最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(09/28, 2000)


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 09/25@1カ月以内に退陣も ミロシェビッチ大統領(共同通信)
 09/25@<ユーゴ>大統領陣営による開票の不正操作を強く警告 欧米(毎日新聞)
 09/25@<ユーゴ>大統領・議会選挙 ミロシェビッチ氏は苦戦の模様(毎日新聞)
 09/25@「ユーゴ大統領は敗北」 国際圧力一段と EUなど相次ぎ声(共同通信)
 09/25@<社説>ユーゴ選挙 判断問われた国民の選択(毎日新聞)
 09/25@ユーゴ大統領選、野党が勝利宣言(読売新聞)
 09/25@◇ユーゴ大統領選、開票始まる 野党は独自集計で勝利宣言◇(朝日新聞)
 09/25@<ユーゴ>大統領選 開票始まる 与野党それぞれ優勢発表=(毎日新聞)
 09/25@与野党共に「優勢」と発表 政権の不正に批判 ユーゴ大統領(共同通信)
 09/25@<ユーゴ>大統領選 与野党双方が祝勝集会 結果予断許さず(毎日新聞)
 09/25@<ユーゴ>大統領選 棄権呼びかけでモンテネグロは低投票率(毎日新聞)
 09/25@◎国営通信も野党候補リードを報道=ユーゴ大統領選(時事通信)
 09/25@◎中央選管、集計作業を中止=与党が指示−ユーゴ大統領選(時事通信)
 09/25@野党陣営「勝利」の大合唱 ユーゴスラビア連邦大統領選(共同通信)
 09/25@不正なら制裁強化と伊 ユーゴスラビア大統領選(共同通信)
 09/25@「政治ゲーム」と強調 モンテネグロ共和国大統領補佐官(共同通信)
 09/25@◇シリアが新型ミサイル発射実験に成功、イスラエルは懸念◇(朝日新聞)
 09/25@イスラエル・パレスチナ両首脳が2か月ぶり再会談へ(読売新聞)
 09/25@◇バラク首相とアラファト議長、25日夜にも首脳会談◇(朝日新聞)
 09/25@<フランス>大統領任期短縮問う国民投票 賛成73%で可決(毎日新聞)
 09/26@<ユーゴ>大統領選で評価する声明を発表 ロシア外務省(毎日新聞)
 09/26@ユーゴ大統領武力で政権維持なら軍事力行使も(読売新聞)
 09/26@ユーゴ大統領選、沈黙の選管に野党が対決姿勢(読売新聞)
 09/26@◎ユーゴ制裁の早期解除を=EU各国に呼び掛け−仏(時事通信)
 09/26@<EU>ユーゴ制裁解除を加盟国に要請 議長国フランス(毎日新聞)
 09/26@◎すべての政治勢力は対立回避を=ユーゴ大統領選でロシア外(時事通信)
 09/26@<ユーゴ>連邦大統領選挙で勝利宣言 セルビア民主野党連合(毎日新聞)
 09/26@<ユーゴ>セルビアの地方自治体選敗北を認める 与党・社会(毎日新聞)
 09/26@<ユーゴ>党首辞任を表明 セルビア再生運動と急進党(毎日新聞)
 09/26@ミロシェビッチ氏に警告 英国のクック外相(共同通信)
 09/26@軍や警察に離反促す 選管発表前にユーゴ野党(共同通信)
 09/26@「3国訪問友好の糧に」 紀宮さまが記者会見(共同通信)
 09/26@◇敗北受け入れを呼びかけ ユーゴ大統領選で米が現政権に◇(朝日新聞)
 09/26@◇ユーゴ大統領選、野党連合が「勝利」の5万人集会◇(朝日新聞)
 09/26@◎カラジッチ被告に45億ドルの賠償命令=ボスニア内戦めぐ(時事通信)
 09/26@大統領選の公正さに懸念 河野洋平外相(共同通信)
 09/26@<ユーゴ大統領選>米政府は野党勝利が明白になったとの見解(毎日新聞)
 09/26@ユーゴ選挙、集計発表期限過ぎても選管沈黙(読売新聞)
 09/26@<ユーゴ大統領選>連邦選管の公式発表がなく、野党らが反発(毎日新聞)
 09/26@<ユーゴ大統領選>野党が4万人参加の祝勝集会(毎日新聞)
 09/26@ユーゴの民主化支援に5億ドル 米下院(共同通信)
 09/26@動き取れない米国 与党勝利なら選挙結果拒否(共同通信)
 09/26@◎強引な決選投票実施を警戒=野党連合首脳−ユーゴ大統領選(時事通信)
 09/26@27日に独自の結果発表も ユーゴ大統領選で野党側(共同通信)
 09/26@◎ユーゴ国民は現政権を拒否=カナダ外相 (時事通信)
 09/26@◎民主政府の発足を期待=国連事務総長(時事通信)
 09/26@◇予想外の敗北に打撃 モンテネグロのユーゴ連邦維持派◇(朝日新聞)
 09/26@ユーゴ大統領選、野党候補が「勝利」受け入れ迫る(読売新聞)
 09/26@<ユーゴ>大統領の陣営が大統領の優勢を改めて主張=替(毎日新聞)
 09/26@◇西側諸国、続々と「野党の勝利」声明 ユーゴ大統領選◇(朝日新聞)
 09/26@◇「ユーゴで重大な違反なし」 ロシア外相、米欧とは一線◇(朝日新聞)
 09/26@◇ユーゴ政府、大統領選「劣勢」に対応協議か◇(朝日新聞)
 09/26@<ユーゴ>露、独大統領会談 有権者は民主的な道選ぶと意見(毎日新聞)
 09/26@国連改革など討議 大阪のフォーラムで元独大統領ら(共同通信)
 09/26@◎国連軍との交戦で民兵1人死亡=東ティモール(時事通信)
 09/26@新疆で独立派のテロ散発 車両爆発は事故と主席(共同通信)
 09/26@ロシアがイラクに急接近 制裁解除にらみ先手(共同通信)
 09/26@◇アムネスティ日本支部に社団法人格 外務・法務が認可◇(朝日新聞)
 09/26@◇合意への努力確認 バラク、アラファト会談◇(朝日新聞)
 09/27@◎ユーゴ大統領、モンテネグロでは圧勝=選管が初の開票結果(時事通信)
 09/27@◎ミロシェビッチ大統領の退陣要求=英首相(時事通信)
 09/27@河野外相「ユーゴ国民の野党支持に注目」 (読売新聞)
 09/27@◇ユーゴ選挙―野党勢力は結集を◇(朝日新聞)
 09/27@<ひと>高橋博史さん(毎日新聞)
 09/27@◇安保理決議の履行は土地交換でも可能 パレスチナ高官◇(朝日新聞)
 09/27@<イラク>サウジとクウェートを非難 フセイン大統領(毎日新聞)
 09/27@◎ユーゴ選管に信頼性ない=米大統領(時事通信)
 09/27@モンテネグロ首相、ユーゴ選管発表の受け入れ拒否(読売新聞)
 09/27@ユーゴ決選投票めぐり、抗議集会で首都緊迫(読売新聞)
 09/27@<ユーゴ政局>「政治不安定を許してはならない」と露外相(毎日新聞)
 09/27@◎選管集計の検証を門前払い=ユーゴ(時事通信)
 09/27@◎ユーゴ当局の不正操作に警告=仏大統領 (時事通信)
 09/27@◎決選投票必要ない=英外相(時事通信)
 09/27@◎ユーゴ情勢、重要局面に=河野外相と電話会談−EU上級代(時事通信)
 09/27@◎ユーゴ国民への内外の圧力に反対=ロシア外相(時事通信)
 09/27@<ユーゴ政局>野党がベオグラードの「勝利」集会に参加呼び(毎日新聞)
 09/27@欧米、苦しい立場に 手詰まりの対ユーゴ政策(共同通信)
 09/27@◇ユーゴ大統領選、決選投票に 選管が発表、野党は拒否◇(朝日新聞)
 09/27@野党連合の集会前に緊張 ユーゴ大統領は分裂誘う(共同通信)
 09/27@決選投票で不測の事態懸念 モンテネグロが警戒強める(共同通信)
 09/27@◇「ユーゴ政権は正統性失った」 大統領選で米大統領◇(朝日新聞)
 09/27@米大統領「ミロシェビッチ政権、正統性ない」(読売新聞)
 09/27@<ユーゴ大統領選>過半数に達せず決選投票実施へ 連邦選管(毎日新聞)
 09/27@<ユーゴ大統領選>米大統領、ミロシェビッチ大統領の退陣促(毎日新聞)
 09/27@<ユーゴ大統領選>決選投票に野党が猛反発、際どい駆け引き(毎日新聞)
 09/27@<ユーゴ大統領選>英首相がミロシェビッチ大統領退陣を要求(毎日新聞)
 09/27@ユーゴ大統領選「決選投票」発表 野党は拒否(読売新聞)
 09/27@<モンテネグロ>決選投票決定に失望する首都ポドゴリッツア(毎日新聞)
 09/27@米、暫定開票結果を批判 ユーゴ大統領選 (共同通信)
 09/27@決選投票拒否を野党に訴え モンテネグロ指導部(共同通信)
 09/27@2候補で決選投票か 選管暫定集計、野党反発 ユーゴ大統領(共同通信)
 09/27@決選投票は拒否と野党 ユーゴ大統領選(共同通信)
 09/27@時間稼ぎの窮余の策か 連立与党に深刻な亀裂 ユーゴ大統領(共同通信)
 09/27@<仏ビデオ>裏金づくりの実態暴露 ストロスカーン元蔵相が(毎日新聞)
 09/27@出口見えぬチェチェン紛争 ロ軍本格進攻から1年(共同通信)
 09/27@<中東和平協議>パレスチナ国際協力相が見通し語る(毎日新聞)
 09/27@超党派外交ができたなら… 米国務長官、最後の恨み言(共同通信)
 09/27@ファンの心つかんだ17歳 3決で敗れたテニスのドキッチ(共同通信)
 09/27@04年聖火は5大陸をリレー ギリシャ外相が会見(共同通信)
 09/28@◎ユーゴ与党、連邦議会選の勝利を宣言(時事通信)
 09/28@◎連立参加の急進党党首、大統領退陣を要求=ユーゴ(時事通信)
 09/28@<ユーゴ大統領選>進む「ミロシェビッチ離れ」(毎日新聞)
 09/28@<モンテネグロ>セルビア民主野党連合と連邦制で非公式協議(毎日新聞)
 09/28@ユーゴ野党が一段と硬化、ゼネストも辞さず(読売新聞)
 09/28@◎ミロシェビッチ氏のロシア逃亡説広まる=ユーゴ首都住民の(時事通信)
 09/28@◎野党側、ゼネストも辞さず=宗教界もミロシェビッチ大統領(時事通信)
 09/28@野党と政権の対決鮮明に 大統領周辺に動揺か ユーゴスラビ(共同通信)
 09/28@モンテネグロでも動揺 大統領派の共和国野党(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 09/25@1カ月以内に退陣も ミロシェビッチ大統領(共同通信)

 【ポドゴリツァ(ユーゴスラビア)25日ロイター=共同】ユーゴスラビア連邦からの離脱志向を強めているモンテネグロ共和国のブルザン副首相は二十五日、ミロシェビッチ大統領が一カ月以内に権力の座を追われるとの見方を示した。
 副首相は、二十四日の連邦大統領選挙で、野党連合のコシュトニツァ候補がミロシェビッチ大統領に完勝したと指摘し「ミロシェビッチの速やかな退陣を期待する」と述べた。(了)[2000-09-25-19:52] 87
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 09/25@<ユーゴ>大統領陣営による開票の不正操作を強く警告 欧米(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)大統領選挙の開票状況は依然、混とんとしているが、欧米諸国はミロシェビッチ大統領陣営による開票の不正操作を強く警告、また米国は25日からアドリア海で揚陸強襲演習を開始するなど最大限の心理的圧力をかけている。欧米諸国には、同政権が勝利宣言して、勝利を既成事実化するのではないかとの疑念が強まっている。
 【シカゴ25日布施広】ユーゴスラビア連邦大統領選について、米国務省のバウチャー報道官は24日、「数々の不規則な点が見られる」「世界は選挙結果とユーゴ当局の対応を注意深く見守っている」とミロシェビッチ政権を強くけん制した。
 また米国家安全保障会議(NSC)のクローリー報道官は、ミロシェビッチ政権が選挙の国際監視を許さず、警察隊配備などで有権者を威かくした疑いがあるとして「我々はこのプロセス(選挙)に重大な疑問を持っている」と語った。米国が早々と不正選挙の疑いを表明したことは、政権側が勝利宣言することを見越したものとの見方が強い。
 北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆を主導した米国は、ミロシェビッチ政権が倒れるどころか、ユーゴ連邦の一部を成すモンテネグロ共和国の親米政権を脅かし、崩壊に導くことを警戒している。
 国防総省によると、米軍は25日から約200人の海兵隊員を動員、クロアチア沖で合同揚陸強襲演習を行う。以前から予定されていた演習とはいえ、選挙にタイミングを合わせた演習は、ミロシェビッチ政権に軍事的圧力をかけるためとみられている。
 【ロンドン25日岸本卓也】ユーゴスラビア連邦大統領選挙の結果について、欧州諸国など55カ国で構成する欧州安保協力機構(OSCE)議長国オーストリアのフェレロワルトナー外相は25日、声明の中で「把握できた信頼できる情報はすべてコシュトゥニツァ氏の勝利を示し、ミロシェビッチ大統領支持派の勝利宣言は信用できない」と述べた。同外相は「選挙は妨害行為などで民主的とは言えなかったが、セルビア国民の変革を求める意志が障害を克服した」と指摘した。
 また、クック英外相は25日の記者会見で「ミロシェビッチ大統領は負けた」と断言し、大統領に対するメッセージとして「国民に対して正直になれ。もう辞めなさい。セルビアの国を幽閉状態から解放しなさい」と述べた。しかし、同外相は「大統領を支援する軍部が開票結果を改ざんする恐れがある」と今後の情勢を懸念した。[2000-09-25-19:45] 88
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 09/25@<ユーゴ>大統領・議会選挙 ミロシェビッチ氏は苦戦の模様(毎日新聞)

 【ベオグラード25日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領・議会選挙は24日夜、投票が締め切られ、開票に入った。事実上の一騎打ちとなった大統領選は、中央選管の公式発表がないまま、再選を狙う現職のミロシェビッチ大統領(59)の与党・社会党が優勢を主張、セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が勝利を予測し対決姿勢を強めている。政権寄りの国営タンユグ通信が25日未明、コシュトゥニツァ氏の優勢を伝えており、ミロシェビッチ氏は苦戦の模様だ。 
 社会党は25日未明、開票率約20%の段階では、ミロシェビッチ氏が得票率44%と、コシュトゥニツァ氏の41%を上回っていると発表した。だが、選挙前まで連立与党を構成していた急進党の独自集計としてタンユグ通信が報じたところでは、開票率約10%でコシュトゥニツァ氏が得票率47%を記録、43%のミロシェビッチ氏をリードしている。
 野党集計によると、コシュトゥニツァ氏は開票率51%で得票率53%を記録、36%のミロシェビッチ氏を大きく引き離している。コシュトゥニツァ氏は25日未明、「第1回投票での勝利は確実だ。自由の夜明けだ」と地滑り的勝利を予測した。欧州諸国は25日、ミロシェビッチ氏陣営の優勢声明には根拠がないとして、コシュトゥニツァ氏の勝利を主張している。
 野党集計の投票率は約74%、投票総数は約450万票の見通し。[2000-09-25-19:40] 89
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 09/25@「ユーゴ大統領は敗北」 国際圧力一段と EUなど相次ぎ声(共同通信)

 【パリ25日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙を受けて、欧州連合(EU)が二十五日、ミロシェビッチ大統領(59)の敗北を指摘する声明を発表するなど、野党候補勝利とする国際世論が高まってきた。欧米諸国は二十四日の開票開始直後は選挙結果の評価に慎重だった。大統領への国際圧力は一層強まりそうだ。
 EU議長国フランスのベドリヌ外相は「ミロシェビッチ大統領が勝利宣言するとしても、それが虚偽の宣言であることは明らかだ」とのEU声明を発表した。
 同外相は開票が始まった二十四日夜からEU加盟各国外相と電話で、選挙に対するEUとしての評価を検討した。クック英外相も二十五日、ミロシェビッチ大統領が大敗したとの認識を示した。
 欧州安保協力機構(OSCE)議長国オーストリアのフェレロワルトナー外相も同日、野党連合のコシュトニツァ候補(56)の優勢は明らかだと指摘した。
 連邦選挙管理委員会は開票結果を正式発表していないが、事実上の一騎打ちとなっているミロシェビッチ大統領とコシュトニツァ候補の両陣営は開票開始後、共に「優勢」と発表。野党側は政権側による票の不正操作などを指摘していた。
 米国務省のバウチャー報道官も二十四日、「投開票の不正について信頼できる報告がある。ベオグラードの政府の対応を世界が注視している」などとユーゴ政府に警告を発していた。(了)[2000-09-25-18:58] 90
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 09/25@<社説>ユーゴ選挙 判断問われた国民の選択(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦の将来を占う大統領選が24日行われ、再選を狙うミロシェビッチ現大統領(59)と野党連合候補のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が激しいつばぜりあいを演じた。
 ユーゴスラビアは、1990年代に起きた旧ユーゴスラビア解体を経て、10年越しの民族紛争と対立にさいなまれてきた。全欧安保協力機構(OSCE)の資格停止や昨年のコソボ空爆後も欧州連合(EU)などの経済制裁が続く中で、欧州統合からも締め出され、国際的孤立が深まっている。
 今回の大統領選は、7月の憲法改正によって初めて直接投票で争われたが、重要性はそれだけではない。「セルビア民族の団結」(大統領)と、「国際社会との協調」(コシュトゥニツァ候補)という二つの未来が正面から対立し、「孤立か、欧州復帰か」をめぐる21世紀の国家と民族の道がかかっていたからだ。
 開票の結果、いずれも過半数を制さない場合は10月8日までに上位二者の決選投票が行われる。私たちは両者が掲げる未来を国民が真剣にみつめ、公正かつ民意を正しく反映した選挙結果を期待したい。
 ミロシェビッチ大統領は90年にセルビア共和国大統領に当選後、「大セルビア主義」を掲げ、一貫して強引な民族主義政策を主導してきた。「民族と宗教のルツボ」と呼ばれたバルカン地域で、セルビア民族の繁栄と版図拡大は民族の歴史的悲願であり、同情すべき面もあった。
 しかし、法と民主主義の手続きを守らず、人権や人道を無視した民族浄化政策や流血をいとわない武力行使によって、非セルビア人の反発と流血の拡大をもたらした責任は否定も正当化もできない。スロベニア、クロアチアの分離独立(91年)、ボスニア・ヘルツェゴビナ独立と内戦(92〜95年)と昨年のコソボ空爆がそれを示している。大統領本人も戦争責任を問われ、旧ユーゴ国際戦犯法定に起訴されている。
 大統領は憲法改正によって再選に道を開き、直接選挙で国民の信任を得ようとしたが、それは国際社会から引き続き孤立する道を意味した。穏健な民族主義者とされるコストゥニツァ候補は、欧米の内政干渉には強く反対しつつも「国家再建に国際社会と協調が必要で、ユーゴの未来は孤立でなく、欧州(への復帰)にある」と主張している。
 今回の選挙では、OSCEが提案した国際選挙監視団が連邦当局に拒否され、与党に
有利な「密室選挙」の色彩が強かったと指摘された。欧米との協調を志向するモンテネグロ共和国は「憲法改正と選挙は無効」として投票をボイコットした。空爆後の混乱が続くコソボ自治州でも、アルバニア系住民が投票を拒否し、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は選挙管理を放棄した。このため、野党側は推定60万〜80万人分のアルバニア系有権者の票が不正にミロシェビッチ票に算入される懸念を表明していた。
 米・EU諸国は、ミロシェビッチ大統領が退陣すれば対ユーゴ制裁を解除し、本格的な経済再建支援に乗り出す方針を示している。過去を正しくみつめ直し、広く国際社会が納得できる結果を示すことができなければ、ユーゴが「世界の孤児」から脱却する道はない。それを決めるのはユーゴ国民自身である。[2000-09-25-18:30] 92
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 09/25@ユーゴ大統領選、野党が勝利宣言(読売新聞)

 【ベオグラード25日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)で二十四日行われた連邦大統領、同議会選の投票は同日午後八時(日本時間二十五日午前三時)に締め切られ、即日開票に入った。ミロシェビッチ大統領(59)と「民主野党連合」のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)による事実上の一騎打ちとなった大統領選では、両陣営が自候補の優勢を伝える独自の途中集計を発表している。
 「民主野党連合」の集計によると、開票率45%で、コシュトゥニツァ氏が57%で、ミロシェビッチ大統領の33%に大きく差をつけている。コシュトゥニツァ氏は二十五日未明、記者団に対し「われわれの集計によると一回目投票の勝利は確実となった。セルビアの夜明けは近い」と語った。大統領選は過半数を獲得する候補がいない場合、上位二候補による決選投票となる。「連合」を構成する十八政党党首らも同日未明の会見で「大統領選、議会の両方で全面的な勝利を収めた」と勝利宣言を行った。
 これに対し、連邦副首相で社会党スポークスマンのシャイノビッチ氏は、約百万票の開票結果として、ミロシェビッチ大統領44%、コシュトゥニツァ氏41%で、大統領優勢と発表した。
 一方、国営タンユグ通信は二十五日、連立与党である急進党の集計として、コシュトゥニツァ氏が得票率49・55%で大統領を9ポイントリードしていると報じた。同通信は、政府の広報機関といわれているだけに、この報道はコシュトゥニツァ氏優勢を裏付けるものとして注目される。連邦選管は同日午後にも一回目の途中集計を公表するとみられる。
 また、ベオグラード中心部では、投票終了後からセルビア国営テレビ主催によるミロシェビッチ派のコンサートが開かれる一方で、約百メートルを隔てたテラジエ広場には「連合」支持者が集結し独自集計の発表を待った。しかし、ミロシェビッチ派のコンサートに参加したのは二百人前後。これに対して、「連合」支持者は数千人に膨れ上がり、両派の衝突を避けるため出動した治安部隊と「連合」支持者がにらみ合う緊迫した場面もあったが、大きな衝突などはなかった。[2000-09-25-14:24] 93
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 09/25@◇ユーゴ大統領選、開票始まる 野党は独自集計で勝利宣言◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領が再選するか、民主化を掲げる野党連合のコシュトニツァ候補が政権交代を果たすか注目されるユーゴスラビア連邦大統領選は24日午後8時(日本時間25日午前3時)投票が締め切られ、開票が始まった。野党連合陣営は25日未明、独自集計に基づき勝利宣言を出し、支持者が街頭で気勢を上げる動きも始まった。だが投開票を不正操作した疑いが持たれる与党側も自陣営の「優勢」を発表し、両派の緊張が高まってきた。
 25日午前3時(日本時間同日午前10時)まで、公式の開票結果は一切明らかになっていない。
 だが野党連合のジンジッチ選挙対策本部長は25日午前3時すぎに、「これまでの開票でコシュトニツァ候補が約57%、ミロシェビッチ大統領は約33%」との独自集計の数字を発表し、勝利を宣言した。コシュトニツァ候補は25日早朝、「我々の陣営で集めた数字からみて、私が第1回投票で勝ったのは明らかだ」と宣言。「ミロシェビッチ大統領は決選投票に持ち込もうとしているようだが、それだけでも、ミロシェビッチ独裁体制が崩れたという意味だ」と述べた。
 ただし、中立政党の集計では、コシュトニツァ候補は優勢とはいえ、最終得票率は50%前後の見通しで、「勝利」は微妙な情勢だ。
 一方、与党陣営のシャイノビッチ・セルビア共和国副大統領は25日午前3時半過ぎ、独自に集計した約94万票の開票結果として、「ミロシェビッチ大統領が約44%で、コシュトニツァ候補の約41%をリードしている」と発表。「大統領が第1回投票で勝利できる可能性はなお残っている」と述べた。
 大統領選挙の有権者数は約786万人。形式的には連邦中央選管が主管しているが、投票率も明らかにされていない。野党陣営の投票率見積もりは約75%。与党筋は70%程度と予想する。
 ただし、野党陣営や欧米は、投票が公正に行われたかは疑問とし、開票の透明性への懸念も強めている。セルビアと連邦を組むモンテネグロ共和国では、独自の親欧米路線を取るジュカノビッチ政権が選挙のボイコットを呼びかけた。だが、親セルビア派が独自に選挙を運営し、不在者投票数が不自然に多いなど不正の疑いが濃くなっている。
 ミロシェビッチ大統領は昨年のコソボ自治州紛争で北大西洋条約
機構(NATO)の空爆を受けた後もなお、野党系メディアの制限などによる専制政治を続けていたが、今年7月に憲法を改正して、直接選挙を導入、再選に道を開いた。
 だが、野党はこれまで無名だったコシュトニツァ候補の下に結集。同大統領への不満を吸収する形で人気を集めることに成功し、選挙戦終盤で優勢を伝えられていた。[2000-09-25-14:15] 94
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 09/25@<ユーゴ>大統領選 開票始まる 与野党それぞれ優勢発表=(毎日新聞)

 【ベオグラード25日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領・議会選挙は24日夜、投票が締め切られ、開票に入った。事実上の一騎打ちとなった大統領選は、中央選管の公式発表がないまま、再選を狙う現職のミロシェビッチ大統領(59)の与党・社会党と、セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)の陣営がそれぞれ優勢を発表している。しかし政権寄りの国営タンユグ通信が25日未明、コシュトゥニツァ氏優勢を伝えており、ミロシェビッチ氏は苦戦を強いられている模様だ。
 与党側は中間集計の段階でミロシェビッチ氏が得票率44%と、コシュトゥニツァ氏の41%を上回っていると発表した。だが、選挙前まで連立与党を構成していた急進党の独自集計としてタンユグ通信が報じたところでは、開票率10%でコシュトゥニツァ氏が得票率47%で、43%のミロシェビッチ氏をリードしている。
 コシュトゥニツァ氏は25日未明、自らが投票総数の54%を獲得、ミロシェビッチ氏の32%を大きくリードしている、と述べ、「我々のデータによれば、第1回投票での勝利は確実だ」と地滑り的勝利を予測した。非公式集計によると、投票率は74%前後、総投票数は450万票前後になる見通し。
 野党側によると、コシュトゥニツァ氏は首都ベオグラード周辺の都市部で55〜65%の高得票率を記録、優位に立っている。しかし、モンテネグロ共和国やコソボ自治州では与党の高得票が予想されるため、得票が過半数に達せず、10月8日に予定される決選投票に持ち込まれる可能性も残っている。
 中央選管の集計作業は与野党間の意見対立で25日午前3時(日本時間同10時)に一時中断され、午前8時から再開される見通し。[2000-09-25-13:10] 95
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 09/25@与野党共に「優勢」と発表 政権の不正に批判 ユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード25日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙の投票が二十四日夜(日本時間二十五日未明)終了し、即日開票に入った。連邦選挙管理委員会による開票結果の発表がないまま、ミロシェビッチ大統領(59)と、セルビア民主野党連合のコシュトニツァ候補(56)の両陣営がそれぞれ「優勢」を発表した。
 事前の世論調査では、コシュトニツァ候補が大きくリードしており、野党側が「票の不正操作」への批判を一段と強めるのは必至。
 コシュトニツァ候補は二十五日、開票率一四・六%の段階で同候補が約五四%、大統領が約三三%を得票したとし、「(決選投票に持ち込まれず)第一回投票での勝利を確信している」と述べた。
 非政府組織(NGO)の自由選挙民主主義センターも独自集計として、コシュトニツァ候補が「二対一」の得票率でリードしていると発表。連立与党の一角であるセルビア急進党の報道担当者も「コシュトニツァ候補が勝利する勢いだ」と述べた。
 これに対し、与党・社会党は二千四百七十八投票所の集計結果として、大統領が四四%、コシュトニツァ候補が四一%だとしている。
 野党連合によると、コソボ自治州を除くセルビア共和国での投票率は約七八%。連邦からの離脱志向を強めるモンテネグロ共和国では約二四%だった。
 投票終了後、与野党が数都市で同時に集会を開催したが、大きな混乱の情報はない。
 野党連合が一万人規模の集会を予定した首都ベオグラードの共和国広場では、集会を妨害するためとみられる国営テレビ主催のコンサートが始まり、野党連合は集会を同広場の近くの大通りに変更。広場と大通りの間には、ガスマスクをして催涙弾を手にした約百人の機動隊が配備され、一時、野党支持者とにらみ合うなど、緊張が続いた。(了)[2000-09-25-12:52] 103
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 09/25@<ユーゴ>大統領選 与野党双方が祝勝集会 結果予断許さず(毎日新聞)

 【ベオグラード25日福井聡】ユーゴスラビア連邦大統領選挙の投票は24日夜(日本時間25日未明)締め切られたが、野党側の予想に反してミロシェビッチ大統領の陣営は一方的な「勝利宣言」をしていない。同夜、首都ベオグラード中心街では与党側と野党側双方が支持者を集めて祝勝集会を開いた。与党側の不正操作が懸念される開票の行方については予断を許さないが、野党連合のコシュトゥニツァ候補の優勢が確実になれば、焦点は過半数獲得の成否になる。
 世論調査によると、決選投票に持ち込まれた場合、コシュトゥニツァ氏が一層有利との見通しで、与党側は第1回投票で一方的に決着をつけると懸念されていた。しかし、与党側は票差がかなり開いていることを確認している様子で、野党連合のジンジッチ民主党党首は「決選投票に持ち込むための票操作を画策する可能性がある」とみている。
 与党側の集会場所は同市中心の共和国広場で、特設ステージで民族音楽などを演奏し、参加者約300人が与党勝利を祝った。これに対し、野党側は同広場から西に100メートルしか離れていないテラジエ広場に約5000人が集まり、広場に面したビル3階の野党・民主党本部から流される開票状況や音楽を聞き入った。野党支持者の群衆からは「勝利、勝利」の大合唱で沸き上がった。
 双方の中間には警官隊が非常線を張り、衝突を避ける形となっている。また、私服警官が周辺に配備され、一時緊迫した雰囲気になった。
 野党側は投票直前まで、「開票直後には共和国広場に集結し、与党側が一方的勝利宣言を強要しないよう民主的に圧力をかける」と呼びかけていた。しかし、投票日の24日になって与党・社会党が突然、共和国広場での祝勝会開催を決定したため、「同じ時刻に同じ場所で集会を開けば混乱を招く」として、別の広場に移した。集会はそれぞれ平穏に終わった。しかし、野党側参加者は「双方が勝利宣言した後、必ず緊迫した事態になる」との懸念を話していた。[2000-09-25-11:00] 104
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 09/25@<ユーゴ>大統領選 棄権呼びかけでモンテネグロは低投票率(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)25日福原直樹】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国(有権者約44万人)では、連邦離脱派のジュカノビッチ大統領が投票棄権を呼びかけたため、投票率はセルビア共和国に比べかなり低くなった。野党連合の最終集計によるとミロシェビッチ連邦大統領が得票数の9割を獲得。最終投票率については、野党連合が約25%、与党側は約35〜42%と見解が分かれ、野党連合は「与党がミロシェビッチ票を水増ししている」と批判を強めている。
 野党連合は未明の会見で、ミロシェビッチ氏が得票の9割(約10万票)を獲得したと認めた。だがこの得票に加え、不在者投票制度を与党側が悪用して有権者リストを偽造、モンテネグロ全体で1万8000票のミロシェビッチ票が偽造されたと主張した。
 これに対し選管は「選挙は合法的に行われた」と主張。票の水増し疑惑について、「政府の圧力に恐怖を感じた有権者の多くが、郵送による不在者投票を選んだ」と説明した。[2000-09-25-11:00] 106
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 09/25@◎国営通信も野党候補リードを報道=ユーゴ大統領選(時事通信)

 【ベオグラード25日時事】ユーゴスラビア国営タンユグ通信は25日未明、与党の一角、セルビア急進党による大統領選の独自集計として、野党連合が擁立したコシュトニツァ候補がミロシェビッチ大統領をリードしていると伝えた。それによると、開票率約10%で、コシュトニツァ候補の得票率は47%、大統領は43%になっているという。
 政権側の宣伝機関であるタンユグ通信が、ミロシェビッチ大統領の劣勢を伝えたことは、野党側が主張しているコシュトニツァ候補の大幅リードを裏付けるものと受け止められている。 [時事通信社][2000-09-25-10:34] 108
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 09/25@◎中央選管、集計作業を中止=与党が指示−ユーゴ大統領選(時事通信)

 【ベオグラード25日時事】ユーゴスラビア独立系BETA通信は、ミロシェビッチ大統領与党の社会党とユーゴ左翼党が25日未明、連邦大統領・議会選の集計作業に当たっていた中央選管の活動を中止するよう指示、選管は集計作業を中止したと報じた。セルビア民主野党連合やセルビア再生運動などの野党はこの措置に反対したが、与党側が押し切ったという。
 開票の夜に中央選管が活動を中止するという異常事態で、ミロシェビッチ陣営が投票結果に不正な操作を加える予兆とみられる。
 中央選管の活動中止指示は、連邦軍将兵の票や不在者票が届く直前に下されたという。 [時事通信社][2000-09-25-10:12] 109
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 09/25@野党陣営「勝利」の大合唱 ユーゴスラビア連邦大統領選(共同通信)

 【ベオグラード25日共同】「勝利だ、勝利だ」。二十四日深夜、ユーゴスラビア連邦大統領選で野党連合のコシュトニツァ候補の優勢を同陣営幹部が伝えると、ベオグラードの大通りを埋め尽くした約五千人の群衆から大合唱が起きた。
 姿を見せたコシュトニツァ候補は「予想外の高投票率だ」と表明。陣営の旗やプラカードを突き上げながら、若者を中心とする支持者が歓声を上げた。女子学生のエレナさん(24)は「ついに変革の時がきた」と、既に勝利を確信した様子。
 集会を予定していた共和国広場が国営テレビのコンサート会場となり政府支持者が集まったため、野党連合は大通りへ。同広場は野党集会の“メッカ”だったが、野党連合の報道担当者は「将来の野党に貸してあげただけ」と皮肉った。野党支持者の人波はその後も増え続けた。(了)[2000-09-25-09:46] 110
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 09/25@不正なら制裁強化と伊 ユーゴスラビア大統領選(共同通信)

 【ローマ24日共同】リスボンからの報道によると、イタリアのアマート首相は二十四日、ポルトガルのグテレス首相と会談後、同日のユーゴスラビア大統領選挙で現職のミロシェビッチ大統領が不正な手段によって勝利を宣言すれば「われわれは不正選挙を公然と非難し、対ユーゴ制裁措置を強化するだろう」と警告した。
 グテレス首相もこれに同調「ユーゴとセルビアに対する厳しい政策の変更は不可能になる」と述べた。(了)[2000-09-25-08:25] 111
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 09/25@「政治ゲーム」と強調 モンテネグロ共和国大統領補佐官(共同通信)

 【ポドゴリツァ25日共同】ユーゴスラビア連邦からの離脱志向を強めるモンテネグロ共和国のブコビッチ大統領補佐官は、二十四日の連邦大統領選を受けて同日夜に記者会見し、同共和国での投票率が約二四%だったとの集計を公表、「今回の選挙が見せかけの政治ゲームにすぎないことを物語っている」と強調した。
 また、ミロシェビッチ連邦大統領が再選された場合には「市民は次の行動を取るため、自らの運命に関する決定を行うだろう」と述べ、独立を問う国民投票実施への取り組みを加速させる意向も示した。
 モンテネグロ政府の集計は、コシュトニツァ候補を擁立し、同共和国での選挙監視に当たった「セルビア民主野党連合」の協力を得て算定したという。(了)[2000-09-25-08:14] 162
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 09/25@◇シリアが新型ミサイル発射実験に成功、イスラエルは懸念◇(朝日新聞)

 イスラエルのバラク首相は25日、シリアがこのほど、長射程の新型地対地ミサイル「スカッドD」の発射実験に成功したことを明らかにした。スカッドDは射程600キロ余り。シリア奥部からでもイスラエル全土を標的にできるため、発射装置の発見と破壊が難しくなる。首相は懸念を表明する一方、シリアのミサイル開発がどう進展しても対応できると、冷静な反応を示した。
 イスラエル紙イディオト・アハロノトによると、シリアは同ミサイルを半年前に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から購入、自力生産も目指している模様。[2000-09-25-22:38] 168
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 09/25@イスラエル・パレスチナ両首脳が2か月ぶり再会談へ(読売新聞)

 【エルサレム25日=当間敏雄】イスラエルとパレスチナ自治政府のそれぞれの和平交渉関係者は二十五日、バラク・イスラエル首相とアラファト自治政府議長の首脳会談が同日夜にも行われるとの見通しを明らかにした。両首脳が直接会うのは不調に終わった七月の米キャンプデービッド首脳会談以来二か月ぶりで、暗礁に乗り上げているパレスチナ最終地位交渉の局面打開に向け信頼醸成を図るものと見られる。
 最終地位交渉は、エルサレムの帰属問題、とくに旧市街の聖地の主権をめぐる対立が深刻化して全交渉が事実上中断、パレスチナ側の独立宣言の延期で和平プロセス再生が期待されたもののこう着状態が続いている。バラク首相はアラファト議長が「柔軟な姿勢」を見せるまで会談には応じないとしてきたが、来月末のイスラエル国会再開や十一月の米大統領選などをにらみ方針転換した模様で、双方の実務交渉代表も数日中に米国に向けて出発する。
 バラク首相は二十四日の定例閣議で「我々はパレスチナ和平の決定的決断の瞬間に近づいている」と強調したうえで、「すべての問題の決着を図る包括和平が望ましいが、(決着できない)ほんの少しの部分については解決へのメカニズムを決めるという可能性も排除しない」と述べ、事実上、エルサレム問題を棚上げした形の部分合意を目指す意向を示唆している。
 バラク首相はアラファト議長との会談で、こうした「エルサレム継続協議」の選択肢や、旧市街聖地の名目上の主権を国連安保理に帰属させて国際管理下に置くとする案などについて打診すると見られる。しかし、パレスチナ側はエルサレム問題の棚上げは占領の継続を意味するので受け入れられないとの立場で、議長側が「柔軟な姿勢」を見せるかどうかは不透明だ。
 一方、イスラエル放送などによると、アラファト議長は今回の会談で、パレスチナ政治犯の釈放やヨルダン川西岸占領地からのイスラエル軍追加撤退など暫定合意で積み残されている「義務の履行」の確約を期待しているという。[2000-09-25-22:18] 172
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 09/25@◇バラク首相とアラファト議長、25日夜にも首脳会談◇(朝日新聞)

 パレスチナ自治政府筋によると、アラファト自治政府議長とバラク・イスラエル首相が25日夜にも会談する。イスラエル放送も報じた。時間、場所は明らかにされていない。7月の米キャンプデービッドでの首脳会談が不調に終わって以来、初の首脳会談で、事態の打開が期待されている。
 首脳会談とは別に、パレスチナ側から交渉代表のエレカット地方行政相らが25日夜か26日朝、米国へ向かう。イスラエル側代表も訪米し、個別に米政府の交渉担当者と協議するという。仲介役の米国が今週中にも新たな調停案を出す構えを見せ、ここ数日、エジプトなども交えて舞台裏での折衝が進められていた。
 キャンプデービッド会談失敗の最大の原因とされるエルサレム問題では、旧市街のイスラム、ユダヤ両教の聖地である「神殿の丘」の主権を双方が主張。こうちゃく状態にある。妥協案として、主権は神のもの、あるいは国連安全保障理事会のものとする案が浮上している。実際の宗教的施設、財産の管理は、それぞれ両教の下にある現状は維持する、という考え方だ。[2000-09-25-22:09] 253
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 09/25@<フランス>大統領任期短縮問う国民投票 賛成73%で可決(毎日新聞)

 【パリ24日橋本晃】24日投票が行われた大統領任期を7年から5年に短縮する憲法改正案の是非を問うフランスの国民投票は、即日開票の結果、賛成73・03%、反対26・97%(開票率96・78%)で可決された。しかし、投票率は1988年の海外領土ニューカレドニアの地位をめぐる国民投票での36・89%を下回り、第五共和制下の国民投票で最低の30・59%まで落ち込んだ。否決こそされなかったが、国民投票実施を決めたシラク大統領の威信が問われる結果となった。
 国民投票による可決で、第3共和制以来120余年にわたる仏大統領任期7年制は、2002年大統領選時から5年制となる。
 シラク大統領は国民向けに演説を行い、「棄権の多さは国民投票、民主主義が不十分なことを示すものだ。重要な意思決定から国民を外すのは私の考える民主主義に反する」と、低い投票率に遺憾の意を表明した。
 大統領任期短縮に反対してきたシラク大統領がここにきて短縮派にくら替えした裏には、再選を狙う自らの政治的計算があった。しかし、大統領が決めた国民投票での低投票率は、こうした姿勢に対する批判の意味にも受け取れ、シラク大統領の政治的立場の悪化が予想される。[2000-09-25-09:40]
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 09/26@<ユーゴ>大統領選で評価する声明を発表 ロシア外務省(毎日新聞)

 【モスクワ26日田中洋之】ロシア外務省は26日、ユーゴ大統領選について「ユーゴ社会の大きな民主的潜在力を示した」と評価する声明を発表した。声明は「今は市民の平和と国内の安定を守り、全ての政治勢力が争いを抑制することが重要だ」と混乱防止を求め、「だれが大統領に選ばれようと、早急にユーゴの国際的な孤立状態を終わらせ、西側諸国による制裁を解除しなければならない」と主張した。[2000-09-26-23:30] 10 [このページの最初に戻る]


 09/26@ユーゴ大統領武力で政権維持なら軍事力行使も(読売新聞)

 【ロンドン26日=原野喜一郎】イギリスのクック外相は二十六日、欧米がユーゴスラビア周辺に十分な軍事力を維持しており、ミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領が武力で政権維持を図れば、欧米には軍事力行使の用意があると強調した。
 英スカイテレビで語ったもので、同外相はユーゴ大統領選で野党のコシュトゥニツァ大統領候補が勝者であるのは明らかとし、ミロシェビッチ大統領は「もはや、あからさまな武力行使以外、政権を維持できない」状況に置かれていると指摘、一刻も早く退陣するよう要求した。
 英国は昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆の際、米国とともに主導的役割を果たしており、現在、空母「インビンシブル」はじめ軍艦十五隻をユーゴ近くの海域に展開させている。[2000-09-26-22:37] 11
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 09/26@ユーゴ大統領選、沈黙の選管に野党が対決姿勢(読売新聞)

 【ベオグラード26日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)で二十四日投票が行われた連邦大統領・同議会選で、連邦選管が沈黙を守っていることに対して、勝利宣言している「民主野党連合」陣営が対決姿勢を強めている。「連合」はコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)の第一回投票での当選に自信を深めており、選管の沈黙をミロシェビッチ大統領陣営の時間稼ぎと見て、二十七日午後八時(日本時間二十八日午前三時)を選管の集計結果公表の期限に設定。それ以降は、大衆抗議行動に出る構えを示しており、情勢が緊迫してきた。
 「連合」が二十六日記者会見し、発表した集計結果では、開票率97・5%で、コシュトゥニツァ氏が54・66%、大統領35・01%。
 選挙法によると、連邦選管は投票終了後七十二時間以内に集計作業を終えなければならない。その後、二十四時間以内に集計結果を公表することになっている。「連合」側の期限設定は、同法による集計作業終了期限に合わせたもの。
 独立系ベタ通信などによれば、選管のブキチェビッチ委員長は二十五日夜、政権側が招へいした外国からの選挙監視員のレセプションの席上、「最終期限は順守する」と述べたが、「連合」側は、「二十七日午後八時に独自の最終集計結果を選管が入っている連邦議会前で発表する」として、すでに支持者に集結を呼びかけ、選管に対する圧力を強めている。
 政権側は国営テレビや新聞を通じて、社会党幹部による記者会見の模様を繰り返し報道。二十五日深夜のセルビア国営テレビのニュースも、「開票作業は順調に進んでおり、大統領の第一回当選は極めて楽観的だ」などとするミニッチ連邦下院議長の会見を報じているが、野党側の勝利宣言攻勢に防戦に追われている姿は明白だ。
 消息筋によれば、政権与党の社会党と大統領夫人のミリヤナ・マルコビッチ氏が党首を務める「ユーゴ左翼」から成るミロシェビッチ陣営内部では、あくまで大統領の第一回投票での当選を主張する「ユーゴ左翼」に対して、社会党が決選投票容認に傾いており、激しい議論が展開されている模様だ。連邦選管の沈黙の背景には、大統領陣営内部の動揺があるとの見方は強い。[2000-09-26-22:19] 12
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 09/26@◎ユーゴ制裁の早期解除を=EU各国に呼び掛け−仏(時事通信)

 【パリ26日時事】欧州連合(EU)議長国フランスのベドリヌ外相は26日、声明を発表し、ユーゴスラビア大統領選挙で現職のミロシェビッチ大統領の敗北が明確になったと指摘するとともに、EU各国にユーゴ制裁の早期解除を呼び掛けた。
 同外相はこの中で、「ユーゴ当局の主張にもかかわらず、ミロシェビッチ大統領が敗北し、(野党候補の)コシュトニツァ氏が勝利したことは議論の余地がない」と強調。その上で「ユーゴ国民は民主主義を選択した。この勇気に報いるため、EUはその政策を見直さなければならない」と述べ、昨年のコソボ危機の際に発動した対ユーゴ制裁の早急な解除を検討するよう他のEU加盟国に求めた。 [時事通信社][2000-09-26-22:18] 16
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 09/26@<EU>ユーゴ制裁解除を加盟国に要請 議長国フランス(毎日新聞)

 【パリ26日橋本晃】欧州連合(EU)議長国フランスのベドリヌ外相は26日、ユーゴスラビア連邦大統領選で野党連合のコシュトゥニファ候補の勝利を前提にEUの対ユーゴ制裁解除を加盟国に要請するとの声明を発表した。声明は「(ユーゴ大統領選の結果は)ミロシェビッチ政権がどんな対応をとろうと、コシュトゥニツァ氏の勝利は明らかに思われる」と述べた。[2000-09-26-21:35] 17 [このページの最初に戻る]


 09/26@◎すべての政治勢力は対立回避を=ユーゴ大統領選でロシア外(時事通信)

 【モスクワ26日時事】ロシア外務省は26日、ユーゴスラビア大統領選挙に関して声明を出し、「重要なのは市民の平和と国内の安定を維持することであり、すべての政治勢力は対決的な行動に出ないよう自重すべきだ」として、ミロシェビッチ政権を含む選挙の当事者に対立回避を呼び掛けた。
 声明は選挙について、「ユーゴ社会の非常に民主的な潜在力を示した」と評価。その上で、だれが新大統領に選ばれても「ユーゴを国際的孤立から直ちに脱却させ、西側諸国による制裁を解除することが必要だ」と強調した。 [時事通信社][2000-09-26-21:22] 18
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 09/26@<ユーゴ>連邦大統領選挙で勝利宣言 セルビア民主野党連合(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の連邦大統領選挙で、セルビア民主野党連合は26日、独自集計(開票率97・5%)の結果、同連合のコシュトゥニツァ候補(56)が得票率54・66%で勝利したと宣言した。野党連合によると、与党・社会党の現職ミロシェビッチ大統領(59)は35%の得票だという。 
 連邦選管は26日午後にも第1回の公式発表を行う予定だが、まだ行われていない。選管発表がない場合、野党連合は27日午後8時(日本時間28日午前3時)、連邦議会前に支持者を集め、独自集計の最終結果を公表する方針だ。
 与野党は非公式集計を発表し、ミロシェビッチ、コシュトゥニツァ候補の両陣営がそれぞれ「優勢」「勝利」を主張してきた。野党連合側は「連邦選管に影響力をもつ与党は過半数獲得者を出さずに、決選投票に持ち込みたいようだ」と警戒している。[2000-09-26-21:20] 22
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 09/26@<ユーゴ>セルビアの地方自治体選敗北を認める 与党・社会(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領選で苦戦を強いられているミロシェビッチ連邦大統領の与党・社会党は25日、同時に行われたセルビア共和国の地方自治体選挙の敗北を認めた。選挙前に与党優勢と伝えられた連邦上下両院選挙でも、野党集計では、コシュトゥニツァ候補を擁立したセルビア民主野党連合が大躍進、与党は伸び悩んでいる。連邦・地方の議会選での予想外の不振で、ミロシェビッチ政権の中枢・社会党の組織弱体化が浮き彫りになっている。
 大統領選同様、セルビア地方選でも選管の公式発表はないが、野党連合によると、野党連合が85自治体で勝利したのに対し、与党連合は約30にとどまっている。首都ベオグラードの市議選は110議席中102議席を野党連合が占めた。
 社会党のガエビッチ幹事長は25日、地方選開票の状況について「野党側が優勢である」と言明した。
 深刻な敗北を受け、社会党の地方選担当者らの責任問題が浮上。社会党と連立政権を組むユーゴスラビア左翼でも責任問題が表面化し、マルコビッチ・スポークスマン解任のうわさが流れている。
 一方、連邦下院(定数138)議員選でも与党連合の不振が伝えられた。野党連合の集計によると、野党連合は59議席を確保、社会党・ユーゴ左翼の与党連合の44議席を引き離して最大勢力に躍り出ている。野党集計が正しければ、与党陣営が支配していた下院で、与野党勢力が肩を並べるか逆転する可能性が浮上し始めている。
 下院選では「圧倒的な組織力を持つ社会党が断然有利」(外交筋)とみられ、野党連合のコシュトゥニツァ候補がミロシェビッチ大統領に勝利しても、与党陣営は下院で過半数を占める「ねじれ現象」を利用して新大統領に圧力をかけるとのシナリオが予想されていた。しかし、議会選でも与党退潮になれば、その道も閉ざされ、ミロシェビッチ大統領は一層窮地に追い込まれることになる。[2000-09-26-20:50] 23
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 09/26@<ユーゴ>党首辞任を表明 セルビア再生運動と急進党(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】ユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙での敗北が明らかになっている野党・セルビア再生運動のドラシュコビッチ党首と、社会党などと連立与党を組んだ極右・急進党のシェシェリ党首は25日、それぞれ党首辞任を表明した。
 ドラシュコビッチ党首はセルビア民主野党連合の勝利を祝福する談話を発表、「野党連合に参加しなかった点と、私が運動に参加できなかった点が敗因だ」と述べた。再生運動は選挙前、最大野党だったが、野党連合に加わらず、大統領選で独自候補を擁立した。
 一方、急進党も選挙での退潮が明白で、シェシェリ党首と共に大統領選候補のニコリッチ副党首が辞任を申し出た。[2000-09-26-20:20] 25
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 09/26@ミロシェビッチ氏に警告 英国のクック外相(共同通信)

 【ロンドン26日共同】英国のクック外相は二十六日、西側諸国はバルカン地域に「相当規模の軍事力を維持している」と述べ、ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領に対し、武力行使に訴えず権力の座を去るよう強く警告した。
 英スカイテレビによると、クック外相は労働党大会開催中の英南部ブライトンで、これまでの開票結果は野党陣営のコシュトニツァ候補が「明白な勝者」であることを示していると指摘。ミロシェビッチ大統領には「赤裸々な武力行使以外に権力にとどまる方法はない」とし「できるだけ平穏に、一刻も早く、権力の座を去らねばならないことを理解すべきだ」と述べた。(了)[2000-09-26-18:57] 26
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 09/26@軍や警察に離反促す 選管発表前にユーゴ野党(共同通信)

 【ベオグラード26日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選の連邦選挙管理委員会の発表期限が二十七日夜(日本時間二十八日未明)に迫り、野党連合はミロシェビッチ大統領が最後のよりどころとする連邦軍と警察の動向を注視するとともに、政権からの離反を促している。
 軍幹部らが「中立化」すれば、ミロシェビッチ政権の進退を左右する事態にも発展しそうだ。
 大統領側近のパブコビッチ連邦軍参謀長は「街頭で政権は変えられない」と発言。敗北を覚悟した大統領が最後の手段として、最終開票結果の発表期限となる二十七日夜までに治安出動を命令するとの憶測が依然、流れている。
 野党連合は、出動命令があった場合、同じ国民に対して銃口を向けないよう呼び掛ける構えだ。
 野党連合のコシュトニツァ候補のジンジッチ選対本部長は二十五日の記者会見で、機動隊との衝突が懸念された二十四日の集会に触れ「警察は極めて寛容だった」と評価。中部クラリエボでは「警察が舞台設営に協力さえした」と述べ、治安部隊に野党連合への支持があることを強調した。
 ベオグラードの軍事筋は「もともと人民軍という性格で、市民を撃つことはない」と指摘。ジンジッチ本部長は「一部の将軍から介入しないとの確約を得た」と話している。(了)[2000-09-26-18:48] 28
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 09/26@「3国訪問友好の糧に」 紀宮さまが記者会見(共同通信)

 紀宮さまは二十六日、十月のスロバキア、スロベニア、アイルランドの欧州三カ国公式訪問を前に皇居・御所で記者会見し「(各国との)友好を深める糧となることができればとてもうれしく思います」と抱負を述べられた。
 三国のうちスロバキアとスロベニアは、国家が成立して日が浅く、皇族として初の公式訪問。
 紀宮さまは、国際児童芸術館のあるスロバキアのブラチスラバについて、児童の絵本の原画展が開催されており、幼いころからなじみ深い場所だとして「このたび希望して訪れたいと思っているところです」と述べた。
 スロベニアでの地雷犠牲者リハビリセンター訪問について「実際の被害の現状に触れるのは初めてです。(地雷は)紛争中だけでなく、のちのちまで被害を与えており、犠牲者の痛みを心にとどめながら訪れたい」と話した。
 六月に逝去した香淳皇后(皇太后)については「手のぬくもりや柔らかなほほ笑みなどが懐かしく思い出されます」と述べた。
 紀宮さまは十月四日、成田発の全日空機で出発。スロバキア、スロベニア、アイルランドの順で訪問。同月十六日、日航機で成田へ帰国する。(了)[2000-09-26-17:31] 34
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 09/26@◇敗北受け入れを呼びかけ ユーゴ大統領選で米が現政権に◇(朝日新聞)

 コーエン米国防長官は25日、ユーゴスラビア連邦大統領選挙について「これまでの開票情報を見ると、明らかにユーゴ国民はミロシェビッチ大統領の退陣を望んでいる」と述べた。国務省のバウチャー報道官は「問題はミロシェビッチ氏が国民の意思を認めるかどうかだ」と強調し、現政権に敗北受け入れを呼びかける一方、政権交代が実現すれば、ユーゴへの経済制裁を解除する見通しを確認した。
 バウチャー報道官は「民主化勢力の野党が、明らかに十分な勝利を収めたようだ。ユーゴの情勢は変わった。国民は立ち上がり、民主化への道と欧州への復帰を選んだ」と語った。公式の開票結果はまだ出ていないが、報道官は「数多くの不正行為」を指摘し、「野党側がまとめた集計結果の方が、公式発表よりも正確なはずだ」と述べた。
 野党側はコシュトニツァ候補がすでに過半数の票を獲得し、決選投票は必要ないとしている。報道官は、大統領側が決選投票を行う方針を示した場合に米政府がどう対処するかは明言しなかったが、ホワイトハウス当局者は「ミロシェビッチの勝利宣言は偽りだ」と語った。[2000-09-26-12:46] 36
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 09/26@◇ユーゴ大統領選、野党連合が「勝利」の5万人集会◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦大統領選で、投票締め切り後一切の発表をしていなかった連邦選挙管理委員会は25日深夜、「選挙は公正だった」との公式見解を初めて表明したが、開票結果については沈黙を続けている。
 ミロシェビッチ大統領に対し優勢を主張するコシュトニツァ候補のセルビア民主野党連合は、公式発表がなければ27日午後に独自集計の「最終結果」を発表することを明らかにした。野党連合の「勝利宣言」を受けてベオグラード市内では同日夜、反大統領派約5万人の勝利集会があった。
 ユーゴの選挙法では、24日午後8時の投票締め切りから72時間以内に最終結果を公表する義務がある。野党連合は「選管が開票を再開し、結果を発表する意思があるかどうか疑わしい」としている。
 一方、ユーゴ国内の数都市で、野党の「勝利」を祝う会が開かれた。首都ベオグラードでは、官製メディアでの放送が禁じられている反体制歌手、ジョルジェ・バラシェビッチさん(47)が登場し、5万人の市民による大合唱となった。会場は前日、警官隊と群衆が一触即発となった広場。この日は市民が大通りまで埋め尽くし、平和な街頭集会となった。
 バラシェビッチさんは、ミロシェビッチ大統領が表舞台に現れてから、抵抗の歌を作り始めた。5月に南部のニシュで計画したコンサートは、5000枚の入場券は売り切れていたにもかかわらず、10日前になって「やるな」と脅され中止に追い込まれていた。[2000-09-26-12:15] 38
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 09/26@◎カラジッチ被告に45億ドルの賠償命令=ボスニア内戦めぐ(時事通信)

 【ニューヨーク25日時事】米ニューヨーク連邦地裁陪審は25日、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦中の「人道に対する罪」で国際指名手配中の元セルビア人勢力指導者カラジッチ被告を相手取り、内戦の被害者たちが損害賠償を求めていた訴訟で、同被告に約45億ドル(約4800億円)の支払いを命じる評決を下した。 [時事通信社][2000-09-26-12:03] 39 [このページの最初に戻る]


 09/26@大統領選の公正さに懸念 河野洋平外相(共同通信)

 河野洋平外相は二十六日午前の記者会見で、ユーゴスラビア連邦大統領選について「各地で当局側による種々の不正が行われたとの情報もあり、選挙が自由かつ公正に実施されたかどうか懸念している」と表明した。
 また「こうした状況にもかかわらず、多くのユーゴ国民が民主的な変革を求め、野党のコシュトニツァ候補を支持したという情報に注目している」と述べ、ユーゴ当局に対し早急に国内の民主化に着手するよう求めるととともに「緊張を高め、民主化に逆行するいかなる措置も取らないよう強く要請する」と強調した。(了)[2000-09-26-11:26] 40
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 09/26@<ユーゴ大統領選>米政府は野党勝利が明白になったとの見解(毎日新聞)

 【シカゴ25日布施広】米政府は25日、開票経過の発表が遅れているユーゴスラビア大統領選について、野党勝利が明白になったとの見解を示す一方、ミロシェビッチ連邦大統領の退陣によって民主化が図られた場合は、対ユーゴ経済制裁を解除する方針を確認した。ここ一両日がユーゴ情勢の大きな分かれ道と見る米国は、ユーゴ内の「ミロシェビッチ離れ」を促すことに懸命になっている。
 選挙結果についてコーエン国防長官は同日、「国民はミロシェビッチ(大統領)の退陣を求めている。国際社会はこれを歓迎する」と語った。
 また、ホワイトハウスのシーワート副報道官は「野党勢力の勝利がますます明確になっている。これに逆行するようなミロシェビッチ側の主張は偽りだ」と述べた。バウチャー国務省報道官も同様の見解を示したうえで「もしも民主的変革が起きた場合、我々は対ユーゴ制裁を解除する措置を取る」と言明し、ユーゴ国民に対してミロシェビッチ政権に見切りをつけるよう暗に求めた。[2000-09-26-10:52] 41
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 09/26@ユーゴ選挙、集計発表期限過ぎても選管沈黙(読売新聞)

 【ベオグラード26日=佐々木良寿】野党陣営が勝利を宣言したユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の連邦大統領・同議会選で、投票結果の集計を進める連邦選管は二十五日夜になっても沈黙を守り、選挙法が定める第一回公式集計発表の期限を過ぎた。選挙法は、投票終了後二十四時間以内に、各選挙区の選管が連邦選管に票を送り届け、同選管が最終集計に着手する、としている。しかし、同選管の野党陣営代表者はロイター通信に対して、野党代表者には連邦議会内の最終集計作業場所すら教えられていないうえ、作業が始まっている気配もない、と語っており、敗色濃厚の政権側が最終集計作業を意図的に遅らせている可能性が浮上している。
 一方、ベオグラード市内では同日夜、野党支持者数万人が中心部の共和国広場に繰り出し、政権側に選挙結果の受け入れを求めて気勢を上げた。
 呼びかけたのは、独立系経済学者のグループ「G17」で、代表のムラジャン・ディンキッチ氏は、支持者を前に、「より良い生活を求めるわれわれの願いを阻止しようとするものが現れても驚いてはいけない」などと、政権側の出方に注意を払うよう訴えた。[2000-09-26-10:51] 42
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 09/26@<ユーゴ大統領選>連邦選管の公式発表がなく、野党らが反発(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】24日に投票されたユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロの両共和国で構成)の大統領・議会選挙で、投票前には25日中に第1回開票結果を発表するとしていた連邦選管は同日中、1度も発表をしなかった。25日未明には開票作業が中断される事態も起き、セルビア民主野党連合は「連邦選管委員の大半は与党関係者。与党がミロシェビッチ大統領優勢と発表したことと、公式発表の遅れに関係がある。時間稼ぎの間に不正な操作が行われているのではないか」と強く反発。一般国民の間からも連邦選管発表がないことへの不満が高まっている。
 野党連合によると、25日午前3時(日本時間同10時)ごろ、ベオグラード市内の開票所で不在者投票の開票作業中、連邦選管が突然、作業中止を指示した。投票用紙を1室に集め、作業続行を求める野党側選管委員を追い出して、入り口を閉め切った。理由は「作業に疲れたので26日午前8時から再開するまで中止した」というもの。
 野党連合は「作業延期、あるいは第1回発表を遅らせるよう指示を受けたためではないか」と疑念を強めている。連邦選管には野党連合の委員が2人含まれているが、2人とも開票チェック作業が行われている部屋から締め出されているという。
 野党連合の非公式集計によると、大統領選挙で野党連合のコシュトゥニツァ氏が与党・社会党の現職、ミロシェビッチ氏を大きく引き離している。しかし与党社会党は25日午後、ミロシェビッチ氏のリードを発表した。[2000-09-26-10:40] 43
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 09/26@<ユーゴ大統領選>野党が4万人参加の祝勝集会(毎日新聞)

 【ベオグラード26日福井聡】ユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙の投票翌日の25日夜(日本時間26日未明)、ベオグラード中心部の共和国広場でセルビア民主野党連合と経済学者集団「G17」が主催する集会が開かれ、4万人が参加して「勝利」を祝った。しかし連邦選管の公式発表がない中で、今後の展開への不安もぬぐえなかった。
 集会は軽い音楽が流される中、くだけた雰囲気で行われたが、経済学者のディンキッチ氏は「誰かが我々のこの勝利と未来を妨害しようとしても驚くな」と警告。同時に「政府は市民を投獄することでは勝利できない」と、混乱の予感におびえる市民を励ました。
 また、大学教授のドージッチさん(55)は「コシュトゥニツァ氏の勝利は真実であり、連邦選管は必ず発表せざるを得ない。簡単に発表する勇気が持てないだけだ」と楽観。しかし、会社員のクライエビッチさん(24)は「公式発表で野党勝利を期待したいが、多分ダメだろう。与党勝利の発表となればデモによる衝突は避けられない」と懸念を強めていた。[2000-09-26-10:35] 44
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 09/26@ユーゴの民主化支援に5億ドル 米下院(共同通信)

 【ワシントン25日共同】米下院は二十五日、ユーゴスラビア大統領選での敗北受け入れの圧力が強まっているミロシェビッチ大統領の追放を目指し、ユーゴの反政府勢力への五千万ドルの援助を含め、計五億ドルの民主化支援支出を承認する法案を賛成多数で可決した。
 米上院は既に同様の法案を可決しており、両案の擦り合わせとクリントン大統領の署名を経て成立する。
 法案は、ユーゴの民主化団体、野党、反政府勢力への援助のほかに、ミロシェビッチ大統領をオランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に出廷させる国際努力への支援などを盛り込み、民主的な後継政権が誕生するまで経済制裁などによるミロシェビッチ政権への圧力を継続するよう求めている。(了)[2000-09-26-10:14] 45
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 09/26@動き取れない米国 与党勝利なら選挙結果拒否(共同通信)

 【ワシントン25日共同】ユーゴスラビア大統領選の開票作業で、米政府は二十五日「当局による大掛かりな不正行為が進行している」(バウチャー国務省報道官)と判断、ミロシェビッチ大統領が勝利した場合、選挙結果を拒否する姿勢だ。しかし先のコソボ紛争の際の大規模な空爆や、その後に経済制裁を受けても権力を維持し続けているミロシェビッチ政権を倒すとなると有効な手だては見つからず、動きが取れないというのが実情といえそうだ。
 シーワート米大統領副報道官は「ユーゴ当局は民主化を望んだ民衆の選択を尊重し、(敗北という)結果を受け入れるべきだ」と主張。国務省高官はミロシェビッチ大統領勝利が発表されれば、経済制裁の強化などが具体的な対応策として考えられると言明した。
 しかし、ブラウン大学スラブ学部のアレクサンダー・レビトスキ学部長は「経済制裁の犠牲となるのは常に弱い立場の市民で、政権に対する痛手とはならない」と指摘。ピッツバーグ大学のロバート・ヘイデン東欧・ロシア研究センター所長も「空爆してもミロシェビッチを追い出すことができなかった米国はもはやユーゴでは何もできない。今回は欧州連合(EU)に主導権を譲るべきだ」と話している。(了)[2000-09-26-09:37] 48
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 09/26@◎強引な決選投票実施を警戒=野党連合首脳−ユーゴ大統領選(時事通信)

 【ベオグラード25日時事】ユーゴスラビア連邦大統領選で「勝利」を宣言したセルビア民主野党連合の選対本部長を務めるジンジッチ民主党党首は25日、劣勢のミロシェビッチ大統領が時間稼ぎを狙い、投票結果を無視して強引に決選投票実施を発表することを警戒していると語った。
 これに先立ち、ミロシェビッチ大統領率いる与党・社会党は独自集計を基に、同大統領の得票率45%、野党連合のコシュトニツァ候補40%と発表した。しかし、社会党集計の開票率はわずか37%にとどまっており、ジンジッチ氏は「与党がわざと開票率を低く発表しているのは、投票結果に不正な操作を加えているためで、われわれが勝利した大統領選を決選投票にもつれこませる恐れがある」と指摘した。 [時事通信社][2000-09-26-07:59] 49
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 09/26@27日に独自の結果発表も ユーゴ大統領選で野党側(共同通信)

 【ベオグラード25日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選で、連邦選挙管理委員会が投票締め切り後、一切の結果発表をしていないことに対し、優勢を主張するコシュトニツァ候補のセルビア民主野党連合は二十五日、公式発表がなければ二十七日午後八時(日本時間二十八日午前三時)に独自集計の「最終結果」を発表すると表明した。
 野党連合は、欧米諸国からも敗北受け入れの圧力を受けるミロシェビッチ政権が、与党出身者が大半の選管で票を不正操作していると批判を強めている。
 ジンジッチ選対本部長は会見で、選管の沈黙について「与党の命令を待っているのだろう」と述べた。
 野党連合はベオグラードの連邦議会前で最終結果を発表するとしており、その場でコシュトニツァ候補の勝利を宣言する見通し。
 選挙法では、二十四日午後八時の投票締め切りから七十二時間以内に最終結果を公表する義務がある。
 二十五日夜も数都市で野党主催の街頭集会が開かれた。ベオグラードでは約五万人が中心部の広場に集まったが、機動隊の姿はなかった。集会では「ミロシェビッチ大統領がいる限り首都では歌わない」と宣言していた著名歌手のジョルジェ・バラシェビッチさんが宣言後、初めて舞台に上がり熱狂的な歓迎を受けた。(了)[2000-09-26-07:53] 51
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 09/26@◎ユーゴ国民は現政権を拒否=カナダ外相(時事通信)

 【ニューヨーク25日時事】カナダのアクスワージー外相は25日、ユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙に関して声明を発表、同選挙の非公式結果はユーゴ国民が野党大統領候補のコシュトニツァ氏を強く支持し、ミロシェビッチ現政権を明確に拒否したことを示しているとして、ユーゴ当局に対し、国民の意思を尊重するよう呼び掛けた。 [時事通信社][2000-09-26-06:40] 52 [このページの最初に戻る]


 09/26@◎民主政府の発足を期待=国連事務総長(時事通信)

 【ニューヨーク25日時事】アナン国連事務総長は25日、ユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙について声明を発表し、今回の選挙によって民主的な政府が発足することを期待すると述べた。
 声明で同事務総長は、選挙で不正行為があったと伝えられていることを指摘しながらも、選挙結果がユーゴ国民の意思を反映したものとなり、その意思が尊重されることを期待していると述べた。 [時事通信社][2000-09-26-06:34] 53
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 09/26@◇予想外の敗北に打撃 モンテネグロのユーゴ連邦維持派◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア大統領選で、セルビアと連邦を組むモンテネグロでは、選挙を自主運営した親セルビアの連邦維持派が、自派の見積もりでも人口の3割、実際は4分の1程度しか投票参加者を集められず、予想外の敗北に打ちのめされている。ミロシェビッチ大統領の支配力低下は明白で、モンテネグロでの焦点は早くも「ミロシェビッチ後」をにらんだ連邦からの分離独立の可否に移りつつある。
 「彼(ミロシェビッチ)はもう終わりだ」。モンテネグロの日刊紙で独立志向の強いビエスティは25日朝、1面見出しでそう掲げた。
 モンテネグロでは、親欧米路線のジュカノビッチ政権が投票棄権を呼びかける戦術を取ったことで、「投票=ミロシェビッチ信任」という構図になった。投票率は、投票を自主運営した連邦維持派の中間発表でも約30%。モンテネグロ政府の調査やセルビア野党の監視団の発表では、実際の投票率は24―25%にとどまり、その中ですら、1割程度はコシュトニツァ支持票だった模様だ。
 一方、モンテネグロのジュカノビッチ大統領は25日早朝、「もしミロシェビッチが専制の座にとどまるのであれば、ユーゴ連邦が存続する可能性はわずかしかない」との声明を発表した。
 同政権は今回の選挙結果で、独立要求の国民投票というカードを確実に手中に収め、自信を強めている。だが、セルビアでの権力委譲の見通しがなお不透明で、連邦軍による武力介入の可能性も残っているだけに、その切り札をいつ切るか、なお慎重なかじ取りを要する。[2000-09-26-02:58] 54
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 09/26@ユーゴ大統領選、野党候補が「勝利」受け入れ迫る(読売新聞)

 【ベオグラード25日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)で二十四日投票が行われた連邦大統領、連邦議会選は二十五日午後六時(日本時間二十六日午前一時)現在、連邦選管による集計発表は行われていない。独自集計に基づき二十五日未明に勝利宣言を行った民主野党連合のコシュトゥニツァ候補は同日昼、記者会見し、「連合は勝利を守るため、あらゆる民主的な手段を講じる」と述べ、政権側に選挙結果の受け入れを改めて迫った。
 連合によれば、全投票所の約半数の集計結果では、コシュトゥニツァ氏が53・99%で、ミロシェビッチ大統領の33・56%を大きくリードしている。会見に同席した選挙分析の専門家は「コシュトゥニツァ氏が過半数を獲得し当選することは確実」と述べた。別の「連合」幹部も「二候補の得票差は約百万票に達し、ミロシェビッチ陣営が結果を覆すのは不可能」と述べた。
 一方、政権与党の社会党幹部は二十五日、記者会見で、連邦議会選での勝利を宣言する一方、大統領選については、開票率37%での得票率が、ミロシェビッチ大統領45%、コシュトゥニツァ氏40%となっているとしたうえで、「大統領が優勢で第一回投票の勝利を期待している。ただ最終的勝者を決めるには、まだ早い」と語った。この発言は、政権側が決選投票に向け準備に入ったことを意味するものとの観測が強まっている。
 大統領選では第一回投票で過半数を獲得する候補がいない場合、十月八日までに上位二候補による決選投票が実施されることになっている。[2000-09-26-01:35] 55
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 09/26@<ユーゴ>大統領の陣営が大統領の優勢を改めて主張=替(毎日新聞)

 【ベオグラード25日福井聡】24日開票が始まったユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領・議会選挙は25日、セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が「勝利を確信する」と表明したのに対して、与党・社会党のミロシェビッチ大統領(59)の陣営は大統領の優勢を改めて主張した。中央選管は集計結果を一度も発表しておらず、10月8日の決選投票にずれ込むかどうか予断を許さない。 
 野党集計では、コシュトゥニツァ氏は開票率50%で得票率55%を記録、34%のミロシェビッチ氏を引き離している。一方、社会党は25日午後、開票率37%の時点でミロシェビッチ氏45%、コシュトゥニツァ氏40%の得票と発表した。
 また、大統領の腹心、ブラトビッチ連邦首相が同日、選挙の引責で辞意を表明したとの情報が一時流れたが、首相側近は「誤報」と否定した。
 欧米諸国は与党陣営による選挙不正があったと批判し、同氏に敗北を認めるよう迫っている。[2000-09-26-01:20] 56
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 09/26@◇西側諸国、続々と「野党の勝利」声明 ユーゴ大統領選◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領を敵視する西側諸国は25日、野党のコシュトニツァ候補の「勝利」を歓迎し、選挙結果の不正をけん制する声明などを次々と発表した。さまざまな情報がコシュトニツァ氏優勢を伝える中、公式な集計結果が出る前に、同氏の勝利を既成事実化し、ミロシェビッチ氏に退陣を促す国際圧力をかける狙いがある。
 ドイツのフィッシャー外相は25日、ユーゴ国内の独立系組織の情報として、「コシュトニツァ候補が第1回投票ですでに勝利をおさめたようだ」と述べ、同候補の得票が過半数に達したとの見方を示した。
 また、欧州連合(EU)議長国フランスは25日、「ミロシェビッチ大統領が勝利宣言を試みても、不正な宣言であることは明白だ」とするEU声明を発表した。
 EU15カ国の外相は24日夜、欧州の安定を左右する大統領選挙への対応を電話で話し合った。仏外務省によると、ロシアも協議に参加したという。欧州と緊密に連絡をとっている米国も24日、いちはやく不正を指摘するなど、欧米各国は足並みをそろえて、ミロシェビッチ包囲網を狭めようとしてる。
 欧州安保協力機構(OSCE)議長国オーストリアのフェレロワルトナー外相も25日、「入手できるあらゆる情報は、コシュトニツァ候補の優勢を示している」と述べた。[2000-09-26-01:14] 57
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 09/26@◇「ユーゴで重大な違反なし」 ロシア外相、米欧とは一線◇(朝日新聞)

 ロシアのイワノフ外相は25日、ユーゴスラビア大統領選挙について、「国際監視団からの情報によると、重大な違反はなかった」とイタル・タス通信に語り、米欧諸国が政権側による大規模な不正を強く非難しているのとは対照的な反応を見せた。ただ、勝敗への言及は避け、「大事なのは多くの国民が活発に選挙に参加したことだ」と述べるにとどまった。
 外相は、重大な違反がなかったとの発言に関連して、「ユーゴの国民や政治勢力が自らに課せられた大きな責任を認識していたことを示すものだ」と指摘。投票前から、ミロシェビッチ大統領側による違反行動に警告を発していた米欧の姿勢と一線を画した。[2000-09-26-01:12] 58
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 09/26@◇ユーゴ政府、大統領選「劣勢」に対応協議か◇(朝日新聞)

 24日に投票されたユーゴスラビア連邦大統領選は、25日午後4時(日本時間同午後11時)現在、まだ公式の開票結果は発表されていない。その背景には政府がミロシェビッチ大統領の劣勢を認め、対応を協議している深刻な事情があるようだ。一方、野党連合のコシュトニツァ候補は同日の記者会見で「決選投票の必要がないのは明らか。人民の勝利だ」とゆとりを見せた。
 野党連合の同日正午の発表によると、コシュトニツァ候補が55%、大統領が34%。全投票所の半数を開票した数という。ミロシェビッチ大統領が1990年にセルビア共和国大統領に当選して以来、権力の座にあることを挙げ、同候補は「この勝利を10年待った。与党が現実に気付くまで少しぐらい待ってあげよう」と述べた。
 一方、与党も同日午後の会見で、約37%の開票段階として大統領が約45%、コシュトニツァ候補が約40%と発表した。「大統領の得票率は上向き傾向にあり、過半数に達するのは間違いない」と表面上は強気の姿勢を崩さない。
 しかし、ロイター通信は連邦選管に加わる野党代表者の見方として、1回目の公式発表は26日午後になりそうだと伝えた。連邦選管には野党代表の立ち会いも許されているが、多くは政府寄りの人物で固められている。25日未明に与党側が開票作業を一時中断し、夜明けに再開するよう提案した。これに野党代表が反発、作業が中断したとされている。
 開票当夜の雰囲気について、米ニューヨーク・タイムズ紙は「重苦しく、対応に戸惑っている」との複数の与党幹部のことばを伝えた。AP通信も中堅幹部の「党のトップは夜通しで協議しているが、結論に達していないようだ。どうすればよいか、わからずにいる」という発言を報じた。
 国営タンユグ通信も、別の候補者を立てた急進党の独自集計を引用し、「野党連合のコシュトニツァ候補が47%、大統領が43%」と伝えた。国営メディアは事実上、政府の宣伝機関であり、大統領の劣勢を報じるのは極めて異例だ。[2000-09-26-00:47] 59
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 09/26@<ユーゴ>露、独大統領会談 有権者は民主的な道選ぶと意見(毎日新聞)

 【モスクワ25日石郷岡建】プーチン・ロシア大統領とシュレーダー・ドイツ首相は25日、非公式首脳会談を行った。会談後の共同記者会見でシュレーダー首相はユーゴ大統領選について「ユーゴの有権者は民主的転換への道を選んだ」ことでプーチン大統領と意見の一致を見たと述べた。
 プーチン大統領はシュレーダー首相の発言を支持する立場を見せながらも、積極的な発言は避けた。ロシアはこれまでミロシェビッチ政権を支持してきたが、ユーゴ世論は野党支持に回ったと分析し、同政権と距離をとったとみられる。[2000-09-26-00:45] 34
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 09/26@国連改革など討議 大阪のフォーラムで元独大統領ら(共同通信)

 ワイツゼッカー元ドイツ大統領、フレーザー元オーストラリア首相や国内外の学者らが二十一世紀を展望する「新世紀・大阪国際フォーラム」が二十六日、大阪市の大阪国際会議場で開かれ、国連改革など来世紀に持ち越された課題について討議した。
 ワイツゼッカー氏は、貧困や人権、環境問題など、軍事力では解決不可能な地球規模の課題が増えているのに、それらに十分対処できていない国連安全保障理事会の限界を指摘。「日本とドイツは安保理常任理事国入りに固執するのではなく、まず国連改革に努力すべきだ」と述べた。また、国連の中に軍事力で解決できない問題を扱う「安保理に匹敵する権限を持つ組織が必要だ」と提言した。
 フレーザー氏はコソボ紛争などを例に挙げ、「人道目的の武力行使は、超大国の恣意(しい)に左右されることがあってはならない」と主張。「一つの超大国が単独で行動を起こすやり方は危険。常任理事国の拒否権がないと困る」と述べた。また、「すべての国が順守する国際法を構築することが必要だ」とした。
 新世紀の日本の役割について問われたスカラピーノ・カリフォルニア大名誉教授は、カンボジア和平を例に「日本は経済援助ばかりでなく、軍事的問題を政治的に解決する役割も果たしてきている」と、一層の貢献に期待を表明した。
 最後に川勝平太・国立国際日本文化研究センター教授が討議内容を総括。「むきだしの暴力や威嚇による軍事力の時代に別れを告げ、互いにルールを尊重し、魅力と感動を生む文化の創造こそ、新しい地球時代にふさわしい」とする大阪宣言を発表した。
 フォーラムは四月に開設された大阪国際会議場の記念事業。約千五百人の市民らが講演やシンポジウムに耳を傾けた。(了)[2000-09-26-20:37] 47
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 09/26@◎国連軍との交戦で民兵1人死亡=東ティモール(時事通信)

 【ジャカルタ26日時事】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)によると、インドネシア領西ティモールとの境界に近い東ティモール西部のクーリットで26日、国連平和維持軍のニュージーランド部隊と東ティモールのインドネシア併合を主張する民兵との間で銃撃戦があり、民兵1人が射殺された。ニュージーランド部隊に死傷者はなかった。
 インドネシア政府は民兵の武装解除を始めたが、民兵の一部は武器の引き渡しに反発しており、実効性は疑問視されている。 [時事通信社][2000-09-26-19:00] 68
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 09/26@新疆で独立派のテロ散発 車両爆発は事故と主席(共同通信)

 【北京26日共同】中国・新疆ウイグル自治区のアブドゥラ・アブドゥリシト主席は二十六日、区都ウルムチで八日に起きた車両爆発について「純粋な突発事故」として少数民族独立派による爆弾テロとの観測をあらためて否定する一方、自治区内では独立派のテロや暴動が散発的に続いていることを確認した。北京で開いた記者会見の終了後、共同通信の質問に答えた。
 主席は独立運動について「ごく少数の分裂派が局地的に起こすテロや爆破、暴動が社会の安定に悪影響を与えている」と認め、「われわれはこれを断固打破する力を持っている」と取り締まりに自信を示した。
 しかし主席は独立派の完全な封じ込めは難しいとの見方を明らかにした。
 ウルムチでの車両爆発の原因については「長く倉庫に置かれていた兵員訓練用の弾薬が輸送中に爆発した。純粋な突発事故だ」と公式発表を繰り返した。
 爆発では六十人が死亡、百七十三人が負傷。発生時に朱鎔基首相が自治区を視察していたことも重なり、海外メディアは独立派テロの可能性を報じていた。(了)[2000-09-26-16:56] 72
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 09/26@ロシアがイラクに急接近 制裁解除にらみ先手(共同通信)

 【モスクワ26日共同】米国とイラクの関係が緊張を高める中、ロシアが航空便再開などを矢継ぎ早に実施し、国連の対イラク制裁に風穴をあけようとしている。安保理で同国への制裁解除を訴えると同時に、自らは解除後の経済利益をにらんで先手を打っておこうという計算だ。
 十年ぶりに閉鎖がとかれたばかりのイラクのバグダッド国際空港に八月末、初めて到着した外国機がロシア非常事態省代表団を乗せた航空機だった。
 以後約一カ月の間、救援物資運搬など人道支援名目で計三便がロシアからイラクへ到着。十月後半には、アエロフロートがモスクワ―バグダッド間の定期航空路再開を計画している。
 湾岸戦争以降の国連による経済制裁を破ったと強く批判する米国などに対し、ロシアは制裁監視委員会の承認を受けていると反論。今月二十二日にはフランスもチャーター便を飛ばして追随し、制裁は事実上なし崩しとなっている。
 プーチン政権は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)など米国の言う「懸念がある国家」との関係構築を進めている。とりわけ天然資源が豊富で、多額の債権も持つイラクには潜在的な「実利」が大きいとみているようだ。
 二十三日にバグダッドを訪れたシャフラニク元燃料エネルギー相は、一連の支援が将来のイラクへの「投資」だと明言。イラクはロシアに欠かせないパートナーになると強調した。
 ロシア科学アカデミー東洋学研究所のズビャゲリスカヤ国際部長は、ロシアの狙いについて「昔からの友好関係に加え、制裁解除後は特に石油、建設、軍需産業などの分野で大きな利益を生む可能性があるため」と分析している。(了)[2000-09-26-16:14] 73
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 09/26@◇アムネスティ日本支部に社団法人格 外務・法務が認可◇(朝日新聞)

 国際的人権擁護団体、アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)の日本支部(支部長、和田光弘弁護士)が26日までに、外務、法務両省から社団法人として認可された。
 死刑制度や代用監獄問題などをめぐって日本政府を批判してきたアムネスティだが、「立場は違ってもその人権活動に公益性を認めた」と法務省の但木敬一官房長は説明する。全国組織の人権団体としては自由人権協会以来、50年ぶり。国連との協議資格をもつ非政府組織(NGO)としては日本で初の認可となる。
 アムネスティは世界140以上の国・地域で100万人を超す会員が、「良心の囚人」といわれる政治犯の救援や死刑・拷問の廃止、公正迅速な裁判の保障などを求めて運動している。国内では1970年に任意団体として日本支部をスタートさせ、今では130グループに分かれて7500人の会員が活動している。
 日本支部は93年から公益法人化をめざして外務省と折衝したが、死刑や難民問題などで法務省とぶつかっただけでなく、特定国の人権侵害に対する姿勢でも外務省を批判することも多かった。このため、窓口の担当者との間で「公益性とは何か」という議論が続いていた。
 そうした中で法務省幹部が95年、「死刑や国際人権諸条約の批准など個別テーマでは立場を異にするが、いずれも互いに主張した上で国民世論が決める問題。世界人権宣言をよりどころとしたその活動の目的や理念は一致する」と認めた。以後は、外務省との間で主務官庁をどちらにするかなどの点が検討されてきた。
 社団法人化により、これまで個人の名義で契約を交わしていた事務所の賃借や電話の設置などが法人名でできるようになった。わずかながら税制上の優遇もある。しかし、森沢珠里事務局長は「社会的認知を高めたことの意味の方がはるかに大きい」と話している。[2000-09-26-15:22] 93
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 09/26@◇合意への努力確認 バラク、アラファト会談◇(朝日新聞)

 イスラエルのバラク首相とパレスチナ自治政府のアラファト議長は25日深夜、イスラエル中部のコハブヤイルにあるバラク氏自宅で会談した。不調に終わった7月の米キャンプデービッド以来の首脳会談について、自治政府筋は「真の解決へ向け新たなスタート台になるもの」と、前向きに評価し、イスラエル側も友好的な雰囲気を強調した。
 約3時間におよんだ会談は、主張が対立する個別の問題の議論に踏み込むことは避け、交渉の現状についての評価をめぐる意見交換に重点が置かれた。両首脳は、あらゆる機会を生かして合意へ向け努力をすること、具体的な検討は交渉代表にゆだねること、などを確認したという。
 当面の焦点は、仲介役の米国が準備を進めているといわれる新たな調停案。米政府の中東和平担当者が、双方の交渉代表と個別に折衝して、内容を詰めることになる。イスラエル側からベンアミ外相代行ら、パレスチナ側からエレカット地方行政相らが26日、この個別折衝のためワシントンへ向かう。
 調停の中心課題は、キャンプデービッド会談失敗の最大の原因とされるエルサレム問題。
 同会談では「エルサレムは不可分」としてきたイスラエル側が、「旧ヨルダン領の東エルサレムに対する主権」を要求するパレスチナ側に歩み寄る姿勢を示したとされている。しかし、東エルサレムに属する旧市街のイスラム、ユダヤ両教の聖地「神殿の丘」の主権問題で難航。妥協案として、主権は神のもの、あるいは国連安全保障理事会のものとする案を軸に、調整が進められる模様だ。
 このほか、パレスチナ人難民の故郷への帰還権などが難問として控えている。[2000-09-26-12:51]
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 09/27@◎ユーゴ大統領、モンテネグロでは圧勝=選管が初の開票結果(時事通信)

 【ベオグラード26日時事】ユーゴスラビア連邦選挙管理委員会のモンテネグロ共和国支部は26日、同共和国でのユーゴ大統領選の開票結果を発表し、ミロシェビッチ大統領の得票率91.05%、野党連合のコシュトニツァ候補は5.55%で、同大統領が圧勝したことを明らかにした。選管が集計結果を発表したのは24日の投票後初めて。
 モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領率いる親欧米派政権は大統領選・議会選をボイコットしたため、同共和国でミロシェビッチ大統領が圧倒的な得票率となるのは織り込み済みだった。ただ、選管発表によれば、ボイコットにより投票率は28.38%の低水準にとどまった。 [時事通信社][2000-09-27-01:28] 2
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 09/27@◎ミロシェビッチ大統領の退陣要求=英首相(時事通信)

 【ブライトン(英南部)26日AFP=時事】ブレア英首相は26日、労働党大会での演説でユーゴスラビア情勢に触れ、「ミロシェビッチ(ユーゴ大統領)に告げる。あなたは敗北した。去ってくれ。あなたの国と国際社会はもう十分に苦しんだ」と述べ、同大統領に退陣を求めた。 [時事通信社][2000-09-27-01:12] 3 [このページの最初に戻る]


 09/27@河野外相「ユーゴ国民の野党支持に注目」(読売新聞)

 河野外相は二十六日の記者会見で、二十四日に投票が行われたユーゴスラビア連邦の連邦大統領・同議会選について、「多くのユーゴ国民が民主的手続きで野党候補を推したことに注目している。
 ユーゴ当局が国内の民主化に着手し、逆行する手段をとらないよう望む」と述べ、選挙の集計作業を厳正に行うよう求めていく姿勢を示した。[2000-09-27-00:26] 5
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 09/27@◇ユーゴ選挙―野党勢力は結集を◇(朝日新聞)

 現職は劣勢。だが、投票で負けても、簡単に権力を手放そうとはしないだろう。内外でそんな予想がもっぱらだったが、その通りの展開となっている。
 ミロシェビッチ大統領の再選がかけられたユーゴスラビア連邦の選挙で、中央選管は、開票の途中経過を明かそうとしない。開票作業を中断したとも伝えられる。体制派にとっては容易ならざる状況と思われる。
 野党連合の統一候補となったコシュトニツァ氏は、独自の集計をもとに勝利を「宣言」した。とはいっても、政権交代までの道が遠いことは、氏自ら認めている。
 これまでもそうだったように、ミロシェビッチ氏はいろいろと延命策を練りそうだ。しかし、セルビア民族主義の熱狂を利用して、旧ユーゴ時代の一九八七年から始まった彼の体制は、いま大きく揺らいでいる。
 コシュトニツァ氏はユーゴの欧州への復帰と、国際社会との協調を掲げる。欧州諸国と米国は、政権の交代を条件に、ユーゴ再建への協力を約束している。
 まだ多くの曲折があるにせよ、ユーゴの内と外とがうまくかみ合って、正常化がはかられることを期待したい。
 この時期に大統領選挙を設定したのも、ミロシェビッチ氏の政略だった。それが、結果として裏目に出た。
 本来の任期は来年七月までなのに、憲法を改正し、選挙を繰り上げた。もともと連邦議会による選出で大統領となったのだが、今度は国民による直接選挙に切り替えた。次のような計算があったのだろう。
 コソボ自治州の紛争をめぐって、昨年、北大西洋条約機構(NATO)がユーゴを空爆した。西側への国民の反感は根強く、それがミロシェビッチ支持の基盤になる。野党側が分裂している今のうちに直接選挙に打って出れば再選は堅い、と。
 自分に都合よく憲法をかえて、政権の安泰をはかるのは、ミロシェビッチ氏がこれまでも取ってきた手法だ。
 法学者のコシュトニツァ氏は、九七年までセルビア共和国議会の議員を務めたが、最近まで政治的には無名の存在だった。それが彼の強みでもある。
 名の知れた野党の指導者たちの評判は、あまりかんばしくない。
互いにポストや利権を争い、体制側と裏で取引もしてきた。
 コシュトニツァ氏は「穏健な」とことわりながらも、自分も民族主義者だという。空爆を行った米欧を激しく非難してきた。
 だから体制側にとっては攻めにくい。野党の他の指導者たちは西側要人との会談にも応じてきた。そこをとらえて、「外国に通じる裏切り者」と非難できたが、コシュトニツァ氏にはその手が使えない。
 西側に歯にきぬをきせぬコシュトニツァ氏がミロシェビッチ体制をしたたかに揺るがし、結果として、ユーゴの変革を望む西側と利害が一致する。そんな構図になりそうだ。
 野党勢力全体の責任は大きい。コシュトニツァ氏のもとに結束し、国民の意思をミロシェビッチ氏に受け入れさせるべきだ。[2000-09-27-00:22] 2
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 09/27@<ひと>高橋博史さん(毎日新聞)

 国連タジキスタン和平構築支援事務所次席代表に
 「紛争の対立当事者の間に入ってよく耳を傾け、誰の名誉も傷つけない形で妥協点に持っていく。和を尊ぶ日本人ならではの仕事をしたい」
 10月1日付で外務省から派遣される。約8年間にわたる、政府とイスラム系反政府勢力との内戦状態が今年3月の国会選挙でようやく集結し、紛争後の平和を根付かせるのが任務だ。
 同国では1998年7月に、秋野豊さんら国連職員4人が反政府勢力に射殺されるという痛ましい事件があった。その後、反政府勢力の政党を合法化(99年9月つ)するなど、安定化にし向けた努力が重ねられている。
 しかし「今の平和は、まだまだ脆弱かもしれない」という。反政府勢力の元兵士らの多くが無職だ。再び武器を取らせないために、職をどう創造するかが当面の課題である。公共事業や企業誘致では、各国の支援が必要となる。隣国のウズベキスタンに集中する各国大使館に、「コメつきバッタのように頭を下げて」支援を要請するという。
 96年〜98年に国連アフガニスタン特別ミッションに政務官として派遣されて以来、国連機関勤務は2度目。前回は、紛争を解決に導くのが任務だったが、各派の長老らを回っても、なかなか心を開いてもらえず苦労した。
 「ああでもない、こうでもないと訳のわからないことを言って、とにかく話し合いのテーブルに各派を着かせました。今回は和平が一応達成されているので、幾分気が楽ですが、当時の経験は役に立つでしょう。国際社会で日本が歓迎される国になるための一助になれば幸いです」(外信部 杉尾直哉)
◎福島県出身。カブール大卒。研究者志望だったが、88年外務省に。現在ウズベキスタン大使館参事官。51歳。[2000-09-27-02:40] 14
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 09/27@◇安保理決議の履行は土地交換でも可能 パレスチナ高官◇(朝日新聞)

 パレスチナ自治政府のシャース国際協力相は26日、自治区ラマラで記者会見し、今後、米国の新たな調停案に反映されるべき重要な条件の1つとして、占領地からのイスラエル軍の全面撤退をうたった国連安保理決議の順守をあげ、これには土地の交換が含まれることを明言した。
 7月の米キャンプデービッドでの会談で、バラク首相は、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の大部分を含む10%前後をイスラエル領に併合する案を示したとされている。シャース発言は、イスラエル領内の同面積の土地と交換するのを条件に、入植地の併合を受け入れることを、パレスチナ側が初めて明確にしたものとして注目される。
 双方の交渉代表が同日、米中東担当者との個別折衝のため米国へ向かったが、シャース氏は、今回の折衝は米調停案づくりのための事情聴取であり、数日で終わると語った。[2000-09-27-00:13] 15
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 09/27@<イラク>サウジとクウェートを非難 フセイン大統領(毎日新聞)

 【カイロ25日高橋弘司】イラクのフセイン大統領が25日、サウジアラビアとクウェートを名指しで非難、「(攻撃を)望めば、予告する義務はない」と武力行使を示唆して警告した。1991年の湾岸戦争以来の厳しい警告といえる。
 国営イラク通信によると、大統領は25日の閣議で、北部と南部に設置された飛行禁止区域で、サウジやクウェートから発進した米英の戦闘機による空爆が続いている点を踏まえ、「イラク国民はサウジやクウェートの富でまかなわれた米国の武器で殺されている」と批判。「危機に直面すれば我々は対決の仕方を心得ている」と警告した。
 高値が続く石油市場の沈静化に向け、クリントン米大統領は22日、石油備蓄放出を承認した。日量平均約300万バレルにまで回復した石油輸出量を誇るイラクにとって、現状は追い風だ。27日からベネズエラで開催の石油輸出国機構(OPEC)首脳会議を控えたこの時期に、フセイン大統領が警告した背景には、輸出量削減などの大胆な戦略で米英両国を揺さ振り、国連制裁解除に向けた駆け引き材料にしようとの思惑があるとの見方が支配的だ。[2000-09-27-00:05] 43
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 09/27@◎ユーゴ選管に信頼性ない=米大統領(時事通信)

 【ワシントン27日時事】クリントン米大統領は27日、ホワイトハウスで記者団に対し、ユーゴスラビア連邦大統領選挙について、野党連合のコシュトニツァ候補の勝利を認めず、決選投票実施を発表した同国選挙管理委員会に「信頼性はない」と明言した。
 クリントン大統領は選管には野党側メンバーが参加していないし、選挙を監視する独立組織もなかったと指摘。野党側や非政府組織(NGO)などは、コシュトニツァ候補が過半数を得票したと考えているとし、ユーゴ国民の大多数の声を支持していく意向を明確にした。 [時事通信社][2000-09-27-23:28] 44
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 09/27@モンテネグロ首相、ユーゴ選管発表の受け入れ拒否(読売新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)27日=西田和也】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のフィリップ・ブヤノビッチ首相(46)はこのほど本紙と会見し、「大統領選で野党候補が過半数を得て勝利したのは明白で、決選投票の必要はない」と連邦選管発表の選挙結果受け入れ拒否を表明した。その上で、決選投票の実施をミロシェビッチ大統領による「権力維持を狙った不正な企み」と退け、「国際社会が野党候補の勝利を公式に承認することが重大な意味を持つ」と強調、同大統領に即時退陣を迫る国際的圧力を強めるよう訴えた。
 同首相は、民主野党連合コシュトゥニツァ候補の「勝利宣言」への支持を表明。「ミロシェビッチ(大統領)が勝つまで続けるつもりの選挙に、参加を論じるのは理に沿わない」として、決選投票が行われた場合にも、モンテネグロのジュカノビッチ政権が再び選挙をボイコットするとの展望を示唆した。
 反ミロシェビッチ路線をとる同政権は今回の連邦大統領選などには参加せず、現体制存続の場合、連邦からの分離独立の是非を問う住民投票実施も辞さないとの構えを見せてきた。
 ブヤノビッチ首相は一方で、コシュトゥニツァ氏を連邦大統領とする新政府が実現した場合には、「連邦制見直しに関する協議を直ちに開始する」と言明。セルビア共和国との「対等な関係」などを求めるモンテネグロ側の綱領に、「同氏が全面的に同意した」とも述べ、「綱領が受け入れられれば、住民投票実施は必要ない」として新体制下での連邦残留に前向きな姿勢を示した。[2000-09-27-23:01] 45
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 09/27@ユーゴ決選投票めぐり、抗議集会で首都緊迫(読売新聞)

 【ベオグラード27日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)の連邦大統領選で、決選投票拒否を表明した「民主野党連合」は二十七日夜、ベオグラード市内で集会を開き、抗議行動を展開する。すでに、セルビア領内の他の主要都市では二十六日夜から、自然発生的な抗議集会が始まった。だが、決選投票拒否は、ミロシェビッチ体制を一気に倒す絶好の機会を放棄することにもなる。抗議行動が政権に野党勝利を受け入れさせるほどの圧力となる保証もない。野党陣営が戦術練り直しを強いられる可能性もある。
 連邦選管の発表では、これまで「連合」傘下の数党が計十五議席を有していたに過ぎなかった連邦下院(定数百三十八)で「連合」は、五十九議席に大躍進、現有議席ゼロの上院(同四十)では十議席を獲得した。社会党は、親ミロシェビッチ派だけで投票が行われたモンテネグロ分を加えて上院二十六、下院七十二議席と第一党の座を確保したが、衰退は明らか。さらに、同時に実施されたセルビア地方選でも「連合」が、百六十九市町村のうち八十九市町村を制し、ベオグラードでは、市議会(定数百十)で百五議席を占める勢いだ。
 セルビア共和国政府で社会党と連立しながら独自候補を擁立した極右民族主義政党の急進党も、決選投票では「連合」候補のコシュトゥニツァ氏支持を表明。これまで野党分裂の震源となってきた最大野党のセルビア再生運動のドラシュコビッチ党首もコシュトゥニツァ氏の勝利を祝福しているほか、モンテネグロの親ミロシェビッチ派政党「社会人民党」にも内部分裂の兆候が出ているとされる。
 「連合」にとっては、決選投票で体制打倒を実現できる情勢は整いつつあるだけに、拒否することは危険なかけだろう。しかし、「連合」は、投票終了後から「コシュトゥニツァ氏が第一回投票で勝利した」と勝利宣言し、政権側に結果受け入れを迫ってきた。今、決選投票に応じるのは体面上難しいのも事実だ。
 二十七日正午記者会見した「連合」スポークスマンは、改めてコシュトゥニツァ氏の当選を強調。「決選投票はありえない」と対決姿勢を鮮明にした。当面、野党側は、抗議行動で政権に圧力をかける戦術だ。
 野党陣営が決選投票を拒否すれば、ミロシェビッチ大統領には、無風での再選を確実にする道が開ける。一方、反政府抗議行動が暴動に発展するような事態に至れば、非常事態宣言で決選投票さえ無期延期して政権にとどまる手段も残されている。ベオグラードでは、同日夜に予定される集会を前に警察が会場撤去を命じるなど緊張が高まっており、この集会の成否が野党側にとっての試金石との見方は強い。[2000-09-27-22:59] 49
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 09/27@<ユーゴ政局>「政治不安定を許してはならない」と露外相(毎日新聞)

 【モスクワ27日石郷岡建】ロシアのイワノフ外相は27日、ユーゴスラビア大統領選挙後の情勢について「ユーゴの政治不安定を許してはならない」「内外の圧力なしにユーゴ国民が完全な意思表示の自由を持つことを支持する」「ユーゴの全政治勢力がユーゴ史の中でも容易でない段階を立派に乗り越えることを信ずる」などと述べた。
 この発言は、欧米諸国のミロシェビッチ大統領批判とは微妙に一線を画しながら、ユーゴ国内の対立回避を呼びかけ、双方の妥協を求めた形となっている。[2000-09-27-22:16] 51
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 09/27@◎選管集計の検証を門前払い=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード27日時事】ユーゴスラビア大統領選でコシュトニツァ候補を擁立したセルビア民主野党連合は27日、政権側の支配下にある連邦選管が26日夜に発表した開票結果を検証する目的で調査団を派遣したが、門前払いされた。
 野党連合の幹部によると、専門家で構成する調査団40人が選管事務所の置かれているベオグラード中心部の連邦議会を訪れたが、選管集計の調査はおろか、選管事務所への入室もできなかったという。 [時事通信社][2000-09-27-22:02] 54
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 09/27@◎ユーゴ当局の不正操作に警告=仏大統領(時事通信)

 【パリ27日時事】フランスのシラク大統領は27日、ユーゴスラビア連邦大統領選挙について、「ユーゴ国民からその勝利をかすめ取ろうとする工作をやめさせなければならない」と指摘、現職のミロシェビッチ大統領陣営による選挙結果の不正操作に対して警告を発した。
 シラク大統領は、民主主義を選択したユーゴ国民の「勇気と決断」を高く評価。「希望はよみがえった。その希望をはぐくもう」と強調した。
 同大統領はまたミロシェビッチ氏について「10年以上にわたり、バルカン半島に災いの種をまきちらし、ユーゴの歴史を傷つけた」と激しく批判した。 [時事通信社][2000-09-27-20:28] 55
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 09/27@◎決選投票必要ない=英外相(時事通信)

 【ロンドン27日時事】英国のクック外相は27日、ブライトンで開かれている労働党大会での発言で、ユーゴスラビア連邦大統領選挙の結果、「ミロシェビッチ大統領は敗北した」と断定、その完全な敗北ぶりからみて「決選投票は必要ない」との判断を示した。
 ユーゴ選管は、ミロシェビッチ、コシュトニツァ両候補とも過半数を獲得できなかったとの暫定公式結果を発表している。しかし、クック外相は英国側がつかんでいる数字として、セルビア共和国の97%の開票所の開票データでは、得票率はコシュトニツァ候補が過半数の55%に達しているのに対し、ミロシェビッチ候補は35%にすぎないと述べた。 [時事通信社][2000-09-27-20:27] 57
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 09/27@◎ユーゴ情勢、重要局面に=河野外相と電話会談−EU上級代(時事通信)

 河野洋平外相は27日夕、大統領選をめぐり緊迫するユーゴスラビア情勢について、欧州連合(EU)のソラナ共通外交安保上級代表と電話会談した。この中でソラナ上級代表は、ユーゴスラビア選管が決選投票を行うと発表したことに関し、「野党側がデモを行う予定で、現地情勢を注視していく必要がある。これからが重要な局面になる」との認識を示した。
 河野外相は「ユーゴ国民は新しい指導者を求めていると考える」と述べ、EUや米国と同様、独自集計に基づく野党側の勝利宣言を支持するとともに、「情勢の展開に日本も重大な関心があるので、今後も緊密に連絡を取り合いたい」との考えを伝えた。 [時事通信社][2000-09-27-19:45] 58
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 09/27@◎ユーゴ国民への内外の圧力に反対=ロシア外相(時事通信)

 【モスクワ27日時事】ロシアのイワノフ外相は27日、ユーゴスラビア大統領選挙に関連し、「ユーゴ国民が内外から圧力を受けることなしに、完全に自由な意思表示を行うことを強く支持する」と述べ、内外のあらゆる勢力による圧力に反対を表明した。
 この発言は、選挙結果を容認できないとする欧米諸国の干渉に反対する一方、野党勢力に対する武力弾圧の懸念が指摘されるミロシェビッチ政権をもけん制して、バランスを取ったものとみられる。
 同外相はまた、ユーゴ情勢が不安定化すれば、ユーゴの領土保全や国際社会への復帰に反対する勢力の思うつぼになるとして、混乱回避を呼び掛けた。 [時事通信社][2000-09-27-19:22] 59
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 09/27@<ユーゴ政局>野党がベオグラードの「勝利」集会に参加呼び(毎日新聞)

 【ベオグラード27日福井聡】ユーゴスラビア連邦のセルビア民主野党連合は27日夜(日本時間28日未明)にベオグラードで開く「勝利」集会に向け、支持者らに参加を呼びかけた。連邦大統領・議会選挙での「野党勝利」を主張し祝うものだが、連邦選管が大統領選の決選投票を行うと発表したことへの抗議集会にもなり、治安当局との衝突も懸念される。与党・社会党は決選投票まで約10日間の猶予を得たが、ミロシェビッチ大統領陣営は深刻な体勢立て直しの難題に直面している。
 野党連合は27日夜の集会で、独自集計の最終結果を改めて支持者に発表し、「コシュトゥニツァ氏の大統領当選」を確認する。同時に、連邦選管の決選投票実施決定を不当と訴える。ただし、野党連合のジンジッチ民主党党首は「連邦選管が再考すれば集会は違った形になる」として、同夜までに連邦選管がコシュトゥニツァ氏の第1回投票での当選を認めるよう促している。
 一方、与党・社会党は、選管決定により10月8日の決選投票まで準備期間を得たが、内部では深刻な路線対立が続いている。今回の選管決定は、「第1回投票でミロシェビッチ氏の50%以上得票による当選」を強く主張した党内強硬派▽決選投票にもち込もうとする中間派▽政権委譲を認めようとする穏健派――の3グループの確執の末、中間派が押しきった結果とみられている。
 この背景として、「第1回当選」を強行した場合の野党側の猛反発を懸念した上、党内と軍・警察の組織内での一本化が図れなかった点が指摘され、過去13年間にわたるミロシェビッチ体制が初めて見せた弱腰とも受け取られている。
 社会党内のさまざまな動きを裏付けるように、ジンジッチ民主党党首は「社会党側から裏取引の提示があった」と認めている。提案は「決選投票でミロシェビッチ氏を勝利させる代わりにジンジッチ党首を首相に指名する」との内容だったとみられる。[2000-09-27-19:15] 62
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 09/27@欧米、苦しい立場に 手詰まりの対ユーゴ政策(共同通信)

 【ブリュッセル27日共同】ユーゴスラビア大統領選挙で、野党連合候補の勝利を認めようとしないミロシェビッチ大統領が選管に決選投票を発表させ、勝利を主張する野党陣営がこれに反発したことで、野党を支持する欧米諸国は難しい立場に立たされた。
 欧州連合(EU)議長国のフランスのベドリヌ外相は二十六日、選管の開票結果発表前に「野党候補勝利」を実質的に「公認」。対ユーゴ制裁解除の準備を呼び掛けた。
 ブリュッセルの外交筋によると、今後のEUの対ユーゴ制裁は「野党勝利」を前提に動くことになるが、当面、ミロシェビッチ大統領の自発的な退陣を要求するほかないという手詰まりな状態という。
 今後、想定される最悪のシナリオは野党が自ら新政府を発足させた場合だ。EU各国は野党勝利を公認しているだけに、新政府承認を迫られ、ミロシェビッチ政権がこれを抑え込もうと弾圧などに出た場合、介入を余儀なくされる事態さえ予想される。(了)[2000-09-27-18:19] 64
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 09/27@◇ユーゴ大統領選、決選投票に 選管が発表、野党は拒否◇(朝日新聞)

 24日に行われたユーゴスラビア大統領選で、連邦選管は26日夜、初めて公式の開票結果を発表した。発表は、野党連合のコシュトニツァ候補が48.22%、ミロシェビッチ大統領が40.23%としている。過半数を得た候補者がいなかったため、選管は2週間以内に決選投票を行うとしている。実施されるなら10月8日とみられている。しかし、独自集計をもとにすでに「勝利宣言」をしたコシュトニツァ候補は、決選投票を拒否する声明を発表。野党側は27日夜、首都の連邦議会前で集会を開き、同候補の勝利を認めるよう圧力をかける構えだ。
 開票結果は約1万500カ所の投票所のうち1万153カ所の開票に基づくもので、開票作業はほぼ終了したとみられる。投票率は64.16%だった。
 選挙前はほぼ無名だったコシュトニツァ氏は政権による「不正工作」の疑いが濃い投開票を経て、公式発表でもミロシェビッチ大統領を上回る票を得たことが確認された。
 コシュトニツァ氏は連邦選管の発表についての声明で、「与党は(決選に応じて勝利宣言を取り下げるよう)取引をしようとしているが、当然、このような申し出は断らねばならない」と譲歩するつもりがないことを明言した。
 大統領選には5人が立候補したが、事実上、両候補の一騎打ちだった。連邦選管は28日夜までに最終的な集計結果を発表する見込みだが、残る票はわずかで、どちらかが過半数を制することはないと見られる。
 政権側による「不正工作」に不信感を抱く野党陣営は、開票所の立会人の報告をもとに独自調査を行った。97.5%の開票段階でコシュトニツァ氏が約55%、大統領は約35%としている。27日午後8時(日本時間28日午前3時)には首都の連邦議会前で街頭集会を開き、独自集計の最終結果を発表する。コシュトニツァ氏も姿を現し、「当選」を改めて宣言する予定だ。
 欧州連合(EU)や米国は野党の勝利宣言を支持している。決選投票が実施されれば、独自候補を立てていた最大野党のセルビア再生運動もコシュトニツァ氏支持にまわるとみられ、ミロシェビッチ大統領はさらに不利な状態に追い込まれることが予想される。こうした状況を受けて、同大統領が決選投票までに何らかの次の手を打つのかどうか、注目される。[2000-09-27-17:51] 65
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 09/27@野党連合の集会前に緊張 ユーゴ大統領は分裂誘う(共同通信)

 【ベオグラード27日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙で、セルビア民主野党連合は二十七日夜(日本時間二十八日午前)、ベオグラードの連邦議会庁舎前で独自集計の「最終結果」を発表する集会を開く。
 野党連合のコシュトニツァ候補はこの場で正式に勝利宣言する予定。野党連合の集会はミロシェビッチ政権に対する抗議行動の場に発展するのは必至で、政権側は治安部隊の出動を計画するなど緊張が高まっている。
 これに対し、ミロシェビッチ大統領は、連邦選挙管理委員会に二十六日、過半数を得た候補がおらず決選投票に進むと発表させることで、野党連合の内部分裂を誘う作戦に出ている。
 野党連合が選管発表に不正があったと決選投票をボイコットすれば大統領が唯一の候補となり、再選が決まるとの思惑が大統領にある。大統領は、決選発表で野党内部に「政権獲得」を優先し選挙参加を訴える勢力と、ボイコットを主張する勢力の間に亀裂が生じると予測。過半数の得票者がいない場合、決選投票は二週間以内に行うことになっており、大統領はこの間に、状況の好転を狙う構えだ。
 コシュトニツァ候補は選管発表後に公表した声明で、「勝利は動かない。(大統領の与党)社会党は時間を稼ぎ、この間に野党陣営の内部対立を引き出そうとしている」と批判した。
 野党連合のこれまでの集計によると、コシュトニツァ候補は五四・六六%を得票、大統領の三五・○一%に大差をつけた。
 連邦議会庁舎前には二十六日夜、内務省特殊部隊のトラックが配置され、地元ラジオによると、連邦軍兵士の招集が続いている。(了)[2000-09-27-17:11] 66
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 09/27@決選投票で不測の事態懸念 モンテネグロが警戒強める(共同通信)

 【ポドゴリツァ27日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選で決選投票が行われる可能性が出てきたことに対し、親欧米のモンテネグロ政府が警戒感を強めている。
 セルビア民主野党連合のコシュトニツァ候補が決選投票をあくまで拒否、大規模な抗議デモに出れば、ミロシェビッチ連邦大統領に「弾圧」の口実を与えかねない。その場合、緊張状態がモンテネグロに飛び火、不測の事態が起こる可能性も予想されるからだ。
 共和国政府は二十六日、動員警官を増やし、政府庁舎周辺の警戒態勢を強めている。
 ブルザン・モンテネグロ副首相は決選投票をめぐり、セルビアの与野党の緊張が高まっているため「ミロシェビッチ大統領は連邦軍に、必要な場合に介入できる権限を与えているはずだ」との見方を示した。
 しかし、同共和国のブコビッチ大統領補佐官はミロシェビッチ大統領が選挙で「敗北した」ため、連邦軍による介入には否定的。ただ親セルビア民兵が挑発的な行動に出る可能性はあると語った。
 副首相によると、モンテネグロには精鋭の第七旅団(約千七百人)など一万数千人の連邦軍が駐留、約二万人の民兵も存在している。これに対し共和国側は、秘密、特殊、一般の各警察(推定一万数千人)が治安維持の役割を担っている。(了)[2000-09-27-17:04] 71
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 09/27@◇「ユーゴ政権は正統性失った」 大統領選で米大統領◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は26日、ユーゴスラビア大統領選について、「勇敢な国民の投票の結果、ミロシェビッチ氏は政権の正統性を支えてきた最後のよりどころを失ったようだ」との見解を示し、「国民の意思が尊重されるなら、ユーゴに対する経済制裁を解除する手続きに入る」と語った。ロックハート大統領報道官は、野党候補の得票率が過半数に達しなかった、とする連邦選管の発表について、「非常に疑わしい」と指摘したうえで、決選投票に対する野党側の出方を見守る考えを示した。
 大統領は、ジョージタウン大学での外交演説で、「ユーゴスラビア政府の不正の試みにもかかわらず、国民ははっきりと変革を望んだ。問題は、政府が結果に耳を傾けるかだ」と問いかけたうえで、「ミロシェビッチ氏の権力欲を見くびってはならないが、暴力や威嚇に屈せず、自由を求めた国民の決意も過小評価すべきでない」と強調した。
 野党連合のコシュトニツァ氏については、「我々のコソボ政策に同意しているわけではなく、新政権の誕生で、ただちに米国とユーゴの関係が改善する、との幻想は抱いていない」としつつも、政権交代が実現すれば、「欧州と世界はユーゴスラビアに門戸を開く。制裁の解除で、国民はまともな生活を取り戻すことができる」と指摘した。
 大統領の講演は、連邦選管の発表直前に行われた。コーエン国防長官はこの日のシカゴでの講演で、「決選投票に持ち込まれれば、ミロシェビッチ氏は不正のためにさらに時間を稼げる」との懸念を示した。また、米国家安全保障会議のクローリー報道官は「政府側の発表した数字に不明朗なところがある以上、野党側が決選投票を拒否しているのは理解できる」と述べた。[2000-09-27-11:47] 72
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 09/27@米大統領「ミロシェビッチ政権、正統性ない」(読売新聞)

 【ワシントン26日=林路郎】クリントン米大統領は二十六日、ワシントンのジョージタウン大学で演説し、ユーゴスラビア連邦の大統領選挙について、「ミロシェビッチ大統領は今選挙により、(権力にとどまる)正統性を失った」と述べ、ユーゴ政権側に、野党の勝利を受け入れるよう迫った。クリントン大統領はまた、「ユーゴ国民の意思が受け入れられるならば、米国は同盟国と協調して経済制裁の解除に着手する」とも語った。
 クリントン大統領の発言は、ユーゴ連邦選管の決選投票実施発表の前のもの。大統領は同時に、「権力にしがみつこうとするミロシェビッチ氏の意思も、自由を求めるセルビア共和国民の意思も、過小評価しない」と当面、事態を見守る姿勢も示した。
 米国務省当局者は、決選投票が発表されたことについて、「一両日の展開を見守る」とだけ述べている。
 【ブライトン(英南部)26日=渡辺覚】混迷が続くユーゴスラビア連邦の大統領選挙をめぐり、ブレア英首相は二十六日、当地で開催中の英労働党大会で、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に対し、選挙の敗北を認め、早期退陣するよう強く勧告した。
 同党大会の演説でブレア首相は、「ミロシェビッチ氏に告げる。あなたは敗北した。退陣せよ。あなたの国と世界は十分に苦しんだ」と述べ、強い調子で辞任を求めた。クック外相もこれに先立ち、「ミロシェビッチ大統領が武力で政権維持を図る場合、欧米は軍事力行使の用意がある」と述べている。[2000-09-27-11:44] 74
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 09/27@<ユーゴ大統領選>過半数に達せず決選投票実施へ 連邦選管(毎日新聞)

 【ベオグラード27日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)大統領選で、連邦選管は26日夜(日本時間27日未明)、24日夜の開票開始以来初めて集計結果を明らかにし、野党・セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が得票率48・22%、与党・社会党の現職、ミロシェビッチ大統領(59)が同40・23%と発表した。選管は、両候補とも過半数に達しないため「2週間後に決選投票を行う」と述べた。しかし、独自集計をもとに勝利宣言した野党連合は「決選投票には応じられない」と拒否、27日夜にベオグラードで勝利集会を開く予定で、治安部隊との衝突も懸念される。
 国営タンユグ通信によると、大統領選の決選投票は10月8日に設定された。選管は、同時に実施された連邦議会選挙では社会党などの与党連合が勝利したと発表した。
 選管は開票率を明らかにしていないが、ほぼ100%の開票所の集計結果で、投票率を64・16%と発表している。コシュトゥニツァ氏の得票率を54・66%と主張する野党連合はこれまで投票率を70%台と伝えており、投票率にも食い違いが出ている。
 選管発表に対してコシュトゥニツァ氏は「全投票者を侮辱するものだ。票を盗んだ政治的ごまかしであり、拒否されなければならない」と反発、野党連合は「コシュトゥニツァ氏の過半数獲得は間違いない。連邦選管は政府・与党の指示を受けて決選投票に持ち込むよう操作した」と批判している。
 24日以降、選管発表が遅れる中、与党側の投開票不正操作を警戒する野党連合は独自集計結果をもとに「勝利」を宣言してきた。選挙対応について与党内部では足並みの乱れも指摘されていたが、最終的に時間稼ぎの選択をした可能性がある。[2000-09-27-11:00] 75
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 09/27@<ユーゴ大統領選>米大統領、ミロシェビッチ大統領の退陣促(毎日新聞)

 【シカゴ26日布施広】クリントン米大統領は26日、ワシントン市内で演説し、ユーゴスラビア大統領選での野党勢力の勝利は明白との見解を示す一方、ユーゴ当局が民意を尊重するなら、米国と同盟国は対ユーゴ経済制裁を解除する用意があると述べ、間接的にミロシェビッチ大統領の退陣を促した。
 大統領の演説は、ユーゴ選管が決選投票の実施を発表する直前に行われた。大統領は今回の選挙で、ミロシェビッチ大統領が「権力を正当化する最後のよりどころも失った」と述べ、ユーゴ国民に「平常な生活に戻るチャンス」を生かすよう呼びかけた。
 クリントン大統領はミロシェビッチ大統領に対する声高な退陣要求は避けたが、米当局者によると、外国首脳の激しい政権批判によって逆にミロシェビッチ政権側が結束することを警戒したためとみられる。
 しかし、同日の米上院外交委員会の公聴会で証言したオルブライト国務長官は、ミロシェビッチ大統領は「過去の人物だ」として政権存続を認めない方針を確認。ユーゴでは「公正な選挙活動を妨げるために、あらゆる工作が行われた」とミロシェビッチ政権の不正選挙を非難した。
 また、シカゴで講演したコーエン国防長官は、決選投票の実施について「(ミロシェビッチ政権に)選挙結果をあざむく時間的余裕を与えることになる」と強い警戒感を示した。[2000-09-27-10:45] 76
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 09/27@<ユーゴ大統領選>決選投票に野党が猛反発、際どい駆け引き(毎日新聞)

 【ベオグラード27日福井聡】ユーゴスラビア連邦の大統領選挙で、連邦選管が26日に発表した決選投票実施の方針に対し、コシュトゥニツァ候補の勝利を宣言していたセルビア民主野党連合は猛烈に反発している。野党連合にとって独自集計で出した同候補の得票率「54・66%」という過半数獲得の成果を棚上げにはできず、決選投票には賛同できない。しかし、決選投票に応じない場合、ミロシェビッチ大統領の陣営が「不戦勝」を主張することも考えられ、際どい駆け引きが続きそうだ。
 野党連合の、ジンジッチ民主党党首は26日夜、「今後、連邦選管の集計と逐一照らし合わせてチェックすることを要請するが、第1回投票でのコシュトゥニツァ氏当選は動かず、決選投票には応じられない」と断言した。また、野党連合のコーラッチ幹部は「これは明らかにミロシェビッチ陣営の政治的延命をかけた画策だ。決選投票に応じることは有権者への背信行為を意味する」と強調した。
 野党連合は今後さらに方針を協議した上、27日午後8時(日本時間28日午前3時)からベオグラードで開く集会で今後の方針を発表するとしている。
 ただし、野党側が強硬に決選投票を拒否し続ければ、与党側は連邦選管の指示に従って決選投票に参加し、「不戦勝」を得る可能性もある。与党側は、決選投票では弱体化が伝えられる組織の引き締め強化にかかるとみられる。
 24日の投票日前までは、ミロシェビッチ政権が投開票操作により第1回投票で大統領の過半数獲得を宣言する可能性があるとの憶測が飛び交っていた。しかし、実際は予想以上にコシュトゥニツァ票が大幅に上回ったため、与党側は「当選に必要な過半数に達せず」とすることで急場をしのいだ疑いが残る。また、各種報道で投票率は75%前後と伝えられていたのが、選管発表で64%と低くなっている点も疑問視されそうだ。
 連邦選管による決選投票実施の発表について、外交筋は「典型的なミロシェビッチ式戦略だ。時間を稼ぎ、その間に体勢立て直しを図る意図だ」とみている。また、「引き続き政争を繰り返すことで国民のあきらめを誘う狙いだ」との指摘もある。[2000-09-27-10:35] 77
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 09/27@<ユーゴ大統領選>英首相がミロシェビッチ大統領退陣を要求(毎日新聞)

【ロンドン26日岸本卓也】ブレア英首相は26日、英南部ブライトンで開催中の労働党大会で演説、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領について「大統領に言いたい。(選挙で)敗北した。もう辞任せよ。国や世界を十分に苦しめた」と強い調子で退陣を求めた。また、クック外相は同大統領に対し「権力維持のために軍事力を行使してはならない」と警告した。
 英軍は地中海を管轄している空母など15隻の艦艇をユーゴ近海に待機させている。クック外相は「欧米各国の共同の軍事力は欧州の安全を維持するために存在し、それはミロシェビッチ大統領への強い警告を与える役割もある」と述べ、軍部を掌握している大統領に北大西洋条約機構(NATO)の強大な軍事力で圧力をかけていることを強調した。[2000-09-27-10:25] 78
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 09/27@ユーゴ大統領選「決選投票」発表 野党は拒否(読売新聞)

 【ベオグラード26日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)で二十四日投票が行われた連邦大統領選挙で、連邦選管は二十六日夜(日本時間二十七日未明)、セルビア国営テレビなどを通じ、「第一回投票で過半数を獲得した候補はなく、決選投票に進む」と発表した。同選管の発表によれば、得票率は、「民主野党連合」のコシュトゥニツァ候補(セルビア民主党党首)が48・22%、ミロシェビッチ大統領は40・22%。この発表に対し、第一回投票での勝利を宣言した野党陣営は決選投票を拒否、抗議行動に訴える構えで、事態は混迷を深めている。
 選管の発表は、二十四日の投票後初めて。ユーゴ全国の投票所一万五百か所のうち一万百五十三か所の開票に基づくものとしている。選挙法は、決選投票を第一回投票から十五日以内としており、同テレビは「おそらく十月八日になろう」と伝えた。
 「連合」が選管発表の直前に公表した開票率98・5%段階の集計は、コシュトゥニツァ党首54・66%、ミロシェビッチ大統領35・01%とし、「第一回投票でのコシュトゥニツァ氏の当選は決定的」と重ねて強調していた。
 選管発表を受けて緊急記者会見した「連合」選対本部長のジンジッチ氏(民主党党首)は、連邦上下両院選の結果については、選管と「連合」の集計にほとんど差がないと指摘。「大統領選だけが大きく食い違っているのは不可解」としたうえで、「ミロシェビッチ側がコシュトゥニツァ票を盗んだもので、選管がわれわれに、すべての票の確認作業を認めない限り、決選投票を受け入れることはできない」と表明した。
 コシュトゥニツァ候補も声明を出し、「決選投票を受け入れることは、われわれに投票してくれた有権者を侮辱することで、受け入れることはできない」と激しく政権側を非難した。
 「連合」は、二十七日夜、選管のある連邦議会前で独自の最終結果を発表するとして、支持者に集結を呼びかけており、これが抗議行動の第一歩となるものと見られる。
          ◇
 ◆窮地の政権、時間稼ぎ 「決選」拒む野党の出方探る◆
 【ベオグラード27日=佐々木良寿】ユーゴスラビア大統領選挙で連邦選管が二十六日夜(日本時間二十七日未明)、決選投票を発表した背景には、劣勢に立たされながらも時間を稼ぎながら情勢を見守ってきたミロシェビッチ大統領陣営の、したたかな思惑があるようだ。
 同陣営の選択肢は、〈1〉第一回投票で当選を宣言する〈2〉決選投票に持ち込む〈3〉投票自体を無効にする――の三つに限られていた。陣営内部で激しい議論があった模様だが、野党側が、政権による選挙結果の不正操作を阻止し野党勝利を既成事実化する狙いで独自集計を発表するなかで、民主的手続きで再選されたとする正当性を獲得するためには、野党候補のコシュトゥニツァ氏にリードを譲る形で決選投票に持ち込むことしか残されていなかったともいえる。
 この間、早々に勝利を宣言した野党側は、大統領側に選挙結果の受け入れを求めるとして、支持者に街頭に出るよう呼びかけ、選挙結果受け入れか対決かの二者択一を迫ってきた。これに、米欧も同調したが、こうした二者択一戦術は、野党側にとっては、決選投票を受け入れられない状況に自らを追い込む結果となった。大統領陣営が突いたのは、まさにこの点だった。
 連邦選管の発表を受けた野党側は、大統領陣営の計算通り、決選投票拒否を表明した。今後、野党側が翻意する可能性もあるが、追いつめられていた大統領にとっては、当面、態勢立て直しの余裕が生まれたことは間違いなく、来月八日の実施が有力視される決選投票を念頭に、政権側と野党側の緊迫した駆け引きが続くと見られる。[2000-09-27-10:07] 79
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 09/27@<モンテネグロ>決選投票決定に失望する首都ポドゴリッツア(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)26日福原直樹】ユーゴ大統領選で、連邦選管が決選投票の決定を発表したことで、連邦離脱派のジュカノビッチ氏を大統領とするモンテネグロ共和国の首都ポドゴリッツアでは失望を呼んでいる。
 首都は、決選投票の決定が発表された後も、表向き大きな変化はなかった。市内3ヶ所で各年齢層の市民20人に聞いたところ、13人が野党連合・コシュトゥニツァ氏の勝利を信じており、「失望した」と答えた。
 また、「ミロシェビッチ氏が、政権に留まる時間稼ぎを行っている」(会社員、35歳)、「ミロシェビッチ氏が選挙操作を行った」(商店主、39歳)などの意見が、半数を占めた。
 一方、ジュカノビッチ氏と連立政権を組む、社会主義者民主党のイリチコビッチ副党首は、毎日新聞に「ミロシェビッチ氏が決選投票で勝利した場合は、モンテネグロに対し、軍事力などで影響力を行使する可能性がある」と語った。[2000-09-27-10:05] 80
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 09/27@米、暫定開票結果を批判 ユーゴ大統領選(共同通信)

 【ワシントン26日共同】ロックハート米大統領報道官は二十六日、ユーゴスラビア連邦選挙管理委員会が大統領選は決選投票になるとの暫定開票結果を発表したことについて「一回目の投票で野党候補の勝利が認められないことは非常に疑問だ」と指摘、今後の野党陣営の出方を「注視したい」と述べた。
 選管発表に先立ち、クリントン米大統領は同日午前、ジョージタウン大での講演で「この選挙でミロシェビッチ氏は最後の正統性のよりどころを失った」と指摘、ミロシェビッチ大統領に退陣を要求した。
 報道官はまた「野党候補の票が(ミロシェビッチ大統領の票を)上回ったことを政府が認めた点は興味深い」と述べた。(了)[2000-09-27-09:49] 85
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 09/27@決選投票拒否を野党に訴え モンテネグロ指導部(共同通信)

 【ポドゴリツァ26日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙で連邦選挙管理委員会が二十六日、ミロシェビッチ連邦大統領とセルビア民主野党連合のコシュトニツァ候補が決選投票に進むとの暫定開票結果を発表したことに対し、親欧米のモンテネグロ政府は同日夜、決選投票を拒否するよう野党陣営に訴えた。
 ブルザン・モンテネグロ副首相は、コシュトニツァ氏は第一回投票で既に勝利しており「決選投票に進むべきではない」と強調。「ミロシェビッチ氏が最後に非人間的な手を打つことは予期していた」と指摘し、連邦軍などによる今後の介入に懸念を示した。
 ブコビッチ大統領補佐官も「決選投票に進めば、市民は野党陣営に失望するだろう」と警鐘を鳴らした。
 一方、ポドゴリツァ市民の間では、楽観的な空気と危機感が交錯。レストラン勤務のシンジス・バスコさん(33)は「コシュトニツァ氏の勝利を確信している。連邦軍も市民の側に付きつつある」と冷静に語る。
 しかし、エステティシャンのターニャ・イバザイさん(38)は「どちらの候補が勝っても危険をはらんでいる。平和裏に終わらないような気がする」と不安げだった。(了)[2000-09-27-07:55] 87
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 09/27@2候補で決選投票か 選管暫定集計、野党反発 ユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード26日共同=永田正敏】ユーゴスラビア連邦選挙管理委員会は二十六日、連邦大統領選の暫定開票結果を発表し、過半数を得た候補者がいなかったことから、ミロシェビッチ大統領(59)とセルビア民主野党連合のコシュトニツァ候補(56)が決選投票に進むことになったとの声明を発表した。
 野党連合は「不正工作」「時間稼ぎ」と反発、コシュトニツァ氏が勝利したとして決選投票を拒否。米政府や欧州連合(EU)は野党勝利を事実上承認してミロシェビッチ大統領に退陣圧力をかけており、大統領選をめぐる混乱は一層拡大しそうだ。
 選管声明によると、コシュトニツァ氏の得票率は四八・二二%で、ミロシェビッチ大統領が四○・二三%。投票率は六四・一六%だった。全五候補の得票数を足すと総投票数の約五百万票になるため、集計作業は終了したとみられる。過半数の得票者がいない場合は二週間以内に決選投票を行うことになっている。
 声明は、同時に行われた連邦議会選では社会党などの連立与党側が勝利したとしている。
 コシュトニツァ氏が五四・六六%を獲得したと主張している野党連合のジンジッチ選対本部長は、選管に資料提出を求めて野党連合の資料と照合するとした上で「勝利を示す証拠を持っている。政権は六十万票を盗んだ」と非難。コシュトニツァ氏は「決選投票は拒否する」との声明を出した。
 野党連合は二十七日夜に最終結果をベオグラードの連邦議会前で公表し、コシュトニツァ氏の正式な勝利宣言をする予定。選管声明に反発する市民の大集会に発展する可能性がある。
 選管はこれまで選挙結果について一切発表してこなかった。選挙法によると、選管は二十八日午後八時までに最終開票結果を公表する義務がある。選管は二十六日、期限までに最終結果を発表すると表明した。(了)[2000-09-27-07:46] 86
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 09/27@決選投票は拒否と野党 ユーゴ大統領選(共同通信)

 【ベオグラード26日共同】セルビア民主野党連合のジンジッチ選対本部長は二十六日、ユーゴスラビア連邦選挙管理委員会が大統領選について、ミロシェビッチ大統領と同連合のコシュトニツァ候補の決選になるとする暫定開票結果を発表したことに対し「不正だ。コシュトニツァ候補の勝利は間違いない」として、決選投票に参加する意思はないと述べた。(了)[2000-09-27-07:51] 88 [このページの最初に戻る]


 09/27@時間稼ぎの窮余の策か 連立与党に深刻な亀裂 ユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード26日共同】ユーゴスラビア連邦選挙管理委員会が二十六日、決選投票になるとの大統領選開票結果を発表した背景には、ミロシェビッチ大統領の「敗北」をめぐり連立与党内で深刻な対立が起きたことがあるようだ。
 コシュトニツァ候補のセルビア民主野党連合は、与党陣営内で敗北を認めるか強引に勝利宣言するかの二派に分裂していたとみており、結局は実施まで二週間の猶予を得られる時間稼ぎの窮余の策を選んだもようだ。
 与党が支配的影響力を持つ連邦選管が二十四日の投票日以降、投票率の発表さえ避けてきたのは、与党内の対応をめぐる協議の難航を物語っている。
 野党連合のジンジッチ選対本部長によると、大統領の社会党を中心とする「柔軟派」はコシュトニツァ候補の勝利を受け入れる用意があったが、マルコビッチ大統領夫人が率いる「強硬派」のユーゴスラビア左翼側が強く抵抗、大統領勝利を宣言すべきだと主張した。
 別の野党幹部によると、こうした対立に困惑した多数の与党幹部が二十六日までに辞職を申し出たとの未確認情報もある。コシュトニツァ候補は声明で「大統領は時間を稼ぎ、野党連合に内部対立を引き起こさせようとしている」と批判した。(了)[2000-09-27-07:45] 126
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 09/27@<仏ビデオ>裏金づくりの実態暴露 ストロスカーン元蔵相が(毎日新聞)

 フランスの保守政党・共和国連合(RPR)の裏金づくりの実態を暴露するビデオの出所がストロスカーン元蔵相(社会党)だったことが分かり、仏政界が大揺れにもめている。この疑惑をめぐってシラク仏大統領が首相兼パリ市長だった時代の関与が報じられ、左右両派を巻き込んだ一大スキャンダルに発展しつつある。【パリ・橋本晃】
 発端になったのは22日付ルモンド紙の報道。実業家でRPR中央委員だったジャンクロード・メリー氏が生前、同党の裏金づくりの手口を記録・保存しておいたビデオの詳細な内容をスクープした。
 ビデオはメリー氏がジャーナリストの質問に答えるかたちで収録された。この中に、1986年、当時のシラク首相兼パリ市長の立会いの下、公共工事入札に絡み業者から受け取ったわいろ500万フランを首相府官房長官に手渡したとの爆弾発言があった。同氏はビデオの中で、違法なカネは一部、社会党や共産党にも流れたと証言していた。
 シラク大統領はただちに「ビデオの内容はうそだ」と全面否定した。しかし、パリ市役所に架空の人物を雇用したことにしてその給料を党のヤミ資金に流用した問題などの同党の汚職疑惑にはかねてからトップのシラク氏の関与が取り沙汰されていた。党の元やみ金庫番が生前の96年、「何かのときのために」撮っておいたというビデオはこの大統領の疑惑を再燃させた。
 さらに、そのビデオの出所が昨年11月、別の汚職事件への関与が明るみに出て辞職した社会党のストロスカーン元蔵相だったことが分かり、今度はジョスパン首相の社会党陣営が窮地に立たされた。
 ニュース週刊誌レクスプレスが24日、インターネット上で「ビデオの流出に元蔵相が深く関与していた」と報道。旧友の弁護士が自分の顧客である有名デザイナーの税額に手心を加えてもらう見かえりに、元蔵相にRPRの裏金づくりの仕組みを説明した問題のビデオを手渡したという。
 捜査当局は翌25日、証拠隠滅などの容疑でストロスカーン氏の事務所などを一斉捜索。元蔵相はビデオを所持していたことは認めたが、「中身は見たことがなく知らなかった」と苦しい釈明に終始した。
 これを受けて、シラク大統領の側は攻勢に転じた。ジョスパン首相に対し、ストロスカーン氏がビデオの流出に具体的にどんな関与をしていたのか徹底的に調べるよう要請
した。首相側も「捜査は司法当局が行うものだ」と応戦したため、RPR元幹部が残した1本のビデオが左右の主要政党を揺り動かす事態に発展した。
 ストロスカーン氏は97年6月の蔵相就任以来、社会党出身ながら経済界との協調を重視した巧みな経済運営が評価された。しかし、社会党系の学生社会保障基金の資金流用などの疑惑で任期半ばにして辞職した。
 元側近のスキャンダルは、ジョスパン首相自身のマイナスイメージにもつながる。内相の辞任劇に発展したコルシカ問題や、石油製品の価格上昇に抗議するトラック運転手らの実力行使などが不評を買い、ジョスパン首相の支持率が急落していた矢先に、今回の騒ぎとなった。
 一方、シラク大統領は通常の刑事犯罪では裁かれない大統領特権を盾に防戦しているが、マスコミの「大統領金脈問題」追及を封じ込めるのは難しい。
 ともに2002年春の次期大統領選に出馬が確実視される保守の大統領と左派の首相。1本のビデオが仏政界に巻き起こした波紋は、この保革共存政権(コアビタシオン)の亀裂にまで及びかねない勢いだ。[2000-09-27-22:30] 159
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 09/27@出口見えぬチェチェン紛争 ロ軍本格進攻から1年(共同通信)

 【モスクワ27日共同】ロシア連邦軍によるチェチェン共和国への本格進攻から二十八日で一年。連邦軍が「制圧」を宣言した現地では今も戦闘が絶えず、連日多くの兵士が命を落としている。チェチェン紛争終結の糸口は一向に見えない。
 「もう新たな戦争はない」。連邦軍のマニロフ第一参謀次長は二十五日、チェチェン全域をコントロールしていると強調した。
 しかし武装勢力によるゲリラ攻撃は日常的に起きている。連邦軍によると、この一年間に同軍部隊だけで二千五百人以上が死亡。今も一週間に二十―三十人のペースで連邦軍側の犠牲者は増え続けている。
 昨年のチェチェン進攻で「強いロシア」を体現、支持率アップの原動力としたプーチン大統領は「大統領選にも当選し、紛争の“成果”に満足している」(マルコフ政治調査研究所長)。チェチェン問題の政治的価値は落ち、むしろ泥沼化する情勢に触れたくないと判断しているようだ。
 一方、同共和国のマスハドフ大統領は最近のロシア紙のインタビューで、なお一万五千人の戦闘員がいると述べ「必要なら十年でも抵抗できる」と強調。バサエフ、ハタブら強硬派司令官も健在とみられている。
 軍事評論家のフェリゲンガウエル氏は「現地の状況は一年前より悪化している。こんなにつらく長い戦争はこりごりだというのが連邦軍兵士の本音だ」と指摘。「プーチン政権は将来のチェチェンに戦略も展望も持っていない」と話し、武装勢力が再びほう起する可能性を警告している。(了)[2000-09-27-15:12] 172
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 09/27@<中東和平協議>パレスチナ国際協力相が見通し語る(毎日新聞)

 【ラマラ(パレスチナ自治区)26日海保真人】パレスチナ自治政府のシャース国際協力相は26日、ワシントンでのパレスチナ、イスラエル、米国の本格協議を前に、ラマラで外国記者団と会見、見通しなどを語った。
 ――今回の協議について。
 ◆我々は米政府に正式な調停案を提示する前に双方の交渉団と協議することを求めてきた。だから今回の協議開催には満足している。交渉代表は調停案に何が含まれるべきかを説明するつもりだ。草案は既に2回、米当局者からクリントン大統領に報告されているという。協議がうまくいけば、首脳会談の再召集につながる。
 ――パレスチナ最終地位交渉の各議題の進展状況は。
 ◆7月のキャンプデービッド(3首脳会談)以降、何も変わっていない。キャンプデービッドでは十段階評価をすれば、領土問題が交換案を含めて8、水問題は7・5、治安問題は7で、双方は接近していた。しかし、エルサレム帰属問題は全体で5、ハラム・アッシャリーフ(イスラム聖地、ユダヤ名・神殿の丘)の主権問題に至ると1。パレスチナ難民問題は概念的には3〜4だが、帰還権に関しては1〜2程度だった。
 ――理想的な交渉と合意方法について。
 ◆ハラム・アッシャリーフだけに集中していては他の問題が解決されない。だから我々は、1人のリーダーのもと、個別チームが各議題を詰め、成功したものは蓄積し、最終的に包括的な和平合意にサインする方法を提唱している。個別の議題の成功は、難問を進展させる信頼関係を醸成するはずだ。ただ、エルサレム問題のみを延期させるような暫定的合意や、主権の実体のないエルサレム国際管理案には反対している。[2000-09-27-10:25] 174
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 09/27@超党派外交ができたなら… 米国務長官、最後の恨み言(共同通信)

 【ワシントン26日共同】女性初の米国務長官として鳴り物入りで登場しながら、大きな成果に恵まれずに任期切れが迫るオルブライト国務長官が二十六日、上院外交委員会で最後の証言を行い「もう少し超党派で一致して外交に取り組みたかった」と、共和党主導の議会相手に恨み言を漏らした。
 包括的核実験禁止条約(CTBT)の上院承認否決、温暖化防止京都議定書への反対、国連分担金の支払い拒否など、クリントン外交の行く手を次々に阻んだ共和党議会。長官は宿敵ヘルムズ外交委員長(共和党)に「米国の国益のためにはもっと歩調をそろえる必要があった」と指摘した。
 また、米ソ対立だけに専念した冷戦時代と異なり、遺伝子組み換え作物やエイズ治療薬が外交交渉の議題となり、数年前には存在もしなかったアフリカの小国の細かい知識が求められる「二十一世紀の外交」の難しさにも言及した。
 来年一月にブッシュ共和党政権が誕生すればもちろん、ゴア民主党政権の場合でも国務長官の交代は当然視されている。学者出身の長官は退任後はまた学者に戻ると明かした。
 米議会は今月末で今年の会期を終える。ヘルムズ委員長は「外交委員会としてこんなことは初めて」と前置きし、全委員で長官を拍手で見送った。(了)[2000-09-27-09:29] 83
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 09/27@ファンの心つかんだ17歳 3決で敗れたテニスのドキッチ(共同通信)

 メダルは逃したが、地元オーストラリアの人々の心はつかんだ。テニスの女子シングルスのスター選手、エレナ・ドキッチが二十六日の3位決定戦に敗れ、銅メダル獲得はならなかった。「オリンピックは素晴らしい。グレートな体験だった」。観客の温かい拍手を受けながら、十七歳はほほ笑んだ。
 相手は元世界ランク1位のモニカ・セレシュ(米国)。雨で開始が遅れた試合は、わずか一時間足らずで終わった。強力サーブに押され、ベースライン際のストローク戦でも安定性で見劣りした。懸命に対抗しながらも、要所でミスショットを繰り返した。
 「モニカの出来が良過ぎた。わたしは何もできなかった」。1―6、4―6。マッチポイントではセレシュのサービスエースにほとんど足が動かなかった。
 天才少女は心身とも疲れ切っていた。今年の全豪オープンでは地元メディアと衝突し、シドニー五輪出場に難色を示した。その後もオーストラリア・オリンピック委員会と五輪出場をめぐりゴタゴタが続いた。
 ウィンブルドン選手権ではベスト4進出。だがコート外では、先の全米オープンで父親が大会側とまたもトラブルを起こした。今大会でコーチである父親は結局、一度も試合会場に姿を現さなかった。
 ユーゴスラビアのベオグラード出身。父親は周囲の娘への差別を時折口にし、怒る。それでもドキッチは過密日程の中、オーストラリアの代表として地元の五輪に出場した。選手村には宿泊せず、毎朝自宅から選手村に通い、五輪生活を楽しんだ。
 1回戦では杉山愛(日本テレコム)を破った。どの試合も国旗を持ったファンの大声援を受けた。「最初の五輪でのプレーには満足している。コートでも、コートの外でも、何かを学んだ気がする」。重圧から解放されたのか、ようやくすてきな笑顔が戻った。(シドニー共同=松瀬学)(了)[2000-09-27-08:09] 170
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 09/27@04年聖火は5大陸をリレー ギリシャ外相が会見(共同通信)

 【シドニー27日共同】ギリシャのゲオルギオス・パパンドレウ外相は二十七日、シドニーで会見し、二○○四年アテネ五輪の聖火リレーについて、世界各地を回る構想を持っていることを明らかにした。
 聖火リレーは通常、古代オリンピック発祥の地、ギリシャのオリンピアで採火され、ギリシャ国内をリレーした後、開催地での国内リレーが行われている。国際オリンピック委員会(IOC)が主体となって設立された五輪休戦機構の事務局長でもある同外相は「聖火リレーをギリシャ国内だけにとどめず、五輪を通じた世界平和をアピールする意味で、世界の五大陸を回り、可能であれば紛争地域でも行いたい」と述べた。(了)[2000-09-27-11:38]
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 09/28@◎ユーゴ与党、連邦議会選の勝利を宣言(時事通信)

 【ベオグラード28日時事】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領の与党であるセルビア社会党は28日、国営タンユグ通信を通じて声明を出し、24日に大統領選と同時に実施された連邦議会選で、与党陣営が過半数を獲得して勝利したと宣言した。
 声明は、社会党と、ミロシェビッチ大統領のマルコビッチ夫人率いるユーゴ左翼党、モンテネグロ共和国の親ミロシェビッチ派政党である社会人民党でつくる連立与党は連邦議会を制し、3党連立による連邦内閣の発足が可能になったと述べた。 [時事通信社][2000-09-28-23:48] 7
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 09/28@◎連立参加の急進党党首、大統領退陣を要求=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード28日AFP=時事】ユーゴスラビア連邦の連立与党を構成するセルビア急進党のシェシェリ党首は28日、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に対し、24日行われた大統領選挙での敗北を認め、退陣するよう求めた。
 シェシェリ党首は「選挙は終わった。われわれのデータでは、(野党連合の)コシュトニツァ候補が第1回投票で勝利した。われわれは決選投票には参加しない」と語り、コシュトニツァ候補の勝利を認めた。 [時事通信社][2000-09-28-23:38] 8
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 09/28@<ユーゴ大統領選>進む「ミロシェビッチ離れ」(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ共和国)28日福原直樹】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)大統領選挙でのミロシェビッチ大統領の不振を受け、モンテネグロの連邦維持派に「ミロシェビッチ離れ」の兆候が見え始めた。野党連合のコシュトゥニツァ氏への国際支援が続く中、モンテネグロでは連邦維持・離脱派の双方が同氏に歩み寄る動きが表面化している。
 反ミロシェビッチ派のジュカノビッチ・モンテネグロ大統領はモンテネグロの地位低下を招く7月の憲法改正に反発、選挙ボイコットを呼びかけた。モンテネグロで焦点になった投票率について、ミロシェビッチ大統領の腹心、ブラトビッチ連邦首相率いる連邦維持派のモンテネグロ社会人民党は連邦選管の「35〜50%」との発表に追随してきたが、26日になって「28%」と下方修正、野党連合の「25%」に近づけた。
 ブラトビッチ社会人民党副党首は同日、「選挙が紛争を招くのはだれの利益にもならない」と述べ、大統領側が武力に訴えないよう自制を促した。同党首は「だれも裏切りはしない」と抽象的言い回しでコシュトゥニツァ氏にも配慮するような印象を与えた。
 これに対して、ジュカノビッチ政権は選挙前までは独立の是非を問う国民投票の早期実施の意向を示していたが、コシュトゥニツァ氏の優勢を受け、同氏と連邦制をめぐる交渉を開始する用意を整えているとされる。[2000-09-28-23:25] 9
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 09/28@<モンテネグロ>セルビア民主野党連合と連邦制で非公式協議(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)28日福原直樹】ユーゴ連邦・モンテネグロ共和国のボヤン・ブクサノビッチ外務次官(29)は28日、毎日新聞の取材に応じ、同国政府・与党がコシュトゥニツァ大統領候補を擁するセルビア民主野党連合と連邦制に関する非公式協議を進めていることを明らかにした。同次官は「連邦政府が強大な権力を持たない、緩やかな連邦制の成立が我々の目標だ」と述べ、野党連合も一定の理解を示したと語った。
 次官によると、モンテネグロの連立与党と、コシュトゥニツァ氏を含めた野党連合幹部が選挙前の8月までに数回の非公式会談を重ねた。双方は、(1)連邦軍指揮権(2)通貨発行権(3)外交権、などの連邦政府の権限を弱め、連邦外務省の幹部もモンテネグロとセルビアの輪番制にする合意文書を交わした。
 将来の連邦制に関する非公式な政党レベルの対話は、選挙直後から既に再開されており、野党連合側はモンテネグロの主張に「現在の連邦制は両共和国の利益にはならず、改正の余地がある」と理解を示した。また、野党連合の指導者の一人、ジンジッチ民主党党首と、モンテネグロ連立与党幹部は電話で緊密な連絡を取り続けているという。
 一方、同次官は「ミロシェビッチ大統領が権力に居座り続けた場合は、適切な時期を選び、国民の意思を聞かなければならない」と述べ、独立を問う国民投票実施の可能性を示唆したが、「その場合は、内戦ぼっ発などの危険性がある」との懸念を示した。[2000-09-28-23:25] 13
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 09/28@ユーゴ野党が一段と硬化、ゼネストも辞さず(読売新聞)

 【ベオグラード28日=佐々木良寿】連邦大統領選の決選投票実施を巡って揺れるユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)は、連邦選管が二十八日未明、最終的に決選投票の実施を発表したことで、政権側と野党側の対立激化は必至の情勢となった。野党側は選管の最終集計に矛盾点が多いことを指摘、ゼネストも含めて抗議行動を本格化させる方針だ。
 野党側が指摘する最終集計の最大の矛盾点は、総有権者数が投票前に発表された数字より六十万人少ないことと、ミロシェビッチ大統領の得票総数が二十六日の第一回発表時より、約七万票減っている点だ。
 選管は有権者数の減少について、コソボ自治州の三百か所で投票が実施されなかったため、と説明しているが、野党側は独自集計に基づいて両候補の得票差を六十万票としてきたことから、「(「民主野党連合」の)コシュトゥニツァ候補の票が盗まれた証拠」と反発を強めている。
 この最終集計は、ミロシェビッチ大統領側があくまで野党勝利は認めないとの姿勢を示したものだが、野党陣営は投票終了後からほぼ連日開催してきた勝利集会への市民の参加増大に自信を深めており、「民主野党連合」の選対本部長ジンジッチ民主党党首は二十七日、「今後はミロシェビッチが退陣するまで、すべての政府機関に機能停止を、子供たちに登校停止を、そして全国民の職場放棄を呼びかける」と、セルビア全土をマヒさせる戦術も辞さない姿勢を示した。
 ベオグラードでは、九六年秋のセルビア地方選での野党勝利をミロシェビッチ共和国大統領(当時)が無効としたことに抗議する市民が同年十一月から九七年はじめにかけて、連日十数万人規模の街頭抗議行動を展開、最終的には、結果を認めさせることに成功している。
 野党陣営は来月初めには、コシュトゥニツァ氏の大統領就任式を挙行し、ミロシェビッチ大統領を追い詰める考えだ。[2000-09-28-22:52] 15
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 09/28@◎ミロシェビッチ氏のロシア逃亡説広まる=ユーゴ首都住民の(時事通信)

 【ベオグラード28日時事】27日夜にユーゴスラビア各地で行われた野党側集会が盛り上がったことで、浮足立ったミロシェビッチ大統領が国外脱出を図っているとのうわさが28日、首都ベオグラードで急速に広まった。
 市内のタクシー運転手は「ミロシェビッチ大統領は28日中にも飛行機でモスクワに逃亡するらしいと聞いた」と話した。また、別の住民は、与党・社会党幹部からリークされた「秘密情報」との触れ込みで、「ロシアのプーチン大統領はミロシェビッチ大統領の亡命を受け入れることを約束し、戦犯で起訴されている同大統領をハーグの国際戦犯法廷に引き渡さないことも請け負った」と語った。 [時事通信社][2000-09-28-22:00] 16
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 09/28@◎野党側、ゼネストも辞さず=宗教界もミロシェビッチ大統領(時事通信)

 【ベオグラード28日時事】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領選挙で、連邦選管が決選投票実施を宣言したことに対し、コシュトニツァ大統領候補を擁するセルビア民主野党連合の中核的指導者であるジンジッチ民主党党首は28日、ミロシェビッチ大統領の退陣を求め、事実上のゼネストを国民に呼び掛けた。セルビア社会の精神的支柱である正教会も同日、コシュトニツァ候補を「新大統領」として認知する声明を発表、ミロシェビッチ大統領に引導を渡した。正教会がコシュトニツァ候補支持を鮮明に打ち出したことで、大統領支持派にも動揺が広がっている。 [時事通信社][2000-09-28-20:11] 20 [このページの最初に戻る]


 09/28@野党と政権の対決鮮明に 大統領周辺に動揺か ユーゴスラビ(共同通信)

 【ベオグラード28日共同】大統領選挙の結果をめぐるユーゴスラビア情勢は、勝利宣言したセルビア民主野党連合と、決選投票実施を発表した政権側の対決の構図が鮮明になった。ミロシェビッチ大統領周辺には動揺が広がり、政権崩壊の兆候が見え始めたとの見方も出てきた。
 国内外からの退陣圧力にさらされた大統領は、十月八日の決選投票に持ち込むことで、態勢立て直しの時間を稼ぐ作戦とみられるが、敗色を悟った大統領側近が離反し始めたとの情報も流れている。
 消息筋によると、大統領に近い二人の大物実業家が投票日後一―二日の間に国外脱出したほか、社会党の幹部二人がボスニア・ヘルツェゴビナに出国しようとして、国境で入国を拒否されたという。
 野党連合のジンジッチ選対本部長は、社会党幹部から「勝利の祝福」を受けたと述べ、大統領の延命に固執しているのはマルコビッチ大統領夫人率いる一派だけとの見方を示した。また、政府幹部の多くが辞表を出したと指摘、大統領陣営に揺さぶりをかけている。
 ミロシェビッチ大統領に関する著作もあるベオグラード大学のスラボリュブ・ジュキッチ教授は「予想外の敗北を受けて大統領の周囲はパニックに陥っている」と言っている。(了)[2000-09-28-16:54] 21
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 09/28@モンテネグロでも動揺 大統領派の共和国野党(共同通信)

 【ポドゴリツァ28日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙でのミロシェビッチ大統領の「敗北」を受け、同大統領を支持するモンテネグロの最大野党、社会人民党(党首・ブラトビッチ連邦首相)内に動揺が広がってきた。
 モンテネグロでは、政府与党など反ミロシェビッチ派が選挙への参加を拒否したため、同時実施の連邦議会選では、モンテネグロに割り当てられた上下両院の計五十議席中、社会人民党が四十七議席を獲得した。
 しかし、連邦大統領選でミロシェビッチ氏の劣勢が明らかになるにつれ、大統領に忠誠を尽くそうとするグループと、他党にくら替えして保身を図ろうとするグループの亀裂が表面化。二十七日には、社会人民党の一部メンバーが投票後、コシュトニツァ候補を推すセルビア民主野党連合に接触し、合流を打診していた事実も発覚した。
 モンテネグロの選挙管理委員長を務めた社会人民党幹部のゴショビッチ氏は同日、地元ラジオに対し、コシュトニツァ候補の勝利が本当なら「ミロシェビッチ氏は平和裏に退陣すべきだ」と述べ、「反旗」を翻した。
 ポドゴリツァで活動する野党連合幹部のボジョビッチ氏は「社会人民党の離脱派はおぼれかけたネズミのようなものだ。わたしはそういう連中を信用しない」としている。(了)[2000-09-28-16:19]


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