最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(10/05, 2000)


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 10/02@◇ロシア大統領、ユーゴ調停に乗り出す用意を表明◇(朝日新聞)
 10/02@<ユーゴ>セルビア民主野党連合が首都などでゼネストに入る(毎日新聞)
 10/02@ユーゴ野党陣営、セルビア全土でスト決行 (読売新聞)
 10/02@両候補招請の用意 ユーゴ調停でロ大統領 (共同通信)
 10/02@<プーチン氏>ミロシェビッチ氏とコシュトゥニツァ候補の調(毎日新聞)
 10/02@決選投票は合法とロシア ユーゴスラビア情勢で(共同通信)
 10/02@盛り上がり欠くスタート ユーゴのゼネスト(共同通信)
 10/02@<ユーゴ>セルビア民主野党連合が首都など全域でゼネストに(毎日新聞)
 10/02@ユーゴでゼネスト開始 情勢緊迫、バスは運行(共同通信)
 10/02@◇ユーゴ、全国規模のゼネスト入り◇(朝日新聞)
 10/02@野党勝利は国際世論 ユーゴ大統領選で中川官房長官(共同通信)
 10/02@<ユーゴ>スト解除で炭鉱に警官隊を投入 セルビア警察当局(毎日新聞)
 10/02@仏大統領府がミロシェビッチ退陣求める声明(読売新聞)
 10/02@ユーゴ大統領の辞任要求 米国務長官(共同通信)
 10/02@◇ユーゴ大統領、ロシアの外相派遣を拒否◇(朝日新聞)
 10/02@デモ隊排除拒否で左遷 ユーゴスラビア(共同通信)
 10/02@ルーマニアも退陣要求 ユーゴ大統領に「包囲網」(共同通信)
 10/02@ミロシェビッチ大統領一家はユーゴに(共同通信)
 10/02@モンテネグロ、連邦制見直しを検討(読売新聞)
 10/02@ユーゴ調停へ露特使ベオグラード入り(読売新聞)
 10/02@露調停へ向け、ユーゴ与野党駆け引き激化 (読売新聞)
 10/02@緒方国連難民高等弁務官、最後の演説(読売新聞)
 10/02@エルサレム騒乱、米大統領に深刻な打撃に (読売新聞)
 10/02@◇モンゴル統一地方選、民主派勢力後退し旧共産党が圧勝◇(朝日新聞)
 10/02@治安対策の強化など討議 UNHCRが執行委員会(共同通信)
 10/02@<ニュースキー>エルサレムの衝突 和平交渉に影響=3替(毎日新聞)
 10/02@◇イスラエルとパレスチナ衝突拡大、聖地問題の危うさ露呈◇(朝日新聞)
 10/03@<ユーゴ情勢>野党側選対本部長、露大統領の招待受け入れ(毎日新聞)
 10/03@◎ユーゴでのサッカーW杯予選など当面延期(時事通信)
 10/03@<ユーゴ情勢>民主野党連合がゼネスト入り(毎日新聞)
 10/03@◎ユーゴ当局、スト弾圧を警告=ユーゴ大統領に危機感−野党(時事通信)
 10/03@ユーゴ与野党両大統領候補、訪露を前向き検討(読売新聞)
 10/03@ユーゴのゼネスト拡大 国営メディアにも動揺か(共同通信)
 10/03@◇ユーゴのゼネスト、2日目入り 大統領が国民に「警告」◇(朝日新聞)
 10/03@<特集・ユーゴ>ミロシェビッチ大統領の長男と単独会見(毎日新聞)
 10/03@<特集・ユーゴ>ミロシェビッチ大統領の出身地などをルポ(毎日新聞)
 10/03@ユーゴ大統領がテレビで演説、野党側を非難(読売新聞)
 10/03@ユーゴ、政府系最大労組もゼネスト用意(読売新聞)
 10/03@<ユーゴ>政府系労組などミロシェビッチ派組織に亀裂表面化(毎日新聞)
 10/03@「大統領孤立」と宣伝強化 ユーゴ野党、退陣圧力加速(共同通信)
 10/03@<ユーゴ>決選投票への条件付き参加を討議 民主野党連合(毎日新聞)
 10/03@<ユーゴ>ミロシェビッチ退陣に露の圧力促す 米国務長官ら(毎日新聞)
 10/03@「国民の意志は消せない」 ユーゴの炭鉱ストに地元警察も連(共同通信)
 10/03@ユーゴスラビアの秘密警察トップも解任か (共同通信)
 10/03@ミロシェビッチ大統領関係者の口座凍結 スイス政府(共同通信)
 10/03@<ユーゴ>ミロシェビッチ大統領が決選投票に臨む意欲を表明(毎日新聞)
 10/03@ユーゴ大統領が野党連合を非難する演説(読売新聞)
 10/03@◇ユーゴ大統領、国家保安局長ら解任◇(朝日新聞)
 10/03@◇ユーゴのモンテネグロ与党、決選投票の不参加呼びかけ◇(朝日新聞)
 10/03@◇「ユーゴ大統領退陣で直ちに制裁解除」仏大統領が強調◇(朝日新聞)
 10/03@<ユーゴ>首都東部の石油精製工場が労働者のストなどで操業(毎日新聞)
 10/03@<露・印>両国首脳が「戦略的パートナーシップ宣言」に署名(毎日新聞)
 10/03@「イラク制裁」に風穴、モロッコ機がバグダッド入り(読売新聞)
 10/03@ソマリアで中継貿易活況 無政府状態を“逆利用”(共同通信)
 10/03@在日米軍へ強まる反発 東アジア各国の離反も(共同通信)
 10/04@◇ロシア大統領、ユーゴ両候補招請へインドから電話作戦◇(朝日新聞)
 10/04@ユーゴ炭鉱ストに特殊部隊が突入態勢(読売新聞)
 10/04@第1回TV討論、ブッシュ氏「予想外の善戦」(読売新聞)
 10/04@反ミロシェビッチの象徴、ユーゴ・コルバラ炭鉱(読売新聞)
 10/04@タンユグ記者3人を停職 ユーゴスラビア (共同通信)
 10/04@<ユーゴ>民主野党連合、セルビア全域で終日ゼネストに入る(毎日新聞)
 10/04@プーチン調停が焦点に せめぎ合い続くユーゴ情勢(共同通信)
 10/04@ロシア仲介に否定的 ゴア米副大統領(共同通信)
 10/04@野党指導者を一時拘束 ユーゴ、スト弾圧本格化か(共同通信)
 10/04@ユーゴ野党指導者らに逮捕命令(読売新聞)
 10/04@◇ユーゴ、首都で計画停電始まる 野党指導者も逮捕対象に◇(朝日新聞)
 10/04@憲法裁判所が異議を受理 ユーゴ(共同通信)
 10/04@首都警察で辞職が続出(共同通信)
 10/04@「決選投票認めない」 仏外相(共同通信)
 10/04@ロ調停に前向き姿勢表明 ユーゴ野党候補 (共同通信)
 10/04@ユーゴ重大局面に、政権側危機感強める(読売新聞)
 10/04@◇ユーゴ・ゼネストで政権側がスト弾圧開始 ◇(朝日新聞)
 10/04@<ユーゴ>セルビア民主野党連合が2日目のゼネストに突入(毎日新聞)
 10/04@抗議行動を「特別な手段で阻止」…セルビア政府声明(読売新聞)
 10/04@◇イスラエルの武力行使に国連安保理で非難相次ぐ◇(朝日新聞)
 10/04@パレスチナ騒乱収拾へ、米仲介でぎりぎり折衝(読売新聞)
 10/04@<中東情勢>パレスチナ衝突 米国務長官が両首脳と個別会談(毎日新聞)
 10/04@UNHCR襲撃で2人逮捕 インドネシア国家警察(共同通信)
 10/04@無国籍アラブ人集結でクウェートが国境に部隊派遣(読売新聞)
 10/04@来年、初の総選挙実施へ(共同通信)
 10/04@安保理で激しい応酬 パレスチナ衝突で協議再開(共同通信)
 10/04@紀宮さま欧州歴訪へ スロバキアなど3カ国(共同通信)
 10/05@<ユーゴ>ゼネスト炭鉱に機動隊 野党連合との対決は一層先(毎日新聞)
 10/05@◎ユーゴ大統領に最後通告=民主セルビア党(時事通信)
 10/05@◇ユーゴ「首都決戦」 野党デモ隊が議事堂突入◇(朝日新聞)
 10/05@<ユーゴ>民主野党連合が大統領退陣決議 情勢は一層緊迫(毎日新聞)
 10/05@<ユーゴ>大統領選再実施決定 民主野党連合は反発 緊張高(毎日新聞)
 10/05@◇ユーゴの野党大集会、警官隊が催涙ガス発射し混乱◇(朝日新聞)
 10/05@◎ユーゴ大統領選はやり直しに=憲法裁長官が言明(時事通信)
 10/05@<日仏外相>ユーゴ問題めぐり電話で意見交換(毎日新聞)
 10/05@◎G8の駐ユーゴ大使会議への協力を仏外相に電話で要請=河(時事通信)
 10/05@◎ユーゴ調停に改めて意欲=ロシア大統領 (時事通信)
 10/05@◇ユーゴの憲法裁判決、ロシアは歓迎◇(朝日新聞)
 10/05@ユーゴ野党が大規模集会 敗北表明の最終期限で(共同通信)
 10/05@◇ユーゴ野党候補、ロシア提案を拒否◇(朝日新聞)
 10/05@<ユーゴ>モスクワには行かず コシュトゥニツァ氏(毎日新聞)
 10/05@<ユーゴ>スト炭鉱に機動隊 解除命令、対立深まる(毎日新聞)
 10/05@<YOU館>ミロシェビッチ大統領 続く懸命の粘り(毎日新聞)
 10/05@実力行使不調で戦術変更 延命工作で野党分断狙いも ユーゴ(共同通信)
 10/05@◇ユーゴのゼネスト、炭坑で大きな衝突は回避◇(朝日新聞)
 10/05@大統領選の一部は無効 ユーゴ憲法裁判断 政権側の時間稼ぎ(共同通信)
 10/05@◇ユーゴ憲法裁、大統領選の一部無効決定 決選投票白紙か◇(朝日新聞)
 10/05@セルビアの炭鉱ストで警察が主要施設を接収(読売新聞)
 10/05@ユーゴ憲法裁、大統領選の一部無効を決定 (読売新聞)
 10/05@<ユーゴ>大統領選第1回投票の一部無効との決定下す 憲法(毎日新聞)
 10/05@◎ミロシェビッチ大統領の運命、数日で決まる=ユーゴ野党候(時事通信)
 10/05@アナン国連事務総長、免責発言を否定(共同通信)
 10/05@◇ユーゴの「政府広報紙」記者60人が公正な報道求め署名◇(朝日新聞)
 10/05@◇ユーゴ、機動隊が炭鉱周辺封鎖 政府系労組はストに呼応◇(朝日新聞)
 10/06@◎新大統領下でのユーゴの早期民主化を期待=河野外相(時事通信)
 10/05@◎日本のNGOがチェチェン難民に毛布贈呈(時事通信)
 10/05@衝突の傷跡、根強い不信 和平交渉見通し立たず(共同通信)
 10/05@◇イスラエル、協議継続拒否の声明 駆け引き続く◇(朝日新聞)
 10/05@パレスチナ紛争、衝突集結で基本合意(読売新聞)
 10/05@アナン国連事務総長、免責発言を否定(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 10/02@◇ロシア大統領、ユーゴ調停に乗り出す用意を表明◇(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は2日、声明を発表し、「ミロシェビッチ・ユーゴ大統領と野党勢力のコシュトニツァ候補の双方と、近くモスクワで会う用意がある」と述べた。事態打開に向けた調停に自ら乗り出す姿勢を明確にしたものだ。しかし、在ロシア・ユーゴ大使館は「仲介の理由はない」としている。
 声明によると、ロシアは与野党陣営の衝突になることを憂慮し、「ユーゴの真の友人として傍観できない」として、事態収拾策を協議する用意があると述べている。
 プーチン大統領は先月30日、イワノフ外相を調停のためベオグラードに派遣する提案をしたが、ミロシェビッチ政権は拒否したとされる。しかし、プーチン大統領はクリントン米大統領、シュレーダー独首相らと電話で相次ぎ協議。欧米と連携を保ちながら調停の機会をうかがっていた。
 これに対し、ユーゴ大統領の実兄にあたるミロシェビッチ駐ロシア大使は2日、インタファクス通信に対し、「ロシアの仲介には理由がない。選挙手続きは法の下で進められている」と語り、決選投票の実施が決まっている以上、今の段階でロシアの調停は必要ないとの見解を示した。[2000-10-02-23:19] 72
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 10/02@<ユーゴ>セルビア民主野党連合が首都などでゼネストに入る(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア民主野党連合は2日午前5時(日本時間正午)から、首都ベオグラードなどセルビア全域でゼネストに入った。地方では石油精製所、炭鉱などが操業停止に追い込まれているが、首都ベオグラードでは当局の締め付けもあって、予想を下回る規模となっている。
 ベオグラードでは同日早朝からバスやタクシー、自家用車が、西郊の住宅地ノビ・ベオグラードから市中心街につながるサバ川に架かるブランコフ橋を道路封鎖した。橋上では警官が封鎖に参加したバスやタクシーの営業許可証を取り上げようとし、これに抗議する市民と小競り合いや押し問答となった。
 市民は午前8時に職場に集合した上、ゼネスト参加の是非を決議したが、店舗は約6割が閉まり、約4割が開いた状態。企業の多くは操業を続け、従業員の何割かが自主的にストに入った。首都中心部では、正午すぎから野党連合支持者約2万人が抗議集会を開いた。
 ゼネストの動きは首都より地方で活発で、中部チャチャクや南部クルシェバツでは道路封鎖やストで学校はほぼすべて休校、公共サービスや物流が完全マヒ状態となっている。
 また国内第2のコストラツ炭鉱とパンチェボの石油精製所が2日、操業停止になった。先週からストに入っているコルバラ炭鉱では同日、警官4000人が炭鉱一帯を立ち入り禁止としたが、ストは続いている。同炭鉱はセルビア全域の電力の半分を供給するニコラ・テスラ火力発電所の石炭供給元で、ゼネストはエネルギー供給面で大きな影響を与えている。[2000-10-02-22:25] 75
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 10/02@ユーゴ野党陣営、セルビア全土でスト決行(読売新聞)

 【ベオグラード2日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の連邦大統領選挙での野党候補の当選受け入れを迫って政権との対決姿勢を強める「民主野党連合」は二日早朝から、セルビア全土でゼネストに入った。「民主野党連合」は波状的にストの圧力を強め、四日には全土で都市機能を完全マヒさせ、八日の決選投票の阻止に向けて盛り上げる方針だ。
 ベオグラードでは雨模様の中を午前五時過ぎから、市民が街頭に出て、ゴミ集積コンテナーやトッラクなどで通りを封鎖し、交通を遮断した。市交通局労組も通勤時間の午前七時から二時間にわたって時限ストを実施、路面バスなどが全面的にストップした。
 野党陣営は、四日から二十四時間ストに転換するとしており、同陣営スポークスマンは、初日のゼネストについて「三時間のストは成功裏に終わった」と発表。正午からは、学生組織「オトポール(抵抗)」が市内のキャンパスで抗議集会に入った。
 中部の町クラグエバツにある国産自動車工場の「ザスタバ」では労働者が職場を放棄。セルビア最大のコルバラ炭鉱やコシュトラツ炭鉱のストで、火力発電所の稼働率は激減した。長期化した場合の電力不足も懸念されているほか、パンチェボの石油精製所でもストが予定されている。
 こうした野党陣営の攻勢にミロシェビッチ大統領陣営は静観の構え。ストに対しては、警察を動員してバリケード撤去に当たったほか、コルバラ炭鉱では治安部隊を投入して炭鉱へ通じる道路を封鎖したが、衝突は伝えられていない。同大統領は決選投票で再選を目指す姿勢を崩していない。[2000-10-02-21:11] 77
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 10/02@両候補招請の用意 ユーゴ調停でロ大統領(共同通信)

 【モスクワ2日共同】ロシアのプーチン大統領は二日、ユーゴスラビア大統領選挙をめぐる与野党の対立を調停するため、ミロシェビッチ大統領、セルビア民主野党連合のコシュトニツァ候補を近くモスクワに招き、話し合いを行う用意があるとの声明を発表した。
 イワノフ外相のユーゴ派遣提案をミロシェビッチ大統領に拒否されたことから、プーチン大統領が自ら積極的な調停に乗り出したとみられる。具体的な招請時期や、招請がプーチン大統領を交えた三者会談を意図しているのかは明らかでない。
 しかし、ミロシェビッチ大統領の実兄であるミロシェビッチ駐ロシア・ユーゴ大使は同日、インタファクス通信に対し、ロシアの仲介の必要はないとの見解を示しており、両候補がそろって招請を受け入れる可能性は低いとみられる。
 プーチン大統領の声明は、ユーゴとの歴史的な友好関係を強調し、大統領選後の情勢に「ロシアは無関心でいられない」と指摘。「この困難な状況の打開策を協議するため」両候補を招請する用意があるとしている。(了)[2000-10-02-20:53] 78
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 10/02@<プーチン氏>ミロシェビッチ氏とコシュトゥニツァ候補の調(毎日新聞)

 【モスクワ2日田中洋之】ロシアのプーチン大統領は2日、声明を発表し、大統領選挙後の混乱が続くユーゴスラビア情勢の解決に向け、ミロシェビッチ大統領とセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ候補の2人を近くモスクワに招き、調停する用意があることを明らかにした。同じスラブ国家としてユーゴに一定の影響力を持つロシアとして仲介役に乗り出したものといえる。
 声明は選挙後のユーゴ情勢について「ユーゴ国民の利益やバルカン地域、欧州全体の安定に反する」と指摘。さらに「重大な局面でロシアはユーゴの真の友人として無関心でいられない」とし、積極的な仲介に取り組む姿勢を強調している。[2000-10-02-20:40] 79
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 10/02@決選投票は合法とロシア ユーゴスラビア情勢で(共同通信)

 【モスクワ2日共同】インタファクス通信によると、ロシア外務省のヤコベンコ情報局長は二日、ユーゴスラビア情勢について「二回の投票はユーゴの憲法に規定されている」と述べ、ミロシェビッチ大統領陣営が主張している決選投票の実施は合法的だとの考えを示した。
 局長は「票を集計したり、結果を調査したりすることはユーゴ自身の仕事だ」とあらためて強調。ユーゴの全政治勢力が努力すれば、法の枠内で現在の混乱を解決できると語った。(了)[2000-10-02-19:59] 80
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 10/02@盛り上がり欠くスタート ユーゴのゼネスト(共同通信)

 【ベオグラード2日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙で勝利宣言したセルビア民主野党連合の呼び掛けにより二日早朝から同連邦セルビア共和国全土で始まったゼネストは、各地で道路封鎖や公共機関のストなどが報告された。
 ミロシェビッチ大統領の政権側は警察を導入して道路封鎖の排除などで対抗。ストを宣告したバス会社は一部で運行を続け、企業に通常通り出勤する姿も多く、国民の「様子見」からか盛り上がりに欠けるゼネスト入りになった。
 野党連合は四日を抗議行動の頂点に設定、決選投票を主張する大統領に対する退陣圧力を強めていく方針だが、今後どこまで市民が呼応するかがユーゴ情勢の分岐点になりそうだ。
 首都ベオグラードでは中心部に通じる橋にタクシーやバスが放置され、一時、通行不能に。機動隊が出動しバスの移動を始めたが、大きな衝突は起きていない。
 同市内では普段通りの出勤風景が見られ、企業や官庁に向かう乗用車で渋滞した。民間銀行に勤める男性(30)は「出勤しなければ首になるのが分かっている」と述べ、降りしきる雨の中をいつもの時間に自宅を出た。「きょうはみんな様子見のはず」と言う。
 しかし、九月二十九日から既にスト入りしているセルビア最大のコルバラ炭鉱にはセルビアの警察部隊が出動、労働者と対峙(たいじ)している。
 中部チャチャクでは、数十台のトラックとタクシーが道路封鎖を実施、市内の店舗も大半が閉店するなど、地方都市からストが広がる可能性も出ている。(了)[2000-10-02-18:32] 81
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 10/02@<ユーゴ>セルビア民主野党連合が首都など全域でゼネストに(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア民主野党連合は2日午前5時(日本時間正午)から、首都ベオグラードなどセルビア全域でゼネストに入った。大統領選第1回投票で野党連合の候補者、コシュトゥニツァ氏の当選を認めない連邦選管と政府に対する抗議行動で、各地で道路封鎖が相次ぎ、これを排除しようとする警官と市民の小競り合いが続いた。
 ベオグラードでは同日早朝、私営のバス、タクシーや自家用車が、西郊の住宅地ノビ・ベオグラードから市中心街につながるサバ川に架かるブランコフ橋を道路封鎖し、通勤の足に大きな影響が出た。橋上では警官が封鎖に参加したバスやタクシーの営業許可証を取り上げようとし、これに抗議する市民と小競り合いや押し問答となった。
 中心街からベオグラード空港につながる高速道路でも道路が封鎖されたが、警官隊が強制排除し、道路は開通した。市民は午前8時に職場に集合しゼネスト参加の是非を決議したが、多くの職場はストに入った模様だ。
 ゼネストの動きは締めつけの厳しい首都より地方で活発で、中部チャチャクや南部クルシェバツでは道路封鎖やストで学校はほぼすべて休校、公共サービスや物流が完全マヒ状態となっている。ゼネストの期間については「当面3日間」とする声と、「ミロシェビッチが大統領でないと認めるまで」との声に分かれており、初日の勢いですう勢が決まるとみられる。
 一方、ミロシェビッチ大統領は30日、連邦軍バニイカ陸軍アカデミーの昇進式典に出席して健在ぶりを示し、ゼネストは静観する構えだ。ただし、動員数が全国で100万人規模を超えたり、国内の産業機能が完全マヒに陥るような場合は、軍の出動や非常事態宣言発動も視野に入れている。[2000-10-02-18:25] 83
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 10/02@ユーゴでゼネスト開始 情勢緊迫、バスは運行(共同通信)

 【ベオグラード2日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選でコシュトニツァ候補の勝利宣言をしたセルビア民主野党連合が呼び掛けたゼネストが二日午前五時(日本時間同日正午)、同連邦セルビア共和国全土で始まった。
 政権側は警察を導入したストつぶしで対抗する姿勢で、ユーゴ情勢は緊迫の度を強めている。
 野党側はストで、ミロシェビッチ大統領を辞任に追い込む構えだが、ベオグラード市内では、スト入り後もバスなど一部の交通機関が動いており、ストの実効性に疑問を投げかける見方もある。
 野党側は一日、首都ベオグラードの道路を一時封鎖するなどゼネストに向けた予行演習を実施した。独立系ベタ通信によると、セルビア警察当局は同日、既にスト入りしているセルビア最大のコルバラ炭鉱に部隊を投入、これを阻止する労働者が対峙(たいじ)した。同炭鉱が閉鎖されたとの情報もある。
 セルビアの電力需要の約半分を担うオブレノバツ発電所はコルバラ炭鉱に燃料を全面的に依存しており、同炭鉱のストが長期化すれば各地で停電発生が懸念される。
 また、同連邦モンテネグロ共和国との鉄道幹線をつなぐセルビア西部ウジツェの鉄道運転士らも二日からのスト入りを決定した。
 首都市民の間では本格的なゼネスト突入に懐疑的な見方もあるが、各企業の動きが全土で一気に本格化し、大規模な社会混乱が発生する可能性もある。(了)[2000-10-02-13:40] 85
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 10/02@◇ユーゴ、全国規模のゼネスト入り◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア大統領選での勝利を主張する野党陣営は、2日午前5時(日本時間同日正午)からミロシェビッチ大統領の退陣を求めてゼネストに入った。全国規模で社会の機能をマヒさせ、政権に揺さぶりをかけるのが狙い。首都近郊の炭鉱ではすでに労働者がスト入りしており、ゼネストにどれだけ国民が参加するかが注目される。
 先月29日から約4000人がストに入ったコルバラ炭鉱では周囲の道路が封鎖されている。現地からの情報によると1日には首都から派遣された警察官と労働者が向かい合っているという。まだ実力での排除や衝突は起きていない模様だ。
 この炭鉱は日産約7万トン。連邦を構成するセルビア共和国での火力発電に必要な石炭の半分を供給している。ストが続けば10日後には、首都一帯への電力供給に支障をきたす恐れがあるという。
 野党陣営は会社や工場でのストや通学の見合わせ、映画館などの娯楽施設の閉鎖などを呼びかけている。さらに自家用車やトラック、タクシー、自転車などで首都を中心に道路を封鎖したいとしている。
 すでに週末には一時、野党支持者らが首都に通じる幹線道路などを封鎖した。しかし一部の市民の反発もあり、長時間封鎖するかどうかは状況しだいで柔軟に判断するという。警察は今のところ、静観している。
 先週から一部の高校などでは生徒がボイコットを始めている。これに対して、セルビアの教育省は各学校に向けて「通常通りの授業を行うように」との通達を出すなど、教育の現場も混乱している。[2000-10-02-12:21] 86
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 10/02@野党勝利は国際世論 ユーゴ大統領選で中川官房長官(共同通信)

 中川秀直官房長官は二日午前の記者会見で、ユーゴスラビア連邦大統領選の結果について「少なくとも、民意として野党が勝利したという受け止め方は国際世論になっているのではないか。選挙結果がきちんと次の新しい民主化の方向につながっていくことを期待している」と述べた。
 今後の政府対応に関しては「主要国(G8)などと緊密に連携をとっている」と述べ、主要国と協調していく方針を明らかにした。(了)[2000-10-02-12:19] 88
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 10/02@<ユーゴ>スト解除で炭鉱に警官隊を投入 セルビア警察当局(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビアのセルビア警察当局は1日、セルビア中部のコルバラ炭鉱で野党連合の呼びかけに応じてストを開始した労働者約500人に対して、警官隊を投入した。警官隊はスト解除のため炭鉱施設を管理下に置こうとしたが、労働者らは鉱山に続く道路を封鎖して警察の車を鉱山内に入れず、ストを続行している。
 同鉱山では9月29日から4000人がストに入っており、会社側は「30日の全員出社」を通達し、「出社しなければ解雇」と脅した。作業員らは「政府が選挙結果を認めるまでストを貫く」と反発している。
 地元警察は介入を拒否したとみられ、ベオグラードから警察の特別部隊が出動した。露天掘りの同鉱山は日産7万トン。セルビア全域の電力消費量の約半分を担うニコラ・テスラ火力発電所への燃料供給拠点であることから、政府がストを強く懸念し、警察を派遣したと見られる。[2000-10-02-11:25] 89
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 10/02@仏大統領府がミロシェビッチ退陣求める声明(読売新聞)

 【パリ1日=池村俊郎】仏大統領府は一日、「ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領は選挙に敗れており、退陣すべきだ」と強い調子の声明を出した。
 EU議長国の仏政府は二日からオルブライト米国務長官を迎えて行う欧州連合(EU)・米閣僚会議で、ユーゴ情勢と中東和平を会議の主要な外交協議案件としているが、それに先立ち、仏大統領府がミロシェビッチ退陣を求める立場を明確にしたものだ。
 一方、一日夜、パリ入りしたオルブライト長官は、仏首脳との協議で、緊張が高まるパレスチナ情勢についても話し合う予定だ。[2000-10-02-10:30] 91
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 10/02@ユーゴ大統領の辞任要求 米国務長官(共同通信)

 【ニューヨーク1日共同】オルブライト米国務長官は二日発売の週刊誌「ニューズウィーク」に寄稿し、ユーゴ連邦のミロシェビッチ大統領の辞任を強く求めた。
 国務長官は、大統領を支えてきた組織は「完全に崩壊し、二度と元に戻せない」と指摘、「ミロシェビッチの辞任は早ければ早いほど良く、復興へのスピードも速くなる」と述べた。
 その上で、新たな民主的政府が誕生すれば、米欧はただちにユーゴ制裁を解除する用意があると強調、ユーゴの経済復興と国際社会への復帰に協力する方針を確認した。(了)[2000-10-02-09:54] 92
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 10/02@◇ユーゴ大統領、ロシアの外相派遣を拒否◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアからの情報によると、ミロシェビッチ大統領は、プーチン・ロシア大統領が30日に提案したイワノフ外相を調停のために派遣する動きを拒否した。しかし、イワノフ外相のバルカン特使が30日夜にベオグラード入りし、政権側、野党側双方との接触に乗り出した。プーチン大統領は同日夜、クリントン米大統領、シュレーダー独首相、アマート伊首相と電話で相次いで協議した。欧米と緊密な連携を保ちながら調停の役割を担う構えだ。
 イワノフ外相の派遣については、ユーゴ野党勢力の消息筋が30日、「ミロシェビッチ大統領が拒否した」と明かした。野党勢力の有力幹部ジンジッチ氏は「真実を恐れるあまり外相派遣の受け入れを拒んだ」と述べている。
 ロシア側は欧米との協議内容を明らかにしていないが、ドイツ政府報道官は「(第1回選挙での)コシュトニツァ候補の勝利は民主化を求めるユーゴ国民の意思の発露だ、との認識で一致した」と語った。「あくまで内政問題」としてきたロシアが、欧米側に一歩踏み込んだようにも見える。
 欧米にはロシアを取り込むことで一気にミロシェビッチ政権を追い込みたい思惑もあるようだ。セルビアとの民族的・心情的つながりからそれを避けたいロシアとしては、首都入りしたチジョフ・バルカン特使がユーゴ政権側と善後策を模索している可能性もある。[2000-10-02-09:53] 93
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 10/02@デモ隊排除拒否で左遷 ユーゴスラビア(共同通信)

 【ベオグラード2日共同】二日付のユーゴスラビアの非政府系有力紙グラスヤブノスティは、ユーゴ大統領選をめぐる野党連合のデモ隊の排除命令を拒否したとして、内務省特殊警察部隊の幹部一人が左遷されたと報じた。
 同紙は信頼できる筋の話として、この幹部が「部隊内の尊敬を集めるベテランの大佐」だとし、コソボ自治州に近いセルビア南部の警察署に飛ばされたとしている。(了)[2000-10-02-08:11] 94
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 10/02@ルーマニアも退陣要求 ユーゴ大統領に「包囲網」(共同通信)

 【ベオグラード2日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選で、同国に隣接するルーマニアのコンスタンティネスク大統領は一日、セルビア民主野党連合のコシュトニツァ候補の勝利を認め、ミロシェビッチ大統領に退陣を求める声明を発表した。
 旧ユーゴから独立した際にユーゴ連邦軍と衝突したクロアチアのメシッチ大統領も、ミロシェビッチ大統領の早期退陣を要求。米国や欧州連合(EU)諸国に加え、近隣諸国が退陣の圧力を強め始めたことで、ユーゴ国内の一般市民からだけでなく、国際的な「ミロシェビッチ包囲網」も構築された形だ。
 ブカレストからの報道によると、コンスタンティネスク大統領は声明で「友邦であるセルビア国民に対し、破壊と悲劇と孤立の十年をもたらした政権は終結した」と宣言、不正手段で選挙結果を変えることは許されないと強調した。
 ロマン・ルーマニア外相は先週、一九八九年のルーマニア民主革命で当時のチャウシェスク大統領が殺害された際、軍が市民側についたことを引き合いに、ミロシェビッチ大統領に武力行使の自制を求めている。(了)[2000-10-02-08:07] 95
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 10/02@ミロシェビッチ大統領一家はユーゴに(共同通信)

 【ベオグラード1日共同】ユーゴスラビア大統領選で野党側から辞任を要求されているミロシェビッチ大統領のマルコビッチ夫人と長男のマルコ氏が一日、故郷の東部ポジョレバツに姿を現し、大統領一家が同国内にとどまっていることが分かった。
 ロシアへの亡命説も流れたマルコビッチ夫人は同日、自ら率いるユーゴ左翼の地元会合で演説した場面が国営テレビで放映された。夫人は連邦議会選について「われらの勝利に終わった」と宣言したが、大統領選には触れなかった。
 一方、ロイター通信によると、故郷で遊園地やディスコを経営するマルコ氏は、勝利を宣言したセルビア民主野党連合の地元事務所を訪れ、大統領が退陣する意思はないと伝えた。(了)[2000-10-02-07:50] 97
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 10/02@モンテネグロ、連邦制見直しを検討(読売新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)1日=西田和也】ユーゴ連邦大統領選をめぐる混乱が続く中、セルビアとともに連邦を構成するモンテネグロでは早くもミロシェビッチ後をにらみ、現在の連邦制を見直し「より緩やかな連邦」あるいは「国家連合」を目指す具体案の検討に入った。モンテネグロ政府のルコバツ外相が九月三十日、本紙との会見で明らかにした。
 検討案は、セルビア、モンテネグロ両共和国がそれぞれ〈1〉独自軍を編成〈2〉通貨政策を個別に決定〈3〉外交、国防は「合同機構」で調整する――などが骨子。大統領選で勝利宣言したセルビアの「民主野党連合」との間で近く、この問題を協議する専門家委員会を発足させる。
 ルコバツ外相によると、「連合」のコシュトゥニツァ大統領候補との会談で、「両共和国の対等な関係」「連邦機構と権限の大幅削減・縮小」では基本合意に達した。モンテネグロ政府は特に、「連邦軍は現体制に私物化された」(同外相)として事実上これを廃止し、「各共和国が独自に徴兵、軍編成を行い、自国兵は自国領内にのみ配備する」との提案を準備。連邦議会も両共和国同数の代表からなる一院制への変更を求める方針という。ただ外相は、現体制存続の場合や、新体制に移行しても連邦のあり方で合意に至らない場合には、独立を問う国民投票を実施するとの展望を示した。[2000-10-02-00:48] 98
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 10/02@ユーゴ調停へ露特使ベオグラード入り(読売新聞)

 【モスクワ1日=瀬口利一】ロシア外務省は一日、ウラジーミル・チジョフ露外相特使(バルカン半島問題担当)、アレクサンドル・トルカチ第三欧州局長が九月三十日夜、ベオグラードに到着した、と発表した。プーチン大統領は、ユーゴ情勢打開のためイワノフ外相を「仲介役」として派遣することを提案したが、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に拒否されたとされる。露特使らはミロシェビッチ政権の首脳や「民主野党連合」幹部らと接触を図り、今後の調停工作の方策を探る狙いとみられる。
 プーチン大統領は九月三十日、クリントン米大統領、シュレーダー独首相、アマート伊首相と電話で会談し、ユーゴ情勢への対応を協議した。タス通信によると、九月二十四日のユーゴ大統領選第一回投票で野党候補コシュトゥニツァ氏がミロシェビッチ氏の得票を上回ったことについて、独政府は会談後、「民主的変革を求めるセルビア人の民意を示すとの認識で(独露)両首脳が一致した」との声明を発表した。[2000-10-02-00:47] 99
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 10/02@露調停へ向け、ユーゴ与野党駆け引き激化(読売新聞)

 【ベオグラード1日=佐々木良寿】連邦大統領選の結果を巡って混迷を深めるユーゴスラビア情勢は一日、調停意欲を示すロシアの外務省高官がベオグラードでユーゴの政権・野党双方との接触を開始した。「民主野党連合」側は、調停をミロシェビッチ大統領退陣への圧力として期待。一方、大統領は明確な姿勢を示さず、野党側の抗議行動の成り行きを見極める構えだ。しかし、調停が事態打開のカギとの見方は強く、両陣営は調停を巡り駆け引きを激化させる模様だ。
 ロシアの調停に絡み、「連合」側は露政府の求めに応じ、独自集計の信頼性と連邦選管の不正操作の証拠とする選挙資料を送付。「連合」大統領候補のコシュトゥニツァ氏は「友好国」代表も加えた集計結果再点検作業を、ミロシェビッチ陣営に要求するなど、ロシアの介入に期待を示してきた。ロシアはミロシェビッチ政権の後ろ盾で、今大統領選挙でも、いち早くコシュトゥニツァ氏勝利を認定し野党陣営支持を打ち出した米欧とは一線を画してきた。しかし、ミロシェビッチ政権に対する姿勢は徐々に転換しつつある。
 ユーゴでは、ミロシェビッチ・セルビア共和国政権(当時)が九六年秋の地方選での野党勝利を認めなかったことから、同年十一月から九七年一月にかけて、大規模な街頭抗議行動が展開され、調停にあたった全欧安保協力機構(OSCE)のフェリペ・ゴンサレス特使のベオグラード入りを機に政権が野党勝利を認めた経緯がある。
 大統領側は、今回のロシア調停については、公式の態度表明をしていないが、「連合」側は、ミロシェビッチ大統領が九月三十日の軍アカデミーでの演説で、「国内問題はわれわれで解決する」などと述べたことを指摘し、ロシア調停を拒否した、との見方だ。
 政権延命をあくまで追求する大統領が退陣につながりかねない調停に容易に応じるとの見方は少ないが、一方で、大統領にとってはロシア調停が「名誉ある退陣のための唯一の選択肢」との見方も強い。大統領は、「連合」が二日早朝から実施するとしているゼネストの成否を見極めながら、調停への態度を決定するものと見られる。[2000-10-02-00:46] 184
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 10/02@緒方国連難民高等弁務官、最後の演説(読売新聞)

 【ジュネーブ2日=大内佐紀】緒方貞子・国連難民高等弁務官は二日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の執行委員会で、年末での退任を前に最後となる演説を行った。緒方氏は、冷戦終結間もない九一年に高等弁務官に就任して以来の活動を振り返り、「この十年間をプラス・マイナスで見ると、そう悪くはなかったと思う」と自己評価した。
 一方、冷戦後に紛争パターンが新しくなり、UNHCRの担当する難民・避難民問題は過去になく複雑化したと指摘。「UNHCRは進化していかなければならない」と述べた。[2000-10-02-23:18] 195
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 10/02@エルサレム騒乱、米大統領に深刻な打撃に(読売新聞)

 【ワシントン2日=坂元隆】イスラエル治安部隊とパレスチナ人との武力衝突は、中東和平を外交の最優先課題に掲げて来たクリントン米政権にとって深刻な打撃となるのは確実だ。十一月七日の大統領選を控え、大胆な施策の実行が困難になっている米政府は当面、中断している中東和平プロセスの再開よりも、武力衝突の拡大を食い止めることに重点を置かざるを得ない状況だ。
 残り四か月を切った任期中に、何とか歴史に残る外交的業績を挙げたいクリントン大統領は早くから中東和平に狙いを定め、イスラエルとパレスチナとの仲介を進めてきた。とりわけ昨年、イスラエル首相が保守強硬派のネタニヤフ氏から和平に積極的なバラク氏に代わってからは、シリアとの和平交渉も再開しつつ、エルサレムの帰属問題など中東和平の最難問を扱う最終地位交渉の早期決着を呼びかけて来た。
 しかし、クリントン大統領が沖縄サミットへの出席を大幅に遅らせてまで熱心に取り組んだ七月の米キャンプデービッドでのバラク・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長との三首脳会談は、聖都エルサレム問題で最後まで妥協が得られず失敗に終わった。三首脳が再び集まった九月のニューヨークでの国連ミレニアム・サミットでは、三人そろっての協議を開くことすらできなかった。
 最終地位交渉の合意期限は、九月十三日から来月十五日に延長されたが、残る一か月半足らずで流血の争いに突入したイスラエル、パレスチナ双方を協議の席に着かせるのは至難の業だ。
 米政府当局者はCNNテレビに対して、今回の武力衝突が中東和平プロセスにとって「極めて危険」と認めた上で、「暴力沙汰は、他の分野での進展を妨げる」と述べ、和平プロセスが窮地に立たされていることを認めている。
 しかも、大統領選投票日を前に、クリントン大統領の仲介外交が成果を挙げられなかった場合には、共和党候補のブッシュ・テキサス州知事によるクリントン=ゴア政権批判の格好の材料となる。今月三日にボストンで行われる一回目の大統領候補討論会でも、中東和平問題が取り上げられるのは必至と見られる。民主党のゴア副大統領はユダヤ系のリーバーマン上院議員を副大統領候補に据えていることもあり、防戦を強いられることになりそうだ。[2000-10-02-20:17] 198
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 10/02@◇モンゴル統一地方選、民主派勢力後退し旧共産党が圧勝◇(朝日新聞)

 モンゴルの統一地方選挙は2日までの開票で、与党の人民革命党(旧共産党)がウランバートル市議会で40議席のうち39議席を獲得したほか、21の州議会すべてで過半数に達することを確実にした。7月の国民大会議(国会)総選挙に続き、民主派勢力の後退も明確に示された。
 人民革命党は7月の総選挙で76議席のうち72議席を獲得したが、得票率は51.7%にとどまっていた。今回はこれを大幅に上回る見通しで、政局の安定運営にはずみがつくと見られる。
 今後、各地方議会で首長の選出が行われ、ウランバートル市と21州のすべての首長が人民革命党となる可能性も出てきた。来年には大統領選挙が予定されており、統合方針を表明した民主派勢力の民族民主党、社会民主党などの野党は厳しい戦いを迫られることになりそうだ。[2000-10-02-19:49] 222
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 10/02@治安対策の強化など討議 UNHCRが執行委員会(共同通信)

 【ジュネーブ2日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は二日、日米など五十七カ国の代表による執行委員会を開催した。会期は六日まで。インドネシア・西ティモールでの職員殺害などを受けた治安対策の強化や、二○○一年予算が主要議題となる。
 現職の緒方貞子高等弁務官(73)は今年末で退任するため、今回が最後の執行委員会出席。次期高等弁務官の指名権を持つアナン国連事務総長も委員会に出席することから、公式議題とは別に水面下では緒方氏の後任人事も話し合われることになりそうだ。
 初日の二日はアナン事務総長や緒方氏が演説し、冷戦終結後の国内紛争多発に伴って急増した国内避難民の対策強化や、西ティモールやギニアでの職員殺害事件を受けた治安対策の強化を理事国に要請。続いて予算審議などの議題に移る。
 UNHCRの予算は、執行委員会が決定した総額に対して各国が任意に拠出する仕組みのため、高等弁務官は資金集めの能力が問われる。二○○一年予算は九億五千万ドル(約一千億円)前後を予定している。(了)[2000-10-02-15:08] 250
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 10/02@<ニュースキー>エルサレムの衝突 和平交渉に影響=3替(毎日新聞)

 エルサレム旧市街のイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)」での衝突を発端としたパレスチナ住民とイスラエル治安部隊の対立は、和平交渉に深刻な影を投げかけている。一連の衝突は政治的な聖地の争奪戦が民衆を刺激し、ささいなきっかけでイスラエル・パレスチナの信頼関係が崩れかねないことを浮き彫りにした。騒乱が長期化すれば、政治交渉の遅れは必至だ。
 衝突が4日目に入った1日、新たな銃撃戦や前日までの負傷者の死亡で9人の死者が発生し、28日以来のパレスチナ側の死者は子供を含む計27人、負傷者は700人以上となった。
 各地で石と銃弾が飛び交い、イスラエル軍が威嚇のために対戦車ミサイルまで発射するなど、危険な状態が続いている。
 バラク・イスラエル首相とアラファト・パレスチナ自治政府議長は30日の電話協議で、事態の沈静化にあたることで合意したが、多くの死傷者を出したパレスチナ住民の怒りは簡単に収まりそうにない。
 今回の衝突は、両首脳が25日に約2カ月ぶりに和やかに会談し、パレスチナ最終地位交渉の実務協議を軌道に戻した直後だっただけに、唐突だった。引きがねになったのは、バラク首相と反目するイスラエルの右派リクードのシャロン党首が警官隊を引き連れてイスラム聖地に入ったことであり、28日の段階ではパレスチナ側から「挑発だ」とシャロン党首を批判する声が強かった。しかし、2日目以降、イスラエル治安部隊の強硬措置に対する非難が強まり、矛先はイスラエル政府へと移りつつある。
 1日付のパレスチナ紙の社説は「イスラエル政府は宗教戦争に火をつけようとしている」と論評した。ハラム・アッシャリーフは長年、イスラム教組織が管轄するが、実態は1967年の第3次中東戦争以来、イスラエルの占領下にある。
 和平交渉ではこの聖地をめぐり、パレスチナがパレスチナ人かイスラム組織による主権を求めるのに対し、イスラエルは「ユダヤ教の聖地でもある」として拒絶する状態が続いている。仲介役の米国は国連安全保障理事会などによる国際管理案を提示している。
 「パレスチナ側は今回の衝突でハラム・アッシャリーフをイスラエルが平和的に統治できないことを示せた」(イスラエル人識者)との見方がある。事態収拾に腰が重く、
国連による被害調査を求めるアラファト議長に対し、バラク首相は「騒乱を交渉の道具にすることは許されない」とけん制、せっかく修復した首脳同士の関係にも再び亀裂が生じつつある。
 パレスチナ人識者は「政治家が宗教に触れれば、交渉には終わりがなくなり、やけどする」と危ぶむ。騒乱が収まれば、いずれ両首脳は会談の機会を持つだろうが、衝突のしこりの影響は計り知れない。 【エルサレム・海保 真人】
 エジプトやレバノンなどアラブ各国ではイスラエルに対する抗議行動が拡大、アラブ連盟は1日、緊急理事会を開き、対応策の協議に入った。
 エジプトの港町アレクサンドリアでは30日、計6000人の学生が「エルサレムはイスラムのものだ」などと書いた横断幕を手に抗議デモを行った。レバノン南部にあるアインフェルウェ・パレスチナ難民キャンプでも同日、約1000人の若者がデモ行進し、シャロン党首の人形を焼くなどして気勢を上げた。
 アラブ連盟はアラファト・パレスチナ自治政府議長の要請を受け、アラブ21カ国・1地域の加盟メンバーをカイロの本部に緊急招集した。メギド連盟事務局長は30日、「イスラム聖地に手を染めればパレスチナの怒りを呼び起こす」と警告しており、厳しい声明が採択されるものとみられる。
 エジプトの政府系英字紙エジプシャン・ガゼットは1日、シャロン党首の行動を糾弾しつつ「エルサレム問題は非常に注意深く取り扱うべき問題だ。それは中東に和平がもたらされるか騒乱が起こるかのカギだ」と指摘した。
 背景にはイスラム教徒の広範な支持なしではパレスチナ最終地位交渉は解決しないとの共通認識がある。7月の米、イスラエル、パレスチナ3首脳会談が失敗したにもかかわらず、米、イスラエルの圧力に屈しなかったアラファト議長への称賛がアラブ諸国で沸き起こったのも、そんな感情の表れだ。 【カイロ・高橋 弘司】[2000-10-02-01:00] 251
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 10/02@◇イスラエルとパレスチナ衝突拡大、聖地問題の危うさ露呈◇(朝日新聞)

 イスラエル野党党首がエルサレムのイスラム教聖地を訪問したのをきっかけとするパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突は、1日も死者を出す事態となり、扱いを誤ると流血にもつながる「聖地問題」の危うさを浮き彫りにした。和平交渉で焦点になっている聖地の主権問題で、イスラエル側は、今後も火種を抱えたまま主権を確保し続けるか、相手の民族、宗教感情に配慮した妥協を探るか、選択を迫られる局面も予想される。
 9月28日から続く衝突で、30日夜には双方の治安当局者が武器使用の中止で合意。また、バラク・イスラエル首相がアラファト・パレスチナ自治政府議長に電話し、事態の沈静化を求めた。しかし1日も、ヨルダン川西岸のナブルス近郊やラマラ、ガザ地区北部のユダヤ人入植地近くで銃撃戦を含む衝突が起った。
 イスラエルのシャロン・リクード党首によるイスラム教の聖地訪問は、パレスチナ民衆が抱く、独立の遅れや占領支配に対する怒りに宗教感情の火を注ぎ、爆発させた。イスラエルのベンアミ警察相は1日、パレスチナ自治政府の「政治的意図」を指摘したが、自治政府指導部にも制御しきれない部分がある。ハマスなどイスラム過激派組織は、報復のインティファーダ(民衆ほう起)を呼びかけた。
 エルサレムにある、イスラム教徒が「ハラム・シャリーフ(高貴なる聖域)」と呼ぶ問題の聖地では4年前にも、イスラエル側がユダヤ教ゆかりの遺跡につながるトンネルを「聖域」の下に開通させたことから、衝突が起きた。イスラエル治安部隊との衝突が西岸、ガザ各地に飛び火し、パレスチナ人70人以上が死亡している。
 今回の事件は、交渉の焦点となっている聖地の主権問題で、パレスチナ側のメンツが保たれる合意が得られない限り、常に爆発の危険を抱え続けることを示す形となった。バラク首相は「衝突を和平交渉の道具にしてはならない」との声明を出したが、あくまで主権を譲らず、危機には今後も力で対処し続けるのか、何らかの妥協を探るのか、決断を迫られる局面も出てきそうだ。[2000-10-02-00:50]
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 10/03@<ユーゴ情勢>野党側選対本部長、露大統領の招待受け入れ(毎日新聞)

 【モスクワ3日田中洋之】タス通信によると、ユーゴスラビアのセルビア民主野党連合のジンジッチ選対本部長は3日、同連合のコシュトゥニツァ氏がプーチン・ロシア大統領の招待に応じ、5日にもモスクワを訪れる用意があると述べた。同じく招待されているミロシェビッチ大統領が訪問しない場合でも、コシュトゥニツァ氏はモスクワに行く意向だという。
 プーチン大統領は2日、混乱するユーゴ情勢の仲介のため、ミロシェビッチ大統領とコシュトゥニツァ氏をモスクワに招く声明を発表していた。プーチン大統領は5日、公式訪問中のインドからモスクワに帰国する。[2000-10-03-23:56] 39
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 10/03@◎ユーゴでのサッカーW杯予選など当面延期(時事通信)

 【ジュネーブ3日時事】国際サッカー連盟(FIFA)は3日、ユーゴスラビアの大統領選挙をめぐり抗議行動が続くなど、同国の国内情勢が緊迫化してきたことを受け、首都ベオグラードで今週予定されていた2002年の日韓共催サッカー・ワールドカップ(W杯)の予選の試合などを当面延期すると発表した。
 FIFAによると、7日に予定されていたユーゴ−ロシア戦などW杯予選の2試合に加え、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する試合も延期の対象とした。 (了)[時事通信社][2000-10-03-23:55] 40
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 10/03@<ユーゴ情勢>民主野党連合がゼネスト入り(毎日新聞)

 【ベオグラード3日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア民主野党連合は3日午前10時(日本時間午後5時)から、首都ベオグラードなどセルビア全域で2日目のゼネストに入った。大統領選第1回投票で野党連合のコシュトゥニツァ候補の当選を認めない連邦選管と政府に対する抗議行動で、初日に比べゼネストの規模は拡大。セルビア共和国政府は同日、ゼネスト鎮圧に乗り出す方針を発表、野党陣営の動きをけん制した。
 ベオグラードでは同日、目立った道路封鎖はなかったが、正午から中心部でデモ行進が実施され、約1万人が参加した。ユーゴ南東部ニシュ、中部チャチャク、南部クラグエバツなどでもゼネストが拡大。野党連合は「3日は5時間、4日以降は終日ゼネストを展開する」と表明している。
 一方、セルビア共和国政府は3日、国営テレビを通じ「市民の生命を脅かし、交通を妨害する犯罪活動を組織した者には特別な措置を講じる」と発表、ゼネストに対する締め付けを強化する方針を明らかにした。これに先立ちベオグラード警察当局は同日、スト計画の容疑で公共交通機関労組幹部を逮捕した。
 また、ユーゴ連邦軍のパブコビッチ最高司令官は3日未明、先週末からゼネストに入っている国内最大のコルバラ炭鉱を訪れ、スト中の鉱山労働者約4000人と約3時間協議した。軍のトップがスト現場に現れるのは極めて異例。同炭鉱では2日、警官隊が鉱山一帯を立入り禁止地域としたが、労働者らは道路封鎖で警官の車を炭鉱内に入れず、ストを続行している。[2000-10-03-23:41] 41
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 10/03@◎ユーゴ当局、スト弾圧を警告=ユーゴ大統領に危機感−野党(時事通信)

 【ベオグラード3日時事】ユーゴスラビア大統領選でセルビア民主野党連合のコシュトニツァ大統領候補の勝利確認を求めるゼネストは3日、2日目に突入し、全土で約10万人の市民・労働者が道路封鎖や集会に参加した。抗議行動の広がりに危機感を強めるミロシェビッチ大統領支配下のセルビア共和国政府は同日午後、「公共生活を阻害する活動を阻止し、厳罰をもって臨む」との強硬な声明を発表。「(ゼネストの)犯罪的組織者には特別な措置も取る」と述べ、ゼネスト弾圧の用意を初めて公然と示した。ユーゴ情勢は、懸念された政権側と野党側の衝突もちらつく険悪な局面に差し掛かった。
 政府声明に先立つ3日未明、ユーゴ軍のパブコビッチ参謀総長も7500人の炭鉱労働者がストを繰り広げている中部ラザレバツ近郊コルバラ炭鉱を電撃訪問、労働者側に操業再開を迫った。スト収拾に軍最高首脳が直接乗り込んだことで、ストを武力で中止に追い込むことも辞さない強硬姿勢をちらつかせたものと受け止められている。 [時事通信社][2000-10-03-23:03] 42
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 10/03@ユーゴ与野党両大統領候補、訪露を前向き検討(読売新聞)

 【モスクワ3日=花田吉雄】プーチン・ロシア大統領が、ユーゴ連邦のミロシェビッチ大統領と、民主野党連合のコシュトゥニツァ氏の両候補によるモスクワでの緊急会談を提案したことについて、ミロシェビッチ大統領の実兄でもあるボリスラフ・ミロシェビッチ在露ユーゴ大使は三日、タス通信に対し、両候補のモスクワ訪問は「十分あり得る」と述べ、プーチン大統領の仲介による事態打開を前向きに検討していることを示唆した。同大使は二日、「ロシアの仲介を仰ぐ理由はない」と述べ、プーチン提案に否定的な見解を示していた。
 一方、ベオグラード発のタス通信は三日、民主野党連合幹部の話として、ミロシェビッチ氏が緊急会談を拒否した場合でも、コシュトゥニツァ氏がモスクワを訪問する用意があると伝えた。[2000-10-03-22:54] 47
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 10/03@ユーゴのゼネスト拡大 国営メディアにも動揺か(共同通信)

 【ベオグラード3日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選でコシュトニツァ候補の勝利を宣言したセルビア民主野党連合が主導するゼネストは二日目を迎えた三日、生産施設を中心にじわじわ拡大する様相を見せている。
 セルビア最大のコルバラ炭鉱に続き、東部ボルの銅山でも二日、労働者五千人がストに突入。三日付ユーゴ紙ダナスによると、大統領選期間中に大統領自ら開所式に出席した東部ブルガリア国境に近いユーゴ最大のジェルダプ水力発電所でも、一部労働者が三日からのスト入りを決定した。
 また、国営タンユグ通信やベオグラード放送など公式メディアでも、一部記者らが二日、経営陣に「公正な報道」を要求する声明を発表するなどの動きも伝えられている。
 八日にミロシェビッチ大統領とコシュトニツァ候補による「決選投票」を実施するとの政権側の方針に対し、野党連合は「週末までにミロシェビッチ大統領に敗北を認めさせる」(ヨバノビッチ報道官)との目標を設定。
 同連邦セルビア共和国全土から支持者を首都ベオグラードに集め、五日に政権打倒の大集会を開催する構えで、決選投票の強行か、大衆行動による大統領退陣の実現かで、激しいせめぎあいが続く。(了)[2000-10-03-15:54] 48
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 10/03@◇ユーゴのゼネスト、2日目入り 大統領が国民に「警告」◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアで野党連合がミロシェビッチ政権打倒のために呼びかけたゼネストは3日、2日目に入った。ミロシェビッチ大統領は2日夕のテレビ演説で、野党連合を「NATO(北大西洋条約機構)など、外国勢力の陰謀に加担」と批判した。さらに、「誤った判断と危険な選択の結果がどうなるか、私の警告が遅くなりすぎないうちに自覚してほしい」と強調、明言は避けながらも、治安維持名目による武力行使も辞さない姿勢をちらつかせた。
 3日のストは、首都ベオグラードでは初日と同様に朝の通勤帯に焦点を絞った時限ストがほとんどになる予定だ。しかし、地方では24時間ストが続いている場所もある。北部ノビサドで放送局を実力占拠しようとした野党連合支持者らが警官隊に排除されるなど、小規模な衝突は繰り返されているが、これまでのところ大きな混乱は起きていない。
 ミロシェビッチ大統領は演説で、「NATOが援助している破壊活動が何をもたらすか、良心に基づいて警告するのが私の義務」としつつ、「野党が政権を握ればユーゴは崩壊、外国勢力の手に落ちる」と警告、反欧米感情をあおってみせた。
 これに対し、野党連合側は「あからさまな脅迫で、市民を侮辱するものだ。抗議の動きは野火のように広がっている」(ジンジッチ民主党党首)と、強く反発している。
 一方、野党陣営のコシュトニツァ候補は2日午後、全国に先駆けてストを打ち、警官隊とにらみ合い状態が続いている中部ラザレバツ近くのコルバラ炭鉱を訪れた。一時は立ち入りを断ろうとした警官隊も結局は譲り、入鉱させた。「大統領」と紹介されたコシュトニツァ氏は炭鉱労働者らに拍手で迎えられ、「ミロシェビッチの退場を見届けるまで抗議は続く。あきらめないでほしい」とはげました。[2000-10-03-13:24] 49
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 10/03@<特集・ユーゴ>ミロシェビッチ大統領の長男と単独会見(毎日新聞)

 大統領の長男、マルコ・ミロシェビッチ氏(26)との会見は次の通り。同氏は選挙後も大統領と頻繁に連絡を取っており、発言には大統領の意向が強く反映されているとみられる。
 ――今回の選挙結果をどうみているか。
 ◆はっきりしている。連邦議会選挙では社会党が勝った。大統領選挙はまだ決着していない。(10月8日の)決選投票で決まるということだ。(1回目の投票で)父が2位にとどまったのは国民が野党連合に賛同したからではない。10年以上にわたる欧米の経済制裁でユーゴ国民の生活は窮している。貧しい経済、安い給料、悪い住環境、こうした日常生活に対する不満が野党の数字に加わったにすぎない。
 ――今回の選挙は公平に行われたのか。
 ◆この数カ月、セルビア国内にどれほどの米ドルが出回っているか知っているか。ここは普段、ドイツ・マルクが流通している国だ。なのに短期間で巨額のドルが入った。米国が野党連合の支援に対して金を投入したのは明らかだ。これが米国のやり方だ。とても公平に行われたとは言いがたい。だが、開票は正当な手続きに即して行われている。
 ――野党連合はゼネストを計画しているが。
 ◆今さらゼネストをやって何の効果があるのか。学校や交通、商売まで止めても、市民生活に悪影響が出るだけで無意味だ。ゼネストが無意味だということは、国民が一番よく知っているはずだ。野党連合は決選投票に挑むべきだ。
 ――決戦投票をどうとらえるか。
 ◆はっきりしている。セルビア人としての誇りを持った左(社会党)とアメリカに迎合する右(野党連合)との2極対立だ。今やこの国の政党には中道がない。アメリカの助けを求めてもいいことはない。ボスニア・ヘルツェゴビナやマケドニアは民主化したというが、国内は混乱し、欧米の援助にすがっている状態だ。セルビアだけが自力で生きている。アメリカの「ニュー・コロニアリズム」の傘下に入るわけにはいかない。
 ――大統領が失脚したら、あなたの地位も危うくなるのでは。
 ◆私の仕事は政治とは関係がない。政治の世界に入るつもりもない。この町(ポジャレバツ)でビジネスマンとして生きてゆく。たとえ父が(大統領を)辞めたとしても、恐ろしいものはない。[2000-10-03-12:50] 50
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 10/03@<特集・ユーゴ>ミロシェビッチ大統領の出身地などをルポ(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦情勢が再び混とんとしてきた。連邦大統領選挙の第1回投票(9月24日)で野党連合候補に大幅リードを許したミロシェビッチ大統領は政治的延命策を講じているが、人心が離れているのは確実だ。大統領の出身地の町と、祖父母の出身地の村を、同時ルポした。
 9月29日付のユーゴ各紙は「大統領が27日に長男マルコ氏(26)と長女マリアさん(35)を密かにモスクワに移した」と報じた。駐モスクワ大使を務める大統領の兄が要請した護衛付きの車が、彼らを空港から運んだという。その後も同様の報道が後を絶たない。
 長男らが住む、大統領の出身地ボジャレバツは、首都ベオグラードから南東へ約85キロ。29日、町に入って、マルコ氏が経営するピザ屋周辺で話を聞くと、同氏は町にいるという。しばらく待つと本人が現れた。
 「いつものことだ。去年の北大西洋条約機構(NATO)の空爆の時も、私は海外に逃亡したことになった。実際は町を一歩も離れていないのに。西側メディアの常とう手段だ」。同氏が日本のメディアの取材に応じるのはこれが初めてだ。
 人口5万人のこの町は、大統領夫妻をはじめ、政財界に多くの有力者を輩出してきた。そのほとんどが中央へ進出して社会党独裁の中で権力を築いた。
 マルコ氏がベオグラードから父の故郷に通うようになったのは10年前。最近、妻とここに住むようになった。一児の父で、300万ドイツマルク(約1億4000万円)をかけたディスコ(休業中)やピザ屋、地方ラジオなど多くの会社を営む町有数の若手ビジネスマンだが、たばこ密輸などの黒い噂もつきまとう。背後で父親の影響力が有形無形に働いているのは、公然の事実だ。
 町の一角にあるスポーツ施設「バンビパーク」も昨年に完成させた。町最大の企業である菓子メーカー、バンビ社の資本を元に町の用地を使って、住民向けに作った施設だ。近くに住む少年サッカーチームの監督(53)は「こんな田舎にこうした施設があるのもマルコ氏のおかげ。ここから偉い人はたくさん出たけど、地元に還元してくれるのは彼だけ」と持ち上げた。マルコ氏も「町のために利益なしで造れたことは私の誇り」と自慢げに語る。
 当然、同氏に対する反発もある。
 「新しい産業を運んでくれたのは事実だ。だが、全てを独占しようというのは父親そっくりだ」。今回の選挙でコシュトゥニッツァ候補が率いるセルビア民主野党連合側を支援してきた会社経営、ジュキッチ・ラディシャさん(47)はそう批判する。
 野党連合側の発表によると、ポジャレバツ選挙区でコシュトゥニァ候補が2万3230票、ミロシェビッチ大統領が2万1075票と、初めて大統領が率いる社会党地盤が崩壊した。
 同時に行われた市議会選挙(定数68)でも社会党は59から38に激減、一方野党側は8から29に躍進した。
 バンビ社の社長を務めるミレティッチ・ミロスラン氏(44)は先の市議会選挙で落選した。同社幹部は社会党と密着な関係を利用し、菓子メーカーとして全国一の規模を維持してきた。しかし、ここ数年は欧州連合(EU)諸国からの経済制裁の影響で東欧を中心とした輸出が伸び悩んでいる、と同氏は訴える。
 しかし、豊かな農業生産を誇るユーゴで原料供給が本来滞ることはあり得ない。そもそも経済システム自体が長年の強権体制下でマヒしている方が問題のはずだ。「制裁がなくなれば、もっと社業を伸ばす自信はある。現場の立場から言うと、早く制裁を解除してほしい」。同社宣伝部のモニカ・ズボイノビッチさんはそうこぼした。 【ポジャレバツで森忠彦】
 「村人の95%が今回の選挙でミロシェビッチ大統領に投票した。彼が誇りかって?。当然さ」
 モンテネグロ共和国の首都ポドゴリツアから北東に45キロ。リエバ・リエカ村はミロシェビッチ大統領の父母の出身地だ。静かな山村で、人口は1100人、うち有権者は780人だ。「村の4人に1人がミロシェビッチ姓」という。16年間村長を務めるベショビッチさん(50)が語り始めた。
 村長によると、大統領の父方のルーツは、地元で最も勇敢とされる「バソエビッチ」一族。母方も代々軍人を出した家柄で、「大統領が勇敢で、敵に決して後ろを見せないのは、先祖譲りのもの」という。今でも村に多く残る大統領の親族は、ほぼ全員が農業に従事する。村長と親族が出会うと、大統領の話でもちきりになるという。
 「大統領は、北大西洋条約機構(NATO)軍の侵略から国を守ってくれた。女性の手にキスしたり、女性にひざまずく軟弱な欧米文化から、我々の伝統を守り抜いたのだ。大統領の親族がいかに彼を誇りに思っているか……」。
 モンテネグロは、かつてオスマン・トルコにセルビアを含むバルカン地域一帯が支配された時期も、侵略を排除してきた。歴史的に戦闘性を誇りにしてきた地域だ。モンテネグロは歴史的にもセルビアとの一体感が強い地域だったが、1991年からの旧ユーゴ連邦崩壊以降、独自の民族意識が浸透するようになった。ちなみにミロシェビッチ大統領は自らをセルビア人と公言しているが、駐ロシア・ユーゴ大使を務める兄は「モンテネグロ人」と称したと言われる。
 大統領の父親は学校を卒業後、旧ユーゴ政府の要求でセルビア・ポジャレバツの高等技術学校で教壇に立ったが、退職後に両親は相次いで自殺した。「母は長い病を苦に自殺し、老いた父も孤独になり命を絶った」(村長)という。
 しかし、自殺の真相については定説はなく、ミロシェビッチ大統領自身の口から語られたこともない。両親の墓は村の中心から北に20キロ、車も通らない山中にある。最近の大統領の墓参は約20年前だったという。
 村の中にある第二次大戦の戦没者追悼碑の中には、大統領の祖父、ミルコ・ミロシェビッチ氏の名前が、他の多くのミロシェビッチ姓と共に刻まれている。「下士官として勇猛果敢に戦った、と聞いている」と村人の男性(76)は言った。 この地には、血族社会の根深が色濃く残る。伝統への固執と、反欧米感情。それを元に築いた大統領の権力基盤は今、崩れようとしている。連邦選管の発表でも、大統領選の結果は、野党連合のコシュトゥニツァ氏が、ミロシェビッチ大統領を大きくリードした。
 「大統領が得票で第2位だったのは驚きだ。コシュトゥニツァは米国寄り。将来、米国の侵略を許すのでは、と皆が恐れている」。村長の顔が曇った。
 皮肉なことに、モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領は親欧米路線を取る。しかも、98年の就任以来、反ミロシェビッチ派の旗手の一人として知られている。父祖の故郷は別にすると、現実には同共和国内でもミロシェビッチ離れが急速に進んでいる。 【リエバ・リエカで福原 直樹】[2000-10-03-12:50] 52
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 10/03@ユーゴ大統領がテレビで演説、野党側を非難(読売新聞)

 【ベオグラード2日=佐々木良寿】ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領は二日午後、セルビア国営テレビを通じて国民向けに演説し、先に行われた連邦大統領選について、決選投票の実施を強調したうえで、野党勝利受け入れを求めて抗議行動を繰り広げる「民主野党連合」を「北大西洋条約機構(NATO)に操られた傀儡(かいらい)」などと強い調子で非難した。ミロシェビッチ大統領が国民向けに演説するのは、昨年六月のNATOによる空爆終了時の和平受諾以来。この日の演説は抗議行動をエスカレートさせる「連合」に同調しないよう国民に警告するのが狙いと見られる。[2000-10-03-12:04] 53 [このページの最初に戻る]


 10/03@ユーゴ、政府系最大労組もゼネスト用意(読売新聞)

 【ベオグラード2日=佐々木良寿】ユーゴスラビアの政府系最大労組「セルビア労働総同盟」は二日、声明を出し、連邦選管と選挙参加の全政党に対して四日を期限に大統領選の集計やり直しを要求。「期限までに、真のデータが確定され公表されない場合、当労組は、組合員の意思を尊重して、全組合員にゼネストを呼びかける」と述べた。独立系ベタ通信が報じた。
 同労組の声明は、「民主野党連合」への同調姿勢を明らかにしたもの。
 同労組は、推定百万人を傘下に置いており、これまでミロシェビッチ政権に忠誠を示してきたことで知られていた。[2000-10-03-11:51] 55
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 10/03@<ユーゴ>政府系労組などミロシェビッチ派組織に亀裂表面化(毎日新聞)

 【ベオグラード3日福井聡】ユーゴスラビア連邦でセルビア民主野党連合によるゼネストが行われる中、ミロシェビッチ連邦大統領に忠実だった組織の中から野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ氏の当選を認めるべきとの声が上がり始めた。政府系の労組全国組織「セルビア労組連合評議会」は2日、連邦選管に大統領選第1回投票の数え直しを要求、ゼネスト参加の構えを示し、国営・タンユグ通信や政府系・ベオグラード・ラジオ内にも編集方針の変更を求める声が公然と上がっている。ゼネスト初日は首都などで勢いを欠いたが、政権系マスコミ内部での亀裂表面化に、野党連合側は根底での変化を指摘している。
 セルビア労組連合評議会は同日、「投票集計の見直し結果が4日までに発表されなければゼネストに入る」と声明。評議会はこれまでミロシェビッチ政権に忠実だった全国最大の労組(組合員100万人)で、ゼネストに加われば事態は大きく変わると見られる。
 またミロシェビッチ政権に忠実な報道に徹してきたタンユグ通信でも2日、記者60人以上が「客観的で真実に基づいた情報の原則を尊重するよう」経営幹部に要求した。さらに、ベオグラード・ラジオの職員68人も「民主化を求める国民の意思を反映した大統領選第1回の結果承認を要求する」との声明を発表した。この他にも政府系地方紙や地方放送局で編集方針への抗議声明が相次いでいる。
 こうした動きに、独立系ベタ通信のマルコビッチ編集局長は「政権内の深刻な亀裂の表れ」とし、独立電波メディア連盟のミルコビッチ会長も「政府系メディアの職員に変化の時が訪れ、この流れは広がるだろう」と話している。[2000-10-03-10:15] 56
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 10/03@「大統領孤立」と宣伝強化 ユーゴ野党、退陣圧力加速(共同通信)

 【ベオグラード2日共同】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦大統領が二日、国営テレビを通じて一人で演説、決選投票実施を表明したことに対し、野党陣営は大統領が側近の支持をも失い、孤立化したと宣伝する戦術を強化している。
 二日に始まったゼネストを追い風に、大統領が決選投票日とする八日まで退陣圧力を加速させる構えだ。
 コシュトニツァ候補の勝利を主張するセルビア民主野党連合のジンジッチ選対本部長は二日夜、ベオグラードの集会で「テレビ画面を通じて強がるな。この広場にいつでも来るがいい」とアピール。大統領は市民を敵に回しているとして、早期の政権崩壊に自信を示した。
 独立系ベタ通信によると、野党民主連合に加盟する社会民主同盟のコラツ党首は大統領が一人で演説したことについて「だれも公開の場で大統領を守れなくなったのだろう」と分析した。
 セルビア市民同盟のスビラノビッチ党首も「大統領は砂上の楼閣のてっぺんに、たった一人でいるのだろう」と冷やかした。(了)[2000-10-03-10:09] 57
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 10/03@<ユーゴ>決選投票への条件付き参加を討議 民主野党連合(毎日新聞)

 【ベオグラード3日福井聡】ユーゴスラビア連邦のセルビア民主野党連合は2日、決選投票参加の可能性を探る討議を始めた。8日に予定される決戦投票ボイコットを崩していないが、「日程を延期し、国際監視団を受け入れれば」の条件付で参加を求める声が上がっている。
 野党連合はベオグラード訪問中の国連人権委員会のディンスビアー氏と断続的に会談を続け、「連邦選管の開票結果の見直し」を求めることで一致した。同時に、連邦選管が決選投票実施を決定しており、与党のみが参加すれば野党は「不戦敗」となることから、参加の是非についてもディンスビアー氏を交えて討議。この中で「8日投票の期日を延期し、フランスやギリシャの選挙監視団を認める」の条件で政府・与党側とも交渉を始めた。与党側も全面否定はしていないという。[2000-10-03-10:05] 58
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 10/03@<ユーゴ>ミロシェビッチ退陣に露の圧力促す 米国務長官ら(毎日新聞)

 【パリ2日橋本晃】欧州歴訪中のオルブライト米国務長官は2日、パリで欧州連合(EU)議長国フランスのベドリヌ外相らとの米・EU閣僚会議に出席。ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領退陣に向けロシアが圧力をかけるよう促すことで一致した。
 ベドリヌ仏外相は「ロシアが仲介の用意を表明したが、ミロシェビッチ大統領に退陣を迫るものであれば、良いイニシアチブとなる」と語った。[2000-10-03-09:55] 59
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 10/03@「国民の意志は消せない」 ユーゴの炭鉱ストに地元警察も連(共同通信)

 【コルバラ炭鉱(ユーゴスラビア中部)2日共同=及川仁】「解雇の脅しには乗らない」。ミロシェビッチ大統領側に負けを認めさせるため、ゼネストが始まったユーゴスラビア連邦。炭鉱労働者が作業をやめて構内に立てこもると、地元警察もこの動きに連帯。大統領退陣を求める結束が次第に強まっている。
 首都ベオグラード南方五十キロのコルバラ炭鉱。同国最大級、日産七万トンの採掘量を誇る炭鉱は、セルビア民主野党連合が「十月二日からゼネストを」と呼び掛けた九月二十九日から作業を停止している。近くのオブレノバツ発電所は同炭鉱に燃料を全面的に依存しており、同発電所が停止すればセルビア全土の約半分が停電の危機にひんする。
 「変革に向けたすべてがコルバラから始まる。社長はおれたちを解雇すると脅した。労働者五万人全員を解雇できるならやってみろ」。ストの先頭に立つ労働者プレドラグさん(24)は力を込める。労働者は通常の坑内作業と同様、一日三交代制で二十四時間作業所への立てこもりを続ける。
 炭鉱に近い都市ラザレバツで、与党セルビア社会党の支部長はスト介入を地元警察に働き掛けたが、署長は拒否、ストに連帯する姿勢を示した。内務省はやむなくベオグラードの部隊を送り込んだが、団結する労働者、市民を前に手出しができない。大統領の権力基盤である治安当局の足並みの乱れを象徴する出来事だ。
 「コシュトニツァが来たぞ」。同炭鉱作業所の労働者が叫ぶ。二日午後、野党連合のコシュトニツァ候補が突然姿を現した。同候補が「決選投票には応じない。だれも国民の意志をかき消すことはできない」と呼び掛けると「ボーヨ(同候補の愛称)」「ボーヨ」の歓声がわき上がった。
 ラザレバツ市街では郵便局など国営施設以外は完全に閉鎖、炭鉱ストに同調している。「票を盗まれた」国民の激しい怒りをよそに、ミロシェビッチ大統領は同日、あくまで決選投票を強行する考えを表明した。(了)[2000-10-03-08:50] 61
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 10/03@ユーゴスラビアの秘密警察トップも解任か(共同通信)

 【ベオグラード2日共同】二日付のユーゴスラビアの非政府系有力紙グラスヤブノスティは、連邦大統領選への対応を理由に、同国の秘密警察のトップである内務省国家保安局のマルコビッチ局長が解任されたと報じた。
 大統領選をめぐっては、野党連合のデモ隊の排除命令を拒否したとして、これまでに同省特殊警察部隊の高官一人の左遷が報じられており、ミロシェビッチ大統領が警察機構の再建に乗り出した可能性がある。
 モンテネグロ共和国のビエスティ紙は、大統領の側近であるヤナチコビッチ駐マケドニア大使が、秘密警察の体制立て直しのため同局長の後任に任命されたとしている。(了)[2000-10-03-07:55] 62
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 10/03@ミロシェビッチ大統領関係者の口座凍結 スイス政府(共同通信)

 【ジュネーブ2日共同】ベルンからの報道によると、フィリガー・スイス財政相は二日、スイス政府が同日までに、ミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦大統領の側近ら関係者が同国内に保有する約百の銀行口座を凍結したと語った。大統領本人名義の口座は含まれていなかった。
 スイス政府は昨年六月、大統領のほか旧ユーゴ紛争で戦犯として訴追された四人の口座を凍結。その後も、大統領関係者の口座を特定するよう国内の銀行に指示を出していた。(了)[2000-10-03-07:53] 65
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 10/03@<ユーゴ>ミロシェビッチ大統領が決選投票に臨む意欲を表明(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領は2日、9月24日の大統領選後初の国民向けテレビ演説で、第1回投票での敗北を認めず、今月8日に予定される決選投票に臨む意欲を表明した。大統領は、セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ候補を支援する欧米諸国を、「かいらい政権」の樹立を通じてバルカン半島を乗っ取ろうとしている、として非難した。[2000-10-03-01:30] 66 [このページの最初に戻る]


 10/03@ユーゴ大統領が野党連合を非難する演説(読売新聞)

 【ベオグラード2日=佐々木良寿】ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領は二日午後、セルビア国営テレビを通じて国民向けに演説し、コシュトゥニツァ・セルビア民主党党党首の大統領選第一回投票での当選を主張して大統領への抗議行動を展開する「民主野党連合」を、「北大西洋条約機構(NATO)に操られたかいらい」などと強く非難した。大統領の国民向け演説はまれで、「連合」の激しい攻勢にさらされてきたミロシェビッチ大統領が正式に野党陣営の退陣要求を拒否し、大統領選決選投票に向けて反攻に出たものといえる。[2000-10-03-01:25] 67 [このページの最初に戻る]


 10/03@◇ユーゴ大統領、国家保安局長ら解任◇(朝日新聞)

 ベオグラードの地元紙は2日、国家保安局のマルコビッチ局長とセルビア特別警察隊のトライコビッチ司令官の2人が解任されたと報じた。治安当局内には選挙結果をどう受け止めるかの意見の相違があったとされ、ミロシェビッチ大統領が引き締めを図るために2人を解任したのではと見られている。[2000-10-03-00:47] 68 [このページの最初に戻る]


 10/03@◇ユーゴのモンテネグロ与党、決選投票の不参加呼びかけ◇(朝日新聞)

 ユーゴ・モンテネグロ共和国の与党、民主社会党の幹部ジュリシッチ氏は2日の地元紙とのインタビューで、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領寄りのモンテネグロの政党、社会人民党(SNP)に対して連邦大統領選の決選投票に参加しないよう呼びかけた。SNPは第1回投票には参加したが、大統領選後は、ミロシェビッチ政権と距離をとる姿勢も見せている。
 SNPが決選投票に不参加の場合、ミロシェビッチ大統領はさらに票を減らすことになる上、モンテネグロを票数操作の舞台にしにくくなる。[2000-10-03-00:26] 69
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 10/03@◇「ユーゴ大統領退陣で直ちに制裁解除」仏大統領が強調◇(朝日新聞)

 欧州連合(EU)議長国を務めるフランスのシラク大統領は2日、同国訪問中のオルブライト米国務長官と会談し、緊迫するユーゴスラビア情勢などについて意見を交換した。会談後、シラク大統領はユーゴ大統領選について「フランスはコシュトニツァ候補の勝利を認める。ミロシェビッチ大統領が退陣すれば直ちに制裁解除に踏み切る」と改めて強調し、決選投票を認めない立場を示した。
 ミロシェビッチ大統領退陣を求める野党のゼネストに呼応した発言で、政権側への圧力を強める狙いがある。会談では事態打開に向けて外相派遣を表明したロシアに対しても共同歩調を求めていくことなどを話し合ったとみられる。
 シラク大統領は「フランスとEU諸国、米国、ロシアは、民主主義の価値の勝利のため、ユーゴの国民の側にある」と述べた。[2000-10-03-00:20] 70
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 10/03@<ユーゴ>首都東部の石油精製工場が労働者のストなどで操業(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラード東部にある国内第2のコストラツ鉱山と北郊パンチェボにある石油精製工場が2日、労働者によるストと道路封鎖で操業停止に入った。国内最大のコルバラ鉱山は先週末からストに入っており、ユーゴ国内のエネルギー動脈は重大な影響を受けている。
 コストラツ鉱山労組によると、鉱山労働者約4000人は2日朝からゼネストに突入し、周辺から同鉱山に通じる道路もすべて封鎖された。同鉱山近くの火力発電所では1日夜に緊急会議を開き、「当分の間、最低必要量(通常の20%)は確保すべきだ」と決定した。
 また、先週からゼネストに入っているコルバラ鉱山では2日、警官隊数百人が鉱山労働者約4000人のストを解除させようと、鉱山一帯を立入り禁止地域とした。しかし、労働者らは鉱山に続道路を封鎖して警官の車を鉱山内に入れず、ストは続行している。同鉱山は日産7万トンで、セルビア全域での電力消費の約半分を供給するニコラ・テスラ火力発電所への石炭供給鉱山。[2000-10-03-00:10] 109
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 10/03@<露・印>両国首脳が「戦略的パートナーシップ宣言」に署名(毎日新聞)

 【ニューデリー2日石郷岡建】ロシアのプーチン大統領とインドのバジパイ首相は3日、ニューデリーで首脳会談を行い、ロシアとインドの長期的友好関係をうたった「戦略的パートナーシップ宣言」に署名した。ロシアは中国とも「戦略的パートナーシップ」の関係を結んでおり、露印中3国はロシアをブリッジにした戦略的安定を確認したことになる。
 宣言は、両国が相互理解・信頼を基礎に多角的関係を結ぶと述べた。具体的には、首脳会談の毎年開催、国連での緊密な相互行動、国際・地域問題での共同行動、両国を敵視する軍事・政治同盟や紛争への不参加、核廃絶を目指した核軍縮強化などうたっている。
 その一方で、戦略的パートナーシップ関係は両国以外の第3国に敵対する軍事・政治同盟を目指すものではないとの断り書きをいれ、冷戦時代の軍事同盟の再興ではないと強調している。
 プーチン大統領は、「相互利益に基づいた長期的友好関係の樹立が目的である」と説明し、バジパイ首相は「21世紀の世界新秩序に向けて、両国の地球的規模の役割を構築する」と述べた。両国はソ連崩壊以降、低迷していた関係の再構築に着手したと言える。
 また、両首脳は軍事・技術協力の政府間委員会の設置に合意し、プーチン大統領はバジパイ首相のロシア公式訪問を求め、同首相は受諾した。[2000-10-03-23:40] 115
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 10/03@「イラク制裁」に風穴、モロッコ機がバグダッド入り(読売新聞)

 【カイロ3日=平野真一】バグダッドからの報道によると、イラクへの援助物資を積んだモロッコのチャーター機が三日、バグダッドに到着した。民間機をイラクに運航させたのは半月で五か国目。九〇年の湾岸危機以来、民間機運航は国連制裁で厳しく規制されてきたが、相次ぐ運航で制裁体制に風穴が開き始めた。
 チャーターしたのは、モロッコの民間活動団体「イラク国民支援全国会議」。医薬品や食料品のほか、政党代表ら三十五人が同乗。ラフサシ議長は「制裁を拒否する国際的な運動を強めるのが運航の狙い」と述べ、イラク当局者も「アラブ諸国が追従して制裁を打破してほしい」と呼応した。
 イラクへの民間機運航は、先月十七日のロシア機以来、フランス、ヨルダン、イエメンが続き、アイスランドも計画している。モロッコを含むアラブ諸国は、国連安全保障理事会の制裁委員会の事前許可を受けて運航したが、露仏両国は「民間機運航禁止の明確な規定はなく、許可を受ける必要はない」として事後通告しただけだった。
 一方、三日付の汎(はん)アラブ紙アルハヤトは、ロシア、シリア、エジプトの三か国が定期便の運航再開を準備していると報じた。原油価格高騰を受け、日量二百五十万バレル近くを輸出するイラクの存在感は強まっており、“イラク詣(もう)で”の動きは広がりそうだ。[2000-10-03-22:01] 138
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 10/03@ソマリアで中継貿易活況 無政府状態を“逆利用”(共同通信)

 【モガディシオ3日共同】内戦で十年近く無政府状態が続くソマリアは、関税が徴収されないことから、東アフリカやアラブ向けの物資が東南アジア地域から大量に流入、貿易の中継地としてにぎわっている。
 社会基盤は壊滅状態となっている首都モガディシオも、商業地域のバカラだけは別世界の活気を見せる。コンピューター、テレビ、ビデオなどの家電製品、自動車部品、コメなどあらゆる物資を積んだトラックが行き来する。
 物資の多くはマレーシア、シンガポール、インドネシアなど東南アジアからで、ケニア、エチオピア、ウガンダなど東アフリカやアラブ首長国連邦、イエメンなどアラブ諸国へも運ばれる。
 ソマリアは関税がかからず、国境もわいろなどのため無審査で通過することが多く、輸入品は安価。このためさまざまな商品の需要が高まっており、これまでアフリカ向け商品をアラブ首長国連邦などを経由させていた東南アジア諸国は、ソマリア経由に切り替えている。
 首都の港や空港は現在、閉鎖されており、物資は主に首都の北約三十キロの天然港で荷揚げされている。あるビジネスマンは「空港や港が開港すればさらに取扱量は増える。将来、政府ができて関税を徴収するようになっても、民兵に今払っている警護代を考えれば同じようなもの」と話している。(了)[2000-10-03-17:39] 142
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 10/03@在日米軍へ強まる反発 東アジア各国の離反も(共同通信)

 【ワシントン3日共同】米中央情報局(CIA)などでつくる米国家情報会議(NIC)が最近まとめた報告書が、在日、在韓米軍について「現状維持の米国の姿勢」は日本や韓国で民族主義的な反発を呼び、米国と両国との関係を「悪化させる」と警告していることが、三日分かった。
 「東アジアと米国―現状と今後五年の展望」と題した報告書は「米国と東アジア主要国の間の相違は広がり、米国の政策遂行は困難になる」と危機感を表明。人権、民主化などを重んじ各国の主権を犠牲にする米国の一方的な介入への抵抗は強まると指摘し、経済面でも米国の貿易政策に対する反発や、日本が米国を排除してアジア経済機構構築に動く懸念などを説明した。
 さらに、こうした事態を「悪化させる」動きとして@米経済の衰退がもたらす貿易での対立A在日、在韓米軍問題での米国の姿勢が民族主義的な反感を生むB米中関係の緊張で地域各国が米中どちらをとるかの選択を迫られ、米国への支持を減らす―などを挙げた。
 ただ、報告は日韓の支持獲得策として、具体的な基地削減などには踏み込んでいない。
 NICは米情報機関を束ね情勢分析を行う組織。負担軽減など基地受け入れ国への配慮を事実上促した報告は、朝鮮半島の和解の動きなどを受け、米国の一部で浮上している米軍の東アジア駐留体制の見直しの動きに影響を与えそうだ。
 報告書は今年二月に開かれたCIA、国防情報局(DIA)、国家安全保障局(NSA)などの専門家を集めた会議を基に作成され、九月米政府関係者に配布された。(了)[2000-10-03-15:57]
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 10/04@◇ロシア大統領、ユーゴ両候補招請へインドから電話作戦◇(朝日新聞)

 インド訪問中のプーチン・ロシア大統領に同行しているイワノフ外相は4日、ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領と野党勢力のコシュトニツァ候補をモスクワに招請するとのロシア提案について、「現在、精力的な交渉が続いている」と記者団に語った。ニューデリーからプーチン大統領や同外相らが電話でユーゴや米欧の関係者と調整を行っているという。
 大統領は2日、ニューデリーに到着後、シラク仏大統領と電話で話したほか、3日夜にはアナン国連事務総長とも電話協議。モスクワをたつ直前には、クリントン米大統領や伊首相らとも意見調整しており、ゼネストで緊迫しているユーゴ情勢の打開について、協議した模様だ。
 大統領に同行しているプリホチコ大統領府副長官によると、イワノフ外相が西側諸国の外相ら10人以上と電話で接触したほか、セルゲイ・イワノフ安保会議書記も在ベオグラード・ロシア大使館を通じてユーゴ当局と協議を重ねている。
 ミロシェビッチ大統領、コシュトニツァ氏の2人とは常時、連絡を取り合っているといい、外相は「2人からはまだ正式な回答はない」と語った。具体的にいつ2人がモスクワに来ることになるかは、5日夜にインドから帰国する大統領の日程に沿って検討されているという。[2000-10-04-23:55] 4
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 10/04@ユーゴ炭鉱ストに特殊部隊が突入態勢(読売新聞)

 【ラザレバツ(ユーゴスラビア・セルビア中部)4日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)大統領選での「敗北」受け入れをミロシェビッチ大統領に迫るゼネストが拡大する中、セルビア共和国警察当局は四日午後、ベオグラードから南西約五十キロにある、セルビア最大のコルバラ炭鉱のスト鎮圧に乗り出した。労働者側は退去命令を拒み、部隊とにらみ合いを続けており、緊張が一気に高まっている。
 警察当局は周辺地帯の要所を封鎖した後、同炭鉱のスト拠点であるタムナバ採掘所に特殊部隊員約百人を投入。部隊側は労働者全員の退去を命令したが、労働者側代表は拒否。この後、同採掘所には同炭鉱だけでなくベオグラードからも支援者が続々と集結し、同日午後六時(日本時間五日午前一時)現在、数千人が特殊部隊とにらみ合いをしている。特殊部隊は突入態勢を崩していない。
 警察が同炭鉱内で労働者数人を逮捕した、との未確認情報もある。
 同炭鉱ストに対しては、司法当局が前日、ストを指導する十一人と野党指導者二人の逮捕方針を発表している。
 同炭鉱は、大統領選勝利を宣言した「民主野党連合」の呼びかけで展開されている抗議行動の象徴的存在。ミロシェビッチ政権には、同炭鉱スト鎮圧を糸口として抗議行動を収拾させる思惑がある。
 四日午後、同採掘所に駆けつけた、「連合」に加わるキリスト教民主党のバティッチ党首は「この炭鉱の闘いがユーゴの民主主義の生死を決める」と、労働者にスト継続を訴えた。
 同採掘所の労働者は約千七百人。同炭鉱全体の労働者は約一万六千人で、約一万五千人がストに加わっている。[2000-10-04-23:52] 5
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 10/04@第1回TV討論、ブッシュ氏「予想外の善戦」(読売新聞)

 【ボストン4日=柴田岳】米大統領選の第一回テレビ討論会を終えた民主・ゴア、共和・ブッシュの両候補は四日、初対決への有権者の反応などを見極めながら、十一日のノースカロライナ州での第二回討論会に向けた準備を本格化させる。三日の初対決について、政治評論家などの間では、討論下手と言われてきたブッシュ氏が、「ストロング・ディベーター(討論強者)」の異名をとるゴア氏を相手に予想以上に善戦したとの見方がある。しかし、討論会直後のテレビ各社の有権者に対する世論調査ではゴア氏がリードを保っている。選挙戦の行方は依然として予断を許さない。
 討論会会場となったボストンのマサチューセッツ大学には三日夜、両陣営の選挙スタッフや民主、共和両党の関係者らが詰めかけ、九十分間にわたる両候補の初の直接対決を見守った。
 ゴア選対幹部のドナ・ブラジル氏は討論終了後、読売新聞などの取材に対し、「ゴア氏は米国民の生活に影響する問題をテレビを通じて直接語りかけ、確実に、穏やかに自分のメッセージを伝えることができた。明らかな勝利だ」と胸を張った。ゴア陣営は、ブッシュ氏の大型減税を「金持ち優遇」と批判し、メディケアの拡充など中・低所得者向けの政策をアピールしていく戦術に自信を深めている。
 一方、ブッシュ選対のカール・ローブ本部長も「ブッシュ氏は政権を指揮する能力があることをきちんと示した。狙い通りだ。討論会一回ごとの支持率アップ効果は2、3%だが、三回分を合わせれば大きなアップにつながる」と語り、逆転は可能だと強調した。
 ただ、「ブッシュ氏は今回の討論で処理しておくべき問題をいくつか積み残してしまった」(アンドリュー・クオモ住宅都市開発長官)のも事実。クオモ氏は「大型減税の多くは金持ちの手に渡るというゴア氏の批判に対し、ブッシュ氏は有効な反証ができなかった。次回以降もこの批判は繰り返され、ブッシュ氏はそのたびに釈明を迫られる」と指摘する。
 これに対し、ブッシュ氏の外交顧問のコンドリーザ・ライス・スタンフォード大教授は、米軍事力の行使をめぐる討論を振り返り、「ブッシュ氏は、ハイチやソマリアのような内戦に米軍が基本的に介入しないことを明確にした」と指摘。さらに、ゴア氏が、ユーゴスラビア大統領選挙後の事態収拾にロシア政府が中心的役割を果たすことに極めて慎重な見解を示したことをとりあげ、「驚きだ。米国はロシアに大量の支援をしているのに、なぜロシアを通じてミロシェビッチに圧力をかける手段をとらないのか」と厳しく批判してみせた。
 三日の初対決では「予想外の善戦」と言われたブッシュ氏だが、二回目以降は、ゴア氏を政策面で追い込む決定打を持たなければ、苦しい戦いが予想される。
 ブッシュ陣営としては、ゴア氏の社会保障政策などを「大きな政府に逆戻りさせるものだ」と批判するとともにクリントン政権の外交・安保政策などにも攻撃材料を求めて
突破口を開きたい考えだ。[2000-10-04-23:34] 6
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 10/04@反ミロシェビッチの象徴、ユーゴ・コルバラ炭鉱(読売新聞)

 【ラザレバツ(ユーゴスラビア・セルビア中部)4日=佐々木良寿】連邦大統領選の結果を巡って緊張が続くユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)で、司法当局が三日、ストを続けるセルビア最大のコルバラ炭鉱労働者十一人と野党指導者二人の逮捕方針を発表したが、この背景には、同炭鉱が「民主野党連合」による抗議行動の象徴的存在となってきた事実がある。四日午前現在、逮捕は実行されていないが、同炭鉱スト鎮圧を糸口に野党陣営の抗議行動を終息に持ち込もうとの思惑は明らかだ。
 「われわれは、ミロシェビッチが票を盗んだことに抗議しているのだ」、セルビア中部ラザレバツ近郊のコルバラ炭鉱・タムナバ採掘場の詰め所前に座っていた作業員の一人は、ストの理由をこう説明した。千七百人が働くこの採掘場では、毎夜千人が交代で残り、スト破りを監視している。
 同炭鉱でのストは、連邦選管の最終集計が国営テレビなどで伝えられた翌日の先月二十九日午後、始まった。「連合」の不服従戦術呼びかけに呼応する形となったが、瞬く間に四採掘場からなる炭鉱全体に広がった。反乱の背景にあるのは、「未来を託した一票一票が踏みにじられた」(炭鉱技師)との思いだ。作業員たちは「ウソの中に生きるのはごめんだ」と口をそろえる。
 同炭鉱は、日産七万トン。セルビア全体の必要電力の半分を供給するオブレノバツの火力発電所にとっての唯一の燃料供給源だけに、ストの長期化は、電力供給に深刻な影響をもたらす。
 政権側は、スト開始直後から治安部隊や連邦軍を投入、二日夜には、パブコビッチ参謀総長が乗り込んで説得を試みたが、作業員らの罵声(ばせい)を浴びて退散を余儀なくされたという。
 一方、「民主野党連合」にとって同炭鉱は抗議行動の象徴的存在。それだけに、傘下各党の指導者が相次いで訪れ、激励を続けている。
 ストを続ける労働者には四日、当局から働くことを強制する「労働指令書」も届き始めた。タムナバ採掘場では、スト指導部がスト破りの警戒態勢を強化。正午過ぎには、スト突破に向けて連邦軍が動員した労働者がバスで送り込まれるとの情報が入り、ストに入っている労働者たちが採掘場に通じる道路をブルドーザーなどの重機で封鎖、緊張した雰囲気が流れ始めた。
 「連合」にとっても、労働者たちにとっても正念場だ。「警察は殴ることはできても、われわれを働かせることはできない」――集会で指導部はこう呼びかけ、作業員たちの士気を鼓舞した。[2000-10-04-23:17] 9
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 10/04@タンユグ記者3人を停職 ユーゴスラビア(共同通信)

 【ベオグラード4日共同】ユーゴスラビアの独立系ベタ通信は三日夜、ミロシェビッチ政権下の公式メディアである国営タンユグ通信の編集指導部に「公正な報道」を求めていた同通信記者約七十人のうち三人が同日停職処分になったと伝えた。政権側の締め付け強化の一環とみられる。
 同僚記者約四十人のほか同通信の総務、技術職員らが三人に対する処分に抗議、撤回を求める署名活動を行っている。(了)[2000-10-04-19:46] 10
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 10/04@<ユーゴ>民主野党連合、セルビア全域で終日ゼネストに入る(毎日新聞)

 【ベオグラード4日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア民主野党連合は4日、首都ベオグラードなどセルビア全域で終日ゼネストに入った。ストはバスや鉄道、電力会社、鉱山、一般製造業など多岐に広がり、生産部門全体が停止状態に追いこまれている。ミロシェビッチ政権は3日から弾圧姿勢を強めており、軍や警察を動員した大掛かりな弾圧に乗り出すかどうかが焦点となっている。
 2日から始まった時限ゼネストは4日から終日ゼネストとなり、野党連合は5日午後に地方からの支持者をベオグラードに結集、大規模集会を予定している。今回のゼネストがこれまでと異なるのは、工場労働者がこぞって参加している点だ。国内最大のコルバラ炭坑はパブコビッチ軍最高司令官が訪れ、軍導入を示唆したにもかかわらずストを貫徹、3日からはジョルダップ水力発電所や銅精錬工場や電化製品工場など各地に広がっている。
 これに対し、政権側は3日に国営放送を通じて弾圧方針を発表。4日未明にはコルバラ炭坑のストを指揮している労働者11人と、2日に同炭坑を訪れ演説した野党連合のチョービッチ民主選択党党首とタディッチ民主党副党首に破壊行為容疑で逮捕状を出した。
 コルバラ炭坑(日産7万トン)はセルビアの電力消費の半分を供給するニコラ・テスラ火力発電所への石炭供給鉱山で、政権側は軍導入を視野に対応を検討している。[2000-10-04-18:41] 11
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 10/04@プーチン調停が焦点に せめぎ合い続くユーゴ情勢(共同通信)

 【ベオグラード4日共同】ミロシェビッチ大統領の退陣を迫るゼネストが続くユーゴスラビアでは四日、大統領側とセルビア民主野党連合との激しいせめぎ合いが長期化し、両者をロシアに招いたプーチン大統領による調停の成否が焦点に浮上してきた。
 欧米が敵視してきた諸国との仲介外交を積極的に進めるプーチン政権には、調停の成果を挙げることで「大国」としての威信を誇示する狙いがある。
 だがロシア仲介の目指す方向が不明な上、当初は不信感を表明しながら一転して調停受け入れに応じた野党側の思惑も絡み、こう着打開につながるかどうかは不透明だ。
 駐ロシア大使を務めるミロシェビッチ大統領の兄は仲介不要との立場を示しているため、野党連合のコシュトニツァ候補だけがモスクワを訪問、プーチン大統領との協議で何らかの妥協点を見いだす可能性も指摘されている。
 同候補は三日の声明でも「決選投票には応じない」と言明した。しかし、野党側が求める票の再集計は、ミロシェビッチ大統領を敗北を認めざるを得ない状況に追い込みかねず、大統領側は受け入れがたい。
 このため、国際監視団の受け入れなどを大統領側に認めさせた上で、野党側が決選投票に応じるとの妥協案を指摘する消息筋の観測もある。(了)[2000-10-04-16:45] 15
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 10/04@ロシア仲介に否定的 ゴア米副大統領(共同通信)

 【ボストン(米マサチューセッツ州)3日共同】ボストン郊外で三日行われた米大統領選の第一回討論会で民主党大統領候補のゴア副大統領は、ユーゴスラビア大統領選挙後の混乱収拾にロシア政府が中心的な役割を担うことに否定的な見解を示した。
 ユーゴへの対応について、副大統領は「ロシアと協力するが、ロシア政府に主導的役割を頼むのは、現状では極めて慎重であるべきだ」と述べた。
 副大統領は、ロシア政府が決選投票の実施に同意する姿勢を示していることに懸念を示している。
 討論会で、副大統領と共和党候補のブッシュ・テキサス州知事は、ミロシェビッチ大統領が選挙で敗北し、退陣すべきだとの認識で一致した。(了)[2000-10-04-12:47] 16
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 10/04@野党指導者を一時拘束 ユーゴ、スト弾圧本格化か(共同通信)

 【ベオグラード4日共同】ユーゴスラビア連邦の独立系ベタ通信によると、同連邦セルビア共和国の捜査当局は四日までに、ゼネストを主導するセルビア民主野党連合傘下の政党「民主的選択」のチョビッチ党首らを一時拘束して取り調べた。
 セルビア政府は野党連合が主導するゼネストを徹底的に取り締まるとの声明を発表しており、ミロシェビッチ政権のスト弾圧が本格化し始めたもようだ。
 同通信によると、チョビッチ氏は釈放後、労働者らが炭鉱などを操業停止に追い込んだことを評価。「政権の弱さを示すものだ」と全面対決の意向を表明した。
 セルビア共和国の国営放送は三日、検察当局がチョビッチ党首ら野党有力指導者二人とスト指導者十一人を「破壊活動」の疑いなどで拘束するよう命じたと伝えていた。
 同放送によると、セルビア最大のコルバラ炭鉱のスト指導者のほか、野党連合のジンジッチ選対本部長の側近も含まれている。
 ベタ通信によると、政府系紙ポリティカの一部労働者は三日夜、同紙の全労働者にゼネストへの参加を呼び掛けることを決定。報道の締め付け強化を唱える政権側の警告にもかかわらず、造反の動きが進んでいる。(了)[2000-10-04-12:43] 21
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 10/04@ユーゴ野党指導者らに逮捕命令(読売新聞)

 【ラザレバツ(ユーゴスラビア・セルビア中部)4日=佐々木良寿】連邦大統領選の選挙結果を巡って混迷が続くユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の司法当局は三日、「国家の安全を脅かす破壊行為を扇動した」として、「民主野党連合」傘下の政党指導者二人とセルビア最大のコルバラ炭鉱でストを続けている労働者十一人を逮捕する方針を決めた。
 セルビア中部ラザレバツ近郊のコルバラ炭鉱では九月二十九日から、選管発表の選挙結果に異議を唱える「民主野党連合」の呼びかけに応じて、ミロシェビッチ大統領の退陣を求める大規模なストに入っており、セルビア共和国政府は三日、一連の抗議行動を「法に従い特別な手段で阻止する」との声明を発表していた。司法当局の決定は、ミロシェビッチ政権のスト弾圧が本格的に始まったことを示している。
 逮捕命令が出された野党指導者は、「民主的選択」の党首と「民主党」副党首で、司法当局によると、二人は一日夜、炭鉱で労働者の抗議行動を扇動したという。
 政権側は、同炭鉱でのスト開始直後から治安部隊や連邦軍を投入。二日夜には、パブコビッチ参謀総長が乗り込み説得を試みたが、作業員らの罵声を浴びて退散を余儀なくされたという。[2000-10-04-10:53] 23
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 10/04@◇ユーゴ、首都で計画停電始まる 野党指導者も逮捕対象に◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領の退陣を求めてゼネストに入っているユーゴスラビアでは3日、首都近くのコルバラ炭鉱のストによる燃料不足から首都の一部で計画停電が始まるなど、市民生活に大きな影響が出始めた。政府の「特別措置」を受け、この炭鉱ストにからみ野党指導者が逮捕の対象となっている。
 コルバラ炭鉱は先月29日からスト決行中で、連邦軍の復業命令も無視している。この炭鉱の石炭に頼る発電所の管理者によると、発電機6機のうち2機しか稼働していない。このため首都では地域によって一定時間、計画的な停電を行う。
 この炭鉱ストに関連してベオグラードの司法当局は、野党連合に加わる「民主的オルタナティブ」のチョビッチ党首ら野党幹部2人と炭鉱労働者11人を、怠業をそそのかした疑いで逮捕の対象としていることを明らかにした。3日夜の国営テレビが伝えた。
 AP通信によると南部の町ブラニエでは3日、約2000人の反政府デモがあり、10人以上が逮捕された。簡易裁判で30日から10日の禁固刑が言い渡されたという。
 しかし、大統領選でのコシュトニツァ候補の当選を主張する野党陣営は、ゼネストを4日から一段と徹底させる方針を崩していない。大学の教員や郵便局の職員らも同調している。首都ではごみの回収業務も止まった。[2000-10-04-10:44] 25
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 10/04@憲法裁判所が異議を受理 ユーゴ(共同通信)

 【ベオグラード4日共同】セルビア民主野党連合は三日夜、ユーゴスラビア連邦大統領選の連邦選管開票結果の公開を求めていた同連合の異議申し立てを、憲法裁判所が受理したとの声明を発表した。
 声明は、四日に連邦政府庁舎内で初の公聴会が開かれるとしており、ミロシェビッチ大統領と野党連合のコシュトニツァ候補による決選投票が必要となったとする選管集計に対し、公の司法機関が初めて介入することになる。
 野党連合側は三日、開票作業を担当した連邦統計局から、大統領側の不正操作を示す証拠となるデータを入手したと発表している。(了)[2000-10-04-09:32] 26
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 10/04@首都警察で辞職が続出(共同通信)

 【ベオグラード4日共同】三日付のユーゴスラビア非政府系有力紙グラスヤブノスティは、首都ベオグラードの警察でこの数日、デモ隊との最前線に配備されるのを嫌がり、辞表を提出する警察官が続出していると伝えた。警察内で、野党支持者が急増していることを示す動きといえる。
 同紙によると、ベオグラード第九十二署ではこのほど「突入チーム」全員が、支給されていた装備を署長に返還した。首都警察の「特殊部隊」では、野党支持のデモ隊との最前線に投入されるのを拒否する動きがあるという。
 このため、セルビア共和国各地の警察署で、数日中に「軟弱派」の幹部を「強硬派」に一斉に交代させる可能性があるとしている。(了)[2000-10-04-09:12] 29
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 10/04@「決選投票認めない」 仏外相(共同通信)

 【パリ3日共同】欧州連合(EU)議長国フランスのベドリヌ外相は三日、パリの外国新聞協会で記者会見し、ユーゴスラビア大統領選挙について「決選投票を認めることは、さらなる不正選挙を認めることだ」と述べ、あらためて野党候補のコシュトニツァ氏が既に当選したとの見方を強調した。
 同外相は選挙直後の九月下旬以降、「ミロシェビッチ大統領の敗北は明らか」として、対ユーゴ制裁の解除を呼び掛けるEU声明を繰り返し発表しているが、制裁解除の日程などは具体化していない。(了)[2000-10-04-08:41] 31
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 10/04@ロ調停に前向き姿勢表明 ユーゴ野党候補(共同通信)

 【モスクワ4日共同】三日のインタファクス通信によると、セルビア民主野党連合のコシュトニツァ大統領候補は四日付のロシア紙コメルサントとのインタビューで、ユーゴスラビア大統領選をめぐる混乱でプーチン大統領が提案した調停について「非常に関心がある」と述べ、前向きな姿勢を示した。
 一方、タス通信によると、プリホチコ・ロシア大統領府副長官は三日、コシュトニツァ氏とミロシェビッチ大統領を話し合いのためモスクワに招待したロシアの調停案について「協議の段階にある」と述べた。
 コシュトニツァ氏も同紙に対し「提案の詳細やモスクワでの会談の方式について確認する必要がある」と指摘、調停の最終的受諾にはロシア側との調整が必要との考えを示した。
 またコシュトニツァ氏は決選投票については「意味がない」と述べて、拒否する立場を再確認した。(了)[2000-10-04-07:59] 33
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 10/04@ユーゴ重大局面に、政権側危機感強める(読売新聞)

 【ベオグラード3日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領の強い影響下にある同連邦セルビア共和国が三日、「民主野党連合」陣営の抗議行動に対して鎮圧の姿勢を示す声明を発表した背景には、大統領の強い危機感がある。野党勝利受け入れを求める市民の抗議が拡大しているばかりでなく、体制内部からも“ミロシェビッチ離れ”の動きが出てきた。今回の声明が抗議の声を封じ込めるのは困難で、八日の決選投票を前に、事態は流血の可能性をはらみつつ重大な局面にさしかかった。
 ベオグラードでは三日正午からの抗議行動開始に合わせ、市内中心部ではゴミ集積コンテナなどを路上に並べ道路を封鎖した。封鎖された道路では、学生ら市民数万人が集結して集会を行った。参加者は「スロボ(大統領のこと)、死んでこの国を救ってくれ」などと叫びながら、行進を続けた。抗議行動の低調さが伝えられていたが、この日は、街頭に出る市民も多く、中心部は騒然とした雰囲気に包まれた。行進の一部は市内南西部の大統領公邸を目指したが、途中、警察隊に阻まれて行き先を変えた。
 「連合」によるゼネスト指令から二日目。これまでとの最大の違いは、警察や治安部隊の存在感が表立ってきたことだ。大統領公邸を囲む森には、精鋭部隊を乗せたバスが隠れるように待機。市内中心部でも要所要所でデモの成り行きに目を光らせた。
 「連合」の出方をうかがってきたミロシェビッチ政権側が、強権で抗議行動を押さえ込む決意を示したものだが、奏功する保証はどこにもない。
 「選挙の真実」を求める声は体制内部にも広がり、造反が相次いでいる。独立系ベタ通信などによれば、すでに、政府系最大労組の「セルビア労働総同盟」(組合員百万人)が、四日を期限に集計やり直しを要求しゼネストの用意を示しているほか、これまで政権の宣伝機関となってきたユーゴ国営タンユグ通信やセルビア国営ベオグラードラジオなどで記者らが「真実の報道」と「連合」候補のコシュトゥニツァ氏の勝利を認めるよう要求。モンテネグロの親ミロシェビッチ派政党「社会人民党」も二日の声明で、選挙結果の疑念払しょくに向けて全政党が保持している投票記録などの再点検を求めるなどとして、距離を置き始めている。
 これまで軍や警察と並ぶ大統領の権力基盤といわれてきた労組や国営報道機関での造反の動きは、体制のほころびの深刻さを物語るものだ。
 与党の社会党は三日の記者会見で、連邦選管の最終集計の正しさを強調、決選投票強行の意向を改めて示したが、「連合」筋によれば、社会党は四日、全土から支持者をベオグラードに動員し、大統領支持集会を開催する構えといい、衝突の懸念が高まっている。[2000-10-04-01:58] 34
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 10/04@◇ユーゴ・ゼネストで政権側がスト弾圧開始 ◇(朝日新聞)

 野党連合が呼びかけたゼネストが2日目に入ったユーゴスラビアで3日、独立系労組の有力指導者をはじめ、スト参加者が初めて逮捕され、政権側のスト弾圧が始まった。セルビア共和国政府は「あらゆる破壊活動に特別措置で応じる」との声明を発表。弾圧に反発する市民数万人が、首都で自発的にデモ行進するなど、情勢は緊迫している。
 セルビア共和国政府の声明は、「市民の安全を脅かすあらゆる種類の破壊活動は、法に従って対処される。交通の阻害や、産業や学校、医療施設などの正常な活動を妨害した犯罪者に対しては特別措置を講じる」と、スト参加者に厳しい姿勢で臨む方針を示した。「外国の資金提供を受け虚偽の情報を流す報道機関も対象になる」としており、メディアも規制対象に挙げている。
 独立系ラジオ局「B2―92」によると、この日未明ゼネストの道路封鎖のための集合場所で、独立系の市内公共交通労組の委員長が警察に逮捕された。また、この朝ベオグラードでの封鎖に参加した11人が「市民に対する不品行行為」の容疑で警察に逮捕された。高校生4人が逮捕されたとの情報もある。
 首都中心部ではこの日午後、野党支持の群衆数万人が、大統領公邸のある南郊外のデディニエ地区をめざして自発的に行進を始めた。同地区に入る手前にある高速道路入り口付近で道路を封鎖したが、現場に動員された機動隊員約100人とにらみ合い、一部が投石するなど緊迫した。[2000-10-04-00:58] 35
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 10/04@<ユーゴ>セルビア民主野党連合が2日目のゼネストに突入(毎日新聞)

 【ベオグラード3日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア民主野党連合は3日午前10時(日本時間午後5時)から、首都ベオグラードなどセルビア全域で2日目のゼネストに入った。地方では早朝から道路封鎖が続き、首都では正午すぎから抗議集会が開かれる。大統領選第1回投票で野党連合のコシュトゥニツァ候補の当選を認めない連邦選管と政府に対する抗議行動で、初日に比べゼネストの規模は特に地方で拡大している。
 ベオグラードでは同日午前10時から道路封鎖や職場放棄が始まり、正午からは中心部の共和国広場から市議会前広場に面する統計局ビルと中央銀行前でのデモ行進が予定されている。野党連合は「連邦選管が真の選挙結果を発表しなければ3日は5時間のゼネスト、4日以降は終日のゼネストを展開する」と表明している。
 南東部ニシュでは3日、市全体がゼネストに入る見通しで、参加者の多くは国営企業従業員だという。中部チャチャクや南部クラグエバツなどでもゼネスト参加の動きは広がっている。
 一方、ユーゴ連邦軍のパブコビッチ最高司令官は3日未明、先週末からゼネストに入っている国内最大のコルバラ炭鉱を訪れ、スト中の鉱山労働者約4000人と約3時間協議した。軍のトップがスト現場に現れるのは極めて異例。同炭鉱では2日、警官隊が鉱山一帯を立入り禁止地域としたが、労働者らは道路封鎖で警官の車を炭坑内に入れず、ストを続行している。[2000-10-04-00:56] 37
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 10/04@抗議行動を「特別な手段で阻止」…セルビア政府声明(読売新聞)

 【ベオグラード3日=佐々木良寿】ユーゴ連邦では連邦大統領選を巡りミロシェビッチ大統領退陣を求める「民主野党連合」が呼びかけたゼネストが続いているが、同連邦セルビア共和国は三日、一連の抗議行動を「犯罪活動」であるとし、「法に従い特別な手段で阻止する」との声明を発表、強硬手段で抗議行動を鎮圧する可能性が高まってきた。
 国営テレビを通じて流れた政府声明は、「市民の生命を脅かし、正常な交通機能をまひさせ、産業、学校、医療施設などの正常な活動を妨げる個人や集団による暴力的行為は、法律で禁止される」と述べている。さらに声明では「外国の資金提供を受けうそを垂れ流して暴力をあおるメディアも適用の例外ではない」と強調、これは、国営タンユグ通信などで起きている記者の造反を念頭に置いたものと見られる。[2000-10-04-00:00] 5
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 10/04@◇イスラエルの武力行使に国連安保理で非難相次ぐ◇(朝日新聞)

 パレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突で国連安全保障理事会は3日、公開で打開策を話し合った。実弾を使用するなどのイスラエル側の武力行使に非難が相次いだ。
 国連オブザーバーのパレスチナ自治政府代表のナセル・アル・キドワ氏は「イスラエルは挑発したばかりか、実弾を使ってパレスチナ市民を殺害した。安保理は真相を究明し、この犯罪は裁かれなければならない」と訴えた。これに対し、イスラエルのランクリ国連大使は「パレスチナ側の計画的な挑発行動だ」と述べた。
 この日の安保理では19カ国代表が演説した。暴力中止と和平交渉の継続を呼びかけた米国と英国を除いて、ほとんどの国はイスラエルを非難。フランスはイスラエル野党リクードのシャロン党首の行動を強く批判し、エジプトは「東エルサレムがイスラエルに武力で占領されているとの事実を再確認する必要がある」と強い調子でイスラエルの行動を糾弾した。
 安保理は2日に非公式会合を開き、暴力行動や武力行使を非難する声明案を話し合ったが、イスラエルを擁護する米国とパレスチナ側が譲らず声明採択はできなかった。[2000-10-04-23:45] 14
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 10/04@パレスチナ騒乱収拾へ、米仲介でぎりぎり折衝(読売新聞)

 【パリ4日=池村俊郎】パレスチナ自治区で一九九六年以来、最大規模に発展しているイスラエル軍とパレスチナ人の衝突に外交努力で歯止めをかけるため、四日、パリを舞台にオルブライト米国務長官とバラク・イスラエル首相、パレスチナ自治政府のアラファト議長による首脳級会談が行われた。オルブライト長官は両首脳と二回ずつの個別会談を行ったのち、同日夕、両首脳との三者会談に入った。事態の沈静化につながる具体的成果を打ち出そうと、ぎりぎりの折衝を続けている。バラク首相とアラファト議長が直接協議するのは、今回の衝突が起きて以来初めて。
 オルブライト長官は四日午前と午後、バラク首相、アラファト議長と駐仏米大使公邸でそれぞれ二度ずつ個別会談を行った。その後の三者会談ではパレスチナ側の求める国際調査委員会の設置を中心に討議を続けた。
 これに先立ちシラク仏大統領と会談したアラファト議長は、記者団に対し、「国際調査委員会の設置と住民保護の国際措置が不可欠だ」と言明し、パレスチナ側がその実現をパリ会談の成否の分かれ目と見ていることを示唆した。
 同委は現地で騒乱の原因究明にあたるための中立の調査機関。パレスチナ側が提案したのを米政府が支持し、欧州連合(EU)も参加を表明した。しかし、バラク首相はオルブライト長官との最初の会談後、イスラエル側がなお、同委設置を拒否していることを示唆し、当事者間の“温度差”を浮き彫りにした。
 一方、アナン国連事務総長も四日、パリでバラク首相、アラファト議長と個別に会談する。
 一連の会談では“停戦合意”を保証する国際的枠組みなど具体的な成果が問われる一方、米政府など関係国の力量も試されている。
 騒乱は、イスラエル右派リクードのアリエル・シャロン党首が、バラク首相揺さぶりなどのため、イスラム教徒が管理するエルサレムの「ハラム・アッシャリフ」(ユダヤ側呼称「神殿の丘」)訪問を強行して始まっており、仏政府高官は「イスラエルの内政問題からこれほどの騒乱に発展した」と非難している。一方で西欧諸国はバラク首相の政治的求心力の衰えに衝撃を受けているのが実情だ。
 仏など西欧には、騒乱を一定の幅で収拾できなかったアラファト議長の指導力に疑問を投げかける声もある。
 和平最終合意のない状況での双方の政治指導力の弱体化は、不穏な現地情勢が続くことを意味し、米、EUの関係国は大きな課題を抱えたことになる。[2000-10-04-22:04] 27
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 10/04@<中東情勢>パレスチナ衝突 米国務長官が両首脳と個別会談(毎日新聞)

 【パリ4日橋本晃】イスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突収拾のため、仲介役のオルブライト米国務長官は4日午前10時(日本時間午後5時)過ぎからパリの米大使公邸で、バラク・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長と相次いで個別会談を行った。午後にはバラク、アラファト両首脳との3者会談に臨む予定だ。
 会談にはアナン国連事務総長、テネット米中央情報局(CIA)長官も同席。先月28日のイスラエル野党、リクードのシャロン党首によるエルサレム旧市街のイスラム教聖地訪問をきっかけに始まった衝突事件の収拾策を協議、中東和平交渉を軌道に乗せることをめざす。
 アラファト議長は(1)衝突事件の真相究明のための国際調査委員会の設置(2)パレスチナ住民の安全保障――を要求するとみられるが、イスラエル側は(1)を一貫して拒否しており、3者会談が実現するかどうかは不透明だ。
 アラファト、バラク両氏はシラク仏大統領とも個別に会談。5日にはカイロで、ムバラク・エジプト大統領の提唱でバラク首相、アラファト議長の会談開催が伝えられている。[2000-10-04-21:00] 37
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 10/04@UNHCR襲撃で2人逮捕 インドネシア国家警察(共同通信)

 【ジャカルタ4日共同】インドネシア国家警察当局者は四日、西ティモールで九月に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の外国人職員三人が殺害された事件で、東ティモール避難民の容疑者二人を同日までに逮捕、さらに四人の行方を追っていると述べた。
 同事件でインドネシア政府は民兵を野放しにしていると強い国際批判を浴び、捜査の成果を国際社会に示すことが迫られている。(了)[2000-10-04-20:14] 81
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 10/04@無国籍アラブ人集結でクウェートが国境に部隊派遣(読売新聞)

 【カイロ4日=平野真一】クウェートからの報道によると、同国北部国境のイラク側に、今週初めから「ビドゥン(無国籍者)」と呼ばれる無国籍アラブ人数百人が集結、クウェートが治安部隊を派遣する事態となっている。ビドゥンは今のところ、クウェート入国を要求しているだけだが、クウェート側は、イラクがこの動きを指揮していると見ており、国境の緊張を高めるためビドゥンに越境を命じるのではないかと警戒を強めている。
 イラク領内の居住地からバスで国境地帯に到着したビドゥンは三日、計二百〜四百人に達した。国連監視団が展開する非武装地帯のすぐ北側、クウェート領からわずか約二百メートルの地点にテント約四十基を建てて“立てこもり”を続けている。
 これを受けて、クウェートのムハンマド内相は同日、現地を視察、治安部隊に「国境侵犯のいかなる試みも撃退するよう」指示した。
 イラクは八月以来、「クウェートが油田を盗掘している」と非難するなど同国を揺さぶりを続けており、ビドゥン集結もその一環との見方が強い。クウェートには以前、約二十八万人のビドゥンがいたが、九○年の湾岸危機でイラクを支持し、その後同国内に逃げた者が多く、今は約十一万人が残るだけとなっている。[2000-10-04-10:45] 88
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 10/04@来年、初の総選挙実施へ(共同通信)

 【ナイロビ3日共同】英BBC放送によると、エリトリア議会は三日、一九九三年の独立以来初めての総選挙を来年十二月までに実施することを決めた。
 憲法が九七年に成立したことから九八年に総選挙を実施する予定だったが、九八年五月にエチオピアとの国境紛争が起こり、延期されていた。
 現議会は、政権党の民主正義人民戦線の中央委員会のメンバーらで構成されている。(了)[2000-10-04-08:42] 93
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 10/04@安保理で激しい応酬 パレスチナ衝突で協議再開(共同通信)

 【ニューヨーク3日共同】国連安全保障理事会は三日、パレスチナ自治区などでのイスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突拡大で公式会合を開催、事件をめぐってパレスチナとイスラエルが互いに相手を激しく非難した。
 冒頭に演説したパレスチナの国連代表は、今回の事件でヘリコプターまで動員して攻撃したイスラエル部隊の行為を非難、国際法違反だと強く訴えた。
 これに対しイスラエルの国連大使は、パレスチナ側による暴力行為のエスカレートが衝突の拡大を招いたと指摘、イスラエル側にも兵士や警官の死傷者が出ていることを強調した。
 安保理は同事件で二日に緊急会合を開催したが、名指しは避けながらもイスラエルを事実上非難する議長声明案をめぐって紛糾。パレスチナは声明ではなく、決議の採択を要求しており、国連外交筋によると、声明案については四日のパリでのオルブライト米国務長官らによる会談後に持ち越す方向でまとまった。(了)[2000-10-04-07:57] 30
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 10/04@紀宮さま欧州歴訪へ スロバキアなど3カ国(共同通信)

 紀宮さまは四日午前、スロバキア、スロベニア、アイルランドの欧州三カ国公式訪問のため全日空機で成田を出発される。十六日帰国の予定。
 皇族のスロバキア、スロベニア公式訪問は初めて。
 紀宮さまは現地時間の四日午後、ウィーンに到着、陸路、最初の訪問国スロバキア入りする。
 宮内庁によると、同国滞在中、日本文化週間の開会式やレセプション、ジュリンダ首相主催の昼食会に出席、スロバキア国際児童芸術館などを訪問する。
 次の訪問国スロベニアには八日移動し、クーチャン大統領夫妻主催の晩さん会への出席や、地雷犠牲者リハビリセンター訪問などが予定されている。
 十一日から滞在するアイルランドでは、マカリース大統領主催の昼食会などに出席。ロンドン経由で帰国する。(了)[2000-10-04-08:07]
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 10/05@<ユーゴ>ゼネスト炭鉱に機動隊 野党連合との対決は一層先(毎日新聞)

 【ベオグラード4日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の連邦警察は4日、セルビア民主野党連合が呼びかけた終日ゼネストに参加していたコルバラ炭鉱に機動隊を投入、スト解除を命じた。労働者側との交渉が決裂すれば、機動隊は強制排除に入る見通しだが、野党支持者らが続々炭鉱に向かっており、衝突も予想される。ミロシェビッチ政権は8日の決選投票に向け、ゼネスト弾圧の動きを加速、野党連合との対決は一層先鋭化しつつある。
 機動隊は午後1時(日本時間同8時)過ぎ、30台以上のバスに1000人以上が分乗して到着。うち約100人が構内に入って正門を封鎖し事務所ビルなどを占拠、労働者7500人にスト解除の説得を続けている。
 野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ氏は労働者支援のため同炭鉱に向かい、野党連合の要請に応えて周辺住民約3000人が現場にかけつけ、ベオグラードからも1万人近くが向かっている。
 野党連合は5日午後にベオグラードで大規模集会を予定、午後3時(同10時)を期限にミロシェビッチ政権にコシュトゥニツァ氏の選挙勝利を認めるように要求している。
 同炭鉱(日産7万トン)はセルビア全域の電力消費の約半分を供給するニコラ・テスラ火力発電所への石炭供給源。国営電力会社は時限停電を予告、ベオグラードでは既に停電が始まっている。
 このため3、4の両日、パブコビッチ軍最高司令官が自ら訪れ、スト解除を要請したが、労働者側は「コシュトゥニツァ氏当選を認めるまで解除しない」とストを打ち抜いていた。[2000-10-05-02:10] 2
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 10/05@◎ユーゴ大統領に最後通告=民主セルビア党(時事通信)

 【ベオグラード4日AFP=時事】ユーゴスラビアの民主セルビア党は4日、同国大統領選でセルビア野党民主連合のコシュトニツァ大統領候補が勝利したことをミロシェビッチ大統領が認める最終期限を5日午後3時(日本時間同日午後10時)に設定した。 [時事通信社][2000-10-05-01:17] 141 [このページの最初に戻る]


 10/05@◇ユーゴ「首都決戦」 野党デモ隊が議事堂突入◇(朝日新聞)

 大統領選挙後の混乱が続くユーゴスラビアで5日、ミロシェビッチ大統領の退陣を求める野党支持者の市民10万人以上が全国各地から首都ベオグラードに集結し、午後3時(日本時間同10時)から中心部の連邦議事堂前で大規模な集会を開いた。野党陣営はこの集会を「首都決戦」と位置づけたが、警察隊は鎮圧のため警棒をふるい、催涙ガスの使用を始めた。
 この日、朝から200台以上の大型バスや自家用車に分乗した野党支持派の市民が中部のチャチャクなど各地から続々と集まった。首都の市民も含め、市街の大通りは「ミロシェビッチは終わりだ」と叫び太鼓や笛をならすデモ行進で埋まった。
 同日正午(同午後7時)前、議事堂前の広場には市民約1万人が集まり、一部は数度にわたって議事堂に突入した。議事堂前にバリケードを築いた完全武装の機動隊は警棒をふるい、催涙ガスを放ったが、市民の一部は機動隊を押しのけて議会に乱入し、ドアや窓を壊し一帯は一時騒然となった。
 政府は3日に「破壊活動には特別措置で応じる」と発表していた。野党陣営は、地方の野党支持者にも首都へ集結するよう呼びかけ、5日をミロシェビッチ大統領に退陣を迫る山場としていた。
 一方、独立系のベタ通信によると、連邦憲法裁判所は5日、先月24日の大統領選を無効とし「大統領選を改めて行う」と決定した。投票は来年半ばの現大統領の任期終了までに行うという。政府は選挙直前に「現大統領の任期は来年半ばまで」との立場を示している。再選挙についての公式発表はまだない。
 ユーゴでは先月24日に行われた大統領選で、野党陣営が「勝利」を宣言。しかし大統領陣営が敗北を認めないため、野党陣営はゼネストに突入した。4日に連邦憲法裁判所が発表した「選挙の一部無効」に対しても反発し、ゼネスト長期化も辞さない構えだ。
 すでに勝利宣言をすませている野党連合のコシュトニツァ候補は、5日の裁判所発表を待たずに「これは大きなわなだ。大統領の力は弱くなっており、さまざまなごまかしを使わなければならなくなった証拠と思う」と語った。[2000-10-05-23:54] 142
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 10/05@<ユーゴ>民主野党連合が大統領退陣決議 情勢は一層緊迫(毎日新聞)

 【ベオグラード5日福井聡】「これは典型的なミロシェビッチ流の時間稼ぎ戦略だ」。「我々は連邦選管の集計に異議を唱えたので、選挙全体の無効を訴えたのではない」――。ユーゴスラビア連邦憲法裁判所が大統領選挙を無効と判断したと伝えられ、セルビア民主野党連合からは政権糾弾の声が相次いだ。野党連合は5日午後(日本時間同深夜)の集会でミロシェビッチ大統領退陣を決議し、「コシュトゥニツァ新大統領」の擁立を宣言する予定だ。野党連合はこれまで平穏に抗議行動を続けてきたが、ユーゴ情勢は一層緊迫しつつある。
 憲法裁の大統領選無効宣言に対し、野党連合のジンジッチ民主党党首は「政権側は再選挙決定で時間を稼ぎ、その間に今回のゼネスト参加者を弾圧し、態勢を立て直すつもりだ。しかし、このような決定は認められない」と語った。野党連合の展開するゼネストが勢いを得てきた情勢を見て、政権側が選挙全体を無効にしたとの観測が多い。
 野党連合は連邦選管の結果発表に不備があるとして異議を申し立てたが却下され、3日、憲法裁判所に異議を申し立てた。同裁判所は4日、連邦選管と野党連合の双方を呼んで公聴会を開き、5日にこの最終決定を下した。憲法規定で、野党連合にこれ以上異議を申請する場はない。
 野党連合は首都ベオグラードでは5日午後、4日間続くゼネストの集大成とする大集会を開き、ニシュ、チャチャク、レスコバツなど国内各地でゼネストを続けてきた野党連合支持者が集結し、100万人規模になるとしている。4日に警察が機動隊をコルバラ炭鉱に派遣してスト解除を命じたが、野党支持者が大量に駆けつけ機動隊を撤退させおり、気勢を上げた。
 野党連合を支援する経済学者のグループ「G17」のディンキッチ代表は「ミロシェビッチ氏が要求を受け入れなければ、我々は彼が選挙不正工作で果したすべての犯罪行為を警察に知らせ、裁判で裁かれるだろう」と述べた。
 2日から始まったゼネストには、街頭ストだけでなく工場労働者がこぞって参加している。ミロシェビッチ政権は国内の生産現場が停止した状態には危機感を抱き、3日、国営放送を通じてスト弾圧の方針を発表した。今後、各地での治安当局と野党支持者の衝突が続出する懸念が広がっている。[2000-10-05-22:45] 143
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 10/05@<ユーゴ>大統領選再実施決定 民主野党連合は反発 緊張高(毎日新聞)

 【ベオグラード5日福井聡】自由ヨーロッパ放送によると、ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)憲法裁判所のスルディッチ長官は5日、「連邦大統領選第1回投票(9月24日)の無効を最終決定し、現大統領の任期満了(来年7月)までに再選挙を行う」と述べた。決定によれば、8日の決選投票も中止される。ミロシェビッチ大統領退陣を求める大集会を5日午後に開くセルビア民主野党連合は、「政権延命を狙った無効決定は認められない」と反発。首都ベオグラードでは同日、治安部隊がデモ隊に催涙ガス弾を発射し、緊張が高まっている。
 憲法裁は4日夜、選挙の「一部無効」を発表したが、スルディッチ長官はその後、自由ヨーロッパ放送に「大統領選は最初からやり直さねばならず、この決定は最終で変更できない」と述べ、野党連合のコシュトゥニツァ候補が首位に立った第1回投票の結果を取り消した。同放送によれば、憲法裁は6日、最終決定の詳細を発表する予定。現大統領の任期満了は来年7月。選挙は最高約10カ月先送りされる可能性がある。
 野党連合は5日午後3時(日本時間同10時)からベオグラードで大集会を開催。政権与党の影響下にある連邦選管にコシュトゥニツァ候補当選の「真の選挙結果」の受け入れを迫る。
 野党連合は、第1回投票でのコシュトゥニツァ候補の過半数得票を認めずに決選投票を実施するとした連邦選管の集計結果に抗議し、2日から各地でゼネストに突入している。しかし、スト拡大を受け、セルビア共和国当局は鎮圧方針を表明、野党指導者を拘束するなど締め付けを強化している。[2000-10-05-22:45] 144
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 10/05@◇ユーゴの野党大集会、警官隊が催涙ガス発射し混乱◇(朝日新聞)

 大統領選挙後の混乱が続くユーゴスラビアで、野党陣営が5日午後から首都の連邦議会前で予定していた大規模集会を前に、警察が野党支持者の動きを抑えるため警棒を使用し、催涙ガスを使い始めた。ミロシェビッチ政権に対しゼネスト突入で対抗することを呼びかけている野党陣営は、地方の支持者にも首都へ集結するよう呼びかけており、5日をミロシェビッチ大統領に退陣を迫る期限としていた。政権側との「首都決戦」が緊迫してきた。
 一方、独立系のベタ通信は5日、連邦憲法裁判所は先月24日の大統領選を無効とし、「大統領選を改めて行う」と正式に決定したと伝えた。投票は来年7月の現大統領の任期終了までに行う、という。選挙直前に「現大統領の任期は来年半ばまで」との立場を示している政府の立場を追認した形で、再選挙についての公式発表はまだない。
 首都の中心である連邦議会前には5日正午(日本時間午後7時)前から数万人の野党支持者が集結。一部が連邦議会の中に突入を図ったところ、強制排除が始まった。催涙ガスの発射で人々が逃げまどうなど、一時は緊張した。警官隊の催涙ガス使用は2日からのゼネスト入り以来初めて。
 内務省特殊警察の機動隊員約50人がその後議会周辺を囲み、野党支持者約2万人がその場に残った。別の広場に集まっていた市民が、混乱が起きている連邦議会へデモ行進しているという。
 ユーゴでは先月24日に行われた大統領選で、野党陣営が「勝利」を宣言。しかし大統領陣営が敗北を認めないため、野党陣営はゼネストに突入した。4日に連邦憲法裁判所が発表した「選挙の一部無効」に対しても反発し、ゼネスト長期化も辞さない構え。
 すでに勝利宣言をすませている野党連合のコシュトニツァ候補は、5日の裁判所発表を待たずに「これは大きなわなだ。大統領の力は弱くなっており、さまざまなごまかしを使わなければならなくなった証拠と思う」と語った。
 野党陣営は同候補の「勝利」を棚上げするような、いかなる試みも認めないとの基本姿勢を確認している。[2000-10-05-22:42] 146
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 10/05@◎ユーゴ大統領選はやり直しに=憲法裁長官が言明(時事通信)

 【ベオグラード5日時事】ユーゴスラビア連邦大統領選第1回投票の一部を無効とする判断を下した連邦憲法裁判所のスルジッチ長官は5日、ラジオ・フリー・ヨーロッパに対し、この判断によって、大統領選はやり直されることになると言明した。
 憲法裁は同日中に、詳細な判断内容を正式に公表する予定だが、同長官の発言通りとすれば、セルビア民主野党連合のコシュトニツァ大統領候補が第1回投票で過半数の票を獲得して勝利したとの宣言も取り消され、2日のゼネスト以来、激化している野党の抗議行動の火に油を注ぐ結果になる。ミロシェビッチ体制生き残りの時間稼ぎに協力することになる憲法裁の判断で、抗議行動の先鋭化は必至の情勢だ。 [時事通信社][2000-10-05-21:25] 147
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 10/05@<日仏外相>ユーゴ問題めぐり電話で意見交換(毎日新聞)

 河野洋平外相は5日夜、フランスのベドリヌ外相と中東和平、ユーゴ問題について電話で意見交換した。河野外相はパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突により死者、負傷者が多数出ていることについて「日本としてなしうる人道的援助も視野に入れつつある」と述べ、医薬品の提供などを検討していることを明らかにした。ユーゴスラビア大統領選をめぐって政権側と野党連合が激しく対立している問題について、ベドリヌ外相は「現在のユーゴの状況を好転させる決定打はなく、長期的に民主化への努力を支援するしかない」との認識を示した。[2000-10-05-21:21] 148 [このページの最初に戻る]


 10/05@◎G8の駐ユーゴ大使会議への協力を仏外相に電話で要請=河(時事通信)

 河野洋平外相は5日夕、欧州連合(EU)議長国のフランスのべドリヌ外相と電話会談し、先の大統領選をめぐり混乱が続くユーゴ情勢や中東和平問題について協議した。この中で、河野外相は、日本の提案で6日にベオグラードで開催される主要8カ国(G8)の駐ユーゴ大使会議への協力を要請、べドリヌ外相は「大変いいイニシアチブだ」と述べ、協力を約束した。大使会議では、大統領選で勝利宣言したセルビア民主野党連合のコシュトニツァ氏から今後の対応などを聞くことになっている。 [時事通信社][2000-10-05-20:47] 149 [このページの最初に戻る]


 10/05@◎ユーゴ調停に改めて意欲=ロシア大統領(時事通信)

 【モスクワ5日時事】インタファクス通信によると、インド訪問中のプーチン・ロシア大統領は5日、緊迫するユーゴスラビア情勢に関して、ミロシェビッチ同国大統領ら2人の次期大統領候補とのモスクワ会談提案は依然有効だと述べ、改めて調停の実現に意欲を示した。 [時事通信社][2000-10-05-20:03] 150 [このページの最初に戻る]


 10/05@◇ユーゴの憲法裁判決、ロシアは歓迎◇(朝日新聞)

 インド訪問中のプーチン・ロシア大統領に同行しているセルゲイ・イワノフ安保会議書記は5日、ユーゴスラビア大統領選挙の一部の結果を無効とした同憲法裁の決定について、「早期打開に向けてあらゆる可能性を開いたものであり、ロシアによる調停の余地も広がった」と、歓迎する意向を表明した。訪問先のムンバイ(ボンベイ)で記者団に語った。
 プーチン大統領は、ミロシェビッチ大統領と野党勢力のコシュトニツァ候補の2人をモスクワに招請し、対話を呼びかけている。8日に設定された決選投票が棚上げされるとの観測が強まる中で、同書記は「とりあえず時間的な制約はそれほど重要ではなくなる」と述べた。当初、決選投票を前に、プーチン大統領がインドから帰国する5日夜以降に両者のモスクワ訪問を実現する方向でロシア側は調整を重ねていた。
 コシュトニツァ氏は4日、近日中のモスクワ入りの可能性を否定したが、イワノフ書記は「日程は変更されることになるが、今月中に来ることは十分可能だ」と話し、引き続き2人の招請を働きかける方針を示した。[2000-10-05-18:34] 151
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 10/05@ユーゴ野党が大規模集会 敗北表明の最終期限で(共同通信)

 【ベオグラード5日共同】先月二十四日投票のユーゴスラビア連邦大統領選でコシュトニツァ候補の勝利を宣言したセルビア民主野党連合は五日、ベオグラードの連邦議会前で全国から参加者を集めたミロシェビッチ大統領の退陣を要求する集会を開く。
 野党側は集会開始の同日午後三時(日本時間同十時)が、大統領が敗北を認める「最終期限」だと通告しており、選挙の「一部無効」宣言で延命を図る大統領側に対し、ゼネストで退陣に追い込もうとする野党戦略の成否を占う大きなヤマ場を迎えた。
 野党側の異議申し立てを審議した憲法裁判所が集会前夜の四日、選挙の「一部無効」を発表し、政権側の時間稼ぎの意図が鮮明になったことで、野党支持者の怒りは高まっており、両者の対立は一層激化しそうだ。
 しかし、大統領を退陣に追い込むために大規模集会がどこまで有効かは不透明で、集会の行方次第では野党側は新たな対応を迫られることにもなりそうだ。
 大統領の退陣を求めて二日に始まったゼネストは徐々に拡大。ユーゴ最大の国営電力会社の労組がゼネスト参加を予告するなど、政権の支持基盤のはずの政府系労連も反政権へと傾いており、大統領の足元には火がついている。
 これに対し政権側は、ゼネストを実力で押さえ込む方針を表明、四日には抗議行動の中心的存在となったコルバラ炭鉱に機動隊を投入した。(了)[2000-10-05-16:18] 152
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 10/05@◇ユーゴ野党候補、ロシア提案を拒否◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア大統領選の野党勢力のコシュトニツァ候補は4日、ロシア公共テレビ(ORT)とのインタビューで、「近いうちにモスクワへいくつもりはない」と語り、プーチン・ロシア大統領が調停のためミロシェビッチ・ユーゴ大統領とコシュトニツァ候補の双方をモスクワへ招へいするとの提案を事実上拒否した。
 同候補は、野党勢力が勝利したとする大統領選の第1回投票の結果について、ロシアの立場が不明確だと指摘。「何を狙って招へいしたのかよくわからない」とも述べた上で、「ゼネストや抗議行動に取り組んでいる最中に母国を離れるのは無責任だ」と強調した。
 一方で同候補は、「国際的調停はロシアの役割抜きには考えられない」とも述べ、今後のロシアの調停の可能性に含みを残した。
 また、同候補は野党勢力の勝利を支持する米国にも批判の目を向けた。米国がミロシェビッチ大統領をハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に突き出すことに固執するあまり、柔軟な対応がとれないと指摘。「同大統領の訴追こそが、我々をミロシェビッチ体制の人質にしている」と批判した。[2000-10-05-15:50] 154
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 10/05@<ユーゴ>モスクワには行かず コシュトゥニツァ氏(毎日新聞)

 【モスクワ4日田中洋之】ユーゴスラビア連邦の大統領選挙で勝利を主張しているセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ氏は4日夜、ロシア公共テレビのインタビューで、ユーゴ情勢打開のためプーチン露大統領が招請していたモスクワ訪問を近日中には行わないと明らかにした。
 野党連合側はコシュトゥニツァ氏が5日にもモスクワを訪問する可能性を示唆していたが、同氏は情勢が緊迫している現状では国外に出ることはできないと語った。同氏はまた、プーチン大統領の提案には不透明な点があり、モスクワ訪問前に会談の形態や具体的なテーマを明確化する必要があると述べた。
 こうした発言はモスクワ招請を事実上、拒否したものと言え、プーチン大統領の仲介は難航しそうだ。[2000-10-05-13:55] 155
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 10/05@<ユーゴ>スト炭鉱に機動隊 解除命令、対立深まる(毎日新聞)

 【ベオグラード5日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のコルバラ炭鉱で4日、セルビア民主野党連合の呼びかけに応じゼネストに参加していた労働者と、ストを解除させるため連邦警察が投入した機動隊とがにらみ合った危機は、機動隊が4時間後に撤退して衝突はいったん回避された。しかし機動隊は同日深夜になって再び炭鉱に戻り、施設の一部を占拠している。労働者はストを続けており緊張は解けないままだ。
 首都ベオグラードの南60キロにある国内最大のコルバラ炭鉱には4日午後、1000人以上の機動隊が投入され、労働者7500人にスト解除を命じた。労働者側は「(野党連合の大統領候補)コシュトゥニツァ氏の当選を認めるまで解除しない」と粘り、この間に周辺や首都ベオグラードから野党連合支持者1万人以上が駆けつけて、構内入りを阻止する機動隊と押し問答になった。
 やがて野党支持者らを乗せたバスが機動隊の車両を押しのけて構内に入ろうとすると、機動隊は引き下がり、バスを通した。これを機に支持者は構内になだれ込み、機動隊は「もう介入はしない」と言い残して、投入から約4時間後に撤退した。
 首都から駆けつけたコシュトゥニツァ氏は「ミロシェビッチ氏は権力にとどまるため武力を行使するが、我々は武力で追い出すことはしない。非暴力を貫こう。私はあなた方が選挙で得たものを手にするまでともに闘う」と呼びかけ、喝さいを浴びた。
 警察と野党の初めての大きな対立は、野党側の「勝利」に終わったと思われたが、機動隊は4日深夜、再び炭鉱に戻った。[2000-10-05-12:50] 156
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 10/05@<YOU館>ミロシェビッチ大統領 続く懸命の粘り(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦の大統領選挙結果を巡り、社会党現職のミロシェビッチ大統領(59)が不気味な粘り腰を見せている。第1回投票では、セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ氏(56)に、連邦選管発表で約10%の得票差をつけられた。過去13年間で初の2位に意気消沈かと思われたが、すかさず決選投票に持ち込んだ。野党連合は決選投票拒否を宣言し「不戦勝」に持ち込んだ。さらに4日、憲法裁判所は選挙全体を取り消すとみられる決定を下した。「バルカン最後の独裁者」も自身の延命に懸命だ。 【ベオグラード・福井 聡】
■崩壊したイメージ
 「ミロシェビッチ氏はもはや不可侵の権力者ではなくなった」。第1回投票の開票が進んだ9月25日、セルビア民主党のコシュトゥニツァ党首は勝利宣言した。ミロシェビッチ氏は過去14回の選挙をすべて勝利してきた。国民の脳裏に焼き付いてきた「不可侵の大統領像」が今選挙で初めて崩れ去った。
 今年7月、大統領は絶頂期にあった。昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆後、欧米諸国は「これでミロシェビッチ政権は終わる」と期待したが、ユーゴ国内では反NATO感情をあおる巧みな世論操作で、大統領支持は衰えなかった。自身を登用した先輩政治家を更迭し、野党を懐柔と分断で弱体化する非情さが憎まれる半面、欧米諸国を相手に一歩も引かない強気の姿勢は強烈な印象を与えてきた。
 だが、経済制裁下で暮らしも疲弊する中、旧来の野党政治家に飽きた国民の間で、腐敗とは無縁なコシュトゥニツァ氏が急速に人気を集めている。
■地殻変動
 連邦選管発表の翌日、ミロシェビッチ氏は与党連合の決選投票に向けた会議に出席し、存在感をアピールした。初めての「2位」を試練と受け止め、野党側の動きを見ながら、すかさず「決選投票実施」という次の手を打ったとみられる。選管発表の背後に同氏の意向があるのはほぼ疑いがないが、野党側はこの公式結果を覆さない限り、決選投票ボイコットでは法的には「不戦敗」となる。
 野党側はゼネスト展開で抗議。これが勢いを得てくると、憲法裁判所が4日、「大統領選挙の一部を無効とする」との決定を下した。「一部」の意味があいまいだが、野党側は「政権側が情勢不利と見て態勢立て直しのため選挙全体を無効とし、延期・再投票させる意図だ」としている。
 一方で「この地殻変動は小手先の存続策を弄(ろう)しても止められない。ルーマニアの流血革命か、チェコのビロード革命になるかの違いだ」との見方もある。国民の多くが反ミロシェビッチ票を投じたうねりを政権打倒に結び付けられれば、ゼネストでその流れは一気に加速するからだ。
 ただし、ゼネストが成功しても、政府の選挙再考への圧力となるかどうかは不透明だ。政府側は「国内を混乱に陥れた」と非難し、秩序回復名目で、軍や警察の導入、あるいは治安維持法の発動もあり得る。
■弾圧と懐柔
 投票前、野党側には「与党は不正工作を行った上で一方的に勝利を宣言し、武力弾圧で逃げ切る」との懸念があったが、少なくとも一方的宣言と武力弾圧はない。旧ユーゴ・チトー政権時代の反体制主義者、ジラス氏の子息でユーゴ情勢に詳しいアレクサ・ジラス氏は言う。「ミロシェビッチ氏はメディアを弾圧し、選挙で不正工作をするが、一方でユーゴには野党を含む複数政党制があり、政府に批判的な新聞も各地に残っている。彼は権威主義者だが、なおある種の民主的政治生活を許している」
 弾圧と懐柔。強権姿勢と柔軟性。仮にコシュトゥニツァ氏が大統領となっても、連邦議会は与党連合が握り、ミロシェビッチ氏が議会での多数を背景に何かを仕掛けてくることは十分考えられる。“不死鳥”の粘り腰はなお続きそうだ。[2000-10-05-12:45] 158
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 10/05@実力行使不調で戦術変更 延命工作で野党分断狙いも ユーゴ(共同通信)

 【ベオグラード5日共同】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領は四日、ゼネストで退陣圧力を掛ける野党陣営を「実力行使」で切り崩すことができないと判断、大統領選挙の「一部無効」という新たな手段に打って出た。
 大統領は選挙を無効とし、当初の任期切れの来年七月まで政権に居座る可能性もあり、延命工作により野党の分断を図る作戦とみられる。
 電力供給の命綱を握るコルバラ炭鉱のストに機動隊を投入したものの、排除できなかったことなどが、憲法裁判所による大統領選の「一部無効」判断の引き金になった。
 コシュトニツァ候補勝利の証拠があるとするセルビア民主野党連合は、決選投票になったとする選管発表に異議を申し立て、憲法裁の「良心的判断」を期待したが、政権側の憲法裁に対する影響を排除できず、裏目に出た形だ。
 野党連合のジンジッチ選対本部長は、大統領が最初は「勝利宣言」や「優勢」の発表をもくろんだが、自らの大敗北と分かって断念し、「野党リード」を認めたと指摘。ゼネストを受けて「非常事態宣言」も検討したが、連邦軍や警察の支持が不十分と判断して「選挙無効」に向けた選択肢を選んだとの見方を示した。(了)[2000-10-05-12:16] 159
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 10/05@◇ユーゴのゼネスト、炭坑で大きな衝突は回避◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領の退陣を求めてゼネストが続くユーゴスラビアで4日、機動隊が導入され周辺が封鎖された首都近くのコルバラ炭鉱では、夕方になって応援に駆けつけた2万人を超す市民らが小競り合いの末、封鎖線を突破した。機動隊が警棒を振るう場面もあったが、大きな衝突には発展しなかった。機動隊は現場に待機し、5日もスト中止の説得を続ける構えだ。
 ベオグラードでは、約5000人が高速道路を封鎖し、独立系ベタ通信によると、セルビア全土でこの日約20万人が政権への抗議行動に参加したという。[2000-10-05-12:07] 160
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 10/05@大統領選の一部は無効 ユーゴ憲法裁判断 政権側の時間稼ぎ(共同通信)

 【ベオグラード5日共同】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、ユーゴ連邦憲法裁判所は四日、九月二十四日実施の大統領選投票、結果発表手続きの一部を無効とする判断を下した。再選挙の実施や、政権側が主張している八日の決選投票の扱いなどについては不明で、憲法裁の判断は、野党側から退陣要求を突き付けられているミロシェビッチ大統領の時間稼ぎの可能性もある。
 同通信によると、憲法裁決定の全文は五日に発表される。
 野党側は、大統領が今回の選挙を無効とし、来年七月の当初の任期切れまで政権に居座るのではないかとみて、憲法裁の判断に反発を強めている。
 コシュトニツァ候補の当選を宣言したセルビア民主野党連合は五日午後三時(日本時間同十時)までに大統領に対し敗北を認めるよう要求、首都ベオグラードで大規模集会の開催を予定しており、憲法裁決定に憤激する野党支持者により混乱する事態も予想される。
 同連合に加わるセルビア市民同盟のスビラノビッチ党首は四日、憲法裁決定は「ミロシェビッチ氏の大統領選やり直しの試み」と述べ、来年七月までの政権延命を狙った不当な試みだと非難した。
 一方、セルビア警察が四日、大統領退陣を要求しスト中のユーゴ中部コルバラ炭鉱に介入を試みスト指導者らの逮捕に乗り出したが、労働者やこれを支援する市民の激しい抵抗に遭い、強制的なスト解散に踏み切ることなく引き揚げた。しかし同日夜再び炭鉱の主要施設を占拠したとの情報もあり、緊迫した情勢が続いている。(了)[2000-10-05-11:52] 161
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 10/05@◇ユーゴ憲法裁、大統領選の一部無効決定 決選投票白紙か◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア大統領選で、野党連合から開票結果の見直し請求を受けていたユーゴ連邦憲法裁判所は4日夜、「選挙の一部を無効とする」ことを決定した。連邦選管が発表した公式の確定票の数字を否定することになるため、8日に予定されていた決選投票は白紙となる可能性が高い。野党連合陣営は「一部の無効を理由に選挙そのものをやり直そうというつもりでは」と反発し、ミロシェビッチ政権の今後の出方を警戒している。
 決定は同夜、国営タンユグ通信が伝え、詳細は5日に発表される。
 憲法裁は事実上、ミロシェビッチ大統領の管理下にある。野党連合がよびかけたゼネストで抗議の動きが全国に広がり、ミロシェビッチ大統領に敗北を認めさせる圧力が強まる中で、決定は大方の予想を裏切る形で突然出された。不正を申し立てた野党の動きを逆手に取って時間稼ぎをねらう政権側の「奇襲戦術」という色合いが濃い。
 選挙やり直しになれば、法律上、日程を決定するのは、ミロシェビッチ与党がなお多数を占めている連邦議会の権限。日程をなるべく先送りすれば、政府系報道機関や労組など造反の動きが出始めた体制内を立て直す時間も生じるとの狙いもありそうだ。
 これに対し、野党連合のジンジッチ選挙対策本部長は4日夜、朝日新聞などに「選挙無効を宣言し、権力の座にとどまろうとする大統領による新たな不正操作の試み」と語り、大統領側を批判した。「国民の多数が大統領の退場を望んでいる事実を突きつけられ、妥協したつもりだろうが、コシュトニツァ候補は1回目で勝った。我々には妥協の余地などない。大統領がただちに負けを認めるまで抗議を続ける」と述べた。
 野党連合によるゼネストに、政権側は治安維持を名目に弾圧する姿勢を示したものの、限界がちらつき始めていた。
 こうした中で、野党連合は5日に全国各地から首都ベオグラードへ集結しての大集会を設定。同日午後3時(日本時間同日午後10時)までを期限として、ミロシェビッチ大統領に敗北を認めるよう改めて要求する「最後通告」を出すなど、抗議運動は頂点を迎えようとしている。
 憲法裁の決定は、一部とはいえ不正があったことを体制自体が認めたも同然で、思惑通りに国民の怒りをそらせるかどうか、予断を許さず、「もろ刃の剣」ともなりかねない。[2000-10-05-11:38] 162
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 10/05@セルビアの炭鉱ストで警察が主要施設を接収(読売新聞)

 【ベオグラード4日=佐々木良寿】連邦大統領選の野党勝利受け入れを迫って大規模ストが続くユーゴスラビア・セルビアのコルバラ炭鉱で、同共和国警察当局は四日夜までに、主要施設を接収した。しかし、労働者はストを継続、徹底抗戦の構えを崩していない。
 同炭鉱ではスト拠点のタムナバ採掘場で、同日午後、スト鎮圧のため投入された共和国内務省の特殊部隊約百人と労働者や支援者ら数千人がにらみ合いを続けていたが、この間、警察側は、その他の採掘場などで施設を接収。セルビア国営テレビは「生産再開の態勢が整った」などと報じた。
 政権側は、今後、コソボ自治州の炭鉱の元労働者らを動員、最低限の必要生産量を確保したい考えだが、コルバラ炭鉱労働者は、ベオグラードなどから駆けつけた市民の支援を受けて、勢いづいており、スト終息のメドは立っていない。
 同日午後、タムナバ採掘場を訪れた「民主野党連合」のコシュトゥニツァ氏は、一万人以上の労働者や支援者を前に「暴力には非暴力で、ウソには真実で応じよう」などと平和的手段による抵抗を訴えた。
 一方、同炭鉱ストに絡んで、セルビア司法相が三日発表した野党指導者二人と炭鉱労働者十一人の逮捕方針について、予備捜査を担当するベオグラード地裁の予審判事は四日、「逮捕要件が不十分」として、同司法相の要請を却下した。[2000-10-05-11:01] 163
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 10/05@ユーゴ憲法裁、大統領選の一部無効を決定(読売新聞)

 【ベオグラード4日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の連邦憲法裁判所は四日、大統領選について一部を無効とする決定を下した。ユーゴ国営タンユグ通信が伝えたもので、同憲法裁は「公開討論の結果、九月二十四日の大統領選挙の投票、集計、確定作業に関して選挙手続きの一部を無効とすることを全会一致で決定した」と発表した。野党陣営は「大統領選挙のやり直しを狙ったもの」と見て警戒を強めている。
 同憲法裁の決定は、コシュトゥニツァ候補が第一回投票で当選したとして政権側に選挙結果の受け入れを求めてきた「民主野党連合」の異議申し立てを受けたもの。「民主野党連合」側は、大統領側がコソボ自治州のアルバニア系住民票を得票の水増しに利用した疑いが濃厚として、同自治州を管轄するブラニェとプロクプリェの二選挙区について集計やり直しを求めていた。
 決定について「民主野党連合」選対本部長のジンジッチ民主党党首は「第一回投票そのものを無効にするもの。新たな選挙を二、三か月後に設定し、その間抗議行動参加者を弾圧する考えだ」と反発。勝利を宣言しているコシュトゥニツァ氏は「ミロシェビッチ(連邦大統領)は様々なごまかしで時間稼ぎをしようとしている」などと述べた。
 これに先立ち「民主野党連合」は声明を発表、大統領と連邦選管に対して、五日午後三時(日本時間同十時)を、「敗北を認め真の選挙結果を発表する最終期限」とする最後通告を突きつけた。声明は大統領側が拒否した場合の出方については言及していないが、「連合」は抗議行動をエスカレートさせるセルビア全土の支持者に対して、五日にベオグラードに集結するよう呼びかけており、「弱体化が鮮明になった」(連合)ミロシェビッチ政権を一気に退陣に追い込む構えだ。[2000-10-05-10:56] 164
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 10/05@<ユーゴ>大統領選第1回投票の一部無効との決定下す 憲法(毎日新聞)

 【ベオグラード5日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の憲法裁判所は4日夜(日本時間5日未明)、「9月24日に行われた連邦大統領選挙の手続きの一部を無効とする」との決定を下した。国営タンユグ通信が伝えた。「一部無効」が何を意味するかあいまいだが、セルビア民主野党連合は、ゼネストで危機感を抱いたミロシェビッチ大統領が政権延命に向けて態勢立て直しを図るため、先の選挙を無効とし、時間をおいて再選挙を行う狙いではないかとみて警戒している。
 同通信によると、憲法裁が一部無効と決定した手続きとは「投票過程、投票結果の確定と公表に関連するもの」。詳細な内容は5日に発表される。
 これについて野党連合の参謀、ジンジッチ民主党党首は「私が得た情報では、憲法裁は選挙そのものを取り消すようだ。政権側は新たな大統領選挙を数カ月先に再度実施する見込みで、それまでの間に今回のゼネストにかかわった人々を弾圧するだろう」と語った。
 また野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ氏も「最初はミロシェビッチ政権の譲歩かと思ったが、これは大きなワナのようだ。とても歓迎できるものではない」と述べた。
 野党連合は、9月24日の連邦大統領選ではミロシェビッチ氏とコシュトゥニツァ氏の勝敗が決まらず10月8日に決選投票を行うとした連邦選管に異議申し立てをしたが却下され、3日、改めて憲法裁に異議を申し立てた。憲法裁は4日、連邦選管と野党連合の双方を呼んで公聴会を開き、同日夜「一部無効」の決定を下した。憲法上、野党連合がこれ以上、異議を申し立てる場はない。
 野党連合は5日午後3時(日本時間同10時)を期限に、ミロシェビッチ政権と連邦選管に「コシュトゥニツァ氏当選」の受け入れを求めている。また、同時刻にベオグラードで100万人規模の大集会を予定している。[2000-10-05-10:45] 167
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 10/05@◎ミロシェビッチ大統領の運命、数日で決まる=ユーゴ野党候(時事通信)

 【ロンドン5日時事】ユーゴスラビア大統領選挙の野党候補コシュトニツァ氏は、5日付の英紙インディペンデントに掲載されたインタビューで「ミロシェビッチ大統領の政治生命は終わりに近づいている。数日以内にはっきりする」と語った。また、ゼネストについて「(スト参加者への弾圧の脅しは)ミロシェビッチ側に手だてがなくなってきた証拠だ」と強気の見通しを示した。 [時事通信社][2000-10-05-09:48] 171 [このページの最初に戻る]


 10/05@アナン国連事務総長、免責発言を否定(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】アナン国連事務総長は四日、国連のディーンストビア旧ユーゴスラビア人権問題特別調査官がミロシェビッチ・ユーゴ大統領の免責に言及したことについて、「事務総長の見解ではない」との声明を発表した。
 声明は、ユーゴ情勢打開のため大統領が退陣すれば免責もあり得るとした特別調査官の発言に驚きを表明。起訴に関する権限は旧ユーゴ国際戦犯法廷に属していることを強調した。(了)[2000-10-05-07:53] 173
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 10/05@◇ユーゴの「政府広報紙」記者60人が公正な報道求め署名◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ政権の「広報紙」とも呼ばれる日刊紙「ポリティカ」の記者約60人が、野党の動きも含めた公正な報道を編集幹部に求める署名をした。4日夕、首都で記者会見し、「記者の良心と真実に従いたい」との立場を表明した。先月の大統領選後、政府寄りの各種メディアでも記者らのゼネスト参加などが起きているが、同紙は政権にとって最も重要な媒体の一つ。今回の内部反乱は大統領の足元を揺るがすきっかけになりかねない。
 ポリティカ紙は1904年に創刊された伝統ある新聞。しかし、ミロシェビッチ大統領が政治の表舞台に出てきた13年ほど前から、政府寄りに傾いた。今では大統領の「広報紙」と化している。発行部数は約30万部。
 編集方針に不満を募らせていた記者たちが、ゼネスト入りの2日から約140人のうち約60人の署名を集めた。「違う立場の意見も載せるのが新聞の基本」と主張し、方針転換を求めている。
 北部の町ノビサドでは、政府系紙「ドネブニク」が4日、客観報道への転換を発表した。[2000-10-05-03:00] 174
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 10/05@◇ユーゴ、機動隊が炭鉱周辺封鎖 政府系労組はストに呼応◇(朝日新聞)

 野党連合によるゼネストが続くユーゴスラビアでは4日、前日に政権が出した「特別措置」警告にもかかわらず、各地に広がった抗議行動はとどまる気配を見せていない。政府系労組の全国統一組織がゼネストに呼応する方針を示し、体制内も大きく揺らぎ始めた。だが、国内最大のコルバラ炭鉱周辺に機動隊員約1000人が動員され、周辺を封鎖するなど、弾圧の動きも本格化。野党連合側には準備の遅れや混乱がみられる。抗議運動の頂点として、全国各地から首都へ集結しての大集会を設定している5日が最大の焦点になりそうだ。
 コルバラ炭鉱では4日午後、バス20台以上に乗った機動隊員が鉱山周辺に配備された。独立系ラジオ局「インデックス」によると機動隊は周辺を包囲した上で、坑内に立てこもった約1500人の労働者にストを解除して出てくるよう呼びかけ、「一定時間の猶予を与える」と通告した。
 これに対し野党連合は、強制排除阻止のため、市民に現場に集まるように呼びかけている。複数の地区で、封鎖線を張った警察隊と突破しようとした群衆が小ぜりあいを起こした模様だ。ベオグラードからは野党連合のコシュトニツァ大統領候補ら主な幹部も現場に向かった。
 一方、ミロシェビッチ政権に反旗をひるがえしゼネスト呼応に転じたのは、公営企業も含めほとんどの官公庁職場に組織を持つ政府系労組の連合体「自主管理労組連合」。3日夜までに連邦中央選管が開票見直しなどに応じない限りゼネストに参加するよう指示するバノビッチ委員長名のファクスを参加の労組に流している。
 情報筋によると、委員長は連合内部での突き上げにあってファクスに署名した後、身を隠しているという。同連合は、ミロシェビッチ支配体制を労働運動側で支えてきた最大のかなめだけに、大統領にとっては深刻な造反の動きだ。
 また4日午後、やはり政府系の電気通信・郵政労組が時限ストを打った。電話番号案内は正午すぎ、「緊急医療機関の番号以外は通知していない」とだけ繰り返した。
 野党系の情報では、警察内部でも末端では、デモ取り締まりに動員されるのを拒否する者が出ているといい、強硬策を前面に出しきれないでいる可能性もある。[2000-10-05-02:59] 9
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 10/06@◎新大統領下でのユーゴの早期民主化を期待=河野外相(時事通信)

 河野洋平外相は6日夜、ユーゴスラビア連邦でコシュトニツァ新大統領が事実上確定したことについて「新大統領の下で、安定した新しい民主主義社会を早期につくり上げ、国際社会に復帰することを期待する。民主化の大きな流れを国際社会と協力しつつ支援していく」との談話を発表した。 [時事通信社][2000-10-06-23:47] 87 [このページの最初に戻る]


 10/05@◎日本のNGOがチェチェン難民に毛布贈呈(時事通信)

 【モスクワ5日時事】日本の非政府組織(NGO)「難民を助ける会」(相馬雪香代表)は5日、モスクワにあるロシア非常事態省を訪れ、チェチェン共和国紛争により発生した大量の難民向けに毛布約1万1000枚を贈呈した。
 毛布は、東京で2月に開催された指揮者の小沢征爾氏とロシアのチェリスト、ロストロポービチ氏の慈善コンサートの収益で賄われた。日本からチェチェン難民に支援物資が届けられるのは初めてという。
 贈呈式には「助ける会」メンバーのほか、ロストロポービチ氏も同席。「わが友セイジと人道支援の仕事ができてうれしかった。みなさんには心から感謝したい」とあいさつした。 [時事通信社][2000-10-05-22:48] 107
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 10/05@衝突の傷跡、根強い不信 和平交渉見通し立たず(共同通信)

 【エルサレム5日共同】イスラエルとパレスチナ自治政府が四日、衝突終結に向け協議を行ったが、パレスチナ和平交渉の再開の見通しは暗いままだ。
 約一週間に及ぶ大規模な戦闘や衝突が両者の関係に残した傷跡は大きく、仮に衝突が終息しても根深い相互不信の解消は容易ではない。
 クリントン米大統領が二日、衝突が結果として「和平を真剣に考えるきっかけとなることを祈る」と述べた通り、両者に和平実現以外の選択肢はない。同時に交渉崩壊の場合には、制御不能な大規模な武力衝突を生むという大きな教訓を残した。
 イスラエル軍が衝突前の状態まで撤退しても、パレスチナ紛争解決の最終段階まで来ていた交渉の局面を取り戻すことは難しく、両者は「パンドラの箱」を開けてしまった。
 特に民族、宗教感情の琴線に触れるエルサレムの聖地は、扱いを間違えば衝突の発火点になる「火薬庫」であることが証明された。交渉が再開されても、妥協を模索するどころか交渉議題として扱うことさえ困難になりかねない。
 衝突が生んだ住民感情の対立も深刻。交渉で「安易な妥協」は許さない雰囲気が強まり、合意をいっそう困難にしたことは確実だ。(了)[2000-10-05-16:30] 114
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 10/05@◇イスラエル、協議継続拒否の声明 駆け引き続く◇(朝日新聞)

 パレスチナ自治区で続いているパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突事件収拾に向け、バラク・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長、オルブライト米国務長官との間でパリで4日に開かれた3者会談で、イスラエル当局は、イスラエル治安部隊の撤退など「武力行使の停止」で合意した、と発表した。5日にエジプトで開く首脳会談で合意文書に正式に調印する運びだったが、その後一転して、「アラファト議長が調印を拒んでいる。バラク首相はエジプトには行かない」と、協議継続を拒否する声明を出した。9月末からの1週間で70人近い死者を出し1996年の騒乱後最悪の事態となった今回の衝突事件をめぐり、緊迫した駆け引きが続いている。
 イスラエル側の発表では、合意した内容は、衝突前の地点までのイスラエル治安部隊の撤退▽衝突の激しいヨルダン川西岸のナブルスなど3地区でのパレスチナ人によるデモの禁止▽イスラエル、パレスチナの治安責任者と米中央情報局(CIA)による状況調査――の3点だった。
 会談を終えた3者はフランス大統領府で、待機していたシラク大統領、アナン国連事務総長に協議内容をいったん報告した。5日のエジプトでの会談にはバラク首相、アラファト議長のほか、オルブライト長官も同席するとされた。だがイスラエル当局によると、「アラファト議長が調印しない見通しの会議に出席するのは意味がない」と、首相はパリから帰国の途についた。
 アラファト議長は3者会談に入る前提条件として、衝突原因を究明する国際調査委員会の設置を強く求めていたが、4日の合意には盛り込まれなかった。会談終了後、イスラエル側が早々と「合意した」と発表したのに対して、パレスチナ側は「会談は決裂したが、5日にエジプトで続けられる」と発言するなど、双方の食い違いが表面化しており、同委員会設置が協議難航の主因の模様だ。
 5日未明に記者会見したシラク大統領は「合意は平静な状態に戻る重要な一歩だ。今回のパリ会談での建設的な精神をエジプトでの協議でも維持することを望む」と述べていた。
 今回の3者会談を実現するため、4日朝から、オルブライト長官やシラク仏大統領が約10時間にわたり個別に両首脳と協議した。会談の前提条件をめぐって交渉は難航したが、4日夕方からパリの米大使公邸で3者会談が始まり、5時間余り続いた。
 関係者によると、会談の途中、シラク大統領が電話で両首脳に合意を促す説得をしたほか、アラファト議長がいったんは「屈辱に耐えられない」と、席を立とうとする場面もあったという。[2000-10-05-13:57] 115
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 10/05@パレスチナ紛争、衝突集結で基本合意(読売新聞)

 【パリ5日=池村俊郎】中東パレスチナ自治区で続いているイスラエル軍とパレスチナ住民の衝突を巡り、パリで行われていた米国、イスラエル、パレスチナ自治政府による首脳級三者会談は四日、パレスチナ自治区の三主要都市での抗議デモの中止やイスラエル軍の撤退などを含む衝突終結に向けた基本合意に達した。五日、交渉の場をエジプトに移し、合意の文書化に向けて最終的な詰めを行う予定だったが、バラク・イスラエル首相だけはエジプトに向かわず帰国の途に就いており、最終合意が達成されるかどうか流動的な状況になった。米政府高官は基本合意の不安定さを指摘して楽観論を戒めている。
 四日夕、パリの駐仏米大使公邸で始まったオルブライト米国務長官とバラク・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長による三者会談は、厳しい空気の中で同日深夜まで続いた。
 イスラエル外交筋によると、衝突終結に向けた合意は、<1>パレスチナ側がラマラなど自治区の三主要都市周辺で抗議デモを停止する<2>イスラエル軍が衝突発生前の地点まで撤退し、発砲規定をより厳しく順守する<3>イスラエル、パレスチナ、米中央情報局(CIA)による騒乱原因の調査実施――という内容。
 また、四日深夜から五日未明にかけ、仏大統領府に会談の場所を移し、三当事者に加えてシラク仏大統領、アナン国連事務総長の五者で合意内容の最終確認を行った。シラク大統領は「パリ会談で事態の鎮静化へ向けて重要な一歩が記された」と述べたが、基本合意の中身は明らかにしなかった。米政府高官は「現時点で最終的な合意に至ったとは言えない」と述べ、慎重な見方を示した。
 アラファト議長は五日、エジプトの保養地シャルム・エル・シェイクで開く協議で合意内容を詰めるためパリを出発、現地へ向かった。オルブライト米国務長官も同日、ムバラク・エジプト大統領に説明のため現地へ向かう予定。バラク首相だけが帰国の途に着いたことについて、イスラエル政府高官は「アラファト(議長)が(合意文書の)調印を拒否しているからだ」と理由を説明した。
 パレスチナ側が求めていた今回の騒乱原因を究明する国際調査委員会の設置問題では、米側は国際調査委に代わってイスラエル、パレスチナ双方が独自に原因調査を行い、これに米CIAが加わり調査結果に客観的判断を加える妥協案を提示した。しかし、パレスチナ側は調査委設置が合意に盛り込まれなかったことに強い不満を表明している。
 三者会談の最中に、アラファト議長が内容を不満として退席を宣言、オルブライト長官が議長の車の発進を阻止させて押しとどめる場面があったほど、際どい折衝となった。[2000-10-05-13:30] 137
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 10/05@アナン国連事務総長、免責発言を否定(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】アナン国連事務総長は四日、国連のディーンストビア旧ユーゴスラビア人権問題特別調査官がミロシェビッチ・ユーゴ大統領の免責に言及したことについて、「事務総長の見解ではない」との声明を発表した。
 声明は、ユーゴ情勢打開のため大統領が退陣すれば免責もあり得るとした特別調査官の発言に驚きを表明。起訴に関する権限は旧ユーゴ国際戦犯法廷に属していることを強調した。(了)[2000-10-05-07:53]


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