最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(05/12, 2000)


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 05/01@◎英航空会社もベオグラード便再開(時事通信)
 05/01@<露新軍事ドクトリン>小泉防衛大学校社会科学教室助教授に(毎日新聞)
 05/01@誤爆1周年デモは中止を 中国共産党が通達と香港紙(共同通信)
 05/01@<露新軍事ドクトリン>ロシア軍事通信軍事部門担当編集長に(毎日新聞)
 05/01@<露新軍事ドクトリン>核の先制使用辞さず 「軍事均衡」を(毎日新聞)
 05/01@<ニュースキー>東ティモール現地報告(毎日新聞)
 05/01@<イラン>スパイ容疑のユダヤ人13人の審理始まる(毎日新聞)
 05/01@◇ベトナム、式典の「解放旗」再登場は高度の政治判断◇(朝日新聞)
 05/01@南アジアに国際テロ拠点…米情勢報告(読売新聞)
 05/01@対日、NATO関係を強化 「ゴア政権」外交構想発表(共同通信)
 05/01@<人と世界>差別続く豪・先住民アボリジニ パーキンス氏に(毎日新聞)
 05/02@◇昨年殺害のジャーナリストは36人 国境なき記者団発表◇(朝日新聞)
 05/02@緒方氏の後任選び活発化 秋の総会にらみ国連(共同通信)
 05/02@コソボ住民の保護は不完全 NATO最高司令官(共同通信)
 05/02@◇自衛隊の邦人救出、シンガポール基地の使用で合意◇(朝日新聞)
 05/02@無気力?!独・緑の党フィッシャー外相(読売新聞)
 05/02@<スイス国民党>EUオーストリア制裁を批判 ブロッハー氏(毎日新聞)
 05/02@◇テロは小規模化、拠点は南アジアへ 米の世界テロ報告書◇(朝日新聞)
 05/02@ルムンバ暗殺の真相究明へ ベルギー下院の調査委(共同通信)
 05/02@<ニュースキー>憲法調査会3 元GHQ外事担当・プール氏(毎日新聞)
 05/02@中国のICBMを無力化 米NMD、軍拡招く恐れ(共同通信)
 05/02@GPS精度低下機能を解除、カーナビの誤差10mに(読売新聞)
 05/02@イラクが原油輸出を拡大 持続性には疑問も(共同通信)
 05/02@◇GPSの高精度データを民間にも開放、米大統領発表◇(朝日新聞)
 05/02@◇核廃絶を明確な目標に NPT会議で核保有国が共同声明◇(朝日新聞)
 05/02@◇長崎市長らが米大使らに核廃絶を直接要請◇(朝日新聞)
 05/02@核保有5か国、「核兵器廃絶」声明(読売新聞)
 05/02@<米テロ報告書>テロ支援国リスト除外は北朝鮮の今後の対応(毎日新聞)
 05/02@国連要員が撃たれ重体 西アフリカのシエラレオネ(共同通信)
 05/02@中田選手と首相、会話の「パス」通らず(読売新聞)
 05/03@◇クラークNATO最高司令官が退任◇(朝日新聞)
 05/03@<セルビア共和国>最大野党が連邦議員選ぶ国会審議をボイコ(毎日新聞)
 05/03@<NATO>欧州連合軍最高司令官にジョセフ・ラルストン氏(毎日新聞)
 05/03@報道の敵10人を指名 アジアが最多の4人(共同通信)
 05/03@米ミサイル防衛網計画に国際社会が懸念(読売新聞)
 05/03@PKOシエラレオネ要員の釈放要求(共同通信)
 05/03@新アジェンダ連合が酷評 保有国声明は期待外れ(共同通信)
 05/03@<記者の目>ジンバブエの農場占拠 大統領の扇動許せぬ(毎日新聞)
 05/04@NATO加盟国間で戦力差顕著に…英国際戦略研発表(読売新聞)
 05/04@ハメネイ師ら報道の敵10人を発表…米団体(読売新聞)
 05/04@◇セルビア議会が上院に新たにミロシェビッチ派20人選出◇(朝日新聞)
 05/04@◇スロベニア下院が新首相に経済学者のバユク氏を承認◇(朝日新聞)
 05/04@<スロベニア議会>アンドレイ・バユク副党首を首相に選出(毎日新聞)
 05/04@◇国連シエラレオネ派遣団襲われ7人死亡、約40人を拘束◇(朝日新聞)
 05/06@祖国党首の去就に注目…トルコ内閣改造(読売新聞)
 05/06@シエラレオネ、国連軍人質は300人超(読売新聞)
 05/06@◇海外で暮らす日本人、女性の数が初めて男性を上回る◇(朝日新聞)
 05/06@コンゴ民主共和国でウガンダ、ルワンダ軍が交戦(読売新聞)
 05/06@PKO見直し論議再燃へ シエラレオネ要員拘束で(共同通信)
 05/06@和平交渉が決裂 エチオピアとエリトリア (共同通信)
 05/06@米で元リトアニア領事代理、杉原氏の映画上映(共同通信)
 05/06@北アイルランド政府復活も 停滞打開へ英が妥協案(共同通信)
 05/06@チェチェンを直轄統治へ ロシアが近く大統領令(共同通信)
 05/07@<北アイルランド>IRAの武装解除声明受け「査察官」任命(毎日新聞)
 05/07@<外務省>安保理の常任理事国入りへ本腰 米の拡大枠譲歩な(毎日新聞)
 05/07@蔵相がアジアの貧困削減で百億円拠出表明 (読売新聞)
 05/07@<北アイルランド>IRA、自治復活を条件に武器使用不能へ(毎日新聞)
 05/07@武装解除に応じるとIRA 英の妥協案にこたえる(共同通信)
 05/07@<アイルランド和平>英、アイルランド両首相が新提案=替(毎日新聞)
 05/08@大使館誤爆から1年、中国外務省が米非難の談話(読売新聞)
 05/08@<オーストリア>極右政党政権入りでEU制裁 監視団受け入(毎日新聞)
 05/08@◎破壊戦車数はたった14台=ユーゴ空爆戦果の実態判明−米(時事通信)
 05/08@◇シエラレオネのPKF人質500人に 国連次長が現地へ◇(朝日新聞)
 05/08@◇ロシア・プーチン新大統領、地雷議定書の批准承認求める◇(朝日新聞)
 05/08@有事なら今も核の前線に 日本組み込む米戦略 本土から出撃(共同通信)
 05/08@日本本土から核攻撃計画 60年代、米機密文書明記(共同通信)
 05/08@安保理調査団を派遣へ エチオピア(共同通信)
 05/08@アッツ島近くにレーダー 米NMD構想で建設計画(共同通信)
 05/09@◇イスラエル、パレスチナに3地区から撤退提案◇(朝日新聞)
 05/09@ユーゴ空爆の成果は1割弱 米軍が誇張発表と米誌(共同通信)
 05/09@◇外務省が外交青書 NGOとの対話に積極姿勢◇(朝日新聞)
 05/09@◇国連事務総長、シエラレオネへの緊急対応部隊派遣を要請◇(朝日新聞)
 05/09@◇ノーベル平和賞のホルタ氏、東ティモールに五輪委設立◇(朝日新聞)
 05/09@ユダヤ人とアラブ人は兄弟、DNA分析で確認(読売新聞)
 05/09@苦悩深める国連事務総長 泥沼化のシエラレオネ(共同通信)
 05/09@ユダヤとアラブは血縁 染色体分析で確認 (共同通信)
 05/09@<独フィッシャー外相>米国務長官と会談 NMDに強い懸念(毎日新聞)
 05/09@竹島は日本固有の領土 外交青書で明確に主張(共同通信)
 05/09@北アイルランド政府復活へ IRA声明受け英国(共同通信)
 05/10@旧ユーゴ戦犯国際法廷を批判…ミロシェビッチ大統領(読売新聞)
 05/10@◎旧ユーゴ法廷はアウシュビッツ以下=ミロシェビッチ大統領(時事通信)
 05/10@ダイヤ鉱山への干渉が契機 紛争再燃のシエラレオネ(共同通信)
 05/10@混乱、全土に拡大の恐れも 武装勢力攻勢でスリランカ(共同通信)
 05/10@<特報・国連>国際反人種差別会議のテーマ判明(毎日新聞)
 05/10@緒方高等弁務官の後任選び本格化(読売新聞)
 05/10@<オーストリア>EU制裁の是非問う国民投票を今秋実施(毎日新聞)
 05/11@◇NATO、クロアチアにPFP加盟を要請◇(朝日新聞)
 05/11@<社説>大使館誤爆1年 教訓を忘れてはならない(毎日新聞)
 05/11@<コソボ>独立の一時棚上げに同意 アルバニア系住民(毎日新聞)
 05/11@コソボ独立論を再び展開(共同通信)
 05/11@初代大統領が反体制組織に ユーゴ、運動に弾みも(共同通信)
 05/11@◎ロ参謀総長、NATO会合に参加=コソボ紛争時の関係凍結(時事通信)
 05/11@<シエラレオネ>PKOの弱体ぶりさらけ出す ECOMO再(毎日新聞)
 05/11@◇シエラレオネ、首都近郊で再び戦闘◇(朝日新聞)
 05/11@<チェチェン>マハシェフ前内務相とロシアの下院議員が会談(毎日新聞)
 05/11@<スリランカ内戦>タミル人の武装組織が中心都市の目前に迫(毎日新聞)
 05/11@<特報・サッカー>日本国籍に○印強要 在日韓国朝鮮人の子(毎日新聞)
 05/12@<コソボ>アルバニア系住民、独立棚上げに同意(毎日新聞)
 05/12@<キーパーソン>欧州連合軍最高司令官ジョセフ・ラルストン(毎日新聞)
 05/12@◎「仏情報機関のスパイ」5人を起訴=ユーゴ(時事通信)
 05/12@<インドネシア>アチェ独立武装組織と和平文書に調印(毎日新聞)
 05/12@<インドネシア>アチェ紛争で停戦合意 ワヒド政権の成果=(毎日新聞)
 05/12@エリトリア国境で交戦(共同通信)
 05/12@平和執行部隊への改組を 国連総長が安保理で要請(共同通信)
 05/12@<世界の目>巧妙に動くイスラエル ムハマド・サイド(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 05/01@◎英航空会社もベオグラード便再開(時事通信)

 【ウィーン1日時事】英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は1日、ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争を契機に過去1年間以上にわたって運航を停止していたベオグラードへの乗り入れを再開した。BAは今後、週に3便乗り入れる計画。
 欧州連合(EU)は昨年春、対ユーゴ制裁の一環として旅客機の乗り入れを凍結した。しかし、ユーゴ野党指導者は民間機乗り入れ中止はミロシェビッチ政権ではなく一般市民を苦しめていると主張、EU側は民間機乗り入れをめぐる制裁の解除を決めていた。
 ベオグラード運航を再開したのは、スイス航空、ギリシャのオリンピック航空に次いで3社目。[時事通信社][2000-05-01-23:29] 20
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 05/01@<露新軍事ドクトリン>小泉防衛大学校社会科学教室助教授に(毎日新聞)

 ロシアの新ドクトリンについて小泉直美・防衛大学校社会科学教室助教授(46)=ロシア外交、安全保障論専攻=に聞いた。
 今回のドクトリンの大きな特徴は、危機的状況下での通常兵器による大規模攻撃への対応として、核先制使用を明確に規定したことだ。
 変化した最大の原因は財政事情だ。厳しい財政事情は、カネのかかる通常兵器の更新・配備よりも核兵器に依存する傾向を加速した。核兵器=戦略ロケット軍への依存傾向の深まりは財政事情の反映という合理的な帰結だが、セルゲーエフ国防相が戦略ロケット軍出身であることも影響しているかもしれない。
 ベラルーシをはじめ同盟国との集団防衛を明記しているが、ABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約修正問題をめぐり米国と対立するロシアは中国と歩調を合わせており、今回のドクトリンで中国との関係が注目される。このドクトリンが、日本を含むアジア太平洋地域に直接的な影響を及ぼすことはないだろう。
 今回のドクトリンは軍事的により現実主義的、合理的になったと感じる。旧ソ連のゴルバチョフ時代には、軍は変化していないのに、政治が理想主義へと遊離したため、文民統制が怪しくなっていた。今回の規定は、核抑止戦略に関していえば、むしろ米国並みに近づいたといえ、とくに危険視する必要はない。
 核先制使用権の明記には、米国を中心とするNATOのユーゴ空爆などの近年の行動に対する不快感の表明という政治的メッセージ性もあるのだろう。ABM制限条約の見直し交渉の時期を見計らって出してきたところにもプーチン氏の冷徹な計算を感じる。【談、聞き手・外信部 高橋 龍介】 [2000-05-01-23:24] 21
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 05/01@誤爆1周年デモは中止を 中国共産党が通達と香港紙(共同通信)

 【香港1日共同】一日付の香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国共産党指導部はこのほど、北大西洋条約機構(NATO)軍による在ユーゴスラビア中国大使館誤爆事件から一周年となる八日(ユーゴスラビア現地時間では七日)に、学生や労働者が反米、反NATOデモを開催するのを阻止するよう、国内の大学や労働組合などに対し緊急通達を出した。共産党筋の話として伝えた。
 同筋によると、党指導部は、米議会が中国に対する最恵国待遇(MFN)の恒久的付与法案を審議している最中に反米デモが起きれば、法案通過の阻害要因になりかねないと判断しているほか、「台湾独立」志向が強い陳水扁氏の台湾総統当選に反発する勢力がデモに加わり、混乱が拡大するのを懸念している。
 通達は「社会的、政治的安定を維持することが最も重要」と指摘、事件一周年に際し、平静さを保つよう呼び掛けているという。
 中国では昨年の誤爆事件後、全土に反米デモが拡大、北京の米大使館は投石などで大きな被害を受けた。北京などの大学の一部には一周年記念集会を開催する動きがあるという。[2000-05-01-17:50] 206
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 05/01@<露新軍事ドクトリン>ロシア軍事通信軍事部門担当編集長に(毎日新聞)

 ロシアの新軍事ドクトリンの意義や今後の軍備の流れについて、ロシア軍事通信のグラトケービッチ軍事部門担当編集長(44)に聞いた。
 ――新ドクトリンの意義は何か?
 ◆1993年のエリツィン政権時代に国防会議で、ソ連崩壊後の軍事ドクトリンが協議された。新ドクトリンは、その後6年間の変化を踏まえて作成された。指導部は(1)(冷戦の終わりを受けて)大規模な戦争の可能性は低まった(2)超大国の対立に代って、地域勢力が現われたーの2点を、ロシアの安全保障を考える際の大きな要素と総括した。
 ――地域勢力とは?
 ◆NATO、中国、そして、アラブ・イスラム諸国だ。また、民族、宗教などの過激主義が新しい要素として浮上してきた。ソ連が崩壊し、その空白地域を米国を中心とする勢力が埋めてきた。それでも不透明な地域が残り、そこが軍事紛争への発火点となっている。
 ――ロシアの軍事力は低下した?
 ◆戦闘準備、戦闘補給能力などすべての面で低下した。特に地上軍、海軍、空軍の通常兵力の分野が著しい。米国のみならず、仏・独などの欧州勢力、中国、トルコ・イランなどの南部勢力にも劣っている。
 ――そこで核兵器の先制使用問題がでたのか?
 ◆その通り。弱いものが強いものからの攻撃を守るためには、棍棒か銃を持つしかない。つまり、核兵器で、国家の存続に関わるような侵略には、核兵器を使用することも辞さないと宣言したのだ。断っておくが、核兵器はあくまでも侵略抑止である。
 ――ロシアは米国との軍事均衡をもはや求めない?
 ◆ソ連は世界のどの地域でも大国としての権利を主張したが、ロシアは軍事的には、そのような大国の地位を放棄した。ロシアとその周辺地域の安全保障だけに専念するということだ。核の均衡についても、初めて放棄を宣言した。よほど頭のおかしい将軍でないかぎり、現在のロシア軍に何ができるか、よくわかっており、軍事均衡を振りかかざす者はいない。
 ――通常兵器を伴なった侵略にも核兵器を使用するということは戦術核などの積極的活用につながるか?
 ◆その通り。すでに今年冬の演習でも、戦術核の模擬使用が行われている。戦術核はこれまで廃棄されたこともなく、常に保管され、使用のための準備や整備は行われてきた。
 世界の安全保障にとって、今のところ、もっとも脅威となるのは、戦略核(長距離距離運搬手段を持つ核兵器)で、戦略核の軍縮が進んだ後に、戦術核の軍縮問題が浮上するだろう。[2000-05-01-23:24] 207
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 05/01@<露新軍事ドクトリン>核の先制使用辞さず 「軍事均衡」を(毎日新聞)

 ソ連崩壊後、空白状態にあったロシアの軍事政策の方向性を決める新軍事ドクトリンが21日の国家安全保障会議で採択され、プーチン次期大統領が署名した。新ドクトリンでは、ソ連時代には否定されていた「核の先制使用」の権利を認めるなど、ロシアの軍事路線を大きく変更する内容を含んでいる。新ドクトリンの内容を吟味する。【モスクワ・石郷岡 建】
 新ドクトリンは、(1)軍事・政治基盤(2)軍事戦略基盤(3)軍事・経済基盤の3章に分かれている。現在の軍事・政治状況の分析に始まり、ロシアへの軍事脅威の内容、軍事安全保障の在り方、さらには現代の戦争・紛争の分析、軍事組織の使い方などを広く列記してある。
 新ドクトリンの中心となる考え方は、安全保障の根幹は核兵器にあり、「核抑止」が安全保障の土台にあるとの主張だ。さらに、安全保障が脅かされる危険がある場合は、核兵器の「先制使用」も辞さないと宣言している。
 核兵器は超大国の核均衡の対立の上に存在する抑止兵器で、実際に使われることはないと説明してきたソ連時代の軍事路線を大幅に軌道修正することになる。軍事均衡路線を投げ捨て、「非常時には、何が何でも核兵器を使う」との、なりふり構わない態度が打ち出されたともいえる。
 ドクトリンの作成作業の中心的存在だったマニーロフ国防第1次官は「新ドクトリンは防御的性格を持ち、核兵器は侵略に使うことはない」と力説している。
 しかし、「ロシアの危険が脅かされる時」とだけ説明される核兵器の先制使用の条件が非常にあいまいで、他国の疑心暗鬼を呼ぶ可能性は十分にある。
 また、通常兵器を動員した戦争・紛争にも、核兵器を使用すると宣言したことは、米露対立の戦略兵器(長距離運搬手段を伴なう核兵器)のみならず、近距離核兵器、核地雷、核砲、中性子爆弾など戦術核兵器をよみがえらせる可能性を秘めている。
 新ドクトリンは、核兵器を前面に打ち出すことにより、核兵器を使う条件を引き下げる危険性を持ったといえる。
 また、仮想敵国や対立国についての言及はない。しかし、ドクトリンの作成作業の最終段階がユ―ゴ・コソボ紛争とぶつかり、その影響が色濃く表れた。特に、国連の決議も必要とせずに、域外の軍事行動の可能性を容認した北大西洋条約機構(NATO)の「新戦略概念」に対しては、強い反発と対抗策が表明されている。
 さらに、チェチェン紛争の影響で、民族・宗教過激主義による紛争の可能性について、大きな懸念を表明し、ロシアの脅威のひとつとの主張を掲げている。
▽ロシア軍事ドクトリン
 ソ連崩壊後、ソ連軍の崩壊・解体が進み、旧ソ連諸国で次々と独自軍が創設された。また、独立国家共同体創設に伴なう集団安全保障条約も締結された。ドイツなど東欧配備の旧ソ連軍の完全撤退も実現された。
 これらの劇的な軍事情勢の変化を背景に、新軍事ドクトリンの必要性が叫ばれた。しかし、軍改革問題もからみ、新ドクトリンの作成は遅々として進まず、ようやく1993年、「軍事ドクトリンの基礎」が採択された。その後7年間にわたり、改定作業が続けられ、昨年末ようやく最終案がまとまった。今年2月、国家安保会議で最終案の原則採用が決まった。さらに最終改定・校正が行われ、4月21日の安保会議で新ドクトリン採択の決定が行われた。軍関係者は、新ドクトリンを「移行期の文書」と規定し、情勢変化にあわせて改定作業が行われると説明している。[2000-05-01-23:24] 208
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 05/01@<ニュースキー>東ティモール現地報告(毎日新聞)

 昨年10月の国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)発足から半年あまり。独立国家へと歩む東ティモールは、治安と生活の糧をほぼ確保し、人々は四半世紀ぶりに手にした「平和で自由な生活」をおう歌しているように見える。しかし、激しい破壊の傷跡はいまなお残り、経済活動はマヒしたまま。住民は、新たな国家建設への産みの苦しみを味わい始めている。30日、日本の外相として初めて東ティモールを訪問した河野洋平外相は、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)前のG8外相会議で東ティモール問題を取り上げると約束した。国際社会がどこまで関心を持続し支援を継続できるかが、問われている。【ディリ(東ティモール)で、藤田 悟】
 ディリ中心部にある市場には、数百の露店が軒を並べ、インドネシアやオーストラリアからの食料品や日用品があふれる。「インドネシア軍も民兵もいなくなり、安心で自由だ」と人々は声を弾ませる。
 国際社会の支援で、食糧や生活用品、住宅資材などの物資はほぼ全土に行き渡った。住民は壁が焼け残った建物にトタン屋根を張って住み、人間らしい生活を取り戻し始めた。
 一方、日常生活の表面から見えないところでは、新たなイラ立ちと不満とが生まれつつある。
 ディリ中心部のUNTAET本部前には毎朝、数百人の市民が職を求めて訪れる。その1人、リタ・ドスサントスさん(22)は「農業をしている両親からコメや野菜をもらって生活はできるけど、生きていけるというだけ。UNTAETの仕事に3回応募したけど採用してくれない。UNTAETは東ティモール人を手伝うために来たのに、どうして私たちを雇ってくれないの」と口にした。
 東ティモールの失業率は80%前後と推計される。事務所や商店は軒並み破壊され、経済活動はまともに機能していない。オーストラリア人などがビジネスチャンスとみて入り込んでいるが、ホテルやレストランといった、国連や援助関係者など外国人向きの商売で、東ティモール人の生活とはかけ離れている。
 今年1月、UNTAETは米ドルの公用通貨採用を決めた。しかし、庶民生活の場では、インドネシア通貨のルピアがまだ幅をきかせている。さらに豪ドルも入り交じり、3種類の貨幣が混在している。
 ディリなどでは多くの小学校が臨時に再開され、基本言語は従来のインドネシア語から旧宗主国のポルトガル語に切り替えられた。だが、教師不足でインドネシア語と地元のテトゥン語も併用され、英語も教える4重言語状態だ。UNTAETは行政や司法など社会の枠組み作りに取り組んでいるが、まだ準備作業の域を出ておらず、国の将来像は見えてこない。
 UNTAETの高橋昭副代表(人道援助・緊急復興担当)は「緊急援助は山を越えた。今後は国の制度作りが比重を増すが、ことの性質上、時間がかかるのはやむを得ない。人々の間に期待と現実のギャップが生まれて始めており、これからより厳しい段階を迎えるだろう」と話す。
 こうした中、ディリに入った河野外相は「壊れたものを直すだけでなく、人材育成など、さらに細かいことに配慮した支援が必要」と感想を話した。
 日本は昨年8月の住民投票費用に約1000万ドル、多国籍軍に1億ドルを拠出したほか、UNAMETに3人の文民警察官と外務省職員1人を派遣。昨年12月に東ティモール支援国会合を東京で開き、今後3年間で1億ドルの復興開発支援をすると表明するなど、積極的に対応している。
 最大の支援国である日本は、緊急復興という第一段階で、大きな役割を果たした。国家建設へと踏み出したステップで、次は援助の質が課題となる。
 ▽東ティモール インドネシアの東部にあるティモール島のほぼ東半分。面積約1万4600平方キロで人口約89万人(1999年)。カトリック教徒が全体の9割。16世紀にポルトガルが同島を占領し、オランダに西半分を譲渡。第二次大戦中は日本軍に占領されたが、戦後、西ティモールはインドネシアの一部として独立、東はポルトガル領に戻った。
 74年にポルトガルが植民地支配を放棄。75年12月にはインドネシア軍が侵攻した。国連は軍の即時撤退を求めたが、スハルト大統領は76年に27番目の州として併合を宣言。国際アムネスティによると、この間、軍の弾圧により約20万人の死者が出たという。
 インドネシアによる厳しい支配が続いていたが、98年5月にスハルト大統領が退陣。昨年8月の住民投票で独立派が圧勝した。インドネシアは併合取り消しを認め、国連の暫定統治機構が活動を開始。最高指導者のシャナナ・グスマン氏は2年後の独立を目指し、中国や東南アジア各国に支援を要請している。
 ◆東ティモール略史◆
1974・ 4 ポルトガルが東ティモール植民地支配放棄
  75・11 東ティモール独立革命戦線(フレテリン)が独立宣言
  ・12 インドネシアが軍事侵攻、中心都市ディリを占領
  76・ 7 スハルト大統領が「27番目の州」として併合宣言
  78・ 3 インドネシア国民協議会が併合決議
  91・11 ディリ事件(政府軍の発砲で住民180人死亡)
  92・11 フレテリンの武装部門ファリンテルのグスマン司令官逮 捕  、後に終身刑判決
  96・10 東ティモールの人権擁護活動に取り組むベロ司教らにノ ー  ベル平和賞
  98・ 5 スハルト大統領が退陣
  98・ 6 ハビビ大統領が「特別州指定の用意」表明
  99・ 1 インドネシア政府が「東ティモール独立」容認示唆
  ・ 8 住民投票実施
  ・ 9 独立派圧勝の結果発表。併合派による騒乱激化
  国連安保理決議に基づきオーストラリア主導の多国籍軍派遣
  ・10 国民協議会委員会が東ティモール併合取り消しで合意
  国連安保理が国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の創設  を承認
2000・ 2 多国籍軍撤退、UNTAETに任務引き継ぎ
  ワヒド大統領が初めて東ティモールを訪問し、過去の虐殺事件につい  て謝罪
  ・ 3 東南アジア諸国連合(ASEAN)が7月開催の外相会議に東ティモ  ール招致を決定[2000-05-01-23:24] 218
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 05/01@<イラン>スパイ容疑のユダヤ人13人の審理始まる(毎日新聞)

 【カイロ1日高橋弘司】イランでスパイ容疑に問われたユダヤ人13人に対する裁判の本格審理が1日、同国南部・シラーズの革命法廷で始まった。
 被告は、シラーズなどに住む16歳から54歳までのイラン国籍のユダヤ人で、「軍事情報などの機密をイスラエルに提供していた」との容疑で昨年6月までに逮捕され、その後、2人が釈放された。最悪の場合、死刑が言い渡される可能性がある。
 裁判は先月13日、「国家治安上の理由から」として非公開で始まったが、短い陳述が行われただけで実質的な審理は延期されていた。「国家治安上の干渉や反響を考慮し、非公開とする」との決定を受け、1日も被告親族や記者、外交官らの法廷への立ち入りは禁じられたが、訴追内容の詳細が明らかにされている模様だ。
 イランでは保守派と改革派の権力闘争が激化しているだけに、裁判は米国など西側との関係改善の行方を占うものとなりそうだ。
 イスラエルの要請を受けた米国は「裁判結果はイランとの関係改善に影響を及ぼす」と警告、フランスも「容疑はでっち上げ」と非難するなど西側各国や国連は被告全員の釈放と公平な裁判を要求している。1日の開廷に先立ち、米国に拠点を置く国際人権団体代表が担当判事と初めて面談したが、判事は関係者の傍聴を改めて拒否し、国際的圧力にも関知しない姿勢を示したという。
 イスラム革命(1979年)以来、イランはイスラエルを国家として認めず、両国は敵対関係にある。革命後、迫害を恐れた多数のユダヤ人が国外脱出したが、現在も約2万5000人のユダヤ人が住む。[2000-05-01-21:40] 264
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 05/01@◇ベトナム、式典の「解放旗」再登場は高度の政治判断◇(朝日新聞)

 ベトナム戦争終結25周年を祝う4月30日のホーチミン市での記念式典で、南ベトナム解放民族戦線旗が二十数年ぶりによみがえったのは、ベトナム共産党指導部の高度の政治判断であることが1日わかった。
 ベトナム戦争中に北ベトナム軍とともに、ゲリラ戦の主役として戦ったのは南部の解放戦線だった。しかし、戦争終結から翌年の南北統一にいたるまでの約1年間に、南部の社会主義化を急ぐハノイの保守派と、時間をかけて社会主義化を進めるべきだという解放戦線側の路線対立があり、一部の解放戦線幹部らはパリに亡命した。
 このような経過を経て戦争中の解放戦線旗は公式な場から姿を消した。
 だが、数年前から「戦争中の解放戦線兵士らの貢献をもっと認めるべきだ」という声が高まり、今年からホーチミン市の党指導部で検討されていたという。今回の記念式典で解放戦線旗をよみがえらせた立役者は、南部の活動歴が長いマイ・チー・ト元内相らだといわれている。[2000-05-01-11:51] 265
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 05/01@南アジアに国際テロ拠点…米情勢報告(読売新聞)

 【ニューヨーク30日=松浦一樹】三十日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、南アジアのパキスタン、アフガニスタン両国を初めて「国際テロ拠点」と認定する米国務省の九九年版「国際テロリズム情勢報告」の概要を報じた。報告は一日、公表される。
 同紙によると、今回の報告では、国務省が九三年来、テロ支援国家に指定しているキューバ、イラク、北朝鮮など七か国のリストに変更はなかった。しかし、ナイロビとダルエスサラームの米大使館爆破テロ(九八年)の首謀者とされるサウジアラビア出身の国際テロリスト、オサマ・ビンラーデン氏を匿っているアフガニスタンが「米国にテロの脅威を与えている」と指摘。また、米国の同盟国であるパキスタンでは、インドとのカシミール紛争に絡みテロ支援が続けられている、と指摘するなど、「テロの重心は、中東から南アジアへと移っている」と分析している。
 同紙によると、テロ報告の朝鮮半島情勢分析では、南北首脳会談に応じた北朝鮮について「あらゆるテロ行為に対して非難口調を強めている」と一定の評価を示し、テロ支援国家リストから外すこともできると指摘しているという。
 テロ報告では、アフガニスタン、パキスタン両国について、「テロ支援国家」に指定するまでに至っていない。[2000-05-01-11:00] 269
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 05/01@対日、NATO関係を強化 「ゴア政権」外交構想発表(共同通信)

 【ワシントン30日共同】米民主党の大統領候補指名が確定しているゴア副大統領は三十日、日本と北大西洋条約機構(NATO)加盟国との同盟関係を一層強化する方針などを盛り込んだ、次期政権を担う際の外交政策方針「フォワード・エンゲージメント」を初めて明らかにした。
 ゴア副大統領はボストンで開かれた国際新聞編集者協会(IPI)総会で演説し、ライバルの共和党ブッシュ・テキサス州知事を外交経験不足と示唆した上で「冷戦時代の考えにとらわれ、米国を孤立主義に陥れかねない」と批判した。
 対アジア外交で副大統領は、日本との安保、経済面などでの協力関係の強化のほか、「一つの中国」政策維持と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との「創造的外交」をうたった。
 また副大統領は、新世紀の米国安全保障に対する脅威はこれまでの大量破壊兵器拡散やテロばかりでなく、環境破壊、麻薬密輸、病気も含まれると指摘した。「世界の人々の運命が相互に絡まりあっている時代を生きなければならない」として、米軍の軍事介入が必要な危機に至らないよう予防的な措置を先取りして展開する方針を表明した。[2000-05-01-10:12] 292
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 05/01@<人と世界>差別続く豪・先住民アボリジニ パーキンス氏に(毎日新聞)

 9月のシドニー五輪が近づくオーストラリアで今、先住民アボリジニが政府と対立を深めている。「人種融和」を掲げる五輪招致は、差別の歴史を克服する絶好の機会とされていた。しかし、両者間の和解案づくりは難航し、3月には「アボリジニ虐待の歴史には誇張がある」とした政府の内部文書が発覚。先住民側の反発は頂点に達し、「五輪を妨害せよ」という声まで出始めている。問題の根底には何があるのか。先住民指導者の一人で五輪組織委員会の顧問も務めるチャールズ・パーキンス氏(63)に聞いた。【シドニー・堀内 宏明】
 ――差別されているアボリジニの実態とは、どんなものなのですか。
 ◆豪大陸の中央部に行けば、今も何千人ものアボリジニが土の上で暮らしている。ほとんどが都市部から追われてきた人々で、粗末な食べ物しかなく、栄養が悪いから寿命も短い。都市のアボリジニは警察が常に監視するような地域に閉じ込められている。満足な教育を受けられないのでいい仕事がなく、働く気力をなくしたアルコール依存症患者などが後を絶たない。
 ――政府はアボリジニの生活向上に努力しているはずですが。
 ◆確かに多額の金を分配してきた。しかし、彼らはわれわれを支配し、見下したままだ。アボリジニの舞踊や音楽を見世物として利用するだけで、本当の姿を知ろうとはしない。われわれは彼らに服従し、金持ちのおこぼれをもらって生きているのが現状だ。これでは何も変わらない。
 ――なぜ今も差別はなくならないのですか。
 ◆アボリジニの存在を認めれば、自分たちが侵略者だったと認めなければいけないからだ。白人は豪大陸に何の断りもなく侵入し、先住民を追い払い、土地や木を奪った。まるで日曜日のキツネ狩りのように女性や子供たちを撃ち殺した。労働力に使うため先住民の子を家族から引き離し、親の顔も忘れた「盗まれた世代」と呼ばれる犠牲者を作った。これらの事実を正当化するには、「私たちはすぐれた者として劣ったお前たちを助けてきた」と考えるしかないではないか。
 ――「アボリジニ虐待の歴史には誇張がある」とした政府文書について、ハワード首相は議会で陳謝しました。
 ◆「お騒がせしました」と謝っただけで、本気で反省などしていない。我々は200年にわたり白人と穏やかに話し合ってきた。フレイザー元首相をはじめ歴代の指導者と討議し、先住民の土地所有権を認める先住民土地所有法を作った。だが、ハワード首相はこの法律を敵視し、これを制限する法案を提出(98年に上院が否決)し、国連からも非難された。豪州はどんどん人種差別の時代に逆戻りしている。
 ――首相が謝罪したくないのは、補償問題が絡むからではないですか。
 ◆補償問題は法廷が裁く。私たちが政府に求めるのはカネではなく、内面的な心だ。首相が一国の責任者として過去の過ちを認め、わびるという象徴的な意味だ。それがなければ和解など実現しない。豪州は今年、五輪の開催で世界から注目され、国が一つになる歴史的な時期にあるのに、ハワード首相は自分の立場が理解できていない。
 ――和解とは、具体的に何をすることですか。
 ◆双方が和解文書を交わすことから始まる。文書には政府の謝罪の言葉が入らなければならない。そして、豪州が先住民を承認し、尊重し、将来は双方がどんな責任を持つのかを協定の形で結びたい。
 ――あなたは以前、「五輪ボイコット」を訴える先住民団体を説得し、撤回させましたね。
 ◆「白人が楽しむための五輪」には反感はあるが、五輪に協力し、豪州を訪れる海外のメディアに先住民の現状を知ってもらう方がいいと思ったからだ。私は五輪招致を成功させるため各国を回った。当時もアボリジニの差別はひどかったが、隠されていた。表面に出ればシドニーは招致合戦に勝てなかったからだ。その努力も、台無しになりつつある。
 ――選手村や五輪公園には先住民の旗が掲揚されますね。
 ◆旗を揚げるのはいいことだ。実際にアボリジニの有力選手がいるし、先住民の誇りを示すことになる。スポーツ大会はもともと政治と一体なものだ。われわれは五輪組織委員会に本音を打ち明け、旗を揚げてもらうことにした。メーンスタジアムでの旗の掲揚は政治的アピールを嫌うIOC(国際オリンピック委員会)が許可しなかったが。
 ――アボリジニ女性で陸上400メートル金メダル候補のキャシー・フリーマン選手も最近、「五輪に政治は持ち込まない」と宣言しました。
 ◆スポンサー企業から「優勝してもアボリジニの旗など掲げて騒ぎを起こすな」と圧力がかかったと聞いている。でも、彼女が金メダルを取ったらアボリジニ旗を手にウイニング・ランをして欲しいし、そうするべきだ。差別を克服してつかんだ栄光と情熱を示す人生で一度きりのチャンスだからだ。
 ――五輪に向けて先住民の抗議行動は激化するでしょうか。
 ◆政府の謝罪の言葉次第だろう。われわれは長い間、穏やかに対話のテーブルについてきたが、今は外にけり出された犬のようになっている。けられた犬はかみつきにかかるものだ。
 ――将来、白人とは共存していくつもりですか。
 ◆もちろん、そうだ。ただ、彼らが歴史を正しく理解しなければ共存する手がかりが得られない。豪州は各国の移民を受け入れて「多文化主義の国になった」というが、外国人と笑顔で握手し、その国の料理を食べるだけなら「ご都合主義」でしかない。彼らは(1901年の)建国以来、「豪州人とは何か」という国民としての魂、アイデンティティーを探し続けている。しかし、先住民との問題を解決しない限り、それは見つけられないだろう。
 【略歴】チャールズ・パーキンス 1936年、今は廃虚となった豪北部特別地域(準州)の金採鉱の町アールタンガでアボリジニの母と白人の父の間に生まれる。16歳の時にサッカーの才能を見込まれ英国に留学。シドニー大学を卒業後は選手生活から引退し、豪州スポーツ委員会で先住民政策を担当しながら五輪組織委員会の仕事に携わった。今も政府機関のアボリジニ・トレス海峡島しょ民委員会の理事を務める。[2000-05-01-00:08]
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 05/02@◇昨年殺害のジャーナリストは36人 国境なき記者団発表◇(朝日新聞)

 国際的ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(本部・パリ)は1日、昨年1年間で36人のジャーナリストが記者活動中に殺害された、と発表した。
 紛争が続く西アフリカ・シエラレオネで10人が殺されたほか、北大西洋条約機構(NATO)による空爆のあったユーゴスラビアで6人が死亡するなど、1998年の19人から大幅に増加した。[2000-05-02-19:09] 17
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 05/02@緒方氏の後任選び活発化 秋の総会にらみ国連(共同通信)

 【ジュネーブ2日共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR、本部ジュネーブ)の緒方貞子高等弁務官(72)が今年末で任期切れになるため、後任者選びが水面下で活発化してきた。候補者は多く、今後、早期の一本化を目指し絞り込み作業が本格化しそうだ。
 関係筋によると、ヨルダンのハッサン王子(元皇太子)が二日までに、出馬の意向を国連側に伝えた。加えてアハティサーリ前フィンランド大統領やクシュネル国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)事務総長特別代表、ボッレベック前ノルウェー外相らも取りざたされている。
 国連は当事国の利害を調整しながら、九月から始まる国連総会の終盤までに候補者を一本化、アナン事務総長による後任指名にこぎ着けたい考えだ。
 緒方氏は(1)出身国に根深い難民問題が存在しない(2)資金調達能力がある―などの条件を満たす人物を望んでいるとされ、これらの要素を勘案しながら調整が続いている。
 世界の難民支援の「顔」となる高等弁務官は国連機関の中でも要職の一つ。緒方氏は伝統的に欧州勢の影響力が強い組織の中で、一九九一年に高等弁務官に就任。九四年に再任、九八年に任期延長を認められ、ユーゴスラビア・コソボ紛争に伴う大量のアルバニア系難民の支援活動を指揮するなど大きな実績を残してきた。[2000-05-02-16:17] 18
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 05/02@コソボ住民の保護は不完全 NATO最高司令官(共同通信)

 【ウィーン2日共同】今週退任する北大西洋条約機構(NATO)のクラーク欧州連合軍最高司令官は一日、ユーゴスラビア・コソボ自治州に最後の訪問をし、NATO軍主体の国際治安部隊によるコソボの全住民の保護が実現に至っていないことを認めた。
 プリシュティナからの報道によると、同司令官は「すべての財産や住民を一人残らず保護することができないのは事実だ」とした上で、「住民には忍耐が必要。十九世紀から二十一世紀に移行しなければならない」と述べ、セルビア人攻撃を続けるアルバニア系住民に自制を求めた。
 同司令官の退任は予定より早く、背景に米政府との確執があるとうわさされているが、この日、同じくコソボを訪問したコーエン米国防長官は「司令官は最も複雑な任務の一つを成功に導いた人物」と称賛した。[2000-05-02-08:54] 105
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 05/02@◇自衛隊の邦人救出、シンガポール基地の使用で合意◇(朝日新聞)

 防衛庁の瓦力長官は2日、公式訪問中のシンガポールでトニー・タン副首相兼国防相と会談し、自衛隊が東南アジア地域で在外邦人の救出や国連平和維持活動(PKO)を行う場合に、シンガポール国内の基地を使わせてもらうことで合意した。危機が起きていない平時に、海外での自衛隊の部隊受け入れを事前に合意したのは初めて。また今年秋、シンガポール沖で予定される多国間の潜水艦救難訓練にも、両国が積極的に参加することを申し合わせた。
 会談で瓦長官は、インドネシア危機の起きた1998年、自衛隊の輸送機がシンガポール政府の許可を得て、同国の空軍基地で待機した例を引き、「事情が許す限り、受け入れを」と要請。タン国防相は「能力が許す範囲で協力したい」と答えた。また、日本側から、機雷掃海の分野でのセミナー開催や、陸海空ごとに幕僚の協議をするなど防衛交流も提起し、シンガポール側と合意した。
 また、アジア地域の情勢をめぐり、米軍の存在が安定に寄与しているとの認識で一致する一方、タン国防相はインドネシアの経済的安定が、東南アジアの安全保障には不可欠と強調した。[2000-05-02-21:03] 120
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 05/02@無気力?!独・緑の党フィッシャー外相(読売新聞)

 【ベルリン2日=三好範英】「90年連合・緑の党」から政権中枢入りしたヨシュカ・フィッシャー独外相(52)が過去数か月無気力に陥っている――独シュピーゲル誌最新号は、「緑の党」看板政治家のこんな近況を伝えた。
 同誌は、「どうしたフィッシャー」との見出しで、同外相が、ニューヨークで開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に欠席、外務次官を代理出席させ、自らはイタリアで休暇中だったと伝えたほか、連邦議会会派会合にも出席せず、党内の友人にも電話をすることもなくなったと報じた。友人は「外相は途方に暮れ、生気がない」と証言しており、外務省の士気も低下し、省内で失望感が強まっているという。
 同外相は、九八年の就任当初こそ、緑の党出身ということで不安視されたが、その後は、知性と魅力ある人柄で外交舞台で尊敬を勝ち得た。コソボ紛争では強力な人権外交を展開、連邦軍を戦闘行動に参加させ、東チモールにも連邦軍を派遣した。私生活でも劇的なダイエットを成功させるなど話題をまいた。
 同誌は、<1>チェチェン問題でロシアに対し強い措置をとれなかった<2>緑の党を現実政党に改革しようとしたのに、「原理派」の抵抗で逆に党内で孤立した――などを、最近の無気力の原因としてあげている。[2000-05-02-19:35] 126
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 05/02@<スイス国民党>EUオーストリア制裁を批判 ブロッハー氏(毎日新聞)

 【ジュネーブ2日福原直樹】欧州で台頭する右派の一翼を担うスイスの「国民党」指導者、クリストフ・ブロッハー氏は毎日新聞と会見した。極右政党が政権に参加したオーストリアに対する欧州連合(EU)の制裁を「重大な内政干渉」と批判し、第二次大戦中のスイスの戦争責任については「父祖の代を批判すべきでない」と述べるなど、自らの政治思想を語った。同党は昨年の選挙で、移民受け入れ制限などを訴え、議席数を一挙に15増やしている。
 ブロッハー氏は、ハイダー氏(オーストリア・自由党)、ボッシ氏(イタリア・北部同盟)など、極右、右派政党指導者について「我々はスイスの政党で他国とは関係ない」と政治・思想的な結びつきを否定。だがについては、「(オーストリアの)民主主義への侵害で、EUの衆愚政治だ」と非難した。
 その上で「EUに加盟すれば、組閣にまで口を出される。(EUは)大国の専制政治だ」とスイスのEU加盟に反対した。また「国連に加盟すれば安保理などの政争に巻き込まれ、中立を保てない」と国連加盟の可能性も否定した。
 一方、第二次大戦中に金塊と引き替えにナチスに物資を売却した戦争責任については、「スイスが中立を守るため、他に選択肢がなかった」と発言、「(道義的にも)父祖を批判したくない」と述べた。スイス政府は国際的批判を受けて97年に基金を創設、途上国援助に向ける方針を打ち出したが、同氏はこの金をスイスの年金対策に回すべきだと主張している。[2000-05-02-18:49] 128
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 05/02@◇テロは小規模化、拠点は南アジアへ 米の世界テロ報告書◇(朝日新聞)

 米国務省は1日、昨年の国際テロ活動の実態をまとめた年次報告書「世界テロリズムの様式」を公表した。変化として、(1)テロ拠点が中東から南アジアに移った(2)国家の支援を受けた活動より、個人グループによる小規模活動が目立つ――と指摘している。「テロ支援」の理由で制裁を受けるのは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、イラク、キューバなど7カ国で変更はなかった。
 報告書によると、国際テロの重点地域は、アフガニスタン、パキスタンなどに移動。アフガンでは、イスラム原理主義勢力タリバーンの支配下で、オサマ・ビン・ラディン氏の組織が依然活動している。国務省は「タリバーンは米国との関係進展を望んでおり敵対的ではないが、その支配下にあるテロ組織に対処することが必要だ」と言う。
 タリバーンとの密接な関係が知られるパキスタンはカシミール地域で活動する武装勢力も拠点にしていると指摘。パキスタン自体はテロ支援国家リストには加えられなかったが、米政府は活動メンバーらの出入国や武器入手経路を断つよう強く求めている。
 一方、昨年のテロ被害者数は、大きな事件がなかったため死者233人(前年741人)、負傷者706人(同5952人)と急減した。テロリストによる事件数は40%増えたが、これは主にトルコの反体制組織クルド労働者党(PKK)のオジャラン議長が逮捕されたことを受け、殺害を伴わない小規模なテロが続発したため。全体的な詳細を見ても、国家が背後で暗躍する国際テロは影を潜め、麻薬・銃・人身取引など個人組織レベルの活動が目立つという。
 日本関連では、オウム真理教(アレフに改称)と日本赤軍が従来通りテロ組織に指定された。オウム真理教については、昨年12月に刑務所を出所した上祐史浩幹部の顔写真を掲載するとともに、教団が布教活動や資金集めなど、依然、組織の再建努力を続けている、としている。[2000-05-02-18:36] 132
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 05/02@ルムンバ暗殺の真相究明へ ベルギー下院の調査委(共同通信)

 【ブリュッセル2日共同】一九六○年、コンゴ(旧ザイール)が独立した直後に当時のルムンバ首相が殺害された事件に旧宗主国のベルギー政府が関与していたとの疑惑で、ベルギー下院調査委員会は二日、初会合を開き、真相究明に乗り出した。
 コンゴは六○年六月に独立したが、直後に鉱物資源の豊かなカタンガ州が分離独立に動き「コンゴ動乱」と呼ばれる内戦状態に陥った。九月に更迭されたルムンバ首相はコンゴ政府により翌年一月、反対派支配地区に送られて殺害され、世界に大きな衝撃を与えた。
 当初から殺害にはベルギー政府や軍が関与していたとの疑惑が出ており、同国のアフリカ支配時代の「暗い過去」とされていた。昨年、政府関与を示唆する外務省公電が明らかになり、議会が調査委を設置。ミシェル外相は「当時の政府の責任が明らかになれば、政治的、経済的な補償をする」と議会答弁していた。
 ベルギーが真相究明に転じたのは、この問題に決着をつけなければコンゴやルワンダ、ウガンダなど中央アフリカ諸国との関係改善が困難と判断したためとみられる。[2000-05-02-18:13] 133
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 05/02@<ニュースキー>憲法調査会3 元GHQ外事担当・プール氏(毎日新聞)

 参院憲法調査会の招きで来日中の元GHQ(連合国軍総司令部)外事担当海軍少尉、リチャード・プール氏(81)は、調査会のヒアリングに先立って毎日新聞と会見し、日本国憲法の基礎になったGHQ草案の作成経過などについて証言した。同氏はGHQの第一線で天皇、条約などに関する部分の起草にかかわった人物。日本国憲法の「現代的意義」を強調し、米国による「押しつけ憲法」を理由に改憲を求める論者を批判する一方、「9条のあいまいさをなくすのは当然」とも語った。
 ――天皇を日本の「シンボル(象徴)」にするという発想は、どこから生まれたのですか。
 ◇英国型の立憲君主制に変えるという発想だった。明治憲法では国家権力は天皇に所属し、すべては天皇の名の下に行われ、軍や国粋主義者に悪用された。天皇自身がどう感じたかはわからないが、戦争の権威づけに使われたのは事実だ。天皇の地位と役割を立憲君主制に沿ってどう定義するかを検討し、「シンボル」が生まれた。日本語で何と言いましたっけ。
 ――「象徴」です。
 ◇そうそう「ショーチョー」。私たちが一番苦心したのは、役割として重要だが、権力は与えず、すべて内閣の助言と承認に基づくようにすることでした。
 ――当時、あなたは26歳でしたね。
 ◇私は日本生まれで、誕生日も昭和天皇と同じ(4月29日)だった。憲法草案を作成することになり、行政、立法、司法などの委員会担当として次々と上位の軍人が任命された。天皇の委員会だけが残り、ケーディス大佐(GHQ草案起草の中心人物)に「プール、お前がやれ」と命令されて心底びっくりしました。でも、私は階級(少尉)の割合に経験を積んでいた。海軍入隊前に2年間、国務省に勤め、大学で国際法、憲法学、国際関係、極東情勢や日本について学んでいましたから。
 ――「象徴」はあなたが思いついたのですか。
 ◇唯一の発明者というわけではありません。ケーディス大佐を長とする運営委員会と協議を重ねた結果だった。初めは皇位を「象徴的存在」とし、天皇はこれを「象徴」する人――という表現だったが、「用語的にダブる」という意見が出て、天皇自身を「象徴」にすることになった。日本語の「象徴」は皇位や国旗、国家、紋章といったものを指し、人物を指すという発想はなかったと思うが、私たちは、日本語に語彙を一つ追加する点で貢献できたと思っています。
 ――GHQはわずか1週間で草案をつくりました。急いだ理由は?
 ◇要因が二つあった。マッカーサー元帥は当初、憲法改正は日本に任せようとした。ところが、新聞に報じられた日本政府案は明治憲法のわずかな手直しで、内容も不満だった。しかも憲法改正を中断させるために悪用されつつあった。
 ――それは毎日新聞の報道でした。
 ◇もちろん、よく覚えている。翻訳は元帥に伝えられ、容認できないことをすぐ日本政府に伝えた。日本政府がこの問題で協議を求めたため、急いでGHQ草案を作ることになった。毎日の報道がその後の連鎖反応に貢献したわけです。
 第二の要因は、極東委員会だ。ソ連が極東委員会に加わり、ベルリン占領時のように拒否権を使うことをわれわれは恐れた。ソ連は民主化の試みに対して拒否権を乱発し、ドイツ分断を招いた。米国はそれを回避したかったのだ。
 ――日本側の十分な協力は得られましたか。
 ◇米国草案を日本に提示した後、内閣は分裂した。分裂を収拾する際、天皇自身が果たした役割が重要だった。天皇は自身の権限が大きく制約されることを承知の上で、GHQ案を政府草案とするように内閣に大きな影響力を発揮した。
 ――現在、日本で高まっている改憲論争を、どう見ていますか。
 ◇憲法は柔軟な文書でなければならないと思う。重要なことは改正に乗り出す前に国民の意見を確かめることです。策定過程が異常だったからといって、日本国憲法の現代的な価値と意義は損なわれない。今の憲法は日本のために役立ってきたと確信しています。
 ――戦争放棄をうたった9条は、いかがですか。
 ◇9条は修正してしかるべきだと思う。あいまいさを解釈で超越しようとする試みが重ねられてきたが、そうした解釈そのものが論議を招いている。9条は私の権限外だったが、草案を読んだ時に「やがて平和条約が締結され、日本が国際社会の仲間入りをする際、国家の固有の権利でもある軍隊を捨てさせるつもりですか」と意見を述べたのを覚えています。
 何と呼ぼうと、軍(自衛隊)は存在している。現実を認めた上で、「軍の役割は防衛に限定される」と定め、自衛に限らず、国連など国際機関の多国籍活動や平和維持活動に参加するようにするべきでしょう。
 【聞き手・高畑 昭男】[2000-05-02-18:13] 139
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 05/02@中国のICBMを無力化 米NMD、軍拡招く恐れ(共同通信)

 【ワシントン2日共同】米国が二○○五年の配備開始を構想する米本土ミサイル防衛(NMD)が、中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)戦力を無力化する能力を持つことが一日までに分かり、米軍備管理専門家らが「中国が対抗上、ミサイル軍拡を進めるのは必至」と懸念を表明した。
 同構想の全容は、米政府がロシア政府との弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正交渉の場で提示し、米核問題専門誌が最新号で全文を報じた。
 それによると、NMD構想は百基の迎撃ミサイルをアラスカ州に配備する第一次計画と、ノースダコタ州に百基を配備する第二次計画に分かれ、合計二百基の迎撃ミサイルが侵入してくる四十から四十五のミサイル弾頭を破壊する。
 米国はNMDが少数のミサイルしか発射できない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランを対象とし、ロシアの千を超すICBM戦力には対抗できないとしてロシアの了解を得ようと努めているが、中国が保有している二十基前後の単弾頭式ICBMは無力化されてしまうことから、米軍事誌ディフェンス・ウィーク最新号は「中国のNMDへの懸念は正しいことが証明された」と解説した。
 また、米カーネギー国際平和財団のウルフストール研究員は、中国が対米抑止力を維持するためにミサイル数を増やし、多弾頭化などICBM戦力を拡充するのは間違いないと指摘。「ロシアがNMDを了解しても、中国の軍拡を招き米国が得るものはない」との見方を示した。[2000-05-02-16:55] 148
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 05/02@GPS精度低下機能を解除、カーナビの誤差10mに(読売新聞)

 【ワシントン1日=大塚隆一】米政府は米東部時間一日午後八時(日本時間二日午前九時)から、軍事衛星の出す電波を使って船舶や自動車の位置を測る全地球測位システム(GPS)で、民生用の電波にかけていた「精度低下機能」を解除した。この措置によって、日本でもカーナビゲーションなどに利用されているGPSの精度は一気に約十倍向上、これまで約百メートルあった誤差が十メートル近くにまで縮まるという。米政府当局者は「誤差の範囲がサッカー場からテニスコートに縮小することになる」と説明している。
 従来の受信機の精度もかなり向上し、カーナビのほか、船舶や航空機の航行、救難、登山、漁業など、多くの分野でGPSの利用が拡大しそうだ。
 これまではGPSの誤差を小さくするため、地上局の電波や受信機に組み込まれた地図を使って位置を補正してきたが、今後はこうした手段に頼る必要性も減るという。
 米国防総省が開発したGPSは、二十数個の衛星で地球を取り囲み、これらの衛星から発信される電波をもとに正確な位置を割り出す軍民共用のシステム。ミサイル誘導などに使う軍事用電波は敵対国の利用を防ぐため暗号をかけているが、民生用電波は精度を落としたうえで一般に開放してきた。しかし、GPSの需要拡大に伴って民生用電波の精度向上を求める声が強まったことなどから、米政府は規制の撤廃に踏み切った。ただ、有事の際は紛争地域などの電波の精度を再び低下させることもあるとしている。
 米政府によると、世界には現在約四百万台のGPS受信機があり、市場規模は約八十億ドル。三年後には約百六十億ドルに倍増する見込みという。[2000-05-02-13:15] 150
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 05/02@イラクが原油輸出を拡大 持続性には疑問も(共同通信)

 【ニューヨーク1日AP・DJ=共同】イラクが原油輸出を拡大している。先週の輸出量は日量二百三十万バレル、四月の月間平均は二百万バレルと、三月の平均百五十万バレルを大きく上回った。しかし、イラクの石油産業は設備老朽化が激しく、このぺースが続くかどうかには懐疑的な見方が強い。
 イラクは先に、今年の年末までに、日量で七十万バレル増産し、昨年末の水準とほぼ同じ日量三百十万バレルまで生産を回復させる計画を発表した。採掘設備修理に必要な部品購入費は、国連により倍増されることになったが、兵器製造に利用されることを警戒する米国の意向により、部品調達はほとんど進んでいない。このため、計画通りの増産が可能かどうかは不明だ。
 国連が三月に発表した調査では、部品が入手できなければ、人道支援のため認められている現行の半年間の石油輸出期限内に、生産量は日量百八十万―百九十万バレルまで落ち込む見通しだ。[2000-05-02-12:53] 152
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 05/02@◇GPSの高精度データを民間にも開放、米大統領発表◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は1日、全地球測位システム(GPS)の高精度データを、標準世界時で2日午前零時(日本時間同9時)から民間も使えるようにすると発表した。防衛機密上の配慮から民間用には質を落としていたが、必要な地域についてだけこうした防護策をとる技術が開発されたため、一律に質を落とすのをやめることにした。利用者は10倍の精度の位置情報も得られるようになる。
 発表によると、従来はサッカー場に相当する範囲にしか位置を絞れなかったのが、テニスコート程度まで絞り込めるようになる。
 また、時間情報の精度も上がるため、コストのかさむ原子時計をもつ必要もなくなるとしている。
 クリントン政権が進めるGPSの平和利用促進策の一環で、国防総省を中心に検討してきた。紛争の際、敵方が使う恐れがある場合にはその地域だけ信号の質を落とせることが確認された。そのほかの地域での利用には全く影響がないという。
 高精度の位置情報が無料で安定的に得られることが保証されれば、競争相手の出現も抑えられる。この分野での米国の独占的地位は揺るがず、長い目で見ればその方が米国の安全保障上有利、との判断も働いたとみられている。[2000-05-02-12:41] 155
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 05/02@◇核廃絶を明確な目標に NPT会議で核保有国が共同声明◇(朝日新聞)

 ニューヨークで開かれている核不拡散条約(NPT)再検討会議で、5つの核保有国(米英仏ロ中)は1日、核兵器廃絶という「究極的な目標」を明確に約束する共同声明を発表した。核廃絶に向けて核保有国の具体的な行動を求める「核を持たない国々」の主張にこたえた動きだ。だが、時間的な枠組みなどについては述べておらず、多くの非核保有国が納得するものではなさそうだ。
 共同声明は(1)核兵器廃絶と、効果的な国際管理下での全面完全軍縮という究極的目標を明確に約束する(2)戦略上の安定の基礎となる弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)を「維持・強化」しながら、第3次戦略兵器削減条約(START3)を可能なかぎり早期に締結する(3)包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に全力をあげる(4)兵器用の核分裂性物質の生産禁止(カットオフ)条約の必要性を再確認し、国連軍縮会議で交渉を始め、早期に終了することを呼びかける(5)5カ国の核兵器はいかなる国にも照準を合わせていないことを宣言する――などを掲げている。
 核保有国は、すでにこれまで日本提案の国連総会決議「究極的な目標としての核廃絶」に賛成してきた。声明はその立場に「明確な約束」を表明したものだ。
 ABM条約については「維持・強化」とだけ述べている。米国のミサイル防衛計画を会議の議論とは別にするため、それぞれが自国に都合よく解釈できる表現でまとめたとみられる。
 この共同声明について、核廃絶・核軍縮を唱える非政府組織(NGO)の一部などからは「何ら新味のない声明」「核保有国の体裁づくり」などの批判が出ている。非核保有国グループ「新アジェンダ連合」が、声明の内容を具体化するように迫って会議は紛糾しそうだ。[2000-05-02-12:15] 161
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 05/02@◇長崎市長らが米大使らに核廃絶を直接要請◇(朝日新聞)

 核不拡散条約(NPT)再検討会議に出席するために訪米している伊藤一長・長崎市長と森元弘志・広島市助役は1日、国連本部でダナパラ事務次長(軍縮担当)とリッチ在ウィーン米大使と会談した。インド・パキスタンの核実験や米上院の包括的核実験禁止条約(CTBT)批准否決、米ロの未臨界核実験に懸念を示すとともに、「NPT体制を強化し、今世紀中に核兵器廃絶への具体的道筋を定めてほしい」と被爆地の思いを訴えた。
 伊藤市長らは米大使に「核保有国として、ぜひ会議の成功と核兵器廃絶に尽力して欲しい」と要請。さらに「米国との協力関係は大事だが、核に関しては異議を感じている被爆者や国民がいることを知って欲しい」と訴えた。
 これに対し、リッチ大使は「一層の核削減に努める」と答えた。「未臨界核実験は新兵器開発目的もあるのでは」との問いには「開発のためではなく、維持管理のためだ」とした。
 ダナパラ事務次長は「重要な時期に被爆地である2都市から出席してくれたのは意義深い。(3日にある)各国政府代表に向けた演説は重責だと思うが、逆に保有国などにプレッシャーをかける意気込みでやってほしい」と激励した。
 伊藤市長は会談後、「NPT再検討会議を成功させる強い意思が感じられた。今世紀中にあったことは今世紀中に解決の道筋をつけるべきだ。国連には指導的役割を果たして欲しい」と話した。[2000-05-02-11:38] 162
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 05/02@核保有5か国、「核兵器廃絶」声明(読売新聞)

【ニューヨーク1日=松浦一樹】ニューヨーク国連本部で開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、米、英、露、仏、中の核保有五か国は一日、「核兵器廃絶の究極目標を堅持する」とうたった共同声明を発表した。五か国が核不拡散・核軍縮への取り組みに関する共同声明を出したのは初めて。
 先月二十四日に開幕した再検討会議では、軍縮に消極的とされる核保有国に非難が集中しており、共同声明は“少数派”の五か国が保有国に共通の立場を示すことで、非核保有国に対し「弁解を試みたもの」(外交筋)と受け止められている。
 二十三項目からなる共同声明で、核保有五か国は▽NPTで課された全義務の順守▽核廃絶目標の堅持▽米露による第二次戦略兵器削減条約(START2)の早期発効、START3の早期妥結▽弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の維持強化――などを確約する一方で、九八年五月に核実験を強行したインドやパキスタンなど未加盟国にNPT署名を促している。
 米本土を守る全米ミサイル防衛(NMD)の開発を進める米国は、迎撃ミサイルを制限するABM条約の改定をロシアに迫っているが、国連外交筋によると、声明中の「ABM条約の維持強化」は「条約の一方的改定または廃棄は認めないという意味が込められており、米国にとって問題ない」という。
 声明はまた「核保有五か国はいずれも、現在配備されている核兵器を特定国に向けていない」との宣言を盛り込んだ。五か国を代表し、声明を本会議に提示したフランスのユベール・ドゥラフォルテル軍縮大使は「これが最も重要な項目である」と強調した。
 声明に対し、非核保有国側は冷ややかな反応を見せており、「劇的な要素を欠き、再検討プロセスに全くインパクトがない」(国連外交筋)との声も出ている。[2000-05-02-11:25] 172
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 05/02@<米テロ報告書>テロ支援国リスト除外は北朝鮮の今後の対応(毎日新聞)

 【ワシントン1日中井良則】米国務省は1日、世界テロリズム活動報告の99年版を発表し、98年に続いて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)など7か国を「テロ支援国」に指定した。シーハン国務省テロ対策調整官は北朝鮮について「日本赤軍のテロリスト5人をかくまっていることが問題のひとつだ」と述べ、日本赤軍メンバーの保護がテロ支援国と認定した主な理由と説明した。
 同報告は北朝鮮について「北朝鮮はテロ非難の声明を発表した。米国は、北朝鮮に対しテロ支援国リストから除外されるために必要な措置を示している」と述べ、テロ支援国指定からはずれるかどうかは北朝鮮の今後の対応にかかっていると北朝鮮に圧力をかけた。また99年の活動として「タイで亡命した北朝鮮外交官を誘拐しようとした。武器をテログループに売った疑いがある」と指摘した。
 また、オルブライト国務長官は「テロリズムの中心は中東から南アジア、特にアフガニスタンに移動している」と述べ、米国が国際テロの黒幕とみなすウサマ・ビン・ラディン氏の警戒を強めていることを示した。米国はアフガニスタンの90%を支配するタリバンを承認していないため、テロ支援国に含めていない。
 シーハン調整官は「タリバンは米国に敵対していないし、米国と良好な関係を真剣に求めている。しかし、支配領土内で、米国への直接的な脅威となるテロ組織が存在している。それがタリバンが対処しなければならない重大な問題だ」と述べ、ラディン氏を保護する限りタリバンとの関係改善が難しいことを指摘した。
 報告書はシリアについて、「中東和平が合意されればシリアをテロ支援国から除外することも検討される」と述べた。
 報告書によると、昨年、国際テロは392件発生し、233人が死亡、706人が負傷した。件数は98年の274件より43%増えたが、死者(98年741人)と負傷者(同5952人)は減った。
 テロ支援国はキューバ、イラン、イラク、リビア、北朝鮮、スーダン、シリアの7カ国。[2000-05-02-10:10] 177
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 05/02@国連要員が撃たれ重体 西アフリカのシエラレオネ(共同通信)

 【ナイロビ1日共同】西アフリカのシエラレオネからの一日の報道によると、首都フリータウンの北東約七十キロのポートロコ郊外で四月三十日、パトロール中の国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)のナイジェリア兵士一人が反政府勢力の銃撃で重体となった。
 一行はパトロール中、反政府勢力約百人と遭遇。武器を渡すよう要求されたが、拒否したところ、いきなり撃たれたという。パトロールしていた国連要員は六人で、残る五人にけがはなかった。反政府勢力は武器を奪って逃走した。
 UNAMSILは和平協定成立に基づき昨年十一月から武装解除や和平協定の実施の監視などに当たっている。[2000-05-02-08:54] 166
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 05/02@中田選手と首相、会話の「パス」通らず(読売新聞)

 【ローマ1日=村岡彰敏】イタリア訪問中の森首相は一日夜(日本時間二日未明)、ローマ市内のホテルのレストランに、サッカーのセリエAで活躍する中田英寿選手、旧知の上智大学元学長のヨゼフ・ピタウ・ローマ法王庁教育聖省次官らを招き、歓談した。
 中田選手は一月に強豪クラブASローマに移籍し、イタリアで最も有名な日本人の一人。首相が「今日は試合がないんですか」と話掛けると、中田選手は「ないです」と答えた。「あったら、ここにいないですよね」と重ねてたずねると、中田選手は「そうですね」と、やはり言葉少な。
 話題を変えようと、首相が「韓国での日韓の試合で日本が勝ったことは一度もないんですよ」と話を向けると、中田選手は「え?ありますよ」といぶかしげに答えた。首相のラグビー好きは知られているが、本場のサッカーの知識はもう一つのようで、中田選手との話はほとんどかみ合わなかった。[2000-05-02-10:58]
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 05/03@◇クラークNATO最高司令官が退任◇(朝日新聞)

 昨年の対ユーゴスラビア空爆作戦を指揮した北大西洋条約機構(NATO)のクラーク欧州連合軍最高司令官が3日退任し、後任にラルストン前米統合参謀本部副議長が着任した。
 先月末、お別れ会見で同司令官は「最も難しかったのは、空爆の強化と市民の安全確保のバランスをとることだった」と作戦を振り返った。「だれが地上で犠牲となっているのか。セルビア人かアルバニア人か。悩んで眠れぬ夜がたくさんあった」 任期半ばでの退任は、同司令官が再三、地上軍投入を要請したことが米政府の不興をかったためだとされている。[2000-05-03-21:36] 11
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 05/03@<セルビア共和国>最大野党が連邦議員選ぶ国会審議をボイコ(毎日新聞)

 【ウィーン3日福井聡】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国議会は3日、ユーゴ連邦議会議員を選出するための議会を開いた。しかし最大野党・セルビア再生運動が審議をボイコットしたため、セルビア議会が選出する連邦議員20人は自動的に与党連合(社会党、ユーゴ左派、急進党の3党)が占める結果になった。
 連邦議会にはもう一つの共和国モンテネグロからも20人選出されるが、ここの議会は与野党がほぼ半々に割れているうえ、与党が反ユーゴ連邦の立場から審議拒否の構えを見せており、結局連邦議会は与党連合多数派で占められる見通し。ミロシェビッチ大統領はこれを背景に憲法を改正し、再選を狙っている。
 同大統領は現憲法下では来年半ばの任期切れ以降立候補できない。しかし同大統領を起訴した旧ユーゴ戦犯国際法廷と西側諸国への対抗上、権力の座の死守を図るとみられている。[2000-05-03-21:26] 12
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 05/03@<NATO>欧州連合軍最高司令官にジョセフ・ラルストン氏(毎日新聞)

 【カストー(ベルギー)3日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)の13代目の欧州連合軍最高司令官に3日、ジョセフ・ラルストン前米統合参謀本部副議長(56)=空軍大将=が就任した。
 ベルギー南部のカストーにある司令本部で行われた就任式には、ロバートソンNATO事務総長、クラーク前司令官らが出席。新司令官は「大変な仕事が始まることになる。NATOの原則である加盟国19カ国の結束を図り、欧州の平和と安定のために全力を尽くしたい」と語った。
 一方、クラーク前司令官は「NATOには欧州内の民主主義と人権尊重を守る責任がある」として昨年春のユーゴスラビア連邦への空爆作戦の意義を強調。同連邦の民主化に向けたNATOの後押しを後継者に託した。
 就任式の後、記者会見したロバートソン事務総長は「米軍での統括指揮の経験をNATOの中で生かしてほしい」と新司令官への期待を語った。
 NATOの制服組のトップとなる司令官ポストは歴代、米国軍人が就任。有事の際は欧州全軍を統括指揮することになる。[2000-05-03-21:21] 13
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 05/03@報道の敵10人を指名 アジアが最多の4人(共同通信)

 【ニューヨーク2日共同】民間団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ、本部ニューヨーク)は二日、ジャーナリストを処刑するなど報道弾圧を続けている西アフリカ・シエラレオネのサンコー革命統一戦線議長ら十人を「報道の敵」に指名した。
 アジアは、イランの最高指導者ハメネイ師と江沢民・中国国家主席、ナザルバエフ・カザフスタン大統領、マハティール・マレーシア首相の四人で最も多かった。
 南米ではフジモリ・ペルー大統領とカストロ・キューバ国家評議会議長。アフリカはサンコー議長のほかドスサントス・アンゴラ大統領、ベンアリ・チュニジア大統領。欧州はミロシェビッチ・ユーゴスラビア連邦大統領が指名の対象となった。[2000-05-03-10:04] 14
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 05/03@米ミサイル防衛網計画に国際社会が懸念(読売新聞)

 【ジュネーブ2日=大内佐紀】北朝鮮などが将来保有し得る大陸間弾道弾(ICBM)から米本土を守る全米ミサイル防衛(NMD)網計画に、米国との核対峙(たいじ)を続けるロシア、中国のみならず国際社会全体の強い懸念が表明されている。開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議でも、「戦略的安定を崩し、核軍縮を後退させる」などの批判が続出。国際社会に高まる懸念の背景を検証する。
 今夏にも配備開始決定が見込まれるNMDをめぐる米国の国際的孤立は、すでに昨年十二月の国連総会で鮮明になっていた。
 同総会では、NMD配備に向け、本土全域のミサイル防衛網を禁じる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約(七二年締結)の改定を求める米国をけん制する意図で、中露が同条約の維持・強化を求める総会決議を提案。決議案は、賛成八十、棄権六十八、反対四の圧倒的多数で採択された。反対は、米国、イスラエル、アルバニア、ミクロネシアのみ。フランスは賛成、日本、英国、ドイツなど同盟国の大半は棄権した。
 意図的に米国、旧ソ連(現ロシア)の本土を互いの核攻撃に対し無防備な状態に置くことで、核戦争防止と核軍拡抑制を図る同条約は、第一次戦略兵器削減条約(START)、START2などの核軍縮を進めるための前提条件となった。ABM条約が骨抜きにされ、NMDが展開されれば、その前提が崩れかねない。
 中国の核戦力が強大化の兆候を示し、インド、パキスタンが一昨年五月の核実験を機に「核保有」を宣言、北朝鮮、イランなどへの一層の核兵器拡散が懸念される現情勢下で、米露両核大国間の核軍縮が後退することは冷戦期以上に危険だ。
 南アフリカの軍縮交渉筋は今月、「核不拡散・核軍縮体制の重要な柱の一つであるABM条約をいじるのは危険だ」と強調。カナダ外交筋も、「NMDに道を開くと、中国、インドなどが対抗上、核増強へ動き、ドミノ式に周辺諸国への核・ミサイル拡散が加速化して不拡散の枠組みが崩れかねない」と語る。
 再検討会議での英代表のNMD批判に象徴されるように、米国の同盟国も当惑が広がっている。今月中に開催される北大西洋条約機構(NATO)の国防相・外相会議では、NMD問題への対応が中心議題の一つとなる模様だ。英外務省当局者は、「独仏両国が、対露関係の悪化などを恐れ、NMD反対を表明するだろう」と予測した。
  ◇
 ◆「孤立」でも、配備は時間の問題…米◆
 【ハンツビル(米アラバマ州)2日=林路郎】米国は国際的孤立にもかかわらず、「限定的なNMD網構築」の方針を崩していない。クリントン大統領在任中に配備が決まらない可能性もあるが、その場合も「技術上の問題」を理由に延期されるだけで配備はもはや時間の問題。中露などの抵抗が米国の決定を左右することはあり得ない状況だ。
 米国内にも、「NMDは軍拡競争を生み、逆効果」との慎重論がある。大統領も本来慎重派で、九五年に連邦議会が「NMD推進法案」を可決した際は拒否権を発動。配備には、開発費が常識的な水準にとどまることのほか、安保上の緊急性、技術的可能性、国際社会の反発を招かないことが必要だと主張、NMDに積極的な共和党主導議会の抑え込みを試みた。
 だが、九八年夏の北朝鮮による中距離ミサイル「テポドン」の試射を機に議会内で再び推進論が台頭。九九年、「技術的に可能になり次第配備する」と定めたNMD法案が、上下両院で民主党も含む圧倒的多数で可決され、成立した。大統領は、技術的問題が克服された時点で配備開始を決定せざるを得ない立場となった。
 NMD配備を不可避にした潮流の背景には、米政権・議会がもはやNPT体制への信頼を失ったことがある。〈1〉印パの事実上の核兵器保有〈2〉北朝鮮が五年でICBMを保有する見通し〈3〉中国の核戦力近代化〈4〉イラン、イラクへの核拡散の恐れ――などの事態を、NPTやミサイル拡散抑止を図るミサイル関連技術輸出規制(MTCR)といった枠組みの限界を証明するもの、と認識しているのだ。
 表向きNPT体制維持を唱えつつ、他方「拡散は不可避」との認識に基づきミサイル防衛網開発を進める米政策は、「対拡散阻止構想」と呼ばれる。単に拡散防止に努めるのではなく、核戦力面での米国の圧倒的優位を維持しつつ、ミサイル防衛網などで拡散した核兵器から身を守るという概念だ。ロシアの反発に対し米国は表向き「第三次戦略兵器削減条約(START3)交渉をNMD配備決定と並行して進める」などと一応の配慮を示してきた。だがNMDが将来的には中露への対抗をも念頭に置いたものであることは明白。核保有国との緊張を生んでもNMD配備を進める、という決意が透けて見える。
  ◇
 ◆露の脅威論には「過剰反応」の指摘も◆
 【モスクワ支局2日】露国家安保戦略研究所のサベリエフ副所長は、八〇年代にソ連指導部が米国の宇宙防衛網計画「戦略防衛構想(SDI)」の実現可能性を過大評価して恐れた歴史的経緯と、プーチン政権がNMDを脅威視する現情勢の類似を指摘する。
 「NMDは技術的に未完成なうえ、ロシアの大規模核攻撃には無力なのに、露政府は催眠術にかけられたように脅威論を唱えている。SDIの歴史の再現だ」 確かに、ロシア側には、NMDの能力を過大評価する傾向がある。だが問題は、「敵兵器が理論通りの実戦性能を発揮すると仮定して対抗するのが核戦略の原則」(露軍事筋)であり、この原則に沿い過剰なNMD対抗策が打ち出される兆候が見え始めた点だ。
 露核専門家ピカエフ博士は、ロシアが財政難に苦しみながらも取り得る対抗策として、▽NMDの迎撃範囲外である低空を飛ぶ巡航ミサイルの増強▽宇宙配備センサーを撃ち落とす対衛星兵器(ASAT)の開発再開▽迎撃されにくい各個誘導多核弾頭(MIRV)の再配備――などを予測する。だが、START2で禁止が決まったMIRV搭載ICBMの再配備は、明白な軍縮の後退だ。また、核対峙が続く現状下でASATが配備されれば、一方の軍事衛星網に故障などが生じる度、「敵が衛星破壊で目つぶしを食わせ、攻撃して来るのではないか」という緊張を生むことになりかねない。
 さらに、NMDが配備されると、ロシア側は「米国の奇襲核攻撃で露核戦力の大多数を破壊される」シナリオを一層強く意識することになる。この場合、残った核ミサイルで反撃しても、攻撃が小規模なためNMDで撃退され、米国が「核戦争の勝者」として生き残る可能性が少なくとも理論的には高まるからだ。このため露軍は、敵ミサイル飛来を察知するや否や発射ボタンを押す「一触即発」体制を敷く可能性大で、誤解などによる偶発核戦争の危険が増すことになる。
 他方、米本土に到達可能なミサイルが東風5号ICBMなど少数に限られる中国は、ロシア以上にNMDに神経を使う。防衛網突破のためMIRV開発などを加速化させる一方、核戦力削減交渉を拒否し続ける口実に、「NMD配備」を用いるのは必至。技術上の疑念も指摘されるNMDだが、軍縮プロセスと戦略的安定への破壊効果は深刻なものとなりかねない。[2000-05-03-09:20] 69
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 05/03@PKOシエラレオネ要員の釈放要求(共同通信)

 【ニューヨーク2日共同】国連安全保障理事会は二日、西アフリカのシエラレオネで反政府勢力に拘束された国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の要員十七人の即時釈放を求める報道機関向け議長声明を発表した。
 声明は拘束事件を起こした反政府勢力、革命統一戦線(RUF)を強く非難し、昨年七月の和平協定履行に失敗したとサンコーRUF議長を糾弾している。
 アナン国連事務総長も同日、事件は国連平和維持活動(PKO)への暴力行為だとして、サンコー議長に即時釈放を求める声明を発表した。[2000-05-03-11:18] 81
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 05/03@新アジェンダ連合が酷評 保有国声明は期待外れ(共同通信)

【ニューヨーク2日共同】メキシコなどで構成する「新アジェンダ連合」(NAC)は二日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の核軍縮委員会で、核保有五カ国が核廃絶を目指して「明確な誓約」をうたった共同声明を「期待外れだ」と酷評する声明を発表した。
 五カ国声明が「究極の目標である核廃絶」と表現したことに対して、NAC声明は「核兵器全廃は最重要課題の責務であり、究極的目標ではない」と強調。さらに、保有国は核軍備全廃の実現に向けて明確な義務を負っており、次回再検討会議が開かれる二○○五年までに「核軍縮交渉のスピードを速めることを要求する」と強く求めた。
 NACはメキシコのほか、ブラジル、アイルランド、南アフリカ、エジプト、ニュージーランド、スウェーデンの計七カ国で構成する「急進的」核廃絶グループ。
 今回会議では(1)核保有国は核使用を政策から除外する(2)核弾頭を発射装置から取り外す―などの提案を出している。[2000-05-03-09:50] 89
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 05/03@<記者の目>ジンバブエの農場占拠 大統領の扇動許せぬ(毎日新聞)

 南部アフリカの農業国、ジンバブエで2月末から白人の農場が黒人武装集団に占拠されている。1980年、交渉の末、独立を勝ち取った黒人の元解放闘士たちが、白人の地主に「先祖から盗んだ土地を返せ」と迫り、累計1000カ所の農場で暴力、略奪を繰り返している。
 人種絡みの暴力なら南アフリカや米国にもある。ただ、許せないのはそれを取り締まるべきロバート・ムガベ大統領(76)の言動だ。「元解放闘士に農場を去れと言ってほしいようだが、私はそんな事は言わない」「あなた方(白人農民)は我々の敵だ。だから、占拠されるのだ」などと、犯罪をあおっている。
 指導者の人種発言はアフリカでは特に危険だ。3カ月間で50万人以上が殺された94年のルワンダ大虐殺も、ラジオでの扇動が悲劇を広げた。上に立つ者は、少数派の排除を絶対に口にしてはいけないのだ。
 暴徒を立ち退かせるためジンバブエ高裁は2度、警察に出動を命令したが、警察は動かない。ムガベ氏が命令しないからだ。つまり、この国は大統領の胸三寸で全てが決まる事実上の独裁国家なのだ。民主化を演じてはきたものの、汚職や隣国コンゴへの内戦介入による経済悪化で、自らの地位が揺らぎ始め、本性を現したと見ていい。
 アフリカには市民を弾圧する「民主国家」が多い。だが、一応の建前は貫く。殺人があれば警察は動き、瀕死の人間がいれば保護もする。だが、ジンバブエには、その建前さえもない。弾圧でデモも出来ない。
 ならば、せめて外交で打開できないだろうか。英、米、スウェーデンなどは援助停止を武器に圧力をかけるが、白人への反感、劣等感の強いムガベ氏に効果はない。我が国はどうか。日本の外交官は「ムガベ氏を下ろすまでの制裁はしない」と明言する。「我々は欧米がやるような条件つき援助をしないからだ」。非民主国を援助しないというODA(政府開発援助)大綱があるが、「一部で法の支配がないからと言って非民主的と言えるのかどうか」と、あくまでも静観する構えだ。
 この「一部」という言葉の底に、微かながら人種偏見があるように思える。1890年に入植して以来、甘い汁を吸ってきた白人だからやられても仕方がない。そんなムガベ氏の論に多少なりとも肩入れしているのではないだろうか。
 私自身も、アフリカに住まなければ、そんな風に考えたかも知れない。ここは黒人の地だ、白人は出て行け。そんな言動にひかれた時もあった。しかしいま、原野に暮らす白人農民に、ある種の畏敬と同情をおぼえる。人は出生地を選べない。大多数の貧民に囲まれ、大農場を営むという環境が居心地の良いはずはない。自分の理解者をどれだけつくり、貧しい人たちと、どう折り合いをつけるのか。
 「黒人農夫を奴隷のように酷使してきた」と言う人もいるが、好んで奴隷を使う人がいるだろうか。「奴隷使い」には奴隷とは別の苦悩がある。平等が偽善だと子供のころから身にしみてきた彼らは、理想を語らない。幻想を語りたければ先進世界に逃げ込めば良い。似た人々が似た生活をする国にはない現実を、彼らは日々、目の当たりにしているのだ。
 白人農民の農地は1農場当たり4・5キロ四方。対する黒人農夫のそれは50メートル四方ほどだ。あんまりではないか、とも思う。歴史は違うものの、狭い居留地に住む米大陸の先住民、身近なところでは北海道のアイヌ。外来者に土地を奪われた者の苦難はここだけではない。その苦難の代償は国家レベルで解決するのが原則ではないだろうか。
 ジンバブエでは、「農場主個人が償え。文句があるならかつての宗主国・英国に言え」と、白人が暴徒に命まで奪われている。他人が持てないものを持っているという理由だけで殺されている。
 3年前、ムガベ大統領は、日本の閣僚として初めてジンバブエを訪れた小泉純一郎元厚相を数時間も待たせ、結局、姿を見せなかった。小泉氏は「この国には日本人の気持ちが伝わっているのか。援助の総点検をすべきだ」と怒った。私も当然と思った。しかし、このニュースは日本で妙な受け止められ方をされた。「大人げない」「援助は見返りを期待するものではない」と言われ、小泉氏は振り上げた拳を下ろしてしまった。
 ムガベ氏の真意はどうだったのか。なぜ会談をすっぽかしたのか。後で聞いてみるとムガベ氏の秘書も広報官も、小泉氏の来訪や立腹の件を知らされていなかった。つまり、日本の外交官はムガベ氏に「どういうことだ」と詰め寄らなかったのだ。
 見返りを期待しない援助は立派だが、それは相手を知り抜いた上での話ではないか。相手をよく心得ずに、慣例的に金を与え続ける。ムガベ氏は、懐に入れず大事に援助金を使っているのか。相手を知らなければ、それも分からない。
 「ジンバブエには深入りするほどの利権がない」とある外交官は言う。ならばこそ、「早く辞めて欲しい。あなたのような人物がいる限り、アフリカは救われない」。それくらいの事を言ってもいいのではないか。[2000-05-03-01:46]
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 05/04@NATO加盟国間で戦力差顕著に…英国際戦略研発表(読売新聞)

 【ロンドン4日=渡辺覚】英国の軍事シンクタンク・国際戦略研究所(IISS)は四日、「戦略概観1999―2000」を発表した。この中で、欧州の安全保障の中心的な存在である北大西洋条約機構(NATO)について、加盟十九か国の間で「戦力」の差が顕著になっていると指摘し、この格差が将来、NATO軍のアキレス腱(けん)になる可能性があると懸念を示した。
 「概観」は「(昨年のユーゴスラビア・コソボ)紛争で、NATO加盟国間に、戦闘能力の不均衡が存在し、それが障害になる可能性があることが明らかになった」と指摘。格差は「将来、NATO軍の実戦上の有効性に、深刻な影響を及ぼす可能性がある」と踏み込んだ。
 「概観」はその上で戦力格差の解消のためには、「(加盟各国の)相当な努力と決断力、さらに資金が求められる」と指摘しながらも、この三要素すべてが欠落しているのがNATO加盟国の現状であると分析し、「加盟国間の格差がもたらす脅威は、解消するどころか、増大する傾向を見せている」と警告を発している。
 また「概観」は、NATO軍が主力を務めるコソボ平和維持部隊(KFOR)の展開の現状にも言及。治安回復が難航している事実を踏まえ、「進駐各国が資金と人員面で一層貢献する準備を進め、コソボの統治機構の枠組みづくりに努力しなければ、コソボ介入が無益に終わる恐れもある」とした。特にNATO加盟国に求められる人的貢献については、「警察、司法、官僚の投入」と指摘している。[2000-05-04-23:20] 2
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 05/04@ハメネイ師ら報道の敵10人を発表…米団体(読売新聞)

 【ニューヨーク4日=松浦一樹】ニューヨークにある「ジャーナリストを守る委員会」は三日、世界の指導者を対象に今年の「報道陣の敵十人」を発表した。
 ワーストの三人は、イランの最高指導者ハメネイ師、ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領、シエラレオネの反政府勢力「革命統一戦線」のサンコー議長。
 ハメネイ師は先月、イラン改革派の十六の新聞・雑誌を発行停止にしており、「反改革機運をあおった」との理由。
 このほかの「敵」七人は、中国の江沢民・国家主席、マレーシアのマハティール首相、ペルーのフジモリ大統領、キューバのカストロ国家評議会議長、チュニジアのベンアリ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、アンゴラのドスサントス大統領。
 江主席については、「報道の自由の国際規範を尊重せず、秘密警察を動員してインターネットの監視を続けている」とされた。また、フジモリ大統領は、ペルー大統領選の第一回投票に際し、「選挙報道で自分ばかりが目立つよう仕向けた」としている。
 同委員会のアン・クーパー事務局長は「選び方は極めて主観的」と断りつつ、「報道陣の敵は、拷問や殺人といった直接的な手段から、もっと目立たない方法までを駆使して、都合の悪い真実を隠ぺいしようとする」としている。[2000-05-04-21:16] 3
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 05/04@◇セルビア議会が上院に新たにミロシェビッチ派20人選出◇(朝日新聞)

 ベオグラードからの報道によると、ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のセルビア共和国議会は3日、連邦上院(定数40=両共和国議会より20人ずつ選出)のセルビア代表の改選を行い、野党が欠席する中、ミロシェビッチ大統領率いる与党連合から20人全員を選んだ。
 これにより、連邦上院のミロシェビッチ派議員は、モンテネグロ代表の7人と合わせ、27人となった。連邦下院(定数138)でも100議席を占めており、憲法改正に必要な3分の2の議席を上下両院で獲得した。来年7月に任期切れを迎えるミロシェビッチ大統領が、連邦大統領の再任を禁じている憲法改正を念頭に置き、布石を打ったと見られている。[2000-05-04-19:48] 4
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 05/04@◇スロベニア下院が新首相に経済学者のバユク氏を承認◇(朝日新聞)

 一部与党が連立政権を離脱したため内閣が信任されず、首相不在が続いていたスロベニアの下院は3日、経済学者のアンドレイ・バユク氏(56)の新首相就任を賛成46、反対44で承認した。任期は、今秋予定される総選挙まで。連立政権を離脱した人民党が先月、新たに野党キリスト教民主党と中道右派連合を組み、バユク氏を統一首相候補に推していた。[2000-05-04-19:28] 5 [このページの最初に戻る]


 05/04@<スロベニア議会>アンドレイ・バユク副党首を首相に選出(毎日新聞)

 【ウィーン4日福井聡】 スロベニア議会は3日、過半数をわずか1議席上回る小差で保守・スロベニア人民党のアンドレイ・バユク副党首を首相に選出した。新首相は15日以内に新内閣を発足させる。
 首都リュブリヤーナからの報道によると、過去8年政権を担当した中道左派・ドルノウシェク前内閣は1カ前、それまで与党連合に参加していた人民党が離脱し、野党に転じたことから内閣信任案を否決されて解散。バユク新首相は過去2週間に2回行われた首相選出投票で過半数に達せず、この日3回目の投票で選出された。[2000-05-04-19:21] 6
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 05/04@◇国連シエラレオネ派遣団襲われ7人死亡、約40人を拘束◇(朝日新聞)

 国連報道官は3日、西アフリカのシエラレオネで、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)が反政府勢力の革命統一戦線(RUF)に襲われ、派遣団のケニア人兵士ら7人が死亡、四十数人が拘束されたと発表した。RUFは1日に派遣団の約20人を拘束しており、国連安全保障理事会が2日、全員を釈放するよう議長声明を出していた。
 発表によると、1日に続いて2日もシエラレオネ中部の2カ所に展開していた派遣団が襲われた。銃撃戦は3日未明まで続き、派遣団とRUFの双方に死者が出た。
 議長声明はRUFのサンコー議長を名指しで非難し、「国連の平和維持活動を敵視し、妨害した」と指摘。アナン国連事務総長もサンコー議長に対し、こうした犯罪行為をすぐに中止するよう求める声明を出していた。[2000-05-04-02:59]
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 05/06@祖国党首の去就に注目…トルコ内閣改造(読売新聞)

 【イスタンブール6日=桜井考二】十六日に任期満了となるデミレル・トルコ大統領の後任にセゼル憲法裁判所長官が五日決まったことで、トルコ内政の焦点は内閣改造に移った。
 注目は連立与党、祖国党のユルマズ党首の去就。ユルマズ氏は、九八年十一月に首相を辞任して以後、党務に専念。しかし、次期大統領決定で、内閣入りに意欲を見せ始めた。エジェビト首相はもう一つの連立パートナー、民族主義者行動党のバフチェリ党首同様、副首相への起用を検討中とされるが、ユルマズ氏は外相兼務を希望している。[2000-05-06-23:26] 59
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 05/06@シエラレオネ、国連軍人質は300人超(読売新聞)

 【ニューヨーク支局5日】西アフリカのシエラレオネで国連平和維持軍・国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)と反政府武装勢力の革命統一戦線(RUF)が衝突した事件で、国連報道官は五日、RUFに拘束された国連軍の人数は三百人を超えるとの見通しを明らかにした。
 派遣団救出のため、同国中部マケニに向かったザンビア兵約二百人が四日までに新たに拘束されたためだという。[2000-05-06-22:42] 74
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 05/06@◇海外で暮らす日本人、女性の数が初めて男性を上回る◇(朝日新聞)

 海外で暮らす日本人の女性の数が初めて男性を上回った。そんな「男女逆転」が、このほど発表された外務省の「海外在留邦人数調査統計」で分かった。景気低迷で日本企業の海外展開が縮小する傾向にある一方、留学などで外国に住む女性が増えたことが背景にありそうだ。
 この統計は、昨年10月1日現在で在外公館に届けを出している邦人数をまとめた。日本人女性は40万2575人、男性は39万3277人。女性が9000人余り上回った。女性は1998年から1年で約7900人増えたのに対し、男性は1500人余り減った。総数は1年に0.8%増え、79万5852人。女性の数が男性を上回ったのは、今の方法で統計をとり始めた76年以来、初めてだ。
 地域別の女性数の伸び率では、オーストラリア、ニュージーランドなど「大洋州」が前年比15.3%と最大、次いでアフリカが13.5%だった。
 永住者に限れば、88年に女性約13万人、男性約11万6000人とすでに女性優位の傾向はあった。10年後の98年にはこの差が3万7000人に広がり、国際結婚などで外国に根を下ろす女性が増加。さらに外国で学び直したり、非政府組織(NGO)の活動に加わったり、と国外に生きがいを求める女性が増えたことが「逆転」の原動力に。税や社会保障負担の重い欧州では、日本から派遣する社員を減らし、語学のできる日本女性を現地で安く雇用する日本企業も相次いでいる。[2000-05-06-18:38] 77
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 05/06@コンゴ民主共和国でウガンダ、ルワンダ軍が交戦(読売新聞)

 【ヨハネスブルク支局6日】内戦状態が続いているアフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)で五日、同国内戦に関与しているウガンダ、ルワンダ両国軍が、北東部のキサンガニ市中心部と近郊の空港などで交戦し、巻き込まれた民間人少なくとも十人が死亡、約百人が負傷した。交戦のきっかけは不明だ。
 キサンガニはコンゴ第三の都市で、反政府勢力、コンゴ民主連合(RCD)の拠点。RCDは昨年五月に二派に分裂した後、両勢力がそれぞれウガンダとルワンダの支援を得て、対立状態が続いていた。キサンガニでは昨年八月にも、両国軍による戦闘があった。[2000-05-06-16:18] 78
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 05/06@PKO見直し論議再燃へ シエラレオネ要員拘束で(共同通信)

 【ニューヨーク6日共同】アフリカ西部のシエラレオネで国連平和維持活動(PKO)の国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)要員が三百人以上も拘束された事件で、国連PKOの見直し論議が再燃するのは必至の情勢となった。
 アナン国連事務総長と安全保障理事会は五日、同国の反政府勢力、革命統一戦線(RUF)のサンコー議長に圧力をかけ、国連側の早急な兵力増強を討議するなど拘束者の釈放に取り組んでいる。
 しかし、米国のホルブルック国連大使は訪問先のコンゴ(旧ザイール)で「(この問題が)次のコンゴへのPKO派遣に悪影響を及ぼさないよう望んでいる」などと述べ、米議会共和党を中心とするPKO派遣消極派が事件で勢いづくことに懸念を表明した。
 コンゴでは周辺五カ国が政府側、反政府勢力側を支援して大規模な戦闘を繰り返しており、国連が来月にも派遣する予定の大型PKO、国連コンゴ監視団(MONUC)は「シエラレオネよりずっと危険な任務になる」(国連外交筋)というのが各国の共通認識だ。
 五日には、反政府側を支援してきたルワンダ、ウガンダ両国軍の戦闘も起きたことから「兵力派遣計画を取りやめる国が必ず出てくる」(同筋)見通しだ。[2000-05-06-16:11] 88
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 05/06@和平交渉が決裂 エチオピアとエリトリア(共同通信)

 【ヨハネスブルク5日共同】エチオピアからの報道によると、アルジェリアで和平交渉を行っていたエチオピアとエリトリアは五日、相次いで相手側を非難する声明を発表、交渉が決裂したことを明らかにした。
 エチオピアの声明は「平和に向けてのパートナーを見いだすことができなかった」と指摘し、エリトリア側は、アフリカ統一機構(OAU)による和平案をエチオピアが拒否し続けたため交渉が決裂したとしている。
 両国は国境付近の領有権をめぐり約二年間、戦闘状態にある。和平交渉はOAU議長国のアルジェリアが仲介し、四月末から行われていた。[2000-05-06-11:42] 90
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 05/06@米で元リトアニア領事代理、杉原氏の映画上映(共同通信)

 【ロサンゼルス5日共同】第二次大戦中、ナチスから逃れたユダヤ人に独断で日本通過のビザを発給した元リトアニア領事代理、故杉原千畝(ちうね)氏の功績を紹介したドキュメンタリー映画「コンスピラシー・オブ・カインドネス(親切のはかりごと)」が四日夜、反ユダヤ活動の国際監視団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」などの主催により、米ロサンゼルスで上映された。
 映画は、杉原氏の家族、友人やユダヤ人の生存者らのインタビューをもとに、杉原氏の功績を克明に描いている。昨年、制作され、これまで国連本部で上映されたことはあるが、一般上映は初めて。
 上映会に出席した杉原氏の息子の弘樹さん(63)は「父親の行為を多くの人に知ってもらうとともに、この映画が勇気と希望を与えてくれればうれしい」と語った。[2000-05-06-11:35] 109
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 05/06@北アイルランド政府復活も 停滞打開へ英が妥協案(共同通信)

 【ロンドン6日共同】英国のブレア首相とアイルランドのアハーン首相は五日深夜、和平プロセス停滞のために停止している北アイルランド自治政府の機能を、紛争当事者が妥協案に合意することを前提に、今月二十二日に復活させる方針を明らかにした。
 英政府はことし二月、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)が武装解除に応じないために、IRAの政治組織シン・フェイン党が参加する自治政府の機能を停止していた。
 両首相が発表した声明によると、妥協案では、和平合意が当初、今月二十二日と定めたIRA武装解除の完了期限を、来年六月までに事実上延期、IRAに譲歩した。
 この問題では、武装解除より自治政府の復活を優先させるカトリック側と、武装解除の開始が復活の前提とするプロテスタント側が対立していた。
 プロテスタント側が妥協案にどう対応するかが当面の焦点となる。[2000-05-06-10:35] 117
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 05/06@チェチェンを直轄統治へ ロシアが近く大統領令(共同通信)

 【モスクワ5日共同】インタファクス通信によると、プーチン・ロシア次期大統領側近のイワノフ安全保障会議書記は五日、紛争の続くチェチェン共和国を「ロシア連邦の直轄統治とする」大統領令と関連法案を近く策定する予定を明らかにした。
 事実上のロシア大統領による直轄統治とみられ、実現すれば旧ソ連崩壊後初の試み。また同共和国のマスハドフ政権を公式に排除することになる。書記は、直轄統治は二―三年間の暫定措置になると強調した。
 政府は、現行法に明確な根拠規定がないため一時は導入断念に傾いた。しかし大統領府筋によると、七日の新大統領正式就任を踏まえ、プーチン氏が導入の方針を固めたもようだ。
 タス通信によると、政府は直轄統治を法的に可能にする非常事態法案を準備中で、同法案が下院に提出されるとみられる。
 直轄統治について大統領府筋は、こう着状態のチェチェン情勢を打開し共和国の復興を進めることが狙いと述べた。しかしイスラム武装勢力は抵抗を続けており、直轄統治導入にはなお曲折が予想される。[2000-05-06-09:31]
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 05/07@<北アイルランド>IRAの武装解除声明受け「査察官」任命(毎日新聞)

 【ロンドン7日笠原敏彦】英国・北アイルランド紛争のカトリック系過激組織・アイルランド共和軍(IRA)が6日に出した武装解除に向けた声明を受け、英、アイルランド両政府は同日、アハティサーリ前フィンランド大統領とラマポーサ元アフリカ民族会議(ANC)書記長の2人を「査察官」に任命した。
 これで和平プロセスの焦点はプロテスタント系最大政党・アルスター統一党(UUP)の動向に移ったが、同党のトリンブル党首(自治政府首相)は「声明は興味深い。新たな展開を生むかもしれないが、明確にすべき点が残されている」と述べ、一応の歓迎を示しながらも、慎重な姿勢を崩していない。[2000-05-07-22:20] 24
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 05/07@<外務省>安保理の常任理事国入りへ本腰 米の拡大枠譲歩な(毎日新聞)

 国連安全保障理事会の改革問題は今年4月、米国が拡大枠の上限で譲歩し、アナン事務総長が改革を急ぐよう求めた報告書を発表するなど大きく進展した。これを受けて外務省は、今年9月の国連総会にあわせて開かれる国連ミレニアム(千年紀)サミットに向け、安保理の常任理事国入りへの活動を強めていく方針だ。
 米国のホルブルック国連大使は4月3日、安保理改革作業部会に出席し「安保理を構成する国の数について、20ないし21よりもう少し大きな数に増やすことを検討する用意がある」と表明、それまでの「最大20ないし21」との立場を変更して柔軟姿勢に転じた。
 河野洋平外相は「米国が20ないし21議席にこだわっていたのが、安保理改革が進まない一つの問題になってきたが、改革が前進する可能性が出てきた。歓迎したい」と手放しで喜んで見せた。米国の突然の譲歩には、国連分担金の負担率軽減問題で日本をはじめ各国の支持を得る狙いがあると見られる。
 くしくも同じ3日、アナン事務総長は、ミレニアム・サミットに向けた報告書を発表。この中で安保理について「実効性の向上と正統性」の観点からの改革の重要性などを訴えた。外務省はこれまで働きかけてきた「実効性と正統性」の文言が入ったことに意を強くした。「実効性」は「安保理決定の実効性を保証できる日本、ドイツ」、「正統性」は「日本、ドイツの台頭やアフリカ諸国独立など第2次大戦後の変化を反映し国際社会を正統に代表する国々」と、いずれも日本の常任理入りを示唆するものと読めるからだ。
 安保理改革は1993年12月に作業部会が設置されて検討が始まったが、議論が具体化するに従ってドイツ、インドの常任理事国入りをそれぞれ警戒するイタリア、パキスタンなどが改革の先送りを狙う動きに出て進まず、膠着(こうちゃく)状態に陥っていた。だがコソボ紛争の解決に安保理が機能しなかった反省をきっかけに再び改革機運が生まれた。
 安保理は、拒否権を持つ常任理事国5カ国(米英仏露中)と任期2年の非常任理事国10カ国の計15カ国で構成されている。枠の拡大については、97年に当時のラザリ総会議長(マレーシア)が提案した「24」を、日本を含めて多くの国が支持している。24カ国案は、常任理事国を日本、ドイツのほかアジア、アフリカ、中南米の3地域から1カ国づつの計5カ国増やして10カ国とし、非常任理事国を4カ国増やして14カ国とすることを想定している。
 安保理改革をめぐっては拡大枠のほかにも新常任理事国への拒否権付与の是非など難問が山積している上、改革には加盟188カ国の3分の2の126カ国以上の支持が必要で「ハードルは極めて高い」(外務省幹部)。外務省はこれまでも首相や外相が二国間会談を行うたびにこの問題を取り上げてきたが、今後はいっそう活動を強化して「全方位、ドブ板外交で支持を広げたい」(幹部)としている。【佐藤千矢子】[2000-05-07-19:04] 25
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 05/07@蔵相がアジアの貧困削減で百億円拠出表明(読売新聞)

 【チェンマイ7日=高木雅信】宮沢蔵相は七日、タイ北部のチェンマイで開かれているアジア開発銀行(ADB)の総会で演説し、一日一ドル以下で生活している貧困層を削減する基金をADBに創設する資金として、日本が百億円を拠出することを正式に表明した。
 演説の中で蔵相は、アジア経済を確実な成長軌道に乗せる課題として、「通貨危機がアジアを再び襲うことのないように様々な形での域内協力を強化していく努力が求められる」と強調した。その上で「金融協力でも前進があった」と述べ、六日に東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国の三か国の蔵相会議が合意した通貨スワップ協定の拡大を評価した。
 また、この日の総会では韓国の代表が、ADBに未加盟の北朝鮮が国際金融社会に参加できるよう、ADBも協力して欲しいと要請した。
 これに関連して、宮沢蔵相は演説後の記者会見で、「日本の外務当局は北朝鮮のADB加盟は極めて慎重に検討しないといけないという立場で、私はこの方針に従う」と述べ、北朝鮮のADBへの早期加盟などに慎重な姿勢を示した。
 ADBが北朝鮮に対して支援を行う可能性についても、「韓国からの問い合わせに対し、ADB側は否定的な回答をしたと聞いている」と語った。[2000-05-07-19:03] 27
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 05/07@<北アイルランド>IRA、自治復活を条件に武器使用不能へ(毎日新聞)

 【ロンドン6日笠原敏彦】英国・北アイルランド紛争のカトリック系過激組織アイルランド共和軍(IRA)は6日、焦点の武装解除問題で凍結中の自治政府復活を条件に「検証可能な方法で武器を使用不能にするプロセスに着手する」との声明を発表した。自治復活の条件として「武装解除への固い誓約」などを求めているプロテスタント側の対応が注目される。
 ブレア英首相らは5日、▽IRAが武装解除を明確に誓約する▽武装解除の期限を今月22日から来年6月まで延期する――などの条件で自治政府を復活させる新提案を示した。IRAの声明はこの提案に応えたもので、「信頼醸成措置」として武器の保管場所を第三者に定期的に査察させることを盛り込むなど、従来にない踏み込んだ内容となっている。
 IRA声明を受け、英政府は6日、アハティサーリ前フィンランド大統領、ラマホサ元アフリカ民族会議(ANC)議長の2人を「査察官」に任命。IRAは22日以降の早い時期に2人を保管場所に案内する、と表明した。IRAは武器の破壊、引き渡しではなく保管、封印で問題を解決したい狙いと見られる。IRAは近く、2月に撤退した武装解除委との交渉に復帰する。
 一方、自治復活への焦点が移ったプロテスタント系最大政党・アルスター統一党(UUP)のトリンブル党首(自治政府首相)は「声明は新たな展開を生むかもしれないが、明確にすべき点が残されている」と述べ、慎重な姿勢を崩していない。IRAの姿勢軟化を受け、和平プロセスは今後、和平懐疑論が根強いUUPの党内調整を軸に動きが活発化するとみられる。
 英、ア両政府は2月、IRAの武装解除問題で進展がないことを理由に昨年12月に発足させたばかりの自治政府を凍結した。[2000-05-07-18:45] 46
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 05/07@武装解除に応じるとIRA 英の妥協案にこたえる(共同通信)

 【ロンドン6日共同】英国・北アイルランドのカトリック系過激派アイルランド共和軍(IRA)は六日、武装解除に応じる用意があるとの声明を発表した。
 英国のブレア首相とアイルランドのアハーン首相は五日、停滞している北アイルランド和平プロセスの妥協案を提示。紛争当事者が妥協案に合意することを前提に、停止している北アイルランド自治政府の機能を今月二十二日に復活させる方針を示した。声明はこれにこたえたものだ。
 対立するプロテスタント系の最大政党、アルスター統一党(UUP)のトリンブル党首は「大変興味のある、前向きの提案だ」などとIRA声明に前向きの反応を示し、自治政府が復活する可能性も出てきた。
 妥協案は、和平合意が当初今月二十二日と定めたIRA武装解除の完了期限を来年六月までに事実上延期し、IRAに譲歩した。
 これに対し、IRAは「IRA指導部は武器を使用不可能にするプロセスを開始する」とし「武装解除のための国際委員会との接触を再開し、問題解決のために協議に入る」と声明で述べた。
 英、アイルランド両政府はIRA声明を受け、アハティサーリ前フィンランド大統領と南アフリカのラマポーザ前アフリカ民族会議(ANC)事務局長が武器廃棄の検証を担当すると発表した。[2000-05-07-09:22] 48
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 05/07@<アイルランド和平>英、アイルランド両首相が新提案=替(毎日新聞)

 【ロンドン6日笠原敏彦】英国・北アイルランド紛争のカトリック系過激組織アイルランド共和軍(IRA)は6日、焦点の武装解除問題で凍結中の自治政府復活を条件に「検証可能な方法で武器を使用不能にするプロセスに着手する」との声明を発表した。自治復活の条件として「武装解除への固い誓約」などを求めているプロテスタント側の対応が注目される。
 ブレア英首相らは5日、▽IRAが武装解除を明確に誓約する▽武装解除の期限を今月22日から来年6月まで延期する――などの条件で自治政府を復活させる新提案を示した。IRAの声明はこの提案に応えたもので、「使用不能」にした武器の廃棄場所を第三者に定期的に査察させることを盛り込むなど、従来にない踏み込んだ内容となっている。
 IRA声明を受け、英政府は6日、アハティサーリ前フィンランド大統領、ラマホサ元アフリカ民族会議(ANC)議長の2人を「査察官」に任命。IRAは22日以降の早い時期に2人を廃棄場所に案内する、と表明した。IRAは武器の破壊、引き渡しではなく保管、封印で問題を解決したい狙いと見られる。IRAは近く、2月に撤退した武装解除委との交渉に復帰する。
 一方、自治復活への焦点が移ったプロテスタント系最大政党・アルスター統一党(UUP)のトリンブル党首(自治政府首相)は「声明は新たな展開を生むかもしれないが、明確にすべき点が残されている」と述べ、慎重な姿勢を崩していない。IRAの姿勢軟化を受け、和平プロセスは今後、和平懐疑論が根強いUUPの党内調整を軸に動きが活発化するとみられる。
 英、ア両政府は2月、IRAの武装解除問題で進展がないことを理由に昨年12月に発足させたばかりの自治政府を凍結した。[2000-05-07-00:49]
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 05/08@大使館誤爆から1年、中国外務省が米非難の談話(読売新聞)

 【北京7日=藤野彰】北大西洋条約機構(NATO)軍による在ベオグラード中国大使館誤爆事件から七日で一年がたった。悪化した米中関係は、米側の謝罪や補償交渉決着でほぼ改善したが、中国側の対米警戒感が解けたとは言えず、事件は人権問題などを巡る摩擦ともからみ、両国関係になお影を落としそうだ。
 事件は昨年五月七日深夜(北京時間八日朝)に発生し、新華社記者ら四人が死亡。中国外務省スポークスマンは七日、事件一周年に関連して談話を発表し、「中国政府と国民は、中国の主権を侵害するどんな行為も絶対に受け入れない。中国はいかなる覇権主義、強権政治にも反対する」と、米国を改めて非難した。
 また、「米国は事件について徹底調査し、中国政府と国民に満足のいく説明を行うべきだ」と、米側のこれまでの説明に納得していない点を強調。談話は、中国側の原則的立場や要求を繰り返すにとどめたものの、「主権と領土保全の相互尊重は、国家関係発展の根本的前提」と訴え、唯一の超大国である米国の一極支配をけん制した。[2000-05-08-00:45] 6
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 05/08@<オーストリア>極右政党政権入りでEU制裁 監視団受け入(毎日新聞)

 【サンミゲル島7日森忠彦】オーストリアのフェレロワルトナー外相は7日、欧州連合(EU)外相会議で、極右・自由党の連立政権入りで加盟14カ国から受けている外交制裁について「実際に民主主義や人道問題に違反があるかどうかを調べてほしい。その間は制裁を停止してもらいたい」と語り、14カ国側からの監視調査団を受け入れる用意があることを表明した。
 議長国・ポルトガルのガマ外相によると「この問題はEUの会議で決定することではなく、2国間の問題だ」として結論は示さなかったが、アイルランド、イタリアなど6カ国がオーストリアに理解を示した。一方、強硬派のベルギー、フランスなどは制裁続行の姿勢を崩さなかった。
 制裁問題は6月にポルトガル・フェイラで開かれるEU首脳会議で焦点となりそうだ。[2000-05-08-00:12] 1
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 05/08@◎破壊戦車数はたった14台=ユーゴ空爆戦果の実態判明−米(時事通信)

 【ニューヨーク7日時事】米誌ニューズウィーク最新号(8日発売)は、ユーゴスラビア・コソボ自治州紛争に介入した北大西洋条約機構(NATO)が昨年行った対ユーゴ空爆の実際の戦果が、空爆終了直後のNATO発表よりも大幅に少なかったと伝えた。
 同誌が入手したユーゴ空爆に関する米空軍調査報告書によると、NATO軍機が破壊した戦車数は発表では120台に上ったが、実際はわずか14台。破壊した兵員輸送車数は、発表の220台に対し、実際は18台に過ぎなかったという。[時事通信社][2000-05-08-11:46] 26
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 05/08@◇シエラレオネのPKF人質500人に 国連次長が現地へ◇(朝日新聞)

 多くの国連平和維持軍(PKF)兵士が反政府勢力の人質になった西アフリカ・シエラレオネ情勢で国連安全保障理事会は7日、緊急会合を開き、週明け早々にもミエ事務次長(平和維持担当)を現地に派遣することを決めた。人質となっている国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の兵士の数は7日現在約500人に達している。
 シエラレオネに展開しているUNAMSILはナイジェリア、インド、ケニア、ザンビアなど7カ国部隊約8700人。安保理への報告によると、中部マケニなど4カ所の駐屯地が反政府勢力の革命統一戦線(RUF)に急襲された。これまで100人余が解放されたが、依然498人が人質になっている。
 同国は、1991年8月に国民投票で複数政党制を定めた憲法改正案を採択したが、東部のダイヤモンド鉱山の支配権をねらうRUFのゲリラ闘争が活発化して内戦に発展。昨年7月、カバー大統領とサンコーRUF議長がトーゴで和平協定に調印、安保理は10月にUNAMSIL設置を採択した。
 人質事件は2日に発生。アフリカ入りしていたアナン国連事務総長は、RUFに近いとみられているリビアなどの首脳に人質を解放するようRUFに圧力をかけることを要請した。この日の安保理報告では政府軍とRUFの戦闘は下火となってきているものの、RUFは国連側の武器や装甲車を奪っており、人質を「人間の盾」にして首都フリータウンへ侵攻を狙う可能性もでてきている、という。
 一方、アフリカ統一機構(OAU)の調停で停戦合意ができたエチオピア・エリトリア国境紛争も再燃し、この日の安保理で急きょ特使を現地に派遣することにした。
 エチオピアとエリトリアの国境の一部領有権をめぐる紛争は99年7月、アルジェリアでのOAU首脳会議で紛争終結の枠組みで合意した。しかし、停戦が先か、解決の道筋が先かをめぐって交渉が5日に決裂した。再び大勢の難民を出す新たな紛争が再燃するおそれがでている。[2000-05-08-21:18] 59
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 05/08@◇ロシア・プーチン新大統領、地雷議定書の批准承認求める◇(朝日新聞)

 イタル・タス通信によると、ロシアのプーチン新大統領は7日、プラスチック製の探知できない地雷の禁止などを決めた「特定通常兵器使用禁止・制限条約」改定議定書の批准承認を求める書簡を下院のセレズニョフ議長に出した。しかし、エリツィン前大統領が1997年に署名の意向を表明した対人地雷全面禁止条約をロシアはまだ署名しておらず、地雷の規制問題で立場を大きく変えたわけではない。
 軍縮関係の条約の批准実現に熱心な新大統領は、就任式直前の4日にも上下両院が可決した第2次戦略兵器削減条約(START2)の批准承認法に署名、国内の批准手続きを終えた。
 地雷の規制に関する改定議定書は96年にジュネーブで合意された。国際紛争と国内紛争の両方に適用され、議定書の参加国は探知できない地雷などの使用を9年以内にやめるほか、輸出入などの移転も禁止される。[2000-05-08-14:05] 75
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 05/08@有事なら今も核の前線に 日本組み込む米戦略 本土から出撃(共同通信)

 【ワシントン7日共同=太田昌克】米国務省機密文書から七日までに明らかになった、沖縄配備の核兵器を搬入し日本本土から出撃するという作戦計画は、非核政策を内外に訴えてきた日本が米核戦略にいかに深く組み込まれていたかを見せつけている。
 同時に、いまも米国の「核の傘」の下にある日本が、有事には簡単に核戦力の前線となり得る現実をあらためて思い起こさせる。
 米国は第二次大戦後、ソ連の圧倒的な通常戦力に対抗するため核戦力を強化してソ連の西欧侵攻を抑止。極東では朝鮮半島や台湾海峡の火種を抱え、核使用を想定したシナリオも描いていた。
 緊張状態を背景にかつては沖縄へ核兵器を配備。沖縄の核は日本復帰の七二年までに引き揚げられたとされるものの、米国はその後も大陸間弾道ミサイルなどで日本に傘を提供。その下で日本の歴代政権は“非核政策”を堅持してこられた。
 もちろん、核持ち込みは日米安保条約の「事前協議」の対象で日本側は拒否できる。しかし、米核戦力に国防の根本を預けながらいざ有事が発生した場合、「核の傘」を抜け出て非核の国是を貫けるのか。
 そうした意味で、秘密文書は決して過去の冷戦秘話ではなく、今なお「核の傘」が内包する現実を日本に突き付けている。[2000-05-08-11:57] 76
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 05/08@日本本土から核攻撃計画 60年代、米機密文書明記(共同通信)

 【ワシントン7日共同=太田昌克】ソ連に加え中国が核開発を進めた一九六○年代に米軍が朝鮮半島などの有事に備え、返還前の沖縄に配備した核兵器を横田(東京都)や三沢(青森県)板付(福岡県)の米軍三基地へ即時搬入できる態勢を取り、爆撃機などで日本本土から当時のソ連や中国を核攻撃する作戦計画を立てていた。七日までに、機密指定を解除された米公文書から明らかになった。
 日本を巻き込んだ米核戦略の一端が明るみになるのは異例。日本の歴代政権が核持ち込み拒否の姿勢をみせる裏で、米軍が在日基地を核戦争の出撃拠点と位置付けていた事実を示す。
 六二年三月二十二日付の国務省極東局フィアリー日本課長あてのメモは米空軍が「ハイ・ギア計画」の暗号名で本土に核兵器を運ぶ輸送機C130を沖縄・嘉手納基地に二十四時間待機させている状況を明記。
 嘉手納から核兵器を持ち出し、横田基地のB57爆撃機(三十六機)、三沢、板付両基地のF100戦闘機(計五十一機)に装備させるまで、四―六時間かかると見積もっている。
 また同日付のライス国務副次官補(極東担当)発信のメモ「日本での核兵器貯蔵」は統合参謀本部が反撃に要する時間を短縮するため、日本への核配備を要望している経緯を指摘。日本の反核感情から「核兵器を速やかに搬入するために特別に編み出した手順」を取らざるを得ないと説明している。
 さらに同メモは、軍部が核貯蔵の秘密合意を日本側と結ぶことや、核搭載のC130を交代で在日基地へ展開させる方策を検討している事実を記載しているが、当時の複数の政府関係者はいずれも日本の政治状況などへの配慮などから実現しなかったと語っている。[2000-05-08-11:55] 93
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 05/08@安保理調査団を派遣へ エチオピア(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】国連安全保障理事会は七日の非公式会合で、和平交渉が五日に決裂したエチオピアとエリトリアの領有権をめぐる紛争解決のため安保理調査団(団長・ホルブルック米国連大使)を両国に送ることを決めた。調査団は現在、コンゴ(旧ザイール)への平和維持活動(PKO)派遣をめぐってアフリカに滞在している。[2000-05-08-10:13] 112 [このページの最初に戻る]


 05/08@アッツ島近くにレーダー 米NMD構想で建設計画(共同通信)

 【ワシントン7日共同】七日付のワシントン・ポスト紙は、米国防総省が米本土ミサイル防衛(NMD)構想のカギとなる、敵の大陸間弾道ミサイル(ICBM)探知・追跡レーダー施設を、アリューシャン列島最西端アッツ島近くのシェミア島に建設する計画だと報じた。
 同紙によると、国防総省は来春に着工できなければ、二○○五年と推定される朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のICBM配備に間に合わない恐れがあるとしており、レーダー建設問題はクリントン大統領のNMD配備決定にも大きく影響しそうだ。
 また米本土から遠いシェミア島にレーダー施設が建設された場合、防衛のため同島に比較的近い米軍三沢基地の役割にも変化を及ぼすとみられる。
 レーダー建設は米国防総省のカディシュ弾道ミサイル防衛局長が最近、議会に計画を説明。NMDにとって「迎撃ミサイルそのものの完成より(レーダー)着工が重要」と強調した。
 レーダーは、北朝鮮などの長距離ミサイル発射を探知する衛星の警報でミサイルを追跡、予想軌道を精密に割り出す。レーダーのカバー範囲は同紙によると、関東北部にまで達する。
 現地の極寒の気候で、建設資材の搬入が夏の短い時期に限られることや、米本土から遠いことが建設の難点だという。[2000-05-08-07:47]
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 05/09@◇イスラエル、パレスチナに3地区から撤退提案◇(朝日新聞)

 イスラエルのバラク首相とパレスチナ自治政府のアラファト議長は7日夜、ヨルダン川西岸の自治区ラマラで会談し、最終合意まで交渉を継続する意思を確認した。会談でバラク首相は、エルサレム近郊のパレスチナ人地区を、治安管理も含む完全な自治区にする方針を伝えた。しかしパレスチナ側には、領土に関する提案がイスラエルの国内情勢で後退しかねないことへの不信が強い。
 バラク首相は8日の軍放送のインタビューで、エルサレム近郊のアブディスなど3地区を、自治政府が行政権のみ持つB地区から、治安権も持つA地区にする方針をアラファト議長に示したことを確認。一方で、B地区の大半はいずれA地区になると説明して、この3地区からの撤退が特別なものであるとの印象を薄めることに努めた。
 しかしエルサレムは、イスラエル側が「不可分の自国の首都」とするのに対し、パレスチナ側も、その一部を将来の国家の首都に、と望む帰属論争の焦点。近郊のパレスチナ人地区の治安管理権を引き渡すことには、イスラエル国内の反発が強い。3月の首脳会談でもバラク首相が同様の案を示したと報じられたところ、連立政権の与党内からも反対が出て、あいまいになった経緯がある。
 パレスチナ自治政府筋は「B地区とはいえ既に自治区に入っている地域をA地区化するだけのことで、大きな譲歩を提案しているような態度はやめてほしい」としたうえで、「それとても、国内世論や与党の声に影響されて後退する」と冷めた反応だ。[2000-05-09-01:29] 2
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 05/09@ユーゴ空爆の成果は1割弱 米軍が誇張発表と米誌(共同通信)

 【ワシントン9日共同】「史上最も成功した空爆」とされた北大西洋条約機構(NATO)軍の昨年春の対ユーゴスラビア空爆が、実際には公式発表の一割足らずの成果しかなかったと、八日発売の米誌ニューズウィーク最新号が報じた。米国防総省は同日、公式発表を既に下方修正していることを認めた。
 同誌によると、米空軍主体の爆撃評価チームが現地調査で確認したところ「戦車十四両、装甲兵員輸送車十八、火砲類二十」と成果はごくわずかだった。
 この報告は、国防総省内で握りつぶされ、驚いたNATO司令部は再調査を命じ「戦車九十三両、装甲兵員輸送車百五十三」など未確認情報も交えた“折衷報告”を作成したという。
 米国のシェルトン統合参謀本部議長は、空爆作戦の終了直後、「約百二十の戦車、二百二十の装甲兵員輸送車、最大四百五十の火砲・迫撃砲」を破壊したと発表。精密爆弾や巡航ミサイルを駆使した空爆だけによる勝利は「戦争形態を変えた」とまで称賛されていた。
 成果が挙がらなかったのは(1)高高度からの爆弾投下は命中度が落ちる(2)ユーゴ軍が模型の戦車や橋で操縦士の目を欺いた(3)操縦士は命中が確認できなくても爆撃の成果を報告しがち―などが理由とされている。
 同誌の報道に対し国防総省は「できる限りの情報を基に分析したが、爆撃評価は極めて難しい作業だ」(ベーコン報道官)と述べ、現在はNATO軍の再調査結果を公式の成果とみていることを認めた。ただ米軍が予算獲得のために成果を誇張したとの同誌の指摘には「誤報だ」と否定した。
 同誌は、効果があったのは軍事施設ではなく、むしろ発電所などへの空爆だとし、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領が和平受け入れに同意したのは、ベオグラードの停電などで市民が苦しみ、政権維持に危機感を抱いたためと分析している。[2000-05-09-17:37] 3
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 05/09@◇外務省が外交青書 NGOとの対話に積極姿勢◇(朝日新聞)

 河野洋平外相は9日午前の閣議で、1999年の国際情勢や日本の外交活動をまとめた2000年版「外交青書」を報告した。環境保全、貧困や感染症の克服など国際社会の抱える課題に取り組むうえで、非政府組織(NGO)の役割が重要になっているとの見方を示し、NGOと対話を進めながら外交を進める姿勢を打ち出したのが特徴だ。
 青書は、外交活動に関連するNGOの役割について、「効果的、効率的な経済援助」のため手を取り合う必要があると指摘した。相手国の地域の実情にくわしいNGOと具体的な事業内容などについて情報や意見を交換すれば、きめ細かな援助ができるからだ。
 青書はまた、ユーゴスラビア・コソボなどの地域紛争やトルコの大地震など大規模な自然災害が昨年相次いだことにふれ、「緊急かつ大規模な人道支援活動でNGOの役割の重要性が認識された」と位置づけた。外務省はこうした活動をするNGOに補助金を出したり、公認会計士などの専門家を派遣したりして後押ししており、今後も支援に力を入れる方針だ。
 最近の国際会議では、自らの主張を反映させたりしようと抗議行動を繰り広げるNGOも目立つが、青書はこうした活動には触れていない。九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)を前に、こうした動きも念頭に置き、政府とNGOとの間で「建設的なパートナーシップ(関係)構築がいっそう必要になる」と、対話を重視する姿勢を打ち出した。[2000-05-09-13:18] 4
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 05/09@◇国連事務総長、シエラレオネへの緊急対応部隊派遣を要請◇(朝日新聞)

 500人もの国連平和維持軍(PKF)兵士が反政府勢力に拘束されている西アフリカ・シエラレオネ情勢について、アナン国連事務総長は8日、強力な緊急対応部隊の派遣を呼びかけるとともに、現地の国連文民要員266人の脱出を命じた。同事務総長は同日、ニューヨークでオルブライト米国務長官と協議、米国は緊急派兵の輸送などで協力する、と述べ、国連安保理の主要メンバーとしての協力姿勢を明らかにした。
 オルブライト国務長官は会談後の記者会見で「私たちはナイジェリア代表も交えて協議した。今後、様々な方法で、国連に協力してゆく」と述べた。すでにナイジェリアは2個大隊をシエラレオネに緊急派兵する方向で動いているという。米国は輸送などで協力を約束。アナン事務総長の協力要請を受けて、マリ、リベリア、ギニアの首脳も国連特使を交えて対応策を協議、9日には周辺9カ国外相会談をナイジェリアの首都アブジャで開くことにしている。
 国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の部隊としてヨルダン、バングラデシュ、インドから約2000人の現地派兵が予定されているが、国連報道官は「現時点では拘束されている人々を解放してシエラレオネの和平プロセスを軌道に乗せることに最善を尽くすことだ。しかし、もし、それが不可能なら残されている選択肢は、撤退か、緊急対応部隊の派遣となると思う」と述べた。
 緊急対応部隊は旧ユーゴスラビア紛争での国連平和維持活動の一環として、英、仏、オランダ軍を中心とする多国籍旅団として展開。国連関係者によると、今回のシエラレオネでもインド軍200人が現地入りしているが、装備などはUNAMSIL同様、貧弱で緊急対応できる状態ではないという。アナン事務総長は、装備、戦闘能力とも優れた部隊の派兵を求めている。
 国連の発表によると、シエラレオネの首都フリータウンでは8日、反政府勢力、革命統一戦線(RUF)のサンコー議長宅周辺で数千人がデモ行進、発砲騒ぎとなって市民4人が死亡した。[2000-05-09-11:07] 16
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 05/09@◇ノーベル平和賞のホルタ氏、東ティモールに五輪委設立◇(朝日新聞)

 9月に開幕するシドニー五輪への参加を求めている東ティモールの独立運動指導者でノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ氏は9日、五輪参加への前提条件となる東ティモール五輪委員会を先週設立し、自らが会長に就任したことを明らかにした。
 東ティモールは現在、国連の暫定統治下にあり、独立に向けて準備を進めている。ホルタ氏は4月に「東ティモールがシドニー五輪に参加すれば、世界にとっての平和、寛容、和解の象徴になるだろう」とオーストラリアのハワード首相へ参加実現への協力を要請していた。
 五輪参加には、国際オリンピック委員会(IOC)が承認した各国・地域の五輪委員会が存在することが条件となる。豪州側は、同国五輪委員会のジョン・コーツ会長らが必要があれば、東ティモール五輪委設立のために訪問する用意があると前向きの姿勢を示していた。
 IOCは、国連が「東ティモールは事実上独立した」と宣言することも参加へのもう一つの条件に挙げている。が、国連側も「独立運動を支えてきた隣国の豪州で開催される五輪に、東ティモールが、もし参加しないとすれば残念」と参加を支援する立場を表明している。今回、設立した五輪委は、まだIOCの承認を得ていないものの、参加実現に向けて大きな一歩を踏み出したと言える。
 東ティモールの参加が実現した場合、ボクシングや陸上、射撃などで選手を派遣する可能性がある。[2000-05-09-22:56] 38
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 05/09@ユダヤ人とアラブ人は兄弟、DNA分析で確認(読売新聞)

 【ワシントン9日=大塚隆一】ユダヤ人とアラブ人は共通の祖先を持ち、遺伝的には兄弟の関係にあることが、米ニューヨーク大などのチームのDNA分析で確認された。研究成果は九日発行の米科学アカデミー紀要で発表された。
 研究チームは中東、北米、欧州、アフリカなど世界二十九地域の千三百七十一人を対象に、父親から息子へと受け継がれるY染色体のDNAを調べた。その結果、ユダヤ人のY染色体と、パレスチナ、シリア、レバノンなどのアラブ人のY染色体は、共通の特徴を持つことが分かったという。
 また、世界各地のユダヤ人のY染色体を調べると共通点が多かった。ユダヤ人は紀元前六世紀、パレスチナの地から世界各地へ離散、他の民族とはほとんど混血しなかったとされるが、それがDNA分析から裏付けられたことになるという。
 研究チームのハリー・オストラー教授は「ユダヤ人もアラブ人も(旧約聖書に登場する)アブラハムの子供たちであることが確認できた。遺伝的なルーツは四千年以上も保存されてきたことになる」と話している。[2000-05-09-18:58] 49
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 05/09@苦悩深める国連事務総長 泥沼化のシエラレオネ(共同通信)

 【ニューヨーク9日共同】アフリカ西部のシエラレオネで国連要員が反政府勢力に拘束されてから九日で一週間以上が過ぎた。拘束者が五百人に上る可能性もあり、事態の泥沼化による国連平和維持活動(PKO)の危機に、アフリカ出身のアナン国連事務総長は苦悩を深めている。
 事務総長は先週、現在九千人の国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)要員を一万一千人の定員いっぱいまで増強。国連要員を拘束した革命統一戦線(RUF)のサンコー議長に対し、周辺国の元首らが圧力をかけることで釈放を実現しようとした。
 ところが拘束者は日を追って増加。七日には新たに二百人のザンビア兵との連絡が取れなくなり、米、英国などに部隊派遣を打診、ナイジェリアにもUNAMSILの指揮下に入らない緊急部隊の派遣を要請した。
 事務総長は、各地で内戦が続くアフリカのうち、まずシエラレオネに和平を実現させ「本命である次のコンゴ(旧ザイール)での成功につなげる」(国連外交筋)というシナリオを描いていた。
 シエラレオネでのつまずきは明白となり、「PKOの失敗では」と八日、記者団に尋ねられると「明らかに良い状況ではないが、戦争状態ではすべてが起き得る」と力なく答えた。[2000-05-09-16:36] 74
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 05/09@ユダヤとアラブは血縁 染色体分析で確認(共同通信)

 【ワシントン8日共同】ユダヤ人と、パレスチナ人などアラブ人が共通の祖先を持つことがDNA分析で確認された、と米ニューヨーク大のハリー・オストラー博士らが九日付の米科学アカデミー紀要に発表した。
 ユダヤ人とアラブ人に血縁関係があることは旧約聖書など宗教、歴史文書の記述から当然とみられていたが、遺伝分析ではっきり確認できたのは初めてという。
 同博士らは中東地域をはじめ、北米、アフリカ、欧州各国など世界二十九地域の千三百七十一人の男性のY染色体のDNAを調べた。同染色体は父親から男の子に伝わり、遺伝的に近い人は共通の特徴を持つ。
 その結果、イスラエルや北米、欧州、アフリカ北部に住むユダヤ人のY染色体に共通点が多いことが判明。ユダヤ人は紀元前にパレスチナから世界各地に離散した後も他民族とあまり混血せず、遺伝的な同一性を保ってきたと分かった。
 またパレスチナ人、シリア人はユダヤ人とY染色体の特徴を共有しており、旧約聖書などが示すように遺伝的なルーツは同じと分かった。[2000-05-09-10:50] 83
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 05/09@<独フィッシャー外相>米国務長官と会談 NMDに強い懸念(毎日新聞)

 【ワシントン8日布施広】ドイツのフィッシャー外相は8日、ワシントンでオルブライト米国務長官と会談し、米国が配備を検討する米本土ミサイル防衛(NMD)に対する強い懸念を表明した。これに対しオルブライト長官は、米国としてNMD配備を決定したわけではないと強調、クリントン大統領は国際的な軍備管理への影響など4項目を考慮して、配備するか否かを決めるだろうと語った。
 オルブライト長官と共同会見したフィッシャー外相は、NMD配備は「ドイツだけでなく欧州全体に強い衝撃を与える」とし、「欧州の至る所で論議が起きている。我々は統一した立場を取りたいと思う」と語った。ドイツが中心となって、欧州を「NMD反対」の方向でまとめることを意図した発言だが、外相は「欧州各国の利害は均一ではない」とも述べ、意思統一が難しいことを示唆した。
 またオルブライト長官は、NMD配備に関して、大統領は(1)米国に対する脅威(2)ミサイル迎撃の技術的実現性(3)開発・配備の費用(4)軍備管理への影響――を考慮すると述べた。長官は、特に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とイランの弾道ミサイルの脅威が、NMD配備をめぐる「論議の基礎になる」と語り、国際協調の必要性は認めながらも、「国民の安全」を最優先する方針を確認した。
 クリントン大統領は今月末に米・欧州連合(EU)首脳会議に出席、6月初めからドイツとロシアを訪問し、プーチン露大統領と初の首脳会談を行う。ロシアがNMD配備にあくまで反対した場合、ドイツやフランスなどを中心に、欧州の反対論も一気に強まることが予想され、クリントン外交の真価が問われる歴訪となりそうだ。[2000-05-09-10:02] 87
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 05/09@竹島は日本固有の領土 外交青書で明確に主張(共同通信)

 二○○○年版外交青書は、一九九九年版に記述のなかった竹島問題に言及、「日本固有の領土」と明確に主張した。
 今回の青書では「日韓関係の諸懸案の一つとして竹島をめぐる所有権の問題がある」と指摘。その上で「歴史的事実に照らしても国際法上も、明らかに日本固有の領土であるとの日本の立場は一貫しており、今後とも両国間で粘り強く話し合いを積み重ねていく方針」と強調した。
 九九年版と九八年版は、ともに「竹島」に触れておらず、九七年版は新漁業協定交渉に絡めて「竹島に関する日韓両国の違いに焦点が当たった」「国連海洋法条約批准に伴う措置は、竹島問題に関するそれぞれの立場に影響を及ぼすものではないことを前提とすることを両首脳間で確認」などと表記している。
 外交青書を編集した外務省総合外交政策局企画課は、今回の記述について「特別に意識したわけではない」としている。[2000-05-09-09:30] 95
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 05/09@北アイルランド政府復活へ IRA声明受け英国(共同通信)

 【ロンドン8日共同】英国のマンデルソン北アイルランド相は八日、下院での報告で、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)が事実上の武装解除に応じたことを「真の進展」と評価、今月二十二日までに北アイルランド自治政府を復活させる方針を発表した。
 IRAは六日、三十年間に約三千六百人の犠牲者を出した紛争史上初めて、武器の保管場所の定期査察に応じることで武装闘争を放棄する方針を表明。
 一方のプロテスタントは、最大政党のアルスター統一党(UUP)が今月二十日の党大会で、IRA決定への対応を決める方針だが、英政府はこれを待たずに、和平の柱である自治政府の復活を一気に決めた。
 北アイルランド相は、UUP党首のトリンブル北アイルランド首相が、IRA決定を評価したと指摘。政府決定をUUP党大会に先行させることで、繰り返し和平の障害となってきたUUP強硬派の反対を封じ込める考えとみられる。
 和平合意に基づく北アイルランド自治政府は、IRAの政治組織シン・フェイン党や、UUPなど紛争の主要当事者が参加した連立政府だが、IRAが武装解除に応じないため、ことし二月に機能停止に追い込まれていた。[2000-05-09-08:30]
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 05/10@旧ユーゴ戦犯国際法廷を批判…ミロシェビッチ大統領(読売新聞)

 【ウィーン支局9日】ユーゴスラビア連邦のミロシェビッチ大統領は九日、コソボ紛争での戦争犯罪で自らを起訴した旧ユーゴ戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)を、「(ユダヤ人の大量虐殺が行われた)アウシュビッツより悪い」と痛烈に批判した。
 国営タンユグ通信によると、同大統領は同日、第二次大戦終結の記念式典で、同国を占領したナチス・ドイツと戦った元パルチザンを前に演説。「ある勢力が再び全世界を征服しようと望んでいる」「その政治宣伝は(ナチスの)ゲッペルス(宣伝相)よりも効果的で、(秘密国家警察)ゲシュタポより強力だ」として、同法廷をユダヤ人強制収容所のアウシュビッツになぞらえた。[2000-05-10-11:45] 4
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 05/10@◎旧ユーゴ法廷はアウシュビッツ以下=ミロシェビッチ大統領(時事通信)

 【ベオグラード9日AFP=時事】「ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷はアウシュビッツより悪い」。ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領は9日、コソボ自治州での戦争犯罪で自らを起訴した旧ユーゴ戦犯法廷をこうこきおろした。
 国営タンユグ通信によると、同大統領は第二次世界大戦終結を記念する式典で、ナチスドイツと闘った元パルチザンを前に演説。「一つの勢力が再び全世界を征服することを望んでいる」と述べた上で、「そのプロパガンダはゲッベルスより効果的で、ハーグの法廷はアウシュビッツ以下の代物だ」と、同法廷をユダヤ人強制収容所のアウシュビッツになぞらえた。[時事通信社][2000-05-10-06:43] 23
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 05/10@ダイヤ鉱山への干渉が契機 紛争再燃のシエラレオネ(共同通信)

 【ヨハネスブルク10日共同】シエラレオネで国連派遣団の要員多数が反政府勢力、革命統一戦線(RUF)に拘束され、政府軍とRUFの戦闘も再燃しているが、背景に、反政府勢力が支配するダイヤモンド鉱山への国連の干渉と、和平協定締結に貢献した西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)の撤退による戦力バランスの乱れがある。
 八年に及んだ同国の内戦を集結させた昨年の和平協定は崩壊の危機を迎えている。
 同国の内戦は、民族対立ではなく最大産業のダイヤ開発の利権をめぐる争いが主因だった。今回の拘束事件もダイヤ生産地帯で国連がRUFメンバーに武装解除を迫ったのが契機になった。
 ダイヤはRUFの軍事行動を支えてきた貴重な資金源。そのダイヤ鉱山に国連は一種の「国際管理」を持ち込もうとしたとも指摘される。
 ナイジェリアを主力とするECOMOGの撤退が同じ時期に重なり、RUFの新たな行動を「後押し」した可能性が高い。RUFは同国の北東部や南東部を拠点にしており、シエラレオネの内戦を戦った戦闘員は約四万五千人。うち三分の一以上がサンコーRUF議長に忠誠を誓ったとされる。
 これに対し政府軍の兵力は三千人余り。非力な政府軍に代わり治安維持を担ってきたECOMOGが国連派遣団に後を引き継ぐ形で二日までに撤退、力の均衡が崩れていた。
 そんな中、国連側は七日、RUFが進攻し首都フリータウンに迫っているとの誤情報を発表し、首都は一時大混乱に。
 国連派遣団の情報収集能力のお粗末さを露呈する一方、内戦中、市民約五万人を殺害、数千人の手足を切断したとされるRUFへの恐怖の大きさを見せつけた。
 外国人の国外退去が進む中、欧米諸国は戦闘部隊の派遣をちゅうちょしており、国連は有効な対策を打ちあぐねている。和平プロセスを軌道に戻すことができるのかどうか、悲観的な見方が広がってきた。[2000-05-10-18:55] 31
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 05/10@混乱、全土に拡大の恐れも 武装勢力攻勢でスリランカ(共同通信)

 【コロンボ10日共同】スリランカからの分離独立を要求する少数派タミル人の反政府武装勢力タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)が同国北部のジャフナ半島で攻勢を強め、多数派のシンハラ人を主体とする政府軍が劣勢に立たされていることで、同国内の民族対立による混乱が全土に拡大、暴動に転化する恐れも出てきた。
 スリランカ政府は今月三日、全土の「戦時体制」を宣言。マスコミに対する検閲拡大やスト、デモの禁止など、治安維持のための措置を強化する一方、九日には少数派住民保護のための特別委員会を設置。最大の都市コロンボのタミル人居住地区にライフル銃で武装した警官を配置するなど巡回強化に乗り出した。
 人口の約七五%をシンハラ人が占めるスリランカでは一九八三年、北部でLTTEにシンハラ人兵士が虐殺された事件を契機に暴動が発生。コロンボなど全土で約二千人が虐殺され、商店焼き打ちなどが広がった。
 今回も既にシンハラ人の間にはうっ屈感が広がっており、ジャフナ半島全体をLTTEが制圧、駐留政府軍が逃げ場を失って多数が死亡する事態になれば、シンハラ系一般住民が怒りを直接タミル系住民に向ける恐れが強い。
 警戒が強化されたコロンボは現在のところ、警察や軍の検問所の数が増えただけで一般市民生活や約八百三十人の在留邦人、観光客などに影響は出ていない。しかし市内の宝石店で働くタミル人女性(34)は「タミル人への治安当局の職務質問がこれまで以上にしつこくなり、ほとんど嫌がらせだ」と不満を口にした。[2000-05-10-16:19] 32
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 05/10@<特報・国連>国際反人種差別会議のテーマ判明(毎日新聞)

 【ジュネーブ9日福原直樹】「世界女性会議」(1995年、北京)に続いて来年9月南アフリカで開かれる国連主催の人権会議「国際反人種差別会議」のテーマが9日、明らかになった。毎日新聞が入手した合意文書によると、「平等・正義・尊厳」をスローガンに、被害者救済などの具体策を探るが、欧州で台頭する民族差別や、白人の優越性を訴えるインターネットなどの台頭も議論される見通しだ。アフリカ諸国は「奴隷貿易」など過去の差別への補償も求めており、会議の焦点になりそうだ。
 合意文書は今月1〜5日、ジュネーブで行われた第1回準備会合(約100カ国参加)で採択された。文書は、来年9月の会議で人種差別や外国人排斥について、現状や原因の分析▽加害者、被害者の特定▽差別撤廃・防止に向けた具体的手段や学校教育の推進▽差別への補償▽今後の戦略――の5点を基本テーマとして話し合い、「人種差別なき世界」を目指す。
 国連は今年3月、この会議に向けたセミナーを開催した。人種差別団体が白人至上主義を訴えるネットが、米国を中心に激増していることなど「人種差別の潮流が強まっている」と批判してきた。会議ではこれらの議論を踏まえ、欧州で台頭するネオナチズムやロマ族差別なども討議、差別解決への指針を示す方針だ。
 また、今回の準備会合では、エチオピア、ナイジェリアが「アフリカ社会の総意」として、16世紀以来の欧米の奴隷貿易や植民地主義について「謝罪と補償を行うべきだ」と強く主張し、パキスタンなどもこれに同意した。これに対し英、ポルトガルなど欧米が反発、来年9月の本会議でアフリカ諸国の主張通りの議題が採択されるかは、来年5月の最終準備会合に持ち越された。日本は「将来に向けた人種差別撤廃を話し合うべきだ」と主張し、欧米に同調している。
 国際反人種差別会議は、94年の国連総会で、人種差別撤廃に向けた国際協力を話し合うために開催が決まった。国連人権規約見直し会議(ウィーン、93年)、世界女性会議に続く国連の人権会議として、100カ国以上の参加が見込まれている。[2000-05-10-15:17] 49
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 05/10@緒方高等弁務官の後任選び本格化(読売新聞)

 【ジュネーブ10日=大内佐紀】今年いっぱいで退任する緒方貞子・国連難民高等弁務官=写真=の後任選びが本格化し、自薦、他薦の候補者が名乗りをあげている。
 国連難民高等弁務官(任期五年)は、国連事務総長が指名、国連総会の承認を経て選出される。三期目の緒方氏の本来の任期は二〇〇三年末までだが、緒方氏は九八年末にアナン事務総長の続投要請を受けた際に、二〇〇〇年末での退任を条件にした。アナン事務総長は、今秋の国連総会までに“意中の人”を決める。
 正式に名乗りをあげたのが、ヨルダンのハッサン王子。米国や一部欧州諸国の後押しを得ている点が強みだ。ハッサン王子は、故フセイン国王が実子のアブドラ現国王に王位を譲るため、突如、皇太子を廃された経緯があり、本人も周辺も、名誉ある出国を望んでいるとされる。
 このほか、コソボ和平の仲介で名をあげたアハティサーリ・フィンランド前大統領、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル特別代表(フランス出身)、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のデメロ事務総長特別代表(ブラジル出身)、ボルベック・ノルウェー前外相らが、関心を示しているとされる。[2000-05-10-11:39] 59
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 05/10@<オーストリア>EU制裁の是非問う国民投票を今秋実施(毎日新聞)

 【ウィーン9日福井聡】オーストリアの連立政権に右翼・自由党が参加したことで、欧州連合(EU)諸国が外交制裁を実施している問題で、オーストリア政府はEUが6月末までに解除姿勢を示されなければ制裁の是非を問う国民投票を今秋実施する。これに対し、EUは先週末アゾレス諸島で開いた外相会議で表向き無視する姿勢を示したが、14カ国中6カ国が制裁解除を示唆し、対応が割れている。
 オーストリア政府によると、今年前半のEU議長国・ポルトガルの議長期限が切れる7月1日までに具体的な制裁解除計画が提示されなければ、オーストリアの孤立の終結を求めて今秋国民投票を実施する。質問項目はEUへの関与を明確に示した上で、制裁解除の是非を明示するとしている。
 国民投票は当初、ハイダー自由党前党首が提唱したものだが、国民の多くは「選挙で正当に選出された政府に対してEUが一向に制裁を止めないのは不当」との不満を強めており、実施されば圧倒的多数の制裁解除支持が予想される。ただし、フェレロワルトナー外相(国民党)は「交渉による外交努力で解除されるのが最善で、必ずしも国民投票は必要ない。国民投票はEUへの最後通告ではない」と述べた。
 先週末の外相会議ではイタリア、アイルランド、スペイン、ギリシャ、フィンランド、デンマークの6カ国が制裁解除支持に傾いており、ベルギーやフランスなど5カ国が強硬姿勢を崩していないという。フェレロワルトナー外相は「EUによるオーストリア国内の民主化モニター期間」の設置を提唱し、これに数カ国が同意し始めている。
 制裁はオーストリア経済には特に影響を及ぼしておらず、当初懸念された観光客も例年の水準に戻っている。一方、EU通貨のユーロは下落傾向に歯止めがかからず、オーストリアを巡る政治的亀裂が一因との声があり、これが制裁解除の後押し要因となっている。
 オーストリア国内では、ハイダー氏が「オーストリアにEUが処罰を続けるなら、脱退は理にかなっている」と同国のEU脱退の可能性に言及し、グラッサー蔵相(自由党)もEU加盟費支払い延期を示唆するなど、強硬意見が相次いでいる。シュッセル首相(国民党党首)は強硬姿勢をちらつかせながら交渉で制裁解除を勝ち取る構えだ。[2000-05-10-10:15]
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 05/11@◇NATO、クロアチアにPFP加盟を要請◇(朝日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)は10日、クロアチアに対し、「平和のためのパートナーシップ」(PFP)協定加盟を正式に要請した。強権体制を敷いて西側との関係を悪化させたツジマン前大統領の死去後、今年2月の大統領選で当選したメシッチ大統領が民主化を進めていることを評価した。27番目のPFP加盟国となる。[2000-05-11-02:59] 2 [このページの最初に戻る]


 05/11@<社説>大使館誤爆1年 教訓を忘れてはならない(毎日新聞)

 北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア・コソボ空爆作戦のさなかに起きた在ベオグラード中国大使館誤爆事件から、7日で1年が経過した。誤爆の原因は「米軍の標的選定をめぐる人為的ミス」と説明され、米中間の賠償交渉も一応の決着を見たものの、中国側のしこりが解消したとは言えない状況が続いている。事件後の経過を見守る国際社会の目にも、なにか釈然としないものが残るのはなぜだろうか。
 その筆頭は、「軍事革命」(RMA)という用語に代表される高精度のハイテク兵器に依存し、自軍の人的被害を最小限にとどめようとする欧米の軍事戦略の危うさにある。
 この傾向は「死傷者ゼロ」ドクトリンなどとも呼ばれ、湾岸戦争以後の米国の武力行使でとみに多用されるようになった。地上戦闘で自国兵士に多大な犠牲者を出せば、指導者の政治的責任が真っ先に国内で問われ、下手をすれば政権を失うことにもなりかねないからだ。
 自国の犠牲者ゼロを強調する政治家の背後には、相手国の犠牲を軽視するかのようなうそっぽさが漂う。コソボ作戦でも、クラークNATO軍最高司令官(当時)ら軍事指導部は地上軍投入による早期決着を要望したのに対し、クリントン米大統領を中心とするNATO同盟国の政治指導部はあくまで空爆継続を命じてやまなかった。その延長線上で起きたのが2カ月半に及ぶ空前の大規模空爆であり、大使館誤爆であった。
 空爆対象となったセルビア共和国の国土は日本の4分の1に満たない9万平方キロ弱だ。誤爆事件を検証した米国の報道によると、当初の空爆目標は約220カ所しか用意しなかったが、短期決着の見通しが立たなかったため、この狭い国土に最大4000カ所もの空爆目標を設定することになった。ところが、これではあまりにも「無差別爆撃」の印象を与える恐れが強く、最終的に「2000カ所の目標をそろえよ」という命令となり、NATO軍内では「Y2K」にちなんで「T2K問題」(Tはターゲット)という隠語まで流れていたそうだ。
 国際法でも例をみない「人道的介入」という大義を掲げた米・NATO軍にしては、あまりにもずさんな作戦ではなかったか。
 米政府は大使館を「ユーゴ軍事施設」と誤認した米中央情報局(CIA)職員や高官らの解雇、戒告という処分を発表した。しかし、その中で標的リストを再検査し、妥当性を検討すべき二重、三重のチェック機構がほとんど機能しなかった点について、NATOも米政府もいまだに沈黙を守っているのは不思議なことである。
 ミスであろうとなかろうと、「引き金」が引かれれば、ハイテク兵器は正確に標的を破壊する。ミサイルは「標的番号493」と指定された同大使館に命中し、防衛武官事務所と情報収集室が破壊された。中国政府がいまだに「意図的な空爆ではないか」という疑念を捨てない理由もその正確さゆえのものだろう。
 本来、軍事力は安易に発動してはならないもののはずだ。ハイテク空爆というリモコン戦争は、自軍に犠牲を強いるという痛みを伴わないだけに、その敷居をますます引き下げてしまうリスクが常にある。米政府とNATOは、この教訓を肝に銘じて、決して忘れないでほしい。[2000-05-11-00:09] 21
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 05/11@<コソボ>独立の一時棚上げに同意 アルバニア系住民(毎日新聞)

  【ウィーン11日福井聡】全欧安保協力機構(OSCE)のローハン・バルカン担当代表は10日、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州のアルバニア系住民を代表するタチ・コソボ解放軍前議長とウィーンで会談した。会談後、ローハン代表は「タチ氏はコソボ独立の要求をしばらく棚上げし、先に暫定憲法交渉を開始することに合意した」と語った。アルバニア系勢力の強硬派で知られるタチ前議長が独立問題の先送りに同意したのは初めて。
 コソボ自治州の選挙など民政部門を担当するローハン代表によると、タチ前議長は国連などによるコソボの暫定統治期間延長にも同意した。コソボでは昨年6月の北大西洋条約機構(NATO)の空爆終了後、国連が暫定統治を始めたが、州自治の具体的中身には触れず、「コソボ独立」についての言及を避けてきた。
 ローハン代表は数週間後にも暫定憲法交渉を開始したいとしているが、コソボの少数派セルビア人は交渉推進派と拒否派に割れており、開始までなお曲折が予想される。[2000-05-11-17:49] 22
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 05/11@コソボ独立論を再び展開(共同通信)

 【ウィーン10日共同】オーストリア通信によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州で武装闘争を繰り広げ昨年解散したアルバニア系住民の武装組織、コソボ解放軍のサチ元政治局長は十日、バルカン半島の長期的安定を実現するにはコソボの独立が不可欠だとの主張を再び展開した。
 ウィーンで欧州安保協力機構(OSCE)のロハン・バルカン担当特使(オーストリア外務次官)と会談後、記者団に語った。
 同通信によると、サチ氏は独立の「第一歩」として、北大西洋条約機構(NATO)軍主体の国際治安部隊と国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)による「国際統治」を解消すべきだと述べた。
 ロイター通信によると、特使は「独立問題の協議は数年後にすべきだと求めた」とした上で、「サチ氏は暫定的な統治問題協議の開始に前向きな姿勢を示した」と述べた。[2000-05-11-08:42] 23
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 05/11@初代大統領が反体制組織に ユーゴ、運動に弾みも(共同通信)

 【ウィーン10日共同】旧ユーゴスラビア解体後の新ユーゴ連邦の初代大統領を務めた作家のドブリツァ・チョシッチ氏(78)が、学生を中心とする最大の反体制組織「オトポル」(抵抗)に加入したことが十日、オトポル幹部の話で明らかになった。
 オトポルは今年に入って急速に支持を拡大しメンバーは約五万人。ミロシェビッチ政権がオトポルなどへの弾圧を強めており、国民の人気が高いチョシッチ氏の参加は反政府運動に弾みをつけそうだ。
 同幹部によると、チョシッチ氏はオトポルの顧問的な役割を担う予定。オトポルは活動方針を決める「評議会」を新設し、同氏を委員に据える方針だ。
 「太陽は遠い」などの作品で世界的にも知られるチョシッチ氏は一九九二年に大統領に就任。当時のミロシェビッチ・セルビア大統領と対立したため、九三年に連邦議会の不信任動議により解任され、その後政治活動から遠ざかっていた。
 九八年に結成されたオトポルは約百市町村に拠点を持ち、高校生やインテリ層にも支持を広げている。野党勢力は十五日にベオグラードで集会を行う予定で、チョシッチ氏が「反体制の象徴的人物」として出席する可能性もある。[2000-05-11-08:26] 24
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 05/11@◎ロ参謀総長、NATO会合に参加=コソボ紛争時の関係凍結(時事通信)

 【ブリュッセル10日時事】ロシアのクワシニン参謀総長は10日、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で開かれたNATO・ロシア常設合同協議会(PJC)に出席、ユーゴスラビア・コソボ自治州情勢などについてNATO軍事委員会のベンツローニ議長らと意見交換した。
 ロシアは昨春、NATOがユーゴ空爆に踏み切ったことに抗議、今年2月にロバートソンNATO事務総長がモスクワを訪問するまで、NATOとの関係を凍結しており、同参謀総長のPJC出席は凍結以来初めて。[時事通信社][2000-05-11-08:24] 214
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 05/11@<シエラレオネ>PKOの弱体ぶりさらけ出す ECOMO再(毎日新聞)

 【キンバリー(南アフリカ)11日藤原章生】国連安保理が10日合意した西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)のシエラレオネ再派遣は、国連の平和維持活動(PKO)の弱体ぶりをさらけ出す結果になった。国連は文民を含め8600人の平和維持軍を派遣したものの、今月に入り逆に500人もの要員を反政府勢力の人質に取られた。国連は撤退させたばかりの地域軍に頼らざるを得ず、平和維持活動のアフリカ介入の難しさを改めて浮き彫りにした。
 1996年に民政移管したシエラレオネはまともな政府軍を持たないぜい弱な国家だ。首都フリータウンや内陸の町は97年まで南アフリカの傭兵に、98年からはECOMOGの主導部隊ナイジェリア軍に守られてきた。97年5月に首都を制圧した反乱軍を98年2月に追放したのも、99年1月に反政府軍の首都攻撃を防いだのもナイジェリア軍だった。
 しかし、99年に入り地域大国ナイジェリアではえん戦気分が高まった。シエラレオネ介入はナイジェリアのアバチャ軍事政権(93〜98年)が、「平和の使者」という自己宣伝と、ダイヤモンド取引などでの利権確保を目的に始めた。しかし、最大時1万2000人の派兵は1日の出費が100万ドル(ナイジェリア発表)に膨らみ、ナイジェリアは昨年5月の民政移管直後、段階的撤退を表明した。
 「警察」を失うことになったシエラレオネ政府は反政府勢力・革命統一戦線(RUF)と交渉せざるを得ず、昨年7月、和平協定を結んだ。
 しかし、ECOMOGが撤退を完了させた今月初め、代わりに警察役となった国連平和維持軍はRUFの襲撃に遭い人質をとられた。RUFは96年の包括和平協定と同様、今回も和平協定を守る気はなかったとみられる。
 国連平和維持軍と言っても前線に立つのは密林戦の経験のないザンビア、ケニア、インド人部隊だ。アフリカで最も残虐、執拗と言われるRUF兵(推定6000人以上)と渡り合うには無理がある。ECOMOGさえも都市部をようやく守っていたのが実状だ。血を流さない国連平和維持軍がかなう相手とは思えない。
 西アフリカ経済共同体は9日、国連の依頼を受けECOMOG派遣を発表したが、問題は資金だ。ナイジェリアは「国連か英国が金を出さなければ行かない」と言い出すだろう。
 国連はソマリア(93〜95年)、アンゴラ(95〜99年)で平和維持・監視活動に失敗した。94年のルワンダ大虐殺を止められなかった反省から、シエラレオネの平定を目指したが、結局、ナイジェリアに泣きつくことになった。「誰が前線に立ち、血を流すのか」。国連は最大の問題を突きつけられ、及び腰になったと言える。[2000-05-11-21:29] 237
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 05/11@◇シエラレオネ、首都近郊で再び戦闘◇(朝日新聞)

 国連本部に入った情報によると、大量の国連平和維持軍(PKF)兵士が反政府勢力に拘束されている西アフリカ・シエラレオネ情勢は10日、首都フリータウンの南東約30キロの町ワーテルローのほか2カ所で戦闘が再発するなど、首都に緊張が高まっている。国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)の部隊を増強するため、バングラデシュ、インド、ヨルダン各国から計2000人以上の兵士が20日までに現地入りする計画が進められているが、「現地の状況は、日増しに悪化している」(国連報道官)という。
 戦闘の詳しい状況は不明だが、フリータウン周辺一帯のキャンプに逃げ込んできた避難民の数は増え続け、すでに1万人を超えたとの報道もある。反政府勢力、革命統一戦線(RUF、サンコー議長)はUNAMSILから奪ったとみられる装甲兵員輸送車13台を黒く塗り替えて戦闘に使っているという。
 一方、RUFに拘束されている500人のPKF兵士のうち400人以上を占めるザンビア部隊はまだ国連側との接触がとれないでいる。RUF側は、「人質」そのものを否定。サンコー議長の行方も分からぬまま、事態の解決の見通しは立っていない。
 国連のアナン事務総長は10日、「能力があり、よい軍隊を持つ国の参加を期待していたが、彼らは今回の平和維持軍に貢献する気はないようだ」と、現地への部隊派遣を拒む欧米諸国を批判した。
 こうした中、カナダ政府は同日、バングラデシュ、インド政府が提供するUNAMSILの兵士約1700人の輸送のためカナダ軍輸送機を提供する、と表明した。[2000-05-11-13:19] 246
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 05/11@<チェチェン>マハシェフ前内務相とロシアの下院議員が会談(毎日新聞)

 【モスクワ10日田中洋之】インタファクス通信によると、ロシアのクラシェニンニコフ下院議員(法制委員長、前法相)は10日、チェチェン共和国のマハシェフ前内務相と会談した。昨年9月にロシア連邦軍とチェチェンの武装勢力との戦闘が始まって以来、ロシア側とマスハドフ・チェチェン大統領側の有力者が直接接触したのは初めて。
 同議員は今回の会談を「交渉ではなく意見交換」と強調する一方、「地域に平和をもたらす第一歩になることを期待する」と述べ、今後も接触を続ける考えを示した。
 2人が会談したのはチェチェンに隣接するイングーシ共和国内で、マハシェフ前内務相は「マスハドフ大統領はチェチェン紛争の平和的解決に向けた対話を行う用意がある」と語ったという。同議員は今後、チェチェンへの訪問やマスハドフ大統領と接触する可能性も示唆した。
 同議員は先月、チェチェン共和国での人権状況などを調査する非政府系委員会を発足させていた。
 一方、トロシェフ連邦軍司令官は「マハシェフ前内務相は昨年8月の武装勢力によるダゲスタン共和国襲撃を支援した人物」と批判し、チェチェン側との対話に反対を表明した。[2000-05-11-10:16] 249
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 05/11@<スリランカ内戦>タミル人の武装組織が中心都市の目前に迫(毎日新聞)

 【イスラマバード10日春日孝之】スリランカ内戦で、少数派タミル人の武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」は10日、最北端のジャフナ半島制圧に向けて攻勢を強め、波状的な自爆攻撃により政府軍の防衛ラインを次々に突破、中心都市ジャフナ市の目前にまで迫った。国連のアナン事務総長は政治解決を呼び掛けているが、「解放のトラ」の暫定停戦案を拒否した政府側は「最後の一兵まで戦う」と表明、情勢は悪化の一途をたどっている。
 「解放のトラ」のロンドン事務所は10日、ジャフナ市に向けて同日朝、3方面から大攻勢を開始、戦略上重要なナバトクリ橋を占拠し、同市まで3キロに迫ったと発表した。
 スリランカ政府も10日、ジャフナ市の東5キロのアリヤライ、南東15キロのタナンキラップ両地区で激戦となり、防衛ラインが次々と破られたことを認めた。「解放のトラ」は大砲や迫撃砲のほか、゛自爆部隊゛による決死の攻撃を繰り返しているという。政府軍は10日、ジャフナ半島一帯に48時間の外出禁止令を出した。
 政府軍は「解放のトラ」の推定兵力5000〜1万に対し、3万5000人で半島防衛に臨んでいる。しかし、ラトワッテ・エネルギー相は9日、「さらに2万人以上が必要だ」と強調、議会に対し「議員225人全員が各選挙区から100人ずつ戦闘員を送り出してほしい」と異例の要請を行うなど危機感を募らせている。
 国連のアナン事務総長は9日、「一般市民も危機にさらされている」と、双方に政治解決を呼び掛ける声明を出した。
 しかし、「解放のトラ」はジャフナ半島を中心とするタミル人多住地域の同国北東部で分離独立国家樹立を目指し、政府との一切の妥協を排除してきた。政府としても「分離国家を認める余地はない」との姿勢を貫いている。
 一方、政府は9日、先月下旬にエレファントパス、パライ両政府軍基地が占拠された際の自軍の被害状況を初めて発表した。それによると死者358人、行方不明349人、負傷2368人で、当初公表された数字を大きく上回った。その後の戦闘で双方の死傷者は増え続けている。[2000-05-11-09:07] 232
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 05/11@<特報・サッカー>日本国籍に○印強要 在日韓国朝鮮人の子(毎日新聞)

 大阪府サッカー協会に加盟する少年サッカーチームの選手登録の際、在日韓国朝鮮人の子どもたちが「日本国籍」に○印を付けるよう迫られていたことが11日分かった。外国籍選手の人数制限の原則があり、「試合に出られるように」との配慮だったが、「民族の尊厳を否定されるのは耐えられない」とチームを去った子どもも。選手登録様式を定めている日本サッカー協会も「少年レベルの国籍欄は無意味で、むしろ緩和の方向にある」と疑問を示している。日韓共同開催のワールドカップを2年後に控え、大阪府サッカー協会の姿勢が問われそうだ。
 関係者の話では、全国大会に直結する大阪府大会では「外国籍の選手登録は5人まで。試合の出場は3人まで」という申し合わせがある。このため府内では数年前から、国籍項目のある日本サッカー協会の登録様式が使われている。「1日本籍」「2外国籍」「3外国籍(外国籍扱いをしない)」のいずれかに○印を付けることになっているが、昨年まで運用上は空欄でも登録できた。
 しかし、今年3月31日に大阪市内であった登録説明会では、小学生レベルを担当する同協会の第4種委員会が「日本サッカー協会の登録様式どおりに記入が必要。外国籍の選手でも出やすい方法がある」としたうえで、「通名を使っている外国籍の子どもは、日本国籍に○印を」と提案。参加者からは「これまでは、国籍欄は空欄でもよかったのにおかしい」との声があがったという。
 この後、日本籍と韓国籍、朝鮮籍の子どもが混在する大阪市生野区のクラブチームでは「全国大会を目指そうと加入したのに、民族の尊厳まで否定されるのは耐えられない」と、10人の小学生がチームから去った。逆に全国大会出場への道を閉ざされる準加盟の扱いにならないよう、あえて日本籍に○印を付けた子どももいるという。
 大阪府サッカー協会第4種委員会の今西啓悦委員長は「Jリーグでもプロ野球にも外国人枠はあり、これまでどおりの対応だ。個人的には、多くの子どもにチャンスを与えるべきだと思うが、決まった登録様式がある以上、従うのは当然」と話している。【中尾 卓司】[2000-05-11-15:00]
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 05/12@<コソボ>アルバニア系住民、独立棚上げに同意(毎日新聞)

 【ウィーン11日福井聡】全欧安保協力機構(OSCE)のローハン・バルカン担当代表は10日、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州のアルバニア系住民を代表するタチ・コソボ解放軍前議長とウィーンで会談した。会談後、ローハン代表は「タチ前議長はコソボ独立の要求をしばらく棚上げし、先に暫定憲法交渉を開始することに合意した」と語った。アルバニア系勢力の強硬派で知られるタチ前議長がコソボ独立問題の先送りを認めたのは初めて。
 コソボ自治州の選挙など民政部門を担当するローハン代表によると、タチ前議長は国連などによるコソボの暫定統治期間延長にも応じたという。コソボでは昨年6月、北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆終了後、国連が暫定統治を始めたが、州自治強化の具体的中身には触れず、周辺国への政治的影響から「コソボ独立」についての言及を避けてきた。
 ローハン代表は数週間後にも暫定憲法交渉を開始したいとしているが、コソボの少数派セルビア人は交渉推進派と拒否派に割れており、開始までなお曲折が予想される。[2000-05-12-23:14] 16
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 05/12@<キーパーソン>欧州連合軍最高司令官ジョセフ・ラルストン(毎日新聞)

 ◇13代目の北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官に就任したジョセフ・ラルストン氏(57)
 昨年の今ごろ、世界でも最も注目を集めているポストだった。北大西洋条約機構(NATO)が発足50年目にして初めて起こした主権国家(ユーゴスラビア連邦)への空爆攻撃の指令塔。NATOの制服組のトップで、有事の際は欧州加盟国全軍への作戦指揮権を持つ。
 当時、ラルストン氏は空爆作戦の8割近くを担った米軍統合参謀本部の副議長。クラーク前司令官とは常に連絡を取り合った実働部隊の責任者の一人だった。
 1965年に米空軍に入隊。現役時代はパイロットとしてラオスや北ベトナムの空爆作戦にも参加。飛行時間は2500時間、147回の攻撃に参加した。38年ぶりの空軍出身の最高司令官だが、「この4年間、統合本部で全軍の統括をやってきた。陸海空、NATO加盟19カ国の結束を図りたい」と調整力に自信を見せる。
 退任するに当たってクラーク前司令官は「バルカンには大きな課題がある。ミロシェビッチ・ユーゴ連邦大統領が現役でいることだ」と語った。新司令官はユーゴ空爆を裏から支えてきた人物だけにNATOに残された課題の重さは痛いほど分かっている。NATOの欧州加盟国が進める独自軍構想との調整を図りながらも、米国主体のNATOの構図は崩したくない。米国が絶対に譲ることのないこのポストの重責はこれまで以上に増している。
 米ケンタッキー州生まれ。妻と子供4人。[2000-05-12-23:14] 17
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 05/12@◎「仏情報機関のスパイ」5人を起訴=ユーゴ(時事通信)

 【ウィーン12日時事】ユーゴスラビアからの報道によると、ベオグラードの検察当局は12日までに、北大西洋条約機構(NATO)による昨年春のユーゴ空爆作戦中に仏情報機関のスパイとして活動していたとの罪で、セルビア人5人を起訴した。
 5人は、暗号名「クモ」と呼ばれる秘密情報組織のメンバーで、空爆中の昨年4月にユーゴ軍志願兵として従軍、コソボ自治州で軍事情報を収集していた。
 マテッィチ情報相は昨年11月、この組織を摘発したと発表するとともに、5人はミロシェビッチ大統領をはじめとする政府要人の暗殺をたくらんでいたと述べていた。しかし、5人は暗殺未遂の罪では起訴されなかった。[時事通信社][2000-05-12-21:48] 132
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 05/12@<インドネシア>アチェ独立武装組織と和平文書に調印(毎日新聞)

 【ジュネーブ12日福原直樹】独立運動が続くインドネシア・アチェ特別州問題で、同政府と独立武装組織「自由アチェ運動」(GAM)は12日、当地で6月2日からの「人道的な戦闘の停止」や、停戦実行委員会の設立などを盛り込んだ停戦合意し、和平文書に調印した。GAMが1976年に武装闘争を開始して以来、政府と和平合意するのは初めて。アチェ紛争の解決に向け、大きな転換機を迎えた。
 当地のインドネシア代表部によると、交渉には政府側からハッサン・ウィラユダ・ジュネーブ代表部大使、GAM側からザイニ・アブドラ・GAM代表(在スウェーデン)が出席。
 文書は(1)6月2日から停戦を実施する(2)停戦期間は当面3カ月とするが、更新作業を行う(3)停戦に伴い、アチェ州での人道援助、緊張緩和を促進するーーなどを盛り込んでいる。
 同代表部筋は「恒久的な和平のための、最初の重大なステップだ」と合意の意義を強調。GAMのアブドラ代表は当地の報道機関に「我々は戦闘を望んでおらず、合意は誠実に守る」と語る一方で、「最終的にアチェ州の独立を目指すのが我々の目標であることに変わりはない」と話した。
 独立派、国軍双方には和平に反対する勢力もあり、戦闘の停止を疑問視する見方もある。
 交渉は2月以降、ジュネーブ市内で極秘裏に進められていた。[2000-05-12-20:39] 133
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 05/12@<インドネシア>アチェ紛争で停戦合意 ワヒド政権の成果=(毎日新聞)

 1970年代から続くアチェ独立問題で、インドネシア政府が独立派武装組織「自由アチェ運動」との停戦合意にこぎつけたことは、発足半年余りのワヒド政権にとって大きな成果と言える。「広範な自治権は認めるが、分離・独立は許さない」という基本方針で、ワヒド大統領が打ち出してきた2つの巧みな布石が結実した形だ。
 第1に、アチェに対する懐柔的なアプローチが挙げられる。アチェの将来像を決める住民投票を認める柔軟姿勢を示し、アチェ側が「独立記念日」とする12月4日の記念式典も容認。
 またアチェ出身で、かつてGAMの一員だったハスバラ・サアド氏を人権問題担当相に起用し、住民57人が国軍部隊に虐殺された昨年7月の「トゥンク・バンタキア事件」の裁判を速やかに実現した。住民の激しい憎悪にさらされてきた国軍が、人権侵害の責任を問われたのは初めてだ。
 第2に、アチェが東ティモールとは違って、インドネシアの内政問題であることを国際社会に認知させた。就任後、世界30カ国を精力的に歴訪したワヒド大統領は、長くポルトガル領だった東ティモールと、歴史的にインドネシア領土と認識されてきたアチェを分け、「インドネシアの領土保全」への支持取り付けに成功した。
 しかし合意通りに停戦が実現しても、和平に向けた本格的な政治交渉はこれからが本番だ。特別州と言いつつ特別な権限はなかったアチェに、イスラム法導入を含む広範な自治権を与えることや、先に公約した住民投票の扱い、武装解除後のゲリラの処遇など課題は山積している。
 独立運動の背景にある豊富な石油・天然ガス資源の利権をどう分配するかも、難航は避けられない。アチェ側は、中央政府が一方的に吸い上げてきた利益の9割を地元に還元するよう要求しており、調整には時間がかかりそうだ。
 【ジャカルタ・中坪央暁】[2000-05-12-20:39] 146
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 05/12@エリトリア国境で交戦(共同通信)

 【ナイロビ12日共同】エチオピアの報道官は十二日、エリトリアとの国境の町ザランゼッサ周辺などで両国軍の戦闘が再開されたとの声明を発表した。
 声明は「戦闘はエリトリア側に平和的解決の意思が全くないため」とだけ述べ、どちらが攻撃を開始したかには触れていない。しかしエリトリア側の報道官は、ロイター通信に「エチオピアが過去十カ月で最大の攻撃を仕掛けてきた」と語った。
 両国は国境をめぐりしばしば衝突。アフリカ統一機構(OAU)の仲介で、四月末から五月初めにかけてアルジェリアで和平交渉が行われたが決裂した。
 紛争解決のため、ホルブルック米国連大使ら国連安全保障理事会の代表団が十日まで両国を訪問していた。[2000-05-12-18:03] 164
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 05/12@平和執行部隊への改組を 国連総長が安保理で要請(共同通信)

 【ニューヨーク11日共同】国連安全保障理事会は十一日、シエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)による国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)要員の大量拘束など緊迫する同国情勢をめぐって公式会合を開催した。
 アナン国連事務総長は冒頭の声明で「UNAMSILは平和維持軍だが、新たな状況下では兵力を増強しなくてはならない」と強調。アフリカ諸国から要求が出ている国連憲章第七章に定める強制措置発動のため、UNAMSILを平和執行部隊に改組することに「反対するには及ばない」と言明した。
 さらに、安保理に対して改組のための措置を取るよう求めるとともに「危機的状況の中、シエラレオネ、アフリカでの失敗を回避するよう」強く訴えた。
 これに続いて各国が次々と見解を表明し、「状況は危機的で、早急な行動が不可欠」(マリ)との意見が相次いだ。
 ナミビアは「UNAMSILの成否が国連平和維持活動(PKO)の将来を左右する」として、平和執行部隊への改組に賛成。インド、バングラデシュも賛同した。
 米国、英国は、サンコーRUF議長の行為は昨年の和平協定違反だと激しく非難。一方で英国は平和執行部隊について「急激な変更であり、慎重であるべきだ」と事実上、反対した。[2000-05-12-12:16] 202
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 05/12@<世界の目>巧妙に動くイスラエル ムハマド・サイド(毎日新聞)

 今後数週間は、アラブ人とイスラエル人の闘争の歴史で間違いなく最も重要な期間になるはずだ。4月6日、イスラエル政府は国連安保理決議425(1978年)に従ってレバノン南部から撤兵する意思を国連に伝えた。
 イスラエルにとってはまさに外交史上で最も巧妙な動きだ。かつては国連決議や国際的な約束を全く無視するか、米国の後ろ盾で国連などにおいて責任逃れに終始した。
 今回イスラエルの選択の意味は、国際的な活動の場における外交的イメージとは別にある。その真意は、抗争解決の交渉の十字路に差しかかった重大時に、シリアの化けの皮をはぐことにある。
 この点では、レバノン南部での政治的な軍事バランスという背景に対する両当事者間の交渉の推移を見る必要がある。それはアメリカがイスラエル、シリア両国に和平交渉を再開させようとした昨年末に始まった。
 シリアは、67年6月5日に(第3次中東戦争でイスラエルが)占領したゴラン高原からの完全撤退を約束した書簡が故ラビン首相からクリントン米大統領に渡されたと主張した。一方、イスラエルは書簡の存在を否定してきたが、バラク首相は、ラビン元首相の書簡が実際に存在するという前提で譲歩しなければならないことをアメリカ側から説得されたのだ。
 シリアの確固たる姿勢の秘密は、圧倒的な世論の支え、湾岸諸国、とりわけサウジアラビアの大変強い支えにある。だが、最も大きなシリアの力の強みは、レバノン南部情勢にある。イスラエル軍は、ヒズボラ(レバノンのイスラム教シーア派武装組織)などとの絶え間ない激戦で実際に弱体化している。軍部からの撤退反対の圧力はあったが、イスラエル政府は交渉を再開せざるを得なくなった。
 今後の動向については、二つのシナリオが考えられる。まず、単純な方には二つ選択肢がある。シリアがイスラエルの申し出を受け入れ、ほぼ満足するのが一つ。シリアが申し入れを拒み、両国間の戦争が避けられない状況まで行ってしまうのが、もう一つ選択だ。
 また、複雑な方のシナリオは少々入念な説明が必要かもしれない。要するに、レバノンからイスラエル軍を撤退させるなら、先に説明したように、シリアから重要な外交上の取引カードを奪うことになる。シリアがイスラエルの思惑を知れば、イスラエルの申し入れを実際に受け入れる可能性が高いという公算は、瀬戸際で成り立たなくなる。
 もし、シリアが現在のイスラエルの申し入れを受け入れればイスラエルは次の銃弾を引くなり別の仕掛けを講じる。まず最初に、交渉を長引かせるように、治安などの問題に関してシリアのさらなる譲歩を求めるかもしれない。
 問題は紛争回避に向けた誠意、あるいはそれに近いものが当事者間にまったく欠けている点にある。【訳・城島 徹】[2000-05-12-02:11]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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