最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(09/25, 2000)


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 09/21@英MI6攻撃「ロケット弾の可能性」(読売新聞)
 09/21@ミロシェビッチ大統領の再選阻止へ米欧が圧力(読売新聞)
 09/21@ユーゴ大統領選、ミロシェビッチ氏劣勢(読売新聞)
 09/21@モンテネグロの選挙不参加作戦、大きなリスクも(読売新聞)
 09/21@ユーゴの対立構図鮮明に 反政権派は軍の動き警戒(共同通信)
 09/21@ユーゴ大統領選締めくくり、野党集会には15万人(読売新聞)
 09/21@ユーゴ大統領を熱烈歓迎 モンテネグロのセルビア人(共同通信)
 09/21@2大候補が首都決戦 ユーゴ大統領選で大集会(共同通信)
 09/21@<ユーゴスラビア>野党連合の最終集会に15万人(毎日新聞)
 09/21@◎野党集会、政権打倒へ20万人が気勢=ユーゴ(時事通信)
 09/21@◎ミロシェビッチ政権の軍事挑発に対抗=モンテネグロ大統領(時事通信)
 09/21@◇対立激化、スー・チーさんとミャンマー軍事政権◇(朝日新聞)
 09/21@ユーゴ大統領選、ミロシェビッチ氏劣勢(読売新聞)
 09/21@<MI6本部爆発>小型ロケット弾によるテロ攻撃と判明 英(毎日新聞)
 09/21@挑発続けば武力行使も イラク情勢緊迫で米政府(共同通信)
 09/21@今も消えぬ不信とおん念 イラン・イラク開戦20年(共同通信)
 09/21@<翔んでアフリカ(3)>黒柳徹子さんと見たリベリア(毎日新聞)
 09/21@◇イラン高官にNY以外の旅行を初めて許可 米政府◇(朝日新聞)
 09/21@◇職員殺害事件でインドネシア政府を批判 緒方高等弁務官◇(朝日新聞)
 09/21@スーダン阻止に躍起 米、安保理入りで(共同通信)
 09/21@◇性の格差が焦点 世界人口白書◇(朝日新聞)
 09/21@<雑記帳>スロバキア大使館にサッカーファンから感謝の電話(毎日新聞)
 09/22@<モンテネグロ>連邦離脱派と維持派の対立激化(毎日新聞)
 09/22@コソボで「大統領派がテロ計画」情報飛び交う(読売新聞)
 09/22@◇ユーゴ大統領選に米国務長官が「不正認めぬ」と警告◇(朝日新聞)
 09/22@◎EU選挙監視団を拒否=ユーゴ(時事通信)
 09/22@米大統領らに禁固刑 ベオグラード地裁 ユーゴ空爆(共同通信)
 09/22@ユーゴ連邦大統領・議会選、24日投票(読売新聞)
 09/22@<ユーゴ>24日に連邦大統領・議会選挙の投票(毎日新聞)
 09/22@野党側は独自集計公表へ ユーゴスラビア連邦大統領選(共同通信)
 09/22@政権側にあせりの色も 24日ユーゴ大統領選(共同通信)
 09/22@ユーゴ大統領選、野党側が独自集計結果発表へ(読売新聞)
 09/22@<戦争犯罪裁判>西側首脳に懲役20年の判決 ユーゴ(毎日新聞)
 09/22@<ユーゴ緊迫>「外国特殊部隊が妨害行為を計画」と軍最高司(毎日新聞)
 09/22@<北朝鮮>非武装地帯付近に大量のロケット砲など搬入 米報(毎日新聞)
 09/22@ユーゴ空爆、米欧指導者に実刑判決(読売新聞)
 09/22@朝鮮半島はいぜん危険地域…米国防総省が報告書(読売新聞)
 09/22@ユーゴ大統領来年6月まで 首相が政権延命に執着(共同通信)
 09/22@◎ミロシェビッチ氏「勝利」なら独立急ぐ=モンテネグロ大統(時事通信)
 09/22@<西ティモール>併合維持派民兵の武装解除が始まる=替(毎日新聞)
 09/22@争点から消えた「外交」 内政一辺倒に批判も 米大統領選(共同通信)
 09/22@<翔んで・・アフリカ>不思議な魅力を持つ大陸(毎日新聞)
 09/22@◇100万人署名をユネスコに提出 日本ユネスコ協会連盟◇(朝日新聞)
 09/22@◇アフガニスタンのタリバーン、国連議席獲得に動く◇(朝日新聞)
 09/22@原産地証明システム構築へ 密売ダイヤ締め出しで合意(共同通信)
 09/22@インドがPKO撤退を通告 シエラレオネ、国連に誤算(共同通信)
 09/22@ゆっくり休み回顧録執筆 緒方貞子高等弁務官、退任後を語る(共同通信)
 09/22@相次ぐ職員殺害に怒り表明 抗議集会で緒方弁務官(共同通信)
 09/22@100万人の平和署名を提出 日本の高校生、ユネスコに(共同通信)
 09/22@視聴率でもサッカー人気 50%いくか五輪米国戦(共同通信)
 09/23@◎欧州記者を大量国外追放=ユーゴ(時事通信)
 09/23@<ユーゴ>大統領選控え、モンテネグロは静かな緊張感に(毎日新聞)
 09/23@<ユーゴ>憲法上の解釈めぐり「大統領2人に」の波紋(毎日新聞)
 09/23@ユーゴ連邦軍内にも動揺 デモ鎮圧出動の観測で(共同通信)
 09/23@野党候補優勢で24日投票 ユーゴ大統領選、混乱必至(共同通信)
 09/23@国連機関が脱出ルート検討 ユーゴ大統領選後の混乱に(共同通信)
 09/23@◇ユーゴ大統領選、24日投票 野党連合候補が優勢◇(朝日新聞)
 09/23@独立国民投票に前向き姿勢 モンテネグロ大統領(共同通信)
 09/23@<揺れる選択>ユーゴ大統領選 圧力に屈せず放送継続(毎日新聞)
 09/23@◇NATO総長、ユーゴ大統領選の操作に懸念表明◇(朝日新聞)
 09/23@◎ミロシェビッチ氏、来年7月まで大統領の座に=ユーゴ(時事通信)
 09/23@EU独自防衛の構想進展 11月に部隊の骨格成立へ(共同通信)
 09/23@援助活動の安全確保要求(共同通信)
 09/23@必要兵員は最大で23万人 EU緊急展開部隊(共同通信)
 09/23@コンゴPKO撤退を示唆(共同通信)
 09/23@<東ティモール>民兵の元指導者エリコ・グテレス氏に聞く(毎日新聞)
 09/23@<東ティモール>併合派難民「西」になお12万人(毎日新聞)
 09/23@◇UNHCR、職員殺害受け安全対策本部を設置◇(朝日新聞)
 09/23@◇栗田は40位 射撃男子フリーライフル3姿勢◇(朝日新聞)
 09/23@○シドニー五輪第9日【ボート】(時事通信)
 09/23@新組織「G14」が発足 欧州サッカーの有力クラブ(共同通信)
 09/24@◇ユーゴ大統領選、投票始まる◇(朝日新聞)
 09/24@ユーゴ大統領選、コソボでは国連職員が投票者数える(読売新聞)
 09/24@ユーゴ大統領選、モンテネグロで連邦軍兵士が巡回(読売新聞)
 09/24@不透明な情勢下、ユーゴ大統領選の投票始まる(読売新聞)
 09/24@<ユーゴ>投票率は75%前後に迫る見込み(毎日新聞)
 09/24@<ユーゴ>大統領・議会選挙の投票始まる (毎日新聞)
 09/24@<ユーゴ選挙>モンテネグロでも投票始まる 状況は緊迫(毎日新聞)
 09/24@不正な集票作戦を展開 政権側、国営企業を総動員(共同通信)
 09/24@野党候補優勢で投票始まる ユーゴ大統領選(共同通信)
 09/24@◎政権側、投票直前まで激しい野党攻撃=ユーゴ(時事通信)
 09/24@投票所警備でにらみ合い モンテネグロ警察と連邦軍(共同通信)
 09/24@政権の強硬手段を野党警戒 ユーゴ大統領選投票へ(共同通信)
 09/24@公正なら勝つ…ユーゴ大統領選コシュトゥニツァ候補(読売新聞)
 09/25@◎全国各地で不正発覚=民間選挙監視団体が警告(時事通信)
 09/25@<モンテネグロ>選挙監視にユーゴ連邦軍を投入=替(毎日新聞)
 09/25@ユーゴ大統領選、モンテネグロの投票率は27%(読売新聞)
 09/25@米とクロアチアがアドリア海で合同演習(読売新聞)
 09/25@EUがユーゴ大統領選の野党勝利認める声明(読売新聞)
 09/25@<ニュース・キー>ミロシェビッチ氏 国民の不満を把握でき(毎日新聞)
 09/25@◎ユーゴは民主化を選択=独ロ首脳会談で見解一致(時事通信)
 09/25@<社説>ユーゴ大統領選 「世界の孤児」でいいのか(毎日新聞)
 09/25@◎大統領が得票45%で優勢=決選投票の可能性浮上か−ミロ(時事通信)
 09/25@「大統領選投開票に不正」米がユーゴを批判(読売新聞)
 09/25@◇英MI6本部攻撃はIRA分派の犯行か◇(朝日新聞)
 09/25@ユーゴ野党勝利宣言でミロシェビッチ政権、瀬戸際に(読売新聞)
 09/25@<ユーゴ>大統領・議会選挙 民主党党首が「勝利確実」表明(毎日新聞)
 09/25@<ユーゴ>大統領政権による不正選挙の疑い 米国務省の報道(毎日新聞)
 09/25@◎ユーゴ選挙はバルカンの安定に重要=ロシア外相(時事通信)
 09/25@◎ミロシェビッチ大統領、窮地に=首相辞表提出の報道も−ユ(時事通信)
 09/25@◎ユーゴ首相辞任説を否定=社会人民党副党首(時事通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 09/21@英MI6攻撃「ロケット弾の可能性」(読売新聞)

 【ロンドン21日=渡辺覚】英国の対外情報機関(MI6)の本部ビルで二十日夜起きた爆発事件をめぐり、ロンドン警視庁は二十一日午前の会見で、当初「小型ミサイル」としていた爆発物について、「MI6本部の二百〜五百メートル地点から、発射装置を使って打ち込まれたロケット弾の可能性が高い」と説明した。
 犯行声明は出されていないが、ロンドン警視庁は、過激派「リアル・IRA」(真のIRA)をはじめとするアイルランド共和軍(IRA)の分派組織による犯行との疑いを強めている。
 ロンドン警視庁のテロ対策チームによると、ロケット弾は、テムズ川南岸に立つMI6本部ビルの八階を狙い、北方の道路側から打ち込まれた可能性が高い。
 ロケット弾によって本部ビルは、八階の外壁や窓ガラスが損壊したものの、大きな被害は報告されていない。夜間に、ひと気のないMI6本部ビルを狙った象徴的な犯行との見方を強めている。
 捜査陣は、現場の金属片や周囲の道路に配備された監視モニターの分析を中心に、使用された武器の特定や犯行グループの摘発に全力をあげている。
 ロンドン市内では、六月に、MI6本部の西方に位置するハンマースミス橋が爆弾テロで一部被害を受けたのをはじめ、七月のエリザベス英皇太后の百歳記念式典の当日にも、市内の地下鉄で爆発物が見つかる事件が発生。ロンドン警視庁は、いずれも北アイルランド和平に反対する「リアル・IRA」などのIRA分派組織による犯行との疑いを強めている。
 ただ、今回の事件では、北アイルランド関連のテロに通例とされる犯行予告や声明が出ていない。また、MI6が対外スパイ活動の防止を担当しており、北アイルランド和平に対するテロを捜査する主任機関ではない点もあり、IRA分派犯行説に疑問の声もある。こうした点から、二十一日付の英紙タイムズは、イスラム原理主義の過激派グループやユーゴ連邦セルビア共和国と何らかの関係を持つ組織の存在も示唆している。[2000-09-21-23:37] 86
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 09/21@ミロシェビッチ大統領の再選阻止へ米欧が圧力(読売新聞)

 【ワシントン支局21日】米国務省のバウチャー報道官は二十日、ユーゴ連邦大統領選に関連し、「民主的な政権移行が見られるなら、同国への制裁解除に向けた手段を講じる」との声明を発表した。
 声明は事実上、ユーゴ国民にミロシェビッチ大統領打倒を呼びかけたものだ。今月十八日には欧州連合(EU)外相理事会もミロシェビッチ氏落選の場合に石油禁輸などの制裁措置を解除するとの声明を発表しており、米欧が一致してミロシェビッチ再選阻止への圧力を強める構図が鮮明となった。[2000-09-21-23:29] 87
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 09/21@ユーゴ大統領選、ミロシェビッチ氏劣勢(読売新聞)

 【ベオグラード21日=佐々木良寿】二十四日投票のユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロで構成)の連邦大統領、同議会選は二十一日、選挙戦最終日を迎えた。今選挙は政権延命を狙うミロシェビッチ連邦大統領(59)による強引な改憲を受けたものだったが、「民主野党連合」のコシュトゥニツァ候補(56)が国民の変革への期待を担って旋風を巻き起こしており、大統領は劣勢に立たされている。しかし、選挙の公正さが疑問視されており、反ミロシェビッチのモンテネグロ政権の出方も絡み、選挙後の混乱は必至だ。
 「この国はたった一人の人間に牛耳られて惨めな国になってしまった。私は、国民が望むような欧州の平凡だが民主的な国家建設を目指す」――二十日夜、ベオグラード市内の連邦議会前広場で行われた首都最後の選挙集会で、コシュトゥニツァ候補はこう訴え、熱狂的な歓呼を浴びた。集まった支持者は十五万人以上。同市で開催された政治集会としては過去最大規模で、変革への期待の強さをうかがわせた。
 大統領選には計五人が立候補しているが、同候補と大統領の事実上の一騎打ち。これまでの各種機関の調査では、同候補は30〜40%前後で大統領に10ポイント前後の差をつけ、一貫してリードしてきた。
 同候補の強みは、清廉で原則を重視する姿勢だ。ベオグラード大法学部講師だったが、故チトー共産党体制下で複数政党制を論じたことなどから七四年に大学を追われた。ミロシェビッチ氏が実権を掌握した後の八九年に復職の打診がありながら拒否している。北大西洋条約機構(NATO)の空爆など米欧の対ユーゴ政策も公然と批判するなど穏健民族主義者の一面も持ち、政権側との裏取引や腐敗のうわさが絶えなかったドラシュコビッチ・セルビア再生運動党首やジンジッチ民主党党首ら野党指導者に失望した国民の信頼を引き寄せた。
 来年七月の任期切れで行き場を失う大統領が七月の改憲で直接選挙制を導入し選挙に踏み切った背景には、当時の野党側の深刻な分裂状態があった。大統領側には再選は楽勝との読みがあったが、コシュトゥニツァ人気に思惑は外れた格好だ。
 危機感を深めた大統領は、この一週間ほどで四か所の集会に出席するという異例の遊説を実施。同候補を「NATOの候補で人民の敵」などと攻撃しているものの、劣勢はばん回できていない。そのため、政権による不正選挙を懸念する声が高くなっている。
 選管発表の有権者数は約七百八十六万人。これには、アルバニア系が大多数を占めるコソボ自治州の百五十万人、共和国与党が今選挙のボイコットを決めているモンテネグロの四十四万人も含まれている。これまでの選挙でも政権側はアルバニア票を操作するなど不正工作が批判されてきた。政権は、選挙管理の国際監視団の受け入れを拒否しており、野党陣営には、政権側による不正を阻止する手だてがないのが実情だ。
 選挙法は、第一回投票で過半数を獲得する候補がない場合は、上位二候補による決選投票を二週間以内に実施する、としているが、「決選投票となれば、野党を勢いづかせ
るだけ」(外交筋)で、第一回投票で勝利宣言するとの見方が支配的。ただ「不正操作でも票差が埋まらない場合は、選挙自体が中止される可能性もある」(ティヤニッチ元セルビア情報相)との声もある。[2000-09-21-23:15] 88
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 09/21@モンテネグロの選挙不参加作戦、大きなリスクも(読売新聞)

 【ポドゴリツァ(ユーゴ連邦モンテネグロ共和国)21日=西田和也】セルビアとともにユーゴ連邦を構成するモンテネグロ共和国では、反ミロシェビッチ路線をとるジュカノビッチ政権が今回の連邦大統領・議会選をボイコットしている。
 共和国の中心首都ポドゴリツァでは、唯一選挙に参加する親セルビアの野党・社会人民党(SNP)の政治集会も一切開かれず、ミロシェビッチ大統領のポスターがはり出されることもなかった。街頭で目立つのは「私は投票しない。私の選択はモンテネグロだ」と書かれた選挙不参加を訴える大看板ばかり。市民の関心もほとんどない。
 ジュカノビッチ政権は、共和国の公共施設への投票所設置を認めておらず、投票は連邦軍駐屯地やSNP関係者宅などで実施されることになる。このため、投票するのはSNP支持者らにほぼ限られ、モンテネグロでの選挙は事実上、SNPの“党員投票”の体裁をとることになる。
 同政権は、セルビア野党との共闘による選挙参加を求めた米国など支援国の要請を拒否して選挙ボイコットに踏み切った。「ミロシェビッチ氏が選挙で敗北を認めることは考えられない」(同政権のミオドラグ・ブコビッチ大統領補佐官)との見方に立ち、「不正選挙による体制容認」に加担する必要はないとの判断に基づくものだ。
 しかし、このボイコット戦術は、同政権にとって大きなかけでもある。
 ミロシェビッチ氏が再選されれば、連邦政府によるモンテネグロへの圧力が一層強まる可能性が高いが、ボイコット戦術のため同政権は連邦機構から完全に排除されることになり、連邦政府への制度的な抵抗の手だても失われる。
 かといって、独立の是非を問う住民投票実施など連邦離脱の動きを強めれば、賛成派と反対派による内戦や連邦軍による軍事介入という最悪のシナリオを招きかねない。当面は、国際社会の支援だけを頼りに、同大統領の出方を慎重にうかがい、圧力をかわす消極戦術に徹するしかなさそうだ。
 民主野党連合のコシュトゥニツァ候補が勝利した場合、ミロシェビッチ大統領がモンテネグロに非常事態を宣言して選挙を無効にする可能性も強い。ジュカノビッチ政権は共和国警察部隊を最高度警戒体制に置いており、選挙当日に向けて緊迫の度が高まっている。[2000-09-21-23:06] 97
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 09/21@ユーゴの対立構図鮮明に 反政権派は軍の動き警戒(共同通信)

 【ベオグラード、ポドゴリツァ21日共同】二十四日投票のユーゴスラビア連邦大統領選挙は二十一日、選挙運動の最終日を迎えた。劣勢のミロシェビッチ大統領が軍を動かす可能性に対し、野党連合のコシュトニツァ候補と連邦離脱志向を強めるモンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領がともに強くけん制、今回選挙の対立構図が浮き彫りになっている。
 支持率で優勢に立つコシュトニツァ候補は前日までの選挙集会で「軍人も警察官も普通の国を求めている」と強調した。野党側は二十四日深夜に首都での大規模集会も予定しており、軍や警察に対し、治安出動の命令があっても拒否するよう訴える戦術だ。
 北大西洋条約機構(NATO)軍が選挙に合わせユーゴ周辺国で展開している軍事演習に対抗し、ユーゴ軍が演習のための予備役招集をかけたものの、忌避者が続発しているとの情報もある。
 一方、モンテネグロのジュカノビッチ大統領も二十日、ロシア公共テレビで、劣勢に立つミロシェビッチ大統領が国民の関心をそらすため「国家非常事態宣言」を企図していると攻撃。「ミロシェビッチ氏は新たな内戦を始める用意ができている。相手が武力紛争を仕掛けるなら、われわれは受けて立つ」と強調した。
 これに対し、大統領は同日、モンテネグロ・ベラネに乗り込み、名指しを避けながらもジュカノビッチ氏を「裏切り者」と非難、両者の“舌戦”は激しさを加えた。
 投票日前の四十八時間は選挙活動が禁止される。野党連合は最終日の二十一日、ユーゴ北部ノビサドで最後の選挙集会を構えている。大統領も昨年のNATO軍の空爆で破壊されたノビサドの橋の修復完了式典に出席するとの情報もある。(了)[2000-09-21-16:54] 99
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 09/21@ユーゴ大統領選締めくくり、野党集会には15万人(読売新聞)

 【ベオグラード20日=佐々木良寿】二十四日に投票が行われるユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロで構成)の連邦大統領、同議会選で、優勢が伝えられる野党連合のボイスラフ・コシュトゥニツァ候補と再選を狙うミロシェビッチ連邦大統領の両陣営は二十日夜、首都ベオグラードで選挙集会を開催した。コシュトゥニツァ陣営の集会は市内の連邦議会前広場で行われ、十五万人以上の支持者が集まった。一方、ミロシェビッチ大統領は、新市街のスポーツセンターにセルビア各地から動員された約一万五千人を前に演説した。選挙戦は二十一日が最終日で二十日の集会が事実上の締めくくりとなった。[2000-09-21-15:32] 103 [このページの最初に戻る]


 09/21@ユーゴ大統領を熱烈歓迎 モンテネグロのセルビア人(共同通信)

 【ベラネ(モンテネグロ北部)20日共同】「ユーゴスラビア!」「ユーゴスラビア!」。山あいの軍用空港に、約一万五千人の大合唱が響き渡った。最高権力者ミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦大統領は二十日、モンテネグロの遊説先で地元民らの熱狂的な歓迎を受けた。
 「欧米の脅しに屈している裏切り者がいる」「あなた方は(ユーゴ連邦維持とモンテネグロ独立の)どちらを選ぶのか」。怒りを帯びた声で、大統領が踏み絵のようなメッセージを突きつける度に、会場から大歓声が上がった。
 強烈なカリスマ性を発散する大統領を間近に見たセルビア人女性(80)は「モンテネグロが独立宣言するようなことになれば、スロボ(大統領の愛称)と共に戦う」と語った。
 一九九七年の連邦大統領就任以来、モンテネグロ訪問は初めて。ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷から起訴され、今回の訪問にも身柄拘束の危険が伴うことを知っているだけに、支持者の喜びもひとしおだ。
 この日は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦やセルビア共和国からも貸し切りバスで支持者が駆け付け、劣勢を伝えられるミロシェビッチ陣営の底力を垣間見た気がした。(了)[2000-09-21-11:18] 104
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 09/21@2大候補が首都決戦 ユーゴ大統領選で大集会(共同通信)

 【ベオグラード20日共同】二十四日投票のユーゴスラビア連邦大統領選で事実上の一騎打ちとなるミロシェビッチ大統領と野党連合「セルビア民主野党連合」のコシュトニツァ候補が二十日夜、同じ時間帯にベオグラードでそれぞれ集会を開き、最後の“首都対決”を繰り広げた。
 支持率でリードするコシュトニツァ候補の集会は中心部の連邦議会前広場で開催。夜になっても三○度を超す暑さの中、約二十万人が集まった。同候補が「大統領との政策の違いは、権力ではなく国民を優先することだ」と呼び掛けると、一斉に「彼(大統領)は終わった」との声援が響き渡った。
 独立系ベタ通信によると、大統領は新市街に完成した体育館に約一万五千人を集め、セルビア社会党として最後の選挙集会で演説。「(野党は)セルビアを破壊した北大西洋条約機構(NATO)の協力者だ」と訴えると、満席の館内は「スロボ」(大統領の愛称)の合唱に包まれた。
 参加者は約百台のバスでセルビア各地から集まったという。(了)[2000-09-21-10:33] 105
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 09/21@<ユーゴスラビア>野党連合の最終集会に15万人(毎日新聞)

 【ベオグラード21日福井聡】24日投票のユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領選挙を前に、15野党で作るセルビア民主野党連合は20日夜(日本時間21日未明)、首都ベオグラード中心部の連邦議会前広場に約15万人を集め、選挙キャンペーンの最終集会を開いた。一方、与党連合側も同夜、ベオグラード郊外のスポーツスタジアムで集会を開いたが、参加者は1万5000人だった。
 野党集会は人気歌手やロックバンドがお祭り気分を盛り上げた後、コシュトゥニツァ大統領候補が登場。「我々の自由は1人の男が握っている。我々すべては彼の人質となっている。もし私が彼の立場ならとっくに引退しているが、彼はしない。彼の名はミロシェビッチ氏だ」と語りかけると、会場全体からウォーと歓声が上がり、「彼はもうおしまいだ!」の叫びが響いた。
 コシュトゥニツァ候補はさらに「私は世界を変える気はない。ただ1国だけを変えたい。私はあなた方と同じように普通の人間で、ごく普通の民主的な国に暮らしたい。我々の政策は民衆によって作られ、彼らの政策は権力により作られる」と訴えた。集まった人々は小旗やプラカードを掲げて演説に聞き入っていたが、24日の投票直後、与党側が一方的に勝利を宣言するとの噂が流れる中、先行きに不安ものぞかせていた。
 一方、与党連合集会で演説したミロシェビッチ大統領は「今回の選挙は我々が今後自由に暮らせるのか、植民地化される運命となるかの分岐点の選択となる」と支持を訴えた。[2000-09-21-10:20] 106
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 09/21@◎野党集会、政権打倒へ20万人が気勢=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード20日時事】24日に投票が迫ったユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙の選挙戦の総決算となる与野党双方の集会が20日夕、ほぼ同時に首都ベオグラードで開催された。このうち勢いに乗るコシュトニツァ大統領候補を擁する野党連合の集会には約20万人が集まって市中心部を埋め尽くし、ミロシェビッチ大統領打倒とユーゴの民主化を訴え、気勢を上げた。
 これに対し、同大統領の支持派集会は参加者1万5000人程度にとどまり、ユーゴの命運を決定づける選挙戦の“首都決戦”は野党側が圧勝した。 [時事通信社][2000-09-21-07:48] 107
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 09/21@◎ミロシェビッチ政権の軍事挑発に対抗=モンテネグロ大統領(時事通信)

 【モスクワ20日時事】ユーゴスラビア連邦を構成するモンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領は20日、ロシア公共テレビとのインタビューで、24日に予定されるユーゴ連邦大統領・議会選挙に関して「ミロシェビッチ・ユーゴ大統領がモンテネグロとの軍事的対立を挑発するなら、われわれには国と自由を守る以外の選択肢はない」と述べ、ミロシェビッチ政権に対抗する姿勢を強調した。
 ジュカノビッチ大統領は選挙の見通しについて「ミロシェビッチ大統領が勝つ可能性は最小限であることが一段と明白になっている。その可能性は事実上、存在しない」と指摘。「このため大統領は非常事態を導入するとの観測で国民をおびえさせようとしている」と厳しく批判した。 [時事通信社][2000-09-21-06:20] 251
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 09/21@◇対立激化、スー・チーさんとミャンマー軍事政権◇(朝日新聞)

 ミャンマー(ビルマ)軍事政権は、民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんが対決姿勢を強めているのを受け、弾圧も辞さない構えをみせ始めた。アナン国連事務総長が提案した国連と東南アジア諸国連合(ASEAN)による仲介をはねつけるなど、態度を硬化させている。スー・チーさんは事前の予告通り20日夕、地方都市マンダレーに向かう列車に乗るためヤンゴン中央駅に入った。スー・チーさんの抵抗で政権がかたくなになり、さらに国際的な孤立に陥るという悪循環に陥っている。
 政権が神経をとがらせているのは、ろう城よりもスー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)が16日に発表した独自憲法起草計画の方だとみられている。
 独自憲法は、議会機能を代行するとしてNLDが2年前に設けた「10人委員会」が、中断している国民会議に代わって憲法を起草するという計画。政権は欧米を中心とする国際社会がこの10人委員会に正当性を認めることを最も恐れており、反国家的な犯罪として独自の憲法づくりを禁じている。違反すれば5年から20年の禁固刑だ。
 21日の国営紙によると、軍事政権・国家平和発展評議会のティン・ウ第2書記が演説で「憲法を独自に起草しようとする者は国家の敵だ。国軍は国民とともに国を脅かす危険を粉砕する」と、かつてない強い調子で警告した。
 独自憲法の動きについて、「国際社会に衝撃を与えて政権に対する強い圧力を引き出すためには、(スー・チーさんは)自分が逮捕されるような事態が必要だと考えているふしがある」とヤンゴン外交筋はいう。
 国連総会に出席中のウィン・アウン外相は、アナン事務総長が勧めたASEANの域内紛争調停機能である「トロイカ」による仲介を拒んだ。スー・チーさんのろう城からの強制的な連れ戻しなどの一連の強硬措置について、米国などが非難しているものの、しょせんは言葉だけで、制裁強化などの具体的な対応をとらなかった。また国内にスー・チーさんに連帯する動きがなかったことで政権は自信を深めているとみられる。
 スー・チーさんは午後4時(日本時間同6時半)すぎにヤンゴン中央駅に現れた。当局はスー・チーさんの乗車を認めず、一行は駅構内にとどまっている。ただ、これまでのヤンゴン郊外での車中ろ
う城とは違い、乗客や通行人など多数の目があり、当局は難しい対応を迫られそうだ。[2000-09-21-23:58] 258
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 09/21@ユーゴ大統領選、ミロシェビッチ氏劣勢(読売新聞)

 【ベオグラード21日=佐々木良寿】二十四日投票のユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロで構成)の連邦大統領、同議会選は二十一日、選挙戦最終日を迎えた。今選挙は政権延命を狙うミロシェビッチ連邦大統領(59)による強引な改憲を受けたものだったが、「民主野党連合」のコシュトゥニツァ候補(56)が国民の変革への期待を担って旋風を巻き起こしており、大統領は劣勢に立たされている。しかし、選挙の公正さが疑問視されており、反ミロシェビッチのモンテネグロ政権の出方も絡み、選挙後の混乱は必至だ。
 「この国はたった一人の人間に牛耳られて惨めな国になってしまった。私は、国民が望むような欧州の平凡だが民主的な国家建設を目指す」――二十日夜、ベオグラード市内の連邦議会前広場で行われた首都最後の選挙集会で、コシュトゥニツァ候補はこう訴え、熱狂的な歓呼を浴びた。集まった支持者は十五万人以上。同市で開催された政治集会としては過去最大規模で、変革への期待の強さをうかがわせた。
 大統領選には計五人が立候補しているが、同候補と大統領の事実上の一騎打ち。これまでの各種機関の調査では、同候補は30〜40%前後で大統領に10ポイント前後の差をつけ、一貫してリードしてきた。
 同候補の強みは、清廉で原則を重視する姿勢だ。ベオグラード大法学部講師だったが、故チトー共産党体制下で複数政党制を論じたことなどから七四年に大学を追われた。ミロシェビッチ氏が実権を掌握した後の八九年に復職の打診がありながら拒否している。北大西洋条約機構(NATO)の空爆など米欧の対ユーゴ政策も公然と批判するなど穏健民族主義者の一面も持ち、政権側との裏取引や腐敗のうわさが絶えなかったドラシュコビッチ・セルビア再生運動党首やジンジッチ民主党党首ら野党指導者に失望した国民の信頼を引き寄せた。
 来年七月の任期切れで行き場を失う大統領が七月の改憲で直接選挙制を導入し選挙に踏み切った背景には、当時の野党側の深刻な分裂状態があった。大統領側には再選は楽勝との読みがあったが、コシュトゥニツァ人気に思惑は外れた格好だ。
 危機感を深めた大統領は、この一週間ほどで四か所の集会に出席するという異例の遊説を実施。同候補を「NATOの候補で人民の敵」などと攻撃しているものの、劣勢はばん回できていない。そのため、政権による不正選挙を懸念する声が高くなっている。
 選管発表の有権者数は約七百八十六万人。これには、アルバニア系が大多数を占めるコソボ自治州の百五十万人、共和国与党が今選挙のボイコットを決めているモンテネグロの四十四万人も含まれている。これまでの選挙でも政権側はアルバニア票を操作するなど不正工作が批判されてきた。政権は、選挙管理の国際監視団の受け入れを拒否しており、野党陣営には、政権側による不正を阻止する手だてがないのが実情だ。
 選挙法は、第一回投票で過半数を獲得する候補がない場合は、上位二候補による決選投票を二週間以内に実施する、としているが、「決選投票となれば、野党を勢いづかせ
るだけ」(外交筋)で、第一回投票で勝利宣言するとの見方が支配的。ただ「不正操作でも票差が埋まらない場合は、選挙自体が中止される可能性もある」(ティヤニッチ元セルビア情報相)との声もある。[2000-09-21-23:15] 276
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 09/21@<MI6本部爆発>小型ロケット弾によるテロ攻撃と判明 英(毎日新聞)

 【ロンドン21日岸本卓也】ロンドン市内の英対外情報機関MI6本部で20日夜に起きた爆発事件は、小型ロケット弾によるテロ攻撃だったことが21日明らかになった。警察は北アイルランド紛争の過激派の犯行とみて捜査している。
 警察の調べでは、地上10階のMI6本部の9階付近に2発の小型ロケット弾が命中していた。壁などに大きな損傷はなかった。爆発力からみて、肩に砲身を掛けて発射するソ連製ロケット砲とみられる。北アイルランドのカトリック系過激派組織が中東方面から入手しているとの情報がある。
 北アイルランド紛争はカトリック系とプロテスタント系の双方住民が参加した自治政府の発足などの和平プロセスが進み、カトリック系過激派のアイルランド共和軍(IRA)は停戦している。しかし、和平に不満なメンバーが別組織を名乗ってテロ活動を続け、今年6月にロンドン市内の橋で起きた爆発事件は「真のIRA」という組織が犯行声明を出した。[2000-09-21-21:45] 339
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 09/21@挑発続けば武力行使も イラク情勢緊迫で米政府(共同通信)

 【ワシントン21日共同】国連総会が行われる時期に合わせ軍事的挑発を繰り返し、湾岸情勢の緊張を演出してきたイラクのフセイン大統領が、今年はこれまで以上に米国を刺激する行為を続けている。
 米政府は「ペルシャ湾岸で米軍の即応態勢は維持されており、フセイン大統領が過去と同じ行動を繰り返せば過ちを悟ることになる」(コーエン国防長官)と、大規模な武力行使の可能性も示唆。中東情勢の専門家は、イラクの挑発がエスカレートすれば米政府が軍事行動に踏み切る可能性もあると予測している。
 イラクは今月初め、同国南部の「飛行禁止空域」を越えサウジアラビア上空に戦闘機を飛ばした。さらにクウェート侵攻の口実にした「クウェートによる石油盗掘」との主張を再度開始。またイラクのハサン国連大使は、湾岸危機でサウジアラビアがイラクとサウジ間のパイプラインを閉鎖したことをあらためて非難する書簡を国連安保理に提出した。
 こうした行動におけるイラクの狙いについて、米共和党のロット上院院内総務は「フセインは危機をあおり原油価格を高騰させ、イラクの本格的な石油輸出再開を求める声の高まりを待っている」と指摘する。
 今後の焦点は、空爆など米軍の大規模な軍事行動の可能性。スローコム国防次官は十九日の上院の公聴会で「武力行使は決まっていないが、可能性を排除してもいない」とイラクの出方を見守るとしたが、ブルッキングス研究所のゴードン上級研究員は「挑発行為がエスカレートすれば、米世論が武力行使支持に傾き、大統領も動く」と予測する。(了)[2000-09-21-16:35] 340
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 09/21@今も消えぬ不信とおん念 イラン・イラク開戦20年(共同通信)

 【ホラムシャハル(イラン南西部)21日共同】一九八○年九月、イラクの侵攻で始まり八年間の持久戦が続いたイラン・イラク戦争の開戦から二十二日で二十年。約百万人の死傷者を出した二大産油国同士の戦いの傷跡は深く、両国間には今も不信とおん念が渦巻いている。
 イラク軍が第一の攻撃目標としたイラン南西部国境の激戦地ホラムシャハル。砲撃で廃虚と化した建物やイラク軍が遺棄した火砲が今も数多く残る。同じアラブ系住民の支援を期待した優勢なイラク軍機甲部隊は彼らの予想外の猛烈な抵抗に遭遇。占領するまで四十五日もかかった。イランは八二年の奪回まで破壊し尽くされたこの地を「フニンシャハル(血の町)」と呼んだ。
 戦火は双方の首都へのミサイル攻撃やタンカー攻撃に拡大。「仕掛けられた戦争」と主張するイランが国連停戦決議を受け入れたのは八八年七月だった。
 両国は湾岸危機発生後の九○年十月に国交回復したが、臨時代理大使級の交換にとどまり交流は依然限定的。最大の障害は両政府による双方の反体制組織の支援にある。
 特にフセイン政権が支援しイラクに拠点を置くイランの反体制武装組織ムジャヒディン・ハルク(MKO)は今年に入りテヘランの政府施設への迫撃砲テロや越境攻撃を活発化。背景にはイランをめぐる「環境の変化」がある。ハタミ政権は緊張緩和策で欧州やペルシャ湾岸諸国との関係改善に成功。断交中の米国とも曲折はあるが修復に進みつつある。
 湾岸戦争以来、世界から孤立してきたイラクにとって隣国イランの安定は大きな脅威だ。外交筋は「イラクのフセイン政権は孤立感を一層深め、欧米の矛先が自国だけに向かうことに焦り始めている。MKOを使いハタミ政権に揺さぶりをかけているのは明らか」と指摘した。(了)[2000-09-21-16:30] 351
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 09/21@<翔んでアフリカ(3)>黒柳徹子さんと見たリベリア(毎日新聞)

 アフリカ大陸ではいつもどこかで内戦が起きている。そんな光景を目に、ともすれば「アフリカだから」とあきらめた気分になることもある。「貧乏だし」と。でも「戦争とは」といった観念的な話を嫌う黒柳徹子さんの場合、アフリカの現実を日本と照らし合わせて理解しようとする。トンデトブ 初めて銃で人を殺した時、どう思った?。黒柳さんの質問にリベリアの元少年兵、ビクター君(17)は「うれしかった」と答えた。目は小刻みに動き、やつれきったほおをしている。この言葉を聞いたとき、コンゴ民主共和国やミャンマーで会った少年兵を思い出した。「農民をしているよりは・・・」と皆、非日常を楽しんでいる口ぶりのように思えた。戦後生まれで戦時体験のない者の連想はその域を出ない。
 「あの子の顔、終戦当時の浮浪児と一緒ね。皆、目が鋭くてすばしっこくて」。黒柳さんの受け止め方は違っていた。
 「日本にも少年兵みたいな人、たくさんいたんですよ。(元NHKの)山川静夫さんは、B29が落とす焼夷弾をホウキで消す役目をしていたんですけど。ある時、いくらたたいても町中が燃えてて消えないの。そしたら、すぐ上空をB29が飛んで帰っていくのね。町の火が機体のおなかに真っ赤に映って。ホウキを手に、ぼうぜんと見ていたんですって。少年兵の気持ちも、変わらないと思うのね」
 戦後3年が過ぎたリベリアだが、テーラー大統領の評判が悪く援助は伸びず、住民の栄養状態は戦時中よりもひどい。発展の芽などどこにもないように見える。「歴史の違う日本とリベリアは比べようがないのでは」。そう差し向けると黒柳さんは「そんなことないと思う」と答えた。
 「アフリカは機会を与えられてこなかっただけ。ただ援助を待っていると言われるけど、全部が全部そうでもないと思う。走り、駆けずり回ってトウガラシ売ってる子もいるし。日本の闇市と一緒だと思う」。黒柳さんの目からは、今にも涙があふれそうだ。【モンロビアで藤原章生】=つづく[2000-09-21-14:55] 361
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 09/21@◇イラン高官にNY以外の旅行を初めて許可 米政府◇(朝日新聞)

 米国務省は20日、国連総会に出席しているイランのハラジ外相に対して、ハーバード大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)への訪問を認めたことを明らかにした。米政府は原則として、イランなど「テロ支援国」に指定している国の高官が国連総会出席のために訪米した時は、ニューヨークにとどまるよう求めている。イランの閣僚がニューヨーク以外の都市を訪れたのは、米大使館人質事件で20年前に両国が断交して以来初めて。両国の関係改善のささやかな一歩といえる。
 外相は18日、マサチューセッツ州のハーバード大ケネディスクールを訪れ、教授や学生たちと懇談した。21日には、UCLAで講演やイラン系米国人との懇談が予定されている。米政府は、大量破壊兵器やミサイルの開発などを理由とする対イラン経済制裁を続けているが、その一方で、穏健派のハタミ政権に対話や「人的交流」を呼びかけているほか、一部の禁輸もすでに解除した。15日には、オルブライト米国務長官とハラジ外相が、国連本部で催されたアフガニスタン問題の会議に同席している。[2000-09-21-13:42] 366
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 09/21@◇職員殺害事件でインドネシア政府を批判 緒方高等弁務官◇(朝日新聞)

 アフガン難民の帰還問題を話し合うためテヘランを訪問中の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の緒方貞子高等弁務官は20日の記者会見で、インドネシア・西ティモールでUNHCR職員3人が殺害された事件について、「民兵の武装放棄を断行できないインドネシア政府の能力不足が原因のひとつ」と厳しく批判した。また、アフリカ西部のギニアで17日に起きた拉致事件にも言及し、「だれが職員を拉致したかなど確かな情報はない」と語った。
 緒方高等弁務官は会見で「職員の安全確保は人道機関の能力の範囲を超えている」と指摘。「難民の救済活動を続けるには、軍を含めた政府機関の支援が欠かせない」と訴えた。
 高等弁務官は21日にジュネーブの国連欧州本部で予定されている職員殺害に対する抗議集会に参加するため、アフガン難民問題をめぐるハタミ大統領との会談を急きょ中止した。[2000-09-21-12:42] 387
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 09/21@スーダン阻止に躍起 米、安保理入りで(共同通信)

 【ニューヨーク20日共同】国連安全保障理事会の非常任理事国を選出する来月の国連総会で、スーダンの当選を阻止しようと米国が躍起になっている。
 八月初めにモーリシャスに対抗馬として立候補を働き掛け、十九日にはオルブライト米国務長官がアフリカ各国の外相らにモーリシャス支持を強く求めた。
 非常任理事国十カ国(任期二年)は毎年五カ国が交代。地域別に割り当てられ、今年末に任期が切れるナミビアに代わりアフリカから一カ国が選出される。
 スーダンの非常任理事国入りが急浮上したのは、今年七月のトーゴでのアフリカ統一機構(OAU)首脳会議。ここでスーダンが意欲を見せ、「これといった反対がないまま、なんとなくアフリカ諸国の承認を取り付けた格好になった」(国連外交筋)という。
 これに驚いたのが米国。一九九八年、ケニアとタンザニアで起きた米大使館同時爆破事件の報復として首都ハルツームの郊外をミサイル攻撃するなど、「ならず者国家」扱いしてきた経緯があるからだ。
 モーリシャス支持を要請されたアフリカのある国の外交筋は「米国には逆らえないが、あまりに強引だ」と漏らしている。(了)[2000-09-21-07:40] 394
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 09/21@◇性の格差が焦点 世界人口白書◇(朝日新聞)

 国連人口基金(UNFPA)は20日、2000年の「世界人口白書」を発表した。地球人口は60億6000万人を超え、さらに年間7500万人ずつ増加している。しかし、今回の白書では人口増加よりも生活の質に焦点をあて、「高い出生率は、ジェンダー(社会的・文化的性別)の不平等が最も際だっている最貧の国々を脅かしている」と警告している。
 今年の白書の題は「男女共生と見えない格差/変革の時」。ジェンダーに基づく不平等は「個人の成長を抑圧し、国家の発展や社会の進化を妨げ、男女双方に不利益をもたらしている」。女性に対する差別や暴力は「世界各地の文化の中に深く根付き、人々の間に刷り込まれている」と指摘している。
 1994年にカイロで開かれた国際人口・開発会議から5年目の見直し会議では、家族計画に関して満たされない需要(避妊の手段や情報)を2005年までに半減し、2015年までに完全になくすことで合意した。
 白書は「すべての妊娠件数の約3分の1(年間8000万件)は望まない妊娠か望まない時期のもの」との推計。「希望するすべての人々に家族計画のサービスを提供するのは極めて困難な挑戦」としつつも、「女性が自分の望む数の子どもだけを出産できるようになれば、多くの国で出生率は大きく低下するだろう」と予測している。[2000-09-21-03:34] 323
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 09/21@<雑記帳>スロバキア大使館にサッカーファンから感謝の電話(毎日新聞)

 ◇「南アフリカ戦勝利おめでとう。どうもありがとう」。東京都渋谷区のスロバキア大使館に21日朝、「日本のサッカーファン」から電報が届いた。感謝の電話も続々。職員は対応に追われた。スロバキアのお陰で、ブラジルに敗れた日本が32年ぶりに決勝トーナメントに進出できたからだ。
 ◇しかしスロバキアは予選敗退。気持ちは分かるが「ありがとう」は失礼ではないか。職員は悔しがっているのでは?
 ◇「いえいえ、とんでもない」と女性職員。「国名が知られる良い機会だと一同喜んでいます。今だにチェコスロバキアだと誤解されている方が多いもので」。チェコとスロバキアは93年1月、円満な話し合いで分離している。 【井上 英介】[2000-09-21-18:40]
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 09/22@<モンテネグロ>連邦離脱派と維持派の対立激化(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)22日福原直樹】ユーゴ連邦の大統領・議会選挙を2日後に控え、連邦離脱派のジュガノビッチ大統領が選挙ボイコットを決めているモンテネグロで、離脱派と維持派の対立が深まっている。21日にはポドゴリツァ近郊の料理店でミロシェビッチ派の男性がモンテネグロの警官と口論の末、警官を射殺する事件が発生、選挙を機に独立の是非をめぐる緊張が高まっている。
 ミロシェビッチ連邦大統領が今年7月、モンテネグロの承諾を得ずに連邦大統領再選を可能にする憲法改正を行ったことに反発、ジュガノビッチ大統領は選挙ボイコットを呼びかけてきた。これに対しミロシェビッチ派は連邦上下院のモンテネグロ共和国分議席の独占が確実視されており、連邦離脱派への攻撃を強めている。
 連邦離脱派のドラギシャ・モンテネグロ副首相はミロシェビッチ大統領再選ならモンテネグロ独立の是非を問う国民投票を年末までに実施するとの意向を表明、セルビアとの対決色を強めている。[2000-09-22-23:40] 60
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 09/22@コソボで「大統領派がテロ計画」情報飛び交う(読売新聞)

 【プリシュティナ(ユーゴスラビア・コソボ自治州)22日=大内佐紀】コソボ自治州を事実上、管理している国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は二十四日のユーゴ連邦大統領選で不測の事態発生に懸念を強めている。
 当初は同選挙を「茶番」(ベルナール・クシュネル国連事務総長特別代表)として黙殺する姿勢だったが、投票場所に職員を派遣して「監視ではないが見守る」(UNMIK報道官)方針に転換した。方針転換の背景には「我々が駐留している場所でユーゴ政権側が大っぴらに不正を行えば国連の信頼性に傷がつく」(UNMIK幹部)との判断がある。
 実際、選挙で劣勢が伝えられるミロシェビッチ大統領派が投票をかく乱するためテロ行為に出る、アルバニア系組織が投票箱を奪うなど不穏なうわさが飛び交っている。
 ユーゴ選管は先に、コソボ自治州の有権者数を百五十万人と発表した。これは昨年のコソボ紛争以前の住民票をもとにしている。かつては約十九万人いたセルビア人のうち、紛争を経て今も残るのは約十万人。アルバニア系住民はおおむね帰還したが、かねてからコソボに住んでいた住民だけでなく、アルバニア本国からやってきた人もいるという。
 ユーゴ側はコソボ内に約三百の投票所を設ける予定だが、アルバニア系住民の大半は同選挙をボイコットする構えで、「コソボがミロシェビッチ(ユーゴ大統領)の不正の場になるのではたまらない」と反発を強めている。
 コソボ内のセルビア人社会はミロシェビッチ派と野党有力候補コシュトゥニツァ派に二分する形となった。アルバニア系住民に対抗し、身を寄せ合ってきた人たちが、今ではあからさまに相手方支持者を批判するか、怖がって政治の話をすることを避けている状況が出現している。[2000-09-22-21:50] 62
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 09/22@◇ユーゴ大統領選に米国務長官が「不正認めぬ」と警告◇(朝日新聞)

 オルブライト米国務長官は21日、ユーゴスラビア大統領選について、「ミロシェビッチ(大統領)は、選挙に勝つためには手段を選ばないだろう。票の不正操作による勝利宣言をしても認めない。注意深く監視していく」と警告した。
 米政府は、世論調査で野党連合の推すコシュトニツァ氏より劣勢の大統領が選挙結果をごまかすのではないかとの警戒を強めている。ホワイトハウス当局者は21日、「自由で公正な選挙なら、野党候補が勝つだろう。たとえ24日の投票で決まらなくても、決選投票で野党が勝つのは確実だ。国民はミロシェビッチ大統領にはユーゴスラビアの将来を託せないと思っている」と指摘しつつ、「公正な選挙にはならない」との見通しを示した。
 バルカン政策担当の大統領・国務長官特別顧問オブライエン氏も、「ミロシェビッチ政権はすでに、勝手な選挙区割りや民主派活動家の逮捕や威嚇を行っており、(選挙結果も)不正操作するだろう」と語ったうえで、「そうした勝利宣言は国際的に信用されない」と強調した。
 大がかりな不正が明らかになった場合の対応については「ミロシェビッチにフリーハンド(行動の自由)は与えない。彼は、バルカン地域の安定のための米政府の決意を過小評価すべきでない」と述べるにとどまった。[2000-09-22-19:58] 63
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 09/22@◎EU選挙監視団を拒否=ユーゴ(時事通信)

 【パリ22日時事】欧州連合(EU)議長国のフランス政府は22日、ユーゴスラビアで24日に実施される大統領選挙にEUが派遣を計画していた監視団の受け入れをユーゴ当局が拒否したことを明らかにした。 [時事通信社][2000-09-22-19:34] 64 [このページの最初に戻る]


 09/22@米大統領らに禁固刑 ベオグラード地裁 ユーゴ空爆(共同通信)

 【ベオグラード22日共同】ユーゴスラビアのベタ通信によると、ベオグラード地裁は二十一日、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆は「戦争犯罪」として、クリントン米大統領ら十四人に、それぞれ禁固二十年の判決を言い渡した。
 被告は、米大統領のほか、フランスのシラク大統領、ドイツのシュレーダー首相、ソラナ前NATO事務総長らNATO加盟国の指導者たち。裁判長は、刑執行は被告の逮捕後とし、空爆の被害者は被告に損害賠償を請求できると述べた。
 判決は二十四日のユーゴ大統領選を控え、ミロシェビッチ政権があらためて国民の反米・反NATO感情をあおり、選挙を有利にする世論工作とみられる。(了)[2000-09-22-18:54] 65
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 09/22@ユーゴ連邦大統領・議会選、24日投票(読売新聞)

 【ベオグラード22日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロで構成)の連邦大統領選と同議会選は二十四日、投票日を迎える。各陣営は選挙戦を終了し二十二日から二日間の選挙活動禁止期間に入った。選挙戦を優位に進めた「民主野党連合」のコシュトゥニツァ候補(56)陣営らは、ミロシェビッチ大統領(59)陣営による選挙不正工作への懸念を一段と強めており、投票を直前に控えて緊迫感が強まっている。
 各種世論調査では、コシュトゥニツァ候補が一貫してリードを保ってきたが、第一回投票で過半数を獲得するのは困難な情勢。選挙法は、第一回投票で過半数を獲得した候補がない場合は、二週間以内に上位二候補で決選投票をするとしている。
 選管発表の有権者数は約七百八十六万人。投票は二十四日午前七時開始で午後八時(日本時間二十五日午前三時)に締め切られ、即日開票に入る。公式集計の発表時間などは明らかにされていない。
 「民主野党連合」陣営は、独立系NGO(非政府組織)の「自由選挙と民主主義のためのセンター」などと連携、独自集計を発表するが、同センターは「すでに一部で投票用紙が出回っており、多重投票の恐れがある」と政権側を非難している。[2000-09-22-18:48] 66
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 09/22@<ユーゴ>24日に連邦大統領・議会選挙の投票(毎日新聞)

 【ベオグラード22日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)で24日、連邦大統領・議会選挙の投票が行われる。焦点の大統領選は、与党・社会党の現職、ミロシェビッチ大統領(59)と野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)の一騎打ちになっている。世論調査ではコシュトゥニツァ党首の優勢が揺るがないが、ミロシェビッチ陣営が政権維持のため「投開票操作によって一方的に勝利宣言し、武力弾圧で逃げ切る」と野党側はみており、不穏な情勢になっている。
 ミロシェビッチ大統領は旧ユーゴ連邦時代の1990年、セルビア大統領に当選して以来、10年間にわたり強権体制を敷いてきた。この間、91年の旧ユーゴ連邦崩壊、92年のボスニア・ヘルツェゴビナ内戦、98年から本格化したコソボ紛争、99年の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆などの波乱が続いた。民族紛争の長期化に伴う国民生活の疲弊により、民主変革を求める声はかつてなく強く、ミロシェビッチ体制は最大の危機に直面している。
 これまでの世論調査では、コシュトゥニツァ氏がミロシェビッチ氏に6〜21ポイントの差をつけており、ミロシェビッチ氏がリードしたことは1度もない。
 しかし、野党連合のジンジッチ民主党党首は「大統領は24日午後8時の投票終了約2時間後にも、一方的な『勝利宣言』を行うだろう」と予想した。野党側は、政権側が武力行使によって反発を抑さえこむ可能性があるとみており、投票日を目前にして国内では緊張が高まっている。
 野党連合はユーゴ全域の98%の投票所に選挙監視員を置き、投開票状況を把握する方針だが、「与党側がコソボ自治州を中心に大規模な不正票操作を進めている」と警戒している。野党連合は投票直後からベオグラードで集会を開き、与党の勝利宣言に対抗する計画だ。これを警察、軍が阻止し、大きな衝突に発展する懸念も出ている。
 全欧安保協力機構(OSCE)は選挙監視員派遣を申し入れたが、ユーゴ政府は拒否した。米政府はミロシェビッチ政権の弾圧に対して「断固とした対応をとる」と警告している。[2000-09-22-18:39] 67
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 09/22@野党側は独自集計公表へ ユーゴスラビア連邦大統領選(共同通信)

 【ベオグラード22日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選で野党連合「セルビア民主野党連合」は二十一日、投票終了後の二十四日夜に、同連合が独自に集計した投票結果を公表するとの声明を発表した。
 声明によると、投票終了一時間後の午後九時から、ベオグラード中心部の広場で結果を次々と公表していく方針で、市民に集結するよう呼び掛けた。「真実の広場」と称して「本当の選挙結果が最初に分かる場所」にするとしている。
 野党側は世論調査で劣勢のミロシェビッチ大統領側がコソボ自治州などの選挙区で投票の不正操作をする恐れがあると主張、九八%の投票所に監視員を配置する予定。(了)[2000-09-22-17:56] 69
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 09/22@政権側にあせりの色も 24日ユーゴ大統領選(共同通信)

 【ベオグラード22日共同】ミロシェビッチ大統領が生き残りをかけるユーゴスラビア連邦大統領選挙と連邦議会選挙の投票が、二十四日実施される。野党連合のコシュトニツァ候補優位の情勢を受け、政権側は選挙結果とは無関係に、大統領任期が来年六月まで続くとの「憲法解釈」を持ち出すなど、土壇場であせりの色を見せている。
 大統領が敗北しても、退陣を受け入れるとの見方は少なく、選挙をめぐり政治危機が先鋭化する恐れが一段と高まってきた。
 突然、新たな「憲法解釈」を打ち出したのはブラトビッチ連邦首相。首相は二十一日、ミロシェビッチ大統領が負けた場合でも@来年六月までの現任期は短縮できないA議会選を受けた新首相も、現大統領が指名する―との立場を明らかにした。
 ミロシェビッチ大統領は一九九七年七月に就任、来年六月には四年の任期切れを迎えることになっていた。しかし、今年七月、新たに二期八年の続投を可能にする改憲を強行した経緯がある。首相発言は大統領の敗北の場合に備え、予防線を張る狙いともみられる。
 非政府組織(NGO)「自由選挙民主主義センター」は二十一日、ミロシェビッチ氏の名前に印を付けた投票用紙を入手したとして公表。国営企業幹部が職員にこの用紙を渡し、大統領への投票を強制していると批判した。大統領が投票操作で二十四日深夜にも「勝利宣言」し、これに抗議する街頭集会を武力鎮圧するとのシナリオも懸念されている。
 ユーゴ連邦軍のパブコビッチ参謀長は「街頭デモで混乱が起きれば、野党と外国勢力の責任だ」と主張。三党連立与党の一つ、急進党のシェシェリ党首は二十一日の記者会見で、ミロシェビッチ夫妻がそれぞれ党首を務める社会党とユーゴ左翼の二党が「軍と警察を支配し、クーデターを進めている」と批判している。(了)[2000-09-22-16:29] 72
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 09/22@ユーゴ大統領選、野党側が独自集計結果発表へ(読売新聞)

 【ベオグラード22日=佐々木良寿】二十四日に投票を控えるユーゴスラビアの連邦大統領、同議会選で、優勢が伝えられる「民主野党連合」は二十一日、投票終了後に独自の集計結果を発表する、と明らかにした。同陣営のセドミル・ヨバノビッチ選対本部長が記者会見で述べたもので、同本部長は支持者に対して、二十四日夜に各市町村の中央広場に集まって発表を待つよう呼びかけた。
 これまでの各種世論調査では、同陣営のコシュトゥニツァ候補が優勢だが、政権側の不正工作に懸念が集まっており、抗議行動も辞さない構えだ。
 これに対して、世論調査を「西側のプロパガンダ」とする政権側は、連邦軍のパブコビッチ参謀総長が投票日を「兵士が再度前線に立つDデー」と位置づけ、「自由と祖国を守るために全力を挙げる」と述べるなど、抗議行動封じ込めに出る姿勢を示している。
 今選挙を巡っては、政権側は全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団受け入れを拒否する一方で、国営タンユグ通信によれば、約五十か国二百十人の外国人監視団がユーゴ入りしたとしている。しかし、ベオグラードの独立系NGO(非政府組織)「自由選挙と民主主義のためのセンター」は、外国人監視団について「国際基準から見て、技術的に監視員の役割を果たすことができるとは思えない」などとしている。
 一方、コソボ自治州を管理する国連暫定統治機構(UNMIK)は、投票実施が予定される同州内のセルビア人居住区へ監視員を派遣するとしている。現在、同州内に居住するセルビア人は約十万人。政権側は、有権者数に同州分の約百五十万人も含めており、「連合」陣営は、アルバニア系住民票が得票水増しに利用されると警戒している。[2000-09-22-12:27] 74
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 09/22@<戦争犯罪裁判>西側首脳に懲役20年の判決 ユーゴ(毎日新聞)

 【ベオグラード22日福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで21日、クリントン米大統領、シラク仏大統領、ブレア英首相ら計14人の「戦争犯罪」を糾弾する裁判の判決公判が開かれ、ラキティッチ裁判長は被告欠席のまま全員に懲役20年の判決を下した。ミロシェビッチ大統領らが昨年、国連旧ユーゴ戦犯法廷により起訴されたことに対抗するもので、24日投票のユーゴ大統領選直前の判決は一種の選挙運動と言える。
 被告は3首脳のほかオルブライト米国務長官やシュレーダー独首相ら計14人。それぞれに弁護士をあて、被告不在の形で3日前に始まった。罪状は昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆での「侵略戦争」「市民に対する戦争犯罪」「ミロシェビッチ大統領暗殺未遂」など。裁判長は「我々は被告を召喚したが彼らは無視した。真実と良心に直面することを恐れたのかもしれない」と述べた。
 24日の大統領・議会選で、与党側は「愛国心か裏切りか」のスローガンを掲げてミロシェビッチ大統領支持を訴えている。21日の判決内容は与党の主張と重なるものだ。[2000-09-22-10:45] 75
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 09/22@<ユーゴ緊迫>「外国特殊部隊が妨害行為を計画」と軍最高司(毎日新聞)

 【ベオグラード22日福井聡】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)で24日投票される連邦大統領・議会選挙を目前に、ユーゴ連邦軍最高司令官のパブコビッチ将軍は21日、「軍はユーゴ領内に侵入した外国特殊部隊が24日に妨害行為を計画していることを知っている」と発言した。野党側は「政府与党は不正工作をした上で一方的に勝利を宣言し、武力弾圧で逃げ切る」との懸念を裏付ける発言と受け取っており、国内の緊張は一層高まっている。
 同将軍は20日にも「わが国に向けたいくつかの威嚇計画が進められており、軍は万一の事態を避けるべく準備する義務がある」と発言した。野党側は「市民の安全を守るべき軍が、外国の脅威を口実にしてミロシェビッチ大統領の政権維持を支援している」と反発している。
 大統領選ではセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が、与党・社会党の現職、ミロシェビッチ大統領(59)を世論調査で終始リードしているが、与党側は調査結果を全面的に否定している。野党側はミロシェビッチ大統領が真の投票結果を無視して勝利を宣言し、軍と警察の力で市民の抵抗を抑えつけて政権の座に居座るのではないかと懸念を強めている。同大統領は国連の旧ユーゴ戦犯法廷によって起訴されており、自らの安全確保のために大統領の座を死守しようとするものと見られている。[2000-09-22-10:30] 76
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 09/22@<北朝鮮>非武装地帯付近に大量のロケット砲など搬入 米報(毎日新聞)

 【ワシントン21日布施広】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が昨年、韓国との軍事境界線沿いに設定されている非武装地帯付近に大量のロケット砲などを搬入し、100万トン以上の弾薬類を地下施設に貯蔵していることが21日、米国防総省の議会報告書で明らかになった。AP通信が報じたもので、6月の南北首脳会談の後も朝鮮半島は「危険な地域」であることに変わりはないとしている。
 報告書は北朝鮮が非武装地帯から160キロ以内に約70万の兵力と約8000の火砲、約2000の戦車類を待機させていると指摘、240ミリロケット砲と対戦車用の火砲が昨年、大量に同地帯近郊に搬入されたことも明らかにし、「最小限の追加的準備」によって韓国への大規模攻撃に踏み切れると結論付けた。
 これに対し韓国は、兵員数(約56万人)では劣勢だが、優れた装備を持つ約3万7000人の在韓米軍が加われば、軍事行動で優位を保てると指摘、米軍駐留の意義を強調している。
 また報告書によると、北朝鮮は非武装地帯近郊で、弾薬や装備を格納する地下施設を拡張しつつあり、現在の貯蔵弾薬類は100万トンを超える。北朝鮮は湾岸戦争(1991年)や昨年のユーゴスラビア空爆を教訓に兵力分散を図り、軍事施設を敵の目から隠す技術も向上させたという。[2000-09-22-10:25] 77
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 09/22@ユーゴ空爆、米欧指導者に実刑判決(読売新聞)

 【ベオグラード22日=佐々木良寿】ユーゴスラビアのベオグラード地裁は二十一日、昨年の北大西洋条約機構(NATO)による対ユーゴ空爆に関し、クリントン米大統領、ブレア英首相、シラク仏大統領ら米欧の指導者十四人に禁固二十年の実刑判決を下し、逮捕状を出した。
 判決は、十四人の罪状として、市民に対する戦争犯罪、使用禁止兵器の使用、ミロシェビッチ大統領暗殺企図などを上げた。
 この裁判は、二十四日に投票を迎える連邦大統領、同議会選で劣勢のミロシェビッチ大統領陣営が、国民の反NATO感情をあおることで、同陣営が「NATOの候補」とする民主野党連合のコシュトゥニツァ候補のイメージダウンを狙ったものだが、市民の間では「茶番」との見方が強い。[2000-09-22-10:23] 78
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 09/22@朝鮮半島はいぜん危険地域…米国防総省が報告書(読売新聞)

 【ワシントン21日=柴田岳】米国防総省は二十一日、北朝鮮が韓国との境界である非武装地帯(DMZ)周辺を中心に軍事力増強を続けており、「朝鮮半島は依然として危険地域である」と警告する報告書を米連邦議会に提出した。
 AP通信が入手した報告書によると、同省は、六月の南北首脳会談の開催を評価しつつも、北朝鮮が武力による南北再統一を放棄し経済改革に取り組むという確かな兆候はみられない、と指摘。金正日総書記は軍事力を重視しており、北朝鮮軍事力は「最小の追加的準備」で韓国軍に大規模攻撃を仕掛けられる水準にある、と分析している。
 具体的には、北朝鮮軍はDMZ周辺に七十万人の兵力と二千両の戦車、八千門の野砲を集中配備しているほか、昨年は、二四〇ミリ多連装ロケット・ランチャーや一七〇ミリ自走砲をDMZ沿いの格納庫に大量配備。さらに、DMZ周辺で対戦車用バリケードの構築や武器貯蔵庫の拡張を行っているほか、イラクやユーゴスラビアが米軍機の集中爆撃を受けたことを教訓に重要軍事施設の分散や偽装、戦闘攻撃機の増産などを進めている、と指摘している。[2000-09-22-10:21] 82
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 09/22@ユーゴ大統領来年6月まで 首相が政権延命に執着(共同通信)

 【ベオグラード21日共同】ユーゴスラビア連邦のブラトビッチ首相は二十一日、投票が三日後に迫った大統領選の結果にかかわらず、ミロシェビッチ大統領の任期は来年六月まで残っていると述べた。
 また、選挙後の新首相候補は現職大統領が指名し、新連邦議会が承認すると述べ、ミロシェビッチ政権の延命に強い執着を見せた。
 新大統領の就任時期はこれまで公表されていないが、選挙後一定期間内に就任するのが当然とみられており、選挙戦を有利に進めてきた野党陣営の反発が予想される。
 独立系ベタ通信によると、ブラトビッチ首相は民間テレビとの会見で、ミロシェビッチ大統領の再選に道を開いたことし七月の憲法改正を受けて連邦議会が定めた細則を根拠に「大統領の任期短縮は憲法上許されない」と述べた。
 細則の内容は明らかにされていないが、ミロシェビッチ政権が選挙敗北に備え、こうした変更を行った可能性が高い。
 ミロシェビッチ大統領は一九九七年七月に就任、任期は四年。改憲で二期八年の続投が可能となった。
 一方、大統領選の選挙活動最終日となった二十一日、野党連合「セルビア民主野党連合」は北部ノビサドで約三万人を集めた最後の集会を開き、支持者らは「ミロシェビッチを倒せ」などと叫び声を上げた。(了)[2000-09-22-09:29] 83
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 09/22@◎ミロシェビッチ氏「勝利」なら独立急ぐ=モンテネグロ大統(時事通信)

 【ベオグラード21日時事】ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の独立系民間通信社BETAが21日伝えたところによると、連邦からの自立路線を推進しているモンテネグロ共和国の親欧米派政権は、24日投票の連邦大統領・議会選で、ミロシェビッチ大統領が勝利を宣言した場合、連邦からの独立を急ぐ方針を固めた。同共和国政府筋が明らかにしたもので、ミロシェビッチ氏と対決しているジュカノビッチ共和国大統領は、この方針を既に欧米諸国に伝達した。 [時事通信社][2000-09-22-09:10] 162 [このページの最初に戻る]


 09/22@<西ティモール>併合維持派民兵の武装解除が始まる=替(毎日新聞)

 【ジャカルタ22日中坪央暁】インドネシア・西ティモール(東ヌサトゥンガラ州)で22日、インドネシア国軍・警察による東ティモール併合維持派民兵の武装解除が始まった。メガワティ副大統領が24日に西ティモール東部のアタンブアなどを訪問、武器引き渡し式に立ち会う。6日の国連職員殺害をきっかけに、西ティモールの治安回復を求める国際世論が高まる中、政府として問題解決への取り組みを対外的にアピールする意味合いが強い。
 アタンブアの国軍関係者は22日、「併合派は呼び掛けに応じて、自主的に武装解除している」と述べた。また併合派幹部は毎日新聞に対し、「22日までに手製の銃1000丁余りを回収した。すべて国軍・警察側に引き渡す」と話した。武装解除は26日まで実施され、混乱なく進むと見られる。
 国連職員殺害では、国連安保理がインドネシア政府に民兵組織解体を求める決議を採択。ジャカルタ入りしたコーエン国防長官は18日、経済制裁をちらつかせてワヒド大統領に対応策を迫った。
 これに対し、インドネシア政府は国連調査団の派遣を拒むとともに、「武装解除はこれまでも行っている」(ワヒド大統領)と、国際社会の過剰な介入を拒否。19日にはユドヨノ調整相(政治・治安担当)を国連本部に送り、アナン事務総長に調査団派遣は不要との見解を重ねて伝えた。
 またコーエン発言はインドネシア側を刺激、アミン・ライス国民協議会議長は「主権国家に対する脅しで容認できない。外国の干渉なしに問題を解決する」と激しく非難した。[2000-09-22-18:55] 182
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 09/22@争点から消えた「外交」 内政一辺倒に批判も 米大統領選(共同通信)

 【ワシントン22日共同】減税、年金、医療など内政課題を争点に戦われている米大統領選の遊説では、民主党のゴア、共和党のブッシュ両候補とも外交問題は完全に素通りだ。あまりの内政一辺倒ぶりに「これでいいのか」という声がメディアなどに出始めた。
 「中国、イラク、キューバ、朝鮮半島…。(十月のテレビ討論で)これを議論せよ」―ニューヨーク・タイムズ紙の著名な外交コラムニスト、トーマス・フリードマン氏は外交問題で音無しを続ける両候補者をこう挑発した。
 唯一の超大国、米国を脅かす主要な敵はいなくなったが、外交課題がなくなったわけではない。逆に課題は山積している。次期大統領候補として、外交ビジョンを語るべきだという主張だ。
 ブッシュ氏は「前方関与」というゴア氏の不明りょうな政策について説明を求めるべきだし、ゴア氏は「世界の警察官」役を拒否しながら軍事力強化をうたうブッシュ氏の政策矛盾を突くべきだとフリードマン氏は指摘する。
 中国が次期政権にとって最大の課題の一つになることは疑いないのに「選挙戦で中国は全く見えない」と嘆くのは、ロサンゼルス・タイムズ紙の外交専門記者ジム・マン氏。中国をめぐる両陣営の「偽の静けさ」は、面倒な問題をつついて厄介なことが身に降りかかるのを避けたい姿勢の表れだと紙上で批判する。
 「候補者が政策を率直に明らかにしてこそ、大統領に就任した時に国民の合意と支持が得られるのに」とマン氏は問い掛けた。
 「外交は票にならない」とはいえ、大統領選での外交不在はポスト冷戦で米国民の間に広がった「新たな外交的無関心」(ブルッキングズ研究所のジェームズ・リンゼイ上級研究員)と無縁ではなさそうだ。(了)[2000-09-22-16:45] 198
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 09/22@<翔んで・・アフリカ>不思議な魅力を持つ大陸(毎日新聞)

 「アフリカって、何だか魅力あるのよねえ」。黒柳徹子さんが言った。ユニセフ親善大使として84年から計17回、貧しい国を訪れたが、うち10回はアフリカだ。黒柳さんはアフリカが好きなのだ。でも、この「何だか」とは何なのか。
 ある晩さん会で、黒柳さんの前に中年女性が座った。金やダイヤを散りばめ、自ら「閣下」と銘打った2つ折りの名刺を差し出す元副大統領だ。「日本の援助でテレビ局を建てたが、内戦でボロボロ。直してくれるなら私、東京に行ってもいいですよ。日米が競争入札するのもいいし」と持ちかけた。
 アフリカには援助を当然と考えるエリートが多い。しかし、こうした汚点を見せつけられても深い魅力がある。「何だか」にはそんな意味があるようだ。
 後日、直径1センチはありそうなダイヤをはめた大統領夫人に、ある記者が聞いた。「夫人もお美しいけど、そのダイヤも」。すると夫人は小馬鹿にしたような顔で答えた。「これ?、リベリア産よ」。闇ダイヤではないと言いたかったのだろうが、黒柳さんはこう受け止めた。「正直な人ねえ。結構、いい人かもね」
 「アフリカも良くなって欲しいんだけど、どうしたらいい?」。そう聞く黒柳さんに「少しずつはい上がるしかないのでは」と答えた。するとまた黒柳さんの中で何かがはじけた。「そうよ、急に変わるのもね。日本もついこの前まで男と女は手もつないじゃいけなかったのに、いま知ってる?、その辺で平気でキスしてんのよ。成り金みたいで、みっともないでしょう」
   ◇   ◇
 モンロビア空港。1週間前の到着時には、陰口をたたいていた地元記者たちが黒柳さんを囲み記念撮影をせがんでいる。「大統領との15分の会見予定を1時間まで伸ばせたのはあの人だけ」と官僚は神妙につぶやく。確かに短期間でこれだけ多くの人をひきつけられる人はそういない。「じゃあねえ」。黒柳さんが去った空港はいつものアフリカ。随分と寂しく見えた。【モンロビアで藤原章生】
 (リベリアの子供たちへの募金は左記まで。郵便口座00130―5―8060、ユニセフ親善大使・黒柳徹子)[2000-09-22-13:40] 209
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 09/22@◇100万人署名をユネスコに提出 日本ユネスコ協会連盟◇(朝日新聞)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が取り組む「わたしの平和宣言」1億人署名キャンペーンに参加している日本ユネスコ協会連盟は21日、日本国内で集めた100万人の署名をユネスコに提出した。
 同連盟を中心に昨年10月から署名活動を始め、茨城県の岩間淳一郎さん(18)と静岡県の椛島郁里さん(16)の2人の高校生が代表して、松浦晃一郎事務局長に署名の目録を手渡した。
 今年は国連が採択した「平和の文化国際年」にあたり、ユネスコは世界各地で平和と非暴力を訴える平和宣言への署名を呼びかけており、現時点で6000万人の署名が集まったという。[2000-09-22-12:41] 210
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 09/22@◇アフガニスタンのタリバーン、国連議席獲得に動く◇(朝日新聞)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバーンのアブドル・ザヒド外務次官は21日、国連記者クラブで会見した。現在、国連議席はタリバーンに追い出されたラバニ政権が占めているが、ザヒド氏は、国土の9割以上をおさえている同勢力「アフガニスタン・イスラム首長国」が取って代わるべきだと訴えた。来週には、ワシントン入りし米政府と協議すると明らかにし、国際社会の仲間入りに積極的に乗り出した。
 タリバーンは人権問題や国際的テロリストとされているオサマ・ビン・ラディン氏の保護などで非難され、現在、同政権を承認しているのはパキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の3カ国のみだ。
 ザヒド氏は「われわれは国土の95%を管理している。女性の教育も男性と同じように義務化されている。ラディン氏はラバニ政権の時代からアフガニスタンにいた。なぜ、われわれの政権になったら問題視されるのか分からない」と非難を突っぱねた。
 アフガニスタンに関してアナン国連事務総長は18日に安全保障理事会に報告書を提出した。その中で「最近、タリバーンは麻薬栽培を禁止するなど前向きの姿勢も見られる。しかし、女性の就業に反するような動きや、アフガンから中央アジアへイスラム民兵が流入するなど危険な動きもみられる」などとして、国際社会への参加にはまだ否定的な見解を示している。[2000-09-22-12:38] 235
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 09/22@原産地証明システム構築へ 密売ダイヤ締め出しで合意(共同通信)

 【ヨハネスブルク21日共同】南アフリカのプレトリアで開かれていたダイヤモンド生産国と輸入国の閣僚らによる会議は二十一日、アフリカの紛争をあおる要因となっている密売ダイヤを市場から締め出すため、国際的なダイヤ原産地証明システムを構築する方向で合意、三日間の日程を終えた。
 参加各国は、証明システムの実効性を確保するため、国際監視機関の設置が必要との認識で一致。原産地を明示し、合法的に採掘されたダイヤ原石であることを示す証明書がない場合は輸入できないような枠組みづくりを目指す。今後、国連総会での決議や国際条約の締結に向けた作業に入る方針。
 会議には南アやコンゴ(旧ザイール)、シエラレオネなどのダイヤ生産国と英国や米国、ベルギーなど約二十カ国の代表らが参加した。
 会議後、記者会見した南アのムランボヌグカ鉱業エネルギー相によると、近くナミビアで関係国がさらに協議し、合意内容を国連総会に報告する見通し。
 アフリカ各地ではダイヤが反政府武装勢力の主要な資金源となっており、英国などが主導する形で「血塗られたダイヤ」を追放する努力が続いている。(了)[2000-09-22-08:23] 236
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 09/22@インドがPKO撤退を通告 シエラレオネ、国連に誤算(共同通信)

 【ニューヨーク21日共同】インドは二十一日までに、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)から全兵力の三千人を撤退させると国連に通告した。五月の要員大量拘束事件にインド兵が巻き込まれたためとみられ、要員の大幅増強を図る国連にとっては大きな誤算になる。
 同派遣団の定員は一万三千人。インドはナイジェリアに次ぐ大兵力を派遣しており、全体の約四分の一に当たる。
 インド側は「当初の予定通り」(国連代表部)との立場だが、国連外交筋によると大量拘束事件でインド兵約二百人が数週間、シエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)に包囲されたことが背景にあるという。
 アナン国連事務総長は派遣団の定員を二万五百人まで増強するよう勧告したが、インド撤退でシナリオが狂うのは必至。約千八百人を派遣しているヨルダンも撤退の意向とされ、「アフリカでの国連平和維持活動(PKO)に各国が及び腰になってきた」(同筋)との指摘もある。(了)[2000-09-22-08:14] 238
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 09/22@ゆっくり休み回顧録執筆 緒方貞子高等弁務官、退任後を語る(共同通信)

 【ジュネーブ21日共同】「ゆっくり休んで回顧録を執筆したい」―。十年間にわたる任期を終えて今年末に退任する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の緒方貞子高等弁務官は二十一日までに、UNHCR部内誌とのインタビューでこんな「退職後の計画」を明らかにした。
 緒方氏によると回顧録は、国際的な政治環境が過去十年間に激動した中で、UNHCRがどのように対応してきたかを分析する内容にしたい意向。自らの業績については「(UNHCRが難民救済の)現場にいつもいた」ことを誇りに思っていると語った。
 また一九九一年の湾岸戦争終結前、当時のブッシュ米大統領と会談し、イラクのクルド人を守るため米軍は残るよう求めたエピソードなどを披露した。
 緒方氏は九一年二月に就任。資金不足が続いていたUNHCRの財政立て直しなどに貢献した。(了)[2000-09-22-08:11] 239
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 09/22@相次ぐ職員殺害に怒り表明 抗議集会で緒方弁務官(共同通信)

 【ジュネーブ21日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員の相次ぐ殺害を受け、国連職員による抗議集会が二十一日、世界各地で開かれた。UNHCR本部があるジュネーブでの千人規模の集会では、緒方貞子高等弁務官が「もう(殺害事件は)うんざりだ」と怒りを表明、国際社会に対策を求めた。
 UNHCRによると、集会には世界で数千人が参加。ニューヨークの国連本部でもアナン事務総長が演説し、国連の人道支援継続の必要性を訴える一方、職員の安全確保が急務と訴えた。
 インドネシアの西ティモールとアフリカ西部のギニア共和国で殺された四人の職員追悼のため白い腕章を巻いた緒方氏は「難民の生命は私たちの活動にかかっている。しかし、そうした活動も私たちが生きていればこそだ」と指摘、安全確保を怠った受け入れ国を非難した。
 緒方氏は人道支援関係者の保護に関する国際法の制定をはじめ@職員の通信設備A治安確保に関する国連の内規―などの強化を求めた。
 ジュネーブの集会参加者は国連欧州本部からUNHCR本部まで約一キロをデモ行進、「安全が確保されなければ支援もない」と訴えた。(了)[2000-09-22-08:06] 240
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 09/22@100万人の平和署名を提出 日本の高校生、ユネスコに(共同通信)

 【パリ21日共同】二○○○年を「平和の文化国際年」に指定した国連教育科学文化機関(ユネスコ)が進める「わたしの平和宣言」署名運動で、日本の高校生二人が二十一日、パリのユネスコ本部を訪れ、松浦晃一郎事務局長に日本で集まった約百万人の署名を手渡した。
 二人は茨城県の水戸農業高校三年、岩間淳一郎さん(18)と静岡県の浜松海の星高校二年、椛島郁里さん(16)。日本ユネスコ協会連盟が作文審査などで七百四人の応募者の中から「平和の使者」に選んだ。
 岩間さんは「新世紀に戦争と食糧不足の解消を目指し、努力する」と述べ、椛島さんは「世界の問題を知ることから始めたい」と語った。
 「生命の尊重」「非暴力」など六項目からなる同宣言に、日本では九十九万八千百九十一人が署名し、目標の百万人をほぼ達成。年内に一億人を目指すユネスコには各国から計六千万人の署名が届いている。(了)[2000-09-22-08:04] 160
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 09/22@視聴率でもサッカー人気 50%いくか五輪米国戦(共同通信)

 シドニー五輪の熱戦を伝えるテレビ中継が、日本選手の活躍で高視聴率を上げている。特にサッカー男子の人気が際立つ。二十三日の準々決勝、日本―米国戦は、週末ということもあり「どこまで視聴率がいくか」が注目されている。
 今回の五輪放送での視聴率上位は、サッカーの対スロバキア戦の後半(十七日、NHK)四○・一%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同じ)を最高に、野球予選の米国戦(十七日、NHK)三二・四%、開会式(十五日、NHK)三○・九%の順。在宅率の高い土曜、休日に集中している。
 平日は、大半が一けたか一○%台。そんな中で目立つのがサッカーだ。南アフリカ戦(十四日、日本テレビ)が二一・八%、ブラジル戦(二十日、フジテレビ)が二六・○%と、突出している。
 特にブラジル戦は、平日午後六時前からの生中継にもかかわらず、後半は三○%を超え、瞬間最高視聴率は三八・八%に達した。同時に生中継したNHK・BSも視聴率六・四%だったことを考え合わせると、人気の高さがうかがわれる。
 メキシコ五輪以来の予選突破で、熱気は高まる一方。準々決勝から、日本チームが勝ち続ける限り生中継することになっているNHKの海老沢勝二会長は「サッカーがこんなに人気を集めるとは―。米国が相手では、視聴率は五○%いくかもしれない」と期待を込めて話している。(了)[2000-09-22-19:11]
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 09/23@◎欧州記者を大量国外追放=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード23日時事】ユーゴスラビアの独立系民間通信社BETAが伝えたところによると、24日の大統領・議会選挙取材のため、ユーゴ国内で活動していた欧州の記者約20人が22日、理由を明らかにされないまま、当局によって24時間以内の国外退去を命じられた。
 追放されたのは英、独、ポルトガル、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ウクライナの記者で、いずれも正規の入国査証を保持していたという。欧州連合(EU)は23日、ユーゴによる記者追放に遺憾の意を表明するとともに、説明を求めた。 [時事通信社][2000-09-23-21:12] 36
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 09/23@<ユーゴ>大統領選控え、モンテネグロは静かな緊張感に(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)23日福原直樹】「選挙後の内戦が怖い」――ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の連邦大統領・議会選挙の投票日が翌日に迫った23日、モンテネグロは静かな緊張感に覆われた。政権維持を目指すミロシェビッチ連邦大統領が一方的な勝利宣言など強引な手法をとった場合、セルビアとの摩擦やモンテネグロ内での対立を背景に、武力衝突も発生しかねない。市民の表情は複雑だ。
 「あの時は、内戦が起こるのかと思いました」
 共和国の首都、ポドゴリツァ市中心部。女子学生のバレッチさん(24)が語った。ミロシェビッチ大統領が20日午後、モンテネグロを訪問した時のことを言っている。ポドゴリツァの市中に連邦軍兵士が展開し、市北部140キロの演説会場までの沿道には憲兵が出動して、通行する車両を検問した。
 この間、市内からは人影が消えた。市民の一部は連邦大統領の演説を聞きに行ったが、外出すれば衝突に巻き込まれると懸念した人もいたようだ。モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領は連邦離脱派であり、選挙ボイコットを呼びかけてきた。離脱派と維持派はほぼ半々と言われる。
 その日の夜に放映されたモンテネグロ放送の番組も反響を呼んだ。同放送はジュカノビッチ氏を支持している。出演した連邦軍最高幹部4人に、司会者は「共和国を攻撃するつもりか」と、際どい質問を放った。ミロシェビッチ氏が大統領選に勝利し、武力衝突に発展した場合を想定した質問だ。
 だが、連邦軍幹部は平静そのもの。「我々は、あなたたちの軍隊だ」と淡々と主張した。
 「内戦のうわさは何度もあった。今回は回避できないような気もする」。一見平静な市中心部で、会社員ブコビッチさん(40)は不安そうに話した。[2000-09-23-19:05] 37
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 09/23@<ユーゴ>憲法上の解釈めぐり「大統領2人に」の波紋(毎日新聞)

 【ベオグラード23日福井聡】ユーゴ連邦で24日投票される大統領・議会選挙を目前に、ブラトビッチ連邦首相は「選挙結果にかかわらず現大統領の任期は憲法上来年6月まである」と発言した。野党側は「敗戦を予期した上で居座るための発言」と反発する一方「ユーゴでは何でも起きる。大統領が2人になることもありうる」「選挙後も政争が続くことを示唆し、有権者を投票から遠ざける作戦」などと、解釈を巡り波紋が広がっている。
 ブラトビッチ首相は22日午前零時の選挙運動終了時刻直前に、モンテネグロのテレビでこの発言をした。同首相は「新首相は現大統領が指名する」とも述べ、自らがミロシェビッチ大統領に再指名されることを強く示唆した。
 ユーゴ憲法は今年7月、連邦大統領について(1)議会が選出する方式から国民が直接選出する方式に(2)従来の再選禁止から新たに2期8年の新任期を設定――などの改正をしたばかりで、新旧大統領の交代についての規定が明確でない。
 首相の発言についてセルビア民主野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)は「発言は選挙法に合致していないが、政権側が敗色濃厚の中、躍起になっていることを示し、希望を持たせる内容だ」と述べた。しかし同連合の選挙参謀、ジンジッチ民主党党首は「大統領が2人存在する国などあるだろうか? しかし、この国では何でも起こりうる」と懸念を強めている。
 また、同連合のバティッチ・キリスト教民主党党首は「選挙後もミロシェビッチ大統領が居座り続けるなら投票はどんな意味を持つのかと、有権者を不安がらせるもので、低当票率が有利に働く与党側の戦略だ」と非難している。[2000-09-23-18:45] 40
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 09/23@ユーゴ連邦軍内にも動揺 デモ鎮圧出動の観測で(共同通信)

 【ベオグラード23日共同】投票を二十四日に迎えるユーゴスラビア連邦大統領・議会選の投票終了後、野党勢力が呼び掛ける街頭デモの鎮圧に連邦軍が出動するのではないかとの観測が高まっており、軍内部で緊張や動揺が広がっている。
 ユーゴ軍参謀本部は二十一日、外国のベオグラード駐在武官を集め情勢を説明。この席に出たある武官は「選挙を控えて緊張が高まり、部隊内の士気を維持するのに幹部が苦労しているとの印象を受けた」と語った。
 この武官によると、クルガ情報部長は「外国からの脅威に備え国境警備を強め、演習規模を拡大した」と述べ、警戒態勢を強化していることを明らかにした。
 連邦から離脱志向を強めるモンテネグロ共和国に駐留する連邦軍兵士が親類に電話で伝えたところによると、ユーゴ内の多数の軍施設で二十一日夜、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆以来、初めて警戒警報が鳴り響き「激しい緊張が走った」という。一時は「兵士がトーチカに展開せよとの指令が出た」との情報も流れたらしい。
 NATOはルーマニアで演習中で、二十五日からは米軍とクロアチア軍が、モンテネグロが面するアドリア海で合同演習を計画。連邦軍はこうした動きに神経をとがらせているもようだ。
 NATOのロバートソン事務総長は、選挙の混乱に乗じて連邦軍がモンテネグロで軍事行動に出れば対抗措置を取ることを示唆している。(了)[2000-09-23-16:50] 41
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 09/23@野党候補優勢で24日投票 ユーゴ大統領選、混乱必至(共同通信)

 【ベオグラード23日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選挙は二十四日、事前の予測で、再選を狙う与党セルビア社会党のミロシェビッチ大統領(59)に対し、「セルビア民主野党連合」のコシュトニツァ候補(56)が優勢を維持したまま投票日を迎える。
 野党連合は、投票終了後の二十四日夜にも大統領が票を不正操作して一方的に「勝利宣言」すると予想。野党連合が発表する予定の独自集計で、コシュトニツァ候補が大差をつけ「勝利」するのは確実で、野党側は「二人の大統領は必要ない」とセルビア各地で街頭デモを繰り広げて対抗する構えだ。翌二十五日とみられる公式開票結果の発表前から野党支持者と警察部隊との衝突など混乱が起きるのは必至の情勢だ。
 大統領の側近であるブラトビッチ首相は、投票日直前になって、今回の選挙結果に関係なく、ミロシェビッチ大統領の任期が来年七月の任期切れまでまだ十カ月あると突然、発表した。
 これに対し、コシュトニツァ候補は二十二日の声明で「これは与党が大統領選での敗北は覆らないと認識したことを意味する。逆に希望が持てる」と述べ、大統領に早期退陣を迫る決意を示した。
 投票は二十四日夜、締め切られ即日開票される。同時に連邦上下両院選とセルビアの地方選も実施される。(了)[2000-09-23-16:14] 42
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 09/23@国連機関が脱出ルート検討 ユーゴ大統領選後の混乱に(共同通信)

 【ベオグラード23日共同】国連緊急援助調整官室(OCHA)のベオグラード事務所で二十二日、ユーゴスラビア連邦大統領選の投票終了後に混乱が起きた場合に備えた「脱出ルート」の説明会が開かれた。
 同事務所員によると、説明会では、治安専門家が「不測の事態」の際にはクロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナが最も安全な脱出ルートと指摘した。しかし、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆直前のような投票前の退避命令は出されていないという。(了)[2000-09-23-16:13] 51
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 09/23@◇ユーゴ大統領選、24日投票 野党連合候補が優勢◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領が再選されるかどうかが注目されるユーゴスラビア大統領選は24日、投票が行われる。大統領は昨年の北大西洋条約機構(NATO)の空爆以来続く国民の「反NATO感情」に訴えようとしているが、事前の世論調査では野党連合のコシュトニツァ候補が優位に立っている。大統領は選挙結果にかかわらず政権を維持する構えで、投開票後の混乱も予想される。また連邦軍も「外国の介入」を警告するなど情勢は緊迫してきた。
 候補者は5人だが、事実上、現大統領とコシュトニツァ氏の一騎打ちの形勢だ。24日の投票で過半数の票を得る者がいない場合、上位2人による決選投票が10月8日までに行われる。
 ミロシェビッチ大統領の任期は来年7月までだったが、憲法を改定し、再選を目指した。国民に審判を受ける直接選挙は初めて。だが、世論調査ではコシュトニツァ氏が大幅にリードしたまま終盤を迎えた。
 大統領劣勢が伝えられる中で、ブラトビッチ首相は21日、「大統領の任期は本来の来年半ばまでで、選挙後、新首相を任命する」と述べた。投開票結果にかかわらず、当面は政権を譲らないという大統領陣営の決意を示したものだ。この発言は選挙活動が禁止される22日午前零時の直前に報道されたため、野党側は反論を封じられている。
 ベオグラードの通信社によると、連邦軍のパブコビッチ参謀長は「選挙当日に、外国の武力勢力が混乱を引き起こそうと計画していることを知っている」と述べ、「もしユーゴに介入しようとしたら、黙ってはいない」とした。
 欧米の選挙監視団は入国を拒否され、政府による開票手順も明らかでない。コシュトニツァ氏優勢の場合、開票結果が「握りつぶされる」可能性があるとして、野党側は開票所での立会人の報告をもとに独自集計を行う。早ければ投票締め切りから数時間以内に「勝利宣言」を出し、祝勝の大規模集会を行う構えだ。軍幹部は「街頭での政権奪取を目的とした計画は認めない」と述べており、衝突する事態が心配され始めた。
 ベオグラード地裁は21日、昨年のNATOによるユーゴ空爆の責任を問うとして、クリントン米大統領ら欧米諸国の指導者14人に懲役20年の有罪判決を言い渡した。
 国連の旧ユーゴ戦争犯罪法廷から起訴されているミロシェビッチ
大統領の西側との対決姿勢のアピールは、投票直前になって一層激しさを増してきていた。大規模集会などで「植民地への道を歩むか、それとも自由な国を選ぶかという国民投票の機会だ」との呼びかけを強めている。[2000-09-23-11:59] 52
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 09/23@独立国民投票に前向き姿勢 モンテネグロ大統領(共同通信)

 【ポドゴリツァ23日共同】二十四日のユーゴスラビア連邦大統領・議会選を控え、連邦離脱志向を強めるモンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領は二十二日夜、共和国の国営テレビの番組で「わたしは市民の声が聞きたい」と述べ、独立を問う国民投票に前向きな姿勢を示した。実施の条件や時機には言及しなかった。
 共和国憲法はモンテネグロを「ユーゴ連邦の国家」と規定しているため、ミロシェビッチ連邦大統領に近いモンテネグロ野党は、憲法を改正しなければ投票は不可能と主張している。
 しかし、ジュカノビッチ大統領は「国論が割れている問題では、国民が自ら決定できるやり方が望ましい」と強調。投票実施を優先する意向を示した。
 さらに、九月上旬にニューヨークで行われた国連ミレニアムサミットの際、クリントン米大統領ら欧米首脳らとモンテネグロの「独立に関する問題」を話し合ったと表明。
 その上で「国際社会はモンテネグロの独立をあまり耳にしたくないようだが、ユーゴでの過去十年間の苦難を経てきたわれわれには、国民に対して正しいと信じることを実行に移す権利がある」と語った。(了)[2000-09-23-10:14] 54
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 09/23@<揺れる選択>ユーゴ大統領選 圧力に屈せず放送継続(毎日新聞)

 事務所全体に張りのある声が響く。小柄だがきびきび動き、電話や面会、決済にと、仕事を次々こなして行く。オフェリア・バフコビッチさん(49)は、ベオグラード北30キロのパンチェボ市にある独立系放送局「ラジオ・パンチェボ」の総責任者(社長)だ。
 ユーゴスラビアの独立系電波メディアは昨年来政府から徹底的な弾圧を受け、次々と姿を消している。ベオグラードでは今年5月に野党・セルビア再生運動が実質支配していたテレビ局スタジオBが接収され、非政府系電波メディアは今、ラジオ・パンチェボとラジオ・インデックスだけだ。
 ラジオ・パンチェボにも再三、閉鎖圧力がかかった。税務査察から政府系企業のスポンサー提供禁止、さらに電波法上の放送許可更新拒否。既に同局の中波放送は更新が切れ、FM放送も年末に期限が来る。「更新には200万ディナール(約350万円)を支払え」と言い渡されたが、バフコビッチさんはすべて無視し、放送を続けている。
 5月にスタジオBが接収された同じ日、政府はラジオ・パンチェボが使用していた送電装置を撤去してしまい、同局側は盗難罪で告訴した。公判で政府は撤去理由を「放送で不安を駆り立て、大衆の治安を阻害した」と主張。代替措置で今も放送を続けているが、いつ打ち切られてもおかしくない状態が続く。バフコビッチさんは「脅しなどには屈しない」と淡々と語る。
 昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ空爆の期間中、政府系のセルビア放送はどこが爆撃されたかを伝えずにNATOへの憎悪を増幅させ、パニックを誘発するような報道を繰り返した。「私たちは爆撃地点を具体的に示し、正確な事実の報道に努めた。『敵』『殺人爆弾』など政府の指定用語も使わなかった」という。
 24日の大統領選ではミロシェビッチ大統領側の再選を目指した大掛かりな不正投開票操作がうわさされている。ハブコビッチさんは「野党側モニターと協力して不正内容を逐一報じるが、最大の役割は人々を投票所に向かわせることだ」と話す。
 しかし、選挙の行方については悲観的だ。「ミロシェビッチ大統領は(大統領選で野党候補に負けても)必ず政権にしがみつく。私たちはこの10年間その繰り返しをイヤというほど見てきた。選挙後は闘いになる」と断言した。【パンチェボで福井聡】=おわり[2000-09-23-01:05] 55
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 09/23@◇NATO総長、ユーゴ大統領選の操作に懸念表明◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は22日、訪問先のベルリンで記者会見し、ユーゴスラビア大統領選挙について、「重要なことはミロシェビッチ(大統領)が自由で公正な選挙を認めることだ」と述べ、ミロシェビッチ政権による選挙操作の可能性に強い懸念を表明した。
 事務総長は、「選挙を操作しようとしてはならない。国民の審判に耳を傾けるべきだ」と述べた。また、この選挙でユーゴで何らかの問題が発生した場合に備えて、コソボとボスニアで平和維持に当たるNATO部隊が警戒態勢にあることを強調した。[2000-09-23-00:39] 56
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 09/23@◎ミロシェビッチ氏、来年7月まで大統領の座に=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード22日時事】ユーゴスラビア連邦のブラトビッチ首相は22日、ミロシェビッチ大統領は24日の連邦大統領・議会選の結果にかかわらず、今の任期を全うし、2001年7月までに大統領の座にとどまると発表した。
 ミロシェビッチ大統領は、敗北必至の選挙結果を無視し、「法の盲点」を突く形でさらに10カ月間にわたって大統領ポストに居座り、その間に自身の政治的延命を図る手を打つ思惑とみられる。 [時事通信社][2000-09-23-00:09] 69
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 09/23@EU独自防衛の構想進展 11月に部隊の骨格成立へ(共同通信)

 【ブリュッセル23日共同】欧州連合(EU)の共同外交・防衛政策の柱である独自防衛力構想が着実に進んでいる。十一月には各国がどれだけの兵員と装備を拠出するかを明らかにする「拠出会議」を開催、緊急展開部隊の骨格が固まる見通しとなった。
 EUは昨年末、五万―六万人規模の緊急展開部隊を六十日以内に派遣、少なくとも一年間駐留させ得る能力を二○○三年までに整備すると決定した。任務は、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)が実施しない人道活動や平和維持活動、平和再構築活動で、対象として周辺地域の紛争を想定している。
 EU内に今年三月、暫定的な政治・安保委員会(大使級)、軍事委員会(各国参謀総長)、幕僚部会を新設。任務と加盟国が重複するNATOと、協力の在り方について今月十九日に初の公式会合を開いた。
 二十二日のEU国防相会議では、必要な軍事力の規模は最大二十三万人、航空機三百機、艦船八十隻との認識で一致。これを受け、十一月二十日の「拠出会議」で部隊の骨格が成立する見通しで、十二月のEU首脳会議で正式承認される。
 準備は順調に進んできたが、軍事専門家は「作戦を展開できるバランスのとれた部隊になるかどうか」と「質」の問題を懸念する。
 本国から遠く離れた地域に部隊を投入できる能力を持つのは英国とフランスだけ。ドイツなどは依然として「東側が攻め込んできた時のために座って待つ」(専門家)という冷戦時代の軍隊から変化しておらず、他の国々もほぼ同様だ。
 このため、拠出会議で兵力だけ集まっても、輸送機などの兵員投入能力が不足する結果も危ぐされている。(了)[2000-09-23-15:12] 79
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 09/23@援助活動の安全確保要求(共同通信)

 【ローマ22日共同】世界食糧計画(WFP、事務局ローマ)は二十二日、インドネシア政府に対し、西ティモールで国連などの人道援助機関要員が安全に活動するために必要な「あらゆる措置をとる」ことを呼び掛けた。
 WFPはインドネシア領西ティモールで東ティモール避難民への食糧供給などを続けていたが、今月六日に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員が殺害されたため、ほかの国連機関職員とともに撤退を余儀なくされた。
 WFPでは、インドネシア政府当局が避難民用にコメなどの食糧を二カ月分貯蔵しており、当面は独自に食糧を供給できるとみている。(了)[2000-09-23-10:44] 83
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 09/23@必要兵員は最大で23万人 EU緊急展開部隊(共同通信)

 【ブリュッセル22日共同】パリ近郊で二十二日開かれた欧州連合(EU)の国防相会議は、独自の欧州緊急展開部隊の創設のためには最大二十三万人の兵員と航空機三百機、艦船八十隻の準備が必要との認識で一致した。
 EUは昨年十二月の首脳会議で、紛争地に六十日以内に派遣可能で、最短でも一年間駐留できる五万―六万人規模の緊急展開部隊を二○○三年までに創設することを決定していた。
 今回の一致を受け、十一月二十日には各国が拠出する兵員や装備などについて具体的に明らかにする会議をブリュッセルで開催する。
 会議後に記者会見したフランスのリシャール国防相によると、六万人を派遣するには予備兵力としてさらに二万人必要で、駐留延長が必要となった場合を想定すると必要な兵員数は計十八万―二十三万人という。(了)[2000-09-23-10:37] 84
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 09/23@コンゴPKO撤退を示唆(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】アナン国連事務総長は二十二日までに、コンゴ(旧ザイール)情勢に関する報告書を安全保障理事会に提出、国連平和維持活動(PKO)要員を全面撤退させる可能性を示唆した。
 安保理は今年二月に国連コンゴ監視団(MONUC)を五千五百人規模とする決議を採択。しかし周辺諸国の介入で紛争が絶えず、本格展開ができない状態が続いていた。
 報告書は「(昨年の)停戦協定の履行で進展がほとんど見られず遺憾」とした上で、「本格展開ばかりか(約二百五十人規模の軍事監視要員を擁する)現状の維持も困難だ」と指摘している。(了)[2000-09-23-10:37] 101
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 09/23@<東ティモール>民兵の元指導者エリコ・グテレス氏に聞く(毎日新聞)

 東ティモールの併合維持派民兵を組織してきたエリコ・グテレス氏(27)に主張を聞いた。
 ――アタンブアの国連職員殺害をどう思うか。
 ◆事件を憂慮し、捜査が進むことを望む。しかし背景には、国連が独立派ばかり優遇して、併合派の間で怒りが蓄積されていたことがある。国連は不公平だ。しかも国連職員の中には、西ティモールの動向を探る目的の情報員がおり、犠牲者の一人は軍人だった。
 ――併合派は何を要求しているのか。
 ◆我々は正義のために闘っている。国際社会はなぜ併合派の人権侵害ばかり非難するのか。1975年の独立派による住民虐殺や、ポルトガル植民地時代の弾圧、昨年の騒乱をもたらしたハビビ(前大統領)こそ指弾されるべきだ。インドネシア人として故郷に住む権利を主張するのが、なぜいけないのか。東ティモールを独立させるというなら、領土分割を求める。
 ――国際社会は民兵武装解除を求めているが。
 ◆民兵ではなく「併合派戦士」と呼ぶべきだ。それに武装解除と言うが、我々はもはや武装などしていない。国軍の支援があるというのも、推測に過ぎない。その一方で、闘う人々の結束は誰にも崩せないことは、はっきりしている。
 ティモール島は16世紀以降、オランダとポルトガルの植民地争奪の舞台となり、西半分はオランダ領、東半分はポルトガル領になった。東ティモールはポルトガルが1974年に支配を放棄し、76年にインドネシアが強制併合。その後も独立運動が続き、昨年8月の住民投票を経て、国連暫定統治下で来年後半にも独立する。人口約90万人。
 西ティモールは他島とともに約360万人の東ヌサトゥンガラ州を形成。西ティモールだけの人口は140万人。東西ティモールともキリスト教徒が多数派。乾燥した山岳地帯が広がり、伝統的な焼畑耕作と稲作のほか、商品作物としてコーヒーが栽培される。[2000-09-23-00:35] 102
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 09/23@<東ティモール>併合派難民「西」になお12万人(毎日新聞)

 荒野や山林、海辺に、数千、数万の仮設小屋が立ち並ぶ。東ティモール独立に反対するインドネシア併合維持派の避難民10万人が残留する西ティモール(東ヌサトゥンガラ州)東部のアタンブア。国連職員殺害をきっかけに世界の注目が集まる西ティモールでは、人々が過酷な生活の中、国際社会への不満を募らせていた。「もう一つのティモール」の現状を報告する。【アタンブアで中坪央暁】
 「毎月10人前後、これまでに100人以上がマラリアなどの病気で死にました。医者はもちろん薬もなく、犠牲者の多くは子供です。7月を最後に政府からの食糧援助も止まり、イモやサゴヤシで飢えをしのいでいる状態です」
 エメラルド色の海に面したアタププ・キャンプで、アベル・ダシルバさん(50)が説明した。東ティモールの中心都市ディリや西部地域からの避難民3500人が、昨年9月以来、ヤシの葉やビニールシートの小屋で暮らす。併合支持を表す紅白のインドネシア国旗と、ささやかな野菜畑が目に付く。すぐ先の東ティモールとの境界線では、インドネシア国軍と国連平和維持軍(PKF)双方の部隊が警戒していた。
 昨年8月30日の東ティモール住民投票で、同キャンプの人々は「特別自治案受け入れ(独立反対)」に票を投じた。独立派勝利の直後に起きた騒乱では30万人近くが西側に流入し、今もアタンブア周辺に10万人、州都クパンに2万人と、計12万人以上が残留する。
 アタププ・キャンプのホセ・ダクルズさん(48)は「国連は併合派を悪者のように扱って何の支援もせず、住民を東ティモール側に強制連行さえしている。国際社会は余りに不公平だ」と不満を訴えた。
 今月6日、アタンブアで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員3人が殺害された事件は、国際社会に衝撃を与えた。町の運動場に面した一軒家の同事務所は、無残に破壊された姿をさらしている。国連関係者は全員撤退し、救援はストップしたままだ。
 「3000人の興奮した群集が押し寄せて、誰にも抑えられなかった」と、郊外のテヌボット・キャンプに暮らすフランシスコ・サルシカさん(41)は証言する。事件の前日、近くのベトゥン村で、検察当局が騒乱事件の容疑者に挙げた民兵幹部の一人が、
対立する地元住民に殺された。怒った併合派避難民が報復として住民7人を殺害し、さらにアタンブアでの葬送の際、暴徒化して国連事務所を襲ったという。
 テヌボット・キャンプの避難民は農民を中心に4300人。食糧不足とマラリアによる死者続出は、他のキャンプと変わらない。林の中のテントに混じって、掘っ建て柱の小学校や雑貨屋が設けられ、人々は長い避難生活に対応しようとしている。トタン張りの教会には、角材を組んだ粗末な十字架が掲げられていた。
 赤ん坊を抱いたエメリアさん(22)は「最初は2、3カ月で東ティモールに帰れると聞かされた。でも、いつまでたっても故郷に戻れない。こんな生活は一日も早く終わってほしい」。左腕に包帯を巻いたマリアノ・ソアレスさん(24)は「2年前に独立派の連中に撃たれた傷が、直らないままなんだ。同じような目に遭った住民は少なくない」と訴えた。
 インドネシア政府は先月、「6カ月以内に避難民キャンプを閉鎖する」と発表した。避難民に対しては(1)東ティモールに帰還する(2)西ティモールなどインドネシア国内に定住する(3)どこかの離島に集団移住する――との選択肢が示されている。住民の大半は帰還を希望しながら、報復を恐れて帰れないのが実情だ。一人一人に聞くと「自分の家に戻れないとしても、ティモールを離れたくはない。このまま西ティモールに残ると思う」という声が多かった。
 6カ所のキャンプを訪ねて気付いたのは、一般避難民とは別に過激な民兵がいて問題を引き起こしているかのような認識は、事実と違うということだ。戦闘員と住民を区別するのは無意味であり、強力な武装集団が存在するわけでもない。国連職員殺害も、「民兵による犯行」というより「国際社会に不当に扱われている」という避難民キャンプ全体の不満が、一気に爆発したのが実態のようだ。
 とはいえ、強硬派指導者がなお領土奪回を主張しているのも確かだ。残虐な民兵司令官として独立派住民に恐れられたトーマス・ダコスタ元司令官(45)はクパン郊外のキャンプで「我々は少なくとも、住民投票での独立反対票21・5%分の土地を手にする権利がある。東ティモールに戻るためなら、あらゆる手段を用いて闘い続ける」と語気を強めた。「独立派・併合派の和解」という政府や国際社会の呼び掛けも、彼には届かないようだった。[2000-09-23-00:35] 104
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 09/23@◇UNHCR、職員殺害受け安全対策本部を設置◇(朝日新聞)

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、22日までにインドネシア・西ティモールと西アフリカのギニアで職員が殺害された事件を受けて、世界中で活動している要員の安全態勢を見直すことにし、そのための対策本部を設置することを決めた。職員の安全を危ぶんだ緒方貞子高等弁務官の指示による。対策本部は、ナンバー3のピーターセン高等弁務官補を長に、5人の地域局長が補佐する。
 UNHCRの職員は約5000人。ジュネーブの本部に約700人おり、同日現在、4318人が世界各地で活動している。紛争地域を多く抱えるアフリカが1907人にのぼり最大。難民とかかわる機会が多く、他の国連職員に比べ、紛争に巻き込まれる危険性は高い。
 緒方氏はまず、2つの事件の原因究明が先決として、モリス独立監察官を西ティモール事件の調査担当に任命、フイナ・アジア局長を現地に派遣した。安全対策本部は西アフリカ4カ国を訪問しているピーターセン氏が27日に帰国するのを待って立ち上げる。
 人道支援の職員は丸腰。このため、危険が迫った場合、「残るか」「逃げるか」の選択肢しかない。対策本部では、だれが、どの時点で「退避の決定」をするか、について地域事情を踏まえたマニュアル作りを目指す。
 UNHCRとしては、内部対策だけでなく、今後、機会あるたびに安全保障理事会など他の国連機関に人道支援職員の安全強化を呼びかける方針だ。[2000-09-23-00:08] 38
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 09/23@◇栗田は40位 射撃男子フリーライフル3姿勢◇(朝日新聞)

 シドニー五輪射撃競技の男子フリーライフル3姿勢は23日、デベベッチ(スロベニア)が1275.1点の五輪新で優勝し、栗田直紀(自衛隊)は40位に終わった。男子クレー・スキートは、ミルチェフ(ウクライナ)が世界タイの150点で勝った。
     ◇
 フリーライフル3姿勢の栗田は予選敗退だった。決勝に残った8人には大差をつけられたが、「この種目はもともと参加できると思っていなかったので、十分やれたと思う」と、さばさばした表情で振り返った。
 今後については「競技を続けている限り、五輪を目指したいし、今後は世界選手権などでも上位に食い込めるよう力をつけたい」と誓った。(共同)[2000-09-23-18:16] 45
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 09/23@○シドニー五輪第9日【ボート】(時事通信)

○シドニー五輪第9日【ボート】
 【男子】
 ▽シングルスカル決勝 (1)ロバート・ウォデル(ニュージーランド)6分48秒9 O(2)ミューラー(スイス)6分50秒55(3)ハッカー(ドイツ)6分50秒83
 ▽ダブルスカル決勝 (1)スロベニア(シュピック、チップ)6分16秒63(2)ノルウェー6分17秒98(3)イタリア6分20秒49
 ▽かじなしペア決勝 (1)フランス(アンドリュクス、ロラン)6分32秒97(2)米国6分33秒80(3)豪州6分34秒26
 ▽かじなしフォア決勝 (1)英国(クラックネル、レッドグレーブ、フォスター、ピャ塔g)5分56秒24(2)イタリア5分56秒62(3)豪州5分57秒61(時事)[時事通信社][2000-09-23-15:13] 91
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 09/23@新組織「G14」が発足 欧州サッカーの有力クラブ(共同通信)

 【マドリード22日ロイター=共同】欧州サッカーの有力14クラブが二十二日、当地で新組織「G14」を正式に発足させたことが明らかになった。
 G14は、レアル・マドリード、バルセロナ(いずれもスペイン)ACミラン(イタリア)マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)など人気有力クラブが、各国リーグの枠を超えて独自にリーグ戦を行う構想を持っており、欧州サッカー連盟(UEFA)が反対している。
 G14のスポークスマンに指名されたバルセロナのガスパート会長は「われわれは新組織の調印を済ませた。UEFA側に誤解を解くための話し合いを求める」と語り、さらに欧州連合(EU)の内閣に当たる欧州委員会が打ち出した選手の移籍金廃止問題の解決を目指して同委員会とも会談するという。(了)[2000-09-23-10:12]
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 09/24@◇ユーゴ大統領選、投票始まる◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領が再選を果たすのか、政権交代が実現するのか注目されるユーゴスラビア連邦大統領選は24日午前7時(日本時間同日午後2時)から投票が始まった。野党連合のコシュトニツァ候補との事実上の一騎打ちと見られる。選挙の公正さに不信感を募らせる野党陣営は独自集計を行い、政府側が「勝利宣言」を出しても抵抗する構えだ。
 大統領選には現大統領、コシュトニツァ候補を含めて5人が立候補。投票は午後8時まで(同25日午前3時)で、有権者数は約786万人。開票は27カ所の地方選管でまとめられ、連邦選管で集計される。大勢判明は深夜以降となる見通し。過半数の得票を得た候補者がいない場合、10月8日までに上位2人による決選投票になる。連邦議会選とセルビア地方選も24日行われた。
 最終的に票が集まる連邦選管は政府の強い影響力下にある。欧米諸国の選挙監視は拒否されており、投開票の公正さには疑問がつきまとう。朝日新聞記者は首都で、同一人物の名が書かれた2枚の「投票整理券」を見せられた。指定の投票所は別々で、同じ人が2カ所で投票できる。非政府組織(NGO)の1つはミロシェビッチ大統領の名に初めから印を付けた投票用紙が配られている、と発表している。
 政府側は国営テレビなどで集計結果を発表する予定で、24日深夜に「勝利宣言」をする可能性もある。野党陣営も各開票所に立会人を配置。投票締め切り直後から独自集計を行い、「真実の広場」と名付けた首都中心部の広場で発表していく予定だ。一方、与党側もこの近くで街頭集会を準備している模様で、どちらかの「勝利宣言」などを機に双方が衝突する恐れもある。セルビア内の警察は最高度の警戒態勢中との情報もある。
 ミロシェビッチ大統領は今年7月の憲法改定で再選に道を開き、直接選挙を導入した。長期政権を実現させるため、野党分裂の好機と見てのことだった。
 しかし選挙戦での野党候補の人気は誤算で、世論調査では支持率は2―3割どまり。このため、なりふり構わぬ強硬姿勢で選挙に臨んでいる。[2000-09-24-23:53] 6
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 09/24@ユーゴ大統領選、コソボでは国連職員が投票者数える(読売新聞)

 【ジラネ(コソボ自治州南部)24日=大内佐紀】ユーゴスラビア・コソボ自治州でも二十四日早朝から、ユーゴ大統領選の投票が始まった。
 州都プリシュティナから南西に約六十五キロのジラネ周辺にはセルビア人一万人余が暮らす。投票所となった小学校では十二人の「選挙管理委員会」が見守るなか村人が投票した。選管委員はいずれも主要政党代表だというが、有力野党・民主党の関係者はいなかった。同委委員長のプレドラグ・ジュキチさん(42)は「私はミロシェビッチ氏に投票した。セルビア人の土地を取り戻せるのは彼だけだ」と語った。
 校門前では、同州を事実上管理する国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)関係者二人が、投票に訪れる人を数えていた。二人をコソボ平和維持部隊(KFOR)の車両がものものしく護衛する。
 UNMIKは当初は今回の選挙を一切黙殺する方針だったが、ミロシェビッチ政権による投票者数の改ざんなどの不正が懸念されていることから、コソボ内に設置された約三百の投票所で「投票を直接注視する」(UNMIK報道官)ことに方針転換した。UNMIKは同日夜、これら職員からの報告を元に独自にコソボでの投票者総数をまとめ、公表する考えだ。
 一方、近隣の複数の村では、当初予定されていた場所で投票が行われなかった。スタニショ村の小学校前ではKFOR兵士が「地元当局からここを投票所にすると事前に通告されたが、投票箱も何もない。村人も何人か投票のために来たが、そのまま帰っていった」と肩をすくめた。隣のシロボ村でも同様の状態だった。百万人を超えるコソボのアルバニア系住民は、今回の選挙のボイコットを決めている。[2000-09-24-22:52] 7
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 09/24@ユーゴ大統領選、モンテネグロで連邦軍兵士が巡回(読売新聞)

 【ポドゴリツァ(ユーゴ連邦モンテネグロ)24日=西田和也】モンテネグロでの投票は、唯一選挙に参加する親ミロシェビッチ派の野党・社会人民党(SNP)が関係者の自宅や商店、レストランなどに設置した投票所で行われた。ジュカノビッチ政権がモンテネグロ共和国の公共施設への投票所開設を認めなかったためだ。有権者リストもSNPが作成した自前のもので、投票に訪れるのはSNP支持者らにほぼ限られ、「全有権者の三割程度」とみられる。
 共和国の中心都市ポドゴリツァでは、連邦軍兵士が各投票所を巡回警備。投票所に隣接した喫茶店で談笑していた公務員ランコ・ニキッチさん(44)は「不正選挙に関心はない」と投票は棄権。「ただ選挙後に何が起きるか心配だ。なぜ、われわれまで巻き込まれなければならないのか」と不安をのぞかせた。
 緊張の高まりの背景には、選挙直前になって投票所管理をめぐり、連邦軍とジュカノビッチ政権がさや当てを始めたこともある。投票所警備に軍兵士配備を一方的に決定した連邦軍に対し、政権側は「有権者への脅しだ」と非難した。モンテネグロではかねてから、同政権の共和国警察とミロシェビッチ大統領に忠誠を誓う連邦軍の対立がくすぶり、軍事衝突の懸念が続いている。またコシュトゥニツァ陣営の監視団は、ミロシェビッチ派による不正を告発している。[2000-09-24-22:49] 12
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 09/24@不透明な情勢下、ユーゴ大統領選の投票始まる(読売新聞)

 【ベオグラード24日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビア、モンテネグロの両共和国で構成)の連邦大統領、連邦上下両院選などの投票が二十四日午前七時(日本時間同日午後二時)から始まった。投票は同夜八時に締め切られ即日開票に入る予定だが、開票結果の公表時期などは明らかにされていない。ミロシェビッチ大統領の劣勢が伝えられており、政権側による一方的勝利宣言や選挙無効措置の可能性も浮上するなど情勢は不透明感を増している。
 焦点の大統領選には、ミロシェビッチ大統領(59)、「民主野党連合」のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)ら五人が立候補。第一回投票で過半数を獲得する候補がいなければ上位二候補による決選投票になる。大統領と同党首の事実上の一騎打ちで、各種世論調査では同党首が優勢となっている。しかし、ミロシェビッチ大統領が投票結果を無視して勝利宣言するとの見方が支配的だ。
 投票に関連した大きな混乱は伝えられていないが、自由選挙実現を目指す民間活動団体「自由選挙と民主主義のためのセンター」は二十四日の記者会見で、「投票所の前に連邦軍車両が横付けされ有権者に威圧感を与えたり、選管関係者がだれに投票するか指示しているとの報告が寄せられている」として、不正への警戒感を強めている。
 有権者は、モンテネグロの約四十四万人、コソボ自治州の約百五十万人を含む約七百八十六万人。セルビアでは地方選も同時に実施される。
 政権側は、全欧安保協力機構(OSCE)による国際選挙監視団の受け入れを拒否、さらに二十三日までに欧米を中心に二十人以上の外国人記者を国外退去させたとの情報もある。
 政権側の野党攻撃も激しくなっている。
 連邦外務省は「野党が開票発表前に勝利宣言を行い、(反ミロシェビッチ政権のある)モンテネグロで新政権樹立を宣言する計画がある」との文書を各国大使館に送るなど野党陣営のイメージダウンに必死だ。
 また連邦選管は二十三日、「一部の西欧諸国がコシュトゥニツァ票水増しのため投票用紙をユーゴ国内に持ち込む計画がある」として各選挙区選管に注意を促した。不正工作が発見されれば投票を無効とするとしており、政権側が選挙無効の正当化をもくろんだものとの見方も出ている。[2000-09-24-20:00] 13
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 09/24@<ユーゴ>投票率は75%前後に迫る見込み(毎日新聞)

 【ベオグラード24日福井聡】ユーゴスラビア連邦大統領選の投票が始まった24日、首都ベオグラードなどの投票所では早朝から有権者が詰めかけ、関心の高さを示した。同日のユーゴ全域の天気は曇りで、午前中の投票状況から投票率は75%前後に迫ると見込まれている。
 ベオグラード郊外にある投票所で技師のスタメンコビッチさん(30)は「ユーゴは民主的に変化し、欧州と協調しなければならない。ペンによる投票が変化を実現させる唯一の手段だ」とコシュトゥニツァ氏に投票した。
 同投票所では多数派が野党支持だったが、匿名希望の年金生活の女性(50)は「ミロシェビッチ大統領と社会党はこれまで良くしてくれた。彼らこそがユーゴを導く最善の選択で、変化は良くない」と話した。[2000-09-24-19:30] 14
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 09/24@<ユーゴ>大統領・議会選挙の投票始まる(毎日新聞)

 【ベオグラード24日福井聡】ミロシェビッチ体制の将来を決するユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領・議会選挙は24日午前7時(日本時間同日午後2時)、投票が始まった。投票は同日午後8時(同25日午前3時)に締め切られる。7月の憲法改正で初の直接選挙となった大統領選は、事実上の一騎打ちを繰り広げるセルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)と与党・社会党の現職、ミロシェビッチ大統領(59)が共に「勝利」を主張する可能性もあり、ユーゴ情勢の緊迫化が懸念されている。
 中央選管によると、有権者数は786万1327人(セルビア741万7197人、モンテネグロ44万4130人)。連邦上下院議員選とセルビア地方選も同時に実施されている。各選挙は即日開票される。
 大統領選には5人が立候補し、これまでの支持率世論調査ではコシュトゥニツァ候補がミロシェビッチ大統領を終始リードしてきた。しかし、旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されているミロシェビッチ大統領は政権維持を狙う構えだ。
 バルカン情勢に詳しい調査機関・国際危機グループは投票後に想定される4つのケースを挙げている。その内容は、(1)投開票操作で票を上積みしたミロシェビッチ大統領が勝利宣言する(2)治安悪化や外国勢力の介入を理由に開票を停止、選挙無効にする(3)野党勝利を受け入れるが、ミロシェビッチ大統領任期中に多数派工作で政権基盤を再構築(4)連邦分離派の台頭を口実にモンテネグロへ武力介入し、選挙を無効にする――。
 野党連合はユーゴ全域の98%の投票所に人員を配備し、投開票状況を監視する方針。選管は与党寄りとされ、与党の一方的勝利宣言を覆すのは困難との見方を強めている。野党連合はベオグラードで大規模集会を開き、与党の勝利宣言に対抗する計画だが、警察、軍が鎮圧に乗り出し、衝突に発展する最悪の事態を予想される。
 また、ミロシェビッチ大統領側が野党の勝利を認める可能性も取りざたされている。その場合には、同大統領はあらゆる法的措置を講じて大統領任期を長引かせ、その間に議会の多数派工作を進めるとみられる。[2000-09-24-19:25] 15
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 09/24@<ユーゴ選挙>モンテネグロでも投票始まる 状況は緊迫(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)24日福原直樹】連邦離脱派のジュカノビッチ大統領が政権を握るモンテネグロ共和国でも24日から、連邦大統領・議会選挙の投票が始まった。連邦政府は、同共和国の選挙監視を理由に連邦軍投入を決定。これに対し、モンテネグロ共和国政府は「治安維持は、共和国警察が行う」と反発し、23日夜から共和国警察を首都ポドゴリツァの政府ビルなどに配置し、緊迫した状況が続いている。
 「なぜ選挙当日だけに、連邦軍が介入するのか」。23日午後、モンテネグロ内務省は声明を出し、連邦軍の憲兵に選挙監視を命じた連邦政府決定を強く批判した。連邦側は「共和国警察が選挙を妨害する可能性がある」と主張している。
 ジュカノビッチ政権は投票ボイコットの方針を変えておらず、「有権者の7割は投票所に行かないだろう」とみている。ポドゴリツァの各所には、「私は投票しない」と大きく書かれたポスターが掲示された。野党連合はモンテネグロでも「ミロシェビッチ派が、2重投票などの選挙不正を画策している」と警告した。
 反ミロシェビッチ派のジュカノビッチ大統領は、「平和を望むが、有事には自衛すべきだ」と武力衝突の危険性を指摘した。各投票所には、共和国警察も派遣されるため、「選挙監視」を行う連邦軍と小競り合いになる可能性がある。[2000-09-24-18:20] 18
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 09/24@不正な集票作戦を展開 政権側、国営企業を総動員(共同通信)

 【ベオグラード24日共同】二十四日投票のユーゴスラビア連邦大統領選挙で、苦戦を強いられたミロシェビッチ大統領の与党陣営が、連邦省庁や国営企業を総動員し、不正な集票作戦を展開したことが関係者の話で分かった。
 セルビア中部の国営企業に勤める職員の話によると、数日前に職場の全員に投票用紙が配られた。五人の大統領候補のうちミロシェビッチ大統領の部分に印が付けられていたという。
 その際、上司から「投票所でもらった投票用紙を持ち帰るように」と言われ、空白の用紙を持ち帰らなかった場合は野党候補に投票したと判断、解雇すると通告されたという。
 非政府組織(NGO)の自由選挙民主主義センターは二十一日、不正投票用紙の「実物」を記者団に公開した。野党陣営は、この種の用紙をもらった人は、別の候補にも丸をつけて無効票にするよう呼び掛けている。
 別の国営企業職員は、十八日に他の同僚とともに大統領に印が付けられた投票用紙をもらったが「私は難民で本来、投票権がない」と述べた。
 ある連邦政府職員によると、ミロシェビッチ大統領の推薦名簿への署名を拒否した同僚は解雇され、数日後にはその息子がユーゴ連邦軍に徴兵されたという。(了)[2000-09-24-15:17] 19
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 09/24@野党候補優勢で投票始まる ユーゴ大統領選(共同通信)

 【ベオグラード24日共同】ミロシェビッチ大統領(59)の「生き残り」か、対外孤立脱却を訴えた野党連合「セルビア民主野党連合」のコシュトニツァ候補(59)への政権移行が実現するかで注目されるユーゴスラビア連邦大統領選の投票が二十四日午前七時(日本時間同日午後二時)始まった。
 世論調査では、欧米批判をよりどころにした大統領に対し、コシュトニツァ候補が大差をつけている。野党陣営は選挙無効宣言など「政権の過激な措置」を予測し、政府は「野党と外国による破壊計画」を非難。大都市では街頭デモへの武力鎮圧が懸念される。
 また、連邦離脱志向を強めるモンテネグロ共和国でユーゴ連邦軍と共和国警察による衝突の危険も憂慮されるなど、緊迫感の高まりに国民は息をひそめている。
 投票は午後八時(同二十五日午前三時)までで、有権者は約七百八十六万人。連邦議会とセルビア地方選も同時実施。大統領選で有効投票数の過半数の得票者がなければ十月八日までに上位二人で決選投票が行われる。選挙には五人が出馬したが事実上、両候補の一騎打ちとなった。
 政権側は投票前日の二十三日、野党が開票結果を待たずに勝利を宣言し、モンテネグロとともに新政権を樹立する計画だとの声明を出した。連邦選管も「外国勢力の不正投票工作」を阻止すると宣言、土壇場の宣伝戦を展開した。
 野党側はこうした主張を否定する一方、政府が「過激な動きへの布石を打った」(オブラドビッチ社会民主党党首)として警戒感を強めている。
 二十三日夜には野党陣営の独自集計に協力する非政府組織(NGO)の所長が警察に身柄拘束され、野党系のテレビ局で機器が何者かに破壊されるなど、混乱の前兆のような事件が起きている。(了)[2000-09-24-15:16] 25
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 09/24@◎政権側、投票直前まで激しい野党攻撃=ユーゴ(時事通信)

 【ベオグラード24日時事】24日投票のユーゴスラビア連邦大統領選で、劣勢のミロシェビッチ大統領陣営は、投票直前まで激しい野党攻撃を繰り広げた。
 ユーゴ外務省は23日、突然声明を出し、「一部野党指導者は正式な開票結果を待たずに勝利宣言を行い、モンテネグロ共和国の親欧米派政権と結託して新たなユーゴ政府を樹立する陰謀を進めている事実が判明した」と主張。この陰謀の背後では、欧米が糸を引いており、野党勢力が樹立する「新政府」を国家承認する段取りになっていると批判した。 [時事通信社][2000-09-24-10:29] 26
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 09/24@投票所警備でにらみ合い モンテネグロ警察と連邦軍(共同通信)

 【ポドゴリツァ24日共同】ユーゴスラビア連邦からの離脱志向を強めるモンテネグロ共和国では二十四日、連邦大統領・議会選の投票所の警備をめぐり、連邦軍と共和国警察が真っ向から対立、緊張感が高まっている。
 ユーゴ軍参謀本部などは二十三日、モンテネグロ駐留の連邦軍が同共和国の約六百七十カ所の投票所を警備すると発表。共和国政府の了解を得て、軍の一部である憲兵隊を投票所近くに配置すると説明した。
 これに対しモンテネグロ内務省は声明で反論。こうした措置に同意したことはなく「内務省が投票所の警備に関する責任を負う」とし、共和国警察を送り込む意向を示した。
 この結果、不正監視など投票所でトラブルが発生した場合は連邦軍と共和国警察が共に出動してにらみ合う事態となることも予想され、不測の事態を懸念する声が出ている。
 ミロシェビッチ連邦大統領派の拠点である西部ヘルツェグノビでは二十三日朝から数時間、憲兵隊が市役所を占拠するなどの示威行動に乗り出した。
 あるポドゴリツァ市民は、友人の共和国警察隊員から聞いた話として、同警察が有事に備えアルバニアなどから武器を市中に搬入していると語った。(了)[2000-09-24-09:35] 27
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 09/24@政権の強硬手段を野党警戒 ユーゴ大統領選投票へ(共同通信)

 【ベオグラード24日共同】ユーゴスラビア連邦大統領選前日の二十三日、ユーゴ外務省が「野党の新政権樹立計画」を非難したことに対し、世論調査で優位に立つ野党側はミロシェビッチ大統領が投票日に選挙無効宣言などの強硬手段を取る布石を打ったと警戒感をあらわにしている。
 「セルビア民主野党連合」を構成する社会民主党のオブラドビッチ党首は「何らかの過激な動きを進めるための布石だ」と主張。セルビア市民同盟のスビラノビッチ党首も「とてつもないシナリオの舞台装置だろう」と述べ、二十四日の投票日に政権側が大胆な行動を取ると予測した。
 野党陣営はこれまで、外国の介入を理由としたユーゴ連邦軍によるデモ鎮圧や、野党候補勝利の場合の選挙無効宣言などがあり得るとの見方を示している。
 また連邦選管が二十三日、投票所の管理委員に対し、投票用紙が二枚重ねになっていないかどうか点検するよう指示したことも野党側の警戒心を募らせた。
 選管は点検の理由として「投票者数より多い投票用紙が投票箱から見つかれば選挙無効となることを知っている外国勢力が投票用紙を用意しているため」としている。この指示は外国の「特殊作戦」を理由に選挙無効を宣言する可能性を考慮した当局の動きだとの観測が出ている。(了)[2000-09-24-09:35] 28
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 09/24@公正なら勝つ…ユーゴ大統領選コシュトゥニツァ候補(読売新聞)

 【ベオグラード23日=佐々木良寿】ユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロで構成)で二十四日投票の行われる連邦大統領選挙で、ミロシェビッチ現大統領打倒を目指す「民主野党連合」候補のボイスラフ・コシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)は二十二日、本紙と単独会見した。同候補は「選挙結果にかかわらずミロシェビッチ大統領は二十四日に勝利宣言するだろう」とし、「民意が踏みにじられた場合は、最後の一票まで守り抜く」と述べ、状況によっては抗議行動も辞さない姿勢を示した。
 今選挙は、大統領再選による強権体制の継続か政権交代による民主化か――を焦点とする。同候補は、野党十八党などで作る「連合」の統一候補として、「公正で民主的な国家建設」「国際的な孤立からの脱却」などを訴え、各種世論調査では終始リード。旋風を巻き起こしてきた。
 同候補は、「選挙戦を通じて、変革を求める国民の明確な決意を感じた。ミロシェビッチ体制の終えんが始まっている」と、同政権への国民の反感の強さを指摘。「選挙が公正なら勝つ自信はある」としながらも、「ミロシェビッチ氏が私の勝利を認めることはありえない」と、政権側の不正工作に懸念を表明し、「市民と一体になって街頭抗議行動に訴える」と述べた。
 今選挙では、反ミロシェビッチ路線を強めるモンテネグロのジュカノビッチ政権が選挙をボイコットしているが、同候補は「ジュカノビッチ政権は(連邦議会)選挙で自派が敗れるのを恐れていた」と述べ、「参加していれば、私の立場が一層有利になっていたことは間違いない」と批判した。
 投票は二十四日午後八時に締め切られるが、「連合」陣営は、政権側の選管とは別に独自の集計結果を発表する方針で、支持者に投票終了後から全国の市町村の広場に集まって発表を待つよう呼びかけている。
 治安当局側との衝突の危険性もあるが、同候補は「軍や警察はごく一部を除いてミロシェビッチ政権から離反し始めている」との認識を示したうえで、「(衝突が発生すれば)ミロシェビッチ氏にとっては、危険なゲームとなろう」と述べ、これまでミロシェビッチ大統領が完全に掌握してきたとされる軍、警察が反対に転じる可能性を指摘した。[2000-09-24-00:03] 1
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 09/25@◎全国各地で不正発覚=民間選挙監視団体が警告(時事通信)

 【ベオグラード24日AFP=時事】24日投票が行われたユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙の監視を試みている同国の民間団体は、全国的に不正が行われていると警告を発した。
 自由民主選挙センター(CESID)のマルコ・ブラゴイェビッチ氏が記者団に語ったところによると、反ミロシェビッチ大統領派の「セルビア民主野党連合」の代表者がベオグラード近郊ボレチ地区の有権者登録を確かめようとしたが、認められなかった。同連合の別の関係者も、他の選挙区で投票所への立ち入りを許可されなかったという。
 [時事通信社][2000-09-25-00:27] 2
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 09/25@<モンテネグロ>選挙監視にユーゴ連邦軍を投入=替(毎日新聞)

 【ポドゴリツァ(モンテネグロ)24日福原直樹】連邦離脱派のジュカノビッチ大統領が政権を握るモンテネグロ共和国でも24日から、連邦大統領・議会選挙の投票が始まった。連邦政府は、同共和国の選挙監視を理由に連邦軍投入を決定。これに対し、モンテネグロ共和国政府は「治安維持は、共和国警察が行う」と反発し、23日夜から共和国警察を首都ポドゴリツァの政府ビルなどに配置し、緊迫した状況が続いている。
 「なぜ選挙当日だけに、連邦軍が介入するのか」。23日午後、モンテネグロ内務省は声明を出し、連邦軍の憲兵に選挙監視を命じた連邦政府決定を強く批判した。連邦側は「共和国警察が選挙を妨害する可能性がある」と主張している。
 ジュカノビッチ政権は投票ボイコットの方針を変えておらず、「有権者の7割は投票所に行かないだろう」とみている。ポドゴリツァの各所には、「私は投票しない」と大きく書かれたポスターが掲示された。野党連合の発表によると、24日正午(日本時間同日午後7時)現在、モンテネグロの投票率は11・6%。野党連合はモンテネグロでも「ミロシェビッチ派が、2重投票などの選挙不正を画策している」と警告した。
 反ミロシェビッチ派のジュカノビッチ大統領は、「平和を望むが、有事には自衛すべきだ」と武力衝突の危険性を指摘した。各投票所には、共和国警察も派遣されるため、「選挙監視」を行う連邦軍と小競り合いになる可能性がある。[2000-09-25-00:15]
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 09/25@ユーゴ大統領選、モンテネグロの投票率は27%(読売新聞)

 【ポドゴリツァ(ユーゴ連邦モンテネグロ)25日=西田和也】ユーゴ連邦の大統領・議会選で、モンテネグロ共和国(有権者約四十四万人)における選挙を実質的に運営した親セルビアの野党・社会人民党(SNP)は二十五日、同共和国での投票率を27%と発表した。
 コシュトゥニツァ陣営の独自集計による25%とは食い違うものの、セルビア共和国に比べ、極めて低い投票率となった。反ミロシェビッチ路線のジュカノビッチ政権が投票ボイコットを呼びかけたため。SNPによると、ミロシェビッチ大統領が約九割を得票した。[2000-09-25-23:54] 62
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 09/25@米とクロアチアがアドリア海で合同演習(読売新聞)

 【ポドゴリツァ(ユーゴ連邦モンテネグロ)25日=西田和也】米軍は二十五日、アドリア海でクロアチア軍との合同軍事演習を四日間の予定で開始した。ユーゴ連邦大統領選で劣勢が伝えられるミロシェビッチ大統領が、選挙を無効とするためにモンテネグロ共和国に軍事介入するなどの不穏な情報も飛び交う中、同大統領をけん制する狙いがあると見られる。
 米軍は今月二十八日には、ユーゴの隣国ルーマニアで、同国、ブルガリアとの合同演習を予定している。米国はユーゴ選挙と一連の軍事演習の関連を否定しているが、選挙期間中からアドリア海展開部隊を警戒態勢に置くなど、ミロシェビッチ政権の選挙不正工作や武力行使の動きを封じ込めようと無言の圧力をかけてきた。[2000-09-25-23:51] 65
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 09/25@EUがユーゴ大統領選の野党勝利認める声明(読売新聞)

 【ブリュッセル25日=三井美奈】二十四日のユーゴスラビア連邦大統領選と同議会選について、欧州連合(EU)議長国フランスは二十五日、「ミロシェビッチ大統領が勝利宣言したとしても、明らかに不正」との認識を示し、民主野党連合側の勝利を認めるEU声明を発表した。今回の選挙を「ミロシェビッチ政権を平和的に倒す絶好の機会」と見ており、開票結果の公式発表を待たず、政権交代を迫る素早い外交攻勢に出ている。
 全欧安保協力機構(OSCE)議長国オーストリアのフェレロワルトナー外相は二十五日、「民主選挙とは程遠い状況だったが、有権者の変革への意思は圧倒的だった」と述べ、民主野党連合の勝利を認定した。
 EU声明は、このOSCE発表を受けたもので、「選挙では有権者に対する圧力や不正があった」として、大統領派の選挙工作を非難。EUは今後、ユーゴの民主主義確立に協力し、国際的孤立から救うとユーゴ国民に訴えている。
 EU加盟十五か国中、十一か国は、昨年春、対ユーゴ空爆を行った北大西洋条約機構(NATO)メンバー。空爆後、EUは、石油禁輸などの対ユーゴ制裁によって政権締め付けを強めながら、ユーゴ国民に対しては「政権交代が実現すれば制裁はすべて解除する」と約束、政権交代を促す戦略をとってきた。声明は、公正な選挙開票は不可能と見たEUが、選挙結果の公式発表を前に、野党陣営のテコ入れに動いたものだ。
 その反面、EU内には選挙後の与野党対立が、国内混乱に発展することへの懸念も広がる。イタリアからの報道によると、ディーニ伊外相は記者団に対し、「ミロシェビッチ大統領が(民主野党連合に続き)勝利宣言すれば、破壊的結果を招く」と警告した。一方、旧ユーゴ戦争犯罪国際法廷に起訴されているミロシェビッチ大統領の逮捕問題については、沈黙を保ってきた。大統領逮捕にはユーゴ野党陣営にも反発が強く、この問題を取り上げるのは得策ではないとの判断による。[2000-09-25-23:36] 66
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 09/25@<ニュース・キー>ミロシェビッチ氏 国民の不満を把握でき(毎日新聞)

 冷戦後、バルカンの民族紛争で世界の目を集めてきた剛腕の指導者、ユーゴスラビア連邦のスロボダン・ミロシェビッチ大統領(59)は、1990年代に「セルビア民族主義の旗手」として政界の頂点に立ち、旧ユーゴ地域の民族対立を扇動しながら独裁に近い政権を維持してきた。しかし、24日投票の連邦大統領選挙では、セルビア民主野党連合のボイスラフ・コシュトゥニツァ候補(56)の優勢が伝えられている。米欧に敵対してきた強権体制は崖っぷちに立たされた。 【ベオグラード・福井聡、ポドゴリツァ・福原直樹】
 故チトー大統領の私邸があったべオグラード郊外の高級住宅街・デジニェ地区。24日、投票所にマルコビッチ夫人とともに現れたミロシェビッチ大統領は、投票しながら報道陣に顔を向けた。一瞬、笑みを浮かべたが、目は氷のように凍てついて見えた。「君らが望んだ選挙だ。この通り私も投票したぞ」と言わんばかりの表情だった。
 昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ空爆後、欧米諸国は「これでミロシェビッチ政権は終わる」と期待したが、国内では反NATO感情をあおる世論操作で大統領支持は衰えなかった。大統領は連邦大統領選挙を直接投票に改め、7月末、野党側の分裂に乗じて、半年以上の選挙繰り上げ実施を発表した。当時、大統領は20%弱の支持率ながら、各野党指導者を引き離していた。ここに大きな誤算があった。
 野党側では、コシュトゥニツァ・セルビア民主党党首がにわかに脚光を浴び始めていた。ミロシェビッチ政権下で、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人地域、セルビア共和国コソボ自治州で次々に実権を失っていった現実に国民は不満を募らせていた。さらに、経済制裁下で暮らしは疲弊し、自国通貨の価値は6年間で30分の1に急落、欧州の最貧国のレベルに落ち込んでいた。
 コシュトゥニツァ氏の魅力は、従来の野党政治家と違って政権との取引に応じたことがなく、反ミロシェビッチの姿勢が一貫していることに加え、腐敗と無縁な点だった。ミロシェビッチ氏の「大セルビア主義志向」に対し、コシュトゥニツァ氏は「穏健派民族主義者」を提唱、セルビア人の誇りとともに、民族主義と民主主義の調和を呼びかけたことが共感を呼んだ。
 国民の多くはミロシェビッチ氏がすんなりと政権委譲に応じるとは信じていない。しかし、孤立から脱却しようとする国民の思いはもはや変えようもないほど大きな流れとなっている。
 「お前は黙っていろ。しゃべるとぶったたくぞ」。24日夜の投票終了直前、モンテネグロ共和国首都・ポドゴリツア中心部の投票所。選挙管理委員会で働く若者が選挙監視委員をどなった。「外国人記者に話したいなら出てけ」。若者の怒声に、中年の選挙監視委員は黙り込むだけだった。
 コシュトゥニツァ氏を擁立した野党連合は各投票所に監視員を派遣した。ミロシェビッチ派が実権を握る選挙管理委員会の動きを監視するためだ。「私はミロシェビッチ氏に人生をささげている」。そう話す若者の怒号は、モンテネグロで勢力を失いつつある連邦維持派の焦りを象徴していた。
 連邦からの分離・独立を訴えるジュカノビッチ・モンテネグロ大統領は棄権を呼びかけた。野党連合によると投票率は25%と低迷した。ジュカノビッチ大統領は、独立の是非を問う国民投票を行う意向を示し、いつ行うかが大きな関心を集めてもいる。ジュカノビッチ派には「今、投票を行えば、独立派が勝つ」という自信がある。
 だが、「今、下手に独立を表明すれば、大統領に居座るミロシェビッチが黙っていない」と、内戦のぼっ発を恐れる声も市民の間で強い。また、モンテネグロ北部や年配層を中心に、国内には根強い「ミロシェビッチ信奉」も残っている。
 独立派ながら同国の良心的存在として尊敬を集める元憲法裁判所長官、ミヤト・シュコビッチ氏(72)は、毎日新聞記者に「国民投票を急がず、セルビア側と根気強く対話を続け、憲法改正などのステップを踏みながら独立を目指すべきだ」と語った。ミロシェビッチ体制倒壊を求める声が広がるなか、第2のユーゴ解体の動きが忍び寄っている。[2000-09-25-23:30] 67
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 09/25@◎ユーゴは民主化を選択=独ロ首脳会談で見解一致(時事通信)

 【モスクワ25日時事】ドイツのシュレーダー首相は25日、モスクワを訪れ、プーチン・ロシア大統領と会談、二国間関係やロシア国内情勢、ユーゴスラビア情勢などについて協議した。会談後、シュレーダー首相はユーゴ大統領選挙に関して「われわれはユーゴは民主主義に向かうことを選択したとの共通の見解に達した」と述べ、ユーゴの民主化進展に期待を表明した。
 同首相によれば、両首脳は「自由な選挙はバルカンにおける安定的な要因になる」との認識で一致し、ユーゴ連邦を構成するモンテネグロ共和国の情勢安定化に向けて両国が協力していくことを確認した。ただ、プーチン大統領はユーゴ情勢について直接言及しなかった。 [時事通信社][2000-09-25-23:14] 68
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 09/25@<社説>ユーゴ大統領選 「世界の孤児」でいいのか(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦の将来を占う大統領選が24日行われ、再選を狙うミロシェビッチ現大統領(59)と野党連合候補のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が激しいつばぜりあいを演じた。
 ユーゴスラビアは、1990年代に起きた旧ユーゴスラビア解体を経て、10年越しの民族紛争と対立にさいなまれてきた。全欧安保協力機構(OSCE)の資格停止や昨年のコソボ空爆後も欧州連合(EU)などの経済制裁が続く中で、欧州統合からも締め出され、国際的孤立が深まっている。
 今回の大統領選は、7月の憲法改正によって初めて直接投票で争われたが、重要性はそれだけではない。「セルビア民族の団結」(大統領)と、「国際社会との協調」(コシュトゥニツァ候補)という二つの未来が正面から対立し、「孤立か、欧州復帰か」をめぐる21世紀の国家と民族の道がかかっていたからだ。大統領本人も戦争責任を問われ、旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されている中での選挙である。
 開票の結果、いずれも過半数を制さない場合は2週間以内に上位2者の決選投票が行われる。私たちは両者が掲げる未来を国民が真剣にみつめ、公正かつ民意を正しく反映した選挙結果を期待したい。
 ミロシェビッチ大統領は90年にセルビア共和国大統領に当選後、「大セルビア主義」を掲げ、一貫して強引な民族主義政策を主導してきた。「民族と宗教のルツボ」と呼ばれたバルカン地域で、セルビア民族の繁栄と版図拡大は民族の歴史的な悲願であった。
 しかし、法と民主主義の手続きを守らず、人権や人道を無視した民族浄化政策や流血をいとわない武力行使によって、非セルビア人の反発と流血の拡大をもたらした責任は否定も正当化もできない。スロベニア、クロアチアの分離独立(91年)、ボスニア・ヘルツェゴビナ独立と内戦(92〜95年)と昨年のコソボ空爆がそれを示している。
 大統領は憲法改正で再選に道を開き、直接選挙で国民の信任を得ようとしたが、それは国際社会から引き続き孤立する道を意味した。穏健な民族主義者とされるコシュトゥニツァ候補は、欧米の内政干渉には反対しつつも「国家再建には国際社会との協調が必要で、ユーゴの未来は孤立ではなく、欧州(への復帰)にある」と主張する。
 今回の選挙では、OSCEが提案した国際選挙監視団が連邦当局に拒否され、与党に
有利な「密室選挙」の色彩が強かったと指摘された。欧米との協調を志向するモンテネグロ共和国は「憲法改正と選挙は無効」として投票をボイコットした。空爆後の混乱が続くコソボ自治州でも、アルバニア系住民が投票を拒否し、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は選挙管理を放棄した。このため、野党側は推定60万〜80万人分のアルバニア系有権者の票が不正にミロシェビッチ票に算入される懸念を表明していた。
 米・EU諸国は、ミロシェビッチ大統領が退陣すれば対ユーゴ制裁を解除し、本格的な経済再建支援に乗り出す方針を示している。過去を正しくみつめ直し、広く国際社会が納得できる結果を示すことができなければ、ユーゴが「世界の孤児」から脱却する道はない。それを決めるのはユーゴ国民自身である。[2000-09-25-23:10] 70
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 09/25@◎大統領が得票45%で優勢=決選投票の可能性浮上か−ミロ(時事通信)

 【ベオグラード25日時事】ミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領率いる与党・セルビア社会党は25日、ユーゴ連邦大統領・議会選での同党の独自集計結果を公表、開票率37%の時点でミロシェビッチ大統領の得票率が45%、野党連合のコシュトニツァ候補は40%であると明らかにし、「大統領がリードを保っているものの、現時点ではまだ勝敗は定まっていない」と指摘した。
 この日の社会党の発表により、ミロシェビッチ政権が決選投票を実施する方向に傾斜しているとの見方が急浮上している。ミロシェビッチ大統領は慎重に次の手を考えているとみられ、社会党当局者は「だれが勝ったかを結論づける十分な材料はまだない」とも述べた。 [時事通信社][2000-09-25-23:07] 71
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 09/25@「大統領選投開票に不正」米がユーゴを批判(読売新聞)

 【ワシントン支局25日】米国務省のバウチャー報道官は二十四日、ユーゴ連邦大統領選について、「投開票の不正に関する数多くの信頼できる報告がある。世界は大統領選とユーゴ政府の対応に注目している」と述べ、不透明な選挙の状況を強く批判した。
 また米政府が欧州連合(EU)、全欧安保協力機構(OSCE)、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)と選挙状況について協議を続ける考えを示した。[2000-09-25-22:36] 72
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 09/25@◇英MI6本部攻撃はIRA分派の犯行か◇(朝日新聞)

 英国の対外情報機関MI6の本部ビルに小型ロケット弾が撃ち込まれた事件は、北アイルランドのカトリック系過激組織アイルランド共和軍(IRA)の分派組織「真のIRA」による犯行との見方が有力になりつつある。「真のIRA」は最近、テロ活動を活発化させており、武装解除開始に応じて動きを潜めたIRAに代わって紛争の主役に躍り出たことに英政府は警戒を強めている。
 ロンドン警視庁テロ対策本部は、MI6本部近くの公園で見つかった発射装置の一部から、犯行に使われたのはロシア製の携帯用対戦車ミサイルと断定した。
 「真のIRA」は、1997年のIRAの停戦に反対する勢力が発足。98年8月に北アイルランド・オマーで29人が死亡する爆弾テロを起こした後は目立った動きがなかった。
 しかし、今年6月にロンドン市内のテムズ川にかかる橋で起きた爆発事件、7月にロンドンの地下鉄構内に爆発物が仕掛けられた事件も同組織の犯行とみられ、ロンドンに拠点を設けて活動を再開した模様だ。今回も含めて大量殺傷を意図したものではなく、むしろ首都機能を混乱させ、世間の注目を集める作戦に転換したようだ。
 英治安当局が心配するのは、こうしたテロが、IRAの停戦・武装解除に幻滅した強硬派や若者の支持、共感を集めて勢力を広げることだ。7月には「真のIRA」向けとみられる大量の武器がクロアチアで押収されており、IRAとは別個の武器調達ルートを確立したとされる。
 一方、北アイルランドのベルファストでは8月からプロテスタント系過激派同士の抗争が活発化。銃撃や放火のほか、爆弾テロによる死傷者が増えている。資金源の麻薬密売ルートをめぐる対立が原因とみられるが、プロテスタント側の武器が野放しにされている実態にカトリック側はいらだちを募らせている。[2000-09-25-22:34] 73
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 09/25@ユーゴ野党勝利宣言でミロシェビッチ政権、瀬戸際に(読売新聞)

 【ベオグラード25日=佐々木良寿】ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ両共和国で構成)で二十四日投票が行われた連邦大統領、連邦議会選で、ミロシェビッチ政権打倒を目指す野党側が二十五日、公式集計が出る前に「全面的な勝利」を宣言したことは、変革を求める民意の強さを強くアピールし結果受け入れを政権側に迫る野党側の戦術だ。「民主野党連合」候補のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)の優勢は否定できない情勢で、政権延命を狙って選挙に打って出たミロシェビッチ政権は、瀬戸際に立たされている。
 コシュトゥニツァ候補が独自の集計に基づいて事実上の勝利宣言をした二十五日未明、ベオグラード市内の同党事務所は興奮に包まれた。詰めかけた支持者は、「歴史的な夜」をシャンパンで祝ったが、同候補は「少なくとも決選投票は間違いない」とする一方で、「現段階ではこの勝利を政権側が認めるかどうか100%確信はできない」と慎重な姿勢も見せた。ミロシェビッチ政権側の出方が読み切れていないからだ。
 同候補とは別に記者会見で勝利宣言した「連合」議会選対策本部長のジンジッチ民主党党首によれば、「連合」は連邦議会選でも、上院(定数四十)で、セルビア割り当て分の二十議席中十議席、下院(同百三十八)で同百八議席中の五十六議席を確実にする勢い。同政権に反旗を翻すモンテネグロのジュカノビッチ共和国政権の選挙ボイコットのため、モンテネグロ分の議席をミロシェビッチ派が独占するとみられ、議会では依然、与党・社会党が第一党の座を確保する見通し。しかし、ミロシェビッチ大統領にとっては、八六年にセルビア共産党幹部会議長として実質的な最高権力者の道を歩み始めて以来、最大の誤算となった。
 今選挙は、来年七月の任期切れで連邦大統領の座を去れば、戦犯起訴されている旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)への引き渡しの危険性にも直面するミロシェビッチ大統領が、今年七月に当時の野党側の深刻な分裂状況を突いて、強引な改憲で直接選挙制を導入したうえで、実施に踏み切ったものだった。
 しかし、投票終了後から相次いで発表になった各種集計結果は、政権に参加しながら独自の候補を擁立した極右民族主義の急進党も含めて、社会党とミリヤナ・マルコビッチ大統領夫人が党首の「ユーゴ左翼」を除いては、いずれもコシュトゥニツァ候補優勢を伝えており、選挙専門家は、「二人の差を覆すほどの不正は不可能」との指摘で一致している。政権側が大統領優勢を伝えながらも、「連合」の攻勢に沈黙しているのは、「それだけ社会党指導部が動揺しているあかし」(消息筋)との見方は強い。
 その一方で、大統領が決選投票を受け入れた場合でも、情勢はいっそう不利になるだけに、「政権側が結果を受け入れるとは考えにくい」(外交筋)との見方も根強い。態勢を立て直して決選投票に臨むのか、あくまで大統領優勢を発表して勝利宣言するのか、あるいは、大統領選を無効にするのか――ミロシェビッチ大統領は厳しい選択を迫られている。[2000-09-25-22:29] 76
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 09/25@<ユーゴ>大統領・議会選挙 民主党党首が「勝利確実」表明(毎日新聞)

 【ベオグラード25日福井聡】24日開票が始まったユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)の大統領・議会選挙は25日、再選を狙う与党・社会党の現職、ミロシェビッチ大統領(59)に対し、セルビア民主野党連合のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)が「勝利確実」と表明した。 
 モンテネグロ共和国のモンテナファクス通信によると、ミロシェビッチ大統領の腹心であるブラトビッチ連邦首相が25日、辞意を表明。同通信は「ミロシェビッチ氏から連邦軍を通じ10万票の水増し命令を受け、首相は反発していた」と報じたが、首相が党首を務めるモンテネグロ社会人民党は報道を否定している。
 野党集計では、コシュトゥニツァ氏は開票率51%で得票率53%を記録、36%のミロシェビッチ氏を引き離している。コシュトゥニツァ氏は25日未明、「(決選投票を待たずに)第1回投票で勝利が確実だ。自由の夜明けだ」と述べた。欧米はミロシェビッチ氏に敗北を認めるよう迫っている。[2000-09-25-21:55] 80
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 09/25@<ユーゴ>大統領政権による不正選挙の疑い 米国務省の報道(毎日新聞)

 【シカゴ25日布施広】ユーゴスラビア連邦大統領選について、米国務省のバウチャー報道官は24日、「数々の不規則な点が見られる」と述べ、米政府がミロシェビッチ政権による不正選挙の疑いを持っていることを強調した。
 また、米国家安全保障会議(NSC)のクローリー報道官は、ミロシェビッチ政権が選挙の国際監視を許さず、警察隊配備などで有権者を威かくした疑いがあるとして「我々はこのプロセス(選挙)に重大な疑問を持っている」と語った。
 バウチャー報道官は「世界は選挙結果とユーゴ当局の対応を注意深く見守っている」とミロシェビッチ政権をけん制したが、米国が早々と不正選挙の疑いを表明したことは、政権側が勝利宣言することを見越したものとの見方が強い。
 北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆を主導した米国は、ミロシェビッチ政権が倒れるどころか、ユーゴ連邦の一部を成すモンテネグロ共和国の親米政権を脅かし、崩壊に導くことを警戒している。
 国防総省によると、米軍は25日から約200人の海兵隊員を動員、クロアチア沖で合同揚陸強襲演習を行う。以前から予定されていた演習とはいえ、選挙にタイミングを合わせた演習は、ミロシェビッチ政権に軍事的圧力をかけるためとみられている。[2000-09-25-21:05] 82
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 09/25@◎ユーゴ選挙はバルカンの安定に重要=ロシア外相(時事通信)

 【モスクワ25日時事】タス通信によると、イワノフ・ロシア外相は25日、ユーゴスラビア大統領選について、「バルカン地域全体、とりわけユーゴ自身にとって極めて大きな意義を有している」と指摘するとともに、「選挙に住民が積極的に参加し、重大な違反もなく実施されたことは重要だ」との認識を示した。
 イワノフ外相はさらに、「ロシアはこれまでも今後も、一部の国家による制裁の解除とユーゴの国際社会への全面的な参画を主張してきた」と強調、対ユーゴ制裁の解除がバルカン情勢の真の安定につながると述べた。 [時事通信社][2000-09-25-20:40] 83
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 09/25@◎ミロシェビッチ大統領、窮地に=首相辞表提出の報道も−ユ(時事通信)

 【ベオグラード25日時事】24日に投票が行われたユーゴスラビア連邦大統領・議会選は25日、野党18党の連合体であるセルビア民主野党連合が擁立したコシュトニツァ大統領候補がリードを保ち、独立系選挙監視団体の集計によれば、同候補の得票率53%、ミロシェビッチ大統領36%と、同候補が決選投票を待たずに勝利する勢いになっている。コシュトニツァ候補は同日早朝、政権側の機先を制する形で「勝利」を宣言、ミロシェビッチ大統領は追い詰められた状況になっており、政権内部の動揺を示す情報も表面化しつつある。
 こうした中、ユーゴ連邦モンテネグロ共和国の通信社モンテナファクスは、ミロシェビッチ大統領の側近であるブラトビッチ連邦首相(モンテネグロ社会人民党党首)が辞表を提出したと報道。同党はこの報道を直ちに否定したが、同通信は信頼できる筋の情報として、ブラトビッチ首相は、ミロシェビッチ大統領が連邦軍将兵の票を操作するよう同首相に指示したことに反発、辞意を固めたと伝えた。 [時事通信社][2000-09-25-20:30] 85
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 09/25@◎ユーゴ首相辞任説を否定=社会人民党副党首(時事通信)

 【ベオグラード25日時事】ユーゴスラビア・モンテネグロ共和国のゾーラン・ジジツ社会人民党副党首は25日、同党党首を務めるブラトビチ首相が辞表を提出したとの情報について「この報道を否定する」と語った。同副党首はブラトビチ首相の腹心。 [時事通信社][2000-09-25-19:54]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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