最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(08/10, 2000)


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 08/01@<シドニーに吹く風>プーチン大統領の戦略 「強国復活」を(毎日新聞)
 08/01@<インドネシア爆弾>ジャカルタの比大使公邸前で大使けが(毎日新聞)
 08/01@露大統領、軍改革に消極的な大将ら6人解任(読売新聞)
 08/01@<ミャンマー>軍事政権が「ワ州連合軍」と連携姿勢(毎日新聞)
 08/01@<ニュース25時>南アフリカ黒人世帯の8割が生活「悪化}(毎日新聞)
 08/01@「大統領の息子」脱皮へ 色濃い「父親の影」 ブッシュ州知(共同通信)
 08/01@ムガベ大統領の後継選びも ジンバブエ与党の議席減で(共同通信)
 08/01@<米共和党>党綱領「中露と協調」 新時代の国際関係模索(毎日新聞)
 08/01@PKF射殺犯の逮捕要請 国連、インドネシアに(共同通信)
 08/01@◎国連、エチオピア・エリトリア紛争で軍事監視要員を派遣へ(時事通信)
 08/01@<特報・ピースボート>在日韓国人がツアー客として北朝鮮入(毎日新聞)
 08/02@◎ロイター記者の遺灰、埋葬される=遺言でゆかりのサラエボ(時事通信)
 08/02@核兵器廃絶の約束実行を 原水協の国際会議が開幕(共同通信)
 08/02@<ジンバブエ>ゼネストに突入 労組会議 法と秩序の回復を(毎日新聞)
 08/02@<イスラエル>新大統領にカツァブ前副首相兼観光相が就任(毎日新聞)
 08/02@黒人女性で「目玉人事」 ライス補佐官誕生も(共同通信)
 08/02@日本に国家主義台頭の恐れ 米が新たな教科書問題提起(共同通信)
 08/02@原産地証明システム構築を ダイヤ不正取引で国連委(共同通信)
 08/02@◇難民救援の人材養成に「人道支援センター」が東京に発足◇(朝日新聞)
 08/02@中東和平譲歩路線に反発、イスラエル外相が辞任(読売新聞)
 08/02@<湾岸危機>イラクのクウェート侵攻から10年 強硬姿勢崩(毎日新聞)
 08/02@<米大統領選>共和党大会 無法者国家に対抗する政権作り目(毎日新聞)
 08/03@◎ユーゴ軍、英・カナダ人4人を逮捕(時事通信)
 08/03@同盟日本の負担増加も 共和党の「強い米国」像(共同通信)
 08/03@◎誤爆のブルガリア民家に350万円弁償=NATO(時事通信)
 08/03@難民支援継続を約束 首相、緒方弁務官と会談(共同通信)
 08/03@ダイヤ取引調査員を任命 アナン国連事務総長(共同通信)
 08/03@フセイン氏らを国際法廷に 米、半年以内の設置目指す(共同通信)
 08/03@<湾岸危機>10年迎えたイラク市民、なお耐乏生活 長引く(毎日新聞)
 08/03@<紀宮さま>10月初旬からスロバキアなど3カ国を公式訪問(毎日新聞)
 08/04@◇スパイ容疑でカナダ人と英国人の4人を逮捕 ユーゴ◇(朝日新聞)
 08/04@◎捕まったのはOSCE要員ら(時事通信)
 08/04@<国連>千年紀サミット宣言草案を配布 安保理改革に抵抗も(毎日新聞)
 08/04@<米大統領選>ブッシュ氏、NMD早期配備と核軍縮推進主張(毎日新聞)
 08/04@「イラクは脅威ではない」 米国元査察官が制裁解除訴え(共同通信)
 08/04@ラディン氏逮捕で米ロ協力 大使館爆破事件から2年(共同通信)
 08/04@国連がダライ・ラマ敬遠か 宗教サミットで中国に配慮(共同通信)
 08/04@大陸別持ち回りで原則合意 サッカーW杯、10年から(共同通信)
 08/05@<邦人一時拘束>チェチェン取材でロシア当局(毎日新聞)
 08/05@国連軍、南レバノン元占領地に全面展開開始(読売新聞)
 08/05@難民の中等教育支援する超党派議員連盟発足へ(読売新聞)
 08/05@震災などの遺児32人が来日 神戸のケア施設で交流(共同通信)
 08/05@<アフガニスタン>国連事務総長が現地女性職員に自宅待機指(毎日新聞)
 08/05@<アフガニスタン>タリバン政権がケシ栽培の全面禁止を命令(毎日新聞)
 08/05@◇レバノン南部の国連PKF、イスラエル境界に展開開始◇(朝日新聞)
 08/05@9月7日に安保理サミット PKO強化など討議(共同通信)
 08/06@◇韓国軍が非武装地帯の地雷除去開始へ 鉄道・京義線◇(朝日新聞)
 08/06@ユーゴ大統領選、最大野党が首都市長を候補に決定(読売新聞)
 08/06@◇中国「チベット語使用は自由」と発表 ダライ・ラマ批判◇(朝日新聞)
 08/06@アフリカ・サッカー連盟がアジア連盟に絶縁通告(読売新聞)
 08/07@◎大統領候補擁立で分裂=ユーゴ野党−ミロシェビッチ大統領(時事通信)
 08/07@ユーゴ野党が候補者協議 世論調査で一本化も(共同通信)
 08/07@<フィリピン>ホロ島人質事件 強行策とれぬ比政府(毎日新聞)
 08/07@<イスラエル>ユダヤ教指導者のホロコースト発言 国内で非(毎日新聞)
 08/07@分離派指導者ら2人射殺 仏コルシカ島(共同通信)
 08/07@AFP記者ら4人負傷(共同通信)
 08/07@◇東ティモールでPKFの豪部隊と民兵が銃撃戦◇(朝日新聞)
 08/07@大量避難民対策固まる 極東有事で政府方針(共同通信)
 08/07@ランスが中田獲得の動き 仏レキップ紙が報じる(共同通信)
 08/07@<アフガン>IOCに五輪への選手派遣許可を要請 タリバン(毎日新聞)
 08/08@<ユーゴスラビア>大統領選、主要4候補が出そろう(毎日新聞)
 08/08@コソボからの撤退表明 国境なき医師団(共同通信)
 08/08@ユーゴスラビアの連立与党からも大統領候補(共同通信)
 08/08@ユーゴ大統領選、野党一本化に失敗(読売新聞)
 08/08@◎民族主義強硬派の与党も独自候補=ユーゴ大統領選(時事通信)
 08/08@◎国連広報センター所長にNHK高島氏(時事通信)
 08/08@アフガンのタリバン制裁強化の方針 米大使館爆破事件(共同通信)
 08/08@<スイス>負の遺産 一家の運命分けた「J」スタンプ  (毎日新聞)
 08/08@<特報・スイス>ユダヤ人旅券に「J」 流入制限でナチスに(毎日新聞)
 08/09@<ユーゴスラビア>大統領選4候補出そろう 2氏の大接戦に(毎日新聞)
 08/09@<ユーゴ大統領選>台風の目、セルビア民主党党首インタビュ(毎日新聞)
 08/09@コソボで政敵襲撃が急増 アルバニア系の反目復活(共同通信)
 08/09@◇ユーゴ大統領選、候補者出そろう 野党統一ならず◇(朝日新聞)
 08/09@<中立国スイスの裏側>国際義勇軍参加は「犯罪」 (毎日新聞)
 08/09@◇パレスチナ自治区に日本の援助で水供給事業◇(朝日新聞)
 08/09@◇印パのカシミール紛争は核戦争へ発展の恐れ 秘密報告書◇(朝日新聞)
 08/09@◇モスクワ中心部で爆発、7人死亡し100人近く重軽傷◇(朝日新聞)
 08/09@◇レバノン軍がイスラエル軍撤退地帯に展開開始◇(朝日新聞)
 08/09@チェチェン人ら2人拘束 テロの死傷者は百人に(共同通信)
 08/09@◇NMDの2005年配備に赤信号 ロケット開発に遅れ◇(朝日新聞)
 08/09@PKO支援で米軍派遣へ ナイジェリアで訓練と米紙(共同通信)
 08/09@民主党、リーバーマン副大統領候補を正式発表(読売新聞)
 08/09@◇モスクワ中心部で爆発、8人死亡◇(朝日新聞)
 08/09@ユダヤ系候補を正式発表 ゴア氏、支持率も急上昇(共同通信)
 08/09@印パ核戦争の懸念高まる 米CIAなどが報告(共同通信)
 08/09@ジェフの新監督にベルデニック氏(読売新聞)
 08/10@反NATOで国民結束狙う 選挙控えユーゴ大統領(共同通信)
 08/10@バスク独立派が東欧から大量の武器入手との情報(読売新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 08/01@<シドニーに吹く風>プーチン大統領の戦略 「強国復活」を(毎日新聞)

 シドニー五輪開幕を2カ月後に控えたある朝、クレムリン「エカテリンスキーの間」に全閣僚が集められた。カバエワ(新体操)、ホルキナ(体操)、チェメルキン(重量挙げ)などのメダル候補、露オリンピック委員会のスミルノフ会長らも呼ばれていた。全員がそろったのを見計らったかのように、プーチン大統領が入ってきた。
 「五輪代表の成功は、連邦の誇り、民族的自覚の成長であるばかりでなく、国民の健康のあかしである」。プーチン大統領は出席者にそう語り始めた。しかし、「我々はそのような満足のいく思い、つまり勝利を久しく味わっていない」とスポーツ界の現状に不満も述べた。
 サッカーの1998年W杯フランス大会と今年の欧州選手権で、ロシアはいずれも本大会出場を逃した。今春のアイスホッケー世界選手権は、大統領のおひざ元サンクトペテルブルク開催にもかかわらず、2次リーグで敗退。2大人気スポーツの低迷ぶりは、スポーツ愛好家を自負するプーチン大統領をいら立たせた。
 大統領にとって、シドニー五輪はロシアの力を世界に誇示する場としては最高の舞台である。「我が国が勝つチャンスと可能性は十分にある。才能にあふれ、献身的な選手がいるのだから」。ほおを紅潮させ緊張した表情の選手を前に、大統領はそう締めくくった。
 この日、開かれたのは「シドニー五輪準備組織委員会」の初会合。閣僚や五輪委幹部らで構成され、五輪対策のすべてを取り仕切る。そして、そのトップである議長にプーチン大統領が就任した。五輪を国威発揚の場としてきた旧ソ連時代を含め、国家元首が準備組織委のトップに就くのは同国史上初めてのことだ。
 プーチン大統領は常々「強いロシア」の復活を訴えてきた。5月の大統領就任式でも「ロシアを自由で、繁栄した、強い国にすることを望む」と演説した。超大国の地位から滑り落ちた今、プーチン大統領が五輪を「強国復活」の場と位置づけ、そこに「国家強化」を重ね合わせたとしても不思議はない。
 96年アトランタ五輪でロシアは63個(金26、銀21、銅16)のメダルを獲得したものの、地元米国の101個(金44、銀32、銅25)には遠く及ばなかった。しかし、スミルノフ五輪委会長は「今、米国はロシアの敵ではない。ライバルはドイツと中国だ。我々は約50種目で金メダルを狙える位置にいる」と豪語する。
 ただ、勇ましい掛け声とは裏腹に、早くもほころびが見え出した。シドニー五輪の報奨金は金5万ドル、銀2万ドル、銅1万ドル。個人競技の金メダリストには10万ドルを別に支給することをプーチン大統領は約束し、国家予算150万ドルを確保したという。だが、前回はメダルの数だけ受け取れた報奨金も今回、個人種目では同じ色のメダルの2個目からは支給されない。つまり「金2個」より「金1個・銀1個」の方がボーナスは多い。「選手のやる気に影響するのでは?」。記者団に問われたスミルノフ会長は苦々しい表情で「報奨金は無税にしたい」と答えをはぐらかした。
 また、コレソフ五輪委副会長はスポーツ月刊誌上で、代表が調整する極東ウラジオストクの施設の老朽化に言及し「ほんの少しの資金があれば快適に練習できるのに」と政府を批判。「大統領は五輪対策に同意したが、あまりに遅く、関心が低すぎる」と異例の大統領批判も行った。「我々はあまりにも多くの時間を浪費した。なすすべはない」
  ◇  ◇  ◇
 「強い国家」を目指すプーチン大統領自らの指導で、ロシアがシドニー五輪に向け歩み出した。だが、その気高く誇り高い国は多くの矛盾を内包したまま、さまよう。世界のすう勢から後れを取ったロシアが「スポーツ王国」の地位を保てるのか。かつての超大国の「今」を追った。 【村田 隆和】[2000-08-01-23:56] 321
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 08/01@<インドネシア爆弾>ジャカルタの比大使公邸前で大使けが(毎日新聞)

 【ジョグジャカルタ(インドネシア中部ジャワ)1日中坪央暁】ジャカルタ中心部の高級住宅街で1日午後0時半(日本時間同2時半)ごろ、フィリピン大使公邸前に仕掛けられたと見られる爆弾が爆発し、同公邸と周辺の外交官住居、政府関係施設などの建物が損壊した。この爆発で少なくとも3人が死亡、フィリピン大使を含む約20人が重軽傷を負った。大使は足に重傷を負い、病院に運ばれたが、生命に別状はない模様だ。
 警察当局は現場の状況などから、爆破テロと断定して捜査している。
 フィリピン大使が車で公邸に帰宅した瞬間に爆発が起きていることや、数人が何かを公邸に投げ込んでいたとの目撃証言があることから、フィリピンのイスラム武装組織によるテロ事件との見方も出ている。
 ワヒド大統領は同日、政治指導者によるトップ会談が開かれたジョグジャカルタで、記者団に「(インドネシアの国内問題ではなく)フィリピンの問題に絡んで起きた可能性がある」と述べ、シハブ外相もフィリピン側が「自国のテロ組織が関与した可能性が強い」と伝えてきたことを明らかにした。
 一方、爆発はインドネシアの政局安定を目指すトップ会談が開かれている最中に起きており、アミン・ライス国民協議会議長は「わが国の国際的イメージを損なう目的のテロ行為」との見方を示した。
 【マニラ1日藤田悟】ジャカルタのフィリピン大使公邸前での爆弾事件を受け、比外務省は1日、政府の全在外公館に厳戒体制を取るよう指示した。南部ミンダナオ島でのイスラム反政府組織との紛争に関係したテロ事件の可能性もあるためだ。ミンダナオ紛争が事件の背景にあるとすれば、国内問題が国際テロを招いた比政府は外交的に厳しい立場にさらされる。
 一方、同島で国軍と交戦状態にあるイスラム反政府武装組織「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)のスポークスマンは事件への関与を否定した。
 MILFについては、インドネシア・アチェ特別州の独立派組織を招いて訓練をしたなどの国軍情報があり、他国のイスラム組織との連携が指摘されていた。[2000-08-01-23:09] 324
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 08/01@露大統領、軍改革に消極的な大将ら6人解任(読売新聞)

 【モスクワ1日=瀬口利一】ロシアのプーチン大統領は七月三十一日、ボリス・ドゥホフ地上軍防空部隊司令官(大将)ら軍幹部六人を解任する大統領令に署名した。軍内では最近、軍改革をめぐり、核戦力の中枢を担う戦略ロケット軍の縮小再編を提唱するアナトーリー・クワシニン軍参謀総長と、反対するイーゴリ・セルゲーエフ国防相の対立が公然化。六人はいずれも国防相側近とされ、大統領が一斉更迭により、改革推進の決意と軍の掌握力アピールを狙ったものとみられている。
 解任されたのは、ドゥホフ司令官のほか、核・化学・生物兵器防護部隊のスタニスラフ・ペトロフ司令官(大将)、アナトーリー・シトゥノフ兵器装備局長(同)、アレクサンドル・ゾブニン兵糧対外経済局長(中将)ら。大統領府は解任理由を「任期満了や通常の異動」と説明しているが、一日付の露各紙は「軍最高司令官(大統領)が参謀総長に軍配を上げた」(イズベスチヤ紙)などと報道。解任が国防相と軍参謀総長の主導権争いによって引き起こされたのは明白だ。
 露軍は、地上配備の核戦力を指揮する戦略ロケット軍、海・空・地上の四軍で構成される。戦略ロケット軍出身のセルゲーエフ氏はこれまで、海軍や空軍の戦略核の指揮権も戦略ロケット軍が握るよう主張。これに対し、チェチェン軍事作戦を統括するクワシニン氏は、第一次チェチェン紛争(九四年〜九六年)で弱点を露呈した通常兵力の増強を目的に、財政負担の大きい戦略ロケット軍を縮小し、他の三軍と統合することを提案、国防相と軍参謀総長の不仲が露呈していた。
 プーチン大統領はこうした軍内の亀裂が政権の威信低下につながることを懸念。二人に戦略ロケット軍の再編計画を共同でまとめるよう指示したが、この問題を討議する予定だった先月下旬の安全保障会議が八月以降に延期された上、今回解任されたシトゥノフ局長が一日付コメルサント紙で政府の軍事予算配分計画を公然と批判するなど異常事態となっていた。
 大統領が今回、国防相派の幹部を切り捨てた最大の理由は、軍改革に消極的な国防相派幹部を一掃して改革推進の姿勢を示す必要があったためだ。戦略ロケット軍の再編は、米国との早期妥結をめざす第三次戦略兵器削減条約(START3)で核弾頭を千五百発程度にまで削減するうえで、環境整備にもなる。
 もう一つの理由は、大統領選挙勝利の原動力となったチェチェン軍事作戦の統括責任者でもある参謀総長を擁護、軍の統率力を強めたいとの狙いだ。参謀総長は、次期国防相の最有力候補として軍内部でも野心を隠さないといわれ、今回の更迭で、セルゲーエフ国防相が近く解任されるとの説が現実味を帯びてきた。[2000-08-01-22:11] 333
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 08/01@<ミャンマー>軍事政権が「ワ州連合軍」と連携姿勢(毎日新聞)

 【バンコク1日小松健一】ミャンマー軍事政権が、最大の麻薬利権を握っている少数民族武装組織「ワ州連合軍」(UWSA)に対して、タイ国境周辺の軍事戦略道路の使用と建設許可を与えたことが1日、タイ国軍情報筋などの話で明らかになった。道路は軍政と対立する他の少数民族の拠点に通じており、軍政は反政府少数民族との停戦交渉をあきらめ、ワ軍と提携して武力鎮圧に方針転換したことを意味する。ワ軍はすでに5000人の部隊の移動を始めている模様だ。
 一方、軍政と対立し、戦略道路に近い地域を拠点にしているシャン州軍(SSA)は7月28日、カレン民族同盟(KNU)など三つの少数民族組織の軍司令官らと緊急会議を開き、ワ軍進攻に備えて合同軍事作戦を進めることで合意、国境一帯で大規模な戦闘が起きる可能性が高まっている。
 戦略道路はワ軍の拠点、ムーンヨンからモンタまでのタイ国境に沿った約150キロ。モンタの周辺にはシャン州軍が展開している。タイ国軍情報筋などによると、軍事政権がワ軍に許可したのは、(1)道路の使用権(2)営利目的のバス運行権――の2点。一部区間で補修が必要なため、ワ軍部隊が補修工事にあたっているが、ワ軍はシャン州軍支配地まで約10キロにまで迫っているという。
 別の情報関係者によると、軍政は、モンタからカレン民族同盟軍の拠点に近いミヤワディまでの道路建設もワ軍に許可したという。
 ワ軍は反政府武装組織だったが、1989年にミャンマー軍政と停戦合意した。その後、軍政がワ軍の麻薬利権を暗黙で認めるなど両者の関係が緊密化しているといわれる。
 軍政はミャンマー軍を直接投入せずに、麻薬資金で武器が豊富といわれるワ軍を利用して反政府武装組織を鎮圧することで、国際社会の批判を避けて政権基盤を安定させる狙いがあるとみられる。
 タイ北部を管轄するタイ陸軍第3軍首脳は「戦略道路では、ワ軍はミャンマー軍の検問を受けずに自由通行しているようだ。戦略道路沿いからの麻薬密輸も増えてきた」と指摘し、国境周辺をワ軍が支配するで、麻薬流入が急増することへの懸念を示した。[2000-08-01-21:05] 334
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 08/01@<ニュース25時>南アフリカ黒人世帯の8割が生活「悪化}(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク1日藤原章生】黒人主導による新政権誕生から6年が過ぎた南アフリカで、黒人世帯の8割が生活が「悪化した」、または「変わらない」と感じていることが南ア統計局の調べでわかった。黒人の住宅事情は改善されているが、人種間の生活格差がまだ縮まらないのが、黒人の不満を高めていると同局はみている。
 昨年10月、国内3万世帯を対象に生活実態を調査した。黒人については電気の普及率が96年の48%から99年には56%に、水道も96年の48%から60%に増えた。また、同局の独自統計によれば全体の完全失業率も年々改善され、98年の25%から99年には23%に下がったという。統計はないものの、「アファーマティブ・アクション」(差別是正策)で中高所得者の増えた黒人社会に資金が流入しているのは確かだ。
 しかし、黒人世帯の32%は「生活が悪化」、48%が「変わらない」と答えている。これについて同局は、住宅の所有率(白人97%、黒人60%)、水洗トイレ利用率(白人97%、黒人17%)など、物質的に目に見える人種間格差が現在も歴然としているのが一因と説明している。[2000-08-01-21:05] 337
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 08/01@「大統領の息子」脱皮へ 色濃い「父親の影」 ブッシュ州知(共同通信)

 わずか八年前まで大統領を務めた人物の息子が、自ら大統領のいすを目指す―。少なくとも米国では考えにくい道に挑んだのがブッシュ・テキサス州知事だ。ブッシュ氏の半生は「偉大な父」の影と戦いながらアイデンティティー(自分らしさ)を見つけ出す旅だった。
 父ブッシュ前大統領は、東部の名家の生まれで、名門エール大学では優等生。テキサス州で石油事業に成功し、政治の道へ。下院議員、国連大使、米中央情報局(CIA)長官、副大統領、そしてホワイトハウスまで登り詰めた文字通りのエリートだ。
 長男のブッシュ氏は四十すぎまで「ブッシュの息子」以外の何者でもなかった。ブッシュ家で「偉大な父」の存在感は絶対的だった。長男にかかるプレッシャーの下で、ブッシュ氏は父の勧めに従い同じエール大学へ。同級生の記憶に残るブッシュ氏は「パーティー好きの、気のいい男」だ。学業成績はブッシュ氏が現在でも公表を拒否している。
 若きブッシュ氏が父親にあからさまに反抗した形跡はない。しかし、家庭内では忙しい父親との間は疎遠で、その分、母親のバーバラ夫人との関係は極めて緊密だったという。本人が事実上認めた青年時代の麻薬使用や、四十歳まで続いたアルコール癖はブッシュ氏の屈託を物語るものだ。
 ブッシュ氏は皮肉にも父親と似た道を歩む。しかし結果は対照的だ。テキサスで小さな企業を渡り歩いた後、石油事業を起こすが多額の負債を背負い倒産寸前に。この危機を救ってくれたのも、大リーグ「テキサス・レンジャーズ」の共同所有者になれたのも「ブッシュ」というブランド名のおかげだった。
 一九七八年の下院選挙で落選したブッシュ氏が、政治家としての父親の背中が少し見えたと思ったのが九四年のテキサス州知事当選ではないか。教育重視、マイノリティー(社会的少数派)に優しい「共和党らしからぬ政治」で、「名前」ではない自前の政治家像を形成、党候補指名につながった。
 党大会直前、USAトゥデー紙とのインタビューでブッシュ氏は、この政治的成功は幸運でも、ブッシュ家の名前でもなく「わたしがつかんだものだ」と語った。このコメントの半分はうなずける。しかし、残りの半分は、なお疑問符付きだ。ブッシュ氏が、父の政権で国防長官だったチェイニー氏を副大統領候補に指名した時、ある評論家は「まるで、ベビーシッターだ」と評した。(フィラデルフィア共同=大島寛)(了)[2000-08-01-20:46] 363
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 08/01@ムガベ大統領の後継選びも ジンバブエ与党の議席減で(共同通信)

 【ヨハネスブルク1日共同】白人農園の占拠騒動などで国際社会から批判を受けているジンバブエのムガベ大統領(76)が、二○○二年に予定される大統領選に出馬せず、後継に道を譲るとの筋書きが現実味を増している。
 一党支配を続けてきた与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)が六月の総選挙で大きく議席を減らし、再選の行方に赤信号がともったためだ。
 国営ジンバブエ通信も「総選挙の直後、ムガベ大統領の後継者を育成する実力者グループが組織された」と与党の動きを伝えている。
 同グループは「国民から全面的な支援を得て(総選挙で躍進した野党の)民主変革運動(MDC)の候補に勝つことができる人物」を見定めるための作業に着手したという。
 大統領のスポークスマンは国営通信の報道を否定しているが、総選挙後に発足した新内閣は十九人のうち十人が初入閣で、後継体制へ移行するための布石とみられている。
 ジンバブエ大のネマ政治学部長は「若手の登用で、ムガベ大統領は引退への環境を整えた」と分析し、次の大統領選への出馬を見送ると予測している。(了)[2000-08-01-14:57] 365
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 08/01@<米共和党>党綱領「中露と協調」 新時代の国際関係模索(毎日新聞)

 【フィラデルフィア(米ペンシルベニア州)31日布施広】米共和党が31日採択した党綱領は、核実験全面禁止条約(CTBT)を「時代錯誤的」と批判、孤立主義的な色彩を強める一方で、「核による恐怖の均衡は時代遅れ」と明言した。また、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの「新たな脅威」に対してロシアや中国との協調関係をめざすなど、共和党は冷戦時代の発想と決別した新時代の国際関係の構築に踏み出したと言える。
 「国益の積極的な追求」を柱とする新綱領は、アジア政策においては対日関係の重視を打ち出した。共和党内には、中国を「戦略的パートナー」としたクリントン政権が、日本など同盟国との関係をおろそかにしたとの認識がある。
 だが、クリントン政権の対中、対露姿勢を一概に否定するものではなく、綱領は東西陣営が核兵器の備蓄によって均衡を保つ時代は終わったと指摘。むしろ今は、備蓄された核兵器がテロ組織などに渡る危険性が強まっているとして、米国とロシア、中国が「新たな脅威」に一致して対処する必要性を説いている。
 さらに綱領は「新たな脅威」を理由として、米上院が昨秋批准を否決したCTBTは「時代錯誤的」と決めつけ、米国や同盟国を守るために米本土ミサイル防衛(NMD)、戦域ミサイル防衛(TMD)の配備の重要性を力説した。
 しかし、共和党の立場については、従来から「常に外部に敵を求める冷戦的発想」(中国政府関係者)との批判があり、冷戦構造からの脱却をうたった綱領が、共和党の方針転換を意味するかどうか疑問視する見方も強い。[2000-08-01-13:25] 376
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 08/01@PKF射殺犯の逮捕要請 国連、インドネシアに(共同通信)

 【ディリ1日共同】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のデメロ代表は七月三十一日、インドネシア領西ティモールとの境界地帯で国連平和維持軍(PKF)参加のニュージーランド兵一人が射殺された七月二十四日の事件の犯行グループ十人の氏名が判明、逮捕状をとったと発表した。
 同代表は、犯行グループが西ティモールに逃走したとして、インドネシア軍や警察に十人の逮捕と暫定機構への引き渡しを要請した。十人は西ティモール内で活動する併合派民兵の疑いが濃い。
 暫定機構が今回のような殺害事件で、インドネシア側に逮捕を要請したのは初めて。(了)[2000-08-01-11:15] 388
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 08/01@◎国連、エチオピア・エリトリア紛争で軍事監視要員を派遣へ(時事通信)

 【ニューヨーク31日時事】国連安保理は31日、エチオピアとエリトリアの国境紛争に関して公式協議を行い、「国連エチオピア・エリトリア派遣団」を創設する決議を全会一致で採択した。最大100人の軍事監視要員らで構成される同派遣団は、将来の国連平和維持活動(PKO)派遣に備えて両国との連絡・調整などに当たる。
 国境紛争をめぐっては、エチオピア、エリトリア両国政府は6月18日、アフリカ統一機構(OAU)の仲介による停戦協定に調印。同協定は国連に対し、停戦監視などを任務とするPKOの派遣を求めている。 [時事通信社][2000-08-01-05:29] 392
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 08/01@<特報・ピースボート>在日韓国人がツアー客として北朝鮮入(毎日新聞)

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に向けて8月20日、東京・晴海港を出港する市民団体「ピースボート」(東京都新宿区)のクルーズに、在日韓国人十数人が参加し、ツアー客として北朝鮮入りすることが31日、分かった。ピースボートとしては3回目の北朝鮮訪問だが、「在日韓国人の参加者が入国を認められたのは初めて」という。
 クルーズは南北の緊張緩和ムードを受けて「北朝鮮の人々と交流を」と企画された。8月20日出港し、中国・大連を経て24日から27日まで北朝鮮に滞在する。参加予定者は約500人で在日韓国・朝鮮人の申し込みは約30人。うち韓国籍は十数人だった。ピースボートのスタッフが7月下旬、入国申請のため訪朝したところ、ほとんどが入国を認められた。関係者から「在日同胞として韓国籍の人も受け入れる」と説明されたという。
 一方、ピースボートが「ゲスト講師に」と参加を依頼し、「北の同胞の音楽家たちと共演ができるなら」と快諾した在日韓国人バイオリニスト、丁讃宇(ジョンチャヌ)さん(49)はまだ入国が認められておらず、参加が微妙になっている。ピースボートでは「理由は示されなかった。もう一度、北朝鮮側に理解を求める」と話している。[2000-08-01-03:01]
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 08/02@◎ロイター記者の遺灰、埋葬される=遺言でゆかりのサラエボ(時事通信)

 【サラエボ2日AFP=時事】アフリカのシエラレオネ内戦取材中の今年5月、武装勢力の銃撃に巻き込まれて死亡した英ロイター通信の米国人特派員カート・ショーク氏の遺灰が2日、同氏の遺言により、かつて同様の紛争取材で活躍したボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボに埋葬された。
 ショーク氏の遺灰の一部は既に、ワシントンの墓地に埋められたが、遺族と友人が残りの遺灰を同氏とゆかりのあるサラエボの墓地に埋葬した。 [時事通信社][2000-08-02-23:06] 410
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 08/02@核兵器廃絶の約束実行を 原水協の国際会議が開幕(共同通信)

 「核兵器のない21世紀へ―行動と共同を」をテーマに、原水爆禁止日本協議会(原水協)などが主催する「原水爆禁止2000年世界大会」の国際会議が二日午後、広島市で三日間の日程で始まり、米国や中国、インドなどの海外代表を含む約三百人が参加した。
 主催者側の関屋綾子・宗教非政府組織(NGO)代表が「二十一世紀を前にして『核兵器のない世界』を求める動きが大きな力を持つようになり、核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、核保有国も核兵器廃絶の『明確な約束』を認めざるを得なかった」と指摘。
 「約束を実行させるために、どのような行動をすべきか、積極的な討論を期待する」と呼び掛けた。
 日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳事務局長は「被爆者は高齢化し、病弱になり、後継者を国の内外につくることが大きな課題となっている。核兵器廃絶の願いは実現されないまま二十一世紀を迎えようとしているが、被爆者は絶望していない」と述べた。
 続いてテーマごとの討論に移り、海外代表のバーノン・ニコルズ国連NGO軍縮委員会会長は「NPT再検討会では(核兵器廃絶を強く訴える七カ国の)新アジェンダ連合と、これを支持するNGO組織が決定的な役割を果たした」とNGOの役割の重要性を指摘。
 高草木博・日本原水協事務局長は、核兵器廃絶を二十一世紀初頭に達成すべき最重要課題として宣言するよう国連や加盟国政府に求める運動を提起。「広範な運動の連帯が必要だ」と訴えた。(了)[2000-08-02-18:32] 303
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 08/02@<ジンバブエ>ゼネストに突入 労組会議 法と秩序の回復を(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク1日藤原章生】120万人の動員力を持つジンバブエ労組会議は2日、ムガベ大統領に対し、法と秩序の回復を求め、ゼネストに突入する。2月に始まる農場占拠、6月総選挙での野党躍進を経た同国では、軍などによる野党員弾圧が散発的に起きている。ゼネストが大規模デモに発展するかどうかは不明だが、野党支持の労働者側はムガベ政権による暴力を止めるための「警告」にしたいと話している。
 1980年の独立以来、国を率いてきたムガベ大統領の与党は6月下旬の総選挙で、都市部で全敗した。一方の野党・民主変革運動(ツァンギライ党首)は有権者のほぼ半数に当たる反ムガベ票をつかみ、躍進した。
 これまで白人住民を仮想敵に民族主義をあおってきたムガベ氏は、新内閣に経済通の若手を登用し、一時は柔軟な姿勢を見せた。しかし、ゼネストの気運が盛り上がり始めた7月末、新たに2237カ所の白人経営農場を軍などの協力で黒人農民に分配すると発表、再び強権路線をちらつかせる。
 経済再建の見通しは立たず、隣国ザンビアを訪問中のフィッシャー国際通貨基金(IMF)副専務理事も、ジンバブエ支援の再開は「時期尚早」と語ったという。
 今回のゼネストに与党の穏健派や地方の農民がどう反応するのか。どの程度の盛り上がりを見せるのか。「白人農場没収」という切り札を再び切り、国民の出方をうかがうのがムガベ氏の狙いの一つとみられる。[2000-08-02-10:00] 304
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 08/02@<イスラエル>新大統領にカツァブ前副首相兼観光相が就任(毎日新聞)

 【エルサレム1日海保真人】イスラエル新大統領に1日、右派政党リクードのモシェ・カツァブ前副首相兼観光相(54)が就任した。国会での就任宣誓式でカツァブ新大統領は「イスラエル社会では深刻な相互嫌悪と対抗意識が広がっている」と演説、民族協調の必要性を改めて訴えた。
 一方、国会投票で敗れた与党労働党のペレス元首相は1日、地域協力相のポストに復職、イスラエル放送に「我々は今後3カ月間でパレスチナとの和平プロセスを完結すべきだ」と語り、政界にとどまることを明らかにした。ペレス氏はまた、総選挙実施の可能性を示唆、実施された場合、「和平か反和平かの選択を国民に問いたい」と話した。
 1日付のイスラエル各紙は、国民の間で人気があるペレス氏がバラク首相への反発票や政党間政争のため敗れたことに同情的で、「国会の恥」(マーリブ紙)との見出しをつけた論評記事もあった。[2000-08-02-10:00] 305
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 08/02@黒人女性で「目玉人事」 ライス補佐官誕生も(共同通信)

 【フィラデルフィア1日共同】共和党大会二日目の一日、安全保障政策で演説する機会を得たコンドリーザ・ライス米スタンフォード大教授(45)は、共和党政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官への就任が有力視される。
 黒人女性のホワイトハウス中枢入りが実現すれば、国務長官と目されているパウエル元統合参謀本部議長とともに人種・民族の統合を目指すブッシュ政権の「目玉人事」となりそうだ。
 ライスさんは一九八九年から九一年まで、三十歳代半ばでブッシュ政権の国家安全保障会議(NSC)ソ連・東欧上級部長を務め、冷戦が崩壊する難しい時期に米外交を裏から支えた。
 一九五四年、米南部アラバマ州バーミングハム生まれ。父親は大学理事、母は音楽と理科の教師という裕福な黒人家庭に育った。
 アラバマ州は黒人差別が激しく六三年にバーミングハムの教会が爆破され近所の黒人少女が殺され、公民権運動の父キング牧師の弁護士宅も爆破された。家族ぐるみのつきあいだっただけに人種差別の不合理さを心に刻みつけた。
 十五歳でデンバー大に飛び級入学。母親の影響でプロのピアニストを目指したが、国際関係論に興味を持ち外交専門家の道を選んだ。オルブライト国務長官の父に師事し、現政権との縁も。外交論は同盟関係重視の「常識的な考え方」(在ワシントン外交筋)。ワシントンの外交団は既にライス氏の発言や論文に注目している。(了)[2000-08-02-08:13] 306
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 08/02@日本に国家主義台頭の恐れ 米が新たな教科書問題提起(共同通信)

 【ワシントン1日共同】米有力シンクタンク「ウッドロー・ウィルソン・センター」は一日までに、日本の教科書が、米国など外国と日本との違いを強調していることが、将来国家主義や民族主義の台頭につながると警告する論文を発表した。
 「日本の教科書における文化的ナショナリズム」と題されたこの論文は、アレクセイ・クラル客員研究員が日本の中学生向け教科書を分析して執筆。これまで日本の教科書問題の主な争点だった第二次世界大戦の正確な記述については改善されたが、米国が「多民族国家」という点や日本を含め世界中に軍隊を駐留させている「軍事大国」であることを強調するなど、「調和を重んじ平和を愛する日本人との違いを強調する目的で外国を取り上げる」ことが多すぎると指摘した。
 具体的な例として、ある中学生向け社会科教科書の「米国では白人、黒人、アジア系など人種間の結婚はほとんどなく、それぞれ別の地域に住んでいるため『人種のサラダボウル』と言われる」との文章を紹介。「現在の米国は人種間結婚も普通にあり、記述は不正確」と反論した。
 さらに、日本の教科書が「均質性」や「集団性」といった日本人の特質が、「多様性」や「個人主義」を重んじる国々より「優れている」と考える思想の影響を強く受けていると指摘し、このような教科書が少年少女に「日本人優位論」を植え付け将来、民族主義の台頭を招く恐れがあると結論付けた。(了)[2000-08-02-07:55] 308
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 08/02@原産地証明システム構築を ダイヤ不正取引で国連委(共同通信)

 【ニューヨーク1日共同】国連安全保障理事会のシエラレオネ制裁委員会は一日、シエラレオネ反政府勢力の資金源になっているダイヤモンドの不正取引をめぐって協議、紛争防止のため、世界的なダイヤの原産地証明システムの構築を目指すことで一致した。
 二日間にわたった協議には、ダイヤ業界や国際的な非政府組織(NGO)からも参加。米国などは、リベリアのテーラー、ブルキナファソのコンパオレ両大統領を「(シエラレオネ反政府勢力による)ダイヤ密輸と武器購入に手を貸している」と名指しで非難した。
 協議終了後、会見したチョウドリ議長(バングラデシュ国連大使)は「密輸には周辺国も関与しているとの声が多い」と述べ、一国に対する禁輸措置だけでは限界があると指摘した。
 安保理は七月五日、シエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)の支配地域産出のダイヤ取引を全面禁止する決議を採択。シエラレオネは同月十五日までに、適切な原産地証明システムの確立まで同国産ダイヤの輸出を全面禁止する措置をとっている。(了)[2000-08-02-07:54] 316
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 08/02@◇難民救援の人材養成に「人道支援センター」が東京に発足◇(朝日新聞)

 難民救援にあたる人たちを育てるため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は1日、東京に「アジア・太平洋地域国際人道支援センター」を発足させた。日本や東南アジアなどの非政府組織(NGO)の人たちを主な対象に、世界各地の人道援助の現場で働く知識やノウハウの研修や訓練を始める。
 センターは、内戦の続くアフリカ各地や東ティモールの紛争などの際に、現地に急行して緊急援助に取り組む要員をインターネットを利用した「通信教育」などで育てる。同時に、こうした人道援助に携わる人たちのネットワークづくりをめざしている。UNHCRの構想に対し、日本政府が国連に設けた「人間の安全保障基金」で支援することが決まり実現した。3年間で、2億円の予算を見積もっている。
 発足式で、一時帰国中の緒方貞子・高等弁務官は「大規模の難民の時代。直ちに対応できる態勢が必要になっている」とあいさつ。アジア太平洋地域から、難民救援にあたる有能な人材が育ってくれるように強い期待を寄せた。
 センターといっても、東京にあるUNHCR日本・韓国地域事務所に事務局を置くだけ。研修と訓練はインターネット、電子メールを利用した6カ月間の通信教育、実習として1―2週間のワークショップなどを予定している。現場での活動を想定して、すべて英語で行われる。すでに日本から29人、カンボジアから19人の参加が決まっている。
 研修・訓練をうける第一陣に応募したNGO「ピースウィンズ・ジャパン」の石井宏明さんは「総合的知識が分かりやすく学べる。日本人の苦手な現地での言葉、とくに援助活動の技術的な用語なども体得できると期待している」と話している。[2000-08-02-00:02] 274
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 08/02@中東和平譲歩路線に反発、イスラエル外相が辞任(読売新聞)

 【エルサレム2日=当間敏雄】イスラエルのバラク首相の右腕としてパレスチナ和平を共に進めてきたダビド・レビ外相が二日、米キャンプデービッドの中東和平三首脳会談で示した首相の「大幅な譲歩姿勢」を不満として辞表を提出、外相率いるゲシェル党(二議席)の連立離脱を通告した。国会が今週末から十月二十九日まで休会に入るため首相には約三か月間の態勢立て直しの猶予があるが、外相辞任は、先月の三党離脱で少数与党に転落したバラク政権に追い打ちをかけるもので、失速した和平プロセスへの影響も必至だ。
 レビ外相は辞表提出後の記者会見で「自らが同意できない政策を持つ政府の一員にとどまることはできない」と語り、パレスチナ側との和平政策をめぐる問題が直接の原因となったことを示唆した。
 レビ外相は昨年九月に始まったパレスチナ紛争の包括的解決を図る「最終地位交渉」の責任者としてエラン交渉代表とともにパレスチナ側との公式交渉を担当。しかし、もともと右派傾向の強かった外相は、首相がヨルダン川西岸からの軍撤退などで「大胆な譲歩」を見せ始めたことを懸念、公式とは別の秘密交渉にも不満を抱いていた。先の中東和平三首脳会談は「パレスチナ側の非妥協的な姿勢」を理由にして首相の要請を断って欠席するなど、距離をとり始めていた。
 またイスラエル国会(定数百二十)は同日、外相の辞表提出後、野党が提出した繰り上げ総選挙を求める法案の予備投票を実施、賛成六十一、反対五十一で委員会に付託されることになった。法案が最終的に可決されるまで、委員会通過後にさらに本会議で三回の投票が必要で、直ちに国会解散となるわけではない。しかし、バラク政権は大統領選挙に続いて再び国会から「NO」を突きつけられた格好となった。
 野党勢力は「国会の支持を失った首相に和平交渉をする権限はない。早期総選挙以外に選択肢はない」と圧力を強化。「パレスチナ側との合意が達成されても、国会で承認を得ることは不可能」との見方もある。
 ただ、イスラエル国会が四日から夏季休会に入り、再開される十月末まで事実上の政治休戦となるため、首相には三か月間の時間的猶予が生まれる。
 中東和平に関しては、依然として半数以上が交渉継続を望んでいるとの世論調査結果もある。パレスチナ側との紛争に終止符を打つ恒久的和平合意が達成されれば、国民の支持を得られる公算はあるため、首相が和平合意を取りつけた上で総選挙で民意を問う選択肢も浮上している。[2000-08-02-21:49] 279
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 08/02@<湾岸危機>イラクのクウェート侵攻から10年 強硬姿勢崩(毎日新聞)

 【バグダッド2日高橋弘司】イラク軍のクウェート侵攻に端を発した1990年の湾岸危機から2日で10周年となった。侵攻直後に科された国連の経済制裁は今も解除の見通しが立っていない。フセイン政権は制裁解除の条件とされる大量破壊兵器廃棄をめぐる国連査察を拒否し、侵攻を正当化する立場を繰り返し表明するなど、依然、強硬姿勢を崩していない。
 国営イラク通信は1日夜、クウェート侵攻に言及、「クウェートの策略からイラクを守るために必要だった」とするイラク政府の声明を伝えた。声明は「帝国主義勢力(米国)はイラン・イラク戦争(1980〜88年)でのイラクの勝利にいらだち、クウェートを利用してイラクに対する邪悪な政策を行おうとした」と指摘、「クウェートの指導者たちはまだ、米国が奏でるダンスを踊り続けている」と批判した。
 政府系紙「アルジュムフリア」も2日、「自衛は国際法が認めた原則だ。イラク指導部とイラク国民は米国による陰謀に打ち勝つ決定を強いられたのだ」とクウェート侵攻を正当化する論評を掲げた。
 クウェートは依然、イラクに強い警戒感を抱いているが、サレム国防相が先月25日、侵攻当時にイラク軍に拘束されたクウェート人戦争捕虜の一部釈放を条件に、同盟国の保護下でならイラク当局者と会談する用意があると初めて表明し、今月に入ると、会談のためにイラクを訪問する意向まで示した。だが、イラクは「6000人以上のクウェート人戦争捕虜はすでに全員釈放済みだ」と従来の立場を繰り返し、事実上、クウェート側の対話提案を拒否している。[2000-08-02-19:58] 280
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 08/02@<米大統領選>共和党大会 無法者国家に対抗する政権作り目(毎日新聞)

 【フィラデルフィア(米ペンシルベニア州)1日布施広】イラクのクウェート侵攻10周年に当たる1日夜(日本時間2日朝)、米共和党大会では米軍の戦力立て直しやミサイル防衛の早期配備を求める演説が相次ぎ、大統領候補に内定しているブッシュ・テキサス州知事が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイラクなどに対して厳しい姿勢を保つ「軍事力重視」の政権作りを目指していることを印象付けた。
 この日の討論で、女性のライス元米国家安全保障会議(NSC)部長は「無法者国家は長距離弾道ミサイルの開発を目指している」と指摘、米本土ミサイル防衛(NMD)など「効果的なミサイル防衛の速やかな配備」を訴えた。「無法者国家」とは、北朝鮮、イラン、イラクなどを指すものとみられる。これらの国を「ならず者国家」と呼んでいたクリントン政権は最近、「懸念すべき国」と穏やかな表現に変えている。
 大学教授のライスさんはブッシュ知事の父親ブッシュ前大統領のもとでNSCソ連担当部長を務め、ブッシュ知事が大統領に当選した場合は、国家安全保障担当の大統領補佐官就任が有力視されている。
 一方、イラクとの湾岸戦争で米軍主体の多国籍軍を指揮したシュワルツコフ元米中東軍司令官は衛星中継で演説し、クリントン政権下で「海軍戦力は3分の1が削減された。空軍力は40%減らされたのに作戦行動は4倍に増えた」と過剰負担を強調。現政権の軍事政策を暗に批判した。
 クウェート侵攻10周年に当たり、共和党は湾岸戦争で「輝かしい勝利」を収めたブッシュ前大統領の功績を強調、軍事力整備の必要性をアピールしたものとみられる。湾岸戦争時の国防長官チェイニー氏は副大統領候補に内定、統合参謀本部議長だったパウエル氏も政権参加が確実視されるなど、湾岸戦争時の「役者」がブッシュ知事の周辺を固めている。[2000-08-02-19:58]
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 08/03@◎ユーゴ軍、英・カナダ人4人を逮捕(時事通信)

 【ウィーン3日時事】ベオグラードからの情報によると、ユーゴスラビア連邦軍当局者は3日、セルビア、モンテネグロ両共和国国境のチャコル山地で1日、英国人2人とカナダ人2人の4人をスパイ容疑で逮捕したことを明らかにした。
 4人はコソボ自治州に駐留している平和履行部隊(KFOR)と国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)に所属しているとの情報もあったが、ユーゴ軍側はこれを否定した。ただ、4人は武器を所持しており、軍当局者は単なる旅行者ではないとしている。 [時事通信社][2000-08-03-21:11] 8
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 08/03@同盟日本の負担増加も 共和党の「強い米国」像(共同通信)

 四年に一度の米共和党大会は「強い米軍の復活」と「同盟の強化」を目玉に挙げた。クリントン民主党政権の間に続いた米軍の削減、同盟国との関係空洞化に不満を抱く層を引きつける狙いだ。だが米国に強まる「一国絶対主義」的なムードに沿った対外政策は、ロシア、中国の反発を呼び、日米安保にも重い負担をもたらしそうだ。
 「米軍を強くしよう」は党大会の決まり文句となった。ギングリッチ前下院議長は「米国が世界をリードするために」と言い、マケイン上院議員は「世界には米国に敵対する独裁者、侵略者がたくさんいる」と説明。会場は沸いた。
 採択された党綱領は社会政策で「丸くなった」一方、国防外交政策はタカ派色が突出している。
 「米国の対アジア政策の中心には置かない」と“冷遇”した中国には「米国は(兵器供与も含めて)台湾を強く支援する」と警告。現政権の対中関与政策からの転換を呼び掛けた。
 「中国は国内で政治表現の自由を封じ、隣国を揺るがし、大量破壊兵器を拡散している」と決めつけ、敵視の姿勢は明白。南北和解が進む朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)情勢も「日米韓の同盟で対応する」としか触れず、警戒感を崩していない。
 米本土ミサイル防衛(NMD)配備を明言し、ロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正交渉は放棄している。
 多国間条約にも冷たい。包括的核実験禁止条約(CTBT)は「時代錯誤」、温暖化対策の京都議定書も「米国益に沿わない」。設立が決まった国際刑事裁判所も「米兵は対象外」と事実上の免責を求める。
 共和党の対外政策の特徴は、同盟国と非同盟国に明確な線を引いて対応に差をつけることだ。アジア政策は「同盟国との関係から始まる」と述べ、日本との関係を筆頭に挙げた。
 しかし、同盟国にとっては負担増にもつながりそうだ。ブッシュ新政権では対日安保政策を立案するとみられるアーミテージ元国防次官補は、日米安保強化の具体的な内容として「自衛隊の役割の拡大」を提唱している。
 党綱領は同盟強化の一環として、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボに展開する米軍の平和維持部隊は欧州諸国の部隊が肩代わりすべきだと求めた。朝鮮半島の和解や中台緊張で複雑さが増す東アジアでも同盟国の“肩代わり”が求められるとすれば、日本にとって難しい局面が訪れそうだ。(フィラデルフィア共同=杉田弘毅)(了)[2000-08-03-16:40] 9
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 08/03@◎誤爆のブルガリア民家に350万円弁償=NATO(時事通信)

 【ウィーン2日時事】ブルガリア大統領府は2日声明を出し、北大西洋条約機構(NATO)が昨年春のユーゴスラビア空爆作戦中に誤爆したブルガリアの民家所有者に、約3万2000ドル(約350万円)の弁償金を支払ったことを明らかにした。
 誤爆されたのは、ユーゴ国境の東方約60キロにあるソフィア近郊の町ゴルナバニャの3階建ての民家。昨年4月末、NATO軍機から発射されたミサイル1発が命中し、大破したが、家人は奇跡的に無事だった。この直後、NATOは誤爆の事実を認めた。
 [時事通信社][2000-08-03-08:17] 237
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 08/03@難民支援継続を約束 首相、緒方弁務官と会談(共同通信)

 緒方貞子国連難民高等弁務官は三日午前、森喜朗首相と官邸で会談し、主要国首脳会議(沖縄サミット)で紛争予防の推進が合意されたことに謝意を伝えるとともに、年内の退官を念頭に「支援継続をお願いしたい」と要望した。
 首相は「緒方氏の努力で日本の協力も厚みを増したが、今後も支援を続けたい」と約束。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民の中等教育充実を目指して基金設立を計画していることに対し、協力を検討する意向を示した。
 UNHCRへの昨年の日本の資金援助額は約一億三千七百万ドルで、米国に次いで二位。緒方氏は首相が近くネパールを訪問することから、同国内の約十万人に上るブータン難民問題を取り上げるよう求めた。(了)[2000-08-03-12:34] 253
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 08/03@ダイヤ取引調査員を任命 アナン国連事務総長(共同通信)

 【ニューヨーク2日共同】アナン国連事務総長は二日、国連要員の大量拘束事件を起こしたシエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)の資金源になっているダイヤモンド取引などを調査する専門家五人を任命した。
 ダイヤと武器の禁輸措置を定めた七月五日の国連安全保障理事会決議に基づくもの。専門家チームはカナダ、ベルギーのダイヤ取引関係者らで構成、違法取引の実態を安保理に報告する。(了)[2000-08-03-08:18] 255
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 08/03@フセイン氏らを国際法廷に 米、半年以内の設置目指す(共同通信)

 【ワシントン2日共同】米国のシェファー戦争犯罪担当大使は、イラクのクウェート侵攻から十年に当たる二日、国務省で記者会見し、フセイン大統領らイラクの政治指導者の戦争犯罪を裁く国際法廷を、今後半年以内に設置することを目指す方針を示した。
 フセイン政権の打倒を模索する米政府は、国際戦犯法廷の設置権限を持つ国連安全保障理事会に対し、法廷設置を強く働き掛けていくとみられる。
 大使によると、フセイン大統領の起訴対象となる罪は、イラン・イラク戦争時のクルド人に対する化学兵器使用や、クウェート侵攻時の市民への拷問や殺害など。大使は「証拠は十分にそろっている」と述べ、フセイン大統領を有罪に持ち込むことに自信を示した。
 大使は安保理メンバーのうち数カ国が「法廷設置は時期的に遅すぎる」と消極的であることを明らかにした上で「(設置に向けて)前進しなければならないという米国の姿勢は強固なものだ」と述べ、カンボジアの反政府ゲリラ組織ポル・ポト派最高幹部を裁く国際法廷と同様、米国が先頭に立って設置を目指す意向を示した。(了)[2000-08-03-08:02] 264
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 08/03@<湾岸危機>10年迎えたイラク市民、なお耐乏生活 長引く(毎日新聞)

 湾岸危機から10年を迎えたイラクのフセイン大統領は、国連経済制裁にもかかわらず政権基盤を強化し続け、イラク国民の大半が窮乏生活を強いられる皮肉な結果を生んでいる。フセイン政権打倒を掲げた米国によるイラク封じ込め政策は、破綻寸前に陥っているようにみえる。袋小路に迷い込んだイラク問題の現状を見た。 【バグダッドで高橋弘司】
 イラクにおける最近のニュースは、インターネットの解禁だ。首都バグダッド中心部に先月27日オープンしたイラク初の国営インターネット・カフェでは、18台あるコンピューターの前がいつも満席だ。1時間の時間制限があるものの、2000ディナール(約108円)で誰でも使え、年間10万ディナール(約5500円)の登録料を支払えば電子メールの送受信もできる。
 貿易会社に勤務するバヤティさん(30)は「制裁下だけに、会社で取り扱う冷蔵庫などの新製品の情報入手が難しかった。これで世界の最新情報が得られ、楽になった」と微笑んだ。
 特定サイトへの接続を技術的に制限するシステムはまだ導入されておらず、反体制派組織やポルノなどのサイトへの接続も理論的には可能だ。カフェのビラール所長(35)は「公衆の面前でそんな危険を冒す利用者はいない」と言う。民間企業や個人によるインターネット接続は依然、禁じられており、秘密警察の網の目が張り巡らされた独裁国家ならではの風景だ。
 ビラール所長は「国連制裁下でも技術・科学分野で孤立していないことを内外に示すため導入した」と狙いを語る。インターネット解禁は南部のシーア派組織など国内の反体制分子抑え込みに成功し、目立った不安定要因がみられないフセイン政権の「自信」の裏返ともいえる。
 湾岸危機前、1ディナールが3ドルの価値があったイラク通貨は、制裁の影響を受けて、1ドル=2025ディナールにまで下落した。数千軒の店舗がひしめく市内最大のショルジャ市場では、夫を事故で亡くしたウンム・ラジャさん(53)が子や孫13人を養うため、気温50度を超える炎天下でイースト菌を売っていた。1日の利益は1000ディナール前後。家族のための食料品を買うのがやっとだ。「蓄えがなく、エアコンも冷蔵庫も処分したが追い付かない。長引く制裁で買い物客の財布のひもは固くなるばかり」と打ち明けた。
 イタリアなどから通商代表団が訪れたり、ヨルダンなどアラブ諸国からのビジネスマンが目立ち、経済活動は活発化しつつある。市場にはアラブ首長国連邦やトルコなどから入った電器製品や酒など豊富な物資が並ぶ。だが、特権を手にした政府幹部や一部のビジネスマンだけが潤い、庶民は貧困にあえぎ、貧富の格差が確実に広がっている。
 医薬品不足や栄養失調などで乳幼児の死亡率は高く、国連統計ではイラク全土で過去10年間に約50万人の子供が死亡したという。
 国連安保理は昨年12月、イラクが大量破壊兵器廃棄に向けた国連査察に協力すれば制裁停止を行うと決議した。しかし、イラク側に一蹴されたまま、査察再開への動きは見えない。「今後も制裁下で耐えるしかない」。そんな失望感が一般市民の間に強まっている。
 イラクは、米英などが北部と南部に設置した「飛行禁止区域」を無視、偵察飛行中の米英両軍機を撃墜すると発表。これを機に、98年12月以来、米英両軍によるイラク軍施設への空爆が続いている。AFP通信のまとめでは、今月1日までに299人が死亡、881人が負傷した。たびたび民間人が巻き添えで犠牲になることに米国内部でも批判が高まり、「この数ヶ月間、空爆は以前の半分以下の頻度に減っている」(イラク人記者)という。
 昨年、フセイン大統領がサウジアラビア、クウェートの王制転覆を国民に呼びかける演説を行ったことなどで、米政府は総額9700万ドルをイラク反体制派7組織に資金支援するとぶちあげた。だが、反体制派組織の思惑はバラバラで、計画はとん挫したままだ。国連安保理が昨年12月、イラクによる石油輸出上限枠の撤廃を認めたことで、イラクの石油生産はすでに日量300万バレルにまで回復、湾岸危機前の水準に戻るのも時間の問題だ。
 イラクが国力を取り戻しつつあるのを見てとって、アラブ首長国連邦やバーレーンが今春以降、相次いでイラクとの間に大使館を相互再開した。米国と基本的に協調路線をとってきたエジプトのムーサ外相も、対イラク政策見直しの必要性に言及、危機から10年が経過し、アラブ諸国の分裂を乗り越えフセイン政権との「共存」の可能性を探る動きが目立ち始めている。[2000-08-03-00:05] 4
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 08/03@<紀宮さま>10月初旬からスロバキアなど3カ国を公式訪問(毎日新聞)

 宮内庁は3日、紀宮さまが10月初旬からスロバキア、スロベニア、アイルランドの3カ国を公式訪問すると発表した。東欧2カ国については皇族の訪問は初めて。出発は10月4日で、8日までスロバキア、11日までスロベニアに滞在後、アイルランドを経て16日に帰国する。旧チェコスロバキアから1993年に独立したスロバキアでは日本文化週間、旧ユーゴスラビアから92年独立したスロベニアでは日本週間がそれぞれ開かれ、オープニングセレモニーや桜の植樹式などに臨む。また、アイルランドでは日本舞踊の公演観賞などが予定されている。[2000-08-03-22:02] [このページの最初に戻る]


 08/04@◇スパイ容疑でカナダ人と英国人の4人を逮捕 ユーゴ◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビアからの報道によると、ユーゴスラビア軍は3日、コソボ自治州に近いモンテネグロ共和国の街でカナダ人2人と欧州安保協力機構(OSCE)のイギリス人2人の計4人をスパイ容疑で逮捕した。両国政府は同日、外交ルートを通じてユーゴ政府に経緯の説明を求めた。OSCEも4人との接触を認めるよう交渉している。
 OSCEは発表された名前から、コソボの警察官養成学校で働くイギリス人2人と確認した。ユーゴ軍当局は「武装し、爆発物を持っていた」と発表したが、OSCEによると2人は休暇中で、武器は持っていなかったという。
 カナダ外務省は、カナダ人2人はコソボ復興の建設に携わる民間人と発表した。しかし軍当局は「彼らはモンテネグロの特殊部隊を訓練していた疑いがある」との声明を出しており、身柄の引き渡しが長引く可能性もある。[2000-08-04-21:03] 2
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 08/04@◎捕まったのはOSCE要員ら(時事通信)

 【ウィーン3日AFP=時事】全欧安保協力機構(OSCE)は3日、ユーゴスラビア連邦軍に逮捕された外国人4人のうち2人は警察組織の指導・訓練を担当する英国人のOSCE要員で、残り2人は非政府組織(NGO)メンバーのカナダ人であることを明らかにした。OSCEは英国人要員を直ちに釈放するよう要求したという。 [時事通信社][2000-08-04-01:00] 130 [このページの最初に戻る]


 08/04@<国連>千年紀サミット宣言草案を配布 安保理改革に抵抗も(毎日新聞)

 【ニューヨーク3日上村幸治】グリラブ国連総会議長(ナミビア外相)は3日までに、国連安全保障理事会の改革を求める国連ミレニアム(千年紀)サミット宣言草案を各国政府代表に配布した。宣言はサミットで正式に採択される予定だが、安保理改革に抵抗を示す国もあり、すぐに安保理が改革される保証はない。
 宣言草案は「国連の強化」という項目で、安保理をより「代表性、実効性、正当性」のある機関にするため「速やかに改革し(構成国の数を)拡大する」よう促している。
 安保理改革では、日本などが常任・非常任理事国の数を増やすよう要求、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)でもG8首脳が安保理改革を促した。アナン国連事務総長もすでにミレニアム・サミットに向けた報告書を発表しており、安保理改革を求めた。
 ミレニアム・サミットは9月6日から8日まで国連本部に各国元首を集めて開かれ、21世紀の世界と国連のあり方について議論する。
 森喜朗首相のほか、クリントン米大統領やプーチン・ロシア大統領、江沢民・中国国家主席らが出席を予定している。[2000-08-04-21:44] 173
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 08/04@<米大統領選>ブッシュ氏、NMD早期配備と核軍縮推進主張(毎日新聞)

 【フィラデルフィア3日布施広】米共和党の大統領候補に指名されたブッシュ・テキサス州知事は、3日の指名受諾演説で、ミサイル防衛の早期配備と核軍縮の推進を主張、「米国の安全」を重視する方針を明らかにした。しかし、国益を最優先するブッシュ共和党路線にとって、米本土ミサイル防衛(NMD)開発に猛反発する中国やロシアとの安定した関係も大きな国益であり、大統領当選の場合は、安全と国際関係という「二つの国益」の両立が大きな課題になりそうだ。
 ブッシュ氏の方針は「社会政策に手厚く、対外政策は毅然たる態度で」と概括できる。共和党新綱領にあるように「国益の積極的な追求」が柱だ。米外交を「国際主義」「孤立主義」という二つの傾向でくくれば、明らかに後者への傾斜だが、これで国際関係が悪化するとは限らない。
 演説の中では名指しを避けたが、ブッシュ氏は中国に厳しい態度を取っている。これも国益重視の発想だが、一方では中国の巨大市場へのアクセスなしで米国の繁栄は維持できないという「国益」もある。クリントン大統領の訪中(1998年)に反対した共和党が、中国に対する最恵国待遇(MFN)の恒久的付与を認めたのは、二つの「国益」の兼ね合いからだ。米中関係が「戦略的パートナー」から「戦略的競争相手」に変わっても、米中融和の大きな流れが変わるかどうかは疑問だ。
 ブッシュ氏は演説の中で、ミサイル防衛の早期配備を主張したが、NMDという固有名詞は使わず、配備の目標時期にも言及しなかった。共和党の新綱領は、陸上の迎撃網に加え「海上発射型」迎撃システムの開発も選択肢としている。NMD迎撃実験の失敗が続く中、ブッシュ氏は計画を見直し、配備を大幅に先送りする可能性がある。
 また朝鮮半島政策について、側近は韓国の包容(太陽)政策を支持すると明言しており、直ちに米朝関係が緊張する気配はない。クリントン政権は欧州やロシアとの友好関係を保つ一方、中国やインド、北朝鮮への関与政策を通じ対立を未然に避けてきた。ブッシュ氏は核軍縮の具体的方法には触れなかったが、相手がロシアであるのは明白。プーチン露大統領を相手に、ミサイル防衛と核軍縮の「二兎」を追えるかどうか疑問視する見方も強い。[2000-08-04-11:51] 176
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 08/04@「イラクは脅威ではない」 米国元査察官が制裁解除訴え(共同通信)

 【カイロ4日共同】イラクの大量破壊兵器疑惑をめぐり、かつて国連の査察官としてイラクに厳しい姿勢で臨んだ米国人のスコット・リッター氏は三日、バグダッドで会見し「イラクは脅威ではない」などと語った。
 同氏は、大量破壊兵器疑惑の現場や国連の対イラク制裁の現状などについての記録映画撮影のため、イラクの許可を得て七月二十九日に同国入りしていた。映画ではイラクが国連決議を満たしており国連は制裁を解除すべきだと主張することになるという。
 アジズ副首相やラシド石油相らとのインタビューも行ったが、大量破壊兵器の疑惑施設については、イラクと米国が宣伝に利用する可能性があるとして訪問しなかった。
 リッター氏は国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)査察団長だったが、一九九八年八月、国連や米国がイラクへの強硬姿勢を避けていると辞任。イラクからは「米国のスパイ」と非難されたが、同氏は「情報機関に雇われたことはない」と反論した。(了)[2000-08-04-09:56] 179
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 08/04@ラディン氏逮捕で米ロ協力 大使館爆破事件から2年(共同通信)

 【ワシントン3日共同】アフリカ東部のケニアとタンザニアで、米大使館が爆破され、二百人以上が犠牲になった事件から七日で丸二年を迎える。米国務省は三日、米国とロシアが、事件の黒幕とされるサウジアラビア出身の富豪ウサマ・ビン・ラディン氏の身柄引き渡しなどをアフガニスタンのタリバン政権に求めていくことで一致したと発表した。
 国務省によると、米国はロシアと一日から二日間、ワシントンで実務者レベルの協議を開催。「厳重な監視下にあり、通信手段も持たないため脅威ではない」と主張してラディン氏の保護を続けるタリバン政権に対し、米ロ両国が協力してラディン氏保護を含むテロ支援活動を中止するよう働きかけることを確認した。
 米国の狙いはあくまでもラディン氏を逮捕して裁判にかけることだが、米国との協力を決めたロシア側の狙いは、チェチェン共和国など中央アジア各地での、タリバンによるイスラム原理主義勢力への支援をやめさせることにある。
 国務省は三日までに「八月七日は反米テロリストが何らかの行動を起こす恐れもある」として、全世界の米市民に対し、身辺に注意するよう呼び掛けた。
 オルブライト国務長官も同日、大使館同時爆破事件について「犠牲者のことを忘れることはできない。テロリストに逃げ場や隠れ場所があってはならない」と述べ、ラディン氏逮捕最優先であることを強調した。(了)[2000-08-04-08:35] 180
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 08/04@国連がダライ・ラマ敬遠か 宗教サミットで中国に配慮(共同通信)

 【ニューヨーク3日共同】今月二十八日から国連本部などで開催される世界宗教サミットに、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ十四世が欠席することが三日までに判明した。ロイター通信によると、ダライ・ラマ事務所は同日「中国政府による圧力の結果だ」との声明を発表、国連などの姿勢を暗に批判した。
 サミットは、CNNテレビの創業者テッド・ターナー氏らが資金提供する実行委員会が主催。国連はいわば「場所貸し」だが、チベット独立運動絡みでダライ・ラマを警戒する中国に配慮して根回ししたとの見方が有力だ。
 国連報道官は「チベットと中国の関係は極めて微妙だ」と述べるにとどめ、主催者側とのやりとりについては論評していない。
 サミットには、ローマ法王庁やムスリム世界連盟など宗教各派から千人以上が参加、日本からは伊勢神宮大宮司や天台宗指導者らの出席が予定されている。
 米紙ニューヨーク・タイムズによると、政治問題化を懸念した実行委がダライ・ラマの招待見送りをいったんは通知。
 しかし、ダライ・ラマ支援者が抗議の手紙を送り付けてきたため、ダライ・ラマに国連本部でなくニューヨーク市内のホテルでの基調演説を要請した。こうした経緯にダライ・ラマ側が態度を硬化させ、欠席に至ったという。(了)[2000-08-04-08:13] 182
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 08/04@大陸別持ち回りで原則合意 サッカーW杯、10年から(共同通信)

 【チューリヒ(スイス)3日共同】国際サッカー連盟(FIFA)は三日、当地で開いた理事会で、ワールドカップ(W杯)を二○一○年大会から各大陸の持ち回りで開催することで原則的に合意した。
 理事会後の記者会見で、ゼンルフィネン事務局長が発表した。FIFAが区分けする六大陸がどういう順番で持ち回っていくかは今後、FIFAの戦略検討委員会で協議する。
 先月のFIFA理事会で決定した○六年大会の開催国の選定をめぐっては、有力視された南アフリカが決選投票でドイツに敗れ、背景が不透明な投票棄権もあったことから、選定方法が論議を呼んでいた。
 ただ、ゼンルフィネン事務局長によると、開催国選定を不満として南アが求めている仲裁に対し、ブラッター会長は「不適当」と述べたという。(了)[2000-08-04-07:54]
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 08/05@<邦人一時拘束>チェチェン取材でロシア当局(毎日新聞)

 【モスクワ5日石郷岡建】ロシア大統領府は5日、ロシア南部のチェチェン共和国で、日本のフリージャーナリストの林克明さん(39)が4日、大統領府発行の記者証を携帯していなかったため、ロシア当局に一時拘束されたと発表した。林さんはチェチェン共和国からの退去を勧告され、在ロシア日本大使館は、林さんが4日夜に解放されたことを確認した。現在は隣接のイングーシ共和国に滞在中という。
 チェチェン共和国での取材は厳しい規制が敷かれ、ロシア政府の特別許可がない限り、現地入りできない。林さんは許可を得ずに、独自にチェチェン入りし、首都グロズヌイ周辺の取材を行おうとした可能性がある。
 林さんは1994〜96年の紛争当時からチェチェン問題を取材、チェチェン共和国側ルートを通じて、たびたび現地入りし、生の声を伝えてきた。チェチェン問題のルポで、96年に「21世紀国際ノンフィクション大賞」(小学館主催)の優秀賞に選ばれている。[2000-08-05-23:25] 54
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 08/05@国連軍、南レバノン元占領地に全面展開開始(読売新聞)

 【カイロ5日=久保健一】ベイルートからの報道によると、国連レバノン暫定軍(UNIFIL、約五千人)は五日、南部レバノンの元イスラエル占領地への全面展開を開始した。数日中に展開を完了する見通し。
 UNIFILは先月二十八日、元占領地への展開を開始したが、レバノン政府がイスラエル軍による国境侵犯が続いていると抗議したため、中部地域への限定的な展開にとどまっていた。
 全面展開は、レバノン側が四日、イスラエル側の国境侵犯がなくなったとの考えを示したことを受けて始まった。レバノン政府も、UNIFIL展開完了の二日後から、政府軍および警察官計千人を展開する予定だ。[2000-08-05-20:49] 64
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 08/05@難民の中等教育支援する超党派議員連盟発足へ(読売新聞)

 世界各国の難民の中等教育を支援する超党派の国会議員連盟が近く、自民党の額賀福志郎・前官房副長官や町村信孝・前首相補佐官らを中心に結成される。
 議連発足のきっかけは、三日に首相官邸で行われた緒方貞子国連難民高等弁務官と森首相との会談。年末に退任する予定の緒方氏が“置き土産”として、難民教育基金を十二月をめどに創設する計画を説明したのに対し、首相も「大変結構なアイデアだ」と協力を約束。首相はさっそく同日夜、第一次森内閣で官邸勤務だった額賀、町村両氏や山本有二、逢沢一郎両衆院議員と懇談して協力を求め、一気に議連発足の話がまとまった。
 九七、九八両年の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調査によると、世界の難民キャンプで小学校の初等教育を受けている児童は六十二万人いるのに対し、中学・高校の中等教育を受けている生徒は二万七千人にすぎない。額賀氏らは「長年難民問題に努力された緒方氏の思いを支援したい」としている。[2000-08-05-19:27] 66
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 08/05@震災などの遺児32人が来日 神戸のケア施設で交流(共同通信)

 コロンビア、トルコ、台湾の大地震や、コソボ紛争で親を亡くした遺児三十二人(八―十八歳)が来日し、阪神大震災を機に建設された遺児のケア施設「レインボーハウス」(神戸市)で五日、歓迎会が開かれた。
 あしなが育英会(東京)の招きで、遺児のケアに当たっている現地の非政府組織(NGO)関係者ら約十人も同行。神戸の子供たちと交流を深めた。
 歓迎会では、阪神大震災で両親を亡くした高校二年生、吉田綾香さん(17)が「ここで新しい仲間ができたと思ってくれれば、うれしいです」と一層の交流を呼び掛けた。
 コソボ紛争で父親を失ったガニメテ・ジャッカさん(12)は「たくさんの人が空港などで出迎えてくれ、『わたしは一人じゃない』と思いました」とあいさつし、トルコのメメット・カラリ君(11)も「これからも、友達でいましょう」と元気よく話した。
 一行は十三日までの日本滞在中に、精神的なケアを受けるほか、キャンプや観光を通じて阪神大震災の遺児たちと交流する。(了)[2000-08-05-19:10] 67
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 08/05@<アフガニスタン>国連事務総長が現地女性職員に自宅待機指(毎日新聞)

 【ニューヨーク4日上村幸治】アナン国連事務総長は4日、アフガニスタンを実効支配するタリバン政権が現地女性の国連機関勤務を禁止していると批判。国連機関への勤務を理由に女性たちに危害が及ぶことに「深い懸念」を表明し、首都カブールの女性たちに「安全のため、次の通知を出すまで自宅で待機するように」通知した。アナン事務総長が特定の国の女性の雇用問題で通知を出すのは、極めて珍しい。
 タリバン政権は先月初め、カブールの女性に限り、国際機関や外国の非政府組織(NGO)で働くことを禁止した。「不道徳な行為に染まりやすくなる」というのが理由で、保健部門だけは例外としている。
 タリバンは96年に首都カブールを制圧、98年にはほぼ全土を支配下においた。以来、女性の服装だけでなく、就職、旅行、教育などを厳しく制限している。
 最近のかんばつによる食糧難で、国連などの援助機関が多数入り込むようになり、カブールでは1000人を超える女性が外国機関で働いている。タリバン政権は、女性が外国人との接触で影響を受けることを恐れているとみられる。[2000-08-05-19:05] 68
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 08/05@<アフガニスタン>タリバン政権がケシ栽培の全面禁止を命令(毎日新聞)

 【イスラマバード5日春日孝之】世界最大のアヘン供給源、アフガニスタンを実効支配するタリバン政権が、アヘンの原料となるケシ栽培の全面禁止を命じた。ケシ栽培禁止を強く求める国連や米国などからの「見返り援助」を期待した措置とみられ、国際社会の対応次第で撤回される可能性もある。
 タリバンの最高指導者オマル師は先月末、9月のケシ栽培シーズンを前に全面禁止を発表、「栽培すれば厳罰に処す」と述べた。
 タリバン政権はこれまで、「困窮した農民が現金収入を得られるギリギリの選択まで奪えない」(タリバン幹部)と、ケシ栽培を容認。栽培から取引に至るまで課税し、重要な財源にもなっている。
 しかし「国際テロリストを保護している」との理由で国連制裁を科せられ、しかも今年は記録的な干ばつに見舞われている。世界食糧計画によると約150万人が餓死寸前にあり、ケシ栽培禁止は逆に、政権への人心離れに拍車をかけ、政権を揺さぶりかねない。
 専門家は「栽培禁止令は外国からの援助を期待した賭けのようなもので、期待にそぐわないと判断すれば、すぐに撤回するはずだ」と指摘する。
 一方、禁止令により生アヘンの取引価格は1キロ当たり50ドルだったものが2倍に高騰した。このため禁止令は、取引価格を高騰させるのが目的だったのではないかとの疑念も出ている。[2000-08-05-19:05] 70
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 08/05@◇レバノン南部の国連PKF、イスラエル境界に展開開始◇(朝日新聞)

 レバノンの国連当局者によると、レバノン南部の国連平和維持軍(PKF)であるレバノン暫定駐留軍(UNIFIL)は5日朝、イスラエル境界付近の村などへの展開を開始した。国連がイスラエルとレバノンとの間に設定した境界線(ブルーライン)に沿って計7900人を配置。双方の侵犯行為や武器の流入などに目を光らせる。
 今回の展開は、5月下旬にイスラエル軍がレバノン南部の占領地帯から撤退した後に生じた「空白地帯」の安全を確保するためのもの。撤退直後に人員を4500人から7900人規模に増強して展開する予定だったが、イスラエル側の「侵犯行為」が続いていたため、展開が1カ月以上も遅れていた。レバノン政府は近く、レバノン軍も南部に展開させ、「主権の回復」を図る方針だ。[2000-08-05-18:59] 114
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 08/05@9月7日に安保理サミット PKO強化など討議(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】国連安全保障理事会は四日、国連ミレニアムサミット期間中の九月七日に理事国首脳による安保理サミットを開催すると発表した。
 テーマは「世界、特にアフリカの平和と安全保障を維持するための安保理の役割強化」。国連平和維持活動(PKO)の機能強化やアフリカ救済などを目的とした決議が採択される見込みだ。
 議長は西アフリカ、マリのコナレ大統領が務め、常任理事国からクリントン米大統領、プーチン・ロシア大統領、江沢民・中国国家主席、ブレア英首相、シラク・フランス大統領が出席する予定。
 このほか、カナダ、オランダ、マレーシア、アルゼンチンなど非常任理事国からも首相らが参加する。日本は現在、非常任理事国ではないが、森喜朗首相がオブザーバーとして出席する可能性もある。(了)[2000-08-05-09:40]
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 08/06@◇韓国軍が非武装地帯の地雷除去開始へ 鉄道・京義線◇(朝日新聞)

 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が合意した鉄道・京義線の断絶部分をつなげる事業に関連し、韓国軍は早ければ9月中にも、南北朝鮮を分ける軍事境界線の南側非武装地帯を中心とする一帯の地雷を除去する作業を始める考えを固めた。韓国国防省当局者が5日明らかにした。
 ソウルと、中朝国境の北朝鮮の新義州を結ぶ京義線の復元は、6月の南北首脳会談を受けて和解と協力を内外に訴える象徴的な事業でもあり、地雷除去はいわば最初に必要な作業だ。しかし、北朝鮮側の地雷除去をどう進めるかはまだ全く不明であり、韓国から中国、ロシア、さらに欧州へと夢を乗せる鉄道連結事業には、地雷という、長い分断による厚い壁が立ちはだかっている。
 京義線は、軍事境界線とその南北各2キロ幅の非武装地帯をはさんで約20キロの線路が途切れており、うち約12キロは韓国側にある。同省によると、非武装地帯を中心に韓国側一帯の約24万平方メートルには、10万個を超える対人、対戦車などの各種地雷がある。
 韓国軍は野戦工兵部隊の2個大隊をはじめ、約1000人の兵力を投入する計画だ。ただ、同軍が持っている携帯型地雷探査機ではプラスチック地雷の発見に対応できないため、在韓米軍の装備の支援を受けることも検討している。
 北朝鮮側には南よりもさらに多くの地雷が埋められているのではないか、と韓国側は推測しており、同当局者は「地雷除去作業の進み具合が京義線復元までの期間を左右するといっても過言ではない」と話している。[2000-08-06-02:58] 24
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 08/06@ユーゴ大統領選、最大野党が首都市長を候補に決定(読売新聞)

 【ウィーン支局6日】ユーゴスラビア連邦の最大野党「セルビア再生運動」(ブク・ドラシュコビッチ党首)は六日、ベオグラード市内で会合を開き、九月に行われる予定の連邦大統領選に、従来のボイコット方針を転換し、ベオグラード市長のビャチスラフ・ミハイロビッチ氏(49)を擁立することを決めた。
 同選挙では、現職のミロシェビッチ大統領に対抗する野党統一候補の擁立が実現するかが焦点。
 ミハイロビッチ市長は六日、「最大野党の候補というだけでなく、野党勢力全体の候補となることを望んでいる」と統一候補への決意を表明した。
 しかし、同党を除く野党連合「変革のための同盟」を主体とする勢力は、セルビア民主党のボウイスラブ・クストニツァ党首を擁立する方向で動いており、野党統一候補の実現は難しくなってきた。
 連邦大統領選は、九月二十四日に、連邦上下両院選挙、セルビア地方選と同時に実施される。
 ユーゴ連邦では先月二十四日、憲法改正に従って大統領選に関する選挙法が改正された。
 従来の選挙法では、投票率が50%に達しなければ、選挙は無効になる規定があったが、新選挙法では、この規定が削除されている。
 これは、反ミロシェビッチ勢力の大統領選挙ボイコット作戦を考慮に入れたもの。この結果、ミロシェビッチ大統領の再選を阻止するためには、野党統一候補の実現しかないとの見方が強まっている。[2000-08-06-23:56] 319
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 08/06@◇中国「チベット語使用は自由」と発表 ダライ・ラマ批判◇(朝日新聞)

 中国政府の新聞弁公室は「チベット語の学習、使用と発展」と題した約5000字に上る文書をこのほど発表した。文書は、中国が少数民族の固有言語の使用の自由を明確に認めていることを強調。チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世らが「『中国政府はチベット語を徐々に廃止しようとしている』とのデマを国際社会にまき散らしている」とし、これに対し強い反発を示している。
 中国政府は今年6月にも白書を発表し、政府のチベット政策の正当性を訴えている。今回の文書はこれに続くものだ。
 文書は、共産党の統治前は非識字率が95%に達していたが、1980年代後半からの政策によって、チベット語の学校教育、新聞出版物発行、放送の普及が進んでいると強調。「(ダライ・ラマが)『チベット文化が消滅にひんしている』というのは現実に反したものだ」と厳しく批判した。
 一方、中国のチベット政策を巡っては、カルマパ17世ら活仏(生き仏)の相次ぐ国外行きや、世界銀行がチベット族居住区への漢民族移住に絡む貧困対策融資計画を承認しなかった問題などが続いている。
 西側人権団体は、「チベット動乱」40周年の昨年からチベット仏教への規制が厳しくなっていると伝えており、来年の人民解放軍のラサ進駐50周年に向けて、中国のチベット政策への関心が高まっている。文書はこうした動きを意識して出されたものと見られる。[2000-08-06-21:40] 32
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 08/06@アフリカ・サッカー連盟がアジア連盟に絶縁通告(読売新聞)

 【チューリヒ(スイス)5日=川島健司】アフリカ・サッカー連盟(CAF)は5日、アジア・サッカー連盟(AFC)との関係を断つと発表した。両連盟の間で行われる代表チームとクラブチームの選手権試合や、審判の交流を停止すると見られる。CAFによると、絶縁の理由は2006年ワールドカップ(W杯)の開催国決定でAFCから選出された理事4人全員が南アフリカに投票せず、ドイツを支持したため。すでにAFCには絶縁を通告済みという。[2000-08-06-00:52] [このページの最初に戻る]


 08/07@◎大統領候補擁立で分裂=ユーゴ野党−ミロシェビッチ大統領(時事通信)

 【ウィーン7日時事】9月24日のユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙をめぐり、セルビア共和国の15野党でつくる「セルビア民主野党連合」は7日、民主セルビア党のコストゥニツァ党首を同連合の統一大統領候補に正式に指名した。しかし、同連合に加わっていない最大野党のセルビア再生運動(ドラシュコビッチ党首)は6日、ミハイロビッチ・ベオグラード市長の独自擁立を決めた。大統領候補をめぐる野党勢力の分裂により、再選を狙うミロシェビッチ大統領は一段と有利な状況になった。 [時事通信社][2000-08-07-20:10] 22 [このページの最初に戻る]


 08/07@ユーゴ野党が候補者協議 世論調査で一本化も(共同通信)

 【ティバト(ユーゴスラビア・モンテネグロ共和国)7日共同】九月のユーゴスラビア連邦大統領選で、民主党など約四十党から成るセルビアの野党連合は七日、ベオグラードでミロシェビッチ大統領に対抗する候補者を選ぶための協議を行う。
 独立系ベタ通信によると、民主党のジンジッチ党首ら野党連合の幹部三人は六日夜、ミハイロビッチ・ベオグラード市長を党の大統領候補に選んだ最大野党、セルビア再生運動のドラシュコビッチ党首に対し、緊急世論調査を実施してミハイロビッチ候補と野党連合候補のうち支持率の高い方を全野党の統一候補にするよう提案する書簡を送った。
 野党連合はコシュトニツァ・セルビア民主党党首を候補者に選出する方針で、野党連合とセルビア再生運動が個別の候補を立てれば、ミロシェビッチ大統領の優位が確定的になる。
 最新の世論調査では、全野党が統一候補としてコシュトニツァ氏を擁立すれば、ミロシェビッチ大統領に勝利する見通し。(了)[2000-08-07-16:24] 239
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 08/07@<フィリピン>ホロ島人質事件 強行策とれぬ比政府(毎日新聞)

 フィリピン南部ホロ島でイスラム過激派「アブ・サヤフ」が外国人観光客らを人質に取っている事件は、発生から3カ月半を経過し、さらに長期化の様相だ。政府との交渉によって一部の人質は解放されたが、取材に行った内外の記者らが新たに、ら致され、人質の数が当初の21人から32人へと増加する異常な展開になっている。長引く事件の背景を探った。【マニラ・藤田 悟】
 「我々は今、十分な兵力と資金を手にしている。政府が実力行使を図れば、我々は周辺都市への攻撃開始も辞さない」。アブ・サヤフのロボ司令官は6日、録音テープを通じた声明を発表した。従来になく、本格的な戦闘姿勢をにじませたものだった。
  アブ・サヤフは1991年、最大のイスラム反政府組織だった「モロ民族解放戦線」(MNLF)のスルー諸島のメンバーを中心に結成された組織だ。今回の誘拐事件で、一部の人質解放の身代金として2億2000万ペソ(約5億3000万円)を手にしたと言われている。
 事件が起きたのは4月23日。マレーシア領ボルネオ島沖の観光地、シパダン島で独、仏など5カ国の外国人観光客と、マレーシア人、フィリピン人労働者の計21人が武装グループに、ら致され、国境を越えたホロ島に連行された。数日後にアブ・サヤフの犯行と分かり、比政府が人質解放交渉に乗り出した。
 アブ・サヤフは、イスラム教国独立などとの政治的要求とともに身代金を要求。比政府は「同様の事件の助長につながる」として身代金は支払わない方針で臨み、交渉は難航した。その一方で、取材に行ったドイツ人、フィリピン人の記者や、説得に入った新興宗教グループなどが次々と、ら致され、人質の数が増えた。
 6月に入り、ドイツ人記者やマレーシア人らが解放された。地元の新聞報道などによると、いずれも多額の身代金が支払われたと言われる。交渉難航を受けて比政府が、他国による身代金支払いは妨げないと方針転換したためだ。政治的要求は建前だけで、実際は身代金だけが目当てのようだ。これまでに13人が解放されたが、新たなら致で人質の数は32人に増え、全面解決の見通しは立っていない。
 長期化の最大要因は、人質に外国人がいることだ。比政府は人質事件では、機を見て強行策を取るのが通例だ。ところが、今回の事件では、自国民が人質に含まれている独、仏など各国が平和的解決を求めているため、比政府は強行策を取れない。アブ・サヤフ側は、こうした事情を見越して要求額を引き上げ、交渉を困難にしている。
 アブ・サヤフは身代金で得た資金で対戦車砲など重火器を含む大量の武器購入を計画しているとの国軍情報があり、より大規模な事件を起こす恐れがある。アブ・サヤフが国境を越えて行動を活発化させれば、マレーシアとの外交問題も招きかねず、国境海域の不安定要因にもなっている。
 ▽比南部の反政府勢力
 1970年代前半から、ミンダナオ島を拠点にイスラム国独立を唱えて政府に抵抗した最大のイスラム武装組織「モロ民族解放戦線」(MNLF)は、96年9月、政府と和平合意した。
 現在活動しているイスラム反政府勢力は、MNLF内の原理主義グループが分派して78年に結成した「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)と、91年にMNLFから離脱した勢力などでつくる「アブ・サヤフ」の2組織がある。
 MILFは武装勢力約1万5000人で、ミンダナオ島中部を拠点に、イスラム教国独立を掲げ国軍と交戦している。
 アブ・サヤフは約2000人とみられ、地元の海賊集団などを巻き込んで、キリスト教徒誘拐などで資金稼ぎを続けており、犯罪集団のような存在とみられていた。だが、今回の誘拐事件で、政府への脅威として急速に存在感を増している。
 【マニラ・藤田 悟】[2000-08-07-23:53] 250
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 08/07@<イスラエル>ユダヤ教指導者のホロコースト発言 国内で非(毎日新聞)

 【エルサレム7日海保真人】イスラエルのユダヤ教超正統派政党・シャスの精神的指導者、ラビ(導師)、オバディア・ヨセフ師が、第2次世界大戦中のナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲者について、「過去に宗教的な罪を犯した人の魂が生まれ変わり、償わされた」と発言、国内で一斉に非難を浴びている。
 シャス派のラビのうち最も政治的影響力が強いといわれるヨセフ師は5日、信者への説教で、ナチスを「悪魔」と表現しつつ、ユダヤ人の世俗化など「宗教的な罪」について言及した。ナチスの悪業よりもユダヤの罪が強調された発言に、メディアはこぞって非難の声を上げ、「犠牲者を中傷し、遺族感情を逆なでする」(バラク首相)、「ヒトラーが聖なる仕事を行なった、と言っているのに等しい」(世俗派政党シヌイのラピード党首)と政界でも反発は広がっている。
 発言の背景には、救済のなかったホロコースト以後、ユダヤ人の間で神への信仰が薄れたという実情がある。ヨセフ師は神への信仰心を深めさせる意図で発言したとみられる。だが、自身が犠牲とほぼ無縁の中東・北アフリカ系ユダヤ人代表のラビあることも、犠牲者の大半を占める欧州系ユダヤ人からの怒りを買っているようだ。
 ヨセフ師は6日夜、テレビを通じ、「ホロコーストを嘆き悲しまない者がいるわけない。犠牲者はすべて純粋で聖人だった」と懸命に発言を修正した。[2000-08-07-21:25] 257
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 08/07@分離派指導者ら2人射殺 仏コルシカ島(共同通信)

 【パリ7日共同】フランス・コルシカ島北部のイル・ルース中心部のカフェで七日朝、五人組の男が機関銃を乱射。店内にいた同島分離独立派の非合法組織「コルシカ民族解放戦線(FLNC)」の元指導者ジャンミシェル・ロッシ氏(44)とボディーガードの二人が死亡し、店員一人が重傷を負った。警察は逃走した五人の行方を追っている。
 ロッシ氏は一九八○年代からFLNC活動家として頭角を現し、九三年からの内部抗争を通じてFLNC歴史派の指導者となったが、九八年二月のエリニャック同島知事暗殺事件で武装闘争路線を批判し、組織を離脱した。
 政府と分離派側の自治権拡大交渉が進んだ今年六月には和平推進の立場を明確にしていた。
 犯行グループが人目に付く市街地で覆面をせずにロッシ氏を襲撃したことなどから、警察は政治的な殺人と個人的なトラブルの両面から捜査している。(了)[2000-08-07-20:05] 264
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 08/07@AFP記者ら4人負傷(共同通信)

 【エルサレム7日共同】イスラエル放送によると、イスラエルとレバノン国境のファトマ検問所で六日、国境のフェンス越しに投石したレバノン人の若者が、イスラエル軍兵士から発砲を受け足に負傷した。
 ロイター通信によると、この後、検問所付近に集まった群衆が火炎瓶を投げたため、兵士が再び発砲。AFP通信の記者を含む三人が負傷した。
 国境地帯には、イスラエル軍撤退後のレバノン南部の平和確保のため、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)部隊が五日から本格展開を開始したばかりだが、同検問所には展開していなかった。(了)[2000-08-07-19:41] 273
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 08/07@◇東ティモールでPKFの豪部隊と民兵が銃撃戦◇(朝日新聞)

 オーストラリア国防省によると、東ティモール西部の西ティモールとの境界近くで6日夕、国連平和維持軍(PKF)の豪州部隊と民兵が銃撃戦になり、民兵1人が負傷して拘束された。豪部隊はパトロール中に2人か3人の民兵に遭遇、武器を捨てるよう命じたが民兵が発砲してきたため反撃したという。この事件直後にも、西ティモールとの境界付近の別の地点で豪部隊と民兵5、6人の銃撃戦が起きた。オーストラリアは、7月24日にPKFのニュージーランド兵士が射殺される事件が起きて以来、東ティモール西部で民兵に対するパトロール活動を強化している。[2000-08-07-18:54] 274 [このページの最初に戻る]


 08/07@大量避難民対策固まる 極東有事で政府方針(共同通信)

 政府が検討を進めていた緊急事態対応策のうち、朝鮮半島など極東有事に伴う大量避難民受け入れの対処マニュアルが七日までに固まった。
 大量の避難民が押し寄せた場合、首相官邸が中心となり、地元自治体などで構成する「現地対策本部」が実際の受け入れ業務に当たるなど、国と地方自治体などの初動態勢を整備した。
 マニュアルでは、領海内で避難民を確認した場合、一番近い港に誘導するとともに、通報を受けた警察、海上保安庁などは内閣安全保障・危機管理室(または内閣情報集約センター)に連絡する。これを受け、関係省庁の局長級でつくる「避難民対策本部幹事会」を開催。必要に応じて閣僚で構成する「避難民対策本部」(本部長・首相)を設置して対策を協議する。
 一方、避難民が漂着した現地では、関係省庁と地元自治体による「現地対策本部」を発足させ、国と自治体が連携して避難民の受け入れに当たる。
 現地には政府が一時滞在施設を設置し、入管難民法に基づく入国審査を行った上で避難民を収容。避難民は@政情が安定するまでの一時滞在A日本への定住B第三国への出国―のいずれかを選択する。犯罪者などは強制退去処分とする方針。
 極東有事に伴う緊急事態対応策については、一九九六年五月、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」見直しに伴い、当時の橋本竜太郎首相が検討を指示していた。
 実際の運用では、一時滞在施設の開設に自治体の理解と協力が必要となるが、「政府の初動態勢に限定してまとめた」(安危室)ため、自治体との連携の在り方が今後の課題となる。(了)[2000-08-07-18:51] 272
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 08/07@ランスが中田獲得の動き 仏レキップ紙が報じる(共同通信)

 【パリ7日共同】フランスのスポーツ紙レキップは七日、サッカーのフランス一部リーグ、ランスがイタリア一部リーグ(セリエA)ローマ所属のMF中田英寿の獲得に動いていると報じた。
 同紙によれば、中田の代理人が近日中にランス幹部と交渉する見通しという。正式移籍には最低一億フラン(約十五億二千八百万円)の移籍金が必要なことから、両クラブは今シーズンだけの期限付き移籍も検討するとしている。
 ランスの広報は七日、「現段階では(中田側とは)何の接触もない」と話したが、今後については明言を避けた。
 ランスは、一九九七―九八年シーズンに一部リーグ初優勝を果たすなど近年急速に力をつけたチーム。昨季は欧州連盟(UEFA)カップで四強入りした。(了)[2000-08-07-19:05] 279
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 08/07@<アフガン>IOCに五輪への選手派遣許可を要請 タリバン(毎日新聞)

 内戦が続くアフガニスタンを実効支配するタリバン政権が、国際オリンピック委員会(IOC)に対し、「平和の使者」としてシドニー五輪への選手派遣許可を求めている。
 タリバンは、「国際テロリストを保護している」などの理由で国連から経済制裁を科せられ、国際的に孤立しており、IOCも1998年、アフガンの参加資格を停止した。
 しかしAFP通信によると、国内オリンピック委員会のカリド事務局長は「極度の貧困と戦闘の中、多くの選手はスポーツを断念したが、ボクシングとレスリングの選手は五輪出場に希望を託し、トレーニングを続けている」と嘆願している。
 極端なイスラム法統治を行うタリバン政権。男子選手はひげをそれず、肌を露出するウエアを着用できない。女性はスポーツ自体、禁じられている。
 先月、アフガン南部カンダハルで開催されたサッカー試合で、パキスタン選手が短パンを着用していたことを理由に、宗教警察から罰として頭をそられる事件があった。逆に、一昨年にはパキスタンで、ボクシング大会出場のため訪れた3人のアフガン人ボクサーが、ひげを生やしていることを理由に参加を拒まれる事件も起きている。 【イスラマバード・春日孝之】
 タリバン アフガニスタンのイスラム原理主義武装勢力で、イスラム神学生、求道者の意味。伝統的なイスラム国家樹立を宣言し、アフガン全土の武力制圧を図っている。女性の就労、通学の禁止などイスラム法の厳格な適用を命令し、国際的に人権侵害との批判を浴びている。[2000-08-07-18:18]
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 08/08@<ユーゴスラビア>大統領選、主要4候補が出そろう(毎日新聞)

 【ウィーン8日福井聡】9月24日投票のユーゴスラビア大統領選挙に向けて7日、ユーゴの野党15党はコシュトニツァ・セルビア民主党党首、極右与党・急進党はニコリッチ副党首の擁立をそれぞれ発表した。最大野党・セルビア再生運動は前日にミハイロビッチ・ベオグラード市長の擁立を発表しており、すでに立候補を表明しているミロシェビッチ現大統領(社会党党首)とともに、これで主要4候補が出そろった。与党側はミロシェビッチ圧勝を確信しているが、「コシュトニツァ氏優勢」の調査結果も出ており、再生運動の独自候補擁立がどう影響するかなど予断を許さない情勢となっている。
 野党15党の「民主セルビア野党」は7日、「再生運動に独自候補擁立撤回を迫ったが不調に終わり、ミロシェビッチ大統領に対抗できる15野党の統一候補としてコシュトニツァ候補擁立を決めた」と発表した。同候補はこれまで「再生運動とモンテネグロ政権党の協力」を出馬の条件に挙げていたが、「選挙民の期待に応えるのが私の義務」として立候補を受諾した。
 同候補は大衆受けする情熱家が求められがちなユーゴ政界では目立たない存在だったが、ミロシェビッチ政権への対決姿勢が一貫している上に腐敗と無縁なことから、ここ数カ月急速に人気を高めてきた。先月中旬の世論調査では「野党陣営が統一できれば」の条件付きで、「コシュトニツァ氏42%、ミロシェビッチ氏28%」という支持率も出ている。[2000-08-08-09:50] 16
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 08/08@コソボからの撤退表明 国境なき医師団(共同通信)

 【ポドゴリツァ(ユーゴスラビア・モンテネグロ共和国)8日共同】ユーゴスラビアの非政府系ベタ通信によると、コソボ自治州で活動している国際緊急医療援助団体「国境なき医師団」ベルギー支部は七日、国連などがセルビア人など少数派を真剣に保護していないとして、コソボから撤退するとの声明を発表した。
 昨年六月の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆終了後、コソボ行政を担ってきた国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル事務総長特別代表は、かつて同医師団を率いた経験を買われて代表に任命された経緯があり、撤退声明は身内からの抗議と言える。
 声明は、NATO軍主体の国際治安部隊やUNMIKがセルビア人など少数派への暴力を容認しており、「これ以上、少数派の生活水準が悪化することを見過ごせない」と批判した。
 コソボでは帰還したアルバニア系住民がセルビア人住民への報復を続けており、セルビア人は国際部隊の保護下で生活している。(了)[2000-08-08-09:05] 18
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 08/08@ユーゴスラビアの連立与党からも大統領候補(共同通信)

 【ベオグラード7日ロイター=共同】ユーゴスラビアの連立与党で民族主義強硬派のセルビア急進党は七日、九月の連邦大統領選挙の独自候補として、ニコリッチ連邦副首相を擁立することを決めた。
 大統領候補に名乗りを上げたのは、現職のミロシェビッチ大統領、野党側からミハイロビッチ・ベオグラード市長、コシュトニツァ・セルビア民主党党首の二候補に続き四人目。
 ニコリッチ氏は、当選した場合は急進党のシェシェリ党首を首相に指名するとしている。(了)[2000-08-08-07:57] 19
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 08/08@ユーゴ大統領選、野党一本化に失敗(読売新聞)

 【ウィーン7日=佐々木良寿】九月末のユーゴスラビア大統領選挙に向けて、最大野党のセルビア再生運動を除く野党十五党連合は七日、連合の大統領候補としてボイスラフ・コシュトゥニツァ・セルビア民主党党首を選出した。再生運動は前日、ベオグラード市長のボイスラフ・ミハイロビッチ氏を独自候補とすることを決めており、野党勢力の分裂は決定的になった。
 また、ミロシェビッチ政権に参加する極右民族主義政党の急進党は七日、ユーゴ連邦副首相のトミスラフ・ニコリッチ副党首を同党候補とすることを決めた。この結果、大統領選はミロシェビッチ大統領を加えた四人の候補者で争われることがほぼ確実となった。野党勢力が候補一本化に失敗したことで、ミロシェビッチ政権の思惑通りの展開となる様相を強めている。
 連合候補のコシュトゥニツァ氏は清廉な政治家とされ、民族主義穏健派で米欧とは一線を画してきた。このため、再生運動や、与党ながらミロシェビッチ大統領に不満を抱く急進党の支持者も引きつける可能性があると見られてきた。コシュトゥニツァ氏とミロシェビッチ氏の一騎打ちの場合、コシュトゥニツァ氏が大勝する、との調査もある。
 連合側は最後まで、再生運動に対し、全野党勢力の統一候補擁立を呼びかけていた。だが、ドラシュコビッチ党首は「我々は考えを変えない」と拒否した。
 コシュトゥニツァ氏は七日、記者団に対し、「再生運動は事態をいっそう困難にしたが、彼らの将来はさらに困難になるだろう」と述べた。
 九月の選挙は、連邦大統領のほか、同上下両院、セルビア地方選が同時実施される。連合側と再生運動は、野党勢力が主要都市を制していることから、地方選への対応を協議してきた。統一候補者リストの作成を主張する連合側に対して、再生運動は候補者の六割以上を同党に割り当てることを要求しており、地方選でも分裂しそうだ。[2000-08-08-01:44] 20
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 08/08@◎民族主義強硬派の与党も独自候補=ユーゴ大統領選(時事通信)

 【ウィーン7日時事】ユーゴスラビア国営ベオグラード放送によると、ミロシェビッチ・ユーゴ連邦大統領を支えている連立与党で、民族主義強硬派のセルビア急進党は7日、来月24日の連邦大統領選にニコリッチ連邦副首相(同党副党首)を擁立することを決めた。
 野党陣営と同様、与党側も統一候補絞り込みに失敗。大統領選は、与党・セルビア社会党とユーゴ左翼連合の相乗り候補であるミロシェビッチ大統領とニコリッチ氏、野党陣営の2候補の計4人を軸にした闘いになるが、再選を狙う同大統領の優位は変わらないとみられる。 [時事通信社][2000-08-08-00:14] 194
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 08/08@◎国連広報センター所長にNHK高島氏(時事通信)

 国連のアナン事務総長は8日、国連広報センター所長にNHK特別主幹の高島肇久氏を任命した。同センター所長に日本人が起用されるのは初めて。これまでは国連職員経験者が歴代務めており、マスコミからの起用も異例。9月1日付で発令される。 [時事通信社][2000-08-08-18:56] 227 [このページの最初に戻る]


 08/08@アフガンのタリバン制裁強化の方針 米大使館爆破事件(共同通信)

 【ワシントン7日共同】ケニアとタンザニアで米大使館が爆破された事件から丸二年を迎えた七日、米国務省のバウチャー報道官は、事件の黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏を支配地域にかくまっているアフガニスタンのタリバン政権に対する制裁を強化する方針を明らかにした。
 報道官によると、制裁強化措置として、タリバン関係者の米入国禁止、在米代表事務所の閉鎖などを検討している。さらに、タリバンへの武器禁輸について国連安全保障理事会で協議を進めていると指摘。これらの制裁を通じ「タリバンへの圧力を一層強めていく」と述べた。
 米検察当局は、両大使館爆破事件に関与したとして十七人を起訴している。国務省によると、このうちラディン氏ら八被告は身柄不在のままの起訴で、米当局が行方を追っている。(了)[2000-08-08-08:27] 233
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 08/08@<スイス>負の遺産 一家の運命分けた「J」スタンプ  (毎日新聞)

 古びたドイツ旅券の表紙には、ナチスの「カギ十字」と共に、ユダヤ人を示す「J」の字が、赤く、大きく刻印されていた。スイス・レマン湖を見下ろすしょうしゃなアパートの自室で、その旅券を手にしたエリック・ビリックさん(76)は声を震わせた。
 「母も、旅券にこのスタンプを押され、逃げた先の南仏から連れ戻されアウシュビッツで殺された。おば、いとこ、祖父……。みんなホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の犠牲になった」。
 1938年。ナチス・ドイツを逃れるドイツ系ユダヤ人の大量流入を恐れたスイス政府は、ナチスがユダヤ人旅券に「J」のスタンプを押すことを決めた協定を結んだ。「(当時の)スイス政府の幹部らは、悪魔だ」。ユダヤ人を見分ける“便利な目印”、「J」。この文字が、ビリック一家の命運を分けた。
 オーストリア・ウィーンの中産階級出身。だが、一家の平穏な生活は38年3月、ナチスのオーストリア併合で一変した。父は連行され、毎晩ゲシュタポ(ナチス秘密警察)が家族の尋問に来た。親しかった友人が、ナチス親衛隊の制服姿で現れ、「いつか殺す」と脅した。財産も没収され、母は、14歳だったビリックさんをスイスに逃すことに決めた。
 つてをたどり、警察官の組織に、逃避行の手助けを頼んだ。だが彼らはスイス国境に着くと、ビリック氏の金を奪って去った。あ然としていた彼を助けたのは、スイスの若者だった。
 若者の手引きで深夜、国境の川を渡り、密入国。ザンクト・ガレン(スイス東部)の州警察へ連れて行かれた。幸運だった。当時、同州の警察幹部は、スイス政府の指示に背き、ユダヤ人の不法入国者に滞在許可証を発効し続けていたからだ。許可証を得て、スイス国内の難民収容所で農作業をすることになった。
 38年10月、ドイツに「J」スタンプが導入された。導入直前に「J」なしの旅券を得た兄はスイスから、南米に逃れた。だが、母の旅券には「J」があった。結局、母は39年、ウィーンを去り、当時「J」保持者の入国を許していたイタリアから、南仏に逃げた。
 だが、40年6月にフランスがナチスに降伏。母は現地で労働キャンプに収容され、42年8月、アウシュビッツに送られた。
 汽車の窓から知人に託した息子への手紙が今でも残る。「どこに連れていかれるのか、全く分かりません。最終目的地に着くまで、もう手紙は書けないかもしれません」。
 母の消息を確認したのは戦後、パリでナチスの書類を見つけた時だった。1000人のユダヤ人とともに移送され、死亡。親族5人も殺されていた。
 「J」を押されたビリック氏の旅券は、40年12月、スイス国内のドイツ領事館が支給したものだ。彼自身、スイス警察から、南仏の母親の所に行くよう求められた。だが、大手機械会社の見習い工になり、会社の計らいでスイスに残ることができた。
 今、スイス人の妻との間に3人の子どもがいる。ビリック氏は、繰り返した。「いろいろと助けてくれたスイスの人々には感謝している。だがスイス政府は許せない」。
   ◇     ◇
 「理想の国」として語られる永世中立国・スイス。だがその現代史には「負の遺産」がある。関係者の証言や歴史資料を元に、実情を報告する。[2000-08-08-03:01] 234
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 08/08@<特報・スイス>ユダヤ人旅券に「J」 流入制限でナチスに(毎日新聞)

 【ジュネーブ7日福原直樹】第二次大戦直前、スイスがナチス・ドイツに要求し、ドイツ国籍のユダヤ人の旅券にユダヤ人と分かる「J」の字を押印させていた実態が、スイス史家の研究で分かった。スイス政府は当時、ナチス・ドイツがユダヤ人迫害の根拠としたニュルンベルク法を追認する形で、ユダヤ人の特定を求める異例の外交交渉を行った。政府当局は、この「J」を目印にユダヤ人入国を制限し、大量虐殺の犠牲者を増やす結果にもなった。ナチスとの「共謀」ともいえるユダヤ人排除策は、永世中立国の大きな歴史的汚点になりそうだ。
 スイス政府の外交文書編纂委員会委員、ダニエル・ブルジョア氏の調査によると、38年3月、ナチスのオーストリア併合を機に、オーストリアからスイス入国を求めるユダヤ系難民の数が増加した。ナチスがユダヤ人資産の没収を始めた6月以降、不法入国者は1日で最高1500人に上るようになった。当時のスイス警察は、国境に押し寄せた難民が「口々に強制収容所などの恐怖を訴え、戻されるなら自殺する」と主張した、と報告している。
 難民の大量流入を恐れたスイスは、「(国境で)ユダヤ人の識別ができる方法」を考慮するようドイツに要求した。当初、ナチス・ドイツ政府はスイス提案に、「ユダヤ人の国外追放への障害になる」と消極的だった。これに対しスイスは、方策がない場合、入国自由だったドイツ人すべてにビザを課す対抗措置をとると反論した。交渉の中でスイス政府幹部は、「将来、ユダヤ人にスイスを侵食されたくない」とも述べ、反ユダヤ的姿勢を強調した。
 結局ナチス側も了承し、同年9月下旬、両国は(1)ニュルンベルク法に基づく政令が規定したユダヤ人全員に対して、旅券表紙などに長さ2センチのJスタンプを押す(2)スタンプがある場合、スイス入国査証が必要――などを決めた協定に合意した。この後、スイス警察当局は実際に旅券を洗浄し、Jスタンプの耐久性も確認した。
 スイスのフィリガー大統領(当時)は95年、大戦中の一連のユダヤ人政策について謝罪した。しかし、ブルジョア氏は「Jの印が(ユダヤ人追い返しに)効果を発揮したのは事実だ。ナチスの民族差別政策にスイスが共謀したことになる」と指摘している。
 【ことば】ニュルンベルク法
 ナチス・ドイツが1935年に導入した反ユダヤ法。ユダヤ人の公民権はく奪などを盛り込み、ナチスのユダヤ人迫害に法的根拠を与えた。「アーリア人」のみを公民と規定した「ライヒ(国家)市民法」と、ドイツ人とユダヤ人の結婚などを禁じた「血統保護法」の2法から成る。同法は、ユダヤ人商店などの排除から物理的抹殺まで4段階に分けられるナチスの対ユダヤ人政策のうち、ユダヤ人の存在を否定した第2段階(1935〜38年)の代表とされる。[2000-08-08-03:01]
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 08/09@<ユーゴスラビア>大統領選4候補出そろう 2氏の大接戦に(毎日新聞)

 9月24日投票のユーゴスラビア連邦大統領選挙で、▽ミロシェビッチ大統領(社会党党首)▽コシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(野党15党公認)▽ミハイロビッチ・セルビア再生運動副党首(ベオグラード市長)▽ニコリッチ急進党副党首(連邦副首相)の主要4候補が出そろった。野党陣営は最大野党の再生同盟が独自候補を擁立し、他の15野党と分裂する形になった。選挙戦は事実上、ミロシェビッチ対コシュトゥニツァの一騎討ちになる情勢だ。【ウィーン・福井聡】
 ユーゴ大統領選の焦点は、国内の実権を握るミロシェビッチ大統領の再選の可否にある。昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆以降、ユーゴ連邦の国際的孤立は一層深まっている。現大統領が再選されれば欧米の経済制裁は続行し、欧州最貧クラスにまで低下した国民の生活水準回復の目途は立たなくなる。一方、野党側勝利になれば、国際関係は急速に改善され、国内経済だけでなく、周辺のバルカン諸国への政治・経済にも大きな変化をもたらす。
 ミロシェビッチ大統領は旧ユーゴ戦犯法廷に起訴されていることから、大統領失職を致命傷と受け止め、再選実現に政治生命をかけている。同大統領は先月、憲法を改正して大統領職再選を可能にし、直後に連邦議会と大統領選の同時選挙を発表して、共闘の準備の出来ていない野党側を混乱させた。
 ところが、野党側には、「民族主義穏健派」のコシュトゥニツァ候補が急浮上していた。同候補は冷静で理論的なことから大衆受けする情熱家が求められがちなユーゴ政界で従来目立たない存在だった。しかし、腐敗と無縁な一貫した反ミロシェビッチ派論客として、ドラシュコビッチ再生運動党首やジンジッチ民主党党首らに飽きた人々の間で急速に人気を高めてきた。
 最新の世論調査(戦略市場メディア調査研究所)によると、各候補の支持率は、ミロシェビッチ38・1%▽コシュトゥニツァ35・7%▽ミハイロビッチ16・3%▽ニコリッチ10・1%。大統領選挙は第1回投票で過半数得票者がいなかった場合、上位2候補で決戦投票が実施される。同研究所のボゴサフリエビッチ代表は「有権者約600万人のうち投票者数が400万以下の場合は第1回投票でミロシェビッチ候補が当選を決める可能性がある。逆に同450万以上の場合は決選投票にもつれ、コシュトゥニツァ候補有利となる」とみている。[2000-08-09-21:50] 5
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 08/09@<ユーゴ大統領選>台風の目、セルビア民主党党首インタビュ(毎日新聞)

 ユーゴ大統領選挙の台風の目となっているコシュトゥニツァ・セルビア民主党党首(56)は立候補表明直前に、ベオグラードの同党本部で毎日新聞との会見に応じた。【ベオグラードで福井聡】
 ――大統領選で野党は勝てるか。
 ◆ミロシェビッチは旧ユーゴ戦犯法廷で起訴されており、大統領の座は彼の政治生命にとってなくてはならないものであり、永遠にしがみつくだろう。起訴がなければより自然に選挙での交代が実現した。これに対し、野党は団結が必要で、ドラシュコビッチ再生運動党首の出方が焦点となる。独自候補を立てるか立てないか、立てた場合他の野党候補を攻撃するのか、支持者の意思に任せるのかで得票が大きく変わる。
 ――セルビア民主党の支持者はどのような層ですか。
 ◆愛国心を意識し、都市でも地方でも政権の腐敗に憤りを感じ、民主的な改革を求める人々だ。欧米からの支援を仰いで改革を進めようとする政党とは異なり、国内からの変革を目指す。この点で、与党・社会党内にも現状への不満から支持を寄せる人がいる。
 ――(セルビア共和国と共にユーゴ連邦を構成する)モンテネグロ共和国の情勢をどうみますか。
 ◆ミロシェビッチ(連邦大統領)にとっては軍事行動を起こせば外国勢力の介入を誘う。ジュカノビッチ(モンテネグロ大統領)の方は(連邦離脱の賛否を問う)国民投票を実施した場合、過半数支持を得られない点を知っている。双方とも簡単には動けない。連邦選挙に関しては、ミロシェビッチはジュカノビッチ陣営が呼びかける選挙ボイコットを無視して実施するだろう。
 ▽ボイスラフ・コシュトゥニツァ氏 ベオグラード大学法学部博士課程修了、同大講師だった1974年、政権批判の論文がもとで解任され、89年にジンジッチ氏らとともに民主党を結成。路線対立で92年に分離し、セルビア民主党を創設した。[2000-08-09-21:50] 8
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 08/09@コソボで政敵襲撃が急増 アルバニア系の反目復活(共同通信)

 【ウィーン9日共同】ユーゴスラビア・コソボ自治州で十月に予定される初の地方選を前に、アルバニア系住民の政治家が襲撃される事件が相次ぎ、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は特別捜査本部を創設するなど対策に本腰を入れ始めた。
 アルバニア系住民の各政党はコソボ紛争をめぐりセルビアと対決するという共通目標があったため、この一―二年は一定の協力関係にあったが、和平が定着し選挙が近づくにつれて敵意が蒸し返され、過去の対立構図が復活した。
 UNMIKは少数派セルビア人に対する襲撃だけでなく、アルバニア系住民同士の衝突も警戒する必要に迫られている。
 UNMIKのマニュエル報道官は七日の会見で、穏健派指導者ルゴバ党首率いるコソボ民主同盟の幹部が六日夜に自宅で銃撃された事件に触れ「政治的意図が背景にある」と言明。民主同盟と対立するコソボ民主党を暗にけん制した。
 昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆以前は、コソボ独立を目指しながらも対話路線の民主同盟と、武力による独立を掲げたサチ政治局長の武装組織コソボ解放軍が二大組織として存在していた。
 しかし解放軍は昨年解散させられ、サチ氏を党首とする民主党が結成された。
 特別捜査本部はUNMIKのほか、NATO軍主体の国際治安部隊や欧州安保協力機構(OSCE)で構成、政治家襲撃の捜査と防止に当たる。UNMIKのトレベナ報道官は「選挙が近づくにつれ政治的背景を持つ襲撃事件がさらに増える恐れがある」と警戒を強めている。(了)[2000-08-09-16:26] 12
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 08/09@◇ユーゴ大統領選、候補者出そろう 野党統一ならず◇(朝日新聞)

 ミロシェビッチ大統領が再選されるかどうかが焦点となる来月24日のユーゴスラビア連邦大統領選は8日までに、おもな候補者の顔ぶれが出そろった。野党は期待された統一候補を選ぶことはできなかったが、大統領の当選もまだ保証されたわけではない。欧米諸国が民主的な政権の登場を期待するなか、事実上の選挙戦が始まった。
 小党乱立の野党は票が割れないよう共闘体制を作ることが現大統領を破るうえでのカギだった。15の野党は7日、セルビア民主党のコシュトニツァ党首を統一候補に擁立した。学者肌でカリスマ性に欠けるが、政治的なスキャンダルや汚職のうわさとも無縁だ。支持率はミロシェビッチ大統領を上回るという一部の世論調査もある。
 ところがセルビア再生運動は前日、首都ベオグラードのミハイロビッチ市長を独自候補に立てた。最大野党であるため、他の野党からは候補1本化で協力を求められていた。
 政権に加わっている「セルビア急進党」も7日、副首相でもあるニコリッチ副党首を候補に決めた。状況が変わらなければ現大統領を含む4人の対決となる。[2000-08-09-00:15] 77
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 08/09@<中立国スイスの裏側>国際義勇軍参加は「犯罪」 (毎日新聞)

 武骨な老人の目に涙がにじんだ。スペイン内戦の話が佳境に入った時である。 「スイス人の戦友がたくさん死んでいった……。だが、おれたちの名誉はいまだに回復されていない」。
 エオロ・モレンツォーニさん(80)。1936年に始ったスペイン内戦に、国際義勇軍の一員として参加したスイス人だ。独裁者・フランコ打倒に燃え、20カ国以上から参戦した若者は約4万人。その中にはスイスの若者800人が含まれ、約200人が戦死した。
 本来「英雄」として迎えられてもいいはずのスイス人義勇兵たちの帰国。だが、今日まで彼らに貼られたのは「罪人」のレッテルだった。スイスは、国民が外国の軍隊で、戦うことを禁じているからだ。
   ◇     ◇
 モレンツォーニさんはスイス南部ツチーノ州出身。食堂経営の父は社会主義者で「政治的な雰囲気」の中で育った。イタリアの独裁政権からの逃亡者を、家にかくまったこともある。36年7月。フランコ将軍陣営と人民戦線政府との戦いが始ると、父の食堂に集う社会主義、民主主義者たちは続々と義勇兵に志願、スペインに向かった。
 ヒトラーの援助で、フランコ軍は優勢だった。「民主主義を守る。その一心で、親に内緒で学校の友人と出発した」。36年12月。知り合いの弁護士が旅費を立て替えた。16歳だった。スペインに密入国し、義勇軍スイス部隊に。各地を転戦、肩に銃創も負った。だが、父親が所在を見つけ出し、部隊の同意を得て故郷に戻す手続きをした。「若すぎる」と諭された。
 スイス帰国は38年4月。帰国翌日、スイス連邦警察に拘留された。軍法会議にかけられ、55日間の懲役刑。判決は「(国民皆兵の)スイスの国防を弱体化させた」と強調した。
 スイス政府の元義勇兵への対応は徹底していた。公民権の一時停止、就業の禁止、本籍地からの放逐、最高1年間の懲役刑。一方で、政府は39年、民主国家として初めてフランコ政権を承認した。フランスが同年、義勇軍を「反ファシストの闘志」とたたえ、欧州諸国が元義勇兵に法的に温情措置を取ったのとは対照的だった。
 モレンツォーニさんの人生も苦渋の道をたどった。スイス秘密警察による監視。就職を禁じられ、新居を借りようとしても、「罪人」を理由に拒否された。「十分すぎるほどの報いを受けた」。定職を得たのは50年代後半。より自由な雰囲気の国際都市・ジュネーブに移り住んでからだ。長距離トラック配送所、食肉製造業――どこでも働いた。
 スイスでは39年以来、義勇兵の罪を許す「恩赦」を求める決議案が、議会に何度も上程された。だが、すべて否決されている。
 「大きな失望だった。おれたちは反独裁に燃えて戦ったのに。恩赦などいらない。人道主義の仮面をかぶり、裏では自らの利害を最優先する。それが、スイスの政治だ」。
 スイス人義勇兵の生存者は今、約20人という。【ジュネーブ・福原直樹】[2000-08-09-23:31] 89
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 08/09@◇パレスチナ自治区に日本の援助で水供給事業◇(朝日新聞)

 干ばつにあえぐパレスチナ自治区に、日本の援助で水を供給する事業が着手されることになり、推進母体の国連開発計画(UNDP)とパレスチナ側が9日、合意書に署名した。事業の対象はヨルダン川西岸北部の、水道設備のない3つの村で、配管、貯水槽建設などに200万ドル(約2億1600万円)が充てられる。
 この地域の年平均降雨量は、東京近辺の4割そこそこの600ミリ程度で、ここ数年は、通常の半分以下しか降っていない。イスラエル占領下で井戸の掘削が許されず、自治移行後もイスラエルからの水道に依存している。村落部には水道網が届いていない所が多く、雨水やタンク車による給水に頼るしかない。
 「地に平和」という日本の小さな非政府組織(NGO)が、貯水施設の建造、既存の井戸水の改良などに取り組んでいるが、広範な干ばつ地域の救済には、大規模な事業が求められている。[2000-08-09-21:41] 90
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 08/09@◇印パのカシミール紛争は核戦争へ発展の恐れ 秘密報告書◇(朝日新聞)

 「インドとパキスタンのカシミール紛争は核戦争に発展する恐れが大きい」との秘密報告書を中央情報局(CIA)などの米国の情報機関がまとめ、今春のクリントン大統領の両国訪問の直前、ホワイトハウスに提出していた。8日付のニューヨーク・タイムズが報じた。米政府当局者は8日、報告書の存在を否定しなかった。カシミール紛争は同日、イスラム原理主義組織が一方的に宣言していた停戦の破棄を発表したため、米政府は懸念を深めており、クリントン大統領は来月の国連ミレニアムサミットの場で、両国の首脳会談を仲介したい意向だ。
 インドのジャム・カシミール州カルギルに、パキスタン系民兵が侵入し、インドとパキスタンの大規模な軍事衝突に発展した昨夏の戦闘を機に、CIAなどを統括する米国家情報会議は、紛争シナリオの分析を始めた。報告書は極秘扱いだが、両国は相手の意図や動きについての正確な情報を欠き、直接対話のルートもないことなどから、核抑止力が利かず、通常紛争が核戦争に発展する可能性が格段に増えた、と結論づけているという。
 報告書は、米政府の南アジア外交は両国に核不拡散を促すだけでなく、紛争の激化防止と緊張緩和にも軸足を置くべきだ、との考えも示した。クリントン大統領が3月の両国訪問中、「南アジアは世界で最も危険な場所」と繰り返し断言し、インド国会の演説で「核戦争の一歩手前まで行った米ソ対立」の例を引きつつ、自制を訴えたのは、出発直前に読んだ報告書が念頭にあったとみられる。
 米政府は大統領の訪問後、インドとの外相会談を2回行ったほか、パキスタンとの高官協議を16カ月ぶりに再開。先週は大統領がインドのバジパイ首相と、バーガー大統領補佐官がパキスタンのムシャラフ参謀総長と、それぞれ電話で協議し、紛争収拾のための対話再開を働きかけた。大統領は9月のバジパイ首相訪米の際の会談に加え、ミレニアムサミットを利用して印パ首脳会談を実現することで、カシミール情勢の緊張緩和に努めたい意向を示している。[2000-08-09-21:41] 101
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 08/09@◇モスクワ中心部で爆発、7人死亡し100人近く重軽傷◇(朝日新聞)

 モスクワ中心部のプーシキン広場の地下道で8日午後6時ごろ、大きな爆発が起きた。警察当局によると、7人が死亡、97人が重軽傷を負った。検察はテロと殺人の容疑で捜査を始めた。また、ロシア連邦保安局は9日、爆発に関係した可能性のある北カフカス系の男性2人を拘束したことを明らかにした。
 ルシコフ・モスクワ市長は爆発後、「これはテロであり、チェチェンとの関連も否定できない」と語った。拘束されたのは、チェチェン人と、チェチェン共和国の隣のダゲスタン共和国の民族アバール人という。
 警察当局によると、爆発したのは地下道のキオスクのわきに置かれたかばん。北カフカス系の外見の男性2人がかばんを置くのをキオスクの店員も目撃しており、モンタージュ写真も作成されたが、拘束された男性たちとの関係は明らかでない。
 事件を受けてプーチン・ロシア大統領は8日夜からルシャイロ内相、パトルシェフ連邦保安局長官らと対策会議を続け、事件の解明を大統領が自ら指揮すると共に、原子力関係など重要施設の警備を強化することなどを決めた。
 モスクワ放送によると、チェチェン武装勢力側のマスハドフ・チェチェン共和国大統領は8日、爆発事件について声明を出し、「チェチェン戦闘員はまったく関係ない」と表明した。
 モスクワなどでは昨年の8月から9月にかけて起きたアパートなどの連続爆破テロ事件で約300人の市民が死亡し、治安当局がチェチェン武装勢力の犯行として捜査を続けてきた。モスクワ市検察は8日、今回の爆発もテロ活動として捜査の開始を正式に決定、治安当局も昨年のテロ事件との関連を調べている。
 7日は、チェチェン武装勢力がダゲスタン共和国に侵攻して第2次チェチェン紛争が本格的に始まって1年にあたるため、治安当局はテロ活動を警戒して首都モスクワなどの警備態勢を強化していた。
 現場はクレムリンから約500メートル離れた繁華街のトベリ通りに位置し、地下道は3つの地下鉄駅にもつながっている。爆発はTNT火薬1キロ分ほどの威力があった。[2000-08-09-20:33] 111
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 08/09@◇レバノン軍がイスラエル軍撤退地帯に展開開始◇(朝日新聞)

 レバノンからの情報によると、レバノン軍は9日、イスラエル軍撤退後の南部の旧占領地帯への展開を開始した。軍と警察官各500人からなる計1000人の部隊で構成。5月下旬のイスラエル軍撤退後、イスラム教シーア派政治勢力ヒズボラが実効支配してきた旧占領地帯の治安維持などの任務にあたる。70年代の内戦中から事実上無政府状態だった南部に政府軍が展開するのは約24年ぶり。
 旧占領地帯へのレバノン軍展開は、イスラエルとの軍事的緊張を再び高めかねないため、レバノン政府はイスラエル軍撤退後も展開を控えてきた。国連が設定したイスラエルとレバノンとの境界線の侵犯問題が解決したことを受けて5日に国連の平和維持軍(PKF)、レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)が同地帯に増強展開したことを受け、展開を始めた。住民らは、兵士に米をかけるなどして歓迎した。[2000-08-09-19:04] 113
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 08/09@チェチェン人ら2人拘束 テロの死傷者は百人に(共同通信)

 【モスクワ9日共同】モスクワ中心部のプーシキン広場で八日発生した爆弾テロ事件で、ロシア連邦保安局のプロニチェフ第一次官は九日、チェチェン人の男一人とチェチェンに隣接するダゲスタン共和国の民族アバール人の男一人の計二人を八日深夜に拘束したことを明らかにした。
 またルシャイロ内相は同日、事件による死傷者は約百人に上ったことを明らかにした。
 拘束された二人の供述内容などは明らかでないが、ロシアの治安当局はチェチェンの武装勢力との関連が一層濃厚になったとみて捜査。目撃証言などから他の容疑者三人のモンタージュ写真をテレビなどで公開し行方を追っている。
 一方、ロシアの民間ラジオ「モスクワのこだま」によると、チェチェン共和国のマスハドフ大統領は、チェチェンの武装勢力と事件は無関係と言明した。(了)[2000-08-09-18:36] 114
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 08/09@◇NMDの2005年配備に赤信号 ロケット開発に遅れ◇(朝日新聞)

 米国防総省のベーコン報道官は8日、本土ミサイル防衛(NMD)をめぐり、迎撃体を打ち上げる新型ロケットの開発が大幅に遅れていることを明らかにしたうえで、「2005年の運用開始」が可能かどうかが検討課題に浮上していることを認めた。先の実験失敗のあおりで、後に続く迎撃実験の日取りもずれ込んでいるが、迎撃ロケット開発の遅れの影響は大きく、国防総省が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル脅威を理由に掲げてきた「2005年」の目標に、赤信号がともったことになる。
 7月に行われたミサイル撃ち落とし実験は、飛んでくる標的に体当たりするはずの迎撃体が、ロケットから切り離されない、という初歩的なミスで失敗した。この打ち上げ用ロケットは旧世代のもので、国防総省は新型ロケットの開発を進めてきた。ベーコン報道官によると、計画よりもすでに8カ月以上ずれ込み、遅れは今後も広がる気配だ。新型ロケットに迎撃体を搭載して行う実験は、もともとこの4月の予定だったが、来年1月の新政権誕生直後に延期されたうえ、さらに、数カ月は遅れる見通しとなった。
 NMDは、実験失敗を受けた対応策のとりまとめ、迎撃技術についてのコーエン国防長官のクリントン大統領あて勧告、今後の実験日程などもことごとく遅れており、ベーコン氏は「計画の大幅な見直し作業に入った」と語っている。
 NMD計画の根拠となってきた北朝鮮のミサイル問題は、北朝鮮側が「外国での衛星打ち上げ」を条件に開発計画を放棄するとも受け取れる方針を示したことで、「脅威」の点から、2005年の配備を急ぐ必要があるのか、との議論が起きている。「技術」の側面でも、目標の達成が難しくなってきたといえそうだ。[2000-08-09-18:32] 121
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 08/09@PKO支援で米軍派遣へ ナイジェリアで訓練と米紙(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】九日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、反政府ゲリラ勢力に要員が大量拘束された国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の戦力強化のため、米国が今月中にも米軍部隊数百人をナイジェリアに派遣すると報じた。
 新たにUNAMSILに組み込まれるナイジェリア兵らへの戦闘訓練が目的だが、一九九三年のソマリアでの米兵死傷事件以降、国連平和維持活動(PKO)への消極的姿勢を取り続けてきたクリントン大統領にとっては、今月二十五日からのナイジェリア訪問を前にした「政策転換」(同紙)となる。
 米軍部隊は今月末から来月初めにかけてナイジェリア入りし、同国兵八百人らを対象に実戦訓練を行い、迫撃砲や通信設備なども供与する。派遣期間は未定だが来年半ばまでを見込んでおり、国防総省当局者によると「二年または三年の延長もあり得る」という。
 UNAMSILは今年五月、最大時で約五百人の要員がシエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)によって拘束された。事件はこれまでにほぼ解決したが、国連安全保障理事会はこの間にUNAMSILの定員を九千人から一万三千人に拡大した。(了)[2000-08-09-17:24] 143
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 08/09@民主党、リーバーマン副大統領候補を正式発表(読売新聞)

 【ワシントン8日=林路郎】米大統領選で民主党の候補指名を確実にしたアル・ゴア副大統領(52)は八日午後(日本時間九日未明)、選対本部のあるテネシー州ナッシュビルでの支持者集会で、ジョゼフ・リーバーマン上院議員(58)を副大統領候補にする、と正式発表した。両氏は、ロサンゼルスで行われる全国党大会で十六日に正式指名され、共和党のジョージ・ブッシュ候補(テキサス州知事)との激しい終盤戦に突入する。発表を受け、同席のリーバーマン氏は、「勝利へ力を尽くす」と演説、これまで優位な戦いを進めてきたブッシュ候補を追い上げる決意を表明した。
 リーバーマン氏は大統領選史上初のユダヤ系候補。ゴア氏は演説で、「カトリック信者だったジョン・ケネディ氏が大統領候補となった一九六〇年と同じように、(宗教や民族などの違いによる)古臭い壁を我々は再び取り壊して歴史を作るのだ」とユダヤ教徒の登用を強くアピールした。
 ブッシュ陣営は先の党大会で、黒人、ヒスパニック(中南米系)、アジア系など人種的少数派に属する党員・支持者を多数登壇させ、「包容力ある新生共和党」を訴えていた。ゴア氏はこれに対し、宗教的少数派であるユダヤ教徒を副大統領候補に担ぎ、共和党以上の「包容力」を国民に印象づけようとした形だ。[2000-08-09-12:11] 144
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 08/09@◇モスクワ中心部で爆発、8人死亡◇(朝日新聞)

 モスクワ中心部のプーシキン広場の地下道で8日午後6時ごろ、大きな爆発が起きた。インタファクス通信によると、8人が死亡、53人が重軽傷を負った。
 ルシコフ・モスクワ市長は爆発後、「これはテロであり、チェチェンとの関連も否定できない」と語った。同通信によると、同市警察当局は爆発事件にかかわりがあると見られる北カフカス系の男性2人のモンタージュ写真も作製したという。また、別の爆発物が現場で見つかり、処理されたとの情報もある。
 事件を受けてプーチン・ロシア大統領は8日夜にルシャイロ内相、セルゲーエフ国防相らと会議を開き、事件の解明を大統領が自ら指示すると共に、原子力関係など重要施設の警備を強化することなどを決めた。
 モスクワ放送によると、チェチェン武装勢力側のマスハドフ・チェチェン共和国大統領は8日、爆発事件について声明を出し、「チェチェン戦闘員はまったく関係ない」と表明した。
 モスクワなどでは昨年の8月から9月にかけて起きたアパートなどの連続爆破テロ事件で約300人の市民が死亡し、治安当局がチェチェン武装勢力の犯行として捜査を続けてきた。モスクワ市検察は8日、今回の爆発もテロ活動として捜査の開始を正式に決定、治安当局も昨年のテロ事件との関連を調べている。
 7日は、チェチェン武装勢力がダゲスタン共和国に進攻して第2次チェチェン紛争が本格的に始まって1年にあたるため、治安当局はテロ活動を警戒して首都モスクワなどの警備態勢を強化していた。
 現場はクレムリンから約500メートル離れた繁華街のトベリ通りに位置し、地下道は3つの地下鉄駅にもつながっている。爆発はTNT火薬1キロ分ほどの威力があり、帰宅時のラッシュアワーに通路にあるキオスクの1つから起きた。約30台の救急車や消防車もかけつけ、一帯は大混乱した。[2000-08-09-11:49] 157
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 08/09@ユダヤ系候補を正式発表 ゴア氏、支持率も急上昇(共同通信)

 【ワシントン8日共同】米大統領選の民主党候補ゴア副大統領(52)は八日、地元テネシー州ナッシュビルの集会で、選挙をともに戦う副大統領候補にリーバーマン上院議員(58)を指名すると正式に発表した。
 両氏は十四日から始まる民主党大会で正副大統領候補に正式指名される。
 一方、米ギャラップ社などが八日発表した世論調査によると、共和党大会直後の調査でゴア氏の支持率は三五%で、共和党のブッシュ・テキサス州知事に一九ポイントの差で劣勢だったが、副大統領候補にリーバーマン氏を指名した七日夜の調査では四三%に急上昇、差は二ポイントに縮まった。
 リーバーマン氏は米国史上初のユダヤ系の副大統領候補。ゴア氏は集会で、四十年前に故ケネディ大統領がカトリック教徒初の民主党大統領候補に指名されたことに触れ「われわれは再び古い壁を取り払い、歴史をつくる」と述べ、米国の多様な民族、人種の統合に取り組む決意を示した。
 これに対しリーバーマン氏は「奇跡を可能にし、すべての米国人のために壁を取り除いた」とゴア氏の決断をたたえた。
 ゴア氏はまた、リーバーマン氏を「経験と高潔、勇気を兼ね備え、常に働く家族の立場で行動してきた」と称賛。しかしクリントン大統領には一度も言及せず、「クリントン離れ」を鮮明にした。(了)[2000-08-09-08:32] 158
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 08/09@印パ核戦争の懸念高まる 米CIAなどが報告(共同通信)

 【ワシントン8日共同】八日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、米中央情報局(CIA)などはこのほど、インドとパキスタンのカシミールをめぐる地域紛争が核戦争に発展する懸念が大きいとの秘密報告書をまとめた。
 ホワイトハウス当局者は同紙の取材に対し、両国間の核戦争の可能性は「五分五分」としている。
 報告は両国とも互いの軍事動向についての質の高い情報収集機能や両国間の直接の対話チャンネルがないことを挙げ、非核紛争の懸念は極めて強く「核兵器を使った戦争へ発展する可能性も高い」と述べた。
 報告は、第三次印パ戦争以来の大規模軍事衝突とされる昨年夏のカルギル紛争を受けてCIAや他の情報機関が作業を開始、今年春に結論をまとめ、クリントン大統領に提出された。
 報告を基にクリントン大統領は春のインド、パキスタン訪問で「南アジアは世界で最も危険な地域」との立場を打ち出し、先週にはバジパイ・インド首相と電話会談、パキスタンとの対話開始を促すなど両国間の緊張緩和に乗り出している。
 報告はまた、両国が核兵器を保有した後にカルギル紛争が起きたことから、核抑止効果が両国間に機能していないと指摘。情報収集能力の不足や指揮系統の混乱による誤発射の核攻撃の危険も挙げた。(了)[2000-08-09-07:34] 7
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 08/09@ジェフの新監督にベルデニック氏(読売新聞)

 J1リーグのジェフは9日、8日辞任したニコラエ・ザムフィール監督の後任に、元スロベニア代表監督のズデンコ・ベルデニック氏(51)を充てることを決めた。就労ビザ取得後に正式契約するが、試合の指揮を執るのは、リーグ戦中断後の11月からになる見通し。今月12日のヴィッセル戦(神戸)、19日のフロンターレ戦(等々力)は、神戸清雄コーチが指揮を執る。
 9日来日したベルデニック氏は、千葉県市原市のグラウンドで、さっそく練習を指導。「出来るだけ早く選手たちに会って、モチベーションを上げたかった。戦術的な面などから徐々に改善していく。目標はJ1残留だが、それができると確信している」と語った。
 ベルデニック氏は、91年から92年まで日本リーグの全日空、Jリーグ発足時のフリューゲルスのコーチ、94年から97年までスロベニア代表監督を務めた。[2000-08-09-21:07]
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 08/10@反NATOで国民結束狙う 選挙控えユーゴ大統領(共同通信)

 【ウィーン10日共同】ユーゴスラビア連邦共和国で九月に予定される大統領選挙と連邦議会選挙を前に、ミロシェビッチ大統領は昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆の記憶をよみがえらせ、反NATO感情で国民の結束を固める作戦を展開している。
 大統領の支持率はコソボ紛争以降、低下傾向にあるものの、一般国民の反NATO感情が根強いことを利用。さらに野党各党を米国や西欧の手先だと印象付けることで選挙戦を乗り切る構えだ。
 連立政権を構成する民族主義政党「セルビア急進党」のシェシェリ党首は九日、最大野党を除く主要野党が大統領候補に擁立したコシュトニツァ氏を「NATOの候補だ」とテレビ番組で非難した。
 連邦政府は昨年十一月、大統領暗殺を計画したフランス情報機関の要員とするセルビア人五人を逮捕。選挙日程を決めた先月下旬以降は、大統領暗殺計画を「自供」したオランダ人四人やテロ専門家だとする英国人とカナダ人各二人を逮捕するなど外国人摘発を強化している。
 当局は、英国人らがコソボで警察の教官をしていることをとらえ「コソボからテロリストが侵入し破壊工作に携わっている」との主張の裏付け材料に利用。国営テレビは逮捕者の映像を繰り返し放映している。
 連邦からの分離志向を強め米国や欧州連合(EU)から援助を受けているモンテネグロ共和国は選挙ボイコットを宣言しているが、当局は外国人がいずれもモンテネグロ周辺で逮捕されたことを強調。モンテネグロが米欧のテロリストやスパイを自由に活動させていると批判している。(了)[2000-08-10-17:44] 11
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 08/10@バスク独立派が東欧から大量の武器入手との情報(読売新聞)

 【パリ10日=池村俊郎】スペイン北部バスクの独立闘争組織「バスク祖国と自由」(ETA)による爆弾テロが相次ぎ、不穏な情勢が続くバスク州で九日、新たに軍下士官一人が射殺されたほか、バスが襲撃されるなどの事件が続発した。ETAが大量の武器、爆発物を東欧諸国から入手したとの情報もあり、治安当局は要人警護を強化した。
 同州各都市では十日、当局の締め付けに抗議する「二十四時間闘争」が決行され、多くの商店が休業。七日に爆薬を積んだ車が爆発、ETA活動家四人が死亡したのを追悼する狙いで、ETA政治部門の指導者アルナルド・オテギ氏が急進的なバスク民族主義勢力に呼びかけて実施した。
 一方、九日にはパンプロナで軍下士官がETAテロリストに射殺され、マドリードの車爆弾テロを含め、被害者は二日間で死者二人、負傷者十一人に上った。また州内各地でETA支持者の若者がバスに放火し、軍人官舎に火炎びんを投げる事件も続いた。
 先月から始まった激しいテロ行動について、現地外交筋は「連続テロ事件を起こすことで政府にバスク州の非常事態を宣言させ、反中央の感情をあおる狙い」と見ている。
 仏当局が逮捕したETA活動家からの情報で、先の停戦期間中にドイツの仲買人を通じ、東欧諸国から大量の武器、弾薬を購入していたことも判明している。
 仏紙「ル・モンド」によると、少なくとも爆薬千五百キロ、手投げ弾二百発、対車両地雷二十五個、短銃百丁以上の量に上るという。[2000-08-10-23:12]


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