最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(05/31, 2000)


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [リンク]

 05/21@<NPT>最終文書合意・広島反応 「手放しでは喜べない」(毎日新聞)
 05/21@核保有国が核完全廃絶を約束…NPT(読売新聞)
 05/21@<NPT>最終合意文書採択し閉幕 核兵器全廃へ「明確な約(毎日新聞)
 05/21@◇NPT再検討会議が最終文書を採択 中東問題、米が譲歩◇(朝日新聞)
 05/21@存在誇示した新アジェンダ 核保有国に並んだ影響力(共同通信)
 05/21@◎外国人ヘッドコーチ起用へ=スキー連盟 (時事通信)
 05/22@◎ボスニアの非番米兵5人が重軽傷=ハンガリー(時事通信)
 05/22@中国のWTO加盟、EU外相理事会で支持 (読売新聞)
 05/22@◎アルバニア系住民140人に有罪判決=ユーゴ(時事通信)
 05/22@対中WTO合意を歓迎 EU外相理事会(共同通信)
 05/22@<レバノン南部>イスラエル軍が期限前に一部撤退を始める(毎日新聞)
 05/22@◇ピースボートが東アフリカ巡り和平会議◇(朝日新聞)
 05/22@NPT合意、米メディアの関心低く(読売新聞)
 05/22@スイス、EU協定を国民投票で承認(読売新聞)
 05/23@<記者の目>イスラム伸長の理由 小倉孝保(外信部)(毎日新聞)
 05/23@<九州・沖縄サミット>首脳たちの思惑 NGOとの対話の成(毎日新聞)
 05/23@◇ドイツ連邦軍、軍民計10万人を5年以内に削減◇(朝日新聞)
 05/23@<レバノン>イスラエル軍撤退 3国の政治力学に微妙な影も(毎日新聞)
 05/23@<エリトリア>エチオピアとの和平交渉に合意 EU特使語る(毎日新聞)
 05/23@連邦軍約10万人を削減 独政府諮問委が答申案提出(共同通信)
 05/23@レバノンから本格撤退開始 ヒズボラが支配拡大 イスラエル(共同通信)
 05/23@<ブッシュマン>奴隷から尖兵へ 戦火とともに丸10年(毎日新聞)
 05/23@レバノン南部の親イスラエル民兵、拠点次々放棄(読売新聞)
 05/23@7900人規模まで増強を 南レバノンで国連総長勧告(共同通信)
 05/23@シエラレオネとレバノンのPKO増強を勧告(読売新聞)
 05/23@NGOが国連の在り方討議 ミレニアム・フォーラム(共同通信)
 05/24@カンボジアがポル・ポト派裁判の国連案受諾(読売新聞)
 05/24@NMD、コソボなど協議 NATO外相理事会(共同通信)
 05/24@NMD構想など協議 NATO外相理開催 (共同通信)
 05/24@規制緩和で武器輸出拡大へ 米が日本など友好国に(共同通信)
 05/24@◎南東欧の物流拠点を共同で整備=クロアチアとハンガリー、(時事通信)
 05/24@米弾薬庫に劣化ウラン弾 人体への影響を否定(共同通信)
 05/24@<レバノン南部>真の和平には実効支配のシリアの出方がカギ(毎日新聞)
 05/24@イスラエル軍が撤退完了 22年間の占領状態に終止符(共同通信)
 05/24@日本の役割を高く評価 NPT議長が総括会見(共同通信)
 05/25@NATO外相会議、EUとの協力体制強化で合意(読売新聞)
 05/25@NATO外相会議、クロアチアのPFP加盟を承認(読売新聞)
 05/25@<ニュース25時>NATO外相会議、クロアチアPFP加盟(毎日新聞)
 05/25@<NATO外相会議>米ミサイル防衛構想で具体的協議入り合(毎日新聞)
 05/25@一念発起し戦争特派員に 射殺されたロイター記者(共同通信)
 05/25@◎マケドニア大統領、台湾大使の信任棚上げ=「投資進まぬ」(時事通信)
 05/25@◇NATOとロシアが外相協議、協力関係の修復を宣言◇(朝日新聞)
 05/25@◇シエラレオネで報道陣を待ち伏せ攻撃、記者2人死亡◇(朝日新聞)
 05/25@戦犯国防相の招待は手違い ロシアのイワノフ外相(共同通信)
 05/25@◎モスクワにNATOの「情報センター」設置(時事通信)
 05/25@上級委員に谷口教授を任命 WTO、日本の存在感維持(共同通信)
 05/25@エリトリアが撤退表明(共同通信)
 05/25@◇嘉手納弾薬庫に劣化ウラン弾を貯蔵 米空軍が認める◇(朝日新聞)
 05/25@ナイジェリアの宗教紛争で300人死亡(読売新聞)
 05/26@◇フェンス1枚、向こう「敵」 レバノン国境のイスラエル◇(朝日新聞)
 05/26@◇クリントン大統領、ロシアなど4カ国を訪問へ◇(朝日新聞)
 05/26@<イスラエル>撤退完了で、レバノン占領政策に終止符を打つ(毎日新聞)
 05/26@米軍が戦略の重点をアジアへ…WP紙(読売新聞)
 05/26@<ABM>制限条約の修正めぐり米と露の食い違いが深まって(毎日新聞)
 05/26@<レバノン>「モザイク国家」で、微妙な力のバランスの上に(毎日新聞)
 05/26@<レバノン>撤退でゴラン高原返還交渉の交渉カード失う シ(毎日新聞)
 05/26@アフガン空爆準備を確認 ロシア軍第1参謀次長(共同通信)
 05/26@大量の頭脳流出防げず イラク高等教育相を解任(共同通信)
 05/26@ユーゴ、中国に勝つ サッカーの国際親善試合(共同通信)
 05/26@◇イスラエル・パレスチナ混成チームがサッカー慈善ゲーム◇(朝日新聞)
 05/26@中田、バッジョも助っ人 中東和平慈善サッカー(共同通信)
 05/27@<ブッシュマン>「土着白人」文化の波(毎日新聞)
 05/27@◇米ロがラディン氏引き渡しをタリバーンに要求◇(朝日新聞)
 05/27@安保理の拒否権廃止提言 国連NGO会議が閉幕(共同通信)
 05/27@日本に核武装の懸念 米諮問機関が報告書 (共同通信)
 05/27@ロシア語が公用語に復権 キルギス、国名は変更せず(共同通信)
 05/27@アルジェで和平交渉再開へ エチオピアとエリトリア(共同通信)
 05/27@<伊銀行爆破事件>ゾルジ被告身柄問題 日・伊の実務者が初(毎日新聞)
 05/27@東ティモールが五輪参加 IOCが特例措置を適用(共同通信)
 05/27@スタジアムに「国名」が 初参加の東ティモール沸く(共同通信)
 05/28@最大政党の復帰決定、北アイルランド自治再開へ(読売新聞)
 05/28@「タミルのトラ」が戦闘停止発表、住民に避難促す(読売新聞)
 05/28@◎ユーゴ大統領、モンテネグロ訪問へ=親欧米派の共和国政権(時事通信)
 05/28@<ユーゴ>セルビア政府の野党系テレビ局接収で抗議集会(毎日新聞)
 05/28@ジンバブエの白人農地再配分で南ア与党が英批判(読売新聞)
 05/28@◇長引く比国軍とイスラム勢力の衝突、20万人の避難民◇(朝日新聞)
 05/28@「難民と認めて」と集会 迫害のアフガン少数民族(共同通信)
 05/28@戦争決別宣言が暗礁に 野党、選挙向けと警戒(共同通信)
 05/28@◇「葉っぱのフレディ」を翻訳したみらいななさん◇(朝日新聞)
 05/28@北アイルランドで自治復活 プロテスタント政党が決定(共同通信)
 05/28@◇米国防総省、対中国・インド重視へ 存在軽くなる日・ロ◇(朝日新聞)
 05/29@対欧州関係重視を表明 ロ大統領がEU首脳会談で(共同通信)
 05/29@◇エチオピア機がエリトリア首都の空軍基地を爆撃◇(朝日新聞)
 05/29@分離独立、初の本格討議 西パプア住民大会が開幕(共同通信)
 05/29@◇シエラレオネの武装勢力が国連要員全員を解放◇(朝日新聞)
 05/29@シエラレオネに3千人派兵 西アフリカ首脳会議(共同通信)
 05/29@<西パプア>39年ぶり、住民会議始まる 独立要求決議へ(毎日新聞)
 05/29@PKO再構築が今後の焦点 シエラレオネ解決で国連(共同通信)
 05/29@米の核依存戦略に変化なし 「廃絶」は究極の目標(共同通信)
 05/29@<ブッシュマンのテントで>絶え間なき迫害(毎日新聞)
 05/30@<米大統領>リスボンに到着、歴訪開始 ベルリン初訪問も(毎日新聞)
 05/30@パレスチナ地位交渉、エルサレム帰属で妥協案浮上(読売新聞)
 05/30@◇「731部隊」の跡、世界遺産登録めざす◇(朝日新聞)
 05/30@<エチオピア>エリトリア領内侵攻の国軍の一部撤退を発表(毎日新聞)
 05/30@◇外国人登録、過去最高の155万人◇(朝日新聞)
 05/30@<シエラレオネ>平和維持軍3千人を再派遣 西アフリカ諸国(毎日新聞)
 05/30@◇独立目指し3000人が参加 パプア会議開会◇(朝日新聞)
 05/30@北アイルランド政府再出発 IRA武器庫査察が焦点(共同通信)
 05/30@◇ジュビロ磐田に新外国人◇(朝日新聞)
 05/31@<バルカン地域>民主化促進へ首脳会議開催提唱 仏シラク大(毎日新聞)
 05/31@◇米国が直面する脅威は弾道ミサイル 戦略文書が指摘◇(朝日新聞)
 05/31@<米国防総省>「統合ビジョン2020」で軍事力維持を唱え(毎日新聞)
 05/31@CNNが開局20周年 視聴者7800万世帯に(共同通信)
 05/31@イスラエルが西欧地域加入 安保理理事国へ道開く(共同通信)
 05/31@◎米高官、タリバン当局者と会談=ラディン氏引き渡し問題を(時事通信)
 05/31@米、地雷規制強化を提案 起動装置解除で技術支援も(共同通信)
 05/31@<ニュース・キー>「戦争決別宣言決議」採択 全会一致崩す(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


[このページの最初に戻る]
[このページの最初に戻る]

 05/21@<NPT>最終文書合意・広島反応 「手放しでは喜べない」(毎日新聞)

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、「核兵器全廃への明確な約束」などを合意したことに対し、被爆地・ヒロシマからは歓迎の声が上がった。だが、核兵器廃絶の期限が明示されず、採択した最終文書に法的拘束力がないなど、「手放しでは喜べない」との声も聞かれた。
 広島県原爆被害者団体協議会の近藤幸四郎事務局次長は「米英ソの部分的核実験禁止条約調印(1963年)の際も、国連総会でのCTBT(核実験全面禁止条約)案採択(96年)の時も、もう核実験はないと喜んだ。だが、喜びもつかの間、臨界前核実験などの抜け道が残され、失望した。インドやパキスタンの動向などもあり、手放しでは喜べないが、核廃絶を訴える世界の世論の高まりを見ていると、今度こそはという期待はある」と話した。
 また、原水爆禁止日本国民会議などが派遣した「NPT再検討会議派遣団」の一員として先月、ニューヨークを訪れた「全国被爆二世教職員の会」の中谷悦子副会長は「この5年間、核軍縮がうまく進まなかったが、世界のNGO(非政府組織)は、過去にこだわるよりも未来を、と訴えてきた。カットオフ(兵器用核分裂物質生産禁止)条約の5年以内の締結など、具体的目標にこだわってきたので、合意文書採択は大変うれしい」と話し、「日本政府は、米国の『核の傘の論理』から抜け出ていないが、米国に対して核廃絶を強く働きかけてほしい」と注文した。
 一方、広島市の秋葉忠利市長は、「核兵器全廃への明確な約束が最終文書に盛り込まれたことは評価したい。新アジェンダ連合をはじめとする非核保有国の粘り強い取り組みや、NGOなどの核兵器廃絶を願う国際世論の高まりが成果につながった。しかし、最終文書には、核兵器廃絶の期限が明示されていないなど、課題は残っている。各国政府がこの合意に従い、核軍縮の取り組みをいかに誠実に履行するかが問われる」とのコメントを発表した。[2000-05-21-20:03] 175
[このページの最初に戻る]


 05/21@核保有国が核完全廃絶を約束…NPT(読売新聞)

 【ニューヨーク20日=松浦一樹】ニューヨーク国連本部での核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、日程上の最終日だった十九日より一日遅れて二十日夕(日本時間二十一日早朝)、核保有五か国(米露英仏中)が初めて合同で核完全廃絶を明確に約束する項目など、不拡散体制強化の追加目標を設定する最終文書を採択し、閉幕した。九五年のNPT無期限延長後、初の再検討会議となった今回、核保有国と非同盟諸国など非核保有国が新たな核軍縮目標をめぐり激しい攻防を展開、最終文書の採択が一時危ぶまれたが、最終的にNPT体制崩壊を恐れる双方が歩み寄った。
 採択された文書は、▽核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効と、それまでの核実験停止▽兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉開始から五年以内の妥結▽核保有国による核完全廃絶の明確な約束▽第二次戦略兵器削減条約(START2)早期発効、START3交渉の早期妥結、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の維持・強化――などの新たな核軍縮目標を設けた。
 核保有五か国は会期中の今月一日、「究極的な核廃絶」を目指す共同声明を発表。これを不十分とするメキシコ、ブラジルなど核廃絶急進派七か国「新アジェンダ連合」は「核完全廃絶の明確な約束」の明記を迫ったが、仏露などが反対、協議は暗礁に乗り上げた。
 しかし、会期末の土壇場で両国が受け入れを表明してこう着が打開された。「『明確な約束』を盛り込んだことが今会議の最大の成果」(登誠一郎・日本軍縮大使)とする評価もある。
 カットオフ条約の交渉妥結への「五年以内」の年限設定や、「核兵器能力の透明性強化」の文言に難色を示した中国も会期末に譲歩し、最終文書案の主要部分で大筋合意が成立した。
 しかし十九日夜、「中東大量破壊兵器禁止地帯」の設置構想に絡む対イラク国連査察関連の文言調整で米国とイラクが対立。文書を採択できないまま二十日未明に、いったん散会する事態となったが、同日午後、双方の主張を併記することで妥協が成立した。[2000-05-21-20:01] 180
[このページの最初に戻る]


 05/21@<NPT>最終合意文書採択し閉幕 核兵器全廃へ「明確な約(毎日新聞)

 【ニューヨーク21日福原直樹】核軍縮推進を目指し国連本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は20日午後5時(日本時間21日午前6時)、米英仏露中の核保有5カ国による核兵器全廃への「明確な約束」を初めて盛り込んだ最終合意文書を全会一致で採択、閉幕した。最終文書は兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の「5年以内の締結」や、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効も明記、21世紀に向け核軍縮の道筋を明示した。核全廃を求める国際世論を前に、核保有国は30年に及ぶNPTの歴史の中で、初めて「核なき世界」に向けた意思を公式に約束した。
 核廃絶に関して核保有国はこれまで、将来の「究極的目標」と位置付けるにとどまっていた。しかし、今回の協議では、新アジェンダ連合(南アフリカなど非核保有7カ国)の要請を受け、「核全廃の明確な約束」との踏み込んだ表現に同意、課題として取り組む姿勢を表明した。
 最終文書はさらに▽CTBT発効までの核実験の凍結▽戦術核兵器の削減▽核兵器情報の公開(透明)性の強化▽第2次戦略兵器削減条約(START2)の履行とSTART3交渉の早期妥結▽ジュネーブ軍縮会議に核軍縮の補助機関を設置――などをうたっている。また、米露だけでなく「核保有全5カ国による核兵器全廃プロセスへの参加」など核軍縮加速のための新たな枠組みを提唱した。
 NPT体制維持のため最終文書は未加盟のインド、パキスタン、イスラエルに早期加盟を要請する一方、1998年のインド、パキスタンの核実験に「憂慮」を表明、南アジア、中東、中央アジアの非核地帯構想を支持する姿勢を示した。
 会議は19日閉幕の予定だったが、中東の核問題をめぐり米国とイラクが対立し、紛糾した。国際原子力機関(IAEA)の核査察へのイラクの「非協力的」姿勢を批判した文言にイラクが反発していたが、20日の再開協議でイラク批判を弱める文案で妥協が成立、決裂を回避した。[2000-05-21-18:48] 183
[このページの最初に戻る]


 05/21@◇NPT再検討会議が最終文書を採択 中東問題、米が譲歩◇(朝日新聞)

 ニューヨークの国連本部で開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議は20日午後(日本時間21日午前)、紛糾していたイラクの核査察問題で米国とイラクの間で妥協が成立、核保有国による核廃絶の「明確な約束」を盛り込んだ最終文書を全会一致で採択して閉幕した。
 決裂の瀬戸際での合意に、バーリ議長は「一時は成功が危うくなったが、結果は期待以上だった。世界の将来をより安全なものにする転機となる」と述べた。
 米国とイラクが最終日を過ぎても譲らなかったのは、イラクに対し国連安保理決議にもとづく大量破壊兵器の査察を受け入れるよう求めた条項。カナダの仲介の末、イラク非難の表現を弱めることで20日午後になってようやく妥協した。
 最終文書は、核軍縮に関し(1)兵器用核分裂性物質生産禁止(カットオフ)条約の即時交渉開始と5年以内の妥結(2)ジュネーブ軍縮会議に核軍縮を扱う常設の補助機関を設置(3)米ロの第2次戦略兵器削減条約(START2)の完全実施とSTART3の早期妥結、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の維持と強化、などを盛り込んだ。
 また、核不拡散に関しても、インド、パキスタンによる核実験を遺憾とし、国連安保理決議にもとづいて「非核国」としてNPTに加盟するよう呼びかける、などで合意した。
 しかし、核軍縮の日程など核廃絶への具体的な措置については、核保有国の反発で盛り込まれなかった。ジュネーブ軍縮会議への補助機関設置も、「設置を含めた作業計画」での合意を同会議に求めており、総じて具体性を欠く内容となった。
 米国の米本土ミサイル防衛(NMD)計画に強く反発する中国は、最終文書採択には賛成したが、「軍縮会議でのカットオフ条約交渉は、(NMDなど)宇宙軍拡問題とパッケージで行われなければならない」(胡・軍縮大使)と主張。今後の波乱要因となりそうだ。[2000-05-21-18:39] 189
[このページの最初に戻る]


 05/21@存在誇示した新アジェンダ 核保有国に並んだ影響力(共同通信)

 【ニューヨーク20日共同】核廃絶に向けた歴史的な「明確な約束」を米ロなど核保有五カ国から取り付けたことで、「新アジェンダ連合」(NAC)は今回の核拡散防止条約(NPT)再検討会議でその存在感を大いにアピール、「核保有国に匹敵する影響力を持った」とまで評価を高めた。
 NACは一九九八年にインド、パキスタンが核実験を実施した直後、「核兵器のない世界に向けて―新しいアジェンダの必要性」を訴える外相共同宣言を発表した七カ国グループで、メキシコ、アイルランド、スウェーデン、南アフリカ、ブラジル、ニュージーランド、エジプトで構成。
 今回の会議では、強硬姿勢を続けるフランスなど保有国側に「代表団引き揚げ」を示唆して妥協を勝ち取り、最後の土壇場で議事進行をストップさせた米国とイラクの対立場面でもバーリ議長に詰め寄って「決裂」回避を迫るなど、結束した行動力を見せつけた。
 「明確な約束」の最終文書入りという一点に目標を絞り、実現させたことに多くの非政府組織(NGO)メンバーは称賛。閉幕後、当事者のスウェーデン代表は「まともに五カ国と渡り合える存在になる意図など当初からなかったのだが」と驚いていた。[2000-05-21-15:12] 9
[このページの最初に戻る]


 05/21@◎外国人ヘッドコーチ起用へ=スキー連盟(時事通信)

 全日本スキー連盟(SAJ)のジャンプ部が、スロベニア人のバシャ・バイツ氏(38)を来季から新ヘッドコーチとして起用する方針を固めたことが21日、分かった。6月の役員改選後、新理事会で承認されれば、SAJで初の外国人ヘッドコーチとなる。同氏は1994年リレハンメル五輪シーズンから日本チームのスタッフに加わり、独自の理論で選手、コーチの信頼を得ていた。92年以来、チームを引っ張ってきた小野学ヘッドコーチは、「総合コーチ」的な立場でバイツ氏を補佐していく見込みだ。(了)[時事通信社][2000-05-21-22:13] [このページの最初に戻る]


 05/22@◎ボスニアの非番米兵5人が重軽傷=ハンガリー(時事通信)

 【ウィーン22日時事】ハンガリー放送が22日伝えたところによると、ボスニア・ヘルツェゴビナに駐留している北大西洋条約機構(NATO)主導の平和安定化部隊(SFOR)に所属する米兵5人が21日未明、部隊の後方補給基地の役割を果たしているハンガリーの西部シオフォクにあるディスコで、居合わせた客らとけんかし、ナイフで刺されて重軽傷を負った。5人のうち1人は重体。5人は休暇中だった。
 NATOの大部隊が駐留しているボスニアやユーゴスラビア・コソボ自治州の周辺地域では、非番米兵の不祥事が続いている。4月にはコソボ駐留部隊の後方基地となっているマケドニアで、米兵グループが酔って暴れ、約30人が拘束される事件が起きた。 [時事通信社][2000-05-22-23:30] 4
[このページの最初に戻る]


 05/22@中国のWTO加盟、EU外相理事会で支持(読売新聞)

 【ブリュッセル22日=島崎雅夫】欧州連合(EU)外相理事会は二十二日、ブリュッセルで、中国の世界貿易機関(WTO)加盟をめぐるEUと中国の合意内容について協議し、これを支持した。
 会議では、理事会から交渉を一任されていた欧州委員会のラミー委員(通商担当)が北京でさる十九日成立した合意内容を説明、理事会は、「(合意内容は)EUの貿易上の利益を十分に反映している」と評価した。
 理事会はまた、今後七年間で五十五億ユーロ(約五千二百八十億円)を投入するバルカン援助計画や、ユーゴスラビアの独立メディア支援策なども協議する。[2000-05-22-23:18] 5
[このページの最初に戻る]


 05/22@◎アルバニア系住民140人に有罪判決=ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン22日時事】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国南部の都市ニシュの地方裁判所は22日、昨年春の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆中、コソボ自治州でセルビア治安部隊を攻撃したテロ活動の罪で、143人のアルバニア系住民に7−13年の禁固刑を言い渡した。
 これほど多くのコソボ・アルバニア系住民が一度に裁かれ、有罪判決を受けたのは初めて。弁護側は「政治裁判」として判決に不服を唱え、控訴する方針を明らかにした。
 ユーゴ・セルビア部隊は、昨年6月にコソボから撤収する際、2000人以上のアルバニア系住民をセルビア本土の拘置所に移送した。今回、有罪判決を受けたのはその一部である。[時事通信社][2000-05-22-22:15] 6
[このページの最初に戻る]


 05/22@対中WTO合意を歓迎 EU外相理事会(共同通信)

 【ブリュッセル22日共同】欧州連合(EU)は二十二日、ブリュッセルで開いた外相理事会で、中国の世界貿易機関(WTO)加盟をめぐるEUとの合意を歓迎した。
 加盟国から一定の支持が得られたことにより、中国のWTO加盟問題の次の焦点は、中国への最恵国待遇(MFN)恒久供与法案に対する今週の米下院採決に移った。
 議長総括によると、外相理事会は対中合意を「堅実な通商文書」と評価。EUの貿易上の関心事項が十分に考慮されているとの認識を示した。
 合意を報告したラミー欧州委員(通商担当)によると、すべてのEU加盟国は「満足の意」を表明した。欧州委員会は今後、詳細な報告書を加盟国に提出、最終承認を仰ぐ。
 また、外相理事会は、ユーゴスラビア・セルビア共和国政府による十七日の非政府系テレビ・ラジオ局の接収を受け、ユーゴの独立派メディアへの支援策を協議。モンテネグロの民主化促進のための特別援助二千万ユーロを承認する。[2000-05-22-20:33] 102
[このページの最初に戻る]


 05/22@<レバノン南部>イスラエル軍が期限前に一部撤退を始める(毎日新聞)

 【エルサレム22日海保真人】レバノン南部を「安全保障地帯」として占領してきたイスラエル軍は22日、7月7日の撤退予定期限を前に事実上の一部撤退を開始した。同地帯に展開する親イスラエル民兵組織「南レバノン軍」(SLA)が3つの前進基地を放棄、イスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」が取って代わる動きが出ている。レバノン南部の戦争泥沼化を受け、バラク・イスラエル政権が機先を制し撤退着手を始めたとみられ、レバノンを実効支配するシリアの出方が情勢を左右しそうだ。
 イスラエルはレバノン南部撤退期限を設定することで、ゴラン高原返還をめぐる和平交渉に消極的なシリアに圧力をかける戦術を採用。イスラエル軍は最近、「安全保障地帯」の一部の防衛をSLAに全面的に任せる形にするなど、撤退準備を本格化していた。
 イスラエルの報道によると、SLAは21日、イスラエルとの国境からわずか約3キロのタイベ前進基地から武器を手にして撤退、代わりにヒズボラのメンバーが旗を掲げて入った。同様の動きはカンタラ前進基地のほか、22日にフーラ前進基地でも見られた。周囲の村には22年前に同地を離れたレバノン人住民数百人がレバノン側から続々と戻り始めているという。
 3つの前進基地はイスラエル軍が拠点としていたが、先週以来、本格撤退の先行策としてSLAに権限を移譲していた。SLAはヒズボラの脅威を恐れて基地を放棄したとみられる。約2000人規模で「安全保障地帯」に駐留するSLAは、イスラエル軍撤退後の身の振り方を憂慮、既に40人以上が離脱しヒズボラ側に投降したとも伝えられている。
 一方、バラク首相筋は「首相が軍に早ければ6月1日には本格撤退を始められるよう準備を命じた」との国営テレビ報道を否定しながらも、「撤退準備を進めており、機が熟せば履行する」と声明。当初、「7月7日」を完了期限としていた撤退作業は早まる可能性が高くなっている。撤退後、安全保障地帯には国連平和維持軍(PKF)が展開することになりそうだが、国連側はSLAの武装解除をその条件の一つに上げている。[2000-05-22-21:57] 128
[このページの最初に戻る]


 05/22@◇ピースボートが東アフリカ巡り和平会議◇(朝日新聞)

 国際紛争に日本の市民として何ができるか。世界を船でまわりながら平和を考える旅を主宰してきた非政府組織(NGO)「ピースボート」の若者たちが、国境で戦闘が続く東アフリカのエチオピアとエリトリア両国の学者らを日本に招き、6月3日、「和平のための市民会議」を開くことになった。「国会では改憲論議が盛んだけれど、平和憲法が僕らに求めていることは何かを問いかけたい」と、吉岡達也・ピースボート共同代表(39)は準備に奔走している。
 旧イタリア植民地のエリトリアは、1993年にエチオピアから分離独立。98年5月以降、国境地域の帰属などをめぐり、エチオピアとの間で断続的に戦闘が続いてきた。
 ピースボートはこれまで、世界1周航海の一環としてエリトリアの紛争地域に平和訪問団を派遣したり、昨年5月のハーグ平和市民会議では、両国代表を招いてのシンポジウムを企画したりしてきた。
 今回は、このシンポに参加したエリトリアのベレケット・セラシエ元憲法制定委員長とエチオピアのサミュエル・アサファー・アジスアベバ大助教授が「利害関係のない第3国で、こうした話し合いの機会をもう1度つくってもらえないか」と吉岡さんらに依頼したのがきっかけだ。
 吉岡さんとピースボート・スタッフの清水義教さん(27)、渡辺久実さん(27)の3人は今月13日から18日まで企画の最後の打ち合わせのため、エリトリアのアスマラなどに滞在。20日、帰国した。
 両国は12日から国境付近で激しい戦闘を再開。吉岡さんらが訪れた当時も、エチオピア軍の侵攻で50万人が避難を強いられ、アスマラ大ではこれまで兵役を免除されていた学生も動員され、エチオピアと国連安保理を非難する学生デモも繰り広げられていた。
 ハーグのシンポで2人の学者はそれぞれの国の立場を代弁して激しい応酬を繰り返し、議論は平行線だった。3日後、吉岡さんの宿舎を訪ねてきた2人は「これまで両国の民間人同士、こうして話し合う場さえなかった」と心情を吐露したという。
 「東京での和平会議を」とのピースボートの企画に東京都が協力、国際平和文化交流基金から費用の半額の約160万円が助成されることになった。
 セラシエ氏、アサファー氏のほかに両国から2人の法学者も参加することになった。
 シンポは6月3日午後1時半から、東京・渋谷の東京ウィメンズプラザで。日本政府もこれまで両国に対し「平和的解決」を申し入れてきたが、3日のシンポには外務省アフリカ二課から職員がオブザーバー参加する。[2000-05-22-14:13] 130
[このページの最初に戻る]


 05/22@NPT合意、米メディアの関心低く(読売新聞)

 【ワシントン21日=大塚隆一】ニューヨークの国連本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は二十日、核兵器保有国による「核廃絶の確約」を盛り込んだ文書を採択して閉幕したが、米メディアの関心は低く、二十一日付のニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズ両紙は一行も報じなかった。
 主要紙のうちワシントン・ポストは短い記事を載せたが、見出しは「イスラエルにNPT加盟を要請」で、中東地域におけるイスラエルの核の問題に焦点を絞っていた。
 一方、再検討会議を現場取材していた報道陣も、大半は日本の記者たち。米メディアは通信社記者が目につく程度で、日米間の核廃絶に対する関心のギャップの大きさが改めて浮き彫りになった。[2000-05-22-12:45] 154
[このページの最初に戻る]


 05/22@スイス、EU協定を国民投票で承認(読売新聞)

 【ジュネーブ21日=大内佐紀】永世中立を国是とし、欧州連合(EU)に未加盟のスイスで二十一日、EUとの通商自由化などを促進する協定の是非を問う国民投票が行われた。投票は同日正午(日本時間同日午後七時)に締め切られ、即日開票の結果、同協定は賛成67・2%、反対32・8%の圧倒的多数で承認された。これにより、スイスはEU加盟に向けて一歩を踏み出すことになった。
 同協定は、〈1〉人の移動の自由化〈2〉農産物の市場開放〈3〉大型トラックの通行規制緩和――など七項目の自由化を段階的に行うというもの。スイスとEUは六年越しの交渉を経て、昨年六月に調印、スイス連邦議会も同年十月に批准した。
 ところが、右派勢力は、同協定が「スイスの中立政策を損ねる」と反発、同協定の是非を国民投票にかけるのに必要な五万人以上の署名を集めた。背景には、移民の大量流入でスイス人労働者の職が奪われるとの懸念もある。
 これに対し、スイス政府は「協定が発効すれば、年間約八十億スイス・フランの経済効果がある」など、その経済的利点を強調し、国民に承認を呼びかけてきた。
 スイスでは九二年の国民投票で、欧州経済地域(EEA)への参加が否決されており、政府には今回、協定が否決されれば、「スイスはEUから見放され、孤立することになる」(外務省高官)との危機感が募っていた。
 スイス政府は、冷戦終結後、国際貢献と孤立主義脱却を掲げ、中立政策の見直しを進めている。アドルフ・オギ大統領も「中・長期的な課題として、国連加盟やEU加盟も視野に入れたい」と話している。
 ただ、国民の一部には、EUや国連への加盟が、地域紛争に巻き込まれることにつながりかねないとの懸念が強く、今回の協定が承認されても、EU加盟までにはまだ曲折が予想される。[2000-05-22-00:36]
[このページの最初に戻る]


 05/23@<記者の目>イスラム伸長の理由 小倉孝保(外信部)(毎日新聞)

 イスラム取材のためトルコを訪れた。日本ではテロや紛争など過激な面が強調されがちなイスラムだが、現地で接した人の多くは、宗教を心の安定装置として使うソフトなイスラム教徒だった。現在、世界各地で起こっている紛争の多くにイスラムが関係している。しかし、紛争、テロといったものと関連付ける「イスラム脅威論」だけでは、世界的なイスラム伸長の本質を見誤る気がしてならない。
 イスラムが各地の紛争と深いかかわりを持っているのは事実だ。東西冷戦後の紛争をみると、湾岸、ボスニア、コソボ、チェチェンなど各地の大規模な戦争・紛争の多くがイスラム絡みだ。このほか、局地的な紛争、テロを数えあげればきりがない。
 1990年にクウェートに侵攻し、世界中を敵に回したイラクのフセイン大統領は、ジハード(イスラムの聖戦)を宣言。侵略による領土や石油資源の争奪戦を「イスラム対西洋」の戦いにすり替えることで親米アラブ諸国にゆさぶりをかけた。また、チェチェン紛争でも、チェチェン武装勢力側はことさらジハードを強調、イスラム諸国からの支援を狙った。
 昨年、中央アジア・キルギスで発生したイスラム武装勢力による日本人技術者拉致事件にしても、元々ウズベキスタンの反政府活動を展開していた武装勢力側が、世界各地のイスラムグループの支援を期待し、主張の中にイスラム色を強めた面もある。こうした紛争のたび、イスラムの脅威が強調され、今やコーラン(イスラム聖典)の教えに忠実に行動する「原理主義」をテロリズムと混同して理解する風潮さえ広まっている。
 トルコは国民の99%がイスラム教徒で、世界で最もその割合が高い国の一つだ。ロシア南部チェチェン共和国の紛争を、「ジハード」ととらえ戦死したトルコ人青年もいる。しかし、こうした青年は珍しく、冷静に対応している人が多いように感じた。
 トルコで総合建設会社を経営するセンジズさん(42)の祖先はチェチェン兵士。イスタンブールで話を聞くと、「チェチェンの血を引く者として、こうしてじっとしていることを恥ずかしく感じるときもある。でも、イスラム教徒であることを強調して一緒に戦え、という主張に賛同する気はない」と言った。
 センジズさん自身は敬けんなイスラム教徒で、サウジアラビア・タイフにあるモスクを修復するなど、イスラム教徒であることに人一倍誇りを持っている。一方、トルコ国内で20の大型事業を手懸けるセンジズさんは「忙しいときでも、イスラムの行いを実行すれば地域や家族のことを考え、自分自身を見つめ直すことができる」と話す。センジズさんにとってイスラムは、競争社会で精神的安らぎを与えてくれるものなのだ。
 また、中央アジアとの取り引きで成功した繊維会社社長は、「経済活動に追われ、失いがちな精神的バランスを宗教で安定させている」と話した。どんなにビジネスに忙しくても1日5回の礼拝は欠かさない。私が会ったトルコ人の多くは、イスラムの考え・行動と民主主義的な思考を合わせ持っていた。
 極東の島国だったこともあり、日本はイスラムとの付き合いが薄かった。東京でさえミナレット(尖塔)を備えた本格的なモスクは、近く完成予定の東京モスクだけ。エジプトへの留学を機にイスラムに改宗した大学助教授は私に「日本ではイスラム教徒というだけで変人のように見られる」と話したことがある。
 これは我々、ジャーナリズム側の責任でもあるのだが、日本ではイスラムをことさら異質なものとして捉えがちだ。イランのイスラム革命(1979年)で、ホメイニ政権が反米姿勢を強めたことが、米国における「イスラム脅威論」を加速させるきっかけとなった。米国・ハーバード大のサミュエル・ハンチントン教授は93年、論文「文明の衝突」を発表、西側とイスラム教世界の軍事衝突の可能性の高まりを唱え、脅威論に拍車をかけた。イスラムとの付き合いの薄い日本では、こうした欧米の見方が定着しイスラムは野蛮な宗教といったイメージさえ出ている。
 一方、80年代前半6億人といわれた世界のイスラム人口は現在、13億人とも15億人ともいわれる。キリスト教世界が停滞を余儀なくされているのに比べ、今、最も元気な宗教だ。経済のグローバル化で富みの不均衡、経済的不平等に拍車がかかっている。その中で、愚直なまでに「神の前での平等」を説くイスラムが、逆に新鮮な説得力を持って受け止められている。
 共産主義が力を失い、「競争」が絶対的善になったように見える現代社会で、イスラムが精神的豊かさを感じさせるものとして機能し始めている。我々も、西洋の「イスラム脅威論」的視点から脱却して、冷静にイスラムを理解すべき時期だ。でなければ、この宗教が元気な理由は分からないままだろう。[2000-05-23-23:23] 10
[このページの最初に戻る]


 05/23@<九州・沖縄サミット>首脳たちの思惑 NGOとの対話の成(毎日新聞)

 「基地ノー」―世界の目が沖縄に集まる主要国首脳会議(サミット)直前の7月20日、2万5000人の「人間の鎖」で、米軍嘉手納基地を取り囲む計画が、地元NGO(非政府組織)を中心に進んでいる。
 クリントン米大統領が沖縄の地を踏めば、1960年6月のアイゼンハワー大統領以来40年ぶり。「基地の整理・縮小を求める県民世論を世界に発信するには千載一遇のチャンス」と、呼びかけ人になった沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長は意気込む。
 「人間の鎖」に参加するのは、労組、市民団体など約100団体で、基地の周囲17キロを囲むのが目標。初めて基地を包囲した87年、2万5000人を動員した実績を持ち、今回、クリントン大統領が沖縄でどんなメッセージを発するのか、地元NGOは固唾を飲んで見守ろうとしている。
 *  *  *
 経済だけでなく人権、環境、地域紛争など広範な分野で首脳が意見を交わすサミットは、NGOにとっても存在をアピールする格好の舞台。昨年のケルン・サミットで、重債務貧困国の累積債務帳消しを求める国際NGO「ジュビリー2000」(本部・ロンドン)が、サミット会場を「人間の鎖」で包囲、総額700億ドルの債務を削減する「ケルン債務イニシアチブ」を実現させたことは記憶に新しい。
 この流れは、昨年11月の米シアトルでのWTO(世界貿易機関)閣僚会議を決裂に追い込む下地を作り、今年4月のワシントンのG7(先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議)のデモへと受け継がれた。
 サミット議長国として日本は4月、非ODA債権の100%削減を追加発表したが、最貧国が返済した額と同額の無償資金協力を提供するという日本独自の手法に、「ジュビリー2000」は「不十分」(ペティフォー代表)と反発。ジュビリー・ジャパン事務局は7月19〜20日、現地で内外約400人の参加を得て国際会議を開催、「対案」をサミットに示す予定だ。
 他にも環境NGOが、平和と環境を主テーマに「国際環境NGOフォーラム」を開催、開催国の市民が他国のNGOと連携して首脳らに政策提案する「沖縄ピープルズ・サミット」も計画されている。
 「サミットの成功には、NGOとの意志疎通が不可欠」(NGOの対応窓口を務める側嶋秀展・外務省サミット準備事務局長代理)。故小渕恵三前首相は3月に、ジュビリー・ジャパンのメンバーと会談するなど、「対話」の姿勢を打ち出していた。議長を務める森喜朗首相は、サミットの形骸化に歯止めをかける観点からも、NGOとどう向き合うかが問われる。
 *  *  *
 昨年のシアトル会合では、一部NGOが暴徒化したこともあり、警備にも神経を使う。要人警護、施設警備、交通規制などに当たる警察官は、全国からの応援を含め約2万人。前回93年の東京サミット時は、都心部での開催だけに3万6000人体制だったが、県警レベルでは「警察史上類を見ない」(田中節夫警察庁長官)規模になる。
 周囲を海に囲まれているという特殊性から、海上保安庁も140隻の船艇など、3分の1の勢力を沖縄周辺に集結予定。自衛隊は、那覇空港から名護市の会場までの要人のヘリ輸送を担当するほか、平時の海上警備の権限のない護衛艦を、教育・訓練名目で派遣することも検討している。
 警備当局では、会場周辺での海水浴やマリンスポーツの自粛やマイカー規制などを要請しており、「基地の島」のサミットは厳戒下の開催になりそうだ。[2000-05-23-23:23] 13
[このページの最初に戻る]


 05/23@◇ドイツ連邦軍、軍民計10万人を5年以内に削減◇(朝日新聞)

 将来のドイツ連邦軍のあり方を検討していた政府の諮問委員会(委員長=ワイツゼッカー元大統領)は23日、総兵力を10万人規模で削減し、即応力を高める改革案を政府に答申した。これを受けてシャーピング国防相はまず、軍人と事務部門などの文民を合わせて現在46万人の要員を、5年以内に10万人削減する計画を明らかにした。
 国防相は、文民と軍人で削減数をどう割り振るかについては明言しなかった。ワイツゼッカー委員会案では現在の総兵力約34万人を5、6年かけて24万人に削減するが、国防相は28万人程度への削減を検討中とされる。
 ワイツゼッカー元大統領は同日の記者会見で、「現在の連邦軍は予算と人員のバランスがとれていない」と指摘。徴兵制による兵力を現在の13万人から3万人に減らすなど総兵力を減らす一方、今後増えることが予想される国連の平和維持活動などに参加する緊急部隊要員を14万人に倍増すべきだとした。
 改革案をもとに政府は近く実施計画をまとめるが、根本的な見直しを迫る削減案だけに大きな論議を呼んでいる。[2000-05-23-23:16] 20
[このページの最初に戻る]


 05/23@<レバノン>イスラエル軍撤退 3国の政治力学に微妙な影も(毎日新聞)

 【エルサレム23日海保真人】レバノン南部「安全保障地帯」からのイスラエル軍の撤退開始は、シリア、レバノンの連帯を分断する狙いが込められている。シリアはレバノンに軍を駐留させる大義名分を失い、イスラエルとの和平交渉の地位低下は必至だ。レバノン政府はこれをきっかけに、シリアを含めたあらゆる外国勢力の撤退を求める可能性があり、22年ぶりの軍撤退は3国の政治力学に微妙な影を落としそうだ。
 バラク・イスラエル首相は撤退に着手した22日夜、シラク仏大統領やオルブライト米国務長官と電話で協議し、「撤退後、国民が1人でも傷つけば、レバノン、シリアが責任を負うことになり、我々は最大限の報復を行う」と警告した。国連決議に従って撤退した以上、イスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」による新たな攻撃に対しては、反撃する正当な権利があるというわけだ。
 バラク首相は当初、シリア、レバノンとの和平を成立させたうえで、両国の合意の下に撤退するつもりだった。しかし、ゴラン高原返還をめぐり対シリア交渉はとん挫しただけに、一方的撤退で主導権を握り、シリア側に圧力をかける方が得策と判断したとみられる。パレスチナとの和平達成が視野に入り、レバノンからの「撤退」も不可避なら、最大限に利用しようとのしたたかな計算だ。
 イスラエル軍の撤退によって、シリアは3万7000人といわれる軍をレバノンに駐留させる合法性を失う。地中海交易の拠点としてのレバノン経済の「恩恵」を受け取る大義名分がなくなるわけだ。さらに、ヒズボラへの影響力をテコに、ゴラン高原返還交渉で強硬な主張を繰り返してきた立場も弱まりかねない。
 一方、レバノン政府は、イスラエル、シリア両国の影響から解放され、経済的繁栄の道に踏み出すことを密かに狙っているとみられる。これはシリアとの緊密な関係に亀裂を生みかねない。レバノン政府軍がヒズボラを抑え込めるかが今後の課題となる。
 バラク首相は「我々は正しいことをした」と自信満々だが、撤退の「成果」が問われるのはこれからだ。[2000-05-23-21:16] 22
[このページの最初に戻る]


 05/23@<エリトリア>エチオピアとの和平交渉に合意 EU特使語る(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク23日藤原章生】エチオピア・エリトリア戦争の調停のためアディスアベバに滞在中のセリ欧州連合(EU)特使は23日、「エリトリアが無条件で和平交渉を受け入れることに同意した」とAFP通信に語った。1998年から続く隣国同士の戦争は、今月12日からエチオピアが攻勢を強め、エリトリア陣営に大打撃を与えていた。交渉受け入れが、エリトリアの事実上の「敗北宣言」かどうかは不明だ。
 両国はアフリカ統一機構(OAU)などの仲介で和平の働きかけが続いているが、実現していない。国境の領土を奪い合う戦争でこれまでに数万人が死亡している。[2000-05-23-20:58] 23
[このページの最初に戻る]


 05/23@連邦軍約10万人を削減 独政府諮問委が答申案提出(共同通信)

 【ベルリン23日共同】ドイツ政府の諮問を受け、二十一世紀のドイツ連邦軍の在り方を検討中の「共通安全保障と連邦軍の未来に関する委員会」(委員長=ワイツゼッカー元大統領)は二十三日、二○○六年を目標に総兵力を九万八千人削減して二十四万人とし、即応能力の強化を図るとの答申案を提出した。
 北大西洋条約機構(NATO)の最前線を守ってきた連邦軍の役割が冷戦終結で相対的に低下し、地域紛争予防活動への積極的な貢献や財政赤字削減のための歳出抑制が国内外から求められていることが提言の背景。ドイツ政府は答申案を参考に具体的な改革案の取りまとめに着手する。
 しかし、大幅な兵力削減には国防省内に反対論がある一方、連立与党の90年連合・緑の党は二十万人程度まで兵力を削減するよう求めるなど、政府・与党の足並みもそろってはおらず、政府案決定までには曲折も予想される。
 答申案によると、現在十三万五千人の徴集兵を三万人に減らす一方、国連平和維持活動(PKO)や二○○三年創設予定の欧州連合(EU)緊急対応部隊への参加を想定した即応要員は現在の六万人から十四万人に増強。職業軍人主体の少数精鋭の軍隊を目指す。[2000-05-23-20:57] 24
[このページの最初に戻る]


 05/23@レバノンから本格撤退開始 ヒズボラが支配拡大 イスラエル(共同通信)

 【エルサレム23日共同】イスラエル軍は二十三日未明、占領を続けるレバノン南部の「安全保障地帯」に置く二大司令基地のうち、中西部のビントジベイルを放棄、本格的な撤退を始めた。イスラム教民兵組織ヒズボラは同司令基地を確保、安全保障地帯で支配を拡大する不穏な動きを見せている。
 イスラエル軍は他の陣地でも兵や武器の移動を始めており、同国のバラク首相は同日、イスラエル軍放送に対し「数日以内に撤退完了する」と言明した。
 イスラエルは一九八二年レバノンに侵攻、一部撤退した八五年からは安全保障地帯を設置、南部の実効支配を続けていた。
 バラク首相は七月七日を期限とし、ヒズボラに影響力を持つシリアとの和平を達成した上で撤退する予定だったが、交渉は失敗。ヒズボラの攻撃激化でイスラエル兵の死傷者が急増、国内で撤退論が高まっており、前倒し撤退に踏み切った。
 撤退後の安全保障地帯には、現在展開している国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が増強される予定だったが、前倒し撤退により新たに生まれる「力の空白地帯」を早急にUNIFILが埋めることは困難な情勢。ヒズボラの支配地域拡大がレバノン情勢を再び不安定にする可能性もある。
 イスラエル北部の国境地域ではヒズボラの攻撃を懸念する声が高まっており、バラク首相は「撤退を妨害する勢力には激しい報復を加える」と警告した。
 国営イスラエル・テレビによると、ヒズボラは、二十二日に親イスラエル民兵組織、南レバノン軍(SLA)が放棄した拠点などと合わせ三十近くの村落を確保、安全保障地帯の三分の二を支配下に置いた。
 SLAの民兵や家族のイスラエルへの亡命は二十三日も続き、約二千人が受け入れられた。
 今回の撤退で、イスラエル軍は他の司令基地マルジャユーンと、西、東部にいくつかの基地を残すのみとなった。[2000-05-23-20:52] 60
[このページの最初に戻る]


 05/23@<ブッシュマン>奴隷から尖兵へ 戦火とともに丸10年(毎日新聞)

 奇妙な光景だった。1867年にダイヤモンドが見つかり、鉱工業国・南アフリカの行く末を決めた中部の町キンバリー。イタチの仲間が時折横切る荒れ地を町から約1時間走ると、カーキ色のテント村が見えた。軍用テントは500を超す。ブッシュマンの村だ。
 難民村の場合、国連の青テントが目立つが、この村シュミツドリフトでは人もテントも保護色のように背景に溶け込んでいる。
 ブッシュマン。17世紀、南部アフリカに入植した欧州人は、弓矢を手に半裸で暮らす先住者をこう総称した。人類学者は黒人をズールー、コサなど部族名で分類したが、小柄で黄色い彼らはやぶ(ブッシュ)に出没する異形な者とみなされた。先住者に土地の所有権があるとしたら、彼らこそ南部アフリカの地主と言えるが、現実は違う。
 テント村に暮らすクウェ族の長、60歳代のカママ・ムクアさんによれば、一族は祖父の代まで実は現在の南ア領に暮らしていた。しかし19世紀、ダイヤや金の発見を機に欧州人が内陸に広がり、農地を追われた黒人から押し出されるように彼らは移動を強いられた。
 ブッシュマンと言えば70年代、ニカウさんが主演し、話題を呼んだ南ア映画「ブッシュマン(原題『神は狂っている』)」を思い出す。争いを嫌うユートピア的な狩猟生活が描かれたが、ここにたどり着いた人々の歴史はずい分違う。
 60年代、移住先のアンゴラ南部で黒人農民の奴隷にされた彼らは「自由のために戦えば土地をやる」と言われ、宗主国・ポルトガルの先兵となる。75年、アンゴラが独立すると、黒人からの報復を怖れナミビアへと逃げる。ナミビアの独立戦争が始まると、今度は当時の南西アフリカの白人政権に雇われる。そして、ナミビアが独立した90年、南アの白人政権に連れられてこの地にやってきた。
 「南アに来れば家と土地をやる」という口約束は94年の白人政権崩壊でとん挫した。村が大地に沈み込んだように見えたのは、彼ら「ブッシュマン部隊」とその家族が丸10年もテント生活を続けてきたせいだ。
 ◇  ◇
 ブッシュマンと呼ばれる南部アフリカの先住民は、ボツワナ、ナミビアを中心に推定9万5000人を数える。そんな中、南アで再定住を模索するクン族、クウェ族4566人の「収容所」を訪ねた。【キンバリーで藤原章生】[2000-05-23-12:54] 65
[このページの最初に戻る]


 05/23@レバノン南部の親イスラエル民兵、拠点次々放棄(読売新聞)

 【エルサレム23日=当間敏雄】レバノン南部のイスラエル占領地(イスラエル側呼称・安全保障地帯)で二十二日、親イスラエル民兵組織「南レバノン軍(SLA)」の部隊が拠点の村や哨所を次々と放棄、かわってイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが進出している。イスラエル政府は同日深夜、安全保障緊急閣議を招集して対応を協議、バラク首相に今年七月までとされていた同地帯からの撤退期限を早める権限を与える決定を行い、早期撤退の可能性が高まっている。「数日以内のイスラエル軍撤退が閣議で決定された」との報道も流れている。
 また、閣議では、バラク首相に、閣議にかけずにイスラエルに対する攻撃への報復を命令する権限を与えることも決定され、今後、レバノン―イスラエル国境地帯の緊張は高まりそうだ。
 レバノン南部からの情報によると、南レバノン軍部隊は二十二日までに、拠点としていたイスラエル国境から約二キロのホウラ村など「安全保障地帯」中部の十四村、哨所四か所などから撤退、その後にヒズボラ民兵とヒズボラ支持の村民らが入村、各拠点を制圧した。
 ヒズボラが南レバノン軍の中部拠点を制圧したことで、イスラエル占領地は東西に分断され、イスラエル国境が直接、敵兵力にさらされる事態となった。
 南レバノン軍は、イスラエル軍撤退で最大の後ろ盾を失うことになるだけでなく、レバノン当局やヒズボラから「イスラエルに協力した裏切り者」と呼ばれ、報復を受ける危険にさらされており、今年に入って死者二十四人、負傷者三十七人を出し、七月の撤退期限が迫る中、動揺が広がっていた。[2000-05-23-11:58] 70
[このページの最初に戻る]


 05/23@7900人規模まで増強を 南レバノンで国連総長勧告(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】アナン国連事務総長は二十二日、国連安全保障理事会に国連レバノン暫定軍(UNIFIL)要員を七千九百人規模まで増強すべきだと勧告する報告書を提出。安保理は緊急非公式会合を開催し、レバノン情勢を討議した。
 レバノン南部では同日、イスラム教民兵組織ヒズボラが親イスラエル民兵組織の南レバノン軍(SAL)の重要拠点を制圧、イスラエルは七月七日までの軍撤退を事実上前倒しする方針を決めた。
 事務総長は報告書で、現在四千五百人のUNIFIL要員を撤退準備完了時に五千六百人、さらに撤退後は七千九百三十五人まで増強するよう勧告している。
 報告書はSALを「イスラエル軍と一体だ」として指揮系統の解体などを要求している。
 またレバノンやシリアが領有権を主張しているゴラン高原近くの農場については、UNIFILが展開するのではなく、国連の巡視下に置くとの妥協案を提示した。[2000-05-23-10:34] 71
[このページの最初に戻る]


 05/23@シエラレオネとレバノンのPKO増強を勧告(読売新聞)

 【ニューヨーク22日=寺田正臣】アナン国連事務総長は二十二日、紛争が続く西アフリカ・シエラレオネで平和維持活動(PKO)に携わる国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の兵員を一万六千五百人に増強することを国連安保理に勧告した。UNAMSILは現在、約一万五百人で、安保理は先週、一万三千人に増強することを決めていた。勧告はこれをさらに拡大するもので事務総長は「現有勢力では平和達成には不十分であり、情勢安定化のための措置」としている。シエラレオネでは国連兵員約二百八十人が依然、反政府勢力に拘束されており、二十一日までに少なくとも十七人の国連兵員が死亡もしくは行方不明となっている。
 また事務総長は二十二日、七月に予定されるイスラエル軍の南部レバノンからの撤退に伴い、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)を現在の約四千五百人から最終的に約七千九百人まで増強することを安保理に勧告した。[2000-05-23-10:25] 75
[このページの最初に戻る]


 05/23@NGOが国連の在り方討議 ミレニアム・フォーラム(共同通信)

 【ニューヨーク22日共同】二十一世紀の国連の在り方を非政府組織(NGO)が討議する「ミレニアム・フォーラム」が二十二日、国連本部総会議場で開幕した。各国の首脳が集まる九月の「ミレニアム・サミット」に向け、NGOが結集して世界と国連を取り巻く諸問題を話し合う。二十六日まで開催。
 アナン国連事務総長は約千人のNGOメンバーらを前に「急速に変化する世界から数十億人が取り残されており、こうした人々にグローバル化の恩恵が及ぶようにしなければならない」などと演説、活発な議論を求めた。
 フォーラムは(1)平和と安全保障(2)貧困の根絶(3)人権(4)持続的開発と環境(5)グローバル化への直面(6)国連強化―の六つのテーマごとに作業部会を設けて討議。二十六日の最終日に報告書を採択する。
 事務総長は四月に二十一世紀の国連の役割などについて提言した「ミレニアム報告書」を発表しており、今回のフォーラムでの報告書と併せてサミットでの討議材料になる。[2000-05-23-09:07]
[このページの最初に戻る]


 05/24@カンボジアがポル・ポト派裁判の国連案受諾(読売新聞)

 【プノンペン23日=本田路晴】カンボジアのポル・ポト政権による大量虐殺などの犯罪を裁く特別法廷設置問題で、同国のフン・セン首相が二十三日までにコフィ・アナン国連事務総長に書簡を出し、従来拒否してきた国連案を全面的に受け入れていることが明らかになった。この結果、特別法廷は設置に向けて大きく動きだした。
 本紙が入手した書簡は十九日付。アナン事務総長から首相にあてた書簡の返書となっている。
 この中で首相は、最大の対立点だった不起訴処分決定の手続き問題について、国連案を「カンボジア国会に上程している政府最終法案に追加修正した案を提出する」と明記している。
 これまで、共同検察官の内部で不起訴処分とするかどうか意見対立があった場合、カンボジア政府案がカンボジア人三人と外国人二人で作る判事団の「多数決で不起訴を決定できる」としたのに対し、国連案は「四人以上の賛成が必要」としている。
 カンボジア政府にとって、国連案は外国人判事の同意を必要とするため、カンボジアの思惑だけでは不起訴を決定できなくなる。同政府としてみれば、イエン・サリ元副首相など既に恩赦を与えたポト派指導者を特別法廷で訴追すれば、新たな政治混乱を招くとの懸念があった。国連案受け入れはカンボジア側の譲歩といえる。
 もう一つの対立点は訴追の対象期間だった。首相は書簡で「政府最終案で示した通り、一九七五年から七九年の期間とする」と言明した。首相はこの問題で、政府最終案を翻し、米国が後ろ盾となったクーデターで樹立されたロン・ノル政権(七〇〜七五年)までさかのぼるとしてきた。
 首相はまた書簡で、ハンス・コレル国連法務担当事務次長のプノンペン派遣を要請し、カンボジア政府特別法廷設置チーム座長を務めるソック・アン首相府相が特別法廷設置に向けて最終的な協議を行う用意があることも表明した。[2000-05-24-03:03] 3
[このページの最初に戻る]


 05/24@NMD、コソボなど協議 NATO外相理事会(共同通信)

 【フィレンツェ24日共同】北大西洋条約機構(NATO)外相理事会が二十四日、イタリアのフィレンツェで開催された。コソボなどのバルカン情勢、米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想、欧州連合(EU)の独自防衛力構想とNATOの関係などが主要テーマ。
 オルブライト米国務長官は同理事会で、NMD構想に関し「米国のNATOへの永続的なかかわりが切れたり、減少することにはつながらない。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約は米国の修正提案で強化される」と強調、欧州側の懸念にこたえた。
 昨年のNATOによるユーゴスラビア爆撃で悪化したロシアとの関係改善も優先課題。ロバートソン事務総長は、NATOとロシアの関係は「軌道に戻りつつある」と楽観的な見解を表明した。
 外相理事会に続いてNATOとロシアの常設合同評議会(PJC)が開かれ、ロシアのイワノフ外相が出席する。
 NATOはコソボに約四万七千人の国際治安部隊を展開しているが、民族対立で治安の回復は順調とはいえない。また、ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権の非協力的姿勢や強圧政策がコソボやモンテネグロ共和国への脅威となっており、何らかの対応を打ち出す必要に迫られている。
 二十五日には、NATOとクロアチアの「平和のためのパートナーシップ(PFP)」枠組み文書の調印式、PFP加盟国とNATOで構成する欧州・大西洋パートナーシップ評議会の会合などが予定されている。[2000-05-24-20:16] 5
[このページの最初に戻る]


 05/24@NMD構想など協議 NATO外相理開催(共同通信)

 【フィレンツェ24日共同】北大西洋条約機構(NATO)外相理事会が二十四日、イタリアのフィレンツェで開催された。コソボなどのバルカン情勢、米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想、欧州連合(EU)の独自防衛力構想とNATOの関係などが主要テーマ。
 昨年のコソボ紛争に伴うNATOのユーゴスラビア爆撃で悪化したロシアとの関係改善も優先課題で、外相理に続いてNATOとロシアの常設合同評議会が開かれ、ロシアのイワノフ外相が出席する。
 NATOはコソボに約四万七千人の国際治安部隊を展開しているが、民族対立で治安の回復は順調とはいえない。また、ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権の非協力姿勢や強圧政策がコソボ自治州やモンテネグロ共和国への脅威となっており、対応策を打ち出す必要に迫られている。
 NATOとロシアの関係は改善に向かっているが、ロシアは依然としてNATOのユーゴへの対応や東欧への拡大に懸念を持っている。
 NMD構想については、米国の軍事的な欧州離れにつながりかねないなどの疑念も欧州側にある。
 二十五日には、NATOとクロアチアの「平和のためのパートナーシップ(PFP)」枠組み文書の調印式やPFP加盟国とNATOで構成する欧州・大西洋パートナーシップ評議会の会合などが予定されている。[2000-05-24-16:24] 6
[このページの最初に戻る]


 05/24@規制緩和で武器輸出拡大へ 米が日本など友好国に(共同通信)

 【ワシントン23日共同】米国防総省高官は二十三日会見し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と日本、オーストラリアに対する武器輸出手続きを緩和すると発表した。
 同高官は「(友好国内の)防衛市場における効率と(米軍需産業の)競争力拡大が目的」と説明。昨年のNATO軍によるユーゴスラビア空爆などの教訓から、他国軍が米軍と同じ装備を持つことが作戦上有利との判断もある。
 緩和の内容は(1)武器輸出の際に国務省が業者に与える認可の有効期限を四年から八年に延長(2)米民間企業と友好国企業との合弁事業認可の簡素化―など。ただし友好国から第三国への再輸出については、監視を強化するとしている。
 米国の武器輸出は一九八九年以降、総額では減少傾向にあるが、冷戦崩壊後、旧ソ連地域からの武器輸出が激減したため、世界市場占有率は九六年の時点で四四%と八九年の三○%から大幅に増加している。[2000-05-24-10:15] 7
[このページの最初に戻る]


 05/24@◎南東欧の物流拠点を共同で整備=クロアチアとハンガリー、(時事通信)

 【ウィーン23日時事】ハンガリー通信によると、同国のオルバン首相とクロアチアのラチャン首相は23日、ブダペストで初の首脳会談を行い、クロアチアのアドリア海に面したリエカ港近代化を共同事業として推進することで一致した。
 バルカン地域を含む欧州南東部の将来の物流拠点として整備するもので、両国はターミナル建設に当たる合弁企業を設置する。両首脳はまた、同港からクロアチアの首都ザグレブを経由し、ブダペストに至る高速道路の拡張計画についても協議した。[時事通信社][2000-05-24-07:58] 22
[このページの最初に戻る]


 05/24@米弾薬庫に劣化ウラン弾 人体への影響を否定(共同通信)

 在日米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に駐屯する第一八航空団のスミス司令官は二十四日、同基地に隣接する嘉手納弾薬庫(読谷村など)に、人体への影響が懸念されている劣化ウラン弾が保管されていることを明らかにした。
 劣化ウラン弾は、在韓米軍に配備されているA10対戦車攻撃機用の三○ミリ機銃弾で、朝鮮半島などの有事に備え貯蔵されている。
 スミス司令官は「弾薬庫の五百八十の施設のうちの一施設に保管されているだけで、人体に対する悪影響はなく、撤去の予定もない」と強調した。
 米海兵隊は一九九五年から九六年にかけて、同県の鳥島に劣化ウラン弾千五百発余りを誤射。その後、在日米大使館は「在日米海兵隊が扱っている劣化ウラン弾については、日本国内すべての基地から撤去した」と外務省に通知していた。
 鳥島については科学技術庁が「周辺環境への影響は無視できる」との調査報告をまとめている。[2000-05-24-20:08] 33
[このページの最初に戻る]


 05/24@<レバノン南部>真の和平には実効支配のシリアの出方がカギ(毎日新聞)

 【ベイルート24日高橋弘司】イスラエル軍は24日、レバノン南部の占領地から本格撤退を完了したが、今後、アラブ・イスラエル紛争の「最後の激戦地」だった国境地帯が落ち着き、レバノンに真の和平が訪れるかどうかは、レバノンを実効支配するシリアの出方が重要なカギとなりそうだ。
 国営シリアテレビはレバノン撤退について「イスラエルにとっての敗北だ」と論評したが、シリア政府首脳は沈黙を守ったままだ。
 今後のレバノン情勢を占う指標のひとつは、シリアから武器供給などの支援を受けているとされるイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」が、どこまで攻撃を自制するかだ。ヒズボラは撤退範囲にシリア国境のヘルモン山麓に近い要衝を含め、すべての戦争捕虜を釈放するよう要求、それらが実現しなければ「完全撤退」とみなさないとしている。
 イスラエルに受け入れ困難な要求を突き付け、最大限の譲歩を引き出す作戦だが、イスラエルは撤退開始直前にはダマスカスとベイルートを結ぶ幹線道路を空爆、ヒズボラが今後、イスラエル領内を攻撃した場合にはシリア関連施設への攻撃をも辞さないとの警告を発している。
 もうひとつの指標は、レバノンに駐留するシリア軍の動きだ。シリア軍は4月下旬までにベイルートやベカー平原の検問所を整理、人目につかないよう再展開を済ませた。これは南部レバノンからのイスラエル軍の撤退を受け、レバノン内戦(1975―90年)への介入以来、駐留を続けるシリア軍への批判が増大する可能性を織り込んだ措置だった。
 レバノンでは100万人を超えるシリア人労働者が働くなど、その権益は大きい。レバノンがシリア軍の影響力から解放されるかどうかは、9月の総選挙でシリアに批判的なキリスト教勢力がどこまで議席を伸ばすかにかかっている。[2000-05-24-18:17] 46
[このページの最初に戻る]


 05/24@イスラエル軍が撤退完了 22年間の占領状態に終止符(共同通信)

 【エルサレム24日共同=細川洋嗣】イスラエル放送によると、イスラエル軍は二十四日未明(日本時間同昼)、占領を続けていたレバノン南部の安全保障地帯の全基地を放棄、撤退が完了した。
 当初、撤退最終期限に設定した七月七日より、一カ月半の前倒し実施となった。イスラエルが一九七八年にレバノンに侵攻して以来二十二年間続いていた実質的な占領状態に終止符が打たれ、レバノン情勢は新たな段階に入った。
 イスラエル軍撤退後に生じた「力の空白」地帯では、反イスラエル攻撃を続けてきた親イランのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが支配下に置く動きを強めており、情勢が不安定化する懸念がある。
 国連は国連レバノン暫定軍を拡大する形で同地域の安定を図る予定だったが、イスラエル軍の撤退前倒しで準備が間に合わなかった。レバノン政府軍もまだ、レバノン南部に入る動きを見せていない。
 バラク・イスラエル首相は当初、撤退後の安全を確保するため、レバノンと、同国に強い影響力を持つシリアとの和平合意を実現し、撤退を実施する構えだった。だが、和平交渉が不調に終わり、レバノン南部の親イスラエル民兵組織、南レバノン軍(SLA)が今月中旬から急速に崩壊に向かったことから、早期撤退に踏み切った。[2000-05-24-12:28] 57
[このページの最初に戻る]


 05/24@日本の役割を高く評価 NPT議長が総括会見(共同通信)

 【ニューヨーク23日共同】第六回核拡散防止条約(NPT)再検討会議のバーリ議長は二十三日、国連本部で記者会見し、核廃絶に向けた保有五カ国の「明確な約束」をうたった最終文書が採択されたことに「驚きであり、開幕前にはだれも予想できなかった」などと総括、日本などが果たした役割を高く評価した。
 議長は四週間の会期中には「重大な危機的局面もあった」と述べ、国際原子力機関(IAEA)の核査察をめぐってイラクと米国が対立、会議進行が止まった最終場面での事態打開に最も精力を費やしたと振り返った。
 保有国による「明確な約束」については「具体的目標としての核削減を明記したものではないが、最終文書にはっきりと盛り込まれたのは初めてであり、力強く、意義深い前進だった」と述べ、最大の成果だったと強調。日本については「開幕前から(成功に向けて)積極的に動いており、八項目提案で会議に貢献した」と称賛した。
 欧米メディアの報道が低調だったことには「(広島、長崎への原爆投下から)五十五年近くが経過し、核戦争の脅威が薄らいでいる。現在の殺りくの手段は核ではなく通常兵器であり、核の恐ろしさが人々の記憶からなくなりつつあるからだ」と指摘した。[2000-05-24-09:31]
[このページの最初に戻る]


 05/25@NATO外相会議、EUとの協力体制強化で合意(読売新聞)

 【フィレンツェ(イタリア中部)24日=島崎雅夫】北大西洋条約機構(NATO)の外相会議が二十四日、二日間の日程で当地で開幕し、欧州安保推進のため、欧州連合(EU)が創設を目指す独自の危機管理機構「緊急対応部隊」を軸として、EUとの協力体制を強化することで合意した。
 NATOのロバートソン事務総長は記者会見で、EUの同部隊創設の動きを「欧州安保を強化するもので、NATOにも有益」と歓迎、NATOがEUと連携してこそ、この目標が達成可能との見解を示した。
 NATOは今後、これまでの軍事ノウハウをEUに伝達するため、EU側の政治安全保障委員会、軍事委員会、幕僚部と連絡を取り合って、政策、軍事作戦を討議する四つの共同作業部会を設立する予定。
 NATOとEUは今年初めから、ロバートソン事務総長とソラナEU共通外交安保上級代表が月二回の会談を開始したほか、双方の議員による協議を定期化することを決定しており、冷戦時代はほとんど接触のなかった両組織が欧州安保構築に向けて交流を本格化させることになる。[2000-05-25-00:45] 1
[このページの最初に戻る]


 05/25@NATO外相会議、クロアチアのPFP加盟を承認(読売新聞)

 【フィレンツェ(イタリア中部)25日=島崎雅夫】北大西洋条約機構(NATO)外相会議は二十五日、クロアチアが、NATOとの「平和のためのパートナーシップ」(PFP)と欧州大西洋協力評議会(EAPC)に加盟することを承認し閉幕した。クロアチアは今後、PFPなどを通じNATOと安全保障や軍事協力について討議する。
 クロアチアのピツーラ外相は声明で、同国が近くNATO加盟を正式に申請することを表明した。これでPFP加盟国は二十六か国、EAPC加盟国は四十六か国となった。NATOにとっては、クロアチアのPFP加盟を承認することで、欧州諸国と対立するユーゴスラビアへ圧力をかける狙いもある。[2000-05-25-21:53] 2
[このページの最初に戻る]


 05/25@<ニュース25時>NATO外相会議、クロアチアPFP加盟(毎日新聞)

 イタリア・フィレンツェで開催中の北大西洋条約機構(NATO)外相会議は25日、「平和のためのパートナーシップ」(PFP)の26番目の加盟国としてクロアチアを正式承認した。旧ユーゴ諸国としてはスロベニア、マケドニアに次いで3番目。ツジマン前大統領の死去やその後の総選挙を経て民主化路線を歩みつつあるクロアチアに対し、NATOが一定の評価を与えた表れと受け止められている。【フィレンツェ・石川貴章】 [2000-05-25-21:20] 3 [このページの最初に戻る]


 05/25@<NATO外相会議>米ミサイル防衛構想で具体的協議入り合(毎日新聞)

 【フィレンツェ24日石川貴章】北大西洋条約機構(NATO)の外相会議が24日、イタリアのフィレンツェで開催され、米国の米本土ミサイル防衛(NMD)構想について「NATOの枠組みの範囲内で(米国、欧州双方が)NMDについて具体的に協議する」ことで合意した。
 オルブライト米国務長官は同日の演説で、「NMDは米国民と領土を守るため推進していくが、欧州との永続的な同盟を損なうものではない」と述べ、改めて欧州の理解を求めた。
 また、同会議は、「平和のためのパートナーシップ」(PFP)の26番目の加盟国としてクロアチアを正式承認した。旧ユーゴ諸国としてはスロベニア、マケドニアに次いで3番目。ツジマン前大統領の死去やその後の総選挙を経て民主化路線を歩みつつあるクロアチアをNATOが評価したと受け止められている。[2000-05-25-21:11] 4
[このページの最初に戻る]


 05/25@一念発起し戦争特派員に 射殺されたロイター記者(共同通信)

 【ワシントン25日共同】シエラレオネで反政府勢力の待ち伏せ攻撃を受けて二十四日死亡したロイター通信の米国人記者カート・ショークさん(53)は、四十歳を過ぎてから一念発起してジャーナリズムの世界に飛び込み、ボスニア紛争などで活躍した「戦争特派員」だった。
 ショークさんはクリントン米大統領と同時期にローズ奨学生として英オックスフォード大に留学。ニューヨークで不動産などの仕事をした後、「生涯の夢」をあきらめ切れず、一九八○年代末にフリーランスとして東南アジアへ渡った。
 その後、ロイター通信記者としてイラクのクルド人ほう起やボスニア紛争を取材。サラエボから脱出しようとした若いカップルが橋の上で撃たれる光景を書いた胸を刺す記事で、高い評価を受けた。今年は東ティモールでも取材していた。
 アナン国連事務総長は二十四日、ショークさんやAPテレビのミゲル・モレノさん(32)らの死について「人殺しがまだ続いていることを世界に知らせるため、危険を犯した職業人だった」と追悼する声明を出した。[2000-05-25-15:57] 5
[このページの最初に戻る]


 05/25@◎マケドニア大統領、台湾大使の信任棚上げ=「投資進まぬ」(時事通信)

 【ウィーン25日時事】1999年1月、台湾と電撃的に外交関係を樹立した旧ユーゴスラビア・マケドニア共和国で、台湾から期待通りの投資が進まないことにトライコフスキ大統領が立腹、スコピエ駐在の台湾大使の信任を棚上げしている。台湾との外交関係樹立を主導した与党第2党・民主的選択は、大統領の信任保留を「憲法違反」と批判、弾劾も辞さないと警告した。大統領の選出母体である与党第1党・国家統一民主党や民主的選択など連立政権を構成する各党は、「台湾問題」が政局の火種になったことに動揺している。[時事通信社][2000-05-25-14:04] 6 [このページの最初に戻る]


 05/25@◇NATOとロシアが外相協議、協力関係の修復を宣言◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)とロシアは24日夕(日本時間25日未明)、ほぼ1年半ぶりの外相協議を開き、ユーゴスラビア空爆で中断していた協力関係の修復を正式に表明した。両者は、具体的な協力分野を盛り込んだ2000年の作業計画を採択、モスクワにNATOの情報事務所を開く計画を再確認した。ロシアのプーチン政権発足を機に、欧州の安定と平和に共同で責任を負う体制を立て直す試みといえる。
 協議後の共同声明は「NATOとロシアの永続的な協力関係は、欧州・大西洋地域の平和と安定に重要だ。互いに信頼を築き、誤解を取り除くため、軍事戦略についての情報交換が特に大切だ。今回の協議で弾みがついた良好な関係を維持する」と強調した。
 記者会見したロバートソンNATO事務総長は「試練の時を経て、ロシアとの関係は正しい軌道に戻った」と述べた。イワノフ外相も「1年前に損なわれた信頼が、互いの努力で取り戻された」と語った。
 同外相はまた、今月初めにオイダニッチ・ユーゴ国防相をモスクワに招き、米欧の反発を呼んだことについて「手違いを繰り返さぬよう策を講じた」と述べた。同国防相は、旧ユーゴスラビア国際戦争犯罪法廷(オランダ・ハーグ)が公開起訴しており、ロシア国防省などの関係者が懲戒処分を受けた模様だ。しかし、イワノフ外相は同法廷の運営に対し「客観的な司法ではなく、政治で動いている」と不満を示した。[2000-05-25-13:35] 7
[このページの最初に戻る]


 05/25@◇シエラレオネで報道陣を待ち伏せ攻撃、記者2人死亡◇(朝日新聞)

 シエラレオネ西部のログベリ村の東で24日、外国報道陣が乗った車が待ち伏せ攻撃にあい、記者2人が死亡、2人がけがをした。同乗していた政府軍の兵士4人も死亡した。反政府武装勢力・革命統一戦線(RUF)による攻撃とみられる。
 AP通信などによると、死亡したのはロイター通信の米国人記者カート・ショーク氏(53)と、APテレビのカメラマンでスペイン人のミゲル・モレノ氏(32)。けがをしたのはロイター通信のギリシャ人と南アフリカ人の、男性記者だという。2台の車に分乗して取材地に向かう途中に待ち伏せされたため、乗っていた政府軍兵士が応射したという。
 ショーク氏は戦争特派員として湾岸戦争当時のイラクやボスニア内戦、東ティモール紛争を取材した。
 ログベリは首都フリータウンの約90キロ北東にあり、RUFの支配地だったが21日に政府軍が制圧した。政府軍が押さえた一本道を、RUFの支配の及ぶ密林が囲んでいる。国連シエラレオネ支援団(UNAMSIL)要員とみられる7人の遺体がみつかったこともあり、周辺にメディアの取材が相次いでいた。[2000-05-25-13:34] 11
[このページの最初に戻る]


 05/25@戦犯国防相の招待は手違い ロシアのイワノフ外相(共同通信)

 【フィレンツェ25日共同】ロシアのイワノフ外相は二十四日、イタリアのフィレンツェで開かれた北大西洋条約機構(NATO)との常設合同評議会で、欧米諸国の批判を浴びている戦犯のオイダニッチ・ユーゴスラビア国防相招待問題について、「手違いだった」と釈明した。
 NATOのユーゴ空爆で悪化したロシアと欧米の関係は最近改善しているが、今月初めハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に起訴されているオイダニッチ国防相がモスクワを訪問したことから、欧米諸国はロシアへの疑念を再燃させている。
 イワノフ外相は記者会見で、戦犯法廷が「政治化され過ぎている」などと述べ、懸命に批判の矛先をかわした。[2000-05-25-11:04] 14
[このページの最初に戻る]


 05/25@◎モスクワにNATOの「情報センター」設置(時事通信)

 【モスクワ24日時事】北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの常設合同評議会の外相級会合が24日、イタリアのフィレンツェで開催され、NATOの活動をロシアに広報するための「情報センター」をモスクワに設置することなど協力関係を拡大していくことで合意した。昨年春のNATOによるユーゴスラビア空爆以降、ロシアの閣僚がNATOとの会合に出席したのは初めて。[時事通信社][2000-05-25-06:23] 27 [このページの最初に戻る]


 05/25@上級委員に谷口教授を任命 WTO、日本の存在感維持(共同通信)

 【ジュネーブ25日共同】世界貿易機関(WTO)は二十五日、紛争処理機関(DSB)の会合を開催、空席となっていた上級委員会の委員ポストに東京経済大現代法学部の谷口安平教授(65)=民事手続法=を任命した。任期は二○○三年十二月まで。同委員への日本人任命は二人目。
 上級委員会は、WTOに持ち込まれた紛争処理の常設上訴機関で、委員はいわばWTO紛争の「最高裁判事」に相当する。
 日本は、昨年末に上級委員としての任期切れを迎えた松下満雄・成蹊大教授の後任に日本人を充てるよう、加盟各国への説得を続けていた。谷口教授の任命により、日本は今後もWTOへの貢献でプレゼンスを維持できることになった。
 谷口教授は京都市生まれ。京都大法学部を卒業後、同大教授や米ハーバード大客員教授、帝京大法学部教授などを歴任し、今年四月から現職。倒産処理や国際民事法、紛争処理などの第一人者で、著書に「口述民事的訴訟」「倒産処理法」などがある。[2000-05-25-18:26] 44
[このページの最初に戻る]


 05/25@エリトリアが撤退表明(共同通信)

 【ヨハネスブルク25日共同】エリトリアから二十五日伝えられた情報によると、同国政府は一九九八年からのエチオピアとの国境紛争で占領した全地域から軍を撤退させると発表した。
 エリトリア外務省は二十四日付の声明で「(エチオピアとの戦闘が始まった)九八年五月六日以前の位置に軍を移動させる決定をした」と述べた。両国の国境紛争は今月十二日に再燃し、エチオピア政府は二十三日、劇的な勝利を収めつつあると発表、エリトリアのイサイアス大統領も、戦局が自国に不利なことを認めていた。
 エリトリアの国連大使は、アフリカ統一機構(OAU)が求めていた軍移動に応じただけで、エチオピアに降伏したわけではない、としている。[2000-05-25-13:17] 47
[このページの最初に戻る]


 05/25@◇嘉手納弾薬庫に劣化ウラン弾を貯蔵 米空軍が認める◇(朝日新聞)

 沖縄県の米軍嘉手納弾薬庫に、劣化ウラン弾が貯蔵されていることが25日までに分かった。管理している米空軍第18航空団のジェームス・スミス司令官は「貯蔵しているのはごく少量で、人体への影響はない」としている。今後も貯蔵されるというが、県は県外への移設などを求めていく方針だ。
 同航空団によると、貯蔵されている劣化ウラン弾はA10攻撃機が使用する。同機は在韓米軍に配備されており、朝鮮半島有事に備えての貯蔵とみられる。
 劣化ウラン弾をめぐっては1995年から96年にかけて、在日米海兵隊機が同県内の鳥島射爆撃場で約1520発を発射していたことが明らかになった。在日米軍は当時、海兵隊基地からすべての劣化ウラン弾を撤去したと説明していたが、陸、空軍の貯蔵については明らかにしなかった。
 鳥島では政府と米軍が放射線量など環境への影響調査を続けている。[2000-05-25-12:59] 64
[このページの最初に戻る]


 05/25@ナイジェリアの宗教紛争で300人死亡(読売新聞)

 【ヨハネスブルク25日=森太】西アフリカ・ナイジェリアからの報道によると、同国北部のカドゥナ州で二十二日から二日間にわたって、イスラム教徒とキリスト教徒が激しく衝突し、約三百人が死亡、千か所の建物が焼失した。同国では今年二月、イスラム教徒の多い北部各州へのイスラム法導入をめぐって、キリスト教徒が反発、両教徒の対立が続いている。二月は衝突が全国に拡大し、千人以上が死亡した。[2000-05-25-10:33] [このページの最初に戻る]


 05/26@◇フェンス1枚、向こう「敵」 レバノン国境のイスラエル◇(朝日新聞)

 イスラエル最北端の町メトゥラは、24日に完了したレバノン南部からのイスラエル軍撤退により、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラなどの反イスラエル勢力と直接向き合うことになった。世論は圧倒的に撤退を支持しているが、新たな状況がもたらす危険に対し、国境住民の不安は大きい。
 メトゥラにあるレバノンからイスラエルへの「通用門」ファトゥマ・ゲート前にある飲食店の主人は「24日朝、撤退する最後のイスラエル兵が通過して門が閉められると、反対側にたちまちのうちにレバノン人が現れた」と話す。
 ヒズボラ戦闘員も含むとみられ、親イスラエル民兵組織「南レバノン軍」の戦闘員や家族が乗り捨てた車から、ラジオでも何でも奪い始めた。門をはさんで、銃を手にしたヒズボラ支持のレバノン人とイスラエル人が「今にイスラエルそのものがなくなるさ」「何で。ここは私たちの国よ」と叫び合う姿も見られたという。
 しかし一夜明けた25日、不測の事態を恐れて、軍が境界一帯を立ち入り禁止にした。静まった国境のフェンスの向こう、イスラエル兵の目と鼻の先で、レバノン人が柱によじ登り、イスラエル軍が残した投光器をはずして持ち去るのが見えた。
 25日付のイスラエル最大紙イディオト・アハロノトによると、国民の72%が撤退を支持、反対は20%だった。メトゥラのすぐ南、しばしばヒズボラのロケット砲を撃ち込まれるキリアットシュモナ市の市長補佐、オフェル・ラダル氏は「国境から遠くに住んでいれば、私も72%の中に入るだろう」と前置きし、「今の段階では、今後も攻撃があるかないか、何とも言えない。しかし、国連の平和維持軍なり、安全を保障する何らかの合意、手当てが必要だ」と、唐突な撤退を批判した。
 バラク首相は「レバノン南部の占領を続けても、ロケット砲による越境攻撃は防げない」と述べ、国境まで引くことで国際法上、正当な防衛権を得た強みを強調する。しかし、レバノン側では25日を「解放の日」の休日とし、フェンスの向こう側に、100人余りが集まって気勢をあげた。「フェンスがなければ、イスラエル人をやっつけに行く。おれたちがやらなければヒズボラがやってくれる」と、叫ぶ若者もいた。対イスラエル闘争で存在を示してきたヒズボラが、なお国境の安全を脅かしてきたら、国内世論の風向きも変わりかねない。[2000-05-26-00:50] 83
[このページの最初に戻る]


 05/26@◇クリントン大統領、ロシアなど4カ国を訪問へ◇(朝日新聞)

 ホワイトハウスは25日、クリントン大統領が30日から6月5日までポルトガル、ドイツ、ロシア、ウクライナを訪れると発表した。ロシアではプーチン大統領と軍備管理・軍縮や経済改革、チェチェン情勢などを話し合い、米大統領として初めて議会で演説する。バーガー大統領補佐官は、この会談で焦点のミサイル防衛問題を解決できる可能性はない、としながらも、「大統領は残り任期中に4回、プーチン氏と会談する」と指摘し、今回の訪問はミサイル防衛と核軍縮の合意づくりに向けた本格的な対話の始まりになる、と強調した。
 バーガー氏はまた、核兵器の解体に伴って出る兵器用プルトニウムを米ロがそれぞれ34トンずつ処分することで合意する見通しを示した。
 ロシアが反発している米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想と、その配備に必要な弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しについては、「ABM条約を修正して、ミサイル防衛網を配備できるようにすると同時に、第3次戦略兵器削減条約(START3)も進められるよう、互いの意見をぶつけ合う機会にしたい」と述べた。
 クリントン大統領は今回を皮切りに7月の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)、9月の国連でのミレニアム・サミット、11月のブルネイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、プーチン氏と会うことになっている。[2000-05-26-21:51] 92
[このページの最初に戻る]


 05/26@<イスラエル>撤退完了で、レバノン占領政策に終止符を打つ(毎日新聞)

 イスラエルはレバノン南部の占領地「安全保障地帯」からの撤退完了で、22年間に及ぶレバノン占領政策に終止符を打った。消耗戦が続いていたレバノン南部からの軍引き上げはイスラエル国民の支持を得ており、撤退の前倒しを強いられたバラク首相は内政面ではひとまず大きなハードルを乗り越えた格好だ。だが、レバノン撤退をシリアとの和平交渉再開にどう結びつけるか、今秋に最終合意期限を迎えるパレスチナ交渉をいかに妥結するか、など中東和平の課題が山積している。
 25日付イスラエル紙イディオト・アハロノトの世論調査では、今回のレバノン南部撤退に賛成したのは72%で、反対の20%を大きく上回った。一部で「敗走だ」との論評もあったが、帰還を喜ぶ若い兵士の姿が連日メディアに登場し、えん戦ムード漂うイスラエル社会から好意的な評価を得た。
 バラク首相は「1日国会」をイスラエル北部で開催するなど、「ヒズボラ」などによるレバノン側からの越境攻撃に不安を抱く地元住民との連帯を強調。北部住民の支持離れを食い止める努力を続けている。
 しかし、今後、最大の焦点になるのは、イスラエル・レバノン国境情勢安定のカギを握るシリアとの和平交渉の行方だ。同交渉は1月以来、とん挫し、明るい兆しは見えない。アサド・シリア大統領は沈黙を保っており、交渉再開に向けたバラク首相の動きが注目されている。
 バラク首相は「(交渉の)ドアは完全に閉まっておらず、閉める気もない」と語り、「シリアとの接触は続けている」(側近)という。レバノン撤退によって、イスラエルはシリアから「ヒズボラ」という交渉カードを奪い、政治的に優位に立った。米国から対イスラエル国境の治安維持でクギを刺されたシリアに交渉再開を働きかけ、主導権確保を狙う可能性もある。
 一方、パレスチナ自治政府との最終地位交渉は枠組み合意の当初目標期限から既に3カ月が過ぎた。アラファト自治政府議長はレバノン撤退を受けて、「パレスチナでも国連安保理決議の履行を」とヨルダン川西岸全面撤退を要請。だが、バラク首相は国内で反対意見が圧倒的なエルサレムやユダヤ人入植地の割譲は認めない構えで、交渉妥結までには曲折がありそうだ。[2000-05-26-19:32] 93
[このページの最初に戻る]


 05/26@米軍が戦略の重点をアジアへ…WP紙(読売新聞)

 【ワシントン26日=林路郎】来月初めに米国防総省が発表する今後二十年の米軍運用計画「統合ビジョン二〇二〇」で統合参謀本部が、中国の「敵対的軍事大国」としての台頭を想定、「東京からテヘランへ至るアジアの弧」が世界で最も厳しい軍事的競争の舞台となるとの認識に立ち、米軍戦力の重点をアジアへ転換する方針を打ち出すことがわかった。二十六日付のワシントン・ポスト紙が、計画策定責任者や軍首脳らの話として報じた。
 「ビジョン」は中国の名指しは避けているが、「対等な競争相手」と呼び、事実上の「対中包囲網」を軸とする二十一世紀序盤の米国の軍事戦略を明確にしている。具体的には、〈1〉敵の核ミサイル搭載原潜や水上艦艇を破壊する攻撃型原潜の六割が数年前まで大西洋に配備されていたが、数年後はアジアに六割を配備する〈2〉広大なアジア用に航続距離の長い潜水艦・爆撃機・給油機の増強――などがうたわれる。
 同紙によると、こうした長期計画策定の背景には、中国の軍事大国化は「時間の問題」とする米軍首脳の共通認識がある。「米中の直接軍事衝突の回避」が作戦計画立案の最優先事項であり、同紙は、国防総省が過去八年に策定した作戦計画の七割近くがアジアを舞台にしたものだと伝えた。
 また、今年夏にアラバマ州で行われる空軍の大規模演習は、「中国がロシアのシベリア地方へ侵攻した」事態を想定、米軍がロシア防衛に回る作戦に関するものになるという。
 「朝鮮半島統一後の在日・在韓米軍の維持」が同様に重要な目標とされ、これには「日本が大国として復活した場合、一九三〇年代の過ちを繰り返させない」狙いが込められている、という。
 中国との緊張に加えて国防総省が描いているシナリオには、「北朝鮮の平和的崩壊」「インドネシア分裂」「印パ核戦争」「アフガニスタンのイスラム原理主義勢力の浸透によるパキスタン崩壊とタリバンによる核兵器入手」「イランの核武装」などが含まれる。[2000-05-26-19:26] 98
[このページの最初に戻る]


 05/26@<ABM>制限条約の修正めぐり米と露の食い違いが深まって(毎日新聞)

 【ワシントン26日中井良則】モスクワで6月4日に開かれる米露首脳会談を前に、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正をめぐり、米国とロシアの食い違いが深まっている。米政府は25日、「クリントン政権下でのABM条約修正こそロシアの国益になる」という見解で交渉する方針が25日、明らかになった。ABM条約の破棄もちらつかせながら、共和党政権ではもっと大掛かりなミサイル防衛が導入される可能性を指摘し、現時点での修正受け入れを迫る構えだ。
 米国は朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)やイラクなど中東諸国による将来、予想される核ミサイル攻撃に対抗するという理由で、米本土ミサイル防衛(NMD)を開発している。米国に飛んでくる敵ミサイルに迎撃ミサイルがぶつかって撃ち落す。旧ソ連とのABM条約は迎撃ミサイルが増えると報復攻撃能力が損なわれ、核抑止力戦略が崩れるため、迎撃ミサイル基地を各1か所に限定している。
 本土ミサイル防衛は複数の基地が必要で、ABM条約に違反するため、米国は2基地を認める修正を提案した。クリントン政権は「限定的なミサイル防衛」と説明し、配備の是非は今年後半に決定する予定だ。
 バーガー大統領補佐官(国家安全保障担当)は25日、「ロシアがいま、ABM条約の修正に応じれば、同条約に拘束される限定的な米本土ミサイル防衛が保証される」と述べた。
 その上で「もし修正に応じなければ、将来の大統領はスターウォーズのようなより大規模なミサイル防衛に向かうかもしれない。ABM条約が(米国の脱退によって)存在しないことになり、ロシアにとってはより大きな脅威となるだろう」と指摘。「この計算をロシアは考えるべきだ」と修正受け入れを求めた。
 共和党の大統領選候補ブッシュ・テキサス州知事は米国と同盟国を守るより広範囲のミサイル防衛システムを提唱しており、バーガー補佐官の発言はロシアに対し、現政権との合意か共和党政権との対立かの二者択一を迫ったと言える。[2000-05-26-18:45] 109
[このページの最初に戻る]


 05/26@<レバノン>「モザイク国家」で、微妙な力のバランスの上に(毎日新聞)

 レバノンには古くからキリスト教とイスラム教の様々な宗派が混住、「モザイク国家」と呼ばれ、微妙な力のバランスの上に生活していた。
 1970年、ヨルダン国内を追われたパレスチナ人が大量にレバノンに流入してバランスが崩れ、75年、キリスト、イスラム両教徒による内戦に突入する。76年、シリア軍が「アラブ平和維持軍」として駐留を開始、レバノンはシリアの強い影響下に置かれた。
 イスラエルはレバノンを拠点とするパレスチナ・ゲリラの攻撃に手を焼き、78年、パレスチナ解放機構(PLO)掃討のためレバノン南部に侵攻。国連は国連レバノン暫定軍(UNIFIL)を派遣した。
 イスラエル軍は82年、レバノンに本格侵攻し、PLOをチュニジアに退去させたが、イスラム教シーア派住民が民兵組織「ヒズボラ」を結成。イスラエル軍やキリスト教マロン派を中心に78年に結成した親イスラエル民兵組織「南レバノン軍(SLA)」と戦闘が激化した。イスラエル軍は85年、国境付近まで撤退したが、レバノン内に「安全保障地帯」を設置して駐留を続けていた。
 ヒズボラはシーア国家のイランから支援を受け、シリア経由で資金や兵器を入手している。ヒズボラの攻撃で死亡したイスラエル兵士は900人以上に上り、昨年7月、イスラエルのバラク首相は1年以内の撤退を約束、予定を前倒しして今月23日から24日にかけて撤退を完了した。SLA兵士もレバノン軍に投降したり、拠点を捨て逃走するなど崩壊、レバノン南部にはヒズボラが入った。【小倉 孝保】[2000-05-26-17:13] 110
[このページの最初に戻る]


 05/26@<レバノン>撤退でゴラン高原返還交渉の交渉カード失う シ(毎日新聞)

 イスラエル軍のレバノン撤退で、シリアはゴラン高原返還交渉の貴重な交渉カードを失った。自らの健康不安も重なり、アサド大統領は四面楚歌の状態だ。アラブ諸国が相次いで撤退歓迎を表明する中、シリアは「ヒズボラ」を支援してきた実績を踏まえ、和平交渉で攻勢に転じる機会をうかがっているようだ。
 イスラエルではヒズボラとの戦闘で犠牲者1000人以上を出し、国内世論の突き上げが強まっていた。シリアはバラク・イスラエル首相の弱みを見据え、ゴラン高原返還交渉でイスラエルの譲歩を引き出すため、ヒズボラへの影響力を駆け引き材料に利用してきた。だがイスラエル軍が国連決議に従って撤退した以上、ヒズボラに攻撃自制を働きかける以外の道はない。
 また、1976年以来、レバノンに駐留するシリア軍への批判が高まる可能性もある。4月下旬までにベイルート市内の検問所を整理、人目につかないよう再展開を済ませたのは批判の矛先を和らげる予備的措置だった。内戦終結後もキリスト教徒とイスラム教徒のあつれきが残るだけに「必要悪」とされるシリア軍駐留だが、露骨なレバノン介入は次第に困難となりそうな情勢だ。
 一方、レバノンはイスラエル軍撤退後も、南部へのレバノン軍派遣を控えたまま、シリアの出方待ちの状態だ。
 イスラエル軍の撤退はアラブ諸国ではアラブ・イスラエル紛争で「初の勝利」と受けとめられている。それだけに「ヒズボラを支援しなかったアラブ諸国は恥ずかしい思いをしている」(レバノン人記者)とされ、シリアは本来、アラブ諸国から賞賛を得る立場にある。シリアはイスラエル軍の撤退でレバノンに駐留する大義名分を失ったものの、アラブの大義という「名」を勝ち取ったともいえるのだ。
 「わが国はまだ、和平への扉を開いている」。シリアの政権政党、バース党機関紙「アルバース」は25日、社説で訴えた。バラク首相はレバノン撤退完了後、ゴラン高原返還交渉での柔軟姿勢を示唆している。したたかな交渉術で知られるシリアの対イスラエル交渉における反転攻勢の成功は、シリアが新たなレバノン情勢にどう対応し、アラブ諸国の信頼をつなぎ止めるかにかかっている。【ベイルート・高橋弘司】[2000-05-26-17:13] 137
[このページの最初に戻る]


 05/26@アフガン空爆準備を確認 ロシア軍第1参謀次長(共同通信)

 【モスクワ25日共同】ロシア軍のマニロフ第一参謀次長は二十五日、政治的決定が下れば、チェチェンのイスラム武装勢力への軍事支援を約束したとされるアフガニスタンへの「予防攻撃」を実施する用意が完了していると言明、ロシアがアフガン空爆の準備を完了したとの報道を確認した。
 記者会見した次長は、プーチン大統領が四月に承認した新軍事ドクトリンは、国外でのロシアに対する武装勢力の補給準備も軍事的脅威と認めていると指摘、アフガン空爆は可能との見解を示した。
 一方、インタファクス通信によると、モスクワ訪問中の米政府高官は同日、イタリアのフィレンツェでオルブライト米国務長官と会談したイワノフ・ロシア外相が、アフガニスタンへの空爆は現在具体的に計画していないと伝えたと語った。[2000-05-26-07:51] 138
[このページの最初に戻る]


 05/26@大量の頭脳流出防げず イラク高等教育相を解任(共同通信)

 【カイロ25日共同】国連の対イラク制裁による経済困難で、大学教授が大量に国外流出した問題を解決できなかったため、イラクのムハマド高等教育・科学研究相が解任されたと、二十五日付のアラブ紙アルハヤトが消息筋の話として伝えた。
 同紙によると、過去五年間でイラクから国外に移住した大学教授や専門家は推定二千人以上。経済の悪化に加え、世界の科学進歩から取り残されたことが理由という。
 医学、工学、物理学などの大学教授や専門家は一九九八年まで外国旅行が禁止されていたが、偽名の旅券などを使ってイラクを出国していたという。
 また、ムハマド氏は、教授数人をバグダッドや地方の新たな教育機関に異動させるように命じられたが、その実行が遅かったことも解任の理由の一つ。
 イラクの大学教授の給料は月額約一万―二万五千イラク・ディナール(約五―十二ドル)だが、新たな教育機関での給料は約二倍とされる。[2000-05-26-07:50] 6
[このページの最初に戻る]


 05/26@ユーゴ、中国に勝つ サッカーの国際親善試合(共同通信)

 サッカーの国際親善試合、中国―ユーゴスラビアは二十五日、北京で行われ、ユーゴスラビアが2―0(前半1―0)で勝った。(ロイター=共同)  [2000-05-26-11:06] 123 [このページの最初に戻る]


 05/26@◇イスラエル・パレスチナ混成チームがサッカー慈善ゲーム◇(朝日新聞)

 イスラエルとパレスチナが初めて結成した混成チームと、イタリア人歌手チームによるサッカーのチャリティー試合が25日夜、ローマのスタジオ・オリンピコで行われた。日本代表の中田英寿(ASローマ)をはじめ、F1のシューマッハーや俳優のショーン・コネリーらも加わり、和平の実現と募金を呼びかけた。
 試合は「サッカーの王様」ペレのキックオフで始まり、またスタンドには、イタリアのチャンピ大統領やペレス・イスラエル元首相、アラファト・パレスチナ自治政府議長らが姿を見せ、肩を並べて声援を送った。
 結果は6対5で、混成チームが勝った。主催者によると、試合で寄せられた募金は、パレスチナとイスラエルの学校でのコンピューター教育などに充てられるという。[2000-05-26-11:30] 128
[このページの最初に戻る]


 05/26@中田、バッジョも助っ人 中東和平慈善サッカー(共同通信)

 【ローマ26日共同】ローマのオリンピック競技場で二十五日夜、イタリア歌手チーム対イスラエル・パレスチナ合同オールスターの中東和平慈善サッカー試合が行われ、中東チームが中田英寿、ロベルト・バッジョ両選手ら豪華助っ人をそろえたイタリア側を6対5で破った。
 主催はイタリアのチャンピ大統領、中東チームの“オーナー”はパレスチナ自治政府のアラファト議長とイスラエルのペレス元首相で、スタンドからにらみを利かせた。キックオフはブラジルのサッカー王ペレ氏。
 中東チームは新旧サッカー選手が主体で、F1レーサー、ミヒャエル・シューマッハーさんも参加。イタリアは大御所ジャンニ・モランディさんらサッカー好きの歌手主体。バッジョ、中田両選手はチャンスでもアシストに徹した。
 イタリア歌手チームの慈善試合は恒例の催しで、二十周年の今回はイスラエル、パレスチナのコンピューター教育やスポーツ振興を助成し和平に貢献しようと豪華版を企画。寄付は約七億リラ(約三千五百万円)に達した。[2000-05-26-10:23]
[このページの最初に戻る]


 05/27@<ブッシュマン>「土着白人」文化の波(毎日新聞)

 南アフリカ中部キンバリーのテント村に唯一舞い込む仕事は、大農場の見張り番だ。どこでも「よそ者」のブッシュマンは黒人の部族対立に巻き込まれにくい。それに何と言っても、夜目がきく。かつての内戦時、ゲリラ追跡で活躍したように、重宝がられている。
 オテ・カフイカさん(35)は1000キロ離れた東ケープ州から戻ったばかり。半年間、妻と子供とともに白人経営の農場に泊まり込みで働き、日本円で約7万円を稼いできた。
 この州では昨年だけで150人の白人農民が殺された。元使用人らの恨みが主な理由だが、ブッシュマンが見張りをすると殺人も牛泥棒もぴたっと止まる。そんな話が広がり、テント村に依頼が相次ぎ、過去1年で600人が出稼ぎした。「農場主は良い人で、レンガの家に泊めてくれた。3食つきで、珍しい食べ物や菓子もくれる」。カフイカさんは満足そうだ。
 もう狩猟生活には戻れない。村にはそんな声が増えている。実際、夜になれば子供は村一軒の雑貨店や屋台のバーに集まり、最新の音楽で踊る。南アのタウンシップ(黒人居住区)文化の影響だが、違うのは暴力もエイズもまだまん延していない点だ。
 「ここの子は本当に愛らしい。それに驚くほど頭が良い。見て」。朝、テント村にある公立学校に行くと、中年の白人女性教諭が小学1年のノートを見せてくれた。整った字で計算式とアフリカーンス語(南アの公用語の一つ)が書かれ、間違いは一つもない。
 教師はみな、周辺から通うアフリカーナーと呼ばれる土着白人だ。先祖は日本で言えば江戸時代の初期からアフリカに根を下ろしてきた。ここのブッシュマンの多くが、この白人言語を話す。かつて人種隔離政策を推し進めたアフリカーナーは94年、政権を黒人に渡し少数派となった。
 だが、彼らの言語文化は根強い。南アのブッシュマンも、共に原野で暮らしてきたこの白人の文化に静かに抱かれようとしている。
 「白人はブッシュマンを低賃金で使うだけだ」という声もある。「それじゃあ、彼らと一度、一緒に住んでみたらいい。ブッシュマンはきっとおれたちを悪く言わないはずだ」。一番近い所にいる土着白人たちは、そう反論するだろう。【キンバリーで藤原章生】[2000-05-27-12:26] 52
[このページの最初に戻る]


 05/27@◇米ロがラディン氏引き渡しをタリバーンに要求◇(朝日新聞)

 米ロ両国の外務当局は26日までのモスクワでの協議で、アフガニスタンを支配するイスラム原理主義勢力タリバーンが国際テロを支援しているとの懸念を表明し、爆弾テロ事件の首謀者として米国が追っているサウジアラビア出身の富豪オサマ・ビン・ラディン氏の身柄を引き渡すよう呼びかけた。ロシアも同氏がチェチェン共和国の武装勢力に資金援助しているとして批判を強めており、対タリバーン圧力に米ロの足並みがそろった形だ。
 ロシアのロシュコフ外務次官と米国のインダーファース国務次官補が協議終了後、声明を出した。タリバーンが引き続き要求を無視した場合、国連安保理の場でさらなる制裁措置を検討すると述べている。
 アフガンをめぐっては、ロシアのヤストルジェムスキー大統領補佐官が22日、チェチェン武装勢力を支援しているタリバーンに予防的攻撃をかける可能性を示唆して以降、アフガン北部の訓練キャンプなどへの空爆に踏み切るかどうかに関心が高まっている。
 24日に開かれた旧ソ連諸国の独立国家共同体(CIS)の集団安全保障条約会議でもイスラム原理勢力への対抗策が最大のテーマとなった。26日のイタル・タス通信によると、アフガンで反タリバーンの北部同盟を率いるマスード司令官が「CISはタリバーンの拡張にもっと真剣に対応すべきだ」と現地紙で訴えたほか、アフガンと隣接するウズベキスタンのカリモフ大統領も「空爆する場合はロシアに頼らず自力でやる」と述べるなど、緊迫の度を増している。
 ラディン氏はケニア、タンザニアでの米国大使館爆破事件の首謀者とされ、米国がかねてから身柄引き渡しを要求。1998年8月には、ラディン氏の活動拠点があるとの理由で米国はアフガン領内をミサイル攻撃している。一部報道では、ロシアによるアフガン空爆の動きに対し、「米国はすでにOKを出した」との情報も流れている。[2000-05-27-11:01] 58
[このページの最初に戻る]


 05/27@安保理の拒否権廃止提言 国連NGO会議が閉幕(共同通信)

 【ニューヨーク26日共同】二十一世紀の国連の在り方などを非政府組織(NGO)が討議する「ミレニアム・フォーラム」が二十六日、安全保障理事会常任理事国の拒否権廃止などを呼び掛けた行動宣言を採択して閉幕した。
 フォーラムは(1)平和と安全保障(2)貧困の根絶(3)人権(4)持続的開発と環境(5)グローバル化への直面(6)国連強化―の六つのテーマごとに作業部会を設けて約千四百人が参加して討議。
 宣言は米ロなどの特権である常任理事国の拒否権行使は今後、国連憲章第七章に定める平和と安全の問題に限るべきであり、国連事務総長選出の際などには行使すべきではないとし、将来的には拒否権を全廃する方向で検討するべきだと提言した。
 さらに、安保理支援のため総会に紛争予防委員会を新設するとともに、欧州議会に似た国連議会の創設などを盛り込んでいる。
 グローバル化の進行については、国際通貨基金(IMF)や世界銀行、世界貿易機関(WTO)の民主化が不可欠だとして、これらの組織を国連組織に統合させ、その意思決定過程を経済社会理事会に報告させるなどの改革を求めている。
 宣言は各国の首脳が集まる今年九月の「ミレニアム・サミット」で話し合われることになる。[2000-05-27-10:07] 63
[このページの最初に戻る]


 05/27@日本に核武装の懸念 米諮問機関が報告書(共同通信)

 【ワシントン26日共同=杉田弘毅】米国防総省の諮問機関が「二○二五年のアジア」と題した報告書で、南北朝鮮統一後の在日米軍の撤退、日本の核武装化や米中衝突など懸念されるシナリオを想定し、これを防ぐために米軍事戦略を現在の欧州重視からアジア重視に切り替えるよう提言していたことが二十六日分かった。
 報告書は「米国の関心は欧州に向いているが、脅威があるのはアジアだ」と結論付け「より実体のある米軍のアジアでのプレゼンス」の増強を今から策定するよう促した。
 報告書は官民のアジア研究者でつくるスローコム国防次官(政策担当)の諮問機関が昨年夏に答申。同省が二十六日に明らかにした。
 朝鮮半島統一の場合は、日本と韓国の民族主義勢力が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威の消滅を理由に米軍駐留の反対論を高め、米軍は沖縄も含めて徐々に撤退を開始。日本が朝鮮半島と中国の脅威への懸念として核武装、軍事力増強の道を進む可能性を指摘した。
 一方、中国が強大化した場合、東南アジア、中央アジアへの影響力を強め、経済的問題を克服できず弱体化した日本に対して、在日米軍の段階的撤退を迫ることを想定。中国が弱体化する場合は、実権を握る軍の冒険主義的な周辺諸国への介入が米中衝突を招くシナリオを挙げた。
 報告書は中国を封じ込める形で米国とインド、日本とインドの同盟関係にも触れ、米国防総省と軍の中国に対する警戒心の強さを浮き彫りにした。
 米統合参謀本部はこの報告書などを基に近く世界全体に対する二○二○年の戦略「ジョイントビジョン二○二○」を発表する。[2000-05-27-09:52] 64
[このページの最初に戻る]


 05/27@ロシア語が公用語に復権 キルギス、国名は変更せず(共同通信)

 【モスクワ26日共同】タス通信などによると、旧ソ連構成国の中央アジア・キルギスのアカエフ大統領は二十六日、ロシア語にキルギス語と同等の公用語の地位を与える法案に署名した。
 同国でのロシア語の復権は、昨年の日本人技師拉致(らち)事件などイスラム武装勢力の脅威を通じて、ロシアが求心力を回復し始めたことを示している。
 ロシア通信によると、旧ソ連構成国のうち民族語と並んでロシア語も公用語としたのはベラルーシとカザフスタンに次いで三カ国目。
 また同国下院副議長は、国名が「キルギジア」に変わったとのモスクワ放送の報道を否定。ロシア語ではキルギスをキルギジアと呼ぶことから、ロシア語の公用語化に伴う誤解があったとみられる。[2000-05-27-09:49] 65
[このページの最初に戻る]


 05/27@アルジェで和平交渉再開へ エチオピアとエリトリア(共同通信)

 【ヨハネスブルク26日共同】エチオピアからの報道によると、同国は二十六日、エリトリアとの国境紛争をめぐり、アルジェリアの首都アルジェでの和平交渉再開に同意した。
 エリトリア側も和平交渉出席に応じており、交渉は二十九日に再開される見通し。
 両国は四月末からアルジェでの和平交渉に出席したが交渉は決裂し、戦闘が再燃。アルジェリアのブーテフリカ大統領が両国を訪れ、交渉再開を促していた。アルジェリアはアフリカ統一機構(OAU)の議長国。
 エチオピア軍は今月十二日からの戦闘を有利に展開。エリトリアは二十四日付の外務省声明で「(エチオピアとの戦闘が始まった)一九九八年五月六日以前の位置に軍を移動させる決定をした」と撤退を表明した。しかしエチオピア側は国境地域を越え、エリトリア領内に進撃を続けていた。[2000-05-27-09:48] 74
[このページの最初に戻る]


 05/27@<伊銀行爆破事件>ゾルジ被告身柄問題 日・伊の実務者が初(毎日新聞)

 イタリアのミラノで1969年に起きた銀行爆破事件に関与したとして、イタリア政府が日本在住のデルフォ・ゾルジ被告(52)=日本国籍=の身柄引き渡しを求めている問題で、イタリア司法省関係者が来日し、26日、法務省の担当者と初の実務者レベルの協議を行った。
 ゾルジ被告は69年12月、ミラノの国立農業銀行ロビーで起きた爆弾テロ事件(16人死亡)の容疑者として97年6月にイタリア司法当局から国際手配された。89年に日本国籍を取得していたため逮捕を免れたが、今年2月に本人不在のまま公判が始まり、イタリア政府は3月、日本に身柄の引き渡しを要請していた。
 この問題は今月2日の日伊両国の首脳会議でも取り上げられ、森喜朗首相は「政府部内で真剣に検討している」と述べていた。日本国籍のある者は逃亡犯罪人引渡法の対象にならず、引き渡しには日本国籍取得の取り消しが必要になるため、法務省は引き続き慎重に検討を進める方針。
 ゾルジ被告は毎日新聞の取材に「アリバイがある」と無実を主張している。[2000-05-27-00:49] 3
[このページの最初に戻る]


 05/27@東ティモールが五輪参加 IOCが特例措置を適用(共同通信)

 【リオデジャネイロ26日共同=江波和徳】国際オリンピック委員会(IOC)は二十六日にリオデジャネイロで開いた理事会で、インドネシアからの独立に向けて国連の暫定統治下にある東ティモールのシドニー五輪参加について協議し、東ティモール代表としてではなく、個人参加資格による同五輪出場を認めた。五輪で存在をアピールすることによって、国際社会での東ティモールの立場にも好影響を及ぼしそうだ。
 本来、東ティモールが五輪に正式参加するためには、国内オリンピック委員会(NOC)がIOCに承認されるなどの参加条件を満たす必要がある。しかしIOCは、シドニー五輪開幕の九月十五日までにこれらをすべてクリアすることは難しいと判断。一九九二年バルセロナ五輪で、国連制裁下にあったユーゴスラビア参加問題の解決策となった「個人資格での参加」の特例措置を再び適用することになった。
 IOCによると、陸上、ボクシングなどで数選手の参加が見込まれるという。
 会見したカラードIOC事務総長は「政治的なことよりも、参加を望んでいる(東ティモール)選手の利益を最優先に考えた上での判断」と説明した。
 東ティモールの選手は五輪期間中の政治的な活動は禁止される。チームの服装も白の上下となり、開会式では五輪旗の先導の下で入場行進する見通しだ。
 東ティモールでは、独立運動指導者でノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ氏が今月初めにNOCを設立し、自らが初代会長となってシドニー五輪参加への下地をつくっていたが、IOC未承認。[2000-05-27-10:03] 59
[このページの最初に戻る]


 05/27@スタジアムに「国名」が 初参加の東ティモール沸く(共同通信)

 【ディリ27日共同】「オリンピックスタジアムに東ティモールの名が響く」。昨年九月の騒乱で破壊され、ようやく復興の兆しが見え始めたディリ市内は、東ティモールのシドニー五輪個人参加が国際オリンピック委員会理事会で承認された知らせが届いた二十七日、五輪を舞台に国際社会に「独立」をアピールできる喜びに沸いた。
 「素晴らしいニュースだ。残された時間は少ないから、これから準備で忙しくなるよ」。国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の担当者は同日、興奮した口調で語った。
 市中心部の広場。毎日午後三時、参加対象のボクシングの選手らが練習する。目の前の元練習場は焼け落ちたままで、リングの土台とサンドバッグをつるす鎖だけが面影を残す。
 参加が最も有力とされるビクター・ラモスさん(30)=ライト級=は「これまで国際試合はインドネシア代表として出たが、今度は自分の国のために戦える」と喜びをかみしめた。ラモスさんは地元でヒーローだっただけに、騒乱の際には民兵から命を狙われジャングルで生き延びた一人だ。
 だが、グローブは二十人に三セットあるだけで、サンドバッグもない。「準備期間が短すぎる。食べ物もビタミンが不足し、テクニックも磨けない。心の準備はあるが勝つことはできないだろう」と一転して悔しげな表情を見せた。[2000-05-27-10:06]
[このページの最初に戻る]


 05/28@最大政党の復帰決定、北アイルランド自治再開へ(読売新聞)

 【ロンドン27日=渡辺覚】英・北アイルランド和平のカギを握る自治政府の再始動に関して、プロテスタント最大政党アルスター統一党(UUP)は二十七日、ベルファストで開いた党評議会で、自治政府への復帰を決定した。カトリック勢力はすでに自治復帰を表明しており、北アイルランド自治政府は三十日に再開される見通しとなった。北アイルランド和平は新段階に向けて大きく動き出した。
 統一党の党評議会は、報道陣を締め出して行われ、決定は代議員(八百六十二人)の投票に持ち越された結果、復帰賛成が四百五十九票で反対四百三票を辛うじて振り切った。統一党の決定を受けて、英国のマンデルソン北アイルランド相は、三十日午前零時を期して北アイルランド自治政府を再開させる命令書に署名した。
 閉会後、記者会見したトリンブル党首(前自治政府首相)は、「自治を支持する我々の主張に大きな支援を得られた。今後は自治の再開を通じて両派の信頼醸成に努め、この決定が正しい選択だったことを示したい」と語り、自治政府の運営に意欲を見せた。賛成派勝利の背景には、トリンブル党首に自治政府内でのリーダーシップを期待する票に加え、副党首で対カトリック強硬派に影響力のあるテーラー氏が復帰支持に回った事実も大きい。
 また、統一党の支持基盤を成す農民や自営業者の間で「紛争疲れ」(統一党の自治賛成派議員)がピークに達している点も無視できない。北アイルランドでは、「自治を通じ、カトリック側と現実的な信頼関係を築く道が得策」との空気が、確実に定着の方向に向かっている。
 ただ、三月の党首選の際にトリンブル党首に対する反対票43%に比べ、この日の党評議会の反対票は4ポイント増加した。自治政府を率いるのが確実なトリンブル体制は、「足元」が依然、ぜい弱な状況と言える。
 自治再開の道筋が見えたことで、北アイルランド和平の最大の課題は、アハティサーリ・フィンランド前大統領らによるカトリック武装組織アイルランド共和軍(IRA)の査察に移る。IRAの武器庫査察を実質的な武装解除につなげられるかどうかが、自治と和平の定着に大きく影響するためで、アルスター大学のアーサー教授は、英BBCに対し、「今後は、IRAの約束の履行方法が焦点」との見通しを語った。
 北アイルランドでは、九八年四月の和平合意に基づき、IRAなどが武装解除を進めることを条件に、昨年十二月、自治政府が成立した。だが、IRAは期限が過ぎても武装解除に着手せず、英政府が今年二月、自治政府の機能停止を命令した。その後、英、アイルランド両国首脳が今月五日、武装解除期限を来年六月まで延長する声明を発表。これを受けてIRAが武器の不使用と武器庫の定期査察受け入れを軸とする譲歩案を示し、自治再開の機運が高まっていた。[2000-05-28-01:48] 3
[このページの最初に戻る]


 05/28@「タミルのトラ」が戦闘停止発表、住民に避難促す(読売新聞)

 【ニューデリー27日=黒瀬悦成】スリランカ北部ジャフナ半島の制圧を目指す少数民族タミル人の過激派「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」は二十七日午前十時(日本時間同日午後一時)から十二時間の一方的戦闘停止を発表した。同半島の拠点都市であるジャフナ市の住民に対し、戦闘地域外に避難する時間を与えるのが目的で、LTTEは住民の退避を確認し次第、同市を防衛する政府軍部隊に総攻撃を仕掛けるものとみられる。
 LTTEは十九日、半島の政府軍に一週間以内に降伏するよう勧告し、「応じない場合は血の雨が降る」と警告していた。一方、クマラトゥンガ大統領は二十六日、南部地方に温存している兵力を同半島の前線に増派するため、代わりに退役軍人らを後方部隊に再編入することを決めるなど、徹底抗戦の姿勢を鮮明にしている。[2000-05-28-00:28] 1
[このページの最初に戻る]


 05/28@◎ユーゴ大統領、モンテネグロ訪問へ=親欧米派の共和国政権(時事通信)

 【ウィーン28日時事】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国の親ユーゴ政府派政党、社会人民党のブラトビッチ副党首は28日、地元の独立系テレビに対し、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領が同共和国を訪問すると語った。
 訪問の時期は明らかにされていない。しかし、欧米協調派のジュカノビッチ大統領率いるモンテネグロ政府は、旧ユーゴ国際戦犯法廷で起訴されている戦犯容疑者の身柄引き渡しに協力すると約束しているため、戦犯のミロシェビッチ大統領が実際に訪問すれば、その身柄拘束問題をめぐって情勢は一気に緊迫する。ブラトビッチ副党首は「ミロシェビッチ大統領の訪問はジュカノビッチ大統領に大きな問題を突き付ける」と述べ、訪問が「挑発」であることを公然と認めた。[時事通信社][2000-05-28-23:18] 2
[このページの最初に戻る]


 05/28@<ユーゴ>セルビア政府の野党系テレビ局接収で抗議集会(毎日新聞)

 【ベオグラード28日福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで27日(日本時間28日未明)、セルビア政府が首都最大の野党系テレビ局・スタジオBを接収したことに対する抗議集会が行われ、約2万人が参加した。
 同集会は、政府のメディア弾圧に対して、野党側がどれほど支持者を結集できるか注目されたが、参加者数は10日前の3万人を下回り、市民の野党への失望感を裏付ける形となった。
 抗議集会は首都中心部の共和国広場で開かれ、ドラシュコビッチ・セルビア再生運動党首は「セルビアは、恐怖と絶望に襲われており、政府による無法とテロに対しては市民による不服従運動と抵抗以外に残された道はない」と訴えた。
 参加者数が予想外に伸びなかった点について、聴衆の中から「より徹底した行動でなければ政府の壁は崩せない。」など野党の迫力不足を批判する声も出ていた。[2000-05-28-18:46] 11
[このページの最初に戻る]


 05/28@ジンバブエの白人農地再配分で南ア与党が英批判(読売新聞)

 【ヨハネスブルク28日=森太】南アフリカ共和国の与党「アフリカ民族会議(ANC)」は二十七日、ジンバブエで白人農場が黒人に占拠されている問題について、「英国は土地再配分のための補償金を無条件で拠出すべきだ」と発表し、白人農地を強制収用した場合は補償金を出さないとする英国の姿勢を批判した。
 ジンバブエ政府は二十四日、改正土地法を制定し、ムガベ大統領に白人所有農地を無補償で収用する権限を付与した。一方、英国政府は、農地占拠の中止などを前提条件に、土地再配分に三千六百万ポンド(約六十億円)の補償金拠出の用意をしており、土地法改正が強制収用につながる可能性に懸念を示していた。[2000-05-28-21:42] 14
[このページの最初に戻る]


 05/28@◇長引く比国軍とイスラム勢力の衝突、20万人の避難民◇(朝日新聞)

 フィリピン・ミンダナオ島で激化している同国最大の反政府組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」と比国軍の衝突で、紛争地域から避難する住民が20万人以上にのぼっている。多くはイスラム教徒で、MILFの活動に一定の理解を示しながらも、長引く避難所暮らしに疲れをみせる。政府とMILFは30日、和平交渉を再開する予定だが、解決の糸口は見えない。
 国軍は先月末、MILFの本拠地であるコタバト市郊外のキャンプ・アブバカルへの攻撃を開始。主要空港のひとつ、コタバト空港は閉鎖された。MILFも反撃し、徹底抗戦となった。国軍の調べでは、ミンダナオ島の避難民は約26万にものぼる。
 「1カ月前、突然、国軍兵士が来て『家から離れろ』と言われ、着のみ着のままで避難した。数日前に様子を見に戻ったら、家財道具がすべて盗まれていた」。約2000人の避難民が暮らすコタバト市内のセントラル・パイロット小学校で、エルメル・マカケナさん(19)はぽつりぽつりと話した。
 狭い教室には10家族50人以上が押し込められ、拾ってきた木片を校庭で燃やして煮炊きしている。消防車が配給する水だけでは足りず、洗濯は雨水。排せつ物を流せないため、異臭が鼻を突く。衛生状態が悪化しており、下痢などの病人が増えているという。
 コタバト市内はカトリック教徒が多数派だが、小学校の避難民は全員、イスラム教徒だ。スカーフで頭をおおい、腰に布をまきつけた女性の姿が目立つ。ジャリア・オットさん(32)は「MILFに敵意はない。国軍が攻撃するから、家を失うはめになったのよ」と政府への不満を口にした。
 政府とMILFの和平交渉は昨年10月に始まった。その後、衝突が激化して中断していたが、今月30日にようやく再開される見込みだ。
 しかし、避難所に住むイスラム教徒たちの多くは「いつ、また銃撃戦が始まるかわからない。完全に和平合意するまでは、家に戻りたくない」と話す。[2000-05-28-21:13] 27
[このページの最初に戻る]


 05/28@「難民と認めて」と集会 迫害のアフガン少数民族(共同通信)

 アフガニスタンの少数民族ハザラ人らが迫害を逃れて来日したのに、入国管理局がずさんな審査で難民と認めないため、強制送還で再び生命の危険にさらされてしまうとして、アムネスティ・インターナショナル日本支部などが二十八日、支援を呼び掛ける集会を大阪市内で開いた。
 同国は一九八八年のソ連撤退後、九五年ごろからイスラム原理主義勢力タリバンの支配が強まり、国際人権団体はタリバンが少数民族のハザラ人らを多数虐殺していると非難している。
 集会には難民認定を求めているハザラ人ら十三人が参加。「過去に対立組織を支援したのでタリバンは私の殺害を指示している。強制送還されれば拷問され殺される」「家族は目の前で殺された。せめて祖国が平和に戻るまで日本にいさせてほしい」と口々に訴えた。
 アムネスティなどによると、ハザラ人らの難民申請は九八年ごろから目立ち始めたが、十分証拠を示す機会が与えられないまま「迫害を受ける証拠がない」として却下され、強制収容されるケースが相次いでいる。
 アムネスティなどは現在、大阪と名古屋で難民申請している十六人を支援。二人は既に大阪地裁に提訴している。
 アフガニスタン難民を支援する弁護団代表の秋田真志弁護士の話 難民は生命を左右する最大の人権問題なのに、日本の入国管理局には国際的な人権意識が欠如し、ただ「外国人に日本にいる権利はない」という意識。世論にアフガニスタンの現状を訴えることで、入管の態度を改めさせたい。[2000-05-28-18:29] 38
[このページの最初に戻る]


 05/28@戦争決別宣言が暗礁に 野党、選挙向けと警戒(共同通信)

 自民党が衆院議院運営委員会理事会で提案した「戦争決別宣言」と「世界連邦実現決議」の今国会での議決は難しい情勢となっている。野党側が「あまりに唐突だ」と慎重姿勢を示し、最終的な文案の詰めが進んでいないためだ。
 自民党の戦争決別宣言案は、過去の戦争の教訓を踏まえ「日本はじめ各国が国家間の対立や紛争を平和的な手段によって解決し、戦争を絶対に引き起こさないよう誓い合うことについて、世界に向け強く訴える」との内容。
 野中広務自民党幹事長が四月の衆院本会議代表質問で「不戦の誓い」を提唱したのをきっかけに検討されたが、党内から「不戦の誓いでは自衛のための武力行使も否定される」などの意見が出て戦争決別宣言とすることで決着した。
 しかし、野党は衆院の解散間近の提案に選挙向けのアピールと警戒。議運委理事会での折衝では「今、出す時期なのか。慌ててやる必要はない」(民主党)などと異論をはさみ、議論は平行線をたどっている。
 一方、「国際機関の機能を改革、強化しつつ、漸進的な国際統合を図り、究極的には民主的な安全保障機能を具備する世界連邦政府を実現させるべきだ」とする「世界連邦実現決議」をめぐっては、足元の自民党内からも「国家の主権を放棄するつもりなのか」と、時期尚早との意見が根強く、与野党協議の進展は望めない状況だ。[2000-05-28-15:53] 44
[このページの最初に戻る]


 05/28@◇「葉っぱのフレディ」を翻訳したみらいななさん◇(朝日新聞)

 みらい ななさん(59)の家はぶどう畑に囲まれた山の中腹にあった。山梨県のJR塩山駅から歩いて20分。遠くに南アルプスを一望する。
 「青山学院大英文学科卒。欧米テレビ映画の翻訳、小学校の英語講師を歴任……」。その経歴から、しゃれた洋風の家を想像していたら、かわらぶきの和風建築だった。
 果樹園だった斜面を切り開いたという自宅の敷地はおよそ5000平方メートル。サクランボや梅の木が立ち並び、野菜畑や鶏(とり)小屋もある。
 「葉っぱのフレディ」は1998年10月に「童話屋」(東京都杉並区)から出版され、絵本としては異例の80万部が売れた。
 葉っぱに生まれたフレディと兄貴分のダニエルの一生を通して「死とは何か」を問いかける。冬が来て死におびえるフレディに、ダニエルは「変化しないものは、ひとつもないんだよ」という。
 すべてのものが死ぬということを知ったフレディはダニエルに問いかける。
 「ぼくは生まれてきてよかったのだろうか」 みらいさんの夫で童話屋の編集者、田中和雄さん(65)によると、人気に火をつけたのはビジネスマンだった。
 この8月にミュージカルとして上演され、映画化の話も進む。小学校の道徳の副読本にも採用された。「クラスの劇で使いたい」といった学校からの問い合わせも後を絶たない。
 日本の支配下にあった朝鮮半島・大邱に生まれ、小学校2年から東京で暮らした。英語を習ったのは中学校の授業が最初だという。
 「みらい なな」は、10年ほど前につけたペンネームだ。「なな」は名前の「友子」の画数が7画なことに由来する。「みらい」は画家の知人がつけてくれた。
 アメリカで無名に近い存在だったフレディの原作に出合ったのは95年の暮れ。
 「死とは何か。カトリックの哲学者だった著者が神や天国といった言葉を使わずに描き出していた。最後にたどりついたのが、人間も自然の一部として生まれ、土にかえっていくという真実だったのでしょう」 著者の意図をいかに日本語で表現し得るか。それは「言葉に命を吹き込む」作業の繰り返しだという。[2000-05-28-12:46] 49
[このページの最初に戻る]


 05/28@北アイルランドで自治復活 プロテスタント政党が決定(共同通信)

 【ベルファスト27日共同=遠藤一弥】英国・北アイルランドのプロテスタント最大政党アルスター統一党(UUP)は二十七日、ベルファストで党大会を開き、和平プロセスの柱となる北アイルランド自治政府への復帰を決定した。
 英政府のマンデルソン北アイルランド相は同日中にも、自治政府に権限を移譲する法案に署名。カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の武装解除拒否で機能停止に追い込まれていた自治政府は三十日から復活の見通しで、北アイルランド和平は土壇場で崩壊の危機を回避した。
 大会は非公開で行われ、投票の結果、賛成四百五十九票、反対四百三票で復帰を決めた。
 トリンブルUUP党首(自治政府首相)は大会閉幕後、「和平推進のために、一切の条件は付けず自治政府に復帰する」と指摘した。同時に「武装解除が遅れれば重大な事態が生じるだろう」と述べ、今後の状況次第では自治政府から離脱する可能性もあることを警告した。
 英国とアイルランド両政府は、武装解除期限を一年間延期してIRAに譲歩。IRAは、武器を保管して封印し定期的査察を受け入れる方針を提案した。
 IRAの提案は、三十年間の紛争史上初めて武装闘争放棄を宣言する「歴史的決断」とされ、UUP側もこれを評価した。
 しかしUUP内には依然、「武器の引き渡しが和平の前提であり、IRAの提案は不十分」とする強硬派も多い。
 査察官にはアハティサーリ前フィンランド大統領と南アフリカのラマフォサ前アフリカ民族会議(ANC)書記長が決まっており、来月早々にも最初の査察が行われる。[2000-05-28-09:53] 50
[このページの最初に戻る]


 05/28@◇米国防総省、対中国・インド重視へ 存在軽くなる日・ロ◇(朝日新聞)

 冷戦時代、米国にとって「敵」あるいは「同盟相手」として、戦略上、重要な意味を持ったロシアや日本はわき役に下がり、代わって中国やインドが主要なプレーヤーとして浮上する――。そんなアジアの将来像を描いた報告書が、米国防総省によってまとめられていたことが27日、明らかになった。米国の戦略的利益は「前例のない形で脅かされる」と警告を発し、日本については(1)米国との「真の」軍事同盟関係の確立(2)独自武装路線(3)中国の覇権受け入れ――のいずれかを選ぶ「岐路に立たされる」と分析している。
 「アジア 2025」と題された文書。2025年までの期間、日本からトルコまでの「アジア」で、米国の国家安全保障にとってどのような危機が起こりうるかを探る目的で、国防次官(政策担当)の私的諮問機関が昨年夏に実施した会議をもとにまとめた。
 米国が直面する戦略的課題を、(1)アジア再編(2)パキスタン消滅とインド・イラン枢軸の登場による「新南アジア秩序」(3)中国の強大化と不安定化(4)中印共同支配の計4つのシナリオに基づき分析している。ただし、「米政府の公式見解を反映したものではない」としたうえで、いずれのシナリオも「かなり想像力を働かせた記述であって、必ずしもその通りの事態が起きるものではない」と断っている。「アジア再編」は、2005年に朝鮮半島で南北和平協定が結ばれ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威が消滅、米軍は韓国と日本からの撤退に追い込まれるという想定から始まっている。
 日本は米軍撤退と南北朝鮮からの脅威台頭に備えるため、核兵器開発に走り台湾による開発も支援する。危機感を感じた中国が台湾の封鎖に踏み切ると、米国は空母機動部隊を派遣するが、中国のミサイル攻撃を受けて交戦状態に。米国が、日本や韓国の基地を失った影響で兵力展開に手間取る間、台湾は中国のミサイル攻撃にさらされ経済が崩壊、中国との「合意」締結に追い込まれる――という筋書きだ。
 課題としては(1)抑止力の空母は逆に攻撃目標になりうる(2)前方展開基地と同盟国を失うと、軍事対応が著しく阻害される(3)緊急展開の可能なミサイル防衛能力(戦域ミサイル防衛=TMD=など)が必要(4)前方展開兵力の撤退と引き換えに(同盟国の)独自核武装(選択的核拡散)を認めるかどうか――などが挙げられている。
 報告書は中国を「米国にとって永続的な競争相手」と規定。安定して強大であれば東アジアで常に自分の影響力拡大を狙う一方、不安定で弱体化すれば、対外的な軍事的冒険主義で政権浮揚を目指すため危険な存在になると、強い警戒感をあらわにしている。
 インドについては、どのシナリオを通じても「米国あるいは他国の潜在的な同盟相手として、舞台の中央に劇的に躍り出る」と指摘、知識や理解を深めることが「死活的に重要だ」としている。[2000-05-28-06:03]
[このページの最初に戻る]


 05/29@対欧州関係重視を表明 ロ大統領がEU首脳会談で(共同通信)

 【モスクワ29日共同】ロシアのプーチン大統領は二十九日、モスクワ訪問中のプローディ欧州委員会委員長ら欧州連合(EU)代表団とクレムリンで会談し、「欧州との関係は重要な意味を持ち、ロシアにとって優先的だ」と言明、欧州諸国との関係を重視し、協調関係拡大を積極的に進める意向を表明した。
 大統領就任後のプーチン氏とEU指導部の会談は初めて。昨年の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア空爆やチェチェン問題でロシアと西側諸国の関係がこじれた中で、大統領は欧州諸国との関係改善と協調を新政権の優先課題とする外交方針を明確にした。
 会談では経済協力や安全保障問題、チェチェン問題などを協議。EU側もロシア新政権との関係確立を重視しており、これまで批判してきたチェチェンでの人権侵害問題について深入りしなかったととみられる。
 インタファクス通信によると、大統領はまた「ロシアは欧州の国家であり続ける」と強調。これに対しEU議長国ポルトガルのグテレス首相も「欧州統一を実現する上でロシアが重要な役割を果たすとみている」と応じた。
 EU側からはこのほかソラナEU共通外交・安保問題担当上級代表、ガマ・ポルトガル外相が参加した。[2000-05-29-19:07] 8
[このページの最初に戻る]


 05/29@◇エチオピア機がエリトリア首都の空軍基地を爆撃◇(朝日新聞)

 エリトリアなどからの報道によると、同国の首都アスマラ郊外の空軍基地を29日、エチオピアの爆撃機4機が空爆した。基地は民間空港に隣接している。
 両国は同日、アルジェリアでアフリカ統一機構(OAU)の仲介による和平会議に臨むところだった。2年前の国境線まで撤退するというOAUの提案をエリトリアは受け入れる方針だが、攻勢を続けるエチオピアは撤退が確認されるまでは攻撃を続けるとしている。[2000-05-29-22:17] 14
[このページの最初に戻る]


 05/29@分離独立、初の本格討議 西パプア住民大会が開幕(共同通信)

 【ジャヤプラ(インドネシア)29日共同】独立運動に揺れるインドネシア東端イリアンジャヤ州(ニューギニア島西部)の州都ジャヤプラで二十九日、独立派による「西パプア住民大会」が開かれた。独立国「西パプア」樹立を目指す活動が抑圧されてきた同州で、独立問題を本格的に討議する大規模集会は初めて。
 六日間の日程で州内各県の代表ら約三千人が参加。独立派最高指導者テイス・エルアイ氏が「旧宗主国オランダもインドネシアもわれわれをだまし続けてきた。今こそ自由を勝ち取ろう」と演説し、大きな拍手を浴びた。
 ワヒド政権は独立は容認しない方針だが、論議を自由にさせることによる住民の態度軟化に期待、大会費用を拠出するなど協力姿勢をとった。出席した州知事代行は「住民の尊厳回復を望む」とあいさつした。
 会場前では長年禁止されていた独立旗が多数はためき、開催を祝って各地の伝統の踊りが披露された。
 エルアイ氏ら指導部は大会を「インドネシアからの分離の意思を住民が民主的に表明する初の機会」と位置付ける一方、政府に対決的な表現を避け「歴史の誤りの是正」を主要議題とし「平和・民主的な運動」を強調している。しかし参加者の間では「即時独立」を求める声が強い。
 銅など資源が豊富な同州は、一九六○年代に当時のスカルノ政権が反植民地主義を掲げてオランダからの「解放」作戦を実施。国連の仲介でインドネシア帰属が決まったが、武装ゲリラ「自由パプア運動」の活動が続き、スハルト政権下で過酷な弾圧が行われた。[2000-05-29-20:26] 17
[このページの最初に戻る]


 05/29@◇シエラレオネの武装勢力が国連要員全員を解放◇(朝日新聞)

 シエラレオネからの報道によると、反政府武装勢力・革命統一戦線(RUF)に最後まで拘束されていた国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の要員全員が解放された模様だ。八十数人が28日夜、フリータウンに戻った。これで国連要員約500人が拘束された事件は、約4週間ぶりに解決した。
 UNAMSILのウィムハースト報道官は「解放は、RUFが平和的な解決を求める方針に転換したことを示す」とフリータウンで記者団に語った。
 解放が確認できていない数人について、UNAMSILはシエラレオネ西部のログベリでみつかった遺体との関連を調査するとしている。これまでに、計6人のUNAMSIL要員の死亡が確認されている。
 一方、西アフリカ諸国の首脳は29日、ナイジェリアの首都アブジャで会議を開き、シエラレオネにさらに3000人の兵を派遣し、UNAMSILの指揮のもとで平和維持活動に参加させることを決めた。[2000-05-29-20:12] 21
[このページの最初に戻る]


 05/29@シエラレオネに3千人派兵 西アフリカ首脳会議(共同通信)

 【ナイロビ29日共同】ナイジェリアからの報道によると、首都アブジャで開かれていた西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)首脳会議は二十九日、反政府勢力、革命統一戦線(RUF)の和平協定破棄で戦闘が続いているシエラレオネに西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)三千人を派遣することを決定した。
 ECOWASの報道官によると、派遣される平和維持軍は、現在展開している国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の指揮下に入る。
 国連安全保障理事会はUNAMSILの要員を一万三千人まで増加することを決定しており、ECOMOGと合わせると一万六千人が平和維持のためにシエラレオネに展開することになる。[2000-05-29-19:11] 29
[このページの最初に戻る]


 05/29@<西パプア>39年ぶり、住民会議始まる 独立要求決議へ(毎日新聞)

 【ジャヤプラ(インドネシア)29日中坪央暁】インドネシアからの分離・独立を目指すイリアンジャヤ州(西パプア)の「パプア住民会議」が29日、州都ジャヤプラで始まった。住民会議の開催は、オランダ統治下の1961年以来39年ぶり。住民代表3000人が参加、6日間の日程で行われ、西パプアの独立要求を決議する。
 独立運動組織「自由パプア運動」(OPM)や住民評議会などが開いた。独立運動指導者のテイス・エルアイ氏は詰めかけた数千人の住民らを前に、「西パプアは過去38年間、インドネシアによる支配に苦しんできた。今こそ独立の熱望をアピールしよう」と呼びかけた。
 招待を受けていたワヒド大統領は、独立の容認につながるとの議会などの懸念に配慮し、欠席した。
 イリアン(ニューギニア)島の西半分はインドネシア独立後もオランダ領として残ったが、国連や米国の調停を経て、63年にインドネシア統治下に入った。69年の住民投票でインドネシア帰属を決定した。[2000-05-29-18:12] 43
[このページの最初に戻る]


 05/29@PKO再構築が今後の焦点 シエラレオネ解決で国連(共同通信)

 【ニューヨーク29日共同】シエラレオネで反政府勢力に拘束されていた国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)要員が二十八日までにほぼ全員解放されたことで、今後の焦点は国連平和維持活動(PKO)で同様の事態を招かない態勢を国連が構築できるかどうかに移った。
 五月初めの戦闘を機に最大五百人が拘束された今回の事件に衝撃を受けた国連は要員を大幅増強する「対症療法」で事態収拾を図った。事件発生時には要員九千人を定員いっぱいの一万千人に増強し、さらに安全保障理事会決議で一万三千人まで増やすことを決定。アナン国連事務総長は先週、これを三千五百人増強し一万六千五百人規模まで拡大することを勧告した。
 この間、自国民の救出で英軍部隊が現地に展開したほか、米国、カナダなどが増強部隊を運ぶ輸送機提供を申し出たことから状況は「国連有利」に推移。反政府勢力、革命統一戦線(RUF)のサンコー議長拘束後は、関係各国への働き掛けもあってRUFと親しい関係にあるリベリアのテーラー大統領への影響力行使に成功した。
 しかし、今回の事件で一九八八年にノーベル平和賞を受賞した国連平和維持軍の限界が露呈したことは重大で、国連外交筋は「同じことが繰り返されればPKO不信に拍車が掛かる」と強い懸念を表明。武器や装備の貧弱さや兵士の訓練不足などPKOが抱える問題の改善策を打ち出すのが急務としている。[2000-05-29-16:41] 46
[このページの最初に戻る]


 05/29@米の核依存戦略に変化なし 「廃絶」は究極の目標(共同通信)

 【ワシントン29日共同】米国の核政策を担当する米政府当局者は二十九日までに、国連で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議で米国も含めた核保有大国が核廃絶の明確な約束をしたものの「米戦略には近い将来は影響を与えない」と指摘、「廃絶」が米核戦略の当面の検討課題には入っていないことを事実上認めた。共同通信の書面の問い合わせに答えた。
 米政府は、ロシアとの第三次戦略兵器削減条約(START3)交渉で冷戦時代からの核戦略に基づき二千個から二千五百個の戦略核弾頭が必要との立場を確認する一方で「明確な核廃絶」を国際公約したことの整合性を問われている。
 当局者は米政府の核政策について「核廃絶はあくまで究極の目標で、現在の核戦略は目標の核廃絶までの長い時間枠の中での通過点」と説明したが、廃絶のメドなどは不明と述べた。
 また当局者は、START3、4、5と進む米ロ核戦略で核削減が期待通り進めば大量報復攻撃のために多くの核を維持する現在の戦略も変転していくと述べたが、「(現戦略の前提の)核抑止力政策は残る」とし、核戦略の抜本的見直しの見通しも立っていないと語った。
 START3交渉では、核保有の財政負担を減らすためロシアが千五百個への削減を提案したが、米統合参謀本部は有事には二千五百個の戦略核をロシア、中国などの標的に撃ち込む戦略を基に「ロシア案では作戦が遂行できない」と反対した。[2000-05-29-15:53] 56
[このページの最初に戻る]


 05/29@<ブッシュマンのテントで>絶え間なき迫害(毎日新聞)

 差別感覚はちょっとした言葉や仕草に表われる。南アフリカ中部、キンバリー郊外のブッシュマン村に同行してくれた黒人のタフィさん(38)の何気ない一言にもそれが込められていた。小学校でのことだ。
 「子供たちの顔を見ろよ。もう(黒人と)随分混じっている。10年、20年すれば、みな美しくなるさ」。次の瞬間、「言い過ぎた」という顔になり、黙ってしまった。つい先刻、「ブッシュマンは小さくて、日本人みたいだ」と言ったばかりだった。
 彼の感覚ではブッシュマンは美しくはないようだ。南アでは黒人の間の差別意識も根深い。シャンガンと呼ばれる部族が一番低く見られる理由は、最も色が黒いからという。ブッシュマンの場合、色よりも体の小ささ、造作が差別の発端という説がある。
 長く黒人の奴隷にされ幾度も虐殺されたブッシュマンだが、それよりも激しかったのは白人入植者による蛮行だ。
 19世紀末から20世紀前半にかけ、虐殺遺体のホルマリン漬けやはく製、頭がい骨が欧州の大学や博物館に運ばれた。「フィリピン起源説」「タスマニア起源説」など先住民のルーツを探る研究だ。
 オランダ人や英国人は執ようだった。ブッシュマンの女性器の形が普通とは違うと言い、そのはく製や石膏の型を置物、見せ物として欧州に持ち帰った。
 今世紀半ばを過ぎ、ようやく人間扱いするようになると、今度は狩猟生活を守る彼らを「美しい人々」と呼び、現代人の郷愁をくすぐる題材にした。国立公園のブッシュマンは、観光客を満足させるため今も裸の暮らしを演じる。
 アフリカで続く内乱には必ず報復が絡む。ブッシュマンに復しゅう心は、あるいは謝罪や補償を声高に求める気はないのか。
 近い将来、テントを脱出し、南アでの再定住を目指すクン族(ブッシュマンの部族の一つ)の代表、マホンゴさん(49)はおうような顔で答えた。「嫌な過去はあまり考えない。あと10年もすれば、きっと今よりも良い暮らしをしていると思う。大事なのは未来だ」【キンバリーで藤原章生】 [2000-05-29-13:05]
[このページの最初に戻る]


 05/30@<米大統領>リスボンに到着、歴訪開始 ベルリン初訪問も(毎日新聞)

 【リスボン30日布施広】クリントン米大統領は30日、リスボンに到着し、1週間にわたるポルトガル、ドイツ、ロシア、ウクライナ訪問を開始した。31日にリスボンで開かれる米・欧州連合(EU)首脳会議でバルカン安定策などを協議、6月1日にはドイツ統一後のベルリンを米大統領として初めて訪れる。3日からのロシア訪問に先立って大統領は、欧州の安定と民主化に対する米国の貢献を強調する方針だ。
 米当局者によると、31日の米・EUサミットは、ユーゴスラビア周辺国の復興と安定化策が中心だが、欧州安保における協力態勢や、米国が配備を検討する米本土ミサイル防衛(NMD)なども討議される可能性がある。欧州諸国が「NMD反対」の姿勢を強めれば、ロシア訪問を前に、クリントン大統領は苦しい立場に立たされそうだ。
 ドイツ訪問で大統領はシュレーダー首相と会談、約15カ国首脳が参加して開かれる「中道左派サミット」(2、3日)に出席する。サミットにはバラク・イスラエル首相の出席も予想され、イスラエル軍のレバノン南部撤退後、初めての米・イスラエル首脳会談が実現するかどうかが焦点だ。
 大統領は3日から5日までロシアを訪問、プーチン大統領との初会談を通じて、軍備管理問題や対露経済支援、地域情勢などを幅広く協議する。ロシアはNMD本格配備の前提となる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正に強く反対、合意のめどは立っておらず、米側は二国間の懸案解決より、プーチン政権との信頼醸成の方に重点を置きつつある。[2000-05-30-20:41] 411
[このページの最初に戻る]


 05/30@パレスチナ地位交渉、エルサレム帰属で妥協案浮上(読売新聞)

 【エルサレム30日=当間敏雄】パレスチナ紛争の包括的解決を目指し、イスラエルとパレスチナ自治政府が続けている「パレスチナ最終地位交渉」で、最大の難題である聖都エルサレムの帰属問題に、現実性のある妥協案が浮上してきた。
 聖都帰属問題打開のカギになると期待されているのは、エルサレムの東に隣接するパレスチナ人居住地域アブディス。ここに将来のパレスチナ国家の国会を設置、エルサレム旧市街のイスラム、ユダヤ教共通の聖地「ハラム・アッシャリフ」(ユダヤ側呼称「神殿の丘」)まで回廊を確保することで、パレスチナ側がこだわってきた「東エルサレム領有」に代えようというものだ。
 パレスチナ側はこれまで、イスラエルが一九六七年の第三次中東戦争で併合した旧ヨルダン領東エルサレムを将来の首都として要求、これに対し、イスラエルは「(東西)エルサレムは永遠不可分のイスラエルの首都」と譲らず、最終地位交渉は平行線をたどってきた。だが、ストックホルムで開かれていた双方の秘密交渉などで、妥協策として、アブディスにパレスチナ国会を設置する案が有力になってきたという。
 アブディスは現在はエルサレム市域外だが、六七年までのヨルダン統治下ではエルサレムの一部。また、ここにパレスチナ国会ができれば、旧市街の聖地をはさんで双方の国会が等距離に並ぶことになり、聖都への権利にこだわるパレスチナ人の要求にある程度はこたえることになる。
 イスラエル政府は、パレスチナ側がこの妥協案をのめば、将来の国境画定問題で、最終的に、戦略的要衝と大規模ユダヤ人入植地を除いたヨルダン川西岸の約90%まで引き渡す用意を示しているという。
 パレスチナ側は、妥協案がエルサレム市域全体をイスラエル主権下に置くことを前提としているため、表面的には難色を示している。しかし、一方では、国会になるとみられるビル建設をアブディスで進めるなど、現実的な動きも見せている。ビルの名称は今のところ「経済研究センター」だが、内部には議長席を中心に階段状の半円形会議場が広がっており、建設作業員は「最上階にはアラファト議長の執務室もある」と語った。[2000-05-30-23:34] 412
[このページの最初に戻る]


 05/30@◇「731部隊」の跡、世界遺産登録めざす◇(朝日新聞)

 中国政府は、黒竜江省ハルビン市にある旧日本軍731部隊の施設跡地の全面修復に乗り出した。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録を目指す。同部隊は細菌戦に備えて人体実験をしたとされ、「中国侵略の動かぬ証拠」と言われる。登録申請には周辺住民や工場の立ち退きと、傷みがひどい施設の修復が必要。日本の市民団体も30日、現場を訪ね、日本での募金協力を申し出た。
 戦争関係の世界遺産には、広島の原爆ドームとアウシェビッツ収容所が登録されている。
 修復作業は5月初めから、ハルビン市郊外の平房区で始まり、「侵華日軍第731部隊罪証陳列館」が管理する23の施設跡などが対象。市政府が昨年つくった遺跡保護利用企画書に基づき、中学校として使われている本部ビルの復元や、跡形もない細菌実験室と特設監獄跡地の発掘、荒れ放題の地下室通路の保全などに乗り出した。
 約2年かけて、8万―10万平方メートルを整備。住民160世帯、6工場に立ち退いてもらう。次に、保存地区を17万―24万平方メートルに拡大する。
 ハルビン市の王永貴・文化副局長は「資金は1億元(約13億円)以上かかるが、国、省政府も支援を明言した。世界遺産申請まで早くて4、5年はかかる」という。申請に必要な国家級文化財への格上げは、国家文物局が作業中だ。
 陳列館の韓暁・元館長や金成民・副館長は「施設の保全は中日両国民の共通の責任」と意義を語る。
 この日、元高知県議の栗原透さんを団長とする「731部隊遺跡世界遺産登録を目指す国民連絡会」のメンバーら13人が現場を訪れ、平房区政府の柳昌黎区長に資金などの協力を約束した。
 世界遺産登録は、栗原さんが96年に提案した。中国側は98年末に申請準備を決定したという。栗原さんは「日本が真に反省しているのなら、浄財を出すべきだ」として、近く日本政府にも援助するよう申し入れる。[2000-05-30-23:27] 413
[このページの最初に戻る]


 05/30@<エチオピア>エリトリア領内侵攻の国軍の一部撤退を発表(毎日新聞)

 エチオピア政府は30日、エリトリアとの国境紛争にからみエリトリア領内3カ所に侵攻していたエチオピア国軍を、1カ所から撤退させると発表した。エチオピアは「敵軍を壊滅させ目的を達したため」としている。
 エチオピアの首都アジスアベバからの報道によると、エチオピア軍は29日にはエリトリアの首都アスマラの軍用空港の一部を空爆で破壊した。エリトリアの首都空爆は、開戦直後の98年6月以来のこと。
 エリトリア側は和平交渉受け入れを表明、30日に両国の外相級がアフリカ統一機構(OAU)などを仲介役にアルジェリアで和平協議を再開する。エチオピア側は有利な戦況を背景に国境線引きで強気に出るとみられる。【ヨハネスブルク支局】[2000-05-30-23:18] 423
[このページの最初に戻る]


 05/30@◇外国人登録、過去最高の155万人◇(朝日新聞)

 法務省入国管理局は30日付で、昨年末現在の外国人登録者数が155万6113人にのぼり、過去最高を記録したと発表した。前年より約4万4000人増え、日本の総人口(約1億2668万人)の1.2%を占める。10年前と比べると約57万1000人の増。出身地別では韓国・朝鮮が約63万6000人で最も多いが、構成比は年々下がり、過去最低の40.9%だった。中国(約29万人)、ブラジル(約22万人)と続いている。
 在留資格別にみると、「永住者」は1995年以降ほぼ横ばいで、約63万人。うち9割近くが韓国・朝鮮の出身者だ。日本人の配偶者や「定住者」など、一定期間、在留を認められる「非永住者」が年々増えている。
 女性が男性を約5万9000人上回り、登録者の半数以上が20―30代。登録地は、東京都が約27万4000人でトップ。各都道府県別の人口に占める割合では、大阪府が約2.4%と最も多かった。
 一方、昨年中に退去強制手続きをとられた外国人は5万5167人で、前年より約6600人増加した。うち8割以上が不法就労で、(1)工員(2)ホステスなど接客(3)建設作業員――の順に多かった。1日の報酬は、半数近くが7000―1万円だったが、「3000円以下」も約600人いた。[2000-05-30-21:51] 441
[このページの最初に戻る]


 05/30@<シエラレオネ>平和維持軍3千人を再派遣 西アフリカ諸国(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク30日藤原章生】ナイジェリアの首都アブジャで協議を続けていた西アフリカ15カ国の首脳は29日、ナイジェリア軍を主体とする西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)3000人を、内乱の続くシエラレオネに再派遣する意向を明らかにした。だが、派遣時期は不明で、実現は英米などの資金拠出いかんにかかっている。
 シエラレオネの首都フリータウンからの報道によると、約1万1000人の国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)は6月末までに2000人増員の予定で、ECOMOG軍が加われば1万6000人規模の平和維持軍となる。
 ナイジェリア主導のECOMOG軍は97年から今年5月初めまでシエラレオネに駐留し、首都や都市部を守る「警官」だった。しかし、1日100万ドル(ナイジェリア発表)と言われる駐留費に嫌気がさしたナイジェリアは昨年5月の民政移管を機に徐々に撤兵、今年5月に国連軍に治安維持の任務を明け渡した。
 ナイジェリア軍の撤退を見届けた反政府勢力・革命統一戦線(RUF)は5月1日、国連軍を襲い、28日までに約500人の国連要員を人質に取った。
 ECOMOG軍が派遣されれば、RUFのゲリラ戦に疎い国連軍に代わり、前線に立つことになるが、問題は資金だ。英米は、ECOMOG軍が過去にシエラレオネで略奪や暴行を繰り返してきたため、表向きには今回の資金拠出を拒否している。
 ナイジェリア側も宗教対立などで過去1年、1000人以上の市民が殺害されている。それだけに、シエラレオネ問題に関わりたくない、というのが本音で、ECOMOG派遣までにはまだ曲折が予想される。[2000-05-30-17:30] 466
[このページの最初に戻る]


 05/30@◇独立目指し3000人が参加 パプア会議開会◇(朝日新聞)

 インドネシア東部のイリアンジャヤ州の州都ジャヤプラで29日、独立を目指す住民による「パプア会議」が始まった。州内各地から住民代表約3000人が集まり、6月3日まで民族自決と独立への道を話し合う。
 実行委員会によると、オランダ支配下の1961年に住民が「西パプア」の独立を宣言したが、翌年、国連の仲介でインドネシアへの移管が決まった。今回は61年に続く第2回会議と位置づけられている。
 開会式で独立運動最高指導者のテイス・エルウィ氏は「パプアはインドネシアの州ではない」と訴えた。
 会場には州知事、軍管区司令官、州警察本部長らも招かれた。
 会議にはワヒド大統領も出席する予定だったが、「独立を容認することになる」との判断から直前に中止された。ワヒド大統領は会議のために10億ルピア(約1300万円)を実行委員会に寄付している。[2000-05-30-09:39] 468
[このページの最初に戻る]


 05/30@北アイルランド政府再出発 IRA武器庫査察が焦点(共同通信)

 【ロンドン30日共同】プロテスタント、カトリック両勢力による英国・北アイルランド自治政府は三十日、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の武装解除をめぐる対立から二月以来停止していた機能を約百日ぶりに取り戻した。
 和平プロセスの柱となる自治政府の活動再開で、北アイルランド問題は再び恒久和平に向けて動き出した。
 今後の焦点は、IRAが三十年間に及んだ紛争史上で初めて受け入れを表明した武器集積庫の査察に移る。アハティサーリ前フィンランド大統領と、ラマフォサ前アフリカ民族会議書記長による最初の査察は六月早々にも行われる見通し。
 しかし、プロテスタント最大政党アルスター統一党(UUP)が自治政府への復帰を決めた二十七日の党大会では、半数近い代議員が復帰に反対し、依然としてIRAの武装解除に懐疑的な見方が多いことを示した。
 このため、トリンブル党首(自治政府首相)は「武装解除が遅れれば重大な事態が生じる」と述べ、武装解除の展開次第では自治政府から離脱する可能性を警告、和平プロセスは不安定要因を残しての再出発となりそうだ。
 トリンブル氏は二十九日、カトリック側指導者と会談、六月一日に閣議を開き、五日に本会議を招集することを確認した。[2000-05-30-08:24] 29
[このページの最初に戻る]


 05/30@◇ジュビロ磐田に新外国人◇(朝日新聞)

 J1の磐田は30日、ユーゴスラビアのU21(21歳以下)代表経験があるMFアレクサンダー・ジブコビッチ(22)=180センチ、75キロ=を獲得したと発表した。MFロベルト・トーレスは退団した。[2000-05-30-20:37] [このページの最初に戻る]


 05/31@<バルカン地域>民主化促進へ首脳会議開催提唱 仏シラク大(毎日新聞)

 【パリ30日橋本晃】フランスのシラク大統領は30日、バルカン地域の安定と民主化促進のため、旧ユーゴスラビア諸国と欧州連合(EU)の首脳会議開催を提唱した。ミロシェビッチ政権のユーゴスラビア連邦にも参加を呼びかけるという。大統領筋によると、首脳会議は、フランスがEU議長国を務める「数カ月以内」(今年後半)の開催を目指す。
 シラク大統領は「旧ユーゴ諸国にEUが常に支援の用意があることを直接語りかける必要がある」と表明。さらに、同大統領は「バルカン地域に確固とした戦略を持つことは、仏議長国下の最大の課題の一つだ」と語った。
 首脳会議には、すでにEUの加盟交渉が始まっているスロベニアはもちろん、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアのほか、ミロシェビッチ大統領率いる現在のユーゴスラビア連邦にも「等しく門戸が開かれる」(シラク大統領)。セルビアとともにユーゴ連邦を構成するモンテネグロについては「どんな資格で参加させるかを検討中」(仏大統領筋)という。[2000-05-31-10:04] 324
[このページの最初に戻る]


 05/31@◇米国が直面する脅威は弾道ミサイル 戦略文書が指摘◇(朝日新聞)

 米統合参謀本部は30日、今後20年を見越した軍の統合運用の基本方針「統合運用ビジョン2020」を発表した。米国が直面する脅威は、冷戦期に想定されたような敵軍との正面衝突ではなく、米軍の弱点を巧みに突かれる「非対称的攻撃」になるとして、具体的には現在、米国が防衛手段を持たない弾道ミサイルによる攻撃を挙げている。こうした脅威に対応するためには、あらゆる種類の紛争で優位に立てる多角的防衛能力を身につけることが重要だと強調、戦域ミサイル防衛(TMD)の開発を例示している。
 2020年の時点で、米軍のあり方に大きな影響を与える条件としては、(1)米国の国益が引き続き全世界に広がっており、様々な地域諸国と関係を持つ(2)衛星やデジタル通信、インターネットなどが広く利用可能になることで、米国の技術的優位は必ずしも維持できなくなる(3)通常戦力や核戦力での優位は「非対称的攻撃」によって薄れる恐れがある――の3点を指摘。
 そのうえで、今後の米軍に必要とされるのは、核兵器など大量破壊兵器による攻撃から平和維持活動まで、あらゆる種類の軍事作戦行動で敵にうち勝つ能力だとしている。コンピューターネットワークに対する攻撃技術も進歩していると指摘し、それに対する備えとともに情報戦全般で優位に立つことの重要性も強調している。
 全世界に広がった国益を守るためには、海外への兵力展開とともに、紛争が起きた場合に迅速に兵力の投入ができる能力も維持しなければならないとして、日本など同盟国への前方展開を継続する考えも示唆している。[2000-05-31-21:33] 330
[このページの最初に戻る]


 05/31@<米国防総省>「統合ビジョン2020」で軍事力維持を唱え(毎日新聞)

 【ワシントン30日清宮克良】米国防総省は30日、統合参謀本部が作成した安全保障戦略に関する報告書「統合ビジョン2020」を公表した。報告書では「2020年に米国や同盟国への脅威がなくなることはない」と強調し、国名こそあげていないが中国などの軍事的な脅威に対抗するため、将来にわたって米国が地球規模で展開できる軍事力維持の必要性を唱えている。
 さらに「弾道ミサイルの直接的な脅威は深刻な影響を与える」と米領土への弾道ミサイル攻撃に警戒感をにじませたほか、戦略核による抑止力の堅持を明記。情報技術(IT)の急速な進展を踏まえ、「情報社会は軍事作戦に質的な変化をもたらす」と分析し、米コンピューターシステムの防御や敵の防御システムの破壊を含む情報作戦の重要性を説いている。
 国防総省の諮問機関による「2025年のアジア」と題する報告書では、米国の軍事戦略を欧州からアジア重視に転換するように提言しており、将来的には仮想敵国として中国などへの警戒を強めそうだ。[2000-05-31-20:32] 353
[このページの最初に戻る]


 05/31@CNNが開局20周年 視聴者7800万世帯に(共同通信)

 【ニューヨーク31日共同】米CNN(ケーブル・ニュース・ネットワーク)テレビが一日、放送開始から二十周年を迎える。
 CNNはテッド・ターナー氏が世界初の二十四時間ニュース専門局としてアトランタに設立、一九八○年六月一日に米国内を対象に放送を始めた。
 視聴家庭は当初の百七十万世帯から七千八百万世帯に増加。英語のほかスペイン語、ドイツ語など十カ国語で世界二百十二カ国・地域で放送されるまでになった。
 九一年の湾岸戦争開戦の際にはイラクの首都バグダッドから連日衛星生中継するなど、紛争や災害の現場からの報道で注目を集めてきた。
 CNNの親会社ターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS)は九六年十月、娯楽大手のタイム・ワーナーに買収され、ターナー氏は同社副会長に就任した。(了)[2000-05-31-15:34] 371
[このページの最初に戻る]


 05/31@イスラエルが西欧地域加入 安保理理事国へ道開く(共同通信)

 【ニューヨーク30日共同】イスラエルのランクリー国連大使は三十日、国連の五地域グループのうち「西欧その他」グループに加入すると発表した。これまでどのグループにも属さなかったイスラエルは、地域グループの調整を前提とする安全保障理事会メンバー国などへの道を事実上閉ざされてきたが、今回の決定で障害が取り除かれ、大きな発言力を確保することになる。
 加入は米国の強い後押しで実現した。ランクリー大使は記者団に「国連との関係の上で歴史的転換点だ」と述べ、米国のホルブルック国連大使も「巨大な不公正を取り除く歴史的一歩」と称賛した。
 イスラエルは地理的にはアジアグループに属するが、アラブ諸国の反対で同グループ入りを阻まれてきた経緯があり、国連加盟国百八十八カ国のうち唯一どのグループにも所属していない。安保理非常任理事国や経済社会理事会の理事国はアジア、アフリカ、東欧、中南米、西欧その他の五グループごとに事前調整する仕組みになっていることから、活動に大きな制約を受けていた。
 西欧その他は、欧州連合(EU)加盟十五カ国、カナダ、オーストラリア、トルコなどで構成。今回の加入は当面、ニューヨークの国連本部での地域グループに限定、ジュネーブやウィーンの国連機関では適用されない。[2000-05-31-10:41] 385
[このページの最初に戻る]


 05/31@◎米高官、タリバン当局者と会談=ラディン氏引き渡し問題を(時事通信)

 【ワシントン30日時事】米国務省スポークスマンは30日、南アジア諸国を先週歴訪したピカリング国務次官(政治担当)が、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバン当局者と会談したことを明らかにした。同次官は席上、反米テロの黒幕として米国が指名手配しているオサマ・ビン・ラディン氏の引き渡しを改めて要求した。
 会談はパキスタン政府の支援で実現したが、場所や日時は明らかにされていない。ラディン氏は1998年8月にアフリカで起きた米大使館連続爆弾テロ事件に関連して米司法当局に起訴されている。ピカリング次官はタリバン当局者との会談で米国の立場を説明するとともに、米側の主張を裏付ける証拠を提示したという。[時事通信社][2000-05-31-09:24] 393
[このページの最初に戻る]


 05/31@米、地雷規制強化を提案 起動装置解除で技術支援も(共同通信)

 【ジュネーブ30日共同】米国務省のマティソン副法律顧問は三十日、ジュネーブで記者会見し、米政府が特定通常兵器条約の専門家会合で地雷規制の強化案を提案したことを明らかにした。条約の地雷規制に関する議定書が対人地雷を念頭に置いているのに対し、対象を対車両地雷にまで拡大するのが柱。
 米提案は、平和維持活動(PKO)などで国連車両が地雷事故に巻き込まれるのを防ぐとともに、世界的な関心が高い地雷規制の分野で再び主導権を握る狙いがある。
 米国は、地雷の「自己破壊システム」や起動装置の解除などで、すべての当事国に技術支援の用意があるとしている。
 同顧問によると、米提案はこれまで対人地雷に義務づけられていた自己破壊システムや起動装置の解除を対車両地雷にまで拡大。探知を容易にするため地雷に一定の大きさの金属片を埋め込むことや、議定書履行の検証措置についても、対車両地雷を規制対象に含む。
 米国は、カナダや非政府組織(NGO)の主導で一九九七年に調印された対人地雷全面禁止条約(オタワ・プロセス)への参加を拒否、国際的な非難を浴びた。代替案として、ジュネーブ軍縮会議で対人地雷の移転禁止に絞った国際条約の制定を提案しているが、オタワ・プロセスの参加国からは内容が不十分との批判を受けている。[2000-05-31-07:36] 398
[このページの最初に戻る]


 05/31@<ニュース・キー>「戦争決別宣言決議」採択 全会一致崩す(毎日新聞)

 衆院は30日の本会議で、世界各国に不戦を呼びかける「戦争決別宣言決議」を与党3党だけの賛成多数で採択した。解散直前に急浮上した決議に、野党4党は「選挙向けのポーズにすぎない」と反発、怒号に包まれる異例の採決となった。1995年6月に採択された「戦後50年決議」では、表現をめぐって与野党の大論争を巻き起こしたが、今回は与野党が論議をたたかわす場面はほとんどないまま。なぜこの時期に、という疑問を残しての「駆け込み」決議だった。
★発端は野中氏
 決議の発端は、自民党の野中広務幹事長による4月10日の代表質問だった。野中氏は、今国会から衆参両院に設置された憲法調査会が設置されたことを踏まえ、「憲法論議の前に、わが国が再び武力をもって他国を侵略することはない、という『不戦の誓い』をするべきだ」と訴えた。
 野中氏の真意は明確ではないが、サミットに向け連立政権の結束を強める狙いもあったようだ。
 「不戦」という言葉遣いをめぐり、同党の村上正邦参院議員会長らが「左翼の言葉なので、『戦争終結宣言』としたらどうか」と提案。野中提案は実現に向けて動き出したが、4月中旬以降、同決議が与野党協議の場で議論されたことはほとんどなかった。
 自民党は、先週から非公式に決議の採択を野党側に働きかけ始めたものの、文案を正式に衆院事務局に提出したのは、30日の本会議のわずか1時間前。野党が「限られた時間で検討できない」「決議は全会一致ではじめて意味を持つ。なぜ今決議するのか」と強く反発したため、与党3党はあっさり、決議採択の慣例である全会一致での採択をあきらめた。なりふり構わず30日中の決議採択を図るという姿勢だった。
 与党側でも、大島理森衆院議運委員長(自民)は25日には「与党だけで決議すべきではない。院としての決議であり、法案や予算と違う」と話していた。
 この日、本会議直前の民主党代議士会で、川端達夫国対委員長は「戦争決別宣言なんてわけの分からないものまで出てきた。数さえあれば中味もルールもどうでもいいという与党の姿だ」と強く批判。採択の前には村山富市元首相による小渕恵三前首相への追悼演説が行われたが、傍聴席にいた遺族が退席し決議採決に移ると、野党席からは「反対」の合唱が始まった。森喜朗首相が決議の採択を受けて述べた見解も、騒然とした議場でかき消された。
 ★復古調の中和
 95年6月の「戦後50年決議」では、東京の2信組事件をめぐる証人喚問との取り引き説がささやかれたり、新進党欠席、共産党反対の中の採決という異例の事態になった。
 しかし、当時は「植民地支配」や「侵略」の表現をめぐり、与野党が数カ月にわたる激論を展開した。それに比べ、今回の宣言採択は、不戦というテーマを全世界に向けて発進する内容にしては、あまりに手軽な取り扱いだった。
 背景には、森首相の「神の国」発言で低下した与党のイメージ回復に、というの思惑がのぞく。
 「神の国」発言は、神道政治連盟国会議員懇談会の結成30周年パーティーの場で飛び出した。同会の幹部が「昭和の日」法案を推進していたことから、野党側は「昭和天皇の日」に変質していると反発、法案は成立断念に追い込まれた。逆風に慌てた与党側に、戦争決別宣言決議で復古調の政権イメージを少しでも中和したいとの計算が働いたことは間違いない。
 自民党は昨年、戦後の歴史論争の象徴だった「日の丸・君が代」の国旗・国歌法案を、当時は野党だった公明党の協力を得て成立させた。広島県の県立高校で君が代斉唱をめぐって板ばさみにあった学校長が自殺する、という事件を受けたものだったが、当時も、国家や歴史にかかわる突っ込んだ議論を踏まえての法制化ではなかった。
 定数削減問題で全野党欠席のまま首相の施政方針演説が行われるなど冒頭から「憲政史上初」という汚点を残して始まった今国会。解散を目前に、締めくくりも後味の悪い形となった。
 【戦後50年国会決議(歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議)】 1995年6月9日
 本院は、戦後50年にあたり、全世界の戦没者及び戦争等による犠牲者に対し、追悼の誠を捧(ささ)げる。
 また、世界の近代史上における数々の植民地支配や侵略的行為に思いをいたし、我が国が過去に行ったこうした行為や他国民とくにアジアの諸国民に与えた苦痛を認識し、深い反省の念を表明する。
 我々は、過去の戦争についての歴史観の相違を超え、歴史の教訓を謙虚に学び、平和な国際社会を築いていかなければならない。
 本院は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念の下、世界の国々と手を携えて、人類共生の未来を切り開く決意をここに表明する。
 右決議する。 【戦争決別宣言決議】
 2000年5月30日
 20世紀を顧みると、人類は2度の大戦はじめ多くの戦争により言語に絶する惨禍を被り、冷戦終結後10年を経た今日にあっても続発する武力衝突や核、ミサイル等の大量破壊兵器の開発、拡散が憂慮されている。
 今、21世紀を迎えるに当たり、日本はじめ各国は、過去の戦争の傷跡や新たな武力の脅威に対し、人類の最大の願いである国際平和の実現への決意を新たにし、戦争の惨害から将来の世代を救わねばならない。
 「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」を踏まえ、唯一の被爆体験を持つわが国は、日本国憲法に掲げる恒久平和の理念の下、歴史の教訓に学び、国際平和への貢献に最大限努力するとともに、九州・沖縄サミットを契機に、日本はじめ各国が国家間の対立や紛争を平和的な手段によって解決し、戦争を絶対に引き起こさないよう誓い合うことについて、世界に向け強く訴えるものである。
 右決議する。[2000-05-31-02:56]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [論文]   [リンク]