最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(09/15, 2000)


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 09/08@<国連>ミレニアムサミット宣言を採択して閉幕へ(毎日新聞)
 09/08@<国連>ミレニアムサミットで189カ国の代表が討議(毎日新聞)
 09/08@<ユーゴスラビア>大統領がギリシャ外相と会談 不調に終わ(毎日新聞)
 09/08@◇国連安保理サミット PKO強化策を決議◇(朝日新聞)
 09/08@ギリシャ外相の要請を拒否 選挙実施でユーゴ大統領(共同通信)
 09/08@戦犯との会談は不適切と米(共同通信)
 09/08@PKO強化へ宣言採択 国連安保理首脳会議(共同通信)
 09/08@<国連サミット>PKO機能強化決議案を採択 安保理サミッ(毎日新聞)
 09/08@<国連サミット>歴史的握手 クリントン米大統領とカストロ(毎日新聞)
 09/08@5カ国もPKO強化支持(共同通信)
 09/08@カストロ議長“技あり” 国連でリラックス(共同通信)
 09/08@独立宣言延期で交渉に弾み イスラエル首相が強調(共同通信)
 09/08@地道な合意形成目指す 政府、安保理戦略を転換(共同通信)
 09/08@<皇室>紀宮さまの訪欧、閣議了解 スロバキアなど3カ国を(毎日新聞)
 09/08@紀宮さま、10月4日から訪欧(読売新聞)
 09/09@NGOの選挙監視団を禁止 ユーゴ政権が弾圧強化(共同通信)
 09/09@EU、オーストリア制裁解除へ(読売新聞)
 09/09@<パレスチナ>独立宣言延期の公算が大 中央委員会=替(毎日新聞)
 09/09@パレスチナ、独立宣言延期を決定へ(読売新聞)
 09/09@独立宣言を再延期へ パレスチナ中央委が開幕(共同通信)
 09/09@タリバン包囲網を構築へ 米、イランが制裁強化方針(共同通信)
 09/09@コンゴで日本人がバス会社 戦渦で燃料確保に苦心も(共同通信)
 09/09@<杉原千畝氏>JTBがユダヤ人の出国業務を担当 資料で判(毎日新聞)
 09/09@◇米中首脳会談で「NMD対話は次期政権でも」と米が表明◇(朝日新聞)
 09/09@◇オーストリアへの制裁解除をEUに勧告 賢人委◇(朝日新聞)
 09/09@「ミレニアム宣言」を採択 PKO強化へ決意示す 閉幕(共同通信)
 09/09@ミレニアム宣言の要旨(共同通信)
 09/09@多国間の距離埋められず 宣言は「第2の憲章」 試練続く国(共同通信)
 09/09@ロ軍35万人削減を決定 来年から開始と国防相(共同通信)
 09/10@独立宣言延期を承認へ 実務交渉再開とPLO議長(共同通信)
 09/10@◇EUの対オーストリア制裁、賢人委の勧告で収拾へ前進◇(朝日新聞)
 09/10@◇中学歴史教科書から「加害」の記述大幅に減◇(朝日新聞)
 09/11@◇パレスチナ独立延期 交渉の行方左右するアラファト議長◇(朝日新聞)
 09/11@◇自立への道なお遠く パレスチナ独立延期◇(朝日新聞)
 09/11@東ティモールなど激励 サマランチIOC会長(共同通信)
 09/11@地雷1000万個廃棄もなお2億5000万個(読売新聞)
 09/11@<ユーゴスラビア>大統領外交経済顧問の辞職判明 与党に亀(毎日新聞)
 09/11@ムガベ大統領を米で提訴 遺族ら弾圧の賠償求める(共同通信)
 09/12@<NATO>コソボ自治州に治安部隊約2400人を追加派遣(毎日新聞)
 09/12@ユーゴ選挙でコソボ増派 NATO軍事委員会(共同通信)
 09/12@<国をつくる>植民地後遺症=企画・東ティモールは今(毎日新聞)
 09/12@「88」はナチ礼賛?伊代表GK背番号に撤回要求(読売新聞)
 09/12@指揮権めぐり論議必至 集団自衛権行使との指摘も(共同通信)
 09/12@有事調整機構を決定 TMD継続共同声明 日米安保協議委員(共同通信)
 09/12@われわれは独立国家の代表 パレスチナ選手が入村式(共同通信)
 09/12@ミャンマー軍政に集中砲火 広がる民主派との溝(共同通信)
 09/12@対人地雷廃絶を世界に訴え ジュネーブで締約国会議(共同通信)
 09/12@<パレスチナ>延期は場設定せず、交渉は緊迫したものに(毎日新聞)
 09/12@パレスチナ、独立宣言の延期を決定(読売新聞)
 09/12@◇パレスチナ中央委、建国準備開始を宣言◇(朝日新聞)
 09/12@独立強行は自爆行為 政治宣言よりも中身優先(共同通信)
 09/12@パレスチナ独立宣言を延期 11月15日まで具体的準備を(共同通信)
 09/12@◇首都郊外で戦闘続く 和平合意後のブルンジ◇(朝日新聞)
 09/12@国連改革で世論喚起 外務省がパンフレット(共同通信)
 09/12@「民族浄化」の過去認める 米当局者が公式謝罪(共同通信)
 09/12@◇国連加盟申請へ パレスチナ自治政府の国際協力相が表明◇(朝日新聞)
 09/12@過去最大級のPKOへ シエラレオネに2万人(共同通信)
 09/12@ユーゴ選挙でコソボ増派 NATO軍事委員会(共同通信)
 09/12@<中東和平>イスラム教最高権威者、サブリ師=インタビュー(毎日新聞)
 09/13@◇ユーゴスラビア選挙で武力介入説 再び不穏な情勢◇(朝日新聞)
 09/13@世界の「貧困層」は12億人…世銀報告書 (読売新聞)
 09/13@NATO演習で緊張高まる 大統領選控えるユーゴ(共同通信)
 09/13@国連代表権の見直しも ユーゴスラビア大統領選で(共同通信)
 09/13@野党のパンフ配布を禁止 ユーゴ(共同通信)
 09/13@<オーストリア>外交制裁の解除 EU内の不協和音に終止符(毎日新聞)
 09/13@当初期限の13日、パレスチナ自治区に混乱なし(読売新聞)
 09/13@キプロス交渉が国連で再開(共同通信)
 09/14@<ユーゴ大統領選>ミロシェビッチ派が野党候補の一団を襲撃(毎日新聞)
 09/14@親欧米の政府与党は排除 モンテネグロの選挙監視(共同通信)
 09/14@◎ユーゴ軍、「政治的中立」放棄=ミロシェビッチ大統領支持(時事通信)
 09/14@◎日米欧に緊急支援を要請=紛争多発で資金不足に−国際赤十(時事通信)
 09/14@ミロシェビッチ氏、大統領選で初の地方遊説(読売新聞)
 09/14@<ミャンマー>軍政、スーチーさんらの自宅軟禁措置を解除 (毎日新聞)
 09/14@◇イタリア外相、日本の常任理事国入りを支持◇(朝日新聞)
 09/15@◎ユーゴ大統領夫人のコソボ遊説を禁止=平和履行部隊(時事通信)
 09/15@ボスニアには温かい拍手 開会式(共同通信)
 09/15@米、グアムに巡航ミサイル配備 中国が懸念表明(読売新聞)
 09/15@独立問う国民投票は不可避 モンテネグロ大統領補佐官(共同通信)
 09/15@外出禁止の解除を歓迎 米長官、イラクに査察要求(共同通信)
 09/15@人道介入と主権の調整検討 カナダ主導で国際委発足(共同通信)
 09/15@◎ユーゴに民主選挙呼び掛け=米ロなど連絡グループ外相が声(時事通信)
 09/15@<五輪・南北朝鮮>白地に青の「統一旗」かかげ同時行進(毎日新聞)
 09/15@デクラーク元大統領会見「人種融和崩壊の危機」(読売新聞)
 09/15@ジュネーブ軍縮会議、今年も進展なく会期終了へ(読売新聞)
 09/15@<五輪・サマランチ会長>開会式で国際平和への貢献をスピー(毎日新聞)
 09/15@<五輪・東ティモール>個人参加4選手に支援者から喜びの声(毎日新聞)
 09/15@<五輪・豪州>多文化主義の理想と現実が世界の注目に(毎日新聞)
 09/15@<東ティモール>「独立はあと2、3年かかる」とベロ司教 (毎日新聞)
 09/15@<仏シラク大統領>健康不安説が流れる 再選に響けば政局に(毎日新聞)
 09/15@襲撃事件受け治安対策協議 東西ティモールで調整相ら(共同通信)
 09/15@来年の独立は時期尚早 ベロ司教が反対表明(共同通信)
 09/15@ロ政権の旧ソ連色が鮮明に 内外マスコミの猛反発必至(共同通信)
 09/15@ローマは快勝 サッカー欧州連盟杯本格開幕(共同通信)
 09/15@<五輪・サッカー>韓国代表に兵庫県出身の在日3世・朴康造(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 09/08@<国連>ミレニアムサミット宣言を採択して閉幕へ(毎日新聞)

 【ニューヨーク8日上村幸治】国連ミレニアム(千年紀)サミットは8日夕(日本時間9日朝)、国連の強化や貧困対策についてまとめたミレニアム宣言を採択して閉幕する。焦点のうち国連平和維持活動(PKO)問題では、機能強化を図ることを安全保障理事会で決議したものの、安保理改革についてはそれほど議論は進まなかった。世界各国から集まった約160人の首脳は、21世紀の国連の役割を議論しながらも、長期的な視野からの改革より、地域紛争への対応に心を奪われた形だ。
 ◆PKO
 サミット開幕日(6日)朝、「インドネシアの西ティモールで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員3人が殺害された」という一報が国連本部に飛び込んだ。すぐに安保理緊急協議が始まり、地域紛争がクローズアップされた。
 クリントン大統領の演説も、国連PKOの強化を求めるものだった。
 「国連に何かを要求するなら彼らにそれだけの装備を与えよう」「PKOを迅速に展開させるためには、より良い機器が必要だ」
 1994年にルワンダで大虐殺が起きた時、PKOは「中立的立場」に固執し目の前で続く惨劇を防げなかった。人口660万の同国で、80万人が殺された。ルワンダのカガミ大統領は6日の演説で「この虐殺は50年以上の国連の歴史の中で最も暗い時だったと記録されるだろう」と話した。
 7日、安保理の構成国首脳が特別会合(安保理サミット)を開き、PKOの機能強化を促す決議案を全会一致で採択した。PKOは今後、不測の事態にも機敏に対応できるよう改革が進められることになる。
 ◆安保理改革
 ベネズエラのチャべス大統領は7日の会見で机をたたきながら大声を上げた。「個人的には、常任理事国の拒否権を支持しない。民主化を議論しているのに、なぜ拒否権などといったものが必要なのだ」
 安保理常任理事国5カ国(米英仏露中)は決議を拒否する権利を持っており、自国の国益を優先させがちだ。このため重要問題で機敏に対応できない。また、主要国の首脳会談が機動的に行われる時代になり、安保理は国際社会の合意形成の場としても機能しなくなりつつある。このため、ミレニアムサミットで、安保理改革に公然と反対する国はなかった。
 常任理事国の中では中国の江沢民国家主席が「必要な合理的改革」を求めた。フランスのシラク大統領も安保理拡大の重要性を確認した。米、英、露の首脳も演説では取り上げなかったが、会見などの席で安保理改革を呼びかけた。
 昨年3月、北大西洋条約機構(NATO)は安保理に諮らずコソボ紛争に介入し、ユーゴ空爆を行った。このためロシアと中国が、米国をけん制するために国連の強化を訴えた。常任理事国5カ国は7日、国連の役割を強化させるという宣言を発表した。しかし宣言は、安保理改革を強調してはいない。
 結局、7年越しの議論が続く安保理改革問題は、PKO問題ほどには大きな展開をみせなかった。今後、作業部会などで意見調整を図るが、難航しそうだ。[2000-09-08-23:57] 4
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 09/08@<国連>ミレニアムサミットで189カ国の代表が討議(毎日新聞)

 21世紀へ向かう世界の国々は何を考え、何を求めているのか。ニューヨークの国連本部で開かれた国連ミレニアム(千年紀)サミットは加盟189カ国の代表が3日間にわたる討議を行った。各国代表の訴えの中に現われた世界の現実をまとめ、象徴的な一言の数々を紹介する。また、国際情勢の焦点になっている中東諸国の首脳の主張にも注目してみた。
 アナン国連事務総長は、今回のサミット開催の目的を「21世紀に向けた国連の役割の討議」と位置付け、世界平和の維持から環境問題、貧困の解消まで幅広いテーマを提示した。
 しかし、演説時間5分間という制限の中で各国代表の大半が語ったのは「持たざる国」と「持つ国」の南北格差問題であり、世界に広がる飢えや病気、貧困の苦しみだった。
 「マラリア、コレラ、結核などの古い病気が新しい形で復活し、エイズは恐ろしいスピードで広がっている」(ハシナ・バングラデシュ首相)
 「重い債務を負った国への先進国の支援は、債務軽減と貧困解消にほとんど役立っていない」(チルバ・ザンビア大統領)
 189カ国のうち「金持ちクラブ」と言われる経済協力開発機構(OECD)の加盟国は29で、絶対少数派。残りの大半は発展途上国で、繁栄から取り残された現実を悲鳴に近い形で延々と訴えた。
 キューバのカストロ国家評議会議長のように、先進諸国の豊かさの背景にある「国際社会の不公平と不平等」を告発し、非難するスタイルは例外で、先進国の経済発展水準に追いつけない実態を吐露しながら、先進国の理解と支援を必死に求める声が大半だった。
 一方で、先進国を中心に論議されている国連の平和維持活動(PKO)強化など安全保障問題については、紛争を抱える一部の国々から深刻な訴えがあったが、途上国の大半はあまり関心を示さず、言及や提言は少なかった。と言うより、関心を示す余裕もないというのが現実だったかもしれない。
 経済発展の度合いに比例して考えの差がストレートに現われたのが、先進国で急ピッチで進むIT(情報技術)革命やグローバリゼーションの分野だった。先進国はIT革命などが秘める可能性を指摘し、南北格差が解消されると主張したが、途上国側は「情報から取り残され、格差は一層拡大する」と反論した。経済発展がそれなりに進んでいる東欧やアラブ諸国は、価値観の均一化を危ぶみ、功罪両面を指摘する主張が多かった。
 国連の役割については、評価すると主張したのが途上国で、国連の今までの活動を批判し、懐疑的な立場から国連改革を訴えたのが先進国グループ。この対比も目立った。【ニューヨーク・石郷岡 建】
 サミットで静かな旋風を巻き起こしたのが、イランのハタミ大統領。「文明の対話」を提唱する同大統領の国連演説には、クリントン米大統領も足を止めて聞き入った。米国はイランを「テロ支援国」の一つに指定しながら、公然と関係改善を求めている。
 個々の国の価値観を重んじるハタミ大統領は、グローバリゼーションについて「小数(の国)を利する大きな市場の構築や、個々の文化の画一的な統合のために利用されるべきではない」と警鐘を鳴らし、返す刀で「今日の世界で二重基準は容認できない。国際関係を力の論理から解き放つのが、我々の仕事だ」と語った。
 国際政治・経済で圧倒的な力を持つ米国への批判であるのは言うまでもない。ハタミ大統領のグローバリズム批判は、やはり「テロ支援国」指定を受けるシリアのシャラ外相が「グローバリズムを無視すれば、我々の日常生活のみならず、歴史的文化にも悪影響が及ぶだろう」と演説したのと対照的なものだった。
 だが、シャラ外相も今日の問題を解決するには「無謀さよりも知恵、力のごう慢さより勇気」が必要だと訴える。米国はシリアを「テロ支援国」と非難しながら、シリア領(ゴラン高原)を占領するイスラエルは責めないのか、という含みがある。米国ににらまれた国は、こうした「不合理」に耐えるしかないと、一極支配の世界の息苦しさを間接的に訴える演説だった。
 一方、イスラエルのバラク首相は、第二次大戦時のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に言及しながら「いまや信仰や文化による境界は、かつてなく薄れた」と演説。パレスチナ交渉の相手であるアラファト・パレスチナ自治政府議長に対して「我々はルビコン川の前にいる。どちらも1人では渡れない」と呼びかけ、暗い過去より未来を見据えた決断を求めた。 【ニューヨーク・布施 広】
発言集
 ◆国連・アナン事務総長「現代の大半の人々は国連に対する信頼を失っている」
 ◆南アフリカ・ムベキ大統領「このサミットに参加する特権を持った国王、大統領、首相たちが占拠している快適な邸宅の門前に貧しい世界が立ちすくんでいる」
 ◆ナイジェリア・オバサンジョ大統領「われわれは一つの屋根の下に住んでいるが、ある者は豪華な部屋に住み、残りはトイレもなく、水道管の水が漏れている部屋に住んでいる」
 ◆アイルランド・アハーン首相「世界の人口の半分は1日2ドル以下の暮らしのために戦っている」
 ◆パキスタン・ムシャラフ最高行政官(陸軍参謀長)「世界の貿易体制は富んだ北をますます富ませ、貧しい南をますます貧しくさせている」
 ◆スワジランド・ムスワティ3世国王「国民の4分の1はエイズのために10年以上生き残ることができない。これが開発途上国の大半の運命でもある」
 ◆ボスニア・ヘルツェゴビナ・イゼトベゴビッチ幹部会議長「私たちの最大の課題は殺害をストップさせること。あまりにも多くの死があった。不完全な平和でも戦争よりはましだ」
 ◆クロアチア・メシッチ大統領「第3次世界大戦は防げたが、局地戦争とテロはなくなっていない」
 ◆モルディブ・ガユーム大統領「次のミレニアム・サミットではモルディブが代表団を送ることができるだろうか」(地球温暖化による海水面上昇による国家消失の危機を訴えて)
 ◆フィンランド・ハロネン大統領「IT革命は開発途上国に飛躍のチャンスを与えるだろう」
 ◆ポルトガル・グテレス首相「今回のサミットはグローバリゼーションの星の下に開かれた。これは選択ではなく、現実だった」
 ◆シンガポール・ゴー・チョクトン首相「IT革命やグローバリゼーションのスピードがあまりに早すぎて、われわれの経済は圧倒されている」
 ◆ミクロネシア連邦・ファルカム大統領「グローバリゼーションは先進国と発展途上国の格差を拡大させるだけではないかという強い疑いがある」
 ◆チリ・ラゴス大統領「われわれがルールを打ちたてないかぎり、グローバリゼーションは人間の顔を持たないだろう」
 ◆キューバ・カストロ国家評議会議長「マラリア、結核、エイズの脅威にさらされ、国民全体を失う危機に立たされている一方で、膨大な資金が軍事や贅沢品に費され、為替・株式投機などに注ぎこまれている」[2000-09-08-23:30] 7
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 09/08@<ユーゴスラビア>大統領がギリシャ外相と会談 不調に終わ(毎日新聞)

 【ウィーン8日福井聡】ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領は7日、ユーゴ訪問中のギリシャのパパンドレウ外相と会談した。外相は24日に予定されるユーゴ大統領選、議会選を自由、公正に実施するよう要請したが、大統領は「ユーゴに対する圧力は誤りであり、的はずれ」として全面的に拒否する声明を発表。外相の訪問は不調に終わった。
 昨年のNATOによるユーゴ空爆後、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の閣僚がユーゴを公式訪問したのは初めて。ギリシャは欧州連合(EU)とNATO加盟国の中で唯一、ユーゴと良好な関係を維持してきた。
 国営タンユグ通信などによると、ミロシェビッチ大統領は会談で西欧諸国の対ユーゴ政策が「高圧的、威嚇的である」と非難した。
 一方、米国務省スポークスマンは7日、「戦犯として訴追されている人物とパパンドレウ氏のような欧州の指導者が会談するのは不適切だ」と非難した。[2000-09-08-12:45] 9
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 09/08@◇国連安保理サミット PKO強化策を決議◇(朝日新聞)

 国連安全保障理事会は7日、15理事国の首脳による「安保理サミット」を開いた。ミレニアム・サミットの焦点の一つとなっている平和維持活動(PKO)強化に関して「紛争の予防から紛争後の処理まですべての段階で国連活動の実効性を高めることを誓う」とする決議案を全会一致で採択。このあと常任5理事国の首脳会談も開かれ、(1)国連全体の役割の向上(2)国連運営の効率化(3)PKO要員を含む優れた人材の確保などで意見が一致した。
 安保理サミットは、湾岸戦争終結直後の1992年1月に開かれて以来、2度目。8日まで開催中のミレニアム・サミットの一環として開かれた。
 採択された決議は、ルワンダやボスニアでPKO活動がとん挫した経験を踏まえて、「明確に定められ達成可能な任務を採用する」と明記。さらに5月にシエラレオネであった国連要員拘束のような事件を防ぐため、「要員の安全確保と民間人保護のための効果的手段も任務に含まれる」としたうえで、「訓練を受けて適切な装備を持った要員を確保する」と決めた。
 またアフリカ各地で続発しているダイヤモンド密輸などへの対応策も採択された。
 討論では、クリントン米大統領とブレア英首相が「PKO活動に加わる国連要員や装備を拡充すべきだ」と一致して訴えた。これに対し、プーチン・ロシア大統領は「1国がすべてを決めるやり方を国際社会が終わりにすれば、イラクやバルカン半島の問題はより安定的に解決されると確信した」と述べて、米国の独走をけん制した。
 安保理改革について、米英はほとんど触れなかったが、シラク仏大統領は「安保理は63年以降、理事国の数を1度も増やしていない。途上国の声をより反映できるよう常任、非常任ともに拡大すべきだ」と表明。江沢民・中国国家主席は「途上国の声により配慮すべきだ」と訴えて、先進国がさらに常任理事国入りすることに反対する考えを改めて強調した。[2000-09-08-12:01] 10
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 09/08@ギリシャ外相の要請を拒否 選挙実施でユーゴ大統領(共同通信)

 【ベオグラード8日共同】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領は八日、「西側の圧力には屈しない」として、ギリシャのパパンドレウ外相が七日の会談で求めた、ユーゴ大統領選、議会選の自由かつ公正な実施などの要請を全面的に拒否する声明を発表した。
 声明は「差別や説教じみた態度を廃した平等な協力関係においてのみ、欧州の一員としてのユーゴの将来がある」と述べ、民主化を進めて「欧州の一員」になるよう求めた外相発言に反発した。
 欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)加盟国の中で唯一、ユーゴと良好な関係を維持してきたギリシャが、選挙を前に民主化を求めるEUの意向を伝えようとした今回の外相訪問は不調に終わった。
 独立系ベタ通信によると、ギリシャ大使公邸に招待されたユーゴの反政府学生組織「オトポル」の学生四人が七日、警察に連行されたが、外相の抗議でその後釈放された。
 外相は旧ユーゴ国際戦犯法廷に戦犯として起訴されているミロシェビッチ大統領との接触を拒否する米国の意向に反して訪問していた。(了)[2000-09-08-10:42] 13
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 09/08@戦犯との会談は不適切と米(共同通信)

 【ワシントン7日共同】米国務省スポークスマンは七日、パパンドレウ・ギリシャ外相が同日、ベオグラードでミロシェビッチ・ユーゴスラビア大統領と会談したことについて「戦犯訴追されている人物とパパンドレウ氏のような欧州指導者が会談するのは不適切」との批判的な見解を明らかにした。
 スポークスマンは外相のユーゴ訪問について「野党指導者との会談が目的と理解していた」と述べた。
 ギリシャは北大西洋条約機構(NATO)加盟国として唯一、ユーゴと良好な関係を維持している。外相は昨年のNATO軍による空爆終結直後にも同大統領と会談した。(了)[2000-09-08-08:43] 14
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 09/08@PKO強化へ宣言採択 国連安保理首脳会議(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】国連ミレニアムサミットは七日、安全保障理事会首脳会議を開催、国連平和維持活動(PKO)強化に向けた各国首脳による公開討論を行い、「紛争予防から紛争後の平和構築に至るあらゆる段階で(PKOの)実効性を高める」と誓約した宣言を全会一致で採択、討議を終えた。
 宣言には@PKO強化とその機能の向上A要員の安全確保と民間人保護のための効果的手段を重視Bダイヤモンド密輸などへの対策強化―などを明記。
 首脳会議にはクリントン米大統領ら常任理事国五カ国の全首脳のほか、非常任理事国十カ国の代表が出席した。
 冒頭、西ティモールでの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)襲撃事件の犠牲者のめい福を祈って黙とう。続いてアナン国連事務総長が「PKO強化を図る時が来た」と宣言した。
 クリントン大統領、シラク・フランス大統領はそろって、PKOに従事する要員や装備の充実を図るべきだと強調。ブレア英首相も時代の要請にこたえて、PKO改革の推進を訴えた。
 安保理改革・拡大については、江沢民・中国国家主席が先進国と途上国のバランスに配慮すべきだとの従来の主張を繰り返したほか、シラク大統領は常任、非常任双方の拡大への支持を表明。
 プーチン・ロシア大統領は(他国への)武力行使容認は「安保理だけに認められた権利だ」として、昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆をけん制した。(了)[2000-09-08-08:16] 256
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 09/08@<国連サミット>PKO機能強化決議案を採択 安保理サミッ(毎日新聞)

 【ニューヨーク7日上村幸治】国連ミレニアム(千年紀)サミットは7日午後(日本時間8日未明)、安全保障理事会構成国の首脳による特別会合(安保理サミット)を開き、国連平和維持活動(PKO)の機能強化を促す決議案を全会一致で採択した。ただ、中国が「人道主義の名を借りた内政干渉」を批判、国連などが地域紛争に介入する際の基準をめぐって米英と対立した。
 安保理サミットは、国連PKOが地域紛争にうまく対応できず、ルワンダの虐殺などを防げなかったことを踏まえ、事態の再発を防ぐために決議を採択した。
 決議は(1)PKO要員に訓練を行い、適切な装備をあたえる(2)PKOを迅速に展開できるよう国連の能力を強化する――ことをなど促している。またアフリカ諸国との協力を強調、飢餓と内乱、伝染病などのまん延に苦しむアフリカの問題を重視することを確認した。
 ただ、大量虐殺などといった「人道に反する犯罪」が起きた時に、これを理由に他の国や国際機関が介入(人道介入)すべきかどうかという問題では、中国の江沢民国家主席が改めて反対の立場を示した。
 ロシアのプーチン大統領は「安保理だけが武力を使った制裁をする権利がある」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)が昨年3月、安保理にはからずコソボ紛争に「人道介入」したことを、改めて批判した。
 安保理サミットにはアナン国連事務総長のほか、クリントン米大統領、プーチン大統領、江主席、シラク仏大統領、ブレア英首相ら5常任理事国首脳に加え、非常任理事国10カ国の首脳が参加した。[2000-09-08-10:24] 257
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 09/08@<国連サミット>歴史的握手 クリントン米大統領とカストロ(毎日新聞)

 【ニューヨーク7日澤田克己】約160カ国の首脳が集まる国連ミレニアムサミットの場で、クリントン米大統領とキューバのカストロ国家評議会議長による歴史的な握手が実現していたことが7日、明らかになった。両国首脳の握手は、約40年間にわたる対立の中で初めてとみられている。
 ホワイトハウス当局者によると、両首脳はともに、アナン事務総長が主催した6日の昼食会に出席。クリントン大統領が会場を出ようとした時、近づいてきたカストロ議長と簡単な会話をし、握手を交わしたという。
 米国は1961年、社会主義路線を宣言したキューバと断交。その後、経済制裁を続けている。同当局者は「(握手は)カストロ体制に対する米国の考えを変えるものではない」と話し、首脳の握手が両国関係に影響を与えるものではないと、クギを刺した。[2000-09-08-10:07] 260
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 09/08@5カ国もPKO強化支持(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】国連ミレニアムサミットに出席中の国連安全保障理事会常任理事国である米国、中国、英国、ロシア、フランスの五カ国首脳は七日、国連平和維持活動(PKO)の強化を支持するなどの声明を発表した。
 十五カ国による安保理首脳会議とは別に、五カ国首脳がニューヨークのホテルで会談した。
 声明は、二十一世紀には世界平和を維持するため国連の役割がますます重要になると指摘。常任理事国はその機能強化のため、安保理のメンバー拡大、透明性の強化を図るとした。
 また、世界規模でのPKO活動を充実させるため、財政面、人材供給面での迅速な協力を約束。国連の事務作業を円滑にするため、事務総長の権限強化を支持すると表明した。(了)[2000-09-08-09:44] 266
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 09/08@カストロ議長“技あり” 国連でリラックス(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】国連ミレニアムサミットに参加した百五十カ国以上の首脳の中で、キューバのカストロ国家評議会議長がリラックスして会議に臨む姿が目立っている。
 米CNNテレビは、キューバ人少年エリアン君の帰国問題で米国と対立、当初は不参加が伝えられた同議長が議場などで各国首脳らと言葉を交わす姿を何度も放映した。
 とかく長い演説をするので有名な同議長だが、今回の首脳演説では割り当てられた制限時間を守った。
 同議長は演説前、「タイムオーバーのカストロ」を誇示するかのように、演壇横の制限時間警告ランプに大きな白いハンカチをかけ、関係者はびっくり。が、演説はちょうど五分間で終了。同議長が演壇から降りる時、ハンカチを取り去ると、傍聴席の首脳らから笑いと拍手が起きた。
 同議長は既に中国の江沢民国家主席をはじめ、ベトナムなど各国首脳との会談を積極的にこなしている。AP電は「サミットでのカストロ議長は実に面白い」と伝えている。(了)[2000-09-08-08:46] 270
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 09/08@独立宣言延期で交渉に弾み イスラエル首相が強調(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】イスラエルのバラク首相は七日、国連本部で記者会見し、パレスチナが九月十三日に予定している独立宣言を延期すれば「交渉への真剣さを感じさせる。新たなドアを開くことになる」と述べ、宣言延期が実現すれば交渉への弾みがつくとの考えを強調した。
 パレスチナは九日にパレスチナ中央委員会(PCC)を開催して独立宣言問題を協議するが、米政府は「十三日を特に重視はしていない」(ロックハート大統領報道官)と楽観視する立場を示しており、宣言は延期される見通しが強まっている。
 バラク首相はまた、米国が中東和平交渉の焦点であるエルサレム旧市街の「神殿の丘」の管理権問題を十五年間棚上げし、他の分野での合意を早急に図るとの提案を行ったものの、アラファト・パレスチナ自治政府議長が応じていないことから交渉が前進していないと語った。
 バラク首相によると、クリントン大統領は七月のキャンプデービッドでの交渉で、エルサレム問題全体の決着を一、二年延期させ、神殿の丘の管理権問題は十五年遅らせる考えを提示。イスラエルは交渉の土台にすると応じたが、バラク首相は「アラファト議長は応じていない」と述べて議長を批判した。(了)[2000-09-08-08:37] 273
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 09/08@地道な合意形成目指す 政府、安保理戦略を転換(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】森喜朗首相が七日の国連ミレニアムサミットで行った演説の最大の特徴は、日本の安保理常任理事国入りに支持を求める従来の「選挙演説」型の訴えをやめ、一加盟国として、議席拡大などの安保理改革に向けた具体的な論点整理を求めた点にある。
 「どの国を入れるか、拒否権をどうするか、微妙な問題までパッケージで議論する現在のやり方では一歩も前に進まない」(外務省幹部)との判断からで、一挙に常任理事国入り実現を目指す従来戦略から、結論を急がず地道な合意積み上げを目指すステップ・バイ・ステップ方式の「着実戦略」に日本政府が転換したことを印象付けた。
 安保理改革の成否は加盟国の大半を占める途上国グループの動向がカギを握る。首相もそのことを意識し、演説の中で紛争や貧困から人間一人ひとりを守るという「人間の安全保障」を日本外交の柱に据えると表明、新常任理事国に途上国も加えるべきだと主張し、「大票田」に盛んに秋波を送った。
 首相演説に限らず、政府は今年四月に宮崎で南太平洋諸国会議(SPF)各国を集めた太平洋・島サミットを開催、主要国首脳会議(沖縄サミット)に合わせ、G8首脳と非同盟諸国会議など途上国グループ代表との会談をセットするなど「票固め」に余念がないが、常任理事国入りには憲法問題など未消化の国内問題も少なくない。外交の腕を競うだけでなく、国内議論を深める努力も不可欠だ。(解説)(了)[2000-09-08-08:23] 8
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 09/08@<皇室>紀宮さまの訪欧、閣議了解 スロバキアなど3カ国を(毎日新聞)

 紀宮さまが10月4〜16日の日程でスロバキア、スロベニア、アイルランドの欧州3カ国を公式訪問することが8日の閣議で了解された。スロバキア、スロベニア両国への皇族訪問は初めて。各国大統領の表敬訪問のほか、日本文化を紹介するイベントへの出席などが予定されている。[2000-09-08-12:26] 11 [このページの最初に戻る]


 09/08@紀宮さま、10月4日から訪欧(読売新聞)

 紀宮さまは、10月4日から16日までの日程で、スロバキアとスロベニア、アイルランドを公式訪問されることが、8日の閣議で了解された。皇族のスロバキアとスロベニアの訪問は初めて。
 紀宮さまは、最初の訪問国スロバキアでは、日本文化週間オープニングレセプション出席や国際児童芸術館などを訪問。日本週間開催のスロベニアでは、クーチャン大統領表敬や地雷犠牲者リハビリセンター訪問など、アイルランドでもマッカリース大統領表敬や日本舞踊公演鑑賞などが予定されている。[2000-09-08-10:38]
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 09/09@NGOの選挙監視団を禁止 ユーゴ政権が弾圧強化(共同通信)

 【ベオグラード9日共同】ユーゴスラビア連邦選挙管理委員会筋は八日、二十四日の大統領・議会選挙で、国内の非政府組織(NGO)による選挙監視を選管が禁止したことを明らかにした。
 ミロシェビッチ大統領の劣勢が伝えられる中、投票日は二週間後に迫っており、野党や欧米諸国から不正を容易にするのが目的だとの批判が強まりそうだ。
 選挙監視の意向を示していたNGO「自由選挙民主主義センター」本部が八日、警察の家宅捜索を受けてコンピューターや文書を押収される事件もあり、政権側はNGOも政敵として弾圧に乗り出したようだ。
 外国の選挙監視団について政府は、親ユーゴのロシア、中国、インドの受け入れを発表したが、選管筋は「どの国が申請し、認められるのか分からない」と述べた。
 ユーゴは国内外の選挙監視団受け入れを義務付けた欧州安保協力機構(OSCE)の宣言に調印しているが、投票は少なくともユーゴのNGOによる監視なしに行われる。野党の監視は認められている。
 一方、世論調査で大統領をリードしているコシュトニツァ候補を擁立した「セルビア民主野党連合」は八日、与党・社会党が提出した大統領の出馬を求める約百六十万人の署名を確認するため選管に閲覧を要求し、拒否された。同連合関係者は「選挙が違法に行われる兆候の一つだ」と述べた。(了)[2000-09-09-17:49] 26
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 09/09@EU、オーストリア制裁解除へ(読売新聞)

 【ベルサイユ(パリ近郊)9日=島崎雅夫】オーストリアの極右政党の政権参加に反発して、欧州連合(EU、加盟十五か国)の十四か国がオーストリアに外交制裁を科している問題で、同国の人権状況を調査してきたEUの「賢人会議」は八日夜、「オーストリアの人権状況は他の加盟国と比べてそん色ない」としてEU議長国・フランスのシラク大統領に制裁解除を勧告した。十四か国はすでに、賢人会議の判断に基づいて制裁解除の是非を決める方針を示しており、“身内”に制裁を科すという異常事態は七か月余で解消の方向に向かうことになった。ただ、仏、ベルギーなど、制裁解除に反対する国もあり、解除決定までに最終調整が迫られよう。
 シラク大統領に制裁解除を勧告したのは、フィンランドのアハティサーリ前大統領ら三人。三人はオーストリアを訪問、シュッセル首相ら政府関係者や人権団体などと会談し、その結果を報告書にまとめ上げた。
 賢人会議は報告書で「オーストリアの少数民族、難民、移民は、他のEU諸国と同程度に人権が保護され、政府もEUの価値観を十分に尊重している」と指摘、制裁継続は欧州統合推進の上で「逆効果になる」との認識を示し、制裁の解除を勧告した。
 ただ、制裁導入の発端となったオーストリアの極右政党・自由党については、「外国人を排除する人種差別の傾向が顕著」と批判、同党に体質改善を要求し、同国の連立政権が今後、自由党の主張に左右されないよう求めた。
 報告書は、制裁解除の時期には触れていないが、オーストリアは十月中旬のEU特別首脳会議前の解除を要求しており、EUは十月中旬をめどに調整にあたる。
 今年二月からの対オーストリア制裁は、EUが拡大を目指し、それに伴う機構改革など重要課題を抱える中で発動されたため、欧州統合の行方に及ぼす影響を懸念する声が、英、独、北欧諸国などで強まっていた。
 EU内では、今回の報告書で「仏など制裁解除に反対する強硬派の顔も立った」(欧州委筋)と、制裁解除への最終の障害が取り除かれたとの見方が強いが、少数派とはいえ、強硬派は今度の報告書をどう評価するか姿勢を明示しておらず、たとえ制裁解除に応じたとしても、EU内で一度生じた亀裂が、欧州統合の足を引っ張る可能性もある。
 今回の制裁問題は、将来三十近い大所帯になるEUで、人権など共通の価値観を加盟国にどう尊重させるか、という課題も突きつけた。EUは機構改革で多数決制の適用拡大などを検討しているが、不適格な加盟国を排除する条項を設けることも熱い論議の対象になりそうだ。[2000-09-09-22:15] 38
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 09/09@<パレスチナ>独立宣言延期の公算が大 中央委員会=替(毎日新聞)

 【ガザ市(パレスチナ自治区)9日海保真人】パレスチナ解放機構(PLO)の政策決定機関であるパレスチナ中央委員会(PCC)は9日、パレスチナ自治区で、最終地位交渉の合意の目標期限(13日)切れに伴う国家独立宣言について集中協議を始めた。中央委の大勢は一方的な独立宣言の延期容認に傾きつつあり、延期を決める公算が大きい。
 中央委にはニューヨークの国連ミレニアム・サミットから戻ったアラファト自治政府議長をはじめ、PLOの主流派、反主流派代表ら約130人が出席した。
 出席者によると、交渉代表団が米キャンプデービットでの中東和平3首脳会談の結果を報告し、一方的な独立宣言に対し、米や欧州諸国の反対が強いことを説明した。この後、アラファト議長が演説、出席した委員がそれぞれ意見を述べる予定で、協議は10日も行われる。
 独立宣言に関しては、平和的な合意を求める国際社会からの要請に加え、交渉の継続が可能である情勢に配慮し、延期を決めるとみられる。だが、対イスラエル交渉の行き詰まりに直面する中、どう新たな期限を設け、国家独立への戦略を練り直すかが注目される。
 新たな目標期限として11月や年内などの説が出ているが、延期幅をめぐり穏健派と強硬派の意見が分かれることも予想される。具体的な期日と宣言の最終決定権は、アラファト議長を長とするPLO執行委員会に一任する見通しが強いという。[2000-09-09-20:54] 45
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 09/09@パレスチナ、独立宣言延期を決定へ(読売新聞)

 【ガザ(パレスチナ自治区)9日=当間敏雄】パレスチナ問題の包括的解決を目指す「パレスチナ最終地位交渉」の合意期限である今月十三日を期して、パレスチナ国家の樹立を宣言するかどうかを決めるパレスチナ中央委員会(PCC、委員百二十九人)が九日、自治区ガザで二日間の日程で始まった。国際社会の要請を考慮し、昨春に続いて再び宣言延期を決めるとの観測が強まっているが、国連ミレニアムサミットを利用したクリントン米大統領の「最後の仲介」でも行き詰まる交渉の打開の糸口は見えておらず、和平プロセスはいっそう不透明になっている。
 パレスチナ自治政府のアラファト議長は、不調に終わった七月のキャンプデービッド首脳会談の後、「パレスチナ国家樹立」への理解を求めて外交攻勢を展開、「九月十三日を期して独立する」と繰り返してきた。しかし、イスラエルとの合意がないまま宣言を強行すれば、和平プロセス崩壊を招きかねず、米国など各国が交渉継続と独立宣言延期を要請、議長はPCCでの「再考」を決定した。
 国際社会の支援が頼りのパレスチナ側としては、欧米、アラブ諸国が宣言強行回避を求めている現状では、「延期」以外に選択肢がないのが実情だ。PCC委員の大勢は「延期やむなし」の方向に傾いている。
 次の独立宣言の時期としては、PLO本部がチュニスに置かれていた八八年にアラファト議長が国境を画定しないまま象徴的にパレスチナ独立を宣言した「十一月十五日」やPLO主流派ファタハの創立記念日である「一月一日」が、PCC委員の間であがっている。
 しかし、延期を決定すれば、イスラエル総選挙への影響を懸念した国際社会の圧力で、昨年四月に「(暫定自治期間が終わる)五月四日の独立」を延期して以来二度目となるだけに、議長の求心力にも影響しかねない。サリム・ザヌーンPCC議長は「延期の前提として、(東エルサレムを含む)ヨルダン川西岸占領地からのイスラエル軍追加撤退やパレスチナが今年中に独立国家を樹立することを米国とイスラエルが保証する必要がある」と強調しており、合意への展望がない中での延期に反発する声も強い。[2000-09-09-19:42] 51
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 09/09@独立宣言を再延期へ パレスチナ中央委が開幕(共同通信)

 【ガザ(パレスチナ自治区)9日共同】パレスチナ人にとって悲願の独立国家樹立宣言の期日を討議するパレスチナ解放機構(PLO)の中央委員会(PCC)が九日、自治区ガザで、二日間の日程で開幕した。
 焦点の聖地エルサレムの扱いなどをめぐり、イスラエルとの最終和平交渉が難航を極める中、十日の投票では、恒久的地位交渉の最終合意期限である十三日に予定していた独立宣言の再延期を決める見通し。
 パレスチナ自治政府首脳やPCCメンバーなどの間では、既に独立の期日を、十一月十五日に延期する案やPLO主流派ファタハの創立記念日の来年一月一日とする案が浮上。新たな期限を設けることで、パレスチナ自治政府のアラファト議長は、イスラエルとの大詰めの和平交渉に臨むことになる。
 アラファト議長は国連ミレニアムサミットに出席後、九日朝ガザ入りした。ニューヨークでクリントン米大統領がアラファト議長とイスラエルのバラク首相と各個別に会談したが、打開点は見いだせなかった。
 七月の米国での中東和平三首脳会談はエルサレムの帰属をめぐり決裂、交渉が暗礁に乗り上げた。イスラエルは和平合意がないままの一方的な独立宣言には「自治区を封鎖、ヨルダン川西岸の一部を併合する」などと強く警告している。
 アラファト議長は三首脳会談後、歴訪した中東や欧州、アジアなどの各国首脳から、独立宣言強行はイスラエルとの衝突を招き、和平プロセスを崩壊させかねないと、自制を強く求められた。PCCではこうした情勢を踏まえ、独立延期の是非が討議される。
 PCCは昨年四月、五年間の暫定自治期間が切れる同五月に予定していた独立宣言を延期している。(了)[2000-09-09-19:20] 64
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 09/09@タリバン包囲網を構築へ 米、イランが制裁強化方針(共同通信)

 【ワシントン9日共同】米国とイランがアフガニスタンのタリバン政権への反発から、同政権への国連制裁を今年秋に強化する方針をそれぞれ固め、各国への根回しを開始していることが九日分かった。国際機関でアフガニスタン政策を担当する当局者が明らかにした。
 米国はタリバンがかくまう反米テロリストのウサマ・ビン・ラディン氏の引き渡しを要求、イランはタリバンとの宗派上の対立と、制裁強化を狙う背景は異なる。両国が協議して同じ対応になったわけではない。
 しかし、米国は制裁の強化で非同盟諸国などの支持取り付けを狙う際に、イランによる説得に期待する可能性があり、タリバン包囲網は米国とイランの関係改善の糸口にもなりそうだ。
 国連はタリバンに対し、ラディン氏引き渡しの拒否を理由に昨年十一月から航空機乗り入れ禁止と在外資産凍結を実施。米国は一周年の今年十一月にタリバン幹部の旅行禁止、個人資産の凍結、武器禁輸などに制裁を広げる案を検討しており、イランも同じ考えを国連に伝えている。
 イランはタリバンと同じイスラム原理主義だが、スンニ派のタリバンがイランに近いシーア派のアフガニスタン少数民族を弾圧し、両国の国境地帯が緊張していることから、タリバンの弱体化を目指している。
 一方、タリバンによるチェチェン武装勢力支援に反発するロシア、新疆ウイグル自治区へのイスラム原理主義の浸透を嫌う中国もタリバン封じ込めに賛成しており、大同団結の様相となってきた。(了)[2000-09-09-16:54] 72
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 09/09@コンゴで日本人がバス会社 戦渦で燃料確保に苦心も(共同通信)

 内戦が続くコンゴ(旧ザイール)の首都キンシャサで日本人青年がバス会社を始めた。昨年暮れの開業以来、売り上げは順調だが、燃料の確保など、戦渦の中にある国ならではの苦心も多い。
 このバス会社は「グレート・アフリカーナ」。社長の上山陽基さん(29)が、コンゴ政府の認可を受け設立した。
 現在、大型バス約二十台で主要二路線の運行と企業や学校の送迎を行っており、一日当たりの乗客数は採算ラインの八千人を超える一万人以上。
 上山さんがコンゴを初めて訪れたのは昨年四月。東京で父が経営する建設会社に勤務していた当時、新宿で働いていたコンゴ人二人と知り合い、キンシャサを旅行。その際、公共交通機関が整備されていないことを知り、この二人とともにバス会社の設立を決意。父から約四千万円の支援を受け、フランスで中古のバスを購入し、キンシャサに持ち込んだ。
 コンゴの政権交代に伴い営業停止に追い込まれたバス会社の元従業員らを中心に現在、社員は約百三十人。競争相手は三社。最大手の営業台数は約四十台で、これを抜くのが当面の目標だ。
 上山さんにとって最大の悩みは、市場で不足がちな燃料の調達。五月には、契約していた燃料が届かず、三週間近い運行停止を余儀なくされた。また、売り上げのコンゴ・フランを外貨に換金する手段の確保も今後の課題という。
 上山さんは「道が悪く、バスがすぐ故障するなど悩みも多いが、今のところ経営は順調。将来は食品販売などバス以外にも事業を広げたい」と話している。(キンシャサ共同=金子大)(了)[2000-09-09-15:07] 75
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 09/09@<杉原千畝氏>JTBがユダヤ人の出国業務を担当 資料で判(毎日新聞)

 「日本のシンドラー」と呼ばれる故・杉原千畝(ちうね)氏の生誕100年記念式典が大阪市で12月に開かれるが、これを前に日本交通公社(JTB)が杉原氏の業績を調べていたところ、同社自身も杉原氏の善意を受け継ぐ形で、日本経由で米国などに渡るユダヤ人の旅行あっせん業務を行っていた事実を見つけた。同社は、資料の整理や当時の社員からの聞き取り調査などを続け、歴史の“掘り起こし”を続けている。
 杉原氏は元リトアニア領事代理。第二次大戦中の1940年7月末から1カ月間、ナチスドイツの迫害から逃れようとしたユダヤ人難民約6000人に、日本政府の許可なしに日本通過のビザを発給し続けた。
 一方、JTBによると、在米ユダヤ人協会は、39年9月のドイツ軍によるポーランド侵攻で西欧への脱出路を断たれたユダヤ人を助けようと、日本通過旅行のあっせんを同社(当時の社名は「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」)に依頼。当時の日本には「亡国民族は危険」などの意見もあり、さらにドイツと友好関係を結んでいた立場上、依頼を受け難い状況だったが、「人道上の立場から輸送に万全を期す」と社内で決定した。
 行程は、ヨーロッパからシベリア鉄道でウラジオストクへ、そこから日本海汽船の「天草丸」(2400トン)に乗船し3泊4日で福井県敦賀へ――というルート。同船には同社外国人旅行部の社員が乗り込み、生活相談や日本到着後の説明などを行った。
 到着後は、同社敦賀出張所の駐在員がユダヤ人たちに在米ユダヤ人協会からの送金を手渡すなどし、ユダヤ人たちは神戸、横浜から米国などへ向かったという。その数は40年9月〜41年6月の間に計約1万5000人に上り、その中に、杉原氏が発給したビザを持ったユダヤ人も多く含まれていたとみられる。
 調査を続けている同社西日本営業本部の高崎邦子広報課長は「もうけを度外視し、人道的に行動した企業の判断があったということを、忙しさに追われている現代の企業人に知ってほしい」と話している。
 記念式典は「杉原千畝生誕100年記念事業委員会(明石康委員長)」の主催で、12月11〜12日に大阪国際会議場(大阪市)で開かれる。 【高橋 望】[2000-09-09-15:01] 104
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 09/09@◇米中首脳会談で「NMD対話は次期政権でも」と米が表明◇(朝日新聞)

 国連ミレニアム・サミットのため訪米中の江沢民・中国国家主席は8日、クリントン米大統領とニューヨーク市内のホテルで会談した。大統領は中国の世界貿易機関(WTO)加盟問題に伴い、米側が約束した中国への最恵国待遇(MFN)を恒久化する法案を近く成立させる自信を伝えた。米本土ミサイル防衛(NMD)について大統領は、配備決定の延期を説明し、次期政権にも中国との「真剣な対話を続けるよう働きかける」と表明。江主席は、今後もミサイル防衛網計画に反対する姿勢を示しつつも、大統領の判断を評価した。
 米中首脳の顔合わせは昨年9月、ニュージーランドでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議以来。昨年来、最大の課題になっているWTO加盟問題については、MFN恒久化法案が今も米上院で審議中だが、大統領は、数週間内に成立させるとの見通しを説明した。
 NMD問題について、大統領はロシア、中国などの核大国以外の新たなミサイル脅威が生まれているとの見方に理解を求めた。中国外務省によると、大統領はNMDについて次期政権が「賢明な判断をするよう」引き継ぐと約束。中国は、台湾への配備も取りざたされる戦域ミサイル防衛(TMD)に反対する姿勢を改めて強調し、「今後も真剣に対処する」と述べた。
 このほか大統領は、中国がイランなどにミサイル開発の支援をしている問題について懸念を表明。人権については、キリスト教宗派などの取り締まりは民主化に反すると指摘した。江主席は台湾問題について、米国が「一つの中国」の原則を守り、台湾への武器供与などをやめるよう求めた。[2000-09-09-11:27] 122
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 09/09@◇オーストリアへの制裁解除をEUに勧告 賢人委◇(朝日新聞)

 オーストリアで右翼政党が政権に参加している問題で、欧州連合(EU)の14カ国から委託を受けて同国の人権状況などを調査していた「賢人委員会」は、同国への外交制裁は「逆効果だ」として解除を勧告する報告をまとめた。スペインの有力紙エルパイスが8日報じた。賢人委は同日この報告を、EUの議長国であるフランスのシラク大統領に提出する。
 同紙によると、賢人委は「制裁は、オーストリアに民族主義的な感情を醸成してしまった。制裁がオーストリア市民に対するものだと受け取られたりしているためだ」と指摘。「今後も続けることは、逆効果」として、解除を勧めている。
 また、現オーストリア政府は「ほかのEUメンバー国と同様に、少数者や移民、難民の権利を尊重している」と評価。しかし、政権に参加する右翼の自由党については「その代表者たちが不穏当な発言を繰り返している」と批判した。
 これについて、オーストリアのフェレロワルトナー外相は「非常によい報告だ」と歓迎。14カ国は10月半ばのEU非公式首脳会議までに制裁解除を決めるべきだと述べている。
 賢人委は、アハティサーリ前フィンランド外相、オレハ元スペイン外相、ドイツのマックスプランク研究所のフロワイン教授の3人で構成されている。[2000-09-09-10:26] 126
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 09/09@「ミレニアム宣言」を採択 PKO強化へ決意示す 閉幕(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同=伊藤英一】約百五十カ国から首脳が参加した史上最大規模の「国連ミレニアムサミット」は八日、国連平和維持活動(PKO)や安全保障理事会改革の努力強化などをうたった「ミレニアム宣言」を採択、アナン国連事務総長が「二十一世紀に国連が役割を果たすための明確な道筋が描かれた」と三日間の討議を総括する声明を読み上げ、閉幕した。
 宣言は「われら首脳は、より豊かで平和かつ公正な世界の基礎として、国連と国連憲章が不可欠であることを再確認した」とした上で「グローバル化による恩恵を世界のすべての人々にとってプラスとなる力にする」と二十一世紀初頭における目標を提示した。
 焦点となったPKOについては「必要な資源と手段を国連に与え、活動をより効果的に行う」と機能強化に向けた加盟国の決意を示した。
 日本が常任理事国入りを狙う安保理の改革問題では「包括的改革への努力を強化する」と「拡大」を明記してはいないものの、日本としては一定の評価ができる表現が盛り込まれた。
 さらに宣言は@五輪停戦の順守A重債務貧困国への債務削減Bエイズ拡大の防止C地球温暖化防止の京都議定書の二○○二年までの発効に向けた努力Dヒトゲノム情報へのアクセス―などを提示した。
 国連当局の発表によると、サミットには、国連未加盟国を含めた計百九十カ国から代表団約八千人が国連本部に集結。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金永南・最高人民会議常任委員長は、米航空会社とのトラブルで出席しなかった。(了)[2000-09-09-10:24] 125
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 09/09@ミレニアム宣言の要旨(共同通信)

 【ニューヨーク8日共同】国連ミレニアムサミットで採択された「ミレニアム宣言」の要旨は次の通り。
 【価値と原則】 一、われら首脳は新千年紀の幕開けに参集し、より豊かで平和かつ公正な世界の基礎として、国連と国連憲章が不可欠であることを再確認した。
 一、グローバル化による恩恵を世界のすべての人々にとってプラスとなる力にすることが大きな課題だ。
 【平和、安全保障、軍縮】 一、国連の平和維持活動(PKO)を強化するため、必要な資源と手段を国連に付与する。
 一、国連経済制裁では、罪なき人々への悪影響を最小限に抑える。
 一、核兵器を筆頭とする大量破壊兵器の廃絶に努力する。
 一、五輪停戦の順守を求める。
 【開発と貧困撲滅】 一、先進国が重債務貧困国への債務削減、帳消しを推進するよう促す。
 一、二○一五年までに飢餓人口を半減させ、エイズやマラリア拡大を防ぐ。
 【環境保護】 一、地球温暖化防止の京都議定書を二○○二年までに発効させるよう全力を尽くす。
 【人権、民主主義、統治】 一、世界人権宣言を全面的に尊重する。
 一、女性差別撤廃条約の履行を目指し、女性に対するあらゆる暴力と闘う。
 【弱者保護】 一、子どもの権利条約と付属議定書の批准と履行を求める。
 【アフリカ特別支援】 一、アフリカの貧困撲滅と持続可能な発展のため、債務帳消し、政府開発援助(ODA)の強化、直接投資の増強などを図る。
 【国連強化】 一、安全保障理事会の包括的改革への努力を強化する。
 一、国際問題で正義と法の支配を保障するため、国際司法裁判所を強化する。(了)[2000-09-09-10:25] 127
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 09/09@多国間の距離埋められず 宣言は「第2の憲章」 試練続く国(共同通信)

 国連がその威信をかけた史上最大規模の国際会議「国連ミレニアムサミット」が終わった。国連公式文書となったミレニアム宣言は、創設から五十五年目を迎えた国連にとって「第二の国連憲章」とも言うべき役割を担うことになる。
 サミットの最大の目的は、日米などの民間企業が激烈な競争を繰り広げている情報技術(IT)革命にさらされる先進国と、アフリカ大陸に代表される地域紛争の続発や絶対的貧困、爆発的に増大するエイズといった最貧国が抱える課題の「距離」を埋め、国連が中心になって世界の共通認識にすることだった。
 だが三日間という短期間で実質的な討議に踏み込むことはできず、会議前に合意されていた宣言を採択しただけとの印象は否めない。サミットはさまざまな努力目標を掲げたが、加盟国間に横たわる「距離」感を埋めるまでには至らなかった。
 その一方で、クリントン米大統領とキューバのカストロ国家評議会議長が遭遇、言葉を交わすというハプニングが起きたのも、国連サミットという舞台があったからこそだ。四十年もの間、敵対関係にある米国、キューバ両国首脳の接触は、偶然とはいえ大きな話題になった。
 だからこそ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金永南・最高人民会議常任委員長の出席取りやめは、やはり「残念」(アナン国連事務総長)だった。すべての加盟国代表が一堂に会していれば、サミットの意義はより強まったろう。
 新たな方向性を見いだそうとしている国連自身にとってはどうだったか。中核的活動の場である安全保障理事会と平和維持活動(PKO)では、それぞれ「改革」「強化」が宣言でうたわれた。今後はその実現に向け、具体的一歩を踏み出す必要に迫られている。
 国連が二十一世紀も「国際平和と安全の維持に責任を負う」(国連憲章)組織として存在意義を示せるかどうか。その答えは、サミット宣言を実行に移せるかどうかにかかかっていると言っていいだろう。(ニューヨーク共同=伊藤英一)(了)[2000-09-09-10:23] 148
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 09/09@ロ軍35万人削減を決定 来年から開始と国防相(共同通信)

 【モスクワ8日共同】インタファクス通信によると、ロシアのセルゲーエフ国防相は八日、二○○一年から○三年までの間に、ロシア軍を三十五万人削減することを「決定した」と言明した。これにより現在推定百二十万人体制のロシア軍は八十五万人規模に大幅減員されることになる。
 深刻な財政難にあえぐロシア軍は、この人員削減や膨大な維持費を要する戦略核兵器の削減によって捻出(ねんしゅつ)した財源で、チェチェン紛争で露呈した貧弱な通常戦力の充実を目指す改革に踏み出すとみられる。同通信は七日、消息筋の話を引用、戦略ミサイル軍が大幅削減され、○六年までに空軍に編入されると伝えていた。
 国防相によると、削減計画の具体化について大統領への提案を準備中という。
 同通信によると、消息筋は地上軍の十八万、海軍の五万人、空軍の四万人が削減されると指摘した。同筋は当面の戦略ロケット軍の削減数に言及していないが、現在の十万人体制から約八万人が削減されるとみられる。
 これとは別に、内務省軍などの兵力五万人の削減も計画されているという。
 ロシア軍内部では、戦略ミサイル軍出身の国防相と、通常兵器の装備充実を主張する軍ナンバー2のクワシニン参謀総長が公然と対立する事態に発展していたが、最終的に参謀総長側が勝利した形となった。(了)[2000-09-09-09:50]
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 09/10@独立宣言延期を承認へ 実務交渉再開とPLO議長(共同通信)

 【ガザ(パレスチナ自治区)10日共同】パレスチナ自治区ガザで開かれているパレスチナ解放機構(PLO)の中央委員会(PCC)は十日、独立宣言の時期をめぐり採決を行う。ザヌーンPCC議長は「委員会での発言者全員が宣言の延期を支持している」と述べており、当初予定の十三日の宣言実施を先送りし、延期が承認されるのは確実だ。
 パレスチナ自治政府のアラファト議長(PLO議長)は九日の演説で、宣言の時期は「委員会の議論にゆだねる」と述べる一方、イスラエルとの実務レベル交渉が十日にも始まることを明らかにした。交渉継続を強調することで、一方的な宣言強行を回避するよう求めたものとみられる。
 宣言の新たな期日としては、PLOが一九八八年に領土を持たないまま国家樹立を宣言した十一月十五日と、PLO主流派ファタハの創立記念日の来年一月一日が候補に挙がっているほか、期日をアラファト議長に一任するとの案も出ているという。
 国際社会は、一方的独立宣言はイスラエルとの衝突を招くとして、パレスチナ側に自制を求めていた。(了)[2000-09-10-18:34] 334
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 09/10@◇EUの対オーストリア制裁、賢人委の勧告で収拾へ前進◇(朝日新聞)

 右翼政党自由党が参加したオーストリア連立政権に対する欧州連合(EU)14カ国の外交制裁問題は、人権状況などを調べた外部専門家らの「賢人委員会」が8日、制裁解除を14カ国側の代表フランス(EU議長国)に勧告し、収拾へ大きく動き始めた。だが「欧州の価値観」を共有できる仲間として自由党が完全に認められたわけではない。外国人排斥などを公然と掲げる「異分子」が今後ほかの国でも勢力を伸ばした場合、どう対応すれば効果的か、EU側に残された課題も大きい。
 オーストリアのシュッセル首相は8日夜の記者会見で「誇りを感じる」と述べ、早期の制裁解除を求めた。自由党党首を務めるリースパッサー副首相は「我が党への中傷に根拠がないことが証明された」とまで言い切った。
 アハティサーリ前フィンランド大統領らがまとめた勧告は、政府の外国人や少数民族の人権保護実績には合格点をつけた。だが自由党に関しては「過激分子を含む大衆主義的な右翼政党」と定義。その選挙戦術が、公然と外国人を排斥する空気を広げたと批判している。
 それでも解除が勧告された理由は、オーストリアのみならず欧州全体で制裁の意味が薄れたからだ。オーストリア国民の間では、制裁を内政干渉とだけ受け止める民族主義的な空気が逆に強まってしまった。
 またオーストリアは、制裁をEU内の意思決定メカニズムの矛盾の表れとし、大国の小国に対する横暴とも批判した。この主張が、「大国主導の欧州統合」に抵抗感の強いデンマークなど北欧の小国を中心に受け入れられ、制裁への疑念も広がった。
 さらにオーストリアは、EUにとって最大の課題である機構改革を実現するためのEU条約改正交渉で拒否権を行使する戦術までちらつかせ始めていた。条約改正を人質にとった形に、制裁強硬派の筆頭だったフランスも含め、結局は根負けし、振り上げたこぶしを下ろすことになる。
 ただし制裁が、問題発言を乱発したハイダー前党首や、自由党閣僚らの言動をある程度抑制したことは確かだ。
 「賢人委員会」は、今後の課題として、歴史の反省や寛容さなど、欧州の共通の価値観に反する政治勢力を監視するシステムの強化と機構改革をEU側に求めている。もっと早い段階での混乱収拾を可能にして、今回オーストリアとの間で生じた対立劇の再来を避けることをめざす。
 逆にオーストリア政権も、これまでは「不当な外圧」の存在を国民の求心力にしてきた。福祉国家から脱却するため、年金改革などの実施が迫られる中、こうした不人気な政策に国民の理解を求める実行力が、今後問われることになる。[2000-09-10-14:09] 351
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 09/10@◇中学歴史教科書から「加害」の記述大幅に減◇(朝日新聞)

 文部省に検定申請された2002年度版の中学の歴史教科書で、旧日本軍の加害行為についての記述が大幅に減っていることがわかった。現在使われている7社の教科書にはすべてに従軍慰安婦問題が載っているが、新しい教科書で「慰安婦」という言葉を使ったのは1社のみ。3社は一切触れなかった。中国北部の抗日勢力の壊滅をはかった「三光作戦」をとり上げたのも5社から1社に減った。従軍慰安婦問題が一斉に扱われ始めたのは前回大改訂した1997年度版からだが、5年で一転したことになる。
 従軍慰安婦問題では、現在使用されている教科書で「朝鮮などの若い女性たちを慰安婦として戦場に連行しています」などとしていた3社が一切記述をなくした。2社は日本政府に補償を求めてデモ行進する元従軍慰安婦の写真も掲載していたが、ともに消えた。
 97年度版では「多くの朝鮮人女性なども、従軍慰安婦として戦地に送り出された」としていた社は、現在の2000年度版で「従軍」の文字を削り、さらに2002年度版では「多くの朝鮮人女性なども、戦地に送り出された」と「慰安婦」の表現もなくした。
 ほか2社は「非人道的な慰安施設には、日本人だけでなく、朝鮮や台湾などの女性もいた」などと旧日本軍による強制色を薄めた。
 三光作戦についても、「『焼きつくし、殺しつくし、奪いつくす』という三光作戦を行った」としていた教科書から一切なくなるなど、現在の教科書で取り上げている5社のうち4社が削除した。
 また、南京大虐殺事件について、「首都南京を占領した。その際、婦女子を含む約20万人ともいわれる中国人を殺害した」としていた教科書の、人数部分が「大量」に変えられるなど、数字を出していた6社のうち4社で具体数がなくなった。「南京大虐殺」の表現を「南京事件」に改めた社も2社ある。
 ある出版社の編集幹部は「中学生には『慰安』の意味を教えにくいと指摘があるなど、前回の改訂時とは情勢が変わった。南京事件は人数で説がわかれている。知識詰め込みの反省から生まれた新学習指導要領のもとで、用語も厳選した」と説明している。[2000-09-10-07:27] 147
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 09/11@◇パレスチナ独立延期 交渉の行方左右するアラファト議長◇(朝日新聞)

 13日が期限とされてきたパレスチナ国家の独立宣言が延期されたことで、和平交渉は命脈を保った。とはいえ、イスラエルと仲介役米国の内政事情から、交渉期限は尽きようとしている。焦点は、パレスチナ自治政府のアラファト議長が、エルサレム問題などで柔軟さを示すかどうかに絞られている。ぎりぎりまで「名誉ある妥協」を探る同議長の思惑が、交渉の行方を左右しそうだ。
 イスラエルのレビ前外相は11日、バラク首相の和平交渉での妥協姿勢などを批判して、内閣不信任案が出されれば賛成すると語った。不信任を明確にしているのは国会(定数120)の半数の議員。あと1人でも加われば同案が成立する情勢だ。最大野党リクードは、不可分としてきたエルサレムの分割に応じるなどの譲歩を含む和平合意が結ばれれば、国会を緊急招集させてでも不信任案を提出すると表明している。
 バラク首相はニューヨークでの首脳会談前に、今月末までに合意できなければ、リクードと連立して国内問題に専念する考えを明らかにし、アラファト議長の妥協を促した。しかし議長は「占領地である東エルサレムすべてをパレスチナ主権下に」と譲らなかった。
 だが、イスラエルとの合意なしの独立では、ヨルダン川西岸の半分に満たない領土でのみじめな国家になるのも事実だ。
 アラファト議長の腹は、クリントン米大統領の任期切れをにらみつつ、妥協の潮時を計ることにある。バラク首相も、9月いっぱいとした交渉期限を、少し延ばした。交渉は同議長の思惑を軸に、3首脳の我慢比べの中で最終段階を迎えた。[2000-09-11-23:57] 148
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 09/11@◇自立への道なお遠く パレスチナ独立延期◇(朝日新聞)

 パレスチナ中央委員会が10日採択した「建国準備宣言」は、独立の期限としてきた9月13日以降を「建国への準備期間」と位置づけ、領土を持たないまま一方的に独立を宣言した1988年の「独立記念日」11月15日を新たな目標に設定した。これまで「スローガン」だった独立問題は、憲法や司法制度の制定など、具体的な基盤整備へと動き出すことになる。ただ、和平合意抜きに独立することが難しい状況に変化はなく、難民キャンプでも延期は冷静に受け止められている。
 「詳細にわたる和平合意は難しいが、今後4、5週間に基本合意に達する可能性はある」 自治政府の幹部らは委員会で、イスラエルとの交渉進展を楽観する発言を繰り返した。自治区内の不満を抑えこんで独立を延期したのは、あくまでもイスラエル、米国との合意の上で独立を目指すとのメッセージを込めたものだ。
 こう着状態にある和平交渉は仲介役クリントン米大統領の任期などから、残る4、5週間が最後の局面になる。延期はそこでの合意を目指す最後のかけだ。
 交渉が不調に終わった場合、一方的な独立に踏み切る可能性はなお残っている。その場合、欧州連合(EU)諸国や日本などが国家承認に踏み切るかが焦点になる。昨年4月に続き独立延期を決めたパレスチナへの同情論が高まれば、一方的独立へのハードルが低くなることも予想される。
 ガザの海沿いにあるビーチ難民キャンプ。大学で会計学を学ぶイブラヒム・ザクートさん(20)は、「資源もなく、働き口もないまま独立しても無意味だ。イスラエルに5分後には再占領されるだけだ」と延期を冷ややかに受け止める。延期反対派による散発的なデモなどはあるが、かつてのインティファーダ(抵抗運動)のような盛り上がりはない。
 イスラエル建国の48年、ガザの北にあるアシュケロン(アラブ名アスカラン)から難民として追われたアブドルラハマン・ハビルさん(69)も、「アラファト議長はわれわれの真の利益を考えてくれるはずだ」と延期に理解を示す。ただ、聖地エルサレムなしの国家は、と聞くと「ラ(だめだ)」と一言。「もしそうなれば、アラファト議長は要らない」と言い切った。
 暫定自治のもとでも、経済的にはイスラエルへの従属構造が続いている。インフラ(社会基盤)整備が進んでいない自治区では、電気もイスラエルに依存。いまも1日6時間から8時間は停電する。貿易面でも輸出、輸入の8割以上は、イスラエルが相手だ。
 「真の独立には、政治だけでなく経済面での自立が欠かせない。イスラエルは自治区に対し、他国との貿易の品目や量を制限するなど不公正な経済関係を強いてきた」。自治政府の経済顧問モハメド・サムフリ氏(47)はそう指摘する。
 イスラエル側がテロなどへの対抗措置としてパレスチナ人のイスラエル国内への出稼ぎを厳しく制限したため、94年の暫定自治以降、自治区の失業率は増加し、一人当たり国民総生産(GNP)も低下した。98年以降、持ち直したが、世界銀行の最近の分析では、「現在の成長率が続いたとしても、93年の経済レベルに回復するには10年かかる」と結論づけている。[2000-09-11-23:56] 7
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 09/11@東ティモールなど激励 サマランチIOC会長(共同通信)

 【シドニー10日共同】国際オリンピック委員会(IOC)のサマランチ会長は十日、シドニー五輪の選手村で、国連暫定統治下にあり個人資格で参加する東ティモール選手団と、内戦で戦った三民族が一緒に参加するボスニア・ヘルツェゴビナ選手団を激励した。
 会長は東ティモールの四選手に「五輪の輪が東ティモールにも広がった。大会を楽しんでください」と話しかけ、ボスニア・ヘルツェゴビナの九選手には「共同体が一つにまとまったあかしであり、わたしにとってもうれしい」と語った。
 激しく対立するイスラム教徒、セルビア人、クロアチア人の三民族から選ばれたボスニア・ヘルツェゴビナのフムイェロベツ選手団長は「一緒にシドニーの地を踏めて感激している」と、サマランチ会長に謝辞を述べた。(了)[2000-09-10-15:34]
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 09/11@地雷1000万個廃棄もなお2億5000万個(読売新聞)

 【ジュネーブ11日=大内佐紀】民間活動団体(NGO)の国際連合組織、「地雷を禁止する国際キャンペーン(ICBL)」は、対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)が昨年三月に発効してから、約一千万個の対人地雷が廃棄された一方で、世界百五か国に依然として二億五千万個が貯蔵されている――など、現状報告書をまとめ、十一日にジュネーブで開幕した第二回オタワ条約締約国会議のステファン・コンスタッド議長に提出した。
 報告書によると、対人地雷を最も多く貯蔵しているのは中国の約一億一千万個で、これにロシアの約七千万個、米国の一千百万個などが続く。また、ユーゴスラビア連邦軍が昨年のコソボ自治州での紛争で約五万個の地雷を敷設したと推定されるなど、同条約発効後も少なくとも二十の地域紛争で対人地雷が使用された。この中には、同条約の署名国であるアンゴラやスーダンなども含まれているという。中国、ロシア、米国は、いずれも、同条約に署名していない。[2000-09-11-21:56] 5
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 09/11@<ユーゴスラビア>大統領外交経済顧問の辞職判明 与党に亀(毎日新聞)

 【ウィーン11日福井聡】ユーゴスラビアのミロシェビッチ連邦大統領の外交経済顧問で与党・社会党最高幹部会会員のリリッチ前ユーゴ連邦大統領が8月中旬、同顧問と党役員の職を辞任していたことが分かった。直接の原因は与党連合内の勢力争いに関連している模様で、24日の連邦大統領・議会選挙を前に与党内で深刻な亀裂が生じているとの見方が強まっている。
 独立系ベタ通信によるとリリッチ前大統領は同通信に声明を送り、「社会党内と政府のすべてのポストを8月中旬に辞任した」と表明した。社会党最高幹部会員のサイノビッチ連邦副首相は先週、辞任のうわさについて、「辞任などしていない」と否定していた。これに対し、リリッチ氏は「私の辞任を否定した党韓部の発言は事実無根だ」と反論している。
 問題の発端は社会党と連立政権を組む政党ユーゴスラビア左翼の要求だった。ミロシェビッチ大統領の夫人、マルコビッチ党首が率いる同党は、比例代表制の連邦議会選の与党統一名簿作りの段階で50%以上の割り当てを主張した。リリッチ前大統領はこれに反発して辞任したという。
 リリッチ氏は1993〜97年まで連邦大統領を務め、97年の選挙でミロシェビッチ大統領に譲ったが、2人の間では昨年から意見の食い違いが伝えられていた。また、同氏の辞任に伴い、社会党幹部10人が集団で辞表を提出しているとの情報もあり、ユーゴ左翼との関係を巡って社会党内で深刻な亀裂が表面化しているとみられる。野党側からは「今回の辞任劇は与党内でのさらなる分裂の始まり」との声が上がっている。
 ユーゴ大統領選では最近の支持率調査でコシュトゥニツァ候補が52%、ミロシェビッチ大統領が31%と出るなど、すべての調査で大統領が下回っている。[2000-09-11-21:08] 6
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 09/11@ムガベ大統領を米で提訴 遺族ら弾圧の賠償求める(共同通信)

 【ニューヨーク10日AP=共同】ジンバブエのムガベ大統領に弾圧を受けたとして、被害者の遺族や野党勢力は十日までに、米ニューヨークの連邦裁判所に四億ドル(約四百二十億円)の賠償を求めて提訴、国連ミレニアムサミット参加のためニューヨーク入りした同大統領自身にも訴状を手渡した。
 原告は、六月に行われたジンバブエ総選挙の運動中に、大統領の支持者らに殺害された野党指導者の親族ら。訴状は、大統領の支持者が野党指導者らに暴行し、体や家にガソリンをかけて火を付けたことなどを指摘しているという。
 提訴は、国際法違反の行為に対し、外国人に民事訴訟を起こす権利を与えた米国の法律が根拠。この法律により、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦での残虐行為に問われたセルビア人勢力指導者カラジッチ氏が七億四千五百万ドルの賠償を命じられた例がある。
 米政府は、大統領は外交特権で免責される可能性があるとして提訴に反対していた。原告らは、ハーレム地区の教会を訪れた大統領に直接、訴状を渡した。(了)[2000-09-11-07:25] 2
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 09/12@<NATO>コソボ自治州に治安部隊約2400人を追加派遣(毎日新聞)

 【ブリュッセル12日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)は11日、アテネで開いた軍事委員会で、今月24日のユーゴスラビア連邦大統領選挙を前に治安悪化が懸念されるコソボ自治州に約2400人の治安部隊を追加派遣することを決めた。
 コソボには昨年の紛争以降、NATO加盟国を中心としたコソボ平和維持部隊(KFOR)約3万6000人が駐留しているが、大統領選や10月末の地方選挙を前にセルビア人とアルバニア系住民との対立が再燃しており、ラルストン欧州連合軍最高司令官がNATOに対して追加派遣を要請していた。派遣には英、仏、イタリア、ギリシャの部隊が当たる。
 一方、KFORのオルツノ司令官は同日、ユーゴのミロシェビッチ大統領が選挙を前にコソボ自治州を訪れるとの観測が流れていることについて「歓迎する。我々は仕事(逮捕)を行うだけだ」と語り、ユーゴ側を威圧した。大統領らは昨年、戦犯容疑で旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から起訴された。
 24日の大統領選挙について欧米は一致して現政権の打破を目指しており、欧州連合(EU)も今月初めの外相会議で「野党が政権についた場合は経済制裁を解除する」方針で一致。アメとムチによる作戦で「良識の選択」をユーゴ国民に呼びかけている。[2000-09-12-21:15] 3
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 09/12@ユーゴ選挙でコソボ増派 NATO軍事委員会(共同通信)

 【ローマ11日共同】ギリシャからの報道によると、北大西洋条約機構(NATO)は十一日、アテネで開かれた軍事委員会で、ユーゴスラビア大統領選挙の間、コソボ自治州に四大隊を増派することを決めたと発表した。
 発表によると、コソボに駐留している三万六千人の部隊だけでは対処できない不測の事態に備えフランス、イタリア、ギリシャ、英国の各大隊(各最大五百人)を新たに派遣する。(了)[2000-09-12-08:18] 149
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 09/12@<国をつくる>植民地後遺症=企画・東ティモールは今(毎日新聞)

 麻袋が山積みされた倉庫で、100人近い男女が忙しく動き回る。東ティモールの中心都市ディリにあるコーヒー豆集積場。ここでは、島内の農園で収穫された豆の外皮やゴミを取り除き、袋詰めにしてインドネシア側に出荷している。
 「年間8000トンを出荷してきましたが、独立をめぐる昨年来の混乱で、生産量は半減状態です。独立後は情勢が落ち着くといいのですが」と、現場責任者のアントニオ・レドリゴさん(44)は説明する。
 めぼしい産業のない東ティモールでは、ポルトガル植民地時代の18世紀に栽培が始まったコーヒーが、商品と呼べる唯一の農産物だ。その品質には定評があり、最終的には欧州方面に輸出されているという。
 「独立後の東ティモールは、農業立国を基本にするべきだ。その中心になるのはコーヒーだろう」。東ティモール民族抵抗評議会の元幹部で、実業家のマニュエル・カラスカロ氏(67)は言う。島内4万ヘクタールのコーヒー農園で、年間3万トンが生産できる。同氏は「年に2000万ドル(20億円余り)の外貨収入がもたらされる」と見込み、80%を超える失業率も「ディリに無意味に滞留している労働力を農村に戻せば、雇用創出と農業振興の一石二鳥になる」と、前向きに受け止めている。
 しかし乾燥した岩山が広がる島の風景は、一見して豊かな土壌とは言えない。インドネシア時代の東ティモールは、1人当たりの域内総生産が年間400ドル程度と国内水準を大きく下回り、地方予算の9割が中央からの国庫補助だった。スハルト政権による弾圧ばかりが強調されるが、1976年の併合以来、インドネシアは東ティモールに巨費を注ぎ込んできた側面もある。強制併合のつけとは言え、「インドネシアにとって、東ティモールは重荷でしかなかった」と指摘されるゆえんだ。
 国連東ティモール暫定統治機構の若手職員が、こんな本音を漏らした。「独立と言っても、ここの住民は歴史的に自立した経験などないんだ。400年間のポルトガル植民地時代とインドネシア併合を経て、今は国際社会の援助漬け。“オーストラリア植民地”になるのは時間の問題だ」。
 短期間に10数億ドルの国際支援が流れ込み、隣接する豪州など外国企業がインフラ整備事業に群がる。住民は一様に「独立は素晴らしい」と目を輝かせるが、「将来どんな国になるか」との問いに答えられる人はいない。期待される石油・天然ガス開発も、専門家は「埋蔵量や開発可能かどうかは判断できない」と、今のところ慎重だ。
 カラスカロ氏は「国の独立とは経済的自立に他ならないことを、住民が自覚する必要がある」と力説した。新国家建設は、何よりも“植民地後遺症”からの脱却に懸かっている。【ディリ(東ティモール)で中坪央暁、写真も】[2000-09-11-23:53] 165
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 09/12@「88」はナチ礼賛?伊代表GK背番号に撤回要求(読売新聞)

 【ローマ11日=西田和也】イタリア・プロサッカー一部リーグ(セリエA)の強豪パルマの主力選手が今季、ユニホームの背番号を「88」に変更し、物議を醸している。88は、アルファベット八番目の文字Hを重ねたと解され、ナチス式敬礼「ハイル・ヒトラー」の意味になるからだ。
 この背番号を選んだのは、イタリア代表GKのブフォン選手。同選手は、試合後にファシストの標語をあしらったTシャツを着てテレビに登場した“前科”もあり、国内のユダヤ人組織は「人種差別的な悪意によるものだ」として、背番号の変更を要求した。
 パルマでは当初、「ばかげた邪推」として変更要求を無視していたが、新聞などで連日報道されたため、ブフォン選手は釈明会見を迫られ、「(ナチ礼賛の)シンボルの意味はまったく知らなかった」と悪意を否定した。
 国内には「ユダヤ人側の過剰反応」との声もあるが、同選手は77番への再変更を決めたという。[2000-09-11-21:34] 195
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 09/12@指揮権めぐり論議必至 集団自衛権行使との指摘も(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】有事に対応する日米「調整メカニズム」は、日本有事の際の自衛隊と米軍の共同作戦計画や、周辺事態が発生した時の相互協力計画を円滑に進めるために、日本政府の関係機関を総動員して米側との調整を図る防衛協力の新たな枠組みだ。
 ただ軍事情報の大半は米軍が握っているだけに、「調整」が結局は米側の主導で進む可能性は否定できない。特に日米の制服組幹部でつくる共同調整所をめぐっては「自衛隊が『一戦域一指揮官』を掲げる米軍の指揮下に入るのは不可避で、憲法が禁じた集団的自衛権行使につながる」(野党幹部)との指摘もあり、メカニズムの在り方が今月下旬に始まる臨時国会で論議となるのは必至だ。
 一九九七年九月に策定された日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)は共同調整所を含む調整メカニズムを「平素から構築しておく」必要性を指摘しており、周辺事態法成立と併せてガイドラインに盛り込まれた防衛協力態勢は有事立法を残してほぼ整備されることになる。
 統幕会議が六三年に朝鮮半島有事を想定して極秘策定した「三矢研究」にも日米間の「作戦調整所」開設が盛り込まれており、防衛庁の構想は三十七年ぶりに日の目を見たともいえる。
 防衛庁は、指揮権問題に関して「自衛隊は指揮権を維持し米側とあくまで調整するだけ」(幹部)との立場で、今回の決定を踏まえ十一月に予定される日米共同統合演習で早速、調整所を含めたメカニズムの運用訓練を実施したい構えだ。(了)[2000-09-11-18:49] 208
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 09/12@有事調整機構を決定 TMD継続共同声明 日米安保協議委員(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同=小渕敏郎】日米両政府は十一日午前(日本時間同日深夜)、外交、防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をニューヨーク市内のホテルで開き、日本有事や周辺事態の際に自衛隊と米軍の共同作戦行動や、対米支援を迅速、円滑に実施するための枠組みである「日米調整メカニズム」の内容を決定する。
 自衛隊と米軍の事実上の統合司令部となる「共同調整所」を防衛庁に設置するのが特徴。これにより日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)に盛り込まれた防衛協力の運用体制はほぼ整うことになる。
 協議委は@朝鮮半島の緊張緩和への期待表明A中国の建設的役割の重視B戦域ミサイル防衛(TMD)の共同研究継続―などで一致し、共同声明を発表。両国が在日米軍基地に関係する環境汚染問題への取り組みを強化することでも合意する。
 米軍普天間飛行場代替施設の使用期限問題に関しては、声明で「米軍の兵力構成を含む軍事態勢は引き続き緊密に協議する」ことを再確認するにとどめる。
 調整メカニズムは、日米の制服組でつくる共同調整所と、外務省北米局長、在日米軍副司令官らによる既存の日米合同委員会、関係省庁局長級の日米政策委員会、課長級実務者の合同調整グループで構成する。
 共同調整所は、防衛庁地下の中央指揮所などに設置され、部隊配置、情報収集、後方支援に関する立案調整を実施する。主に共同調整所に持ち込まれる米側の要望は必要に応じて合同調整グループに伝達。米軍の新たな施設・区域や空港、港湾使用は合同委で、医療、輸送、警備などに関する案件は政策委で最終調整が図られる仕組みだ。
 安保協議委には河野洋平外相、虎島和夫防衛庁長官、オルブライト国務長官、コーエン国防長官が出席し、外務二閣僚は在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を本年度比で約三十三億円減額する新特別協定(二○○一年度から五年間)に署名。四人は十一日昼すぎ(日本時間十二日未明)に共同会見を行う。(了)[2000-09-11-17:41] 209
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 09/12@われわれは独立国家の代表 パレスチナ選手が入村式(共同通信)

 【シドニー11日共同】一方的な国家独立宣言の当面の延期と国連加盟への道筋を自治区ガザで決定したばかりのパレスチナのシドニー五輪参加選手が十一日、選手村で入村式に臨んだ。パレスチナの五輪参加は前回アトランタに続いて二度目。
 強風にたなびくパレスチナ旗の下で、オマール・アルシュワイキ選手団長は「何があろうと、われわれは独立国家(の代表)だ。豊かな経済と強い外交を持つことを望んでいる。今日はとてもハッピーだ」と、パレスチナ解放機構(PLO)の発表を喜んで受け止め、二回目の五輪参加に臨む決意を新たにした。
 選手は男女二人だけ。女子競泳のサハール・ナッサン選手は「スポーツと政治は別。メダルは望めないが、精いっぱい競技を楽しみたい」と笑顔で話した。他の一人は20キロ競歩のラミ・アブダハディ選手。
 アトランタ五輪にパレスチナから一人だけ陸上男子一万メートルに出場した選手は現在、アラファト自治政府議長のボディーガードをしており、今回参加していない。(了)[2000-09-11-17:18] 210
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 09/12@ミャンマー軍政に集中砲火 広がる民主派との溝(共同通信)

 ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが事実上の自宅軟禁となった事件で、同国軍事政権は国際社会から批判の集中砲火を浴びている。スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝した一九九○年の総選挙から十年、民政移行への道筋が見えないまま、軍政側との溝は広がるばかりだ。
 今回の事件では、クリントン米大統領が六日、国連ミレニアムサミットでの演説で軍事政権を非難。これに先立ち、アナン国連事務総長や欧州連合(EU)も旅行制限措置などを厳しく批判している。
 ミャンマーの参加問題が原因で九七年以来中断していた東南アジア諸国連合(ASEAN)と欧州連合(EU)との定期外相会議は、十二月のビエンチャン開催がやっと決まったが、延期の可能性さえ懸念される。
 ヤンゴンの外交筋は、スー・チーさんが地方旅行を阻止され、長期間の車内ろう城という当局との「対決」を選んだ理由は二つあるとみる。一つは、メンバーの大量拘束以来、NLDが壊滅状態となるなど組織に対する強い危機意識。
 二つ目は、九六年十二月の大規模学生デモ以来、閉鎖されていた国内の大学が七月末に約三年半ぶりに全面再開し、これを機会に日本など海外からの援助が本格化するのを阻止するためだ。国連サミット開催の時期を狙って世界の注目を集め、軍政に揺さぶりを掛ける戦術だった。
 スー・チーさんは、海外からの援助について「軍政継続に寄与するだけ」と、一貫して反対。特に日本に対しては「アジアの民主国家として、軍政への援助を停止」するよう要求している。
 スー・チーさんの戦略には、国外からの援助がなく、国民がさらに疲弊すれば、八八年にネ・ウィン長期独裁政権を倒したように民衆がほう起して軍政は転覆するとのシナリオがある。
 今回の事件では、「民主化促進」を理由に新たな経済支援を模索してきた日本も@スー・チーさんらの移動の自由の保障Aスー・チーさんへの外交団による接見―などを求め、軍政当局に抗議した。
 九○年の総選挙後、選挙結果を棚上げした軍政は@国民会議による新憲法の起草A国民投票での承認による制定B民政移行―という道筋を示しているが、新憲法は十五章のうち六章までの起草を終えたものの、少数民族に関する分権問題で足踏みしたまま。国民会議も九六年三月以降開催されていない。(ヤンゴン共同=二藤部義人)(了)[2000-09-11-17:09] 220
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 09/12@対人地雷廃絶を世界に訴え ジュネーブで締約国会議(共同通信)

 【ジュネーブ11日共同】対人地雷の開発から使用、輸出まであらゆる側面を禁じた対人地雷全面禁止条約の第二回締約国会議が十一日、ジュネーブで始まる。十五日までの会議を通じ、条約が昨年三月に発効して以降の履行状況を点検するとともに、現在百五カ国に上る批准国をさらに増やすための方策を論議する。
 会議には日本をはじめとする政府代表団のほか、条約締結に大きな力を発揮した地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)などの非政府組織(NGO)も多数参加。カンボジアやタイの地雷被害者らが出席する集会も予定されており、世界になお二億五千万個残る対人地雷の廃絶をあらためて世界に向け訴える。
 会議筋によると、会議では一九九七年にノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズICBL国際大使らが今後の課題について演説するほか、米国やロシア、中国などの未調印国に参加を呼びかける宣言を採択する。
 「オタワ・プロセス」とも呼ばれる同条約は、米ロなどの大国が主導権を握った従来の軍縮条約と異なり、カナダ、南アフリカなどのNGOが連携してまとめた新しいタイプの多国間条約として注目を浴びた。(了)[2000-09-11-16:06] 232
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 09/12@<パレスチナ>延期は場設定せず、交渉は緊迫したものに(毎日新聞)

 【エルサレム11日海保真人】パレスチナ中央委員会は10日、2年連続の国家独立宣言延期という苦渋の選択を強いられた。しかし、延期幅を設定しなかった昨年と違い、今回は「11月15日」と一定の照準を設定、イスラエルとの交渉次第で一方的独立宣言も辞さないとの姿勢を明確にした。今後の交渉は、かなり緊迫したものになりそうだ。
 中央委は当初の暫定自治期限を控えた昨年4月29日にも独立宣言の延期を決めたが、当時はイスラエル総選挙前であり、交渉の行方を展望できなかった。バラク政権との関係は一応、対話の軌道に戻ったが、エルサレムの帰属など現実的な問題に踏み込むほど対立は深まり、交渉期限は延期を重ねている。
 しかしパレスチナ解放機構(PLO)の代表者である中央委員の間では「いつまでも延期しているわけにはいかない」(ラフマン自治政府内閣官房長官)との怒りが広まり、独立を求める世論も無視できない。このため、かつての「独立宣言」の記念日である11月15日までに再協議を行い、宣言問題に決着をつけるとの落とし所が定まった。
 ザヌーン中央委議長の声明によると、それまでに憲法策定のほか国会・大統領選挙、国連加盟申請などの準備を行うという。具体的な独立宣言時期の策定は、基本的にアラファト自治政府議長を長とするPLO執行委員会にゆだねられ、同議長が対イスラエル交渉で妥協を引き出すためのカードにする作戦とみられる。
 ただ、暗礁に乗り上げているエルサレム帰属問題などを解決するための戦略はまだ定まっていない。また10月下旬に再開されるイスラエル国会では、交渉相手のバラク首相が再び不信任案投票の窮地に立たされることが目に見えている。仲介役の米国は11月に大統領選本番を迎える。
 今後4〜5週間の交渉はタイミング的にも極めて重要だが、明るい展望が開けるかどうか。双方が自らの立場を主張し合うだけの従来の姿勢では、11月にもまた国際社会を巻き込んでの独立宣言騒動を繰り返しかねない。[2000-09-11-13:58] 245
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 09/12@パレスチナ、独立宣言の延期を決定(読売新聞)

 【ガザ(パレスチナ自治区)11日=当間敏雄】パレスチナ自治区ガザで九日から開かれていたパレスチナ中央委員会(PCC)は十日、「パレスチナ最終地位交渉」を巡るイスラエルとの最終合意期限の今月十三日にも独立宣言を強行するとしてきた姿勢を撤回し、十一月十五日までに改めて中央委を開き、独立問題を協議することを決めた。独立宣言を事実上二か月延期するもので、宣言強行による和平プロセス崩壊という最悪の事態は当面回避される見通しになった。
 ザヌーン中央委議長が発表した声明によると、中央委は〈1〉パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会に対し、独立国家に必要な憲法や大統領・国会議員選出のための選挙制度の整備などの準備を進める権限を付与し〈2〉中央委特別会合を十一月十五日までに開き、準備状況を検討し、国連加盟申請など独立へ向けて準備を進める――とした。
 また、アラファト議長は中央委で、米キャンプデービッドで七月に開かれた中東和平三首脳会談や、その後の中東、欧州、アジア諸国歴訪の成果を報告し、「パレスチナの独立に幅広い支持を得た」と強調。その上で、パレスチナ自治区で、イスラエルと四、五週かけて実務交渉を行うことを表明した。パレスチナ側によると、交渉は十一日から開始されるという。
 次の期限となった十一月十五日は、PLO本部がチュニスに置かれていた一九八八年、アラファト議長が領土のないまま象徴的に「パレスチナ独立」を宣言した日にあたる。
 国際社会は独立宣言の強行はイスラエルとの新たな衝突を招き、和平プロセスの崩壊につながるとして自制を強く求めていた。[2000-09-11-11:49] 246
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 09/12@◇パレスチナ中央委、建国準備開始を宣言◇(朝日新聞)

 パレスチナ国家建国の時期について協議していたパレスチナ中央委員会は10日夜、9月13日を期限としていた独立宣言を延期し、かわりに「建国に向けたプロセス」を開始することを宣言する声明を採択して閉会した。今後約2カ月をめどに憲法制定や国連加盟などの建国準備期間にあてるとしている。和平合意なき独立を自制するよう求める国際世論に配慮する一方、「国づくり」に必要となる基盤整備を具体的に進めることを宣言し、建国への意欲を内外に強く示したものだ。
 閉会後に会見したサリム・ザヌーン同委員会議長によると、同委員会は、パレスチナ解放機構(PLO)執行部や最高意思決定機関パレスチナ民族評議会(PNC)などに対し、「建国を具体化するために必要な手続き」を進めるよう要請。同手続きに関する報告書の提出を求める。その上で、1988年に実効支配する領土なしに建国宣言した「独立記念日」にあたる11月15日までに中央委員会を特別に開催し、建国問題について協議するとしている。「建国手続き」には、憲法の制定、大統領や議員の選出方法の制定、国連の正式加盟(現在はオブザーバー)などが含まれる。
 「パレスチナ国家」については、国連安全保障理事会諸決議に基づく占領地からのイスラエルの完全撤退を求めたうえ、東エルサレムを首都とし、イスラム教及びキリスト教の聖地に対する主権を求める従来の立場を改めて確認した。
 アラファト・パレスチナ自治政府議長とバラク・イスラエル首相との首脳会談が7月に決裂して以来、こう着状態にある和平交渉については、包括的和平を実現するための「戦略としての和平」路線を継続する意思を確認。首脳会談再開へのカギを握る今後数週間の交渉について特に仲介役米国の協力を求めた。[2000-09-11-11:39] 270
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 09/12@独立強行は自爆行為 政治宣言よりも中身優先(共同通信)

 【ガザ(パレスチナ自治区)10日共同】パレスチナ中央委員会(PCC)が十日に独立宣言延期を決断したことは、イスラエルとの和平合意の見通しが立たないまま十三日の交渉期限切れを迎える状況下では必然的選択だった。
 独立宣言の強行はアラファト自治政府議長にとり、和平交渉でイスラエルに譲歩を迫る最大の切り札。しかし、その実行はイスラエルとの衝突につながり、和平プロセスを崩壊させる自爆行為を意味する。
 パレスチナの真の独立は、和平合意の上でしか達成できない。現時点で独立しても「領土」はヨルダン川西岸の四割程度しか手にできず、「首都」とする聖地エルサレムの帰属問題も未決着のままとなる。
 PCCは政治的な意味を持つ宣言強行よりも、独立国家の中身を充実することを優先させた。さらに「具体的な独立準備の推進」と延期の理由を明確にして、高まりかねない住民の不満にも配慮した。
 今回の決定は、パレスチナ側が和平合意を望んでいることを国際社会に示すサインともなった。しかし、交渉の行方は見えないままだ。妥協を迫るバラク・イスラエル首相との交渉と、後戻りできない独立問題を抱えながら、アラファト議長の苦難の日々は続く。(了)[2000-09-11-07:38] 271
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 09/12@パレスチナ独立宣言を延期 11月15日まで具体的準備を(共同通信)

 【ガザ(パレスチナ自治区)10日共同】パレスチナ自治区ガザで開かれていたパレスチナ解放機構(PLO)の中央委員会(PCC)は十日、イスラエルとの和平交渉期限である十三日に予定していた独立国家宣言を当面延期し、十一月十五日までに国家樹立に向けた準備を完了させることを決めた。
 ザヌーンPCC議長が閉幕後発表した声明によると、PCCはPLO執行委員会に憲法や選挙制度、経済面など独立に向けた具体的準備を進める権限を付与。十一月十五日までにPCC特別会合を開き準備状況を検討した上で、国連加盟を申請するなど、国家独立へ向けた道筋を初めて明確にした。
 国際社会は独立宣言強行がイスラエルとの新たな衝突を招き、和平プロセスの崩壊につながるとして自治政府のアラファト議長に自制を要請していた。今回の延期決定で危機はいったん回避され、交渉再開への道が開かれた。
 アラファト議長は初日の九日、独立宣言の時期を「委員会の議論にゆだねる」と発言する一方、イスラエルとの実務レベル交渉を継続すると表明。出席者からは「和平合意に努力すべきだ」として延期を求める声が大勢を占めた。
 PLOは一九八八年十一月十五日、領土を持たないままでの独立国家の樹立を宣言していた。(了)[2000-09-11-07:37]
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 09/12@◇首都郊外で戦闘続く 和平合意後のブルンジ◇(朝日新聞)

 先月クリントン米大統領やマンデラ前南アフリカ大統領の立ち会いのもとで和平合意への署名にこぎ着けたブルンジで、なお散発的な戦闘が続いている。周辺の山を拠点に多数派のフツの反政府武装勢力が首都ブジュンブラに攻め込み、11日には市民を含む12人が死亡した。12日にも発砲事件があった。今月20日に予定される停戦協定の話し合いを控え、武装勢力側の示威行為との見方が強い。
 11日朝、ブジュンブラ東部のカニョーシャ地区で3時間以上に及ぶ銃撃戦があった。フツの武装勢力「民主防衛軍」(FDD)が、ツチ主導の政府軍の拠点を攻撃したとされる。政府軍側の説明によると、武装勢力の10人に政府軍の1人、市民1人が死亡した。
 攻撃を受けた政府軍の拠点は、虐殺などでもともとの家を失ったツチの人々が住む地区の中にある。隣にはフツの人々の住む地区があり、武装勢力がこの地区を隠れ家にして攻撃を繰り返すという。政府軍の拠点前の家の壁には約20の弾痕があった。
 取材をしていると、近くの市場から急に人々が逃げ出した。「パパパパパと銃声がした。人がいっぱいで騒がしかったけど、銃声ははっきり聞こえた」と1人の男性は話した。市場に近づこうとすると、政府軍兵士に止められた。
 こうした戦闘について、政府軍のニウィジ広報官は地元ラジオに「停戦協定の話し合いが20日に迫り、武装勢力が示威行為に出ている」と語った。
 ただし、散発的な戦闘をのぞくと、ブジュンブラ中心部は活気を取り戻しつつある。和平合意前に比べると、国外の支援団体などの車両が目立ち、交通が倍増した感がある。米ドルに対してブルンジフランが強気に推移し、全く止まっていた経済活動が動き始めている。[2000-09-12-22:27] 79
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 09/12@国連改革で世論喚起 外務省がパンフレット(共同通信)

 国連改革を推進し、安全保障理事会の常任理事国入りへ道筋をつけたい外務省が「どうする国連改革?」「どうする安保理改革?」と題したパンフレットを作製した。研究機関やマスコミなどに配り、「日本が訴える国連改革に多くの国の理解を得ながら、肝心の国内世論が無関心」(外務省国連政策課)という状況を打破し、足元を固めるのに役立てたいとしている。
 総理府の昨年の世論調査では、日本の常任理事国入りを支持するとした回答は六七%だったが、外務省は「常任理事国入りの意味を本当に分かっているのか」(幹部)と不安を隠さない。国内の無関心が「最大の敵」というわけだ。
 パンフレットは、日本が常任理事国入りした場合、「より大きな財政負担を強いられるのか」「国連の軍事活動に参加するのか」など予想される疑問に対し、「直ちに財政負担が過大になるわけではない」「軍事活動に参加する法的義務は生じない」と説明する。
 しかし、外務省筋は「常任理事国ともなれば、世界の紛争地域での平和維持活動(PKO)から日本だけが逃れるのは難しくなる」として、国会などで憲法や日本の安保政策の在り方を議論しておく必要があると指摘。パンフレットがその議論の「一石」となることも期待している。(了)[2000-09-12-16:57] 119
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 09/12@「民族浄化」の過去認める 米当局者が公式謝罪(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】米内務省の先住民(インディアン)保護局の創立百七十五周年式典で、ケビン・ゴーバー内務次官補(先住民問題担当)はこのほど、「この部局は民族浄化に関与してきた」などの極めて厳しい表現を使い、初めて公式に各先住民族の代表らの前で謝罪した。
 しかしニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど有力紙、主要テレビ局は、発言内容を伝えるだけの小さな扱いで、自らの暗い歴史を見直すことにはちゅうちょする米国内の大勢をうかがわせている。
 ゴーバー次官補は「未来を見る前に、過去を振り返らねばならない」と前置きし、同局が創設当初から、米政府の前に立ちふさがる先住民を排除するための「道具」として、強制移住や文化破壊などを実行したと率直に認めた。
 さらに、現在も先住民居留地を害している貧困、無知、病気は「この役所が生み出した産物だ」と述べた上で、「私たちには物事を正す道義的責任がある」と強調し、各民族の理解を求めた。
 ゴーバー次官補はオクラホマ州の先住民族ポウニーの一員で四十五歳。貧困の中からプリンストン大学を卒業、弁護士を経て一九九七年に内務次官補に任命された。(了)[2000-09-12-08:41] 121
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 09/12@◇国連加盟申請へ パレスチナ自治政府の国際協力相が表明◇(朝日新聞)

 パレスチナ自治政府のナビル・シャース国際協力相は11日、ガザで朝日新聞記者と会見し、「国連への正式加盟手続きを数週間以内に進めたい」と述べ、建国準備を求めたパレスチナ中央委員会の決定に従い、和平交渉の進展にかかわらず、国連に正式加盟を求めていく考えを示した。パレスチナ解放機構(PLO)は1988年に実効支配する領土を持たずにパレスチナの建国を宣言しており、現在は国連のオブザーバー資格を持っている。
 自治政府の「外相格」にあたる同協力相は、加盟申請について、「米国が拒否権を行使する可能性は承知しているが、我々は新たな状況を作り出したい」と述べ、国際世論が好意的に対応することに期待する考えを示した。
 同協力相は、中央委員会が10日に決めた独立延期について、「和平を進めるため以外の理由はない」と述べ、あくまでも和平合意に基づく独立を目指す考えを強調。次の目標として定めた11月15日についても、「期限ではなく、それ以降に独立を判断する」と述べた。
 こう着状態に陥っている和平交渉については、バラク首相の国内基盤やクリントン大統領の任期などから、「時間は極めて限られている」との認識を示した。最大の難関となっている聖地問題については、「いずれ聖地問題を扱う以上、この問題を抜きに暫定合意するのは無意味だ」と述べ、先送りや棚上げではなく、あくまでも聖地問題を含んだ枠組み合意を目指す考えを示した。[2000-09-12-08:26] 123
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 09/12@過去最大級のPKOへ シエラレオネに2万人(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】国連安全保障理事会は十一日、西アフリカのシエラレオネに展開する国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の定員を一万三千人から最大二万五百人に拡大することで合意した。
 増員を盛り込んだ決議案は十五日にも採択される見通しで、UNAMSILはカンボジアなどでの国連平和維持活動(PKO)と並ぶ最大級の規模となる。
 大幅増員は今年五月に起きた反政府勢力、革命統一戦線(RUF)による国連要員大量拘束事件を受けた措置。アナン国連事務総長は八月二十五日、二万人規模への拡大を安保理に勧告していた。
 決議案はRUFの暴力行為を強く非難し、シエラレオネ政府、国際社会との協調をRUFに要求。要員や民間人の安全確保のため「UNAMSILは必要な措置を取る」と表明、大量拘束事件の再発阻止に強い決意を示している。(了)[2000-09-12-08:23] 126
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 09/12@ユーゴ選挙でコソボ増派 NATO軍事委員会(共同通信)

 【ローマ11日共同】ギリシャからの報道によると、北大西洋条約機構(NATO)は十一日、アテネで開かれた軍事委員会で、ユーゴスラビア大統領選挙の間、コソボ自治州に四大隊を増派することを決めたと発表した。
 発表によると、コソボに駐留している三万六千人の部隊だけでは対処できない不測の事態に備えフランス、イタリア、ギリシャ、英国の各大隊(各最大五百人)を新たに派遣する。(了)[2000-09-12-08:18] 145
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 09/12@<中東和平>イスラム教最高権威者、サブリ師=インタビュー(毎日新聞)

 パレスチナ交渉の核心となっている旧市街のイスラムの聖地ハラム・アッシャリーフ(神殿の丘)帰属問題について、エルサレムのイスラム教最高権威者、エクリマ・サイド・サブリ師(55)に聞いた。
 ――ハラム・アッシャリーフをめぐる交渉は。
 ◆議題にすること自体、許されるものでない。アル・アクサ・モスク(イスラム礼拝堂)を含む一帯は、イスラム教徒のためだけにあり、協議は不可能だ。イスラエルは和平を求めておらず、合意したくないから意図的に交渉テーブル上に置き、決裂の原因をパレスチナ側に押しつけている。私はここでのユダヤ人の権利や統治を一切認めない。
 ――イスラエルは一帯の地下にユダヤ神殿跡があると主張していますが。
 ◆歴史的、科学的根拠がない。かつてはユダヤ人のうち少数派が神殿の存在を主張していたが、現在は左派を含む政治家までもが、この考えを持っている。
 ――米国提案などでは主権の分割、共有、さらには先送り案も出ているようですが。
 ◆すべての提案はイスラエルによる東エルサレム占領を強固にさせることを目的にしている。米国とイスラエルは提携している。他の問題は妥協できるが、アル・アクサ・モスクについては不可能だ。世界のどこにも二つの宗教が共有する聖地などない。この地は神によって授けられた。すべての提案は拒絶されており、実現しないだろう。
 ――パレスチナが主権を得れば、人々の暮らしはよくなりますか。
 ◆もちろん。パレスチナ新国家は旧市街のパレスチナ人の生活水準を高め、老朽化した施設、建物の再建を行い、(異教徒を含む)すべての市民を守るだろう。我々は占領に反対しているのであって、他の宗教に反対しているのではない。イスラムはあらゆる宗教と民族を認めている。
 ――独立宣言延期などの政治状況について。
 ◆宣言の時期は私にとって重要でない。重要なのは我々の権利を実質的に手に入れることだ。最低限、国際的な決議に則った解決、イスラエルによる占領の終結を求めている。 【旧市街で海保真人】[2000-09-12-00:00]
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 09/13@◇ユーゴスラビア選挙で武力介入説 再び不穏な情勢◇(朝日新聞)

 24日に迫ったユーゴスラビア大統領選で、連邦を構成するモンテネグロがもう1つの「焦点」となっている。世論調査によるとミロシェビッチ大統領の支持率は野党候補の半分ほどと、不利な状況がはっきりしてきた。この傾向が強まれば、連邦政府が投票前後にモンテネグロへ武力介入し、非常事態を理由に選挙を無効にする可能性があるためだ。米国はアドリア海に待機する海兵隊に警戒態勢を敷いた。バルカン半島情勢は再び不穏になってきた。
 クリントン米大統領は、国連ミレニアム・サミット開催中の7日、ロシアのプーチン大統領とモンテネグロ情勢について話し合った。2人は「深く憂慮していた」(タルボット米国務副長官)という。選挙当日にはクロアチアと合同の軍事演習を計画しており、「ミロシェビッチ大統領への強い警告」を発する。
 ユーゴの連邦政府による武力介入説は、混乱状態を「自作自演」することで選挙そのものを無効にするとの筋書きだ。それが現実味を帯びているのは、野党コシュトニツァ候補の予想以上の健闘が背景にある。
 2日発表された「社会科学研究所」の世論調査によると同候補の支持率は52%。これまでより10―17ポイント伸ばしている。現大統領は31%にとどまった。別の機関の調べでも43%対21%の大差だ。
 モンテネグロは1998年に今の政権が誕生して以来、親欧米の独自路線を歩んでいる。流通通貨はドイツマルク。連邦としての機能で残っているのは駐留する連邦軍ぐらいだ。
 連邦政府が今年7月に憲法を改定してミロシェビッチ大統領の再選に道を開いた際には、議会が「無効」とする決議を採択した。今回の大統領選も「違法」としてボイコットを決めた。連邦にとっては、介入の口実はいくらでもある。
 モンテネグロは正式に独立するかどうかの是非を問う国民投票の実施についての決断も迫られている。朝日新聞記者とこのほど会見したモンテネグロのブコビッチ大統領補佐官は「たとえ年内に国民投票を実施しても驚きではない」と、投票実施に傾いていることを示唆した。
 さらに「ミロシェビッチ大統領は必要な時にいつでも戦争を始められる。国民投票の時期は関係ない」と、不測の事態はいつでも起こり得るとの見方を語った。ブラトビッチ連邦首相は今月に入り、「もし独立を決めたら内戦となるだろう」と警告している。
 連邦政府は欧州安保協力機構(OSCE)による選挙監視を拒否しており、大がかりな不正選挙の恐れもある。モンテネグロ介入説とは別に、「ミロシェビッチ当選」は織り込み済みとの観測が支配的だ。[2000-09-13-02:59] 4
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 09/13@世界の「貧困層」は12億人…世銀報告書(読売新聞)

 【ワシントン12日=天野真志】世界人口の約二割を占める十二億人が一日当たり平均一ドル以下の生活費で暮らす「貧困層」になっていることが、世界銀行が十二日に発表した「二〇〇〇年版・世界開発年次報告書」で明らかになった。世銀が世界の貧困層の実態調査をまとめたのは、一九九〇年版の報告書以来だ。
 報告書によると、貧困層の人口は、世銀の前回調査(九〇年版)に比べて約一千六百万人増えて十一億九千八百万人に上り、この十年間で貧困層の削減が進まず、むしろ微増している状況を示した。
 地域別の構成比でみると、インドやパキスタンなどの南西アジア地域が43・5%、サハラ砂漠以南の南アフリカ地域が24・3%、東アジア・太平洋地域が23・2%と、三地域だけで世界の貧困層人口の約九割を占め、貧困が特定地域に集中していることが分かった。
 ただ、前回の報告に比べ、南アフリカ地域で33・9%、ラテン・アメリカ地域で22・8%、貧困層人口がそれぞれ増加したのに対し、東アジア・太平洋地域は過去十年間に経済成長が著しかったため、前回報告より33・3%も貧困層が減少した。
 報告の中で世銀は、途上国と先進国で取り組むべき貧困対策として、〈1〉熱帯病のワクチン開発やエイズ研究の促進〈2〉国際金融市場の安定〈3〉デジタル・ディバイド(情報格差)の解消――などを挙げた。[2000-09-13-03:03] 8
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 09/13@NATO演習で緊張高まる 大統領選控えるユーゴ(共同通信)

 【ベオグラード13日共同】ミロシェビッチ政権への審判が下る二十四日のユーゴスラビア連邦大統領選を控え、ユーゴ軍と北大西洋条約機構(NATO)軍が相互にけん制する軍事演習を実施、緊張が高まっている。
 野党のコシュトニツァ候補の優勢が伝えられる中、選挙ボイコットを宣言した同連邦モンテネグロ共和国や、少数派セルビア人が投票実施を表明した国連管理下のコソボ自治州で、選挙戦が過熱すれば小競り合いも懸念される。NATO側はユーゴ軍が混乱の発生を介入の口実にすることを恐れている。
 ユーゴ軍のパブコビッチ参謀長は「コソボへの帰還準備を整えた部隊約千人がいつでも任務に就ける。目的はセルビア人を保護することだ」と宣言。また「選挙を前に外圧が高まっている。モンテネグロは常にアドリア海からの脅威にさらされている」とNATOの演習計画を批判した。
 ユーゴ軍は今月初めセルビア南部で「帰還2000」と名付けた演習を開始、年内のコソボ帰還の意図を示した。演習は投票日を挟み五週間続く見通しだ。
 一方のNATOは十一日、コソボに最大で二千人の追加配備を発表し、「選挙だけでなくどのような事態にも対応できるようにするためだ」とユーゴ軍をけん制した。二十七日までの予定でドナウ川対岸のルーマニアで大規模な軍事演習を展開しているほか、九日には十月四日までの予定でギリシャでも演習を始めた。
 さらにアドリア海では投票日を挟んでクロアチア軍と合同演習を行う予定。米海兵隊が参加した「上陸訓練」も計画しており、独立志向を強めるモンテネグロでの混乱を想定した動きとみられる。(了)[2000-09-13-16:39] 10
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 09/13@国連代表権の見直しも ユーゴスラビア大統領選で(共同通信)

 【ワシントン12日共同】米国務省高官は十二日、今月二十四日に実施されるユーゴスラビア大統領選で、ミロシェビッチ大統領が不正行為と暴力によって勝利した場合、米政府がユーゴの国連代表権の見直しを求める可能性を明らかにした。
 同高官は「ミロシェビッチ(大統領)が不正行為と暴力によって政権の座に居座れば、国際社会は彼が国連に代表として存在することが不適当と判断するだろう」と述べた。
 また同高官は、ミロシェビッチ大統領が既に非政府系報道機関に圧力をかけ、反政府勢力に対する脅迫行為を始めていると指摘。大統領選の開票時には、不正を行う兆候もあるとの見方を示した。(了)[2000-09-13-11:41] 11
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 09/13@野党のパンフ配布を禁止 ユーゴ(共同通信)

 【ベオグラード12日共同】ユーゴスラビア独立系ベタ通信によると、ユーゴ連邦選挙管理委員会は十二日、非政府系の新聞や雑誌に対し、二十四日の連邦大統領選などに関する野党の宣伝広告の配布を取りやめるよう命じた。
 選管は声明で「新聞に政党のパンフレットなどを折り込むのは、特定の政治グループや大統領候補をひいきすることになり認められない」としている。(了)[2000-09-13-08:08] 189
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 09/13@<オーストリア>外交制裁の解除 EU内の不協和音に終止符(毎日新聞)

 【ブリュッセル13日森忠彦】欧州連合(EU)の14カ国が12日、オーストリアへの外交制裁の解除を決めたことで、2月初めから続いていたEU内の不協和音に一応の終止符が打たれたことになった。しかし、今回の異例事態は、拡大政策を掲げるEUが本質的に持つ課題を浮き彫りにした。
 中でも賢人委が報告書の中で制裁解除の理由付けとして「欧州の共通価値観」を指摘したことの意味は大きい。東方への拡大政策を進めるEUは今後、様々な価値観を持つ東欧諸国を仲間に入れることになる。その際の統合の基盤として西欧型の「共通価値観」が不可欠の条件となることにつながるからだ。
 EUは2003年以降に開始する拡大に備え、12候補国と交渉を続けているが、大半が旧共産圏である。これらの国は経済や社会基盤などに加え、西欧型の「共通価値観」という新たな意識改革のハードルをクリアしなければならない。
 「共通価値観」とは、民主主義に基づく人権尊重であり、民族や宗教の違いを超えた融和の思想と呼べるものだ。その点、12日に発表された共同声明がオーストリア自由党に対する「警戒」を解いていないのは、同党の思想が今なお「価値観にそぐわない」と見ているためだ。同党の主張に刺激され、欧州各地で活発化しているネオ・ナチに代表される民族主義思想は許されなくなる。
 賢人委が「共通価値観」を監視するメカニズムの必要性を指摘したのは、今後も今回のような「排他思想」がはびこる可能性があると懸念しているためだ。EUは賢人委の指摘に従い、新たな監視メカニズムに向けた討議を始める。問題は自らを監視する体制作りにどこまで本気で取り組めるか、ということだ。[2000-09-13-23:25] 196
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 09/13@当初期限の13日、パレスチナ自治区に混乱なし(読売新聞)

 【エルサレム13日=当間敏雄】パレスチナ最終地位交渉は、パレスチナ中央委員会が十一月十五日を新たな期限としたため、当初の期限だった十三日は、混乱もなく静かな一日となった。
 アラファト自治政府議長は十三日、「中央委は十一月十五日までに合意を達成する新たなチャンスをもたらした」と強調した。しかしイスラエルのバラク政権は内政へと軸足を移しており、新たな期限までに解決する見通しは立っていない。
 パレスチナ自治政府の自治権は現在、ガザのほぼ全域とヨルダン川西岸の約40%に及んでいるが、戦略的要衝はイスラエル軍が握ったまま。自治政府が独立を強行しても、イスラエル占領地に浮かぶ群島のような状態になる。
 イスラエルへの経済的依存も独立への障害となっている。十二万人に及ぶイスラエルへの「出稼ぎ者」の年間収入約十億ドルが自治区経済を潤し、自治区の「貿易額」の約八割がイスラエルとのもの。電気、水道もイスラエルに頼っている。十三日付のイスラエル紙ハアレツは、こうした依存関係が自治政府に宣言強行を思いとどまらせたと分析した。
 中央委は十日、憲法や選挙制度、経済面など、独立に向けた具体的準備を進めるとし、政治的な意味を持つ独立宣言よりも国家の中身を優先させる方向性を示した。アラファト議長は「我々はすでに国家を持っている」と強調、宣言に拘泥しない姿勢も見せている。隣国ヨルダン、エジプトとの「国境確定」交渉や国連加盟手続きも進めるとしており、漸進的な国家独立も視野に入れ始めた。
 一方、少数政権に転落したバラク首相は、連立立て直しのため宗教政党を除く各党と接触を開始、内政重視の姿勢に転換した。首相は「和平達成の可能性は50%以下」とし、失敗すれば、タカ派野党リクードに連立参加を呼びかけるとしている。国会再開は十月末。ユダヤ暦の新年が九月末に始まり、「過ぎ越し祭」など宗教的休日も続く。残された時間はわずかしかない。[2000-09-13-22:58] 307
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 09/13@キプロス交渉が国連で再開(共同通信)

 【ニューヨーク12日共同】分断状態が続くキプロス問題の解決を目指す国連仲介の交渉が十二日、ニューヨークの国連本部で再開された。同日はアナン国連事務総長がキプロス共和国のクレリデス大統領とトルコ系の北キプロス・トルコ共和国のデンクタシュ大統領と個別会談。事務総長は「統一されたキプロスの平和、安全、繁栄に向け(交渉を)前進させる時が来たと信じている」との声明を発表した。
 和平交渉は七月以来。十三日以降はデソト国連事務総長特別代表が両者と個別に協議する。
 同問題では両国の隔たりが大きいため直接交渉ではなく、国連が両当事者との個別交渉を繰り返す間接交渉の形を取っている。(了)[2000-09-13-08:07]
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 09/14@<ユーゴ大統領選>ミロシェビッチ派が野党候補の一団を襲撃(毎日新聞)

 【ウィーン14日福井聡】24日投票のユーゴスラビア連邦大統領選挙を前に、コソボ自治州を遊説のため訪れた野党のコシュトゥニツァ候補の一団に14日、ミロシェビッチ大統領支持派が襲いかかった。同候補が打撲傷を負ったうえ、車が破壊されるなどの被害が出た。
 コソボ北部ミトロビツァからの報道によると、同日午後(日本時間同夜)、ミトロビツァ北側セルビア人地域中心部の広場にコシュトゥニツァ候補らを乗せた車が到着、待ち受けたミロシェビッチ支持派が車を制止し、ミロシェビッチ大統領支持のスローガンを叫びながら同候補や野党指導者らを一斉に襲撃した。同候補はものを投げつけられ、打撲傷を負った。
 コソボ自治州は昨年の北大西洋条約機構(NATO)による空爆後の停戦協定で国連統治下にあるが、法的にはユーゴ連邦下にある。ユーゴ政府は今回選挙をコソボで実施するとして国連もこれを認めた。コシュトゥニツァ候補ら野党指導者はこの日初めてコソボ遊説に入り、同広場で演説する予定だった。[2000-09-14-22:40] 2
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 09/14@親欧米の政府与党は排除 モンテネグロの選挙監視(共同通信)

 【ポドゴリツァ14日共同】二十四日のユーゴスラビア連邦大統領・議会選を控え、連邦を構成するモンテネグロ共和国のネーベン・ゴショビッチ選挙管理委員長は十三日、ポドゴリツァで共同通信と会見し、親欧米で連邦離脱志向を強めるモンテネグロ連立与党代表による選挙監視を認めないと語った。
 ゴショビッチ氏は八月に選管委員長に就任するまでユーゴ法務省高官で、与党排除の方針は連邦政府の意向を受けたものとみられる。
 モンテネグロでは、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領を支持するセルビア系野党が大半の監視活動に当たることになる。有力な反大統領派の監視も見込まれるセルビアに比べ選挙の透明度が低くなることで、欧米諸国などから批判が出そうだ。
 ゴショビッチ委員長は、選挙への参加拒否を決めたモンテネグロ政府与党に対し、「監視作業に参加する立場にはない」と言明。親セルビアの野党陣営を中心に、国内六百七十七カ所の投票所の管理・運営に当たると述べた。
 政府与党側は、劣勢とされるミロシェビッチ大統領派による票の不正操作を防ぐため、投票結果の通報など監視作業への参加を求め、野党側と交渉していた。
 投票所は野党支持者の民家などセルビア系施設に設けられる予定。委員長は「不正が行われる余地はない」と強調したが、政府高官の一人は「明らかに票の操作を意図した措置」と反発した。(了)[2000-09-14-16:11] 3
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 09/14@◎ユーゴ軍、「政治的中立」放棄=ミロシェビッチ大統領支持(時事通信)

 【ベオグラード14日時事】ユーゴスラビア国営タンユグ通信が13日伝えたところよると、ユーゴ連邦軍スポークスマンは、今月24日の連邦大統領選挙(連邦議会、セルビア共和国地方選と同時実施)に向け、再選を狙うミロシェビッチ大統領に投票するよう将兵に呼び掛ける異例の声明を発表した。
 連邦軍は、実質的にミロシェビッチ大統領の掌握下にあるものの、「政治的中立」の原則は建前として捨てていなかった。しかし、軍の声明はミロシェビッチ大統領支持の立場を公然と示したもので、故チトー大統領以来の中立原則を放棄したことを意味している。同声明は「軍将兵は(国防体制の)向上に貢献する候補に投票するものと考える」と述べ、こうした軍の立場は政権与党によって支持されたと指摘した。 [時事通信社][2000-09-14-14:15] 6
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 09/14@◎日米欧に緊急支援を要請=紛争多発で資金不足に−国際赤十(時事通信)

 【ジュネーブ13日時事】赤十字国際委員会(ICRC)は13日、世界各地で武力紛争が多発していることから、今後大幅な資金不足が予想されるとし、日米欧などに対し緊急支援を訴える声明を発表した。
 ICRCはロシア南部のチェチェン共和国やウガンダなど約20カ国で、市民の保護や負傷者救援活動を展開。このうち、紛争が長期化しているアフガニスタンやルワンダ、旧ユーゴスラビアでの資金不足が深刻化しているという。 [時事通信社][2000-09-14-06:34] 7
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 09/14@ミロシェビッチ氏、大統領選で初の地方遊説(読売新聞)

 【ベオグラード13日=佐々木良寿】二十四日に迫ったユーゴスラビア連邦大統領選で、再選を狙うミロシェビッチ大統領陣営がキャンペーンを本格化、十二日には、同大統領が選挙実施の発表後初めての地方遊説を行った。大統領側の戦術は、国民に「北大西洋条約機構(NATO)かセルビアか」の二者択一を迫るものだ。一方で大統領側は、野党候補のコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首の優勢に危機感を深めており、投票が近づくとともに野党陣営への締め付けをいっそう強めるものと見られる。
 ミロシェビッチ大統領が訪れたのは、セルビア東部の対ルーマニア国境に近いジェルダプ水力発電所。新たなタービンの始動ボタンを押して新規稼働を祝した後、支持者を前に演説。「発電所稼働は、暴力と不正への回答であり、これほど短時間に予定通り完成するとは奇跡に近い」「植民地主義者の悪意にもかかわらず、われわれの遺産を守ろうとする英雄的で創造的な国民の存在を示した」などと述べ、西側の経済制裁などユーゴ孤立化政策に抵抗して復興を続ける政権の底力を強調した。
 独立系メディアなどは支持者約一万人がバスで動員されたと報じたが、国営タンユグ通信は支持者の数を十万人と伝えた。
 反政府勢力を「NATOの手先」とする戦術は昨年のNATOによる空爆以来、一貫したものだ。有力対抗馬のコシュトゥニツァ候補は、米欧とは一線を画しているが、大統領側は国営テレビや新聞、通信社を総動員して、同候補を「NATOの手先」として、国民の反NATO感情に訴えかけている。
 今回の選挙は、全欧安保協力機構(OSCE)など国際的な選挙監視団に認められておらず、大統領が第一回投票で勝利宣言するとの見方が支配的だが、同陣営の危機感は強いといわれている。当局はすでに、野党連合を支持する学生組織「オトゥポール(抵抗)」の本部を捜索したり活動家の逮捕を繰り返すなど、締め付けを強めている。
 その一方で、大統領への支持の強さを誇示する狙いから、立候補届け出に際して、百六十万人の署名を集めたと発表。さらに、これまで一週間に一回程度だった砂糖や食用油の放出を毎日実施し、民心を買う常とう手段にも出ている。
 さきごろ選管が発表した有権者数は約七百八十六万人。これには、コソボ自治州の百五十万人も含まれており、野党側は、コソボが政権側の不正操作の温床とされることに懸念を表明している。
 最新の世論調査では、野党十八党による民主野党連合のコシュトゥニツァ候補が45・1%でトップ。ミロシェビッチ氏は38・3%で、決選投票の場合は、それぞれ56・6%、43・4%で、コシュトゥニツァ候補の勝利を予測している。独自候補を擁立している連立与党の急進党も、決選投票の場合には大統領を支持しないとの方針を示唆しており、大統領陣営が、第一回投票での勝利に躍起となる一因ともなっている。[2000-09-14-00:39] 39
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 09/14@<ミャンマー>軍政、スーチーさんらの自宅軟禁措置を解除 (毎日新聞)

 【バンコク14日小松健一】ミャンマー軍事政権は14日、声明を発表し「野党・国民民主連盟(NLD)幹部は、通常の活動を行うことができる」と述べ、民主化運動指導者、アウンサンスーチーさん(55)らNLD幹部計9人に対する事実上の自宅軟禁措置を解除したことを明らかにした。同日、外交官のスーチーさんとの面会が認められ、NLD幹部らの自宅の電話線も復旧したという。また、ヤンゴン市内のNLD本部の封鎖も解除された。
 スーチーさんらは今月2日、車内ろう城をしていたヤンゴン郊外から強制的に自宅に連れ戻されて以降、当局がテロ活動計画の捜査を理由に、外部との接触を禁じられていた。
 軍政当局者によると、14日午前、国家平和発展評議会(軍政)のキンニュン第1書記がNLDのアウンシュエ議長と会談し、解除を伝えた。キンニュン第1書記は会談後、「自宅にとどまってほしいという政府の要請に協力してくれたNLD幹部に感謝する。不便を強いて申し訳ない」とのコメントを発表。さらに「民主主義に移行するために国の平和と安定が必要だという政府の方針にNLDが理解を示してくれた」と述べた。
 これまでNLDを非難していたキンニュン第1書記が一転して穏健なコメントを発表した背景として、消息筋は(1)国連のアナン事務総長が軍政への書簡で、国連の支援引き揚げをほのめかした(2)人道支援拡大を検討するなど欧州連合(EU)の柔軟な対ミャンマー政策が強硬路線に転じる可能性が出てきた――など、経済がさらに悪化することを懸念する声が軍政内に広がったと指摘する。
 スーチーさんの動静は今のところ不明だが、NLD関係者は「自宅軟禁解除後、NLDのティンウ副議長がスーチーさんの自宅を訪問し、今後の活動方針を話し合っている」と話した。[2000-09-14-21:35] 83
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 09/14@◇イタリア外相、日本の常任理事国入りを支持◇(朝日新聞)

 イタリアのディーニ外相は13日、国連内で記者会見し、国連安全保障理事会の改革問題に関して「日本が安保理常任理事国になるのは理解できる」と述べた。
 国連総会に参加しているディーニ外相は安保理改革について「改革の基本は今日の状況を踏まえた『代表制』と安保理が機能するうえでの『民主制』がその基本となるべきだ」との姿勢を示した。
 そのうえで「日本は大国であり、常任理事国になるのは理解できる。だからといって、日本は常任理事国入りを待っているだけでなく、積極的な改革案を示すべきだ」と述べた。現在常任5、非常任10カ国で構成する安保理の拡大について、ディーニ外相は「常任、非常任合わせて24カ国から25カ国にすることが望ましい」と述べた。[2000-09-14-19:23]
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 09/15@◎ユーゴ大統領夫人のコソボ遊説を禁止=平和履行部隊(時事通信)

 【ベオグラード15日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留している北大西洋条約機構(NATO)軍主導の平和履行部隊(KFOR)は15日、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領の妻で連立与党・ユーゴ左翼連合を率いるミリヤナ・マルコビッチ夫人のコソボでの遊説を禁止したと発表した。
 マルコビッチ夫人は今月24日のユーゴ大統領選・連邦議会選に備え、同州で集会を開く予定だったが、KFORは「事前の申請が届いていない」ことを理由に夫人の訪問を禁止した。KFORはまた、同夫人を「好ましくない人物(ペルソナノングラータ)」と宣言した。 [時事通信社][2000-09-15-22:08] 34
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 09/15@ボスニアには温かい拍手 開会式(共同通信)

 民族対立で内戦状態にあったボスニア・ヘルツェゴビナからは、当時敵対していたイスラム勢力、セルビア人、クロアチア人の三勢力が初めて一つになった選手団が参加した。
 合同行進する韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、個人参加の形で出場が認められた東ティモールとともに今回、話題の選手団。長身の陸上男子走り高跳び選手のクレミッチが旗手を務め、灰色のスーツに身を包んだ約二十人が行進すると、温かい拍手が送られた。(共同)(了)[2000-09-15-19:41] 42
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 09/15@米、グアムに巡航ミサイル配備 中国が懸念表明(読売新聞)

 【ワシントン14日=林路郎】中国の曽建徽・全国人民代表大会外事委員会主任は十四日、ワシントンの中国大使館で記者会見し、「米空軍が最近、空中発射型の各種巡航ミサイル六十四基をグアム島に配備した」と述べ、強い警戒感を表明した。
 米軍による巡航ミサイル配備の情報は、米紙ワシントン・タイムズが先月下旬、「北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆の際に使われたのと同型のものが八月、グアムの空軍基地に数十基搬入・配備された」と伝えていた。米国防総省は事実関係を公表していないが、事実なら、精密誘導兵器の米国本土外への固定配備は初めて。
 ミサイル配備の狙いとして米専門家の間では、中台海峡の緊張に備えたものとの見方が強い。曽主任は会見で、「中国全土を含めアジア全体が攻撃範囲に入る。米国は一体何を考えているのか」と語った。曽主任はまた、米国と日本の戦域ミサイル防衛(TMD)網協力について、「緊張緩和の流れに逆行しており、危険だ」などと述べた。[2000-09-15-17:56] 44
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 09/15@独立問う国民投票は不可避 モンテネグロ大統領補佐官(共同通信)

 【ポドゴリツァ15日共同】ユーゴスラビア連邦大統領・議会選を控え、連邦離脱・独立の動きが高まっているモンテネグロ共和国のミオドラグ・ブコビッチ大統領補佐官(内政担当)は十四日、共同通信と会見し「(独立の是非を問う)国民投票以外にわが国の選択はない」と語った。
 しかし「おびただしい血が流れたチェチェンや東ティモールの経験をわれわれが繰り返す必要はない」とも指摘。国民投票に当たっては、連邦維持派も含めた国民各層の十分な合意を得る必要があると強調した。
 同共和国の将来の目標が独立であると明確にする一方、その時機はミロシェビッチ大統領の再選も視野に入れて、慎重に見定める方針を示したといえる。
 大統領選挙ではミロシェビッチ大統領の劣勢が伝えられるが、同補佐官は、セルビアの主要野党が推すコシュトニツァ候補の勝機はあるとしながらも「投票が不正に操作され、結局は野党側は勝てないだろう」との見通しを示した。
 モンテネグロの選挙ボイコットに関しては「(選挙に参加すれば)ミロシェビッチ大統領の再選を可能にした憲法改正や選挙の正当性を自ら認め、国を売ることにつながる」と語った。
 親欧米のモンテネグロにユーゴ連邦が介入する可能性も指摘されているが、同補佐官は「わが国に危機をつくり出すシナリオはあり得る」とし、国内に駐留するユーゴ連邦軍などの動向に警戒感を示した。(了)[2000-09-15-15:05] 47
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 09/15@外出禁止の解除を歓迎 米長官、イラクに査察要求(共同通信)

 【ニューヨーク14日共同】オルブライト米国務長官は十四日、国連本部で記者会見し、ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんに対する外出禁止の解除を歓迎した。同時にイラクに対し、大量破壊兵器に関する国連査察の受け入れを迫った。
 長官はミャンマー軍事政権による外出禁止措置の解除に触れ、「(スー・チーさんは)自宅で訪問者と会い、国民民主連盟(NLD)本部の門も開かれた」と評価。その上で「彼女は国内を自由に動き回れない」と指摘、ミャンマー当局に国際社会が抗議を続けることを期待すると述べた。
 一方、長官はイラクが拒否し続ける国連査察について「(昨年十二月の)国連安全保障理事会決議の履行こそが制裁停止への道だ」と、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の査察団受け入れを求めた。
 アエロフロートのモスクワ―バグダッド間の定期路線の再開には「同意できない」と述べ、ロシアのイワノフ外相に懸念を伝える意向を表明。ユーゴスラビア大統領・議会選挙について、自由で公正な選挙実現のため欧州連合(EU)との協力を強化したいと述べた。(了)[2000-09-15-09:45] 48
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 09/15@人道介入と主権の調整検討 カナダ主導で国際委発足(共同通信)

 【ニューヨーク14日共同】カナダのアクスワージー外相は十四日、国連本部で記者会見し、人道目的の介入とこれを阻む国家主権の概念をどう調整するかを有識者が検討する独立機関「介入と国家主権についての国際委員会」の設立を発表した。
 特定地域での人権侵害に対する国際社会の人道介入をめぐっては、各国の間で主張に大きな隔たりがあり、今後、激しい議論が展開されそうだ。
 委員会はオーストラリアのエバンズ前外相らを共同委員長に、学者や外交官ら計十人で構成。カナダ政府やロックフェラー財団などが運営費約三百万ドルを拠出、今後、国際的な非政府組織(NGO)メンバーも加えたいとしている。
 人道介入については、一九九四年のルワンダ大虐殺や昨年のユーゴスラビア・コソボ自治州でのアルバニア系住民への迫害などの際にその是非をめぐって国際的な論争になった。
 このためアナン国連事務総長が今年四月に発表した「ミレニアム報告書」で介入についてのガイドライン策定を要請、これにカナダが応じた。アクスワージー外相は会見で「(人道問題を理由に)いつ、どのように介入するかは最も難しく、見解が分かれる問題だ」と述べ、今後の議論の展開を見守る姿勢を示した。
 委員会は今後一年をめどに議論を進め、報告書をまとめる予定。(了)[2000-09-15-09:36] 49
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 09/15@◎ユーゴに民主選挙呼び掛け=米ロなど連絡グループ外相が声(時事通信)

 【ニューヨーク14日時事】旧ユーゴスラビア問題連絡グループ(米ロ英仏独伊)は14日、ニューヨークで外相会合を開き、24日のユーゴ連邦大統領選挙・議会選挙を前に、民主選挙を呼び掛ける声明を発表した。
 声明は「ユーゴが国際社会に復帰し、地域全体の安定に貢献するためにふさわしい役割を果たすことができるよう、民主的なユーゴを期待している」と強調。ユーゴ政府に対して、「暴力のエスカレートにつながる行動」の自制を訴えるとともに、野党にも、同国の平和的な民主的発展に引き続き貢献するよう求めた。 [時事通信社][2000-09-15-09:31] 219
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 09/15@<五輪・南北朝鮮>白地に青の「統一旗」かかげ同時行進(毎日新聞)

 「韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、コリアとして入場行進します」。アナウンスが流れると、地鳴りのような拍手と歓声がスタジアムを揺るがした。
 2人の旗手が持つ統一旗、白地に青い朝鮮半島を描いた「統一旗」が、大きく、そして何度も振られる。韓国の女子バスケット選手、鄭銀順(チョンウンスン)さん(29)と、北朝鮮の柔道監督、パク・チョンチョルさん(39)だ。続く約180人の両国選手、役員団は、濃紺のブレザーとベージュのズボン、スカートというそろいのユニホーム姿。空にかかげた手をつないで歩む、両国選手の姿がまぶしい。
 国際マーチングバンドが演奏する、両国民ならだれでも知る「アリラン」のメロディーが流れる。<晴れた夜空に 星がこぼれて あふれる涙に くもる胸…>と、歌詞には故郷に寄せる思いが込められている。
 史上初の大役を果たしたパク監督は、感激した面持ちで語った。「スポーツ交流を通じた南北の和解ムードが、国家統一につながってほしい」[2000-09-15-23:35] 229
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 09/15@デクラーク元大統領会見「人種融和崩壊の危機」(読売新聞)

 【ケープタウン(南アフリカ)15日=森太】南アフリカ共和国をアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃へ導いたフレデリク・デクラーク元大統領(64)は十四日、読売新聞と会見し、「(九四年の)新政権発足時の『人種融和の精神』が崩壊の危機に直面している」と懸念を表明した。
 デクラーク氏はその理由を「アフリカ民族会議(ANC)政権が非白人雇用優遇策をあまりに性急に、過剰に適用するため、白人の間に不公平感が広がっているからだ」とし、アパルトヘイト時代に教育や雇用の機会を奪われた黒人への優遇策が「新たな差別を生み出している」と主張した。
 南ア政府の統計によると、九四年以降、毎年約一万人が国外に移住している。その大半は、将来を悲観した有能な白人やインド人らで、この影響で行政サービスに支障が出ているところもある。
 デクラーク氏は、人種融和を理念に発足した黒人政権を「経済分野では比較的うまくやっている」と評価しながらも、今後は人種間の不平等感を解消するためにも「人種の利益を代表する政党ではなく、人種の違いを超え、政策やビジョンを共有する人々の組織する政党が国を引っ張っていくべきだ」と話した。
 八九年九月に大統領に就任したデクラーク氏は、二十七年間獄中にあったマンデラ前大統領を釈放し、アパルトヘイト制度を全廃した。九三年にはマンデラ氏とともにノーベル平和賞を受賞。マンデラ政権で副大統領を務めるなどしたが、九七年に政界から引退した。[2000-09-15-22:16] 231
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 09/15@ジュネーブ軍縮会議、今年も進展なく会期終了へ(読売新聞)

 【ジュネーブ15日=大内佐紀】五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書などを受け、軍縮推進の責務を負うジュネーブ軍縮会議は昨年に続き、今年も審議開始の前提となる「作業計画」さえ採択できないまま、二十二日に今年の会期を終了する。軍縮会議の審議は丸二年間も進展していない。来年以降の交渉も「めどが立たない」(ドイツ軍縮大使)状況だ。
 ニューヨークでのNPT再検討会議で、〈1〉兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の即時開始と五年以内の妥結〈2〉核保有国による核廃絶の明確な約束――などを盛り込んだ最終文書が採択されたのを受け、軍縮会議は五月末から再開したが、現実には毎週の本会議で「以前からの論議が、壊れたテープレコーダーのように繰り返されただけ」(交渉筋)だった。
 第一会期(今年一〜三月)では、カットオフ交渉開始の条件として、米国が推進する全米ミサイル防衛(NMD)計画をけん制する目的で宇宙軍拡防止問題に関する協議を始めるべきだと主張する中国と、拒否する米国が対立、一切の進展がなかった。
 再検討会議での最終文書採択により、軍縮会議での雰囲気改善も期待された。しかし、カットオフ問題ではロシアが中国の主張を支持。米中対立が、米国対中露の対立構図に複雑化した。また、「英国以外の核保有国は、再検討会議の文書に核廃絶の文言を入れたことを後悔し、内容を後退させようとする動きを見せた」(パトリシア・ルイス国連軍縮研究所長)ともいえる。[2000-09-15-22:14] 33
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 09/15@<五輪・サマランチ会長>開会式で国際平和への貢献をスピー(毎日新聞)

 シドニーで会長在任中最後の五輪を迎える国際オリンピック委員会(IOC)のサマランチ会長は、その開会式のスピーチで誇らしげに国際平和への貢献をアピールした。
 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の同時入場行進、独立をめざす東ティモール選手の参加、ボスニア・ヘルツェゴビナの独立後初の3民族合同選手団結成――。会長として最後の五輪で、平和メッセージの発信に成功した。
 会長に就任した1980年のモスクワ五輪は西側諸国のボイコットに見舞われ、次の84年ロサンゼルス五輪では、東側が報復的行動に出た。五輪への政治介入という深刻な事態に、会長はスポンサーマネーを導入して経済力をつけることで自立を試みた。プロ参加の促進で、五輪の商業的価値を高めてもきた。
 しかし、その一方でこの20年間に、五輪に大きなゆがみが進行したのも確かだ。昨年、世界中を騒がせた五輪招致スキャンダルで、カネや利権に群がるようになったIOC委員の実態が明らかになった。五輪運営は、巨額の資金をつぎ込む国際的大企業や大手放送局に引きずられ、有名選手を利用した五輪ビジネスも進む。肥大化による開催都市の環境破壊も必然的なものになった。国際平和を希求する公共的大会としてより、商業イベントの色彩が強まっている。
 シドニー入りしてからのサマランチ会長は、スキャンダルの反省を口にすることはなかった。IOC委員の不正に絡む資料が公開される2002年冬季五輪の開催地、ソルトレークシティーへの不快感を示してもいる。来年7月の会長改選では、現会長の意向が強く反映される見通しだ。最後のかじ取りは、来世紀の五輪像も大きく左右する。【シドニー・野村隆宏】[2000-09-15-21:45] 239
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 09/15@<五輪・東ティモール>個人参加4選手に支援者から喜びの声(毎日新聞)

 1年前の住民投票でインドネシアからの独立を決めた東ティモールから個人参加した4選手の入場行進に、支援者らから喜びの声があがった。
 宗教団体の招きで来日中の東ティモールのノーベル平和賞受賞者、カルロス・ベロ司教は「今回は国連の旗を持っての行進だが、人々に希望を与え、独立に向けた大きな実りとなる。東ティモールの旗で行進できる日が楽しみだ」と語り、1985年から独立を支援してきた「大阪東ティモール協会」の文殊幹夫会長は「独立反対派に町を破壊され、マイナスからの出発だけに国際舞台に出られて感動です」。
 90年から農耕用の水牛計約120頭を現地に送った「東ティモールに水牛を送る会」メンバーの河原田真弓さんは「今まではインドネシア代表としてしか出られなかったので、個人参加でも意義がある。解放されても物もカネもない中で唯一、明るいニュースだ」と感慨深げに話した。
 4選手は重量挙げ、ボクシング、マラソンに出場する。[2000-09-15-21:45] 255
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 09/15@<五輪・豪州>多文化主義の理想と現実が世界の注目に(毎日新聞)

 オーストラリアは世界150カ国の出身者が暮らす移民国家だ。先住民アボリジニを侵略したという負の歴史も持つ。「民族の融和」という五輪のテーマは豪州人にとっては身近な問題だった。豪州が唱え続けてきた「多文化主義(マルチ・カルチャリズム)」の理想と現実も、五輪を機に世界の注目を浴びることになる。
 走る人の姿に似たシドニー五輪のロゴマークをよく見ると、三つのブーメランが組み合わされている。ブーメランはアボリジニに伝わる狩猟道具で、聖火ランナーが待つトーチのデザインにも生かされている。聖火リレーの出発点にはアボリジニの聖地エアーズロックが選ばれ、第一走者はアボリジニ女性が務めた。しかし、大会の象徴となった先住民の多くは今も貧しく、差別され続けている。
 「白人中心社会だった豪州はさまざまな民族が共存する多文化主義の国に生まれ変わったという。だが、外国人と笑顔で握手して異国料理を楽しむだけなら、ご都合主義でしかない」。シドニー五輪組織委員会の委員も務めた先住民団体の指導者、チャールズ・パーキンス氏の言葉は痛烈だ。
 シドニーが五輪招致に乗り出した1980年代末、「多文化」の合言葉は絶頂期にあった。アジア経済が急成長する中、政府は「豪州はアジアの一員」と宣言し、積極的にアジア系移民を受け入れた。英国系が9割を占めた44年前のメルボルン大会当時とは国内の民族構成が激変し、「自由でインターナショナルな国」といううたい文句は国際オリンピック委員会の好感を得た。しかし、英国系と他民族との共存をアピールすればするほど、清算の済んでいない先住民侵略の歴史が浮き彫りになる。
 ハワード首相は98年、再選を果たした際の演説で、「先住民と和解する」と公約した。五輪前に先住民問題を解決し、五輪を成功させて来年1月に連邦制移行100周年を祝う。21世紀到来とともに国威を高め、労働党から奪還した保守政権を磐石にするのが首相の描いた青写真といえる。
 和解式典は今年5月に行われるはずだった。しかし、英国の伝統と文化を愛する首相は白人の非を明確に認める「謝罪の言葉」を和解文書に入れることを拒み、交渉は決裂した。反発したアボリジニ選手らは次々と政治的な発言をするようになり、かえって差別の実態が海外に知れわたることになった。
 一方、白人国民の間でも先住民政策に多額の税金が使われたり経済が停滞気味の中で新しい移民層と職場が競合することへの不満がくすぶり始めた。一昨年、白人社会の復権を掲げた超保守政党「ワンネーション党」が地方で議席を伸ばしたのは、そうした不満の表れといえる。
 五輪警備を担当するニューサウスウェールズ州警察は今年に入ってシドニー市内の麻薬組織やギャング団の拠点を次々摘発したが、多くがアジア、中東系のグループだった。密入国者の検挙も後を絶たない。「安全な国」といわれた豪州の犯罪件数が最近になって上昇し、一部の国民に外国人への警戒感が強まっているのは事実だ。
 開会式の華やかな演出は先住民の歴史をたたえ、世界から集まった人々が建設した社会を誇った。それは豪州の理想を表現していたが、五輪招致から約10年たち、国内の状況は変わりつつある。
 多文化主義という国是がきしみ始めた時期に豪州は大会の本番を迎えた。皮肉なめぐり合わせだが、民族の壁を超えた社会を作る豪州の試行錯誤は今後も続く。若い国の真価は五輪後の21世紀に問われることになる。【シドニー・堀内宏明】[2000-09-15-20:55] 285
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 09/15@<東ティモール>「独立はあと2、3年かかる」とベロ司教 (毎日新聞)

 国際シンポジウム出席のため来日した東ティモール独立運動指導者でノーベル平和賞受賞者のカルロス・ベロ司教は15日、東京都内で会見し、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)が来年末を目指している東ティモールの独立時期について「準備が遅れているので来年の独立は早すぎる。あと2、3年かかる」という見解を示した。
 理由としてベロ司教は、社会基盤整備の遅れのほか難民の帰還が遅れ、西ティモールの難民キャンプにいまだに12万人が生活している現状を指摘。「インドネシア政府は3月までに難民をすべて東ティモールに帰し、キャンプを閉鎖すると約束したが守っていない。その政治的な意思もない。国際社会が圧力をかけるべきだ」と訴えた。
 また、西ティモールでの国連職員殺害事件は、「インドネシア政府が(独立反対派)民兵を動かしている」と当局の関与を指摘したうえで、国連職員の撤退を招いたインドネシア政府の対応を批判。「独立を急いで、だれが国境の安全を保障してくれるのか」と、治安問題が独立の障害になっていることを強調した。
 ベロ司教は、15日から都内で開かれている日本カトリック国際協力委員会主催の「難民・移住者国際フォーラム」に参加するために14日から来日している。 【堀山 明子】[2000-09-15-19:45] 308
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 09/15@<仏シラク大統領>健康不安説が流れる 再選に響けば政局に(毎日新聞)

 【パリ14日橋本晃】フランスのシラク大統領に健康不安説が流れている。仏各紙によると、今夏ごろから、からだのむくみが目につくようになり、咽喉がん治療薬の副作用とのうわさが仏政界を駆け巡っている。2002年春の大統領選で再選を目指すシラク氏の健康に問題があるとすると、仏政治の勢力図を一変させかねない重大事態だ。
 仏ルモンド紙などによると、“異変”に周囲が気づいたのは、大統領に咳払いと声のかすれが目立った7月14日の革命記念日の恒例の国民向けラジオ・テレビ演説のころから。8月下旬、記者団の前に姿を現した大統領は体がむくみ、夏のさなかに落ち着かない様子でひっきりなしに上着の前を合わせていた。大統領と側近たちは「運動不足で、過食気味」などと、うわさの打ち消しに躍起だ。
 しかし、確かに今年に入ってからのシラク大統領は精彩を欠いている。今春以降、プーチン・ロシア大統領が英国を皮切りにイタリア、ドイツなど主要国を歴訪、チェチェン問題で対露批判の急先鋒だったフランスを露骨に外してきたときも防戦一方だった。九州・沖縄サミットでも、日本通を自称する大統領の影は薄かった。
 フランスでは「大統領と病」の記憶が生々しい。ミッテラン前大統領は1981年の就任直後から10年以上がんにかかっていた事実を伏せ、95年の任期切れまでポストにとどまった。ポンピドー元大統領(69ー74年)も白血病に侵され、任期半ばに死去した。
 7年という任期の長さもこうした弊害発生の一因と、フランスでは今月24日、大統領任期の5年への短縮の是非を問う国民投票が行われる。次期大統領選で一騎討ちとなる保守のシラク大統領と社会党のジョスパン首相は、支持率で拮抗関係だ。現職大統領の健康不安説は支持率バランスを一変させ兼ねず、仏政局は一気に流動化に向かう可能性も囁かれている。[2000-09-15-18:00] 324
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 09/15@襲撃事件受け治安対策協議 東西ティモールで調整相ら(共同通信)

 【ジャカルタ15日共同】インドネシアの筆頭閣僚ユドヨノ調整相は十四日夜から十五日にかけ、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のデメロ代表、東ティモール民族抵抗評議会(CNRT)のグスマン議長とバリ島で三者会談を行い、西ティモールの国連機関襲撃事件を受けた東西ティモール境界地域などの治安維持対策を協議した。
 アンタラ通信によると、調整相とデメロ代表は会談後、国連安全保障理事会の決議を踏まえ、東西境界地域の治安確保で協力するとの覚書に調印した。
 また十五日のインドネシア各紙によると、ユドヨノ調整相ら政府代表は十四日、三者会談に先立ちインドネシアとの併合を求める民兵の代表をバリ島に集め、併合派の定住のため同国内の無人島を提供すると提案した。
 会合には十七の民兵組織の代表が出席。民兵代表の一人、エリコ・グテレス氏は記者団に「提案を受け入れる」と述べた。どの島を提供するかは示されなかったが、無人島ではないものの、東ティモールの北方に隣接するウェタル島(マルク州)に移住させる案が取りざたされている。
 三者会談は「(西ティモールでの)避難民問題はインドネシアだけの責任ではない」と国際社会の批判に反発している同国政府の主張を受けて開かれた。(了)[2000-09-15-15:42] 328
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 09/15@来年の独立は時期尚早 ベロ司教が反対表明(共同通信)

 東ティモールの精神的指導者でノーベル平和賞受賞者のベロ司教は十五日、都内で記者会見し「東ティモールの二○○一年独立は時期尚早だ」と述べ、インフラ整備などの遅れを理由として来年の独立に反対する姿勢を明確にした。
 ベロ司教は個人的見解と断りながら「われわれには学校も病院もない。憲法の形も見えていない。国連平和維持軍の撤退後、国境の治安維持をだれが担うのかも決まっていない」と指摘し「独立までにはさらに一、二年待ったほうがいい」と述べた。
 国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のデメロ代表は今年六月、来年後半に東ティモールで制憲議会議員の選挙を実施し、その後正式に独立させる日程案を表明。
 独立の是非を問う住民投票実施から一年が経過した今年八月末、政治組織の集合体である東ティモール民族抵抗評議会(CNRT)は独立の時期についてはUNTAETの決定に任せるとの方針を決めている。
 ベロ司教はセミナー出席のため日本のカトリック教会の招きで来日した。(共同)(了)[2000-09-15-15:15] 329
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 09/15@ロ政権の旧ソ連色が鮮明に 内外マスコミの猛反発必至(共同通信)

 【モスクワ15日共同】ロシア政府は十四日、報道の自由を国益の枠内に制限、外国報道機関の統制を狙う「情報安全保障ドクトリン」を公表、マスコミによる政権批判を封じ込め、言論を統制下に置こうとする旧ソ連的なプーチン政権の性格が鮮明になった。内外マスコミの反発が今後噴出するのは必至とみられる。
 ロシア有力紙モスクワ・ニュースのテレン副編集長は、マスコミ関連法と外国マスコミの地位見直しがドクトリン最大の眼目と指摘、「チェチェン紛争で政権に批判的報道を続ける米政府系ラジオ記者がことし一月、拘束された事件のような脅威が拡大しかねない」と深刻な懸念を表明した。
 ロシア・ジャーナリスト同盟のヤコベンコ事務局長は「(ソ連時代の)検閲復活を思わせる」と述べ、強い嫌悪感を示した。
 八月の原子力潜水艦沈没事故では、プーチン大統領の対応に国内マスコミの批判が集中。大統領はこうしたマスコミの論調は軍、政権の権威を低下させるとして強く批判したという。
 プーチン政権は、政権に批判的な報道機関を抱えるメディア界の有力者を一時拘束する一方、全有力テレビを指揮下に収めようと圧力を強めているとされる。
 マスコミの批判を浴びながらも露骨な報道介入を行おうとする姿勢は、自制していたエリツィン前政権との顕著な違いといえる。(了)[2000-09-15-15:12] 46
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 09/15@ローマは快勝 サッカー欧州連盟杯本格開幕(共同通信)

 【パリ14日共同】サッカーの欧州各国カップ戦覇者やリーグ上位のチームが出場する欧州連盟(UEFA)カップは十四日、各地で本格的に開幕し、ホームアンドアウエー方式の1回戦第1戦で、中田英寿の所属するローマは敵地でノバ・ゴリツァ(スロベニア)に4―1で快勝した。
 イタリア勢はこのほか、インテル・ミラノ、パルマ、ウディネーゼとも敵地で先勝したが、フィオレンティナはチロル・インスブルック(オーストリア)に1―3で敗れた。
 ビアリ監督を解任したばかりのチェルシー(イングランド)は、ホームでザンクト・ガレン(スイス)に1―0で辛勝した。(了)[2000-09-15-09:48] 350
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 09/15@<五輪・サッカー>韓国代表に兵庫県出身の在日3世・朴康造(毎日新聞)

 「母国の太極旗(韓国国旗)をつけた孫が五輪に参加するなんて」――。シドニー五輪のサッカー韓国代表に名前を連ねる朴康造(パクカンジョ)選手(20)は兵庫県尼崎市出身の在日韓国人3世。韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、統一旗を先頭に初の同時入場行進する記念すべき開会式を前に、在日1世の祖父聖範(ソンボン)さん(77)は、民族の歴史に思いをはせ、感慨にひたった。
 朴選手は尼崎朝鮮中級学校3年の夏、阪神地区大会に初出場初優勝した。しかし、各種学校扱いの朝鮮学校には地区大会の出場しか認めていなかった当時の規定により、県大会には準優勝チームが出場。初めて在日のハンディを味わった。
 高校サッカーの強豪、滝川第二(神戸市)から1998年春、Jリーグ1部・京都パープルサンガに入団。だが、韓国籍では日本代表にはなれない。2年で解雇されたのを機に、在日コリアンとしては初めて、韓国のプロサッカーリーグ(Kリーグ)の城南一和へ移籍し、母国の代表を目指してきた。
 身長165センチ、体重57キロと小柄な朴選手だが、今春開幕したKリーグでは、攻撃的なMFとしてすべてのゲームに先発出場して活躍。そしてシドニー五輪の代表に選ばれた。ベンチ入りできる18人の選手枠からは外れたが、母国代表の一人に変わりはない。
 「ベルリン五輪(36年)で、日の丸を付けて走った朝鮮の孫基禎(ソンキジョン)さんが金メダルを取ったが、表彰式で流れた君が代に心から喜べなかった」。18歳で来日する前年の思い出が今も消えることのない聖範さんだけに、太極旗を胸につけた孫の姿に、うれしさもひとしおだ。 【五輪取材班】[2000-09-15-03:05]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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