邸でミロシェビッチ大統領本人と会った。イワノフ外相は「ロシアは大統領選後の対立が、平和的に解決されることを望んでいる」と述べたという。ミロシェビッチ氏の進退問題については、同外相はコメントを避けた。
 軍は不介入姿勢を守っており、独立系ベタ通信によると連邦軍参謀本部報道官は6日、「連邦軍は民主的手続きには介入しない」と述べた。国営タンユグ通信も軍指導部筋の話として、連邦軍が対応するのは軍事施設や兵士が脅威にさらされた場合のみだと伝えた。
 一方、当初は6日に予定されていたコシュトニツァ氏の就任式は遅れ、7日以降にずれ込むことになった。野党連合幹部は6日、「他会派がどう反応しようが、7日には連邦議会を招集する方向だ」と語った。
 現憲法の枠組みで正式に大統領に就任するには連邦議会での手続きが必要だ。しかし、連邦議会の多数派形成でカギを握るモンテネグロ共和国との悪化した関係が障害になっている。セルビアだけで、野党連合が実権を握ったことを背景に「超法規的措置」で就任するか、あくまで議会での同意を得て法的手続きを尊重するか。コシュトニツァ政権は正式発足の前から、難しい選択を迫られそうだ。
 騒乱から一夜明けたベオグラードの中心部では、コシュトニツァ新体制支持の集会が前日に続き開かれたが、市内の表情は平静を取り戻しつつある。
 前日、首都大集会のためセルビア各地から集まったコシュトニツァ支持者の大半は夜を明かし、軍や警察によるクーデターを警戒したが、結局何事も起きなかった。朝の街角では祝福のクラクションを鳴らしながら各地へ戻る支持者たちの姿が見られた。[2000-10-07-02:59] 83
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 10/07@ミロシェビッチ氏、ユーゴ大統領辞任を示唆(読売新聞)

 【ベオグラード6日=大内佐紀】六日ベオグラード入りしたロシアのイワノフ外相は同日午後五時(日本時間七日午前零時)すぎ、記者会見し、同市内の大統領私邸でミロシェビッチ・ユーゴ連邦大統領と会談したことを明らかにした。セルビア国営テレビは、会談の映像を流した。
 同外相によると、ロシアは平和裏の事態収拾を望んでいることを大統領に伝え、大統領は「セルビア最大の政党(党首である社会党)指導者として、国内で引き続き政治的役割を今後も果たしていくつもりだ」と答えた。さらに大統領は「いかなる武力も使わず平和的かつ合法的に危機解決策をさぐる」と述べた。これは政治指導者としてとどまるものの、大統領職からの“名誉ある撤退”の意向を示唆したものとみられる。
 ミロシェビッチ体制崩壊が確定的となった現状では、旧ユーゴ戦犯国際法廷から起訴されているミロシェビッチ氏の大統領辞職後の処遇が今後の焦点となる。北大西洋条約機構(NATO)諸国は同氏の身柄引き渡しを求めている。
 またイワノフ外相は、ミロシェビッチ氏との会談に先立ち、大統領就任を宣言した「民主野党連合」のコシュトゥニツァ氏と会談、同氏にプーチン露大統領からの当選を祝福するメッセージを届けた。これは、ロシアによる事実上の新政権承認と言える。
 一方、「連合」は六日、権力移行を協議する危機管理委員会を設置、新政権樹立に向け動きだした。独立系ベタ通信によると、「連合」は六日、権力移行を協議する危機管理委員会を設置した。この委員会は、「コシュトゥニツァ氏と協力して、軍、警察、予算などの重要部門を担当する」とされており、新政権の母体になるとみられる。
 また国営タンユグ通信によると、同国最大労組「セルビア労組評議会」は六日、ミロシェビッチ退陣を求めるゼネストを六日夜に解除すると発表した。[2000-10-07-02:00] 84
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 10/07@ユーゴ大統領選、民主野党連合候補が当選確定(読売新聞)

 【ベオグラード6日=佐々木良寿】民衆ほう起でミロシェビッチ政権が崩壊に追い込まれたユーゴスラビア情勢で、ユーゴ連邦憲法裁判所は六日、先月二十四日行われた連邦大統領選の第一回投票に関連し、「民主野党連合」のコシュトゥニツァ候補が当選したことを確認した。独立系ベタ通信が伝えた。
 連邦選管は先に第一回投票では同候補が一位だったものの、得票が過半数に達しなかったとして決選投票実施を発表していた。
 今回の決定で、コシュトゥニツァ候補の当選が法的に確定することになる。[2000-10-07-02:00] 85
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 10/07@中国外務省、「ユーゴ人民の選択を尊重」(読売新聞)

 【北京6日=杉山祐之】中国外務省報道官は六日、国営新華社通信を通じ、ユーゴスラビア情勢に関する談話を発表、「重大な懸念」を表明すると共に、「ユーゴスラビア人民が外部からの干渉なしに問題を解決できると信じている」と述べ、欧米諸国の動きをけん制した。これまでミロシェビッチ政権と良好な関係を維持してきた中国の立場について、「他国の内政に干渉しないとの原則を堅持し、ユーゴ人民の選択を尊重する」とし、新体制発足後はこれを支持するとの考えを示唆した。[2000-10-07-02:00] 86 [このページの最初に戻る]


 10/07@ユーゴ国際法廷検事、大統領身柄引き渡し要請(読売新聞)

 【ベオグラード6日=佐々木良寿】旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷のデルポンテ首席検察官は六日、滞在先のユーゴスラビア連邦コソボ自治州の州都プリシュティナで行った記者会見で、ユーゴスラビアの国政掌握を宣言したコシュトゥニツァ氏に対し、ミロシェビッチ大統領を同法廷に引き渡すよう要請した。[2000-10-07-02:00] 89 [このページの最初に戻る]


 10/07@河野外相、「ユーゴ新政権樹立を歓迎」(読売新聞)

 河野外相は六日深夜、ユーゴスラビア連邦情勢に関する日本政府の立場を示す談話を発表し、日本政府としてユーゴの新政権樹立を歓迎する姿勢を明確にした。談話では、「ユーゴにおける大きな民主化および変革を求めるユーゴ国民の強い意思によって、平和的に民主的に変化が実現されたことに敬意を表し、コシュトゥニツァ新大統領に祝意を表す。ユーゴがコシュトゥニツァ大統領の下で安定した新しい民主主義社会を早期に作り上げ、国際社会に復帰することを期待している」と表明した。さらに、経済制裁を解除することや、ユーゴに対する復興支援を検討する方針だ。[2000-10-07-01:39] 92 [このページの最初に戻る]


 10/07@<ニュースキー>ユーゴ新政権樹立へ 解放されたセルビア=(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦で「民衆革命」が達成されつつある。13年間に及ぶミロシェビッチ体制を打倒した喜びが首都ベオグラードから全土に広がった。セルビア民主野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ氏は5日の大統領宣言に続き、6日には欧米、ロシアから事実上の承認表明を受け、新政権樹立に向けて歩み始めた。議会で旧政権側が多数派を占めており、まだ曲折があるかもしれない。それでも自由を得た「ベオグラードの春」を国民のだれもがかみしめている。【ベオグラード・福井聡】
 ●意気衰えず
 野党連合は6日、前夜に続いてベオグラードの連邦議会前で集会を開き、支持者約10万人が「勝利」を改めて喜び合った。
 壇上から野党連合のジンジッチ民主党党首が訴えた。
 「次は(ミロシェビッチ大統領の腹心)ミルティノビッチ連邦首相の辞任を求める。そして議会選挙の早期実施だ」。コシュトゥニツァ氏が5日、市庁舎のバルコニーから「セルビアは解放された」と呼び掛け、大統領就任を宣言したときの興奮の余韻は一夜明けても冷めやらない。
 5日夜、ジンジッチ氏は「今夜はこの場で夜を明かそう。ここは我々にとって自由の聖地だ」と呼びかけた。ドラシュコさん(27)はこれに応じ、広場で6日朝まで一夜を明かした。「私たちはコシュトゥニツァ氏が正式に大統領に就任するまでここにとどまり、この勝利を守らねばならない」。近くの通りからは「勝利だ! 勝利だ!」「ミロシェビッチは自殺してセルビアを救え!」の掛け声がいつまでも響いた。
 5日間にわたってストを打ち抜いたベオグラード南60キロにあるコルバラ炭鉱にも5日夜、首都での「民衆革命」の情報が伝わり、構内に残った7500人の労働者たちから大歓声が上がった。4日夜に再出動して構内の一部施設を封鎖した警官隊は5日夜、ひっそりと引き揚げた。
 ●憶測や不安も
 実は、ジンジッチ民主党首が「徹夜」を呼びかけた背景には、ユーゴ連邦軍の動向への懸念があった。軍は「民衆の動きに干渉はしない」との非公式声明を出してはいたが、野党連合側は、新政権傘下に入るかどうか確証を得ていなかった。軍との交渉に当た
った野党連合のオブラドビッチ氏は5日夜、「6日午前3〜5時が山場だ」とも語っていた。連邦軍が6日、正式に不介入を表明し、幹部らには安ど感が広がった。
 この間、ヒヤリとする情報もあった。「ミロシェビッチ前大統領はルーマニアとブルガリア国境に近いボー西40キロにあるベリアニツァ要さいに身を隠し、『クーデター』を準備している」(ジンジッチ氏)。ミロシェビッチ氏は国内各地に極秘基地を持っている。情報は現実味を持っていた。
 ●政府系メディア変身
 ミロシェビッチ政権の「御用機関」だった政府系メディアは5〜6日にかけて激変した。5日午後、連邦議会前に集まった群衆は、議会突入後、国営セルビア・テレビ本社になだれ込み放火した。同テレビは数時間にわたって真っ暗な画面を流し続けた後、一転して「これは生まれ変わったセルビア放送です」との画面を映し出し、やがてコシュトゥニツァ氏とのインタビューを放映した。
 政府系新聞、通信社も一斉に「コシュトゥニツァ連邦大統領」の呼称を掲げ、ポリティカ紙は6日付1面で「真のジャーナリズムに裏付けられた客観報道に努めます」との声明を掲げた。
 ●ずれこむ新政権発足
 5日夜に予定された新議会招集、新政権発足はずれ込んだ。野党連合は大統領選挙は勝利したものの、連邦議会は依然ミロシェビッチ氏率いる社会党などの左派連合が多数派を占める。連邦議会内の野党連合の新議席は下院が138議席中55、上院が40議席中10に過ぎない。ベオグラード市内の社会党本部は5日夜、暴徒化した野党連合支持者の一群に放火され、6日、「セルビア民主野党連合と称する暴徒の蛮行を強く非難する」との抗議声明を発表した。与野党関係は厳しい情勢のままだ。
 新議会でコシュトゥニツァ氏が正式に新政権を発足させる予定だが、議員の集まりが悪く、開会は遅れている。市民らはじりじりとしながら「その瞬間」を待っている。
 セルビア民主野党連合 与党セルビア社会党のミロシェビッチ大統領に対抗するため15小政党が結成した集合体。最大野党はセルビア再生運動。大統領候補のコシュトゥニツァ氏はセルビア民主党の党首。かつて共産党一党独裁だったユーゴは、冷戦終結後の1989年に複数政党制が導入され、民主党などの政党が生まれた。[2000-10-07-01:10] 93
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 10/07@◎ミロシェビッチ氏、ロシア外相と会談=ユーゴ国営テレビが(時事通信)

 【ベオグラード6日時事】ユーゴスラビア連邦政府所有のユーゴ・テレビは6日、所在不明となっていたミロシェビッチ大統領が、ベオグラードを訪問したイワノフ・ロシア外相と会談している映像を放映した。この映像により、5日の民衆ほう起後、姿を見せていなかったミロシェビッチ大統領が逃亡せず、ベオグラードにとどまっていることが確認された。
 同テレビは、民主化勢力のほう起を「暴力行為」と批判した。ミロシェビッチ体制を支える最大の宣伝機関、セルビア共和国国営テレビは、野党連合が完全に掌握しているが、同じ国営ながらユーゴ・テレビは依然、野党勢力の管理下には入っていないとみられる。 [時事通信社][2000-10-07-01:04] 94
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 10/07@<ユーゴ>ミロシェビッチ大統領は私邸に 露外相と会談(毎日新聞)

 【ベオグラード6日福井聡】ロシアのイワノフ外相は6日、コシュトゥニツァ氏との会談後、ベオグラード近郊のミロシェビッチ大統領の私邸を訪問。セルビア正教会によると、外相はミロシェビッチ大統領と会談した。5日の民衆蜂起(ほうき)後、ミロシェビッチ大統領の動向が確認されたのは初めて。[2000-10-07-00:55] 95 [このページの最初に戻る]


 10/07@◎「自由・民主の欧州統合が実現」=英首相(時事通信)

 【ロンドン6日時事】ワルシャワからの報道によると、ポーランド訪問中のブレア英首相は6日の講演で、ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権崩壊により、「欧州大陸が初めて、自由と民主主義の下に統合された」として、ユーゴの民衆による変革の歴史的意義を強調した。
 ブレア首相はさらに、「われわれも民主セルビア(ユーゴ)に協力の手を差し伸べなくてはならない」と述べ、対ユーゴ制裁の解除やユーゴの欧州連合(EU)加盟に向けて取り組んでいく考えを示した。 [時事通信社][2000-10-07-00:44] 96
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 10/07@◇ユーゴ情勢―市民が生んだ新政権◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアで十三年に及んだミロシェビッチ氏の独裁体制が、事実上崩壊した。
 先の大統領選で、批判勢力を代表して立候補し、優位を得たコシュトニツァ氏は、国営テレビで「職務を開始した」と述べ、超党派で民主国家を建設しよう、と呼びかけた。国営のタンユグ通信も、同氏のことを「次期大統領」と報じた。
 テレビも通信社も、これまではミロシェビッチ氏の強固な統制の下にあった。そこに野党の指導者が登場する。そのこと自体が時代の変化を象徴する。
 軍や警察も中立を約束したと伝えられる。ともにミロシェビッチ氏に優遇され、体制を支えてきた機関だ。しかし、さすがに同胞には銃口を向けられない。
 昨日までの権力者ミロシェビッチ氏は首都のベオグラードにとどまっているものの、大勢はすでに決したと見るべきであろう。
 新大統領となるコシュトニツァ氏は、これまでの与党勢力に報復しないと強調した。重要なことだと思う。このうえ、国内で争いを続けるのでは、再建はおぼつかない。
 振り返れば、群衆の熱狂がこの国を不幸に陥れてきたのである。ミロシェビッチ氏は旧ユーゴの時代、セルビアの民族感情に訴える演説を各地で行い、歓呼して迎えた民衆によって権力の座に上り詰めた。
 あのときの熱狂が、結局はボスニア・ヘルツェゴビナの内戦や、北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆を招いた。
 皮肉なことだが、再び大集会によって、ミロシェビッチ氏はその権力を失った。独裁体制を突き崩したのも、やはり、市民による強い意思表示だった。
 問題はこの先のことだ。熱狂にかわる冷静さと根気で再建をめざすほかはない。
 従来の野党勢力の責任は一段と重い。これまでも、ミロシェビッチ政権に対して野党側が部分的に勝利を収めたことはあったが、たちまちポストなどを争い、国民の信頼を失ってきた。その点では、手の汚れていないコシュトニツァ氏の手腕に期待したい。
 欧州諸国や米国は、ユーゴの政権が代われば、経済制裁を解除すると約束してきた。できるだけ早く実施すべきだろう。
 国際社会は、民族主義をあらわにしたミロシェビッチ氏の強権体
制を批判してきた。しかし、セルビア民族全体を敵視しているわけではない。そのことを、目に見える形で示すことがユーゴの復興を早め、バルカン地域全体の安定にも役立つ。
 オランダのハーグに置かれた旧ユーゴ国際戦犯法廷もこれからの問題になる。人道に対する罪などで起訴されたミロシェビッチ氏の出廷が求められるが、コシュトニツァ氏は身柄の引き渡しには協力しないとしている。
 悲惨な民族紛争を繰り返さないためにも、ミロシェビッチ氏の裁判は欠かせない。しかし、ユーゴの新体制に身柄の引き渡しをせかすのは得策ではないだろう。
 一体、何が起きたのか。だれの責任か。教訓として学ぶべきことは何か。そういう自省の空気が生まれるのを、まずは待ちたい。[2000-10-07-00:42] 98
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 10/07@<ロシア>プーチン大統領、ユーゴの新大統領を支持(毎日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は6日午後、イワノフ外相をベオグラードに緊急派遣し、コシュトゥニツァ氏に「大統領選当選」の祝辞を伝えた。コシュトゥニツァ氏の政権掌握を支持し、それまでの中立的立場を一変させたことになる。
 ロシアの態度変化の狙いは、(1)ユーゴ国内の混乱に終止符を打つ(2)勝ち馬のコシュトゥニツァ氏に乗り、関係維持を図る――の二つだったとみられる。
 ロシアはコソボ空爆以来、一貫してユーゴ支援の立場だったが、これはミロシェビッチ体制の絶対維持という路線ではなかった。むしろ、大セルビア民族主義をもてあましていたのが実態だ。特にクールな現実主義路線のプーチン政権になってからは、ミロシェビッチ体制との違和感が一層募っていた。
 ロシアにとって最大の懸念は、ユーゴの混乱から欧米諸国、特に北大西洋条約機構(NATO)のさらなる干渉を招き、ユーゴ全体がNATOの影響下に入ることだ。歴史的にも関係が深く、心情的にも親近感を持つユーゴを中心としたバルカン半島からロシアが締め出されることは何が何でも阻止せねばならない。
 プーチン大統領のロシア国益重視路線からすると、権力の座から転落したミロシェビッチ氏を支援する意味は全くないというのが結論だったようだ。【モスクワ・石郷岡 建】[2000-10-07-00:31] 99
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 10/07@<ユーゴ>民主野党連合、新体制確立作業へ本格的に着手=替(毎日新聞)

 【ベオグラード6日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の新大統領としてミロシェビッチ政権打倒を宣言したコシュトゥニツァ氏のセルビア民主野党連合は6日、新政権の受け皿となる「危機管理委員会」を設置、新体制確立作業に本格的に着手した。連邦軍も「不介入」を正式発表、政権移行を静観する姿勢を示した。イワノフ・ロシア外相は同日、ベオグラード入りしてコシュトゥニツァ氏と会談、新体制承認を打ち出し、国際社会でも「コシュトゥニツァ新大統領」承認が確定した。
 独立系ラジオなどによると、野党連合は6日、秩序確立と新議会招集準備にあたる「危機管理委員会」を設置した。野党連合幹部によると、大統領選第1回投票(9月24日)と同時実施された連邦議会選の当選議員がベオグラードに集まり次第、新議会が開会される。
 ロイター通信によると、コシュトゥニツァ氏は6日、大統領職務の一部をすでに執行。同日中にも連邦議会前で開かれる集会で施政方針を演説するという。新大統領の公式就任式は新議会の開会を待って行われる予定だが、日時は未定。
 ミロシェビッチ体制を支えてきたユーゴ連邦軍は6日未明、参謀本部長会議を開き、対応を緊急協議した。独立系ベタ通信によると、参謀本部報道官は同日昼、「軍はセルビアの民主的なプロセスに介入しない」と述べた。セルビア正教会のパブレ総主教や野党幹部は連邦軍首脳に対し、コシュトゥニツァ氏を新大統領として承認するよう働きかけている。
 イワノフ外相はコシュトゥニツァ氏との会談で、大統領選での勝利を祝うプーチン・ロシア大統領のメッセージを伝え、同氏を新指導者として承認した。ロシアが新政権支援で欧米諸国と歩調を合わせたことで、ミロシェビッチ大統領復権の可能性はひとまず消えた。会談後、コシュトゥニツァ氏は「状況は正常化しつつある。民衆は勝ち、危機は去ったと思う」と自信を示した。
 【ドキュメント】(日本時間、カッコ内は各現地時間)
◇6日昼(6日朝) ミロシェビッチ政権の「御用機関」だった政府系ポリティカ紙が1面で「これまでと違った職業倫理と真のジャーナリズムに裏付けられた客観報道に努めます」との声明を掲げる
◇午後1時(午前6時) 野党のジンジッチ民主党首が「ミロシェビッチ氏はルーマニアとブルガリア国境に近いベリアニツァ要塞に身を隠し、『クーデター』を準備している」と発言
◇午後1時20分(午前6時20分) 野党連合が新政権発足まで暫定的に「危機委員会」を発足
◇午後4時20分(午前9時20分) ロシアのイワノフ外相がベオグラードに到着
◇午後8時(午後1時) イワノフ露外相がコシュトニツァ氏と会談。その後、ミロシェビッチ大統領私邸を訪問[2000-10-07-00:31] 101
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 10/07@◇ロシア、ユーゴ新政権を支持◇(朝日新聞)

 ロシアのイワノフ外相は6日、ユーゴスラビアの新政権樹立を宣言したコシュトニツァ氏に対し、大統領選勝利を祝福するプーチン大統領のメッセージを伝えた。欧米諸国に続くロシアの認知で、新政権の正統性が国際的に確立した。ミロシェビッチ大統領の所在は公式には確認されていないが、ベオグラードでイワノフ外相と会談した模様で、大統領の今後の処遇をめぐり協議が進んでいる可能性が高い。
 ロシアのイワノフ外相は、コシュトニツァ氏と連邦政府ビルで会談。「大統領選の勝利を祝福する」とのプーチン大統領のメッセージを伝え、新政権を承認する姿勢を示した。
 コシュトニツァ氏は会談後、記者団に対し「危険な状況は沈静化しつつある。ロシアには感謝するが、こうした助力を必要とするのはこれが最後としたい」と述べた。
 ベオグラードのラジオ局などによると、イワノフ外相はこれに続き、同日午後に、首都南郊の高級住宅街にある大統領私邸でミロシェビッチ大統領本人と会った模様だ。イワノフ外相がその後会ったセルビア正教総主教との会談に同席した側近は、「外相はミロシェビッチ大統領と会ったと言っていた」と記者団に語った。
 軍は不介入姿勢を守っており、独立系ベタ通信によると連邦軍参謀本部報道官は6日、「連邦軍は民主的手続きには介入しない」と述べた。国営タンユグ通信も軍指導部筋の話として、連邦軍が対応するのは軍事施設や兵士が脅威にさらされた場合のみだと伝えた。
 一方、連邦議会の内閣構成でカギを握るモンテネグロの親セルビア派政党、社会人民党は6日、「我々の大統領候補は敗れた」と声明を出し、ミロシェビッチ敗北を認めた。だが、議会で連立を組む相手については、ミロシェビッチ与党を「パートナー」と呼びながらも明言を避けた。これに対しモンテネグロ与党幹部は同日、朝日新聞に対し、「もし親セルビア派と手を握るならコシュトニツァ政権は承認せず、独立を求める国民投票を実施する」と強い反発を示した。[2000-10-07-00:21] 32
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 10/07@<ジンバブエ>最大野党のツァンギライ党首が毎日新聞と会見(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク7日藤原章生】6月の総選挙で、約半数の議席を獲得し大躍進したジンバブエの最大野党「民主変革運動(MDC)」のモーガン・ツァンギライ党首(48)は6日、訪問先のヨハネスブルクで毎日新聞と会見し、「ミロシェビッチ氏(ユーゴスラビア大統領)と同じく、ムガベ大統領が追放されるのも時間の問題」との見通しを示した。主な一問一答は次の通り。
 ――ユーゴスラビアで大統領が退陣しました。
 党首 世界がまだ民主化に向かっている証しだ。ムガベ氏は野党、国内少数派のヌデベレ族、白人の弾圧など民族主義を武器に大衆をあおり、不正選挙で自己保身を図ってきた。家族が絡む鉱山利権からコンゴ民主共和国に軍を送るなどその独裁ぶりはミロシェビッチ氏と酷似している。
 ――だが、ジンバブエではデモもできません。
 党首 ムガベ、ミロシェビッチ両氏の唯一の違いはアフリカと欧州という地域差だ。国際社会のアフリカ悲観論が今も「独裁」を容認している。日々の住民弾圧に世界の目は届かない。
 ――2002年の大統領選までムガベ氏は職務を続けるのでしょうか。
 党首 いや、経済悪化、燃料不足、最近の民間放送局閉鎖など報道弾圧に住民の不満は沸点に達しつつある。野党が全議席を確保した都市部で何らかの反政府的動きが始まれば、反ムガベ運動は一気に広がる。
 ――日本は昨年、ジンバブエに無償援助32億円を含む78億円を援助した最大の援助供与国だが、ムガベ氏に対し欧米のような厳しい態度を公式には取っていません。
 党首 法と秩序の早期回復、コンゴからの撤兵など日本は援助の条件を打ち出し、守られなければ、制裁を加えるべきだ。政府高官に改善を促がす程度では効果はない。[2000-10-07-18:15]
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 10/08@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏は新大統領就任宣誓後、組閣へ(毎日新聞)

 【ベオグラード7日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の連邦議会は7日午後5時(日本時間8日午前0時)すぎ、先月24日の大統領・議会選挙後初の会議を開いた。大統領選で当選したセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ氏は議会で新大統領就任を宣誓した後、組閣に着手する。これにより、平和的な政権交代が実現、ユーゴ情勢は正常化への第一歩を踏み出す。 
 組閣にあたっては、コシュトゥニツァ氏の支持母体であるセルビア民主野党連合が議会内少数派であることから、ミロシェビッチ派に属したモンテネグロの社会人民党と連立を組み、同党のプレドラグ・ブラトビッチ副党首が連邦首相に就任する見通し。連邦議会は、ベオグラード中心部の同議会ビルが5日の騒乱で一部損壊したため、近くのベオグラード市議会ビルで行われる。
 大統領就任宣誓に先立ち、コシュトゥニツァ氏はギリシャのパパンドレウ外相と会談し、来週にも経済制裁を解除予定の欧州連合(EU)との関係改善などについて話し合った。
 新政権は、13年間のミロシェビッチ体制が残した国際社会からの孤立、経済の低迷をいかに早期に克服するかが緊急課題となる。コシュトゥニツァ氏は制裁解除による経済活性化をテコに国民が安心して暮らせる「欧州の普通の国」に戻したいとしている。
 社会党党首として政治活動を続けると表明しているミロシェビッチ氏の処遇問題や、議会運営、モンテネグロ、コソボ自治州の連邦離脱の動きなど、コシュトゥニツァ新大統領の前途には課題が山積している。社会党が多数派を占めるセルビア共和国の大統領・議会選挙は年内にも、ユーゴ連邦議会も新憲法制定のため来年に再選挙が予想されている。
 7日のモスクワ放送によると、イワノフ露外相は、コシュトゥニツァ新大統領が就任後初の外遊先としてロシアを訪問すると明らかにした。[2000-10-08-01:40] 2
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 10/08@コシュトゥニツァ氏が大統領就任宣誓へ(読売新聞)

 【ベオグラード7日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)大統領選での勝利が確定した民主野党連合のコシュトゥニツァ氏(56)は七日、連邦議会で宣誓し、新大統領に正式就任する。連邦議会ビルが先に民衆ほう起で一部が破壊されたため、連邦議会はベオグラードの国際会議場で同日午後五時(日本時間八日午前零時)すぎに始まった。宣誓と同時に同氏は大統領に就任、十三年間のミロシェビッチ強権体制は終えん、民主化に向けた新体制が正式発足する。
 同氏は今後一年半をめどに大統領職を務め、「新ユーゴ」の基盤作りに取り組む意向だが、大統領辞任を表明したミロシェビッチ氏の処遇や、連邦制のあり方、経済再建など問題は山積しており、新政権が直面する課題は多い。
 まず、ミロシェビッチ氏の処遇では、コシュトゥニツァ氏は、旧ユーゴ戦犯国際法廷から起訴されているミロシェビッチ氏の身柄を引き渡さないとしており、引き渡しを求める北大西洋条約機構(NATO)との調整が、最初の外交課題となりそうだ。
 一方、モンテネグロ共和国は、コシュトゥニツァ氏を新大統領として承認することに消極的で、ユーゴ連邦からの離脱の動きを強めている。欧州連合(EU)などは、石油禁輸などの経済制裁を解除する方針だが、ユーゴは高インフレに悩まされており、今後の経済再建も容易ではない。
 また連邦軍は七日、コシュトゥニツァ氏を支持する声明を出した。[2000-10-08-01:25] 3
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 10/08@◎ギリシャ外相と会談=コシュトニツァ氏(時事通信)

 【ベオグラード7日AFP=時事】ギリシャのパパンドレウ外相は7日、当地で、ユーゴスラビア連邦大統領に正式就任するコシュトニツァ氏と会談した。政権獲得が確定した後、同氏が西側高官と会談するのは初めて。
 パパンドレウ外相は会談後、「国際社会は民主主義確立のため、ユーゴとその国民の味方であるべきだ」と語った。また「(ユーゴに対する)すべての制裁措置の即時解除」を呼び掛けた。 [時事通信社][2000-10-08-01:22] 4
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 10/08@<ユーゴ>新大統領就任について期待感を表明 露のプーチン(毎日新聞)

 【モスクワ7日石郷岡建】ロシアのプーチン大統領は7日、コシュトゥニツァ氏のユーゴ新大統領就任について「ユーゴ情勢はなお複雑であり、大統領とその民主化運動の仲間たちが、法の枠内で合法的に問題解決することを望む」と期待感を表明した。[2000-10-08-01:10] 6 [このページの最初に戻る]


 10/08@ミロシェビッチ氏の長男一家、モスクワに到着か(読売新聞)

 【モスクワ7日=花田吉雄】タス通信によると、ユーゴ連邦大統領からの辞任を表明したミロシェビッチ氏の長男一家が七日午前、ベオグラード発のユーゴ航空機でモスクワに到着した。到着したのはマルコ・ミロシェビッチ氏と妻、一人息子の三人。しかし、在モスクワのユーゴスラビア大使館は同通信に対し、長男一家がモスクワに到着したとの情報はないと答えた。[2000-10-08-00:54] 8 [このページの最初に戻る]


 10/08@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏に祝電を打つ 森首相=替(毎日新聞)

 森喜朗首相は7日夜、ユーゴスラビア連邦の大統領に就任する予定のコシュトゥニツァ氏に祝電を打った。
 祝電は、コ氏が民主的な国家建設に向け指導力を発揮し、ユーゴが国際社会に早急に復帰し南東欧地域の安定と繁栄に建設的な役割を果たすよう求め、日本政府としても国際社会と協力して支援していく、と伝えている。[2000-10-08-00:41] 9
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 10/08@◇戦犯問題より早期の政権移行優先 ユーゴ情勢で米高官◇(朝日新聞)

 米政府高官は6日、退陣を表明したミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領が、国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷に戦争犯罪で起訴されている問題に関連して、「ユーゴ情勢が極めて微妙な段階にさしかかっていることは十分わかっている。コシュトニツァ氏が政府の実権を握ろうとしている矢先に、その活動の妨げになるような動きを起こすことは考えていない」と語った。
 シーワート大統領報道官は「ミロシェビッチ氏は(コソボで)犯した罪の責任を負わなければならない」と述べ、米政府は表向きは、「戦犯ミロシェビッチ」の身柄をオランダ・ハーグの同法廷に引き渡すよう求める方針に変わりはない、としている。ただ、「コシュトニツァ氏が権力基盤を固めるには、時間が必要だ」(別の政府高官)との見通しに立ち、当面は、「ミロシェビッチ氏の影響力を完全に排除した新政権への平和的な移行」(オルブライト国務長官)を側面支援し、制裁解除による経済的なてこ入れの開始を優先したい考えとみられる。
 また、コシュトニツァ氏が旧ユーゴ戦犯法廷に反発し、協力を拒んでいることから、この段階で、戦犯問題を強引に持ち込んで関係をぎくしゃくさせたり、反米感情を刺激したりするのは避けたい、との配慮も働いているようだ。
 新政権との関係について、オルブライト長官は6日の記者会見で、「コシュトニツァ氏がセルビア民族主義者であるのは知られている。我々はあらゆる問題で一致しているわけではない。だが、共産党官僚の出身ではなく、ミロシェビッチ(大統領)のような民族浄化政策を持っていないことも事実だ」と指摘し、「新政権と完全に正常な関係を築くのを楽しみにしている」と語った。[2000-10-08-00:31] 11
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 10/08@◎コシュトニツァ氏勝利で首都の映画館が入場料を無料に=ユ(時事通信)

 【ベオグラード7日AFP=時事】労働組合関係者によると、ユーゴスラビアの首都ベオグラードでは7日、コシュトニツァ新大統領の支援を目的に実行してきたストライキが終了したのを祝して、市内の映画館の入場料がこの日無料となった。
 ある映画館の経営者は、「われわれは、市民や友人、過去の困難な日々においてわれわれを支えてくれたすべての人々が、土曜日(7日)に最新の映画を無料で見てもらえるよう招待したい」と呼び掛けた。中には「ミッション・インポシブル2」「パトリオット」「グラディエーター」の3本の人気作も含まれている。 [時事通信社][2000-10-08-00:25] 12
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 10/08@◇天声人語◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦の新しい大統領が誕生した。二十万、三十万という民衆のうねりが、十三年間君臨したミロシェビッチ大統領を「敗北宣言」に追い込んだ▼それに先だって、民衆は国営テレビ局を占拠した。このテレビは大統領選挙の前、ミロシェビッチ氏が率いるセルビア社会党の宣伝に努めていた。#党はいつでもここにいる 経験豊富で賢くて、力強く、堂々と……。軽快なリズムに、笑顔の党首の顔が重なる仕掛けだ▼情勢が一転すると、国営をふくむ政府系テレビは放送を中止。再開後は「中立的に真実を報じる」と宣言し、反ミロシェビッチのスローガン「彼は終わった」の字幕を映した。政府決定を流していた国営通信も、新大統領のコシュトニツァ氏を「選ばれたユーゴ連邦の大統領」と呼んだ▼政府系機関紙の「ポリティカ」では、六十人の記者が編集幹部に対し「公正な報道」を求めて署名。号外で〈これまでとは異なり、客観的な報道に努力する〉とうたった。態度が一変したのは、メディアだけではない。ユーゴ連邦憲法裁判所は、大統領選を一部無効とし、改めて選挙をすると決定した。しかし、政権が揺らぐと自らの決定を覆し、コシュトニツァ氏の当選を認めた▼記者や裁判官にも、深い苦悩があったに違いない。が、きのうまでミロシェビッチ側で報道してきたのと同じ記者が、簡単に「中立」になれるものか。同じ裁判官に公正な判断を期待しうるのか。何かのきっかけで、また変身することはないのだろうか。一抹の不安は残る▼首都を覆う民衆の歓喜の中で、「勝利」を意味するセルビア式の三本指のサインを出す人が何人もいた。一年あまり前、ミロシェビッチ氏の命にしたがって進攻したコソボ自治州から帰還し、民衆の大歓迎を受けたユーゴ軍兵士たちも、三本指を立てて「勝利」を示していた。[2000-10-08-00:25] 4 [このページの最初に戻る]


 10/08@パレスチナ騒乱、レバノン国境に拡大(読売新聞)

 【エルサレム7日=当間敏雄】イスラエル国境に近いレバノン南部に拠点を置くイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは七日、ロケット弾約五十発をイスラエル側に向け連射、反撃のためイスラエル軍はヒズボラの拠点を空爆した。さらに同国境のシェバ農場付近ではヒズボラとイスラエル軍との銃撃戦が発生、ヒズボラはパトロール中のイスラエル兵士三人を拉致した。
 国境検問所でも投石していたパレスチナ難民二人がイスラエル兵に射殺された。レバノン国境での大規模な衝突は、イスラエル軍が今年五月にレバノン南部占領地から撤退して以来初めて。エルサレムで始まったパレスチナ騒乱は、国際紛争に発展した。
 レバノンはシリアの強い影響下にあるが、イスラエルのバラク首相は七日、レバノンとシリアに、ヒズボラに戦闘行為を停止させるよう要求した。レバノンの民間テレビは七日、「イスラエル政府は、拉致された兵士が解放されなければ首都ベイルートを爆撃すると警告している」と報じた。[2000-10-08-00:54] 12
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 10/08@<ユーゴ>「民衆革命」のドラマ 再生誓う御用メディア(毎日新聞)

 「民衆革命」が起きた5日夜、ミロシェビッチ前大統領の「宣伝機関」と呼ばれたセルビア国営放送に群集が突入した。ブルドーザーで一階を突破、建物から火が上がる。駐車中の局の車も燃やされた。その数十分後、屋内で1人の男性が群集の袋だたききに遭っていた。床に倒れても、市民はけり続ける。同放送局の最高責任者、ドラコユグ・ミラノビッチ氏。前大統領の指示で、「宣伝機関」を作り上げた“立役者”だった。【ベオグラードで福原直樹】
 「彼は忌まわしい男でした。数人の取り巻きに囲まれて、他の部下とはしゃべらず……。そして自分に反発する職員を次々に首にしていった。ここ10年間、本当にひどかった。でも恐くて、みな何も言えなかった」。
 ミリツァ・バリヤクターレビッチ・キリバルダさん(45)。同放送で21年間、環境問題を追い続けたベテラン女性記者だ。
 局が”変身”したのは、前大統領がセルビア共和国大統領になった10年前から。それまでは、ニュースで行政も批判できたし、社内でも自由に意見を述べられた。「社が誇りでした」。だが、前大統領派の幹部・記者が次々に送り込まれ、批判を唱える良心的な記者は左遷・退職に追い込まれた。7000人のうち、10年間で1200人の職員が去った。残った職員の多くも心の中で反発しながら、保身に走らざるをえなかった。
 ミリツァさんはここ10年間の放送を、「バーチャル・リアリティー」(コンピューターなどで描き挙げた仮想空間)だった、と思う。現実では、多くの国民に批判される前大統領なのに、子どもたちに旗を振らせ、さも支持されているように描き挙げる。そして繰り返される政治演説。苦心して作った環境破壊のルポも、細切れにされ、政治宣伝の間に挟まれ放送された。悔しかった。
 「このままでは、ひどいしっぺ返しが来る」。ここ4〜5年の放送内容は特にひどく、大多数の職員は、脅えながらもそう考えていた、という。最初のそれが、昨年4月の北大西洋条約機構(NATO)軍による局の爆撃だった。16人の、「思想とは全く関係のない」若いスタッフが死んだ。そして、今回の市民の突入。あれほど愛着のあった放送機器がすべて壊され、自分の作った放送テープの大部分が散逸した。
 放送局は5日夜、コシュトニッツァ大統領のインタビューを放映した。前大統領の呪縛(じゅばく)から解放された瞬間だった。「うれしかった。また、自由な放送ができ
ると」。前大統領の「政治機関」として使われてきた日刊紙「ポリティカ」(30万部)、国営「タンユグ通信」も、相前後して「自由な報道機関」への変身を宣言した。
96年の歴史を持つ「ポリティカ」では、5日の夜、編集の最高幹部が裏口から逃げ出した、という。「記者の良心と真実に従う報道を行う」。報道の自由を求める良識的な記者たちは、そう宣言していた。
 ミリツァさんは、自分の局は、フランス革命で市民に襲撃された政治犯収容所「バスティーユ監獄」のようなものだった、と思う。国民を洗脳し、国民を刑務所に入れ続けたからだ。局が襲撃されない限り、ミロシェビッチ体制は終わらないとも考えていた。
 現在、局は市街地の小さなビルに間借りし、再生を始めたばかりだ。「コンピューターもファックスもありません。でも、近いうちにドナウ川の汚染問題を告発したい」。ミリツァさんがそう語った。[2000-10-08-23:36] 13
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 10/08@<ユーゴ>「民衆革命」のドラマ モンテネグロに安ど感(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ政権崩壊により、反ミロシェビッチ派が台頭していたモンテネグロには一気に安ど感が広がった。今後の焦点は、コシュトニツァ新政権とどのような関係を築くかだ。ジュカノビッチ共和国大統領は新政権に対し、「セルビアとの対等な地位」が保証されなければ「分離独立」に動く強硬姿勢を見せており、ユーゴ情勢には連邦維持という次の難題が待ち構えている。【ポドゴリツァ・笠原敏彦】
 ポドゴリツァの大統領官邸周辺では7日、ミロシェビッチ退陣から一夜明けても、増員された「警察特殊部隊」が警戒態勢を緩めていなかった。しかし、警備に当たる若い隊員(24)は「昨日まで、だれもが何かが起きると不安を感じていた。ミロシェビッチが消え、もう恐れることはない」と本音を打ち明けた。
 同共和国にはミロシェビッチ氏の指揮下にあった連邦軍1万3000人が配備されている。警察部隊は、独立問題などで緊張が高まる中、連邦軍への対抗措置として強化されたものだ。
 モンテネグロでは、追い込まれたミロシェビッチ大統領が事態打開のため、連邦軍に軍事介入を命じるとの推測が広がり、危機感が強まっていた。
 「内戦の危険が去り、国民に防衛を命じなくてもよくなりほっとした」。ジュカノビッチ大統領が6日漏らした心境が、90年代初めから続く同共和国の心理的な切迫状態を物語る。
 カフェが集まる市内中心部のネゴシェバ通り。週末の賑わいの中で、技師のデュサンさん(25)は「多くの人が気にしているのは、この先どうなるかだ。連邦制の問題での妥協は難しいだろう。住民投票を行えば、独立派が勝利するのは間違いない」と話した。
 独立機運は昨春の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆で一気に高まった。これに対し、バルカン半島に新たな紛争の火種を生みたくない欧米諸国は共和国側に強く自制を促してきた。
 世論調査によると、共和国内は独立支持派が45%、反対派が35%前後と分裂。独立を強行すれば、内戦や国土の分割は避けられないとみられてきた。
 こうした情勢下、ジュカノビッチ政権は99年7月、対等な関係に基づく連邦制の見直しをミロシェビッチ前大統領に要求。前大統領の術中にはまらないよう性急な行動は避けながらも、ドイツ・マルクを第2通貨として導入するなど独自路線を鮮明にしてきた。ジュカノビッチ大統領は6日、「連邦制の見直しで合意しなければ、独立の是非を問う住民投票を行う」と表明し、新政権への圧力を強めている。
 一方、コシュトニツァ氏は大統領就任決定後、モンテネグロ問題を最重要課題としながらも、独立派と連立維持派の双方に会い、「最善の解決策を探りたい」と述べるにとどまった。
 7日の大統領就任式にジュカノビッチ氏は招待されていない。コシュトニツァ氏はモンテネグロの連邦議会議席をほぼ独占した親ミロシェビッチ、連邦維持派の社会人民党(SNP)に接近している。セルビア民族主義の一面を合わせ持つコシュトニツァ政権はモンテネグロの将来をどう左右するのか、注目される。[2000-10-08-23:36] 14
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 10/08@<ユーゴ>「民衆革命」のドラマ 体張った“ヤマの男”たち(毎日新聞)

 首都ベオグラードの南50キロに位置するコルバラ炭鉱は、各地に及んだ反ミロシェビッチ抗議活動の起爆点になった。ユーゴスラビア連邦最大級の炭鉱。ここで張られたストは、セルビア民主野党連合が全国に呼びかけたゼネストを象徴する舞台になった。権力に屈しない労働者と住民の姿が国民の心を揺り動かした。【コルバラ炭鉱(ユーゴスラビア連邦中部)で森忠彦】
 コルバラ炭鉱で産出する日産6万トンの石炭は近くの火力発電所に運ばれ、セルビア共和国で使用する電力の4割を生み出す。欧米諸国による石油禁輸などの制裁が続く中、この炭鉱は最も重要なエネルギー供給源だった。そこで働く労働組合員たちが9月29日から、完全ストライキに入った。
 今月2日にはスト解除を求めた会社側が地元警察に介入を求めたが、警察は拒否。ベオグラードから1000人を越す治安部隊が投入されても、労働組合員と住民の厚い抗議の壁の前に手出しが出来なかった。コシュトゥニツァ氏(新大統領)が現地を訪れると、大歓声が沸き起こる。この状況はすぐに国内外に報道され、勢いづいた市民は5日の「民衆革命」へと一気に突き進んだ。
 これまで労働条件改善を求めるストはあったが、今回はまったく違う闘争になった。労組スト委員のヨビチッチさん(38)は言う。「純然とした政治に対する抗議だ。こうしたストは初めて。7500人の組合員が団結していた。みんなの怒りは大きかった」。
 同委員によると、9月24日に行われた連邦大統領・議会選挙で組合員は野党連合側に投票した。政府関連の炭鉱は会社幹部は全員、ミロシェビッチ前大統領配下の社会党員。経営は体制のなすがままだった。その経営陣への抗議を込めた投票がほごにされ、政府によって開票操作が行われたのを知り、労働者たちの怒りが爆発した。
 「この10年近く、欧米の経済制裁の中でどれほど私たちの生活が下がってきたか」。機械管理部門で働くミロルッブさん(39)の月収は10年前の約5万円から約1万円までに下がった。妻と2人の子供を養うにはぎりぎりの賃金だ。
 ここまで経営が落ち込んだ最大の原因が経済制裁だという。鉱山で使用する大型掘削機などの機材はドイツ製だが、制裁発動以降、新型機はもちろん、あらゆる部品の供給が止まった。「会社は代替品として中国製の部品をよこした。役に立つわけがない。制裁解除と会社幹部の交代は一歩も譲れない我々の要求だ」とミロルッブさんは言う。
 このストで政府当局は労組幹部ら13人を職務放棄で起訴した。その一人、鉱山管理者のゾランさん(44)は7日、「旧体制のままなら、今ごろ私は刑務所だ。すべてが昨日(6日)で変わった。ミロシェビッチは終わったんだ」とつぶやいた。
 大統領の辞任で労組幹部の訴追は問われなくなり、鉱山は9日ぶりに一部稼動を始めた。ゾランさんは、会社幹部の更迭も近いとみる。「制裁が解除されてドイツの機械が入ってくれば、ヤマが活気づく」。男たちの顔に初めて、笑みがこぼれるようになった。[2000-10-08-23:36] 16
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 10/08@ユーゴ連邦軍、銃口突きつけミロシェビッチ退陣迫る(読売新聞)

 【ベオグラード8日=島崎雅夫】「あなたはもはや、我々の大統領ではない」――。外交筋などによると、大統領選の敗北を認めず、政権居座りを画策していたミロシェビッチ前大統領の公邸を六日夜、ユーゴスラビア連邦軍幹部らが訪れ、ミロシェビッチ氏に銃口を向けて、退陣を受諾させたという。
 軍幹部らは、ミロシェビッチ氏に即時退陣を要求するとともに、大統領選に勝利したコシュトゥニツァ氏と会談するよう求めた。
 ミロシェビッチ氏は同日深夜のテレビ演説で、敗北を認め、辞任を表明。また、コシュトゥニツァ氏とも政権交代について話し合った、と述べた。ミロシェビッチ氏は軍の圧力の前で態度を一転させ、敗北を認めたことになる。
 連邦軍はミロシェビッチ氏にとり、反体制派を力で封じ込める強力な支持母体だった。「友邦国」ロシアのイワノフ外相から六日、辞任を迫られたこととあわせ、同氏は政権維持が困難と最終判断したと見られる。[2000-10-08-20:34] 17
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 10/08@◇騒乱の犠牲者悼み葬儀 ユーゴ首都◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦議事堂前で5日起きた市民と警官隊との衝突の際、犠牲となったヤスミーナ・ヨバノビッチさん(39)の葬儀が7日、ベオグラードで行われた、ロイター。ミロシェビッチ前大統領に選挙での敗北を認めさせようとして集まった約20万人の市民が警官隊と衝突。この混乱の中で、ヨバノビッチさんとモンチロ・スタキッチャ(57)さんの2人の女性が犠牲者となった。ほかに65人の市民が負傷、警官2人が病院に運ばれた。[2000-10-08-20:30] 18 [このページの最初に戻る]


 10/08@◇ユーゴのコシュトニツァ大統領、国民和解を呼びかけ◇(朝日新聞)

 9月のユーゴスラビア大統領選で勝ち、民衆の支持で政権を掌握したボイスラブ・コシュトニツァ氏(56)が7日、連邦議会の上下院合同本会議で憲法に従って宣誓し、正式に大統領に就任した。コシュトニツァ大統領は、「あらゆる苦しみや問題を経た後、ユーゴの人々に必要なのは平和だ」と演説し、民主的な手続きに基づいた国民和解を呼びかけた。だが、連邦議会の手続きがミロシェビッチ派の妨害戦術で遅れたため、予定されていた国民向けの就任演説が中止になるなど、早くも波乱の中の就任となった。
 大統領は演説で、「ユーゴはいま民主主義国の共同体に加わった」と述べ、国連を始めとした国際社会への復帰をめざす考えを示した。同時に、連邦内で分離傾向を強めているモンテネグロ共和国との関係では、連邦の枠組みの修復強化をはかるとした。国際管理下にあるコソボ自治州については、ユーゴの主権回復をめざす考えを示した。
 連邦議事堂が5日の騒乱で一部破壊されたため、宣誓式は市内の別の会議場で開かれ、セルビア正教総主教らのほか、ミロシェビッチ派のミルティノビッチ・セルビア共和国大統領らも参加した。ミロシェビッチ前大統領のミラ・マルコビッチ夫人も議員だが、姿を見せなかった。
 大統領就任に先立って連邦議会の発足会が同会議場で招集されたが、ミロシェビッチ派との調整がつかず、下院議長を選出できないなど冒頭から紛糾。予定が3時間以上ずれ込んだ。
 コシュトニツァ大統領派だけでは連邦議会の単独過半数を取れないため、内閣組閣作業も難航している。これまでミロシェビッチ派と連立を組んでいたモンテネグロ共和国の親セルビア派に対し、閣外協力なども含めた多数派形成を呼びかけているが、めどは立っていない。大統領派の実力者ジンジッチ氏は8日、独立系ラジオB92に対し「権力移譲を完了するにはなお1、2カ月を要するかもしれない」との見方を示した。[2000-10-08-20:22] 19
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 10/08@◎新大統領にご祝儀相場=ユーゴ通貨、やみ市場で急騰(時事通信)

 【ベオグラード8日DPA=時事】ユーゴスラビアの通貨ディナールの交換レートが8日、やみ市場で急騰した。これまで1マルク(約50円)=約40ディナールで取引されていたが、同30ディナール以下に急騰。コシュトニツァ大統領の誕生で、懸念されていた騒乱の危機が消え去ったことに対する“ご祝儀”とみられている。 [時事通信社][2000-10-08-20:04] 20 [このページの最初に戻る]


 10/08@◎ユーゴの一体性が最優先課題=連邦軍は新政権への忠誠を表(時事通信)

 【ベオグラード8日時事】新生ユーゴスラビア連邦の大統領に就任したコシュトニツァ氏は8日、国営タンユグ通信のインタビューに応じ、新政権として、ユーゴの一体性維持と国際社会への復帰を最優先課題に全力で取り組む決意を表明した。ユーゴ連邦を構成するモンテネグロ共和国の独立は容認できないとの立場を改めて確認した。 [時事通信社][2000-10-08-19:37] 21 [このページの最初に戻る]


 10/08@<ユーゴ>新政権、旧政権与党との駆け引き 組閣作業難航(毎日新聞)

 【ベオグラード8日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のコシュトゥニツァ新大統領は7日、正式就任したが、早くも旧与党・社会党などの抵抗に遭い、連邦政府の首相指名と組閣までにはなお数週間かかるとの観測が強まっている。ミロシェビッチ前大統領を完全追放したのではなく、前大統領自身が「野党活動継続」を宣言している事態が、早くもユーゴ政界に微妙な影を落とす形となっている。
 コシュトゥニツァ新大統領は7日夜の正式就任後、直ちに首相を指名し、組閣作業に入るとみられたが、首相任命は行われず、新政権の正式発足までの困難を予想させている。新大統領にとって弱点は、支持母体のセルビア民主野党連合が連邦議会内で少数与党であることだ。
 野党連合の新連邦議会での議席数は下院が138議席中55議席、上院が40議席中10議席。野党連合はミロシェビッチ前政権の連立与党の一角を占めたモンテネグロの社会人民党と連立を組み、同党のプレドラグ・ブラトビッチ副党首を連邦首相に指名する方針だった。
 しかし、ミロシェビッチ前大統領が党首を務める社会党と前大統領夫人が率いるユーゴ左翼の旧与党連合は7日、社会人民党と急きょ会談に入り、3党間の連携継続を確認した。社会党とユーゴ左翼は社会人民党の新政権入り阻止の姿勢を強めている。
 社会人民党の党首はミロシェビッチ前政権の連邦首相だったモミル・ブラトビッチ氏で、党内は選挙後、モミル派とプレドラグ派の間での確執が続き、後者が主導権を得て新政権に参加する情勢だった。しかし、この方針転換には党内で賛否があり、混乱はなお続きそうだ。
 これに対し、新大統領と野党連合は当面数週間、専門家による暫定内閣を設置し、同時に社会人民党との連立工作を進める可能性を示唆している。暫定首班には経済学者のミロリュブ・ラボス氏などの名が挙がっている。国営タンユグ通信は8日、野党連合のジンジッチ民主党党首が、今後2週間以内に首相を決め、新政府を発足させたいと語ったと報じた。[2000-10-08-19:35] 22
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 10/08@<ユーゴ>コシュトゥニツァ氏、連邦大統領に正式就任(毎日新聞)

 【ベオグラード8日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の“民衆革命”を率いたセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ氏は7日午後10時(日本時間8日午前5時)すぎ、連邦議会で宣誓し、連邦大統領に正式就任した。新大統領は就任演説で「今ここに民主主義が存在する。我が国の国益と威信を尊重しつつ、国際社会に復帰したい」と宣言、新生ユーゴの民主化推進を強調した。
 ベオグラードのサバ会議センターで開かれた連邦議会の上下両院合同会議で、コシュトゥニツァ新大統領は「連邦憲法を尊重し、ユーゴの主権と独立を守り、人権と自由の尊重に貢献する」と宣誓した。新大統領は政権の最優先課題に「モンテネグロとの関係再構築」、「コソボ自治州に対する主権回復」を挙げた。
 5日の民衆蜂起以来、政権移譲が予想外の速さで平和裏に進んだ事態を、新大統領は「今も夢を見ているようだ」と語り、「我々は長い間、民主主義のない世界に生きてきたが、ユーゴ連邦とセルビアは民主国家の仲間入りをした。壮大な歴史的瞬間だ」と述べた。またミロシェビッチ前大統領の処遇問題では明言を避けたが、前大統領を戦犯起訴している旧ユーゴ国際戦犯法廷(ハーグ)への身柄送致を改めて拒否した。
 新大統領は今後、首相を指名、新内閣を発足させる。しかし、議会での多数派形成を図り、数週間の暫定首班を任命した上で組閣に入る案も検討されている。[2000-10-08-19:35] 23
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 10/08@◎権力乱用でミロシェビッチ夫妻を告訴=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード8日AFP=時事】ユーゴスラビアの独立系BETA通信が8日伝えたによると、同国の人権組織「人権のための基金」は7日、権力乱用により人権侵害などをもたらしたとして、ミロシェビッチ前大統領とミラ・マルコビッチ夫人、前大統領の息子マルコ氏に対する訴訟を起こした。 [時事通信社][2000-10-08-17:42] 24 [このページの最初に戻る]


 10/08@◇コシュトニツァ氏、ユーゴ大統領に正式就任◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領が失脚したユーゴスラビアで7日午後5時半(日本時間8日午前0時半)、連邦議会が招集された。大統領選で勝利したコシュトニツァ氏(56)が宣誓式を行い、正式に新大統領に就任した。13年間、ミロシェビッチ体制下におかれてきたユーゴスラビアは、民主国家としての新たな一歩を踏み出した。
 宣誓式に先立って、コシュトニツァ氏は、記者団に対し「民主的な移行は始まったばかりで、開かれた新しい社会の建設は困難を伴う」と述べ、欧州連合(EU)に早急な経済制裁解除と経済再建への協力を求めた。また、13日からフランスのビアリッツで開かれるEU首脳会議に出席する意向を示した。
 連邦議会は、5日の騒乱で建物の一部が破壊されたため、市内の会議場に移された。
 コシュトニツァ氏は今後、野党各党の代表と協議し組閣を目指す意向だが、調整は難航している。コシュトニツァ氏の旧野党連合は7日、これまでミロシェビッチ政権で連立を組んできたモンテネグロ共和国の社会人民党との連立を提案することを決めた。新首相には独立系の経済学者のミロリュブ・ラブス氏を指名し、超党派内閣を発足できないか働きかけている。新政権は発足直後から難題に直面しそうだ。[2000-10-08-15:50] 25
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 10/08@民主主義到来を力強く宣言 各国大使らの拍手やまず ユーゴ(共同通信)

 【ベオグラード8日共同】民主的手法なしに繁栄も幸福もない―。ユーゴスラビア・セルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏は七日夜、新政権の発足、そして多様な意見を許容する民主主義の到来を力強く宣言した。
 連邦議会庁舎はユーゴ国内に十年以上強権体制を敷いてきたミロシェビッチ連邦大統領を退陣に追い込んだ五日の政変で破壊された。代わって急きょ会場に充てられたのは首都ベオグラードの会議場。満場の上下両院議員、招かれた各国大使らから割れんばかりの拍手が鳴りやまない。
 「この数日の動きがあまりに急で、就任演説はまだ考えていなかった」。新大統領は就任宣誓を終えた後、演壇を降りて着席、上下両院議長から就任のあいさつをするよう促されて再び戻った。「私自身もこのすべてが夢じゃないかと思うことがある」。照れたような笑み、率直な言葉が飾らない人柄をしのばせる。
 地元ラジオは一時、宣誓式に先立ち開催された下院の初議会で、先の選挙で議員に初当選、左翼強硬派政党を自ら率いてミロシェビッチ強権体制を名実ともに支えてきたミリャナ・マルコビッチ夫人も出席したと報道した。しかし、会場にその姿を見つけることはできず、国営テレビ画面にも映し出されることはなかった。(了)[2000-10-08-10:47] 26
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 10/08@コシュトゥニツァ氏が大統領就任(読売新聞)

 【ベオグラード8日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)連邦大統領選に勝利したボイスラフ・コシュトゥニツァ氏は七日夜、ベオグラード市内で開かれた新連邦議会上下両院合同総会で宣誓し、大統領に就任した。新大統領は八日には、ミロシェビッチ政権が発動した対モンテネグロ経済封鎖を解き、国境の検問所を廃止するなどモンテネグロとの関係再構築に乗り出した。しかし、疲弊した経済再建、コソボの主権問題、セルビア共和国の民主化など課題が山積しており、ユーゴ安定への道は険しい。
 宣誓が行われたのは七日午後九時過ぎ。新大統領は宣誓に続く演説で、「ユーゴは民主国家の仲間入りした」と述べるとともに、「ユーゴの幸福と国益こそが最優先されねばならない」などと述べて、政治勢力各派に対話による問題解決の重要性を訴えた。
 これに先立って、上下両院は個別に議会を開催。先の連邦議会選の最終確定を巡って、大統領選について民主野党連合の異議申し立てを認めコシュトゥニツァ氏の勝利を承認した連邦憲法裁の判断を議会選にも適用すべきだとする連合側と、社会党が激しい論争を展開、上院(定数四十)一議席、下院(同百三十八)十九議席の当選者を保留することで妥協が成立した。
 新大統領の当面の最大の課題は、連邦政府の組閣だ。カギを握るのは下院で二十八議席を有するモンテネグロの社会人民党。五十五議席と単独過半数に届かない「連合」にとっては、選択肢は社会人民党との連立以外にない。同党は、ミロシェビッチ派の社会党―ユーゴ左翼と連立する立場を示してきたが、ここへきて「連合」との政治対話にも前向きな姿勢を示している。憲法上、連邦首相は社会人民党から任命することにもなっており、「連合」は同党との連立に全力を挙げる考えだが、失敗した場合、新大統領は、議会内に強力な基盤を築けないばかりか、社会党系政府とのねじれた共生を迫られることになる。
 一方、九日には、もう一つの焦点であるセルビア共和国議会が開会する。新大統領は「民主化を連邦レベルから共和国レベルに広めることが急務」としているが、「連合」は同議会に議席がない。早期解散、選挙実施を求める「連合」は、再び街頭行動に訴える構えも示しながら社会党側に圧力をかけるものと見られる。[2000-10-08-10:34] 27
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 10/08@ユーゴ新大統領が就任 コシュトニツァ政権発足(共同通信)

 【ベオグラード7日共同】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦大統領の退陣表明を受け、先の大統領選で勝利したセルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏(56)は七日夜、新連邦議会(上下両院)の議員らを前に「ユーゴ連邦憲法を尊重し、大統領としてユーゴの独立、主権を守る」と宣誓、新大統領に就任した。
 これによりユーゴは十年に及ぶミロシェビッチ政権下での強権体制と決別、民主国家としての国家再建、国際社会への復帰の道を歩み出すことになった。
 この日の連邦議会は、五日の市民ほう起で内部が破壊された連邦議会議事堂の代わりに、ベオグラード市内の会議場で開催、大統領宣誓式には、日本を含む各国大使らも招かれた。
 宣誓式に先立つ下院の初議会は正副議長選出の手続きなどで野党連合側とミロシェビッチ政権下で与党だったセルビア社会党などが対立。宣誓式が数時間ずれ込むなど、新政権にとって波乱の幕開けとなった。
 新大統領は宣誓後の演説で「民主主義の時がやって来た」と宣言。「われわれは民主主義のない世界に住んできたが、(今後は)文明化された対話を行い、意見の違いを乗り越えていく」と述べ、旧ユーゴ、コソボ紛争、北大西洋条約機構(NATO)の空爆など、流血や恐怖の時代の終わりを強調した。
 一方で新大統領は、ユーゴは「尊厳をもって国際社会に加わっていく」と強調。民族紛争に明け暮れ、ほとんどの期間が国際制裁下にあった前政権時代の孤立化政策から脱却し、国際社会への復帰に向け、荒廃した国家の再建を図っていく方針を明らかにした。
 また前政権と対立、連邦からの離反傾向を強めているモンテネグロ共和国との関係修復にも強い意欲を示した。(了)[2000-10-08-09:55] 63
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 10/08@<米国>「中東」と「北朝鮮」の2正面外交で苦慮 (毎日新聞)

 【ワシントン7日布施広】イスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突に伴う中東情勢の悪化について米当局者は7日、「危機的状況」を迎えたと述べ、和平プロセスの崩壊も懸念される事態となった。しかし和平仲介の実務責任者であるオルブライト米国務長官は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の趙明禄(チョミョンロク)・国防委員会第1副委員長の歴史的な訪問を控えてワシントンを動けず、米国は「中東」と「北朝鮮」の板ばさみで苦慮している。
 米当局者によると、クリントン大統領は7日、バラク・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長への再三の電話で自制を要請、エジプトのムバラク大統領とも対応を協議した。当局者は中東情勢を「危機的状況」と表現し、クリントン大統領が流血防止に全力を挙げていると語った。
 オルブライト長官も中東首脳への電話で事態収拾に努めているが、衝突がレバノン国境地帯にも飛び火する中、米政府としての打開策は見つかっていない。11月を期限とするパレスチナ和平合意の達成はおろか、和平の枠組み自体が壊れかねない情勢であり、本来ならオルブライト長官が中東に飛んでもいい局面だ。
 しかし長官は趙副委員長の訪米を控え、米国を離れにくい立場だ。趙氏は9日からワシントンでオルブライト長官と米朝関係に関する包括的協議を行い、10日にはクリントン大統領とも会談する。米朝関係正常化の行方を占う重要な政治的行事であり、長官が中東を訪問するにしても、北朝鮮代表団が米国を離れる12日以降とみられている。
 今回の米朝会談では、北朝鮮のミサイル開発、「テロ支援国」指定の解除、連絡事務所の相互設置などの問題で進展が予想され、来年1月で任期が切れるクリントン政権は、朝鮮半島和平への貢献を外交成果にできる可能性も出てきた。その一方で、中東情勢が悪化の一途をたどることも予想され、パレスチナ和平を最大の外交課題とするクリントン政権は難しい2正面作戦を迫られそうだ。[2000-10-08-19:51] 66
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 10/08@<中東情勢>イスラエルの「過剰な武力使用」を非難 安保理(毎日新聞)

 【ワシントン7日布施広】国連安全保障理事会は7日、イスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突について、イスラエルの「過剰な武力使用」を非難する決議を採択した。決議には米国が棄権したものの、15理事国のうち14カ国が賛成し、国連としてイスラエルの対応を批判する立場を鮮明に打ち出した。
 採択された決議は、衝突で80人以上のパレスチナ人が死亡、多数の負傷者が出たことを憂慮し、名指しは避けながらも、イスラエル最大野党リクードのシャロン党首が「神殿の丘」を訪問したことがパレスチナ人を挑発し、衝突の呼び水となったと批判した。また、イスラエルとパレスチナの和平交渉の即時再開を呼びかけ、衝突に関する「迅速で客観的な調査」の必要性を強調した。
 決議案に対し米国は当初、拒否権行使の構えを見せたが、アラブの対米感情をさらに悪化させることを懸念して棄権にとどめた。ホルブルック米国連大使は決議採択後「イスラエル人も死傷している事実を反映していない」と述べ、「一方的」な決議だと遺憾の意を表明した。[2000-10-08-19:30] 73
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 10/08@◇イスラエル首相が最後通告 48時間以内の鎮静化要求◇(朝日新聞)

 イスラエルのバラク首相は7日夜(日本時間8日未明)、一連のパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突に関し、パレスチナ自治政府のアラファト議長が暴力行為を48時間以内に抑えないならば、和平交渉の窓口を閉ざし、治安面でもより厳しい措置をとると、最後通告を突きつけた。7日、イスラエル兵3人がレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに誘拐されるという事態も重なった中での非常措置といえる。アラファト議長としては、屈服する形での収拾は難しく、米国などの仲介で打開する以外になさそうだ。1993年のオスロ合意で開かれた和平の道は、重大な岐路にさしかかった。
 これまでに80人の死者を出したパレスチナ人との衝突は、治安部隊を後退させるなどの「停戦」努力にもかかわらず、7日も収まる様子を見せなかった。そこに加わったイスラエル兵誘拐事件を受けて、緊急閣議を開いたバラク首相は、閣議後の記者会見で、パレスチナ側の暴力行為がやまなければ、最大野党リクードを含む大連立政権を作る方針だと語った。リクードは、領土などの譲歩によるパレスチナ和平方針に反対してきた。連立は、和平交渉の扉を閉ざすことを意味する。
 首相はまた、最後通告期間の9日夜までは、治安措置は受け身に徹するが、それ以降は「暴力行為を止めるためには攻撃的な手段をとる」と、より厳しく対応することを明らかにした。
 パレスチナ側がこれまで主張してきたのは、エルサレムのイスラム教聖地の主権をめぐる抗議行動に、死者も出る激しい治安出動で先制したイスラエル側こそ、先に武力行使を中止すべきだというもの。自治政府のアベドラボ情報相はバラク首相の最後通告に対し、「圧力に屈することはない」と反発した。
 柔軟な姿勢をとりにくい両者の顔が立つような解決には、第三者の仲介が欠かせなくなった。交渉の仲介に努めてきた米政府は、バラク首相の最後通告を賢明な選択ではないとする一方で、アラファト議長に暴力行為の沈静化に努めるよう要請。さらに両首脳の直接会談を開くための外交努力を始めた。[2000-10-08-18:55] 77
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 10/08@◎リトアニアで総選挙(時事通信)

 【モスクワ8日時事】バルト3国の1つリトアニアで8日、4年の任期満了に伴う議会選挙が行われた。選挙は、小選挙区71と比例代表70の計141議席で争われる。即日開票され、9日朝(日本時間同日午前)にも大勢が判明する見通し。
 事前の世論調査では、クビリウス首相の出身母体である民族派の与党「祖国同盟」が、現内閣の緊縮財政政策に対する不人気で大幅に議席を減らし、ブラザウスカス前大統領率いる「社会民主連合」など左派が躍進すると予想されている。 [時事通信社][2000-10-08-18:20]
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 10/09@◎セルビアで12月19日に総選挙=ユーゴ新政権、権力構造(時事通信)

 【ベオグラード9日時事】民主政権が誕生したユーゴスラビア連邦を構成するセルビア共和国のミルティノビッチ大統領(社会党)は9日、民主野党連合の指導者らと会談、セルビア共和国で議会選挙を12月19日に実施することで合意した。セルビア共和国では失脚したミロシェビッチ前大統領の社会党が権力を掌握しているが、ユーゴ連邦のコシュトニツァ政権は共和国でも政権交代を実現し、権力構造のねじれを解消したい考えだ。
 独立系BETA通信などによると、会談では、セルビア共和国のマリヤノビッチ首相(社会党)を首班とする3党連立内閣を更迭し、各派代表で構成される選挙管理内閣を樹立することでも合意した。新内閣には民主野党連合も加わる見通しで、早ければ10日にも新内閣が組閣されるとみられる。 [時事通信社][2000-10-09-23:27] 3
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 10/09@○対ユーゴ制裁、一部解除へ=コシュトニツァ新政権を支援−(時事通信)

 【ブリュッセル9日時事】欧州連合(EU)の外相理事会が9日、ルクセンブルクで始まった。先のユーゴスラビア大統領選で当選した野党のコシュトニツァ氏が7日、大統領に就任したのを受け、ユーゴに適用していた制裁措置の一部解除を決定する見通し。ユーゴ新政権の経済復興支援についても話し合う。
 EUは昨年のコソボ紛争に関連して、ミロシェビッチ政権下のユーゴに対し、(1)石油製品の輸出禁止(2)民間航空機の相互乗り入れ禁止(3)EU内にあるユーゴの金融資産凍結(4)政府要人、一部企業経営者向けのビザ発給禁止−を決めた。外相理はこのうち、石油製品輸出、航空機相互乗り入れの再開を決定する。決定は数日以内に実施される。
 [時事通信社][2000-10-09-17:30] 4
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 10/09@ユーゴ制裁、一部解除へ EU外相理事会(共同通信)

 【ルクセンブルク9日共同】ユーゴスラビアでコシュトニツァ新政権が成立したのを受け、欧州連合(EU)は九日、ルクセンブルクで外相理事会を開き、対ユーゴ制裁のうち、ユーゴ機のEU乗り入れ禁止と石油禁輸を解除する。
 ボスニア紛争後にEUが実施した対ユーゴ制裁は、解除される二件に、経済制裁(ユーゴ資産の凍結やミロシェビッチ前政権に近い企業との取引禁止)、政権幹部らへの査証発行停止を加えた計四件。さらに国連が武器や弾圧用装備の禁輸を決めている。
 EU当局者によると、経済制裁や査証禁止の解除には技術的問題があるほか、加盟十五カ国の一部からは全面的な解除は時期尚早との見解も出ている。
 EU議長国フランスのシラク大統領は今月十三、十四日にフランスで開くEU特別首脳会議、来月二十四日のEU・バルカン首脳会議(ザグレブ・サミット)にコシュトニツァ大統領を招待している。
 EUは九月二十四日のユーゴ大統領選前から、民主化勢力が勝利すれば制裁を解除すると約束、野党側へのテコ入れを図ってきた。(了)[2000-10-09-15:02] 5
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 10/09@ユーゴ大統領就任を報道 北朝鮮中央放送(共同通信)

 【RP=共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国営朝鮮中央放送は九日、ユーゴスラビアの首都ベオグラードで七日、大統領選挙に勝利したコシュトニツァ氏の就任式が行われたと論評抜きで報じた。(了)[2000-10-09-12:50] 7 [このページの最初に戻る]


 10/09@米大統領が電話会談 コシュトニツァ大統領と(共同通信)

 【ワシントン8日共同】クリントン米大統領は八日、コシュトニツァ・ユーゴスラビア大統領と約十分間電話で会談し、新政権の誕生を祝福した。
 ロイター通信は、クローリー国家安全保障会議報道官の話として、クリントン大統領が「温かい二国間関係」をただちに築くことを約束、経済制裁についても欧州諸国とともに数日以内に解除する方針であることを伝えた。
 米政府とユーゴ新政権の公式接触は初めて。米政府はユーゴ情勢緊迫後もユーゴ内の反米感情や民族主義に配慮、ユーゴ野党との接触を控えてきた経緯がある。
 一方、オルブライト国務長官は八日、米NBCテレビのインタビューに対し、ミロシェビッチ前大統領の戦犯問題について「彼が法廷で裁かれない限り、ユーゴに真の自由は訪れない」と述べ、前大統領の身柄を旧ユーゴ国際戦犯法廷に送るべきだとの主張を繰り返した。(了)[2000-10-09-09:12] 8
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 10/09@経済再建で大規模援助要求 ユーゴ新政権幹部が会見(共同通信)

 【ベオグラード8日共同】コシュトニツァ・ユーゴスラビア大統領の側近で次期中央銀行総裁候補とされるディンキッチ・ベオグラード大助教授は八日、欧州連合(EU)などに対ユーゴ制裁解除だけでなく大規模援助を要求した。
 同氏は記者会見で「ミロシェビッチ政権は経済を崩壊させた。新政権は初年度に援助資金を使って経済基盤を立て直し、その後に自力開発を目指す」として、「数十億ドル(数千億円)」が復興に必要との見方を示した。
 EUは九日、コソボ紛争を受けて昨年実施した四分野の制裁のうち、石油輸出禁止とユーゴ航空機のEUへの乗り入れ禁止を解除する見通し。しかし、石油は解除が限定的に実施済みとなっていることなどから、ディンキッチ助教授は制裁解除だけでは不十分としているとみられる。
 ミロシェビッチ政権幹部らの海外資産引き出しや国外逃亡が懸念されるため、EUの制裁のうち、海外資産凍結とビザ発給禁止措置は当面継続される見通し。
 同教授は昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆による被害を「少なくとも四十億ドル以上」とし、NATO加盟国による援助への期待を表明した。(了)[2000-10-09-09:10] 9
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 10/09@◎15日以内に新内閣組閣=モンテネグロ社会人民党(時事通信)

 【ベオグラード8日時事】ユーゴスラビアの独立系BETA通信によると、モンテネグロ社会人民党のジジッチ副党首は8日、セルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏が大統領に就任したことに伴い、首相を含む新内閣が15日以内に組閣されるとの見通しを明らかにした。
 同党は、これまでミロシェビッチ前大統領の社会党を支持してきたが、先月24日の大統領選を機にコシュトニツァ大統領支持に傾いているとされる。 [時事通信社][2000-10-09-01:15] 10
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 10/09@◇新生ユーゴ―ふつうの国への第一歩◇(朝日新聞)

 革命と呼ぶのがためらわれるほど、あっけなく独裁政権は倒れた。ユーゴスラビア連邦の新しい大統領にコシュトニツァ氏が正式に就任した。
 ミロシェビッチ氏が選挙の敗北を受け入れたことで、この国では初めての民意による政権交代になった。大きな流血もなく新政権が生まれたことを歓迎したい。
 コシュトニツァ氏は「権力の移譲は平和裏に実現し、ユーゴスラビアとセルビアは民主国家の仲間に加わった」と演説した。
 民主主義をめざす志は評価に値するが、現実はこの言葉ほど単純ではない。
 ユーゴはこの十三年間に共産主義体制をきちんと清算することなく、ミロシェビッチ氏の個人的な独裁体制に移行した。国家機関はもとより、主要企業もミロシェビッチ氏の息のかかった人たちが支配してきた。
 戦争と国際的制裁によって経済が疲弊する中で、多くの部門に縁故主義が広がった。ミロシェビッチ政権は地下経済を動かす犯罪組織とも結びついていたと言われる。
 憲法裁判所が大統領選の結果をいとも簡単に翻したように、実質的な「司法の独立」は存在しない。これもまた、ミロシェビッチ氏の意のままになっていたのである。
 コシュトニツァ氏が引き継ぐのは、こうした政治も経済も司法もゆがんだ社会である。それを、法が支配する民主的なものにするのは、気が遠くなるような作業だ。
 連邦議会では、コシュトニツァ氏を支持するこれまでの野党勢力は少数派だ。連邦を構成するモンテネグロの社会人民党との協力が考えられるが、そうなればモンテネグロの独立の動きは加速する恐れがある。
 もう一つの連邦構成共和国であるセルビアは、政府も議会もミロシェビッチ派の手中にある。警察を握る彼らをどう押さえていくか。コシュトニツァ氏は「彼らに報復はしない」というが、安易な妥協もできまい。
 それにしても、この十三年間はなんという動乱の時代だったろう。
 旧ユーゴの連邦制が崩壊に向かいつつある中でセルビア共産主義者同盟指導者になったミロシェビッチ氏は、一九八七年四月、アル
バニア人による迫害を訴えるコソボのセルビア人の集会で「今からは、だれにも君たちを殴らせない」と宣言した。
 神話のように有名になったこの演説が旧ユーゴの諸民族を震え上がらせ、血みどろの民族紛争の引き金となった。氏はまた、大衆を扇動する荒っぽいやり方で政敵を倒し、独裁体制を築いた。マスメディアが愛国心をあおり、戦争と耐乏生活の連続だった。
 コシュトニツァ氏は「この国の人々には安定と平和が必要だ」と述べている。まさに的を射た指摘といえる。
 穏健な民族主義者とされるコシュトニツァ氏がどこまで、南スラブの他の民族と和解できるかは明らかでない。だが、クロアチアやボスニアの情勢も好転してきており、関係正常化の機会はやがて訪れよう。
 ユーゴが歩むふつうの国への道は困難だ。しかし、引き返させてはならない。[2000-10-09-00:10] 4
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 10/09@◎前大統領派が第1党に=リトアニア総選挙(時事通信)

 【モスクワ9日時事】バルト3国の1つ、リトアニアで8日実施された議会選挙は、9日までの暫定開票集計の結果、ブラザウスカス前大統領率いる左派「社会民主連合」が141議席のうち51議席を確保、第1党となることが確定した。
 一方、昨年11月に就任したばかりのクビリウス首相の出身母体である民族派の与党「祖国同盟」は、現内閣の緊縮財政政策が国民の支持を得られず9議席と大敗。首相退陣は不可避の情勢だ。 [時事通信社][2000-10-09-20:48] 16
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 10/09@全面対決への重大局面 米、国連などの調停本格化(共同通信)

 【エルサレム9日共同】イスラエルのバラク首相がパレスチナ自治政府のアラファト議長に突き付けた「二日以内の戦闘停止」の通告期限となる九日夜(日本時間十日未明)、イスラエルではパレスチナとの全面対決に突入するかどうかの重大局面を迎えた。
 クリントン米大統領が提案したバラク首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長、ムバラク・エジプト大統領による四首脳会談が、十日にもエジプトの保養地シャルムエルシェイクで開催される可能性があるほか、九日にはアナン国連事務総長がイスラエルを訪問。ロシアのイワノフ外相もシリア入りし、危機打開に向け国際的な調整が本格化した。
 一方、レバノン国境でのイスラエル兵誘拐事件で、イスラエルは赤十字国際委員会などを通じて、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラと兵士解放に向けた接触を継続。国境ではレバノン、イスラエル軍双方が兵力を集結させている。
 九日はユダヤ教で一年のうち最も神聖な日とされる「贖罪(しょくざい)の日」。一九七三年のこの日、エジプト・シリアによる電撃攻撃で第四次中東戦争がぼっ発。状況次第ではイスラエル国民にとって悪夢の再来となりかねない。
 イスラエル軍は、期限までにパレスチナでの戦闘が停止しない場合、あらゆる手段をとるとしており、パレスチナ治安当局の施設などに本格的な攻撃を仕掛ける可能性が出ている。
 自治区では八日夜も散発的に衝突が続き、祝日明け十日のイスラエルの対応が焦点となりそうだ。(了)[2000-10-09-17:01] 22
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 10/09@◎紛争予防NGO、アジアで本格活動へ=理事長が来日、財政(時事通信)

 地域紛争の発生・拡大防止を目指す世界的な非政府組織(NGO)である「国際危機グループ」(ICG)のガレス・エバンズ理事長(前オーストラリア外相)がこのほど来日し、竹内行夫総合外交政策局長ら外務省幹部や日本のNGO関係者と会談した。ICGは今年、アジアでの本格的な紛争予防活動に着手しており、会談では日本の財政支援やNGO間の協力強化を要請した。
 エバンズ理事長は時事通信との会見で、「アジアにおける紛争予防の当面の柱は、インドネシアと中央アジア、カンボジアの3地域」と述べ、既に詳細な現地情勢の調査と関係国への政策提言を始めたことを明らかにした。 [時事通信社][2000-10-09-14:35] 36
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 10/09@オランダ語系多数に逆転 言語紛争のフーロン ベルギー(共同通信)

 【ブリュッセル8日共同】ベルギーで八日、統一地方選が実施され、フランス語系とオランダ語系住民が言語紛争を繰り返した東部の小村フーロンで三十七年ぶりにオランダ語系が勝利した。今回の選挙で初めてオランダ人村民の参政権が認められたためだ。
 議会(定数一五)の新勢力はオランダ語系が八議席に対し、フランス語系が七議席。
 欧州連合(EU)の規定では、EU加盟国の国民は居住地の地方選で選挙権が与えられ、フーロンでは五百六十人が選挙人登録したが、ほとんどがオランダ人。前議会でも議席差は一議席だったため、オランダ人票が選挙の行方を左右したとみられる。
 人口約四千三百人のフーロンはフランス語系住民が多数にもかかわらず、一九六三年に引かれた言語境界線でオランダ語圏のリンブルフ州に編入された。
 フランス語系住民はフランス語圏への復帰を要求。七七年には州政府がフランス語学校を閉鎖したため衝突が相次ぎ、八七年には中央政府が総辞職したこともある。その後、オランダ語系のベルギー人が流入、隣接するマーストリヒトからのオランダ人移住者も増えたため、今回の結果となったとみられる。(了)[2000-10-09-09:16]
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 10/10@◎EU、ユーゴ制裁の部分解除を決定=コシュトニツァ政権を

 【ルクセンブルク9日時事】欧州連合(EU)は9日、ルクセンブルクで外相理事会を開き、コソボ紛争に伴って実施していたユーゴスラビアに対する制裁措置のうち、石油製品の禁輸、民間航空機の相互乗り入れ禁止を解除すると決定した。7日に大統領に就任したコシュトニツァ氏を政治、経済両面から積極的に支援することで、ミロシェビッチ政権下で孤立していたユーゴの国際社会への早期復帰に協力するのが狙い。
 外相理は同日採択した「ユーゴに関する宣言」で、「1998年以降実施した対ユーゴ制裁のうち、ミロシェビッチ前大統領とその側近に関する項目を除き、制裁解除を決定した」と表明した。EU議長国であるフランスのベドリヌ外相は記者会見で「石油製品禁輸と航空機乗り入れ禁止措置の解除は、数日以内に実行されよう」と語った。資産凍結、投資制限などの金融制裁について宣言は明言しておらず、「今後、(解除をめぐる)詳細を検討する」(EU筋)という。 [時事通信社][2000-10-10-00:12] 1
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 10/10@民族主義の傷跡むなしく 難民収容所に内戦の縮図 ユーゴ(共同通信)

 ユーゴスラビア・モンテネグロ共和国ティバトのアドリア海のほとりに、十棟ほどの仮設住宅がある。クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、そしてコソボ自治州。次々と生み出されたセルビア人難民約七十世帯が入る収容所は、ミロシェビッチ前政権が残した「負の遺産」を凝縮していた。
 現在は国連管理下にあるセルビア共和国コソボ自治州のペチから来た営繕工、ドラガン・オトビッチさん(48)は、昨年六月の「あの日」の光景をはっきりと覚えている。
 ユーゴ軍が撤退を始めていた。北大西洋条約機構(NATO)が空爆を停止する直前だった。
 「暑い日だった。顔なじみの兵士がコソボを去っていくのを見て『すべて終わった』と感じた。泣きながら撤収する彼らを眺めているうちに、涙が出てきて仕方なかった」 空爆終了に伴い、コソボを追われたアルバニア系住民が続々と帰還、セルビア人への逆の迫害が始まった。危険を感じたオトビッチさんは家族とともに住み慣れた故郷を脱出した。
 ティバトでは専門学校で営繕実務を教えているが、月給は約三百マルク(約一万五千円)。同じ収容所に住む若者と近く結婚するまな娘に「ウエディングドレスすら買ってやれないよ」と寂しく笑う。
 セルビア人とクロアチア人、イスラム教徒が一九九○年代前半に戦火を交え、約二百万人の難民を生んだボスニアからの難民家族もいる。
 「真っ暗で狭いガレージの中で、毎日のように砲撃音を聞いていました。水や食料は不足し、外出もままならず(「アンネの日記」を書いた)アンネ・フランクのような生活でした」。サラエボ出身のクルストニエビッチ・ブラトゥカさん(34)はこう振り返る。
 九二年秋、砲弾が自宅を直撃した。乳飲み子だった長女のジャナちゃん(8つ)は後遺症で耳が聞こえなくなった。ブラトゥカさんは今、三時間かけてバスを乗り継ぎ、ジャナちゃんをろう学校へ送り迎えする毎日だ。
 クロアチア南部のセルビア人居住地域だったクライナ出身のシニシャ・ベアデルさん(37)一家は、クロアチアが仕掛けた九五年の大攻勢で、故郷を追われた。五人の家族は八畳ほどの部屋で生活し、シャワー、トイレ、炊事場は他の難民と共用している。
 妻のリリアナさん(27)に、ミロシェビッチ前大統領が収容所を訪れたらどうするか聞いてみた。「コーヒーを入れてもてなし、彼の目をのぞき込んで言ってあげるの。これが、あなたのしたことなのよ」(ティバト共同=川北省吾)(了)[2000-10-10-21:20] 2
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 10/10@◎総選挙実施に向け組閣協議=現内閣は総辞職へ−セルビア(時事通信)

 【ベオグラード10日時事】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のコシュトニツァ新大統領を支持する民主野党連合、社会党などの各党は10日、セルビア共和国総選挙の繰り上げ実施に伴う暫定的な選挙管理内閣の組閣問題について協議に入った。一両日中にも社会党を中核とする連立内閣が総辞職し、民主勢力を含む新内閣が誕生する見通しだ。 [時事通信社][2000-10-10-21:10] 3 [このページの最初に戻る]


 10/10@セルビア暫定内閣発足へ 新政権が主導権獲得目指す(共同通信)

 【ベオグラード10日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のマリャノビッチ内閣が十日総辞職する。先の連邦大統領選挙でコシュトニツァ新大統領を擁立したセルビア民主野党連合をはじめ、ミロシェビッチ前大統領の与党だったセルビア社会党など主要四政党・組織は同日、暫定内閣発足に向け組閣に着手する。
 現共和国内閣、議会は社会党などが牛耳っており、コシュトニツァ政権は組閣と繰り上げ選挙の実施で主導権獲得を目指す。
 四政党・組織は来年秋に任期満了の共和国議会の繰り上げ選挙を十二月十七日に実施することで合意しており、新内閣は選挙まで暫定的に活動する。
 野党連合幹部のジンジッチ氏によると、ミロシェビッチ氏側近のミルティノビッチ共和国大統領も近く辞任する見通しという。
 暫定内閣の組閣準備にはセルビア急進党、セルビア再生運動も参加。内閣にはこれら四政党・組織からの代表が加わる予定で、閣僚配分などが焦点となる。(了)[2000-10-10-21:04] 4
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 10/10@◎ユーゴ前大統領の息子、中国に入国せず(時事通信)

 【北京10日時事】失脚したミロシェビッチ前ユーゴスラビア大統領の息子マルコ・ミロシェビッチ氏がモスクワから北京に到着したものの、空港で入国を拒否されたと伝えられたことについて、中国外務省の朱邦造報道局長は10日、「報道が確かかどうか知らないが、(マルコ氏は)北京にも中国のいかなる場所にもいたことはない」と述べ、中国へは入国していないことを確認した。 [時事通信社][2000-10-10-18:45] 5 [このページの最初に戻る]


 10/10@<EU>ユーゴへの制裁一部解除を決定 外相理事会(毎日新聞)

 【パリ9日橋本晃】欧州連合(EU)外相理事会が9日、ルクセンブルクで開かれ、ミロシェビッチ前政権によるコソボ自治州のアルバニア系住民の人権抑圧を理由に科した対ユーゴスラビア制裁の一部解除を決定した。コシュトゥニツァ新大統領率いる新生ユーゴを欧州の仲間に迎える姿勢をアピールした。
 外相理事会は石油輸出入と航空機の相互乗り入れに関する制裁をただちに解除することを決定。銀行取り引きと査証(ビザ)発給停止などの制裁について、ミロシェビッチ前大統領とその一族、さらに側近の今後の動向を見極めつつ段階的に緩和するという。
 EU議長国フランスのベドリヌ外相は会議終了後、「われわれはユーゴで民主主義が勝利すれば、政策を変えると約束していた。それを履行するときが来た」と語った。
 同外相は10日、ベオグラードを訪問し、コシュトゥニツァ大統領と会談。EUと新生ユーゴとの協力関係構築に向け話し合いを始めるほか、13、14の両日、仏南西部ビアリッツで開かれるEU非公式首脳会議への出席を正式に招請する。[2000-10-10-11:15] 6
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 10/10@ユーゴ連邦セルビア議会の主要政党が解散で合意(読売新聞)

 【ベオグラード10日=島崎雅夫】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の主要政党は九日、議会を解散し、十二月十七日に選挙を実施することで合意した。同共和国議会は失脚したミロシェビッチ前大統領派が主導権を握っているが、ユーゴの民主化と改革を推進するユーゴ連邦のコシュトゥニツァ新政権にとって、政治的影響の強いセルビア共和国の支持は不可欠であり、共和国レベルでの政権交代も促す構えだ。
 選挙実施の方針は、社会党、民主野党連合らの指導者が九日、セルビア共和国のミルティノビッチ大統領と会談して伝えた。
 ミルティノビッチ大統領が発表した声明によると、マリャノビッチ首相率いる三党連立内閣は総辞職し、選挙実施までこれに替わる暫定内閣を十日にも発足させる。同暫定内閣は専門家による実務型となる予定で、野党民主連合も加わる。
 コシュトゥニツァ新連邦大統領の支持母体である民主野党連合はセルビア共和国議会に議席を持たず、「共和国レベルでも民主化を達成する」ため早期選挙の実施を要求してきた。今回、ミロシェビッチ色の濃いセルビア共和国議会がこの要求を受諾したことで、ミロシェビッチ前大統領派の影響力は大幅に低下することになる。
 一方、ユーゴ連邦のブラトビッチ首相は九日、九月二十四日の総選挙結果を受けて辞任し、内閣も総辞職した。同首相はミロシェビッチ前大統領の側近で、同前大統領派は連邦レベルでも発言力を弱めることになる。[2000-10-10-10:45] 7
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 10/10@◇ユーゴ連邦首相が辞任 セルビアでは12月に議会選挙へ◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領に近かったブラトビッチ連邦首相が9日、辞任した。他の閣僚は新内閣発足まで職を続ける。一方、連邦を構成するセルビア共和国では同日、現在はミロシェビッチ派が多数勢力を占める議会を解散し、12月に選挙を実施することで全会派が合意した。旧与党が議席を大幅に減らすのは確実で、コシュトニツァ新大統領にとっては政権基盤を固めるうえで重要な一歩となる。
 セルビアはモンテネグロとともに連邦を構成しているが、後者は事実上の独立状態。セルビア政府を掌握することは政権の安定化のため重要となる。例えば治安維持にあたる警察は共和国政府の内務省に所属するが、ミロシェビッチ派のストイリコビッチ共和国内相は9日に辞任しており、後任が注目される。[2000-10-10-10:41] 9
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 10/10@<ユーゴ>ミロシェビッチ前大統領がモスクワに滞在 ラジオ(毎日新聞)

 【ベオグラード10日福原直樹】ユーゴスラビア連邦の地元ラジオは10日、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領が現在、モスクワに滞在していると伝えた。コシュトニッツァ新大統領を擁する野党連合の中核、イリッチ・チャチャック市(ユーゴ中部)市長が、前大統領の警護官筋から聞いた「確かな情報」として発言した。
 同市長はこの中で、(1)大統領選の敗北を自ら認めた6日のテレビ放送は録画で、前大統領は民衆革命があった5日から国外脱出を計画していた(2)前大統領夫人は国内に留まっている(3)前大統領は現在も、電話で国内にいる特定の部下と連絡を取っているが、他の関係者とは連絡を絶っている――と述べた。[2000-10-10-10:30] 10
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 10/10@<ユーゴ>セルビア議会が近く解散、12月に総選挙で合意 (毎日新聞)

 【ベオグラード9日福原直樹】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア議会は9日、近く解散し、12月に総選挙を実施することで合意した。ミロシェビッチ・前ユーゴ大統領が率いる社会党が多数派で、前大統領の強力な支持母体だった同議会の解体によりユーゴの民主化が進むと見られる。一方、前大統領派のブラトビッチ連邦首相も同日、辞意を表明。憲法の規定で他の閣僚も辞任する予定で、ミロシェビッチ前政権は、名実ともに崩壊したことになる。
 セルビア共和国議会は3年前の選挙で、社会党など左翼連合が過半数を獲得。ユーゴ連邦の9割以上の国民が同共和国国民で、コシュトニッツァ大統領を擁する野党連合は「民意に沿わない」と早期解散、総選挙を求めていた。
 9日の議会で、社会党は野党連合に従い12月17日、または24日に総選挙を行うことで事実上合意した。10日にも正式解散する。同時に、共和国首相や内相、厚生相などミロシェビッチ派の閣僚も、一斉に辞意を表明。今後閣僚らは憲法に従い、選挙までの暫定内閣を作り、実務に当たる。12月の選挙での野党連合の大勝は必至と見られる。
 一方、EUの経済制裁の一部解除を受ける形で、野党連合幹部のジンジッチ氏は同日、今後米国との協調路線を取る方針を表明。北大西洋条約機構(NATO)の空爆から、野党連合側は米国との一定の距離を取っていたが、大きな方針転換となる。[2000-10-10-10:15] 11
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 10/10@◇EUがユーゴ制裁を部分解除 仏外相が10日に訪問◇(朝日新聞)

 欧州連合(EU)は9日の外相理事会で、ユーゴスラビアへの経済制裁を解除し、同国をEUのバルカン半島復興計画の対象国とすることを決めた。コシュトニツァ大統領が率いる新生ユーゴを支え、国民主導で芽生えた「民主化」の流れをいち早く固めるのが狙いだ。EU議長国フランスのベドリヌ外相が10日、ベオグラードを訪れ、大統領に直接伝える。
 EUが解除する主な制裁は、1999年5月に始めた石油製品の輸出禁止と、旅客便の乗り入れ停止。どちらも、政権交代とともに続ける理由がなくなった。一方、ミロシェビッチ前大統領や側近の実業家を対象とする資産凍結、ビザ発給停止は当面続ける。
 ユーゴが支援対象国になったため、「民主化」を前提としていたEUの援助予算が発動される。欧州委員会は2006年までに、計23億ユーロ(約2200億円)の支援を計画している。また、北大西洋条約機構(NATO)の空爆で多くの橋が落ち、船が通れなくなったドナウ川の復旧などに協力するほか、通商上の優遇策も検討する。
 国連の旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に起訴されているミロシェビッチ前大統領の処遇と、EUの支援姿勢の関係について、ベドリヌ外相は「前大統領の処遇は重要な問題だが、援助と法的な関係はない」と述べ、経済支援をてこにユーゴの改革を急ぐ考えを示した。[2000-10-10-10:11] 12
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 10/10@EU外相理事会、対ユーゴ制裁解除を決定(読売新聞)

 【ルクセンブルク10日=三井美奈】欧州連合(EU)は九日、当地で外相理事会を開き、ユーゴスラビア連邦でのコシュトゥニツァ新政権発足を受けて対ユーゴ制裁を解除することを決定した。数日中にEU官報で公布され次第、発効する。また、EUの対ユーゴ援助の早期再開に向け、EU議長国フランスのベドリヌ外相が十日、ユーゴ入りしコシュトゥニツァ新大統領と協議することを確認すると同時に、十三、十四日の両日、仏南部ビアリッツで行うEU首脳会議にコシュトゥニツァ大統領を招待し、同国の施政方針について説明を求める。
 同理事会が採択した宣言文によると、解除される制裁は、一昨年に発動した石油禁輸や航空機乗り入れ禁止など。残る制裁も原則解除するが、ミロシェビッチ前大統領や側近に対しては、査証発給禁止や資産凍結などの措置を続ける。EUは制裁解除に伴い前大統領らが保有資産を海外移転することを警戒しており、数日中にEU行政府の欧州委員会が前大統領の関連企業への禁輸措置などを打ち出す。
 また、コシュトゥニツァ大統領が前大統領の旧ユーゴ戦争犯罪法廷への身柄引き渡しを拒否していることについて、EUは「民主化を固めるにはユーゴの経済復興が不可欠」(ベドリヌ外相)との立場から、この問題を経済援助再開の条件としない構え。同理事会は、昨年春の北大西洋条約機構(NATO)対ユーゴ空爆で被災したドナウ川架橋の復興など短期的援助の早期実施を約束した。
 ただし、EUがユーゴ民主化時に備えて予算計上した二〇〇〇〜二〇〇六年度の総額二十三億ユーロ(約二千億円)の対ユーゴ経済支援など長期的援助の実施には、「まず新政権の対EU協力姿勢の確認が必要」との慎重な立場を取っている。[2000-10-10-10:00] 13
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 10/10@米もユーゴ制裁解除へ(共同通信)

 【ワシントン9日共同】ホワイトハウスの米国家安全保障会議(NSC)スポークスマンは九日、米政府は数日中に対ユーゴスラビア制裁の解除を決定すると述べた。欧州連合(EU)の九日の制裁解除決定に米国も足並みをそろえる。
 スポークスマンは「EUと同様の措置を取る」と述べ、米国が石油禁輸、航空機乗り入れ禁止などを解除する方針を示唆した。(了)[2000-10-10-08:59] 14
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 10/10@◎対ユーゴ経済制裁解除へ=カナダ(時事通信)

 【オタワ9日AFP=時事】カナダのアクスワージー外相は9日、ユーゴスラビア連邦に対する経済制裁を解除する意向を表明した。
 同外相は「コシュトニツァ氏が大統領に就任した今、カナダはユーゴとの伝統的な友好関係を喜んで見直す」と語った。解除されるのは、ユーゴに対する投資やカナダ製品の輸出など。同外相は一方、国連が科しているユーゴへの武器売却禁止の措置は継続されると述べた。 [時事通信社][2000-10-10-08:54] 15
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 10/10@ユーゴ連邦軍の扱い協議へ モンテネグロ共和国政府当局(共同通信)

 【ポドゴリツァ9日共同】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国政府当局者は九日、コシュトニツァ新ユーゴ大統領が近く、同共和国に駐留するユーゴ連邦軍の扱いなどをジュカノビッチ共和国大統領と協議する見通しだと語った。
 当局者によると、ユーゴの軍事行動に関する決定を担う最高防衛評議会が近く開かれ、ジュカノビッチ氏も参加の意向を示している。
 ジュカノビッチ氏は今回の連邦大統領選は違法として、コシュトニツァ新大統領就任式典にも参加していなかった。(了)[2000-10-10-08:29] 16
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 10/10@セルビア内閣が総辞職へ 議会選は12月17日に実施 (共同通信)

 【ベオグラード10日共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の各主要政党は九日、来年秋に任期満了になる共和国議会の繰り上げ選挙を十二月十七日に実施、また共和国内閣を総辞職させ、議会選までの暫定内閣を十日に組閣することで合意した。セルビア民主野党連合幹部のジンジッチ氏が明らかにした。
 ユーゴ連邦の主導権を握るセルビア共和国の内閣、議会は、ミロシェビッチ前連邦大統領の与党だったセルビア社会党などが牛耳ってきた。内閣総辞職、議会選実施の合意は前大統領が牙城(がじょう)としていた同共和国内での影響力喪失を意味する。コシュトニツァ新政権は議会選実施で、新議会での主導権獲得を目指す。
 ミロシェビッチ前大統領派のブラトビッチ連邦首相(モンテネグロ社会人民党党首)も九日辞任し、連邦内閣が総辞職した。前大統領の側近ミルティノビッチ・セルビア共和国大統領も辞任の見通しという。
 一方、前大統領の側近だったストイリコビッチ・セルビア共和国内相が九日、内閣総辞職を前に辞任。前大統領は共和国内の権力基盤としてきた警察機構への影響力も失った。
 セルビア議会選実施を決めた九日の会合には、大統領選でコシュトニツァ氏を支えた野党連合のほか、社会党、セルビア急進党、セルビア再生運動が参加。暫定内閣はこれら四政党・組織からの代表で構成するという。(了)[2000-10-10-08:28] 17
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 10/10@北京からモスクワ逆戻り? ユーゴ前大統領子息(共同通信)

 【モスクワ10日共同】九日のタス通信は、退陣したミロシェビッチ・ユーゴスラビア前大統領の子息マルコ・ミロシェビッチ氏が同日モスクワから北京に到着したものの空港で入国を拒否され、再びモスクワに引き返したと伝えた。しかしモスクワの空港ではマルコ氏の入国は確認されず、行方は不明だ。
 インタファクス通信によると、同空港の出入国管理当局者はマルコ氏が入国したとの記録はなく、乗客名簿にもマルコ氏の名前はないとしている。
 これより先マルコ氏が北京の空港で入国できなかったのは査証(ビザ)の問題のためと報じられた。
 マルコ氏をめぐっては、前大統領の大統領選敗北が明確になった直後に家族とともにベオグラードからモスクワに到着したと報じられているが、公式に確認されていない。(了)[2000-10-10-08:28] 18
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 10/10@国連事務総長がユーゴスラビア連邦大統領に祝意(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】アナン国連事務総長は九日までに、ユーゴスラビア連邦大統領に就任したコシュトニツァ氏に書簡を送り、祝意を伝えた。
 書簡で事務総長は、ユーゴ民主化を望む国民が困難を克服したと称賛、旧ユーゴのままになっている国連議席をユーゴ連邦にするため尽力すると表明した。(了)[2000-10-10-08:22] 20
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 10/10@セルビア内閣が総辞職 旧政権、牙城で影響力喪失 (共同通信)

 【ベオグラード9日共同】ユーゴスラビア・セルビア民主野党連合は、ユーゴ連邦セルビア共和国の主要政党幹部らが九日、共和国議会選挙を十二月十七日か二十四日に実施、また共和国内閣を総辞職させ、議会選までの暫定内閣を十日に組閣することで合意したとの声明を発表した。
 ユーゴ連邦の主導権を握るセルビア共和国の内閣、議会は、ミロシェビッチ前連邦大統領の与党だったセルビア社会党などが牛耳ってきた。内閣総辞職、議会選挙実施の合意はミロシェビッチ氏が牙城(がじょう)としていた同共和国内で影響力を失ったことを意味する。コシュトニツァ新政権は議会選実施で、新議会での主導権獲得を目指す。
 また、ミロシェビッチ前大統領派のブラトビッチ連邦首相(モンテネグロ社会人民党党首)も九日、辞任し、連邦内閣が総辞職した。
 一方、前大統領の側近だったストイリコビッチ・セルビア共和国内相が九日、内閣総辞職を前に辞任。前大統領は共和国内の権力基盤としてきた警察機構への影響力も失うことになった。
 野党連合幹部のジンジッチ氏によると、共和国暫定内閣は専門家による実務型内閣となる。
 セルビア議会選の実施を決めた九日の会合には、大統領選でコシュトニツァ氏を支えた野党連合のほか、社会党、セルビア急進党、セルビア再生運動が参加。暫定内閣はこれら四政党・組織からの代表で構成するという。
 野党連合は当初、議会選挙は十二月十九日に実施するとしていたが、その後、十七日か二十四日の実施に訂正した。(了)[2000-10-10-07:57] 21
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 10/10@◎ミロシェビッチ・ユーゴ前大統領、モスクワへ出国か(時事通信)

 【ベオグラード9日DPA=時事】ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が9日夜、飛行機で出国、モスクワに向かったとする未確認情報が同日、当地で伝えられた。民主セルビア党幹部の政治家がフォネット通信に対し、ミロシェビッチ氏の警護官の親せきの話として語った。 [時事通信社][2000-10-10-05:59] 29 [このページの最初に戻る]


 10/10@◇国連事務総長「流血の停止」呼びかけ 国際委構成が焦点◇(朝日新聞)

 アナン国連事務総長は9日、中東和平問題の収拾にあたるためイスラエルとパレスチナを訪問し、イスラエルのベンアミ外相代行、パレスチナ自治政府のアラファト議長と個別に会談した。10日未明(日本時間同日早朝)、ガザでアラファト議長とともに記者会見したアナン氏は、「流血の事態を止め、紛争の拡大を防がなければならない」と述べ、調停に全力を挙げる考えを強調した。
 アラファト議長との会談に出席した自治政府高官筋によると、調停では、パレスチナ側が一連の流血の実態を調査するため設置を求めている国際調査委員会の構成が焦点になっている。イスラエル側は、国際的な構成を拒否し、イスラエル、パレスチナ両当事者による協議を主張。パレスチナ側はアラブ諸国、特にエジプト、ヨルダンの参加を強く求めている。米国はノルウェーなど中立的な2カ国を加える案を示している。アラファト議長との会談中、クリントン米大統領から電話が入り、「この問題で大きな圧力をかけた」(同筋)という。アナン事務総長も米国の妥協案に近い調停を求めている模様だ。
 アナン事務総長は会見でまず、「愛する人を失った人たちに同情し、お悔やみを伝えたい」と切り出し、イスラエル側の「過剰な武力行使」(7日の国連安全保障理事会決議)で犠牲となったパレスチナ人らとその家族らに哀悼の意を表明。「魔法の解決策を持ってきたわけではないが、アラファト議長、バラク首相ら地域の指導者と協力し、沈静化への道を探りたい」と述べた。
 アラファト議長は、「和平進展のためのアナン事務総長のあらゆる努力に感謝する」と国連による調停を歓迎。クリントン大統領からの電話については、「協議は、同じ方向を目指している」と述べ、事態収拾に協力する考えを示した。[2000-10-10-12:46] 30
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 10/10@イスラエル、パレスチナへの最後通告期限延長(読売新聞)

 【エルサレム10日=当間敏雄】イスラエルのバラク首相がパレスチナ自治政府のアラファト議長に突き付けていた「二日以内の戦闘停止」の最後通告の期限が九日夜(日本時間十日未明)に切れ、同首相は緊急閣議を招集した。閣議は十日未明まで五時間続き、閣議後、「世界の指導者たちの要請を考慮して、暴力を終結させる可能性を最後までさぐるため、(最後通告に)数日間の猶予を与えることにした」との声明が出された。具体的な延長期限については、「一日か二日になる」との閣議参加者の発言が報じられている。期限延長の決定で、自治政府に対する大規模な軍事作戦などの危機は、当面、回避される見通しとなった。
 バラク首相は七日、パレスチナ自治区での騒乱拡大を受け、アラファト議長に「二日以内に戦闘行為を停止させなければ、和平パートナーは存在しないと判断、あらゆる軍事的措置を使って鎮圧する」と通告していた。期限日の九日にもヨルダン川西岸では銃撃戦や投石が続き、十二日間の死者は九十人、負傷者は二千数百人にのぼり、首相の対応が注目されていた。
 一方、アナン国連事務総長とロシアのイワノフ外相が相次いでイスラエル入リしてベンアミ同国外相代行と会談。欧州連合(EU)もソラナ共通外交安全保障上級代表の急派を決定するなど、危機打開に向けた国際的な調停努力も本格化してきた。クリントン米大統領も、バラク首相、アラファト議長、ムバラク・エジプト大統領との四首脳会談を提唱。イスラエル首相府報道官は十日未明、首脳会談への出席を米国から求められれば応じると述べた。
 また、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラによるイスラエル兵士三人の拉致(らち)事件の発生したレバノン国境ではイスラエル軍が兵力を増強、緊張が高まっている。ロシアのイワノフ外相は九日、シリアのアサド大統領と会談、赤十字国際委員会などを通じた接触が続けられており、捕虜交換などで解決策を模索している模様だ。[2000-10-10-12:46] 32
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 10/10@<レバノン>情勢緊迫化で軍が全面警戒態勢に(毎日新聞)

 【カイロ9日高橋弘司】イスラエルがイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」への攻撃を警告するなどレバノン情勢緊迫化を受け、レバノン軍は全面警戒態勢に入った。
 ベイルートからの報道によると、ヒズボラのカーセム副党首は9日、イスラエル兵士3人を拘束したことに言及、「仕返しにイスラエルが空爆を断行すれば、被害のいかんに関わらず、北部イスラエルのユダヤ人入植地やイスラエル兵士を標的とする」と改めて強い警告を発した。
 一方、シリアのアサド大統領は9日、ダマスカス入りしたロシアのイワノフ外相と危機回避に向けて会談し、ロシアは拘束中の3人のイスラエル兵士とヒズボラ兵士などとの捕虜交換に向けた仲介を開始した。
 また、アサド大統領はクリントン米大統領と電話で協議、米国にイスラエルへの圧力を求めたのに対し、クリントン大統領はシリアがヒズボラの攻撃を抑制するよう促した。さらにムバラク・エジプト大統領もアナン国連事務総長、シラク・フランス大統領らとの協議を重ねた。[2000-10-10-12:01] 38
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 10/10@<中東情勢>ヨルダン川西岸などで衝突がくすぶる(毎日新聞)

 【エルサレム9日海保真人】バラク・イスラエル首相が騒乱収拾の期限とした9日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸ラマラ近郊などではパレスチナ住民とイスラエル治安部隊の衝突がくすぶった。また、イスラエル国内でも8日夜、ユダヤ人とイスラエル国籍を持つパレスチナ人の国民同士が衝突、異民族間のいがみ合いは深刻になっている。
 ラマラ近郊ではパレスチナ住民のデモがイスラエル軍への激しい投石に発展、軍側は発砲で応酬した。西岸ナブルス、ヘブロンでも一部で衝突があり、9日はパレスチナ人14人が負傷した。
 パレスチナ自治政府保健省の発表によれば、9日現在、パレスチナ人の死者は、レバノン国境でのパレスチナ難民2人やイスラエル国籍の14人を含め計90人、負傷者は2800人以上にのぼっている。[2000-10-10-11:40] 19
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 10/10@エベレスト最高峰からの滑降に成功(共同通信)

 【カトマンズ9日共同】スロベニア出身の冒険家、ダボ・カルニカルさん(38)が、世界最高峰のエベレスト山頂(標高八、八五○メートル)から同五、三四○メートル付近のベースキャンプまでスキーによる滑降に成功したことが九日、明らかになった。
 ネパール観光省などによると、カルニカルさんはスロベニア遠征隊のリーダーとして登頂。七日、約五時間かけて滑り降りたという。(了)[2000-10-10-08:06]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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