最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(05/21, 2000)


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [リンク]

 05/12@◇イタリア政治―混迷の底に欧州がのぞく◇(朝日新聞)
 05/12@<国をつくる>東ティモールは今 憎み合いうんざり(毎日新聞)
 05/13@<ユーゴスラビア>セルビアのボイボディナ自治州の知事撃た(毎日新聞)
 05/13@◎大統領派の州知事撃たれ、重体=要人暗殺相次ぐユーゴでま(時事通信)
 05/13@◇バス転落で約40人が死亡 ボスニア◇ (朝日新聞)
 05/13@9年連続でODA1位 日本、新宮沢構想で増加(共同通信)
 05/13@<防衛意識調査>戦争に巻き込まれる危険感じる人30・5%(毎日新聞)
 05/13@<国連安保理事会>エチオピアとエリトリア紛争即時中止求め(毎日新聞)
 05/13@戦争に巻き込まれる危険性「ある」過去最高(読売新聞)
 05/13@イ軍撤退でSLA窮地に レバノン政府は恩赦拒否(共同通信)
 05/13@エチオピアなどを強く非難 安保理、武器禁輸は見送り(共同通信)
 05/13@「沈静化の兆し」と英政府 シエラレオネ情勢(共同通信)
 05/13@<NPT>再検討会議 核軍縮の目標作成作業が難航(毎日新聞)
 05/13@◎新たな歴史に踏み出した三浦=どん底のチーム救った大記録(時事通信)
 05/14@◇ユーゴスラビアで、与党幹部射殺される◇(朝日新聞)
 05/14@◇天声人語◇(朝日新聞)
 05/14@IRA武器庫査察委員らが北アイルランド入り(読売新聞)
 05/14@スペイン・バスク地方で分離独立派のテロ再活発化(読売新聞)
 05/14@中国説得が成否のカギ NPT会議、最終週に(共同通信)
 05/14@エチオピア総選挙で投票 事実上初の複数政党制(共同通信)
 05/15@<東ティモール>国をつくる 苦労報われる社会に(毎日新聞)
 05/15@南東欧地域の復興と安定へ「ハイレベル会議」(読売新聞)
 05/15@◇南東欧ハイレベル会議開幕、旧ユーゴ紛争地域の復興議論◇(朝日新聞)
 05/15@南東欧ハイレベル会議、東京で始まる(読売新聞)
 05/15@南東欧の安定に積極貢献 ハイレベル協議で外相(共同通信)
 05/15@<安全保障>仏国際戦略関係研究所長 パスカル・ボニファス(毎日新聞)
 05/15@<NPT>再検討会議 難航大詰め 合意は微妙な状況(毎日新聞)
 05/15@<記者の目>北方領土問題 モスクワ支局 石郷岡 建(毎日新聞)
 05/15@PKO要員を一部解放 シエラレオネ、国連は歓迎(共同通信)
 05/15@劣勢で戦術変更の可能性 シエラレオネの反政府勢力(共同通信)
 05/15@◇ユベントス敗れ、ラツィオが逆転優勝 セリエA◇(朝日新聞)
 05/15@中田が2試合ぶり先発出場、ローマ最終順位は6位(読売新聞)
 05/16@<ワールド・スコープ>キャスター殺人事件 英国(毎日新聞)
 05/16@<安全保障を問う>ロシア下院副議長 ウラジ−ミル・ルキン(毎日新聞)
 05/16@バルカン安定のハイレベル会議閉幕、セミナー開設へ(読売新聞)
 05/16@国際社会の支援継続を 南東欧ハイレベル会議(共同通信)
 05/16@米国防長官が2年半ぶりに訪中を表明(読売新聞)
 05/16@反政府学生組織が支持拡大 ユーゴ政府と対立の構図(共同通信)
 05/16@<ユーゴスラビア>反政府合同集会 政府警告で参加数減か(毎日新聞)
 05/16@<ジンバブエ>国会選挙の投票日を6月24、25日にすると(毎日新聞)
 05/16@国際社会の支援継続を 南東欧ハイレベル会議(共同通信)
 05/16@悲願と不安に揺れる住民 聖地近郊からのイ軍撤退で(共同通信)
 05/16@<国連安保理>エチオピアとエリトリアの戦闘で米が制裁案提(毎日新聞)
 05/16@装備不十分だったと弁明 拘束事件で国連PKO局長(共同通信)
 05/16@◇エルサレム隣接の3つのパレスチナ人村、完全自治区に◇(朝日新聞)
 05/17@◇ミサイル防衛―夢想は疑心暗鬼を呼ぶ◇ (朝日新聞)
 05/17@◎ユーゴ野党系放送局を強制接収=セルビア当局、反政府運動(時事通信)
 05/17@<ユーゴ>セルビア共和国政府、野党支配のテレビ局を接収(毎日新聞)
 05/17@ミロシェビッチ政権が野党系メディアを接収(読売新聞)
 05/17@<参院憲法調査会>国立民族学博物館館長らから意見きく(毎日新聞)
 05/17@最大の非政府系TVを接収 テロ扇動とセルビア政府(共同通信)
 05/17@<英軍>次期戦闘機搭載の空対空ミサイルに欧州製のメテオを(毎日新聞)
 05/17@<安全保障を問う>唐世平 中国社会科学院研究員インタビュ(毎日新聞)
 05/17@<アチェ停戦合意>インドネシア 平和訴えた大統領の密使(毎日新聞)
 05/17@法王、「ファティマの予言」を公表(読売新聞)
 05/17@◇NPT再検討会議、大詰めの徹夜折衝に◇(朝日新聞)
 05/17@<特報・NPT>欧州、情報の透明性要求 各国の主張判明(毎日新聞)
 05/18@<ユーゴスラビア>最大野党支配下のテレビ局接収に抗議集会(毎日新聞)
 05/18@◇ベオグラードで野党系テレビ局接収めぐり、3万人が抗議◇(朝日新聞)
 05/18@◎米議会、コソボ撤退期限の設定模索=平和維持活動に重大な(時事通信)
 05/18@ユーゴ首都でテレビ局接収に3万人抗議デモ(読売新聞)
 05/18@<ユーゴ>政府の野党系テレビ局接収で抗議集会 ベオグラー(毎日新聞)
 05/18@抗議集会で衝突3人負傷 ベオグラード(共同通信)
 05/18@◎米、ユーゴ野党系放送局接収を非難=弾圧関与の裁判官らの(時事通信)
 05/18@<国連安保理>エチオピアとエリトリアの戦闘再開で制裁決議(毎日新聞)
 05/18@<少年兵禁止連合>「カトマンズ宣言」を採択して国際会議閉(毎日新聞)
 05/18@◇「神の国」発言にキリスト者ら抗議集会◇(朝日新聞)
 05/18@◎エリトリア西部の戦略拠点が陥落=エチオピアが国境紛争で(時事通信)
 05/18@<シエラレオネ>反政府勢力RUFのサンコー議長が拘束され(毎日新聞)
 05/18@キューバに支援を要請 民族紛争のソロモン諸島(共同通信)
 05/18@安保協力の拡大を協議 ロシア、ウズベク首脳会談(共同通信)
 05/18@国連要求の武装解除拒否 親イスラエル民兵幹部(共同通信)
 05/18@<NMD>ブラウン米元国防長官ら民主党元高官が反対表明(毎日新聞)
 05/18@EUの援助実施に遅れ 一元管理の機関を設置(共同通信)
 05/19@<ユーゴ>首都で反政府抗議集会 警官隊と衝突、11人けが(毎日新聞)
 05/19@ユーゴで衝突、多数負傷 マスコミ弾圧の抗議集会で(共同通信)
 05/19@遅れるコソボ住民登録 まだ1割、地方選に影響も(共同通信)
 05/19@◇故ダイアナ妃をしのぶベンチでボスニア支援◇(朝日新聞)
 05/19@◎コソボ駐留軍、撤退期限設けず=米上院 (時事通信)
 05/19@21日に平和宣言一斉署名 日本ユネスコ協会(共同通信)
 05/19@韓国代表の一言が決め手に 北朝鮮のARF加盟(共同通信)
 05/19@元首相ら7全権代表を任命 ロシア大統領、地方に反発も(共同通信)
 05/19@<ニュースがわかる>核拡散防止条約 保有国のエゴ目立つ(毎日新聞)
 05/19@<W杯>テレビ放映めぐる動きが活発化 岐路に立つ放映権交(毎日新聞)
 05/20@ロシアの支援を要請へ マスコミ弾圧でユーゴ野党(共同通信)
 05/20@ユーゴ反政府勢力を支援 オルブライト米国務長官(共同通信)
 05/20@保有国が初の核廃絶表明へ 中東絡みで文書採択難航 NPT(共同通信)
 05/20@陳総統就任式、「台湾化」「民主化」の到達点演出(読売新聞)
 05/20@<核拡散防止条約>再検討会議、合意文書を採択し閉幕へ(毎日新聞)
 05/20@「核廃絶への明確な約束」で大筋合意(読売新聞)
 05/20@NGOが交渉前進の原動力 核廃絶の声、世界から伝達(共同通信)
 05/20@トルコ軍機がギリシャに 演習で28年ぶり(共同通信)
 05/20@日本の援助を改めて批判 ビデオでスー・チーさん(共同通信)
 05/20@NPT再検討会議、「核廃絶の約束」で合意(読売新聞)
 05/20@<NPT>最終文書案に中国同意、採択ほぼ確実に 再検討会(毎日新聞)
 05/21@◎オーストリア、ベルギー空軍に「逆制裁」=領空使用を大幅(時事通信)
 05/21@◇EUとの通商協定を承認 スイスで国民投票◇(朝日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


[このページの最初に戻る]
[このページの最初に戻る]

 05/12@◇イタリア政治―混迷の底に欧州がのぞく◇(朝日新聞)

 またか、という感がないでもない。イタリアの首相交代のことである。アマート新内閣は戦後、実に五十八番目だ。
 発足の前から、閣僚ポストを巡り与党間で足並みが乱れた。アマート氏の掲げた閣僚削減も、思うようにはかどらなかった。国会での信任投票はどうにか乗り切ったものの、内閣の前途は波乱含みに見える。
 四月に行われた地方選挙で、与党勢力が予期せぬ敗北を喫したのがきっかけである。中道左派がつくる連合体「オリーブの木」は、十五の州の知事選のうち八州で敗れた。
 逆に、全体で五〇%を超す得票を挙げたのが中道右派の野党勢力である。ベルルスコーニ元首相を中心にまとまるこのグループは、余勢をかって国会解散を要求し、繰り上げ選挙による政権奪取をうかがっている。
 冷戦後のイタリア政治は、「メディアの帝王」の異名をとる実業家ベルルスコーニ氏の陣営と、「オリーブの木」を両軸に展開してきた。この対立関係が、いままた熱を帯びてきたのは間違いあるまい。
 地方選ぐらいのことで、とたかをくくっていては、事態を見誤りかねない。欧州通貨ユーロは、このところドルや円に対し続落している。その要因のひとつに、イタリアの政情があるとの見方にはうなずける。
 ことは欧州の全体像にもかかわる、ととらえるのが正しいのだろう。
 ことしで四年になる「オリーブの木」政権は、一貫して通貨統合への積極的な参加策を推し進めてきた。年金の削減に手を付け、新税も導入した。すべては、ユーロに参加する国に求められる健全財政の基準を達成するための、身を切るような改革である。
 地方選での与党側の敗北は、これが裏目に出た結果といえよう。
 なるほど単年度の財政赤字は減った。国として、ユーロの仲間入りは果たした。とはいえ累積債務はふくらんだままだ。欧州で指折りの失業率も改善しない。国民にとってはまだ辛抱ばかりで得るところがない。
 多かれ少なかれユーロ圏に共通する問題だが、こんな失望感が広がるようでは、緊縮財政への支持を維持するのはむずかしい。
 しかし、統合参加策を批判する立場からの野党の主張にも、疑問はぬぐえない。
 ベルルスコーニ氏の陣営は、なによりも減税を強調する。では巨額の債務を抱えたままの財政をどうするのか。明確な答えが示されているようには見えない。
 独立の機運がある北部地域の要求に応ずるかのような主張もしている。それなら、経済的に遅れる南部をどうするのか。
 とくに見逃せないのは、近年、増えている東欧からの移民の排斥を掲げる点だ。同じような主張をする極右政党が政権入りしたオーストリアは、他の欧州連合(EU)諸国から村八分にされている。イタリアもまた将来に禍根をのこすことにならないか。
 欧州統合に向けて進む力と、それに反発する力と。統合の事業が大きいほど、双方のあつれきもまた強い。しかし、それを克服することなしに、欧州の未来はあるまい。[2000-05-12-00:33] 205
[このページの最初に戻る]


 05/12@<国をつくる>東ティモールは今 憎み合いうんざり(毎日新聞)

 東ティモール南西部の町スアイ。白壁の教会は、かやで屋根をふき直してあるが、壁面には焼け焦げた跡が残ったままだった。中庭は、5メートル四方ほどが石で囲われ、赤い花びらが撒かれていた。
 独立派が勝利した東ティモール住民投票の結果発表(昨年9月4日)直後、この場所で悲惨な事件は起きた。インドネシア国軍の後押しを受けた独立反対派民兵によって、教会前で神父が焼き殺され、逃げ込んだ住民が銃殺されたのだ。
 スアイは独立反対派の拠点の一つだった。常軌を逸した民兵は、建物の9割以上を破壊した。あれから8カ月余。国連から届いた木材を使って家を建て直す風景は目に付くが、まだ大半の建物は焼け落ちたままだ。
 犠牲者の数は今も明確ではない。住民の間では「300人くらい」と言われる。教会以外の場所で殺された人も多く、家族や親族に犠牲者がいない人を探すのは難しい。
 住民のアンゼロ・デゼズスさん(34)が証言する。
 「9月4日、住民投票結果を聞いて、町のあちこちでパーティーが開かれた。お祭りムードが残る翌日、神父が『民兵が町を襲うという情報があるから、みんな逃げろ』と呼びかけた。私は家族と一緒に山に逃げたが、半分ほどの住民は『もう独立が決まったのだから大丈夫だろう』と言って町に残った。ところが、民兵が道路を封鎖し、住民を襲い始めた」
 デゼズスさんは妻の弟と、いとこ3人を失った。「どうしてあの時、強引にみんなを連れて逃げなかったのだろうか」。デゼズスさんの胸からは、今も罪悪感が消えない。
 別の住民、ジョリオ・デアラウジョさん(29)は、祖父と兄、妹、それにいとこも含めると親族17人が殺された。
 今年2月のこと。逃げていた西ティモールから戻ってきた元民兵を、町の人々が捕まえ、デアラウジョさんの家まで引っ張ってきた。
 「お前のおじいさんを殺した男だ。ジョリオ、こいつを殴り殺せ」。
 デアラウジョさんは男を殴れなかった。「家族や親せきをたくさん失って、すごく悲しい。その男を許そうと思ったのではない。ただ、殴れば、男はまた人を憎むだろう。憎み合いはたくさんだ」。デアラウジョさんは、うめくように言った。
 デアラウジョさんは今、地元で水道管の復旧などを進める非政府団体(NGO)で活動している。「平和で、人々が尊敬し合って暮らせる国にするため、自分にできることをしたい」
 スアイの町には、虐殺事件から生き延びた女性がいるという。しかし、女性から事件のことを聞くのは無理だと町の人たちに教えられた。事件の話を持ち出すと、女性はまったく違う話を延々と始めるのだという。人々の心の傷は深い。【スアイ(東ティモール南西部)で藤田悟、写真も】
 × ×
 3月に掲載した「国をつくる」を再開し、独立への道を歩む東ティモールの状況を5回報告します。[2000-05-12-00:02]
[このページの最初に戻る]


 05/13@<ユーゴスラビア>セルビアのボイボディナ自治州の知事撃た(毎日新聞)

 【ウィーン13日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のボイボディナ自治州の州都ノビサドで13日、ペロシェビッチ州知事が至近距離から頭部に銃弾を受け、意識不明の重体となった。犯人は現場で逮捕された。ペロシェビッチ氏は与党、セルビア社会党同州支部長で、ミロシェビッチ大統領に近い人物として知られる。
 ノビサドからの報道によると、知事は正午(日本時間午後7時)ころ、農業祭を視察中、群衆の中から40代の男が近付き、拳銃で頭部を撃ち抜いたという。
 ユーゴ国内では2月にブラトビッチ国防相が、4月末にはペトロビッチ国営ユーゴ航空社長が、それぞれ射殺されるなど、原因不明の要人暗殺事件が相次いでいる。[2000-05-13-23:22] 7
[このページの最初に戻る]


 05/13@◎大統領派の州知事撃たれ、重体=要人暗殺相次ぐユーゴでま(時事通信)

 【ウィーン13日時事】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、セルビア共和国ボイボジナ自治州のペロシェビッチ知事が13日、州都ノビサドで頭部を銃で撃たれた。警察当局などによれば、同知事は重体という。
 同知事はミロシェビッチ・ユーゴ大統領に近い政治家。ユーゴでは今年に入って、同大統領派の重要人物の暗殺事件が続いている。1月には、セルビア民兵隊長で戦犯として起訴されていたラジュナトビッチ被告(通称アルカン)がベオグラードで暗殺され、2月にはブラトビッチ国防相、4月にはユーゴ国営航空のペトロビッチ社長が殺された。[時事通信社][2000-05-13-23:07] 9
[このページの最初に戻る]


 05/13@◇バス転落で約40人が死亡 ボスニア◇(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナからの報道によると、サラエボから北西約50キロにあるカカニで13日早朝、モスレム人巡礼者が乗ったバスが橋から川に転落、国営放送によると、約40人が死亡、12人が重傷を負った。事故の原因などは伝えられていない。[2000-05-13-21:25] 13 [このページの最初に戻る]


 05/13@9年連続でODA1位 日本、新宮沢構想で増加(共同通信)

 【パリ12日共同】経済協力開発機構(OECD)が十二日発表した一九九九年の開発援助委員会(DAC)諸国の政府開発援助(ODA)実績暫定値によると、日本はドルベースで前年比四三・八%増の百五十三億ドルで九年連続して世界一の援助国となった。
 この一年間の円高傾向と、東南アジア通貨危機への対策のため「新宮沢構想」により約三十三億ドルを拠出したことが増加の原因。円換算では前年比二五・一%増の一兆七千四百二十九億円だった。
 DAC二十二カ国全体では、アジア支援に加えてユーゴスラビア・コソボ難民への支援が増加し、前年比七・九%増の総額五百五十九億九千万ドルだった。
 国別では、米国が九十一億四千万ドル、フランスが五十四億九千万ドルで日本に続いた。
 国民総生産(GNP)に対する援助額の比率では、日本は○・三五%で七位となり、前年の○・二八%(十二位)から上昇。「北欧諸国などに比べて比率が低い」と指摘された状況が改善しつつある。[2000-05-13-09:47] 54
[このページの最初に戻る]


 05/13@<防衛意識調査>戦争に巻き込まれる危険感じる人30・5%(毎日新聞)

 総理府は13日、「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」の結果を発表した。この中で「日本が戦争に巻き込まれる危険がある」と考える国民が3割を超え、過去最高となった。また防衛力増強を求める意見も倍増した。国民が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるミサイル発射や不審船事件などで日本の安全保障上の脅威を感じているとみられる。
 調査は1969年から3年ごとに行われ、今回は今年1月に全国成人男女5000人を対象に実施した(有効回収率69・2%)。
 戦争に巻き込まれる危険性について「危険がある」と答えたのは30・5%。前回97年調査より9・4ポイント増え、これまで最高だった84年調査の30・0%を上回った。理由の約7割が「国際的な緊張や対立」と答えた。これに対し「危険はない」は23・2%(前回比7・0ポイント減)だった。また、防衛力を「増強した方がいい」も13・5%(同6ポイント増)と過去最高だった。
 テポドン発射(98年)や不審船事件(99年)など北朝鮮「脅威論」や、日米防衛協力指針(ガイドライン)関連法(99年)成立など、前回調査後の安全保障論議の活発化が反映しているとみられる。今回の調査では安全保障での関心事(複数回答)で「朝鮮半島情勢」を挙げたのが過半数の56・7%(前回比10ポイント増)に達し、「軍備管理・軍縮」(35・2%)が続いた。
 一方、米軍基地の7割以上が沖縄に集中していることについて、「知っている」は88・4%(同2・1ポイント減)だったが、沖縄県民の負担軽減のため基地機能の一部本土移転の賛否では「賛成」が前回比5・4ポイント減の36・8%にとどまったのに対し、「反対」が5・0ポイント増え40・3%となり、前回調査と結果が逆転した。
 また、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)への参加について「賛成」が79・5%で自衛隊の任務として定着度が高まっている。自衛隊の全般的な印象は「良い」が82・2%で調査開始以来最高となった。ただ一連の防衛庁・自衛隊不祥事が影響してか、「規律正しい」と思うのはほぼ3人に1人にとどまった。【浜名 晋一】[2000-05-13-18:43] 56
[このページの最初に戻る]


 05/13@<国連安保理事会>エチオピアとエリトリア紛争即時中止求め(毎日新聞)

 【ニューヨーク12日上村幸治】エチオピアとエリトリアの国境で11日、両国軍による大規模な戦闘が始まり、国連安全保障理事会は12日、「軍事行動の即時中止」を求める決議を採択した。72時間以内に再度安保理を開いて状況を再検討することも決めており、問題が長期化した場合、制裁問題が浮上する可能性がある。
 会議筋によると、決議案の中には当初、「15日午前1時までに両国が敵意を解消できない場合、両国に対して即時に、あらゆる種類の武器及び関連物資の売却・供給の禁止措置を課す」という制裁発動の文言が書き込まれていた。しかし、「現実的な方法を考えるべきだ」という意見が出て、削除されたという。
 エチオピアとエリトリアの問題では、ホルブルック米国連大使ら国連安保理の代表団が現地を訪問、両国の仲介を努めていたが、作業がまとまらないまま、9日に引き揚げていた。[2000-05-13-18:21] 57
[このページの最初に戻る]


 05/13@戦争に巻き込まれる危険性「ある」過去最高(読売新聞)

 総理府は十三日、国民の防衛意識や自衛隊に対する印象を調べた「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」の結果を発表した。それによると、日本が戦争に巻き込まれる危険性について、「危険がある」と回答した人は前回調査(九七年)から9・4ポイントも増え、30・5%と過去最高を記録したことが明らかになった。総理府は、北朝鮮の弾道ミサイル・テポドン発射事件(九八年八月)、北朝鮮工作船による日本領海侵犯事件(九九年三月)などが背景にあると見ている。
 また、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)への参加も、「賛成(どちらかと言えばを含む)」が前回を15・5ポイントも上回る79・5%にのぼり、海外派遣で災害などの救援活動を実施することの賛成派も前回より8・3ポイント増の86・3%となったことが目立った。
 同調査は、ほぼ三年ごとに行われている。今回は今年一月、全国の成人男女五千人を対象に面接で実施(有効回答率69・2%)した。
 日本が戦争に巻き込まれる危険性を問う設問では、危険が「ある」30・5%と「ないことはない」34・0%を合わせると、64・5%の人が何らかの危険性を感じていた。「ない」は23・2%と前回から7ポイント減った。危険性が「ある」という回答はこれまで最も高かった八四年の30・0%を上回った。
 安全保障の関心事(複数回答)に関する質問をみると、「朝鮮半島情勢」が56・7%でトップ。前回46・7%、九四年の前々回34・2%と調査を重ねるごとに大幅な伸びを見せているのが目立っており、身近な朝鮮半島を脅威に感じていることがうかがえる。以下、「軍備管理・軍縮分野」35・2%、「米国・ロシア関係」17・9%などの順だった。
 自衛隊の防衛力については、「今の程度でよい」が66・1%(前回64・3%)だった。「増強した方がよい」は13・5%と前回から6ポイント増え、初めて一割を超えた。防衛費については「今の程度でよい」が61・7%(同56・0%)と現状維持派が増加。「増額した方がよい」は10・7%(同7・4%)、「減額した方がよい」は13・9%(同21・9%)と大幅にダウンした。
 日米安全保障条約について、「役立っている」は、「どちらかと言えば」を含めて71・6%で、これまで最高だった八四年の71・4%をわずかに上回った。日本の安全を守る方法についても「日米安保体制と自衛隊で」が71・2%で、同じく八四年の69・2%を上回る過去最高だった。
 一方、沖縄の米軍基地問題では、基地機能の一部を本土に移転することに「賛成」36・8%(前回42・2%)、「反対」40・3%(同35・3%)で、反対が賛成を上回った。[2000-05-13-17:58] 71
[このページの最初に戻る]


 05/13@イ軍撤退でSLA窮地に レバノン政府は恩赦拒否(共同通信)

 【ベイルート13日共同】イスラエルが実効支配するレバノン南部の「安全保障地帯」から七月までに一方的に撤退する動きが強まっていることで、イスラエル軍に協力してイスラム教民兵組織ヒズボラと戦ってきた南レバノン軍(SLA)が、窮地に追い込まれている。ラハドSLA司令官は戦闘継続の方針を明確にしているが、二千―三千人の兵士は動揺を隠せない。
 イスラエルと戦争状態にあるレバノンにとって、SLA兵士は敵に協力してきた裏切り者だ。イスラエル軍撤退後、SLAには(1)レバノンから出て亡命(2)レバノン当局に投降(3)残って戦いを継続―の三つの選択肢しかない。
 ラハド司令官は八日、レバノンのラフード大統領に、SLA兵士に恩赦を与えるよう訴えた。
 しかし、レバノン側の反応は冷淡そのもの。ホス首相は「今も敵と一緒になって自国民を攻撃しているのに、恩赦を求めるのは不可解だ。何かを要求する前に、自ら投降すべきだ」と言明した。レバノン軍事法廷は既に欠席裁判でラハド司令官に死刑判決を言い渡している。
 司令官は「兵士の多くは戦闘継続を望んでいる」とするが、恩赦を求めること自体、将来への強い不安を裏付ける。
 これまでSLAに武器や資金を提供し、軍事訓練もしてきたイスラエルが、撤退後SLAにどう対応するかは明らかでない。国内には、SLA兵士とその家族の亡命を受け入れるかどうかにも賛否両論がある。
 国連は、イスラエル軍撤退後のレバノン南部に平和維持軍を配備する必要条件として、SLAの「武装解除」を要求。イスラエルは既に武器、弾薬のSLAへの供給を制限し始めているとの報道もある。一方、ヒズボラはSLAが国境地帯を支配する限り、攻撃を続けると警告している。[2000-05-13-15:49] 87
[このページの最初に戻る]


 05/13@エチオピアなどを強く非難 安保理、武器禁輸は見送り(共同通信)

 【ニューヨーク12日共同】国連安全保障理事会は十二日、公式会合を開催し、エチオピアとエリトリアの戦闘再開を強く非難する決議を全会一致で採択した。
 決議は両国に対して、軍事行為の即時停止と将来にわたる武力行使自制を要求。戦闘行為が継続された場合、安保理は決議採択から七十二時間以内に会合を開いて次の措置を検討するとしている。
 一方で英国が強く求めていた武器の禁輸措置などは中国、ロシアの強い反対で見送られた。
 エチオピアとエリトリアは四月末から、アフリカ統一機構(OAU)の仲介で和平交渉を行っていたが、交渉は今月初めに決裂。
 これを受けて九、十両日に現地入りした安保理調査団(団長・ホルブルック米国連大使)に対しては「前提条件なしの和平交渉再開」をいったんは約束したが、この直後の十二日に戦闘を再開した。
 アナン国連事務総長は同日、「両国に敵対行為の即時停止と平和的解決のため交渉に戻るよう求める」との声明を発表した。[2000-05-13-10:45] 91
[このページの最初に戻る]


 05/13@「沈静化の兆し」と英政府 シエラレオネ情勢(共同通信)

 【ロンドン12日共同】英外務省当局者はシエラレオネ情勢について十二日、反政府勢力の革命統一戦線(RUF)側の進攻状況などを分析した上で「RUFの勢いに衰えが出始めており、事態沈静化の兆候がある」と語った。
 当局者は、国連平和維持軍と政府軍が態勢を立て直しつつあり、「RUFは過去四十八―七十二時間、まったく進攻できない状況に封じ込められている」と指摘した。
 さらに(1)平和維持軍にはヨルダンなど各国部隊が増派されている(2)一時はRUFとともに反政府活動をしていた幾つかの武装組織も再び政府軍に合流し始めている―ことなどを理由に、「初めて安定化の兆しが見えた」としている。
 当局者によると、政府軍は十二日までにRUFを首都フリータウンから約五十キロの地点まで押し戻した。首都への幹線道路は政府軍が既に掌握、空港施設も英国民の脱出支援のために派遣された英軍が確保しており、当面RUFによる首都進攻の可能性は遠のいたとみられる。
 しかし、内陸部では現在も約五百人の平和維持軍がRUFに包囲されており、当局者は「依然、不安定な情勢」と強調した。[2000-05-13-09:57] 92
[このページの最初に戻る]


 05/13@<NPT>再検討会議 核軍縮の目標作成作業が難航(毎日新聞)

 【ニューヨーク12日上村幸治】NPT再検討会議のバーリ本会議議長(アルジェリア国連大使)は12日に記者会見し、各国の意見が紛糾して新たな核軍縮の目標作成に向けた作業が難航していることを認めた上で、来週に議長主導の非公式協議を行うと発表した。
 バーリ議長は「状況は複雑だが、核軍縮を進めるため失敗はできない。来週の協議が決定的な意味を持つだろう」と述べた。
 同議長によると、核軍縮など三つの委員会の公式協議はすでに終わったが、各委員会委員長に対し、主要な関係国代表を集めて非公式協議を開かせ、16日朝までに改めて報告を上げさせる。
 その上で会期最終日の19日まで、議長自らが中心となって主要国代表を集めたり、議長と個別の国が話し合い、合意点を探っていくという。
 議長は会議の進み具合について「核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効については、各国が賛成している」と述べ、参加国の基本合意が得られたことを確認した。
 中国が反発している兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約の「交渉の即時開始・早期締結」をについては、「まだ予測できないが、16日朝までの委員会での協議で、何らかの方向が示されるのではないか」と述べた。[2000-05-13-09:52] 10
[このページの最初に戻る]


 05/13@◎新たな歴史に踏み出した三浦=どん底のチーム救った大記録(時事通信)

 豪雨と雷鳴の中、西京極が歓声に包まれた。常に先頭を走り続けてきた三浦知良が、誕生して8年目のJリーグで初めて100得点に到達した。久々に見せる「カズダンス」。気分を良くした三浦はロスタイムにもチームを連敗から脱出させる決勝ゴール。快挙を達成してから、わずか32分後に新たな歴史に向けて第一歩を踏み出した。
 「勝った試合で達成できて何よりうれしい」と満面に笑みを浮かべた三浦。今季のチームは8連敗で最下位に沈んでいる。昨年、クロアチア・ザグレブを解雇された後、声を掛けてくれたチームの大不振。そんな逆境の中で、自らの奮起でチームを救い、大記録を達成するあたりは、比類まれなスター性を備えた「キング・カズ」らしい。
 「1人ひとりの名前を挙げるのは難しいが、応援してくれたファンやアシストしてくれたチームメート、ヴェルディ時代の仲間、スタッフ、マスコミの方々、みなさんに感謝しています」と感慨深げに振り返った33歳のカズ。「今後もゴールを量産してほしい」という加茂監督のエールに力強くうなずいた。(了)[時事通信社][2000-05-13-21:20]
[このページの最初に戻る]


 05/14@◇ユーゴスラビアで、与党幹部射殺される◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・セルビア共和国ボイボディナ自治州の州都ノビサドで13日、農業展示会を視察中のペロシェビッチ知事が何者かに頭部を銃撃され、間もなく死亡した。ペロシェビッチ氏は、ミロシェビッチ大統領率いる与党セルビア社会党のノビサド支部長を務める幹部。容疑者はすぐに逮捕されたが、動機などは明らかにされていない。ユーゴでは、国防相や国営航空会社社長ら要人の暗殺事件が続いているが、すべて未解決のままだ。[2000-05-14-23:19] 4 [このページの最初に戻る]


 05/14@◇天声人語◇(朝日新聞)

 その写真の少年は、九歳。荒れた庭の、小さな花の前にかがんでいる。じっとこちらを見つめる目には、侵しがたい厳しさと、計り知れない悲しみが宿っている▼花は父親の墓碑代わりである。去年の春、少年が見ている前で、父親は七発もの弾を顔に集中的に撃ち込まれ、殺された。母親と少年、それに妹と弟は、危うく逃げ出し、生き延びた。難民キャンプから戻ってきたとき、少年は父親が息絶えた場所に花を植えた。かれんな黄色の花である▼大石芳野さんの写真展「コソボ 破壊の果てに」を見た(十八日まで、東京・スキヤ橋センター・富士フォトサロン)。一年前のいまごろ、新聞もテレビも連日、無残なコソボのありさまを報じていた。一年後のいま、ニュースはまばらになり、世界のおおよそはコソボのことを忘れがちになった▼しかしコソボの人たちは、なおそこで、かろうじて生き続けている。惨状はほとんど回復されていない。「権力の座を守りたい人たちによって起こされ、犠牲になるのはいつも弱い人たち。それが戦争。コソボも同じ」。この一年に五回現地を訪ねた大石さんは、そう言った▼刊行されたばかりの『日本現代写真史1945→95』(日本写真家協会編・平凡社)という大冊がある。この半世紀の、国内外の「人間の姿と、人間の引き起こしたこと」を、日本の写真家のカメラで写しとって余すところない。収録作品八百十五点。その最初の四枚は、広島と長崎の原爆の惨禍である。そして以後も、戦争に絡む写真が絶えることはない▼「破壊の果てに」展で、ひときわ印象深かったのは、悲しみに耐えるアルバニア人の母親の写真である。「男は皆殺しだ」とセルビア軍は警告していた。彼女の息子は、十四歳にしては背が高かった。大人と間違えられれば殺される。それで逃げた。けれども、結局殺された。[2000-05-14-00:21] 9 [このページの最初に戻る]


 05/14@IRA武器庫査察委員らが北アイルランド入り(読売新聞)

 【ロンドン14日=渡辺覚】英・北アイルランド和平プロセスを巡り、武装組織アイルランド共和軍(IRA)の武器庫査察委員に指名されたフィンランドのアハティサーリ前大統領らが十五日、初めて現地を訪れ、主要政党の幹部らとの事前協議に入る。IRAが六日に武器使用の停止などを柱とする声明を発表してから約一週間。三十年にわたって武装闘争を続けたIRAを武装解除に導く協議が本格化する。
 現地入りを前にアハティサーリ氏は、査察を通じて紛争当事者の信頼を醸成する意向を表明。「どのような査察のメカニズムが最良であるかを認識する必要がある」と語っており、査察をセレモニーに終わらせず、将来の武装解除につなげたい考えを打ち出している。
 北アイルランド警察庁の資料などによると、北アイルランド最大の武装組織であるIRAが保有するのは、ロケット砲四十、自動小銃八百〜一千、プラスチック爆弾二トンなど。[2000-05-14-23:51] 12
[このページの最初に戻る]


 05/14@スペイン・バスク地方で分離独立派のテロ再活発化(読売新聞)

 【パリ14日=池村俊郎】スペイン北東部バスク地方で分離独立を目指す非合法組織「バスク祖国と自由」(ETA)がテロ活動を再び活発化させている。これに対し、中央政府はバスク州議会に解散を求めるなど政治的にも強い姿勢で臨む方針を打ち出している。
 さる七日、有力紙エルムンドのベテラン記者がバスク州サンセバスチャン郊外で射殺される事件が発生、警察はETAの犯行と断定した。マスコミ関係者がETAのテロで犠牲となるのは二十二年ぶりで、ETAが、警察、軍関係者だけでなく標的を拡大し始めたことを浮き彫りにした。
 同記者の葬儀にはカルロス国王の使者や中央政府閣僚ら千人が参加し、反テロ集会の様相となった。犠牲となった記者はバスク独立に理解を示しながらも、テロには断固反対の立場だった。
 ETAは昨年十一月、約一年間続いた停戦を破棄したが、外交筋によると、「テロ再開は組織内部の指導権争いと、バスク州自治政府への挑発が背景にある」。強硬派が指導権を取り戻したとの情報もある。
 また、自治政府と州議会を長年支配してきた穏健派のバスク民族主義党がETAシンパなどと、独立達成を掲げた「リサラ宣言」に署名しながら、何ら行動を起こさないことに、ETAが不満を募らせているともいわれる。
 先の総選挙で大勝し、中央政府の政治基盤を固めた保守国民党のアスナール首相は、記者殺害テロを受けて、「バスク州議会は解散して選挙によって民意を問うべし」と通告した。連立によって、かろうじて州議会与党にあるバスク民族主義党が、ETAに対し、あいまいな態度をとり続けるならば、大衆の支持を失うと見ての発言だ。
 同州でも国民党など中央政党につながる政党勢力が伸長してきており、バスク民族主義一辺倒という政治風土に微妙な変化が見え始めている。それだけに、州議会が解散に踏み切り、反テロの機運が投票に反映されるならば、バスク問題の節目となりえる。[2000-05-14-21:53] 23
[このページの最初に戻る]


 05/14@中国説得が成否のカギ NPT会議、最終週に(共同通信)

 【ニューヨーク14日共同】国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は十四日、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の妥結目標など多くの重要事項で対立点を残したまま最終週を迎えることになった。
 核廃絶に向けた今後五年間の取り組みを明記する最終文書の採択に悲観論が漂い始める中、カットオフ条約問題で強硬姿勢を崩さない中国の説得に会議の成否がかかってきた。
 同条約は、一九九六年に採択された包括的核実験禁止条約(CTBT)に続く核軍縮措置。条約が発効すれば高濃縮ウランや兵器用プルトニウムの生産が禁止されることから、核不拡散の切り札となりうる。
 カットオフ条約交渉の「即時開始と早期妥結」を決定した前回九五年の再検討会議では交渉開始に賛成した中国が、今回は「国際情勢の変化」を理由に交渉開始に抵抗している。
 国際情勢の変化とは、米本土ミサイル防衛(NMD)構想などを指す。こうした構想が進行する一方でカットオフ条約に縛られれば、戦略核弾頭数で劣勢の中国は自国の安全を維持できないと危機感を抱き「宇宙の軍拡問題も並行して議論すべきだ」(沙祖康・外務省軍縮局長)と強硬に主張してきた。
 「全会一致」方式のNPT再検討会議では、一カ国でも反対した項目は最終文書には残らない。このため日本、ドイツなどに続きバーリ本会議議長(アルジェリア)も中国説得工作に乗り出す構えだ。[2000-05-14-15:20] 25
[このページの最初に戻る]


 05/14@エチオピア総選挙で投票 事実上初の複数政党制(共同通信)

 【アディスアベバ14日ロイター=共同】アフリカ東部のエチオピアで十四日、事実上初めて複数政党が参加した総選挙(五百四十八議席)の投票が行われた。
 与党エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)の勝利が確実視されている。隣接するエリトリアとの国境紛争が再燃しているが、与野党ともエリトリア非難では一致しており、選挙の大きな争点とはなっていない。
 今回の選挙で、民主体制の確立を内外に示せるかどうかがカギ。同国では帝政が倒れた後、社会主義政権の独裁体制が十七年間続いた。五年前の前回選挙は野党がボイコットした。
 野党は今回どこまで存在感を示せるかが問われているが、与党が有権者や対立候補を脅しているなどと批判している。
 同国の九つの州のうち、干ばつ被害の激しいソマリ州では投票が延期された。[2000-05-14-15:02]
[このページの最初に戻る]


 05/15@<東ティモール>国をつくる 苦労報われる社会に(毎日新聞)

 ディリ中心部にある東ティモール人の代表組織「東ティモール民族抵抗評議会」の講堂に4月26日、女性ばかり約100人が集まった。名称は「女性議会準備会合」。独立に向けた国づくりで、女性がどのような役割を担えるかを話し合おうという集まりだった。
 「独立のために女性も闘った。なのに、女性の役割はあまり評価されていない。国づくりには、女性がもっと参加しなければいけません」。同評議会の女性部門代表のマリア・パイシャオ・ダコスタさん(39)が呼びかけた。「みなさんが、ここで自分の意見を言うことが、最初の一歩です」
 しばらく、会場は沈黙に包まれていたが、30代前半の女性が立ち上がった。昨年9月の騒乱で家族を失ったらしく、黒い服をまとっている。「私も独立派武装組織で戦った。女も立派に戦うことができる」。大きな拍手がわいた。
 これを機に次々と意見が出た。「女は家事だけをしていればいいという風潮がある。不公平だ」「法律で男女同権を定めることが大事では」。会合は予定を1時間近くも超え、女性の意見を国づくりに反映させるための女性会議を6月に設立することを決めた。
 ダコスタさんは言う。「インドネシアの支配下で、東ティモールの女性の多くは、国軍兵士による暴行の犠牲になるなど、苦境の中で耐えながら生きてきた。そんな女性の苦労が報われる、新しい国を生み出したいのです」
 会合に参加した一人の主婦(35)が感想を語った。「女性が意見を言う場なんて今までなかった。これからは自分も考え、声を上げていきたい」【ディリ(東ティモール)で藤田悟】[2000-05-15-00:25] 13
[このページの最初に戻る]


 05/15@南東欧地域の復興と安定へ「ハイレベル会議」(読売新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ紛争などで荒廃した南東欧地域の復興と安定を目的に、紛争当事者、主要先進国などの関係者が一堂に集まる「南東欧ハイレベル会議」が十五日、東京・三田の三田共用会議所で始まった。同会議での議論は七月の沖縄サミット(主要国首脳会議)に反映される予定だ。
 会議には主要八か国(G8)のほかアルバニア、ボスニアなど南東欧諸国の政府高官、民間人ら約七十人が参加。<1>調和の政治文化への移行のためのステップ<2>人間の尊厳を回復・確立するためのステップ<3>市場経済移行のためのステップ――の三つのセッションに分かれ、遺跡や文化財保護、メディア育成、児童福祉・教育、環境などのテーマについて、各国の協調体制のあり方などを討議した。
 二日目の十六日には、討議内容を議長報告としてまとめて閉幕する。[2000-05-15-19:42] 14
[このページの最初に戻る]


 05/15@◇南東欧ハイレベル会議開幕、旧ユーゴ紛争地域の復興議論◇(朝日新聞)

 旧ユーゴ紛争地域の復興や民主化など南東欧地域の安定化策について、関係国の政府関係者らが話し合う南東欧ハイレベル会議(外務省など主催)が15日、東京都内で2日間の日程で始まった。民族間のいがみ合いをなくすための教育のあり方や、市場経済化の支援を通じた民族融和策などをめぐり意見を交わす。
 河野洋平外相が1月の訪欧の際に提唱した「日欧政治協力の強化」の一環でもあり、縁遠いとみられがちな南東欧地域の安定に日本の貢献ぶりを示すねらいがある。外相は開会演説で、会議の成果を7月の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)に反映させる考えを示した。有馬龍夫・政府代表が議長を務め、16日に議長総括を採択して閉幕する予定だ。[2000-05-15-19:07] 15
[このページの最初に戻る]


 05/15@南東欧ハイレベル会議、東京で始まる(読売新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ紛争などで荒廃した南東欧地域の復興と安定を目的に、紛争当事者、主要先進国などの関係者が一堂に集まる「南東欧ハイレベル会議」が十五日から二日間の日程で、東京・三田の三田共用会議所で始まった。会議には主要八か国(G8)のほかアルバニア、ボスニアなど南東欧諸国の政府高官、民間人ら約七十人が参加した。
 河野外相は開会のあいさつで、「官民双方が参加するこのユニークな国際会議が、南東欧安定協定などのメカニズムを補完し、推進する一助になれば幸いだ」と述べた。そのうえで、七月の沖縄サミット(主要国首脳会議)で地域情勢の一つとして南東欧地域の安定が話題になる見通しであることから、同会議での議論をサミットに反映させる考えを表明した。
 会議は<1>調和の政治文化への移行のためのステップ<2>人間の尊厳を回復・確立するためのステップ<3>市場経済移行のためのステップ――の三つのセッションに分かれ、遺跡や文化財保護、メディア育成、児童福祉・教育、環境などのテーマについて、各国の協調体制のあり方などを討議する。
 二日目の十六日には、討議内容を議長報告としてまとめる。[2000-05-15-11:14] 16
[このページの最初に戻る]


 05/15@南東欧の安定に積極貢献 ハイレベル協議で外相(共同通信)

 ボスニアやコソボなど南東欧州地域の安定と復興を目指す「南東欧ハイレベル会議」が十五日午前、都内で開幕、河野洋平外相は基調演説し「地域紛争に対し、欧州と日本が協力し合うことはグローバルパートナーとしての責務だ」と述べ、積極的に貢献する考えを表明した。
 演説の冒頭で外相は、小渕恵三前首相が昨日死去したことを報告し「この会議開催には小渕前首相のイニシアチブがあった。会議を成功裏に運ぶことが前首相の遺志に沿うことだ」と呼び掛けた。
 外相は演説で、この地域の民族対立緩和のために(1)異文化と異民族に対する尊敬、争いより平和を尊ぶ教育(2)表現の自由、メディアの独立尊重と市民社会の役割強化(3)市場経済化を通じた民族融和促進―が重要と指摘。この会議の成果を主要国首脳会議(沖縄サミット)の論議にも反映させるため努力することを強調した。
 会議は十六日まで開催。有馬竜夫政府代表を議長にボスニア、ブルガリア、クロアチアなどの外務次官や研究者らが参加、民族対立を抱える東欧の南部地域の平和と安定に向けた取り組みを議論する。[2000-05-15-10:31] 92
[このページの最初に戻る]


 05/15@<安全保障>仏国際戦略関係研究所長 パスカル・ボニファス(毎日新聞)

 ――米国の米本土ミサイル防衛(NMD)計画についてどう考えますか。
 ◆無用の脅威を世界にまき散らすもので、賛同できない。日本が朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)のミサイルを警戒するのは当然だが、米国まで届くミサイルは近未来には開発されまい。イラク、イラン、リビアも同様だ。米国の本当の関心はそこにはない。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約改定の主張も根拠が薄い。この条約は冷戦時代にあっても非常によくできた軍縮イニシアチブだった。冷戦終結10年を経た今、改定する必要はどこにもない。
 ――実際にどんな脅威が浮上しているでしょうか。
 ◆本当の脅威は北朝鮮ではなく中国だ。米国がNMD計画を強行させたら、中国は新たな軍拡競争に参入するだろう。中国はNMDを対北朝鮮でなく対中国を意識した措置とみている。ロシアもこの競争に参加するだろう。今後10―20年のうちに、日本にとっては北朝鮮よりも大きな脅威が近隣に出現することになる。しかし、日本がどうなろうとおかまいなく、米国は国内的理由からNMD計画を進めようとするだろう。
 ――国内的理由とは具体的に何でしょう。
 ◆米政府は北朝鮮、イラク、キューバなどに対する現在または将来の軍事介入の正統性を維持するために、それぞれの周辺国だけでなく米国本体への脅威を訴えてきた。ひとたび米国民が北朝鮮ミサイル開発に脅威を覚えてしまうと、米政府としては「あれは誤りだった。北朝鮮のミサイルの脅威は少なくとも近未来には発生しない」とNMD中止を説得しがたい。大統領選を控えているとなればなおさらだ。
 ――現米大統領はもともとはNMD推進に慎重でしたが、選挙で民主党が勝っても同じでしょうか。
 ◆ゴアが大統領になっても流れを変えられないだろう。NMDについて興味深いのは軍事専門家やジャーナリストの大半が対外摩擦を増すだけと否定的なのに対し、世論を気にする政治家だけが突っ走っている点だ。
 ――結局、中国、ロシアの対米軍事対抗を生み出す事態となる。
 ◆中国が米国への対抗のため核兵器を含む軍備の大々的な近代化に乗り出したら、その中国への対抗にインドが乗り出す。インドがやればパキスタンがそれに対抗する。第3次戦略兵器削減条約(START3)やその後のSTART4などは暗礁に乗り上げる。
 ――START2批准、新軍事ドクトリンなどロシアの最近の動きをどうみますか。
 ◆START2の批准を議会に指示したプーチン新大統領の意図は、エリツィンもできなかったことを自分がやり遂げ、ロシアの真の指導者だと演出し、チェチェン問題とはかりにかけ、米欧の譲歩を引き出すことだ。核拡散防止条約(NPT)再検討会議開催前夜の批准もボールは米国の側にあると強調する演出だ。
 新ドクトリンは核兵器の先制使用をうたったと一部で指摘されたが、これはカネのかかる通常兵器近代化による国防よりも核を最終的な頼みとするということで、あまり重要ではない。ロシアの真意は軍縮推進にあり、経済の要請からもそれしか選択肢がない。
 ――欧州の対応は。
 ◆米国によるNMD推進は欧州との同盟関係に亀裂を広げていくだろう。ロシアが対抗して新たな核開発計画を推進したら、われわれも対応せざるを得ない。しかし、それはわれわれの予定表を大幅に狂わせかねない。【パリ・橋本晃】
◎略歴
 1956年、パリ出身。国際法、国際関係論で国家博士号取得。仏国防相の外交・戦略副顧問、戦略・技術顧問などを歴任した。[2000-05-15-23:16] 98
[このページの最初に戻る]


 05/15@<NPT>再検討会議 難航大詰め 合意は微妙な状況(毎日新聞)

 先月24日にニューヨークで始まった核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、委員会・補助機関の公式協議で各国の合意をとりつけることができないまま、非公式協議に移行している。最終日の19日までに意見をすり合わせて、新たな核軍縮の目標を作成できるかどうか、微妙な状況だ。会議で浮上している対立点を整理した。【ニューヨーク・上村幸治】
【核軍縮】
 問題になったのは、米国の米本土ミサイル防衛(NMD)だった。アナン国連事務総長の冒頭演説を皮切りに、ロシア、中国、フランスなどが「核軍拡につながる」と批判した。
 米国が他国のミサイル攻撃から国土を防衛するNMDを推進するには、迎撃ミサイル基地を1か所に限定したロシアとの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約がネックとなる。米国がABM制限条約修正をロシアに求めている点を踏まえ、「ABM制限条約を順守せよ」という主張も繰り返された。
 こうした中、核保有国の米英仏露中は今月1日、緊急に共同声明を発表、ABM制限条約を「維持・強化」し「戦略的な攻撃兵器のさらなる削減の基礎とする」ことを確認した。これによって、参加国による米国批判はとりあえず鎮静化した。
 代わって浮上してきたのが、兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約をめぐる問題だった。条約については、議論の場となった第1委員会補助機関のピアソン議長が「2005年までに交渉を終了させる」「条約発効まで生産を禁止する」という文書をまとめた。しかし中国が激しく反発、削除を要求している。
 もともと中国は、米国のNMDを自国に対する脅威と受け止め、大気圏外から飛来するミサイルに対する迎撃システムであるNMD開発を阻止するため「カットオフ条約の交渉を始めるなら、まず宇宙での軍拡を禁止せよ」と求めていた。
 中国がこの主張を繰り返したため、議長案から「条約発効までの兵器用核物質の生産禁止」という項目が削除された。これに対してドイツなどが反発している上、中国自身が「(同項目の)削除でも不十分」と、「カットオフ条約の即時開始と早期締結」の再確認すら拒否する姿勢を表明している。
【核廃絶】
 会議では、「新アジェンダ連合」が核保有5カ国に対し、核廃絶を「明確に約束」するよう求めている。連合は、メキシコ、ブラジル、エジプト、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデンの7カ国で構成、98年に「核兵器のない世界へ」と題する文書を発表している。
 日本などが段階的な核軍縮を求めているのに対し、核廃絶にいたる道筋を先に作り、それに合わせて核軍縮を進めるよう求めており「もっとも強硬に核廃絶を求める勢力」と位置付けられている。
 新アジェンダ連合の提案に対し、核保有5カ国は共同声明の中で「核廃絶を究極の目標とすることを明確に約束する」と表現した。新アジェンダ連合は「究極の目標というなら、前回(95年の会議)と同じだ」と反発している。
 このため議長が、議長案の中に「核廃絶を明確に約束する」と書き込んだが、中国を除く他の核保有国が反発している。
 一見、言葉遊びのようにも見えるが、新アジェンダ連合は細かい要求を減らしてまで「核廃絶の明確な約束」を求めている。この表現により、核保有国を強い枠でしばることができるからで、「絶対譲歩できない」としている。
【核拡散防止・平和利用】
 95年の会議は、核拡散防止のために「中東決議」を採択し、この地域を大量破壊兵器禁止地帯とするよう求めた。
 ところがその後の5年間で、オマーン、アラブ首長国連邦がNPTに加盟した結果、同地域での未加盟はイスラエルだけとなった。このためエジプトが、アラブ諸国を代表して「イスラエルの名前を挙げて、その事実を指摘すべきだ」と訴えている。
 しかし、イスラエルと関係の深い米国が「NPTに加盟しながら核開発疑惑の残るイラクにも言及すべきだ」と反論、つばぜり合いが続いている。
 「原子力の平和利用」については「放射性物質の海上輸送」が問題になっている。ニュージーランドやカリブ海沿岸諸国が「万が一の事故」を懸念、事前通告制度の導入などを要求している。対する日本や英仏は、国際法で認められた公海上の交通の規制は困ると反論している。
 もちろん、すべての項目で意見が対立しているわけではない。
 核軍縮の中では、(1)核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効(2)CTBT発効までの核実験凍結(3)第2次戦略兵器削減条約(START2)の早期発効・完全実施(4)START3の交渉をできるだけ早く終了させる――などでは、参加国が基本合意に達した。
 CTBTについては、前回会議では「条約発効まで実験を最大限抑制する」という表現にとどまり、その後、中国とフランスが核実験を強行している。
【NPT会議の経過】
 95年にNPTの無期限延長を決定したとき、5年ごとに再検討会議を開催することが決められた。今回は95年会議の際にまとめた核軍縮などの目標の達成状況を評価、今後5年間の目標設定を目指している。
 会議は、第1委員会(核軍縮)、第2委員会(核拡散防止)、第3委員会(原子力の平和利用)を設置。さらに第1委員会の下に今後5年間の核軍縮の進め方を協議、第2委員会の下に中東など地域問題を審議する補助機関をそれぞれ設置した。
 会議では、日本とオーストラリアが共同で核軍縮・核不拡散などのための「8項目提案」を出したほか、新アジェンダ連合や欧州連合(EU)、核保有国なども独自に提案を提出。これを受け、各委員会と補助機関が討論を重ね、委員長・議長提案をまとめたが、参加国の反対が続出、紛糾し採択できなかった。
 このため本会議のバーリ議長は16日を期限に再協議を要請、17日からは19日深夜の会期終了まで、本会議の非公式協議で最終合意文書採択に向け努力する。本会議はコンセンサスが原則で、1国でも反対すれば、失敗に終わる。【上村 幸治】
 ニューヨークでの核拡散防止条約(NPT)再検討会議の難航は、兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉などで空転が続くジュネーブ軍縮会議の姿を反映している。それはとりもなおさず、核廃絶自体の困難さを示している、と言える。
 軍縮会議では、核実験全面禁止条約(CTBT)交渉最終段階の96年、インドが「核保有国は、核の廃絶期限を明示すべきだ」と主張、一部非同盟諸国もこれに同調した。これに対し、米など核保有国側は「核廃絶のスケジュールは保有国で決める」と反発し、インドがCTBTに不参加になった経緯がある。
 この対立はその後、軍縮会議のカットオフ条約交渉でも大きな障壁になった。さらに、衛星を使った米本土ミサイル防衛(NMD)計画に反発する中国が「カットオフ条約交渉は、宇宙軍縮と平行して進めるべきだ」と主張するに及び、軍縮会議の交渉は完全に暗礁に乗り上げてしまった。
 今回のNPT再検討会議で、核保有国と対立する「新アジェンダ連合」(南ア、スウェーデンなど7カ国)が出した提案には、実はこのような軍縮会議の停滞を打破しようとする意図があった。「2005年までに核軍縮を加速する」という提案にしろ、「具体的な核廃絶期限を求めても軍縮会議同様、核保有国の反発を招くだけだ」(南ア代表部筋)という背景があった。核の廃絶期限を求めず、「核軍縮を加速する」と訴え、核保有国の妥協を求めたわけだ。
 だが、再検討会議で核保有国側が出した共同提案では、カットオフ条約の交渉開始期限など、核廃絶に向けた各ステップの目標期限すら、全く示されなかった。また中国も同条約に関する主張を変えないなど、再検討会議は96年以来の軍縮会議の議論から、一歩も抜け出せてはいない。
 この背景に「核軍縮交渉に、非核保有国が口をはさむべきではない」という核兵器国の「エゴ」と、NMDなどをめぐる核保有国間の相互不信があることは間違いない。日本は、新アジェンダ連合と核保有国との間に立ち、新たな妥協策を探っているが、核軍縮停滞の根は深い。会期があと一週間の再検討会議の前途は、多難といえる。【ニューヨーク・福原直樹】
焦点となっている項目
【主な対立点】
・核廃絶の明確な約束
・カットオフ条約の交渉開始
・中東非核地帯設立
・核兵器警戒解除
【主な合意点】
・ABM制限条約の維持・強化
・CTBT早期発効
・CTBT発効までの核実験凍結
・START2の早期発効・完全実施
・START3交渉の早期終了[2000-05-15-21:55] 99
[このページの最初に戻る]


 05/15@<記者の目>北方領土問題 モスクワ支局 石郷岡 建(毎日新聞)

 ロシアのプーチン大統領が誕生し、日露関係の新時代の到来が期待されているが、実際のところ、前途は極めて険しい。北方領土問題解決の見通しが立っていないからだ。そして、もっとも問題なのは、双方の国民が相手を理解せずに、相手が間違っていると思い込んでいることにある。どうして相手がこちらを理解しないのか、まず相手の立場を考えるべきだ。そして、どうしたら相手を説得することができるのか、深く考えるべきである。
 札幌で12日に開かれた「日露新時代・国際シンポジウム(毎日新聞社など主催)」で、ネムツォフ下院副議長(元第1副首相)は「日本とロシアの世論は180度正反対の立場にある。この世論の隔たりを狭めない限り、平和条約に向けての解決は得られない」と率直に発言した。
 この発言は、シンポジウムに出た日本側の参加者・聴衆に少なからぬショックを与えた。エリツィン前大統領と橋本龍太郎元首相のクラスノヤルスク首脳会談(1997年)での「2000年末までに平和条約締結に全力を尽くす」との合意以降、日本では領土問題の解決が間近かと楽観的観測が流れていたからだ。
 ネムツォフ氏の発言は、その観測に冷水を浴びせ、2000年中の平和条約締結が不可能であることを示唆した。「ロシア側は領土問題を先送りするつもりだ」との反発の声が出るのも無理のない状況である。
 しかし、ネムツォフ氏の発言は、はったりではない。残念ながら、ロシアの国民の大半は北方領土の引き渡しに反対しており、「民主国家ロシアは世論を無視して、領土問題を解決できない」との同氏の発言も嘘ではないのだ。
 「世論の支持など必要はない。われわれが決めればいいのです」と、日本の若手外交官が胸を張るのを聞いたことがある。
 しかし、世論を常に相手とするジャーナリストの私としては、世論の支持なしに領土問題の解決を進めるのは、やはり、危ういと言わざるを得ない。
 シンポジウムが終わって帰途一緒になったタス通信の記者は「ロシアの世論は日本をまったく理解していない。日本の世論もロシアをまったく理解していない」とため息をついた。
 日露政府の間で過去何度も会談が行われた。両国外務省は「話し合いは前進」「成功した」などと発表した。しかし、実際は、領土問題の解決には、ほとんど動いていないのが現実である。そして、両国民とも、いまだに問題の所在が分かっていない。
 ロシア国民の大半は第二次世界大戦後、南樺太(サハリン)、千島列島を併合したのは正当な行為であり、間違っていないと思っている。なかには日露戦争の借りを返したと思っている人もいる。
 ソ連は対独戦争で、旧プロシアや旧ポーランド領を併合した。第二次大戦後、東欧地域で展開された国境線の大変更の一環で、ドイツを罰するとの意味合いが強かった。そして、いまだに、誰もこのことを批判していない。
 ロシアでは、南樺太や千島の併合も、同様な論理で理解されている。しかし、樺太や千島は日本が侵略して奪った土地ではない。ちゃんと国際的取り決めで、領土を確定した土地であり、取り上げられる理由はない。
 にもかかわらず、日本はそのことを主張できない。戦争に負けた日本は、サンフランシスコ平和条約(1951年)で、南樺太と千島列島の領有放棄を国際的に宣言したからだ。
 日本政府はその後、「北方四島のうち歯舞群島、色丹島はもともと北海道の一部であり、国後、択捉両島は放棄した千島列島に入らない」との論理を展開した。しかし、ロシアから見れば、姑息な論理であり、受け入れるべきでないと考えるのが大半である。
 私は、南樺太・千島列島放棄は決定的な誤りで、日本政府の立場は国際法上極めて弱いと思っている。それでも、日本国民の間には納得のいかないところがある。なぜなら、樺太や千島の併合を含む第二次大戦後のソ連の戦後処理が法と正義に依拠したものだったかどうか、かなり疑問があるからだ。
 その一方で、2000万人ともいわれる犠牲者を出したソ連の行動および政策が間違っていたと言える雰囲気は、現在のロシアにはない。第二次大戦の冷静な評価をするには、まだ心の用意ができていない。
 領土問題は感情的議論になりやすい。そして、相手をねじ伏せて、強引に奪いとらないとするならば、説得して返してもらうしかない。相手が何を考え、どこが間違っているのか。相手の世論を理解し、説得の論理を打ちたてるべきだ。双方の世論が歩み寄らない限り、領土問題の真の解決はない。[2000-05-15-21:43] 104
[このページの最初に戻る]


 05/15@PKO要員を一部解放 シエラレオネ、国連は歓迎(共同通信)

 【ヨハネスブルク15日共同】シエラレオネからの報道によると、国連報道官は十五日、シエラレオネで反政府勢力、革命統一戦線(RUF)に拘束されていた国連平和維持活動(PKO)の要員約五百人のうち、百三十九人が解放されたことを明らかにした。
 これに先立つ十四日、隣国リベリアのテーラー大統領も要員の一部解放を発表、うち十五人は既にヘリコプターでリベリアの首都モンロビアに到着、残る百二十四人も国境付近の町で救出待ちとなっていた。
 国連報道官は、リベリアに移った十五人は十五日中に空路シエラレオネの首都フリータウンに搬送する方向で検討するとし、今回の一部解放について「大きな前進だ。拘束事件は新たな局面を迎えた」と語った。
 テーラー大統領は、拘束されていた国連要員は「リベリア政府チームによる仲介成功」を受け、ほぼ三日間シエラレオネ東部の密林を集団で歩かされたと説明。米大使館が要員救出のための空輸要請を断ったとして米国を強く非難した。[2000-05-15-20:48] 132
[このページの最初に戻る]


 05/15@劣勢で戦術変更の可能性 シエラレオネの反政府勢力(共同通信)

 【ニューヨーク15日共同】リベリアのテーラー大統領が十四日、シエラレオネで拘束された国連平和維持部隊要員のうち約百四十人が釈放されたと語ったことについて、国連外交筋は「国連の強硬姿勢や英軍部隊の駐留で劣勢の革命統一戦線(RUF)が、国際世論をうかがうため一部釈放に踏み切った」との見方を示している。
 国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)とRUFは、今月一日にシエラレオネ中部マケニなどで交戦。RUFは各地でザンビア兵やケニア兵ら約五百人を拘束し、一部は制服などを奪ってUNAMSIL兵士に変装、かく乱戦術を続けてきた。
 国連は事件後、即座に部隊増強を決めたほか、当初は自国民救出が目的だった英軍が海兵隊員の増派とともに駐留を延長する方針を固めている。
 英国の国連外交筋は「RUFは政権奪取を目指して国連要員を拘束したものの当面見込みはないと判断。リベリアと歩調を合わせて一部要員を釈放し、事態の推移を見守る戦術に出た可能性が強い」と指摘している。
 また同筋によると、テーラー大統領はサンコーRUF議長の後見人。首都フリータウンの自宅近くで発砲事件があった今月八日から所在が分からなくなったRUF議長はリベリアに滞在している可能性もあるという。[2000-05-15-16:05] 2
[このページの最初に戻る]


 05/15@◇ユベントス敗れ、ラツィオが逆転優勝 セリエA◇(朝日新聞)

 サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)は14日、最終節が行われ、前節まで首位を走っていたユベントスが敵地でペルージャに0―1で敗れ、勝ち点2差で追っていた2位ラツィオがレッジーナに3―0で勝ったため、逆転でラツィオの二十六季ぶり2度目の優勝が決まった。
 ユベントスは勝てば優勝が決まる状況だったが、雨中の一戦は前半を終えて0―0。主審は後半開始を前に続行可能かを見極めるため長時間にわたって中断した。
 一方、ラツィオはS・インザギ、ベロンのPKなどでレッジーナに快勝。
 ユベントスは引き分けに持ち込めば優勝決定プレーオフに持ち込めたが、後半開始早々に先行され、その後の猛反撃も実らなかった。[2000-05-15-02:59] 5
[このページの最初に戻る]


 05/15@中田が2試合ぶり先発出場、ローマ最終順位は6位(読売新聞)

 【ベローナ(イタリア)14日=川島健司】サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)で中田英寿の所属するローマは14日、敵地でベローナと今季最終節の試合を行い、2―2(前半2―1)で引き分けた。ローマの最終順位は6位で、来季のUEFA(欧州連盟)杯出場権を確保した。
 中田は、トッティの故障による欠場もあり、2トップの下のポジションで2試合ぶりに先発出場。ローマは8分、トマージが先制したが5分後に追いつかれ、前半終了間際に再びリードしたものの、後半に再度同点とされた。
 本来のポジションでプレーした中田は、時折光るプレーもあったものの、ミスも多く、得点には絡めずじまい。70分にザネッティと交代で退いた。[2000-05-15-00:50]
[このページの最初に戻る]


 05/16@<ワールド・スコープ>キャスター殺人事件 英国(毎日新聞)

 英国放送協会(BBC)の人気女性キャスター、ジル・ダンドーさん(当時37歳)が昨年4月26日、ロンドン市内の自宅前で殺害された事件は、発生から1年が過ぎた。英国を揺るがせた事件だけに、ロンドン警視庁は大がかりな捜査を続けているが、大胆な犯行の手口、類推されるさまざまな動機など事件のナゾは多く、有力な手がかりは浮かんでいない。
 未解決事件の情報提供を呼びかける報道番組「クライム・ウオッチ」や旅行番組などの司会を務めたダンドーさんはBBCを代表する顔だった。事件後、その死を悼むEメールは1万4000通に及び、ダイアナ元皇太子妃の交通事故死と重ね合わせる報道すらあったことが、彼女の人気ぶりを示している。
 射殺事件は月曜の朝11時半ごろ、市西部の住宅地で起きた。買い物から戻ったダンドーさんが自宅玄関のかぎを開けようとしたところ、待ち伏せしていた男に短銃を突き付けられ、1発の銃弾で左耳付近を撃ち抜かれた。その冷酷な手口から、プロの殺し屋か銃器の扱いに慣れた者の犯行とみられている。
 ロンドン警視庁は4月の一周忌に際し、ダンドーさんに対して「不健全な関心」を抱いていた参考人が200人近く浮かび上がったことを明かした。うち半分近くが彼女に好意を抱いていたストーカーと言われる。だが、大半の参考人からの事情聴取が終わった現在も進展はなく、捜査対象は大幅に拡大された模様だ。
 警視庁は犯人像について(1)クライム・ウオッチに恨みを持つギャング組織(2)昨年のユーゴスラビア空爆でテレビ局が爆破されたことに対するセルビア人の報復(3)狂信的なファン――のいずれも排除していないと説明する。
 しかし、報道によると、捜査班は徐々に「銃器の扱いに詳しいストーカー」の犯行説に傾いているようだ。警視庁は、ハリウッドを抱えストーカー事件の捜査で実績がある米国ロサンゼルスの警察当局の協力を得て、狂信的なファンの捜査に特に力を入れている。
 ダンドーさんはお茶の間で「隣の家のお姉さん」的な人気を博していた。昨秋結婚する予定だった婚約者の婦人科医、アラン・ファーシング氏(36)は「彼女は誠実でだれからも愛される性格だった。我々の結婚を恨んだ犯行としか思えない」と語る。
 ストーカー問題は近年、英国でも大きな社会問題となり、1998年には2221人が同行為で逮捕されている。有名人へのストーカー行為は情報化社会の暗部と言えるが、生前のダンドーさんも有名人として、その代償を支払わされていた。
 事件では、犯行現場から走り去る「黒っぽいスーツを着て携帯電話を持った男」が近所の人に目撃されている。物証は現場に残されていた銃弾だけという難事件だが、捜査班を率いるキャンベル警部は「だれかが犯人を知っている」と意味深長な発言をしている。[2000-05-16-23:59] 3
[このページの最初に戻る]


 05/16@<安全保障を問う>ロシア下院副議長 ウラジ−ミル・ルキン(毎日新聞)

 ――ロシア安全保障会議は先月、「核の先制使用」の権利を盛り込んだ新軍事ドクトリンを採択しました。この背景は何ですか。
 ◆実際にロシアが核の使用を志向しているのではない。ロシアに脅威を与えようとする者に対し、ロシアが核保有国であることを想起させることが目的だ。これは通常兵器分野でロシアが本質的に弱体化していることに関係している。1970〜80年代にかけて、欧米が欧州地域で通常兵器でロシア(旧ソ連)に比べて弱い立場にあった時、欧米は自分たちの核能力と核で反撃する可能性を強調した。それと同じことが今、ロシアで起きている。
 北大西洋条約機構(NATO)が人権状況など自分たちの解釈で域外にも戦力を派遣できるとしたNATOの新軍事戦略(昨年4月採択)も関連している。ロシアは自国が(核を持たない)ユーゴスラビアとは異なることを知らしめる必要性に迫られたのだ。
 一方でロシアは軍事ドクトリン採択と同時期に、第2次戦略兵器削減条約(START2)と核実験全面禁止条約(CTBT)を批准した。世界の核拡散を誘発するとすれば、それはロシアの新ドクトリンではなく、一方的な攻撃を表明したNATO側の新軍事戦略の方だ。
 ――ロシアは米国が進める米本土ミサイル防衛(NMD)構想に反対しています。
 ◆米国がNMD開発を進め、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から一方的に脱退すれば、この10年間で達成された軍縮システムが崩壊する。世界に軍拡競争を引き起し、核拡散につながるだろう。
 NMDは実際、核抑止力として何の問題解決にもならない。核を運搬するのはミサイルだけではない。スーツケースに入れて運ぶことも可能だ。
 米国とともに戦域ミサイル防衛(TMD)を進める日本もNMDに大きな幻想を抱いている。中国がミサイルの数を増強しさえすれば、TMDシステムは全く効果がなくなる。
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル開発問題は確かに存在する。しかし、これは集団的な外交交渉で解決しなければならない。
 ――ABM制限条約の見直し問題で米露間の妥協は可能ですか。
 ◆秋に米大統領選挙を控えている民主党のクリントン政権は、NMD推進派の共和党から強い圧力を受けており、きちんと交渉できない。来月にモスクワで行われる米露首脳会談でも根本的な決定はなされないだろう。大統領選が終わるまで重要な決定は行われないと考えるのが賢明だ。
 最善の方法はABM制限条約の堅持を確認し、細部は米大統領選後に協議することだ。米国のNMD配備の決定は、6月末に行われるNMD実験の結果によるところが大きい。実験は過去2回失敗しており、3回目でもいい結果が得られなければ、NMD導入の決定が先送りされる可能性がある。
 ――今後の核軍縮の見通しは。
 ◆START3(第3次戦略兵器削減条約)を早く実現することが重要だ。核弾頭数を1500発以下にまで減らすSTART3は、財政事情から現在保有する核弾頭の維持さえ困難なロシアにとって有益だ。
 START3が実現すれば核軍縮を加速させる。次の段階として他の核保有国(英、仏、中国)を核弾頭削減のプロセスに参加させる。そうすれば、核疑惑国をCTBTに加盟させるための交渉が促進されるだろう。【モスクワ・田中洋之】
◎略歴
 モスクワ国立教育大学歴史学部卒業。旧ソ連外務省を経て、1993年から下院議員。穏健改革派ヤブロコの創設メンバーの一人。下院国際問題委員長を長く務め、現在は下院副議長。[2000-05-16-23:50] 4
[このページの最初に戻る]


 05/16@バルカン安定のハイレベル会議閉幕、セミナー開設へ(読売新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ紛争など民族対立が続くバルカン地域の安定について紛争当事者や主要国などの代表が議論する「南東欧ハイレベル会議」が十六日、二日間の日程を終えて閉会した。日本政府は会議で、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)や国連児童基金(ユニセフ)などの国際機関と協力して同地域の教育や文化財保護、環境問題などを扱うセミナーを開催する方針を表明した。さらに、コソボ自治州では初の独立した放送局を開設するため、開局費用の半分にあたる約千五百万ドルの援助と技術協力を行う方針を明らかにした。
 会議は十五日から東京・三田の三田共用会議所で開かれ、政府高官や民間人ら約七十人が参加した。[2000-05-16-23:46] 6
[このページの最初に戻る]


 05/16@国際社会の支援継続を 南東欧ハイレベル会議(共同通信)

 コソボなど南東欧州地域の安定と復興を協議する「南東欧ハイレベル会議」は十六日、有馬竜夫政府代表が「議長総括」を取りまとめ閉幕した。
 議長総括は、国連や国際社会が南東欧地域諸国を引き続き支援することを求め「対立する民族の和解は容易ではないが、寛容と繊細さを尊重し、人間中心の社会が一日も早く実現することが重要」と強調した。
 日本政府は、文化遺産の復興・保存や児童福祉・教育を通じて同地域の和解を進めるため、今後、専門家会議開催を提案。今回の会議の議論を、七月の主要国首脳会議(沖縄サミット)にも反映させる考えを表明した。
 このほか、会議で日本政府は、コソボで民主的選挙を実施するためには独立したメディアが不可欠として、紛争で破壊された放送局の再建事業を支援していることも報告した。
 会議は(1)調和の政治文化への移行(2)人間の尊厳を回復・確立(3)市場経済移行―の三つの観点から、支援策などを協議。十五日から東京で開かれ、ボスニア、ブルガリアなどの外務次官や研究者らが参加した。[2000-05-16-19:00] 7
[このページの最初に戻る]


 05/16@米国防長官が2年半ぶりに訪中を表明(読売新聞)

 【ワシントン15日=柴田岳】コーエン米国防長官は十五日、ワシントン市内で講演し、今夏、二年半ぶりに中国を訪問する意向を明らかにした。長官の訪中は昨年夏に予定されていたが、昨年五月に北大西洋条約機構(NATO)軍が在ユーゴスラビア中国大使館を誤爆し、関係が悪化したため、延期されていた。
 長官は訪中目的について、「米中両国間の緊張を緩和し、将来の人道的活動や平和維持活動での協力を協議できるようにするため、両国の軍事交流を強化したい」と述べた。
 また、「中国の経済力、軍事力は増大を続けているが、国際社会は中国を平和と安定に寄与する方向に導くことができる」と語り、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に伴う対中最恵国待遇(MFN)恒久化法案を米議会で成立させる必要性を強調した。
 米中両国は今年一月に定期防衛協議を開き、誤爆事件以来中断していた軍事交流を再開しており、長官の訪中は米中軍事関係が完全に正常化したことを象徴するものとなろう。[2000-05-16-18:59] 8
[このページの最初に戻る]


 05/16@反政府学生組織が支持拡大 ユーゴ政府と対立の構図(共同通信)

 【ウィーン16日共同】ユーゴスラビアの野党各党が内部対立などからミロシェビッチ大統領の政権基盤を揺るがせずにいる中、学生反政府組織「オトポル」(抵抗)が急速に支持を拡大している。
 政権側はベオグラードで十五日に開かれた反政府集会を前に、参加学生の拘束を示唆するなどオトポルの活動を警戒しており、ユーゴ政局の対立構図が「政府対野党」から「政府対学生組織」に変化する兆しを見せている。
 十五日の集会では、野党連合「変革のための同盟」のバティッチ幹事長とセルビア民主党のジンジッチ党首がそろってオトポルのシンボルマーク入りのTシャツ姿で登壇、学生への連帯を示した。
 また、ユーゴ初代大統領で作家のチョシッチ氏が十日、長年の政治的沈黙を破ってオトポルの評議会委員就任を公表。十五日にはコソボ自治州のセルビア人指導者トライコビッチ氏や作家、教授らが加入を表明するなど、支持者を政界やインテリ層に広げている。
 野党と学生の本格的な連合を恐れる政府側は、最近の要人暗殺事件を「外国勢力とその国内支持者」(マティッチ情報庁長官)の犯行と言明し、オトポルの関与を指摘するなどなりふり構わぬ組織つぶしを進めている。
 オトポルはベオグラード大生を中心に一九九八年に結成。非暴力主義を貫き、「抵抗」と書かれたポスターを街頭に張るなどの草の根運動を続けてきた。幹部のイバン・マロビッチ氏によると、これまでに約四百人のメンバーが拘束されたが「五万人を動員できる。欧州最後の独裁者であるミロシェビッチが去るまで闘う」としている。[2000-05-16-16:16] 10
[このページの最初に戻る]


 05/16@<ユーゴスラビア>反政府合同集会 政府警告で参加数減か(毎日新聞)

 【ウィーン16日福井聡】
ユーゴスラビアの野党陣営は15日、首都ベオグラードで反政府合同集会を開き、ミロシェビッチ政権の退陣・選挙実施と国際的孤立解消を訴えた。参加者数は約2万5000人と1カ月前の集会の約15万人を大きく下回った。野党側は「政府による参加規制と脅しが原因」と説明している。
 ベオグラードからの報道によると、最大野党「セルビア再生同盟」のドラシュコビッチ党首は集会で「現在セルビアを統治している殺人者やテロリストたちに対抗しなければならない」と団結を呼びかけ、ジンジッチ民主党党首も「現政権はセルビアに内戦をもたらそうとする狂気の政権だ」とと非難した。
 集会は反政府組織「オトポール」(抵抗)の学生メンバー3人がミロシェビッチ大統領の長男マルコ氏側近に暴行されたことへの抗議行動として当初、大統領の出身地ポザレバツで開催予定だったが、「政府側が参加者の現地入りなどを阻止したため」(野党側)首都に変更された。[2000-05-16-09:31] 24
[このページの最初に戻る]


 05/16@<ジンバブエ>国会選挙の投票日を6月24、25日にすると(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク16日藤原章生】ジンバブエ政府は15日、農場占拠問題などで先送りされていた国会選挙の投票日を6月24、25日にすると発表した。野党が初めて本格的に参加する選挙は、20年間政権を担当したガベ大統領の信任投票の意味を持つ。大統領任期は2002年までだが、与党が惨敗すれば、ムガベ氏の「独裁体制」に大きな打撃となる。弾圧の下、野党が農村にどの程度食い込めるかが大きな焦点となる。
 任期5年のジンバブエ議会(1院制)は150議席だが、今回は大統領指名や民族代表議員を除く民選の120議席を争う。有権者は約500万人。前回95年4月の選挙では野党活動が阻まれ、与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟・愛国戦線(ZANU―PF)が118議席を確保した。
 今回は弾圧下でムガベ批判を続ける労組出身のチバンギライ党首の野党・民主変革運動(MDC)の躍進が見込まれる。2月、大統領権限の拡大を問う憲法改正の国民投票が小差で否決されたのもMDCの反ムガベ運動の成果だ。しかしこの時は農村の投票率が低く、全国でも10%程度。ムガベ人気の根強い農村票がどう動くのかは読めないままだった。
 ジンバブエは国民投票否決直後から農場占拠など暴力、野党弾圧が激しくなり、20人が殺害された。宗教関係者、都市住民に反ムガベ派は多いが、選挙の度に与党が食糧や現金を配る農村で野党の存在感は薄い。
 国内では今も軍、警察による弾圧が続き、野党は与党の武装集団が目を光らせる農村に入り込めない。「白人の農地を貧農に分配する」と説き、暴力を容認したムガベ氏を、黒人の貧農たちは支持しているのか。底辺の人々の票が議会選を左右する。[2000-05-16-20:55] 33
[このページの最初に戻る]


 05/16@国際社会の支援継続を 南東欧ハイレベル会議(共同通信)

 コソボなど南東欧州地域の安定と復興を協議する「南東欧ハイレベル会議」は十六日、有馬竜夫政府代表が「議長総括」を取りまとめ閉幕した。
 議長総括は、国連や国際社会が南東欧地域諸国を引き続き支援することを求め「対立する民族の和解は容易ではないが、寛容と繊細さを尊重し、人間中心の社会が一日も早く実現することが重要」と強調した。
 日本政府は、文化遺産の復興・保存や児童福祉・教育を通じて同地域の和解を進めるため、今後、専門家会議開催を提案。今回の会議の議論を、七月の主要国首脳会議(沖縄サミット)にも反映させる考えを表明した。
 このほか、会議で日本政府は、コソボで民主的選挙を実施するためには独立したメディアが不可欠として、紛争で破壊された放送局の再建事業を支援していることも報告した。
 会議は(1)調和の政治文化への移行(2)人間の尊厳を回復・確立(3)市場経済移行―の三つの観点から、支援策などを協議。十五日から東京で開かれ、ボスニア、ブルガリアなどの外務次官や研究者らが参加した。[2000-05-16-19:00] 47
[このページの最初に戻る]


 05/16@悲願と不安に揺れる住民 聖地近郊からのイ軍撤退で(共同通信)

 難航するパレスチナ紛争の最終決着を図る恒久的地位交渉に弾みをつけようと、イスラエルは十五日、ヨルダン川西岸のうち、パレスチナ自治政府が将来の独立国家の首都と位置付ける東エルサレム近郊からの軍撤退を打ち出した。
 対象地区のパレスチナ人住民は悲願の独立へ道を開くと歓迎しながらも、イスラエルとの関係が薄まる将来の生活に不安を隠せないでいる。
 聖地エルサレムから東へ車で十五分足らずのパレスチナ人の村アブディス。整備されたエルサレムとは対照的に道はでこぼこで、ほこりだらけの町並みが続く。現在は治安権をイスラエル、行政権を自治政府が握る人口約一万人の「半自治区」で、撤退後は完全自治区に昇格する。
 アブディスは、一九六七年の第三次中東戦争まで西岸を管轄下に置いたヨルダンの地図ではエルサレム市域に属するが、戦争で占領したイスラエルの地図ではエルサレム外となった微妙な地域だ。
 「イスラエルが出ていくのは当然。国境警察隊の不愉快な尋問もなくなる」  ゲーム場経営のムスタファ・アリカットさん(40)がこう話す通り、独立国家の樹立に夢をはせる住民らは撤退を歓迎している。ただ、自治政府が求めるのはあくまで東エルサレムからの撤退。「イスラエルはアブディスでごまかして、エルサレムは返さないつもりだ」との警戒感も強い。
 一方で、汚職がはびこり、雇用不安が続く脆弱(ぜいじゃく)な自治政府の経済に組み込まれることに不安を募らせる声もある。
 ある若者(24)は「イスラエルに出稼ぎしても一日九十シェケル(約二千四百円)しか稼げないけど、ここよりまし。イスラエルから出稼ぎの禁止や制限をされる危険のある撤退はしなくていい」とまで言い切る。アブディスには若者が働く場所は少ないからだ。
 中には、イスラエル領の東エルサレムで住民登録をしているため、イスラエルのIDカードを持ち、同国との間を自由に行き来できる住民がいるが、撤退後はカードは無効になる。「健康保険も利用できなくなる」と、買い物客の女性は不安そうに話した。
 撤退をビジネスチャンスとみる人もいる。コーヒー工場を経営するアブデルカデル・ザハイマンさん(35)は「パレスチナの領土が広がれば広がるほど、商売には好都合。エルサレムも返してもらって、さらに飛躍したい」と期待する。
 撤退する側のイスラエル政局も揺れている。連立政権を組むシャスや国家宗教党が猛反発、「撤退すれば連立から降りる」との強硬姿勢を崩していない。連立崩壊などの混乱が和平日程の大幅な遅れを招くことは必至。国会は十五日、政府の撤退案を承認したが、バラク首相は今後も厳しい政局運営を強いられそうだ。(イスラエル中部アブディス共同=細川洋嗣) [2000-05-16-16:16] 68
[このページの最初に戻る]


 05/16@<国連安保理>エチオピアとエリトリアの戦闘で米が制裁案提(毎日新聞)

 【ニューヨーク15日上村幸治】エチオピアとエリトリアが戦闘を続けている問題で、国連安全保障理事会は15日、非公式協議を開いて両国への対応を協議した。米国が両国への制裁を求める決議案を提出したのに対し、ロシアは「外交的努力を通じて和平を達成すべきだ」とする決議案を提出、制裁発動を拒否した。16日に再び安保理を開いて協議を続ける。
 米国による制裁要求の動きはエチオピアにも伝わっており、首都のアディスアベバで同日、10万人規模の反米デモが発生、現地は騒然とした空気に包まれている。
 米国の制裁決議案は、両国に対して「あらゆる種類の武器や関連物資の売却・供給を停止する」という武器禁輸措置と、エチオピアの高官の渡航禁止措置が柱になっている。
 これに対してロシアの決議案は、両国に「軍事行動の即時停止」を求めるともに、アフリカ統一機構(OAU)の調停によって解決を図るべきだと強調している。一方、中国は同日現在、「制裁を発動するかどうかは、慎重に判断すべきだ」と説明し、米国案に否定的な態度を示している。
 エリトリアは93年にエチオピアから独立した。98年に国境付近の帰属をめぐって両国軍が衝突、OAUなどが和平案を示して調停を図っていた。今月には国連安保理も調停に乗り出したが失敗に終わり、両国は同12日に「激しい戦闘」を再開したと発表していた。[2000-05-16-09:35] 72
[このページの最初に戻る]


 05/16@装備不十分だったと弁明 拘束事件で国連PKO局長(共同通信)

 【ニューヨーク15日共同】国連のミエ平和維持活動(PKO)局長は十五日、シエラレオネで国連要員が反政府勢力の革命統一戦線(RUF)に大量拘束されてから初めて記者会見し、派遣先の多くはRUFが長く支配してきた地域であることに加え、要員の装備が不十分だったことが原因だと弁明した。
 局長は拘束されたインド、ケニア兵が弱すぎたのではとの指摘が出ていることについて「(中部の)マケニなどは十年以上にわたるRUF支配地域で、これまで政府軍さえ一度も入ったことはなかった」と説明。
 さらに、昨年七月の和平協定調印後はナイジェリア軍主体の西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)が治安維持を担当するなどの事情から、十分な装備を整えて展開するとの計画が未達成のままとなり、マケニなどの拘束事件を招いたとの見方を示した。[2000-05-16-08:22] 89
[このページの最初に戻る]


 05/16@◇エルサレム隣接の3つのパレスチナ人村、完全自治区に◇(朝日新聞)

 イスラエルのバラク首相は、エルサレムに隣接する3つのパレスチナ人村を完全な自治区に移行させることを決断し、15日の緊急閣議で決定した。パレスチナ自治政府側の強い要求にこたえたもので、滞りがちな交渉へのはずみとなりうる。一方で国内には反対が強く、連立与党の一部が離脱を決めるなど、バラク政権の存続を脅かしかねない内政問題の焦点となりそうだ。
 バラク首相が移行を決めたのは、エルサレム東郊外のアザリア、アブディス、サワルハの3村で、現在は行政権のみパレスチナ自治政府が握る半自治区。これを、治安も自治政府が管理する完全自治区にするというもの。
 3村は、エルサレム市域の外にあるものの、イスラエル側が「不可分の首都」と宣言し、パレスチナ側は東部分を将来の首都と主張して対立する「エルサレム問題」にかかわってくる。最大野党リクードなど右派が、この3村を、市域に含むエルサレム拡大法案を準備していた。与党でも、占領地のユダヤ人入植者を支持基盤とし、移行に反対していた国家宗教党(5議席)は、連立離脱を決めた。
 与党内で最大会派「一つのイスラエル」の26議席に次ぐ17議席を持つ宗教政党シャスも、4人の閣僚は反対票を投じた。同党独自の教育機関の運営に必要な資金の確保のために、政府の資金供与がなければ和平問題で政府方針を支持しない、と脅しをかける。
 国会(定数120)の与党勢力は、国家宗教党が抜けたため63議席。シャスと右派色の濃い旧ソ連移民党イスラエル・バアリヤー(4議席)も抜けると、少数派内閣を組織するしかない。和平問題では、計10議席を持つアラブ系政党の閣外協力を得て、かろうじて過半数を確保する危ない状況に陥る。
 こうした内政事情から、自治区への移行決定が度々延期されてきたことに、パレスチナ側は「時間稼ぎはもうたくさんだ」(アラファト自治政府議長)と反発していた。パレスチナ紛争の決着を目指す最終地位交渉は、今月を目標にしている枠組み合意の達成は困難な情勢だが、今回の決断が進展につながるか、イスラエルの政局の行方とともに注目される。[2000-05-16-00:11]
[このページの最初に戻る]


 05/17@◇ミサイル防衛―夢想は疑心暗鬼を呼ぶ◇(朝日新聞)

 敵のあらゆる攻撃をはね返す盾があれば、確かに安心だろう。そんな夢想は古代の中国にもあった。楚の国で、どんな矛でも防ぐ盾を売っていた男の話だ。
 現代の米国が、これとよく似た夢の防衛システムを開発するのだという。米本土ミサイル防衛(NMD)と呼ばれている。
 ここで想定する敵は、朝鮮民主主義人民共和国、イラク、イランなどとされる。これらの「ならず者国家」が米本土にミサイル攻撃を仕掛けてきても、アラスカなどに配備する迎撃ミサイルが撃ち落とすという構想だ。
 クリントン大統領がこの夏にも導入の是非を決定する。ゴーとなれば、二〇〇五年の実戦配備をめざすという。
 しかし、この構想は、いわば米国のひとりよがりではないか。
 ロシアと中国が、新たな軍拡競争を招くと反対しているだけではない。北大西洋条約機構(NATO)に加盟している欧州の同盟諸国も懐疑的である。
 いつ、どこから飛んでくるかもわからないミサイルを百発百中で撃ち落とすことなど、そもそも可能だろうか。あまりにも素朴な技術信仰が根底にありはしないか。
 ハイテクにも思わぬ落とし穴があり、しばしば重大な結果をもたらす。原発事故などで経験させられてきたことだ。
 昨年、NATOによるユーゴスラビア空爆では中国大使館が誤爆された。人的なミスをチェックする機能が働かなかった。
 技術には別の問題もある。いったんは望んだシステムが実現したとして、いつまで「安心感」に浸っていられるだろうか。
 コンピューターの世界が暗示的だ。ハッカーの侵入に防備を固めても、また突破される。「矛盾」の物語のように、夢の盾を破る矛に開発の目がゆくだろう。
 米議会予算局の見積もりでは、二〇一五年までに計二百五十発の迎撃ミサイルを備える経費は五百九十四億ドルにも達する。
 巨額の予算が新たな軍事技術の開発につぎ込まれる。全米を守る「魔法の盾」が可能とは思わないが、兵器のハイテク化は一段と進むだろう。同盟関係にある欧州の諸国まで反対する理由はそこにある。
 米国だけが「より安全」になるのでは、NATOを構成する米欧はもはや運命共同体とはいえない。欧州が危機に直面したとき、米国は本当にリスクを冒して救援にくるだろうかという疑念が頭をもたげてくる。
 ロシアや中国もハイテク化の競争に負けまいとするだろう。冷戦の終了で断ち切ったはずの軍拡が、また始まることになる。
 欧州諸国が抱くこれらの懸念はもっともだと思う。米国は夢想を追って、現実の世界に疑心暗鬼の種をまいてはならない。
 「ならず者国家」という言い方にも問題がある。侵略やテロをも辞さない危険な指導者が率いる国でも、こう決めつけたのでは、国民まで敵視することになる。
 警戒しつつも、外交的な手段を尽くして、こうした国々を国際社会に迎え入れる。その努力こそ安全保障の王道であろう。[2000-05-17-00:19] 8
[このページの最初に戻る]


 05/17@◎ユーゴ野党系放送局を強制接収=セルビア当局、反政府運動(時事通信)

 【ウィーン17日時事】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国は17日、ミロシェビッチ・ユーゴ政権転覆を呼び掛けたとして、首都ベオグラードの野党系テレビ局スタジオBを強制接収し、放送を中止させた。
 スタジオBは、ドラシュコビッチ党首率いる最大野党・セルビア再生運動系の放送局。同じ建物に入居している反政府ラジオ放送B2・92も同時に放送中止を余儀なくされ、ベオグラードの反政府系電波メディアは全面的に沈黙させられた。[時事通信社][2000-05-17-22:26] 9
[このページの最初に戻る]


 05/17@<ユーゴ>セルビア共和国政府、野党支配のテレビ局を接収(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国政府は17日、最大野党・セルビア再生同盟が実質支配するベオグラードのテレビ局「スタジオB」を「政権転覆を呼びかけた」との理由で接収したと発表した。野党支持の市民にとって最大の情報源になってきた同局は「これは事実上、治安維持法の導入だ」と強く反発している。【ウィーン支局】[2000-05-17-22:12] 10 [このページの最初に戻る]


 05/17@ミロシェビッチ政権が野党系メディアを接収(読売新聞)

 【ウィーン17日=佐々木良寿】ユーゴスラビア・セルビアの治安当局は十七日未明、ベオグラードにある最大野党「セルビア再生運動」(ブク・ドラシュコビッチ党首)系のテレビ局「スタジオB」を「政権転覆を呼びかけた」として接収した。現地報道によれば、「スタジオB」の接収は、同日午前二時ごろ。警官隊が突入、職員を排除した。同時に同じ建物内の「B2―92」と「インデックス」の二ラジオ局と国内最大の日刊紙「ブリッツ」も封鎖された。同テレビ局を通じて流された政府声明は、「政府はスタジオBの全施設接収を決定した。同局は度々政府転覆を呼びかけた」としている。
 同テレビ局は、セルビア再生運動が議会多数派を占めるベオグラード市が運営してきたが、同党と野党連合「変革のための同盟」など野党勢力の共闘が今年はじめに成立してからは、反政府勢力の情報発信拠点ともなってきた。
 セルビアでは、四月中旬に野党勢力がベオグラードで十万人規模の反政府集会を開催。小規模とはいえ、今月十五日にも集会が開かれるなど、反政府勢力は活動を活発化させる構えを示し、政権側は、十四日にボイボディナ自治州のノビサドで発生した政権与党「社会党」の州知事暗殺事件を、「セルビア再生運動」と反政府勢力「抵抗運動」の仕業と非難。十六日には、ブリッツ紙が国営印刷所のボイコットで発行不能となるなど、野党への締め付けを強めていた。[2000-05-17-19:26] 11
[このページの最初に戻る]


 05/17@<参院憲法調査会>国立民族学博物館館長らから意見きく(毎日新聞)

 参院憲法調査会(村上正邦会長)は17日、8回目の会合を開き、石毛直道・国立民族学博物館館長と暉峻淑子・埼玉大名誉教授に文化的、歴史的観点から意見を聞いた。両氏の発言要旨は次の通り。
 石毛氏 日本は世界でも例外的に単一民族に近い民族構成を持っているが、最近は外国人の流入が続き、21世紀半ばには普通の(多民族)国家になる。しかし、異民族、異文化を受容するための公教育や行政の対応は遅れ、日本人は差別主義者として非難される恐れがある。物質的豊かさを追求する時代は終わり、今後は国家間、民族間の摩擦を解消するため文化を重んじる国家が尊敬される。
 暉峻氏 非政府組織(NGO)で8年間、ユーゴ難民の支援活動を続けてきた経験から、憲法の前文や9条は非常に立派なものだと思っている。血を流す(軍事的)国際貢献でなくても、人道援助で十分に貢献が可能だ。偏差値教育で育った若者が活動を通じてすばらしい自主性と人間性を示し、自分の存在価値に気づく例を見てきた。この素晴らしさは憲法が私たちに教えてくれたものだ。[2000-05-17-18:44] 12
[このページの最初に戻る]


 05/17@最大の非政府系TVを接収 テロ扇動とセルビア政府(共同通信)

 【ウィーン17日共同】ユーゴスラビア・セルビア政府は十七日、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領の政権に批判的な同国最大の非政府系のテレビ・ラジオ局「スタジオB」を接収するとともに、放送を禁止し、経営陣を追放して政府寄りの番組の放送を開始した。
 同日朝のニュースで放送された政府声明は、同局が「合法的に選ばれた政府を暴力で破壊するよう扇動し、テロ行為を呼び掛けた」として政府の管理下に置いたことを明らかにした。
 同局はベオグラードを本拠に放送、セルビアの約半分の地域で視聴できる人気放送局で、野党や一般国民が反発するのは必至だ。
 活動を禁止された同局のコヤディノビッチ編集長は共同通信に対し、同日午前二時ごろ、数百人の平服の警察官が局内に突入し、同局が入る二十三階建てのビルのうち六つの階を占拠したことを明らかにした。
 セルビア政府は非政府系メディアへの弾圧を強めており、ことしに入ってから十社以上の新聞社や放送局を閉鎖ないし政府管理の下に置いている。
 ユーゴ通信省は三月、同局に対し百七十万マルク(約九千万円)相当の周波数使用料を政府に納めなければ業務停止措置を取ると通告していた。[2000-05-17-18:32] 101
[このページの最初に戻る]


 05/17@<英軍>次期戦闘機搭載の空対空ミサイルに欧州製のメテオを(毎日新聞)

 【ロンドン16日笠原敏彦】英国のフーン国防相は16日、空軍の次期主力戦闘機「ユーロファイター」に搭載する空対空ミサイルに欧州製の「メテオ」を採用すると発表した。同ミサイルの選定では、欧州製か米国製かをめぐって米欧の首脳を巻き込んだ激しい受注競争が繰り広げられた。欧州製の選定により、英国は欧州独自の防衛能力強化に積極的に関与する意思を示したといえる。
 ユーロファイターは英国など4カ国が共同開発した戦闘機で、2002年から配備が始まる。英国がメテオを選定したことで欧州各国もメテオを導入するとみられ、米国のミサイル輸出ビジネスは打撃を受けそうだ。
 総額10億ポンド(約1700億円)に上るミサイル選定をめぐり、米国と欧州諸国の双方がロビー活動を展開。クリントン米大統領が直接ブレア首相に米国製の導入を求めたのに対し、欧州側はシラク仏大統領のほかイタリア、ドイツの首脳クラスがブレア首相に欧州製を売り込んできた。
 今回の決定について米国防省のベーコン報道官は「英国は防衛分野における米国との関係改善の機会を逸した」と語った。[2000-05-17-22:11] 105
[このページの最初に戻る]


 05/17@<安全保障を問う>唐世平 中国社会科学院研究員インタビュ(毎日新聞)

 ――昨年のコソボ紛争以来、中国では米国に対する警戒感が高まっています。
 ◆中国はこれまで自らを取り巻く国際環境が緩和されたと考えてきた。江沢民国家主席は1995年に「安全保障環境は建国以来、最も良好だ」と語っている。しかし、コソボ紛争と中国大使館への爆撃、さらに李登輝(台湾総統)の「2国論」で、こうした環境が大きく変化した。指導者や研究者の思考にも影響を与えている。
 ――米国の戦略が変わったと考えているのですか。
 ◆冷戦後、「一超多強」(唯一の超大国である米国と中露などいくつかの強国)という国際情勢の下で、米国は政治、経済、軍事などあらゆる分野での戦略的優位を守ろうと研究を進めてきた。他国には米国とバランスを取れるような力を持てないとの評価に至った。湾岸戦争は近距離戦を過去のものにしたが、コソボ紛争はさらに意味が重い。それは一方が他方に対する対抗能力を持てなくなったことだ。遠隔操縦式の戦争は生命の代償を伴わない。責任を取らずに戦争が起こせる。
 ――米本土ミサイル防衛(NMD)への批判が出ています。
 ◆冷戦時代、米ソは世界を滅ぼすだけの核兵器を持っていたが、相対的に平和が保たれた。NMDは歴史的に有効性が証明され、多くの国が信じてきた核抑止論という安全保障思想の基礎を揺るがす。安全保障にはジレンマがある。相手が安全と考えることが自らの安全につながる。自分に絶対に危害が及ばないとすれば、いつでも他人を攻撃できる。中露などは相手を有効的に阻止する手段がなければ、新兵器開発や核ミサイルの多弾頭化などを進めるだろう。そうなれば新たな軍拡競争を引き起こす。NMDも必ず拡散する。
 ――米国は北朝鮮のミサイルの脅威などを理由にしています。
 ◆北朝鮮やイラク、イランなどが核兵器を理性的に取り扱うことができないと考えるのはある種の人種偏見だ。実際には北朝鮮の指導者も理知的で、判断力があり、国家を滅亡の危機にさらしてまで行動を起こそうと考えるはずがない。
 ――日米には中国の軍事力増強への懸念が根強くありますが。
 ◆中国には米国と軍拡競争をする国力はないし、北米や太平洋に進出する利益もない。米国に中国への攻撃の代償を考えさせるだけの反撃能力があればいい。私は空母などの攻撃的兵器は必要ないと考えている。日本との間では歴史的な相互不信、さい疑心が安全保障上のジレンマになっている。双方とも偏見が軍拡を招くことに気付くべきだ。
 ――中国の戦略は変わっていくのでしょうか。
 ◆大きな戦略は変わらない。経済発展のために平和的な国際環境を優先しており、ロシアやベトナムなどとも領土問題の解決を進めている。ただ、台湾問題で切迫感を持っている。台湾問題の解決が難しくなれば、軍事行動の可能性が高まる。しかし、これは他国に対するものではなく、中国内部の問題だ。
 ――中国は台湾への戦域ミサイル防衛(TMD)配備に強く反対しています。
 ◆TMDが台湾に配備されれば、台湾だけでは運用できず、米台の軍事同盟と実質的に差がない。中国は米国による主権侵害と受け取る。さらに台湾に対する抑止手段がなくなることがはっきりすれば、その前に動いた方がいいと考えるだろう。これは予防的攻撃を生み、戦争を早める恐れがある。米国、台湾はこのことを考えるべきだ。【北京・坂東賢治】
 唐世平氏
 中国湖南省生まれ。米カリフォルニア大などで国際関係論を研究。99年7月から、現職。安全保障問題で西側の方法論を用いた論文を発表している新世代の研究者。[2000-05-17-20:38] 106
[このページの最初に戻る]


 05/17@<アチェ停戦合意>インドネシア 平和訴えた大統領の密使(毎日新聞)

 1970年代から続くインドネシア・アチェ特別州の武力衝突で、政府と独立派武装組織「自由アチェ運動」(GAM)は先週、停戦合意の覚書に調印した。停戦は和平交渉の入り口に過ぎず、独立をめぐる根本的な対立の構図に変わりはないが、犠牲者5000人以上と言われる流血の連鎖にとりあえず終止符を打つ意味は大きい。政府、GAMは、それぞれの思惑を抱えながらどう歩み寄ったのか、舞台裏を検証する。【ジャカルタ・中坪 央暁】
 3月16日の夕刻、アチェ特別州の州都バンダアチェ南東100キロの山村。迷彩服の軍人と白いイスラム装束の男とが、コーヒーを片手に対座していた。周辺のジャングルには、数百人のゲリラ部隊が身を潜めていた。
 2人はGAM軍事部門のアブドゥラ・シャフェイ司令官と、ワヒド大統領の密使、ブンダン・グナワン氏。この日はイスラムの聖日「巡礼の日」で、訪ねて来た者は、たとえ敵でも受け入れなくてはならない。大統領は、側近のブンダン氏を贈り物の牛2頭とともに送り込み、イスラム教徒同士の連帯感を訴えたのだった。
 1時間足らずの会談は事実上、政府とGAMの最初の接触だった。「まず互いに戦闘を停止しよう。政治的な話し合いは、その後だ」
 政府側の提案は、同司令官を通して、スウェーデンに本拠を置くGAM本部に伝えられた。強硬派の最高指導者、ハッサン・ティロ氏周辺は当初、予告なしに行われた会談に不快感を示したと言われるが、提案を拒まなかった。1月に設定された秘密交渉が流れた後、こう着状態を打破するきっかけを、GAM側も待っていたからだ。
 約1週間後の3月24日、ジュネーブで両者の接触が持たれた。GAM側代表の「亡命政府」閣僚、ザイニ・アブドゥラ氏は、政府側に本格的な交渉の準備があることを伝えた。続く4月14―17日の交渉では、食糧・医療品供給など人道活動の実施で合意した。
 一連の交渉では、ワヒド大統領による巧妙な事前工作があった。アチェ出身で元GAMメンバーと言われるハスバラ・サアド人権問題担当相を通じて、中立な立場の4人のアチェ人を仲介役に起用して、GAM側の警戒心を解いた。仲介役の中心人物は、オットー・サムスディン氏という若い大学講師で、昨年来、同相に「何よりまず停戦を提案するよう」進言し、「巡礼の日」の会談もアレンジしたと言われる。
 仲介役の一人で、4月のジュネーブでの交渉にも同席した非政府組織(NGO)活動家のイリアス氏は、毎日新聞の取材に「アチェ人にとって平和な暮らしこそ第一だ。一連の交渉では、政治的な要求や条件は出なかった」と明かし、アチェ側も早期の停戦を望んでいたことを裏付ける。
 その一方で、停戦をめぐっては、思惑の違いも改めて浮き彫りになった。GAMは声明で「停戦合意と独立追及は別の問題だ。アチェ独立が最終目標であることに変わりはない」と強調。これに対し、ワヒド大統領は(1)イスラム法導入を含む広範な自治権(2)天然資源の利益の分配(3)独立に触れない範囲で自治のあり方を問う住民投票――などを認めて、独立を封じる構えだ。停戦実現を優先させるため、今回は一切論じられなかったが、最も本質的な独立問題で、双方の立場は大きく隔たっている。
 またワヒド大統領は会見で「政府はGAMの存在を認め合たわけではない」と改めて強調し、対等な立場での「停戦合意」ではなく「人道的な戦闘停止」に過ぎないと念を押した。「国内的な圧力」を理由にシハブ外相の調印立ち会いも急きょ中止された。
 圧力とは、国軍や国民協議会の一部にある慎重論だ。「なぜ国内ではなく海外で調印を行ったのか。GAMが国際的に認知されてしまう」という批判は強い。ワヒド大統領は、歴訪を通じて主要国に「インドネシアの領土保全」への支持を確認した自信があり、「単に駆け引き上の理由」でジュネーブを選んだ。しかしインドネシアは昨年、東ティモール独立をめぐって「当事者能力なし」のらく印を押され、多国籍軍に治安維持権限を譲った屈辱的な経験から、国際社会の干渉に神経質になっている。
 逆にGAM側は政府の弱点を突いて、意図的に国際社会を巻き込もうとしている。調印後の声明で「合意は欧米各国にインドネシアによる暴力の停止を訴えてきた、ハッサン・ティロ氏のロビー活動の成果だ。国際社会は、問題解決に重要な役割を担うべきだ」と主張。GAM軍事部門スポークスマン、イスマイル・シャプトラ氏も「これからは武装闘争ではなく、外交が重要になる」と、独立運動の新戦略を説明する。
 停戦をめぐっては、当事者である国軍のウィドド司令官が合意支持を表明し、GAM側もマレーシアにいる非主流派を除いて、ほぼまとまっている模様だ。しかし停戦の最初の3カ月間に不測の事態が起きれば、和平交渉全体が崩壊する恐れも残っている。
 地元紙スランビ・インドネシア編集者のイルウィンシャ・サプリ氏は電話取材に「我々は成り行きを楽観視しているが、万一どちらかが停戦を破ることがあれば、それ以上の話し合いは望めない。停戦がうまくいくように期待している」と語った。
 ◆アチェ独立問題◆
 スマトラ島北部のアチェは、インドネシアで最も早く13世紀にイスラム化し、16世紀には独自の王朝が建国され繁栄した。オランダ植民地支配に抵抗して「アチェ戦争」(1873〜1912年)を戦う。インドネシア独立後、併合に反発して反乱を起こし、1959年に特別州の地位を得た。
 しかしイスラム国家建設を目指す独立運動が続き、ハッサン・ティロ氏の「自由アチェ運動」が76年12月に独立を宣言して、武装闘争に突入。スハルト政権時代には国軍による過酷な弾圧を受けた。ハビビ前大統領は過去の人権侵害を謝罪し和解を図ったが、その後も衝突は続いている。
 独立運動の背景には、石油・天然ガスなど地下資源の利益を中央が一方的に吸い上げてきたことへの長年の反発もある。[2000-05-17-20:38] 108
[このページの最初に戻る]


 05/17@法王、「ファティマの予言」を公表(読売新聞)

 【ローマ17日=西田和也】ローマ法王庁はこのほど、六十年近く封印してきた「ファティマの聖母の予言」をめぐる最後の秘密について、一九八一年に起きた法王ヨハネ・パウロ二世(79)の暗殺未遂事件を暗示する内容だったことを初めて明らかにした。
 「世界の終末の黙示」などと様々な憶測を呼び、ミステリー作品の題材にもなった秘密の公表は、欧米キリスト教社会で大きな反響を呼んでいる。
 この秘密は、一九一七年にポルトガル中部ファティマで、牧童らの前に姿を現した聖母マリアが幻影で示したとされる三つの予言の一つ。うち二つの内容は<1>続行中の第一次大戦の戦禍に類似した「地獄」の明示<2>共産主義の台頭と第二次大戦の勃発―などと伝えられてきたが、残る第三の予言については、一切、伏せられてきた。
 ファティマで十三日行われた法王による列福式典で法王庁のソダノ国務長官は、この秘密が「白装束の司教が十字架に向かう歩みの途中で銃弾に倒れ、死んだように見えた」幻影だったと発表。バチカンのサンピエトロ広場でトルコ人男性に銃撃され、法王が瀕死の重傷を負った事件の暗示だった、との解釈を示した。
 第三の予言は、聖母出現に立ち会った牧童の一人で今も存命の修道女によって文書化され、封筒に納められた状態で四三年にバチカンに渡った。以後、現法王を含む五人の歴代法王が秘匿してきたため、開示を拒む理由や内容をめぐる論争が絶えなかった。
 法王は、「聖母のメッセージを正しく伝える」として公表に踏み切ったが、全容に関しては「適切な解釈」を用意してから開示するという。
 公表を受け、法王庁のおひざ元のイタリアなどでは聖母の予言に改めて関心が集まっている。「(今回の公表まで)暗殺未遂事件後二十年近く要したのはなぜか」「未公表部分にはキリスト教会に都合の悪い内容が含まれているのでは」などと新たな疑問や憶測も生まれている。
 一方、法王狙撃実行犯でイタリア国内で服役中のトルコ人男性(終身刑)は公表後、「私に銃を握らせたのは悪魔の仕業だ」と語っているという。[2000-05-17-20:31] 127
[このページの最初に戻る]


 05/17@◇NPT再検討会議、大詰めの徹夜折衝に◇(朝日新聞)

 ニューヨークの国連本部で開かれている核不拡散条約(NPT)再検討会議は16日、専門部会のピアソン議長(ニュージーランド)のまとめた、たたき台をもとに大詰めの徹夜折衝に入った。日本などが求めていた兵器用核分裂性物質の生産禁止(カットオフ)条約は、中国が、米国のミサイル防衛構想のけん制と絡めているため、大幅な後退を余儀なくされている。ロシアは、核兵器の一方的削減には「戦略的安定」を考慮するよう要求しているが、非核国の強い反発で、最新の議長案からは削られた。
 日豪や欧州の一部非核国が力を入れてきたのは、「カットオフ条約交渉の即時開始」「2005年までの交渉終了」「条約発効までの生産停止(モラトリアム)」。だが、中国はことごとく反発している。飛んでくるミサイルを早期警戒衛星などでつかみ、大気圏外で迎え撃つ米本土ミサイル防衛(NMD)構想に危機感を募らせ、「核兵器のもとになる物質の生産を禁じるなら、宇宙の軍拡も禁止するべきだ」として、2つを絡めているためだ。
 米国は、国内世論の対立が深まる一方のNMD構想が、国際会議でもこれ以上の焦点となるのは避けたい考えで、中国を刺激するカットオフ条約の扱いには及び腰だ。核保有5カ国で「モラトリアム」に賛意を示したのはフランスぐらいで、「モラトリアム」が日の目を見る見通しはなくなりつつある。日本の提案で、議長案に盛り込まれた「5年以内の交渉終結」という表現も、交渉の即時開始の明確な合意がなければ、今から5年以内なのか、交渉開始から5年以内なのかをあいまいにした、妥協の産物となる恐れが強い。
 メキシコなど7カ国でつくる「新アジェンダ連合」は、「核廃絶の明確な約束」を強く求めている。議長案はその主張をもとに、「核保有国が全面的な核廃絶を明確に約束し、2005年までに交渉を加速し、核保有国がNPTで約束した核軍縮につながる措置をとる」となっている。だが、中国を除く核保有国は「核廃絶は究極の目標」という位置づけを変えるつもりはなく、非核国と核保有国の対立は深刻だ。
 15日までの議長案では、「核保有国によるいっそうの一方的核兵器削減」「戦術核兵器の一方的削減」「核兵器の役割を減らし、核兵器の使われる危険を最小限にする」のくだりには「戦略的安定」の維持や強化を踏まえる、との趣旨がついていた。核抑止力が損なわれるような一方的軍縮を警戒する核保有国が、条件として出したものだ。
 しかし、「新アジェンダ連合」などが「NPT体制の趣旨にそぐわない概念だ」と強く反発し、徹夜折衝に出された新たな修正案では、このくだりが削除されたり、「国際的な信頼と安全保障」などの表現に置き換えられたりした。
 交渉は19日の最終日に向けて最後の攻防に入ったが、「核保有国同士」「核保有国と非核国」の二重の対立がどこまで解消されるか、予断を許さない。[2000-05-17-17:33] 136
[このページの最初に戻る]


 05/17@<特報・NPT>欧州、情報の透明性要求 各国の主張判明(毎日新聞)

 【ニューヨーク16日福原直樹】核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成否のカギを握る核軍縮補助委員会(非公開)での各国の詳細な主張内容が16日、分かった。核軍備情報の透明性や戦術核について、欧州の非核保有国が新アジェンダ諸国(南アフリカ共和国など)に同調する形で核廃絶を求める一方、これら諸国と核保有国との対立は根深いままだ。だが同日までに各国の主張はほぼ出尽くした形で、会議は今後、上部組織である第一委員会(核軍縮一般)で最終的な妥協策を探っていく。
 会議筋によると、これまでピアソン議長(ニュージーランド)が提出した合意案のうち、核保有国に核兵器情報の一般的な公開(透明)性を求めた条項では、オランダが16日、核兵器庫や工場など具体的な項目について、詳細な情報公開を行うべきだ、という主張を強く打ち出した。
 さらに、核軍縮の一環として戦術核の削減を求めた条項については「戦術核はこれまで特に情報公開が少ない」という観点から、イタリアが「戦術核削減の状況を公開していくべきだ」とやはり「透明性」を条項に挿入するよう要求。これにベルギー、カナダなどが同調している。
 一方、合意案が2005年までの兵器用核物質生産禁止(カットオフ)を要求した点については、核廃絶の強力な推進を求める新アジェンダ連合に加え、オーストラリア、ノルウェー、日本、オランダなどが強く支持を表明した。しかし、これらの点については、中国がカットオフ条約の推進に否定的なのを始め、核保有国側は種々の点で反発している。
 このため再検討会議では、ピアソン議長が自ら合意案をまとめて各国の妥協を探るほか、第一委員会も日本など一部中心国を招いて討議を行い、何とか19日までの会期中に合意にこぎつけようという構えだ。[2000-05-17-15:03]
[このページの最初に戻る]


 05/18@<ユーゴスラビア>最大野党支配下のテレビ局接収に抗議集会(毎日新聞)

 ユーゴスラビアの首都ベオグラードで17日夜、最大野党・セルビア再生同盟の支配下にあるテレビ局・スタジオBをセルビア政府が接収したことに対する抗議集会が行われ、約3万人が参加した。一部で参加者と警官隊が衝突した。野党側は18日以降も抗議集会を続けるとしている。【ウィーン支局】[2000-05-18-23:59] 2 [このページの最初に戻る]


 05/18@◇ベオグラードで野党系テレビ局接収めぐり、3万人が抗議◇(朝日新聞)

 ベオグラード唯一の野党系テレビ局「スタジオB」が17日にユーゴスラビア連邦セルビア共和国政府に接収された問題で、最大野党セルビア再生運動(SPO)などの呼びかけで同夜、抗議集会がベオグラード中心部で開かれ、約3万人が参加した。独立系通信社フォネットによると、投石を始めた参加者の一部と警官隊が小競り合いを起こし、数人がけがをしたという。
 また集会に合わせ、ベオグラード近郊のラジオ・パンチェボなど非政府系メディアの放送が中断された。当局が送信妨害などをしたためと見られる。野党は18日にも同様の集会を開くとしている。[2000-05-18-19:11] 3
[このページの最初に戻る]


 05/18@◎米議会、コソボ撤退期限の設定模索=平和維持活動に重大な(時事通信)

 【ワシントン18日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍主体の平和維持部隊を撤退させるかどうかで米政府と議会が鋭く対立している。介入長期化に伴う負担増を嫌う議会が米軍撤退期限の設定を目指しており、期限を定めた法案が可決されれば、コソボの平和維持活動に重大な支障を来す恐れもある。
 米下院は17日、欧州の同盟国がコソボ復興などで一定の義務を果たしていることを大統領が証明できなければ、予算支出は米軍の撤退のためだけに認めると定めた法案を可決した。[時事通信社][2000-05-18-14:14] 4
[このページの最初に戻る]


 05/18@ユーゴ首都でテレビ局接収に3万人抗議デモ(読売新聞)

 【ウィーン17日=佐々木良寿】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで十七日、セルビア治安当局による野党系テレビ局接収に抗議するデモが行われ、市民三万人が参加した。一部で警察隊との小競り合いが発生し、数人が負傷した。
 現地からの報道では、サッカー観戦を終えデモに加わった市民らが警戒の警察隊に投石。これに対して、警察側は警棒などで応戦した。
 政権側は、同日未明、最大野党「セルビア再生運動」(ブク・ドラシュコビッチ党首)系のテレビ局「スタジオB」を接収、同じ建物内の独立系ラジオ二局と国内最大の日刊紙も封鎖された状態になっている。
 野党側は、市民に道路封鎖や街頭抗議、職場放棄などの行動に出るよう呼びかけており、情勢は緊迫の度を増している。[2000-05-18-12:46] 5
[このページの最初に戻る]


 05/18@<ユーゴ>政府の野党系テレビ局接収で抗議集会 ベオグラー(毎日新聞)

 【ウィーン18日福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで17日夜(日本時間18日未明)、最大野党・セルビア再生同盟の支配下にあるテレビ局・スタジオBをセルビア政府が接収したことに対する抗議集会が開かれ、約1万5000人が参加した。集会に加わろうとしていた数百人が警官隊と衝突、3人が負傷した。
 ベオグラードからの報道によると、抗議集会は17日午後7時から首都中心部で開かれ、スタジオBの記者らが接収反対声明などを次々に読み上げた。野党各党は「政府はこの国に治安維持法を導入しようとし、独裁へと導いている」として不服従運動、街頭行動、職場放棄などを呼びかけ、対決色を強めている。欧州連合(EU)や全欧安保協力機構(OSCE)も同日、セルビア政権を強く非難する声明を出した。
 スタジオBの接収や同じビル内のラジオ局・B2―92などの放送禁止で、首都で唯一残っていた反政府系のラジオ・パンチェボも同日午後7時過ぎ、抗議集会の中継を始めたところで放送が途絶えた。同局によると、政府が送信機の機能を止めたらしい。[2000-05-18-10:29] 6
[このページの最初に戻る]


 05/18@抗議集会で衝突3人負傷 ベオグラード(共同通信)

 【ウィーン17日共同】ユーゴスラビア最大の非政府系ラジオ・テレビ局「スタジオB」がセルビア政府に接収されたことに抗議して、同局と野党各党は十七日夜、ベオグラード中心部で反政府集会を開いた。集会に参加しようとしていた数百人が警官隊と衝突、三人が負傷する騒ぎがあった。
 地元報道によると、スタジオBの記者らは市役所前広場で「ニュース集会」を開催、集まった約一万五千人の市民に直接夜のニュースを読み上げた。
 一方、放送可能だった最後の非政府系メディアのパンチェボ・ラジオは同日夜、激しい妨害電波を受けて事実上、受信不能の状態になった。パンチェボはドナウ川を挟んでベオグラードの対岸にある都市。[2000-05-18-09:31] 7
[このページの最初に戻る]


 05/18@◎米、ユーゴ野党系放送局接収を非難=弾圧関与の裁判官らの(時事通信)

 【ワシントン17日時事】米国務省のバウチャー報道官は17日、ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権による野党系テレビ局の強制接収を「強く非難」し、独立系メディアの弾圧にかかわった同国の裁判官と検察官計6人を新たに、米国の査証(ビザ)発給を禁止する人物のリストに加えることを明らかにした。
 バウチャー報道官は、メディアへの弾圧はミロシェビッチ大統領の独裁体制を維持しようとする試みだと断定。独立系メディアやミロシェビッチ政権に抗議する市民への支援策を検討する方針を示した。ビザ発給禁止については、欧州連合(EU)にも同様の措置を取るよう求めるという。[時事通信社][2000-05-18-07:20] 5
[このページの最初に戻る]


 05/18@<国連安保理>エチオピアとエリトリアの戦闘再開で制裁決議(毎日新聞)

 エチオピアとエリトリアが戦闘を再開した問題で国連安全保障理事会は17日、両国への武器禁輸措置を求める制裁決議を全会一致で採択した。両国に対して「あらゆる種類の武器や関連物資の売却・供給を停止する」ことを加盟各国に求めている。【ニューヨーク支局】[2000-05-18-23:59] 14 [このページの最初に戻る]


 05/18@<少年兵禁止連合>「カトマンズ宣言」を採択して国際会議閉(毎日新聞)

 【バンコク18日小松健一】「国際アムネスティ」など約10の国際的非政府組織(NGO)が主催して15日からカトマンズで開かれていた「少年兵禁止連合」国際会議は18日、各国政府や地域・宗教紛争を続ける武装勢力に対して、18歳未満の少年に銃を持たせないことなどを求める「カトマンズ宣言」を採択して閉幕した。
 同会議がアジアで開催されたのは初めて。少年兵禁止連合によると、アジア地域の少年兵は約7万5000人おり、そのうち5万人がミャンマーに集中している。ミャンマーに少年兵問題の解決を迫るために、同連合は東南アジア諸国連合(ASEAN、10カ国)の政府担当者にも参加を呼びかけ、ASEAN議長国のタイと、カンボジア、フィリピン、インドネシアの計4カ国が出席した。
 同連合は「アジアでの少年兵の苦しみは、政府やNGO、メディアの関心を集めていない。少年兵をなくすための地域ネットワークの構築が必要だ」と指摘し、ASEANの取り組みに期待を寄せた。
 少年兵禁止をめぐっては、今年1月に国連人権委の作業部会が、正規軍、武装勢力とも18歳未満の少年を徴兵しないことを定める議定書を採択している。[2000-05-18-22:20] 20
[このページの最初に戻る]


 05/18@◇「神の国」発言にキリスト者ら抗議集会◇(朝日新聞)

 森喜朗首相の「神の国」発言に抗議する緊急集会が18日、衆院議員会館で開かれた。日本キリスト教協議会が呼びかけ、各教派の代表や、平和・天皇制問題に取り組んできた市民団体から約50人が集まった。同協議会は「(発言で)政治全体が日本民族の優位性を主張する国家主義、全体主義に向かっていると強い懸念を覚える」などとする声明を出した。
 集会には野党の国会議員が出席して、国会の状況や今後の見通しを報告。無所属の照屋寛徳参院議員は「森首相は昨日の参院本会議で発言を釈明したが撤回していない。誤解をする国民が悪いというような態度だ」と批判した。
 集会の参加団体は、「昭和の日」を作る祝日法改正案にも強く反対してきた。参加者からは「先日法案が参院を通ったときは、成立は時間の問題と考えていたが、森発言で衆院での審議に影響しそうだ。あわせて国民の反対の声を高めよう」という声が出ていた。[2000-05-18-21:53] 25
[このページの最初に戻る]


 05/18@◎エリトリア西部の戦略拠点が陥落=エチオピアが国境紛争で(時事通信)

 【カイロ18日時事】エチオピア政府は18日、同国軍が国境紛争中のエリトリアの領内に侵攻し、戦略的要衝の西部の町バレンツを同日未明、制圧したと発表した。エリトリア側もバレンツ陥落を認めており、戦況はエチオピア優勢となったもようだ。
 バレンツはエリトリアの首都アスマラの西方150キロ、国境のメレブ川から約70キロ北にあり、エリトリア軍の主要補給ルートだった。
 国境地帯からの報道によると、エチオピア側のスポークスマンは、過去3日間にわたる激しい攻防戦の末、エリトリア軍がバレンツを撤退したとし、西部戦線での勝利を宣言した。[時事通信社][2000-05-18-20:46] 39
[このページの最初に戻る]


 05/18@<シエラレオネ>反政府勢力RUFのサンコー議長が拘束され(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク17日藤原章生】国連平和維持軍要員の拘束など混乱が続いているシエラレオネで、逃亡中の反政府勢力・革命統一戦線(RUF)のサンコー議長が16日夜、首都フリータウンで市民らに捕まり、「保護」を名目に身柄は英国軍に引き渡された。国連にとり議長の拘束は人質解放に向けた取引材料になるが、RUFが攻勢を強める可能性もある。
 報道によると、議長は潜伏先で見つかった。議長は8日、自宅に抗議に来た市民に護衛が発砲し19人の死者を出す騒乱の中、失そうしていた。
 今月初めにRUFに拘束された国連要員約500人は隣国リベリアのテーラー大統領の仲介で17日までに230人が解放された。しかし交渉の経緯は明かされておらず、全員解放につながるかは不明だ。
 一方、シエラレオネに展開している英国の空てい部隊は17日、フリータウン近郊のルンギ国際空港周辺で、RUFとみられる武装集団と初めて交戦し、3人を射殺した。[2000-05-18-18:33] 43
[このページの最初に戻る]


 05/18@キューバに支援を要請 民族紛争のソロモン諸島(共同通信)

 【シドニー18日共同】民族紛争が続く南太平洋のソロモン諸島で、同国政府が紛争の軍事的解決を図るため、キューバ政府と接触し支援供与を要請していると、十八日付オーストラリア日刊紙エイジが報じた。
 要請に対しキューバ側は「多様な支援」を実施する意向を伝えたといわれ、南太平洋域内の“盟主”を自任するオーストラリア政府は、域内にキューバの影が及ぶ可能性に懸念を抱き始めている。
 ソロモン諸島の首都があり第二次大戦中の激戦地として知られるガダルカナル島では、一九九八年末以来、地元住民と北部のマライタ島からの移住民との民族対立が激化し、これまでに五十五人が死亡した。
 昨年七月にはランブカ前フィジー首相が調停のため現地入りし、治安回復合意を取り付けた。しかし政府側に治安維持能力がないため武装解除が進まず、島内の治安は悪化している。
 同紙によると、ウルファアル首相は近く外務省当局者らをキューバに派遣、実務協議を通じて具体的な支援内容を決めたいとしている。
 キューバは支援供与の見返りとして、事実上の外交関係樹立と鉱物資源の共同開発を求めているという。[2000-05-18-17:29] 47
[このページの最初に戻る]


 05/18@安保協力の拡大を協議 ロシア、ウズベク首脳会談(共同通信)

 【タシケント18日共同】プーチン・ロシア新大統領は十八日、就任後初の外遊先となるウズベキスタンを二日間の日程で訪問、同国のカリモフ大統領と会談する。
 イスラム武装勢力がウズベクを含む中央アジア一帯で活動を活発化する中、プーチン大統領はロシア抜きでの安全保障は困難と強調。二国間の安保、軍事面での協力拡大を図ることで同地域での影響力回復を目指す。両国の経済協力についても意見交換する。
 首都タシケントでは昨年二月、大統領暗殺を図ったとされる連続爆破テロが発生し、約百五十人が死傷。同年夏にはカリモフ政権打倒を掲げる武装勢力が、タジキスタンからキルギスに侵入、日本人技師四人を人質にウズベクへの通行を求める事件が起きるなど、中央アジア情勢は急速に不安定化している。
 ウズベクはソ連崩壊後、中央アジアの大国としてロシア離れを進めていたが、キルギス事件でロシアから軍事援助を受けたのを機に、再び接近している。
 ロシア首相としてチェチェン紛争を指揮していたプーチン氏は、昨年十二月ウズベクを訪問。カリモフ大統領と安保分野での協調の必要性で一致し、個人的な信頼関係を築いていた。[2000-05-18-16:14] 48
[このページの最初に戻る]


 05/18@国連要求の武装解除拒否 親イスラエル民兵幹部(共同通信)

 【エルサレム18日共同】レバノンの親イスラエル民兵組織、南レバノン軍(SLA)幹部のレイモンド・アブムラド大佐(情報担当)は十七日、共同通信の電話インタビューに応じ、イスラエル軍のレバノン撤退後に平和維持軍の配備を予定している国連がSLAに武装解除を求めている問題で「国連がSLAに命じる権限はない」と述べ、拒否する姿勢を示した。
 アブムラド大佐は「国連安全保障理事会決議に基づくイスラエル軍の撤退は全面的に受け入れ、尊重するが、平和維持軍の派遣はイスラエルとレバノンの問題で、SLAには影響を及ぼさない」と強調した。
 親イランのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに対しては「自分たちの権利を守るために今後も戦い続ける」と言明した。
 大佐は、SLAがレバノン政府軍に統合されることは否定したが「イスラエル軍撤退後の地域の沈静化に政府軍が努力するなら、協力する用意がある」と述べた。[2000-05-18-15:55] 71
[このページの最初に戻る]


 05/18@<NMD>ブラウン米元国防長官ら民主党元高官が反対表明(毎日新聞)

 【ワシントン17日布施広】ブラウン米元国防長官ら民主党政権の国防・情報分野の元高官3人が、米本土ミサイル防衛(NMD)の配備は時期尚早であり、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威には、日米が共同研究する戦域ミサイル防衛(TMD)で対処すべきだと主張していることが、17日明らかになった。
 カーター政権時に国防長官を務めたブラウン氏のほか、クリントン政権下のドイッチ元中央情報局(CIA)長官(元国防副長官)、ホワイト元国防副長官の3人で、米国の専門誌「外交政策」に論文を寄せ、同誌の発行元が雑誌発刊前に内容を公表した。
 それによると、ブラウン氏らは、NMDの技術について「年内に配備を決断できるほど熟成していない」とし、NMDを配備するか否かの決断を11月前に下す予定のクリントン大統領に対し、現時点での配備決定は得策でないと訴えた。
 また、米国を守るミサイル防衛網の必要性は認めつつ、米国に届く長距離ミサイルの脅威より、地域紛争における中距離ミサイルの脅威が「特に差し迫っている」として「NMDよりTMD(の開発)を優先すべきだ」と強調。北朝鮮やイランなどの沖合いに艦船を配備し、海上配備型のミサイル迎撃システムで対応することを提案した。
 NMDについては、キッシンジャー元国務長官も配備決定の延期を求め、米政府の北朝鮮政策見直しを行ったペリー前国防長官は近く見解を発表するという。NMDを配備した場合、2015年までに約600億ドルの予算が必要との試算もあり、米国内でも「拙速」の配備決定に反対する声が強まりつつある。[2000-05-18-11:01] 86
[このページの最初に戻る]


 05/18@EUの援助実施に遅れ 一元管理の機関を設置(共同通信)

 【ブリュッセル18日共同】世界の政府開発援助(ODA)の一○%以上を占める「援助大国」の欧州連合(EU)で、約束した援助の実施が大幅に遅れていることがこのほど分かり、欧州委員会は「これではEUの約束を信じてもらえなくなる」として、援助計画などを一元管理して円滑に実施するための機関の創設を決めた。
 欧州委員会のパッテン委員(対外関係担当)が十七日、明らかにした。新機関は二十二日の外相理事会で承認され、同委員自らが監督に当たる。
 パッテン委員によると、実施が最も遅れているのは北アフリカ諸国向け。このままのペースではすべての約束を履行するには約九年かかる計算になる。
 アジア諸国向けも同様に七年かかり、緊急を要する食料・人道援助でも二年近くが必要だ。実施されないまま積み残されている資金は総額約二百十億ユーロ(二兆一千億円)にも上る。
 EU加盟各国の個別援助とは別に、EU全体の対外援助は今年、九十六億ユーロで、十年前に比べ二・八倍に増えた。しかし、この間、担当職員は一・八倍増にとどまっており、これが援助実施を遅らせる原因となっている。[2000-05-18-08:44]
[このページの最初に戻る]


 05/19@<ユーゴ>首都で反政府抗議集会 警官隊と衝突、11人けが(毎日新聞)

 【ウィーン19日福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで18日夜(日本時間19日未明)、前夜に続き最大野党・セルビア再生同盟の支配下にあるテレビ局・スタジオBをセルビア政府が接収したことに対する抗議集会が行われ、参加者と警官隊の衝突で11人がけがを負った。
 抗議集会は同日午後7時から首都中心部の市庁舎前で行われ、スタジオBの記者らが接収がなければ放送予定だったニュースを読み上げた。約1万人の参加者は次第に警官隊と対立し、にらみ合いの後一部で激しく衝突した。催涙ガス発射で散会となったが、警官隊に警棒で殴られた参加者が市庁舎内に避難した。
 スタジオBはベオグラード市が運営する放送局で、同市では再生同盟が政権を握るため実質的に再生同盟の支配下にあり、野党支持の市民にとって最大の情報源となっていた。[2000-05-19-10:12] 16
[このページの最初に戻る]


 05/19@ユーゴで衝突、多数負傷 マスコミ弾圧の抗議集会で(共同通信)

 【ウィーン18日共同】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで十八日夜、政府によるマスコミ弾圧に抗議する二万人規模の集会が開かれ、その後デモ隊と警察隊が衝突、多数の負傷者が出た。
 独立系ベタ通信によると、デモ隊は市議会前広場での集会後、市内を行進しようとしたが、警察隊が阻止したため投石を始めた。これに対し警察側がデモ隊を催涙ガスで追い払い、参加者をこん棒で殴ったりした。またデモ隊の車が警察隊に突入し警察官数人が負傷した。目撃者によると、数人の記者が警察に拘束された。
 抗議は、非政府系テレビ局「スタジオB」が十七日に接収されたのが発端。十八日にはセルビアの他の数都市でも抗議集会が開かれた。野党各党はデモを毎日続けるとしている。[2000-05-19-09:47] 17
[このページの最初に戻る]


 05/19@遅れるコソボ住民登録 まだ1割、地方選に影響も(共同通信)

 【ウィーン18日共同】ユーゴスラビア・コソボ自治州で十月に予定される地方選挙のため住民登録を進めている欧州安保協力機構(OSCE)の当局者は十八日、登録開始から一カ月たつのに登録を終えたのは人口の約一割にしか達していないことを明らかにした。
 登録は先月十九日に始まり、七月十五日までにコソボ全土で完了させる予定だが、当局者は「この調子では作業がずれ込み選挙日程にも影響しかねない」と懸念している。具体的な登録者数は明らかにしなかった。
 百九十九カ所の登録事務所のうち約百七十カ所で受け付けをしているが、登録の意味が住民に十分に伝わっていない可能性があるという。
 また、アルバニア系住民の報復を恐れて州外に逃れた約二十万人のセルビア人らの帰還のめども立っていない。
 登録は、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴ空爆時に隣国などに逃れた約八十万人のアルバニア系住民の大半の帰還を受けて始めた。[2000-05-19-09:33] 18
[このページの最初に戻る]


 05/19@◇故ダイアナ妃をしのぶベンチでボスニア支援◇(朝日新聞)

 ボスニア・ヘルツェゴビナ復興支援のため、故ダイアナ元英皇太子妃をしのぶボスニア製ベンチが売り出される。売り上げの一部は対人地雷の除去に向けられる。英国のダイアナ記念基金が17日、明らかにした。
 ダイアナ妃は生前、地雷除去運動に力を入れ、ボスニアも訪問している。[2000-05-19-09:20] 19
[このページの最初に戻る]


 05/19@◎コソボ駐留軍、撤退期限設けず=米上院(時事通信)

 【ワシントン18日時事】米上院は18日、ユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留する米軍を原則として2001年7月1日までに撤退させるとの項目を盛り込んだ軍事支出法案について、この項目を削除する修正案を可決した。
 米議会では、コソボへの介入で負担が増加するのを懸念し、米軍の撤退期限を設定する動きが強まっていたが、クリントン政権は強く反対していた。[時事通信社][2000-05-19-07:39] 286
[このページの最初に戻る]


 05/19@21日に平和宣言一斉署名 日本ユネスコ協会(共同通信)

 平和運動などを推進する日本ユネスコ協会連盟(東京都渋谷区、山本卓真会長)は、生命を大切にし、暴力を許さない「わたしの平和宣言」に賛同する署名収集の街頭キャンペーンを二十一日、全国四十五カ所で一斉に行う。
 国連が二○○○年を「平和の文化国際年」と定めたことに合わせたキャンペーンで、日本全国で百万人、世界では国連教育科学文化機関(ユネスコ)が中心になって一億人の署名を集め、今年九月の国連総会に提出することを目標としている。
 平和宣言は(1)すべての人の生命を大切にする(2)どんな暴力も許さない(3)地球環境を守る―など六つの柱からなり、「戦争と暴力の文化」から「平和と非暴力の文化」への転換を目指している。
 署名集めは昨年の秋から開始。市民団体「ピースボート」など各地の非政府組織(NGO)の協力を得て、既に全国で約三十万人の署名を集めているという。[2000-05-19-17:27] 287
[このページの最初に戻る]


 05/19@韓国代表の一言が決め手に 北朝鮮のARF加盟(共同通信)

 【バンコク19日共同】「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を拍手で迎え入れようではないか」―。北朝鮮の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)加盟承認を決定的にさせたのは、韓国政府代表のこの一言だったことが十九日、分かった。
 ASEAN筋によると、同日午前バンコクで開かれたARF高級事務レベル協議では、北朝鮮が加盟申請書に記した「ARFの創設目的と原則を承認する」との文言に対し、オーストラリアが「もっと強い表現に改めさせるべきだ」と、加盟承認にあたって条件を付けるよう要求。欧州連合(EU)、カナダなどが同調した。
 議長国のタイは「原文は朝鮮語。英語への翻訳上の問題」と説明し、マレーシアは「さまつな問題にこだわる官僚主義だ」と反発。
 議論がまとまらなくなる恐れが出てきた時に、韓国の崔英鎮・外交通商省外交政策室長が「北朝鮮とは長年、困難な問題を抱えてきたが、われわれは加盟を歓迎したい」と、各国に同調を呼び掛けたため、オーストラリアが要求を撤回。全会一致で加盟が承認されることになった。[2000-05-19-17:12] 318
[このページの最初に戻る]


 05/19@元首相ら7全権代表を任命 ロシア大統領、地方に反発も(共同通信)

 【モスクワ19日共同】プーチン・ロシア大統領は十八日、州、共和国など地方構成体の監督機関として創設を決めた七つの「連邦管区」の大統領全権代表に、キリエンコ元首相やチェルケソフ連邦保安局第一副長官ら軍・治安機関などの有力者七人を任命した。
 大統領が連邦管区のトップに政界や軍・治安機関の有力者を起用したことで、中央政府の事実上の「総督」として地方統制を強めることが明確になった。
 しかし地方指導者の中にはプーチン大統領の一連の地方統制策に反発の声も上がっており、大統領が就任早々に乗り出した国家再建策には曲折も予想される。
 大統領は十七日に上院の改組や地方知事らの解任制度の確立など、地方指導者の影響力を弱める大幅な連邦制度の改革を提案したばかり。しかしチェチェンに隣接するイスラム系のイングーシなど民族共和国では大統領の強引な措置に批判が根強い。中央でもルシコフ・モスクワ市長が大統領の提案を厳しく批判した。
 大統領が任命した全権代表は、これまで地方指導者に事実上従属していた警察、裁判所などを自らの管轄下に置くなど強い権限を持つとみられている。[2000-05-19-10:48] 335
[このページの最初に戻る]


 05/19@<ニュースがわかる>核拡散防止条約 保有国のエゴ目立つ(毎日新聞)

 Q 核拡散防止条約(NPT)の再検討会議がニューヨークの国連本部で開かれていますが、NPTとは何なのですか。
 A NPTは1970年に発効しました。当時、核兵器保有国は米、ソ連(現ロシア)、英、仏、中の5カ国だけでしたが、いつ世界で核戦争が起きるかという恐れがありました。そこで核保有国が増えないように、この5カ国だけに核兵器を持たせ、その他の国は核保有をやめる……と決めたのが、この条約です。全11条で、核保有国が非核保有国に核兵器を渡すことも禁じています。日本など187カ国が加盟していますが、インド、パキスタン、イスラエルは加盟していません。
 Q 5カ国だけが核兵器を持てるという内容は、おかしいのではないですか。
 A 確かに「不平等条約だ」との批判はあります。しかし、核兵器は確実に人類を滅亡させる恐ろしい兵器です。条約には「核軍備競争を早くやめ、核兵器を無くすように、核兵器保有国を含む参加国が努力していく」という内容があり、だからこそ各国が参加したのです。
 Q 非参加のインド、パキスタンは98年に核実験をしていますが。
 A 95年に加盟国は条約を将来廃止せず、永遠に守り続けていくことを決めましたが、このときもインド、パキスタンは条約に参加していません。また、200発以上の核爆弾を持つとされるイスラエルも参加しておらず、条約の効力が問われています。
 Q 今回の会議の状況はどうですか。
 A 95年会議では、核廃絶の努力がどのように行われているかを5年ごとに検証する、と決めており、今回の会議はそのためです。将来に向けた核廃絶のスケジュールを作ろうとする一部の非核保有国と、反発する核保有国との間で、大きな隔たりがあります。
 Q 核保有国は、どう言っているのですか。
 A 一部核保有国は「核廃絶スケジュールは核兵器保有国で決める」という内容の発言をしています。しかし、それでは核保有国の自分勝手を許し、核廃絶が実現しない恐れがあります。条約の意義を損なわないためにも、今回の会議などで非核保有国が積極的に核廃絶を訴えることが必用です。インド、パキスタン、イスラエルの条約参加も求め続けるべきでしょう。【ジュネーブ・福原 直樹】[2000-05-19-01:25] 14
[このページの最初に戻る]


 05/19@<W杯>テレビ放映めぐる動きが活発化 岐路に立つ放映権交(毎日新聞)

 日本と韓国が共催する2002年サッカーワールドカップ(W杯)の、国内テレビ放映権をめぐる動きが活発化してきた。有料CS(通信衛星)放送の「スカイパーフェクTV!」(スカパー)が放映権獲得に意欲を見せ、巨額の放映権料を交渉相手から提示されて決裂状態にあったNHK・民放も交渉再開に向け動き出した。多チャンネル時代を迎え、NHK・民放一括の放映権交渉形式は岐路に立たされている。【運動部・仁瓶、学芸部・油井雅和】
 スカパーの並木政和広報室長は、「放送局は見せたい番組をなんとかして視聴者に見せようと努力している。しかし、うちは視聴率は関係ない。ユーザーが見たいものをやります」と、放映権獲得へ意欲をのぞかせる。
 スカパーは中田英寿選手が出場する「セリエA」に加え、今回のW杯の南米・欧州予選の独占放映権獲得という“実績”があり、「サッカーに強い」というイメージを強調させるためにも放映権は獲得したいところだ。
 スカパーは、地上波では不可能な多チャンネル放送を目玉に加入者獲得を目指してきた。しかし、加入者1人当たりが視聴できるチャンネル数は必然的に限られ、結果として経営が成り立たず撤退を余儀なくされるチャンネルも出てきている。
 12月にはBSデジタル放送がスタートし、視聴者には選択肢がさらに増える。スカパーとしては「キラーコンテンツ」と呼ばれる強力な番組を放送することで、CS機器を設置してもらい、加入者を増やすことが急務だ。
 一方、JC(ジャパンコンソーシアム)は19日、スカパーの放送権獲得への動きを受け、NHK、民放双方の担当者が集まり、対策を話し合った。
 NHKの海老沢勝二会長は18日の会見で、「それほど心配していません。(放映権料が)安ければ全部やりますし、高ければやらない、ということです」と語り、交渉を決して急がない姿勢を強調した。
 その理由として海老沢会長は「最悪でも7試合は(放送)できる」点を挙げた。
 今回、FIFA(国際サッカー連盟)は、開幕戦と地元・日本が出場する試合、準決勝と決勝を無料放送することを義務付けている。
 前回1998年のフランス大会では、NHKが独占放送権を獲得し、総合テレビで日本が出場した1次リーグ3試合のほか、開幕戦と準決勝2試合、決勝の計7試合を生中継した。日本の3試合の視聴率(関東地区・ビデオリサーチ調べ)は、アルゼンチン戦60・5%▽クロアチア戦60・9%▽ジャマイカ戦52・3%と、記録的な数字だった。
 JCとしては、五輪放映権の高騰を防ぐために作った共同の交渉方式を崩さず、「売り手の出方を見て、できるだけ安く買う」方針だ。
 外国では有料放送が放映権を獲得することは決して珍しくなくなってきている。スカパーの並木氏はJCによる放映権交渉の形式について、「銀行業界でも市場原理は当たり前の時代なのに、放送業界だけいまだに例外というのは違うのではないか」と疑問を投げかける。
 一方、海老沢会長は、「視聴者にできるだけ負担をかけないようにというのが日本。欧米とは文化の違いがある」と、JC方式が放映権の高騰を抑えてきた実績を強調する。
 今回は「地上波でW杯がまったく見られない」ことはなさそうだが、有料放送(ペイテレビ)の進出により、今後、NHK受信料を除けば「テレビはただで見られるのが当たり前」ではなくなるかもしれない。
 従来、W杯放映権を獲得してきた国際公共放送連合(ITC)とFIFAの交渉が1996年5月に決裂。FIFAは同年7月、02、06年両大会の放映権を約2300億円で、スイスの「スポリス社」などに売却した。日本向けの放映権販売はス社が、スポーツマーケティング会社「ISL」に委託した。
 日本側は、NHKと民放5社で作る「ジャパン・コンソーシアム(JC)」が交渉に当たったが、98年11月の初交渉で、ISLが提示した「2大会一括で540億円」を「高すぎる」と拒否。昨年6月の2回目の交渉でも「02年大会だけで250億円」の再提示を拒否した。
 最近になって、放映権獲得を目指すスカパーが、ISLと独自に交渉していることが明らかになった。[2000-05-19-18:48]
[このページの最初に戻る]


 05/20@ロシアの支援を要請へ マスコミ弾圧でユーゴ野党(共同通信)

 【ウィーン19日共同】ユーゴスラビア・セルビア共和国政府によるマスコミ弾圧に抗議する集会が十九日、ベオグラードで開かれ、演説した最大野党セルビア再生運動のドラシュコビッチ党首は事態解決のためロシアに支援を要請すると述べた。
 ベオグラードからの報道によると、同党首は別の野党セルビア民主党のジンジッチ党首らと近くモスクワを訪問すると述べたが、時期や会談相手は明らかにしなかった。
 ロシアはセルビア最大の非政府系ラジオ・テレビ局「スタジオB」の接収について、言論の自由は民主主義の根幹だとしてセルビアに距離を置く立場を取っている。
 十九日の集会の参加者は約五千人で、十八日の約二万人規模より減った。十八日の衝突で市民が足を遠ざけた可能性がある。[2000-05-20-10:39] 12
[このページの最初に戻る]


 05/20@ユーゴ反政府勢力を支援 オルブライト米国務長官(共同通信)

 【ワシントン19日共同】オルブライト米国務長官は十九日、欧州連合(EU)議長国ポルトガルのダガマ外相と会談し、米国とEU諸国が今後、ユーゴスラビアでミロシェビッチ大統領に反対する勢力への支援を一層強めていくことで一致した。
 会談後の共同会見でオルブライト長官は「ユーゴで自由を求める人々をどう支援していくかを話し合った」と言明、ダガマ外相も「(反政府運動の高まりは)ユーゴの未来への希望の象徴だ」と述べた。
 会談は来月リスボンで開かれる米・EU首脳会談の準備協議として行われた。[2000-05-20-10:36] 239
[このページの最初に戻る]


 05/20@保有国が初の核廃絶表明へ 中東絡みで文書採択難航 NPT(共同通信)

 【ニューヨーク19日共同=石山永一郎】国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議は最終日の十九日、核保有国が初めて一致して核廃絶を現実的な課題として約束することなどを明記し、今後五年間の核軍縮に向けた道筋を世界に示す最終文書の採択へ向け、調整作業を続けた。
 文書には戦術核のさらなる削減、それに兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の五年以内の妥結なども盛り込まれる。
 核軍縮の主要な問題では既に合意が成立しているが、NPT未加盟国イスラエルへの加盟呼び掛けと、査察問題をめぐるイラク批判の文言の調整で、アラブ諸国と米国との対立が解消せず、採択は二十日未明(日本時間同午後)になることが確実になった。
 四月二十四日から四週間にわたった会議の最大の成果は、核廃絶を「究極的な目標」として遠い将来に先延ばししようとする保有国側の態度を切り崩し、現実性のある「優先課題」と認めさせた点だ。
 会議では米国、ロシア、英国、フランス、中国の核保有五カ国と、メキシコ、スウェーデンなど核廃絶を強く主張する「新アジェンダ連合」(NAC)が激しく対立。一時は決裂の懸念さえあったが、五カ国による核の独占保有を認めたNPT体制の崩壊を恐れた保有国側が、核廃絶の約束、カットオフ問題などで大幅に譲歩し、合意にこぎ着けた。
 しかし、討議を通じて、国防上の利益などからさまざまな問題で具体的な約束を避けようとする「保有国のエゴ」が目立ち、今後に多くの課題も残した。
 米国が本土ミサイル防衛(NMD)構想のために修正を狙う弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約については「維持、強化する」との玉虫色の表現で決着し、修正に含みを持たせた。[2000-05-20-12:30] 242
[このページの最初に戻る]


 05/20@陳総統就任式、「台湾化」「民主化」の到達点演出(読売新聞)

 【台北20日=杉山祐之】台北で二十日行われた陳水扁・新総統就任の慶祝大会は、陳政権を生みだした政治潮流である「台湾化」、「民主化」の到達点としての演出がこらされ、台湾が台湾人自身によって民主的に運営される新時代に入ったことを内外に印象づけた。台湾市民は、陳政権の船出を、期待と不安の目で見守っている。
 陳新総統のキャッチフレーズは、「台湾の子」だ。
 体育館内で行われた四年前の前回大会と違い、屋外開催となった今回は、台湾先住民族の伝統音楽で開幕。台湾民主化を象徴する曲などが続き、「日出ずる台湾」という歌の合唱を終えた時、陳氏が登場。「国歌」斉唱の大役も、台湾少数民族の人気歌手・張恵妹さんが務めた。
 同日夜の祝宴メニューも台湾料理。細かい演出がすべて「台湾化」に通じ、「一つの中国」の概念は排除された形だ。
 それだけに、市民の間には、中台関係への不安もよぎる。陳氏が卒業した台南市の高校で英語教師を務め、国民党政権に迫害された経験を持つ蔡徳本さん(74)は、「ずっと民進党を支持してきた。陳氏は李登輝氏の民主改革の流れを受け継いでいる。新時代が始まる」と喜びながらも、「心配は中台関係。中台が兄弟のように平等につきあうのが我々の願い。うまくやってほしい」と話した。
 同市のOL(28)は「中国は台湾住民の声を聞いてほしい」と語る一方、陳政権に対しても、「戦争を起こしてほしくない」と求めた。二歳の時、広東省から家族で移住してきた台北市の団体役員(53)は「『一つの中国』は中台の共通認識だ。陳政権と中国はまずテーブルに着き、統一を目指してほしい」と強調する。総統選で張さんは、惨敗を喫した国民党の連戦氏に投票していた。[2000-05-20-12:23] 245
[このページの最初に戻る]


 05/20@<核拡散防止条約>再検討会議、合意文書を採択し閉幕へ(毎日新聞)

 【ニューヨーク19日福原直樹】核拡散防止条約(NPT、187カ国加盟)再検討会議は19日、最大の焦点だった「核軍縮」分野などで基本合意に達し、同日深夜(日本時間20日午後)にも今後5年間の核軍縮の道筋を示す合意文書を採択し、閉幕する。合意には核保有5カ国の「核兵器全廃への明確な約束」や兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約の「5年以内の締結」が初めて盛り込まれ、一定の成果があった。しかし、非核保有国側の新アジェンダ連合(メキシコなど7カ国)が要求した核廃絶への「時刻表」や、日本、欧州諸国が提案した核兵器削減への具体的方策などは、米国、ロシア、中国、英国、フランスの5核保有国の反発でまとまらなかった。
 核軍縮問題の最終合意文書案では、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効▽同条約発効までの核実験凍結▽5年以内カットオフ条約の締結▽「核兵器情報の公開(透明)性の強化」――などを履行することで合意した。
 核廃絶に関しては、前回(95年)の合意文書で「究極的目標」と、遠い将来の目標とするに止まったのに比べ、今回は「(核保有国が)核兵器全廃の明確な約束を行う」と前進。核実験では「最大限に自制する」という表現が「CTBT発効まで凍結する」と規制する点をはっきり打ち出した。また、停滞が続くカットオフ条約交渉も「5年以内の締結」という時間的枠組みが初めて加えられた。
 先月24日からの会議では、新アジェンダ連合が主張する「2005年までの核廃絶加速」との日程が、核保有国の反発で削除されるなど、決裂の危機もあった。しかし、5カ国による核独占の支えとなるNPT体制の崩壊を懸念する保有国側が一部譲歩する形で決着にこぎ着けた。
 核不拡散の分野では、中東や中央・南アジアでの非核地帯の創設推進▽朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国際原子力機関(IAEA)の核査察への協力▽インド・パキスタンのNPT、CTBT参加――を求めた。
 【ニューヨーク18日福原直樹】核拡散防止条約(NPT)再検討会議の核軍縮に関する最終合意案の骨子は次の通り。
 一、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効。一、同条約発効までの核実験自粛。
 一、軍縮会議での兵器用核物質禁止(カットオフ)条約交渉の即時開始と、5年以内の締結。
 一、核兵器全面廃絶に向け、核保有国の明確な約束。
 一、第二次戦略兵器削減交渉(START2)の早期発効と実施。第三次戦略兵器削減交渉(START3)の速やかな妥結。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の維持、強化。
 一、核兵器情報の公開(透明)性を強化する。
 一、戦術核の削減。
 一、核軍縮の進展状況を検討する各国の定期報告。
 一、核軍縮の検証体制の強化。
核拡散防止条約(NPT)をめぐる主な動き
1945・7 米国が世界初の原爆実験に成功
 8 広島、長崎に原爆投下
 63・10 部分的核実験禁止条約(PTBT)発効
 70・3 NPT発効 
 72・5 米ソ、第1次戦略兵器制限条約(SALT1)調印
弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約調印
 79・6 SALT2調印 
 91・7 第1次戦略兵器削減条約(START1)調印
 93・1 米露START2調印
 3 北朝鮮がNPT脱退表明(その後留保)
 95・5 NPT延長会議で無期限延長、5年ごとの再検討会議を決定、核実験全面禁止条約(CTBT)交渉の96年中の妥結で合意
 96・1 米上院がSTART2批准を承認
 9 国連特別総会でCTBTを採択
 97・7 米国が臨界前核実験を開始
  98・5 インド、パキスタンが地下核実験
  99・1 米国、本土ミサイル防衛(NMD)構想を表明 
  10 米上院がCTBT批准を否決
 2000・4 露下院、START2、CTBT批准を相次ぎ可決[2000-05-20-11:09] 246
[このページの最初に戻る]


 05/20@「核廃絶への明確な約束」で大筋合意(読売新聞)

 【ニューヨーク19日=松浦一樹】ニューヨーク国連本部での核拡散防止条約(NPT)再検討会議は最終日の十九日、「核保有国による核完全廃絶の明確な約束」などを盛り込んだ最終文書案で大筋合意した。中東関連問題をめぐる調整が残り、採択は二十日未明(日本時間同日午後)にずれ込む見通しもある。
 NPT無期限延長決定(九五年)後、初の再検討会議であり、二〇〇五年の次回会議までの新たな核軍縮目標の設定を迫る非同盟諸国など非核保有国と核保有五か国(米英露仏中)の激しい対立が会期末まで続いたが、NPT体制崩壊阻止で軌を一つにする双方が土壇場で歩み寄った。
 最終案は▽核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効▽核実験凍結▽兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約の五年以内の妥結▽核保有国による核完全廃絶の明確な約束▽第二次戦略兵器削減条約(START2)の早期発効、START3の早期妥結、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の維持・強化――など新たな軍縮目標十三項目が盛られ、最終的な文言調整を経て採択される。
 先月二十四日開幕の同会議では、「二〇〇五年」の年限を設け、核軍縮の加速化を求める核廃絶急進派七か国グループ「新アジェンダ連合」(メキシコ、南アフリカなど)と、従来通り「究極的な核廃絶」への意思表明にとどめたい核保有国が対立。だが、十八日に露仏などが「核廃絶の明確な約束」との中立的表現に同意、こう着を脱した。
 また、カットオフ条約交渉の妥結に「五年以内」の年限を設けることに反対し、「核兵器能力の透明性の強化」の文言にも難色を示した中国も十九日までに受け入れを示唆して交渉はほぼ妥結。核軍縮の追加目標などを示した日本政府の八項目提案は、ほぼ全面的に取り入れられた。ただ、中東問題を審議した核不拡散委員会では、国連大量破壊兵器査察が完了していないイラクの扱いをめぐり、米国とアラブ諸国が対立、十九日夜も調整が続いた。[2000-05-20-11:06] 249
[このページの最初に戻る]


 05/20@NGOが交渉前進の原動力 核廃絶の声、世界から伝達(共同通信)

 【ニューヨーク19日共同】今回の核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、最近の国際会議の例に漏れず、非政府組織(NGO)が活発な動きを見せた。
 約二百のNGOが計約四百人を国連本部に送り込み、毎日ニューズレターを発行して、密室で進む各国間交渉の内容を速報。核廃絶を主張する国々のグループ「新アジェンダ連合」(NAC)を支援して、困難な交渉を前進させる原動力にもなった。
 今回はNGOが初めて公式会議に参加。自治体首長でつくる組織の代表として長崎の伊藤一長市長が演壇から核廃絶の必要性を強調した。
 会期半ばの四月下旬にNGO側はNACとの会合を持ち「核廃絶達成に向けた核保有国の明確な約束」を最終文書に盛り込むように強く求めた。
 NACは欧州、中東・アフリカ、中南米の経済、政治的に多様な国々で構成。NGO「平和と自由・国際女性連盟」のフェリシティー・ヒル氏は、NACが最後まで団結を保てた背景には、NGOを通じて核廃絶を求める声が世界各国から寄せられたことがある、とみている。
 ワシントンに本部を置く「社会責任のための医師団」のマーティン・ブッチャー氏(37)は「冷戦終結後、危機感が薄れたが、核戦争の危険は増している」と指摘。五年後の次回再検討会議に向け、九月から準備を開始すると述べた。[2000-05-20-10:38] 250
[このページの最初に戻る]


 05/20@トルコ軍機がギリシャに 演習で28年ぶり(共同通信)

 【ローマ20日共同】ギリシャからの報道によると、北大西洋条約機構(NATO)の地中海東部合同軍事演習に参加するトルコ空軍のF16戦闘機約十機が十九日、ギリシャ中部の空軍基地に着陸した。輸送機を除くトルコ軍機のギリシャ領着陸は一九七二年以来約二十八年ぶり。
 両国はNATO同盟国ながら歴史的に対立関係が続き、キプロス紛争などで戦争寸前まで緊迫したことも。しかし、昨年両国で相次いだ大地震での復興支援活動をきっかけに関係改善ムードが高まっている。
 六月十日までの演習には両国や米国、イタリアなど十四カ国が参加。九月の演習ではギリシャ軍がトルコ領内に上陸する予定。[2000-05-20-10:36] 252
[このページの最初に戻る]


 05/20@日本の援助を改めて批判 ビデオでスー・チーさん(共同通信)

 【バンコク19日共同】ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんは十九日、ミャンマーで総選挙が実施されて十年が経過したのを機にビデオメッセージを公表し「アジアで最も民主国家の日本の人々に特に伝えたい。何をなすべきか考えてほしい」と述べ、日本政府の援助に改めて反対の姿勢を表明した。
 このビデオはバンコクに拠点がある非政府組織(NGO)がミャンマーから持ち出し公表した。スー・チーさんは「民主主義にはアジアも西洋もなく、人類普遍の価値だ。自由のない安定は真の安定ではない」と指摘し、反政府少数民族の存在などを理由に政権を維持するミャンマー軍事政権を非難した。
 日本の援助に対しては「自分の目的のために、日本の善意を利用しようとする(軍政の)人々に操られるような善意はいらない」と批判した。
 一九九○年の総選挙では、スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したが、軍政は新憲法制定が必要として国会が開かれないままになっている。[2000-05-20-09:50] 257
[このページの最初に戻る]


 05/20@NPT再検討会議、「核廃絶の約束」で合意(読売新聞)

 【ニューヨーク19日=松浦一樹】ニューヨークの国連本部で開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は十八日、最大の焦点となっている核軍縮の追加目標の設定で、メキシコ、南アフリカなど七か国の核廃絶急進派グループ「新アジェンダ連合」(NAC)と核保有五か国は、〈1〉NAC提案の「二〇〇五年までに核軍縮交渉を加速化させる」の文言を最終文書から削除する〈2〉その一方、「核廃絶に向けた、核保有国の明確な約束」を盛り込む――ことで合意した。
 しかし、中国が最終文書案に含まれた「核のさらなる透明性」の文言に難色を示すなど対立点を多く残しており、最終日の十九日を迎えても、最終文書の採択に向けぎりぎりの調整が行われることになりそうだ。
 今会議では、次回再検討会議が行われる「二〇〇五年」を具体的な目標とし、核軍縮交渉の加速化を迫ったNACに対し、核保有国が「究極的な核廃絶」を確約する共同声明(一日)を示すにとどまり、年限の設定には難色を示してきた。
 最終文書の文言をめぐる協議では「あいまいな表現では意味がない」(メキシコ代表)とし「究極的な」の文言削除を主張するNACと、究極廃絶に固執するフランス、ロシアなどが平行線をたどったが、十八日になって双方が歩み寄った。[2000-05-20-01:27] 259
[このページの最初に戻る]


 05/20@<NPT>最終文書案に中国同意、採択ほぼ確実に 再検討会(毎日新聞)

 【ニューヨーク19日福原直樹】核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、19日午前(日本時間同日夕)、最大の焦点だった核軍縮分野で、最後まで反対していた中国が核軍備の情報公開や核廃絶に向けた核保有国の明白な約束などをうたった最終文書案に同意し、大きく進展した。だが、イラクがいまだに核査察などについて難色を示している。このため再検討会議はこの部分を詰め、19日午後にも最終文書を採択するのはほぼ確実になった。
 核軍縮分野では、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効▽5年以内の兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約の妥結▽核兵器情報の公開(透明)性の強化、などを各国が履行することで合意した。
 会議では新アジェンダ連合(南アフリカなど7カ国)が「2005年までの核軍縮の加速」など、核廃絶の推進を強く求めたが、これに核保有国が反発。2005年の文言が削られるなど、かなり核廃絶のトーンが弱まった。一方、中国は「核兵器情報の公開性」に最後まで反発したが、結局妥協し、これで懸案の核軍縮分野の討議は事実上終結したことになる。
 一方、核不拡散の分野では、中東や南アジアでの非核地帯の推進や、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対し、国際原子力機関(IAEA)の核査察に協力するよう求めた。また、初めてイスラエルを名指しして、同国の核拡散防止条約(NPT)不参加を指摘、早期参加を求めた。しかし、国際原子力機関の核査察に対するイラクの非協力的な姿勢を強く批判した文面に同国が反発、現在最終的な詰めを行っている。
 このほか、核の平和利用分野では、核物質の海上輸送の際、関係各国への事前通報や、責任分担の強化などを求めたニュージランドに、日、仏、英などが強く反発。結局「輸送について、各国が情報交換を促進する」「国際的基準と環境保護を念頭に核物質輸送を行う」などの内容で合意した。[2000-05-20-01:05]
[このページの最初に戻る]


 05/21@◎オーストリア、ベルギー空軍に「逆制裁」=領空使用を大幅(時事通信)

 【ウィーン21日時事】オーストリア有力週刊誌プロフィール最新号(22日発売)は、極右・自由党の政権参加を理由にした欧州連合(EU)の外交制裁の最強硬派であるベルギーに対し、オーストリアは軍事協力分野で「逆制裁」を発動すると報じた。
 同誌によれば、オーストリア国防省は6月1日を期して、ベルギー空軍機の領空使用を大幅に制限。ボスニア・ヘルツェゴビナやユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍への補給など国連決議に基づく飛行任務以外、ベルギー空軍の領空通過を許可しない計画という。[時事通信社][2000-05-21-21:24] 161
[このページの最初に戻る]


 05/21@◇EUとの通商協定を承認 スイスで国民投票◇(朝日新聞)

 欧州連合(EU)と結ぶ一括通商協定を認めるか否かの国民投票が21日スイスで行われ、圧倒的な賛成多数で承認された。この結果、人の往来の自由化などにより双方の経済・社会的な結びつきが深まることになる。賛否の差が大きく開いたことにより、「孤高」の道を歩んできたスイスは将来のEU加盟に向けて一歩踏み出すことになった。
 投票は同日午前10時(日本時間同午後5時)から、正午まで行われ、開票の結果23州のうち21州で賛成が上回り、全体の賛成率は67.2%に達した。反対票が上回ったのはイタリアに国境を接するテサン州など2州にとどまった。
 協定は、7分野にわたり、(1)人の往来を段階的に自由化する(2)大型トラック輸送の規制を大幅に緩和する(3)航空会社の乗り入れを自由化する(4)チーズや果物などの農産品の関税を引き下げる(5)双方の公共部門への参入を容易にする(6)工業製品の規格審査を簡略化する(7)EUの主要な科学研究プログラムへのスイス研究者の参加を可能にする、という内容だ。
 スイスは1992年に、当時の欧州共同体(EC)に加盟申請したが、その前提となる欧州経済領域(EEA)への加盟を国民投票で否決。その後、通商協定締結に向けて双方は6年かけて交渉してきた。[2000-05-21-23:44]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [論文]   [リンク]