最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(08/19, 2000)


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 08/10@中国の核戦力、10倍に NMD配備で米報告書(共同通信)
 08/10@NGO支援の新制度発足 政府、財界が人道援助で(共同通信)
 08/10@◇NMD配備で中国の核弾頭は10倍に CIAなど報告◇(朝日新聞)
 08/10@<CIA報告>中国がパキスタンへミサイル技術援助(毎日新聞)
 08/11@◇「シエラレオネ特別法廷」の設置を米が国連に提案◇(朝日新聞)
 08/11@800億円支払い命令 米地裁がカラジッチ氏に(共同通信)
 08/11@中国軍艦船が米寄港へ(共同通信)
 08/11@ユーゴ独立系紙に罰金命令(共同通信)
 08/11@欧米の選挙監視を拒否 ユーゴ副大統領(共同通信)
 08/11@北朝鮮の「テロ支援国」指定解除を…米議会報告書(読売新聞)
 08/11@◇プーチン大統領、アラファト議長と中東和平協議◇(朝日新聞)
 08/11@◇ロシア安保会議、戦略ミサイル軍を削減へ◇(朝日新聞)
 08/11@東ティモール、併合派の活動が活発化(読売新聞)
 08/11@◎国連代表部に自衛官を初派遣=政府(時事通信)
 08/11@国連分担金見直し正念場 削減難しい日本の分担率(共同通信)
 08/11@◎銃撃戦でPKF兵士1人死亡=東ティモール(時事通信)
 08/11@4千人のPKO派遣を勧告 エリトリアで国連総長(共同通信)
 08/12@<負の遺産>中立国スイスの裏側 排斥の歴史繰り返す(毎日新聞)
 08/12@◎コソボ地方選、10月28日に実施(時事通信)
 08/12@◇コソボで進む「現代の刀狩り」◇(朝日新聞)
 08/12@<スイス・負の遺産>国籍取得に住民投票を実施(毎日新聞)
 08/12@<米大統領選>民主党大会14日から 中道志向の政策綱領も(毎日新聞)
 08/12@最終合意期限まで1カ月 独立準備進む自治区ガザ(共同通信)
 08/12@<ギニアビサウ>財政難 閣僚恩給やめ社会開発に(毎日新聞)
 08/12@紛争での子ども被害を非難 国連安全保障理(共同通信)
 08/12@戦略ミサイル軍存続を決定 ロシア、同軍予算は削減か(共同通信)
 08/13@コソボ地方選10月実施、セルビア系は登録拒否(読売新聞)
 08/13@◇コソボ地方選挙は10月28日に投開票 空爆後、初◇(朝日新聞)
 08/13@グルジアの山岳地帯で行方不明の赤十字職員ら3人を保護(共同通信)
 08/13@<唄の話>「罪人の音楽」の響き モスクワ 石郷岡建(毎日新聞)
 08/14@◎平和維持軍、コソボの鉱山施設を接収=抗議のセルビア人と(時事通信)
 08/14@ユーゴ空爆、命中率40%(共同通信)
 08/14@米民主党全国大会 ゴア氏、勤労者・弱者重視前面に(読売新聞)
 08/14@◇アラファト議長が中国・江沢民主席と会談◇(朝日新聞)
 08/14@永住外国人への地方選挙権付与、与党内の焦点に(読売新聞)
 08/14@◎パレスチナ独立は「適切な時期」に=江主席、アラファト議(時事通信)
 08/14@◇東ティモール難民キャンプ、半年以内に閉鎖◇(朝日新聞)
 08/14@PLO中央委は来月8日か(共同通信)
 08/14@コンゴ紛争で首脳会議開催(共同通信)
 08/14@◇売春を強制された東欧女性7人をプノンペンで保護◇(朝日新聞)
 08/14@「WTOは悪夢」と批判 グローバル化で国連人権委(共同通信)
 08/14@戦争に善悪つけがたい 植民地支配実態触れず 中学歴史申請(共同通信)
 08/14@ロケットとミサイルを区別(共同通信)
 08/14@金正日総書記の発言要旨(共同通信)
 08/15@◇シエラレオネ特別法廷設置を決議 国連安保理◇(朝日新聞)
 08/15@<ワールドスコープ>露爆弾テロ事件 チェチェン紛争長期化(毎日新聞)
 08/15@ロシア若者の徴兵逃れ、チェチェン進攻後倍増(読売新聞)
 08/15@コンゴ紛争首脳会議が失敗 カビラ大統領妥協せず(共同通信)
 08/15@ソマリアで暫定議会発足 反発強く和平は多難(共同通信)
 08/15@揺れる日本の対ロ政策 強硬姿勢に戦略見直し(共同通信)
 08/16@◇ユーゴ空爆の英軍機、成功率わずか40% BBC報道◇(朝日新聞)
 08/16@◎ユーゴ民主化支援で新事務所設置=ミロシェビッチ体制打破(時事通信)
 08/16@PKFが警戒態勢を強化 投票1周年の東ティモール(共同通信)
 08/16@国旗掲揚拒否、警察と衝突 アチェ、ゼネスト状態に(共同通信)
 08/16@<北朝鮮ミサイル>ミサイル開発断念「笑い話だった」と金総(毎日新聞)
 08/16@<インドとパキスタン>カシミール紛争は再び情勢が悪化(毎日新聞)
 08/16@◇パキスタンの対話再開呼びかけを拒否 インド首相◇(朝日新聞)
 08/16@◎731部隊跡を世界遺産に申請へ=戦争犯罪を永久保存−中(時事通信)
 08/17@原潜の救援策でNATOと露が2回目の協議(読売新聞)
 08/17@◇ユーゴ大統領選で野党党首「分裂回避の用意」◇(朝日新聞)
 08/18@◇コソボ中心部で爆弾テロ 数人が軽傷◇ (朝日新聞)
 08/18@露が原潜衝突説を強く示唆、事故責任転嫁狙う?(読売新聞)
 08/18@中国系不法移民5万人が密航目指す…伊で報告書(読売新聞)
 08/18@ユーゴが国連警官を拘束(共同通信)
 08/18@◇アラファト議長会見 和平交渉期限直後の独立宣言に含み◇(朝日新聞)
 08/18@一方的独立に自制求める 森首相がアラファト議長に(共同通信)
 08/18@難民認定を求め提訴 殺害恐れるアフガン男性(共同通信)
 08/18@<従軍慰安婦問題>日本の対応を批判する決議 国連人権委小(毎日新聞)
 08/19@コソボでバスケットコートに手りゅう弾、9人けが(読売新聞)
 08/19@◇ユーゴ大統領選の有力野党候補と会見◇ (朝日新聞)
 08/19@コソボでユーゴ選挙せず(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 08/10@中国の核戦力、10倍に NMD配備で米報告書(共同通信)

 【ワシントン10日共同】十日付の米紙ワシントン・ポストなどによると、米情報機関は米本土ミサイル防衛(NMD)が配備された場合、中国が核ミサイルの移動式化、多弾頭化に踏み切り、核戦力を十倍に増強すると予測した機密報告書をまとめ、クリントン大統領に今週提出した。
 中国は多弾頭化の技術を持ちながら「最小限抑止」戦略から核戦力を飛躍的に向上させる多弾頭化はこれまで政策としておらず、報告書はNMD配備がアジアの安全保障に大きな変化を与えることを認めた。
 ニューヨーク・タイムズ紙によると、「NMD配備に対する各国の対応」と題した報告書はロシアについても、国境地帯での短距離ミサイルの配備開始、単弾頭の弾道ミサイルの多弾頭化、米ロ間のさまざまな軍備管理条約からの脱退の可能性―を示している。
 中国については、現在約二十基の単弾頭固定式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を多弾頭化、攻撃を受けにくい移動式とし、NMDの防衛網を圧倒するため、二○一五年に二百個の核弾頭を米国に撃ち込める態勢づくりを目指すだろうと結論付けている。
 さらに中国の核戦力増強がインドとパキスタンに核軍拡をもたらすと指摘。米ロ協調で進める大量破壊兵器の拡散防止に障害をもたらし、北大西洋条約機構(NATO)内に緊張を生むと予想している。
 一方、米国が直面する弾道ミサイルの脅威として、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が今後二、三年で米国をICBM攻撃する能力を持ちうると指摘した。
 報告書はクリントン大統領がNMD配備の是非を決定する際の参考にするため、中央情報局(CIA)や国防情報局(DIA)などが作成した。(了)[2000-08-10-18:18] 42
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 08/10@NGO支援の新制度発足 政府、財界が人道援助で(共同通信)

 国際的紛争・災害の発生直後に迅速に援助を実施するため非政府組織(NGO)と政府、経済界が連携する「ジャパン・プラットフォーム」が十日発足した。
 都内で行われた記者会見にNGO代表として出席した「ピースウィンズ・ジャパン」の大西健丞主任調整員は「紛争で発生する避難民の支援に、日本としても貢献したい。十一月か十二月には動き出したい」と抱負を述べた。
 外務省は初動活動に必要な資金を調査した上で、基金を設ける。経済界の窓口の経団連は来月四日、各企業向け説明会を開き、協力を要請する。
 人道援助では機動力に優れたNGOの役割がますます重要になるとの観点から、政府が資金、情報、人材育成などの分野で、経済界は物資、機材などを中心にNGO活動を支えていく。(了)[2000-08-10-17:35] 47
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 08/10@◇NMD配備で中国の核弾頭は10倍に CIAなど報告◇(朝日新聞)

 中央情報局(CIA)や国防情報局(DIA)などの米国の情報機関の合同会議は、米本土ミサイル防衛(NMD)を配備した場合、中国が核戦力の近代化に拍車をかけ、核弾頭を10倍に増やす恐れがある、と警告する報告書をまとめ、9日までにクリントン大統領に提出した。ロシアについても、核軍縮を足踏みさせ、複数弾頭化に乗り出す可能性がある、と指摘している。NMDが軍備管理・軍縮を逆行させかねない危険について、主要な情報当局が一致して認めたのは初めて。配備をめぐる大統領の決断だけでなく、大統領選のNMD論争にも波紋を投げそうだ。
 ミサイルを迎撃体で撃ち落とすNMDには、ロシアと中国が、自らの核の威力がそぎ落とされることを警戒し、連携して反対している。米政府は「NMDの標的は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどのミサイルで、ロシアや中国が相手ではない」と説明してきた。
 とくに、中国については、「NMDがあろうがなかろうが、ミサイルを増やすはずだ」(国防総省高官)との見方があり、情報機関の合同会議では、NMDが核戦力の増強を加速するのかどうか、という「因果関係」をめぐり、激論が交わされてきた。
 最終的にまとまった報告書「NMDの配備に対する諸外国の反応」は、中国がNMDに対抗して、移動式、複数弾頭の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を速め、現在、米国に届く単弾頭式ICBMの約20発の核弾頭を2015年までに200発まで増やす可能性がある、との分析に落ち着いた。
 約6000発の核弾頭を抱えるロシアは、「将来のNMD」が大規模な兵器に発展するのを恐れている。しかし、米ロに比べれば「核小国」の中国にとっては、2、30発の弾頭撃ち落としをめざす「今のNMD」が、自らのICBMを無力にするのに十分な力を持つ、と映る。報告書は、こうした警戒感の強さを踏まえ、NMDが軍拡を誘発する要因になりうる、との見方で一致したとみられる。
 ロシアとの関係では、ただでさえ停滞している核軍縮の減速を招き、核不拡散の米ロ協力、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約や戦略兵器削減条約(START)体制の後退をもたらす懸念があることを指摘している。[2000-08-10-17:07] 62
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 08/10@<CIA報告>中国がパキスタンへミサイル技術援助(毎日新聞)

 【ワシントン9日中井良則】米中央情報局(CIA)は9日、昨年後半に各国が大量破壊兵器に関連する技術をどのように取得したかをまとめた議会への報告書を発表した。報告書は、中国からパキスタンへの弾道ミサイル技術援助や、ロシアからイランへのミサイル関連技術供与など技術拡散が広がっていると強調した。米国は各国が大量破壊兵器の核、生物、化学兵器と運搬手段のミサイルを開発しないよう圧力をかけており、CIA報告は中国などに技術支援の停止を求める材料となりそうだ。
 報告書によると、中国については「パキスタンへの弾道ミサイル関連技術支援が1999年後半に増大した。イラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、リビアなどいくつかの国にミサイルに関連する物資や材料を供給した」と述べ、パキスタンとの関係を重大視する姿勢を示した。
 バウチャー国務省報道官も同日、「パキスタンへの技術供与について米国が憂慮していることを中国高官には何度も伝えている。しかし、解決されないままだ」と述べ、米中間の協議で主要テーマになっていることを明らかにした。
 ロシアに関して報告は「イラン、インド、リビアなどに弾道ミサイルに関連した物資や技術を供給した」と指摘。特に、イランが98年7月に発射実験を行った中距離弾道ミサイル「シャハブ3」の開発はロシアから得た技術と材料によって促進されたと述べ、「99年後半もロシア企業がイランに技術、訓練を供与したため、イランの新しい弾道ミサイル開発が加速された」とイランとの関係強化に警鐘を鳴らした。
 また、北朝鮮についても「大量破壊兵器と弾道ミサイルを製造する材料を国外から入手し続けた」と指摘、「中国企業からの供給」を強調した。核兵器を少なくとも1個、あるいは2個製造可能なプルトニウムを生産したと推定している。
 さらに「北朝鮮は弾道ミサイルやミサイルの部品、技術を中東、南アジア、北アフリカに輸出した」と述べ、「こうした輸出が主な外貨獲得手段であり、その外貨がミサイル開発・製造の原資になっている」と循環構造を指摘した。[2000-08-10-11:29]
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 08/11@◇「シエラレオネ特別法廷」の設置を米が国連に提案◇(朝日新聞)

 米政府は10日、多くの国連平和維持軍兵士らが反政府勢力に拘束された西アフリカのシエラレオネに関し、特別法廷の設置を求める決議案を国連安全保障理事会に提出した。設置が決まれば、人道に対する犯罪などを裁く国際犯罪特別法廷としては1993年の旧ユーゴスラビア、翌94年のルワンダについで3つ目になる。
 和平案は、和平合意に基づいて現地に派遣された国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)のインド兵ら500人以上が今年5月、反政府武装勢力の革命統一戦線(RUF)に包囲され、武器などを取り上げられるなど、「シエラレオネの人々や国連にとってきわめて深刻な事態」を受けて出された。
 インド兵らは7月に解放されたが死傷者も出ており、決議案は特別法廷の設置が必要だ、としている。そのため、(1)国連事務総長はシエラレオネ政府と特別法廷設置について交渉する(2)同法廷では、人道に対する犯罪、戦争犯罪、その他国際法違反に関し、個人の責任を明確にしてその罪を裁く(3)国連事務総長は決議から30日以内に決議の実施報告書を安保理に提出する、などを求めている。
 国際社会では今、こうした戦争や紛争に関する個人の罪を問う常設機関として国際刑事裁判所の設立が進められている。しかし、米国は自国兵を大量に海外派兵しており、自国民が裁かれるおそれのある常設機関の設置には強く反対。一方で、旧ユーゴやシエラレオネのように個別の特別法廷を設置する姿勢を強めている。[2000-08-11-11:29] 20
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 08/11@800億円支払い命令 米地裁がカラジッチ氏に(共同通信)

 【ニューヨーク10日共同】ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のセルビア人勢力指導者として、婦女暴行や拷問にかかわったとされるラドバン・カラジッチ氏に、被害者の女性らが賠償を求めた訴訟で、米ニューヨーク連邦地裁の陪審団は十日、同氏に七億四千五百万ドル(約八百億円)を支払うよう命じた。
 カラジッチ氏の所在は不明で、賠償金が実際に支払われるかは疑問。原告側弁護士は「残虐行為の加害者に警告を発する象徴的意味がある」と述べた。
 原告はボスニアから米国に逃れた女性たちや被害者団体。カラジッチ氏の指示でセルビア人民兵が残虐行為に及んだと主張。同氏は「米国の裁判所に管轄権はない」と主張し、残虐行為に責任があるかどうかについて一切争わなかった。
 カラジッチ氏は大量虐殺罪などで既に、ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されている。(了)[2000-08-11-09:59] 21
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 08/11@中国軍艦船が米寄港へ(共同通信)

 【ワシントン10日共同】米国防総省は十日、米中軍事交流の一環として中国海軍の誘導ミサイル巡洋艦など二隻の艦船が九月五日からハワイの真珠湾とワシントン州エバリットの米海軍基地に寄港すると発表した。寄港中は両軍艦船への相互訪問などが行われる。
 中国艦船の米寄港は一九九七年三月以来。昨年五月の北大西洋条約機構(NATO)軍による在ユーゴスラビア中国大使館誤爆で冷却化した両国の軍事関係は、コーエン米国防長官の七月の訪中で修復した。
 米ミサイル巡洋艦が八月初旬に中国山東省青島に寄港しており、その答礼の寄港となる。(了)[2000-08-11-09:16] 22
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 08/11@ユーゴ独立系紙に罰金命令(共同通信)

 【ブリュッセル10日共同】ベオグラードからの報道によると、ユーゴスラビアの独立系紙ダナスは十日までに、ユーゴの連立与党で民族主義強硬派のセルビア急進党に批判的な野党声明を掲載したとして、裁判所から三十四万ディナールの罰金命令を受けた。九月の大統領選を控えた非政府系メディア弾圧の一環とみられる。
 ダナスは、急進党が二百万マルク(約一億円)を投じ、八百万枚の選挙ポスターを作成したとする野党の声明を掲載。シェシェリ急進党党首に事実無根と訴えられた。急進党はニコリッチ連邦副首相の大統領選擁立を決めている。(了)[2000-08-11-07:52] 23
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 08/11@欧米の選挙監視を拒否 ユーゴ副大統領(共同通信)

 【ブリュッセル10日共同】ベオグラードからの報道によると、ユーゴスラビアのシャイノビッチ副首相は十日、九月二十四日実施の連邦大統領選には、北大西洋条約機構(NATO)加盟国代表や欧州安保協力機構(OSCE)による選挙監視団を受け入れない意向を確認した。
 大統領選をめぐっては、最大野党のセルビア再生運動と他の主要野党が別の候補を擁立し、一本化が絶望視されている。欧米を中心とする監視団が排除されれば、与党側に有利な投票環境が整うことになり、野党陣営の劣勢がさらに深まった。
 副首相はまた、具体的な国名には言及しなかったものの「ユーゴに友好的で中立な国」だけを受け入れると語った。(了)[2000-08-11-07:51] 419
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 08/11@北朝鮮の「テロ支援国」指定解除を…米議会報告書(読売新聞)

 【ワシントン11日=坂元隆】米議会調査局はこのほど、北朝鮮を米国務省の「国際テロ支援国」指定から解除する問題に関する報告書をまとめた。これまで指定解除の必須条件と思われてきた、「よど号」ハイジャック犯の国外追放や日本人拉致(らち)事件の解決がなくても指定解除が可能との見方を示唆しているのが大きな特徴だ。
 国務省は北朝鮮を「テロ支援国」及び「テロ対策非協力国」の双方に指定しており、米国が北朝鮮に対する経済制裁を緩和・撤廃する上で最大の障害となっている。
 報告書は、指定を解除するには、北朝鮮が〈1〉過去六か月間国際テロ支援を行っていない〈2〉今後テロ支援を決して行わない――ことを、大統領が証明し、議会の同意を得ることが必要であると指摘。その上で、米政府が指定解除を検討するなら、「よど号」ハイジャックが発生から長期間経過しており日本政府の主張する刑事訴追が必要かどうかや、拉致事件を「現在進行している」テロとみなすべきかどうかを考慮すべきだと述べている。
 報告書は一方で、フィリピンのイスラム教徒ゲリラやスリランカのタミル・ゲリラによるテロ活動を北朝鮮が支援しているとの疑惑を調査すべきだと主張している。[2000-08-11-23:59] 420
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 08/11@◇プーチン大統領、アラファト議長と中東和平協議◇(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は11日、パレスチナ自治政府のアラファト議長とクレムリンで会談し、米キャンプデービッドでの中東和平交渉が決裂した後の中東情勢を協議した。インタファクス通信などによると、会談で大統領は、「独自の国家を創設する権利を含め、ロシアは常にパレスチナ民族の法的権利を支持してきている」と強調しながら、「中東和平は複雑なプロセスでもある」とも述べ、解決に向けた難しさを指摘した。
 またイワノフ外相もこの日アラファト議長と会談後、「国家創設を宣言する時期は十分考え抜かれなければならない」と述べ、9月13日のパレスチナ恒久的地位交渉の期限までの一方的宣言を自制してイスラエルとの交渉を継続するよう求めた。議長はプーチン大統領に対し、中東和平問題の解決に向け、パレスチナ、イスラエル、米国にロシアも加えた四者会談開催を提案した。[2000-08-11-23:53] 430
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 08/11@◇ロシア安保会議、戦略ミサイル軍を削減へ◇(朝日新聞)

 ロシアの安保・国防政策の基本方向を決める安全保障会議が11日に開かれ、2015年までのロシア軍再編問題の協議に入った。地上配備の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を管理する戦略ミサイル軍の扱いが最大の焦点となる。戦略軍は核抑止力の支柱だが、基本的な戦力の保持を求めるセルゲーエフ国防相と大幅な削減を主張するクワシニン参謀総長との対立が続いている。安保会議議長のプーチン大統領がどちらの路線を支持するかは、ロシアの国防政策の今後に大きな影響を与えそうだ。
 インタファクス通信などによると、11日の安保会議では戦略ミサイル軍の削減や再編の方針が決められる見通しだ。だが、軍内の対立も考慮に入れ、同時に空軍や海軍配備の戦略核を強化して、核戦力と通常戦力とのバランスの取れた発展を打ち出す可能性が、今のところ強い。
 ロシア軍は1997年から始まった軍改革で、地上、空、海、防空、戦略ミサイルの5軍体制を2005年までに地上、空、海の3軍体制に再編する方針を決めている。空軍への戦略ミサイル軍の将来的な統合も既定路線にある。しかし、戦略軍総司令官だったセルゲーエフ国防相は、ソ連時代の戦力を大筋で保持する戦略軍が国防の「基軸」という意識が濃厚だ。その自主性を守り、削減も米国との戦略核削減交渉などを通じて段階的、長期的に行うとの立場を取ってきた。
 これに対し、クワシニン総長が7月に打ち出した戦略軍の再編策は、空軍への統合を2003年に前倒しし、2016年には現在19師団、ミサイル750基の兵力を2師団、100基へ削減、浮いた資金を通常戦力強化に回す急進的な内容だった。チェチェン紛争で明らかになった通常装備の貧弱さを補いたい意向のほか、自身が国防相に就任したい野心から現国防相の基盤である戦略軍の切り崩しに動き始めている、との見方も有力だ。
 国防相や戦略軍はこの再編策に激しく反発し、国防相は参謀総長の戦略軍削減案が採用された場合の辞任すら示唆している。また、国内の軍事専門家らからも、一方的な核戦力の削減となり、米国との核戦力の均衡が崩れるほか、米本土ミサイル防衛(NMD)に反対する論拠もロシアは失う、といった批判が出ていた。[2000-08-11-22:59] 433
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 08/11@東ティモール、併合派の活動が活発化(読売新聞)

 【ジャカルタ11日=菱沼隆雄】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の報道官が十一日明らかにしたところによると、東ティモール南西部のスワイで十日、国連平和維持軍のネパール部隊が、インドネシアとの併合維持を訴えてきた併合派と見られる約三十人の武装集団と交戦となり、ネパール兵士一人が死亡したほか、同兵士三人と住民一人の計四人が重傷を負った。併合派武装勢力は、東ティモール住民が昨年八月三十日の住民投票で独立を選択してから一年を迎えるのを前に活動を活発化させており、UNTAETは警戒を強めている。また、同勢力の拠点とされるインドネシア領西ティモールに残る東ティモール避難民の帰還問題が改めて焦点となりそうだ。
 国連平和維持軍兵士に犠牲者がでたのは、先月二十四日にやはりスワイで、ニュージーランド兵士が銃撃戦に巻き込まれ死亡して以来。同町は二十九日にも武装集団に襲われ、家屋などが焼き打ちされた。
 現場は西ティモールとの境界から約三十キロの地点で、UNTAET報道官によると、武装集団は西ティモールから越境し、パトロール中のネパール兵と交戦となった。UNTAETでは「西ティモールが併合派の拠点だ」(報道官)として、インドネシア政府に取り締まりを求める一方、東ティモールに展開中の国連平和維持軍兵士約八千人のうち、約二千人を先月下旬から境界付近に回し警戒を強めている。
 昨年八月の住民投票後の騒乱では、併合派住民を中心に約二十万人が西ティモールに避難民として流出したが、インドネシア外務省によると、今月一日現在で、いまだに約十二万人が避難民キャンプで生活している。多くが東ティモールへの帰還を望んでいるが、「UNTAETが武装勢力が紛れて帰還することを恐れ、武装解除の徹底を要求していることや資金の問題があり帰還は進んでいない」(インドネシア政府筋)という。
 これに関連してシンガポールを訪問中のアルウィ・シハブ・インドネシア外相は十一日、「インドネシアが100%境界を管理するのは不可能。境界を越えての(武装勢力の)行動は我々の責任ではない。唯一の解決策は避難民キャンプの閉鎖だ」と述べている。しかし、UNTAETでは、「閉鎖は事態を混乱させるだけ」と反対している。
 西ティモールに残る東ティモール住民の帰還問題については、同外相が七月二十九日にバンコクで行われた河野外相との会談で、帰還促進のための支援を求めていることもあり、今後、国際社会の関心も高まりそうだ。[2000-08-11-22:37] 444
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 08/11@◎国連代表部に自衛官を初派遣=政府(時事通信)

 政府は11日、ニューヨークの国連日本政府代表部に、2001年度から防衛駐在官として1等陸佐1人を派遣することを決めた。同代表部には防衛庁の内局職員が既に駐在しているが、自衛官は初めて。
 防衛駐在官は、派遣先で各国武官と国際軍事情勢などに関し情報交換する目的で派遣されており、現在は35在外公館に計46人の自衛官が駐在している。防衛庁は国連平和維持活動(PKO)など、紛争対応で国連の動きが重要性を増してきていることから、「専門家である制服組を駐在させることが、的確な情報収集、信頼関係醸成に欠かせない」(幹部)と判断。外務省との調整を経て、人選を進めていた。 [時事通信社][2000-08-11-19:08] 448
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 08/11@国連分担金見直し正念場 削減難しい日本の分担率(共同通信)

 国連安全保障理事会改革と並び、日本政府が国連改革の柱と位置付ける「財政負担の公平化」をめぐる各国の協議が、来月から始まる国連総会で正念場を迎える。
 国連通常予算の各国分担率は三年ごとに見直しており、今回は年末までに二○○一年から○三年までの各国分担率を決定する。
 財政事情の苦しい日本は算定方式の見直しを求めているが、安保理常任理事国入りを目指す立場から、日本の負担削減の代わりに発展途上国の負担増を主張しにくいのも現実。米国に次いで高い日本の分担率の削減は「なかなか容易でない」(政府筋)ようだ。
 分担率は世界の国民総生産(GNP)に占める比率を基に算出。日本は一九九七年の見直しの際に一七%と算定された。しかし、途上国の割引分などが上乗せされ、二○○○年の分担率は二○%を越え、二百二十七億円となった。日本の負担は米国を除く四安保理常任理事国の合計よりも多い。
 こうした状況を踏まえ、日本は改革案として@常任理事国の応分の負担Aロシア、中国など「大規模途上国」扱いとなっている国の割引幅縮減―を挙げている。
 ただ、常任理事国の負担増を強調しすぎると、安保理改革で「財政の豊かな国しか常任理事国入りできない」との批判が出かねず、途上国の割引幅縮減を前面に押し出すと、日本の常任理事国入りに途上国からの支持を得にくくなるといったジレンマを抱える。このため、縮減の対象を中国などの「大国」に限定するなど随所に配慮した主張を展開している。
 政府は国連ミレニアムサミットにおける森喜朗首相の演説などを通じて日本の考えを訴え、分担率交渉に弾みをつけようと躍起だ。(了)[2000-08-11-17:30] 449
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 08/11@◎銃撃戦でPKF兵士1人死亡=東ティモール(時事通信)

 【ジャカルタ11日時事】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)が11日明らかにしたところによると、インドネシア領西ティモールとの境界に近い東ティモール南西部のスアイ郊外で10日、国連平和維持軍(PKF)と民兵の間で銃撃戦が発生し、PKFのネパール兵1人が死亡した。民兵との衝突でPKF兵士が死亡したのは、7月24日に殺害されたニュージーランド兵に次いで2人目。
 西ティモールとの境界付近では、西ティモールの難民キャンプを拠点とする民兵の活動が活発化しており、7月下旬からPKFとの銃撃戦が頻発。インドネシア政府は既に、難民キャンプの閉鎖を決めている。 [時事通信社][2000-08-11-17:29] 476
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 08/11@4千人のPKO派遣を勧告 エリトリアで国連総長(共同通信)

 【ニューヨーク10日共同】アナン国連事務総長は十日、エチオピアとエリトリア情勢で国連安全保障理事会に報告書を提出、停戦監視に当たる国連エチオピア・エリトリア派遣団(UNMEE)の規模を軍事監視要員二百二十人を含む四千二百人とするよう勧告した。
 両国は今年六月、約二年に及んだ戦闘を終結させる停戦協定に調印。国境のエリトリア側に幅二十五キロの緩衝地帯を設けて、国連要員を配置させることを決めている。(了)[2000-08-11-07:50]
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 08/12@<負の遺産>中立国スイスの裏側 排斥の歴史繰り返す(毎日新聞)

 スイス北部チューリヒ市。98年春、有力保守政党・国民党がポスターを張り出した。「アルバニア系コソボ人」の文字の下に、英語の「ノー」を意味するドイツ語「ナイン」の大文字。一見、スイス在住のコソボ出身者(推定約20万人)に「出て行け」と言っているかに読める。それが真意であれば憲法に抵触するが、からくりがあった。上に小さな字で「(難民と市民の)対話組織」。それに対する「ノー」だったのだ。
 難民援助を計画した市を攻撃するポスターだった。無論、「人種・民族差別」との批判が出た。だが、新聞などの反響には別の理由があった。同党指導者が、欧州右翼の代表的政治家の一人、クリストフ・ブロッハー氏(59)だったからだ。
 「永世中立の伝統を守れ」。「外国人が多すぎる。国籍取得の条件を難しくしろ」。こう主張した同党は、99年の総選挙で最高得票率を獲得。議席も一挙に15増えた。
   ◇   ◇
 入閣の可能性もあるブロッハー氏に、2年前の「ポスター問題」から聞いた。
 ――なぜ、難民援助はいけないのですか?
 「援助組織はコソボ難民をスイスに違法入国させる呼び水になっていた」。
 ――差別では?
「むやみ“保護”を求め、違法入国する者は帰還すべきだ。スイス経済が悪化し失業率が高まれば、国籍付与も制限すべきだ」
 ――スイスは、大戦中ナチスに協力した政策が批判されています。
 「中立を守るために仕方がなかった。連合国など一方に組みすれば、多数の国民が犠牲になった。父祖の代を批判したくない」。
   ◇   ◇
 今年7月、ジュネーブのコソボ難民救援組織。「警察に無理やり、帰国同意書に署名させられた」。「故郷には地雷がある。子どももいる。今、コソボには戻りたくはない」。難民たちは口々に訴える。
 昨年のコソボ紛争で、スイス政府が受け入れたコソボ難民は約5万人。だが紛争収拾を受け、政府は今年春、難民帰還を決めた。期限は8月31日。同意しない場合は、警察を導入、強制帰還させる。難民1万人以上が帰国を拒み、一部の州ではデモも起きた。
 「素晴らしい国だと思って来たが、裏切られた」。そう話す難民の横で、救援組織のスイス人、ルウエンベルガーさん(48)が言う。「警察は逮捕をちらつかせ、難民に帰国同意書に署名させている。外国人排斥がスイスの一貫した政策だ」。
 スイスは大戦直前、ユダヤ人難民の入国を拒否し、ナチス政権と協力した。また、政府の意向に反し、ユダヤ難民を救った警察官や、スペイン内戦で戦った義勇兵を冷酷に扱った。
 今、スイス政府は大戦中の暗部に光を当てるため、各種の調査委員会を創設している。政治家は過去の行為に陳謝もした。その「負の遺産」は清算されつつあるかにも見える。だが、コソボ難民の扱いなどについて多くの識者は言う。「歴史は繰り返す」と。【ジュネーブ・福原直樹】[2000-08-12-23:56] 15
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 08/12@◎コソボ地方選、10月28日に実施(時事通信)

 【プリシュティナ12日DPA=時事】国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は12日、ユーゴスラビア・コソボ自治州の地方選挙を10月28日に実施すると発表した。30の自治体の議会で議員が選出される。
 コソボでは4月から7月にかけて、地方選実施のための有権者登録が行われたが、同州では少数派のセルビア系住民は登録を拒否し、大多数が選挙に参加しない見通し。 [時事通信社][2000-08-12-23:28] 16
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 08/12@◇コソボで進む「現代の刀狩り」◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ駐留の国際部隊(KFOR)が、大量に出回っている自動小銃など小型武器を押収し、返上された武器を完全に燃やしてしまう計画を進めている。コソボ紛争が終わって1年以上が過ぎた今も、毎日のように殺人事件が起きている背景に、こうした小型武器の存在があるからだ。だが、アルバニア系、セルビア系を問わず、住民の間で銃への「信仰」は根強く、現代の「刀狩り」の足かせとなっている。
 KFORが昨年6月のコソボ展開から今年4月までの10カ月で押収、あるいは返上を受けた小型武器は、ライフル・自動小銃が約1万3000丁、短銃約2500丁、機関銃や迫撃砲など約1100基に及ぶ。
 コソボを5地区に分けて駐留する多国籍旅団ごとに武器を回収してきたが、破壊したのは一部にとどまり、略奪される恐れもあった。このため、厳密な管理のもとで完全に破壊する必要性が唱えられ、ノルウェー政府が協力して今年4月から小型武器の焼却、スクラップ化が始まった。
 これまでにこの計画で破壊できたのは3742丁。計画の責任者を務めるノルウェー陸軍のヨハン・リスタッド少佐(44)は、「19世紀の銃から、ドイツ製で高価な最新式狙撃銃まで、見たこともない銃が少なくない。密輸など入手経路も複雑なようだ」と指摘する。
 コソボ紛争は小型武器拡散の典型だ。国境を越えたアルバニアで1997年春に起きた暴動で、軍の武器庫が襲われ、推定約75万丁が消えた。大半が中国製のカラシニコフ銃。そのうち少なくとも数万丁がコソボに密輸され、アルバニア系武装組織コソボ解放軍の手に渡ったとみられる。
 解放軍は空爆後、公式には解散し、KFOR監視のもとで非武装化がはかられた。だが、返上された武器は約1万丁だけ。最近も大量の武器が隠されているのが見つかった。安易に銃の力に頼ろうとする状況は、セルビア側も変わらない。
 リスタッド少佐は「我々が破壊したのは一部にすぎない。『いざとなればまた銃が必要になるかも』と隠しておく住民が多い」と話している。[2000-08-12-17:56] 17
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 08/12@<スイス・負の遺産>国籍取得に住民投票を実施(毎日新聞)

 スイスの小さな町で、ある「パンフレット」が配られた。顔写真がずらりと並ぶ。その下には国籍、住所、年齢、年収、趣味、職業、結婚の有無、学歴……。
 個人のプライバシーが網羅された冊子は、住民投票用の資料だった。スイスへの帰化を求め、その町に本籍を置きたい外国人を載せ、各人の帰化について賛否を問うのだ。
   ◇    ◇
 「パンフレットで人を選ぶなんて、おかしい。写真や国籍で、何が判断できるのか。差別だ」。スイス北部バーゼル近郊の町、プラトルン(人口1万5000人)。トルコ国籍のオエズカン・オエズベイさん(23)は不信感をあらわにした。
 父に連れられ、この町に来たのは3歳の時。ここで育ち、労働許可を得て、製薬会社に就職し、スイスは「祖国」になった。税金も払い、スイス人の恋人もいる。「投票権が欲しい」。帰化請求は97年だった。
 地方分権が強いスイスでは、各地方自治体が帰化を認可する。公的機関が判断する場合が多いが、この町は違っていた。
 規則に従い、まず町の代表者らで構成する「市民会議」に申請した。面接後、町に本籍を持つ住民(約1700人)だけによる投票が行われる。この年から、町は「候補者を公平に紹介するため」、帰化申請者の出身国を特定できる小冊子を作っていた。投票の結果は申請者43人中、旧ユーゴスラビア、トルコ人の22人が拒否された。帰化を認められたのはイタリア、スペインなどの出身者だった。
 「人種差別」。町に抗議したが、なしのつぶてだった。地方裁判所に訴えても、「この件で、外国人に訴える権利はない」。州の行政裁判所に訴え、やっと勝訴した。「投票結果は、憲法違反」とされた。
 だが、国籍を得たわけではない。判決に従い、もう一度、投票をやり直すからだ。冊子についても判決は、「差別ではない」と判断した。「次回、どんな結果が出るか不安だ。外国人への嫌悪感を感じる。こんな投票はやめてほしい」。
 市民会議のプフィルター議長の表情は複雑だった。
 「冊子は写真の良しあしで、一部の候補者に不利だったかもしれない。投票者の一部に、外国人への嫌悪感もあった。しかし、帰化の基準を満たしても、外国人は別の文化を引きずっている。スイス人ではない候補者の素顔を知りたいし、いまのやり方は変えない」
   ◇    ◇
 同様の冊子を使った住民投票は今年3月、スイス中部エンメン(人口2万7000人)でも行われた。申請者56人のうち、やはり東欧、トルコ出身者だけ48人を拒否。「違憲」との非難が起きた。町は現在、別の方策を模索中だ。同町の住民の25%が外国人。プラトルンの30%と同様、多い。
 スイス政府は93年、帰化の認可権が政府に属する西欧諸国にならい、まず国内で生まれたり育った外国人の帰化手続きを簡素化しようとした。しかし、翌年、国民投票で否決されている。【ジュネーブ・福原直樹】[2000-08-12-00:06] 356
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 08/12@<米大統領選>民主党大会14日から 中道志向の政策綱領も(毎日新聞)

 【ロサンゼルス12日清宮克良】米民主党はゴア副大統領とリーバーマン上院議員を正副大統領候補に正式指名する党大会を14日から4日間の日程でロサンゼルスで開催する。ロサンゼルスで民主党大会が開かれるのは、故ケネディ大統領を候補指名した1960年以来40年ぶりだ。大会初日の14日に採択される政策綱領はゴア氏の施政方針となるもので、通商、財政、防衛などで「ゴア氏の中道志向の考え」(ニューヨーク・タイムズ紙)が色濃く反映された内容になっている。
 政策綱領案は米本土ミサイル防衛(NMD)について弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約と矛盾しない「限定的」なものにする方針を示すなど、現政権の政策を基本的に踏襲している。外交では中国やロシアに対する関与政策を継続するとの立場をとり、強硬姿勢の目立った共和党綱領との違いを鮮明にしている。
 対日政策では、日米同盟の強化をうたう一方、自動車分野での貿易不均衡の是正、米鉄鋼産業の貿易赤字の削減を打ち出し、日本に対して強い態度を取り得ることも示唆している。
 中東和平交渉の関連ではエルサレムを「イスラエルの首都」と明記し、イスラエル寄りの姿勢をとっていることが特徴だ。
 内政では勤労世帯に重点を置いた政策の実現を掲げている。繁栄を支えるためには健全財政の維持が必要との観点から、2012年までに政府の債務完済を約束。共和党の大減税案を批判し、中間所得層に的を絞った減税を提示している。
 また、共和党大統領候補のブッシュ・テキサス州知事が教育政策を最優先課題にしたことに対抗して教員の採用数を増やすことなどを盛り込んだほか、医療保険を児童に適用する施策も提案している。
 【ロサンゼルス12日清宮克良】米民主党が党大会で採択する政策綱領案の要旨は次の通り。
 一、健全財政を維持し、2012年までに政府債務をゼロにする。共和党の大減税は米経済の繁栄を損なう。我々は中間所得層を対象にした減税を実現する。
 一、教員の採用を増やす。児童に医療保険を適用する。インターネットを全家庭に普及させ「デジタル・デバイド」(情報格差)をなくす。
 一、公正な貿易の実現を目指し、障壁を撤廃する。貿易赤字を削減し、製造業の雇用が減らないようにする。自動車分野で主要相手国との貿易不均衡を減らすため、強力な協定締結も辞さない。
 一、子供を銃の事件・事故から守るため、安全ロック装着を義務づける。
 一、女性が出産の決断をする権利を保障する。望まない妊娠を減らし、中絶が不要になるようにする。
 一、エルサレムはイスラエルの首都である。パレスチナ自治政府が一方的な独立宣言を避けるよう働きかける。
 一、ロシアに対する関与政策を継続する。チェチェン共和国の問題では見解の相違がある。
 一、米中関係の悪化は米国の国益を損なう。中国に対し、人権問題や台湾への威嚇に関しては国際的な行動基準に従うように求めるが、関与政策は継続する。
 一、日米安保共同宣言に基づいて防衛協力を緊密化し同盟関係を強化する。アジアの民主主義国家の支援から公正な貿易の促進まで日本と協調していく。
 一、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の長距離弾道ミサイル実験を中止させる。日米韓の調整が重要。
 一、共和党の軍備案を拒否し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に矛盾しない限定的な米本土ミサイル防衛(NMD)の技術開発を支持する。[2000-08-12-23:42] 400
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 08/12@最終合意期限まで1カ月 独立準備進む自治区ガザ(共同通信)

 【ガザ(パレスチナ自治区)12日共同】パレスチナ紛争の最終的解決を図る恒久的地位交渉の最終合意期限である九月十三日まで一カ月と迫った。
 中東和平首脳会談が七月に決裂後、パレスチナ自治政府のアラファト議長は「九月十三日に独立宣言する」と公言。これに対しイスラエルのバラク首相は自治区封鎖などで対抗措置を取る構えだ。独立宣言が大規模な武力衝突につながる恐れもあり、一九九三年の暫定自治宣言で動き出した中東和平交渉は正念場を迎える。
 独立国家樹立はパレスチナの悲願であり、アラファト議長の最大の交渉カード。議長がぎりぎりで独立宣言を延期するとの見方もある一方、独立を求める自治区住民の声も強い。首脳が再会談するかどうかを含め、今後一カ月は緊迫した状況が続く。
 琵琶湖の半分の広さに百二十万人がひしめくガザは暫定自治宣言後、欧米や日本の支援で大きく変ぼうした。海岸沿いに小ぎれいなホテルが立ち並び、建設中の高層ビルも目につく。
 だがパレスチナ世界貿易センターのジハード・ワジール所長は「ガザ経済は暫定自治宣言の前よりイスラエルへの従属度が強まり、街にはイスラエル製品があふれている」と指摘。「住民の間には早く独立して外国商品を規制なく輸入し、自由に出入りしたいという思いが募っている」と説明する。
 自治政府は既に独立準備を着々と進めている。各国に駐在する大使の研修を今月五日に開始。ある自治政府幹部は「独立国家の新通貨のデザイン案も出来上がった」と打ち明けた。
 難民キャンプに暮らすムハマド・シャイディーさん(35)は反イスラエル闘争(インティファーダ)の元指導者。「アラファト議長が独立宣言延期を選ぶなら支持する」。だが「イスラエルが妥協を拒むなら独立するだけだ。攻撃されたらインティファーダの再現だ」と息巻き、イスラエルへの激しい抵抗心をうかがわせた。(了)[2000-08-12-15:43] 406
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 08/12@<ギニアビサウ>財政難 閣僚恩給やめ社会開発に(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク11日藤原章生】西アフリカの小国ギニアビサウのダウダ労働相は11日「元閣僚ら85人への恩給を廃止し、余剰金を社会開発に充てる」と国営ラジオを通じて異例の発表をした。アフリカでは退職した国家元首や閣僚が現職並みの給与、福利厚生を受け続ける例が多く、画期的な決断と言える。
 内戦、選挙を経て今年1月に誕生したクンバ・ヤラ大統領(47)率いる新政権は「閣僚、政治家の浪費を減らす」ことを公約にしてきた。人口約100万人で国内総生産(GDP)は300億円ほどだが、大統領を筆頭に閣僚級が28人、国会議員は102人もおり、公用車代など政治家の経費が予算を圧迫してきた。
 コスト削減を担当するヌチャマ首相(45)は(1)新閣僚には安価な大衆車を支給(2)月給を6万円相当に統一(3)住宅補助を大幅削減(4)閣僚の国外出張費は1日上限2万円――などで経費を削ってきた。今回の決定は「退役者に甘い」と言われるアフリカ諸国にとって英断と言える。
 内戦、前政権の汚職などから国庫がカラ状態のギニアビサウへは、旧宗主国ポルトガルが先月、3年間で4000万ドル規模の援助、投資を発表した。国際通貨基金(IMF)も政治の公正さなど基本条件が整ったとみて、同国の経済再建計画に取り掛かっている。[2000-08-12-12:34] 408
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 08/12@紛争での子ども被害を非難 国連安全保障理(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】国連安全保障理事会は十一日、各地の地域紛争で子どもが巻き込まれていることを強く非難する決議案を全会一致で採択した。
 シエラレオネやコンゴ(旧ザイール)などでは多くの子どもが紛争の犠牲になっているのをはじめ、少年兵として強制的に徴用されている実態に歯止めをかけるのが狙い。
 決議は、子どもが紛争に巻き込まれることが地域の平和と安全、開発に有害な結果を招くと指摘。さらに紛争を逃れた難民や国内避難民には子どもや女性が大半を占めるとして、子どもらの保護と支援を各国に要請している。(了)[2000-08-12-10:22] 410
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 08/12@戦略ミサイル軍存続を決定 ロシア、同軍予算は削減か(共同通信)

 【モスクワ12日共同】ロシアの戦略ミサイル軍の空軍への統合問題を話し合うためにプーチン大統領が招集した安全保障会議は十一日夜、戦略ミサイル軍の存続を決定し、協議を終了した。一方でイワノフ安保会議書記は「均衡の取れた決定」が採られたと言明、戦略ミサイル軍の一定の予算削減でも一致したことを示唆した。
 戦略ミサイル軍の統合を提唱する軍ナンバー2のクワシニン参謀総長は、これに強硬に反対するセルゲーエフ国防相と公然と対立。安保会議の決定は、戦略ミサイル軍存続で国防相の顔を立てながらも同軍の予算を削減し、財政難の中で、チェチェン紛争など地域紛争への対応能力強化のための通常兵器充実を図る妥協案と言える。
 セルゲーエフ国防相は会議終了後「ミサイル発射装置は一基たりとも削減されない」と述べ、戦略ミサイル軍の存続に満足の意を表明。
 一方、イワノフ書記は、財政難に直面する陸海空三軍に戦略ミサイル軍を加えた全軍の財政と兵力配備の「現実的な可能性を考慮して決定を下した」と言明しており、参謀総長側の主張も考慮した決定が採られたもようだ。(了)[2000-08-12-10:17]
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 08/13@コソボ地方選10月実施、セルビア系は登録拒否(読売新聞)

 【ローマ12日=西田和也】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は十二日、同自治州の地方選を十月二十八日に実施すると発表した。昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆後、コソボで選挙が実施されるのは初めて。約三十の市町村議会の議員が選出される。UNMIKは同選挙をコソボの安定、民主化と住民への権限移譲を進めるプロセスの大きな一歩と位置づけているが、少数派セルビア系住民(約十万人)はほとんどが有権者登録を拒否した。[2000-08-13-01:46] 10 [このページの最初に戻る]


 08/13@◇コソボ地方選挙は10月28日に投開票 空爆後、初◇(朝日新聞)

 国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)は12日、ユーゴスラビア・コソボ自治州での地方選挙を10月28日に実施すると発表した。
 昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆以来、初の選挙となる。社会再建の一環として同支援団と欧州安保協力機構(OSCE)が中心となって、準備を進めてきた。
 しかし先月締め切られた選挙に向けた住民登録では、アルバニア系住民は約100万人が登録したものの、コソボに残る約10万人のセルビア系住民は選挙実施への反発などから1000人以下にとどまった。選挙によって両者の関係修復をより難しくしかねない恐れも指摘されている。[2000-08-13-01:00] 332
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 08/13@グルジアの山岳地帯で行方不明の赤十字職員ら3人を保護(共同通信)

 【モスクワ13日共同】インタファクス通信によると、赤十字国際委員会(ICRC)トビリシ事務所は十三日、グルジアの山岳地帯で行方不明となっていた同事務所のフランス人とイタリア人職員二人とグルジア人運転手の計三人を同日未明に保護し、首都トビリシに移送したことを明らかにした。
 三人は四日、隣接するロシア南部チェチェン共和国からの難民がいる地域に向かった後、消息を絶った。その後、正体不明のグループに拉致(らち)され人質となったと判明。ICRCとグルジア政府当局が交渉を続けていた。
 犯行グループの要求は不明だが、ICRCは身代金は支払っていないと強調している。(了)[2000-08-13-19:19] 352
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 08/13@<唄の話>「罪人の音楽」の響き モスクワ 石郷岡建(毎日新聞)

 ロシアには、ブラート(罪人)音楽というジャンルがある。監獄や強制収容所の鎖につながれた人々の気持ちを表現した歌だ。自由気ままで、やくざな生き方をした男たちのロマンを歌いながら、ちょっぴり反体制的気分を織り交ぜている。
 発禁処分を受けながら、地下出版テープで人々の間に受け継がれた「ソ連の吟遊詩人」ビソツキーも監獄の歌で名高い。どうして、罪人の歌がロシア人の心を打つのか。これはロシア精神史と深く関わる問題かもしれない。
 そのブラート音楽が、反ロシア感情の強い西ウクライナで大きな問題を起こした。ポーランド国境に近いリボフの町のカフェでの出来事。今年5月、ウクライナの作曲家ビロズイル氏の誕生パーティーが開かれ、ウクライナの民族感情を鼓舞する歌で盛り上がった。すると、近くにいたロシア系グループが突然「ウラジーミル中央監獄」の歌を始めたのだった。
 双方の「歌合戦」は次第に険悪になり、ついに殴り合いになった。ビロズイル氏は病院に運ばれ、20日後に死亡した。ウクライナ系市民の怒りは爆発し、大規模デモまで起きた。
 この騒ぎを受けて市議会は「公衆の場で、外国の下品な歌を禁止する条例」を制定した。ロシア社会は「下品な歌とは何か」「ロシア人へのいやがらせだ」と反発し、両国関係は気まずい状態になっている。
 背景にはウクライナ独立後、「2級市民」となったロシア人のうらみ、つらみと、独立してもなおロシアの影響下から抜け出せないウクライナ人の悔しさが、ぶつかったことがある。
 ところで、その「ウラジーミル中央監獄」の歌詞のさわり部分を紹介すると。「春がやってきた。陽射しは暖かくなり、私の窓の中に、何の疑いもなく、入ってくる」「私の胸は締め付けられ、悲哀が心の中に広がる」――。
 ロシアとウクライナの民族対立の原因にするには惜しいほどの、しみじみとした、いい歌である。[2000-08-13-00:02]
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 08/14@◎平和維持軍、コソボの鉱山施設を接収=抗議のセルビア人と(時事通信)

 【ウィーン14日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、北大西洋条約機構(NATO)主体の平和履行部隊(KFOR)は14日、同州北部の重要鉱山施設であるズベチャン鉛製錬施設を、環境汚染を理由に強制的に接収。これに抗議するセルビア人住民約300人とKFOR部隊が衝突し、少なくとも双方に8人の負傷者が出た。
 コソボは鉱物資源に富み、この鉛製錬施設はユーゴの鉱工業の重要拠点と位置付けられていた。しかし、国連調査団は施設周辺の鉛の汚染が基準値の200倍に達しているとの報告書を作成、KFORは実力による操業停止に踏み切った。 [時事通信社][2000-08-14-20:35] 8
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 08/14@ユーゴ空爆、命中率40%(共同通信)

 【ロンドン14日共同】英BBC放送は十四日、昨年のユーゴスラビア空爆で英空軍機が投下した爆弾のうちの半数以上が目標をはずした、と報じた。
 同放送が航空専門誌と共同で行った調査で得た国防省の機密報告によると、正確に目標に的中した率は四○%。レーザー誘導が装着されていない通常爆弾だけを取ると、命中率はわずか二%だった。(了)[2000-08-14-20:34] 212
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 08/14@米民主党全国大会 ゴア氏、勤労者・弱者重視前面に(読売新聞)

 【ロサンゼルス14日=柴田岳】十一月の米大統領選に向けた民主党全国大会が十四日午後(日本時間十五日早朝)、ロサンゼルスで四日間の日程で開幕する。大会三日目にアル・ゴア副大統領を大統領候補に正式指名し、ゴア氏は最終日の十七日夜に指名受諾演説を行う。初日の十四日は「繁栄と進歩」をテーマにクリントン大統領やヒラリー大統領夫人が演説、「経済繁栄をもたらしたクリントン政権」の実績を強調し、ゴア氏への政権継承を訴える。
 これに先立ち、ゴア氏は十三日、遊説先のペンシルベニア州の小児病院で「ロサンゼルスへの旅を通じて『働く家族』のための戦いを訴えたい。党大会は風船やあめ玉ではなく本質を訴えるものにする」と語り、勤労者や弱者を重視した政策を前面に押し出して共和党のブッシュ候補との違いを強調していく方針を明らかにした。
 NBCテレビが十三日に発表した世論調査の支持率はブッシュ候補44%に対しゴア氏41%、FOXテレビの調査もブッシュ候補44%、ゴア氏39%で、ゴア氏は依然としてブッシュ氏にリードされている。
 このため、ゴア陣営は党大会で、労働組合など党の伝統的支持基盤を固めるとともに、ゴア氏の家族や友人を数多く登壇させて、クリントン大統領の陰に隠れがちだったゴア氏の人間的魅力や理念・政策などを国民に訴える考えだ。
          ◇
 ◆ユダヤ系社会 歓喜と警戒と◆
 【ニューヨーク14日=寺田正臣】米民主党全国大会でユダヤ系として初めてジョゼフ・リーバーマン上院議員(58)が副大統領候補に指名されることに対して米国のユダヤ系社会は「歓喜」と「警戒」の入り交じった複雑な反応を見せている。
 リーバーマン氏の指名はユダヤ系社会では「歴史的事件」として受け止められている。その興奮度をなぞらえるのに引き合いに出されているのがナチ政権下のユダヤ人強制収容の首謀者を死刑にしたアイヒマン裁判(六〇年代初頭)、大リーグ殿堂入りを果たしたユダヤ系の大投手サンデー・コーファックスの活躍(六〇年代前半)、それにイスラエルがアラブ側に圧勝した六七年の六日戦争(第三次中東戦争)だ。ニューヨーク市内の州芸術評議会事務局に勤めるハン・グリフさん(41)は「六日戦争以来、私たちユダヤ系がこれほど我が民族を誇りに感じたことはない」と興奮気味に語る。
  反ユダヤ主義 ニューヨークのユダヤ系紙「フォーワド」は「ユダヤ系にとって最後の壁が取り払われた」と書いた。「最後の壁」とは共和・民主二大政党の大統領・副大統領候補にこれまでユダヤ系が一度も指名されなかったことを指す。全米人口の2―3%に過ぎないユダヤ系は米国の政治・社会に隠然たる影響力を持つと言われてきた。しかしキッシンジャー元国務長官など閣僚経験者や最高裁判事など要職にユダヤ系は進出しているものの、国家の最高ポストだけは手にできていない。ユダヤ系に限らず人口の26%を占めるカトリックは故ケネディ大統領ただ一人、12%の黒人は皆無と、米国のシンボルとも言うべき大統領・副大統領職だけは「多様性の社会」とは裏腹に、ほぼ一貫して「白人プロテスタント」が握っている。
 そうした意味でリーバーマン氏の副大統領候補指名は画期的なことだが、ユダヤ系社会の中には逆に反ユダヤ主義(アンチセミティズム)が頭をもたげてくるのではないかとの懸念も出ている。
  出始めた中傷 社会学者のサムエル・ハイルマン氏(ユダヤ系)は「民主党が秋の大統領選で負けた場合、その責任追及の矛先がユダヤ系に向けられるのではないかと懸念する声がある」と指摘する。インターネット上では「ユダ公にこの国をまかせるというのか」といった中傷がすでに出始めた。反ユダヤ主義の動きを追っているユダヤ人組織「反中傷連盟」のジョーダン・ケスラー氏は「ネット上での反ユダヤ主義的中傷は飛躍的に増えている。これから選挙が近づくにつれて加速することは間違いない」と言う。
 米国の反ユダヤ主義は欧州ほど根深くはないが「ユダヤ系が目立てば反ユダヤ主義を刺激することになる」というのが迫害の歴史を持つユダヤ系の一般的な感情だ。コラムニストのレナード・フェイン氏は米紙への寄稿の中でこれを「恐怖心に根ざした内気さ」と書いている。リーバーマン氏の指名はこうした伝統的なユダヤ系社会の考え方にも一石を投じるものになりそうだ。[2000-08-14-23:00] 213
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 08/14@◇アラファト議長が中国・江沢民主席と会談◇(朝日新聞)

 パレスチナ自治政府のアラファト議長は14日、中国を実務訪問し、中国指導部が政策協議を行う河北省の避暑地、北戴河で、江沢民国家主席と会談した。中国中央テレビの報道によると、江主席は、パレスチナの独立問題に対して「パレスチナ人民の選択を尊重する」と述べ、支持の姿勢を表明。その上で、「(独立宣言は)適切な時期に行われると信じる」とし、性急な宣言に自制を求め、中東情勢の安定を強く望むとの中国の立場を強調した。
 9月中旬の和平交渉期限を前に精力的な外交活動を続けるアラファト議長に続き、16日にはイスラエルのペレス地域協力相も中国を訪問する予定。中国としては、国連安保理の常任理事国として米国とは違った形で中東情勢に一定の影響力を示そうとの構えだ。[2000-08-14-22:51] 218
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 08/14@永住外国人への地方選挙権付与、与党内の焦点に(読売新聞)

 永住外国人地方選挙権付与法案の扱いが与党内で大きな焦点になっている。公明党が秋にも召集される臨時国会での成立を目指し、慎重論が根強い自民党への働きかけを強めているためだ。韓国側も早期法制化を日本側に促しており、自民党の野中幹事長は、党議拘束を外して採決に持ち込む意向を示しているものの、党内からの反発は必至だ。
 永住外国人は在日韓国・朝鮮人を中心に約六十二万人いる。公明、保守両党が国会に提出し、継続審議となっている同法案は、同一市町村に三か月以上居住する二十歳以上の永住外国人に対し、都道府県や市町村の首長と議員選挙の選挙権を認める内容だ。
 公明党は「永住外国人は税金も負担しており、身近な地方行政に意思を反映できるようにすべきだ」として、同党の冬柴幹事長らが秋の臨時国会での法制化を繰り返し求めている。
 六月の衆院選で不振だった公明党は、来年夏の参院選に向け、この問題で存在感を示す狙いもある。野中氏も公明党との関係を重視する立場から、党として賛否を決めず、個々の議員の判断にゆだねる形で法案採決に臨む考えを周囲にもらしている。
 民主党など野党は、基本的に同法案に賛成していることから、自民党が党議拘束を外せば、衆参両院で賛成派が過半数を占め、法制化が実現するとの計算だ。
 さらに、自民党が無視できないのは韓国側の対応だ。韓国の金大中大統領は未来志向の日韓関係を強調し、九八年十月以降、三次にわたり日本の大衆文化の開放を行う一方、日本側に対し、今年中に地方参政権付与を実現するよう求めている。
 金大統領が九月に来日する際、この問題を取りあげるのは必至で、日本政府内には「いつまでも『自民党内で検討中』と逃げていれば、日韓関係を損ないかねない」(政府筋)との危ぐが強まっている。
 だが、自民党内には「永住外国人の割合の高い自治体もあり、安全保障、治安の観点から問題だ」(参院幹部)といった反対論が根強い。さらに、公明党と自由党が今年の通常国会冒頭に提出した法案と比べ、今回の公明・保守党案は先の南北首脳会談を受け、北朝鮮国籍保有者を除外する規定を外しただけに、自民党の一部の反発を招いている面もある。野中氏が法制化に踏み切ろうとした場合、党内から異論が噴出するのは確実だ。
 全国に約五十二万人いる在日韓国・朝鮮人は、大阪府(約十四万)、兵庫県(約六万)、東京都(約五万)など一部地域に集まっているうえ、公明党の支持率が高い地域が多く、「公明党の本音は結局、地方選での集票目当てではないか」(自民党関係者)との冷ややかな受けとめ方もある。[2000-08-14-22:37] 227
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 08/14@◎パレスチナ独立は「適切な時期」に=江主席、アラファト議(時事通信)

 【北京14日時事】中国の江沢民国家主席は14日、河北省の保養地・北戴河でアラファト・パレスチナ自治政府議長と会談した。江主席は焦点のパレスチナ独立問題について「パレスチナ当局が適切な時期を選ぶと信じている」と述べ、一方的な独立宣言の自制を暗に促した。
 中国中央テレビによると、アラファト議長は7月のキャンプデービッド首脳会談の結果とパレスチナ側の立場を説明。これに対し、江主席は同会談の決裂に「深い遺憾」を表明した上で、パレスチナ、イスラエル双方が柔軟かつ実務的態度で交渉に臨み、合意を達成するよう望むと語った。また、「建国を含むパレスチナ人民の民族的権益」を支持すると強調した。 [時事通信社][2000-08-14-21:10] 230
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 08/14@◇東ティモール難民キャンプ、半年以内に閉鎖◇(朝日新聞)

 インドネシア政府は14日、昨年の東ティモール騒乱でインドネシア側に逃れた人々を収容している難民キャンプを半年以内に閉鎖する、と発表した。同国政府によると、東ティモール難民はピーク時に28万5000人に達したが、順次帰還し、現在は西ティモールを中心に約13万人が同国に残っている。国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は「受け入れ態勢はできている」と閉鎖決定を歓迎している。
 インドネシアと接する東ティモール西部では7月以降、越境した残留派民兵と国連平和維持軍(PKF)との衝突が何度かあり、PKFの兵士2人が死亡した。国連側は「難民キャンプが民兵の活動拠点になっている」と非難し、キャンプの閉鎖を要求していた。
 インドネシアのシハブ外相は関係閣僚会議の後、記者会見し、「キャンプの閉鎖で難民が困らないように包括的な計画が必要だ。政府内に特別チームをつくり、3カ月から6カ月以内に閉鎖する」と語った。
 外相によると、難民の中にはインドネシア国軍の元軍人とその家族約1万人が含まれており、同国内への残留を望んでいる難民も多い。このため、東ティモールへの帰還を希望するのは40―50%と推定しているという。
 UNTAETのジャカルタ事務所も「独立派の住民の多くはすでに戻っている。インドネシア側に残っているのは、東ティモールに戻るのを怖がっている人々だ。帰還するのは25―30%程度」という。
 ただ、インドネシア国軍の一部は今なお民兵集団を支援している疑いがある。活動拠点を奪われる民兵が国軍とともに難民の帰還を妨害する恐れがあり、帰還が円滑に進むかどうかは不明だ。
 インドネシアからの独立を決めた国連の住民投票から30日で1年になることもあり、東ティモールでは民兵の越境攻撃が激化するとの観測も出ている。[2000-08-14-21:02] 244
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 08/14@PLO中央委は来月8日か(共同通信)

 【エルサレム14日共同】十四日のパレスチナ放送によると、パレスチナ解放機構(PLO)中央委員会のザヌーン議長は、パレスチナの独立宣言の期日を議論する中央委員会が来月八日ごろに開かれると語った。
 ザヌーン議長は、中央委員会の予定は同八日だが、六日からニューヨークで開かれる国連ミレニアムサミットに出席するアラファト議長の滞在日程次第では、九日になることもありうるとしている。
 アラファト議長は、九月十三日に一方的独立宣言をしないよう欧米やロシアなどから圧力を受けているが、エジプトのムバラク大統領は十三日、独立宣言は延期される可能性があるとの見通しを示した。(了)[2000-08-14-20:06] 251
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 08/14@コンゴ紛争で首脳会議開催(共同通信)

 【ナイロビ14日共同】ザンビアからの報道によると、崩壊の危機にひんしているコンゴ(旧ザイール)紛争の停戦協定を軌道に戻すため、関係国による首脳会議が十四日、ザンビアの首都ルサカで開催された。
 参加が危ぶまれたコンゴのカビラ大統領も同日朝ルサカ入りして出席。反政府勢力はコンゴ解放運動のベンバ議長らが参加した。
 停戦協定は、ザンビアのチルバ大統領の調停で昨年夏に調印されたが、双方が停戦違反を繰り返し、いまだに戦闘を続行中。また、カビラ大統領は、国連や政治改革調停役のマシーレ前ボツワナ大統領に非協力的な姿勢をとっている。
 このため、国連は七月から予定していた五千五百人規模の平和維持活動要員の派遣を見合わせている。(了)[2000-08-14-19:30] 268
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 08/14@◇売春を強制された東欧女性7人をプノンペンで保護◇(朝日新聞)

 カンボジア憲兵隊は13日、プノンペン市内のホテルで、強制的に売春をさせられていたルーマニアとモルドビアの計7人の東欧女性を保護した。女性は10代が4人、20代が3人。
 女性たちがプノンペン市内の国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)に救助を求めたことから、事件が発覚した。東欧と東南アジアを結ぶマフィアのシンジケートがあるものと見られている。[2000-08-14-17:28] 280
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 08/14@「WTOは悪夢」と批判 グローバル化で国連人権委(共同通信)

 【ジュネーブ14日共同】国連人権委員会の人権小委員会は十四日までに、グローバル化と人権に関する報告をまとめ、先進国が主導権を握っている世界貿易機関(WTO)は途上国市民の人権にとって「悪夢だ」と痛烈に批判した。
 報告は、アフリカ諸国の専門家が中心となってまとめた。WTOだけでなく、国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関も「途上国に命令を押しつけている」とやり玉に挙げており、代表的な国際組織に対する途上国の不満を代弁した内容だ。
 報告は、WTO協定が「(途上国にとり)著しく不公正であり、ときには偏見さえ見受けられる」と指摘。先進国中心の一連の協定は「既に国際貿易を支配している一部の巨大企業に利益をもたらすだけだ」と結論づけた。その上で、途上国はWTO体制下で「取るに足らない立場」しか与えられておらず、早急に改革を実施するよう求めた。また、WTOの幹部に女性がほとんどいないとして、女性の人権の観点からも問題があると批判。
 IMFについては、自らの機構改革には消極的なのに、支援対象国には「選択肢や柔軟性がほとんどない『処方せん』(経済改革案)という名の命令」を与え続けていると非難。途上国に配慮を示し始めた世界銀行は「少しはまし」だが、改良の余地はあるとした。(了)[2000-08-14-15:22] 281
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 08/14@戦争に善悪つけがたい 植民地支配実態触れず 中学歴史申請(共同通信)

 現在文部省で検定作業中の中学校歴史教科書に「戦争は悲劇である。しかし、戦争に善悪はつけがたい」との戦争観を前面に出した申請本が提出されていることが十四日、分かった。
 日本語強制など植民地支配の実態についての記述はほとんどみられないなど、「戦争への反省」が基調になっている現行の中学校教科書と対照的なスタイル。教育勅語の全文を掲載したり、神話の記述などにも多くのページを割いており、森喜朗首相の神の国発言などとも絡んで論議を呼びそうだ。
 この申請本は先の戦争を「大東亜戦争」と記述、多くの教科書が採用している太平洋戦争という呼び方については「戦後アメリカがよばせた」と指摘した。
 戦局の記述では、神風特別攻撃隊員の家族にあてた手紙を引用し「日本のために犠牲になることをいとわなかった」多くの若者がいたとした。
 戦争について「戦争は悲劇である。しかし、戦争に善悪はつけがたい。どちらが正義でどちらかが不正という話ではない。国と国とが国益のぶつかり合いの果てに、政治では決着がつかず、最終手段として行うのが戦争である。アメリカ軍と戦わずして敗北することを、当時の日本人は選ばなかったのである」との考え方を示した。
 南方への「進出」についても、東南アジアの人々などに「日本軍の緒戦の勝利は…独立への夢と勇気を育んだ」などとし、欧州の植民地だった国々の戦後の独立につながったとした。しかし一方で、朝鮮などでの日本語の強制や皇民化教育など現在多くの教科書で取り上げられている植民地支配の実態についての記述はほとんどなく、中国人や朝鮮人の強制連行も書かれていない。
 「侵略戦争」という用語については特にコラムを設け「定義もされずに、感情的に使われてきた」との見方を示した。
 森首相が「時代を超えた価値がある」とした教育勅語は「近代日本人の背骨をなすものとなった」として用語注釈付きで全文掲載したが、戦後失効決議されたことには触れていない。
 中学歴史教科書は二○○二年度からの使用を目指し、八社が検定を申請している。(了)[2000-08-14-15:20] 320
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 08/14@ロケットとミサイルを区別(共同通信)

 【ソウル13日共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問した韓国のマスコミ社長団が十三日に明らかにした金正日総書記との会談録で、金総書記が国益を念頭にミサイルとロケットを使い分けていることが鮮明となった。
 金総書記は、科学目的の人工衛星の打ち上げに必要なロケット開発は「米国が(衛星を)代わりに打ち上げれば開発をしない」とする一方、ミサイル開発に関連して「列強と渡り合う」ことが必要と指摘、外交交渉の“武器”としていることをうかがわせた。
 さらにイランなどへのロケット売却を認めてロケットやミサイルが外貨獲得の「商品」となっていることをほのめかせ、米朝ミサイル協議で輸出中断の見返りに年間十億ドルを要求している根拠を示唆した。(了)[2000-08-14-08:13] 321
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 08/14@金正日総書記の発言要旨(共同通信)

 【ソウル13日共同】十三日発表された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記の韓国マスコミ社長団への発言要旨は次の通り。
 ▽統一問題 今まで(南北)両側に問題があった。体制維持のため両政府が統一問題を利用してきた。しかし、金大中大統領の決断で達成した南北共同宣言以後、大きく変わった。南北閣僚級会談は一回目、二回目はあいさつ程度で、三回目から本格的に速度を上げるつもりだ。
 ▽ソウル訪問 適当な時期に答礼訪問するつもりだ。行かねばならない任務がある。(シドニー五輪に招待されても)先にソウルへ行かねばならない。金大統領に借りがある。まず金容淳書記が九月にソウルへ行くようにするつもりだ。
 ▽韓国マスコミ観 南のテレビを見始めたのは(一九七九年十月の)朴正煕大統領暗殺の三週前から。南の新聞も見たが、八年前からは目が悪くなり今はよく読めない。
 ▽ミサイル問題 平和利用のためロケットを開発中だが、米国は「自分たちと戦争をする」と疑っている。科学技術発展のためロケットを研究している。ロケットに二、三億ドルかかるので、米国が衛星を代わりに打ち上げてくれるなら、われわれは開発をしないつもりだとプーチン・ロシア大統領に話した。イランなどにロケットを売っている。ロケットを開発し大陸間弾道弾をつくり、二、三発で米国を攻撃すれば、われわれが米国に勝てるというのか。米国はこうして難癖をつけている。
 ミサイル問題は私がつくったものだ。小国であるほど自尊心をしっかり持ち、列強大国にあたらねばならない。大国に卑屈にしたり、へつらったりしては絶対だめだ。南側の経済、技術と北側の精神を合わせれば強大国になる。日本に勝ち、三十六年間の補償も受け取るものは受け取らねばならない。
 ▽労働党規約改定 労働党規約も固定不変のものではない。いつでも変えることができる。(南北首脳会談で)金大統領が党大会をいつ開くのかと尋ね、秋ごろと答えたが、南北情勢が急激に変わり、あらゆることを再び準備することになった。過去にも規約は修正したが、四五年度につくられた綱領は変えない。この綱領は(日本の植民地支配からの)解放直後の四○年代のものなので、過激で伝統的な表現が多くある。党幹部には(金日成)主席と一緒に仕事をした方も多い。簡単に変えることができない。綱領を変えるなら、この人たちも退くことになり、私が粛清したという話になってしまう。
 ▽離散家族 今年は九月、十月と毎月一回ずつ行い、来年に総合検討し事業を進めよう。来年には離散家族が故郷の家まで訪問できるようする。
 ▽日米との国交 米国がわれわれにかぶせているテロ国家の帽子を脱がせてくれれば、あすにでも米国と国交を樹立する。日本との国交樹立問題は複雑だ。過去の問題もあり、清算せねばならない問題もある。日本は不当な解明を要求しているが、それならば明治維新の時から問いたださねばならない。日本は三十六年(の植民地支配)の補償をせねばならない。私は主権国家の名誉と自尊心を曲げてまで日本と国交正常化は絶対しない。
 ▽軍事力 私の力は軍事力から出ている。私の力の源泉の一番目はすべての人が一心団結していることで、二番目は軍事力。外国との関係での力も軍事力から来る。他国と仲良くしていても軍事力は必要だ。(了)[2000-08-14-08:13]
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 08/15@◇シエラレオネ特別法廷設置を決議 国連安保理◇(朝日新聞)

 国連安全保障理事会は14日、シエラレオネの反政府勢力を裁く特別法廷を設置する決議案を全会一致で採択した。サンコー議長をはじめとする革命統一戦線(RUF)の幹部が戦争犯罪人として訴追され、罰せられるのは確実。だが、なお広い地域を支配するRUF側の反発も必至で、新たな衝突を懸念する声も出ている。
 決議は、特別法廷は「人道に対する犯罪やシエラレオネ国内法に違反した犯罪に加わった指導者たちを裁く」と述べて、RUF幹部が訴追対象であることを宣言。8年に及んだ内戦でRUFが繰り広げた残虐行為についても訴追できることにした。
 安保理は、アナン国連事務総長に対し、シエラレオネ政府と協議して30日以内に法廷設置に関する報告書を提出するよう要請した。
 特別法廷はシエラレオネが主体になり、国連が支える形態をとる。国際社会が主導権を握った旧ユーゴスラビアやルワンダの国際法廷とは性格が異なり、ポル・ポト派の幹部を大虐殺の罪で裁く予定のカンボジア特別法廷に近い。
 RUFは今年5月以降、国連平和維持軍要員ら500人以上を人質として拘束した。住民の手足を切断したり虐殺したりしたこともわかり、国際社会の批判を集めた。サンコー議長はすでに逮捕されている。[2000-08-15-10:02] 112
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 08/15@<ワールドスコープ>露爆弾テロ事件 チェチェン紛争長期化(毎日新聞)

 モスクワ中心部のプーシキン広場で8日起きた爆弾テロ事件は、死者12人、負傷者100人以上を出す大惨事となり、ロシア国民を震撼(しんかん)させている。ロシア軍の攻撃を受けているチェチェン武装勢力の犯行説がささやかれるが、真相はヤブの中。まもなく1年になるチェチェンでの戦闘が続く中、再びテロ事件が発生するのではとの懸念も高まっている。
 モスクワでは昨年8月から9月にかけて、アパートなどで爆発事件が相次ぎ、約300人が死亡した。今回の発生場所は市内最大の繁華街で、全身血まみれになった被害者が次々と運び出される映像が全国に流れたため、社会に与えたショックは計り知れない。現場の地下道は今も多くの花束がささげられ、「祈りの場」となっている。
 「法と秩序の回復」を掲げるプーチン大統領は、今回の爆弾テロで威信を傷つけられた。チェチェン紛争の開始からおよそ1年がたち、武装勢力による報復テロを警戒していたさなかだったからだ。
 大統領は捜査を自ら指揮することを表明したが、捜査は進んでいない。事件直後、チェチェン人を含む男性2人が拘束されたが、事件とは無関係と分かり釈放された。チェチェンとの関連を示す証拠は見つかっていないのに、チェチェン犯行説が流布している背景には、チェチェンに対する根強い差別感情がある。世論調査によると、モスクワ市民の21%が「チェチェン武装勢力の犯行」と見ている。モスクワ市内では事件後、カフカス出身の男性は警官に呼び止められ、身分証明書を見せるよう要求されるなど、「いやがらせ」を受けている。
 また、「治安当局が泥沼化するチェチェン紛争への国民の支持をつなぎとめるため、チェチェンの犯行と思わせるように仕組んだ自作自演」との説もある。同様の説は昨年の連続アパート爆発事件の時にもささやかれた。当時首相に就任したばかりで全く無名だったプーチン氏は事件後のチェチェン攻撃で人気を上げ、大統領に当選した。とはいえ、プーチン大統領の支持率は現在8割近くに達しており、当局の自作自演はありえないようにみえる。
 今回の犯行がチェチェンによるものかどうかは別として、長期化するチェチェン紛争がテロの温床となっているのは間違いない。政府軍の猛攻撃にさらされている武装勢力の過激派グループが一般市民を狙った報復テロに出る可能性は十分考えられる。
 プーチン大統領は事件後、「テロへの唯一の薬は対抗することだ」と述べ、チェチェンの武装勢力掃討作戦を最後まで貫徹する方針を強調した。これに対し、ベレゾフスキー前下院議員は「チェチェン攻撃を中止し、交渉に入るべきだ。攻撃が続けば、再び爆弾テロが起きるかもしれない」と警告する。[2000-08-15-23:14] 117
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 08/15@ロシア若者の徴兵逃れ、チェチェン進攻後倍増(読売新聞)

 チェチェン紛争が続くロシアで、昨年八月の軍事作戦開始以来、徴兵逃れを図る若者が急増している。「高学歴者ほど徴兵を逃れる傾向にあり、軍の質が確実に低下している」(軍事専門家)との指摘があるほか、軍幹部が若者からカネを受け取って見逃す「裏ビジネス」が横行するなど軍の腐敗ぶりも明るみになった。プーチン政権が対チェチェン強硬姿勢で国民の人気を博す裏では、ロシア軍の土台を揺るがす事態が着実に進んでいる。(モスクワで 山本 淳一) ロシアでは十八歳から二十六歳の男子は二年間の兵役に就かなければならず、十七歳の時点で地域の軍事委員会に登録される。
 モスクワ大学夜間部の男子学生(17)は今年七月、徴兵検査のため軍事委員会に出頭した。父親に言われた通りに医療担当の部長に会うと、入院を命じられた。検査も受けず二週間寝ていただけで、「椎(つい)間板ヘルニア」の診断書を渡された。これでもう軍隊には招集されない。
 実は学生の父親がこの部長に二千ドル(約二十二万円)の「心づけ」を渡していたのだ。
 今年三月にはロシア南部チェリャビンスク市の軍事委員会幹部が、息子の兵役逃れを図る父親から五百ドル(約五万五千円)を受け取った容疑で逮捕された。だが、摘発されるのは氷山の一角。ロシア全土で、軍関係者が徴兵を逃れたい裕福な家の若者にたかる「裏ビジネス」が横行しているとの見方が強い。
 徴兵問題に詳しいジャーナリストによると、チェチェン進攻後の九九年秋期(十〜十二月)に出頭要請を無視したり逃げ回ったりして徴兵を忌避した者は約三万八千人。前年同期の一万九千六百人から倍増した。
 ロシア政府は大統領令で九九年秋期の徴兵に必要な人員を十六万千人としていた。しかし、実際には四分の一が逃げてしまった計算になる。
 チェチェンでは昨年八月からロシア側二千五百人以上、チェチェン側一万四千人以上の将兵が死亡したほか多数の民間人も巻き添えとなっている。チェチェンの戦況についてはロシア軍が定期的に死傷者数を発表する程度で、報道でも状況はあまり伝わってこない。しかし若者の間では、帰還兵からの口コミなどで悲惨な戦闘の状況はよく知られている。
 モスクワの大学生バーシャさん(23)は、「チェチェンでは、一部隊の新兵全員が殺されたこともあると聞く。僕も無駄死にはいやだ」と断固、徴兵を拒む構えだ。
 エリツィン前大統領は九六年の大統領選で徴兵制廃止を公約、二〇〇〇年春からの志願兵制完全移行の大統領令に署名したが、結局実現できなかった。プーチン政権は六月、ロシア連邦を構成する共和国などの間で徴兵目標の達成度を競う「徴兵コンクール」を来年から実施すると発表。徴兵制を維持していく構えだ。
 下院国防委元顧問のウラジーミル・ベラウス退役少将(72)は、志願兵の賃金が招集兵の二倍近くかかることなどから、「完全志願兵制の導入は経済的に無理。有事の際の大動員も難しく、やはり徴兵制度を維持していくべきだ」と話す。そのうえで、「ソ連崩壊後は経済状態の悪化で待遇が悪くなり、軍の権威も落ちてしまった」と、若者を軍隊につなぎとめるのは容易でないことを認めた。[2000-08-15-21:59] 130
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 08/15@コンゴ紛争首脳会議が失敗 カビラ大統領妥協せず(共同通信)

 【ナイロビ15日共同】ザンビアからの報道によると、崩壊の危機にひんしているコンゴ(旧ザイール)紛争の停戦協定の順守を目指す関係各国などによる首脳会議は十五日、コンゴのカビラ大統領が国連平和維持活動(PKO)要員の展開など二点について妥協せず失敗に終わった。
 会議は南部アフリカ開発共同体(SADC)の主導で十四日からザンビアの首都ルサカで開かれ、反政府勢力代表も出席した。SADCはカビラ大統領に協定順守を促すとともに、応じない場合は経済制裁もあり得るとの声明を発表した。しかし、経済制裁実施の可能性は極めて低い。
 カビラ大統領が反対しているのは、PKOの展開と将来の政治機構の枠組みづくりのため交渉の調停役を務めるマシーレ前ボツワナ大統領の人選。PKO展開反対の理由は明確でないが、マシーレ前大統領については、中立ではないことを理由に挙げている。(了)[2000-08-15-19:24] 146
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 08/15@ソマリアで暫定議会発足 反発強く和平は多難(共同通信)

 【ナイロビ15日共同】十年近く無政府状態が続いているソマリアで十五日までに、大統領選出など将来の政治機構の枠組みづくりに当たる暫定議会が発足した。
 しかし有力氏族などは同議会を承認しない姿勢を崩しておらず、和平達成はなお前途多難だ。
 暫定議会は、隣国ジブチが提案した和平案に基づき、実業家、氏族代表、長老、市民活動家などが五月からジブチに集まり、約三カ月に及ぶ討議の末、誕生。定数は二百四十五議席だが、これまでに各界から百七十二人が任命された。任命作業はさらに続くが、とりあえず十三日にジブチで発足した。任期は三年。
 一方、「違法で混乱を招く」として和平案に反対している有力氏族のアイディード派やアト派、独立や自治を宣言しているソマリランド、プットランドなどは議会を認めない方針で、今後の作業の妨害を示唆している。
 これら反対派の合意が得られなければ、大統領を選出したり中央政府をつくっても本来の機能は果たせず、説得作業が最大の課題だ。
 ソマリアは一九九一年にバーレ大統領が追放されて以来、内戦状態が続き、国連平和維持活動や十数回に及ぶ各国の和平仲介はいずれも失敗している。(了)[2000-08-15-16:45] 156
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 08/15@揺れる日本の対ロ政策 強硬姿勢に戦略見直し(共同通信)

 九月のプーチン・ロシア大統領の日本公式訪問を前に、政府、与党内で対ロ政策の見直しが避けられない情勢になっている。北方領土問題に対するロシア側の姿勢が硬いためだ。「太郎」と「ナターシャ」に日ロ関係の現状と行方を話し合ってもらった。(肩書はいずれも当時) 太郎 プーチン大統領が九月三日に来るね。今年末は「平和条約締結に全力を尽くす」とした「クラスノヤルスク合意」の目標期限だけど、河野洋平外相が国会で交渉の越年を示唆する答弁をしたり「あきらめムード」が漂っている。日本の対ロ外交は失敗したのかな。
 ナターシャ 日本と、ロシアの前身のソ連は一九五六年の「日ソ共同宣言」で戦争状態を終え国交回復したから平和条約は不要、むしろ関係拡大を目指す「平和友好協力条約」を締結したいというのがロシアの本音よ。
 太郎 日本は、北方領土の帰属、つまり両国の国境線を画定するために平和条約を結ぶ必要があるとの立場。九三年の「東京宣言」は北方四島の名を挙げ、その帰属問題を解決することを明記した。これは「領土問題を解決し平和条約を締結する」という日本の対ロ政策の基礎といっていい。
 ナターシャ 九七年七月に橋本竜太郎首相が、両国関係を幅広く発展させる中で領土問題の解決を目指すという柔軟路線に転換した。橋本首相はエリツィン大統領と親密な関係を築き、それが九七年十一月のクラスノヤルスク合意につながったのね。
 太郎 日本はエリツィン大統領という強烈な個性にかけたんだ。大統領自身が口にした「二○○○年まで」という言葉に、日本外務省の幹部は「突破口が開けた」と飛び上がったそうだよ。九八年四月、橋本首相は静岡県・川奈の会談で勝負に出た。北方領土の北端に国境線を引き、四島への日本の主権を認めれば、当面ロシアの施政権を認めるという「川奈提案」だ。その後、日本は積極的に経済協力を進め、ロシアが国際的な非難を浴びたチェチェン紛争でも一切批判を控える気遣いようだった。
 ナターシャ 九八年八月のロシア金融危機が、エリツィン政権と日本の戦略にとり大打撃となったわね。大統領の健康悪化も進んだし。
 太郎 「エリツィン頼み」の日本の戦略は完全に行き詰まった。ロシア外務省が巻き返し、九八年十一月の小渕恵三首相訪ロの時に対案を出してきた。川奈提案を拒否、二○○○年末までに領土問題を解決して平和条約を結ぶのは困難だから、国境画定は別の条約で行うとの義務を明記した中間的な「平和友好協力条約」を結ぼうという内容だ。
 昨年末の「エリツィン電撃辞任」で日ロ関係はプーチン大統領就任まで停滞。森喜朗首相が今年四月末にロシアを訪問、プーチン氏と会談して東京宣言やクラスノヤルスク合意の継承を確認、仕切り直しを図ったんだ。でも、大統領の公式訪日日程が決まったのは七月と時間を費やしてしまった。
 ナターシャ 大統領の訪日日程を早く決め、年内に森首相のロシア訪問もと焦っていた日本のペースに巻き込まれるのをロシア側が嫌がったのよ。でも、日本にとって衝撃だったのは沖縄でのプーチン発言よね。年内の領土問題の解決は困難だと明確に述べ、中間条約締結を提案した。
 太郎 先手を打たれ日本側は大混乱。「領土を解決し平和条約を」という原則でぎりぎり詰めれば、大統領は訪日を中止しかねないし、訪日しても交渉が決裂すれば閉塞(へいそく)状態に陥ってしまう。人気低迷の森政権への打撃、外務省の「失点」などの事態を心配する声が高まった。
 ナターシャ そこで野中広務自民党幹事長の発言が飛びだしたのね。「領土問題の解決を前提とせずに条約交渉を」というのは、ロシアからみれば「日本が白旗を揚げた」わけで、ロシア外務省は「本当なら大歓迎」と大喜びよ。
 太郎 野中発言後、政府、与党内の風向きが変わった。自民党や外務省内では、平和条約交渉のこれまでの成果や新たな「努力目標」を盛り込んだ文書をまとめるべきだという意見が強まっている。でも野党や自民党の一部からも厳しい批判が出ているので、森首相や河野外相は「中間条約は検討せず」と言っているけど、どうなるかな。
 ナターシャ ロシアは「二○○○年まで」に懲りているから、二度目の具体的な「目標期限」設定には応じず「領土解決に全力を尽くす」という文言以上は譲歩しないと思うわ。狙いは経済協力や文化交流などの関係拡大だもの。
 太郎 日本は戦後一貫して北方領土の返還を求めてきた。年内の平和条約締結はあきらめても、九月の首脳会談後も引き続き交渉を継続できるような道筋を模索しているんだ。(了)[2000-08-15-15:20]
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 08/16@◇ユーゴ空爆の英軍機、成功率わずか40% BBC報道◇(朝日新聞)

 英BBCラジオは14日、昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆で英軍機が投下した爆弾のうち、攻撃目標に到達したのは40%だったと報じた。
 英国防省の内部データとし、旧式の爆弾の中には2%の成功率しかなかったものもあったという。対空砲を避けるため高高度からの投下を強いられたのが原因とみられ、同ラジオは「誤爆や市民の犠牲は当初の予想より多くなった」と指摘している。
 国防省はこれまで「ユーゴ空爆は史上最も成功した作戦」と自賛していた。スペラー国防担当閣外相は同ラジオに「多くの爆弾は(成否が)不明と分類され、必ずしも目標に到達しなかったわけではない」と苦しい弁明をしている。[2000-08-16-15:23] 5
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 08/16@◎ユーゴ民主化支援で新事務所設置=ミロシェビッチ体制打破(時事通信)

 【ワシントン15日時事】米国務省は15日、ミロシェビッチ大統領の独裁体制が続くユーゴスラビアの民主化勢力を支援するため、在ハンガリー米大使館内に「ユーゴ問題事務所」を新設したと発表した。9月24日のユーゴ連邦大統領・議会選挙に向け、ミロシェビッチ体制打破へ本腰を入れる狙いがある。
 リーカー国務省副報道官によれば、ユーゴ問題事務所の所長は、モンゴメリー駐クロアチア大使が務める。
 ユーゴ連邦議会は先月、連邦大統領の選出方法を直接選挙に変え、ミロシェビッチ大統領再選に道を開く憲法改正を承認するなど、現体制維持に向けた準備が進んでいる。[時事通信社][2000-08-16-07:29] 33
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 08/16@PKFが警戒態勢を強化 投票1周年の東ティモール(共同通信)

 【ディリ16日共同】十七日のインドネシア独立記念日と昨年の住民投票から一周年にあたる三十日を前に、インドネシア併合派民兵組織が東ティモール内でテロ活動などを活発化させる恐れがあるとして、東ティモール駐留の国連平和維持軍(PKF)が同国領西ティモールとの境界地帯を中心に警戒態勢を強化している。
 国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)軍事部門の報道官が十六日、共同通信に明らかにした。
 それによると、平和維持軍は民兵とみられる五―七の武装集団が境界線から東へ三十五キロ以内に入り込んだとの情報を既に得ており、今後、同集団による活動がさらに活発化するとの懸念を強めている。
 このため平和維持軍部隊は現在、西方のリキサなどから中心都市ディリに入る幹線道路に検問所を設置し、不審な集団や車両の取り締まりを強化。ディリ市内でも夜間に限り、数カ所に検問所を設けている。
 東ティモールでは七月以来、民兵とみられる武装集団の越境、襲撃事件が相次ぎ、これまでに平和維持軍参加のニュージーランド兵士ら二人が武装集団との銃撃戦で死亡した。(了)[2000-08-16-20:16] 37
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 08/16@国旗掲揚拒否、警察と衝突 アチェ、ゼネスト状態に(共同通信)

 【ジャカルタ16日共同】独立運動の続くインドネシア・アチェ特別州の州都バンダアチェで十六日、独立派学生ら約五千人が国旗掲揚拒否と国連旗の掲揚を呼び掛けて集会を開き、一部が警官隊と衝突、集会参加者二人が負傷した。独立派の動きに呼応し、アチェ全土で大半の商店やバスなどの公共交通機関が営業を停止、学校が休校するなど、ゼネスト状態となった。
 同国独立記念日の十七日を前に政府側はヘリコプターでチラシをまき、住民に国旗を掲げるよう呼び掛けているが、独立派はこの日を「ジャワ人によるアチェ植民地化の始まり」とみなし、住民の大半が掲揚を拒否している。
 独立の是非を問う住民投票の実施を要求する学生組織が主催したバンダアチェの集会では、参加者が国連旗と住民投票要求の旗を掲げて行進。州警察本部前で警官隊ともみ合いになり、警察は国連旗など五十五本を押収した。
 押収について警察当局者は「国連が掲揚を許可していないため」と説明しているが、学生側は「窃盗行為だ」と反発している。
 ゼネスト状態は十七日も続くとみられ、国軍・警察は約一万一千人を警戒配置。独立派ゲリラの勢力が強い農村地域では、警官が戸別訪問し、掲揚を命じるなど、国旗掲揚への圧力を強めている。しかし住民はモスクに集まり、独立記念行事をボイコットする構え。(了)[2000-08-16-20:02] 51
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 08/16@<北朝鮮ミサイル>ミサイル開発断念「笑い話だった」と金総(毎日新聞)

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キムジョンイル)総書記が先月、条件付きでミサイル開発断念の用意があることをロシアのプーチン大統領に伝えたとして、沖縄での米露首脳会談でも焦点の一つになるなど国際的な注目を集めた。ところが今度は金総書記自身がその発言を「笑い話だった」と韓国マスコミ社長訪朝団に述べたことが明らかになり、その真意について関係各国や世界のマスコミが様々な推測をめぐらせている。【ソウル・大澤 文護】
 金総書記の先の発言は、7月19日、平壌での露朝首脳会談の後でプーチン大統領が公表した。その後にイワノフ外相が補完した内容を含めると「人工衛星発射実験に国際社会の協力が得られれば、弾道ミサイル実験を停止する用意がある」との趣旨だった。大きな関心を集めたのは当然だが、金総書記の真意が不明瞭で確認も困難だった。
 この発言は、今月12日に行われた金総書記と韓国マスコミ社長訪朝団の会談の記録が13日に公表されたことで再び注目を集めた。
 会談録によると金総書記は「平和的利用のためにロケットを開発中だ」「ロケット1発に2、3億ドルがかかり、米国が我々の衛星を打ち上げてくれるなら我々は(ロケット)開発をしないだろうと、プーチン大統領に話した」と確認した。しかし、その直後に「笑い話として話した」と述べた部分が、さまざまな反応と憶測を呼んだ。
 ロシアからの報道によると、ロシア当局者は15日、プーチン大統領と会談した際の金総書記の表情は「真剣だった」と述べるなど、金総書記の発言に不快感を示した。「プーチン大統領は冗談の犠牲者になった」と論評した新聞もある。
 一方で、ロシアの一部マスコミは「大統領は金総書記の発言が冗談だと十分に理解し、それを意図的に脚色した」と分析。大統領が直後のサミットでロシアの外交力を誇示するために金総書記の発言をわざと変えて紹介した可能性があると主張した。米ワシントン・ポスト紙は15日、金総書記の「ロケット開発放棄」提案は誠実に行われたものではなく「笑いながら」の発言だったと報道した。
 こうした種々の反応や報道に対し、日韓の専門家の間では、金総書記の12日の発言のうち「我々のような小さい国で1年に2回ずつ(ロケットを)打ち上げるのは経済的でない」という部分は「本心に近い」という見方が有力だ。ミサイル開発は経済・食糧危機に苦しむ北朝鮮にとって重荷には違いないからだ。
 従って金総書記が、ミサイル問題で柔軟姿勢に転換する兆しを示せば日米や欧州の対北朝鮮政策が緩和され、韓国からの投資増大も見込めると判断した可能性はある。今秋の労働党創建55周年を祝い、党大会開催も準備しなければならない北朝鮮指導部は、国際社会との緊張を避けたいのが本心であり、それが「ミサイル開発放棄」をにおわす発言につながった可能性も否定できない。
 真意確認のためには米国務省スポークスマンが15日に語った通り「最善の方法は直接(北朝鮮と)論議すること」だが、これが容易でないのが最大の難点だ。[2000-08-16-18:43] 52
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 08/16@<インドとパキスタン>カシミール紛争は再び情勢が悪化(毎日新聞)

 インドとパキスタンが帰属権を争うカシミール紛争は、パキスタン政府の指揮下にある最大のイスラム武装組織「ヒズブル・ムジャヒディン(イスラム聖戦士軍)」が8日、インド政府との予備交渉決裂に伴い停戦を破棄したことで、再び情勢が悪化している。しかし国際社会での孤立化から脱却を目指すパキスタンは、紛争の対話解決に向け大きくカジを切り始めた。そこには米国の存在が浮かび上がる。印パ両国に対する国際社会の圧力次第では、本格的な和平交渉開始に向けた動きが加速する可能性もある。【イスラマバード・春日孝之】
 カシミール情勢が動き始めたのは、インド支配地域(ジャム・カシミール州)で対インド闘争を展開してきたヒズブルが先月24日、3カ月間の一方的停戦を発表してからだ。
 カシミール紛争には二つの戦闘形態がある。まず実効支配線をはさんだ印パ両軍の砲撃戦で、恒常化している。もう一つはイスラム武装勢力がインド領に潜伏、または侵攻して行うゲリラ活動だ。中でもカシミール人主体のヒズブルは最大の地下ネットワークを誇り、昨年来、インド部隊を標的に特攻テロを繰り返し、インド側を震え上がらせてきた。
 そんなヒズブルの一方的停戦に、インド政府は「歓迎」の意向を示し、武装勢力への攻撃を中止。ヒズブルと和平交渉の枠組みをめぐる話し合いを始めた。
 しかし、ヒズブルはカシミール人の代表にインド政府、それにパキスタン政府を加えた「3者交渉」を要求。インドは「カシミール問題は国内問題。憲法の枠内で解決する」とパキスタン政府の参加を拒み、話し合いは決裂した。
 情報筋によると、パキスタン政府はヒズブルなどの武装勢力を完全な指揮下に置いている。ヒズブルの停戦発表は、実はパキスタン政府を通じて米国が働きかけたものだったという。
 米国がカシミール紛争に関与する最大の理由は、パキスタンやアフガニスタンを発信源とする「テロ」や「イスラム原理主義」の脅威だ。米国は、カシミール紛争がそれらを培養しているとみなし、国際金融機関の融資再開などを切り札に対応を迫ってきた。
 パキスタン政府は、第4次印パ戦争突入の寸前にまで情勢が悪化した昨年夏の印パ軍事衝突が、イスラム武装勢力のインド侵攻を端に発したことから国際的な非難を浴びて孤立化した。
 米国が南アジア外交の軸足をインドに移す契機にもなり、国際的な信頼回復のためにもインドとの対話路線に転換せざるを得ない状況に追い込まれていた。
 一方、インドはヒズブルとの予備交渉で「3者交渉」を拒否したが、専門家の間では「パキスタン政府を抜きに紛争解決はあり得ない」との認識が広がっている。インド政府が3者交渉を拒んだのは、パキスタンへの妥協に反発する国内のヒンズー至上主義勢力に配慮せざるを得なかった可能性もある。
 ヒズブルのサラウディン最高司令官は停戦破棄を発表した記者会見で、「インドが硬直した対応を改めるなら(停戦破棄の)決定を見直す」と述べ、対話再開への余地を残した。パキスタン政府の意向に沿ったものである。
 一方、インド側カシミールでは停戦破棄により武装勢力によるテロや襲撃事件が激しさを増している。情報筋によると、これは9月の国連ミレニアムサミットに向けて国際社会の関心を引きつけるとともに、対話再開を目指しインドへの圧力を求めるパキスタン政府が操る威嚇行為だという。
 これに対しインドは交渉決裂後も「(武装組織と)話し合う準備はある」(バジパイ首相)と強調、カシミールのインド軍に「(武装勢力の攻撃に)報復はしても攻撃は仕掛けるな」と指示し、抑制を保っている。交渉再開へのドアは依然、開かれたままなのだ。
 パキスタンが国際情勢を判断し、対話路線に傾いたことについて、情報筋は「パキスタンの一連の動きは、パキスタンがインド側カシミールの帰属を事実上断念し、インド側に残されたカシミール人の自治権獲得を政治的に支援していく方向を打ち出したことを意味する。現実路線への歴史的転換だ」と語る。
 カシミール紛争は核戦争誘発の危険性も指摘される。その行方は国際社会がパキスタンに武装勢力の活動を抑制させ、インドにパキスタン政府の交渉参加を受諾させるよう、働き掛けられるかにかかっている。[2000-08-16-18:43] 87
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 08/16@◇パキスタンの対話再開呼びかけを拒否 インド首相◇(朝日新聞)

 インドのバジパイ首相は15日、独立記念日の演説で「パキスタンは対話を望むといいつつ、国境を越えたテロに関与している」とパキスタンを激しく非難し、同軍事政権のムシャラフ参謀総長が呼びかけた対話再開を拒否した。また、「カシミールは分割できぬインドの一部であり、今後もそうである」と述べた。イスラム民兵団体が要求する同地方のパキスタンへの併合に対して、相いれる余地がないことを明確にした。
 バジパイ首相は「パキスタンが宣戦のない戦争で何かを得られると思っているのなら愚かである」と、カシミールを中心に続くテロをパキスタンが支援しているとの立場で批判した。
 前夜、首都圏に隣接するウッタルプラデシュ州で夜行列車が爆破され、乗客ら9人が死亡、35人が負傷した。バジパイ首相は、史跡デリー城(レッドフォート)で開かれた式典で防弾ガラスに守られて演説した。首都とジャム・カシミール州の州都スリナガルは厳戒態勢にある。
 14日のパキスタン独立記念日に際しムシャラフ参謀総長は、「インドに、彼らの独立記念日へのお祝いを申し上げる。私はインドがカシミールでの抑圧をやめ、対話の再開に応ずるよう求める」と述べた。だが、「パキスタンは、カシミール同胞の闘争に連帯し、政治的支援を続ける」とも明言した。これはインド側からみれば、イスラム民兵によるテロ活動への支援を続けるとの意味になる。
 また、パキスタンのサッタル外相が「両国の紛争は戦争に発展する恐れがあり、核兵器も使われるだろう」と、テレビインタビューで語ったことが報じられ、インド外務省報道官が14日、「核保有国は発言に抑制が求められる」と反発した。両国は昨夏の紛争以来、次官級以上の交渉が途絶えている。
 イスラム民兵団体、ヒズブル・ムジャヒディンは7月に「一方的停戦」を宣言した。だが、交渉へのパキスタン政府の同席にインドが同意しなかったことなどを非難して8日、「停戦の撤回」を宣言。以後、スリナガル市内でジャーナリストら40人が死傷する爆発や、国境警備隊のバスが爆破され50人が死傷する事件が続いている。
 パキスタン国内では、右派のイスラム協会が「外交圧力と聖戦がインドにカシミールの民族自決を認めさせる」と発言し、戦闘継続を肯定している。[2000-08-16-08:48] 92
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 08/16@◎731部隊跡を世界遺産に申請へ=戦争犯罪を永久保存−中(時事通信)

 【北京16日時事】第2次大戦中、中国東北部で細菌兵器開発のため人体実験を行った旧日本軍の「731部隊」(関東軍防疫給水部)の施設跡を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界遺産」に登録申請する準備が中国で進められている。跡地の保存整備の過程で新たな証拠が発見されることも中国側は期待している。
 15日の新華社電によると、黒竜江省ハルビン市郊外にある6平方キロの広大な731部隊跡では、国務院の許可を得て今月から整備作業が始まっている。跡地内の100世帯以上の民家と約10カ所の工場は移転させる計画だ。
 焼却炉や実験室などの残がいが残る跡地からは、これまで解剖器具や細菌培養器、細菌入りのりゅう散弾など300点以上が見つかっている。保存作業が本格化すれば、人体実験を示すさらに強固な証拠が出てくる見込みという。
 731部隊の人体実験による死者は中国人、ロシア人、朝鮮人計約3000人とされるが、中国の専門家は1万人以上と推定している。国家文物局の張柏副局長は同部隊施設をナチスのアウシュビッツ強制収容所になぞらえ、戦争犯罪記念物として「永久保存すべきだ」と語った。
 「世界遺産」申請のための保存事業には1億元(約13億円)近い資金が必要とみられ、日本の市民団体からも寄付金が寄せられているという。 [時事通信社][2000-08-16-05:40]
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 08/17@原潜の救援策でNATOと露が2回目の協議(読売新聞)

 【ブリュッセル17日=三井美奈】ロシア原子力潜水艦事故の救援策を探るため、北大西洋条約機構(NATO)とロシアは十七日、十五日に続き二度目の会合をブリュッセルのNATO本部で行った。ロシア側の要請による。
 会合には、モスクワからアレクサンデル・ポボツィ海軍副参謀長ほか技術者チームが急派され、大使館武官が参加した第一回会合よりレベルアップされた。駐ベルギー露大使館報道官によると、第一回会合でNATO側の数か国が申し出た救援体制について、技術面での検討が行われる。
 NATOは、同事故への協力を、昨年春のNATO対ユーゴスラビア空爆以降、停滞するNATO・ロシア関係の正常化につなげたい意向だ。[2000-08-17-21:05] 2
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 08/17@◇ユーゴ大統領選で野党党首「分裂回避の用意」◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦を構成するセルビアの最大野党「セルビア再生運動」のドラシュコビッチ党首が、朝日新聞記者との会見で、ミロシェビッチ大統領の再選が焦点の来月24日の連邦大統領選について、「決選投票になれば、たとえ別の野党候補でも全面的に支援する」と、最終的には野党分裂を回避する用意のあることを明らかにした。
 大統領選で、野党が統一候補でまとまれば現大統領と互角の戦いとの観測もあったが、「再生運動」が独自候補を立てたため、現大統領有利となっている。他の野党勢力はセルビア民主党のコシュトニツァ党首を候補に選んでいる。
 ドラシュコビッチ党首は、仮に現大統領とコシュトニツァ氏による決選となった場合、「私たちの支持者にはコシュトニツァ氏に投票するよう呼びかける。敵はあくまで現体制だ」と明言した。世論調査などから再生運動の候補者は第1回で敗退する可能性が高い。[2000-08-17-18:45]
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 08/18@◇コソボ中心部で爆弾テロ 数人が軽傷◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、州都プリシュティナの中心街で18日朝、爆弾テロがあり、欧州安保協力機構(OSCE)が管理し、少数民族政党やユーゴ・セルビア政府が残している事務所なども入っているビルが大破し、数人が軽傷を負った。コソボでは10月の地方選挙を前に、穏健派アルバニア系政治家を標的にした銃撃などのテロ行為が相次いでいるが、州都中心部での爆発は初めて。[2000-08-18-23:25] 2 [このページの最初に戻る]


 08/18@露が原潜衝突説を強く示唆、事故責任転嫁狙う?(読売新聞)

 【モスクワ18日=瀬口利一】バレンツ海で沈没したロシア海軍の原子力潜水艦「クルスク」の事故原因をめぐり、露政府・海軍当局は十八日、北大西洋条約機構(NATO)諸国の潜水艦などとの衝突説を強く示唆し、搭載魚雷などの爆発説に傾く欧米諸国と真っ向から対立する姿勢を鮮明にした。艦内の調査すら行われていない段階での強引な「衝突説」の流布は異例といえ、国民の間で根強い反欧米感情を利用し事故責任の所在をあいまいにしようとする意図を読み取る声さえ上がっている。
 クルスクの沈没海域からの地震波を探知したというノルウェーの地震研究所が十八日発表したところによると、爆発は十二日午前七時半(グリニッジ標準時)から、TNT火薬百キロ未満と同一〜二トンに相当するものが二回、二分十五秒の間隔をおいて測定された。また、権威ある英国の軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーの専門家も、クルスクの艦首部に積んだ短距離対潜ロケットSSN16一基の弾頭部分(TNT火薬六十キロ)が何らかの異常で爆発、さらに複数のロケットが誘爆したとの分析を示した。
 これに対し、露政府の事故調査委員会を率いるクレバノフ副首相や運輸当局者は外国の潜水艦などとの衝突説を繰り返しちらつかせた。国内メディアでも、米海軍などの関与とするかのような報道が展開された。
 十八日付セボードニャ紙が「事故翌日の十三日に米国の対潜哨戒機二機が演習海域に飛来した」「バレンツ海にいた米潜水艦がノルウェーに五日間の緊急寄港許可を求め、許可された」などとする消息筋の話を報じ、独立テレビも同日午後、難航する救助活動の様子を伝えた後、同様の「米潜水艦関与説」を流した。
 こうした露側の姿勢に、NATO諸国に事故責任を転嫁しようとする意図を読み取る外交筋もいる。
 ロシアでは昨年三月、ユーゴスラビアへのNATO軍による空爆に対抗し、北洋艦隊が北極海で大規模な軍事演習を展開。その際、バレンツ海で偵察中だった米国のロサンゼルス級原潜を発見、露艦艇などが追跡して演習海域から追い出すことに成功したとの報道も流れた。冷戦後もNATO側と露海軍が互いの演習を偵察するのが常識化している現状では、クルスクの沈没原因として強引な「衝突説」を唱えても、一定の説得力を持たせることは出来る。救助支援を英国やノルウェーに頼ったことで、露海軍指導部のメンツがつぶれたのは明白。露海軍当局に真相をねじ曲げようとする意図があるかはさておき、「衝突説」が真実であった方が海軍にとって好都合なことだけは事実だろう。[2000-08-18-22:38] 3
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 08/18@中国系不法移民5万人が密航目指す…伊で報告書(読売新聞)

 【ローマ18日=西田和也】中東やバルカン諸国から不法移民の組織的密航が続くイタリアで、新たに五万人に及ぶ中国系移民が流入を目指しているとの報告書がまとめられ、当局が警戒を強めている。
 大量の中国系移民が密航を企てているとの情報は、関係国にあるイタリアの在外公館と軍・警察の情報機関などが収集し、伊外務、内務両省が報告書を作成した。
 それによると、中国系移民の多くが現在、ユーゴスラビア、クロアチアなどで待機中で、中国マフィアの暗躍と、密航者を運ぶ「中央アジア・ルート」の存在が背後にある。
 密航者はまず、中国マフィアや各国犯罪組織の手引きにより、中央アジア経由でウクライナやルーマニアなどに到着。そこからイタリアと地続きのスロベニア、アドリア海対岸のクロアチア、モンテネグロへ移送される。密航料は一人当たり一万三千ドル以上という。
 このためイタリア当局は、沿岸警備を強化するとともに、十日に周辺国の当局者をローマに集め、密航阻止のための対策強化を要請した。
 海岸線が長く警備に限界があることや、移民規制が比較的緩いことなどから、イタリアは事実上、豊かな欧州を目指す不法移民の「玄関口」となっている。入国がいったん認められれば、加盟国間の国境審査廃止を定めたシェンゲン協定により、労働賃金のより高いフランスやドイツへの移動が容易になる事情もある。
 海が穏やかになるこの時期は、北アフリカやアルバニア、トルコなどから密航者を満載した船舶が続々とイタリア南部沿岸に漂着。沖合で海に飛び込んだり、伊当局の追跡を逃れようとする犯罪組織の船舶事故に巻き込まれて命を落とす移民も続出している。[2000-08-18-18:25] 4
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 08/18@ユーゴが国連警官を拘束(共同通信)

 【ブリュッセル17日共同】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、州都プリシュティナの国連報道官は十七日、コソボで活動していた国連の文民警察官と通訳が同日、ユーゴ当局に拘束されたと発表した。
 二人が拘束されたのは自治州東部で、セルビア共和国と自治州の境界付近を管轄するユーゴ当局が身柄を確保している。理由は不明だが、活動中にセルビア側へ足を踏み入れた可能性がある。
 ユーゴは七月、テロ活動に従事していたなどとしてオランダ人四人、英国人とカナダ人各二人を逮捕するなど九月の連邦大統領選を控えて外国人の摘発を強化している。(了)[2000-08-18-08:05] 19
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 08/18@◇アラファト議長会見 和平交渉期限直後の独立宣言に含み◇(朝日新聞)

 アラファト・パレスチナ自治政府議長は18日、離日直前に羽田空港で会見し、イスラエルとの中東和平交渉の期限の9月13日直後にも行うとしてきたパレスチナ国家の独立宣言について、9月初めに開くパレスチナ中央委員会(PCC)で最終結論を出す方針を明らかにした。
 PCCはパレスチナ人の最高意思決定機関であるパレスチナ民族評議会の代理機関。アラファト議長はこれまでの和平交渉の経緯を説明し、「独立宣言を13日まで延期するよう私に頼んだのはバラク首相自身だ」とし、独立を宣言する「権利」がパレスチナ側にあることを強調したが、報道陣の「13日直後に宣言を行うのか」との問いには明言を避けた。
 また、同議長は、ヨルダン川西岸やガザ地区のイスラエル人入植者が武装化を進めていることを指摘し、独立宣言を機に、武力衝突が起きることに懸念を示した。この問題をPCCと来月初めに開かれるアラブ連盟の会合で協議すると述べた。[2000-08-18-20:54] 39
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 08/18@一方的独立に自制求める 森首相がアラファト議長に(共同通信)

 森喜朗首相は十八日、パレスチナ自治政府のアラファト議長と首相官邸で会談し、中東和平交渉について意見交換した。
 首相は七月の米国キャンプデービッドでは、過去七年間の交渉史上初めて問題の核心に触れる協議が行われたことを強調した上で「ここでイスラエルとの合意がない形で独立を宣言すれば、パレスチナとしても失うものがあまりに多い」と指摘し一方的な独立に自制を求め、ねばり強い交渉の継続を要請。「交渉が実を結んだ結果、パレスチナが平和的に独立することになれば、わが国は速やかに国家承認を検討する用意がある」と述べた。
 アラファト議長は、森首相や、その後食事をともにしながら行った河野洋平外相との会談で、米国での交渉が決裂した最大の原因である聖地エルサレムの帰属問題について「エルサレムはパレスチナの主権の下にあるべきだ」と断言し、譲歩の余地はないとの厳しい姿勢をみせた。エルサレムにあるユダヤ教、キリスト教、イスラム教の「神聖な場所」については「すべてアクセスを認める」と述べた。
 また、パレスチナの恒久的地位に関する交渉の期限(九月十三日)については「(イスラエルの)バラク首相自身が同意した期限をなぜ守れないのか」と批判し、期限が過ぎれば一方的独立宣言も辞さないとの立場を強調。「(イスラエルは)領土も平和も二つとも欲しいという戦略だ。パレスチナ問題が解決しないことは中東全体の爆発につながる」と、不満と懸念を表明した。(了)[2000-08-18-17:36] 42
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 08/18@難民認定を求め提訴 殺害恐れるアフガン男性(共同通信)

 アフガニスタン支配を強めるイスラム原理主義勢力タリバンから逮捕状を発行され、帰国すれば殺害される危険があるのに、十分な審査もせず難民認定しなかったのは不当だとして、大阪市に在留するグラム・サキさん(44)が十八日、国に難民不認定処分の取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 訴えによると、サキさんはアフガニスタンの少数民族のハザラ人。同国北部のマザリシャリフで自動車部品会社を経営し、ハザラ人が中心の反タリバンのイスラム統一党員。
 サキさんは一九九八年八月、タリバンの侵攻直前にマザリシャリフを脱出、パキスタン経由で昨年四月に来日した。来日後、パキスタンの知人から、反タリバンとして逮捕状が出回っていることを電話で聞いた。逮捕状には殺害を指示する文言もあったという。
 サキさんは昨年六月、大阪入国管理局に難民申請したが不認定となり、異議申し立ても今年三月に却下された。
 サキさん側は「逮捕状の写しや、党で重要な地位にあったことを示す具体的な資料を提出したのに、十分に審査してくれなかった」などと主張している。
 サキさんは今年六月、パキスタンの親族から、兄がタリバンに逮捕され殺害、娘二人が餓死するなどしたと知らされたという。(了)[2000-08-18-17:32] 72
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 08/18@<従軍慰安婦問題>日本の対応を批判する決議 国連人権委小(毎日新聞)

 【ジュネーブ18日福原直樹】国連人権委員会の人権促進保護小委員会は17日、従軍慰安婦問題で、日本政府は損害賠償などの「法的責任」を果たしていない、と指摘する特別報告官の報告書を全会一致で「歓迎」する決議を採択した。同様の決議は98年にも行われており、問題に対する日本の対応が、国際社会で改めて批判された形だ。
 報告書は、マクドガル特別報告官(米国)が98年に出した報告書を「更新」したもので、「戦時下の組織的暴行・性的奴隷問題」(36ページ)のテーマで、一章(3ページ)をさいて、慰安婦問題に触れた。
 この中で報告官は、(1)慰安所制度は、人道に対する罪だ(2)日本政府は元慰安婦への謝罪を行ったが、法的賠償を行わず、国際法上の義務を果たしていない(3)(当時の日本)政府を含む全ての責任者の法的責任を認めるべきだ――と主張。元慰安婦に道義的な償いをする「女性のためのアジア平和国民基金」の設立などの日本の対応を、改めて「不十分」と批判した。[2000-08-18-10:27]
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 08/19@コソボでバスケットコートに手りゅう弾、9人けが(読売新聞)

 【ウィーン支局19日】ユーゴスラビア・コソボ自治州からの報道によると、州都プリシュティナ北方にあるセルビア人居住区で十八日夜、バスケットボールのコートに手りゅう弾二個が投げ込まれ、爆発、子供九人がけがをした。子供は五歳から十五歳で、全員軽傷だという。プリシュティナでは同日、中心部のビルの裏でも爆弾が爆発する事件が起こっている。 [2000-08-19-23:24] 2 [このページの最初に戻る]


 08/19@◇ユーゴ大統領選の有力野党候補と会見◇(朝日新聞)

 来月予定のユーゴスラビア大統領選で、ミロシェビッチ大統領の対立候補として最も有力視されているセルビア民主党のコシュトニツァ党首は17日、朝日新聞記者との単独会見に応じ、「ユーゴには新しいタイプの指導者が必要だ」と政権交代にかける意気込みを示した。
 大統領選は9月24日投票で、当選者が決まらない場合には上位2人の決選投票となる。野党陣営は統一候補の擁立には失敗したが、同党首の支持率は一部の世論調査で現大統領を上回っており、2人の一騎打ちもあり得る。
 コシュトニツァ党首は「国民は戦争や経済制裁にうんざりしている。暮らしは苦しくなる一方だが、選挙が変革の好機とみる人も増えており、政治参加の意欲が芽生えてきた」と、国民の積極的な行動への期待を示した。
 現政権については、「ミロシェビッチ大統領は何か問題を引き起こすことで生き残りを図るのが特徴だ。彼が権力の座にとどまることは、ユーゴの孤立化がさらに深まることを意味する」と批判した。
 政治や法律が専門の学者で、カリスマ性に欠けるともいわれるが、「人々は約束ばかりを重ねる政治家に裏切られている」と反論した。
 対外関係では、昨年の北大西洋条約機構(NATO)による空爆で悪化した、欧州諸国との関係の正常化を主張した。米国については「関係修復は簡単ではない」と不信感を表明。米国政府は野党陣営を支援する姿勢を示しているが、「米国の応援など、政府側の攻撃材料にされるだけだ」と語った。 [2000-08-19-21:56] 3
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 08/19@コソボでユーゴ選挙せず(共同通信)

 【ウィーン18日共同】国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル特別代表は十八日、プリシュティナで記者会見し、来月二十四日に予定されるユーゴスラビア連邦の大統領選挙と議会選挙がコソボでは実施されないとの見通しを示した。
 北大西洋条約機構(NATO)軍による昨年六月のユーゴ空爆終了後、コソボはユーゴ連邦セルビア共和国の自治州の地位に公式には残っているが、事実上、国連の管理下に置かれている。 コソボでは十月二十八日に地方選が予定されている。(了) [2000-08-19-09:38]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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