最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(06/09, 2000)


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 06/01@◇モンテネグロ大統領の側近の治安担当補佐官暗殺される◇(朝日新聞)
 06/01@<モンテネグロ>大統領警備担当の補佐官が射殺死体で見つか(毎日新聞)
 06/01@<スターリン>旧ユーゴスラビア・チトー大統領暗殺を計画(毎日新聞)
 06/01@◇天声人語◇(朝日新聞)
 06/01@◇戦争終結を一方的に宣言 エチオピア首相◇(朝日新聞)
 06/01@領土問題で再び関係悪化 バーレーンとカタール(共同通信)
 06/01@◇レバノン・イスラエル間の国境画定問題が難航◇(朝日新聞)
 06/01@<中東>シリアがイスラエル軍撤退ライン受け入れ 南レバノ(毎日新聞)
 06/01@国境農場からの撤退要求 シリア外相が声明(共同通信)
 06/01@6月中に白人の土地収用へ 法改正のジンバブエ(共同通信)
 06/01@◇フィリピン政府がMILFとの和平交渉で「自治権」提案◇(朝日新聞)
 06/02@<米大統領>欧州に貢献とシャルルマーニュ賞受賞=替(毎日新聞)
 06/02@<セルビア>政府が首都の庶民の足に当たるバス会社を接収(毎日新聞)
 06/02@米大統領にカール大帝賞 バルカン安定化貢献で(共同通信)
 06/02@◇インドネシア・アチェ和平合意が発効◇ (朝日新聞)
 06/02@<米露会談>ABM制限条約修正巡り駆け引き活発化(毎日新聞)
 06/02@<米露首脳会談>最大の焦点はABM制限条約の見直し問題(毎日新聞)
 06/02@外国での裁判案に国民反発 シエラレオネ反政府議長(共同通信)
 06/02@ミサイル防衛で共通の傘 ロシア大統領が米に提案へ (共同通信)
 06/02@◇独首相、米国のNMD構想に懸念表明◇ (朝日新聞)
 06/02@日本がポリオ根絶に30億円 国連児童基金(共同通信)
 06/03@◎NATOによる「戦争犯罪」、調査せず=ユーゴ空爆で国際(時事通信)
 06/03@◇米大統領が欧州政策の総括演説◇(朝日新聞)
 06/03@インドネシア・イリアンジャヤ州、即時独立を決定(読売新聞)
 06/03@<インドネシア>パプア住民会議が西パプア独立方針一方的に(毎日新聞)
 06/03@<米露首脳会談>露大統領のミサイル防衛構想、米は冷淡(毎日新聞)
 06/03@中道左派サミットが開幕 14カ国首脳が参加(共同通信)
 06/03@「家族」概念めぐる攻防 バチカンはイスラムと連携(共同通信)
 06/03@ジンバブエ選挙戦が本格化 一党支配の行方が焦点(共同通信)
 06/03@敵近くに迎撃基地配備 ロシア提案はTMD活用(共同通信)
 06/03@◇ミサイル防衛でロシアが米に発射直後の迎撃方式を提案か◇(朝日新聞)
 06/03@◇ジンバブエ政府が土地再配分対象の804農場を公表◇(朝日新聞)
 06/03@ロシア提案は受諾困難 米の軍備管理専門家(共同通信)
 06/03@ローマ移籍のバティがセリエA最高年俸  (共同通信)
 06/04@<米露首脳会談>米国に対抗する力もカネもないロシアのジレ(毎日新聞)
 06/04@<唄の話>自慢さえしなければ(毎日新聞)
 06/05@<露大統領>伊首相と初会談 訪問で経済関係強化を狙う(毎日新聞)
 06/05@サミット地域問題、朝鮮半島など10項目固まる(読売新聞)
 06/05@◇シエラレオネ―瀬戸際に立つPKO◇(朝日新聞)
 06/06@◎3民族合同の国境警察隊が発足=内戦終結から5年でようや(時事通信)
 06/06@<中国>李鵬氏が東欧6カ国を公式訪問へ (毎日新聞)
 06/06@◎ボスニアPKO報告を決定(時事通信)
 06/07@◎イゼトベゴビッチ氏、幹部会員辞任へ=ボスニア(時事通信)
 06/07@◎「モンテネグロ高官暗殺はCIAの仕業」=ユーゴ情報相が(時事通信)
 06/07@◇アムネスティ、ユーゴ空爆は国際法違反と声明◇(朝日新聞)
 06/07@◇コソボでセルビア人殺害相次ぐ◇(朝日新聞)
 06/07@コソボ不明者のリスト公表 赤十字国際委員会(共同通信)
 06/07@<中国>李鵬全人代委員長がユーゴ訪問へ (毎日新聞)
 06/07@◇NATO国防相会議、8日から◇(朝日新聞)
 06/07@コソボ国境で非常警戒態勢(共同通信)
 06/07@セルビア国営放送局爆撃は国際法違反 国際アムネスティ(共同通信)
 06/07@誤爆は国際法に違反せず ユーゴ戦犯法廷が報告書(共同通信)
 06/07@中国軍事委副主席が帰国(共同通信)
 06/07@<ボスニア幹部会>イスラム指導者引退 民族強硬派世代交代(毎日新聞)
 06/07@ヘルツェゴビナのイゼトベゴビッチ氏引退へ 国際社会に失望(共同通信)
 06/07@◎ユーゴ情報相の主張を否定=モンテネグロ高官暗殺で米(時事通信)
 06/07@<イリアンジャヤ>独立宣言広がる支持 インドネシア併合3(毎日新聞)
 06/07@◇コソボでセルビア人殺害相次ぐ◇(朝日新聞)
 06/07@南京城壁を世界遺産に 申請へ準備(共同通信)
 06/07@「家族」概念で妥協の公算 各国間の隔たり大きく 女性会議(共同通信)
 06/07@宗教対立で儀礼より国益 ロ大統領、現実主義発揮(共同通信)
 06/07@<金正日総書記>神出鬼没 謎に包まれた隣国の指導者(毎日新聞)
 06/07@地元オランダV候補 激戦D組はW杯王者の仏も 欧州サッカ(共同通信)
 06/07@<サッカー>ハッサン2世杯で3位 ジャマイカに4−0で勝(毎日新聞)
 06/07@サッカー日本代表がジャマイカに快勝(読売新聞)
 06/08@<いえぬ傷跡>増幅される憎しみ 企画・コソボ、3人の1年(毎日新聞)
 06/08@◇NMDなど焦点、NATO国防相会議始まる◇(朝日新聞)
 06/08@<NATO>ユーゴ空爆から満1年を前に改めて批判の声高ま(毎日新聞)
 06/08@末広議員ら5人が参加 列国議会同盟の支援会合(共同通信)
 06/08@欧米主導に反発、ボスニアの幹部会議長が辞意表明(読売新聞)
 06/08@◇コソボでセルビア人殺害相次ぐ◇(朝日新聞)
 06/08@◇ユーゴ首相、コソボからの国際部隊撤退など要求◇(朝日新聞)
 06/08@◇チェチェンに露大統領直轄の臨時行政府設置◇(朝日新聞)
 06/08@<中露電話会談>7月上旬、下旬に2回の首脳会談実施で合意(毎日新聞)
 06/08@レーザー兵器が迎撃に成功 米陸軍が実験で(共同通信)
 06/08@パプア独立を支持しない 首相がワヒド大統領に(共同通信)
 06/08@<国連女性会議>PKO参加に「積極関与」で合意 (毎日新聞)
 06/08@家族めぐる項目を半減 「成果文書」の文言で詰め(共同通信)
 06/08@笑いと風刺で連帯呼び掛け 日本人などに“8変化”(共同通信)
 06/08@◇米が北朝鮮の経済制裁緩和を近く実施へ◇(朝日新聞)
 06/08@ブラジル断念し南ア支持? きな臭い動き英紙が報道 サッカ(共同通信)
 06/08@<特報・少年サッカー>韓国、朝鮮、日本籍の子ら親善試合 (毎日新聞)
 06/09@EUとNATOが緊急対応部隊で合同作業部会設置(読売新聞)
 06/09@◎KFORのコソボ駐留は今後も可能=1年期限説に反論−N(時事通信)
 06/09@<ロシア>チェチェン共和国に臨時行政府樹立 大統領令署名(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 06/01@◇モンテネグロ大統領の側近の治安担当補佐官暗殺される◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国からの報道によると、ジュカノビッチ・同共和国大統領の側近で、治安担当補佐官のゴラン・ズギッチ氏(38)が31日深夜、ポドゴリツァの自宅アパート前で何者かに銃撃され、死亡した。
 ジュカノビッチ氏は、ミロシェビッチ連邦大統領と対立、ユーゴ連邦からの離脱の動きを強めている。モンテネグロでは11日にポドゴリツァなどで地方選挙が投票されるが、ミロシェビッチ派とジュカノビッチ派の争いが日ごとに激しさを増している。ズギッチ氏は警察出身で、警備・治安を担当していた。
 ユーゴでは今年に入り、国防相や国営企業社長など要人の暗殺事件が相次いでいるが、モンテネグロでは初めて。すべての事件が未解決のままとなっている。[2000-06-01-23:18] 16
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 06/01@<モンテネグロ>大統領警備担当の補佐官が射殺死体で見つか(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国の首都ポドゴリツァで31日夜、ジュカノビッチ大統領の警備担当のズギッチ補佐官(39)が射殺体で発見された。同連邦セルビア共和国内では要人殺害が続発しているが、モンテネグロに波及したのは初めて。
 セルビア国内で頻発している殺害犠牲者の中には、モンテネグロ出身のブラトビッチ前国防相殺害(2月)も含まれている。ジュカノビッチ大統領は民主化と自治権拡大を要求してユーゴのミロシェビッチ大統領と対立しており、今回の事件で両国間の緊張は一層高まっている。【ウィーン支局】[2000-06-01-22:18] 17
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 06/01@<スターリン>旧ユーゴスラビア・チトー大統領暗殺を計画(毎日新聞)

 【ウィーン1日福井聡】旧ソ連の独裁者、スターリンが、旧ユーゴスラビアのチトー大統領暗殺を3度にわたって計画していたことが、ブルガリアのソフィアで開かれた米、仏、独、露の旧スパイ幹部らの会議で明るみに出た。
 ソフィアからの報道によると、同計画の全容は米国の「ウッドロー・ウィルソン学術国際センター」の資料に保存されていたもので、3度の計画はすべて旧ソ連治安当局が準備し、マックスと呼ばれたスパイが担当した。
 マックスは当時、中米コスタリカのイタリアと旧ユーゴの特命全権大使を装ってイタリアに滞在。チトー大統領に対し、(1)イタリア国内の私的会合の場で肺機能を不全にするバクテリアの投与計画(2)ロンドンのユーゴ大使館での銃殺計画(3)ベオグラードでの会議での銃殺計画ーーの3通りのシナリオを準備していた。しかし、1953年のスターリンの死で計画は葬られ、チトー大統領は80年まで存命した。
 暗殺を計画した理由について、同資料は「チトーは旧ユーゴ独立後の48年、スターリンと対立するようになり、ブルガリアをユーゴ連邦の一地域に編入しようと計画。これに猛反対したスターリンとの亀裂が決定的となった」としている。
 幻の実行犯となったマックスはその後、旧ソ連科学アカデミー会員の歴史学者となったという。[2000-06-01-22:18] 19
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 06/01@◇天声人語◇(朝日新聞)

 西アフリカ・シエラレオネの首都フリータウンは、文字通り「自由の街」を意味する。十八世紀末、解放された黒人奴隷を移り住ませたことから名づけられた。その国がいま、内戦による恐怖に覆われている。先週は反政府勢力の待ち伏せで、二人の記者が射殺された▼犠牲者の一人、ロイター通信のカート・ショークさん(五三)は、世界のあちこちの紛争を取材し、優れた報告を送り続けてきた。ロイターは死を悼み、一九九三年五月、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争さなかのサラエボで彼が書いた記事を、ホームページに再録した▼〈一組の恋人たちが、川の土手にもう四日も横たわっている。死んでいるのだ、固く抱き合ったまま〉と記事は始まる。包囲されたサラエボから脱出を試みて撃たれたのである。ともに二十五歳、高校のときからの恋人だった。が、彼はセルビア人、彼女はモスレム人。互いに殺し合う双方に、それぞれ属していた▼「彼は即死した。彼女はしばらく生きていた。はって行って彼を抱き寄せ、あんなふうに腕を組んで死んだ」。目撃した兵士は語った。彼女の父親は「せめて二人を一緒に埋めてやりたい」と願う。しかし、むずかしい。出ていけば、必ず撃たれるからだ。「化け物同士の戦いだ。だから、二人はまだあそこにいる」。父親の嘆きでルポは終わる。「ロミオとジュリエット」の遺体は、続報によれば、さらに四日たってようやく収容された▼国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表では、シエラレオネ難民は、アフリカの中で最も多い四十八万七千二百人。人口五百万足らずの国で、十人に一人が国外に逃れた。何の関係もない住民の手足を切り落とす、といった残虐な行為も報じられる▼人間の悲劇を直視し、伝えようと、ショークさんは今度はシエラレオネに入った。二週間後、命を絶たれた。[2000-06-01-00:34] 211 [このページの最初に戻る]


 06/01@◇戦争終結を一方的に宣言 エチオピア首相◇(朝日新聞)

 エチオピアのメレス首相は31日、エリトリアとの間で1998年以降、続いている戦争の終結を宣言した。5月12日からの攻勢によって、エチオピア軍が98年に占領された土地を奪還したことが背景にある。
 メレス首相の宣言は「本日、我々の領土が侵略軍から解放されたことを確認した。我々に関する限り、戦争は本日をもって終結した」とした。しかし、AP通信によると、エリトリアのイエマネ大統領報道官は「エリトリアの領土を支配した状態で戦争が終わったと主張することはできない」と反発している。
 両国の和平を目指す会議はアフリカ統一機構(OAU)の仲介によってアルジェで開かれている。[2000-06-01-23:19] 243
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 06/01@領土問題で再び関係悪化 バーレーンとカタール(共同通信)

 【カイロ1日共同】ペルシャ湾岸の小国、カタールとバーレーンとの小島群の領有権をめぐる交渉が決裂し、改善に向かっていた両国関係が再び悪化している。領有権問題はオランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)に持ち込まれ、五月末から双方の口頭弁論が始まったが、その結論によっては湾岸地域の亀裂をさらに深めかねない。
 両国が争っているのはバーレーン湾にあるハワール諸島などの三十三の小島群で、石油、ガスの資源が豊富に埋蔵されている可能性があるとされる。一九三○年代からバーレーンが実効支配し、八六年には同国が建設中の軍事施設をカタール側が攻撃、戦争寸前にまで発展した。
 カタールは九一年にICJに提訴、湾岸諸国による調停を求めるバーレーンとの間で対立が続いていたが、昨年十二月に両国の首長が会談し、領土問題を平和的に解決するための合同委員会の設置などで合意。今年四月には初めて大使を交換し、関係正常化に向けて大きく進展した。
 しかしバーレーンの外務省は五月十九日に声明を発表し「(ICJ外で領土問題を解決するための)提案をしたが、肯定的な反応がなかった」として、合同委員会での協議の停止を表明。これを受けカタール側もICJの仲裁を求めた。
 ICJの口頭弁論はカタール側から開始。同国の代表は、バーレーンがハワール島の西岸に人工島を建設しようとしていると非難した。口頭弁論は六月中に終了し、拘束力を持つICJの判断が今年中にも出る見通しだ。(了)[2000-06-01-19:37] 274
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 06/01@◇レバノン・イスラエル間の国境画定問題が難航◇(朝日新聞)

 レバノンからのイスラエル軍完全撤退を調査しているラーセン国連事務総長特使は31日、ダマスカスでシャラ・シリア外相と会談し、レバノン・イスラエル間の国境画定問題について協議した。シリア、レバノン、イスラエル3国国境にまたがる農場の帰属について、シャラ外相はシリア領と認定したアナン国連事務総長の報告書に同意する姿勢を示す一方、会談後、農場はレバノン領だとして、イスラエル軍の撤退が不完全との声明を発表した。
 イスラエルは撤退を完了したとしているが、国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)が南部レバノンで平和維持活動を再開するためには、完全撤退に関する同意をレバノン、シリア両国から取り付けることが必要で、南部レバノンの不安定な情勢が依然として続いている。[2000-06-01-12:04] 288
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 06/01@<中東>シリアがイスラエル軍撤退ライン受け入れ 南レバノ(毎日新聞)

 【ベイルート31日高橋弘司】レバノン南部からのイスラエル軍撤退状況を検証するためシリア入りした国連のラーセン中東和平特別調整官は31日、シリアのシャラ外相が現在までの撤退ラインを原則的に受け入れる意向を示したと述べた。レバノンを実効支配するシリアはこれまで、レバノンとの国境に近い戦略上の要衝・シャバ農場がイスラエルに占領されたままだとして、「撤退は完了していない」との立場を堅持してきた。
 イスラエル軍と戦闘を続けてきたイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」幹部は依然、シャバ農場撤退まで戦闘を継続するとしているものの、シリアの方針転換を受け、レバノン情勢は名実ともに「戦闘終結」に向け弾みが付くものとみられる。
 ダマスカスからの報道によると、ラーセン特別調整官は31日、イスラエル軍のレバノン撤退問題についてシャラ外相と会談後、「シリアは現在までの撤退ラインを確認した国連報告を完全受諾すると伝えてきた」と述べた。また、シリアが南レバノンへの国連レバノン暫定軍(UNIFIL)展開を支持したのかとの質問には「我々が行っている作業に対し、完全な支持を得た」と語り、国連安保理への報告を目指した検証作業が数日中にも終了、展開に見通しが付いたことを示唆した。[2000-06-01-10:30] 295
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 06/01@国境農場からの撤退要求 シリア外相が声明(共同通信)

 【カイロ31日共同】シリアのシャラ外相は三十一日、国連のラーセン中東和平特別調整官との会談後に国営シリア通信を通じて声明を発表し、レバノン・シリア国境の「シェバー農場」からのイスラエル軍撤退を求める立場をあらためて強調した。
 ラーセン調整官はこれより先、レバノン南部からのイスラエル軍撤退完了の確認に際し、同農場の引き渡しは必要ないとの国連報告をシリアが確認したと記者団に語っていた。声明はこれを否定するもので、レバノンに強い影響力を持つシリアが撤退完了の確認に同意しない場合、国境地帯でなお緊迫した事態が続くことになりそうだ。
 シャラ外相は声明で「イスラエルはシェバー農場をレバノンに返還するか、ゴラン高原からの撤退を求める国連決議に従って撤退するかのどちらかしかない」と主張している。
 イスラエルは一九六七年にシリアのゴラン高原に侵攻した際に同農場も占領したと主張、レバノン、シリアは同農場がレバノン領だと反論している。(了)[2000-06-01-09:34] 298
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 06/01@6月中に白人の土地収用へ 法改正のジンバブエ(共同通信)

 【ハラレ1日共同】ジンバブエの政府当局者は三十一日、白人農園主の土地を補償なしで収用することを可能にした土地法改正後、初の黒人による土地取得が六月末までに実施される見通しであることを明らかにした。国営ジンバブエ放送が伝えた。
 従来、再配分対象の土地は、小区画に分割し道路などのインフラを整えた上で黒人に分配されたが、今回はこれらの作業が行われる前の移住を認めるという。ジンバブエでは六月二十四、二十五日両日に総選挙が予定されている。
 政府は、収用の対象となる土地を六月二日の官報に掲載する予定。
 議会は四月、白人農園主の土地を収用した場合の補償費用は旧宗主国の英国が負担するとの憲法改正案を可決、五月二十三日の土地法改正につながった。
 英国が土地再配分の支援を凍結する中で、南アフリカは五月三十日、サウジアラビアなどが補償費用を援助するとの見通しを明らかにした。(了)[2000-06-01-09:30] 308
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 06/01@◇フィリピン政府がMILFとの和平交渉で「自治権」提案◇(朝日新聞)

 フィリピン南部のミンダナオ島コタバト市で31日、国内最大の反政府組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」と比政府による和平交渉が行われ、政府側が「自治権付与」を提案した。MILFのハシム・サラマット議長は、これまで「自治権ではなく、あくまでもイスラム教国家独立を求める」と話しており、政府側の提案にどう返答するかが注目される。
 関係者によると、政府側交渉団はMILF側が6月末までに合意すれば、議会でミンダナオ島のイスラム教徒に関する基本法を修正し、11月に住民投票を行ったうえで、来年5月の中間選挙に合わせて自治区の首長を決めるなどの日程を組みたい、としている。
 MILFは、1996年に政府と和平合意したモロ民族解放戦線(MNLF)から分裂して結成された。合意の際、約束されたMNLF兵士の雇用や経済基盤の整備がいまだに進んでおらず、サラマット議長は「安易な妥協をしたMNLFと同じ道は歩まない」としているが、MILF幹部の中には「自治権も選択の1つ」という声もある。[2000-06-01-01:24]
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 06/02@<米大統領>欧州に貢献とシャルルマーニュ賞受賞=替(毎日新聞)

 【アーヘン(ドイツ)2日布施広】ドイツ訪問中のクリントン米大統領は2日、アーヘンを訪れ、欧州の統合や世界平和に貢献した人に贈られるシャルルマーニュ(カール大帝)賞を受賞した。受賞記念演説で大統領は、米国と欧州の今後の課題として対露関係を挙げ、「ロシアの民主的な自由が続くかどうか、まだ分からない」と指摘、プーチン体制のロシアの将来を慎重に見守る姿勢を示した。
 また、もう一つの課題として経済発展と民主化によるバルカン地域の安定(非バルカン化)を挙げ、ミロシェビッチ体制のユーゴスラビアの民主的変革を図る必要性を強調。欧州と米国の安全は切り離せないとして、欧州に脅威が生じた場合は、米国も武力その他で対応する方針を確認した。
 1949年に創設された同賞は、過去にブレア英首相、コール前独首相、ミッテラン前仏大統領らが受賞しており、米国人の受賞者はマーシャル、キッシンジャー両元国務長官に続いて3人目。
 クリントン大統領に先立って演説したシュレーダー独首相は、米国の功績としてボスニア紛争やコソボ紛争収拾への関与、北大西洋条約機構(NATO)拡大などを挙げ、クリントン大統領に「あなたは(多大な貢献によって)欧州人になった」と称賛した。[2000-06-02-22:21] 13
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 06/02@<セルビア>政府が首都の庶民の足に当たるバス会社を接収(毎日新聞)

 【ウィーン2日福井聡】2週間前に野党系テレビ局を接収したセルビア政府は1日、今度は首都ベオグラードの庶民の足に当たるバス会社を接収した。
 ミロシェビッチ大統領が党首を務めるユーゴ社会党幹部は1日、「政府はベオグラード市によって運営困難となっている首都交通会社(GSP)の接収を決めた」と発表した。議会は野党が多数派を占め、GSPの経営権もこれまで野党側にあった。野党側は「政府から何も正式文書を受け取っておらず、党幹部が接収を決めるのは違法だ」と反発している。
 ベオグラード市内のバス会社各社は2日前からバス料金値上げを要求して一斉ストに入り、市民の通勤などは混乱が続いていた。[2000-06-02-20:16] 14
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 06/02@米大統領にカール大帝賞 バルカン安定化貢献で(共同通信)

 【ベルリン2日共同】ドイツ訪問中のクリントン米大統領は二日、欧州統合などに貢献した政治家らに贈られる国際カール大帝賞を受賞、フランク王国の古都であるドイツ西部アーヘンでの授賞式に出席し、欧州をテーマとした外交演説を行う。
 大統領の受賞理由はバルカン半島安定化への貢献。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争解決への努力、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆などでの指導力が評価された。
 国際カール大帝賞は一九四九年にアーヘン市が創設し、これまでにチャーチル元英首相、ミッテラン前フランス大統領、コール前ドイツ首相、ハベル・チェコ大統領ら三十九人が受賞している。米国人ではキッシンジャー元米国務長官らに次いで三人目。米大統領としては初めて。
 授賞式後、大統領はベルリンに戻り、ドイツのシュレーダー首相が主宰し、ムベキ南アフリカ大統領ら十四カ国首脳が集う「中道左派サミット」に出席。資本主義でも社会主義でもない「第三の道」をテーマとした協議を行う。(了)[2000-06-02-17:09] 126
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 06/02@◇インドネシア・アチェ和平合意が発効◇(朝日新聞)

 インドネシアからの独立を唱えるアチェ特別州のゲリラ組織「自由アチェ運動」と同国政府がジュネーブで調印した和平合意が2日発効し、双方の代表は同日、州都バンダアチェで3カ月間の停戦順守をうたった共同声明を発表した。和平合意に盛り込まれた人道支援と治安維持のための両委員会も先月31日に発足し、紛争の平和的解決に向かって動き出した。
 しかし、アチェでは戦闘やテロが続いており、和平合意に調印した先月12日以降も20人以上が死亡した。1日には、マレーシアを拠点とするゲリラの反主流派幹部がクアラルンプール市内のレストランで射殺された。
 和平合意が新たな戦闘の引き金になるのではないかと恐れる住民も多く、北部のピディ県では新たに数千人が村を去り、避難民になったという。[2000-06-02-20:08] 136
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 06/02@<米露会談>ABM制限条約修正巡り駆け引き活発化(毎日新聞)

 【ベルリン2日布施広】ドイツを訪問中のクリントン米大統領は3日からロシアを訪問、プーチン大統領との初会談で、軍備管理問題を焦点に討議する。バーガー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は1日、米本土ミサイル防衛(NMD)配備の前提となる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約修正について、同条約は「石に書かれた(モーゼの)十戒ではない」と述べ、修正を拒むロシアを間接的に批判した。一方、プーチン大統領は米テレビとの会見で、ミサイルの脅威に対抗する共同防衛構想を提言するなど、米露の駆け引きが活発化している。
 クリントン大統領は3日夕(日本時間同日夜)モスクワに到着、同日の夕食会と4日の会談でプーチン大統領と意見交換する。対露経済協力や地域情勢も大きなテーマだが、NMDとABM制限条約の修正に関する討議が、今後の米露関係を左右しそうだ。
 NMD配備について、米独首脳会談後の1日夜、ベルリンで記者会見したバーガー補佐官は、米国が配備を検討するのは「極めて限定的な(迎撃)システム」であり、ロシアの核抑止力や中国の長距離ミサイルを無力化するものではないと強調。NMDは「サダム・フセイン(イラク大統領)や北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対抗するものだ」と理解を求めた。
 さらに、1972年に結ばれたABM制限条約は「将来の改定を想定したもので、現に74年に改定されている」と指摘、条約成立当初は各2カ所だった迎撃システム設置が、74年の議定書で各1カ所に減らされた経緯を説明した。バーガー補佐官は「条約は十戒のようなものではない」と述べ、国際情勢の変化によって修正されるのは当然との見方を示した。
 条約修正に関して、米国は「低姿勢」の対露交渉を続けてきたが、先月31日にはクリントン大統領が、米国に対する「(ミサイル攻撃の)新たな脅威」の存在を明確に認めるなど、このところ強気の姿勢が目立つ。これに対しプーチン大統領は、エリツィン前大統領がミサイル防衛に関して提唱した「共同監視システム」を発展させたものとみられる「共同防衛構想」を提唱、米国をけん制している。
 今回の首脳会談で、国際政治における「米露協調」が確認されるのは確実とみられているが、軍備管理面では、第2次戦略兵器削減条約(START2)に続く第3次交渉(START3)の保有核弾頭数の目標設定でも対立、この分野での米露合意は極めて難しい情勢だ。[2000-06-02-19:00] 138
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 06/02@<米露首脳会談>最大の焦点はABM制限条約の見直し問題(毎日新聞)

 3日からモスクワで行われる米露首脳会談の最大の焦点は、米本土ミサイル防衛(NMD)構想に関連する弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直し問題とされる。そこでこの問題を中心に米側、ロシア側の主張や会談の見通しをまとめてみた。
 NMD構想は、敵の弾道ミサイルを発射直後から早期警戒レーダーで探知、迎撃ミサイルを発射し破壊するシステムだ。1998年の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のテポドン1号発射実験を契機に米国内で配備論が強まった。クリントン大統領は今秋までに配備するかどうか決定する段取りになっている。
 米側の構想によると、アラスカ州とノースダコタ州の2カ所に迎撃ミサイル200基を配備する。ところが、米露が締結したABM制限条約では、双方とも迎撃基地は1カ所と取り決めており、米側としてはロシア側との追加交渉が必要となっている。
 同条約修正に関する米提案は、迎撃ミサイルの「2段階配備」が骨子だ。現行条約の範囲内で、まず1カ所の迎撃基地を建設し「半径150キロを超えない地域に100基未満の迎撃ミサイル」を配備する。2カ所目の迎撃基地建設が必要と判断したら「2001年3月以降」に追加交渉を始めようというものだ。
 クリントン大統領は来年1月に任期を終えるため、難しい追加交渉は新政権の課題となる。本格的なNMDの建設を先送りする一方、大統領が配備に原則ゴーサインを出せるようにしたのが、米提案のミソだ。
 米国がロシアに提示したとされる条約修正草案によると、約200基のミサイルを配備すれば、米国に飛来する「40〜50」の弾頭を破壊できると指摘。北朝鮮や中東など「比較的限定された方向からの攻撃」に対応できるとしている。
 ロシアが対米攻撃に踏み切った場合、飛来する弾頭は40や50ではきかない。またNMDの迎撃システムは、移動可能な潜水艦発射の長距離ミサイルを迎撃対象としないため、ロシアの大規模な核戦力はNMDの影響を受けない、というのが米政府の見解だ。
 NMD配備問題は米大統領選の争点になりつつあり、クリントン大統領が配備を断念すれば、民主党のマイナス要素になりかねない。NMDを配備すれば2015年までに約600億ドルかかるとの試算(米議会予算局)もあるだけに、クリントン大統領は重要な政治的決断を迫られている。【ベルリン・布施 広】
 ABM制限条約の見直し問題で、ロシア側は「絶対に認めない」というのが公式見解だ。
 米国全体を守るような迎撃ミサイル体制が設置されれば、米国の核優位体制が完成し、「米露軍縮・軍備管理体制の信頼が根底から崩れる」(イワノフ外相)とみているからだ。
 そこでロシア側は、現在のミサイル防衛システムでは防御が不可能とされる大型ミサイル「トーポリM」の近代化および配備、さらに米露の戦略兵器削減条約で禁止されている多核弾頭の開発・整備をちらつかせる。
 その一方で、プーチン新大統領は国家権力の強化を第一に掲げており、米国とは無用な対立をしたくはないというのが本音だ。
 このため、「ミサイル防衛の話し合いには応じる」(イワノフ外相)としている。特に、97年の米露外相会談で取り交わされた「ABM制限条約に違反しない戦域ミサイルの性能上限規定」に関する合意を拡大する「非戦略ミサイル防衛システム」の合意を主張している。
 米国はこの提案には答えていないが、戦略核の削減から米国の核の「第1撃能力」を低下させるような第3次戦略兵器削減条約(START3)を承認する一方で、ABM制限条約見直しを認めさせる「グランド・バーゲン」(大取引)を狙っているともいわれる。
 もっとも、今回の会談で大きな合意が達成されると見る向きは少ない。双方は会談失敗の印象を避けるため、何らかの中間的合意を発表し、時間稼ぎをするのではないかとの観測がもっぱらだ。【モスクワ・石郷岡 建】[2000-06-02-18:10] 143
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 06/02@外国での裁判案に国民反発 シエラレオネ反政府議長(共同通信)

 【ナイロビ2日共同】シエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)のサンコー議長を、国内の治安問題から外国で裁く案が浮上、シエラレオネ国民の猛反発を浴びている。
 この問題が表面化したのは、先に行われた西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)首脳会議で「サンコー議長をシエラレオネ国外で拘置し安全を保証する」との文言が声明に盛り込まれたため。怒ったシエラレオネのカバー大統領は声明に署名しなかった。
 予想外の反応に、ECOWASは謝罪し、「議長の安全はシエラレオネが保障するべきだ」との修正見解を出したが、実際シエラレオネで裁判を行うには多くの問題が指摘されている。
 議長は「国内の安全な場所」で拘束されているが、地元紙が「国内に安全な場所などない」とこぞって書くほどで、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)が撤退した後の警備は最大の課題だ。
 また、大統領府報道官も「公平な陪審が期待できるのか、訴追は議長だけかなど、検討すべきことは多い」と話している。
 議長は、ダイヤモンドの違法取引と抗議デモの市民に発砲を命じ死傷させた罪などに問われるとみられるが、近く訴追される場合、戦闘状態の中で証拠集めや証人確保ができるのかとの疑問も強い。(了)[2000-06-02-16:47] 156
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 06/02@ミサイル防衛で共通の傘 ロシア大統領が米に提案へ (共同通信)

 【ワシントン1日共同=杉田弘毅】ロシアのプーチン大統領は一日、米NBCテレビのインタビューで、三日から予定される米ロ首脳会談で焦点となる米本土ミサイル防衛(NMD)に関し、米国、ロシア、欧州などが朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などのミサイルの脅威に共に対抗する共同ミサイル防衛メカニズムの構築を提案すると語った。
 プーチン大統領は「メカニズム」について詳しく説明しなかったが、衛星や地上配備のレーダーを駆使する早期警戒を中心とした各国協力のシステムとみられる。米本土を独自に守ろうとする米国が、提案を受けNMD配備を断念する公算は小さいが、提案に国際的な支持が集まる可能性がある。
 大統領はインタビューで「協調した努力でミサイルの脅威を共有し、米国、ロシア、欧州全体を守るメカニズムの構築が可能となる」と述べ、首脳会談で協議したいと述べた。大統領は防衛対象に「米国の同盟国」も入ると述べ、日本も含まれているとみられる。
 クリントン大統領はロシアへのミサイル防衛技術の一部供与の意向を示し、米ロ両国はミサイル合同早期警戒センターの設置で合意する見通しで、ミサイル防衛をめぐる協力態勢は徐々にできつつある。
 米国は長距離ミサイルを発射する可能性のある「ならず者国家」として北朝鮮のほか、イラン、イラクを挙げ、日米だけでなくロシア、欧州もミサイル防衛を配備すべきだと提唱してきた。
 しかし米国のNMD配備推進、ロシアの反対姿勢が急激に変更するとは予想できず、早期警戒情報の共有などメカニズム構築とは別に、NMDをめぐる基本的対立は続くとみられる。(了)[2000-06-02-13:03] 163
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 06/02@◇独首相、米国のNMD構想に懸念表明◇(朝日新聞)

 欧州を訪問中のクリントン米大統領は1日、ベルリン入りし、シュレーダー独首相と会談した。大統領は、米ロ関係の最大の懸案となっている米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想について、首相に説明したが、首相は、この計画がロシアとの間で「新たな軍拡競争の引き金」を引く恐れがあるのではないか、との「懸念」を伝えた。大統領は、「ミサイル防衛の配備を決めた場合は、既存の軍備管理体制を守りながら進めたい」と強調し、「欧州の安全保障に与える影響にも配慮する」と伝えたが、溝は埋まらなかった。
 大統領は3、4日の両日、モスクワでプーチン・ロシア大統領と会談し、ミサイル防衛構想やそれに伴う弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直し問題を話し合うが、先にポルトガルで会談した欧州連合(EU)首脳に続き、シュレーダー氏の理解も得られなかったことは、苦しい展開となった。
 会談後、バーガー米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、記者団に対し、「我々はミサイルの脅威から逃れることはできない。どうしたら、欧州諸国を安心させることができるか、という懸念材料はあるが、最終的には、米国の国家としての安全保障の観点から(導入するかどうかを)決めなければならない」と語った。
 バーガー氏は、「ミサイル防衛構想が標的として念頭に置いているのは、サダム・フセイン(イラク大統領)政権や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの長距離ミサイルであり、ロシアや中国の戦略核の抑止力を無力にする性格ではない」と強調した。
 米独両首脳はまた、ロシア情勢についても突っ込んだ協議を行い、「プーチン政権のロシアとの安定したパートナーシップ」を築くため、「ロシアの政治、経済的な安定を支え、プーチン大統領が仕事をやりやすくすることが重要だ」との認識で一致した。
 これに関連して、バーガー氏は「プーチン氏がロシア経済の近代化に努力しているのは明らかだ。障害は大きいが、もし、成功すれば、ロシアでこの10年間に起きている劇的な変化の果実を国民に直接、還元することができ、民主化も軌道に乗るだろう」と語った。[2000-06-02-12:02] 181
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 06/02@日本がポリオ根絶に30億円 国連児童基金(共同通信)

 【ニューヨーク1日共同】国連児童基金(ユニセフ)は一日、ポリオ根絶計画に対し日本政府から二千八百六十万ドル(約三十億九千万円)の拠出があったと発表した。
 今回の供与は、特にポリオによる子どもの被害が大きいインド、バングラデシュ、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、スーダンでの支援に向けられる。
 ベラミー事務局長は「ポリオの災いを終わりにしたいという世界の国々の決意の表れ」と評価した。
 ユニセフは天然痘の撲滅成功を受け、世界保健機関(WHO)などと協力し、二○○五年を目標にポリオの根絶へ努力しており、一九九九年には患者は七千人にまで減った。インドなど三十カ国を重点対象としている。(了)[2000-06-02-09:32]
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 06/03@◎NATOによる「戦争犯罪」、調査せず=ユーゴ空爆で国際(時事通信)

 【ニューヨーク2日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争での戦争犯罪を調べている旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)のデルポンテ首席検事は2日、国連安保理の公開協議に出席し、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆が戦争犯罪に当たるとの主張について、調査を開始するだけの「根拠はない」と言明した。[時事通信社][2000-06-03-06:32] 10 [このページの最初に戻る]


 06/03@◇米大統領が欧州政策の総括演説◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は2日、ドイツのアーヘンで、これまでの欧州政策を総括する演説をし、拡大を続ける北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)はロシアに門戸を閉ざさない、と強調するとともに、ロシアが将来、こうした機構には加わらない道を選んだとしても、拡大NATO・EUとロシアとは経済や安全保障の結びつきを強めなければならない、と指摘した。また、「欧州の安全が脅かされれば、ボスニアやコソボの時のように、米国は行動を起こす」と述べた。
 大統領は、「ロシアとバルカン諸国を欧州に完全に統合することは、未完の2大課題だ」と指摘した。また、「ロシアが勝ち取った民主的な自由が将来も持ちこたえるかは、まだわからない」と述べた。
 バルカン情勢では、「独自の軍や国旗を認めることで、民族共存を強制することはできない」と述べ、「欧米が協力して取り組んでいる南東欧州の安定化計画を通じて、バルカン半島に様々な民族を引きつける『磁力』をつくらなければならない」と訴えた。
 大統領は「米国とのきずなを深めつつ、コソボのような危機に対応できる欧州独自の力や責任を強めることは両立する」と強調した。
 この日、欧州統合に貢献した人物のためのカール大帝賞を受けた大統領は「『欧州』が歴史や価値で結びついたひとつの思想である以上、米国も欧州の一部だ」と語った。[2000-06-03-00:23] 8
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 06/03@インドネシア・イリアンジャヤ州、即時独立を決定(読売新聞)

 【ジャヤプラ(インドネシア)3日=滝北岳】独立問題に揺れるインドネシア東端のイリアンジャヤ州(ニューギニア島西部)の州都ジャヤプラで開かれている「西パプア住民代表会議」(約三千人で構成)の政治委員会は三日、インドネシアからの即時分離・独立を宣言することを全会一致で決めた。四日に独立を宣言する声明を発表、採択する見通し。
 インドネシア政府は同会議を対話による問題解決の場と位置づけており、予想外の展開に強く反発することは確実で、同州の情勢が緊迫化する恐れもある。
 同会議政治委員会がまとめた報告書によると、▽西パプア(イリアンジャヤ州)はすでに一九六一年の時点で独立を達成している▽六九年にインドネシア帰属を決定した住民投票は無効▽独立の決定は即日(三日)有効になる、などの内容。
 独立のための手続きとして、独立派指導者テイス・エルアイ氏を議長とする幹部評議会を設置。八月までにインドネシア併合にかかわったインドネシア、米国、オランダ、国連と「外交交渉」を開始、今年十二月一日までに国際的な認知を得て完全独立を実現するよう求めている。
 同会議は独立派の住民が参加しているが、ワヒド大統領から開催費用の一部を受けるなどインドネシア政府の“準認知”を受け、先月二十九日から住民代表が参加して協議を続けている。
 インドネシアでは昨年八月、東ティモール州が住民投票の結果、独立を選択。現在、国連暫定統治機構(UNTAET)の下で来年十月の独立に向けて準備が進められている。スマトラ島のアチェ特別自治州は、ワヒド政権との間で調印した停戦覚書が二日に発効したが、住民は独立を目指す姿勢を変えていない。そのほか豊富な天然資源に恵まれているリアウ州や東カリマンタン州でも独立運動がくすぶっている。
  ◇
 ◆イリアンジャヤ州◆
 島としての面積が世界第二のニューギニア島の西半分を占めるインドネシア最大の州。約四十万平方キロと日本よりやや広い地域に、約二百万人が住み、大半がキリスト教徒。同国全体の人口は約二億人で九割がイスラム教徒。
 オランダが十七世紀ごろに進出して植民地支配した。第二次大戦後のインドネシア独立の際、唯一オランダの植民地として残ったが、同地域の帰属を巡って両国間の対立は激化、六二年に武力衝突に発展。国連や米の調停で同八月、「施政権をインドネシアに移し住民投票で帰属を決める」との協定が調印された。
 六九年七〜八月、国連監視団立ち会いの下で、九県の代表の意思を問う形で「住民投票」が行われ、インドネシア帰属が決まった。しかし、自由パプア運動(OPM)などが抵抗運動を続け、スハルト政権(当時)は武力弾圧で臨み、過去、数万人が死亡したと言われる。同地域は金や原油など鉱物資源が豊富だが、交通の問題などで開発が十分進んでいない。国境を接するパプアニューギニアはオーストラリアの支配下から七五年に独立した。[2000-06-03-20:06] 9
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 06/03@<インドネシア>パプア住民会議が西パプア独立方針一方的に(毎日新聞)

 【ジャヤプラ(インドネシア)3日中坪央暁】インドネシアからの分離・独立を目指すイリアンジャヤ州(西パプア)の州都ジャヤプラで開かれていた「パプア住民会議」は3日、「パプア独立」方針を一方的に宣言した。「国連などとの対話を経て今年12月に正式に独立する」としているが、政府は会議の正当性を認めておらず、緊張が高まることが予想される。
 独立指導者のテイス・エルアイ氏は「パプアがインドネシアに併合された歴史的経緯を我々は認めない。我々はもはやインドネシアの枠の中にはいない」と演説し、5000人の住民の熱狂的な拍手に包まれた。
 会議では、(1)国名はパプアとする(2)8月までに国連、インドネシア、オランダ、米国との協議を行う(3)オランダ統治時代の1961年に独立宣言したのと同じ12月1日に、正式に独立する――などを、住民代表の全員一致で決議した。
 ワヒド大統領は当初、住民会議を容認する姿勢を見せていたが、先月29日の会議開幕後は態度を硬化。政府は「住民が様々な立場で話し合うはずが、実際には独立派だけの会議になったうえ、外国人が参加して独立支援を表明するなど極めて不適当だ。独立要求は住民の総意とは言えず、会議自体の正当性を認めない」との見解を示し、パプア側を非難している。[2000-06-03-19:48] 13
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 06/03@<米露首脳会談>露大統領のミサイル防衛構想、米は冷淡(毎日新聞)

 【モスクワ3日石郷岡建】クリントン米大統領は3日夜、モスクワ入りし、プーチン・ロシア大統領との初の首脳会談を開始するが、これに先立ちプーチン大統領が米NBCテレビとの会見で提言した米露共同のミサイル防衛構想が大きな波紋を広げている。プーチン大統領がこの新構想を首脳会談で提示するかどうかは不明だが、米露関係を一変させかねない内容を秘めている。
 プーチン大統領は米国が進める米本土ミサイル防衛(NMD)の代わりに、米露共同のミサイル防衛システムの開発・配備を提案した。米国への脅威となる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイラン、イラクなどがロシア国境沿いに位置することから、これらの国が発射する長距離ミサイルをロシアが撃ち落とすという構想だ。
 この提案は中距離以下の戦域ミサイル防衛システムを基礎に米露共同の防衛網が展開できるとの立場に立っており、長距離戦略ミサイルを対象にした弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しは必要なく、米露の軍備管理体制は従来通り維持できるとも主張している。
 米国はミサイル防衛システムがロシア以外の国からの不意の攻撃を防ぐためと説明している。プーチン大統領は、ロシアを仮想敵国と想定していないなら一緒にミサイル防衛を考えようとの論理を展開したことになる。米国とロシアが、パートナーか敵か、どのような関係を構築するのかがあいまいな現状を、改めて問う形にもなっている。
 この新提案の実現性については疑問の声が多い。打ち上げ直後のミサイルを撃墜するのは技術的により困難で、財政負担も大きいとされる。現在、モスクワ周辺だけに配備されているミサイル防衛網を長大なロシア国境沿いに展開するとなると、多数の迎撃ミサイルが必要になる。また、米露共同のミサイル防衛は中国や欧州各国の反発を招きかねない。
 ただ、プーチン提案は米露2国による核支配体制が崩壊途上にある現実を突いたもので、クリントン大統領は回答が難しい問題を突きつけられたと言える。
 【ベルリン3日布施広】プーチン・ロシア大統領が提案した米露共同ミサイル防衛構想に対し、クリントン大統領に随行している米当局者は冷淡な反応を示している。米国が目指すのはあくまで米単独の防衛システムであり、共同防衛構想に転じるのは、事実上、米本土ミサイル防衛(NMD)構想の白紙化を意味するからだ。
 NMDの配備を警戒するロシアでは、エリツィン前大統領が主要国による共同監視体制の構築を提案していた。プーチン大統領の提案はこれを一歩進めたものだが、米単独の開発をけん制するためにロシア側が「国際化」の概念を持ち出すのは、米側にとって目新しいものではない。
 巨費を投じて迎撃実験を続けてきた米国にとって、今の課題はNMDを「実際に配備するか否か」であり、多国間協力に向けて構想を見直す余地はほとんどない。しかも、NMD配備問題が、11月の米大統領選にらみで政治問題化している中、クリントン大統領がロシア提案に歩み寄るのは、事実上不可能だ。[2000-06-03-19:31] 20
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 06/03@中道左派サミットが開幕 14カ国首脳が参加(共同通信)

 【ベルリン3日共同】ドイツのシュレーダー首相やクリントン米大統領ら、世界十四カ国の中道左派政権首脳が新時代の政治の在り方を話し合う「二十一世紀に向けた進歩的統治のための国際会議」(中道左派サミット)が二日、ベルリンで開幕し、三日、実質的な討論を行った。
 サミットは、ブレア英首相の「第三の道」やシュレーダー首相の「新中道」など、資本主義と社会主義の融合を目指す新たな革新政治の具体化策について意見交換するのが目的。
 協議では@市民社会と政治の役割Aニューエコノミーとデジタル革命の中の先進国と新興国―などを主要議題とし、情報技術(IT)革命によってインフレなき景気拡大をもたらすニューエコノミーの恩恵をすべての人に行き渡らせるための対策などについて活発に議論した。
 クリントン大統領は、米国の好況を背景にIT革命を積極的に評価する一方、シュレーダー首相は社会的公平が重要との立場を強調するなど、出席者の間には微妙な意見の隔たりがあり、政治と経済の関係について共通の認識が得られるかどうかが焦点。
 今回の会議は昨年十一月にイタリアのフィレンツェで開かれた中道左派サミットの第二弾だが、主役の一人であるブレア首相は、育児を理由に今回は欠席した。
 参加国はドイツ、米国、フランス、イタリア、オランダ、ポルトガル、ギリシャ、スウェーデン、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、チリ、ニュージーランド、南アフリカ。(了)[2000-06-03-18:57] 28
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 06/03@「家族」概念めぐる攻防 バチカンはイスラムと連携(共同通信)

 【ニューヨーク3日共同】五日から始まる国連特別総会女性2000年会議では、家族や性をめぐる伝統的価値観の守護者として君臨するローマ法王庁がイスラム諸国と連携、先進国の非政府組織(NGO)などが主張する新たな家族概念の認知阻止に全力を挙げる構えだ。
 今回会議で最大の争点の一つとなる「セクシュアル・ライツ」は、人工妊娠中絶や同性愛を女性の「権利」として認めることを目指す。「法王庁としては絶対に許せない概念」(西側交渉筋)だ。
 一方で、米国や西欧諸国、日本などでは「新たな家族概念」に該当する女性の人権をどのように確保するかが緊急課題になっている。先進各国のNGOによる各国政府への圧力は、こうした現実を反映したものといえる。
 危機感を抱いた法王庁は、アルジェリアやスーダンなど「伝統的な家族」観を支持するイスラム圏との共闘を模索している。
 現に、開会中の準備委員会では、イスラム諸国から「(一九九五年の世界女性会議で採択された)北京行動綱領をそのまま書き写せばいい」といった現状維持の意見が繰り返し出されており、本会議開幕後にこうした主張が一層強まることが予想される。(了)[2000-06-03-17:04] 34
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 06/03@ジンバブエ選挙戦が本格化 一党支配の行方が焦点(共同通信)

 【ハラレ3日共同】黒人住民による白人農園の占拠が続くジンバブエは三日、総選挙立候補の受付最終日を迎えた。二十四、二十五両日の投票に向け今後、選挙戦が本格化する。
 農園占拠を支援してきたムガベ大統領の与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟(ZANU)による一党支配体制が、これまで通り維持されるかどうかが選挙の最大の焦点。
 有力労働団体を母体に初の本格的野党勢力として昨年結成された民主変革運動(MDC)が、ムガベ政権下での極度の経済低迷を背景に支持を拡大。ツァンギライMDC議長は「四十歳代以下の国民の六○%はMDCを支持している」と過半数確保に自信を示している。
 一方、政権側は、富裕な白人に反感を持つ一部黒人市民の支持を取り込もうとする戦略で、農園占拠を放置し約八百の土地収用対象地を二日に発表するなど白人の農地再配分に向けた手続きを着々と進めている。
 ZANUの広報担当を務めるチムテングウェンデ情報・通信相は「野党が獲得するのは十―二十議席」と予想する。
 同国議会の百五十議席中、民族の代表ら三十議席は大統領が指名、選挙では残る百二十議席を争う。前回選挙では与党が百二十議席中百十八議席を獲得した。(了)[2000-06-03-16:13] 51
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 06/03@敵近くに迎撃基地配備 ロシア提案はTMD活用(共同通信)

 【ワシントン3日共同】ロシアのプーチン大統領が明らかにした米ロ共同のミサイル防衛提案について、米紙ニューヨーク・タイムズは三日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの近隣に迎撃ミサイル基地を米ロ共同で配備し、発射されたミサイルが上昇段階にあるうちに撃ち落とす構想とみられると報じた。
 ロシアは、米国内に迎撃ミサイル基地をつくる現在の米本土ミサイル防衛(NMD)構想がロシアの対米抑止戦力を無力化する懸念があるため、「敵国」近くに迎撃ミサイル基地をつくる戦域ミサイル防衛(TMD)型の案を既に米国に打診。米ロ首脳会談で正式に提案するという。
 米国防総省当局者は「北朝鮮のミサイルには日本近海の配備で対抗できるが、イラン、イラク周辺には配備できない」と指摘。米政府は発射直後のミサイル撃墜技術の難しさや、現在計画している二○○五年の配備開始に間に合わないとして「受諾は困難」との立場だ。
 だが、NMDが米国だけを傘で守るのに対して、「ならず者国家」の上空を封じることで世界を広く傘で守るプーチン提案は、NMDに懸念を示す欧州や中国の理解も得やすいとみられ、今後の米ロ交渉のたたき台となる可能性がある。
 米国でも一部の米軍備管理専門家やドイッチ前中央情報局(CIA)長官が、米ロ中の軍拡レースを回避できる可能性が大きいとして、最近同様の案に対して支持を表明した。(了)[2000-06-03-13:02] 81
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 06/03@◇ミサイル防衛でロシアが米に発射直後の迎撃方式を提案か◇(朝日新聞)

 ロイター通信は2日、クレムリン筋の情報として、プーチン・ロシア大統領が「米国と共同で開発する用意がある」と表明したミサイル防衛システムについて、発射直後で上昇中の段階で迎撃する方式である、と伝えた。同筋によると、プーチン大統領は3日からの米ロ首脳会談でこの方式をクリントン大統領に提案するという。
 発射直後の弾道ミサイルはまだ低速で、弾頭の放出前でもあるため目標が大きく撃墜しやすい。長射程の弾道ミサイルでも低速の段階なら迎撃ミサイルは高速度の必要はなく、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約のもとでも配備が可能な戦域ミサイル防衛(TMD)用の低速度ミサイルによる対応にも道が開ける。
 米国の本土ミサイル防衛(NMD)開発に伴うABM制限条約の修正を、ロシアは戦略的な不安定と核軍拡を招くとして反対してきた。発射直後の段階での迎撃なら米国のいう「ならず者国家」の弾道ミサイルにも、ABM制限条約を修正しないで共同で防衛システムを開発することも可能だ、と説得できるわけだ。
 この方式は相手国の近くに迎撃ミサイルを配備することが必要だ。クレムリン筋は、米国がロシアと共同で開発すれば、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)など米国が脅威視する国に近接するロシア領にも配備は可能、としているという。
 だが、米国には発射直後の段階での迎撃について、上空で迎撃する開発中の方式より費用がかかり、実際には技術面などで困難も多いとの見方も強い。また、極東で米国が主導するTMD開発にロシアが積極的に関与すれば、中国や北朝鮮との関係にあつれきが高まるのは必至だ。このため首脳会談でプーチン大統領が提案しても、ただちにABM問題の解決に結びつくかどうかは極めて微妙だ。[2000-06-03-10:47] 83
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 06/03@◇ジンバブエ政府が土地再配分対象の804農場を公表◇(朝日新聞)

 ジンバブエからの報道によると、同国政府は2日付の国営ヘラルド紙を通じ、土地のない黒人に再配分するために接収する農場804カ所を公表した。今月中に強制的に買い上げ、再配分するという。
 白人農場主でつくる商業農場主連盟(CFU)は「官報に記載されるまでは法的な実行力を伴わない」とロイター通信にコメントした。その一方で、今回公表された農場が、1998年時点で再配分対象とされていた841カ所とほとんど変わらないことを認めた。
 同国政府は、土地自体への補償なしに、大統領が農場を収用できるようにする法律を23日、官報に公示したばかり。農場主への支払いは、土地への付加価値に対するもののみになるとされる。ムガベ大統領は、今月24、25の両日に行われる総選挙をにらみ、土地の再配分を急いで得点にしたい考えとみられる。
 ジンバブエでは2月以降、主に白人所有の農場約4500カ所のうち、1000カ所以上が旧軍人に率いられた大統領支持派の黒人に占拠されている。占拠の騒ぎの中で、白人農場主や野党関係者ら30人近くが殺されている。
 一方、南アフリカのムベキ大統領の呼びかけで、サウジアラビア、ノルウェーが土地の再配分にかかる費用の提供を申し出ている。[2000-06-03-10:35] 85
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 06/03@ロシア提案は受諾困難 米の軍備管理専門家(共同通信)

 【ワシントン2日共同】ロシアのプーチン大統領が明らかにした米ロ共同のミサイル防衛提案について、米軍備管理問題の専門家らは二日「米政府は受け入れない」と指摘し、三日からの米ロ首脳会談でミサイル防衛についての合意は難しいと予想した。
 カーネギー国際平和財団のシリンシオーネ核拡散防止部長によると、プーチン提案は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの近隣に迎撃ミサイル基地を米ロ共同で配備し、発射されたミサイルが上昇段階にあるうちに撃ち落とす構想を基本としているという。
 ロシアは、米国内に迎撃ミサイル基地をつくる現在の米本土ミサイル防衛(NMD)構想がロシアの対米抑止戦力を無力化する懸念があるため、これまでも「敵国」近くに迎撃ミサイル基地をつくる案を米国に打診。最近になり米科学者団体やドイッチェ前中央情報局(CIA)長官が支持を表明した。
 しかし米国防総省当局者は「北朝鮮のミサイルには日本近海に海上システムを配備できるが、イラン、イラク周辺には配備基地がない」と指摘。発射直後にミサイルを撃ち落とす技術も極めて難しいと述べた。
 ただこの提案は、NMDをめぐり米ロが対立する弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を修正せずに実施できる利点もある。(了)[2000-06-03-10:29] 73
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 06/03@ローマ移籍のバティがセリエA最高年俸 (共同通信)

 イタリア一部リーグ(セリエA)のフィオレンティナからローマに移籍が決まったアルゼンチン代表のストライカー、バティストゥータの年俸がセリエA最高の百四十八億リラ(約七億八千万円)となる見通しが二日、明らかになった。
 バティストゥータがローマと結んだ契約は三年。これまで高額の年俸を獲得していたのはユベントスのイタリア代表、FWデルピエロが百億リラ(約五億三千万円)、インテル・ミラノのFWビエリが八十億リラ(約四億二千万円)だった。(ロイター=共同)(了)[2000-06-03-11:31]
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 06/04@<米露首脳会談>米国に対抗する力もカネもないロシアのジレ(毎日新聞)

 【モスクワ4日石郷岡建】プーチン・ロシア大統領とクリントン米大統領は4日、クレムリンで初会談し、21世紀に向けた米露関係を探った。エリツィン前政権時代は、ロシアの「改革支援」がキーワードだったが、プーチン政権の登場で、ロシアは社会主義体制へ後戻りがない地点までやってきた。米ロは今後どう付き合うのか。プーチン政権初の首脳会談では、明確な回答が出そうにない。
 会談を前に、米国マスコミを中心に焦点は軍備管理問題との予測が多かった。しかしロシアから見れば、米本土ミサイル防衛(NMD)を核とする軍備管理問題は米国の国内問題で手出しができない。何を言おうと、米国は自らの道を進み、ロシアには阻止する力も金もないのが現実だ。
 それどころか、ロシアの核ミサイルは老朽化から、放っておいても1000基以下に減っていく。レーダー網には穴があき、米ソ冷戦時代を支えた軍事力は崩壊している。核戦力均衡などのスローガンも神話にすぎなくなった。
 その一方で、NMDで自国を守れるという慢心が米国社会に広がれば、覇権政治の始まりで、対ユーゴスラビア空爆(1998年)の再現につながるとの根強い懸念がロシアにはある。軍関係者の大半がNMDの信頼性に疑問を投げかけながらも反対するのは、軍事面よりも、結果としての米国の政治的影響力の強化に不安を持っているからだ。
 「自分さえ守れば、後はどうなっても良い」という身勝手なミサイル防衛の論理の背景には、領内で大規模戦争が展開されたことがない米国社会の想像力の欠如の問題がある。そんな批判や不満がロシアにはくすぶっている。
 プーチン政権の登場とともに、ロシアは大きく変わり始めた。政治、経済が安定し、米国の支援なしに独り立ちしようとしている。プーチン大統領が「共同ミサイル防衛」構想を提示した背景には、米国は何を考えているのか、両国関係を根本的に問いかける疑問があったのだ。
 冷戦終了後、両国は「戦略パートナー」関係の構築を目指したかに見えた。しかし、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大からコソボ、チェチェン紛争など、現実は不透明なままにあることを見せつけた。
 両首脳は軍備管理問題をテーマにしながら、将来の米露関係を垣間見合った。米露新時代に向け、どのような対話をするのか、対話の形式と用語について意見交換に終わりそうだ。[2000-06-04-18:39] 7
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 06/04@<唄の話>自慢さえしなければ(毎日新聞)

 「話しに加わってもいいかな」
 ユーゴスラビア・コソボ自治州の州都プリシュティナのレストランで、アルバニア系助手のブレリムさん(26)と昼食を食べていると、隣のテーブルの男性が声を掛けてきた。
 コソボでは紛争後、続々と商店が開いたが、製造業が一向に増えず、いびつな経済構造になっていると話していたところだった。男性は15年前にコソボから米・シカゴに移住し、貿易商で成功したアルバニア系米国人だった。「確かに店が増えても売るのは輸入品ばかり。小規模製造業を育てるべき時期だ」としきりにうなずく。
 「米国内でのコソボ独立への関心はどうか」と水を向けると、自分が米民主党内でアルバニア系ロビー活動をしていること、米大統領選挙でゴア候補支援活動をしていることなど、セキを切ったように話し始めた。ついには「米国では一市民の私でも大統領に会うことができる。これほど民主的な国は世界のどこにもない」「民主党は積極的に他国に民主主義を説くが共和党はそこが弱い。米国の民主主義はもっと輸出されるべきだ」と自国礼賛を始めた。
 あまりの自慢話に、ついにカチンと来た。
 「あなたの住むシカゴでも、アトランタやボストンでも、麻薬と貧困と銃で荒廃し、普通の人が入れない地区があるではないか。米国ほど貧富の差が大きな国はないのに、どうしてそんなに民主主義に自信を持てるのか」と反論すると、急にトーンが落ちた。「そうだな。その点では北欧諸国や日本の方が優れているな」とボソボソつぶやき、退席して行った。
 「米国は好きだが、自分の国が1番という態度は嫌いだ」。ブレリムさんがウインクで同意を示した。
 食後、車に乗ると、ラジオから、芸能界の冷たさを歌ったイーグルスの「ニューキッド・イン・タウン」が流れてきた。実は私もかつて米国にとりつかれた時期があった。この歌の乾いたイメージは、米国文化を象徴しているようにも思う。「ナンバーワン」と誇りさえしなければ……。愛憎半ばの思いで、イーグルスを聞いていた。【ウィーン・福井 聡】[2000-06-04-00:02]
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 06/05@<露大統領>伊首相と初会談 訪問で経済関係強化を狙う(毎日新聞)

 【ローマ5日田中洋之】ロシアのプーチン大統領は5日、イタリアを訪問する。大統領は先月の正式就任後、初めての西側外遊先になった同国ローマで、アマート首相と会談する。経済建て直しを目指すロシアは欧州連合(EC)との経済関係強化を狙い、ドイツに次ぐ貿易相手国のイタリアを皮切りに対欧州外交を推進するとみられる。
 アマー首相との会談では両国の経済関係、特にイタリアからロシアへの投資拡大に向けた条件整備や軍事技術協力などが話し合われる予定。また外交問題ではクリントン大統領との米露首脳会談でも焦点となった米本土ミサイル防衛(NMD)問題やユーゴスラビア情勢が協議される。
 プーチン大統領はチャンピ大統領と会談するほか、バチカンでローマ法王ヨハネ・パウロ2世とも会談する。
 イタリアは北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆に消極的だったほか、ロシア軍のチェチェン共和国攻撃にも一定の理解を示しており、ロシアはイタリアを窓口としてチェチェン問題などで悪化している欧州諸国との関係改善を図るつもりだ。
 プーチン大統領は6日、ミラノでイタリア経済界代表と会談し、モスクワに帰国する。[2000-06-05-21:06] 3
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 06/05@サミット地域問題、朝鮮半島など10項目固まる(読売新聞)

 七月の沖縄サミット(主要国首脳会議)で取り上げる紛争の発生や拡大が危惧(きぐ)される不安定な地域の課題(地域情勢)が四日、固まった。南北対話や北朝鮮の核・ミサイル問題などの朝鮮半島情勢、パレスチナ独立問題を含む中東和平情勢など十地域の国際情勢を議論する。朝鮮半島情勢のうち、南北対話については、韓国の金大中大統領が先に森首相が訪韓した際に、サミットで取り上げるよう求めたことから、何らかの対話支援メッセージを打ち出す。また、中東和平では、中東和平交渉への支援をG8として強く示す方向となった。
 沖縄サミットで取り上げる地域情勢については、先月三十、三十一の両日に宮崎市で行われた主要八か国(G8)政務局長会合で協議した。
 その結果、朝鮮半島情勢、中東和平、九八年の核実験実施以来緊張関係を高めているインド・パキスタン情勢、西アフリカ・シエラレオネの内戦などアフリカ地域の紛争問題、ユーゴスラビア・コソボ自治州をめぐる紛争以降不安定な情勢が続く南東欧の安定化などを主要な地域情勢として取り上げることが決まった。そのほかにインドネシア、イラン・イラク、コロンビア、キプロス、アフガニスタンの各地域の問題を討議することでも一致した。[2000-06-05-03:03] 4
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 06/05@◇シエラレオネ―瀬戸際に立つPKO◇(朝日新聞)

 アフリカのシエラレオネで、国連の平和維持活動(PKO)が試練に直面している。
 内戦が十年近く続いたシエラレオネでは昨年七月、カバー大統領と反政府勢力のサンコー議長が和平協定を結んだ。国連は停戦監視や武装解除などを目的に平和維持軍(PKF)を派遣した。
 ところが反政府勢力は、彼らの支配地区へ武装解除に向かったPKF要員約五百人を捕らえた。要員はその後解放されたものの、停戦合意は事実上崩れてしまった。
 欧州諸国民の救出のために派遣された英国軍が守る首都は、平穏と伝えられる。だが、英国軍が撤退すれば、住民を巻き込んだ本格的な内戦に突入しかねない。
 国連安全保障理事会は、約一万一千人だったPKFの約二千人増員を決めた。だが、装備が不十分な途上国軍の寄せ集め部隊で対処できるか、疑問が出ている。
 反政府勢力は支配地区で採れるダイヤモンドを資金源に重武装している。兵力も一万人を超す。一般市民や子供の手足を切断するなどの残虐行為でも知られている。
 こんな無法集団を、自衛の武力行使しかできないPKFで抑え込むのは、近代装備で圧倒する先進国の軍隊にも難しい。
 もともと停戦が成立したのは、ナイジェリアを主軸とする周辺諸国が、カバー大統領を助けて軍事介入した結果である。ナイジェリア軍などは、行き過ぎを指摘されながらも反政府勢力に容赦ない攻撃を加えた。
 西アフリカ諸国経済共同体は最近、約三千人の多国籍軍を派遣することを決めた。安保理の決定にもかかわらず、PKFの増強がなかなか実現しないからである。
 安保理としては、この多国籍軍をPKFに組み入れるのが現実的ではないか。その上でPKOの条件を変更して必要な武力行使を認めざるを得ないだろう。周辺諸国の介入を経済的に支えつつ、監督するわけだ。
 反政府勢力は支配地の子供を強制的に兵士に使っている、との情報もある。人道的な見地からも、和平を急がねばならない。
 反政府勢力の資金源を断つことも大事だ。ダイヤモンドの密輸摘発などにおける国際協力を忘れてはならない。サンコー議長ら残虐行為を繰り返した反政府勢力幹部には、法の裁きを受けさせる必要がある。
 ユーゴスラビアのコソボ紛争では、欧米諸国が安保理の承認なしに人道介入した。国益との関係が薄いせいで、シエラレオネへの本格介入には及び腰である。
 国連には、失敗に終わったソマリアPKOの苦い経験がある。「アフリカの問題はアフリカ諸国が処理を」という空気が強まり、欧米諸国は手を引いた。だが、財政難のアフリカ諸国による自力解決には限界がある。
 このままでは、コンゴなど多くの火種を抱えるアフリカは、「戦乱の大陸」から脱出する機会を失いかねない。[2000-06-05-00:15]
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 06/06@◎3民族合同の国境警察隊が発足=内戦終結から5年でようや(時事通信)

 【ウィーン6日時事】サラエボからの報道によると、内戦終結から5年近くがたつボスニア・ヘルツェゴビナで、イスラム教徒、セルビア人、クロアチア人による3民族合同の初の国境警察部隊が6日、発足した。
 ボスニアの国境警備はこれまで、ボスニア連邦(イスラム教徒とクロアチア人で構成)とセルビア人共和国の2構成体によって別個に実施されていたが、今後はボスニア中央政府の管理の下、3民族が共同して実施する。合同国境警察隊は最終的には3000人の要員を擁する。[時事通信社][2000-06-06-22:39] 34
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 06/06@<中国>李鵬氏が東欧6カ国を公式訪問へ(毎日新聞)

 【北京6日浦松丈二】中国外務省は6日、李鵬・全国人民代表大会常務委員長が11日から26日までの日程で、ユーゴスラビアなど東欧6カ国を公式訪問すると発表した。
 昨年5月の北大西洋条約機構(NATO)による在ユーゴスラビア中国大使館誤爆事件以降、中国首脳がユーゴスラビアを訪問するのは初めて。[2000-06-06-19:22] 35
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 06/06@◎ボスニアPKO報告を決定(時事通信)

 政府は6日の閣議で、ボスニア・ヘルツェゴビナの選挙監視に派遣した国際平和協力隊の「実施結果報告」を決定した。それによると、民間人8人を含む17人が4月8日に行われた地方議会選挙で投開票の立ち会いなどを実施した。政府は6日、活動結果を国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき国会に報告する。[時事通信社][2000-06-06-10:13] 31 [このページの最初に戻る]


 06/07@◎イゼトベゴビッチ氏、幹部会員辞任へ=ボスニア(時事通信)

 【ウィーン6日時事】ボスニア・ヘルツェゴビナの3民族代表で構成する最高意思決定機関、ボスニア幹部会のイスラム教徒指導者アリヤ・イゼトベゴビッチ氏(74)は6日、国営テレビで演説し、健康上の理由から、今年10月に任期半ばで幹部会員を辞職すると発表した。
 イゼトベゴビッチ氏は過去10年間、ボスニア・イスラム教徒勢力の最高指導者の座にあり、民族主義の象徴的存在となっていた。同氏の幹部会員退任は、1990年代に内戦という悲劇に見舞われたボスニアにとって、一つの区切りを意味している。[時事通信社][2000-06-07-07:56]
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 06/07@◎「モンテネグロ高官暗殺はCIAの仕業」=ユーゴ情報相が(時事通信)

 【ウィーン6日時事】ベオグラードの独立系BETA通信によると、ユーゴスラビア連邦からの離脱を志向しているジュカノビッチ・モンテネグロ共和国大統領の治安担当補佐官が5月末に暗殺された事件で、マティッチ連邦情報相は6日、「暗殺は米中央情報局(CIA)の仕業だった」と非難、暗殺直後に米外交官が交わしていたとする電話会話の盗聴テープを公開した。[時事通信社][2000-06-07-01:04] 11 [このページの最初に戻る]


 06/07@◇アムネスティ、ユーゴ空爆は国際法違反と声明◇(朝日新聞)

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)は7日、北大西洋条約機構(NATO)軍による対ユーゴ空爆について、「民間人に犠牲者が出ることを念頭に置いたうえでの攻撃があり、国際法に違反した」との声明を発表した。NATOは「根拠のない批判」と反論している。
 セルビア当局は空爆による民間人の死者を400―600人と公表しているが、アムネスティは「民間人や民間施設に対する攻撃を禁じた国際法をNATOが順守していれば、死者の数はかなり抑えられた」と指摘。例として、死者16人を出したセルビア国営放送への空爆をあげ、「戦争犯罪」と批判している。
 声明は、橋や放送局など民間人犠牲者が出ることが確実視された空爆を実施した責任者に対する捜査の開始をNATO加盟国に求めた。
 声明に対してNATOのロバートソン事務総長は「国際法順守には細心の注意を払い、民間人犠牲者を最小限におさえた。NATOがくい止めた残虐行為の規模に比べれば、犠牲は少なかった」と反論した。
 国連旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷(オランダ・ハーグ)のデルポンテ主任検察官は、NATO軍の空爆について「いくつかのミスは認められたが、民間人を意図的に標的にしたものではなかった」として、捜査しない方針をすでに国連安保理に報告している。[2000-06-07-23:49] 12
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 06/07@◇コソボでセルビア人殺害相次ぐ◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州でアルバニア系住民によるセルビア人殺害事件が再び多発し、緊張が広がっている。6日には中部グラツァニツァで車から投げられた手りゅう弾で住民6人が負傷する事件が発生。抗議する数百人のセルビア人住民がコソボに展開する北大西洋条約機構(NATO)主体の国際部隊(KFOR)の兵士に殺到したため、KFOR側が発砲、少なくとも住民2人が負傷した。コソボは10日でNATO空爆停止から1年を迎えるが、混乱は続いたままだ。
 国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)などによると、6日の混乱で、このほかアルバニア系住民2人が負傷したほか、国連車両など9台が放火された。
 セルビア人を狙った事件では、今月2日に州都プリシュティナ郊外で車が農道で新たに埋められたとみられる地雷に接触、子供2人を含む5人が死傷。先月末には通りがかりの車からの銃撃など、2週間で8人が殺されている。
 こうした事態に、コソボのセルビア人組織の一つ、セルビア民族評議会は、セルビア人に対する保護対策が不備だとして、UNMIKとの協力関係を凍結する方針を決めている。[2000-06-07-21:59] 13
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 06/07@コソボ不明者のリスト公表 赤十字国際委員会(共同通信)

 【ジュネーブ7日共同】赤十字国際委員会(ICRC)は、ユーゴスラビア・コソボ自治州の紛争で行方不明となった住民三千三百六十八人のリスト一覧を冊子にまとめ、七日公表した。ユーゴ政府やコソボのアルバニア系住民指導部ら関係者に配布、消息の確認を急ぐ。
 リストに掲載された人のうち、七五%に当たる二千五百二十六人が一九九九年三月から同年六月にかけてのユーゴ空爆中に行方不明となった。アルバニア系住民が大半で、セルビア治安部隊などに連行されたまま消息を絶ったという。(了)[2000-06-07-20:35] 14
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 06/07@<中国>李鵬全人代委員長がユーゴ訪問へ(毎日新聞)

 ユーゴスラビアのタンユグ通信は6日、中国の李鵬・全国人民代表大会常務委員長が11〜13日、ユーゴを公式訪問すると報じた。北大西洋条約機構(NATO)による空爆以来の、中国とユーゴの緊密関係を裏付ける形となる。李鵬氏は12日、ベオグラードで開かれる連邦特別上下両院合同会議で演説する。【ウィーン支局】[2000-06-07-20:30] 15 [このページの最初に戻る]


 06/07@◇NATO国防相会議、8日から◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)の国防相会議が8、9両日、ブリュッセルの本部で開かれる。焦点の一つは欧州各国が懸念を表明している米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想だ。コーエン米国防長官が米ロ首脳会談を踏まえて、米国の立場を説明する。クリントン米大統領は先週の欧州歴訪中に、「ミサイル撃ち落とし技術を軍備管理条約や核不拡散体制に責任を持つ国と共有する」と表明、NATO同盟国の理解を求めたが、欧州の警戒感は消えていない。
 シラク大統領は今週初めの演説で、NMDについて「30年にわたって戦略的安定性を担ってきた弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を壊すことになる。超大国が過剰な軍事技術開発を進めれば、他国に軍拡するな、と言えなくなる」と厳しく批判した。
 欧州諸国には、米国のNMD開発で、対中、対ロ関係が緊張するうえ、世界中で軍拡につながることへの不安がある。冷戦時代、核大国米ロに挟まれ、今もロシアと地続きの欧州各国は、対ロ関係の悪化に敏感にならざるをえない。
 シュレーダー独首相も「経済的にも、政治的にも軍拡競争は許されない。防衛政策の決断は米国の主権に属するが、(NMDは)米国以外の地域にも大きな影響を与える問題だ」と語っている。
 また、NMDによる「一国防衛体制」が実現すれば、米国が欧州安保に消極的になる、との不安も強い。米国と欧州の安保関係は親と子によく例えられる。ユーゴ空爆で米国の圧倒的軍事力との差を突きつけられた欧州連合(EU)は独自の緊急対応部隊創設に動き出した。欧州の応分の負担を求めてきた米国は表面上は歓迎しているが、米国の利害に反したEUの「自立」に対する警戒感は隠していない。
 一方、欧州は米国という「親」に干渉されたくはないが、すねはかじりつつけていたい。欧州周辺での危機ですら、超大国米国の兵力や装備に頼らざるをえないことは明白だ。
 このほかにも、米国が力説する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなど「ならず者国家」の脅威が過剰評価ではないか、という疑念がある。ベドリヌ仏外相はどの国家も状況によっては「ならず者」のラベルを張られる危険を示唆したうえで、「欧州人にとって、米国を攻撃しようとする『ならず者』を想像することは難しい」と語っている。
 コーエン米国務長官は今年3月のドイツでの軍事関係の会合で、「欧州やロシアの理解を得ることは大切だが、各国とも現実を直視しなければならない」と欧州を突き放した。
 今年1月のミサイル撃ち落とし実験の失敗もあって、NMD配備の実質的な決定は11月の米大統領選で選出される後継政権の行方にかかっているとの見方も広がっている。米国の働きかけがあっても、現時点では欧州各国とも模様眺めの構えでいる。[2000-06-07-20:21] 16
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 06/07@コソボ国境で非常警戒態勢(共同通信)

 【ウィーン7日共同】七日のオーストリア通信によると、マケドニアのトライコフスキ大統領は六日夜、ユーゴスラビア・コソボ自治州との国境地域でマケドニア軍を非常警戒態勢下に置いたと述べた。
 五日にコソボ側からの銃撃でマケドニア国境警備隊員二人が負傷する事件があったのを受けた措置。大統領は再び銃撃があれば「反撃する」と述べ、近くマケドニア軍が国境付近で軍事演習を実施することを明らかにした。(了)[2000-06-07-20:15] 18
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 06/07@セルビア国営放送局爆撃は国際法違反 国際アムネスティ(共同通信)

 【ブリュッセル7日共同】人権擁護団体、国際アムネスティ(本部ロンドン)は七日、北大西洋条約機構(NATO)軍による昨年のユーゴスラビア空爆のうち、セルビア国営放送ビルへの爆撃などは民間人に死傷者が出ることが事前に予想されており、国際法に違反するとの報告を発表した。
 報告は「十六人の民間人が死亡した国営放送攻撃は計画的で、戦争犯罪の要件を満たす」と非難。これに対しNATOのロバートソン事務総長は声明で「アムネスティの報告には根拠がない」と反論した。(了)[2000-06-07-19:29] 19
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 06/07@誤爆は国際法に違反せず ユーゴ戦犯法廷が報告書(共同通信)

 【ブリュッセル7日共同】北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア空爆に伴う民間人の死傷に関し、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は七日までに、NATOには国際法上の責任を問えないとの最終報告をまとめた。近く公表する。
 報告は相次いだ誤爆による民間人の死傷について、NATO側が事実を認め、謝罪していることから故意ではなく、戦時の文民保護を定めたジュネーブ条約違反には当たらないと判断した。
 しかしユーゴ政府は誤爆などにより、千二百人以上の民間人が空爆で死亡したと発表しており、十日の空爆停止一周年を機に、あらためて反NATO感情を強めるとみられる。
 戦犯法廷報道官によると、デルポンテ主任検察官は昨年八月、国際法に照らしたNATOの軍事行動の再検討に着手、今年五月に作業を終えた。最近まとまった五十ページの報告書は「条約違反の証拠は見いだせなかった」と結論付けている。
 こうした報告書の内容に対し、ユーゴのマティッチ情報相は、戦犯法廷は「NATOによる犯罪の共犯者と化した」として即時解体を要求している。(了)[2000-06-07-17:14] 21
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 06/07@中国軍事委副主席が帰国(共同通信)

 【北京7日共同】新華社電によると、中央軍事委員会の張万年副主席が七日、イタリア、スペイン、ポルトガルの欧州三カ国訪問を終えて北京に戻った。
 張副主席は、昨年五月の在ユーゴスラビア中国大使館誤爆事件後、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を初めて公式訪問し、中国とNATOの関係改善を示した。(了)[2000-06-07-15:49] 23
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 06/07@<ボスニア幹部会>イスラム指導者引退 民族強硬派世代交代(毎日新聞)

 【ウィーン7日福井聡】ボスニア・ヘルツェゴビナの3民族代表で構成する最高意思決定機関、ボスニア幹部会のイスラム教徒指導者アリヤ・イゼトべゴビッチ氏(74)は6日、健康上の理由から今年10月に幹部会員を引退すると発表した。同氏はイスラム教徒勢力の与党・民主行動党の創設以来の指導者で、民族主義の象徴的存在だった。同氏の引退により、クロアチア民族強硬派だったツジマン大統領(昨年末死去)に続き、ボスニア紛争当時の民族強硬派政治家の世代交代が進むことになる。
 サラエボからの報道によると、イゼトベゴビッチ氏は国営テレビの演説で、「引退理由は数多くあるが、健康状態が十分でない点が最大だ。わが国史上最も厳しかった過去10年間、支持してくれた人々に感謝する」と述べた。
 同氏はボスニア紛争勃発以前の多民族国家だったボスニアで大統領を務め、紛争を終結させた95年のデイトン和平交渉では、ツジマン(クロアチア人)、ミロシェビッチ(セルビア人)両大統領とともにイスラム教徒を代表して和平協定に調印した。96年の選挙で幹部会員に就任、98年に再任された。幹部会員は3人で、8カ月輪番で議長職(国家元首)を務めている。
 今年4月に行われた地方選挙で、民主行動党の得票が落ち込む一方、民族和解を唱えるイスラム教徒穏健派政党が票を伸ばし、イゼトベゴビッチ氏の人気にも陰りが出ていた。
 同氏の幹部会員引退は、1990年代に内戦に見舞われたボスニアにとって大きな区切りといえる。[2000-06-07-11:54] 24
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 06/07@ヘルツェゴビナのイゼトベゴビッチ氏引退へ 国際社会に失望(共同通信)

 【ウィーン7日共同】ボスニア・ヘルツェゴビナのイゼトベゴビッチ幹部会議長(74)は六日夜の国営テレビで、任期が切れる十月十二日に政界から完全に引退すると表明した。
 サラエボからの報道によると、旧ユーゴスラビアからのボスニア独立を指導し、その後もイスラム教徒の代表として戦後復興に尽力してきた議長は、高齢とともに「イスラム教徒を犠牲にする国際社会の統治方法」に対する失望を引退の理由に挙げた。
 イスラム教徒の議長はボスニア内戦の終結に合意した一九九五年のデートン交渉で、当時のミロシェビッチ・セルビア大統領、ツジマン・クロアチア大統領とともに和平交渉をまとめた。
 ツジマン大統領は昨年十二月に死去しており、イゼトベゴビッチ氏の引退後は、旧ユーゴ連邦解体にかかわった主要三民族の当事者のうち、現役はミロシェビッチ現ユーゴ大統領だけとなる。(了)[2000-06-07-11:50] 29
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 06/07@◎ユーゴ情報相の主張を否定=モンテネグロ高官暗殺で米(時事通信)

 【ワシントン6日時事】米国務省のリーカー副報道官は6日、ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国のジュカノビッチ大統領の補佐官が5月末に暗殺されたのは、米中央情報局(CIA)の仕業だとマティッチ・ユーゴ情報相が主張したことについて、「完全に間違いだ」と否定した。
 リーカー副報道官は、マティッチ情報相について「(ユーゴは)今や10年前より偉大な国である」などと誤った言動を繰り返している人物だと指摘し、CIAによる暗殺だったとの主張も誤りだとの考えを示した。[時事通信社][2000-06-07-08:22] 168
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 06/07@<イリアンジャヤ>独立宣言広がる支持 インドネシア併合3(毎日新聞)

 インドネシアの東端、イリアンジャヤ州(西パプア)で先週開催された「パプア住民会議」は、同国からの分離・独立を一方的に宣言した。政府の反応は当然ながら厳しく、確執が深まることは必至だ。民族・文化が異なる西パプアが、インドネシアに組み込まれて30年余り。パプアの人々の思いを探った。【州都ジャヤプラで中坪央暁】
 「パプア万歳!」「独立、万歳!」。住民会議会場となったジャヤプラの体育館は3日夕、5000人のパプア系住民の歓喜に包まれた。腰みの姿に、やりを持った男たちが踊り「独立宣言」に酔いしれた。
 その瞬間を見つめていたジョン・マンボーさん(52)は、独立運動組織「自由パプア運動」(OPM)の元闘士。1960年代からゲリラとして戦い、89年に逮捕されて7年間の獄中生活を経験した。
 「刑務所で私は、仲間や自分に『これで終わりじゃない。自由を求める闘争は、獄中でも続いているんだ』と言い聞かせた。インドネシアは結局、我々の決意を変えられなかったよ」と振り返った。
 西パプアが独立を求める理由は(1)民族・文化がジャワ本島などとは大きく異なる(2)パプアは61年12月1日に独立宣言しており、インドネシア併合は無効(3)他地域からの移住者に主体を奪われ、差別されてきた――ことなどだ。パプア側は、国軍の弾圧で住民65万人が殺害されたと主張する。
 OPM関係者は、古い記録を示しながら言った。「我々は61年12月1日に独立しているのだ。オランダはパプアのために、議会制度や国旗、国歌まで用意していた」
 西パプアは45年のインドネシア独立後もオランダ領として残り、61年のスカルノ大統領の「イリアン解放命令」で両国が衝突。国連調停による「ニューヨーク合意」を経て、63年にインドネシア統治下に入った。69年の「自由選択」住民投票でインドネシア帰属を決定したが、投票は当時の人口80万人のうち、作為的に選ばれた1026人が参加したに過ぎなかった。
 オランダを説き伏せ、パプア併合を裏で支えたのは米国だった。東西冷戦下で「反植民地主義」を掲げ、共産陣営に傾斜するスカルノ政権をつなぎとめる戦略だったと言われる。
 政府が60年代から進めてきた国内移民政策や一般移住者も、パプア系住民にとって不満の対象だ。ジャワ本島などから20万人が農村開発のために入植し、仕事を求めて自ら移り住む人々も多い。経済活動はそうした移住者に独占され、パプア系は追いやられているのが実態だ。
 地元産のキャッサバ(イモ)や野菜、衣料品などが並ぶハマディ市場に行くと、小さいながら店を構えているのは移住組で、パプア系は路上で商売している。
 十数年前にスマトラ島から移住してきた貴金属商のブディマンさん(48)は、「独立なんてできるものか。ここの連中は怠惰で技術もない。我々移住者が開発を支えてきたんですよ」と公言し、「路上で商売するのは彼らの習慣だから」と付け加えた。
 「そんなことはないよ。おカネがあれば、店を持ちたいに決まってる」と、果実を売るレイラさん(30)は反論する。「もうけ口はよそから来た人に持っていかれる。インドネシア人に支配されるのには、もう飽き飽きした。私ら住民は100%、独立賛成さ」
 独立運動指導者のテイス・エルアイ氏は演説のたびに「パプアはインドネシア支配下で30数年間、人権侵害に苦しみ、開発の犠牲になってきた。今こそ歴史を正し、パプア人自身のための未来を開く時だ」と訴えてきた。また国際社会との協議を早急に行い、今年12月に正式に独立するとのスケジュールまで決議した。
 パプア側は早々と独立気分に浸っているが、当初、住民会議開催に理解を示していたワヒド大統領は5日の会見で「会議は独立に反対する住民を閉め出し、独立支援の外国人を参加させた。政府は会議の正当性を認めない」と激しく非難した。独立運動に好意的といわれるオーストラリアなど周辺国をけん制するとともに、「住民の大半は独立を望んでいない」と強調した。
 東ティモール、アチェ特別州に続くイリアンジャヤ独立機運の高揚で、ワヒド政権は重い課題を抱え込んだ。アチェのような武力衝突の可能性は低いが、パプア側が描く独立構想が行き詰まった時、混乱が生じる懸念ことが懸念される。
 マルク・イリアンジャヤ軍管区のインキリワン司令官は、毎日新聞に「独立支援の外国勢力と組んで事を起こすようなら、断固たる措置を取る」と語った。[2000-06-07-22:52] 170
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 06/07@◇コソボでセルビア人殺害相次ぐ◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州でアルバニア系住民によるセルビア人殺害事件が再び多発し、緊張が広がっている。6日には中部グラツァニツァで車から投げられた手りゅう弾で住民6人が負傷する事件が発生。抗議する数百人のセルビア人住民がコソボに展開する北大西洋条約機構(NATO)主体の国際部隊(KFOR)の兵士に殺到したため、KFOR側が発砲、少なくとも住民2人が負傷した。コソボは10日でNATO空爆停止から1年を迎えるが、混乱は続いたままだ。
 国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)などによると、6日の混乱で、このほかアルバニア系住民2人が負傷したほか、国連車両など9台が放火された。
 セルビア人を狙った事件では、今月2日に州都プリシュティナ郊外で車が農道で新たに埋められたとみられる地雷に接触、子供2人を含む5人が死傷。先月末には通りがかりの車からの銃撃など、2週間で8人が殺されている。
 こうした事態に、コソボのセルビア人組織の一つ、セルビア民族評議会は、セルビア人に対する保護対策が不備だとして、UNMIKとの協力関係を凍結する方針を決めている。[2000-06-07-21:59] 207
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 06/07@南京城壁を世界遺産に 申請へ準備(共同通信)

 【北京7日共同】七日の新華社電によると、中国江蘇省南京市は日中戦争などで破壊され、日本の協力で修復が進められてきた中国の文化財「南京城壁」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録申請する方針で、準備を進めている。
 南京市にある同城壁は春秋戦国時代の紀元前四七三年に建造が始まり、明朝の初代皇帝、朱元璋が一三六六年から二十年以上かけて拡張した。
 城壁は古代都市の城壁としては世界最大規模だが、現存するのは約二十一キロ。れんが造りで高さ十四―二十メートル、幅が四―十四メートル、三十一の城門がある。
 旧日本軍の砲火で大きな被害を受けるなど戦災や風化で損傷が激しく、南京市は一九九五年から二○○○年までの計画で約二十一キロ分の修復。これに「南京城壁保存修復協力日本委員会」(平山郁夫会長)が協力してきた。(了)[2000-06-07-17:22] 209
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 06/07@「家族」概念で妥協の公算 各国間の隔たり大きく 女性会議(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】ニューヨークの国連本部で開催されている国連特別総会女性2000年会議は六日、非公式会合を断続的に開き、「家族」の概念をめぐる各国間の隔たりが大きいことから、文言では立場の違いを際立たせないことで妥協、合意する見通しが出てきた。
 家族については「婚姻関係にある男女とその子供」を主張するバチカン市国やイスラム諸国などと、同性愛、非婚カップルなども含まれるとする欧州連合(EU)が激しく対立。
 今年三月からの準備委員会でバチカンは、国連非加盟国ながらカトリックの総本山としての権威を武器に、ニカラグアなどにも影響力を行使、新たな概念の「成果文書」盛り込み阻止に全力を挙げてきた。
 だが、六日夜までの協議で、ドイツ代表団メンバーを中心に取りまとめ作業が進行。どちらかの立場を優先させる文言をできるだけ削除する方針がほぼ固まった。
 一方、日本の提案では、@女性の力をつけるための生涯学習、職業訓練の推進A女性への暴力防止を目的にした啓発活動促進―など三項目で合意した。(了)[2000-06-07-16:50] 216
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 06/07@宗教対立で儀礼より国益 ロ大統領、現実主義発揮(共同通信)

 【ローマ7日共同】六日にイタリア訪問を終えたプーチン・ロシア大統領は五日のローマ法王ヨハネ・パウロ二世との会談で法王のロシア訪問を招請せず、外交儀礼よりもカトリック教会とロシア正教会の宗教対立の現実を反映したプーチン流の現実主義的な国益重視外交を印象づけた。
 宗教上はロシア正教側が招待しないうちは法王念願の訪ロが困難なのは明らかだが、ゴルバチョフ、エリツィン両氏の歴代首脳ともバチカン訪問の際には法王の訪ロを招請していただけに、波紋は大きい。
 六日付のイタリア各紙は「招待しなかったことは驚きだ」「クレムリンの新しいツァーリ(皇帝)は正教会のニエット(ノー)に従わざるを得なかった」などと一斉に論評した。
 これに対しロシア正教会側は「賢明で責任ある行為」と歓迎。大統領は国益追求路線を宗教問題でも貫いたと受け止められている。
 宗教対立の和解に向け活発に外遊する法王が訪れていない大国はロシアと中国を残すだけ。ロシア正教の総主教アレクシー二世と会談すれば、東西教会に分裂した十一世紀以降初の法王と正教最高指導者の対話となるが、正教会側はウクライナ西部での教会の帰属論争などを背景に法王招待には反対したままだ。
 大統領は六日「双方の議論に邪魔をすべきではない」と説明した。しかしANSA通信によると、大統領は「旧ソ連時代の共産党支配で弱まった正教会は競争を恐れている」などと語り、正教会を保護しようとする気持ちをにじませた。(了)[2000-06-07-16:09] 227
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 06/07@<金正日総書記>神出鬼没 謎に包まれた隣国の指導者(毎日新聞)

 12日に史上初の南北首脳会談を控えて北京を電撃訪問し、世界をアッと驚かせた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記は中国のテレビで、自信にあふれた笑顔を見せた。その肉声の断片も流れたが、謎に包まれた隣国の指導者の実像に、あらためて迫った。【鈴木 琢磨】
 □幻の肉声□
 金正日総書記は神出鬼没だ。マジシャンの引田天功さんの大ファンだというのもうなづける。
 5月29日から31日にかけ、特別列車を仕立てて北京を極秘訪問したのもそうだった。ソウル、東京は真偽の確認におおわらわだったが、そのとき金正日総書記は、満面の笑みで、江沢民国家主席と抱き合い、握手を交わしていた。
 訪中の発表は帰国後の6月1日夕。その夜の中国中央テレビは、天安門の楼上に立つサングラス姿の総書記、パソコン工場で熱心に質問する総書記の様子を放映、まるで「兄弟」の契りをかわした両国が平壌ウオッチャーを完全に出し抜いた格好だった。
 そして、金正日総書記の肉声も漏れてきた。カリスマ性を高めるために厚いベールの内に隠されていた「偉大な領導者」の声。江沢民主席との対面では「健康そうですね」。首脳会談では「中国人民がこれまで20年間の改革・開放の過程において大きな……」。聞き取りにくいものの、甲高くて早口だとの予想に反して、やや低く、落ちついた声。話しべたで、外交舞台への登場を避けていると見られていたが、韓国の金大中大統領との首脳会談をにらんだうえでの外交手腕はなかなかのものである。
 NHK関係者の話では、この肉声は翌2日夕に中国から送られてきたナレーションのない「ナチュラル・サウンド」版に収録されていた。かつて中国首脳が訪朝した際にも、出迎えた金正日総書記の肉声が入っていた同様のケースがあり、肉声の公開は意図的なものかどうかは不明だ。だが、平壌のメディアが映像のみの報道であることを考えれば、対外的にソフト路線をアピール、それとなくベールをはごうとした可能性はある。
  □映画と音楽□
 5月24日夜。新宿・厚生年金会館は一瞬、どよめいた。金正日総書記肝いりの万寿台芸術団から朝鮮総連結成45周年祝賀のために編成された「ピョンヤン声楽俳優団東京公演」で、アンコールに応えてソプラノ歌手の李香淑さんが映画「タイタニック」の主題歌を歌ったのだ。映画好きで、映画芸術論も著した金正日総書記はハリウッドの話題作まですべてチェックしているというから、李さんの歌った「タイタニック」に改革・開放への意欲をにじませたものではないかと憶測を呼んだのだ。
 「このコンサート、3月に祖国を訪問した総連の許宗萬責任副議長の要請を受けて、金正日総書記が即断、即決したと聞いている。急ごしらえだったので、4人という少人数だったが、将来のトップスター級をそろえた」(関係者)
 映画と音楽。この二つは金正日総書記にとって、単なる芸術にとどまらない。国内の思想・体制固めをはじめ、米朝、日朝の関係改善、そして南北統一のための有力な武器なのだ。
 そんな平壌の音楽の世界で、ちょっとした異変が起きている。封印されてきた植民地時代の流行歌が「解禁」されたのだ。韓国はむろん、日本でもおなじみの懐メロで「木浦の涙」「涙に濡(ぬ)れた豆満江」「他郷暮らし」「旅人の悲しみ」……。昨年夏に平壌の出版社が、これらの名曲を収めた「啓蒙期歌謡選曲集」を出したところ、入手難の人気となった。
 かつてはタブーだった歌謡曲を「民族受難期の歌」と位置づけることで、国内でリバイバルを図ったのだろうが、それは日本の植民地時代、ともに苦痛を味わった南の同胞へのメッセージとも受け取れる。また、金正日総書記自身、懐メロを好み、宴会で歌っているとの説もある。南北首脳会談の晩餐会のBGMに金大中大統領の故郷にちなんで「木浦の涙」が流れるかもしれない。
 南北朝鮮にとって「日本」はいまも民族団結の触媒だ。故・金日成主席が金泳三前大統領との初の首脳会談の場に予定していたのは名勝地・妙香山。ある在日朝鮮人が平壌でロングセラーを続ける歴史小説「西山大師」を勧めてくれた。なぜ妙香山なのか? この西山大師こそ、文録・慶長の役で日本軍と戦った名僧であり、根拠地が妙香山であった。いま、その妙香山には南朝鮮館ができ、韓国の財閥トップらがこぞって金正日総書記に贈ったプレゼントが並べられているというのだ。
 □儒教にどっぷり□
 さて、なにごとも父親譲りの金正日総書記、歴史に精通している。しかも映画や歌劇の演出まで手がけてきた自負がある。南北首脳会談という一世一代の晴れ舞台、万事、準備に怠りはないはずだ。
 旅行者の目撃談がある。平壌の統一通りで巨大なタワーの建設がで進んでいる。その高さ55メートル、聞けば、祖国統一3大憲章記念塔だという。この憲章は1996年11月に金正日総書記が朝鮮人民軍板門店代表部を訪れ、宣言したもので、金日成主席の絶筆とされる。現地では統一に関する遺訓を踏まえたものだと説明されている。つまり、南北首脳会談も金正日総書記の孝行話として語られているのだ。
 1本のビデオテープがある。83年6月に金正日総書記が初めて訪中したときの記録映画で、そこに興味深いシーンがあった。特別列車から南京駅に降り立った金正日総書記が、年長者の胡燿邦総書記(当時)と道を譲り合うのだ。
 「お先にどうぞ」
 「いや。お先に」
 音声こそ消されているが、そんな言葉を発しつつ、2人はもみ合いになる。それならと、胡燿邦総書記は、強引に手を引く。必死に固辞する金正日総書記、だがついに折れ、テレ笑いを浮かべ、手をつないで市民の歓迎に応える。共産主義の建て前、儒教を批判してはいるが、金正日総書記の年長者を敬う様は儒教どっぷりだ。訪朝した韓国の現代グループの鄭周永名誉会長と記念写真を撮ったときも、年上の鄭氏を中央にする配慮を見せた。
 □金大中の忠告と夢□
 そんな平壌に乗り込む金大中大統領は17歳も年上だ。金正日総書記は、下手に出ることは苦ではないはずで、むしろその術中にはまれば、老政治家・金大中といえども、ペースを乱してしまうかもしれない。
 金大中大統領の金正日観はどうか。アジア太平洋平和財団理事長として95年に訪日した氏は日本記者クラブで講演した際、その主張を冊子にして配った。締めくくりの一節にこうある。
 <私は次のような忠告を金正日に与えたい。それは、自身の目標を追い求めても、韓米両国の関係に楔(くさび)を打つようなことを絶対試みたら駄目だということである>
 南北首脳会談の実現は、金大中大統領が金正日政権を信用したからだ。楽観は禁物だが、21世紀を前に民族の未来について指導者同士、虚心坦懐に語れば、自ずと道は開くだろう。金大中大統領の提案の目玉は、南北が共同利用できる通信衛星の開発だとの情報がある。金正日総書記も大胆なアイデアを用意して待っているに違いない。
 歴史的な出会いの日は6月12日。この数字を逆に並べると「2・16」。金正日総書記の誕生日だ。これもまた金正日マジックなのかーー。
 別項・金正日総書記のプロフィール
 金大中大統領はいま、金正日総書記について猛勉強中のようだ。その資料のひとつとして読んでいるのがソウルで刊行されたばかりの「金正日100問100答」(聨合ニュース)。星占い、姓名判断から顔相まで内容は豊富だ。プロフィールを記したQ1とQ2を紹介する。
◆Q1・金正日身上明細書
 <本名>金正日<現職>党総書記、軍最高司令官、国防委員長、政治局常務委員、最高人民会議第10期代議員<出生>1942年2月、旧ソ連ビャーツク(北朝鮮は白頭山蜜営と主張)<身長>165センチ(推定)<体重>85キロ
◆Q2・自己紹介
 <視力>きつい近視、度数の強い眼鏡を着用<趣味>射撃、乗馬、映画鑑賞、ドライブ<嗜好(しこう)品>ヘネシーコニャック、白ぶどう酒、チェーンスモーカー<服装>人民服、ジャンパーなどラフな格好<性格>内省的、うぬぼれ・優越意識大、せっかち、即興的、孝心・決断力がある<業務スタイル>深夜11時〜明け方5時に業務を集中処理。意外性と大胆さ<人事スタイル>近い親族は排除、保守的で合理的人事<統治スタイル>広幅・仁徳政治を主張、現実打破型、スケールを強調、反対意見に耳を貸さない<経済観>自立的民族経済路線<言語習慣>大衆演説をほとんどしない<個人資質>芸術的資質と早い頭脳回転、多才多能<最終学歴>金日成総合大学経済学部政治経済学科<現住所>平壌市中区域南山洞中央党舎[2000-06-07-13:11] 20
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 06/07@地元オランダV候補 激戦D組はW杯王者の仏も 欧州サッカ(共同通信)

 オランダとベルギーが共催するサッカーの二○○○年欧州選手権は十日、ブリュッセルで開幕する。16チームがA―Dの4組に分かれ、上位2チームが準々決勝に進む方式。各チームとも、そのままワールドカップ(W杯)欧州代表となり得るほどハイレベルで接近した力を持つ。それでも優勝候補を挙げれば、地元オランダがその筆頭だろう。
 オランダは一次リーグ最激戦区のD組に入ったが、個々の技術と戦術眼の高さは欧州随一。中盤のダイナモ、ダービッツを軸にベルカンプ、クライファートらが織りなす攻撃的サッカーは見ものだ。
 D組は現W杯王者フランスも、W杯と欧州選手権の連続制覇を果たそうと意欲十分。司令塔ジダンが健在で、アンリ、アネルカら若手FW陣が乗っている。ただ、同組は前回準優勝のチェコと前々回優勝のデンマークが入り、予断を許さない。
 得点王候補のラウルを擁するC組のスペインも、攻守にバランスが取れて下馬評が高い。C組2位での八強入りを、ノルウェーとストイコビッチ(名古屋)率いるユーゴスラビアが争う展開か。
 予選でもたついたA組の前回覇者ドイツは、ようやく調子を上げてきたが、同じ組にイングランドとポルトガルもいて接戦となりそう。B組のイタリアはFWビエリが負傷で外れ、苦しい戦い。この組は混戦模様だ。(パリ共同=名取裕樹)(了)[2000-06-07-15:58] 25
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 06/07@<サッカー>ハッサン2世杯で3位 ジャマイカに4−0で勝(毎日新聞)

 【カサブランカ(モロッコ)6日仁瓶和弥】サッカーの国際大会「ハッサン2世杯」に出場している日本は6日(日本時間7日未明)、当地のモハメド5世スタジアムでジャマイカと3位決定戦を行い、城彰二(スペイン・バリャドリード)の2ゴールなどで4―0と快勝した。日本は初出場した1998年のワールドカップ(W杯)フランス大会の1次リーグでジャマイカに1―2で敗れており、雪辱を果たした。
 日本は後半2分、城の鮮やかなシュートで先制。13分にも城が、今度はヘディングで決め2点目。その後も柳沢敦(鹿島アントラーズ)、三浦知良(京都サンガ)が立て続けにゴールを奪い、守ってもジャマイカを零封した。日本がアジア勢以外との国際Aマッチで4点を奪ったのは97年6月のクロアチア戦(4―3)以来。続いて行われた決勝戦ではW杯王者のフランスが5―1で地元モロッコを破り優勝した。
 ハッサン2世杯は、6月末で契約が切れるフィリップ・トルシエ監督の去就問題と絡み、日本サッカー協会が同監督との契約を延長するかどうかの判断材料にした点で注目された。W杯で敗れたジャマイカを圧倒したことで、同点の末にPK戦で惜しくも敗れた4日(日本時間5日)のフランス戦とともに、トルシエ監督への評価は高まったと言える。[2000-06-07-10:57] 26
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 06/07@サッカー日本代表がジャマイカに快勝(読売新聞)

 【カサブランカ(モロッコ)6日=千葉直樹】サッカーの国際大会、ハッサン二世杯は六日、モロッコのカサブランカで三位決定戦が行われ、日本はジャマイカに4―0で圧勝、二年前のワールドカップ(W杯)フランス大会で1―2で敗れた雪辱を果たした。決勝はフランスが地元のモロッコを5―1で下し、二年連続優勝を飾った。
 一回戦ではPK戦で敗れたものの、攻撃陣の奮起でW杯優勝国のフランスに善戦した日本。この日も後半、FW陣が決定力を見せつけ、城(バリャドリード=スペイン)の2ゴールをきっかけに、柳沢(アントラーズ)、三浦知(サンガ)が次々と追加点を奪って快勝した。
 日本は八日に帰国後、十一日に開幕するキリンカップでスロバキア、ボリビアと対戦。日本サッカー協会はキリン杯後、去就が注目されているトルシエ監督を続投させるか、解任するかの結論を出す。
  ◇
 ◆国際Aマッチで3年ぶりの4得点◆
 【カサブランカ(モロッコ)6日=千葉直樹】サッカーの日本代表は、6日に行われた国際大会、ハッサン2世杯の3位決定戦で、ジャマイカから大量4点をもぎ取り、3位となった。日本が国際Aマッチで4点以上挙げたのは、今年2月のアジアカップ予選のブルネイ戦(9―0)以来で、アジア以外の代表チームとの対戦では1997年6月のクロアチア戦(4―3)以来3年ぶり。
 2年前のフランスW杯で1―2の惜敗を喫したジャマイカに対し、日本は前半無得点に終わったが、後半に入って47分に城(バリャドリード=スペイン)が先制すると、その後は大量3点を積み重ねた。1回戦で日本にPK戦勝ちしたフランスは決勝で地元のモロッコに5―1で圧勝、大会2連覇を果たした。
  ◇
 ◆決定力不足克服への糸口見える◆
 前半の日本は引いて守るジャマイカを相手にボールを支配しながらも、ゴール前の壁を崩せなかった。2年前のW杯で日本を破った時の主力の一部は参加していない。もどかしい45分間を終えたトルシエ監督は、後半の最初から奧と三浦淳を投入、「前線で仕掛けろ」と檄(げき)を飛ばした。
 中盤のテコ入れとして、前への突破力が持ち味の2人を起用したことで、「高い(ゴールに近い)位置でボールを回し、相手にプレッシャーをかけられた」とトルシエ監督。「ジャマイカは強そうに見えなかった。これなら点を取れる」と2人が積極的な飛び出しを見せると、待望の先制点があっさり生まれた。後半開始2分。右サイド深く切り込んだ三浦淳の折り返しを中央の城が胸でトラップして右足でたたき込んだ。
 「2年前に痛い目にあっているから、どんどんシュートを狙った。ああいう風に前がかりの選手がいると、FWも前に出やすい」という城は、勢いに乗ってその10分後にはFKをゴール前で頭で合わせる連続ゴール。フランス戦でも交代出場直後のクロスで日本の2点目をアシストし、今大会のラッキーボーイとなった三浦淳が、W杯フランス大会のエースに“リベンジ”のおぜん立てをした。
 明らかに格下相手だった2月のアジアカップ予選を除けば、日本が国際Aマッチでアジア以外の国から4点以上取ったのは3年ぶりのこと。モロッコで安定した戦いを見せた2試合から、決定力不足克服への糸口が見えてきた。(千葉 直樹)
  ◇
 ◆選手交代でリズムを取り戻す◆
 日本は選手交代をきっかけに、ドリブルを織り交ぜた攻撃でジャマイカの守備陣を突き崩した。47分、後半から投入された三浦淳のセンタリングを、城が胸でトラップし、豪快に先制。両サイドを中心にしたドリブル突破から攻撃のリズムを取り戻し、58分にはまたも城が名波のFKを頭で押し込んだ。
 さらに65分、三浦淳が相手のクリアボールをシュート。これを途中出場の柳沢が角度を変えてゴールした。78分にも途中出場の三浦知が左サイドからの折り返しを詰めて得点を奪った。
 また、ジャマイカの攻撃に対し、松田を中心にした守備陣が冷静に対応。危なげない試合運びで、完封勝利を挙げた。[2000-06-07-10:35]
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 06/08@<いえぬ傷跡>増幅される憎しみ 企画・コソボ、3人の1年(毎日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴスラビア空爆終了と共に、ユーゴ連邦軍がコソボ自治州から撤退したのは昨年6月10日。それから1年経過、セルビア人がアルバニア系住民を抑圧する構図は逆転した。圧政から「解放」されたアルバニア系住民もなお様々な問題を抱える。心の傷跡が今も消えないコソボの3人について報告する。【コソボ北部メルダレで福井聡】
 大男が道路の真ん中で仁王立ちとなり、目を真っ赤にはらして泣き続けた。州都プリシュティナ北30キロの州境地点メルダレで、ユーゴ軍撤退から約1年後に訪れた釈放の瞬間だった。
 州境近くのプリペバッツ村は昨年6月、ユーゴ軍が撤退する際に焼き尽くされていた。仮設住宅で暮らしていたアルバニア系住民のべグーさん(37)は昨年9月24日、近くの丘で木を切っていた。突然セルビア軍兵士が現れて逮捕され、セルビア東部の刑務所に収容された。間もなく「懲役8カ月」の判決が言い渡された。罪状は「違法に木を切った罪」だった。
 木を切ったのは自分の村内で、間違いなくコソボ州内だった。しかし、セルビア国内の裁判でそんな主張が通るはずもなかった。刑務所では当初2週間、訳もなく殴られ続けた。16平方メートルの部屋に受刑者40人が押し込められ、食事も赤十字国際委員会(ICRC)が差し入れたパンとスパゲティーだけだったという。
 刑務所の外では、妙なことが起きていた。スタニサブロビッチというセルビア人女性弁護士からコソボの家族に「3600マルク(約18万円)を払えば刑期を短くする」と、打診があった。平均月収200マルク(約1万円)足らずの兄ジャビットさん(40)らは知り合いから金を借り、10月に1000マルク、11月に2000マルクを国境で弁護士に手渡した。
 弁護士は当初「1カ月にする」と言ったが、やがて「4カ月」に変わり、ついに刑期の8カ月が過ぎた。5月末の釈放3日前、ジャビットさんらは最後の600マルクを工面して支払った。「払わなければ何が起きるか不安だった」という。釈放後、べグーさんは「多分全額あの弁護士のポケットに入ったのだろう。刑期の長い人は4万マルク(200万円)を請求され、政府高官に払った例も少なくなかった」と語った。
 ICRCによると、セルビア政府が昨年6月以降釈放したアルバニア系囚人は877人で、なお1222人が収監中(5月末)。一方、コソボ州内のセルビア人囚人が計約50人だけなのに、国連が外国人やセルビア人の判事任命に腐心している。5月末にアルバ二ア系被告143人が7〜14年の有罪判決を受けた。アルバニア系囚人の多くは昨年の撤退直前にセルビア兵らに「テロ容疑」で一方的に逮捕されたケースが多い。
 釈放の日、べグーさんは「次にセルビア人に会ったら必ず殺してやる」と怒りをあらわにした。理不尽な訴追で裁判を受けた記憶は消えない。民族間の憎しみは今も増幅されている。[2000-06-08-23:49] 4
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 06/08@◇NMDなど焦点、NATO国防相会議始まる◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)の国防相会議が8日、ブリュッセルの本部で開かれ、セルビア人住民殺害で緊張が再び高まっているユーゴスラビア・コソボ自治州について懸念を表明する声明を発表した。また、各国の軍事力近代化のための軍事支出の拡大も改めて呼びかけた。
 米国の本土ミサイル防衛(NMD)開発については、コーエン米国防長官が米ロ首脳会談を踏まえて、米国の立場を改めて説明した。
 ロシアのプーチン大統領は最近、NMDに対抗する形で、ミサイル防衛システムの欧米ロによる共同開発を提案している。インタファクス通信によると、9日にNATOとロシアの常設合同評議会(PJC)に出席するロシアのセルゲーエフ国防相が提案の中身を説明する予定だという。
 NMDについては欧州各国も懸念を表明しており、コーエン米国防長官は7日、「(ロシア提案は)建設的かもしれないが、NATO内の欧州加盟国と米国を引き離す作戦かもしれない」と警戒感を示した。[2000-06-08-23:24] 6
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 06/08@<NATO>ユーゴ空爆から満1年を前に改めて批判の声高ま(毎日新聞)

 【ブリュッセル7日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア連邦への空爆停止から10日で満1年。それを前に、NATOの空爆を改めて批判する声が高まっている。空爆について「戦争犯罪の根拠はない」とした旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)の判断に対して中国やロシアが反発。また国際人権擁護団体のアムネスティ・インターナショナルも「NATOの攻撃は戦争のルール違反」とする報告書を発表した。
 再批判のきっかけは、同法廷のデルポンテ主任検察官が2日の国連安保理で、昨春の空爆について「調査したが、国際法上の責任を問う根拠はない」と述べたことだ。
 同法廷は1993年、旧ユーゴで発生した「人道に対する罪」を裁く戦犯裁判所として開設。現在、95年のボスニア紛争の容疑者の逮捕、裁判を続けており、昨年5月末にはコソボ紛争にからんでミロシェビッチ・ユーゴ大統領ら5人のユーゴ幹部も起訴した。
 国連の関連機関として中立性を保障されてはいるものの、実際は米欧主導のもとで運営され、容疑者の逮捕もNATO軍が当たっている。ロシアなどには「法廷は司法法廷ではなく、政治法廷だ」(イワノフ外相)という反発が根強い。
 コソボ紛争については、ユーゴによるアルバニア系住民に対する戦犯だけではなく、NATO軍が引き起こしたセルビア人、アルバニア系住民双方への誤爆事件や中国大使館の誤爆、さらに人体・環境への悪影響が指摘される劣化ウラン弾の使用なども戦犯に該当するとの見方がある。しかし、主任検察官は、こうした容疑に対して「無罪放免」と判断したことになる。
 この判断についてNATO側は歓迎の意向だが、ユーゴだけでなく、中国も「攻撃そのものが人道違反」(中国国連大使)と批判。3日にはロシア外務省も「空爆は人道に関する国際法に目をつむった行為。政治的な偏見によって裁かれるべきではない」との異例の声明を発表、「けんか両成敗」の精神に基づく公平な法手続きを求めた。
 また、アムネスティは6日に発表した報告書の中で「誤った攻撃が多くの犠牲者を生んだ」として16人が死亡したセルビア国営放送局への攻撃などを指摘した。
 ユーゴ側発表によると、NATOの攻撃や誤爆によって1000人以上の民間人が死亡した。「若干のミスはあったが、空爆が止めた残虐な行為よりは軽い」(ロバートソン事務総長)というNATO解釈がそのまま国際社会で通じるわけではない。[2000-06-08-18:44] 7
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 06/08@末広議員ら5人が参加 列国議会同盟の支援会合(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】各国議会間の交流を進める列国議会同盟(IPU)は七日、米ニューヨークの国連本部で開会中の女性2000年会議を支援する会合を開き、日本から末広まきこ参院議員(自民)ら五人の女性議員が参加した。
 会合では五十四カ国の議員らが演説。末広氏は「日本では女性国会議員の割合は九%、地方議会も六%と、政治参加はあまりに低い状況。北京行動綱領が定めた、女性議員が誕生しやすい選挙制度の確立と、女性候補擁立へのより積極的な取り組みが、今後の重要な課題だ」と改善への決意を示した。
 会合ではボスニア・ヘルツェゴビナの女性議員が「和平後の選挙で、十二人の女性議員が誕生した」と述べ、大きな拍手を浴びた。またオーストリアの議員は、極右政党の政権参加が女性問題政策に与えた影響などについて報告した。(了)[2000-06-08-08:49] 8
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 06/08@欧米主導に反発、ボスニアの幹部会議長が辞意表明(読売新聞)

 【ベオグラード7日=佐々木良寿】ボスニア・ヘルツェゴビナの最高意思決定機関、幹部会(イスラム教徒、セルビア人、クロアチア人三勢力の代表者で構成)のアリヤ・イゼトベゴビッチ議長(74)は六日、今年十月の議長任期終了をもって、幹部会員を辞任すると発表した。同議長は、九〇年代の内戦時代にイスラム教徒を率いた強硬派指導者で、今回の辞意表明の背景には、ボスニア復興を主導してきた欧米への反発に加え、イスラム教徒地区で穏健派が台頭しているという事情がある。
 同議長は、内戦終結後の九六年九月に行われた選挙でイスラム教徒代表に選出され、九八年九月に再選。幹部会員の任期は二〇〇一年九月まで残っていた。
 同議長は、六日の辞任声明で、健康問題に加えて、「イスラム教徒に犠牲を強いている国際社会への失望」を辞任の一因にあげ、国際社会への反発をあらわにした。
 ボスニアは、九二年に始まった内戦を終結に導いた九五年の米デイトン合意で、セルビア人が領土の49%を獲得してセルビア人共和国を、クロアチア人、イスラム教徒が残り51%の領土でボスニア連邦を構成。国連の平和安定軍(SFOR)の展開と和平履行委員会による国際管理の下で、復興に取り組んできた。
 イスラム教徒陣営は、内戦中、「犠牲者」との立場を確立。同議長はその代表として、国際社会から同情を受けた。
 しかしイスラム教徒社会の内実は複雑で、イスラム教徒地区の民族主義的政治家の中には、西側から「和平推進に障害となる」とされる人物も多かった。昨年夏には、サラエボ住宅建設局長を務めていたイゼトベゴビッチ氏の息子に絡む国際援助金不正流用疑惑も起き、「イゼトベゴビッチ議長や民族派を見る国際社会のムードは変わってきている」(ボスニア問題を長く追っている外交筋)のが現状だった。
 イスラム教徒社会でも内部から変化が進んだ。
 四月に行われた市町村選挙では、穏健派で多民族政党の社会民主党(ズラトゥコ・ラグムジア党首)が大幅に勢力を拡大。これまで、一貫して同地区を率いてきたイゼトベゴビッチ氏の強硬民族主義政党「民主行動党」は大敗し、欧米は、これを脱民族主義に向けた大きな前進と歓迎している。五月末にブリュッセルで開かれた支援国による和平履行閣僚級会議では、世代交代を求める声も出たほどだ、という。
 ボスニアでは、十一月に国政、地方選挙が行われる予定で、イゼトベゴビッチ氏の辞任は党勢立て直しに向けたものとの見方もある。セルビア人共和国やクロアチア人地区では民族主義強硬派が大勢を占めており、民族融和への道が依然、険しいことは間違いない。しかし、内戦終結から四年半以上が過ぎるなかで、ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権はボスニア問題への関与を薄め、クロアチアも、独裁者のトゥジュマン大統領の死亡と民主化によりボスニア・クロアチア人への支援をやめる方向に動き出している。デイトン合意調印時の指導者で現在も表舞台に立っているのは、イゼトベゴビッチ氏ただ一人。同氏が実際に十月で辞任すれば、ボスニアにも世代交代の波が訪れる可能性は高まる。[2000-06-08-01:16] 9
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 06/08@◇コソボでセルビア人殺害相次ぐ◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦のブラトビッチ首相が7日、コソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)主体の国際部隊(KFOR)などの撤退を求めた背景には、アルバニア系住民によるセルビア人殺害事件が再び多発している事情がある。6日には中部グラツァニツァで車から投げられた手りゅう弾で住民6人が負傷する事件が発生。抗議する数100人のセルビア人住民がKFOR兵士に殺到したため、KFOR側が発砲、少なくとも住民2人が負傷した。コソボは10日でNATO空爆停止から1年を迎えるが、混乱は続いたままだ。
 国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)などによると、6日の混乱で、このほかアルバニア系住民2人が負傷したほか、国連車両など9台が放火された。
 セルビア人を狙った事件では、今月2日に州都プリシュティナ郊外で車が農道で新たに埋められたとみられる地雷に接触、子供2人を含む5人が死傷。先月末には通りがかりの車からの銃撃など、2週間で8人が殺されている。
 こうした事態に、コソボのセルビア人組織の一つ、セルビア民族評議会は、セルビア人に対する保護対策が不備だとして、UNMIKとの協力関係を凍結する方針を決めていた。[2000-06-08-00:46] 10
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 06/08@◇ユーゴ首相、コソボからの国際部隊撤退など要求◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア連邦のブラトビッチ首相は7日、記者会見を開き、コソボ自治州で活動する国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)の決定の全面破棄とクシュネル特別代表の解任、北大西洋条約機構(NATO)主体の国際部隊(KFOR)の撤退などを国連安保理に正式に要求する方針を表明した。
 NATO空爆停止から10日で1年がたつが、国際管理下にあるコソボでは、このところ、アルバニア系住民によるセルビア人殺害が目立ち、抗議する住民にKFOR側が発砲する事件も起きた。ユーゴはこうした点を突くことで、改めて領土保全の正当性を主張する思惑が込められている。
 ブラトビッチ首相は「UNMIKなどはセルビア人に対するテロ行為を容認している」と批判。また、コソボから全面撤退した連邦軍やセルビア治安部隊の再配備を求めた。
 国連安保理は昨年6月10日、NATOの空爆停止を受けて、(1)ユーゴの主権と領土保全(2)国連の暫定統治(3)コソボの実質的な自治享受(4)国際部隊の展開(5)連邦軍などの撤退――などを定めた決議を採択した。[2000-06-08-00:38] 30
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 06/08@◇チェチェンに露大統領直轄の臨時行政府設置◇(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領は8日、イスラム武装勢力との戦闘が続くチェチェン共和国に、大統領主導の臨時行政府を設置する大統領令に署名した。行政長はまだ未定だが、連邦政府に対し必要な財政措置をとるよう指示した。イワノフ国家安全保障会議書記は同日、「チェチェンは大統領の直轄下に入った」と語った。
 1994年以降の2度のチェチェン紛争の間、チェチェンはロシア憲法や連邦法が行き届かない事実上の独立状態にあり、全土の荒廃が進んだ。今回の大統領令は、チェチェンをロシア連邦の一部に組み戻す意味がある。
 行政長には北カフカス軍管区のトロシェフ司令官や、コシマン・前チェチェン大統領全権代表兼副首相の名があがっている。
 また、ロシア政府は同日、チェチェンのインフラ復興や教育制度などの整備に対し、今年だけで約80億ルーブル(約300億円)を投入することを決めた。[2000-06-08-22:42] 36
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 06/08@<中露電話会談>7月上旬、下旬に2回の首脳会談実施で合意(毎日新聞)

 【北京8日浦松丈二】中国中央テレビによると、ロシアのプーチン大統領は8日、中国の江沢民国家主席と電話会談し、7月上旬にタジキスタンで開かれる中央アジア・中露の5カ国首脳会議の際と九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)前の7月中旬に北京で、計2回の首脳会談を行うことで合意した。
 報道によると、江主席は今年の中露関係について「尋常な一年ではない」と指摘し、「中露の相互信頼や協力は世界の安全に寄与する」と述べた。それに対し、プーチン大統領は「戦略的協力関係」の重要性を強調した。
 江主席が「尋常でない」と発言した真意は明確ではないが、ロシアが米露首脳会談で弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約で条約修正の可能性に言及したことなどに対する不快感の表明である可能性もある。
 中露はこれまで、米本土ミサイル防衛(NMD)や戦域ミサイル防衛(TMD)構想に対して共同で反対してきた。しかし、プーチン大統領は米露首脳会談やその後のイタリア訪問で、米露、露欧ミサイル共同防衛構想を提案しており、安全保障分野での路線変化が指摘されている。[2000-06-08-22:15] 106
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 06/08@レーザー兵器が迎撃に成功 米陸軍が実験で(共同通信)

 【ワシントン7日共同】米陸軍は七日、開発中の地上配備型レーザー兵器がカチューシャ・ロケット(多連装ロケット)砲弾を迎撃する実験に成功したと発表した。レーザー兵器が実際に飛来するロケット砲弾を撃墜したのは初めてという。
 地上型レーザー兵器「THEL」は米国がイスラエルと共同開発中で、近くイスラエルに配備され、レバノン南部の過激組織ヒズボラが撃ち込むカチューシャ・ロケット砲弾攻撃の防衛兵器となる。
 レーザー兵器は近接した敵からのロケット砲弾攻撃などへの対応に適しているため、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と向き合う在韓米軍への配備も検討対象となっている。
 ニューメキシコ州のホワイトサンズ実験場で行われた実験では、ロケット砲の飛来コースから数キロ離れた地点に配備されたTHELが正確に予測。強力なレーザー光線で飛行途中のロケット砲弾を完全に破壊した。(了)[2000-06-08-13:02] 108
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 06/08@パプア独立を支持しない 首相がワヒド大統領に(共同通信)

 森喜朗首相は八日午前、インドネシアのワヒド大統領と迎賓館で会談し、「インドネシアの領土の一体性を支持する」との表現で、住民大会で新国家「パプア」として独立宣言したイリアンジャヤ州や、独立運動があるアチェ特別州の独立を支持しないとの立場を表明した。
 その上で、首相はアチェ特別州のサバン島の開発計画策定に協力する方針を伝え、「平和的解決の一助になることを期待する」と強調した。
 大統領が「特別円借款を実施してほしい」と求めたのに対し、首相は対応を約束。スマトラ島大地震の被害に対しても支援を継続する考えを示した。
 これに先立ち、首相はフィリピンのエストラダ大統領と会談。大統領は七月の主要国首脳会議(沖縄サミット)について「日本がアジアの声を代弁することを期待する」と述べた。首相は「アジアの声を十分に聞き、成功に努力したい」と応じ、大統領の公式来日を要請した。(了)[2000-06-08-12:54] 116
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 06/08@<国連女性会議>PKO参加に「積極関与」で合意 (毎日新聞)

 【ニューヨーク7日佐藤由紀】ニューヨークで開催中の国連特別総会「女性2000年会議」は7日までに、女性の国連平和維持活動(PKO)へのより積極的な関与を促すことで合意し、9日採択する最終合意文書(成果文書)に盛り込むことを決めた。日本ではこれまで、女性のPKO参加問題があまり取り上げられておらず、新たな議論が起きる可能性もある。
 同問題は女性を紛争の被害者としてだけでなく、和平活動や平和維持の担い手としてとらえようという観点から、ノルウェーなど北欧諸国が提案していた。しかし、慎重論が出たため「(女性はPKO活動や平和構築の際の)意思決定・政策決定への関与を強める」という表現で決着した。
 会議はまた、「女性に対する暴力」が大きな問題として浮上していることを踏まえ、持参金が少ないとの理由で、南アジアで見られる花嫁への殺人や、アフリカの少女性器切除を批判し、最終文書の中で指摘することでも合意した。
 また浮気をした妻や結婚前に性交渉を持った女性を「家族の名誉を損なった」として殺したり、虐待する行為への批判も盛り込む。
 また、西側諸国は「夫婦間のレイプ」についても、女性の暴力として文書に書き込むよう要求しているが、イスラム諸国などが抵抗している。
 会議はこのほか、文書中に、同性愛など多様な性的嗜(し)好を認める「セクシャル・ライツ」という言葉を盛り込むかどうかについても議論。しかし、イスラム諸国やバチカンが激しく反発している。[2000-06-08-12:07] 121
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 06/08@家族めぐる項目を半減 「成果文書」の文言で詰め(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】ニューヨークの国連本部で開催中の国連特別総会女性2000年会議は七日、本会議と並行して非公式協議を断続的に行い、最終日の九日に採択される予定の「成果文書」の文言で詰めの作業を続けた。
 これまでに、ローマ法王庁の家族をめぐる提案には具体性に欠けるものが多いとの欧州連合(EU)の主張が通り、十二項目を六項目まで統合、削除することで一致。先進国側が国民総生産(GNP)の○・七%を政府開発援助(ODA)に充てる努力をすることや、女性への暴力への対応強化、教育の重要性や政策決定過程への積極的参加を促すなどの項目で合意した。
 一方、本会議では東南アジア諸国連合(ASEAN)やアフリカの各国代表が演説、開発援助をめぐって先進国に一層の負担を求める論調が目立った。
 カンボジア代表は「長年にわたる内戦と破壊のため、女性の社会参加は経済の再生に欠かせない」と強調。昨年三月から女性の地位向上を目的とした五カ年計画に着手したと述べ、女性の人権拡大のためにも経済援助の継続を求めた。
 フィリピン代表は、一九九七年のアジア通貨危機や最近のグローバル化が同国女性の生活を直撃したと述べる一方、日本の援助で女性の職業訓練センターが設立された事例を紹介した。(了)[2000-06-08-11:54] 124
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 06/08@笑いと風刺で連帯呼び掛け 日本人などに“8変化”(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】小道具はモスグリーンのスカーフ一枚。巻き方を変えたとたんに、日本やインドなど八カ国の女性に変身、各国に残る差別的な法律を風刺して、場内は笑いの渦に―。米国のパフォーマンス・アーティストのサラ・ジョーンズさんが七日、ニューヨークの女性2000年会議に登場、熱い連帯のメッセージを送った。
 満員の観衆に迎えられて会議室の演壇に座ったジョーンズさんは、スカーフをくるりと巻いてインド女性のサリー姿に。インド人の英語のアクセントを見事にまね、力こぶを振り上げて「夫のレイプは犯罪に問えない」という法律をやり玉に挙げた。
 日本人女性「トモコさん」は、前夫の暴力で受けたあざをサングラスで隠し「女性だけが離婚後六カ月間、結婚できない」という民法に新たな幸せを阻まれていると語る。
 レイプしても、結婚の約束をすれば罪に問われないというウルグアイ。男性にしか離婚の権利がないイスラエル。完ぺきななまりで笑わせながら、ときに涙ぐみ、スカーフで手錠の形に手をしばって女性の苦しみを表現した。
 フランス、ヨルダン、米国人役を終え、最後は性器切除を受けなくて済むようになったケニアの十三歳の少女。スカーフは手のひらで小さな人形になった。
 三カ月で各国の女性と会い、アクセントを身につけたというジョーンズさんは「この『八人』が本当に国連を動かす力になればいい」と話していた。(了)[2000-06-08-11:38] 133
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 06/08@◇米が北朝鮮の経済制裁緩和を近く実施へ◇(朝日新聞)

 米政府当局者は7日、クリントン大統領が昨年秋に発表した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する経済制裁の一部緩和を近く実施に移すことを明らかにした。先月ローマで行われた米朝高官協議で合意したもので、12日から始まる南北朝鮮首脳会談の結果を受けて、19日にも発表される見通し。これとほぼ同時に北朝鮮も、弾道ミサイル発射の一時凍結について新たな発表をするという。米朝両国は、南北会談に合わせて米朝間の進展も強調し、関係改善の流れの維持を図ることにした形だ。
 米政府は昨年9月、米朝協議で北朝鮮がミサイル発射の一時凍結を約束したことを受け、見返りに制裁を緩和する方針を公表した。しかし、実際には「政府内の事務手続きに時間がかかる」との理由で実施が先延ばしになっており、北朝鮮側はその後の米朝協議の中で不満を示していた。
 制裁緩和で解除されるのは、北朝鮮からの物品や原材料の輸入▽米企業による消費財など民生品の輸出や金融サービス▽農業、交通、港湾などインフラ整備、観光投資▽米国市民から北朝鮮への送金▽米国の商船による民生用物資の輸送▽民間航空機の乗り入れ、など。
 米当局者は、ローマ協議で北朝鮮側が、昨年3月以来中断している米朝ミサイル協議の再開に合意したことを評価。同協議の準備会合もすでに開かれ、制裁緩和の実施に踏み切る条件が整ったことを示唆した。南北会談後の双方の発表は、ローマ協議の中ですでに合意されているという。
 ミサイル発射をめぐる北朝鮮の新たな発表は、基本的にはベルリン合意後の声明とほぼ同じになるのではないか、とみられている。米朝協議が続く間、北朝鮮はミサイル発射をしないとの内容だが、周辺国が強い懸念を持つミサイルについて北朝鮮の協調姿勢を改めて固めるものと米側はみている。[2000-06-08-10:52] 148
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 06/08@ブラジル断念し南ア支持? きな臭い動き英紙が報道 サッカ(共同通信)

 サッカーの二○○六年ワールドカップ(W杯)招致をめぐるきな臭い動きが表面化してきた。立候補国の一つのブラジルがこれを断念し、南アフリカの支持に回るという話だ。英国のフィナンシャル・タイムズ紙がこのほど報じ、ロイター通信が転電した。
 ○六年W杯は七月六日に予定される国際サッカー連盟(FIFA)理事会での投票で決まる。理事総数(会長、副会長を含む)は二十四人。この中の三人の南米大陸の理事が次の一○年W杯のブラジル支持と引き換えに、今回はアフリカ大陸初のW杯開催を目指す南アフリカに投票するシナリオらしい。
 ○六年W杯に立候補しているのはブラジル、南アフリカのほか、ドイツ、イングランド、モロッコの計五カ国。今回の動きはアフリカと南米が手を組んで、イングランド、ドイツの欧州勢の招致チャンスをつぶす狙いがあるという。
 ある関係者は「モロッコも『アフリカの団結』のため、南アフリカの支持に回り、立候補を断念する可能性がある」と説明する。
 最終的に日本と韓国が共催することになった○二年W杯の招致でも、思惑の絡んださまざまな動きがあった。フィナンシャル・タイムズ紙によると、今回の動きの背後に絡む人物としてFIFAの前会長、懐しのアベランジェ氏(ブラジル)の名前も挙がっている。(共同)(了)[2000-06-08-07:45] 151
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 06/08@<特報・少年サッカー>韓国、朝鮮、日本籍の子ら親善試合 (毎日新聞)

 大阪市の長居スタジアム(東住吉区)で7月1日、大阪市生野区の少年サッカーチーム同士の親善試合が、Jリーグの公式試合(セレッソ大阪―京都パープルサンガ)の“前座”として実現することになった。選手たちは韓国籍、朝鮮籍、日本籍とさまざまだが、日韓共同開催の2002年ワールドカップ会場にもなる「夢の舞台」に向けて目を輝かす少年たちの間に壁はない。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で今月12日に始まる史上初の南北首脳会談に向け熱い期待感が高まるなか、在日韓国・朝鮮人が多く暮らす生野区の子どもたちの交流は、一層の広がりをみせている。
 対戦するのは、生野朝鮮初級学校・第四初級学校の合同チームと、同区内の市立小学校などの7チームから集まった混成チーム。いずれのチームも「生野フットボール連盟」に加盟している。
 同連盟は1997年に設立。在日韓国・朝鮮人と日本人の子どもが混在し、今春まで3年連続で、春休みに韓国にチームを派遣するなど親善交流の活動を進めてきた。
 同連盟の子どもたちが韓国から来た有力選手がいるセレッソ大阪を応援していることなどから、今回、セ大阪の協力で長居スタジアムでの試合が初めて実現した。
 混成チームの子どもたち42人は7日夜も、同市生野区の生野南小グラウンドで、ボールを持ちながらゴールに向かうターンなどを練習した。監督の金龍哲さんは「生野の子どもたちにとっては、国籍など立場の違いは当たり前。あこがれの舞台で、一緒にサッカーをすることに意味がある。勝ち負けは関係なく、みんな楽しみにしています」。子どもたちも「1点でもゴールできるよう、頑張ります」と目を輝かせた。
 朝鮮学校合同チームの李昌受監督も「こうした形で交流が進み、大変うれしい。子どもたちの活躍の場が広がった」と期待を込めている。【中尾 卓司】[2000-06-08-03:02]
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 06/09@EUとNATOが緊急対応部隊で合同作業部会設置(読売新聞)

 【ブリュッセル8日=三井美奈】欧州連合(EU)が二〇〇三年設立を目指す六万人の緊急対応部隊(EU部隊)に関して、EUと北大西洋条約機構(NATO)の合同作業部会が設置されることが八日までに内定した。本紙が入手したEU議長国報告案で明らかになった。同報告案は、今月末ポルトガルで開かれるEU首脳会議で討議・採択される見通し。新設の合同作業部会は、EU部隊とNATOの役割分担を探るほか、米国やEU内中立国の懸念解消を目的とするもの。両者の合意が成立すれば、紛争解決・平和維持機能を持つ重装備のEU部隊が本格的に動き出すことになる。
 EU部隊設置はNATOによる対ユーゴスラビア空爆を機会に、昨年六月のEUケルン首脳会議で決まった。今年末に部隊への各国別貢献を決める予定となっている。
 入手した同報告案によると、作業部会は〈1〉欧州安保全般の問題〈2〉軍備目標設定と情報交換〈3〉EUによるNATO施設利用〈4〉両者の機構、意思決定手順の恒久的関係整備――の四つの課題別に両機構間の詰めを行う。特に部隊派遣に当たって大量輸送機などの装備、計画立案でNATOの協力が不可欠となるため、作業部会ではEUとNATOが協力方法を検討するほか、EU各国の現有防衛力を総点検し、将来の課題も探る。
 この問題では、NATOを主導する米国がEU独自安保構想を警戒しているため、EUとNATOの緊密な関係構築はEU部隊創設に不可欠だった。両者間には、NATO事務総長とEU共通外交安保上級代表との定期懇談以外に公式接点がなかっただけに、正式協議機関が設置される意義は大きい。
 作業部会はオーストリア、スウェーデンなどEUの中立四か国の不安解消にも役立つと見られる。四国ともNATOの「平和のためのパートナーシップ(PFP)」に参加し、NATO本部に常駐代表部を置き、平和維持活動で連携してきた実績があり、NATOとの協議機関設置に国内の抵抗はない。
 首脳会議ではEU内の中立四か国やNATO内の非EU加盟国(トルコ、ノルウェー、ポーランドなど八か国)の意思疎通を図るため、各種の閣僚級会合を定例開催することで合意の見込みだ。[2000-06-09-01:27] 2
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 06/09@◎KFORのコソボ駐留は今後も可能=1年期限説に反論−N(時事通信)

 【ブリュッセル8日時事】北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は8日、ブリュッセルの本部で記者会見し、ユーゴスラビア・コソボ自治州に展開している平和履行部隊(KFOR)の駐留期限が今週末で失効するとの一部の見方について、「国連安保理による新たな決定がない限り、(駐留継続は)可能である」と強調した。
 国連安保理は昨年6月、KFORの派遣を承認する決議を採択している。一部に同日で安保理決議の期限が失効し、ユーゴ軍の駐留が可能になるのではないかとの憶測が流れていることにこたえたもので、「ボスニア・ヘルツェゴビナの平和維持軍(SFOR)も、駐留を続けている」と述べた。[時事通信社][2000-06-09-01:06] 17
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 06/09@<ロシア>チェチェン共和国に臨時行政府樹立 大統領令署名(毎日新聞)

 【モスクワ8日石郷岡建】ロシアのプーチン大統領は8日、紛争が続いているチェチェン共和国に臨時行政府を樹立する大統領令に署名し、下院に同行政府の樹立に関する法案を提出した。事実上、同共和国を大統領直轄統治下に置く内容で、議会での法案採択後は連邦直轄統治となる。期間は2〜3年とされる。
 大統領令によると、(1)チェチェン共和国臨時行政府を樹立(2)チェチェン共和国のロシア政府代表部を廃止(3)ロシア政府は同行政府樹立のために必要な法的・財政措置をとる(4)北カフカス地域テロ対策作戦本部は臨時行政府と相互行動をとるーーなど。
 また、大統領筋によれば、共和国内部に1万5000人規模の部隊が駐留し、約1000人規模の連邦保安局チェチェン支部が設置され、治安維持にあたるという。
 プーチン大統領は臨時行政府の代表を数日中に任命する方針で、すでに数人の候補が上がっている。さらに、カザンツェフ北カフカス連邦管区大統領代表(前北カフカス軍管区司令官)が特別大統領補佐官(兼務)に任命され、臨時行政府の支援を行うとみられている。
 これにより、選挙で選ばれたマスハドフ共和国政権は排除されるが、紛争終結の目途は依然たっておらず、和平実現までには、なお曲折が予想される。[2000-06-09-00:22]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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